一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年4月~)

2023年4月30日
 日曜日。アフリカ北東部スーダンから周辺国のジブチに退避した日本人とその家族計48人がきのう29日朝、ジブチ発のチャーター機で羽田空港に到着。帰国した。羽田空港では、現地で医療支援をしていた北九州市の認定NPO法人「ロシナンテス」の理事長で医師の川原尚行さんが「いろいろな方のご尽力で帰国でき、感謝の気持ちでいっぱいです。日本政府は国際協調をもって停戦実現に向け、動いてほしい。停戦が実現し治安が維持されるなら、再び戻って支援をしていきたい」などと語った。

 けさの新聞の見出しは【コロナ制限緩和4年ぶりの大型連休 慎重? 東海人気質 「マスク旅先でも」「近場でプチ贅沢」「同調と配慮 日本人の象徴」 東名15㌔渋滞 新幹線は混雑なし】【Jリーグ30年で初 女性3人審判 横浜Mー名古屋 冷静にジャッジ】【庶民の味 記録的不良 大アサリ 高級品に!? 渥美半島、原因分からず】【サイバー攻撃3月以降頻発 企業や官庁 G7で標的か】(30日付、中日)【GW戻るにぎわい 笑顔見える観光地】【GWコロナ前の人波 水際終了訪日客も増加 マスク着用半分 名古屋城入場待ちの行列】【小型観光船初日は欠航 高波、全便「安全運航重ねる」知床】【首相5月上旬訪韓へ シャトル外交再開 7~8日案】(30日付、毎日)といった具合。世の中は、日々、このように動いている。

 わが家のアイドル猫、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、このところアレヤコレヤと留守番続きだったが、彼女ならではの機敏な判断と的確な感覚でわが家を守ってくれており、不在時には助けてもらっている。
「あのねえ。シロちゃんはね。何も言わないがあたしたちのこと何でも知っているのだから。大切にしなければ。ネっ」といった舞(たつ江)の声が天と地の底から聴こえてくる。ほんとにそのとおりである。シロよ、シロシロ。シロちゃん。いつもありがとうね。
 ところでシロちゃん。そして今は亡き妻、舞よ舞。加賀乙彦さん・山本源一さん・黒田杏子さん・長谷川園子さんを偲ぶ会、みんなの温かい応援と協力で無事終わったからね。安心してくれたまえ。」
 ありがとう。きょうも朝から小雨が降っている。これは涙雨か。

 何でも知っているシロちゃん。無事、留守番の大役を果たし、ホッとしたか。
 
 

(4月29日)
 土曜日。昨日の金曜日、東京へのとんぼ返りを終え、少しホッとしたといったところか。それでも本欄(一匹文士)を書くことだけは自身に課した至上命令だ。それだけに、何はともあれ、深夜未明に帰宅後は少し寝て、疲れたからだに鞭打ち、東京行きのエキスだけは書き終えたのである。
 若いころなら、これしきでは決して疲れない強靭な体力で日々、ハードな毎日をこなしたものなのだが。これも年、いわゆる年齢というものなのか。東京・市ヶ谷の駅ホームで帰りにたまたま、この世、いや宇宙で初めてお会いした心やさしい30前後の若者。彼の目には、今なお【青年】のつもりでいる私(わたくし)が、やはり、とぼとぼよぼよぼした【田舎のおじいちゃん】に見えたのかも知れぬ。いや、見えたに違いない。
 実際、彼のいうとおりで【一期一会】の運命なのか。彼と私は、この先よほどの奇跡が起きない限り、この広い宇宙で永遠に会うことはないに違いない。第一、互いに相手の名前も住所も知らないのだ。御茶ノ水駅まで親切にして頂き、そこのプラットホームでお別れし、それっきりの偶然の出会い。ただ、それだけのことなのである。
 よくよく考えれば、この世に住むニンゲンたちは皆、奇跡という幻の道を日々、歩いているのかもしれない。

(4月28日)
 金曜日。久しぶりに新幹線に飛び乗って東京へ。とんぼ返りで行って来た。
 この日、東京・千代田区九段北のアルカディア市ケ谷私学会館であった【脱原発社会をめざす文学者の会の2023年度総会】と先に亡くなった【加賀乙彦前会長・山本源一初代事務局長・文学者の会会員だった黒田杏子さん・同長谷川園子さんの4氏を偲ぶ会】に出席するためである。総会では加賀乙彦さんを名誉会長に、今後は森詠(作家)、川村湊(文芸評論家)、村上政彦(作家)=いずれも会員=の各氏を三頭立て共同代表とすることで一致。引き続き、加賀さんら4氏を偲ぶ会へと移った。
 偲ぶ会は会場一角に4氏の著作物を中心に原稿や遺影などゆかりの品々が並べられたなか、竹内充文学者の会事務局長の司会で始まった。最初に加賀さんに対する別れの言葉を森詠さんが話し、次いで山本源一さんには俳優で作家の中村敦夫さん、黒田杏子さんには詩人の森川雅美さん(森川さんは自作の詩「ゆっくりと歩く~黒田杏子さんを悼む、を朗読)、そして長谷川園子さんには平和な世の中の実現を願い続ける一匹文士=いっぴきぶんし=である私(伊神権太)が、それぞれの思い出を話す手順で進んだのである。
 この日は【戦争体験 本や講演で後世に発信 長谷川園子さん死去】と報道された27日付中日新聞尾張版も並べられ、熱心に記事に見入る姿が相次いだ。

 現在は北海道在住で日本文学界を代表する著名な文芸評論家で、三頭立て共同代表のひとりでもある川村湊さん。ほかにご自身も東日本大震災と福島第一原発事故の被災者で先日新たなレコーディングを終えたばかりのミュージシャン橘光顕さん(福島県浪江町)ら一部お会いして話をしたい方に会えなかったことをのぞけば、かつては〝木枯し紋次郎〟としてこの世を席巻(いやいや、今もであるが)、一人芝居「線量計が鳴る」(朗読劇 元・原発技師のモノローグ)を全国各地で上演し、脱原発社会実現への情熱はいまなお、永遠に衰えることなく、人一倍の努力家だと言ってもいい中村敦夫さん(俳優で作家)、ほかに森詠夫人で、いつもやさしい微笑みとまなざしで私たちに勇気と希望を与え続けてくださっている作家森千春さんら多くの方々にも久しぶりにお会い出来、私自身、脱原発社会への思いをいっそう強く、新たにして帰ったのである。

 そして。きょうの会を通じ私がイイナと思ったお方は、ほかにも多かった。
 故ノーベル文学賞作家川端康成さんをご自身が若いころから何かと支え続けた高田幸子さん、そして脱原発社会の実現をめざしてきょうも、あくなく書き続ける谷本多美子さん、水畑美奈子さんら。歌人の北久保まりこさん、詩人野武由佳璃さん……と文学者の会を支え続ける女性パワーが健在なことを改めて思い知ったのである。脱原発社会をめざす一方で新しい文学の新たな炎、一ページがこれら女性会員の力でこの先パチパチと日本はもちろん、世界中に音をたてて燃え上がったらイイナとの思いをいっそう強く、新たにしたのである。

 ここで、ひそやかに。でも今後の新しい文学界の到来を願って開かれた加賀乙彦さんら4氏を偲ぶ会の寸描を、写真で紹介させていただこう。

 偲ぶ会は全員黙とうに続き、日本文藝家協会・斎藤剛さんの音頭で献杯して始まった

 源さん(名編集者だった故山本源一さん)について別れの言葉を述べる中村敦夫さん
 

 亡き人について談笑する文学者の会の仲間たち
 

 亡き人の本や遺影、生原稿などに見入る来場者たち
 

 会場一角には長谷川園子さんの戦争体験の語り部としての貢献度を紹介した中日新聞の記事も並んだ
 
 
   ※     ※
 東京からの帰り。市ヶ谷の駅で北海道出身だと言う若者に東京駅までの道順を問うと、「私も同じ方向に行きますから」と御茶ノ水まで同行してくれ「ここから中央線に乗られたら良いですよ。これも一期一会。不思議なご縁ですから」と思ってもいないほど親切に道案内をしてくださり、私は感激したのである。それとも、この私が、よほどヨボヨボの老人に見え、心配して御茶ノ水までついてきてくれたのかもしれない。いやいや、純粋な気持ちで教えてくださったのだーと自らに言い聞かせる私。おかげで午後10時東京発名古屋行き最終便のぞみ499号自由席に滑り込みセーフで間に合ったのである。

