【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き/2018年8月の唄】

平成30年8月31日
 歌手安室奈美恵さん(40)の最後のツアー映像を収めたDVDとブルーレイディスクが計109万1000枚を売り上げ、音楽映像作品として初のミリオンセラーに。安室さんは9月16日で引退する(オリコンが31日発表。記録は30日付)。

 台風21号はこの日、日本の南の海上を西寄りに進んだ。こんご進路を北寄りに変えて9月4、5日ごろに日本列島に接近するとみられる。
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 かつての任地である能登半島の七尾市田鶴浜で熊木川が氾濫し一帯の住宅が床上浸水している、との正午のニュース。
 大丈夫だろうか、と案じていたところ今度はここ尾張地方の上空に雷雲が垂れ込め、猛烈な雨、雷、風が地上に襲いきた。それこそ、僅か30~40分ほどの間の猛威で、昨夜からけさにかけ舞がベランダに干した洗濯物がアッという間に全てずぶ濡れとなってしまった。あぁ、無情。みんなパアーっ、おじゃんである。
 室内にいた私がついうっかりして気付くのが遅れてしまい、相棒には本当に悪いことをしてしまった。仕事から帰った彼女のショックは大変なもので、こんな日に限って洗濯物の量ときたら大変な多さだった。それでも、私なりに水を大量にふくんでしまった衣類を絞って洗濯置き場に戻しておくなどしたが「ん…、もう。なにしていたのよ」と叱られてしまった。
 あ~あ、とため息が出てしまう。悪かった。私がいながら。

 毎日新聞の夕刊1面トップに「猛暑 蚊も夏バテ 35度以上で吸血意欲低下 来月はご注意」の見出し。そういえば、いつもの年なら蚊取り線香を焚いて蚊を退散させるはずが、猛暑続きのことしはなぜか蚊の出没が少なくて蚊取り線香の世話になることは、ほとんどといっていいほどなかった。でも、ヤブ蚊として知られるヒトスジシマカは例年9月末ごろ吸血意欲が高まるのでまだまだ安心は禁物だという。
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 沖縄県が31日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回。 
 中日ドラゴンズのビシエドが8月の月間安打数を47としセ・リーグ記録を更新。イチローの持つプロ野球記録の48には届かなかった。なのに、ナゴヤドームでの試合は5―3で巨人に破れた。こうした日にこそ、買ってほしかったのに。
 2016年リオデジャネイロ五輪体操女子代表の宮川紗江選手(18)からのパワハラ告発問題。日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長と夫の塚原光男副会長はこの日訴えに対する見解を文書で発表し「宮川さんを脅す発言などはしていません」と否定。その一方で「心を深く傷つけてしまったことを申し訳なく思っています」と謝罪した。
 人生山あり、谷ありか。

8月30日
 夜。リーン、リーンの声が暗闇から聞こえくる。
 なぜか、遠い昔。三重県志摩半島の鵜方に居たころ、地元有志の方々がお寺の境内で競い合っていた【鈴虫りんりん会】の鳴き比べを思い出した。毎年、新聞社の優勝盾を手に取材を兼ねて訪れたものだが、あの若かった日々から40年以上がたつ。

 ジャカルタで開かれているアジア大会の陸上男子400㍍リレーで日本(山縣亮太、多田修平、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥)が38秒16で快勝し、アジア大会では20年ぶりの金メダルに輝いた。柔道も男子73㌔級の大野将平、女子70級の新添左季、63㌔級の鍋倉那美、57㌔級の玉置桃と4階級で金を獲得。

 東電福島第一原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の処分をどうするか。この件に関して国民から意見を聞く初の公聴会が福島県富岡町で開かれた。
 この日、政府の小委員会は海洋放出など検討中の処分方法につき説明したが、地元漁民代表ら14人は「海洋放出は福島県の漁業に壊滅的な打撃を与え、これまでの努力を奪う。風評被害を引き起こすのは間違いない」「本格操業が遅れてしまう」「結論ありきで話が進んでいる」など海洋放出に反対する意見が相次いだ。
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 社交ダンスのレッスンから帰ったあとは、「熱砂」同人の真伏善人さんから届いたテーマエッセイ「どん淵」の編集公開作業などを行い、引き続き本欄そぞろ歩きの執筆…ときょうもドタバタと1日が過ぎていった。
 なかでも、社交ダンスはチャチャチャにタンゴ、ワルツと先生のおっしゃる「ご一緒に」の気持ちを頭にステップを踏むのだが。やはり、まだまだ息が弾む。ここしばらくは仕方ないか。
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 日本原子力開発機構が30日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で使用済み核燃料の取り出し作業を始めた。この燃料取り出しは廃炉作業の第一段階で機構は2022年末までに核燃料530体を取り出し、最終的には2047年度の廃炉完了をめざす。

 能楽笛方の藤田流十一世宗家、藤田六郎兵衛(ふじた・ろくろびょうえ、本名・昭彦=あきひこ=)さんが28日、肝臓がんのため亡くなった。64歳だった。
 名古屋市出身で祖父の故藤田六郎兵衛重明の元で修行し、5歳で初舞台を踏んだことは知る人ぞ知る。名古屋の文化・芸能界では宝ともいえる存在だっただけに、惜しまれる。

8月29日
 ちびまる子ちゃんコスモス原に手を振れり
 =伊神舞子〈きょうの俳句minuetto-mi〉から
 夜。コオロギの鳴き声が聞こえてくる。秋が少しずつ近づいている。
 ことしは秋の味覚サンマが豊漁とのこと。北海道・根室の鮮魚店では無料でふるまわれ、市民を喜ばせた。

 第63回全国高校軟式野球選手権大会決勝が29日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場であり、東海代表の中京学院大中京(岐阜県瑞浪市)が3―0で河南(大阪)に勝ち、2年連続9回目の優勝をし、作新学院(栃木)の最多優勝記録に並んだ。
 80代の入院患者4人が相次いで死亡した岐阜市の「Y&M藤掛第一病院」で28日午後6時40分ごろにも入院していた別の男性患者(84)が死亡していたことが分かった。男性に目立った外傷はなく県警は熱中症になった可能性もあるとみて捜査している。
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 夜。訳あって犬山市在住の中高校時代のクラスメート、そして私と同じ江南市内に住む妹の順に電話する。昔は職業柄もあって、1日に十数件、いや数十件電話することも決して珍しくはなかったが、このところは、めっきり減り「どうしても」という場合に限っての電話である。
 もっとも、このところはメールというほかの伝達手段があるので電話となると、よほどの時にしかかけなくなってしまったことも事実だ。良いのか、悪いのか。携帯もポケットベルもなかったころは、それこそ黒電話だけが頼りだったが。今の電話の価値はそれだけ軽くなってしまった気がしてならない。
 変われば変わるものだ。
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 スウェーデンの文化人らが今年限定で創設した新たな文学賞の最終候補4人にカリブ海のフランス海外県グアドループ出身の女性作家マリーズ・コンデ氏(81)、ベトナム出身のカナダ人女性作家キム・チュイ氏、英国のSF作家ニール・ゲイマン氏(57)、そして日本の村上春樹さん(69)の4人が選ばれた。新たな文学賞の選考主体「ニュー・アカデミー」が29日までに発表した。
 最終候補の4人はスウェーデンの図書館司書らが選んだ一次候補47人から一般の投票で絞り込まれた。受賞者は有識者らの審査委員会が決定するがノーベル各賞の受賞者発表が終わったあとの10月12日に発表される。授賞式はスウェーデンの首都ストックホルムでノーベル賞の授賞式前日の12月9日に行われるという。

8月28日
 核兵器廃絶を訴える日本の高校生平和大使20人が28日、ジュネーブの国連欧州本部を訪れ、各地で集めた11万人分の署名をジュネーブ軍縮会議の事務局に提出した。署名提出に先立ち全員が英語で「世界の人々に原爆の恐ろしさを伝えていきたい」とスピーチした。

「もっと読みたかった」
 漫画〈ちびまる子ちゃん〉の作者さくらももこさんの死を悲しむ声が国内外で広がっている。本日付中日夕刊は、『「まるちゃん、私の青春」 さくらももこさん ファンら悼む声」』『恩師「うそであって」 「漫画のまるちゃんそのもの』『台湾紙も訃報伝える ドラマ出演者「言葉出ない」』『記帳台多くの人 地元・清水』といった按配である。

 同じく本日付中日夕刊軟派トップには「エアコン故障? 4人死亡 岐阜80代入院患者、熱中症か 業過致死の疑い 県警が捜査」の見出し。岐阜市一番町の「Y&M藤掛第一病院」で26日夜から27日午前にかけ80代の高齢入院患者4人が相次いで死亡していたことが分かり、岐阜県警が熱中症の影響なども含め、業務上過失致死の疑いを視野に捜査を始めたという。
 厚生労働省は28日、国の行政機関の約8割に当たる27機関で水増しがあった、との調査結果を公表。
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 やはり、さくらももこさんの死を悼む声は、絶大だった。そんな彼女は漫画の主人公ちびまるこちゃんを通じてひとつの時代を築いたと言っていいかも知れない。
 けさの中日スポーツが1面をつぶして「53歳乳がん…早すぎる」の見出しで簡潔に報道していたので、ここに記録として紹介させて頂く。

 2018年8月28日付の中日スポーツから
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 きょう中村敦夫さんのライフワークでもある『元・原発労働者のモノローグ、朗読劇「線量計が鳴る」』の舞台誘致の件で江南市内の臨済宗永正寺に足を運んだら、水谷大定住職から一宮西高新聞を手渡された。
 見ると「お盆にまつわるエトセトラ」の見出しで○お盆とは?○お盆を行うということ○お盆から見えてくる現代の問題点が1面の大半を割いて高校生のペンでわかりやすく書かれており、大変参考になる内容だった。
 前文の一部分だけを以下に記しておく。
――お盆は「自分の先祖を偲ぶ行事」である。しかし多くの人がお盆の行事を行っていない現状がある。住職の方のお話を通してお盆を行うことの大切さを知ってほしい。
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 北朝鮮で今月上旬に拘束され、国外追放処分となった日本人観光客の男性(朝鮮中央通信によれば、男性は杉本倫孝さん)が28日、北朝鮮を空路で出国し北京経由で同夜、羽田空港に帰国した。

8月27日
 名古屋は27日午前11時51分に35・5度を記録し猛暑日に。これで、ことしに入って猛暑日となったのは33日目で、1995年の32日を超え、過去最多となった。
 一方、関東地方は各地で積乱雲がわき、雷、雨、風が急襲。駒場東大駅の変電所に落雷。所によってはヒョウまでが地上を叩きつける大荒れの1日となり、7400戸が停電したという。いやはや、とんだ日となった。

