【生きてゆく人間花たち/2015年3月の唄】

平成二十七年三月三十一日
 甲子園ではセンバツの準決勝。第1試合で敦賀気比(福井)が松本の史上初の満塁弾連発などで大阪桐蔭に11-0で圧勝、春夏を通じて初の決勝進出を決めた。敦賀といえば、中日新聞の読者が多いエリアだけに、あすの紙面展開が楽しみである。このうえはぜひ甲子園初制覇を遂げてほしい。

 昼間、合間を見計らってこの地方の桜の名所で知られる五条川へ。満開の桜を納得いくまでビデオとカメラに収録した。川堤は花見見物で訪れる人が引きもきらず、桜がいかに人間たちに好かれているかを思い知る。いったい、どこからこんなに多くの人々があふれ出てくるのか。それも、みんな、それぞれの意識をもってだ。家族連れ、若いカップル、小中学生、老いたカップルと皆、笑顔で感無量の面持ちで桜の花を満足そうにみながら歩いている。この世は不思議だ。

 五条川堤での桜百態のほんのひとコマ
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 夕方、事前の約束どおり仕事を早めに切り上げ帰った舞を伴って畑へ。
 本物の百姓夫妻に比べるとファッションからして、何もかもイマイチ劣る。が、気持ちだけはふたりともファン・ゴッホの「種まく人」の世界で、1人前の農夫と農婦気分に。畝をこしらえ、そこに定間隔でジャガイモの種芋を植えていった。それにしても舞はどこで覚えたのか。肉の中が黄色くなるのはキタアカリだとか、大きい種芋を半分に切って植える場合は灰をまぶして植えてやる、だのと実に詳しい。
「おまえ、どこで、そんなことを覚えたのだ」と備中を手に土を掘り起こしながら聞くと「料理やっているからよ。それくらいのこと自然に耳に入り分かるよ」ときた。そういえば若いころ調理師免許を取っただけあって料理の腕は抜群に確かだ。畝づくりをやっとこせ完成させたと思ったら、いつのまにかアッと言う間に種芋(この日の品種はホッカイコガネ)も植えてくれており、大いに助かった。「でも、畝の3分の2ぐらいのとこで種芋がなくなっちゃった。足りない」との言葉に「もう、これでいいよ」と私。

 ここでハタ、と思いついたことがある。
 そうだ。彼女が農業に詳しいのは多分にその血にあるのだ、と。そういえば、まだ6つのころ亡くなった父君はNHKラジオで朝の農事放送「早起き鳥」のキャスターを務めていたという。若くして世を去った時には県の農民葬までしてもらったそうだ。だからか。舞のからだには自然に父の血が流れており、反射的に農業の事が分かるのだと勝手に思ったりした。
 備中で土を起こし、畝を作りながら「あ~あ。なんで、こんなことせにゃいかんのだ」と1人ごちる私にいわく「アナタ、〝おまえと将来、畑で野菜づくりに挑むことが夢だ。俺にとっての【あ・こ・が・れ】なんだ〟と言っていた男、どこのどいつなのよ。」ときた。私は「オレ、そんなこと言ったっけ」ととぼけてはみたが、一線の多忙を極めた時代に確かに「農業こそが人間の基本だ。のんびりと野菜をつくってみたい」なぞとエラそうなことを言った気がしないでもない。覚えてなくてもいいことをチャント覚えている。ともあれ、このところ気になっていたジャガイモの種芋の土中への移植は終わった。やれやれだ。あとは、あす雨が降ってくれたら、それでいい。

 素人っぽい畝にはジャガイモの種芋が植えられている。左の〝緑〟は先に苗を植え済みのタマネギ畑
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 4月から牛乳、ヨーグルト、バター、チーズと家庭用乳製品を中心に、ほかにコーヒーやウイスキーまで何もかもが値上がりする。そればかりか、年金は国に勝手に減らされ、介護保険料の負担は多くなる。値上げ理由は円安と原材料価格の高騰、介護時代の到来にある、という。
 値上げはそれだけには留まらず、東京ディズニーランドでも入場料が6400円から6900円に。あの世界遺産で知られる富岡製糸場も見学料金が500円から1000円になるそうだ。アベノミクスの恩恵を受けているのは、やはり一部大手企業の連中ばかりで中小零細企業に勤める大半の人たちの家計は相変わらず火の車である。

 国民の真の苦労を知らない安倍なる人物、お坊ちゃん宰相には、そうした点まで皮膚感覚で分かっているのかと言いたい。安全保障面はむろん身近な国民1人ひとりの家計面でも〝口〟だけが先行した【歌を忘れたカナリヤ】であることは明らかだ。海外とか被災地とか、それなりには現場を回る努力はしているようだが重大な何か、人としての何か、が欠落している。
 というか、もっと一般庶民の傷みを知らなければ。真に国民の命と暮らしを守るなぞ出来っこない。いい政治をしてほしいので。あえて。それにしても野党よ、しっかりせよ! と言いたい。これでは安倍先行の世の中で、されるがままではないのか。責任はだらしない野党の側にもある。まさにとっちゃん坊や然とした、行け行けドンドン、ほど危険な道はない。真剣で斬り込む政治家の出現を待つ。
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【きょうの一文・ことば】
 民意を背景にした沖縄県の判断は、またも退けられた。サンゴ礁を破壊しかねない名護市辺野古での海底掘削調査はこのまま進む。県民が拒む米軍基地新設を既成事実化することは許されない。=31日付中日『〈社説〉辺野古工事 既成事実化は許されぬ』から。

【新聞テレビから】
☆『〈クローズアップ現代 次の世代に贈るエール 女性総合職の30年〉』(31日夜、NHK総合)
☆『〈第87回選抜高校野球甲子園球場 31日・第10日〉松本が2打席連続満塁弾 敦賀気比初の決勝へ=大阪桐蔭に11―0と大勝』、『デジタル(長谷川)等伯奉納 南禅寺』、『アジア投資銀参加見送り 政府 今後再考の可能性も』、『陸前高田を体感して 地元若者らツアー企画』、『名東の介護施設虐待疑い 3職員逮捕 女性の鼻ふさぐ 動画で様子撮影』『別の入所者も被害』、『平和の調べもう一度 憲法祝賀会が初演「幻の交響曲』『御嶽噴火警戒範囲 2㌔圏内に縮小 気象庁発表』(31日付、中日夕刊)
☆『首都直下地震 死者・焼失建物を半減 今後10年間 政府、初の目標』『南海トラフ地震 72時間生存率を意識 政府 大部分の道路使用可に』、『〈オウム裁判〉「殺意ないは不合理」 高橋被告 5事件の論告で検察』『被告と証人異なる主張』、『民法契約ルール改正 閣議決定「約款」「敷金」を明記』、『吉野文六さん死去 元外務省局長 沖縄返還密約証言 96歳』『謎解明へサメ投入 葛西臨海水族館=クロマグロなどが大量死した問題で』(31日付、毎日夕刊)
☆『満開の桜川面染め 山崎川』、『若者心理ケータイ通話離れ拍車 電話は苦手なんです「LINE」利用拡大』、『南海トラフ救援に14万人 政府が応急計画策定 受け入れ体制の整備課題』、『辺野古工事停止農相認めず 沖縄県対抗措置検討』、『妊娠で不利な待遇違法 厚労省が新通知 企業に説明責任』、『副操縦士自殺の危険 独機墜落 過去に診断、治療も』『ヤフー検索情報削除へ きょうから「未成年」など初基準』(31日付、中日朝刊)
☆『桐生選手「次は公認の9秒台狙う」成田に帰国』『マラソン日本新に1億円 振興団体 東京五輪へ選手ら刺激』、『「2030年原発依存20%超」 経産省 安価供給を強調』、『千葉がんセンター患者死亡「再発防止策怠る」腹腔鏡巡り 第三者委が指摘』、『■森元首相が肺がん手術』、『スポーツ車 責任者は26歳 ホンダが開発・発売へ』、『3年間で所得隠し9億円 「価格調整金」として申告 音響機器メーカー=東証1部上場の音響機器メーカー「フォスター電機」(東京都昭島市)が3年間の所得隠しを指摘された』(31日付、毎日朝刊)

三月三十日
 満開直前のソメイヨシノ=愛知県江南市内で
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 日本は鶴舞公園や山崎川堤など名古屋はじめ、岐阜、広島、高知などでも桜が満開に。
 きょうは東京都心でも23度を超す陽気に誘われ桜が次々と満開に。上野公園など桜の名所は中国や台湾からの外人観光客であふれたという。あすは福井、金沢でも開花見通し。桜前線はここ数日の間に北陸から北日本にかけ一気に日本列島かけのぼっていく。

 妻、舞の心臓や目の精密検診で運転手兼付き人として各病院へ。先に江南厚生病院で受けた健診でその必要性が指摘されていたためである。舞は過去、脳内出血などで何度も倒れ、そのつど救急車で病院に運ばれたり、大手術をするという満身創痍のからだだが、きょうの診断によれば、心臓も目も年相応の症状で比較的落ち着いてきており「無理さえしなければ」「それと血圧の安定が図れていさえすれば心配ない」との診断に、ホッとした。
 とはいえ、日ごろの生活には十分気をつけなければならない点も多いことを骨身に刻む1日となった。あとは医師の忠告に従って生活習慣を出来るだけ規則正しくして「自分で自分を守っていく」ほかあるまい。診察の待ち時間の間は、私もメンバーとして入っている【脱原発社会をめざす文学者の会】の会報を手に、繰り返し読み返すことも出来、貴重な時間を有効に使えたことも事実である。合間には歯医者にも寄って(彼女の)歯の矯正までしてもらう、など相棒の医者ばかりを転戦する形となったが、途中そこかしこで目に入った満開の桜がなんともステキだった。
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 米軍普天間飛行場の辺野古への移設をめぐり林芳正農相が沖縄県から出されていた作業停止指示の効力を一時的に停止する決定を出した。これに対して翁長氏は「国が申し立てをし同じ国が審査するもので納得いかない」との態度。県幹部も「国同士で審査している(防衛省沖縄防衛局の訴えを農相が審査)ので想定された結果だ」とし「こんご別の理由での(岩礁破砕)許可の取り消しや、法廷闘争にならざるを得ない」としている。
 いずれにせよ先の沖縄知事選など一連の選挙結果からも民意が「辺野古への移設反対」にあることは明らか。政府の方から話し合いの場を持たない限り、この問題は泥沼化しかねない。NHKも深夜の時論「辺野古移設 深まる溝」で解説していたが『知事との面会も拒否する政府の態度は沖縄の民意を無視していると言わざるを得ない。沖縄県民に特別の配慮をすべきで話し合いの努力をすべきだ。でないと、不測の事態も起きかねない』と指摘していたがその通りだ。
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【きょうの一文・ことば】
〈平和説く語り部老ひし冬薔薇(そうび)〉 中川隆義
=30日付中日夕刊『〈平和の俳句 戦後70年〉大和沈没 91歳目撃者「責務」語り部の思い句に託す 非戦沈まぬ決意』から。「浮沈艦大和が目の前で沈む。日本はもうだめだと思った」という元自衛官中川さん=千葉市在住=が詠んだ

【新聞テレビから】
☆『誘う春 満ちる春 名城公園』、『沖縄県指示の効力停止 農相決定 辺野古工事続行へ』『「暴挙だ」怒りと反発 作業停止無効 沖縄、市民集まる』、『清正公を大河ドラマに 名古屋 ゆかりの神社、実現へ団体』、『稲沢市長の不起訴不当 検審議決「開発がらみ虚偽の公文書」』、『女児(小学3年生)が看板で右手指先切断 伊賀の公演』、『財政局長に伊東氏 名古屋市 女性積極登用』、『〈チャーチルの秘密工作機関㊤〉元リーダーが語る ナチスの核開発「阻止」 断崖よじ登り工場爆破』『死を覚悟幸運にも脱出 独に恐怖研究急いだ米英』(30日付、中日夕刊)
☆『「健やかに」願い込め 岡崎・武者絵幟』、『農相、知事指示を「執行停止」 辺野古 県、法的措置も』『翁長氏「精査したい」』、『「次は首脳会談期待」 安倍首相、朴大統領に』、『情報監視審査会が始動 衆参会合 秘密保護法施行3カ月』、『左目失った99歳全傷連会長=杉山千佐子さん= 名古屋空襲民間補償を「国民をなぜ差別するのか」』『ネットで平和の種まき 音楽や食文化身近な70の話題発信 長崎出身被爆3世の若者ら=ウエブサイトで「70Seeds(セブンティ・シーズ)を発信』(30日付、毎日夕刊)
☆『御開帳お待ちかね 回向柱、善光寺に奉納』、『東電除染費用不払い 市町村分、国が肩代わり』、『出た!9秒87 桐生追い風参考』、『民間作成幻の紙幣 戦前から一変、原画12点現存』、『副操縦士視力にも問題 独機墜落「心身不調原因」強まる』『「いまだに出張から帰る気が」 佐藤さん妻らが現場近くで献花』、『福島の廃炉手掛けたい 福井大で原子力研究 東電就職で目標』、『★「宝塚」に40人合格=26倍の難関を突破。4月18日に入学式』(30日付、中日朝刊)
☆『雨の中 桜見ごろ 名古屋・鶴舞公園』、『県岐阜商成長の笑顔 センバツ4強逃し夏に意欲』、『アジア投資銀 40カ国超 豪・デンマーク参加』、『燃え尽きた草ぶき屋根の村 地域ごと火攻め ナイジェリア ボコ・ハラム凶暴化』、『愛知教育大の学長就任1年を迎える後藤ひとみさん(58) トップの重責痛感 優れた教員養成と教育の向上を』(30日付、毎日朝刊)

三月二十九日
 背番号15。米大リーグから広島カープに戻ってきた男、黒田博樹投手が8年ぶりの復帰第1戦でヤクルト打線を7回無失点に抑え初勝利を飾った。「これだけ沢山の声援を受けマウンドに上がり、いい結果が出てホッとしています。ヒロシマのマウンドは最高でした」とはヒーローインタビューに立った黒田投手の言である。
 それに引きかえ、わが永遠なるドラゴンズはきょうも阪神に10―8と負け、開幕3連敗。何やっとるんだ、と怒鳴りたくもなる。阪神は7年ぶりの開幕3連勝。
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 日曜日。きょうは妻の舞がリサイクルショップ「ミヌエット」で開くちいさな音楽会のつど司会などで心底から応援してくださっている〝トシコさん〟を市内のイタリア料理店「サイゼリア」にお招きし、楽しいひとときを過ごした。かといって、私は寝不足のままの外出となったので、眠けが取れるまで少し時間がかかった。それでも妻とトシコさんが楽しそうに話をする様子をみてお招きして良かったナ、と思った。トシコさんたち支援者のおかげで音楽会が開けることに感謝しなければならない。
 仙台で生まれ、8歳で養女として江南にきたトシコさんの人生は、それこそ壮絶そのもの。波乱万丈なものであったが、私たちの招待を心から喜んでくださって非常に楽しく、かつためになるひとときとなった。仙台の芸妓置屋で育ったトシコさん。36歳になって初めて生みの父親に会う、などその人生はイバラの道の連続だったという。

 けさの中日新聞の朝刊軟派トップ記事。「三重県志摩市浜島町にある県漁業無線局が今月末で廃止される。前身から八十四年の歴史を持つが、漁船の減少や情報通信網の多様化が進み、その役割を終える。」とあった。
 何を隠そう。かつて新聞社の志摩通信部記者時代に浜島=当時は三重県志摩郡浜島町=の遠洋漁業無線局には足しげく取材に訪れたものである。在任中には、伊勢志摩版で連日掲載していた漁船だよりの出稿をよりスムーズにするため新聞社のファクス設置のため奔走した若き日々が懐かしい。
 その無線局そのものが廃止されてしまう、とは。時の流れとはいえ、寂しい気がする。
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 米テキサス州オースティンで行われた記録会「テキサス・リレー」の陸上男子100メートルで桐生祥秀(きりゅうよしひで、19歳)=東洋大。京都・洛南高出身=が、追い風(3・3メートル)参考記録ながら9秒87をマークした。参考記録を含め、電気計時で日本選手が9秒台で100メートルを走ったのは初めて。国際陸上競技連盟によると、アジアでも史上最速になるという。
 共に食事して、テレビを見て、ふろにも入る。選手を日常生活から育て完璧主義者で分け隔てしない〝最強の教師だ〟とも呼ばれる日本サッカーの新監督、ハリルホジッチ氏。あるテレビで彼の流儀について触れていたが、その柱はどうやら「球際の激しさ」と「縦に速い攻撃」にあり、前へ前へ―というものだった。こんごの日本サッカーの活躍に大いに期待しよう。
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【きょうの一文・ことば】
 住民が建設費の一部を負担し、自分たちで天竜川の河原から石を運び、石垣にした。子どもたちに立派な学校を、といういちずな思いでした(富山=とみやま=区長の田辺邦三さん、72歳)/富山小の最後の卒業生になりました。閉校は悲しく寂しいけど、ここで学んだことを生かして頑張ります(小6の安井恵里花さん、12歳)/できればこの校舎から卒業したかった(中1の鵜飼洋介くん、13歳)
 とうとうこの日が…。学校は地域の心のよりどころでした。寂しいです(住民の川井正孝さん。81歳)/合併の条件に『学校の存続』を盛り込んだが、実現してもらえなかった。合併で富山村はますます衰退した。やりきれない思いだね(豊根村と合併した2005年まで富山村長だった川上幸男さん。87歳)=29日付中日朝刊『〝小さな村〟学びや57年で幕』『山々に惜別の校歌 豊根の富山小中閉校式』の記事のなかで。それぞれの思い

【新聞テレビから】
☆『世紀の瞬間&日本政府VS過激派テロリスト! 未解決事件スペシャル/1977年の日本赤軍ダッカ日航機ハイジャック事件「私が身代わりになる」 石井一が命をかける覚悟 82人の人質を解放』(29日、中日朝刊)
☆『〈世界と日本大図解シリーズ №1192〉ブルートレイン』(29日付、中日サンデー版)
☆『志摩の海と陸つないで84年 最後の「ツー・トン」 三重県漁業無線局31日廃止』、『学ラン女子快進撃を後押し 県岐阜商男子ゼロの応援部』、『沖縄戦の語り部に平和の大切さ聞く トヨタ音楽キャンプ』『指示無効に「理不尽」 沖縄知事 移設推進政府を批判』『パラオの海 眠るゼロ戦 両陛下、来月訪問』、『副操縦士「皆が僕を記憶」 元交際相手に 自宅から精神治療薬』『遺体損傷激しくDNAで確認へ』、『統一選でも解禁「思い共有」 ネット活用地盤に風穴』『有権者が投票呼びかけ メールは×FBなら〇』、『愛・地球博10周年モリコロ再登場 名古屋で記念行事』(29日付、中日朝刊)
☆『県外避難者「帰還せず」85% 東日本大震災 福島は原発事故影響 本紙アンケート』『戻る許容線量「ゼロ」が60% 福島からの避難者』『伝来の田も人生も奪われた 双葉から茨城へ』『子の成長に責任 郡山から静岡へ』、『道府県議選23%が無投票 本紙調査 過去最高の可能性』、『「いつか皆 私を知る」 独機墜落 副操縦士、元恋人に』、『羽生連覇逃し銀 世界フィギュア 初出場宮原も銀』、『〈Sストーリー〉平和切り裂いた銃弾―ケニアテロ容疑者の軌跡』『俺たちは怪物じゃない ソマリア系ノルウェー人テロリスト 故国混乱で過激化』『孤独 せめぎ合う善悪』、『■阪神大震災で高齢者支援のNPO解散』
(29日付、毎日朝刊)

三月二十八日
「庭に咲いてたよ」と妻の舞が見せてくれたのは、赤、黄、白の愛らしいスイセンとチューリップの花々だった。彼女はさっそくコップに入れて食卓の一角にこれを飾った。花の存在が室内の雰囲気をパッと明るくさせてくれる。

 家族の仲間入りをしたスイセンたち。
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        ☆        ☆
 午前中はピースボート乗船時にも大変、お世話になった後藤京子先生の社交ダンスのレッスン。で、マイカーを運転して各務原へ。
 途中退席しいったんわが家へ引き返し名鉄で西春へ。ここのコミュニティセンターでアンデス楽器サンポーニャのレッスンがあるためで、これを終えると再び名鉄と地下鉄を乗り継ぎ名古屋へ。伏見の「酒蔵」で小中陽太郎さんら作家仲間や、元NHKや民放などで活躍したメディア出身者、愛労評役員ら気の合う有志らとの名古屋ヨタロウ会花見の宴(花見の宴とは言っても花はなく、単なる気の合ったもの同士の飲み会ではあるが)に出席。2次会に誘われたが後ろ髪を引かれる思いで遠慮し江南へUターン。江南駅からタクシーでスナック「月うさぎ」へと走った。
 ここで働く女性が今月限りでお店を辞めるのでぜひ顔を出してほしい、と以前からしばしば連絡が入っていたためだが、あれやこれやと追いたてられ、それこそ錐もみ状態の1日に。でも、結構それなりに充実してはいた。ただ、こんなありさまで、なかなか小説を書く時間が作れない。
 というわけで、本欄「生きてゆく人間花たち」を書くため、やっとこうして書き始めた。自ずと睡眠不足は疑う余地もない。ただ、こうした合間にも名古屋に住む兄が激務のなか自分で栽培した大根をわざわざ玄関先に置いておいてくれたのには感激。サンポーニャの練習中にはピースボートでお世話になった懐かしい友からメールが入り、なんだかホンワカと嬉しい気持ちにかられたのである。

 楽しく進んだ名古屋ヨタロウ会の〝花見の宴〟=28日夜。櫻井健多さん撮影
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 かわいい花たち。サクラは、まもなく満開になる
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 花見の宴とは言っても、「酒蔵」は地下なので花見ではなく久しぶりに会った仲間同士の旧交回想の場となった。作家仲間では小中さんのほか大垣から三宅雅子さんも出席され楽しいひとときに。小中さんの中部大教授当時の〝秘蔵っ子〟で四月に熱田神宮で結婚式を迎える若きホープ、櫻井健多さんも若手代表として加わった。席上、三宅さんが日本ペンクラブの名誉会員に推挙され、かつまた小島信夫文学賞の新しい選考委員長に選任された旨の報告も。私は、この6月27日に名古屋市女性会館「イーブル」で開かれる女性音楽祭で私作詞の恋歌〈愛のラブバード〉(ミネダ・キュウゾウさん作詞)が名古屋の〝ばあちゃん合唱団〟の持ち歌となり発表会が行われ、その席で話しをさせて頂くことになった旨などを報告させて頂いたのである。
 またこの場には、若き日々、小中さんとベ平連創設に携わったかつての勇士、黒田光太郎さん(元名古屋大副学長)も駆け付け、昨年7月に上梓された、三池CO研究会編の著書『福島・三池・水俣から「専門家」の責任を問う』の紹介もあり、私はその場で1冊購入。この日はほかに、日本ペンクラブ活動の名古屋を軸とした真の活性化策はじめ、4月26日でベ平連50周年になる話、四日市公害を世に問うたドキュメント「あやまち」誕生秘話、さらには秘密保護法愛知の会活動、アムネスティとは、についても自由に語り合った。そればかりか、最近、徳川美術館を舞台に起き、物議をかもしている笑うに笑えないセクハラ問題の内幕と正体は一体何だったのか。などについても直接、当事者から伺うなど話は多方面にまで及んだ。
 
【きょうの一文・ことば】
「行けば誰かしら気の合う人がいて、鉄道談議以外でも話は尽きなかった」(愛知県犬山市、石原孝智さん=会社員、40歳=)「家に風呂はあるけど毎日ここに来ている。おかげでこんなに元気だよ。四月からはどこへ行こうか」(一宮市、伊藤兼雄さん=70歳=)
=28日付中日夕刊、『ぽっぽと沸いた銭湯(一宮市桜、松降浴場)廃業へ 一宮 鉄道模型人気 創業は戦前』『減少歯止めかからず』の記事のなかで。利用客の声

【新聞テレビから】
☆『南三陸の変化撮らないと 7年前から記録の映画今夏公開』、『「県指示無効」農相が意向 沖縄 辺野古作業停止で』、『高橋3安打完封 春の甲子園 県岐阜商8強入り』、『ルフトハンザ巨額賠償も 独機墜落 総額最低で27億円』『操縦室に常時2人態勢勧告 欧州航空安全庁』、『無差別殺傷どう対応 JR名古屋駅で初動訓練』、『1円パチンコ玉4円の店に 差額悪用、景品交換狙う 容疑者逮捕』(28日付、中日夕刊)
☆『転覆夜明けの生還 発見時意識不明病院で回復 函館沖2人死亡1人不明』、『独機墜落 診断書提出されず 会社側「病気の把握困難』、『知事の指示効力停止 辺野古作業 農相、30日に決定』『安保法制成立へ国会の延長必要 自民・高村副総裁』(28日付、毎日夕刊)
☆『強竜次こそ歓喜 プロ野球開幕』、『〈’15見極める統一地方選〉候補多数で再選挙恐れ 豊明市議選定数20に36陣営準備 法定得票、下位は達せず?』、『御嶽山噴火半年 今度は連れて帰る 捜索再開へ決意』、『愛知県の看護修学資金返還 約40年23億円分(4048人に貸し出し)放置 免除分含め「忙しくて」』、『石川さゆりさんらエール 御園座18年春再開場へ着工』、『副操縦士は「乗務禁止」 独旅客機 墜落当日、診断書隠す』、『夢童百里子さん死去 71歳 からくり人形制作』(28日付、中日朝刊)
☆『郷田最年長=郷田真隆九段。44歳=初王将 4勝3敗 渡辺の3連覇阻む』、『ハリルJ初陣 白星』、『大塚家具社長が勝利 会長の取締役選任案否決 株主総会』(28日付、毎日朝刊)

