一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2021年2月~)

2021年2月28日
 日曜日。空には多くの春の雲が浮かんでいる。これらは【風にふかれて】一体全体、どこに行くのか。

 この日、かつて琵琶湖畔の滋賀県大津市で記者として在任していたころ、この日が来ると決まって琵琶湖のほとりの沿道に立ち選手たちの力走を何度も見た初春のイベント・びわ湖毎日マラソンが大津市の皇子山陸上競技場発着の42・195㌔で行われ、なつかしさにしばらくNHKのテレビ画面にくぎ付けになった。マラソンが終われば、こんどはいよいよ琵琶湖開きである。
 ことしは最後の大会(76回大会)ということで、沿道で声援する人々は皆、どこか名残惜しそうにも見えた。浜大津に京阪電車の琵琶湖線、大津の市街地、びわ湖大津プリンスホテル、近江大橋…。どれもこれもがかつて見慣れた光景である。そしてマラソンの結果は鈴木健吾(富士通)が2時間4分56秒で大迫傑(ナイキ)の2時間5分29秒を塗り替える日本新記録を樹立して優勝、有終の美を飾った。

 日本新記録でゴールした鈴木健吾(NHK総合から)
 
 

 きのうの土曜日。27日は久しぶりに退院間もない舞を伴って、市内のスーパーへと出向いた。店内で人々を見る限り相変わらず、どの客もマスクをしての買い物である。ほかには、何ら変わりなぞしない。<なれ>とは不思議なもので、ただ誰もが当然の如き顔でマスクをして店内を歩いている。そんな社会のありように私はやはり、どこか違和感を覚えた。一体いつになったら、このマスク社会が消えるのだろう。もしかしたら、この異常なマスク社会がこれからも延々と続くかもしれない。

 菅義偉首相が26日夜、首相官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、10都府県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言について首都圏を除く岐阜、愛知の東海2県、京都、大阪、兵庫の関西3府県、福岡の計6府県を月末、すなわち28日までで解除する、と表明。また、26日は河野太郎行政改革担当相も記者会見で新型コロナウイルスワクチンを巡り、高齢者3600万人が二回接種できる量について全国自治体への配送を6月中に完了できる、と明らかにした。
 翌27日。全国知事会オンライン会議が開かれ、新型コロナウイルス対策で国への緊急提言を取りまとめた。28日付中日新聞1面【「ワクチン情報早く」 知事会、財政支援も要求】によれば、「円滑なワクチン接種に向け、時期を明示した接種率の目標や、接種情報を管理する新システムの詳細など接種の全体像を早期に明らかにし、正確な情報を提供するよう要求。緊急事態宣言を一部解除した後の感染再拡大防止に向けた対策強化や宣言対象外の地域で深刻な影響が出ている飲食、観光事業者らへの経済・雇用対策の拡充を盛り込んだ」もので、近く国に提出する、としている。

 ちなみに27日現在の世界の新型コロナウイルス感染者は米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、世界全体で感染者が1億1345万9829人(うち死者は251万8393人)。国別では、米国、インド、ブラジル、ロシア、英国、インドネシア、中国、韓国、オーストラリア、タイの順。このうち米国では2848万6392人が感染、うち51万458人が死亡。インドでも1107万9979人が感染、15万6938人が死亡。ブラジルも1045万5630人が感染、25万2835人がなくなっている。
 また日本での感染者は幸い、このところ鈍化してきてはいるものの、増え続けているのは事実で27日午後8時現在の感染者は、先の横浜クルーズ船・ダイヤモンドプリンセス船の感染者712人(うち死者13人)も含め、総計43万2362人、死者7880人に及んでいる。

 ここで注目したいのは、中日新聞(東京新聞)の本日、28日付サンデー版大図解【コロナ禍で暗転 激増する貧困】である。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックで2020年は1998年以来初めて極度の貧困層が増加に転じたというのだ。貧困削減は国連の持続可能な開発目標で世界共通の課題だけに、こんご世界の貧困地図がどうなっていくか、は気になるところでもある。

 28日付中日新聞の【コロナ禍で暗転 激増する貧困】の大図解
 

 東京電力福島第一原発事故の被災地復興の在り方を考える政府の有識者検討会が25日、オンラインで開催した会合で、被災市町村の「復興・再生は国の責務」とする文言を盛り込んだ提言案を大筋で了承。昨年11月に示された提言概要案では、2015年の前回提言にあった「国の責務」の文言の記載がなかったが、福島県側からの指摘などがあり、一転して明記したという。

 菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から一人約7万4千円の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官(60)が25日、衆院予算、総務両委員会に参考人として出席。「総務省在職中の行為で公務員の信用を損なった」と陳謝。会食の趣旨は一般的な懇談としてで許認可事業の働きかけはなかった、と説明。続投させたい首相の意向を踏まえ「よく反省し自らを改善していきたい」と辞任を否定した(山田内閣広報官は、その後、3月1日になり辞職願を提出し持ち回り閣議で同日付での辞職が認められた。山田内閣広報官は体調不良を訴え、2月28日に入院していた)。
 一方、東北新社は総務省幹部への接待問題を受け26日、二宮清隆社長の引責辞任と、菅首相の長男正剛氏ら接待を主導した幹部の処分を発表。正剛氏がメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を解任されたほか、三上義之、木田由紀夫両執行役員も解任された。社長の後任には、中島信也副社長が同日付で昇格。
 農林水産省が25日、吉川貴盛元農相と鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表が在宅起訴された贈収賄事件を巡り、両者の会食に同席した枝元真徹事務次官ら職員6人を減給などの処分にした。職員は会食費用を負担しておらず、利害関係者からの接待を禁止する国家公務員倫理法に基づく倫理規定違反と認定したという。

 このところのこの地方の特記事項といえば、だ。裸男のもみあいで知られる稲沢市の尾張大国霊(おおくにたま)神社で24日にあった国府宮はだか祭り(儺追神事)が新型コロナウイルスの影響でことしは着衣でのササ奉納という異例ずくめの祭りになったことか。裸男たちのもみあいがなくなったのは、昭和天皇が崩御された1989年いらい。2度目の中止で、その時とほぼ同じ形式で儺負人(神男)らによる厄払い行列が実施され、例年の喧噪から一転し、厳かな雰囲気に包まれたという。

 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動で偽造の疑いがある大量の署名が提出された問題で、複数の人物が繰り返し指印を押したとみられる署名が少なくとも約十万八千筆あったことが、関係者への取材で分かった。提出された約四十三万五千筆の四分の一ほどを占めていた。-とは26日付中日新聞1面報道。

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 日本や中国など8カ国・地域がサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会の年次会合が25日閉幕。現行の漁獲枠を40%削減し、年33万3750㌧とすることで合意。2021年から2年間、適用する。歴史的なサンマの不漁に直面した日本が資源回復に向けた規制強化を提案。中国や台湾が歩み寄り、一歩前進したという。
 栃木県足利市の両崖山一帯で起きた山林火災が28日、発生から1週間を迎えた。ヘリコプターからの消火活動は急拡大する延焼スピードに散水が追い付かないで長期化。一帯の焼失面積は27日午後2時時点で約106㌶に及んだという。
 バイデン米政権が26日、2018年のサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏暗殺事件で同国の最高権力者ムハンマド皇太子が「拘束または殺害する作戦を承認した」との情報機関の報告書を公表。対イラン最強硬派のムハンマド氏を擁護していたトランプ前大統領の姿勢を転換し、人権や国際法を重視する姿勢を鮮明にした。
 福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表としてアフガニスタンで活動中に銃撃され、2019年12月に73歳で亡くなった医師中村哲さんの功績をたたえる記念碑が27日、現地の灌漑事業のモデルとなった取水施設「山田堰」がある福岡市朝倉市に完成、披露された。

2021年2月23日
 祝日である。令和の天皇陛下がこの日、61歳の誕生日を迎えられた。陛下はこれに先立ち赤坂御所で記者会見。新型コロナウイルス禍の克服を願い「忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」と述べられ、発生から10年を迎える東日本大震災についても「いま思い出しても胸が痛みます。被災地に永く心を寄せていきたい」と語られた。

        ☆        ☆
 火曜日。
 舞が14日に退院してから1週間以上がたつ。
 きのう22日は、6月1日になれば満101歳になる私の母が日々、過ごしている名古屋近郊の老人健康施設「愛泉館」へ舞と一緒に、名鉄バスと名鉄犬山線、地下鉄鶴舞線の豊田行き、タクシーを乗り継いで彼女の退院報告を兼ね、同時に母を元気づけようと出向いた。
 コロナ禍のそれも非常事態宣言下の老健施設での面会はかなり厳しく、わずか10分間のドラマに終わったが、それでも母と舞は久しぶりの再会に互いに嬉しそう。言葉数こそ少なかったものの、何かがふっ切れたような、そんな笑顔でうなずきあい、無事回復を確かめ合った。面会時間が僅かしか認められないため、今回はふたりの写真を撮る余裕などとてもなく、それよりも互いの健在ぶりを目と目で確かめ合うだけでも十分、ためになるひとときとなった。合間には東京の長男にも電話し、それこそ瞬間的ではあったが久しぶりに1、2分間、私の母(祖母)と電話で話し合うこともできた。昨日は2月22日。長男が志摩の鵜方の県立志摩病院で生まれた誕生日でもある。あの日は忘れもしない。南国志摩に雪、という記事を報じるため飛び回っていたことが思い出される。
 