 ちょっと照れ屋さんで明るい性格の、ごくごく普通の女の子。そんな〝ちびまる子ちゃん〟を描き続けた人気漫画家さくらももこさんが今月15日夜、乳がんで死去していた。各メディアの報道で知ったが、ショッキングな訃報である。53歳だった。静岡市清水区出身。まだ若いのに何たること。合掌―
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「各位 今年の夏は歴史的な猛暑に見舞われましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。我々が昭和43年に中日新聞社に入社してから早いもので、ちょうど50年経ちました。これを機に有志が集まって下記のように同期会を開きます。半世紀ぶりに顔を合わせる人もいると思いますので、懐かしい面々とつもる話で思い切り楽しみましょう。」
 上記のような鄭重なる封書に入った案内状が同期入社のひとり、ミノウラ(箕浦啓進氏。名古屋市昭和区在住。元ヨーロッパ総局長、岐阜支社長、メディア局長など。現在ZIP-FM顧問)から届いた。9月26日。場所は、金沢は香林坊近く、野町の犀川河畔『金沢・にし料理茶屋』で、である。
 金沢は、入社した年の販売店実習で1カ月半ほど新聞を配った懐かしの地。それだけに、楽しみだ。それこそ、浦島太郎の気分で皆に再開することになるのではなかろうか。当時、お世話になった橋場新聞店。いつも帽子を斜めかぶりしオートバイに乗って新聞配りのイロハを教えてくれた源さんたちは、今はどうしておいでだろうか。

 あの木枯し紋次郎さんがやってくる。写真は軽井沢町立中軽井沢図書館で開かれた際のポスター
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 かつてテレビ時代劇『木枯し紋次郎』で日本中に時代劇の世界に新風と革命を巻き起こした男。その中村敦夫さん脚本・主演による元・原発労働者のモノローグ、朗読劇「線量計が鳴る」が、ここ江南市で開かれることになった。
 12月22日。場所は臨済宗妙心寺派の高屋山永正寺本堂で、である。こんご水谷大定住職を中心に実行委員会がつくられ準備が進むが、この一人芝居は中村さんが魂を込めたライフワークでもあるだけに、無事の開演を心から望んでいる。私自身も、たとえ少しでもお役にたてたら、と思っている。
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 皇后さまが27日、群馬県草津町で開催中の音楽祭「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」のワークショップに参加され、チェコ出身のホルン奏者カテジナ・ヤブールコワさんと共演、「白鳥」をピアノ演奏された。
 とても良いことだ、と思う。世界がなごむ。

8月26日
 日曜日。満月の夜である。でも、きのうに続いて相変わらず暑い。
 本日付中日新聞サンデー版大図解では、空気も澄み雲の観測の好シーズンを前に秋の「雲」特集。なかなか面白い。

 米共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員が25日、死去。81歳だった。マケイン氏は昨年7月に脳腫瘍と診断され、地元の西部アリゾナ州で闘病生活を続けていたが、24日には家族が治療の打ち切りを明らかにしていた。2008年の米大統領選では共和党候補としてオバマ前大統領とも争い、党内きってのタカ派で知られた。
 日米同盟の強化にも尽力したが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に関しては2011年に「非現実的で実行不可能であるうえ、費用がかかりすぎる」と批判。米空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合を提案したことがある。
 米領パナマ生まれ。祖父も父も海軍大将という海軍一家育ちで自身も海軍パイロットとしてベトナム戦争に従軍。1967年に搭乗機を撃墜され、5年半に及ぶ捕虜生活に耐え、帰国後は「英雄」として称えられた。トランプ大統領はさっそく、ツイッターに「ご遺族に心からのお悔やみを申し上げる」と投稿したが、世界にとっても惜しい人の逝去である。
 おやすらかに。
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 新聞をチェックしていたら土曜日、25日付中日新聞夕刊の【偲ぶ】欄に、あのロシアの指揮者ロジェストベンスキーさんの訃報が大きく紹介されていた。
 ああ~、あの方が。と、思わず声を出しつぶやいた。記事の見出しには「当局恐れず勇敢に」「抑圧に屈せず芸術の自由を追求した指揮者 ゲンナジー・ロジェストベンスキーさん」とあり、「2017年6月、生涯最後の公演で共演した妻ビクトリア・ポストニコワさんと共に拍手を受けるロジェストベンスキーさん(チャイコフスキー記念コンサートホール提供・共同)のキャプション付き写真が添えられていた。 享年87歳とあった。

 ロジェストベンスキーさんといえば、「ロジェベン」の愛称で知られ、ショスタコービッチやプロコフィエフなどの指揮で知られ、抑圧的なソ連体制下で真の創造性を追求してやまず、敵国といってもいい英BBC交響楽団の首席指揮者を務め、英国の作曲家らとの親交の深さは知る人ぞ知る。
 私の思い出といえば、駆け出しの新聞記者としてスタートしたばかりの昭和40年代、松本支局在任中に当時付き合っていた松本市内の女性でクラシックが大好きだった彼女(あのころはヒロちゃんと言った)を購入したばかりの新車ホンダN360に乗せ、デートを兼ねて公演会場である長野市までぶっ飛ばしたことがある。それ故、忘れられないのである。
 もう古い話なので、これ以上語るのは止めておこう。
 当時、私は〈どの子も育つバイオリン教育〉で知られる松本市内の鈴木メソッドに半分取材を兼ねて入り浸っており、今は亡き鈴木鎮一さんからいろんなことを教えて頂いていた。ある日、「君。ロジェストベンスキーが長野にくるから行ってこいよ」と言われ、彼女を伴って行ったのである。だから、ロジェストビンスキーは、忘れられないのだ。
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 安倍晋三首相(自民党総裁)が26日、視察先の鹿児島県垂水市で、9月7日告示、20日投開票の党総裁選に連続3選をめざして立候補することを正式表明。松本市の乗鞍高原で開かれた自転車レース「マウンテンサイクリングin乗鞍」の出場者らが、キイロスズメバチとみられるハチに刺され、61人が軽傷。

8月25日
 夏が過ぎつつある。蝉の鳴き声が喧しい。で、きょうも暑い1日だった。いったい何時になったら涼しくなってくれるのか。
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 第62回全国選抜長良川中日花火大会が25日夜、「鵜飼いをめでる信長」をテーマに岐阜市の長良川河畔であった。ことしはインターネットのクラウドファンディングで資金を募った花火が初めて打ち上げられたという。
 そして全国の花火師たちが競うことで知られる中日花火ならでは、の創作スターマインコンクールでは、私も知る、あの能登煙火(石川県)の嵯峨井大民さんの作品〈ムーンリバー〉が栄えある【ちゅうはな大賞】に輝いたという。
 大民さん、心からおめでとうございます!

 この日は秋田県大仙市の雄物川河川敷でも全国の花火師がハイレベルの技術を競い合う伝統の【第92回大曲の花火】が「行雲流水~あいよりあおし~」をテーマに開かれ、平成最後の夏を送る光りと音の共演が繰り広げられた。

 ジャカルタ・アジア大会の陸上男子マラソンで井上大仁(ひろと)=MHPS=が2時間18分22秒で、この種目の日本勢として1986年の中山竹通いらい日本男子として32年ぶりの金メダルに輝いた。
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 大津在住の「熱砂」最年長同人で、滋賀の〈湖都の文学〉編集委員でもある、90歳の眞鍋京子さんから「湖都の文学の原稿を八月二十日に間に合わせました。テーマエッセイの〈泳ぐ〉はもう少し待ってくださいませ」との鄭重なる手紙が届く。
「眞鍋さま。お手紙ありがとうございました。承知しました。残暑は厳しいです。おからだ、ご自愛ください。」とさっそくショートメールを送らせて頂く一方で未定稿の「熱砂」同人ひとりひとりに第28回目のテーマエッセイ=テーマは〈泳ぐ〉=の出稿時期(締切は8月末)が近づいてきたことを知らせるメールを送る(うち編集委員の黒宮涼さんの力作〈泳ぐ命〉は、既に公開済み)。
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 関西電力大飯原発(福井県おおい町)と高浜原発(同県高浜町)の同時事故を想定した国による初の原子力総合防災訓練が25日始まった。初日は半径5㌔圏内の高齢者や学校に残った子ども、急病人の避難訓練などがあった。
 26日は放射性物質が放出されたと想定し両原発の30㌔圏内にある福井、滋賀、京都3府県の住民1万7300人を対象とした広域避難訓練が実施されるという。

8月24日
 台風20号は、徳島県や兵庫県に上陸後、各地に爪痕を残して24日未明には日本海に抜け石川県能登半島の輪島沖を北に。夜には、東北北部や北海道へと進んだ。
 この間、三重と和歌山県境での熊野川氾濫による床上浸水家屋はじめ、兵庫県淡路島での高さ60㍍、重さ100㌧もある風力発電の倒壊、京都の神社本殿の破壊、各所での屋根の吹き飛ばしや電柱の倒壊、何万戸にも及ぶ停電、さらには空、鉄道、高速道など空・陸・海のダイヤも大幅に乱れて被害は甚大に及んでいる。
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 ジャカルタ・アジア大会の競泳女子50㍍自由形で池江瑠花子(18)=高校3年。ルネサンス=が優勝し、今大会6個目の金メダルを獲得。金メダル数でアジア女子と日本選手の一大会最多獲得記録を塗り替え2年後の東京五輪への弾みをつけた。
 名古屋・栄の久屋大通公園などでの第20回にっぽんど真ん中祭り。24日は開催20回を記念した祝賀会が名古屋市公館で開かれ、昨年の入賞チームらが久屋大通公園で華麗な踊りを披露する前夜祭があった。
 
 将棋の最年少棋士藤井聡太七段(16)がこの日、大阪市の関西将棋会館であったタイトル戦棋聖戦の1次予選トーナメント2回戦で女流棋士トップの里見香奈女流四冠(26)と対局。藤井七段が八十二手で勝ち、準決勝に駒を進めた。
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 金曜日。きょうは当初、東京に行く予定だったが豪雨を伴った台風20号通過に伴う交通各機関への影響などを考えると予期せぬ事態もありうることもあってか、「やはり、無理しない方がいいですよ」との仲間のアドバイスもあって急きょ、取りやめに。

 その分、夜は久しぶりにピースボートによる第76回地球一周の船旅乗船時の出航曲であるレバノン生まれ、スウェーデン育ちのシンガー、マヘル・ゼイン(Maher Zain)による【Freedom】をユーチューブでじっくり、何度も聞いてみた。
 この歌は、エジプトやチュニジアなど〈アラブの春〉革命を受けて創られた曲だけに、なんど聞いても心に染み入ってくる何か、があるのである。
 それに。第一
 Gathered here with my family…My neighbours and my friends Standing firm together against oppression holdings hands(家族と共に私はいる…隣人も、そして友人とも 皆で手をつないで抑圧に立ち向かう)……
 と歌詞がとてもス・テ・キなのである。

 そういえば、先日、治子さんから届いた時計台とクラシックピアノの鉛筆削り、舞の提案もあって時計台は私のデスクに、ピアノは相棒のお店〈ミヌエット〉に飾ることにした。互いに人々の心に残る小説や俳句、短歌が書けることを願って、である。

 招き猫と一緒に飾られたピアノの鉛筆削り
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 台風20号の影響で、岐阜市の「長良川鵜飼」と岐阜県関市の「小瀬鵜飼」、愛知県犬山市の「木曽川うかい」は、いずれも24日夜の鵜飼いの中止を決めた。
 小池百合子東京都知事が首都大学東京の名称をかつての「東京都立大学」に変更する、と発表。

