連載小説「あの箱庭へ捧ぐ」第一章
第一章 影を踏む
1
足立清二は到着時間の連絡を受けてから数十分は、事務室で待機していた。室内にある壁掛け時計をみずに、ここ数年愛用している腕時計をみつめる。そろそろ出迎えの準備をしなければならない。窓の外を見ると先日の梅雨入りが影響してか、空は気分がしずむほど曇っていた。
ウミホタルは海の生き物だ。甲殻類で刺激を受けると威嚇するために発光するらしい。そんな生き物から名前をとったうみほたる学園は全寮生で、日本全国から集められた生徒や教師、その他の関係者を含めて約八百人ほどの能力者たちが生活している。
都会から遥かに離れた山の中腹にあるため、自然に囲まれた広い敷地内に、大きな校舎や食堂が建てられていた。小さな雑貨店や洋服店もあるが、品揃えが良いとは言えない。男子寮と女子寮には中等部や高等部の生徒たちが住んでおり、先生や施設の職員たちは、アパートで暮らしている。年齢の制限はないが、十代から四十代ぐらいまでの能力者たちが学園に在学している。しかし、日本中のすべての能力者が集められているわけではない。全寮生のために敷居は高いのだろう。学費のこともある。学園内で働く者たちは、ある程度は免除されているがそれでも簡単に入れる学園ではないことは確かだった。
近年、ニュースでも取り上げられることが多くなった、不思議な能力を持つ人間。それは子どもから大人、男女関係なく発症する病気のようなものだとキャスターが言っていた。
能力病と呼ばれている。その力のせいで家に引きこもる子どもや大人が多くなった。子どもは学校に行かなくなり、大人は仕事をしなくなる。そんなふうに言われている。
その能力は多岐にわたる。魔法のように何もないところから火や水を生みだしたりする者もいれば、五感が異常に発達していたり、共感覚を持ち合わせている者もいるという。原理はわからない。けれど、わからないこそ恐れられて一か所に集められているのかもしれない。
どんどん増え続けている能力者を囲っておける場所は限られている。この学園以外にも、そういう学校や施設が増えているという。能力者の研究をしている場所もある。その中でも規則が厳しいと言われているこの学園は、一度入ったら卒業できるまで一時的な外出はおろか外との連絡も一切禁じられている。
*
「足立先生。ちょっとよろしいですか」
声をかけられたので事務室の扉から顔を出すと、そこにいたのは本間宗太という少年だった。顔は奇妙なほどに整っていて、美形と言っていいほどだった。街を歩くと必ず目を引くだろうその少年は、元子役の芸能人という経歴を持つ。彼は子役の頃に一世を風靡したらしい。言われてみれば確かにどこかで見たことのある顔をしている。そして学業に専念するという理由で、十二歳で芸能界を引退していた。現在は十七歳。これだけ顔が良いならば復帰してもよさそうなものだが。そんな彼がどうしてこの学園に在学しているのかと言えば、能力者になってしまったから。という理由の他ないだろう。
「どうした」
あまり時間はないが、足立は対応する。時間がかかることならば他の先生に託すが、そうでないならばやってしまおうと考えた。
「斎藤寧々さんが門の近くにいるのを見たんですけど、放っておいていいんですか」
本間の言葉に足立は目を丸くして、それからすぐに頭を抱えて大きく息を吐いた。「またか」と呆れたように呟く。
斎藤は問題児だ。予想できなかったわけではない。しかし、ここしばらくは大人しくしていたので油断していたことも事実だ。
「ありがとう。すぐに向かう」
「気を付けたほうがいいですよ」
「ああ」
本間の忠告を聞いてから、足立は急いで警備員に連絡する。電話で話した限り、監視カメラには斎藤の姿は映っていないとのことだった。本間の話を信じるならば、監視カメラの死角を突いて移動しているのだろう。しかし、そんな器用なことを斎藤ができるとは思えない。できるとすれば協力者がいる場合だ。斎藤の脱走騒ぎはこれで三回目だ。一回目は学園に入学したての頃、家に帰れないと知るや否や暴れて、教師たちを振りきって脱走しようとした。二回目は、斎藤が規則を破って謹慎処分を受けたのに、脱走しようとした。
これまでの斎藤には、計画性というものがまるでなかった。
協力者を得たうえで、斎藤が脱走計画を実行しようとしているならば、これは非常に厄介だ。斎藤が今までと同じで勢いだけで脱走しようとしていたなら、まだ楽だっただろう。
学園の門が開閉するには二つの理由がある時だけだ。一つは、教師が用事や休暇で外に出るとき。もう一つは新入生を迎える時だ。それ以外はよほどの理由がないと開かない。そして今日は、新入生がやってくる日だった。
