一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年5月~)

2024年5月14日
 火曜日。天気は、きのうと違って晴れである。私が満州の奉天(現瀋陽)で生まれる前年の昭和20年5月のこの日、米軍の激しい名古屋空襲があった。当たり前のことではあるのだけれど。戦争はよくない。ノーモア・戦争である。

 隣家の解体作業は終焉に近づきつつある。とはいえ、解体に伴う大音響というか、轟音(いや、騒音か)は相変わらずのすさまじさだ。シロは窓際に座ってじっとしたまま人間たちが勝手に進めている解体音に真剣な表情で耳を注いでいる。「ニンゲンたちのやることは皆、勝手ばかりなのだ」と。そんな顔をして半ば諦めの表情でもあり、かつまた心境のようだ。私は私で、隣家から聴こえてくる作業音には、それこそ気が狂いそうで、ペンを進めるにつれ、おかしなことに眠たくもあるのだ。 

 きょうのニュースはといえば、だ
▽名古屋空襲の犠牲者を悼み、次世代に記憶を受け継ごう―と名古屋市が制定した「なごや平和の日」が14日、初めてその日を迎えた(太平洋戦争中、名古屋への空襲は63回を数え、犠牲者は7800人以上に上った。平和の日は、1945年=昭和20年=5月14日の空襲で名古屋城天守閣が焼失したことから日付が選ばれ、ことし3月の市議会で条例案が可決されたいきさつがある)
▽劇団四季が名古屋四季劇場(名古屋市中村区)でロングラン公演をしてきたミュージカル「キャッツ」が12日、千秋楽を迎え、全963席を埋め尽くした観客が万雷の拍手でたたえた。(四季の「キャッツ」は、かつて舞にせがまれ、そのつど=とはいっても2度にわたってだが=観覧したことがあり私自身、あの当時の彼女を思い出し感無量である。
▽ロシアのプーチン大統領が12日、ショイグ国防相を交代させ、第1副首相だったアンドレイ・ベロウソフ氏を新たな国防相に任命する人事を上院に提案。▽愛知県小牧市の専修学校「愛知中央美容専門学校」が出資する親会社の経営破綻から5月末で閉校することが分かり、生徒や保護者から疑問の声。
▽中教審の特別部会が13日、処遇改善や残業削減といった教員確保策の提言をまとめ盛山文部科学相に提出▽障害者グループホーム運営大手の福祉事業会社「恵(めぐみ、東京)」を巡る問題で名古屋市が緑、天白、北、守山区の4カ所について指定取り消しの方針を固めた
 変わったところでは▽全国的にも珍しい円形の水田「車田(くるまだ)の田植えが12日、岐阜県高山市松之木町であった、といったところか。

 午後。昼食がてら大口町の五条川河畔へ。マイカーで。あれほどまでに美しく咲き誇っていた桜は、すっかり新緑に生まれ変わっていた。
 
 緑一色と化した五条川の堤(愛知県大口町で)
 

2024年5月13日
 午前6時45分。朝イチで私が住む愛知県江南市花霞町内会の不燃物ゴミ回収の当番日で、指定された集積場へ。雨がそぼ降る中、中日ドラゴンス公式ファンクラブ誕生時のキャップをかぶり、半ばずぶ濡れとなって空き瓶や空き缶、ペットボトルなどの回収箱を種類別に設置。ほかにゴミの収集ネットの設置などに励んだ。

