一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年3月~)

2023年3月31日
 プロ野球セ・リーグが31日に開幕。中日は小笠原投手が先発して東京ドームで巨人と対戦、1点差を追う9回に高橋周平の2点適時二塁打などで試合をひっくり返し6-3で逆転勝ち、2年ぶりに白星発進となった。勝野昌慶は2年ぶりの勝ち星。この日は、客席での鳴り物や声出しの応援が4年ぶりに復活。ドラゴンズは、さすがWBC日本代表を唯一破ったチームだけのことはある。
 中日新聞軟派では久しぶりにドラキチたちが集うことで知られる今池(名古屋市千種区)の中華料理店「ピカイチ」が【劇的開幕 竜党祝杯 名古屋から声援】の見出し付きで紹介されていた。ヤクルトの村上宗隆は神宮での広島戦で初戦から神宮の空にアーチを描く先制2ランを放ちリーグ3連覇と日本一奪還、そして2年連続の3冠王に向け幸先良いスタートとなった。

 統一地方選の41道府県議選と17政令市議選が31日告示され、道府県議選に3139人が届け出。総定数2260人に占める無投票当選の割合は4人に1人の25・0%に上り、過去2番目に高い水準に。女性の候補者は過去最多だった前回の2019年より100人増え489人に。全体に占める割合も15・6%で過去最高に。
 米国のトランプ前大統領(76)が不倫相手に口止め料を支払ってもみ消しを図ったとされる疑惑で東部ニューヨーク州の大陪審は3月30日、トランプ氏を起訴。米大統領経験者が起訴されるのは史上初という。
 
 金曜日。きのう大阪の町をかなり歩いた(合わせて2万5000~6000歩)こともあって、足はがくがく。案の定、早朝起きる直前に、両足が攣ってしまい、痛いのはむろん、しばらく歩けないまま布団に仰向けのまま両足を何度も屈伸させるうち、1時間ほどしてやっとそろり、そろりと歩けるようになった。

 それでも、きょうは社交ダンスのレッスン日。午後、両足の痛いのをなんとか我慢し、一宮のスポーツ文化センターにマイカーで出かけた。幸い、車の運転に支障はなかったが、いざレッスンを始めると、ちょっと両足が痛むので先生に言って途中、10分ほど見学。再び、タンゴ、ワルツの順で上級に挑んだが、逆にステップをしながら社交ダンスなるもの、いかに瞬発力とスピードによって成っているか、をあらためて知った次第。
 散歩で歩くのとは訳が違い、このふたつ、すなわち【瞬発力】と【スピード】がないことには、華麗なダンスなどは、とてもとても出来ないことを思い知った次第である。

 桜前線は、ドンドン北上。ラジオニュースによれば、きょうは山形、新潟でも満開になったという。いまや日本中が桜の園に癒やされているのである。

(3月30日)
 この夏、7月29日に大阪の大阪リーガロイヤルホテルで開催する全国同人雑誌会議の件で全国同人雑誌協会の代表理事、五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)とともに大阪へ。今や大阪文学学校の卒業生を中心に誕生した23の同人誌を抱える大阪文学学校の事務局長小原政幸さんにお会いし、全国同人雑誌会議への協力をお願いしたところ快諾され、心から感謝。
 この日は小原さんとお会いする約束の時間まで時間があったので、ピースボートの船友の親切な案内でアベノハルカスや通天閣界隈を歩いたが、天気がよいうえ桜も満開で貴重なひとときとなった。気分が乗ったので天王寺公園の満開の桜の下で久しぶりに持参したハモニカで<赤とんぼ>や<ふるさと>など数曲の演奏もし、なんだかスカッとした気持ちとなったのである。
 
 アベノハルカスも、通天閣も。桜の園に浮かんでいた
 

 

(3月29日)
 名古屋駅広小路口のうまいもん通りに面した【まるは食堂】。ここで昼食を兼ね、ことし7月に予定される全国同人雑誌会議の打ち合わせ会に出席。つくづく思ったが、全国同人雑誌協会代表理事、五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)の情熱と熱心さには、きょうもつくづく頭が下がった。幸い、この席でことし大阪で開かれる全国同人雑誌会議は大阪文学学校の理解と協力を得たうえで全国同人雑誌協会と中部ペンクラブ共催で実施しよう、ということになったのである。

 夕刊を開く。【春宵一刻 値千金 大津・三井寺】【核情報提供 米も停止 新START(新戦略兵器削減条約) ロシアに対抗】(27日付中日夕刊)【国軍、スーチー氏政党の登録抹消】【コロナ定期接種「高齢者のみ推奨】【衆院解散 首相「考えていない」】【ロシア最高峰バレエ団に日本人ソリスト 踊れている僕は幸せ】(29日付毎日夕刊)など。さまざまなニュースが並ぶ。

(3月28日)
 ひょんなことから舞が生前、1行詩で大変お世話になっていた神戸市在住の栄井百合さんの住所がわかり、郵便局に出向いて「伊神舞子俳句短歌遺稿集」1冊をご自宅に送らせて頂き、仏前に報告した。舞は大垣時代から「1行詩の集まりで行ってくるから」と、よく神戸に出かけていた。それだけに、栄井さんには、感謝と反省の気持ちを込めてさっそく送らせて頂いた(舞は、亡き栄井さんのご主人にも百合さん同様に何かとお世話になっていた)。
 百合さんは、その後、舞が江南厚生病院で脳腫瘍の大手術をした際にも何かと励まして下さり、本来なら遺稿集【泣かんとこ】を誰よりも先に送らせて頂かなければならないのに。心から申し訳なかった、と思っている。思い切って電話をさせて頂くと、彼女は、やはり舞の死をご存知だった。それだけに、本来なら最初に送らせて頂かなければならない妻の恩人なのに、と反省した次第である。

 夜。NHK総合で見た【ニッポン〝今〟つないでみたら~春よ、来い絶景! 満開の夜桜中継 坂本冬美&スガシカオ熱唱! ナマLIVE▽ド迫力 豊橋手筒花火 ウクライナ学生の願い 私にも春を仰天流れ星】はとても良い番組であった。なかでも過去、400年以上の伝統を誇る豊橋の手筒花火の実演生中継には圧倒され、その豪快さに感嘆した。
 それどころか、その伝統芸を担う中心人物が同人誌「果樹園の会」の矢野光則さん(筆名は津之谷季)だったと知り、二度びっくり。矢野さんたちのチームワークに魅了されたのである。

 手筒花火を披露する矢野さん(NHK総合から。左端で豪壮な手筒花火を手にするのが同人誌「果樹園の会」の矢野さん)
 

 名古屋地方気象台がきのう27日に名古屋市の桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表。〝桜川〟で知られる山崎川では川沿い約2・5㌔に連らなる桜が見ごろだという。そういえば、一昨日26日付の中日新聞朝刊に【ふわりほんのり 本巣の淡墨桜が満開】といった、チョット粋のいい見出しで、あの根尾谷に立つ樹齢1500年以上の国の天然記念物「淡墨桜」が【見ごろを迎えた】との記事が中日新聞に載っていた。
 淡墨桜といえば、枯死寸前に陥ったところを地元の人たちが助け、今に至ったことは知る人ぞ知る。当時、作家の宇野千代さん、そして顕彰保存会立ち上げに先頭に立って尽力した当時の江崎根尾村長、そして平野三郎知事の努力と情熱には、ここに改めて敬意を表しておきたい(平野知事は、その後、和田達男岐阜県参事らとともに岐阜県庁汚職事件の主犯として岐阜県警と岐阜地検に逮捕された。ちょうど安八町で未曽有の長良川決壊豪雨があったころの話である)

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子が26日、フィンランドのラハティで個人戦第30戦(ヒルサイズ=HS130㍍)が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)が136・5㍍の145・9点で今季3勝目、通算30勝を挙げた。30勝到達は男子で史上7人目。

(3月27日)
 文化庁が27日、すなわちこの日から中央省庁では初めて東京・霞が関の本庁を地方に移転し、京都での業務を始めた。最初は、都倉俊一長官ら一部幹部を含む約70人体制でスタート。本格稼働は5月15日からの予定。最終的には全職員の約7割、390人が京都を拠点としての業務に挑む。

 午前中、名鉄で金山へ。帰宅し、「脱原発社会をめざす文学者の会」のオンラインによる幹事会に出席。久しぶりに見るみなさんの顔がキラキラと輝いて見えたのはなぜか。不思議である。

