一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年1月~)

2024年1月31日
 最高裁第3小法廷は30日、三重県名張市で1961年3月、農薬入り毒ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」の第10次再審請求の特別控訴審で2015年に89歳で病死した奥西勝・元死刑囚の再審開始を認めない決定を29日付で出した。これにより、元死刑囚の死後に遺族が申し立てた再審請求を棄却した名高裁の決定が確定。ただ裁判官5人のうちただ一人、行政法学者出身の宇賀克也裁判官は「再審を開始すべきだ」との反対意見を述べている。

 トヨタ自動車グループの豊田自動織機(愛知県刈谷市)によるエンジン認証不正問題で国土交通省が30日、道路運送車両法に基づき同社への立ち入り検査を実施。結果を踏まえ、量産に必要な型式指定の取り消しや是正命令などの行政処分をするという。そのトヨタだが。トヨタ自動車が30日に発表した2023年のグループ世界販売実績は、前年比7・2%増の1123万3039台で2019年の1074万2122台を上回り、過去最高を更新。ドイツのフォルクスワーゲンの923万9500台を大きく引き離し、4年連続で世界一になったという。
 北米や欧州での堅調な需要が実績を押し上げたとしているが、このところの日野自動車やダイハツ工業、豊田自動織機などグループ各社による認証不正などの不正を見るにつけ、「世界一のトヨタが何をしているんだ」「トヨタは一体、どこへいってしまったのだ」といった違和感があるのは当然のことである。
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 これはわざわざ書き記すことではないかもしれないのだが。きょう固定資産税の都市計画税第三期分納入で江南市役所に出向いた際、私は私の長い人生で初めて、それこそ生まれて初めて市庁舎内の地下食堂に寄って親子丼を食べた。それが、とてもおいしかった。

 美味しいといえば、息子(三男坊)が出張先の岡山でわざわざ買ってきてくれたお土産、<生田恵夢>と<むらすずめ>。これまた、めちゃおいしかった。デ、さっそくおかあさん、たつ江すなわち伊神舞子(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供え、報告した。「能登七尾で幼児期を育ったわが子が、こんなにも立派に育った。おまえのおかげだよ」と-。

2024年1月30日
 本日付の中日新聞の朝刊1面見出しは【被災で凍えた心温めて 珠洲の宝湯来月再開へ 一番風呂は犠牲の常連客家族に】【「桐島」名乗る男病死 がんで入院 連続企業爆破49年逃亡】【豊田織機自動車用でも不正 エンジン認証試験 トヨタ10車種出荷停止】といったところか。能登半島地震発生後に2社面で続く連載【能登はやさしや 被災地とともに】は、作家の安倍龍太郎さんで<犠牲者をしっかり記憶し心の痛みを乗り越えたい>というものだった。

そして。私はといえば、だ。相変わらず能登半島のみなさんを励まし、心休まる歌が出来たらイイナ―と思い、このところは、能登の人びとの心を癒せれば、と能登半島地震発生に伴う私ならでは、の歌の歌詞づくりに専念しているのである。歌詞が無事できたら、小牧いらいの友人で良き相棒、兄貴分でもある詩人でウエブ文学同人誌「熱砂」同人のひとり、ふるさと音楽家牧すすむさん(琴伝流大正琴「幻洲会の会主」の倉知進さん)に作曲していただき、「熱砂」で被災地の方々はじめ、国内外の人々にも聞いて頂き、あすの希望につながる歌になったらイイナ、と思っている。

2024年1月29日
 大阪国際女子マラソンが28日、大阪市のヤンマースタジアム長居発着の42・195㌔で行われ、前田穂南さん(27)=天満屋=が2時間18分59秒の日本新記録を樹立。これまでの記録は2005年に野口みずきさん(三重県伊勢市出身)がマークした2時間19分12秒で、19年ぶりの更新。
 1974年~75年の連続企業爆破事件に関与した疑いがあり、全国に指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバーの桐島聡容疑者(70)とみられる男性がその後の調べで「ウチダヒロシ」と名乗っていたことが分かった件で桐島容疑者は、その後の調べで、末期がんで既に死亡したとみられている。

(1月28日)
 大相撲の初場所千秋楽が両国国技館で開かれ、横綱照ノ富士(32)が2敗で並んだ関脇琴ノ若(26)との優勝決定戦を寄り切りで制し、4場所ぶり9度目の優勝。
 午前8時59分ごろ、東京都と神奈川県で震度4の地震が発生。気象庁によれば、震源地は東京湾で震源の深さは約80㌔。地震の規模はマグニチュード(M)4・8と推定される。津波の心配はなく、新潟県内でも長岡市と南魚沼市で震度1を観測。

 日曜日。石川県が能登半島地震の発生に伴い登録を受け付けたボランティアによる活動がきのう27日から七尾市と志賀、穴水の両町で始まった。当面は金沢市内からバスで移動し、日帰りで災害ごみの片づけや運搬などを実施していくという。被害が激しく、受け入れ態勢が未整備の輪島、珠洲両市など半島先端部分での活動がこんごの課題だ、としている。それにしても能登半島は大変だ。満身創痍とはこのことである。このうえは、復旧作業が進んで1日も早く元の生活に戻ることを心から願う。

【「能登の日常 一日も早く」ボランティア始動 全国から75人片付けに汗】【活動環境整備国が後押し 交通手段やトイレ】(毎日)【能登にボランティア 七尾、志賀、穴水で開始 輪島、珠洲など未定】【避難先「車中泊」93件 石川県】【待ちわびていた再開 能登―羽田便1カ月ぶり】(中日)と新聞は報じている。

(1月27日)
 高校野球の第96回選抜大会(3月18日開幕・甲子園)の選考委員会が26日、大阪市内で開かれ、日本航空石川(石川県輪島市)など32校が選ばれた。日本航空石川は新型コロナウイルスで中止となった2020年大会いらい4年ぶり3度目の出場となる。日本航空石川は能登半島地震で校舎や部員が被災するなか、主力ら部員の半数32人が山梨県の系列校に移り練習を続けてきたなかでの吉報で中村監督は「夢の甲子園です。思いっきりやってほしい」と涙をふいた。また、石川県では昨年の明治神宮大会を32年ぶりに制した星稜が2年ぶり、16度目の出場が決まった。