 百歳の母はいつも私たちにとっては太陽であり、女神でもある。実家にて以前つどった兄妹会の場で写す
 
 

 というわけで、夕方、帰宅した私たちは乗り継ぎ、また乗り継ぎ。待って、待たされてのちょっと厳しい行程だっただけに、結構疲れ、舞は夕食も早々に2階寝室へと消え、私は私で朝夕刊のチェックや読みかけの小説を読むことなどに時間を費やしたのである。年を重ねるとはこのことか。わずかの外出にも疲労感が、わが身を責める。それにしても、私たちの全てを知っているわが家のアイドル、シロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名はオーロラレインボー)は、文句ひとつ言わないで待っていてくれた。その労苦と留守番には、心から感謝したい。そういえば、きのうはニャンニャン、すなわち猫の日であった。

 豊田行き沿線の黒笹駅前「ピアゴ」で〝たこかる〟を食べ、時間待ちをする舞
 

 おかあさん思いのシロ。彼女はきょうもしっかり留守番をしてくれ、いつだって玄関先で、こうして待っていてくれる
 

 この日のドラマといえば、愛泉館の応接で待つ間、傍らに置かれた本棚になんと加賀乙彦さんの小説「湿原」が置かれ、私は思わず【指】の部分を読んだということか。雪森厚夫と銀次親分。函師(はこし)。スリ。この部分を読むうちに私は、かつて現役記者時代に大変お世話になった〝タニさん〟、かつては愛知県警のデカの中でも泣く子も黙るスリ刑、すなわち函師だったタニさん、すなわち往年の谷奥刑事を思い出したのである。タニさん、今はどこで、どうしておいでか。
 そして。今ひとつ。帰宅すると、あの太田治子さんから「いつまでも永らえるように」と、生花に特殊加工が施された〝命の花〟が届いていた。美的センスに飛んだその、燃え立つような、赤いバラの姿に舞が胸をときめかせ、感激したのは言うまでもない。

 太田さんから届いた赤いバラ。いつも、ありがとうございます
 

 23日。久しぶりに解放された気分になった私は、このところ吹くことが出来ないでいた篠笛を手に【さくら】【惜別の歌】【平城山】【青葉の笛】【よさこい節】など数曲をふいてみた。ついでにハモニカも手に、フランク永井の【俺は淋しいんだ】【みかんの花咲く丘】などもふいてみた。ふきながら、近づく春に、舞も母もいつまでも元気にいてくれるように、と祈ったのである。
        ☆        ☆

 さて。ちまたはといえば、だ。コロナ禍に染まった世は相変わらずである。きのう舞と乗車した名鉄も、地下鉄も、車内の乗客の全員がマスク姿(そういう私たちもだが)で、これでは〝マスク列車〟そのものである。日本中が変わってしまっている。
 その新型コロナウイルスだが、愛知県は22日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を、3月7日の期限を待たずに2月末に解除するよう国に要請。大阪府と京都府、兵庫県の3知事も23日開いたオンラインによる会合で新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言を2月末で解除するよう政府に求めることで合意。会合後、3府県知事が共同で西村康稔経済再生担当相に解除を要請したという。

 そんな世の中にあって、明るい話題といえば、20日にメルボルンであった全豪オープン女子シングルスで大坂なおみ(23)=日清食品=が2年ぶり2度目の優勝を果たしたことか。そして。このところの問題といえば、だ。菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で総務省は22日、既に判明している幹部4人に加え職員8人も接待を受けていたと公表。けさの中日新聞1面見出しは【接待13人延べ39回 総務省、11人あす処分 首相長男21回参加】と報じている。開いた口が塞がらない、とはこのことか。
 また、この地方では愛知県の大村秀章知事のリコール運動中に多数のアルバイトが署名を偽造した問題が表面化。リコール活動団体の会長を務めた美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長と事務局長の田中孝博・元愛知県議が22日、愛知県庁で記者会見し「事務局は何も関係ない」と関与を否定したというがなんとも恥ずかしい、こちらも語るも地に落ちた話ではないか。新聞報道によれば、名古屋市の河村たかし市長は22日の定例記者会見で愛知県の大村知事のリコール活動団体の運動を支援するため10年前の名古屋市議会リコール(解散請求)の受任者約34000人分の名簿を団体に提供していたことを明らかにしたものの、大村知事のリコール活動の署名偽造に流用された可能性については否定したという。
 いずれにせよ、なごやのジン(人)は一体全体、何をとろいことばっかをしとるんだ、と一喝したくなる。ほんとに恥ずかしいかぎりで、このコロナ禍という緊急事態に何を、それこそ、たわけたことをやっとるのだ、と言いたい。

