【一匹文士 伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2019年4月1日~)】

2019年4月30日
 東京も尾張名古屋も朝から雨。北海道の札幌、函館は桜の花々、ソメイヨシノが満開に。
 平成の世とも、きょうでお別れ。
 楽しいこと、悲しいこと、辛いことなどいっぱいあった。この世に生きている以上、だれとて皆同じだろう。

 平成の天皇陛下退位のお言葉全文(5月1日付中日新聞朝刊から)と退位を報じる4月30日付夕刊紙面
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 私の場合も、老衰で亡くなった父との別れをはじめ、現役記者退役など書き尽くせないほど多くのことがあった。が、それはそれとして、東日本大震災や阪神淡路大地震、西日本豪雨に代表される多くの災害や新宿・松本サリンなど一部凶悪事件をのぞけば、平成の世は多くの方々との出会いも含め、戦争もなく幸せでいい時代だったな、と実感している。

 いずれにせよ、天皇陛下はきょう午後5時から皇居・宮殿「松の間」で行われる国事行為「退位礼正殿の儀」に臨まれ天皇として最後のおことばを述べられ、平成の世は30年と3カ月余の時代の幕を閉じる。5月1日午前零時に皇太子さまが皇位を継承され新しい時代【令和】が始まるのである。天皇の退位は江戸時代の光格天皇いらい202年ぶりで憲政史上では初めて。退位後は上皇となり、上皇后となる皇后さまと共に公務から退かれる。
 というわけで、今は日本中の人々が息をのんで来たる【令和の世】到来を、心を静かに落ち着けて静かに待っているのである(30日午後2時現在)。
        ☆        ☆

 〈昭和の日〉のきのう29日。私は、かつて住み慣れた愛知県小牧市の小牧駅前ラピオ5階のあさひホールへと足を運んだ。私にとっての空飛ぶ事件記者時代、小牧のころ以来の友人で私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間、大正琴琴伝流弦洲会の会主兼大師範・倉知弦洲として米カーネギーホールや中国・万里の長城など国内外のステージを舞台に日々、活躍する牧すすむさん演じる大正琴をどうしても聴きたくて出向いたのである。
 ♪いつでも夢を(高橋すみれ会)、をオープニングに始まった弦洲会春の宴~第三十五回記念大会~は、どのグループもそれはそれは見事だった。なかでも倉知弦洲会主が長男の次席崇さんと♪祝い酒♪霧にむせぶ夜♪そうらん渡り鳥の3曲を演じた【弦洲の世界】は大師範の演奏ならでは、で見応え充分だったのである。

 華麗であでやかな演奏が次々と披露され、観客は【弦洲の世界】には皆酔いしれた
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 私は図々しくも♪ブルーライト・ヨコハマ(なかよし)のあとに飛び入りで登壇。弦洲さん(牧すすむさん)のこれまでの苦難の道を「母子家庭の逆境のなかで育った彼は何よりも努力の人。大正琴の伝授以外にも、これまでふるさと音楽家牧すすむとして、旧尾張藩士が北海道に渡って八雲開拓に携わった〈トコタン冬物語〉はじめ、チェリッシュの〈青春の街小牧〉、都はるみの〈恋の犬山〉など数多くの曲も手がけてきた。弦洲会主がいつもふるさとを大切に思う心。こうした姿勢こそが、平和な社会につながるのです」などと彼にエールを送らせていただいた。

 そして思わぬ事件はこの直後に起きた。私は持参した愛用のハモニカで♪ふるさと、♪みかんの花咲く丘を演奏。会場にいる方々全員がハモニカの調べに合わせ一緒に歌ってくださった時には、恥ずかしくも演奏しながら涙が溢れ出た。私は演奏しながら「新しい時代も戦争のない平和な時代に」と願い、満員の観客を前にただひたすらにハモニカを吹き続けた。【令和】を前にしたこの日、地球の片隅でこんなことが行われていたのである。

 これより前の27日。私は江南市の永正寺で尾張芸術文化懇話会の仲間との懇話会に出席。参加者たちの市民参加の文化活動に対する熱心な姿勢と意欲に感慨を新たにした。【令和】が文化の香りが高い、いい時代になればイイナ、と思った。

 そして。わが家では、今ひとつ。亡き先代のシロちゃん(トンヌラ)の意思を引き継ぐ2代目シロ、すなわち虹猫オーロラ・レインボーちゃんが、このところは完全にわが家の飼い猫にまで育ったことも、ここに書き記しておこう。彼女は避妊手術も無事終わり、いまや完全に家猫なのである。
 それでもきょうは、人間社会があすから【令和】の時代になるということを敏感に察してか、午前中、雨の中を外へ。どうやら野良仲間に人間社会が【平成】から【令和】になることを猫パン親分らに知らせに行ってきたものらしい。
 人間も、猫だって皆一緒。生あるものは全てのものが新しい時代を一所懸命に生きてゆくのである。オーロラ・レインボー、すなわちわが家の虹猫は彼女なりに新元号への転換を機に、いい社会への実現を願い、思うところがあるらしい。

 幸せないい時代になりますように。私も願っています、と虹猫オーロラ・レインボーちゃん
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        ×        ×
 陸上の女子長距離の指導者で24日に肺炎で亡くなった小出義雄さんの葬儀・告別式が29日、千葉県佐倉市の斎場で営まれ、教え子で2000年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんらが旅立ちを見送った。高橋さんは弔辞で小出監督と交わした手紙にふれ、現役時代にレース前夜に指導への感謝の気持ちを手紙にしたため「小出さんの部屋のドアから忍ばせると、翌朝に返信が届いた」ことに触れ、「弱い私を根気よく指導してくださった。ありがとう」と遺影に語りかけた。
 体重無差別で争う全日本柔道選手権が29日、東京・日本武道館であり、2017年世界選手権100㌔級覇者のウルフ・アロン(了徳寺学園職)が決勝で7年ぶり2回目の優勝を目指した加藤博剛(千葉県警)に優勢勝ちし、初優勝。      

