【生きてゆく人間花たち/2016年8月の唄】

平成二十八年八月三十一日
 東京オリンピック女子体操の金メダリストで私自身、少年のころ、その華麗な演技にあこがれた、あのチェコスロバキアの顔でもあったベラ・チャスラフスカさんが膵臓がんで亡くなった。74歳だったという。チャスラフスカさんといえば、東京五輪の個人総合と平均台、跳馬で優勝したばかりか、1968年夏の〈プラハの春〉民主化運動の先頭にたったことでも知られる。大切な人の旅立ちである。合掌
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 午後7時46分ごろ、九州の熊本地方で震度5弱のかなり強い地震が発生。幸い津波も、これといった被害もなく胸をなでおろしたが、熊本県内での震度5弱以上の揺れは、熊本大地震が続いた6月12日いらいだという。
 台風10号が通り過ぎた東北、北海道。ここでは各地で暴れ狂った風雨に、河川の増水や氾濫、決壊、道路の寸断、土砂崩れなどが相次いだ。このうち、岩手県岩泉町内の認知症患者を受け入れる高齢者施設・グループホーム「楽ん楽ん」では小本川の堤防を越える氾濫で建物がみるみる浸水、9人が遺体で見つかったほか、町内ではなお18人の安否確認が出来ない状態が続く。北海道の南富良野町などでも雨に襲われ、川が氾濫して町がスッポリ水に沈んでしまい、3人が行方知れずのままだという。なんだか、不幸ばかりが人間社会を襲っている。

 和歌山市では建設会社従業員4人が撃たれ死傷した事件で拳銃2丁を手にしたまま住宅地に立てこもっていた元社員の男(45歳)が18時間に及んだ立てこもりのあげく、自ら腹を拳銃で撃って死亡。愛知県一宮市で30日に自宅で死亡していた女性のパート従業員(62歳)は、その後の県警の調べで窒息死による殺人と断定された。
 北朝鮮では「姿勢が悪い」「(金正恩党委員長が主催した)会議の席でいねむりをした」などの不敬罪で、金勇進教育担当副首相が高射機関銃で公開処刑された、という。信じられない。
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 近くの眼科医へ。眼圧は、右19左17と悪くはなかった。このところ、自宅で朝と夜の2回、毎日聴き続けてきた勝新太郎の〈およしなさいよ〉を、横笛でふき始めたが、なんとかいけそうである。
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【きょうの一文・ことば】
「こんなにひどいのは初めて。ほんとに悔しい。私の家が無くなってしまった。」
=31日夜、北海道の豪雨禍を伝える民放テレビのニュース報道のなかで。北海道に住む初老の男性

 しかし……しかし、それでもなおおれは考える、おれは死刑囚でも番号でも一枚の板でもなく、人間でありたいと。なぜならばおれは絶望することができるから、一枚の板のように従順に静かに平和に存在するのではなくて、おれには絶望する自由が残されているから。絶望するという自由をもつかぎりにおいておれは人間であるのだから、おれは絶望しなくてはならぬ。絶望によってのみおれは人間に復帰できる。
=『加賀乙彦 宣告 新潮社』より。抜粋

【新聞テレビから】
☆『川内原発停止応じず 九電、知事要請に回答へ』、『「報道に圧力」新潟日報反論 知事不出馬理由で』、『高齢者施設浸水9人死亡 岩手、他にも2遺体 台風被害 北海道3人不明』『一気に水「まるで津波」岩手氾濫大量の流木 北海道「水位急に上昇」』『根室線の橋が2本流される』『救命、救助に全力 安倍首相』、『立てこもり膠着続く 和歌山4人死傷 容疑者さらに発砲』『自分に銃口、時折激高も』『伊調選手に栄誉賞首相が検討を指示』、『あいさつ料返還山口組側と和解 豊橋の男性』、『名古屋港に米軍輸送船 訓練目的では初の入港』(31日付、中日夕刊)
☆『岩手高齢者施設9人死亡 台風10号 別の場所でも1人 北海道は1人不明 局地的に大雨』『牙をむく水の脅威』『激流 高齢者を襲う 岩手9人死亡 「怖くて震えていた」』『激しい雨集落孤立 堤防が決壊河川氾濫』、『「報道機関への圧力」 地元紙新潟知事出馬断念に』、『シリア内戦「政府軍が化学兵器使用」国連など初めて特定』、『IS(過激派組織「イスラム国」)広報担当幹部=アブムハンマド・アドナニ幹部=死亡 シリアで戦闘を監督中』『平昌パラ露除外IPC(国際パラリンピック委員会)「解除も」 条件満たせば』、『和歌山射殺 容疑者立てこもり 拳銃2丁所持 2回発砲』(31日付、毎日夕刊)
☆『台風10号東北上陸 太平洋側に初』『「仮設怖い」「養殖無事か」 東北おびえる夜』、『死刑囚へ閲覧制限 国に賠償を命じる 名古屋地裁』、『ロ大統領 12月訪日』、『早場米 9道県「やや良」 16年度作柄 好天で順調に水位』『三菱自再測定も燃費不正 普通車8車種 販売一時停止』、『配偶者控除17年度見直し 自民税調検討 負担増緩和策も』、『手配の次男、発砲し逃走 和歌山で発見 警察に4発』『刺股や盾構え 捜査員が追跡』(31日付、中日朝刊)
☆『「書籍閲覧制限は違法」死刑囚請求、国に賠償命令 名地裁判決』、『没後八十余年 故郷に錦 豊田佐吉 静岡・湖西 「名誉市民」に』、『築地移転延期へ 小池知事きょう説明』、『プーチン大統領12月訪日 露補佐官「日本側と合意」』、『配偶者控除見直し検討 自民税調 女性の就労促す』、『アップル追徴1.5兆円 欧州委命令 アイルランドに「税優遇違法」』、『「開扉で昇降」防止不十分 シンドラー事故 国に改善求める』『「安全につなげるか注視 市川大輔さん母」』、『肺がん発症1.3倍 受動喫煙リスク「確実」 がんセンター評価厳しく』(31日付、毎日朝刊)

八月三十日
 迷走と南下のあげく蛇行し各地に大きな被害をもたらしながら北上を続けた大型の台風10号がきょうの午後、岩手県大船渡市付近に上陸。夜、日本海に抜け、その姿を温帯低気圧に替えやっと消え去った。気象庁によれば、東北の太平洋側からの上陸は1951年の統計開始いらい初めて。
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 本日付中日新聞夕刊によれば、スーツケースに3・3㌔もの覚せい剤を隠し中国広州市の空港から上海へ運ぼうとした、として麻薬運搬罪で起訴され「懲役15年以上か無期懲役、または死刑」を求刑されている愛知県の元稲沢市議、桜木琢磨被告(72)の裁判で広州市中級人民法院(地裁)が判決期限の8度目の延期を決めたという。
 この決定には来月4、5の両日、中国浙江省の杭州市で習近平国家主席や安倍晋三首相らが参加して20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる直前だけに、日本の元公職者の死刑を含む重刑の判決を避けたとの見方も。これに対して弁護人らは「検察が有罪を立証できなかった。釈放すべきだ」と度重なる判決の延期を批判しているが、結果がどうなるのか。気になるところだ。

「ロシアのプーチン大統領が12月に訪日予定だ」とインタファクス通信。ウシャコフ大統領補佐官がロシアの記者団に明らかにしたもので「具体的日程も決まっている。日本側の同意を得られれば、発表出来るだろう」とウシャコフ氏。実現すれば、プーチン氏が大統領として訪日するのは2005年11月いらいになる。

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「すわっ、一大事」と、わが家に駆けつけてくれた夢の〈カギの生活救急車〉
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 いやはや、連日ナンダカンダと振り回されている。これも人間が、この世で生きていくうえで避けられない、どこででも繰り広げられている日常の出来事なのだろう。きのう帰宅時に玄関の鍵が開かず、急きょ、仕事先から呼び出された妻が泥棒さながら彼女しか知らない秘密の裏窓からやっとこせ、住宅内に潜入した大事件=こうした時、舞は何かと役立つ。ただ、そのあとに足が痙攣するなどして大変だったが=で、きょう契約先でもある〈カギの生活救急車〉に電話して来てもらい修理していただいた。
 サッカーで世界をステージに活躍するオカザキ選手にとてもよく似た終始笑顔の好青年(小笠原さん)がそれこそ、夢の生活救急車で急行し修理してくださり出入りが出来るようになった時は、それこそバンザイと叫びたい気持ちにかられたのである。と同時に、会員として入会しておいて良かったな、とも思った次第。こんなわけで、きょうも暮れていったが、台風10号の通過後、なんだか急に涼しくなってきた。

 いよいよ秋がくる。あすは二百十日である。
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【きょうの一文・ことば】
 ゆっくり話してもらえれば分かります とあいさつすればよかった。でも、できなかった
=30日付中日夕刊『ろうあ者の映画監督「日本縦断」自転車旅 「会話」もう気負わない 7日開幕 あいち女性映画祭で上映』の記事中の写真から。生まれつき耳が聞こえない映画監督今村彩子さん(37歳。名古屋市緑区)の映画「スタートライン」の1場面

【新聞テレビから】
☆『台風10号夕方上陸 青森・宮城 7000人に避難勧告』、『〈匠地技 ゴンドラ ナゴヤドーム①〉綱1本で守る事故ゼロ』、『〈伝える訴える〉母の目前死んだ息子 対テロ戦争のはざまで㊥ トルコ(文・舟越美夏、写真・高橋邦典=いずれも共同)』、『ろうあ者の映画監督「日本縦断」自転車旅 「会話」もう気負わない 7日開幕 あいち女性映画祭で上映』、『米記者永六輔さん賛同 バッジ製作 平和憲法胸に留めて』『永さん、忘れない 東京・お別れの会』、『〈訃報〉ジョン・エレンビー氏(ノートパソコンの原型開発者。米サンフランシスコで死去。75歳)ノートPCの父死去 折り畳み型「コンパス」開発』、『学校すべてじゃない フリースクール居場所や窓口提供 子ども自殺9月1日に突出』『いじめ全生徒聞き取りへ 青森・中2自殺 遺族「LINE悪口」』、『元稲沢市議判決「8度目の延期」中国の地裁』、『MRJ(三菱リージョナルジェット)渡米 来月下旬以降』、『カタログ燃費と隔たり 三菱自、販売車種でも』、『別事件で収監予定日に犯行 和歌山・銃撃容疑者』(30日付、中日夕刊)
☆『〈逃れて生きる ウガンダ難民の不安㊤〉勝訴でも「違法滞在」なお逮捕の恐れ』『自由求め祖国追われ 家族・友達なし生活困窮』、『台風10号東北厳戒 今夕までに上陸 交通機関に乱れ』『直撃に備え 不安の朝 台風10号 東北、豪雨警戒』、『「バターン死の行進」生存者 訪米の立命館大生に体験談』、『失業率3.0%に改善 7月 21年ぶり低水準』、『和歌山射殺 社長次男に逮捕状 殺人容疑 銃持ったまま逃走か』(30日付、毎日夕刊)
☆『〈予知信仰の崩壊 東海地震説40年=下=〉想定外まで想定して』、『ユニー上場廃止 ファミマと来月統合』『スーパー再生正念場 衣・住立て直し事業整理』『「最後の大物」東海企業に恩恵 ユニーと一緒に成長』、『不明の小1女児死亡 長野 川に誤って転落か(小谷村内を流れる姫川と横川の合流地点付近で沈んでいるのが見つかった)』、『〈訃報〉広瀬光康氏(ひろせ・みつやす。クラシック音楽事務所「新演」会長)=28日、肺がんのため死去。80歳だった。岐阜県揖斐川町出身』、『中国へ売却拒否の国有地 愛院大、取得申請へ 名城公園前 法学部移し拡充』、『ホーム間違え慌てて線路へピョン 愛知県職員を書類送検』(30日付、中日朝刊)
☆『原発揺れ想定の計算 規制委に異議 地震調査委側「過小評価」指摘』『〈解説〉旧方式見直しを(高木昭午)』『3号機建屋で海水が漏えい 浜岡原発』、『耐震、防災 日本に学べ イタリア中部地震 死者なかったノルチャ 教訓生かす』、『台風10号東北上陸へ 今夕にも 大雨警戒 勢力強めUターン』、『漱石、手紙で質問 電話のかけ方「教えて」 新聞社の同僚遺族 書簡寄贈』、『61人 エンテロウイルスと関連か 子どもの原因不明まひ 昨年 8~12月発症 厚労省が 全国調査』、『サポート校 テスト代筆 ウィッツ青山 組織的に就学偽装か』、『埼玉16歳遺体 5人全員 殺意否認 逮捕前 口裏合わせた形跡』、『元市議ら起訴内容認める 名地裁 常滑の太陽光発電詐欺』(30日付、毎日朝刊)

八月二十九日
 原発事故に泣く福島で、こんどは汚染土の除染廃棄物が置かれた埋設土の上に誤って人生を再出発するための新築家屋が建てられてしまうというナントモ不幸な事態が起き、関係者の頭を悩ませるどころか被害者に大変なショックと失望を与えている。
 一体なぜ、こんなことが起きたのか。あの黒々とした除染廃棄物の山が至る所に積み重ねられている被災地の現状を何度も目にしてきた。それだけに、起こるべきして起きた気がせぬでもない。

 長野県小谷村で行方不明になっていた松本市笹賀の小1女児が村内を流れる姫川と横川の合流点で沈んで死亡していた。和歌山では建設会社の建物内で男性従業員4人が元従業員に拳銃で撃たれ、うち1人が亡くなる悲劇。何が引き金となったのか。
 不幸は次から次にと起き、人間社会を苦しめ続けている。
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 東京・八丈島の南海上を北寄りに進む大型で非常に強い台風10号。高知、徳島、和歌山など西日本各地では北朝鮮上空に居座る寒冷渦の存在もあってか、線状降水帯と積乱雲の発生で大気が大荒れに。近畿、東海地方の大気の不安定が指摘されるなか、東北地方、太平洋側への上陸が懸念されており、こんごの進路に目が離せない。
 気象庁では「東北では平年の8月1カ月分を越える、かつてない〈経験を越えた雨〉が予想される」としているが、被害がないよう願うほかない。まったくもって、このところの日本列島は雨、風にやられ通しだ。

【きょうの一文・ことば】
 イタリア中部地震。妹をかばうようにして息絶えた幼い姉。「遅くなってごめん」。ひつぎに手紙を添えた消防士。過酷な大災害の中にも人間の絆の確かさ。私たちもまた多くを経験し。
=29日付毎日夕刊〈近事片々〉から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『(中村)芝翫襲名へ華やかお練り 浅草 橋之助さん親子4人』『台風10号あす上陸恐れ 強い勢力維持 北日本 風雨に警戒』『東海、大雨注意』『一宮・138タワーパーク 巨大気温グラフ 20年苦労もにじむ 炎天下の作業 台風で撤去も』、『小1女児か、川で発見 長野 不明当時と同じ服装』、『4人撃たれ1人死亡 和歌山元従業員の行方追う』、『ドラム缶散乱 東名で油漏れ 静岡・焼津』、『長浜市役所に爆破予告電話 威力業務妨害で捜査』(29日付、中日夕刊)
☆『あす 東日本最接近 台風10号 強い勢力維持』、『秋の訪れ オミナエシ見ごろ 岐阜・木曽川水園』、『夏休み明け 命を守ろう 18歳以下の自殺 来月1日突出 NPOが電話相談』、『東証一時377円超高』、『〈ルポ 中上健次「熊野大学」夏期セミナー〉未来の読者と次世代へ 生誕70年 多彩な講師陣迎え』、『英の漱石記念館 1年早く閉館に EU(欧州連合)離脱影響』、『サンゴ白化9割も 国内最大・石西礁湖 海水温上昇影響 環境省調査』(29日付、毎日夕刊)
☆『台風10号 大雨警戒 あす東・北日本 上陸の恐れ』『東海にも最接近へ』、『南海トラフ物資迅速に 小牧基地など空輸訓練』、『■芥川作曲賞に渡辺さん=若手作曲家の登竜門とされる第26回「芥川作曲賞(サントリー芸術財団主催)の選考会が28日、東京都内で開かれ、渡辺裕紀子さん(33)の「折られた…」が選ばれた。賞金50万円』、『夜の聖地 人々なお出現 ポケGO配信1カ月鶴舞公園ルポ』『愛知で381人補導』『渦巻く熱気 どまつり幕』、『対テロ協調でアフリカ支援 開発会議閉幕』、『連日空調トラブルでUターン MRJまた渡米延期』『米の拠点 開所式「欠席」も』(29日付、中日朝刊)
☆『汚染土埋設図に不備 福島市 住民配布用、寸法なく』『新築の下に汚染土 福島の会社員 「市に責任」 埋設図不備』『短期保管前提 図面の規定なく』、『もんじゅ10年で6000億円 政府、廃炉含め検討 追加支出試算』、『海洋秩序の維持明記 アフリカ開発会議 ナイロビ宣言採択』、『妹かばい逝った少女へ 来るのが遅くてごめんね イタリア地震 消防士? ひつぎに手紙』、『埼玉16歳殺害 全員が暴行認める「全裸にした」供述も』(29日付、毎日朝刊)

八月二十八日
 午前5時には起き、暁の闇を切って妻とふたり、車で和田の〈エデンの東〉へ。

 1週間に一度は畑を覗かないと、それこそ畑1面が雑草たちの集団襲撃に遭って草ぼうぼうになってしまう。と、そんな恐怖と畏怖の念からの「参戦」とあいなった。ところが、けさに限っていえば意外や、草たちはそれほど伸びておらず「へえ~。でも。一体全体なぜなの」との思いが先にたつ。私はここで頭をめぐらし、このところこの地方を奇襲してきたゲリラ豪雨の凄さに、伸びている間がなかったのでは、と勝手な想像をしたのである。
 とはいえ、鎌を手に「これでもか」と、大地のあちこちに顔を出したちいさき草々を問答無用とばかり一網打尽に刈り、掘り、切り、抜きとっていったのである。作業を進めるうち、なんだか自分たちが〈草取り名人〉になったような、そんな錯覚にもかられた。ラジオからは朝のラジオ体操が流れ、こんなふたりの姿をいつ描いたのか、と。そう思ったりもした。

 いったん帰宅し全身びしょぬれの下着を着替え今度は茶の間でラジオから流れ出る私たちの大好きな〈音楽の泉〉を聞きながら朝食を共にする。本欄執筆のためしばらく自室にこもり、新聞その他をチェックしたあとは、「熱砂」例会に出席するため名鉄電車に乗って名古屋へと出向いた。いやはや、めまぐるしい。
 例会では久しぶりに同人の元気そうな顔を前に、互いに自作について語ったり、同人仲間が最近発表した作品に対する感想を述べ合うなどした。夕方、帰ると、やはり眠けが全身に纏わりついている。そうかといって、そのまま寝るわけにもいかない。ここは自らを叱咤激励、夜遅くまでかかって欠席同人1人ひとりに報告メールを作成し送信させていただいた。
 というわけで、長い1日が過ぎ、いまはほとんど全身が寝入り込む寸前の状態である。もう夜も遅い。そろそろ寝なければ。そう思い、ふと右手人差し指を何げなく見ると、そこには早朝の草取りの証明とでもいえようか。つぶれそうになった豆があった。もう少し鎌を手にしていたら、確実に血豆となって噴き出していたに違いない。痛い。いたさに今初めて気づいた。

