【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2020年12月~)】
2020年12月31日
おおみそか。
NHKによる無観客の紅白歌合戦のあとの【ゆく年くる年】で映し出された比叡山延暦寺の除夜の鐘と新年を迎えた横浜中華街の表情(NHKから)
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令和2年。2020年はコロナで始まり、コロナで終わり、これまでの生活そのものが一変してしまうほど私たちにとっては悲しく、辛い一年だった。
ことし最後の31日。新聞(朝刊)の見出しは「全世界1日60万人感染 コロナ1年死者8割欧米」「大雪厳戒の年越し 菅首相、外出自粛求める」「海没遺骨政府収容へ 戦後75年水葬扱い改め 30万体残る」(毎日)「1.7万人 自宅で年越せず コロナ入院・ホテル療養増加続く」「愛知から音楽界に力を ライブ会場費 県が負担 @国際展示場4月から1年間」「迎春準備油断なく」(中日)といった具合だ。
ここ尾張地方も時折、小雪が舞い、きょうもきのうに続いてとても寒い。
ラジオやテレビのニュースは、東北の日本海側から新潟県、北陸や近畿、中国の山沿いにかけ、年末年始には数年に一度の寒波がやってくる、と報じている。相棒は「朝のうち、ベランダに干しておいた布団が、いつのまにか降り出した小雪で濡れてしまったので、あわてて家の中に入れた」と。晦日であることさえ除けば、きょうもふつうの1日と何ら変わりはないのだが。
ただ、ことしは、それに人間社会を破綻に陥れかねないコロナ禍のなか、増大する一方の感染者の現実、あげくは感染爆発の脅威が人間社会に重く覆いかぶさっている。
午後。NHKのラジオニュースが耳に飛び込んできた。それによると、東京都内で31日に新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、これまでで最も多い1300人余に及んだ、とのこと(その後、都で1337人の感染が確認された。全国では4520人の感染で過去最多。ほかに入院患者は重症者89人を含め、2594人)。ニュースはさらに「12月に入って都内では1日あたり900人台や800人台が相次いでいるが、1日に1000人を超えるのは、31日が初めてで、これまでで最も多かった今月26日の949人をも大幅に上回り、曜日ごとに見ても過去最多を更新するのは17日連続になる」と報じている。
また小池百合子都知事は、この深刻な事態を受け、「宿泊療養の方、そしてご自宅での療養に入る方、保健所と連携・調整しながら進めるよう指示をしたところです」としたうえで「きょう夜はカウントダウンなどもあるかもしれないが、ぜひお控え願いたい。そして静かなお正月をご家族で、ステイホームで過ごしてほしい。年内最後の買い出しなども家族連れで行っていて密になっているところもある。そういったことも含めて、【コロナには年末年始もないということを改めて強く申し上げたい】」と呼びかけた。
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さて。この1年のわが家のニュースであるが。思い出すままここに記録として記しておこう。
▽6月27日、舞が自宅近くの路上で自転車ごと転倒、左大腿骨を骨折。4時間に及ぶ手術とその後のリハビリ入院を経て、強靭な精神力で自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」の再開にこぎつけた。この間、家族をはじめ太田治子さんら多くの友人の心からの励ましに助けられた。
▽科学者の長男がテレビニュースに出演。システムエンジニアの三男坊が、これまでお世話になった社から新天地に替わった。周りの理解があればこそ、である。大垣に住む二男もこれまでどおり、ひと筋ともいえる〝わが道〟をいく姿勢を貫いたようだ。
▽私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」がテーマエッセイの家族を、「熱砂」としては初の電子書籍「テーマエッセイ集・家族編」として出版(1冊99円)。出版に当たっては「熱砂」編集委員黒宮涼さんのひたむきなる情熱とあくなき努力があった。
▽三重県志摩半島の波切灯台を久しぶりに訪れ、志摩通信部時代に大変お世話になった出口武生さんと久しぶりに再会、綾乃夫人とも話しができ、うれしく思った。この日はピースボートの船友にもお会いした。コロナ禍のなか、フェイスシールドやマスク、手袋という異様な姿で社交ダンスのレッスンを続け通し、ブロンズ級のワルツとルンバの練習を重ねた。
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夜。コロナ禍のなか、前代未聞ともいえる無観客によるNHKの紅白歌合戦が行われた。ここに、ここ1年を代表するともいえる名場面、数々のシーンをオムニバス形式として、その一端を写真グラフの記録として残しておこう(NHK総合から。順不同)。
2020年12月30日
つごもりや白猫ボクも顔を出して
二十九日柱時計のネジを巻く
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
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水曜日。ことしも押し迫り、残るは、きょうとあすの2日である。
朝。一番でわが家の裏庭一角に眠る亡き愛猫こすも・ここ、先代の神猫シロちゃんの墓にシロちゃんが見守るなか、相棒の舞が花を供えた。引き続き、私たちは私の父と先の沖縄戦で若き命を落とした私の母の弟が眠る和田霊苑へ、と向かう。そこで手を合わせ、次いで舞の両親が眠る古知野霊苑の順で墓参り。途中、和田霊苑から古知野霊苑に向かう途中に、久しぶりに私たちの畑【エデンの東】にも立ち寄ってみるなどした。
きょうは天気こそ良かったが、風が強く、寒い日で左大腿部の骨折から、ようやく立ち直りつつある舞にとっては、かなりの重労働になったような、そんな気がした。そうは言っても、「行こうよ」と言い出すのは決まって舞の方で私はボデーガードを兼ねた付き添いである。ちょっとハードな行程ではあったが、ふたりにとっては結構、充実した一日となったのである。
わが家の庭の一角にある【こすも・ここと神猫シロの墓】にも花が供えられた
父の墓前に花を供える舞。沖縄戦で散った母の弟の墓前(中央)にも久しぶりに花が。
ことしは辛く厳しい年だった。でも、思いを新たに。また再び【希望という名の道】に向かって歩き始めた舞=<エデンの東>にて。来年も負けないで生きていこうよ
帰宅後しばらく休んだあとは新聞各紙を読んだり、チェックしたあと、文學界や季刊文科、文芸思潮、野村胡堂記念文藝同人雑誌「文芸」など各文芸誌や「北斗」などの同人誌にも目を通して入浴。この後、夕食とあいなったが、志摩の友人から送られてきた猪肉のぼたん鍋は寒い分だけ、おいしく口にしたのである。朝早く、妹がわざわざ届けてくれた大根の味もまた格別で、息子に愛猫シロちゃんも加わって、楽しい夕餉のひとときとなった。
午後10時前。「きょうは、満月よ」の声に2階ベランダに出てみる。上空に鮮やかな満月がきらめいていた。ことしはいろいろ、あった。でも、来年こそ良い年に。そう天に願いを込めた。
上空には満月が。ことしも、あとわずかだ
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新型コロナウイルスによるコロナ禍の猛威は一向に治まりそうにない。感染者はきょう、30日も日本の東京はじめ米ニューヨークやフランスのパリ、英国など世界中で増え続け、もはや世界規模で突き進む感染第三波は留まるころを知らない。いったい、いつになったら感染は止まるのか。このままだと、この先パンデミック、感染爆発が世界各地で同時多発的に起きないとも限らない。
この日臨時の記者会見を開いた東京都の小池百合子知事は都内の新型コロナウイルスの感染状況について「大変厳しく、重要な局面にある。かつてない大きさの第三波が襲いかかってきている。いつ感染爆発が起きても誰が感染してもおかしくない。この年末年始が分水嶺だ。感染は今、こうしている間も拡大の状況にある」と危機感を強調。「年末年始は家で静かに過ごし、忘年会や新年会、会食などは行わないように」と呼びかけた。
