【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2019年11月)】

2019年11月29日
 千枚田夢見る万のまんじゅしゃげ  伊神舞子
 =29日付尾北ホームニュース●尾北の文芸● 俳句 江南俳句同好会

 タカ派の顔と一緒に、教養の人の一面も持っていた。小派閥から政権を目指した冬、中曽根康弘元首相は心情を句に託している。〈鯉一念沈みたるまま動かざる〉(30日付の中日春秋から)

 政界の「風見鶏」として政敵と合従連衡する変わり身の早さでも知られた元首相の中曽根康弘(なかそね・やすひろ)さんがきょう29日午前7時22分、東京都内の病院で老衰のため亡くなった。百一歳だった。安倍晋三、佐藤栄作、吉田茂、小泉純一郎の各内閣に次ぐ戦後第五位の長期政権(1982年11月に鈴木善幸首相の退陣を受け、第71代首相に就任。在任期間約5年の1806日間)を担い、戦後政治の総決算を掲げ、旧国鉄(現JR各社)の分割・民営化を実現させた功績は大きい。また対米関係では、当時のレーガン大統領と「ロン・ヤス」関係を築いたことでも知られる。
〈暮れてなほ命の限り蝉しぐれ〉。おやすらかに――

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 金曜日。久しぶりの快晴である。このところは、すっかり寒くなり寝床に電気ごたつが欠かせなくなってきた。
 きのう。木曜日。週に一度の社交ダンスのレッスンで江南市内の公民館へ。ダンス教師である〝若さん〟の適切な指導教授もあって、きょうはワルツとタンゴのあと、久しぶりにルンバを踊ったが、息が弾んだ。ルンバをしばらく踊っていなかったためだが華麗なる、とまでは言えないものの、まずまずの出来で以前の勘は戻ったといえようか。これで先日のブルース、ジルバに加え、しばらく遠ざかっていたルンバもレッスン出来、満足している。

 時雨かな八頭身のうちのネコ
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から(11月28日付)
 きのうの話だが、わが家の飼い猫シロちゃん(世にも不思議な俳句猫でもあり、「白」の俳号を持つ)、すなわちオーロラレインボーがこの寒い中、外に出たがるので午前9時前に出してやったはいいが、そのままトント帰ってくる気配がない。寒いので、外で凍えてしまわないかと心配してたら夕方になって、風のように窓の外の縁側に姿を現し、無事帰宅した。
 やれやれ、である。

 確かに、そう言われれば八頭身の美しい猫かもしれない。家族をいつも心配させるシロちゃん(オーロラレインボー)
 

 東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市の支援を続けている名古屋市は28日、陸前高田市で津波に流されずに残った「奇跡の一本松」の遺伝子を受け継ぐ「後継樹」が1本、名古屋市に贈呈される旨を明らかにした。名古屋市では来年10月ごろ、名古屋市内に植樹したい、としている。
 一本松は七万本ほどの松が並んでいた景勝地「高田松原」で唯一、震災後も残った。一本松はその後枯れて復元され、一本松から採取した枝を接ぎ木した「後継樹」が計七本残り、うち一本が名古屋市に寄贈されることになったという。いい話である。
 
 いい話といえば、ほかにもチョットだけ、ある。
 来年1月12日に東京・両国国技館で開幕する大相撲初場所の番付編成会議が27日、福岡国際センターで開かれ、両膝のけがなどで一時は序二段まで転落した元大関の照ノ富士(27)=本名ガントルガ・ガンエルデネ。モンゴル出身。伊勢ケ浜部屋=ら5人の再十両を、決めた。なかでも、あの照ノ富士は10場所ぶりの復帰だというが、人生山あり谷あり、である。頑張ってほしい。
 プロ野球も話題に事欠かない。28日付中日スポーツに「日ハム以外でも現役復帰可 新庄さん自由契約に」の見出し。ちいさな記事ではあるが関心を引く、とはこのことか。記事には「阪神、日本ハムなどで活躍し、自身のインスタグラムで現役復帰を目指す考えを明らかにした新庄剛志さん(47)が27日、自由契約選手として公示された。これまでは、最後に所属した日本ハムでしか復帰できない任意引退選手だったが、どの球団とも契約することが可能となった」とあった。
 またその隣には「初の女性議長 DeNA南場オーナー」の一段ベタの見出しも。こちらは「プロ野球の12球団オーナー会議が27日、東京都内で開かれ、議長の任期が満了した楽天の三木谷浩史オーナーに代わり、DeNAの南場智子オーナーを選出。女性オーナーが議長を務めるのは初めて。」との記事。彩りがあってよい。

 それはそうと、原子力規制委員会が27日の定例会合で東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に必要な安全対策をまとめた審査書案を了承。これにより、事実上、新規制基準の審査に適合したこととなる。東日本大震災の被災原発としては日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き2基目となる。
 また、政府は27日、75歳以上の後期高齢者の窓口負担を巡り、現在の原則1割から2割に引き上げる方向で本格的な検討に入ったという。75歳以上の医療費が伸び続ける一方で費用の4割を現役世代が払う保険料で賄っており、世代間の公平性を確保するのが狙いだ、とはいうのだが。負担増には高齢者の反発が予想され、与党との調整は難航しそうだ。
 こちらは、なんだか、心までが重く暗くなってしまう。

