【生きてゆく人間花たち/2016年2月の唄】

平成二十八年二月二十九日
 米映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞の第88回授賞式が28日午後(日本時間29日午前)、ロサンゼルス近郊のハリウッドで開かれ、「レヴェナント 蘇りし者」演技部門で5度目の候補となったレオナルド・ディカプリオさんが念願の主演男優賞を受賞。

 午後2時ごろ、関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で発電と送電を始める作業中、発電機などの異常を知らせる警報機が鳴り出し、原子炉が緊急停止した。再稼働したばかりだというのに。
 関電では主変圧器が故障した可能性があるとみて原因を調べているが特定できてはいない。現場では社員が「トリップ(緊急停止)したようだ」「制御棒が落ちて、原子炉が停止した」などと話し、一気に張り詰めた空気に。幸い、原子炉は冷却されており、放射性物質の漏えいもない、とはいうが。心配だ。
        ★        ★

 暦と現実のずれを調節するうるう年。4年に1度、どっと吐き出すかのようにオリンピック、米大統領選と重なり。――とは、本日付毎日夕刊の〈近事片々〉の1節。
        ❤        ❤
 そのうるう年のきょう。この日は、舞の誕生日である。実は昨夜、川崎市に住む長男の嫁から薔薇の花束が妻あてに届き、「あぁ、そういえば、あすは」と恥ずかしながら思い出した次第。
 薔薇が届かなければ、うっかり忘れてしまいかねなかっただけに救いの神とはこのことか。舞が嬉しそうにさっそく室内一角に飾ったことはいうまでもない。彼女はこの日、久しぶりの寒波のなか、何を思ってか、95歳の私の母に会うため日進市の老健施設へ、と鶴舞線の女となって出向いた。
 突然の来訪者に母はとても喜び、たまたま歌の時間だったため〈春の小川〉を他のお年寄りと一緒に歌ってきたという。部屋に顔を見せるや「たつ江さん、きょうはあなたの4年に一度の誕生日だったよね。おめでとう」と言われ、「出向いた時はひ孫のために編み物をしていたよ。元気だった」と聞き、安心した。
 こんなわけで、きょうは夕方、こすも・ここを病院へ。何も食べないでじっと座っているばかりなので体重が少しずつ減ってきている。「とにかく、食べてくれなければ」ということで夜、ふたりして猫缶に彼女の好きなバターをほんの少しだけ混ぜて与えると食べてくれ、それだけのことでホッとする。

 一隅に飾られた長男の嫁から届いた薔薇の花々
 201602291414
 
        ×        ×
 女子のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選が29日、大阪のキンチョウスタジアムで開幕。4大会連続の五輪出場をめざす日本代表「なでしこジャパン」はオーストラリアに1―3で破れ、残念ながら初戦を落とした。大会は6チームによるリーグ戦で上位2チームが五輪への出場権を得る。こんごの挽回に期待したい。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「いつも以上に身の引き締まる思い。一日も無駄にすることなく、初日に向けてやっていきたい」「みんなに勇気と希望を。自分のためにも頑張りたい」
=29日付中日夕刊『〈大相撲春場所新番付〉綱とりへ琴奨菊 大砂嵐と遠藤十両転落』『「一日も無駄にしない」琴奨菊』の記事のなかから。琴奨菊の春場所にかける意欲と決意

【新聞テレビから】
☆『【常用漢字】「細かい違いOK」 文化審小委、指針案報告 指針案で示された主な漢字の字形』、『栃木女児殺害被告が否認 初公判 検察「車画像、遺体に同種ペットの毛』『遺族「真実知りたい」』、『愛知県芸大院卒 大滝(新潟県長岡市出身の大滝拓哉さん。28歳。)さん最高賞 仏のピアノコンクール』、『(検察官役の指定弁護士が)東電元会長ら強制起訴 福島原発事故「津波対策怠る」』『「やっとここまできた」告訴団長・武藤頼子さん』、『ダイコー廃棄物 愛知県撤去命令』、『20年以降に導入あらためて方針 アダムズ方式で首相』(29日付。中日夕刊)
☆『今市女児殺害無罪主張 初公判 弁護側「自白は強制」 宇都宮地裁』『登下校見守り続く 今市女児殺害初公判 初代隊長=地域安全パトロール「ひまわり隊」の隊長=「真実知りたい』、『〈東日本大震災5年〉命救う津波模型 宮古工高生製作防災教育に活用 南海トラフ地震想定 高知の高校に贈呈』、『バクダッドテロ70人死亡 IS犯行声明 近郊でも35人殺害』、『■天皇陛下がインフルエンザ』、『■インド死亡事故で「自撮り禁止地区」』(29日付、毎日夕刊)
☆『「40年超」認可差し止めを 高浜1、2号機 名地裁に提訴へ』『原発安全性 老朽化、新争点に』、『未来選ぼう 平和叫ぼう 中区でシールズデモ』、『ダイコーに撤去命令へ 産廃過剰保管 愛知県が行政処分』(29日付、中日朝刊)
☆『楢葉再生古里に 立命館大生1年休学し嘱託職員「卒業後は戻りたい」』『5年離ればなれ 浪江・思い出の品展示』『被災地雇用創出事業 企業4分の1超辞退 岩手・宮城 人手不足で 沿岸産業の再興妨げ』、『民主予備選 クリントン氏が圧勝 サウスカロライナ 黒人層8割支持』、『鈴鹿のしだれ梅 竜のごとく満開』、『〈おくやみ〉東京五輪実況中継 西田善夫さん80歳(にしだ・よしお)=元NHKアナウンサー、元横浜国際総合競技場長 27日、心不全のため死去』、『東京マラソン ボランティア1万人「五輪も支援する」人多く』(29日付、毎日朝刊)

二月二十八日
 東京マラソン2016(東京マラソン財団主催、東京新聞=中日新聞東京本社=など共催)が都庁~臨海副都心の東京ビッグサイト間でひらかれ、3万6647人が早春の都心を駆け抜けた。日本勢は高宮祐樹(ヤクルト、2時間10分57秒。8位)下田裕太(青学大、2時間11分34秒。10位)一色恭志(青学大、2時間11分45秒。11位)で青学大生の健闘が光った。
 米大統領選の民主党指名争い第4選となる南部サウスカロライナ州の予備選挙が27日(現地時間)開かれ、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が得票率73・5%でバーニー・サンダース上院議員(74)に大差をつけ、圧勝。
        ☆        ☆

 早朝。私たちが住む花霞住民による古知野神社の清掃奉仕作業があり、睡眠不足で眠い目をこすりながら妻と参加。見慣れた顔の人々とあいさつを交わしながらの奉仕となった。この試みは地域社会を少しでも美しくというものだが、たまにお隣りさん同士と顔をあわせることにもなり良いことである。
 帰ったその足で愛猫こすも・ここをふたりで動物病院へ。いつものように、点滴に加え注射を打っていただく。

 午後は、手付かずの仕事を後回しに。
 前々から地主として畑の管理をお願いしている方と約束してあったこともあって小型耕運機の動かし方を学ぶため〈エデンの東〉へ。これが難解で当初はホトホト参ったが、なんとか出来そうな気もしてきた。
 何事もなれだ、と自身に言い聞かせて繰り返し学んだが耕運機そのものを新しいタイプに替えなければ―とも思った次第。かといって、元々亡き父が使っていた生前の汗が染みついた貴重なものだけに、そうそうたやすく替えてしまうこともためらわれる。
 なれない手で耕運機で田起こししながら畑全域を見回すと、白梅の花が見事に咲きそろっていた。「梅を育てるのは難しくて、これまでなかなか咲いてはくれませんでしたが、この調子だと結構の実がなるかもしれません」と運転の仕方を教えてくださり、梅の剪定にもひと役かってくださった男性。ありがたいことだ、と思い日頃の手入れに礼を述べ帰った。

 小型耕運機によって田起こしされた野菜畑の1部と白い花が咲きそろった白梅=江南市和田の〈エデンの東〉にて
 201602281626
 201602281624

 なんだか、やることばかりだが体調が心配な愛猫こすも・ここは、トイレにいくとき以外はきょうもずっと寝たまま。そろ~り、そろうりの厳しい生活が続いている。でも、私に向かって時折、顔をあげ思い出しでもした如くしっかりした声で♪ニャン、ニャア~ンと再三にわたって話しかけてくる、ので体調が悪いながらも少しは回復してきている気がする。

 畑から帰宅後、やっと自室デスクの前へ。各種データを愛用のスマホから自分のパソコンに取り込んで執筆開始、といきたかったのだが。スマホ画面に「送信メールがいっぱいか、メモリが不足しています。これ以上メールを作成できません」の表示が何度も出てにっちもさっちもいかない。うんともすんとも反応しなくなってしまっており、さあ大変。あれこれ弄くっても画面が動かないのには、まごついた。
 容量が厖大に及んでいることは間違いない。デ、思い切って、これまでの送受信データを手当たり消しにかかったところ、途中で息でも吹き返したように、やっとこせスマホが反応し始め、こうして深夜未明にかけての執筆が再開したのである。
 傍らでは病身と老いに耐え、こすもが心配顔で私を見守ってくれている。早くよくなってほしい、と心で呼びかけながら執筆をつづける私。ここは何も言わない。私の傍らでただ寄り添い、黙って横たわっている。(かまってやれなくて)ごめんね。ここ

 というわけで、きょうはほかに書きたいことと進めたいことが山ほどあったのだが。無理はしないでおく。デないと、私のほうが潰れてしまう。健康と体力あってこその執筆だからだ。

        ×        ×
 ここ数日間の新聞をあらためてチェックしていたところ、27日付中日夕刊に『遊々ライフ〈ラブリーペットと楽しく〉猫の鼻気管炎』なる囲み記事を発見。『猫の顔が鼻水でぐちゃぐちゃになったり、くしゃみをしたり、目やにが出たり、結膜炎や口内炎になったり…。/これらは通称、「猫風邪」といわれる症状です。正式な病名は、猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)といいます。原因の多くは細菌と、ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどウイルスの混合感染です』などとあった。
 こすものこのところの症状を見ていると、心当たりがある。どうやら、この「猫風邪では」との気がしてきた。記事には『細菌感染に関しては抗生剤の投与が有効です。またウイルス感染に関してはインターフェロン療法があります。これは免疫力を上げ抵抗性を増加させます。治療には三日間の連日投与が必要となります。より重症だと点滴をしたり、点眼、点鼻薬などを用いたりします』の記述があり、このところ医師が点滴と注射(抗生剤の投与)をしてくださっているのは、このためかと納得。
        ×        ×

【新聞テレビから】
☆『〈サンデー版大図解〉若者の選挙権』、『シリア停戦ほぼ順守 発効初日 ISは爆弾テロ続行』、『認知症JR事故訴訟上告審 家族の賠償責任1日判決』、『3世代住宅150万円補助 同居義務なく設備で判断16年度予算案「高所得者優遇」「指摘も』、『十二単 平安の「粋」重ね 徳川美術館 桃の節句前に公開着付け』、『★SF大賞に谷さんら』(28日付、中日朝刊)
☆『〈東日本大震災5年〉宮城・野蒜小で閉校式 津波の教訓継承を誓う 卒業生と恩師「着衣泳のおかげ」』、『ケアマネジャー(介護支援専門員)調査「殺人や心中危惧」55% 担当の介護家族 緊急時対応充実を 深刻な苦悩浮き彫り』、『G20(主要20カ国・地域)声明 市場安定へ政策総動員 資金流出規制を検討』、『シリア停戦ほぼ順守 和平協議7日再開目指す』、『越谷市元課長を再逮捕 詐欺容疑生活保護相談者から 埼玉』(28日付、毎日朝刊)

二月二十七日
 シリア内戦の「一時停戦」が日本時間のきょう午前9時(現地時間午前零時)に発効、アサド政権と反体制派主要勢力の戦闘が停止されたもようだ。広範囲での停戦実現は2011年から続く内戦では初めてで、このまま平和へと向かってほしい。
 東日本大震災の津波で被災した宮城県東松山市立野蒜(のびる)小学校の閉校式が開かれ、児童らは校舎の前で校歌を歌い、風船を飛ばして別れを惜しんだ。明治安田生命のJ1が開幕。元日本代表小倉監督率いる名古屋はJ2から復帰した磐田を1―0で下した。
        ☆        ☆

 土曜日。やることがいっぱいで正直、朝から晩まで動き通しとなった。本欄では「忙しかった」とだけ、記しておきたい。いちいち内容に触れる時間がないのである。
 その「忙しい」というフレーズだが、私は現役記者時代にこれほど嫌いな言葉はなかった。私の「目」から見ていて、たいして忙しくもない兵隊(一線記者)に限って、この安易な言葉を連発するのが常で、彼らを指揮するデスクを「甘過ぎる」と叱り飛ばした記憶となると数えしれない。
 でも、今になって思うと「忙しい」と声に出すこと自体、その記者がそう思っているからでこの言葉を発することで、気晴らしになり記者たちにとっては何よりの精神安定剤になったのではないのか、と今ごろになって、この言葉の持つ大切さを分かる気がしてきた。きょうなぞも、「あぁ、忙しい」を連発したい衝動にかられたのも事実だ。

 ところでわが家の宝、愛猫のこすも・ここの方だが。きのうに続いて外出前に妻と近くの愛北動物病院に連れていった。治療中に暴れることは相変わらずで、妻がからだを押さえつけ点滴と注射をしていただいた。体重は2・5㌔できのうと同じだった。医者から帰ってからは1日、自らのからだをかばいながらそろ~りソロリと身体を動かし時は流れていった。
 痩せ細りながらも、急に何かを思いたったようにヨタヨタと懸命に歩くほかは、何かに耐えでもするように、前を向いてじっと座り続ける愛猫こすも・ここ。彼女の姿を目の前に私たちは、なぜか胸が痛まって仕方がなく昨夜、たまたまNHK総合テレビの〈ドキュメント72時間〉で紹介されていた東京・井の頭自然文化園で過ごす最高齢ゾウ、はな子を思い出してしまうのである。
 ふたりとも、どこまでも生きて、生きて、生き抜いてほしい。

 はな子=26日夜のNHK〈ドキュメント72時間〉から=と、わが家のこすも・ここ=同夜わが家にて
 201602262314
 201602261640

        ×        ×
 地方創生、1億総活躍を実現する妙案はなく、1票の格差是正も先送り? 総人口、初の減少。国勢調査があぶり出す、日本のいま。/福島第1原発事故で東電の旧経営陣を近く強制起訴。国会事故調は「人災」と断じたが、責任の所在はあいまいなまま、まもなく5年。真相究明作業に時効はなし。―とは、本日付毎日夕刊〈近事片々〉。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「あのね。猫ちゃんはね。飼い主を人間だと思って見ているのに対し、犬は自分自身を人間だと思い込んでしまっている。そこが猫と犬の違いなのよ」
=碧天ワンニャン文学賞で優秀ラブリー賞を受賞したことがある愛知県江南市在住の長谷川園子さん

【新聞テレビから】
☆『〈東日本大震災5年〉警官復興支援に「骨うずめる」被災3県へ67人永久出向 おれだけ帰るわけにはいかない』『高浜4号機が臨界 29日にも発送電を開始』、『笑えない戦争の噺 林家三平さん「国策落語」再現』『戦後に自然消滅』、『FIFA(国際サッカー連盟)新会長にインファンティノ氏』、『オノ・ヨーコさん(脳卒中で)搬送も意識回復 米テレビ報道』、『ヨーヨー講座大回転 岩倉元世界王者ら「世代超え文化に」』(27日付、中日夕刊)
☆『〈東日本大震災5年〉幸せ動画で支援の輪 投稿収入を被災地へ 扶桑の男性 プロポーズ出演者を募集』『励ましの声忘れない 津波被害の東松島・野蒜小閉校』『●eye見つめ続ける大震災 「1生やる」決意固く 葛藤の海 待ち望む本操業―福島』、『〈伊勢志摩サミット2016〉真珠や伊勢エビ描き 記念切手発売』、『シリア一時停戦発効 米露主導 主要勢力同意』『条件順守を要求 安保理決議採択』、『〈チェック〉アカデミー賞29日発表 待つ/3年連続候補/ジブリ 思い出のマーニー「美しく芸術的」 長編アニメ部門 本命ディズニー』、『健康関連会社が1・5億円所得隠し 名古屋国税指摘』、『福井5例目新種恐竜化石 鳥類への進化初期』(27日付、毎日夕刊)
☆『高浜4号機再稼働 関電「水漏れ対策済み』『また1基…募る危機感 高浜再稼働 粘り強く抗議』『事故起きて分かった 楢葉住民10人家族帰還2人だけ』、『事故直前に大動脈解離 大阪・暴走 運転男性 死因は心疾患』『事前予想難しく 過去に同様ケース』、『元稲沢市議の判決「無期限延長ない」 6度目延期で弁護人』(27日付、中日朝刊)
☆『〈復興を探して〉浪江から避難石材業の男性 父譲りゼロから挑戦 移住先で会社再建決断』『事業再開 福島県58%、浪江町36%』、『衆院議席配分 首相「アダムズ方式」容認 20年国勢調査から』『15年試算「9増15減」必要』、『対北朝鮮 制裁「前例なく強力」 米決議案 安保理近く採択』、『東電社員が協力か 原発賠償金詐取 被告証言 警視庁捜査』『賠償金 総額5兆9000億円』、『NHK会長謝罪へ 相次ぐ不祥事 あす午前の番組で』、『総務相の発言に劇作家協会抗議』(27日付、毎日朝刊)

二月二十六日
 原子炉補助建屋でボルトの緩みが原因で放射性物質を含む冷却水漏れが起きていた福井県高浜町の関電高浜原発4号機が当初予定どおりの日程で4年7カ月ぶりに再稼働。民主党の岡田克也、維新の党の松野頼久両代表が国会内で会談、3月中に両党の合流を目指すことなどを記した確認文書に署名した。
        ☆        ☆

 天気晴朗なれど、老衰と闘っている長女猫こすも・ここの奮闘を思うと心が重い。きょうは夕方、いつものように暖房カーペットの上でソロリ、ソロ~ウリとからだを右回りにゆっくりまわりに回ったあげく、そおっ~と横たえさせようとした際、ひっくり返ってしまい、しばらく泣き叫びながら全身を痙攣させひきつけ状態になった。
 一時はどうなることか、「このまま死んでしまうのでは」と思ったが、幸い私がすぐ傍にいたこともあって、からだを起こしてやることが出来、しばらく全身をさすってやると元に戻った。
 いやはや、高齢で弱ったからだと日々闘う彼女からは「それでも、生きなければ」といった強い精神が伝わってくる。なんとか元通り、元気になってほしい。過去20年、何者にも屈することなく生きてきた、こすも・ここのことだ。強靭な魂が必ずや、昔の元気さを取り戻してくれるもの、と私たち家族は信じている。いや、祈っている。

 しばらく出ている間にパソコンに届いていた夥しい数のメールをフェイスブックも含め1つひとつチェックする。これが大変で、かなりの時間を費やす。

        ×        ×
 中日新聞朝刊の本日付尾張版〈学ぶ磨く 中日文化センター訪問〉欄。ここで中部ペンクラブ会長、三田村博史さんが自著・東海の文学風土記を手に「作品の舞台の地をぜひ、訪ねてください」と呼びかけている写真を発見。
 記事は『地元ゆかりの文学と作家、舞台の関係解説』の見出し入りで「風土と文学は離すことはできません。取り上げた作品の舞台の地をぜひ、訪ねてください。新しい発見があるかもしれません」と三田村さんのコメントが紹介されていた。
 ちなみに三田村さんの講座【『東海の文学風土記』を読む】は、栄中日文化センターで4月から。詳しくは栄中日文化センター=フリーダイヤル(0120)538164=まで。ぜひ、どうぞ。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 安保関連法制、原発再稼動、格差拡大…、国民が判断を迫られている。空気に流されて、という言い訳は、二十一世紀の私たちには許されない。(昭和の子)
=26日付中日夕刊『〈大波小波〉止めさせてくれんのです』から最終部分を抜粋

