一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2025年8月~)

2025年8月6日
 
 
 れもんかみつつ思う事平和(伊神舞子)136頁=金子兜太・いとうせいこうが選んだ『平和の俳句(小学館)』から= 

 きょうは広島原爆の日である。
 デ、今は亡きわが妻伊神舞子(たつ江)の遺影を傍らにNHKテレビの画面【広島平和記念式典 被爆80年「原爆の日」ヒロシマの思い世界へ】を前に、原爆が投下された午前8時15分に、画面と共に手を合わせ黙とうした。舞とは、元気でいたころ、彼女が友人知人にお願いして折っていただいて用意した折り鶴1000羽を共に胸に抱き、広島の平和記念式典会場をふたりで訪れたことがある。それだけに、あの日のことが思い出されたのである。ノーモア戦争。ノーモア核兵器。原子爆弾許すまじ、との願いを込めてである。
 なかでも広島市内の小学生から選ばれた児童代表の市立皆実小6年関口千恵璃さん(12)と市立祇園小6年佐々木駿くん(12)が並んで読み上げた「平和への誓い」には感動した。

 平和への誓いを述べる関口さんと佐々木くん(NHK画面から)
 

 広島市平和記念公園での原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)には世界各国からも多くの人々が参列した
 

 ーというわけで、夕刊は当然ながら【広島 被爆80年の祈り 平和宣言「核廃絶、市民総意に」 最多120カ国・地域参列】(日経)【<2025年戦後80年昭和100年>過ち繰り返さぬため 若い世代に期待 広島原爆の日 核廃絶「市民の総意に」】(中日)が、各紙のトップ見出しに。戦争はもうしないで、との思いが十分に伝わってくる内容であった。ただ日経夕刊1面トップの【関税軽減措置 EUのみ 米官報、日本は対象外 赤沢氏訪米し直談判】の見出しが少々気になる。トランプ大統領の言いなりにだけはならないように、と少し心配になってくる。

(8月5日)
 8月も早や、5日。連日、うだるような危険な毎日が続いている。日本海側の山形県などでは雨が降らないままで米作に影響が出ているという。このまま日照りが続くと、米はこんごの生育が大変心配で農家にとっては不安な日々の毎日となり、早く降ってほしい-と、どの農家も天に向かって両手を合わせている。

 けさのニュースは。昨日の▽山下美夢有の全英女子ゴルフ初Vに続き、【最低賃金全国1000円超 過去最大6%増、1118円 中央審議会決着】【セ・リーグもDH(指名打者)制 27年から、来年は猶予期間】【首相 立民と協議意向 衆院予算委 減税、給付「責任共有」 即答期限は示さず】【戦後80年見解首相「必要」識者に意見聴取】(いずれも中日新聞見出しから)といったところか。
 そして。けさの紙面で何より悲しかったのは【みなとみらいで花火台船が火災 作業員5人は無事】(毎日)の記事か。4日夜、横浜市中区で開かれていた花火大会「みなとみらいスマートフェスティバルの台船で火災が発生、海に飛び込み逃げた作業員5人の全員が救助されたものの、花火は中止になった。記事を目の前に、関係者のこれまでの労苦と気持ちを思うと胸が塞がれてしまうのである。みんな楽しみにしていた花火なのに。新聞を手に、ふと気がつくと私は活字を前にかつて何度も立ち会った和倉温泉の花火でみたあの絢爛豪華な三尺玉花火はじめ、スターマインや芸術花火など数々の花火が打ち上がる名場面を思い出していたのである。
 台船があればこそ、の花火であった。

(8月4日)
 午前中、亡き妻、舞(伊神たつ江・舞子。青汐院美舞立詠大姉)のお盆の棚経がわが家仏前で行われた。わたくしも知る、いや舞の生前時から私たちが何かとよくして頂いている臨済宗妙心寺派は永正寺の新進気鋭の若住職・中村建岳さんの朗々と吟じる声が室内に流れ、響き渡った。それは艶っぽく、なぜか、若住職さんがひと回り大きくなられたやうな、そんな貫禄とでもいったような神々しさが感じられたのである。舞も、舞のあとを追うように逝ってしまった愛猫シロちゃん(生前は、舞命名による俳句猫「白」。別名オーロラレインボー)もきっと、喜んでくれたに違いない。

 朗々たる声が流れ、響きわたった中村建岳住職による棚経
 

 そして。4日付中日夕刊1面には【農林水産物輸出最高 25年上半期15.5%増の8097億円 米などで販路拡大】の見出しと並んで【山下全英女子ゴルフV メジャー日本勢6人目】のあかるいビッグニュース。女子ゴルフの山下美夢有(24)が3日、英西部ウェールズのロイヤルポースコールGC(パー72)で行われたAIG全英女子オープンでメジャー初優勝を果たした。日本勢の制覇はメジャー昇格後では2019年の渋谷日向子以来2人目で、メジャー大会での頂点は6人目(7度目)の快挙。山下は米ツアーで今回が初制覇となった。―といった内容である。

