あぁ~大震災を悼む 笛猫野球人間日記/7月28日

平成二十三年七月二十八日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 やれやれーと思わず、ホッと一安心だ。きょうはドラゴンズが阪神に勝った。よかった。
 先発ソトが2勝目。0―0のまま回は進み、六回表2死から平田が、この日チーム初安打となる二塁打を放ち、続く荒木の左前打で1点をもぎ取り、均衡を破った。九回にも和田の犠飛で1点を加え2―0で。ヤットコセ勝った。
 勝って、つくづく良かったのは、きょうの午後、昼休みに町なかのちいさな店で食事をしていると、「オチコ、オチコ…。これじゃあオチコだ、がや。一体全体、落合(監督)ちゅうやつは、どうなっているんだ。これでは落ちる一方でオチコだよ」と息巻いている客がいたので、そのまま黙って聴いていると、別の御仁が「まぁアカンな。これだけミスはあるわ、打てんわ、では。オチコがダメだから、ダメなのだよ。これでは、落合のおかげで落ちていく一方だが、や。オチコ、オチコだよ」と嘆息、とうとう下がるところまで下がったか、と私の胸までが暗く塞がる思いだった。このままだと、何かが切れそうだ。
 実際、名古屋のファンの中には、何を言い出すか分からない野蛮なヤカラが多い。このまま負けが込めば「落合やめろ、コール」が勃発しかねないと心配していただけに、今日の勝利には正直、監督付きの好感・マツナガさんの顔を思い浮かべながら安堵したのである。
 名古屋のドラゴンズファンは、とにもかくにもドラゴンズが勝てばそれで良い。何もほしくはない。反対に負けが込めば、この先、名古屋じゅうにオチコ、オチコ…の大合唱が起こりかねない。みんな一生懸命に日々を生きる真面目人間ばかりだけに、名古屋びとたちが、ひとたび真剣に怒り出すと取り返しのつかないことにもなりかねない。だから、ドラゴンズの勝利は精神安定上からも必要なのだ。

 きょうは、冨上芳秀さんの詩集「祝福の城」(詩遊社、印刷製本は国際印刷出版研究所)に魅せられた日々だった。彼は後記でこう、述べている。
―ここ何年かの間に私は色々なものを失った。多くのものを失った末に、この世から消えていくのが人間なのである。しかし、私はまだ生きている。生きている以上、私の旅は終わらない。私が生きているから言葉はいつまでも湧きでてくる。私の場合、生への執着が言葉なのである。言葉が私をこの世にとどめさせている。終わりは始まりである。崩壊は再生である。また、新しい旅が始まる。
 全く同感だ。

 【きょうの1番ニュース】私が最も敬愛する詩人で、日本ペンクラブ名誉会員でもある最匠展子(さいしょうのぶこ)さん=元H賞選考委員長、北上文学詩歌文学賞など=から留守番電話に電話が入っていた。
「イガミさん、あたしね。脳梗塞で、ほとんど動けないの、あなた、知ってるでしょ、それくらいのこと。あたしはネ。相変わらず絶望と孤独、失意のどん底なのだから。車椅子生活は、もう九年になるのよ。イガミさん、元気でいる? 奥さんおからだ、その後どう」というもので、相変わらず、愛と気品、気高さに満ちたとても七十歳をはるかに超えた女性とは思えない声である。
 留守電から流れてくる声だけを聞いていると、ほとんど寝たきりの女性とは思えないから不思議だ。故井上靖さん(元日本ペンクラブ会長)が生前、彼女にぞっこんだった、のがよく分かる。私はその最匠展子さんとの付き合いのおかげで長谷川龍生、青木新門、小中陽太郎……といった文学界で今をなす人々とのご縁もあるのである。電話の声を聞きながら私は近々、彼女に会いに行かなければ、とふと思った。私が自身で納得する小説家になるまでは、まだまだ彼女には元気でいてほしい(からだは動かないが、口は達者だ。だから彼女は元気なのだ)。
 もう二十数年近く前になる。最匠展子は私に会うつど「あなたは、きっと世界の文壇に名を成す人。あなたほどの感性に、私はかつて出会ったことがない」と語り、いつも、おだてて、励ましてくださった。日本ペンクラブの会員に小説家として中西進さんと一緒に私を推挙してもくださった。期待に応えなければ、と思っている。

☆「『福島の作業員被ばく別枠』 保安院が上限緩和要請 厚労省拒否 最大350ミリシーベルト想定」(28日付、中日朝刊)
 「宮城産牛を出荷停止 政府、岩手産も指示へ」(28日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十七日
 あ~あ、よわいな。また負けちゃった。今夜のドラゴンズはMがテレビのニュースを聴きながら嘆息した通りだ。ほんとに弱い。ドラは甲子園で阪神と戦い、昨日に続き、またしても9―1とそれこそコテンパンにやられてしまった。何たること。それも先発ローテのチェンが投げ、やられるとは。ユルセナイ、と皆そう思っているに違いない。
 あすの中日スポーツも読む気がしない。そんなファン心理が、痛いほどよく分かる。中日は4連敗で今季ワーストタイの借金4。首位ヤクルトとは9ゲーム差。阪神は五月五日いらいの5割復帰で中日を追い越して2位に浮上した。

 きょうは昨日大阪都島の冨上芳秀さんから送られてきた「詩遊 2011 Summer」を手に出勤の行き帰りに、通勤電車の車内などで読み耽った。ここに彼の筆による編集後記の一部分を抜粋しておく。
―▼……生きてきて、ずいぶんおもしろいものを見てきたが、文学の道を歩いてきたのは正解だった。とりわけ詩を創る人生を歩いてきたのはよかった。人生を何度も繰り返して生きることができるからだ。詩を一篇読むことは一人の他者の人生と出会うことである。詩を一篇作ることは分かれ道に残したもう一人の自分の人生を生きることである。そう思える詩を書かなければ詩を書いた意味がない。詩を書くことで私は永遠に生き続けることができる。私は百万遍の人生を体験するために百万篇の詩を書きたい▼送ってもらった詩書の礼状を書き終ってちょっと休憩と思って新聞を広げた所、見たことのある愛嬌のある笑顔が目に付いた。島田陽子さんの死亡記事だった。……
 といった具合で、こうした冨上芳秀さんの世界がボクは大好きなのである。冨上さんからは昨日、冨上芳秀詩集『祝福の城』も送られてきた。冨上さんの大ファンでもあるMともども読ませていただこう、と思っている。

 【きょうの1番ニュース】滝中、滝高、大学と、その後の人生もずっと親友であり続け、私の志摩半島での駆け落ち逃避行の結婚時や、「泣かんとこ風記者ごん!」(能登印刷)など本出版のつど、随分とお世話になりっぱなしのお祥(石田祥二愛知北農協組合長)が、いよいよ後進に道を譲るという。なんだか寂しい。なかなかに、ステキな組合長だっただけに、少し惜しい気もする。でも、ここまで頑張り、郷土のためにもなったのだ。男子本懐を遂げたといっていい。まだまだ若い。人生これからでもある。

☆「衆議院復興特別委 原発賠償2法案可決 来週までに成立へ 国の責務明記」「宮城の花火会社製造佳境 復興照らす大輪を 廃業危機乗り越え 一つ一つ願い込め」(27日付、中日朝刊)
 「新たに自治会/元の地区から集団移転 『仮設』でも絆守る 住民『住み心地よくなれば』」「屋台の灯 闇照らす 大槌居酒屋が支援受け再開」、「中国鉄道事故 刑事責任追及へ 最高検、担当者を現場派遣」「賠償金600万円決定 命計算できない 『早期合意代』込みに不信」(27日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十六日
 オールスター戦後の初戦となったこの日、ドラゴンズは阪神と甲子園で戦い、5―3で敗れた。今後、首位を走るヤクルトに追いつきリーグ連覇を果たすには、きょうの負けは痛い。あすからの反撃に期待するほかない。勝ち投手は小林宏、負け投手はネルソンだった。和田が五回に本塁打を打つなどしたものの、あと少しが足りなかった。

 火曜日のきょう久しぶりに休みを取った。というのも、Mの受診日のためで、午前中はふたりで江南厚生病院へ。担当の脳外科・伊藤医師はいつも優しい口調でMに接してくださり、ありがたく思う。
 その伊藤医師が「血圧が百~百五十前後は、少し高い。夜も血圧の薬を出しておきますので、からだがフラフラするようでしたら、飲むのは、やめてください。それから、やはり血圧は時々計ってデータとして残しておいてほしい」とおっしゃられ、血圧手帳を手に帰った。
 Mは、受診時に食欲がありません、いつも眠たくってしかたがない、などと伊藤医師に話したが私に言わせれば「昼間、リサイクルショップでいっぱし頑張ったうえ、家に帰ってからも掃除、洗濯、家事…と、手加減することなく働いており、眠たいのは当然のような気がする」。結局のところ、私が手伝わないからだ、と内心、反省しきりの受診となった。何よりもMが疲れないようにしてやる必要がある、気をつかわなければ、と猛省もした。

 午後は、学生時代の柔道部仲間で二年前に亡くなった一宮のタナカの家へ。ミユキとサクマ、ナガタと一緒に四人で出向いた。奥さまと息子さん、お孫さんが見守るなか、仏の前で順番に手を合わせたが、遺影の元気そのものの顔を見ているうち、「オレはかつて一宮に居ながら、どうしてタナカと会わなかったのだ」と後悔の気持ちばかりが先に立った。
 思い起こせば、学生時代、タナカがいやな顔をしたことは、ただの一度もなかった。聞けば、彼は民生委員として地域社会に貢献。倒れた日は、その寄り合いでお酒を飲み帰宅後、おふろに入って、そのまま帰らぬ人になってしまったという。なんという、不運か。仏を前に、あきらめ切れない感情が体内をよぎった。