感染拡大に伴うこうした危機感は世界各地とて同じで、イギリスの感染者が29日、5万3135人確認され、2日連続で1日あたりの感染者が最多を更新。英国保健当局トップは「極めて心配だ」と事態を憂慮。同国では前日に1日あたりの感染者の報告数が4万人を超えたばかりだけに、一挙に5万を超える感染者が国民を不安に陥れているという。
感染者増は日本の東京も同じだ。東京都は30日午後3時時点の速報値で、これまででは2番目に多い944人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染したことを確認した、と発表。都の基準で集計した30日時点の重症患者は85人となり、ことし5月に緊急事態宣言が解除されたあとでは最も多くなったという。944人は、都内で1日に発表される人数としては今月26日の949人に次いで、2番目に多いという。
ちなみに世界の感染者数は29日午後6時半時点で累計で8134万人に達し、イギリスでは変異コロナウイルスによる新規感染者も増大。南アフリカでも感染者が急増しており、ここ1週間は1日あたり平均1万人前後が新規感染しているという。
岐阜県と岐阜市は29日、県内で新たに10歳未満~90代の男女計74人が新型コロナウイルスに感染したと発表。1日の感染者数としては過去最多。愛知県は29日、感染した65歳以上の高齢者4人が新たに死亡した、と発表。県内の死者は計206人となった。入院中の感染者は28日時点で603人に上り、前日に続き過去最多を更新。
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宮内庁が29日、新年一般参賀に代わる天皇陛下のビデオメッセージを来年1月1日に公表すると明らかにした。陛下のビデオメッセージは令和初となる。宮内庁によると、メッセージは録画で、新年一般参賀で陛下が語られるお言葉を踏まえたものになる。1月1日午前5時半に、宮内庁のホームページにメッセージ動画と全文が掲載される。
名古屋・中村の柳橋中央市場は30日朝、マグロやカズノコなど正月用の食材を求める人たちでにぎわった。ことしは新型コロナウイルスの感染拡大もあってか、人出は例年の3割減に。市場の中核施設で60店が軒を連らねるマルナカ食品センターでは、いつもの年ならとても信じられないマスクとフェースシールドを着けた店員の姿が目立った。
第62回日本レコード大賞(日本作曲家協会など主催)の発表会が30日、東京・渋谷の新国立劇場であり歌手のLiSA(リサ)さん=岐阜県関市出身=が歌ったアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の主題歌「炎(ほむら)」が選ばれた。「すごくうれしい。たくさんの方々に支えていただいたからこそ。ありがとう」とリサさん。
ことし最後の取引となつた30日の東京株式市場の日経平均株価が年末としてはバブル経済期の1989年いらい31年ぶりの高値に。終値は前年末と比べ3787円55銭(16%)高の27444円17銭で2年連続のプラスに。上昇ペースの速さには期待先行の面があるとみられ、警戒感が指摘されているという。
京都市北区の世界遺産・金閣寺で金閣(舎利殿)のこけらぶき屋根のふき替え工事が完了し、報道陣に公開された。2002年いらいのふき替えで屋根の色が18年ぶりに明るさを取り戻した。
フランスの服飾デザイナー、ピエール・カルダンさんが29日、パリ近郊の病院で死去。98歳だった。死因は明らかにされていない。
三重県が29日、伊賀市の養豚場の豚が豚熱(CSF)に感染した、と発表。県内養豚場では2019年7月に、いなべ市で確認されていらい2例目。国内養豚場ではことし、沖縄、群馬、山形に続き4県目となる。
2020年12月28日
師走だよそうだよお茶点てましょう
新薬は白湯に飲みほし日記買う
クリスマスクリームシチューことことと
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
新型コロナウイルスによるコロナ感染の悲劇、コロナ禍が世界も日本も治まりそうにない。こうしたなか、日本国政府は28日、観光支援事業「Go To トラベル」を全国で一時停止した。人びとの往来を抑制し、新型コロナウイルスの感染拡大になんとか歯止めを、との考えだが、感染拡大に伴う年末年始の医療機関の病床逼迫も各地で予断を許さない状況となりつつある。
一体だれが、なぜ。何の理由で。これほどまでに住みにくい社会にしてしまったのか。私には、その【なぜ】が、分からない。突き進む医療崩壊の一方で、このままだと家庭崩壊や職場崩壊、あげくの果てには社会の崩壊までが連鎖的に積み木崩しの如く起きない、とも限らない。ここは、この地上に生きる全ての命の尊厳のためにも踏ん張りどころのような、そんな気がしてならない。
【来る年が、しあわせな1年になりますように】 名駅前の名鉄百貨店前に立つ高さ約6㍍の〝ナナちゃん人形〟 コロナ禍のなか、七福神の「弁財天」に変身した(27日付毎日新聞朝刊から)
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英国で広がっている新型コロナウイルスの変異種の感染者。これと同じ変異種の感染者が日本国内でも初めて確認された、と25日、厚生労働省が発表。英国から到着した10歳未満から60代の男女5人で、うち4人は無症状。いずれも空港検疫で確認後、ホテルに滞在しているという。翌26日には、英国に渡航歴のある東京都在住の30代男性(航空機のパイロット)と渡航歴のない20代女性が英国で広がる新型コロナウイルスの変異種に感染していたことが、さらには27日にも英国から帰国した東京都の50代女性が新たに変異種に感染していたとわかったとそれぞれ発表が相次いだ。変異種はこれまで世界で流行してきたウイルスより感染力が最大70%強いとの分析もあるだけに、気がかりなことである。
また、こうしたなか、政府は28日、各国で広がっている新型コロナウイルスの変異種の国内侵入を防ぐため、全ての国・地域を対象に外国人の新規入国を一時停止とした(来年1月末まで。ただし中国や韓国、タイ、ベトナムなど11の国・地域との間で合意している二国間のビジネス関係者らの往来は引き続き、認める)。
菅義偉首相が25日夜、首相官邸で記者会見。静かな年末年始を送るように、と国民に要請する一方で、緊急事態宣言の再発令には慎重な考えを表明した。首相は「感染対策として最も効果的なのは飲食店の時間短縮である」と強調し、緊急事態宣言を発令しなくとも国民の行動変容は可能だ」とも明言。国民に対しては忘年会や新年会を念頭に「できる限り会合を控えてほしい」と呼びかけた。席上、菅首相は今月14日に自身が東京・銀座のステーキ店で自民党幹部ら7人と会食したことについても「深く反省しており、改めておわびする」と陳謝。新型コロナに関する特別措置法改正についての自らの考えを表明。罰則については政府の新型コロナ政策分科会で早急に検討を進めたい、とも述べた。
東京都が26日、新型コロナウイルスの感染者が24日の888人を上回り、新たに史上最多の949人確認した、と発表。900人台は初めてで、3日連続の800人以上となった。また人工呼吸器か体外式模型人工肺=ECMO(エクモ)=を使用する都基準の重症者数は前日と同じ81人だった。直近の7日間の感染者平均は1日当たり711.4人となり、感染拡大に歯止めがかからない状態がつづいている。
岐阜県の古田肇知事が25日、記者会見。新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が逼迫している、として【医療危機事態宣言】を出した。岐阜県内では1日あたりの新規感染者数が今月23、24日にいずれも過去最多の56人に上った。同知事は1日50人以上が続くと、県内の医療機関で確保している全625床が来月半ばに埋まると説明。「このままいけば、自宅待機者ゼロの堅持が危うい事態になる」と強調している。
トランプ米大統領が27日、議会が承認した新型コロナウイルスの感染拡大に対応する追加経済対策法案に署名し、家計や企業を支援する9000億㌦(約93兆円)の追加対策が成立した。コロナ感染が再拡大するなか、追加策の遅れにより批判が高まるのを警戒したとみられる。
アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の国内興行収入が27日までで324億7000万円に達し、歴代1位になったと配給元の東宝とアニプレックスが28日、発表。それによると、観客動員数は2404万人で、これまで1位だった宮崎駿監督作「千と千尋の神隠し」の316億8000万円を公開約2か月半で超えた。『鬼滅の刃』は公開72日間の26日時点で321億2000万円となり、歴代1位の記録を塗り替えた。
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バドミントンの全日本総合選手権最終日が27日、東京・町田市立総合体育館で各種目の決勝が行われ、シングルス男子は桃田賢斗(NTT東日本)が常山幹太(トナミ運輸)に2―1で逆転勝ちし、3年連続4度目の優勝。桃田は1月に海外遠征先で交通事故に巻き込まれて負傷した後、初の大会参加だった。
フィギュアスケートの全日本選手権最終日が27日、長野市のビッグハットで行われ、女子はショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(トヨタ自動車)がフリーで4回転サルコーを初めて成功させて合計234・24点で2連覇。世界選手権(来年3月・ストックホルム)代表に決まった。この日は、これより先に全日本選手権の男子で5年ぶりに優勝を果たした五輪2大会連続金メダルの羽生結弦(ANA)が報道陣のインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染が収束しないなか、五輪3連覇がかかる2022年北京五輪への心境を吐露。成功例のないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)について「とにかく試合で降りたい」と率直な思いを語った。
トヨタ自動車グループのデンソー(愛知県刈谷市)が世界35カ国・地域にある工場など200拠点での二酸化炭素排出を2035年度までに実質ゼロにする目標を決定。先進国を中心に温室効果ガス排出の実質ゼロに向けた取り組みが活発化するなか、世界中の自動車メーカーに部品を供給する大手サプライヤーとして業界に先駆けた目標を設定することになる。
新型コロナウイルスの感染拡大のなか、年末年始を故郷ですごす人たちの帰省が26日、始まった。愛知県常滑市の中部国際空港は年末の混雑のピークに。利用客は例年より少ないものの、ことしのお盆よりは多かったという。
2025年大阪・関西万博の運営主体である日本国際博覧会協会は25日、事業内容や会場構成に関する「基本計画」を策定し公表。会場を未来社会の「ショーケース」と位置づけ、産官学連携による「共創」で自動運転やロボットといった新技術を導入、次世代社会での実現を目指す。
フォークシンガーの岡林信康さん(74)が23年ぶりとなる全曲書き下ろしの新アルバム「復活の朝」を来年3月3日にリリースすると25日、発表。
2020年12月24日
聖樹の星こんじきに光るべし
冬晴れや飛行機雲の二三本
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
みなさん。メリークリスマス。どんな一夜を過ごしておいででしょうか。
新型コロナウイルスの感染第三波が相変わらず、日本中で留まるところを知らない。東京都は24日、1日としてはこれまでで最も多い888人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認した、と発表。全国で3656人(午後6時現在)が感染、2日連続で過去最多になったという。
東京地検特捜部は24日、安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用補填問題で政治資金規正法違反(不記載)容疑などで告発された安倍氏を嫌疑不十分で不起訴に。一方、政治資金収支報告書に4年分の収支計約3022万円を記載しなかったとして、同法違反罪で後援会代表の配川博之公設第一秘書(61)を略式起訴し、一連の捜査を終結したという。
安倍氏は午後6時から国会内で記者会見を開いて道義的責任を痛感している、と陳謝。これに対し野党は、安倍前首相が不起訴になった件で「安倍氏は国会で虚偽の答弁を繰り返していた」として憲政史上の汚点だと批判。与党からも説明責任を求める声が上がっている。いずれにせよ、【嘘つき首相】だった安倍前首相を明らかに起訴すべきだったのに、だ。これでは鬼の検察の名が泣く。検察はなぜ、これほどまでに、及び腰なのか。どこから入っても強制捜査、逮捕はできたはず、だ。なぜ。なぜなのか。そこが分からない。検察には、やるべきことはピシャリとやるべきだとこの際、声を大にしておきたい。
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きょうはクリスマスイブ。相棒の舞が営むボランティア同然のリサイクルショップ「ミヌエット」では、ここ1カ月間ほど店長の〝熊さん〟がサンタさんの姿となって店頭でお客さんをお出迎え。お店界隈の雰囲気をなごませ、訪れた人々から笑顔でその雄姿を称えられてきた。ただ24日は相棒の体調不良もあってやむなく休業に。私は市内の病院に先の大腿骨骨折手術後の術後診断もかねた診療に彼女を連れて行き、ほとんど一日がかりの各種検査や診療を受け結局、この日の「ミヌエット」はお休みとあいなったのである。
ことしも、雨の日も風の日も店頭でお客さんを出迎え続けた〝熊さん〟と従者
滋賀県境にある三重県菰野町の御在所岳(1212㍍)の山頂一帯で22日、樹氷が観測された。青空の下、木々に張り付き冬の陽に映える樹氷は、何とも言えない美しさでもある。
「今はやるべきことを全てやるしかない」(政府のウイルス感染症対策分科会長・尾身茂さん)。新型コロナウイルスの感染拡大、パンデミックが一向に止まらないなか、日本国内での感染症による累計死者数か22日、とうとう3000人を超えた。12月の死者は既に11月の2倍以上で、増加が著しい。第三波といわれる流行には歯止めがかからず、12月の死者数は既に11月の2倍以上に達したという。
最高裁第3小法廷が22日付で1966年に静岡市(旧静岡県清水市)で一家4人が殺害された袴田事件で死刑が確定し、2014年3月の静岡地裁の再審開始決定で釈放された〝獄外の死刑囚〟袴田厳元被告(84)の特別抗告審で再審開始を認めなかった2018年6月の東京高裁決定を取り消し、審理を高裁に差し戻す決定。「高裁決定は、弁護側が提出した新証拠について審理を尽くしたとは言い難く著しく正義に反する」とした。
23日付中日新聞朝刊に【半沢頭取誕生 三菱UFJ銀13人抜き 原作者・池井戸さんと同期】の見出し。記事は「三菱UFJ銀行が、半沢淳一取締役常務執行役員(55)を頭取に昇格させる人事を固めたーというもので、来年4月に副頭取や専務13人を抜いての登用となるといった内容。記事によれば、半沢氏は「倍返しだ」の〝決めぜりふ〟で知られる「半沢直樹」シリーズの原作者池井戸潤さんと旧三菱銀行(現三菱UFJ銀行)の同期で名前の由来となったとされる人物だという。
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「北酒場」はじめ数々の作詞と小説「長崎ぶらぶら節」で直木賞を得た直木賞作家、なかにし礼さんが23日午前4時過ぎ、心筋梗塞のため東京都内の病院で亡くなった。82歳だった。旧満州(現中国東北部)生まれ。またヒット曲「喝采」の作曲などを手掛けた作詞作曲家の中村泰士さんも20日、肝臓がんのため死去。81歳だった。中村さんは、奈良県出身。
ソフトバンクの柳田悠岐外野手(32)が23日、ペイペイドームで契約更改交渉に臨み4000万増となる年俸6億1000万円プラス出来高払いでサイン。中日ドラゴンズの大野雄大投手(32)が22日、名古屋市東区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億7000万円増の年俸3億円プラス出来高払い5000万円の3年契約でサイン。大野投手は既に今季取得済みの国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することを表明している。阪神が22日、ロッテを自由契約となったチェン・ウェイン投手(35)の獲得を発表。2年契約とみられ、年俸は200万㌦(約2億600万円)。背番号は14に決まった。