三月二十七日
 球春到来。センバツ高校野球に続いてプロ野球が始まった。
 夜。落合信者で知られる佐藤彩乃さんからのフェイスブックで知らされたが、ドラゴンズは京セラドームでタイガースと対戦、延長十回、田島がマートンに左前にサヨナラ打を打たれ、5―4で負けた。阪神は74年ぶりの開幕サヨナラ勝ちとのこと。残念無念以外に言葉は浮かんでこない。どこかのテレビで「野球が始まるってことは生きがいが始まるってことです」と若い女性がマイクに向かって快活に話していたが、ファンにとってはその通りだ。
 スポーツと言えば、もうひとつ。ハリル・ホジッチ新監督率いる全日本チームが大分でチュニジアとの親善試合で初陣を2―0で制した。全員守備、全員攻撃をスローガンとするハリル采配が初戦から、よく分かるキビキビした試合展開が何よりたのもしく感じられた。岡崎と本田が初ゴール、まずは幸先良いスタートとなった。
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 死者57人、行方不明6人を出した御嶽山の噴火から、丸半年。噴火時刻の午前11時52分、ふもとの長野県王滝村や木曽町、岐阜県側の下呂市消防本部など各所で山に向かって献花台に手を合わせ、黙とうする姿が見られた。息子を失ったある父親は「つらいです。悲しいです。半年たちました…」とあとは言葉にならない。この日の御岳山は深い雪に覆われ、噴火口からは依然、煙が出ていた。
 経営方針を巡って、父と長女による対立が起きていた大塚家具の株主総会が都内で開かれ、長女の大塚久美子社長が提案した父・勝久会長の役員退任を求める議案が賛成多数で可決された。この結果、「今の消費者にあったビジネスの必要性」を一貫して訴え続けた久美子さんの社長続投が決まった。異例の「お家騒動」として注目を集めたことでいつもは20人くらいの出席者が200人にまで増加。総会は報道陣をシャットアウトして開かれたが、総会の会場とは別に用意された部屋で中継動画が流されたという。
 原発輸出大国は自然エネルギー大国に、武器輸出大国は平和大国に、ギャンブル大国は文化大国に方向転換してほしい―とは27日夜のテレビ朝日系古舘伊知郎キャスターの報道ステーションで元経済産業省官僚の古賀茂明さん(59)。
 古賀さんはこの日が最後の番組出演。自身の番組降板に関して「私はさまざまな発言を巡って、これまで何度も政府のバッシングを受け、こうして下ろされる破目になった」と述べ「それは少し違うのではないか」と反論する古館キャスターと生番組のなかでバトルとなる場面も見られた。この論争そのものは、民主的かつオープンでいいと思う。
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【きょうの一文・ことば】
「八紘一宇の元々の精神は、少なくとも千数百年もの間、『我が国が大切にしてきた価値観』だったわけで、戦前はその精神から外れて残念な使われ方がされたものであり、だからこそ元に戻ろうと言うこと」=27日付毎日特集ワイド『〈続報真相〉戦意発揚スローガン「八紘一宇」国会発言 問題視されない怖さ』『象徴の塔が物語る侵略の歴史』の記事のなかで。「時代状況を踏まえぬ言葉の解釈だ」との批判に対して。発言者の自民党三原じゅん子議員 
※「八紘一宇」とは=全世界は本来一つであるということ。第二次世界大戦中の外地への侵略を合理化するためのスローガンとして用いられた(新明解国語辞典第五版より)。一般的には戦争遂行のために使われた言葉だ、とされる

【新聞テレビから】
☆『忘れない慰霊の祈り 御嶽噴火半年』、『〈第87回選抜高校野球・第7日〉敦賀気比ベスト8 静岡は50年ぶり進出』、『大塚家具 久美子社長続投 株主総会 議決権の61%獲得』、『劇場の灯新たに 新御園座ビル起工式』、『女性1割ストーカー被害 自治体6割「窓口なし」』、『名駅浸水被害2億5000万円 竹中工務店 全額負担合意』、『〈東海の文学風土記 三田村博史 108〉愛知県小牧市・春日井市 加賀乙彦「帰らざる夏」』、『夏の勤務は〝早出早退〟 首相 国家公務員に奨励』(27日付、中日夕刊)
☆『独機墜落 副操縦士宅を捜索 殺人容疑も視野 独、「操縦室常時2人」導入』、『B型肝炎発症20年超救済 札幌地裁 国と患者和解』『真摯に取り組む 塩崎厚労相』『日本のはしか「撲滅」 WHO認定土着ウイルス確認なし』、『選挙権も年金もなし 袴田元被告 釈放から1年』、『東大論文不正 3人博士号取り消し 当時所属の大学院生』(27日付、毎日夕刊)
☆『御嶽山噴火から半年癒えない悲しみ』、『副操縦士墜落図る? 独旅客機 降下ボタン押す』、『東電と共同設立の新会社 社長に中電・垣見氏』、『東洋ゴム本社に不正免震材 移転予定新社屋 新たに調査の1棟』、『「戦国姫隊」お別れ報告 知事訪問「おなごが輝ける愛知に」』、『てんかん啓発名古屋で催事 テレビ塔も紫色に』(27日付、中日朝刊)
☆『「副操縦士意図的墜落」 独旅客機 機長を閉め出し』 仏当局 音声記録を解析』、『サウジがイエメン空爆 対武装組織 10カ国参加』、『胃がんは日本海側 乳がん中国・四国で 地域ごとに傾向 39道府県別で初の公表』、『打球で観客失明賠償 札幌地裁命令 日ハムなどに4200万円』(27日付、毎日朝刊)

三月二十六日
 ドイツの格安航空会社ジャーマンウイングスのエアバスA320がフランス南東部山中に墜落した事故で、仏検察当局がマルセーユで記者会見。それよると、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(28)=ドイツ国籍=が、機長を操縦室から閉めだしたあと意図的に降下ボタンを操作、機長がドアを開くよう外からたたいても応答せず、故意に機体を破壊し墜落させる〝道連れ心中〟を図った可能性が高くなってきた。
 回収したボイスレコーダーを解析したところ、機長がインタホンを通じて操縦室内の副操縦士に呼び掛ける声が録音されており、操縦室からの返答はなく聴こえてきたのは副操縦士の呼吸音だけ。機体が降下し始めると、操縦室の外からドアを激しくたたく音がしたという。また、この間マルセイユの空港管制官も呼び掛けを続けたが機長が操縦室を出て以降は一切返答はなく、機体が山肌に激突する寸前のアラーム音と乗客の叫び声だけがむなしく鳴り響いたという。
 機長がなぜ、操縦室を出たのか。この点については詳しく分かってはいない。仏検察の発表を受け、親会社ルフトハンザ航空のカルステン・シュポア社長らも記者会見し「想像もつかない悪夢だ。わが社にとって最大の悲劇となった」と話した。副操縦士が自殺を試みたのか、の記者の質問には「自殺は1人でするものだ」と答えた。それにしても、なぜ。病気も含め、一体全体何があったというのだろう。テロ組織とのつながりは確認されておらず「テロと見なす根拠はない」という。
        ×        ×
 衆院予算委員会での安倍首相の自衛隊を「我が軍のですね」の〝我が軍〟発言が波紋を呼んでいる。憲法9条には「自衛隊は通常の軍隊ではない」と明記されており安倍首相の祖父・岸信介元首相の弟である佐藤栄作元首相も「自衛隊を永遠に軍隊と呼ぶことはしない」と国会で断言している。
 だから自衛隊は自衛隊だ。〝我が軍〟発言なぞ、問題外である。それより、安倍首相は自衛隊が軍隊に変身することのないよう「国民の命と平和を守る」専守防衛に専念すべきだ。私に命名させて頂くなら、国際平和維持災害救助隊、ちと長すぎるので【平和支援隊】といったところか。もっとふさわしい名がある気がするのだが。今夜のところは、これにて。 
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
 なかなか負けない、粘り強さのあるチームにしたい。たとえ追い上げても負けては意味がない。僕がファンの立場だったら勝つ試合が見たい。ただ一方で、勝つだけがファンサービスという時代でもない。ドラゴンズが変わっていく姿を見てほしい。
=中日26日付朝刊〈ドラゴンズ開幕特集〉のなかで。臼田信行編集局長の「強竜再燃」をスローガンに再び掲げた。ファンにメッセージを。―の質問に答えて。谷繁元信監督兼選手

【新聞テレビから】
☆『北島三郎78歳の挑戦 最終公演の軌跡~通算公演回数4578回、46年間の座長公演に幕を閉じた男の引き際の美学』(26日夜、NHK総合)
☆『米軍上陸から70年 慶良間不戦の誓い』、『サウジがイエメン空爆 軍事介入、湾岸諸国も参加』『イラク要衝奪還へ空爆 有志国連合「イスラム国」掃討』、『豊橋工初戦で涙 春の甲子園 東海大四に(0―3で)敗れる』、『操縦士1人閉め出しか 独機墜落 コックピット戻れず』『音声データ解析内容は明かさず』、『統一選地方創生問う 10知事選告示 三重、現新届け出』『福井も現新2氏 原発や新幹線争点に』、『〈目耳録〉空の博物館(中村彰宏)』、『大修理を終え白鷺城(国宝の兵庫県・姫路城)が復活 あすから一般公開』
(26日付、中日夕刊)
☆『独機墜落 操縦士1人閉め出し 音声記録 ノックに返事なし』『問われる地方創生 統一選スタート 10知事選告示』、『児童虐待最多2万8923人 14年通告 関心高まり通報増 警察庁』、『朝鮮総連議長宅を捜索 4府県警 マツタケ産地偽装容疑』、『H2A打ち上げ成功 JAXA(宇宙航空研究開発機構)情報収集衛星を搭載』(26日付、毎日夕刊)
☆『昨年衆院選福岡高裁「違憲」 「1人別枠方式の問題未解決」 広島、高松は「合憲」』『10知事選きょう告示』『〈’15見極める統一地方選〉減税日本 旋風のち逆風 名古屋市議選擁立18人だけ』『退潮県議会でも 現職擁立3人』、『記録装置の解析難航 独機墜落 搭乗名簿に「永田」「佐藤」』『免震別製品でも問題か 東洋ゴム、さらに129棟調査』、『大阪桐蔭裏金計5億円超す 第三者委が認識』、『少年が登って誤りつえ壊す 伊賀市の芭蕉像 原因判明』、『扶桑3人刺傷懲役11年 名地裁判決 母への殺意は認めず』(26日付、中日朝刊)
☆『被災…一度は諦めた結婚式 遺影の父に晴れ姿 宮城のホテル企画「ずっと一緒に」誓う』『独機墜落 操縦士の過失捜査 仏当局 急降下を重視』『独機名簿に名「親思いの子なぜ」 佐藤さん父、あす現地に』、『「最終目標は首相」稲田(朋美)氏』、『アホウドリ小笠原で繁殖 ひなの羽根分析 戦後初確認』(26日付、毎日朝刊)

三月二十五日
 寒の戻りとは、よくいったものだ。きょうも寒い1日。花冷えのする日となった。
 前日のなれない農作業が響いて両足大腿部をはじめ、全身がキリキリ痛む。あげくに昨夜「これくらいなら」と硬いものを食べてから体調が急降下。歯が痛み出し今夜は「熱砂」への詩の公開も思うに任せない。あげくに頭までズキズキしてきた(午後8時の段階)。
 ふと、生きてゆくって。大変なことだな、としみじみ思う。この地上に生きる全てのイキモノたちが一生懸命に生きているのだ。そして。それこそ、善も悪も、運の善し悪しも、何もかもが消えれば〈無〉の集合体だ、とそんなことまで考えてしまう。
        ☆        ☆
 春の甲子園、センバツ高校野球は5日目に入り、1回戦3試合が行われた。この日は「文武両道」をモットーに俳人正岡子規や小説家夏目漱石など多くの文人とゆかりがあり進学校でも知られる松山東(愛媛)が21世紀枠で実に82年ぶりに出場。接戦の末、二松学舎大付(東京)に5―4で競り勝った。
 この日、1878年に創立され92年の創部には正岡子規も関わったとされる、伝統の松山東の大会初勝利が決まると、三塁側アルプススタンドと内野席で応援していた観客は総立ちに。校歌に合わせて手拍子が始まると、堀内監督は「甲子園がホームグラウンドに思えてしまい」と感無量の面持ちでいた。
        ☆        ☆
 きょうは、昨日「熱砂」同人の真伏善人さんからメールで送られてきた詩「きらい」の印刷原稿を胸ポッケに、名古屋は大須へ。横笛のけいこのためであるが、詩が気になって行きも帰りも名鉄車内で何度も何度も、繰り返し読ませて頂いた。帰宅して、さっそく作品の編集作業に取り組み、夜遅く公開が実現すると、すばらしい作品を前に編集作業に少し手こずったこともあってか、思わずバンザイと叫んでいた。
 詳しくは本欄のWhat’s New【真伏善人が詩「きらい」を発表】を読んで頂きたい(詩は、ウエブ作品集のなかの真伏善人をクリックして検索したら読めます)。

 横笛の方は先回、師匠から渡された【平城山(ならやま)】を真剣に学んだ。
 なんといっても、♪人恋ふは悲しきものと 平城山にもとほり来つつ…、といったこの曲の歌詞と、人を恋する気持ちが大河や大地、大気など自然界をゆったりと流れてゆく、そんなメロディーが何より気に入っている。マスターするには、まだまだだ。でも、情緒たっぷりとふきこなす自信はある。
        ×        ×
 フランス南東部の山中で起きた高度1万㍍地点から8分間の降下を続けたという旅客機A320型機の墜落事故。その後、回収されたブラックボックスはコックピット内での操縦士の会話や航空管制との交信を記録するボイスレコーダーだと分かった。事故発生時に一体、何が起きていたのか。何らかの原因から機体のなかの圧力が抜け、突然の異変に機長が操縦室内のハイテクを前に右往左往した情景がなんとなく分かる。ボイスレコーダーに残された音声データの解析が何より待たれる。
 こうした空の事故が起きるつど、航空自衛隊のC1輸送機墜落や御巣鷹山への日航機墜落など、かつて空飛ぶ航空記者として日本中を飛び回ったころの時代が懐かしく思い出されるのは、なぜか。
        ×        ×
【きょうの一文・ことばから】
……
「明日ありとおもえば桜夢に咲く―黛(まゆずみ)」
 次々に披講される句は、絶望を拒(は)ね返すパワーに満ちていた。最悪の体験すら句材にしてしまう精神力は、すでに生存から生活へと復活している。
……
=25日付中日夕刊『〈この道 66〉悲しい権利 作家森村誠一』から

【新聞テレビから】
☆『まるで空母「いずも」就役 海自最大艦艇』、『直下に活断層確定 敦賀2号機、規制委が了承』『重要設備も点検漏れ もんじゅ 原子炉冷却配管など』、『米朝さんおおきに 葬儀に1500人』、『名大で卒業式 「青」空高く「光」輝け』『中京大採点ミス6人を追加合格』、『名証社長に竹田副社長 畔柳氏は会長 13年ぶりトップ交代』、『搭乗名簿2邦人氏名発表 独機墜落 ブラックボックス回収』、『昨年衆院選「違憲」 福岡高裁 無効請求は棄却』(25日付、中日夕刊)
☆『独機墜落 機体トラブルか 急降下の原因調査 搭乗名簿 独在住日本人2人』、『アフガン撤退見直し 年内9800人維持 米、治安悪化を懸念』、『子の返還母に命令 ハーグ条約 国際結婚に初適用 東京家裁』(25日付、毎日夕刊)
☆『「怒りに震える」沖縄 調査続行に抗議』、『愛・地球博10周年特集』『〈今、残るもの 愛知万博10周年㊤〉飛び出すための自信』、『独機墜落150人全員死亡か 2邦人搭乗の情報 仏アルプス山中で機体発見』、『少年に懲役5~9年 津地裁 三重中3致死で判決』、『辺野古 国が対抗措置 停止指示応じず 不服審査申し立て』(25日付、中日朝刊)
☆『辺野古 防衛局が審査請求 知事の作業停止指示に不服』、『全国自治体 女性議員3割以上3% 本紙調査 政府目標遠く』『神奈川県大磯町 前例踏襲せず改革 女性議員が過半数「だめなものはだめ」』『「在籍歴ゼロ」全国で2市』、『アンジー=米女優アンジェリーナ・ジョリーさん(30)=卵巣も除去 乳房に続き、がんリスク高く』、『魯迅の弟宛て1400通 武者小路実篤、谷崎潤一郎……日本から400人 遺族宅で発見 知日派の交流幅広く』、『中電社長に勝野氏』(25日付、毎日朝刊)

三月二十四日
 春なのに。寒気はやまず、寒い1日だった。
 今夜7時=現地時間は24日午前11時=ごろ、バルセロナ発デュッセルドルフ行きドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの9525便(エアバスA320)が、フランス南部、標高2000㍍のアルプス山岳地帯、ティーニュ・レ・バンに墜落。
 ヘリによる捜索が始まり、これまでに墜落機のブラックボックスや残骸が確認されたという。ただ現場は雪が深くて捜索活動は難航、日本人らしい名前のふたりを含む乗客乗員計150人全員の生存が危ぶまれている。今のところ、テロによる墜落の可能性は少ないという。ならば、操縦士による操縦ミスか機体の故障以外には考えられない。ちなみに、この機体は24年前に親会社のルフトハンザ航空から購入し運航を続けてきたという。
        ☆        ☆
 このところはかつて中国残留孤児らに日本語を教えていた亡き父が残した中国語会話集はじめ、日仏英の3か国語会話辞典、そして以前ネパールを訪れた時にカトマンズの本屋さんで購入したヒンディー語会話練習帳(ネパール語会話例集)、ほかにイスパニア語会話集、オランダ語常用6000語辞書を傍らに日々、暮らしている。
 といって、これら語学が堪能なわけでは決してない。モノ好きで、ことあるごとに、これら会話集を開いていれば、そのうち片言ぐらいは、との甘くて淡い思いのなかで生きている。ただ、それだけのこと。
 もっとも英語は柔道ひと筋に打ち込んでいた学生のころ、英会話の米人教師に引き手や投げ技などを自分なりの語学力で教えた経験があり、元々英会話が好きだったこともあって、乏しい語彙をのぞけば、そこそこといったところか。フランス語は第2外国語で学んだだけ。片言ぐらいなら分かるが。
 なぜ、こんな話になってしまったのか。私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」に【WORLD WINDOW―世界の窓―】コーナーを開設して以降、この欄が次第に世界各国の読者に浸透し始めてきたことが自ずから「語学には敏感でいたい」といった姿勢に変わってきたからかも知れない。

 午後、時間を見つけて舞が用意しておいてくれた農夫姿でタマネギ畑へ。先に指摘された畑に生え放題になっていた雑草を約2時間かけ、一気にマンノを手に除去。すぐ近くで農作業をされていた〝広太郎さん〟直々に教えていただき、備中とスコップで畝を元通りにする作業などにも打ち込んだ。草は畑の隅に大きな穴を掘ってそのなかに埋めたが、アッという間に満杯に。ジャガイモの植え方まで丁寧に教えてもらった。
        ×        ×
「辺野古作業 国が続行」「知事の停止指示無視」「反対無視 政府許せぬ」「市民。辺野古調査続行に」(中日)「辺野古 国が調査続行 ボーリング 沖縄知事指示従わず」「普天間の移設 米 計画通り」(毎日)……と夕刊各紙の見出し。政府は【オキナワの心】が引き裂かれ、血を噴きだしている、そんな現状を分かっていない。国民の暮らしと平和を守る、との言葉がますます空虚に思われてくる。「現時点で作業を中止すべき理由は見当たらい。本日も粛々と進めている」だなんて。よくぞ言えたものだ。ここに至っては安倍首相と翁長知事が直接会って、それぞれの考えを話し合う。出発点に立つことを何より、望みたい。

 国と沖縄の戦い。本土から望見し沖縄に同情しながら、どこか人ごとの空気も。/沖縄は問うている。日米安保は必要、というなら、なぜ本土は応分の基地負担を分かち合おうとしないのか、と。(24日付毎日夕刊「近事片々」から)
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
………
 こんな沖縄人が政府の理不尽な無視や脅しに容易に屈するはずはない。創意工夫に富みしたたかな反対運動は今、独立をも視野に入れつつ、六十年前の「島ぐるみ闘争」再来を呈し始めた。
=24日付中日夕刊『〈大波小波〉沖縄アイデンティティー』のなかで(シーサー)なる人物

【新聞テレビから】
☆『今年こそ強竜再燃 熱田神宮で必勝祈願』、『辺野古作業国が続行 知事の停止指示無視』、『理研理事長に松本氏 野依氏の後任、前京大学長』、『規正法違反容疑で下村文化相を告発 大学院教授ら24人』、『別れの後出会いあるよ 名古屋の3小学校で閉校式=児童数の減少に伴って統廃合する名古屋市西区の幅下、江西、那古野の3小で閉校式典が。4月から統合校〝なごや小学校〟が開校する』、『国支払い1日90万円に 佐賀地裁 諫早開門へ制裁倍増』、『現岐阜商初戦突破 高橋11K』、『百五銀頭取に伊藤氏』、『広島、秋田も「違憲状態」 一票の格差 衆院選無効は棄却』、『大阪桐蔭が不正流用 教材費の余剰金1億円』(24日付、中日夕刊)
☆『ぽかぽか一転「寒の戻り」に 東海地方』、『中国「拒否権見送り」伝達 主導銀 欧州主要国参加に弾み 米紙報道』、『(チュニジアテロで)隣接の国会職員お手柄 博物館にはしご 30人避難手助け 迫る危険 観光客は親戚同然』『実行犯1人は高校生 チュニジアテロ「優秀」、卒業目前』『日本人犠牲者の遺体帰国の途に』、『東大出身元プロ野球選手 松家さん香川で第二の人生 選手でなれなかった「一流」になる』、『親が手助け集団カンニング インド 校舎よじ登り』(24日付、毎日夕刊)
☆『辺野古作業停止を指示 沖縄知事 破砕許可撤回示唆 「調査でサンゴ損傷」』、『汚染水対策686億円無駄に 福島廃炉 既に1892億円投入』、『ホテル、住居など3棟一体 名駅名鉄新ビル計画』、『〈ボクシング〉田中=世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級2位の田中恒成(19)、中京大=「必ず王者に」 最速懸け5月30日に世界戦』(24日付、中日朝刊)
☆『全町避難初の「準備宿泊」へ 楢葉で来月から』、『3本同時加速で電流オーバー 金沢―富山間 北陸新幹線初の停電』、『新潟水俣病 行政責任認めず 3次訴訟 地裁、昭電に賠償命令』『新潟水俣病判決 患者認定にも笑顔なく 行政責任「高裁で闘う」』、『妻子放火殺人に無罪 さいたま地裁判決「合理的疑い残る」』、『〈オウム裁判〉松本死刑囚を「グル」 高橋被告 VX襲撃殺意否認 被告人質問』(24日付、毎日朝刊)

三月二十三日
 岐阜、東京都心ともに平年より3日早い桜の開花。桜の季節がやってきた。
        ☆        ☆
「きょうをもって新たな局面に入る」。オキナワの〝おながさん〟が、とうとう立ち上がった。
 沖縄県の翁長雄志知事がこの日、米軍普天間基地の移設計画に関連、沖縄防衛局に名護市辺野古沖での作業を1週間以内に停止し県の現地調査に協力するよう指示した、と発表。従わないなら、前知事が出した埋め立て工事に伴う岩礁破壊許可を取り消す、との方針を示した。
 翁長知事は、このなかで沖縄防衛局が行っている海底ボーリング調査について「知事の許可を得ずに岩礁破砕がされたと考えられるので県独自で必要な調査を実施する」と説明。「調査終了後、改めて指示するまでの間、海底面の現状を変更する行為のすべてを停止するよう文書で指示した」と述べ、ボーリング調査も含め作業を中止し県の独自調査に協力するよう求め「従わないなら許可を取り消す」との判断を示した。

 これに対して菅官房長官は「現時点で作業を中止する理由は認められない。甚だ遺憾だ」と述べたという。が、政府のこれまでの沖縄県民の理解を得ようとする姿勢が著しく欠け、傲慢かつ聴く耳を持たない対応を見るかぎり「甚だ遺憾極まる」のは政府の方である。天に唾する如くで、自業自得ではないのか。いまからでも遅くはない。見方によれば、絶好のチャンスでもある。政府はこの際、誠意をもって〝おながさん〟をはじめとする沖縄県民と話し合うべきである。
 窮鼠猫をかむ最悪の事態にならぬためにも、だ。
 日韓中の三国関係も当然大切だが、それ以前に日本にとって戦略上のヘソと言っていい沖縄県。〝その心〟をつかめないようでは、日本の安全上も先が思いやられる。安保法制の与党協議による法整備以前にもっとやらねばならない大切なことがある。今の政権はそのことを忘れている。それとも避けているのか。そんな逃げ腰で国民の安全と平和を守る法整備なぞ、とんでもない話だ。この際、政府は真摯に事態を見据えたうえで〝おながさん〟らと膝付き合わせて話し合うよう、望みたい。
 同じ日本人同士だ。話し合えば、意外なところに解決の糸口が見えてくるかもしれない。