 このほか、ミャンマーでは先の国軍によるクーデターに対する抗議活動が続き、22日には全土で数百万人が参加。市民は「どんな暴力もわれわれを止められない」と〝反独裁〟を象徴する三本指を立てるポーズで抗議の声をあげ、国軍政権への不服従運動として業務ボイコットを展開、こんご、どうどうなっていくのか目が離せない。

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 女性蔑視発言で辞任した森喜朗氏の後任として18日、橋本聖子・前五輪相が東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長に就任することが決まった。橋本聖子さんが生まれたのは1964年の東京五輪開会式の5日前。スピードスケートなどオリンピックへの出場経験も豊富で【五輪の申し子】とまで呼ばれている。そんな橋本聖子さんは18日の就任記者会見で「国と東京都とさらに連携を加速して、国民のみなさま方、海外のみなさま方にも、これであれば安心・安全な東京大会だと思ってもらえるような体制をしっかり整えたい」と語った。
 米航空宇宙局の探査車パーサビアランス(忍耐)が18日午後3時55分(日本時間19日午前5時55分)ごろ、火星への着陸に成功。火星の地表の写真も届き、管制室は喜びに包まれた。パーサビアランスはこんご、かつて湖があった場所の土壌を採取し微生物など生命の痕跡を探すほか、火星のサンプルを地球に持ち帰る史上初の計画にも挑むことにしている。
 福島、宮城両県で震度6強を観測した13日の地震で一部区間での運転を見合わせていた東北新幹線が22日、仙台-一ノ関(岩手県)間で運転を再開。残る那須塩原(栃木県)-仙台間も24日には開通予定だという。
 日本人28人を含む185人が犠牲となったニュージーランド地震は22日、発生から10年となり、語学研修中の生徒12人が亡くなった富山外国語専門学校(富山市)では追悼の集いがあり、遺族や在校生、教職員らが犠牲者を悼んだ。
 デルタ航空が22日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で昨年3月から運休していた中部国際空港-デトロイト線を週1往復で再開する、と発表。コロナ禍で運休した中部空港の欧米定期路線が復活するのは、これが初めて。
 競泳の東京都オープン最終日が21日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子50㍍バタフライは白血病から復帰した池江瑠花子(20)=ルネサンス=が25秒77の日本学生新記録で優勝。池江は昨年8月の復帰から5戦目で初の優勝となった。

2021年2月16日
 眠剤を飲みまためざむ春曙
 春萌す空よ潮よ七尾線
 ひとの世に音頭ありて梅花せつあ
 ぐるぐるとお腹の痛さ三寒四温
 寒梅やめさすは谷中ひとところ
 =伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から

 きょうは火曜日。2月も、はや16日である。
 14日のバレンタインデー。その日。舞は、これまでお世話になった木曽川河畔近くの病院、江南厚生病院西病棟509号室(個室)を晴れて退院した。帰宅に当たっては、担当医から画像を前に放射線照射と点滴による抗がん剤投与の治療成果、そしてこれからの生活、次回の外来診療などにつき丁寧な説明があり、礼を述べ病院を出た。舞は帰宅前に、私たちの畑【エデンの園】(名前は私が命名)にどうしても寄りたい、と言うので、エデンへ。園の一角では白梅が見事に天を突いて「おかあさん。おかえりなさい」と歓迎してくれた。

 天を突くエデンの園の白梅
 

 また自宅に着くと、手押し車を押して散歩中の〝わがまちの安全おじさん〟と玄関先でバッタリ出会い、荷台に乗せられた、かわいい二匹の愛犬から「おかえりなさい」と言われた舞は思わずニッコリ。「ありがとう」と笑顔で応じたのである。

 二匹のワンちゃんに「これからもよろしくね」と舞
 

 入院中に送られてきたパジャマに「わあっ~、うれしいな」と笑顔を見せた舞
 

 帰宅当初、わが家のアイドル、シロちゃんは遠慮がちながらも舞の傍に寄り添ったままで、しばらくは無言で静かにしていたが、まもなくすると以前の俳句猫シロ(俳号は「白」。本名はオーロラレインボー)に戻り、時折、からだを舞に摺り寄せ、尻尾を立て、ゴロゴロゴロ、ニャア~ンと全身で舞の帰宅を歓迎したのである。おかあさんの入院期間中は、末っこの息子も仕事が忙しいにもかかわらず、出勤やテレワークの合間に洗濯、掃除、食事の準備などをすすんでしてくれ助かりもした。
 また長男夫妻からは退院を祝った日比谷花壇の生花が届き家族のありがたさを痛感。その一方で各地の友人たちからも退院を祝うたくさんのメールや電話をいただき、家族一同心より感謝している。本当にありがとうございました。

 長男夫妻から届いたお祝いの花々とメッセージ
 
 
 

 アタイのオカンを思う心は永遠不滅です。どんな時でも、こうして帰宅を待ってます(玄関にて)
 