神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の切断遺体が見つかった事件で強盗強制性交殺人などの罪に問われ東京地裁立川支部の裁判員裁判で死刑判決を受けた無職白石隆浩被告(30)が21日、弁護人による控訴を取り下げ。これにより、来年1月5日午前零時に死刑が確定する。
2020年12月21日
月曜日。寒い朝だ。風が強い。でも、好天である。このところ顔を見せていなかったオレンジの野良猫と、そのこどもとみられる猫〝こむぎちゃん〟が久しぶりに軒下に顔を見せ、シロが、こ走りに網戸越しに駆け寄る。
東京地検特捜部が安倍晋三前首相の政治団体が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、この日安倍氏本人から任意で事情聴取。ホテル側への補填分約九百万円を含む夕食会の収支不記載について確認したとみられる。安倍氏は関与を否定しているというが、関与否定はありえないことであるばかりか、主催団体の長として不記載を見過ごした責任は重く、過去の政治家による汚職事案と照らし合わせても検察当局はこの際、当然、身柄を確保(逮捕)、または起訴すべきである。検察は徹底的に政界に巣くう膿を出し切るべきではないのか。私が過去に見てきた検事ならば、【安倍逮捕】に踏み切るに違いない。現在の捜査の状況をみている限り、検察は明らかに腰がひけている。
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「今日は冬至の日アットユーマ(あっというま)の一年です! かぼちゃを食べて柚子湯に入り、ラストスパートしたいですね」「木星と土星が南西の空で大接近! 約400年ぶりのイベントを見てみよう(sorae 宇宙へのポータルサイト)」とYahooニュース付きでラインで流してくれたのは、いつも貴重な映像や知らせを送ってくださる社交ダンス仲間、犬山市在住のわが友、Sさんだ。
木星と土星の大接近を報道した中日新聞朝刊「通風筒」(12月22日付)
というわけで、きょう21日は、一年で最も昼が短い冬至。月曜日できのうに続き、相棒の店は、休みである。その舞が早朝、忽然とわが家からいずこかに姿を消し、少しあわてた。デ、彼女のお店など自宅周辺の心当たりをあちこち歩いて探して見て回ったが、どこにもいない。あきらめて帰宅途中、自転車に乗って遠くをソロソロ、そろり、そろ~り、とからだを左右に揺らしながらも、案外としっかりしたハンドルさばきで、わが家に向かう途中の彼女を発見。灯油がなくなってしまったので近くのスタンドまで注文に行っていた、と分かりホッと安心したのである。
それにしても、ここのところは少し体調が優れない彼女だけに、無理は禁物。やめてほしい。私にひと言いってくれたらよいものを。なぜ言わないのか、と叱ろうとしたが、ここは彼女なりの考え、判断があってのことだろうーと思い、控えた。舞のこうした突然の蒸発癖は今に始まらない。志摩半島の浜島漁港突堤で、七尾の能登島パフォーマンスの会場で。サイパンの万歳岬近くで、パリはルーブル博物館で……その他あちらでも、こちらでも。何度も探し、待たされたこととなると数え知れない。いつも、行き先は、だいたい想像はついてはいるのだが。
今回は骨折した左足大腿部の回復途中でもあるだけに、くれぐれも勝手はしないで、注意してほしい。というわけで少し心配したのである(大げさか。)
午後。かつて劇団「小牧はらから」の若きリーダーだった小畠辰彦さんが、出来上がった賀状を手にわが家へ。先に友人から届いた愛媛ミカンを少しだけ、おすそ分けし、代わりに「熱砂」の電子書籍「家族」を一冊でいいから買って読んでください、とお願いする。
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新型コロナウイルスの日本国内の感染者が21日、空港の検疫なども含めて20万人を突破(午後1時現在で20万1人)、10万人を超えたのはことし10月29日で、それから2カ月足らずのうちにさらに10万人が感染したことになる。
2011年3月の東日本大震災で犠牲になった宮城県石巻市の無職阿部清江さん(当時86歳)の遺骨が21日、女川町で親族に引き渡された。発生10年を前に鑑定で身元が分かった。21日午前2時23分ごろ、岩手県で震度5弱の地震が発生。幸い、津波は観測されず、これといった被害もなかった。
英国での新型コロナウイルス変異種の感染急増に伴い、フランスとドイツが20日、英国からの入国停止を決めた。BBCによれば、欧州以外も含め40カ国・地域以上が21日までに英国発の旅客便受け入れの停止などを決定。またロイター通信などの報道によれば、変異種はイタリアやオランダ、デンマーク、南アフリカ、オーストラリアでも確認されており、影響拡大が心配されている。
立憲民主党が21日、「桜を見る会」前夜の夕食会費補填を巡る国会質疑に関し事実と異なるとみられる安倍晋三前首相の答弁が少なくとも118回あったことを明らかにした。自民党の吉川貴盛元農相(70)=衆院北海道2区=が21日、議員辞職する―と表明。体調不良を理由に挙げたが、鶏卵大手「アキタフーズ」グループ元代表からの現金受領疑惑の責任を取ったとみられる。
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政府は21日、一般会計の総額が106兆6097億円となる2021年度予算案を閣議決定。高齢化時代の社会保障費膨大のほか、新型コロナウイルス感染症対策のための予備費5兆円を積んだことで9年連続で過去最大を更新した。
日本でベストセラーとなった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年出版)の著者で米国屈指の知日派で知られたエズラ・ボーゲルさんが20日、マサチューセッツ州ケンブリッジの病院で死去。90歳だった。手術後に急逝したという。
愛知県犬山市の日本モンキーセンターで20日、冬の風物詩「たき火にあたるサル」の公開が始まった。最年長の29歳の雄をはじめ、約40匹のニホンザルがたき火を囲む姿が来年1月末まで土日曜日と祝日にながめられるという。
東京地裁が21日、お笑いコンビ「爆笑問題」の大田光さん(55)が日大芸術学部に裏口入学したとする週刊新潮の記事で名誉を棄損されたとして発行元の新潮社に約3300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、名誉破損を認め、同社に440万円の支払いとインターネット上の記事の削除を命じる判決。
落語家の林家こん平さんが17日午後、誤嚥性肺炎のため死去。77歳だった。新潟県出身。
2020年12月20日
枯芝にサッカーボール蹴る
初氷葉っぱの閉じ込めらるる
初雪やモコモコの犬モコモコや
山を越えきっぱり冬のやってきた
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
日曜日。新型コロナウイルス第三波の感染拡大がなかなか、止まらない。本日付の中日新聞1面は【感染2倍 死者4倍 コロナ直近1週間、11月比】といったショッキングな見出しを打ち、『国内の感染者は十九日、政府が重点的対策を呼びかけた「勝負の三週間」が過ぎた後も増加傾向が止まらない地域があり、累計の感染者は二十万人に迫った。直近の一週間(十二~十八日)の新規感染者は、一日当たりの平均が二千六百五十三人となり「第三波」の流行が本格化した十一月前半(七日~十三日)に比べ二倍に増えた。死者は平均四十一人で同期間の四倍になっており、医療体制が急激に逼迫している状況を反映している』などと報じている。
実際、このところのラジオやテレビのニュースは連日、アナウンサーが口を開けば「新型コロナウイルスの感染者は」といった具合だ。それも東京で、札幌、大阪で、名古屋で、神奈川、埼玉で……と連日のように感染者は過去最多になった、といった内容だ。何だか心身ともに毎日、筆で少しずつ黒く塗りつぶされ、最後は真っ黒にされてしまいそうな、そんな錯覚にさえとらわれる。なぜだろう。
もはや行く末に失望し、生きていく自信を失くした人々の自殺が増えるなか、相変わらず、どこもかしこもマスク姿が常態化、夜の街の繁華街での飲食も各地でそろって9時には閉店にするなど、どこもかしこも目の前にある町という町が日に日に活気を失い、目に見えて色あせていくような、そんな【悲しみ本線日本丸】に落ちぶれてしまったのか。