【新聞テレビから】
☆『〈ドキュメント72時間〉最高齢ゾウ69歳はな子 心震わす不思議な魅力 ゾウに人生重ねる人々』(26日夜、NHK総合)
☆『高浜今夕再稼働へ 制御棒検査を開始』『東電元会長ら強制起訴へ 業過致死傷罪きょうにも』、『元稲沢市議の判決延期 中国の地裁 6度目期間伝えず』、『首相を守り抜いた
二・二六事件から80年 戦争止まらず残念』『警官殉職語り継ぐ 現職SPが追悼式』、『スズケン社長に宮田氏』、『国勢調査人口初の減少 15年速報値1億2711万人に』『衆院9増15減が必要 アダムズ方式で試算』、『〈あの人に迫る〉山口絵理子 マザーハウス代表取締役社長 途上国の人々と誇れる物作りを(秋田佐和子)』、『記録なき声の伝承者 津島佑子さんを悼む 星野智幸』(26日付、中日夕刊)
☆『安産を願いカッチン玉 名古屋・六所神社』、『メッシ選手からユニホーム ポリ袋姿でプレー アフガンの少年に』、『〈東日本大震災5年〉津波越えた文化財150点 職員派遣が縁 名古屋で特別展』、『ビキニ被ばく 元船員ら10人労災申請 第五福竜丸以外 がん発症』、『東邦ガス社長冨成氏昇格へ』、『北海道新幹線切符25秒完売 上り一番列車』、『不正アクセス1億円送金 兵庫の企業から 中国人名義口座へ』(26日付、毎日夕刊)
☆『木崎、野口ら14選手招待 来月13日 名古屋ウィメンズマラソン』、『シャープ鴻海傘下入り決定 3500億円追加債務の恐れ』、『梅田の車暴走2人死亡 1人重体 運転男性 意識失う?』、『特定機密弁護士の訴え却下 静岡地裁』、『東邦ガス社長に冨成氏 電力自由化へ新布陣』(26日付、中日朝刊)
☆『〈東日本大震災5年〉指定廃棄物4割減少 年月経過で濃度下がり 環境省試算』、『大阪・車暴走 白昼の繁華街騒然11人死傷 歩行者次々倒す』『急発進 交差点から歩道へ』『事故直前に意識失う? 運転の男性』、『ジカ熱感染確認 WHO緊急宣言後国内初 川崎の高校生』、『「金八先生」制作 柳井満さん死去=プロデューサーの柳井さんが胸部動脈瘤破裂のため死去。80歳だった』、『日本道路幹部 談合指示 震災復旧工事 東京地検が立件へ』(26日付、毎日朝刊)

二月二十五日
 読者のみなさま、お久しぶりです。

 大阪・梅田で乗用車が多くの通行人を巻き込んで歩道を暴走、運転していた男と歩行者1人(男性)が死亡、5人が重傷。経営再建中のシャープがこの日あった臨時取締役会で台湾の電子機器受託製造大手・鴻海(ホンハイ)精密工業の買収提案を受け入れた。ブラジルに滞在、帰国した川崎市に住む10代の男子高校生が「ジカ熱」に感染。
        ☆        ☆

 ほんの少しの間ではあった。
 22日に東京の文藝春秋ビル、新館内の日本文藝家協会会議室であった脱原発をめざす文学者の会の文学サロン=テーマは〈『チェルノブイリの祈り』とノーベル文学賞〉、講師は、文学者の会メンバーで文芸評論家川村湊さん=に出席したあと、翌日には東日本大震災と福島第1原発事故の被災地へ。被災地のその後を2日間をかけ自らの目と足、耳で確かめてきた。
  
 このうち川村さん講演による文学サロンは、どうしても聞いておきたかったので。また被災地行の方も、私自身かつて震災と原発事故が発生してまもない2週間後には現地入りしたのを最初に、その後も何度も現地を訪問。復興の進み具合と原発に汚染されたままの浜通り地域を中心とした一帯での除染や町の様子など、現状を被災地の方々の生の声も含めて確かめておきたかったからだ。
 そして今ひとつは既に書き上げてある震災原発関連の小説の最終提稿を前にもう1度ストーリー性や人々の真の心などをチェックし、その精神性についても深く肉付けしたく思ったからだ。

「スウェーデン・アカデミーがスベトラーナ・アレクシエービッチさんの〈チェルノブイリの祈り〉をノーベル文学賞に選んだのは当然の結果だ」「このままだと、福島ではチェルノブイリよりももっと悪いことが起きても不思議でない。どんなに悲しい文学社会がそこにあっても、どこかに希望とか明るさを見いだせる〈ひとすじの光り〉が見出される作品であってほしい」などと話す川村湊さん=日本文藝家協会会議室で。22日夜
 201602221812

 こんなわけで東京での文学サロン出席を終えた私は翌日、いわき市へ。海沿いの多くが津波に流され、今なお傷が癒えないままの塩屋埼灯台直下の四ツ倉を皮切りに豊間などをじっくりとあるいて見て回った。毎年訪れるたびに、ただ1校だけ仁王立ちで建ち続けていた豊間中が解体、撤去され姿がなくなっていたのには驚きどころか、寂しささえ感じた。
 そればかりか、護岸工事の進捗に伴い、これまで護岸をキャンパス代わりに名物でもあった花や鳥など微笑ましく描かれていた絵画の数々が消えていたのには、ショックを覚えたのである。きょうのところは、写真グラフで簡単な報告に留めたい。あとは、私の小説に反映させるつもりでいる。完成し作品が世に出た際にはぜひ読んでいただきたく思う。
【写真グラフ】
 いわき市内を四ツ倉、豊間と足を棒に歩いたあとは竜田(楢葉町)から1日2本しか出ていない代行バスで国道6号線を福島原発沿いに、富岡→双葉→浪江→原町の順で北上。原町からは山元町、亘理町経由で高速バスで仙台に向かう
 201602240932
 201602241406
 護岸工事が進む塩屋埼灯台直下
 201602231519
 昨年と変わらぬかさ上げ工事が延々と進む。豊間中校舎は姿を消していた
 201602231607
 平静を取り戻した四ツ倉の町中。向こうに見える鳥居が津波でスッポリ埋まったという
 201602231356
 久しぶりに訪れた楢葉町、帰還は解除されたが人はあまり見かけなかった
 201602240930
 除染袋が一面に置かれている。大熊町で。国道6号を走る代行バス車窓から
 201602240953
 蒔田正巳さんの家族が撮影した大津波襲来直前の写真と蒔田さんが避難した墓地の高台
 201602241154
 201602241153
 いつもと変わらない仙台駅
 201602241445

       ❤        ❤
 外出中、1番気になっていたのは長女猫、こすも・ここの命のことだ。
 東京、いわき、広野、四ツ倉、楢葉、大熊、富岡。相馬、山元、仙台など。行く先々から舞にメール連絡したが、返ってきたのは「毎朝医者に連れていっているのだけれど。食事はいっさい受け付けようとせず、水も飲まない。やせ衰えるばかりで動こうともしない。もう、ダメかもよ。覚悟していてネ」といった目先真っ暗な内容ばかりで気が滅入ってきた。
 そのうえ、楢葉からは1日2本しか出ていない福島第1原発沿いに北上して南相馬に向かうJRの代行バス原ノ町行きのバス車内に大切なスマホを忘れてしまい、一時は連絡が出来なくなる事態まで発生。原ノ町駅で立ち往生したままでしばらく連絡できない状態がつづいた(幸い、私の遺失物届けに交番のお周りさんやJR原ノ町駅職員らの機敏な対応もあって携帯はまもなく手元に戻った)。
 ひと騒動あった原ノ町からは山元町、亘理町経由の高速バスで仙台に。仙台からは新幹線を乗り継いで名古屋に帰り、江南のわが家に帰宅すると同時に、今度は家族とともにこすも・ここの看病に当たった。むろん、医者にも連れていったが、ここは帰宅した私の顔を見るや、がぜん元気が出てきたようにも見える。システムエンジニアの末っ子が心配して一晩中、ここの隣で寄り添って寝たと聞いた時には「この子もやさしく育ってくれた」と妙に感慨を新たにしもした。
 この調子なら大丈夫だ。心配ない、と確信するのはどこまでも楽天的な私ひとりかも知れない。でも、これまで20年間、家族の1員として辛い時も悲しいときだって。いつでも、命の炎を燃やし続けてきてくれた彼女のことだ。強靭な生命力でこの危機を、きっと乗り越えてくれる。そう、信じたい。
 私が帰ってきたからでもあるまいが。つい先程からは、食事にもほんのちょっぴりだけ口をつけ始めた。そうやすやす死んでたまるかってんだ! ねえ~、こすも、ここ。こすも、とのことは、【いつも一緒に】の視点で、既に新しい小説の執筆に入っている。出来たら随時、公開したくも思っている。この世に生きているものは皆、平等だ。人間であろうが同居猫、犬であろうが命の尊さは何ら変わるはずもない。
 ましてや、家族そろって過ごしてきた間柄なら、人が何を言おうが極上愛を捧げて当然で、権太の作品社会を通して共に生きてゆくことの尊さを分かっていただけたら、と思っている。

【番外】帰宅し、夜おそく携帯をチェックすると「お客さま、ツゲの櫛をお忘れです。いかがしましょうか」の留守電が東京神田東のアパホテルから入っていた。この櫛は以前、ギリシャの地中海ミコノス島で最高級の櫛を買い入れ、いつも胸ポッケに入れている宝物だ。
 帰宅後、「ない、ない。どこへ蒸発してしまったのか」と諦めかかっていただけに、着払いで送っていただくことに。いわき市内で除染作業に向かう男性たちと寝起きを共にしたカプセルホテルの方は何も忘れてはいなかったらしい。
 とにかく歩きに歩きまわったので現役記者時代のあの過酷な現場取材を少しだけ、思い出した。私は私。いつまでたってもやることは同じだ。かわるはずもないのだ。

 私と再会し、元気が出てきた愛猫のこすも・ここ=25日夜。自宅にて
 201602251510

       ❤        ❤

【きょうの一文・ことば】
「世界文学の、ある1つのうねりとして脱原発がある、と思っている。チェルノブイリとフクシマに共通したものは【悪】だといえる。悪いことなのに、平気で前科を隠して、また悪いことをしようとしている。日本文学に何が大切なことなのか、が今、文学者たちに問われている」=22日夜の文学サロンの総括として。加賀乙彦さん(脱原発をめざす文学者の会代表)
「あの日、私たちの家は跡形もなく流されてしまいました。でも孫も含め6人の家族全員が墓地のあるもう1段高いたか台に間一髪逃げ助かりました。かわいい飼い犬も奇跡的に助かったのです。なんという運命か、少しだけ下の高台に避難した人々は全滅でした。私はタクシー車内に家族が瞬間的に撮った拡大写真をいつも置き、こうしてお客さんを乗せ元気に働いているのです。」=原町でタクシー運転手として働く蒔田正巳さん(66歳)

▼「絶対安全」と宣伝された原発が事故を起こし、恐ろしい害毒を目にしたのに、原発は「絶対必要」との主張が通る。そんな不思議な物語が現実に続いている。
=25日付中日朝刊〈中日春秋〉のなかから。抜粋

【きょうの新聞テレビから】
☆『国公立大2次試験始まる』、『歩道に車 3人心肺停止 大阪・梅田で8人負傷』『逆走し衝突男性死亡 半田IC出入り口 交差点、計5台絡む』、『教育長文科省から起用 名古屋市方針 いじめなどに対応』、『シャープ鴻海(ホンハイ)傘下決定 臨時取締役会 支援総額6600億円』、『発明旋風 日本の夏に吹け「足で操作」全国発売へ 豊橋工業高先輩の案を発展』、『山口組1万4100人 神戸山口組6100人 分裂半年 勢力判明』(25日付、中日夕刊)
☆『反体制派2週間停戦合意 シリア 政権の対応見極め』、『米、南シナ海関与強化 中国に対抗原潜増派も』『中国主席、来月訪米』、『〈東日本大震災5年〉英語なら無念ぶつけられる 陸前高田の61歳種苗店経営者 最後の体験記「希望の種を」世界へ発信』、『クジラが守る深海水族館 ブラジル沖で新種ウヨウヨ』、『軍事燃料の輸出制限 北朝鮮制裁 米中が合意』、『音楽、書籍など没後70年保護へ 著作権制度改正』(25日付、毎日夕刊)
☆『例外60年 運転現実味 規制委高浜1、2号機「適合」「40年廃炉」形骸化の恐れ』『費用かければ老朽化も克服 規制委・田中委員長』、『〈2016年米大統領選〉トランプ氏3連勝 ネバダ州共和党主流派振るわず』、『日本ロジテック電力小売り撤退 国の審査体制に甘さ』(25日付、中日朝刊)
☆『〈復興を探して〉避難所、仮設での孤立乗り越え 居場所見つけた 復興住宅地域とつながる 避難者の心配「新たな人間関係』、『内閣人事局に「記録」存在 政官接触「任意の備忘録」 質疑応答詳しく箇条書き』、『長期金利最低更新 円高進行一時111円台』、『日本郵政 西室社長に退任論 体調不良、復帰めどなく』(25日付、毎日朝刊)

二月二十二日
 長男がかつて三重県志摩半島で生まれたこの日、私は東京へ。あすは東日本大震災の被災地を訪れる。
        ☆        ☆
 初日のきょうは午後、東京・千代田区の文藝春秋ビル新館5階で開かれる〈脱原発をめざす文学者の会〉の拡大幹事会と第2回文学サロンに出席する。会員でもある川村湊さんをゲストスピーカーに迎えての〈『チェルノブイリの祈り』とノーベル文学賞〉をテーマにした文学サロンをぜひ聞きたいためで、引き続き復興が進む被災地の現場に足を伸ばす。
 このため帰宅するまで、しばらく本欄【生きてゆく人間花たち/2016年2月の唄】は休載させていただく。

 ちいさな旅の出発に当たって何より気がかりなのは、舞と長女猫こすも・ここ、そして次女シロの3人のからだのことである。特に20歳を過ぎた長寿猫ここの場合、このところ急速に体力の衰えが目立ち、立ったり座ったりしたり、動くのもいちいちしんどそうだけに、心配だ(デ、出発前のけさ早く、あらためて舞とともに近くの動物病院に連れていき抗生物質とぶどう糖の注射を打っていただいた。それに会社務めの息子もいるので大丈夫とは思うが)。
 というわけで、舞を含めた3姉妹には留守中の注意事項をしっかりと言い聞かせての旅立ちとなった。聞けば、きょうは2、2、2の日なので〈にゃんにゃんにゃんの日〉でもある。猫で知られる尾道市ではきのうから「尾道猫好きのまつり」が開かれている。猫の日なのに旅立つだなんてと、ここもシロも内心怒っているかもしれないが。いやいや、いい小説を書くためにもどんどん現場を踏まなきゃあ、現場百回だよと応援してくれている気がしないでもない。それでは皆さま、しばらくさようなら。

【きょうの一文・ことば】
 こうした「世界文学」の動きを、日本の新聞、放送、出版などのマスコミは、ほとんど認識も、把握もしていなかった。ノーベル賞や世界遺産などで大騒ぎするわりには、それがどんな選考過程によって選ばれるのか、その本質的な意義や理念はどこにあるのかをまったく理解していないと思わざるをえない。日本人作家・村上春樹が受賞することにニュース価値があるのであってノーベル文学賞そのものの価値や意味は日本国内では問われたことがないのである。/
 アレクシエービッチの(ノーベル文学賞)受賞理由は「我々の時代における苦難と勇気の記念碑と言える多声的な叙述に対して」というものだ。チェルノブイリで苦しむ人々の声を聞き取った彼女の“聞き書き”は、真のジャーナリズム、真の文学の在り方を、チェルノブイリ以後の我々に告げ知らせるものだ。/
 “フクシマ”の悲劇から、人類に普遍的な教訓となるような文学作品が生まれてくるのは、まだ時期尚早なのかもしれない。そして、それが日本のヒロシマやナガサキ、ミナマタなどの人間の科学的進歩がもたらしたとされる悲劇の上に立ち上げられた林京子や石牟礼道子といった文学者たちの作品を礎石として書かれなければならないと私は考える。“フクシマ人”による“フクシマ文学”の「世界文学」化を祈りたいのである。
=脱原発社会をめざす文学者の会の会報第5号(2015年12月)『川村湊の脱原発通信⑤チェルノブイリの声』から抜粋。川村湊さんの論述の1部

【新聞テレビから】
☆『〈東日本大震災5年〉仮設住宅進まぬ退去 自力再建困難 空室やっと4割』『いつまで仮設増す孤立感 退去者増える中 残る独居・高齢者』『社協見回り支援』『首相被災地を視察』、『野村(敏京、23歳) 米ツアー初制覇 世界1位を突き放す』(22日付、中日朝刊)

平成二十八年二月二十一日
 日曜日。きのうとは打って変わり青空が広がった。やはり、天気がよければ気分も爽快。窮地に陥っていた自動洗濯機も、息を吹き返したようで洗濯をする舞もどこか浮き浮きした感じである。洗濯を普通にできることの喜びと有り難さを味わっているようでもある。

 灯油がなくなったので、馴染みのガソリンスタンドへ。こすも・ここと同じトラの縞模様に身を包んだ、ここよりも1回り大きい【にゃん太】がいるので少しだけご機嫌伺いをする。
 【にゃん太】は、グウスカと眠りこけるばかりだったが、それでも私に撫でられ満足そう。女性店員が「この子は飼い主に捨てられ、やせ細って路上を彷徨っていたところを、私が見つけ保護したのがきっかけで、このスタンドに住みつくようになった」と話し、幸いにも「うちの社長も猫好きとあって、そのまま飼い猫になってしまいました」と教えてくださった。
 私は、話を交わしながら出来たらわが家のこすも、そしてシロちゃんと対面させたいナ、と思った。こすも・ここが先輩の長老猫としてどんな顔をするのか。そこを見てみたい。
        ×        ×
 米大統領選の使命争い第3戦が20日あり、民主党は西部ネバダ州の党員集会でヒラリー・クリントン前国務長官(68)が勝利、南部サウスカロライナ州で予備選をした共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏(69)がニューハンプ州予備選に続き、連勝した。またジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(63)は、共和党使命争いから撤退、3月1日の「スーパー・チューズデー」を前に退場を余儀なくされた。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
(紫艶さんに)最後にお会いしたのは、2年前。その前は10年か12年ほど会ってはいなかった。ぜいたくもせず、私のために一生懸命にやってきた嫁さんには、こんな裏切りのようなことになって、申し訳なく思っている。自分でも情けない。これからは、真剣に落語に挑んでいきたい。取り返せない、とは思うけれど。頑張ってやりたい。
=21日(歌手紫艶との)不倫を暴露され。落語家桂文枝さん(72)がお詫び会見で述べた