8月23日
 貝殻にそっと耳あてて処暑の庭
 =伊神舞子の〈きょうの俳句minuetto-mi〉から

 23日。暑さが収まり、夏から秋への移り変わりが感じられる。二十四節気の【処暑】である。

 その処暑に台風20号が和歌山、三重から大阪、京都両府と四国、中国地方、滋賀など西日本の各県を北上して、ここ尾張美濃地方にも近づいている。午後9時ごろには徳島県南部に上陸し、瀬戸内に抜け深夜から翌(24日)未明にかけ、兵庫県姫路市付近に再上陸したという。中部電力によると、24日午前零時現在、管内の愛知、三重、岐阜県などで計2万戸が停電。関西電力管内でも京都府、三重、滋賀、奈良、和歌山の各県で一時延べ2万6590戸が停電したという。

 ところで、けさの新聞。本日(23日)付の中日(東京)朝刊1面トップ記事の見出しと総合リード(前文)を、ここに紹介しておこう。
【見出し】「細く長く生きても仕方ない 戦争責任のことをいわれる」「昭和天皇85歳の心情 故小林侍従の日記」
【総合リード(原文のまま)】
 昭和天皇が八十五歳だった一九八七(昭和六十二)年四月に、戦争責任を巡る苦悩を漏らしたと元侍従の故小林忍氏の日記に記されていることが分かった。共同通信が日記を入手した。昭和天皇の発言として「仕事を楽にして細く長く生きても仕方がない。辛いことをみたりきいたりすることが多くなるばかり。兄弟など近親者の不幸にあい、戦争責任のことをいわれる」と記述している。

 陛下の心情や、いかばかりか。まさに人間天皇・裕仁親王の懊悩である。
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 本紙ウエブ文学同人誌「熱砂」の誇りでもあるテーマエッセイが回を重ね、28回目=テーマは【泳ぐ】=に。その最初のテーマエッセイとなった黒宮涼さんの〈泳ぐ命〉を編集し、公開。これから同人による28回目のテーマエッセイが随時、公開、発表されていくので、皆さまにはぜひ読んで頂けたら、と願っている。
 ちなみに「熱砂」のテーマエッセイは〈音楽と私〉を最初のテーマに〈酒〉〈雨〉〈色〉〈時〉〈夜明け〉〈○○にて〉〈贈り物〉〈便り〉〈走る〉〈声〉〈巡る〉〈泣く〉〈東京五輪〉〈あの人〉〈忘れもの〉〈花〉〈間違い〉〈しあわせ〉〈手〉〈嵐〉〈まわる〉〈梅雨〉〈海〉〈青春〉〈雪〉〈門出〉と続き、今回の〈泳ぐ〉は実に28回目だ。
 熱砂の表紙の【読む】をクリックして頂き、ウエブ作品集のなかの「熱砂」同人のテーマエッセイを開いて頂けたら、これまでの全てのテーマエッセイを読むことができる。ぜひ、ご愛読ください。
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 総務省消防庁の発表によれば、記録的な猛暑に見舞われたことし7月に熱中症で救急搬送されたのは全国で54220人、死者は133人だった。これは統計を開始した2008年以降の月別最多で、過去最高だった2010年8月の搬送者28448人、同年7月の死者95人ともに、いずれも大きく上回っている。
 尋常ではない、この血ぬられたも同然の数字。もはや、自然との大戦、戦争の時代がやってきた。

 映画の名脇役として親しまれた俳優の菅井きんさんが10日、心不全のため都内の自宅で死去。92歳だった。
 
8月22日
 台風20号がこの日、日本の南を北上、あす午後にも近畿や四国付近に上陸する見通しだ。ジャカルタアジア大会のバドミントン女子団体決勝で日本は5連覇していた中国を3―1で破り、1970年大会いらい48年ぶり3度目の優勝。
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 夜。江南市内の臨済宗妙心寺派高屋山の永正寺住職、水谷大定さんと副住職中村建岳さんに、ある件でお願いしたいことがあってお会いした。この席で水谷住職から手渡された水谷さんご本人の筆による〈禅と念仏〉のエッセイ【本当に「名は体をあらわす」には】に「なるほど」と納得させる非常に興味を誘う文面があったので、ここにそのごく1部分を原文そのままに紹介させていただく。
 以下のとおりだ。
――愛知県の「北名古屋市」という新しい市名。名古屋の北に位置するからと安直に付けてしまったみたい? 名古屋弁の発音で連想されるのは、「汚(きた)な小屋(ごや)市です。地図では上にあるので「上名古屋市(かみなごやし)をなぜ思いつかなかったのかと考えてしまうのです。

「東日本大震災」は地震と火災の「関東大震災」の広域型ではありません。津波によって2万人に近い犠牲者があり、原発事故の被害は未だ底知れません。歴史上の大事件として、未曾有の災害の性格を明確に記憶するために、少し長いけれども「東日本津波原発大地震」を正式名称とします。毎日のニュースで原稿を読むアナウンサーにも配慮して、東日本にとどまらず全国民的課題として復興に励む意味を込めて、略称は「津波原発大地震」とすべきでしょう。阪神大震災時に震源地の淡路が後から加えられ、「阪神淡路大震災」とされたように、被災の実態を表す「津波原発」の4文字が挿入された「東日本津波原発大地震」は被災地で「そのとおり」と共感を呼んでいます。改称されると予見します。
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 大相撲の秋田市の巡業先で21日に倒れ病院に救急搬送された貴乃花親方(46)がこの日の朝、無事退院し帰京した。26日までの残りの巡業は休場する。

8月21日
 ことし第100回記念大会となった夏の甲子園、全国高校野球選手権大会は21日午後、甲子園球場で決勝が行われ、大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を13―2で下し4年ぶり5度目の優勝を果たし、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。
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 火曜日。
 そういえば、きのう帰宅したとき、舞の髪がちょっと艷やかで、髪はむろん全身が若返ったような気がした。美容院に行ってきた、とのことだったが「あぁ、それでなのか」と妙に感心する私がそこにはいた。
 きょうもナンダカンダとふたりとも何かと忙しい時が過ぎていった。

 川村湊さんから届いた川村亜子作品集
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 夜。先日、文芸批評家の川村湊さんから謹呈本として私あてに届いた亡き奥さまへの挽歌そのものである【川村亜子形見の作品集「たがめ・冬の川辺・蓬」】(作品社)を読み始める。洗練された文章。そして少女の如きおおらかな筆致、ドキドキする展開を目の前に、川村さんと亜子さんが互いにどんなに愛し支えあってきたか、を思い、胸が痛く、ひと筋の涙がぽろりと落ちた。
 人はみな、どんなにいとしいひととて、消えてしまうのか。私はふと、時代背景こそ違うが田宮虎彦の小説「別れて生きるときも」の一節を思い浮かべた。確か、「たとえあなたが死んでいなくなっても、私の心のなかであなたは永遠に生き続ける」といったような内容だった、と記憶している。

 以下、帯にある全文を本欄【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き】紙上にて紹介させて頂く。
 この本は、私、川村湊の亡妻、亜子が書き残した文章をまとめたものである。私と妻は、大学の文芸サークルで知り合い、結婚し、二人の子供をもうけたが、互いに文芸の道に進むことを念願としてきた。私は文芸批評家として書くことを主たる仕事として過ごしてきたが、妻はそうした私を支えてくれるのと同時に、同人誌に参加し、自ら創作を継続する傍ら、韓国語の翻訳を始め、数冊の翻訳本を刊行した。………ただ、妻の本当の夢は、小説家となることであり、創作の道を進むことであったことは間違いないと思う。――「あとがき」より 
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 中央省庁が雇用する障害者の数を水増ししていた問題。その後、国の指針(ガイドライン)に反して昨年の雇用者に算入していた人数が各行政機関合わせて数千人規模に上るという。いったい全体なんたることだ。国のトップがどいつもこいつも平然と「うそ」をいうこの国は、もはや信用が出来なくなっている(中には実直で本当にお国のために努力している人もいるので、この点は付け加えさせて頂く)。
 いずれにせよ、みんなしっかりしてほしい。省庁全体で働く人の気持ちがだらけてきている。いっとき流行った「気合だ。気合だ。気合だ!」といったところで誰もが知らんぷりで、それこそ馬耳東風か。こんなことではダメだ。

 台風19号はこの日深夜、奄美大島の北を時速15㌔で北西へ。20号は小笠原近海を北上中で23日から24日にかけ、西日本に近づき上陸する恐れが出て来た。

8月20日
 夏の第100回記念大会。高校球児による甲子園は、金足農(秋田)が日大三(西東京)を2―1で。大阪桐蔭(北大阪)が済美(愛媛)を5―2で破り、21日の決勝戦で激突することになった。大阪桐蔭が勝てば史上初、2度目の春夏連覇となる。

 77人が亡くなった2014年の広島土砂災害から4年のこの日、被災地では慰霊祭が営まれた。
 中日夕刊によれば、徳川記念財団が江戸末期に徳川将軍家が外交文書に押印した銀印「経文緯武(けいぶんいぶ)」が見つかったと発表。徳川14代将軍家茂と15代目将軍慶喜が日米修好通商条約の批准書などで対外的に「国家元首」として意思表示したことを示す貴重な資料だという。
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 中部ペンクラブの【秋の文学座談会「中ペン同人、文芸記者と大いに語る」(11月7日、西尾市吉良町の三河湾リゾートリンクス)】を開くに当たって基調講演(演題は「文芸記者の日々」)の講師をお願いした女性記者との事前打ち合わせで事業企画運営委員会の他委員とともに、久しぶりに中日新聞本社へ。あれやこれやと、当日の段取りについて話し合った。
 それはそうと、行きも帰りも。地下鉄丸の内駅に通じる長い階段を上り下りしながら、新聞社にデスク長として通っていたころに比べ私の体力はどれくらい落ちたのだろうか、なぞと。そんなことを思いながら歩いた。同時に(ニンゲン、だれだってそうだが)過ぎてしまった日々は帰ってはこない。だから自分なりに「今をひたむき、かつ情熱的に人を恋して生きてゆかなければナ」と、そんなことを思ったりした。
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 山口県周防大島町で行方不明となり3日ぶりに保護された藤本理稀(よしき)ちゃん、2つが20日、入院先の柳井市の病院から退院。母親の美緒さん(37)は「感謝の気持ちしかないです」と話し、よしきちゃんは終始無言で、ちいさな手で美緒さんの服をギュッとつかんでいたが、最後は集まったおじさんたちに手をふった。
 ほんとにかしこそうな良い子である。かわいらしくて将来が楽しみだ。
 ジャカルタアジア大会のバスケットボール男子日本代表の選手4人が16日夜の一次リーグ二戦目のカタール戦に出場後に「JAPAN」の文字入り公式ウエアのシャツ姿で歓楽街に繰り出し、飲食後、ホテルで女性と不適切な行為に及んだ件で日本選手団は20日、現地で記者会見。代表認定を取り消した。
 一方、問題を起こした4人も20日都内で記者会見、「良くないことをしている気持ちはあった」「道中で自分たちの服装を見て、いけないと思いつつ浮ついた気持ちだった」と軽率な行動を陳謝したが、あきれて物が言えぬとは、このことか。
 名古屋弁で「おまえら。なにやっとるだ」と一喝してやりたい。案外、根は単純で純粋なヤツラばかりだろうが。スポーツマンとして許せぬスキがあった。