あゝ、何ということだ。私は思わず、全身に悪寒とどうしようもない倦怠感を感じ、身も心もブルブルと震えるのである。この世の中が、日々大きく不自然に変形し、その分、人間一人ひとりが持ち合わせているスケールの大きなものが、知らない間にちいさな炎になっていってしまうような、そんな違和感に満たされた錯覚さえ覚えるのである。ついこの間までの人々の意気、そして町の活気は一体全体、どこへ吹き飛んでいってしまったのか。私は正直、答えを知らない。
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私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の電子書籍第1号が、同人の第35回テーマエッセイ「家族」を収録して今月18日にとうとう誕生、出版元であるアマゾンからの販売が始まった。この電子書籍化は「熱砂」同人のなかでも若手の黒宮涼さん(編集委員)の情熱と努力、才智が実って完成、「熱砂」のホームページとWhat’s New欄でもさっそく告知された。一冊99円。一人でも多くの方々に購入し読んでいただければ、「熱砂」主宰の私はむろん、同人各位にとっても身に余る光栄だと言ってよい。家族とは、いかなるものか。コロナ禍のなかを、ひたむきに生きてゆく私たち人間社会の苦悩は無論のこと、新しい明るく幸せな時代を切り開く、私たちの〈希望の道〉を感じとって頂ければ、うれしい。
そして今ひとつは、このところ少し間隔があった私の物語【虹猫・コロナ猫 シロは何でも知っている】の続編〈第3部 5.エーデルワイスの調べ〉もつい先日、18日に本紙【WORLD WINDOW―世界の窓―】欄で公開したので、ぜひ読んで頂けたら、と願う。読んで私たちとともに、このコロナ禍のなかを生きてゆく猫ちゃんたちの純な気持ちを感じとって頂ければ、幸いである。
夜。NHKの【麒麟がくる「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」】、同NHKスペシャル「パンデミック激動世界 国産ワクチンの苦闘! 日本の科学の実力は? 科学立国への道を問う」を見て、いろいろ考えさせられた。
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米食品医薬品局(FDA)が18日、米バイオテクノロジー企業「モデルナ」が開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの緊急使用を許可。数日中に全米に最初の590万回分が発送され、接種が始まるという。米国で新型コロナワクチンが実用化するのは、14日に接種が始まった米製薬大手ファイザーなどが開発した感染症ワクチンに続き2例目。ファイザーのワクチン接種については、ワクチン接種後にアレルギー反応を示したとの報告が5件ほどあり、調査中だという。
英国政府が20日、新型コロナウイルスの変異種によって感染が急拡大した、としてロンドンを含むイングランド南東部での規制を強化。事実上の都市封鎖(ロックダウン)とした。変異種は、従来のウイルスより感染しやすい恐れがあるという。愛知県の大村秀章知事が20日、全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部の会議で「行動の自粛、県をまたぐ移動、帰省を控えるようメッセージを発する」と述べた。
全国高校駅伝が20日、京都市のたけびしスタジアム京都発着コースで行われ、第71回の男子(7区間、42・195㌔)、第32回の女子(5区間、21・0975㌔)はともに世羅(広島)が2015年いらいの頂点に。5年ぶりの男女制覇を果たした。
芸どころ名古屋の顔的存在ともいえ、中日文化賞の受賞者でもある日舞の西川流三世家元・西川右近さんが12日、急性心不全で亡くなった。81歳だった。一門による「西川流葬」が行われるが日取りなどは未定だという。喪主は長男で4代目家元の西川千雅さん。
群馬、新潟、山形、岩手県などでわずか3日間に積雪2㍍の大雪に。このうち新潟、群馬県境付近の関越自動車道では上り、下り線に最大約2100台が立ち往生、19日になり全ての通行止めを解除した。秋田県湯沢市の稲川スキー場では児童ら小中生44人が一時、スキー場に孤立。
米経済誌フォーブスが18日、ユーチューバーのことしのランキングを発表。昨年6月からの1年間で推定2950万㌦(約30億5000万円)を得た米国在住のライアン・カジくん(9つ)が3年連続で1位に。カジくんの父親は福島県出身の日本人で、カジくんはおもちゃのレビュー動画などを投稿、4170万人のチャンネル登録者を抱え、動画再生回数は計122億回に上ったという。
俳優の松平健さん(67)さんが新型コロナウイルスに感染。
2020年12月14日
ビー玉に透かす双子座ながれ星
ボール蹴るたくましおねこに冬の風
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
きのうの13日夜遅く。午後11時ごろ。私は自宅2階ベランダで頭上を走って消えたふたご座流星群のながれ星を見た。あっ、と思わず声をあげる、そのせつな。流星は力強い光りの帯、ながぼそい火の玉となって暗い天空を左方向から右へと力強く、一気に走り去った。その瞬間、私の目は確かに流星をとらえたのである。
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、政府はこの日(14日)、全国一斉にGoToトラベルの一時停止を行うことを決めた。専門家や医師会らが一時停止を求めるなか、政府の新型コロナウイルス対策本部で菅義偉首相が表明。今月28日から1月11日までの措置だという。菅首相は「現時点で全国の感染者数は高止まりの傾向が続き、感染拡大地域が広がりつつあり、最前線で対応に当たる医療従事者の負担が増している」とも述べた。
このうち医師や看護師ら医療従事者の現況はかなり厳しいものがある。それだけに、一刻も早い対応が望まれていることも事実だ。
ドイツでは先週1日当たりの新規感染者が3万人に迫り、死者も598人といずれも最多を更新。集中治療病床は約8割が使用されており、医療体制が逼迫しつつあるという。こうしたなか、メルケル首相は生活必需品以外を扱う店舗や学校を16日から来年1月10日まで閉鎖する、と発表。ドイツでは11月から飲食店の閉鎖など部分的な都市封鎖(ロックダウン)を導入してきたが、感染拡大の歯止めはかかっていない。
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14日。月曜日。静かな1日は、相棒である舞との早朝の不燃ごみのゴミ出しから始まった。とは言っても、きょうは彼女の休みの関係で郵便局やドラッグストアに一緒に出向くなど結構、バタバタと慌ただしかった。合間には街中の喫茶店に入り、抹茶ぜんざいなるものを注文して食べたが、ロボット君がぜんざいを運んでくれたのには感心した。ロボットの存在は、先日の中日新聞朝刊尾張版に書かれてはいたが、やはり目の前で見る新戦力は一味も二味も違って見える。ロボット君そのものに強い意志と魂が宿っているように感じたのである。
抹茶ぜんざいを客席まで運んでくれた魂を宿したロボットくん=愛知県江南市内の喫茶店で
きょうは、朝早くから、このところ、なかなか執筆に入れなかった【シロは何でも知っている】の続編にも着手。帰宅後は毎年お願いをしている年賀状のデザインのことで担当者に電話。引き続き、この地方を代表する生活情報誌のコラム執筆にかかったが、新春初のコラムとなるだけに各種書籍などの文献を幅広くチェックしてアレヤコレヤと検討し、そこから書き進めるなどした。
ひと息ついたところで今度はあらためて新聞をはじめとした各種メディアをチェック。そのうえで本欄【一匹文士】の執筆も始めるなど、結構あわただしい1日が過ぎ去っていったのである。午後には思いがけず、能登七尾の友人から、暮れのかぶらずしも届き、ちょっぴり感激したりもしたのである。
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新型コロナウイルスの方は、昨夜のNHKスペシャル【危機は乗り切れるか】でも報じられていたが、第三波の感染がこのまま続けば、医療破壊など危機的状況も十分、心配される。それだけに、この先の感染拡大がどう推移していくか。予断を許さぬ状態が続いている。