 【お金はどんどん出しても情報は出さず、か。森友、加計に続いて「桜」も名簿破棄、データ復元も「できぬ」と。――とは29日付毎日夕刊〈近事片々〉氏。】 そのとおりで、こちらも恥ずかしいったら。ありゃしない。一体全体、どうなってるの。

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 トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法案」に27日、署名。中国外務省は28日、「中国内政への重大な干渉であり、あからさまな覇権行為だ」と強く反発する声明を出した。
 中日新聞の28日付夕刊報道によれば、パナソニックが台湾の半導体メーカー、新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)に事業会社の株式を売却して半導体事業から撤退することがわかったという。
 東海道新幹線で昨年6月、乗客の男女3人が殺傷された事件で殺人などの罪に問われた無職小島一朗被告(23)が28日横浜地裁小田原支部で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません。殺すつもりでやりました。ナタとナイフで殺しきりました。半年ほどホームレスをしており、一生刑務所に入りたかった」などと話し、起訴内容を認めた。
 兵庫県尼崎市の路上で指定暴力団神戸山口組の古川恵一幹部(59)が射殺された事件で、拳銃と自動小銃を手にするなど銃刀法違反容疑で京都府警に逮捕された男=愛知県江南市古知野町花霞、朝比奈久徳容疑者(52)=が事件直前に現場近くの居酒屋で古川幹部と同席し、飲食していたとの目撃情報があることが捜査関係者への取材で分かったという。居酒屋は古川幹部の息子が経営しているという。
 政府・与党は29日、2015年の「桜を見る会」に招かれたジャパンライフ元会長が安倍晋三首相らによる推薦枠だったことを事実上認め、野党側に伝えた。税金を使う国の行事に経営破綻した「マルチ商法」の元経営者を首相らが招いたことになり、野党は招待の経緯を追及するという。

11月24日
 初恋は忘れじがたき紅葉散る
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi

 長崎市で演説するフランシスコ・ローマ教皇と雨のなか、聴き入る人たち(NHKの中継画面から)
 
 

 日曜日。
 約13億人の信者がいるキリスト教・カトリックの総本山バチカン市国(ローマ教皇庁)の元首で、ローマ・カトリック教会の頂点に立つフランシスコ・ローマ教皇(82)が故ヨハネ・パウロ2世いらい、38年ぶりに史上2度目の来日で23日夕、羽田空港に到着。24日に長崎と広島の両被爆地を訪れ、長崎市の原爆落下中心地碑がある爆心地公園で「ここ長崎は核攻撃が人道上も環境上も破滅的な結果をもたらすことの証人である町だ」「核兵器のない世界は実現可能である。核兵器は私たちを守ってくれるものではない。核兵器がもたらす壊滅的破壊を恐れなければならない。人類の前進的な発展という目的を達成するためにも」などと述べた。
 引き続き午後、訪れた広島の平和記念公園。ここでもフランシスコ教皇は「戦争のための原子力使用は犯罪以外の何者でもない」「核兵器の使用も保有も倫理に反する」「戦争はもういらない」とひと言ひと言を噛みしめるように語った。ローマ教皇として「ノーモア核兵器」の姿勢を世界に向かってあらためて明らかにしたのである。

 24日午後は尾張芸術文化懇話会の会議に出席するため、江南市内の高屋山永正寺へ。今にも朽ち落ちそうな瀧文庫を大正ロマンあふれる郷土の遺産として市民サイドから再生させるには、どうしたらよいのか―など、その手だてについて熱心に話し合った。懇話会のメンバーは皆真剣そのもので、ひと筋の光りが差し込んできたような、そんな気がしたのも事実である。こんご、この市民運動がどんな道をたどるのか。とても楽しみである。そのためにも、この先はこの地方の政財界も含めた、幅広い人々の理解と協力が必要になってくる。伝統ある瀧文庫を図書館として再生させ、一帯を市民が憩うオアシス的存在にしたら良いのに―と純真に思う。
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 きのうは大阪へ。大阪市中央区谷町の大阪文学学校で行われた今は亡き詩人長谷川龍生さんを偲ぶ会に参加するためだった。龍生さんは初代校長・小野十三郎さんの後を受けて1991年から2014年まで23年余に及び同校長を務め、龍生ファンが多いこともあってか、この日の偲ぶ会には地元関西はじめ、埼玉、金沢からも生前に親交があった多くの人々が集い、ありし日の龍生さんをしのんだ。

 龍生さんの思い出を語る金時鐘さんと坪内稔典さん、偲ぶ会には大勢が訪れ、会場一角にはありし日の写真も飾られていた
 
 
 
 