 台風19号と20号がダブルで西日本に近づいている。このうち19号は20日深夜現在、南大東島の東北東300㌔地点を時速20㌔で西北西に進んでいるという。

平成30年8月19日
 ラグビーの2019年ワールドカップ日本大会の試合会場で唯一新設された釜石鵜住居復興スタジアムのこけら落としが19日行われ、地元・釜石シーウェイブスとヤマハ発動機が記念試合を行った。
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 日曜日。朝である。窓を開けると、さわやかな風が舞い込んだ。
 そういえば、18、19日と寝室のクーラーは付けないで、ひと夜を過ごすことが出来た。酷暑が続いた先日までなら、とても信じられない。
 秋が、近づいてきている。
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 全国の高校生がダンス日本一を競う「フラガールズ甲子園」が19日、フラガール発祥の地で知られる福島県いわき市で開かれ、地元の県立湯本高校が初の最優秀賞に輝いた。いわきの湯本には東日本大震災のあと、2度行ったことがあり思い入れも深い。それだけに、嬉しい気がする。
 この日は高校生が5人1組で俳句の出来栄えを競う第21回俳句甲子園の決勝も松山市であり、山口県立徳山高校が初優勝。もうひとつ。同じく高校生が生け花の出来栄えを競う全国高校生花いけバトルの決勝戦も高松市で。東海地区代表の岐阜県立大垣養老高校が晴れて優勝した。
 ジャカルタアジア大会の競技が本格的に始まり、女子100㍍平泳ぎで鈴木聡美(27)=ミキハウス=が1分6秒40で初優勝し、今大会の日本選手金メダル第1号に輝いた。日本勢は競泳陣で金メダル3個を獲得し幸先の良いスタートとなった。

 台風19号は東京・小笠原諸島の父島から西南西の太平洋上を西へ。 

8月18日
 昭和43年(1968年)の夏。すなわち私が新聞社に入社した年のこの日の未明。岐阜県白川町の国道41号で観光バス2台が土石流に巻き込まれて飛騨川に転落、観光客ら104人が犠牲となった、いわゆる飛騨川バス転落事故が起きた。
 あれから50年。その悲劇を弔う日である。大惨事から50年後の18日、現場近くの「天心白菊の塔」では遺族らによる節目の慰霊法要があった。当時、私はヒヨッコ記者だったが事件発生の報に旧社屋の編集局全体がパニックさながらに陥り、しばらく騒然としていたことを新人ながらに覚えている。
 あのころ私は三重県鼓ケ浦での新人合宿に続き、金沢で1カ月半に及ぶ記者の卵としては初めての試みとなった販売店実習など数々の社内教育を終え、中日スポーツ総局整理部でモノサシを手に見出しをつけ紙面のレイアウトをする整理技術を研修中の身で、事件発生を知ったのは確か深夜未明の帰宅直前だったと記憶している。
 それこそ、入社したばかりの練習生で、まだまだ西も東も解らなかった。
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 作家の太田治子さんから、宅急便が届いた。
 舞が開くと、中におしゃれでとてもかわいらしい、時代を感じさせつつも新感覚とでもいえようか。アンティークファッションそのものの荘厳な時計台とクラシックピアノ(それとも中世のオルガン?)の鉛筆削りがチョコレートと一緒に入っており、ちいさな、まるで声をあげそうな便箋には「ドイツへいってまいりました。ささやかなおみやげです。なによりもお元気で 治子】といったメモ書きも。
 鉛筆は、私も舞も小説や俳句、短歌の創作やメモ書きなどでいつも手にしており日常、よく使う。それだけに、なんだか胸に熱いものがこみあげてきた。

 治子さん! ありがとう。写真は思いがけず届いた、おしゃれな鉛筆削り
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 18日夜。ジャカルタのブンカルノ競技場でアジア競技大会の開会式。2年後の東京五輪を控え、史上最多762人の選手団が入場行進。
 夏の甲子園準々決勝。応援する近江(滋賀)が最終回に金足農(秋田)に逆転され3―2に。善戦むなしく四強入りを逃した。残念無念だ。でも、よくやった。

 中日新聞の18日付夕刊1面トップに『謎の牙彫師(げちょうし)素性判明 明治の「超絶技巧」安藤緑山 巡回展知った孫が名乗り』の見出し。本物そっくりに着色を施した象牙の彫刻で知られ「超絶技巧」と称される明治期の工芸作家の代表格でありながら素性が謎に包まれていた彫刻師・安藤緑山の本名や生没年、肖像などが初めて明らかになった、という。

 1997年~2006年に国連事務総長を務め、2001年にノーベル平和賞を受賞。2003年に始まった米国主導のイラク戦争には終始一貫して反対し続けたアフリカ出身のコフィ・アッタ・アナン氏が18日、スイスで死去。80歳だった。

8月17日
 北海道上川町の大雪山系黒岳(1984㍍)でこの日、昨年の9月28日より1カ月以上早く初雪が観測された。記録が残る1974年以降では最も早く、これまでに1番早い記録は2002年8月21日。平年は9月18日だという。
 三重県熊野市の七里御浜海岸で17日夜、300年の歴史を誇る熊野大花火大会。17万人が見守るなか、呼び物の3尺玉海上自爆など1万発が上がった。
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 金曜日。午前中、本を読み昼からは久しぶりに床屋さんへ。
 とはいっても、かつてのようにメナードはじめ、お気に入りだったその土地土地の美容院というわけにはいかず、それこそ町の名もない床屋さんである。第一、ふさふさしてカールしていた黒髪がほぼ消滅してしまった今となっては、無念この上なし、ではあるが。やむをえないことに違いない。
 というわけで、いつもの如く出来るだけナチュラルに。自然に、と注文こそすれど、なんだか無い物ねだりをしているような。そんな在悪寒にかられてのカットであることも事実だ。第一、髪の毛がない。あ~あ。トホホ、とはこのことか。その割には、自然にやってくださったナ、と感謝。
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 夏の甲子園は17日、3回戦4試合が行われ、第1試合で近江(滋賀)が常葉大菊川(静岡)に9―4で快勝、17年ぶりのベスト8進出を果たした。
 米音楽界を代表し〈ソウルの女王〉とまで呼ばれた黒人女性歌手、アレサ・フランクリンさんが16日、膵臓がんでミシガン州デトロイトの自宅で死去。76歳だった。フランクリンさんはグラミー賞を計18回受賞したほか、女性アーティストとして初の「ロックの殿堂」入りを果たし大統領自由勲章も受章した。
 京大が17日、岡山天文台(岡山県浅口市)で東アジア最大の光学赤外線望遠鏡「せいめい」が完成した、と同天文台で記者会見。

8月16日
 京の夏の風物詩、五山の送り火。伝統の催しが16日夜、東山で行われた。
 豪雨と酷暑、殺伐たる事件の数々に翻弄され続けたことしの夏も、お盆に迎えた先祖の送り出しとともに、少しずつ遠ざかってゆく。暑さが和らぎ、ふく〈かぜ〉たちにも、秋の気配が漂い始めた。
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 私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人で詩人牧すすむさん率いる琴伝流大正琴弦州会(牧さんは、弦洲会の倉知弦洲会主で大師範)が大正琴発祥の地・名古屋の大須で18日午前11時から記念演奏会(入場料は無料)を開くというホットな話題を【大正琴発祥の地・名古屋の大須演芸場で記念演奏会】のタイトルで本紙「熱砂」の〈WHAT’S NEW〉欄で告知。

 3男坊の誕生日。それに私の全快ということもあってか。夜、舞が近くのお寿司さんに特大を注文、ともに食べた。ここに能登七尾のアカニシ貝の握りでも入っていたら最高なのだが。それはチョットかなわぬ願いか。
 でも先日、七尾の「さたみや」さんから思いがけず、頂いた本醸造宗玄「等伯」、長男から送られてきた福島県二本松市の純米大吟醸「宝暦大七」、それと七尾の歌人山崎国枝子さんからのビール…と、どれも心のこもったものばかりであり、少し飲み過ぎた。
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 中日ドラゴンズの平田良介外野手(30)が、この日ナゴヤドームで行われたDeNA戦で5打数5安打、プロ野球史上73度目(68人)、セ・リーグでは38度目(35人)のサイクル安打を達成。今季ではソフトバンクの柳田悠岐、ヤクルトの山田哲人、DeNAの桑原将志に続き4人目。中日では大島洋平が2016年7月20日にマークして以来、チーム8人目となる。
 試合の方は、11―5で中日が19試合ぶりの2桁得点で2連勝。先発の松坂も自身4連勝で5勝目。ドラゴンズの進軍ラッパが遅まきながら、やっと鳴り始めたか。 

8月15日
 平成最後の「終戦の日」のお言葉を終えられた天皇陛下(NHK中継画面から)
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 終戦から73年。
 この日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京・日本武道館で開かれた。ことしは平成最後の追悼式で来年4月30日の退位を控える1933年生まれの天皇陛下にとって、最後の参列となった。来年からは戦後の1960生まれで5月に即位される皇太子さまが参列される。
 追悼式での陛下のお言葉は、戦争や平和に対する陛下の考えを示すものとして注目を集めてきたが戦後70年の節目だった2015年に【深い反省】との表現が加わり、過去を顧みる大切さを強調。ことしは「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」と戦後日本の歩みを振り返りつつ、日本の繁栄を支えてきた平和がこんごも途切れることがないよう、象徴天皇としての強い願いがこめられた内容となった。

 終戦記念日のきょう、戦後70年の2015年から3年間、中日新聞1面で連載がつづいた【平和の俳句】コーナーが1日限定で復活。全国から寄せられた7349句のなかから選ばれた名古屋市萩山中2年、高木勇吹さん(14歳)の作品【僕たちと「普通」が違う少年兵】が1面で「名古屋の中2銃持つ姿を詠む」「何げない日常の大切さ気付いた」の見出し入りで紹介された。

 織田・徳川連合軍と武田軍が激突した長篠・設楽原の戦い(1575年)の戦死者を供養する盆行事「火おんどり」(愛知県無形民俗文化財)が15日夜、新城市竹広の信玄塚一帯で行われた。
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 雨が降ったりやんだり、やわらかな風も時折吹きぬける1日だ。暑さもだいぶやわらいできたようだ。
 夜。NHKスペシャル「ノモンハン 責任なき戦い」を見る。1939年に日本の関東軍とソ連軍がハルハ河をはさんで戦った悲劇は、戦争がいかにむごたらしく人の心までをも蝕み醜くするか、を物語るものだった。
 戦争許すまじ、である。
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 日本文学研究者のロバート・キャンベル東京大学名誉教授(60)が14日、共同通信の取材に応じ、自身が同性愛者であることを公表。

「ぼく、ここ! ここだよ」
 山口県周防大島町に母親と帰省し12日午前から行方が分からなくなっていた同県防府市の藤本理稀ちゃん(2つ)が15日午前6時半ごろ、不明になった場所近くの山のなかの曽祖父宅から約560㍍離れた沢周辺でボランティアで捜していた尾畠春夫さん(78歳)に発見され、無事保護された。

8月14日
 カンカン照りの熱射にもめげず、たくましく花ひらいた向日葵=畑「エデンの東」にて
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 岐阜県郡上市八幡町の国重要無形民俗文化財「郡上おどり」の徹夜おどりが13日夜、始まった。16日まで4夜、続く。世界文化遺産の合掌造り集落、岐阜県白川村の成人式が村内の合掌造り民家園で14日あり、男女24人が社会人としての決意を新たに。
 天皇、皇后両陛下が西日本豪雨で被災した広島、岡山、愛媛の3県へ9月中旬にお見舞い訪問をされるという。
 