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉「新・映像の世紀」60年代・若者達の反乱/ビートルズの貴重映像 アポロ月面着陸の衝撃』(21日夜、NHK総合)
☆『オホーツクの流氷 過去10年で最小』、『国の除染事業 入札1企業体のみ7割 指摘後も改善なし』『〈東日本大震災5年〉復興 寺がよりどころ 福島・南相馬月2回、檀家と語らい』『「教訓伝え続ける」津波犠牲七十七銀訴訟遺族』『「あまちゃん」車両譲渡へ=岩手県の三陸鉄道が3月末で引退するお座敷列車「さんりくしおかぜ」の車両を、新潟県に拠点を置く鉄道車両製造会社「新潟トランシス」(東京)に譲渡する、と発表。4月ごろ、有償で引き渡される』、『武装集団に対処せず 駆け付け警護で政府検討』、『〈Sストーリー〉路上の人に「ホーム」を―四半世紀牧師の取り組み』、『(イタリアの作家)ウンベルト・エーコ氏死去 84歳 記号論学者、「薔薇の名前」』、『相模原遺棄 「死亡理由」異なる説明 容疑者知人に「自殺」「病死」』(21日付、毎日朝刊)
☆『雨に負けぬ熱気 国府宮はだか祭』、『〈東日本大震災5年〉ありがとう さようなら 島の宝』『被災で人口減 唯一の小学校閉校=大震災で被災した宮城県東松島市の宮戸島にある島唯一の小学校、宮戸小で20日、閉校式があった。1873(明治6)年の開校から142年。校歌斉唱では全校児童18人だけでなく島民ら350人も声を合わせた。津波では島の全260戸の7割が流されるか、全壊した』、『首相「衆院10減今国会で」 自衛隊明記へ改憲強調』、『常用漢字で文化審小委 「とめ」「はね」少し違ってもOK』、『別の医師4人に金、接待 名城病院汚職 贈賄の被告供述 医師、見返り便宜否定』、『NZ地震遺族 ビル跡地に花 現地で慰霊』、『米民間企業が発表 僕らも乗れる新しい宇宙船』、『中日ファン半世紀の歩み CBCの北辻さん本出版=CBCテレビ報道局長、北辻利寿さんがドラゴンズへの熱い思いをつづって「愛しのドラゴンズ! ファンとして歩んだ半世紀」(ゆいぽおと)』、『もうあかん ほんまに閉店 大阪 名コピーで注目の靴店』、『山本さんクランプリ 中日フォトメイツ』(21日付、中日朝刊)

二月二十日
 土曜日。
 福井県の関西電力高浜原発4号機の原子炉補助建屋内で放射性物質を含む1次冷却水34㍑が水漏れ、関電は作業を一部中断して原因を調べているが、26日前後に再稼働予定の日程に影響する可能性が出ている。水に含まれる放射能量は国への報告基準の60分の1で現段階では環境への影響はないそうだ。
 愛知県稲沢市では雨のなか、国府宮(尾張大国霊神社)のはだか祭りがあった。熱気が雨に濡れ湯気となって立ち上がったが、雨中の開催は6年ぶりという。
        ☆        ☆

 つい先日、自宅近くを車で通行中、妻が荷台いっぱいに何かを積み、よろけながら自転車を引き歩いていたところに出会った。心配になり帰宅後、「一体どうしたんだ」と聞くと「このところ洗濯機の調子がおかしいので、近くのコインランドリーまで行っていた」とのこと。「なぜ、そのことを早く言わないのだ。車に引かれでもしたら危ないじゃないか」と私。
 そんな経緯もあって、きょうは夕方、水のトラブル110番さんにきていただき、自動洗濯機の下で外れたままになっていた排水ポンプをつないでもらい、底の部分で長年、溜まりにたまっていた汚物を除去、同時に消毒薬で洗い流してもらう破目に。洗濯機上部に取り付けられた乾燥機も併せ、これを取り外して移動させるなどかなりの重労働となった。
 業者による洗濯機の上げ下ろしを手伝いながら「こりゃ、大変だ。でも、この人たちのおかげで生活が守られているのだ」などと妙に感心したりもした。修理代は2万7千円也、ということでその場で支払ったが、その相場が高いかどうかは別にして元通りになおりホッとしたのである。
        ❤        ❤
 思えば能登の七尾に居たころ。取材先に車で向かう途中に、妻が雪道をよろけながら自転車荷台と前かごに幼いわが子2人を乗せ、市内スーパーに真剣な表情で向かう姿に何度も出食わした。あのころは、30代だったのに。今は早や初老の身だ。それにしても私にひと言いってくれていたなら。コインランドリーまで送り迎えするのはたやすいことなのに。
 それとも一匹文士の邪魔になってはいけない、とでも思って私に遠慮していたのか。私なぞ当てにはならないと最初から頼りにしていないからか。洗濯水があふれ機能を果たさなくなっていた現状に何ひとつ気付いていなかった私も私である。要するに妻はこれまでの体験から緊急時に私を頼りにすることは放棄している。その証明でもある。

「だって。そうじゃないの。これまでだって。大変な時になると、あなたは決まっていつだって取材で出ていたりして当てになんかならないじゃないのよ。今だって昔のままよ。自分勝手で。当てになんかしてないわ。なりっこない」と言うに決まっている。
 ともあれ、いつ何どき思いもかけない事態が身に降り注ぐか知れたものではない。人間たちは、誰もがそういう荒波の上を漂い、流されているのである。やれやれの1日が過ぎ、妻は何もなかったような面持ちで短歌雑誌を読んでいる。傍らには妻の守護人シロちゃんが寄り添っている。こすも・ここの方は、私の傍らで黙ったまま主を見守ってくれている。
        ❤        ❤

        ×        ×
 欧州以外の国・地域が参加するフィギュアスケートの四大陸選手権が20日台北で行われ、女子の部で日本の宮原知子(大阪・関大高)が自己ベストを大きく更新する合計214・91点で初優勝した。身長150㌢、小柄な妖精ともいえる宮原は冒頭の3連続ジャンプを決めて波に乗ると、難度の高いジャンプを次々と成功させ完璧な演技。試合後「うれしい気持ちと、もっと上を目指せるという自信になりました」と喜びをかみしめた。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「面会すると家族と分かるようでニコニコ笑ってくれた」「これでまた一緒に暮らせる。(夫も)きっと喜んでいる。たくさんの人たちに支えられて心残りはないんとちゃうかな」
=20日付毎日朝刊『「太郎さん」死去 兵庫の認知症男性 本紙報道で身元判明 不明者対策きっかけに』の記事のなかで。「太郎さん」=今月15日に入院先で消化管出血のため死去=の遺骨を祭壇に据えた妻(74歳)の話

【新聞テレビから】
☆『〈ETV特集〉希望をくれる感動の書 金沢翔子ダウン症書家』(20日夜、NHKEテレ)
☆『厄よけ託した 国府宮はだか祭り開幕』、『世界の発電能力 風力が原発抜く』、『〈東日本大震災5年〉交流続くボランティア 被災地「応援団」に』、『英残留へEU改革合意 英首相 離脱問う国民投票へ』、『強竜への試運転 オープン戦スタート』、『爆破予告20代?男出頭 千葉県警に「自分がやった」』、『常習賭博の疑い 店長?36歳逮捕 中区違法カジノ事件』、『結城秀康像 新旧相打つ!?福井同じ場所に設置計画 ▲▲「中国風」ネットでも不評』、『殺人容疑で元交際相手逮捕 相模原女性遺棄 9歳の長男不明』、『〈中部の文芸 小説・評論 清水信〉 荻原雄一「〈漱石の初恋〉を探して」 日記や歌など調べ立証』、『ウンベルト・エーコ氏死去84歳伊小説家「薔薇の名前」』(20日付、中日夕刊)
☆『ヒマラヤの魅力発信半世紀 ネパール国籍取得の81歳□赤字乗り越え3軒目のホテル建設中』、『陶器製800体特大ひな飾り 瀬戸・瀬戸蔵』、『〈東日本大震災5年〉被災地文化財発掘進む 3県96万平方㍍「最北の青銅鏡」も』『EU、英残留へ改革合意 移民の福祉制限 英、6月にも国民投票』『1962年沖縄「核兵器庫」の嘉手納』(20日付、毎日夕刊)
☆『福島第一事故「生活守れない」 首都圏避難へ 「首相談話」当時の政府内極秘で草案』『〈東日本大震災5年〉戒厳令よりましと 原発事故談話草案・平田(オリザ)さん 国民の情と理性に訴える』『福島舞台の作品(フクシマ・モナムール) 独映画賞(「ハイナー・カーロウ賞)を受賞 ベルリン映画祭』、『自治体爆破予告相次ぐ 東海3県、メールや書き込み』、『〈おくやみ〉名古屋ダルク創設者 外山憲治氏 65歳=89年、名古屋市北区に薬物依存者の社会復帰を助ける民間施設「名古屋ダルク」を創設。東京に次いで、全国2番目だった。17日、すい臓がんのため死去。自宅は愛知県清須市』(20日付、中日朝刊)
☆『南相馬避難指示4月解除 居住制限区域で初 政府方針 対象1万人以上』『〈クローズアップ2016〉「帰還困難」隣接の不安 住民反発「日程ありき」南相馬・避難指示4月解除 コスト・高齢化 産業再生の壁に』『避難指示区域解除の基準は? 積算線量年20㍉シーベルト以下 国と住民の協議が必要』『中間貯蔵10月にも着工 一部施設 来年秋以降稼働 環境省』、『衆院選改革 首相「10減」方法示さず野田氏「答申通り」要求』、『共産1人区擁立せず 参院選 他野党との競合区』(20日付、毎日朝刊)

二月十九日
 ローマ法王がメキシコからローマに帰る機中で「(移民政策で)壁をつくることだけを考えている人はキリスト教徒ではない」と米大統領選で不法移民の入国阻止と国外追放を主張する共和党候補者の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)を批判。これに対してドナルド氏は「宗教指導者が個人の信仰を疑問視するのはみっともない」と反論した。
 民主、共産、維新、社会、生活の野党五党が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法を廃止する関連二法案を衆院に共同提出。安倍首相は、この日開かれた衆院予算委員会の席で有識者調査会の答申に盛り込まれた〈議員定数10削減〉を2015年簡易国勢調査に基づく小選挙区の区割り見直しに合わせて実現する、と明言。
        ☆        ☆

「大丈夫。よくなってきたから」と元気を取り戻しつつある御年20歳のこすも・ここと「お姉ちゃん、早くよくなってね」と気遣う妹のシロ。19日夜
 201602192212
 201602191018

 へたり込むように座り、食事にも手をつけようとしない。それどころか、じっと座り込んだまま。何かに耐えているようでも。愛猫こすも・ここの様子がやはり尋常でない。
 デ、夕方舞と近くの愛北動物病院へ。
「このこは、年がいってるから。弱ってきていることは間違いないですね」と優しい医師の言葉にもかかわらず、診察が始まると例によって〈ウゥーっ〉とうなり声を出し、暴れようとするので私と舞のふたりで押さえつけて診療を受けることはいつもと同じ。一方で「これだけの力があるのなら、まだまだ元気だ」と思った次第だ。
 このところ何にも口をつけようとしなかったこともあって、体重はやはり2・8㌔と減っていたが体温は38・0とこちらは正常です、とのこと。この日は結局、腰にブスリと注射をされ「しばらく様子をみましょう。相変わらず食事をしないようでしたら、また来てください」とのことだった。

 夜おそく。動物医院に連れて行かれ、診療でひと騒動した、こすも・ここは、今は落ち着いた表情で食事も水も少しだけ口にし、ニャア、ニャアンといつもの調子で話をし元気が出てきたようだ。まさか、医師に会いたくなってわざと元気をなくし病気のふりをしただけじゃないだろうね。それとも、彼女はポーズ取りが天下一品なのでまたしても、病身になりきったふりをして私たちを心配させてみただけなのか。私たちが、スッカリ騙されてしまっていたのか。
 その辺りとなると、真実のところは、彼女にしか分からない。

         ×        ×
 毎日夕刊によれば、2015年の世界報道写真コンテスト(事務局=オランダ・アムステルダム)の大賞に、セルビア、ハンガリー国境に張られた有刺鉄線を乳児を抱えて越えようとする難民の男性を写したオーストラリアのウォーレン・リチャードソン氏の作品「難民」が選ばれた。リチャードソン氏は1968年生まれ。この写真は2015年8月28日に撮影され、審査員は「15年の欧州難民危機を視覚的に力強く写した」と評している。コンテストには128カ国、5775人の写真家から出品があったという。
     
「撮影したのは午後2時40分ごろ。気仙沼に向かう時は福島第1原発の様子がおかしいとは思わず、敷地内が津波でやられているとも思わなかった。帰りに排気筒から煙が出ているのを見て、とんでもないことが起きているのではと思い、シャッターを切った」というのは、福島第1事故発生翌日の2011年3月12日、1号機の原子炉が破裂しないようベント(排気)が実施されていた、その決定的様子を撮影した写真家の石川梵さん。
 19日付、中日夕刊1面トップの排気筒から北側に向かって白煙がたなびく様子が捉えられた石川さんの写真は、不気味でもある。当時、1号機は地震や津波に襲われた11日夕の段階で炉心溶融が起きた、とされている。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 台湾やモンゴルなど日本以外の土地を舞台にしたりアイヌの伝承にこだわったりと、同世代の作家と違うハードで硬いものが作品にあった。外へはじけ飛ぶような文学がどんな結実を生むのかを確かめられず残念。父の太宰治のことは自分からは触れなかったが、何かの席で太宰のスキャンダラスな面が話題に上った際に「私の考え方は違う」と強い調子で言った。実は大変な思いをしていたのかもしれない。
=19日付毎日朝刊『津島佑子さん死去 「火の山」作家、太宰治の次女 68歳』の記事から。黒井千次さんの談話【はじけ飛ぶ文学】

【新聞テレビから】
☆『〈ナビゲーション〉幸せな最期とは? 密着! みとり医療』、『〈ドキュメント72時間〉大阪・天神橋筋商店街心安らぐ不思議ベンチ』(19日夜、NHK総合)
☆『ベントの白煙くっきり 写真家・石川梵さん空撮 爆発1時間前の福島』『安保法廃止法案を提出 野党5党、参院選へ争点化〈解説〉選挙協力が課題に』、『「平和というゴールへパス」フットサルでシリア支援 津の元Jリーガー林さん』、『太宰のアパート 湯布院へ 碧雲荘杉並から移築』、『教会立てこもり男逮捕 千葉 監禁容疑 人質女性けが』『両親に暴力か』、『国際協力現場で考えた 29カ国巡る旅 日進の高校生帰国』、『学習院大ネット出願86人分の情報が流出 第三者閲覧の形跡』(19日付、中日夕刊)
☆『〈移民政策巡り〉「個人信仰の疑問視、みっともない」 トランプ氏VS法王 「壁作る人はキリスト教徒でない」』、『〈東日本大震災5年〉「虹の架け橋」この手で 3児失った木工作家 石巻・オブジェ制作共に少年の姿励み』、『衆院定数10減前倒し 首相「15年国勢調査で」』、『〈チェック〉視聴率低迷どうしたフジ かつての「冒険」「抜てき」できる?』、『自供母と相談か 川崎転落死 容疑者、逮捕前に』、『「ハンマーで殴った」加古川女性殺害 容疑者が供述』、『グラミー賞式典後 ポールさんパーティー門前払い』(19日付、毎日夕刊)
☆『勇壮に谷汲踊 岐阜』、『津島佑子さん死去 68歳「火の山」太宰治の次女〈評伝〉他者の痛みに敏感 寄り添う』、『小澤さん 受賞後初指揮 京都で喜歌劇』、『自主避難で東電に賠償命令 京都地裁ADR(原子力損害賠償紛争解決センターの裁判外紛争解決手続)提示上回る 夫婦に3000万円支払い』、『現代音楽の巨匠三重に足跡 武満徹希望の校歌 凝った構成今も愛され』(19日付、中日朝刊)
☆『名古屋城来月24日 桜開花予想』、『〈動き出す安保体制㊤〉北朝鮮ミサイル 日米一体首相成果』、『自主避難国の指針追認「12年8月末まで」京都地裁 東電に賠償命令』、『羽田―米国 昼10便 深夜減便・東海岸新設へ 日米合意』、『全国一安い給与返上 三重知事 特例廃止条例案提出』、『学生も政治身近に「18歳選挙権」見据え 大学で大府市長選討論会』、『大学生強殺容疑で逮捕 43歳男「金返済迫られた」広島県警』、『内閣法制局 国会に文書非開示か 集団的自衛権の想定問答』(19日付、毎日朝刊)

二月十八日
 太宰治の次女で「火の山」など生と死、家族のことを書き続け、戦後文学の旗手として弱者の見方でもあり続けた作家津島佑子さんが肺がんのため都内病院で死去。68歳だった。
        ★        ★

 朝から、気持ちのいい空が広がった。スベトラーナ・アレクシエービッチの〈チェルノブイリの祈り 未来の物語〉を改めて開き、読み始める。

 木曜日。午前中、いつもの社交ダンスサークルのレッスンに。ルンバやチャチャチャ、ワルツ、タンゴを順次、踊り、主に手と足のしぐさなど基本動作につき、繰り返し学ぶ。
 その際に先生から教えられた基本をここに記しておきたい。
▽〈鬼に金棒〉の手足のしぐさをつくることの大切さ。いつも相手にフィットさせる「ご一緒に」の気持ち▽開く手が背中より後ろにいくことがあってはならない▽強いしなやかな手と足、全身の動き▽そのためには3つの技が必要 45度の角度に開いた五本指をまず密着させ、次にまっすぐ伸ばし親指は下にする▽手を開くときなど、いつも肘からあげる、など。

 夕方。横笛とハモニカを、納得ゆくまで自分自身の心に向かって何度もふく。観客は、ただ1人。長女猫のこすも・ここだけが、耳をじっと私の方に向け、頷くように聴き入ってくれた(シロの方は関心を示さず寝たまま)。私の演奏中、彼女は身じろぎひとつしないで、黙って耳を傾けてくれいたく感心したのである。おかげで、自由奔放に音を出すことも出来、励ましともいえる愛猫には、言葉もない。

        ×        ×
 中国が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島に地対空ミサイルを配備したことについてケリー米国務長官が深刻な懸念を表明。「この先、数日間、中国側と極めて真剣な話し合いをする」と述べた。近日中に協議に入り、中国側にミサイル撤去を要望していくものと見られる。
 自民党の丸山和也参院議員がオバマ米大統領に対する人種差別的な発言したことを受け菅義偉官房長官が衆院予算委員会で「政治家は与野党を問わずに常に自らの発言に責任を持って、国民の信頼を得られるよう説明責任を果たしていく責任がある」と述べた。これに対して「私は良心に恥じるところはない。」と丸山議員。
 トルコの首都アンカラ中心部では、またしてもテロとみられる大規模な爆発があり、少なくとも28人が死亡、61人がけがを負ったという。犯行声明は確認されていないが、非合法左派組織のクルド労働者党か、過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロの可能性が強い。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「さまざまな偏り方をした多様な番組が存在し、放送界全体で公平性が取れている方が国民は多様な情報に触れられます」
=18日付毎日夕刊『〈特集ワイド〉ホントの怖さ 高市氏の「停波」発言 威嚇? 萎縮する放送現場 自由が侵される』の記事のなかで。ジャーナリスト江川紹子さんの見解