4月24日
 箱根の山は、天下の険―とは、よく言ったものである。
 きょうは水曜日。濃尾平野は朝から雨がポツリポツリと落ちている。いや、天からこらえきれないように落ちてくるのだ。
 月、火曜日と箱根に行ってきた。愛用している自慢の漆塗り横笛と古びたハモニカ、友から以前にいただいた足立美術館の横山大観の紅葉メモ用紙、東京・秋葉原で手に入れたロシア製の高度な放射線の線量計を手にして、である。
 この2日間は濃尾平野も、箱根も最高の日和に恵まれた。

 天下の険を走る箱根登山鉄道
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       ☆        ☆

 4月22日は、作家加賀乙彦さんの満90歳の誕生日。そこで有志みんなで卒寿のお祝いをしよう―ということになり、それぞれの加賀さんへの思いを胸に一泊二日で箱根に集まったというわけだ。
 ところは箱根登山鉄道の強羅駅からタクシーで10分足らずの東京・新宿区立保養所の「箱根つつじ荘」。恥ずかしながら、極寒の地・満州は奉天(現瀋陽)生まれの私にとっての箱根行は、自分でも信じられないのだが。今回が生まれて初めてのそれこそ私にとっては忘れられない〈大事件〉とあいなった。

 各地から集まってきた仲間たち。加賀さんを囲んで。食事会では話が弾んだ。加賀さんには「おめでとう」の電話も相次いだ=箱根つつじ荘にて
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 午後6時半。箱根つつじ荘の宴会場。最初に誕生祝いのハズキルーペ(拡大眼鏡)が有志を代表して作家森詠さんから加賀さんに手渡されて開宴。楽しいひとときとなったが、ハズキルーペをさっそくかけられた加賀さんは「いやあ。目の前の世界がパッと、1・5倍大きくなりましたよ。皆さん、本当にありがとう」と満足そうで贈った私たちも、真底喜んで頂けて、とても嬉しく、かつ幸せな気持ちになったのである。

 ありがとう、と礼を述べられる加賀乙彦さん
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 加賀さんはこの日、今後刊行予定の作品についてもふれられたが集まった有志仲間は皆、年を感じさせないエネルギッシュな加賀文学に新たな血を注入された、そんなひとときにもなった。90歳の大台に到達した加賀さんは「正直、これまで作家仲間はじめ、友人知人が75歳ごろから80代にかけ、次から次にと亡くなっていくのでここまで生きられるか不安に思ったことは何度かありました。でも、90歳になってみて。もしかしたら、100歳まで生きられるような。そんな気がしています。みんな、ありがとう。みなさんも頑張ってください」と話されたのである。

 そして。話は現に文壇にあって、かつて加賀さん自らも井上ひさしさんや大江健三郎さんらとともにトップとして思わぬ文壇の潮流秘事にのみこまれそうになった、そんな回顧談まで。そこは誰言うとはなく、居合わせた作家仲間の事情通から飛び出した。こうした見苦しい覇権争いは今なお、現実に存在する―と語る作家や編集者までいた。

 そして。楽しくなごやかな食事のあとは、二次会で私たちの207号室に全員が移動して参集。加賀さんを真ん中に文学のかかえる問題点はじめ、脱原発社会をめざす文学者の会・編による冊子「OFF」のこんご、さらには日本をはじめロシア、フランス、アメリカ、中国文学も含めた世界文学のありようと作家、表現者としてのたゆまぬ姿勢などについても、それこそドストエフスキーやトルストイらの作品を例にそれぞれが持論を展開。時がすぎゆくのを忘れるほどに延々と話し合いが続いた。
 二次会の席で私は持参した横笛で〈さくらさくら〉をふき、ハモニカで〈ふるさと〉をふいたが、みんな一緒に♪兎追いしかの山……、と歌ってくれた時にはチョット嬉しい気がしたのである。途中、加賀さんからは「名古屋のごんたさん。彼は肺切除や腕の肘骨折といった満身創痍の身を克服し、がんばってくれてますよ」と有り難いおことばまでいただき、なんだか少し大げさな気がして恥ずかしくもあった。森川雅美さん、野武由香里さんのように、はなむけとして渾身の自作詩を朗読する詩人もいた。

 翌日。私は、森詠夫妻はじめ山本源一さん、森川雅美さんらと加賀さんを囲んで箱根つつじ荘周辺の庭園を散策。互いの英気を養った。途中、散策道ではジゴクノカマノフタ(学名はキランソウ)やヤマツバキ、リョウブ(令法)、ハコネウツギなどが私たちを歓迎してくれたのである。滞在中、私は温泉に二度浸かったが、外湯の壁に掲げられた「ここの湯には、ありさんが遊びにきます。ありさんが遊びにきても追い払わないよう、そのままにし遊ばせてやってください」の張り紙には、どこか微笑ましいやさしさを感じもした。

 私たちを歓迎してくれた草花たち
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 帰り。私は、箱根つつじ荘から箱根登山鉄道の強羅駅まで源さん(山本源一さん)が夫妻で最近購入したばかりだ、という全て自動運転の信じられない、最新モード車の助手席に乗せてもらい送って頂いた。得難い席に乗せていただき、この世で一番進んでいる自動運転の様子を間近で見ながら、なぜか「こんな進んだ車に乗せて頂いて良いものか」と思いつつ胸がキュンとしたのも事実である。(源さんは、そのまま東京まで無事、加賀さんを送り届けたが、無事到着をメールで知った時は、ほんとにホッとした)。

 この日。帰りの箱根登山鉄道車内で私は箱根湯本から乗車されたひとりの貴婦人との間で【年寄りの原宿・巣鴨】が「最近では介護費やらなんやかんやで年金が少なくなる一方で、巣鴨にも年寄りは行けなくなってきた。もはや、年寄りの原宿ではない」現実を知らされた。その女性は八十歳で一人暮らし。「これから箱根まんじゅうと、手作りのたけのこ弁当を手に小田原に行き、ひとりで城内の藤の花でも見ながら食事をしてきます」とのことだった。
 話すうちになんだかとても気が合い、小田原で下車し別れる段になって、「あなた。新幹線のなかで食べていきなさいよ。あたしはいいから」と、箱根まんじゅうと手作り弁当の両方までを頂いてしまった。今度どこかで会いましょうよ、ということになってしまったのである。
 旅は、だから面白い。この広い、無限の宇宙の空の下できのうまで見ず知らずだった美貌のお方にひょんなことでお会いし、そのことが人生とともにドラマ化していく。
 まさに、最近流行りのVIVA・LA・VIDA!~。五木ひろしの「生きてるっていいね!」とは、このことなのか。