リーダーには迅速かつ合理的な判断をしてほしい、と訴える尾身茂ウイルス感染症対策分科会長 このままだと感染拡大の第三波は、どこに行く? (13日夜のNHKスペシャルから)
米国の一部の州で14日、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が始まった。1600万人以上が感染、29万人以上が死亡した世界最多の感染国で初のワクチン実用化である。流行が収束に向かい、傷ついた社会にあって、経済の回復につながるかどうか期待が高まるなか、医療従事者と高齢者ら長期療養施設の入所者に最優先で接種。トランプ大統領はツイッターに「おめでとう米国、おめでとう世界」と投稿、米テレビ各局は、東部ニューヨークの病院で女性看護師が接種を受ける様子を生中継した。日本政府も1億2000万回分(6000万人分)の供給を受けることで既に基本合意しており、早ければ来年3月にも接種が始まる可能性があるという。
愛知県は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って名古屋市中区の錦三、栄地区の一部の酒類を提供する飲食店などに要請している営業時間短縮期間を当初予定していた今月18日までから、来年1月11日まで延長、対象エリアも中区全体に拡大。1日2万円の協力金は現在の事業者単位ではなく、要請に応じた店舗ごとに支払うことにしたという。
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2020年の世相を1字で表す今年の漢字が「密」に決まり14日、京都・清水寺で森清範貫主が揮毫した。助け合いながら「親密」に「緊密に」。心の方は「密」で「禍」に向かいたい、とは15日付の中日春秋氏。
中部地方は14日、冬型の気圧配置の影響で岐阜県高山市などの山間部で雪が舞い、高山市中心部の観光名所「古い町並み」が雪景色となった。
柔道の男子66㌔級の東京五輪代表決定戦が13日、東京・講道館で行われ、2017、2018年世界選手権2連覇の阿部一二三(パーク24)が2019年世界一の丸山城志郎(ミキハウス)と24分間に及ぶ熱戦の末、大内刈りで優勢勝ち。初の五輪代表を決めた。妹で女子52㌔級の阿部詩(日体大)と日本柔道初の兄妹五輪代表が実現する。
政府は14日、全世代型社会保障検討会議を官邸で開き、75歳以上の医療費の窓口負担増に関して「年金収入モデル」で年二百万円以上の人を対象として、新たに二割負担とするとの内容を盛り込んだ最終報告をまとめた。
滋賀県が13日、東近江市の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの疑い事例について遺伝子検査の結果、H5亜型のウイルスが検出されたと発表。県は飼育されている採卵用鶏10338の殺処分を始め、14日午前3時前に埋却を完了。
女剣劇で活躍した俳優の浅香光代さんが13日、すい臓がんのため東京都内の病院で死去。92歳だった。東西冷戦期を中心としたスパイ小説で知られた英作家ジョン・ル・カレ氏が12日夜、英南西部コーンウォール地方の病院で死去。死因は肺炎。89歳だった。
2020年12月12日
白菜のどんどん甘しコロナ禍や
冬晴れの空お星さあるんだよ
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
ふたご座流星群が13日夜から14日の明け方にかけて出現のピークを迎える。国立天文台によると、新月が近いため月明かりの影響がない好条件で天候さえよければ1時間で最大55個前後の観測が可能。12日と14日の夜にも1時間に20個前後が出現するという。本日12日付毎日新聞の朝刊によれば、流星は、ふたご座近くの放射点から四方八方に走り、空全体に現れ、午後8時ごろから見え始め10時ころから出現が本格化。「目が暗さに慣れるまで15分ほどは観察を続けてほしい」と話している。
ふたご座流星群の見ごろを報じた12日付毎日新聞朝刊
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米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が11日、世界全体で7000万人を超え、過去最短となる16日間で感染者が1000万人増加。欧米を中心に感染者、死者のいずれも高止まり傾向が続いており、死者は160万人近くに上っている―とは、本日付中日新聞夕刊。国別では米国が感染者1550万人超。死者も29万人を上回り世界最多。感染者はインドが約980万人、ブラジル約680万人とこれら3カ国の感染拡大が目立つという。
いま日々、私たちの関心事となっている新型コロナウイルスの感染だが、10日に国内でそれまでの最多2973人に。11日の2798人をはさみ、きょう12日には3031人と、またまた過去最多に(東京都も12日は過去最多の621人)。このところの感染者は一時と比べると増え幅がさらに増大してふえ続け、12日現在の重症者も過去最多の578人に上っている。日本も米、英などの他国同様、深刻な事態となっている。
こうしたなか、私は、いつも【感染よ止まれ。消え失せろ】と心のなかで念じてはいるのだが。感染の大きな波は一向に治まりそうにない。この先どうなってしまうのか。予測はまったくつかない。
実際、なんとか感染がピタリと治まってくれたらいい、と誰もが願っているに違いない。私は、こうした悪夢を目の前に「この事態は、それこそこれまでニンゲンたちがし放題にしてきたことに対する【罪と罰】。しっぺ返しではないのか」と。そんなことを思ったりもするのである。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は11日、感染症が急増するステージ3相当地域をさらに三段階に分け、拡大が継続する地域内では外出自粛や「GoTo トラベル」の一時停止を求める提言をまとめた。尾身茂会長は分科会後、ステージの判断や一部対策で国と自治体で一体感がない点を指摘。「知事はリーダーシップを発揮し先手を打ち、国は後押しをすべきだ」とも語った。
厚生労働省が11日、新型コロナウイルス感染症患者向けの病床使用率(9日時点)を公表。政府がステージ3(感染急増)の指標のひとつとする25%以上だったのは三重(47・9%)愛知(45・3%)岐阜(39・5%)など22都道府県で前の週から4県増。北海道、東京、大阪、兵庫、高知の5都道府県は、別の指標(感染ピーク時の確保想定病床や重症者用病床の使用率50%以上)でステージ4(爆発的感染拡大)の目安に達しているという。確保病床には医療スタッフの手配などに時間がかかり、すぐには使えないベッドも含まれ、実際の逼迫状況はより深刻だという。
愛知県が12日、新型コロナウイルスに206人が感染した、と発表。入院中の高齢者1人が亡くなり県内の死者は143人に。11日時点の入院患者は前日から3人増え469人となり、過去最多を更新。岐阜県と岐阜市も12日、新たに55人が感染した、と発表。これは1日の感染者としては最多。大垣市の大垣日大高校でも生徒ら22人が感染。7日以降に判明した同校関連の感染者は計31人で県はクラスターと認定。
毎日新聞と社会調査研究センターが12日実施した全国世論調査によると、菅内閣の支持率は40%で前回、11月7日に行った57%から17%下落。
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米食品医薬品局(FDA)が11日、製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンの緊急使用を許可。米国でのワクチンの許可は初めて。トランプ大統領がツイッター上の動画で発表、最初の接種が24時間以内に行われると述べた。
目が不自由な人のために図書を音訳する岩倉市の市民団体「岩倉市音訳の会 あめんぼ」が本年度の文部科学大臣表彰を受けた。中日ドラゴンズが12日、今季限りで阪神を退団した福留幸介外野手(43)を獲得する、と発表。2007年いらい14年ぶりの古巣復帰となる。18日に正式契約して会見する。背番号は「9」。衆議院副議長の赤松広隆さん(72)=愛知5区=が12日、名古屋市内で記者会見し次期衆院選には出馬せず、今季限りで政界を引退する、と正式表明。