 仕方がない。寝ることにしよう。

【きょうの一文・ことば】
 龍雄君は原爆で亡くなっていました。東京の空襲が激しくなり、広島のおばあさまのところに預けられたそうです。龍雄君はあの日、勤労作業で建物疎開に出たまま帰ってきませんでした。遺体はもちろん、遺品もなく目撃者も全滅したので、35年たってもお墓もつくれない、とおっしゃっていました。
 私は立っているのが、やっとでした。お父様たちに「またつらい思いをさせてしまって…」とおわびをすると、こう言われました。
 「龍雄は転校ばかりで友だちもいないし、12年しかこの世にいなかった。あの子のことを覚えているのは家族だけと思っていたのに、35年も覚えていてくださり、ありがとうございます。あの子もさぞ喜んでいるでしょう」と。
=しんぶん赤旗日曜版2016年8月28日号『〈この人に聞きたい 女優渡辺美佐子さん(1932年生まれ)〉初恋の君は原爆の犠牲に 第1話ドラマ、朗読劇反戦の思い込めて』の記事のなかで。渡辺美佐子さん

【新聞テレビから】
☆『〈NEWSストーリー 取材に基づく再現〉ゲリラ豪雨 ……名古屋市科学館の公務員スタッフたちが感動の神対応』(28日夜、東海テレビMr.サンデー)
☆『〈予知信仰の崩壊 東海地震説40年=上=〉科学的根拠はどこに』『高浜初の広域防災訓練 同時事故想定せず 原発11基密集(敦賀、美浜、大飯、高浜原発ともんじゅ)若狭沿岸』『原発避難不安の一本道 高浜訓練 渋滞、給油の課題露呈』『受け入れ指針 手付かず 避難先の宝塚』、『辺野古沖ジュゴン去る? 食事跡消滅』、『空調トラブルでMRJ(小型ジェット旅客機。三菱リージョナルジェット)渡米延期 きょう再離陸へ調整』、『介護の道夢みつけた 視覚障害の女性やりがい 春日井』『「きつい」現場 低い賃金 大きな身体的不安』、『〈ニュースを問う〉 ネパール人新入社員のもぐさ物語 祖国発展の夢、日本の〈家族〉と 即戦力の正社員 特別扱いはしない 渡辺大地(長浜通信局)』『〈サンデー版大図解〉鴨長明 没後800年』、『〈読む人 記者の1冊〉『新しい道徳「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか』北野武著(出田阿生)』、『〈中日旅行ナビ ぶらっ人〉飯田線 秘境駅めぐり』(28日付、中日朝刊)
☆『5000人 華麗にサンバ 浅草』『1万8000発 夜空彩り 秋田・大曲の花火』、『〈Sストーリー〉山谷 心のふるさと――最後の労働者「玉三郎」逝く』『「寄せ場」沸かせる舞 山谷玉三郎の生涯 家業から逃れ漂着 同じ境遇仲間が支え』、『貧困たたき許さない 東京でデモ』、『人質テロ 首謀者を殺害 バングラ警察 拠点で銃撃戦』、『相模原殺傷 個人情報保護で連携分断 自治体・病院 容疑者退院後 検証チーム指摘へ』、『首相、安保連携重視 アフリカ開発会議 投資で成長支援』、『日韓通貨交換再開へ 関係改善が追い風』、『■地学五輪、日本は金3人、銀1人』、『■皇后さまがピアノ演奏=草津音楽の森国際コンサートホール(群馬県草津町)近くセミナーハウスでワークショップに参加され、著名な外国のチェリストやバイオリニストとともに、ピアノ演奏を楽しまれた』(28日付、毎日朝刊)

八月二十七日
 一時は南下して沖縄・南大東島周辺で迷走していた台風10号が気を取り直すかのように日本の南海上を東寄りに進んだ。こんご進路を北寄りに変え、30日にかけ東日本から北日本に接近。最終的な進路については西日本上空にある冷たい空気のかたまり「寒冷渦」が大きな影響を与えると見られるが、さて、どんなコースをたどるのか。被害がないことを望みたい。

 台風といえば、ことしは8月の1週間の間に3つもの台風に襲われた北の大地・北海道に与えた被害が甚大だ。全国一のタマネギ生産量で知られる北見市ではタマネギが至る所で全滅、ほかにジャガイモ栽培への打撃など被害は数億円以上に及ぶという。
 関電高浜原発の広域防災訓練が福井県高松町で行われた。原発近くで暮らす住民が公用車やバスで避難先の兵庫県に移動したが、受け入れ体制をどうするか―が新たな問題となって浮上している。いずれにせよ、広域防災訓練そのものへの取り組みは評価してよい。

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 土曜日。午前から午後にかけては各務原市内での社交ダンスのレッスンに参加。帰りにスーパーと薬局、コンビニへとお茶など大物の買い出しを兼ねて回り、引き続き舞の営むリサイクルショップ「ミヌエット」に瞬間的に顔を出し、帰宅後は新聞チェックをはじめ、読書、本欄「生きてゆく人間花たち」などの執筆と綱渡りの時が容赦なく過ぎていく。あすの「熱砂」の例会資料も作らなければ。キリキリまいまいとは、このことか。
 考えてみれば、私の場合、昔も今もいつだってこんなものである。現役時代、原稿執筆と取材に費やした時間を除けば、それこそ1日じゅう走り通しだった。あのころに比べれば、まだ随分とましかもしれない。それにしても時折ふと眠けに襲われ、そのまま寝入ってしまいそうだ
 ひと息ついたところで今度は、銀行から郵便局へ、と結構飛び回る1日となったが、郵便局のドアは閉まったままだった。「あ~ぁ」と、疲れがふきでる。
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【きょうの一文・ことば】
 ゴジラの第一作が核実験による第五福竜丸の悲劇に影響を受けた作品であるのに対し、『シン・ゴジラ』は3・11以降の核の恐怖をテーマとしている。だから怪獣映画にまったく興味のない人にも見応えがある。むしろ、ゴジラは初めてという人にお勧めしたい。
=27日付中日夕刊『〈大波小波〉21世紀のシン・ゴジラ(春と修羅)』から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『強い勢力維持し台風10号上陸も』、『〈詩歌への招待〉戦争と平和』、『北朝鮮ミサイル強く非難 安保理声明 中国が一転同意』、『〈でらサタ〉リオパラリンピック来月7日開幕 「足」進化 日本製VS海外製 用具も激戦』『〈義足〉反発力より高く 〈炭素繊維〉より軽くより強く』、『高浜原発で広域防災訓練 9000人参加200人、県外へ避難「絵に描いた餅」実効性疑問も』『老人ホーム電話報告だけ 自主的に訓練』、『MRJ離陸後引き返す 米国試験計画 空調不具合か 開発日程たびたび延期』、『威勢良く舞い続け どまつり本祭始まる』『熊本頑張ってます 学生中心のチーム 復興支援へ感謝込め踊る』、『イタリア地震 がれき下なお15人 72時間経過、死者281人に 耐震化4年の校舎倒壊』(27日付、中日夕刊)
☆『72時間経過捜索懸命 イタリア地震死者281人に パスタで被災地支援』、『被災球児にネット裏のエール 陸前高田・アナウンス年100試合 親友亡くした悲しみ越えて』、『高浜 初の広域訓練 原発事故避難 30㌔圏7000人参加』、『イスラム水着禁止無効 仏最高裁「公共秩序に危険ない」』『ヒジャブ(イスラム教徒の女性が着用するスカーフ)が警官制服に スコットランド』、『宇宙に生命の痕跡? ISS(国際宇宙ステーション)収集の微粒子分析』『アフリカに3兆円投資 官民・3年で 首相、午後表明 開発会議』、『神戸山口組が結成1年会合 兵庫・厳重警戒』(27日付、毎日夕刊)
☆『名古屋城天守の議論停滞 議会「業者選定から見直しを」 河村市長「訴訟のリスクある」』、『年金運用損さらに5兆円 4~6月、昨年度分に迫る 英EU離脱が影響』、『欧州でハイブリッド生産 トヨタ、為替リスク回避』、『どまつり開幕 汗散らせ』、『共謀罪テロ対策で提出へ 名称変更、組織犯罪を対象』、『ワンセグは受信料不要 NHK訴訟判決 設備設置と認めず』(27日付、中日朝刊)
☆『子どもの自爆テロ38人 ユニセフ報告 (イスラム過激派)ボコ・ハラム支配地域』『イラク政争深刻化 国防相解任 対IS影響は限定的』、『時代絵巻幻想的に 西尾・大提灯まつり』、『川内原発停止申し入れ 九電に鹿児島知事』、『関の「元重」銘入り太刀発見 始祖の後継者作か 市が購入、展示へ』、『3800人迫力の演舞 ど真ん中祭り前夜祭』、『■築地市場移転に小池都知事が「疑問」』(27日付、毎日朝刊)

八月二十六日
 熊本地震後、鹿児島県民の不安は高まっている。川内原発(薩摩川内市)の稼働を直ちに一時停止して施設の安全性を点検・検証してほしい―とこの日午後、鹿児島県の三田園訓知事が県庁内で九州電力の瓜生道明社長に対し原発停止を求める要望書を手渡した。
「二度と福島のような原発事故を起こしてはならない。できるだけ早く一時停止し再検証、再点検すべきだ」との三田園知事の強い要請に瓜生社長は「熊本地震後の安全性について問題はないと確認している」としつつも「要請内容を確認し、しっかり検討を進めたい」と話している。さて、どんな対応をとってくるのか。疑わしきは罰する、でこんご地震発生に伴う原発事故の発生が少しでも危険視される以上、ここは思い切った英断を望みたい。
 たまたま、きょうは先に再稼働した愛媛県の四国電力伊方原発3号機で配管のつなぎ目から最大1・3㌧の水が漏れ出るトラブルが発生。放射性物質の漏れや運転への影響はないというが、このところは原発トラブルが起きるたびに日本じゅうの「心」が地震の如く恐怖の念でヒヤリ、ヒヤリと揺れ動いている。
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 ことし4~6月の年金運用実績が英国の欧州連合(EU)離脱に伴う株価下落などが影響し5兆2342億円の赤字になった、と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表。この運用損、1国民としては、勝手に国民の大切な財産に手をつけられ、損失を出されたようでどこかふにおちない。名古屋では、ことし18回目となる【にっぽんど真ん中祭り(どまつり)】が中区、久屋大通公園での前夜祭で開幕した。

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 読書と執筆の合間に、ここ1カ月ほど前から連日、寝る前にユーチューブで聴いている勝新太郎の〈およしなさいよ〉を、あらためて繰り返しきき、疲れをいやす。時間を見計らって私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人全員にメールと電話の二刀流で明後日、すなわち28日午後、名古屋市内で開く「熱砂」例会の連絡を、させていただく。
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【きょうの一文・ことば】
 ………彼は骨格と筋肉が完全に発育した肉体を持っている。何だか丹精に飼育された家畜を思わせるくらいだ。そのせっかくの肉体を、明日、殺してしまうことがまことに無駄なことに思える。この健康な男を家畜なみに殺す、しかも殺人を厳禁した国の中で合法的に殺すことが許されている。そのことが他家雄にはすっきりと納得できない。国がなぜ彼を殺すかといえば、彼が国が殺してはいけないというのにさからったからだ。しかし殺してはいけないといった国はさからった彼を殺さねばならぬ。国が彼を殺せば彼が殺した人のほかに国に殺された彼が加わって殺された人の数は増大する。いったいにこの算術はどこかがおかしい。どこがおかしいかをおれははっきり言うことができないが二つの矛盾だけは明らかだ。
………
………
「おらは雪コ好がねえけどもよ、ひもじくてひとりぽっちで淋しい時は、こうして雪を食ったもんだよ。そうすれば何となく治ったもんだよ」
「今日は、天が、砂田のために雪を降らしてくれたかしんねえぞ」と老看守がからかった。
「ほんとだ、んだんだ。親爺さん、ひとつどうだ食べねえか」砂田は枝の上の方の雪をそっと掬い取った。
………
=〈「加賀乙彦 宣告」(新潮社)〉より。抜粋
 
【新聞テレビから】
☆『川内原発一時停止 鹿児島知事要請へ 午後、九電社長に』、『共謀罪 対象絞り提出へ 名称も変更 テロ対策前面 強い反発過去3度廃案』、『17歳と16歳犯行主導か 河川敷遺体 川に頭沈める動画も』『「金銭要求されていた」友人証言』、『地域活性化の息吹に 鼻笛グループ演奏の輪拡大 郡上・和良地区』、『青森の中1男子いじめで自殺か 東北町教委が調査』、『NHK受信料訴訟で判決 ワンセグ 契約義務なし』『堂島ロール類似品提訴 大阪地裁、商標権侵害』、『「言葉見つからない」高畑淳子さんが謝罪 息子の強姦致傷容疑』(26日付、中日夕刊)
☆『川内原発の停止要請 鹿児島知事 きょう午後、九電に』、『極秘和解交渉決裂 山口組分裂あす1年 抗争控え 存続優先か』、『消費者物価0.5%下落 7月 黒田緩和後 最大』、『共謀罪 要件絞り法案 政府、臨時国会にも「テロ準備罪」』、『伊調選手に国民栄誉賞検討』、『787欠陥改修長期化 全日空 部品納入来年以降』、『犠牲者悼む 花束絶えず 相模原殺傷1カ月』(26日付、毎日夕刊)
☆『伊調に国民栄誉賞検討 政府 レスリング五輪4連覇』『イタリア地震 死者250人に 倒壊家屋に 多数下敷き』『「街が消えてしまった」』、『新たに4少年逮捕 河川敷殺害16歳、容疑認める』、『ポケGO運転 2人目死者 春日井20代男 女性ひいた疑い』、『〈訃報〉 ソニア・リキエルさん死去 86歳 仏デザイナー「ニットの女王」』(26日付、中日朝刊)
☆『B787エンジンに欠陥 ANA一部欠航10月以降も 50機改修』『空港の滑走路に訓練機胴体着陸 仙台』、『〈凶刃 障害者施設殺傷事件1カ月㊤〉 語れぬ生きた証し 遺族、匿名に葛藤「偏見つらい」』『笑顔、愛嬌…記憶に 安心できる園 立て直す』、『イタリア地震死者241人に 下敷き数十人 観光客巻き添え』『17時間後に8歳を救出』『石造りで被害拡大』、『「英語対応能力検定」来年から 本社、旺文社・カシオと合意』、『歴代クラウン 東京へ 最古は還暦超え 豊田を出発』、『ファミマに支払い勧告 下請法違反 不当減額の6.5億円 公取委』、『■中部国際空港、出入国者数13%増』(26日付、毎日朝刊)

八月二十五日
 イタリア中部で24日未明起きたマグニチュード(M)6・2の地震。被害は時がたつにつれ傷口を広げ、25日午後現在(日本時間同日夜)の死者は250人以上に及んでいる。埼玉県東松山市の河川敷殺害で同県警は殺人容疑で市内に住む無職少年(16)を逮捕したのに続き、新たに少年4人も逮捕。
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 夕方。思うところもあって、徒歩行脚で市内の居酒屋へ。午後8時には帰るつもりが10時前後の帰宅とあいなった。私はそのまま台所居間で着た切りスズメとなって寝込んでしまい、ハッと気がついて起きたときは翌日(26日)未明の午前3時を過ぎていた(妻によれば、次女猫シロちゃんが私の顔を舐め回して起こそうとしたが、一向に起きる気配がないため途中であきらめたのだ、という)。
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【きょうの一文・ことば】
「成功中の成功、勝利中の勝利」「ミサイルの段階別分離体系や誘導体系の信頼性、弾頭部の命中精度など核心技術の指標が作戦的要求に完全に到達した」「試射結果を通じ、われわれが核攻撃能力を完璧に保有した軍事大国の戦列に入ったことが証明された」
=25日付中日夕刊『SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射は「成功中の成功」 正恩氏、技術者称賛』の記事のなかで。金正恩朝鮮労働党委員長のことば

【新聞テレビから】
☆『緊急会合声明で難航 安保理 北ミサイルで協議』『「北朝鮮への圧力強化」 米報道官 中国にも協調促す』、『「21世紀の映画」千と千尋が4位 英BBC発表』、『イタリア地震死者159人に 崩れた石壁救助阻む 住民「町も死んだ」』、『「メール無視され殺した」 河川敷遺体殺人容疑で16歳逮捕』『「人懐こい」「元気な子」埼玉の16歳殺害 同級生ら悲しみ』、『これで涼しいざんしょ? 暑い夏 人気のサービス お化け屋敷 冷たいおでん 南極を体感』、『バイク愛過疎を救う 浜松・天竜 移住、峠にライダーカフェ』、『ノルウェー首相 ポケGO大好き 外遊先で熱中』、『ファンド出資をかたり詐欺容疑 東京の社長逮捕 113億円集める』(25日付、中日夕刊)
☆『4光年先に地球型惑星 英チーム発見 温暖、生命体いる可能性』、『伊地震死者159人 100人なお下敷き』『避暑地「悪夢のよう」 古い建物ほぼ壊滅』、『安保理非難声明出せず 北朝鮮ミサイル 一部反対、調整へ』『正恩氏「成功中の成功」』、『リオ五輪選手団が解団式』、『投資会社社長ら逮捕 詐欺容疑 113億円集め運用せず 警視庁』『羽振りの良さ信じ』(25日付、毎日夕刊)
☆『北の潜水艦弾道弾 500㌔飛行 韓国軍「射程2000㌔超か」』『安保理が緊急会合へ』、『PKO警護訓練始動 安保法新任務 陸自きょうから』、『愛知県の新生児検査 来春から 2疾患拡充 全国初 重症複合免疫不全症など』、『サークルKサンクスのポイント (現在ファミマで採用する)Tカードに変更へ』、『前原氏、代表選出馬へ 民進』『「つまらない男」発言 蓮舫氏が「猛省」』、『元慰安婦に1人1000万円 10億円内訳 故人は上限200万円』『少女像の移転「圧力強まる」韓国、警戒広がる』(25日付、中日朝刊)
☆『尖閣 不測の事態回避 岸田氏に中国外相表明』、『財団、元慰安婦に1000万円 遺族200万円  8・5億円支出 日韓外相 合意』『〈解説〉 日本譲歩解決図る【小田中大】』、『入社選考にも人工知能』、『4年後も全力 五輪選手団帰国』、『〈訃報〉仏教本質迫る小説 真継伸彦さん死去=22日、急性肺炎のため死去。84歳だった』(25日付、毎日朝刊)

八月二十四日
 25年ぶりのセ・リーグ制覇を狙う首位広島。東京ドームで行われた2位巨人との直接対決で7―3で勝ち、優勝へのマジックナンバー「20」を点灯させた。それにひきかえ神宮でのヤクルト戦で最下位ドラゴンズは、5―2で敗退。これで15戦連続で3得点以下という泥沼状態が続く。
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 首都圏と東日本、北海道に河川氾濫など大きな被害をもたらした雨、風台風だったが、ここ尾張地方にもきょうは雷鳴が轟くなか、天を割ったような激しい雨が「これでもか」と2時間ほど、長きにわたって降り続いた。まるで病んだ自然がありったけの力と絶叫をあげながら鬼の形相で人間社会に突進してくるような、そんな図で天からの空爆ならぬ〈雨爆〉の間は、全身びしょ濡れになってしまうため外には1歩も出られない。
 それでも、こうした風雨に襲われるたびに、どこかに姿をくらましてしまい、怖そうにしていた次女猫シロちゃんが心配そうな顔でひとところに丸くなって、口を真一文字とし事態の推移を毅然とした表情で見守るように座っている姿が印象的だった。こわかったに違いない。でも、姉の長女猫こすも・ここ亡き今は「私が家を守らなければ」といった、そんな気持ちが伝わってきた。

