一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年7月1日~)

2023年7月29、30日
 わが永遠の相棒かつ師匠で、今は亡きかわいい妻たつ江(伊神舞子)の写真を胸にしのばせ、大阪にいってきた。
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 29日午前。一匹文士(いっぴきぶんし)のわたくし、伊神権太は名古屋駅で新幹線に飛び乗って新大阪へ。大阪駅でホテルのシャトルバスに乗り、まもなくして北区中之島のリーガロイヤルホテル大阪に着いた。

 【同人雑誌から新たな文芸潮流を】をテーマに、これまで念願だった大阪では初めて実現した第5回全国同人雑誌会議・第2回全国同人雑誌協会総会に出席。何かと得るものを得て帰宅した。
 愛猫シロちゃんに留守番をしてもらっての大阪行だったが、亡き妻たつ江(伊神舞子)が生前、よく話していた言葉「シロ、シロちゃん(愛猫)は、ね。何でも知っているよ」の言葉どおり、しっかり留守番をしてくれていたこともあり、かなり疲れはしたものの久しぶりに有意義な文学行脚となったのである。

 そして。その全国同人雑誌大会の中身はと言えば、だ。
 会場に一歩、足を踏み入れるや、まず肌に感じたのは市民文学、同人誌の世界にヒタヒタと押し寄せるニューウエーブ、新しい波とでも言えようか。コロナ禍という忌まわしい時代を乗り超え、真の文学を愛する人びとによる<市民の市民による市民のための文学向上>のために全国から会場を訪れた文学愛好者らの熱気と興奮、迫力であった。
 会場に着いたわたくしは、独り棒立ちとなり、コロナ禍のあとの新しい時代に市民の間にいよいよ訪れた、ある潮流、いや<かぜ>とでも言おうか。全国各地から訪れた同人誌を愛する人びと。市民自らの手による「新しい文学ルネッサンス」の波が、いよいよ始まったナ-という、そうした実感のなかに居たのである。
 この日は全国同人雑誌協会名誉会長三田村博史さんの基調スピーチ、同代表理事五十嵐勉さん(文芸思潮主宰・編集長)の「同人雑誌から新たな文芸潮流を」の主催者側あいさつに続き第1部の作家藤沢周さんの基調講演「文学に導かれて」に続き、第2部の全国同人雑誌会議・全国同人雑誌協会総会、「全国同人雑誌大賞」授賞式、作家吉村萬壱さんの記念スピーチ「ダイモーンの声」、さらには「活字危機を乗りこえる 同人雑誌から新たな文芸潮流を」を演題とした同人誌代表によるシンポジウムなどがあり、懇親祝賀パーティーへと移った。

 パーティーは、五十嵐代表による第16・17回全国同人雑誌最優秀賞「まほろば賞」の授賞式に続き、わたくし、すなわち一匹文士(いっぴきぶんし)伊神権太=日本では最初のウエブ文学同人誌「熱砂」主宰=によるあいさつと乾杯の音頭で始まり受賞者や各同人雑誌代表、今回大阪大会実現に多大なる協力を頂いた大阪文学学校の細見和之校長(京都大学教授)らのことばがあり、その後は和気あいあい懇談に移り、会場はそれぞれの文学論で大いに沸き、盛り上がったのである。 
 わたくしは、乾杯のあいさつの中で先に亡くなった【脱原発社会をめざす文学者の会】会長だった加賀乙彦さんから生前、お会いするつどハッパをかけられていた言葉「ごんたさんは、まだまだ若い。書いて書いてかきまくってほしい」を引用し「皆さん。書いて書いて書きまくり、平和で幸せな文学社会を共に築こうではありませんか」と話し、乾杯の音頭を取らせて頂いたのである。
    
 この日の基調講演で藤沢周さんは、彼が師とあおぐ「月山」の作者森敦さん(森敦さんはボク自身、彼が文壇に出てきたころから、その心象風景の描写が大好きな作家の一人でもある)に触れ、こう述べられていたので本欄で触れさせて頂く。
――あれもこれも。なかなかうまくいかなくて。作家になることをもう諦めよう。もう書かないと思っていた時に、森敦さんに「君には作家のにおいがする。1日1枚書きなさい。それで芥川賞を取るとよい」と言われ、書き続けたところ、なんと本当に夢がかなってしまいました。それどころか、きょう(7月29日)は森敦さんの命日です。なんということ(奇跡なの)でしょう。
 そして。「(けさは)あの森敦さんが白い服を着て水上をこいでこちらに近づいてくるではありませんか。ウアーッと思って目が覚めました」。ですから私がきょう、こうして話しをさせて頂けたのもこうした運命的な出会いかと思っています。
 もうひとり、吉村萬壹さんの「ダイモーンの声」も簡潔でなかなか良い内容だった。

 このほか、松嶋節さん(三重・文宴)の終始、にこやかな表情で目をそらさせない見事な司会には、頭が下がった。札幌から飛行機で駆けつけた文芸評論家の川村湊さん(日本文藝家協会常務理事、脱原発社会をめざす文学者の会代表3人会のひとり)、多忙な中を今大会実現にこのうえない力を注がれた小原政幸大阪文学学校事務局長、寡黙ながら、いつだって情熱的かつ静かで特異な作家山口馨さん(三重・海にも所属)ら多くの懐かしい方々にも再会出来、いって良かったナとつくづく思い、翌30日には、全国同人雑誌協会代表・五十嵐勉さんの案内で、協会の三田村博史名誉会長、中部ペンクラブ会長中村賢三さんご夫妻はじめ、朝岡明美さん、そらいくとさん、椿井愛一郎さん(いずれも中部ペンクラブ所属)らと川端康成、司馬遼太郎、与謝野晶子の各文学館、さらには直木三十五記念館の順に巡る文芸ツアーにも参加。三十日夜、今か今かと私を待つ愛猫シロがいるわが家に着地、帰宅したのである。
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 以下、会場風景と文芸ツアーの写真をオムニバス形式でここに記録として残しておこう。

【熱心に進んだ全国同人雑誌会議のひとコマ】
 
 
 

【会場には全国の同人誌の展示コーナーも】
 

【文芸ツアーも中身の濃い内容だった】
 川端康成文学館で
 

 司馬遼太郎文学館で
 
  

 与謝野晶子文学館で
 
 
 
 

 直木三十五記念館で
 
 

2023年7月28日
 私たち人間はいま、炎熱地獄の中を生きている。
 けさの朝刊も【続く猛暑 岐阜市39.4度 愛西39.3度】【熱帯夜 死亡リスク上昇 心疾患や脳梗塞 筑波大など分析】(28日付中日見出し)といった具合である。この暑さは一体全体どこまで続くのだろう。

「中国で、いったい何が起きているのか」と、国際社会はいぶかしんでいるに違いない。外相の突然の解任劇である。/中国外交の顔が1カ月も表舞台から姿を消し、解任されたのは衝撃だが、それ以上に解任の理由や経緯を公表しない中国の情報公開に対する消極姿勢には、驚きを通り越してあきれるほどである。/米国をライバルとみなし、世界の大国をめざす中国だがこれでは、「竹のカーテン」の向こうで密室政治を繰り広げる「異形の大国」と見られても、仕方がない。/事態が動いたのは二十五日。国会に当たる全国人民代表大会(全人代)常務委員会が、動静不明が、続いていた秦剛外相を解任する人事を決めた。
 ただ、対外的には国営新華社通信が「秦剛外相の職務を解く」と短く報じたのみで、解任理由や秦氏が兼務していた副首相級の国務委員も解任されたかどうかは伝えられていない。
 以上は本日28日付中日新聞の社説【中国外相の解任 「異形の国」の密室政治】の書き出しである。

 ほかに【アイルランド歌手 オコナーさん死去 56歳・「愛の悲しみ」】【電通五輪談合大筋認める 初公判 本大会認否は留保】【枯れた街路樹調査へ 各自治体ビッグモーター店舗前】(28日付毎日見出し)【北、ロシアと協力アピール 正恩氏・ショイグ氏 兵器展を視察 朝鮮戦争休戦70年】【ロシアとアフリカ温度差 会議開幕首脳の参加大幅減 穀物輸出巡り】(28日付中日見出し)など。世界も日本もいろいろある。

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(29)が27日、デトロイトで行われたタイガースとのダブルヘッダー第1試合でメジャー6年目にして初の完封で今季9勝目。第2試合では両リーグトップの37号2ラン、38号ソロと2本塁打を打ち、大活躍。
 夜に入り、私の長男が本日付の日本経済新聞16面の【データで見る研究力 研究活発な領域、5割増 中国、新分野開拓で存在感 日本、「既存」固執でかすむ】に登場していたことを知る。デ、記事を亡き妻の仏前に供え「みんな、それなりに元気でやっているからな」と、手をあわせる。