このことは基本的に生徒には通知されない。だが、斎藤の持っている能力の事を考えれば、彼女がその情報を知っていてもおかしくはなかった。
斎藤は、聴覚が常人離れしている。どんなに小さな音でも、遠くの音でも聴くことができるらしい。
今日門が開くことを知っているのなら、斎藤が脱走する絶好の機会だと考えていてもおかしくはない。協力者の力を借りれば、監視カメラを避けながら門まで移動することも容易いだろう。
そこまで考察して、このままでは、新入生と斎藤が入れ違いになってしまう事実に気づいた。足立は急いで門へ向かった。事務所から門の間はそれほど距離はない。門前に着くと、連絡を受けた車の到着時刻と斎藤のことを警備員と話し合う。時間まで待機し、理事長たちの乗った車の到着と、斎藤を待ち伏せすることにした。
「厳重警戒だ」と足立は警備員の二人に言った。
2
車が二台、坂を登ってくる。監視カメラの映像を見ている警備員のひとりから、連絡が入る。足立はイヤホンから聞こえてくる声に返事をした。
足立は何気ない顔をして、身長が百八十センチある自分よりも高い壁に挟まれた重い鉄格子を両手で押す。地面に埋め込まれたレールと格子が甲高い音をたてながらゆっくりと動いていく。
通常、門には誰かが脱走しないように監視カメラと警報機がとりつけられている。しかし今回のように職員が出入りする際は、一時的に警報が鳴らないように設定している。
足立が片側の門を終点まで動かすと、もう片側の門を押していた警備員も開け終わったらしく、「ふう」という声が聞こえた。
左右の門が開き終わると、二台の車が徐行しながらうみほたる学園の敷地内に入ってくる。足立は車が二台とも門を通り終わったことを確認すると、辺りを警戒しながら、再び門に手をかける。
そのときだった。
「おい。そいつを捕まえろ」
足立よりも先に斎藤の姿を目で捕えていた警備員の叫び声が聞こえた。みると、確かにこちらへと走ってくる人物がいる。青い帽子を被った、少年とも少女とも見分けのつかない風貌をした人物。それは紛れもない、脱走犯。斎藤寧々の姿だった。
斎藤が門の外へ出ようと走っている。近くで停車した二台の車からは、もう誰かが降りようとしている。そして斎藤と、車から降りてきた足立とは面識のない女の子。おそらく話に聞いていた新入生がすれ違う。斎藤がその子に気を取られていたその一瞬。足立はその隙を狙って自分の影を伸ばした。
*
空は曇っているが、まだ雲の隙間からは太陽が見える。丁度いい天気だった。
うみほたる学園は能力者しか入れない。足立もその例にもれず。影を操ることが出来る能力者だった。
足立は自分の影を使い、斎藤の影を捕える。足立の影と斎藤の影が繋がり、ひとつになる。次に足立は右の足を真横に動かした。斎藤の右足の影が、斎藤の意思とは関係なく横方向へと動く。影が動くとどうなるか。影を作っている物体もまったく同じ方向に動くことになる。本来ならありえないことだ。しかし足立の能力は、そういう能力であった。
走っている斎藤の右足が影と同じく真横に動いた。斎藤はその場で体のバランスを崩して転んだ。
斎藤のうめき声が一メートルほど先から聞こえる。
足立は一歩も動かなかった。手を動かすことも、顔を動かすこともなかった。こうすることで、斎藤は起き上がれないし、例え起き上がれたとしても、動くことが出来ない。足立の影と斎藤の影が繋がっている限りは。
「取り押さえろ」
警備員がそう言って、もうひとり別の警備員と一緒に斎藤の両腕を片方ずつ掴んだ。斎藤は身動きが取れなくなった。
「離せ。あたしに触るな」
斎藤が無駄だとわかっているだろうに、叫んでいる。大人の男性二人に羽交い絞めにされていては、力で敵うはずもない。
足立はそれを確認すると、門から離れて斎藤の傍まで行く。歩きながら、足立は二週間前のことを少し思い出していた。斎藤が二回目に脱走しようとした時の事。斎藤はあのとき、果敢にも足立に殴りかかってきた。まあ言うまでもなく軽くいなしたが。
「斎藤。残念だったな」
足立は口角を上げてそう言った。
斎藤は足立の事を睨んでくる。
「こんな所、大嫌いだ」
斎藤はそう叫ぶと、観念したかのように抵抗するのをやめた。
一段落して足立は能力を解除すると、今度は車のほうに視線を向けた。みると乗車していたであろう面子は全員車を降りていた。堀田理事長。二台の車の運転手が二人。米田恵理子先生。川崎竜太郎。そして新入生の小池燐音という少女。みんな、困惑した表情でこちらを見ている。
足立は面倒だなと思いながら、理事長たちの近くまで歩いた。
「足立くん。これは一体?」
そんな足立を見てか、理事長が首をかしげながら尋ねてきた。
「お騒がせしてすみません。彼女の処分はこちらにお任せください」