 【きょうの1番ニュース】やはり、大学時代の仲間四人で一宮市内のタナカ宅を訪れ、仏壇の位牌を前に奥さまにロウソクの火をたてていただき、手をあわせてきたことか。タナカの家では、わざわざ息子さんが務めを休んで接待してくださり、あげくにお土産まで頂いて恐縮した。その息子さんが色白のイケメンでかわいい娘さん(タナカのお孫さん)と一緒にいる姿を見て「これなら、彼も安心しているに違いない」とふと、思ったのである。

 そして、きょうは嬉しい話が今ひとつ。新潟の日本海夕日キャンペーン実行委員会から、Mの作品が第9回夕日俳句大賞部門で入選に入った、との知らせが届いたことだ。作品は次のようなものだった。
♪懐に夕日を入れてしまいけり(伊神舞子)

☆「2次補正予算が成立 被災者支援1兆9988億円 退陣3条件で初」、「中国鉄道事故 車両埋め立てを中止 立ち入り禁止区域は拡大」(26日付、中日朝刊)
 「中国高速事故 事故車両掘り起こす 世論反発で一転調査へ」、「生涯被ばく100ミリシーベルト 食安委 健康影響で規制値案」(26日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十五日
 今日のプロ野球は、パ・リーグのロッテ×西武の試合だけで、これまで連敗が続いていた西武がロッテを破った。連敗続きのチームが勝つと、なぜだかホッとする。
 目を海外に転じると、米大リーグ・アスレチックスの松井がニューヨーク・ヤンキースタジアムでのヤンキース戦で「3番・指名打者」で出場し、5打数5安打1打点の大当たりで観客を喜ばせた。松井の1試合5安打は、2007年7月いらい、メジャー2度目、チームは5―7で負けた。

 きょうは出勤時、地下鉄丸の内でおり、社まで歩く間に猛烈な雨、まさに天と地を割るほどの激しい雨に見舞われた。夥しい雨粒が路面をたたきつけ、傘をさしていても下半身、特に両膝の後ろのズボンがみるみる、べたべたになってしまった。このところは、地震や津波など自然の猛威を見せつけられているが、雨も怖い。無限の雨たちが「オレたちもいるぞ」と人間社会に挑戦してくるような、そんな猛威だった。

 雨といえば、あの昭和五十一年九月、岐阜総局在任当時に毎日降り続いた暴れ雨が忘れられない。
 雨は、長良川決壊豪雨前夜まで延々と降り続いた。来る日も来る日も雨、雨、雨だった。長良川で鵜飼い舟が転覆したかと思えば、穂積町の牛牧(うしき)団地が水没、三日間、毎日舟をチャーターし現地ルポをしたあげく、今度は岐阜市郊外の方県地区などで民家数軒が土石流に押し潰され、胸まで水に浸かって現場を目指した。この間、びしょ濡れとなって連日の取材に走り回ったのが、つい先日のようだ。
「もう限界だ。このままだと、長良川の水位が警戒線を越え決壊し、岐阜市内は水没しかねない。皆さん、それを頭にそれぞれの任務についてほしい」(当時の榎本喬岐阜総局長)
 前夜、総局で全員が覚悟を新たにした翌日の九月十二日の朝ーそれまでの漆黒の空がウソのように、青空に変わり雨はやんだ。やっとこれで水害取材から解放される、と思ったのもつかの間、安八町で長良川が決壊したーのニュースが県警本部から飛び込み、現場に向かった日がつい、きのうのようだ。
 詳しくは私の著書「泣かんとこ 風記者ごん!」(伊神ごん、能登印刷)の<汚職の舞台(昭和51年9月~52年1月)>の中の長良川決壊・司直のメス、に詳しい。

 【きょうの1番ニュース】休暇で香港を訪れていた社のファンクラブ担当兼事務局長から、お土産に“リリー油”なる漢方薬をいただいた。香港では、頭痛や眠け覚ましなどに人々が塗り薬として常用しているという。昔、小さいころ家に置かれよく使ったことがあるメンソレータムのような、そんな郷愁を呼ぶ香りだ。なんだかよく利きそうだ。ありがとうございます。

☆「世界最強女子に熱狂 なでしこL 観客1万7000人」「中国鉄道事故 死者35人に 百九十二人負傷 自動制御装置異常か」(25日付、中日朝刊)
 「思い出の地 輝き再び (沖縄生まれで宮城・東北高校卒。二十六歳の宮里)藍 米ツアー今季初優勝」「日本のため 復興への願い熱く」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十四日
 被災地の子ら四千人を招いてオールスターの第3戦が行われたKスタ宮城―
 全パが全セに5―0で圧勝し、3安打3打点の稲葉(日ハム)がMVPに輝いた。またKスタ宮城といえば、楽天のマー君、すなわち田中将大投手、東北高校出身の日本ハム・ダルビッシュ投手と仙台育英高校出身のヨシノリ、すなわちヤクルト・由規投手が思い浮かぶが、この日はマー君とダルビッシュが一、二回をそれぞれ無失点で切り抜けたものの、由規は六回に楽天・嶋に打たれて2失点と明暗を分けた。 
 このほか、斎藤佑樹(日ハム)は二度目の登板で全セを三者凡退に抑え、三試合を通じて最もファンに夢や希望を与えたーとしてプロ初タイトルとなるスカイアクティブテクノロジー賞を受賞、同じく初めてのオールスター出場となったものの八打席凡退が続いていた中田(日ハム)も四回にやっと右前打を放ち、ホッとした笑顔。それぞれのオールスターゲームが終わった。全パ・秋山監督は「全力プレーを見せられた」と胸を張ったが、全セには、もう少し得点してほしかった。それでも秋田出身の落合監督が、この日は東北人重用の采配を見せたばかりか、試合後にはスタンドにボールを投げ入れるシーンも飛び出し、観客を喜ばせた。

 ナゴヤドームを皮切りにマリンスタジアム、Kスタ宮城と続いた今度のオールスターが、結果的に東日本大震災の被災地の皆さん一人ひとりに勇気と希望、活力を与えるゲームになったとしたなら。このオールスターはやってよかった、と言って良い。関係したすべての皆さん! お疲れさま。プロ野球界のチームとチーム、監督同士、選手と選手、そしてファン同士……の絆が深まれば、それだけ日本も良くなるだろう。

 日曜日。きょうは大津市の文学仲間(女性)から最近、私の元に送られてきていた短編小説「花火」をじっくり読ませて頂き、返って私の方が大いに学んだ。小説とは、文章上の表現力もさることながら、自分をさらけ出すことにより、人々に感動を与え、共に力強く生きてゆく力を育てることが出来たなら、それだけでも成功だと思う。
 その面で小説「花火」は、娘さんの思わぬ結婚話が、家族に新たな衝撃と波紋を生むところが、新鮮味と家族愛に満ち、いい内容だった。作品は滋賀県の文学同人誌「くうかん」の次号で発表予定だけに、どんな反響を呼ぶか、いまから楽しみだ。

 ホームニュースでまたまた見つけた俳句は、次のようなものだった。
♪信長の首斬るごとくバラを切る(伊神舞子)
 となると、私は毎日彼女に首を切られ、そのつど再生、いや甦って生きているのか。彼女いわく「きょうは、お父さんの祥月命日なのよ」。いやはや、またしても首をバッサリと、切られた。父が亡くなった日をすっかり忘れていた。

 【今日の1番ニュース】昭和二十八年から続いてきたテレビ番組のアナログ放送が今日正午で終了し、地上デジタル放送に完全移行した。私は完全移行直前のNHKを見ていたが、鈴木奈穂子アナウンサーが「長い間ご覧頂きまして、どうもありがとうございました」と話す場面が印象的だった。そして正午の最初のニュースは、死者三十五人、ケガ人二百十人を出した中国南部・温州での中国高速鉄道の列車事故であった。

☆「アナログ放送 きょう正午終了」、「愛知県警 豊明の老人ホーム捜索 特養虚偽申請疑い 法務局虐待認定」、「日馬(富士) 2度目のV 大相撲名古屋場所」、「中国高速鉄道が橋転落 温州 追突? 11人死亡」(24日付、中日朝刊)

平成二十三年七月二十三日
 きょうのオールスター第2戦はマリンフィールドで行われ、パはオールスター初出場の唐川(ロッテ)が先発、全パが4―3で全セを破った。ホームラン競争で優勝した中村(西武)が“おかわり”を連発し、MVPも獲得した。中村の打法は、空気のなかに自然に切れ味鋭い日本刀を切り込んでゆく極意で無理のない打法だけに、私は前々から評価している。今のプロ野球界であれほどまで自然に本塁打を打てる打者となると、あまりいないのではないか。私が大好きなホームランバッターの一人だ。

 休日でもあり、朝からしなければならないことが多かったばかりか、久しぶりにプロ野球から離れたい気持ちも手伝って、夜に入りつい先ほどのニュースで結果を知った。あすのKスタ宮城でのセ、パ全選手の奮起で被災地の方々に少しでも元気が出たらよいナ、と思う。熱烈プレーが、少しでも被災地の空気を明るいものにしてくれたら、とそれだけを願いたい。落合、秋山両監督の味な采配にも期待したい。無限に落ちた涙の滴を少しでも拭いさってほしいのだ。

 今夜のNHKスペシャルは「飯館村・悲劇の100日」だった。福島第1原発事故による放射能汚染で全村避難となったある家族の手塩に育てた飯館牛・清姫との別れや一家離散をせざるを得なくなった家族の苦悩の日々、高濃度の放射能汚染を知らされてなお、いわき市内の火力発電所で働くことになった若者の現況などが紹介されていた。番組のなかで“清姫”を手放すことになった飼い主が、わが家の宝でもあった清姫を見送りながら「悲しいですね。終わったね」とポツリという場面には胸を締め付けられた。

 午後。久しぶりに自宅近くの「いっぷく」へ。野菜炒めを作ってもらったが、それは美味しかった。「いっぷく」さんは、八十歳の姉さん女房に、七十二歳の年下のだんなが、ご夫妻で経営されているが、なかなか美味しい。私はついでに焼きそばも作って頂いて、リサイクルショップで寄せられた品々を百円単位で売って利益を戻すボランティア同然の仕事に打ち込むMの元まで届けた。