 記事はおかあさんの仏前に
 

 長男のコメントが掲載されていた日経紙
 
 
(7月27日)
 ニュージーランドで開かれているサッカーの女子ワールドカップ(w杯)第7日は26日、ダニーディンなどで行われ、1次リーグC組第2戦で日本代表「なでしこジャパン」がコスタリカを2-0で退け、2連勝で勝ち点6とした。スペインも5-0でザンビアを退け2連勝とし、日本とスペインがC組2位以内を確定させて1次リーグ突破を決めた。そして何より嬉しかったのは中日ドラゴンズが本拠地で後半戦の再開後、DeNAを相手に、初白星。連敗を4で食い止めたばかりか、ドラフト1位の新人仲地が本拠地初先発で6回を1安打無失点に抑えプロ初勝利をつかんだことといえよう。この日のドラゴンズ打線は一回に細川の適時打で先制。中盤以降もつながり、13安打で7得点だった(きょう27日は、残念ながら2-1で負けてしまった)。

(7月26日)
 水曜日。蝉の鳴き声がミンミン、ミンミンと洪水のようだ。きょうも朝から暑い。からだが焼け始めるような、そんな暑い日である。この暑さのためか、わが家の愛猫シロが夕方、少し戻し心配したが大丈夫のようで安心した。夕刊を開くと【大関豊昇龍が誕生 「気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力」】(26日付、中日夕刊)の記事。

 ボクシングのダブル世界戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)スーパーバンタム級12回戦で30歳の井上尚弥(大橋)が2団体王者のスティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ちし、井岡一翔(志成)に続く日本男子2人目の4階級制覇を達成した。井上尚は昨年、バンタム級で世界主要4団体王座を統一し、階級を上げた。井上尚は25戦全勝(22KO)、フルトンは21勝(8KO)1敗。
 総務省が26日付で公表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、ことし1月1日時点の外国人を含む総人口は1億2541万6877人で、前年と比べ約51万1千人の減。日本人に限ると約80万1千人の減で、減少幅は1968年の調査開始以降の最大を更新。47都道府県全てでマイナスとなった。

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)の兼重宏行社長(71)が25日、東京都内で記者会見。自動車保険の保険金不正請求問題の責任を取り、26日付の同社長(71)と長男宏一副社長(35)の辞任を発表。

(7月25日)
 「人間の証明」で知られた作家森村誠一さんが24日、東京都内の病院で肺炎のため死去。90歳だった。その「人間の証明」を読んだ記憶から私が思い出すのは西条八十の詩で始まる「母さん、僕のあの麦わら帽子、どうしたでせうね?」といった下りである。
「母さん、あれは好きな帽子でしたよ。僕はあのときずいぶん悔やしかった だけどいきなり風が吹いてきたものだから 母さん、ほんとにあの帽子どうなってしまったのでしょう あの帽子の下で毎晩きりぎりすが泣いたかもしれません あのころの帽子は自分にとって何だったのか もう戻ってはこない でも、心の奥深くに宿っている。何かが。」
 思い出すまま書くと、こんな按配だったような気がする。

 ほかには、「山びこ学校」の編者で僧侶、教育評論家だった無着成恭(むちゃく・せいきょう)さんも21日午前8時58分、敗血症性ショックで死去。山形市出身。96歳だった。こうした悲しい死を見るにつけ、人はやはり、この世の中に、死ぬために生まれ出てくる。そんな気がしてならないのである。

 札幌県警札幌中央署捜査本部が札幌市の繁華街ススキノのホテルで北海道恵庭市の会社員浦仁志さん(62)が殺害された、いわゆる〝殺し〟で遺体を切断したなどとして死体損壊や遺棄の疑いで浦さんの知人で札幌市内に住む職業不詳田村瑠奈容疑者(29)と容疑者の父で同居する医師田村修容疑者(59)を24日逮捕。調べによると、ふたりは共謀して1日深夜から未明にかけ札幌市中央区のホテル2階客室の浴室内で浦さんの遺体の首を刃物のようなもので切断。頭顔面部を所持し、運搬したとみられるという。猟奇殺人の典型といっていい事件の背後には、一体何があったのか。

 スペイン下院(定数350)の総選挙が23日に投開票され、最大野党の中道右派・国民党が改選前の89議席を大幅に上回る136議席を獲得し、第1党となった。ほかにはやはり、ウクライナ戦争関連で【ロシア人部隊 露を攻撃 副官インタビュー 反プーチン ウクライナが越境支援】【世界遺産地区の正教会聖堂破壊 オデッサ】(25日付毎日、見出し)といったところか。

(7月24日)
 月曜日。
 きょうの紙面は何といっても大相撲名古屋場所(中日新聞社共催)で東関脇豊昇龍(24)=本名スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身。立浪部屋=が12勝3敗で初優勝を果たし、場所後の大関昇進を確実にしたことか。モンゴル出身力士の制覇は、春場所の霧馬山(現霧島)いらい10人目である。
 豊昇龍は優勝決定戦で西前頭9枚目の北勝富士を押し出しで下した。本割では新入幕で西前頭17枚目の伯桜鵬との3敗同士の対戦を上手投げで制し、19歳の伯桜鵬は109年ぶりとなる新入幕優勝の快挙を逃した。ところで、この豊昇龍は史上4位の優勝25回を誇る元横綱朝青龍のおい。3人が3敗で千秋楽を迎えた混戦を制し、名古屋場所は大いに盛り上がったのである。

 豊昇龍の初優勝を報じた24日付の中日スポーツ1面記事。番記者ちょっといい話【21年前いつも朝青龍にくっついていたあの子の笑顔】が、とてもいい。
 

 豊昇龍の優勝は中日新聞本紙でも大きく報じられた
 

 立ち上がり。にらみあう豊昇龍と北勝富士(NHKから)
 

 そして。悲しいニュースといえば、だ。【ロシア・ウクライナ クラスター弾両軍使用 従軍記者ら双方死者】(24日付、中日1面)【関空線車内3人切り付け 殺人未遂容疑37歳逮捕 いずれも軽傷 「乗客とトラベル」】【6歳殺害疑い再逮捕 母ら4人 叔父が主導か 神戸】(24日付、毎日社会面)か。

(7月23日)
 大暑。夏の暑さが極まるころで、夏の土用の期間でもある。

 津島神社の祭礼として過去、600年の歴史を誇り、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産でも知られる「尾張津島天王祭」の宵祭りが22日夜、愛知県津島市の天王川公園であり、まきわら船に飾られたちょうちんの明かりが水面を揺らし、彩った。23日には朝祭があり、まきわら船の飾りつけを変えた車楽(だんじり)船が搭乗した。コロナ禍と台風で中止や規模縮小を余儀なくされ、6年ぶりの通常開催には川面に集う人々の間で、思わずため息が漏れた。私自身も、かつて亡き妻を伴い、天王祭を楽しんだことがあるだけに、本日付の中日新聞の記事【水面進む鮮やかな光 尾張津島天王祭】には、しばし見とれたのである。この天王祭は、おそらく、あの信長も楽しんだに違いない。濃姫も、吉乃も。それぞれ楽しんだことがあるに違いない。

 21日に現役を引退した三重県伊賀市出身の元幕内千代の国(33)=本名沢田憲輝、九重部屋=が22日、オンラインで引退の記者会見。「やり切ったので後悔はない。周りの方に支えられ、ここまでやってこられた」と言い、涙を流した。千代の国は私が大好きなお相撲さんの一人だっただけに、「これからはもう、あの千代の国の姿を見ることが出来ない」と思うと、なんだか悲しくなってきたのである。
 千代の国は2006年夏場所初土俵。幕内在位34場所でこの間、敢闘賞を2度獲得。17年夏場所には横綱鶴竜に勝ち、金星を挙げた。新聞報道によれば、師匠の九重親方(元大関千代大海)は「努力する姿は部屋全体にいい影響を与えてくれた。こんごも相撲哲学と感性を伝えてほしい」と話している。

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)第3日は22日、ハミルトン(ニュージーランド)で行われ、1次リーグC組初戦で日本代表「なでしこジャパン」はザンビアを5-0で退けた。中日新聞の本日23日付の社説・言論欄に飯尾歩論説委員の【選手が語る戦争 キーウから遠く離れて こう見る】の名記事。

(7月22日)
 11時半過ぎに、手元のスマホがピコピコ音。何ごとか、と開くと、Yahooニュースで「関東甲信地方・東北地方が梅雨明け -この先1週間は猛暑の予想、熱中症予防を-とのこと。このニュースを喜んで良いのか。悲しむべきか。私にはわからない。