 偲ぶ会は、葉山郁生大阪文学協会代表理事の司会で最初に参列者全員が黙とう。生前の龍生さんについて詩人金時鐘さんと坪内稔典さんが、次いで細見和之現文学学校長、高畠寛前大阪文学協会代表理事、小原政幸現文学学校事務局長の順で「長谷川龍生さんと大阪文学学校」を演題にそれぞれが、龍生さんの功績をその人柄や詩にも触れつつ語り、続いて親交の深かった何人かがお別れのスピーチをし、最後に長男の名谷文朝さんら遺族が感無量の面持ちで生前の父への思いを語りつつ、礼を述べた。
 私もスピーチを求められていたので、新聞記者として在任していた能登半島の七尾時代に七尾湾に浮かぶ能登島に全国の詩人が集結して実現した能登島パフォーマンス(クリエイション・イン・能登島)の話や、海を感じる心を国内外に発信しようと、地元七尾青年会議所とともに取り組んだ海の詩(うた)全国公募での審査委員長の大任を引き受けていただいたこと、さらには自著「火焔 ―空と海」(能登印刷)の帯の執筆などでも大変お世話になり感謝のしようもない旨を話させて頂いた。
 そして。リュウセイさんが話術にとても長け、意外や、とてもチャーミングな人柄であったこととか、「能登はやさしや土までも―とよく言われるが、この土には槌の意味も含まれており、能登の女性がいったん男を好きになると、お腹に身ごもった赤ん坊を槌で叩き割ってでもして、どこまでもついてくる。それほど、おっとろしく(恐ろしく)、ほんとは『能登はやさしや殺しまで』なんだよ。ごんたさん、気をつけなきゃアカンよ。嘘じゃない。ボクは実際に奥能登の神社で見つけたのだから。槌がぶら下げられているのを。この目でね」と、よく話されていた―などと亡くなるまで三十余年の長きにわたって続いた親交につき触れさせていただいた。

 大阪文学学校へは久しぶりだったが、この日は「詩遊」編集発行人でわが著「町の扉」の帯でお世話になった詩人冨上芳秀さんにお会いできたばかりか、同じ詩人で愛猫家でもある航跡舎の高木敏克さん、福井県ふるさと詩人クラブ会員の川上明日夫さん(日本現代詩人会会員、日本文藝家協会会員)、金沢からおいでた詩人杉原美那子さん、関西詩人協会に属するにしもとめぐみさん、ほかに「堺の文化をそだてる市民の会」事務局長の原圭治さん、さらには愛媛新聞記者江頭謙さんらとも歓談する機会に恵まれ足を運んで本当に良かったナと思っている。
 スピーチも述べさせて頂いたが「リュウセイさんは亡くなっても、伊神権太の心のなかに生き続ける。長谷川龍生は永遠なり」なのだ。文学学校の小原事務局長らの心配りには、本欄「熱砂」紙上でも心から、感謝しておきたい。
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 韓国が22日、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジ―ソミア)維持を決定。茂木敏充外相が23日、韓国の康京和(カンギョンファ)外相と名古屋市で会談し、12月下旬の中国四川省成都での日韓首脳会談開催へ調整を進める方針で一致。
 17日に大阪市住吉区の自宅を出たまま行方不明となっていた小6女児が23日、栃木県小山市の交番で保護された。「男の家から逃げてきた」「別の女の子もいる」などと話しており、けがはなく無事だという。大阪府警が未成年者誘拐の疑いで、栃木県小山市の自称派遣社員(35)を逮捕した。
 大相撲九州場所14日目が23日、福岡国際センターで行われ、西横綱白鵬(34)=本名白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=が結びの一番で関脇御嶽海を外掛けで下して13勝1敗とし、史上最多を更新する4場所ぶり43度目の優勝を決めた。9月の日本国籍取得後では初制覇となった。

11月20日
 あんぱんと熱々ミルクティ冬の朝
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 滋賀、岐阜両県にまたがる伊吹山(1377㍍)がけさ、初冠雪。彦根地方気象台によると、平年より4日遅く、昨年よりは3日早いという。紅葉した山肌への白い雪。さぞかし、美しかったに違いない。
 水曜日。秋晴れである。昨夜は寝床にいつのまにか電気ゴタツが入っており、まだ良いのにと思いつつもやはり、温かくて寝心地はよかった。これまではついぞ、電気ゴタツなど全く頭にはなかったのに。さすがは家を預かる主婦は違う、と妙なところで感心させられた。