 大相撲名古屋場所は、大関日馬富士が横綱白鵬を破り、十四戦全勝で千秋楽を待たずして優勝を決めた。大関昇進の期待がかかる関脇琴奨菊は破れて10勝4敗となり、昇進は難しくなってきた。白鵬は史上初めての八連覇を逃した。

 【きょうの1番ニュース】午前中、一宮の山下病院へ。
 胃カメラ検診のためだが無事終わり結果も問題なく、ホッとした。同病院最高顧問の服部外志之先生(前理事長)には、私が一宮主管支局(現在は一宮総局)の支局長当時から支局員の春と夏の定期健診でお世話になるなどーいつも甘えどおしだが、きょうは女性医師スタッフに囲まれての胃カメラ検診で、少しばかり緊張した。
 でも、優しく温かい治療に心がなごんだ。受診後、若手女性スタッフそろっての診療が輝いていて、とってもステキでした、と感想を述べると「伊神さんのことだ。そう、おっしゃると思い、そろえてみたんですよ」とは服部先生。ことしも、どうにか無事、胃の検診を終えることができた。
 服部先生は一時、体調を崩され一カ月ほど入院されていたそうだが、お元気に回復され、何よりだった。最高顧問としての姿勢は相変わらずで、医療現場での厳しい表情には、なんだかホッとしたのである。

☆「地上デジタル あす完全移行 アナログ放送 正午に終了」、「エネ庁が原発報道監視 外部に委託 4年で1億3000万円」、「オスロで爆弾テロ 首相府ビルも被害」(23日付、中日朝刊)
 「ノルウェー 銃乱射 若者80人死亡 爆弾テロ後与党集会で 極右?の男逮捕」、「34年ぶりにNYで40度」、「東北へ“暑い”応援 南知多で鯉まつり」、「フラガール 復興の舞 福島のチーム名古屋で公演」、「品川美容事件 捜査中に警部を接待 警視庁ОB中道容疑者 情報漏えい見返りか」(23日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十二日
 プロ野球の「マツダオールスターゲーム2011」の第1戦が今夜、ナゴヤドームで開かれた。名古屋での開催は七年ぶり十五回目。私に言わせれば、いわばスター選手総見参の戦いとでもいえようか。ペナントレースに比べると緊張感は、まったくもって無いのである(少なくとも、見る側の私にとっては、だ。選手の家族にとっては、また別の緊張感が走っているに違いない)。
 それでも、今夜はストッパーの岩瀬(中日)が先発として投げたり、ルーキー斎藤佑樹(日本ハム)が夢の球宴で初めて投げてなんとか無難に抑えたほか、愛知県知多市八幡中学の先輩と後輩になる四十二歳ベテラン山崎(楽天)×浅尾投手(中日)の対決も見られた。
 さらに、荒木(中日)を口火に飛び出した球宴新記録となる全セの五回のイニング4本塁打、8者連続得点など、見どころは、十分。結果は、中日・落合監督率いる全セが全パを、打撃戦で制して9―4で破った。栄えあるMVPには勝ち越し3ランを打った畠山(ヤクルト)が選ばれた。

 そして。私的には一番嬉しかったのが、昨年の監督推薦に続き、ことしファン投票で初めて選ばれた浅尾投手の登板である(もちろん私も1票を投じた)。浅尾はパリーグ打線をピシャリと抑えてくれた。インタビューに対する答え方も謙虚そのもので「(ファン投票で選ばれたことは)嬉しいし、(きょうの戦いは)今後の励みになります」と答え、好感が持たれた。
 胸に手をあてれば、私自身、浅尾のルーキーイヤーである2006年以降、沖縄キャンプを皮切りに、彼をずっと見守ってきたが、人間としてどんな時も控え目かつ遠慮がちで、さすがは日本福祉大学卒の好青年である。私の欲目と言われようが何と言われようが、浅尾投手は入団当初から、ファンサービスにも熱心で「決して自らを飾らない人柄」であることだけは、確かだ。沖縄キャンプなどでの彼のファンに対する心からの接し方を見れば分かるのである。

 この日、試合前に行われたセレモニーでは、東日本大震災の犠牲者を悼んで両チームの監督、選手らが黙祷をささげ「心をひとつに。力をひとつに」と書かれた巨大な旗をグラウンドに広げた。
 あすの第2戦・QVCマリンフィールドに続き第3戦(二十四日)はいよいよKスタ宮城での戦いが待っている。未曾有の大地震と大津波に多くの命が奪われた東日本大震災発生という年だけに、被災地の涙を、未来につないで明るさと希望、幸せを切り開いてゆくきっかけになるような、そんな戦いぶりを全選手に望みたい。きっと、2試合とも、いい戦いになるだろう。

 きょうの中日スポーツのなか面、14、15面がなかなか、いい。プロ野球ファンならば誰しも、この紙面を手に昔話をしながら、きょうのオールスターゲームを楽しんだに違いない。見開き紙面は、抜き取り可能で保存もしやすい。「名古屋で生まれた球宴快記録」の横見出し入りで、「江川8連続奪三振 1984年・ナゴヤ球場」「谷沢氏『もう一丁』一塁からゲキ!!」「1964年・中日球場 東京五輪開催で夢の新幹線開業」「“日本球界初”現役大リーガー マーシャルチーム史上初MVP」「1998年・ナゴヤドーム ルーキーMVP 元祖持っている男・川上憲伸」といった具合だ。オールドファンならずとも、プロ野球ファンにとっては、読みがい、見がいのある内容が光っている。記録性も十分ある。

 【きょうの1番】Mの大好きなオールスターのテレビ解説者・ノムさん(前楽天監督・野村克也さん)が浅尾の投球を目の前に、しみじみ曰く「落合監督ちゅうのは、選手の才能を引き出す独特のものを持っている。浅尾しかり、森野しかり…だ。以前、森野のことを『ノムさん、こいつはよくなるよ』って、そう言ったことがあるんだよ」と。
 私は私でテレビ画面に映し出される落合監督の一見した限りでは血も、涙も、感情のひとカケラもなさそうに見える表情を見ながら、ふと「この男ほど血も、涙もあり、もろい男はいないだろう」と思った。

☆「再生エネ 被災地で先行 政府 復興に10年、23兆円 基本方針骨子」「汚染牛肉買い上げも 国が検討 野菜、魚との整合性課題」、「軍記登場のくつわ出土 鎌倉期、武士の実用品 滋賀・天神畑遺跡」(22日付、中日朝刊)
 「夢さめみれば…洋画家浅井忠と明治 自画像 鬼になれない鬼」(太田治子、65回=完=、22日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十一日
 中日新聞の「きょうのスポーツ」欄でプロ野球の記述がないと、どこか寂しい。けさの朝刊はその寂しい日のスポーツ面だったが、辛うじてプロ野球の個所には「▽フレッシュオールスターゲーム ウエスタンーイースタン 18・00富山」とあった。どんな結果になったのだろう。富山のドラファンは皆、熱い視線で見守ったに違いない。
 あすは、そのオールスターがナゴヤドームで行われる。
 ところで、プロ野球の方だが、本日付中日新聞で「松井 日米通算500号 19年越し 103打席ぶり」と米大リーグ、アスレチックスの松井秀喜外野手(三十七歳)が二十日、当地【デトロイト=コメリカ・パーク】でのタイガース戦で今季7号本塁打を放ち、日米通算500本塁打を成し遂げたことを報じている。ちなみに、日本プロ野球界での通算500本塁打達成者は、王貞治、野村克也、門田博光、山本浩二、清原和博、落合博満、張本勲、衣笠祥雄である。

 土用の丑(うし)の日のきょう、各地のウナギ料理店は大勢の客でにぎわった。Mによれば、ここ江南では魚仙の店先に長蛇の列ができていたという。新聞社の支局長当時、この日が来るとは支局管内に住む土地の有力者や新聞店主らが私と支局員、女性事務員の分まで、かば焼きを届けてくれた、ものである。猛暑のなか、かば焼きを食べながらなぜか、読者に対する感謝の念が浮かんだこともある。
 ウナギのかば焼きを支局員と一緒に食べながら「おまえら、俺たちは。こんなにも美味しいかば焼きを、今こうして食べているのだ。新聞記者はナ、昔からあれやこれやーともらうばかりだ。限度があるので気をつけるよう。でも、ナ。このウナギのかば焼きに関しては、心配はなく心からありがたい、と。そう思わないとイカン。記者の世界には“もらい乞食(こじき)”という汚い表現もある。もらう時には、相手をよく見て、よほど注意をしてかからなければ、…」と口を酸っぱくしたものである。

 この日、Mは愛猫のこすも・ここと、シロ、そして時々窓辺に影だけを映して遠慮がちに立ち去る野良ちゃんにも、均等にかば焼きを持ち帰り、公平にそれぞれの食卓に並べた。こすもとシロが、あっという間に平らげたのは、ご想像のとおりである。

 【きょうの1番ニュース】NHKの午後十時からのヒューマンドキュメンタリー「死刑~被害者遺族・葛藤の日々―加害者の命を奪っていいのか」を見て深く考えさせられた。というのも、事件の舞台は、十七年前、私が大垣支局長時代に発生した長良川・木曽川リンチ殺人だけに、十七年の間、揺れ動いた被害者の遺族の心中を察するには余りがあるからだ。
 事件発生当日―私たち家族はその日の未明から早朝にかけ、何度も繰り返し支局にかかってきたナゾの不審電話にそのつど起こされ、交代で受話器を取った。が、相手は無言のままこちらの様子を伺うばかりで、まもなく大垣署から入った電話連絡は「中日さん。輪之内の長良川河畔で男性の全裸血まみれ死体二体が発見された」というものだった。
 私はその日、サツ回りの女性記者をたたき起こす一方で事が重大事件だけに、私自らも長良川河川敷の現場に駆けつけた。結局、この事件は最終的には計四人が殺され、東日本大震災が起きる一日前のことし三月十日には最高裁が上告を破棄、三人の少年(当時)に対する死刑が決まっている。
 ドキュメンタリーではこの間に被害者遺族に加害者から「罪をわびる」手紙が何度も届き、文面も当初の「生きて償いたい」が最近では「死んで償いたい。死ぬ前に会ってお詫びしたい」と替わるなど、少年の揺れ動く心理と、これに翻弄されまいとする家族の日々を描いたもので、死刑判決の持つ重みをしっかりと描きだすというものだった。