 夏休みに入ったばかりの各地の海や川で小中学生が犠牲となる事故が相次いだ。
 21日午後零時55分ごろ、福岡県宮若市の犬鳴川で「友だちが川から上がってこない」と110番通報。一緒に遊んでいた小6の女児4人が支流の山口川合流地点で深みにはまり3人が流され、川底で沈んだ状態で発見されたが、3人とも死亡。また同じ21日午後1時35分ごろ、三重県津市の阿漕浦海岸でも男子中学生が行方不明となり、3時間40分後に海岸から約100㍍離れた水深3㍍の海中から救助されたが搬送先の病院で死亡が確認された。溺死だった。

 けさの新聞1面トップは、やはり特捜検事による供述誘導で【特捜検事供述誘導か 録音存在元市議に「レールに乗って」 河井元法相買収事件 「協力したら起訴しない」「署名したら帰す」複数の被告証言】(中日)【特捜検事供述誘導か 不起訴示唆元市議録音 元法相買収事件 最高検が調査】(毎日)というものだった。特捜検事といえども、人の子だ。私自身が、体験したかつての汚職取材などで被告に対する強攻検事の態度を思い返したりしても十分にありうることである。こうした事案は表面上といおうか、一見優秀な検事ほど功を焦って起こしやすいが、さて、この場合はどうか。
 ほかには米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が20日の記者会見で米国供与のクラスター弾をウクライナ軍が使い始めたことを認めたという報道か(22日付)。カービー広報調整官は「非常に効果的に使用している」としているが、戦争の惨禍がますます深まっていくような気がしてならない。何であれ、戦争をただちにやめるわけにはいかないのか。

 午後。名古屋国際センター5階会議室で開かれた中部ペンクラブの理事会に出席する。

(7月21日)
 囲碁の第78期本因坊戦7番勝負の第七局が19、20日の両日、三重県鳥羽市で打たれ、挑戦者の一力遼棋聖(26)が218手で井山裕太本因坊(34)に白番中押し勝ちし、4勝3敗でタイトルを奪取、棋聖と合わせ二冠となった。

 本日付の中日新聞の報道によれば、中古車販売大手のビッグモーターがCMの放送中止の通知をメディア側に出したことが複数のラジオ局への取材で分かった、という。CMキャラクターを務める俳優の佐藤隆太さんの所属事務所が契約解除に向け協議中であることを明らかにしたことにより、放送継続は困難、とのこと。ビッグモーターは共同通信の取材に「(CMの)放送を取りやめる方向で調整を進めている」とも回答したという。ビッグモーターは故意に車両を傷つけて修理代を水増しするといった悪質な行為が全国で明らかになっている。それにしてもビッグモーターは、信じられない悪事を働いていたものだ。
 本日付の中日1面夕歩道にも、こう書かれていた。
「買い取り台数日本一」という中古車販売大手で、預かった事故車両にゴルフボールをぶつけたりドライバーでひっかいたり。修理代を水増しし、組織的に保険金の不正請求を重ねていたという。
 とても信じられない悪行と言ってよいだろう。

 警視庁は、広域強盗事件のうち1月に千葉県大網白里市で起きた事件を指示したとして20日、今村磨人容疑者(39)を強盗致傷などの疑いで再逮捕。今村容疑者は「ルフィ」と名乗り昨年5月の京都市の事件を指示したとして逮捕されており、千葉の事件では「ミツハシ」と名乗り、「キム」を名乗る別の指示役がいた疑いも浮上している。

(7月20日)
 朝。蝉たちの鳴き声が洪水のごとく耳に聴こえてくる。
 私には全ての声が今は亡き妻の声に聴こえてくるから不思議だ。じっと耳を澄ませて共に聴き入る私とシロちゃん。そんな1日の始まりである。天気が良いので先日、買った桃ひとつを1階台所の桟に置き、しばらく干したあと、引き続き場所を替え、2階ベランダ一角の椅子の上に干す。少しは甘くなるか、と。そんな微かな期待を込めてである。

 第169回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、市川沙央さん(43)の「ハンチバック」(「文学界」五月号)が芥川賞に、垣根涼介さん(57)の「極楽征夷大将軍」(文芸春秋)と永井紗耶子さん(46)の「木挽町のあだ討ち」(新潮社)が直木賞にそれぞれ選ばれた。ここまでそれぞれ、言い知れぬ努力と頑張りがあればこそで、心から祝福したい。

 午前11時半過ぎ。スマホからピコ、ピコ、ピコの音。何事かと開くとYahooニュースで「先ほど気象庁は中国地方(山口のぞく)、近畿地方、東海地方が梅雨明けしたとみられると発表しました」とのこと。ほぼ平年並みとのことである。朝刊には【羽田第2ターミナル国際線再開】【袴田事件検察16点新証拠 弁護側、却下求める方針 再審3者協議】(20日付、毎日)の見出し。夕刊は【貿易黒字23カ月ぶり 資源高一服で輸入額減 6月】【ウクライナ入港認めず ロシア、穀物合意停止受け】【小麦価格急騰 港への攻撃で ウクライナ】(日本経済新聞20日付夕刊)
 いつものことだが。世の中は、それぞれに動いている。

 きょうは、さすがに暑いので外への散歩から帰ったシロは台所板敷のフロアにお腹を摺り寄せてじっとしたまま。動こうとはせず、暑さが通り過ぎていくのをジッと待つような。そんなシロちゃんであった。

2023年7月19日 
【ごんは、平和を願いました。 戦後78年 新美南吉企画展 名古屋で開幕】【日本の海産物検査強化 中国、処理水放出に圧力 税関に数週間 輸入断念も】【穀物輸出 陸路も検討 ウクライナ 価格高騰再燃の懸念】【市川猿之助容疑者再逮捕 父親の自殺も手助け疑い】(19日付中日)【鳴り響く軍歌とロック 露飛び地カリーニングラード リゾート地 戦時と日常共存】【穀物輸出 国連が仲介継続 事務総長「食糧安保の生命線」】【G20声明見送り 財務相会議 露巡り6回連続】(19日付毎日)など。新聞記事は、やはり社会を映す鏡である。

 そんななか、またしても私にとっては忘れることのできない志摩の記事【豊漁願い漁師も海女もずぶぬれ 志摩で「潮かけ祭り」】(19日付、中日)が目にとまった。いわゆる、アワビ、サザエ、アラメなどの宝庫といっていい和具大島沖合海上での海女さんたちが潮をかけあう潮かけ祭りがそれ、である。この日が来るとわたしは昭和40年代後半、まだ20代のころ目の前で繰り広げられた海女さんたちの潮かけ祭りを決まって思い出す。
 あのころ。私は新聞社の地方記者として、新聞の伊勢志摩版で連載記事【海女、その世界】を執筆中で、和具をはじめ御座、船越、波切、浜島、安乗の海女さんたちと知り合いだったこともあり、「兄(アニ)さ。カメラ渡しな」といわれ、大切なカメラを渡すや、2、3人の海女さんに抱えられ、着の身着のまま舟から海中に放り投げられたあげく柄杓で海水を浴びせられ、全身びしょ濡れになった。あの日のことは永遠に忘れられないのである。
 でも、その分、私はけいこ海女に始まって徒人(かちど)を経て舟人海女(ふなどあま。夫のたずなの下、夫婦で海に潜るベテラン海女)に育っていく海女さんの世界や、海女さんにはかけがえのない休息どころと言っていい火場(ひば)のこと、さらには魏志倭人伝にまで記述されている通り、大昔には志摩の海女さんは済州島の辺りまで泳いで行ったものだーということまでを学び、知ったのである。

 時折、妻のたつ江(伊神舞子)を海女さんの火場にまで連れて行くと「あのなあ~」「ほいでなあ」と人参料理の作り方に始まり、海から揚がったばかりのカツオを使っての【てこねずし】のつくり方までいろいろ教えてくださったのである。あのころは、白い磯着ではもの足らず、ゴムのウエットスーツをそろそろ使い始めた頃だったが、時に心臓まひで死亡した海女さんの悲劇を社会面で大きく報道したことも何度かあった、そんなころの話でもあるのである。

 というわけで、私にとっての志摩の海女さんは今もって忘れられない存在なのだ。なんだか話がそれてしまったようだが、私と舞には、そうした時代もあったのである。ドラゴンズの谷沢選手が自主トレでアルコール漬けの酒風呂にはいって鍛えていたころの話である。彼が自主トレ中、私は彼の奥さんと志摩観光ホテルでコーヒーを飲んだりしていたが、あのいまわしかった中スタ事件を乗りこえたドラゴンズはその年、セ・リーグ優勝を果たした。遠い昔。厳しくも楽しかったころ、昭和の時代の話である。