 金山からの帰り。車窓から見る桜、ソメイヨシノは満開である。名鉄車内でマスクをしている人は、やはりほんの数えるほど。いや、僕の隣の女性だけだった。それに私を含め、たった二人しかいない。午後2時12分。名駅で電車は止まる。ト、今度はどやどやとけたたましい音を立てて車内に人々が入ってきた。と、思いきや。夕刊がドン、ドーンと車内に置かれていった。かつて私も務めていた中日新聞の発送部の人たちのしわざに違いなかった。
 電車はそのまま庄内川をゴトン、ゴトンの音を立てながら渡り切った。空は、薄曇り。でも、いい天気である。シロちゃん、元気でいるだろうか。いやいや、元気でいてほしい。

 27日付の毎日新聞夕刊によれば、「ロシアのプーチン大統領が隣国ベラルーシに戦術核を配置する方針を示したことを巡り、欧州連合(EU)のポレル外務・安全保障政策上級代表(外相)が26日、ベラルーシに対し、追加制裁の可能性を示唆しながらロシアの核兵器を受け入れないよう求めた」という。当然のことである。

2023年3月26日
 日曜日。きょうは、室生犀星忌である。
 きのう25日にさいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われたフィギュアスケートの世界選手権最終日。名古屋、いや今や日本、世界の星と言っていい宇野昌磨(25)=トヨタ自動車、名古屋市出身=が日本男子初の2連覇を果たした。エディオンアリーナ大阪で開かれてきた大相撲春場所。こちらは本日、千秋楽に新関脇・霧馬山が小結・大栄翔を突き落としで破り同じ12勝3敗同士の優勝決定戦に。最後は、きわどかったが再び霧馬山が突き落としで大栄翔に勝って13勝2敗として逆転優勝した。

 ほかには【アジア大会選手村中止へ 26年愛知 建設費600億円削減 <解説>スリムな運営の先例に(安倍伸哉)】(26日付中日朝刊見出し)【死者数公表 最短2カ月後 コロナ5類移行で厚労省】【窓際に物 踏み台か 名古屋‣転落死 2児は双子】【警官発砲 容疑者死亡 大阪立てこもり 母ら負傷】(26日付毎日朝刊見出し)といった記事が気になった。
 そして。毎日新聞の日曜くらぶ版【レトロの美 奈良ホテル】は、外観を見ただけで行ってみたくなる。そんな記事で舞が生きていたなら、連れて行きたいナと思った。

 午後1時過ぎ。ノンフィクション作家で日本ペンクラブ会員、「脱原発社会をめざす文学者の会」の会員でもあった元英語教師長谷川園子さん死亡の件で、園子さんが生前、「彼は〝私の息子、息子〟です。本当にすばらしい人物で、あちらこちらに連れて行ってくれ、いつも感謝してる」と話しておいでだったその〝息子さん〟から電話が入り「あとは公的機関に任せるほかありません。親族が死亡診断書を出さない限り、遺体の償却も出来ません」と静かな口調の電話が入る。親族による死亡診断書がないと、火葬も出来ないとのことで、その点が気になる。
 というわけで親族による手続きがない限り、葬儀も出来ないのが現状のようだ。こんご高齢化時代が進むと、こうしたケースは増えてくるに違いない。困った世の中である。こうした時こそ、行政の迅速かつ適正な処理、対応が望まれる。園子さんのように、近親者の全てが亡くなり、孤立したなかで生きている高齢者が増えている世の中にあって、こうした例はこんごますます増え、社会問題化していくことが気になるのである。

 修復を頼んでおいたぼろぼろ衣類を夕方、平和堂内のリメイク工房に行き回収してきた。

(3月25日)
 土曜日。久しぶりに永正寺であった尾張芸術文化懇話会の月例会に顔を出した。冒頭、中村建岳さん(永正寺の若住職)の鳴らす鐘の音を合図に出席者7人全員で手を合わせ、会員でもあった長谷川園子さんの霊に1分間、別れの黙とうをした。長谷川さんの遺体は、昨日の間に江南市の自宅から尾西の平安会館に移され、ここで建岳さんの読経のうえごくごく親しかった関係者でお見送りをしたという。合掌-

 長年、愛読してきた毎日新聞夕刊が今月限りで無くなるというのでいつもお世話になっている中日新聞販売店の勧めもあって、きょうからは日本経済新聞の夕刊を購読することに。毎日は朝刊同様、夕刊の小説の内容も良かっただけに、チョット残念な気がするがこれもいたしかたあるまい。世の流れか。
 午後、平和堂内にあるリメイク工房へ。ズボンやいつも愛用している黒の上っ張り(ジャージー)など衣類のあちこちが破れてしまったので、ここで直してもらうほかない。あらためて舞が生きていてくれたら良いのに、と思う。

(3月24日)
 金曜日。きょうも、きのうも。あすも。あさっても、である。
 毎日毎日、日本も世界も、身の周りもだ。空気という空気を割ってなんだか、何もかもが、強烈なスピードで見果てぬ方向に動いている。その中で息も絶え絶えに生きる人間。ニンゲンたちは洗濯機のなかで、ただひたすらにかき回され続ける白い泡たちの如きものなのか。きのう、私も舞も大変、お世話になった長谷川園子さん(元英語教師。ノンフィクション作家)が危篤状態だ-と知らされ、午前中、愛用のハモニカを手に自宅を伺ってみた。
 ひとり住み慣れた部屋の病床で仰向けになった彼女はしっかと目を見開いておいでだったが、やはり意識はあるのかどうか。危篤状態であることだけは明らかであった。私は失礼とは承知のうえ、お付きの方おふたり(いずれも男性)の了解を得たうえで室内へ。
「そのこさん。そ・の・こさん。そ・の・こさん、たら。いがみだよ。ごんた、伊神権太ですよ」と声をおかけし、持参したハモニカを口に【ふるさと】に【ゆうやけこやけ】【みかんの花咲く丘】の3曲を最大の感情をこめてふき、演奏したのである。 
 園子さんに大変お世話になった今は亡き妻舞がいつも何かあるとは、私に「耳だけは、いつまでも。最後の最後までは聴こえるそうよ」と話していた、その言葉を思い出したからだ。古くて懐かしいメロディーを耳に意識が戻ってくれたなら-と。そんな一途な願いを込めて、ふき演奏したのである。

 帰宅し、いつものように再びシロ、すなわちオーロラレインボーに留守番を頼んで、こんどはスーパーへ。昼食をして帰宅してまもなく、長谷川園子さんの後見人とみられる男性(長谷川さんは、いつも〝息子〟〝息子〟と呼び、私が死んだあとは彼に全て任せてあるので、心配ございません-と話しておいでだった)から留守番電話が入っていたので、こちらから電話すると「長谷川さん。お亡くなりになられましたよ。詳しくはあらためて連絡させていただきます」とのことだった。
 1930年10月23日生まれの園子さんの代表作といえば、【あゝ 炎の鯱】である。先日亡くなった精神科医で作家の加賀乙彦さんを尊敬、かつどこまでも慕い、ここ数年は<脱原発社会をめざす文学者の会>にも所属。毎年夏が訪れると自らの戦争体験を永正寺で地元の人たちに話すなどしていた。同世代の加賀さんを心底から信頼し、かつ尊敬しておいでだった。
 それだけに、なんだか加賀さんの後を追って亡くなられたような、そんな気がしてならないのである。園子さんは、ほかに尾張芸術文化懇話会(事務局は永正寺内)の会員としても積極的に活動され、ことあるごとに【平和な社会実現】を願っておいでだった。合掌-
 あ~ぁ。ああ無情とは。このことを言うのか。

 午後は金曜日なのでいつものように社交ダンスのレッスンで一宮のスポーツ文化会館へ。 
 ムーン・リバーの曲にあわせワルツを先生と踊ったが、繰り返しレッスンを重ねるうち、ムーン・リバーの音の調べがとてもよいので、なんとか踊れそうな。そんな気がしてきた。それに帰宅後、オードリヘップバーンが歌っているムーン・リバーを調べたところ歌詞もとてもよく、いっぺんに気に入ったのである。これから余裕さえあれば1人で歩く路上でも繰り返し幻の舞を相手にステップを踏み踊ってみようと思う。これをお読みになっている方々で、もし興味がおありでしたら、ぜひムーン・リバーの調べを聞いてほしい。この音曲は本当にいいな、と。あらためて思う。
 時も時なり、とでもいえようか。夜、かつての私の横笛師匠家入みつ江さんから「春 桜の季節です。先日志ら玉で新年会ありました。都々逸の会の皆さん、伊奈さんだけ! 寂しくなります。私は毎月国内中を1週間程度旅行です」とのメールが入り、懐かしく思ったのである。ともあれ、お元気そうで何よりだった。
    ※    ※