東大元学長で物理学者(原子核物理学)、文化勲章受章者で俳人、文部大臣なども歴任した有馬明人さんが7日午前、東京・世田谷区の自宅で倒れているところを発見され、死亡が確認された。90歳の旅立ちだった。
「知らない、知らない」など数々のギャグや「電線音頭」踊りなどで親しまれ、植木等さんに育てられたたコメディアンで日本喜劇人協会会長を務めた小松政夫(こまつ・まさお、本名松崎雅臣=まつざき・まさおみ)さんが7日、肝細胞がんのため東京都内の病院で死去。78歳だった。
鹿児島地裁が11日、鹿児島県日置市の民家で2018年、親族ら5人を殺害したとして殺人と死体遺棄の罪に問われている無職岩倉知広被告(41)の裁判員裁判の判決で「常軌を逸した凄惨な犯行で、死刑を回避すべき事情は見当たらない」として求刑通り死刑を言い渡した。弁護側が不服として、即日控訴。
兵庫県警尼崎南署が12日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで同県香美町立香住小の校長楠田千晴容疑者(54)を現行犯逮捕。調べに対し、楠田容疑者は「私が使うために持っていたことは間違いありません」と容疑を認めている。
2020年12月9日
ヒューヒュと特攻の虎落笛(もがりぶえ)
花薄ゆれたいようにゆれやている
師走の空へ響けよ第九「合唱」
=伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から
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きのうは12月8日。火曜日。日本軍による1941年の真珠湾(パールハーバー)攻撃、日米開戦から79年。そして【イマジン】など良きパートナーである妻オノ・ヨーコさん(現在87歳)ともども平和を願って歌い続けたビートルズのジョン・レノンさんが1980年のこの日に米ニューヨークのダコタ・ハウスで凶弾に倒れて、この世を去って40年たつ。
この歴史的ともいえる8日夜、私はたまたま愛知県江南市の江南文化会館であった〝不戦の集い〟に相棒の舞を伴って参加。ベートーベンのピアノソナタ第14番『月光』に託された若き特攻兵士たちの無念さが見事に描きだされた映画「月光の夏」(文部省選定)を鑑賞、醜い戦争がいかに人間社会を虐げ、かつゆがめ、みじめな生きものにするか、にあらためて思いをはせたのである。仲代達也さん、若村麻由美さんらの迫真の演技を久しぶりに目の前にもした。仲代さん、若村さんといえば、能登・中島町(現石川県七尾市)の無名塾でのあの熱心だった稽古風景が懐かしく思い出され、当時の若い記者らが随分お世話になったことを覚えている。
【月光の夏】のあらましが紹介された不戦の集いの告知チラシ
8日は午前中、相棒(舞子)とともにインフルエンザの予防接種を自宅近くかかりつけ医院でしていただいたあと、同医院で舞の大腿骨骨折のその後を診ていただき、適切な薬も同時に処方していただいた。この後、彼女が最近少しだけ体調を崩し、心配なカ所を診てもらいたい―と言っていたので別の病院にも彼女の〝アッシーくん〟として同伴。いったん帰宅し夜になり、今度は文化会館へと出向いた。
この日はほかに、合間を縫って相棒の病院での受診後に、尾張芸術文化懇話会の例会や各種催しなどで常日ごろから何かとお世話になっている永正寺さん=この日はNPO法人・ムジークエンゲル(名古屋市)による「お寺deコンサート」が開かれた=にも立ち寄り、市民の市民による市民のための野菜栽培を手掛ける方々の野菜売り場にも足を運び、ネギやニンジンを購入。ちょっと、あわただしい1日となったのである。
このうち永正寺境内では、たまたま出会った中村建岳副住職の長男龍季(たつき)ちゃんにもお会いすることが出来、私は思わず彼を抱っこしてしまった。抱っこしながら、遠い昔に地方巡業で岐阜県下で宿舎を張っていた高砂部屋で当時、現役力士だった高見山関に長男が抱っこされた、あの日のことをフッと思い出しもしたのである。高砂一門とはそれ以前に一門が志摩半島で地方巡業していたころからの付き合いで、岐阜では朝潮太郎さん(親方)の肝いりで関取高見山さんに抱っこしてもらったのである。
当時は、お相撲さんに抱っこされると将来、大人(たいじん)となって出世。世のため、人のためになる、といわれたものであの時が懐かしく思い出された。長男は幸い今、科学者として頑張っている。私になぞ抱かれたところでどうしようもない、とは分かってはいても私は「龍季ちゃんが将来、この国の幸せと平和を支える立派な人物になるように」と心から祈ったのである。世の中は、こんな具合に絶えず行く川の流れの如く、ながれているのである。
嬉しいことに愛猫シロは、帰宅のつど玄関先まで出迎えてくれた
そして、もうひとつ。この歴史的ともいえる12月8日は今この世の人びとを苦しめている新型コロナウイルスの感染者が中国・武漢市で初めて確認されてからちょうど1年の日でもある。この日、日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療体制が逼迫する大阪府や北海道旭川市への自衛隊の看護師の派遣も決めた。自衛隊派遣のニュース報道にとうとうウイルスと人間との戦争が始まったかと、私はそんなことを思いもした。
というわけで、きのう、わが家に配られた8日付の中日新聞1面の前文は以下のようなものだった。
――新型コロナウイルスの感染者が中国・武漢市で初めて確認されてから八日で一年となる。世界の新規感染者は今も一日六十万人程度の勢いで増え、累計で六千七百万人に到達。死者も百五十万人を超えた。各国政府はワクチン接種の開始を急ぐなど未知のウイルスとの闘いに追われている。
9日付中日新聞朝刊によれば、国内で8日、確認された新型コロナウイルス感染の死者が47人となり、1日当たり最多に。北海道、大阪で各9人。東京は6人だった。新たな感染者は東京352人、大阪258人、北海道204人などで計2172人。重症者は6人増え536人だった。また愛知県は8日、新たに198人が感染した、と発表。重症者は前日から2人増え30人となり、過去最多に並んだ。愛知県豊川市が8日、市民病院に勤務する看護師と入院患者計16人が院内で新型コロナウイルスに感染した、と発表。
また、新型コロナウイルス感染拡大で医療体制が逼迫する北海道旭川市で9日、道知事の要請で災害派遣された陸上自衛隊の「看護官」らが、クラスター(感染者集団)が発生した病院と障害者施設で本格的な支援をはじめた。
9日付中日新聞の夕刊に【想像してごらん 銃のない平和を ジョン・レノン殺害40年】の見出し。夫のジョン・レノンが射殺されて40年となった8日、オノ・ヨーコさんが代表曲「イマジン」の一節を引用し、ツイッターで「想像してごらん、すべての人々が平和に暮らしているのを」と世界に訴えたという。
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英国で8日、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まった。ジョンソン首相はツイッターで「われわれは一緒にウイルスを打ち負かす」と投稿。
米経済誌フォーブスが8日、「世界で最もパワフルな女性」100人を発表。首位はドイツのメルケル首相で10年連続。2位は昨年に続き、欧州中央銀行のラガルド総裁。3位にハリス次期米副大統領を選出。日本からは63位に小池百合子東京都知事が選ばれた。
ネパールと中国が8日、両国にまたがる世界最高峰のエベレスト(中国名チョモランマ)の標高について新たな測量に基づいて8848・86㍍にする、と発表。ネパール政府によると、これまでより86㌢高くなり、地元メディアは「初の共同発表により、これまで諸説あった標高に関する論争に終止符が打たれる」としている。
ラグビーの元日本代表でトップリーグ・ヤマハ発動機のFB五郎丸歩選手(34)が来年1月から始まる2021シーズンで現役を引退することが、9日明らかに。五郎丸選手は16日に浜松市内で引退会見を開くという。
2000年12月に東京・世田谷区の会社員宮沢みきおさん(当時44歳)一家4人が殺害された未解決事件を巡り、遺族の入江杏さん(63)が「悲しみとともにどう生きるか」(集英社新書)を出版。「悲しみにある人たち、声をあげられずに苦しんでいる人や周囲の人たちに届いてほしい」と入江さん。2代目コロムビア・ローズさんが8月16日、心不全のため死去。東京都出身。78歳だった。