 私たち3組2班からは私と女性の荒木さんが登板だったが、高齢の彼女にしてもらうわけにもいかず、まもなく助っ人として現れた他の役員男性とともに励んだ。僅かな時間ではあったが、この作業。傘を手にしてやるわけにも行かず、結果的には全身びしょ濡れになっての帰宅とあいなった。こうした時、亡き妻たつ江(舞)が居てくれたなら。「間違いなく、出がけにレインコートか何かを着せてくれたはずなのだが。そのレインコートがどこにあるのか。それが分からないまま私は舞が愛用していたオレンジのハート入り傘を手に「いざ! 出陣」となったのである。
 それにしても、けさの当番は朝一番の大役だったので不燃物を種類ごとに回収する箱の設置などひときわ労力がいる作業だっただけに、少し疲れた。たつ江が生きてくれていたなら。こんなにみすぼらしい姿のまま私に作業をさせることなど決してなかったに違いない。せめてもの救いは、ただ作業を見ているだけではあったが。たつ江が生前、とてもよくして頂いた荒木さんが私の相棒だったこと。そして、途中からまだまだお若く、フットワーク抜群の【アルプスの少女・西川さん】がダッシュよろしく、機敏な動作で回収ネットの設置に一役買ってくださったことか。地域社会は人々の助け合いなくしては成り立たないのである。

 帰宅して今度は自宅のゴミを指定の回収置き場まで運び、ホッとしたところへたまたまたつ江のお兄さん、かつての慶応ボーイが通りかかったのでチョット家に寄って頂いて歓談。能登応援歌【能登の明かり】のことなどについて話し、久しぶりの歓談とあいなった。

 それはそうと、きょうも外は解体工事の騒音で、とてもやかましい。そればかりか、チョッコシ寒い。というわけで、わがデスクの足元にはお母さんの生まれ変わりと言っても良い愛するシロちゃんオーロラレインボーが居て、私をそっと守ってくれている。

 わが守護神でもあるシロちゃん(13日朝。わがデスクの足元にて)
 

2024年5月12日
 日曜日。母の日だ。付け足しの父の日などは正直、ない方がよい。父の日なぞ、第一、世のおかあさんたちに失礼である。とってつけたようなものを私は好きでない。それよりも世の母への感謝の気持ちを忘れないことだ。1300年以上の伝統を誇る岐阜市の長良川鵜飼がきのう11日夜、開幕。

 それから。けさの話題といえば、だ。このところ、ここ数日報告されている太陽の表面で起こった大規模な爆発現象「太陽フレア」発生に伴う地球の磁場である地磁気の大きな乱れ、磁気嵐発生に伴うオーロラ現象の発生が世界の各地で見られた、ということだろう。事実、けさの新聞は【太陽のサプライズ世界染める フレアが影響、各地でオーロラ】と報じ、ニュースでも「北海道では、きのう午後7時ころから空が紫色に染まり、12日未明にかけ雲の後ろの空が明るくなる低いオーロラが見られ、石川県輪島市でも北の夜空がピンクや紫色に染まった」などと報じた。

 世界を染めたオーロラは地震で隆起した珠洲の海岸、カナダ・バンクーバーでも観測された(12日付中日新聞朝刊)
 

 そして。その能登半島輪島市の国名勝「白米千枚田(しらよねせんまいだ)」では、きのう11日に待望の田植えが始まったが、ことしは1004枚の田んぼのうち被災を免れたり修復したりした約120枚で作付けをするという。【被災の輪島・白米千枚田 希望の苗を植えていこうよ 120枚作付け「ここまで来られるとは」】(12日付中日)の朝刊見出しが何とも心地よく、かつさわやかでもある。ほかに【輪島朝市 神戸でも活況 被災後初の県外「出張」】(同)の見出しも、どこか浮き浮きと気持ちが弾むようでよい。

 きょうは、母の日。12日付中日スポーツの1面【連敗3で止めた!!! 竜の暗雲振り払う 中田V打 「苦しい時期もある そこは変に意識はしていない またここから盛り返せる」】と囲み記事の【母の日のプレゼントは? 「オレに聞く前に、みんなもちゃんとせぇよ!】がとてもいい。ボクはこういう記事が好きだ。

「オレはマザコンと思われても良いから、オカンを大事にする」。(12日付中日スポーツ1面)
 

 隣家の解体工事がかなり進んだ。このところは毎日、愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)を抱いて2階ベランダから見下ろすように見ているが、やはり解体作業の騒音は尋常でない。彼女を抱いて何度も何度も現場を見せながら「だから。しばらくは外にでてはいけないよ」と私。ここ数年、わが家の周辺では町そのものが高齢化、このような主(あるじ)亡き家がどんどん増え、トドのつもりは解体という運命をたどっている。他人ごとではない話である。