☆「西日本に節電要請 関電管内は10パーセント超 政府決定 中電電力融通へ緊急時」、「飛騨牛にも汚染わら 宮城産 高山の農家に出荷」、「ドーム発着1万5000人 3・11『名古屋ウィメンズマラソン』」(21日付、中日朝刊)
 「東電女性殺害 受刑者と別のDNA 遺留物鑑定 再審の可能性」、「検査の牛肉 規制値以下 岐阜県発表 稲わらも汚染なし」(21日付、中日夕刊)

平成二十三年七月二十日
 午後九時前のNHKニュース。今夜は新潟での巨人戦で、ドラゴンズは九回表に1点を返し1―1に追い付いたという。しかし……。延長十回裏、巨人・阿部にサヨナラ打を打たれ、試合は終わった。九回は、和田の内野安打で追い付いたが、最後は1死満塁から頼みのはずの岩瀬投手が打たれてしまい、借金は2となった。先発・チェンはよく投げたが、この日も勝利から見離され、河原が敗戦投手となった。

 人間、良いときばかりでない。ドラゴンズもまた、しかりだ。と、そう自らに言い聞かせるのだが。これだけ負けが込むと、さすがに気が滅入る。
 台風6号の方は、きょうの未明徳島県南部に上陸後、各地に豪雨被害をもたらし和歌山県・潮岬付近を午前十時ごろに通過し、東海沖へ。なかでも高知県馬路村では、十九日の降水量が八五一・五ミリと雨量としては四十三年ぶりに国内最多記録を更新した。東海地方では岡崎市岡町の丸岡橋付近の乙川で濁流が両岸の堤防を越え、床上浸水した民家で二世帯八人が自宅から出られなくなり、市消防本部に助けられる一幕があった。

 【きょうの1番ニュース】きょうというよりも、きのうのことになるが町の電気屋さんにお願いして私の部屋の旧式テレビが撤去され、新しく小型の薄型テレビが設置された。Mの配慮によるものだが、この部屋はどちらかというと、テレビを見るというよりモノを書く部屋だ。なので、どうしても、という時をのぞいては、これまでもほとんど見はしない。というわけで、まだ見てないが、そろそろ見なければ、と思っている。

☆「魁皇が引退 通算最多1047勝 すべての人に感謝=二十三年間の相撲人生は長い。簡単には振り返れないけど、すべての人に感謝したい。言葉にできないほど感謝でいっぱい。魁皇としての人生は最高でした。(魁皇の話)」、「福島第1 プール燃料回収着手へ 3年内に 政府、工程評改定 (原子炉の安定的冷却など)ステップ1『達成』」(20日付、中日朝刊)
 「台風6号 大雨、濁流 各地で猛威 1500人超避難 終業式中止も」(20日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十九日
 中日・ネルソンが六回裏、巨人・阿部の8号ソロと失策で2点を失い、ドラゴンズは七回表に1点を返し八回には1死一、二塁の好機を迎えたものの、あと一本が出ず敗退。今夜の東京ドームは巨人・内海のリーグ最多十勝目という結果に終わった。観衆は、大型の雨を伴った台風6号が近づいていることもあり、二万三百五十人と、いつもの半分だった。

 午後八時十九分。「お久しぶりです!」と、yさんから私の携帯にメールが入った。「7/21フレッシュオールスター・ウエスタン先発 矢地投手 決定です(笑)2回投げる予定 富山ローカルニュース情報で本人がインタビュー中に発言いたしました。 めちゃくちゃ楽しみです当日!」という内容だった。yさん、ありがとう。

 人間とは、不思議なものだ。きのうまで、(いや今日の午前中、帰国してしばらく、までか。)「なでしこ、なでしこ」の大合唱だった町の雰囲気が、いまは誰もが接近中の台風6号に目が奪われている。
 気象庁によれば、「大型で強い台風6号は十九日、四国の南海上を北上し、四国の一部が風速二十五メートル以上の暴風域に入った。夜にかけて四国に接近し上陸の恐れがある。西・東日本の太平洋側は大雨や暴風が長時間続き、総雨量が1000ミリを超える可能性がある。」(十九日付中日夕刊)という。

 人間たちが、どんなに喚こうが、あがこうが、だ。自然は嵐、地震、津波、日でり、大雪…と、それぞれ分担しながら人間社会を交互に襲ってくる。それでも自然界は「人間たちを襲う」なぞと、そんな意識すらないだろう。

 【きょうの1番ニュース】大相撲の大関魁皇(三十八歳)=本名・古賀博之、福岡県出身、友綱部屋=が二十三年余りの現役生活に終止符を打った。名古屋場所十日目の今日、大関琴欧州に破れて三勝七敗となり、現役引退を表明、今場所は四日目に千代の富士(元横綱、現九重親方)が持つ通算1045勝に並び、翌日に更新し、1047勝まで伸ばしていた。これで横綱、大関から日本人がいなくなる。

  そして。今ひとつーきょう、まだまだ若いその社長はある会合の場で、こう言った。
 「我々は、ドラゴンズを中心としたコミュニティのなかで生きている。ドラが負ければ、みんなが悔しがるし、勝てば喜ぶ。ドラがあればこそ、のコミュニティーだけに公式ファンクラブの存在は大切だ」と述べた。
 社長としての発言を聞くのは、これが初めてだったがその通りで、分かりやすかった。私自身を振り返っても、ファンクラブに関わる以前から別にそれほどのドラゴンズファンではなくとも、ドラが負ければ、「何をやっとるんだ」と、よく取材先で周りの人まで巻き込んで声を荒らげたものだ。
 別に「一銭の得」にもならへんのに、この地方のことだ。ドラが勝てばなんとなく、心のなかを「安心」という“かぜ”が吹き抜けてゆきペンも走った。コミュニティーとは、そういうものなんだ。

☆「なでしこW杯初優勝 PK戦 米を破る 沢がMVP、得点王 耐えて信じてつかんだ頂点」、「セシウム汚染 疑い牛 新たに505頭 山形、新潟からも出荷」(19日付、中日朝刊)
 「台風6号 あす午後 東海最接近 大雨の恐れ 三重で800ミリか」、「原田芳雄さん死去 71歳 個性派俳優『竜馬暗殺』」、「世界一の笑顔 凱旋 成田なでしこ出迎え ファン400人 つぶやき1秒7196件 ツイッター過去最多 V決定直後『賛辞』続々」(19日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十八日
 海の日(祝日)のきょう、ドラゴンズは東京ドームで巨人と対戦し、7―1で勝ち、ほっとした。来日初の先発となったソトが5イニング1失点で初勝利。きのうまでの六連敗がウソのようだ。
 折りも折り、赤旗日曜版で連載が始まった、あさのあつこさんの「グラウンドの詩(うた)」がきのうの紙面で三回目を掲載している。物語は、転校生の天才ピッチャー・透哉を迎え全国大会出場を決めた八頭森東中ナインが乗りに乗っているなか、チームメートの良治が捕手を務める瑞希に向かって「おまえ、調子に乗り過ぎ」と言い、「野球は、ありえんことがありえるから、怖いし、おもしろい、やろ?」と忠告する場面だ。案の定、翌日から透哉の調子が乱れ始めるーというものだった。
 野球すなわち、強いから勝つ、弱いから負けるというものではなく、その時々の選手や監督の心理状態にたぶんに左右されるものなのである。幸い、きょうのドラゴンズには強さが戻ってきたようだ。このままチームの和を保ちつつ、本来の力を出して勝ち続けてほしい。

 きょうは、何といっても、なでしこジャパンがドイツ・フランクフルトで行われていた女子サッカー、ワールドカップのドイツ大会決勝戦でアメリカに2―2の激闘からのPK戦の末、3ー1と制して競り勝ち、念願の世界一を果たしたことがビッグニュースとして世界を駆け回った。
 国際サッカー連盟主催での日本の優勝は男女を通じて史上初。後半12分に鮮やかな同点ゴールを決めた主将の沢穂希(ほまれ)選手が、通算5ゴールで大会得点王となったばかりか、大会の最優秀選手(MVP)にも選ばれた。それはそうとほかにGKの海堀あゆみ選手ら全選手のがんばりと結束力は大変なものだった。心からおめでとう。そして、ありがとう。
 思うに、彼女たちは皆、ハングリーである。職場で働きながらサッカーの練習に、ただひたすらに、黙々と励む選手の姿を何かで見た気もする。要は、ハングリー精神が勝ち得た快挙だと言ってよい。

 夢を実現させた彼女たちの一生懸命な表情を見るにつけ、ハングリー精神に優るものはないことを改めて実感した。本当に美しくもある。こうした面から言うと、プロ野球選手は年俸が高すぎ、甘やかさせられ過ぎではないか。いい車に乗って、高給をあてがわれ、適当に練習をして時たま本塁打を打ってヒーローになる。それだけでは、いけない。人間ダメになる。
 この際、せめて地道でお堅いドラゴンズだけでもいいから、選手をハングリー精神のなかで育ててほしく思う。そうしたら、他球団とて、刺激を受けてよくなり、プロ野球界全体の底上げになるではないか。試しに、いまのプロ野球の年俸を、監督、選手とも一ケタ下げてみたらどうか。一ケタが現実離れしていてダメだというなら、全員半額年俸を実践してみたらどうか。記者発表でもすれば、「よくやった」と、世の中の話題をかっさらうに違いない。私は、いや、私も含めた一般庶民は、それでもとてつもなく高いと思う。