 日本航空石川のセンバツ出場を報じた中日スポーツ
 

 本日付中日1面に【珠洲災害廃棄物65年分か 名大准教授推計「広域処理を」 仮置き場3市町開設できず】(朝刊)【能登ボランティア開始 被災の七尾、志賀、穴水】【能登-羽田 空の便再開】(夕刊)のニュース。そして。朝刊発言欄の一角を占めた小出宣昭主筆による【風来語(かぜきたりてかたる) 三人称の命】に同感である。そこには、次のように書かれていた。
-知り合いと他人。この垣根はどんな民族にもあるが、その度合いがかなり強い風土であったことは事実だろう。この日本的特性が少しずつかもしれないが溶け始め、いまや、災害や苦難に耐える多くの見知らぬ人々への心の痛みは国民的な広がりをみせている。それを生む成熟した想像力に拍手を送りたい。

 そして。27日付中日の尾張版では【記者が見た能登半島地震】が始まり、<働く被災者どう支える 介護施設や市職員奮闘>と現地の状況を紹介している。このように新聞の地方版でも総員体制による能登半島地震の取材報告が始まったのである。私は私で能登半島地震の歌で能登の人々の気持ちを少しでも和らげることが出来たらと僚友、ふるさと音楽家牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会会主・倉知弦洲さん)との共作による【晴れたらいいね 泣かんとき能登半島】(仮題)の歌の歌詞づくりに入っているのである。

 本日付中日新聞朝刊の報道によれば、1974年~75年に起きた連続企業爆破事件に関与したとして警察庁から爆発物取締罰則違反容疑で指名手配されていた過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー桐島聡容疑者(70)を名乗る男が、神奈川県下の病院に入院する前に同県内で働いていたことを同警視庁公安部が突き止めたという。男は神奈川県鎌倉市の病院に入院中で「桐島聡」を自称している。公安部は病院で事情を聴いており、DNA鑑定などで身元の確認を進めている。捜査関係者によれば、桐島と見られる男は末期がんの治療中、症状が深刻で「最期は本名で迎えたい」と話している、とのことである。

(1月26日)
 新聞の1面トップは、やはり予想していたとおり【京アニ放火殺人 死刑判決 被告の責任能力認定 36人犠牲「極めて重い」京都地裁】(中日)、【京アニ放火死刑判決 36人犠牲「残虐非道」 京都地裁 責任能力認める】(毎日)というものだった。ほかには【能登地震被害2.6兆円 石川、富山、新潟3県推計】(中日)【安倍派幹部に離党要求 自民執行部 首相は慎重姿勢 裏金疑惑】(毎日)といったところか。

 そして。昨日、新聞代の集金とあわせて、ひと足早くわが家に届いた「しんぶん赤旗 日曜版」(1月28日付)は当然ながら共産党29回大会に触れたもので【希望届けたい 田村智子新委員長語る 自民党政治を終わらせる 政策かかげてのびのび挑戦】というものだった。田村新委員長の今後には大いに期待したい。 

(1月25日)
 強い寒気と冬型の気圧配置の影響による大雪で岐阜県関ケ原町の名神高速道関ケ原インターチェンジ付近で発生した車両の立ち往生はこの日(25日)早朝、上下線とも19時間ぶりに解消。36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)の判決公判が25日、京都地裁で開かれ、増田啓祐裁判長は求刑どおり死刑を言い渡した。増田裁判長は最大の争点だった被告の当時の精神状態について「心神喪失や心身耗弱の状態ではなかった」と述べ、完全責任能力を認めた。

 きょうも、ホントに寒い1日。シロちゃんは1日中、家の中におりストーブの前に座ったり、お布団のなかに潜り込んだり。とは言いながらも、時折、仏前で静かに座り、大好きなお母さんのことを気にしながらの1日となった。寒くはあるが、昼には太陽の光りがベランダの洗濯物を照らし、私とシロは思わず「あっ、おかあさんが来ていてくれる。おかあさんの光りだ」と思わず顔を見合わせ、太陽を指さしたのである。中日はじめ日経、赤旗など。新聞の集金の方が相次いで訪れ、元々ない財布の中はみるみる空っぽに。しかたないか。

(1月24日)
 水曜日。この冬一番の強い寒気と冬型の気圧配置の影響で日本海側は大雪に。気象庁は、この日、福井、滋賀両県に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表。能登の被災地も含め、25日にかけては降雪が強まる恐れがあるとして積雪や路面凍結による交通障害に警戒を呼びかけた。

 私が住む江南市もこの冬では初の雪の朝に。外は雪一面である。それに寒い。愛猫シロちゃんはストーブの前か、布団の中かのいずれかである。天気がよければ外にでようとするが、一向にその気配はない。それにしても能登の七尾は、珠洲は、輪島は、穴水は-と思うと、なんだか身も心も凍りついしまいそうな、そんな朝である。それでも人間たちは懸命に生きて行かねば、ならないのだ。
 そして。きょうの寒さは半端でなく、1日中、氷の中で生活をしているような。そんな気持ちにかられたのである。でも、被災地・能登はもっと、もっと、もっと寒いに違いない。被災したあの顔、この顔を思うにつれ、みんな大変だろうな、と改めて思うのである。

 雪国と化した江南市
 

【トランプ氏、第2戦も勝利 大統領選共和予備選 指名へ前進 ニューハンプシャー州 選挙戦ヘイリー氏継続】【スウェーデンのNATO加盟 トルコが承認】【ハマス,休戦拒否か】とは、日本経済新聞の24日付夕刊の見出しである。

 臨済宗妙心寺派高屋山の永正寺さん(住職・水谷大定、副住職・中村建岳の両氏)から『大般若札』在中の寒中見舞いが届いた。中には昨年末に完成した新本堂と旧本堂の写真も供えられており、いよいよ永正寺さんの新時代の始まり、始まりである。
 ここに住職・水谷大定さんと副住職・中村建岳さんのことばを添えておこう。
住職・大定 新本堂完成で永正寺の新しい歴史が始まり、その多彩な活用を始めます。さらに次の計画を構想して、健康寿命を保つ、残された時間を意識して、可能性を追求します。
副住職・建岳 本年4月14日に新住職として就任することになります。これから、5年後、10年後を見据えて、永正寺の機能を高めていきたいと思っています。