 翁長雄志沖縄県知事の死去に伴う県知事選。この知事選に宜野湾市の佐喜真淳市長(54)が正式に立候補することを市役所で表明。
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 午前中、舞を伴って江南厚生病院へ。
 私は、ことし1月9日に愛知県がんセンターで当初、肺がんを疑われた右肺を手術し、直径3㌢ほどあった肺化膿症のイガグリ型病巣部分をリンパ管とともに除去、同時に右肺の3分の1を切除された。
 その後、1月22日に退院後は2月2、6日、3月9、20日、4月24日、5月22日、6月1、19日、7月17日と術後の検査を受けてきたが幸い、順調に回復(2月2日、3月9日、6月1日は、がんセンター。他は江南厚生病院)。
 きょうの検査結果も血液検査、胸のレントゲン撮影ともに全く異常なしで心配ありません―とのことで「毎食後に2錠ずつの薬(抗生剤のアモキシシリンカプセル)も半年間飲み続けられたので、まず再発することはないと思います」とのことで、薬からもやっと開放され、手術後の呪縛からも解き放たれることになった(とはいえ、万全を期して3カ月後の11月に受診)。

 これまでの闘病生活は、ぶ厚いノート10冊以上に微に入り細に入り書き綴ってある。いずれ機会があれば、その具体的な内容を克明にドキュメントとして描き出せれば、と思う。現代医学の土俵ともいえる医療現場の実相についても、である。聴診器ひとつ当てず、パソコンの前に座り、ただデータだけに頼る医療現場には、たとえ現実がそのように変わってしまったとしても、どこか危うさと、もどかしさを覚えてしまう。「手当て」という言葉とはかけ離れた世界には、正直言って不安はむろん、物足りなさすら感じる。

 というわけで今日は舞も病院まで付き添ってくれ、嬉しく思っている。
「特に問題はありません。肺も順調で、手術したとは思われないほど回復していますよ」。映像を前にしての担当医の言葉には、舞もホッとした様子だった。
 帰りに、急に何を思い出したのか。またしても「畑に寄ってほしい。向日葵の写真だけでいいので撮って」というので足を伸ばして要望にこたえる。「なんで、そんなにもヒマワリに拘るのだ」と言うと「向日葵は、あなたのお母さんなの。とっても、たくましい。だからなのよ」ときた。
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 12日に開幕した徳島の「阿波おどり」。1000人以上が一斉に踊る総踊りを、市を中心とする実行委員会が中止したことに反発し13日夜には有力踊り手団体が演舞場近くの道路で独自に決行、旧主催者の赤字問題で揺れる阿波踊りが、運営方法を巡って市と踊り手団体が激しく対立する異例の事態となっている。阿波踊りは15日まで。
 イタリア北部のジェノバで14日正午、巨大なコンクリートの塊からなる高速道路の高架橋が100㍍にわたって突然崩落。少なくともこどもを含む35人が死亡、14人が負傷した。死傷者はさらに増えそうだという。

8月13日
 真夏の夜空を彩るペルセウス座流星群が13日未明、出現のピークに。

 お盆である。
 朝早く起き、舞の両親が眠る古知野霊苑、次いで私の父が眠る和田霊苑の順にお墓参り。紫のリンドウや赤いほおづきを墓前に供え、手を合わせた。ふと気付いたことは墓石のてっぺんとお供え台の上にそれぞれこぶし大の透明な、涼しそうな氷が乗せられたことか。

 父は聖地で何を思い、眠っているのか=和田霊苑にて
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 ことしは例年にない暑さ続きなので舞は氷を用意し、故人の霊を弔ったが、氷のお供えものは私の記憶の範囲内では初めてである。それだけ、ことしの夏は暑い日が続き、熱中症患者も全国的に相次いだ証拠といっていい。和田霊苑では一緒に沖縄戦で命を落とした私の母の弟、すなわち叔父の墓にも花と氷を供え「二度と戦争が起きませんように」とお祈りをした。

 墓参のあとは、和田の実家へ。
 兄夫婦と妹夫婦、私と舞で98歳の母を囲み、お姉さんが用意してくれたお寿司を食べながら昔を振り返り、みんなで楽しいひとときを過ごした。帰り。舞は案の定、畑〈エデンの東〉に行きたいと言うので少しだけ寄り、茄子を4個だけ、もぎ取って帰った。
 畑にはここ2週間ほどは足を運んでいなかっただけに草がだいぶ伸びてきていた。
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 高円宮家の三女絢子さま(27)と日本郵船に勤務する守谷慧さん(32)の結納に当たる「納采の儀」がきのう12日に東京・元赤坂の高円宮亭であり、婚約が正式決定。結婚式は10月29日に明治神宮で行われる。

 12日夜、大阪府警富田林署から住所不定、無職樋田淳也容疑者(30)が逃走。容疑者は8日に強制性交未遂容疑で再逮捕されたばかりで弁護士と接見後、接見室の面会者と隔てるアクリル板を押し破って逃走。署は接見室ドアのブザーの電池も抜いていたという。ぬかっている、とはこのことを言う。
 名古屋緑署は12日、知人の無職女性(39)から貸付金の返済名目で金を脅し取ろうとした―として名古屋市瑞穂区長の金田利之容疑者(60)を恐喝未遂の疑いで逮捕。

8月12日
 昼過ぎ。
 文學界8月号掲載の西村賢太の「雨滴は続く――連載 第十八回――」を読み終え、ひと息着いたところで、先日訪れた能登の七尾でビデオ収録した純朴というか、素朴きわまると言ってもいい「御祓川」の歌(森山外志夫作詞、八木繁作曲)と踊りを、捨てがたく思ったので久しぶりにユーチューブにアップしてみた=パソコンかスマホで〈能登七尾に「御祓川」の歌誕生〉で検索すると、歌と映像が出て来ます。
 
 よくよく考えてみると、だいぶ疲れはしたものの、先日久しぶりに舞と能登の七尾に出向いたのも、その街の1本杉通りを歩き七尾湾を遊覧するなどしたのも、何もかもがことし1月の胸を切り開いた手術後、東京行きをのぞいては私にとって最初の初陣といおうか、遠征での所業となった。
「御祓川がきれいになったそうよ。行ってみたいの」と病弱でありながら、なおかつリサイクルショップを営み一線で働く舞の願いは、彼女のなかに夫である私をいよいよ本気で動かそうとしてみたい気持ちがあったからかもしれない。デ、私とていつまでも病み上がりでいるわけにはいかないのである。
 そして。舞の術中に落ちた私は七尾の宿「さたみや」さんでお世話になってアレヤコレヤと頭を巡らせ、古里にでも帰ってきたような気持ちになり、新たな小説を本気で書く気になった。「まだまだ若い。老け込んでいるわけにはいかない。これからは、無理はしないで。かといって、閉じこもることもなく行きたいところには積極的に出向き、私でしか書けないものを後の世に残していこう」と真剣に思いもしたのである。

 午後3時過ぎ。天が破けたかと思うほどの雷鳴と稲光が頭上に響いた。いったい何事、と思いきや、こんどはバリバリバリィ、バリ、バリッと凄まじい音が空から降ってきた。思わず、身をかがめて窓の外の上空に目をやる。
「あぁ~。雨が降らないじゃないの。結局は音だけだよ。音だけなのだから」との舞の声が聞こえたのか。こんどは大粒の雨が大きな音をたてて屋根を突き抜かんばかりに降ってきた。まもなく5時だが怒った空は、まだ飽き足りないのだろう。いまなお、ドーンピシャ、ゴロゴロゴロと、ウオ―ッといった具合に攻め立ててくる。
――とこんなわけで午後4時を過ぎたら、お墓参りにいく予定が大幅に狂ってしまった。しばらくすれば、止むだろう。そしてやんだら2人で出かけようと思っていたが、結局のところ「きょうはやめ。あすの午前中に」ということになった。
 自然の脅威には日常生活さえもが勝てない。
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 それはそうと33年前のきょう。私は新聞社の一線で小牧担当の航空記者、空飛ぶ記者として夕刻から名古屋空港の各エアライン運行課や運輸省名古屋空港事務所、空港内の西枇杷島署空港警備派出所などをいつものとおり回っていたが、そのさなかに各エアライン運行課が異常なほどに色めき立ち、現場スタッフが総立ちになる場面に出くわした。午後6時56分。520人の犠牲者を出した日航ジャンボが群馬県上野村の御巣鷹山に墜落した瞬間で、私はその後、空港内を飛び回り確認後に「何かが起きたらしい」と本社社会部デスクに連絡。
 その足でこんどは空港敷地内の社の航空部に行くなど、その晩はとうとう一睡もしないまま翌13日早朝、双発ジェット「はやたか2世」でパイロットと整備士、カメラマンと共に現場上空へ。空からのルポ第1報を送ったが、まさにあの日、あの瞬間、現場上空に一番乗りした時のことを忘れることは出来ない。
 当時3男坊が生まれる直前でもあったが、それからしばらくは空からの関連取材に連日追われており、それどころではない。それでも4日後に当時の小牧市民病院長から「いがみさん、ご出産おめでとう。男の子でした。奥さまともども元気ですよ。心配ありません」と電話越しに伝えられた時の、あの嬉しさといったら忘れられない。
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 夜。NHKスペシャル「〝駅の子〟の闘い―語り始めた戦争孤児―」を見る。餓死・盗み・友だちの自殺…には、当時の世相も併せ、胸が傷んだ。〝駅の子〟として地下道で過ごしたことがある女性は「地下道で寝泊まりしていたことは今は亡き夫にも生存中は、ただのひと言も話せませんでした」と告白。
 なんたる世の中。戦争はやはり、全ての生活を破壊してしまう。許せない。

8月11日
 きょうも暑い1日で、外からは蝉しぐれの大合唱が聞こえてくる。この世は不思議だ。夏になったり、冬になったり、春がきたり、秋がきたりする。
 7月の豪雨災害で1部不通となっていたJR高山線の飛騨金山―下呂間が復旧。名古屋方面から観光客が利用する特急「ワイドビューひだ」が約1カ月ぶりに運転を再開した。