 実のところ、このところの私は地元生活情報誌で連載中のコラム執筆や、私自身も所属する【脱原発社会をめざす文学者の会】の会報原稿の締め切り、その他あれやこれやと追われて、やっとこせ、きょうになってこうしていつもの本欄執筆を始めた、というわけである。舞の退院により、コロナ禍のなかの非日常社会にあって、私たちにとっての新たな【非日常の日常】がまた始まったのかも知れない。

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 さて。ここしばらくの間のニュースといえば、だ。来月11日の東日本大震災10年を前に、13日夜遅く福島、宮城両県で最大震度6強を観測する地震が起き、東日本大震災の被災地はじめ日本中の人々をドキリとさせたことか。幸い、津波は起きず、原発施設も無事ではあったが、東北と関東などで最大90万戸超が一時停電、最大3万6000戸が一時断水。負傷者も計157人に及び、福島、宮城両県のまとめによると計1994棟の住宅被害も確認された。また東北新幹線の設備が被災しJR東日本が那須塩原(栃木)-盛岡間で運転を見合わせる事態となった。
 こうしたなか、厚生労働省は14日、米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症ワクチンを国内で初めて正式に承認。欧米各国に比べ、だいぶ遅れていた新型コロナワクチンの接種だが、ここ日本でも17日から全国の国立病院機構など100施設で約4万人への先行接種がいよいよ始まる。接種後28日間は健康状態を記録してもらい、副反応の出現頻度などを分析、公表することにしているという。
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 「署名偽造バイト動員か 愛知知事リコール 名古屋の会社が求人 佐賀で昨年10月書き写し」「県選管の告発受理 県警」とは、16日付中日新聞朝刊1面トップ。愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)に向け、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが県選挙管理委員会に提出した署名簿に、偽名が疑われる大量の署名が含まれていた問題で、多数のアルバイトが愛知県民らの名前や住所が書かれた名簿をリコール活動団体の署名簿に書き写していた、ことを報じたものだが、これが事実としたなら良識が疑われる恥ずべき話である。一体、だれが指示してこんな愚行に及んだのか。捜査機関による解明が望まれる。
 東京株式市場で15日、日経平均株価が30年半ぶりに3万円を超え、30084円15銭とバブル崩壊後の最高値を更新。中日新聞によれば、新型コロナウイルス収束後の景気回復への期待感が背景にあるが、実体経済とは乖離した株価に高揚感は乏しいという。市場では、今後も上昇が続くとの見方がある一方、大規模な財政金融政策によるマネーが流入した加熱相場だ、との懸念も聞かれる。
 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、女性蔑視発言で二転三転したあげく、世論の批判を浴び最終的に辞任表明した森喜朗会長(83)の後任候補を17日に絞り込み、18日にも正式決定することにしている。候補には1984年ロサンゼルス五輪の柔道金メダリストでJOC(日本オリンピック委員会)会長の山下泰裕さん(63)らが浮上しているという。
 世界貿易機関(WTO)は15日開いた一般理事会で新たな事務局長にナイジェリアの元財務相、ヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏(66)を選出。同氏の選出には米国のトランプ前政権が最後まで反対して難航していたが、バイデン米新政権が支持に転じた結果、決着した。米上院は13日、米連邦議会襲撃を巡る断崖裁判で、共和党のトランプ前大統領に無罪の評決。トランプ氏が襲撃を扇動したーとして史上初めて2回目の弾劾訴追を受けていたが、共和党内での有罪支持は広がらなかった。
 日本将棋連盟が16日、将棋の藤井聡太王位(18)が1月末で、それまで通学していた名古屋大学教育学部付属高校(3年)を自主退学した、と発表。2016年に史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士になった藤井王位は、「タイトルを獲得できたことで将棋に専念したい気持ちが強くなりました」とのコメントを出した。

2021年2月6日
 りんろろん春宅急便宅急便
 きさらぎの陽はねかえしつペンダント
 ポケットに押し込め歩く蝋梅の
 =伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から

        ☆        ☆
 土曜日。
 入院中の妻舞子。彼女は、担当医師や看護師さんらによる治療の効果とみなさまの声援もあって、日々元気が出てきており、私たち家族はこのまま順調にいってほしいな、と祈る思いでいる。考えてみれば、未曽有のコロナ禍のなか、いまは日本だけでなく世界中の人々が、それぞれの思いと苦しみを胸に1日1日を懸命に生きているのである。わが家の場合、愛猫シロちゃんも、おかあさん(オカン)のことを思い、いつだって心を痛め、時にはオカンの写真に胸を弾ませたりしている。家族と何ら変わりはない。
 先日、電話越しに「シロちゃん。出来るだけ世の中を吟行していろんなことを教えてよね」と、おかあさんの舞から言われてからは連日、お外へ吟行に出る姿は、いじらしいほどである(シロの物語【シロは何でも知っている】は本著<世界の窓>で連載中。ただ、このところは、なかなか書いている余裕がなく、そろそろ書かなくてはと思っている)。
 