 この社会、周りを見渡せば、人間、偉くなればなるほど、どこでどう勘違いをしてなのか、次第、次第に崩れていくヤカラが真に目立つ(むろん、ごく一部に限られ、大半は立派で謙虚な人ばかりではあるが、だ)。人間そのものが壊れ、見苦しいものになってゆく。我を見失い、錯覚するからだ。
でも、そんなにも見苦しい人間社会にあって、ひとつ救いがある。それは、たまたま今夜、NHKで流していた永六輔(作詞)中村八大(作曲)坂本九(ボーカル)のいわゆる、“六八九”トリオにより1961年7月に誕生した「上を向いて歩こう」という歌の存在である。♪上を向いて歩こう 涙がこぼれないように 思いだす 春の日 ひとりぼっちの夜……、という歌詞で、この歌はやがて米国でもスキヤキソングとして大ヒットすることになる。
 そして今、東日本大震災の被災地では、どれほど多くの人々に愛されていることか。Mが言うには、彼女の高校卒業式では、卒業生のうたう歌が「仰げば尊し」ではなく、この「上を向いて歩こう」だったと言い、その心はいまも生きているのだ、という。

 【きょうの1番ニュース】Mが何を思ったのか、美容院に行ってくるからーと出かけ、美しく凛として帰ってきた。私は、なでしこジャパンが世界一になったので日本女性の一人として美容院にいかなければ、と行ったのだと直感で思った。でも、彼女は何も言わないし、私も何もきかない。ちなみに、なでしこの花言葉は「勇敢」である。
 日本人はやはり、男たちよりも女性たちの方が全ての面で優っている。そんな気がしてならない。

☆「台風6号 九州暴風域の恐れ きょう、東海も大雨警戒」、「住民主導も支援策進まず 高台移住 財政の壁 『散り散りになる前に』焦り」「地熱 半分は『原始熱』名残 地球の冷え続け、証明 東北大ニュートリノで初確認」「両親に溝『原発離婚』 3・11の家族? 避難めぐり突然ばらばらに」(18日付、中日朝刊)

平成二十三年七月十七日
 ドラゴンズは、もはや立ち直ることができないのか。ナゴヤドームでのデーゲーム。またしても若き先発・ジュンキ(伊藤準規投手)が5イニングで3点を取られて今季2敗目。涙の敗戦投手となった。結果は5―0。これで、ドラは引き分けをはさむ六連敗で借金1。広島は一回にいきなり2点を取るなど先手、先手の試合運びが効を奏し、これで4連勝、先発・篠田も5イニング無失点で3勝目をあげた。

 人生、いいことばかりじゃない。山もあれば谷もあるとは、よく言ったものだ。けさの中日スポーツ1面の落合監督のオレ流語録によれば、昨日の負けで▼勝率5割となり、「また港に戻って来ちゃったよ。またあしたから出港しないといけない。」とあったが、「今季の落合丸は実に7度目の“出港”となる。今回は最多タイの貯金5からの再帰港。大海原にさっそうとこぎ出すのは、こうも難しいものなのか…」(1面、「龍の背に乗って」から)とある。
 それでも、ジュンキたちは、みんなの期待を背に受けて。力の限り、球を投げたに違いない。けれど、敗れた。ここは、みんな悔しい。言い訳のしようもない。ひと試合ごとに白星を積み上げていくほか、あるまい。ファンも選手も悔しいが、耐えに耐えて、一試合ずつ勝っていくほかあるまい。ここから、また立ち直れば、耐えに耐え続ける日々の東北の被災地の人々に逆に、それだけ多くの勇気を与えることにもなる。ここは、オールドラゴンズの奮起を信じたい。いや、信じるほかにない。

 夜。六連敗という結果を胸に、満身創痍のからだを引きづるかの如く、それこそ久しぶりに、ひとり酒を飲みに戸外に出た。暗い、誰一人としていない夜道を無言でさまよい歩く。もの言わぬ風や大気、空たち。そこには、彼女らの声を聴こうとするもう一人の私がいたが、夜の気は何も応えはしてくれなかった。
 やっとのことで行き着いた先が以前、知人と入ったことのある「月うさぎ」という名の洒落たスナックだった。店内は満員で、いかに多くの人間たちが酒に人生の憂さを晴らそうとしているのか、がよく分かった。一方で、店内で働く女性たちは、だれもが輝いて見える。これは何なのだろう。私は一人ひとりの幸せを願って、ただ一人店を出て星空の下、足を踏み出した。こんど来るのは、いつになるのだろう。

 【きょうの1番ニュース】「月うさぎ」で働き者のママ、まなみさんに例によって「FОR YОU」を、エミさんからは岡本孝子の「夢をあきらめないで」を歌ってもらった。二人とも抜群の歌唱力に情緒あふれる歌だった。私は「酒よ」と「黒い花びら」を唄った。今度、店を訪れたら、舟木一夫の「涙の敗戦投手」をうたおう。それまでには岩田もジュンキも、一段と大きくなっているに違いない。

☆「復興へ 思い熱く 『東北六魂祭』観客あふれ、一部中止」「セシウム飼料 牛84頭新たに出荷確認 流通先、35都道府県に 名古屋、豊橋でも消費」「(福井県おおい町の)大飯原発1号機停止 冷却系で圧力低下 関電、再起動厳しく」(17日付、中日朝刊)

平成二十三年七月十六日
 今夜のナゴヤドーム。私の大好きな岐阜出身・岩田の先発で始まり「きょうこそは」と内心期待したが、結果は4―2で広島に負けた。岩田は、これで五試合に登板して勝ち星はなく、4敗。勝つか負けるか、はそれこそ紙一重だが、その紙一重のヤマを今後何としても超えてほしく思う。ひとつ勝つ、ということは大変なことだ。
 この際、岩田に限らず、ジュンキら他の若手にも「紙一重」のヤマを克服するにはどうしたらよいか、を自らに厳しい練習のなかで掴み取っていってほしい。体力、技術面から言わせてもらえば、もしかしたら日ごろの練習量が「壁」を越えようとするものではなく、少し自身に甘いのではーなど、いろいろ考えられる。精神的には、柔(やわら)の道と同じで「人に勝つより自分に勝たねばならないのだ」。もしかしたら、自らを鍛え上げていく面で、何かが欠けているのではないか。それは、本人ならば分かるはずだ。
 それから、このところのドラゴンズで気になるのは、「神宮でのヤクルト戦」や「広島のバリントン投手」など、苦手をつくっていることだ。苦手意識は、ともすれば敗北の連鎖(ドミノ)を起こしかねない(既に起こしてはいるのだが)。苦手意識、すなわち相手の餌食になるということだ。全選手が、その意識を見返すべく、自重の鐘を鳴らし胸に手をあててほしい。

 きょうは、朝からナゴヤ球場へ。
 ファーム公式戦を前にした屋内練習場での練習見学会、さらには六月の中日スポーツ・ファーム月間賞選手(小池選手)に対する公式ファンクラブ会員プレゼンターからの表彰式、そして試合開始前の会員始球式があった。ファンクラブの母、安江都々子さんにもお会い出来、昨日、事務局を表敬訪問してくださった帯広ドラキチ会の会川桂市広報部長ともギラつく太陽の下、スタンドで観戦しながらお話しもした。

 帰宅後、たまたまある民放テレビで「東北六魂祭とともに今こそ歌の力を集結」をスローガンとした演歌からポップスまで生放送音楽祭なるものを見たが、自らも演奏からの帰り道に新幹線車内で被災したファンキーモンキーベイビーズが東北の被災地へのエールの気持ちを込めてつくった新曲「それでも信じてる」を初めて披露する姿が私の心を動かした。西野カナの「叶わぬ恋の歌」もわが胸にキュンと響いた。

 【きょうの1番ニュース】NHKの夜の番組「京都が一番熱い夜 生中継・祇園祭宵山」を見て、祭りをここまで支えてきた京都の町衆(まちしゅう)たちの町の文化・芸術を守ろうとする、その意気の高さに感動した。
 祇園祭を前に粛々と進む町の人たちの準備、動く美術館とも言われる長刀鋒や橋弁慶山、北観音山、さらには鯉山、船鉾…など伝統の文化を守ろうとする、その情熱に胸打たれた。聞けば、千年を超える山鉾巡行の歴史には東北地方で貞観十一年(869年)に起きた貞観の大地震も大いに関係があった、とのこと。当時、蔓延した疫病や地震なぞの災害、いわゆる天変地異が起こらないように、との願いを込め、始まったのが、この山鉾巡行だという。

 京都では、その後、天明の大火など江戸時代に繰り返し起きた大火で山鉾の大半が焼失してしまう危機にも遭う、など不幸な時代もあったが、そのつど町衆たちが力を合わせ、より雅やかで荘厳なる鉾や山を甦らせ今に至っているのだ、という。まさか、鯉山が十六、七世紀にベルギーでつくられ当時、仙台藩の支倉常長らにより日本に持ち込まれたタペストリー(壁掛け)から出来ている、など誰もが信用しないに違いない。このほか、今に伝わる霰天神山の“わらべ唄”の継承秘話など奥の深いNHKさんならでは、の番組だとつくづく感心した。

☆「福島肉牛の出荷停止へ 浅川の42頭 23都府県に流通」、「トヨタ 小型HV 東北で生産 復興支援 エンジン工場も建設」、「一宮市で二十五キロ販売 今月上旬 愛知流通2度目」「高山でも流通、8・8キロ販売」「九電社長が辞意 やらせメール 下旬の取締役会で決定」(16日付、中日朝刊)「コイに完封負け YS(ヤクルト・スワローズ)と7差…昨季もひっくり返したじゃないか 竜ここから! 今季初の4連敗」(16日付、中日スポーツ)
 「ゆうかんサロン 受賞作(「裸身」) 昭和が舞台(第二十四回中部ペンクラブ文学賞を受賞した宇佐美宏子さん)」「土俵から勇気 名古屋場所 化粧まわし『がんばろう東北』 富士東『好成績、報告を』 千代の国、雅山『日の丸』に思い」「(福井県おおい町の)大飯1号機手動停止へ 炉心冷却系で圧力低下」「福島肉牛 三重も流通 浅川の42頭 30都府県に拡大」(16日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十五日
 金曜の夜―一体全体、ドラゴンズは、何をやっているのだ。神宮でヤクルトにあれだけ血祭りにされたあげく、ナゴヤドームに帰ってきてさえ、広島にやられるとは。今夜のドラは6―0と一方的に負けた。
 勝てない。勝てない。勝てない。どうしたら勝てるのか。先発・川井投手は3敗目(3勝)を食らった。これでは首位・ヤクルトとの差も広がる一方で、ゲーム差は7試合と大きく引き離されてしまった。

