一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2021年8月~)

2021年8月28日
 秋茄子やハラリ塩をひとつかみ
 =伊神舞子(入院病床にて)

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 新型コロナウイルスの感染急拡大は相変わらず進む一方で、愛知県は27日、新たに2347人が感染したーと発表。1日当たりの新規感染者は過去最多を更新し2日連続で2000人を超え、名古屋市内の感染者も過去最多の1123人に及んだ。また豊田市では百歳代の女性が死亡するなど愛知県内の死者は累計で1034人に。このほか、名古屋市内の大学運動部で27日までに14人の感染が確認され、県がクラスター(感染者集団)に認定したという。
 厚生労働省によると、27日に確認された国内の新規感染者は2万4199人(内訳は東京4227人、大阪2814人、神奈川2662人、埼玉1524人など)。死者は東京18人、千葉9人、埼玉5人など計57人。
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 きょうは28日。土曜日である。舞が子宮がん治療後のリンパ浮腫で両の脚のむくみがひどいばかりか、痛さもあって歩けなくなってしまい、担当のお医者さんとも話し合って今週の月曜日23日に自宅近くの愛知県江南市内の江南厚生病院に再入院してから6日目の朝がきた。

 そして。その一方で、こうしている間にも、私たち家族の思いとは別に、世の中は世界情勢も合わせどちらに向かうか判然としないなか、目まぐるしく混沌として動き、変化し続けている。私たちはおかあさん、すなわち舞の回復を願うばかりではある。とはいえ、ここはあわてることなく、順調に自力歩行再開の日を信じて待つほかない。
「あなたは本当にあわてんぼうで、いつだって【待つこと】を本当に知らない。待てない性分で、自分勝手なのだから。何ごとにせよ、【待つ、ことの大切さ】を考えなきゃいけないよ。【待つ】ってことは重要なことなのよ。あたし、何かにつけて。いろんな場面でこれまで、あなたをどれだけ待ち続けたことか。事件取材などで鉄砲玉となり、飛び道具同然に行きっぱなしになってしまったことなど数え知れないのだから」と。彼女には、これまでもよく、そう指摘されてはきている。

 でも、【待つ】ことには限界がある。その点では、わが家の愛猫シロちゃん(「白」の俳号を持つこの世で一人の俳句猫。白狐=びゃっこ=で本名オーロラレインボー)は辛抱強く「待つ」ことの大切さを誰よりもよく知っているのかもしれない。そのシロがオカン(舞)の帰宅を待ちきれなくなってしまったのか。きのうの朝、午前8時半ごろ、わが家から忽然と姿を消した。家中を捜し回ったところ、台所の窓が半開きになっていたことから、どうやら鍵をかけてなかった窓を自らの手で開け、外への脱走を決行。それからは足を棒として、おかあさんを本気で探して回ったものらしい。
 私は窓という窓を開けて「シロ、シロ。シロちゃん。どこにいるの。早く帰ってくるのだよ」と時間をおいて天に向かって声をからすなどして心配したが夕方になって、何食わぬ顔でいつものようにチョコンと窓辺に白い姿を見せ、帰ってきてくれた時には思わず「よかった」と胸をなでおろしたのである。すぐに舞にもメールで「シロちゃん、無事帰宅」と速報したが彼女もホッとしたらしく「シロ。戻ってきてよかったね」と電話が入り、その喜びようといったら大変なものだったのである。

 脱出直前のシロの表情。そういえば、きょうは決行するのだとの固い決意のほどが見られる
 

 舞が営む「ミヌエット」店先には店長代わりのクマさんの首に「しばらくお休みします」のお知らせが掲げられた
 

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 このところの感染力の強いデルタ株による新型コロナウイルスの第五波の全国的な感染急拡大を受け、政府による北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県に対する緊急事態宣言と高知、佐賀、長崎、宮崎の4県に対する「まん延防止等重点措置」の追加指定がそれぞれ、きのう27日から始まった。これにより宣言の対象は計21都道府県(このうち北海道は重点措置が適用中だったため宣言への格上げとなる)に拡大され、重点措置も計12県となった。期間は、いずれもきのうから9月12日までだが、この間に少しでも感染拡大が収束に向かってくれることを願わざるを得ない。それにしても、このコロナ禍がここまで爆発的に拡大してしまうとは、というのが私の実感である。

 夏季パラリンピックの開会式で胸を張って誇らしげに行進する難民選手団と開会式のひとコマ(NHK画面から)
 

 

 第16回夏季パラリンピック東京大会の開会式が去る24日に東京・国立競技場であった。大会期間中は東京、千葉、埼玉、静岡の全会場で原則無観客で161の国・地域と難民選手団を合わせて史上最多4403人の選手が参加。多様性を認め合う「共生社会の実現」をスローガンに、熱戦が始まった。26日には競泳男子100㍍自由形(運動機能障害S4)で鈴木孝幸が1分21秒58の大会新記録で日本選手団初の金メダル第1号に輝くなど開始早々、各種目で日本勢の活躍が目立っている。

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 アフガニスタンの首都カブールの国際空港付近で26日、大規模な自爆テロ爆発があり、空港周辺の警備に当たっていた米兵13人と子供を含むアフガン一般市民、ほかに英国人ら少なくとも170人以上が死亡。過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力の「ISホラサン州」が犯行声明を出した。これとは別にアフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの支配やテロの脅威から逃れようとアフガンを離れた難民がこのところイランを越え、トルコ東部国境に続々と到着しているという。世界は、いつも病んでいる。

 新型コロナウイルスの感染拡大に自宅療養中の死、カブールでの自爆テロなどが報じられた27日付と28日付朝刊紙面
 
 

