【一匹文士、伊神権太がゆく 人生そぞろ歩き】
平成30年7月5日
各地で激しい雨が降り続いている。土砂災害、河川の氾濫などが心配だ。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場、決勝トーナメント1回戦で敗退した日本代表がこの日午前、チャーター機で成田に帰国。西野朗監督は空港近くホテルでの記者会見で「選手は素晴らしいサッカーを披露してくれた。W杯終了までという気持ちでやらせてもらった」と語り、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「遺留はせず今月末で日本代表監督を終了する」と述べた。
大相撲の横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦部屋=が8日から始まる名古屋場所を「左大胸筋」などのけがの回復がまだ十分でない、と休場することに。稀勢の里の休場は8場所連続。横綱の8場所連続休場は年6場所制になった1958年以降では、2002年名古屋場所まで7場所連続全休した貴乃花を超え単独最長。
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ヒデさんに思いがけず、お会いした。ヒデさん、とは。永津英昭さん、そのお方である。
2012年に私が乗船した地球一周のピースボート。そのピースボートを下船してからの地元江南社交ダンスサークルの仲間で検定試験にはいつも一緒に行く間柄だった。それどころか、たまたま彼は私より1期か2期あとのピースボート乗船者で、船内で初めて学んだのが、社交ダンスとの出会いだったと聞いている。
そのヒデさんが突然の心筋梗塞に襲われ、自宅玄関先で倒れたのが2年ほど前。当然のように、あれほどまでに熱心だった社交ダンスのレッスンとは足が遠のいた。その私にとっての兄貴分が突如として、きょうレッスン場に笑顔で現れたのである。つい最近もスーパーで車から降りたところで倒れ、救急車で一宮市内の病院に運ばれ入院中だとうかがい心配していた、そのヒデさんが、だ。
「三日間意識不明でしたが、幸い周りの方々にも助けられて奇跡的に回復しました」と聞き、本当に嬉しく思ったのである。
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体調を崩され住まいの皇居・御所で静養されていた天皇陛下が5日、皇居・宮殿で、新任の外国大使から信任状を受け取る儀式に臨まれ、公務に復帰された。松坂屋(現大丸松坂屋百貨店)元社長の伊藤次郎左衛門祐洋(いとう・じろざえもんすけひろ)さんが2日、病気のため死去。85歳だった。名古屋市出身。
7月4日
東京地検特捜部は4日、文部科学省前官房長で科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)=東京都港区=を受託収賄の疑いで逮捕。佐野容疑者はわが子を東京医科大に合格させてもらう見返りに、同医科大を文部科学省の私立大学支援事業の対象に選定するよう便宜を取りはからったという。
あからさまな受託収賄事件で、お粗末このうえない。が、人間という〝いきもの〟がこの世の中に存在する以上、この手の贈収賄事件はなくならないだろう。そんな気がしてしまう。
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水曜日。自宅近く最寄りの歯医者さんで歯の左奥歯上の1本をとうとう抜いていただいた。抜かれたあとは医師の判断もあり脱脂綿でしばらく止血する方法が取られたが、やはりなんだか、わが分身の1部が消えた寂しさにかられる。
この歯は元々から傷んでおり時折たまらないほどに痛くなるので、いつだったか、治療してもらった際に「なぜこれほどまでに痛くなるのか」を聞いたことがある。そしたら、医師曰く「根っこが割れているからですよ。こうとなっては、抜くほか方法がありませんね」と。以前から指摘されていた問題の【歯】である。
その後しばらくは、痛みも収まってはいたのだが。先月になりぶり返し、痛みの常態化が顕著になったこともあり、「伊神さん。次の診療で抜かせてもらいます」ということになり、きょう決行とあいなった。
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関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が4日、名高裁金沢支部であり、内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点は認められない。大井原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審の福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。
これに対して住民側弁護団の島田広弁護団長は「あまりにひどい判決だ。科学者の証人尋問を実施し審理を尽くすべきだったのに強引に審理を打ち切った。具体的な危険はないと言いうる、との判断は恐るべき安全軽視だ」と話し、関電は「裁判所に理解された結果と考える」との見解。この世の中、何が本当に正しいのだろう。
人びとは皆、嘘の川の流れのなかを生きている。
真実とは一体なになのか。誰もが私が正しい、と自らに言い聞かせながら生きてゆく。不思議な世の中だ。
7月3日
火曜日。台風7号は、日本海を北東へ。日本列島は全般に雨で、所によっては激しい雷雨も。こんごは大雨による土砂災害が心配されている。
サッカーのワールドカップロシア大会の決勝トーナメント1回戦が2日、ロストフナドヌーで行われ、日本は終了間際の失点でベルギーに2―3で負け、初のベスト8入りを逃した。試合後、拠点のカザンに戻った西野朗監督は「最低限の目標は達成できたが、最終的に8強に勝ち上がれなかったのは、残念です」と語った。
タイ・チェンライ県のタムルアン洞窟に閉じ込められ、6月23日から行方不明になり、その後2日深夜(日本時間3日未明)になり、無事発見され生存が確認された地元サッカーチームの少年ら13人の救出方法についてナロンサク・オソタナコーン知事が3日、潜水技術を教えるなど三段階に分けて救出作業を進める方針を示した。
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朝から少しバタついた。
というのも、私の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を書店に14冊頼んだのに、このままだと手渡すことになっている先方読者との約束の期日に間に合いそうにない、との緊急事態が耳に入ったためだ。
私の本が1人でも多くの方々に読んでいただける。何よりも、ありがたいことである。デ、耳に入った以上はなんとか約束の日に間に合うようにしなければ、とチョット出過ぎかもしれないが、最寄りの本屋さんや依頼主など各地に連絡。昼過ぎには、事なきを得てホッとしたが正直、少し慌てたことも事実だ。
幸い注文してくださった方をはじめ、本屋さんも事情がとてもよく分かる気のいい方々ばかりで、ナントカ約束の期日に渡す件は滑り込みセーフ。いやはや、とんだハプニングにふりまわされた。
でも何よりも皆さん、私の本を楽しみに読んでくださるのだから。本紙「熱砂」のウエブ作品集【一匹文士、伊神権太がゆく 人生そぞろ歩き】紙上を借り、心から礼を申し上げさせていただく。
ありがとうございます。そして、これを機に伊神権太ワールドの読者の輪が1人でも多く世界の果てまで広がっていってくれたら、と願う。
7月2日
天皇陛下が2日午前4時ごろ、急に気分が悪くなり激しく発汗された。侍医が診察したところ発熱こそなかったものの、脳貧血による目まいと吐き気の症状があり安静が必要とのことで、この日の公務は全て後日に延期、3日以降の公務は体調をみて判断されるという。陛下は現在、84歳である。早く回復されるよう願っている。
人気テレビ番組「笑点」のレギュラーを長く務め、庶民の心を捉え続けたあの落語家桂歌丸(かつら・うたまる、椎名巌)さんが2日午前11時43分、慢性閉塞性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。横浜出身の81歳。なんだか社会を照らし続けていた明かりがひとつプツンと、消えてしまったような、そんな気がする。
長い間、お疲れさまでした。
2月の平昌冬季五輪フィギュアスケート男子で66年ぶりとなる2大会連続金メダルを獲得した羽生結弦選手(23)=ANA=への国民栄誉賞表彰式が2日、首相官邸で行われた。羽生選手は地元仙台市の伝統的織物「仙台平」の羽織はかまを来て出席。「日本人として誇りを持って、滑っていきたい」と述べた。
婚約が内定している高円宮家の三女絢子さま(27)と日本郵船社員、守谷慧さん(32)が宮内庁でそろって記者会見。
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朝1番でこのところ胸に違和感を訴え続ける舞を連れて江南厚生病院へ。診察室で「大丈夫だ」と確認したところで彼女には悪いが私だけが先に帰り、その足で名古屋へ。名古屋駅で新幹線に乗ってネパールから里帰りしている日本女性とカトマンズの男性夫妻を伴い、訳あって、東京へ。
東京駅からは赤坂の目的地まではタクシーで出向いた。いつも思う。東京はとてつもなくデカくて、際限がない。でも、きょうは本当に良き方々にお会いでき、考えさせられた。人間はやはり純粋でなければ。特に文化芸術スポーツなどに携わるものにはこうしたものこそ大切であることをあらためて痛感したのである。
人々にとっての【豊かな生活、平和な社会】とは一体どんなものを言うのか。出来ることならば、私たちもカトマンズでじっと離れないでいる〈ラブバード〉さながらに、いつも互いの気持ちを分かり合う、そんな人間でいたいし、いつだってそうありたいナ、と思う。
というわけで1日はまたたくまに疾風の如く過ぎ去っていった。帰り道。東京駅で舞の大好きな笹ずしを手土産に帰宅した。きょうも生まれて初めての人々にこうしてお会い出来、これまたこの広い地球上ではじめての貴重な言葉を交わしあった。
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6月29日の竜王戦。この席で最年少プロの藤井聡太7段(15)が反則の「待った」を疑われる着手をしたのでは―とインターネット上で指摘された点につき日本将棋連盟は2日、「反則ではなくマナーの問題なので師匠(杉本昌隆7段)から本人に注意する」とのコメントを出した。
将棋の「待った」は一度着手して駒から手が離れた後に駒を元に戻したり、指し手を変更したりすることで、この行為は反則となる、という。言われてみれば分かる気がする。でも、知らなかった。
7月1日
富士山が山開き。山頂では登山者100人以上がご来光に歓声をあげた。
日曜日。台風7号が北上し沖縄、奄美に急接近。南の海は大荒れになっている。
サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。決勝トーナメント1回戦が30日始まったが、世界のサッカーファンの注目を集めるリオネル・メッシ(31)を擁するアルゼンチンがフランスに4―3、クリスティアノ・ロナルド(33)が主将を担うポルトガルもウルグアイに2―1でそれぞれ破れ、世界の2大巨星が早くも消えた。
7月1日といえば、三重県志摩半島で地方記者生活をしていたころの御座白浜シーサイドフェスティバルを思い出す。どこまでも白砂のつづく志摩半島突端の御座。この日が来ると新聞社のヘリが祝賀飛行し祝賀メッセージが落とされ、地元が歓声にわいたものである。
昭和40年代の後半、田中角栄さん(元首相)の列島改造論華やかなりしころの話だ。真珠の海・英虞湾は、富栄養化現象で悪性赤潮に泣き核入れされたばかりの母貝アコヤガイがプカプカと浮き私は連日、舟で海に出て取材に明け暮れた、そんな日々であった。
あれから、どれだけの年月が流れたことか。
私と舞は、きょうの午後、畑地〈エデンの東〉へ。いっとき草刈りに追われた。舞は体調不良をおしての労働で、なんだか悪い気がしてしまう。かといって、せっかくの畑地を荒れ果てたままにしておくわけにもいかない。
6月30日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が30日、バーレーンのマナマで開かれた会合で「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)を世界文化遺産に登録することを決めた。
名古屋の栄で75年間営業してきた老舗百貨店「丸栄」がこの日、閉店。8日にドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で初日を迎える名古屋場所を前に鶴竜、白鵬、稀勢の里の3横綱が熱田神宮で土俵入りを奉納した。
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舞がこのところ、お店のしごとを終えて帰宅後はずっと横になったままで、とてもしんどそうだ。そんな彼女が、けさ出掛けに「きょうは医者に行ってからお店に出るから」と言うので心配していたら、11時前にいったん帰宅。いきなり「江南厚生病院に連れてってよ」と言うので厚生病院へと車を走らせた。
なんでも自転車で前に診ていただいた江南市内の心臓内科医に行ったところ、休みだったのでかかりつけの町医者へ。そこで「急性心不全の疑いがあるので江南厚生病院へただちに行ってほしい」と言われ、急患の紹介状を託されたのだという。
病院では血圧、酸素量、体温が計られ、救命救急センターの救急処置室へと入れられ、次に心電図測定、点滴…と目まぐるしい時間が過ぎ去っていった。合間に処置室から出て来た看護師さんに「うちのは過去に脳内出血で倒れるなど何度も大病をしています」と過去の病気遍歴について説明すると「ハイ、承知をしております」とのこと。
待つこと一時間余。「ご家族の方おいでですか」と呼ばれて、処置室に入ると医師は「心電図測定はじめ、血液検査などもしましたが心不全の心配はございませんので帰っていただいて結構です。月曜にもう一度、内科受診をしてください」とのことでホッとした次第。
それにしても、彼女は、せざるをえない畑の草刈りに始まり、お店の切り盛り、連日深夜未明にかけての俳句の句作とチョット頑張りすぎである。帰路のハンドルを握りながら「よかったね」と話すと「あのねえ。これからお店に出るから」とまたまた滅茶を言い出す。「だめだよ」と言っても「大丈夫だよ」の一点ばり。こんな相棒を目の前に、とっさにしたいようにさせた方がかえって良いのかも知れない、と判断。
「わかったよ」とそれ以上は言わないことにした。
帰宅すると息子が心配顔で「おかあさん、どお」と聞くので「うん、大丈夫。これからお店に出るのだってよ」と言うと「やめた方がいいのに」とひと言。白旗を掲げた私は、爆弾女の永久の安全を願ったのである。というわけで、きょうはキリキリまいまいの1日だった。でも、その後、舞の胸苦しさはなくなったみたいで、何の力もない私としては、ここは愛する相棒の回復を願うのみである。
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けさの毎日新聞によると、南山大学法学部の学生12人が30日、1961年に三重県名張市で起きた農薬入りぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件を学ぶため舞台となった名張市の集落を訪れたという。
学生らは事件現場となった葛尾地区を訪れ、ぶどう酒が運ばれたルートや事件現場となった公民館跡地などを見て歩いたあと、奥西勝元死刑囚(故人)が眠る伊賀市の奥西家の墓を訪れ、花を手向けた。何ごとも真相を知るには現場100回の精神である。
6月29日
午後3時過ぎ。滋賀県米原市で竜巻と見られる突風が起き、民家の屋根瓦などが飛び85棟で被害、飛び散ったガラスの破片などで男女8人がケガ。5時35分ごろにはJR高山線の下呂市萩原町、上呂筒井踏切近くで大雨の影響で線路東側の山の斜面が崩落、線路に土砂が流れ込んだため高山―下呂間で運転を終日、見合わせた。
関東甲信越で梅雨明け。気象庁によれば6月の梅雨明けは統計を開始した1951年以降では初めてだという。
午後6時を過ぎたころからだ。雨、雨、雨。強烈な雨が稲妻とともにゴーゴー、ゴロゴロゴロ、ドヒャンと時折、破裂音もまじえ鳴り響く雷鳴を伴い、この尾張名古屋の地にも降り注いだ。まるで地獄である。際限なく降り注ぐ雨と雷鳴は、地震、台風にも負けるものか―と我を張っているようでもある。
8時前。そんな豪雨の中を息子が帰ってきた。帰ってひと言。「ゲリラ豪雨だったよ」と。
それはそうと。外猫ちゃんたちは一体どこに退避しているのか。やはり、心配である。雨が少しおさまったところで舞が夕食で私たちが食べ残したシシャモをお皿に入れ、外の縁に出すと、どこにいたのか。ぎんぎつね猫くんがサァッと、すばやく姿を出し、いや、駆け寄ってきたと言ったほうが良いかも知れないが。元気な姿を見せ、あっという間に平らげたのである。
名古屋の老舗百貨店「丸栄」が、あす閉店。
働き方改革関連法がこの日の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で成立。非正規労働者の待遇を改善する同一労働同一賃金など働く人の保護策を盛り込んだというが、本当に残業抑制や過労死防止につながるのか。その効果が問われる。
6月28日
きょうは満月だよ。くっきり見える、の言葉に夜遅くベランダに出てみる。が、月はホンの一瞬の間、全身を見せたが、あとは流れる雲にすっぽり覆われてしまい、結局のところ、その瞬間以外には見ることは出来なかった。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。一次リーグH組の日本はボルゴグラードでポーランドと戦い、0―1で破れはしたが、勝ち点で並んだセネガルを順位決定規定で上回り、H組二位で二大会ぶりに十六チームによる決勝トーナメントに進むことが決まった。
野球漫画の「ドカベン」=作者は水島新司さん(79)=が28日発売の週刊少年チャンピオン(秋田書店)最終号で46年の歴史に幕を下ろした。人生いろいろである。
6月27日
三重県松阪市の飯南町粥見で日中の最高気温が全国で最も高い36・0度に―
福島県浪江町の名物町長、馬場有(たもつ)さんが27日、胃がんのため死去。69歳だった。自宅は浪江町権現堂。馬場さんは2011年の東電福島第1原発事故で全町避難した浪江町で陣頭指揮し復興に尽くしたばかりか、17年3月末に町内の一部地区で避難指示が解除されると、帰還できない住民が多い中で【町残し】を掲げたほか東電との裁判外紛争解決手続き(ADR)でも自治体として町民1万5000人の代理人となり慰謝料増額を求めて戦うなどした。3期目で任期は19年12月までだったが、体調不良を理由に30日付で辞職予定だった。
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サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。26日は1次リーグ最終戦の4試合がありD組はアルゼンチンがメッシの今大会初ゴールなどでナイジェリアを2―1で破り2位に浮上、1次リーグを突破した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が27日午前9時35分、地球から2億8000万㌔離れた目的地の小惑星リュウグウの上空20㌔地点に到着。10月ごろ、最初の着陸を試みるという。2014年に打ち上げられた探査機はやぶさ2は、3年半で32億㌔の旅を経て目的地に到着。こんごは太陽系の成り立ちや生命起源の手がかりを探ることになる。
ウエブ文学同人誌「熱砂」の同人、眞鍋京子さん=大津市在住。【湖都の文学】編集委員=から、「熱砂」の第27回テーマエッセイ〈門出〉の原稿「赤丸先生の旅立ち」が速達で送られてきた。眞鍋さんは昨年暮れ、満90歳の卒寿を迎えられたが、ペンにかける魂といおうか、ご気力は大変なものである。
今回も赤紙とともに召集されていった先生の教室での思い出を教え子の口と出征兵士におくる千人針を通じて、見事に活写した、読みごたえのある内容だけに、少しでも多くの皆さんに読んでいただきたく思う。
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大胆に捨てる整理・収納術を提案したベストセラー「『捨てる!』技術」の著者、辰巳渚(たつみ・なぎさ、本名・加藤木綿子=かとう・ゆうこ)さんが、26日、長野県軽井沢町の国道146号で大型バイクを運転中、軽乗用車と正面衝突、全身を強く打ち、死亡した。52歳だった。
毎日毎日いろんなことが起きては消えてゆく。
トヨタ自動車が通信機を標準装備しインターネットに接続することで故障の兆候や目的地周辺の情報などをドライバーに提供する【コネクテッドカー(つながる車)】制度の導入を本格的に展開。2020年までに日米で発売するほぼ全ての新車にコネクテッド機能を搭載するという。
6月26日
鹿児島県奄美地方で梅雨明け。午後5時ごろ、広島で。7時46分ごろには千葉県でそれぞれ震度4の地震が発生。幸い津波はなかった。
富山市の富山県警富山中央署奥田交番で刃物を手にした元自衛官、島津慧大容疑者(21)に交番の稲泉健一警部補(46)が襲われ、全身をメッタ突きにされて死亡。島津容疑者は奪った銃を約100㍍離れた小学校正門外駐車場に立っていた警備員、中村信一さん(68)に2度発砲、稲泉警部補と中村さんはまもなく死亡。島津容疑者は駆けつけた警察官にも向かってきたため警察官が発砲、左腹部に命中し取り押さえられた。島津容疑者は、意識はあるという。
それにしても、この国はこのところ凶悪事件が多過ぎる。国全体が病んでいる。なぜなのか。
小笠原諸島(東京都小笠原村)が米国から日本に返還され、26日で50年を迎えた。
きのう、きょうと舞の頭部のMRI造影検査と検査結果に伴う診察兼映像の説明が担当の脳外科医師から丁寧にあり、私も付き添った。幸い、以前からある腫瘍の1部(左の脳の下部、左耳の奥の部分)は確かに少し大きくはなってはいたものの、他はほとんど変わらず、今すぐ悪化する危険はなく、このまま様子をみて半年後に改めてMRI検査をすることとなった。
担当医は舞の命を大手術で救ってくださった命の恩人でもあり「少し大きくなっている部位については放射線をあてた方がいい」とはおっしゃったが、舞本人が「放射線だけはあててほしくない」と一貫して強固に拒むので本人の意思を最優先に、何よりも舞の気持ちを尊重するほかない、との結論に至った。
同居の息子は「先生がそうおっしゃられているのだから。すなおに放射線を受けたほうが良い」と心配していうのだが。
いやはや彼女のいっこくさは天下1でもあるので、正直私も困ってはいる。ただ連日、見事な俳句を作句し、自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」の切り盛りもし農作業もあれだけ頑張ってやっているのだから。自分のからだのことは彼女が1番わかっているはずである。
デ、彼女の思いのままに自由にさせていた方がよい、と判断。私としては「わかったよ。わかったから」と言うほかない。その代わり、あまり無理をしないで舞が言っているとおり「自分のからだは、自分で治してほしい」。本音を言えば、このまま齢を経るに従って自然治癒してくれるのが1番よいのだが。
神さま! どうぞ、よろしくお願いします。
宮内庁が高円宮家の三女絢子さま(27)が、日本郵船社員の守谷慧さん(32)と結婚される、と発表。結婚式はことし10月29日に東京・明治神宮で催される、という。
6月25日
江戸湾(東京湾)北部で体長15㍍ものクジラの目撃情報。それが1度や2度ではなく、このところ頻繁に。ジャンプし、潮を吹くその姿を、である。異界に迷い込んでしまったクジラくん。外海への脱出は可能か。船との衝突回避も含め、ただその無事を祈るほか、ない。
68年前のきょう朝鮮戦争が勃発した。プロ野球のマイナビオールスター2018のファン投票最終結果がこの日発表され、セ・リーグ先発部門で中日ドラゴンズの松坂大輔投手(37)が39万4704票を集め、西武時代の2006年いらい、12年ぶりに選ばれた。松坂投手のファン投票での選出は7度目。2位の巨人・菅野智之投手(28)に15万516票差だった。
日本列島は、太平洋高気圧に覆われて広い範囲で晴れ各地でことし1番の暑さに。岐阜県揖斐川町では最高気温が35・1度まで上昇し、ことし初の猛暑日となった。名古屋33・9度、多治見34・9度、岐阜34・3度、伊賀33・4度、桑名も32・3度と、いずれもことし最高を更新。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。一次リーグH組の第二戦、セネガル戦で1ゴール1アシストと殊勲の活躍を見せたのが、滋賀県近江八幡市出身で滋賀県立野洲高校(野洲市)の卒業生、乾貴士(30)選手だ。身長169㌢と世界ではかなり小柄ながら、その活躍ぶりが光る。
W杯では初戦でゴールした大迫選手を称える「半端ないって」に続き、2戦引き分け後は「西野監督ごめんなさい」のことばが日本のサッカーファンの間で沸騰。今度はどんなことばが飛び出すか。いまから楽しみである。
6月24日
日曜日。サウジアラビアで24日、女性の車の運転が解禁となった。
午後。NHK総合で【〈プロの流儀〉注文殺到の小さな本屋さん 1万円選冊】と【〈アーカイブ特集・あの日あの時あの番組〉潜伏キリシタンの歴史世界遺産へ・天草集落大浦天主堂の貴重映像】を続いて見る。なかでも隠れキリシタンの存在については「信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します」の書き下ろし小説執筆以降、私自身、とても関心を抱いているテーマだけに大いに参考になった。
思いがけず、いい番組を堪能したあとは相棒に言われるままにバローのホームセンターへ。ここで茄子、ピーマン、トマトの苗と剪定鋏を購入して愛畑〈エデンの東〉へ、と向かった。
畑に着いたところで、私が先日、草引きをしておいた畝をあらためてマンノやスコップなどで整え、舞がここに茄子とピーマン、トマトの苗を植えていった。
舞の手によって植えられた茄子の苗など
きょうは、ほかに訳もわからないまま、畑の一角にある柿の木3本の無手勝流の剪定にも挑んでみたが、だいぶ顔を出してきていた元気な青い果実には、いとおしさすら感じたのである。
私なりに剪定はしたつもりではあるが。さて、どうなることやら。失格か
柿の剪定は、これまで野菜栽培による畑の管理と合わせお願いしていた方が昨秋、体調を崩され「高齢でもあり、申し訳ありません。管理はもう出来ません」と管理の返上を話されてきたこともあって、地主でもある私たちでやる以外に方法がなくなった。デ、思い切ってやることにした。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。日本代表はエカテリンブルクで行われた一次リーグH組第二戦でセネガルと戦い、2―2で引き分けた。
6月23日
ナゴヤドームの中日―DeNA戦。中日は5―3で逆転勝ち。2016年7月12日いらい実に711日ぶりにセ・リーグ3位となった。
舞がいつの間にお願いしたのか。夕方、街の電気屋さんの眞弘社さんのご主人がわが家に。古くなった電話機を撤去して新しいものに替えてくださった。ご主人に「失礼ですが、おいくつですか」とお聞きすると「もう78歳ですよ。昔は何人もの従業員を抱えていたのですがね。いまは私ひとりですよ」の返事。
わが家は、いつもその眞弘社さんだよりだ。それだけに「これからも、よろしくお願いします」と重ねてお願いしておいた。眞弘社さんは、どんなときにでも丁寧な仕事内容で本当に頼りがいがある。この街にとっても、とても大切な存在、宝である。
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沖縄が73年目の「慰霊の日」を迎え、高校球児の祭典である夏の甲子園(第100回全国高校野球選手権記念大会)がこの日、全国のトップを切って沖縄と南北北海道で開幕した。
「大好きな、私の島。誇り高き、みんなの島。そして、この島に生きる、すべての命。私と共に今を生きる。私の友。私の家族。……」と自作の平和の詩【生きる】を朗読する沖縄県浦添市立港川中3年の相良倫子さん(14)と聞き入る人びと(NHK総合画面から)
沖縄の海は、どこまでも澄んでいた
この日、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」(沖縄県など主催)が営まれ、太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった20万人以上の御霊をしのんだ。
追悼式では任期中最後となる平和宣言で翁長雄志知事が12日に行われた史上初の米朝首脳会談に触れ「朝鮮半島の非核化への取り組みや平和体制構築の共同声明が発表され、緊張緩和に向けた動きが始まっている」と指摘。そのうえで「普天間飛行場の辺野古移設は流れに逆行するものだ」と主張した。
引き続き、浦添市立港川中3年の相良倫子さん(14)が曾祖母の体験を聞いて書いた自作の平和の詩【生きる】を朗読。
「73年前、私の愛する島が、死の島と化したあの日。小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた。」「戦力という愚かな力を持つことで、得られる平和など、本当は無いことを。」「平和とは、あたり前に生きること。その命を精一杯輝かせて生きることだということを。」「私は、今を生きている。みんなと一緒に。そして、これからも生きていく。一日一日を大切に。平和を想って。平和を祈って。なぜなら、未来は、この瞬間の延長線上にあるからだ。つまり、未来は、今なんだ。」
などと沖縄慰霊の日の平和の詩【生きる】の全文を朗読、会場を訪れた全ての人が少女の声に耳を傾けた。
壇上には引き続き安倍晋三首相が立ち「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この誓いを貫き、万人が心豊かに暮らせる世の中を実現するため、不断の努力を重ねていきます。」と約束した。そう、そのとおりだ。安倍首相には、平和をどこまでも守りとおす番人であってほしい。
仕事から帰った舞に「きょうの女の子の【平和の詩】の朗読、とてもよかったね。涙が出てきたよ」と話すと「うん、よかった。でも、もう少し肩の力を抜いて話してくれたら、もっとステキだったのに」との返事。なかなか厳しいな、と思いながら私は私で「あれは、あれでいい。よくがんばった。平和への思いは世界に伝わったはずだ」と自らに言い聞かせた。
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山口県の維新百年記念公園陸上競技場でこの日開かれた日本陸上選手権男子100㍍決勝。山県亮太(セイコー)が10.05秒で優勝、2位には10.14秒でケンブリッジ飛鳥(Nike)が入り、彦根出身の期待の星・桐生祥秀(日本生命)は10.16秒で惜しくも3位に終わった。
6月22日
午前9時9分、宮崎、鹿児島県境にある霧島連山・新燃岳(1421㍍)で爆発的噴火があり、噴煙が火口から2600㍍まで上がり、火口中心から1・1㌔まで大きな噴石が飛散した。爆発的噴火は4月5日いらいだ。2月20日に98歳で亡くなった金子兜太さんのお別れ会が東京・有楽町のホールで行われた。
きょうは遠くネパールのカトマンズから古里に里帰り中の〈ラブ・バード〉そのものの友人夫妻らに久しぶりにお会いするため、尾張一宮駅までエッチラオッチラコ、と名鉄バスで出向いた。が、このところの無理が響いてか。本日にかぎって私にしては信じられないほどの血圧の高さで終始、体調が思わしくなく、血圧計を手にしての参戦とあいなった。
お会いしたのは、カトマンズ在住の愛知県稲沢市出身の日本人女性とカトマンズ日本語学院の校長という要職にあるネパール人男性。ラブロマンスはむろん、ネパール大地震の復興支援にも先頭に立ち続ける国際的カップルにお会い出来、貴重な話をお聞きすることが出来た。そればかりか、これまでどちらかといえばあまり関心がなく、見置く程度だったフェイスブックについても詳しい操作方法を眼の前でパソコンを開いて直々に教えて頂くなど、あれやこれやと大変勉強になり良かったナ、と思っている。
お会いした今ひとりは、江南市在住でドイツ語通訳として多忙な日々を過ごされており、ふるさとの歴史にも詳しい〈歴女姫〉で、彼女には私の歴史物小説の創作に当たってアドバイスを受けるなど随分と助けられている。
というわけで4人の話は、どこまでも弾んだ。だいぶ疲れてもいるので本日のところは、これにて。若い美男美女を前に、私はといえば。もはや齢なのか。いやいや、まだまだです、と反論したいのだが。きょうは、ここいらで。やめておこう。
6月21日
夏至。夏がきた。北半球で昼の長さが1年で1番長い日である。三重県伊勢市の二見興玉神社では男も女も、早朝の海に入ってみそぎをする夏至祭が行われた。
「殺害容疑の姉 遺書偽造疑い 堺・自殺偽装」「3人切り付け1人死亡 横浜の集合住宅 逃走男か転落死」『金づちで男児殴打? 藤枝 少年「学校に恨みあった」』等など。この国は、一体どうなってしまったのか。
国政に携わる者に嘘、うそ、ウソが横行しているので一般市民の心までが折れ、壊れつつある。
午前中、社交ダンスのレッスンに。
初級さんと一緒にシャッセに始まり、タンゴ、チャチャチャ、ルンバ、ワルツ…と先生の若さんの指示に従い踊ったが、さすがに疲れた。最後、ワルツの1級をベテランのエッちゃん、若さんとパートナーを替えて踊ったが、途中、突然「ごん。ごん。ごんたさん、大丈夫? ちょっと息が弾んでるみたいだけれど。こちらにまで伝わってくるよ」と先生がやっとこせ、私の苦闘に気付いてくださったところでホッとして休憩とあいなった。
こうした場合、ダンスを続けた方がよいのか。それとも、思い切ってやめて休んだ方がよいのか。「どっちがいいのかな」という先生を前に、「やはり少し休ませて頂いたほうが良いかと思います」ときっぱりと私。それでも、きょうステップを踏んだダンスは皆、過去にマスターしているものばかりだ。それだけに、次第に感覚が元に戻ってきたことも確かだ。
やはり少々は無理してもやって良かったと思っている。
本日は、ここまでにしておこう。
6月20日
水曜日。国会がこの日午後開いた衆院本会議で、当初20日までだった国会会期を7月22日まで32日間延長することを、自民、公明両党などの賛成多数で議決。
106年ぶりにヒグマの生息が確認された北海道・利尻島。この北端の島で15日に林道を歩くヒグマ一頭を無人のカメラが撮影していた。利尻町では足跡の発見を受け、今月11日に島南西部の四カ所に赤外線カメラを設置していたが、このうちの一台が15日午後10時40分ごろに、林道を歩く後ろ姿を撮影、道森林管理局職員が18日に画像を確認したという。神秘に満ちた、よい話だ。
中日新聞の本日付朝刊〈通風筒〉によれば、僧兵姿の男たちが大蛇に見立てた青竹をたたき切って、五穀豊穣を祈る「竹伐り会式」が20日、京都市左京区の鞍馬寺であった。新聞やラジオ、テレビ、インターネットにはこのほかにもニュースが氾濫している。が、本日のところはここいらで。
あまり無理をすると、からだに障る。本来の小説が書けなくなってもいけない。そぞろ歩きは、それらしく。これ以上は、やめておこう。
6月19日
米国防総省が18日(日本時間19日)、これまで8月に実施してきた定例の米韓合同軍事演習の中止を決定した、と発表。一方で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が19日午前、正恩氏の専用機で北京入り、習近平国家主席と会い米朝首脳会談の結果を報告した。
× ×
作家太宰治(1909~48年)が東京・三鷹の自宅近く玉川上水に山崎富栄と入水、遺体として見つかったこの日。没後70年を迎えた太宰をしのぶ「桜桃忌」が東京・三鷹の禅林寺であり、多くの人たちが墓前に花や酒、さくらんぼなどを供えた。
そして今ひとつ。駆け落ち結婚以降、ずっと続いた私たちとの長年の確執人生を前を向いてたくましく生き抜いてこられた舞の大切なおかあさん=舞は兄ひとりの母子家庭に育った=が昨年のこの日の午後4時過ぎ、96歳の天寿を全うしこの世を去られた、まさにその日でもある。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。1次リーグH組の日本はサランスクでの初戦で南米の強豪コロンビアを2―1で破り、勝ち点3を獲得。にっぽんじゅうが歓喜にわいた。
きょうは朝から江南厚生病院へ。肺の術後の検査と診療のためで幸い、血液検査、レントゲン撮影の結果ともに問題はなかったが、抗生剤(カプセル剤)と貧血防止剤はなおしばらく飲み続けるべきだ、とのお達しで薬を手に帰宅した。
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大阪府北部で18日に起きた震度6弱の地震。その後も震度1~4の地震が19日午後8時までに29回あり、気象庁では地盤の緩みと大雨による土砂災害に警戒を呼びかけている。高槻市ではその後、1人の死亡が見つかり死者は5人に。