(7月18日)
 三重県桑名市で全国最高の39・0度を記録。愛知県岡崎市と蒲郡市、岐阜県美濃市で37・6度、岐阜市で37・5度、津市で37・3度、名古屋市で37・1度などを観測。東海各地は、きょうも猛暑日に襲われた。
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「すごく腫れて病院に来ています 緊急入院、緊急手術になりました レッスン出来ない。ごめんなさい」と突然、社交ダンスの先生からラインメールが入った。手術後もせっかく順調に回復しつつあったのに。一体全体、何があったのか。あとは次なる手術の結果がよく、早く回復されることを祈るのみである。それにしても。若先生の身に何が起きたのか。心配である。でも、きっとよくなる。

 先生は、何ごとにつけても、とても熱心なため私たち教え子のこと一人ひとりを思い、退院と同時にレッスンを少しやりすぎ、その結果が緊急手術という事態に陥ったとしても不思議でない。それ以外に考えられるとしたら、それは医療ミスである。いずれにせよ、私たちは早く元の先生に戻られるよう、ただひたすら祈るのみだ。もしも医療ミスだったとしたなら、それは許されない。もはや、あの名市大医学部が、そんなドジを踏むはすはないに違いないとは思うのだが。真実は、どうなのか。いずれにせよ、きっとよくなる。よくなっていただかなければ。そう信じている。

 火曜日。昨日はやはり、全国各地で最高気温35度以上の猛暑日となった。
名古屋でもことし最高の37・4度を観測。【危険な暑さ日本中 195地点で猛暑日 豊田39.1度 「住居内」「高齢者」熱中症注意】【秋田大雨 断水1万戸超 混乱続く再び雨強まる恐れ】(18日付、中日)【露、穀物輸出合意を停止 ウクライナ産「無効」】【日UAE(アラブ首長国連邦)脱炭素「主動」 首脳会議 サウジとも協力合意】(同、毎日)の見出しが躍った。
 このほか、テニスのウィンブルドンでは【死闘4時間42分 ジョコ(ジョコビッチ)撃破】【20歳アルカラス初V 世代交代へのろし】【絶対王者冷静さ欠き連勝ストップ】(同、毎日)のビッグニュースも。世の中、いろいろだ。

 京都の祇園祭・前祭の山鉾巡業が17日、京都市の中心部であった。23基の山鉾が都大路を進み観光客らを魅了。人出は3年ぶりに巡行があった2022年より1万人多い15万人だったという。同じ京都の保津川(京都府亀岡市)の川下りが再開。3月に舟が転覆、船頭2人が死亡した事故で運休していた。北海道の蘭越町で資源調査の掘削作業で蒸気が噴出した問題で調査主体の三井石油開発(東京)は17日、現場で16日に採取した蒸気から飲料水の基準の2700倍に相当するヒ素が検出された、と発表。このため同社は現場周辺の水を約1㌔離れた井戸へパイプラインを使って送水。地中に戻すことで影響を防ぐのが目的で噴出現場付近では7・5㌶の範囲で変色。6月下旬の蒸気噴出後は町民ら15人が体調不良を訴えているという。

 36人が亡くなった2019年の京都アニメーション放火殺人事件から4年の18日、現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)で追悼式が開かれた。

2023年7月17日
 月曜日。祝日。海の日だ。この日がくると、あの東日本大震災が起きた直後に、テレビ画面から洪水の如く流れ出、信じられないほどの高さで人間社会を襲った波の数々、大津波を目の前に、私に向かって舞が何度も何度も叫ぶように言ったことば【海は悪くない。海は決して悪くなんかはない。海は悪くないよ】のことばが胸を突いてくるのである。わたくしには、「ニンゲンたちが悪い」と言っているようにも聞こえた。
 そして。その後、私は福島県いわき市の塩屋埼灯台など東北の被災地を何度も訪ねるたびに海を目の前に「おまえたちは、なんにも悪くないのだから。悪くないからな」と白い波に向かって数限りなく話しかけもした。ある年には舞を伴って美空ひばりさんの碑が立つ灯台直下の浜に立ち、波に向かってそのように話しかけたこともある。

 御座白浜、安乗、浜島、磯部、船越、大王埼の波切に代表される志摩の海、七尾、千里浜、穴水、関野鼻、輪島、門前、舳倉島、能登島、半島突端の禄剛崎などで何度も見た能登の海、大韓航空機が撃墜された北海道は稚内のオホーツクの海、中日ドラゴンズのキャンプ地である沖縄、ほかにスペインはマドリード、メキシコのマンサニージョの海…と、私がかつて足を運んだ至るところ、どの海も波たちは何にも悪くはない。
 ここまで思考を進めた私はここでふと立ち止まり、かつて私の提言で七尾青年会議所の若者たちと共に<海を感じる心>を広めようーと新聞社と共催で国内外に広く公募した「海の詩(うた)大賞」公募の第1回大賞に選ばれ、受賞後、門前町役場職員から成るバイストリードバンド(当時)によって作曲された【海はなぜ広いの】を思い出し、口ずさむのである。今もなお、いや、この地球が存在する限り多くの人々に親しまれる「海の詩(うた)」。
 その歌詞は次のとおりである。
♪うみはなぜひろいの それはすべてのいのちのはじまりだから うみはなぜあおいの それはちきゅうをかこむカーテンだから うみからいのちははじまった みんなのうみひろいうみ そんなうみが ぼくらによびかけている ずっとまっている- こころのなかで(作詞本藤理恵、作曲酒井郷夫)

 1987年度「海の詩(うた)大賞作は次のとおり(「海の詩市民の会」による海の詩パンフレットから)
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 さて。世間の話題はといえば、だ。車いすテニス男子で世界ランキング1位の17歳、小田凱人(おだときと。東海理化、愛知県一宮市出身)が16日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブでウィンブルドン選手権のシングルス決勝に臨み、第2シードのアルフィー・ヒューエット(英国)に6-4、6-2でストレート勝ちして初優勝したことか。小田は全仏オープンに続く4大会2連勝で、たいしたものである。そして今ひとつ。中日ドラゴンズが甲子園での阪神戦に挑み、リードを守り切って3-0で勝ち、3連勝。この世は勝ったり、負けたり。ドラゴンズの選手たちに、ここはエールを送っておこう。この世は、人生と同じ。勝ったり、負けたりだ。負けたらアカンが、次の試合を勝てばよい。悲しいことがあれば、楽しいことが少しはあるはずである。

2023年7月16日
 日曜日。おまえ。わが妻たつ江(伊神舞子)が大好きだった郡上踊りが昨夜、岐阜県郡上市で始まった。新型コロナウイルスの影響もあって4年ぶりの開催。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてからは初の郡上踊りである。
 そして。名物の徹夜踊りは8月13日から16日まで4夜連続で明け方まで続く。たつ江がいたなら。一緒に行って、共に夜を徹して踊りたかったのに(彼女は友だちと連れ立って行ったことはある)。私が自分勝手でいたこともあり、夢はかなわなかった。私は、一生の不覚だったと今ごろになって深く深く、反省している。この情感たっぷりの郡上踊り。これから9月上旬まで31日夜にわたって、♪郡上のナー八幡 出て行く時は 雨も降らぬに 袖しぼる~と繰り広げられる。

 郡上踊りがなぜか、大好きだった生前のたつ江(伊神舞子)。一度は一緒に行きたかった。
 
 
 私の母も盆踊りは大好きであった
 

 本日付の中日5面【ニュースを問う<三重県志摩市沿岸の磯焼け 食害生物 うまく逆手に> 阿部竹虎(志摩通信部)】を興味深く、拝読。志摩といえば、半世紀前に私自身が地方記者として3年余にわたって妻たつ江を傍らに取材に走り回った懐かしの土地だからである。
 あのころは田中角栄提唱による日本列島改造論華やかなころで、真珠の海・英虞湾の富栄養化現象に伴う悪性赤潮(ギムノディニウム)発生とそれに伴う真珠母貝の大量斃死の取材に愛車サニーで連日走り回り、振りまわされた懐かしく、かつ当時私と一緒になったばかりのたつ江にとっては最初の苦難の日々の連続の任地でもあった。
 さらに伊勢神宮の式年遷宮、高校総体に〝みえ国体〟と志摩通信部兼伊勢支局員という兼務記者という立場もありそれこそ、ハードな連日が続いたが、舞は文句ひとつ言うことなく、通信部の留守を守り、私にどこまでもついてきてくれたことを思い出す。月に一度は必ず阿児町鵜方の通信部で実施した中日写真協会志摩支部の例会も彼女がいればこそ、続けることが出来たのである。

