あぁ~ 大震災を悼む 笛猫野球人間日記9月15日

平成二十三年九月十五日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 甲子園での阪神戦。ドラゴンズは3―1で阪神に勝った。先発吉見は8イニング1失点の好投でリーグトップタイの14勝目。打線は四回1死一、三塁でブランコの1ゴロの間に先制点をあげ、五回には阪神の失策に乗じ2点を入れた。浅尾が7セーブ目。
 阪神は八回に代打金本のソロホームランで1点を返すに留まったが、前夜のドラゴンズを思わせる守備の乱れが命取りとなった。
 それにしても、今シーズンのヤクルトは強い。きょうもマツダスタジアムで広島を8―1で破り、快勝。なんと九連勝中である。ドラゴンズにとっては、これ以上に追っかけがいのあるチームはないのではないか。なかでもヤクルト・畠山はこの日、なんと4試合連続本塁打を打ち、ヤクルトファンを喜ばせた。館山投手もなかなかの逸材だ。

 Mが言うには、テレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」のプロデューサー橋田寿賀子さんは、「赤えんぴつとシャープペンシル、消しゴムに原稿用紙があれば、それでいい」とラジオで話しておいでだった、とのこと。橋田さんは、さらに「パソコンは紙の無駄遣いだ」とも話しておいでだったという。
 よく分かる。私も本欄作品集の「笛猫人間野球日記」は別にして、小説を書くときは大抵、ノートにボールペンで書き綴り、ほぼ完結したところで清書がてらパソコンに活字を打ち込んでゆくタイプなので、橋田さんのおっしゃられることは、その通りだと思う。
 最近では、電子書籍の時代到来だ、とあれほど騒がれた電子書籍から「ガラパゴス」が自社販売を今月三十日で販売終了に踏み切るなど、まだまだ紙の世界からお別れ、というわけにはいかない。電車に乗っていても感じるが、やはり人間、文庫本など紙の本からの撤退は難しいと見てよい。こんな折も折、中日新聞では、新人記者に手書き原稿から出発させている、と聞き、それはよいことだーと思ったのである。新しいK社長の方針のようで、これはなかなか良いことだ。第1、ミスがなくなるばかりか、個人の思考力も高まる。いいことだ。

 【きょうの1番ニュース】たまたま、あることで中国琵琶奏者の宗ティンティンと久しぶりに電話で話し合い、懐かしかった。「イガミさんのためなら、どこにだって飛んでゆく」と約束してくれたティンティン。西安出身の国民的琵琶奏者も、知らぬ間に3歳の子の母親となっていた。もう一つ、昼食に社外に出たところ、街角で珍しいお方に出会った。その人の名は文芸評論家の青木健さんだった。「これから、新聞社に」という青木さんとはすれ違いだったが、健さんからはなんだか全身がホカホカするような、そんなアッタカイものを感じた。

☆「脱北9人 韓国移送へ 長崎で一時収容『タコ漁で生活苦』」、「ふくしま作業員日誌 56歳の男性 暑さ避け夜2時起き(聞き手・片山夏子)」(15日付、中日朝刊)
 「福島原発事故 国連『想定甘すぎ』 報告書公表 危険性見直しを 線量観測 地球規模で」、「復興の道 一本松と 住民団体が『接ぎ木』成功 岩手・陸前高田 苗木の成長に将来重ね」「ガラパゴス販売終了 シャープiPad対抗 10カ月で」、「残暑なお 多治見34度 名古屋33度(15日付、中日夕刊)

平成二十三年九月十四日
 山井が先発し、ドラゴンズが一回に1点を先取していたこともあり、きょうも勝利は間違いなし、と思っていたら午後九時前のNHKローカルニュースが「ここでプロ野球速報をお伝えします。ドラゴンズは敗れました」ときた。
 今夜のドラゴンズは敵地・甲子園で阪神と戦ったが3―2で敗れた。阪神は連敗を4で止め、勝率を5割に戻した。ドラゴンズは八回、無死三塁になったところで、鳥谷の犠飛で阪神に勝ち越された。ドラゴンズは二番手・小林正のけん制悪送球など失策が目立ち、連勝は5でストップした。
 勝てば胸の扉が開くようにポッと、わが心の中の光りがつくが、負ければ明かりは消えわが胸は深海の底にまで沈んでゆく。ファン心理とは、こういうものかも知れない。

 石川県能登半島輪島沖の日本海で昨日朝、漂流中の不審な小型船が見つかった問題で第九管区海上保安本部(新潟市)は乗った男女九人を保護し、巡視船に移した。政府は十四日、持っていた書類から、この男女九人を北朝鮮からの脱北者と断定、引き続き身元や脱北の理由、日本に辿り着いた経緯などについて聴取、きょうの午後、九人を石川県の小松空港から海上保安庁の航空機で長崎県大村市の入管関連施設に移送した。

 一方で「陸前高田の一本松をやさしく照らす満月は美しかった。きょう十七夜は立待月、あす十八夜は居待月、そして臥待月、更待月と、人は、居ても立っても、寝ても覚めても、月に憧れ、月を待つ」と中日新聞本日付夕刊「夕歩道」が、なかなかにくい。
 東海地方はきょう高気圧に覆われ、残暑の厳しい一日となった。各地の学校では子どもたちの熱中症が相次ぎ救急車で多くが病院に運ばれた。岐阜県多治見市で三五度、名古屋市三三・二度、津市でも三〇・八度を記録。

 【きょうの1番ニュース】
 曼珠沙華恋うた(抜粋)
           最匠展子
 坂道を登りつめた
 孤高の丘に 燃えさかって咲く
 曼珠沙華の 群落
 (略)
 曼珠沙華をこよなく愛でた
 深い業を背負って生れてきた
 高僧みたいに巨(おお)きな 人
 わたしの一生を支配した 稀有なその温かい人がら

 白い曼珠沙華の根には 毒のないものもあると聞く
 まったく毒のない人ほど 毒があるように思われる
 現世(うつしよ)の矛盾 にさいなまれた人
 わたしにだけ解る その無垢の心

 ことばは 声が無くても
 いのちを吹きこむものだということを
 高齢まで生きて 識った
 わたしの今この病いの苦しみは
 あの人を救えなかったことへの
 償い 償いきれなかった自責の重み

 ……

☆「羽生タイトル通算80期 王位復位で最多タイ」、「阪神元名物オーナー20年 久万俊二郎氏死去 90歳」(14日付、中日朝刊)
 「『避難いつまで…』 奈良・十津川村 土砂ダム 決壊警戒続く 山深く作業難航 解除に数ヵ月も」、「脱北者、長崎移送へ」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年九月十三日
 今夜の甲子園。試合をやる前から、ドラゴンズが勝つ。そんな確信のようなものが体内の深い泉から湧き出てくる。なぜだろう。球団の努力もあり、ここにきて新鋭たちの大いなる音、進軍ラッパのようなものが聞こえてくるからだ。
 浅尾、大島、平田、堂上兄弟、中田(亮)、野本、松田、ジュンキ、山内、岩田、岩崎達…とキラ星の如き新鋭たちが、このところドンドンと育ち、爆発寸前、いや飽和点に達しようとしている。だから負ける気がしない。このところのドラゴンズには、そんなチームの景色も見える。
 それに口は悪いが、ファンの一人ひとりがまたイイ。どの人も、ただヒタスラにドラゴンズを愛する純粋さと、絶えず「これではいけない」といった向上欲があるからである。ぬくぬくと育ちマスコミという社会で甘やかされ通しの、一部努力不足の記者さんとは訳が違う。ファンの皆さんの場合、そこには、一人ひとりの人間が感じられる。
 それはそうと、今夜のドラゴンズは先発チェンこそ打たれたものの、ベテラン井端はじめ、ブランコの本塁打も手伝って、結局のところは6―4で勝った。わたしは、このところの“新鋭”の活躍を思うにつけ、まだまだ奇跡の大逆転は十分あり得る、とみている。その首位ヤクルトだが、きょうも広島に4ー1で勝ち、七連勝と手強い。

 バスから降り、帰りながら東の空を仰いで、ゆっくりとあるく。そこにはポッカリと名月が浮いている。美しい月は、十五夜お月さんばかりではない。この地上にまろやかな光りを落とす月のすべてが美しいのだ。

 【きょうの1番ニュース】きょうは何と言っても、私にとっての文学の師の1人でもある詩人・最匠展子さん=さいしょう・のぶこ、日本ペンクラブ名誉会員、日本現代詩人会会員、日本文藝家協会会員=から、新しい最匠展子詩集(現代詩文庫187)が届いたことである。彼女は約束どおり、石川啄木歿後百年記念で、北上詩歌文学館から頼まれ啄木へのオマージュとして自ら詩歌文学館に捧げたという、エッセイ「魂の奥深くにまで届く詩情」なる肉筆のコピーまで寄せてくださった。
 せっかくの貴重な文なので、ここに記しておきたい。(以下、全文)