(4月27日)
 金曜日。加藤勝信厚生労働相がこの日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けについて予定通り5月8日から5類へ移行する、と発表。政府としての正式発表となった。60年を超える原発の運転延長を可能にする束ね法案「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」がこの日、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党などの賛成多数で可決され、衆院を通過。新聞は【「原発60年超」衆院通過 運転期間上乗せ可能に】(中日)などといった見出しで報じた。

 北ア・上高地で登山シーズンの幕開けを告げる開山祭が梓川のほとり、ウエストン碑の前で行われた。ことしはコロナ禍や大雨の影響もあり、通常規模での開催は4年ぶりだという。松本といえば、はるかなる昔、私の駆け出し時代に所属した松本支局で当時、南安曇郡を担当していたころ、毎年、オートバイで取材に訪れたものである。

(4月26日)
 朝から雨、雨、雨。「何でも知っているはずのシロちゃんは、布団の中でくるまったまま。午後4時ごろになり、やっと空が晴れてきた。

 新聞の朝刊は【スーダン邦人ら58人退避 自衛隊機など 希望者残り1人】【バイデン氏 再選出馬表明 24年大統領選 動画で「自由守る」】【ピシッと下げて50年 ナナちゃんの肩 実は回るよ 28日〝誕生日〟お祝いムード】(中日)、【バイデン氏 再選出馬表明 トランプ氏と「再戦」も 米大統領選】【「安全実現を」高齢遺族訴え JR福知山線脱線 事故18年で追悼式】【「女性トイレ制限」見直しか 性同一性障害職員 最高裁、6月弁論 人事院判定 高裁は「適法」】(毎日)といった記事が目についた。
 このうち50歳の誕生日を迎えた名古屋・名駅の名鉄百貨店前のナナちゃん人形〟は、とても懐かしい。というのは、ナナちゃん人形が誕生してまもないころ、当時新聞社の社会部サツ回り(名古屋中村署)だった私は、ナナちゃんのお色直しのたびごとにデスクからの手配で、よく取材したものだからである。そのナナちゃん人形が今も健在で市民のアイドルなのである。息が長い、とはこういうことをいうのか。
 JR福知山の脱線は、乗客106人と運転士が死亡した兵庫県尼崎市で起きた事故で、追悼慰霊式には遺族らが参列し犠牲者を悼んだという。午後には献花も行われ、大勢が訪れた。

(4月25日)
 きょうは、数日前の温かさとは打って変わり、とてもこ寒い日だ。賢いシロは敏感で、室内のあったかい場所または布団の端っこで丸まったままだ。1日じゅう、小雨が舞う暗い日でもある。

 本日付の夕刊は。【スーダン邦人退避完了 首相表明 首都の希望者、計58人 新たに72時間停戦合意 順守は不透明】【一人ではできなかった。感謝 退避の邦人「経緯言えない」】(中日)【「緩やかに持ち直し」維持 倒産「増加みられる」 4月月例報告】【米地銀FRC(ファースト・リパブリック・バンク)、預金4割減 1~3月33%減益 人員25%削減へ】(日本経済新聞)で、やはり安否が気遣われていたスーダン邦人の退避完了にはホッとしたのである。それも救出に当たったのは航空自衛隊小牧基地から飛び立った輸送機とあっては、なんだか嬉しい気もする。
 小牧基地は私がかつて空とぶ記者だった、空港記者をしていたころ、何回となく災害や事件現場への取材などで飛び立った思い出の基地だ。それだけに、こうした緊急時の成果には「やった」と拍手を送りたい。在任中には編隊飛行中のC1輸送機の鳥羽市菅島への激突事故や仙台空港沖への民間小型機墜落、さらには北海道オホーツクの海へのソ連機による大韓航空機撃墜、日航ジャンボの御巣鷹山への墜落など。多くの命を容赦なく、のみこんだ悲し過ぎる事故も多かった。それだけに、本来の業務に携わる隊員たちの心はいかばかりか。出来たら、私が現場に飛んでいきたい、と。そんな気がするのである。
 今回は、あのC130輸送機が中心のようだが無事任務を終え、全員を救出し帰国する日を待ち遠しくも感じるのである。C130H輸送機のハーキュリーズは同機が小牧基地に配備された際に最初の試験飛行で登場させていただいたジャンボ救援機だっただけに、特別の愛着も深まろう-というものである(今回のC130は、ずんぐりむっくりした機体として定評があった当時のハーキュリーズとは少し違う機材のような気がするのだが……)。

2023年4月24日
 月曜日。北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故からきのう23日で1年。乗客乗員26人のうち20人の死亡が確認された一方、6人は依然として行方不明のままだ。
    ※    ※

    ☆    ☆
 第20回統一地方選の後半戦と衆参5選挙区の補欠選挙が昨日全国各地で投開票され、選挙に揺れた日本中に点在する、あの町この町の全体がなんだかホッとしているみたいな、そんな気がしてしまう。候補者はむろん、各陣営の人びと、そして各マスコミの取材スタッフも含め関係者の誰もがホッとしているに違いない。候補者の中には当然ながら涙をのんだ人たちがいる半面、栄冠を勝ち取った人々も多いに違いない。そして、保守分裂の一騎打ちとなったここ江南市長選は現職の沢田和延さん(68)=自民、立民、国民推薦=が新人で元市副議長の宮田達男氏(56)を破って三選を決めたのである。

 というわけで、けさの新聞は【自民 衆参補選4勝1敗 立民敗北、維新和歌山制す】【瀬戸市長に川本氏 江南沢田氏が3選 田原は山下氏】【女性ゼロ解消5人全員当選 みよし市議選】【26歳最年少市長 兵庫・芦屋】【大泉洋さんの兄 函館市長に当選】(24日付中日)【衆参補選 自民4勝 千葉・山口・大分 和歌山は維新】(24日付毎日)……と選挙中心紙面。ほかに【知床の海 犠牲者思う 観光船沈没1年追悼式典】(24日付中日)といったところか。

 選挙中心の紙面となった24日付朝刊
 

(4月23日)
 午後。統一地方選挙の投票(市長選と市議会議員選挙)に自宅近く江南市の中央コミュニティ・センターへ。清き一票を投じた。

 第20回統一地方選後半戦の市町村長選と市町村議会、東京都の区長選と区議選の投票日である。私は4年前、今は亡き妻のたつ江(伊神舞子)がまだ元気でいたころのことをふと思い出し、投票所に一人で足を運んだ。ここ江南市は市議会議員の定数が2人削減され20人になったところに29人が立候補するという激戦区、過酷といってもいい市議選となった。また市長選の方も新人と現職の真っ向対決となかなか厳しい選挙戦である。それだけに、市民の判定がどう出るか、は関心のあるところだ。この日は衆院千葉5区、和歌山1区、山口2、4区と参院大分選挙区の衆参5補欠選挙の投開票もあった。

 愛知県江南市の曼陀羅寺公園で名物のフジが見ごろを迎えた-とは、中日新聞朝刊23日付の【通風筒】。その傍らには【双葉町復興の汗 拭える糸を 新工場稼働 安八の浅野撚糸 タオルショップも併設】とそれこそ、心温まる記事。
 特集といえばだ。【ありがとう豊田章一郎さん 中部経済発展に尽力 未来へつなぐ功績】【研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし「豊田綱領」より】といった紙面か。これは2月に97歳で心不全で死去したトヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんをしのぶ「お別れの会」(24日)を前にした紙面展開である。