 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設に反対する「県民大会」が11日那覇市で開かれ、7万人(主催者発表)が参加、移設を断念するよう日米両政府に要求する決議を採択した。
 謝花喜一郎副知事が挨拶で「翁長知事が命を削って建設反対を貫こうとした姿勢は後世まで語り継がれる」と弔意を表明。翁長氏が打ち出した辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回方針を継承する考えを示し、翁長氏の次男で那覇市議の雄治さん(31)も療養中の父について「どうすれば基地建設を止められるのか。そればかりを思い、病室のベッドのうえで資料を読み漁っていた」と語った。
 この日、壇上最前列中央の椅子には、亡き翁長さんがかぶる予定だったドラゴンズブルー、辺野古ブルーの青い帽子が置かれ「知事はいま私たちとここにいます」の司会者の声に拍手と指笛が空高く響き、舞い上がった。
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 能登七尾で撮った写真とビデオを念のため、七尾の友にメール送信。ビデオは容量(メモリー)が重すぎ、なかなか思うに任せなかったが、アレヤコレヤとやってみるうち、やっとこせ、送ることが出来た。ビデオとは別に、あらためて写真を見ると、ニッポンイチ大きいデカ山で知られる仙対橋たもとの御祓川の夜景は我ながら、アングルもよくて情緒がある。
 七尾に久しぶりに行ってきたこともあり、七尾出身の私小説作家藤沢清蔵(故人)を今もって、こよなく慕ってやまない苦役作家西村賢太さん=私は、この作家をあえて〝苦役作家〟の貫多と一方的に呼んでいる=が文學界で連載中の【雨滴は続く】を読み返してみる。
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 夏の甲子園。初出場の白山(三重)は2回戦第4試合で愛工大名電(西愛知)に10―0で負けた。片や、プロ野球セ・リーグ。5連敗のあと、やっと勝てたのに。きょうはヤクルトに8―7で惜しくも負けた。残念無念、とはこのことか。こんごに期待しよう。
 11日朝。滋賀県草津市の農業用排水路と近くの川の左岸のり面に胴体や下半身の切断遺体。滋賀県警はバラバラ殺人と死体遺棄容疑で捜査を始めた。同じ日の朝、兵庫県加古川市の権現ダム湖でも「人が浮いている」と110番。加古川署の調べで、透明の衣装ケースに入った20代くらいの女性の遺体を発見。死体遺棄事件と断定し、署内に捜査本部を設けた。
 相変わらず、日本は血なまぐさい事件が多い。

8月10日
 金曜日。お盆を海外で過ごす人たちの出国ラッシュが、愛知県常滑市の中部国際空港で始まり、国際線出発ロビーは家族連れらで混雑。一方で、この世の中、日々何かが起き、人々を悲しませる。

 群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が午前10時過ぎ、飛行中に消息を絶ち午後2時45分ごろ中之条町の山中に墜落しているところを発見された。まもなく機体の残骸の周辺で8人が発見され、うち2人が病院に運ばれ、死亡が確認された。
 ヘリには県防災航空隊の4人と吾妻消防隊員5人の計9人が搭乗。山の日の11日に開通する群馬、長野県境の稜線を結ぶ登山道「トレイルルート」を上空から確認するため10日午前9時15分に前橋市内のヘリポートを離陸、10時45分には帰ってくる予定だったという(その後、翌11日になって9人全員の死亡を確認)。
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 5連勝したと思ったら5連敗でぬか喜びになったプロ野球セ・リーグの中日ドラゴンズ。
 このところ私あてに届いた旧知のドラゴンズファンからのメールをチェックしていると案の定、北海道のドラキチファン會川貞子さんから次のようなメールが矢継ぎ早に私のもとに届いていた。
「こんばんは。ナゴヤドームの巨人に連敗して、マツダスタジアムの広島に3連敗して残り43試合で16ゲーム差か? 北海道(本別町)は8月9日は最高気温が20度と久しぶりに雨が降って、農家は恵みの雨でした。……松井珠理奈はどうですか? 体調不良が長くないですか? 中日ドラゴンズと同じようですね?」(10日0:08)
「おはようございます。もう堪忍袋の緒が切れました。何回も失敗している投手を使っている? 大野奨太や堂上直倫を使え。ガルシアの時しか勝ち試合は期待出来ない。ことしは阪神を応援します。広島、阪神、ヤクルトにクライマックス進出してもらいます。巨人だけは絶対に応援しません」(8月10日9:18) 
 北海道の會川貞子さんから。またしても怒り心頭の内容だ。

 とそんなわけで「どうせ、また負けか」と思っていたら、なんと。今夜ナゴヤドームであった対ヤクルト戦では吉見一起投手(33)が投打にわたる活躍を見せ3―0で勝ったのである。それも、打っては4回に先制の左前適時打、投げては三塁を踏ませぬ無四球、3安打の好投で2012年8月8日の広島戦(ナゴヤドーム)いらいとなる6年ぶりの完封勝利で、チームの連敗を5でやっと止めた。
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 自民党の石破茂元幹事長が10日夕、国会内で記者会見。9月の当総裁選への立候補を正式表明した。「政治が国民に誠実で、謙虚で、正直に真実を語る姿勢が大切だ」と石破氏。当然のことだ。

8月9日
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(いずれもNHK画面から)

 少年と少女らは歌い、体験者は語り、みんなで頭を垂れて祈り続ける。長崎は9日、先の6日の広島に続き73年目の朝を迎えた。
 千羽鶴に一途な平和への願いをこめて。
 ――祈り、歌い、誓い。そして呼びかける。「原爆はいや 戦争なんて もうこりごりだよ」と。恒久平和を願い、生存者の語りを聞き永遠の人類の惨禍としてノートに記録する若い女性まで現れた。
 長崎も、広島も決して死にはしない。生き続ける。アメリカも。ロシアも。イギリスも。フランス。中国。北朝鮮だって。世界はひとつだ。核廃絶をめざして手と手をつないでいかなければ。(伊神権太)

 長崎は昭和20年8月9日午前11時2分の原爆投下による被爆から73年がたった。
 長崎市の平和公園ではこの日、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれ、原爆投下時刻の11時2分、参列した市民ら全員が黙とう。田上富久長崎市長は平和宣言で核兵器保有国とその同盟・友好国に「核にたよらぬ安全保障政策を」と促し、日本政府に唯一の被爆国として核兵器禁止条約に賛同し道義的責任を果たすよう強く求めた。    
 ことしはアントニオ・グテーレス国連事務総長(ポルトガル元首相)が現職事務総長としては初めて参列。長崎の子らと折り鶴を一緒に折ったあと、式典で「核廃絶は国連の最優先課題で、長崎から全ての国に、目に見える進展を求める。核保有国には特別な責任がある」「長崎を核の惨禍で苦しんだ地球上最後の場所にしよう」と呼びかけた。

 以下、長崎平和宣言の骨子と式典の主な場面のドキュメント(いずれもNHK総合の中継画面から)
【長崎平和宣言骨子】
 ▼73年前、長崎は無残な姿に変わり果てた。原爆は人間の尊厳を容赦なく奪う残酷な兵器だ▼核兵器保有国と核の傘に依存する国の指導者は、核に頼らぬ安全保障に転換を▼世界の人々は核兵器禁止条約の早期発効へ、自国の政府と国会に署名批准を求めて。日本は、条約に賛同し非核化を導く道義的責任を果たせ▼板門店宣言や米朝首脳会談を起点に、後戻りのない非核化に期待▼「戦争をしない」との憲法の思いを次世代に継承することが必要▼原発事故からの復興に努力する福島の皆さんを応援する(9日付中日新聞夕刊から)
【式典】
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 午前中、暑さのなか、社交ダンスのレッスンに出向く。2級のチャチャチャ、1級のワルツと繰り返し学ぶ。ハードではあるが踊るにつれ、開胸手術後の体調が少しずつよくなってきていることは確かだ。きょうは先生の指導もあって、どこまでも〈ご一緒に〉の気持ちを忘れないで繰り返しステップを踏んだ。
 それにしても暑い。熱い。外に出ると射光に全身を狙い撃ちされるような、そんな錯覚に陥る。まだまだ夏の日が続く。

 先日ひさしぶりに訪れた能登七尾で収録したビデオをパソコンに取り込み、その映像を夜、舞に見せる。さすがに〈御祓川〉の歌と踊りに食い入るように見入る姿には、行ってきて良かったナとあらためて思う。舞はやはり。能登が好きなのだ。
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 台風13号は9日、房総半島の東から東北の太平洋側に進んだ。こんごは偏西風の影響もあって進路を東寄りに変え、日本列島から遠ざかる見通しだという。
 沖縄県出身の歌手安室奈美恵さん(ことし5月に沖縄県県民栄誉賞を受賞)が翁長雄志知事死去に対して自らの公式サイトで「突然の訃報に大変驚いています。今思えば(私が県民栄誉賞の授賞式で面会した)あの時も体調が優れなかったにもかかわらず、私を気遣ってくださり、やさしく言葉をかけてくださいました」「沖縄の事を考え、沖縄のために尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております」とコメントを寄せた。
 日本大応援リーダー部(チアリーディング部)の女子部員が9日、女性監督から暴言などのパワハラを受けたとする声明を代理人弁護士を通じて公表。

 名古屋の河村たかし市長が乗った公用車が9日午後、中村区の市道で赤信号を無視、男性運転手(58)が道交法違反の反則切符を交付され、反則金9千円を納付。愛知県春日井保健所が食中毒患者を出し4日に営業停止処分を受けながら従わなかった、として小牧市東田中、名古屋コーチン料理店「かな和」を小牧署に告発、署が8日、店内を家宅捜索した。

8月8日
 沖縄県知事の翁長雄志(おなが・たけし)さんが膵がんで8日、浦添市内の病院で亡くなった。67歳だった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画に終始、反対し続けた執念と信念の人でもあった。
 残念で惜しい気がしてならない。おやすらかに。

 東海地方は、この日も厳しい暑さで午後1時43分に岐阜県美濃市で41・0度を、下呂市でも午後1時20分に40・5度を観測。名古屋市でも38・3度になるなど各地で35度を超える猛暑日となった。
 一方で台風13号は勢力を保ったまま千葉県勝浦市の南の海上を北上、8日夜にかけ房総半島に近づき、9日朝には水戸市付近に達する見通しだという。
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 長野県は8日、大相撲名古屋場所で初優勝を飾った関脇御嶽海関=本名大道久司、同県上松町出身=にスポーツ特別栄誉賞を贈ると発表。
 秋篠宮ご夫妻が、長女眞子さま(26歳)との婚約が内定している小室圭さん(26)と母親に対して結婚の前提として母親の金銭トラブルの解決を求めていたことが判明。ご夫妻は「このままでは『納采の儀』は行えない」との趣旨の意向も伝えたという。
 日本ボクシング連盟の不正疑惑で助成金の流用や暴力団組長との関係が批判されている山根明会長(78)が8日、大阪市内で辞任を表明。「本日をもって辞任を致します。選手の皆さまには本当に申し訳ありません」と深々と頭を下げた。

 この世は万華鏡、みようによってはいろいろ美しくも見えるのだが。そうばかりでもない。人生いろいろ、である。そのなかをニンゲンたちは笑い、泣き、悲しみながら生きてゆく。
 ちいさな幸せをさがして歩いていく。生きることはどんな人とて日々、大変なのだ。この世は地獄か極楽か―

8月7日
 立秋。秋立つ日だ。
 そう思えば、灼熱の太陽の陽射しにもどこか遠慮があり、一方で秋風さんたちの卵の如き気配が時折、一陣の〈かぜ〉となって頬にふきつけてくる。
 季節、いや自然は正直なのである。

 午前中、このところ1カ月に一度診てもらい、併せて歯の治療と掃除をして頂いている近くの歯医者さんへ、と出向く。舞はいつもどおり、朝から自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」へと出勤。
 仕事の合間をみて町の電気屋さんへ、と自転車を漕いで出かけたという。息子の部屋のクーラーを新しく取り替えてもらうためだと言い、夕方には私とは別の歯医者さんに寄って、あわただしい。