学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長が19日、岡山市の学園本部で記者会見。愛媛県今治市での獣医学部新設をめぐり愛媛県文書に記載された2015年2月の安倍首相との面会につき「記憶にも記録にもない」と述べて否定。学園側が、県に誤った情報を伝えた点については謝罪。監督責任をとり給与の一部を自主返納する、と明らかにした。加計氏が取材に応じたのは、問題発覚後、これが初めて。
政界を中心に権力者たちのうそがまかりとおっているこの世の恥部。醜さの典型例か。みな、大半の人々は、まじめにうそも言わず、コツコツと正直に生きている。のに、だ。なんともやるせない。
6月18日
けさ午前7時58分ごろ。日本列島が通勤時間のさなかに大阪市の北区、大阪府高槻市、枚方市、茨木市、箕面市など大阪北部で震度6弱の地震が起き、高槻市で登校時の女子児童三宅璃奈ちゃん(小学4年生)が道路側に倒れたプールのブロック塀の下敷きになったり、大阪市東淀川区では登校児童の見守り活動へ向かう途中だった安井実さん(80)が塀の倒壊で下敷きとなっていずれも尊い命を落とす、など計4人が死亡した。
けが人も兵庫、京都、三重、滋賀も含め330人以上に及び、1500人が避難する事態となった。新幹線はじめ、JR在来線、阪急、京阪、近鉄など各交通機関もストップし、停電や水道管破裂、断水が続発。一部地域ではライフラインが麻痺し大阪を中心に滋賀、三重県などでも通勤の足がストップ、寺の山門が崩れたり、銭湯の煙突がポッキリ折れるなど街は傷だらけに。どこも大混乱に陥った。線路伝いに長蛇の列となって歩いて帰宅する人々が続発するなど都市機能は完全にマヒしたのである。
気象庁によれば、震源地は大阪府北部で震源の深さは約13㌔。地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。津波の危険こそなかったが、大阪府で震度6弱を観測したのは、観測態勢が整った1923年1月以降、初めてだという。
18日午前に記者会見した気象庁の説明によれば、「近年はあまり発生していない場所で起きたかなり珍しい地震」だといい、震源のごく近くには大阪府北部を兵庫県から東方向に延びる【有馬―高槻断層帯】が走っており、この断層帯と周辺に密集する活断層が何らかの影響を及ぼしたのでは、と見ている。この【有馬―高槻断層帯】は1596年に現在の堺市付近で600人余りの死者を出した慶長伏見地震(M7・5)を起こしたことでも知られる。
いやはや、この世は、いつどこで何が起きるか知れたものでない。
ここ尾張名古屋での地震発生は、私たちが朝の分別ゴミ出しに行って帰ってまもなくの出来事で「グラっときたわよ」とは相棒。何ごとにも敏感なはずの私はなぜか気がつかず、テレビの緊急地震速報で初めて知った。それにしても、きのうまで元気でいた女子児童が突然の地震で登校途中の命を奪われたり、ブロック塀の倒壊や本棚の下敷きとなって命を落とした人が出るとは。一体全体、なんたることか。
夜おそく。午前零時30分過ぎ。ナンダカンダとやることを済ませ、やっとこせ横になれた、と思ったところへ今度は間違いなく背中にぞくぞくっと走るものを感じ、あわてて起きて1階へ。浴室にいた舞も「いま揺れたよね」の弁。自然に人間たちなぞが勝つことなど、とても出来っこない。これ皆見えない神のなせるわざなのか。ジタバタしたところで、どうしようもない。それが、この世なのである。
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東京大空襲訴訟原告団長で全国空襲被害者連絡協議会名誉顧問の星野弘さんが17日、誤嚥性肺炎のため死去。87歳。東京都出身。星野さんは1945年3月10日、推定10万人が亡くなった東京大空襲で自宅を焼かれ、養子縁組していた叔父夫婦を亡くした。
その後1997年に大半が不明だった死者の氏名の記録を始め、2001年に発足した東京空襲犠牲者遺族会会長を務めた。2007年、元軍人のような補償がない民間の空襲被害者の救済を国に求め原告131人による東京大空襲訴訟をおこしたが、最高裁で敗訴が確定。2010年には全国空襲被害者連絡協議会を結成し超党派の国会議員連盟とともに、障害を負った被害者への一時金や空襲の実態調査を柱とする立法運動の先頭に立ってきた。
6月17日
父の日。長男夫妻が心込め送ってきてくれたのは、福島県二本松市の純米大吟醸の宝暦大七(ほうれきだいしち)だった。ラベルを見ると、杜氏の名になんと佐藤孝信(南部杜氏)とあった。孝信は私の本名と同じである。
1カ月ほど前、好きな帽子のタイプを聞いてきたので「(私がこの世で1番尊敬する)故三鬼陽之助さん=陽之助さんは長男の嫁のおじいちゃん=がかぶっておいでになった帽子と同じタイプならいい」と答えておいたのだが。
どうやら、陽之助さんは私と同じであまり帽子はかぶらなかったらしい。
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中部ペンクラブの第33回総会と公開文学講演会、それに続く第31回中ペン文学賞受賞と出版を祝う会で名古屋のホテル・ルブラ王山へ、と出向いた。
総会では三田村博史会長の「ひとりよがりにならない時代を見据えた作品を書いていくべきだ」などといった挨拶に続き、29年度の事業報告と決算報告、会計監査報告に続き、30年度事業計画と予算、規約の改正などを決め、作家中上紀さんが「父 中上健次の熊野ごもり」を演題に公演。引き続き、ことしの中ペン文学賞に「誰かが誰かのS」(峠70号)で輝いた弥栄菫さん=「峠の会」「瀬戸児童文学の会」所属=に対する表彰式があり、私も含めことし本を出した5人の出版を祝う会も兼ねたパーティーへと移った。
きょう私にとっての何よりのニュースは紀(のり)さんにお会い出来、父ケンジさん(故人)のことを聞くことが出来たことか。そして、もうひとつ。それは中ペン文学賞の弥栄さんに中日賞の賞状と盾を授与し、スピーチをした中日新聞の清水俊郎文化部長との再会劇。それこそ、久しぶりに会えたことか。
彼は私の一宮主管支局長(現在は一宮総局)在任時の市政まわり担当記者で当時の神田一宮市長が愛知県知事選に打って出たときの彼の頑張りぶりが目に浮かんだのである。そればかりでない。その後、私が編集局デスク長としてサンデー版に〈300字小説〉の採用を社に具申していた当時には文化部デスクを、その後はパリ特派員として度重なるテロ取材の修羅場を乗り越えてきた。その【しみず】だけに、懐かしさがこみあげてきた。
彼の礼儀正しい立ち居振る舞いは何ら昔と変わらず、先輩としてつくづく中日は人材に恵まれているな、と思った次第だ。若いころそのまま。姿勢の正しい彼を目の前に、夜討ち朝駆けに足を棒としていた若き日の一途な姿を思い出し、私は恥ずかしながら涙があふれそうになった。
「熊野大学は、最初は俳句から始まりました。父は海が好きでした」と話す中上紀さん
講演会の方は、紀さん、病み上がりもあってか。少し声がちいさく、出来れば生涯を通じ【血の文学】を書き切った亡き父、ケンジさんのありようをもう少し知りたく思ったのだが。それでも、失われゆく紀州の色街の路地を、テープレコーダーを抱えて〈路地の声〉として聞き取って歩く在りし日のケンジさんの話に、私は「やはり、そうだったのだ」との感慨を新たにしたのである。
この日は参加者に【熊野大学2018夏期セミナー「中上健次1968/1978(仮)8月18日(土)~19日(日)於 和歌山県新宮市】のチラシも配られたが、たまたま紀さんの講演で熊野大学が始まったのは1990年で最初は俳句だったことも知った。そればかりか、チラシを手に京都からおいでになり話を交わしたお方が俳誌「草樹」会員で現代俳句協会会員の杉浦圭祐さんだった。
「妻も俳句をやっています」と告げると「もしかして。まいこさん、いがみまいこさんならボク、知ってますよ」と話は意外なところにまで展開。帰宅して聞くと、舞の口から杉浦さんが同じ「草樹」会員でその道では名だたる人だと知ったのである。世の中、不思議なものだ。
なんだか脱線してしまった。この日のメーンでもある中ペン賞表彰式に続く選評では文芸評論家清水良典さんが「受賞作は新しい光りをあてた作品としては、はっきり言って断トツで光っていた。読んで新鮮で、微妙な心の揺れをリアル、かつしたたかにとらえている。読んでいくうち生きる元気が出てくる。こんなに気持ちよく選考会が出来たのは初めてのことだ」と核心を突き、弥栄菫さんも「高いところからご褒美をいただけた、だなんて。選考委員とここにおいでになられる中ペンの皆さまに心からお礼を申しあげたい」と話し、会はなごやかに進んだ。
「ありがとうございます」と礼を述べる弥栄菫さん
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フランスのルマンのサルテ・サーキット(1周13・626㌔)で開かれていた伝統の自動車耐久レース、第86回ルマン24時間で17日、トヨタ自動車が悲願の初優勝。20回目の挑戦で頂点に。レスリング女子の伊調馨選手らに対するパワーハラスメント行為が認定された栄和人氏について至学館大の谷岡郁子学長がこの日、レスリング部監督を解任する、と発表。
6月16日
土曜日。
午前7時20分ごろ、鹿児島市の桜島南岳山頂火口で爆発的噴火があり、噴煙が高さ4700㍍に達した。鹿児島地方気象台によれば、噴煙の高さが4000㍍以上となったのは昨年5月2日の昭和火口の噴火以来。この日は火口から800~1100㍍の地点まで噴石が飛んだという。11時9分ごろには、千葉県北東部で震度4のかなり強い地震。幸い、津波の心配はなかった。
アイドルグループ「AKB48」のシングル曲のメンバーを決める「第10回AKB48世界選抜総選挙」の開票イベントがこの日午後初めて名古屋市東区のナゴヤドームで開かれた。午後9時過ぎ、北海道のドラゴンズファン、會川貞子さんから「SKE48がワンツー」なる突然のメール。開くと「こんばんは。ナゴヤドームで行われました、AKB48総選挙でSKE48の松井珠理奈と須田亜香里がワンツーになります。」の速報だった。
そういえば、以前、會川さんから「16日には、ナゴヤドームに行ってきます」の連絡が入っていた。デ。「會川さん、いつもいつも貴重なお知らせ、ありがとうございます。」の返信をさせて頂いた。わざわざの連絡を本当にありがとう。
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半野良の赤ちゃんがいよいよチョコチョコと、歩き始めた。心配そうな野良の夫婦(金網越しに撮影)
半野良猫ちゃんの中でも、このところひときわ目立つ銀猫(体毛が銀色なので、私は勝手にこう呼んでいる)がきょうは2度、3度と生まれてまもない、まだヨチヨチ歩きのわが子を伴って中庭の縁に顔を出した。むろん、父親とみられる猫パンちゃんも、隅の一角に座ってそんな様子をじっと見守っていた。彼らは半分、わが家の家族である。でも、決して甘やかしはしない。このまま野良猫としての自然のままの成長を静かに見守ろう。
きょうはそんな親子がいじらしく私は「がんばれよ」と声をかけながらチーズとししゃもを投げ与えた。嬉しそうにまるでキャッチボールでもする如く受け取る銀猫には、いつのまにか母親の気風が纏わりついており、受け取ったあと、子猫ちゃんと食べる姿はけなげ、の1語に尽きる。順調に育ってくれたら良いのだが……。これからは花も、嵐も、乗り越えていかねばならないだろう。
九電が16日、玄海原発4号機(佐賀県玄海町)を再稼働。東電福島第1原発事故後、安全対策を厳格化した新規制基準下の再稼働は、5月の関電大飯原発4号機(福井県おおい町)に続き、5原発9基目になる。中国政府がこの日、米国の貿易制裁への報復措置として総額500億㌦(5兆5000億円)の659品目に対し25%の関税を上乗せすることを正式に決めた。
6月15日
昼間。懐かしき人、ミノウラ(箕浦啓進氏)から思いがけない電話がきのうに続き、2度も入っていたので「何事か」と思い、折り返す。受話器を耳にあて「何だった」と言おうとすると「おう、いがみか。あのなあ、同期会やろうと思って。おみゃあにしなアカンとおもって。電話したんだわ」と例のキレのいい名古屋弁(この名古屋弁を、こぎたなゃあと言う人もいるのだが)で、先を越された。
高校のクラス会や大学時代の柔道部仲間との同期会はたまにあるのだが。新聞社時代の同期会の話など定年後初めてのことなので「へえ~。どういうことで、また」と聞くと「実は、な。俺たちが入社したのが昭和43年(1968年)だろ。ほんでその年の俺たち練習生から販売店実習が始まったわな。それから50年たつ、ということで社(中日新聞)の社員教育実習センターから【販売店実習から50年】のタイトルで取材を受けたんよ。それで、東京のウテなんかとも話し合って、いっぺん同期で集まろまいか」ということになったのだという。
話はさらに続き「ほんでな。9月に26、27と一泊二日で金沢でやろうよ、ということになり金沢を終の住み家として住んどるイシダに受け入れ準備をしてもらうといい、と考えとるんだわ」とのこと。「そりゃ、いいこった。賛成だよ。生きとったらいくでな」と答えると「いがみ、(昔から誰よりもタフだった)おみゃあが死ぬわけなゃあだろ。待っとるでな。詳しくはまた連絡するわ」と名古屋弁丸出しでいうので「楽しみにしとるでな」と言って切った。
それにしても、元ロンドン特派員(ヨーロッパ総局長)で経済部長、岐阜支社長、メディア局長、ZIP―FM代表取締役専務…と出世街道を驀進したミノウラが元気でいて何よりだった。あいつとは、女性を誘って一緒に小瀬の鵜飼を見に行ったりして、どっちかというと悪友だっただけに、若さがちょっとだけ戻った。
きょうはなんか知らんがほかにもある。
高校時代からの友、オショウ(石田祥二元愛知北農協組合長、現在は倉庫会社社長。犬山市楽田在住)からも「元気ですか。私は元気です。きょうは君の家の近くに来ています。暇があれば電話ください……」といった妙にあらたまったショートメールが入ったので電話すると「今はよお。江南厚生病院に来とるんだわ。きょうはみっつ検査があり、ふたつ目だが時間があったら、病院内の喫茶でお茶でもせんか」との声かけで一瞬迷ったが「(行くと、長なってまうし、まんだやらないかんことがあったので)きょうのところは」と失礼ながら遠慮しておいた。
でも、かつては尾張1の美少年で舟木一夫に負けんぐらいイイ男で歌も俺くらいにめっちゃうまくて男前だったオショウが、わざわざ電話をしてくれて。ありがたゃあな、と思っている。なんだか知らんが。でも、ニンゲンというものはこうして老いていくのだろうか。と、ついそんなことを考えたりして。皆、いい奴ばかりだな、と思った次第である。
× ×
日本漫画家協会の新理事長に常務理事の里中満智子さん(70)が15日付で就任。3期6年理事長を務めた、ちばてつやさん(79)は同日付で退いた。
住宅宿泊事業法(民泊新法)がこの日施行され、一般の住宅に有料で旅行者らを泊める「民泊」が全国でスタート。
福岡県内で14日に起きた山陽新幹線のぞみ176号の人身事故でJR西日本の平野賀久副社長が事故後に停車した小倉駅の駅員が新幹線の入線時、前頭部に血のりやひび割れのようなものを確認したが、大きな異常と認識せず発車させていたことを明らかにし陳謝した。駅員が指令に異常を報告したのは、列車が駅を出発した後だったという。なんだか、ヒヤリとする。
6月14日
午前中の社交ダンスのレッスンに続き、まだまだ残っている草刈りが延々と続き(舞が仕事のため。きょうは孤軍奮闘だった)、それこそ死闘の1日となった。でも、おかげで運良く、この町の名物でもある美しい夕日と久しぶりにであいカメラにその一端をおさめることが出来た。
尾張の町をうっすらと染めた夕日。草茫々の畝も、見違えるほど美しく
黙々とつづいた草刈り、これだけ無理をすると肺の手術=私は1月に右肺の3分の1を切除=の術後に影響するのでは、と内心思いつつも「私がやらねば誰がやる。舞があれほどまでに頑張っているのに」と自らに言い聞かせ、午後7時半過ぎまで続けたのである。というわけで、ほかに2、3あった用事は全て当方から連絡を差し上げ遠慮させていただいた。帰宅した私は夕刊はじめ各メディアをチェック後、そのまま死んだ如く寝入ってしまったのである。寝ながら誰にでも立ちはだかる【死闘とは、何か】を考えつづけた。
この日の午後。畝はマンノでやるよりも、やはり1つひとつ草刈りガマを使って自分の手でひいていくほかない、と判断。いつ終わるとも知れない作業をしながら思い出したのは、【デス・マッチ】、【死闘】という言葉である。
思えば私にとっての死闘は生まれてこの方、どれほどあったのだろう。
まず思い起こされるのは、母のお腹のなかにいて満州の大地を逃げ回り生後まもなく引揚船の「興安丸」で舞鶴に上陸、母のふるさと・和田にたどり着くまでの日々。次に高1の5月13日に柔道の乱取りげいこのさなかに相手の捨て身小内刈りに右足を複雑骨折し翌春まで自宅で寝たまま続いた自宅治療生活がある(このときは、1年の大半を休んだのに自宅で勉強していたためか、試験の成績は意外やよくて、なぜか進級できた)。
そして。新聞記者になってまもなく出会ったベ平連(ベトナム民主平和連合)育ちの舞と志摩半島で始めた駆け落ち記者生活、その後の岐阜県庁汚職取材で朝、昼、晩となく足を棒とした夜討ち朝駆けでデカ(刑事)や県高官を追い続けた日々や名古屋の愛知医大を巡る3億円強奪事件で核心を握る、〝どんぐり坊や(かつての、神谷力少年)〟や主犯・近藤忠雄(故人)を追い詰めた日々のことが思い浮かぶ。
さらには小牧に在任していたころ、空飛ぶ事件記者として長崎大水害や稚内の大韓機撃墜事件、三宅島噴火、中部日本海地震、トンボ眼鏡で赤いフェアレディーZに乗っていた女性が世間を騒がせた長野富山の連続女性誘拐殺人事件……と現地入りするその時々が命がけ、まさに死闘の取材でもあった。
最近の死闘はといえば。脳内出血に続く脳腫瘍などで何度も倒れ、そのつど救急車で病院に運ばれた舞のことである。幸い、彼女は強靭な精神力と江南厚生病院の名医(脳外科医師)による11~12時間に及ぶ執刀とその後の適切な術後治療のおかげもあり、無事助かり、いまでは自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」の業務と好きな俳句の創作に元気に励む毎日である。
昨年の秋。執筆や取材など無理のし過ぎで血を吐いた私の命も、肺の手術で運良く助かるという、思いがけないハプニングまであった。
こんなわけで私たちは今、父に託された畑を曲がりなりにも守らなければ、とこうして私たちの畑地である〈エデンの東(この名は、私がかつて訪ねた米国西海岸のエデンの園になんとなく似ていたので、こう名付けた)〉の草引きに身を賭して励んでいるのである。挑みながら、このままポクリと逝ってしまうかもしれない、と。そんな想念が全身からフツフツとふいに湧き出てきたので私はきょう、こうして「死闘」について、ごく1部について書いたのである。
かといって、どんな人にも死闘はある。だれもが、こうした窮地を乗り越え、きょうという日を生きていくのである。もっともっと苦労して今を歩き続けている人たちは数え知れないに違いない。生きているもの、皆すべてが頑張っているのである。猫ちゃんたちだって。みんなそうである。
× ×
東電ホールディングスの小早川智明社長が14日、福島県庁を訪れ福島第2原発(楢葉、富岡両町)の全4基を廃炉とする、と表明。政府は9月にロシア極東ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムでの席上、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と安倍晋三首相との首脳会談実現を目指す方向で、調整に入る方針を固めたという。早ければ、はやい方がいい。
サッカーの第21回ワールドカップ(W杯)ロシア大会が14日午後6時(日本時間15日午前0時)に開幕した。
6月13日
東日本大震災の津波で当時の町長と職員計40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧庁舎内部が18日からの解体工事を前に13日、報道陣に公開された。津波で破壊された2階町議会議場の壁や、生死を分けた屋上への「はしご」、「午後3時25分」を指したままの柱時計などが当時のまま残されており、涙を誘った。
成人年齢を現行20歳から18歳に引き下げ、女性が結婚できる年齢を16歳以上から男性と同じ18歳以上にする改正民法が参院本会議で賛成多数で可決、成立した。施行は2022年4月1日で、成人年齢の見直しは1876(明治9)年の「太政官布告」で満20歳とされて以来となる。
米朝首脳会談から一夜明けたこの日、北朝鮮の国営メディア・朝鮮中央通信が朝鮮半島の非核化などにつき両首脳が「段階別、同時行動の原則」の順守が重要との認識で一致した、と報道。北朝鮮が従来主張してきた【段階的な非核化】に米国が同意した、との認識を示した。
× ×
米朝首脳会談に伴う私なりのチェックと絶え間なき情勢分析でこのところはやはり、少し疲れた。そんななか、本日付毎日夕刊特集ワイド1、2面で展開している『金正恩氏への手紙 前略 金正恩委員長【鈴木琢磨】 「北朝鮮の宝剣」核より人情 「要衝」見抜いたあなたなら』の記事が目に止まった。
鈴木記者は、手紙の最後に『父上は遺言でこう語っています。〈金正恩同志は時代の変遷と歴史の流れの中で、我が革命と社会主義をどのように守護し、発展させていくのか、我が人民がどうすればこの世の中で最も尊厳が高く幸せな生活を享受できるのかを詳しく知り、遠い将来を見通せる真の人民の領導者です〉(「金正日選集」増補版25巻) いつかインタビューできる日がくるのを祈りつつ。草々』と書いている。
6月12日
上野動物園のジャイアントパンダのこども、シャンシャン(香香、雌)がこの日、満1歳になった。
× ×
知己のよに何度も握手組み交わすトランプ氏に占う未来
=伊神舞子【きょうの俳句 minuetto-mi】から。
※きょうは俳句ではなくて短歌をつくってみました。「ゲームのトランプとトランプ大統領を引っかけてみました」とのこと
午前9時(日本時間10時)過ぎ。赤いカーペットが敷かれ米朝の国旗6本ずつが交互に並べられたホール。向かって右から濃紺のスーツに赤いネクタイ姿のトランプ氏が、左からは黒い人民服を着た金正恩氏が姿を見せた。
お会いできてうれしいです、大統領。――と心持ち緊張した表情で正恩氏が語りかけると、トランプ氏は手を差し出し正恩氏の肩を軽くたたいて記念撮影に応じるよう促した。この後ふたりは会談場へ。
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がこの日午前9時(日本時間10時)過ぎから世界中の目が見守るなか、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで会談。着席したトランプ氏は「会談は大きな成果が上がるだろう。素晴らしい関係を築けると確信している」といえば正恩氏も表情を和らげ「ここまで来るには簡単なことではなかった」「我々には足を引っ張られた過去があり偏見がときには目と耳をふさいだがすべてのことを乗り越えてこの場まで来た」と笑顔で語った。
米朝首脳会談は史上初めて。ふたりは会議の冒頭、いずれも万感の思いを込め、笑顔で約10秒間、握手した。引き続き通訳だけを交えての両首脳ふたりだけの会談を実施。この後、両国を代表する高官一同による同じテーブルを囲んでの拡大会議、さらには食事をしながらのワーキングランチの順で進んだ。
そして午後2時半すぎにはトランプ、金の両氏が当初予定されていなかった共同声明にサプライズ署名。5時からはトランプ大統領が記者団の質問に応え、この日の会談を締めくくったが、記者団の質問に応えてトランプ氏は日本の拉致問題についても「重要な問題として提起した」と応えた。
トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が署名した共同声明の内容は以下のとおり。
「トランプ大統領は北朝鮮に対して体制の保証を提供する約束をし、キム委員長は朝鮮半島の完全な非核化について断固として揺るがない決意を確認した」「2018年4月27日のパンムンジョム宣言を再確認し北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことを約束する」「米朝両国は平和と繁栄に向けた願いに基づいて新しい関係を樹立するために取り組んでいく」「両国は朝鮮半島に永続的で安定した平和の体制を構築するため共に努力する」「米朝両国が朝鮮戦争中の捕虜や行方不明の兵士の遺骨の回収に取り組むとともに身元が判明したものについては返還していく」
結論から言わせてもらえば、今回米中会談の最大の焦点だった〈完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID=Complete,Verifiable,and Irreversible Denuclearization=)〉実現への道は、具体的内容が乏しくて程遠いものとなった。
でも、これまで敵対を重ねてきた両首脳が笑顔で語り合い、これからは非核化への道も含め共に手と手を携え平和への道を模索し歩いていこう、という、そんな意志が伝わってきたことだけは事実だ。
このうえは疑うのではなく、ふたりの言葉を信じて米朝がたとえ歩みはのろくとも【世界の平和】に向かって前進していくことを願い、祈りたい。北朝鮮にだけ非核化を押し付けるのではなく、これを機会に米国はじめ世界中の全ての核保有国が非核化への道を歩き始めなければ、とも思う。
写真は史上初の米朝首脳会談の核心部分。ふたりの胸を去来したのは一体何だったのか。これからのふたりには純粋に世界平和の旗手になってほしく心から願う(いずれもNHK総合中継画面と各紙からの抽出)
6月11日
天皇、皇后両陛下が昨日、福島県南相馬市で開かれた第69回全国植樹祭の式典に参列され11日午後、帰京された。
東京高裁(大島隆明裁判長)は、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(82)=浜松市中区=の第2次再審請求即時抗告審で11日、再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消し、再審請求を棄却する決定を出した。
大島裁判長は静岡地裁が再審開始の根拠としたDNA型鑑定の信用性を否定、死刑の執行と拘置の停止については「年齢や健康状態などに照らすと(釈放を)取り消すのは相当ではない」として支持。結論が出るまで袴田さんは収監されない見通しだという。死刑囚の再審開始決定が取り消されたのは、免田事件(後に再審無罪確定)、名張の毒ぶどう酒事件(第10次再審請求が審理中)に続き、3例目である。
タマネギの収穫をする舞と、やっとそこそこ雑草が除去された〈エデンの東〉の畑地の一部
月曜日。舞は午前中、術後の定期診断で近くのお医者さん(町医者、これがなかなか好いお医者さんである)へと出向き、いったん帰ったあと今度は歯医者さんへ。先月、異常に高かった血圧も今回は幸い正常値でホッとしたのもつかの間、彼女の「行くよ。いかなきゃあ」の命令一下、ひと休みしたあと、夕方にはあ~あ、のためいきと共にこのところ雑草との限りなきデス・マッチ(死闘)が続いている私たちの畑地〈エデンの東〉へ。
がんばり通す彼女に急き立てられるように私たちはなんとか一面の雑草を刈り取ったが、以前除去した畑地からは早くも次の草々が我先に、と生えてきており全くそれこそ「いやんなっちゃう」とはこのことか。きょうは、タマネギの収穫も一気にやってしまいたい―との彼女の宣言どおり大きく育ったタマネギは全て彼女の手で収穫。私はわたしでわが身に課せられた草引きをせざるを得ず正直、本当に疲れてしまったのである。
夜はさすがにふたりともグッタリ。相棒は風呂に入る気力もなく俳句を詠むこともせで、珍しく早くバタンキューと寝入ってしまった。私はわたしでそれまで黙々と進めていた読書や執筆、スケッチも全て中断。でも、こうして生きてわいわいやっていられる。きょうは畑の隣の若奥さまに「きれいになりますね。うちは草茫々のままなので、そんなにどんどん草が除去されてしまうと、こちらがあせっちゃう」とお褒めの言葉を頂いたから、それでよし、とするか。
それはそうと。あすはいよいよ世界が見守る、米朝首脳会談がシンガポールのセントーサ島で行われる。こう言っちゃなんだけど、私はまだまだ若いのに昔から仁王立ちで国のために時には容赦なき粛清政治も含め、めくら滅法生きてきた北朝鮮の金正恩労働党委員長の味方である。彼の童顔の笑顔と真剣味が好きなのだ。ただし、核兵器とミサイルを決して使わないこと。そして自国民を決して粛清しないのが前提条件ではある。
金委員長と言えば、日本人の多くが悪の権現みたいに言うがそうではない。うそを言いたい放題で夫妻そろって品格も何もあったものでない日本国の安倍晋三首相よりもずっとずっと素朴で優秀で一途で、うそをつけない世界の逸材、若手のホープ、本物なのである。その金委員長が、これまた一筋縄ではいかぬトランプ米大統領と「完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化(CVID)」をめぐってどう渡り合うのか。期待したい。私に言わせれば、北朝鮮ばかりに押し付けるのではなく、米国はじめ世界の核保有国全てがこれを機会に非核化の道を歩み世界から核兵器を一掃すべきだ、と。そう思うのだが。
おそらく愛国心旺盛で賢明なふたりは互いに譲り合うところは譲り、平和への重い扉をたとえ少しでもヨイコラショッ、と開けるに違いない。ふたりとも真剣なのだから。良い方向に向かうと確信したい。私は金委員長とは私が生きている間に世界平和についてトコトン、納得ゆくまで話し合いたい、と思っている。本気でそう願う。そして今回対話のきっかけを生んだ文在寅韓国大統領の労苦にも心からの敬意を表したく思う。
さあ、あすはどうなるのか。トランプ大統領も批判されながらもある面でストレートで正直な人物だけに、期待してよいと思う。それでは。あすをお楽しみにしたい。こうした場面にあの織田信長がいたのなら、どんな判断を下すのだろう。金委員長、トランプ大統領の両氏に対峙できるのは今や、この日本国では信長をおいてほかにないのではないか。
6月10日
朝鮮半島の非核化への道、朝鮮戦争の完全終戦宣言、拉致問題などをテーマに話し合われる12日の歴史的な米朝首脳会談を前に、北朝鮮の金正恩労働党委員長がこの日シンガポールのチャンギ国際空港に到着し、現地入りした。さっそくシンガポールのリー・シェンロン首相との会談に臨んだ。トランプ米大統領もカナダ・シャルルボワでの先進七カ国首脳会議(サミット)会場からひと足遅れでシンガポールに到着した。
いよいよ世界が注視するなか、歴史に残る首脳会談があさって始まる。
名古屋市中村区の中村生涯学習センター内の喫茶「まつぼっくり」で私たちの世界にはばたくウエブ文学同人誌「熱砂」の例会。真伏善人さんはじめ黒宮涼さん、平子純さん夫妻も皆元気な顔を見せ、それぞれの近況はじめ、どんな作品に挑んでいるのか、を熱心に語り合った。
特に真伏さんとは昨年暮れ以降の私の体調不良に伴う入院療養生活などもあって、昨年10月22日の例会いらいの再会で、とても懐かしく嬉しく感じた。また黒宮さんもご主人の転勤に伴う岡崎への引っ越しを今月6日に終えたばかりの超多忙な中での出席で、「熱砂」編集委員(兼会計)としての大役もキチッとこなしてくださっており、つくづくありがたく思った。脳梗塞を克服された平子さんも奥さまの愛情あふれる介添えで車椅子で出席された。
席上、さまざまなことを語り合ったが、真伏さんがこのところ絵画(パステル画)に夢中になられている近況を語られ、とても良いことだな―と思った次第。次の28回目のテーマエッセイのテーマは、黒宮編集委員の提案で〈泳ぐ〉と決定(締切は8月末)。例会は9月9日とすることで一致した。
琴伝流大正琴弦州会の会主(倉知進弦州会主)としても世界を舞台に活躍中の詩人牧すすむさんはコンサートのための合同演習で、山の杜さんも各務原ホームニュース記者として多忙な日々で取材と重なり、それぞれ欠席。大津の眞鍋京子さん(湖都の文学編集委員、同人誌「くうかん」主宰)は90歳を過ぎたご高齢で遠方でもあるため欠席されたが、私はこの日のうちに欠席した同人全員にメールで例会の内容につき報告させていただいた。
帰ると、半分野良の半猫シロちゃんとネコパンちゃんが庭の濡れ縁に座って、つぶらな目で私の帰りを待っていてくれたのには嬉しく思った。さっそくチーズを投げ与える。みんな生きている。生きてゆく、ということが誰しもどんなに大変なことか―をネコパンちゃんたちを目の前につくづく感じたのである。
いまをときめく金正恩北朝鮮労働党委員長も、トランプ米大統領も、街なかをトボトボ歩いているお年寄りも、元気いっぱいの小学生だって。命はみな同じ。かけがえの無いものなのだ。みんな一所懸命に生きている。戦争なんて愚の愚。愚の骨頂だ。
俳優で作家でもある、あのテレビ時代劇「木枯し紋次郎」でブレークした、私も大好きな中村敦夫さん(78)=日本ペンクラブ会員=自らが台本を書いて100回を目標に演じ続ける朗読劇「線量計が鳴る」(2016年11月の福島県喜多方市を皮切りに、全国各地で既に33回の公演を実施)のことが、けさの毎日新聞の朝刊Sストーリーに【舞台から「原発」問う―――俳優・中村敦夫78歳の挑戦】の見出しで大きく紹介されていた。
福島県双葉町で生まれ、東電福島第1原発で配管技師として働き、原発事故で全てを失う男の物語である。戦中戦後の少年期、東京から疎開して福島県平市(現いわき市)で過ごした中村敦夫さんが、この一人芝居を方言を交え、表現者として語り切る様子が、よく書き込まれていた。
「この話すんのは、本当につれえわあ。でもなあ、どうやったって現実からは逃げられねえ。双葉町で生まれ育った俺が、こんたら目に遭うのは、運命なんだっぺが」
「右向けといわれれば右向き 左といわれれば左 死ねといわれれば死ぬ おれはもうそういう 日本人にはなりたくねえんだ」
6月9日
夜おそく。午後9時47分ごろ、東海道新幹線の横浜―小田原間を走行していた東京発新大阪行きのぞみ265号12号車で突然の非常ベル。調べたところ、男が複数の乗客を刺し、30代の男性が死亡。26歳と27歳の女性2人も重傷を負ったが、いずれも意識はあり命に別状はないという。神奈川県警は犯人をまもなく殺人未遂容疑で現行犯逮捕したが、男は愛知県岡崎市、無職小島一朗(22)で「むしゃくしゃしてやった。だれでもよかった」と供述している。
いやはや、いろんな事件が起きる。
きょうから気が向いたらスケッチ(対象はなんでもあり)を描くこととし、そのトップは昨年7月12日の早朝亡くなった愛猫シロちゃん。7月7日に立つことができなくなり、それでも目を大きく見開き私を見つめているところをカメラに押さえたその一瞬の写真を見ながら描ききった。とても上手とは言えないが、書くことによりその時々の表情や魂などもなんとなく感じ取ることが出来、こんごの執筆生活にも役に立つと思ったからである。
文學界7月号に掲載された村上春樹の最新短編3作同時掲載「三つの短い話」に目を通す。私は最近、豊田穰の「長良川」や中上健次の「岬」、織田作之助の「夫婦善哉」などを読み返してみたが、やはり違う。
小説はやはり、「これでもか」という限りなき取材力と自らの得がたい体験を戦力に土俵際でうっちゃり切る形で書く天下の宝刀でなければならない、と。そう思う。カズオ・イシグロの「日の名残り」もしかり、だ。しっかりした取材の上で、この小説は成り立っている。
6月8日
ナゴヤドームでのプロ野球セ・パ交流戦。中日がリードを守りきって、ソフトバンクを5―4で破って2連勝。先発の松坂は昨季までの古巣を相手に5回1失点と好投して3勝目。中日は巨人、ヤクルトを抜いて4位に浮上した。何よりも大輔(松坂)がよく頑張った。よかった、のひと言である。
夕方から雨がふりつづいた。
私は10日のウエブ文学同人誌「熱砂」の例会を前に、同人全員にメールで連絡を取ったり、例会の資料づくりなどに追われた。合間を見て文學界6、7月号や文芸きなり№86などに目を凝らす。
安倍晋三首相が7日昼(日本時間8日未明)、トランプ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談。この席で首相は12日のシンガポールでの米朝首脳会談で日本人拉致問題を提起するよう要請、トランプ氏は提起することを確約。トランプ氏は「首相は長い時間、熱のこもった話をし、その望みに応えたい」と語り、安倍首相も「提起を約束してもらえて嬉しく思う」と歓迎したという。
カンヌ映画祭で「万引き家族」で最高賞の「パルムドール」に輝いた是枝裕和監督が「公権力とは潔く距離を保つ」と、林芳正文部科学相の祝意を辞退したという。とても、よくわかる気がする。
6月7日
『「おねがい ゆるして」 5歳女児ノートに叫び あしたはできるようにするから 転居後、目撃1回のみ 東京・目黒 遺棄致死疑い両親逮捕』『「行政の連携ミス」専門家』とは本日付朝刊の中日新聞軟派(社会面)のトップ見出しだ。