 当選に歓喜する陣営がいれば、「お別れの会」を前に結集する人々あり、か。人生はいろいろ、社会もいろいろである。

(4月22日)
 ここ数年というもの、最初は亡き妻たつ江(伊神舞子)との縁がきっかけで、あれやこれやと交流があった、日本ペンクラブ会員で「脱原発社会をめざす文学者の会」の会員仲間でもあった長谷川園子(そのこ)さん。その彼女は先月23日にがんで自宅療養の末、命を落とし黄泉の国に旅立たれた=享年92歳=が、亡き遺体がこれまで火葬されないままできた。高齢の実姉など肉親の事情もあって、死亡届が地元江南市役所に出されるのが大変、遅れたためだがこの間、生前、親しくされていた隣人の井戸勝子さんはじめ、園子さんの運転手役を自らかって出ておられた竹内さん、医師である川島さんご夫妻らの献身的なお骨折りもあってきょうになり、やっと、平安会館の岩倉斎場で簡単な葬儀が催され、ごくごく親しかった人々との別れの時がきたのである。

 22日正午過ぎ。いよいよ出棺の時が訪れた。私は1カ月の長きにわたって津島市の霊安室(冷凍保存)でずっと安置されたままだった〝そのこさん〟の遺体が晴れて岩倉斎場(岩倉市東町)に移されてきて内心、ホッとした。そして彼女の、まるで生きておいでのような、あのカキッとしたお顔を前に、私は手をあわせ「長い間、おつかれさま。毎年夏が訪れると、あなたはご自身の空襲体験を市民にお話しされ、地元の子らを前にノーモア戦争を強く訴え続けてこられた、その熱意と一途な精神には脱帽です。心から感謝しています」と呼びかけたのである。〝そのこさん〟は、「当然のことだよ」と言いたげな面持ちで、ウンウンと頷いておられるようでもあった。
 そして。いよいよ出棺の時がきた。道路一つを隔てたお隣さんで最後まで〝そのこさん〟を見守り続けてくださった心やさしい井戸勝子さんの胸に抱かれた遺影と共に、名古屋市八事の火葬場に向われるその時。私は彼女が大好きだった【ゆうやけこやけ】と【ふるさと】、そして【あおげばとうとし】をハモニカ演奏。心の中で<今こそ別れめ いざ、さらば>と別れの言葉を告げたのである。井戸さん。かわしまさんご夫妻。たけうちさん。さかいさん……。みんな好い人たちばかりに送られよかったよね。お疲れさま、と。そう呼びかけたのである。

(4月21日)
 金曜日。【消費者物価3.1%上昇 電気代抑制でも高水準 3月、19カ月連続プラス】【温暖化ガス、8年ぶり増 21年度2% コロナ緩和で反転】【危機管理庁今秋めどに 改正法成立へ 感染症対策の司令塔】とは、本日付の日本経済新聞の夕刊の見出し。同じ本日付中日夕刊の見出しは【AOKI前会長ら有罪 東京地裁 五輪汚職で初判決】【自衛隊機午後にも出発 スーダン邦人退避 小牧からジブチへ】というものだった。ちなみに、五輪汚職の判決は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)であった。

 このところは、「脱原発社会をめざす文学者の会」の文士刮目(24回目)の前出し原稿の執筆に追われ、ほかにも日々の〝一匹文士〟の執筆など睡眠時間を削り、何かとハードな日が続いた(文士刮目の公開予定は、5月の第1金曜日)。今回の文士刮目は、【ドイツの脱原発の完了】に焦点を絞ってみたが、なんとか書き上げることが出来、午前零時前には約束どおりに出稿し、肩の荷が下りた次第。来月には公開されるので、一人でも多くの皆さまに読んで頂ければ、光栄である。それにしても、下手なことは書けないだけに、あれやこれやと資料をあつめ読み解いたうえで一匹の魚の調理をするように書き上げたのである。結構の腕力(文腕とでも言えようか)がいることも確かだ。

(4月20日)
 穀雨。穀雨とは、穀物をうるおす春の雨が降るころの意で、このところの数日間はそんな雨に恵まれた、ここ濃尾平野だった。だが、しかしだ。きょうのこの地方は日中に25度を上回る【夏日】となり、外に出てもとても暑い1日となった。
 午後2時過ぎ、帰宅した私は自室で執筆を続けるに当たり、ことし初めてのクーラーをしばらくつけた。そして月刊ドラゴンズ5月号を手に、毎月楽しみにしている【愛子のインタビュー】を拝読。今回は福永裕基さんが対象選手で、4年ぶりの対面取材もあってか、とても中身の濃い良い記事であった。

 朝。舞が玄関先に残し、つい最近になって生前の舞(たつ江)に習って私が育てた鉢植え花壇の花たちに水を与え、玄関に入ろうとすると、まるでその時を待ち構えてでもいたように小さな虫1羽が、ふんわり、ふわふわりと大気を胸いっぱいに吸い込むようなしぐさで大空に飛び立っていった。あっ、舞だ、マイに違いないと思う私。相前後して愛猫シロも、嬉しそうな顔で外に出た。「どちらも気をつけるのだよ」と私。

 飛騨古川では気多若宮神社の例祭「古川祭」(国の重要無形民俗文化財)の主要行事「起し太鼓」が昨夜(19日)、町中心部で催され、男衆らが4年ぶりに大太鼓を乗せた櫓を動かして町内を練った。そして悲しい話といえば、だ。【瀬戸黒】の国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)で知られた岐阜県瑞浪市出身の陶芸家、加藤孝造(かとう・こうぞう)さんが、17日午前5時、急性心不全のためこの世を去った。88歳だった。そんななか、明るい話題といえば、中日新聞の20日付通風筒で報じられていたニュース「福島県いわき市の温泉施設スパリゾートハワイアンズ」の新人フラガール6人が19日、養成所で初レッスンに挑んだ-ということか。

 目を世界に転ずれぱ。アフリカ北東部のスーダンで政府系の準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)と正規軍が衝突、多数の死傷者が出ており、こんご内紛が全土に拡大する恐れもあり、事態の深刻化が懸念されている。

(4月19日)
 水曜日。朝刊には江南市長選と市議会議員の選挙公報が挟まれ、街の至るところ各陣営の選挙カーが行き交い、この町も選挙一色の観である。笑顔で通り過ぎる候補者がこの時ばかりは市民の要望に応えてくれる気がするから不思議だ。公報には【令和5年4月23日執行 江南市長選挙公報 投票は未来を決める 羅針盤 江南市選挙管理委員会】といった記述も見られた。

 そして。新聞本紙の方は毎日の女の気持ち「思い出の曲 北海道岩見沢市 藤塚幸子 無職76歳」(19日付)中日のくらしの作文「五月人形 田中三佳 パート・55歳」(19日付)といずれも、とても胸に迫る文なのである。文といえば、毎日朝刊の小説【青嵐の旅人(天童荒太、高杉千明画)】【兎は薄氷に駆ける(貴志祐介 サイトウマスミ画)】も読みがいがあって、一匹文士としては日々、とても参考になっている。とはいえ、私にとって最も勉強になるのは一般市民によって思いの丈がすなお、かつ正直につづられた【くらしの作文】と【女の気持ち(男の気持ち)】なのである。青い作家たちがその気になって書くのは大いに結構なのだが、ひとりよがりではいけない。文の向こうには多くの無垢の人たちがいることを決して忘れるべきではないというのが、わたくし一匹文士、伊神権太の考えであり、かつ哲学なのである。人々の胸に迫る文でなければならぬ、のだ。

 けさの新聞。【学術会議 政府に勧告 法案提出やめ協議の場を】【容疑者 参院選巡り国提訴 首相襲撃 選挙制度に不満か 安倍元首相国葬も批判】【中国の核拡大に懸念 G7外相声明 対ロ支援停止も要求】(中日)【日米首脳夫人 友好の桜植樹 ホワイトハウスで】【J・プライスさん死去 93歳 若冲再評価の立役者】(毎日)が目に入った。なかでも訪米中の岸田文雄首相の妻裕子さんが17日、ホワイトハウスを訪問。バイデン米大統領の妻ジルさんと懇談、このあとホワイトハウスの南庭に友好のシンボルとして桜の若木を一緒に植えたとのニュースは世界にポッと明かりをつけるような話題で、とてもよかった。クレムリンでプーチン大統領夫人も交えて日本のソメイヨシノの植樹をしてみたらどうか。この世は、ウクライナ戦争のただ中である。