 24日付の紙面は【りくりゅう世界フィギュア初V 今季の主要大会 全制覇】(中日新聞朝刊)。フィギュアスケート・ペアの三浦璃来(21)、木原隆一(30)組=木下グループ=が23日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で金メダルを獲得。昨年12月のグランプリ・ファイナル、ことし2月の四大陸選手権に続いて日本勢初の頂点にたち、今季の主要国際大会全制覇という快挙を成し遂げた、というのである。

(3月23日)
 木曜日。世界気象の日だそうだ。
 新聞の朝刊は文句なく、【日本世界一奪還 WBC 米破り14年ぶり 仲間鼓舞大谷ほえた】(23日付中日朝刊見出し)である。そして中日新聞1面言の葉は「今日だけは憧れるのをやめよう。僕らは超えるために、トップになるために来た WBC日本代表の大谷翔平選手が決勝戦の直前に鼓舞 1面」であった。もちろん、中日スポーツも【侍14年ぶり3度目頂点 大谷世界一 胴上げ投手! MVP!! 史上最高のSHO-TIME】【侍最年少 高橋宏・手記(中日ドラゴンズ投手)】とポイントをつかんだ見開きの見事な紙面展開であった。ついでながら、江南市在住で私も知る希有な漫画家くらはしかんさんの23日付【おれたちゃ ドラゴンズ】もなかなか良いところを突いていた。私は毎朝、中日新聞の本紙は読者からの【くらしの作文】から読むように、中スも【おれたちゃ ドラゴンズ】をどの面よりも先に読むことにしている。

 時にいまいち基本が出来ていない、意味不明極まる出来の悪い本紙夕刊小説やシーズン中はともすれば、負けてばかりの紙面になりがちな中ス記事に比べれば、どちらも深みがあり、読者とともに歩いている親しみやすい紙面だからである。

 中スの見事な23日付紙面展開
 

 こちらも紙面から喜びが伝わってくる23日付中日1面
 

 それはそうと、WBCの歓喜のフィーバーが日本中至る所で鳴き止まぬなか、第20回統一地方選のスタートとなる9道府県の知事選が本日(23日)告示され、現職8人と新人24人の計32人が立候補を届け出、街頭に飛び出した。

2023年3月22日
 けさの新聞の見出しは【日本 劇的サヨナラ WBCけさ米と決勝】【首相、キーウ電撃訪問 「平和のため最大限支援」 大統領と会談 連帯表明へ】【統一地方選 あすスタート 9知事選告示へ】(22日付、中日朝刊)というものだった。

 そして。私・伊神権太はけさ朝一番で「シロは何でも知っている」で知られ、有名でもあるわが家の愛猫シロちゃんを、WBCの決勝戦、日本×米国の試合を偵察させるため米国・マイアミに派遣。シロは途中、天空で大好きなおかあさんを誘い、自身の翼に乗せ、現地に直行。日本の勝ちをいち早く信じた時点でUターン、私のもとに「ニッポン勝つよ。おかあさんと確かめてきた」とわが家に飛び込んできたのである。いつも思うのだが。たいした猫ちゃんである。これも生前の舞の薫陶を受けたからか。

 写真はニッポン勝利を確信して一足早く帰宅。大谷が投げる最後の場面をテレビで確認する白狐猫のシロちゃん
 

 いつもはこのように静かな表情でいるシロ、すなわちオーロラレインボーちゃん
 

    ※    ※
 本日は、ほかに戸田鎮子さんと天野裕康さんから舞の俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】について、丁重なるメールと書簡を拝受し、舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供える。おふたりには、心からありがとうーと感謝したい。
 以下拝受したおふたりのお言葉を抜粋させて頂く。
「晩年はご病気の治療をしながらの句作とか、心よりご尊敬申し上げるとともに、お悔やみ申し上げます。奥様よりも十歳以上の年齢(81歳)で、なんだかボーとして暮らしているだけで、良くないなあと反省しながら、心して読ませていただきたいと思っています。今まで散文しか書いてこなかったのですが、これからは奥の深い俳句の勉強もしてみようかなとも思っております。その前に奥様の句集をじっくり読ませていただいて、勉強させていただこうと思っています。簡単ですが、御礼のご挨拶まで。」(戸田さん)
「私が好きだったのは俳句では、宇宙駆除しあぐねる春の宙/飲み会はオンラインしよう昭和の日 短歌では、3Dに飛び出す映画 今は昔スクリーンにはいつも雨の降る/明るさともの哀しさを合わせもつ日輪のようなあなたはだあれ
 一行詩では、戯れて輝いて一瞬 泡
 でしたが、詩「夕暮れの諧調」も立派なものですし、圧巻はなんといっても
  秋一日絨毯と飛べ我が部屋ごと でした。
 総じて編集に愛情がこもっていることが胸を打ちました。(天瀬さん)
 ちなみに、戸田さんも天瀬さんも名実ともに一流の書き手であり、心からありがたく思っている。ある面で舞は幸せだと思う。

2023年3月21日
 春分の日。外は雨。私の住むここ尾張地方の朝は小雨とともに明けた。
 夜。日本の岸田首相がキーウ入りしたとの電撃ニュース。モスクワではプーチン大統領と習近平国家主席が対談、この席で習主席がプーチン大統領に対話と停戦を呼びかけるなど今後の動向が注目される。世界はここに来て急速に激動している。

 月曜日。春分の日。おかあさん、すなわち、私の可愛い妻たつ江(伊神舞子)が元気なころだったら、決まって私の父が眠る和田霊苑、そして舞のご両親が眠る古知野墓地の順に、お花を手に一緒にお参りに出かけたものなのだが。ことしは息子提言による墓参りは既に19日に終えた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 この世の中、勝ちがあれば負けがある。逆に負けがあれば、勝ちがある。
 とは言っても、米マイアミのローンデポ・パークで現地時間の20日午後7時(日本時間21日午前8時)から開かれた第5回WBCの準決勝で日本がメキシコに6-5で見事に勝ってくれ、これほどうれしいことはない。ましてや、あの村上宗隆(ヤクルト)が最後の土壇場、9回裏に期待どおりサヨナラ逆転タイムリーを放ち、6-5で決勝戦への出場を決めてくれただなんて正直、嬉しい。もう一試合、アメリカとの決勝戦をがんばってほしい。健闘を祈りたい。

 土壇場に勝った侍ジャパンに観客席、ベンチともに大興奮(CBCテレビ)
 

「最後まで諦めない気持ちで」と語る村上宗隆選手(CBCテレビ)
 

 ほかに、大きなニュースといえば、1966年静岡県清水市で一家4人が殺害され、死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定に関し、東京高検が20日午後、最高裁への特別抗告を断念。袴田さんは事件発生から半世紀以上を経て、静岡地裁での再審公判で無罪を言い渡される公算が大きくなったということだろう。戦後の死刑事件で再審開始の判断が確定したのは、これが5例目。過去4例は再審公判を経て83~89年に、どれも無罪となっている。

 袴田さん再審確定を報道した新聞紙面
 

(3月20日)
 将棋の藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が渡辺明二冠=名人、棋王=に挑戦する第四十八期棋王戦五番勝負の第四局が19日、栃木県日光市で指され、後手番の藤井五冠が132手で勝ち、棋王のタイトルを奪取した。シリーズ成績は三勝一敗。六冠達成は羽生善治九段(52)に続き、史上2人目。20歳8か月での達成で最年少記録を更新した。中日新聞の1面見出しも【藤井最年少六冠 20歳8か月 棋王奪取 年内の八冠射程 NHK杯初V 一般棋戦全制覇】と景気が良い。つくづく藤井はたいした人物である。

【藤井 最年少六冠】を報じた新聞
 

 午後、郵便局へ。
 大垣時代に舞がこども俳句で何かとお世話になっていた西田拓郎先生(現在は大垣市墨俣町墨俣小学校の校長先生)に妻伊神舞子の遺稿集【泣かんとこ】を一冊。つい2、3日前に住所違いでわが家に出戻ってきてしまった、もう一冊を郵便局に出向いて、正しい住所を書いて送り直す。
 きょうは、このほか、今は亡き最匠展子さん(詩人)から「伊神さん、いちど奥さまと一緒に行って来たら何かと勉強になってよいわよ」と勧められていた日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にも寄贈本2冊を送らせていただいた。舞の遺稿集【泣かんとこ】をこの先、ひとりでも多く、日本じゅうの人々に読んで頂きたいからである。