 夜。原発事故の被災地、福島県富岡町を舞台としたNHKスペシャル「福島モノローグ」を見る。いろいろ考えさせられた半面、人間のたくましさのようなものを感じた。

(5月11日)
 九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐり、選定の第1段階となる文献調査を受け入れる意向を表明。既に調査受け入れを求める請願を採択している町議会の判断に配慮した形で「町の取り組みが国民的議論を喚起する一石になれば」とも述べた。調査受け入れは全国で3例目。原発立地自治体では初めてで、既に調査受け入れを求める請願を採択している町議会の判断に沿う結果となった。

【「仲介役」殺人容疑再逮捕へ 那須2遺体きょうにも】【「指示役から殺害依頼」 仲介役供述 他の5人も関与か 那須2遺体】とは、毎日新聞のけさ11日付朝刊見出し。事件取材ならでは。容疑者らの関係を辿った系統図が、とても分かりやすかった。

 東京地裁で10日、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で安倍派の政治資金収支報告書に収支計13億円を記載しなかったとして政治資金規正法違反(虚偽記入)罪に問われた同派事務局長で会計責任者だった松本淳一郎被告(76)の初公判が開かれ、被告は起訴内容を大筋で認めた。
 テレビドラマ「3年B組金八先生」で知られる脚本家小山内美江子さん=本名笹平美江子さん=が2日、老衰のため死去。横浜市出身。94歳だった。中日新聞の本日付通風筒によれば、名古屋市内を流れる堀川沿いを花で彩る「堀川フラワーフェスティバル」が10日、始まった。

(5月10日)
 金曜日。あさ。令和6年度では2度目となる回覧板をお隣さんのポストへ。
朝刊に【五輪「銀」世界選手権連覇 宇野昌磨が引退「21年間 競技生活に感謝」 2人の背中失い心の炎弱まり】(10日付、中日)の見出し。私は小柄ながら練習熱心でいつも気力十分だった宇野昌磨が大好きで、フィギュアスケートの大会があるつど彼を誰よりも応援してきた。それだけに、少し寂しい気がする。ちなみに<2人の背中失い 心の炎弱まり>の2人は、北京の金メダリストのネーサン・チェンさん(米国)と14年ソチ、18年平昌の両五輪を連覇した羽生結弦さんをさす、とのことである。

 連休明けからお隣さんで本格的に始まった家屋解体工事がきょうも朝から進められており、精神的にもどこか落ち着かない。そんなわけで、わが家の愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)は、このところ室内に閉じ込められたままで少しかわいそうである。それでも彼女が、工事の進行状況を真剣な表情で2階ベランダの窓越しに見守る姿は人間そのもの。かわいい両の目をキラキラと輝かせ事態の成り行きを真剣な表情で見続ける姿は、生前のおかあさん(伊神たつ江、舞子)そのものに見えなくもない。

 スマホが、ぴこぴこと鳴ったので開くと【Yahoo! 核のごみ文献調査「受け入れる」佐賀・玄海町長が表明 原発立地自治体で初】というものだった。

(5月9日)
 伊藤信太郎環境相がきのう8日夕、水俣病患者・被害者団体の発言制止問題を巡り患者団体メンバーに謝罪するため熊本県水俣市を急きょ訪れ、環境省水俣病情報センター一室で頭を下げた。栃木県那須町での夫婦焼損遺体事件。その後の調べで指示役とみられる佐々木光容疑者(28)が夫婦の長女と内縁関係にある会社役員関根誠端容疑者(32)から「金を受け取り、遺体の処理を頼まれた」と供述したことが捜査関係者への取材でわかったという。

(5月8日)
 夕方から。能登復興ソング「能登の明かり」を作曲してくださった牧すすむさんと長男崇さん、ほかに中日新聞小牧通信局の三宅駿平記者と私の計4人で江南市内の割烹料理店「ぶしん」で食事会。先に誕生した復興ソング「能登の明かり」のこんごについて歌手の選定をどうするかなどについて話し合った。席上、七尾支局の女性スタッフから先日送られてきた北陸中日新聞能登版を手に、みんなで見て能登に1日も早く「日常」が戻ることを全員で願った。