 永正寺さんから届いた寒中見舞いと新本堂完成の文書
 

(1月23日)
 朝刊を開き、【珠洲・能登町の小中再開 休校解消 JR羽咋-七尾も】(中日)の見出しにホッとする半面、【「倒壊危険」建物4割 1万2615胸 古い木造多く 能登半島地震】(毎日)の見出しには、胸がつぶれてしまいそうな思いをした。

(1月22日)
 ジャズの日だそうだ。
 午前中、金山駅近くのペインクリニックへ。2カ月に1度の検診で、血圧はこのところ深夜未明に及ぶ執筆に追われ、体力的に少し疲れてこそいたが、134~82でまずまずの結果で、ホッと一安心。「せっかくだから」と半年に一度の血液採取もして頂いた(血液検査で結果は次回受診時に教えて頂ける)。受診のあとはいつものように金山駅構内の飲食店街でランチを食べ、帰りも名鉄犬山線と古知野駅からは名鉄の乗り合いバスで帰宅。帰宅すると、シロちゃんが心配した顔で真っ先に玄関先まで飛び出して出迎えてくれ、なんだか嬉しい気がしたのである。

 22日で発生から3週間を迎えた能登半島地震のその後はと言えばだ。中日新聞が【健康懸念でも地元にいたい 2次避難16%止まり】(朝刊)【日常へ少しずつ JR七尾線 羽咋-七尾間再開 輪島の保育園 被災後初開園】(夕刊)、毎日新聞が【石川の漁港8割超損壊 19港で地盤隆起】(朝刊)、日経新聞が【珠洲・能登の小中休校解消 JR七尾線、一部運転再開】【輪島朝市や白米千枚田… 美しい風景忘れないで】(夕刊)といったところか。視点こそ違うが、各紙とも能登への熱い視線が注がれていることがよく分かる。

(1月21日)
 各紙朝刊とも昨日の夕刊に続き、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型探査機「SLIM(スリム)」が20日、日本で初めて月面に着陸したことを報じている。月面着陸は、世界では旧ソ連、米国、中国、インドに続く5カ国目である。ただ太陽電池パネルに光が当たらないことで発電できておらず、バッテリーが尽きて予定していた鉱物調査の期間が短くなる恐れもあるという。

(1月20日)
 土曜日。大寒である。
 新聞の見出しは【安倍、二階、岸田派立件 大野、谷川議員ら 8人、会計責任者も 自民裏金で特捜部 安倍派幹部は断念】【安倍、二階派解散へ 岸田派に続き】(中日、20日付)【自民3派閥裏金起訴 東京地検特捜部 会計担当ら安倍派7幹部は見送り】【これで済むわけがない 政治部長 松尾良】【安倍・二階・岸田派 解散へ 塩谷氏「国民の信頼裏切った】(毎日、20日付)と政局への捜査の手一色で誠に嘆かわしい限りである。そんな中、【孤立集落「解消」 能登半島地震 住民を移送】(毎日、20日付)【救急搬送 連日数十人 能登半島地震 高齢者ら環境激変で】【19日ぶり湯に笑顔 珠洲の公衆浴場再開】(中日、20日付)など。能登半島地震のその後見出し一つひとつに被災者のかけがえのない人生が映し出され、そのひとつずつに、今の窮状から立ち上がろうとする人々の姿が生き映しとなり、それこそ一人ひとりの今の心を思う時、涙がしたたり落ちるのである。
 情けない、とはこのことか。

(1月19日)
 金曜日である。私は、このところ、アレヤコレヤといろいろすべきことに追われ、かなりハードな日々を過ごしている。とはいえ、きょうは社交ダンスのレッスン日である。というわけで、午後、一宮スポーツ文化センターへと車を走らせた。近づく発表会を前にすべてを忘れ、タンゴとワルツのイントロに始まるひと通りのレッスンに打ち込んだが、時折、能登半島地震の惨状と被災者の顔が目の前に大きく浮かび上がり、なんだか息苦しさのようなものを感じたのも事実である。

 共産党が18日、志位和夫委員長(69)の後任に田村智子政策委員長(58)が就く人事を決定。委員長交代は23年ぶりで、女性の委員長就任は初めて。志位氏は空席だった議長に就任、小池晃書記局長(63)の続投も決まった。田村氏の後任の政策委員長には山添拓参院議員(39)が起用され、不破哲三前議長(93)は中央委員から外れ、名誉役員に就任した。
 新しく委員長に就任した田村さんは現在3期目。2019年に安倍晋三主催の「桜を見る会」を巡る問題で当時の安倍首相を国会論戦で追及。2020年1月に女性初の政策委員長に就任した経緯がある。それだけに、こんごのお手並みに期待したい。就任記者会見で田村さんは「責任の重い役職だが、党の成長、発展のために力を尽くしたい」と語った。

 甲府地裁は18日、甲府市で2021年10月に同じ高校に通っていた女性の両親を殺害し、住宅に放火したとして殺人などに問われた、当時19歳の被告の男(21)の裁判員裁判判決公判で求刑通り死刑を言い渡した。22年4月施行の改正少年法で実名公表が可能となった「特定少年」への初の死刑判決となったという。

 今月1日に発生した能登半島地震で石川県が氏名を公表した死者80人のうち8割を超す69人が家屋倒壊で亡くなっていたことが判明。倒壊家屋の下敷きになり、圧死した人が多かったとみられる。石川県内の住宅被害(一部破損含む)は18日時点で約2万9000棟に上るが、輪島、珠洲市での建物倒壊の全容はまだ分かっていないという。

(1月18日)
 きょうは寒い。
 わが妻たつ江(舞)に生前、いつも「シロよシロシロ、シロちゃん」と呼ばれていたわが愛するシロちゃんは、さすがにストーブの前に座ったままじっとしている。動こうとしない。で、ストーブの前に座布団を置いてやると、座布団が気に入ったと見え、そこで座り満足そうに。天下泰平といった顔で自分の居場所は、ここなり-と決めたようである(ただし、きょうのような寒い日に限るのだが)。 

