【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2019年12月)】

2019年12月2日
 ことし話題になった言葉に贈られる「2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日発表され、年間大賞にラグビー・ワールドカップ(W杯)日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。この日、スペインの首都マドリードでは国連気候変動枠組み条約第25回契約国会議(COP25)が始まり、2020年に本格実施が始まる地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」について詰めの協議が始まった。会議は13日まで続く。
        ※        ※

 男は口を開くや「彼は、気骨ある詩人です」と絶叫。「かつて、こんなことがありました。私が出す手に、それまで誰もが、よう反撃してこなかったのに。なんと。モリカワは、見事に私に反撃のパンチを食らわしてきた。……低俗きわまる、愚かな政治家たちのために、こんなに愚弄された時代はかつてなかった。」
「日本の文学が危ういところにきている。国とは、ことば。はじめに言葉があり、言葉は真理なのだ。(言葉が今まさに教育面でも軽視されようとしている)〝その時〟をもってふたりの詩人がこうして結ばれた。そのことに私は無限の喜びを感じている。どうか苦悩しながらやっていってほしい。私は、ふたりには最高の敬意を表したい」
 ところは、目黒川に面した東京・中目黒のドイツ料理のレストラン「シュマッツ ビアダイニング 中目黒」。冒頭は、絶叫詩人で知られる福島泰樹さん、その人の心から絞り出した、お祝いのことばである。福島さんが同じ詩人仲間の森川雅美さん、野武由佳璃さん夫妻の結婚披露パーティーで放った、偽りなきお祝いの言葉第一声が、これである。
 このめでたい会には、ほかにこのところ脚光を浴びつつある詩人の渡辺めぐみさんはじめ大勢の詩人仲間らが参集。私は森川夫妻が「脱原発社会をめざす文学者の会」の盟友であることと、かつて今は亡き偉大なる詩人長谷川龍生さんの一番弟子であることもあって、尾張名古屋から都心に駆けつけた。森川雅美さん、野武由佳璃さんともに50を過ぎてからの激しく、熱い、たまらないラブストーリーの成就だけに、仲間たちみんなでそのお祝いを心から、というわけである。

 そして。運命のいたづらなのか。たまたま私、伊神権太の横に座ったのが、あの絶叫詩人(歌人)の福島さんだった。福島さんのことは妻の舞がずっと以前からファンだったこともあり、いっそう親近感を抱いたのである。ことし8月20日に逝ってしまった龍生さんのことや、あとを追うように10月31日に逝去された詩人最匠展子さん、在りし日の辻井喬さんの思い出、さらには、かつて日本の詩人が結集して実現した石川県七尾湾に浮かぶ能登島であった能登島パフォーマンス(クリエイション・イン・能登島)のことなどにも話が及んだのである。
 パーティーには、ドラマーとして活躍、由佳璃さんを姉と慕う後藤マスヒロさん、詩人仲間の常木みやこさん、職場の同僚でこちらも野武さんを姉同然に慕う永井治代さんらの姿も。白ワインやビットブルなどを味わいながら「ヨーロッパでは、ネ。短歌も俳句も。みんなひっくるめて【詩】なのですよ」「何ごとも簡潔に。できるだけ短く。詩人は言い過ぎはよくない。含みを持たせなくっちゃあ」などと談笑の場となった。
 この日は、各界代表の祝福のあいさつに続き、〈神結びのうた〉(野武由佳璃さん作)など夫妻の詩の披露と本人による朗読もあった。

 つねにあなたは傷に近く……、と新妻を前に自作の詩を朗読する森川雅美さん
 
 
神結びのうた    野武由佳璃

この空を この海を
渡れる風に なるよりも
命かけて たどり着く
言葉よ 森に さえわたれ
冬が落とした 涙
冷たく冷えた足に
君の見た海を
いまはたどるばかり

恋人よ このままで
今を生きるしか 出来ないと

軽き夢など 柔らかき
その唇よ 懐かしき
春がまたおとづれる
苦しみは花と散る
そよ吹けよ 風はるか
いまは夜を ゆかん

この命 この想い
伝えるすべを持たぬより
熱き想い 語れ君

 祝福を受ける森川さん夫妻(中央)
 
 福島泰樹さん(左端)らもお祝いに駆けつけた
 

        ☆        ☆
 NHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」の舞台、滋賀県信楽町で移動式の店舗を各地で展開する信楽焼の窯元が人気の的となっているという。売るのは、焼き物ではなくて窯の余熱を生かした「信楽窯焼きアップルパイ」で、絶妙な食感が評判だとか。各地のイベント会場では〝幻のアップルパイ〟と呼ばれている。

 2日付中日新聞夕刊によれば、政府はこの日の東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策チームの会合で廃炉に向けた工程表「中長期ロードマップ」の改定案を示し、廃炉作業の最難関とされる燃料デブリ(溶解核燃料)の取り出しを、2号機から2021年中に始める方針を正式に明記。31年までに1~6号機全基で、使用済み核燃料プールに残る燃料計4741体の搬出完了を目指すことも盛り込んだという。

 米ソ両国首脳が冷戦終結を宣言した1989年のマルタ会談から2日で30年。ベルリンの壁崩壊で始まった東欧社会主義陣営の大変革はソ連崩壊を招き、米国は唯一の超大国に。しかし米国第一を掲げ、同盟を軽視するトランプ大統領の登場で世界での指導的地位は低下しつつある、とは2日付中日新聞1面の「冷戦終結30年 世界多極化」の記事。 
        ☆        ☆

        ×        ×
 ▼英オックスフォード辞典が選んだ今年の言葉は「気候非常事態」。地球はもう待ってくれまい。そんな不安が世界に広がる。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が二日に開幕する。実のない「居留守」のための相談にしてはなるまい。(2日付中日春秋から)
 米大リーグで活躍し3月に現役引退したイチローさん(46)が1日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で高校野球の強豪、智弁和歌山高の教職員チーム相手に軟式球による草野球でプレー。「KOBE CHIBEN」の一員として「九番・投手」で背番号1をつけて出場し、6安打で完封し16三振を奪った。
 打撃でも一塁強襲の三塁打を放つなど4打数3安打、1四球と活躍し試合は14―0で大勝。131球の力投に「まだいける」とイチローさん。相手チームの監督を務めた藤田清司さんは快速球に「あの球は草野球の人間には打てない。うちのチーム全員が世界のイチローさんと出会ったことが思い出。楽しかった」と声を弾ませたという。