【新聞テレビから】
☆『〈東日本大震災5年〉「奇跡のオルガン」名古屋に 被災に負けない陸前高田の宝物 市博物館で27日から展示』、『J1名古屋今年こそV 熱田で必勝祈願』、『トルコで爆発28人死亡 首都中心狙いテロか』、『米株高を好感 東証大幅反発 一時500円近く上昇』、『顧客情報大半が中年男性 知多信金流出 詐欺用に男ら依頼か』、『「内部告発で配転」和解 オリンパス、社員に解決金』、『パナソニック同性婚容認 就業規則変更、4月から』、『国内販売17万台トヨタリコール RAV4など』、『愛された味120年で幕 名物野菜せんべい 3代続いた「秀松堂」』、『「被害者が枕元に」大津の男性不起訴 同居女性殺害事件』(18日付、中日夕刊)
☆『カシオペア終わらぬ旅 6月以降団体列車で復活』、『津波乗り越え捜索に力 海保の巡視船「おしか」引退』、『パリ、ローマ、ブダペスト、ロス 24年五輪に立候補』、『ルーシー(日本産のボルゾイ犬)快挙2位 米名門ドッグショーで日本産犬』、『西沙ミサイル「深く懸念」 米、近く中国と協議』、『肝移植後 免疫抑制剤いらず 北大など臨床 10人中7人 2年超』、『丸山氏に説明求める 菅長官、「奴隷」発言巡り』、『小保方氏を参考人聴取 ES細胞窃盗告発』(18日付、毎日夕刊)
☆『X線衛星打ち上げ成功 命名「ひとみ」ブラックホール観測へ』『お家芸で未知に迫る』『「積み上げた苦労軌道に」「ひとみ」打ち上げ関係者ら歓喜』、『詐欺団に顧客情報 知多信金職員 容疑で逮捕』『「優秀な職員」立場悪用 知多信金流出20~30件か』『「お金預けられない」地元に驚きと戸惑い』『事実確認し改善指示 東海財務局』、『ベア要求半数トヨタ超え 全トヨタ労連 最高5000円』、『岐大学長「国家斉唱せず」 卒業式・入学式 文科相要請退ける』、『「松本でみんなで作った」小澤さん、グラミー賞に喜び』、『〈平和の俳句〉家族で詠む反戦の思い 福井の中内さん 初の親子入選』(18日付、中日朝刊)
☆『急性B型肝炎3人死亡 神戸の病院院内感染か』、『川崎入所者殺害 不明者捜すふり/自ら救命措置、119番 容疑者偽装工作か』、『「黒人、奴隷が米大統領 自民・丸山氏 発言後に陳謝』、『子育て貧困世帯20年で倍 39都道府県10%以上 山形大准教授調査』、『「五郎丸」「ましゃロス」を題材 (第29回サラリーマン川柳コンクール)入選100句を発表』(18日付、毎日朝刊)

二月十七日
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が銀河の謎に迫る新型のエックス線天文衛星「アストロH」をきょうの午後5時45分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げ、14分後に軌道への投入に成功。アストロHは「ひとみ」と命名された。

        ❤        ❤
 寒い日。わが家の猫ふたりは、それぞれの定位置で身じろぎもしない。
 特に20歳を過ぎたこすも・ここは、からだ1つを動かすだけでもしんどそう。それこそ、ソロリソロ~リと自分で自分をいたわるようにして私のデスクの傍らに座って、ただ黙ってときの過ぎゆくのを待つ、というか。待っている、その姿はどう表現してよいのか分からないほどに美しくもあり、いじらしい。
 もしかしたら、この姿こそが、老いの美なのかもしれない。私は黙って語りかけてやる。
「ここ、1日1日美しくなってゆくのだよ」と。

 かつて樹齢1500年の岐阜県根尾村の淡墨桜を目の前に小説家の宇野千代さんが、私に向かって何度も何度もこう、おっしゃられた。
「いがみさん、この桜はネ。老いれば老いるほどに円熟の妙が出て美しいのだから。雨にシトシト打たれて、じっと耐えるその花びらのいとおしさったら、これにまさるものはないのよ。打たれても、打たれても、じっと耐え続けて生きてゆく。そんな桜を私は放っておくわけにはいかないのよ」

 こすも・ここは、いつどんな時でも、ただ私の目を見つめるだけである。そして。一生懸命に、けなげなほどの姿で生き続けようとするその生きざまを見ていると、私は、あの根尾に立つ淡墨桜のことをふと思い出してしまう。まだまだ青二才ではあるが。齢を重ね、この歳になり、千代さんのおっしゃられた言葉を今さらながらかみしめる。と同時に【老い】のなかにこそ、本物の美がある。
 そんな事実をふと、実感しもする。
        ❤        ❤

        ×        ×
「顔を見ていいことがあった」人も多いという人気者のハチ=17日付毎日夕刊から
 201602171921

 本日付の毎日夕刊1面によれば、『水戸市のJR水戸駅前のたばこ屋で、店番をする猫が「幸福を呼ぶ猫」として人気を集めている。特徴的な額の「八」の字模様から、名前は「ハチ」。同駅北側の銀杏坂商店会にある「糸久たばこ店」の店頭に立つ。』という。
 いまでは、愛嬌のある顔で末広がりの招き猫として人気者になり、全国からハチ目当てに訪れる人が相次いでいる、とか。心がホッとなごむ、良い話である。むろん、この話はわが家の長女ここと次女シロにも報告させていただいた。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「今の総理はおごり高ぶり過ぎている。平家物語の言葉を贈りたい。おごれる者は久しからずとなる可能性は十分にある」「金さえばらまけばいいというのは、経済史から見ても失敗するのは明らか。マイナス金利政策も失敗の上塗りだ」
=17日付毎日朝刊『■藤井氏「安倍政策について」講演』の記事のなかで。民主党の藤井裕久元財務省が安倍政治を一刀両断した

【新聞テレビから】
☆『震災ネパール 子どもの人身売買横行 悲しむ女性減らしたい 貧困背景 体験語り被害くい止め願う』、『自動車春闘始まる ベア3000円トヨタなど要求』、『障害者私らしい一着 要望聞いて学生ら服作り 名古屋』、『中国西沙にミサイル配備 米報道レーダー施設も』『南シナ海艦船派遣継続 ASEAN会議 米大統領が表明』、『元職員「いらいらしてた」 川崎・殺人事件 仕事でストレス供述』、『コメも横流し転売か ダイコー、みのりフーズ』、『アストロHお待たせ宇宙 今夕ロケット打ち上げ』『旅人癒やす「種子島水」 名古屋の企業商品化提案』、『PL野球部休部へ 今夏大会後、再開は未定』、『じゃらんポイント悪用300万円詐取 容疑で宿泊施設経営者ら逮捕』(17日付、中日夕刊)
☆『〈遠きにありて東日本大震災5年㊦〉理解求め発信 放射線からの自己防衛 除染募る不信』『宮城県内3分の2減 指定廃棄物を再測定=環境省が宮城県内の指定廃棄物について、放射性物質濃度を再測定した結果、基準を超えた廃棄物の量が従来の約3分の1に減ったことを明らかにした』、『「もう誰にも邪魔させない」テロ襲撃時演奏 米バンドが公演 パリの劇場』、『〈チェック〉車が減る未来?「完全自動運転」米グーグル開発加速 共有化 免許持たぬ人も利用』、『南シナ海「航行の自由」維持 米ASEAN首脳会議声明』、『プロ野球で賭博容疑 埼玉県警など 山口組系幹部ら逮捕』(17日付、毎日夕刊)
☆『元職員「言動 腹が立った」 川崎の殺人事件 事故と偽装か』『高級料理、ホテル宿泊ふるまう「金ある」見え張り豪遊 川崎殺人元職員 窃盗で工面』、『「大変重く受け止め」運営会社社長』『高齢者施設で虐待相次ぐ 14年度職員によるケース300件』『地元署 事件性報告遅れ』、『日銀のマイナス金利スタート 広がる先行き不安』、『機密情報漏えい疑い逮捕 名古屋塗料会社役員、転職先に』、『〈G7 2016〉難問! 首脳のお伊勢参り 地元歓迎もテロの恐れ 政教分離に抵触指摘も』、『★(危険ドラッグを製造した、として略式起訴された塚本堅一)NHKアナ懲戒免職』、『〈おくやみ〉「日曜喫茶室」40年 はかま満緒氏=東京・大田区の自宅で16日昼ごろ倒れているのが見つかり、同日死去。78歳』、『〈おくやみ〉能楽シテ方人間国宝 三川泉氏(東京都出身。心不全のため死去。94歳)』(17日付、中日朝刊)
☆『原油増産凍結で合意 サウジ・露など イラン同意焦点』、『華やか表彰式 毎日映画コン』、『甘利氏疑惑 元秘書、レクサス要求か 衆院予算委 民主党が音声公開』『自宅療養1カ月甘利氏が診断書 睡眠障害』、『営業秘密持ち出し容疑 日本ペイント元役員逮捕 愛知県警』『警察摘発 氷山の一角』、『〈伊勢志摩サミット 2016〉開幕まで100日㊥「特需」期待と警戒と』『カウントアウト名駅内にボード』(17日付、毎日朝刊)

二月十六日
 衆院が、先に女性タレントとの不倫を認めた自民党の宮崎謙介議員(35)=京都3区=から出ていた辞職願を許可。これにより、公職選挙法の規定にしたがって4月24日に衆院北海道5区と合わせ京都3区での補欠選挙が実施され、夏の参院選の前哨戦となる。
        ☆        ☆

 わけあって、かつて新聞記者時代に私自ら連載していたある新聞記事を探すも、どうしても見つからない。デ、今日のところはあきらめ明日以降にと頭を切り替える。それにしても、自室書棚の一隅に大切に保存しておいたはずなのに。そのご大学の授業の講義資料としても何度か使ったので無いはずはないのだが。
 午前中、久しぶりに近くの眼科医へ。眼圧は両目とも順調に下がっており「一応の目標は達成されました。よかったですね。あと、ひと息です」と、点眼薬を出された。「次回は点眼薬がなくなるころにきてください」と医師。 

        ×        ×
 北朝鮮がこの日、故・金正日総書記の生誕を記念する「光明星節」を迎え、朝鮮労働党機関紙・労働新聞が社説で先の人工衛星(光明星号、長距離弾道ミサイル)打ち上げ成功を金正恩第1書記の業績だ、とアピール。同時に金第1書記の下、団結するようにと呼びかけた。北朝鮮では幹部の粛清が続いていることもあって、逆に「正恩体制の不安定さ」を指摘する声が出ている。マスコミはどこも触れてはいないが私の直感だと、このまま粛清が続くようなら、ある日突然、金正恩はこの世から消されるかも知れない。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「琴奨菊の『琴』は、いまに王さまになる、という字ですので〈琴バウアー〉と呼んでいただけたら、ありがたい。(ファンのみなさまには)あきらめずに一生懸命にやってほしい。夢はかないます。」
=16日の日本記者クラブであった記者会見の席で記者団に。大関琴奨菊が来場所にかける思いを語った

 震災から2年4カ月たち、やっと漁船が手に入ったが、首を痛めて手術。仕事が滞り、漁具の支払いのために漁に出る日々。先月本格化したホヤの養殖が悪天候で流され、苦境が続く。自宅の再建には程遠い。
 ただ一筋の光がある。岬くん=長男。15歳=が今春中学を卒業し、一緒に漁をすると決めた。「まだ危なっかしいんだ」。作業をする見つめる紺野さん=紺野幸一さん。59歳=の目がほんの少しだけ緩んだ。
=16日付毎日朝刊『〈東日本大震災5年 見つめ続ける ひと、思い〉厳しい海へ息子と』の記事から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『愛知県予算案1.7%増 2年連続で過去最大 16年度、2兆5249億円』、『〈伊勢志摩サミットあと100日〉「ペッパー」ピリッと入庁 三重県臨時職員に』、『小澤征爾さんグラミー賞 最優秀オペラ録音で受賞』、『「ほかの2人も殺害」川崎老人ホーム事件元職員認める』、『病院・学校にミサイル シリア北部、50人死亡』、『MRJ飛行後初受注 米リース会社から10機』、『大凧落下3人書類送検へ 滋賀県警 業過致死傷容疑で』、『火災現場検証刃物など捜索 稲沢の民家遺体』、『稲沢の住宅で83歳男性遺体 腕と足に擦り傷』(16日付、中日夕刊)
☆『〈遠きにありて 東日本大震災5年㊥〉不安抱え帰郷 福島を思って ここで夢追う』、『日銀マイナス金利開始 短期金利0%に低下』『円下落114円台後半 東証、売り買い交錯』、『中電発注設備で談合か 通信機器4社立ち入り 公取委』、『愛知県 廃熱で水素製造検討 16年度予算案 事業化狙い2100万円』(16日付、毎日夕刊)
☆『鞆(とも)の浦埋め立て広島県断念 ポニョの故郷守られた 住民提訴から9年』、『翁長氏和解案前向き辺野古訴訟、国側は否定的』、『原発事故賠償求め東海の18人が提訴』、『ハンセン病元患者家族が集団提訴「国が差別助長」』、『インフル流行本格化 1週間で患者164万人』、『「人権侵害」フジに勧告 BPO(放送倫理・番組向上機構)「ニュースな晩餐会」』、『軽井沢事故1カ月再発防止へ バス業者罰則強化検討 国交省監査体制も見直し』、『甘利氏秘書「20億言葉に」 民主党音声公開 補償めぐり業者に』、『女子中生2人誘拐亀山の容疑者逮捕 埼玉県警』(16日付、中日朝刊)
☆『10~12月GDP(国内総生産)年1.4%減アベノミクス苦境 先行きにも不安』、『三井住友銀 普通預金0.001% 日銀マイナス金利きょうから』、『福島の子 甲状腺がん「数十倍」発見 健康調査 放射線の影響否定的』『もんじゅ廃炉に3000億円 原子力機構試算 原発の数倍』『障害の姉置き去り有罪(懲役3年、執行猶予4年) 千葉地裁判決 大震災で自宅全壊』、『〈伊勢志摩サミット2016 開幕まで100日㊤〉真珠養殖影響懸念 海上警備計画見えず』、『ハンセン病「家族への差別知って」59人集団提訴 思い口開く〈解説〉国民の無理解根絶を(江刺正嘉)』『貧困、いじめ、暴力…患者の父恨んだ過去 「これからは隠れず生きる」実名公表原田信子さん(72)』(16日付、毎日朝刊)

二月十五日
「推定20億はかかりますとか、言葉にしてほしい。今だったらぎりぎりからめるので」。
 これは、民主党が会話の音声データとメモ公開で明らかにした都市再生機構(UR)との県道建設を巡る補償交渉で先に現金授受が発覚した甘利明前経済再生担当相の公設秘書と千葉県の建設会社元総務担当者一色武氏(62)との間で実際に交わされた一コマである。

 神奈川県警が川崎市の介護付き有料老人ホームで2014年11月に入所男性(当時87)がベランダから落ち亡くなった事件で横浜市に住む施設元職員(23)を殺人容疑で逮捕。警視庁は元プロ野球選手清原和博容疑者に覚醒剤を譲り渡したとして群馬県みどり市に住む無職男(44)を逮捕。男は「知りません」と容疑を否認している。
        ★        ★

「妹さんが税理士さんで、お兄さんが弁護士で。妹さんとは小中、高校と同級生でして。妹さんお変わりないですか」 
 ヒョンなことからひょんなことで妹のクラスメートと突然の会話が弾んだ。人生とは、不思議。思わぬところで思ってもいない人物が目の前にふって現れる。

 男性は、どうしたわけか私たち3兄弟=かつて某高在学時は秀才の兄、柔道一直線の私、そしてべっぴんさんで頭のいい妹が束にされ〈伊神3兄弟〉と呼ばれたこともある=のことをご存知だったが、いやはや半世紀以上前の私と兄、そして妹の事情についてあれほど詳しく通じていらっしゃったのには驚いた。
 人生いろいろ、人もいろいろで、彼と会話を交わしていると昔を思い出してしまいナンダカ楽しくなってきたから不思議である。そう言われれば、その男性にはひと目交わしたその瞬間に「アッ、この男性。どこかで会ったことがある」と思ったが直感は当たっていたのである。
       ×        ×
 14日、米テネシー州のメンフィスで行われた男子テニス、メンフィス・オープンシングルスで日本の錦織圭(26歳、日清食品)が、世界ランキング145位の18歳、テーラー・フリッツ(米国)を6―4、6―4で退け、シングルスで史上初の4連覇を達成、今季初優勝でツアー通算11勝目をあげた。メンフィスといえば、私たちが大好きな故エルビス・プレスリーが暮らした街でも知られる。錦織には有名メーカーのギターが優勝トロフィーとして贈られたという。
       ×        ×

【きょうの一文・ことば】
♪横笛を袋にしまふ君子蘭  伊藤敬子
=角川の俳句第4版歳時記【春 植物】の項より。妻が手にする端末のディスクプレーでたまたま目にした。NHKの俳句教室などで活躍中の俳人伊藤敬子さん。私自身、横笛をいつも手にする身だけに、風格と愛着を感じた
※君子蘭 南アフリカ原産のヒガンバナ科の常緑多年草で漏斗状の朱色の花をつける。太い太刀を思わせる深緑の葉に守られるように咲き、対照も印象的な色彩の花が下を向くものがクンシラン、上向きのものがウケザキクンシランであるが、一般的には後者を君子蘭と呼んでいる。

【新聞テレビから】
☆『トヨタ国内生産再開 1週間ぶり 特殊鋼確保にめど』、『錦織4連覇 米大会ツアー11勝目』、『トルコ クルド人勢力攻撃 シリア 米との関係複雑に』、『バス事故1カ月で黙とう 軽井沢の現場運行会社社長ら』、『GDP(国内総生産)2期ぶりマイナス 10~12月期消費低迷 年1.4%減』『東証一時1000円超高「GDP減想定範囲』、『受賞「仲間のおかげ」 アカデミー 桑名の中垣さん科技賞=アカデミーを主宰する映画芸術科学アカデミーが、三重県桑名市のエンジニア中垣清介さん(35歳)に映画技術における開発への貢献に与える〈科学技術賞〉を授与』、『犬山城下を4200人が快走 シティマラソン』、『灯油混ぜガソリン販売 四日市の元社長 罰金、追徴1500万円』(15日付、中日夕刊)
☆『〈遠きにありて 東日本大震災5年㊤〉見えぬ未来 東海地方の避難者 築く暮らし』、『トヨタ、生産再開 1週間休止 国内16工場』、『ジカ熱 水際でストップ 感染症指定空港で検疫』、『軽井沢バス事故 峠頂上から減速せず 運行記録転落直前96㌔』、『発言に批判噴出首都市長辞任へ 日本人殺害事件』、『■2人殺害の84歳死刑囚、病死=広島、岡山両県で高齢の男女2人を殺害し、死刑が確定した片岡清死刑囚(84)がアルツハイマー病に伴う摂食障害などで死亡』(15日付、毎日夕刊)

二月十四日
 聖バレンタインデー。

 関東、東海、北陸、中国地方で春一番。
 東京で6月上旬の23度、名古屋でも23・5度を記録するなど各地で20度を越えた。青森県八戸市では瞬間風速36・4㍍、都内でも27・2㍍を記録するなど各地で大荒れに。
        ☆        ☆

 きょうは、舞の「聴いてみたい」のひと言からユーチューブで菊池章子さんが最初に歌った【岸壁の母】を聴いてみた(この歌は二葉百合子さんが今も歌い続けている)。【岸壁の母】は、息子さんの生存と復員を信じて戦後引揚船が入港するつど舞鶴の岸壁に立ち続けた端野いせさん(石川県富来町出身)をモデルにした有名な曲である。私自身も戦後、生後13日目に満州の奉天(現瀋陽)を母の胸に抱かれて発ち、葫蘆島(ころとう)経由で引揚船に乗せられ日本に帰っただけに、涙が出て止まらなかった。

 ダイコンを容赦なく引き抜く舞と出そろった〈白い妖精たち〉
 201602141419
 201602141420

 午後、エデンの東へ。
 舞がダイコンを全て抜き取ったが、やはり私たちの栽培には難があってか、人間で言えば未熟児といえようか。大きく立派なダイコンには程遠い出来だったが、なぜかそれなりに育った1本1本に愛おしさのようなものを感じたのである。それにしても、彼女が無情にもポンポンと引き抜いていく姿には圧倒された。