 在任中は、志摩観光ホテルで<華麗なる一族>を執筆していた作家山崎豊子さんに何度もお茶に誘われ、嬉しかったことなども思い出される。ほかにタンカー沈没に伴う重油漂着で海女漁がしばらくストップしてしまったり、中日スタヂアム社長だった平岩治郎さんが浜島突堤に近い黒崎の浜で自殺を遂げたり、みえ国体を前に悪徳運転手の横行を【真珠のふるさとを汚すな】と紙面化したところ、「俺たちの生活はどうなるのだ」と近鉄鵜方駅前の広場で何十人ものタクシー運転手に囲まれたりもした。皆ほんとうの話である。
 ほかにも熊野灘での密漁騒ぎなど本欄だけではとても書き尽くせない多くのことがあり、伊勢神宮の式年遷宮では玉砂利での人間のお供えもの・供奉員(ぐぶいん)担当記者として日本を代表する企業トップや作曲家古関裕司さんらを再三にわたって取材した記憶がよみがえるのである。

 これとは別に、ある日、まだ無名だった若者、鳥羽一郎さんが通信部を何度も訪れてくださり、応対したたつ江(舞)に「早く紹介してあげなくっちゃあ。とても素敵な方で、すごく熱心なのだから。ニュース性もあるわ」と叱られたことがあるが、あの時は連日の英虞湾悪性赤潮取材でそれどころではなかった。いずれにせよ、あの地方記者としての日々が、今となれば忘れられない思い出として蘇えるのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 志摩時代が懐かしくてチョイト、話がそれてしまった。
 正午過ぎ。ピッピッピッ、の音にスマホを開くと「東北は大雨被害拡大の恐れ 関東から九州は猛烈な暑さ、熱中症に警戒を」とYahooニュース。それにしても、日本はおろか世界中の情報が即座に入る時代になった。人間の知能とは、たいしたものである。なんだか、怖い気さえしてきた。

 きょうは愛猫シロが午前中、散歩に出たが、天女のお母さん・たつ江に伊勢志摩時代のオトンとオカンのふたりの生活ぶりについてアレヤコレヤと聞いてきたに違いない。でも、ネ。この世の中、地方も、都会も。基本的には何ら変わりはしないのである(シロは、いつもどおり正午過ぎに帰宅した。お疲れさま。シロよ、シロちゃん)。

 夜。NHKスペシャル【混迷の世紀➓インド▽第3極が世界を動かす14億人を総デジタル化】を見て、考えさせられた。

(7月15日)
 秋田県が記録的大雨に。午前11時すぎには秋田市を流れる太平川が同市広面地区で氾濫。市は付近の4538世帯、9060人に緊急安全確保を出した。九州地方の雨がやっと治まった、と思ったら、こんどは東北は秋田での氾濫である。やれやれである。

 本日付の中日新聞夕刊に【志願の手紙から3年あしらわれても熱意 16歳 行事身に精進 式守風之介】名古屋場所で初土俵】というすばらしい記事が載った。

 一方で、私はといえば、だ。たつ江が傍らに居ない悲しさは一向におさまらない。いや、むしろ倍々に、それも幾何級数的に(少しオーバーかな)増えつつある。

 土曜日。きょうはたつ江(伊神舞子)の月命日でもあり、午前中、シロに留守を頼んで花を手にした末っ子とおかあさんが眠る臨済宗妙心寺派・永正寺の永代供養墓【濃尾の大地】へ。ふたりで、現世のことなどいろんなことをお母さん、すなわち舞に報告して帰った。「俺たちがおまえを守るから、おまえも俺たちを守ってくれよな」と手をあわせ、頭を垂れた。
 帰宅後は、きのう深夜未明まで執筆に追われていたこともあって睡魔に襲われ、自室の背もたれ椅子に少しの間、足を伸ばしたが眠くて仕方がなく、2階寝室で寝る。このところ、外から帰るとなぜか知らぬが。どうしようもない眠けにドッと襲われ、寝てしまうのである。こうしたとき、たつ江(舞)がいてくれたら良いのに、とつくづく思う。やはり、俺にとっての舞のいない人生なぞというものは、今なお考えられないのである。
 大げさだと言われようが、何と言われようが、だ。もはや、彼女がいないのでは生きていても仕方ない、と。そんな自暴自棄な気持ちにも時折、なるのである。

 なのに。私はこうして生きている。なぜか。なぜ。なのか。自分でも分からない。「おまえのいない人生なんて、だ。楽しくも、なんともない。考えられない」。のに。である。だったら、なぜ生きているのか。それは、俳人で歌人、詩人でもあった舞という存在。舞が生きていた、と言う事実、あかしをこの世の中の少しでも多くの人々に知ってほしい。ただ、それだけから、なのかもしれない。
 彼女はひと言でいえば、とてもいさぎよい女だった。「あのねえ、あたし。あたしねえ。そんなに長くなんか生きていたくないよ」というのが口癖だった。そういえば、わたくしのおふくろも「おかあちゃん。おかあちゃん、そんなに長い間、生きとりたくなんかないよ」としばしば話していた。潔いところがたつ江に、とてもよく似ていた。舞とともに私の自慢でもあったそのおふくろも昨年5月16日に6月1日の満102歳の誕生日を直前に101歳で亡くなってしまったのである。あぁ~。

 夜。思いがけず、かつて長年教えて頂いた横笛のお師匠さんから「元気ですか」のメールが入り、懐かしかった。そうだ。横笛も吹かなきゃ。たった一人の観客こそいなくなってしまったが。まだひとり、愛猫シロちゃん、オーロラレインボーがいてくれる。だから。がんばらなくては。

 きょうの中日朝刊生活面の【くらしの作文 魔法の握手 中根八千代さん(愛知県豊田市=主婦・66歳)】がとてもよかった。舞が生きていれば、リサイクルショップ「ミヌエット」に出かける妻たつ江に毎朝「行ってらっしゃい」と言って握手で送り出してやったのに。そう思うと、思わず涙の滴がポロポロポロリ、と落ちてきたのである。下手な作家の文より、こうした文こそ、よほど本物である。

(7月14日)
 金曜日。本日付の中日夕刊1面に【弁護士会新会長 尾崎豊さん兄 「自由守る」歌う弟と同じ 司法の立場で社会に問う】の記事。心がふんわりと温かくなってくるとても良い記事である。

 きょうはあれやこれやと執筆の忙しい合間を縫って木曽川河畔のフラワーガーデン江南へ。
 金曜日なので、ひとり社交ダンスのシャドウレッスンをするためにである。帰りにアピタに寄って簡単な食事と弁当の買い物をして帰ったが、かつて、相棒のたつ江(伊神舞子)が店内での買い物を終えるのを待つ間、「古知野高校方面北出入り口」のフロアでひとりでシャドウレッスンを黙々としていたことを思い出し、懐かしいような悲しいような気持ちに襲われた。

 きょうもただ1人、ここで社交ダンスのシャドーレッスンに挑んだ(フラワーパーク江南にて)
 

 夜は、夕刊のチェックに始まり、ここ数日をかけ執筆済みの文士刮目27回目を何度も読み返し、午前霊時過ぎにやっと出稿を終え、少々、いや、だいぶ疲れた。シロが傍らで時折、心配そうな視線を投げかけてくる。シロよ、シロ。シロ。本当にありがとう。おまえにまで心配させるね、と私。

 宮崎駿監督の10年ぶりの長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」がこの日、14日から公開。宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこの日(14日)、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンを地上で燃焼させる試験を秋田県能代ロケット実験場で行ったが、開始から約1分で爆発、失敗に終わった。

(7月13日)
 この日がくると、亡き父を思い出す。生きていてくれたら、満108歳。大正4年7月13日が誕生日だった。

 きょうは、朝のうち激しい雨、雨でシロは室内の椅子に静かに座り、何か考えごとをしたまま、しばらく戸外に目を注いでいた。デ、ユーチューブでいつものようにお母さんが好んでいた<エーデルワイス>と<みかんの花咲く丘>に一緒に耳を傾けたあとは、<リゲルと星の夜【オリジナル絵本ムービー】>なるものを、同じユーチューブで仲よく聴いてみた。

 富山、石川両県では12日夜、線状降水帯が発生。気象庁では西日本が日本海側を中心に13日、東日本でも14日にかけ雷を伴った激しい雨が降るところがあるとして土砂災害や河川の氾濫に警戒を呼びかけた。