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 将棋の藤井聡太王位(19)=棋聖、愛知県瀬戸市=に豊島将之竜王(31)=叡王、同県一宮市出身=が挑む「お~いお茶杯第六十二期王位戦」(中日新聞社主催・伊藤園特別協賛)七番勝負の第五局が25日午前9時から徳島市の渭水苑で指し継がれ、午後4時47分、先手番の藤井が77手までで勝ち、4勝1敗として初防衛を果たした。

 自民党が26日、菅義偉首相の総裁任期満了(9月30日)に伴う総裁選日程を9月17日告示、29日投開票と決めた。3年ぶりに党員・党友投票を含めた正規の方式で実施。首相は再選に意欲を示し、岸田文雄前政調会長が出馬を表明。
 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していた問題で田村憲久厚生労働相は27日の記者会見で「早急に原因を究明し、モデルナ社と国内での流通を手掛ける武田薬品工業に再発防止に対応してもらわないといけない」と述べ、代替品の購入については「なるべく滞ることのないようにしたい」と述べた。異物は粒子状の金属片とみられ、5都県8カ所の接種会場で、未使用の容器計39本(390回分)から見つかったという。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会が27日、五輪期間中に競技会場で運営スタッフ用の弁当が少なくとも13万個捨てられた、と発表。パラリンピックでは余った食品の一部を食べ物に困った人に届けるフードバンク事業者に寄付していることも明らかにした。
 北九州市に拠点を置く特定危険指定暴力団「工藤会」トップの野村悟被告に福岡地裁が殺人罪などで死刑の判決。指定暴力団トップを極刑とする司法判断は初めてだという。
 エチオピア人権委員会が26日、南西部オロミア州で政治組織「オロモ解放戦線」の分派勢力による銃撃が18日に起き、少なくとも150人が殺害されたと発表。

 米大リーグ、エンゼルスの大谷が26日、ボルティモアでのオリオールズ戦で「1番・指名打者」で出場し、一回に7試合ぶりの一発を右越えに放った。今季3本目の先頭打者弾で、前日までメジャー単独トップだった本塁打数を41に伸ばした。
 愛知県・一宮商工会議所主催の高校生を対象にしたビジネスプランコンテスト「ジュニアスタートアッププログラム2021」の本選が25日、一宮市の尾張一宮駅前ビルで開かれ、市郊外の〝のこぎり屋根工場〟を活用した自習室の設置を提案した滝高校ビジネス部チームが優勝。地域社会の話題となっている。
【久昌寺老朽化で取り壊しへ 江南市 跡地取得し、公園にする方針】の見出し入りで「織田信長の側室・吉乃(きつの)の生家として知られる生駒家の菩提寺「久昌寺」(愛知県江南市田代町)の建物が取り壊されることが分かった。老朽化に伴う所有者の意向で、市は跡地を買い取り、公園にする方針。ーとは28日付の中日新聞尾張版。信長と吉乃ゆかりの歴史的価値の高い土地だけに、こんご市の力により、一帯がどう生まれ変わるか。見ものである。期待したい。

2021年8月23日
 人間は二足歩行よ秋茜
 平和とうひとつぶ足りずドロップ缶
 向日葵の頭を垂れて孤高なり
 =伊神舞子
<白猫の俳句>minuetto-miから

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 【横浜市長に野党系・山中氏】【岐阜も緊急宣言要請 知事「東海三県一体で」】【アフガン掌握1週間 アルカイダと関係なお ビンラディン容疑者元警護役 タリバン古参示唆】を報じた23日付各紙
 

 23日。月曜日。ここのところは私たち人間にとって苦しい、くるしい、どこまでもクルシイ日々か続く。この人間社会である。それは日本に限らず、世界じゅうで、だ。そして私の家でも舞の両足の腫れがなかなか治まらず(ワクチン接種の副作用か)、とうとう四つん這いでやっとこせ、歩く事態が現実となっている。
 それでも彼女は21日の土曜日。気力を振り絞って私に付き添われ、自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」に出た。私は、市内のドラッグストアで両足の腫れと浮腫み、痛みを減らしてくれる漢方薬を買い、水とともにお店に届けるなどしたのだが。それでも舞は【足を一歩踏み出す】ことがなかなか出来ず、わずか2~3㍍を歩くのに数分かかり、これまでのヨチヨチ歩きが、かなり後退。ほとんど歩けない状態となった。
 こんなわけで、お店への行き帰りも、私の介添えで、それこそ命がけである。そこへ容赦なき雨、風が私たちを襲ってくるのである。つい数日前まではヨチヨチ歩きではあっても自分で炊事、洗濯、ゴミ出しをし、お店から帰宅後は食事もつくっていた。のに、である。日1日と、このところは次第しだいに信じられないほどにまで歩けなくなり、きのう、きょうは這って室内を、それもやっとのことで四つん這い歩きをしているのが現状である。

 というわけで、きょう23日は午後、担当医を江南厚生病院に訪ね、診ていただく。気がかりなのは、子宮がんの治療(放射線照射と抗がん剤の投与。ステージ4)後の悪化とがんの全身への転移である。それに今ひとつ、考えられるのは先日、7月26日の2回目のワクチン接種の際、注射針を差された時に少し血がにじんだが、それによる副作用も気がかりである(あのとき、舞に注射したその女性は舞の左肩ににじんだ出血に少し狼狽。「あっ、失敗しちゃった」と言いつつ、左肩を押さえ「でも、すぐ治まるはずですから」と付き添いの私と舞を見て言い訳がましく話していた。舞の足は、その後に浮腫みや腫れ、痛みが急速にひどくなってきたが、そのせいではなかろうか。素人の私たちに真相は分からないが、そんな気までするのである)。