(4月18日)
 深夜未明にかけ。水野敏子さんの本を読み始め、上には上があるナ、と思った。と同時に、たつ江が苦しみながらも水野さんに診ていただいたことは振り返れば、本当に良かったとつくづく思った。水野さんは、本当に努力家である。

 午前中、業者の方に来て頂き、1階トイレの水が出るよう直してもらい、ついでに2階トイレもチェックしていただき、ホッとした。シロちゃんは、修理中ずっと心配そうな顔で見守っていたが、全部直ると安心したような顔をして外に出かけた。シロにもトイレが故障していたことが分かるのだ、とつくづくそう思う。たつ江、すなわち伊神舞子がいつも言っていたように「シロは伊神家のことなら、それこそ何でも知っている」。シロは何でも知っているのである。

 新聞の方は先日あった岸田首相の襲撃事件と沖縄県宮古島周辺で消息を絶った陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプター墜落事故その後、統一地方選の告示(16日)、札幌市で開かれていた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合などにつき報じている。
 具体的には【金属の筒 40㍍先で発見 殺人未遂容疑視野に 首相襲撃】【陸自 機体と5人発見 ヘリ事故4人引き揚げ】【化石燃料段階的に廃止 天然ガス含むG7環境相、初合意】(毎日)【豊明と日進 無投票当選 市長選 瀬戸と江南は選挙戦】(中日)といった具合である。

 きょうは午後3時から私も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」のオンラインによる幹事会に出席。28日の2023年度総会に続いて東京のアルカディア市ケ谷私学会館で開かれる故加賀乙彦同文学者の会前会長、山本源一初代事務局長、会員だった俳人黒田杏子さん、同作家長谷川園子さんの4氏を偲ぶ会を開くことを最終決定。私は会議終了後、園子さんが生前、お世話になった皆さんにこの旨を電話とメールで要点だけを簡単に報告させて頂いた。園子さんの遺体は、肉親が見つからないまま冷凍保存されたままだが、つい最近になり、やっと肉親が見つかり、荼毘にふされることになったという。それにしても。人生の最後の最後まで園子さんの苦労は大きかった。なんということなのだ。

(4月17日)
 本日付の日経夕刊1面は【天然ガス段階廃止合意 G7環境相、共同声明 車のCO₂排出「35年までに半減」】の見出し。そして中日夕刊1面は【首相襲撃ナイフも所持 容疑者黙秘 自宅から管や粉末】と首相襲撃の続報、さらには先に沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊UH60JAヘリコプターが行方不明となった事故で【陸自ヘリ 2人死亡確認 機体胴体は破損 海底に別の3人】と報じている。

 それはそうと、統一地方選挙の後半戦の方だが。水戸、津、高松、長崎、大分の県庁所在地5市を含む全国88市長選が16日に告示され、計177人が立候補。大分市など全体の約3割に当たる25市で無投票当選が決まった。女性候補28人は過去最多、割合も15・8%で過去最高となった。この日は294市議選、東京都の12区長選と21区議選も告示され、区長選には計33人が立候補。うち14人が女性で過去最多だったという。

 月曜日。平和堂リメイク工房へ。先日、お尻の部分でベリッと音がして避けてしまったズボンと、だぶだぶでいつも下に落ちてきてしまうパジャマの腰回りを直してもらうためである。加工承り伝票によれば、➊グレーPT 尻やぶれ直 ミシン目めだちます➋ムラサキPT ゴム入れ替え W90cmとなっており、合わせて4950円ナリ、となっていた。あ~あ、とため息が出てしまうがパジャマは舞が買ってくれた思い出がつまった寝具であり、ズボンは、はきやすくて日ごろから重宝していたものだけに、「お客さま。どちらも改めて買われた方が安くあがりますけれど」との声をよそに、どちらも思い切って手を入れ、直して頂くことにしたのである。
 なかでもパジャマは、私がとても気に入ってこれまで使用してきた者だけに、そうやすやすと手放すわけにはいかない。それと、舞との思い出が染み、いつも一緒に歩いてきたパジャマだからだ。それにしても、彼女がこの世を去って以降というもの、私はこのリメイク工房を利用することがめっきり多くなってしまった。元々は舞の付き添いで、ごくごくたまに訪れていたのに。まさか、私ひとりで来るようになってしまう、だとは。なんだか、寂しい。

2023年4月16日
 日曜日。きょうは天気がよくて良かった。法被姿の花霞町子ども会の子らが担ぐ神輿が家の前の道をワッショイ、ワッショイと通り過ぎてゆく。こどもたちはたぶん、みこしを担いでワッショイと町を練り歩いていった、その時のことを、いつまでも忘れないだろう。
 ふつうの町。ふつうの生活。ふつうのお祭り。神輿を担いでの〝ワッショイ〟〝ワッショイ〟のかけ声。これこそがコロナ禍からみんなで立ち直ろうとする今こそ、大切だと思う。

 先日、玄関先の鉢植えに植えておいたスーパーベルポケットブルーとポケットピンクが思いがけず、花を咲かせてくれ、ホッとした。思えば舞は、いつだってわが家の玄関先を色とりとりの鉢植えの花々でいっぱいにしていてくれた。そんな彼女の努力にも気づかないでいた自身を今ごろになって深く恥じ入っている私である。でも、私なりの肥料と水やりで曲がりなりにも「花は咲いた」。

 思いがけずかわいい花を咲かせてくれた=わが家玄関先にて
 

 きょうは、息子とともに亡き妻伊神舞子(たつ江)の眠る永正寺永代供養集合墓【濃尾の大地】へ。舞の月命日はきのうであったが、雨降りだった。このため1日遅れてのお参りとなったが、きょうは朝から天気も良く、行ってよかったと思う。留守番をしてくれたシロちゃんには、日ごろの労苦に感謝の気持ちを込め、先日社友会から頂いた青いドラバスタオルを進呈。うれしそうな表情に良かったナと心底思ったのである。シロよ、シロ、シロちゃん。いつも本当にありがとうね。オトンは、ね。おまえがいるから生きていける。
 ドラタオルに満足そうなシロちゃん(オーロラレインボー)
 

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    ☆    ☆
 日曜日。けさの新聞の1面見出しは、やはり【岸田首相演説直前爆発 首相無事 24歳容疑者逮捕 和歌山補選 パイプ爆弾? 投げつけられ 警察官1人軽傷】(毎日)【首相演説直前に爆発 筒投げた24歳逮捕 威力業務妨害容疑 衆院補選の和歌山 首相から1㍍ 煙と爆発音】(中日)というものだった。
 それから。中日新聞の【<ニュースを問う> 「特攻」のメカニズム10 凍土より帰還➋ 抑留1年余 迎えの船に涙 加藤拓(読者センター)】がなかなか読ませた。

(4月15日)
 土曜日。立山連邦を貫き富山、長野両県を貫いて結ぶ山岳道路「立山黒部アルペンルート」が15日、全線開通した。標高2450㍍の室堂ターミナル付近では雪の壁が視界に飛び込み、観光客を喜ばせた。

 この世は、いろいろ起きる。きょう午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援に訪れていた岸田首相が漁港の視察を終え応援演説を始めようとした矢先、突然大きな爆発音がして白煙が上がった。近くにいた男が発煙筒のようなものを投げつけたためで現場にいた警察官や漁師ら数人で取り押さえ、男は威力業務妨害の疑いで逮捕された。男は兵庫県川西市に住む木村隆二容疑者(24)で、調べに対して「弁護士がきてからお話しします」と話しているという。それにしても、ひとつ違えば、安倍首相銃殺事件の二の舞になるところだった。日本中がドキリとさせられた1日である。
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 土曜日。外は朝から小雨が降っている。きょうは舞の月命日のため、仏壇前のお水を替え新しい蠟燭と線香をたて、彼女の仏=静汐院美舞立詠大姉=の前で手を合わせ頭を下げた。もちろん、シロちゃんも一緒に、である。
 
 舞の仏前に手を合わせた
 

 きょうのビッグニュースは、何と言っても中日新聞1面トップのベルリン=共同電原稿の【ドイツ脱原発完了へ 福島事故後G7初 処分場選定、廃炉作業…重い課題】【日本は「活用」違い鮮明 次世代型開発運転期間延長】である。ほかには【発射は固体燃料「火星18」 北朝鮮報道 3段式角度替え飛行 日本、落下予測で混乱か】。そして高山祭りの【古い町並み 絢爛春の宵 6年ぶり夜祭】といったところか。