 北朝鮮が早朝、東部新浦付近の海から、日本海に向け潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射、ミサイルは約500㌔飛行して日本の防空識別圏の約80㌔内側の日本海に落下。核開発と技術力の高度化、精密さが世界を震撼させている。
 時あたかも、日本で行われていた日中韓外相会議のさなかで、この挑発行為には3国ともそろって自制を求めた。それにしても、北朝鮮の核の脅威は高まる一方である。北朝鮮に扉を開こうとしない、村八分的な姿勢にかの国がありったけの力で反発し、かつ拡大一途の軍事力を公然と見せびらかしている、そんな気がする。
 各国とも北朝鮮との対話の道を模索できないものなのか。このままだと一瞬にして人間が坂を転げ落ちていくように、破滅の道を進むことだって、なきにしもあらずだ。ここは互いに冷静かつ安全な対応を、と望みたい。人類、誰とて、みな幸せを願って生きているのだから。

 イタリアで24日未明、マグニチュード6・2の地震が発生。中部アマトリーチェの中心部がガレキに埋まり、これまでに150人以上の死者が確認されたという。日本では徳島市内で女性2人がポケモンGOをしながら運転していた男の車にはねられ、死傷する事故がとうとう起き、男は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕された。

 人間社会が雑多な夥しい渦潮に巻き込まれながら、未知へと歩いていく。

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 夜。ネパールのカトマンズで旅行業の傍ら、日々ネパール大地震の被災地復興に命をかける長谷川裕子さん(愛知県稲沢市出身)から、はるばる海と山を超えてメールが入った。ネパール人の夫でカトマンズ日本語学院校長のニルマニ・ラル・シュレスタさんと互いに手を取り合いながら二人三脚の社会貢献活動には、あらためて頭が下がった。
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【きょうの一文・ことば】
 ここまできてしまったら、へんに勝って希望を持たせるより、ボロ負けしてくれた方ががいい。あと1勝もできず、負け続けてくれた方がよっぽどいい。
=24日夜。尾張地方に住む、ある女性ドラゴンズファンの嘆きの声

【新聞テレビから】
☆『五輪旗半世紀ぶり 東京に』『「責任の重さ実感」五輪旗歓迎式で都知事』、『日中韓外相結束を強調』『五輪効果リオに117万人 市長「ジカ熱症例はゼロ」』、『北、潜水艦ミサイル発射 500㌔飛行 日本防空識別圏に落下』『技術進展高まる脅威 北ミサイル 大幅に飛距離延伸』『首相「許し難い暴挙」』、『安保法新任務の訓練開始 防衛相表明 集団的自衛権も対象 〈解説〉危険性説明せぬまま(共同・池田快)』、『シリア北東部停戦合意 ハサカ ロシア軍が仲介か』、『徳山村の「宝」守る ダム水没 民俗文化元住民らが伝承活動』、『イタリア中部でM6・2 2人死亡 建物損壊被害も』、『事件前から認識女性狙い暴行か 高畑容疑者』、『空腹時記憶力アップ 都医学総研 ハエで確認、人間も?』(24日付、中日夕刊)
☆『勇気と希望の 土俵入り 横綱ら (宮城県名取市の)閖上=ゆりあげ=で復興支援』、『10億円拠出閣議決定 慰安婦支援事業開始へ』、『クルド、支配地域獲得 シリア政権と停戦合意 北東部』、『駆け付け警護訓練開始へ 安保関連法本格運用 防衛相表明』、『日中韓外相が会談 北朝鮮情勢で意見交換』、『北朝鮮SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射 500㌔飛行 日本の防空識別圏に』、『前原氏出馬へ 民進代表選』、『高山の果樹園経営夫婦 亡き息子の思い 結実 楊貴妃愛した桃=国内では幻の桃と呼ばれる蟠桃(ばんとう)。唐の玄宗皇帝の妃。楊貴妃が愛したとされ、西遊記では孫悟空が食べる話も登場する。中央がくぼんでおり重さ150~180㌘、直径7~9㌢。甘さは控えめで食べやすい= 今年もたわわに』、『眞子さまが来月パラグアイ訪問』(24日付、毎日夕刊)
☆『ソバの花 秋ゆらり 木曽・開田高原』、『柏崎刈羽再び優先審査 規制委 沸騰水型、年度内適合も』、『学テ一部生徒の答案除外 沖縄の複数校「平均点下がる」と』、『城の避難誘導見直す動き 熊本地震で櫓など被害 松本城手順改定へ 犬山城訓練を検討』『再建の名古屋城職員に対応徹底』、『〈ニュース前線(加藤美喜)〉愛犬は見ていた 豊明母子4人殺害 来月12年 5月に永眠』、『8月は平年上回る頻度 寒冷渦で台風連続』『石狩川など各地で氾濫』(24日付、中日朝刊)
☆『シベリア今も多く埋まる 遺骨収集「命続く限り」抑留引き揚げ60年 92歳=荒木正則さん。大阪府河内長野市=の決意 解明望む帰還者 追悼式』、『〈エンドレスウオー〉「ロボット部隊」本格化 自動軍用車実戦へ イスラエル「世界初」配備』、『65歳超雇用継続に助成 厚労省方針 年内にも開始』、『露パラ除外決定 薬物問題CAS(スポーツ仲裁裁判所、本部・スイス)、訴え 棄却』『IOC(国際オリンピック委員会)判断と対照的 CAS、「規則順守」を支持』、『調査捕鯨妨害禁止で合意 米連邦地裁 シー・シェパード 日本の安全高まる』、『海外視察報告文面同じ 千葉県議団 政活費充てる』、『「受験勉強せず刺した」名古屋・小6殺害 逮捕の父が供述』(24日付、毎日朝刊)

八月二十三日
 処暑。暑さがおさまり、朝夕は日ごと涼しさが感じられるというが、ナントナクそんな気がしないでもない。でも、ここ尾張名古屋は、まだまだ暑い。

 前日からきょうにかけ荒れ狂った首都圏・関東、東日本地方の受難に追い打ちをかけでもするように今度は東日本を縦断した台風9号が北海道日高地方に再上陸。旭川市はじめ美瑛町、平取町、北見市と各地で河川の決壊氾濫はじめ土砂崩れ、橋の崩落、床上床下浸水が続出。この日だけで北の大地で28河川が氾濫、11号、9号の順に襲われた台風=いずれも温帯低気圧に=のあとは、★台風一過★どころか各地で雨、風の被害が続出。惨憺たるありさまとなった。
 空に鮮やかな虹が浮かんだかと思いきや、稲妻を伴った雷鳴が轟くなど、まさにこの世は容赦なき地獄、自然との闘い、いや、なされるがままである。かといって、自然の脅威だけは止めようがない。誠に持って人びとは、そうした地獄と天国の〈あわい〉を生きてゆくのだ。

 福岡県須恵町で41歳の母親が1男3女の首を絞め殺したかと思えば、埼玉の河川敷では上半身裸の16歳男性の遺体が見つかり、千葉では女性ふたりが歩いていたところを、後ろから自転車に乗って通り過ぎた若い男に追いぬかれざま刃物で脇腹を刺された。自然災害だけでもう十分なのに。人間たちの中には、狂った男や女がいる。

 たまたま点けたテレビで見かけたが、〈真夜中のカウボーイ〉など数々の名演奏で知られたという、ハーモニカの世界的奏者トゥーツ・シールマンスさん=ベルギーのジャズ・ハーモニカ奏者。伝説的なハーモニカ奏者で、マイルス・デイビスら幅広いジャンルの音楽家らと共演=が亡くなった。94歳だった。私自身も〈ハーモニカ少年〉として、これまでを生きてきただけに、シールマンスさんには、どこか親近感を覚えてしまう。

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 旅立ちといえば、数日前わが家の庭に面した居室窓の桟(さん)に飛来し、そのまま息たえた蝉の骸(ムクロ)。私も、舞も、しばらくそのままにしてやっていたのだが。きょうは、なぜか夏の終わりを感じたこともあり、舞の手で亡き愛猫こすも・ここが眠るお墓の横にねんごろに葬った。この蝉も一生懸命に鳴き木にすがってこの夏を生きてきたのだ。おやすらかに。1羽の蝉の旅立ちを私たちと共に黙って見送ったのが次女猫シロちゃんであった。こうして、ことしの夏は過ぎていく。

 土中に葬られる前、最期のひとときを私たちと過ごした名もなき蝉1匹
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【きょうの一文・ことば】
「人間があれほど残虐になれることに人間として深く傷ついた」。
………
「その芽は私にもあるはずだから」
=23日付中日夕刊『〈伝える訴える〉人道危機世界は沈黙 対テロ戦争のはざまで㊤トルコ』の記事のなかで。トルコ南東部ジズレの現場から人道危機をツイッターで発信し続けた国会議員のファイサル・サルユルドゥズさんの嘆き
※記事によれば、少数民族クルド人の町・ジズレは昨年12月から、武装勢力クルド労働者党掃討の名目でトルコ治安部隊に79日間封鎖され、市民らが激しい攻撃を受けた。対テロ戦争のはざまに埋没した人々に助けは来ず、乳児を含む250余人が死亡し、地下室に逃げ込んだ130人以上が治安部隊の火で焼かれたという。

【新聞テレビから】
☆『グラついに決断 小倉監督解任 初のJ2降格危機』『ワースト更新17戦未勝利 〈記者の目〉クラブに残るのか? 異例の「休養」「扱い』(23日付、中日スポーツ 1面トップ)
☆『処暑ですが …まだまだ猛暑』、『捕鯨妨害禁止で合意 シー・シェパードと日本側』、『仏大統領選 サルコジ氏出馬表明』、『台風9号 北海道に爪痕 市街地冠水、川の堤防決壊』、『リオの熱気と感動胸に 日本選手団帰国の途』『揺れる吉田「引退も」』、『安倍首相登場、森氏の発案――五輪閉会式のサプライズ』、『ロクテ選手契約解除――虚偽強盗報道で4社』、『現行犯逮捕の痴漢無罪 大阪地裁支部検察控訴せず確定』、『強盗殺人罪で28歳男追起訴 目黒の切断遺体』、『19のかがやき消えない 相模原殺傷 車いすの女性、犠牲者しのぶ歌』(23日付、中日夕刊)
☆『台風9号が 北海道上陸』、『F35を16機配備 岩国市長に説明 外務政務官ら』、『平松守彦さん死去 前大分知事「一村一品」提唱』、『世紀末 夏の重労働は夜だけ 過熱化 熱中症リスク』、『〈チェック〉舟でスイスイ 東京五輪へ 観光・通勤「タクシー」も 利用拡大 官民連携カギ』、『触る展示好評 南山大 人類学博物館「視覚障害者も楽しんで」』、『レスリング吉田 引退言及』『リオ充実「練習したい」日本選手団帰国の途に』、『「安倍マリオ」森組織委会長発案 閉会式でサプライズ』(23日付、毎日夕刊)
☆『〈核心 〉川内原発停止 鍵は定検 10月と12月 再稼働判断、知事に主導権』、『〈全電源喪失の記憶 証言・1F汚染第9章⑤〉海洋流出 噴き出す高濃度汚染水』、『硫黄島で戦死 元日本兵が所持 日章旗故郷の飯舘帰還』、『平和のバトン東京へ リオ五輪混乱なく閉幕』『スポーツの原点回帰を(本社五輪取材団キャップ・酒井和人)』、『米軍F35岩国に16機 最新ステルス機 来年1、8月配備』『J1名古屋 小倉GM兼監督 休養』(23日付、中日朝刊)
☆『台風9号 東日本縦断 各地で豪雨 首都圏直撃』、『リオ五輪閉幕 小池知事「重責」 20年東京 本格始動』、『あす日中韓外相会談 日中対立 一時調整が難航』(23日付、毎日朝刊)

八月二十二日
 台風9号が関東地方では2005年8月いらい11年ぶりに直接、首都圏を襲う形で千葉県館山市付近に上陸。河川の氾濫や床上床下浸水はじめ鉄道や空の便の運休、濁流にのみこまれた死者など各地で多くの被害をもたらし、北海道へ。その北海道でも大雨と同時に土砂災害や土地の浸水などの被害が出ているという。自然には勝てない。
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 リオ五輪が世界中の人びとの友情と歴史、4年後開かれる次の開催地・東京への夢をのせて閉幕した。日の丸とブラジル国旗を手に〈リオの風〉に乗って、意気揚々と行進する日本選手団。テレビ画面から映しだされる壮大な閉会式。全ての選手、役員ら関係者、そしてブラジル国民の笑顔を見てあらためて〈世界はひとつ〉だなっ、と思う。今回初めて出場した難民選手団の選手はじめ家族を思い、友情を支え合いながら頑張る気持ちはどことて皆、同じである。

 閉会式。〈トウキョウ〉への引き継ぎ式では、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から着物姿の小池百合子都知事に五輪旗が手渡され、小池都知事がこの旗を大きく左右にふると、会場は歓声のルツボと化した。
 続いて映しだされた東京五輪の紹介映像。ここでは、マラソンの高橋尚子さんはじめ歴代のメダリストにまじってキャプテン翼やハローキティがボールをリレー。ドラえもんがポケットから出した土管をスーパーマリオが通って地球の反対側へ。最後にマリオに扮した安倍晋三首相が登場して会場を沸かせる――といった日本ならでは、のキメ細かい演出とパフォーマンスが繰り広げられると、会場は歓声とためいき、どよめきに染まった。
 ちなみに「リオデジャネイロ」は、ポルトガルの探検家が名付け「1月の川」を意味する、とか。リオから東京に向かって、どこまでも伸びる新たな夢の川。そんな思いが土管の道を通って新天地をめざすキャプテン翼やハローキティに託されたのではないか。これまた〈金〉にふさわしい世界が熱狂するフィナーレにふさわしい演出だった。

 中日新聞や、NHKテレビなどで報じられた閉会式の模様
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 愛猫シロちゃんの右手人差し指が裂けているのを昨日、息子が発見。きょうの午前中、シロちゃんかかりつけの愛北動物病院へふたりで連れていった。「年を取ると、爪研ぎをしなくなるので、どうしても伸びてしまい、ケガの原因になります」といつもの医師。全部の爪を切ってもらい、裂けて異物が入っていた患部には化膿止めを塗り、注射を1本お尻に打っていただいて帰った。幸い、たいしたこともなかったが、何より息子の発見に感謝したい。

【きょうの一文・ことば】
「最初は何が起きたのか分からなかった。その後、肩に手を添えられて、これは五輪だからゴールしなきゃ、と言われた。これこそが五輪精神そのものだと思った」
=22日付毎日夕刊『情熱だけが心を動かす』の記事の中から。陸上女子5000㍍予選でアビー・ダゴスティノ(米国)と交錯し転倒したが、直後に転倒したダゴスティノに手を差し伸べ、ニッキ・ハンブリン(ニュージーランド)はこう語ったという

「これぞ、オリンピック」。選手相互の友情が報じられた紙面
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【新聞テレビから】
☆『台風9号 関東大荒れ 列島北上、交通機関 乱れ』『こっちはあっち~ 東海猛暑』、『〈Rio2016〉感動 TOKYOへ リオ17日間の熱戦に幕 成熟都市の知恵示そう 小池知事に五輪旗 4年後アピール』『都知事着物姿で五輪旗引き継ぎ』『情熱、多様性永遠に 各国選手カーニバル 吉田選手「経験伝える」』『国境超え「また会おう」4年後への序章 アベマリオドカンと登場』『〈大波小波〉リオデジャネイロの雪(要)』、『米化学会ロジャー・アダムス賞 中部大・山本教授が受賞』、『3~10歳4人死亡 福岡 無理心中か、母を聴取』(22日付、中日夕刊)
☆『台風9号 関東接近』、『〈リオ五輪〉東京で会いましょう リオ五輪閉幕』『夢の続きともに 閉会式 東京開催成功誓い「被災地に目向けて」福島で式典PV』『若手の活躍自信 メダルラッシュ次も 主将吉田晴れやか 飛鳥、桐生「金目指す」』『首相「準備万全」IOC会長と会談』『リオの日系人と安倍首相が面会』『日本人犯罪被害強盗や窃盗19件 五輪期間中』、『米探査チーム撮影 瞳つぶら深海のイカ』、『〈特集ワイド 2016夏会いたい 平和よ7〉三木睦子さん「九条の会」呼びかけ人(2012年死去、享年95)戦争反対の遺志継ぐ 親しかった安倍首相の祖父』、『イラク IS(過激派組織「イスラム国」)36人の死刑執行 兵士大量殺害罪 首都テロに報復』『爆弾テロ20人死亡 ソマリア過激派が犯行声明』(22日付、毎日夕刊)
☆『リオ五輪 今朝閉会式 日本メダル最多41 「初」「◯年ぶり」ラッシュ』『熱走最終走』『友情の「4本投げ」 新体操・杉本選手 大技に代表落選者への思い』、『オペラ座の怪人 名古屋で千秋楽』、『結婚式で テロ51人死亡 トルコ南部 自爆犯10代前半か』『〈訃報〉山ちゃん創業 山本重雄氏死去59歳』『〈訃報〉吉田文雀さん死去 88歳 文楽人形遣い、人間国宝』、『小6、父に刺され死亡 北区 殺人未遂容疑で逮捕「自宅で口論になった」』『勉強も運動も頑張っていた…友人や知人ら』、『遊泳女性8人切られる 東京のプール 傷害容疑で捜査』、『〈訃報〉むのたけじさん死去 101歳 反戦のジャーナリスト〈評伝〉平和願い 叫び、書き続け(編集委員・佐藤直子)』(22日付、中日朝刊)
☆『〈リオ五輪〉リオから東京へ 五輪きょう閉幕 ブラジル悲願の金サッカー』『届け感謝のリボン 新体操団体杉本主将 切磋琢磨した仲間へ 入賞目指し駆け抜ける』、『作新54年ぶりV 甲子園』、『四季の劇場閉館 名駅南に10月新装開館』、『大和さん葬儀に友人ら400人参列 熊本地震』、『〈訃報〉むのたけじさん死去 101歳 反戦ジャーナリスト』『最後まで平和訴え むのさん死去 後輩ら「思い継承」』、『プールで女性 8人刺傷 傷害容疑で捜査 遊泳中に出血 東京サマーランド』(22日付、毎日朝刊)

八月二十一日
 夏の全国高校野球は甲子園であった決勝戦で栃木の作新学院が南北海道の北海を7―1で下し、春夏連覇の1962年いらい54年ぶり二度目の優勝をした。台風11号が東北の東海上を北上し午後11時過ぎに、釧路市付近に上陸。9号の方は、同10時現在、東京都・八丈島の南の沖合を北上しており、東海地方にはあすの昼前後に最接近しそうだという。
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 ブラジルの勝利で歓喜に包まれたマラカナン競技場と優勝を決めたネイマール(NHK総合)
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 205の国と地域、初めて編成された難民五輪選手団など1万1000人を越える選手が出場して南米では初めて開かれたリオ五輪。そのオリンピックの祭典が21日最終日を迎えた。
 サッカー男子の決勝戦があった聖地・マラカナン競技場。ここでは6万3000人が見守るなか、開催国ブラジルがドイツと戦い1―1のまま延長を終えたPK戦で5人目に立った、あのネイマールの〈ひと蹴り〉がゴール右に決まった。
 ブラジルは「世界」が手に汗握るPK戦を5―4で制して初優勝、地鳴りのような歓喜の足踏みと歓声、満場の喝采がサンバのリズムとともにマラカナンにこだました。この瞬間をたまたまラジオで聞いていた私は正直、ブラジルが勝ちホッとした。それも千両役者・ネイマールの相手GK(ゴールキーパー)の逆、虚をついての見事なキックがきいて、つくづくよかったな、と思う。