 石川県輪島市の輪島、東陽、門前中の生徒のうち6割超にあたる258人が17日、約130㌔離れた白山市の県立施設「白山青年の家」へバスで集団避難。生徒らの見知らぬ土地での学校生活が始まった。
 死者6434人、行方不明者3人を出した1995年の阪神大震災から29年となった17日、神戸市中央区の公園「東遊園地」で犠牲者をしのぶ【1・17】の集いが開かれた。この日は1日に起きた能登半島地震の被災地にも思いを寄せ、竹や紙の灯籠で【ともに】の文字も表現。能登半島地震が発生した午後4時10分にみんなで黙とうを捧げ、能登の復興も願った。

 第170回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に九段理江さん(33)の「東京都同情塔」(「新潮」12月号)が、直木賞は河崎秋子さん(44)の「ともぐい」(新潮社)と万城目学さん(47)の「八月の御所グラウンド」(文芸春秋)が選ばれた。このうち九段さんは「受賞した作品の全体の5%くらいは生成A1の文章をそのまま使っている」と明かし、いよいよ生成A1時代の到来か。文学の世界でそれで良いのかどうか、が気になるところである。

(1月17日)
 1995年1月17日午前5時46分に発生、災害関連死も含め6434人が亡くなった阪神地域で観測史上初めての震度7を記録した阪神大震災から、まる29年を迎えた。この日は神戸市中央区の東遊園地で早朝から「1・17のつどい」が開かれ、多数の灯籠が並ぶなか、能登半島への連帯の思いも込めた【とともに】の文字が浮かび上がった。
 中日新聞のけさの通風筒によれば、世界的デザイナーのコシノジュンコさんが16日、和歌山県田辺市の世界遺産・熊野本宮本社で記者会見し、熊野の神の使いとされる「八咫烏(やたがらす)」をモチーフにした「特別御朱印帳」を発表。大社を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が今年、世界遺産登録20年になったのを記念したという。ほかには【亡き母に「ありがとう」 2週間やっと対面 輪島の実家倒壊、自らも被災の娘】の記事が涙を誘う。ほかには11月の米大統領選に向けた野党共和党の候補指名争いの初戦となる中西部アイオワ州の党員集会が15日、州内各地で開かれ、返り咲きを狙うトランプ前大統領(77)が事前の世論調査どおり大差で勝利。順調な滑り出しとなった。

 愛知県が17日、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるーとして17日、新型コロナの流行が「第10波」に入った、と独自宣言。

1024年1月16日
 火曜日だ。
 雪こそ降ってはいないが。きょうも、きのうに続き、とても寒い朝である。そう言いつつ、かつて私の青春時代に流行った歌手で俳優の吉永小百合さんの【寒い朝】を思い出し、♪北風吹きぬく寒い朝も 心ひとつで暖かくなる 清らかに咲いた 可憐な花を……と口ずさんでみる。歌いながら、思うにつけ人間だれしもこうして厳しい自然のなかを互いの愛と愛で「春」という夢を胸に、生きていかねばならないのだな-とふと思ったりした。

 けさの新聞報道によれば、最大震度7を観測した能登半島地震で石川県の被災者をホテル・旅館に移す2次避難が15日現在、避難者全体の6%にとどまることが県のまとめで判明。災害関連死を防ぐため政府も2次避難の加速に力を入れているが、思うように進んでいないのが実情だという。【名勝・白米千枚田に爪痕 輪島ひび割れ無数、落石も】(16日付中日)の痛々しい見出しも。
 それから。石川県が15日に能登半島地震の犠牲者の氏名を初めて公表。馳浩知事が「氏名の公表は、人生の尊厳、関わってきた方々への報告と言う意味で公益性がある」と説明。同意を得られた人については公表する」と語ったという。1人の死は重く、私がかつて過ごした能登では新聞の能登版で「お悔やみコーナー」を開設していただけに、氏名の公表は家族の同意を得られれば当然のことだと思う。出来たら能登版紙面のように、亡き人の生前の功労(貢献)や思い出話についても公表すれば、亡き人と遺族の魂がその分浮かばれるのではないか、と。そんな気がするのである。

 岐阜県飛騨市古川町で15日、円光寺と本光寺、真宗寺を参詣する「三寺まいり」があった。この三寺まいりは、親鸞聖人の命日前後に営む法要「報恩講」が起源。良縁成就を願う行事としても知られ、参詣者らは高さ2㍍の雪像ろうそくが並んだ町を行き交ったという。

(1月15日)
 小正月。
【たくさんの方が「石川頑張れ」と絶えず声を掛けてくださり、走りながら胸がいっぱいでした 都道府県対抗女子駅伝で1区区間賞を受賞した石川県代表・五島莉乃選手(26)】とは、本日、15日付中日新聞1面題字横の<言の葉>欄である。

 そして。1面はほかに【石川、富山 5.6万戸断水続く 地震2週間「復旧 年単位も」】【トイレ、歯磨きに制限 体調悪化や感染症懸念】といった見出しが並んだ。
 いつものように午前10時過ぎに自宅を出たわが家のシロちゃん。きょうの寒さに震え、耐えきれなかったのか。10分後には帰宅、帰ってからは、一階居間ガラス窓の太陽の日差しがあたる窓のサン、すなわち庇(ひさし)の下部分でしばらくの間、ジッと座ってておいでたが、気がつくと今度は私の布団の中にもぐりこんだままで出てこようとしない。ここなら暖かいので大丈夫だ。それほど、きょうは寒いのである。

 能登半島は依然、大変である。そんな能登の各地を岸田文雄首相は14日訪れ、金沢市で復旧事業の一部を国が代行する大規模災害復興法に基づく「非常災害」にすることを表明。被災者支援のため2023年度の予備費から1000億円超の支出を月内に決定する考えを示した。【被災建物3割「倒壊危険」 応急判定 東日本、熊本上回る】とは本日付の毎日新聞1面の見出し。