 さてさて、わが家の愛猫シロちゃん、オーロラレインボーは、本当にオカン(舞)の言うことは素直に聞くので驚いてしまう。きのうは昼の間は丸1日、お外に出ていつ帰ってくるのか心配したが、舞に出掛けに「きょうは外出しても良いが、夕方までには帰ってくるのよ」と言われたとおり、それこそドンピシャリ。オカンが帰宅する午後5時直前にニャ~アンと甘えた声をあげ、裏庭に姿を見せ、ご帰還とあいなった。
 それがきょう20日は。朝、出掛けにオカンが放った「きのうと違い、寒いから出ないでね」との声を忠実に聞き、1日中いっさい外に出ようとはしなかった。見上げたものだ、とはこのことか。それはそうと、このところ公開に踏み切った私の小説「虹猫 シロは何でも知っている」を参考までにネットで検索してみたところ、早々とかなり多くの方々が読んでくださっていることを知り、光栄に思っている。
 それどころか、ネットには私の新作連載小説のタイトル〈シロは何でも知っている〉に連動でもするように〈猫は何でも知っている〉なる、とても楽しい歌までが登場。これが何ともユーモアたっぷりな内容で猫ちゃんたちの素顔と習性をそのままズバリ歌いこんだ内容だけに、なんだか微笑ましく恥ずかしい気がして、ついつい笑ってしまったのである。
 余裕がおありでしたら、読者の皆さまにはネットで「猫は何でも知っている」もぜひ、検索してほしく思う。最初に、わが家のシロちゃんによく似た猫が出てくるのも何かの因縁か。不思議である。
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 安倍晋三首相の在職日数が20日、第一次内閣も含めた通算で2887日となり、戦前の桂太郎を抜いて憲政史上歴代1位に。とはいえ、106年ぶりの記録更新を目前に、このところの安倍内閣は公選法違反疑惑で2閣僚が辞任。首相が主催する「桜を見る会」の問題では公私混同と批判を浴び、長期政権の「緩み」が露呈していることも確かだ。
 自民党総裁としての任期が2年を切ったなか、ほかにデフレ脱却や憲法改正、北朝鮮による拉致問題など残る政策課題は山積みといってよい。ともあれ、このまま20年8月24日まで政権を維持すれば、連続在職記録でも大叔父・佐藤栄作の2798日を抜いて歴代1位になるという。
 トランプ米政権が18日、イスラエルの占領地パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植活動を国際法違反とみなしてきた政策を転換。事実上、容認する考えを明らかにした。当然のことながら、パレスチナは反発しており、中東和平の実現は、一層困難になった。
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 将棋の最年少棋士藤井聡太七段(17)=愛知県瀬戸市=。19日に東京・千駄ヶ谷の将棋会館であった第69期王将戦の挑戦者決定リーグで広瀬章人竜王(32)に破れ、初のタイトル挑戦を逃した。
 愛知県が19日、西尾市の養豚場の豚が豚コレラに感染した、と発表。この養豚場は6日にワクチン接種を終えたが、国の防疫指針でワクチンを接種できない授乳中の子豚からウイルスが確認された。接種を開始した養豚場での感染確認は全国で初めてだという。
 19日朝、和歌山市内の12階建て雑居ビル屋上の看板を設置するために組んだ足場を解体作業中、重さ約5㌔の鉄パイプが落下、通勤途中の銀行員(26)の頭に当たった。銀行員は病院に運ばれたが、5時間後に死亡が確認された。あぁ~、なんたることか。
 20日付中日新聞の朝刊軟派トップに「遺族、トヨタに賠償請求へ パワハラ自殺 労災認定」の見出し。トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が2017年10月に自殺したのは上司のパワハラを受けて適応障害を発症したのが原因だとして豊田労働基準監督署が労災の認定をしていたことが関係者への取材で分かったという。
 19日午前、愛知県岡崎市のマンション一室で、この部屋に住む職業不詳の河原薫さん(49)が血を流して倒れているのを訪れた母親が発見。河原さんの体には刺し傷や切り傷があり、既に死亡。愛知県警と岡崎署は殺人と断定し捜査を始めたが、血なまぐさい事件は、昔も今も何ら変わらない。

 11月15日
 ゆっくりゆっくり大きくなりな七五三
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 金曜日。立冬(8日)を過ぎたと思ったら、このところはグッと冷え込んできた。とはいえ、高気圧に覆われての晴天続きは、小春日和そのもので、柔らかな日差しとともに心地よい。こんな日ばかりが続いたらよいのに、と思う。
 夕方。私が地元の情報サイト・江南しえなんさんで随時連載中の青春小説【ぽとぽとはらはら その10】が公開された。ネットかスマホで〈ぽとぽとはらはら〉と検索してくだされば、1から10まで読むことが出来ます。どなたであれ、読んでいただけたら嬉しく光栄の至りでもあります。

 さて。報道によれば、台風19号による千曲川の堤防決壊で泥が堆積した長野市北部のリンゴ園で14日、ボランティアによる土砂撤去作業が始まり、県内外から4百人が集まり農家の希望に応えたという。また台風19号の影響で一部区間が不通となっていた、しなの鉄道線(長野県)がきょう(15日)、約1カ月ぶりに全線での運行を再開した。

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 15日付毎日新聞夕刊の特集ワイド「この国はどこへ これだけは言いたい」で【憲法9条はいじらずに保存を】と作家の加賀乙彦さん 90歳。「9条には『武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』とあります。この『永久に』が大切です。………」と加賀さん。

 天皇陛下の即位に伴う最重要祭祀「大嘗(だいじょう)祭」の中心儀式「大嘗宮の儀」が14日夜から15日未明にかけ、皇居・東御苑に造営された大嘗宮で各界代表ら510人が参列して行われ、1300年以上の歴史があるとされる神秘的な儀式を見守った。政府は大嘗祭の宗教性を認めつつ「天皇の一世一代の伝統儀式で公的性格を持つ」として24億円を超える国費を支出するというが、憲法の政教分離原則の観点云々以前に「大嘗祭だけに24億円も費やす」のは、明らかにおかしいのではないか。
 ことしは台風19号による大打撃を各地で多くの人びとが受けている。それだけに、これだけの国費を使うなら被災地に当てその分「大嘗祭」を自粛してもよかったのではないか。〈安倍首相の桜を見る会〉とは、次元がチョット違う話かも知れないが人間という生きもの、どこかチンプンカンなことをしている、そんな気がしないでもない。儀式もいいが、ほどほどにしておかなきゃあ、と私は単純に思う。
 これでは、ほんとうの歌を忘れたカナリアと同じである。

 それから。水といえば、水の都・ベネチアも大変な事態に陥っているそうだ。元々、この街はよく浸水することでも知られるが、今回は通常の潮位を187㌢も上回る観測史上2番目の水位を記録。歴史上初めて州議会に浸水したばかりか、サンマルコ広場は深さ1㍍もの水につかり、イタリア政府はベネチアの非常事態を宣言したという。ベネチア水没の悪夢に市長は「異常潮位は気候変動の影響だ」と話しているそうだが、何だか海面上昇や異常気象など地球規模の破壊が深く静かに進んでいる。そんな気がしてならない。