 夕方、ポストを開けると、先日、遺稿集を送らせて頂いた岐阜県瑞穂市の、あの小森由美さんから丁重な礼状(はがき)が届いており、思わず目頭が熱くなった。私は小森さんが夫に先絶たれた際に出版され、送られてきた一冊の本への感謝の気持ちを込め、送らせて頂いたのである。小森さんとは、私が岐阜在任時からの文学仲間で彼女の気丈さには私自身、いつも刺激を受け見習わなければ-と思っている。
 はがきには『この度は亡くなられた奥様の遺稿集を送っていただきありがとうございました。才能に恵まれ、高遠で清新な作風を貫かれた方とお見受けし、本当に残念で悲しく思います。そして亡き人のためにこうした本を出版される伊神さんのお気持ちにも痛い程共感できます。でも、こうした数々の言葉を遺されている伊神さんのことを羨ましくも思います。(中略)「泣かんとこ」 良い言葉ですね。どうぞお元気で』と書かれており、私ははがきを仏前に供え手を合わせたのである。小森さん、ありがとう。

(3月19日)
 日曜日。
 春分の日に先がけ、息子に勧められるまま、おかあさんの墓へ。愛猫シロちゃんに留守を頼み、彼と共に舞の眠る永正寺永代供養集合墓【濃尾の大地】の<舞の墓>へ。引き続き私の両親が眠る和田霊苑、古知野の舞の両親が眠るお墓の順で花と線香を手にふたりでお参りして歩いた。天気がよかったからか、どこも、墓参りの人で埋まり、あとからあとから人の波が絶えず、ナンダカ満員電車に乗り、お参りをせかされているような、そんな錯覚といおうか。気持ちにまでとらわれた。人々の気持ちは皆同じなのだとつくづく思う。
 いずれにせよ、久しぶりに舞の墓にお参りすることが出来、からだのどこか見えないところで私と息子はホッとしたのである。思えば、たつ江(舞)が元気なころはお彼岸がくると判で押したように、私の両親の墓と舞の両親のお墓に半ば強引にお花を手に連れられていったものだ。だが、その彼女が、もはや、この世にはいないだなんて。

 そういえば、昨日、東京・武蔵野市の同人誌「街道」の木下径子さんから「とってもステキなご本を頂いてありがとう。よく作ってあり、すばらしい遺稿集です。【泣かんとこ】の題もとってもよい。一匹文士のあなたさまの文にはいつも注目していますが、奥さまもこれだけの才能がおありのお方だったとは。よく作っておあげでした」と丁重なる肉声の電話が入り、私は心の底から感謝、仏前に私のスマホを置いて舞(静汐院美舞立詠大姉)に木下さんの肉声をお供えして報告させて頂いたのである。木下さん。ありがとうございます。息子たちにも報告しておきました。

(3月18日)
 土曜日。昼間、江南市内の喫茶店であった中高校時代のクラス会『二石会』の役員会に出席する。新しい会長である須賀藤隆くんの前向きなヤル気と情熱がポンポン伝わってきた。前任会長として「これなら〝須賀政権〟は、とても楽しみだ。前任者としても協力しなければ」と思った次第。いずれにせよ、我々は喜寿なのである。とても信じられない。でも、それが現実なのだから仕方ない。

 名古屋地方気象台が17日、16日の岐阜市での開花宣言に続いて、名古屋市でも開花宣言。名古屋市での桜の開花は統計を開始した1953年以降では、89年、90年、2021年と並び最も早く、平年と比べて7日、昨年より5日早かったという。

 第95回記念選抜高校野球大会がきょう18日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕。記念大会のため例年より4校多い36校が出場し始まった。新型コロナウイルスによるコロナ禍の影響で2020年は開幕直前に中止。21、22年は開幕されたものの、観客数が制限され、開会式が簡略化されたりした。また22年は関係者が新型コロナに感染したため2校が出場辞退。こうした苦難の道を乗りこえ、今大会は観客の声出し応援が解禁され、マスクの着用も個人の判断に委ねられることになった。
 この日は雨で1時間半遅れの午前10時半に開会式がスタート。選手全員が4年ぶりにグラウンドを一周する入場行進があり、選手らはあこがれの甲子園の芝と土を踏みしめ、香川・高松商主将の3年横井亮太主将が「若者が希望を持ち、夢を追いかけられる平和な世の中となるように。勇気や感動を届けることで、支えてくださる全ての方に御恩返しをしたい」などと選手宣誓した。

 グラウンドを行進する球児と国家を歌う女子高校生(NHKから)
 
 

 選手宣誓をする高松商の横井亮太主将(NHKから)
 

 そして。とても悲しいニュースは【黒田杏子さん死去 84歳 俳人「平和の俳句」選者 <評伝>観察と学び 信条貫く】(18日付中日朝刊)に【国際刑事裁 プーチン氏に逮捕状 子ども連れ去り関与疑い ゼレンスキー氏「歴史的」】(同中日夕刊)か。このうち、プーチン氏の犯罪は誰が見ても明らかで、国を統治するロシア大統領が国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)に戦争犯罪の容疑で逮捕される、そのぶざまな姿をぜひ、この目で確かめてみたい。ともあれ、世の中は絶えず動き、川の流れのように時には濁流となって動いているのである。

 黒田杏子さんの訃報を伝える中日新聞(東京新聞)
 

 車いすテニス男子の第一人者として今年1月に現役を引退した国枝慎吾さん(39)が17日、首相官邸で国民栄誉賞表彰式に臨んだ。

(3月17日)
 日韓首脳会談が16日、首相官邸で開かれ、11年以上、途絶えていた首脳同士の相互訪問「シャトル外交」の再開で一致。外務、防衛当局による安保対話の早期再開も確認。日本政府は韓国への半導体関連材料の輸出規制強化を解除すると発表した。WBC日本代表が16日、東京ドームでイタリアと準々決勝を戦い、9-3で快勝。5大会連続での4強入りを果たした。ほかに気になるのは【袴田さん再審特別抗告へ 高検検討、最高裁改めて判断】(17日付、中日1面見出し)。
 NHKラジオの朝の番組「ラジルラボで新しい出会いと発見を」が本日でなくなる、とのこと。この番組は、亡き妻たつ江(伊神舞子)が毎日楽しみにして、自ら立ち上げたリサイクルショップ「ミヌエット」店内で、いつも聴いていた番組だけに、なんだか惜しい気がする。

 岐阜地方気象台がきのう16日に岐阜市で桜が開花した、と発表。平年より9日早く、1989年、2021年と並んで観測史上、最も早い開花となったという。
 それはそうと、愛知県警一宮署が昨日発表したニセ電話詐欺事件には驚いた。一宮市内に住む80代の無職女性が1月下旬から今月中旬にかけてニセ電話詐欺に遭い、計3780万円をだまし取られたというのだ。調べによると、女性は1月28日に携帯電話に「利用料金について確認事項がある、とのメールを受け記載された電話番号に連絡したところ、通信事業者を名乗る男から「料金が未払いになっている」と言われ、2月1日までに複数回、電子マネーを購入させられ、130万円分の利用券を詐取されたあげく、さらに2月6~8日にかけ同じ男からこんどは「あなたの携帯電話番号が流出する事件が起き、被害届が出てます」などといった電話を受け、3月11日までに6回、現金計3650万円を指定された住所に郵送、だまし取られた。その後、男と連絡が取れなくなり警察に届け出たという。この世の中には悪い人間がいっぱいいる。ああ~

 悪いヤツと言えば、だ。ほかには、警視庁捜査2課が16日、インターネットの動画投稿サイトで俳優らを脅迫したなどとして暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉棄損などの疑いで前参議院議員で政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)に対する逮捕状を取った。

(3月16日)
 北朝鮮が16日午前7時9分ごろ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を日本海へ発射。防衛省は約70分飛行して北海道・渡島大橋の西方約200㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される-と発表。この日は午後、首相官邸で岸田文雄首相と尹錫悦(ヨンソンニョル)韓国大統領との日韓首脳会談が行われることもあって、北朝鮮の脅威を念頭に安全保障協力を強める日韓への対抗姿勢を示す意図もあるとみられている。