 そして。何よりもこのキックは戦争、テロ、民族や宗教対立、領海争いなど憎しみと悲しみの連鎖が果てない世界への強烈なる愛のシグナル、警告とも映った。この〈ひと蹴り〉が戦争から平和への転換点の一撃になれば、と心から願いもしたのである。
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 各国のメダル取得数を報じるNHKテレビ
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 金12、銀8、銅21とオリンピック史上最多計41個のメダル獲得となった日本勢は、この日も「リボンの4本投げ」をひっさげて登場した新体操の団体決勝で8位に入賞、陸上男子マラソンでも3選手が雨のなか、それぞれ最後まで懸命の走りを見せてくれたが、メダルには届かなかった。でも、みなよくやったと思う。勝者がいれば、敗者もいる。両者がいるからこそ、喜び、悲しみ、感動と、替えがたきドラマがあるのである。

 新体操で見事な演技を見せる日本チーム
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 この日、私と妻の舞は午前5時過ぎに私たちの畑〈エデンの東〉を訪れ、ラジオから流れる五輪の模様を聞きながら、この1週間の間にアッという間に生えてきた草を、ただ黙々と鎌で根元から切り取っていった。草を引きながら、つくづく思うことは草引きは人生と同じだ、ということ。ナンダカンダといったところで、人々は誰もが繰り返しのなかを生きていくのである。草むらからは、コオロギのなき声が聞こえ時折、〈朝の風〉が頬をなでて吹きぬけていく。
 私は思う。大地には悪いが目の前の畑が全てをのみこんでしまう〈海〉だったらな、と。
 
        ★        ★ 
 ふるさと秋田の横手市でかつて週刊新聞「たいまつ」を発刊し生涯、反戦と平和を訴え続けてきたジャーナリストむのたけじさん(武野武治)さんが、老衰のため101歳で亡くなり、名古屋名物手羽先で人気の居酒屋チェーン〈世界の山ちゃん〉の創業者、山本重雄さんも解離性動脈瘤で名古屋市内の病院でこの世を去った。59歳だった。おやすらかに。
 生前のむのたけじさん(NHKニュースから)
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【きょうの一文・ことば】
 それでも、私は引き下がらなかった。
「身体の中にコンビニの『声』が流れてきて、止まらないんです。私はこの声を聴くために生まれてきたんです」
………
 こうして喋っている時間がもったいなかった。コンビニのために、また身体を整えないといけない。もっと早く正確に動いて、ドリンクの補充ももっと早くできるように、コンビニの「声」にもっと完璧に従えるように、肉体のすべてを改造していかなくてはいけないのだ。
………
=文學界6月号に掲載された村田沙耶香「コンビニ人間」から。抜粋
※コンビニの存在価値が日に日に増している。そんな社会だけに、コンビニに生きがいをかける「私(古倉さん)」の存在を、とても嬉しく思った。この小説はある面、時代の核心も突いている

「日本はチームワークがいい。この数年、彼らを見てきたが、彼らはいつもバトンの扱いが素晴らしい。我々よりはるかにたくさんの練習をしていて、チームメートを信頼しているのも分かる」
=21日付毎日朝刊『4年後への新風 素晴らしいバトンパス ボルト、ガトリンが評価 米 悪夢の失格』の記事のなかで。男子400㍍のリレーで金メダルに輝いたジャマイカのアンカー、ウサイン・ボルトは、こう語った

【新聞テレビから】
☆『伊方原発再稼働 避難地震欠陥 住民不安そっちのけ 危険なフタ放置』『近くに活断層運転中止を 高知大学防災推進センター特任教授(地震地質学)岡村眞さん』(しんぶん赤旗日曜版、2016年8月21日号)
☆『〈サンデー版大図解〉健康寿命』、『自衛隊南シナ海派遣けん制 中国「譲れぬ一線越える」』『広島土砂災害 発生2年「悔しさ今も」』、『〈Rio2016 日本のメダル金12銀8銅21〉リレー技極め銀 男子400アジア新 伝統アンダーパス進化 レスリング樋口が銀』『競歩好きで好きで 荒井失格一転銅』『競歩・荒井選手兄2人沿道へ 遺影の母見届けた』『イマドキ人魚芯強い シンクロ地獄の特訓耐えた 反発せず、しなやかに』『レスリング樋口選手 ハタチの飛躍反骨心 東京世代「伝統関係ない」』『興奮「ジャポン」コール 陸上400リレー』『「銀にふさわしい走り」ボルト選手も称賛』、『検索結果「すべて削除を」 プライバシー訴訟で地裁がヤフーに明示』、『SMAP解散米紙1面で分析』(21日付、中日朝刊)
☆『台風11号と9号接近し大雨警報 気象庁』、『〈Sストーリー〉ブラジル移民の戦痕――70年前「勝ち組負け組抗争」』『汚された愛国心 終戦直後ブラジル日系社会で連続殺傷「敗戦派は非国民」』『戦争がすべてを不幸に』、『戦後70年不明の父「帰る」 シベリアの抑留中死亡昨年通知 千葉の77歳男性 戸籍の訂正進める』、『〈リオ五輪〉ボルトに迫った 日本400リレー銀 最多41メダル』『短距離 見せた四重奏 銀の走り世界も絶賛 日本400リレー 飯塚弟「人生で一番感動』『ソロモン諸島から選手引率 青年海外協力隊OB鳥取出身の藤山さん(50)』、『生物大量全滅 土壌流出が一因 2億5200万年前 東北大グループ』、『〈全国高校野球98〉作新学院VS北海 きょう決勝』、『■NYタイムズ、1面で「SMAP解散」』(21日付、毎日朝刊)

八月二十日
 日本は、リオのオリンピック一色に染まっている。それだけ平和だということか。スポーツの祭典を見る限り、どの国の選手も勝てば喜び、負ければ悔しがるの繰り返しで人間はみな同じ。世界はひとつ、だという思いを強くするのだが。それが、そうはいかない。
 ロンドンのシリア人権監視団などによれば、シリアではアサド政権軍が19日、前日に続いてシリア北東部ハサカのクルド人勢力支配地に空爆を強く加え、こどもを含む22人が死亡。オリンピックと空爆と。この落差は一体何なのか。人間の業、宿命なのか。
 リオでは国境の壁を超えた友情と感動のドラマが繰り広げられているというのに。私にはわからない。

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 400㍍リレーで世界2位を勝ち取った(左から)山県、飯塚、桐生、ケンブリッジの四人=NHK総合速報ニュース画面から
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「予選を突破し、守りに入らないよう攻める気持ちでいきました。今までの人生で最高の瞬間でした」(山県)「日々の練習とコミュニケーションのおかげです。東京五輪では個人のリベンジも兼ね、リレーでは金メダルをめざしたい」(飯塚)「自信になりました。東京では速さと強さを兼ね備えた選手に」(桐生)「まだまだやれる手応えを感じました。東京では個人もリレーも今回の結果を超えるようにしたい」(ケンブリッジ)

 息を吹き返した桐生。そして日本のバトンタッチの妙が「世界」を震撼させた――
 リオ五輪は、15日目の19日(日本20日)。男子400㍍リレー決勝で日本が誇る4選手=山県亮太(24歳。セイコーホールディングス)飯塚翔太(25歳。ミズノ、静岡県御前崎市出身)桐生祥秀(20歳。東洋大、滋賀県彦根市出身)ケンブリッジ飛鳥(23歳。ドーム)。以上、走行順=のすばらしい走りと、目にも留まらぬ日本ならでは、忍者のような鮮やかなバトンさばきが功を奏し、37秒60のアジア新記録で史上最高となる銀メダルを獲得した。
 やったぞ、ニッポン!

 男子50㌔競歩も荒井広宙(28歳。あらいひろおき。自衛隊。長野県小布施町出身)が3着でゴールした後に一度は失格になったが日本の抗議が認められ、日本競歩界初のメダルとなる銅メダル、レスリングの男子フリースタイル57㌔級も樋口黎(20歳。日体大)が銀メダル、シンクロナイズドスイミングでもチームのフリールーティンで日本は3位に入り2004年アテネ大会いらいのメダル獲得となった。

 これで、日本のメダル獲得数は金12、銀8、銅21の計41個に。前回ロンドン五輪の38個を抜いて史上最多となった。

 400㍍リレー決勝でゴールインするケンブリッジ、右は1位ジャマイカのアンカー、ウサイン・ボルト。結果の表示板。歓喜のなか、途中、カメラの砲列に応じつつ日の丸を掲げ場内を一巡する日本選手=NHK総合テレビから=
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 さっそくバトンリレーの極地を伝えた21日付中日朝刊1面
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【きょうの一文・ことば】
「(日本と中国を指導した)9回の五輪の中で最も中身が濃く、ハードな練習を課してきた。練習内容はどの国にも負けない。全部この1回に懸けてこい」「メダルを取らせるために、むちゃくちゃ強引にあの子たちを引っ張ってきた。メダルを取らせてやることができ、責任を果たせたなと。あの子たちがすごく喜ぶ姿を見て、素直にうれしかった」
=20日付毎日夕刊『人魚天高く輝く シンクロ 和とサンバ 融合の銅』『「私を抜きなさい」 井村コーチ復帰2年半で表彰台』の記事のなかで。〈シンクロの母〉井村雅代ヘッドコーチ(66歳)の感慨

「スポーツに打ち込めるのは平和であればこそ。戦争は絶対にいけない」「スポーツを無心に楽しめる平和のありがたさが身に染みる。私のように、戦争のために夢を断たれる子どもが二度と出ないように、平和を守り続けていきたい」
=20日付中日夕刊『幻の「東京」目指した長野の女性 五輪平和だからこそ』の記事のなかで。名古屋で過ごした愛知淑徳高等女学校(現愛知淑徳中学・高校)時代に1940(昭和15年)年に開催予定だった東京五輪への出場をめざし猛特訓したが、日中戦争の拡大で開催が返上され夢を果たせなかった矢外節子さん(91歳)のことば
※記事によれば、矢外さんは兵庫県宝塚市で生まれ、名古屋には10歳のころ移り住んだ。自宅近くの庄内川で泳ぎを覚え、37年4月に競泳の強豪だった愛知淑徳高等女学校に入学。2年生の時に自由形200㍍で当時の高等女学生としては最速レベルの2分53秒の好記録をマーク。腕を大きく回す泳法が「大車輪のようだ」と言われ、五輪出場をめざし練習に一層の熱が入った、という。だが、その夢は戦争のためしぼみ、はかなく消えた。現在は、長野県白馬村で過ごす

【新聞テレビから】
☆『広島災害鎮魂の祈り 発生2年 復興は道半ば』、『〈Rio2016〉 男子400リレー銀 ケンブリッジ走る喜び東北で学んだ 桐生と山県けが乗り越え歴史刻む』『感動駆け巡る 男子400リレー銀 桐生選手の父 涙』『飯塚選手母校「勇気くれた」』『荒井競歩初の銅 レスリング樋口が銀』『母の遺影 荒井後押し』『競歩の荒井選手失格一転「銅」抗議実って歓喜』『過去には体操も(五輪の判定を巡る混乱)』『長期戦「強い日本」回復 シンクロチーム銅』『減量失敗の教訓 糧に レスリング銀・樋口選手』、『多彩な品に熱視線 常滑焼まつり開幕』、『★「俳句甲子園」が開幕』(20日付、中日夕刊)
☆『核禁止交渉へ勧告採択 国連部会報告書 日本は棄権』、『シリア衝突続く 政権とクルド側 数千人が避難』、『北朝鮮外交官が妻子と韓国亡命 ロシア勤務』、『ソ連崩壊招いた「8月クーデター」 25年評価巡り国民複雑』、『〈リオ五輪〉400リレー銀 樋口銀レスリング 日本メダル最多41 シンクロチーム銅 日本最強伝説』『侍盤石のバトン 世界に誇る技術と速さ』『人魚天高く輝く シンクロ 和とサンバ 融合の銅』『樋口若武者弾む ダークホース下克上の銀』『競歩・荒井銅 接触→3位→失格一転』『速いぞ 世界も驚き 400リレー頂点に迫る』『中村ジャンプの美結実 シンクロチーム銅』『女子と練習技研究 レスリング 樋口銀』『風になり母が押した 競歩・荒井銅 「生きている間に見せたかった」』『父の指導生き 奥原粘りの銅』(20日付、毎日夕刊)
☆『〈Rio2016〉吉田銀レスリング女王の涙 勝ってやめろ、と父は遺言を残した 去就は「まだ分からない」 川井金 樋口銀以上』『あきらめず バド女子複 タカマツ金 女子単奥原不戦勝銅確定』『シンクロチーム銅 3大会ぶり表彰台』(20日付、中日朝刊)
☆『〈リオ五輪〉吉田 金以上の銀 時代築き後進育て バド奥原銅』『金メダル取らないといけないのに…… 吉田の号泣に 「主将」不要論』『快挙生んだ父の支援 バドミントン女子 高橋・松友組』『賭博問題の影振り払う活躍』『メダルめちゃくちゃ重たい カヌーの羽根田親友に銅を報告』『ブラジル大統領代行 五輪閉会式を欠席へ』(20日付、毎日朝刊)

八月十九日
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 日本が泣き、世界が泣き、人びとが泣いた。地球の全てが泣いている――

 リオ五輪第14日目の18日(日本時間19日)。日本は金ラッシュが続き、破竹の勢いのレスリング女子のなかにあって、世界選手権と五輪を合わせた連続世界一16を続け、58㌔級伊調に続く五輪4連覇をめざした53㌔級の吉田沙保里(中京女子大=現至学館大出=、三重県津市出身)が決勝で昨年の世界選手権55㌔級を制したヘレン・マルーリス(米国)と対戦、第1ピリオドで1㌽先取したが、第2ピリオドで4㌽を失い逆転負けした。

 というわけで、きょうは日本中が女子レスリング界の女王、吉田の敗戦の涙で暮れる1日となった。と同時に、これほど純粋かつ清らか、そして美しい涙はないな、とも思った。涙は本人どころか、周囲までも育てる。悔しくて。悔しくて。これ以上の悔しさはない涙だったに違いない。だが、涙という不思議な生きものは人間そのものを育ててくれる、そんなことを思ったりした。

「たくさんの方々に応援していただいたのに銀に終わってしまい、申し訳ないです。こんなんじゃ(亡き)お父さんに怒られてしまう。メダルはコンビニとかスーパーでは売ってなんかいない。勝った人しかもらえない、と言っていたお父さん。その父がどこかで見ていてくれると思い、頑張ってきたのに」。
 試合後。そう言って泣き崩れた娘を前に「霊長類最強といわれてもかわいい娘、私の誇りです。よくやりました。おめでとう」と母幸代さん。私は、この言葉に思わず泣いていた。そして涙の向こうに広がる〈虹〉のような新しい世界を感じたのである。泣けばよい。吉田! 泣けるだけ泣け。泣け! 吉田よ

 涙の吉田を報じた19日付中日夕刊
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 14日目に入ったリオ五輪。女王・吉田の銀こそ悔しかったが、この日も女子レスリング63㌔級の川井梨紗子(至学館大、石川県津幡町出身)が初出場で金メダルに輝き、バドミントン女子ダブルスでも高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が決勝でデンマーク組に逆転勝ちし、同競技で日本初の金メダルを獲得。陸上の男子400㍍リレー予選でも日本が37秒68のアジア新記録をマークして決勝進出を決めるなど各競技とも、日本選手の健闘が目立っている。

 この日、男子200㍍決勝にはジャマイカの英雄、ウサイン・ボルトが出場。19秒78で制し、100㍍に続く初の3連覇を達成した。

 200㍍でも2連覇を果たし歴史を刻んだボルトの走り。勝利後は、観客に手をふって応える場面も。=NHK総合画面から
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【きょうの一文・ことば】
 横綱双葉山の六十九連勝をめぐって名言が残る。七十連勝を阻止した前頭安芸ノ海が喜び勇んで勝利を報告すると、師匠の出羽海親方は「勝って褒められるより、負けて騒がれるようになれ」と。
        ♧
 「吉田敗れ銀」という大見出しが躍る号外が今朝、配られた。まさに、負けて騒がれることになったのである。十六まで重ねた連続世界一が始まったのは二〇〇二年の世界選手権。十四年も前だ。
        ♧
 負けたことが大ニュースになるのは、それほど強かったということである。負けたことに驚き、われわれはあらためて吉田沙保里の足跡の大きさを思い知らされるのである。さおりん、泣くな。
=19日付中日夕刊〈夕歩道〉。まさに、このとおり。歴史に残る、まっこと、ステキな〈こらむ〉だった。これまた金? いや〈銀メダル〉に勝るとも劣らない光り輝く記事である。

【新聞テレビから】
☆『川内原発 避難計画 知事が 見直し表明 周辺視察 「早急に必要」』、『〈Rio2016〉吉田V4逃し涙の銀 レスリング 川井初出場で金 バド奥原不戦勝で銅へ』『それでもサオリがいちばん みんなのため闘い続けた娘 地元・津 母校・至学館大』『父の形見の攻撃あと一歩 吉田、決勝まで206連勝』『レスリング63㌔級金 母の夢はリサコがかなえた』『階級変更登坂先輩の助言 馨さんに勝つより五輪 決断』『バド女子複 タカマツ 日本初金 結成10年以心伝心』『伝統の複タカマツ大輪 バドミントン女子金』『王者ボルト200も3連覇 譲れぬ種目貫禄示す』、『中国、東シナ海に軍艦埠頭 尖閣300㌔日米との有事想定か』、『西之島の警戒範囲縮小 上陸の自粛を 「生態系築かれる時期」』『興正寺前住職の告訴検討 申告漏れ 高野山側、背任容疑で』(19日付、中日夕刊)
☆『〈リオ五輪〉「ごめんね」号泣 吉田「金欲しかった」』『熱闘ありがとう「よく頑張った」』『高橋・松友組 金 最強の連携一気に逆転 バドミントン 奥原は銅獲得へ ボルト200もV3』『吉田銀 4連覇逃す レスリング 重圧動き硬く』『川井 金 63㌔級』『被害の虚偽申告仲間の1人供述 米競泳「強盗」』、『仏リゾート地「過激派を連想」「イスラム水着」禁止 肌露出せぬ女性用 反発の声も』『生活保護削減・公共の場 ブルカ禁止 オーストリア法案』、『露「48時間の停戦用意」シリア激戦地「人道支援」』『クルド人拠点を初空爆 シリア政府軍 内戦構図複雑化へ』、『停止アカウント数36万 ツイッター テロ助長や脅迫で』(19日付、毎日夕刊)
☆『袴田さん逮捕の50年 早期再審開始訴え 姉ら記者会見』、『愛にあふれた 園長先生 盲導犬連れ転落死品田さん「やさしいこころをわすれないで」』、『金藤選手に栄誉賞を検討 200平「金」で岐阜県・市』『〈Rio2016〉吉田、川井決勝へ レスリング』『女子3階級逆転の金 伊調けが乗り越えV4』『女王育てた家族愛 レスリング』『深呼吸だね。姉の一声 伊調選手最大の理解者』『「マットの父」に報告だ 土性選手の父は兄弟子』『最初のファンは両親 登坂選手の勝利疑わず』『バド・奥原 3位決定戦へ 家族・仲間への感謝胸に』『卓球界全体強化実る 男子団体銀 小学生から定期合宿』『米競泳陣強盗は虚偽 地元メディア 警察当局確認と報道』『品というよりカリオカ気質』(19日付、中日朝刊)
☆『ミャンマー和平支持 中国首相 スーチー氏と会談』『ミャンマー 民族和平進展へ 正念場 スーチー氏、中国に接近』、『キューバ初訪問 首相が日程調整 来月、首脳会談』、『〈リオ五輪〉伊調未到4連覇 レスリング女子 母が支え怖さに勝った』『登坂・土性 時代開く金』『強盗被害自作自演か 米競泳選手 2人が出国禁止』、『〈訃報〉「ある愛の詩」 アーサー・ヒラーさん92歳=カナダ出身の映画監督。17日、老衰で死去。米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが 発表。「ある愛の詩」(1970年)でアカデミー監督賞にノミネート。「ラ・マンチャの男」(72年)や「大陸横断超特急(76年)などを手がけた』、『海岸浸食存続の危機 星野道夫さん原点の村 アラスカ』、『「頑張ったね。お帰り」熊本地震 大和さん無言の帰宅』、『柔整師養成厳格化 療養費不正 職業倫理必修に 厚労省方針』、『児童ポルノ自画撮り増加「普通の子」ら、スマホで安易に』(19日付、毎日朝刊)