 不思議な謎めいた女性からいただいた手づくり弁当(帰りの新幹線車内にて)と箱根まんじゅうの看板
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 ここで加賀さんからお正月に私に届いた年賀はがきの文面をここに記録としてとどめたい。なぜなら、世界じゅうに住む加賀乙彦ファンのためになれば、それに越したことはないと思うからだ。
――今年 私の誕生日、四月二十二日に九十歳になります。まぁ何とか元気です。つぎのような私の作品刊行の予定です。
「ある若き死刑囚の生涯」筑摩書房、新作、一月中刊行。
「宣告」小学館、二月中刊行。
「芭蕉の美の世界」講談社、新作、年内刊行予定。
「永遠の都」のロシア語訳、アレキサンドル・メシェリャコフ(ロシア国立人文大学教授)ほか六名の共同訳、年内刊行予定。
「フランドルの冬」小学館、年内刊行予定。
 みなさま お元気で!
        ×        ×

 金正恩朝鮮労働党委員長が24日未明、ロシアに向け特別列車で平壌を出発。夕方にはプーチン大統領との会談が開催されるウラジオストクに到着見通し。ロシア大統領府は正恩氏とプーチン大統領はウラジオストクのルースキー島にある極東連邦大で25日に会談する、と発表した。
 2000年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんら多くのランナーを育てたマラソン指導者、小出義雄さんが24日、千葉県内の病院で死去。80歳だった。
 旧優生保護法下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で被害者への反省とおわびと一時金320万円の支給を盛り込んだ救済法が24日、参院本会議で可決、成立。 
 スリランカで起きた連続爆破テロの死者は、その後359人に。過激派組織「イスラム国」(IS)は23日、ニュースサイトを通じ「攻撃を実行したのはISの戦闘員だ」とする犯行声明を発表した。ロイター通信やAP通信によれば、警察当局は24日までに58人を拘束。シリア人が1人含まれているとの情報もあったが、ウィクラマシンハ首相は「拘束したのはスリランカ人だけだ」と否定。国内のイスラム過激派が実行したとの見方とともにテロの訓練や資金調達などで国際的な過激派組織のメンバーが関与しているとの考えも示した、という。
 中日体育賞の贈呈式が23日、名古屋の中日新聞社で行われ、フィギュアスケート男子の宇野昌磨選手(21)=トヨタ自動車、中京大、名古屋市出身=に賞状とトロフィーなどが贈られた。
 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が仮想通貨のビットコインへの投資に失敗し、1億3000万㌦(約145億円)以上の損失。ダウ・ジョーンズ通信が23日、報じた。
 将棋の第77期名人戦七番勝負の第二局が22、23の両日、山口県萩市であり、挑戦者で先手の豊島将之二冠(28)が百七手で佐藤天彦名人(31)を破り2連勝した。
 
4月22日
 月曜日。富山の砺波市でチューリップ祭りが始まった。札幌の市街地では熊が相次いで出没。

 キリスト教の復活祭(イースター)の21日、スリランカの最大都市コロンボや周辺の高級ホテル、教会など計8カ所=うち3つの教会とコロンボ中心部の3つのホテルでは21日午前10時10分(日本時間同午後1時40分)ごろ、ほぼ同時に爆発が発生=で相次いで爆発が起き、中日新聞の朝刊報道によれば、207人が死亡。450人以上が負傷しているという。
 その後の報道によれば、日本人4人もケガをし、政府関係者1人(女性)が死亡したという(22日午前8時過ぎ現在)。その後の調べで、どれも自爆とみられる。

 4年に1度の統一地方選が終了。夏の参院選前哨戦となる衆院大阪12区と沖縄3区補欠選で自民党公認候補が落選、大阪12区で日本維新の会の新人藤田文武氏(38)が、沖縄3区は野党が支援する無所属新人屋良朝博氏(56)が、それぞれ初当選。4氏が立候補した注目の長崎市長選挙は無現の田上富久氏(62)が4選を果たした。
 身近なところでは私が住む愛知県江南市議選(定数22)に前市長の堀元(ほり・もとし)さん(73)が立候補して当選。「市長時代の人脈を生かして現市長を支えたい」と語ったのが、印象的か。

 それにしても21日投開票された長野県木祖村議選(12人が立候補し10人が当選)の投票率82・39%。これでも、4年前の前回に比べ2・54%低下というが、見上げたものである。見習いたい。

 きょうから、少しの間だけ、外に。オーロラ・レインボー(2代目シロちゃん)に舞をくれぐれもよろしく、とお願いしてわが家を出発。

 「オカンはあたしに任せといて。心配ないってば」とすっかり家猫のオーロラ・レインボーちゃん。ふたりは、私の留守の間、一体何を語り合うのだろう
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4月19日
 金曜日。今宵は平成の御代、最後の満月の夜だという。とはいえど、午後10時現在に関する限り、ここ尾張名古屋の空には雲がたちこめており、満月を拝むわけにはいかない。
 今夜のナゴヤドーム。新生与田ドラゴンズがヤクルトに4―2で快勝し3連勝。首位ヤクルトに0・5ゲーム差にまで迫った。あとひと息だ。がんばれ! ドラゴンズ。

 朝早く。不燃物のゴミ収集日のためふたりで指定の場所へ。舞は、このところの体調不良と検査続きもあって、かなりフラフラ。まるで夢遊病者のようではあったが、午前7時からの立ち番(こうした時に限って大役が当たるものだ)もなんとかこなし無事帰宅し、そのままお店にでかけていった。