 けさの新聞によれば、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を終了して日本も新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行してから、きょうで1年。感染対策が緩和され、コロナ前の日常が戻ってきた一方、長引く後遺症に悩む人が今も多くいるという。

 隣家の解体工事がいよいよもって本格化。シロ(オーロラレインボー)は外に出るのをあきらめ、私は私で轟音の雨、あられに耳を責められ、落ち着かない。いつもの執筆活動が思うようには進まない。そして。シロはシロちゃんで音と目で聴き、見る光景から人間たちが行う解体工事が一体何奴か、が分かってきているようだ。
 というわけで、このところはシロを外に出すような野蛮なことはしないでいる。第一、シロ自身、人間たちがしていることが一体どんなことなのか、が分かっているみたいで外には一向に出ようとしない。賢い猫ちゃんである。

(5月7日)
 隣家の解体工事が本格化。買い物から帰宅すると、自宅前路上を大型トラックが阻んで車を置けないので、しばし思案。幸い隣のとなりの西川さんの奥さま(私は妻が生前、大変よくして頂いた彼女のことを、いつも〝アルプスの少女〟と呼ばせて頂いている。なんとなく、そんな気がするからだ)が「いがみさん。うちの前に、しばらく置いたら」と声をかけてくださったので甘えさせて頂いた。
解体工事に携わっていたのは、すべて外人だったことにも驚いた。うち1人に「どこから?」と聞くと「トルコから」とのことで、私自身かつてトルコを旅したことがあるので「イスタンブールは、よい町ですね」と二言三言、はなしが弾んだのである。それにしても、はるか遠くのトルコからだなんて。「よく頑張っているナ」と思った。
    ※    ※  

    ☆    ☆  
 中日ドラゴンズは6日の巨人戦(バンテリンドームナゴヤ)に2-0で快勝。2連勝で勝率を5割とした。今季初勝利を挙げた右腕梅津はヒーローインタビューのお立ち台で、この日が62歳の誕生日であった父・滋さんに向かって【おとうさん。誕生日、おめでとうございます】と叫ぶように語った。私はこの瞬間、梅津選手をいっぺんに好きになってしまったのである。単純といえば、単純かも知れないが。

 東京ドームで6日、プロボクシングの興行が34年ぶりに開かれ、世界主要4団体統一王者の井上尚弥選手(31)=大橋=が登場。元世界王者のルイス・ネリ(メキシコ)を6回1分22秒TKOで下し、4団体の王座を防衛。世界戦は通算22勝目で、歴代1位の井岡一翔(志成)に並んだ。ドジャースの大谷が5日、ロサンゼルスの本拠地で対ブレーブス戦に「2番・指名打者」で出場し一回に2試合連続本塁打となる2ラン、八回にメジャートップに並ぶ10号ソロを共に中越えに放った。1試合2本塁打は今季初、2桁本塁打は4年連続となった。この日の大谷は4打席4安打3打点で、3割6分4厘とした打率でもメジャートップに浮上。チームも5-1で勝ち、4連勝。

 そして。野球の話題といえば、もうひとつ。
「91年前に甲子園球場(兵庫県西宮市)で延長二十五回に及ぶ熱戦を繰り広げた愛知の中京商(現中京大中京)と兵庫の明石中(現明石)。今なお高校野球ファンに語り継がれる伝説の一戦の『再戦』が6日、名古屋市昭和区の中京大中京高校で開かれた。91年後の現役球児たちは、先輩たちが願った再戦への思いを引き継ぎつつ、新たな歴史の一ページをつむいだ。」とは、本日付の中日新聞軟派トップ記事である。
 見出しは【91年前の熱戦〝完全決着〟 甲子園「延長二十五回」中京大中京と明石 二十六回から現役球児が再戦】とわかりやすい。