 月曜日でボランティアのリサイクルショップ「ミヌエット」はお休み。で、舞は名古屋のミッドランドに映画を見に一人で出かけていった。満足そうな顔で帰った彼女が手にしていたのは〈Disney INTO THE WOODS〉なるパンフレット兼小冊子だった。中を開くと、伝説のブロードウェイ・ミュージカルをディズニーが完全映画化! なる文字が目に飛び込んできた。あぁ、そうだったのか。これを見たかったのだと納得。きょうは一日じゅう寒かったので心配したが、無事帰ってきたので、ひと安心である。
 このミュージカル映画。「人生は〝願いが叶ってめでたし、めでたし〟だけでは終わらない。その後も続いていく長い人生において、本当の幸せとは何だろうか」というメッセージを送る内容。シンデレラやラプンツェル、赤ずきん、「ジャックと豆の木」のジャックら。おとぎ話の主人公というキャラクターを登場させ森の奥深くに分け入るように「幸せとは何か」を問う人生の深遠部分に迫る物語だ。パンフレットを見ながら映画を見てきた舞をうらやましく思った。
 それにしても、どこの誰から、この映画の存在を知らされたのだろうか。
        ×        ×
 シンガポールの初代首相で〝建国の父〟でもあるリー・クアンユーさんが国内の病院で肺炎のため死去した。91歳だった。シンガポールでは29日の国葬まで国民が喪に服す。「父は私たちを励まし、勇気を与えてくれ、ここまできた。最後に私が手にしたのは繁栄したシンガポールでした」とは、息子で現首相のシェンロンさん。
 リー・クアンユーさんは、第二次世界大戦中に日本軍報道部に勤務後、英国のケンブリッジ大学に留学、帰国後、弁護士となり1954年に人民行動党を創設。1965年にマレーシアから分離独立したシンガポールの初代首相に就任。以降は経済開発を強力に進め開発独裁と呼ばれるスタイルを押し通した。
「現代シンガポールの父としてだけでなく、アジアの偉大な戦略家の1人として数世代にわたって記憶される真の歴史上の巨人だった」とはオバマ米大統領。中国の習近平国家主席も「シンガポールだけでなく、国際社会にとって損失だ」とする弔電を送ったという。

 野依さん(野依良治氏)がSTAP細胞問題で揺れた理化学研究所の理事長を任期途中で退任することになり記者会見。問題発覚後の対応の遅さこそ認めたものの「一般的に大学でも研究機関でも(研究不正を理由に)組織の長が引責辞任する例は皆無だ」と強調し、責任を取るための退任を否定した。だったら、やめなくても良いのに。それとも辞めさせられた? 偉大なる名古屋の生んだノーベル賞受賞者だけに、スッキリしないのが残念だ。
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【きょうの一文、ことば】
「一人だけど一人でない、寂しいけどかわいそうではない、笑顔で結ばれた学校生活でした」「クラスメートがいたときも楽しかったけど、今はとても充実しています。川内村に戻ってきたことに少しも悔いはありません」=23日付中日夕刊『一人でも孤独じゃない 避難の同級生戻らず 福島・川内小で卒業式』の記事から。唯一人、卒業した秋元千果さん(12歳)の別れの言葉

【新聞テレビから】
☆『高校野球100年の物語 感動呼ぶ名場面』(23日夜、NHK総合)『東北発未来塾 福島原発から20キロ楢葉町』(23日夜、NHKEテレ)
☆『春季開通へ息吹 伊吹山で除雪』、『リー・クアンユー元首相死去 91歳 シンガポール建国の父』、『辺野古、一時停止指示へ 沖縄県 ブロック撤去で調整』『腹腔鏡手術死亡率 保険適用外は5倍 肝胆膵学会が200施設』、『大阪高裁も「違憲状態」 昨年衆院選 無効請求は棄却』『公園で男性刺殺懲役20年 名地裁判決 適応障害影響認めず』『★陛下、風邪の症状続く』(23日付、中日夕刊)
☆『9人分の思い込め 八戸学院光星 馬場龍星捕手 仙台育英 谷津航大選手』『センバツでの対戦願い』『宮城で被災 苦楽共にした同学年メンバーへ』、『14歳個人戦で快挙=卓球のワールドツアー、ドイツ・オープンが22日、ブレーメンで行われ、大阪・昇陽中の伊藤美誠が女子シングルスで最年少優勝を果たした』、『角さん幻の北陸新幹線 北アルプス貫通や地元の新潟中部横断 陳情団に手書きルート図』、『深海底に超省エネ微生物 日本など合同チーム「長生きの秘訣解明に期待」』、『学校に子猫5匹生き埋め 千葉・船橋の高校教諭「対処分からず」』、『氷見冤罪、原告控訴せず 富山 1審の賠償命令確定へ』(23日付、毎日夕刊)

三月二十二日
 大相撲春場所(大阪場所)の千秋楽、横綱白鵬が横綱同士の対戦で日馬富士に勝ち、14勝1敗で6場所連続、34度目の優勝を遂げた(春場所では2年ぶり)。横綱対決は手に汗握る好勝負となったが、最後は寄り切った。
 今場所成長著しい23歳の新関脇照ノ富士が大関豪栄道に小手投げで勝っていただけに、あわよくば優勝決定戦もありうるとの期待が失せ、少し残念な気がしたことも確かだ。青森出身の第37代立行司の木村庄之助さんはこの日の結びの一番が最後の仕切りとなった。照ノ富士は殊勲、敢闘の両賞。
        ☆        ☆
 妻の舞が突然、笠松競馬場に行きたい、と言い出し木曽川沿いに車を走らせ、競馬場へ。なんでも俳句で【競馬】を主題に詠みたいそうで競馬場の雰囲気を掴み取りたかったようだが、あいにく「お馬さんは走っていなかった」。デ、こんどは確実に競走馬が走っている日に行こうよということにあいなった。
 それにしても突然言い出すので、こちらがやろうとすることはその瞬間に無残にも消え去る。でも長年の記者時代の負い目というか。家族に対しては終始自分勝手かつ滅茶苦茶、いざ大事件となればどこへ行ってしまうやら。破滅的でさえあった私に長年ついてきてくれたものだと思えば、せめての罪滅ぼしに、と自身に言いきかせての笠松行きとなった次第である。
 幸い好天に恵まれ、誰もいないスタンドにただ2人で座って空を流れる雲を追いかけ、舞の大好きなフランク永井の〈公園の手品師〉など数曲をスマホでじっくり聴き、結構粋な時間となったのである。
        ×        ×
 東京・道玄坂の「東急プラザ渋谷」が道玄坂一帯の再開発に伴って半世紀に及ぶ歴史に幕をおろした。昭和40年に複合ビル「渋谷東急ビル」として開業、そのご「渋谷東急プラザ」、「東急プラザ渋谷」と名称変更し、渋谷のシンボルでもあった。それだけに、最後の来店客を見送る歴代総支配人は皆、万感胸にせまる表情だったという。
 大相撲大阪場所の賜杯は横綱白鵬の手中に。その白鵬曰く「いろいろ騒がせましたけど。(2回目の6連覇は)まさか、まさかですね。稽古場でやってたものが出てきたから。新しいといえば新しい。自由な取り口になって、ひとつふたつ上にいったような内容でした。満員御礼も続き大阪の皆さま、15日間ありがとうございました。来場所のことは、まだ何も考えていません。また来年あいましょう」と。
 このうえは何よりも天下の名横綱としての風格と品性を養い全ての技芸を心身とも磨きあげてほしい。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
……戦後間もない私の子供時代は、日本の歌手が歌う軽快なシャンソンがラジオからいつも流れ、身近な音楽だったのだ。反戦歌も多いシャンソン。加藤(ハツ)さんがともした文化の灯を大切にしなければと思う。=22日付中日朝刊『〈中日新聞を読んで〉「母」がともした灯』の記事のなかから。エッセイストの内藤洋子さん
 先進国・途上国・国籍・年齢といった境界を軽やかに飛び越え、「与え・与えられ」「教え・教えられる」、対等で境界のない世界の中で、青年協力隊がさらなる発展を遂げることを願う。=22日付中日サンデー版『〈学校の教材に役立つ大図解〉境界のない援助・協力に向けて』の中で。木村秀雄さん(東京大学・大学院総合文化研究科教授/元青年海外協力隊員)

【新聞テレビから】
☆『名古屋桜一番乗り 開花の早さ7位タイ』、『「母に感謝」世界が涙 ダウン症書家 金沢さん国連スピーチ』、『〈東日本大震災4年〉石巻線が全線再開「東北は心に響く旅」』、『〈ニュース前線〉43年目の「ありがとう」 四日市公害原告男性、やっと口に 念願の資料館開館』、『原発工事 別の3町議も 高浜計4億5000万円を受注』、『早期の首脳会談へ努力 日中韓外相 3年ぶりに会談』、『博物館テロ20人超逮捕 チュニジア ベルギー在住者含む』(22日付、中日朝刊)
☆『センバツ開幕』『篠原主将感謝の宣誓 センバツ・敦賀気比 母「一生の思い出」』、『■辺野古周辺で大規模抗議集会』、『「職員2割うつ」判断 福島 全町避難自治体の一つ 県立医大など調査』『「苦情対応」で窮地に』、『新潟水俣病3次訴訟あす判決 控訴8年「患者と認定を」 国と県の責任焦点』、『■天皇陛下が風邪の症状』、『「スパイ」報道で文春に賠償命令 東京地裁』(22日付、毎日朝刊)

三月二十一日
 名古屋でソメイヨシノが開花。鹿児島、熊本と並んで全国で一番早い桜の季節「春」が甲子園のセンバツ球児らの足音と共にやってきた。
 日中韓の三国外相会談が韓国のソウルで3年ぶりに開かれ、「歴史問題を適切に処理したうえで」の条件付きで「早期の三国首脳会談実現に向かって努力していく」ことを確認しあった。冷え込んでいた三カ国関係が一定の前進をしたことを歓迎すると同時に、こんごの融和路線の進展に期待したい。
        ☆        ☆
 祝日。春分の日のきょうは和田の、私たち三人兄妹が育った実家で94歳の母を囲み今は亡き父の弟である叔父さんたちも岐阜から加わって久しぶりにみんなで集まり、お仏壇を前にワイワイガヤガヤと楽しいひとときになった。父は、おそらく喜んでくれたに違いない。
 やはり出たのは戦中、戦後と父が母と共に歩いた苦難の満州時代が中心で、ほかに心優しかった母の父(私にとってのおじいちゃん)のこと、少年時代の叔父が母を見送ったときのこと、妹が生まれた日のこと、兄が東大に合格した日のこと、兄が弁護士として携わった裁判員裁判の話、父がマルサの男の傍ら近所の子らに教えていたそろばん塾のこと、母の裁縫のことなど回顧談が中心でもっぱら私は話の聞き役に。親戚一同の笑顔を前に、それぞれ齢を取ったなあ―というのが率直な実感である。
 それでも、母と父が戦後間もなく乞食同然の姿で私の生まれたばかり生後13日目に満州を発ち、私と幼い兄を抱きかかえて引き揚げ船「興安丸」で舞鶴に辿り着き、その足で母の父(私にとってのおじいちゃん)を頼って和田の家に転がり込んできた話など、どれもこれも家族の歴史をつくってきた貴重な1ページだけに中身が濃く、思いをあらたにした。結局、落ち着くところは家族愛の大切さでたまには、こうした昔話を語り合って、あらたな出発のエネルギー源にでもなれば、と思った次第だ。お話の場には、かつてハイセラミックスの科学者で権威ある賞にも輝いたことのある妹婿も話の輪に加わったが、彼はもっぱらお孫さんや区長経験者として、区役員の大切さについても語った。若い方のおじさんの方は、孫娘さんのイギリス留学の話などで盛り上がった。
 帰りは、ふたりのおじさんたち(うち1人は夫妻)を名鉄江南駅まで送るつもりが、ついつい運転中、話が弾んだこともあり、犬山遊園駅までお送りした。いったん実家へUターンすると案の定、兄夫妻は私の帰りがおそいので「どこへ行ってしまったのか心配していた」との弁。この日、舞は午前中の句会のあとは「ミヌエット」へ。きょうの集まりをもっと早く知っていたなら一緒に出られたのに、と思うと少し残念な気がせぬでもない。が、これこそ互いにスケジュールがあるだけに、仕方ないこと。きょうはおじさんたちにお会い出来たことに何より、感謝したい。
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 チュニジアのチュニスのテロ事件に続いて、こんどはイエメンの首都サヌワのふたつのモスクで4回の自爆テロが連続して起きシーア派系のフーシ派支持者ら計142人が死亡、350人以上が重軽傷を負った。こちらもチュニスのテロと同じようにISを名乗るグルーブが犯行を宣言している。このほか、ナイジェリア北東部ダマサクでは70人以上の遺体を隣国ニジェールとチャドの軍が発見、多くは喉を切られ中には首を切断された遺体まであり、イスラム過激派ボコ・ハラムによる犯行とみられる。
 大相撲九州場所が面白い。今場所は遠藤がケガで途中休場しがっかりしたが、関脇照ノ富士がきのう全勝の横綱白鵬に土をつけたばかりか、きょうも逸ノ城に寄り切りで勝ち、12勝2敗に。あす白鵬が破れ、照ノ富士が勝てば優勝決定戦にもつれ込むからである。今の勢いからすれば、照ノ富士が勝っても決して不思議ではない。私としては、照ノ富士が勝ち、ニュースターが誕生することを願いたい。
 全長294㍍、海面からの高さが56・6㍍のクイーンエリザベス号が神戸港に緊急入港し、話題をさらった。当初、横浜に入港予定が潮位の関係でベイブリッジを超すと天井部分と接触し事故につながる危険性があったためで、万全を期しての入港に。突然現れ出たクイーンエリザベス号には、「わあー、スゴイ。すてきですね」と神戸っこ。
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【きょうの一文・ことば】
♪グラウンドにチームメートの笑顔あり夢を追い掛け命輝く……戦争による中断や震災など困難を乗り越え、野球ができることに感謝します
=甲子園春の選抜開会式で。敦賀気比高校・篠原涼主将の選手宣誓

【新聞テレビから】
☆『被災者「希望みえた」 宮城の共産党 制度の枠こえ支援策実現』『女川町 対象外でも高台移転に道』『石巻市 仮設のカビ対策市長が答弁』(しんぶん赤旗日曜版 2015年3月22日号)
☆『〈編集局デスク〉子どもだけでなく 編集局長 臼田信行』『戦争いかんいかん 安保法制自公が大筋合意 92歳体験者 国の行く先、怖い』『「独走」に抗議=国会周辺では法整備に反対する市民が「与党協議で勝手に決めるな」と抗議の声をあげた』『戦争参加増す懸念 安保法制「歯止め」確約なし』『自公が大筋合意』『新3要件 無力化も』、『米朝さん大往生「さすが人間国宝」 死悼むざこばさんや文枝さんら「落語の神様のような存在だった」 NHK23日追悼番組』、『イタリア村再開発白紙 名港内定業者が辞退』、『高浜原発工事町議側受注 福島事故後 3年で3億2000万円』、『過労死1億円賠償命令 大阪地裁 JR西社員 残業254時間』、『昨年衆院選 名高裁は「違憲状態」』『「国会任せ判断避けた」一票の格差 名高裁判決、原告怒り』、『3少年は「刑事処分相当」 川崎・中1殺害、地検が意見』、『伊賀市庁舎の申請取り下げ 国文化財登録で市長』(21日付、中日朝刊)
☆『センバツきょう開幕』『「全員野球」センバツ夢舞台 豊橋工・林監督 桐蔭・伊藤監督 筑波大野球部の精神胸に』、『南シナ海日米協力想定 安保法制自公合意』、『〈地下鉄サリン20年〉「アレフ」隠し今も勧誘 占い、ヨガ、そして説法映像』『2団体の信者1650人 「アレフ」「ひかりの輪」全国に拠点施設32カ所』、『今江祥智さん死去 児童文学作家「ぼんぼん」83歳』、『聖学院大学長を姜尚中(カンサンジュン)さん辞任 任期途中の今月末』(21日付、毎日朝刊)

三月二十日
 あすは春分。昼が夜より長くなる。
 オウム真理教による地下鉄サリン事件から二十年。死刑囚麻原彰晃(松本智津夫)の三女麗華さん(31)=昔の教団名はアーチャリー。手記「止まった時計」(講談社)の著者=が初めてテレビ出演。「私は幼いころ目の不自由な父のため、杖がわりをしていた」という麗華さん。彼女は10年ほど前から月に1度は拘置所に足を運び、意思疎通のできない父を訪ねているという。「父と会って何があったのか、を聴こう。父に会えば全てが変わり、生きる目的が見つかると思っているのに。家族もバラバラだし、もう心もボロボロです」と涙を浮かべて悔しそうに語った。
 それでもこのところは「(これまでのことを周りの方々に勧められて)1冊の本にまとめることで私自身の気持ちがだんだんと変化し、書いていくうちに時間が動き始め、これまでごちゃごちゃだったものがだんだんと整理されてきました。」などと語った。【父との面会が毎回うまくいかない。でも、前に向かって歩いていかなければ】との麗華さんのひたむきな姿を目の前に私は少し救われた気持ちになった。
 世間を騒がせ多くの人々に限りなき不幸を与えてしまった死刑囚の子として。これから父の罪滅ぼしを麗華さんがどう果たしていくのか。麗華さんに課せられた責務は大きいものがある。なんとか前を向いて大地を踏みしめて行ってほしく思う。

 73歳で駒沢大仏教学部に合格したコメディアンの萩本欽一さん。〝欽ちゃん〟って。絶えず努力のかたまり、そしていつだって大きな夢に向かって進むスゴイ人だ。欽ちゃんみたいになりたい。というのが、たまたま夕刊を読んで欽ちゃんの「今」を知った私の正直な気持ちだ。
 欽ちゃんが言うには「夢は大きければ大きいほど実現するって気付いたの。周りの人も気になるものだから、支えたり応援したりしてくれるんだよ。夢は大きい方がみんなが寄ってくるという意味で、成功率が大きいんだと気付いたね」。だってサ。なるほど。よく分かる。
        ☆        ☆
 今日は朝早くから花霞町内会の新旧役員による不燃ゴミの分別収集業務の引き継ぎが集積場であり、長い間立ち通しの労力奉仕に。そればかりか、このあと、こんどはあすのお彼岸を前にお参りを兼ねて両方の父が眠る墓地へ。墓参りを兼ねて真っ赤なカーネ―ション、黄色いバラ、紫の斑点が鮮やかなアルストロメリア、そして白いちいさな花を咲かせたユキヤナギを供え、ついでに足を少しだけ伸ばし先に肥料焼けを指摘された玉ねぎ畑を見て回った。幸い、このところの雨で肥料焼けは少し回復したようにも見えた。
 このあとは、ふたりでイタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」へ。ここで軽いランチを食べ、いったん帰宅後、舞はリサイクルショップ「ミヌエット」へ。私は自室にこもるという1日に。それにしても、ふたりとも1日中ほぼフル回転である。舞のからだが心配だ。

【きょうの一文・ことば】
「オームについて、一体何だったのか、を父に聴きたい。」「被害者のことを考えると何と申してよいのか分からない。それも私のことを大切にしてくれた人たちが起こしただなんて」「父は(地下鉄サリンなど一連の事件の)指示を出したかもしれないし、出してないかもしれない」「私は15年前に教団が〝アレフ〟に名前を替えた時に教団を離れましたが、あのとき私の育ったところがなくなったのだな、と思いました」など
=三女「アーチャリー」が本名松本麗華として初めて告白(ニュースZERO)から

「………合格を知った時、小さなガッツポーズが出ました。胸になんかコツーンと来てね。涙がこぼれるちょっと手前。そんなことほとんどないんだけどねえ」
「今、自分にとって一番大変なことはなんだろうと考えました。そこで気付いたのが、これから闘わなくてはいけないのは、ぼけだなと。ぼけや認知症というのは、覚えたものをどんどん忘れていく、言ってみれば引き算です。とすると、足さなきゃ、覚えなきゃと思ったの」
「若い人たちの中に溶け込むことで、その若い人たちに教えられることもあるんじゃないかと思ってね。その中に、何かテレビに役立ついい言葉があるかもしれない」
=20日付毎日夕刊『〈人生は夕方から楽しくなる〉コメディアン萩本欽一さん 73歳で大学生に また一つ夢実現』の記事のなかから。欽ちゃんのことば。欽ちゃんは、ことし1月、駒沢大仏教学部に社会人特別入試枠で合格した

【新聞テレビから】
☆『「未解決事件」新事実! 地下鉄サリン▽オウム20年目の真相▽警察対オウムの攻防極秘捜査計画を映像化 獄中・麻原発言を入手 被害の全貌が明らかに』(20日夜、NHKスペシャル)
☆『〈ドキュメント72時間〉真冬の日焼けサロン!▽なぜ小麦色の肌に?』(20日夜、NHK総合)
☆『冬の北極海氷 最小に』、『テロの教訓次世代に 地下鉄サリン事件20年』『救護に当たった救急隊員 混乱、恐怖の記憶今も』、『実行犯、爆発物を所持 チュニジア さらなるテロ予告』、『(福井県)高浜再稼働に町議会が同意』、『米朝さん長男「大往生だった」「功績偉大過ぎる」』、『ホンダが約10万台米でリコール追加 エアバッグ不具合調査』、『ドラ戦士の勇姿紹介 ナゴヤドーム前「ロード」披露』、『22年W杯(カタール大会)11、12月開催 FIFA決定 決勝は12月18日』、『市バス無断で中止 運転手を停職10日 名古屋市が処分』、『大統領宮殿を空爆 イエメン』(20日付、中日夕刊)
☆『チュニジアテロ 団体客に紛れ侵入 博物館入館見計らい銃撃』『「IS戦術と一致」 米が捜査協力継続』『テロとの戦い全力を尽くす 参院予算委で首相』、『大使館爆破予告 容疑の男を逮捕』、『不法残留外国人22年ぶりに増加=1月1日現在で6万7人となり、昨年より946人増えた。1994年以降は21年連続で減り続けていた』、『〈人生は夕方から楽しくなる〉コメディアン萩本金一さん 73歳で大学生に また一つ夢実現』(20日付、毎日夕刊)
☆『地下鉄サリンきょう20年』『チュニジアテロ3邦人死亡 「イスラム国」名で犯行声明』、『桂米朝さん死去 89歳 上方落語 人間国宝』、『岐阜県内社協 愛知のフードバンク』『困窮者支援 全国初提携』、『四日市公害歴史を次代に 発生半世紀資料館あす開館』、『武道館で49年ぶり ポールさん=元ビートルズのポール・マッカートニーさん(72)=公演へ』、『ボランティア個人に補助金 安城市、被災地支援』(20日付、中日朝刊)
☆『真央さん笑顔で卒業 競技復帰へ含み残す』、『桂米朝さん死去 人間国宝 上方落語復興 89歳』『はんなり米朝節』『上方落語の神髄』、『〈地下鉄サリン事件きょう20年〉教祖逮捕緊迫の4時間 捜査員機転、隠し部屋発見』『事件なぜ防げなかった? 県警管轄問題が壁』『送迎車内で換気 豊田死刑囚証言 高橋被告公判』、『過激派テロと断定 チュニジア 容疑者複数拘束』『警戒レベルを政府引き上げ 対策チーム派遣』、『川内「7月再稼働」 九電申請 8月にも営業運転』、『帝劇でセット倒れ6人負傷 堂本光一さん公演』、『最多優勝記念「白鵬関」展 31日から』(20日付、毎日朝刊)

三月十九日
 夜遅く。上方落語の名人で人間国宝、文化勲章受章者でも知られる桂米朝さんが亡くなった、との報。89歳だった。今夜の午後7時41分、肺炎で亡くなったという。合掌―
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 〝アラブの春〟の引き金になり、民主化の優等生とも言われたチュニジアの首都チュニスで起きた見境なき無差別テロ襲撃は、その後死者が23人(うち日本人3人、銃殺された犯人2人含む)に達し、武装グループの9人が拘束される、など全容が少しずつ分かってきている。テロの前日には過激派組織「アンシャール・アル・シャリ―ア」がイスラム国(IS)支持の表明と共に「数日以内に攻撃が起き、イスラム国の状況が変わる」などと〈犯行声明〉めいたものをインターネット上に流してきていた、ともいう。
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 雨、雨、雨の1日。午前中は社交ダンスのレッスンへ。
 帰宅後は、このところの睡眠不足解消を、と夕方まで寝た。素浪人、一匹文士の利点は宮仕え、会社勤めの記者とは違い、その気になればいつでも自由気ままに眠れることか。もっとも、現役時代もあちこちで事件取材の合間を見つけては眠ってはいた。永遠の〝おねぶたさん〟(少年時代に、母から名付けられた私の愛称)に変わりはない。この癖は昔も今も同じだ。