理事長の目の前まで来ると、足立は言った。
「ああ。頼むよ」
返ってきたのはその一言だけだ。理事長は、それ以上何も言わず、川崎に何やら話しかけている。そしてそのまま川崎と共に一足先に本部へと向かうようだ。
足立へのそれは信頼からなのだとわかっていたが、その返答はとても淡白だと感じた。
一方、米田は「お願いします」と足立に向かって一礼した。足立も頭を下げると、「はい」と返す。米田は足立の後輩にあたる。彼女は今回、新入生と同性だからという理由で理事長に同行を頼まれたという経緯がある。
「そちらも、よろしくお願いします」
足立はそう言ってから、米田の後ろで怯えているだろう少女をみた。少し長めの前髪から覗く瞳は、何を考えているのかまるでわからない。小池は不安そうな顔こそしていたが、怯えている様子はなかった。そのことに安堵して、足立は彼女に話しかける。
「こんにちは。初めまして、足立清二と申します。よろしく、小池燐音さん」
小池は僅かに頭を下げてから、「よろしく、お願いします」と小さな声で言った。
「そんなに緊張しなくていいよ。怖いお兄さんじゃないから。隣のお姉さんも、ちょっと顔が怖いかもしれないけれど、優しい――」
最後まで言い終わらないうちに、米田が咳払いして「足立先生っ」と声を裏返した。本人が気にしていることを言ってしまったらしい。
「ほんの冗談ですよ。怖いと思ったことはないです」
足立は弁解のつもりで言う。
「言われ慣れているので、大丈夫ですよ。気にしていません」
米田が、嘆息しながら言った。
わざわざ言うということは、相当気にしているなと足立は思う。実のところ、米田の顔を怖いと思ったことは一度もない。むしろ美人の類に入るだろう。何でこんなところで働いているのか疑問に思うぐらいだ。しかし彼女にも彼女の事情がある。根掘り葉掘り聞くつもりはない。
「それでは、こちらの件が片付いたら改めてそちらへ顔を出しますね」
足立は米田たちに別れを告げると、自分の目先の仕事へと戻る。米田と小池も理事長たちの後を追って本部へと向かうようだ。
警備員二人に捕らえられたままの斎藤は、落ち込んだ表情で項垂れていた。足立はそれをみると、頭を掻いた。
まずは保健室に行って、斎藤の怪我の手当てをしなければならない。
3
斉藤への罰則は、反省文だけでは足りないのではないか。彼女の脱走未遂は今回で三回目だ。根本的な原因を解決するためにも、行動の制限をかけたほうが良いのかもしれない。足立はそう考えて、斉藤にとある罰を追加することにした。
「新入生の面倒をみる?」
罰について伝えると、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をして、斎藤が足立の言葉を繰り返した。
「今回だけ特別だ。反省文と合わせて二つの罰をお前に科す」
足立は、斉藤に向かってそう言った。
「それはいいですけれど。新入生に関しては、罰にならないんじゃないですか。あの子、あたしと同室だって聞きましたよ」
斉藤は首を傾げて言った。
これは足立も先ほど知ったことだが、どうやら今は斎藤が一人で使っている女子寮の部屋に、新入生の小池が新しく入る予定だったらしい。通常は、新入生の入寮が生徒に知られないようにするため、当日まで告知しないことになっているが、斉藤は同じ部屋に入るということで、事前に知らされていたみたいだ。
足立は女子寮について詳しくはない。どの生徒たちが同じ部屋なのか、資料を確認しない限りは知らない情報だ。しかし今回は米田が、斉藤の部屋に小池が入ることをわざわざ足立に教えてくれたのだ。
「何か運命的なものを感じたから」だそうだ。
正直よくわからない理由だと思ったが、都合は良かった。斉藤のためになることだと思ったからだ。
それから脱走騒ぎの協力者だが、斉藤は頑なに口を割らなかった。協力者などいないの一点張りだ。このままうやむやになりそうだった。
あれから一日経ち、斉藤と小池の様子をみているが、どうやら上手くやっているようだった。二人で食堂へ昼食を食べに来ている。
足立は二人より先に昼食を食べ終わり、食器を片付けると外へ出た。近くのこげ茶色のベンチに座り、二人が食堂から出てくるのを待つ。傍から見たら怪しい行動ではあるが、これも仕事のうちだった。新入生というものはとても危ういものだ。来たばかりでここの生活に慣れていない。だから先生をやっている限り、注意してみていなければならない。そして問題が起こればすぐに対処するべきだ。
勿論その職務があるのは足立だけではない。米田もそうだ。特に彼女は、小池の担当だと聞いた。できるだけ近くにいるだろう。
*