 結果は。
「二十六回表、明石が適時打で1点を「先制」すると、その後に中京大中京が犠飛で追い付く。表をゼロで抑えた二十七回裏無死満塁、当時と同じ好機に代打で出場した中京大中京の仲健太郎選手(3年)は右翼への適時打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。
 
 ほかに目立つニュースと言えば、だ。
【幻の「茶帯」120万円 中日ビル ビートルズ盤落札】【損壊疑い娘の内縁夫逮捕 栃木夫婦遺体事件主導か】【弾劾裁判「公平性に矛盾」 田口判事罷免 裁判長・船田議員異例の指摘】(7日付中日朝刊)など。
 さらに身近な話題と言えば、だ。尾張版掲載の【着飾って300人 稚児行列練る 江南・永正寺 本堂完成と住職就任祝う】である。こうした地方のニュースは貴重なだけでなく大切である。

2024年5月6日
 戦後の日本演劇界を代表する一人でアングラ演劇の旗手で劇団「状況劇場」を立ち上げ「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞するなど小説家としても知られた劇作家で演出家、俳優の唐十郎(から・じゅうろう、本名大鶴義英)さんが4日、急性硬膜下血腫のため死去。84歳だった。東京都出身。

 ゴールデンウイーク(GW)終盤の5日、各地で観光地や故郷を訪れた人たちのUターンラッシュが始まり、中部地方でも鉄道や高速道路が混雑した。-とは、本日付の中日新聞である。見出しはいつもながらの【お土産 思い出いっぱい Uターン本格化】というもので、わが家もきのうの午後、長男夫妻が川崎市に帰省。愛猫シロちゃんの表情は、どこか寂しそうだ。これも世の習いか。「でも、また会えるから」と、彼女にはよく言って聞かせる。

 お兄ちゃん夫妻のお相手でちょっと疲れてしまったか。ぐっすり寝込んでしまったシロちゃん
 

(5月5日)
 立夏。こどもの日。
【(15歳未満の)子どもの数 43年連続減 1401万人】【桑名の上げ馬神事初日 土壁なくし全馬が完走 氏子「伝統変わっていくもの」】(中日)【<能登地震1.1>千枚田田植えできぬ 地滑り・隆起復旧遠く 業者不足 工事遅れ】(毎日)など。 世の中は祝日であろうがなかろうが。いつだって動いている。
 ほかには、「◇…神職が大声を出して笑う奇祭「酔笑人(えようど)神事が4日夜、名古屋市熱田区の熱田神宮で執り行われ、暗闇の境内に高らかな笑い声が響き渡った◇…起源は686年までさかのぼる。三種の神器の一つで、同神宮のご神体でもある「草薙剣(くさなぎのつるぎ)が朝廷から返還され、当時の神宮関係者が笑って喜びを分かち合ったという故事に由来する。」(中日。通風筒)という記事が目にとまった。ほかに、毎日朝刊では【葵祭ヒロイン お清めの儀式 京都・下鴨神社】といったニュース報道もあり、日本文化の深さと底力を感じさせる。

 そういえば、能登半島・七尾市の大地主(おおとこぬし)神社伝統のニッポンイチ大きい、青柏祭デカ山(国指定重要無形民俗文化財)。ことしは地震の影響でやはり、中止になってしまったようだが。神事だけは、執り行われたとラジオニュースが報じていた。ふつうなら、引き回しに先立つ「人形見」に始まって各町内を回ったニッポンイチ大きいデカ山三台が七尾湾に面した府中波止場(ここには、七尾フィッシャーマンズワーフ=能登食祭市場=がある)に集結するまで。それは、それは絵巻さながらニッポンイチの圧巻、壮観さで、大変な賑わいになったはずだが、ことしは仕方ない。来年を待とう。
 わが家は在任当時、一本杉通りに面した魚町(いおまち)の旧七尾支局後ろに支局長住宅としてあり、三人のわが子は魚町のデカ山を長いロープで御祓川にかかる仙対橋辺りまで多くの地元の人々と一緒に引っ張って育ったのである。あの木遣り音頭の艶のアル声は、今も頭に染みついて離れないのである。私はわたくしで支局長として在任していた七年間、毎年、地元神社に戻ったデカ山の終了の儀に必ず出席。魚町と能登半島の発展を、手を合わせて心から願ったものである。

