詩「夏が過ぎて」

ニコニコ顔の太陽で
がんばった夏の日は
お化粧直しで
紅い紅い紅葉一色

籠に盛られたミカンの山
子供がパクパク嬉しそう
日焼けした家の塀に
蝉取りの網が立てかけられている

修学旅行の栗拾い
せっせと集める森の中
誰かのリュックサックから
麦藁帽子が覗いてる

町外れの寺の境内
柿をガブリとかじる音
木霊する本堂の片隅で
扇風機がため息ついてる

空っぽになったプールに
疲れたような夕陽がさした
忍びこんだ野良猫が
大きくあくびしてる

重たくなった布団の中で
ぐっすり眠った子供は
大きな目隠しに長い棒切れ
スイカ割りの夢をみている