 ふるさとの山に向ひて
 言うことなし
 ふるさとの山はありがたきかな

 かにかくに渋谷村は恋しかり
 おもひでの山
 おもひでの川

 病のごと
 思卿のこころ湧く日なり
 目にあをぞらの煙かなしも

 頬につたふ
 なみだのごはず
 一握の砂を示しし人を忘れず

 私の母は、第二次世界大戦が終結してまもなく、長い闘病の末、他界いたしました。戦争中に空襲で家を焼かれ、食糧難の買出しに奔走したり、弱い体にずい分無理をしたこともたたったのだと思われます。まだ四十三歳の早過ぎる死、でした。結核の病床で苦しい息の下から私の手を握って「わたしが死んだらこの本をお棺のなかに入れてね」と頼んだ時の、まだ十代の思春期だった私の悲しみの衝撃は、言葉では表せないほどのものでした。私の知らない若い日の母は写真で見ても細身の清純な顔立ちの楚々とした姿でした。
 遠い昔の青春の母に悲恋の過去があり、相手の方から別れぎわに贈られたのがこの石川啄木の『一握の砂』の歌集だったということでした。明治の終りに産れた母は封建制度と女性差別の時代に、けっして幸せとは言えない結婚生活を送り、そのなかで心の支えとなり癒しとなり苦悩の終着点となった啄木のうたは、生涯大切な彼女の心のふるさとだったにちがいありません。数日経って、柩のなかの死化粧をした母のかたわらにこの歌集を置き、私は母との悲しい約束を果しました。
 石川啄木の、平易な日本語で魂の奥底にまで届くような抒情のせかいを、三行に分けた短歌で表現した才能に私はあらためて驚くのです。意味の変り目で行替えをしたわかり易い手法を用い、短歌を三行に分けて表現したところに作者の新しい発見を見るのです。啄木の斬新な感性と大衆性が巧みにとけ合った作品に、作者の稀有な才能を読みとることができます。そしてそれは何時までも人びとの心を強く捉えて離すことはないでしょう。(二〇一〇・三、最匠展子記)

☆「名月 被災地照らす(旧暦の8月15日にあたる12日、東日本大震災の被災各地でも「中秋の名月」が見られた。岩手県陸前高田市では1本だけ津波で生き残った海岸沿いの松の後方に満月が昇り、建物がなくなった真っ暗な市街地とおだやかな海・広田湾を照らしていた)、「仏の核施設で爆発 廃棄物溶融炉 1人死亡、4人負傷」(13日付、中日朝刊)
 「脱北者? 9人漂流 3人は子ども 韓国行きを希望 輪島沖 日本へは07年以来」、「(野田佳彦)首相所信表明 年内に日本再生戦略 復興、経済最優先で」(13日付、中日夕刊)

平成二十三年九月十二日
 月曜日。十五夜がきれいだ。
 きょうは、プロ野球のドラゴンズ戦はない。新聞休刊日でもあるため、朝刊もない。なんだか、どこかが欠けたような錯覚のなか、一日が始まった。それでも中日スポーツのスタンド売り(特別即売版)だけは発行されているので、なんだかホッとする。
 デ、その12日付、中日スポーツ一面トップが「『落合監督2000本まで頑張れ』 1500安打 荒木 『次は2000本? 過去も未来も考えません』」というものだった。

 日本人二十四人を含む二千九百七十七人が犠牲になった二〇〇一年の米中枢同時多発テロから十年を迎えた十一日、「9・11」の追悼式典が米国各地で開かれた。この日は、一部で不穏な動きが伝えられはしたが、何事もなく式典を終えたようで何もなかったことに感謝の意をここに表したい。
 十五夜お月さんのこの日、Mはまたまた大口屋で月見もちを買い、夜の食膳に出した。月見もちの中にはウサギさんの形をしたものもあり、そこは、さすが大口屋だな、と感心したものである。

 【きょうの1番ニュース】朝、江南行き定期バス車中にケータイ電話を忘れたかと思いきや、そうではなく私のバッグのいつものポケットとは違うポケットに入っていた。小中陽太郎さんから、つい二、三日前に「いい話グセで人生は一変するー人間関係を幸せにする技術」(青萌堂)
なる本が送られてきた。

☆「『9・11』10年 NY追悼式典 テロ根絶 世界に発信 米大統領が初出席」、「経産相に枝野氏 原発対応の経験重視」、「関市長に39歳尾関氏 岐阜最年少 現職破り初当選」(12付、中日夕刊)

平成二十三年九月十一日
 きょうのナゴヤドーム。ドラゴンズは横浜に1―0で勝った。このところ毎試合、好投しながらも涙の敗戦投手が続き9連敗中だった先発ネルソンも久々に勝利投手となり、7勝目(13敗)をあげ、満面の笑顔が破裂しそうだった。この日は打っては荒木選手が五回裏、2死一、二塁の好機に鮮やかな中前打で1点を先取、最後は浅尾、岩瀬の万全の継投もあって、そのまま逃げ切った。
 荒木選手はこの日、ヒット3本を打ち、待望の1500安打を達成した。「記念の一打は八回の左前打。一塁上で花束を持った右手を上げ、歓声にこたえた。」(中日・救心)。プロ十六年目の代えがたき、一つの成果である。

 あすは十五夜(陰暦の八月十五日)。中秋の名月である。今宵の月も美しい。日曜の休みだったため、Mと一緒に平和堂へ。Mがお月見だんごを買う姿をみて、なにかしら安堵感に包まれた。甘いものをスキでないMもお月見だんごだけは、いいらしい。

 NHKスペシャル「巨大津波“知られざる脅威”、撮影されていた衝撃映像▽人々を襲う史上最大級の津波火災、そして▽16時間ぶり奇跡の生還」を見て、ちょうど半年前に起きた東日本大震災の爪あとが、いかに壮絶なものだったかーを思い知ったのである。

 【きょうの1番ニュース】Mが「お櫃を買いたい」というので付き合わせてもらったが、どこのホームセンターに行っても「あいにくですが、うちはお櫃を置いてません」の返事。お櫃など置いてありそうなものなのに…」と、少しばかり納得がいかなかった。

☆「鉢呂経産省が辞任 放射能発言で引責 就任9日目 政権打撃」、「米同時テロ きょう10年」、「希望の命 迷い守る 大震災きょう半年 『母乳あげたいけど…』放射線不安 医師にも影」、「甲子園のライバル プロ初対決 貫禄12K 田中に軍配 自己最多タイ15勝 チーム連敗止めた」「斎藤佑『4年間の差』 『悔しい』初完投4失点」、「八回逆転 竜3連勝 久々2番 井端同点打 読み切り 右前へ」(11日付、中日朝刊)

平成二十三年九月十日
 土曜日。私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」の例会から夜遅く帰ると、ナゴヤドームでのプロ野球、ドラゴンズ対横浜戦は既に終わっていた。ケータイ中スポのドラゴンズ情報によれば、ドラは4―3で勝ち、引き分けを挟んで3連勝。3―1で2点差を追う八回裏に無死満塁から井端が右前打を放って同点とし、さらにこのところ当たりが出てきたブランコの中前打で勝ち越した、という。なかなかいい勝ち方である。
 この日の先発山内は八イニングを投げ、3失点ながら3勝目、横浜は私の好きな“浜の兄ちゃん”こと、横浜の先発三浦が中日打線につかまった。横浜は、これで5連敗。

 きょうは午後、名古屋市内の名駅近く「つちやホテル」の喫茶店を会場にお借りしての「熱砂」例会があった。今回は、“熱砂自慢”となりつつある一連のテーマエッセイに続き、初めての試みとして4000字小説に挑戦。例会までに寄せられた全作品を事前にアップしての会となった。手前みそを許して頂いて言わせてもらえば、出品全作品とも作者の個性が色濃く出ており、それなりに質の高い作品の公開となったのである。
 私のこの笛猫野球人間日記を読んでくださっている方がもしお出ででしたら、ぜひパソコンでウエブ文学同人誌「熱砂」を開いていただき作品集から各同人のページに入ってほしい。ついでながら、各同人の作品名を、ここに記しておきたい。
 ○特集4000字小説○
 「大蛇」(伊神権太)、「Sternenzelt(シュテールネンツェルト・星空)」(碧木ニイナ)、「愁いの谷」(真伏善人)、「黄泉の雫」(山の杜伊吹)、「言の葉流し」(黒宮涼)、「白樺にて」(加藤行)、「ヴィレッジ バンガード」(平子純)

 【きょうの1番ニュース】「熱砂」例会で参加者全員が、それぞれの人生観を語るーなどして楽しいひとときとなった。4000字小説もなかなかバラエティーに富んだ内容となった。

☆「東日本大震災 あす半年 大震災半年特集 地元に愛着、財源不安…高台移転 合意進まず」(10日付、中日朝刊)
 「放射能発言 経産相辞任論強まる 首相『まず真意確認』 本人は続投意欲」、「米製薬大手から独立・上場 武豊のラクオリア創薬 英の邦人投資家 尽力 日本の研究力生かす(ロンドン・有賀信彦)」(10日付、中日夕刊)

平成二十三年九月九日
 きょうは重陽の節句ー   
 今夜のナゴヤドームの横浜戦。先発・吉見がよく投げ、打線も、このところ連日安打の荒木らがよく打ち6―0で完勝。落合監督の言葉通り、「非常に分かりやすいゲームでした」(中日スポーツ・オレ流語録から)。吉見は今季二度目の無四球完封勝利で許した安打も3安打のみで二塁を踏ませることなく、13勝目をあげた。
 それに一回裏のブランコの9号、左翼スタンドへの2ランがまた、すごかった。私はブランコが横浜・小林太から打った球が、あっという間に「天」に吸い込まれてゆくその瞬間をみたが、まさに神業のごとし。打った瞬間、飛球はどこか、とドーム天井をみたが気がついた時には既にスタンドにのみ込まれていたのだ。やはり、すごい打者だ。

 ナゴヤドームでソト投手に対する八月の中日スポーツ月間MVPの表彰式があり、公式ファンクラブから選ばれた会員代表から金一封とトロフィーが渡された。手渡したのは会員代表の愛知県碧南市に住む女性と、その母親。人生最高のステージを前に、ことし六十九歳の母親は何度も手鏡を取り出し、化粧をする姿がなんともほほえましかった。
 ベネズエラからやってきたソトも月間賞は初めての経験だけに、うれしそう。年報五百七十万円ながら、このところの大活躍には「ソトさんが出てらっしゃると安心して試合を見ていられる。ドラゴンズと私たちファンのためにも頑張ってくださいね」の言葉にうれしそうだった。ソトは、アストロズ傘下のマイナーやイタリアンリーグで苦労し、ことし春季キャンプでテストを受けて入ってきた苦労人。ハングリー精神を心に秘めた勇姿は穏やかそのものの笑顔で周りの者全員が癒される、そんな雰囲気の漂う選手である。これからも、やってくれるに違いない。