        ×        ×
【われわれの史上初の会談実現を神に感謝する。会談が全世界のキリスト教徒の統一回復に役立つよう望む/正教とカトリックの信者はキリストの教えを伝道するという使命で一致している。世界中の信者に、平和的に共存するよう求める(共同宣言から)】
 キューバのハバナで12日に行われたローマ法王フランシスコとロシア正教会のキリル総主教の会談。東西のキリスト教が和解に向けた共同宣言を出し歴史的な一歩となったが、ロシア正教会が対話路線に踏み出したのはプーチン政権の意向を大きく反映したものだ、とする見方が一般的だ。
 事実、ウクライナ紛争やシリア内戦での軍事介入で欧米から孤立するロシアが欧米で精神的な影響力の強いカトリックとの和解を演出することで西側との関係打開への道をつかむ思惑があったとしても不思議でない。キリスト教徒保護で東西教会が足並みをそろえたことは画期的で、シリア内戦後のアサド政権の処遇をめぐって対立する欧米、ロシア間の緊張緩和を促すことになるなら、歓迎してよい。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「戦争は差別や偏見を生む。過ちから学ぶために、歴史から目を背けてはならない」「戦争放棄を定めた日本国憲法九条を改めることは、戦前の考え方に逆戻りすることのように思える。戦争や差別がもたらすものは何か。日本の政治家が国民の声に耳を傾けることを願っている」「民主主義は間違いも犯すが、ただしていく力もある。国民が自由や平等、平和などの理想を大切にするかどうかにかかっている」
=14日付中日朝刊『歴史見つめ過ちに学べ 強制収容経験ジョージ・タケイさん「9条改憲、戦前に逆戻り」』の記事のなかで。少年のころ、日系人の強制収容所での体験を持つハリウッド俳優ジョージ・タケイさん(78歳)の訴え

【新聞テレビから】
☆『プーチン政権の思惑背景 東西教会会談 孤立打開糸口探る』『キリスト教徒保護重視 ローマ法王、正教会と足並み』、『県・市債利回りマイナス 日銀政策で一時 トヨタ社債も』、『軽井沢バス事故あす1カ月 運転ミス見方強まる』、『名物求め新たな渋滞 新東名開通 岡崎SA初日「想像以上」』、『南山大が短大募集停止 17年度から、大学院の一部も』、『国内初脱皮とらえた 鳥羽水族館 ダイオウグソクムシ』、『★中也賞にカニエさん』、『台湾地震の死者116人に』、『高山 車内に母子遺体』『7歳と5歳 姉弟死亡「首絞めた」母親逮捕 神奈川、長男殺害未遂容疑で』、『脱貧困「無料塾」名古屋市拡充へ 教育「負の連鎖」断て』『親の年収 成績に影響』『「無理と言われた高校」合格』、『〈カーリング〉LS北見初優勝 本橋頼み脱却 ミス減』、『〈ジュニア中日〉個性豊かな方言の世界』(14日付、中日朝刊)
☆『札幌つかの間の「春」』『きょう5月並みの暖かさ 東海地方』、『〈Sストーリー〉―脳腫瘍の16歳=神奈川県鎌倉市に住む加藤旭さん(16歳)= 作曲支えに 瞳輝くメロディー』『僕がいる意味って 自問続け「誰かの役に立ちたい」 ひらめきの480曲』『一筋の希望持ち続けて』、『「甘利氏秘書20億円提案」 担当者証言 UR(都市再生機構)補償巡り』、『ヘイトスピーチ(憎悪表現)の動画 法務省の要請で削除 複数サイト』、『介護殺人・心中7割が男性 過去18年データ「加害者」を分析』『「自分を追い込んでいた」 兵庫の80代 認知症の妻に暴力』(14日付、毎日朝刊)

二月十三日
 気象庁によれば、四国で春一番。ここ尾張の地は雨が降ったりやんだり。1日うっとうしい日だった。

 東日本大震災の被災地岩手県山田町では19・9度と2月では観測史上、最高に。東京都心も21・8度の夏日に。宮崎では23・9度に達したという。かといって、数日後にはまた寒波がぶり返す、とのこと。どこかのアナウンサーが言っていたが、これではジェットコースターに乗っているみたいである。
        ☆        ☆

        ❤        ❤
 「ありがとう」。社交ダンス仲間からいただいた思いやりチョコ。板チョコからガヴァルニーまで人生いろいろ。チョコレートもさまざまである
 201602131438

 土曜日。「継続は力なり」を実践せねば、と木曽川の橋(濃尾大橋)ひとつを隔てた岐阜県各務原市の蘇原コミュニティセンターへ。そはらダンスサークルのレッスンを受けるためで、タンゴのステップはじめワルツ、ルンバ。チャチャチャのステップの基本を繰り返し、何度も学んだ。
 ここは女性会員が多いこともあって途中、休憩時に皆さんからバレンタインチョコをいただいたが〈義理チョコ〉とは承知しつつ、なんだか悪い気がしてしまう。本来、愛の告白チョコのはずが罪つくりにならなければよいが。てなことを思いながらも、やはり嬉しくて「ありがとう」と礼をいう。

 毎度のことだが、若き日々に取材の先々でスターきどりでコートやジャケットの両ポケットに入りきらないほどのチョコをいただいた、あの、めちゃくちゃだった当時が懐かしく思いおこされた。
        ❤        ❤

        ×        ×
 こんやのNHK総合のNHKスペシャル『日本人とは何者か』。20年前に司馬遼太郎が日本人への警句として、「国民精神が無感動体質になるのが怖い」と話していた点をあげていたが、そのとおりである。番組では彼の生前のことば【道なき道】にも触れ、「何か新しいことに挑戦するという意味の【道なき道】で、その道をどこまでも行こう、突き進もうとの強い意志の表れだ」とも説明。いい点を突く内容に感動した。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「ラテンはワンレール、スタンダードはツーレール。これが基本なのだから。1レールと2レールを絶えず、頭においておどるように」
=13日蘇原コミュニティセンターでの社交ダンスレッスンで。後藤京子先生。※これまで何げなく踊ってきたが言われてみれば確かに、これが基本だ。これからは、ワンレールとツーレールを頭にステップを踏もう、と思った

【新聞テレビから】
☆『〈土曜訪問〉無国籍問題に取り組み出版 井戸まさえさん(無国籍児家族の会代表)不条理を見える形に(出田阿生)』、『〈でらサタ〉マサの眼力 山本昌さんのキャンプ駆け歩き』、『東海、春感じる朝 4月上旬並み あす突風に注意』、『命を守る新動脈 新東名豊田東―浜松いなさJCT(ジャンクション)開通』『交流広がる一歩 式典やウオーキング』『観光、地震対策に期待「大いにPR」「危機管理の向上」』、『待ってた!新幹線 北海道で初の試乗会』、『台湾地震1週間 犠牲者が113人に 4人不明、捜索は継続』、『7歳女児、5歳男児死亡 神奈川 母「首絞めた」育児悩みか』(13日付、中日夕刊)
☆『寒さこらえ美味になります 飛騨・寒干し大根』、『福島原発廃炉バーチャル体験 楢葉作業員向けシステム4月稼働』、『キリスト教東西教会トップ会談 ISからの迫害阻止』、『拉致再調査中止「北朝鮮は不誠実」 早紀江さん怒り』『日本人妻の妹「がっかり」』『拉致調査中止「遺憾」 岸田外相北朝鮮と対話継続』『北朝鮮、批判の談話』、『女性演奏家殺害 知人ら「信じられぬ」 トリニダード・トバゴ ショック隠せず』『知人男性の行方現地警察追う?』、『前事務局長活動停止12年 FIFA(国際サッカー連盟)倫理規定7項目違反』、『■吸血コウモリにかまれ12人死亡=南米ペルーのアンデス地方にある先住民地区で、吸血コウモリにかまれて死亡する子どもが相次いでいる』(13日付、毎日夕刊)
☆『〈輝け伊勢志摩サミットまで100日〉「警備に有利」の現実 ㊤安全性』『「日本の環境技術広めて」 四日市ASEAN(東南アジア諸国連合)フォーラム』、『北朝鮮、拉致調査を中止 制裁に対抗、特別委解体』、『試運転3日目に初観測 重力波 当直技師は気づかず』、『母親の首絞め殺害容疑の38歳女逮捕 津、「悪霊取るため」』、『〈尾張版事件事故〉◆江南の民家に男女の遺体 江南市草井町中の村瀬俊夫さん(93歳)方で村瀬さんと同居の保浦恵美子さん(72歳)と見られる男女ふたりが倒れているのを近所の人がみつけた。死因は不明。死後数日が経過』『〈尾張版〉自転車コースきょう全通 (木曽川の河畔沿いに)一宮―犬山爽快18㌔記者が一部試走』(13日付、中日朝刊)
☆『爪痕5年前のまま=東日本大震災から5年を迎えるのを前に、毎日新聞は12日、事故を起こした東電福島第1原発に入った。炉心溶融した1~3号機周辺は依然として放射線量が高く、4年11カ月経過した今も、津波や水素爆発の爪痕が残る』『廃炉への道「まだ1合目」福島第1原発敷地内』『全面マスク不要9割 作業環境は改善』『〈ファイト! 東日本大震災5年④〉本当の話を伝えたい 忘れていた記憶話すのも苦手だが…』、『〈動揺 世界市場〉円高嫌気止まらぬ株安 終値760円安 1万5000円割れ』、『尼崎連続変死 瑠衣被告に懲役23年 美代子元被告の息子の妻』、『拉致被害者家族憤り 北朝鮮調査中止「今後も交渉を」』『北朝鮮特例選手入国容認を示唆 サッカー五輪予選』(13日付、毎日朝刊)

二月十二日
 日々、多くのニュースが降っては湧く。

        ★        ★
 朝鮮中央通信によれば、北朝鮮が日本人拉致問題などの再調査を行う特別調査委員会を解体する、と表明。先に事実上の長距離弾道ミサイルの発射を強行した北朝鮮に対する日本政府の独自制裁の強化発表を受けての措置で、拉致問題の解決を最優先課題としてきた安倍政権は厳しい対応を迫られる。

 マイナス金利というサプライズ政策が裏目に出ているのが東証市場。この3営業日続落で1年4カ月ぶりに終値が1万5000円を割り込み、大海の大波の如く揺れに揺れ、円高、株安の金融市場が不安感を煽っている。「日銀本来の役目は何よりも通貨価値の安定で、国債を買うなどということをやるべきでない。もしも日銀が株高を狙っていたとしたら、本来の役割をしてない。この際、原点に返って金融市場の安定を目指すことに集中すべきだ」とは片山義博慶応大教授の指摘で、その通りだ。

 自民党の宮崎謙介衆議院議員(35歳、京都3区)が週刊文春に暴露された女性タレントとの不倫を認めて「深く深く、深くおわびをする」と議員辞職願を提出。東電福島第1原発事故後に国が除染の長期目標を年間被ばく線量1㍉シーベルト以下に定めたことに「何の根拠もない」とした発言を撤回したのは、丸川珠代環境相。それにしてもお粗末極まる。現場を自らの強い意志で踏み被災地の生の声を聞いていたなら、こんな甘い発言は出なかったはずだ。

        ×        ×
 元男役のタカラジェンヌにリードされて社交ダンスを楽しむ「舞踏会」が11日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルであり、色鮮やかなドレスで着飾った女性約200人が忘れえぬ、ひと夜を過ごした。市内にはかつて東洋一と呼ばれたダンスホール「宝塚会館」があったが、この宝塚会館での大舞踏会を再現しようと宝塚市などが初めて企画。参加女性は「歌劇団にいたころから憧れていた元ジェンヌと共演でき、夢がかないました」とみな、満足そう。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「(防食性の高い素材のため)通常より変形しやすく、加工が難しかった」「誰もが携われる仕事じゃなく、夢のある仕事に協力できるのがうれしい。無事に衛星が打ち上がってほしい。きっと感動するでしょう」
=12日付中日朝刊『銀河の謎に迫る衛星アストロH 中部の職人技宇宙へ 掛川―望遠鏡 1000分の1㍉単位金属加工』『蒲郡反射鏡の枠 5年がかり凹凸ほぼゼロ』の記事のなかで。エックス線望遠鏡の無数の反射鏡をはめ込む枠をつくった愛知県蒲郡市にある社員11人の精密部品加工「蒲郡製作所」の伊藤智浩社長(55歳)のことば

「悔しさよりも重力波をやっていくうえでは良かったと思います」(梶田隆章さん)「アインシュタインは正しかった」(オバマ米大統領)=米チームによる重力波初観測の発表を受け。ノーベル物理学賞受賞者の東大宇宙線研究所長梶田さんとオバマ大統領のコメント

【新聞テレビから】
☆『心と脳の白熱教室③サイコバス▽オックスフォード大学』、『〈ETV特集〉芥川賞作家・小野正嗣』(12日夜、NHKEテレ)
☆『県内初、地方創生協定 犬山市、商工会議所、金融機関 経済の活性化に期待』、『おひな様がお出迎え〈すいとぴあ江南〉13段のひな飾りなど展示 宮田保育園0~5歳児 手作りびなズラリ』、『ねこグッズ1000点以上展示 置物、絵、アクセサリーなど「猫づくし展2016」23~28日、ギャラリーみわ』(12日付、尾北ホームニュース)
☆『東証一時1万5000円割れ 16カ月ぶり 下げ幅800円超す 東京円急伸112円台』『NYダウ続落2年ぶり安値』、『「イクメン」宮崎議員 不倫認め辞職表明』、『市民2万人調査費を計上 木造復元構想ヤマ場 名古屋城天守閣』、『松坂屋北館に新名称「GENTA(ジェンタ)』、『★ベルリン映画祭が開幕』(12日付、中日夕刊)
☆『UAE(アラブ首長国連邦)新設「幸福相」に女性 内閣改造「未来」重視 若者担当には22歳』、『米チーム初観測 「重力波天文学」幕開け アインシュタイン予言』『日米欧 国際協力加速』『宇宙へ新たな窓 重力波初観測 米研究者ら25年追い続けて KAGRA(かぐら=岐阜県飛騨市の神岡鉱山跡に建設中の大型低温重力波望遠鏡)に期待』、『宮崎議員辞職表明 不倫疑惑会見で謝罪 何度も頭下げる 男性育休に影響懸念』、『環境相、福島知事に謝罪 1㍉シーベルト発言 撤回はせず』、『日本人音楽家の絞殺死体を発見 南米(トリニダード・トバゴで。日本人打楽器奏者の長木谷麻美さん、30歳の死体を)』(12日付、毎日夕刊)
☆『〈東日本大震災5年〉浪江離れても伝統残す 大堀相馬焼の職人 息子と再出発「原発事故へのせめてもの抵抗」』、『宇宙の重力波初観測 米大など相対性理論裏付け ブラックホール合体確認』『〈解説〉アインシュタイン100年来の「宿題」』、『円急騰一時110円台 米の「利上げ減速」受け』、『(国際的ハッカー集団の)「アノニマス」関与認める サイバー攻撃「イルカ漁に反対」』、『住宅全焼3人死亡 栃木、住人の母娘らか』、『難民申請が急増未処理1万人超 審査遅く制度改善急務』(12日付、中日朝刊)
☆『春を咲きどり 菜の花400万本 伊良湖で見ごろ』、『〈伊勢志摩サミット2016〉魅力東京から 「食」のイベント』、『「重力波」初観測 一般相対性理論裏付け 国際チーム宇宙の謎に光 ノーベル賞級の成果』、『円高進行一時110円台』『「同一賃金」法制化へ 差別待遇禁止 全非正規に 政府方針』、『「放送事業への威嚇だ」 高市総務相「電波停止」言及 憲法学者ら反発』(12日付、毎日朝刊)

二月十一日
 11日。祝日(建国記念の日)である。
 1カ月たてば、東日本大震災から丸5年がたつ。
 円の対ドル相場が一時1㌦=110円台へと急騰する一方で原油価格は1バレル=26㌦台へ下落。世界経済が混迷化している。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が「景気回復が期待はずれなら、利上げをより緩やかなペースにするのが適切だ」と発言したのがきっかけでドルを売り、比較的安全な資産とされる円を買う動きが一斉に加速したためらしい。

 米大学を中心とした国際実験チーム「LIGO(ライゴ)」が、アインシュタインが100年前にその存在を予言した重力波につき「ふたつのブラックホールが合体した時に放たれた重力波の観測に成功した」と記者発表。重力波の直接観測は世界初、宇宙の謎解きに大きく前進したという。
 ひとくちでいえば、どうやらブラックホールの合体確認がアインシュタインの100年来の宿題をかなえたらしい。とは言うのだが。よくわからない。私たち生物の存在そのものが摩訶不思議なのだから、別に驚くこともないか。この世の存在そのものが神秘なのだから。不思議よ、不思議か。
        ☆        ☆

 相変わらず、まだまだ寒い。でも、天気は清々しくて気持ちがよい。妻は仕事に、私は社交ダンスのレッスンで市内の公民館へ。例によって、ジルバを皮切りにルンバ、チャチャチャ、タンゴ、ワルツの順でそれぞれ2、3級を繰り返し先生とペアを組んで学んだ。
 毎度ながら踊ればおどるほどに。いやいや、きょうもステップを踏めば踏むほど奥の深いダンスの神髄に私なりに少しだけ、触れた気がしたのである。

 単にステップを踏むだけではなく、重心を一方の足に置いた際に、別の方は腰の部分を背伸びをするように上げる。両肩はリラックスして緩やかに(ここが、なんとも難しい)。手を伸ばす時は上半身が対角線を描くように。その際、親指は地上に向ける、など。
 細かな点を微に入り細にいり、教わった。ほかに足をくの字に曲げても、体幹はいつも中心軸で固定させているなど。ほかに、踊るときは【ご一緒】の気持ちで、とあれこれと技術面を学んだ。貴重なレッスンを受けた上にチョコレートまでいただき、恐縮。

        ❤        ❤
(ここで話は前日に戻る)
 昨日、確定申告を終えた私と妻は、その足で久しぶりに冬枯れといってもいい私たちの畑・エデンの東に寄ってみた。夏とは違い草はほとんど伸びておらず、逆にほとんど生育をあきらめていたダイコンが2、3本白い大きな顔を地上に出している姿には、思ってもいなかっただけに、ただ感動した。それと広くひろがる畑を管理してくださっている方の剪定の妙が利いてか、これまで花をつけなかった梅がいっぱい蕾を膨らませ、可憐なちいさな花を咲かせているものまであり、これまたうっとりと見入った。

 わが畑を彩るダイコンと梅2輪=エデンの東で。10日午後
 201602101228
 201602101233
        ❤        ❤

        ×        ×
 東日本大震災からまもなく5年。
 けさの中日(東京)特報面の『なお7000世帯 強まる帰還圧力』によれば、「福島県の推計では、自主避難者は約七千世帯、約一万八千人に上る。避難指示区域からの避難者と違い、東京電力からの月額十万円の精神的損害賠償(慰謝料)は支払われない。」とあり、原発事故の自主避難者たちには支援が乏しく生活が厳しい現実を指摘している。
 そして。これら自主避難者の中には、わが子の被ばくを心配し避難指示区域外から避難した人も多い。こうしたなか、「事故を過去形に押し込めるように福島への帰還圧力は強まり、行政支援は先細りとなって生活不安は一層増している。事故を起こした電力会社の刑事責任が問われない中、母子たちは暮らしも心も追いやられている」という。
        ×        × 
 
【きょうの一文・ことば】
 四十九歳で逝った今は亡き息子へ。
 あなたが天国へ旅立って、一年あまりが過ぎてしまいました。そちらの様子はどうですか。あなたが逝ってから、私たちは皆さまに支えられながら、元気に暮らしていますので安心してくださいね。
(中略)
 あなたは素晴らしい出会いをいっぱいつくってくれました。すてきな友人や仲間に恵まれ本当に良かったね。あなたはずっとずっと私たちの大切な宝物です。発病以来約六年間、私たちを励ましてくださった皆さま方に心から感謝し、お礼申し上げます。
=11日付中日朝刊『〈くらしの作文〉天国のわが子へ 犬飼文(岐阜県羽島市=主婦・75歳)』の記事のなかで。犬飼文さん

