詩「山の風景」

遥かなる時を超えて
旅人を招くように
決して誇らずに
黙して語らずに
山はそこにある

人は山の神秘に魅かれ
山に浪漫を描く

山を登る
それは世界を征する
野望なのか
それとも
足跡を残す
生きた証なのか
しかし
山はそれを拒まない

山は
人に人生を諭す
独力で向き合う一歩の
苦しみと喜びを知らしむ

山は険しく厳しい道程
無心の果てなき旅

人生の旅人は幾度も
山へ登ってはまた下る

そして人は山を知り
いつか山となる

そして山は静かに
若き旅人を待つ