 北海道の帯広ドラキチ会広報部長で公式ファンクラブ通信員でもある会川桂市さんが、きょうの午後、新聞社七階の公式ファンクラブ事務局を訪れた。公式ファンクラブの六年目会員に対する継続特典である記者席前の『ダイヤモンド席』が当たっためで、会川さんは昨夜空路、新千歳空港から中部国際空港に着き一夜明けたきょう、その足でわざわざ事務局を訪れてくださったのである。
 「帯広も来る時は三十三度でした」という会川さんは初年度、2006年のファンクラブユニホームであるブルーメッシュのジャージに身を包み「きのうは、私の満四十四歳の誕生日。最初、事務局さんから“ダイヤモンド”席招待の通知を頂いたときは、誕生日祝いかと思った。まさか私が当選しただなんて、夢のようです」とも話しておいでだった。そんな彼とて、今夜の完敗は悔しかったに違いない。

 ところで、このところの猛暑続きには、みなバテ気味である。どうしてこんなに暑いのだろう。満月の今宵、午後九時過ぎ、東北全域でまたまた震度5強の地震が起きた。自然は被災地をいつまで苦しめよう、というのか。自然はただ人間どもを痛めつけるだけで、何も、その理由を言いはしないのだ。あ~あ。私たち人間は、その自然の御胸(みむね)のなかで生かされているのだ。ジタバタするにも、しようがないのだ。
  
 【きょうの1番ニュース】きょうというよりは、Mに言わせれば毎日のことだが、姉さん猫のアタイ、こすも・ここは、いつもお父さんや家族を意識してのポーズとりが板についている。そして、もう一方の妹・シロちゃんも、食事(猫缶)が出されるまで、“台所”でずっと我慢の子で座り続ける“おねだり上手”なんだってサ。でも、アタイとシロがいればこそ、イガミ家の生活も潤うというものじゃないの。あたいたちペットが、どれだけ人間社会を助けていることか。ネッ、お父さん!

☆「魁皇1046勝 新記録 名古屋場所 千代の富士超えた 24年の絆(友綱親方=元関脇・魁輝=) 感謝の白星」「『下町ロケット』で第145回直木賞に決まった(岐阜県八百津町生まれの)池井戸潤さん=「この人」欄)(15日付、中日朝刊)
 「文科省 もんじゅ中止も検討 増殖炉開発見直し」、「脱原発は個人的意見 『首相が閣僚に説明』 財務省」「流通42頭 汚染牛肉東京で確認 規制値超えるセシウム」「セシウム 宮城のわらから検出」(15日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十四日
 きょうは、負けなかった。でも、勝てなかった。
 なんとふがいない、といいたいところだが。負けないヤクルトが強いのだから、仕方のないことだ。今夜の神宮。ドラゴンズはチェンが投げ、ヤクルトは石川が投げての投手戦になったが、双方とも一歩も引かず延長十回を終わったところで、規定により2―2で引き分けに終わった。私の本音を言わせてもらえば、今夜もダメな感じがしていただけに、逆に「よくやった」と言いたい。
 ドラゴンズは二回に森野の8号ソロで先制、四回にも和田の中前適時打で加点したが、ヤクルトに六回、ホワイトセルの10号2ランで追いつかれ、あと1本が出なかった。

 私はいま、籠の中に居る鳥のようである。どういうことなのか。久しぶりに酔って帰り、自室ソファにこうして身を横たえているが、全身が見えない透明なオブラートのようなものに包まれた、そんな感じで動こうにも動けず、そのまま寝入り、誰か見えない存在に身を拘束されているような、そんな心地よい縛りのなかにいるからだ。

 今夜は、名古屋市内のとある酒場で久しぶりに、いい酒を飲んだ。文士仲間のYさん、某短大のN教授(副学長、元NHKの売れっ子アナ)、科学者でいまも大学教授の工学博士Kさん(元べ兵連闘士)、そして田舎侍の“いがみの権太”こと私、ナゾの女・キ・リ・コらちょっとした、いや錚々たるメンバーである。
 デ、酒はといえば愛知は蓬莱泉の最高級、純米大吟醸の「吟」の生酒、に同じ純米大吟醸「空」、豊田は浦野酒造の「菊石」、長野は川中島のフルーティーな香りとジューシーな口当たりの純米吟醸活性「Fuwari SuiSui」など。どれも、たまらない味ばかり、まさに銘酒の数々とのひとときとなったのである。

 なかでも、その道では、ちょっとしたインテリアコーディネーター、キ・リ・コとは、なぜか気が合い、飲むほどに酔い、酔うほどに飲み、酒が進んだ。気がついた時には、私自身のかつてのラブロマンスにつき、身ぐるみはがされそうになった(もちろん、ここは、うまくスルリと逃げたつもりなのだが……)。キ・リ・コはナゾめいた不思議な女性だった。

 ほかに、かつては華々しい人生劇場を歩いてきた民放テレビ局の重鎮ら一家言を持つ人々ばかりの酒の会だけに、アッという間のひとときだった。ここに元国立大学副学長でもあったKさんのひとりの科学者としての懺悔録を記しておこう。彼は今度の福島第1原発事故に触れ、こう述べた。
ー今回の原発事故により科学者たちは初めて科学技術がへんなことを起こすという事実を思い知った。大型電算機にファントムが墜ちる、そうしたことがありうることを思い知らされたのだ。あ~あ、それなのに、またしても原発推進を唱えてきた間違った科学者たち(東大グループ)が、ここにきて勝手な理論をふりかざし原子力の世界に戻ってきている。これはゆゆしい問題で、このままだと守られるはずの市民生活がないがしろにされかねない。今は市民の生活をいかに早く元の日常に戻すか、で科学者たちが机上の空論にうつつを抜かしているときではない。いかに人々を守るか、だ」とー

 きょうは、ほかに大関・魁皇が旭天鵬を破り史上最多勝利の1046勝を飾った。すばらしい記録である。

 【きょうの1番ニュース】名古屋経済短期大学のゲスト講師としての私の授業「メディアの仕事」がきょうで終わった。「新聞ができるまで」に始まり「メディア・リテラシー」「現場に見る人間ドラマ」「新聞記事と言葉、文章表現術」につき、どの学生も熱心に聴いてくれ、頼もしく思った。「先生の授業、ほんとに楽しかった。もう終わっちゃうの」「これまであまり読まなかった新聞を読むようになりました」などと言われると正直うれしく、返って私の方がいろんな点で教えられた。この学生たちが、これから社会という大海原に旅立っていくことを思うと、この世の中、捨てたものではない。一人ひとりの人生に幸いあれ、と心から願う。

☆「首相『将来は脱原発』 エネルギー政策 転換、初の表明」、「魁皇1045勝 史上最多 千代の富士に並ぶ 『やめないで』声援を力に」(14日付、中日朝刊)
 「なでしこ 初の決勝 スウェーデンに3―1 サッカー女子W杯 18日、米と対決 『勝利への貪欲さ』力に」、「虹 名城大柔道部 強さの秘密 監督夫婦の愛情“技あり” 自費で自宅に寮開設 手料理と絆 47選手支える」、「女川の今 きめ細かく 『うみねこタイムズ』創刊 町民有志 在宅被災者向け発行」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十三日
 いまは午後十時二十五分。神宮のヤクルト戦。先ほどNHKニュースで見た限り、九回表に森野の2ランで5―5の同点にまで、こぎつけこの勢いなら勝つ、と内心期待していたのだが…。たった今、ケータイ中スポのドラゴンズ情報でその後の展開を確かめてみると、ドラゴンズは延長十回裏、2死満塁で岩瀬がヤクルトの相川に右前打を打たれ、1点を取られ、5―6で一本取られる結果となった。ドラは3連敗、ヤクルトは今季6度目のサヨナラ勝ちで3連勝。
 神宮でこれだけヤクルトに負けたのでは優勝もほど遠い。褌の緒を締めなおしてあすから出直してほしい。誰が悪いのでもない。選手はみな、一生懸命にプレーをしているのだから。力はあるのだから、そのうちまた巻き返してくれたら、と願う。岩瀬には、限界が近づいている。救いといえば、森野がこの日、先制2ランと同点2ランを放ち当たりが戻ってきたことか。ちなみに、九回に森野が打った同点7号2点弾は、球団史上、通算8000号アーチでもあった。それだけに、ファン心理としては苦手なヤクルトに勝ってほしいところだった。

 菅直人首相が「今後は、原発に依存しない社会を目指す」と記者発表、私自身もそうあるべきだ、と思う。でも、言うは易くて行い難し、であることも確かで今後、英知の結集が望まれる。

 今日付の中日新聞朝刊特報面で「カツオ待つ小名浜漁港」の現況が原発事故前には活況を呈していたのに、いまは他県船も(放射能汚染の)風評で寄りつかない、との観点から活写されていた。
 岩手県や宮城県の漁港には活気が徐々に戻りつつあるが、福島県の漁港は依然として活動停止したままだ。同県いわき市の小名浜漁港では先月、カツオ船団が出漁したが、風評で県内での水揚げを断念、その苦悩を紹介するという内容だ。小名浜といえば、大震災発生まもなく私も現地入り、一帯の惨憺たるありさまを見ているだけに、少しでも早い復興を願わずにはいられない。
 折しも、夜のNHKニュースでは、同じいわき市豊間(とよま)地区の津波被害の甚大さを放映、学者の見解を添えながら「トヨマの浜は浅瀬が広がっており、その分、押し寄せた津波が高く大きくなって(三角波とでもいおうか)被害を大きくした」と説明していた。このトヨマ地区も私が、震災が発生してまもないころ、休みをあてて緊急バスを乗り継いでいわきに入った際、延々とガレキが続く浜沿いの道を、ただ黙々と歩いたところだけに、いっそう胸を締め付けられる思いだった。