(3月15日)
 水曜日。きょうは、一昨年の10月15日に旅立った舞の月命日である。悲しさには限りがないことをしみじみ思う。

 本日付の中日新聞によれば、第565回中日懇話会が14日、名古屋市内であり、俳人の黛まどかさんが「HaiKu for Peace  平和への一句」と題して講演。外国語の短い三行詩が「俳句」と呼ばれ、海外で普及していることを解説。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに世界から句を募集した自身の取り組みを紹介した、という。

 参院は15日の本会議で国会欠席を続け、議場での陳謝の懲罰も拒否した「政治家女子48党」のガーシー議員に対し、最も重い除名の懲罰を科すことを出席議員の3分の2以上の賛成で決定。尾辻秀久参院議長が除名を宣告。ガーシー氏は議員の資格を失った。現行憲法下で国会議員が除名されるのは1951年いらい72年ぶりで3例目。国会欠席を主な理由とするのは初めて。

(3月14)
 気象庁がこの日、東京都心部で桜(ソメイヨシノ)が開花した、と発表。2020、2021年と並んで観測史上、最も早い開花で昨年より6日、平年より10日早かった。

 けさのニュースは、やはり1966年に静岡県清水市で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求の差し戻し審で東京高裁(大善文男裁判長)が13日に検察側の即時抗告を退け(棄却して)、再審の開始を認める決定を下したことである。新聞各紙は【袴田さん再審認める 犯行着衣「捜査側捏造疑い」 東京高裁差し戻し審】(中日14日付朝刊)などと報じている。
 今ひとつは、ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの死で、こちらも【大江健三郎さん死去 88歳 ノーベル文学賞、九条の会 護憲、反原発声上げ続け】【文学、社会向き合い 大江健三郎さん悼む声 被爆者「精神的支柱だった」 世界に向け発進 後進作家へ影響】(中日14日付)などと報じていた。

 そして。何よりも私たちに身近なニュースと言えば、だ。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日にいよいよ、「5類」へ移行するのを前に感染対策のマスク着用ルールが緩和され、きのう13日から着用の判断が原則個人に委ねられるようになった-ということである。
 いわば2023年3月13日は【脱マスク】初日で、マスク着用の判断が原則、個人に委ねられるようになった、まさにその日なのである。とはいえ、けさの報道は、【「脱マスク」初日 様子見多く 東海の鉄道や百貨店「周りの目」ある】といったもので、以前のような<脱マスク社会>が定着するまでは、なおしばらくの時がかかりそうである。

2023年3月13日
 月曜日。新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールの緩和で、この日から日本の各地で〝脱マスクの日常化〟が始まった。デ、夕刊は、やはりマスク、マスク、マスクについての満載である。中日夕刊が【素顔の日常 でもやっぱり… マスク「個人判断」はじまりの朝 名駅は見慣れた風景】なら、毎日夕刊も【マスク変わらぬ非日常 「個人の判断」スタート】【首相は変化 外して官邸入り 予算委閣僚らも】といった見出しだった。
 ほかには、将棋の藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖、愛知県瀬戸市=に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負の第六局が11、12日に佐賀県上峰町で指され、後手番の藤井王将が八十八手で勝ち、シリーズ成績を四勝二敗として初防衛に成功。国際宇宙ステーション(ISS)滞在を終えた若田光一飛行士(59)が11日夜(日本時間12日午前)、米国とロシアの飛行士計3人とともにスペースXの宇宙船クルードドラゴンで米フロリダ州沖に着氷し、無事帰還した。

 よい話ばかりでもない。
 ノーベル文学賞作家で2004年に憲法9条の堅持を求める「九条の会」呼びかけ人にもなった大江健三郎さんが今月3日未明、老衰のため亡くなった。88歳だった。また女性で初めて参議院議長を務め、国土交通大臣などを歴任した扇千景さんも9日にがんのため東京都内の病院で亡くなった。89歳だった。

 ほかには、名古屋ウィメンズマラソン2023(日本陸上競技連盟、中日新聞社主催)が昨12日に名古屋市東区のバンテリンドーム名古屋発着で行われ豊橋市出身で2021年東京五輪代表の鈴木亜由子(31)=日本郵政グループ=が2時間21分52秒の自己最高記録で日本勢最高の2位に入り、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。1位は2019年世界選手権(ドーハ)金メダルのケニア、ルース・チェブンゲティッチ(28)が2時間18分8秒で2連覇を達成。同東京五輪代表の前田穂南(26)も自己新記録の2時間22分32秒で3位となり、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。
    ※    ※

    ☆    ☆
 きょうは正直いって、新聞休刊日で朝刊がなくて、ホッとしている。朝刊がくると、しっかり納得いくまで読むのに結構な時間がかかる。だからだ。

 午前10時過ぎ。いま。私のデスクの下、ミニ電気ストーブの上にはかわいいシロちゃんがチョコンと座っている。シロは私に語りかける。「でも、だいぶ暖かくなってきたよね。オトン、良い原稿を書いてよね」と。

 私の傍から離れない愛猫シロちゃん
 

(3月12日)
 日曜日。名古屋へ。
 名古屋市内の愛知芸術文化センター12階アートスペースE・F教室で開かれた中部ペンクラブ主催の【公開セミナー「同人雑誌と共に50年」 講師は「じゅん文学」主宰で作家の戸田鎮子さん】を聞くために、である。「じゅん文学」といえば、東海地方と言わず、全国的にも、その内容は傑出、戦後最初の芥川賞作家小谷剛さんの血を引く全国に誇る同人誌といっても良かっただけに昨年12月の110号で終了するまで28年間、長きにわたって主宰をしてこられた戸田さんには、頭が下がる。
 そして。戸田さんといえば、である。かつて私が新聞社の編集局デスク長(サンデー版と特報面)だったころ中日新聞夕刊で2005年2月~6月にわたって【同人誌 その土俵】の連載を書くに当たっても、お世話になった。それだけに、戸田さんの講演は何をさておいても聞いておく必要がある、と。そう思って出かけたのである。講演後。もし時間があれば、東海地方の同人雑誌界の現況とこれまでの経緯について多々、お聴きしたくもあったが、きょうのところは控えた。
 会場には、「じゅん文学」の同人で、社の大先輩でもある藤沢さん、さらにはかつての同僚記者の奥さまにも思いがけず、お会い出来、足を運んで良かったーと思った。本当をいえば、新聞小説の出来の良しあしなどについて戸田さんの見解をお聞きしたいことは山ほどあったが、きょうのところは邪魔になってもいけないと判断し自らの口を封じた。機会があれば、またお聞きすることは出来るだろう。

「鬼のすみかみたいで厳しかった」。自ら育てた〝じゅん文学〟の足跡について感慨を込め話す戸田鎮子さん
 
 
(3月11日)
 土曜日。
 死者・行方不明者(関連死含む)が2万2212人と戦後最悪の自然災害・東日本大震災からきょう11日で12年。十三回忌を迎えた。警察庁によると、死者が1万5900人、行方不明者は2523人。死者のうち53人は遺体こそ見つかったが、今も身元はわかってはいない。ほかに震災や原発事故に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなった関連死が3789人、自殺者も248人に及ぶという。
 そして。東電福島第一原発事故による福島県の帰還困難区域は、一部で避難指示が解除されたものの東京23区の半分ほどの面積、約322平方㌔にも及び、避難者となると全国各地に3万1000に及んでいる。

 東日本大震災と大震災発生直後に起きた不幸極まりない福島第一原発事故の発生。大地震と原発事故発生というダブルパンチがほぼ同時に人間社会を襲った2011年から数年間というもの、私は毎年のように塩屋埼灯台でも知られる「いわき市」はじめ、隣の楢葉町、広野町、ほかに仙台市、多賀町、名取町、南相馬市、山元町、そして浪江、双葉、大熊、富岡の各町、さらには飯舘村まで被災した各地を何回となく訪れ、現地のありのままの状況を本紙「熱砂」などでそのつど、紹介してもきた(詳しくは本欄の毎年の3~4月を中心に読んで頂けたらよい)。年々、大きくなっていく嵩上げ護岸堤、年々、見違えるほどに復興してゆく被災地などをこの目で追ってきただけに、どうしようもない寂しさと消えぬ哀愁は今も変わりない。

 これは、塩屋埼灯台近くの嵩上げが終わった地区での話だが。ある日、一頭の野良犬がどこまでも私に近づいて歩いてついてきた。出来たばかりの護岸堤横の見事に整地されたかつての被害現場で、頭をこすりつけ「ここまで、復興したんだけれど。ボクにはよく分からない。大震災以前の方が、海がいつも見えてよかった」とでも訴えるように、何度も何度も頭をこすりつけてきた時には、涙が出て止まらなかったが、そうした日もあった。
 