2024年1月14日
 本日付の朝刊(中日)は、【中学避難 珠洲・能登町も 2カ月程度輪島250人が同意】に【共通テスト始まる 被災受験生前泊して挑む】、そして注目の台湾総統選について【台湾総統に与党・頼氏 中国対抗の姿勢維持】と。どれも読者の関心の高い記事ばかりだが、そんな中にあって、やはり連載企画の2回目【能登はやさしや □被災地とともに□ 歌手石川さゆりさん 明るく、力強い土地柄。病気をせず命をつないで】を見逃せない。
 <能登半島(1977年)>を歌った石川さゆりさんは「能登半島という歌のおかげでこれまで輪島塗の作家さんをはじめ、いろんな人たちと知り合いや友達になりました。昨年の仕事は、紅白(歌合戦)の前では和倉温泉(石川県七尾市)のディナーショーが最後で、能登の皆さんの前で1年を終えたんです。/正月にこんなことになって、すぐに(現地の知人に)電話しました。呼び出し音は鳴るけれども誰も出ない、ということが続いていました。7日くらいにようやくつながり「どうしていますか」と話ができました。……」などと現地を思い心配する気持ちがよくわかる内容の記事に私は、どこかホッとしたのである。
 それにしても、能登がこんなめに遭うだなんて。七尾の一本杉どおりは。仙対橋は。中山薬局。高沢蠟燭は。小丸山公園は。舞と一緒に歩き始めてまもない下の子を伴ってよく足を運んだ「のとじま水族館」、そしてコスモスの花に満たされた和倉温泉界隈、冬が終わるころに土を割って顔を出してきた雪割草の花がどこまでも美しかった門前の鳴き砂の浜、さらに総持寺、輪島の朝市どおりは。松本清張の「ゼロの焦点」に出てくる関野鼻はどうなってしまったのだろうかーと、思うことは地震発生に伴う能登のケガが少しでも少ないことばかりである。

(1月13日)
 土曜日。中日新聞の本日付(13日)朝刊1面で【能登はやさしや □被災地とともに□】が始まった。初回は、能登半島の穴水出身の大相撲の遠藤聖大(えんどう・しょうた)さんで見出しは【駆けつけたい。思いは胸の奥にとどめ 元気な相撲を取って勇気づけられれば】というものだった。こんご随時掲載ということなので注目して読みたい。

 大学入学共通テストがこの日、全国の668会場で始まった。出願者は昨年より2万667人少ない49万1914人。能登半島地震の被災地では受験票を紛失した受験生に「仮受験票」が発行された。石川県内の出願者は5229人。特に被害の大きかった能登半島にある高校の生徒は、前日から試験会場(金沢大学)近くのホテルに宿泊するなどしてテストに臨んだという。思えば、わが長男(当時七尾高校3年)も、前日に金沢で一泊。試験に臨んだ日のことがつい昨日のように思い出される。でも、地震などはなく、ふつうの受験だったと記憶している。そのわが子が当時、学長だった江崎玲於奈さんに憧れ、筑波大の難関、基礎工学部に無事入り、いまでは文部科学省で一人の物理学博士として頑張っているのである。当時の私にしたら、なんだか、夢のような話だ。
 でも、あのときは今回みたいな地震発生に伴う苦労などはなかったのである。

 夕刊は、このほかに【中学集団避難3市町に 輪島・珠洲・能登の850人】(中日、13日付)【台湾総統選 投票始まる 対中争点、世界が関心】(日経、13日付)といったところか。

(1月12日)
 政府は11日、最大震度7を観測した能登半島地震を「激甚災害」に指定。輪島市の能登空港はこの日、仮復旧が完了し、自衛隊輸送機の発着が可能になった。石川県によれば、11日午後2時現在の地震による死者は213人、行方不明者は37人。能登全域で道路が寸断され、輪島市を中心に2562人がなお、孤立状態に陥っているという。

 朝起きて。能登半島で幼少期を7年過ごした末っ子を送り出したあと、ペットボトルやお酒の空き缶、そしてビン類、ほかに電池、しょう油や入浴剤の空き容器といった不燃物を歩いて近くの集積場へ。ことし初の不燃物収集の日だからである。きょうは、よほど寒いのか。それとも昨日、天使の羽を広げて能登半島の惨状を見てきたためなのか。シロちゃんは一向に外に出て行こうとはしないので室内を温かくしたうえで、私はいつも使っているデスク前の椅子にこうして座ったのである。ペンを手に、書き始める。シロは私を守るようにして傍らに座っている。

 目をつぶって能登半島地震の惨状についてあれやこれやと頭を巡らしてみる。昨夜、ネットを中心に調べてみたところ、能登が世界に誇る和倉温泉街は30館近いどの旅館もが大きなヒビが至るところに入ったり壁がはげ落ちたりしていた。そればかりか、肝心のお湯が出せなくなる-などといった大被害でここしばらくは営業などとても出来そうにない。さらにテレビ放映を見ると、美湾荘さんは旅館内のあちこちがクチャクチャで、おそらく加賀屋さんなど他の老舗旅館のどこもが同じように瀕死の重傷といってかまわないだろう。
 ほかに志賀町では、地震で熱湯を浴びた男の子、中川叶逢ちゃん、5歳が救急車の出動を断られ亡くなってしまいました。大相撲の人気力士「遠藤」のふるさと穴水では帰省中の長男や長女、そして妻も含めた6人家族の5人が家屋の倒壊で下敷きとなって全滅。一瞬にして亡くなってしまうなど皆さん大変です。運命としか言いようがありません。それに比べたら、舞はまだ幸せな人生だったかもしれない、との思いを深くしたのです。と同時にニンゲン1人ひとりに与えられた命の定めって。一体何だろう、とも。

 考えてみれば、生きていればことしが年女だった、わが亡き妻たつ江(伊神舞子)はウクライナ戦争もガザの悲劇、能登半島大地震も何もかもを知らないのです。もしも知っていたなら、俳人伊神舞子はどんな俳句を、詩を、短歌を天下に向かって作っていたかと思うと、なぜかわけもわからないまま怒濤となって、またしても涙があふれ出てくるのです。

 石川県は12日、能登半島地震で被害が激しかった輪島市と珠洲市で仮設住宅計115戸の工事を開始、1カ月後の完成を急ぐという。バイデン米大統領が11日、米英両軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を攻撃した、と発表。この攻撃には、オーストラリア、バーレーン、カナダ、オランダも支援したという。

 中日新聞社と子会社の中部日本ビルディングが、名古屋市の繁華街・栄に完成した中日ビル(高さ158㍍。地上33階、地下5階で延べ床面積は約11万7千平方㍍)の開業日が4月23日に決定した-と発表。建物のテーマは「中日ビルで、会おう。」。商業施設やレストラン、ホテルなど名古屋初出店を含む計93の店舗・施設が出店し、栄地区の新たなにぎわい拠点になることをめざすという。