 宮沢賢治のオノマトペを頭に、きょうも句作に励む伊神舞子
 

 そういえば、つい最近、私のスマホのラインにびわ湖放送の元編集局長(当時取締役)だった滋賀時代の友人(奥本さん)からこんな励ましの言葉が入りました。内容は次の通りです。
――奥さま 順調に回復されているようでよかったですね。私もステージ4のがん患者です。同病相憐れむで気持ちはよく分かります。(伊神さんとこの)シロちゃんかわいいですね。うちは犬がいるのですがシロイです。アメリカの友達が真っ黒の犬を飼っていてクロイとつけていましたので真似しました」「がんについては、その辺の医者より詳しいです。なんでもお尋ねください」
 この心のこもった文面には持つべきは、やはり〝よき友〟だなっ、と。なんと答えてよいのか、と思った次第。ことばに詰まってしまったのである。むろん「ありがとう。オクちゃんもくれぐれもおからだを大切に。(がんを克服されたお手本として、人々に希望と勇気を与える代表として)いつまでも元気でいてください」と返信をさせて頂いたのである。

 そして。きのう5日は金曜日。デ、例によって私は社交ダンスのレッスンで一宮市スポーツ文化会館へ。舞が病床でがんばっている分だけ、私も執筆はじめあらゆることに努力せねばーとブロンズ級のワルツにシャドーも含め、ただひたすらレッスンに打ち込み、ホーラウエイ、コントラチェック、ナチュラルターンが少しはまともになってきた。

 3密を回避しつつマスク姿でブロンズ級ワルツのレッスンに励む社交ダンスの仲間たち
 

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        ※        ※
 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が4日、東京都内で記者会見し日本オリンピック委員会(JOC)が3日開いた臨時評議員会で「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」などと発言したことを謝罪、発言の撤回を表明した。平等性を掲げる五輪憲章に抵触する発言には国内外から厳しい批判が起きている。森氏は4日の会見で「五輪・パラリンピックでは男女平等が明確にうたわれている」としたうえで「不愉快な思いをされた皆さまには、おわびを申し上げたい」と陳謝。会長辞任への考えに対しては「一生懸命7年間やってきた。自分からどうしようという気持ちはない」と否定した。
 森氏の発言に東京都の小池百合子知事は「絶句したし、あってはならない発言。大会を安全安心に進めるのが都や組織委のミッションである」との認識を示し、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長も突然の女性蔑視発言に「指摘する機を逸してしまった」と反省を込め「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だった」と述べたという。
 また、森氏によるこうした女性蔑視発言は「会議が長引く」に加え、「組織委員会の女性はわきまえている」の言葉も注目を集め、参加者が男性中心の議論に出席してきた女性らは問題点を指摘。発言のあった3日夜から「#わきまえない女」との検索目印(ハッシュタグ)を付けた投稿が拡散し、共感する声が広がっているという。

 『まち再生へ 起業家終結 南相馬酒蔵づくりや駅活用挑む 「課題多いからこそ可能性」』『東日本大震災10年 応援職員延べ9万7000人 全国から被災6県へ 石巻今も300人不足』とは中日新聞の5日付夕刊の見出しである。こうしている間にも、未曽有のコロナ禍とは別に、あの東日本大災害、そして福島原発事故の10年の忌まわしい日が刻々と近づいているのである。
 日本国内での新型コロナウイルス感染者が1月13日から3週間余りで10万人増え、累計で40万人を超えた5日、英製薬大手アストラゼネカが新型コロナウイルス感染症のワクチンを厚生労働省に承認申請した、と発表。承認申請は米ファイザーに次いで2例目。多くを日本国内で生産するだけに、安定供給が期待される。また欧州連合(EU)でも日本向け新型コロナウイルスワクチンの輸出が初めて承認されたという。承認されたのは、米製薬大手ファイザーがベルギーで製造したワクチンとみられる。