 このところ気になる動きは、もはや私には何ら関係のない、ベアの集中回答。そして今ひとつは日本の安全保障法制に関する自民、公明両党の理解しかねる与党協議である。けさの新聞各紙によれば、「両党はそれぞれの会合で大筋合意し、安保法制の大枠が固まった」とある。
 このうちアベノミクスに相乗りした形で〝官製春闘〟だ、とされる今年のベアはトヨタ4000円、日産5000円、ホンダ3400円で、日立製作所やパナソニックなど電機大手六社も3000円で決着。安倍首相は「過去15年で最高だった昨年をさらに上回る」と自画自賛しているが、あくまで大手にかぎれば、の話。日本の9割を占める中小企業の労働者が潤わなければ、片手落ちだといえよう。
 安保法制の方だが、他国軍の戦闘支援を前提とした〝恒久法〟を整備するほか、自衛隊派遣の地理的な制約を取り払う抜本改正を検討する方向性を示すと同時に米軍以外の他国軍にも支援を拡大するなどの大枠で自公が了承した、という。が、日本の平和維持を考えたとき、これで良いのか。ついつい、心配してしまう。次第に取り返しのつかない泥濘に入っていくような、そんな危うさを感じる。
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 フィギュアスケート女子の浅田真央さん(24歳)が晴れて中京大学を卒業。はかま姿で卒業式に臨んだ〝まおちゃん〟は「休業を発表してからは卒業を目標に頑張ってきたのでホッとしています」と語った。まおちゃん、心からおめでとう!
 殺してもいないのに「おまえが(大阪府営自治会の)自治会長を殺した」と取調官に濡れ衣を着せられていた鈴木昭さん(69歳)が処分保留で釈放され晴れて、この地上に。大阪市北区内で開いた記者会見で「確かに私は人を殺した、と書きました。それは間違いありません。でも、警察官にあれやこれやと言われたら、大概は負けますよ。私はいっとき、負けました。今は真犯人が見つかることを心から願っています」と鈴木さん。それにしてもサツカン(警察官)の一方的な取り調べは一体全体どうなっているのか。
 けさの中日新聞〈通風筒〉によれば、中国三西省に住む新婚カップルが飛ばした熊の形をしたピンクの風船を愛知県田原市の農業、大羽武夫さん(72歳)が自宅近くで発見。中国語のメモにあったカップルあてに知人の中国人農業研修生から国際電話してもらったところ、5日の元宵節に「わが子を授かるように」との願いを込め2200㌔も離れた太原市から飛ばしたものとわかった、という。大羽さんは「(今度は)赤ちゃんを届けてほしい」と話している。なんとも心がなごむ。いい話だ。
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【きょうの一文・ことば】
 天の川戦の果てぬ星一つ  浅井 英治(81)愛知県一宮市 
〈金子兜太〉戦争のつづく地球というこの星。天の川の流れは美しく、みな戦争の影はないのに、なぜ地球だけが戦争を止められないのか。
=19日付中日朝刊1面『平和の俳句 戦後70年』から

【新聞テレビから】
☆『チュニジア3邦人死亡 博物館襲撃3人けが政府確認 過激派犯行か』『負傷の邦人女性「後ろから銃声」』『ツアーの2人死傷 東京の旅行会社』『名古屋からもツアー 狙われた人気観光地』、『ストーカー被害 8・2%増 昨年2万2823件 関心高まり最多』、『タミフル副作用認めず 名地裁判決 中学生2人転落死』、『良品iPS選別自動化 三重大が仲介 工場の技術応用』、『学びやとともに巣立ち 名古屋・江西小 最後の卒業式』、『シャープ3000人希望退職募集 15年度中』(19日付、中日夕刊)
☆『チュニジア日本人3人死亡 襲撃死者22人に 武装の男2人射殺』『治安安定の首都で 首相「強く非難」』『「逃げろ、逃げろ」チュニジア銃撃 乱射見境なく 海外で事件被害相次ぐ』、『米利上げ6月以降示唆 FOMC(米連邦準備制度理事会)声明「忍耐強く」削除』『「早期」観測後退、円高進む』『東証、嫌気し反落』、『朝日・中3致死 少年に不定期刑求刑 懲役5年以上10年以下』、『ガス検知器を持って行かず 乳頭温泉事故』(19日付、毎日夕刊)
☆『安保法制大枠自公が了承 他国軍戦闘支援 恒久法を整備』、『商業地下げ止まり 公示価格 名古屋圏は伸び鈍化』『〈上昇率トップ独占〉名駅みなぎる投資 ビル、リニア開発に期待』『岐阜、三重とも23年連続下落』、『ベア高水準 春闘集中回答日』、『別の少年にも除染させる 愛知県警 建設会社員追送検へ』、『小牧母娘殺害無期懲役 名地裁判決「動機は見勝手」』『厳罰、遺族の処罰感情考慮』『検察の控訴「許し難い」 一審無罪 美濃加茂市長が批判』『既存証拠 評価変わるか』『土下座強要で実刑判決 大津地裁 ボウリング場店員被害』(19日付、中日朝刊)
☆『撮った 北海道名寄市で観測されたオーロラ』『北海道でオーロラ国内10年ぶり』、『〈2015春闘 賃上げ2巡目㊤〉ベア最高相次ぐ「景気に必要」外堀埋まる 大手集中回答』、『ミシェル夫人初来日 首相夫人と「連携」へ』、『川崎中1殺害 3少年きょう家裁送致 横浜地検 殺人の非行内容』、『〈証言―地下鉄サリン事件20年〉被害者640人受け入れ治療の緊急医 縮瞳、吐き気…「一刻を争う」解毒剤投与』『救える人いる限り』、『富士山噴火対策求める 浜岡再稼働 規制委、中電社長に』、『メジロなど286羽飼育 鳥獣保護法違反 22人書類送検 愛知県警』(19日付、毎日朝刊)

三月十八日
 きょうは久しぶりに疲れた。というのは、【名古屋の〝ばあちゃん合唱団〟が〈愛のラブバード〉を世界に発信】というホットな話しをユーチューブにアップするのに結構の時間を要したためだ。結局、ひと段落ついたらと思っていた入浴も午前1時前後。それから例によって一杯飲んで。床に着いたのは、やはり午前4時近かった。
 家人が寝静まったなか、しみじみ酒を飲みながらつけたテレビチャンネル。何の因果か。その向こうに映し出されたのが未明のNHKスペシャル「オウムVS警察 知られざる攻防」だった。私は思わず画面にくぎ付けとなり、メモをとり続けながら画面に見入ったのである。メモしながら松本サリン、新宿地下鉄サリン、公証人役場事務長監禁致死、坂本弁護士一家殺しと人間を人間と見なさないで多くの命をボアした、このオウム真理教は一体どんな集まりだったのか。その真実に迫るには、どうしたらよいのか。不思議な気持ちにかられていったのである。
 私がテレビを見ている間、いつものように長女猫、こすも・ここが傍らに寄り添うように座り時折、「まだ寝ないのか」といった感じで座り直し、そのつど私を見上げ甘えるようにして口だけを何度も静かに開け「ニンゲンたちって。罪を犯すイキモノなんだよね」と言ってまた私を見つめ返した。ここは何を思っているのか。私の今にとっては、そのうちにこの世から消される死刑囚・麻原彰晃(松本智津夫)よりも、こすも・ここちゃんの命の方が比べものにならないほど重く尊いのである。
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 米オバマ大統領夫人、ミシェル・オバマさん(51歳)が目にも鮮やかな黄色いワンピース姿で羽田空港に降り立った。初の来日。20日までの滞在期間中は安倍昭恵首相夫人とともに講演し、カンボジアなど世界の少女の教育振興に向けた日米連携を打ち出すことにしている、という。
 秋田県仙北市の乳頭温泉源泉近くで湯温や湯量の調整作業をしていた男性作業員3人が死亡。3人は「湯の温度が低い」との連絡を受け積雪2・5㍍の窪地で穴を掘るなどの作業中、発生していた高濃度の硫化水素ガスを吸い、死亡したとみられる。たまたま、この日は風がなく、空気よりも重い硫化水素ガスが拡散されないまま、現場のくぼ地に溜まったのが原因とみられる。
 ジャスミン革命で中東全土の民主化に広がった〈アラブの春〉運動のきっかけを生んだ、あの北アフリカ・チュニジア。そのチュニジアの首都・チュニスで自動小銃を手にした武装グループが国会敷地内にあるバルドー博物館に侵入。日本人を含むドイツやイタリア人など19人を殺害、他に多くがケガを負っているという。チュニジアには3千人が過激派組織「イスラム国」(IS)に参加、シリアやイラクからの帰国者がテロを侵す恐れが心配されていたという。
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【きょうの一文・ことば】
「かわいそうと思わないで。病気でも夢を目指して頑張れる。みんなも周りに感謝し夢を大事にしてほしい」「(本番を控え)自分の歌を高校生が歌ってくれ、言葉にできないほどうれしい。この歌を歌うことで、夢を追う大切さに気づいてほしい」。=18日付中日夕刊『闘病人生共に歌おう 松阪の男性 共演高校生へ「夢を大切に」』の記事のなかで。数万人に1人の病と闘いながらシンガー・ソングライターとしてメジャーデビューする三重県松阪市の中村宣大さん(38歳)のことば。中村さんは、19日に地元、相可高校の学習成果発表会で自らの境遇を歌にした代表曲のバラード「あたえられた運命」をギター伴奏して合唱に加わる。

【新聞テレビから】
☆『ベア最高回答相次ぐ 春闘 トヨタ4000円、日産5000円』『子育て世代特に厚く トヨタ』、『〈もう4年まだ4年 東日本大震災〉イノシシ捕っても多い 福島・放射能汚染 漁師「食えねえんじゃな…』、『黄金の空手チョップ 力道山1800万円の輝き』、『★姫路城の大天守お披露目』、『平田被告が上告 オウム事件公判』、『〈大リーグ〉ダル手術無事終了』(18日付、中日夕刊)
☆『美濃加茂 検察、「市長無罪」で控訴「業者供述、不自然でない」』『尼崎変死息子に懲役17年 神戸地裁判決 親族ら2人殺害など』、『至宝公開へ最終チェック 渋谷・ボッティチェリ展 21日から』(18日付、毎日夕刊)
☆『春はすぐそこ 名古屋で21・6度』、『美浜、敦賀3基の廃炉決定 老朽化、安全対策費重く 〈解説〉廃炉予備軍は21基』、『中国主導のアジア投資銀 独仏伊も参加表明』、『名鉄百貨店~日生笹島ビル 名駅再開発 南北400㍍ビル一体化』、『目指せ オグリ2世』『笠松競馬 新馬調教始まる』、『3年半父は闘った いじめ訴訟大津市と和解 「悲劇繰り返すな」願い込め』(18日付、中日朝刊)
☆『〈証言―地下鉄サリン事件20年④〉車両と駅を除染陸自化学防護隊 無味無臭の毒ガス「恐怖より無我夢中」 日陰の身から活動増加』、『安保法制20日合意へ 与党きょう枠組み提示』、『任天堂 DeNA提携 株式持ち合い スマホゲーム開発』、『免震改ざん工場を調査 東洋ゴム、発覚後も出荷 国交省』『営業サイドからプレッシャーか』『公共施設15棟に「早急に検証を」自治体担当者』(18日付、毎日朝刊)

三月十七日
 名古屋も、岐阜も。20度を越え=午後1時までの最高気温は名古屋が21・0度、岐阜20・9度=、ことし1番の暖かさ。4月下旬並みの気温で、日中は汗ばむほどに。名古屋市天白区の市農業センターでは暖かさに誘われ、しだれ梅が満開に。東区では寒桜がピンクの花を咲かせた。
        ☆        ☆
 名古屋市の女性会館「イーブルなごや」へ。
 昨年、私こと伊神権太の作詞でこの世に生まれ出た恋歌「ラブバード・カトマンズ」(張柳春作曲・歌)の存在を知った、名古屋の平均年齢80歳から成る〝ばあちゃん合唱団〟生みの親・嶺田久三さん(84歳)=ピアニスト、詩人。昭和区前山町=が、この恋歌をヒントに高齢女性でも気楽に歌えるようにと全体に音階を歌いやすいように下げ、新作「愛のラブバード」(イガミ・ゴンタ作詞、ミネタ・キューゾー作曲)を誕生させ「これまでみんなで練習してきて大体満足のいく内容になってきたので、これで良いか、ぜひ聴いてほしい」と誘われていたためだが女性会館を訪れ、若々しい女性たちの迫力に、まず圧倒された。

〈愛のラブバード〉を伴奏する嶺田さんと合唱する女性たち=名古屋市女性会館で
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 歌は世につれ人につれ、である。私自身「これでなければ」という気持ちなどさらさらない。むしろある程度は派生していった方が音曲の幅も広がって面白い。歌う人たちが満足してくだされば何ら異論はない、との考えだ。だから目の前で繰り返し合唱して頂け、それだけでもすごく恐縮するとともに嬉しく思った。そして。つくづく「この歌声が親(おや)曲の恋歌〈ラブバード・カトマンズ〉とともに、この先、末永く広く歌われ人と人とが互いを思いやる心が世界じゅうに広がり平和な世のなか実現の一助になれば、それに越したことはない」と思った次第である。
 聴かせて頂いたあとは、皆さんに張柳春さん作曲の親曲=恋歌〈ラブバード・カトマンズ〉=のさわり部分をスマホで聴いていただいたが皆さんの間では「わぁ~、スゴくいい。歌声もステキ」といった声が相次いだ。私は張柳春さんが国際的オペラ歌手として活躍され日中友好にも大変力を注がれていること、七月には上海で催される二千人規模のコンサートで恋歌〈ラブバード・カトマンズ〉が世界に向かって歌われることなどを説明させて頂いた。
 この後、嶺田さんには名古屋市内で、とびきり美味しいウナギ丼までごちそうになってしまった。同席された女性リーダー、馬嶋静子さん(74歳)からは「私たち、この〈愛のラブバード〉を〝ばあちゃん合唱団〟の持ち歌としてずっと歌い続けてよいでしょうか」の問いかけも。私は「もちろん、大いに結構です。よろしくお願いします」と答えさせて頂いた。
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 関電はこの日開いた臨時取締役会で運転開始後40年以上たち老朽化した美浜原発1、2号機の廃炉を決定。八木誠社長が福井県庁を訪れ西川一誠知事に「将来の電力供給力などを総合的に勘案した結果、廃炉を決定した」などと報告した。17日は日本原子力発電も敦賀原発1号機の廃炉を決め浜田康男社長らが福井県と敦賀市を訪れ説明に当たったが、日本の原発行政はこれにより大きな転換点を迎えることになった。
 ただ運転開始から40年前後になる美浜3号機と高浜原発1、2号機については午後、原子力規制委に新規制基準の適合性審査の申請をした。老朽原発をめぐっては、中国電力と九州電力も島根原発1号機と玄海原発1号機の廃炉を、いずれも18日に開く取締役会で決めることにしているという。

 原発といえば、本日付夕刊小説【記憶の渚にて 132】の次の下りが今の時代の危うさを見事にとらえ、かつ示唆に富んでおり、その通りだと思う。1部を抽出すると、こんな具合だ。
--それにしても、調べれば調べるほど、各国の原子力発電の対テロ対策がいかにお粗末であるかが分かってくる。もはや、どこの国も、わざわざ核武装をする必要などないのではないか。通常ミサイルの飛行距離を延ばし、精密誘導技術を磨いて、相手国の原発に確実にミサイルを撃ち込むだけで、核攻撃に相当する充分なダメージを与えることができる。狭い国土の東西南北に計五十基もの原子炉を林立させている日本などは、さしずめそのうちの幾つかに砲弾一発、ロケット弾一発浴びせて格納容器周辺の電気系統や給水系統を破壊するだけで、ほぼ国家の機能を喪失させてしまうことが可能だろう。
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【きょうの一文・ことば】
「これが天職です。(夜店は)どこまでも続けたい」=17日夜、NHK総合『〈にっぽん紀行〉岐阜市笑顔あふれる夜市 やっさんの大根』の番組のなかで。やっさん(80歳)の決意の発言
「向井さんはチャレンジ精神が旺盛で、科学技術の知見を持っている。公正で客観的な助言を期待している」=17日付中日朝刊『向井千秋さん富士通取締役に(6月22日付)』の記事のなかで。富士通の話

【新聞テレビから】
☆『ぽかぽか春色鮮やか 名古屋、岐阜20度超える』、『原発3基の廃炉決定 美浜・敦賀 福島事故後で初』、『大津いじめ和解成立 地裁勧告受け入れ 市の賠償計4100万円』、『デンソー、アイシン3000円 ベア決着 織機も同水準で調整』『日産は5000円軸に』、『「こうのとり(日本の無人補給機) 捕まえたい」 米でアーム操作 油井さんが訓練』、『三菱電社員4億円着服か 新幹線システム架空発注』、『「ケネディ大使を殺す」と脅迫電話 先月、英語で複数回』、『「ヤギで人殺す練習を」中3イスラム国影響? 小学校侵入容疑で逮捕』(17日付、中日夕刊)
☆『免震改ざん公共施設15棟 国交省公表 東洋ゴム、10府県で』『日本の信用失墜 太田国交省』、『昭和色の伏見地下街 衣料品店盛衰アートに復活託す』、『コールマン立ち入り 再販価格拘束の疑い 公取委』『小売店制裁の有無焦点』、『セクハラ提訴された村長 議会を解散 宮城・大衡』(17日付、毎日夕刊)
☆『〈暗雲いまも 地下鉄サリン20年〉検証されぬオウム 学ばない国 再び集まる若者』、『首相「先の大戦 深い反省」 国連70年演説 戦後談話に反映か』、『天竜川の絶景でございます=南信州を流れる天竜川を和舟で下る「天竜ライン下り」が16日、川開き』、『大正村村長に竹下景子さん 司葉子さんと5月交代』、『小保方氏告訴見送りへ 理研、必要な事実確認できず』、『「殺してと言われた」 福井・院生殺害 逮捕の准教授供述』、『「墓のマンション」好評 江南・永正寺 個別納骨、屋外で気軽に』(17日付、中日朝刊)
☆『浪江の未来描く 震災前の普通の風景を 神戸の芸大卒業、帰郷へ』『被災パトカー後世に 福島の公園に展示』、『「消滅可能性」上位100市町村 無投票の首長5割 現職17人 一度も選挙経ず』『自治力の低下示す』、『NATO・露 定期連絡途絶 偶発的衝突の恐れも』、『橋や道路寸断 バヌアツ支援難航』『感染症を警戒 (バヌアツの)赤十字社社長』、『偽装免震装置 三重、岐阜の4棟で使用 県立志摩病院、鳥羽署など』(17日付、毎日朝刊)

三月十六日
 合間を見て「草が生えてきてますよ。一度見にきて下さい」と昨日、電話で教えて頂いた畑へ。
 連絡してくださった、日頃畑での野菜栽培や柿の手入れでことのほかお世話になっているその方と昨秋、苗を植えたタマネギ畑を見て回った。指摘のとおり、まだ草茫々とまではいかないがかなりの範囲にわたって生えにかかっていた。ここへは母の助言もあり先日、タマネギ専用の肥料を与えたのだが「この間まで、順調に育っていたのに。全体に少し肥料焼けしてます。肥料の与えすぎです」とのこと。生意気にも「収穫はいつになります」と聞くと「6月ごろです。それまでに、この肥料焼けが治り復活してくれるといいですよね」との弁。
 あ~ぁ、せっかく頑張って肥料を与えたのに、と天を仰いだ。これもまた勉強だから、と自身に言い聞かせる。草は今月中には除去することで帰った。「そろそろ、じゃがいもを植えても好いころ。耕運機で掘り起こしておきましたから。スコップもああして土の中に突き刺しておきますから使ってください」とのことだった。農業も、ままごと程度でいいから覚えなくっては、と決意を新たにした日となった。
 それにしてもあれやこれや、小説の執筆をはじめ、ナンダカンダとやることが多い。でも、こうして平和に暮らしていけることに感謝しなければ。ありがたいことだ、と自身に言い聞かせる。
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 フィジーやニューカレドニア島に近い南太平洋上に浮かぶ83の島々から成るバヌアツを最強のサイクロンが急襲。首都ポートビラを中心に家々が倒壊、大木も根こそぎ倒れ、約13万人が被災、ポートビラでは8人が死亡、30人が負傷したとのニュースが伝わってきた。が、全容はわかっていない。日本も6人から成る調査チームを現地に派遣した。
 ブラジルのサンパウロやリオディジャネイロなど全土で政府の汚職に抗議、ルセフ大統領退陣を求めて100万人以上のデモ。ロシアの国営放送局がクリミア編入1年の特別番組「クリミア祖国への道」を放映。このなかでプーチン大統領が、先のクリミア危機に触れ「あらゆる事態に備え、核兵器の配備も出来ていた。最悪に備えて配備をせざるを得なかった」と答弁。
 東洋ゴム(大阪)の〝免震装置〟データ改ざん事件。その後の調べで、改ざん装置は18都府県で55カ所、計3300棟のビルに及ぶことが分かった。このデータ改ざん〝免震装置〟、京都府舞鶴市で建設中の「国立病院機構舞鶴医療センター」の新病棟でも計42基使用されていることがわかった、という。これでは医療施設に居ても安心できない。 
 赤とんぼの生態研究では第一人者の福井大大学院特命准教授、前園泰徳容疑者(42)が勝山市の路上に止めた乗用車内で教え子の東邦大大学院生菅原みわさん(25)の首を絞めて窒息死させた殺害事件。ふたりの間にいったい何があったのか。
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【きょうの一文・ことば】
「日本に降りかかる危険を振り払うためではなく、他国のためにも戦争をすることだ」「自衛隊だけでは人数が足りず、徴兵制が必要になってしまう。日本の青年が暗い表情で戦争に行き、残虐死していく。それを阻止するのはわれわれの義務だ」=16日付中日朝刊『戦争阻止われわれの義務』『金子兜太さん体験基に訴え』の記事のなかから。安倍内閣が法制化を進める集団的自衛権にふれ、本紙1面「平和の俳句」選者で現代俳句協会名誉会長の金子兜太さん(95)
「このままでは皆さんの子や孫が戦死する事態が迫っている。歴史を繰り返さないため、私たちが捨て石にならなければいけない」(沢地さん)/―ノーベル平和賞受賞者の元フィンランド大統領、マルッティ・アハティサーリさんが『日本には九条の会がある。私はそれに希望をかけている』と発言したエピソードに触れ「日本が戦争を起こさない努力をしなければならない。しかし今の首相に期待は全くできない」(大江さん)
=16日付中日朝刊『「九条の会」集会大江健三郎さんら』『改憲反対若者の力を』の記事のなかで。「九条の会」創設時の呼び掛け人の作家沢地久枝さん(84)と同じく作家大江健三郎さん(80)の訴え
「脱原発を政治決着させるには、圧倒的多数の世論が『ダメ』と声を上げる必要がある。熱が冷めないための努力を続けていくしかない」=16日付毎日夕刊『〈人・模・様〉ヒロシマで脱原発デモ50回』の記事のなかで。市民団体「さよなら原発ヒロシマの会」事務局長で広島大名誉教授・滝史郎さん(69)

【新聞テレビから】
☆『和の心娘の分まで 「東海メディカル」会長 名大に茶室を寄贈』『天野さん特別教授に 名大』、『美濃加茂市長の無罪判決 検察が控訴方針』、『伊藤博文、板垣退助、渋沢栄一ら 土居光華 書簡215通発見 解読開始近代史の一級資料』、『イヌワシ500羽 種存続の危機 繁殖率も減』、『鳩山邦氏2団体資金還流 事務所家賃 夫人会社に2500万円』、『津、日本一の店主死去今月閉店へ ワイン販売熟成に幕』、『「ホワイトデーのお返しなくて」 夫の首絞めた疑い 大阪の43歳を逮捕』(16日付、中日夕刊)
☆『東京発流行の最先端 ファッション・ウィーク開幕』、『歌姫サラ宇宙からの旋律 9月ISS(国際宇宙ステーション)旅行「地球と共演 美しいはず」』、『国補助金で大学改革促進 最低評価は半減 淘汰加速も』、『ゲリラ豪雨 雲発生前に予測 文科省 五輪見据え研究』、『ブラジル大統領弾劾を求めデモ 汚職疑惑』、『ウクライナ東部ドネツク 傷痕生々しく 住民祈る早期終戦』(16日付、毎日夕刊)
☆『〈備える3・11から災前の策〉本当に助かる訓練を』『宮城・介護施設 自力で歩く毎日続ける』『岩手・大船渡小 自分で考える 抜き打ち避難』『〈東日本大震災4年〉見上げてごらん 気仙沼の星を 減った街明かり「ならば」』『「被災地国連も応援」潘事務総長住民と交流』、『エッセイストの阿川佐和子さんが明治村(愛知県犬山市)の第4代村長に就任』『ハイカラ阿川新村長 明治村50周年パレード』『ブルーインパルス展示飛行 小牧44年ぶり賛否交錯』『〈通風筒〉◇…男性器をかたどった木彫りの「大男茎形(おおおわせがた)」を奉納する豊年祭が十五日、愛知県小牧市の田県神社であり、大勢の見物人でにぎわった』、『トヨタベア4000円 春闘 過去最高水準で決着』『中小への波及焦点』、『〈核心〉中国「強い習氏」待望 集団指導よりカリスマ』、『籾井会長の私用車代 NHKに請求、処理 ゴルフでハイヤー使用』(16日付、中日朝刊)
☆『〈証言―地下鉄サリン事件20年〉事件なぜ起きたか「先生」と考えたい 林郁夫受刑者の自供引き出した捜査員 退職後も文通重ね』、『若い議会政策に熱意 条例可決数に差 全国自治体調査』、『ウクライナ東部 核シェルターで生活 住民「第二次大戦時より怖い」』、『(南太平洋の島国)バヌアツ非常事態宣言 サイクロン直撃 首都9割壊滅か』、『「九条の会」初の全国討論 大江さん「7500団体で反戦努力」』(16日付、毎日朝刊)