2024年1月11日
 政府は、能登半島地震の被災者の避難先として旅館やホテルなどを活用する2次避難用に石川、富山、福井、新潟の4県で計1万人分を確保する、という。持病を持つ人や妊婦、要介護者、75歳以上の高齢者とその家族を優先させる方向で調整している。また政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向け、10日午後、軟弱地盤がある大浦湾側の工事に着手。地盤改良工事の設計変更承認を代執行してから13日後に着手した。一連の工事の工期は9年3カ月で、移設事業の完了は2030年代の半ば以降になる見通しだという。
 辺野古の工事再開を受け岸田文雄首相は「世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない」と強調。沖縄県が辺野古移設に反対している件については「丁寧な説明を続けていきたい」と語った。

 中日新聞朝刊の本日付に【父母眠る新城は「ホントのふるさと」 メイコさん思い出ありがとう 地元住民ら30人冥福祈る】の記事。メイコさんとは、昨年12月31日に89歳で亡くなった俳優の中村メイコさんのことである。

 けさ。寒いところを愛猫シロ、オーロラレインボー(俳句猫の白)は、お外に出かけていった。その目は真剣そのもので、どうやら能登半島へと出かけていったらしい。大地震で苦しんでいる人たちを少しでも助けなければ。そんな気迫に満ちた表情をしており、私は能登で共に過ごしたシロちゃんの先代だった神猫シロを久しぶりに思い出したのである。能登半島の猫や犬たちは、どうしているだろうか。無事でいてくれたら良いのだが。

(1月10日)
 新聞は能登半島地震のその後の報道で埋め尽くされている。
朝刊は【発生9日目初の関連死6人 能登地震死者202人 安否不明102人 情報錯綜 輪島朝市 大規模捜索開始】(中日、10日付)【能登6人災害関連死 死者202人 感染症も拡大】(毎日、10日付)に続いて夕刊も【能登で雨 土砂災害警戒 地震10日目 死者203人 安否不明68人 安否不明者なぜ急増減? 曖昧情報もあえて公表】【重機ボランティア捜索支援 長野・小布施から参加 自衛隊と連携 土砂撤去】(中日、10日付)といった具合だ。 
 新聞をはじめとしたマスコミ各社の続報はきょうも、こんな調子で続く。一体全体いつまでこの状態が続くのか。と思うと、今は日本中が悲しみの海の中をさまよい歩いている。そんな気がしてならない。

 買い物でピアゴに行ったら店内一角に令和6年能登半島地震災害義援金募金の募金箱が置かれていたのでさっそく募金をさせて頂いた。

 店内に置かれていた募金箱
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 熊本県八代市出身で「舟唄」「雨の慕情」(日本レコード大賞)「なみだ恋」「おんな港町」など数々のヒット曲で知られた演歌の女王、八代亜紀さんが昨年の12月30日、急速進行性間質性肺炎のため死去。73歳だった。報道によると、八代さんは膠原(こうげん)病の一種で指定難病の「抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎」と急速進行性間質性肺炎を発症。昨年9月に病を公表し、芸能活動を休止し、療養を続けていた。中学卒業後に歌手をめざして上京。東京・銀座のクラブの専属歌手を経て、1971年に「愛は死んでも」でデビュー。芸名は出身地である熊本県八代市にちなんでつけられたという。

(1月9日)
【能登地震救援阻む雪 死者168人安否不明急増323人 「もう勘弁してくれ」】(中日)【避難所で死亡初確認 雪中孤立から搬送 能登地震1週間 168人犠牲 安否不明323人 災害関連死リスク大 震度5強以上に1カ月は注意を 気象庁(毎日)】
 きょうも新聞紙面の1面は能登半島地震の記事で埋め尽くされている。
 私はそうした紙面の中でも中日新聞にいち早く掲載されている【能登半島地震 安否不明の方々】に目を通した。室谷敦子(90)池端一成(76)山本愛子(80代)など苗字と名前が気になる人を数人見かけたが。このうえは、無事を願うほかあるまい。

 一方。そんな中でも明るい話題といえは、だ。【宮崎作品Gグローブ賞 「君たちはどう生きるか」アニメ映画、日本人初 笑顔届けられれば(鈴木敏夫プロデューサーの話)】(毎日)【宮崎作品Gグローブ賞 「君たちはどう生きるか」アニメ部門】(中日)と、米アカデミー賞の前哨戦ともいえる映画賞「第81回ゴールデン・グローブ賞」の発表・授賞式が7日、西部カリフォルニア州ビバリーヒルズで開かれ、宮崎駿監督の長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」がアニメ映画賞を受賞したということか。報道によれば、2007年に設けられた同賞を日本人監督作が授賞するのは初めてのことだという。
 これに対して暗い話は、能登半島地震の後報以外に【田中元首相宅で建物全勝 「目白御殿」敷地内の800平方㍍】【松本人志さん 芸能活動休止 文春報道、「裁判に注力」】(中日)といったところか。いやはや、この世の中、いろいろある。というか、起きるのである。

 夕方届いた中日新聞夕刊。ここには1面トップで【母「守れずごめんね」 能登地震入院断られ5歳児死亡 尻にやけど一度も抱けず】【死者180人 安否不明120人に 輪島朝市で大規模捜索へ】の見出し。このうち5歳児死亡のニュースはとなんとも悲しいニュースだった。能登半島の志賀町で揺れて倒れたやかんの湯でやけどしお尻がただれ、内灘町の病院で入院を断られた末に容体が悪化。死亡した5歳児の話で、記事を読む限り、病院がもっと適切な処置をしていれば助かったはずなのにと思うと、こちらまでが悲しくなってしまう。

(1月8日)
 毎日、毎日。この世の中は事件や事故、思いがけない災害が絶えることがない。それこそ、地獄かと持ってしまう。きょうの中日朝刊1面トップは【池田議員を逮捕 4800万円不記載疑い 安倍派裏金 初の立件】というものだった。そして、その隣が【能登地震 孤立なお2300人 発生1週間 死者128人】【124時間後の救出 声に反応 医師「いける」】というものであった。