 全国知事会は6日、新型コロナウイルス対策本部の会合をオンラインで開き、国への緊急提言を大筋でまとめた。国民へのワクチン接種を円滑に実施するため、国が責任をもって現実的な計画を示し、情報を迅速に提供するよう要請。緊急事態宣言の対象地域外も含め、経済的な支援の拡充をするよう求めた。
 厚生労働省と埼玉県が5日、英国に滞在歴がない同県の10歳未満~60代の男女11人が英国で広がる新型コロナウイルスの変異株に感染した、と発表。今月3日に変異株感染が報告された人の濃厚接触者だった。
 喫茶店のモーニングサービス発祥の地で知られる愛知県一宮市が5日、夜の営業時間短縮要請に応じた店への協力金の対象外となった昼営業の飲食店に8万円の協力金を独自に支給する、と発表。愛知県や一宮市によれば、1月の緊急事態宣言再発令以降では全国でも珍しい取り組みだという。
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 日本将棋連盟が5日、2020年の獲得賞金・対局料ランキングを発表。それによると、同年8月に最年少で二冠に輝いた藤井聡太王位・棋聖(18)が4554万円で4位となり、2019年の9位に続いて2年連続でベスト10に入った。竜王・叡王の豊島将之二冠(30)が1億645万円で2年連続の1位だった。
 浜松市が5日、ギョーザの2020年の1世帯当たり購入額(3766円)で宇都宮市(3693円)を抑え、2年ぶりに日本一になったと発表。
 ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議活動を巡り、ロ外務省は5日、「違法な抗議活動に参加した」としてドイツ、ポーランド、スウェーデンの外交官3人を追放する、と発表し3カ国大使らに抗議。3カ国側は「根拠がない」と反論している。
 第11管区海上保安本部(那覇)は6日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に午前4時45分ごろから中国海警局の船2隻が侵入した、と発表。中国海警局の武器使用を認める海警法が今月1日に施行されて初めて、中国当局の船が尖閣周辺領海に侵入した。
 愛知県弥富市が5日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種を想定した訓練を会場予定の市保健センターで行った。近隣自治体も含め職員、保健師ら約50人が参加。医師、運営スタッフ、接種を受ける市民の役に分かれ、45人に接種する方法で進行。〝市民役〟は受け付け後、予診票に記入して待機し、問診後に接種用ブースに進んで注射。副反応をみる経過観察までの流れを確かめたという。

2021年2月3日
 立春や源平の公達集いたい
 鬼やらいどこまで逃げて行ったやら
 病室のカーテン越し日脚延ぶ
 実卵戦へと転がり出すな
 恋衣六華まとひつ踊る朝
 =伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から

 きのう2日は節分。それも例年より1日早まり、1897年(明治30年)いらい実に124年ぶりで立春もきょう3日である。いやはや。もう春、春ですね、と叫びたいところだ。そのあかしか。ここ2、3日は野外の鳥の鳴き声が心なしか。チュッチュ、チュチュと耳に大きく迫って、聞こえてくる。
 2日午後。「お昼に恵方巻食べたわよ」と電話で入院中の舞。「へえ~え。そうだったの。病院の食事も気が利いているね」と私。ことしの恵方は南南東だそうで、私も夜おそくコンビニで買った恵方巻を手に、南南東を向いて舞の回復と完治を願って祈る思いで食べたのである。と同時に、この夜は愛猫シロちゃんを傍らにふたりで【鬼は外、福は内】と呪文も唱えた。こんなささやかなことこそが、まさに日本文化なのだとも思いつつ。

 おかあさんの無事、回復をひたすら願う愛猫シロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫、本名はオーロラレインボー)
 
 

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 2日の正午過ぎ。舞の入院先である江南厚生病院の担当医師から電話が入る。「これまでのところはこれといった副作用もなく順調です。出血もなく、確実に放射線治療の効果は出ています。あと少しです。がんばりましょう」といった内容で、患者サイドに立った言葉にはジーンというか。ほろり迫るものがあった。私は、さっそくメールで舞にこのことを伝えたが、医は仁術とはまさに、このことか。
 かといって、この先どうなるかは、まだまだ分からない。神のみぞ知るが、少なくともコロナ禍と同じステージのがん患者である舞が【希望】という名の道に向かってまた一歩、あるき始めることが出来そうだ、という点ではすなおにありがたく思ったのである。それにしても、舞はいつだって国の大事件、いや【大災】と付き合いがいい。10年前の脳腫瘍の大手術の時は、東日本大震災が3月11日に起きたその年の春だった。そして今度の入院は、新型コロナウイルスが世界中で人類を襲っているコロナ禍のさなかである。これも何かの因縁かもしれない。

 舞は、愛猫シロちゃんも含めた家族はむろんのこと、能登七尾の歌人山崎国枝子さん(短歌雑誌「澪」代表)はじめ、作家太田治子さん、小牧時代からの友人でもある牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の倉知弦洲会主で大師範、「熱砂」同人)夫妻、作家の長谷川園子さん、カトマンズを拠点に世界を舞台に日々がんばる長谷川裕子さん、そして私のかわいい妹和代や妙子姉さんら本当に数多くの方々のあたたかな声援のなかで今、懸命に立ち直ろうとしている。
 こうした熱き声援には、夫として心底有り難く思っている。そのためにも回復し、彼女ならではの俳句や短歌をどんどん作句したり、詠んでこの先潤いある人生をあるいてくれたらいいなと願う。そのことが世のため人のためになるならば、もっと良い。
 デ、みなさまの声援に応えるためにも、ここでへこたれ、挫折してもらっては困る。でも。かといって、しゃかりきに無理してがんばることだけはないように。あくまで、あるがまま。自然体で自由気ままにいこうよ、と。ふたりで話し合ってはいる。