三月十五日
 ♪春水のたゞ静けさに人だかり みづほ
 春うらら。つい先日までの春の雪なぞ、とても信じられない。
 本日は会合続きで一匹文士の伊神権太としては、心身とも少し疲れた。ただ外を歩いていると、だいぶ春めき、いよいよ桜の季節近しである。こんな日には、海とか野はら、〈かぜ〉に向かって、ただひとり横笛をふきたい。

 この日あった会合では、この世のなか、しっかり者のうるさ型。そういう方々の陰の努力と情熱、そして奉仕のたまもので成り立っているな―と。そんな思いを新たにした。
 きょう出た2つの会合。ひとつは、ことし6月14日に近づいた中部ペンクラブ創立30周年記念総会と「30周年記念公開鼎談と文学講演会」を前に名古屋の芸文アートスペースセンターで開かれた中ペンクの理事会。いま一つは私たちが住んでいる愛知県江南市花霞町の平成26年度役員総会(市福祉センター)で、こちらは花霞町副総代として出席した。熱心な討議や引き継ぎぶりを目の前に、多少気になる点はあったが、大変参考になった。
 中部ペンクラブの理事会では、「何より中ペンの品性にあうような創立記念大会に」の願望が印象に残った。この日は引き続き文芸セミナーも開かれ「文宴」同人の松嶋節さんが「一人ひとりの物語―雪蓮さんのことなど」を演題に、自ら通算5年に及ぶ中国での日本語教師の体験談をもとに身ぶり手ぶりよろしく彼女ならでは、のユーモアたっぷりの講演で参加者を引きつけた。私は次の会合があるため、途中で辞した。
 ただ、この文芸セミナー。欲を言えば、2008年に来日21年目にして、日本語で書いた「時が滲む朝」で第139回芥川賞に輝いた女性作家、楊逸(ヤン・イー)さんら中国人作家の文体とか気風、精神といったような、そうしたものを期待していただけに、文芸セミナーとしては物足りなさを感じた。もっと文学に挑む姿勢を知りたかった(ただ私が席を立ったあとに出ていたかもしれないが…)。
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 陸上の世界選手権(8月・北京)代表選考会を兼ねた全日本競歩能美大会が石川県能美市で行われ、男子20㌔でロンドン五輪代表鈴木雄介(27、富士通)が1時間16分36秒の世界記録で優勝した。鈴木選手は能美市出身だけに地元では「北陸新幹線開業に続くビッグニュースだ」と喜びが広がっている。
 閣僚の「政治とカネ」疑惑が続出する安倍政権。なかでも首相の〝盟友〟、下村博文文部科学相の疑惑は底なしです。教育行政を動かす力を背景に、塾業界に自身の名前をかぶせた後援組織「博友会」を広げ、票や「会費」などと称する政治資金を集める―。まさに教育分野の〝利権あさり〟の構図です、とは〈しんぶん赤旗日曜版2015年3月15日〉1面「教育行政利権」の前文です。
 私たち文学同人の仲間たちが1000円、2000円の会費を確保するのに、皆汗水たらしているのに、と思うと嘆かわしい限りだ。政界は人によっては感覚がマヒしている。そうした人間を選んだのも国民。人のふりみてわが身を正してほしい。特に政治に携わる人には。私利私欲ではなく、人々の生活をよくしてほしい。のに…。
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【きょうの一文・ことば】
 政治家が特定企業のために動き、その企業から献金をもらえばワイロのようなものです。特に今回問題になっている補助金を受けた企業からの献金は、国民の税金が還流することになりますよ。/安倍政権の閣僚らは「知らなかったので罪ではない」といいますが、感覚おかしいんじゃないですか? /大臣を辞めたからってすまされない。いいかげんでない、抜本的対策が必要です。/そもそも企業・団体献金をやめる前提で、国民1人250円の政党助成金を集めたのに、受け続けるのは全くおかしい。少なくとも腐敗の温床になっている企業・団体献金は全面的にやめさせ、抜け道をふさぐべきですよ。
=しんぶん赤旗日曜版2015年3月15日号の『感覚おかしい 抜け道ふさげ』から。作家室井佑月さんのことば

【新聞テレビから】
☆『〈情熱大陸〉アニメ監督 オスカー候補(「ダム・キーパー」)のリアル 〝光と影の魔術師〟アカデミー賞へ アニメーション監督堤大介』(15日夜、CBC)
☆『樹木葬長久手に公営墓地 中部初 自然に返る/管理費不要』、『米、沖縄隊に「核発射を」 キューバ危機 ミス気付き回避』、『〈戦後70年〉名古屋大空襲(1945年3月12日) 追悼の灯』、『岐大教授論文で警鐘 保護者合流より避難 旧友の大川小教諭津波で犠牲』『「事故後の対応不十分」遺族』、『18歳選挙権お先に体験へ 豊橋県議選で公開討論・模擬投票』(15日付、中日朝刊)
☆『みなし仮設 延長可能性「黒塗り」開示 福島県、避難者側に』『〈解説〉見通し示さず疑心招く』、『再生エネで揚水発電 東電 東日本の余剰分活用』、『〈証言―地下鉄サリン事件20年〉「運んだものは何だ?」会話中、意識なくす』『同僚失った霞ケ関駅元助役』『使命全う 今は誇り』、『女子大学院生殺害の疑い 福井大准教授を逮捕』(15日付、毎日朝刊)

三月十四日
 土曜日。ホワイトデー。
 きょうも一日、バタバタバタッ、と過ぎ去った。午後、妻(舞)が営むリサイクルショップ「ミヌエット」で恒例の〝ちいさな音楽会〟の試み。〈春風に乗って〉がメインテーマで店内を開放、ボランティアの本間敏代さんのバイオリンと林まみこさんのキーボード演奏を一緒に楽しもう、との試み。〈ゴンドラの唄〉〈どこかで春が〉〈おぼろ月夜〉〈春の小川〉と、春シリーズで合奏されたが皆、童心に返ったかのよう。
 ふたりの息のあった軽やかな演奏は〈春風に乗って〉そのもので、演奏に合わせ参加者が一緒に歌ったり、即興で踊ったりする場面まで飛び出した。ほかに「ミヌエット」テーマ曲である加藤省吾さんの〈みかんの花咲く丘〉も演奏され、この日はホワイトデーとあって、愛する人にと〈愛の讃歌〉でエンディング。出席者のなかには、きのうが誕生日だった女性もおり、途中、ハッピバースデイを奏でて誕生日をみんなでお祝いするひとコマまで見られた。
 春風の調べに乗って 楽しく進んだ〝ちいさな音楽会〟
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 中日新聞朝刊で〈平和の俳句〉月間優秀作180句が紹介されたが、長男の小牧小学校時代の恩師だった〝サシカタセンセイ〟とみられる男性、それに舞の句が入っていたので、ここに掲載させて頂く。
♪合言葉非戦の道を歩みます     指方隆司
♪燃ゆる火やおけら参りの幸もらう  伊神舞子
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 首都圏と北陸を結ぶ待望久しかった北陸新幹線がきょう開業した。
 新聞テレビは金沢を中心に富山、能登、加賀、延伸が予定されている福井と北陸路一色の紙面で染まっている。私たちは能登の七尾に住んでいただけに他人ごとでなく、むしろ和倉まで直行でいける〈しらさぎ〉や、大阪-金沢間を結ぶサンダーバードの行く末が気になる。なんでも北陸新幹線の開業に伴って名古屋からの〈しらさぎ〉の本数が少なくなったと聞くが。今も昔も〝陸の孤島〟のままの能登半島への手厚い配慮も考えていただきたい。
 鳩山元首相がクリミア半島の旅を終え、帰国。クリミアは、ロシアが一方的に編入を宣言し欧州各国や日本政府は認めていないだけに、波紋を広げている。こうした自分勝手な行動に、ある識者は「自由すぎる元総理。ひと口で言うと、またやってるナ、といった感じ。鳩山って人は悪意のない善意の暴走族。善意の暴走族ほど厄介なものはない」との見解。この鳩山元首相の〝暴走劇〟に菅官房長官も「国益を汚す行為で厳しく怒っている。コメントする気にならない」と。
 とは、仰いますが。政府が辺野古で民意に逆らっての掘削を強行したのは、これ如何に。選挙で選ばれた翁長知事との話し合いひとつしないままの勝手きわまる暴走ぶりは、どうだ。あげくにカネ、カネ、カネにまみれた各閣僚たち。「補助金が出てたとは知りませんでした」では、通らない。人のふり見てわが身を正せ、とはこのことだ。坊ちゃん宰相だった〝鳩山さん〟の行動が、幼げに見えてくるのはなぜか。
 今は何より、辺野古の埋め立て問題で政府の方が翁長知事の方に「ぜひ、お会いして話をさせて頂きたい」と低姿勢で出ることの方が緊急を要する。でないと、沖縄の心そのものが日本から離れてしまいかねない。ハトヤマさんの個人的なお遊びとは、次元の違う話なのである。

【きょうの一文・ことば】
「困難な時代だった」。「戦争は人を野獣にする。隣人ですら血を求めるようになった」。「自分にはサッカーしかない」。(祖国が同じ元日本代表監督のイビチャ・オシム氏=73=は)「親友です」「いつか(オシム氏に)日本に来て、試合を見てほしい」。「ありがとう」=14日付毎日朝刊『サッカー代表 新監督(ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ監督。62歳)、苦難の人生』『ボスニア紛争で母国逃れ』の記事のなかから。バヒド新監督の会話の1部

【新聞テレビから】
☆『北陸新幹線開業 金沢―東京 最短2時間28分』『人の流れ活発化期待』『「乗り換え減り便利」 上野東京ラインも開業』『速度アップ285㌔出発式 東海道新幹線』、『戦闘で子ども1400万人被害(国連児童基金が発表)』、『指導の女性院生殺害容疑 福井大准教授を逮捕』『トンボ研究で師事 菅原さん』、『日米に強い危機感 中国の投資銀 (英国に続き)豪も参加検討表明』、『2000人診察の医師、子どもの健康に尽力 被ばく不安寄り添う』、『防災協力4900億円を表明 安倍首相 仙台で国連会議開幕』(14日付、中日夕刊)
☆『構想半世紀 北陸新幹線開業』『かがやき新時代 景色よし車内よし』、『減災目標を採択へ 国連防災会議 仙台で開幕』、『ダルビッシュ今季絶望 右肘手術へ』、『富岡つながりで桜染め復活 福島→群馬 避難の障害者施設』『いつか帰れるように 大熊 中間貯蔵施設から1・5㌔』、『アフガン戦闘犠牲者追悼 イギリスで記念式典』、『メルケル首相「慰安婦」解決要請 独政府「報道、正しくない」』、『クリントン氏(元米大統領)来週日本訪問 都内で講演』(14日付、毎日夕刊)
☆『「平和の俳句」優秀作特集』、『除染廃棄物を初搬入 中間貯蔵福島用地』、『免震材データ改ざん 東洋ゴム、18都府県55棟 愛知6棟岐阜2棟』、『電機ベア3000円で決着 春闘 日航は14年ぶりベア』、『ココストア買収検討 ファミマが協議認める』、『★「サンゴ破壊」と告発状=沖縄防衛局が県の許可を逸脱してサンゴ礁を破壊したとして、地元住民らが13日、県漁業調整規則違反容疑で井上一徳防衛局長に対する告発状を那覇地検に提出した』、『〈通風筒〉◇…大津市の比叡山延暦寺で十三日、世界平和を願う法要「比叡の大護摩」があった。世界の宗教代表者が参加した「比叡山宗教サミット」(一九八七年)の精神を受け継ごうと九〇年に始まった行事。』(14日付、中日朝刊)
☆『〈原発事故4年 避難者漂流〉1階、5階交換認めず 埼玉のみなし仮設2世帯退去』『中間貯蔵搬入「心の整理できぬ」 住民置き去り 用地交渉や輸送課題山積』、『古里失った痛み聞いて 国連防災会議イベントで発表へ 福島取材の中3記者 自らも被災思い重ね』『■両陛下、宮城で震災犠牲者慰霊』、『W杯決勝T目標 サッカー代表 ハリル監督来日』、『非行情報共有 警察と協定53教委 中1殺害 川崎は未締結』『67都道府県・政令市』(14日付、毎日朝刊)

三月十三日
 先日、私自らユーチューブにアップした東日本大震災の被災地行だが、結構見てくださっている方がいるようで嬉しく思う。被災地の皆さまがどんなに辛く苦しい思いで日々を過ごしているのか、その一端でも分かって頂けたら、それ以上のことはない。デ、本欄の読者で、もしその気がおありでしたら、ユーチューブを〝【大震災から4年】被災地と塩屋埼灯台〈その2〉〟で検索していただけたら有り難い。

 私なりにあれやこれや、とこのところは少し根を詰めた日々だったせいもあってか、以前からしばしば突然、痛くなり病弱な舞に逆にタクシーで病院まで送ってもらったことがある、前科者ともいえる〝両の首筋〟と背中がナントナク疼く。でも、集中してあれこれしているうち、不思議と痛みはなくなった。
 集中するといえば、きょうは執筆の合間を縫ってつい先日の横笛レッスンで師匠から初めて譜面を渡された【平城山(ならやま)】への挑戦も本格的に始めた。マスターするまでには、まだまだ月日がかかりそうだが、なんといっても音曲というか、調べ、歌詞もいい。♯ひとこしは―かなしきものと―/ならやまに―もとおりきーつつ/たえがたか―りーき―…といった具合だ。なかなか味わい深い。すっかり気に入ったのである。

 週刊新潮の3月19日号の見出しは【特集 未亡人「中川郁子」不実なくちづけの代償】と勇ましい。
「亡夫の名に頼って代議士になりながら同僚議員との不倫に走り、不実の路中を本誌に激写されてしまった農水政務官の中川郁子センセイ(56)。その不潔な対応に安倍総理は呆れ果て後援会は怒り心頭と、代償はあまりにも大きかった。」との総合リード付きでことの真相をえぐり出したが、この前文の通りだと思う。なんといっても、この瞬間をとらえたカメラチームの頑張りを称えたい。
 それにしても政治家たるもの、何をしているんだ! 
 不倫とはいえ、もしかして本物愛かも知れないので軽々にはいえないが、両センセイとも脇が甘すぎる。これでは、本当の恋なんて出来るはずもなかろう。単なる肉欲がらみの〝男と女の残りガスごっこ〟か。なんとも嘆かわしい限りだ。激しくも誰にも明かせない、そんな究極の愛となると、二人には無理だろう(むろん、これからどうなるか、は分からないけれど)。ふたりとも恋の出直しをしてみたら。本物の愛なら、ひとにとやかく言われることなぞない。
        ×        ×
 東電福島第一原発事故の汚染土壌や廃棄物など除染廃棄物約15㌧の福島県内、中間貯蔵建設予定地内、保管場への搬入が始まった。今後一年間は「試験輸送」との位置づけで小規模な作業にとどめるというが、地権者二千四百人との用地交渉は難航しており、本格稼働の見通しが立たないなかでの搬入開始となった。この中間施設、完成すれば3000万㌧の貯蔵が可能。放射線セシウムの濃度に応じ1キログラム当たり10万ベクレル超の焼却灰や廃棄物は専用容器に入れて建屋で保管。10万ベクレル以下は防水処理などをして地下に埋めるのだ、という。
 現役最後のブルートレインとして知られた上野発札幌行き寝台列車「北斗星」がJR札幌駅と上野駅をそれぞれ出発、多くの鉄道ファンに別れを告げた。開催中の大相撲九州場所では期待の遠藤が左ひざ靭帯のケガで4勝2敗のまま休場、1ファンとして残念極まりない。一方で23歳の関脇照ノ富士が栃煌山に勝って初日から6連勝。新三役としては71年ぶりの初日から6連勝の快挙。36歳、円熟の幕内、安美錦も6連勝と好調だ。
 サッカー日本代表の新監督に決まったバヒド・ハリルホジッチ氏(62)が成田着の航空機で来日。「コンニチハ」とあいさつ。「10以上のオファーがあったが、私は好きな日本からのオファーを受けることにした。私と妻はスシが大好き。そして負けるのが大嫌い。今まで攻撃的なチームをつくってきたが、選手たちにはドンドン前に行ってほしい。第一の目標は2018年のワールドカップロシア大会への出場権獲得です」などと語った。日本のサッカーが楽しみになってきた。
 富山湾では未明のホタルイカ漁がただ今、最盛期。キラキラと青い光が夜の海に星のように神秘的に映え、春を告げている。あす14日、北陸と首都圏を結ぶ北陸新幹線が金沢―長野間(228キロ)でいよいよ、延長開業する。

【きょうの一文・ことば】
 …好きな作品の一つに「大漁」がある。
「朝焼小焼だ大漁だ 大羽鰮の大漁だ 浜は祭りのようだけど 海のなかでは何万の鰮のとむらいするだろう」。物事の表面だけでなく、裏側にも目を当て、あるべき形をさりげなく提唱する作風からは、子を思う親心のようなやさしさを感じた。
 ……
=13日付中日夕刊『〈旅〉長門市 山口県 魁夷を魅了した絶景(文・写真 富永賢治)』の記事のなかから。二十歳すぎまで仙崎地区で暮らした童謡詩人、金子みすゞに触れ、富永記者

【新聞テレビから】
☆『津・美杉 愛する山里に恩返し (三重大学院)院生自治会長走る』、『渡辺さん ブロードウェーデビュー=日米の映画で活躍する人気俳優渡辺謙さん(55)が主役の1人を務めるミュージカル「王様と私」で』、『除染廃棄物を試験搬出 福島・中間貯蔵施設 建設、依然難航』、『「重要影響事態」例示を 公明、自衛隊派遣で政府に』、『ハリルホジッチ監督来日 サッカー』、『小中高生「被害の恐れ」400人 文科相 中1殺害受け緊急調査』『少年が謝罪「将来奪った」三重中3致死、被告人質問』、『司法取引導入を閣議決定 可視化義務づけ一部のみ 〈解説〉捜査機関の権限拡大』、『遠藤が休場』、『雲龍図迫力そのまま 天竜寺に複製奉納』、『東海の文学風土記 三田村博史107 佐藤愛子と下田歌子』(13日付、中日夕刊)
☆『センバツ 組み合わせ決まる』、『シリア人難民初認定 東京入管 一昨日来日の3人』、『無人の街支える灯 旧警戒区域は今 東日本大震災4年⑤』、『自衛隊派遣 人道支援に新5原則 政府提示 国連決議なくても』(13日付、毎日夕刊)
☆『政府 辺野古掘削を再開 過去の同意盾に強行 知事許可取り消し視野』、『トヨタベア4000円前後 過去最高 一時金は満額方針』、『〈伝える、ということ 東日本大震災4年〉なまり優しく身近に FMねまらいん 及川透子さん(31)』『3・12 村の活気祈る灯 長野・栄村地震4年』、『山下達郎さんら大臣賞 芸術選奨 春風亭小朝さんも』、『将棋棋士50年超1000敗目で幕 王位など4期獲得 内藤国雄九段』、『教職員らに体罰報復脅迫状 「300万円で中止」45都道府県2000件超』、『26年前に男性遺体取り違え引き渡す 警視庁、本人は生存』『天白の遺体、住人男性』、『守山署紛失、捜す 事故死男性の指輪 娘が「形見に」』『受刑者接見妨害 国に賠償命じる 名古屋地裁』、『中電子会社議事録証拠保全の手続き 大垣署の情報提供問題』、『彦根城 石垣は再利用材 佐和山城から運搬 対豊臣に備え築城急ぐ』(13日付、中日朝刊)
☆『沖縄の声届かない 辺野古掘削再開激しく抗議』『県民反対後戻りできない 宮城篤実・元嘉手納町長』、『みなし仮設住宅 住み替え対応バラバラ 新潟130件、東京6件』『〈避難者漂流 原発事故4年〉すし詰め限界「みなし仮設」 親子6人で52平方メートル』『転居の可否基準あいまい』、『自衛隊派遣 恒久法は後方支援限定 PKO法 人道支援で新基準』(13日付、毎日朝刊)

三月十二日
 ♪秋耕や遠祖の土くろぐろと 伊神舞子
 この俳句は昨日、島根県隠岐郡海士町の隠岐後鳥羽院顕彰事業実行委員会からわが家に〝佳作(宇多喜代子選)〟の通知が届いた舞の俳句である。いつのまに投句していたのか。おそらく昨秋、舞と一緒に生まれて初めて畑で玉ねぎの苗を植えたときの、すなおで素朴な気持ちを歌ったものに違いない。人生が俳句とともに、いや、舞の場合は俳句が人生とともにある良い例である。さらなる飛躍を願う。
 社交ダンスの方は、ラ・クンパルシータ(タンゴ)べサメ・ムーチョ(ルンバ)ライムライト(ワルツ)などの調べに乗っての厳しくもなごやかなレッスン。ルンバは足を伸ばしワルツやタンゴは曲げる。タンゴは両腕にお盆を持って前に突き出すようにしてステップを踏むとよい。ラテンのクッションは足ではなく、お尻でとる。ラテンもスタンダード(モダン)もトーンがほしい、すなわち〝音〟が取れるといい。
 これらの言葉が少しだけわかってきた。
        ×        ×
 政府が名護市辺野古沿岸部の埋め立てに向け昨年9月から中断していた海底ボーリング調査を再開、翁長雄志知事は記者団に「大変遺憾だ。あらゆる手法を駆使し、公約どおり辺野古に基地をつくらせない」と話すなど、地元沖縄の感情を硬化させている。それにしても、政府は選挙で選ばれた翁長知事になぜ会おうとしないのか。これでは、沖縄の民意を踏みにじっている。会って話をすれば、そこから解決の糸口が見つかるかも知れないのに。
 大阪―札幌間の千五百キロを22~23時間で結んでいた寝台特急「トワイライトエクスプレス」が引退を迎え、最後のラン。平成元年から走り続けた26年のランに別れを告げたが、札幌行き最終列車が出発したJR大阪駅ホームには3500人のファンが駆け付け、万感を胸に最後の姿を見送った。中国では多額の贈収賄を巡る不正の捜査が相次いでおり、昨年だけで実に五万五千人を超える人々が摘発されたという。
 土星の衛星「エンケラドス」に地球の海底と同じように割れ目から熱水が噴出している可能性が高い、と東京大や海洋研究開発機構の参加する国際チームが12日付英科学誌ネイチャーに発表。地球の海底噴出孔からは地熱で数百度まで温められた水が噴き出しているが、エンケラドスの熱水も90度に達するとみられる。「原始的な生物が存在しているかも」とは、東大の関根康人准教授(惑星科学)。
 「がん患者の尿に好んで集まる線虫の有無で、がんの早期発見ができる」とは、九州大学大学院の広津崇亮理学研究院助教授。アニサキスという線虫が、なぜかがん細胞の嗅覚に優れており細胞のにおいで集まってくる習性を生かそうというものらしい。将来的には、尿一滴で安価にがんの早期発見ができる時代も夢ではない、という。夢のような、信じられない話だ。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「阪神大震災は甚大な被害をもたらしたが、多くの人は暮らし慣れた地に困難を抱えながらもなんとか戻れた。でも今回の災害後は津波の危険区域はもう住めないし、原発事故による放射能の汚染地域も住めない。4年たつのにどこで生きるかすら、見通しが立たない」
「福島の全員避難小中学校では、10台前後のバスがバラバラに避難している子供たちを順に拾って仮設校舎に連れてくる。遠くに住む子がバスに乗るのはまだ暗い朝の6時台ですよ。それで1時間ほどバスに揺られて登校する。帰りも同じ。遊ぶ時間すらない。これがもう4年です。このストレス、想像できますか」
「家族や地域の崩壊、過疎と高齢化………。高度成長期以降ゆっくり広がっていた負の部分が一気に凝縮して顕在化したのが被災地です。しかも日々深刻になっている。人は将来に希望がないと、前向きに生きる力を失う。将来のビジョンと希望が見いだせる状況、これが『人間の復興』です。でも中央の被災地復興の視点は、経済やモノに偏っている」
…………
 今の状況は、巨大な負の経験をしたという意味で、敗戦直後と重なる。戦争を教訓とし、日本は憲法9条を手にして約70年間、戦争をしない国造りを進めた。「それと同じです。震災を教訓に本当に人の命を守れる国に生まれ変われるかどうか。この国は今、その分岐点にある」
=毎日夕刊12日付『〈特集ワイド〉この国はどこへ行こうとしているのか 震災4年の重み 人間軽視 まるで変わらぬ』の記事のなかで。ノンフィクション作家柳田邦男さん(78)のことばなど