東京・目黒で船戸結愛ちゃんを虐待したとして父親が傷害罪で起訴された事件で警視庁捜査一課が6日、衰弱した結愛ちゃんを放置し死亡させたとする保護責任者遺棄致死の疑いで父親の船戸雄大容疑者(33)と母親優里容疑者(25)を逮捕したことを伝えるニュースである。結愛ちゃんは雄大容疑者の実子ではなく、優里容疑者の再婚前の子というが、それにしてもこれほどひどい虐待が現実にあったと思うと、身が縮まりもする。
結愛ちゃんは大学ノートに起床時間や体重などと一緒に覚えたての平仮名で親に何度も許しを請う文章も綴っていた。以下は、その1文である。
――(日付不明)もうパパとママにいわれなくても しっかりと じぶんから きょうよりかもっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことをしません ゆるして
親のわが子に対する虐待。こんなことが許されてよいものか。
× ×
午前中、社交ダンスのレッスンに。タンゴ、ルンバ、ワルツの順で学んだ。
ルンバを一緒に踊っていると「ごんたさん。手がコンクリート、鉄みたい。重いヒト(腕)とは、おどりたくないよ」と先生。そこで言われた通り、手と手を合わせ、できうる限り手をやわらかく受けるレッスンを繰り返すと「うん、いい。いい。そんな感じで。感じる。感じるわ」と、なかなか微妙というか。やわらかな感触で踊るとはどういうことか、を少しだけ感じ取った。
次いでワルツへと移ったが「踊るときは、とにかく大きくロボットのように」「2歩目は、必ず、とう(つま先)から」との教えに従い、何度も繰り返し踊るうち、「手のちからを抜き相手からの情報が入るようにすると、軽くおどれることがナントナクわかってきた」のである。それにしても社交ダンスとは。奥がとてつもなく深いことにあらためて感じ入った。
レッスンを終えたところで「ごんたさん。(かつてのダンス仲間)ヒデさんがまた倒れたのだってよ。運良く看護師さんに助けられたそうよ」の弁。「あぁ~、それできのう(ヒデさんから)電話が入っていたんだ」と帰宅後、携帯に電話すると「5月26日に倒れ、3日間意識不明だったが幸い運良く助かった。今は一宮市内の病院に入院している」とのことだった。このほか、ダンスのほかの男性教師がリンパ腺のガンと戦っているとか、耳に入ってくるのは、そんな話ばかりである。
というわけで、健康第一の教訓と思い、きょうは何よりもからだを大切にがんばっていくことを誓いあった。この齢になると、どうしてもそうした話題が多くなってくる。仕方ないか。
6月6日
きょうは、あの戦国武将、信長が勝幡城(現愛知県愛西市)でこの世に生を受けた、まさにその日、1534年=天文3年=5月12日(新暦の6月6日)である。初夏の札幌を彩るYOSAKOI(よさこい)ソーラン祭りが6日、札幌市中心部の大通公園で幕開けした。
訳あって、古くからの友人である三重県志摩半島の志摩市阿児町立神の出口武生さんに電話。久しぶりにお元気そうな声を耳にし、懐かしく思った。
夜おそく。疲れて寝布団に横たわっていたところへ、グラリときた。まもなく「午後10時41分ごろ、愛知県で震度2の地震がありました。震源は、美濃東部で、震源の深さは約10㌔。地震の規模はマグニチュード2・6と推定され、犬山で震度2、扶桑で1でした」といったアナウンスがNHKラジオから流れた。
東海、関東甲信。近畿地方で梅雨入り。東海地方では平年より2日早く、昨年に比べたら15日早い。
午後。居間で横笛とハモニカをふいてみたが、音調も音色もまずまず、といったところか。やはり、どちらも吹いていないと音感が遠のいてしまい吹けなくなってしまうといけない―と思ったからで、この調子ならまだまだ大丈夫である。
和歌山県警が5月に急死した資産家でデビ夫人とも付き合いがあった、酒類販売会社社長野崎幸助さん(当時77歳)の死因について急性覚醒剤中毒と発表。同県警は事件の可能性も視野に覚醒剤採取の経緯も調べているが、急性循環不全の疑いで詳しく調べた結果、急性覚醒剤中毒が死因と結論づけたという。
6月5日
世界環境デー。
『再起ストーリーみんなが応援! 球宴投票 松坂CD1位浮上 中間発表 菅野を抜いた!!』『8万7014票 8日古巣ソフトバンク「票が伸びるよう頑張ります」 12年ぶり舞台へ 17日に締め切り 日本一軍団斬り』とは、本日付中日スポーツ1面の見出しだ。
なんだか、心が震えるような。この地上に生きるもの全てに勇気を与える、いい記事だった。
ウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイ欄に岐阜県各務原市でがんばる同人、〝姫ちゃん〟こと、山の杜伊吹さんの「忘れじの日本のブルジョワ」を公開。これで同人7人のうち6人のテーマエッセイ=今回が27回目で、テーマは〈門出〉=が無事、公開されて紙面化。残るは大津市在住の満90歳の眞鍋京子さん(大津市の〈湖都の文学〉編集委員)の力作を残すだけとなった。
眞鍋さんの場合、高齢でもあり毎回、体調最優先での執筆をお願いしてきているだけに、ここは無理をしないでゆっくり出稿していただければ、と思っている。
東京地検特捜部と警視庁捜査2課は5日、神戸製鋼所の製品データ改ざん問題で不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで神戸製鋼所の東京本社などを家宅捜索。特捜部などでは、こんご押収資料の分析や関係者の事情聴取を通じて全容解明を進めるという。
それにしても、日本社会は財務省の決裁文書をはじめ改ざんに次ぐ改ざんで、改ざんが常態化しているとみられてもしかたがない。安倍首相に至ってはウソ、ウソ、ウソの方便の繰り返しが当たり前になっており、情けない限りだ。地検は一体、何をしているのか。安倍昭恵をなぜ、引っ張らないのか。道義も地に堕ちた、とはこのことである。
6月4日
寄席の日。月曜日。
中国で民主化運動が武力弾圧され、数千人もの学生らが軍に殺害された1989年の天安門事件から29年。北京では警察当局が遺族や民主派知識人らの動向を厳しく監視。天安門広場では厳戒態勢が敷かれた。
名古屋城の本丸御殿が9年に及ぶ復元工事を終え無事、完成。8日からの全面公開を前に報道陣向けの内覧会があり、3代将軍家光が宿泊するために増築されたという上洛殿などがお披露目された。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する文書改ざんで、市民団体の「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」が4日、佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴としたのは不当だとして検察審査会に審査申立書を郵送。
× ×
舞が買い物から帰ったところで昼食を兼ねて、最近この町に開店したちょっとお洒落なカフェ「抹茶文庫」へ。ここでは、かつて私たちが志摩にいたころ、何度も食べた手こねずしがあるというので出向いた。少しす味のパンチ力に欠ける気もしたが、久しぶりに口にする手こねは、やはりおいしかった。
「熱砂」の第27回テーマエッセイ=テーマは〈門出〉=の4、5本めを編集し、サーバー担当者に出稿。公開となった。4本目は私、伊神権太の「門出港(かどでみなと)は出発点」、5本目は牧すすむさんの「門出よもやま」である。ひとりでも多くの方々にぜひ読んで頂けたら、と願っている。
× ×
財務省は4日、学校法人「森友学園」の国有地売却に関する決算文書改ざん問題で理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が主導したと認定。当時の理財局職員ら計20人の処分(当時の佐川理財局長が停職3カ月相当、中村稔理財局総務課長が同1カ月など)を発表。安倍首相夫人の昭恵さんらの名前を削除した理由については国会での追及を逃れるためだった―と総括、麻生太郎財務相自らも閣僚給与1年分(170万円)を自主返納し「深くおわび申し上げる」と謝罪したが「進退は考えていない」と続投する考えを示した。
6月3日
日曜日。
午後、私たちの農園〈エデンの東〉へ。
私も相棒も一心不乱に農地に生い茂った雑草の除去に励んだ。気がつくと、午後6時を過ぎていたが、これまで草茫々だった農地もあらかた見通しがたってきた―というのが実感である。「とても【夏草や兵どもが夢のあと 芭蕉】なんていう心境じゃないよ」とは舞の正直な本音である。
代わりに舞が詠んだ名作を1句。
草を抜くだけの吾(あ)蟻は大地震
=伊神舞子〈きょうの俳句〉minuetto-miから
実際に、きょうも草を抜くたびに蟻さんやミミズくんたち、だんご虫などちいさき命たちが大慌てで土の中や大地を逃げ回っていたのである。皆ちいさき命で一生懸命に生きている。
それでも、まだまだ一部残ってはいるが、広い一角の雑草の大半を除去することが出来、私たちの心が少しずつ、ホッとしつつあるのも事実だ。ニンゲンとは。人の領分までも侵してなんて勝手ないきものなのだろう。と、ふと思いもする。オヤジが私たちに残してくれた貴重な遺産だと思えば仕方ないか、と自身に言い聞かせもする。
札幌ドームでの中日×日本ハム戦は、ドラゴンズが5―2で勝った。先発山井が6回を投げ、被安打3の無失点で2勝目、田島は12セーブ目をあげた。「こんばんは。札幌ドームで山井大介投手で勝ちました。福田の2点タイムリーとビシエドのツーランが効きました。これから豊水すすきの世界の山ちゃんで祝勝会です。」とは北海道のドラキチファン會川さんからのメール。よほど嬉しかったとみえる。
正直、きょうは會川さんからの知らせでドラの勝利を知った。ファンは私も含めて誰もがドラゴンズの勝ちを信じているのである。
× ×
長崎の雲仙・普賢岳で43人が亡くなった大火砕流から27年のこの日、被災した麓の島原市では発生時刻の午後4時8分、サイレンの音を合図に遺族や市民らが黙とうして犠牲者を悼んだ。
東日本大震災からの復興を願って青森ねぶた祭など東北6県の祭りが集結しての「東北絆まつり」が、盛岡市で最終日を迎えた。岐阜、長野県境の御嶽山(3067㍍)登山口・飛騨小坂口では夏山シーズン到来を告げる山開き式。東京ドームでは、9月に引退する歌手安室奈美恵さん(40)の最後のライブツアー最終日。
カナダの西部ウィスラーであった先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議が2日(日本時間3日未明)閉幕。米国以外の6カ国の総意として米鉄鋼輸入制限でG7の団結や協調が「危険にさらされている」と非難、「懸念と失望をトランプ大統領に伝えるよう」米国に要請。日本人宇宙飛行士の金井宣茂さん(41)が国際宇宙ステーションでの5カ月半の滞在を終え、ロシアのソユーズ宇宙船で約3時間半飛行し3日午後9時39分、無事、中央アジア・カザフスタンの草原地帯に着陸。地球に帰還した。
6月2日
江南市の文化祭会場に展示された舞の俳句など。ことしは私の母手づくりの刺し子をつかった自作が展示され、大勢の市民が鑑賞に訪れていた=江南市民文化会館で
土曜日。
午前中、江南市の第46回市民文化祭が始まった市民文化会館へ(3日まで)。
最初に俳句の展示会場を訪れ、舞の属する江南俳句同好会のメンバーはじめ各俳句や俳画結社の方々の力作の数々を見て歩いた。せっかくなので江南市郷土史研究会による展示の数々も見学させていただいたが、〈小折のお釜地蔵〉や〈宮田の夜泣き地蔵〉〈石枕の稲荷祠跡〉、小学生のころ先生から教えられ怖かった思い出のある〈やろか水〉の話など市内に残る民話の数々が分かりやすく資料展示されており、大変参考になった。
帰宅して。午後はなぜか疲れてしまい、ぐっすり寝込んでしまう。夕方から熱砂のテーマエッセイ=テーマは〈門出〉=の執筆を始める。
本能寺の変で命を絶った戦国武将、織田信長。彼(か)の人をしのぶ「織田信長公顕彰祭」が命日に当たるこの日、清須市清洲の清洲古城公園で行われ、地元住民らが郷土の英雄に思いをはせた。「信長公の先見性や独創性、行動力は現代社会にも通じるものがある」と永田純夫市長。〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉の書き下ろし作が所蔵された短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)の作者でもある私に言わせれば、信長は現代に通じるラブ・ストーリー、純愛の先駆でもあるのである。
夕食後、NHK総合テレビで妻と見た番組【ブラタモリ 下田へ 開国の秘密を知る港町 ▽ペリーが愛した理由▽絶景シマシマ岩の島 タモリ最古の灯台潜入】は大変、参考になった。下田がなぜ、開国港として選ばれたのか―が分かりやすく解説されていた。
トランプ米大統領が1日、先に金正恩朝鮮労働党委員長に中止を通告した米朝首脳会談を予定通り12日にシンガポールで開催する、と表明。正恩氏側近の金英哲党副委員長(党統一戦線部長)とホワイトハウスで会談後、記者団に述べたもので、こんごは米朝関係の改善を踏まえて【最大限の圧力】という言葉を使わず、追加制裁も控える考えを示したという。
夜遅く。東京の気鋭作家、橘かがりさんから留守電が入っていたのに気付き折り返し、あれやこれやと話し合う。彼女の口から出た話しは、それほどたいした話ではないようにも感じるが、実はもしそれが事実だとしたなら看過できない話でもあった。彼女が胸を痛めていることが、とてもよく分かりもしたのである。私に言えることは【去る者は追わず】。でも、みな真剣なのだろう。かがりさんには、ますますの健筆を祈る。ただそれだけだ。
もう遅いので、ここはアレコレ考えることはやめ、寝ることにしよう。
6月1日
国宝犬山城を背景にホー、ホーッと、か細い声が夜風とともに川面をわたっていく。
―愛知県犬山市と岐阜県各務原市の境を流れる木曽川で伝統の木曽川うかいが幕開け。女性の鵜匠も加わり三隻の鵜舟に分乗した鵜匠は一人あたり8~10羽の鵜を操って妙技を見せ、遊覧船に乗った見学客約260人が1300年前から続く伝統漁法に感嘆の声をあげた。
私の母が満98歳を迎えたこの日、彼女が生まれた尾張地方は晴天のすがすがしい日に恵まれた。
3男が入社して10年。出勤前に「お父さん。きょうは、社でお祝いの食事会がある」とポツリひと言。「いい会社で働かせて頂き、ホントによかった。これからも体を大切に〈世のため、人のため、社のため〉に。そして何よりも、自分自身の幸せのためにも。これまでどおり努力を怠らず、お兄ちゃんたちにも負けないように頑張るのだよ」と心に祈ったのである。
黙ってみているが、彼は本当にいつも物静かにコツコツと努力しており、私の尊敬するオヤジ(息子にとっては祖父)そっくりである。これからも今の調子で人生街道を歩み続けてほしい。
私と舞で歩いてきた地下鉄「自由が丘」駅から愛知県がんセンターに続く傾斜度の高い道沿いに植わったこぶしの木々、いまは緑でいっぱいだ
もうひとつ。きょうは私の肺の手術(ことし1月9日)の術後4度目の検診で午前中、名鉄バスと名鉄電車、金山からは名古屋市営地下鉄を乗り継いでひとりで「自由が丘」へ。「自由が丘」の駅からは、私と舞がこれまでふたりで〈心臓破りの丘〉と称していろんな思いを抱いて歩いてきた道を、ただひとり、愛知県がんセンターへと出向いた。
幸い結果は血液検査もレントゲン撮影もよくて「いがみさん。がんセンターの方はもうこれで終わりです。こなくても大丈夫ですから。三分の一切除した肺(右)もだいぶ元に戻ってきています。あとは、江南厚生病院内科呼吸外科の定期検診で担当の日比野(佳孝)先生に診ていただいていれば心配ありません」と執刀医の水野鉄也医師。なんだか、久しぶりに卒業証書でも頂いたような、爽やかな気持ちで、さっそくこの旨を舞たち家族にショートメールしたのである。
彼女は彼女で、きょうは「ミヌエット」を臨時休業してあすから江南市民文化会館で始まる文化祭に出品する自作の俳句の展示作業があった。このため、きょうは少し不安ではあったが、野に放たれる気持ちでがんセンターまで、ただひとりで出向いたのである。
政府は平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で66年ぶりに五輪2連覇を達成した羽生結弦選手(23)=ANA=に国民栄誉賞を贈ることを決定(授与式は7月2日。首相官邸で)。プロ野球のソフトバンクが1日、王貞治球団会長(78)が5月30日に一般女性(60)と結婚した、と発表。
5月31日
大阪地検特捜部は31日、学校法人「森友学園」への国有地文書改ざんに関する決裁文書改ざんで虚偽公文書作成容疑などで告発された当時の財務省理財局長、佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴に、売却価格が8億円余も値引きされた取引を巡る背任容疑についても、交渉時の理財局長、迫田英典元国税庁長官はじめ関わった財務省本省や近畿財務局、国土交通省大阪航空局職員ら計38人を不起訴とし捜査を集結した、という。
なんたることか。開いた口が塞がらない、とはこのことか。
日本サッカー協会がこの日、6月14日に開幕するワールドカップ(W杯)ロシア大会に臨む日本代表23人を発表した。
社交ダンスのレッスンからの帰り道。
かなり強い雨がマイカーに降り注いだ。タンゴ、ルンバ、ワルツ…と自分なりに頑張りはしたが、やはり胸は動悸で弾む。手術で右肺の三分の一を切除されているのだから。しばらくはやむをえない、だろう。
そう思いながら途中、無理だけはしないで、と自身に言い聞かせ、何度も休み休みレッスンを続けた。ルンバで体重を乗せる〈ウエイト〉は、骨盤に力を入れるというか、しめあげると格好も一段とよくなることを何度も繰り返すうち実感した。
雨の道。途中寄ったコンビニでいつもの女子店員から「あのぉ、ご本のこと〈江南しえな〉に載っていました。インターネットで検索されると出てきますよ」と教えられた。デ、帰宅しパソコンで〈江南しえな〉を開くと、大相撲の江南出身力士のことやNHKの朝ドラ「半分、青い。」の木曽川河畔のロケ地など江南に関する情報紹介のなかで確かに大きな扱いで載っていた。
それにしても、このブログ。一体全体、誰が作っているのだろう。そう思うと、これからはチョクチョク覗いてみよう―という気になった。ブログを見て私の文庫本短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」の存在がひとりでも多くの人々に知られ読んで頂けたらいいな、とすなおに思ったのである。
中日夕刊によれば、きょう第71回中日文化賞の贈呈式が名古屋・栄の中日パレスであった。学術や芸能の分野で優れた業績をあげた元ソニー上席常務・西美緒(にしよしお)氏=横浜市旭区。「リチウムイオン二次電池の開発と実用化=ら4人に白井文吾中日新聞社会長から賞状と正賞の腕時計、副賞の200万円が贈られた。
北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長(党統一戦線部長)が30日午後(日本時間31日午前)、北京初の航空機でニューヨーク入り。ポンペオ米国務長官もこの日午後、ニューヨーク市内入り。両氏は同日夜、市内で夕食を共にしながら米朝首脳会談に向けた詰めの協議に入った。翌31日にも協議を続けるという。
建機大手コマツの元社長で昨年12月に生前葬を開いた安崎暁(あんざき・さとる)さんが26日、胆のうがんのため死去。81歳だった。葬儀・告別式は親族だけで行った。安崎さんは昨年11月に新聞広告でがんであることを公表し、延命治療は受けないと明らかにし12月には都内のホテルで生前葬に当たる「感謝の会」を開き、自分らしい人生の最期を探る「終活」のあり方として大きな反響を呼んだ。
5月30日
沖縄、九州南部に続き2日前には九州北部と四国でも昨年より23日早く梅雨入りとなった。このまま各地でも、梅雨入りの到来を思わせる雲行きである。
日本相撲協会はこの日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月8日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・栃ノ心(30)=本名はレバニ・ゴルガゼ。ジョージア(グルジア)出身。春日野部屋=の大関昇進を決めた。墨田区の春日野部屋で伝達式に臨んだ栃ノ心は親方夫妻とそろって頭を下げ、「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」と口上を述べた。
あっぱれなものである。
毎日新聞が本日付夕刊の特集ワイド【熱血! 与良政談 与良正男 うそで日本が溶けていく(専門編集委員)】で加計学園の獣医学部新設に関し3年前に安倍晋三首相が学園理事長と面会していたとする愛媛県の文書について、学園が「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出した」と記したファクス1枚を各メディアに対して出したり、森友学園問題で財務省が公文書改ざんにまで手を染めていた事実―などの問題に触れている。
与良専門編集委員は『いずれも首相のためであり、権力者に逆らうと自分の将来の人事が危うくなると考えたからだろう。』とまでいい切ったうえで『こうして「うそをついてはいけない」という社会の規範が崩れていく。うそを見逃せば、この国は溶けていってしまう。私は日ごと不安を感じている。首相がまず責任を感じるべきはそこだ。』と断じているが、その通りだと思う。全くもって日本の政治は恥ずかしい限りである。
こんなありさまでは日本中にウソがはびこることになっても、決して不思議でない。
「熱砂」同人の真伏善人さんから昨日送られてきたテーマエッセイ=テーマは〈門出〉=「かどであれこれ」を公開。人生の節目節目の生き方が、その時々の〈門出〉として描かれているだけに、味わい深い文章である。読者のみなさまには、ぜひ読んでほしく思う。
5月29日
火曜日。
きょうは私が大好きだった歌姫、美空ひばりさん(故人)の誕生日だ、とのこと。元気でおいでだったら満81歳だという。心から、永遠の冥福をお祈りしたい。おやすらかに。
関東学生連盟がこの日、日大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で臨時理事会を開き、内田正人前監督と井上奨前コーチを永久追放に相当する「除名」処分に。また、守備を統括する立場にあった森琢ヘッドコーチを「資格剥奪」、危険なタックルをした選手とチームは条件付きで2018年度シーズン終了まで出場資格停止とする処分をそれぞれ決めた。
岡山県警は2004年9月に当時、市立北小3年女児が殺害された事件で別件の殺人容疑で服役中の勝田州彦容疑者(39)の逮捕状を取った。同県警は勝田容疑者が「関与を認める供述をしているためだ」としている。
文學界6月号で550枚一挙掲載、平野啓一郎の「ある男」を読み始める。
5月28日
私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の第27回テーマエッセイ=テーマは〈門出〉=の締め切り(今月末)を前に、まだ出稿していない同人各位にメールで連絡させていただく。来月の17日に名古屋市内で開かれる中部ペンクラブの第33回総会資料を確認チェックし、担当者に連絡する。
米大リーグ。エンゼルスの大谷が27日のヤンキース戦に4番指名打者で出場し、相手先発のマーくん、すなわち田中と米国では初の対戦となった。結果は3度、バッターボックスに立った大谷がマーくんに2打数無安打、2三振、1四球に抑えられた。
戦国武将を題材にした歴史小説などで知られる和歌山出身作家、津本陽さんが26日、誤嚥性肺炎のため都内の病院で亡くなった。89歳だった。1989年に織田信長の実像に迫る「下天は夢か」を刊行。尾張弁で話す信長を登場させたことで知られる。存在感のある作家が、またひとり逝った。合掌―
5月27日
日曜日。
大相撲夏場所千秋楽が東京・両国国技館で行われ、13勝2敗で場所を終えた東関脇栃ノ心=ジョージア出身。春日野部屋=の大関昇進が確実に。東横綱鶴竜=モンゴル出身。井筒部屋=が白鵬との横綱対決を制して14勝1敗で自身初の2場所連続制覇で5度目の優勝をした。
日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が「誰と対戦しても熱戦になる」と評価する男前の人気力士、三重県伊賀市出身の千代の国憲輝(27歳。九重部屋)が12勝3敗で初の三賞(敢闘賞)に輝いた。
千代の国は21歳で新入幕を果たしながら、けがで三段目まで陥落。そこからはい上がってきた努力のお相撲さんである。それだけに、私は今場所はケガで途中休場し3勝10敗と奮わなかった遠藤(西小結)とともにこの先を大いに期待しており、大好きなお相撲さんだ。
地元伊賀市は、どんなにか沸いていることか。
午後。相棒に目で強く「行くんだよ」と促され、半分いやいやをしながら私たちの楽園? である農場=チトおおげさか。でも、私たちにとっては、ため息が出るほどに広い=〈エデンの東〉へ。刈り取っても、刈り取っても除去しきれない雑草かりに挑んだ。途中休みながら挑んだが、帰宅したときは、もはや2人そろって全身がガクガク。からだじゅうが痛かった。
それにしても舞は大病したというのに。たいしたものだ。アレヨアレヨ、という間に草を引いていく姿は神々しくさえ映った。どこからあんな力が泉の如く出てくるのか。家庭栄誉賞でも贈りたい心境である。
〈エデンの東〉で収穫された梅
ただ、その褒美と言えるかどうか。思いがけず、大きな梅の木から、いっぱいの梅を収穫でき「梅酒にしてみる」と彼女。ともあれ、きょうはふたりとも疲れ切った1日となったのである。
5月26日
土曜日。
「う~ん、いい記事だな」と思わず口をついて出たのは、本日付の毎日新聞夕刊「●eye 見つめ続ける 大震災」だ。『孫娘「百姓やる」 ばあちゃん「たまげた」』『福島・南相馬 一緒に田植え、にぎわい再び』の見出しが紙面を飾っていた。
これとは別の話だが。毎日夕刊1面に写真入りで「夕張メロン 2玉320万円 初競り」の見出し。
北朝鮮では豊渓里(ブンゲリ)の核実験場坑道が24日に爆破され日本をのぞく米英韓国など世界のマスコミに公開される一方で、トランプ米大統領がいったん中止を表明した米朝会談を北朝鮮の対応次第では開催すべく再調整が進んでいるという。
サンダース米大統領報道官は「大統領は軽薄な政治宣伝でなく、継続的な真の解決を望んでいる」「会談実現には非核化に向けた北朝鮮側の譲歩が条件になる。会談が6月12日に開かれても7月12日に開かれても、我々は準備ができている」と述べてもいる。
こんな中、韓国大統領付は26日、文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がこの日午後、南北軍事境界線上にある板門店(パンムンジョム)の北朝鮮側施設「統一閣」で会談をした、と発表。国際社会の潮流は大きく動きつつあり、大変よいことだ。
友から昨夜、『今日の産経新聞に「沖仲仕の哲学者エリック・ホッファー」という人のことが載っていました。「感受性の欠如は、おそらく基本的には自己意識の欠如であろう」などなど。深いです』のメール。
さっそくホッファーさんを調べてみると、1902年にドイツ系移民としてニューヨークに生まれた彼は7歳で母と死別。その後、正規の学校教育を受けないまま突然視力を失うなどの不幸に遭ったが15歳で視力が奇跡的に回復。18歳のとき、家具職人の父も亡くなり天涯孤独の身となったが、ロサンゼルスの貧民窟で日雇いの労働者として生きてゆく。日雇い労働が終わると図書館にこもり、読書に勤しむ日々が続いたという。
気がついたら、カリフォルニア大学バークレー校の政治学教授となっていたが、沖仲仕の仕事は65歳まで続け、1983年には当時のロナルド・レーガン米大統領から自由勲章が贈られこの年に80歳で波乱に富んだ生涯を閉じたという。要は、「居場所」を見つけ、自分に正直に生き続けることの大切さ、をホッファーさんは私たちに教えてくれたのである。
秋田犬保存会が26日、モスクワ市内のホテルで韓国・平昌冬季五輪フィギュアスケート女子で金メダルに輝いたアリーナ・ザギトワ選手(16)に秋田犬の「マサル」を贈呈。元首相の中曽根康弘さんがあすで満100歳に。持論の憲法改正については「真に国民参加となる憲法の実現を目指してほしい」と訴えている。
5月25日
夜。9時13分ごろ、長野県栄村で震度5強の地震が発生。震源は県北部の深さ6㌔地点。地震の規模はM(マグニチュード)5・2で、津波はなかった。
天皇陛下はこの日、皇居内の水田で毎年恒例の田植えをされた。この田植えは昭和天皇が始められて陛下が引き継がれたが、来年4月末に退位される陛下にとっては、これが最後。来年からは新天皇の皇太子さまが行われるという。
16日に63歳で亡くなった歌手西城秀樹さんの通夜が25日、東京港区の青山葬儀所で営まれた。西城さんとともに「新御三家」と呼ばれた郷ひろみさんや野口五郎さんらが参列。約4000人がかつてのスターをしのんだ。
トランプ米大統領が25日、ホワイトハウスで記者団に中止を通告した米朝首脳会談について「私たちは今、彼ら(北朝鮮側)と話している。(当初予定通りの)6月12日もまだあり得る」とし「彼らは会談をとても望んでいるし私たちも行いたい。何が起きるか見ていよう」と述べた。
詐欺などの罪に問われ、10カ月近く勾留されていた学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典被告(65)と諄子被告(61)がこの日、大阪市都島区の大阪拘置所から保釈された。日大アメフト部の悪質タックル問題で日大の大塚吉兵衛学長が都内で記者会見し「本学に責任がある」と大学として初めて謝罪。
きょうは執筆などすべきことをしたあとで、眠いからだを引きづって金山のペインクリニックへ。あちこちが痛んだときにそなえての処方薬をいただいて帰ったが、名鉄電車に乗っていても全身は寝たまま。きのうの疲れがドッと心身を襲うなか、体力を酷使する厳しい日となった。
けさは、この地方を代表するコミュニティー紙で毎週金曜日に中日新聞本紙に挟まれてくる尾北ホームニュース3面に「世界共通の平和とは 江南・伊神権太さん本を出版」の見出しで、写真入りで拙著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)のことが紹介されていた。そのせいか、朝早くから、わが家に電話がかかるなどした。
中には「駅の旭書房さんまで買いに行くので、本にサインだけでもしておいて頂けましたら嬉しいです」の電話まで入ったので、名古屋からの帰りには旭書房さまにも寄って本にサインをさせていただいた。
おかげさまで、アレヤコレヤで疲れはたまったままだ。解消すべくもない。前夜、私に付き合わされて徹夜に近かった舞も、いまごろお店では半寝状態に違いなく、ふたりそろって疲れ一色の1日は、こうして流れていったのである。
5月24日
きょうは東京へ。
目黒区下目黒にある在ネパール大使館に出向きプレム・プラサド・バラル三等書記官らスタッフにお会いしたのちは、千代田区紀尾井町の文藝春秋ビル新館5館の日本文藝家協会会議室であった文学サロン「核戦争防止国際医師会議と原爆関連小説」(講師は広島出身の医師でSF作家、SF俳人、歌人でもある天瀬裕康さん。本名は渡辺晋)に参加するなど、ことし1月はじめの肺の手術以降では最もハードな1日となった。
「ノー・モア・ウオー、なら分かります。でも、ノー・モア・広島は、分かりません。〈ノー・モア・広島ズ〉なら、分かります」と話す天瀬裕康さん=東京の日本文藝家協会会議室で
この2件以外にも、合間を縫ってこれまでお世話になってきている世界日報の前文化面担当編集委員片上晴彦さん(現在は同社メディアセンター)にお会いしたほか、文学サロンのはねたあとには、ことしに入り「判事の家 増補版――松川事件その後70年」(コールサック小説文庫)を出版したばかりの作家橘かがりさんはじめ、歌人の北久保まりこさん、詩人の野武由佳璃さん、森川雅美さんら有志でちょいといっぱいということに。
いずれも酒の達人ばかりだけに、1杯が2杯に、2杯が3杯に……となり、それでもきょうは早く帰らなければ―と源さん(山本源一さん、編集者)に田舎っぺのわが輩、権太を東京駅まで送っていただき、無事、新幹線に乗ったまでは良かったが。大阪行きの新幹線「のぞみ号」が米原―京都間で起きた思いがけない線路の不具合にたたられ、豊橋まで来たところで途中なんどもストップしてしまう予想だにしていなかった事態に遭遇してしまった。
というわけで、新幹線が名古屋に着いたときには、既に時おそしだ。
名鉄犬山線の最終列車は、とっくの昔に出てしまったあとで結局はJRの岐阜行き臨時列車に乗せられ(なんだか戦時下の避難列車のようだった)、一宮で下車。ここからタクシーで自宅に帰った時は、午前2時半を過ぎていたのである。つかれた。
やれやれ、である。一番申し訳なかったのは舞に対してで、帰ったときは私よりも舞の方が精魂尽き果てていた。自宅ソファに倒れ込みあらためてメールを開く。そこにはめったにメールを寄こさない舞からのメールがなだれを打つように、私のメールにまるで輸血でもする如く入っていたのである。
「多くの車両が停車 仕方ないですね、頭と体を休めてください(22:48)」
「頭を冷やしてください」(23:18)
「運転再開だって よかったね」(23:34)
「勇気 とどまる事も大事だと思いますがよくかんがえてください」(23:41)
「だから慌ててかえるばかりが能じゃない」(23:48)
「落ち着いて 落ち着いてください」(0:07)
……
舞よ、舞。ありがとう。心配させてしまい、わるかった。
5月23日
きょうは相棒のMRI検査に同行して昨日につづいて江南厚生病院へ。ところが、病院に着き受診手続きをする段になって窓口で検査日を1カ月ほど早く、勘違いしてしまっていた誤ちに気付き、ふたりそろってうなだれて帰宅した。
でも、怪我の功名とでもいえようか。
これまで息子が整理こそしたものの、処分に困っていた積もりに積もった部屋のおびただしい本。これらを新聞店の回収日で外出時に朝、玄関先に出すことが出来たばかりか、さらにそれ以上に一番処分に困っていた、これまた息子の大量に及ぶ着古し衣類をタイミングよく〈緑のハウス〉なる備え付けのコンテナに運んで、処分することが出来た。
要するにたまりにたまっていた大量のお荷物を一挙に片付けることが出来、ホッとしたのも事実だ。恥ずかしいことに私たち家族は何年も、この街に住んでいながら〈このまちの緑のリサイクルハウス〉が市内の各所に点在していること、すなわち「24時間365日いつでも持ち込みOK ダンボール新聞雑誌古着」と明示された【エコファミリー】の存在を知らなかったのである。
今回、息子が本でいっぱいになってしまった部屋の整理を始めたのがきっかけとなり「さて、どこへ持っていってよいものか?」と皆で首を捻ったところで、どこから聞き出してきたのか。舞が初めて〈緑のハウス〉なるものの存在に気づき、ならば病院に行く途中に処理してしまおう、ということになった。だから検査日の勘違いがあればこそ、不用になった本と衣類の始末が同時にできたと言えなくもない。
人生、何が幸いするか知れたものでない―とつくづく思った。
雨の1日となったが、いったん帰宅した舞は、こんどは気持ちの入れ替えでもするように近くの美容院へ、と出かけた。私はわたしでいつまでも手術後の自身に甘えていてはいけない、と自らを叱咤激励。あすは上京してネパール大使館に寄り、私の書き下ろし作〈カトマンズの恋〉が収録された短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を贈呈後、脱原発社会をめざす文学者の会主催による日本文藝家協会会議室(文藝春秋ビル内)での文学サロン「核戦争防止国際医師会議と原爆関連小説」(講師、ゲストスピーカーは天瀬裕康さん)に出席することを決めたのである。
財務省は23日、これまで残っていないと説明してきたはずの同省と学校法人「森友学園」を巡る国有地売却問題にからむ交渉記録を国会に提出し、同時に問題発覚後の昨年2月下旬以降、理財局職員の指示で廃棄していたことを明らかに。記録には安倍晋三首相の妻、昭恵さんの関与をうかがわせる記載もあったが、昨年2月に安倍首相が「妻が関与していたら首相を辞める」と国会答弁したあの答弁は一体、何だったのか。
決裁文書の改ざんと記録の廃棄で昭恵さん側の関与を隠そうとしたことになる。それにしても、大阪地検は何をやっているのか。国民の疑いがはれない以上、当然、昭恵夫人らに任意同行を求め、この間の経緯につき話だけでも事情聴取すべきではないのか。これでは司法の独立は疑わしくなってくる。また加計問題も含めて、これだけの騒ぎになって国民の疑いが晴れない以上、国会も国会で当然、加計孝太郎氏らに対する証人喚問をすべきではないのか。これでは三権分立が保たれない。
アメリカンフットボールの日大選手の関学大選手に対する悪質タックル問題で日大の内田正人前監督(62)と井上奨コーチ(30)が23日夜、都内で緊急記者会見。選手が危険なタックルをした点について内田前監督は「指示していない」と述べ、井上コーチも「相手のクオーターバックをつぶせ」と指示したことは認めたが「けがをさせることを目的とした指示ではなかった」と主張した。
このところの日本は森友、加計問題にせよ、危険なタックル問題にせよ、言ったことの何が真実か―が分からない。日本全体でうそがまかり通り、病んでいる。こんな日本にしたのは一体だれなのだ!