 きのうは火曜。そしてきょうは水曜日だ。このところはそんな彼女が入院中であることもあって、何かとバタバタしている。でも、コロナ禍の中の厳しい面会謝絶制限もあって、なかなか容易には会えない。そんなわけで、事と次第によってはアウン・サン・スー・チーさんの拘束を連想させる入院治療中の身の「今」なのである。とはいえ、このコロナ禍のなかにあって医師はむろん、看護師さん、病院スタッフ……と、誰もが未曽有の苦しみのなかを生きているのである。勝手ばかりを言うわけにもいかない。

 それはそうと、わが妻、私の舞はさる1月29日夜、病床から私にかけてきた電話でこう、話しかけてきた。
「あのねえ。わたしねえ。わたし、今初めて、あなたに言うのだけれど。退院したら、自分のからだをそんなに傷めつけないで、出来るだけ自然のままでいたい。と。そう思ってる。抗がん剤の投与はこんどの金曜日で終わるけれど、放射線照射はもう一週間あるので、退院はそれが終わってからになりそう。だから今度退院したら、これからは自分の体をあまり傷めないで出来れば、自然のままにしてあげたい。お店(「ミヌエット」)にも、ふつうどおりに出てお客さんとの雑談を交わしながら、あの樹木希林さんみたいに生きていきたいのよ」と。
 黙って聞く私。「わかった。わかったよ。現役時代は俺が勝手し放題で、おまえは苦労の連続だったからな」と私の声は、少し涙もようである。自由気ままに生きたらいいよ、の言葉が出ず「ああ、いいよ。いいよ。わかった。わかったから」と。それだけ答えるのが精いっぱいであった。
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 日本政府が2日夜、現在、緊急事態宣言を発令中である11都府県のうち栃木県のみを解除し、7日の期限を3月7日まで1カ月間、延長することを決定、菅首相自らが記者会見で発表した。新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の延長となった。そして世界はと言えば、だ。ミャンマー国軍が1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相やウイン・ミン大統領ら民主勢力の政府与党、国民民主同盟(NLD)幹部らを拘束して1年間の非常事態を宣言。国軍系テレビで国家権限を掌握したと表明、クーデターを実行した。全権を掌握した国軍は、その後、アウン・サン・スー・チー氏の外相ポストを含め、国民民主連盟政権の閣僚ら24人を解任し、国軍出身者を中心とする新閣僚を任命した、と発表した。

 緊急事態宣言の延長決定を報じた2月3日付中日新聞など
 
 緊急事態宣言の延長について記者会見する菅首相(NHKテレビから)
 
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 バイデン米大統領が1日、ミャンマー国軍によるクーデターを受け声明を発表。「民主主義が攻撃を受ければ、米国は立ち上がる」と強調。同国に対する制裁を復活させる可能性に言及し、国軍が拘束したアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相らの解放を求めた。
 自民党は1日、新型コロナウイルス緊急事態宣言中に深夜、東京・銀座のクラブで飲食した松本純元国家公安委員長(70)、田野瀬太道文部科学副大臣(46)、大塚高司衆院議院運営委員会理事(56)を離党勧告処分とし、三氏は離党した。菅義偉首相は田野瀬氏を更迭し、同じく銀座のクラブを訪問した公明党の遠山清彦衆院議員(51)=比例九州=は辞職願を衆院に提出し、本会議で許可された。
 ロシアの民主派野党指導者ナバリヌイ氏の解放を求め、1月31日にロシア各地で行われた抗議デモの拘束者は同23日の最初のデモより千人以上多い計5400人余に。政権は拘束時にスタンガンを使うなど弾圧姿勢を強め、国内外での批判が高まっている。新型コロナウイルス対策に奮闘する英医療従事者や国家医療制度(NHS)を支援しようと約3300万㍀(約47億円)の寄付を集め、世界的に話題になった退役軍人、トム・ムーアさん(100歳)が新型コロナに感染、1月31日に入院。ムーアさんはその後、2日に英国南部の病院で亡くなった。
 新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)が続くイスラエルのエルサレムで先月31日、ユダヤ教超正統派のラビ(指導者)の葬儀が2件相次ぎ、それぞれに1万人近くがロックダウンに従わずに参列。
 スズキはミャンマー国軍のクーデターを受け、四輪車を手掛ける現地の二工場の稼働を1日午後、停止。デンソーも2日、ミャンマーの自動車部品工場の操業を1日午後から停止したと明らかにした。