 周りの人々の心を和らげるドラゴンズの人材といったら、ほかにも数人居るが、その代表格が岐阜が生んだ日本プロ野球界を代表する名手、高木守道さんである。今夜は、ナゴヤドーム内で通りがかりにバッタリお会いし、思わず「たかぎさん。きのうのプロ野球解説よかったですよ」と声をかけてしまった。
 高木さんのご子息は現在、中日新聞の販売店主としてご活躍されており、私が担当する中日スポーツの会員紹介コーナー・ファンクラブ通信でも随分と助けられた。偉大過ぎる「父」の背中をいつも真正面から見て読者サービスに徹する若手店主の有望株である。そんなこともあり、私こと、“いがみの権太さん”は高木親子の大ファンなのである。

 【きょうの1番ニュース】久しぶりにドラゴンズファンが陣取るライスタでひとときを過ごした。旗が振られ、トランペットの高らかな音のなか、総立ちでの応援は何度見てもいいものだ。これぞ、魂のこもった応援である。このドームから、ある日あるとき、これらのドラゴンズファンがそっくり消え入ってしまったとしたなら。ドームも歯抜け同然と言っていい。大切にしなければ、と心から思う。

☆「台風12号豪雨 土砂ダム危険 避難指示 決壊の恐れ 奈良・和歌山670人 紀伊半島 大雨に警戒」(9日付、中日朝刊)
 「土砂ダム 不気味な静寂 無数の木散乱 奈良・和歌山上空ルポ 監視カメラ設置 国交省」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年九月八日
 ナゴヤドームでの中日×巨人戦。両チームともガップリ四つのまま十二回0―0の引き分けに終わった。ドラゴンズは、これまで5連勝のソトが初めて八回三分の一までを投げ、巨人も先発のルーキー沢村がよく投げた。打撃戦ではないため、面白くないというファンも確かにいるにはいるが、今夜の試合はそれこそ、息詰まる好ゲームだったと思う。
 ドラゴンズはソトのあとは浅尾、岩瀬、鈴木、小林正の投手リレーで、巨人も沢村のあとは久保投手と双方一歩も譲らず、結構見応えのあるいい試合だった。落合中日、原巨人の両監督とも1点にこだわり、バントにこだわる場面は、まるで高校野球の延長を見るような気さえした。でも、負けはしなかった。ドラゴンズが大逆転でセ・リーグ優勝する可能性は、まだまだある。

 インドの首都ニューデリーの高等裁判所前で七日、爆弾テロがあり、少なくとも十一人が死亡、七十六人が負傷した。バングラデシュやパキスタンに拠点を置くイスラム過激派「ハルカトゥル・ジハード・イスラミ(HUJI)」が犯行を認めた、とロイター通信が伝えている。ニューヨークなどで十年前に起きた9・11同時中枢多発テロの九月十一日の前だけに、気になるテロである。
 一方、AP通信によれば、リビアの反カダフィ派「国民評議会」の軍事部門報道官は「七日、逃亡中のカダフィ大佐のリビア国内の潜伏先を突き止め、半径約六十キロの範囲内で包囲している」と報じている。

 【きょうの1番ニュース】サッカー女子のロンドン五輪アジア最終予選でこれまで3勝無敗で首位の「なでしこジャパン」が、中国山東省済南市の山東スポーツセンターで北朝鮮と対戦し、1対1で引き分けに終わった。ただオーストラリアが中国を破ったため、なでしこの五輪出場が決まった。私は厳しい国情のなか、それでも祖国のために一心不乱に闘う北朝鮮の若い女性選手たちに、心から拍手を送りたい。

☆「台風12号豪雨 紀宝町、避難指示漏れ 三重1人不明、浅里地区」「死者54人、不明55人 和歌山、奈良 240世帯なお孤立」(8日付、中日朝刊)
 「福島原発事故 海洋汚染1・5京(一京は一兆の一万倍)ベクレル超 原子力機構試算 東電推定の3倍」、「名古屋市バス 『事故不申告慣例に』 当て逃げ容疑 愛知県警、営業所捜索」「『山津波』集落襲う 増水の川に土砂→鉄砲水→土石流 台風12号被害検証 奈良・五条市大塔町宇井地区 あんな大量に崩れるとは」「母村の危機救え 明治に移住、開拓 北海道新十津川町が支援へ」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年九月七日
 ドラゴンズはケガから復帰した山井投手がナゴヤドームの巨人戦で先発し、荒木、大島ら味方打線にも助けられ、3―2で今季初めての勝利投手となった。なかでも圧巻は八回表。浅尾が巨人に満塁になられ絶体絶命のピンチに追いつめられたが、ここはうまく切り抜けた。これがあったからこそ、最後は抑えの切り札・岩瀬投手が抑えてゲームセットとなった。

 すっかり秋めいてきた。外では、コオロギが鳴いている。台風が大きな爪痕を残した後、この地上は日々、身ぐるみ剥いで脱皮していくように変わってゆく。風も、大気も、景色も、音の世界も…、すべてが、だ。
 今宵の月は美しく、周りにはエンゲージリングのように色彩感豊かな虹がかかっていた。やがて私たちの好きなマンジュシャゲの季節がやってくる。
♪マンジュシャゲ 人恋ふほどに 朱深く

 【きょうの1番ニュース】毎日新聞で連載中の高樹のぶ子さんの小説「マルセル」がいよいよ佳境に入り、このところは読み応えがある。特に私の心に留まった本日付の個所は、次の通りだ。
―天使は悪魔に利用されるのです。
 天使には羽根が生えている。天使自身はそれに気づかなくとも、悪魔は見つけます。そして、もっと高く飛ぶように命じます。天子を育てるのは、悪魔の知恵です。あなたは悪魔に利用されている天使だ。あなたの足は確かに不自由で、誰かの助けが必要でしょう。羽根が無くては生きて行けないと考えるのも理解できます。
 ………

☆「台風12号豪雨 死者、不明100人超す 平成で最悪の被害か」(7日付、中日朝刊)
 「台風12号豪雨 依然270世帯が孤立 救援難航、復旧進まず」(7日付、中日夕刊)

平成二十三年九月六日
 今夜のナゴヤドーム。帰宅後、家族でテレビを前に無言の応援をしていたのに、先発・ネルソンが二回表、巨人阿部に先制の二塁打を打たれ、三回にはラミレスに2ランを浴び、ドラゴンズも3点を入れるなど、よく食い下がったものの巨人に5―3で負けた。ネルソンは、このところは「出ると負け」の状態が続いているだけに、かわいそうな気がする。でも、そこは勝負の世界だ。雪辱するほかない。一方の巨人先発・内海は6イニング6安打1失点で自己最多に並ぶ14勝目をあげた。ネルソンはいつもよく投げているが、これで9連敗で6勝13敗。

 きのう、たまたまこの日記でも取り上げた落合博満監督の中日新聞スポーツ面の連載記事「読む野球」が本当に本日付で終わってしまった。なんだか、惜しい気がする。書き出し部分だけでも、ここに記しておきたい。
―野球は9イニングで終わり。一昨年のオフに始まったこの連載も、前回で90回を数えた。題材がなくなってきたこともあり、区切りのいい前回で終わりにしようと思っていたが、野球には延長戦もあるということで、今回91回目で最終回にします。長い間、読んでいただき、ありがとうございました。

 【きょうの1番ニュース】東日本大震災の起きた日は、ことしの三月十一日であるが、米国ニューヨークなどで同時多発テロが起きたのも、二〇〇一年の三月十一日である。そこでMは言う。「あなたの大好きな1並びの日には、何かが起きそうで怖い」と。
 ここで、言わせてもらおう。幻冬舎発の女性にこだわった文芸誌・GINGERL。〔ジンジャーエール〕のことしのSPRING02号が、発売されたのは東日本大震災が起きた、ことしの三月十一日、その日である。

☆「台風12号豪雨 十津川に土砂崩れダム 奈良高さ80メートル、決壊恐れ 死者37人、不明54人に」「紀宝・相野谷地区 濁流の水位10メートル超 国交省想定外 9・4メートル『輪中堤』で防げず」「読む野球(最終回) 落合博満 基礎 真っすぐに球を見る」(6日付、中日朝刊)
 「台風12号 土砂、地滑り危険…捜索難航 死者42人、不明55人に 新宮と那智勝浦『30人連絡取れず』情報」「孤立地区 打撃深く 3日ぶり国道開通 熊野・五郷町ルポ ライフライン断絶 山の水頼み」(6日付、中日夕刊)

平成二十三年九月五日
 きょうは月曜日でもあり、パ・リーグの札幌ドーム、日本ハム×ソフトバンク戦以外には、プロ野球はない。で、例によってけさの中日新聞スポーツ面の見出しを拾っておこう。
 (広島4―0中日戦に触れ)「竜 19度目完封負け」「粘り切れず 山内被弾 味方拙守にリズム崩し『守り勝つ野球』遠く」といったところか。

 それはそうと、落合監督の随時連載記事「読む野球」が、まもなく終わる。そんなうわさが、風のたよりで私の耳にまで流れてきた。毎回、理路整然とした内容が印象深く、野球を知らない私にとっては、「知る」のにいい教材でもあり続けるだけに、もし本当とすれば惜しい。本人が言い出したのか、それとも監督契約が今シーズンいっぱいで終わるためなのか。あれこれと、憶測が飛んでいる。