(3月10日)
 東日本大震災に襲われた3・11からあすで丸12年である。

 というわけで、新聞紙面は【東日本大震災あす12年 住宅移転先3割が浸水域 昨年公表の津波想定受け 2523人依然不明】【コロナ収束傾向 今後は 専門家「反転増も」現場「次に備え」】【WBC日本白星発進 1次リーグ中国戦 大谷「二刀流」】(10日付、中日朝刊)【日韓首脳関係改善一致へ 尹氏来日 16日会談 シャトル外交再開調整】【侍好発進 初戦、中国に大勝 大谷近づく「世界一」の夢】【ワクチン支援縮小 新型コロナ 政府「5類」移行で】【藤井、名人挑戦 最年少懸け】(10日付、毎日朝刊)といった具合だ。

 私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイも早や39回目に。「熱砂」同人にとっては、他に誇るコーナーと言っても良いコーナーだけに、毎回切り口に悩む。今回は妻たつ江(伊神舞子)亡きあとの食事のことをただひたすらに心配してくれていた母の私への思い、言葉に焦点をあて書いてみた。引き続いて、黒宮涼、伊吹、牧すすむの各氏の個性あふれるエッセイが登場するだけに、読者のみなさまにはぜひとも読んで頂き、それぞれの人生と重ね合わせて頂けたら、と願う。

 きょうは、週に一度の社交ダンスのレッスン日。なので、午前中、あれやこれやとすべきことをこなしたうえ、一宮スポーツ文化センターへ。社交ダンスを続けることは、舞から私への遺言だけに、どんなに忙しかろうが、レッスンを欠席するわけにはいかない。幸い、一時、入院手術に耐えられていた若先生の両足も順調に回復してきたーとのことで、きょうはしばしば、共に組んでいただいての個人レッスンとあいなった。
 昨年来、続けてきたタンゴをほぼ克服したので、きょうからは他のレッスン仲間とともに新しい、ブロンズ級ワルツのレッスンが始まった。つくづく思うに、わたしがこうして元気でいられるのも舞の至言「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けてよね。わかった。大丈夫だよね」のおかげか。つくづく感謝している(おかげで私は恥ずかしながらも、今ではモダン・ラテンとも愛知県インターナショナルダンス教師協会の一級合格証を所持している)。

 社交ダンスを終え帰宅すると、ポストに県立神奈川近代文学館館長から1枚の丁重なるはがきが舞い込んでいた。【伊神舞子著『泣かんとこ』 左記の貴重な資料を県立神奈川近代文学館に御寄贈いただきまして誠にありがとうございました。御寄贈いただきました資料は、県と神奈川文学振興会が責任をもって有効に活用させていただきます。 令和五年三月七日】という内容だった。私は、この丁重なる一枚の礼状を、さっそく舞の仏の前に供え「ありがたいことだよね。感謝しよう」と呼びかけた。

 中日新聞の10日付夕刊<あの人に迫る>に【食と環境のため 「守りの農業」で 佐々木正 有機農業の担い手育成】の記事。この世には、立派な方々がいっぱい、おいでだ。

(3月9日)
 木曜日。野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表がこの日、東京ドームでの一次リーグB組初戦で中国に8-1で快勝。大谷翔平(エンゼルス)は二刀流として「三番・投手兼指名打者(DH)」で先発、4回を投げ無四球の1安打無失点で5三振を奪い、勝利投手に。打では2点二塁打を含む2安打2四球で、白星発進に貢献した。

 この日はBSの日テレ(4チャンネル)で【三宅裕司さんの『ふるさと探訪』】が放映された。私が住む江南の名物あれこれが紹介されたが、<いつでもあつあつの しげちゃんのコロッケ>をはじめ、ずっと目が合う<永正寺の仏像(永正八方釈迦如来)さんの特別参拝><布袋の大仏さん><すき焼きモーニング>と、どれも見ごたえがあり、なかなかよい企画であった。
 三宅裕司さんの人間性もとてもよく、これで江南の株はひとつ上にいったか。そして。私は、何よりも、これら秘話の紹介を番組に投稿されたという愛知県江南市、石井悦子さんを称えたく思うのである。かつての武将、織田信長はじめ木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)らが飛び回っていたこの街には、信長との間に3人の子をもうけた吉乃の存在などまだまだ偉大な秘話が隠されている。三宅さんには、これを機会に、そのことも知ってほしく思う。いい番組であった。

 ずっと目があう永正寺の仏像
 

 説明に当たる永正寺の中村建岳住職
 

 布袋の大仏さま
 

(3月8日)
 この世は毎日、いろいろ変わる。鬼になれば、仏にだってなる。一昨年の秋に彼岸に旅立ったおまえ。すなわち、たつ江、舞の住む世の中はどうですか。元気でいますか。こちらは、もう春。【今は、もう春】ですよ。そう。氷が融けて春になったのです。
 
 おまえが大切にし続けてくれている愛猫シロちゃん、オーロラレインボーが先ほど天空に飛び立つかのように外に出たので女同士、世界のいろんなことを話し合ってくれたら、私はとても嬉しい(私はおまえが今もオーロラレインボーを愛し続けてくれている本物愛には、とても感謝している)。そういえば、きょう【3月8日】は、国際女性デーだったよね。お空のどこかに浮かんでふたりでいろいろ話していると思うと、そのいじらしい光景が瞼に浮かぶ。きょうは、おまえも知っているピースボートの船友さんから和歌山は白浜の海の写真が送られてきたので、ここに紹介しておきます。おまえは生前、なぜか「和歌山に行きたい。パンダに会いたい」が口癖だったよな。一度、一緒に行こうとしたら、たまたま荒天で急きょ「ならば、これまたおまえが次に行きたい、といっていたフラダンスを見に行こうよ、と急きょ、行き先を東北に変更。それまで私が毎年のように訪れていた東日本大震災の被災地・いわき市に行き私が毎年のように訪れていた被災地のあちこちに一緒に歩いて回り、ついでに湯本温泉に宿泊。翌日、スパリゾートでフラダンスを見たことがあったよな。おまえは、あの時、本当に嬉しく楽しそうだった。

 なんだか随分と変な話になってしまったが。こんどこそ、和歌山に一緒に行こう、と共に誓い合っていた。のに、である。おまえは、そんな矢先に、まるで狙い撃ちでもされるように、病に倒れたのである。
 おかしな話になってしまったが。というわけで、船友さんが旅先から送ってくれた和歌山は白浜からの1枚の海の写真には感激したのである。そして。ほかに嬉しかったといえば、私の誕生日(3月6日)に息子夫妻から送られてきたお菓子。これまた、すばらしい味であり、風雅なデザインであり第一おしゃれであった。おかあさんの仏(静汐院美舞立詠大姉)前にもお供えした。おかあさんは甘党ではなかったが、きっと「おいしい」「おいしい」と喜んで食べてくれたに違いない。

 船友から送られてきた白浜の写真。静かな海と浜辺に、舞と歩いた過ぎし日々を思い出した
 

 息子夫妻から送られてきた風雅で、とてもおしかったお菓子
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 けさの新聞は【政治の男女格差 地域差拡大 首都圏改善 地方低調 きょう国際女性デー】【H3打ち上げ失敗 2段目点火せず 対策、長期化恐れ イプシロンに続き破壊 中部の技術が結集 着火信号に問題か】【放送法解釈巡る資料 総務省文書と認め公表 高市氏、関係箇所は「不正確」】(8日付中日朝刊)【中国(秦剛)外相、米をけん制 初記者会見 露との親密さ誇示】【「焦点」「官邸介入」主張平行線 放送法内部文書公開 政府、存在認め幕引き狙う 制作現場、委縮を懸念】(8日付、毎日朝刊)といったところか。
 それから。参院は8日午前、本会議を開いたが、「議場での陳謝」の懲罰を受けていたNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員は欠席し、尾辻秀久参院議長は再び懲罰委員会に付託すると宣告。懲罰委は最も重い「除名」を軸にガーシー氏に対する懲罰を検討することになったという。それにしても、なんとまあお粗末な議員とは、このことを言うのだろう。

(3月7日)
 火曜日。満月。
 春の陽、光りが日に日に大きく近づいてきている。わが妻たつ江、そして。舞は。この広い空のいったい全体どこいらに、いるのか。それに。おまえの大好きなシロちゃん、オーロラレインボーは、悲しみを押し殺して、きょうも先ほど外にでかけた。まもなくおまえのところに行くだろうから。待っていてほしい。
    ※    ※