【新聞テレビから】
☆『〈東日本大震災5年・特報〉自主避難もう限界 家族→「原発離婚」も 福島→除染「進展」? 住宅無償→来年終了 保育園→入園は困難』『なお7000世帯 強まる帰還圧力』『反原発助教最後の講座 京大「熊取六人衆」今中さん 退職後も福島に関わっていく』『東北爆買い蚊帳の外 中国で知名度不足 官民、懸命にPR』『災害時帰宅困難者受け入れ 名駅周辺1万8000人分不足』、『違法カジノ14人逮捕 栄店関係者や客ら賭博容疑』、『札幌の母娘死傷男逮捕 殺人未遂容疑、山中で確保』、『ウィッツ親会社に「指導料」月に数百万円、用途不明』『「みなし授業」が判明 伊賀流忍者博物館見学→体育、社会 公園でスケッチと散策→芸術、理科、体育』、『19歳に懲役9~13年判決 川崎・中1殺害「残虐性際立つ」 遺族と目合わせず』『〈解説〉更生の可能性も考慮(山田祐一郎)』『対北朝鮮で独自制裁 日本政府決定 送金原則禁止など』、『NY円一時113円台』、『デンソー逆転敗訴 名高裁追徴12億円認める』、『★中日写真展180人表彰』(11日付、中日朝刊)
☆『〈ファイト! 東日本大震災5年②〉(宮城県東松島市の)野蒜の街忘れない あの日の「マップ」は宝物』『放射線量測定を縮小へ 規制委方針 福島の2500地点見直し』、『米大統領予備選 指名争い長期化 共和主流派並走 民主本命惨敗』、『対北朝鮮 日韓、独自制裁を決定 日本 送金原則禁止』『韓国 開城(ケソン)工業団地の操業中断』、『東証1万6000円割れ』、『東大初の推薦入試77人合格 狭き門募集人数届かず』、『安倍政権「政治とカネ」再燃 全11省で記録なし 政官接触「口利き防止」空洞化』、『秘書に補償額漏えい 甘利氏疑惑 UR理事長陳謝』(11日付、毎日朝刊)

二月十日
 きょうは年に1度の確定申告のため、受付会場である市の体育館へ。
 順番を示す番号札のとおり、108番目に受付へ。ここで担当職員のアドバイスで書類を提出したが、受け付けを終え妻ともどもホッとした。元来が、こうした手続きは苦手。デ、このところは、ふたりで昨年1年間の医療費や領収書など必要書類を整えるのに結構苦心しただけに、なんだか大役を果たし肩の荷が下りた気持ちだ。
        ☆        ☆

 その昔私の学生時代に赤塚不二夫さんの〈おそ松くん〉という漫画が流行っていたが、きょうの衆院予算委員会などで関心を集めたこの3人はそれこそ、呆れ返るほど本当の〈お粗末くん〉だ、と言っていい。〈おそ松くん〉といえば、見てくれは悪くてもスピリットのある少年で友だちのチビ太、イヤミだってどこか哀愁の漂う味のあるキャラクターといって良く、ひとつの時代を引っ張っていったそんな漫画のなかの登場人物ではあったのだが。
 ところが、この3人となると。このところの発言や行動に関する限りは民を思う政治家としての精神もへったくれもない、と言えようか。3人とは。東電福島第1原発事故に伴う年間被ばく線量の除染の長期目標である〈1ミリシーベルト以下〉に関して「誰にも相談せず決められたことで何の根拠もない」と、それこそ、勉強不足で根拠のない発言をした丸川珠代環境大臣、そして女性タレントとの不倫疑惑を10日発売の週刊文春で暴露されたイクメン議員が売りだった宮崎謙介衆院議員(35歳、京都3区)。
 いま1人は、記者会見の席で担当大臣でありながら、北方領土の歯舞群島の「歯舞」を「はぼまい」と読めなかったお粗末極まる島尻安伊子北方担当相である。※もっとも、彼女の場合は昨年11月に沖合に歯舞群島を望む北海道根室市の納沙布岬を視察しており「その際には、しっかりと記憶にあったはずで、たまたま言葉が出てこなかっただけではないのか。誰にだって言葉が出てこないことはある」との指摘も多く、記者団突っ走りの見方もある。

        ×        ×
 中日新聞の朝刊を読んでいたら、「新酒が出回る1~3月は、各酒蔵で「蔵開き」が行われる時期です。…」といった呼びかけでカラー刷り1面をつかった名鉄沿線〈酒蔵めぐり〉なる広告特集が目に入り、イイナと思う。尾張布袋駅の勲碧酒蔵、知多常滑駅の澤田酒蔵、三河西幡豆駅の尊皇蔵元山崎、岐阜・羽島市役所前駅の千代菊が紹介されており、なかなかの紙面展開に酒好きだけに「へえ~え」といって見入る。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「被告は姉妹を『かわいくない』『きらい』と言っていた。離婚した妻に姉妹への暴行を認め、謝罪もしている」「姉妹は頭に多数の骨折があるなど、けがの場所や程度を踏まえれば、死因は事故ではなく、暴行によるものとしか考えられない」(検察側の冒頭陳述)
「被告は姉妹のことが大好きで、ミルクをあげるなどよく面倒を見ていた」「妻などの家族が見ている中で、死なせるほどの暴力を振るえるのか」(弁護側)
=10付中日夕刊『豊橋双子虐待死 父が否認』『名地裁初公判「面倒見ていた」』『物証乏しく難しい判断に 揺さぶられ症候群 暴行か事故か』の記事のなかで。検察側と弁護側の攻防の1部

▼いささか古い話だが、ニュースキャスターの降板で思い出すのは故・田英夫さんだ。後に参院議員を務めた田さんは1968年3月27日、「それではみなさん、さようなら」の言葉を最後にTBSの「ニュースコープ」を退いた。▼………▼「風船を何百個も上げると、みんな同じ方向へ飛んでいくような風を、マスコミが作ってはいけない」と田さんが語ってくれたのが胸に残る。もの言う志を磨きたい。
=10日付朝日朝刊「天声人語」から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『青鬼が来たぞ~豊橋で前夜祭=国の重要無形民俗文化財「鬼祭り」の前夜祭が愛知県豊橋市の安久美神戸神明社で始まった』、『〈2016年米大統領選〉 共和トランプ氏 勝利 ニューハンプシャー民主サンダース氏』、『東証一時600円超下げ 長期金利 最低に並ぶ』、『台湾マンダリン航空中部空港に「中部」の縁初就航へ』、『被災地の子ら手作り展示 輝くがれきのおもちゃ ノリタケの森14日まで』、『ヤミ金利益2億5000万円 宅配便悪用 5容疑者再逮捕』、『松阪牛米国デビュー 三重県TPP(環太平洋連携協定)で販路に期待』『「和田金」松田武朗社長死去 60歳』、『国税庁のHP閲覧不可能に「アノニマス」攻撃か』、『えひめ丸風化させない 事故15年愛媛、ハワイで追悼』、『★東大推薦入試77人が合格』(10付、中日夕刊)
☆『ニューハンプシャー州予備選 共和トランプ氏勝利 民主はサンダース氏』、『動画で伝える大震災5年 椙山女学園大の学生ら 発生1カ月後から取材、撮影続ける』、『電車衝突人為ミスか 死者10人 手旗で遅延車両進行 ドイツ』、『依存の危険集団で学習 薬物治療に診療報酬 支援策進展に弾み 医師・看護師ら実施に限定』、『中国でジカ熱初感染 ベネズエラからの帰国者』、『MRJ(国産初のジェット旅客機、三菱リージョナルジェット)試験飛行再開 4度目』(10日付、毎日夕刊)
☆『日銀の追加策不発 長期金利初のマイナス 東証918円安 円高114円台』『年金、保険商品に影響』、『名古屋・黒川ひき逃げ死犯人逮捕まだ 3年半進まぬ時』『カメラ増え未解決少なく』、『無許可で一般廃棄物も 愛知、岐阜県 ダイコー立ち入り』『法的知識なく丸投げ 廃カツ事件「廃棄物の分類知らず」』、『iPSでがん破壊細胞 愛知がんセンターと京大作製』、『〈平和の俳句〉「戦争体験談に重み」3月分選考会 ゲスト選者に黛(まどか)さん』『俳句と歌広がる平和の輪岐阜・三輪南小 沖縄出身歌手訪れ交流』(10付、中日朝刊)
☆『〈ファィト! 東日本大震災5年①〉17歳語り継ぐ決意』『つらい記憶受け止め 復興担う語り部に』『長期金利初のマイナス 世界経済不安 リスク回避加速』『株安円高 日銀に誤算』、『北海道新幹線 マニュアルに不備 トンネル停電 初の折り返し運転』、『対北朝鮮制裁方針 日米韓首脳 電話協議で一致』、『甘利氏疑惑「口利き依頼効果あった」 建設会社男性 交渉、3カ月で合意』、『挙式費用500万円払わず逮捕、離婚 大分・詐欺容疑』、『ビル倒壊業者3人拘束 台湾地震 過失致死の疑い』『「甘い物飲みたい」61時間ぶり救出の(8歳)少女』、『■渡辺謙さん、初期の胃がん』(10日付、毎日朝刊)

二月九日
 毎日の夕刊連載漫画【ウチの場合は 森下裕美】によれば、2月9日は漫画の神さま手塚治虫の命日。語呂合わせで「河豚(ふぐ)の日」でもあるそうな。

 きょうは、日差しが差したかと思えば、雲が空1面を覆い急に暗くなって冷たい雨が屋根を打つといった、そんな繰り返しの日だった。名古屋の町なかを歩いていても、心がポッポッとランプのようについたり消えたりするのが、よく分かる。生きてゆくこの道、だれとて楽しいことばかりではない。悲しいこともある。

        ×        ×
 日銀が追加金融緩和策としてマイナス金利の導入を決めたことを受け、投資家が少しでも高い利回りの国債購入を加速。このため価格が上昇して利回りが急低下、マイナスの利回りで購入しこのまま満期まで保有すれば損失が出る異常事態となっている。ドイツ南部のバイエルン州で9日朝の午前6時50分(日本時間は午後2時50分)、普通列車同士が正面衝突、10人が死亡、80人がけが。
        ×        ×

        ❤        ❤
【きょうの一文・ことば】
 左義長の燃えろや燃えろ天めざし  (江南市)伊神舞子
【総評】左義長の―火祭りの行事が左義長。正月飾りを燃やした火が、天上を目掛け、灰と共に高く舞い上がる光景。囃子言葉のおおらかで長閑な趣。
=8日付中日朝刊『〈中日俳壇〉長谷川久々子選』から。妻の入選句と選者の評
※新聞はチェックしているのだが。きょう舞のお店を訪れたお客さんが「舞さん、きのうの新聞に載ってたよ」と教えてくれたという。いつもなら気付いているはずだが。きのうは、ふたりともうっかり見過ごしていた。お客さまに、感謝
        ❤        ❤

【新聞テレビから】
☆『国府宮はだか祭 神男に池谷さん=名古屋市中区の会社員池谷悟さん(44)』『7人生存可能大型重機投入 台湾地震「72時間」経過』『進まぬ救出 怒る家族』、『長期金利初のマイナス 国債に資金流入東証一時900円超安』『円急伸114円台』『〈解説〉世界的景気後退 日銀政策に限界』、『愛は自分に伝えます バレンタインデー ご褒美チョコ主役』、『〈伊勢志摩サミット〉スマホで撮ったら名所情報 刈谷のメーカー GPS(衛星利用測位システム)利用無料アプリ』、『米大統領「同盟国守る」 対北朝鮮安倍首相と電話会談』『中国主席と協議 圧力強化を促す 米大統領』、『数千万円詐欺被害 名古屋 マイナンバー不審電話』、『長崎教会群推薦取り下げ 世界遺産で政府決定』、『隕石?で初の死者 インド』(9日付、中日夕刊)
☆『大阪市、ピラミッド禁止 組み体操 事故多発で 来年度から』、『長期金利初の0% 景気懸念 国債購入加速』『東証、一時800円安 円急伸114円台後半』、『対韓工作日本拠点に 朝鮮大学校元副学部長 組織拡大狙い勧誘や思想教育』、『トンネル初の避難訓練 北海道新幹線 実施中に停電』、『ちょっと小さめ 氷のモンスター 山県・蔵王』、『東京の町工場製 全国から注目 進め下町潜水探査機 流れに負けず水深50㍍へ/高画質カメラで中継』(9日付、毎日夕刊)
☆『ゆうちょも貯金利率下げ みずほ異例の連日変更 中部6県5地銀に拡大』、『対北制裁に中ロ慎重 安保理協議足並み乱れ』、『トヨタ全工場生産停止 減産8万台、挽回に時間』『豊田市街は休日モード 工場停止銭湯にぎわい』、『改憲発言「命懸けで反対」 安倍首相に抗議 九条の会が会見』(9日付、中日朝刊)
☆『リオ五輪へサンバ』、『政府、週内に独自制裁 対北朝鮮 再入国禁止拡大』、『石炭火力新設容認 環境相 温室ガス削減条件に』、『清原容疑者 昨年2月仲介者逮捕 覚醒剤 以降、自ら調達か』『逮捕から1週間 使用実態解明進む 夜中に自ら運転群馬で男と接触
複数の使用器具常習性の表れか 背後に暴力団か』、『52歳刺殺 娘の元夫逃走 札幌殺人未遂容疑で手配 北海道警』(9日付、毎日朝刊)

二月八日
 台湾南部で起きた地震の死者は、その後38人に。
 生存率が急速に下がる、とされる発生後72時間(9日午前4時、日本時間5時)が迫るなか、救いといえば倒壊した台南市高層マンションから今夕、8歳の女児が60時間ぶりに救出されたことか。少女がこの先、たくましく幸せに育ってくれることを願う。
       ❤        ❤

 月日がたつのは、なんとはやいことか。
 早や、2月も半ば8日だ。この間の、わが家のニュースといえば。20歳と19歳の愛猫ふたりが、どうにか生き永らえていることか。高齢もあって、ふたりとも、それぞれの暖房付き定位置で1日寝てばかりではある。でも、毎夜遅く決まって始まる私のひとり酒だけは、そろって傍らにチョコンと座り、かわいい瞳を輝かせてつきあってくれる。
 私はそんなときテレビから流れるニュースをチェックしながら、長女のこすも・ここにはクリーム系統のお菓子をほんの少しだけ、次女のトンヌラ(シロちゃんの本名)には好物のチーズを与えるのである。お菓子といっても、こすもの方は健康面に配慮してひと口だけ透明なスプーンにすくって与えてやる。
 シロちゃんの方は、チーズひと袋をペロリと平らげてしまうのだが、こすもは猫缶(黒缶に限る)以外はほとんど口にしないがクリームだけは、なぜか好きなのでちょっとだけ、なめさせるよう心がけている。

 きょうも1日、音もなく過ぎていく。
 舞は隣の自室でひとり、短歌や俳句雑誌を前に句作に努めているに違いない。晩酌が終われば、私は私で再び自室にこもり、延々と書き続けなければ。と思っていたところへ、舞がパジャマ姿で突然、新潟の〈越の初梅〉をおちょこに2杯入れ、私の隣へ。
 例によって「ねえ~」というので顔をあげると「きょうの昼間に突然お店にお兄さんが、柚子を手に、お母さんを連れて寄られた」とのこと。私が外出中だったので店の方に、と思ったがそうでもないらしい。「急いでいるので、少しだけたつ江さんの顔を見たくて」と、店の方を訪れたようだ。お袋さんは、いつだって私よりも舞に会いたいらしい。
「そんなことより、おまえ。酒は、おちょこに1杯だけにするように」と私。
       ❤        ❤

       ×        ×
 トヨタ自動車が愛知製鋼知多工場で起きた爆発事故の影響で国内すべての車両工場と部品工場での稼働を停止する事態に陥っている。13日までの生産停止で8万台程度の生産減が予想されている。自動車の街、豊田市なのに。プリウスなどの生産工場近くで本来なら組み立てた車両を市内外へ運ぶはずの何台ものトレーラーが荷台を空にしたまま並ぶ異様な光景が事態の深刻さを物語っている。
       ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「勝ってやるぞ、という強い気持ちでがんばりました。」
=米アリゾナ州・スコッツデールであった米男子ゴルフ〈フェニックス・オープン〉でプレーオフを制して逆転優勝し、米ツアー2季ぶりの2勝目をあげた松山秀樹さん。試合後、記者団に語った

【新聞テレビから】
☆『トヨタ国内全工場停止 愛知製鋼爆発で 震災の11年以来』『トヨタ閑散月曜の朝 工場停止初日出勤ぽつぽつ』『パチンコ店 開店前に列』、『北ミサイル「強く非難」国連安保理が声明』『二つの物体周回軌道に 米軍が確認』『朝鮮学校不安の声 ミサイル発射に教師や親ら』、『50時間超、2人救出 倒壊建物から 台湾地震 死者37人』『ネパール大地震震源地に冬 進まぬ住宅再建 粗末な仮設暮らし続く』、『訪日客消費 日本人海外消費 53年ぶり収支逆転』、『松山米ツアー2勝目』、『最高峰で「役に立つ」五郎丸、豪レッズ入団会見』、『桜島再び噴火 噴煙2500㍍』、『山口の倉庫から2億円窃盗容疑 いなべの弟逮捕』、『JR北海道の情報300件以上流出未遂 昨夏、サイバー攻撃』(8日付、中日夕刊)
☆『ミサイル発射 安保理、北朝鮮非難声明 制裁案「迅速に採択」 中国は消極姿勢』『岸田外相声明を歓迎 独自制裁「速やかに検討」』、『旅行収支53年ぶり黒字 15年国際収支訪日客増を歓迎反映』、『63年前廃止地下駅遺構 東京・京成電鉄「旧寛永寺坂駅」階段現存 戦中は防空壕に』、『音を奏でる「ポッカレモン」 名古屋市 消防音楽隊の命名権販売』、『小2はねられ死亡 1人軽傷 登校中、横断歩道で 静岡』『分離帯に衝突 男女2人死亡 刈谷』『動物の交通死地図に 富士山周辺 多発地示し注意喚起』(8日付、毎日夕刊)
☆『北朝鮮ミサイル発射 沖縄上空を通過 安保理緊急会合』『愚行空へ 怒る地上 北朝鮮ミサイル 通過の沖縄、緊張』『〈被爆地長崎・広島〉暴走「許し難い」「平和の願い踏みにじる 愛知の総連前 物々しく』『「野球してる場合じゃ…」 中日キャンプ地も騒然』、『〈解説〉核実践配備の脅威増』、『豊田市長に太田氏再選』『豊田市長11期連続元市職員 クルマの街安定再優先 市発展へ対立避ける』『本巣市長に藤原氏 無投票で3選』『飛騨市長は都竹氏 12年ぶり無投票』、『醸造文化「日本遺産に」 愛知県 岡崎など15市町申請へ』(8日付、中日朝刊)
☆『北朝鮮ミサイル発射 沖縄上空を通過 国内被害なし 迎撃発動せず』、『日本、独自制裁先行へ』『米中韓強く非難』『衛星軌道投入 北朝鮮「成功」』『国連安保理緊急会合へ』『「何やっても平気か」 拉致家族ら憤り「解決さらに遠のいた」』『他にやることあるはず 在日コリアン落胆 総連「成功」配信』、『高1中村さん=神奈川・法政二高1年の中村淳之介さん16歳。千葉県船橋市=6位 ローザンヌ国際バレエ』『旭化成社長退任へ くい打ち問題で引責』、『セシウム木くず 5県に5300㌧搬出』(8日付、毎日朝刊)

二月七日
 楽しく、かつにぎやかに進んだ七種会発表会=名古屋の料亭「松楓閣」にて
 201602071258
 201602071242
 201602071247

 きょうは名古屋で1年にいちど、家入三津恵師匠門下の七種会(ななくさかい)発表会があり、私も横笛で〈平城山(ならやま)〉〈越後獅子の唄〉の2曲を披露させて頂いた。
        ☆        ☆