【新聞テレビから】
☆『〈もう4年まだ4年 東日本大震災〉再会助ける筆の力 宮城県警 身元不明者捜査に似顔絵 年々減る判明者』『震災関連自殺昨年22人 16人減少』、『広重ゆかりの宿 366年で幕 豊川の「大橋屋」建物 市が保存へ』、『東証1万9000円超え=14年11カ月ぶりの高値水準となった』、『さよならトワイライト ファン殺到』、『長良川産アユ復活 16年ぶり稚魚出荷へ 御嶽山灰被害 木曽川不漁で出番』、『富山冤罪訴訟県警控訴せず』、『「イスラム国」殺害小中7校画像閲覧 三重県教委が調査』(12日付、中日夕刊)
☆『辺野古海底掘削を再開 防衛省 翁長知事就任後初』『知事「大変遺憾」』、『北朝鮮への制裁 政府2年延長へ』、『荒波越えて未来へ 大友克洋さん壁画 仙台空港=陶板壁画の除幕式』、『顔認識 脳の働き必要最小限 岡崎の生理学研「相貌失認」治療に期待』、『サイバー補導急増439人 ネットで性行為勧誘など 警察庁』『捜査員、メールで「接触」』、『ウォール街(で働く証券マンに支払われたボーナスが前年比3%増で1人あたり)賞与2100万円 14年 7年ぶり高額』(12日付、毎日夕刊)
☆『震災4年「前進」誓う』『〈伝える、ということ 東日本大震災4年〉声なき怒りの重み 福島民報 柳沼郁さん(28)』『僕、夢へ跳び上がる 放射能に悩む福島 小1 バスケに熱中』『心の復興願う灯 陸前高田』『宗教超えて祈り 栄など 被災地に思い寄せる』、『北陸新幹線大解剖』、『〈戦後70年〉名古屋空襲は「実験」「3・25」死者1600人 米軍資料で判明』、『ユニーどこへ向かうのか 決断 ユニー・ファミマ統合へ』、『松阪市長が引退を明言』、『★上原賞に狩野教授=世界的な業績を挙げた生命科学者に上原記念生命科学財団が贈る「上原賞」に東京大大学院医学系研究科教授の狩野方伸氏が選ばれた。賞金は2000万円』『東大教授を懲戒解雇 架空契約で研究費詐取』(12日付、中日朝刊)
☆『忘れない でも前へ 東日本大震災4年』『19歳誕生日 母と妹に誓う夢 宮城・名取の遺族代表 浜田由治さん』『再起への一歩 荒れ果てた古里 父の遺影に誓う 福島・いわき』『〈再生への提言〉阿部真奈氏=慶応大総合政策学部2年= 元女川さいがいFM高校生アナウンサー 伝えることが大切』『被災者に心寄せる 名古屋 栄で追悼式』、『〈’15 統一地方選〉名古屋市議不在に きょう任期満了 来月選挙まで』、『大阪府教育長が辞職 知事同意 職員らにパワハラ』(12日付、毎日朝刊)

三月十一日
 雪の朝。あの日から4年たつ。
「家もなくなってしまい、生きているのが本当につらい」。かぜに乗って大きく耳に迫る声。
 遅々として進まない核燃料取り出しの一方では依然止まない原発汚染水のたれ流し。この先、除染も含めて廃炉まで気が遠くなるような道のり。放射能の汚染地域からの避難。荒れ放題に草茫々の自宅。路傍には放置されたままの黒い除染袋の山、山、また山だ。そして子らにしのびよる甲状腺がんへの恐れ。なかには折れた心をさらし、半ば自暴自棄となり世捨てびと同然の姿も。被災地は完全に傷んでいる。
 そればかりではない。仮設住宅での体力消耗とストレス症候群。高齢化。今も行方不明のままの最愛の家族。孤独死、過労からくる地震関連死。災害公営住宅への入居の有無、国の賠償金の多少を巡っての人間関係の悪化。遅れる高台造成。これでは、いつになったら安住の地に住めるのか。生活難のなか、意を決して事業は始めたものの雪だるま式に増える一方の資金難にお手上げの人々も多い。
 除染の大幅遅れで帰りたくても帰れないどころか、住み慣れたわが家に一歩も入れない人たちもいる。浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉……。あの日から4年がたち、ふるさとに戻らないと苦渋の決断をした人々は42%にも及ぶという。自ら命を絶つ人々も出てきている。

【もう4年 まだ4年】の被災地の人々には依然、苦しい現実がのしかかる。この現実から、どう脱却していけばよいのか。周りは被災者の気持ちになるほかない、と口では言ってもたやすいことでない。「帰りたくても帰れない」。現実にたちはだかる壁の中で喘ぎつづけ、日々、涙も枯れるほどに打ちひしがれ心のなかで葛藤し泣いている人たち。私たちはどうしてよいものか。ただ見守るしかないのか。皆、たじろいでいる。政府による平等な復興支援、そして一般の支援がいまほど待たれている時はない。

 けさ、被災地には白いゆきが、やわらかく降り注いだ。あのときと同じ寒さのなか、海に面した浜や住宅跡、仮設住宅など。各地で亡き人の霊よ安かれ、と鎮魂の祈りが重ねられた。涙は果てしない。モノこそ言わないが海の悲しみとて、また同じだ。

 4年前のきょう、午後2時46分、三陸沖を震源にM9・0の東日本大震災が起き、同時に福島第1原発事故が起きた。大震災と原発事故による被災者数は、死者15891人、行方不明2584人(10日現在、警察庁のまとめ)に及ぶ。また被災3県(岩手、宮城、福島県)から県外に避難している人は56006人、県内も含めると避難者総数は実に22万9000人に上るという。
        ☆        ☆
 復興は進んではいるが、進んでいない。いや、進んでいないように見えて実は進んでいる。人々の多くが経済的にも、肉体的、精神面からも苦しみ抜いている。が、せめて復興への道筋、光りをつかもうと被災地の人々は今、それこそ火の玉になって希望への道を歩んでいる。
 先日、被災地を訪れ、いわき市の塩屋埼灯台直下に広がる重機やトラックが行き交う復興現場や、今も避難指示解除準備区域のままで町全体がシンとしたままの楢葉町など原発放射能汚染区域を歩き、この目で見て歩いて感じた実感である。みんな生きるために仁王立ちになって、苦しんでいるのがよく分かった。
 きょうは新聞各紙とも大震災に関する記事満載で読んでも、読んでも読み終わらない。おそらく一線の記者たちも、だれもがまだまた書き足りなかったに違いない。それほどまでに大津波を伴った巨大地震と原発事故発生に伴う汚染の問題点は多く、不幸の連鎖も果てなく、留まるところがないのである。各メディア、すなわち報道機関がどんな姿勢で東日本大震災の被災者と向き合っていくのか、その点についても考える良い機会である。

 ここで私なりにこのところ震災や原発汚染(放射性物質を含んだ汚染水の大量放出など)に関したもので特に関心をもって読んだ記事を、ここに掲載しておきたい。
―原子力には隠蔽体質があると。との質問にこたえて。
「私の世代は原子力の火は希望や明るい未来、輝かしい科学技術の象徴みたいな受け止め方をして育ってきた。平和利用が一概に間違っていたとは思わないが、一番欠けていたのは情報公開。不透明で、秘密主義だった。その曖昧さを国民は受け入れてきた。二月に発覚した福島の汚染水流出で東電が公表しなかったのも国民が許してくれると思ったから。企業の楽観論に政治が乗っかり、国民は置き去りにされている」
「東日本大震災後、日本人は自分たちが築いた文明に懐疑的になり、立ち止まって考えると思った。ところが全然違う。一体、日本人は何人死んだら立ち止まるのか。一万五千人余りでは足りないのだろうか。だいたい太平洋戦争で三百万人も亡くなったというのに、今の政治家は懲りていないというか、戦争への反省がない。本当に愚かとしていいようがない」
ー福島の事故は作家人生に影響を与えたか。
「自分も含め人間は愚かだと思う半面、よりよく生きる意思を持てると思っている。私は原発を動かしたくないので絶対節電するという意思を持って生活している。価値観は多様であっていいと思うけれど、最終的に人間の生き方はそれほど違わない。うそをつかないとか、人をだまさないとか。人が住めなくなるようなところをつくっちゃいけないというのも同じ」
=9日付中日『〈核心〉福島事故 高村薫さんに聞く 再稼働国民置き去り 人が住めないところつくっちゃいけない』から抜粋

【きょうの一文・ことば】
 駿が亡くなったと信じたくない。悔しいですね。本当に悔しい。=中2の息子(野球部のエースだった)を失った母親大川ゆかりさん
「患者の心のケアをする医療ソーシャルワーカーっていう大切な仕事があるんだ。人の気持ちが分かるゆきのには向いていると思う」。=11日付毎日朝刊『〈私の決意〉内山ゆきのさん(20)=東北福祉大2年 宮城県名取市= 父の遺志かなえる 責任ある医療「将来一緒に…」』の記事のなかで。被災した石巻市で医療に尽力し、過労とストレスによる致死性不整脈で亡くなり、震災関連死と認定された亡き父(外科医)内山哲之さんが生前、ゆきのさんに語ったことば

【新聞テレビから】
☆『前へ歩く 家族失ったけど支えられて』『古里の再生へ思い受け継ぐ 大槌町旧庁舎などで追悼』『被災地の今 全国に発信 岩手日報 名古屋などで号外配布』『〈もう4年まだ4年 東日本大震災〉教訓継承誓う朝』『寄り添い続ける福島で 南相馬 避難者支える「絆診療所」』『絶対に忘れないから 名取・閖上地区で祈り』『カイロでも式典 被災地復興願う』、『名古屋 3月28年ぶり 積雪3㌢』『北日本などで大雪警戒続く』『空港で1200人が一夜 北海道、JRは運休』(11日付、中日夕刊)
☆『〈東日本大震災4年〉 生かされた命かみしめ』『莉桜(りお)、開花見守っていて 宮城・石巻 遺族が小学校で桜10本植樹』『福島・南相馬 「一本松」の下で復興願うホラ貝』『岩手・宮古 津波想定し訓練 高台へ住民避難』『海で復興の力に 祖父奪われた17歳恐怖越えて』『古里の記憶残す 撮影続ける大槌の女性』『早く帰っておいで 女川 不明女性に家族が弁当』『釜石小児童らとテレビ防災集会 碧南市立棚尾小』『知事を脅迫容疑 除染作業員逮捕 福島』、『白川村で積雪208㌢ 新幹線遅れ、高速道通行止め』、『松井氏GM特別アドバイザーに ヤンキースが発表 マイナー打撃強化』(11日付、毎日夕刊)
☆『飛騨の桜 鎮魂の花になれ』『〈東日本大震災きょう4年〉不明なお2548人』『〈伝える、ということ〉逃げられない故郷だから 東日本放送 千葉顕一さん(57)』『〈中部発続く被災地支援〉 豊橋の西島さん父倣い、子どもと交流 終わらせない遺志だから』『色紙に応援歌詞 岐阜の書家』『仮設訪れ三重のNPO』『福島への望郷今は 豊橋の18歳 見つけた居場所と夢』『「事故なければ家族と普通に」中部の避難者』(11日付、中日朝刊)
☆『東日本大震災きょう4年〈私の決意 内山ゆきのさん(20)=東北福祉大2年 宮城県名取市〉父の遺志かなえる 責任ある医療「将来一緒に…」』『涙をふいて歩こう 娘思い供養の旅 岩手・宮古の夫妻 勧めてくれた北陸へ』『古里に誇り築こう 福島・南相馬の20歳 ロボットへ夢を重ね』『顔見知りの名前胸に刻むあの日=仙台市若林区の荒浜地区には10日、海岸近くに建てられた慰霊塔に多くの人たちが訪れ、手を合わせた。』『吉永小百合さん福島の詩を朗読 東京・千駄ヶ谷で』『夏には福島自立像 首相 営業賠償は継続再検討』『福島第1 汚染雨水漏れ タンクせきから747㌧』『再生エネ2割超 経産省試算 30年、政府目標は到達』、『渡辺県議、政活費(政務活動費)返上 自社ビル賃料、事務所費に 愛知』(11日付、毎日朝刊)

三月十日
 初春というのに、この季節としては異常といっていい強い冬型の気圧配置となり北陸、北日本を中心に日本じゅうが真冬並みの寒い1日に。ここ尾張の地も風速10㍍の風がふきすさび午後には雪が降りだし町全域が白く雪化粧した。それにしても、いつまでも寒い。ニュースによれば、岐阜県白川村では3月にしては珍しく180㌢の積雪があったという。

 妻、舞が術後ずっと受診している1カ月に1度の定期診療の日で、朝から江南厚生病院へ。
 私が日々測っている彼女の血圧管理手帳を担当医に差し出し、受診した。「血圧にばらつきがありますね」「次回はMRIです」「市の検診で要検と出たところは、しっかり対応してください。でないと、検診の意味がありません。血液の方は(検査結果を見る限り)心配ないか、と思います」など。10分足らずの丁寧な受け答えだったが、それでも優しさにあふれた担当医師の顔をみるだけで、舞の気持ちが和らぎ安定していくのが、よく分かった。
 受診後は病院内一角で開かれていた農協の野菜市へ。ネギや白菜などを手にした嬉しそうな表情に少しばかり安心した。幸せって。この齢になると何げなく、こうして一緒にいることなのかナとふと思ったりもした。こうした時間が少しでも長く続き、互いに、いい俳句や短歌、小説や詩を書くことが出来たなら、それ以上の喜びはない、と。ふと、そんな気もした。

 帰宅後は先日、東日本大震災の被災地を訪れ、あちこち回った際にビデオ収録した、いわき市の塩屋埼灯台直下に広がる被災地での復興作業の模様をユーチューブにアップするなど結構、時間に追われた。やっと落ち着いたところでこうして筆を進めている。
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 日本じゅうが真冬並みの寒気に襲われたきょう、北海道の根室では最大瞬間風速32・6㍍に。九州の佐賀では3月としては4年ぶり、鹿児島でも5年ぶりの雪が舞った。あすも北日本と北陸を中心に猛吹雪の可能性があるという。富山の滑川では除雪作業中の84歳男性が側溝に落ち、大けがをした。
 淡路島の洲本市で起きた5人殺害事件。その後、洲本署が殺された平野毅さんとその家族から「無断に写真を撮られネット上で流され中傷された」「自宅周辺をうろついている」など2月14日以降に計9回、平野達彦容疑者(40)に関するトラブル相談を受けていたことが分かった。署では毅さんの自宅周辺をパトロールするなどの対応をとっていたが、この間、容疑者本人とは接触していなかったという。対応が早ければ惨劇を防げた気がしないでもない。
 11日午後に行われる東日本大震災の追悼式典に先だち、安倍晋三首相が首相官邸で記者会見。2016年3月で終了する集中復興期間後の次の5年間の支援の枠組みにつき、「福島自立に向けた将来像を、この夏までに策定する」旨表明。「閣僚全員が復興大臣になったつもりで取り組んでいきたい。新しい復興拠点をつくって街づくりを進めたい」とも。この言やよし、だ。
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【きょうの一文・ことば】
「一夜にして戦災孤児になった。この胸の苦しみを次世代に伝えていかなければならない。命ある限り、供養を続けていきたい」=10日付毎日朝刊『「命ある限り供養続ける」 海老名さんら追悼』の記事のなかで。東京大空襲で両親ら家族6人を亡くしたエッセイストで落語家初代林家三平の妻、海老名香葉子さん(81)

【新聞テレビから】
☆『▽祖父と孫の震災4年 故郷の町に……重い決断』(10日夜、CBC〈NEWS23〉)『映画「レンタネコ」』(10日夜、NHKBSプレミアム)
☆『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉復興へともに歩む 支援活動を機に被災地移住 漁師へ転身/家族の絆写真に』『職なく追い詰められた 東海の原発避難者ら節目に手記』、『アップルウオッチ来月24日発売』、『警察に9回相談 淡路島5人刺殺、被害者側』、『個人情報の利用・保護強化 改正案閣議決定 マイナンバーも』、『ヘリ墜落10人死亡 仏金メダリストも 南米で2機接触か』(10日付、中日夕刊)
☆『〈東日本大震災4年〉身元特定誓いの献花 宮城「お供えして」県警に寄付』『〈特集ワイド〉被災地の子供と元音大生たち 一緒に歌い心に花咲かせる 合唱で皆がそばにいてくれると実感/今こそ音楽が必要』、『クリミア併合 ウクライナ政変直後決断 露大統領自ら暴露』、『太陽光飛行機 初の世界一周へ』、『ノンアルビール特許権争い サントリー、アサヒ提訴』『少年起訴内容認める 朝日町中3女子死亡 津地裁初公判』『母娘殺害無期求刑 名地裁公判元交際相手に』(10日付、毎日夕刊)
☆『〈東日本大震災4年〉被災地へ行こう!(見開き特集)』『原発関連死1232人に 福島県内』『集団移転造成完了は4割 被災3県 用地確保、工事滞る』『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉【進】岩沼 未来の街いち早く描く 【遅】名取「現地再建」ありきで対立』『防災集団移転2市の差なぜ』、『過去の総括は和解の前提 日独首脳会談 メルケル氏強調 日中韓改善に期待』『推定10万人死亡 東京大空襲70年 「避難禁ず」の愚』『識者指摘「命より戦争」防空法で死者増大』、『有料老人ホームの実態も 集合住宅火災 名古屋市が調査へ』、『全員に複数の刺し傷 淡路島5人殺害 容疑者、強い殺意か』(10日付、中日朝刊)
☆『松谷みよ子さん死去89歳 「龍の子太郎」「モモちゃん」「いないいないばあ」 愛情で包む児童文学』『「子の世界、そのまま」ゆかりの人々、悼む声』、『塩月弥栄子さん死去 96歳 茶道家「冠婚葬祭入門」』、『ウクライナ和平日独連携 テロ対策 G7で協議確認 首脳会談』、『東京大空襲きょう70年「悲劇」小説で次世代へ 戦後生まれ 米国人男性が刊行』、『被災42市町村本紙調査 復興計画「見直し」4割 インフラ整備遅れ』『財政支援維持政府に要望へ 3県知事』『地震発生頻度100倍 震災後 東北・関東の一部 東北大解析』、『■山陽新幹線、きょう全線開業40周年』(10日付、毎日朝刊)

三月九日
 次から次に。信じられない事件が起きる。
 けさ、兵庫県・淡路島の洲本市中川原町の民家2軒とその周辺で60~80歳ぐらいの男女5人が刃物で刺されて血を流して倒れているのが見つかり、それぞれまもなく死亡が確認された。110番で駆け付けた警察官が血のついた服を着て現場周辺にいた近くに住む無職、平野達彦容疑者(40)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕したが、事件の背景に一体何があったのか。
 ただ、各メディアによれば、平野容疑者は父と祖母の3人暮らし。引き込み状態だったが、一方で各種の会員制交流サイトに登録、政府や宗教団体を批判する投稿を繰り返していた。このところはネット上で被害者の名前と自宅の地図を載せ、誹謗中傷の書き込みをしていたという。何が気に入らなかったのだろう。
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 物理学博士でもあるドイツのメルケル首相が2008年の北海道洞爺湖サミットいらい7年ぶりに来日。都内で講演した。メルケル首相はこのなかで過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)やフランスの連続テロなどに触れ「ドイツと日本は国際テロに対して連携していく」と語った。
 講演後、「日本は中国や韓国との対立をどう克服すべきか」との記者団の質問に対して同首相はナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)に触れ「ホロコーストの歴史を背負うドイツが第二次世界大戦後〝過去ときちんと向き合った〟ことで国際社会に受け入れられた」との考えを示した。
 引き続き行われた安倍首相との会談では「第2次世界大戦後、基本的価値を共有する日独両国は互いにパートナーとして、連携して世界の平和と繁栄に貢献していく」などを確認し合った。会談に先だちメルケル首相は日本科学未来館へ。毛利衛館長の案内でホンダの二足歩行ロボット「アシモ」と握手する場面もみられた。
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【きょうの一文・ことば】
「検察は警察をチェックするのが仕事。何のための検察官(検事)なのか、が分からない。これを機に、取り調べの全面可視化を実現すべきだ」=富山県氷見市で2002年に起きた強姦事件で再審無罪となった柳原浩さん(47)が違法捜査で逮捕、起訴され、約2年間の服役を強いられたことに対する国家賠償を求めた訴訟で富山地裁が下した判決【国への請求却下=検察官による起訴は〝虚偽の自白と容易に認識できたとは認められず、合理的根拠に欠けていたとはいえない〟との判断】に対して一般の声

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉もう一度、ふるさとを 岩手・陸前高田の4年…』(9日夜、NHK総合)
☆『春つかんだ 名大、前期合格発表』、『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉津波の悲しみ押し出せ 浪江出身の16歳=田子ノ浦部屋の鈴音(本名鈴木隆介)=初土俵』『福島の復興 見守りたい 豊田出身の職人、仏像修復』、『2軒5人刺され死亡 淡路島 40歳容疑者を逮捕』『静かな集落で何が 淡路島5人死亡 住民つながり深く 隣家に女性駆け込む』、『松谷みよ子さん死去 89歳 児童文学「モモちゃん」』(9日付、中日夕刊)
☆『14年マイナス成長 10~12月GDP(国内総生産)0・7ポイント下方修正』『冷え込み長期化反映』、『シリア人難民認定求め提訴へ 首都圏在住の4人 「もっと門戸広げて」』、『パガニーニ国際バイオリン 20歳毛利さん2位』、『再審無罪1966万円賠償 氷見強姦未遂 富山地裁、県に命令』、『コハクチョウ衰弱して死ぬ』(9日付、毎日夕刊)
☆『春燃ゆ NAGOYA WOMEN’S MARATHON2015 最高齢80歳最高のゴール』、『〈戦後70年 甦る経済秘史〉英米の国力詳細分析 旧陸軍の機密文書発見 開戦止めず』、『鎮魂祈る絵灯籠の道 宮城・閖上』、『梅原猛さん卒寿 京都で200人祝福』、『〈がんばろう木曽〉御嶽海白星デビュー 「自分の相撲を取っていく」』、『集合住宅で火災2人死亡 緑区 40~70代居住、4人重軽傷』、『〈大リーグ〉ダル右肘靭帯部分断裂 手術なら今季絶望的』(9日付、中日朝刊)
☆『命の道照らしたい 閖上』『各地で慰霊・追悼』『震災4年 大川小校舎保存提案へ 地元住民ら多数同意 卒業生「記憶残して」』『20㌔圏ボランティア3万人 除染2500回 被ばく管理外 福島原発』『他自治体で自宅再建23% 被災20市町村 人口流出止まらず 本紙調査』、『■ハチ公、やっと教授に会えた!』『愛犬から生きる力 妻子と孫失った宮城の76歳 ペット通じた交流団体設立』、『自民、改憲を前面 運動方針「賛同者拡大を」』(9日付、毎日朝刊)

三月八日
 きょうは【国際女性の日】。
 この日、名古屋市東区のナゴヤドームを発着点に女性だけのマラソン大会としては世界最大の「名古屋ウィメンズマラソン2015」(日本陸上競技連盟、中日新聞社主催)が、国内外から過去最高、1万7846人(うち海外からも過去最多1456人)のランナーが出場、8月に北京で開かれる世界選手権の代表選考会も兼ねて行われた。
 けさの新聞によれば、【国際女性の日】が誕生したそもそもの発端は1904年のこの日に米国で女性参政権を求めた女性たちのデモがあったのに始まる、とか。女性参政権といえば戦前、戦後と日本の婦人参政権運動に情熱を注いだ婦人運動家で政治家(元参議院議員)だった故市川房枝さん=愛知県中島郡明地村(後の朝日村、尾西市。現在の一宮市)出身=も当地が生んだ参政権運動の旗手だっただけに、女性の祭典がこの地で行われることは、どこか因縁めいており、とてもよく分かる。
 レースの方は、バーレーンのユニスジェプキルイ・キルワ(30)が2時間22分08秒で優勝。前回覇者のロシアのマリア・コノワロワが2位。前田彩里(ダイハツ、23)が15㌔の給水所で転倒しながらもよく健闘、マラソン2度目にして日本歴代8位の2時間22分48秒の好記録で日本人トップの3位となり、世界選手権の代表入りを確実とした。
        ×        ×
 東日本大震災の被災地のなかでも全国注視の街づくりが進んでいる町のひとつが女川町である。ここでは42歳の若き町長須田善明さんを中心に「待ったなし」の復興への取り組みが進む。震災前10016人(2011年2月28日)いた町民が震災後はジワジワと減少、ことし2月28日現在の人口は3割減の7089人にまで減った。震災の風化が指摘されるなか、それでも須田町長は「町民みんなで関わって新しいものをつくっていきたい。若い人中心の町づくりをしていけば、必ず人々は戻ってくるはずだ」と。こんごの取り組みに期待と関心が集まっている。
 エストニアのタリンで開かれたフィギュアスケート世界ジュニア選手権で17歳の宇野昌磨(愛知・中京大中京高)が、ショートプログラム1位、フリー2位の合計232・54点で初優勝。世界ジュニアでの日本人の優勝は、2010年の羽生結絃(ANA)いらい5年ぶり5人目、名古屋から生まれたニューヒーローへの期待は、こんごますます高まりそうだ。
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【きょうの一文・ことば】
 小酒部さんは授賞式後、安倍晋三首相が成長戦略の一環として掲げる「女性が輝く社会」について「男性目線も感じる。(幹部登用などで)一部の女性が輝くのではなく、女性が誰でも普通に働けるようになるのが大事」と語った。=8日付毎日朝刊『「勇気ある女性」小酒部さん受賞 マタハラ被害支援』の記事から抜粋
「命や希望など人間にとって大切なものは目に見えない。そんなものを語ってくれるような笑顔を期待しています」=8日付中日朝刊『★中日フォトメイツ授賞式』の記事のなかで。中日写真協会会長の小出宣昭中日新聞社社長の激励から