 陛下の退位報告は滞りなく終わった(毎日新聞から)
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 天皇、皇后両陛下が18日午前、伊勢神宮の外宮(豊受大神宮、食物の神)へ。
 30日の退位を報告する儀式「親謁の儀」に続き、午後は天照大神が祀られている内宮(皇大神宮)に参拝され、18日夜は両陛下にとっては何かと思い出が多い志摩半島・賢島の志摩観光ホテルにお泊まりになられた。両陛下の伊勢神宮参拝は、2014年3月いらい5年ぶりである。
 1990年11月に参拝された即位の報告では伝統的な装束姿だったが、この日の天皇陛下はご自身の意向もあって簡素化された黒色モーニングなどの洋装、皇后さまは白色の参拝服でのおでましに。先に陛下が乗用車で外宮の板垣南御門前に到着され、おはらいを受け正殿へと向かわれ、陛下の長女で神宮祭主を務める黒田清子さんや小松揮世久大宮司らが見守るなか、玉ぐしを捧げて拝礼された。
 皇位とともに受け継ぐ「三種の神器」のうちの剣と璽(じ)=勾玉=も陛下とともに乗用車で宿泊先の行在所(あんざいしょ)から板垣南御門まで移動。それぞれがケースに収められ、侍従二人が車から降ろして正殿での参拝に携行した。皇后さまは陛下が行在所に戻られた後、行在所から正殿に向かわれ、陛下と同様に拝礼され、「親謁の儀」は、滞りなく終わったという。

 きのうの木曜日。社交ダンスのレッスンで木曽川河畔は江南市内の公民館へ。ワルツとタンゴのそれぞれ1級を学んだが、緊張しながらもスムーズに動かすからだに少しは張りというか、艶が出てきたような。そんな気がしないでもない。特にワルツのホーラウエイ、そしてタンゴのコントラチェック、チェイスはいつものように熱心な先生の指導で何度も繰り返し学んだ。

 同じくきのうの夕方。わが家の愛猫オーロラ・レインボーちゃん(2代目シロちゃん)を連れ、舞が帰宅すると同時に愛北動物病院へ。先日の避妊手術のその後を診てもらうためだったが、レインボーには自分が手術後のからだを診てもらうことが十分わかっている(理解している)ようだった。「順調ですよ」と医師。「注射を打っておきますね。また1週間したら来てくださいね。レインボーちゃん」と彼女は注射を1本打たれた。

 避妊手術後の経過も順調なオーロラ・レインボー。彼女の猫生に新たな1ページが加わった。自宅にて
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 思いがけない宇多先生の出演に舞の目はキラキラ、キラリ
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 夜のCBCテレビ。毎回ふたりで欠かさず見る俳句番組に思いがけず、舞が属する俳句誌「草樹」に属する俳人宇多喜代子さん=83歳。現代俳句協会特別顧問、「草樹」会員代表など=が出演され、舞は「あらっ、宇多先生。先生だわ」と目を輝かせた。宇多さんは、なるほど作品に対する的確な批評で「すごくて、ステキな方だなっ」と思った次第。

 家族にとっての日々は、こうして1日ずつ進んでいく。

        ×        ×
 日本郵便が18日、新元号「令和」を記念した切手3種類を26日から順次、発売すると発表。また2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会も国内在住者向けの東京五輪チケットを大型連休明けの5月9日午前10時からインターネット上の公式チケット販売サイトで抽選申し込みの受け付けを開始する、と発表。
 名古屋市科学館が18日、2008年にノーベル物理学賞を受賞した同市出身の科学者小林誠さん(75)が5月1日から名誉館長に就任する、と発表。ロシア大統領府が18日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が4月後半に初めてロシアを訪問しプーチン大統領と会談する、と発表。

4月16日
 フランス・パリ中心部にある世界文化遺産、ノートルダム大聖堂で15日夕(日本時間16日未明)、大規模な火災が発生し、高さ93メートルの木造の尖塔が焼失。大聖堂を象徴する南北の塔は崩壊を免れた。それにしても一体なぜ? なぜなのか。何が起きたのか。
 パリは泣いている。突然の悲劇に、である。マクロン仏大統領は反政権デモに関連した国民向けテレビ演説を中止し、現場に駆けつけ「フランス国民にとって、とてつもない悲劇だ」と述べ、大聖堂の再建を誓ったという。

 仏ノートルダム大聖堂の炎上を報じる夕刊各紙
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 273人が犠牲となった熊本地震から14日で3年がたち、益城町などの被災地では追悼の祈りが捧げられた。この日、米ジョージア州オーガスタで行われたゴルフのマスターズ・トーナメントでは43歳のタイガー・ウッズがメジャー大会11年ぶりとなる復帰優勝を果たした。16日午後6時28分ごろ、熊本県の阿蘇山で噴火が発生。気象庁は噴火警戒レベル「2」を維持し、火口から1㌔の範囲では噴石や火砕流に注意するよう呼びかけている。
        ☆        ☆ 

 政令市を除く市長選や市議選、町村長選と町村議選の統一地方選後半戦が全国各地で14、16日の順で告示され、私と舞が住む江南市の市長には14日、沢田和延さん(64)が無投票で再選。本日16日付の中日新聞尾張版によれば、沢田さんは地元中日記者のインタビューに応え「(目玉行事の)藤まつりには多くの人がやって来てくれるが、一時的だ。一年を通して人に来てもらうことが大切。織田信長ら戦国武将にまつわる歴史のロマン香る街として尾張地域で連携して売り出していきたい。」と語っている。
 その言や良し、だ。夢と希望が持てる力強い発言だなっ、と思う。

 というわけで、16日付中日新聞尾張版の紙面は一宮市をはじめ津島、江南、岩倉、あま市の市議選立候補者の顔写真入り略歴紹介紙面で満杯に(届け出順で候補者を紹介するひとコマひとコマがキャラメルに似ているので、これを新聞記者の業界言葉で【キャラメル】という)。
 立候補者の写真と略歴、いわゆるキャラメルが所狭し、とズラリ並び「一宮 津島 江南 岩倉 あま 5市議選舌戦スタート」「女性9人含む48人立つ 一宮市議選」「定数15に最多23人 岩倉市議選」「新人10人含め28人が立候補 江南市議選」「定数2減で激戦に 津島市議選 あま市議選」といった見出しが躍ったのである。

 さて。わが家といえば、だ。
 きのうの月曜日は朝一番で愛猫オーロラ・レインボーちゃん(2代目シロ)を舞とともに近くの愛北動物病院にまで連れていき、夕方引き取りに出向いた。避妊手術のためで、舞が恐れていた妊娠こそしてはいなかったが、手術後はどこか痛々しくて、レインボーが帰宅してからも舞はずっと寄り添っていた。
 レインボーは、すでに1カ月ほど前にネコパン親分をはじめとした野良仲間に伊神家の飼い猫になりますと〝家猫宣言〟をしてきている。それだけに、腹が座った表情には、なんだか「悪いね」と思わず目頭が熱くなってきたのである。これもニンゲンとネコの共生のためには避けては通れぬ道なのか。もう随分と昔の話になるが、先代で共に23歳(人間なら100歳以上)まで生き抜いた愛猫こすも・ここ(ボスちゃん)と1歳年下だった初代シロちゃん(トンヌラ)も共に避妊手術をしてもらい、私たちと暮らしたのである。