本日付毎日新聞夕刊によれば、『中日新聞社(名古屋市)は23日、取材で知り合った男に愛知県警の報道発表資料を提供した30代の男性記者を停職1カ月の懲戒処分とし、平田浩二編集局長と寺本政司・同局次長をけん責とする処分を明らかにした。同日付の朝刊で公表した。いずれも6月1日付。
同社によると、記者は社会部に所属し、愛知県警を担当。事件の概要や容疑者の名前、住所などが記された県警の資料を撮影し、その画像を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で暴力団と関係があったとされる男に複数回にわたり送信していた。(原文通り)』という。
先輩として言わせてもらえば、恥ずかしい話だ。取材を進めるに当たって、いろいろ言い分もあろう。誘惑も付き纏う。一体何があったのか。
名古屋市守山区の国立病院機構「東尾張病院」から放火容疑で逮捕後、鑑定留置中の無職小倉康裕容疑者(57)が22日夜、2階病室窓の留め具をこじ開けて逃走した事件で愛知県警は23日夜、小倉容疑者を名古屋市緑区鳴海町の家電量販店で逮捕。
5月22日
(アメリカンフットボールの)実戦練習をはずされ、監督から試合に出場できる条件を聞いたという井上コーチを通じ「相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば出してやる」と聞いた。「相手のQBがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」などと念を押され、本当にけがをさせないといけないのだと追い詰められて悩んだ。
関西学院大との定期戦当日の6日、監督に「QBをつぶしに行くので使ってください」と直訴すると「やらなきゃ意味ないよ」と言われた。さらに井上コーチから「できませんでしたじゃ、すまされないぞ」と追い打ちをかけられた。
………
18日に父とともに負傷させた選手とそのご両親を訪問し、謝罪した。監督らから指示されていたとしても「やらない」と判断ができず、反則行為をしたことが問題の原因。けがを負わせたことについて思い悩み、反省してきた。事実を明らかにすることが償いの第一歩だと決意した。
――以上はアメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為、具体的には後ろからの一方的なタックルで関西学院大の選手を負傷させた日本大3年、宮川泰介選手(20)の東京都内、日本記者クラブでの記者会見でのひとコマだ。焦点となっていた危険で悪質極まるタックルは、やはり内田正人前監督(19日付で辞任)と井上奨コーチによる指示に従うものだった。
心身とも健全であるべきスポーツの世界でこんなことが許されてよいのだろうか。テレビに映し出された将来ある宮川選手の姿を見ながら、そう思ったのはおそらく私だけではないだろう。柔道で言うなら、無防備の相手選手のえり首を、いきなり送りえり締めか、裸絞めで落とし(気絶させ)、あとで息を蘇生させる〝活〟ひとつ入れないまま、そのまま放置し場合によっては【死】に至らせる行為に等しい。
勝ちにこだわるあまりの内田監督と井上コーチの暴言が天下に恥をさらしたと言っていい。信じられないことだ。その一方でまだ若い、会見での勇気ある涙を押し殺しながらの正直な発言には心底胸打たれ、救いを感じた人々も多かったに違いない。よくぞ、正直に発言してくれたと思う。
一方の政界はといえば、だ。この日開かれた衆院本会議で安倍晋三首相は学校法人「加計学園」の問題を巡り「加計孝太郎理事長とは何度も会ってはいるが、獣医学部の新設について話したことはない」とあくまで主張。2015年2月25日に首相が加計氏と面会した、と愛媛県側から暴露された新文書の内容についても否定した。首相は「加計学園の計画は17年1月に把握した」との主張をあくまで通すことで加計問題への世論の批判を抑え、働き方改革関連法案などの今国会成立を図りたい考えのようだが、国会は終盤に向けて与野党対立が激化してきている。
野党は加計氏らの証人喚問を要求しているが、ここまでくると政権与党内部が瓦解するかどうか、だと思う。
きょうは私の術後診断で江南厚生病院へ。レントゲン検査は異常なしだったが、血液検査の方は貧血気味、と出た。このところ少し無理をし過ぎたからだと思うが、あとは気の持ちようで「たいしたことはない」と自身に言い聞かせる。午後、時間を見計らって名鉄江南駅近くの本屋「旭書房」さんへ。中日新聞の記事〈みんなの本〉を張り出し、目立つ扱いで私の本「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を店頭に置いておいてくださっていることに地元のお菓子〈武功夜話〉を持参し、あらためてお礼を述べさせて頂いた。
夜。以前から約束していた滝高時代の同級生イタちゃん(板津武志氏)そして都々逸節仲間のひとりで今は亡き柳家小三亀松師匠門下の柳家三亀治さんと一献。楽しく大変ためになるひとときを過ごした。ふたりには私の本に触れ「本を読み、信長の愛した〝お類〟、すなわち〝吉乃〟の存在を少しでも世の中に広めていただけたら、とても嬉しいです」とお願いさせて頂いた。
正直言って、本1冊が売れるということは大変なことなのだ。世間の風が冷たければ冷たいほどに私の心は燃える。そんな感傷にもあらためて気付く日でもあった。雑談のなかでいわゆる流行りの有名作家の名前なども出たが、お酒が進んだこともあってか。私は、そんな輩を相手にもしなければ、決して負けはしない。第一、私にとっての相手でもなければ敵でもない。そう話しながら「敵は本能寺に」。自分自身のなかにある、ことを改めて痛感しもした。
5月21日
きょうは、万物が次第に成長し、天地に満ち始める【小満】だそうだ。麦の穂が実る〈麦秋〉も間近い。
宮内庁が天皇、皇后両陛下の即位後初となる肖像画が完成した、と発表。テレビのニュースで拝見したが、おふたりそろって温かなお人柄とやさしさがにじみ出る見事な快作といっていい。作画を担当したのは、広島市立大名誉教授で画家の野田弘志さん。肖像画は2㍍四方のほぼ等身大で2014年に撮影した写真をもとに描かれ、ことし3月、宮内庁に届けられた。明治以降の歴代天皇、皇后の肖像画は計31点あるが両陛下のものは皇太子ご夫妻当時の1974年に描かれた一組があるだけだった。 それだけに、喜ばしいことだ。
名古屋市出身の俳優舘ひろしさん(68)が初の「名古屋城アンバサダー」に就く。名古屋市が21日、明らかにしたもので本丸御殿が復元公開される6月8日に就任セレモニーがあるという。まさに打ってつけ、適役である。
愛媛県の中村時広知事が21日、学校学園「加計学園」の獣医学部新設を巡り、交渉経緯に関する新たな文書を国会に提出した、と明らかにした。2015年2月25日に加計孝太郎学園理事長が安倍晋三首相と面会した際、加計氏が「国際水準の獣医学教育をめざす」と説明し首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしていたことが記されていた、というもので首相自身「学園の獣医学部構想を知ったのは17年1月20日だ」と国会で明言してきたことと明らかに食い違う。
さあ、どうするのか。ウソつき安倍さん。そして加計さん。化けの皮が剥がれたとはこういうことではないのか。それとも「(学園の獣医学部構想を)正式に知ったのは17年1月20日だった」とでも、おっしゃられるのか。それとも、これまでの発言を貫きとおすのか。嘘も方便と言いますからね。それより、加計学園で学んでいる将来の獣医師たちの卵たちの気持ちを思うと、胸が傷みます。学生たちには雑音に惑わされないで。「夢に向かってがんばって」というほか、ありません。
世界最高峰のエベレスト(8848㍍)の登頂を目指していた登山家の栗城史多さん(35)=北海道今金町出身=の事務所が21日、栗城さんがエベレストのベースキャンプを出発し下山途中に遺体で発見されたと明らかにした。あぁ、人生は無情である。
この世のなか、本当にいろいろある。起きる。
5月20日
第71回カンヌ国際映画祭で19日夜(日本時間20日未明)、コンペティション部門に出品していた是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が映画界の最高賞「パルムドール」に選ばれた。日本映画が「パルムドール」を受賞したのは、1997年の今村昌平監督の「うなぎ」いらい21年ぶり、これが5作目になる。
「万引き家族」は、東京下町が舞台。祖母の年金を頼りに、父と息子が万引きで日用品を補うなど貧しい一家にありがちな日常生活が描かれ、同時に家族とは何か、社会のありようとは、を問いかけている。樹木希林さん、安藤サクラさん、リリー・フランキーさんらが出演。
中日ドラゴンズの松坂投手がナゴヤドームでの阪神戦で6回3安打1失点の好投で2勝目。4回裏には無死で自らも左前打を放った。試合は6―1で勝ち、中日は4位に浮上、うれしい限りである。体操の世界選手権代表選考会を兼ねたNHK杯で五輪2連覇の29歳、内村航平(リンガーハット)が10連覇、2位の白井健三(日体大)とともに上位2位の代表入りを決めた。全日本で史上最年少優勝を果たした19歳の谷川翔(順大)は鉄棒で落下し4位に終わった。
朝刊によれば、東京・両国国技館で行われている大相撲夏場所で西小結遠藤が6日目の小結御嶽海戦で右上腕を痛め(二頭筋遠位部断裂)7日目のきのうから休場とのこと(栃ノ心が不戦勝)。今場所は初の三役でなかなか見ごたえのある好い相撲をしてきていた=3勝4敗(うち不戦敗が1)=だけに、残念無念である。
俳優の津川雅彦さんの妻で俳優と歌手ばかりか、舞踊家でも知られた朝丘雪路さんが4月27日に死去していたことが19日に分かった。82歳だった。死因は不明だが、アルツハイマー性認知症で療養していたという。朝丘さんといえば「雨がやんだら」のヒット曲でも知られる。
日曜日。まっこと疲れた、いやはやつかれ切った1日となった。
午前中、相棒の「行くのよ。行くの」の命令に従い、〈エデンの里〉へ。ふたりで丸2時間近く畑の雑草除去に挑んだ。除去した土中から大きなよく肥えたミミズが何匹も出てきたのは、以前も同じ。きょうは、それに赤と黒、黄の斑点も鮮やかなてんとう虫が数匹、草にしがみついている姿を目の前に、なんだかその健気さに感動したりもした。ほかに、真っ白なモンシロチョウがひらひら、ふわふわ…と宇宙遊泳でも楽しむようにして5月の空をスイスイと楽しそうに泳いでいたりした。アリさんたちもいた。
みな、それぞれの命が今を謳歌していることに変わりはない。もしかしたら苦しんでいるのはニンゲンたちの私たちだけかも知れない。
午後2時過ぎにはスターキャットの工事業者がケーブルの敷設替えなどでわが家へ。これまで1階リビングでしか見れず、私の部屋のテレビでは見えなかったBSを見えるようにしてくれたほかリビングに置かれたテレビのチューナーの取り替えや、2階息子の部屋の大型テレビ用チューナーの確認と点検などに結構の時間がかかったりした。
というわけで、夕方には私たちは半分、グロッキーに。それにしても、相棒はほんとに、よく頑張る。私だけが黙って見ているわけにもいかないのだ。工事のさなかに私の兄が先に亡くなった岐阜のおじさんの法事のお菓子をわざわざ持参。慶応元年創業のおきなや総本舗のなかなかおしゃれな、ちいっちゃな美味しいお菓子だった。
5月19日
英王室のヘンリー王子(33)=チャールズ皇太子(69)と故ダイアナ元妃の次男=と米女優メーガン・マークルさん(36)の結婚式が19日、ロンドン近郊ウィンザーにあるウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われた。アフリカ系の母を持ち、女優として活躍する傍ら離婚歴もあるメーガンさんとヘンリー王子に幸あれ、と英国中が熱狂している。
土曜日。さわやかなはずの5月の風にしては、猛烈に強い【かぜ】だ。
昼間、2階のベランダでドーンと何かがカウンターパンチを食わされ、バタリと倒れたような音が。あわてて駆けつけると、洗濯物が干された鉄製物干し台がもんどり打ってひっくり返っているではないか。私は、醜く倒れたままの台をそのままヨイコラショ、と起こし今度はそろりそろりと一方に比重がかかることのないよう、洗い物が吊るされたハンガーを左右平行にバランスを取るように並べ、元に戻した。
それにしても風の力は底知れない。突然の事件発生に、それこそおったまげたが、舞のリサイクルショップ「ミヌエット」のお店の方が気になった。でも、そこはプロの彼女である。それなりに工夫を凝らし、風への備えで防御しているに違いない。かえってヤイノヤイノと言ったのでは邪魔になるだろう、と判断。帰りを待った。彼女は夕方、何食わぬ顔をして戻ってきた。
この間、私は原稿を書いたり最近、わが家に届いた【脱原発社会をめざす文学者の会】会報第12号はじめ新聞を読んだり、私の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)に関する各紙の書評や扱いを、備忘録に丁寧に書き留めたりすることに集中した。なかでも文学者の会の会報は『シラコバト団地 東日本大震災追悼式《第一部 黙祷の会》 志賀泉』『原発事故と文学(二月二七日 田無公民館講演抄録) 志賀泉』『《第二部 語らいの会》 野武由佳璃』『浜通りの古代から福島を考える 森川雅美』『〈日日、刻刻 1〉 橘光顕 「浪江町の人口流失」』と、どれも被災地と被災者に寄り添った心のこもった内容ばかりだけに、胸打たれた。
このところデータが過熱気味で調子の悪いスマホはデータというデータを消却したうえで最低限のメールや電話だけに留めているのだが。相変わらず「危険通知 メモリがいっぱいです 今すぐクリーンアップ」「ウイルスが入っています」「温度が異常に高いです」などといった警告表示が相次いで画面に出てくる。かと思えば「要冷却済みです」といった表示も。デ、充電はしても使用を大幅に控えることにした。
元々、メカは苦手なだけに、毎度のことながら、正直少し戸惑っている。やはり、またしてもスマホの内臓機能の寿命が近くなったのかも知れない。
キューバで18日、乗客乗員110人が乗っていた旅客機が空港を離陸直後に墜落、奇跡的に救出された3人をのぞき、全員が命を落としたという。名古屋はキンサン(錦三)のインターネットカフェでの突発的な通り魔刺殺など、次から次へと不幸な事件が起きる。やはり、見えない神の手ではないか、と。そんなことをふと思ってしまう。それにしても、不幸に遭遇するのは罪もない善良な人たちばかりだ。
きょう普通に生きていた人が明日になると、突然何の罪もないのに殺されてしまう。一体、何がこうも理不尽な世の中にしているのか。政界をはじめ、嘘やごまかしが横行しているこの世は確かに膿んでいる。
アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦で日大の守備選手が相手チームの選手に悪質なタックルをした反則行為で関学大の選手を負傷させ、社会問題化している不祥事で日大の内田正人監督(62)が19日、辞任を表明。負傷した選手や保護者に兵庫県西宮市内で謝罪。「一連の問題は全て私の責任で弁解もしない」と述べた。
社会全体の何か、が壊れている。いまは【こわれかけのレイディオ―】なのか。
5月18日
愛知県豊根村の茶臼山高原「芝桜の丘」で赤、ピンク、白の花が見ごろに。ジュウタンのごときカラフルな色彩が一面に広がり、甘い香りを漂わせている。見ごろは今月末までという。秋田では24時間の雨量が153㍉、平年の5月1カ月間を上回る雨が1日で降った。映画「若大将」シリーズのヒロイン役などで知られた女優の星由里子さんが16日、心房細動と肺がんのため亡くなった。74歳だった。
きょうはたまたまネット(朝日新聞デジタル)で私の著書「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)について文芸評論家清水良典さんが朝日新聞の4月25日付〈東海の文芸〉欄で論評してくださっていた事実を知ったので、ここに感謝の気持ちを込めて記しておきたい。
――……伊神権太の作品集『ピース・イズ・ラブ 君がいるから』(人間社文庫)は、一昨年本欄でも紹介した「海に向かいて」が含まれているが、書き下ろしが多い。中でも、元新聞記者がピースボートで世界を周遊しながら国際問題と平和について折々に考え続けるドキュメント「海に抱かれて ピースボート乗船日誌」が面白かった。船内のいざこざや人間関係も観察眼豊かに描かれている(4月25日付朝日〈東海の文芸〉)。
わが家は中日と毎日はずっと以前からの固定読者だが朝日さんは読んでいなかっただけに、気付くのが遅れてしまった(ただ、朝日は俳句欄を見る関係で舞が週に1日は必ず、近くのコンビニまで出かけて朝刊を買い求めている)。
6月12日の米朝首脳会談を控え、非核化をめぐって首脳会談の再考まで示唆する金正恩朝鮮労働党委員長に対してトランプ米大統領は金委員長が懸念する「リビア方式」の適用を否定。その理由として「われわれはリビアを完全に破壊した。カダフィ政権を残すためのディール(取引)をしなかった」と北朝鮮との違いを強調。「非核化に応じれば、体制保証する」とも述べ、こんごの米朝両国の出方が注目されている。
将棋の最年少棋士藤井聡太六段(15)が18日、大阪市の関西将棋会館であった竜王戦の予選5組ランキング戦準決勝で船江恒平六段(31)に勝ち、決勝へ。藤井六段は日本将棋連盟の規定を満たして同日付で昇段。15歳9カ月で七段になり、加藤一二三・九段(78)が持っていた最年少記録(17歳3カ月)を61年ぶりに更新した。
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざんで大阪地検特捜部は虚偽公文書作成容疑で告発された佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴とする方針を固めた―とは本日付中日新聞の夕刊1面トップ。不起訴とは、はてな? と首をかしげてしまうのは多くの市民の偽りなき気持ちに違いない。
検事の魂、良心と弱き市民を守る気概は一体、どこへいってしまったのか。こどもでも分かる国の不正、悪事を見過ごしてしまうだなんて。なんのための地検捜査なのか。森友夫妻とも少しは交友があった安倍首相夫人(昭恵さん)も含めて森友学園に関わったもの全員からの聴取をし、犯罪容疑が確定したなら逮捕して、絞り上げてもおかしくない。のに、だ。検事は目を開いて瞑っているのか。情けない。
米南部のテキサス州ヒューストン近郊サンタフェの高校で18日午前8時(日本時間午後10時)ごろ、美術の授業中に猟銃を持った男が侵入し銃撃、8~10人が死亡する銃殺事件がまたも発生した。
5月17日
「傷だらけのローラ」「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」などのヒット曲で知られる歌手の西城秀樹さんが16日、横浜市内の病院で急性心不全のため亡くなった。広島市出身。63歳だった。
中日新聞の夕刊見出し『「西城秀樹さん死去 63歳「YOUNG MAN」』の見出しを見ながら『あたしの青春亡くなっちやった』と舞。彼女は以前に、〈帰ってきた酔っぱらい〉のはしだのりひこさんが亡くなった時にも同じようなことを言っていた。それほど若き日の彼女にとって、ふたりの存在は大きかったのだろう。
「だったら俺が死んだら、どうなる。おまえの青春はそれこそ、ほんとに終わってまうでないか」と私。彼女は、この問いには「またあ」と言っただけで応えなかったが、この人生、みな青春をかつぎながら生きているのかもしれない。
私の場合は、新御三家とは違い、橋幸夫さん、舟木一夫さん、西郷輝彦さんの御三家世代だが、それでも彼らの歌が背中に食い込み、いつの時代も精神的なバックボーンになっていることだけは確かなのだ。
朝一番で宮田公民館へ。
やはり、まだまだ胸の息は詰まりがちだ。弾むのをよく自覚する。でも、私は社交ダンスとともに体力復活を―と決心しているだけに、自らを奮いたたせてレッスンに挑んだ。きょうは初級のブルース、ジルバ、タンゴ、ワルツ、ルンバに続き、1級のワルツの順でステップを踏んだ。これも厳しくもやさしい先生や仲間らのおかげだ、と感謝している。
〈三歩に閉じ〉の身のこなしでタンゴを思い出し、あらかた以前に習熟したダンスを思い出した。まだまだハードなレッスンまでには時間がかかりそうだが、当面は週に1度のレッスンをこなし、場合によっては岐阜の仲間とのレッスンにも復帰できたら、と思っている。でも、あわてる必要はない。もう少し回復の度合いを見よう。それからでもおそくはない。
読み直していた豊田穰さんの第64回直木賞受賞作品「長良川」を読み終えた。大変、ためになった。
旧優生保護法下で傷害などを理由に不妊手術を強制されたとする北海道、宮城県、東京都の70代の男女3人が17日、国に損害賠償を求める訴訟を札幌、仙台、東京の各地裁に起こした。
アメリカンフットボールの関西学院大学と日本大学の試合で日大選手による悪質な反則行為で関学選手が負傷していたことが露呈した問題で関学大アメフット部はこの日開いた記者会見で「日大の部長および監督から被害選手、保護者へ直接謝罪するように」と要望した。
5月16日
中日新聞の愛知県内版総合面〈みんなの本〉欄に拙著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)の紹介記事が【たくましい女性像】の見出し入りで紹介されていた。私は、さっそく社会部の〈みんなの本〉の担当デスクあてにお礼の葉書を書いて自宅近くの赤いポストから投函させていただいた。
『歴史小説、恋愛小説、脱原発小説など6編を収める』『いずれも女性のたくましい生命力が印象的。モノローグを多用した「あたい」は、異様な迫力があり、心に残る。』とあったが、なかなか的確な論評で『さすが、中日の記者だ。核心を突いている』と感心もしたのである。
北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)第一外務次官が16日、談話を発表し対北朝鮮強硬派のボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らが見返りより核放棄を先行させる「リビア方式」の適用を主張している、と非難。この日未明に板門店(パンムンジョム)で開催予定だった南北閣僚会議の中止を一方的に韓国政府に伝えた。と同時に6月12日に予定される米朝首脳会談を再考するほかない、とも警告。せっかくの和平ムードに暗雲が垂れてきている。
さて、米朝首脳会議はありやなしや、か。こんごの推移を見守りたい。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った「心筋シート」を重症の心不全患者に移植する臨床研究を厚生労働省が16日了承、澤芳樹大阪大教授(心臓血管外科)らにより臨床研究が年度内にも実現見通しとなった。
5月15日
スマホに振り回される1日となった。
「警告 メモリがいっぱいです 今すぐクリーンアップ」「危険の通知 スマホが危険な状態です! 今すぐ改善」「温度が異常に熱くなっています」など。次々と画面に表示される警告には、そのつど対応に追われ、困り果てた。わがスマホに内蔵されている各種メールはじめ、写真、動画の類は皆、作品を書く上に必要かつ貴重なデータばかりだ。それだけに、悲鳴をあげるかの如く次から次にと私を攻め立ててくる命令のような一方的な知らせには正直、とても困り果てている。
スマホの調子(体調)が急激におかしくなってきたのは最近、興味本位もあってツイッターなるものを始めてからだ。トランプ大統領はじめ、ニューヨーク・タイムズなど世界のマスコミも含めて洪水のごとく一方的に垂れ流し同然に入ってくる厖大な量が、これに対応しきれない私の大切なスマホの体調を破壊し始めた、と。スマホの構造に疎い私はそう思っている。
そして。素人判断ながら、私はその発端はツイッターにあると思っている。というわけで、きょうは先日の思い切ってのツイッターの全データ消去に続いて、メール(ショートメール含む)、写真、動画など消していいデータを次から次へと消去することに専念。舞はじめ、大切な人たちからのメールだけを残し、あとは一刀両断のごとくバサリと消し去ったのである。
第一、電話をしようとしてもスマホが重くて遅い。電話の画面までなかなかいきつかない、メールも発信しようとしたところで意味不明な少女漫画やら欲しもしない広告画面など記憶にない画面が突如として現れ、電話もメールもかけたり、送信したりするのに大層な時間がかかってしまうからだ。
スマホを手にするのは必要最小限にしよう。やはり、黒電話1本の時代が一番懐かしくもあり良い。
イスラエル大使館をエルサレムに移転した米国に対する大規模デモは15日も、前日に続きパレスチナ自治区ガザであり、イスラエル軍による銃撃の被害者はその後も増え続け死者は計61人に及んでいる。なんたることか。それこそ、罪のない赤ん坊まで殺されるとは。も一度、なんということなのだ。
5月14日
月曜日。きのうとは打って変わった好天である。
夕方、休みの舞に促されるまま、わたしたちの畑〈エデンの東〉へ。
草がいっぱい生えてきているためで二人ともマンノや草刈り鎌を手に黙々と励んだ。終わるころには、ふたりともグッタリ。いやはや、疲れた。ついでに柿の剪定なるものを、「上に突き出ている枝を払えばいいんじゃないの」とのきのうの兄の言葉に従って、訳も分からないまま少しだけ試みてみたが、枝を切る際、鋏の先が折れてしまい、それこそトホホッ、である。
大きな草は手で抜きながら、世のなか、生きていくのは大変だっ、とつくづく思った次第。ただ感じ入ったのは太く肥えた何匹ものミミズたちに会えたばかりか、鳩を一回りちいさくした名も知らぬカラフルなかわいい鳥、そしてテカテカに黒光りした威風堂々のカラスさんたちが悠々と畑は自分のものだ―といった顔で闊歩している姿を見て、どこか安息のような、救われる気持ちになったことも事実である。
私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の第27回テーマエッセイ=テーマは〈門出〉=の作品が2作、公開となった。若き書き手、黒宮涼さんの「卒業生へ送るピアノ」と円熟の境地にある平子純さんの「門出」で、読者の皆さまにはぜひ読んでほしく思う。いずれも胸を打つ秀作である。
イスラエル建国70年目の14日、昨年暮れエルサレムをイスラエルの首都と認定したトランプ米政権が在イスラエル大使館を商都テルアビブからエルサレムに移転、トランプ大統領の長女イバンカ補佐官や夫のクシュナー上級顧問らが出席し開館式典が行われた。
イスラエル建国のこの日はパレスチナ人が難民化したナクバ(大惨事)の節目でもあり、当然の如く各地で抗議デモが発生。ガザ地区では4万1000人が抗議デモに参加。イスラエル軍の実弾射撃などでパレスチナ人52人が死亡、2014年のガザ大規模戦闘以降で死者数が最悪になったという。なんたることか。
新潟西署捜査本部が先に新潟市西区の市立小2年大桃珠生さんが殺害され、自宅近くJR越後線の線路に遺棄された事件でこの日夜、死体遺棄と死体損壊の疑いで近所の会社員小林療容疑者(23)を逮捕。容疑者は容疑を認め、殺害をほのめかす供述もしているという。
5月13日
写真は手づくりのカラフルなゾウリを前に満足げな満98歳を前にした母=和田の実家で
母の日。日曜日。1日じゅう雨降り。昼からは、それこそ土砂降りとなった。
大相撲夏場所が東京・両国国技館で始まり、私の大好きな能登出身の小結遠藤が横綱鶴竜と対戦、ひきおとしで破れた。三重は伊賀出身の幕内力士、これまた応援している千代の国の方は荒鷲にひきおとしで勝った。
この日は日本相撲協会の元理事で年寄りに降格した貴乃花親方(元横綱)が土俵下で新たな役職の審判を務めたが相変わらずの人気ぶりにはホッとした。彼は日本ペンクラブの仲間でもあり昔から応援してきているだけに頑張って将来は当然、理事長として日本の国技の発展に尽くしてほしい。
期待の中日ドラゴンズ、松坂大輔投手は東京ドームの巨人戦で先発出場したが3回途中、右脚ふくらはぎに強い張りを訴えて降板。幸いたいしたことはなさそうなので次の登板に期待しよう。
きょうは私たちが育った愛知県江南市和田の実家で兄妹会があり、楽しいひとときを過ごした。
本来は幹事の私たち夫婦が昨年暮れにすべきだったが、私が肺の病で愛知県がんセンターに入院、手術という思わぬ事態に陥った。デ、それこそ半年遅れで私の快気祝いも兼ねやっと実現した。それだけに、まもなく満98歳を迎える、愛する母(伊神千代子)をはじめ、兄と妹夫妻が一同にそろって久しぶりにアアダコウダと料理を囲み話が弾んだのである。母はうれしそうだった。
舞が何度も市内の仕出し屋さんに出向いて料理とお赤飯の予約をして準備した一方、弁護士と音楽療法の音楽家として社会に尽くす兄夫妻も多忙にかかわらず日進の老健施設「愛泉館」で日常生活を過ごす母の送り迎えを買って出てくれた。また、妹は物知り博士の万年物理学青年の夫、シゲルさんとどこから探し出し、見つけてきたのか。生前の父の書いた回顧文【懐古】、それも19のころの美少年の顔写真入りを携えての参加とあいなった。
そればかりか、シゲルさんたちは「けさ雨のなか、畑へふたりで行って取ってきました」とイチゴまで差し入れてくれた。母ほどではないが、皆、年をとったせいか老人クラブの楽しい話やら、孫の話、兄が東大生のころ昔、和田のわが家に泊まった友人の弁護士(ハンセン病患者の弁護を長年続けてきたことで知られるという)が名古屋に講演に訪れ、何十年ぶりかで会った話―などアッという間に時は駆け抜けていった。まさに母を前に、かつての〈時をかける少年少女〉が復活した。そんな錯覚にとらわれもしたのである。
さて。幹事の私は、といえば。自著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)に収録した書き下ろし〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉をなぜ書くに至ったのか、について触れ『それは亡き父が、その昔、私たち3兄妹を枕元に並べ、夜になるとは吉川英治の新書太閤記(全8巻)を読んでくれ、「ここ尾張は信長や秀吉、蜂須賀小六らが飛び回っていたところだ」との言葉が頭に染み付いて離れなかったからだよ』などと説明してみせた。
母も負けてはいない。相変わらずの器用さで愛泉館で布切れを再利用して手作りでこしらえたカラフルでおしゃれなぞうりを並べて見せてくれ、「みんな、どれでもいいで持っていきゃあ。こないだ外国の方も喜んで持ってきゃあしたよ」のひと言。私たち兄妹は「ほんとにもらっていいの」と恐る恐る3つずつ、お土産としてもらって帰った。
母はまもなく98歳なので、あと2年すれば【100歳翁手作りのぞうり】としてプレミアム付きの人気ぞうりになるや知れぬと半分冗談で母の見事さを褒め称えもしたのである。
帰りはどしゃぶりのなか、皆それぞれ家路についた。母は、今夜は兄の家で一晩休み、あす日進の愛泉館に戻るそうだ。
母の日や「だるまちゃん」シリーズ読み返す(5月13日)
香水は手首足首心の臓(5月12日)