 こんなわけで、私自身、舞の看病で、ここのところ心身ともにだいぶ疲れ果ててはいるが。何とか回復してほしい、と願っている。足の痛みと腫れをたとえ少しでも減らし、再び歩けるようにしてやらなければ、と思っている。ここは、その回復を信じて神さまに祈るほかないのか。そんな心境だ。
 
 神頼みとは、このことか。舞は、いつものように例によってその割には淡々としている。彼女は若き男性担当医の親身かつ適切、冷静なる判断、助言もあって、そのまま23日夕、江南厚生病院に入院。しばらくは両足のむくみ(リンパ浮腫)と痛みの改善をめざすことになった。帰宅したわが家では愛猫シロ(「白」の俳号を持つ世界でただひとりの俳句猫。本名はオーロラレインボー)が帰りを今か今かと待ち、玄関先まで私を出迎えてくれたが「おかあさんは、しばらく病院だよ。みんなで回復を待とうよ」と事情を話すと、寂しそうな表情をした。
 舞のいないわが家はそれこそ、火が消えたも同然だが辛抱のしどころ。どうなるかは分からない。でも、ここは改善を信じて待とう。

 おかあさんのことを心配するシロちゃん
 

 体力だけは自信があるはずの私自身、舞の看病で、ここのところ心身ともにだいぶ疲れ果ててはいるが。何とか回復してほしい。治してやらねば、と願っている。足の痛みと腫れをたとえ少しでも減らし、再び歩けるようになってほしいと思っている。ここは、その回復を信じて神さまに祈るほかないのか。そんな心境だ。神頼みとは、このことか。舞は、その割には淡々としている。
   
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 報道によれば、20日はこの日本で2万5876人もの人々が新型コロナウイルスに新たに感染、この数字は過去3日間最多を続けており(うち全国では15府県で過去最多を記録)、このところは地獄と言ってよいほどの感染の急拡大、爆発化が進んでいる。若い世代の感染拡大が目立つなか、18日現在の日本での自宅療養者は9万6000人(このうち東京都は26247人)と前の週の1・3倍、7月21日の時点からだと実に9倍もの増え方だ。NHKのニュースの表現を借りれば、「これまでに経験したことのない、感染爆発が近づいている」ということになる。一体全体、どれもこれも何たることなのか。

 そして。翌21日も日本で2万5492人が感染し2万5000人超えは3日連続で、全国の9県で過去最高の感染者が出ており、三重県では5日連続で過去最多となったという。全国での自宅療養者も4日連続で最多となり、21日現在の自宅療養者は2万6409人に及ぶ。また、こうした現状に全国知事会は20日、新型コロナウイルス対策に関する国への緊急提言として「都道府県を越えた人々の移動を抑えるため緊急事態宣言または、まん延防止等重点措置を全国に拡大すると同時に時限的な措置としてロックダウン(都市封鎖)のような方策の検討するよう」重ねて要求したという。

 世界と日本の新型コロナウイルスの感染者数(23日付中日新聞朝刊から)
 

 
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 ところで、何かと大変なこの時代ではあるが。私は友人の勧めもあり、梁石日(ヤン・ソギル)の「闇の子供たち(478ページ。幻冬舎文庫)」を読み干した。こどもたちを売り買いする児童虐待の現実が存在するタイやラオス、カンボジアなどでの大人たちの密売組織による裏取引には憤りを感じたのである。
 と同時に、小説中にたびたび出てくる新聞記者の張り込みシーンには、サンズイ(汚職)やマルボウ(暴力団)殺し(殺人)などの取材で朝も、昼も、夜もなく、マルボウも含めてタマ(犯人)とその周辺人物を追って歩き、はり続けた私自身の若き日々が二重写しに重ねて思い出された。読みながら、赤いフェアレディ―Zに乗ったトンボ眼鏡の殺人犯宮崎知子(死刑囚)を追い続けた長野富山連続女性誘拐殺人事件の取材現場などを思い起こし小説中に出てくるような、あんな生やさしい一過性の張り込みとは違ったナと、しみじみ想い出しもしたのである。
 タマを追う記者があんな調子で酔い崩れていてはダメだ。そんな甘いものではない。ただ、そうとはいえ、だ。罪のないこどもの売春と密売をこれほど深く、広く、かつ果敢に暴き、書きあげた点ではたいしたものだ、と。その面で尊敬の念も抱いたのである。
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 横浜市長選が22日投開票され、立憲民主党推薦の横浜市立大元教授山中竹春さん(48)が、前国家公安委員長小此木八郎さん(無新)や林文子さん(無現)、田中康夫(無新)らを破って初当選した。
 「九月の空」の芥川賞作家高橋三千綱さんが今月17日、東京八王子市の自宅で肝硬変と食道がんのため亡くなった。大阪の出身で、73歳だった。「九月の空」を読んだ時のあの鮮烈な印象を忘れないだけに、残念だ。
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 ロイター通信の報道によれば、アフガニスタンの首都カブールを制圧したイスラム主義組織タリバンが21日、新たな統治体制を数週間以内に準備する、との見通しを示したという。
 三重県の鈴木英敬知事が21日、今年秋に県内で予定されていた「三重とこわか国体」(9月25日~10月5日)について、中止に向けて文部科学省など関係機関と調整を始めたことを明らかにした。
 みずほフィナンシャルグループ(FG)が20日、傘下のみずほ銀行とみずほ信託銀行でシステム障害が発生し、全国の店舗窓口での入出金や振り込みといった取引が1時できなくなったと発表。インターネットバイキングや現金自動預払機(ATM)に影響はなかったという。障害は2~3月にも計4回発生しており、今回は5回目。みずほFGの坂井辰史社長が都内で記者会見。「再発防止に取り組んでいる中でこのような事態を起こし、きわめて重く受け止めている」と謝罪した。
 東京パラリンピックの聖火リレー関連行事が20日、開催都市・東京都内の各自治体で採火式が開かれ、各地の火を都庁前の広場に集めて集火式を実施。都内の聖火リレーはコロナ禍の影響で公道走行は中止に。20日から24日まで代替の点火セレモニーが実施される。
 上方落語の重鎮でテレビの司会でも知られた落語家笑福亭仁鶴(しょうふくてい・にかく、本名は岡本武士=おかもとたけし)さんが17日、骨髄異形成症候群のため、大阪府の自宅で死去。84歳だった。大阪市出身。葬儀・告別式は近親者らで行ったという。テレビドラマの「キイハンター」などに出演、アクションスターとして存在感を示した人気俳優千葉真一(ちば・しんいち、本名・前田禎穂=まえだ・さだほ)さんが19日、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去。82歳だった。千葉さんは8日から千葉県内の病院に入院、酸素吸入を続けていたという。