 けさは、同居する末の息子がこしらえてくれた<七草がゆ>を1日遅れで食べたが、それは美味しかった。たつ江(伊神舞子)が健在だったころは、1月7日となれば決まって彼女手づくりの七草がゆをみんなで食べたものだが、昨日そんな舞を思い出しスーパーで買った七草を食卓の上に置いておいたところ、息子があっという間の離れ業でこしらえておいてくれたのである。というわけで、ことしも食べることとあいなったのだが、もちろん、とてもうまかった。おいしかったのである。
 
 七草がゆ、とは。末っ子の手料理で食べた七草がゆ
 
 
 

 午前中に東京・町田市在住の太田治子さんから舞の仏前へのお供えとしてメッセージカード入りの野草アートフラワー(陶器のお花)が届き、感激。さっそく、わが家の愛猫シロちゃん(オーロラ・レインボー)と一緒に袋から出し、おかあさん(静汐院美舞立詠大姉)の仏の前に供えた。おかあさん、よろこんだようで笑顔で「ありがとう」と礼を言ったような気がして「太田さんには、いつもお世話になり、本当にありがとうございました」とレインボーとともに深く頭を下げたのである。

(1月7日)
 七草がゆの日である。たつ江(伊神舞子)がいたころには、決まって「からだに良いよ」と七草がゆを食卓に出してくれ、うれしく思ったものである。

 朝刊各紙は相変わらず、能登半島地震の記事でぎっしり埋まっている。
【発生124時間 90代女性救出 珠洲の倒壊家屋から 能登地震死者126人に 脈拍あり会話も 珠洲】【被災地大雨や大雪予報】【「地震直後の雪つらい」「いつまでこの生活」 建物倒壊や救援に影響心配】(7日付中日朝刊)【能登地震死者126人 安否不明210人全容見えず 90代女性 124時間ぶり救出 石川・珠洲の民家】【能登地震 孤立集落 疲労濃く 大雪予想「物資途絶える」】【避難所に医師1人 寝ずに治療 応援で目撃「追加支援を」】【海底隆起「予想以上」専門家】【ボランティアの情報サイト開設 石川県】(同毎日朝刊)といった具合で、深刻度は日1日と深まりつつある。

(1月6日)
 きょうは、寒さが増してくる小寒(しょうかん)。いわゆる「寒の入り」で、これから節分までが「寒」。寒中見舞いを出し始める。

 本日付の中日新聞の朝刊見出し【死者94人 安否不明222人に 能登地震 建物下敷き100件】【トイレ事情やプライバシー確保 避難生活課題山積】【コロナ、インフル 感染症拡大懸念】に続き、同夕刊は【能登地震 死者100人 安否不明なお211人 穴水、早朝に震度5強 震度1以上1045回 北陸土砂災害の恐れ 大雪予報】【穴水の避難所で3人コロナ感染】と刻々変わり、とうとう地震発生による死者が100人となった。

 ほかに羽田空港での日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故。こちらの方は滑走路閉鎖に伴う空の便の混乱の様子につき【羽田衝突 15万人超に影響 全日空・日航 国内線の欠航800便 8日にも滑走路再開】などと報じている。

 本日6日付の中日新聞夕刊に【金正恩氏異例の見舞い 「被災者に哀悼」岸田首相宛て電報】の見出し。それによると、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党書記が5日、能登半島地震の被害に関して岸田文雄首相宛てに見舞いの電報を送ったというもので、金正恩氏は岸田首相に「あなたや(地震の)遺族、被災者に深い同情と哀悼の意を表します」とし、被災地の早期復興や生活の回復を祈ると伝えた-としている。そして、このお見舞い電報について6日の朝鮮労働党機関紙、労働新聞が岸田首相への電報全文を、北朝鮮と関係が深いイランの南東部で起きた爆発に対する金正恩氏の見舞い電と並べて掲載したという。金正恩氏の、この行いは当然ながら、同じ地球を生きる者としてほめられて良いものだと思うのである。

(1月5日)
 午前中は、ある自治体の文芸祭小説の部の入選作の校正に打ち込んだ。そして午後はマイカーで隣町の一宮へ。ことし初の社交ダンスのレッスンで真清田神社横の一宮スポーツ文化センターでレッスンに挑んだ。師匠の〝若さん〟の指示の下、悦ちゃん、ヨシコさん、水谷さん、曽我部さんに私も加わり、新年早々とはいえ、ワルツに楽しいひとときを過ごした。みな朗らかなメンバーばかりだけに、なんだか我が身が全開したみたいな、そんな気がしたのである。曽我部さんからは、きしめんにボールペンまで頂いてしまい、恐縮至極とはこのことか。帰りは、ほっともっとで夕飯を買って帰ったが、シロちゃんが心配そうな顔で私の帰りを待ってくれており、なんだか嬉しい気がしたのである。

 新聞は、朝刊も夕刊も元日に起きた能登半島地震の続報で埋め尽くされた紙面が何とも痛々しい。ライフラインは至るところ、ズタズタといってよく、停電に断水、食料の枯渇、寸断された道路……が次々と増える中、死傷者も時間の経過に従って増え、能登の人々の心中やいかばかりか-と思う。そして私自身、かつて七尾で7年間、家族と共に過ごし能登には人一倍の愛着があるだけに、なんとも悲しく、かつ悔しくて、やりきれなさでいっぱいとなるのである。
 【死者92人 安否不明242人に 能登地震 生き埋め40件超】【海底隆起? 輪島の港異変 漁師「出港できない」】【「給水、支援物資どこ」 能登半島地震 珠洲 停電続き情報届かず】【輪島の焼失面積 4万8000平方㍍ 国土地理院推定】(5日付中日夕刊)といった具合である。このほか、5日付中日夕刊1面見出しには【管理画面に注意喚起機能 羽田衝突 滑走路進入なら表示】も。

 写真家の篠山紀信さんが4日、死去。83歳だった。東京都出身。妻は元歌手の南沙織さん。ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻ら著名人のポートレートを手がけ、宮沢りえさんのヌード写真集などでも知られた。

 羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故。その後の調べで、航空管制官が海保の機長に離陸の順番が最優先であることを示す「ナンバー1(1番目)」と伝えていたことがわかったという。