八月十八日
 大気の不安定で関東から北海道にかけ稲妻を伴った激しいゲリラ豪雨。ところによっては、河川が氾濫、道路や住宅街が冠水し腰まで水に浸かる被害となった。ここ尾張地方でも夜間、ほんのいっときではあったが猛烈な雨が大気を切り裂き、地表と屋根瓦を容赦なくたたいた。
 10年間、ロンドンの北朝鮮大使館に駐在した外交官、テ・ヨンホ公使が謎の亡命。いったい何があったのか。亡命前、テさんは周辺に「こどもや将来への不安を語っていた」という。またイギリス出国時には数億円もの現金を持ち出しており大使館内で問題化、犯罪の臭いも。北朝鮮エリート層の謎の出国劇が国際社会で波紋を呼んでいる。

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 リオ五輪はレスリング女子58㌔級で伊調馨(32)=ALSOK=が決勝で終了間際、ロシア選手に逆転勝利し女子個人種目で全競技を通じて五輪史上初の4連覇を果たしたのをはじめ、48㌔級で世界選手権3連覇中の登坂絵莉(22)=東新住建=が、69㌔級の土性沙羅(21)=至学館大=も共に五輪初出場で金メダルに輝くなど快進撃が続く。
 ニッポンのメダル数は現地時間の17日夜(日本の18日朝)現在で金10個、銀5個、銅18個に達している。ほかにもレスリング女子53㌔級の吉田沙保里(中京女子大=現至学館大=出、三重県津市出身)と63㌔級の川井梨沙子(至学館大、石川県津幡町出身)が順調に決勝へ。バドミントン女子シングルスでは奥原希望(日本ユニシス、長野県大町市出身)が準決勝で敗れはしたが3位決定戦に。女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀(日本ユニシス)がデンマークとの決勝戦に進出、金メダルが期待されるなど女子の活躍が目立つ。
 まさにニッポンの女子恐るべし 強し! である。

 日本女子レスリングの活躍を報じる夕刊紙面。1部抜粋
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 このところの新聞、テレビ、ラジオなど各メディアの報道は明けても暮れてもオリンピック一色。そんななか、夏の甲子園だけは相変わらずの人気できょうは準々決勝の4試合があり、秀岳館(熊本)、明徳義塾(高知)、北海(南北海道)、作新学院(栃木)が準決勝に駒を進めた。ドラゴンズはナゴヤドームでの巨人戦に3―2で負け、2リーグ制移行後の球団ワースト記録を更新する11カード連続の負け越し。ナニやっとるんだ! と言いたい。
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【きょうの一文・ことば】
「数多くの国で多くの試合に出たが、こんなことは初めてだ。敬意もフェアプレーもなく、ひどく悲しく、落ち込んでいる」
=18日付毎日朝刊『表彰式でブーイング バッハ会長不快感 観客、銀の仏選手に』の記事のなかで。陸上男子棒高跳びでブラジル選手との一騎打ちになった際、観客から激しいブーイングが浴びせられたばかりか、表彰式でもブーイングを受けた同棒高跳び銀メダルのルノー・ラビレニさんの嘆きの声
※棒高跳びの試合は15日行われ、ラビレニさん(フランス)は優勝したチアゴブラス・ダシルバさん(ブラジル)と一騎打ちになり強烈なブーイングを受けた。ブーイングは16日の表彰式でも名前が呼ばれると、再び起こったという。これにはIOCのバッハ会長も「衝撃的な振る舞いで、受け入れられない」と不快感を示した。一方、優勝したチアゴブラス・ダシルバさん(ブラジル)は「ブラジル国民が勝ちたいという気持ちを理解できる。彼らは感情をコントロールできないものなのだ」の弁

【新聞テレビから】
☆『〈Rio2016〉伊調4連覇 登坂、土性も金 レスリング至学館魂で大逆転』『「お母さんが助けてくれた」天国に届いたV』『若き女王新時代 土性選手(21) 敗戦、恩師の死 いっぱい泣いて最後に笑顔』『親娘の夢三ツ星 「沙羅!」地元松阪沸く』『「攻めろ―」「よかったね」「信じてた」 家族が絶叫、歓喜』『父から励ましメール やめたい気持ち消えた 登坂選手(22)』『至学館大夜通し 「ニッポン」コール』『卓球男子団体銀』『てんぐから 仲間思いに 卓球・吉村選手 大学団体戦で成長』『本紙が号外配布』『小池都知事リオへ出発』、『東京円も一時99円台 2カ月ぶり 輸出企業に圧力』、『〈2016米大統領選〉トランプ氏 また持ち札替え 選対本部、てこ入れか』(18日付、中日夕刊)
☆『〈リオ五輪〉伊調女子初4連覇  残り3秒五輪に歴史 登坂・土性も金』『母にささげる金 敗北を力に 58㌔級・伊調』『「一番弱い」教え子栄光 69㌔級・土性』『48㌔級登坂 窮地救った片足タックル 父に誓った「一番」』『6人全員 金狙え 寮母とねいや 至学館大』『卓球男子 銀』『父とつかんだ夢 卓球男子団体銀』、『〈米国の撰択16年大統領選〉 トランプ氏、陣営刷新 右派に傾斜 巻き返し図る』、『米空軍長官が懸念表明 核先制不使用「強さ保つ必要ある」』、『「国連決議違反」米が北朝鮮非難 プルトニウム生産』(18日付、毎日夕刊)
☆『福島廃炉の費用 新たな支援提言 自民復興本部、首相に提出へ』『猛暑でも 電力に余裕』、『北朝鮮核再処理認める 核兵器増産可能に』『北朝鮮「核保有」進む既成事実化』、『年金減額「違憲」と提訴 岐阜県内の353人、賠償求め』、『伊調、登坂、土性決勝進出 レスリング』『三者三様生まれた信頼 27歳福原 23歳石川 15歳伊藤 卓球女子団体銅』『復活の銅 陰に名伯楽 シンクロ 井村監督、時代見極めた構成』『バド日本人対決でスタンド 今日だけは「敵」、分かれて応援』、『〈みんなの本〉土俵一途に 杉山邦博さん著(愛知県内総合版)』(18日付、中日朝刊)
☆『〈リオ五輪〉福原 結実の涙 卓球女子銅 重圧耐えた主将 「私が動じたらだめと強く思っていた」』『〈Features リオきょうの主役〉タックルは父の形見 V4へ鍛え抜いた30年 レスリング女子 吉田沙保里(33)』『近代五種女子朝長(なつ美。24歳) 私の成長天国の父へ 「見せたい」晴れ姿』、『台風7号 温帯低気圧に』(18日付、毎日朝刊)

八月十七日
 午後、図書館へ。

 リオ五輪は第13日目の17日、卓球女子が団体(福原、石川、伊藤)で、シンクロナイズドスイミングのデュエットでも乾友紀子(井村シンクロク、滋賀県近江八幡市出身)三井梨紗子(東京シンクロク)がそれぞれ銅メダルを獲得した。

 卓球女子団体とシンクロ乾・三井組の歓喜の銅を報じた夕刊紙面
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 このほか、日本選手同士の対決となったバドミントン女子シングルス準々決勝では奥原希望(日本ユニシス、長野県大町市出身)が2―1で山口茜(再春館製薬所、福井県勝山市出身)を破り、日本勢初の四強入りを果たすなど各競技での活躍が目立つ。この日は日本期待の女子レスリングの試合も始まり、個人種目で五輪史上初の4連覇がかかる58㌔級の伊調馨(ALSOK、中京女子大=現至学館大=出)らの快進撃が始まっている。

        ×        ×
 「先制不使用」。おかしいか? 使えばすなわち、ともども明日なき核の世界。「傘」がほころび、値打ちが落ちるどころの話ではなく。(17日付毎日夕刊〈近事片々〉から)
 これに付け足させてもらえば。【そこには勝者も敗者もなく、人間世界の敗北だけがあり人類そのものの存在価値もなくなる】のである。、と―
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 ナチス・ドイツが六百万人ものユダヤ系住民を殺したとされるホロコースト。放浪の民ロマやドイツ国内の障害者の大量殺害。ゲシュタポ(秘密国家警察)が張り巡らせた密告の網の目。侵略的な領土拡張と、数多くの戦死者。奪われた言論と表現の自由。
 狂気の極地ともいうべきこうした事態をなぜ国民は支持したのか。對馬さんは「思考停止したということです」と言う。「ヒトラーを一番支持したのは主婦たちでした。家計を握る主婦にとって大事なのは、あすの暮らしをどうするか。ヒトラーの政策は実利を伴っていましたから」……
 そればかりではない。「戦地からの略奪品を国民に分け与え、強制収容所に送り込むユダヤ人から奪った貴金属などを安く公売しました」。
 空襲で家を焼かれた人にはユダヤ人の空き家を与えた。大衆はヒトラーを熱狂的に支持し、感謝の手紙を寄せた。倫理観も何もない。「数年のうちに、人はここまで堕落するのかというくらいに」
=17日付中日夕刊『〈ナチスの時代を見つめて 戦後71年㊥ 對馬達雄 秋田大名誉教授〉抵抗した市民の勇気(加古陽治)』から。抽出
 
【新聞テレビから】
☆『台風7号 関東などで大雨 新幹線や空の便に影響』、『高浜4号機燃料取り出し 関電、長期停止見込みで』『異例の作業安全確認に課題』、『〈Rio2016〉シンクロ乾・三井組銅 肝っ玉15歳銅卓球女子団体伊藤のびのび』『猛練習耐えて開花 乾・三井組 誕生日の監督に贈る銅』『母とメダルつかむ(卓球女子団体の伊藤)』『祖父母美誠選手ねぎらう 好物おすし握るからね』『仲良しライバル 奥原選手VS山口選手 白熱』『「南北間の交流なぜ駄目なの」自撮り話題の韓国選手』、『政権移行のチーム8人中5人が女性 クリントン陣営』、『ハンドル、アクセルなし 完全自動運転 実用化へ フォード21年目標』、『臍帯血からiPS作製 京都大 成人よりも高品質』(17日付夕刊)
☆『東京地下鉄ホーム転落 視覚障害者団体 調査へ 盲導犬連れ事故に衝撃37%「転落経験」 声がけ呼びかけ』、『〈リオ五輪〉卓球女子結束の銅 強気伊藤を先輩支え 乾・三井組銅 シンクロ』『最高の師よ 目標のメダル誕生日に贈る シンクロ銅 乾・三井組』『二人三脚の母笑顔でたたえ 卓球女子団体銅 自慢の娘よ』『物おじせず 華麗に 体操女子床 7位村上』『小さくても大きな闘志 女子バレー159㌢の座安』、『他人のカード情報悪用 闇サイトで入手 商品注文の疑い 警視庁・男逮捕』、『牛すきやっぱり「高根の花 ミツカン調査 人気はトップ「食卓に上る」は4位』(17日付、毎日夕刊)
☆『米の先制不使用首相が反対 核の傘依存 被爆者憤り』、『〈Rio2016〉卓球女子団体 銅 バド複 タカマツ 金か銀 跳馬白井銅 卓球男子初の決勝』『違う性格 ペア=高橋礼華、松友美佐紀組=の神髄』『けがと苦闘知っているから、拍手 努力の天才力走 陸上女子5000鈴木選手 名大出身初の五輪』『父「ホッとした」豊橋で留守番応援 現地で母「頑張れーっ』『水谷選手卓球団体の柱 孤高から兄貴へエース成長』『吉村選手の母校愛工大70人声援』『LGBT(性的少数者)配慮トイレ普及へ リクシル 東京五輪に向け設計助言』、『雇用主の鵜匠書類送検 長良川船頭死亡 救命装備怠った容疑』、『トンネル内炎上 奈良で3人死亡 2台正面衝突』、『クマに襲われ従業員死亡 群馬 サファリパーク 車で巡回中』(17日付、中日朝刊)
☆『吃音「差別受けた」6割 「理解不十分」7割 本紙アンケート』、『〈Featuresリオきょうの主役〉希望乗せてショット 友の不祥事吹き飛ばす バドミントン女子奥原希望(のぞみ、21) 勝利の鍵三つの得意技』『山口8強後押し大声援 地元などから30人「積極的にプレーできた」バド・シングルス』、『〈リオ五輪〉高橋・松友組銀以上 結成10年信頼の連携』、『甘利氏元秘書2人不起訴 東京地検 検審議決受け再び』、『〈訃報〉アベランジェ氏死去 100歳、FIFA(国際サッカー連盟)元会長』、『「ポケGO」ギネス記録に 配信1カ月間 ダウンロード1億3000万回』(17日付、毎日朝刊)

八月十六日
 15日付米ワシントン・ポスト紙が、日本の安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に、オバマ政権が検討している核兵器の先制不使用政策について「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として反対の意向を直接伝達した、と報じた。これに対して被爆地の広島、長崎では「核廃絶を訴えながら〈核の傘〉に依存する日本政府の姿勢に、ずっと異議を唱えてきた。いいかげんにしてほしい」の声。まさに人間の叡智が問われている。

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 夜。古都・京の山々では盆を迎えた先祖の霊を送り出す「五山の送り火」があり、雨のなか〈大〉〈妙法〉〈船形〉〈左大文字〉〈鳥居形〉の順で、次々に火が放たれ、黒い山肌に大きな絵文字が浮かび上がった。この様子はNHKのBSプレミアムでもスペシャルライブとして生中継された。
 わが家では、ことし初盆を迎えた愛猫こすも・ここと、先代で能登、大垣で共に暮らした愛猫・てまりの見えない〈かぜ〉の如き霊を一身に背負ってきたシロちゃんが送り火に合わせ開いた窓からその霊を外の大気に放って見送ったが、お姉さんたちの魂と命が滞在中、シロちゃんは食事や水の世話に始まり、あれやこれやと本当に気遣ってくれ心から感謝している。
 シロ! おつかれさまでした。ありがとう。

 そういえば、ことしはシロちゃんと舞たちの奮闘努力のおかげもあって、かつて小牧から能登への転任が決まった直後にこの先を儚んでか。何かを暗示でもするように、急死した愛犬ポチの霊も一緒にわが家を訪れていたような、そんな気がする。霊は亡き「私の父」はじめ、全ての家族が永遠に消えないひとつの〈愛のあかし〉となってつながれていくのだ。

 【ここも、てまりも。〈かぜ〉とともに去りぬ】 NHK画面に映し出された京の五山の送り火と、大役を終えホッとする半面、さびしさを隠し切れない表情のシロちゃん=16日夜、わが家にて
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 そういえば、きょうは三男坊の生まれた日だ。
 彼の誕生日といえば、日航ジャンボが御巣鷹山に墜落(昭和60年8月12日)した直後のことで、あのころは航空記者として空からのルポなどで朝から夜遅くまで取材に飛び回る日々が続き、いまになって病院に顔ひとつ出せず「悪かったナ」と思っている。
 そして1年後には、★愛犬ポチの死★という衝撃と悲しみのなか、赤ん坊のまま他の子どもふたりも連れ、舞と一緒に空港のある町・小牧から、能登半島の七尾に転任。三男坊は雪に包まれたその町で大病を患い生死をさまよったり、煮えたぎったヤカンに誤ってぶつかって大やけどするなど語り尽くせぬほどの多くの出来事があった。その後もいろいろあった。でも、今となれば、彼は当代を代表する一流のシステムエンジニアとして、よくぞここまで立派な社会人に育ってくれたものである。
=このあたりの記述は、私の著作〈泣かんとこ 風記者ごん!〉〈火焔――空と海〉(いずれも能登印刷)などに詳しい。

 ということで、今夜はシロちゃんも一緒にステーキとケーキであらたな門出を静かに祝った。
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 リオ五輪の方。卓球の男子、女子団体はじめ、バドミントンの女子ダブルス、シングルス、陸上、シンクロなどで相変わらず各競技での健闘がつづき、卓球女子団体では3位決定戦で日本がシンガポールを3―1で下し、ロンドンに続いて2大会連続の銅メダルを獲得した。男子団体もドイツを破り、決勝進出を決め金メダルへの期待が膨らんでいる。