 帰省していた長男夫妻が川崎にUターン。この三日間お相手をしていた愛猫シロちゃんだが、接待に徹したためか、少し疲れたようで今はぐっすり、と。まるで死んだように寝てござる。人生も、猫生も。生きとし生ける者は皆同じで、こうしたものかも知れない。でも、それで幸せならば。それでよいではないか、と。そんな気がする。なんだか、この私。少し年をとったか。

(5月4日)
 連休で帰省中の長男夫妻らと江南市高屋にある伊神家の菩提寺・永正寺の永代供養集合墓【濃尾の大地】へ。みんなで舞(たつ江)の墓前で、淡墨桜の線香を立て可愛いお花を供えて手をあわせた。せっかくの機会なので私は先ごろ、私の作詞、生前の舞も知るふるさと音楽家牧すすむさん=琴伝流大正琴弦洲会の会主・大師範=作曲による誕生してまもない能登半島応援歌【能登の明かり】を墓前でスマホをかざして流し、舞にも聞かせた。

 舞の墓前では「能登の明かり」を流し、聞いてもらう
 
 

 彼女は、かつて思い出の土地、能登半島の七尾に7年間、家族で過ごしただけに、どんな気持ちでこの歌を聞いたことだろう。懐かしんだに違いない。と同時に能登半島で生きる友人、知人一人ひとりの日常が1日も早く元に戻るよう、願ったに違いない。

 きょうは<みどりの日>だ。
 朝刊で気になった見出しだけを拾うと。【和倉の旅館本格再開 4カ月ぶり温泉設備復旧】【輪島の笑顔ポスターに 地元写真館3代目が企画 朝市通り、支援への感謝込め】【トヨタ 米で水素発電 世界最大級 物流拠点に整備】【波打ち際映える山車 半田「亀崎潮干祭」】【朝日襲撃37年「風化させぬ」 阪神支局で追悼】(4日付中日)【中国急ぐ国産半導体 AI向け製造実態不明 背景にファーウェイか】【「母の日」プレゼント代大幅増 百貨店が意識調査 9696円→1.2万円 物価高慣れ「メリハリ」】【勇壮に人馬疾走 京都・下鴨神社】(4日付毎日)といったところか。

 愛猫シロは、いつもの通り、午前10時ごろ、お外に。彼女は何を思い、何を願って外に出ていくのか。やはり、お空にいるおかあさん、た~ぁちゃん、すなわち、たつ江、舞に会いに行ったに違いない。正午過ぎ、長男夫妻が鮎の塩焼きなどを手に犬山の宿泊先からわが家へ。「犬山はすごいにぎわいだった」とふたり。やはり、この辺りでは犬山が最大の観光地であることは間違いない。犬山といえば、牧さん作曲の「恋の犬山」(歌は都はるみさん)である。さっそくふたりに聴いてもらい「いい歌だろう」と。ヒットしてくれるとよいのだが。

(5月3日)
 憲法記念日。長男夫妻の結婚記念日。そして二男の誕生日でもある。二男が生まれたその時、私は岐阜市内の高島屋屋上で行われていた<ちびっこのど自慢大会>の取材さなかに鳴り出したポケベルに、あわてて北方町内の病院に急行したが既にコロリと、生まれていた。あの日のことが、しっかりと思い浮かぶのである。彼は今、大垣にいるが、元気で居てくれれば、それでよいと。父として、そればかりを願うのである。