 それはそれとして大嘗祭が始まった14日、三重県伊勢市の伊勢神宮内宮では大嘗祭の無事を祈る当日祭が営まれた。午前には、神前にお米やお酒などを供える「大御饌(おおみけ)」の儀式があり、天皇陛下の妹で祭主の黒田清子さんや小松揮世久大宮司らが木製の箱に入った供え物をささげ、大嘗祭の成功を祈った。これはこれで、よいかと思う。

 安倍晋三首相が来年度の「桜を見る会」の中止を決めたが、『「桜を見る会」を巡る問題は、安倍晋三首相が公私混同甚だしく支持者を多数招いて事実上、後援会活動の場としていたことだ。まずは首相が国民に謝罪し、疑惑の解明に進んで協力すべきだ。』とは、中日新聞の社説【桜を見る会 中止で幕引き許されぬ】(15日付)の論調だが、全くそのとおりだ。
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 ハンセン病元患者家族に最大180万円を支給する補償法と名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が15日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。
 愛知県一宮市の真清田神社で14日、皇位継承の重要祭祀「大嘗祭」に合わせた「大嘗祭当日祭」があり、神武天皇の時代から伝わる古式ゆかしい舞楽「久米舞」が披露されたという。
 1977年に新潟市で中学1年だった横田めぐみさん=失踪当時13歳=が北朝鮮に拉致されてから15日で42年。母早紀江さん(83)は、14日、川崎市の自宅で記者会見し「腹が立つほど長い年月。どうしてこんな大事な問題が終結していないのかな、と思う」と心境を語った。
 滋賀県の越直美大津市長(44)が14日、市内で記者会見。任期満了に伴う来年1月の市長選に三期目の立候補はせず、退任する意向を表明した。越氏は、2012年に36歳で全国最年少の女性市長として初当選、2期務めた経緯を振り返り「女性が自由に生きられる社会をつくりたい、といった公約を達成できたと感じたから」とその理由を述べたという。
 米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊サンタクラリタの公立高校で14日午前7時半(日本時間15日午前零時半)ごろ、銃撃事件があり、女子生徒(16)と男子生徒(14)が死亡し、別の生徒3人が負傷した。容疑者の男子生徒(16)も現場で自分の頭を撃ち、重体。
 ロシア研究に精通し北方領土返還運動の理論的支柱として知られた北海道大学名誉教授、木村汎(きむら・ひろし)さんが14日午前、くも膜下出血で兵庫県西宮市内の病院で死去。83歳だった。

11月11日
 月曜日。もはや、すっかり晩秋から初冬の気配である。わが家の愛猫、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーにも季節感は分かるようで、しばし窓辺にて外の景色を感慨深げに見ている。何を考えているのだろう、と。ふと思ったりして。

 きのう10日は令和の天皇、皇后両陛下をお祝いする祝賀御列の儀が東京の皇居から新しいお住まいである赤坂御所(東京都港区)まで4・6㌔間で秋晴れのもと、行われ、沿道には11万9千人が日の丸の小旗やスマホを手に両陛下を祝福、笑顔で見守った。テレビやラジオではゲストが、オープンカーからにこやかに手を振られるおふたりを目の前に、「度重なる災害にも絶えず被災地や被災者に寄り添われるお姿は、上皇夫妻がレールを敷かれてきた国民と両陛下との距離が、さらにいっそう縮まった気がします。ありがたいことです」などの声が相次いだ。
 なかでも心なしか目をうるませられた皇后、雅子さまの笑顔には【まさこさま】と、両手を胸に抱きかかえる人びとが相次いだ。「一時は精神的な面で随分苦労をされたが、ここにきて落ち着かれて、少し貫禄が出てきたかしら」とは傍らの舞の感想である。
 この日のお祝いパレードで5月からの即位に伴う一連の国事行為は、全て終わったことになる。以下、テレビ中継されていたひとコマを、ここに記録として残しておかふ(写真は、いずれもNHK総合画面から)

 
 
 
 

 岐阜県揖斐川町では、この日、伝統の〝いびがわマラソン(揖斐川町、中日新聞社、西濃地区陸上競技協会主催)〟が開かれ、フルマラソンとハーフの男女計四部門に1万人がエントリー、揖斐川沿いを駆け抜けた。