【きょうの一文・ことば】
 世界的にドーピング違反が取りざたされている状況でボルトはクリーンな選手の「最後のとりで」でもある。「世界一ドーピング検査を受けた」と言われ、それらをすべてクリアしてきた。この日、違反歴があるジャスティン・ガトリン(米国)が登場すると観客はブーイングを浴びせた。ボルトには地鳴りのような大歓声。誰がスポーツの高潔性を守ってきたか、リオの観客も分かっていた。
 今月21日で30歳になるボルトには衰えも見え始めていた。今回の五輪もボルトへの関心は「世界新記録を出すか」ではなく「王座を守れるか」。しかし、今回はガトリンに0秒08差をつけて「限界説」を一蹴した。
「誰かが僕を不死身だと言った。あと二つメダルを取って、サヨナラだ」と興奮気味に語ったボルト。引退の時期を巡る発言は二転三転しているが、スーパースターのラストダンスは果たしてどこになるだろうか。【新井隆一】
=16日付毎日朝刊『〈リオ五輪〉ボルト「限界」見せず 陸上男子100 史上初3連覇 高潔さに満場の感動』の記事から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『関東、北日本に台風7号が接近』、『〈伝える訴える〉 非道と狂気世に警鐘 「終末時計」の針は今 米国 ▶◀残り3分 ▶◀良心の叫び ▶◀目覚まし役 (文・太田昌克)』、『首相、核先制不使用に反対 米に伝達「対北の抑止力低下」被爆者から憤りの声』『「日本の憲法私たちが書いた」米(バイデン)副大統領異例の言及』、『〈Rio2016〉白井跳馬新技で銅 攻めて3回半ひねり 卓球男子団体銀以上』『「亜由子計画」発進 所属監督「長距離界の救世主に」今夜、陸上女子5000㍍予選』『カメラ落下 7人軽傷 五輪公園 高さ20㍍以上から』『ドイツ人コーチ交通事故で死亡 乗車タクシー壁衝突』、『かき氷多彩な涼 節電で再人気 ケーキ風も』、『トライ・ザ無事故 愛西の駐在所夫婦 身内犠牲「悲劇二度と」啓発へソング』(16日付、中日夕刊)
☆『〈リオ五輪〉卓球男子銀以上 18日中国に堂々挑む』『卓球エース躍動 男子団体 豪快プレーで魅了』『「安定した試合だった」吉村真晴=愛知工大(愛知県豊田市)出身=の恩師も声援』『白井 跳馬銅 32年ぶりメダル』『白井納得 会心10代締めくくり』『自分の走り悔いなく 陸上女子200㍍・福島(千里、28歳。北海道ハイテクAC)』、『核先制不使用首相が反対 米軍に伝達「北朝鮮抑止に影響」 米紙報道』、『ダニ脳炎で死亡、国内初 北海道40代男性 やぶでかまれ』(16日付、毎日夕刊)
☆『〈文化・人生のページ〉親鸞について思う㊤三田誠広 少年時代に出会った経典 壮大な仏のイメージ』、『「過去を顧み深い反省」 陛下、今年も不戦の願い 終戦の日 追悼式』『〈戦後71年 夏〉「平和続いて」安保法反対の77歳 訴訟原点は戦争体験』『記憶の継承誓う8・15 各地で追悼式典』『安保法女性106人提訴 国に賠償求め「精神的苦痛受けた」』、『〈Rio2016〉錦織がナダル破り銅 テニス日本勢96年ぶりメダル』『太田レスリング意地の銀 グレコ復活 東京で金を』、『「市民の政治始まったばかり」 シールズ解散』、『イチロー3000安打 本紙号外「米殿堂入り」』『〈訃報〉西鉄黄金期の野手 豊田泰光(とよだ・やすみつ)氏=元プロ野球西鉄内野手。14日、誤えん性肺炎のため死去。81歳。茨城県出身』、『東京の駅 線路に転落、そこへ電車 盲導犬連れた男性 死亡』(16日付、中日朝刊)
☆『終戦71年語り出す 焦燥感「伝えねば」』『陛下、再び「深い反省」』『平和活動続ける/ 二度とあってはならない/ 「安らかに」祈り終戦記念日 列島 慰霊と平和を祈願』『94歳元海軍兵士 戦争伝えたいのに…… 時代の空気証言の壁に』、『〈リオ五輪〉ボルト「限界」見せず 陸上男子100 史上初3連覇 高潔さに満場の感動』『「錦織奇跡を起こした」「東京に向け強化のベースに」 スタンドから声援 松岡修造さん』『ロクテら4選手 強盗被害に遭う=競泳リレー種目で金メダルを獲得したライアン・ロクテ選手(32)ら米国の男子選手4人がリオ市内でタクシーに乗車中、警察官を装った複数の男に車を止められ、財布を奪われた=』『三たび「最速の矢」 ウサイン・ボルト(29)』、『相模原殺傷 女性9人殺害容疑再逮捕 神奈川県警 地検、鑑定留置検討 容疑者一貫して正当性主張』(16日付、毎日朝刊)

八月十五日
 終戦記念日。
 台風7号が日本に近づいている。あす夜にも関東地方を直撃しそうだという。6号の方は、北海道の根室沖で温帯低気圧になって消滅。長崎では精霊流しが行われ、能登半島の穴水では大漁祭りのきりこが海に担ぎだされた。

 リオ五輪の陸上男子100㍍は、ジャマイカの生んだ英雄ウサイン・ボルト(29歳)が9秒81で優勝し、この種目初の3連覇を達成。テニスの男子シングルス3位決定戦では、錦織圭(日清食品)が過去1勝9敗のラファエル・ナダル(スペイン)に6―2、6―7、6―3で競り勝って日本勢で96年ぶりとなるメダルを獲得した。

 リオ五輪ボルトと錦織の快挙を報じる16日付中日新聞朝刊見開き紙面
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        ☆        ☆
 東京・武道館では政府主催の「全国戦没者追悼式」が開かれ、全国から集まった5000人の遺族らが310万人の戦没者を悼み、平和への祈りを捧げた。天皇陛下はこの日、皇后さまと参列、昨年に続きことしも〈深い反省〉の思いを込め「過去を顧み、深い反省とともに戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」と述べられた。

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 私は戦後生まれ=出生地は奉天。出生し13日後に母の胸に抱かれ生家を出発して、葫蘆島経由で船で何日もかけ舞鶴に帰ったという=ではあるが、母のお腹のなかで満州の大地を共に逃げまわった、いわゆる〈戦争胎感覚派〉の大地の子だけに、戦争の怖さ、罪深さは感覚的にも十分過ぎるほどに分かるのである。戦争許すまじ、だ。

 午後のひととき。寝たきりの舞の母(義母、95歳)をビル5階の自宅に見舞う。
 からだこそ思い通りに動かないが、介護スタッフによる入浴サービスの手助けなど義兄と舞の日ごろの献身的な介護もあり、お元気そうで何よりだった。久しぶりに、かつてはNHKラジオの早朝番組〈早起き鶏〉に出演、野菜作りなどについて毎朝放送されていた、という亡き義父のことなどにも話が及んだ。「あんた若くなったみたいよ。よお、来てちょうだゃあた。ありがとね」と言われてしまい照れくさいひとときがアッというまに駆け抜けていったのだった。
 舞は「母は今、まだらぼけ。だから、あなただと分からないかも知れないわよ」と話していたが、なかなかどうして。「私」を「私だ」としっかり分かってくださっており、嬉しい気がした。それに何と言っても私の母に負けず劣らず、相変わらずの美しさであった。私と舞の駆け落ち逃亡事件以降、長年にわたって互いを拒否し続けた私の母と舞の母。そのふたりを、いつの日にか再会させたい。そんな思いが胸をよぎったのである。
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【きょうの一文・ことば】
「勝つために私はここに来た。何回勝利しても飽きることはありません。私は1番になるために生きている。1番になれない自分は考えられない」
=リオ五輪陸上男子100㍍で1位になり、3連覇したウサイン・ボルト。試合後、報道陣を前にこう語った

「8月15日というのは、僕らが謳歌してきた戦後民主主義の原点なのです。もし野坂さんが今の政治を見たら『簡単に戦争を忘れてしまっていいのか』と烈火のごとく怒り、50代の頃のように政界に飛び込んでいたのかもしれない」
=15日付毎日夕刊特集ワイド『〈2016夏 会いたい 平和よ④〉原点の「昭和20年8月15日」 再び「節子」が死なぬよう野坂昭如さん 作家(2015年死去、享年85)』の記事のなかで。NHKディレクターを経て「ベトナムに平和を! 市民連合」に参加したころから親交を深め、野坂さんが担当してきたコラムを引き継いだ作家で評論家の小中陽太郎さん(81)の8月15日に対する熱き思い

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉「ふたりの贖罪(しょくざい)・伝道者 日本とアメリカ憎しみを越えて 真珠湾攻撃の指揮官・淵田美津雄と日本初空襲の米爆撃手・ディシエイザー▽憎しみを前に乗り越えて絆を結ぶ感動物語 神の下にこそ平和がある』(15日夜、NHK総合テレビ)
☆『安保法施行後初終戦の日 陛下 今年も「深い反省」首相「加害」触れず 歴史に向き合う願い反映』『戦没者の渇き癒やす 愛知県護国神社で「献水祭」』『「戦争 絶対にいけない」千鳥ヶ淵遺族ら祈る』『〈戦後71年夏〉不条理命の限り語る 90歳元兵士 安保法巡り提訴』『朴氏「未来志向に」 韓国光復節演説 慰安婦言及せず』『韓国議員団が竹島上陸 菅氏「極めて遺憾」』、『〈Rio2016〉錦織銅テニス96年ぶりメダル レスリング太田銀』『国背負う戦い闘志最後まで』『卓球 男子香港破り4強 因縁の相手ロンドンの雪辱』『女子3位 決定戦へ 独に惜敗 福原の執念実らず』『三つ子ランナー(エストニアの30歳リュイク姉妹)奮闘 女子マラソン双子(北朝鮮の21歳、キム姉妹)も』、『フランス語圏大賞に松村剛・東大教授 日本人3人目』、『在野の研究者育成へ 子守唄協会が勉強会』『〈大波小波〉おっかさんは、今は蛍になっている』(15日付、中日夕刊)
☆『71回目終戦記念日 不戦の決意固く』、『〈リオ五輪〉錦織悲願の銅 日本勢96年ぶりメダル 太田が銀レスリンググレコ59㌔級』『日の丸の重圧耐え』『サムライ現地を魅了 テニス男子シングルス銅の錦織』『忍者の目に涙 姉との猛特訓で成長』『電撃ボルト(が陸上男子100㍍で、9秒81で)V3』『山県敗れても強し 自己ベスト10秒05』『自分の走りで存在感 陸上男子100準決勝 山県とケンブリッジ』(15日付、毎日夕刊)
☆『〈戦後71年 夏〉きょう終戦記念日 海外での戦闘宣誓してない 安保関連法で岐路自衛隊らに強い危機感』、『東邦奇跡見せた 甲子園全体沸かせる=愛知の東邦は14日の2回戦、八戸学園光星(青森)戦で9回に一挙5点を挙げ、10―9で球史に残る劇的な逆転サヨナラ勝ちを演じた』『熊本の遺体は不明学生 死者50人に 地震発生から4カ月』(15日付、中日朝刊)
☆『広島で原爆被害86歳女性 加害責任語り継ぐ 学徒動員で毒ガス製造』『岐路に立つ日本「40歳」 戦後平和原点直視を マッカーサー通訳官84歳』『きょう終戦記念日71回目』『〈リオ五輪〉母の夢父娘で実現 ホッケー永井監督、友理・葉月姉妹「出場、家族の誇り」』『〈Featuresリオきょうの主役〉熱き人魚の血潮再び 10年ぶり代表指導復帰 シンクロ井村雅代ヘッドコーチ(65) 井村雅代コーチのメダル請負人生』(15日付、毎日朝刊)

八月十四日
 けさは早朝、ただ1人〈エデンの東〉へ。
 妻の舞に朝から過酷な労働=とはいっても、次から次に生えてくる草を退治する〈草引き〉のことだが=をさせるわけにも行かず、5時前には起き、眠い目をこすってマイカーで首にタオルをかけ農夫姿に変身して直行したが、1番必要な農作業用手袋を忘れてしまい、途中でUターン。現地に着いたのは午前6時を過ぎていた。

 先日の兄妹の集まりでも話題になったが。弁護士の兄も、税理士の妹夫妻もどんどん生えてくる草には皆、苦労し格闘しているようだ。草は生えるものだ。1週間、畑地を覗かないうちに生えるわ、生えるわ。その成長力には、いつも驚かされる。この日朝。覚悟を決めた私は草に覆われた畑地の一角に腰を下ろすと、右手に鎌を持ち、その刃を土中に埋め込み生えそろった雑草の根元を1つひとつ根こそぎ掘り起こしていく方法で草を刈り始めた。

 そして2時間半後。私は完全に雑草たちを除去して制覇し尽くしたが全身が崩折れそうで、手足はガクガクに。それでも、除去したときの快感というか。満足感は相当なもので、この雑草がきれいに除去された畑地を舞に見てほしくなり帰宅するや「オレ、草引いといたから。あとで視察にでも来るか」と声をかける。と、彼女もどうやら気になっていたようで午後、今度はそろって再び〈エデンの東〉へ、と出向いた。きれいに除去された畑地を前に彼女いわく。
「だから出来るのだから。これからは1番暑い昼ひなかでなく朝にやってちょうだいよ」と。なんだか、ますます彼女の色に染められていきそうな、そんな恐怖の念にかられたのである。これが達成感というものか。でも、少し立てばまた草たちの襲来を受けることになる。ふと、思う。信長の側室吉乃も、こうして尾張の地で黙々と草を引いていたのか、と。いや、もしかしたら、引いて野菜をこしらえ信長に食べさせていたのではないか、と。信長のために、あまり頑張りすぎたので早逝したのでは、ないかと。

 草1本なくなった畑地を前に満足そうな伊神舞子。尾張名古屋の女たちは強い。吉乃も草引きをしていたに違いない=江南市内の畑地〈エデンの東〉にて
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 福島原発事故の被災地では草引きをしたくとも出来ず、家屋敷から畑地まで至るところが放射能で汚染された雑草が人間の背丈以上にまで伸び、暗澹たる茫々が続き収束の目途さえたっていない、地獄の日々が暗闇に突っ込んでいるのである。そんなことを思えば、清浄な草引きができる今に感謝せねばならない。

 各種目、競技で熱戦が続くリオ五輪は10日目の14日、注目の陸上・女子マラソンが行われたが日本の3選手は健闘及ばず、福士加代子(ワコール)の14位が最高でアテネ五輪いらいとなる3大会ぶりのメダル獲得はならなかった。

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 夜。メーテレ日曜洋画劇場で〈超大作! 地上波初放送〉と銘打った「日本のいちばん長い日」を見る。けさの中日新聞の社説〈戦争と新聞〉にもあった=『七十一年前、一九四五(昭和二十)年のきょう八月十四日から十五日にかけて、宮城(きゅうじょう、現皇居)周辺はクーデター未遂事件の舞台となり、騒然とします。日本の降伏を阻止しようと一部将校が企てた「宮城事件」です。/歴史研究家で作家の半藤一利さんが綿密な取材で著した「日本でいちばん長い日」に詳しく記されています。二度にわたって映画化もされました……』=、まさにその映画である。
 日本のためにはどの道を選択したらよいのか。降伏か、戦争続行か。そして玉音放送をめぐる攻防。私は日本史上最大の決断を前に懊悩する時の天皇陛下とその周辺、政権はじめ軍属やその家族など全ての日本人に一途な愛しさのようなものを感じたのである。ただ言えることは戦争は、いけない。戦争は「悪」、絶対悪であることをあらためて思い知りもした。みんな苦しみながら、この世を生きている。でも戦争だけはしてはいけないのだ。
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【きょうの一文・ことば】
 八月は鎮魂の月である。原爆が落とされた月、終戦記念日のある月、そしてお盆。私は、この八月という月は「命の月」と制定されてもいいくらいだと思っている。日本が改憲という愚行に走らないためにも。
=14日付中日朝刊『中日新聞を読んで 命の月』の中で。内藤洋子さん(エッセイスト)の主張

 一九四三(昭和十八)年三月、私は高等女学校の入学試験を受けた。数々の口頭試問の一つに「九軍神の辞世を言え」というのがあった。九軍神とは四一年十二月八日の真珠湾攻撃時に特殊潜航艇に乗り込んで参戦し、艇とともに海底に沈んだ九人の若い優秀な軍人のことだ。国民の士気を振起させるため、この悲しい犠牲は、幼い者の教育にまで利用された。(中略)
私たちはいつの間にかこの軍国教育によって、国が求めた軍国少年少女として育っていった。学校は未来の戦士を育てるには絶好の場所だった。
=14日付中日朝刊『〈発言〉戦後特集 戦争と学校㊤ 軍隊色に染まった学舎』から。愛知県江南市の長谷川園子さん。85歳。

【新聞テレビから】
☆『憲法守れ 声大きく 戦後71年の夏 市原悦子さん 戦争の流れ止められなくなる前に』(14日付、しんぶん赤旗日曜版)
☆『〈社説〉戦争と新聞 ☆週のはじめに考える☆』、『〈サンデー版大図解〉行き場失う難民』、『高校生の平和の俳句』、『さあ踊れ徹夜で踊れ 郡上』『あすにも発送電開始 伊方3号機「臨界」 来月7日営業運転』、『熊本地震1752人なお避難所生活 きょう4ヵ月 初盆だね、お母さん 倒れた墓石残る爪痕』『中国軍機尖閣に接近 5月以降数回 領空まで50㌔に迫る』、『〈戦後71年夏〉元海軍兵現役93歳パイロット 安保法隊員守れるのか 自衛隊任務拡大に懸念』、『〈Rio2016〉お家芸の柔道実力見せた 唐沢選手遅咲き、大学で進化 未完の大器躍進 山部選手公私支えたコーチに恩返し 弱気の弟子返上』『柔道復活メダル12 錦織破れ、3位決定戦へ』、『〈ドナルド・キーンの東京下町日記〉夏休み旅に出よう 子どもたちへアドバイス』『SMAP 年内で解散』(14日付、中日朝刊)
☆『〈Featuresリオきょうの主役〉偉大な足跡に導かれ つなぐメダリストの系譜 女子マラソン福士加代子(34)田中智美(28)伊藤舞(32)』『〈リオ五輪〉「選手第一」柔道再生 男女最多12メダル 2監督=井上康生監督(男子)南條充寿監督(女子)=が改革』、『脳損傷回復薬治験へ 幹細胞注入 米で成果』、『〈Sストーリー〉「自分は何者なのか――身元不明者 募る焦燥感』『記憶の断片探る日々「沢木一矢」さん(52)救護施設で4度目の夏「山暮らし」から保護 就籍で自立心芽生え』、『結成から1年3カ月政治に若者の風 シールズ 8・15解散』、『SMAP 12月31日解散 事務所側、慰留を断念』、『■河口湖音楽祭が開幕』(14日付、毎日朝刊)

八月十三日
 きょうは、お盆の迎え火。岐阜県郡上市八幡町では、お盆に合わせて4日続く「郡上おどり」の徹夜おどりが始まった。

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 わが家ではことし3月7日に人間なら100歳前後、22歳の天寿を全うした愛猫こすも・ここを次女猫シロちゃんが緊張した面持ちで先導して1階窓から迎え入れ、家族と再会させてくれた。その後、シロちゃんは大好きだったお姉ちゃんを、わざわざ2階にいた私の寝室まで案内してくれ、これまた何げない気配りには涙がこぼれるほどだった。
 チョットすまし顔で例によって何もなかったように久しぶりに室内にトントントンと足を踏み入れた彼女、こすも・ここは、相変わらず元気そうで〈透明な気〉となって〈かぜ〉とともに、住み慣れたわが家にさも当然の如く、音もなく入ってきたのである。その立ち居振る舞いは、まさに見事、円熟、圧巻であった。

 久しぶりに元気な顔を見せてくれた愛猫こすも・ここ、そして先導にひと役買った姉思いのシロちゃん
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 私は、そんなこすも・ここを室内に招き入れると少しだけ威儀を正して横笛で生前、彼女が好んで聴いてくれていた島崎藤村作詞の〈惜別の歌〉を、ふいてみせた。なかでも、♪君がさやけき目の色も 君くれないのくちびるも 君がみどりの黒髪も またいつか見んこの別れ―の下りとなると、涙がドッと溢れ出、こすもの目頭も心なしかうるんだようだ。でも、こうして会えたじゃないか、と私。
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 熱戦が続くリオ五輪。柔道の男子100㌔超級で原口久喜(日本中央競馬会)が銀メダル、女子78㌔超級でも山部佳苗(ミキハウス)が銅メダルを獲得、これで男女柔道勢のメダルは過去最多の12個に積み上がり、お家芸の復活を印象づけた。

 きょうは、リオ五輪のチェック以外には、盆でこすも・ここが久しぶりに家族の仲間入りをしたこともあり、私は彼女がまだ元気だった、あの日々と同じように、新聞と小説を淡々と読み、そして横笛をふき、執筆に明け暮れた。「いい小説と俳句を書いてね」とは愛猫こすも・ここ。ありがとう、と私たち。