 この世の中。クルクルクル、くるくるくるり、と回っている。ただ良い方向に回ってほしいばかりだ。

2021年8月14日
 わが家の8月11日の日めくりカレンダーから
 

 大滝になれるか雨の一雫
 赤とんぼすいと横切り横切りて
 出目金の金魚鉢出づこの暑さ
 ラジオから流れて曲イマジンよ
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

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 新型コロナウイルスの感染爆発。そして。風とともに、大地をどこまでも容赦なく叩きつける大雨たち。河川の氾濫。土砂崩れ。ここは地獄か。いま現在の、この世が、である。それでも私たちニンゲンは、どこまでも生きてゆく。

 停滞する前線の影響で14日は西日本から東日本の広い範囲で大雨となり、気象庁は同日未明に佐賀、長崎、福岡の3県に大雨特別警報を発表。午前6時過ぎには3県にまたがる線状降水帯を確認。午後には広島県にも新たに大雨特別警報を出した。ここ尾張名古屋でも、きょうは朝から1日中、風を含んだ雨たちが遠慮会釈もなく、延々と降り続いた。
 本日14日付の中日新聞朝刊によれば、日本国内で13日、新たに確認された新型コロナの感染者が初めて2万人を超え、2万365人と最多を更新。全国の重症者数も前日から74人増えて1478人(12日時点)となり、これも5月25日の1413人を超えて過去最多に。「連日の記録更新で感染拡大第五派の収束の出口は見えず、医療現場は逼迫して危機的状況に追い込まれている」という。
 一体全体、何ということだ。でも、これが現実なのだから仕方あるまい。政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」は12日、緊急事態宣言が出ている6都府県で感染者数が増え続けていることを受け、お盆休みを挟んだ2週間に限定した対策強化の提言を発表。東京都での人の流れ(人流)を宣言前の7月前半に比べ5割減らすよう呼びかけ西村康稔経済再生担当相もこの日、都内で記者団に「緊急事態宣言地域などの発着便は月末まで大半がキャンセル料がかからない。今からでも帰省や旅行の中止や延期を」と呼びかけた。
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 昨日13日の新聞報道によれば、国内で12日、新たに1万8889人の新型コロナウイルスの感染者が確認され、これまで最多だった11日の約1万5800人を上回り、2日連続で過去最多に。最多を更新した自治体は20府県に及び、東京など首都圏だけでなく全国的に爆発的な感染拡大に歯止めがかからない状況が鮮明になったという。死者は東京6人、千葉と大阪で各4人など計24人。東海地方でも愛知、三重両県で1日当たりの新規感染者数が最多を更新している(このうち愛知県は5月12日の678人を上回る703人が感染)。
 また厚生労働省のまとめによると、8月4~10日に発生した全国の新型コロナウイルス感染者9万722人の年代別では、20代が全体の29%を占め30代が18・4%、40代が16・6%。20~40代で全体の6割強を占めたという。

 このほか話は遡るが、東京都内では12日、都内の感染動向などを分析する都モニタリング会議が開かれ、専門家が「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、制御不能な状況にある。【災害レベルで猛威をふるう非常事態だ】」とまで指摘。都内だけでも12日には新たに4989人もの感染が確認され、都の基準で集計した重症者数も初めて200人を超え218人になり、医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている」と警告したという。
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 57年ぶりの日本での夏季大会となった東京五輪が終わり、10日からは第103回全国高校野球選手権大会の熱戦が49代表校が出場して兵庫県西宮球場の甲子園球場で始まった。その〝夏の甲子園〟も、きょう14日は3日連続で雨のため順延である。月日は、こうして日1日と流れていく。

 今月31日の駐留米軍完全撤収を前に、アフガニスタンでは旧支配勢力タリバンが勢いを増大。12日、西部ヘラートを制圧したのに続き13日には南部カンダハルも制圧。米国防総省は12日、首都カブールの大使館員ら米政府職員の退避を支援するため米兵3000人を急きょアフガンに緊急増派する、と発表。アフガン情勢は緊迫の一途を辿っている。