 死者・行方不明者合わせて230人を出した1993年の北海道南西沖地震から30年となった12日、北海道・奥尻島(奥尻町)では町が島南部の慰霊碑前に設置した献花台で島民らが献花し犠牲者を悼んだ。13日付の中日新聞によれば、だ。愛知県立芸大が進めていた丸木位里・俊夫妻の連作絵画「原爆の図」の第一部「幽霊」の修復が終わり12日、所蔵する「原爆の図丸木美術館」(埼玉県東松山市)に向け搬出された。修復を担った7人のひとりで同大文化財保存修復研究所の研究員斎藤晴香さん(33)は「戦争体験者との関わりさえなくなる世代にバトンを引き継ぐことができた」と話した。
 きょう13日付の中日新聞の夕刊【大波小波】に「ウクライナの核危機 林京子を読む」が掲載されており<文学は漢方薬のように効く>と。さも、ありなんである。

 13日付夕刊の「大波小波」
 

(7月12日)
 東京都八王子市でことし全国で最高の39.1度を記録。まさに命に危険な温度である。
 大相撲名古屋場所4日目の12日、3日目まで1勝2敗と不振の東横綱照ノ富士は日本相撲協会に腰椎椎間板ヘルニアなどで「1カ月間の安静加療を要す」との診断書を提出して休場。一方、3日目まで休場していた新大関霧島は、この日から出場。琴ノ若に寄り切りで勝ち、大関としての初白星をあげた。人生いろいろ、悲喜こもごもの土俵が繰り広げられている。

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長が10日、リトアニアの首都ビリニュスで記者会見。トルコがスウェーデンのNATO加盟容認に転じ加盟に向け批准手続きを進めることで合意したと発表。スウェーデンは32番目の加盟国となり、北欧全土がNATO入りすることが事実上、決定した。
 最高裁第3小法廷は11日、戸籍上は男性で女性として東京都で暮らす性同一性障害の50代の経済産業省職員が省内で女性用トイレの使用を不当に制限されたとして国に処遇改善を求めた上告審判決で11日、経産省の対応を是認した2015年の人事院判定を違法と判断。制限を認めないとの判断を示し、職員側の勝訴が確定した。

 韓国軍合同参謀本部によると、12日午前10時ごろ、北朝鮮が首都平壌付近から日本海に向けて長距離弾道ミサイルとみられる一発を発射。防衛省によれば、朝鮮半島の東約550㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)外に11時13分ごろ落下した。読み応えのあった夕刊記事といえば、中日の大波小波「森田必勝に恋人がいた」と【野見山暁治さんを悼む 窪島誠一郎 生き残った者の葛藤】か。

 米大リーグのオールスター戦が11日、ワシントン州シアトルのTモバイル・パークで行われ、大谷翔平選手(エンゼルス)はア・リーグの二番指名打者で出場。第一打席は空振り三振、第二打席は四球で1打数無安打だった。六回の打席で代打を送られ退いた。

(7月11日)
 静岡地検が10日、1966年に起きた旧清水市(現静岡市清水区)の一家4人強盗殺人事件で死刑確定後に再審開始が決まった袴田巌さん(87)について今後予定される再審公判で袴田さんが犯人であると改めて主張する(有罪立証)方針を静岡地裁に伝えた。これにより、公判の長期化は避けられず、早期の無罪判決を求める弁護団は強く反発。一体全体これまでの審理は何だったのか、という気持ちは私も同じだ。
 この袴田事件。議論の蒸し返しと言わざるをえない法定審理だといってよい。検察側は引き続き死刑判決の最大の根拠となった「5点の衣類」の評価などを争っていきたいとしている。この審理。疑問と思わざるをえないのは、私だけだろうか。いやいや、袴田さんが犯人だったなんて。そんなはずは決してないはず、なのにである。

 一方、弁護団は10日、事件から約1年2か月後にみそタンクから見つかった血痕がついた5点の衣類は捏造だーとして証拠から排除し無罪判決を求める冒頭陳述案を裁判所に提出。弁護団の小川英世事務局長は検察の有罪立証について「無実と分かりながらやっている」と強く批判した。こうしたなかで袴田さんの姉ひで子さん(90)の「これまで57年間闘ってきました。2、3年長くなることはどうってことない」と語る姿が、私には痛々しくも、とても頼もしく感じられたのである。

(7月10日)
 新聞休刊日。朝、新聞が手元にない。やはり、とても寂しい。
 シロはいつものように午前10時過ぎ、お外に。正午前には帰って、一階横、縁側のゴザの上でただ何を言うこともなく黙って私に家の中に入れてもらえるよう、両手をそろえて静かに待っていてくれる。その姿がなんとも健気で美しく感じられもする。

 朝。なぜか。シロちゃんといつものように、【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】をユーチューブで聴いたあと、なぜかボブディランの【風に吹かれて】を聴きたくなり、耳を傾けた。
 午後。買い物から帰宅すると、洗濯物が雨にやられていた。せっかく息子がやってくれていたものだから、と絞り直して天気が回復したベランダに再び干すのに手間取った。やれやれ、である。でも、こういう日もあるか。仕方ないナ、と私。その様子を心配そうに見守るシロちゃん。か。

(7月9日)
 日曜日。
 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が7日のドジャース戦に「1番・指名打者」で出場。3打数1安打で今季100安打に到達。5日に29歳の誕生日を迎えて以降、4試合ぶりの快音が3年連続の100安打となった。【山上被告 銃改良に執着 安倍元首相銃撃1年 試射重ね動画に】とは、9日付の毎日新聞朝刊1面の見出しである。

2023年7月8日
 七夕さまを過ぎ、きょうは8日。土曜日だ。
 ロシアのウクライナ侵攻500日。米による殺傷力の高いクラスター弾のウクライナへの供与、安倍氏(安倍晋三元首相)銃撃死1年。タリバン女子の留学禁止。東電福島第1原発の処理水放出設備の合格。コロナ46都道府県で拡大。マイナ問題で政府の個人情報保護委員会がデジ庁に立ち入り検査へ、あすから大相撲名古屋場所の開幕、島根県東部に線状降水帯が発生 出雲市や松江市など各地で冠水、くらしの作文「野いちご」(樋口ミチヱ 愛知県江南市=無職・83歳)、【小笠原102球完封 七夕の夜5年ぶり喜ぶ 打線組み替え6番細川3安打(中日新聞・球心)】と中日新聞で報じられた久しぶりのドラゴンズの快勝(ドラゴンズはきょうも5-1で広島に勝った)、NIE実践校に530校……など。
 いろいろある。その中をニンゲンたちは皆それぞれの思いを胸に、きょうも生きていくのである。

 シロはけさも私と一緒におかあさんが晩年の病床で「聞きたいので毎日聞かせてよ」と言っていた♪エーデルワイス、そしてリサイクルショップ【ミヌエット】のテーマ曲♪みかんの花咲く丘-をユーチューブで聴いたあと、日課のように風の中をいずこかに出ていった。シロちゃん、オーロラレインボーは彼女なりの予定というか。確認しておきたいことがあるからに違いない。それか。やはり天空に住むおかあさんに会いに行ったかもしれない。「くれぐれも気をつけてね」と送り出す私(シロはちゃんと正午過ぎには帰ってきた)。

(7月7日)
 七夕さま。たつ江(伊神舞子)の浴衣姿が鮮やかに浮かび上がる。彼女は何を着ても愛くるしくて、ボクにはもったいないほどのかわいい女性であった。おふくろと同じでやさしくもあった。ふたりが共にいると、それこそ太陽がそばにいるような明るさを感じた。

 そのふたりも亡くなってきょうは、夏の暑さが始まるころ。小暑(しょうしょ)である。とはいっても、猛暑は既に始まっている。
 午後。小牧時代からの友人でドラキチでもある小畠辰彦さんが【希望舞台2022年11月28日(月)武蔵野芸能劇場 居酒屋夢子1969 作ニシモトマキ 演出由井數】のCDを手に現れたので、近くの喫茶「シャトーマスミ」へ。食事を共にし、脱原発社会をめざす文学者の会会員でもある詩人森川雅美さんの最新意欲作と言っていい詩集「疫病譚」を「読んでよね」と手渡す。「率直な感想も教えて。聞きたいので」と言って別れる。

 きょうは本来なら一宮での社交ダンスのレッスンの日である。
 というわけで、この後は、マイカーで木曽川河畔のフラワーパークへとひとり出向き、1時間ほど社交ダンスのレッスンに励んで帰る。途中、西友で買い物をして帰宅すると、シロが心配そうな顔をして出迎えてくれ、いつも変わらない彼女の心遣いには、ありがたい気がしたのである。
 それに。きょうは、とても暑い日ではあったが、幸いフラワーパークは日陰もあって空気も自然も良く、ひとりレッスンには最高の環境だけに、なんだか癖になりそうな、そんな気さえした。またしても「たつ江、舞を何度も連れてきてやればよかった。一生の不覚とは、このことを言うのだな」と反省の念にかられた私だが、時既に遅し―とは、このことだろう。私は、いつだって自分勝手な男だったのである。