 北朝鮮が日本時間の午前9時31分、北西部東倉里(トンチャンリ)から事実上の長距離弾道ミサイルを南方に向けて発射。そのとき私は名古屋市覚王山の料亭「松楓閣」に地下鉄で向かう途中だった。詳しい模様は帰宅後、テレビやラジオから繰り返し流れてくるニュースで知ったが、ミサイルが沖縄県上空を通過したのは間違いない。

 北朝鮮中央テレビは、その後、発射を受け現地時間の正午(日本は午後零時半)から特別重大報道として、「午前9時9分46秒に地球観測衛星『光明星4号』を軌道に正確に進入させた」とする国家宇宙局の発表を報道。韓国国防省が「飛翔体が衛星の軌道に進入したと推定される」と。米当局者も「ミサイルが宇宙空間に達成した模様だ」と説明した。
 日本の中谷元防衛相も「何らかの物体を宇宙周回軌道に投入した」可能性を強調。「発射されたのは前回のテポドン2派生型に類似した弾道ミサイルで、テポドン2改良型の可能性」を指摘。改良型の射程は約1万㌔あり、米西海岸にまで到達する可能性がある、としている。
 これに対して国際社会は日米韓を中心に一斉に反発、7日午前11時(日本時間8日午前1時)から開く緊急会合で対応を協議することにしているという。

 北朝鮮のロケット打ち上げを見守る金正恩第1書記と特別重大報道を報じる女性、ミサイル飛行ルート、各国の反応など=いずれも7日夜のNHKニュース画面から
 201602071900
 201602071903
 201602071901
 201602071914

        ❤        ❤ 
 さて。発表会の方は笛に唄、三味線、太鼓、小鼓と、和気あいあいながらも皆さん、日ごろの練習成果を披露する形で緊張した表情で進んだ。私は前半の7番目に出演、〈平城山〉〈越後獅子の唄〉の順で横笛をふいたが、出だしから笛が、なぜかダダをこねてしまい、音はかすれ、それこそ切れ切れ、最悪の旅立ちとなった。どうなることやら、と思いながら、それでも強引に演奏していくうち、いつもの音が次第に戻りやっと発表を終えたといったところか。
 内心悔しくて「今すぐにでも、もう一度舞台に立ちたい」気にとらわれたが、そこは我慢。心を落ち着け、他の方々の見事な演奏に聴き入った。終わって。懇親会での余興がまた、皆さんそれぞれの持ち味がいかんなく発揮され、楽しかった。
 
 お見事の一言に尽きる余興の1場面
 201602071456

 私は声をかけられるまま久しぶりに〈雪のだるま〉と鶴八鶴次郎の〈心して〉をうたった。この唄は現役の記者時代に一宮の当時、既に80歳を超えるかこえないか―のお師匠さんから直接学び、バチで手首を打たれながら覚えた曲だけに、唄への思いはことさら深いものがある。その後、本社に転勤後に社への行き帰りや何かの席、居酒屋カウンターなどで〈どどいつ〉節と一緒に、〈潮来出島〉や〈縁かいな〉など唄った端唄の回数となると、おそらく数えしれない。
        ❤        ❤

 午後7時27分、茨城県南部深さ50㌔を震源にマグニチュード4・6の地震が発生。津波の心配はないという。
        ×        ×
 台湾南部で6日未明起きた地震の死者は、その後34人に。うち32人は台南市で倒壊した地上16階、地下1階の高層マンションの住民らで、建物内にはなお100人以上が閉じ込められ、連絡が取れない状態だという。
 北朝鮮のミサイルが発射された7日。ドラゴンズの春季キャンプ地・沖縄県北谷町では午前9時30分ごろから2回にわたり携帯電話の緊急速報メールが一斉に鳴り出した。これには、「周りの携帯が急に鳴り出し何が起きたのか、と思った。こわかった」との声が相次いだ。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「びっくりした。実感がわかない。でも、怖い」
=7日夜NHK総合ニュースから。北朝鮮のミサイル発射に関して。日本の若い女性の声

【新聞テレビから】
☆『悪質口利きこれが核心「幕引き」とんでもない 甘利前大臣あっせん利得疑惑 全容解明を/安倍首相の責任重大』(7日付、赤旗日曜版)
☆『〈サンデー版大図解〉世界農業遺産』、『免震機能11原発で縮小 経費抑え再稼働 急ぐ』、『災害ボランティア過不足防げ名古屋のNPO呼び掛け 全国ネット来月発足』、『北ミサイルきょうにも 14日までに 発射前倒し通告』、『台湾地震死者14人に マンション倒壊、強度不足か』『集合住宅5階でぽきり 台湾地震 生き埋め男性に「頑張れ」』『コンクリに缶施工不備疑い』、『日本最古の石器!?期待 長野・大町で出土「10万年前」説調査へ』、『伊豆沖で高速船 クジラ?と衝突』、『河野さんが辞任 「ひかりの輪」監査委』、『覚せい剤昨夏から 清原容疑者常習か 北関東で場所変え購入?』(7日付、中日朝刊)
☆『〈Sストーリー〉まず親に寄り添う―虐待予防小児科医の挑戦』『子供を救う近道 大分・中津 母をケアし虐待予防「地域の手」集め続け 責めず支えるその先に』、『〈社説・北方領土の日〉交渉阻むロシアの強弁』、『堀江(貴文)さんロケットの町(北海道大樹町の)住民に』(7日付、毎日朝刊)

二月六日
 半年後の8月5日に五輪が開催されるブラジル・リオデジャネイロ。ここで5日、南米最大の真夏の祭典、リオのカーニバルが開幕した。9日までの期間中、街はサンバのリズムに包まれ、カリオカと呼ばれるリオっ子や観光客が熱気に酔いしれる。
 北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルの発射期間を、これまでの8~25日から7~14日に変更すると国際海事機関(IMO)に通報、沖縄県・先島諸島周辺上空を通る飛行ルートだけに日本政府は7日にも発射する恐れがある、として厳戒態勢を敷いている。
        ☆        ☆
 多忙な合間をすり抜けるようにして木曽川対岸、各務原市の蘇原福祉センターへ。社交ダンスのレッスンのためだがタンゴの歩き方、すなわちステップの踏み方にはじまりルンバの手の【連結】を含めた阿吽の感性技とも言える高度の身のこなしを繰り返し学んだ。
 帰宅後はネパール大地震の被災地支援に挑むカトマンズ在住の長谷川裕子さん夫妻に何度も電話。ふたりのネパール支援に関する世界日報編集委員氏からの取材問い合わせに答えるためで、いやはや今日も1日が脱兎の如く過ぎ去っていった。
       ×        ×
【シャープペンシルを作ったシャープ。多様なものづくりのできる会社と感心しきりだったのに、いつの間にか瀬戸際へ。「液晶への集中投資が重荷になって」とニュースは言う。なんとも、皮肉。】と中日夕刊の〈夕歩道〉が嘆けば、【受け入れの準備に怠りはないか。中国人旅行客の春節訪日ラッシュ始まる。】と、毎日夕刊の〈近事片々〉。
       ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 首相は「テロとの闘い」を連呼している。誰と闘うのだろう。テロ事件の容疑者が生まれ育った地区で聞いた「大事なのは若者が未来に希望を持てるようにすること」という言葉が耳に残る。
=6日付中日夕刊文化面『〈コンパス〉島国根性』の記事のなかで。筆者の出田阿生記者

「当たり前のことを歌った【ただごと歌】に大きな賞をいただいて光栄です。この歌集(第三歌集『浮遊感』=砂子屋書房)で歌をやめてもいいと思いましたが、受賞を励みにもう一度踏ん張っていこうという決意ができました」
=6日付中日夕刊『中日短歌大賞受賞安江さん「励みに」』の記事のなかで。受賞者の安江茂さん(78歳。愛知県犬山市、岐阜県歌人クラブ会員)

【新聞テレビから】
☆『台湾南部M6.4 5人死亡 ビル倒壊、300人けが』『子どもがまだ中に 台湾南部地震 春節ムード暗転』『「立てないほどの揺れ」台南市内在住の邦人』、『ジカ熱警戒 五輪まで半年 リオカーニバル開幕』『「旅行者性交渉控えて」米疾病対策センターが指針』、『ローマ法王 初会談へ ロシア正教』、『〈ラグビー〉このユニホームで挑む レッズ五郎丸、豪州に到着』、『NY株反落、211㌦安』、『「幸せの国」後継者誕生 ブータン国王夫妻に男児』、『命の価値気づいて 1匹処分に78円胸はりさけそうに 豊橋少女の作文共感広がる』、『警官、わいせつ致傷疑い 愛知県警逮捕 名古屋・北署の22歳』、『夫婦殺害実の孫逮捕 兵庫「頭部を殴打」「容疑認める』(6日付、中日夕刊)
☆『●eye 支え合った空間別れ惜しく 「新国立」建設で立ち退き 霞ケ関アパート』、『噴火から一夜 桜島小康状態』、『露NATO対話再開 ウクライナ問題 月内にも理事会』、『診療報酬不正歯科医も 詐欺容疑 組長ら逮捕 警視庁』、『介護職員の虐待急増 14年度調査 過去最多300件』『「人員不足で疲労」現場余裕なし』、『清原容疑者 入手後ホテルで使用か 覚醒剤 北関東から車で直行』、『検事取り調べ 録画機器1人1台 可視化拡大 携行型も配備へ』(6日付、毎日夕刊)
☆『五輪休戦人類の祈り 元国連事務次長明石康氏に聞く』、『トヨタ営業益過去最高 4~12月期 2兆3056億円、円安効果』、『桜島噴火入山規制 被害情報なし』、『算数苦手分析サイト 岐阜県教委が開発へ』、『碧南強殺佐藤被告に無期 名地裁判決「従属的な役割」』『計画性も否定、死刑回避』、『名古屋市議年収1450万円案 自・民・公押し切る』(6日付、中日朝刊)
☆『桜島噴火 闇夜赤く』、『マイナス金利発表1週間 3大銀定期預金金利下げ 個人資産運用直撃』『株安・円高に逆戻り』、『優先交渉権食い違い 鴻海(ホンハイ)主張 シャープは否定』、『名古屋市議会「報酬半減」5年で幕へ654万円増で自・民・公一致』、『遠藤事務所で面談文科省と厚労省 秘書ら同席記録せず』、『■インフル患者、1週間で100万人超』、『「ダイコー、安価受け入れ」廃棄食品横流し前提か 同業者指摘』『転売「氷山の一角」買い取り会社』、『清原容疑者 逮捕前日に群馬へ 覚醒剤入手ルートか』(6日付、毎日朝刊)

二月五日
 真っ赤な溶岩を吐き出す爆発直後の桜島=5日夜、NHK総合テレビのニュース画面から
 201602051906
 201602051913

 鹿児島市の桜島が午後6時56分ごろ、昭和火口で約5カ月ぶりに爆発的噴火。噴煙は高さ2200㍍にまで上がり、噴石なども1㌔離れた3合目まで飛び散った。気象庁は火山活動が活発化する恐れがある、としてただちに噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、周辺住民に警戒を呼びかけている。いまのところ、火砕流も大量の降灰もなく、被害の情報は出ていないという。

 きょうも執筆の合間をぬって7日に迫った名古屋覚王山の料亭「松楓閣」での七種会発表会を前に、ただ1人黙々と横笛をふき続ける。曲目は〈平城山〉と〈越後獅子の唄〉の2曲である。笛は気ままだ。気に入らなければ、うんともすんともならないが、その日のご機嫌がよければ、びっくりするほど美しい音を出してくれる。さて。本番では、どうなる。笛さんの気分次第とは、なんとも危なっかしいのだが……。

        ×        ×
 3月に開業する北海道新幹線をテーマにした雪像から、人気アニメ「進撃の巨人」の大雪像、市民制作によるラグビーの五郎丸歩選手の小雪像、台湾北部の観光名所を再現した高さ10㍍の氷像と208基が並んだ【さっぽろ雪まつり】が大通公園など札幌市内の3会場で始まった。11日までの期間中、国内外からの来訪客は200万人が見込まれているという。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「試験放流した稚エビの成長確認は世界でも例がない。伊勢エビの安定漁獲という、水産業界の夢が現実味を帯びてきた」(国立研究開発法人「水産総合研究センター」の吉村拓グループ長)「乗り越えるべき課題はまだ多いが、明るい展望が開けた。今後は放流数を増やし取り組みを加速させたい」(三重県水産研究所の松田浩一主幹研究員)
=5日付中日夕刊『人工ふ化放流の1匹成長確認 伊勢エビ安定漁獲へ光 三重県水産研究所「現実味」』の記事のなかで。2氏のことば
※三重県水産研究所は1988年に世界で初めて卵を稚エビに育てることに成功。当時はふ化した1000匹のうち1匹しか生き残らなかった。昨年、生存率を約6割まで上げ、国内で初めて放流できる稚エビを確保したいきさつがある。
 かつて地方記者として4年近くを過ごした志摩在任時の若き日々に浜島町にあった三重県浜島水産試験場には何度も足を運び、当時の村主室長からプランクトンやら赤潮、伊勢エビのことなど海に関するいろんなことを教えていただいた。伊勢エビの人工ふ化への試みは、あのとき既に始まろうとしていただけに、感慨ひとしおだ。

【新聞テレビから】
☆『〈生駒と織田 歴史ものがたり(17)江南郷土史研究会 須賀弘之〉生駒利勝(第六代利勝の祖先をたどる)』(5日付、尾北ホームニュース)
☆『雪まつりに進撃!札幌』『東京と神奈川、震度4』、『人工ふ化放流の1匹成長確認 伊勢エビ安定漁獲へ光 三重県水産研究所「現実味」』『60年ぶりに 絶滅危惧ハマベゾウムシ知多で発見 海きれいになり復活か』、『〈転換ニッポンの雇用〉人手不足深刻 企業「第2新卒」狙いも 転職市場 中部熱く』、『シリア支援1兆1700億円 国連会合70カ国が拠出表明』、『高1、アカウント不正入手 容疑で書類送検、1800件か』(5日付、中日夕刊)
☆『〈チェック〉抹茶❤世界に香るNY「ヘルシーな癒やし」アジアでも春節狙い新商品』、『(スキー・ジャンプの)高梨 自己最多8連勝』、『「シリアのマララさん」訴え 学ぶ楽しみ、未来を夢見ること 失っていません』『外国語助手事業 遠藤氏仲介認める「働きかけしていない」』、『モーリス・ホワイト氏死去 74歳 EW&F=米人気バンド「アース・ウインド・アンド・ファイアー=リーダー』(5日付、毎日夕刊)
☆『〈伊勢志摩サミット〉会場に志摩観光ホテル』、『北海道新幹線雪像に浮かぶ 雪まつり試験点灯』、『五輪相口利き否定 ALT(外国語指導助手)予算 報道は「事実誤認」』、『★震災5年の写真集出版=岩手日報社が報道写真集「軌跡 大津波からの5年」を出版』、『報酬最大650万円増 名古屋市議会3会派検討』、『残った薬訪問調査 新年度岐阜県、医療費抑制狙う』(5日付、中日朝刊)
☆『富士に赤い冠=富士山の頂上付近に太陽が沈む「ダイヤモンド富士」が4日、東京・新宿区の明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前付近で見られた』、『思い出返せぬまま 津波流出物3000点を焼却 宮城・名取』『(福島第1原発事故で発生した)汚染ごみ分散保管容認 環境省 基準以下で指定解除』『指定廃棄物分散保管容認 (千葉、宮城、栃木、群馬の)4県なお道筋見えず 茨城以外「集約化」求める声』、『「解説委員 偏った人いる」NHK会長 自民総務会で発言』、『国立公園内 無許可で太陽光発電 2容疑者と1法人 津地検に書類送検』(5日付、毎日朝刊)

二月四日
 きょうは立春。春の始まりである。
 名古屋市北区の山田天満宮など、この地方では暖かな日差しを受け、梅も見ごろを迎えた。まだまだ寒くはあるが、なんとなく浮き浮きする、いい日である。
        ☆        ☆
 経営再建中のシャープの支援企業について台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業を優先して交渉を進めていることが明らかに。シャープ再建問題は、これまで官民出資による産業革新機構が3000億円規模の出資を提示していたが、7000億円の出資などを提示してきた鴻海傘下に入ることに傾いたらしい。
 一方、同じく経営再建中の東芝は、2016年3月期連結決算の純損益の見通しを下方修正し昨年12月に予想した赤字額を5500億円から7100億円に拡大する、と発表。不正会計問題の影響で収益力が急落。これに電力インフラの送配電事業の不振などが重なり過去最悪の巨額赤字が決定的となった。

        ❤        ❤
 わが家入りしたマカロンと、これを守る用心棒の妖怪Xちゃん
 201602040735

 物理学者の姪っ子、弘恵ちゃん(核融合学・プラズマ科学)が先日、出産。お祝いを送ったところ、コーヒー豆(コスタリカ ドン・マーヨ・セドラル)とPARIS発のおしゃれな洋菓子〈ダロワイヨ マカロン〉が、送られてきた。いかにも弘恵ちゃんらしい。「ご長男の誕生、心からおめでとうございます。PARISのマカロンとコーヒーをありがとう。」と、返事を出す。
        ❤        ❤

        ×        ×
 元プロ野球選手清原和博容疑者(48)の覚醒剤所持逮捕事件。その後の調べで清原容疑者が出した家庭ごみからも覚醒剤の成分が検出された、と各マスコミが報じるなど波紋が広がっている。
 こうしたなか、高校野球(PL学園高)の甲子園時代からの「KKコンビ」で盟友でもある桑田真澄氏は「もし報道どおりなら、一緒に戦ってきた仲間として非常に残念だ」としながらも「こんどは、人生街道できれいな放物線を描く逆転満塁ホームランを打ってほしい」。
 彼ならでは、のエールはいかにも桑田らしい。私も同じである。
       ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「五輪より(150万人もの感染が疑われているジカ熱追放の)医療を優先するべきだ」(ブラジル国民)「蚊には負けない。もはや、ワクチンを待てません。今やることは蚊を退治すること。軍を動員してジカ熱を媒介する蚊の発生を抑えたい」
=ジカ熱がまん延するブラジルで。医療優先を訴えてデモ行進する国民の声とルセフ女性大統領の国民に向けてのテレビ演説による悲痛な呼びかけ

【新聞テレビから】
☆『TPP(環太平洋連携協定)12カ国署名 今後国内手続き発効18年以降』、『シャープ渤海傘下へ 6000億円超で買収 最終調整 各事業一括継続〈解説〉支援金額 機構と大差』、『甘酒ゆめの味できた 愛商高生陸前高田支援続ける』、『部活体罰 津市に賠償命令 地裁判決 元女子中学生へ165万円』、『トヨタ本社工場火災か』、『車体たたいて猫守ろう 冬の巻き込み防止運動に共感』、『寒ブリ空振り開始宣言できず 氷見漁協、不良で』、『〈大波小波〉今こそ生きよ、中上健次』、『〈旅レシピ〉盆梅と鴨滋賀県長浜市 座敷の古木に清楚な花(小畑一成)』(4日付、中日夕刊)
☆『シリア和平協議「中断」 国連特使 アサド政権を暗に批判』、『三重県水産研究所 人工ふ化し試験放流 イセエビ「無事成長」 安定漁獲向け成果』、『遠藤五輪相 ALT(外国語指導助手)拡大提案認める 衆院予算委質疑「記事は事実誤認」』、『自宅ごみから覚醒剤成分 清原容疑者送検 捜索数日前に』『桑田氏に 「俺と関わるな」』、『発射準備「進行」 北朝鮮打ち上げ施設 米サイト分析』、『首相「結論出す」衆院予算委 選挙制度改革』(4日付、毎日夕刊)
☆『怖い鬼退治できた? 飯田で節分祈とう祭』、『首相、9条改憲に言及「自衛隊違憲疑いなくす考え方も」衆院予算委』、『トヨタ、8日全工場停止 愛知製鋼 復旧目標は来月29日』、『マイナス金利効果霧消 東証続落、円高も進行』『NY円、一時117円台』、『「甘利氏側に1400万円超」 建設会社総務担当者が証言』、『覚せい剤使用も供述 捜索時 清原容疑者、手に注射器』『息子への思いにじむ孤独感 ブログにつづる』、『視力障害装い詐取容疑 年金660万円 中津川の男を逮捕』(4日付、中日朝刊)
☆『政府、制裁強化の構え 北朝鮮「衛星」通告 米韓と連携』『中露も批判』、『遠藤五輪相に予算化要請 外国人派遣会社 創業者、955万円献金』『外国人派遣事業「まとめ役は遠藤さん」 文科省職員証言 直接増員要求も』『創業者 会社転売後に利益』、『死亡確認せず診断書疑い 医師を書類送検へ 名張』、『一年の福祈りつつ 琴奨菊関が節分豆まき 鈴鹿の神社』、『■羽生選手、5月公開の映画に初出演』(4日付、毎日朝刊)