2020年12月6日
冬銀河はやぶさ2(ツー)おかえりなさい
装丁は赤やコロナと寒波くる
丁寧に包まれ届く初暦
=伊神舞子の〈白猫の俳句minuetto-mi>から
6日。はや師走。ことしはコロナ禍の年で終わりそうである。昨年の今ごろ、日本はむろん世界中の人々が一年後にこうした苦難に陥っているとは、一体だれが思っただろう。想像すらしていなかったに違いない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうの試料を詰めたカプセルの切り離しに成功。日本時間の6日未明に大気圏に突入、火球となって地球に帰還した。太陽系成立の謎を解く手がかりを求め、6年がかりで挑んだ探査がついに完了、いやいや、大空への夢はこの先いよいよ大きく限りなく広く膨らむ。
朝起きて。スマホをチェックすると、なんとわが友から「はやぶさ2から分離されたカプセルが6日朝、オーストラリアで発見されたとの事、感動しました。リュウグウの物質が入っていたら凄いですね! 太陽系の成り立ちや地球の生命体の起源が解るかもしれないとの事、日本もやります」とのライン。私はこの文面を読みながら「このところは、新型コロナウイルスの話ばかりで、少し気が滅入りそうではあるが。何も暗い話ばかりではなかったのだ。こんないい話もあるのだ」と自らに言い聞かせ、あらためて友から寄せられたラインの画面に見入ったのである。
この日。岐阜県各務原市の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では、探査機はやぶさ2のパブリックビューイングがあり、天文愛好家や親子連れら約70人が歴史的瞬間を見守ったという。
6日付中日新聞の1面は【変わる初詣 境内一方通行/御朱印は事前用意/鈴緒ペダル式 密回避へ知恵絞る】【はやぶさ2カプセル帰還へ 未明に豪砂漠へ着地】【コロナ退散 飯田で霜月祭り】
〈変わる初詣 密回避へ知恵絞る〉と報じた6日付の中日新聞朝刊
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さて、その新型コロナウイルスの感染者は一向におさまりそうにない。日本国内では5日、新型コロナウイルス感染症の重症者が前日から15人ふえ520人となり、過去最多に。新規感染者も2400人を超えた。地域別では東京584人、高知19人が過去最多で大阪399人、愛知219人、北海道183人、埼玉168人となっている。
一向に収まる気配のない新型コロナウイルス。実は3日夜には、大阪府の新型コロナウイルス警戒度が「赤信号」となり、通天閣もいよいよライトアップされた。こうしたなか、感染拡大地域では病床の使用率が高まっているという。今月1日時点で兵庫65・0%、大阪58・3%、北海道51・6%と半分以上を使用。埼玉、愛知も40%を超え、東京も40%に近づいている。
大阪府の新型コロナウイルスの独自基準「大阪モデル」が3日、いよいよ非常事態に。通天閣には赤信号がともされた(NHK画面から)
コロナ、コロナにおびえ、追い立てられ通しだったことしも残り少なくなってきた。この一年というもの、どこもかしこも〝コロナ〟〝コロナ〟また〝コロナ〟の大合唱で、ラジオやテレビのアナウンサーもニュースとなれば、どれも「新型コロナウイルスの感染者は」といった出だしである。というわけで、きのう5日付新聞各紙の紙面も▽米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルス感染者の死者が3日、世界全体で150万人を突破。世界の累計感染者数も6500万人を超えている▽米ウォールストリート・ジャーナル電子版は3日、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスワクチンの年内供給量を、当初計画の最大一億回分から五千万回分に半減させた、などといったコロナ関連記事ばかりが目立つ。
そればかりか、菅義偉首相も4日夜、臨時国会の事実上の閉幕を受け官邸で行った記者会見で新型コロナウイルス対策に触れ「重症者向けの病床が逼迫し始めており、強い危機感を持っている」と述べた。そうしたなか、赤羽一嘉国土交通相は4日の会見で観光支援事業「GoTo トラベル」の延長は来年6月末までをめどとする意向を表明。毎日毎日、新型コロナウイルスの言葉が取りざたされているのである。
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、福井など11府県の住民ら約130人が国に対して原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の判決で大阪地裁は4日、許可を違法だとして取り消した。「規制委員会の判断は地震規模の想定で必要な検討をしておらず、看過しがたい過誤、欠落がある」というのがその理由だ。納得のいく判断が下されたといえよう。
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きのう。5日の土曜日は、ある私用で久しぶりにバスと名鉄、地下鉄を乗り継いで名古屋の真ん中今池へ。思ったことは車内で人々の誰もがマスク、マスク、マスクを完璧なほどにしており、なんだか社会全体が何かに冒され、病んでいるような(実際にそうではあるのだが)、そんな気がした。プラットホームに立ち、周囲を見渡しながら、なんだか自分も含めてここにいる全員が病人に見えてきた。それでも、目の前にはマスク姿以外には何ひとつ変わらない、いつもの町の表情があった。
明けて、きょう6日。この日は相棒と自宅近く「平和堂」まで買い出しに。それにしても、すれ違う客という客が皆マスク姿で、今ではその異様な光景こそ、それが日常か。なんだかチョッピリ悲しくなってきた。新型コロナウイルスにむしばまれたこの社会を思う時。もしかしたら、人間そのものの体力が少しずつ衰弱してきているのかもしれない、と。よからぬ考えが頭を駆け巡りもした。そういえば、きのう会ったその方は私に向かって「ごんたさん、少し痩せられたのじゃないの」と問いかけてきた。
社交ダンスのレッスンも順調で「いやいや、そんなはずはなく、逆に引き締まってきたんですよ」と言おうとしたが、もうひとりのボクが「いやいや、見えないウイルスのせいで、おまえは衰弱してきているのかもしれない」と囁いたので、ここは「あぁ、そうですか。そうですね。少し痩せたかもしれませんね」と言うにとどめておいた。
今池はマスクをのぞけば、いつもどおりの顔だった。
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福岡国際マラソンが6日、福岡市の平和台陸上競技場発着で行われ、2度目のマラソンだった一般参加の吉田祐也(23、GMO)が2時間7分5秒で初優勝。
ニューヒーローの吉田祐也選手(メ~テレ画面から)
第31回中日ぎふ体育顕彰の贈呈式が5日、岐阜市の岐阜グランドホテルであり、ことし3月のバドミントン全英オープン女子ダブルスで初優勝した福島由紀選手(27)広田彩花選手(26)=ともに丸杉B1uvic=に日本芸術院会員神戸蜂男さん制作のブロンズ像「勝利の女神像」が贈られた。
1948年に熊本県人吉市で一家4人が殺傷された「免田事件」で死刑が確定し、83年に死刑囚として初めて再審無罪になった免田栄(めんだ・さかえ)さんが5日、老衰のため福岡県大牟田市の高齢者施設で死去。95歳だった。
バレリー・ジスカールデスタン元フランス大統領が2日、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。94歳だった。西ドイツのシュミット首相とのタッグで欧州統合を推進、各国首脳による欧州理事会や欧州通貨制度を創設。国際協調を重視し、75年に仏中部ランブイエで開かれた第1回先進国首脳会談(サミット)を主催した。
愛知県警が4日、東浦町の障害者施設「なないろの家」で入所者の男性を蹴ってけがを負わせたとして傷害の疑いで施設の元職員、水野有幸容疑者(45)を逮捕。男性は暴行の3カ月後に死亡。この施設では、ほかにも少なくとも2人の男性入所者が負傷し病院に搬送され、うち1人が死亡したという。