【きょうの一文・ことば】
「最高の選手と最高のスタッフと最高の舞台で、幸せというものを感じとりました。すばらしい選手と最高の環境で精いっぱい戦えたことに対する幸せの涙。たくさんの方々に応援してもらい、柔道を支えてくださった人たちへの感謝の涙を流しました」
=過去最多の男女合計12個のメダルを獲得した柔道日本の監督井上康生さん(38歳)が取材エリアで記者団の質問にこたえ、こう語った

 東京・表参道の店主が戦中を語った本には「空爆による黒焦げの死体が2階の高さまで積み上げられた」とあった。大きな穴を掘り、みんなで埋めたが、その場所には今、高層ビルときれいな道路が。これは日本の姿を象徴している。今日の豊かさは、大勢の犠牲の上に築かれたことを忘れてはいけない。
 菅原が時代への危機感を抱いたのは憲法を変える動きが出始めたから。俳優という立場から注目されたが、世の中には5万、10万人の、無名の「菅原文太」がいると思う。でも、もっと大勢に声を上げてほしい。今の憲法は、戦争犠牲者が血を流して掘ってくれた井戸。安定と平和はその水を飲んで得てきた。井戸をからしてはいけません。
=13日付中日夕刊軟派トップ記事『〈戦後71年 夏〉反戦の声みんなで上げて 故菅原文太さんの妻文子さん 国は、国民をためらいなく戦地へ送った 人を大事にしない時代はおかしい 憲法は犠牲者が掘ってくれた井戸。からしてはいけません』から。文子さん(74歳)のことば。記事から抽出

【新聞テレビから】
☆『〈映像の世紀・特別編〉▽戦争と科学の20世紀 アインシュタインの罪 悪魔の銃カラシニコフ』(13日夜、NHKBSプレミアム)
☆『〈大波小波〉戦争小説が反戦小説となる(復員兵)』『〈戦後71年 夏〉反戦の声みんなで上げて 故菅原文太さんの妻文子さん』、『〈Rio2016〉原沢銀、山部銅 柔道メダル最多12』『男子全階級メダル 「井上流」改革実る』『柔道躍進親子の絆 唐沢選手輝く銀晴れやか 母は誇りに 病床の誓い届けた 銅山部選手 父との約束』『錦織4強 男子96年ぶり』『愛ちゃん加油! 中国ファンネットで声援』『南北メダリストが表彰台でがっちり 射撃男子』『エジプト選手 握手に応じず イスラエルの相手と』、『天正遣欧少年使節描く フレスコ画 伊で発見』、『別府署員隠しカメラ設置 署幹部ら書類送検へ』(13日付、中日夕刊)
☆『伊方3号機 臨界』、『ペルセウス座流星群見えたかな』、『7万人死亡満蒙開拓 苦難の歴史風化の一途 遺族高齢化で慰霊碑荒廃』、『南スーダンPKO4000人増派 安保理決議 攻撃に「積極的対処』、『〈リオ五輪〉100㌔超級 原沢銀 柔道男子全階級メダル 「金ゼロ」から復活 女子78㌔超級 山部が銅 錦織4強テニス96年ぶり』『王者対策ライバル伝授 代表争った七戸から 原沢挑んだ高い壁』『約束の地 父万感 柔道女子78㌔超級・山部銅』『〈陸上〉松永 歴史刻む7位 日本勢初の入賞 男子20㌔競歩 強心臓 果敢に前へ』(13日付、毎日夕刊)
☆『〈社説〉住民は誰が守るのか 伊方原発再稼働』『伊方原発15日発送電 再稼働 避難計画に課題』『〈核心〉伊方再稼働 隣県の不安置き去り』『高知・大分 反対・慎重 44議会が意見書「海汚すな」怒りの声』、『400年 生きるサメ 北極海など生息 脊椎動物で最長寿』、『「9年待たせてすみません」 金藤200平金 萩野銀200個メ 水谷銅卓球』、『天皇陛下「お気持ち」メッセージ 皇太子さま 重く受け止め』(13日付、中日朝刊)
☆『慰安婦財団 10億円 速やかに拠出 岸田氏使途「医療・介護」 少女像移転促す』、『空の安全祈り 日航機事故31年』『31年風化させない 日航機事故 慰霊登山、遺族の孫も』、『〈リオ五輪〉不屈の金藤 200平 金』『後進活躍に続行決意』『信じてよかった 金藤、コーチと歩んだ9年』、『〈訃報〉ターフの魔術師武邦彦さん死去=日本中央競馬会の騎手、調教師として活躍し騎手の武豊さんの父、武邦彦さんが12日、病気のため滋賀県栗東市の病院で亡くなった。77歳だった』(13日付、毎日朝刊)

八月十二日
 四国電力が伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を再稼働させた。東電福島第1原発事故を踏まえ策定された原子力規制委の新規制基準に適合した原発としては九電川内1、2号機、関電高浜3、4号機に次いで5基目だが、高浜の場合、司法判断で運転は差止め中のため、稼働原発は3基となる。
 新規制基準に適合しているとはいえ、地震など突発的な大災害には、まだまだ不安が残ることは素人の私にも分かる。あ~あ、それなのに。なぜなのだ、と思うと心は晴れない。事故が起きてしまってからは遅い。浅はかなニンゲンたちの〈見えない神〉をも恐れぬ暴挙だといっていい。悠久な宇宙にあって、こうした破戒人間の存在も、もしかしたら自然界、この世の摂理なのかもしれない。私には、そう見える。
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 連日、熱戦が続くリオ五輪。
 競泳の女子200㍍平泳ぎで加藤健志コーチ(50歳)との二人三脚による地獄の特訓を重ねて臨んだ27歳の金藤理絵(Jaked、ぎふ瑞穂スポーツガーデン)が2分20秒30で2位のユリア・エフィモア(ロシア)に1秒67差をつけて圧勝。この種目の「金メダル」は1992年バルセロナ五輪の岩崎恭子いらい3人目。日本競泳女子陣では最年長選手の快挙となった。
 リオ五輪7日目(日本時間12日)は、ほかに男子200㍍個人メドレーで萩野公介(東洋大)が銀メダル、卓球の男子シングルスでは水谷隼(ビーコン・ラボ、静岡県磐田市出身)が銅メダルに輝き、卓球男子では日本人初の表彰台に立った。柔道男子100㌔級でも羽賀龍之介(旭化成)が銅メダルを獲得。日本選手の躍進が目立つ。

 今回五輪。栄光の陰には母や父、妻、姉などの家族愛はじめ師弟愛、そして友情といった多くの〈愛〉があることを今さらながら強く感じる。新聞、テレビ、ラジオなど各メディアも、そのあたりの報道に力点をおいており、これは非常に大切なことだと思う。この世のなかは、スポーツに限らず何ごとも愛する心があってこそ成り立つ。家族と離れ離れになり今はブラジルで1人で暮らしているという、ある難民代表選手(柔道)は言っていた。「ボクが、こうして頑張っていることを家族の誰かが、世界のどこかで見ていてくれたらいい」と。オリンピックを通じ、世界が少しでも平和に近づけば、と願う。

「金藤女子200平 金」のビッグニュースを伝える12日付の夕刊紙面
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【きょうの一文・ことば】
 家族でつかんだ幸せ、を報じた12日付中日新聞の朝刊。選手も、家族も、友だちも皆、命を尽くしてがんばっている
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「女手一つで育ててくれた母に感謝を伝えたい」(柔道90㌔級金メダリスト、ベイカー茉秋選手。21歳)「リオまで連れてきてくれてメダルも取れてうれしい」「柔道はピアノの姿勢を良くするために、小学校から始めたんです」(母由果さん。46歳)
 父親の穴を埋めるように、由果さんは「男らしくあろう」と努め、大型バイクの免許を取って息子を乗せて走った。肉の産地、野菜の種類にまでこだわる息子のリクエストに応じて料理を作り、母親の役割も果たした。/リオデジャネイロのスタンドでは「茉秋」と書いた鉢巻きを締め、手を組んで応援した
=12日付中日朝刊『家族でつかんだ 田知本遥選手 代表逃した姉献身 ベイカー選手女手一つ育てた母』の記事から。ベイカー茉秋選手母子の場面を抜粋
※ベイカー茉秋選手は父親が米国人、母親が日本人。試合後のインタビューに応えベイカー選手は「ただ金メダルを取ることだけを思い稽古に励んできました。夢がかない、幸せです。オリンピックを機に柔道人気を爆発させたい、と思っています」などと語った 

【新聞テレビから】
☆『伊方原発3号機 再稼働 新基準5基目、地震懸念も』『〈Rio2016〉 金藤女子200平 金 萩野200個メ銀 地獄の特訓コーチと頂点』『家族の支えで金字塔 200平 金藤選手 姉のサプライズに奮起』『「いけー」 岐阜で大声援』『水谷 卓球単初の銅 男の意地 夢のメダル』『輝く銅最高の恩返し 卓球水谷選手 「両親見返す」強さの源』『内村選手は「キング」海外から称賛』『父の内股磨き上げた 柔道 羽賀選手銅』『萩野「最高の場で泳げ 喜び」200個メ銀』『島国歓喜 悲願のメダル フィジーラグビー男子で金』『明日に向かって美しく飛んだ 体操個人 寺本入賞に「満足」』『〈テニス〉錦織2大会連続8強 地力の差2セット連取』(12日付、中日夕刊)
☆『〈2016夏会いたい 平和よ3〉原爆の図 見たことを伝える義務 丸木位里、俊夫妻 画家 位里(1995年死去、享年94)俊(2000年死去、享年87) 時代超え「感じる」』、『伊方3号機再稼働 MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)使用 避難計画懸念残し』、『日航機墜落31年 御巣鷹 慰霊登山』『82歳 墓標へ一歩一歩 長女慰霊 登山口で「登る」 東日本大震災被災者遺族も』、『〈大波小波〉 華麗なる仏文学者逝く(みだれ髪)』、『〈リオ五輪〉金藤200平金 最低限の目標達成できた 萩野200メドレー銀 柔道羽賀100㌔銅 卓球単初 水谷が銅』『耐えて大輪金の花 応援受け 現役続行 女子200平・金藤』『同僚、学生ら歓喜 岐阜県瑞穂市』『羽賀 恩師2人の合わせ技 柔道100㌔級銅 内股伝授の父「まだ進化」』『水谷 孤独な留学糧に 卓球男子銅メダル 地元磐田でPV150人が歓声と涙』、『北極海に400歳のサメ 脊椎動物で最長寿』(12日付、毎日夕刊)
☆『〈戦後71年夏〉色あせぬ非戦の挿絵』、『メイ首相就任1カ月 英「親中路線」見直し 原発新設「待った」経済格差対策にも力』、『〈Rio2016〉体操内村連覇 柔道ベイカー、田知本も金』『最終鉄棒痛み耐え逆転』『家族でつかんだ 田知本遥選手 代表逃した姉献身 ベイカー選手 女手一つ育てた母』『大舞台での輝き 内村選手母、不安隠し大声援 妻「ほっとした」 娘2人と見守る』『星選手 母のLINEで自信』(12日付、中日朝刊)
☆『鎮魂の灯籠流し 日航機墜落から31年』、『不明学生か遺体収容 熊本地震 車内に本人名義の通帳 本震から117日 両親の執念 実る』、『〈リオ五輪〉内村 集大成の連覇 体操個人総合 追われる喜び 競泳星200バタ銅』『柔道 ベイカー・田知本 金』『姉に 最高の贈り物 田知本 競い合い成長』『母に最高の恩返し ベイカー、真っ先に報告』(12日付、毎日朝刊)

八月十一日
 このところ連日、中国漁船や公船が日本の接続水域を航行し1部は領海侵犯の疑いで海上保安庁が警戒を進めている沖縄県尖閣諸島の公海でギリシャ船籍の大型貨物船と中国漁船が午前5時過ぎ、衝突。漁船はまもなく沈没。海上保安庁の巡視船が漁船の乗組員6人を救助し行方不明の8人の捜索にあたっている。外務省は外交ルートを通じて救助を中国政府に伝え、中国側が謝意を伝えたという。

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 山に親しみ、山の恩恵に感謝する初の〈山の日〉である。2014年5月に成立した改正祝日法で設けられたがこうした山に関する祝日は世界でも日本だけとか。きょうは標高1500㍍に広がる北アルプスの上高地で皇太子さまご一家も参加され、「山の日」祝賀式典が開かれた。
 北ア上高地は新聞記者として社会に出て最初の駆け出し時代に松本支局に勤務、何度も連休登山はじめ夏山や冬山、遭難取材で訪れたところだけに、梓川のせせらぎの音や河童橋、大正池の雄々しさなどが瞼に浮かび懐かしくもある。
 名古屋から訪れた妹を購入したばかりの新車に乗せ有頂天となって下り坂を帰る途中、カーブで運転を誤り危機一髪、100㍍以上はあった崖下に落下寸前に、運良く車がガードレールにぶつかって奇跡にも似てピタリと止まり、前部こそ大破したもののふたりとも九死に一生を得た忘れられない思い出もある。
 あの時、車ごと転落していたら、ふたりとも天国に召されていただろう。

 花が供えられた愛猫こすも・ここと私の父の墓。盆踊りで超人気者だったという私の母、満96歳の「少女」の気持ちは、昔も今も変わりはしない
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 初の「山の日」祝日ということもあって、きょうはその妹夫妻と私たち、それから兄夫妻と母が和田の実家に集まり、うなぎ丼を囲んでの楽しいひとときに。座の主役で〈華〉でもある満96歳の母がつい先日、盆踊りに出て大変な人気者だったことや、リオ五輪での日本人選手の活躍など尽きぬ話に、楽しいひとときはあっという間に過ぎ去った。
 私と舞は実家を訪れるのに先立ち、この夏初盆を迎え、庭で眠っている故愛猫こすも・ここの墓に庭で育った赤いハイビスカスの花を手向け、続いて舞の父、私の父と沖縄戦で散った母の実弟の墓の順でまわり、ほおづきなどの花を手向けてお参りし手を合わせ、墓石周辺を掃除した。
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 リオ五輪の方は日本勢の活躍が目立つ。第6日目の10日(11日)は、体操の男子個人総合で内村航平(コナミスポーツ)が完璧な演技でロンドンに続く五輪二連覇を飾り、柔道でも男子90級のベイカー茉秋(東海大)と女子70級の田知本遥(ALSOK、富山県射水市出身)がそろって金メダルに輝き、競泳女子200㍍バタフライでは星奈津美(ミズノ)が2大会連続の銅を獲得した。
 また、卓球女子シングルスの福原愛(ANA)も3位決定戦で北朝鮮の選手に惜しくも敗れはしたものの、よく健闘。ラグビー7人制男子では日本が準々決勝でフランスを12―7で破りフィジーとの準決勝に駒を進め、こんごに期待が集まっている(サッカー男子もスウェーデンを1―0で下したものの1次リーグ敗退が決まった)。

 日本選手の数々の活躍を報じたNHK総合テレビ
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【きょうの一文・ことば】
「団体の金を取って燃え尽きそうになった。それでも持ちこたえて1種目も、1秒も気を緩めなかった。最後の鉄棒は着地は絶対に止めてやる、という強い気持ちでいつもどおりを心がけた。きょうは、いままでの体操人生のなかで一番集中できた。自分の持ち味を存分に出せたからこそ、とれた金メダルなのかなと思っています」=リオ五輪体操個人総合で優勝(五輪二連覇)した直後。記者団のインタビューに答えて。金メダリストの内村航平

【新聞テレビから】
☆『きょう初の「山の日」(国民の祝日)』『登山高齢者に人気 総務省アンケート 山の日 愛子さま地方へ初同行 皇太子ご一家松本入り』、『入院患者の失踪 東電に賠償命令=東京地裁が原発事故が原因で死亡したと認め、慰謝料など2200万円の支払いを命じた=「原発事故が原因」』、『戦争の記憶受け継ぐ 滋賀の高校新聞部 OBらの体験取材』、『御園座新劇場 18年4月開場』、『〈Rio2016〉 世代超え競泳メダル 32歳松田選手 後輩鼓舞リレー快挙 21歳坂井選手 憧れの先輩抜く』『寺本主将 大人になった「できる技を美しく丁寧に」』『羽根田カヌーアジア初銅 愛知から渡欧10年 歴史つくった 坂井200バタ王者に迫る銀』『友に勇気届いた 羽根田選手カヌー銅 事故で障害 8年越し約束』『難民励ます 自己ベスト シリア出身選手=ラミ・アニス選手(25)、競泳男子1000㍍自由形予選に出場=競泳予選で56位』『負傷者は報道陣ら2人 リオのバス、投石が原因』『リオ市などへサイバー攻撃 アノニマス・ブラジル』、『小6焼死母親ら再審無罪 大阪地裁判決 上訴せず確定』、『日航機墜落あす31年「あの日伝え続ける」少年案内の社員誓う』、『美浜町漁協が中電提訴 漁獲量減少「協定基づき協議を」』、『アートの祭典きょう開幕 あいちトリエンナーレ2016』(11日付、中日朝刊)
☆『■皇太子さま、きょう山の日式典出席』、『東電に2200万円 賠償命令 福島原発事故 認知症患者不明 東京地裁判決』、『大阪女児焼死 21年の訴え届く 再審無罪、両親に笑顔「真っ白な判決もらえた」』『「冤罪の歳月は穴埋めできぬ」袴田元被告の姉』『日誌の開示16年半後』『刑事補償 上限なら2人で1億8000万円』『〈リオ五輪〉「64年東京」を伝承 自由形強化 結実の銅 800リレー 半世紀ぶり』『松田 若いチーム導く 競泳800リレー銅「手ぶらで帰らせない」言ってくれず』、『不明学生か遺体発見 阿蘇大橋下流 捜索の車内から』(11日付、毎日朝刊)

八月十日
 涙。笑い。悔しさ。幸せ。平和。悲しさ。内戦。青春。友情。失望。幸運。落胆。歓喜。家族への愛。恋。達成感……と、全ての感情がない交ぜとなったリオ五輪。ここ日本でも、いや、世界じゅうがスポーツの祭典のなか、興奮のるつぼ一色に包まれている。テレビの前に座る限り、そんな錯覚にさえ陥ってしまう。磨き上げた技の数々を世界の相手に向かってぶつける選手たち。その表情と戦いぶりを、ここ尾張名古屋の地で見るかぎり、この世は平穏だ。

 リオでの試合一色の観がある新聞、テレビ報道。内戦が続くコンゴを離れリオデジャネイロで暮らすポポル・ミセンガ(24)も熱い思いを胸に畳の上にたった(画面はNHK総合)
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 リオ五輪は第5日目=9日(日本は10日)=に入り、日本柔道はじめ各種目とも選手らの渾身の熱闘がつづく。カヌー・スラロームの男子カナディアンシングルで羽根田卓也(ミキハウス、愛知県豊田市出身)が銅メダルを獲得、カヌーではアジア勢初の五輪メダリストになったかと思えば、競泳男子200㍍バタフライで坂井聖人(早大)が銀に。男子800㍍リレーでも日本チームが52年ぶりの銅の快挙を果たした。
 また女子体操もチームワークよく、1968年のメキシコ五輪いらい4位に入賞。シングルス卓球で初の4強入りした福原愛(ANA)も準決勝で敗れこそしたものの、よく戦い、あすの3位決定戦への望みをつなぎ、男子シングルスも3大会連続出場のエース、水谷隼(ビーコン・ラボ)が日本男子初の準決勝入りを決め、リオ五輪がいよいよ最高のヤマ場にさしかかってきた。