新緑はビロードの香り雨上がり(5月11日)
=伊神舞子〈きょうの俳句〉。minuetto-mi から。
5月12日
土曜日。死者・行方不明者が合わせて8万7000人にのぼった中国の四川大地震から丸10年。
この日午前11時29分ごろ、長野県北部で震度5弱の地震があった。震源の深さは約1㌔、地震の規模はマグニチュード(M)5・2と推定されるという。午後零時41分ごろには名古屋市や三重県四日市市でも震度2の地震。
土曜日。舞はリサイクルショップ「ミヌエット」へ。
夕方、舞が帰宅する少し前に玄関先でピン、ポーンの呼び鈴。何事か、とドアを開けると長男夫妻からの母の日の贈り物、紫陽花だった。
舞に届いた母の日の贈り物
チンプンカンながらにもスマホでのツイッターを始めてから、このところは携帯電話機の温度そのものが異常な高温になっていることがしばしば、である。温度を低く抑えようとすればするほど、訳のわからない機能がいっぱい画面に現れ、理解できないまま操作すればするほど人間の体温が急上昇するように熱くなっていく。いずれにせよ、データが過重に入っており、スマホそのものの動きが緩慢になっていることは間違いない。
というわけで、きょうのところは電源をしばらく切断してみたが……。
やはり人間、本来はスマホなどというものよりも黒電話の方がいい。昔、志摩半島で記者生活をしていたころなぞ、連絡はすべて通信部に備えられた電話1本だけ。私が取材先に出ている間は舞が机にかじりついて赤ん坊をあやしながら読者はじめ、海上保安部や警察、伊勢支局や本社、三重テレビなどからの電話を取り、帰った私にそのつどその内容を報告してくれたものだ。
そればかりか、原稿は超遅いギコギコと音をたてるファックスで本社送りするか、私自身が伊勢支局または本社速記部に電話で吹き込んで送る。写真もまた結構な時間がかかるロール回転式の電送機で本社に送っていたものである。それが、まもなくしてポケットベルを持たされ、気がつくと記者1人ひとりに携帯電話があてがわれるといったご時世になった。
これで良かったのかどうかとなると、甚だ疑問でもある。
何れにせよ、スマホは機能が多すぎる。そのせいで良かれ、と操作すればするほど携帯そのものがヒートアップ。迷路に入り込み、機種によっては手でもてないほどの熱さになり、やがては大切なデータとともに破綻するのである。
メールにせよ、写真にせよ、動画にせよ。データが多すぎてパンク寸前で、その分、携帯そのものの温度も高くなってくる。画面のアプリも大半が必要でないのに、複雑怪奇だ。使い方も分からないのにやいのやいの、と勝手に次から次にと催促してくる。あげくに、スマホそのものの機能がダウン、使えなくなってしまう。そんな気がしてならぬ。
というわけで、きょうのところはツイッターをログアウト。いったん、消滅させたのである。
大いなるものの力に生かされつ流れを下る旅人われは 穰
豊田穰の「長良川」をいま一度、あらためて読み始めた。
5月11日
ホウ、ホウ―ッ。風折烏帽子に腰蓑姿の鵜匠たちがかける声が川面を、夜空を。哀愁の音を漂わせて流れていく。
――1300年以上の歴史を誇り、織田信長によって鵜匠制度が確立された長良川の鵜飼がいよいよ幕開け。この日は関市の小瀬の鵜飼もはじまった。10月15日まで。
岐阜市茜部の市中央卸売市場では、その長良川で捕れた天然アユの初競りがあった。1㌔あたりの最高値は昨年より5000円高い25000円だったとか。
東日本大震災の発生と東電福島第一原発事故から7年2カ月。新聞報道によれば、原発から20㌔地点にあって私自身過去、何度も訪ねたことがある楢葉町では避難指示解除と同時に開店した古書店「岡田書店」が順調な歩みを進めている。
きょうは何かと忙しい1日となった。午前中、作家仲間のソノコさん(長谷川園子さん)の口利きで名鉄江南駅の踏み切りを渡ったすぐ東隣でお店を構える本屋〈旭書房〉さんへ。私の文庫本短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を店頭に並べていただくことになった。ありがたいことだ。
あいにく店を出て車をバックさせる際、駐車場角にあった鉄骨支柱にゴッツンコしてしまい、支柱は無傷だったが、わが愛車の後部にはためらい傷が残ってしまった。朝ドラの【半分、青い。】じゃないが、ぶつかった時は「あっ、やってまった。こどもでも引いとったら、おおごとだ」と真っ青になってしまったが、被害者は私の車の車体(それも、よく見ると分かる程度)だけで、ホッと安心したのである。
久しぶりなので、そのソノコさんと近くのチョットおしゃれな喫茶「抹茶文庫」へ。このお店、マスターが三重県伊勢志摩が出身であることもあり、メニューにあった手こね寿司を久しぶりに食べたが、ソノコさんも「おいしい。おいしい」とおっしゃってくださり、行ったかいがあった。
帰宅後は思うことあってこれまた久しぶりに、吉岡さん(吉岡忍氏。日本ペンクラブ会長)に電話。自著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」につき、あれやこれやと説明させて頂き「新聞でもテレビでもなんでもいいので、多くの人々にこの本を読んで頂けるよう、援護射撃をしていただけたら助かります」とお願い。きょうは、これより先に吉岡さんと同じく東京在住作家村上政彦さん(三重県松阪市出身)にも思うところをメールするなど何かと忙しい日となった。
夜おそく。「熱砂」同人ふたりから届いているテーマエッセイ2本=今回は27回目のテーマエッセイで、テーマは「門出」=の編集処理をしてサーバーの担当スタッフへの出稿を終える。順調なら、来週早々にも公開予定だ。
大相撲の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦部屋=が日本相撲協会に「左大胸筋痛で約一カ月激しい運動を制限する」との診断書を提出、夏場所(初日は13日。東京の両国国技館)も休場し7場所連続休場が決まった。横綱の7場所連続休場は、年6場所制となった1958年以降では貴乃花と並んで最長になるという。
愛媛県がこの日、今治市に新設された学校法人「加計学園」の獣医学部の件で2015年4月2日に県職員が首相官邸で柳瀬唯夫元首相秘書官と面会した際に受け取った柳瀬氏の名刺を公開。柳瀬氏が10日の衆参両院の参考人質疑の席で『愛媛県や今治市の職員が学園関係者との面会に同席したか、は「分からないが10人近くの随行者の中にいたのかもしれない」』と述べた点に関して『県職員は柳瀬氏と名刺の交換もし、3人がメインテーブルに座っていた』と反論、中村時広知事は「うそは他人を巻き込むことになる」と、その姿勢を強く批判した。
5月10日
私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」きっての若き書き手である黒宮涼さん、そして円熟の同人、平子純さんからテーマエッセイ=テーマは「門出」=が早々と送られてきた。
きょうは朝早くから。布袋南部共用施設へ。
社交ダンスのレッスンがあるためで、かつて習得したジルバ、タンゴ、ワルツ、ルンバを繰り返し学び、最後にワルツの1級にも挑戦。息こそだいぶ弾み、途中なんどか休みはしたものの、レッスンを繰り返すうち、昨年暮れからの病と手術、入院とその後の療養生活などでしばらく遠ざかっていた【ダンスの感】とでもいうものが少しずつ戻ってきた感じがしたのである。
なかでもきょうのレッスンでは、モダン(スタンダード)、ラテンともにフットワークがいかに大切か、を思い知りもした。ホイスク、シャッセ、フラット、ナチュラルトップ……と、どんな場面でもフットワークは疎かには出来ないことも痛切に感じた。
レッスンが終わってからは、隣室の図書室へ。本棚に並べられた、なかなか充実した本の数々には感心し、豊田穰さんの「長良川」を1冊お借りして帰った。たまたま自著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社刊)を1冊持参していたので、これを寄贈させて頂くこととし、女子職員に「信長が愛した女性を描いた〈信長残照伝〉も収録されています。ぜひ、この地域の方々にも読んでいただきたい」と話し、本に【贈呈 恵存 伊神権太】などとサインし、手渡しさせて頂いたのである。
夜おそく。先日、主宰の木下径子さんから送られてきた文芸同人誌「街道」(東京武蔵野市吉祥寺)を開き、私も知る秋尾暢宏さんの「コレクション・マニアの〝断捨離〟実践記録」を読む。「私のお宝・コレクションの一部を、処分・断捨離した記録である」とあるが、その内容たるや、どうしてどうしてスゴイ!。
秋尾さんならでは、コツコツと入手した雑誌創刊号1500冊を両国の「江戸東京博物館」に寄贈したり、自ら首都・平壌を2度訪れるなどして過去30年間に購入した北朝鮮関連書籍350冊を求めに応じて山梨学院大学図書館に寄贈して、「秋尾文庫」の名称で一般公開されるに至った話など秋尾さんならでは、の話がとても興味深かった。
トランプ米大統領が10日、自身のツイッターで金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を6月12日にマーライオンの像で有名なシンガポールで開催する、と発表。学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、衆参両院の予算委員会は10日、柳瀬唯夫元首相秘書官を参考人招致、柳瀬氏は2015年に3回、首相官邸で学園関係者と面会したことを明らかにした。
5月9日
18歳、日本ハム清宮がオリックス戦=京セラドーム大阪=のプロ24打席目で念願の初本塁打(7試合連続安打)を放てば、ソフトバンクの内川聖一内野手(35)も西武戦=メットライフドーム=で八回に中前打を放ち史上51年目の通算2000安打を達成した。
トランプ米大統領が8日、イランが米欧など6カ国と2015年に結んだ核合意からの離脱を一方的に正式表明。
「アメリカはもう中身のない合意はしない」とするトランプ氏に対してイランは「アメリカは約束を守らない国だ」と強く反発、核爆弾の原料にもなるウラン濃縮の再開もありうると警告している。英仏独なども批判、国際社会での米国の孤立ぶりが鮮明になった感じである。
一方でトランプ氏は9日夜遅く、スパイ容疑で北朝鮮に拘束されていた3人の米国人男性が解放された、と自らのツイッターで明らかに。安倍晋三首相はこの日中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領と東京・迎賓館で会談するなど近づく米朝会談を前に関係諸国の動きがあわただしくなってきた。
共同宣言の調整にも時間がかかったようでこの日(9日)深夜になりやっと発表された。共同宣言の内容は次のとおり。
▽日中韓は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む▽国連安保理決議に従った国際的協力と包括的解決により北朝鮮の明るい未来への道が開ける▽中韓首脳は、日朝間の拉致問題が対話を通じ早期に解決されることを希望▽日中韓自由貿易協定の交渉加速への努力を再確認▽悠久の歴史、久遠の未来の共有を再確認▽日中韓首脳会談の定期開催の重要性で一致
岐阜県本巣市の高井泉さんから高井さんご自身の著作【純粋文芸への誘い 「前衛」文芸とは何か?】(土曜美術社出版販売)が送られてきた。高井さんならでは、435頁に及ぶ大作で「詩人は革命家であらねばならない。これは筆者の持論である。」といかにも高井さんならでは、の論考が目立つ。
ほかに三宅雅子著『乱流―オランダ水理工師デレーケ』、豊田穰著『長良川』などの考察など多岐にわたって中身も濃く、これからじっくり読ませていただきたく思っている。
5月8日
沖縄県が梅雨入り。東京都心では5月としては15年ぶりに15度を下回り、おでんやさんが大はやり。ここ尾張名古屋も、近江路も寒い1日となった。
朝。夜来の雨はやんでいた。舞は午前8時、江南俳句同好会の『琵琶湖南岸の名所旧跡』の吟行に仲間たちと心弾ませ、出発した。
紫式部が源氏物語を執筆した部屋で知られる石山寺はじめ、松尾芭蕉が遺言で自分の墓に指定した木曽義仲戦死の地でもある義仲寺、三井の晩鐘で知られる三井寺、近江八景のひとつの唐崎の松、堅田の落雁が叙情を誘う浮御堂など。楽しく有意義な吟行の旅になればいいな、と思う。
私自身、かつて滋賀の大津で3年余に及ぶ記者生活をし、これらの場所は何回となく訪ねた(石山寺や義仲寺、三井寺などは舞とたびたび)。それだけに、少しうらやましい気がしないでもない。とはいえ、きょうは彼女が無事帰還してくれれば、とそのことだけを願っていたので「いま江南駅についた」との知らせが入った時は、とても嬉しかったのである。
(その舞だが午後7時半過ぎ、琵琶湖名物のふな寿司と鮎の甘露煮をお土産に無事、帰宅した。殊勝にも、どこで手に入れてきたのか。戦国時代の戦国日本地図はじめ、日本の名城一覧、戦国武将がひと目で分かる似顔絵入り下敷きを私への土産として買ってきてくれ、嬉しく思った)。
写真は何かと参考になる舞からのお土産
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が7、8の両日、中国遼寧省を専用機で訪れ習近平国家主席(中国共産党総書記)と会談、両首脳は朝鮮半島の対話による解決と地域の安定実現に向け協力していくことで一致。なかでも金委員長が「敵視政策がなくなれば核保有は必要なく非核化は実現可能で、非核化には段階的措置が必要だ」としている点が注目される。
7日夜、新潟市のJR越後線青山――小針間で小学2年の女児が上り普通列車(4両編成)に引かれ線路で死亡しているのが見つかったが、その後の新潟県警の調べで、この少女は列車に引かれる前に首を絞められ殺害された疑いが強まってきた。世の中には、ほんとに悪いニンゲンが多い。罪もなんにもない女児を殺すとは。許せない。
本日付朝刊各紙によれば、名古屋城の木造天守復元に伴い、いまの天守がきのうから入場禁止に。新しい天守は2022年末に完成予定だという。希望の党と民進党が合流して旗揚げする新党「国民民主党」の設立大会が7日に東京都内で開催された。3月のロシア大統領選で当選したウラジーミル・プーチン大統領がこの日、モスクワのクレムリンで宣誓し、通算4期目となる大統領に就任した。
5月7日
青森市の上空にこの日、太陽を囲む円形の虹「日暈(ひがさ)」と、1直線に延びる虹「環水平(かんすいへい)アーク」が同時発生。青森地方気象台によると、ふたつの現象が一度に観測されるのは珍しい。福井県越前市で飼育されている国の特別天然記念物コウノトリが生んだ卵が孵化し、ひな1羽が誕生した。
月曜日。朝のうちの小雨が午後3時をすぎると音をたてて降り始めた。「負けないぞ、負けないぞ。負けるものか」と歯を食いしばっているようでもある。相手は地震なのか。それとも太陽、嵐か。雪。ヒョウか。とにもかくにも雨さんたちは今、ニンゲンどもに強烈なる存在感を示そうとしていることだけは、確かだ。
ポストに届いた二つ折り封書はがき〈国民健康保険医療費のお知らせ〉を開く。なかに「30年1月入院医療費の額」の項に「医療費1587240円(愛知県がんセンター中央病院)」とあり、少したまげる。術後ずっとつづく定期診療から帰宅した舞が「だって。それだけの手術をしたのだから仕方ないよ」とさらりと言ってのけたのには、またまたおったまげた。内訳も何も書いてないのが私には不満だ。一度聴いてみる必要がある。
それよりも、きょう近くの町医者で計っていただいた舞の血圧の高さの方が異常で気になる。どしゃぶりの雨のなか自転車を漕いでスーパーに行った買い物帰りに寄ったという状況からも、弾む息が聴こえてきそうだ。さもありなん、である。それにしても高い。雨なのだから「あすは滋賀へ俳句の吟行なのだろ。医院まで車で送り迎えするよ」というのにどうしても言うことをきかない(彼女には昔から、そうした無鉄砲で頑固なところがあり、そのたびに私たち家族を心配させる)。こんな無茶ばかりをしていると、それこそポックリ逝ってしまってもおかしくない。
きょうは季刊文科74号を手に、村上政彦さんの創作「結交姉妹」はじめ、吉村萬壱さんの「レナの記憶」、私も知る木下径子さん(「街道」主宰)の「文芸同人誌について」、桑原文明さん(「吉村昭研究」編集発行人)の「結成10年を迎えた吉村昭研究会」など数編を読み干したが、なかなか読み応えがあった。
ちなみに74号には、私のエッセイ「信長のやさしさ」も掲載されているが、先日の中部ペンの集まりで、ある文芸評論家氏から「伊神さんの〈信長のやさしさ〉読ませていただきましたよ。よかった」と声をかけられ、とても嬉しかったことも付記させていただく。と思っていたら、わが家のポストに学生時代から定期購読している文學界6月号とともに、木下さんが主宰する文芸同人誌「街道第三十一号2018.4.25」が投函されていた。
映画「喜びも悲しみも幾年月」で知られる作曲家で浜松市出身の映画音楽家木下忠司さんが4月30日、老衰のため亡くなった。102歳だった。「だるまちゃんとてんぐちゃん」などこども向けの多くの絵本で知られる越前市出身の加古里子さんも2日、慢性腎不全のためなくなった。92歳だった。
5月6日
連休最後の日曜日。
ちまたは海外旅行やら、ふるさとから帰る人々やらできのう、きょうと日本中の空港や新幹線、高速道がどこもかしこも、ぎゅう詰めである。なんだか、こちらまでが気ぜわしい日々だった。が、あすからはやっと普通の日が再び始まる。
私はやはり、普通で何げない日の方が好きである。その点、舞は、きのうまでふつう通り、自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」に出かけ、がんばった。それで「世間はこんな休み続きなのに。お客さんくるの? 」と聞くと「そこそこおいでだよ」とのこと。
そう、町のおばあちゃん(なかには孤独でひとり暮らしのおじいちゃんも)や奥さまたちは連休目当てで半分遊び気分でお店を訪れ、皆それぞれにアアダコウダと話しをして少しだけ気に入ったものを買い求め、気持ちが晴れたところで「じゃあネ」と言って帰っていくのだ、という。それこそ売り上げなぞはホンの微々たるもの、ボランティア同然である。
でも、これまたお客さんたちにとっては、かけがえのない連休の楽しみなのだ。そうした一種の女子会の寄り合い場所といっていいのが江南の聖地〈ミヌエット〉で、かなしい人たちも含め、こうした方々の生きがいの場でもあるのだという。
というわけで、きょうは普通どおり、舞にとっては久しぶりの休みだ。外出先から帰ると、久しぶりに美容院に行ったと見える彼女の髪は、ソバージュでこそなかったものの、これまで目立っていた白髪も消えて黒く輝き、パリジェンヌのよう。なんでも「(本来は月曜休みの)あすはお店に出て、あさって火曜日には俳句仲間と大津の石山寺など琵琶湖路への吟行なの」とのこと。「用心棒として、ついてこか」と言うと「邪魔よ。こないで」と一蹴された。
きょうは名古屋の国際センターへ。中部ペンクラブの理事会があったからで6月17日の総会・公開文学講演会・中ペン文学賞表彰式(ホテル・ルブラ王山)はじめ、29年度事業、会計報告、30年度事業計画などについて議論を重ねた。
5月5日
こどもの日。立夏。土曜日。
けさの毎日新聞の朝刊1面に「潜伏キリシタン世界遺産へ ユネスコに勧告 奄美・沖縄は延期」の三段見出し。文化庁が4日、日本が世界文化遺産に推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)について、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録が適当」とユネスコに勧告した―というもので、これは気になる話題である。
〈隠れキリシタン〉は私自身この先調べたく思っているひとつの重要なテーマだけに、歓迎したいホットニュースだと言っていい。実際、私が住むここ江南にも【石枕】とか【勝佐】といった土地には、その昔隠れキリシタンが大勢居たという話がある。尾張地方は、かつてはキリスト教の宣教師として日本に初めて渡来したフロイスを認めたあの信長が飛び回っていた土地柄で、日本人によるキリスト信仰を最初に認めた土地の可能性がある。それだけに、調べてみる必要がある。
津軽三味線の腕を競う第12回津軽三味線日本一決定戦が昨日、青森市で開かれ、「日本一の部」で名古屋市の市立豊正中3年中村滉己くん(14)が優勝。過去最年少で中学生の優勝も初めて。京都では京都三大祭りのひとつ、15日からの葵祭を前にヒロインの斎王代が心身を清める神事「禊の儀」が昨日、上賀茂神社で催された。
書物も含めて資料がそれこそ増える一方だ。なので、きょうは資料ファイルを部門別に分け、あらためて整理してみる。それにしても短期間の間に、どうしてこれほどの資料がたまるのだろう。捨てることから始めなければ。良い小説は書けない。そう、自身を責めつつ整理を進めていった。
5月4日
朝から風が強い。少し、こ寒い感じさえする、そんな〈みどりの日〉となった。
テレビのニュースでは、能登半島の七尾市で天下に誇るニッポンイチ大きい、あの〝デカ山〟が風雨と雷にたたられ、見物客が山車の下に退避する光景が映し出されていた。〝デカ山〟は本来5月3、4、5と三日間繰り広げられるが能登にいたころ、なぜか青柏祭デカ山の期間中に決まって一日は雨に降られ、取材陣の配置で苦労したことが思い出される。あのころは私自身が足を棒として一軒一軒あるいて得た玉代と地元経済界、新聞社の援助で実現した【青柏祭デカ山花火】が三台のデカ山が集結した4日夜、七尾湾に面した矢田新埠頭で盛大に開かれたものである。
中日新聞朝刊によれば、米大リーグで歴代21位の通算3089安打を放ったマリナーズのイチロー外野手(44)=本名・鈴木一朗さん=が球団の特別アドバイザーに就任し、選手としては今季の残り試合に出場しないことが複数の球団関係者の話で分かったという。なんでもベンチ入りの25人枠からは外れるが、球団と生涯契約を結んでチームに同行し練習しながら選手らをサポート、来季以降は試合出場も可能だという。
正直言って、なんだか嬉しいような、嬉しくないような。むしろ悲しい気がする。名古屋空港のある豊山育ちのイチロー自身は謙虚にも「野球の研究者でいたい」と話しているようだが。私自身は、世界のイチローの身柄は当然、中日ドラゴンズで確保しドラの監督として名将になってほしい。この考えは、私がドラファンクラブの会報編集担当(当時は落合博満監督)をしていたころから微塵も変わらない。
チャンスがあれば、いや、なくとも、強引にでも彼を名古屋に引っ張ってくるべきだと思う。ドラゴンズの矢野ちゃん、こと矢野博也社長ら首脳陣には胸に手をあててよお~く考えてほしい。イチローは生粋の名古屋人なのである。
夕方に入り、ノーベル文学賞の選考主体スウェーデン・アカデミーが「ことしのノーベル文学賞の発表を見送る」とのニュース。一体全体何があったのか。選考メンバーの夫の性的暴行疑惑や受賞者名の漏洩などが発覚。アカデミーが「信頼の喪失」を理由に判断したという。何たることだ。正直言って、私自身も狙っているのに。
午前中は6日に名古屋で開かれる中部ペンクラブの理事会資料のコピーを取りに近くのコンビニ、ファミリーマートへ。4通りの資料をそれぞれ30部ずつ用意。この手のコピーは、これまでやったことがないこともあって結構、疲れ果てた。でも役員のひとりとして人任せではいけない、と自身に強く言い聞かせ、これまでやってくださった方のご苦労にあらためて感謝した次第。この世の中、助け合いで成り立っているのだから。
午後。コンビニから戻ったところで一念発起。このところ手術後の療養生活もあって、ずっと吹いていなかった横笛とサンポーニャを譜面とともにリビングに持ち出し、思い切って久しぶりにふいてみる。
まず横笛から。〈さくらさくら〉を皮切りに、勝新の座頭市〈およしなさいよ無駄なこと〉、ほかに〈かごめ〉〈平城山〉〈惜別の歌〉〈酒よ〉〈越後獅子の唄〉〈よさこい節〉…と手当たり次第にふいてみたが、どの曲も難なくふけてホッとしたのである。
私は次いでアンデス楽器のサンポーニャを手に、きょうのところはYou Tubeの助けを借り、〈Longuita〉〈Sariri〉〈Llorand se Fue〉の楽譜とにらみっこをしながら演奏に挑戦。やはり横笛のようにスラスラというわけには、とてもとてもいかなかったが、なんとかふけそうな気がしてきたのである。
がんばろう、とは。このことか。がんばろう。
5月3日
憲法記念日。岐阜県大垣市で離れて暮らす次男坊の誕生日である。「おめでとう」とメールを打つ。
31年前は能登の七尾支局で支局長として記者生活をしていたが、この日は兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が「赤報隊」を名乗る何者かに襲撃され、記者2人が殺傷された日でもある。あのとき。その夜のうちに、七尾署員数人が支局に駆けつけ、しばらくの間、支局周辺の警護に当たってくださり、当時は支局員一同、だれもが大変な緊張感の中、取材に励んだ日々がきのうのことのように思い出される。
朝一番で市内の公民館へ。
「(社交ダンスの)ニューフェイスがくるので、ゴンタさんも早く来て頂けると助かるわ」のことばに午前9時過ぎには顔を出したが、元々朝は苦手。そこへ、まだまだ病み上がりとあって、早くからのレッスンは、やはりからだに応えた。
入院中は「できるだけ動くようにされると良いですよ」と担当医師にも言われたが、それは院内を努めて歩くということ。社交ダンスとなると、結構ハードなだけに、あまりやり過ぎもよくない気がしないわけでもない。
でも、新人さんのおかげで久しぶりにジルバを一緒におどれ、早く行ってよかったと思う。引き続き、本来の1級ワルツのレッスンに入り「ゴンタさん、足よりもホールドを大切に。ホールドを大切にすれば、全身が軽くなり踊りやすくなるわよ」との先生のことばを信じて少々、息を弾ませながらのレッスンに挑んだが、「ゴンタさん。うまい! きょうは、うまく(踊る形が)つくれてる。うまいよ」とお褒めのことばまでいただいた。
先生曰く「でもネ。つくれたんだけれど、またすぐ作れなくなる。また消えちゃう。そうしたものなのよ。プロの私でもそうなのだから。でもホールドを大切にする気持ちさえ忘れなければ、またつくれる。ダンスって。そういうことの繰り返しなの」とは先生。
帰宅したら、やはりハードだったとみえ、しばらくぐっすり寝込んでしまったのである。
夜。NHKスペシャル【「憲法と日本人」スクープドキュメント▽発見された改憲試案▽知られざる米の圧力元首相(宮沢喜一の)日記初公開】を見て、1949年から1964年まで続いた〈知られざる攻防〉に思いをはせ、いろいろと考えさせられた。いずれにせよ、主権在民、基本的人権、平和を大切にする憲法であってほしい。
5月2日
雨がぱらつく1日に。夜に入ると、降り続き、軒を雨おとがたたきつづけた。雨には、5月の風も含まれており、青春時代の〈恋の味〉もする。この点ではどこかホッとするのは私だけか。外界は雨と風の世界である。
きょうは、八十八夜。
立春から88日目にあたるこの日、愛知県西尾市の稲荷山茶園公園では、かすり姿もあでやかな女性たちによる恒例の茶摘みが行われた。長野県の安曇野。ここでは菜の花の見ごろを迎え、安曇野市の国営アルプスあづみの公園で一面黄色い花々が安曇野の空に浮かび上がった。
自民党の森山裕国対委員長がこの日午後、立憲民主党の辻元清美国対委員長と国会正常化に向けて電話で協議。自民党の関口昌一参院国対委員長とも会い、国会正常化に向けこんごの方針などをすり合わせた。この結果、与党は、衆参両院の予算委員会を来週中にも開き、柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致で国会正常化を図る方針を確認した。
これとは別に大阪地検特捜部が学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、売却交渉時に財務省理財局長だった迫田英典元国税庁長官を任意聴取していたことが関係者への取材でわかったという。同地検は当然、何はさておき安倍昭恵首相夫人からも任意聴取する必要がある(場合によっては強制捜査に踏み切り逮捕すべきだ)。とはいえ、いかにも検察の捜査が核心部分に触れるのが遅い。いや、遅すぎる。
誰に遠慮をしているのか。犯罪の有無とは別に国民が一番知りたがっているのはその一点である。安倍首相夫妻の真実の顔とでもいえようか。化けの皮が少しずつ剥がれてきたところで当然、司法としてすべきことはしてほしい。聴取して疑いが晴れれば、それはそれで国民も納得すると思う。それで、よいではないか。
かつてロッキード事件や岐阜県庁汚職事件に挑んだときの東京地検や岐阜地検の、あの検事たちの強い姿勢で挑んだ〝検察魂〟は、一体どこへいってしまったのか。検察の捜査はどこまでも国民の味方であるべきである。今からでも決して遅くはない。それこそ、ウミを出し切れ、と声を大にして叫びたい。
NHKの朝ドラ【半分、青い。】がなかなか、いい。あのけなげな、ソバージュのお母さんの気持ち、とてもよく分かる。舞には「ソバージュにせよ。したら」と言っているのだが。「今さら何、言ってるのよ」と受け付けようとしない。まだまだ似合う、と思うのだが。
日本ハムの新人・清宮幸太郎が1軍昇格当日に楽天戦の初打席で私の大好きな楽天・岸投手から2塁打を放った。複雑な気持ちだ。ドラゴンズは6―3でヤクルトに勝ってくれた。やれやれ、である。
5月1日
地域のことなら何でも知ってるネコパン彦次郎(ひこじろうの名は私が命名)
火曜日。連休の谷間とはいえ、なんとなく体調がしっくりしない。やはり、人々がふつうに動き、ふつうに生活している、ごくごく自然で、ふつうの日の方が、ずっとずっとからだにもやさしくリズミカルである。それでも舞は連休とは関係なくリサイクルショップ〈ミヌエット〉へ、と出かけていった。
夕方、ピーポーピーポーのけたたましい音。家の周辺に救急車1台が駆けつけたが、一向に動こうとはしない。まもなくパトカーも駆けつけた。どこの家が救急車を呼んだのかも分からないまま時は過ぎゆく。そのうち、わが家の前の道を封鎖でもするように両方の出入り口にロープがはられ、警察官が2人、3人。3人、4人と立ち始めた。どこかで殺しでもあったのか、と一瞬思ってはみるが、彼ら、サツカンの表情を見るに、それほど深刻な事案でもなさそうだ。でも一体全体この静かな花霞(はながすみ)に何事が降ってわいたのか。
それを知りたいので立ち番の若いサツカンのひとりに「何があったのか」と問うと「今は何も話せません」の返事しかかえってはこない。何が起きたのだろう。雰囲気から、一帯が怯える〈ながしの殺し〉や〈タタキ(強盗)〉といった脅迫犯でもなさそうだ。ただ、自死とかケンカ沙汰によるケンカ殺し、窃盗騒ぎなど良からぬ事案が発生していることだけは間違いなさそうだ。サツはいったん現場を保存し、現場をそのまま確保。検視官や鑑識がくるのを待っているに違いない。
それまではロープは外されそうにない。(結局、母と息子ふたりが暮らす道路を隔てた近くの民家でささいな言い争いから、52歳の子が77歳の母親に包丁で切りつける刃物ざたがあり、息子が逮捕され、母は重傷)。