 避妊手術から帰宅した愛猫オーロラ・レインボー(2代目シロちゃん)
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 きょうは、ほかに生活情報誌に掲載されるコラムのゲラ刷りのチェックなども行い、1日がバタバタバタッ、と過ぎ去っていった。
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 合間を見計らって文學界5月号を読む。西村賢太の連載第二十二回「雨滴は続く」。
 行きの列車の中ではあれ程に――ペシミスティックなまでに師・藤澤清造のことで一杯だった頭の中は、件の夜間飛行の席上にあっては完全に、見事なまでに葛山久子の面影のみが占領するかたちとなっていた。
 とは。相変わらずの賢太ならぬ貫多ではある。

4月14日
 愛栄通りをカッポする献馬に厄男たち、みこしを担ぐ親子ら
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 きょう14日、ここ江南は古知野平和神社の春祭りだ。
 そして。町の中心街である新町や本町、愛栄通りなどは、私の中高校生時代、昭和のころの、あの活気に満ちていた当時=私、一匹文士の伊神権太が滝高3年のときに一宮市萩原出身の舟木一夫さんの【高校3年生】が大ヒット。滝高に舟木さんはじめ高田美和さん、姿美千子さん、倉石功さんら青春歌謡スターらが大集結し木曽川河畔のこの街で〈高校3年生〉の映画ロケが行われた=に比べたら、このところはだいぶ廃(すた)れていて、精彩がない。

 デ、これらの町中でも愛栄通りのメーンストリートで春祭りに合わせてかつての勢いを取り戻そう―という声が地元商店街の有志女性たちの間で浮上。この日は珍しく結構の人々でにぎわった。
 たまたまここ愛栄通りと新町商店街は、最近では〝昭和レトロの面影〟を残している―ということで国民的人気アイドルグループ「嵐」が主演した2007年の映画「黄色い涙」のロケ地にもなったことで知られる。
 そんなわけで、嵐の20周年記念ツアー「ARASHI Anniversary Tour 5×20」の5大ドーム公演が前日の13日にナゴヤドームで開演したのに合わせ、映画の舞台となった商店街は「嵐」ファンが今なお訪れる聖地だ、ということで、こうした市民運動を映画の題名にちなみ「黄色いマルシェ」運動と名付け、4月12~14日の3日間開催することになったという。

 デ、私は午前中、舞に連れられて街なかへ。
 愛栄通り、新町、宮町…古知野神社の順でそぞろ歩き。いつもなら人通りもなく閑散とし、音ひとつしない通りのあちこちに大勢の人々がたむろする光景にはアッと驚いたのである。神社の春祭りということもあり、彼の地を献馬が通り、みこしを担いだこどもたちや連れ添いの親、法被姿の厄男たちがエッサエッサの声を張りあげ、歩いていく。これには驚いたというか、郷愁とでもいえそうな懐かしさをすら覚えたのである。

 聞けば、この街では昭和レトロが残る古き良き町並みをなんとか再生させなければとの声がこのところ地元住民の間で次第に大きくなり、今回の試みに至ったようだ。おかげで、商店街の人たちの努力と情熱もあってか、この日街角にはワゴン車による昔懐かしい〈ロバのパン屋さん「一恵庵ロバのパン工房」〉まで登場、訪れた市民らは「嵐」のメンバーも食べた蒸しパンを手に満足そう。古びた大衆食堂「さかえや」の前には長蛇の列が出来、お菓子屋さんには「嵐」にちなんだ五色の丸いだんごまでがお目見え、飛ぶように売れていたのである。
 やれば出来る、とは、このことか。

 大人気のロバのパン屋さん。大衆食堂には長蛇の列ができ、大勢の若者たちも集まってきた。お菓子屋さんの店頭では「嵐」にちなんだ、おダンゴまでが登場。私の住む花霞でも「さあ、出発だ」
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 私は舞と興味津々、童心の少年少女になってこの街を、探偵ごっこでもする如くどこまでも歩いてみたが、愛栄通りのメーンの通りは平成どころか、古き良き時代の昭和レトロの活気をさえ取り戻した風情が見て取れた。
 たまたま、この日は統一地方選の後半、市議選が告知され、さっそく選挙カーが街なかに乗り入れ、中には献馬を伴った祭り行列とあちこちで候補者がかちあう微笑ましい場面までなんどか見られた。途中、ポツポツと雨が降り出してきた不運にたたられるなか、それぞれに起死回生をめざす市民の姿が私の目にはけなげにさえ映ったのである。

「黄色いマルシェ」から帰った私は、東京に長期出張中でシステムエンジニアとして忙しい日々を過ごす三男坊が職場に戻るというので江南駅まで車で送った。いつまでたっても子は子である。
 夜は永正寺へ。ブリュッセル王立音楽院教授、プラハ芸術アカデミー教授、チエコ・フィルハーモニー管弦楽団首席ハープ奏者のヤナ・ボウシュコヴァ―さんのドボルザークやスメタナなどのハープ演奏を鑑賞したが、地元江南市在住ソプラノ歌手吉田恭子さんとの〈さくらさくら〉などの共演も含め、それは見事な演奏であった。
 会場では、たまたま同じハープ奏者で、私の小説「カトマンズの恋 国境を超えた愛」誕生にあわせ私が作詞した恋歌「ラブバード・カトマンズ」を岐阜県下で演奏してくださった小牧市在住のハープ奏者伊藤玲子さんにも運良くお会い出来、ハーブの演奏方法についても教えていただき出かけてよかったな、と心から思った。

 それはそうと、与田ドラゴンズ。きょう負けはしたが、なかなか健闘しており、希望が持てる。特に彗星の如く現れ出た加藤捕手の活躍がうれしい。このことを月ドラ記者の木村愛子さんにラインで伝えると「控えだった選手に光があたるとうれしいです」の返事。加藤捕手を使い続ければ、ドラゴンズは道がひらける。
 苦労してきた選手は、多少のミスをしても、どんどん使うべきだと思うが。いかがか。