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 わが家といえば、1昨日(12日)は早朝、全市一斉の不燃ごみ出しで年内に閉店する舞のリサイクルショップ「ミヌエット」から出たガラクタ類、すなわち不燃ごみのゴミ出しをふたりで何とか終えることが出来、ホッとしている。それにしても、このところは日本ペンクラブをはじめ、日本文藝家協会、中部ペンクラブの年会費納入に始まり、電気、ガス、水道代はむろんのこと本代、ほかに国民健康保険税の請求などナンダカンダとわんさと支払いに追い立てられ、昨日はガラクタの処理のあと「エイヤー」とばかり、これら全ての支払いを最寄りの郵便局や銀行で終えた。それでか、なんだかつっかえモノが消えたようで、さっぱりした気がせぬでもない。
 それにしても、このところポストに届くものと言えば、赤旗も含めた新聞の朝夕刊以外には電気、ガス、水道代、さらには自動車税など請求書のたぐいばかり(どこの家庭も同じだろうが)。これでは日々、心身ともにやせ細ってゆくのも無理ないか。

 けれど、そんななか、時折届く長年の友人知人からの時候のあいさつを兼ねた小荷物(お中元)の数々には、これまた逆に感激したのである。
 ことしも能登からのぶどう、お酒をはじめ、愛媛のみかんジュース、北海道の夕張メロン、小牧からのビール、大垣からのお菓子等など。毎年決まって届く親しい友人、知人からのまごころのこもったローカル色豊かな品の数々には、それこそ舞ともども感激し、感謝の気持ちでいっぱいに。なかには志摩時代の友人夫妻から届いた実用的なサラダ油まで届き、舞はそのつど目を輝かせたのである。夏は、こうしてギコギコと音を立てながら過ぎてゆく。

 能登の友から届いた愛媛のみかんジュース
 

 きょう14日は、束の間ではあったが、長男夫妻がお盆のオンライン帰省をしてくれ、愛猫シロも加わって楽しいひとときとなった。このところは、若い人のコロナ禍感染が目立つので「おまえたちも、くれぐれも気を付けるように」と話しておいたが、やはり家族はよいものである。ほかに、シロが毎日、歩くのに不自由なお母さん(舞)の送り迎えをしてくれ、帰宅時には決まって玄関まで出てきてくれることなど、アレヤコレヤと話が弾んだのである。

「おかえりなさい」。おかあさんの帰宅時には決まって出迎えてくれるシロちゃん。わが家への貢献度は大きい
 
 

 そういえば、今月の12日は36年前に日航ジャンボが御巣鷹の尾根(群馬県上野村)に墜落。乗員乗客520人が犠牲となった、その日である。当時、名古屋空港担当記者だった私は新聞社の双発ジェット「はやたか二世」で写真部員と共に誰よりも先に御巣鷹の尾根上空に駆け付け、空からのルポを書いた。ちょうど三男坊が生まれる直前でもあり、私はあの日を忘れるわけには行かない。「上を向いて歩こう」の歌で知られる九ちゃん(坂本九さん)の命も奪った御巣鷹の尾根の悲しみが深く伝わってくるのである。
 12日は、その御巣鷹の尾根を遺族の方々が慰霊登山。13日付朝刊(中日)が【今年も御巣鷹であなたを思う 日航機墜落36年 慰霊登山】の見出しで報じていた。

 13日付中日朝刊。今年も御巣鷹であなたを思う、の見出しが心に迫る
 

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 東京パラリンピックの聖火リレー関連のイベントが12日、始まった。東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市では阪神大震災の被災地、神戸市から分灯されたガス灯「3・11希望の灯(あか)り」から採火。こんご24日の開会式まで段階的に行事が進み、43道府県を会場に採火がある。最後は日本各地とパラ発祥の地とされる英国ストーク・マンデビルで現地時間19日に採火した炎が20日夜、東京都港区の迎賓館の「集火式」で合流。都内での点火セレモニーを経て24日の開会式を迎えるという。
 上川陽子法相が名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設に収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が死亡した問題で、東京都内で遺族と面会し「命を預かる収容施設で命が失われ、心からおわびする」と述べ、謝罪した。サッカー・ワールドカップ(W杯)予選でミャンマー代表選手として来日。三本指を掲げて国軍に抗議し帰国を拒否したビエ・リヤン・アウンさんが難民として認定された。アウンさんは7月末から練習生としてJ3の「YSCC横浜」に加わっている。12日、共同通信の取材に「認定されて嬉しい。でも、国が恋しくいつ帰れるか分からないのが不安です」と述べたという。
 名古屋市の河村たかし市長は12日、東京五輪ソフトボール日本代表メンバー、後藤希友選手(20)=トヨタ自動車所属、名古屋市出身=が4日の表敬訪問の際にかじった金メダルが交換される見通しになったことを受け、報道陣の取材に「ゴールドメダリストの宝物を傷つけ誠に申し訳ない。配慮が足りず、深く反省している」と繰り返し謝罪。金メダル交換費用についても個人で払う意思がある、と説明した。
 米海洋大気局(NOAA)が13日、ことし7月の世界の平均気温(速報値)は約16・7度で1880年の観測開始以降で最も暑い月だったと発表。トルコ北部の黒海地方で発生した洪水でトルコ当局は13日、死者が38人になったと発表。

2021年8月9日
 東京五輪閉幕を報じた9日付中日新聞と毎日新聞の1面
 

 

 第32回夏季オリンピック東京大会の閉会式が8日夜、東京新宿の国立競技場で行われ17日間に及ぶ日程に幕を下ろした。新型コロナウイルスの感染拡大という異例の状況下での開催は、史上初めて1年延期の東京五輪となった。緊急事態宣言下の開催となり、大半が無観客で行われたが、それでも出場した選手ら一人ひとりは個人の夢と家族らの期待、母国の栄誉をかけて、どこまでも強く戦った。そのひたむきさには、感動とともに【共感の輪】が広がり、獲得した金メダルは過去最多の27個に及んだ。海あり山、谷あり、で開催に至る過程は、それこそ、イバラの道。いろいろありはしたが、わたくしは、ひとりの日本国民、人間としても今は選手はじめ、応援してきた人たちも含めた関係者全員のこれまでのひたむきな努力と情熱、それに達成という結果に心から敬意と拍手を送りたく思う。