 ただ、ひと言いわせてもらえば、これは書き手にもよるが、ユーモアと面白み、エスプリにかなり欠ける。この点になると、天性のキャラクターによるところが大だけに、ないものねだりーということか。こんご、さらに続行となれば、読者が思わずフッと吹き出したり、笑顔になるような、そんな軟派チックな部分がほしい。「野球を読む」といったところで何も教本である必要はさらさらないのだ。読者にとっては、読んで楽しければ、それで満足する。

 夕刊紙面によれば、台風12号は奈良、和歌山県を中心に死者二十七人、行方不明五十一人という、大変な被害を出した。夕刊では「土砂に埋まる住宅」の見出しで那智勝浦の上空ルポが掲載されている。かつて大災害のたびごとに、取材ヘリやジェットで現場に何度となく一番乗りした私としては、人ごとではない。犠牲者には天に向かって手を合わせるほかない。もしかしたら、今の人間社会は地獄そのものかもしれない…。ふと、そんなことを思ってしまう。

 【きょう1番のニュース】あるステキな人物が私のことを思って、とてもすばらしい俳句をメールで寄せてきた。読みながら涙があふれて止まらない。ありがとう。公表は、今しばらく控えたい。

☆「台風12号 死者26人 不明54人に 紀伊半島など 3600人なお孤立」、「三重・紀宝町上空ルポ 輪中堤 無残に」(5日付、中日朝刊)
 「懸命捜索 台風12号豪雨 各地で道路寸断 死者27人、不明51人に」「三重の避難所に1200人」、「新管制塔の運用を開始 名古屋空港」、「『3期までとの思い』 豊田市長、不出馬を表明」(5日付、中日夕刊)

平成二十三年九月四日
 マツダスタジアムでのデーゲーム、広島戦。CBCラジオをつけて聴く限り、グラウンドコンディションが悪いなか、砂を敷き詰めて始まったようだ。それでも、そうした悪条件のなかで先発・山内壮馬が初回、無死満塁のピンチをしのいだことを知った。広島の先発は、マエケンこと、前田健太投手で手強い。
(三時間後)ドラゴンズは広島に4―0で負けた。山内は制球が甘く四回に天谷の適時二塁打で先制され、五回にも栗原の13号2ランで追加された。中日も五回、2死二、三塁とチャンスに恵まれたが大島が中飛に倒れた。マエケンは7イニングを5安打無失点で切り抜け、8勝目。負け惜しみではないが、マツダスタジアムで広島が勝つことは地元ファンにとっては、いいことだ、と思う。

 台風12号はけさ、やっと鳥取沖の日本海に出た。
 中国、四国地方の横断に伴い台風がもたらした豪雨被害は各地に拡大、多くの人々が思いもしなかった被害に泣かされている。なかでも紀伊半島の被害が特に目立ち、和歌山、奈良、三重県では河川の氾濫による住宅流出などで多大な被害が報道されている。NHKのニュースによれば、午後九時の段階で19人が死亡、51人が行方知れずだという。前にも書いたが、人間は自然には勝てっこない。自然とどう仲良く付き合っていくか、だ。
 なんども書く。私には、このところの福島第1原発事故に伴う放射能汚染という“人災”に、自然界が猛烈に反発し逆襲してきている気がしてならない。もしも地震(津波含む)と台風、豪雨が同時に人間社会を襲ってきたとしたなら。おそらく、ひとたまりもないだろう。

 【きょうの1番ニュース】全日空名空港支店の元イケメン広報官、日名内太郎さんから午前中、ケータイに電話が入った。彼は思っていた通り、いまは世界を舞台に羽ばたいていた。およそ二十数年ぶりの懐かしい声だったが、互いの近況を語り合った。日名内さんは、あすからは上海に出張する。帰国後、再会しようということになった。

☆「武功夜話物語 その105 武功夜話を読む(須賀弘之) 巻十八(1)秀吉の朝鮮出兵、高麗陣(文禄の役)」(3日付、尾北ホームニュース2面)「台風で増水 住宅倒壊 1人死亡7人不明 奈良・十津川村 西日本を横断 避難対象49万人」、「野田内閣支持62パーセント 民主27パーセント、自民を上回る 全国世論調査」、「岩瀬300セーブ プロ野球史上初」(4日付、中日朝刊)

平成二十三年九月三日
 いまは午後八時過ぎードラゴンズは、きょうマツダスタジアムで広島と戦い、5―2で既に勝ってござった。戦いすんで日が暮れて…とは、このことか。
 恥ずかしながらも「勝っていた」というのは、きょうは朝、台風12号が高知に上陸。夕方には、岡山に再上陸という悪天候下で頭からドラゴンズ戦は昨日に続いて「中止だ」と思い込んでいたためだ。いやいやどうして、吉見が12勝目をあげ、岩瀬仁紀投手(三十六歳)が待望の前人未到の通算300セーブを成し遂げ、浅尾拓也投手(二十六歳)も史上二人目の通算150ホールドポイントをあげる、など風雲急、を告げていたのである。
 なんだか、スキを突かれて“いがみの権太さま”がドラゴンズナインに一本取られたような、それもこ気味よい一本負けである。たまには、こういうことがあってもいいじゃないか。ト、勝手ながら思うのである。

 ケータイ中スポのドラゴンズ情報によれば、吉見は一回の立ち上がりに広島・嶋に本塁打を打たれたものの、その後はきっちり抑え五回には最近、1軍に帰ってきたブランコが待望の8号3ランで逆転、六回にも大島の犠飛とブランコの適時打で2点を加え、勝利をものにした。
 きのうの河村たかし市長じゃないが「あの人は粘りづえーもんで、このまま(リーグ優勝まで)いっちゃうんじゃないかな」の言葉もあながち口から出まかせばかりとはいえなくなってきた。天下の名将、落合監督が采配を振るだけに、より現実味を増してきた。
 「ファンも、うかうかしとれえーへん。いいことでゃあ、なゃあ~か。なも、し。」

 その台風12号だが、ほんとに疲れるほどの遅さでけさになって高知県に上陸し、徳島の三好町から岡山に再上陸。中国地方を縦断して、あすの朝、やっと日本海にでる見通しだ。それにしても遅い。Mいわく「野田内閣の組閣と一緒だね」と。まさか、台風と野田さんが事前の打ち合わせをしたわけでもあるまい。自然界は、本当に気ままでニンゲンたちは、いつだってその行く末を見守る以外にはどうすることも出来やしないのだ。
 土曜日。Mは嵐がどんどん強まるなか、自転車に乗り市福祉センターの俳句教室に出かけていった。いつもなら俳句教室にいったん出た、その足で自転車を漕いで約5キロ離れた飛高神社内の公民館のフォークダンスに出向くところだが、さすがにきょうは自重して俳句教室だけにしたようだ。

 私は、といえば朝から自室に缶詰状態で新聞に目を通したり、各地から届いた小説を読んだり、チェックしたり…で何かとすることばかりが多い。
 それでも、実家へは母が喜ぶので、顔だけをのぞかせたところ「たかちゃん、背中もんで」ときた。デ、背中をもみ終わると「(台風が来るので、と閉めてしまってある車庫の)シャッターを上げて。なかに自転車がおいたるから」とのことでシャッターをあけ「買い物に行くなら、今、車で一緒に行ってもいいよ」と言うと「お母ちゃん、きょうは何か、すしが食べたくてしようがない」というので近くのイオンまで車を飛ばして寿司を買ってきた。
 帰ると、電気屋さんがきており、薄型テレビの操作の仕方を母に特訓中。九十一歳にしては飲み込みも良く「これなら、大丈夫だ」と帰宅し、こうしてとりとめもない、きょうの日記を、書いている。

 【きょうの1番ニュース】このところの私にとって、文句なしのニュースは全日空マンだった「日名内太郎(ひなない・たろう)さん」の出現である。その日名内さんから昨日朝、突然、社に電話が入った。彼とは、私が小牧通信局長当時、すなわち空飛ぶ記者として在任中、随分とお世話になった。あのころ彼は全日空の広報担当者だった。その日名内さんが、なぜ。電話による限り、私に協力してほしいことがあるので改めて連絡します、とのことだったが…。
 私は、懐かしさのあまり、昨日電話で教えて頂いた携帯電話にきょう、二度、三度としてみたが、あいにくのすれ違いばかりだった。何よりも彼が、この世で元気にしていることを知っただけで、私は嬉しくてしかたがない。

 彼とともに名古屋空港の発展を願って飛び回ったのは昭和五十年代半ば以降のことである。あのころは、名古屋空港に新国内線ビルができ、同時に国際線ビルとの分離化、さらには国内初の航空宇宙館の開設…と、それこそ目の回る忙しさだった。当時は共に働き盛りで、彼にはあれやこれや、と助けていただいた。

☆「野田内閣が発足 原発 安全確認し再稼動 首相就任会見 復興最優先で」、「夜まで大雨警戒 台風12号。広範囲に影響」、「元プロ野球コミッショナー 吉国一郎氏死去 95歳」(3日付、中日朝刊)
 「台風12号 2人死亡 5人不明 高知上陸 低速、大雨続く 最大雨量 愛知、岐阜350ミリ予想」、「三重・紀宝で4404人避難指示 中電管内7680戸が停電」(3日付、中日夕刊)

平成二十三年九月二日
 今夜は大型の台風12号が四国、中国、または紀伊地方に接近、明日の朝にかけて上陸する見通しでもあり、広島のマツダスタジアムで予定されていたドラゴンズ対広島戦は中止となった。

 それにしても、私には米国のハリケーンも含めてこのところの地球を囲む自然現象の異常といってよいほどの、荒れようが気になる。勝手な解釈ではあるが、このところの自然界は相当に怒っている。なぜか。それは東日本大震災の発生に伴って起きた福島第1原発事故での放射能漏れ、いや日本、世界の空を覆うといっていいほどの放射能汚染が自然界全体に危機を及ぼしている。そうした人間社会に対する自然界ならでは、の大逆襲が始まったような気がするのだ。
 放射能汚染で肉牛のエサとなる藁とか、稲作栽培に大切な水とか、大気、学校のグラウンドまでが汚染され、このまま自然が黙っているはずもない。だから自然の雷や風、雨という雨が怒り狂っているような、そんな気がしてならないのである。