 合間をみて私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の告知欄〈What‘s New〉に若手のホープ、黒宮涼さんが電子書籍「マーメイドをさがして」を出版した話題を掲載。みなさん、ぜひ読んでみてください。ネ! 彼女はがんばっている。

4月11日
 脱原発社会をめざす文学者の会の会報と同文学者の会・編の「OFF 第2号」を手に、他には川端(康成)の文庫を読み、日本文藝家協会ニュース3月号(2019年3月31日発行)に目を通し、東京から送られてきた文芸同人誌「街道」の第三十三号2019.4.1も丁寧に1作ずつ読む。
 というのは、きょうは先日のCT検査に続くわが妻、舞の胃カメラに続く腸の内視鏡検査(私はこのところ遠ざかっていた彼女の血液検査も含めて消化器系の健康診断だ、と思っている)の日で、江南厚生病院でほぼ1日、張りつき状態になっていた。だから待ち時間を有効に、と本などを持参したのだった。検査は、朝始まり午後5時過ぎまで丸1日にかかり、やっとのことで終わったが、舞はそれこそ疲労でぐったり。グロッギーの体であった。
 私は付き添いで待つ間、待合室でくだんの書物に読みふけった、というわけである。
 半分のら猫。でも、もうすっかり家猫になった2代目シロちゃん、オーロラ・レインボーはお留守番。私と舞が帰宅すると、心配そうな顔をして玄関先まで出迎えてくれた。

 いまでは舞にとって、かけがえなき猫に育ったオーロラ・レインボーちゃん
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 中日新聞社と中日新聞社会事業団が11日、読者が寄せた東日本大震災被災者への義援金のうち600万円を宮城県庁に届けた。義援金は県庁を訪れた中日新聞社の白井文吾会長から村井知事に直接渡されたが、白井会長の「伊勢湾台風をきっかけに読者の災害への関心は高く、多くの義援金につながっている」との説明に、村井知事は「義援金は中部地区にお住まいの方々のお気持ちで、しっかりと受け止め復興をやり遂げたい」と語ったという。
 なお、社会事業団や各支局などを通じて中日新聞社に集まった被災各県への義援金はことし3月末までに約90億8800万円。うち宮城県には11日の最終分も含め19回にわたって総額47億6192万5000円が送金されている。この金額は世界じゅうのマスコミでもダントツで、それだけ中日読者の災害援助への心が強い現れでもある。
 そういえば、私が大垣支局長時代に起きた阪神淡路大震災のときも連日読者から義援金が支局に届けられ、支局女子スタッフのなっちゃんと連日、銀行通いをした日々が思い出される。あの時は支局管内だけでも義援金は6000万円を超えた。中日(東京)新聞には、それだけ心の温かい読者が多い現れでもある。
        ☆        ☆

 4月も半ば近くというのに。
 きのう10日は東京を中心とした関東甲信地方で季節外れ、真冬並みの寒さとなった。午後6時過ぎ。仙台では雨が雪に変わったという。
 長野の軽井沢町でもこの日は予期せぬ積雪15㌢。神奈川の箱根峠や山梨鳴沢村も一面の銀世界に包まれた。満開の桜、ソメイヨシノの花々が各地で雪に覆われ、芝桜も白い雪でピンクの絨毯を隠されてしまった、とか。いやはや、自然のなせる術には、どんなにあがいたところで勝てっこない。
 そんなことを実感させられる1日でもあった。

 政府は除染によって放射線量が低下した、として10日午前零時に東京電力福島第一原発事故で全域が避難区域になっていた福島県大熊町の一部地域(大川原地区と中屋敷地区)で避難指示を解除。福島原発が立地する大熊、双葉両町では初の解除となったが、事故から8年がたち、生活基盤がいわき市などの避難先に移ってしまっており、その分住民の帰還意欲も低下する、といった困難な問題はなお山積している。
 そんな折も折に、だ。何と言ったらいいのか。この日、桜田義孝五輪担当相(69)=衆院千葉8区=が自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは〝高橋さん〟だ」と被災地を痛く傷つける発言をし、政府の責任問題に発展して即刻、辞任。いやはや、五輪担当相とまであろう人が。安倍政府はどこかでタガが緩んでいる、と言われてもしかたがない。

 話はかわる。岩屋毅防衛相は青森沖で消息を絶ち10日に墜落が確認された航空自衛隊三沢基地(青森県三沢市)所属の最新鋭ステルス戦闘機F35Aにつき操縦していた男性3佐が事故直前に無線で「ノック・イト・オフ(訓練中止)」と伝えていたことを明らかにし「地元のみなさまに大変な不安を与え、深くお詫びしたい」と防衛省で報道陣に陳謝。「まずは事故原因を究明するのが先決だ」とし、「事故機は他の3機と戦闘訓練を実施中で視界の悪い夜間の訓練は難易度が高い」とも述べた。
 その後の調べで当該機は2017年と2018年の過去2回、飛行中に不具合が発生し緊急着陸していたことが分かった。
         ×        ×

 世界貿易機関(WTO)の紛争処理2審に当たる上級委員会が11日、韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置を不当とした「1審」の紛争処理小委員会の判断を破棄、日本は逆転敗訴に。
 地球から遠く離れた銀河の中心にある超巨大ブラックホールの輪郭を撮影することに史上初めて成功した――と日本などの国際チームが10日、世界6カ所で記者発表。各地の電波望遠鏡を連携させ、極めて高い解像度での観測を実現したという。
 欧州連合(EC)の特別首脳会議が11日、英国の離脱期日を当初の12日から10月31日まで再延期する、と決定。

 東日本大震災の復興を軽視する発言で五輪相を事実上更迭された桜田義孝氏の後任に桜田氏の前任五輪相だった鈴木俊一衆院議員(65)=岩手2区=が起用され11日、皇居での認証式を経て就任。桜田氏の発言につき鈴木新大臣は「大変不適切だった。復興五輪を考えると、あまりに被災者への配慮を欠いた発言だった」と述べた。