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉「被災者1万人の声」復興どこまで進んだか 被災3県で大規模調査▽暮らしは? 仕事は? 家族は? 4年目の現実 浮かび上がった心の声』(8日夜、NHK総合)
☆『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉女川の写真保管施設11日閉館 5万枚…持ち主どこに』『ひと区切り閉鎖の動き 存続の自治体も』『福島で酪農もう一度 500頭 共同牧場秋オープン 牛乳生産量回復へ 福島市に拠点牧場』『山田線(JR山田線の運休区間は宮古―釜石間)復旧へ着工』、『会長ファミマ上田氏 社長にユニー佐古氏 統合人事案』、『★H氏賞に岡本啓さん=65回H氏賞に岡本さん(31)の詩集「グラフティ」(思潮社)、33回現代詩人賞には八木忠栄さん(73)の詩集「雪、おんおん」(同)が決まった』、『首都高中央環状全線47㌔が開通』、『マタハラ2割が経験 連合まとめ「職場の理解必要』、『「イスラム国」世界遺産破壊 イラクのバトラ遺跡』『シリア遺跡研究国際会議 12月、レバノンで 内戦後の再開支援』(8日付、中日朝刊)
☆『コハクチョウに矢 埼玉で保護、手術』、『高潮防波堤のかさ上げ完成 名古屋港』『福島13介護施設入所制限 高齢者増、職員は不足』『「空きベッドあるのに」 福島の介護施設入所制限』『「400人待ち」避難家族悲痛』、『J1開幕 グランパス引き分け』、『山田線復旧へ着工 宮古―釜石 18年度開通目指す』、『明かされる戦艦武蔵』(8日付、毎日朝刊)

三月七日
 夜。花霞町の平成26年度決算監査の集まりに出席、副総代として印鑑を押す。これより前の夕方、94歳の母が兄に伴われ「和田に来たから」とわが家に顔をだし、孫と私の顔をみて安心して帰っていった(舞は外出中で不在)。息子が先日、プレゼントされた母手づくりの〝でんち〟に対するお礼を言うと、とても喜んだ。嬉しそうな母に私は「この間、畑に肥料与えておいたから」とも付け足し、兄の担当した蟹江の一家殺しの裁判員裁判についても自分の思うところをふれた。兄は弁護士として「あれは判断が少し違うのでは」とあくまで被告の側に立つ解釈で兄ならでは、の正義感だった。
        ☆        ☆
 病弱の妻、舞が昨夜、俳句の句作のため未明まで起きていたのでナンダカ私までが心身とも疲れた。新聞記者の妻として三人の子育てと家事をしながら長年、夜も、昼も、朝もない今の時代では考えられないハードな生活に付き合ってくれた彼女。その舞も私が定年を迎える少し前から、それまで張り詰めていた何かから解放されたせいか、何度も不意の大病に襲われ救急車で病院へ。そのつど病を克服してきた。
 まさに傷だらけの人生で、いつ倒れても不思議でない。それだけに、彼女の様子には日々身構えてしまい、とても心配である。そのためにも何より、睡眠を取ってからだを休めなければならないのに、だ。先日あった市の検診でも〝要検診〟の診断結果が多く、生活習慣の改善が指摘された。私の場合、あまり時間をかまわない生活は昔からの悪い癖だけに、勢い彼女の生活までが不規則なものになってしまっている、そのためにもまず私が出来るだけ早く寝なければ、と思う。ともあれ、あまり無茶しないでほしい。でも彼女なりの生き方、スピリットも大切にしたい。黙ってそっと見守っていた方がよい気もする。

 というわけで、舞は睡眠不足のまま、けさ一番で市内の俳句教室へと出かけ、私は私でそれより後に木曽川を隔てた隣町、各務原市の「そはらコミュニティセンターそらーら」へ。例によって社交ダンスのレッスンのためだ。私がこれほどまでに社交ダンスにこだわるのは舞のせいである。三年前に102日間地球一周の船旅ピースボートでオーシャンドリーム号に乗船した際、「ダンスだけを覚えてきて。あとは何もしなくていいから」としっかり言われた、あの言葉が頭から離れないからだ。
 なのに、なかなか上達しない。きょうもワルツを踊る際、ティボットターンをしなければならないところをスピンターンをしていた。自分でいいつもりでいたら先生から「ゴンタさん。その足違うわよ」と指摘され、誤りに気がついた。これも睡眠不足のためか。
        ×        ×
 自民党の中川郁子農水政務官(56)の妻子ある代議士との路上キッス事件。秘密を守り通せない恋では、「愛」ではない。単なる遊びである。ましてや、路上キスを惜しげもなく〝曝写〟されるなど、なんとまあ脇の甘いことか。報道も報道で倫理以前の興味本位が先にたつ低次元なものだった。
 こんな個人の問題は放っておけばいいに決まっている。社会的にそれほど糾弾されることでもあるまい。それよりも、【金まみれ】が常態化している、政治とカネの問題がもっと追及されるべきだ。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「世界は燃えつきることのない炎のようなもので、常に形を変えていて、決して安定を得ることがない。一瞬一瞬の炎の形が何ら意味をなさぬように、炎それ自体にも未来永劫、これという定まった意味はなく、完成もない。世界には、過去も未来も、さらには現在もない。あるのは時間とは無縁の〝瞬間の連続〟にすぎず、しかし、この炎のような世界がたしかに存在することをわれわれはよく知っている。……」
=7日付中日夕刊小説『記憶の渚にて 124』(白石一文作、井上よう子画)から抜粋

【新聞テレビから】
☆『名古屋、桜満開来月3日』、『〈東日本大震災 もう4年 まだ4年〉地名が結ぶ支援 滋賀「玉川中」/豊橋「石巻」/伊勢「山田」 「親近感」絆深める』『海へ鎮魂のふるさと いわき・四倉海岸』『南海トラフ地震 海上の備え完成 名港・防波堤かさ上げ』『被災総額日本3位 国連発表 05~14年、震災が影響』、『戦争の記録つなぎ5万人 ピースあいち入館者達成』、『日朝協議下旬にも再開 拉致再調査めぐり検討』、『首都高中央環状きょう』(7日付、中日夕刊)
☆『骨髄移植映画で知って 「迷宮カフェ」全国で公開 白血病で娘失った群馬の女性発案』『ゲノム120種類を網羅 結核菌型すぐ判定 国際医療センターがデータベース』、『〈東日本大震災4年〉 やっぱり海と生きる たばこやめ「一日でも長く、大切に」家族3人失った南三陸の元船員 憎しみ吹っ切り』『【eye 浪江を歌う】 東日本大震災4年。「響け、広がれ」。古里を思う歌が生まれた』、『〈チェック〉「あまおう」対抗開発競争 イチゴ高級・大玉化』『栃木スカイベリー 静岡きらぴ香』、『停戦監視団を倍増 ウクライナ東部 関係国が合意』、『NY株、大幅下落 ゼロ金利 早期解除警戒 278㌦安』、『■拉致担当相に「全被害者の帰国優先を」』(7日付、毎日夕刊)
☆『きょうJ1デビュー 山雅と駆けた OB会副会長「子どもが成人した気分」』『名古屋サポーターと前夜祭 酔いしれるエール合戦』、『ユニー存続の方針 ファミマ協議 統合枠組み案判明』、『ヘリ墜落2人死亡 三重・紀北 国交省が調査官派遣』、『野依理事長辞任へ 理研STAP問題区切り』、『名古屋ウィメンズあす号砲』、『執刀医の告訴を検討 群馬大病院 腹腔鏡死亡で遺族ら』(7日付、中日朝刊)
☆『集団的自衛権 「新事態」定義焦点 公明「もっと説明を」』、『避難指示 解除区域 帰還進まず』『川内村10%田村市39%』、『〈政治とカネふたたび〉顧問料だから子会社だから 規制法に抜け道 「事実上の献金」も違法にならず』、『「川にスマホ捨てた」 川崎中1殺害 18歳少年が供述』、『〈訃報〉童謡「森の水車」 荒井恵子さん80歳』、『20歳・佳子さま=秋篠宮ご夫妻の次女= 伊勢神宮を参拝』(7日付、毎日朝刊)

三月六日
 きょうは冬ごもりしていた地中の虫たちが穴から出てくるころ、二十四節気の【啓蟄(けいちつ)】。戦後。満州は奉天(瀋陽)の大地で私が生まれた、その日だ。
 誕生日おめでとう、だなんて。あらたまって言われると照れくさくて。それこそ啓蟄どころか、穴のなかにでも逃げ戻って隠れてしまいたい、そんな心境である。男の美学に反する。かといって、フェイスブックでわざわざ忙しい時間を割いての祝福メッセージを受けると、ほおっておいては失礼になる。やはり気にかけていてくださるので声をかけてくださるのだ。感謝せねば、と思う。

 ここに2004年12月12日に上梓した記者小説集「懺悔の滴」(人間社刊)のなかの「砂子」のワンシーンを再録しておく。私が生まれ故郷の奉天を五十数年ぶり訪ねて書き上げた忘れられないひとコマである(230~231㌻にかけて)。あのときは初めてふるさとを訪ねるにあたって、当時新聞社の旅行会社で働いていたユウコさんには大変、お世話になった。以下の通りである。
――どうでしたか。あなたの古里、大地は。あのころ、あなたは、まだ生まれたばかりの赤ちゃんだった。終戦になり突然、奉天の日本人街を襲ってきたソ連人(ロスケ)。彼らから逃れるため、一歩一歩無我夢中で息を弾ませ、ともに歩いた底なしのぬかるみ。泥の河をお母さんのお腹にはいったまま渡りましたね。容赦ない銃剣、そして欲望にかられた強姦。何人もの男たちが目の前で殺され、女たちが人前に晒され犯されていった。死体が何層にも横たわり、その体を裸にして衣類を漁り、一体一体、土の穴に放り込む満人たち。でも、そのころ胎内にいたあなたに、もし〝戦争胎感覚〟とでもいえそうな、そうした魂といったようなものがあったならば、あなたも、きっと何かを感じていたのではないでしょうか。
 母の胎内、母のような列車は、他人事のように無言でそうつぶやきながらボクを乗せ瀋陽から大連に向けて走り続けている。
 戦争が終わり、半年を過ぎた西暦一九四六年の春。ボクは(当時、奉天にあった)大和税捐局の官舎で生まれ、生後まもなく引き揚げ船「興安丸」で中国の大連に近い葫蘆島(ころとう)を発ち、日本に向かったという。その時、おそらくボクは母の懐に抱かれ、奉天から大連に向かうこの列車に乗ったに違いない。列車は屋根のない無蓋車だったという。(母は戦時中、まだボクの因子が命としてお腹に宿るか宿らないか、の時にも頭を坊主刈りに丸め、ソ連兵から逃れるためコーリャン畑が広がる荒涼たる大地を逃げ回った。ロシア兵の急襲は終戦後しばらく止まず、母たち女や子どもは各地を彷徨ったあげく奉天に戻ったところ、ここで奇跡的に父と再会したという。それでも今度は同じ日本人同士なのに、日本兵の強盗にまで入られた。醜い戦争が憎悪に憎悪を呼んだ時代でもあったのだ)
 いつの間にか、ボクの両の目からとめどもなく涙が流れ始めた。嗚咽をこらえながら、しかし顔は笑っている。やはり、この大地を物心ついたころから、どれほどまでに追い求め、慕い続けてきたのか。それが今あらためて分かった。涙は顔中から、いや全身から流れ落ちている。涙の滴がこれほど限りないなんて。まるで大河のやうだ。生まれ故郷とは、こういうものなのか。車窓に陽が射し始めた。中国、いや瀋陽の川や空、木、町並み、人々の心さえもが。何もなかった如く、ただボクを黙って迎えてくれたのだ……
        ☆        ☆
 夕食の席に何げなくあった紙袋。中を開くと、私が一番ほしがっていた新品の髭剃り、それに若々しい男性クリームだった。食卓には赤飯までが置かれ、また、どこか穴があったら入りたい衝動にかられた。舞よ! ありがとう。
♪春風に 乗ってきたよと 波の花 
        ×        ×
 中国全土の国会ともいえる、全人代開幕直後に南部最大都市、広東省広州市の広州駅で男2人が刃物で駅利用客を手当たり次第に襲撃、13人がケガをして病院に運ばれる騒ぎになった。犯人2人のうち1人は射殺された。「次々と切りつけ、追いかけてさらに切りつけてきた」とは、現場にいた男性の話。中国では昨年も全人代を前に、雲南省昆明でウイグル族により三十一人が殺害されるというテロが起きている。中国の国家体制を憎む心と、少数民族ウイグル族の反発。いずれも、どこかに国家を恨む国民の共通点がある気がしてならない。
 人口3000人の北海道下川町でのバイオマス発電への取り組み。9割が森林地帯というこの町では、森林を生かした自然エネルギーへの取り組みが本格化。エネルギーの自立への道が進んでいる。木を燃やして生み出すバイオマスエネルギーへの取り組み。この先、日本全体の自然エネルギー化の一助として成功が期待される。ただ政府もこの点には十分配慮し、自然エネルギーの買い取り拒否には出ないようにすべきだ。エネルギーの自立化では多くの障害を克服し、バイオマス発電施設を定着させたドイツ・アシャ村の成功例がある。政府は自然エネルギー実現までの過程をしっかりと学ぶべきだ、と思う。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
 先の総選挙で、正義や平等より経済発展を選んだ日本では、今後も格差解消は難しいだろう。このような時代だからこそ、「義」の重要性を描いた火坂のメッセージに真摯に耳を傾ける必要があるのだ。 (愛)
=6日付中日夕刊文化面『〈大波小波〉火坂雅志のメッセージ』から

【新聞テレビから】
☆『文官統制廃止閣議決定 防衛装備庁の新設も』『集団的自衛権「新事態」説明 政府 公明「自国防衛限定を」』、『コンビニ店名一本化検討 ユニー・ファミマ 統合月内に発表』、『ヘリ墜落2人心肺停止 三重・紀北 送電線に接触』、『愛知副知事に石原氏』、『小児科無資格で調剤疑い 岐阜県警 院長ら書類送検』『薬剤師常勤装い水増し請求も』、『広州駅襲撃9人負傷 容疑者1人射殺、1人逮捕』、『市長「気持ち新たに」 美濃加茂 無罪判決一夜明け登庁』『H・フォードさん操縦 小型機不時着 けが』(6日付、中日夕刊)
☆『〈特集ワイド・続報真相〉大人は福島原発事故の責任を取れ 京大原子炉実験所助教 小出裕章さん最終講義』『4年たっても見えない現場』『被ばくから子どもたち守りたい』『つけられなかった「落とし前」』、『大根と笑顔今は 原発事故前の写真展「奪ったもの見て」 飯館村で撮影』『食品の放射性物質量一目で確認 東京工芸大ネット公開 マップに色分けして表示』、『入管法改正案「介護」就労資格に 閣議決定 専門技術扱い』、『マレーシア機捜索打ち切りも 不明1年手がかりなく』、『太古の火星に広い海 NASAチーム発表』(6日付、毎日夕刊)
☆『〈歴史ものがたり(7)〉生駒と織田 生駒家長(四代生駒家長)……[桶狭間合戦]㊤』(6日付尾北ホームニュース、江南郷土史研究会・須賀弘之)
☆『美濃加茂市長に無罪判決「贈賄側供述に疑問」浄化設備事件で名地裁』『〈解説〉現金授受めぐり異例展開』、『ユニー、ファミマ統合協議 サークルK合わせ コンビニ2位』、『同乗少年の共謀認定 岡崎殺傷判決2人に懲役5~10年(不定期刑)』『18歳、上村君をねたむ 川崎殺害「慕われている」供述』、『「下村氏事務所の要請受けて入金 元中部博友会員が証言』(6日付、中日朝刊)
☆『センバツ 小学生がソフトで始球式 東京五輪復帰PR』『18歳選挙権法案提出 与野党6党 16年参院選実現目指す』、『被災3県 外国人実習生4300人超 震災時200人上回る』、『両陛下来月パラオ慰霊』、『筧被告「他の6人殺害」「青酸飲ませた」』、『〈美濃加茂汚職判決〉「無実認められた」 市長目頭押さえ 捜査側「立証尽くしたが」』『捜査の甘さ指摘も 〈解説〉供述の信用性否定』、『週刊新潮の実名 日弁連が「遺憾」』、『女性盗撮容疑で警部補を再逮捕 豊川・「数百回」供述』(6日付、毎日朝刊)

三月五日
 名地裁が岐阜県美濃加茂市のプール水浄化設備導入をめぐる汚職事件で、事前収賄罪などに問われた市長藤井浩人被告(30)に、無罪を言い渡した。検察側は懲役1年6月、追徴金30万円を求刑していた。捜査段階から終始一貫して「現金は一切受け取ってはいない」と無罪を主張してきた藤井市長は「裁判長から〝これからも市政に邁進するように〟との言葉をもらい、しっかり、市政に邁進したい」と答えた。
 この裁判。全国最年少市長を巡る贈収賄事件だっただけに、社会も注視。司法の判断は、贈賄を自供した業者の有罪が確定する一方で無罪を訴え続けた市長の方は無罪となる異例の展開となった。金銭授受をめぐり、それぞれの判決で「渡した」「いや、受け取ってはいない」とややこやしい結果になった。どちらを信じてよいのか。心情的には「業者がウソをついていた」と思いたい。市長自身に軽率なところがあったことだけは疑いない。自重してほしい。
        ☆        ☆
 夜。チャイムの音に舞が玄関口まで飛び出す。長男からで桐の箱に入った超高級カステラの私あてへの宅急便だった。さっそく舞と猫ちゃんも加わり、一緒に食べてみたが、それこそホッペが落ちるほどにおいしかった。ありがとう。
 陽射しこそ春のようにポカポカとあったかかったが、ひと足外に出ると、風がビュンビュンと吹きすさび、まだまだ寒い。午前中、社交ダンスのレッスンに。ジルバ、タンゴ、ワルツ、ルンバ、チャチャチャ…とステップを踏み、最後はジャイルで終えた。タンゴのステップを踏む際、どうしても体を変にひねってしまうので、そうしたことがないよう繰り返し実地に教えられた。「社交ダンスは奥が深い」。

 きょうは、次女猫シロちゃんが、わが家からの〝癒し特使〟として舞に連れられ寝た切りの義母(舞の母)の元へ。義兄が用事で外出したためだが、シロちゃんの存在が少しは義母の心を慰め、癒しになったようで無事、大役を果たして帰宅した。
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 米国のマーク・リッパート駐韓大使が、ソウル都心の文化公演施設での朝食会で男にナイフで襲われ、韓国で対米関係への悪影響を懸念する声が出ている。韓国ではここ数日、日中韓の歴史問題に関する対立に苦言を呈した〝シャーマン(米国務次官)発言〟への抗議集会などが行われていたこともあり、国際関係悪化への心配を増幅させている。
 大使を切りつけ現行犯逮捕された男はキム・ギジョン容疑者(54)で講演会への参加者登録がないのに入場を許されており警備態勢の不備も問題化。大使は右頬に長さ11㌢、深さ3㌢の傷を負い80針を縫う手術を受けたばかりかナイフが左腕を貫通するなどしており、ただちに入院。命の方は大丈夫だという。
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【きょうの一文・ことば】
 私はこの映画(=第87回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門で最優秀賞に決まった「シチズンフォー(Citizenfour)」)を観て、自分たちに降りかかるかもしれない危険を冒してでも、この状況を大衆に分かってもらおうと制作した人々の努力は大変なものだと思った。
………(中略)
 国家による盗聴は、人々が自由にものを言えなくなることを意味する。スノーデンが抗議をしているのは、言論の自由と、憲法修正第四条で定められている、個人の持ち物や書類を正当な理由もなく警察が来て調べることはできないという人権、つまり、個人の情報を盗む権利は政府には無いということである。
=5日付中日夕刊文化面『アカデミー賞発表に寄せて 言論の自由と人権守った』の中から。ロサンゼルス在住の芥川賞作家米谷ふみ子さん

【新聞テレビから】
☆『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉前向く故郷伝えて32号 宮城・閖上ミニコミ紙奮闘』『北樺太占領語る写真 未公開含め2000点発見 東京・カメラ博物館』、『駐韓米大使襲われ負傷 親北活動家拘束 軍事演習反発か』、『〈NAGOYA WOMEN‘S MARATHON 2015〉充実の走り 宿も力に』『チェックアウト延長/朝食早めに』『秘書官のメール認める 下村文科相 送信指示は否定』、『国立競技場やっと解体 5カ月遅れ 19年3月完成予定』(5日付、中日夕刊)
☆『中国成長目標下げ7% 全人代開幕国防費10・1%増 「世界正義守る」』、『駐韓米大使切られ負傷 男拘束「合同演習に反対」』、『川崎中1殺害 17歳2人も暴行 供述内容を一転』、『被災地結ぶ竹灯籠 神戸』(5日付、毎日夕刊)
☆『北斎幻の肉筆画発見 墨田区、来秋にも公開』『100年ぶり傑作日の目 北斎肉筆画 独特の陰影』、『被災地増える「要介護」 全国超す伸び 長引く仮設生活 健康悪化』、『ヒトの起源280万年前 エチオピア 最古の化石発見』、『ハリルホジッチ氏確実 サッカー日本代表監督』、『★週刊新潮が(川崎市の多摩川河川敷中1殺害事件で主犯格とみられる18歳少年の)実名と顔写真』、『「防衛装備庁」秋にも発足 武器輸出窓口 紛争助長の懸念』、『「武蔵」可能性高まる 新たな映像』、『中島みゆきさん祝辞偽物だった 母校卒業式で読み上げ 北海道』(5日付、中日朝刊)
☆『定家と為家 肉筆並ぶ 俊成90歳の歌会記録』『北斎の肉筆画里帰り 「隅田川両岸景色図鑑」墨田区が(1億4904万円で)購入』、『復興費自治体負担も 復興相 16年度以降検討』、『18歳選挙権 成立目指す 今国会きょう法案提出 与野党6党』、『マッサージ死亡 うつぶせで首もむ 逮捕の元理事長 乳児、窒息状態か』(5日付、毎日朝刊)

三月四日
 全国的に15度を越す4月並みの暖かさとなった。一方で、北海道東部地方は猛吹雪に。この冬の積雪量は例年の3倍以上だ、という。
        ☆        ☆
 きのうは8年ぶりの3月開催となった、国府宮のはだか祭。たまたま、友人長谷川裕子さんから届いたフェイスブックを見て驚いた。ネパールのカトマンズに帰国したとばかり思っていた彼女が、ふるさと稲沢の国府宮神社で昨日あった天下の奇祭はだか祭の模様を夫のニルマニさんと共に見事な写真で描き切っており、日本の祭り文化を世界に発信していたのである。驚いたというよりは、なんだか不思議なエニシ(縁)の如きものを感じ嬉しくなってきたのである。