 【きょうの1番ニュース】名古屋市の河村たかし市長を中日ドラゴンズ公式ファンクラブの高島良樹担当と林武平事務局長が市長応接室に訪ね、継続手続きをしていただいた。公務多忙なうえ、ファンクラブでも昨日から始まった2012年会員の入会案内とPRに役立てば、というわけだ。
 公式ファンクラブのマスコットを目にした河村市長は、ここでいわく「わしゃ、ガブリに初めてあった。一度は会いたゃあ~と思っていただけに、うれしかった。ワシの場合、会員証と名のつくものを持つのは、歌手の森進一の会の会員証に続き、ファンクラブが二回目だがや」の弁。さらに、「ことしのドラゴンズをどう見とりゃあ~すか」の質問には「あのじん(落合博満監督)はムツッと、しとりゃあ~すが、ねばりづえい(強い)もんで、このままいってまう=リーグ優勝=んじゃないか」と期待感をにじませておいでだった。
 最後はカメラマンの注文に応じてガブリと一緒にツーショットで納まり、「グッド、ラック」と互いにドラゴンズの優勝を誓い合っていた。

☆「野田内閣きょう発足 官房長官に藤村氏 細野、平野氏は再任」(2日付、中日朝刊)「禁止物質検出、アンチ・ドーピング規則違反 井端にけん責、中日に制裁金300万 NPBが処分 眼病の治療薬医師管理服用 承認書期限切れ 球団気付かず」(2日付、中日スポーツ)
 「野田内閣 午後発足 刷新蓮紡氏 戦略古川氏」「脱原発依存に期待 再生エネ主張 経済産業相は鉢呂氏」(2日付、中日夕刊)

平成二十三年九月一日
 きょうは夜、ずっと東海ラジオで阪神戦を聞いていた。2012年の公式ファンクラブの入会を呼びかけた名誉会員峰竜太さんによるラジオコマーシャルが、初めて流されると聞いていたから、ぜひに、と思ったからーかもしれない。コマーシャルは簡潔明瞭そのもので、峰さんの素直な思いが聴視者に伝わってくる内容だった。

 この日、ドラゴンズは六回に代打野本の適時二塁打で3―0と先行した。正直言って、この段階では、「もう、もらった」とばかり思っていたが、そこはあきらめない阪神、七回にすぐ2点を取られ、なお満塁にまで迫られた。
 もはや万事休す、と思ったところで今度はあの浅尾投手が、剣が峰で残ってくれ、内心「やったあ~」と勝利を確信。ところが、最後にストッパーとしてでてきた岩瀬投手が、セーブ300達成を前に緊張したのか、1点を取られて同点に。結局、試合は三時間半以上に及び、引き分けとなった。でも、引き分けで負けなくて本当によかったと思っている。

 このところは、Mともども日々、綱渡りの人生劇場で睡眠不足は甚だしい。かといって「それが、どうしたのだ」と言われるのが、関の山で何の自慢にもならない。とはいえ、睡眠時間こそ、一番大切。だから、そうした場合は、今やっていることも「あすがあるから」と自身に言い聞かせ、寝ることにしている。

 【きょうの1番ニュース】実を言うと、先月二十三日から毎日、俳句を最低一句は詠んでMに添削してもらっている。なかなか難しいが、Mによれば気楽な気持ちで居て、ふと湧き出る作品に人の心を打つものが多いという。作らねばではなく、ふと浮き出た文言を大切に、ということだ。捻くり回して、自分で良い句だと思っている俳句は、たかが知れているそうだ。分かる気がする。
♪赤とんぼ 近江の空を 泳ぎ切る
♪虫時雨 白き柔肌 秋暑し

☆「リビア首都攻略内幕 カダフィ警護隊と密約 反体制派幹部明かす」、「竜快勝 首位と2・5差 ヤクルト5連敗」(1日付、中日朝刊)
 「3・11胸に『防災の日」訓練 浜岡電源喪失を想定 中電、地元と連動見送り 『M8地震で原発に津波』』、「民主新執行部 3党合意順守伝える 新首相、午後に自公と会談」(1日付、中日夕刊)

平成二十三年八月三十一日
 八月最後の日。ドラゴンズはナゴヤドームで対阪神に4―1で理想的な勝ち試合をした。いやはや、これを理想的といえるかどうか。いち早く復帰してこのところ大活躍の谷繁をはじめ、帰ってきた井端、ブランコとベテランが皆それなりの役割を果たしたからである。
 もう少し具体的に言わせてもらえば、まず谷繁は0―1の二回、1死一、二塁から左前打を放って同点に。四回には井端の適時打で勝ち越し、七回にもブランコの適時打などで2点を加えた。チェンの後はいつものパターンで浅尾、岩瀬投手で切り抜けた。チェンは7イニング1失点で6勝目。岩瀬は300勝セーブまで「あと1」にまで迫ったのである。
 一方、この日の阪神は連勝が4で止まった。きょうの阪神先発は能見だったが、敗戦投手に。それでも、私はこの投手をなんとなく好きだ。全身に恥じらいが感じられ、得も言われぬ花が感じられるからだ。

 帰宅してテレビを前に、夕食を食べながら雑談。Mいわく「外でいま鳴いているのは、こおろぎかマツムシなの。鈴虫は、まだこれからだから」と。私の「そろそろスズムシも、鳴き始めるのじゃないのか」の質問に返ってきた言葉が、こおろぎとマツムシだった。
 そう言えば、その昔、私がMを片腕に阿児町鵜方(現志摩市)の志摩通信部で記者生活を過ごしていたころ、わが社後援の「鈴虫リンリン会」が阿児町立神の寺の境内で行われ、本社からの優勝盾と賞状を手に出かけたものである。夜、半分取材がてら境内にいたら、皆さん真剣そのもの。耳に手まで当てて鈴虫の鳴き声に浸っておいでだった。懐かしい追憶のひとコマでもある。あのころは、まだ二十六、七歳。Mは、はたちだった。

 【きょうの1番ニュース】きょうは、これといったニュースがない。ただ毎日新聞夕刊特集ワイドのこらむ「熱血! 与良政談 『総とっかえ』から18年」のなかの次の下りがよかった。
―日を追うごとに相も変わらず「反小沢対小沢」の対決ばかりが報じられた今度の民主党代表選を私は冷ややかに見ていた。だが、感慨深かったことが一つだけある。代表選に出馬した5人のうち、新首相に選ばれた野田佳彦氏と、海江田万里氏、前原誠司氏の3人が1993年の衆院選で、当時の日本新党から立候補して初当選した人たちだったということだ。
 政治のプロからは「無謀だ」とからかわれながら、細川護熙氏が結成した日本新党のキャッチフレーズを覚えているだろうか。 「政治家総とっかえ」だった。
 自民党は世襲が横行し新人はなかなか候補にすらなれない。政権に反対しているばかりの旧社会党に属する気もない。そんな野田氏らの受け皿に日本新党はなった。
(中略)
 長い年月が過ぎ、地盤も看板もなかった苦労人、野田新首相の誕生を私は素直に歓迎する。しかし今やその野田氏も「政治家総とっかえを」という国民の厳しい目にさらされていると自覚した方がいい。そして私はなお青臭く、「政治の理想」を求めたいと思うだけだ。野田氏もぜひ。(論説副委員長)=31日、毎日夕刊から

☆「民主幹事長に輿石氏 政調会長は前原氏 野田新首相を選出」、「力士暴行死 元親方の実刑確定へ 懲役5年 最高裁が上告棄却」(31日付、中日朝刊)
 「歌舞伎町ビル火災 あす10年 止まった時…『会いたい』 舞台夢に上京 長女失った母 遺品の歌声に涙 消防法改正も違反消えず」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年八月三十日
 ドラゴンズはナゴヤドームで対阪神戦。先発ネルソンは準備不足とはいえ、それなりに今夜もよく投げたのに、試合が終わってみれば6―3で阪神にしてやられた。ネルソンは、これで8連敗、6勝12敗となった。でも、ネルソンはみんなの期待を背に受けて、ほんとによくやってくれている。いまや、ドラゴンズの影の、それも報われない“悲しきヒーロー”と言ってもよいほどだ。
 なんだか、ネルソン投手ばかりが敗戦の重荷を一人で背負わされているようで毎度、(涙の)敗戦投手を見るにつけ、かわいそうな気がしてならない。それでも、ネルソンはぐっと耐える。そして、白い歯をみせ笑う。私は、そんなネルソン投手を、負ければ負けるほどスキになってゆく。

 政界の方は民主党の野田佳彦新代表がきょう午後の衆議院本会議での首相指名選挙で第九十五代、六十二人目の首相に選出された。ドジョウ首相の誕生である。さっそく幹事長に小沢一郎さんに近い粋な輿石東参院議員会長が決まるなど、なかなか味わい深い人事が進んでいる。

 【きょうの1番ニュース】せみ時雨の声が少しずつ力なくなってゆく。そんな中、今夜は自宅の周りでコオロギの鳴く声を耳にした。やがてスズムシも鳴き始めるだろう。

☆「野田首相きょう選出 民主新代表 大連立『視野に』」、「世界陸上 室伏ハンマー『金』」(30日付、中日朝刊)
 「新首相に野田氏 輿石氏に幹事長打診 党人事着手 菅内閣は総辞職」、「不適切テロップ 男性『半分ふざけ作製』 東海テレビ検証番組 所属会社を解雇」(30日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十九日
 今夜はドラゴンズの試合はない。きのう、書き忘れたことがある。それは不振の主砲・和田が昨日、スタメン落ちした、事実である。彼も悔しいが、ファンだって悔しい。和田はファンにとっても、別格ともいえる存在だけに、早く1軍戦に戻ってきてほしい。和田がいないドラゴンズは考えられないからだ。ただ、それだけだ。
 というわけで、きょうは本日組の紙面の見出しできのうの試合を振り返っておく。まず、中日本紙はー。「竜3連勝貯金1 野本2二塁打平田先制弾 若手躍動」「虎・Gと並走 首位ヤに3・5差」。次に中スポは。「壮馬で貯金1 3・5差 2位浮上!! 残り44試合」「4カ月ぶり2勝 防1・09 抜群の安定感」。