 ドイツの脱原発完了を報じた中日新聞朝刊1面
 

 と。ここまで書いたところで、スマホからいつものピコピコの電子音。何事か、と開くと【(和歌山)岸田首相の演説会場付近で爆発音 岸田首相は演説の直前で無事 会場にいた男が爆発物投げ込みか】というものでNHKテレビをつけると、男が取り押さえられる現場の状況と緊迫した生々しい状況が繰り返し報道されていた。世の中、いつ、どこで何が起きるか知れたものでないとは、このことか。

 昼前。雨天のなか、こんどはワッショイ、ワッショイの黄色い声が近づいてきた。法被姿のこどもたちに、ついつい玄関ドアを開けて「がんばってね」「ごくろうさま」と1000円札1枚を、待ち構えるように玄関先に立つ子どもたちの代表に手渡した。そういえば、たつ江(伊神舞子)が健在のころにはふたりして法被姿の子らを笑顔で何度も見守ったものである。

 今は亡きたつ江、舞といえば、だ。緩和病棟に入院する前、自宅で最期の闘病生活を過ごしていたころに、しばしば治療にきて頂いた元看護師長水野敏子さんが『看護はよろこび-緩和ケアの現場から(三恵社)』という題の立派な本を出され、送られてきた。本には【伊神さま 奥様のケアが昨日のことのように思い出されます。「泣かんとこ」を出版され、ほっとされたことでしょう。その節はありがとうございました。どうぞお体を大切に、巡りくる季節を健やかにお過し下さるようお祈り申し上げます。 水野敏子】とあった。
 私たちは舞の命が扉を閉じかかった最期になって水野さんのお世話に何度もなり、心から良かったナと有り難く思っている。水野さま。わが愛する舞が天国に旅立つ前に本当にお世話になり、ありがとうございました。ご本の出版、心からおめでとうございます。私が舞の仏前に本を供えたのは当然のことである。

 水野さんが出版された『看護はよろこび-緩和ケアの現場から(三恵社)』
 
 
 さて。話しは変わって。こんご、私にとっての新しいことがあれば【発見】として記録しておくことにした。
【発見】私の誕生日が水曜日だった、ということ。これまで当然ながら生年月日までは親に何度も聴かれてきたが。何曜日だったか、は聴かされもしなければ聴きもしなかった。ある人に「水曜日ですね」と教えられたのでスマホで確認したら、本当に水曜日であった。

(4月14日)
 岐阜県高山市の「春の高山祭」(国の重要無形民俗文化財)がこの日、市中心部で始まった。中日新聞夕刊によれば、周辺に桜がまだ残る観光名所「中橋」付近で4年ぶりに屋台が曳き揃えられたという。
 きょう自宅近くの古知野食堂でとん汁を、ことし初めて食べた。
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 金曜日。朝。午前10時過ぎ。シロ=オーロラレインボー=は、わたくしと一緒におかあさんが大好きだった♩エーデルワイス、そして♪みかんの花咲く丘の2曲をユーチューブで聴いたあと、お外に出ていった。天上のおかあさんに会って、1階と2階にあるトイレのうち1階のトイレが故障し業者さんに修理をお願いしたことなどを報告しているに違いない。それから地上に黄砂がやってきたこと、ほかには、きのうベランダからなかなか離れないのでおとうさんにホッペをたたかれてしまったこと、ドラゴンズの出足の調子が良くないことなどを話し合っているのだろうか。いずれにせよ、「あのねえ~。おとうさんたちを頼むよ」と言われているに違いない。

 きょうの中日朝刊1面見出しは【陸自ヘリか海中に機体 伊良部島沖で発見 人らしき姿も】【変わらぬ光景 4月13日 マスク着用緩和1カ月 3月13日 事情は少し変わり…花粉に黄砂も】【「部屋干し」予報見て外出控える 黄砂対策で識者】、毎日は【北朝鮮ミサイルでJアラート 「北海道周辺」20分後訂正 「空振り」覚悟制度に課題 領域内落下予測は初】【青森住宅火災5人死亡 放火殺人の疑いで捜査】といったところだ。
 これが夕刊1面見出しとなると。【熊本地震7年 鎮魂のおしゃべり届け 無口な母 過ごした日々感謝】【米機密流出 州兵逮捕 FBI 情報部門所属の21歳】【殺人未遂容疑で男逮捕 岡崎 刃物持った共犯者 逃走か】と目まぐるしい。

 それはそうと私は毎日、新聞小説をしっかり読んでいるが、毎日新聞の朝刊の【青嵐の旅人】(天童荒太 高杉千明画)が私自身の勉強にもなり、圧倒的に良いかと思う。何よりもしっかりした取材の上に展開が進んでいる。それだけに、こんごも注目して読んでいこう-と思っている。

(4月13日)
 石川啄木忌。
 朝、起きたら一階トイレの水が流れず、水道業者に按配を見て頂きに来てもらう。業者曰く。「これは老朽化しており、全部取り替える必要があります。30万円ほどかかります」とかなり断定調である。らちが明かず市水道課推薦の地元業者に来ていただいたところ、こちらは誠意があり「部品を替えれば良いですよ。部品を確保するのにしばらくお待ちください」とのことで、結局のところ、こちらにお願いすることにした。前者は応急処置だと称してやってくれたはいいが、すぐに元通りに。結局は修理費9800円を取られ損とあいなった。
 市水道課推薦の地元業者の方は「部品が到着するまで今しばらく時間がかかります」とのことだったので「よろしくお願いします」と部品の取り換えと修理をお願いしておいた。それにしても最初にわが家を訪れた業者は新品に替えた方が良いーとの主張を半ば強制的に繰り返すので少し困った。そんなお金どこにあるのだ。応急修理をしてくれてこその水道修理のはずである。強引な出方、いや悪玉商法そのものと言っていい応対には腹立たちさえ覚えた。それとも。この修理業者は私がよほどの金持ちだとでも見過ったのか。そうとしか思えない。人生いろいろだ。こんなとき、おまえが生きていたら、以前のように手を突っ込んで治してしまったかもしれない。
 のに、である。でも、どんな人間とて一生懸命に生きているのだから。あなた、あまり怒らないでよねーの声が聴こえてくる。古くなっているのは本当なのだから。業者も一生懸命なのだから仕方ないか。

 午前8時前。NHKのラジオ、テレビが一斉にJアラート(全国瞬時警報システム)による速報で「北朝鮮が日本海側へ弾道ミサイルを発射。午前8時ごろ、北海道周辺に落下する見通しです」として道民に繰り返し避難を呼び掛けたが、その後、落下の可能性がなくなったとして訂正。このニュースには日本中がピリピリというか。ひやりとさせられたのである。韓国軍によれば、ミサイルは一発で高角度のロフテッド軌道で発射され、飛距離は約1000㌔。日本上空の通過はなく、航空機や船舶の被害情報は確認されていないという。

 本日13日付夕刊は、【G7「金融安定へ行動」 共同声明で結束強調 財務相会談】【北朝鮮が弾道ミサイル 日本領域へ飛来「確認なし」ICBM級か Jアラート発令後訂正】(日本経済新聞)と【パリ・オペラ座最高位 オニール八菜さん 夢輝きバレエの星に コロナ禍で公演休止「成長の機会」】【住宅全焼5人の遺体 青森・六戸 県警、放火殺人も視野 1人は住人以外か】【Jアラート 北海道混乱 通勤通学直撃 北ミサイルに憤り】(中日新聞)といったところか。

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 シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、日々私の傍に寄り添うようにしてくれ、亡きおかあさんの代わりに私を本当に毎日、助けてくれている。それなのに、だ。きょう私はベランダから家の中に入るように言っても一向に入ってこないので、少し加減こそしたものの、とうとうシロのほっぺを殴ってしまった。なかなか室内に入ってこないためだったが、こんなにも可愛く、おかあさん亡きあとに私を守り続けてくれているシロに一撃を食らわせてしまった。わたくしは、ここに深く、深く反省し「シロちゃん、ごめんね」と謝ったのである。
 おかあさんの代わりとなって何かにつけ、これほどまでに私を見守り続けてくれている-と言うのにである。シロはシロでふろ上がりの私を見習って夕涼みをしていたに違いないからである。シロよ、シロシロ。殴ってしまい本当に申し訳なかった。家族の為に、これほどまでに頑張ってくれている。
 のに、である。私は深く反省している。