 あの日、浜に立ち、呆然と海を見つめている私に九十歳近い女性が近づいてきてこう、言った。
「あんたさん、何も言わずに海ばかりを見てなさるが、本当は新聞記者さんなのだろ。ここにはね、黒い大津波がいくつもいくつも束になっておそいかかってきたんよ。みんな、もう逃げるのに命がけで…。何人ものニンゲンが死に、見ての通り浜辺の町は全て壊滅した。事故を起こした福島第1原発にも近くて、私たちは一体全体、この先どうなってしまうんだろう。新聞も、テレビも、ここの土地のことについては、まだ何も伝えず全然、触れもしない。ホラ、見ての通りよ。こんなにひどいというのに……。あ~あ。あの人もこの人も、み~んな、亡くなっちまっただ。あんたさんだけよ。初めてや。ここへ来てくれたのは」と。私はその日の言葉を胸に刻み込んでいる。いつまでも忘れはしないだろう。

 そのいわき市内の惨状が東京新聞(中日新聞)特報面を中心にやっと最近になって報道され始めたのである。特に東京新聞の紙面は際立って優れている。いつも、被災者に寄りそっているからだ。

 【きょうの1番ニュース】なんといっても、大関魁皇が大相撲名古屋場所四日目にして西前頭2枚目の豊ノ島を突き落としで破り通算1045勝と元横綱千代の富士(現九重親方)の記録に並んだことだ。出身地の福岡県直方市では市民が大変な喜びようでテレビでは勝ったあと、九重親方から「長かったな。まだまだ記録作ってもらわなきゃ」と慰労される場面が見られた。三十八歳、現役二十四年目にしての快挙である。

☆「全電源喪失 『炉心損傷の恐れ』指摘 93年に安全委 考慮不要と結論」、「川面豊漁の予感 新城・寒狭川『笠網漁』最盛期」、「『南相馬戻り自立を』 市が呼び掛け避難者に不安」、「被災者貸し付け 『愛知のみ罹災証明要求』 窓口の県社協 国の通知は『不要』」「もっとつかいやすい制度かと… 厳格審査疑問の声」(13日付、中日朝刊)
 「日本メダルへ自然体 サッカー女子W杯 あす準決勝 大一番へ自信と笑顔 『負けたら北京と同じ』安藤ら躍動誓う」「サッカーの話をしよう・大住良之 なでしこ決勝点 『みんなで取る』体現」、「円高 4カ月ぶり水準 欧米財政懸念 東京、79円半ば 海外では一時78円台」、「汚染牛肉373キロ消費か 姫路も流通、12都道府県に」、「放射線を警戒 福島球児の夏 球場で測定 大会開幕」(13日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十二日
 神宮でのヤクルト戦。6―4でヤクルトに、また負けた。どうして、こんなに(ことヤクルトに対しては)弱いのだろう。頼みの先発・ネルソンが4イニング5失点と乱れ、打線の反撃も焼け石に水だった。これでは、首位との差は、ますます開くばかりだ。
 今夜の負けで首位ヤクルトとドラゴンズの差は5ゲームとなった。一人のファンとして言わせてもらえば、あすからは連勝してほしい。デナイト、ドラゴンズがツバメのかもになってしまう。今季は敵地ばかりながら1勝6敗と分の悪いこのカード。この先、このままヤクルトに勝てなければ優勝など、ほど遠い。

 折りも折り、きょうの中日夕刊スポーツ面のコラム「スポーツが呼んでいる」で小川ヤクルト監督が「個性を見つめる采配」として藤島大氏の筆で紹介されていた。なかなか含蓄のある、いい記事だった。

 文学界八月号の特別対談菅原文太×丸山健二「希望は周縁に宿る」の中身がいい。なかでも「お金と名誉を作家に与えると、一発でダメになるんです。」「今の日本人はある意味ではみんな首輪をつけた飼い犬なんです」といった下りが気に入った。皆さん! 余裕があったなら、ぜひともこの対談を読んでほしいですね。

 【きょうの1番ニュース】きょう、先日して頂いた大腸検査の結果診断を聞くため、朝早く家を出て、九時ちょうどには中日病院へ。担当の中山医師から「先日取ったポリープですが、良性で癌では全くありませんので、ご安心ください」との言葉を頂き、なんだかホッとした。

☆「愛知にも牛肉流通 福島農家出荷 4頭9都道府県に 保管肉からセシウム」、「被災本堂と一歩前へ 震災4カ月」、「桂三枝さん 『文枝』襲名へ 5代目死去後、7年ぶり復活」、「きょうから(将棋の)王位戦 三重・志摩で第1局」、「(NHKのど自慢の司会アナ)松本アナが体調不良(で徳田章アナと交代)」(12日付、中日朝刊)
 「『福島産』牛肉 3キロ分 焼き肉店で提供 愛知県『健康影響ない』」(12日付、中日夕刊)

平成二十三年七月十一日
 月曜日で火が消えたも同然の一日。ドラゴンズの試合はなかった。きょうのプロ野球は楽天―日ハム戦(札幌)とオリックスー西武戦(西武ドーム)の2試合だけ。楽天が日本ハムに5―3で、西武がオリックスに9―1で、それぞれ勝った。日ハム期待の新人・斉藤佑樹投手は先発登板しながらも立ち上がりからコントロールに苦しみ、いいところナシだった。「持ってる男」も、この日に関する限りは「何も持っては、いなかった。」

 きょうも、あつ~い あつ~い一日だった。Mが言うには、このところは古知野神社の方から、せみたちが泣く声が、時雨となって聞こえてくるらしい。せみ時雨の一斉音が暑さをいっそう暑く感じさせるのか、それとも返って涼しさを運んでくるものか、はニンゲンそれぞれ、その時々で変わるような気がするのである。

 【きょうの1番ニュース】朝、江南駅で鶴舞線の豊田行きに飛び乗ったはいいが、「踏切事故があり、再開のめどはたっていません」と薄情そのものの車内アナウンス。布袋の踏切で伊奈発犬山行き急行電車と軽乗用車が接触する事故があったためで、列車は、しばらく江南駅に停まったままとなった。それでも、しばらくすると走り始めたが、電車があのまま動かなかったとしたら、我々は一体どうなっていたのか。
 事故ひとつで身動きできなくなってしまう現代社会。そうした中にあって、私たちはどう生きていったら、よいのか。我々はむろん、それこそ、この世界に生きる全ての人間が、ダモクレスの剣の下に居るのである。見えない放射能がいつなんどき、制御も利かないまま、暴れ始めるか知れたものでない。

 今晩の食事でキュウリとトマトが出されていたが「ウチの裏庭(のプランターのなか)で出来たのだから」とM。満足そうに教えてくれた。私は「うまい。ホッペがおちそうだ」と、言ってみせたが、Mも満更でもなさそうだった。

☆「梅雨明け 復興誓う 東日本大震災から4カ月 宮城・がれき20メートル超 大震災被災者数 死亡1万5547人 不明5344人=10日現在、警察庁のまとめ」「餌にセシウム数万ベクレル 福島の牛農家 原発事故時、屋外管理か」「原発シニア行動隊 あす現地調査へ ジイの力で収束を 志願者430人に『生ある限りやり通す』」
 「半年ぶりに本場所初日 大相撲名古屋場所」、「なでしこ 初の4強 サッカー女子W杯 延長でドイツ撃破(1―0) 準決勝 スウェーデンと」、「9台玉突き 母子死亡 運転過失致死傷容疑の男逮捕 信号待ち車列衝突 岩倉の県道」(いずれの記事も11日付、中日夕刊。同日付朝刊は新聞休刊日のため、お休み)

平成二十三年七月十日
 横浜3点、中日1点でドラゴンズは、敗退。まことに残念無念! だ。ナゴヤドームでのデーゲーム、横浜戦に期待のジュンキ(伊藤準規投手)が先発し、なんとか2勝目をと願ったが、そうは問屋がおろさなかった。でも、六回まで無失点に抑え、よく投げた。七回に3四死球などで崩れ途中降板したが、この苦い経験を次回に生かしてほしい。横浜は3連敗を免れ、あの“ハマの三浦投手”が6イニング1失点で昨年五月いらいの白星となった。私は三浦投手の雰囲気が昔から好きだっただけに、「ジュンキは残念だったけれど、三浦さんはよかった」と久しぶりの一勝を祝福したい。

 日曜日。きょうは、本当に暑い日だった。みな、汗をたらたら流しながら歩く姿を見ていると、そのうち日本列島のどこか一カ所がメラメラと火焔を噴き出し、炎上して燃え尽くしても決しておかしくない、とふと思った。M曰く「大阪では37度だったんだってよ」。
 あ~あ、それなのに。ニンゲンたちは何を好んで生きているのだろう。そう言うボクとて、同じだ。Mとそろって母のところを訪れ、顔を見せると左肘に絆創膏を貼っているので「どうかした」と心配して聞くと、「きのう自転車に乗っていて転んでまった」の返事。

 「気をつけて。元気で長生きしてよ」と言いながら先日、中日歌壇に入選作として紹介されたMの短歌が載った新聞(3日付)を見せると、しばらくじっと活字に見入ったあと「そりゃ、よかった。きょうは、野菜はないから」と台所に行きモモを手に「これ、食べてって」と包丁でむいて一個ずつくれた。モモにかぶりつきながら、これがちいさな幸せというものなのだ、と自らに言い聞かせた。
 実家の廊下に置かれた応接イスに座っていると、ここだけは不思議と心地よい風が吹きぬけており、少しは安心した。きっと亡き父のかぜが、仲間に入りたくて吹き抜けていったのだろう。
 夕食を囲んでいると何を思ってか、M曰く。
「この辺もさ、ほんとうは知らないだけで(放射線量が)高いんじゃないの」と。ドキリとしながら、ありうることだと思いつつ言葉をのみこんだ。見えない放射能汚染は、日本中に広がりつつある。