 【能登救援、在日米軍と協力 政府調整 地震死者92人に 安否不明242人】【イスラエル・アラブ歴訪へ 米国務長官、緊張緩和促す】【一番マグロ1億1424万円 豊洲初競り、昨年の3倍超】とは、5日付の日経夕刊。

(1月4日)
木曜日。朝刊は【能登地震死者73人に 3.3万人避難 余震続く 迫る72時間雨中の捜索 輪島ビル倒壊天あおぐ】【海保機に進入許可なし 日航機と衝突 管制の交信公表 海保機長と認識相違】(中日)の見出し。これが夕刊になると【輪島生き埋め多数 能登地震死者78人に 重機陸揚げへ輸送艦】【支援誓う仕事始め 官公庁】といった具合で、能登半島地震の死者が増えている。

 暗い話題ばかりの中、それでもきのうは箱根駅伝の100回大会で青学大が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶり7度目の総合優勝を果たし、日本中を沸かしたのである。そして。私はといえば、だ。地震に襲われた能登半島のその後を気にしつつ、先日、審査した多治見市文芸祭小説の部入選作の校正などに追われ、正月早々から忙しい毎日に追われている。。

2024年1月3日
 厳しい年が明けた。
 スマホのYahooニュースは、朝から【最大震度5強 石川県能登(10時54分)】と元日に起きた能登半島地震の続報を流してきた。朝刊各紙は能登半島地震一色で【能登震度7死者57人、珠洲「9割方が全滅」津波1、2㍍超沿岸被害 輪島朝市200棟焼失】といった活字が躍るなか、【日航機羽田で衝突炎上 全員脱出 海保機は5人死亡 海保・支援物資を搬送中】(いずれも3日付中日新聞1面見出し)といった見出しが躍っている。

 私はそんな活字を目の前に、新年の書き始めでもある、わが「ごん日記」にこう、記した。
――ガザも、イスラエルも。ウクライナも吹っ飛んだ。私は自然の猛威が、いかに限りなく大きいか、を改めて知った。元日早々の能登半島地震は私たちにそのことを教えてくれた、と。人間たちが束になってかかったところで、自然の営みには、かないっこないのである。舞の辰年は新年早々、そのことを教えてくれたのである。

 能登半島地震の悲劇を伝える3日付の新聞
 

 

(1月2日)
 火曜日。
 元日早々の昨日発生した能登の大地震は、辰年おんなである、あのおかあさん、かれんだったわが妻、伊神舞子の逝去と関係がある。そんな気がしてならない。能登半島で家族そろって過ごしたことがある〝たつ江龍〟が今度は人間社会に向かって牙をむいたのではないか、と。なぜか、私にはそんな気がしてならない。でも、彼女は、もはや、この世にはいないのである。

 帰省中の長男夫婦に末っ子も加わり、私の母の死に伴い、私が新たに相続した土地へと出向いた。わずかばかりの土地ではあるが、土地のありかをしっかりと教えておいた方がこの先のことを思っても良いので、いざ見参とあいなった。見終わったところで、末っ子が「せっかくなので、おかあさんの墓にお参りしてこうよ」と言うので、永正寺の永代供養集合墓【濃尾の大地】に寄り、みんなで手をあわせた。私は墓碑を前に「皆、それなりにそれぞれの個性豊かにがんばってくれている。だから安心しておればよいから」と唯一無二のわが愛する仏(静汐院美舞立詠大姉)に向かって手を合わせた。

 午後5時47分ごろ。2日午後4時過ぎに新千歳空港を出発した日本航空516便(エアバスA350型機)と海上保安庁の航空機(ボンバルディアDH8ー300。乗員6人)が羽田空港C滑走路で衝突。516便の乗客、乗員379人は無事だったが、海上保安庁機に乗っていた5人は死亡。消防車70台以上が出動し消火に当たった。航空専門家によれば、どうやらいずれかの機長が管制官の指示を聞き間違えたのが原因らしい。それにしても、新春早々から、いろいろ起きる。天国の舞は、この地上の出来ごとをどう思って見ているのだろう。

 午後11時過ぎ。スマホが例によってピコピコピコッ、と鳴ったので画面を開く。と、Yahooニュースで、そこには【能登半島地震 石川県で55人の死亡を確認】とあった。なんたることか。

(1月1日)
 2024年元日。生きていたら、たつ江の年だったのに。その辰年、令和6年の幕が開き、始まった。せめて亡き彼女、おかあさんを囲んで長男夫妻がわざわざ能登の加賀屋さんから取り寄せてくれたおせち料理で楽しいひとときを-と、みんなでワイワイガイガイと言いながら、おせちを食べ始めた。

 能登のおせちは格別な味である
 

 そして。能登の話に夢中になり始めた、その時であった。午後4時過ぎに能登を震源に最大震度7の大地震が発生、能登半島が地震に揺れに揺れている。いやいや、ラジオからの「緊急地震速報です」の声に耳を凝らすと、震源地とはだいぶ離れたわが家、ここ尾張の地でも新春早々、ふわりふわふわ、ふわっと、少しだけ、一瞬の間、揺れた気がする。自然は人間社会に容赦ない見えない存在であることを今さらながら痛感させられた。
 能登半島といえば、だ。私たち家族5人(私)=ほかに、家族には、てまり(愛猫)とウサギのどらえもんもいた=が支局長住宅で7年間過ごした、いわば第二のふるさとともいえ、思い出がいっぱいに染みた土地だといって良い。その能登半島で新しい年が開けたと思ったら、このありさまだ、大地震の発生である。自然は、まさに容赦ないのである。

 というわけで、つけっぱなしのNHKラジオからは「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」「石川県能登地方には5㍍の津波が予想されています。すぐに高いところに逃げてください」「大津波警報が石川県能登地方に出されています」「「能登、山形、富山には既に津波は到達しています。青森でも10㌢の津波が到達しました」「昭和58年の日本海中部地震では、わずか8分で津波が押し寄せました。日本海側の場合、太平洋岸に比べ、津波はすぐにきます……といったアナウンサーの興奮した声がひっきりなしに聴こえてくる。というよりは、ラジオからは地震の発生と大津波襲来の危険を何度も何度も繰り返し、告げる声が聴こえてくるのである。