(4月12日)
 本日付中日新聞の朝刊1面は【与野党対決告示 衆院4補選 岸田政治問う 23日投開票】【♪向日葵や兵どもの碧き影 ♪塹壕の最後の煙草湿りをり 戦場の現実詠む防人(さきもり) ウクライナ軍大尉が俳句 激戦地バフムト撮影、着想】といった見出しである。

 警視庁暴力団対策課がカンボジアのホテルで日本人のニセ電話詐欺グループが摘発された事件で11日、詐欺の疑いで日本人の男19人を逮捕。19人を乗せた航空機は同日夜、羽田空港に到着。逮捕状は日本に移送中の機内で執行。調べによると、男らは暴力団関係者を含む25~55歳でカンボジア南部のシアヌークビルのリゾートホテルを拠点に日本の高齢者らにうその電話をかける「かけ子」をしていた疑い。岡本大樹容疑者(38)が主導的立場だったとみられる。

 きょうは中日新聞名古屋本社で中日社友会の総会があったため、久しぶりに名鉄犬山線と名古屋市営鶴舞線で丸の内まで行き、ここで降りて、トコトコとっこりと歩いて久しぶりに本社に。本社6階ホールであった社友会総会に出るためで、久しぶりの社と〝えらいさん〟のりりしい姿は、やはりどこか気が引き締まってよい。例によってお菓子をお土産にもらって帰ったが、コロナ禍以前みたいなパーティー形式で思い思いにテーブルを囲み、ビールに日本酒、お寿司、おつまみなどが出てかつてのように仲間たちとヤイノヤイノと話し合う集いとは完全におさらばで、出席者はみな真剣な表情で1年に一回の総会に臨んだのである。

 最初に、この1年の間に亡くなった故人(社友)に黙とうし、あとは会議が粛々と進み、最後に百歳翁に記念品、卒寿代表者のあいさつで終わり、なかなか簡素な社友会であった。わが家のアイドル猫シロちゃん(オーロラレインボー)が、きょうもちゃんと留守番をしてくれ、大変助かった。シロはやはり、おかあさん(たつ江、舞)の言うとおりで何でも知っているすごい猫である。私の本音を言わせてもらえば、社友会員に何か質問でもふってくれたら、夕刊小説の【成長】【発展】【拡大】とやらにつき、ひと言あの小説を何故掲載しているのか。その真意を聞きたかったが、あいにく「何かほかに質問があれば」との問いかけもなかったので、ここは円満にと口をふさいだのである。

 あの小説の【成長】【発展】【拡大】の意味するものが私にはチンプンカンでまったく分からない(最近は、言わんとすることが少しだけわかりかけてきた。でも、一般読者の多くには分からないに違いない)。だから、その点を突こうとしたが、せっかくのなごやかな場に冷や水をかけることになってもいけないので私の口は閉じたままであった。
 それよりも、今夜はドラゴンズがやっと勝ってくれた。だから、良しとしようか。何事も【成長】と【発展】【拡大】とやらがあれば、それでよいのだから。それに、小説は何でもありだ。そんなに目くじらをたてることもないか-と私は自身に言い聞かせたのである。
 ただ、あんな低レベルの小説を紙面化していたのでは、この先紙面の【成長】【発展】【拡大】は望むべきもないのである。作者氏には中日新聞の【くらしの作文】を毎日毎日、拝むようにして読むことを推奨しておきたい。ここは一匹文士からの大いなる苦言として、ここに記させていただく。まだまだ未熟なご本人の【成長】【発展】【拡大】のために、である。

 本日の記事で目立ったものは。夕刊特報面の【AI新時代 世界が騒然】【人間とのコンビで新たな知性を生み出す】【チャットGPT スマホ以来のフロンティア】(12日付中日夕刊)と【大阪IR(統合型リゾート)政府認定へ 14日にも 日本初のカジノ 長崎は継続審査の方針】(12日付日経夕刊)か。

(4月11日)
 午前中、歯医者さんへ。
 月に一度の歯のクリーニングのためである。いつもお世話になっている歯科衛生士の後藤さんが「シロちゃん、ほんとに。かわいいね」と。思いもしていなかった言葉だっただけに、帰宅し「おまえのこと可愛いだってよ。よかったね。オトンもうれしかった」と言うと、彼女もニャア~ン、ニャア~ンと満足そうだった。なんでも後藤さん。ネットでシロのことを知り、たまたまわが家の窓のところに座っているところを偶然にも見た、とのこと。
 私はこの後、平和堂へ。ここで和定食をたべ、舞の仏壇(遺影)と裏庭にある猫ちゃんたちの猫塚に供える花を買って帰宅する。

 新聞は、どこも植田和男さんの日銀新総裁就任記者会見、すなわち植田体制が始動したことを報じ、JOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長が10日、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致の是非が争点となった9日の札幌市長選の結果を受け、34年大会への目標変更も視野に入れて札幌市と開催時期を協議する方向性を示したなどと報道している(これまでは2030年大会を基本線として招致活動を行って来た経緯がある)。

 このほか、1966年6月に静岡市(旧静岡県清水市)で一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判のやり直しに向け裁判所、検察、弁護側の初の3者協議が10日、静岡地裁で開かれ、静岡地検は再審公判での具体的な立証方針を明らかにせず、方針を示すのに3カ月の期間を求めた-というニュースが【検察側「立証方針に3カ月」 袴田さん再審協議地裁は了承 弁護側「長すぎる」】といった見出しで報じられている。

 作家の富岡多恵子(とみおか・たえこ。本名・菅多恵子=すが・たえこ)さんが6日、老衰で死去。87歳だった。富岡さんは1958年に詩集「返礼」がH氏賞を受けて詩壇に認められ、70年代に小説を書き始め「波うつ土地」など数々の作品でも知られた。

 青森県で桜が満開に。富山県魚津市で28・1度を記録。NHKのニュースによれば、中国の北京では黄砂が吹き荒れ、日本でもあす以降は警戒が必要だという。自然には、かなわないナと内心思う。

2023年4月10日
 月曜日。朝刊は昨夜のテレビ報道に続き、統一地方選の報道一色である。
 かつて現役の地方記者時代には4年に1度の統一地方選が近づくつど、立候補予定者の事前取材などで緊張したものだが、今は何ごともデジタル化が進み、事前の取材もそんなには手間取らない気がするが。実際はどうか。やはり、候補者の事前資料の準備などで各記者とも大変な気がする。
 統一戦と聞き、決まって思い出すのは、昭和40年代の後半、随分古い話になるが、真珠と海女さんのふるさと三重県志摩半島の志摩郡5町(現在は志摩市)を担当していたころの漁どころでの違反には泣かされた。何かの集会などの場で、おにぎりの中に千円札を入れて買収に及んだ選挙違反には驚かされた。あのころ和具の海女さんらが「兄(アニ)さんや。あのなあ、ほんでなあ」とあれやこれやとドッキリするような選挙情報を教えてくれたものだが。何と言って良いのか。今から思えば、皆とってもいい人たちばかりで、どこか憎めない、牧歌的な雰囲気には驚いたりもしたものである。

 何はともあれ、統一戦の前半戦が終わり、各地の担当記者たちはホッとしているに違いない。でも後半戦が待っており、これも重要な取材だといえよう。

 写真は統一地方戦の結果の要点が報道された朝刊各紙
 

 
 
(4月9日)
 夜。NHK総合テレビは、統一地方選挙の開票速報(9道府県知事選と6政令市長選)一色である。中で私の胸を打ったのは、徳島知事に選ばれた無所属新人の元衆院議員後藤田正純氏(53)の言葉「地方から行動を起こす」である。