 金曜日。昼過ぎ。川崎に住む長男夫妻がわが家へ。
 昼食を共に談笑したあと、私は社交ダンス教師若さん(若原先生)の事前の「ゴンタさん。2日は、どうしても来てほしいの」の求めに応じ、マイカーで一宮市の一宮スポーツ文化センターへ。先日から習い始めた【スロー】を繰り返し学んだのである。帰宅後は近くの料理屋「むさし屋」さんへ。長男夫妻も一緒に家族そろって食事をしたが、やはり、相棒だったたつ江がいないのが、とても寂しい。いや、残念無念なのだ。でも、どんなに吠えようが、だ。あのかわいかった彼女は既に現実社会にはいないのである。最愛の人だっただけに、やはり悲しいものだ。

 そうは言っても、である。長男夫妻も含めての家族そろっての食事は、やはり楽しく、にぎやかでおいしかった。
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「こんばんは。旅から帰ってきたのになぜかバタバタとしています。また時間できたら写メール送ります」とは、かつて旅したピースボートのかけがえなき船友からのメール。まもなくして、すばらしい写真が送られてきた。前にも触れたが彼女は日本海側をマイカーで北上。弘前の桜を見て4月末に無事、帰宅。「素晴らしい花々と出会えた旅でした」という。

(5月2日)
 木曜日。完成して間もない名古屋栄の新中日ビル内、中日ホールへ。長かったコロナ禍時代をはさんでの久しぶりの中日社友会総会に出席。この後の懇親会にも臨んだ。

 岐阜総局(現在は岐阜支社)時代の同僚記者小石ちゃん(当時は岐阜中署回り)に川村君(同岐阜市政)、私と同期入社の佐久間に亀山、丹羽、さらには大先輩の斎藤さんに藤沢さん、司さん、苗村さん、門脇さん、岩瀬さん、大学の後輩で今は中日社友会の坪井会長らとお会い出来、ほかに、まっちゃんらとも談笑し、とても楽しく有意義な1日となった。「行ってよかった」とは、このことを言うのであろう。
 みな元気そうで、やはり中日一家ならでは、の楽しいひとときとなった。なかでも感激したのは、名も知らない現役社員と見られる人物がわざわざ私に近づき、「先輩。記念の写真をお撮りしましょうか」と言ってくれたのには驚くやら感心するやら、ありがたき幸せやら、でどこか意表を突かれたような、そんな温かい気持ちにかられたのである。
 彼が私に近づいてこられたので「じゃあ、お願いします」と甘んじたが、名古屋のテレビ塔をバックにそれは一番気に入ったシチュエーションで撮ってくださった写真は、被写体はちょっと良くはないがこれからも大切に保存しておこう、と思った次第である。

(5月1日)
 夏も近づく八十八夜か。
 天皇陛下がこの日、即位から5年を迎えられた。202年ぶりの退位による天皇の代替わりは、まもなくして新型コロナウイルスの感染拡大に直面。それでも両陛下は、オンラインでの懇談を取り入れられるなどして人々との交流を保ち続けられた。この姿勢は、前天皇陛下同様、お見事といっていい。私は、こうした皇室、今の両陛下が大好きなのである。

 能登半島地震の発生から1日で4カ月。1日付の中日新聞によれば、中部8県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、静岡、富山)に避難しているのは少なくとも429人(4月19~26日時点)に上り、専門家は的確な支援のためにも正確な人数を把握する必要性を指摘している、という。イタリアのトリノで開かれていた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会議は30日、二酸化炭素(CO₂)排出削減対策が講じられていない石炭火力発電について2030年代前半に段階的に廃止することを盛り込んだ共同声明を採択し閉幕。
 毎日新聞(1日付)も【能登4カ月 苦難なお】【道路・鉄道・復旧急ピッチ】の紙面展開。

 ウエディングドレスなどブライダルデザインの第一人者、桂由美さんが4月26日、死去。94歳だった。桂さんは東京都出身。葬儀は行わず、後日、追悼ショー<しのぶ会>を開く予定だという。
 ほかには、栃木県那須町で夫婦の焼死体が見つかった事件で警視庁と栃木県警の合同捜査本部が死体損壊容疑で実行役の1人と見られる20代の男を逮捕。事件の逮捕者は3人となったが、実行役とみられる今ひとりの男についても指名手配し行方を追っている、とのこと。なんとも奇々怪々極まる事件である。