数分後。斉藤と小池が、食堂から出てきた。何かしゃべっているが様子がおかしかった。小池が口元を押さえている。彼女は膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
斉藤が慌てて、食堂にいる人に声をかけている。中にいた米田が、急いでかけつけていた。何か袋のようなものを持っている。
足立は近くまで行くと、すぐに事態を把握した。
「まだ気持ち悪い?」
米田が、小池の背中をさすっていた。おそらく嘔吐したのだろう。先ほど食べたものと思われるものが、袋の中にみえた。強いストレスを感じて胃腸に負担がかかっていたのだろう。小池は学園へ来てから今まで、無理をしていたのかもしれない。生活環境が変わったばかりですぐに慣れろというのは酷な話だ。
足立は落ち着くまで待ってから、声をかけた。
「大丈夫か。そこのベンチに座ったらどうだ」
米田が頷いて、小池を先ほど足立が座っていたベンチへと誘導した。斉藤も一緒だった。
「足立先生。少しの間、お願いします」
米田がそう言って、使用した袋を持って食堂へ戻る。水を持ってくるそうだ。
足立はベンチに座っている小池と斉藤の前に立っていた。そういえば飴を何個か持っていたな。と思い出したので、ズボンの右ポケットに手を入れた。
「小池。いい物をあげよう」
そう言って、足立はポケットの中に忍ばせてあった個包装の飴の中から、イチゴ味と袋に書いてあるものを取り出した。
「あ、ありがとうございます」
小池が微かに嬉しそうな顔をして、足立に向かってお礼を言った。
「吐いたから、胃液で口の中が不味いだろう」
「は、はい」
小池は足立の言葉に、苦笑いしながら頷いた。
それから小池は飴の袋を開けて、赤い飴玉を口に一つ含んだ。飴玉は少し小池の口には大きいのか、頬の膨らみがはっきりとみて取れた。時折、飴玉と小池の歯が擦れるような音がした。
それをみていた斉藤が、自分も欲しくなったのか、「足立先生。それもう一個ないんですか」と尋ねてきた。
仕方ないなと思い、足立は再びズボンの右ポケットの中を探る。飴の袋を何個か取り出した。中にはまだ中身がある、膨らんだ状態の飴の袋があった。ちなみに紫色のブドウ味と書いてある。
「あるけど、これ俺の分」
そう言って、足立は少し意地悪をする。ほんの冗談のつもりだった。場を和ませたかったのだ。
「え? じゃあいいです」
斉藤が怒ったような口調で言った。真に受けられたらしい。
足立は笑った。
「冗談だよ。ブドウ味でよければあげるよ」
「ありがとうございます」
斉藤が笑顔で元気よくお礼を言った。
それから、斉藤は足立からブドウ味の飴を受け取った。
「俺は、禁煙中なんだよ。だから飴を舐めていたんだ。最近また値上がりしただろう。外に行っても高いから。また新しい飴を買わないとな」
そう言いながら、足立は息を吐いた。ヘビースモーカーとまではいかないが、喫煙者だった。かと言って電子タバコは苦手だったため、飴でごまかしていたのだ。
「ここって結構、給料が高いって聞きましたけれど」
どこで誰が言っていたのか。斉藤の発言に足立は驚いた。
「一体誰から聞いたんだ」
「あたしは耳がいいので。風の噂で聴いたんですよ」
斉藤の返答に、足立は彼女の能力について思い出していた。斉藤は耳が異常に良いのだ。
これには足立も苦い顔をするしかなかった。この学園にいる限り、どこで誰が何を聴いているのかわかったものではない。
「給料はな。使いこんでいるから」
そう言って、足立は笑ってごまかすしかなかった。小池を一瞥する。
足立も小池の能力の事は、知っている。だから何かを思うことすら今はためらわれた。
米田が戻ってくる姿が目に入る。足立はそれを確認すると、今度はしっかりと小池のほうをみる。
「小池。あんまり無理するなよ。具合が悪いならすぐに近くの先生に言えよ」
「は、はい」
小池は飴に妨害されながらも返事をして、足立の言葉に頷いた。
「よし。じゃあ、またな」
米田と入れ替わるようにして、足立は事務所の方へ向かって歩きだす。
斉藤が足立に向かって手を振った。隣で小池が軽く頭を下げていた。
「足立先生。ありがとうございました」
すれ違いざまに米田が言ったので、足立は無言で手を振る。
自分が汗をかいていることに気づいたのは、事務所の入口の前だった。
タイミング良く、足立のスマートフォンが振動する。ズボンの左ポケットからそれを取り出して画面をみてみると、メールが届いていた。差出人は、「いのう研究所」
足立は肝を冷やし、内容を確認せずに画面を閉じた。そのままポケットにしまう。
別にやましいことがあるわけではない。そう思いながら、足立はどんな顔をしていいのかわからない。だから無理に表情を作らずに、仕事に戻ることにした。
(続)