 そんな選挙報道のさなかに大阪のスーパーで人が包丁で刺され、4人が病院に搬送された-というニュース。前日の8日夜には名古屋市南区の名鉄名古屋本線本笠寺駅ホーム待合室で胸に包丁が突き刺さったままの女性が椅子に倒れていたのが見つかる(この女性はまもなく死亡が確認された)など最近、こうした刃物沙汰が目立って多い気がする。なぜ。なぜなのだろう。世の中全体が殺気の海の中にいるような。そんな気がする。長い間に及んだコロナ禍が関係あるような気がしてならない。

 それはそうと、きょうは日曜日だ。地方選挙はともあれ、毎日毎日、この世を生きていくことは、どの人(ペットと一緒の人は、そのペットたちも含めて)にとっても、大変なことだ。この社会、さまざまな人がそれぞれの道を信じて「前へ」と向かって進んでいくのである。時には失敗を繰り返しながらだ。

 きょうも昨日につづき、風の強い日となった。午後、イオン扶桑店へ。食べ物を買うことは必要最小限に-と自らに言い聞かせつつも、レジを終えると、どうしても1、2品分は多く買ってしまったことに気付くが、「時、既におそし」である。というわけで、どこかでランチでも食べよう-と思いつつ結局のところは無駄遣いになってはいけないのでと帰宅し、昼は自宅で遅がけのパン食とあいなった。舞が生きていたなら、彼女に言われるままにして食べるときは食べればよかった。それだけに、つくづくもっともっと長く生きていてくれたら良かったのに、と。そう、思うのである。
 そんな私を心配してか、帰宅すれば必ず心配そのものといった面持ちで両耳をツンと立て、愛猫シロちゃんは「ニャア~ン」と、ひと声あげ、私を迎えに玄関先まで走って出迎えてくれるのである。それにしても、きょうも昨日に続いて寒く風の強い日である。
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 9日付の中日新聞朝刊によれば、中国人民解放軍が昨日、台湾周辺での軍事演習を開始。期間はあすまでの3日間で、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統が5日に米国のマッカーシー下院議長と会談したことへの報復措置とみられる。ただ昨年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台して蔡氏と会談した直後の大規模な演習と比べれば、抑制的な規模にとどまっているという。

 統一地方選前半戦の9道府県知事選と6政令市長選、41道府県議選、17政令市議選が本日9日に投開票。いずれも午後8時までに投票が締め切られ、10日未明までに大勢が判明する見通しである。

(4月8日)
 風の強い1日となった。シロちゃんを伴って近くの愛北動物病院へ。わが愛猫の年に一度の定期健診で、いつものように体重計測に続き、3種混合ワクチン(猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症)をして頂いて、帰った(診察代は消費税込みで4950円ナリであった)。体重は5・0㌔と昨年の4・4㌔を上回って医師に「肥満体だ」と指摘されるのではないか、と心配だったが医師によれば、「特に心配ありません。大丈夫です」とのことでホッとしたのである。
「だよね、シロちゃん。オーロラレインボーは、全体に均整も取れていて、とても美人なのだから。ぜい肉が指摘されることなんて。ないに決まってるよ」ね。

 それよりも、シロちゃん。愛北動物病院に来てから猫籠を出る際に逃亡、診察室からナース事務室へと逃げ回り、確保するのに大騒ぎとなった。幸い、まもなく私の腕に抱きかかえられ、受診とあいなったが、それだけ元気がある-ということか。この日は待ち時間が長かったため、近くのたつ江のお兄さんの駐車場に車を置かせてもらい「ひと言あいさつを」電話ですると、まもなく彼も現れシロちゃん、ふたりに見守られての受診となったのである。
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 6日に沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊のUH60JAヘリコプター事故が発生。同ヘリは3月下旬以降、50時間飛行した機体が対象の「特別点検」や安全性を確認する飛行をした結果、機体に特に問題はない-と判断されていたことが、その後の陸自への取材でわかったという。一方で、搭載されていた救命用ボートは折りたたまれた状態で洋上から見つかっており、広げる時間がないほど急なトラブルに遭い、墜落した可能性がある。ヘリは、ほぼ予定通りのルートを約十分間飛行し不明2分前には空港の管制と交信しており、陸自で事故原因を引き続き調べている。

(4月7日)
 午後。社交ダンスのレッスンに。きょうは、ずっと以前に各務原で毎週一回のレッスンを共に続けたことのある社交ダンス仲間曽我部さんが見学に。彼はやはり、基本がしっかりしているせいかワルツの上級を苦もなくこなし、やはり違うな-と、その才にはおったまげたのである。レッスンが終わるころには、こんご月に二回はレッスンにおいでになることが決まり、仲間が増えて、とても嬉しく感じたのである。

(4月6日)
 6日。外は雨。朝から、こ寒い雨が音もなく、この地上に降り注いでいる。

 午後3時56分。沖縄県宮古島周辺を飛行中の陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」の機影がレーダーから突然消え、陸自は騒然とした空気に包まれた。いやはや、いろいろとある。その後の陸自の発表によれば、同ヘリには坂本雄一第8師団長ら隊員10人が搭乗。周辺海域で機体の一部とみられる浮遊物が油と共に見つかったという。防衛省は事故と判断、海上保安庁とともに機体の捜索に当たっている。
 昨日朝。長野市の善光寺本堂から「びんずる尊者像」が消えていた事件、その後約60㌔離れた松本市内の商業施設駐車場で発見されたが、中日新聞は事の経緯につき分かりやすく報道していた。

 びんずる一時盗難を報じた6日付中日新聞の朝刊
 

 ムツゴロウこと作家の畑正憲さんが、今月5日に心筋梗塞のため死去。87歳。福岡県出身。北海道の自宅で倒れ、運ばれた同中標津町の病院で死去したという。

 ほかには、と言えばだ。原子力規制委員会が5日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に向けた審査を、原電が審査資料の誤記などを繰り返し、不備を改善しないため、再び中断する方針を決めたこと。そして米東部ニューヨーク州の大陪審に起訴されたトランプ前米大統領(76)が4日午後(日本時間5日未明)、ニューヨークの裁判所に出廷し、起訴内容を全面的に否認。起訴状が公表され、罪状は大統領選にからむ業務記録の虚偽記載34件だったことが判明。大統領経験者で次期大統領選の有力候補が刑事責任を問われた異例の法廷闘争が始まったことか。新聞では【トランプ氏出廷 全面否認 業務記録虚偽記載34件】(中日6日付見出し)と報道している。

(4月5日)
 5日付の中日新聞の夕刊軟派トップ記事【善光寺 木像盗まれる 長野本堂の「びんずる尊者」 関与?男確保、木像も発見】のニュースには、いやはや驚き、おったまげた。記事は次のような内容だった。
 -五日午前八時四十五分ごろ、長野市の善光寺から「本堂にあった『びんずる尊者像』がなくなっていると一一〇番があった。長野県警は窃盗事件として捜査し、関与したとみられる男の身柄を確保。詳しい経緯を調べている。捜査関係者によると、男の身柄は松本市内で確保され、びんずる尊者像も同市内で見つかったという。県警によると、寺からは「午前八時ごろには像があることを確認したが、八時半ごろにはなくなっていた」と通報があった。びんずる尊者像は木像で、普段は本堂入り口近くの台座の上に置かれている。寺のホームページなどによると、びんずる尊者は釈迦の弟子で、病気に悩んでいる部位をなでると治るとも言われ、日々多くの参拝者になでられてきた。……

 それにしても、犯行に誰かが気付いてもよさそうなものなのに。善光寺の宝物と言ってもいい〝びんずる尊者像〟があるとないとでは、大変な差である。善光寺では毎年1月6日の夜、びんずる尊者像を参拝者とともに引き回して1年の無病息災を祈る「びんずる廻し」が行われているというが、伝家の宝刀がない善光寺など考えられないのではないか。
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 水曜日。きょうは清明(せいめい)。毎日新聞によれば、江戸時代の暦の解説書にある「清浄明潔」の略で、すべてが生き生きとして清らかに見えるさま、をいうのだという(二十四節気)。