4月6日
 桜鯛ねじりはちまき魚屋さん
 =伊神舞子の〈きょうの俳句 minuetto-mi〉から

 満開となった桜=愛知県江南市の平和古知野神社と名古屋市の那古野神社境内にて=
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 6日夜。国宝犬山城で知られる愛知県犬山市。この城下町で十三の町内が江戸時代以降、受け継いできた高さ8㍍、重さ3㌧を超える車山が満開に近い桜のなか、ちょうちんで飾られ、夜車山(よやま)がくっきりと木曽川河畔の町に浮かんだ。江戸時代から数え385回目の犬山祭は7日もある。
 中日新聞朝刊の6日付〈桜だより〉によれば、東山公園、名古屋城、鶴舞公園、木曽川堤…と、ともに満開。岩倉五条川、清洲公園、明治村、小牧山が満開近し、他県では各務原の新境川堤、大垣公園、津の偕楽公園、松阪公園が満開。岐阜公園、長島温泉、上野公園、舘山寺がそれぞれ満開近しで、高遠城址、松本城、海津大橋はつぼみ、根尾の淡墨桜、大津の三井寺、京都の嵐山が5分咲きといった具合である。
 このうち約600本のソメイヨシノが咲き誇り「さくらの名所百選」で知られる名古屋の山崎川では、ライプアップが4日で終わってしまい残念がる向きも。垂井町の相川では恒例のジャンボこいのぼり350匹がひと足はやく大空に浮かび水辺公園で咲くソメイヨシノの花々との共演が見守る人々を喜ばせている。桑名市の「なばなの里」。ここでは赤、黄、ピンク、白とチューリップの花々が身ごろとなっている。
 一方で東日本大震災に伴う福島第一原発事故の発生で今なお帰還困難区域である富岡町では、町と国の配慮もあって2㌔以上にわたって桜並木がつづく桜の名所、夜の森地区にこの日一日限りの花見バス十台が特別運行。町民たちは9年ぶりに間近に見るふるさとの桜を前に、復興を願い、感動の輪が広がったという。
 いずれも美しい日本の風景である。

 5日は愛知県内など各地の公立小学校で入学式。新1年生は母親らに手を引かれ、笑顔で学び舎の門をくぐった。この日は各地で白くピンクに咲き誇った桜たちが1年生の門出を祝い、出迎えた。

 米大リーグを引退したイチローさん(45)=本名鈴木一朗さん=が、国民栄誉賞の受賞辞退を代理人を通じて日本政府に伝えていたことがわかった。菅義偉官房長官が5日の記者会見で明らかにしたもので菅氏は政府の打診に対してイチローさん側から「人生の幕をおろした時に頂けるよう励みます」との返答があったと説明し、授与を見合わせると表明。イチローさんは過去にも2回受賞を辞退しており、今回で3度目の辞退になる。
 野球といえば、大船渡高校(岩手)の佐々木朗希(ろうき)投手が6日、奈良県内で行われた高校日本代表1次候補による合宿紅白戦に登板。対戦した全6打者から三振を奪っただけでなく、プロ野球中日のスピードガンでなんと163㌔をマークし、度肝を抜いた。佐々木朗希投手は190㌢、86㌔の右腕。

 わが家の愛猫、大空に浮かぶ虹にも似たオーロラ・レインボーちゃん(2代目シロ)は夕方、女主人の舞が帰宅すると決まってどこからか姿を現し、玄関に走り寄って彼女を出迎える。そんな日々がこのところは、すっかり板についてきたようだ。
 でも、2代目シロちゃんは昼間、どうしても外に出たがる。家族は「もう〝家猫宣言〟を仲間の野良ちゃんたちにもしてきたのだから、外に出すべきでない」というのだが。天気の良い日に室内に閉じ込めてしまうのはやはり、美容上はもちろん健康にもよくない―との私の勝手な判断でついつい外に出してしまう。
 でも、オーロラはおかあさんが帰るとピタリ。玄関先で出迎えるのである。
 そういえば、英科学誌サイエンティフィック・リポーツが4日付で「猫は自分の名前と他の言葉を聞き分けられる」といった内容の日本人研究者(上智大の斉藤慈子准教授らのグループ)の論文を掲載したというが。2代目シロちゃん。すなわちオーロラ・レインボーも自身の名前は当然ながら、わかっていると思う。

 春になり元気はつらつのオーロラ・レインボー。外に出るチャンスをうかがう
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        ☆        ☆

【この世の美しさ】
 この世はなんて。美しく、たくましいのだろう。これからは。この世の美しさを書こうと思う。できれば、たくましさも―

 犬を連れた若い女がふたり、少し離れた道をそれぞれに散歩している。互いに面識はないに違いない。ゴミを指定の場所に置いてホッとしたように小走りに戻る別の女性。前方では小路の三叉路でウインカーを出しボクの車が通り過ぎていくのを、ハンドルを手に待つ女。
 空はどこまでも晴れわたっている。和服をきこなした女がしゃなりしゃなりと何かを両腕に抱えて歩いていく。小学校の門には「入学式」と書かれた、どでかい看板が立つ。あっ、そうか。そうだったのか。きょうは入学式なのだ。
 平成最後の31年4月5日。人間たちは皆、それぞれの幸せに向かって生きている。

 あと、どれほど生きられるか。この世に生きる誰だって知る由もない。それだけに、私はこれからこうした愛しい、この世の何げない美しさ、出来ればたくましさも含めたユートピアについてひとつひとつを【人間ものがたり】として書いていこうと思う。
 人は倒れる。だれだって、いつかは倒れて消えてゆく。そして、この愛すべき世からいなくなる。青い空の下を車たちがそれぞれに、それぞれの目的に向かってきょうも走ってゆく。それぞれの夢にむかいて――
 ああ~。この楽しく美しい世にはいつまでもいたいな。と、真底から願う。おそらく、この日本に住む大半の人に共通した思いだろう。

 ♪赤い夕日が校舎を染めて……、と、車のカセットからあのボクたちが高校三年生のころに一世を風靡した舟木一夫さんが歌う〈高校三年生〉の歌声が聞こえてきた。あの青春の日々から、もう五十数年がたつ。
 車から降りたボクは、このあと市内公民館で社交ダンスのレッスンに挑んだ。この日は1級のワルツとタンゴに挑んだがワルツではホーラウエイ、タンゴではコントラチェックを繰り返し学んだ。なかでも♪クイック、クイック、スロー、スロー、クイック、クイック、スロー、と。と、続くコントラチェック(行くのをやめた、の意)は、繰り返し繰り返しステップを踏んで学んだが、こうした世界に身を浸している自身を幸せに感じたのも事実である。
 きょうは二十四節気の清明(せいめい)。江戸時代の暦の解説書にある「清浄明潔」の略で、すべてが生き生きとして清らかに見える日なのだという。 ―2019年4月5日。一匹文士(いっぴきぶんし)記
        ×        ×