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 かといっても、である。この数日の間にはいろいろあった。
 まず何よりも先にここに記したいのは、東西冷戦の象徴だとされた、あのベルリンの壁が崩壊し9日で30年がたったという事実だ。6日付中日新聞はベルリン・近藤晶特派員の記事で1面を割き【ベルリンの壁崩壊30年 抑圧の歴史記憶にとどめよ】と報道。「追放された市民運動家 フライヤ・クリアーさん 東独」「永遠の平和訪れたと思った 元西ベルリン市長 ワルター・モンパ―さん」の声を収録。読み応えのある紙面となっていた。
 そして。昨日10日付の中日サンデー版は、トランプ米大統領が、突然「買いたい」と言い出したグリーンランドに焦点をあて「実はこの島が位置する北極圏では、地球平均のほぼ2倍の速さで温暖化が進行中とされ、海氷減少に伴う資源開発と航路利用の2つの可能性に世界が注目しているのです」との紙面編集が目についた。こんなわけで、世界は絶えず、動いているのである。
 ほかにも京都アニメーション第一スタジオの放火殺人事件で京都府警が青葉真司容疑者(41)を事情聴取したところ「いちばん多くの人が働いている第一スタジオを狙った。多くの負傷者を出せそうだと思った」などと、供述。「さいたま市の自宅を出る時から事件を起こすつもりだった」とも供述し、当初から明確な殺意を抱き大量殺傷を用意周到に計画していた、と大筋で容疑を認め「どうせ死刑になる」とも言及していたとのニュースが「京アニ人多い1スタ狙う 容疑者初聴取 大量殺傷計画か」の見出しで伝えられもした。
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 財界などでつくる「天皇陛下御即位奉祝委員会」と超党派の国会議員連盟などの主催による天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」の祝賀式典が9日夜、皇居前広場で催された。両陛下が皇居に姿を見せられるなか、安倍晋三首相が祝辞を述べ、人気アイドルグループ「嵐」が奉祝曲を披露した。
 中国国内で覚せい剤を国外に運ぼうとした、として麻薬密輸罪で懲役15年以上か無期懲役、または死刑を求刑された元愛知県稲沢市議、桜木琢磨被告(76)に対する判決公判が8日、広東省の広州市中級人民法院(地裁)で開かれ、無期懲役が言い渡された。弁護人は上訴する方針を明らかにしたという。
 三重県鳥羽市の離島・答志島の奈佐の浜に、波や紫外線で細かく砕かれたマイクロプラスチックが一平方㍍当たり約六万個の密度で存在していることが四日市大の千葉賢教授(沿岸海洋環境学)の調査で分かった。四㍉四方に一つのマイクロプラスチックがある計算。――とは、10日付中日新聞1面見出し。記事には「海洋汚染 地球的課題に」との見出しもついていた。
 香港で抗議活動に参加していた男子大学生が8日に死亡したことを受け、10日、学生による抗議活動が続けられ、警官の発泡による3人目の負傷者が出た。香港では警察への憎悪が日に日に高まっており、今回の事件で警察への抗議活動がさらにエスカレートするのは必至だという。

11月7日
 草紅葉裸身あずけて露天風呂
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 ここ尾張地方は、きょうも秋晴れ。このところは気持ちの良い日が続いており、全身が清々しい大気に洗われるような、そんな日々に恵まれている。そして夜。ベランダ上方に見る月の美しさに、いっとき見惚れた。私は午前中、社交ダンスのレッスンで江南市内の公民館へ。ブルースとジルバを繰り返し学んだ。
 車で田園地帯を走る。戦国時代に、ここいらをあの信長も馬で走っていたのか、と思うとなんだか戦国武将になったような、錯覚にとらわれもした。秋が一日一日深まってゆく。

 かつては信長も勇躍、歩き回ったであろう愛知県江南市の田園地帯
 
 健康の道の表示も見られた
 

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 この日、札幌では平年より10日遅く、昨年より13日早い初雪が舞い、鳥取市の鳥取港では日本海の冬の味覚ズワイガニの初競りが開かれ、鳥取県の最高級ブランド「五輝星(いつきぼし)」に認定されたカニが、なんと五百万円で競り落とされた。中日新聞の7日付夕刊によれば、「松葉ガニ」と呼ばれる雄で、甲羅の幅14・6㌢、重さ1・24㌔。カニの落札価格としては世界最高だ、という。漁は6日午前零時に解禁され、いよいよカニの季節到来である。

 正殿などが焼けた沖縄の首里城(那覇市)火災から7日で1週間。那覇市消防局は6日、正殿の北東部周辺の配線にショート痕のようなものが複数見つかったことから、出火原因は正殿の電気系統が濃厚との見解を明らかにした。
【原発被災者支援立ちはだかる風化 名古屋のNPO寄付、助成減】とは7日付中日新聞の特報面。【「福島」終わっていない 春秋の測定18回目 山間なお高線量】【地道な活動 継続に力を 食の安全、農地再生…「チェルノブイリ」生かす】と見出しにあるが、要点をついており、全くもってその通りだと言っていい。
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 台風19号による記録的大雨で浸水した北陸新幹線車両十編成百二十両が全て廃車になることが6日、明らかに。「北陸新幹線10編成 浸水で全て廃車に 台風19号、計120車両」とは、7日付中日新聞社会面の見出しである。
 トヨタ自動車が7日発表した2019年9月中間連結決算は、売上高が15兆2855億円(前年同期比4・2%増)、営業利益が1兆4043億円(11・3%増)、純利益が1兆2749億円(2・6%増)だった。新車販売が堅調で売上高と純利益は過去最高を更新。
 米大リーグのマリナーズなどで活躍し3月に現役を引退したイチローさん(46)=鈴木一朗さん=が草野球チームを率い、12月上旬に高校野球の強豪、智弁和歌山高の教職員チームとの初陣に臨むことが関係者の話で明らかに。試合会場は、プロ野球オリックス時代にプレーした神戸市のほっともっともっとフィールド神戸になるという。
 プロ野球の中日に育成ドラフト1位で指名された名古屋大の松田亘哲(ひろあき)投手(22)=愛知県立江南高出身。最速148㌔の左腕=が7日、名古屋市千種区の同大学で球団からの指名あいさつを受けた。「自分は下から上がっていかねばならないが、ずっと野球ができる環境でどれだけ成長できるか楽しみです」とは、松田投手。
 防衛省は7日、米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が訓練中の6日午後6時35分ごろ、訓練場の外に重さ二百数十㌔の模擬弾1発を誤って落としたことを明らかにした。7日午前、米軍から防衛省に連絡があった。幸い、落下地点周辺には民家などはなく、けが人もいなかったという。