 日経夕刊も【元(NHK)アナ杉浦圭子さん、父の体験伝承 「被爆者ありのまま知って」 広島 子や孫の活動重み増す】といった話題を流し、なかなか味わい深い内容である。

(8月3日)
 この世は地獄か天国か。きょうも暑くて熱い日である。
 中日の本日付朝刊は【40度超 うだる列島 4日連続観測】をはじめ、【油井さんISS(国際宇宙ステーション)到着 大西さんとハイタッチ】【400年の伝統に新風 蟹江で須成祭】【城と鮮やか共演 岡崎花火】【絹谷幸二さん死去 洋画家、長野五輪ポスター 82歳】などの記事の一方で、【マンホール転落4人死亡 埼玉 八潮の陥落受け点検中】【高校生2人が池で溺れ死亡 静岡・沼津】と多くの不幸なニュースも伝えられている。

 午後。途中、喫茶店でのランチ(昼食)を兼ねて扶桑のイオンへ。こんなに、どうしようもなく暑いのにイオンの駐車場はぎっしり満杯で驚いた次第。人々は、こんなにも暑いのになぜ、イオンに行こうとするのか。
 ふと、どの人もこの人も、み~んな。生きているのが悲しいからではないのか。と。そんなことを勝手に思ってみたりもする。帰りには、舞との思い出がいっぱい詰まっているボクたちの畑【エデンの東】に寄ってみたが。いつのまにか夏草が生い繁ったまま。草ぼうぼうの姿にはア然としたのである。この土地の管理は知人の植木屋さんに管理費をお支払いしてお願いしてはあるのだが。これだけ暑い日が続いていたのでは、管理(畑地の手入れ)にも限界がある。「猛暑が終われば、また元の美しい畑地にしてくださるに違いない」と自らに言い聞かせ、この日は退散とあいなった。
 ニンゲン。だれだって。することには当然、その人なりの限界がある。雑草はそのうち除去してくださるに違いない。これだけ暑くては労力にも限界があるので仕方ないかと。そう自らに言い聞かせ、本日のところは退散とあいなった。「暑い日が続いているのだから仕方なかろう」と。わたくしは、そう自らに言い聞かせ帰宅したのである(舞が元気なころは、早朝ふたりで出かけ、雑草除去をしたものだが。彼女が居なくなってからは、業者さんにお任せしている)。

 猛暑にダウン? 私たち自慢の【エデンの東】も、このところの暑さと夏草襲来には一本取られたか
 

 生き生きと。美しく整地された直後の「エデンの東」=ことし4月撮影
 

(8月2日)
 名古屋高検が1日、1986年(昭和61年)に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件の裁判をやり直す再審で殺人罪で服役した前川彰司さん(60)を再審無罪とした名古屋高裁金沢支部判決に対し上告期限の1日、上訴権を放棄。逮捕から38年を経て前川さんの無罪が確定した。

 7月の参院選を受けた第218臨時国会が1日、召集された。全国的に猛暑となった1日、三重県桑名市では最高気温40・4度を観測。今夏、中部6県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀)で40度を超えるのは初めて。全国でもこの日一番の暑さとなった。愛知県安城市の夏の風物詩「第72回安城七夕まつりが1日、JR安城駅周辺の市中心部で始まった。3日まで。
 静岡県伊東市の部長全員が、先に学歴詐称を指摘された田久保真紀市長に対して31日夕の会合で「辞職して出直し選に出馬するよう」申し入れた。田久保市長は31日に続投を表明。一夜明けた1日、市役所には朝から苦情の電話が殺到。市によれば、1日夕までの24時間に寄せられたメールは約850件、電話は330件以上で大半が「なぜ辞めないのか」といった批判や会見に対する意見だったという。

(2025年8月1日)
 【津波注意報 全域解除 気象庁 続く海面変動 警戒を】(1日付、中日1面見出し)の朝刊報道にどこかホッとし、安堵感のようなものが全身に漂い、同時に体内を走り抜けた。それとわたくしが月に一度、月イチで書き続けている私の文士刮目の連載51回目「参院選の自民大敗に思う」が本日、公開された。ひとりでも多くの方々に読んで頂けたら、うれしく幸いである。アドレスは次のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮市のスポーツ文化会館へ。暑さの中、先生の若さんはじめ、悦ちゃん、よしこさん、水谷さん。そして私の5人でワルツにタンゴ、クイックステップ……に挑んだ。レッスンを終えたあとは爽快感に包まれ、どこか少しだけしあわせな気分になった。のである。