 注目の民主党代表選挙の方は、きょう東京都内のホテルで開かれた両院議員総会で菅直人首相の後継を選ぶ党代表選が行われ、決選投票の末、野田佳彦財務相(五十四歳)が二百十五票を獲得し、百七十七票の海江田万里経済産業相(六十二歳)を破り、新代表に選出された。有効投票は三百九十二票、無効票は三票だった。これにより、野田氏は三十日にも衆参両院で行われる首相指名選挙で新しい首相に選ばれる。

 野田さんが代表に選ばれた点につき「菅さんにとっては、岡田幹事長も支援した人だけに、これでよかったじゃないの」とM。野田さんは、松下政経塾の一期生で今回の代表選にも誰よりも早く意思表示をしており、この点からも当初からぶれない姿勢だっただけに、歓迎してよい。復興への財源確保、税と社会保障の一体改革、財源確保を終始訴えてきただけに、期待できる。ここは、お手並み拝見といきたい。それに、何よりも新鮮な感じがする点もいい。ともすれば、数の論理と批判されがちな反小沢路線に勝ったという点でも、その意義は大きい。
 彼が勝利しまず「ノーサイドでいきましょう」と民主党同士に呼びかけたのも配慮が伝わり、さわやかだった。「私には地縁も、血縁も…、何もない。ドジョウは金魚になんか、なれっこない。ドジョウはドジョウ、ドジョウらしく泥くさい政治をしていきたい」といった演説も訴える力があり、かつ庶民性が感じられて良かった。

 【きょうの1番ニュース】きょう新潟の日本海夕日キャンペーン実行委員会からMに一冊の文庫本「夕日を詠みたいIX」が送られてきた。その23ページの2番目にMの入選作品「懐に夕日を入れてしまいけり(愛知県 伊神舞子)」が掲載されている。Mよ、あらためて心から、おめでとう。

☆「空席の大槌町長選 元課長=碇川豊氏(六十歳)=が初当選 投票率73パーセント、前回比4ポイント減」、「アルカイダ幹部殺害 ナンバー2(アティヤ・アブドゥルラフマン) 米がミサイル攻撃」「米ハリケーン 14人死亡 400万戸停電 熱帯性低気圧に」(29日付、中日朝刊)
 「民主新代表に野田氏 決戦で海江田氏逆転 あす新首相指名へ 『非小沢』結集に成功 野田氏の勝因」「『脱原発』路線を修正へ」、「三重、岐阜で肉牛全党検査 放射性物質『松坂』『飛騨』安心PR」、「拘束の5万人行方不明 リビア カダフィ派が虐殺か」、「自爆テロで29人が死亡 イラクのモスク」(29日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十八日
 ドラゴンズは横浜スタジアムで昨夜に続いて横浜に勝ち3連勝で貯金1。いよいよ昇り調子となってきた。私がにらんだ通りの展開である。今夜は、山内壮馬が先発し一回に平田が本塁打を放って1点を入れ、先手必勝のパターンに。七回表には横浜の失策に大島の三塁打で2点を加え、小林正、浅尾、岩瀬の継投で逃げ切った。

 その落合竜だが。本日付の中日スポーツの気になる表現(「見出し」含む)を断片的に拾ってみると、ザァッと次の通りだ。=面、記事ともに順不同=
「いまの中日打線は新5番なくして語れない。頼れる40歳がプロの厳しさを見せつけた。荒木が打って走ってつかんだチャンス、19歳の横浜・国吉を攻略したのは谷繁のバットだった。」「山井1軍復帰へ準備OK・ファーム竜情報」「荒木大島 竜会心の足攻!! 若い横浜バッテリー沈める」「ブーちゃんプロ初盗塁 ポッチャリした体が突然、全速力で動きだした。4回2死一塁。一塁走者ブーちゃんの激走が、横浜スタジアムの視線を独り占めした。」「およそ1週間前から中日のフリー打撃はこれまでより2メートル短い14メートルの距離から投球している。」「吉見の活躍には本紙もちょっぴり役立っている(略)『朝起きて、まず最初にやることは玄関へ中日スポーツを取りにいくことなんです。他球団が載っている面から見ます』 最近どんな選手が試合に出ているのか。どの選手の調子がいいのか。本紙を使い、日々移り変わる情勢の把握に努めているという。……(番記者メモ)」
記事を見れば、選手一人ひとり、チームの試合に挑む姿勢が分かるといっても、過言でない。

 ところで、パ・リーグの方はきょうこそソフトバンクに敗れたがきのうまで楽天が七連勝の快進撃でいよいよ三位に浮上。もしかしたら、今後の展開次第では、ドラゴンズ対楽天の日本シリーズ実現も夢ではなくなってきた。ちなみに、Mはあのマー君が大好きで「楽天さえ勝てばいい」が口癖である。

 久しぶりにMと一緒に実家の母の元へ。雑談するうち、親類のSさんのご主人が脳梗塞で倒れて入院中だと知った。まだ七十代のはじめなのに、と思うと病魔はいつ襲ってくるか知れたものでない、早くよくなってほしいと祈った。夫と妻といえば東京の詩人最匠展子さんの知人で中央大学名誉教授・長田光展氏から封書と同時に「悲しみが癒えるときー伴侶との死別から立ち直るために」(新水社)の本が送られてきた。さっそく読ませていただこう。
 来月から始まる2012年のドラゴンズ公式ファンクラブの入会受け付け開始に先だち、継続会員の申込書が秋の会報と一緒に、わが家に届いた。

 【きょう1番のニュース】川崎に住む作家太田治子さんから、信州は佐久名産の鯉のうま煮が届いた。私とMあてのはがきも同封されており「残暑お見舞い申し上げます。暑さがよみがえってまいりましたが、お元気におすごしのことと 何よりもごけんこうごけんぴつお祈りしております。……(夕刊連載記事の)夢さめみれば・おはげましとてもうれしかったです」と書かれていた。そればかりか、ピンクの秘蔵品ものイレまでが入っており「護身用の笛を入れておいたら」と私。MはMなりに入れたいものがあるようで、うれしそうだった。

☆「海江田氏 基礎票で先行 前原、野田氏追う 決選投票、焦点に」「津波避難ビル倍増 名古屋市が対策方針 国に先駆け 帰宅困難備え食料も」「200ミリシーベルト 帰宅に20年 福島事故避難地域 除染なしで政府試算」「ふくしま作業員日誌 56歳の男性 雨の日も楽じゃない(構成・片山夏子)」(28日付、中日朝刊)

平成二十三年八月二十七日
 横浜スタジアムでの横浜戦をドラゴンズは吉見投手の初完封で、3―0で制した。吉見は球威、制球力ともに安定、今季初めての完封で11勝目。これで、ドラゴンズはいよいよセ・リーグペナントレースでの勝率を5割に戻した。これからは出来れば、連戦連勝で進み、なんとかヤクルトに追いつきリーグ連覇にまで、こぎつけてほしい。打力好調の谷繁はこの日も一回に二塁打で先行、六回には吉見自らも適時打を放って加点した。

 きょうは、未明に天地が割れんばかりの雷に襲われた。自然の怒りを先日、購入したICレコーダーで録音しようかなとも思ったが、あまりの雨の激しさに、ナントナク気が進まなくなりやめた。白く光る稲妻を伴った雷は、それこそ猛り狂い、地上の全てが雷に打たれ、地球のありとあらゆる場所から火の手が出て炎上するのでは、と恐怖にかられるほどの凄さだった。
 ことしの日本の空は、少しおかしい。福島原発事故で、どうにも止まらなくなってしまった放射能汚染を憂えた自然界が怒っているような、そんな気さえする。

 【きょうの1番ニュース】大津の同人誌「くうかん」の主宰・眞鍋京子さんから送られてきていた小説「再会」を一気に読ませて頂いた。戦時中にユダヤ人にビザを発行し命を救った日本人外交官・杉原千畝さんの話や豪華客船「飛鳥」の旅などを通じ、添乗員とのほのかで温かな再会劇が淡々とした抑えた筆致で書かれており、感銘した。きょうは、「熱砂」の四百字詰めにして十枚小説の自作執筆にも当たる、など丸一日を小説に充てる日となった。

☆「復興・脱原発 見えぬ行方 小沢氏は海江田氏支持 前原、野田氏3人が軸 民主代表選」「『厳しい中、一定の達成感』 菅首相、退陣会見で強調」(27日付、中日朝刊)
 「民主代表選5氏届け出 短期決戦がスタート」、「尾張西部また激しい雨 1時間雨量 江南82ミリ(午前零時からの1時間に)、一宮48ミリ」(27日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十六日 
 昨夜の神宮でのヤクルト戦の余韻が未だ、からだに張り付いて離れない。
 離れないとはいえ、心地よき感触だ。打撃好調の谷繁にプロ二十三年目で初の一塁を守らせたオレ流采配。落合監督は、やはりただものではない。こうまでして試合を取りにいった気迫に平田が応えて3ランを放った。私は、そのとき三塁側外野席から少し離れた通路を歩きながら、そろそろ帰ろうかと思っていたところに、まるで爆弾の集中砲火のような大歓声に圧倒され、スタンドに舞い戻り、大逆転を確かめ、喜びに一人浸った上で球場をあとにしたのだった。