11月5日
 ためらわず裸身ゆだねる百草湯
 衿あしの白さが映えて花篝
 過去を知るミンクショールを尚まとふ
 =いずれも林貞さん作

 黒真珠ネックレスはずす秋灯下
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 3日の文化の日、4日の振替休日、そして。5日は〝世界津波の日〟と続き、いずれも快晴の秋空に恵まれた。このうち、3日は令和最初の文化勲章の親授式が皇居・宮殿であり、狂言の野村萬さん(89)ら計6人に天皇陛下から勲章が手渡された。
 気象庁によれば、中部地方は4日、西高東低の冬型の気圧配置となり、北寄りの風が強まった。なかでも滋賀県彦根市では最大瞬間風速が14・1㍍を記録、大阪管区気象台は「木枯らし1号」と発表。〝世界津波の日〟のきょうは、和歌山県広川町で南海トラフ巨大地震で10㍍超の津波に襲われ列車が緊急停止した、と想定し小学生や住民が乗務員の誘導で線路に降り、高台の神社に避難し、ほかに鹿児島市などでも各地で津波の防災訓練があった。

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 この秋は妻ともども長年、お世話になった女性ふたりとの辛く、かなしい別れがあった。一人は、詩集「微笑する月」で北上詩歌文学館賞を受賞、ほかに「絶章」「在処」「部屋」「そこから先へ」など数々の詩集を残し、かつてはH賞選考委員やテレビのコメンテーターとしても活躍。井上靖、金子光晴、長谷川龍生、辻井喬らとも交友があった東京の詩人・最匠展子(さいしょうのぶこ)さんだ。彼女は直感の鋭さと洞察の深さ、人間存在の深奥に心を尽くし、ひたむきに真実への認識を追い求めてやまなかった、けなげでいたいけな日本の詩人であった。なぜか、私、小説家としての伊神権太にこだわり、最期まで私を大切にしてくださった。
 そして。いま一人は、岐阜県の大垣書界を代表する書道チーム「墨・青春社」の主宰だった書家林汀園(本名は林貞さん)である。貞さん(私は大垣時代に彼女のことを〝さださん〟〝さださん〟と呼ばせていただいていた)は、書ばかりでなく、大垣市生活学校代表として市民の先頭に立ち、ゴミ分別のレールを敷いたのをはじめ、大垣美術家協会理事長、西濃書道連盟会長、東婦人会会長など数々の要職もこなし、この間には〈平成7年ふるさとづくり賞〉はじめ内閣総理大臣賞、市功労賞、あしたの日本を創る運動推進功労者表彰、内閣官房長官表彰など数々の栄誉にも輝いた、いわば〝女傑〟であった。
 貞さんは俳句もたしなまわれ、数多くの秀作を残されたばかりか、舞が「ひとりあやとり」(日本俳句叢書)を出版した際には出版記念会まで開いてくださった恩人でもある。

 最匠さんは90歳、貞さんは95歳の旅立ちで、私たちはほかの所要とも重なったため、老衰で亡くなった最匠さんには3日午後、連名で供花と弔電(♪星月夜反骨詩人行きにけり、との舞の俳句を添え「最匠さん、さようなら。ありがとう」と)を送り、この10月1日に肺がんで亡くなられた貞さんの方は、4日午後、大垣フォーラムホテルであったお別れの会に出席したのである。
 お別れ会は、親分肌だった貞さんならでは、の会となり小川敏大垣市長はじめ多くの人が集まり、故人をしのんでのスピーチ、和楽の演奏、大垣まつりの踊りの披露、さらには合唱、〝砂っ子俳句会〟会員による献句、思い出の写真披露…と続き、最後はアメージング・グレースのバイオリン演奏で閉めると言った内容。それこそ、感動的な場面の連続となったのである。
 貞さんならでは、のにぎやかな集いとなった。おかげで、長年の大先輩でこの地方の文化の顔でもある、〝じゅんちゃん〟すなわち平野順一さん(平野学園・大垣中日文化センター)はじめ、俳句甲子園大垣会場審査委員で砂っ子俳句会顧問、俳句雑誌「香雨」同人でもある西田拓郎さん(大垣市立墨俣小学校校長)らにも思いがけず、お会いすることができた。

 貞さんの霊前に赤いカーネーションを供える大垣市民
 
 会場一角には汀園さん(貞さん)書による多くの大作が展示されていた=大垣フォーラムホテルで
 

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 ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)の年間表彰式が3日、東京都内で開かれ、ワールドカップ(W杯)日本大会=ちなみに南アフリカが優勝=の試合会場となった岩手県釜石市が、ラグビー界に顕著な貢献をした個人や団体に贈られる「キャラクター(品格)賞」を受賞した。
 トランプ米政権が4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を国連に正式に通告。正式な離脱通告が可能になった初日の手続きとなった。報道によれば、来年の大統領選に向け国内の石油、石炭業界など支持層にアピールする狙いがあるという。2020年11月4日に離脱が確定する。
 安倍晋三首相が4日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と訪問先のタイ・バンコク郊外で約10分間、着席し対話。韓国大統領府によれば、両首脳は元徴用工問題など日韓関係の懸案を対話を通じて解決すべきだとの原則を再確認したという。
 世界文化遺産に登録されている岐阜県白川村の白川郷合掌造り集落付近で4日午後、川を挟んだ対岸の小屋2棟が全焼、住民たちは放水銃で集落を守った。