 私はわたしで新聞のチェックはじめ、パソコンに届いている夥しい量のメール確認と整理に始まり、執筆やら読書などに追われて、ふたりの1日はアッというまに過ぎ去った。
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 映画「ひとひらの雪」「マルサの女」など幅広い役で知られた俳優の津川雅彦さんが4日、心不全で亡くなった。78歳だった。
 日本ボクシング連盟が7日、助成金の流用や暴力団組長との関係を認めている山根明会長(78)への批判を受け、大阪市内で緊急理事会を開催。山根会長は理事会終了後、自身の去就について理事会から一任されたことを明らかにし、8日正午に表明する考えを明らかにした。

 台風13号はこの日も伊豆諸島南海上での北上を続けた。こんごは勢力を維持しながら8日夜から9日明け方にかけ関東地方に接近、上陸する恐れもある。

8月6日
 夏夕焼原爆ドーム燃えるがに
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 広島が被爆から73年の「原爆の日」を迎え、平和記念公園で「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。広島の平和記念式典には数年前、大の「広島ファン」でもある舞の提案もあって彼女が知人に呼びかけ用意した千羽鶴を手にして訪れたことがあるので、式典の模様は身に迫って感じられた。
 ノーモア戦争である。痛ましい殺し合いなぞ、この先絶対にしてはならぬ。
 戦後73年になることしは【平成最後の夏】になるだけに、感慨深い。
 
 西日本豪雨の被災地は発生から1カ月を迎えた。被災地での死者は225人、行方不明者はなお11人に及ぶ。
 この日の日本列島は東海地方を中心に気温がぐんぐん上昇。全国1の暑さとなった岐阜県下呂市では午後2時2分に観測史上で国内2位タイの41・0度を観測。41度台に達したのは埼玉県熊谷市で国内最高記録となる41・1度を観測した7月23日いらいのことだ。
 6日の最高気温は、ほかに岐阜県多治見市で40・4度、美濃市で40・3度、名古屋市で39・4度、三重県桑名市や長野県飯田市で38・4度、大津市で36・0度、福井市で33・8度だった。
 一方で、台風13号が発達しながら小笠原近海を北上している。

 夏の甲子園は大会第2日目の6日、一回戦の旭川大高(北北海道)―佐久長聖(長野)で春夏を通じて初のタイブレークが適用された。延長12回を終えても4―4と決着がつかないため、13回から無死1、2塁の状態で攻撃を開始したところ、先攻の佐久長聖が14回に1点を奪い、5―4で競り勝った。

――きょうは、ここいらで。みなさま、暑さにはくれぐれもお気をつけてください。

平成30年8月4、5日
 能登の海鳥が私と舞を歓迎してくれた(8月5日。七尾湾にて)
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 能登の里山はどこまでも透きとおり、清らかで美しかった(8月4日。JR能登かがり火5号車窓から写す)
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【4日】
 4、5日とかつて7年の長きにわたり、家族もろとも新聞社の地方記者生活を過ごした能登の七尾に相棒に連れられて行ってきた。
 JR名古屋駅を出発。「しらさぎ7号」と「能登かがり火5号」を乗り継いで午後4時前に七尾に到着。七尾駅にはわざわざ宿のご主人、佐田味良章さん=佐田味さんをはじめとする当時の七尾JC(青年会議所)メンバーの方々には30年ほど前の「海の詩(うた)」大賞公募に当たって大変、お世話になった=が車で出迎えてくださり、「駅からすぐそばなのに」とここでまず感激した。
 
 ほどなくして私と舞は御祓川河畔近くに立つ純和風旅館「さたみや」さん=七尾市大手町=に到着。
 ここで旅装を解いたあとは、宿まで訪ねてくださった舞が属する短歌会「澪(れい)」代表の山崎国枝子さんと、私たちの部屋【朱鷺】で互いに来し短歌道(たんかみち)につき、心ゆくまで歓談とあいなった(とはいっても、私は会話の聞き役。七尾在任時は短歌会「凍原」主宰で石川県歌人協会会長だった松谷繁次さん(故人)も交え、当時「澪」の前身だった「凍原」会員の国枝子さんとは、七尾銀座の居酒屋〈知床〉でよく飲み議論を重ねたものである。気がつくと、舞は知らぬ間に「凍原」会員になっていた)。
 そればかりか、国枝子さんの帰り際には、たまたま玄関先に佐田味さんのお母さまがひょっこり顔を見せられ「国枝子さんは、先生なの。わたくし、いつも短歌でお世話になっているのですよ。ところであなたが、あの舞さんなの。伊神舞子さんって。あなたですか。作品はよく詠ませていただいてますよ」と思ってもいないお言葉。
 聞けば、佐田味さんのお母さんは、地元の香島津短歌会同人で92歳の今もなお、日々歌詠みに励んでおられ、この地方ではチョット知られた歌人だとのこと。気品のある、やさしさに満ち溢れたとても美しいお方だった(私たちは翌朝、あらためて挨拶をと思ったが「きょうは午前4時に起きて小松に行かれたそうです」とのことだった。いやはや、たくましいとはこのお母さんのことを言うに違いない)。

「舞ちゃん、あたしイ。84歳なったんよ。そんでも、なんやらしらんけど。毎日が忙しいてな。だちかんたら、ありゃせんわいね」となごやかに語り合う国枝子さん(左)と舞
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「さたみや」さんでひと息ついたところで、ふたりで歩いて宿を出て今度の旅の舞の目的のひとつでもある【御祓川の清き川の流れ】を見ながら、能登食祭市場(七尾フィッシャーマンズワーフ)へと向かった。
 今回は相棒の突然の希望に私が付き添い役というか。護衛を兼ねての、いわばふたりだけのお忍びの旅ではあるのだが。とはいっても、同じ川沿いの生駒町に立派なる家を構え、在任時にはたいそうお世話になった今は亡き販売店の女傑店主笹谷輝子さん宅を、そのまま知らんぷりをして通り過ぎるわけには、とてもいかない。
 このことは舞も分かっている。デ、そのテルさんの息子である憲彦さん夫妻宅に突然の訪問者として顔を見せる。ノリさん夫妻は運良くご在宅で、しばしテルさんの思い出話や互いの近況につき楽しく語り合ったのである。そして。私と舞はといえば。引き続き能登食祭市場(七尾フィッシャーマンズ)へと向かった。

 七尾のフィッシャーマンズワーフに着いた私と舞は、ここの2階「加賀屋」で〝のどぐろ煮付け御膳〟と〝まごわやさしい御膳〟〝治部煮〟にビールなどで夕食をし、帰りは御祓川河畔を府中町から仙対橋のある檜物町まで歩き、ここでひと休み。このころには、既に日は落ち、真闇になってはいたが、まもなくすると舞はそのまま一本杉通りを何かに取り憑かれでもしたように正面を見据えたまま、意でも決した面持ちで歩き始めた。
 護衛の私もむろん歩いたのだが、いやはや彼女の歩き方の速いのなんの、といったらありゃしない。「おまえ、心臓は大丈夫か。あまり無理するなよ。心臓への負荷検査、トレッドミルでは歩けなかったのに。そんなに速く歩けただなんて。とても信じられないよ」と言うが、舞はこれには何もこたえず、はなから彼女はあるき続けたのである。
 やれやれ、走るようにして歩いて追っかける私の身にもなってほしい。とまれ、夜の一本杉通りはあのころと同じようにひそ、と町全体が静まりかえっており道の両側に煌めく明かりが増えただけ。やはり、おっとろしいほどまでに静まり返っていた。

 夜の帷が下りた一本杉通りを歩く舞
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 一体全体、この街のどこから。昼になると、あれほど多くの人たちが能登弁を口にたくわえでもする如く見えざるエネルギーとなって出てくるのか。そこが分からないが、この風情というか。町の顔そのものは昔も今も何ら変わらない。
 舞は私たちが、かつて住んでいた一本杉通りの魚町(一般には〝いおまち〟と言っているのだが。正しくは確か、〝ようまち〟と言ったはずだ)のわくうら印刷前まで来ると、しばらくそのまま立ち止まったかと思うと、今度は踵を返して仙対橋のある檜物町まで戻り始めた。
 途中、菓子屋の花月さんはじめ、しらい昆布店、高沢蝋燭、花嫁のれん、和倉屋金物、キノシタ靴店、御祓公民館、小丸山公園に通じる小路の数々(花嫁のれんは当時なかった)など。大半が昔のままの佇まいには、なぜか熱いものがこみあげてきもしたのである。

 仙対橋まで戻った私と舞は御祓川大通り左岸で開かれている【御祓川まつり】の会場へと歩を進めた。この御祓川まつりは、私たちがいたころにはなく、ことし15回目だという。会場で主催者から渡され、手にしたチラシには〈能登の夏越しに和がゆらぐ〉といった歌い文句に「御祓川まつりは、川に本来の清流を呼び戻すという思いから、川と人との関係づくり、市民への清流啓蒙運動、自然への畏敬、アートと賑わい空間の場の提供を目的に始まりました」とあったが、よいことだと思う。
 とまれ、私と舞はステージ前の椅子に座り、15周年記念でことし川の浄化を願って誕生した「御祓川の歌(作詞・森山外志夫さん、作曲・八木繁さん)」の地元コーラスユニット(VOX OF JOY)メンバーらによる熱唱と地元民も参加しての踊りをじっくり鑑賞させていただいたのである。この日、川面には美化の願いを込めた灯籠も流されていた。

 ♪御祓川に何想い 御祓川よ何処へいく……、「御祓川」を披露する地元コーラスユニットメンバーら、川面では灯篭流しも。仙対橋たもとにて。
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 北海道を訪問中の天皇、皇后両陛下が4日、利尻島を初めて訪問され、ウニの養殖施設などを見学された。
 中日新聞の4日付夕刊によれば、経済協力開発機構(OECD)が「世界でプラスチックごみの発生量が増え続けて年間3億㌧を超え、環境中に流出して観光や漁業にもたらす悪影響などの損害は年間130億㌦(1兆4000億円)に上る、との報告書をまとめた。プラスチックごみは1部が焼却やリサイクルに回るが、投棄や埋め立てで環境中にたまる量も増えており、2050年には120億㌧に達すると予測されているという。
 3日付米紙ニューヨーク・タイムズによれば、代表作「老人と海」で知られる米作家アーネスト・ヘミングウェーが第2次世界大戦中にナチスから解放されたパリを舞台に書き下ろした未発表作品が米誌ストライド・マガジン最新号に掲載。

【5日】
 翌日。宿で朝食をとった私と舞は、ニッポンイチのデカ山3両が集結する印鑰(いんにゃく)さん=印鑰神社=の境内経由で再び、七尾のフィッシャーマンズワーフへと歩を進めた。そして。たまたま、10時半発の七尾湾のカモメとふれあいクルージングに滑り込みセーフ。それも満席だった1便前とは違い、私たちだけの貸し切り遊覧船に運良く乗船することができ、湾内では人懐こいカモメたちに用意された餌を投げ与え、有意義な時間を過ごすことが出来たのである。
 七尾湾遊覧のあとは七尾フィッシャーマンズワーフ内のモントレーホールなどを見て歩いて一巡。あの激しかった七尾JCメンバーを中心とした【港の町づくり運動】に思いをはせたのである。が、全てが遠い日となった。