 韓国政府が昨日、元徴用工訴訟問題で日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする解決策を正式発表。岸田首相は記者団に「植民地支配への痛切な反省と心からのおわびを明記した日韓共同宣言の継承を表明。このところ悪化していた両国関係が両政府の事実上の合意で大きく前進。両国とも尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田首相との会談調整に入ったという。お隣りさん同士、日韓が仲良くしていくことはとても良いことであり、私としては大歓迎である。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表チームが6日、京セラドーム大阪で阪神との強化試合に臨み、日本代表チームに合流後、初めて実戦出場した大谷(エンゼルス)が三、五回に2打席連続で3ランを放ち3打数2安打6打点と活躍し8―1で阪神に大勝した。私としては、あのヤクルトの村上にも胸のすくようなジャンボホームランを打ってほしかったのだが。彼のことである。そのうちに打つだろう。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、新型主力機H3ロケット初号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射したが、2段目のエンジンの着火が確認されず、地上から指令破壊の信号が出され、搭載した地球観測衛星「だいち3号」は予定の軌道に打ち上げられず、失敗に終わった。初号機は2月17日にも電源系統の異常を検知して補助の固体ロケットブースターの着火が止まるトラブルがあり、発射を直前に中止していた。JAXAは、その後異常を解消できたとして予備期間である3月10日までの発射をめざしていた。

(3月6日)
 3月6日。啓蟄。恥ずかしながら、私の誕生日である。
 愛知県公安委員会から先月22日に愛知県警江南署で受けた認知機能検査の【結果通知書】なるものが誕生日にあわせるように届いた。【36点以上で「認知症のおそれがある」基準には該当しませんでした。】というものだった。そして通知書には「今回の結果は、記憶力、判断力の低下がないことを意味するものではありません。個人差はありますが、加齢により認知機能や身体機能が変化することから、自分自身の状態を常に自覚して、それに応じた運転をすることが大切です。記憶力・判断力が低下すると、信号無視や一時不停止の違反をしたり、進路変更の合図が遅れたりする傾向がみられますので、今後の運転について十分注意してください。 令和5年2月22日 愛知県公安委員会」とも書かれていた。
 あ~あ、そんな年代になってしまったのか。そう思うと、なんだか悲しくて泣けてくる。

 トルコ南部のアンタキヤ発の共同電によると、トルコ・シリア大地震の発生から6日で1カ月。両国で計5万2000人以上の犠牲者を出した歴史的な震災となり、現地は多数の被災者の生活再建や継続的な支援、インフラ復旧など課題が山積しており、復興への道のりは長いという。
 そういえば、昨夜と前夜の二度にわたって放映されたNHKスペシャルの【南海トラフ巨大地震▽日本襲う最悪シナリオ〝揺れ・津波・火災〟ドラマ森沢家の運命は】と【南海トラフ巨大地震▽30年以内にM8級が? 未曽有の過酷シナリオ激震・津波▽命を守るために今できることは】は、こんご生きていくうえで貴重な道標になるともいえよう。
 中国の全国人民代表大会(全人代、国会)が5日、北京の人民大会堂で開幕。李克強首相は今年の経済成長目標を前年より0・5%低い「5%前後」に設定した。

(3月5日)
 土曜日。午前中、江南市老人福祉センターへ。私が住む街、江南市古知野町花霞町内会の令和4年度第2回定時役員総会に評議員として出席するためで、4年度の花霞町内活動報告&決算、5年度の町内会役員の選任、花霞の町内会規約の一部変更の3案につき、それぞれ担当者から説明があり、いずれも原案通り承認、可決とあいなった。この日は、子ども会はじめ安全見守り隊、むつみ会(老人クラブ)の活動報告もあったが、どれも立派な内容で感心したのである。

 中日新聞(東京新聞)伝統の見開き展開のサンデー版大図解は、【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】というもので、総合リードは「東京電力福島第一原発事故から間もなく12年を迎えます。事故収束作業は放射線量の高い原子炉周りが多くなり、より一層難しさを増してきました。周辺の被災地では、帰還は困難とされてきた地域でも避難指示解除の動きが強まっていますが、いったん破壊された地域の再生は容易ではありません。原発周辺の貯蔵施設に集約された膨大な汚染土をどうするのか、重い課題もあります。最新の状況を最新の画像やデータをまじえてお伝えします。」というもので、大熊町、飯舘村、浪江町、富岡町、双葉町、葛尾村と地域別、年代別に再生の道を歩む現状について地図と写真入りでわかりやすい紙面内容となっていた。
 サンデー版といえばかつて私自身、長年サンデー版デスク長(特報デスク長と兼任)として5年ほど携わり、300文字小説のコーナーも設けたが、その300文字小説のコーナーが26日付サンデー版でいよいよ終了する-との告知には少し残念な気がしたことも事実だ。でも、読者の1人ひとりが、その人の宝石としてそれぞれの思いを300文字に託すことは自由なのである。1人ひとりが、これからも300の文字にそれぞれの思いを託していくことは可能かと思う。

 3月5日付中日新聞(東京新聞)のサンデー版大図解【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】
 
 

 ほかには、各本紙で【全人代2023 きょう開幕 習体制3期目本格始動 首相に側近李強氏就任へ】(5日付毎日)【「奇跡の救出」僕の後悔 津波警報避難せず流され 「失敗伝えたい」語り部に 東日本大震災12年】(5日付中日)といったところか。

2023年3月4日
 石川県能登半島は七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から届いたお花も加わり、わが家は舞(伊神たつ江。静汐院美舞立詠大姉)の1階仏壇=ここには、昨年101歳で亡くなったおふくろ伊神千代子の写真も一緒に供えられている=はじめ、1、2階の遺影の前など、どこもかしこも花でいっぱいである。息子ばかりか、舞にかわいがられていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)までが花の手入れなど、あれやこれやと助けてくれている。

 わが家はどこもかしこも花で満たされている
 

 

 シロも桃の節句気分
 

 中日新聞の朝刊は原子力規制委員会が3日に開いた北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の再稼働の前提となる新しい規制基準への適合審査会の会合で「敷地内に活断層はない」とする北電の主張が妥当だというもので、2016年に「活断層の可能性を否定できない」とした規制委の有識者調査団の判断が覆り、再稼働に向けた一歩となったと報じるものだった。というわけで、見出しは【志賀原発「活断層なし」 規制委、従来の判断覆す】(4日付、中日新聞朝刊)というものだったが、自然災害はいつやってくるかは分からない。これを信じてよいものかどうか。難しいところだ。

 もう30年以上前になるが、志賀原発の誕生に当たって北陸電力の招きで現地視察をした際、地元マスコミの代表として志賀原発本体の電源スイッチを初めて押した私(あの日は能登半島にとって歴史的な日であり、少し緊張した)としては、その後ここまで安全が保たれてきた以上、今となってはこのまま安全が永遠に保たれることを願うほかない。
 あのころは、新聞社本社からの手配で能登半島の各支局、通信局部に点在する各記者にヨウ素剤が大量に送られてきたほか、現地でも独自に確保するように-と再三の指示があるなど、まさに有事に備えて緊迫、戦々恐々としていた。
 そして。いつ訪れるか知れない原発事故による放射能汚染に備え、ヨウ素剤の確保を本社サイドから現地に再三にわたって要請してきたばかりか、本社からもヨウ素剤を各支局、通信局部に送ってくるなど連日、本当にピリピリし、大変だったことをしっかり、覚えている。幸い、あの日以降、放射能漏れなどの事故は起きてはいない。能登の美しい山や川、海が放射能で汚染されることを思ったら泣くに泣けないのは昔も今も変わらないのである。

 このほかのニュースといえば、だ。【名古屋で SHOW TIME WBC壮行試合】というもので、WBC日本代表が3日、バンテリンドームナゴヤ(名古屋市東区)で中日ドラゴンズとの壮行試合に臨んだことか。この日、チームに合流した米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(28)は試合前の選手紹介で「JAPAN」のユニホームを着て登場。満員の観客席から大きな拍手と歓声が湧きあがったという(試合の方はドラゴンズが7-2で勝った)。
 一方で【中1が同級生切り付け 広島の校内「誰でもよかった」】【「幼い頃から人殺したかった」 埼玉切り付け、少年供述】(4日付中日見出し)といった殺伐とした事件が多い。ジャズ界の巨匠として知られた米サックス奏者で作曲家のウェイン・ショーターさんが2日、西部カリフォルニア州ロサンゼルスの病院で死去。89歳だった。死因は明らかにされていないという。