 私がひとりレッスンに挑んだ江南市のフラワーパーク。
 
 
 
 流れる水もどこまでも清らかだった
 

「名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)」がサイバー攻撃を受けた問題で名古屋港運協会は6日、システムが復旧したと発表。管理する全てのターミナルでコンテナの搬出入を再開。やれやれ、である。
 世界のノーベル賞受賞者たちがロシアによるウクライナ侵攻を非難した公開書簡で名を連らねたひとり、白川英樹筑波大名誉教授(86)=2000年ノーベル化学賞=がロシアの侵攻につい6月下旬「台湾有事となれば日本も巻き込まれかねず、日本政府も国民も人ごとではない」としたうえで、国が進める防衛装備品の輸出制限の緩和に対して「なし崩しのように昔に戻っており、危機感を覚える」と懸念を語ったという。このままだと、知らぬ間に軍国時代にUターンしかねない、と痛烈に指摘したといってよい。ゆゆしき問題である。

 侵攻「日本 人ごとではない」と警告した白川英樹筑波大名誉教授の記事(7日付中日新聞1面)
 

(7月6日)
 14府県で災害関連死を含め305人が亡くなった西日本豪雨から5年目の日である。広島、岡山両県の被災地で追悼式が営まれた。

 名古屋港に5つあるコンテナターミナルを一元管理する「名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)」での障害発生でコンテナの搬出入が出来なくなっている事件。名古屋港湾協会は5日、システムがサイバー攻撃を受け、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」に感染したことが原因だと明らかにし、復旧に乗り出すとともに愛知県警も捜査を始めた。名古屋港では昨年9月にも名古屋港管理組合のサイトで障害が発生。このときは大量のデータを送りつけて障害を発生させる「DDoS」攻撃が原因で、ロシアのハッカー集団「キルネット」が犯行声明を出していた。

 【原発処理水 放出「強行」は禍根残す】とは、中日新聞の本日付の社説である。
 IAEA(国際原子力機関)は、人や環境への影響は「無視できるほどごくわずか」としたものの「海洋放出の方針を推奨するものでも、支持するものでもない」との留保も付けた。/トリチウムは自然界にも存在し、海洋放出は国際的に認められているものの、事故原発で発生した処理水の影響は定かでなく、除去装置のトラブルも考慮に入れる必要がある。/IAEAも「放出開始後も監視を続ける」としており、三十年に及ぶ長期放出計画の安全性が保障されたわけではない。/風評被害を恐れる漁業者と政府の間には「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」との約束がある。対岸の中国や韓国などからの不安の声も高まっている。このまま放出に踏み切れば「強行」のそしりを免れ得まい。/廃炉を円滑に進めるためには〝処理水の処理〟が不可欠だとしても、漁業者、消費者、そして国際社会の理解は足りていない。IAEAの見解を盾に、拙速に進めるべきでない。不信と不安も「除去」してからだ。
--といった内容だったが、その通りだと思う。

 ウクライナ戦争が半ば泥沼化状態になっているなか、けさの新聞を見る限り【イスラエル軍「作戦完了 パレスチナ側12人死亡】といった中日新聞の国際・総合面の記事も気になる。【ジェニン=共同】発の原稿で「イスラエル軍は五日、占領地ヨルダン川西岸のジェニンで行ったパレスチナ武装勢力への大規模軍事作戦が完了し、全部隊を撤収させたと明らかにした。地元メディアが伝えた。千人規模の地上部隊を投入し、空爆まで行った異例の作戦。パレスチナ側十二人、イスラエル兵士一人が死亡し、多数が負傷した。イスラエル軍は、武装勢力の武器弾薬を多数押収したとして、戦果を強調した。……」といった内容である。
 困ったものである。

 きょうは大口のユニー・ドンキ店で食事したあと、帰りに久しぶりに市内のカラオケ店へ。牧さんからウナギのお中元を頂いたので、そのお返しをしなければ-と彼が作曲した<恋の犬山(都はるみさん)>を歌ってきた。せっかくなので<時には母のない子のように><能登の海鳥><夜霧よ 今夜はありがとう><千曲川><北の旅人>も歌ってみる。うたいながら、声が少し衰えていることに気付く。これからは一曲だけを、しっかり歌って帰ることにしよう。端唄に小唄、横笛にハモニカなども披露したいところだが、これらは我が家と愛車のなかのカセットなどでレッスンしよう-と自らに言い聞かせる。

 息子の調理で美味しく頂いた牧さんから届いたうなぎ(土曜日8日の夜)
 

 そして。話しは変わるが。また余裕が出来たら、たつ江が大切にしておいてくれた一宮時代に少しだけ学んだ三味線でも習おう。それにしても私たちが志摩にいたころ、まだ若かった彼女がミニスカート姿でいつも両腕に抱えて<禁じられた遊び>などを弾いていたあの、長年愛用していたギターは一体全体どこに消えてしまったのか。彼女が数年前に「貸して」と言われたお客さんに気前よく渡したまではいいが。「なかなか返してくれない。でも、そのうち返してくれるだろう」と信じてやまなかった大切なギターである。その彼女にとっては宝物とも言って良いギターがいまだに戻ってこないのである。

(7月5日)
 一日、かぜの強い日となった。午後には雨が天から落ち始めた。というわけで、愛猫シロ、すなわちオーロラレインボーを散歩に出すことは止める。彼女も、風が強いから「きょうは外に出してはもらえない」ことを十分に理解している。わかっている。
 
 きのう4日は打って変わって各地で気温が上昇。岐阜県揖斐川町でこの日全国最高の36・5度を記録。愛知県豊田市で36・0度、岐阜県多治見市で35・9度、長野県飯田市南信濃で35・0度を観測。岐阜県では熱中症の疑いで8人が救急搬送され、白川町の建築現場では59歳の男性が突然倒れて心肺停止に。郡上市でも85歳の女性が畑で倒れ意識がなくなっているところを通行人が見つけ119番。愛知県でも名古屋市の7人など県内で分かっているだけでも24人が熱中症の疑いで救急搬送されたという。いやはや、暑さは魔物同然だ。

 けさの新聞。やはり東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を巡るもので、計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が4日、首相官邸を訪れ「放出計画は国際的な安全基準に合致する」との報告書を公表。計画どおりの段階的な放出であれば、人や環境への放射線の影響は「無視できるほどごくわずかだ」と評価している、といった各紙の報道である。
 でも本当にそうだろうか。(流してみて、しばらく様子を見ないことには真実は、わからないのではないか。地元漁協などは風評被害もあわせてその点が心配なので流出に反対しているのだと思う)。私は、報告書をその通り信じてよいものかどうか、となると専門家でも学者でもないため分からない。いや私に限らず、全ての人々にはこの点は、しばらく放出してみないことには分からないのではないか。残念ながら、それが真実ではないのか。その意味からも、私たち人間、いや国民は慎重にならざるをえないのである。神のみぞ知る、とはこのことか。
かといって1000以上にも及ぶ貯水タンクをこのままにしておくわけにもいかない、ことも事実である。限りなく難しい問題である。

 こんなわけで、新聞の見出しは【福島第一処理水 海洋放出安全基準に合致 IAEA 首相に報告書 環境への影響「ごくわずか」】(中日)【処理水放出「国際基準合致」 IAEA 漁業者や中韓懸念】というものだった。徳川家康でもないが。さてさて。どうする。放出。これは非常に難しい問題である。

 名古屋港に五つあるコンテナターミナル。これらを一元管理する「名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)で障害が発生。コンテナの搬出入が出来なくなっている問題でシステムの管理運営をする名古屋港運協会の菊川幸信専務理事は「ご迷惑をおかけし申し訳ない。全力で復旧に取り組んでいます」との弁。東京五輪・パラリンピックの大会運営事業を巡る談合事件で独禁法違反(不当な取引制限)の罪に問われた大会組織委員会大会運営局の元次長森泰夫被告(56)は5日、東京地裁の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。