 けさの明るい話題といえば、だ。競泳の日本選手権が4日、世界選手権(7月・福岡)代表選考会を兼ねて東京アクアティクスセンターで開かれ、女子100㍍バタフライで池江瑠花子選手(横浜ゴム)が57秒68で制し、日本水連の選考基準をクリア、世界選手権代表に決定。白血病から復帰後の個人種目での代表入りは、これが初めてだということか。
 ほかに目にとまったニュースは【水素エネルギー40年に6倍 政府戦略案 脱炭素へ15兆円投資】【<子どもを守る> 多子世帯・私立理工農系 奨学金給付20万人拡充 来年度年収上限600万円に】(5日付中日新聞見出し)【トランプ氏出廷へ 口止め料疑惑争う姿勢】【「女性のキャリア形成後押し 安藤優子さん 杉山女学園大客員教授に】(5日付毎日新聞見出し)など、いろいろある。

(4月4日)
 きょうは昼食で外に出たついでに、かつて亡き妻たつ江(伊神舞子)と一緒に、よく足を運んだバローのホームセンターへ。彼女が玄関先に置いた鉢植えで咲かせるためいつも買っていた花々=スーパーベルポケットとスーパーベルハニーヨ=と、ミニスコップを買って帰宅した。あすから、舞に習って思い切って花を育ててみようと思ったためだが。さて、うまく育つかどうか。たつ江がいつも玄関先を花々で飾っていた、そのけなげな努力を思うと、涙が出てくるのである。

 4日付毎日新聞1面朝刊に【復興拠点外「戻りたい」27% 福島・政府調査 避難解除へ一歩】の見出し。記事の内容は「東京電力福島第1原発事故発生に福島県の帰還困難区域のうち避難指示が出たままの地域への帰還の意向を尋ねた政府による調査結果が判明。除染やインフラ復旧を優先して進める特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に住んでいる2002世帯のうち535世帯(27%)が、帰還の意向は「ある」と回答した」というものだった。
 端唄<縁かいな>でも「ひと目千本、二千本…」と唄われる桜の名所・奈良県吉野町の吉野山で約3万本の桜が見ごろを迎えている、とは同じ毎日の朝刊1面。

 先月限りで無くなった毎日の夕刊に続き、今月から購入を始めた日本経済新聞4日付の夕刊1面は【水素供給網に15兆円 政府戦略改定へ官民投資促す 40年、供給6倍計画】【10兆円ファンド10大学が名乗り 東大・京大など、秋にも数校選定】【トランプ氏、NY到着 市警、出頭控え厳戒態勢】といった内容だった。このうち10兆円ファンドは、文部科学省が創設した10兆円の「大学ファンド」の支援対象に東京大や京都大、筑波大など10大学が申請。巨額の支援で研究基盤を強化し、国際競争力の向上を狙うもので、ことし秋ごろに最初の認定校が選ばれるという。

(4月3日)
 月曜日。先に亡き妻の伊神舞子俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間社刊)2冊を寄贈させて頂いた日本現代詩歌文学館から「ご寄贈いただいた<泣かんとこ>は永く大切に保存するとともに有効に活用してまいりたい」と丁重なる書簡がわが家に届いた。さっそく書簡を舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供え、「良かったね」と報告する。

 それはそうと毎日毎日、多くの大切な人たちが亡くなっていく。
 きょうも朝刊1面には【坂本龍一さん死去 71歳 YMO世界的音楽家 「戦場のメリークリスマス」 <評伝> 非戦 脱原発 語り続けた「教授」】【奏でる知識人終演 坂本龍一さん岐阜で森づくり 原発反対も積極発信】(中日3日付)【坂本龍一さん死去 「YMO」「ラストエンペラー」 71歳】【日本の「顔」世界の坂本 活動地域広げた生涯 ツイッター別れ告げる】(毎日3日付)の活字が並んだ。

 そして。3日付中日夕刊。作家中村文則さんの【追悼・大江健三郎さん 生き難さ抱える人の救いに 無関心な風潮予見ドンキホーテの勧め】は、彼の気持ちが、よく分かる気がした。「僕は今、とても悲しい。作家になって二十年を超えたけど、こんな風に、泣きながら原稿を書くのは初めてになる。」。中村さんには、その分をがんばれ、と言いたい。

2023年4月2日
 日曜日。【城下絢爛輝く車山 犬山祭4年ぶり通常開催】【福島、帰還困難区域の復興拠点 富岡町も避難解除】【子どもを守る 権利保護64自治体に 子ども条例制定進む 専門家「具体施策 展開が鍵」】とは、本日付の中日新聞1面見出しである。

 夕方。スマホでプロ野球の結果をみると、ドラゴンズはきのうに続き、きょうも3-2で巨人に敗退。いったい何をやっとるのだ、と言いたくもなる。開幕戦が見事な逆転勝利劇だっただけに、まだ開幕したばかりとは言え、なんとも嘆かわしいばかりだ。でも、仕方ないか。【勝ったり負けたり、がプロ野球の文化】なのだから。悔しがる人がいれば、喜ぶ人もいるのだから。それでよいか。ここは、我慢して勝ってくれるのを祈り、負ければ負けたで相手チームを称えるほかあるまい。選手は皆一生懸命にやっているのだから。それでも負ければ、あ~あ。と、ため息が出る。

 第95回記念選抜高校野球大会は最終日の1日、西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、山梨学院(山梨)が報徳学園(兵庫)を7-3で破り、春夏通じて山梨県勢初の甲子園制覇を果たした。

(2023年4月1日)
 これまで愛読し続けてきた毎日新聞の夕刊がきょうから完全消滅して、とうとう無くなった。新聞の夕刊は、このところは読者の間でも朝刊だけにする傾向が高まっているだけに、さもありなんか。でも、一紙でも夕刊が消えると言うこと、ましてや毎日の夕刊が無くなるということは、それだけ街の文化度が低落する、ということではなかろうか。

 東電福島第一原発事故による帰還困難地域のうち、福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点、約3・9平方㌔)が1日、避難指示解除となった。復興拠点はJR常磐線と国道6号に挟まれた、桜の名所で知られる夜の森地区など。この日は満開の桜の花びらが舞うなか、山本育男町長が「一つひとつ復興を進め、ようやく桜を安心して楽しんでもらえるまでになった。大きな進歩だ」などとあいさつ。富岡町の場合、2017年4月に町の88%が避難解除されており、居住可能地域は93%にまで拡大されている。復興拠点の避難解除はことし3月31日の浪江町に次ぎ5例目。3月1日時点で1143世帯2580人が住民登録、昨年4月開始の準備宿泊に申し込んだのは27世帯56人にとどまっている。町は5年後の居住人口約1600人をめざしたい、としている。
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 午後。買い物がてら五条川河畔へ。毎年このころになると、生前の舞(たつ江)と決まって訪れ、ふたりそろって、よく花見をしたものである。その堤防沿いの道をきょうは<彼女>の生きた魂とともに歩いてみた。先日、大阪に行った際「いがみさん。それくらいでえらいの。もっと歩かなければ」とアベノハルカスや通天閣一帯の案内を親切にしてくださったその友に言われたこともあって、きょうは五条川の平和橋北-大栄橋西間を往復して歩いてみた。
 この道は毎年、桜のころになるとは亡き妻舞と一緒に、よく歩いた懐かしい桜の名所だけに歩くほどにありし日の舞を思い出し、涙が、ふわりふんわりとわが頬を伝って流れたのである。空は快晴。雲ひとつない。流れる風の音。川のせせらぎと川面を流れる花吹雪。時折ちゅっちゅっ、チュッと聞こえてくる小鳥たちのさえずり。川面だけでなく、大気の中を風に流されて舞う桜吹雪…と、どれもこれもが舞の幻影が、私と一緒にここにいて、共に桜を見ているみたいな。そんな錯覚を覚えたのである。

 舞の幻影となって迫った五条川河畔の桜たち
 

 川堤には黄色いタンポポが
 

 こども家庭庁が発足。名古屋はことし初の夏日(25度以上)に。大船渡小学校で待望の入学式。大手民間会社では対面入社式。マスク着用は原則として不要となった。一方では改正道路交通法が1日に施行され、自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化された。

 きのうドラゴンズが巨人に痛快に勝ったプロ野球。きょうは残念ながら2-0で負けた。野球は人生と同じで勝ったり、負けたりで、そこがまた味わい深くて、面白い。