 以下は閉会式の寸景(NHK総合画面から)
 

 
 
 

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 最終日8日の日本勢は、ベルギーやフランスなど強豪を倒し決勝に進んだバレーボール女子が米国に75―90で敗れはしたが、男女を通じ初の銀メダルに輝き(米国は7連覇を達成)、自転車も1日で4種目を走る女子オムニアムで梶原悠未(24)=筑波大大学院=が銀メダルを獲得し、自転車では日本女子初の表彰台に立った。また札幌市で行われた注目の陸上男子マラソンでは、今大会での現役引退を表明している大迫傑(すぐる)=ナイキ=が6位に入賞した。36歳のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が史上3人目の2連覇を果たした。
 結果的に日本選手団は女子種目の金メダルが14個で2004年アテネ五輪の9個を超え、過去最多を更新。なかでも柔道とレスリングはともに4個を獲得、新競技のスケートボードも2個とメダル量産につながった。

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 ここに私は9日付中日新聞朝刊1面の記事【競技場内外 別世界… 違和感の記憶 後世に】の一部分を貴重な一断面として、記しておきたい。以下のとおりである。

(前略)
 五輪の期間中、全国で(新型コロナウイルスの)感染が急拡大した。開催地の東京では一日の新規感染者が五千人を超える日もあった。そんな中、一部の選手らが規則を守らないなど、不完全な感染対策も明るみに出た。
 一方、競技を巡るドラマは私たちの心を揺さぶり、日本のメダルラッシュにも沸いた。並行して存在する別世界のような競技場の内外。IOCの広報部長は「パラレルワールド」と表現した。
 だが、二つの世界はつながって社会の「今」を映している。私たちはこの五輪に感動しつつ、何に違和感を憶えたのか。未来にその記憶をつなぐことで、大会が残したものが浮かび上がる。過ぎ去った祝祭として、引き出しにしまったままにしてはいけない。(吉光慶太)

 いい記事だった。
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 明けて。きょう9日は、先日の広島原爆の日に続き、長崎原爆の日である。この日、爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では「平和祈念式典」が営まれ、原爆がさく裂した午前11時2分に全員で黙とう。田上富久市長の平和宣言に続き、被爆者代表岡信子さん(92)による体験談「平和への誓い」の発表、中満泉さん(国際連合事務次長)によるアントニオ・グテ―レス国連事務総長からのメッセージ代読などがあったが、これからの世の中は「どこまでも戦争、原子爆弾許すまじ」である。もちろん、福島第一原発事故のような原発事故も起こしてはいけない。【ノーモア原発 ノーモア福島】を、ここに改めて胸に刻みたい。

 以下、長崎原発の日の記念式典の様子の一部を世界の恒久平和を願うもののひとりとして、ここに記憶にとどめたい(NHK画面から)
 

 

 

 

 

 

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 きょうは早朝午前5時過ぎの台風9号の広島県呉市への上陸の影響もあってか、ここ尾張地方は終日、強風が吹き荒れた。そんなわけで、愛猫シロちゃんも。舞も。2階寝室での逃亡生活とあいなった。人間が自然に勝つのは、至難の業である。ならば、平和な世界実現で自然界に勝って見せよう。

2021年8月7日
 空に星世界に平和広島忌
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

 原爆投下予定地に哭く赤ん坊
 =寺井谷子
<わが伊神家の8月6日・広島原爆の日の〝日めくりカレンダー〟から。説明書きには「作者は北九州市在住。この日の原爆投下は北九州が予定されていたのですが、天候の都合で広島に変更されたのです。作者が赤ん坊の頃のことです」の記述。

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 きょうは7日。秋立つ日、立秋である。
 大垣の〝順ちゃん(平野順一さま)〟から一枚のはがきが舞い込んだ。文面は「是非一度 大垣へご来遊下さい 奥様も勿論ご一緒で。コロナよ早く去れ! ご自愛ください」とあった。
 舞が夕方、一枚のはがきを手に「順ちゃんからよ。ポストに入っていた」と目を輝かせて帰宅。ありがたいことである。きょうも、とても暑い一日だったが、この一枚に暑さは吹き飛んだのである。

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 さて。東京五輪の方はといえば、だ。6日は沖縄発祥の新競技、空手の男子形で世界選手権三連覇中の喜友名諒(31=劉衛流龍鳳会=が金メダルに輝きレスリング女子53㌔級の向田真優(24)=ジェイテクト、三重県四日市市出身=も優勝し今大会で女子3個目の金メダルを獲得。日本のメダル総数は金24個など51個となった(ただしメダルの数は6日現在)。

 未曽有のコロナ禍の中、数々の名勝負と熱戦が繰り広げられてきた東京五輪も残すは、あと2日。きょう7日は暑さよけから当初の東京から替えられた北海道の札幌市を会場に、スタート時間が急きょ前日に午前6時に変更されるという異例づくめの展開のなかで女子マラソンが実施され、日本選手は一山麻緒(24)=ワコール=が2時間30分13秒で8位に入賞。日本勢の入賞は2004年のアテネいらい4大会17年ぶりとなった。
 夜。稲葉篤紀監督率いる日本野球、侍ジャパンが横浜スタジアムで開かれた決勝戦で米国を2-0で破り、正式競技になった1992年のバルセロナ五輪から6度目の出場で悲願を達成した(野球は、今回3大会ぶりに実施されたが、3年後のパリ大会では再び五輪競技から外れる)。この日はほかにレスリングの女子50㌔級で開会式で日本選手団の旗手を務めた須崎優衣(22)=早大=が優勝、男子フリースタイル65㌔級の乙黒拓斗(22)=自衛隊=も男子で2大会ぶりの金メダルを獲得し、レスリングの金は男女合わせて5個となり過去最多の1964年の東京五輪と並んだ。
さらにゴルフの女子で稲見萌寧(22)=都築電気=が銀メダルを獲得。前回大会から五輪競技に復帰したゴルフでは日本勢初の表彰台に立った。