 モントレーホールでは、こんなパネルも展示されていた
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 能登の海鳥たちは、やはり人懐こかった
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 最後に。
 カモメたちは、まるで私たちを出迎えるかのようだった。海上をスイスイと飛び、どこまでも遊覧船を追い続けてきた。そして。餌を投げると、そのつど低空飛行をして何度も何度もくちばしでかっさらい、空高く舞い上がるのだった。
 私はそんなカモメたちを目の前に在任中、何度も歌った〈能登の海鳥〉を思い出し、♪かわいがられた思い出だけを 抱いて別れる七尾の港 能登の海鳥泣かずにおくれ…、と口ずさみ、両の目から大粒の涙がこぼれ落ちてくるのを禁じることが出来なかった。
 本当に、あの日々には私も、舞だって。こどもたちも。人には言えない多くのことがあった。
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 名古屋の最高気温はこの日、39・9度に。第百回全国高校野球選手権大会が5日、甲子園球場で開幕、史上最多の代表56校による熱戦が始まった。近江(滋賀)の中尾雄斗主将が「記念すべき年に野球ができることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる最も熱い、本気の夏にすることを誓います」と選手宣誓。第一試合の藤蔭(大分)―星稜(石川)では、星稜OBの松井秀喜さんが始球式に登場。
 バドミントン男子の桃田賢斗(NTT東日本)が5日、南京で行われた世界選手権のシングルス決勝で石宇奇(中国)に2―0で圧勝。五輪、世界選手権を通じて日本男子で初の金メダルを獲得。桃田は違法賭博による出場停止処分でリオデジャネイロ五輪に出られなかったエースだけに、3年ぶりに出場した大舞台での快挙達成が話題に。

8月3日
 夏空へ王ライオンの咆哮
 =伊神舞子〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 安城七夕まつりが愛知県安城市のJR安城駅前の商店街で始まり、大小の竹飾りが真夏の街に彩りを添えている。三重県菰野町の御在所岳ロープウエイ。ここでは午前10時55分ごろに停電が発生、ゴンドラの乗客約50人が40分間宙づりになり一時はヒヤリとさせられたが、停電はまもなく復旧し、ゴンドラは安全点検をしたあと11時37分に運行を再開した。
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 日本列島はきょうも高気圧に覆われて気温が上昇、名古屋市ではこれまでの最高気温(昭和17年、1942年8月2日39・9度を記録)を上回る、1890(明治23)年の観測開始以降最高の40・3度を記録。岐阜県美濃市と並んでこの日、全国で最も暑い日となった。
 岐阜県多治見市39・9度、三重県桑名市39・8度、岐阜市と京都市が38・9度、三重県津市で38・1度、滋賀県大津市でも37・6度をそれぞれ記録するなど各地で35度以上の猛暑日となった。
 夕刊報道などによれば、この夏はこんな酷暑と豪雨のダブルパンチが夏野菜や果物の生育を直撃、キャベツの価格が平年比2倍以上に。ほかにハクサイ、レタス、ホウレンソウ、ダイコンなど葉物野菜を中心に生育不足もあって仕入れ値や販売価格が高騰、家計への影響が心配されている。
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 天皇、皇后両陛下が羽田発の特別機で新千歳空港に到着、北海道入りされた。ことしは「北海道」と命名されてから150年目でその記念式典に出席されるほか、利尻島も初めて訪問される。台風13号が南鳥島近海で発生し、ゆっくりと西に進んでいる。

 あす、あさってと。かつて家族で過ごしたことがある能登半島の七尾に舞と一緒に【浦島太郎さん】になって行ってくる。デ、本欄は帰宅後に再開したく思う。

 家々に珊瑚の色の格子立つ 能登のななおの みそぎ川から
 =与謝野晶子
 そういえば、あすは御祓川まつりだけではなく、能登半島が天下に誇る【石崎奉燈祭り】の日でもあったはずだ。
 石崎といえば、黄金の右腕で知られた七尾出身の大横綱輪島大士さんのふるさとでもある。私が七尾在任時には相撲界を離れ、プロレスデビューした直後でうまくいかず苦難の日々の連続だったが、同級生と一緒に涙を流しながら「負けるものか」と奉燈を担いでまわるあの、ひたむきな姿は今も忘れはしない。
 当時、床屋さんだった、90歳を過ぎた輪島のおじいちゃんに話をお聞きしたところ、あのこはちいっちゃいころから坂道で何度も何度も荷車を引かせたものですよ―と話されていた。
 それが後の〈黄金の右腕〉を生んだのである。

8月2日
 石川県能登半島の七尾市和倉温泉で2日夜、和倉名物三尺玉で知られる【第39回北陸中日夏花火大会】があり、直径600㍍もある海上、水中三尺玉各1発も含め、計3000発が七尾湾の海上に打ち上がり立国1300年の能登の夜空を彩った。
 インターネットを通して寄付を募った和倉のPRキャラクター〈わくたまくん〉の創作花火などもあり、大勢の観客が酔いしれたという。

 和倉の夜を彩った水中三尺玉などを報じた3日付の中日新聞朝刊
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 岐阜県多治見市で40・2度、美濃市39・8度、名古屋でも39・6度と、きょうも熱い1日だった。なんでだろう、とつい叫びたくなる。

 午前中、社交ダンスのレッスンに。2級のチャチャチャに続いて、1級のワルツのステップを先生と一緒に踏んだが、先生は「スピンターンをする場合、腰に〈コマネチライン〉をつくるように少し意識して下半身を心持ち落として自然に踊ると、いい具合に行くわよ」と繰り返し教えてくれた。
 ウ~ン。言っていることは分かるのだが。なんとなくむずかしい。
 それよりも帰り道。車窓に広がる尾張平野ののどかな田園風景を目の前に「かつては、この辺りをあの戦国武将信長や愛する生駒家の吉乃、草履男の藤吉郎(後の太閤秀吉)が木曽の流れを支えに生き続けた蜂須賀小六や前野将右衛門、草井長兵衛ら川並衆とともに飛び回っていたのだ」と自らに言い聞かせ、同時に妙に感慨を新たにもした。

 のどかな尾張の風景。向こう側に五条川の桜並木が見える
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 帰宅後は、能登を代表する歌人で短歌雑誌「澪(れい)」の主宰でもある山崎国枝子さん(七尾市在住)から舞あてに送られてきた書状に【ふるさとの御祓川 歌に 緩やかな流れを表現 七尾で来月4日 まつりで披露】(7月23日付)の新聞記事が同封されていたので、その歌の曲というか、調べを知りたくてネットであれこれ検索してみたが、歌っているそれらしき映像と音声にはとうとう辿り着けなかった。
 4日の第15回御祓川まつり当日に初披露されるというのだから、検索出来なくても不思議でない。いずれにせよ、楽しみなことである。

 山崎国枝子さんからの書状に入っていた〈御祓川まつり〉の開催を伝える新聞記事
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 夜。NHKテレビの「大迫力! 長岡の大花火」の信濃川河川敷での生中継。これには、かつては七尾湾での和倉温泉北中花火を前に真冬に和倉温泉の首脳陣とともに長岡にまで出かけ、3尺玉の発注など準備を重ねた体験もあるだけに、目はテレビ画面に釘付けに。
 懐かしさを通り越し、愛しさをさえ感じたのである。
 スターマインに尺玉、ナイヤガラ、仕掛け、5、6号玉の集中打ち上げ、そして長岡名物の3尺玉の連射は依然、健全であった。ただ、私に言わせれば、【蝶の舞】などを大空にくっきり描き出して浮かぶ芸術花火となると、あるのかないのか。創作花火も売り物の中日和倉花火に比べたら今ひとつ物足りない気がしないでもなかった。

 2日夜、NHK総合で中継された〈大迫力! 長岡の花火〉のひとこま
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 それと今ひとつ。3尺玉花火の生みの親でロサンゼルスオリンピックの際、日本花火の演出をされたことでも知られるあの嘉瀬煙火の社長さん、嘉瀬誠次さんが画面に登場することはついぞなく少しさびしい気もした(それとも私が見落としたのか)。

 あのころ。嘉瀬さんには和倉の旦那衆とともに本当に多くを教えられた。
 それだけに、今はどうしておいでなのか。もう随分ご高齢のはずだ、とも思ったりしたのである。雪深い白一色に包まれた長岡。その街の料亭で「加賀屋」社長、小田さんが唄ってみせた♪おてもやん。
 とても味があるノドで今となっては忘れられない。 
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 青森市教育委員会の審議会が同市立浪岡中2年の葛西りまさん=当時(13)=の自殺について「主要な原因はいじめだった」と〈死ね〉〈きもい〉といった暴言などをいじめと認定した最終報告書。これに対して父親の剛さん(40)は涙ながらに「娘が苦しんだ部分がリアルに記され、いじめをなくす強い意味を持っています」。
 東京医科大が医学部医学科の一般入試で女子受験者の得点を一律に減点。年度ごとに決めた係数を掛けていたことが判明。女子合格者を全体の3割前後に抑える目的があったとされるが、信じられない。

8月1日
 土用二の丑。
 水曜日。夜、舞の手料理による鰻丼を食べる。外の半のら猫ちゃんたちにも、お裾分けされ、ご相伴とあいなったという(私はその場面をあいにく見ていなかった)。
 五色の竜が若衆らに担がれ勇壮に舞う龍神火まつりで知られる岐阜県下呂市の夏の風物詩「下呂温泉まつり」が温泉街で開幕。

 プロ野球セ・リーグ。中日はナゴヤドームで阪神に8―5で勝ち、今季2度目の4連勝。松坂投手が6月8日いらいの登板で打線の援護もあって4勝目。チームも最下位を脱出した。とはいえ、ドラゴンズは常勝軍団であり続けなければ。まだまだ甘っちょろい。先月26日の全国各地のドラファンの怒り猛爆発にやっとのことで、目が覚めたのか。
 いつだって、ドラの選手たちにはもっと打って、打って、打ちまくってほしい―のはファンに共通した、永遠なる熱き願いなのである。
 J1最下位の名古屋グランパス。名古屋はユアテックスタジアム仙台で行われた仙台戦に2―1で勝ち、なんと16試合ぶりの白星をやっとつかんだ。こちらも低迷のど真ん中だ。そんなことではアカンガネとつい、言いたくもなる。情けないにもほどがある。

 きょうは8月1日。中部地方ではこの夏、最高気温が35度以上の猛暑日の日数が名古屋と岐阜で7月の月の半分を超える16日となり、記録的な暑さが続く。米カリフォルニアの山火事も熱波の影響に一向に衰える気配がない。笑ってはおれない世界的な温暖化現象もあって、地球全体が熱くなる病気に苦しんでいる。

 合間を見計らって目医者さんへ。
 眼圧、視力、視神経、視野検査ともにこの3年間は変わらず、特に問題はありません、とのことで、どこかホッとした。
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 男声の「上南戦」復活 南山大・上智大OB公演へ―とは、毎日新聞夕刊報道。ことし創立65周年を迎えた男声合唱団、上智大学グリーンクラブ(東京)と南山大学メイルクワイヤー(名古屋)のOBや現役部員ら約110人による交歓演奏会が12日、東海市の市芸術劇場で開かれる、とのホットな話題である。
 一方で。『村田引退示唆 独立Lで「集大成見せる」』との報道も。巨人を昨季限りで自由契約となり、独立リーグのルートインBCリーグ栃木でプレーしている村田修一内野手(37)が1日、栃木県小山市内で記者会見し「来年、どこかのユニホームを着て続けるのは考えにくい」と話したという。
 人生、いろいろだ。
 嬉しいことも、悲しくなることだってある。