11月1日
 万華鏡のごとくるくると十一月
 =伊神舞子の〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 金曜日。11月1日で1がみっつ。ワンワンワンなので、きょうは犬の日だそうだ。そういえば、私も戌年である。

 東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府の四者協議が1日、都内で開かれ、五輪のマラソン、競歩の開催地は暑さを避ける目的で札幌市に変更することで決着。小池百合子東京都知事は「都としては同意はできないが、IOCの決定を妨げることはしない。合意なき決定だ」と述べた。

 新聞、テレビのニュース報道によれば、きのう10月31日の午前2時半ごろ、那覇市の首里城から出火、木造3階建ての正殿を全焼するなど主要7棟合わせて4000平方㍍以上が燃え、11時間後に鎮火した。沖縄県警の調べによると、正殿内部から火が出たとみられる。沖縄市消防局によると、午前2時34分に防犯センサーが作動し警備会社が煙が上がっていると119番。正殿北側部分で煙が充満し、その後火柱が上がっているのを警備員が確認。南殿と北殿も全焼し、黄金御殿(くがにうどぅん)、書院・鎖之間(さすのま)、二階御殿(にーけーうどぅん)、奉神門(ほうしんもん)にも燃え移ったという。
 それにしてもなんたることだ。琉球王国の中心地だった首里城は太平洋戦争で全て消失、その後、主な施設が復元され、正殿地下の遺構部分など城跡は2000年に世界文化遺産に登録されている。それだけに、惜しんでも惜しみきれない。残念だ。

 新聞各紙は【「沖縄心の支えが」 首里城消失 舞う火の粉 住民ぼうぜん 沖縄出身者 衝撃、悲しみ 「なぜ…もう一度見たい」】【沖縄の象徴防火支援なく 復元建物 文化財の指定外 合掌造りや松本城…中部にも文化財「人ごとでない」〈核心〉】(1日付、中日朝刊)、【沖縄の魂 再び炎 底知れぬ喪失感「夢であってくれ」】(1日付、毎日朝刊)などと叫んでいる。

 首里城焼失を報じる新聞各紙
 
 

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 喪失感といえば、同じきのうの未明、私をことのほか懇意にしてくださり、詩集〈微笑する月(思潮社)〉を描いた、ある女性詩人が〝あけの明星〟とお月さまに連れていかれるようにしてこの世を去った。ことし3月16日に満90歳になっての悲しい旅立ちである。かれんで清楚、美しい女性だった。しばらくそっとして、との周りの声に耳を傾け、きょうのところは亡き詩人にふれることはこれだけにしておきたい。
 ただ、首里城焼失と同じ日に逝ってしまうとは。長い間、文学についていろいろ教えを授かった方だけに、この先どうしてよいものか。ここは、ここ十年ほど前から彼女の傍らでずっと夜、昼となく手足になり続けてきた、詩人仲間でもある、その男性の労を多としたい。ほんたふに、おつかれさまでした。

 きょうは、このほか尾張各地に配布されるミニコミ紙で掲載中のコラムはじめ、地元情報サイト・江南しえなんさんで連載中の青春小説「ぽとぽとはらはら」の続編、さらには本欄の執筆などにも追われ、気がつけば既に午後10時半を過ぎている。
 亡き女性詩人からのたゆまぬエールと期待を胸に私はこの先、彼女の分まで人々の心情と共に歩く物語を書き続けていこう、と思っている。

 夜。舞が何やらテレビの前で釘付けになって見ている。一体全体何事か、と思って画面を見るとNHKEテレで「あしたも晴れ! 人生レシピ 老いて今を楽しむ! 86歳双子姉妹の笑顔食堂▽水中で倒立 幸せのヒントが満載!」という番組だった。横目でチラリと見ながら「こうした番組がいいな」と私。
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 荻生田光一文部科学相が1日の閣議後の記者会見で、大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入について「受験生に薦められるシステムになっていない」と述べ、2020年度は見送る、と発表。
 河井克行法相(56)=自民、衆院広島3区=が7月の参院選で初当選した妻案里氏の陣営が、運動員に法定を超える報酬を支払った、として公職選挙法違反疑惑などを週刊文春で報じられた責任を取って先月31日に辞任。これより先の25日には、菅原一秀・前経済産業相が公選法違反容疑で辞任。9月の内閣改造からわずか1カ月半での2週続けての閣僚辞任となった。
 三菱航空機(愛知県豊山町)が31日、開発中の小型ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」をめぐり、百機の購入を予定していた米地域航空会社が契約を解消した、と発表。受注の約4分の1に当たり、SI事業に与える影響は大きい。
 北朝鮮が31日午後4時35分ごろ、中西部平安南道の順川から飛翔体2発を日本海に向けて発射。北朝鮮による飛翔体発射は、10月2日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)いらいで、ことしに入って12度目になる。

 民間試験の活用は、さかのぼれば、政権に復帰した安倍首相が二〇一三年に設置した教育再生実行会議の提言に行き着く。身の丈に合わぬ制度改革を打ち上げ、教育現場を混乱させてしまったか。――とは1日付中日夕刊の夕歩道。全くもってその通りだ。