 国府宮のはだか祭は、私がかつて書いた小説でこの地方の書店でベストセラーにもランクされたことがある「一宮銀ながし」(当時のペンネームは伊神ごん太)のなかの〈由佳奴(ゆかやっこ)〉の項でも実際の取材体験をもとに触れているので、その一部分を以下に記しておく。
--参道に近づく。道路に面した民家の軒先に立派過ぎるほどの大しめなわが威儀を正して飾られている。「これが終わると冬が終わるんだわさ」「きょうは、どえりゃあ売り上げがあるんだってなあ-」と老夫婦が方言丸出しで私と同じ目的地に向かっている。少し冷たいが、人いきれの熱気に返って心地よい風がからだにまとわりついてくる。
 やがて、どこからこんなに集まって来たのか。私は四方八方から降って湧いた人波を泳ぐように掻き分け、なんとか参道に面した高台一角に身を置いた。今度は背の高い儺追笹(なおいざさ)が目に入り、何人もの裸男たちが横に倒した儺追笹を背に「ワッショイ、ワッショイ」と、ひと所を回ってみせ掛け声を出している。儺追笹といっても、それぞれのグループによって千差万別である。大、中、小、鬱蒼とふさふさした竹笹付きのものから、のっぺりとあっさりタイプまで一つひとつに個性があふれている。各グループとも途中で儺追笹を立て男が軽業師さながら、てっぺんまで上ってみせると、そのつど見物人から拍手と歓声が波のうねりとなってドッと沸き上がる。拍手に両手を上げ答える裸男たち。背中には『幸せ』『人生いろいろ』『裕子・ニルマニ=ここだけ、今日にふさわしい表現に差し替え』といったこだわりの墨字が描かれている。………
 一般見物客もすさまじい。声をあらげて裸男に向かって「オイッ、遠山の金さん。首に巻いてるお焦げ(茶色の儺追切れを言う)くれない?」とどこまでもしつこい。裸男が近寄り、沿道の一人ひとりに憐れみでも施すように、お焦げを手渡す。もはや、見物人も一体となり参道全体が壮大なドラマの場と化している。
 突然、楼門横の足場を組んだ警備本部から「こちら稲沢署、ハダカ集団の統制官に告げる。統制をしっかりしなさい。後ろの警察官、止めに入れ!」といったマイク音が聞こえてくる。裸男同士が揉み合ううちに楼門入り口で、ちょっとしたいざこざを起こしたらしい。あとから土地の人に聞いたが、楼門周辺では県警機動隊の裸男たちが警備を兼ね、万一に備えているという。これが気にくわなかったと見え、お巡り集団を排除しようとして、火がつき喧嘩になったらしい。本部からは、この後もしばらく「統制官に告げる」といった威圧的なマイク音が再三聞かれたが、これも知らぬ間に治まった。
 ………
 これは一体、何なのだろう。やはり人間たちが生贄に化身していくひとつの過程ではなかろうか。人間はだれだって、いつかはみんなこの世から消え果ててしまうのだ。それを見越した人間集団の最期の足掻きに思えて仕方がない。延々と続く本殿への儺追笹奉納を見物人はなおも立ったまま見守り続ける。時折、寒気と人いきれに体全体が立ち眩み状態になる。目を閉じる。そこには紫の雲がたなびき、やがて真っ赤な火の玉がわきでてくる。ワッショイ、ワッショイの声が遠くに去り、今度はワッセー、ワッセーの歓喜の声が耳に大きく迫った。
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『米新車販売9年ぶり高水準 2月5.3%増 トヨタ2位に浮上』『豊田通商会長に小沢氏 トヨタ副社長 海外展開 強化期待』『岐阜市の「メディアコスモス」名誉館長に益川氏』…本日付中日新聞夕刊1面見出しの1部である。そしてページをめくれば、3面に『屋内退避範囲を事故後判断 原発30㌔圏外 規制委が指針改定案』の見出し。そんななか、同じ3面の『「勇気ある女性」世界の10人 マタハラ被害者支援 小酒部(さやか)さんら』の見出しがひときわ光ってわが目に映ったのは、なぜなのだろう。
 全国の生活保護世帯は161万8196世帯と過去最高に。鹿児島では桜島が今日だけでも4度にわたる爆発的噴火を起こした。東日本大震災の被災地では立派な復興住宅こそ出来たものの、このなかで高齢者が孤独死しており社会問題化、向こう三軒両隣り精神の大切さがあらためて見直されている。イランの核開発への対応を巡って、このところオバマ米大統領とネタニャフ・イスラエル首相との関係がぎくしゃくしており、きょうはオバマ大統領が訪米中のネタニャフ首相に会うことすら、しなかった。
 中国が国防費を前年比10%増の総額17兆円に。5年連続の2ケタ増で日本の3・5倍に当たるという。ユニクロが東京・六本木で新卒者900人に対する入社式を実施。うち55人が中国や韓国、ネパール、ロシアなど海外からの採用だ、とのこと。新入社員の皆さん、一人ひとりに未来永劫の幸せを祈りたい。
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【きょうの一文・ことば】
「自分の不注意です。右膝をひねっちゃった。2人のピッチャーがマウンドを掘った、その間に足が入って、ガクンとなりました。(自分用に)ちゃんと掘ったつもりだったんだけど…。試合だと入る力が違うのかな。チームの皆さんには迷惑を掛けて、申し訳ないです」=4日付中日スポーツ1面『1球降板マサ開幕ピンチ 症状は軽めも計画立て直し』の記事のなかで。まさかの降板をした中日・山本昌広投手

【新聞テレビから】
☆『一宮に新星 小3・小6姉妹 超新星見つけたよ 天文好きの姉追い観測』、『世界最高齢117歳大川さん=世界最高齢としてギネス・ワールド・レコーズ社に認定されている大阪市東住吉区の大川ミサヲさん=を祝う あす誕生日』、『沖縄戦の悲痛ぶつける 那覇出身の女性 国家訴訟初出廷へ 「受忍論」の判断が焦点』、『名港水族館生まれのカマイルカ 垂直3回転妙技完成 雌のアイ「バレルロール」』(4日付、中日夕刊)
☆『鮮やか新芽の緑-伊勢茶初摘み』、『闇照らす光 パリコレ開幕』、『TPP合意5月以降か 見通し後ずれ 米議会の調整難航』、『菅氏側にも献金 補助金企業から12万円』、『マッサージで乳児死亡 業過致死容疑 NPO理事長逮捕 大阪府警』、『〈オウム裁判〉平田被告の控訴棄却 東京高裁判決 懲役9年「重過ぎず」』、『エゾシカ飛行機止める 新千歳空港33便に影響』、『〈川崎中1殺害〉真偽不明の実名や写真 ネット無秩序「犯人情報」 専門家「名誉棄損」警告』『3年前も河川敷で暴行 18歳少年、同級生を2時間』(4日付、毎日夕刊)
☆『〈東日本大震災 もう4年まだ4年〉新たな舞台へ門出 母死後出会った人が支えに 福島出身女性 劇団員目指す』、『一宮など震度4』、『神男求め熱狂の渦 国府宮はだか祭』『ナナちゃんも走春の装い』、『補助金企業の献金問題拡大 「知らなかった」抜け道に』、『寝耳に水救命布団 滋賀の企業開発 津波に耐える 水に浮く』、『トヨタ役員グループから デンソーとアイシン』、『贈賄供述どう判断 美濃加茂市長にあす判決』、『群馬大病院が謝罪 腹腔鏡手術死亡 執刀医の処分検討』(4日付、中日朝刊)
☆『処刑が「踏み絵」 元IS戦闘員実態証言 忠誠心の証明 未成年者も標的』、『〈川崎中1殺害〉「巻き込まれた」「呼び出し反省」17歳2人関与認める』、『桜も桃もすくすく初節句 白浜 双子パンダ』、『首相献金別に3社 補助金企業 岡田氏も判明』、『「両親殺害」無罪判決 さいたま地裁「心中の可能性も」』(4日付、毎日朝刊)

三月三日
 日付をまたいで。ついさきほど4日午前零時4分ごろ。岐阜県美濃中西部を震源とするやや強い地震(マグニチュード4・9、震度4)が起きた。わが家もグラ、グラッと大きく揺れたが幸い、すぐ治まった。愛知、岐阜とも今のところ、目立った被害はなさそうだ。津波の心配もないという。
        ☆        ☆
 ♪寒風に土もたげいる蕗の薹のみどりの生命(いのち)見つめていたり
 ♪都心まですでに心は駆けて行く北陸新幹線「あと三十日」
 山崎国枝子(短歌雑誌「澪(れい)」3月号より)

 桃の節句。女性たちが浮き立つひな祭りである。稲沢市の尾張大国霊(おわりおおくにたま)神社では寒風のなか、厄払いを願って男たちが激しくもみ合う、伝統の国府宮のはだか祭りがあった。3・3で〈耳の日〉でも。
 わが家は20歳と人間なら百歳近い超高齢の妖怪猫又、こすも・ここはじめ、妹のシロちゃん、そして家長と言っていい妻(舞)と女性は3人で、男は私と息子の2人。完全に女性上位の家庭といっていい。
 デ、きょうは私なりに何かと気を遣い外出した際、舞の喜びそうなアメリカ原産のゴディバ、トリュフ、ミルクチョコを手に入れ、それとなくテーブルへ。帰宅した舞は、ゴディバを目にするや「そんな無駄遣いせんといてよ。もう」と言いながらも結構、とても嬉しそうで内心ホッとしたのである。夕食は舞の手になるピンク色をした、ちらし寿司で、美味しかった。

 お雛さまといえば、舞が同人として今も大変お世話になっている短歌雑誌【澪(れい)2015 3月号 №59】が能登半島の七尾から届き、表紙がひなまつりの見事な写真(古田精一さん撮影)だった。
 あとがきに『今年も二月二十八日から「第4回770(ななお)ひな人形展」が始まる。この人形展は2012年に始まり高さ4・8メートル、24段の雛壇には県内外からの約千体の人形が並べられ昨年は約3万人が来場した。今年もフォーラム七尾にこの巨大雛壇での飾り付けが始まり、春はすぐそこまで来ている。/立春とはいえ寒い中、背戸の冷たい土をもたげて蕗の薹が顔をのぞかせた。この小さな蕾を見ていると二月の誕生色は、蕗の薹の淡い黄緑色だと誰かが言ったのを思いだした。「七尾文芸のつどい」ももうすぐです。雪のなか次々と新しい芽をふく逞しい草木のようにしっかり背筋を伸ばさなくっちゃ…。(山崎)』とあった。
 私たち家族は、かつて能登の七尾に住んでいただけに、巨大雛壇を見てみたい気持ちにかられたのは当然である。やっぱり、七尾はスゴイ。ニッポンイチ大きい〝でか山〟と〝三尺玉花火〟で知られることだけは、ある。とうとう〝巨大雛壇〟までつくってしまったか、と感慨新たなものを感じた。

 ♪伊勢えびは月の光を浴びながら満月の夜に産卵するらし
 ♪白やぎさん黒やぎさんから届いたよ春のお手紙まだまだ寒い 
 ♪冬の寒さにしっかりたえてきしかわいそうなわたしの体
 ♪いつかまた夕陽の中へ走り出そう千里浜渚ドライブウエイ
 =いずれも伊神舞子
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 群馬大病院が腹腔鏡による肝臓切除手術を受けた後に4カ月未満で死亡した患者8人について調査委員会を設けて検証した結果、「すべての事例で過失があった」と結論づけ最終報告書を公表した。同病院では2010年~14年に第2外科の同じ40代医師が執刀した腹腔鏡手術で8人が死亡したばかりか、開腹手術でも過去5年の間に10人が死亡していたことが分かっている。
「患部の切除が大きすぎた」「術後の縫い合わせが不十分」「死亡した8人の全員、病理解剖が行われていなかった」「手術前に〝がん〟と診断、開腹したら〝がん〟ではなかった」など。ズサン極まる体制だったという。それにしても、なぜ、それほどまでに基本を怠った腹腔鏡手術が許されてきたのか。これでは患者とその家族が浮かばれない。
 米マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏が太平洋戦争で米軍により撃墜された戦艦「武蔵」の船体をフィリピン中部シブヤン海の海底で発見した、と短文投稿サイト「ツィッター」で明らかにした。それによると、船体はシブヤン海の水深約1000㍍地点での潜水調査で見つかった。「武蔵」は1944年10月24日、連合国軍のレイテ島上陸部隊を攻撃に向かう途中、シブヤン海で米軍機の魚雷攻撃を受けて沈没。約2400人の乗員中、約1000人が死亡したという。
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【きょうの一文・ことば】
「私は踏み台でいい。1人でも多くの才能がはばたいてくれれば」「名古屋は文化不毛の地といわれる。それは才能を見いだす目がないから」「平和がなければ文化は育たない」「私の死を、シャンソンのファンを広げるきっかけにしてほしい」=3日付中日夕刊『シャンソンの灯消さない 普及に力 名古屋の加藤ハッさん 9日に「しのぶ会」』の記事のなかから。加藤ハツさん=昨年7月に92歳で死去。生前は日仏シャンソン協会日本支局理事長など=の言葉の数々

【新聞テレビから】
☆『見せ場へ威勢堂々 国府宮はだか祭』、『ピンポン外交の陶板、5月に除幕式 日中の芸術家共作 愛知県体育館に』、『シャープ赤字2000億円規模 4工場閉鎖 1750億円支援要請』、『発送電分離を閣議決定 20年4月実施へ ガス小売り自由化も』、『下村氏他にも不適切献金 10万円 名古屋の元塾代表から』(3日付、中日夕刊)
☆『8人死亡「全て過失」 群大腹腔鏡手術 最終報告』、『補助金企業 首相側にも献金 11~12年 計24万円』『林・甘利氏側にも』『不適切な献金 文科相認める』、『NY株 最高値更新 ナスダック、15年ぶり水準』、『川崎中1殺害「嫌がらせエスカレート」18歳、事件の経緯供述』(3日付、毎日夕刊)
☆『善意の風 福島へ 本社社会事業団 支援事業、配分金贈呈』『支援金、基金を募集』『【東日本大震災 もう4年まだ4年】被災地に帰る友へ 一人だけの卒業式皆で祝う 設楽中学校』、『ラグビー19年W杯開催地 豊田など12会場決定』、『名鉄犬山ホテル建て替え 岐阜グランド全面改装へ』、『アイシン社長に伊原氏 トヨタ副社長』、『「どれほど怖かったか」 川崎事件上村君の母親コメント』、『義務ない事業者に課税16年 全額返還 愛知県に命じる』、『首相側にも2件寄付 自民支部 補助金企業から』、『首絞め81歳妻を殺害容疑 三重・紀北町 夫逮捕「介護に疲れ」』(3日付、中日朝刊)
☆『福島原発事故 営業賠償終了先送り 国、東電 地元の反発受け』、『川崎中1殺害「取り返しつかない」 18歳、2少年関与も供述』『「外出、強く止めていれば」(上村さんの母親)』『警官名前も聞かず 上村さんへ暴行確認時』『生徒指導担当者 1月に事案報告』、『渡辺被告に懲役14年 名地裁判決「極めて高い計画性」九頭竜湖殺人』、『妻を絞殺容疑77歳夫を逮捕 「介護に疲れ」』(3日付、毎日朝刊)

三月二日
 きょうは月曜日。なので、妻の舞が営むリサイクルショップ「ミヌエット」は、お休み。
 デ、前々からお願いしてあった家の裏庭外回りの柵の破損部分と私の部屋の掘り炬燵床下の補強に業者の方に来ていただいた。柵の方は適合する支柱を用意したうえ後日、あらためて来て頂くことに。床下補強は、きょうのうちに完了。作業の間、愛猫こすも・こことシロちゃんを浴室に閉じ込めるなどした。そうでもしなければ、探検大好きな猫たちのこと、業者と一緒に床下に入りかねない。入ったら補強どころではなくなるから、だ。

 家の部分修復を終え業者が帰ると、こんどは舞と江南駅近く種苗店へ。
 94の母から以前届いた手紙にあった文面「柿の木は冬の一番寒い時に肥料をやるのです。種粕と言う肥料を買って来て一寸多く柿の木のまわりにぐるっとまくのです。柿の葉の落ちたのは木のまわりにほっておけばよいのですよ それから玉ねぎにも肥料をやるのです おせっかいですが一寸申上ます……」(原文どおり)がどうしても気になる、と舞が言ってきかないので一緒に肥料を購入しに出向いた。というわけで、種苗店では有機質園芸肥料である粉末の「純良菜種油かす」1㌔と、玉ねぎ・ネギ専用肥料2㌔を購入、その足で畑へ。
 あとは舞の「やるのよ。やらなければ!」の温かくも厳しい声に押され、昨年生まれて初めて苗を植えたタマネギ畑、そして柿の木3本の順に施肥に挑み、まもなく作業を終えた。この日は、今月14日にミヌエットで催すヴァイオリンとキーボードによる音楽会〈春風に乗って♪〉の宣伝を兼ね、チラシを置かせてもらいにCafe(カフェ)画廊「音彩(ねいろ)」へも。ご主人の快諾には心から感謝したい。
 ほかに、ちょうど一週間前に上京した際、都内のどこかに置き忘れてきてしまった愛用の帽子=この帽子はパシフィック・ヴィーナス号に乗船し小笠原諸島を訪れた際、船内で記念に購入した=の件で心当たりにメールをするなど、なんとも落ち着かない1日に。
 そんなわけで、じっくり小説執筆というわけには、いかなかった。むろん、横笛もふいている時間なぞない。デモ、いいっか。たとえチョッピリでも、農業はやらないよりはやった方が良い。帽子が出てこなければ、ケ・セラ・セラであきらめよう。全て、これ、時の流れ。ながれに抗ってみたところでしようもない。
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 北海道の東部地方が発達した南岸低気圧に触発されるかの如く、暴風雪に。80路線、100区間でバスの運転がストップしたという。イラク軍が3万人の民兵でサマラを出発、過激派組織「イスラム国」の牙城、ティクリート奪還に動き始めた。北上し最終的には拠点となっているモスルを奪還するのが狙いだという。
 一方でロシアの元第1副首相で著名な反政権派指導者ボリス・ネムツォフ氏(55)が何者かに暗殺されたモスクワではプーチン政権に批判的な野党勢力が7万人を超す規模で集結。「プーチンなきロシアを」「クレムリンから出ていけ」とプーチン政権を批判する言葉が相次いだ。こうした動きのなか「遺族には哀悼の書簡を送った。実行犯に罪を償わせるため全力を尽くす」とプーチン大統領。謎がナゾを呼ぶ。
 川崎市の多摩川河川敷での中1上村遼太くん(13)殺害事件。日がたつにつれ「18歳の少年に裸にさせられ川で泳がせられたあと、カッターナイフで殺された」など全容が明るみに。「遼太が学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、遅い時間に帰宅するので日中、何をしていたか把握することができていませんでした。幼いきょうだいの面倒もよくみてくれました」と母親。「元気で活発でフレンドリー、接しやすい子だったのに」と友だち。
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【きょうの一文・ことば】
「自治体の劇場ホールには社会的使命を意識した経営が求められる」「全ての人が幸せに生きることが福祉。劇場運営者は社会に目を向け、生活者の視線を持ってほしい」=2日付中日夕刊『劇場を社会的な広場に 岐阜・可児で国際フォーラム 「生活者の視線持って」』の記事のなかで。岐阜県可児市の市文化創造センター(アーラ)で開かれた「世界劇場会議国際フォーラム」で衛紀生アーラ館長

【新聞テレビから】
☆『長野県半数世帯が停電 早朝、中電の送電線故障 38万世帯、新幹線もストップ』『信号消え休校や休診 長野停電 市民生活全般に混乱』、『老舗旅館で火災 長浜、客は無事』『米倉涼子新バージョン 中日新聞テレビCM始まる』、『朝の通学路車速度守らせます 岐阜・本巣 保護者ら「ペースカー」走行』、『18歳少年 容疑認める供述』『川崎中1殺害 暴行「チクられて」』、『設備投資2・8%増 企業経営益最高 10~12期』、『「イスラム」口座拒否 沼津信金「設立目的が不透明」』、『トップへ羽ばたけ 宝塚101期生が卒業』、『ペット虐待動画相次ぐ 専門家「警察の立件で防止を」』(2日付、中日夕刊)
☆『川崎中1殺害 18歳、殺害認める供述 暴行「告げ口」恨み』『2少年宅スマホ押収 ライン履歴照会進める』『欠席児童ら状況把握を 川崎市教委 校長会議で指示』、『復興の道全面開通を 双葉町から避難の書家 常盤道記念碑に揮毫(4月までに、ならはパーキングエリアに設置される)』、『「刺したの覚えてない」 小牧・母娘刺殺の被告 名地裁初公判』(2日付、毎日夕刊)
☆『春呼ぶ炎 赤々 東大寺・お水取り』『白線流し 絆の証し 高山』、『常磐道が全線開通 福島復興加速に期待』『浪江―富岡 高線量地域貫く』『「福島の挑戦、勇気に」 ビキニ水爆61年 島民来日、交流』、『高島屋初の名古屋首位 百貨店売上高 2月期、松坂屋抜く』、『〝サンデー解禁〟会社説明会熱気 学生も企業も手探り』、『武豊線 電車でGO! 大府で電化祝う出発式』(2日付、中日朝刊)
☆『追悼デモに7万人 野党指導者暗殺 モスクワ中心部』、『原発再稼働同意手続き 周辺自治体過半数「反対」 本紙調査「立地のみ」に反発』、『性的少数者の成人式 名古屋で160人 好きな服で「自分らしく」』(2日付、毎日朝刊)

三月一日
 70回目のびわ湖毎日マラソンが大津市皇子山陸上競技場発着で行われ、前田和浩(九電工)が2時間11分46秒で日本選手トップの4位に。この大会は世界選手権=8月・北京=の代表を選ぶ最後のレース。1位は、かつて愛知製鋼に所属した26歳のサムエル・ドゥング(ケニア)で、2時間9分8秒で3年ぶり2回目の優勝を果たした。
 レース後、日本陸上競技連盟の酒井勝充強化副本部長、宗猛男子長距離・マラソン部長らは「冷たい雨が降る悪条件で、ほかのレースと比較するのは非常に難しい。タイムは悪かったが、30㌔以降に外国人選手がペースを上げた中で、前田が大きく崩れなかったことは評価できる」「東京マラソンで好記録を出した今井正人(トヨタ自動車九州)が頭1つ抜けている」などと語った。

 英国ウィリアム王子が東日本大震災の被災地、宮城県石巻市や女川町を訪問、被災者の話に耳を傾けられた。大津波で海にのみこまれた、あの廃墟の町。王子は石巻市を見下ろす日和山の高台で何を思われたか。獅子舞踊りや太鼓で出迎えられた女川では、がれきの中から見つかった「希望の鐘」を鳴らし復興商店街の人々ともことばを交わされた。
 この日は午後、福島県内の常磐自動車道浪江インターチェンジ―常磐富岡IC間も開通、これで埼玉と宮城を結ぶ全長300㌔の常磐道の全線が開通。「私たちは、ほかの高校生に負けないすばらしい日々を送らせていただきました」とは、原発事故の影響で仮設校舎で学び、南相馬スポーツセンターでの卒業式に臨んだ福島県立小高工業高校の卒業生。
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 弥生3月というのに。冷たい雨、雨、雨の1日だった。天気がよければ心が晴れるのに。反対ではくもってしまう。
 それでも私は午前中、ある件で名古屋へ。帰って、こんどは私たちが住む地元花霞町の三役(総代、副総代、会計)の後任者への事務引き継ぎで結構な時間を費やした。それでも、引き継ぎを終えこの1年仰せつかった大役、副総代の重荷から解き放たれ、ホッとしたのである。
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 来春、大学を卒業する大学生らを対象とした主要企業の会社説明会がきょう解禁され、就職活動が本格化。経団連の方針変更で、これまでより3カ月遅れの解禁となった。就職戦線の異変がどんな結果を生むのか。メキシコのアカプルコで熱戦が繰り広げられたメキシコ・オープンの男子テニス。27日の準決勝で勝ち、世界ランク4位以上を確実にした錦織圭(日清食品)は決勝戦でダビド・フェレール(スペイン)と対戦したが、2―0でストレート負け。
 米軍普天間飛行場の移設先として、国が埋め立てを計画する辺野古の大浦湾。各メディアとも海に潜ってのルポなどをしているが10~45㌧もある巨大コンクリートブロック投下がサンゴを傷つけ、沖縄の海は日に日に蝕れている。沖縄県は一刻も早く岩礁破壊許可の取り消しをすべきだ。でないと、日本の大切な自然がみるみる破壊されてしまう。誰がみても、よくないことはよくない。
 川崎で起きた中1男子殺害。逮捕された少年3人のうちの1人、17歳の少年が事件の翌日、インターネットのラインに「なんでこうなったんだよ もう俺のせいだよ……」などと書き込みをしていたことが、その後の警察の調べで判明。この少年は主犯とされる18歳少年の指示で、もう1人の17歳少年とライターで衣類に火をつけたことも分かっている。
 安倍晋三首相が東電福島第1原発事故に伴う除染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設建設予定地視察のため、福島県双葉町へ。「しっかり除染を加速し、復興を確かなものにしていきたい」と述べ、引き続き南相馬市の県立小高工業高校の卒業式に臨んだ。このことは悪くはない。
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【きょうの一文・ことば】
 日本は重要な隣国だが、心の距離を縮めることが出来てはいない。日本は勇気を持ち、韓国と手を携えあって、より成熟した未来50年のパートナーになり、新しい歴史を共に積み重ねていくべきだ。=韓国の3・1独立運動記念式典で。朴槿恵(ぱく・くね)大統領の演説から

【新聞テレビ】
☆『〈ニュース7〉被害の新事実・地下鉄サリン 独自入手の記録で判明』(3月1日付、NHK総合)
☆『〈サンデー版・世界と日本 大図解シリーズ №1188〉今でもできる 災害・復興ボランティア』 何をする?』、『初の3月解禁 短期就活戦線スタート』、『「強竜の春」願いドーム初戦沸く オープン戦』『竜党マツケン 新球団歌「優勝目指して頑張って」』、『自治体消滅77%懸念 首長アンケート人口減対策「財源を」』、『〈がんばろう木曽〉「御嶽海(みたけうみ)」故郷を元気に 春場所初土俵 大道さんしこ名決まる』、『不採用通知を2万件誤送信 東京のIT大手』『「18歳少年が刺した」川崎・中1殺害 容疑の17歳供述』『服燃やしたと17歳2人供述』(1日付、中日朝刊)
☆『〈津波から救えなかった祖母へ〉笑顔で卒業報告 宮城・七ヶ浜の22歳(女性) 体験手記 機に前向く』、『被災3県 復興住宅65歳以上36% 平均上回る 孤独死5件』、『女の子の成長願い 半田で「十三詣り」』、『サイバー攻撃倍増 日本政府、企業対象 昨年256億件』、『ずらっと370人 ギネス滑走 青森』、『英王子 被災地の子らと交流』(1日付、毎日朝刊)
☆『〈空襲〉国際法違反の無差別爆撃 今こそ伝えたい戦争の実態』『逃げまどう人々を炎が橋ごと包んだ 国民の退避禁じた防空法』『被害者への補償拒み続ける政府』『東京に平和発信の祈念館を』(3月1日号 しんぶん赤旗日曜版)