 今月3日。平成元年の優勝校が、平成最後のセンバツ、春の甲子園を制した。第91回センバツ高校野球決勝戦で愛知の東邦が千葉の習志野に6―0で勝ち、1989年いらい30年ぶり5度目の優勝を決めたのである。
 東京地検特捜部は4日早朝、日産自動車の資金をオマーンの販売代理店に不正送金させるなどして約5億6300万円もの損害を日産に与えた、として前会長のカルロス・ゴーン容疑者(65)を保釈許可条件で指定された東京都内の住居内で逮捕。ゴーン前会長は地検の車両で東京・霞が関の検察庁舎に移動後、3月まで108日間、勾留されていた東京拘置所に再収容された。
 塚田一郎国土交通副大臣(55)=参院新潟選挙区=が5日、「下関北九州道路」の国直轄調査に触れ「安倍晋三首相や麻生太郎副総裁(兼財務省)が言えないので私が忖度した」と発言した問題の責任を取って辞表を提出。事実上の更迭である。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が5日、探査機「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうに金属弾を衝突させることに成功。人工物を小惑星に衝突させる実験は世界で初めてで、弾が小惑星表面にあたって岩石などが噴出する様子をカメラがとらえたという。
 
 6月の任期満了で退任を表明した日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)の後任に、柔道五輪金メダリストでJOC選手強化本部長を務める山下泰裕氏(61)の就任が確実に。
 5日の東京・神宮球場。われらがドラゴンズはヤクルトに8―7で逆転負けして惜敗。勝敗は3勝4敗に。6日は当然、勝ってもらわなければ(残念ながらドラゴンズは4―3で負け、勝敗は3勝5敗となった)。
――というわけで、ニンゲンたちは。毎日毎日、それぞれの願いを胸にあっちを向いたり、こっちを向いたりしながらそれぞれがそれぞれの道を歩いてゆく。これとて、平成天国のひとこまか。災害さえなかったなら、平成の日本は昭和の時代のように戦争で悲惨な目に遭うこともなく、サリン事件など1部凶悪な犯罪を除けば、まずは平和な時代だった、と私はすなおに思う。

4月1日
 新元号の発表に道頓堀には人があふれた=NHK総合ニュースから
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 新元号を報じる夕刊各紙
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 大阪ミナミで、名古屋の大須で、東京・渋谷で…と。日本中至るところで新元号の発表に人々のどよめきと歓声が沸き上がり、都心では新聞社の号外に群衆が殺到。なんだか人間という人間が新しく生まれ変わっていくような、そんな錯覚にもとらわれた長くて短いドラマチックな1日だった。

 【平成】に代わる新元号が思いもしていなかった【令和(れいわ)=Reiwa】に決まり、きょうの午前11時45分過ぎ、菅義偉官房長官が記者会見で公表した。出典は日本最古の和歌集「万葉集」巻五、梅花の歌三十二首の序文「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は……」からの引用だという。
 万葉集からの引用だと知り、何より私の頭にピンと浮かんだのは、私が師ともする、あの〈美しい日本語の風景〉にこだわり続ける万葉学者で文化勲章受章者の中西進さん(89歳)=大阪女子大名誉教授。日本文学=、その人である。が、政府が元号の考案を誰に委嘱したかについては、これ以上はやめておこう。
 なぜなら、菅さんが考案者については「特定の個人との結びつきが強調されることになりかねない」として公表はしない方針を表明しているからだ。
 それよりも「新元号が1日も早く国民に受け入れられ、この先、日本人の生活のなかに深く溶け込んでいくこと」を何よりも願いたい。ともあれ、政府は1日午前、「平成」に代わる新元号を「令和」に閣議決定。今の天皇陛下が改元政令に署名されて午後、公布。今月30日の天皇陛下退位に伴い、皇太子さまが新天皇に即位される5月1日午前零時に施行されることになった。
 新しい時代の始まりがやってきたのである。

 記者発表する菅官房長官と万葉集からの引用部分=NHK総合から
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        ☆        ☆

 いやはや、新元号を【令和】と聞き、我が輩すなわち伊神権太は見えない相手に完全なる〈だしなげ〉を食らった感じである。柔道で言えば、相手の体を瞬時に右に崩しての早業である隅落とし、すなわち〈空気投げ〉でも食らった、とでもいえようか。【令】の字なぞ、予想もしていなかったので。そんな印象だ。そんな、といえば何か。そう、きょうあった菅義偉官房長官による新元号【令和(れいわ)】の発表を聞かされての率直な印象である。
 菅さんに続く記者会見で安倍晋三首相は、こうも語った。
「【令和】には、人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ、育つという意味が込められている。厳しい寒さのあとに春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅のように1人ひとりの日本人が文化を育み、自然の美しさを愛で、それぞれの花を咲かせることが出来る。そんな平和な日々に感謝しながら、希望に満ちた新しい時代が切り開かれますように」と。この言や、よしである。

 最初、傍らでテレビを見ていた舞は「【令和】だなんて。なんだか、命令されているみたいだよ」と言いながらも、その意味を知るに従い、まんざらでもない表情に。ある若い知人女性も「昭和の〈和〉がついて、少し時代が後じさりし元に戻ったみたいに感じます」とは言いながらも、新鮮な響きには決意も新たな様子だった。
 ともあれ、決まってしまった以上、どうするわけにもいかないので、あとは自分たちで新しい時代を作っていかなければ―と決意を新たにした人々は多いと思う。
 ちなみに、出典はこれまでのように中国古典(漢籍)からではなく、日本の古典(国書)を由来としており国書を由来とするこうした元号は確認できる限りでは初めてだという。そして皇位継承に先立ち、新元号が事前に公表されるのは憲政史上初。新元号は645年の【大化】から数えて248番目。1979年制定の元号法に基づく改元は、【平成】に続き2例目となる。