 午後九時前、玄関のピンポーンが鳴るのでMが出ると、私の妹で「母から茄子を預かってきた」とのこと。どうやら母は私たちが帰ったあと畑に出向き茄子を取ってきて妹にあつらえたみたいだ。九十一歳の母は、まだまだ若い。ありがとう。

 【きょうの1番ニュース】Mお気に入りの町の電気屋さんへ。ここで薄型テレビ一台を注文し、私の部屋のテレビを撤去してもらうことにした。ついでに音楽や会話の録音用ICも注文。Mのリサイクルショップのお休みである十九日に来ていただくことにした。
 私は薄型テレビなど既にわが家にあるのでいらないーと拒んだのだが、「それぞれに違う番組を見ることもあるのだから買って置いた方があとあと良い」との考えをのむ形となった。
 テレビ画面では、きょうもくどいほどに「アナログ放送終了まで あと14日」のテロップが流れている。要は、わが家の地デジ対策をしっかり、ということか。Mは言い始めたらきかないので私はただ「したいようにせよ」と応えて一件、落着。もったいない気もするのだが。彼女のいいふうにさせておこう。

☆「人の輪重なる城下町 郡上おどり開幕」、「福島第1解体に数十年 原子力委 中長期工程表を検討」「被爆神父の日記『ヒロシマ』克明 『火傷した負傷者が泣きながら走って来ます』 独出身 惨禍、救護の様子記録」、「サンデー版大図解シリーズ ナンバー1000 『復旧・復興 震災と日本』」(10日付、中日朝刊)

平成二十三年七月九日
 今夜のナゴヤドームは横浜戦。大島、平田、堂上兄弟、ジュンキ、岩田…ら若手の台頭のなかで、チヨっと待て!俺たちがいる、と森野、和田、井端、小山らベテラン勢が存在感を示してくれた。
 先発朝倉が四回までに3点を取られたもののその後のリリーフ陣が良く投げ、打っては4―4の五回に森野の適時二塁打、井端の2点中前打など六本の長短打が火を噴き、9―4で勝利を手中にした。ドラは小林正が2勝目。
 若手もベテランも互いに意地を張ってのまさに、オレたちゃドラゴンズともいえる意気の高い試合ぶりだった。最近思うに、このところの中日はどの選手にもみな自身を高めチームに貢献しレギュラーのポストを、といった気迫が感じられる。生き生きと伸びやかにプレーをしており、そうした雰囲気といおうか、ムードといったようなものが伝わってくる。中日スポーツの紙面も遠慮がなくてよい。

 落合監督のファンサービスをテンデなっていない、と個人的な私怨もからんで執拗なほどに批判する不毛なヤカラたちも居るにはいるが、だ。それはそれで、そう指摘する人間も居てよいと思う(ただ相手を消し去るパンチ力となると、相当欠ける)。本来ナンデモアリ、の方が組織はより正常に機能するはずだと善意に解釈している。一方で、このところのドラゴンズは球団首脳陣も変わり、なんとなく、クリスタル…で、球団全体が透明かつ自由奔放な新鮮な気風に変わりつつある、そんな気がしてならない。これは非常にいい傾向である。

 きょうは午前中、郵便局へ。乏しい私財(大げさ?か)の中から日本ペンクラブやら、中部ペンクラブ、滝高同窓会費などの年会費の支払いを終えた。いつもはMにしてもらっているので郵便局の支払い機の前でモタモタしていると、見目麗しき女性が親切にも全部の支払いを代わってしてくださった。
 ボクは現金を支払い機の中に入れるだけの役割で、この女性にはただ、ただ感謝。名前を聞くと「アキモトです」ということだった。名札には「秋元」とあった。世の中、たまには、とてつもなく親切な女性にめぐりあうことがあるものだ。これからは、郵便局をドンドン使おう、という気持ちになるから不思議だ。

 【きょうの1番ニュース】やはり、中日ドラゴンズ公式ファンクラブのマスコット「ガブリ」の人気、いや、底力(そこぢから)となると、昔も今も大変なものだ。特に子どもとその親たちが目にすると握手や記念撮影を求める姿が引きも切らない。敵をガブリと食べてしまう「ガブリ」生みの親は、スタジオジブリの、あの宮崎駿(みやざき・はやお)さん、モデルは、かつて三冠王となり一世を風靡した現役時代の落合博満さん(現監督)である。
 ガブリによる客のお出迎えは、公式ファンクラブが出来た2006年夏、一部で根強かった周囲の圧力をはねのけてナゴヤドームで試合のある土曜日のつど、2番ゲート前で立ち始めたのが最初だ。ガブリを知らない人は球団のマスコット「ドアラ」に比べたらイマイチ知名度がない、と安易におっしゃられるが、どうしてどうして。そんなことはない。2006年当初から家族連れ、特にお子さんの間では大変な人気である。そのうちに“ガブリ世代”と呼ばれる時代が訪れるかもしれない。いや、訪れるだろう。

 当初は、いつも張り番兼ファンクラブ会員の生の声収録を目的に若いスタッフと2番ゲート周辺に立っていたので、ガブリが最初から隠れた大変な人気者であることは私が一番よく知っている。最近になって、ではなくて昔からその控えめな人気は全く変わらないのである。その2番ゲートでのお出迎えが、きょうから1番ゲートに変わった。少し寂しい気がしないでもない。これも時の流れか。

 きょうは横浜ファンの女性三人がベイスターズのマスコットである黄色い星の妖精・ホッシーズのパペットを手にガブリの周りに群らがっていた。ガブリの可愛いパペットだってファンクラブの会員グッズとしてありましたよーと言うと、それはそれは、うらやましそうでした。この女性たち、そのうち、きっとドラファンになり、横浜を寝返るに違いない。

☆「『再起の名古屋』誓う 伊勢神宮で白鵬土俵入り」、「特捜の独自捜査縮小 検察改革 経済事件重視へ」(9日付、中日朝刊)「原発悲観 南相馬の93歳女性 お墓にひなんします 住み慣れた自宅 遺書残し(首吊り自殺)」(9日付、毎日朝刊)
 「最後のシャトル宇宙へ 30年135回目の飛行 打ち上げ成功」(9日付、毎日夕刊)、「高校球児 感謝の夏 愛知と岐阜大会開幕」「支え合うことで希望を見いだせる(と柴田高の佐藤裕次主将=Kスタ宮城で)」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年七月八日
 今夜のナゴヤドームは、ドラゴンズが横浜に5―2で勝った。何よりも、チェンが勝利投手になれてうれしく思う。これまで好投しながらも勝ちから見離され、五連敗中だったチェンが打線の援護もあり、やっと今シーズン3勝目をあけた。ドームのYさん、彼女は台湾通でもあるが、きっとスゴク喜んでいるに違いない。
 ドラゴンズは二回に小池の二塁打で先制し、六回には相手守備陣の乱れや小山の適時打で3点を奪うなどして八回に2点を返されたものの、そのまま逃げ切った。チェンは7イニング3分の1を2失点で3勝目、浅尾は4セーブ目となった。

 ちまたの方は今度は九州電力の原発説明会開催に際してのいわゆる、やらせメール問題、そして菅直人首相が玄海原発再稼動に関して地元・玄海町の容認を受けた直後に突然、持ち出したストレステスト(耐性評価)の実施などをめぐって住民、地元自治体、九電、政府…と混乱の極みに立っている。
 住民、地元・玄海町や佐賀県では「一体何を信じたらよいのか」と、国や九州電力に対する不信感は高まる一方だ。佐賀県多久市では今夜、地元住民に対する説明会が開かれたが、納得のいかない声が相次いだ。どうしたらよいのか、は私にも分からない。

 ただ、言えることは、もはや国民の誰もが原発の安全神話を信じてはいない、ということ。だったら過去の言った、言わないーよりも、安全をキーワードにもう一度、原発に対する姿勢を見直し、ゼロから出発する気持ちでの前向き対応が、すべての関係者に求められる。みな、原発の安全を願えばこその混乱続き、なのだから。甘いと言われるかも知れぬが、この際、互いに相手の気持ちになることも大切だ。

  気象庁がきょう、中国、四国、近畿、東海など各地方が梅雨明けしたとみられる、と発表。東海地方は平年より十三日早く、名古屋地方気象台では一九五一年の統計開始いらい五番目に早かった。

  【きょうの1番ニュース】本欄、すなわち、この笛猫人間野球日記の執筆とアップはたいてい、半分眠った状態で、それでも人間の一段面を毎日書き続けなければ、との強い思いに突き動かされ、夜中に行っている。
 でも、昨夜(深夜から未明にかけて)は書きあがった原稿をアップする段になってなぜか、同じ原稿が2本アップされてしまう“ダブルアップ現象”が起き、あれやこれやとダブルアップされた「7月7日」分の一方の解消を試みたが、結局はうまくいかず時ばかりが過ぎ、気がついた時には、朝になっていた。
 かと言って、深夜未明にSОSを出すほどのこともないため、「名誉の負傷だ」と自身に言い聞かせ、そのままにさせて頂いた。だから、本欄をチェックがてら、いつも温かい目で読んでくださっている親愛なる読者の方々の中には「アラッ、ゴンタさん。同じ日の日記がふたつ、それも同じ内容のが、二つも載ってるよ」と気付かれた方もいらっしゃるに違いない。
 デ、解消を試みたができないので「お詫びして訂正」できないから、「名誉の負傷」ということで、そのままにさせて頂くことにした。事件では、ためらいキズといったところか。人間、完全無欠などないので、たまには残滓もしかたあるまい。(ダブル掲載は、その後に解消)

☆「全原発ストレステスト 最終報告越年の見通し 経産相再開大幅遅れも」、「九電メール 原発担当元役員関与か 先月退職 部下に『意向』示す」(8日付、中日朝刊)
 「メール依頼 副社長関与 九電、社長進退協議へ」、「関連会社の数人送信 依頼文書1550人閲覧 玄海再稼動に『賛成』」、「高卒求人 福島で4割減 前年同期比全国9パーセント減 関東・東北で低迷」(8日付、中日夕刊)