ややこやしいツイッターに相変わらず挑んでいる。やればやるほどトンチンカンになってくる。ただ英語力を高めることだけは間違いない。ほかに文學界、季刊文科、新聞などを読む。人生、米大統領のトランプさんから北朝鮮の金正恩労働党委員長、町のおっちゃん、おばちゃん、松坂大輔アニ(ドラゴンズ投手)まで。生きている限り、だれだってナンヤカンヤとある。
きょうは、わが家の玄関先でパンチが得意な野良猫の黒と白のネコパンちゃんがジッとボクを深刻な目で身じろぎもしないで長い間、見続けていたのが印象的だった。ご近所で起きた刃物沙汰を予知、いや既に知っていたのかもしれない。やはり、家族平安。ふつうにときが過ぎてゆくことがいいね、とでも言っているようだった。
4月30日
月曜日。永井荷風忌。
感無量の松坂投手(NEWS23画面から)
プロ野球・中日ドラゴンズの松坂大輔投手がナゴヤドームでのDeNA戦に先発し、チームは3―1で勝ち、松坂は今季初勝利。日本球界での白星は西武に在籍していた2006年いらい12年ぶり。日本では通算109勝、日米通じては165勝目だけに、ドームは沸きに沸いた。
名古屋のタワレコがツィートしてる……(熱心なドラファンのフェイスブックから)、松坂投手のことばと大喜びのナゴヤドームの観客(NEWS23画面)
私のもとにも勝つと同時に、かつて落合(元中日監督)信者として知られた静岡出身、東京在住の美女S・Aさんからさっそくフェイスブックで「松坂の勝利を名古屋のタワレコがtweetしてる。街がドラゴンズを応援してる。なんて幸せなんだ!」のメッセージが飛び込み、私も「心からおめでとう。ボクもとっても嬉しいです」と返信させていただいた。
「これだけたくさんの人が入ってくれているなかで、久しぶりの勝利を味わうことが出来、最高です。きょうのウイニングボールは特別なものになりました」とは松坂投手。この日の勝利は中日ファンだけではなく、全国の野球ファンが待ち望んでいた価値多き【1勝】となった。松坂さん! 心からおめでとう。
きょうは、ビッグニュースがもうひとつ。
それは愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から今月8日夜に脱走し行方がわからなかった受刑囚平尾龍磨容疑者(27)が午前11時25分ごろ、広島市南区のインターネットカフェに入ろうとしたところを店員に「似た人がいる」と110番され逃走しようとしたが、広島県警署員に逮捕されたという話である。平尾はカフェからそのまま逃げ出し路地に入り、塀を上って逃げようとしたところを駆けつけた署員に引きづり下ろされ確保された。
「もう、逃げやしないよ」。逮捕された平尾容疑者と逃走経路(NEWS23画面から)
とらまったとき、平尾は短髪でひげを生やし、黒の長袖シャツにパーカを着用。スパッツに短パンを重ね着し、靴下にサンダルをはいていた。盗んだとみられる身分証明書を使い、ネットカフェを利用していたとみられる。広島、愛媛両県警の調べによると、刑務所を脱走後は広島県尾道市の向島で空き家などの食料品を食べて潜伏し、海を泳いで本州に渡ったらしい。逮捕時には財布と現金2万円余りを持っていた。
調べに対して、平尾容疑者は「刑務所での人間関係が嫌になった」と話しているという。ともあれ、向島どころか、日本中を大騒ぎさせた脱走騒ぎはこれで一件落着とあいなった。平尾容疑者は、もともとが模範囚である。それだけに、これまでのことはきれいさっぱり水に流し更生し、〈世のため人のため、ご自身のためにも〉新たな道を歩んでほしい。だれも傷つけてはいないのだから。彼の将来に期待したい。
本欄は、いつも1日遅れで書いている(ということは5月1日に)。あれやこれやとあって結局、5月1日の午後3時過ぎになって、やっとデスクに向かってこうして書き始めた。であるので、4月30日の一匹文士の〈そぞろ歩き〉はここいら、でやめておこう。いまは1日の夕方だ。外は、5月の風がふきだした。
4月28、29日
異国情緒たっぷりの演奏のなか、上空には月が輝いていた(江南市の曼荼羅寺公園で)
(28日)夜。ふたりで藤まつりが行われている江南市内の曼荼羅寺公園へ。満開の藤棚の下では珍しい洋楽器でハープ(竪琴)の一種アルパの演奏や世界名曲コンサートが開かれ、ピンクの藤列車が走るなどしていた。天空には美しい月も輝いていた。
昼は、いつもお世話になりどおしである中部ペンクラブの石川好子さんと総会に出す資料の件などで久しぶりに電話で語り合った。ほかに、ツィッターをなんとかマスターしようと、このところアレヤコレヤと工夫をしながら頑張ってはいるのだが。なかなか、うまくはいかない。
(29日)昭和の日である。
昼間。私と舞の農園ともいえる〈エデンの東〉へ。彼女が一隅にサルビアなどの花を植え、私はマンノを手に雑草除去に精出した。ほかに新聞のチェックをしたり、つい最近始めたツィッターを世界の人々やマスコミ、メディアを相手に試みたり、夜は夜でNHK総合の〈西郷ドン〉に続き、NHKスペシャル新シリーズ「大江戸」を見て往時の姿に思いをはす、などした。
正直言って、したいこと、書きたいこと、行きたいところも、この世界いっぱいに山ほどあるが、きょうのところはここいらで。無理をすれば、せっかく回復しつつあるからだに障るからだ。若いころは体力だけは誰にも負けない自信があり、〈馬力のガミちゃん〉でとおっていたのだが。いやはや、齢には勝てない、とはこのことか。
でも内心はまだまだ。やる気いっぱいなのである。
4月27日
信州は安曇野、北ア上高地で夏山シーズンを告げる開山祭が開かれ、アルプホルンの音がアルプスの空高く吸い込まれるごとく舞い上がった。英王室がウィリアム王子とキャサリン妃の間に生まれた第3子の王子を「ルイ・アーサー・チャールズ」と名付けたと発表。
熱砂同人でもある牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の会主・倉知弦洲さん、大師範)率いる大正琴の第三十四回春の宴を前に、What’s New欄に予告記事を執筆、掲載。~音楽の宅急便~をテーマに華やかな舞台となりそうだ(詳しくは、熱砂のWhat’s New欄を見てください)。
南北首脳会談で手をつないで歩く両首脳(NHK総合の中継から)
この地球に尋常でない興奮と「平和」への待望が渦巻いている。
「万感の思いで200㍍を歩きました。会えてうれしいです」=金正恩(キムジョンウン)北朝鮮労働党委員長=。「ここまで来られたのは、あなたの勇断があったからこそです」=文在寅(ムンジェイン)大統領=
――北朝鮮と韓国首脳が11年ぶりに板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で首脳会談を開き、世界が見守るなか、朝鮮半島情勢が新たな転換期を迎えた。
金委員長が記したサイン
「新しい歴史は今から。平和の時代、歴史の出発点に」=金正恩北朝鮮労働党委員長
朝鮮戦争(1950~53年)による分断から65年。この日午前9時半、板門店の軍事境界線をはさんで初めて韓国の地に足を踏み入れた北朝鮮最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長は、待ち受ける韓国の文在寅大統領とにこやかに握手を交わしたあと、徒歩で韓国入りを果たした。
この際、文大統領がいったん韓国入りした金委員長の勧めに応じ、共に南北軍事境界線をまたいで北朝鮮側へと足を踏み入れ、このご今度は2人そろって手をつないで仲良く韓国入りする感動的な場面まで見られた。
金委員長は韓国に足を踏み入れた直後、文大統領と約20秒間、笑顔で握手を交わしたが、この間、大統領の目を見つめ「気持ちは高揚したままです。この歴史的な場所で会えたので」と正直に語るひと幕も。この後、両首脳はそれぞれの随行員を紹介し韓国側施設をバックに記念撮影をしたあと、韓国軍の儀仗隊による栄誉礼を受け、板門店(パンムンジョム)の「平和の家」へ。
冒頭のことば「新しい歴史は今から……」は、「平和の家」に到着した金委員長が会議場に入った直後に芳名録に署名し記したことばである。なんと純真、かつ、いいことばであることか。
実際、世界中の人々がこのことばをかみしめてみてはどうか、と私はテレビの中継を見ながらふと思ったのである。両首脳はその後、金委員長の妹、金与正(キムヨジュン)党第一副部長もまじえ、楕円形のやわらかな感じのする丸テーブルを囲んで会談にのぞんだあと、ふたりだけで近くの道を散歩しながら橋の上で話し合ったり、椅子に座って互いの意見を述べ合うなどしたが、終始友好ムードのなか進んだ。
首脳会談は終始、にこやかな雰囲気のなか、進んだ(各局テレビ画面、夕刊紙面から。オムニバス形式で)
最後に共同宣言が発表されたが、同じ民族の1人として互いに感極まった両首脳が思わず、抱擁する場面まで見られた。発表のあとは、両首脳夫人も加わっての晩餐会があり、北朝鮮側からは平壌にある有名店の冷麺が提供された。南北首脳会談はこうして世界の目が見守るなか、平和への舵取りと言ってもいい、歴史的な時を刻んだのである。
一方のわが家。夕飯を囲みながら、「それで、あなた。テレビを見ていてどう感じたの。歴史は動いた、と思ったの。ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが1つになったときのように」と突然、相棒が口を開いた。「確かに動いた、そんな気がする。いや、世界中が良い方向、平和に向かって動いていくチャンスかも知れないよ」と私。北朝鮮に関しては、これまで一方的に推し進めてきた度重なる核開発やミサイル発射などでいろいろ懐疑的な見方をする人も多い。でも、少なくともきょうの金正恩氏のあの真剣な表情と少年のような笑顔を見るかぎり、嘘を言っているとは思えない。
彼が大任を背負って真剣勝負で軍事境界線を超えて歩いてきたことだけは間違いないだろう。その点では心から、おつかれさま。決めたことは世界の平和のためにも、どこまでも守るように、と訴えたい。
以下、両首脳の共同宣言、板門店宣言をここに記しておこう。
▽完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する
▽年内に朝鮮戦争の終戦を宣言。停戦協定を平和協定に転換するための会談を推進
▽文大統領が今秋、平壌を訪問する
▽北朝鮮・開城に南北共同連絡事務所を開設する
▽敵対行為を全面的に禁止し、両首脳が定期的な会談、直通電話で議論する
テレビ画面で見る限り、これまで強権的なふるまいが目立った金委員長も人の子。ミサイル発射などで怒ったり、他国を威圧するばかりではなく、時には笑ったり、泣いたり、悲しんだりすることが出来る立派なリーダーになりうると、確信した。
人間、誰だって向かい合って相手の気持ちになり心を込めて話し合えば、皆わかりあう。そんな気がするのである。懐疑的になる前に相手を信じることの方が大切だ、と思う。きょうの会談を見守ったかぎり、近く予定されるトランプ米大統領との会談も成果を上げ、世界が平和への階段を一歩上る気がする。日本にとっては、拉致問題解決のきっかけが生まれれば、と願う。
交渉の結果次第では、常時険悪な関係にあるイスラエルとパレスチナ間の関係にも影響を及ぼしそうだ。もはや、世界は若き金正恩氏をかなめに、ひとつになりつつあるのである。
南北の会談長し春深し 伊神舞子きょうの俳句=minuetto-mi=
4月26日
木曜日。仙台高裁はこの日、東日本大震災の津波で犠牲となった宮城県石巻市立大川小児童23人の遺族が市と県に約23億円の損害賠償を求めた控訴審判決で「浸水予想区域外にあった大川小への津波襲来の危険性は予見可能だった」と判断、震災前の市や学校の防災体制について初めて過失を認定。賠償額も約1000万円増額し約14億3600万円の支払いを命じた。1週間前に250年ぶりに噴火した九州の硫黄山が再び、噴火。札幌では桜が開花、平年より7日早いという。
名もなき赤ちゃん猫が眠るお墓。悲しみにくれる外猫シロちゃんと猫パンくん
たった一日の生よ子猫の棺なり 伊神舞子きょうの俳句=minuetto-mi=から
午前5時過ぎ、起床。というのは、外猫シロちゃんと猫パンくんの間に生まれながら、僅か1日もたたず亡くなってしまった名もなき赤ちゃん猫を裏庭に埋葬するためだ。それこそ、手のひらにスッポリ入るほどだったが、たとえ一瞬にせよ、この地球上の存在として生きただけに、ねんごろに葬ってやらねばとの気持ちは舞も私も同じである。
というわけで、ちいさなスコップで土を掘り起こし、舞の手で白いやわらかな毛布に優しく、くるまれた名もなき子猫ちゃんをふたりして埋めた。埋葬場所は、かつてわが家のボス猫として君臨した〈こすも・ここ〉、そして彼女の後を立派に引き継いで昨年夏に亡くなった〈神猫シロちゃん〉のすぐそばである。墓にはその後、わが家にとってはゆかり深いアルストロメリアなどが供えられた。
午前中は社交ダンスのレッスンに。ブルースとワルツ、タンゴを踊ったが、やはり息が切れる。ブルースなぞ簡単なはずだが、これを踊るのに結構、体力がいることを今さらながら強く感じた。
鳥影社から速達と本2冊が送られてきた。本は私のエッセイ「信長のやさしさ」が掲載された〈季刊文科74〉で、執筆陣は村上政彦さん(創作「結交姉妹」)はじめ、吉村萬壱さん(「レナの記憶」)……、ほかに津村節子さん(エッセイ「忘れられない店」)ら錚々たる顔ぶれで、読み応えもありそうである。じっくり読ませてもらい、同時に執筆陣のひとりとして感謝せねば、とも思う。
わが家に届いたお洒落な表紙の〈季刊文科74〉
4月25日
愛知県長久手市の愛・地球博記念公園に「ジブリパーク」を整備する構想で、大村秀章知事がこの日、スタジオジブリ(東京都)から提供された基本デザインの概要を正式発表。
ジブリパークは5カ所のエリアに分け整備し、2020年度に着工、2022年度中の開業をめざすという。映画「ハウルの動く城」と「耳をすませば」に着想を得た〈青春の丘エリア〉、映画展示場やレストランを備えた大型屋内施設〈ジブリの大倉庫エリア〉、もののけ姫の世界観を体感できる〈もののけの里エリア〉、遊戯施設を備えた〈魔女の谷エリア〉、トトロがすむ里山を再現する〈どんどこ森エリア〉からなり、ジブリ側が描いたイメージ画5枚も公開した。
大村知事は「日本文化の発信基地として世界中の人に見てもらいたい」と話している。
春の園遊会が東京・元赤坂の赤坂御苑で行われ、天皇、皇后両陛下が平昌冬季五輪のフィギュアスケートで金メダルに輝いた羽生結弦選手や国民栄誉賞を受賞した将棋の羽生善治二冠、囲碁の井山裕太7冠らに声をかけられた。
名古屋市は25日、愛知県内で広がるはしか感染で新たに女性3人が感染し8人になった、と発表。
夜。午後8時半過ぎ。何を思ったのか。舞が私の部屋にきて「(野良猫の)シロちゃんの子が亡くなってしまった」と、ただのひと言。最初はピンとこず「何」「なんのことか」「なに言っとるだ。俺にはお前の言うことがよう、わからん。シロはもう死んでいないがや」と聞いたが、最初のうちはそれこそチンプンカンで、さっぱり要領を得ず、意味が分からへん。
舞は一体私に何を話しかけてきたのか。そういえば、ここ2、3日、外猫シロは異常なほどにまで、わが家のまわりを歩き回り、どこか悲しげに泣きどおしだった。
きょう帰った舞が外の中庭に出たまま一向に帰ってこないので「一体何があったのか」と不信には思っていたのだが。まさかシロちゃんが、わが家の床下でこどもを生んでいて、その子が死んでまった、だとは。思いもしなかったのである。
母親のシロちゃんが土砂ぶりの雨のなかで、泣き通しだったのはそういうことだったのか。かわいそうに、赤ちゃん猫は生まれて間もなく目も開かないうちに自然界に淘汰でもされるように亡くなってしまったのである。
この場合の外猫シロちゃんは、わが家で家族一緒に暮らし、昨年の7月に23歳の長寿を全うして家族みんなが見守るなか老衰で亡くなった神猫シロちゃんではなく、彼女の死と入れ替わるようにして、いつのまにか、わが家の縁などに姿を出すようになっていた野良猫シロちゃんのことである。
それにしても。よりにもよって、このシロちゃん外猫。わが家の床下にアジトを構え、かつて能登と大垣で私たちと暮らし交通事故に遭って突然死んでしまった、あの〈てまりちゃん〉の生まれ変わりのような〈猫パンちゃん(食事を与えようとすると、いつも決まって強烈パンチを食らわしてくるので舞が知らぬ間にこう呼ぶようになった)〉と暮らすうち、ふたりの間にわが子を授かり、生まれて間もなく、この赤ちゃん猫は、この世の無情というか。雨、風に耐えきれず死んでしまったらしい。
そのほかにも、いろいろとニュースはあるが(どちらかというと、政界はじめどこもかしこも低俗な話ばかりだが)。きょうは無理しないで。ここいらで。
4月24日
雨降り。肺の術後検診で朝から江南厚生病院へ。
きょうは1人で出向いた。舞に手綱を離されたみたいで、ナンダカ少し不安な気もしたが幸い、血液検査もレントゲン撮影の結果も「大丈夫です」とのことだった。やれやれ、ひと安心といったところか。でも、あの抗生剤とやらは引き続いて飲み続けねばならず、これが結構おっくうだ。仕方ないっ、か。ここは担当医師を信じて飲むほかあるまい。
24日の朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が23日、南西部で起きたバス事故に関連、中国人観光客に多くの死傷者(中国人乗客34人のうち32人が死亡、2人が重傷)が出たことを受け、即座に中国大使館を訪問し哀悼の意を表し、同時に病院も訪れ、負傷者を手厚く見舞ったという。
金党委員長はその席で「大変胸が痛む」と述べ「最大の誠意を尽くし、対応措置を講じる」と約束したといい、南北首脳会談と米朝首脳会談を前に、この話題が世界を【新しい風】となって駆け回っている。これまでなら考えられない対応ぶりには世界が息をのんでいる―といったところか。
韓国大統領府が24日、軍事境界線上の板門店で27日に開かれる南北首脳会談のリハーサルをした、と発表。カナダのトロント郊外ではワゴン車が歩道に突っ込み、10人が死亡、15人が負傷した。25歳の男性容疑者は地元警察官に「私を撃て。殺せ」と訴えていたという。
沖縄旅行から戻った10代男性に端を発した名古屋のはしか感染で、愛知県内ではこの日新たに3人の感染が判明。いずれも男性が受診した医療機関を受診しており、空気感染の可能性が高いという。
2215試合連続出場の世界記録(当時)を樹立し、赤ヘル軍団による日本一にも大きく貢献。1987年には国民栄誉賞を受賞し、1996年野球殿堂入りするなど数々の栄光を努力と忍耐で築き上げてきたあの鉄人、元プロ野球広島の衣笠祥雄さんが23日、上行結腸がんで東京都内で死去した。71歳。通夜は24日、近親者により、行われた。BS―TBSで放送された19日のDeNA対巨人戦が最後の解説になった。まだ若いのに。好きな選手だっただけに、残念である。合掌―
政府はセクハラ疑惑を報じられた福田淳一財務次官の辞任を、この日の閣議で承認。福田氏は同日付で財務省を辞職した。本人はセクハラを否定しているため財務省は処分を先送りしたうえで、約5300万円の支払いを留保したという。
4月23日
報道ステーションの世論調査によれば、「安倍政権を支持する」は29・0%。過去最低の結果となった。支持率の悪さは新聞各紙の世論調査も同じで、毎日新聞が21、22両日行ったところによると、3月の前回調査から3㌽下落し、30%に。
東電福島第1原発事故による避難指示が2015年に解除された福島県楢葉町。その楢葉町で昨秋収穫された町内産の米を仕込んだ日本酒【楢葉の風】が発売された。楢葉町が姉妹都市提携をしている会津美里町の酒蔵「白井酒造店」に醸造を依頼。店の人気の日本酒「風が吹く」から〈風〉の1字を取って命名されたという。私自身、大震災と原発事故後の楢葉町には過去何度も足を運んできただけに、わがことのように嬉しい。
月曜日。
♪イムジン河水清く とうとうとながる
水鳥自由に むらがり飛びかうよ
わが祖国南の地 おもいははるか
イムジン河水清く とうとうとながる……
なぜか、きょうは〈イムジン河〉を歌いたくなり、繰り返しうたった。うたいながら【だれが祖国をふたつに分けてしまったの】の下りでは、さすがに目頭に熱いものを感じた。ホントに一体だれが、罪もない人々をふたつに分けてしまったのか。
少なくとも朝鮮戦争に手を出した大国であることは違いない。韓国、北朝鮮の人々は、これまでおのれの知らないところで大国の犠牲となり肉親を、家族を、そして。ふるさとまでをも、分断されてきたのである。
いつだったか。旅の取材で中国遼寧省・丹東を訪れた日のことが思い出される。鴨緑江の橋ひとつを隔てたその向こうに北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)があり、旅情をことさらに感じた。27日に板門店の「平和の家」で開かれる韓国と北朝鮮首脳会議では、ずっとこの「イムジン河」の曲と歌声を米国だけでなく、世界の国々に向かって流し続けたらどうか、と。私は本気でそう訴えたい。できたら、北朝鮮と韓国のこどもたちが一緒にうたい続けると良い。
♪イムジン河空遠く 虹よかかっておくれ
河よ 思いを伝えておくれ
ふるさとを いつまでも忘れはしない
イムジン河 水清く とうとうとながる
周りの雑草にも負けず、どうにか育ちつつあるタマネギさんたち
午後のひととき。「たまにはひとりで行ってきてよ。だって。あなたの土地、あなたがお父さんからもらった大切な畑地じゃないの。わたしは、もう手を離すから。ネ」と相棒から冷たく見放された私は、しぶしぶわが農地〈エデンの東〉へ。案の定、草は生え放題の様相を呈していたが、なんとかタマネギ畑の周囲の雑草だけはマンノと草刈り鎌の二刀流(二刀流、と言えるかどうか)で刈り取った。雑草に覆われていたタマネギは、そこはどっこい。雑草たちに負けるものか、と思っていた以上に大きく育っていたのには驚いた。
こんど来たときは3本ある柿の木の下部分と荒れ野同然と化しつつある草地を少しでもきれいにしなければ、と思っている。
4月22日
日曜日。昨日に続き、きょうも日本じゅうが暑さにうだる1日となった。群馬県館林市で32・1度、岐阜県揖斐川町で31・2度を記録。富山県魚津町の蜃気楼マラソンなど各地で熱中症患者が相次いだという。
夜。NHK総合で〈ダーウィンが来た〉〈西郷ドン〉〈NHKスペシャル 金正恩の野望・第3集〝非核化〟発言の真意 首脳会談の陰で核開発 盗まれたミサイル技術〉の順で見る。どれも関心のある番組だからだが、やはり〈金正恩の野望〉は米朝韓のこんごの動き方次第で日本はむろん、世界の平和にも直接関わってくる。大きな問題だけに目が離せない。核開発ミサイル技術がウクライナの技術者たちから流れていたという現実など金正恩北朝鮮労働党委員長の用意周到さには驚かされた。
岐阜で第8回高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンがあり、1万1300人のランナーが長良川沿いを駆け抜け、仙台では平昌冬季五輪フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を達成した羽生結弦選手(23)の祝賀パレードに全国から10万8000人が「夢と希望をありがとう」と押し寄せた。また同じ平昌五輪スピードスケート女子で計5個のメダルを姉妹で獲得した高木菜那、美帆選手の出身地・北海道幕別町でもふたりの快挙をお祝いする祝賀パレードがあり、1万8000人が沿道を埋め尽くした。
名古屋市中心部では、尾張藩初代藩主・徳川義直の正室・春姫の嫁入り行列を再現した、ことしで最後になる春姫道中が本丸御殿の完成(6月に完成予定)を前に、にぎやかに行われた。
名古屋・栄の松坂屋蓬莱軒であす正午から予定されていた名古屋在住有志による小中陽太郎さんを囲んでのランチタイムミーティングは小中さんの体調不良もあって急きょ、中止に。世話人の濱ちゃん(濱田さん)からのメール連絡によれば、「小中先生曰く、主治医は京都の講演会は許可を出したが、名古屋で途中下車して会食することは許可出来ないとのことで、ドクターストップが出ました」と。でも「お声などはお元気そうでした。また機会を改めて開催致したく、なにとぞよろしくお願いします」とのことだった。
何はともあれ、早くよくなってほしく思った次第。ベ平連(ベトナム民主平和連合)生みの親の1人でもある小中さんとは、せっかくの場なので久しぶりに北朝鮮情勢や世界の平和、歴史小説などについてあれこれ話をしたかった。それだけに、少し残念な気がした。でもまあ、いいっか。体力さえ元に戻り回復されれば、また話し合うことは出来る。みな、そうした、体力勝負の齢になってきたということだ。
4月21日
全国的に気温が上がり、全国27カ所の観測地点で30度以上の真夏日を記録。神岡で31・4度、松本でも30・3度を記録。名古屋市昭和区の病院で働く30代の女性が沖縄県で流行しているはしかに感染、愛知県内ではことし二人目だという。
名古屋――金沢間250㌔を走破する「2018さくら道国際ネイチャーラン」が21日名古屋市の名古屋城を出発して始まった。ことしの参加者は、国内外の133人。午後7時58分、世界最高齢とみられ国内最高齢の鹿児島県・喜界島の田島ナビさんが老衰で死去。117歳だった。
北朝鮮が、核実験の中止を決定した。とはいえ、最大の焦点である【核放棄】までには踏み込んではいない。
核実験中止を伝えるニュース(NHK画面から)
―早朝から、NHKニュースなどでビッグニュースが飛び込んできた。ちなみにスマホでヤフーニュースを開いてみると、「北朝鮮、核実験の中止を決定 北朝鮮、核実験場廃棄を決定=ミサイル発射も中止、対話へ―正恩氏、経済建設に集中」なる活字も飛び込んできた。そして具体的には【ソウル時事】発で次のような記事が流れていたのである。
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会が20日、開かれ、21日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を中止し、北部の核実験場を廃棄することを決定した。(時事通信)
さらに金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は、核兵器の武器化などが既に検証されたと述べたうえで「われわれは、いかなる核実験、中長距離大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射も必要がなくなった。北部核実験場も自己の使命を終えた」と述べたという。
いやはや、金正恩は私がかねてから思っていたとおりの男だ。若いのにたいしたものである。もしかしたら、この先世界の平和と安全を引っ張っていく男になるかもしれない。若くはあるが、思い切った許されない粛清を何度も完遂し、それだけの修羅場もくぐってきてもいる。スイスなどにも留学し語学にも秀でており、脳天気な日本人からはこれまでさんざん馬鹿にされてもきた。
もちろん、粛清政治や核実験、ミサイルの発射などの暴挙を良識ある国際社会が許すはずはない。でも彼なりに真剣勝負でここまで来たことは間違いない。見方によっては、一国を預かる政治家たるもの、こうでなくっちゃあ―とも思う。これからは、世界の平和に、若者世代の代表として力を尽くしてほしい。トランプ米大統領は「トランプ政治の成果だ」と自画自賛しているが、そうだろうか。ある面で賢く立ち回る金正恩労働党委員長に単純なトランプ大統領は完全に1本取られようとしている。
それこそ、どこまでもトランプ頼りで「ウミを出し切る」という言葉ひとつ知らないどこかの頭の悪い首相とは才能も真剣度も国民を真実思う気持ちも違うのである。ともあれ、これを機に、金委員長を扇の要に世界中が平和に向かうとよい。そして金委員長には、先頭に立って世界平和実現に努めてほしい。そしたら彼にノーベル平和賞が与えられても世界の誰もが認めるに違いない。
まだまだ油断は出来ないが、北朝鮮と韓国の国境を流れるイムジン河がいよいよ美しく見えてきた。情熱の男、韓国の文在寅大統領のリードにも期待したい。
訳あってツイッターを再開しようとアレコレ試みてみるのだが。以前は出来たはずなのに。なんとも、うまくいかない。とりあえず、気の許せる知人や友だちばかり10人ほどにツイートしてみるが、先方に届いたかどうかとなると皆目分からない。自信がない。
むろん、トランプ米大統領にも「Are you fine now」とツイートはしたものの、メールが無事太平洋を超え彼の元に届いたかどうか、となると甚だ疑わしい。あれこれやっているうちに、ツイート先の相手と意思の疎通が図れるようになれば、これほど嬉しいことはないのだが。メールは送れてもツイートをどうして送ったらよいものか。慌てずのんびりと操作をつづけてみよう。そのうち出来るようになるだろう。
愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から男性受刑者が逃げ、あすで二週間。どうやら潜伏先と見られる向島には1000軒以上の空き家があり、これらの存在がネックとなっているらしい。警察が勝手に踏み込むわけにもいかないためで、この日はとうとう警察犬16匹も島に投入されたという。それにしても平尾龍磨受刑者は一体どこにいるのか。出~てこい 出てこい 出てこい 平尾サン―と。呼びかけてはいるのだが。誤解は避けたいが、彼もある面たいした男だ。島民への被害だけは、ないように。やはり、早く出てこい、池のこい―と呼びかけたい。
4月20日
穀雨。五穀豊穣をもたらす雨の季節がやってきた。金曜日。
あぁ~、それなのに。大分県日田市では、なんと30・8度の真夏日に達したという。いまに始まったわけでもあるまい。だが、このころにこれだけの温度に達すると言うと、季節が壊れてしまっているといっても良いと思う。
厳しい寒さの真冬から抜け出た時のポカポカ陽気ならば、大歓迎なのだが。
午前中、目医者さんへ。いやはや、待合室は私ぐらいの年齢の人、人、人でいっぱい。私は眼圧検査をしてもらい左右とも18で心配ない、と医師から言われ三カ月分の点眼薬を処方してもらって帰宅。帰ったまでは良かったが、大切なスマホが行方不明になっていることに気付き、それこそ、命を取られたような思いにかられた(ちとオーバーかしれない。でも現代社会では、それほどの必需品になっていることも確かだ)。
というわけで、室内のあちこちを探しても見つからない。デ、念のため愛車の座席を綿密に調べてみたところ、運転席座席の後ろの1画に挟まるようにして顔の1部をのぞかせ、放置されたままの愛用のスマホを発見。やれやれ、である。このスマホには私にとっては大切なデータが、いっぱい入っているだけにホッとした。
中日はナゴヤドームで広島戦。4―2で勝っていたのでテレビ観戦したところ、7回表に5点を入れられ、7―4。ここで「観ているとダメなんだから」と舞に言われ、テレビを切ると、なんと十一時のニュースで、その後逆転し11―7で気持ちのいい逆転劇を演じたというではないか。
「やっぱり、あなたが観てると負けるから。観ていない方がいい」との舞の厳しいことばは当たっていた。ともあれ、勝てば官軍だ。あとは連勝といきたい。ちなみに勝利投手は伊藤準規だった。やったぜ、ジュンキ!