 正直、それまでのドラゴンズの貧攻に、匙を投げたくなった私は新幹線の時刻も迫りつつあり、もっと会いたくてこの気分を共に甘受したい人がいながら、一方でわが家で待つMのからだも心配で球場を離れようとした、まさにそのとき平田の貴重な一本が出たのだった。値千金とは、このことを言うのだろう。
―私は、球場全体が浮き上がったように大歓声にとどろき、まるでテロか何かが、起きたのでは、と走ってスタンド観覧席に駆けつけたのである。いわゆる歓声爆発とでもいおうか、そうしたヤツである。めったに見られない場面に私は遭遇した。打った方も、打たれた方も観客はみな歓喜の渦の中にいたのである。

 その東京が今夜は、ゲリラ豪雨に襲われ、横浜球場でのドラゴンズ対横浜戦は雨で中止になった。ドラゴンズが勢いづいてきただけに、惜しい気がする。それにしても、このところの異常なほどの豪雨と雷は尋常でない。私には放射能汚染よりも、アタシたちの方がもっともっと怖いよーと、自然界が人間社会を挑発しにかかっている。そんな図に見えてしかたがないのだ。それこそ、そのうち夏の雪が降り出すかもしれない。

 新聞(夕刊)によれば、菅直人首相がとうとう、きょう午後開かれた党臨時役員会で退陣を正式に表明して了承された。後継を選ぶ民主党代表選は二十七日告示、二十九日投票である。出馬を表明済みである前原誠司前外相(四十九歳)らは記者会見や決起集会を行うなど選挙戦は事実上、スタート。一方で焦点となっている小沢一郎元代表は、きょうになり「前原氏を支持しない」と明言した。

 【きょうの1番ニュース】Mは、このところ食欲がなく私がそばに居てやれず、いつも忙しそうにしていることもあってか「あ~あ、つまんない」という顔をしている。何も家事をしない自分のことを棚上げに、私には何も言う資格はない。それでも彼女は昨夜遅くタクシーで帰ると、起きてきておかゆをすすりながら「(神宮に)花火あがってたね。テレビでやってたよ」と、ひと言だけ話し「からだがえらいから」と再び寝室へ戻った。
 というわけで、きょうは午前中、近くの町医者に行ったら「点滴を一時間ほどされた」と言い、ここ二、三日のように弱りきったからだが少しは良くなってきたようだ。あまり無理をしないで、と言いたいところだが逆に「誰のためなのか、分かってるでしょ。あなたのためじゃない」と反論されそうなので「なかなか、いい医者じゃないか」と言うにとどめた。

☆「読者の善意3次分17億円 本社と社会事業団 宮城と岩手に義援金」(小出宣昭社長が宮城県庁を訪れ、三浦秀一副知事に目録を渡して「読者の気持ちを受け取ってください」とあいさつ。中日新聞社に二十三日までに託された義援金は実に七万九千件、八十一億円。)、「リビア 大佐捜索 NATО参加 英国は特殊部隊を投入」、「僧侶150人 東北を供養 東京・浅草寺」(26日付、中日朝刊)
 「宮城県産牛 競り再開 一カ月ぶり 原発事故前より3割安」(26日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十五日
 神宮へ。2012年の入会案内チラシを神宮球場の三カ所のゲート入り口で来場客に手渡して公式ファンクラブのPRを行い、同時に関東地区での来年の会員増を図るためである。東京、名古屋各四人合わせて八人のスタッフが、ファンクラブのユニホームに身を包んで入り口に立ち、一人ひとりに声をかけながらチラシを渡した。
 途中、十四番ゲート入り口の向こう側で手を振る女性がいるので誰かとおもったら、ナゴヤドームでの東日本大震災の義援金呼びかけや、ドームの清掃美化など何かとお世話になっている保育士のSさんだった。彼女は友だちと一緒で多忙な仕事をやりくりして今季、神宮では最後となる対ヤクルト戦の応援に名古屋から来ていたのである。
 いつも、さわやかな彼女を目の前に思わず私も手を振り、ありがとうと視線で礼を述べた。ピンクのユニホームを着た彼女には、まるで妖精のような清楚で控え目な華やかさと美しさがある。何人かいるファンクラブの顔的存在の中の一人といえよう。

 試合の方は、なんと落合監督ならでは、の奇襲戦略で正捕手・谷繁が「5番・一塁」でスタメン出場。九回には無死一、二塁で4番・和田の代打に岩崎達を出し送りバントをしかける用意周到さ。ドラゴンズが5―3で勝ち、落合監督の通算六百勝にも花を添えた。
 この日は、荒木が先頭打者ホームランを打ったかと思えば、六回から途中出場の平田が2死一、二塁から代打で5号3ラン、八回にも6号ソロを打つ暴れん坊ぶりで天敵だったヤクルトに、とどめを刺した。文句ない勝ちっぷりで5イニング3失点のソトは5勝目をあげた。

 きょうは、ファンクラブの仕事の関係で神宮に行ったが、当初心配された雨の心配もなく、丸天井の上空をさわやかな初秋の風がふくという、絶好の野球日和にもなった。私は、これひとえに晴れ女で成るMが念じてくれたからこそだ、とたとえ一笑に付す人が居たとしてもMのおかげがあればこそ、だと思っている。
 そして、せっかくの東京だ。だから、仕事がひと段落ついたところで、マスドラ会の校條(めんじょう)さんにも、お会いし、おまけに神宮名物の花火まで見せて頂いたのである。Sさんの席にもアイスクリームでも買って表敬訪問しようとしたが、電話をしても歓声にかき消される状態だったので、せっかくの観戦のお邪魔虫になってはいけない、と自己規制し席までうかがうことはやめた。彼女には失礼をしてしまったようで申し訳ない気持ちでいっぱいである。

 外野一角では“むさしのガブリ”を自認するHさんたちのグループにもお会いでき、先日ファンクラブ通信で力作を寄せてくださったIさんにもお会いでき名古屋の中日スポーツを直接お渡しすることもできた。
 そして最大の収穫は、女性ばかりから成る関東舞竜会(かんとうぶりゅうかい)の存在を今宵初めて知ったことである。また試合の合間に神宮の夜空に上がる花火は、やはりステキだった。私がかつて新聞社の支局長として関わった能登半島・和倉温泉の三尺玉花火(水上と空中)に比べたら、それこそスケールはちいさいが、試合の合間の花火には、えもいわれぬ気品と情緒があった。せいぜい3号玉、4号玉の花火だったが、最終のミニスターマインとも合わせ、なかなかの出来栄えで感心したのである。

 【きょうの1番ニュース】東京を何も知らないボク。それでも文学仲間を中心に知人は結構多い。電話をすれば、きてくれる人ばかりだが、そこは自制し、今夜はマスドラ会の校條さんと彼の知人、加藤さんにお会いするだけにとどめた。ただ、せっかくなので元フライデーの敏腕カメラマン氏に「いま、東京にきているので」と電話だけした。そしたら彼いわく「ガミさん、わたしゃ、このところ福島原発の取材ばかりですよ。五十を過ぎたところなのですが、フクシマへは、どうやら年寄りのカメラマンばかりが送りこまれる傾向にある。これまでに何度も行っている」とも。そして彼は次のような秘話まで私に告白した。
 「実はネ。大震災が起きた三月十一日ですが、その日、私は名古屋のとあるビル屋上で取材中でした。大相撲から中日新聞に入ったその人物を、御社をバックに何枚も写真に撮りスクープしよう、としていたのですよ。でも、大震災発生ですべてがパアーになっちゃって。ボクはその子に対しても悪いことをした、と未だに思っています。イガミさんだけには、この気持ちをわかってほしい。もし会われたら、ひと言でよいので伝えてほしい」とも。神宮に行き電話をしたからこそ、こんないい話にもありつけた。

☆「カダフィ体制崩壊 リビア新政権樹立へ 国民評議会 8カ月内に選挙」、「北『無条件で6カ国復帰』 ロ朝首脳会談 核実験凍結も」(25日付、中日朝刊)
 「水戸納豆 受難 稲わら汚染 後引く風評被害 東電に1億円請求へ」、「米アップル ジョブズCEО(最高経営責任者)退任 病気療養中『職務果たせない』」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十四日
 プロ野球ドラゴンズ対ヤクルト戦は午後九時の段階で6―5とヤクルトがリードしている。(私は、ここで「勝つように」と願をかけ、三重テレビを切ってみる)…。
 その後、四十分ほどして再び同じテレビをつけると、6―6の同点で九回裏、岩瀬が投げており、抑えて九回規定により、時間切れのゲームセット。やれやれ。負けないで良かった、というのが率直な印象だ。
 今夜の神宮は前半戦、頼みのチェンが打たれてしまい、点の取り合いとなった。5―6でこのまま負けかと思ったが、八回、堂上直倫が左越えに2号ソロを打って追いついた。引き分けにはなったが、あと一歩だった。

 目を周囲に見渡すと、いろんな事件があちこちで渦巻いており、世の中ギスギスとささいなことで回っている。そんな気がしてならない。なぜ、もっと大らかになれないのか。なぜ、もっとにこやかになれないのか。自分をころせないのか。民主党代表選が醜さの最たるものである。あれでは時間の浪費だ。
 日常社会にせよ、きのうも書いたが、身のほどを分からないまま、知らないまま突っ走っている連中があまりにも多い。ファンクラブとて、ひとつ間違えば同じ危険にさらされかねないが、私が見る限り、全スタッフとも自省の範囲内で、それぞれに与えられた仕事をしっかりこなして、それなりに収まっている気がする。人間だれとて、自分のことしか考えてはいない。むろん、親や子、妻との平穏な人生があってこそ、での人生劇場だ。
 プロ野球の選手とて同じ。先日の峰竜太さんじゃないが、何より大切なのは、家族である。平穏な家族の愛があればこそ、選手たちは一生懸命になれるのである。