二月三日
 かつては、プロ野球の星と言っても良かった、あの清原(元西武、巨人、オリックス選手。2008年に引退。2338試合に出場し通算打率2割7分2厘、シーズン20本塁打が13年連続を含む16度を数え通算525本塁打、通算1530打点、2122安打)の逮捕。
 返す返すも、残念である。私は彼の豪快さが好きだっただけに「なんで」という気持ちだ。このうえは、非は非として改め、人間清原として立ち直ってほしい。ニンゲン、誰だって何かをきっかけに自分自身を見失い、方向を誤ってしまい、かなしい道を歩きかねない。罪は罪だが反省すべきは反省し、また私たちの前に明るい笑顔を見せてほしい。

       ❤        ❤
 朝。窓辺に差す朝の陽を浴び、食事をしていると。
 何を思ったのか。「私たちって。なんだか、毎日ご来光を浴びているみたい」と無口な舞が笑顔でポツリと語った。「うん、そうだよな。でも、向こうに見える【外】が駐車場を挟んで道路と建物だけでは。せっかくの光も味気ないよ」と私。「窓の外がアムステルダムで見た運河だったり、能登半島みたいに海が広がっていたりしたら好いのに」と口癖になっている不満を漏らすと「でも道路沿いで進む建設工事で高いマンションでも立ってしまったら、それこそ陽が当たらなくなっちゃうよネ。このままでいいよ」と彼女。

 こんなやりとりで始まった節分の朝だったが、きょうもお互いにアレヤコレヤとあり、気がつけば夜。こんどは〈鬼はそと〉の日だから、とイワシを食べさせられた。こどもたちが小さいころには、♪オニは外、福は内と、よく掛け声をあげて家のなかで豆まきをしたものだが。今やそういう齢でもなくなったのが、少し寂しい気がせぬでもない。節分ひとつにしても、家族の変化とともに、変わっていくのである。
 と、思いきや。夜遅く、わが家の若さまである息子が【節分 福豆 大須観音】と書かれた福豆入り福袋ふたつを手に、ご帰還。思わず、愛猫ふたりと舞に向かって♪福は内、と室内のあちらこちらに豆を投げたまではよかったが。あとで豆をひとつぶ1粒拾い集めるのに、なんと時間がかかったことか。少しだけ手間取ったが、これも自業自得である。
        ❤        ❤

        ×        ×
 3日午前開かれた衆院予算委員会。自民党の稲田朋美政調会長が質問に立ち「現実に合わなくなっている9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」と9条改憲をただしたのに対して「具体的な改正内容は、国会や国民的議論と理解の深まりのなかでおのずと定まってくる。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など現行憲法の基本原理を維持することは当然だ」と安倍首相。
 稲田政調会長は、さらに「いま政治に何よりも求められているのは信頼で、私も謙虚な姿勢で社会的課題を他人事でなく、自分のこととして前に進んでいきたい。政府は小さいかも知れないが国(国民)が大きければ、それでよいのでは」などと言明。
 たまたま私は、このやり取りを、テレビを前に耳にしたが、稲田さんには彼女なりに政治家としての強い魂というか、スピリットがあるなと感じた。飛躍し過ぎかもしれないが。彼女がもし首相となって日本の舵取りをしたなら、日本をどんな方向に進めていくのかな、とも。彼女には、保守革新の視点で案外、期待していい部分があるかもしれない。
 むろん、私の目と耳が節穴でなかったら、の前提付きではあるが。なかなか頼りになりそうな頼もしい政治家が生まれてきたな、と率直に思う。このところ、閣僚の任命責任を連発している安倍首相をいっそ稲田さんに変えてみたら、どうか。真の意味での改憲論議が、いや、憲法9条の精神にのっとった真の日本国民による日本人のための日本国憲法が誕生するやもしれぬ。むろん、自然エネルギー自由化に伴う脱原発への道も強力に進めてほしく思うのだが……。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 言葉を失うの一言に尽きる。元選手とはいえ、野球は特に青少年の憧れのスポーツの一つ。現役を去ってからも模範であり続けなければならない。有害行為の禁止、反社会勢力の遮断、薬物の拒絶など、一層施策を強力に推し進めるほかない。(日本プロフェッショナル野球組織の熊崎勝彦コミッショナー)
「昨年7月に雑誌の企画で対談した際は、高校時代の思い出話をした。明るく変わった様子はなかった」「ビックリしている。それ以外にコメントできない」(大阪・PL学園高校監督時代に清原容疑者を指導した名古屋商科大硬式野球部監督の中村順司さん)
=清原容疑者逮捕を受けての3日付中日夕刊『引退後も模範たれ』と同毎日夕刊『恩師中村さん「びっくりした」』の記事のなかで。熊崎コミッショナーと容疑者の恩師中村さん

【新聞テレビから】
☆『オレは誰?詐欺は外! 北名古屋で豆まき』、『北朝鮮が通告の「ミサイル」先島諸島上空通過も』『安倍首相「重大な挑発」』『石垣、宮古両島にPAC3(地対空誘導弾パトリオット)配備検討』、『東証一時600円安 長期金利が過去最低更新』『日銀総裁「マイナス金利拡大も」』、『中部空港島に国際展示場 愛知県、19年秋開業へ 会場不足「20年問題」に対応』、『自宅に注射器3本清原容疑者覚せい剤使用か 桑田さん「非常に残念」』『TVで疑惑否定 ブログに孤独感』、『〈欧州サッカー〉ネイマール脱税起訴 ブラジル検察』、『〈一首のものがたり〉われらがわれに還りゆくとき調べより疲れ重たく戻る真夜 怒りのごとく生理はじまる 道浦母都子(東京文化部長・加古陽治)』、『〈大波小波〉〈私〉の抒情でいいのか(素人)』、『〈中部発〉手作りの映画主役に 松本の小4撮影励む』(3日付、中日夕刊)
☆『清原元選手宅注射器も 覚醒剤所持容疑逮捕 容疑認める 桑田氏「仲間として残念」』『プロ野球に衝撃 王氏「あれだけのスターが」』、『北海道新幹線 残土処分地3割未定 トンネル9本分 山間地で輸送費大』、『〈チェック〉コメ戦線に異状アリ 新潟「王国」死守へ新品種 北海道質と量、宣伝で猛追「特A」次々と』(3日付、毎日夕刊)
☆『「衛星打ち上げ8~25日」 北朝鮮通告、ミサイルか』、『〈街が変わる リニア本格着工〉マンション建設ラッシュ 名駅徒歩圏高まる人気通勤便利「住みたい街」上位』、『社名「ユニー・ファーマHD」 経営統合 ファミマ会長が社長に』、『認知症電車事故家族の責任は? 最高裁来月1日判決 社会的に救済を「見守り限界」』、『伊勢道で追突3人死亡 三重・多気 路肩作業の警備員ら』、『清原和博容疑者を逮捕 警視庁覚せい剤所持現行犯』『ファン「憧れだったのに」』、『甘利氏秘書「色付けてでも」 URやりとり公表 口利きは否定』、『東京地検特捜部UR職員を聴取』(3日付、中日朝刊)
☆『アイオワ 民主クリントン氏辛勝 共和はクルーズ氏 米大統領選スタート』、『「工事中止再協議を」「30年内返還交渉を」 辺野古和解2案判明』、『甘利氏疑惑 秘書と接触記録残さず 国交・環境省 改革法では規定』『偽名で対UR交渉参加 秘書が建設会社側に』『みのり冷凍庫 廃棄アイス21個発見 3年前委託「大腸菌検出」』『公設市場でも廃棄カツ流通 仲卸業者ら証言』、『王将社長殺害で合同捜査本部へ 京都・福岡』(3日付、毎日朝刊)

二月二日
 朝から晴れ。すがすがしい1日となった。
 警視庁が今夜、元プロ野球のスター選手清原和博容疑者(48)を覚醒剤取締法違反(所持)の現行犯で東京・港区東麻布の自宅マンションで逮捕。
        ★        ★
 
 そういえば、あすは節分。恵方(ことしは南南東)を向いて黙って恵方巻きと呼ばれる巻きずしを食べる日だそうだ。なんでも、この恵方巻き。江戸末期から明治初期にかけ大阪・船場で始まった、という。
 旧暦の大みそかにあたる節分に前年の災いを払い、新しい年の幸運を祈る厄払いの意味がある、とか。巻きずしが鬼の金棒に見えることから鬼退治との関連を指摘する説も。ともあれ、節分と聞けば、春の予感が頭に浮かぶ。あと少しで春がくる。

 というわけで眼圧を下げる薬が切れる寸前でもあり、久しぶりに近くの眼科医へ。帰りに、コンビニに顔を出したら、早々と恵方巻きが並んでいたので、ついつい、つられるが如く購入してしまった。デ。夜おそくに、ひと足はやく。南南東を向いて、家族みんなの幸せを願ってたべる――これも平和な国、日本ならでは、か。

 目の方は、両方とも眼圧が下がりはしたものの、まだ高いので「きょうから治療剤が2種類入った配合点眼液(一般名:ドルゾラミド・チモロール配合点眼液)にかえてみます。これまでのミケランはやめ、これからはこちらを点眼してください」とのことだった。少しずつ良くなってはきているらしい。

        ×        ×
 米大統領選の民主、共和両党の指名候補を選ぶ最初の党員集会が米中西部アイオワ州で開かれ、8年ぶりの政権奪還を目指す共和党はテッド・クルーズ上院議員(45)が世論調査などで前評判が高く支持率1位だった不動産王ドナルド・トランプ氏(69)を抑えて。一方の民主党はヒラリー・クリントン前国務長官(68)が大接戦の末、バーニー・サンダース上院議員(74)を破ってそれぞれ勝利した。
 同大統領選の場合、指名争いの初戦の結果が、その後の行方に大きな影響を与えるだけに、クルーズ、クリントン両氏の勢いはこんご一段と強まりそうだ。両党の指名候補同士がぶつかる11月8日の本選挙に向け、いよいよ選挙戦が正式にスタートしたと言っていい。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「伝統の技でも、新しいものでないと売れんさけ、もがいとる」「自分なりの品を」「話題になることで、若狭湾に光を当てたい。年寄りの冷や水と言われても」
=2日付中日夕刊『〈匠地技 若狭塗福井・小浜⑤〉手のひらに発想輝く』の記事のなかで。最高齢の現役の伝統工芸士加福清太郎さん(71歳。福井県小浜市)の言

【新聞テレビから】
☆『恵方巻きあれもこれも サイダー、トルティーヤ、スイーツ』『南南東へ願い込めて 東区の幼稚園』、『共和はクルーズ氏勝利 アイオワ党員集会 民主2氏大接戦』、『大口契約の中電離れ急増 新電力各社 家庭向けも攻勢』、『健康女性凍結卵子で出産 国内初か、大阪の44歳』、『複数の公設市場で流通 廃棄カツ転売 仲卸業者、許可なく』『環境、農水両省がダイコー立ち入り』、『イー社許可取り消しへ 軽井沢バス事故で国交省』(2日付、中日夕刊)
☆『ジカ熱 緊急事態宣言 WHO ワクチン開発勧告』、『民主クリントン氏優勢 米大統領選 共和は接戦 アイオワ党員集会』、『川崎中1殺害 19歳 起訴内容認める リーダー格、初公判で』『見守る大人もっといれば 声かけ続ける72歳』、『宿泊所火災「原因は放火」 川崎市消防調査 ガソリン成分検出』、『勾留死亡880万円賠償 高知地裁判決「病院転送で防げた」』、『端末交換後に障害 宝くじ 6時間半後復旧』(2日付、毎日夕刊)
☆『福島から「脱原発」発信 再生エネの基金設立へ』『福井出身加古里子(かこさとし)さん=工学博士で絵本作家。89歳=「若者よ考えてほしい」 原発ない、ない、ない 未来見つめて』『高浜は発送電開始』、『預金金利一部引き下げ マイナス金利 住宅ローン軽減へ』『中部の地銀も追随の動き』、『トヨタ来週国内生産停止 減産8万台影響懸念』、『甘利氏へ100万円「謝礼」 「口利き、秘書の500万円も」 建設会社の総務担当者証言』、『別の18億円も償還不能か レセプト債問題 田原証券2債権』、『中国、拘束男性も逮捕 スパイ容疑』(2日付、中日朝刊)
☆『健康女性卵子凍結出産 大阪・44歳 初のケースか〈解説〉晩婚化で拡大可能性』、『「スーチー大統領」へ交渉 ミャンマー国会関与 与党と国軍』、『宝生閑(ほうしょう・かん)さん死去 81歳 能楽ワキ方 人間国宝』、『東愛知新聞社長ら処分 復興広告掲載料 経理ミス』(2日付、毎日朝刊)

二月一日
 はや、2月。でも外はどこか暗く寒い1日だった。

 今秋に迫った米大統領選。民主、共和両党の指名候補を選ぶ大統領選の開幕戦となる党員集会が、いよいよ2日午前(現地時間1日夜)、米中西部のアイオワ州で始まる。県営名古屋空港で来年秋の完成をめざす「あいち航空ミュージアム(仮称)」。ここで日本の空を初めて飛んだ仏製「アンリ・ファルマン」など国内外の代表的な百機を再現した模型「名機百選」の展示を復活させるという。
「名機百選」といえば、昭和50年代後半、航空記者として私が小牧に在任していたころ、当時名古屋空港(小牧国際空港と呼ばれていた)に新国内線ビルが誕生、新ビル内に航空宇宙館が併設された際、何度も取材した記憶も鮮明だけに、なんだか失われていた貴重なものが帰ってくるようで懐かしい。
 それにしても、2005年の中部国際空港(常滑市)開港と同時に、なぜあれほどの名機を倉庫に眠らせてしまっていたのか。そこが惜しまれる。

        ❤        ❤
 夜。妻の舞が、いつもの調子で「ねえ~」とだけ。
 いつもの調子で「ねえ~、だけじゃ分からないじゃないか。なんだよ」と言うと、また「ねえ~。あのね」とだけ。「だから、なんなのだよ」と言うと毎日新聞の朝刊を手に「これ、読んだ」ときた。
 手にとると目の前に箱物記事が迫り、そこには『佐治博士の★へぇ~そうなんだ!?』『左右逆転して映る不思議』『「鏡の中の自分」はどこから』の活字が飛び込んだ。
 要するに【鏡の中で出会う自分の姿って、いったいどこからやってきたのか。鏡の中に隠れている不思議な世界です。】ということで、【鏡に映る自分の顔は、よその人が見ている自分の顔ではない】とのこと。では、ニンゲンたちは本当の自分を知らないで生きていることになる。
        ❤        ❤

        ×        ×
 きょうの夕刊に『大阪府警 5000事件放置』『証拠ずさん管理 8割時効』、『大阪府警、捜査資料放置』『数十年間4300件時効成立』の見出し。中身を読むと「大阪府警の大半の警察署で計五千事件の関係書類や証拠品が不適切に保管され、八割を超える約四千三百件が放置されたまま公訴時効が成立していたことが府警への取材で分かった」とある。
 関係証拠品などは約一万点に上り、この中には事件を受理した際の「受理簿」や証拠品管理の「保存簿」にも記載されていないものもあり、府警では「証拠品をめぐる不祥事が相次ぎ管理体制を進めているが、ずさんな取り扱いがあらためて浮き彫りになった」ともあったが。他県警でもありがちな気がする。
 ずさんな書類管理そのものが捜査事案を放置したまま、事件の解決を遅らせている気がせぬでもない。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
 ……
 宇宙論によると、ビッグバンで宇宙が生まれたとき、物質と反物質は対になって同じ量だけつくられた。だが、わずかに性質が違うため反物質が消えて物質だけが残った。それが現在の宇宙だ。もし対称だったら、反物質と同じように物質も消えて、宇宙はからっぽになったはずだ。CP対称性の破れは、宇宙の誕生に重要な役割を果たしたのだ。
 じゃあなぜ物質と反物質の間に食い違いが出るのか。不思議だ。だが説明しようにも、当時の物理学ではどう切り込んでいいか分からなかった。解決に必要な道具がそろうのは数年後だ。のどに小骨が刺さったように感じたが、この問題はしばらく寝かせておくことにした。
=2月1日付中日夕刊『〈物理学者益川敏英 この道㉔〉奇妙な現象』のなかで。益川さん

【新聞テレビから】
☆『〈角川短歌・俳句賞贈呈式〉短歌鈴木加成太さん「革靴とスニーカー」 俳句遠藤由樹子さん「単純なひかり」』、『名機再び夢乗せて 名古屋空港 新施設で模型展示へ』、『球春 竜Vへダッシュ 沖縄』、『トヨタ国内生産停止8~13日 愛知製鋼事故で 部品不足、全国16工場』『在庫持たず 生産計画に影響』、『定期金利下げの動き マイナス金利影響広がる』、『新日鉄住金 日新製鋼買収へ』、『ミャンマー新議会開会 軍政脱却 スー・チー氏派与党に』、『民進党過半数で開会 台湾立法院、政権とねじれ』、『エスカレーター3人重軽傷 名古屋国際会議場、転倒し』、『女子力上げたい 可児の重量挙げ教室 入門増八木選手にあこがれ』(2月1日付、中日夕刊)
☆『ツル北に帰る 鹿児島』『ひな人形作りピーク オーダーメード納品まで1カ月』、『高浜原発4号機核燃料装着開始 今月下旬再稼働』、『冤罪救済へ専門家協力 鑑定、供述を再検証 大学教授、弁護士ら新組織』『米の同様組織 300件無罪証明』、『人口舌開発に成功 岡山大歯学部チーム』(1日付、毎日夕刊)
☆『〈―高浜再稼働 置き去りの先に▶▶中〉危険な燃料蓄積』『〈ふるさとの青写真 五年目の被災地から―2―〉祭りが心のよりどころ』、『反体制派国連特使と和平協議着手 シリアでテロ、60人超死亡』、『学校に外部人材活用 常勤カウンセラー拡充 名古屋市方針 新年度36人に』、『参院選後改憲 「反対」50・3% 全国世論調査』、『UR職員を聴取へ 甘利氏問題で東京地検』、『巧みな「島文楽」まるで生きてる 一宮で公演』(2月1日付、中日朝刊)
☆『宮城・桃浦地区 高台に限界集落 移転事業の現実』『〈復興を探して〉医療守るプレハブで 大船渡津波で医院失った医師 介護との連携再建より優先』、『大阪国際女子マラソン 福士Vで五輪へ』『葛西選手新たなレジェンド ギネス認定(30日の)娘誕生に笑顔=新たに認定されたのは、16歳だった1988年から積み重ねた「W杯個人最多出場(1月6日時点の488回で認定。現在は490回)」と、2年に1度開かれる世界選手権ジャンプ部門最多出場(89年から2015年まで計12回)』、『内閣支持率51% 甘利氏任命責任「重くない」46% 本社世論調査』、『サッカー協会会長 初の選挙で田嶋氏』(1日付、毎日夕刊)