ちまたは、福田淳一財務次官からテレビ朝日女性社員がセクハラを受けたとするセクハラ問題などあれやこれや、とかまびすしく報道されているが一連の報道にはしっくりこないものがあるのは私だけか。それよりも51年前に順天堂大順天堂医院(東京)で赤ちゃんの取り違えが起きた問題とか、結婚まもない妻に3000万円の生命保険をかけ和歌山の海で水難事故を装って妻を殺した男の話、6月の滋賀県知事選に滋賀大名誉教授の近藤学氏(68)が立候補の意向を固めたことなどの方が、ずっと気になる。
そして。中日新聞の朝刊で特集されていた『睡蓮へのまなざし 「モネそれからの100年」展』の方がより高貴かつ、いい話題なのである。一連のセクハラ問題はむろん男の方が悪いには違いないが、それに関わった女性の方にも安易な取材方法に非は当然あると思うが。どうだろう。みなさん、修羅場を歩いた記者ならば、胸に手を当てれば分かるはずだ。
問題になった以上、双方にスキと油断があったわけで、どちらもその姿勢は厳しく糾弾されるべきだ。そうした取材から真実、公正、かつ進歩的な記事が生まれることはありえないのではないか。私の経験から言わせていただけば、「恋は恋、取材は取材」である。これらが対異性関係と変なところで複雑にこんがらかってしまった安易かつ、不道徳極まる取材なぞは、もはや問題外なのである。
4月19日
朝から市内の公民館へ。
社交ダンスのレッスンのためで先生から1級のワルツを繰り返し学んだ。やはり、呼吸はどうしても途切れ、息切れがするのでレッスンは途中、何度も休みながら繰り返す方法で進んだ。きょうは、テルちゃん、エッちゃん…と皆女性ばかりのためなんとなく気恥ずかしさもあってか。その分、ステップを踏むからだへの負担も大きい。そんな気がした。
ロボットのようにからだを静かに固定させつつ歩幅を大きく、強弱をつけて波のようにからだを大きく傾斜をつけて踊る。これをスエイ(ダンスでいう体の傾斜)というそうだ。心身ともにその世界に没頭しなければ。なかなかマスターは難しい。
昼。エスティティックサロンで知られる〝あ~ちゃん〟宅へ。
彼女は本来、私がせねばならなかったこの街・花霞の評議員を私が思わぬ病気で入院という事態に至ったため急きょ、ピンチヒッターで引き受けてくださった、いわば命の恩人。私は玄関先に立ちベルを鳴らし、心から礼を述べた。同時に拙著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)も贈呈させていただいたが、姉ご肌の〝あ~ちゃん〟は「いがみさん。わざわざありがとう」と喜んでくださり、お礼に足を運んでほんとによかったなと思った。
〝あ~ちゃん〟は私より、おそらく5、6歳は若いだろうがキップがよいばかりか、器量よし。そのうえ面倒見がいい女傑ときている。曲がったことが大嫌いな性格で苦しんでいる人をほおっておけない性格ときている。「お互いに、この齢なのだから。いつまでも若くはないのだから。からだ大事にしようね」と言い合って別れた。
夜。CBCテレビでナゴヤドームでのプロ野球、ドラゴンズ×阪神戦を見る。試合の方は2―1で惜しくも阪神に破れた(中日はこれで5連敗)が、あの松坂大輔投手が今季2度目の先発マウンドにたち国内復帰後最長となる7㌄を4安打2失点(自責点1)と好投。ナゴヤドームはわきにわいた。
安倍晋三首相とトランプ米大統領が18日午後(日本時間19日未明)、フロリダ州パームビーチで二日目の日米首脳会談を行い、両首脳は新たな日米の貿易協議を始めることで合意。安倍首相が日米貿易にとって環太平洋連携協定(TPP)が「最善」としたのに対してトランプ大統領は二国間協定が望ましい、と立場の違いを明らかにした。
午後3時40分ごろ、宮崎県と鹿児島県境にある霧島連山・えびの高原(硫黄山)で250年ぶりに噴火が起き、噴煙は高さ300㍍に及んだ。
4月18日
毎日歯を磨いている。きょうは『よい歯の日』よ―とは中日夕刊4コマ漫画「ウチのげんき予報 新田朋子」から
というわけでもないが、たまたま予約日が『よい歯の日』と重なって自宅近くの歯医者さんへ。歯科衛生士さんから歯の正しい磨き方をしっかり教えていただき、洗浄もしっかりしてもらい帰った。これまでも歯磨きをしっかりしてきてはいるのだが。ここ数年、高齢になるに従い上下とも歯はかなり傷みが目立ってきているだけに、これからは言われたとおりにしっかりした歯磨きを、とあらためて誓った次第である。
きょうの中日新聞と毎日新聞夕刊の一部見出しを以下、列挙する。
『CIA(米中央情報局)長官正恩氏と面会 米紙報道 先月末ごろ極秘訪朝』『「米朝会談で拉致提起」 日米首脳会談 トランプ氏明言』『「米朝会談 見送りも」 トランプ氏 開催候補地に5カ所』『ソフトバンクグループ 939億円申告漏れ 租税回避地の子会社所得』『セクハラ疑惑「次官は説明を」自公幹事長が方針確認』『バーバラ・ブッシュ元大統領夫人死去 92歳』『幕末の実像郡上によみがえる 凌霜隊(りょうそうたい)写真を発見 戊辰戦争出発前の副隊長』=中日
『CIA長官訪朝 半月前 正恩氏と会談 米紙報道』『「拉致でベスト尽くす」 米朝会談へトランプ氏 日米首脳会談』『日米首脳会談「最初で最後のチャンス」 拉致家族、解決進展へ期待』『荒川さん殿堂入り フィギュアスケート』『田中5回7失点 MLB』『父ブッシュ氏の妻 バーバラさん死去』『貿易黒字38.2%減 17年度 対米は2年ぶり増』『飛行中エンジン爆発? 米旅客機 窓が破損1人死亡』=毎日
かくのごとく毎日毎日。いろんな事件が降ってはわいている。
ほかに女性問題が取りざたされている新潟県の米山隆一知事(50)が女子大生との援助交際、売買春に手を染めていたことが分かってきょうの午後、とうとう県議会議長に辞表を提出。週刊新潮で女性記者へのセクハラ疑惑が報じられた財務省の福田淳一次官(58)も指摘されている疑惑については「事実と異なる」と否定しつつも「現在の状況では職責を果たすことは困難だ」として麻生太郎財務相に辞任を申し出、テレビ朝日は19日未明になってセクハラ発言の被害者が同社の女性社員(記者)だったと発表し、財務省に抗議する予定であることを明らかにした。
なんだか、気が重くなるスッキリしない、へんな話ばかりだ。舞ではないが、「なんかいい話はないかな」と天に向かって声を投げ、叫びたい気がしてしまう。ニンゲン、それでも生きていかなくっちゃあ。あとは米朝会談での拉致被害者の帰国、急転直下の解決に期待するほかないか。
この問題にしても、日本政府はどうしてトランプ米大統領を頼って交渉を進めなければならないのか。安倍首相自らが胸を張って堂々と金正恩朝鮮労働党委員長に要望を突きつけるわけにはいかないのか。ご本人なりに頑張ってはおいでだが。やはり、日本国首相としての毅然とした力に欠けると言われても仕方なかろう。
4月17日
いつもお世話になっているガソリンスタンドの〈にゃん太くん〉が最近、姿を消し行方不明になったという。そのせいか、店員たちの表情が心なしか寂しそうだ。〈にゃん太〉は大柄。それだけに、いれば分かるはずだが。早く見つかってほしい。
兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校で106期生40人がこの日、入学式にのぞんだ。こんご2年間の稽古を重ね、タカラジェンヌとして晴れの舞台にたつ。
第122回ボストン・マラソンが16日、雨と寒さの悪コンディションの中、行われ、昨年の世界選手権覇者で大会2連覇を狙ったジョフリー・キルイ(ケニア)を終盤「心臓破りの丘」辺りからじわじわと追い詰め、最後に大逆転した川内優輝(埼玉県庁)が2時間15分58秒で初優勝した。日本勢の優勝は1987年大会の瀬古利彦さんいらい8人目で、9度目の快挙。2006年にスタートした世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」(WMM)で日本勢初制覇となった。
日本の小平智が米ゴルフツアー(米男子RBCヘリテージ)のプレーオフを制して米ツアーを初制覇。日本勢の米ツアー優勝は昨年8月までに5勝を挙げた松山英樹いらいで5人目の快挙だという。
米コロンビア大がことしのピュリツァー賞を発表。公益部門では、報道を機に性被害を告発する「♯Me Too(私も)」運動が急速に広がったハリウッド映画界の大物プロデューサーのセクハラ疑惑を追及した有力紙ニューヨーク・タイムズと雑誌ニューヨーカーを選んだ。
セクハラといえば日本では財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑、新潟県の米山隆一独身知事の女性問題が週刊誌の報道をきっかけに問題化。こんごどうなるのか。成り行きが注目されている。なんだか、とてもレベルの低い話ではないか。放っておけば良い気がしないでもない。相手女性から被害届けが出るなど、明らかに女性蔑視とか差別ならば許されないだろうが。男女間の問題は甚だ微妙でもある。
書き留めておきたいことはまだまだある。でも、きょうはここらで。書く以上は、ある程度調べた上で真実を公正に書かねばならない。それだけに、結構な労力を要するので、本日のところはあまり無理しないでおこう。
4月16日
中西進さん著の「美しい日本語の風景」
月曜日。
江南市内の書店から先日たのんでおいた中西進さんの著作「美しい日本語の風景」(淡交社、写真・井上博道)が届いた。帯には「中西進著 かぎろひ、ののさま にわたずみ、あきつ うすらひ、くさまくら… どのことばにも 日本人が 大切にはぐくんできた 歴史や美意識が込められています そんなことばの物語を深く味わってください 美しいことばの みごとな使い手になるため――」
「変化を認めながら、下品な流行語は使わず、大昔のものに固執せず、一歩遅れたところでことばを使うと、これは見事なばかりに美しいことばの使い手となる。じつは人間の品というものは すべてこの一歩遅れにあるのだから。――本文より」
とあるが、まさにそのとおりだ。
私はさっそくデスクの傍らにその本を置いた。
夜。風呂上がりに歩いて江南市内では珍しくジャズが聞けるショットバー「TOM トム」へ。
この店は県道沿いにたつ白い洋風建物で、お洒落な店の繕いが自慢でもある。今宵訪れようと思いたった訳は数日前に、この店のママさんから「最近お顔見せていただけないので、お元気かなと心配致しております。もしも、お時間があれば、ご相談とお聞きしたいことがありますので、お店に寄って頂きたいと思いましてご連絡致しました。お忙しいとは思いますが宜しくお願致します」といったラインによるメールが思いがけず入ったからで、久しぶりに洋酒でもと、急に足が向いたのである。
店に入ると「あ~ら」と彼女の懐かしい顔と声。ロックを手にご無沙汰をわびるうち、このお店がまもなく40周年を迎えることを知った。「できれば七月ごろに何かイベントを、と思ってますがどうしたら良いものか。相談にのっていただきたくて」というものだった。まもなくチラシが出来ます、とのことだったので「お役にたてるかどうか、は分かりませんが、それを見せて下さい」と話し、あとは雑談をして帰った。ありがたいことに「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を1冊購入したい、とのことで持参した本も買っていただいた次第。
ママさんは歴史に大変関心がおありで短編集のなかの書き下ろし〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉に登場する【吉乃】の存在にも、とても詳しい。それだけに、こんなにも身近にこうした歴女がいたことに感謝もし「ほかにも読みたい人がいらしたら」ともう1冊を手渡し、帰宅したのである。それはそうと退院後、ビールと日本酒は既にちょくちょく飲んではいるが。ロックでウィスキーを飲むのは今宵が初めて。僅かではあったが、いい気持ちになれた。帰ると舞が心配して待っていてくれた。
元はと言えば、このお店。この街に私たちが引っ越してきてまもなくどこで見つけたのか。ジャズ好きな舞が通い始めたお店である。私が知らなかっただけで、別に名古屋まで出なくても江南にもこうしたすばらしい店はあるのである。次は店自慢でもあるカクテル、スクリュードライバーでも注文してみようか。
北アルプスの立山連峰を貫き、富山と長野を結ぶ「立山黒部アルペンルート」がこの日、4カ月半ぶりに全線開通した。『暴力団離脱640人 17年まとめ構成員最少1万6800人』『元幹部「今は働く喜び」社会復帰へ就労支援不可欠』の中日新聞夕刊見出しの隣に、『「事実」こだわり独自視点 加藤廣さん死去 人生経験生かし』の評伝(編集委員・金井俊夫)。
この評伝は、小説「信長の棺」などで知られ、今月7日に87歳で亡くなった作家加藤廣(かとう・ひろし)さんのことを書いたもので『資料を基本に「事実」にこだわる姿勢には、戦後日本の経済や政治と並走してきた自らの人生経験も生かされていた。………志摩(三重県)の九鬼水軍を扱った作品で加藤さんがまず疑問視したのは、信長と毛利水軍の決戦に登場する「鉄甲船」だった。鉄の歴史の考察から出した結論は「当時の技術で鉄甲船は作れなかった」。………』と記しており、故人もさぞや浮かばれたに違いない。
きょうは、このあたりで。
4月15日
晴れたらいいね、の願いがかなった。ここ尾張地方は少し寒くはあったが、心配された雨が降ることはなく、子どもたちの担ぐ祭りみこしが街なかを練って歩いた。「お天気次第」とは、このことか。
震度7を二度経験し震災関連死を含め267人が犠牲となった熊本地震から二年。土砂崩れや建物倒壊で多くの人が亡くなった熊本県・阿蘇地域を中心にこの日、各地で遺族らが追悼の祈りを捧げた。水俣病を告発した代表作「苦海浄土」の作者で知られ、2月に90歳で亡くなった作家で詩人の「石牟礼道子さんを送る会」が東京都内で開かれた。
愛知県の北名古屋市長に無所属現職の長瀬保氏(77)=自民、立民、公明推薦=が激戦を制して無所属新人を破り4選を遂げ、津島市長選も無所属現職の日比一昭氏(65)が再選を決めた。三重県名張市長選も無所属現職の亀井利克氏(66)が5選を果たした。やはり、いつの世も現職は強い。
毎日新聞の1面こらむ〈余録〉によれば、きょうはヘリコプターの日だとか。なんでも竹とんぼに似た回転式の羽根を持つ「ネジ式ヘリコプター」のスケッチを残したレオナルド・ダビンチの誕生日に合わせて制定されたという。ヘリといえば、昭和50年代の若き日々に大事件や災害現場に誰よりも早く、真ん丸の取材ヘリ・ヒューズで現地に飛び、数々の事件に遭遇した日々が懐かしい。どれもこれも危険を伴う現場行だったが、よくぞただの一度も落ちなかったものよ。とつくづく思う。
それが最近、米からやってきたオスプレイとかいうシロモノ、見るからに墜落しそうで見た瞬間「これは危ない」と直感したが、まさにそのとおりで既に何度も落ち被害を与えている。
名古屋市中村区、中村生涯学習センター内の喫茶「まつぼっくり」で昨年10月いらい実に半年ぶりに私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の例会があり、楽しく充実したひとときを仲間と過ごした。
主宰である私が昨秋以降、体調を崩してしまい病院への入院、右肺の手術などで回復までに時間を要したためで、久しぶりに見る同人には、なんだか勇気を与えられたような、そんな気がした。きょうは、しばらくブランクがあったこととつい最近、私の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)が発行されたこともあり、本誕生に至るいきさつについて私から説明をさせて頂いた。引き続き、同人のみんながこれから取り組もうとする創作秘話などにつき思いの丈を話し合うことで時間を費やした。
1番若い20代半ばのある女性が〈生まれ変わり〉にポイントを絞って書いてみたいナ、と話せば熟達の男性は特攻兵の物語を、と皆さん目を輝かせて語り、私は私で「今度はふるさとを舞台にいろんな人々を登場させた、めちゃ面白い大河青春小説を」と話すなど、楽しく有意義な時間がアッという間に過ぎていった。次回、27回目のテーマエッセイのテーマを「門出」ともした。
帰りは各地の小中学校や幼稚園歌、小牧市と付き合いが続く北海道・八雲を描いた〈トコタン冬物語〉、ほかにチェリッシュの〈青春の街・小牧〉など。数々の作詞作曲はじめ、都はるみさんの〈恋の犬山〉の作曲でも知られる詩人でふるさと音楽家の牧すすむさん=牧さんは琴伝流大正琴弦洲会の会主としても活躍中=の奥さま、かよさんに名古屋駅まで送って頂いた。よきものは友人か、とつくづく思った次第である。
かよさんは、それこそ、いつまでたっても短編集のなかの書き下ろし作〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉に登場する【吉乃】を思わせる高貴で愛らしいお方で思いがけぬ再会を心から嬉しく思ったのである。
夜。NHKの大河ドラマ西郷どん「慶喜の本気~井伊の刺客! 左内西郷窮地に」とNHKスペシャル「金正恩の野望 その1・暴君か戦略家か」を見ていろいろ考えさせられた。私は、金正恩氏が時折見せる少年のような笑顔をみるかぎり、かれは戦略家で核開発の一方で本心は平和を限りなく願っている一人の人間だ、と確信しているのだが。
この番組を見て、いっそうその確信を得た。まさに【ピース・イズ・ラブ 君がいるから】で金氏にとっての君は、北朝鮮国民だな、と確信した。
ボクシングの世界戦で、WBA(世界ボクシング協会)ミドル級王者の村田が8回TKOで初防衛。「塀のない刑務所」で知られる愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者が逃走して1週間。指名手配中の平尾龍磨容疑者(27)は依然として広島県尾道市・向島に潜伏したままと見られ、住民も一丸となっての犯人捜しが懸命に続く。
4月14日
土曜日。曇天。ここ尾張地方は風が強く時折、小雨がふった。
春の高山祭(国の重要無形民俗文化財)が14日、岐阜県高山市の中心部で始まった。この日は修理中の一台を除く屋台十一台が各町内を出発、満開のソメイヨシノに彩られた赤い欄干の中橋などをゆったりと進むと、観客の間では思わず歓声があがり、ため息が漏れた。市は15日までの二日間で約二十万人の人出を見込んでいる。
『米英仏、シリア攻撃 化学兵器使用と断定 トランプ氏、ロシア非難』『米英仏を首相「支持」』『ロ反発「でっち上げ」 【解説】証拠示さぬまま強行(ワシントン・後藤孝好)』、『熊本地震2年 仮住まいなお3万8000人』とは、本日付中日新聞夕刊の1面見出し。
簡潔明瞭な見出しを目の前に、OPCW(化学兵器禁止機関)の現地調査をしないまま、なぜこうも短絡的にシリア攻撃ということになるのか。私にはそこがよく分からない。むろんシリアもシリアで化学兵器使用など絶対に許されないことではある。シリアの化学兵器使用をやめさせたいのなら、せめてアサド政権に使用の有無となぜ罪もない多くの子どもたちが犠牲にならなければいけないのか、につき直接聞いてみないのか。話し合えば、解決の糸口が見いだせるかも知れない。のに、だ。
米国防総省によれば、米英仏の三カ国は13日夜(シリア時間の14日未明)シリアの首都ダマスカス周辺などの化学兵器関連施設3カ所を攻撃、巡航ミサイル「トマホーク」などミサイル計105発を撃ち込んだという。素人考えではあるが、やはり安易なシリア攻撃はやめるべきだ、と私は思う。それとも、日本の戦国時代またしかり、でいつの時代も武力は使わざるをえないのか。私はそうではないと断言したい。武力行使なぞというものはチッポケな人間たちの醜い足掻きにしか見えないのだが。いやはや、ニンゲンたちとは、どいつもこいつもそろいもそろって、どこもかしこも愚かなものたちの烏合の集ばかりなのかも知れぬ。
今の世にあの織田信長が生きていたのなら。シリアに対して、どんな手段に出たのか。おそらくシリアが化学兵器を使ったことを確認した時点で、有無をも言わさず、シリア全土の焼き討ちを命じたに違いない。米英仏による化学兵器施設への同時精密攻撃などではなく、シリア全土の破壊と破局を命じただろう。もしかしたら、シリア全土の罪なき民を全員避難させたあと、核攻撃を命じたかもしれない。そして。全てを破壊尽くしたあと、国際社会にイチからの出直しを命じたかも知れない。
国際情勢とは別にきょう、あすと私が住む江南市古知野地区は古知野神社の春祭りである。ここ花霞でもみこしをかついだ子どもたちのワッショイワッショイの声が時折聴こえ、祭りは風雅でいいなあと思う。ことしは当初、評議員として出るはずだったが肺の手術で私が尊敬する女傑【あ~ちゃん】に急きょバトンタッチしていただいたが、だいぶ回復してきているだけに、なんだか悪い気がせぬでもない。でも、ここは新体制でお決めになったことだけに、私がとやかく言うことでもなかろう。
昼。久しぶりにカレーを食べにCoCo壱番屋に出向いた(舞は〈ミヌエット〉で仕事)が、やはりサラダもカレーも私には少し量が多すぎ、だいぶ時間を費やした。帰り道で、みこしと出くわしたが、子どもたちの元気な声が天にかけ抜けていくさまは、なんとも気持ちが良かった。この町ではシリアよりも子どもみこしの方がはるかに、いっぱい、いっぱい大切なのである。
あすが本祭。午後十一時を過ぎた。軒をたたく雨の音が強くなってきた。〈かぜたち〉も吹いている。あすの朝は晴れたらいいな、と願う。せめて、みこしが市内を巡るときだけでも、降らないでほしい。きょうは幸い、巡行中は降らなかったようだ。
4月13日
金曜日。午前中は新聞などをチェックして午後、名古屋に。要件だけとし夕方には帰ったが、やはりまだ少し息が弾む。
昼過ぎに一宮時代に大変お世話になった知人からスマホに「ガミちゃん、ご無沙汰してます、中日新聞(尾張版)見ましたよ。やはり名古屋まで行かないと本は無いみたい。近く行ってきます。頑張ってね」といったショートメールが入ったので「心から、ありがとうございます。丸善にはあるはずです」と返信させて頂いた。
広島県警廿日市署捜査本部が13日、2004年10月に県立廿日市高2年北口聡美さん=当時17歳=が自宅で刺殺された事件で山口県宇部市、会社員鹿嶋学容疑者(35)を逮捕。鹿嶋容疑者は別の暴行事件で山口県警に書類送検されていたが今月に入り、指紋と掌紋を検索できる指掌紋自動識別システムで照合したところ、同容疑者の指紋と現場に残されたものが一致。その後、DNA型も一致したという。
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が13日、アンマンで行われたアジア・カップの1次リーグB組最終戦でオーストラリアと1―1で引き分けて4強入りし5位までに与えられる2019年W杯フランス大会の出場権を獲得、8大会連続のワールドカップ(W杯)出場を決めた。最大震度7を2回観測した熊本地震が起き、あすで最初の激震から2年。各地で復旧・復興事業が進むが、なお4万人近くが仮住まい生活を送っている。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、農林水産省が柳瀬唯夫経済産業審議官が首相秘書官当時の2015年4月に愛媛県職員らと面談し「首相案件」と発言したとの県作成文書を省内で確認した、と発表。自民党は柳瀬審議官の国会への参考人招致を16日にも野党に提案する方針を固めた。柳瀬氏は記憶がないと主張しているがこんご政権が窮地に立たされるのは、必至の情勢となってきた。
4月12日
朝。布袋の公民館へ。社交ダンスのレッスンに。新年度でもあり、女性ふたり(うち一人は経験者)が新たに加わっての楽しいレッスンに。新人は初級のタンゴ、私はワルツの1級のレッスンに挑んだが、やはり先日の右肺の手術が影響してか。連続して無理にステップを踏むと、どうしても息が切れる。デ、ここは無理しないで合間に休みながらのレッスンとなった。
いったん帰ると郵便受けに昨日に続き固定資産税と都市計画税の納税通知書(畑地に所有地3カ所)が問答無用の体でどっさり入っており、急に重くなった自身の気持ちを励まして中身をチェック。納税額の多さには、毎度のことながら、ためいきが出る。でも仕方あるまい、と自身に言い聞かせる。「払わせてもらえるだけでも感謝せねば」と。
それにしても出費が重なる一方のなかの税の徴収が恨めしくもある。
舞は〈きょうの俳句、minuetto-mi。
〉を書くためにいつも肌身離さず手にしているタブレットの調子が悪くなったため仕事の合間に近くの修理店へ。幸い、すぐに直してもらえ、とても嬉しそうだった。彼女が役立たずのタブレットを手に句作が出来ないでいると、私まで胸がほころび痛んでくる。やれやれ、である。
デ、夕方になり検索してみると、さっそく
♪春愁や嫌い終わる花占い、なる1句が画面に現れホッとした。
午後は、いつも何かとお世話になっている江南市歴史研究会の後藤正敏さん(後藤正五郎さん)と一緒に地元の尾北ホームニュースへ。自著の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)2冊を贈呈。同時に女性編集スタッフからの取材も受けた。先日、本を手に、澤田和延江南市長を表敬訪問したことにも触れさせて頂いた。
ともあれ、舞が私に向かっていう「1日にふたつはダメだから。(することを)ひとつだけにしておかなきゃ」の言葉が正しいことを強く感じる1日となった。午前中の社交ダンスのレッスンに午後の尾北ホームニュース社訪問、合間の納税証明書確認と新聞各紙のチェック、さらには本欄〈伊神権太がゆく 人生そぞろ歩き〉の執筆…とあれもかれもでは、やはり体力を消耗する。息が切れ、きれぎれとなる。
あまり無理はしないで。「ゆっくりとネ」と自身に言い聞かせてはみたが。
ともあれ、以前のようなけたたましい毎日に戻りつつある。「無理するな」「ゆっくりと」ともう一人のボクが心と胸のなかで叫んでいる。
彦根で起きた同僚先輩警察官銃殺に始まり、大分の土砂崩れ現場で未だに見つからない被災者、広島での空き巣や車上ねらいを繰り返しながらの受刑囚逃走、さらには忖度政治の森友、加計問題でウソがウソで塗り固められた政界スズメ(これでは純真なスズメちゃんに悪い。叱られる)たちの見苦しさ、往生際の悪さ…など。こんなことでは、この世は地獄か。嘆かわしい限りである。
ねえ、安倍晋三さん、そして麻生さん。教えてよ。【真実】って。ウソをウソで押し通すことなのかしら。
4月11日
きょうも風がつよく、千葉県では砂嵐が吹き荒れたそうだ。
夜おそく。
滋賀県彦根市南川瀬町の河瀬駅前交番で勤務する井本光巡査部長(41)が血を流し倒れているのを署員が発見。井本巡査は病院に運ばれたが、後頭部と背中を拳銃で撃たれており死亡が確認された、とのニュースがテレビの速報で飛び込んできた。まもなくして(詳しくは12日午前1時35分ごろ)彦根の隣の愛荘町内で拳銃を持ったまま行方不明になっていた同僚の男性巡査(19)を捜査中の署員が見つけ身柄を確保したという。
一方で先に愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した平尾龍磨受刑者(27)は依然として広島県尾道市の向島に潜伏したまま、と見られる。11日は空き家1000軒を捜索したが発見には至らなかった。あすも900人体制で臨むというが、なんとも大捜査網となっている。これとは別にきょうの午前3時50分ごろ、大分県中津市那間渓町金吉で住宅の裏山が幅約200㍍、高さ100㍍にわたって崩落。四棟が土砂に巻き込まれ1人が死亡、5人が行方不明になった。いやはや事件、災害は次から次にと起きるが、これも世の定めか。人間の英知でどれも防げる気がするのだが。
学校法人「加計学園」(岡山市)の愛媛県今治市での獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相はこの日の衆院予算委員会で、自らの関与につき「私から指示を受けた人は一人もいないことが明らかになっている」と主張。2015年4月2日に当時の柳瀬唯夫首相秘書官が県や市、学園関係者と官邸で面会して「本件は首相案件になっている」と語ったとする内容を記録した県の文書に関しては「コメントを差し控えたい」と話し「元上司として(柳瀬氏の)発言を信頼している、と語った。
これまたおそまつ極まる国会の論戦である。ウソかホントか。人間社会はどこもかしこも綻びが出ている。言った、言わないのなすり合いにも似た論戦を見ていると貴重な時間がもったいなく、時の神さまに謝りたくなってくる。ホントに嘆かわしい。でも、これがこの世なのだ。あぁ~
明るい話題と言えるならば嬉しいのだが。
きょうの中日新聞尾張版。昨日、江南市歴史研究会代表二人に伴われ、文庫本の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を手に澤田和延市長を訪れ、本を寄贈させて頂いた私の話題が「信長や海外題材 伊神さん短編集 江南市長に寄贈」の見出しで本を手にした私の写真入りで紹介されていた。北名古屋、津島両市長選など紙面が窮屈な中での掲載に何より感謝しておきたい。
4月10日
本日付中日新聞夕刊1面トップ見出しは『加計学部新設は「首相案件」 愛媛県幹部らに秘書官面会時 県文書に記載』というもの。具体的には学校法人「加計学園」(岡山市)が愛媛県今治市に国家戦略特区で開設した獣医学部を巡り、県と市が特区を申請する前の2015年4月2日、自治体や学園の幹部ら一行が首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時、現経済産業審議官)と面会した際に、柳瀬氏が「本件は首相案件だ」と発言していたことが政府関係者への取材で分かった―といった内容で、まさに〈加計ありき〉が白日のもとにさらされた。
まったくもって先に財務省の太田充理財局長が参院決算委員会で学校法人「森友学園」にごみの撤去費用を名目に約8億円値引きして国有地を売却した問題を巡り、理財局職員が昨年2月、学園側に撤去費用につき、うその説明を求めていた事実を明らかにし「誤った対応でした」と陳謝した問題と同じで、忖度政治の一端だ―と言われて当然の「首相案件」だったといえよう。太田局長は「当時の国会答弁との整合性を取るためで、誤った対応でした」と深く陳謝したが、まさにその通りだ。
相次いで露呈されるこうした「首相案件」には、自民党内部からも「国民のみなさんがうんざりしている。われわれもうんざりしている。こういったことは早く明確にすべきだ」との声が上がってきた。
米大リーグ機構が9日、週間MVP(2~8日)を発表。ア・リーグでエンゼルスの大谷翔平が、同制度が始まって初の投打の二刀流投手として受賞した。日本勢としては23歳9カ月は最年少、メジャー1年目の4月上旬の選出で過去最速となる。大谷は本拠地初登板となった8日のアスレチック戦で7回を1安打無失点、12三振を奪う力投で開幕2連勝としたばかりか、打者としても3日から3試合連続で本塁打を放つなど打率4割6分2厘、3本塁打、7打点と驚異的な記録を残した。
午後、江南市歴史研究会の代表ふたりと共に短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)を手に江南市の澤田和延市長を表敬訪問。澤田市長に【恵存】のサイン入り文庫本の短編集を直接、寄贈し、6編から成る短編集のなかの書き下ろし〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉について説明をさせていただいた。この日は澤田市長の満63歳の誕生日でもあり、私はいつも自室デスク傍らにおいて離さないできた「美しい日本語の風景」(中西進著)1冊を誕生日のお祝いとして贈呈させていただいた。
帰宅すると脱原発社会をめざす文学者の会の仲間のひとりで詩人の野武由佳璃さん(東京・大田区在住)から2018年3月5日付、福島県庁避難者支援課発行の『故郷とあなたをつなぐ情報紙〈ふくしまの今が分かる新聞〉』入りの封書が届いていた。
「伊神様 先日3月31日~4月1日にかけて志賀泉さん(作家)、森川雅美さん(詩人)と福島にいってきました。今回は小高神社と摩崖仏をめぐるツアーで浪江の旅館に泊まりました。夜は請戸の海岸にいったりいろいろ 汚染土は減ってきたものの、なかなか復興への道は長いと感じました。鹿島には風力発電の施設もありとても学びが多い旅でした。お体はいかがですか? 本のこととかも話したかったのですが。………」
彼女にはいつも本当に助けられている。今回は病み上がりの身でもあり私は参加を控えたが、できるだけ近い時期に現地に足を踏み入れ、その後の復興の実態をこの目で確かめてこなければ、と思っている。野武さん、ありがとう。
愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場の寮から今月8日夜逃げ出した受刑者の平尾龍磨容疑者(27)はその後も港の監視や今治市と瀬戸内しまなみ海道で結ばれている向島島内などに潜伏。住宅から車の鍵や現金などを盗み、車上荒らしなどを繰り返して逃走、島内の不安をかきたてている。島では容疑者が刑務所で作業用に履いたと見られる靴も発見されているという。
4月9日
夜。カトマンズの裕子さん=愛知県稲沢市出身=から『本日、EMS(国際スピード郵便)受け取りましたよ! 「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」受け取りましたよ! 爽やかなブルーの素敵な本、2冊ありがとうございました。ゆっくり拝読させていただきます。………』のメールが入った。
『行方不明のままの本3冊はさておき本当によかったです。何はともあれ、国境を超えたおふたりの物語「カトマンズの恋 国境を超えた愛」を読んでください。テレビドラマになっても不思議でないロマンスかと思います。ニルマニさまにも、くれぐれもよろしくお願いします。』と返信させて頂いた。
三重県桑名市長島町の花のテーマパーク「なばなの里」で180万株のチューリップが満開に。「継続か転換か 第一声熱く」(中日新聞の10日付尾張版の見出し)のとおり、ここ尾張地方では北名古屋市長選はじめ同市議選、津島市長選、清洲市議選、愛西市議選がきのう告示され、中日新聞の紙面は見開きで選挙一色である。