 【きょうの1番ニュース】このところ少しハードすぎるのでは、と心配していたMが、私が帰宅してしばらくすると「もう、寝るわ。眠いの」と食事もせず風呂にも入らないまま二階の寝室へ姿を消した。かといって、食事はすべて準備したうえでだ。単に眠りたいだけなら良いのだが…。少し心配だ。
 少しでも休んで、元気で平凡に長生きしてほしい。無理しないように。

―人みな死あることを知りて 待つこと しかも急ならざるに おぼえずしてきたる。沖の干潟 遥かなれども 磯よりしほの満つがごとし。(徒然草一五五段より)

☆「カダフィ大佐邸『制圧』 リビア 反体制派が猛攻」、「島田紳助さん引退 暴力団と親密な関係」「がれき背に再建誓う 大槌町長選」(24日付、中日朝刊)
 「リビア 反体制派が首都制圧 カダフィ氏 拠点退去」、「日本国債1段格下げ Aa3『首相交代が頻繁』 米ムーディーズ」(24日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十三日
 神宮での首位ヤクルト対中日戦。ドラゴンズはなんども訪れたチャンスにも石川を攻略できず、2―0で負けた。8安打3四球と好機に恵まれての11残塁。ネルソンは7連敗で11敗目(6勝)。今季十八度目の零封負けで1引き分けを挟む連勝は4で止まった。負けたら、テレビのスポーツニュースは全然見る気がしなくなるから、不思議だ。見なかった。見ちゃおれん。ぶざまな試合だったからだ。さすがに、あすの中日スポーツの紙面だけは見たいが……。

 この地方は、きょう未明から明け方にかけ、雷を伴う猛烈なゲリラ豪雨に襲われた。それこそ、音と光りだけなら白い稲妻がパッパッと、闇夜の空を何百回となく走りぬけピカドンが繰り返された。案の定、野生の動物本能を少しだけ残した愛猫シロちゃんはその間どこかに消え、姿をくらましてしまった。それでも朝になると、何事もなかったかのような風情で出てきたシロちゃんに、私とMはホッとひと息ついたのである。
 もう一匹の姉さん猫、こすも・ここの方は、いつものことながら、敵が雷であろうが、豪雨であろうがわれ関せずの態で常席であるイスの上でイビキをかいて寝ていた。二匹いるが、シロは自然の脅威を怖がり、こすも・ここはちっとも怖がらない。シロがゴミ捨て場近くに捨てられていたところをMに助けあげられたのに対して、ここはKがまだ小学低学年のころ、友だち宅で生まれた猫の子のうちイッピキを頼まれてもらってきた、というそれぞれの生い立ちに由来する気がする。
 同じ江南市内でもわが家は無事だったが、Mがきょう散策してきたところによれば、近くのヘルスセンターやソフトバンクの店、料理店などは、他の一般住宅と道ひとつを隔てただけで水が床下にまで入り、朝から水のはきだしや掃除にてんてこ舞いだったという。やはり、土地の低いところが被害に遭っていた。

 さて、民主党代表選の方は、私に言わせれば身の程を知らないヤカラばかりが立候補予定で乱立の様相である。ここにきて民主党の前原誠司前外相も名乗りをあげ本格的に動き出している。一方で私がその手腕に期待する岡田氏は沈黙、現政権の仕事に追われている。こうした人物にこそ、将来の日本を託したい。
 あのクールな二枚目役で数多くの映画やドラマで活躍した俳優、竹脇無我さんが小脳出血で東京・大田区の病院で亡くなった。六十七歳だった。今夜、テレビタレントの島田紳助が「暴力団との親密な関係」を理由に記者会見し、芸能界からの引退を表明。一体、何があったのか。ふにおちない。そして大阪市天王寺区の公園などで三個の一斗缶から見つかった切断遺体事件で同区内の五十七歳の男が逮捕された。切断遺体は妻と長男だった、という。

 【きょうの1番ニュース】シロが雷の間じゅう、わが家のどこかに姿をくらました。

☆「前原氏 代表選出馬へ 野田氏 支持拡大図る 投開票は29日」、「反体制派 国営TV局も制圧 リビア『カダフィ時代終わった』」、「スマートフォンでドラゴンズ情報(本社の携帯電話情報サービス『ドラゴンズ情報』のスマートフォン版の無料試験配信=10月から有料化予定=を始めました)」、「栄にホコ天復活 大津通りで27年ぶり 来月試験実施」(23日付、中日朝刊)
 「未明の東海 ゲリラ豪雨 一宮で1時間103ミリ 秋雨前線影響 土砂災害に注意」「ゲリラ豪雨 高山、下呂470人孤立 1万2000人に避難勧告、高山線見合わせ 尾張北西部151棟が浸水」、「リビア 大佐次男 拘束されず 取材応じ首都制圧否定」(23日付、中日夕刊)

平成二十三年八月二十二日
 きょうはドラゴンズの試合はない。なければないで、毎度のことながら、何となく寂しい。勢い中日スポーツの紙面を二度、三度と見てしまう。1面に「あすからヤクルト戦 飢えた竜戦士がツバメ撃つ」の見出しが躍り、記事を読む限り、まっこと頼もしい紙面だ。ドラゴンズ監督、コーチ陣、選手たちは当然、これらの期待にこたえるべきだ。

 このところは昭和三十五年三月十日発行の中央図書出版社の「例解 古典解釈文法」を手に通勤している。徒然草にせよ、平家物語、蜻蛉日記、伊勢物語、奥の細道…と、どれもこれもが味わい深い。なかに、次のような作品も。
―田 一枚 植ゑて 立去る 柳かな(奥の細道から、作・松尾芭蕉)

 きょうは短歌研究9月号紙上でたまたま見かけたMとAさんの短歌各二首(いずれも短歌研究新人賞予選通過作)を、ここに紹介しておく。
♭ふたりしてメリーゴーランドの馬に乗り月の宙まで駆けてゆこうよ
♭なんとなし音を無くして見るテレビ野球中継はロボットの動き(M)
♯どうしても叶わぬ恋を知っているモンマルトルの古き教会
♯朝刊の国際面を切り抜いたような街角よぎる軍人(Aさん)
 ふたりの今後の限りなき飛躍をここに祈りたい。

 国際面といえば、内戦が続くリビアで最高指導者カダフィ大佐派の拠点である首都トリポリの攻略に着手した反体制派が、どうやら首都全域を制圧し、カダフィ政権の崩壊が迫っているようだ。

 【きょうの1番ニュース】私が手にする「古典解釈文法」の教科書の裏表紙に次のような詩が書かれているのに気付いた。一体だれが書いたのか。本の表紙裏に私の兄の名前が記されていることから、作者は兄と見ていい。それにしても本当に兄だとしたら、ガチガチ頭の東大生になる前から、こんなにも瑞々しい感性があったのだと思い、あらためて見直した。

 詩は次のようなものだった。
―涙になりたい僕
    涙になって
      君のその心にも
        ながれたい
            (伊神)

☆「リビア首都で交戦 カダフィ包囲網狭まる NATО空爆」、「永平寺『大燈籠ながし』 希望の灯 川面染め」(22日付、中日朝刊)「竹脇無我 意識不明の重体 ICU(集中治療室)で治療中も症状は不明 フジが報じる」(22日付、中日スポーツ)
 「カダフィ政権崩壊迫る リビア 反体制派 首都ほぼ制圧 後継次男と長男拘束」、「藤澤清造の『私恨』継承 復刊『根津権現裏』 本文校訂・語注・解説を担当 西村賢太さん」(22日付、中日夕刊)「リビア首都大半制圧 反体制派カダフィ氏息子拘束」(22日付、毎日夕刊)

平成二十三年八月二十一日
 日曜日。ドラゴンズは今夜もナゴヤドームで広島と戦ったが、山内壮馬、前田健太両投手はじめ双方とも投手力で譲らず、結局、延長十回時間切れで1―1の引き分けとなった。ドラゴンズは終盤サヨナラ勝ちの好機に恵まれたが、あと一本がでなかった。落合監督の通算六百勝達成が目の前だっただけに、惜しかった。

 穴が開いて少し貫録が出て、いぶし銀ともいえる、そんな私の破損靴をどうしても直したい、とこだわるM。これに対して私は傷ついた靴ほど愛着のあるものはないではないか、と反論。休みの日に履くからそのままにしといてくれーと話すも、Mは一度思ったらやりきる女性なので、最後は私が譲ってアピタ内の靴の修繕屋さんに一緒に行く破目にあいなった。
 Mはあくまで治してもらうつもりらしい。「修繕代で一足買えますよ」との店員の言葉を承知のうえで、それでも直してもらうことで一足を預けた。あ~あ、Mの強情さにはあきれ返ってしまう。でも、寡黙な彼女にとっては、これが私に対する愛情表現なのかも…。

 【きょうの1番ニュース】大津から届いた同人誌「くうかん」の眞鍋京子主宰から送られてきた同人の作品を読みにかかっているが、前に送られてきた作品同様、なかなかの力作ぞろいである。東京の詩人で私の文学仲間、最匠展子さんから「リュウセイさん(大阪文学学校校長、元日本現代詩人会会長、歴程賞詩人、かつては放浪詩人)が今夜来るのでイガミさん、急だけれど東京に来ない? 」のお誘い。でも、あまりにも急すぎるし、やることがあるので今夜のところは遠慮させて頂いた。

☆「天竜川事故 2男性と男児遺体発見 不明者捜索終了 死者5人に」、「森のカメラ 生態を写す 絶滅危惧動物に開発の影 5万枚自動撮影7カ国で調査 種の減少確認」(21日付、中日朝刊)