 侍ジャパン、悲願の金メダルを1面トップで報道した新聞(8日付の中日朝刊)
 
 
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 これより先、広島は6日、米軍による原爆投下から76年の「原爆の日」を迎え、広島市中区の平和記念公園で午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)」が営まれた。松井一実広島市長の平和宣言は、核兵器禁止条約の発効から初の宣言となったが市長はこのなかで日本政府に「一刻も早く締約国となる」よう批准を訴え、締約国会議への参加を求めたが、菅義偉首相は式典後の記者会見で条約への参加を否定した。菅さんは、なぜ【核の傘】の中にいることに、それほどまでにこだわるのか。核兵器禁止条約には被爆国の代表としても積極的に締約国に加盟すべきだ、と思う。でなければ、被爆国のリーダーとしての見識を疑わざるをえない。彼は被爆国を代表するリーダーシップを発揮するチャンスをまたしても自ら逃した、いや放棄した-と言わざるをえない。

 この日は新型コロナウイルス対策で昨年と同様、参列者を例年の1割未満に絞り、83カ国と欧州連合(EU)の駐日大使、長崎市の田上富久市長ら751人が参列。全員で原爆投下時刻の午前8時15分、黙とうを捧げた。松井市長の平和宣言に続き、地元小学生から選ばれた6年生の伊藤まりあさん(12)と匠味義将くん(11)が【平和への誓い】を朗読。国連のグテレス事務総長は「核のない世界というゴールに向け進展が見られないことを深く憂慮している」とのビデオメッセージを寄せた。

 恒久平和を願って行われた平和記念式典の数々(NHK画面から)
 黙とうする市民ら
 
 
 

 松井市長の平和宣言
 

 子ども代表による平和への誓い
 

 式典であいさつする菅義偉首相 ナント廃絶に尽力することの大切さを説く部分を読み飛ばしてしまった(後の記者会見で陳謝)
 

 そして。今は何よりも気になる新型コロナウイルスの感染拡大の方は。国内で報告された新型コロナウイルスの累計感染者数が6日、とうとう100万人を突破。昨年1月の一例目の発表から約1年7カ月。現在の流行「第五波」では、感染力の強いインド由来のデルタ株の影響もあって増加ペースがますます加速化、6日も各地で感染拡大は止まらず、新規感染者は1万5645人となり3日連続で過去最多を更新しているのが現状である。
 ちなみに【ワクチン3回接種検討 政府 来年、変異株の対応念頭】【モデルナ2回目 発熱8割】【ラムダ株 国内初確認 ワクチン効果 悪い恐れ指摘】とは、7日付中日新聞の見出しだ。
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 中国国営通信の新華社が7日までに東京五輪について「無観客開催の決定は正しかった。大きな功績だ」と評価する記事を配信。日本の新型コロナウイルスの新規感染者は6日に1万5000人を超え、3日連続で最多を更新。外部との接触を絶つ方式により、「選手や関係者の行動範囲での感染率は一貫して低水準でウイルスをコントロールできる状態だった」としている。
 東北三大祭り「仙台七夕まつり」が6日、仙台市で2年ぶりに開催。市中心部の商店街には和紙で作った色鮮やかな吹き流しが飾り付けられた。「早くコロナ禍が終息して前のような豪華な七夕が出来るようになると良い」とは仙台市民に共通した願いだ。

 名古屋市の河村たかし市長や鈴木誠二市教育長らが6日、名古屋市名東区で2018年1月に市立中学一年生の斎藤華子さん(当時13歳)が自宅マンションから飛び降り自殺した問題で両親宅を訪れて遺影に手を合わせて謝罪。名古屋中川署はパチンコ店でパチンコ用のプリペイドカードを盗んだとして6日、名古屋市平和小校長、平松尚樹容疑者(58)を窃盗の疑いで逮捕。
 プロ野球の中日ドラゴンズが6日、投手の木下雄介(きのした・ゆうすけ)さんが3日に死去した、と発表。7月6日にナゴヤ球場で倒れ、入院治療中だった。27歳だった。漫画家のサトウ・サンペイさん(佐藤幸一=さとう・ゆきかず)が7月31日、誤嚥性肺炎のため死去。91歳。名古屋市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻みどりさん。

 6日午後8時半ごろ、東京都世田谷区の小田急小田原線成城学園前―祖師ケ谷大蔵間を走行していた藤沢発新宿行きの快速急行(十両編成)の先頭車両で男が乗客を刃物で刺して電車の外に逃走。男女10人がけがをした。男は逃走していたが、まもなく杉並区内のコンビニで警視庁が身柄を確保。

2021年8月4日
 今年またオンラインに帰省子よ
 捕虫網未だに夢を追いかけて
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

