詩「秋の夜明け」

真夏のベンチで
想いにふける
日焼けした麦藁帽子を置いて
秋の夜明けが恋しくて
ひとりで旅に出かけます

セピア色した駅のホームで
駅員さんに尋ねたら
終着駅と教えられ
虹色の切符をにぎりしめ
ガタゴト列車は走ります

車窓の外は童の紙芝居
春夏秋冬くりかえし
同じ景色に汽笛が鳴って
もらった水飴ペロペロ舐めて
拍手をしたら到着します

列車を降りたら秋の夕焼け
真っ赤なひがん花に秋の匂い
案山子が並んで伸びた道
煙がのぼる丸太小屋
家主の子供におむすび出され
真っ赤な秋にかこまれ眠ります

「おーい、夜明けだよ」と
声に起こされ瞳をひらけば
そこは駅のホームのベンチ
バケツを持った駅員が
真面目な顔して覗いています