(7月4日)
 本日付の中日新聞の夕刊1面の見出しは、【侵攻憂え羽ばたく祈り 「禎子の折り鶴」複製バチカンへ 遺族、核の威嚇を懸念】【生成AⅠ「小学生慎重に」 文科省指針公表 まず限定活用 中高モデル校指定へ】【大谷月間&週間MVP ともに日本選手最多回数 「ベストに近い」6月成績に満足】【高齢者へのマイナカード 暗証番号なしで交付可 総務相方針】といったものである。
 なかでも米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(28)が3日、ア・リーグ野手部門の6月の月間最優秀選手(MVP)と、前週に好成績を残した選手が表彰される週間MVPを同時受賞したというニュースには驚かされた。そして月間は、といえば。2年ぶり3度目でダルビッシュ有(パドレス)や野茂英雄、伊良部英輝を抜き、週間は今季2度目で通算6度目となってイチローを超え、ともに日本選手で単独最多の選出回数になったというのだ。たいしたものである。

 それと夕刊連載小説がきょうから門井慶喜さんの【札幌誕生】に変わった。第1回を読む限り、わかりやすくてなかなか期待がもてる気がする。これまでの夕刊があまりにひどすぎ意味不明だっただけに、奮起を望みたい。【なぜか目立たない人、というのがいる。】という書き出しからして期待してよい気がする。これまでの【生殖記(朝井リョウ)252】は、最後まで意味不明の展開でこれはあくまでわたくしの私見ではあるが。読者に対してもあまりにひど過ぎた。わかろうわかろうとして読んではきたが、最後まで意味不明が過ぎた(もちろん、作者は自分では段階を踏んで書いてはきただろうが。出直しをうながしたい。文というものは、全ての人に分かりやすく書かなければ。いっそうの奮起を期待したい。日本経済新聞の夕刊の方は、まずまずか。期待している)。
 これをいい機会に他紙の小説(毎日新聞の朝刊小説「青嵐の旅人」「兎は薄氷に駆ける」。朝日の「人よ、花よ、」など)をしっかり読まれることを望みたい。特に毎日の新聞小説は読者をひきつける展開でわかりやすく、読んでいても痛快である。やはり大衆に読んでもらう以上、まずわかりやすく。読者が読むのを楽しみにする小説でなければ掲載する意味はないのである。新聞小説にひとりよがりは許されない。私にはそう思われるのである。

 日銀が3日に発表した6月の短観(企業短期経済観測調査)。それによると、大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が3月の前回調査から4㌽上昇のプラス五となり、2021年9月いらい、1年9カ月(七・四半期)ぶりに改善。半導体不足の緩和で自動車の生産が回復した。国税庁が3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年分の路線価(1月1日時点)を発表。全国約31万6000地点の標準宅地の平均変動率は前年比1・5%プラスとなり、2年連続の上昇。これは、出入国制限の緩和など新型コロナウイルス禍で停滞していた商業活動が活発化。インバウンド(訪日客)需要の影響が大きい商業地の回復が鮮明になったからだという。

 気象庁によれば、3日は各地で気温が上昇。岐阜県郡上市八幡ではこの日の全国最高となる35・4度、揖斐川町でも35度を観測する猛暑日に。ほかに愛知県豊田市と岐阜市で34・7度、名古屋市と三重県桑名市で34・2度、長野県飯田市で33・8度になったという。というわけで、岐阜県内や岐阜県を中心にことし一番の暑さになった。

(7月3日)
 月曜日。ソフトクリームの日だそうである。
 28人の命を奪った静岡県熱海市伊豆山であった大規模土石流から2年となったこの日、犠牲者の追悼式が被災地近く伊豆山小学校で開かれ、遺族が祈りを捧げた。九州では早朝に熊本県で線状降水帯が発生するなど大雨に。熊本市では36万人に避難指示が出され、熊本県山都町では国道の橋が崩落するなどの被害が出たという。
 先日、クラス会「二石会」でお会いした恩師、原定夫先生から心のこもった封書を頂いた。

 午後。古くからの日本ペンクラブ仲間で信頼のおける石井紀男さん、幻冬舎の企画編集の担当スタッフ(中島さん)の順に電話を入れる。いつまでも立ち止まっていたのではいけない。亡き妻のためにも一刻も早く行動を起こす必要があるからである。

 けさの新聞で知ったが、知多半島では南知多町の観光農園「花ひろば」でヒマワリが畑一面に咲いている。ほかに、私にとっての話題といえば、だ。これも朝刊で知ったが、音楽の聖地として愛されてきた、あの中野サンプラザ(東京都中野区)が2日、半世紀の歴史に幕を閉じ閉館したという。中野サンプラザといえば、だ。なぜか、故井上靖さんからの信頼と寵愛を得ていたあの不世出の詩人最匠展子さん(故人)を思い出す。私が彼女の文学作法がことのほか好きで、東京に行くつど、中野の彼女のご自宅を訪ねていたからかも知れない。

 デジタル社会というのに、だ。マイナカードのトラブルがその後も相次いでいる。新聞の見出しだけでも【自主返納5月以降300件 政令市など調査「制度に不信感」】【止まらないマイナトラブル 母子手帳と一体化不安 政府方針漏えい心配 一覧性損なわれる 紙も残して 中部の母親ら】(3日付中日)【マイナカード名称変更言及 河野氏「世の中混乱」】(3日付毎日)といった具合だ。

 私が月に一回、月イチで執筆している文士刮目の26回目【ペンは剣より強し、とは言うけれど】の公開が<脱原発社会を目ざす文学者の会>のホームページで始まっている。他の作品と併せ読んで頂けたら、うれしい限りである。アドレスは以下のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

(7月2日)
 半夏生。
「半夏生」とは。きょうから七夕に至る5日間を指すが、生きていたころのたつ江(伊神舞子)がいつも自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」店内で自分なりの工夫を重ねた七夕飾りに一生懸命だった日々だな-とあらためて彼女の顔を思い出す。

 それはそうと、きのうとは打って変わり夏の日差しが注ぎ込む日となった。デ、シロちゃんに誘われるまま裏庭へ。てまり、ここ、神猫シロの先代3匹の猫塚に供えられている花とお水を替え、ホッとしたところでお隣の奥さまが区費1700円の集金においでになった。そういえば、舞も生前は町内会(花霞)役員として区費集めやら市公報の配布などで、よく頑張ったものだ。区費の徴収といっても留守のお宅には何度も出向かねばならない。おつりを出すのも大変だな、と思いつつ奥さまのお姿を目の前に1700円をきっちり出す。今から思えば、舞もほんとに良くやってきたナ、と当時が偲ばれるのである。

 新聞は。9日から愛知県体育館で始まる大相撲名古屋場所を前に中日新聞スポーツ面で連載中の【闘うおかみさん 何もせぬのも福の神 ➅勝負師の妻となって】が、なかなか読みごたえがあって良い。今回は1999年6月に当時関脇魁皇の妻として新たな人生をスタートさせた〝古賀(旧姓西脇)充子さん〟の人生回顧であった。
 米大リーグは6月30日、各地で行われ、エンゼルスの大谷翔平選手はアナハイムでのダイヤモンドバックス戦に「2番・指名打者」で出場。2試合連続の30号ソロホームランで日本人選手としては初の3年連続30本塁打を記録。

(2023年7月1日)
 土曜日。7月の到来である。【第9波入り懸念強まる コロナ5類移行後、6週連続増】(1日付中日)といった新聞の見出しが気になる。ほかに、4歳児童の母親による暴行死、自称会社員による元交際相手の刺殺など新聞で見る限り、血なまぐさい事件が絶えず、人びとの心は汚れきっており、まさに、もしかしてこの世は地獄ではないのだろうかと、いやな気持ちになる。私たちは、そうした中で生きているのである。
 一方で毎朝開く新聞の読者からの投稿【くらしの作文】(中日)や【女の気持ち】【男の気持ち】(毎日)などを読むと、深い家族愛や友情といったものがピンピンと伝わってくる。私は毎朝、読者からの投稿欄を読んで人間の愛の深さをあらためて痛感、ホッとしたりもするのである。この世は、やはり天国なのだ、と。そんなことを確信したりするのである。
 
 きのう、それまでのスーパー三心跡地に開店した大阪屋ショップ江南店。車で通りかかったが、周辺にはいくつもの臨時駐車場が設けられ、大変なこみよう。物珍しさを自分の目で、という市民気質が沸騰してか。人、車、車、ひとであふれかえり、チョットした〝大阪屋ショップ〟フィーバーに町は揺れていた。この辺りは、その昔、昭和病院で患者が往き来していたのに。時が変われば、何もかもが変わってしまうのか。大阪屋と聞けば、たつ江も生きていれば「ナンだナンだ」と足を運んだはずなのに。その彼女は、今や天の女なのである。
 時の移ろいとは、薄情極まるものである。大津時代には、よく大津の大阪屋ショップにふたりで出かけたものである。

 そんななか、わが家裏庭ではことしもアサガオが咲き始めた。

 ことしも咲き始めたアサガオ