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 4日。水曜日。箸(はし)の日である。

 きょうも朝は、わが家の愛猫シロちゃんに玄関先で見送られ、舞を自宅近くのリサイクルショップ「ミヌエット」まで送る。彼女の両足の白い包帯は、痛々しい。でも、このところは何とか食事も出来、少しずつ体力が回復。彼女ならでは、の控えめに輝く笑顔が少しづつ、戻りつつあるような、そんな気がするのである。
 お店に着くと突然、「1057歩だったよ」と私に向かって言うので「何が?」と聞くと、「家からここまで歩いた歩数よ」ときた。見ると、先日ガラケイから買い替えたばかりで、まだまだ使い方で四苦八苦している<らくらくスマホ>なる携帯を手に握りしめており、「ああ、なんだ。それでだったか」と納得した次第。

 それはそうと、昨日は雨が降ったり止んだり。きょうは酷暑で、このところは、こうした毎日が日一日とすぎてゆく。真昼など地球全体が赤い炎を出し、燃え始めたような、そんな錯覚すら覚えた。ただ、けさは窓を開けると蝉たちの声という声が一斉に蝉しぐれの洪水となって耳に飛び込んできたのである。いずれにせよ、真夏だ。自然たちは皆、元気に生きている。オリンピックで競技に挑む選手はむろん、道を行き交う私たちの全てを含む〝いきものたち〟皆が、この未曽有とも言っていいコロナ禍のなかで命がけで今という一瞬一瞬を懸命に生きている。そんな実感が耳に迫るのである。
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 熱戦を繰り広げている東京五輪も。4日は早や13日目。12日目の3日は体操の男子種目別決勝の鉄棒で橋本大輝(19)=順大=が優勝。個人総合に続く金メダルで、団体の銀を含め、3個目のメダルとなった。鉄棒で日本勢の優勝は1984年ロサンゼルス五輪の森松慎二いらい37年ぶり。また、これより先の2日にあった体操女子種目別決勝の床運動で村上茉愛(まい)=24歳、日体ク=が銅メダルに輝いた。体操女子のメダルは1964年の東京五輪団体総合の3位いらい57年ぶり二個目。個人種目では初の快挙である。

 橋本の個人種目別鉄棒金メダルを報じた4日付中日スポーツ
  

【メダルラッシュ】
「スケボー四十住金 12歳 開が銀」を報じた4日付中日夕刊
 

 3日はほかにも2012年のロンドン大会から採用された女子フェザー級ボクシングで入江聖奈(20)=日体大=が日本選手初の金メダルを獲得するなど日本の金は3日現在で今大会19個に。うち女子種目が9個を獲得、過去最多の2004年アテネ五輪に並んだ。日本勢の快進撃は4日も続き、スケートボードの女子パークで初代金メダリストに四十住さくら(19)=ベンヌ=が輝き、夏季五輪で日本選手史上最年少の開心那(12)=WHYDAH GROUP=が銀メダルを獲得。さらに夜に入り、レスリングの女子フリー62㌔級で川井友香子(23)=ジャパンビバレッジ=が金メダルを獲得するなどメダルラッシュが続き、日本選手の活躍が目立っている。
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 一方で、このところますます深刻化しているのが、新型コロナウイルスの第五波の感染拡大、いやもはや【感染爆発】といってもいいコロナ禍の進行である。政府は2日、東京、大阪など6都府県で緊急事態宣言を発令したが、3日付新聞によれば、なんと新型コロナウイルスに感染して自宅療養している人が約3万人にも上ることが判明。先月21日時点で約9000人だったのが、わずか10日余りで3倍に急増したというのだ。感染力の強いインド由来のデルタ株による【第五波】で感染拡大に歯止めがかからなくなっていることの証明ともいえ、こんご自宅療養者がさらに増え続ける可能性があるなか、医療提供体制の逼迫が懸念されているのが現状だ。
 事実、田村憲久厚生労働相は三日午前の記者会見で「病床が逼迫している地域では高齢者や基礎疾患がある人が自宅療養となる可能性がある」との見解を示し「これまでは原則入院だったが、比較的症状が軽く、リスクがそれほど高くない人は在宅を含めて対応せざるを得ない」と語っている。これらの現状は4日付中日新聞の1面見出し【病床逼迫地域で入院要因厳格化 高齢者も自宅療養の可能性】【在宅患者の急変対応懸念 愛知は従来方針維持】に顕著である。ちなみに愛知県の大村秀章知事は3日の記者会見で「中等症患者は入院が必要だ」と強調したうえ「最後までそういう形で対応したい」と述べ、従来の方針を維持する考えを示している。

 新型コロナウイルスは4日も拡大が続き、国内の過去最多を更新する1万4207人の新規感染者が報告された。また、こうした感染拡大の深刻化を受け、政府は4日夜、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を今月8日から31日まで「まん延防止等重点措置」に追加する意向を表明、同重点措置の地域は計13道府県となる。

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 東京五輪・パラリンピック組織委員会が3日、大会関連で海外から来日した選手1人を含む18人が新たに新型コロナウイルス検査で陽性になったと発表。大会関連の陽性者は7月1日以降で累計299人となった。
 東京五輪陸上女子ベラルーシ代表でチーム側による強制帰国を拒否してポーランドに亡命予定のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が3日AP通信に「チーム幹部からわれわれの決定ではなく、そうするよう命令された、と言われた」と政権上層部の意向が働いたことを示唆。「安全に欧州にたどりつきたい。あと2回は五輪に出たい」と話した。
 イラン大統領選で当選した前司法府代表のライシ師が3日、大統領に就任。8年ぶりに反米の保守強硬派政権が誕生したことで、現在継続中の核合意再建協議に影響が出るのは必至だ。プリンケン米国務長官が2日、アフガニスタン駐留米軍に協力したアフガン人らが国外退避した場合、米国の査証(ビザ)の取得資格がない人でも難民として受け入れる、と発表。米軍撤退後に懸念される反政府武装勢力タリバンによる協力者への報復を回避する狙いがあるという。