日本サッカー協会が9日、成績不振などを理由にバヒド・ハリルホジッチ日本代表監督(65)を解任、後任に西野朗技術委員長(63)が就任した、と発表。財務省の太田充理財局長が、この日開かれた参院決算委員会で学校法人「森友学園」にごみの撤去費用を名目に約8億円値引きして国有地を売却した問題を巡り、理財局職員が昨年2月、学園側に撤去費用につきうその説明を求めていた事実を明らかにした。当時の国会答弁との整合性を取るためで、太田局長は「誤った対応でした」と深く陳謝した。
トランプ米大統領がシリアで化学兵器が使われた疑いに関連、軍事攻撃も選択肢として48時間以内に対応を決断する、と表明。
4月8日
日曜日。朝刊の〈桜だより〉を見る。
なんと東山公園、名古屋城、鶴舞公園、平和公園、山崎川、庄内緑地が「散り果て」。岩倉五条川、一宮木曽川堤、清洲公園、本巣淡墨桜が「散り始め」。「満開」となると、名古屋東谷山、関「寺尾千本桜」、伊那の「高遠城址」、高島の「海津大橋」、京都嵐山と数えるほどだった。ことしは咲くのも早いが散るのも早い。
注目の米大リーグ。開幕早々3試合連続アーチのエンゼルスの大谷翔平がこんどはアスレチックス戦で投手として先発で初登板。初回を3者連続三振で立ち上がると勢いが加速。積極的にフォークで攻め、二~四回を三者凡退とすると五回にも2度目の3者連続三振を奪った。完全試合を予感させる展開のなか、七回1死で2番のセミエンに三遊間を抜く安打を許すとスタンドからはため息が。次のラウリーにはストレートの四球。二死二、三塁のピンチとなった。
が、ここからが大谷はただものでない。気持ちを切り替え、オルソンをフォークで空振り三振に仕留め、文句なしの勝利投手に輝いた。
きょうは、昨夜「オレがつくってやる」と宣言した通り、自己流で味噌汁をつくって朝食のテーブルに。味噌が濃すぎてなんともおかしな味ではあったが、舞は結構うれしそうだった。その舞だが、このところの過労がたたってか。朝食を食べたあとは「頭が痛いから」と自室へ。とうとう1日臥したままだった。
大丈夫かな、と心配したが、夜に入り少し元気が戻ったようで台所に立ったので、ホッと一安心。私はといえば、術後の療養治療もあって相変わらず、食後の薬、薬に追われる毎日だ。早く前のように薬とは全く縁のない生活に戻りたいのだが。
4月7日
土曜日。昨日に続いて寒い日だ。
木曽の流れを眼下に、国宝犬山城の城下町を町ごとに計13両ある車山(やま)が巡行する犬山祭が始まった。日中は「てこ」と呼ばれる男衆15~20人が引き手となって古い町並みを巡行し、夜は1両ごとに365個のちょうちんを取り付け、幻想的な明かりが夜空を照らす「夜車山(よやま)」があった。8日もある。この犬山祭は国指定重要民俗文化財。一昨年には国内33の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つとして国連教育科学文化機構(ユネスコ)の無形文化遺産になった。
午後、最近発行したばかりの短編集「ピース・イズ・ラブ」(人間社)を手に、車の遠出運転の練習を兼ね、犬山の楽田へ。滝中、滝高時代の友人であるお祥(石田祥二さん。元愛知北農協組合長、元二石会会長など)に会ってきた。喫茶店に入り、互いに年をとったものだよな、と話し合い帰ったが、やはり犬山までの運転となると少し体力を消耗する。でも、思い切って行き、喜んでくれてよかったと思う。
夜。岐阜の蘇原ダンスサークルの先生から「久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。お身体が良くなってきましたらダンスの復活に出て来て下さい。皆でお待ちしていますね」のメール。親切な声かけに「そろそろ」と思う半面、「ここは無理しないで今少したってからに」と自重の鐘を鳴らす自分がいることにも気がついた。
「そうだ、あわてる必要はない。元気で生きていさえすれば、いつだって出来るのだから」と、もうひとりの自分が私に声を投げかけた。
鹿児島県日置市湯田の民家で男女3人が首をしめられるなどして殺害された事件。その後、この家に住む80代女性と同居の60代次男の行方が分からなくなっている―など奇々怪々の様相を呈していたが、鹿児島県警は7日、民家住人の親族で無職の岩倉知広容疑者(38)を殺人の疑いで逮捕。岩倉容疑者は、調べに対して「間違いありません」と話しているという。
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(23)が6日、アナハイムで行われたアスレチックス戦に「八番・指名打者」で出場し、二回の第一打席で三試合連続本塁打となる3号ソロを放った。日本選手の3戦連発は2004年と2007年に松井秀喜(ヤンキース)がマークしていらい二人目。
シンガー・ソングライターの宇多田ヒカルさん(35)がイタリア人男性と離婚していたことを所属レコード会社が明らかにした。
4月6日
日本を代表するアニメーション監督で代表作「火垂(ほた)るの墓」など数々の名作で知られる高畑勲さんが昨日(5日)午前1時19分、肺がんで東京都内の病院で亡くなった。82歳だった。レスリング女子で五輪四連覇を果たし国民栄誉賞を受けた伊調馨選手(ALSOK)が日本レスリング協会の栄和人強化本部長からパラーハラスメントを受けていた事実が第三者委員会により認定され、栄氏は強化本部長辞任を承認。
財閥グループからの収賄罪などに問われた韓国の朴槿恵前大統領(66)に対する判決公判が6日、ソウル中央地裁で開かれ、同地裁は「国民から委ねられた大統領の地位や権限を乱用し、企業の財産権や経営の自由を著しく侵害した」として懲役24年、罰金180億㌆(18億円)の実刑判決を言い渡した。大統領経験者で有罪判決を受けたのは、全斗煥、盧泰愚両氏に続き3人目。
警視庁世田谷署が仮面ライダー俳優、青木玄徳容疑者(30)を強制わいせつ致傷の疑いで逮捕。わずかに嬉しい話といえば、京セラドーム大阪で阪神と対決した中日ドラゴンズ。若き左腕小笠原慎之介(20)投手が7㌄3安打2失点の好投が光り、3―2で阪神に勝ち、やっとこせ今季2勝目をあげたことか。いやはや、日々いろんなことが起きる。
きょうは久しぶりに寒く、風も強い1日に。
時折、冷たい雨が空を舞ったが私はこうしたピリリとした日の方が好きなこともあり、全身が洗われたような、そんな気持ちにさせられた。
「日本は夜中ですね。すみません。いがみさんが送って頂いたEMS(国際スピード郵便)の控えがあると思うのですが、そこに問い合わせ番号が載っているので、写真を撮ってお送りいただけるとこちらからも問い合わせができます。もし可能ならお願いします」
―カトマンズの裕子さんから、こんなメールが届いたので写真を撮って返信すると、まもなくして「ナマステ~。番号、これで大丈夫です。ありがとうございます。早速ネットで追跡しましたら、4月4日に中部国際郵便局からネパールに発送していました。今日ぐらいネパールについて明日は土曜日で休みだから、8日の日曜日くらいに連絡があるかなあ? と予想しています。楽しみにお待ちしております。」
〈カトマンズの恋/国境を超えた愛〉のモデルである裕子さん夫妻に届くのが遅れてしまい、おわびのしようもない。
4月5日
朝早く長男から「毎日新聞の科学欄をみてください」のメール。さっそく朝刊を開いてみると〈科学の森〉の『幻の科学技術立国第1部「改革」の果てに①』の企画特集記事のなかで長男のコメントが文部科学省科学技術・学術政策研究所研究室長の言葉として掲載されていた。しばらくすると、今度は「おはようございます。丸善で(「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」を)2冊求め拝読しました」と、かつての同僚からショートメールに嬉しい便り。思わずスマホを握りしめたまま、「ありがとう」と頭を下げていた。
きょうはほかにもアレヤコレヤとあったが、無理はしないでポイントだけに留めたい。そういえば、三宅邦夫おじさんから留守電に電話が入り「きのう社で社友会があったのですが。あなたのお顔を拝見しなかったので。どうかなさったのか心配で電話しました」といった内容だった。折り返し電話し「私は元気ですよ。きのう遠くに三宅さんがおいでで皆さんと楽しそうに話しておいででしたので。安心して帰りました」と言うと「あゝ、そうでしたか。あんたには、会いたかったよ。でも、元気でおいでならいいわ。安心しました。わたしゃあね、100歳まで生きなイカンと思っとる。いがみさん、その声なら、あと20年は大丈夫だ。安心したよ」とホントにやさしい。
岐阜県本巣市根尾の淡墨桜と長野県伊那市の高遠桜が満開に。どちらも例年に比べるとかなり早い開花である。東京電力がこの日、福島第1原発事故による避難指示を受けて首吊り自殺した福島県飯舘村の大久保文雄さん(当時102歳)の遺族に謝罪。自殺と事故の因果関係を認める福島地裁判決(2月20日)を受け、東電福島復興本社の近藤通隆副代表ら3人が遺族宅を訪れたという。
中日ドラゴンズの松坂大輔投手(37)が移籍後初めて公式戦に先発登板し5回を投げ8安打を許したが、3失点(自責2)と粘った。打線は一回にアルモンテが同点二塁打、2点を追う六回は高橋の右前適時打で1点差に詰め寄ったが、巨人の継投にかわされ3―2で惜しくも負けた。片や米大リーグで投打の二刀流に挑むエンゼルスの大谷翔平(23)が4日、アナハイムの本拠地エンゼルスタジアムで行われたインディアンス戦に「八番・指名打者」でフル出場し、二試合連続本塁打を放って5打数2安打2打点と大活躍。チームは延長十三回、3―2でサヨナラ勝ちを収め、大谷は日米通算50本塁打とした。
一方で先にマツダスタジアムであったプロ野球の広島カープ―中日ドラゴンズ戦で中日側の応援席の観客が「原爆落ちろ カープ」とやじを飛ばす動画がインターネツトに投稿されていたことがわかり「悪質な発言があったことは大変遺憾に思う」と球団広報。たとえドラファンだとしても、これは許されない。
4月4日
わが家に連日侵入してくる野良猫シロちゃん
第90回春の甲子園、選抜高校野球は大阪桐蔭が智弁和歌山に5―2で勝ち2年連続3度目の優勝。2連覇は1981~1982年にPL学園(大阪)が達成していらい、36年ぶり史上3校目。大阪勢では11度目の優勝となった。
米大リーグ・エンゼルスの大谷が3日、アナハイムでのインディアンス戦で打者として本拠地初デビュー、一回の第1打席で右中間に3点本塁打を放ってメジャー初本塁打、初打点をマーク。三回には右前打で初の1試合複数安打を記録し八回にも中前打を放って4打数3安打3打点でチームを13―2の圧勝に導いた。
中日ドラゴンズがナゴヤドームで巨人に4―1で勝ち、やっと今季初勝利。開幕からの連敗を4で止めた。先発のガルシアが6回1失点と好投、鈴木博は八回に3奪三振でプロ初ホールドを記録した。
年に一度の中日社友会総会で久しぶりに社へ。きょうのところは年会費を払い、懇親会にほんの僅かの間参加しただけで帰宅した。というのは、地下鉄の階段の上り下がりなどかなりの体力を使うためで自重したからである。それでも、懐かしい顔にあちこちでお会いし、このまま調子にのって飲めば病み上がりのからだには、こたえること間違いなし、と自らに言い聞かせ退散とあいなった。
会場一角遠くの方で、周りの方々と話に夢中になっていらっしゃった御年97歳の三宅邦夫おじさん(元中日こども会主事、現役時代は新入学児を祝う良い子とお母さんの会で貢献)の姿をお見かけしたが、きょうのところは「無理しない」「無理しない」「あの渦のなかに巻き込まれたら大変だ」と自らに言い聞かせ、早々と懇親会場を後にした。それでもイワセさんにヒカル、ヨコイさん、ナムラさんらの姿をおみかけしひと口、ふた口会話を交わしたが、皆さんお元気そうで何よりであった。
それはそうと、わが家にはこのところ朝と夕方になると集ってくる野良猫たちのなかの一匹シロちゃんが図々しくも家の中に入ってくる。入ってきたはいいが居間の床の上でヒックリ返って遊び戯れるなど、かなり図々しい。それが昨年の7月に老衰で亡くなった愛猫シロちゃんそっくりだけに、なぜだか彼女が生きて帰ってきたような気がせぬでもない。
でも「家の庭に来る野良ちゃんはほかにもネコパン、もどき、ぎんぎつねと、いっぱいいるのだから。あなただけ、室内に入れとくわけにはいかんの。第一、ほかの野良ちゃんたちと不公平になるんじゃないの」とは、〝吉良の言い分〟ならぬ、わが妻〝舞の言い分〟だ。
そんなわけで、しばらくの間いたら窓を開けて外に出すのだが、室内に風などを入れようと少しだけ開けておくとすぐに入ってくる始末。それが、なんとも可愛くシロちゃんの生前時代にそっくりだけに、わが家の住人は皆戸惑っているのである。とはいえ、野良は野良、皆平等に―と、けじめをつけることでわが家の人間どもの意見は一致してはいるはずだが。
さて、この顛末どうなるのか。どちらに軍配があがるのか。
4月3日
献本として出版社を通じて既に送ってあるはずの私の短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社刊)が未だにカトマンズの長谷川裕子さん、ニルマニ・ラル・シュレスタさん夫妻に届いていない―とのこと。デ、合間を縫ってご夫妻から海と空を超えて届いたことしの年賀状を手に、江南市内の郵便局へ。EMSという国際スピード郵便でネパールのカトマンズにあてて出した。
夫妻は短編集に所蔵された〈信長残照伝 わたしはお類、吉乃と申します〉など6篇のうちの1編〈カトマンズの恋 国境を超えた愛〉の実在のモデルでもある重要な存在。それだけに、だぶりを承知で郵便局へ。自宅に帰ってもういちど届け先などを確認したが、裕子さんご本人の携帯電話の電話番号にすべきだったところを夫妻が営むAshtosh Travels & Toursの電話番号を書いてしまうなど「失敗」に気付くこととなった。
でも「宛先の住所と本人の名前は間違いないのだから」と自身に言い聞かせメールで私からも「年賀状を胸に抱きしめて郵便局に行き、国際郵便で郵送させて頂いた」旨を伝えさせていただいた。ほどなくして案の定「EMS申込書に記載された電話番号は私の携帯番号でしょうか。とにかくEMSは届いたら電話があるので、きをつけてお待ちしています。何度もお手数をおかけしてすみません。楽しみにお待ちしております。」の返信が入り、電話番号は本人の携帯番号にすべきだったことを痛感したのである。
今さらジタバタしたところで、あとの祭りか。あとは一刻も早く裕子さん夫妻の元に届く日を待つだけである。本が逃げるわけでもあるまい。ここは、あわてることでもない。そう自らに言い聞かせる。
〈カトマンズの恋 国境を超えた愛〉のモデルでもある長谷川裕子さん、ニルマニ・ラル・シュレスタさんから私あてに届いたことしの年賀状
米国の公民権運動指導者マーチン・ルーサー・キング牧師の暗殺から4日で50年。長男で人権活動家のマーチン・ルーサー・キング3世(60)は「人類の自由、正義、平等という父の『夢』は道半ば。もし生きていたら気掛かりだろう」と語ったという。加計学園が運営する岡山理科大学で規制されていた獣医学部が52年ぶりに開設され、学生を迎える入学宣誓式で加計孝太郎理事長は「新設に関してはご心配をおかけした。予想をはるかに上回る志願者が集まりました」とあいさつ。
政府が「ない」としてきた陸自イラク派遣部隊の日報が見つかった問題。小野寺五典防衛相は3日、存在を把握してから報告を受けるまでに2カ月半以上かかったいきさつにつき検証する考えを明らかにした。
4月2日
きれいに色とりどりに咲き誇っていたビオラ。私たちの畑〈エデンの東〉にて
月曜日。舞のお店はお休みだったが、彼女は朝から晩まで1日じゅう大車輪で、見ている私までがナンダカ急きたてられる。天気がよいこともあってか、朝の布団、洗濯物干し、自転車に乗っての買い物、途中、姿が消えたので一体どこへと思っていたら庭の草引きといやはや、目まぐるしい。わたしも手伝わなねば、とは思うが食器洗いがいいところか。
これでも現役時代に比べたら、アレヤコレヤと少しは手伝うようにはなったが。舞の場合、二度、三度と大病に襲われながらも克服したあとは、ずっとこの調子なので頭が下がる。彼女の頑張りを見ていると、こんどは私がしばらく肺の病で入院こそしていたものの、私自身どこかに甘えがあるのではないか。そう、ふと思ってしまったりもする。
きょうは午後、しばらく放置同然だった私たちの農園(ちょっとオーバー)、〈エデンの東〉へ。タマネギ畑で伸び放題となっていた雑草を刈り取りさっぱりさせた。雑草とは言え紫の花々が美しく、タマネギが姿を出すごとに「もしかして、これらの雑草がタマネギを守ってくれていたのでは」と、そんな想念にかられた。ほかにビオラの花々がほんとに色鮮やかに咲き誇り、心の安らぎを感じた。
案の定、途中から舞がいつもの癖で、雑草刈りの調子が出てきたところで「もうやめようよ」「帰ろうよ」「帰りたい」と言い出したのには困った。私は一度やり始めると最後までやり通す、そんな気性だからだ。おかげで農作業後、舞は「右足首が痛い」と言いビッコをひき始め、私はわたしで胸ではなく腰の痛みを感じている。やはり無理はいけないのだが。かと言って、父が遺してくれたせっかくの畑を放置しておくわけにもいかない。
雑草で生い茂っていたタマネギ畑も2時間後にはナントカ、さまに生まれ変わった
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平が敵地オークランド・コロシアムで行われたアスレチックス戦に先発でメジャー初登板を果たし、6回を1本塁打など3安打3失点、6奪三振1四球の好投で歴史的な1勝、初勝利をあげた。試合は7―4だった。
4月1日
日曜日。大阪、名古屋、東京とことしの桜は全国的に記録的な速さで開花が一気に進み、どこも満開に。統計を取り始めてから最も早いそうだ。
原発事故の放射能漏れ、いや飛散地獄と言った方がよいかもしれないが。東電福島第一原発事故で村そのものの機能がマヒした状態が続き過去、私も何度も訪れた福島県飯舘村(昨年3月末に村の大部分で避難指示が解除された)で村立の認定こども園と小中学校4校(小学3校と中学1校)で開園・開校式があり、7年ぶりに授業が再開された。なんとも嬉しい話である。「よかったな」としみじみ思う。
名古屋の御園座が新装開場し、こけら落としとなる歌舞伎興行が始まった。出演者は、1月に襲名した2代目松本白鸚さん、10代目の幸四郎さん父子らで客席からは「待ってました」の掛け声が。
きょうは思い切って愛用の名笛である横笛をふいてみた。
〈座頭市(およしなさいよ 無駄なこと)〉、〈さくら〉、〈よさこい節〉〈酒よ〉〈かもめ〉の順で息をつまらせながらも二度、三度と繰り返しふく。引き続き、サンポーニャの譜面を傍らにユーチューブで〈sariri(旅人)〉〈LLORAND SE FUE(泣きながら)〉〈celeste(青い空)〉〈LLAQUI RUNA(悲しみ)〉の演奏を聴いてみる。
横笛もサンポーニャも以前は定期的に個人レッスンや西春のコミュニティセンターに通い、自宅でもよく練習したものだが昨年、病に襲われて以降はトンとご無沙汰。自宅練習も皆無に等しかった。それだけに、病気が回復した今はあらためて笛を手に懐かしい気持ちにかられた。どちらもナントカふけそうである。十分いけそうだが、やはり息が切れるのであまり無茶はしないで、と自身に言い聞かせる。
というわけで、サンポーニャの方は楽譜を目で追いかけるだけに留めた。
夜おそく。舞が私の部屋に入ってきて「ハイ、これ。おかあさんが以前、高齢者施設の求めに応じて話された内容よ」と青い空色表紙のノートを1冊手渡してくれた。見ると、表紙に『思い出 伊神千代子』とあるではないか。そのほんの一部だけをここに記録として残す。
ーーある晩のことです。生活に困った日本の兵隊が二人、私たちの家に強盗に入ったのです。主人に拳銃をつきつけられてお金のありかを聞かれた時はもう生きた心地がしませんでした。「こどもだけは助けてください。」と私は必死で頼みました。強盗は簞笥にあった最後のお金を持って行ってしまいましたが幸いそれで帰ってくれました。命があったことがほんとうによかったと思います。
そして いよいよ引き揚げの時がきました。屋根のない貨物列車に乗り幾日も幾日もかかって港に着き、そしてまた 幾日もかかってこじきのようにしてでしたが、無事に家族そろって日本にたどり着くことができました。やっとのことで私の実家に着きました。母はもう亡くなり父一人が残っていたのですが 父の安否はわからず 私は不安でいっぱいで家の中をおそるおそるのぞきました。家の奥に蚊帳がつってあるのを見て「ああ、父は生きている。よかった。」と本当にほっとしました。
父は私たちが帰ったのをとても喜んでくれました。さっそく味噌汁を作りご飯を炊いてくれました。涙が止まりませんでした。(聴き書き 市川真弓さん)
3月31日
滋賀県在住同人の名作が掲載された同人誌「くうかん 第42号眞鍋京子卒寿記念号」(表紙絵は山下正昭さんの大津絵)と眞鍋さんのエッセー「語り継がれる歌〈琵琶湖周航の歌〉」
土曜日。快晴。
午後4時過ぎ。中日新聞の夕刊文化面を開く。と、「中部の文芸 小説・評論 竹中忍」欄に大津で最近復刊した「くうかん」四十二号が紹介されていた。次のような内容だった。
――「くうかん」四十二号(大津市)は、眞鍋京子代表の卒寿記念号。同人たちが甘く祝うだけでなく、眞鍋自身が掌編小説、エッセーと健筆を揮(ふる)っているのに勇気付けられる。伊神権太の「海に向かいて」は、東日本大震災直後から毎年現地を訪れ、状況を克明に書き留め続けることで少しでも力になろうとする作家の良心が滲む。特に原子力発電所の事故で美しい町が無人となり、荒廃するリアルな描写が痛々しく迫る。(中日新聞夕刊文化面から)
松浦亜紀さん(思うこと)徳谷晶子さん(かわいい眞鍋先生)竹花外記さん(八十歳の日)八田キヨミさん(湖風が見た戦争)。表紙絵を寄せた日本大津絵文化協会会長の山下正昭さん。そして原稿を手に彦根市のサンライズ出版(岩根順子代表)との連絡に東奔西走なさった中嶋泰子さん。中日紙面での紹介により、これまでの熱い思いとご努力が実ったといって良い。眞鍋さんが私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」でも健筆をふるわれていることは知る人ぞ知る。
私自身「くうかん」四十二号誕生に至る滋賀県の方々の人知れぬご努力を身にしみて感じてきている。それだけに、この「中部の文芸」の記事と評者には心から礼を申したい。ましてや寄稿させていただいた私の作品までが紹介されていたとは。すなおに嬉しくも思った。
夜。テレビ画面に釘付けとなった私の両の目からは涙が出て止まらない。その番組とは。NHK総合午後9時からの『どこにもない国「後編~150万同胞の引き揚げ実現に命を賭けて奔走する男たち! 満州で待つ妻と子との再会の日は来るか?』だった。私自身、戦後の昭和21年3月に満州の奉天(瀋陽)の大和税捐局=税務署の名前。父は当時、奉天にある税務署の署員だった=官舎で生まれ、生後13日めに母の胸に抱かれ、奉天を出発。
引き揚げ船の出る葫蘆(コロ)島への命がけの脱出行が始まり、葫蘆島で引き揚げ船(現在満97歳の母によれば、船の名は〈あるぜんちな丸〉だったという)に乗せられ舞鶴に帰国した、と物心ついたころから母からよく聞かされていた。女やこどもたちは、戦争が終わったにも拘わらず満州に侵入してやりたい放題のロスケ(ロシア人)から逃れるため、頭を丸め草陰に隠れながらの逃避行が続いたという。
私たち家族はそんな状況のなか、社会正義心旺盛で日本人を守るため満州の新京や奉天、大連など各地を駆け回っていた父と何度も引き裂かれ、離れ離れになりながらも奉天で奇跡の再会をし、コロ島にたどり着き引き揚げ船に命からがら乗ったのだ、という。
帰国途中、たまたまお経を読めた父は船上で次から次に死んで逝った赤ん坊やこどもたちの海葬に立ち会い、経を唱えるのが日課だつたというが、私だけが毛布にくるめられ甲板の一隅で何事もなかったかのようにスヤスヤと眠っていた。そんな私に母は「おまえだけは儲けもんだつたよ。お兄ちゃん(現在は弁護士)も肺炎で死ぬ寸前で、おかあちゃん、かかりきりだったんだから。ホントにおまえは船内で一番丈夫な子だった。そのうち、この子は天下を取るんじゃないかと本気でそう思った」と話してくれたものである。
だが、しかし。その引き揚げ船を出すためにGHQや時の吉田外務大臣など政府とかけあう、こうした日本人の献身的な努力があったとは。私にとって、この「どこにもない国」は見過ごせない番組となったのである。
満月。岐阜県大垣市の中心部にある芭蕉ゆかりの水門川を下る「水の都おおがき舟下り」が31日、満開の桜のもと始まった。沖縄県糸満市では太平洋戦争末期の沖縄戦で看護動員され多くが命を失った女学生の歴史を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」の館長島袋淑子さん(90)=元ひめゆり部隊学徒=の退任式があった。名古屋の今池では日本初のこどもの本専門店「メルヘンハウス」が閉店。
30年3月30日
♪遙かまで残る世はあり「吾は空・君は雲なり」みな消えぬもの
わが家に届いた「永き日を 三宅千代歌集」
希有な歌人三宅千代さんの遺歌集「永き日を」(本阿弥書店)が伊神舞子と私あてに送られてきた。それも亡くなられて1年がたつちょうどその日に、だ。日本ペンクラブ、日本文藝家協会、現代歌人協会などの会員で歌誌「白い鳥」「秋楡」代表で、この地方の文学の牽引車的存在でもあった千代さんは昨年の3月30日に老衰で永眠、享年百歳であった。私も、舞も。生前の千代さんには随分とお世話になってきた。それだけに、「永き日を」を手に今は感極まりない。
昭和十四年に前田夕暮の「詩歌」に入会、十五年に東京女子大国文科を卒業後もずっと夕暮に師事し続けた三宅千代さんは平成二年に歌集「冬のかまきり」で第十七回日本歌人クラブ賞に輝き、これより先の昭和五十八年に著書「夕映えの雲」で第十六回新美南吉文学賞を、平成六年度名古屋市芸術賞特賞、八年にはコスモス文学出版文化賞など数々の栄光に輝いた東海地方では屈指の女流歌人兼作家でも知られた。
そんな千代さんとの思い出といえば、今は亡き日本を代表する文芸評論家・大河内昭爾さんとの長年に及ぶ交流で大河内さんがファンでもあった女優の宮本信子さんが中日劇場に出演された時など大河内さんに随行するほどの身の入れようだった。私自身、あのとき大河内さんや千代さんと何度も連絡を取り合った日のことは今では忘れられない思い出でもある。
その千代さんが旅立たれて早や、1年がたつ。あらためて月日がたつのは、はやいなと思う。
きょうは肺の手術後初めて江南市内のカラオケ喫茶に入り、勝新太郎さんの〈座頭市/おやめなさいよ 無駄なこと〉と石原裕次郎さんの〈赤いハンカチ〉を歌ってみた。まだノドはどうしても切れがちだが、なんとか歌えた。店内にはお年を召された男性二人に女性が三人。この方たちがニッポンをつくってきたのだーと妙なところで感心したりしたが、なかに男性がひとり、やおら立ち上がってマイクを手に握りしめ千昌夫の〈いっぽんの松〉を歌いだした時には、なぜだか目頭に熱いものがこみ上げた。
七年前に起きた未曾有の東日本大震災。あのとき波がさらった陸前高田市の七万本の松原のなかで、たった一本残った松。そのたった一本だけ残った松のことを千昌夫さんが歌った〈いっぽんの松〉だった。♪波がさらった七万本の/陸前高田の松原に/いっぽん残った松がある/もいちど故郷作ろうと/戻る人達迎えるために/残った祈りの松がある
帰宅途中に携帯が鳴ったので、誰かと確かめると先の入院中に私の部屋をほとんどボランティア同然で、いいあんばいにしてくださった桑原一寿さんからで「お宅の近くに来ましたので」とのこと。以前からお礼に自著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)をお渡しする、との約束どおり間もなく現れた桑原さんに〝恵存〟の二文字を書き、お渡しした。
「読んでみられて、もし良かったら、クチコミの方もよろしく」と不躾ながらお願いしたが、桑原さんはいつもの笑顔で「承知しました」と仰ってくださり、とても嬉しく思ったのである。
プロ野球は今季から敬遠4球の申告制を導入。2018年シリーズが開幕したこの日はセ、パ両リーグの6試合が行われた。ドラゴンズはマツダスタジアムで球団史上初の3連覇をめざす広島と戦ったが、6ー3で敗れてしまった。球団史上最年少の開幕投手となった中日・小笠原投手は惜しくも敗戦投手に。米大リーグ開幕戦で敵地のオークランドでのアスレチックス戦に「8番・指名打者」で先発出場したエンゼルス大谷翔平は2回の初打席で初球をとらえて初安打で右前打を放ったが、その後の4打席は凡退。5打数1安打、1三振だった。
長野県の北アルプス山麓、安曇野市では白いワサビの花が見ごろに。
ロシア外務省が英国南部で起きた元ロシア情報機関員らに対する神経剤襲撃事件に関連、ロシア外交官ら60人の国外追放を決めた米国への報復措置として、米外交官60人を追放すると発表。第二の都市サンクトペテルブルクの米総領事館の閉鎖も決めた。
3月29日
朝。社交ダンスのレッスンで近くの公民館へ。
1級のレッスンに挑んだが、病み上がりでもあるため「10分前後で充分です」と始めたものの熱心な先生にほだされ、20分を超すレッスンに。人間のからだ、それも両手を含んだ上半身の重さを痛切に感じた。フォーラーウェイ(4歩)、コントラチェック(3歩)、ウイーブ(6歩)、ダブルリバーススピン(2歩)に繰り返し挑む。
レッスンのあとは帰り道にある弁当屋さんとコンビニで弁当と愛猫シロちゃんが好きだった「なめらかプリン」、お茶を買って舞の店に寄って差し入れしたが、コンビニの女性従業員オヤマさんに「まだこれからですが、ご本に猫ちゃんの話があったので、そこを先にひと息に読んじゃいました。よかったです。感動しました」と言われた時は嬉しかった。
帰ると大垣市在住の女性作家から封書が届いており、中を開くと「『ピース・イズ・ラブ 君がいるから』 祝ご出版 長い間、こつこつと書き続けて来られた賜物と存じます。これからも御精進なされて益々のご健筆を祈っております」との文面。お祝いに、と図書券まで入っていたので、その場で返事を書き、近くのポストから出させていただいた。ひと息ついたところで、日ごろ何かとお世話になっているカフェ画廊「音彩(ねいろ)」さんへ。ご主人にお会いして紅茶を飲んで帰った。
というわけで、午前中のレッスンに始まり、あちこち少しづつ歩いたので、かなり体力を消耗したようなので入浴も控えた。夜は文學界4月号を手に「追悼 石牟礼道子」を読む。よんでいると「無理するな。ゆっくり、ゆっくりと。ゆっくりでいいから」と私の声がどこからか、私の耳に飛び込んできた。
日本相撲協会が東京・両国国技館で開いた理事会で協会に反発する言動を続けてきた貴乃花親方(元横綱)を委員から年寄へ2階級降格させる懲戒処分を決めた。韓国と北朝鮮がこの日、板門店で閣僚級会談を開き、文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による南北首脳会談を四月二十七日に南北軍事境界線上にある板門店の韓国側施設「平和の家」で開くことで合意した。
3月28日
この世はきょうもあすも、あさっても。その時々、一瞬一瞬が誰とてあらたな未知の世界との出会い、遭遇である。だれもが毎日この世では初めての人と出会い、語り合う。だから、わたしも、その一瞬一瞬を抱きしめ、大切にしてこれからも生きてゆきたい。
満開の花を開いた吉乃桜=愛知県江南市小折の田代墓地で=
久しぶりに私、すなわち一匹文士の伊神権太が本欄に戻ってきた。
というのは、ことし1月に愛知県がんセンターで胸を切り開かれ、右肺を三分の一(上葉部分)除去されるという思ってもいなかった手術で入院、その後の療養でしばらくおとなしくしていたからだ。でも幸い退院後の経過が順調なこともあり、そろそろ元の自分、いや新しい自分に生まれ変わって再びあるき始めなければ、ときょうからペンを持つことにしたのである。
デ、昨年12月末まで連日掲載を続け、多くの読者に親しまれてきた【生きてゆく人間花たち】を【一匹文士がゆく 人生そぞろ歩き】に名前も新たに再出発することにした。ただ回復途上でもあり、これまでのように毎日ではなく、その名のとおり、これからは気が向いた日に一歩一歩ゆっくりと、と思っている。
なぜ書き始めることにしたのか。
それは退院してまもなく私が名古屋の人間社から世に出した短編集「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」への反響が全国各地の読者の間で少しずつ出始めてきたことと、短編集冒頭を飾った〈信長残照伝 わたしはお類 吉乃と申します〉に登場する吉乃(きつの)の象徴的存在とも言えるあの吉乃桜が彼女の聖地(愛知県江南市小折)で見事な花を咲かせていたためで、せめてその存在だけでも一人でも多くの読者に知ってほしく思った。だからである。
短編集には、ほかに実際にあった話で現在進行中でもある日本人女性とネパール人男性の国境を超えたラブロマンスを描いた〈カトマンズの恋〉など計六編を所蔵。〈カトマンズの恋〉や〈海に抱かれて/ピースボート乗船日誌〉などに対する国内外からの共鳴の声が早々と上がってきたためで、いつまでも療養生活中だからとノホホンとはしておれなくなってきたためである。
というわけだが、再開初日はこんなところで終えておきたい。「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」の反響については、こんごも随時本欄で紹介していきたく思う。きょうのところは満開となった吉乃桜の花々と、早くも市内で沸騰し始めた〈カトマンズの恋〉の話題をお知らせするだけに留めておきたい。
この日は期せずして、中国を初めて訪問した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が習近平中国国家主席に対して、核問題解決のための六カ国協議に復帰する用意があると伝えていたことが分かった歴史的な日でもある。