詩「おおきに」

あんさん知っとりまっか
ほんま浪花は良えとこでっせ
東京はんには分からんかあ

「儲かりまっかぁ~」
「ボチボチでんなあ~」
これ商い挨拶ですわ

暖ったかそうな
のれんをくぐれば
たこ焼き
すうどん
お好み焼きや
皆んなで連れもて
やんややんやと
ほんまにほんま
騒がしゅうたらたまりまへんわ

「新世界展望台へと参ります」
通天閣にはビリケンさんや
ニッコリ笑おうて足裏出しとる
ジャンジャン横丁の将棋場
やぶ睨みの坂田三吉も生きとるわ

ミナミへ回れば
道頓堀に人がぎょうさん
くいだおれに腹も嬉しいうて
さてもロケット広場はカップル熱々
目のやり場に困ります

キタの新地は夜のネオン街
夢に酔ってお金が舞いますわ
むっつりしとるタクシー停めて
社長はんとホステスはんが
仲よさそうにサイナラや

夜が明けて
朝の浪花は閑古鳥
路地で野良犬あくびして
朝刊配るバイクは
エンジン響かせ走っとる

何から何まで
わてほんまにかなわんわ