    ※    ※
【「僕は全然関係ない」 容疑者、知人に関与否定 タリウム殺人】とは、毎日新聞の4日付夕刊。ほかに【クフ王のピラミッドで未知の空間見つかる。古代文明の謎を解き明かす鍵になるか。 ☆ 事実の解明が欠かせぬ。安倍政権下での放送法の「解釈変更」に、政治的圧力があったとする文書が明るみに。 ☆ 志賀原発直下の断層を巡り、原子力規制委が「活断層ではない」とする北陸電の主張を了承。7年前の判断覆る。】とは、同日付毎日夕刊の近事片々氏。

(3月3日)
 今井さんから届いた大きなお花。さっそく遺影前に運んで「今井さんからだよ」とその旨を伝える
 

 本欄でも既に紹介させては頂いたが、懐かしい人、能登半島七尾市の今井富夫さんからの1本の電話はきのう突然、かかった。
「桃の節句で、あすはお雛さまだから、奥さんに」と昨日、七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から入った電話のとおり、これ以上はないといってよいほど立派かつジャンボなお花が、今は亡きたつ江(舞子)の霊前に送られてきたのである。
 今井さんが、北陸中日新聞の能登版でわが妻(本名はたつ江)の伊神舞子俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】の存在を知ったためで「いがみさん。気イ落とさんで。あすは桃の節句。おひなさまなので奥さまに、と思って花を送らせてもらうから」との言葉どおり、きょうの朝早く立派な花がわが家に届いたのである。私は、すぐ近くのクロネコヤマトの営業所を訪れ、妻の遺稿集を宅急便で能登七尾あてに出させて頂いたのである。
 今井さんとは、<みかんの花咲く丘>の作詞者加藤省吾さんはじめ、能登七尾湾で七尾JCの求めに応じ【能登の夢】を作詞した森繁久彌さん、ほかに港の町づくりに先頭になって突き進んだ当時のJCメンバー、そして加賀屋の小田禎彦さんのことなど。共に若い血をたぎらせた日々が忘れられないのである。

 きょうはそんなわけで。ほかに歯医者さんでの定期的な清浄治療、午後の社交ダンスレッスン……と、まる一日、ちょっとした大車輪の一日になったのである。

(3月2日)
 3月の声を聞き、どこかウキウキするのは、なぜか。
 戸外からはスズメなど鳥たちの鳴き声が聴こえてくる。たつ江(伊神舞子)が健在だったころにはおひなさまが近づくと、玄関入り口の靴入れの上や彼女の部屋のデスクの一角などに、どこから手に入れてくるのか。紙製で簡易ではあるが、きらびやかなミニ雛壇飾りをかざっていたのが懐かしい。
 あのとき。せめて本格的な雛人形のひとつやふたつでも買ってきてどこかに飾っておけば、それはそれで「きっと。それだけで喜んだはずなのに」と、今になって深く、つくづく悪かったナと反省している。舞はそういうことには敏感な女性であった。
 言い訳になってしまうが、わが家は5人家族で私と3人の息子以外に女性は舞(たつ江)と愛猫シロちゃん、すなわちオーロラレインボーだけ(シロちゃんは今も私と元気に過ごしている)。それだけに、26歳で20歳の彼女と一緒になって以降、ただの一度もおひなさまを飾ってやれなかった大失態を今ごろになって深く反省。悔やまれて仕方がないのである。

 午後。七尾のお花屋さん「花正」の今井富夫さんから思いがけず、留守電に電話が入る。折り返すと「奥さんの俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】を読ませてもらった。あすは、ひな祭りなので花を送ろう、と。そう思って」とのことば。今井さんは、今から30数年前、私が新聞社の七尾支局に支局長として在任中の七尾青年会議所理事長で、ともに♪海を感じる心を国内外に発信しようーと新聞社と共催による「海の詩(うた)公募」事業を進めたいわば同志、かつての仲間だといってもよい。そればかりか、当時、市民運動として開花しつつあった【港の町づくり運動】の先頭に立ち、七尾港フィッシャーマンズワーフ誕生に大いに貢献したJCメンバーのリーダーのひとり、中心人物でもあった。
 いわば、同志的存在だったと言ってもいい、その今井さんから思いもかけていなかった電話が入ったのである。今井さん曰く。「北陸中日新聞の能登版で伊神さんと奥さんの本【泣かんとこ】を読ませて頂いたが、あすはひな祭りなので花を贈らせてもらおうと思うて」と昔のままの声が耳に飛び込んできたのである。「(当時のJC仲間である)さたみ(佐田味さん)から教えてもらい、読ませてもろうた」というのである。思いがけない電話とありがたさで私の目は、みるみる涙に潤み、沈んでいったのである。

2023年3月1日
 3月1日。真っ青な<あお>が、この空に広がっている。
 私たち家族。そして愛猫シロちゃんにとっても、だれよりも大切かつ、愛おしかった妻のたつ江(舞)が元気でいたなら。きょうは満71歳の良き日。誕生日である。というわけで、心から「おめでとう」と大空に向かって話しかけてみる。と、空一面にあの笑顔が浮かび、ニッコリとほほ笑んでくれた、そんな気がした。
(彼女は昭和27年2月29日生まれなので生前、本物の誕生日はいつも4年に1度しかこなかった。というわけで、来年の誕生日がくると、番茶も出花の満18歳になるはずだったのである。それにしても【69歳】、すなわち【17歳と少し】の旅立ちは、私にとっては、あまりにも儚く残念無念であった=彼女は一昨年の2021年10月15日早朝、江南厚生病院緩和病棟病室で見守る私の目の前で息を引き取った=。
 いずれにせよ、舞よ。まい、マイ。おまえは来年の2月29日が来ると、満18歳になるのである。ちなみに伊神たつ江の戸籍上の誕生日は昭和27年2月25日だ。

 誕生日おめでとう。そちらの国はどおですか。舞の御霊にろうそくと線香でお参りする
 

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 3月早々の新聞紙面は、【五輪談合6社7人起訴 電通、組織委元次長ら 東京地検 独禁法違反 捜査終結へ】【出生数 初の80万人割れ 22年 推計より約10年早く】【マスク 揺れる卒業式 国「原則不要」、現場はまちまち 感染予防一定の効果】【木曽川導水路 飲用や治水用に 名古屋市長、国に提案】【再審受け入れを大阪高検に要請 日野町事件で弁護団】【準暴力団メンバーか逮捕 ニセ電話詐欺ほう助 岐阜県警・警視庁】(1日付、中日)【月面への第一歩 14年ぶり宇宙飛行士 諏訪さん・米田さん 候補選抜 史上「最難関」突破】【<宗教と子ども> エホバの証人 「輸血拒否指導は虐待」2世支援弁護団会見 幹部「価値観押しつけ疑問】【対局マスクなしOK 13日から将棋連盟 佐藤天九段ら反則負け】【臓器あっせん再逮捕 NPO理事「外国人枠ある」無許可疑い】【阿武町誤給付 会社員有罪 山口地裁判決 詐欺罪を認定】【WBC出場を辞退 野球日本代表の鈴木誠也外野手(28)=米大リーグ、カブス=が左脇腹の張りを訴え、WBC出場を辞退】(1日付、毎日)といったところか。

 そして夕刊はといえば、だ。【3年ぶりWelcome 静岡・清水港にクルーズ船】【就活解禁 説明会始まる 24年卒大学生 今年も売り手市場】【初任給増 新入社員「驚き」 ユニクロ入社式】(1日付中日夕刊)【小中高生自殺512人 最多の見通し】【イランの83.7%濃縮ウラン確認】(1日付毎日夕刊)といった具合である。

 きょうは、扶桑のイーオンで食事をした帰りに、私たち家族の畑<エデンの東>に寄ってみる。毎年、このころになると舞と一緒に畑に寄り、ふたりで梅の花が咲いているかどうかを確かめるのが常だった。ことしも幸い、梅は白い花弁をあちこちで咲かせており、ホッとしたのである。舞が、これら梅の花を見たらどんなにか。喜んだことだろう。満面に笑みをたたえ、季節感あふれる一句を詠んだに違いない。そう思うと、なんだか無性に彼女のことがかわいそうに思われ、恥ずかしげもなく、またしても涙があふれ出るのである。「あなたは、どんな修羅場も歩んできたはずなのに。ほんとに弱っちいんだから。泣いてなんかいちゃダメよ」と舞の声が聴こえてくる。

 <エデンの東>と、白い花を随所で咲かせ始めていたわが家の梅の木