 そして。日本のお家芸でもある柔道。こちらは、きょう男子90㌔級にベイカー茉秋(東海大)が、女子70㌔級に田知本遥(ALSOK)が出場し、1本勝ちなどで順調に勝ち進んでいる。これまでの試合展開を見る限り、ふたりとも十分金メダルの可能性はある、と見ていい。
 特に、2人とも自然本体に組んでからの崩しや引き、など。身のこなしと技をかける呼吸が日本柔道本来の美しさを保つ〈理〉にかなうものだけに、この調子なら「勝てる」と確信したい。これまで、どちらかというと捻れた体形が目立つ試合展開が多いなか、安心して見ていられる。それだけに、日本本来の柔道に大いに期待したい。

【きょうの一文・ことば】
 国境を超える北朝鮮と韓国選手の友情を報じた中日新聞夕刊
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 リオデジャネイロ五輪に出場している韓国と北朝鮮の女子体操選手二人が仲良さそうにスマートフォンで「自撮り」する様子が、インターネット上などで話題となっている。南北間では緊張関係が続いているが「これぞ五輪だ」と歓迎する声が出ている。
=10日付中日夕刊『南北2ショット「これぞ五輪だ」』の記事から。五輪本来の目的は世界平和。この1枚の写真と記事は、それを見事に映し出し世界じゅうのホットな話題に

 恋ひ死なむ後の煙にそれと知れ終にもらさぬ中の思いは
 恋していると相手に告げることだけがまことの恋ではない。相手に知られずに恋い焦がれて死んだ後、知られるのが恋なのだ、という意である。
=10日付中日朝刊連載小説『影ぞ恋しき 48』(葉室麟作 西のぼる画)から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『お盆は古里、行楽地で 帰省ラッシュ 始まる』、『小6焼死 再審無罪 大阪地裁判決 母親と元同居男性に』『「青木さんは無罪」 落涙 大阪・女児焼死 判決に表情一変』、『〈Rio2016〉坂井200バタ銀 男子800リレー52年ぶり銅 最高のメンバー結束』『坂井輝くはばたき 200バタ銀夢舞台で全開』『こちらも坂井 キックで快挙』『ラグビー男子NZに勝利』『羽根田カヌー銅 日本人で史上初豊田出身 矢作川原点、歴史刻む』『カヌー銅 卓也アジアの誉れ 応援団感涙ブラボー』『地元・豊田も歓声 「やったむ「どうだ」』『柔らかな心成長続ける 柔道・永瀬 銅』『体操 日本女子「笑顔」の4位 若さ躍動 4年後の財産に』『南北2ショット「これぞ五輪だ」』『報道陣バスに銃弾? ガラス割れ男性軽傷』、『不明学生遺体か 熊本地震』(10日付、中日夕刊)
☆『〈リオ五輪〉800リレー52年ぶり銅 競泳日本 坂井200バタ銀 カヌー羽根田 柔道永瀬 銅』『坂井 怪物と競る 競泳男子200バタ 0.04秒 差2位瀬戸は5位 フェルプス(米国)に食らいつく』『羽根田苦節10年実る 海外修業支えた父 男子カヌー日本初の銅』『エース手応えの笑顔 体操団体4位・寺本 他競技選手と交流、刺激に』『卓球 福原、水谷が初4強 常にラリー主導権』『ラグビー 日本NZ破る 15人制意識「W杯再来」』『ベイカー茉秋母に金を 柔道男子90㌔級』、『大阪女児焼死「やっと普通の母親に」再審無罪 青木さんかみしめ』、『女性に人気「雪のサウジ」屋内ゲレンデ開業』、『〈大波小波〉「たくましく、強い」だけでなく』、『〈米国の撰択16年大統領選〉銃所持者クリントン氏止められる トランプ氏が扇動?「規制強化批判」で問題発言』『デルタ機欠航 世界で1700便に システム障害』(10日付、毎日夕刊)
☆『長崎鎮魂の灯』『「やっと初盆ができた」長崎原爆の日 「黒焦げの少年」悼む妹ら』、『〈Rio2016〉エース進化 体操王国復活 柔道73㌔級・大野も金』『これがお家芸の底力 柔道 強く美しく 73㌔級「金」大野選手』『福原初の4強 ラグビーNZ破る』『「恩返し」愛の力 卓球4強「次もベストを」』『かあちゃん桜色メダル 7人制ラグビー兼松選手 娘に感謝「普通の母に」』『東京で雪辱 亡き母に誓う 競泳・今井月(るな)選手=200㍍個人メドレー準決勝で15位。岐阜市出身。愛知・豊川高一年』、『サークルK最大1000店閉鎖へ』、『中日・谷繁監督が休養』(10日付、中日朝刊)
☆『非核「英知結集を」71回目長崎原爆の日』『青春奪った原爆二度と 長崎被爆証言集発行60年』、『〈Featuresリオきょうの主役〉戦火逃れ「共栄」の道 難民代表リオで転生 柔道ポポル・ミセンガ(24)ヨランデ・ブカサ(28)』『◯難民選手団の10人 私たちは希望になりたい』『〈リオ五輪〉体操男子新境地 12年ぶり金 再び世界の手本』『競い補い5人の金 内村、山室支えた後輩 家族ら「おめでとう」』、『〈第98回全国高校野球〉じっじに届け 全力プレー 東北・伊勢隼選手(3年) 東日本大震災で犠牲 夢かなえ晴れ舞台』(10日付、毎日朝刊)

八月九日
 午後10時49分ごろ。熊本で震度4の地震が発生、津波はなかった。きょうも暑い日で、各地で最高気温が35度を超える猛暑日に。岐阜県多治見市で38・3度を観測したほか、岐阜36・6度、名古屋36度、津35度を観測。11日までは晴れの暑い日が続きそうだ。

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 黙とうする市民。長崎では【鐘】が鳴るなか、平和を願いさまざまな催しがあった=NHK総合画面から
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 被爆から71年の「原爆の日」を迎えた長崎市。市内の平和公園では平和祈念式典が営まわれ、原爆投下時刻の午前11時2分、〈長崎の鐘〉が鳴り始めたなか、約5600人の参列者が黙とうし、一斉にハトが放たれた。私もテレビの前で目を瞑り、核のない平和な世界を願って愛猫シロちゃんを傍らに深く頭を垂れ、手を合わせた。
 この日の式典の席上。田上富久長崎市長は平和宣言で、核廃絶に向け「人類の未来を壊さぬため、持てる限りの英知結集を」と呼びかけ、オバマ米大統領の広島訪問を「自分の心で感じる大切さを世界に示した」と評価し広島の平和宣言同様、各国の指導者に被爆地を訪れてほしい―と訴えた。
 長崎へは、現役の新聞記者当時、空飛ぶ記者として小牧在任当時に休みを充てて末っ子の三男坊が生まれる前に、原爆の恐ろしさをわが子に直接知らせなければ、と幼かった長男と次男を伴って、舞と訪れたことがある。悲惨極まる原爆とは何かをふたりとも感じ取ってくれたに違いない、と信じている。世界情勢は、その後大きく変わってはきたが、原爆の危機にあることは今も昔も変わらないままだ。
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 リオ五輪。体操の男子団体総合で日本がアテネ大会いらい、3大会ぶりに優勝。柔道も男子73㌔級で大野将平(旭化成)が優勝し、日本の金メダルは、競泳男子400㍍メドレーの萩野公介(東洋大)と合わせ3個になった。連覇をめざした柔道女子57㌔級の松本薫(ベネシード)は惜しくも銅だった。

 金メダルに輝いた日本体操チームのメンバー。左から山室光史、内村航平、田中佑典、白井健三、加藤凌平(NHK総合から)
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 人生、プロ野球の試合の結果の如しで、泣いたり笑ったり。いい時があれば、悪い時だって当然ある。ドラゴンズの谷繁元信監督(45)が成績不振を理由に球団から「休養」を求められ、きょうからの残りの39試合を森繁和ヘッドコーチ(61)が監督代行として指揮を執ることになった。谷繁監督は、昔から好きな選手であり監督だっただけに寂しい気もするが、これだけ弱くては話にならない。谷繁監督には、〈人間、至る処青山有り〉と言いたい。前に向かって歩けば。また、道は自ずと開くに違いない。
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【きょうの一文・ことば】
 晴れ晴れ、内田航平。そしてカメラの放列=NHK総合より
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「個人で取った五輪の金とは全然違う。めちゃめちゃ重たい。北京、ロンドンとメダルを取ってきたが一番。僕たちの頑張りも入っているので、倍以上に感じている。仲間と取る金メダルは、うれしいを超えちゃってる」「アテネは超えられていない。でも、僕たちは新しい歴史をつくれた。僕たちには僕たちの歴史というものがある。これが東京五輪につながる」。(内村航平)
「(優勝の懸かった床運動で高得点を出し)床に何かしら運命があると思って入った。いい演技ができたのはチームみんなのおかげ。人生で一番心臓に悪い日だったが、間違いなく一番幸せな日になった。」(白井健三)
=9日付中日夕刊1面トップ『体操男子団体金 アテネ以来3大会ぶり 内村「一番重たいメダル」』の記事のなかで。内村航平、白井健三のことば

 広島で歓迎されたオバマ大統領は、「空から死が降ってきた」と叙情的に表現されましたが、広島のウラン型爆弾に対して長崎にはプルトニウム型爆弾が投下されたことから、私には二種類の原爆による実験ではなかったのかとの思いがあります。/
 被爆した町は、国際的な支援の下に復興しましたが、私たち被爆者は七十一年もの間、毎日が苦悩の中にあり、二世、三世もその憂いを引き継いでいます。政府には「原爆症」や「被爆体験者」の救済について、司法判断に委ねず、政治による解決を望みます。/
 しかし、私たちは絶対悪の核兵器による被害を訴える時にも、日中戦争やアジア太平洋戦争などで日本が引き起こした過去の加害の歴史を忘れてはいません。/
 わが国は、過去を深く反省し、世界平和の規範たる「日本国憲法」を作りこれを守ってきました。今後さらに「非核三原則を法制化」し、近隣諸国との友好交流を発展させ、「北東アジアの非核兵器地帯」を創設することにより初めて、平和への未来が開けるでしょう。
=9日に長崎市の平和公園で営まれた平和祈念式典で。被爆者代表井原東洋一さん(80)が読み上げた〈平和への誓い〉から抜粋

【新聞テレビから】
☆『核廃絶へ英知結集を 長崎原爆の日 市長が平和宣言』『「加害、被害 線引けぬ」長崎被爆女性 胸に問う』、『体操男子団体 金 アテネ以来3大会ぶり 内村「一番重たいメダル」 柔道・大野も』『宝物やっと 体操男子団体 金 父凌いだ』『加藤選手「幸せ」田中選手「お待たせ」山室選手「感謝」』『涙 はい上がった みんな笑いながら泣いた』『葛藤越えて 柔道男子金 大野選手、処分糧に』『女子銅 松本選手「すきが…」』、『〈伝える 訴える〉あの非道早く止めて 「IS=中東の過激派組織「イスラム国」=の奴隷だった」証言 イラク(文・三井潔、写真・村山幸親=いずれも共同)』、『〈解説◆記者の眼 論説委員のワールド観望〉 哀しき韓国の高齢者(山本勇二)』、『山田登世子さん死去 70歳 仏文学、愛知淑徳大名誉教授』(9日付、中日夕刊)
☆『長崎原爆の日 事実知り非核へ 被災地訪問 世界に促す』『核兵器二度と使ってはいけない 平和のため語る 広島と長崎で被爆 福井絹代さん(85) 祖父の体験聞けず後悔 19歳孫「学びたい」』『戦争は人の力で止められる 知ることの重み実感 手をつなぐ高校生』『平和の白球追う 長崎商 被爆OBエール』、『内村王者の悲願 こだわった団体金』『大野逆境バネに 体罰問題乗り越え』、『〈米国の撰択 16年大統領選〉共和「反トランプ」拡大 元高官50人声明「投票しない」』『「もはや傍観できぬ」元CIA(米中央情報局)職員 無所属で出馬へ』、『オバマ氏 ゴルフ300回目』(9日付、毎日夕刊)
☆『「全身全霊で象徴の務め果たせるか案じる」 生前退位思い表明 天皇陛下 健康を考慮』、『イチロー 米3000安打 30人目、最速タイ16年目』(9日付、中日朝刊)
☆『「象徴の務め難しく」退位意向強くにじむ 天皇陛下お気持ち 公務縮小、摂政に否定的』『有識者会議設置へ 政府』『5~6年前から 陛下、側近に相談 宮内庁長官』(9日付、毎日朝刊)

八月八日
 日本列島は高気圧に覆われ、岐阜県多治見市でこの夏、全国最高の39・7度を記録。名古屋でも37・8度となるなど全国164カ所で35度以上の猛暑日となった。
        ☆        ☆

 戦後七十年という大きな節目を過ぎ、二年後には、平成三十年を迎えます。私も八十を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、天皇としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました。………

 国民注視のなか、「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。」などと、お気持ちを明かされた天皇陛下ご夫妻と、表明後に出された国民への感謝のお言葉=いずれもNHK総合テレビから
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 天皇陛下が午後3時から、象徴としての務めについてのお気持ちをビデオメッセージで表明され、生前退位の実現に強い思いを示された。東日本など全国の被災地はじめ、家庭で、職場で、駅・空港・公園で、と日本の至るところで若者も、成年男女、年寄りもあらゆる人びとがその重く痛切なる、お言葉に耳を傾けた。世界じゅうのメディアが重大なニュースとして、そのお気持ちを報じた。
 この日、米大リーグでは、マーリンズのイチロー外野手(42)がデンバーで行われたロッキーズ戦に「6番・中堅」で先発出場し、七回の第4打席で右越えフェンス直撃の3塁打を放ち、史上30人目の大リーグ通算3000安打の偉業を達成。将来的に日本選手では初めて米国野球殿堂入りすることがほぼ確実となった。

 イチローの偉業を報じる8日付夕刊各紙
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 また、リオでは柔道男子66㌔級で海老沼匡(パーク24)、女子52㌔級で中村美里(三井住友海上)が、それぞれ金こそ逃したものの、銅メダルを獲得。柔道日本は二日間で行われた四階級では、いずれも銅だった。このほか、サッカー男子では日本は1次リーグ戦でコロンビアに2―2で引き分け、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

【きょうの一文・ことば】
「目頭が熱くなり、ジーンときました」「いろいろ周りから、笑われて笑われて、ここまできたようですが。これからも、どんどんどんどん笑われていきなさい、って。そう言ってやりたいですね」「千里の道も一歩から。コツコツやれば(大記録を)達成できることを示してくれた。日本人初の快挙を心から喜びたい」「無安打が続いていたのでゲンをかついでトイレのテレビで見ていた。願いがかなったのかな」「(大きな夢を掲げて)これからも、次の目標に向かって頑張ってほしい」
=8日付毎日夕刊『イチロー歓喜「次の目標に」期待』の記事とNHKなど各メディアニュースから抜粋。イチローの父で「チチロー」として知られる鈴木宣之さん(73)が豊山町の自宅前で

「(ここまで来るのに)人に会いたくない時間も沢山ありました。誰にも会いたくない。しゃべりたくないことも」「何かすることでボク以外の人が喜んでくれることが今のボクにとって何より大切ということを再認識しました」「達成感や満足感は味わえば味わうほど〈前〉に進む。それを味わってこそ、次へのやる気、モチベーション(動機づけ)が生まれるのです」「きょうの、この時間、とても満足しています」
=コロラド州デンバーで行われたロッキーズ戦でメジャー史上30人目の3000安打を達成したマーリンズのイチロー外野手(42)は試合後、記者団を前にこう語った

【新聞テレビから】
☆『多治見39・2度 名古屋37・4度』、『「3000」と輝きイチ番 「大リーグを変えた人」現地声援のファン興奮 「イチロー偉業 米でもすごい」』『米メディアやっと称賛』『イチロー米3000安打 史上30人目殿堂確実』『〈一問一答〉「感触として2年くらい遅い」』、『〈Rio2016〉中村重い重い銅 悔しさ、感謝思いぎっしり』『まな娘と一緒 父、畳に一礼』『コソボ希望の金 ケルメンディ 柔道女子52㌔』『サッカー男子コロンビア戦「ジャポン」地元も声援』、『名商副会頭に小林氏 デンソー副会長、トヨタ顧問』『クーデター未遂100万人抗議 トルコ』、『尖閣沖また中国公船 最多14隻 防衛相「監視に万全」』『ナガサキ埋もれさせぬ 英作家の小説復刊へ奔走 出版業の男性、寄付募る』『自宅に液体瓶10本超 杉並・火炎瓶事件 首つった男死亡』(8日付、中日夕刊)
☆『イチロー米3000安打 移籍16年で達成 メジャー30人目』『野球で磨いた人間力』『イチロー万感 米3000安打 恩師仰木監督に感謝』『快挙祝う懸垂幕 地元・豊山町役場で』、『〈リオ五輪〉柔道 海老沼と中村 銅 サッカー 日本引き分け』『池江止まらぬ成長 女子100バタ 日本新で6位』『太田突然の幕切れ フェンシング 初戦敗退 引退を表明』『露選手団を全面除外 国際委決定リオ・パラリンピック ドーピング』『訴訟も辞さずロシア猛反発』、『容疑者、大麻「陽性」 相模原殺傷 常用していた可能性』(8日付。毎日夕刊)
☆『〈Rio2016〉萩野 金400個メ 瀬戸 銅』『最強の敵は最大の友』『萩野少年名古屋で泳ぎ磨く 原点感謝 小1で転入 バタフライ習得』『客席の母貴子さん晴れ舞台見届ける「子どもに感謝です」』『本紙が号外発行』『近藤・高藤柔道 三宅重量挙げも銅』『柔道・近藤選手 伝統ヨンパチで銅 視線は上』『両親「幸せ」客席で涙』『大府の大石道場「やった―」歓声』『「負けは財産」試合前、母校の後輩励ます』『高藤選手、心の師に贈る 負けて腐らず 成長のメダル』、『陛下午後3時に「お気持ち」』(8日付、中日朝刊)
☆『お気持ち 天皇陛下きょう表明』、『〈リオ五輪〉競泳 60年ぶりダブル表彰台 萩野金 400メドレー 瀬戸銅 至高のライバルこれからも』『萩野 感謝の「戴冠」 骨折時「一人じゃない」実感』『恩師「よく闘った」柔道女子48㌔級 近藤「銅」』『スタンドで妻感涙 柔道男子60㌔級 高藤も「銅」』『三宅銅 重量挙げ48㌔級 最後の最後 痛みに耐えた』『三宅支えた家族の絆 女子重量挙げ48㌔級・銅メダル「ボロボロ」母に泣き言』『〈Featuresリオ きょうの主役〉世界だけ見ていた 鋭いショット支える「相棒」テニス錦織圭(26)』、『コスプレーヤー名古屋パレード=7日、アニメや漫画などのキャラクターに扮したコスプレーヤーたち1000人以上が名古屋市中区の大須商店街をパレード』、『■男女の学生本因坊 決まる』、『■首相夫人が ヘリパッド建設反対派訪問』
(8日付、毎日朝刊)

八月七日
 立秋。秋立つ日である。でも、暑くて、暑くて。とてもあつかった。

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 日本に初の金メダルをもたらした萩野選手とメダルに輝いた栄光の選手たちを報じる=NHK総合画面から
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 リオ五輪は第2日の6日夜(日本時間の7日朝)、競泳男子400㍍個人メドレー決勝で萩野公介(東洋大)が4分6秒05の日本新記録で優勝、日本勢で今大会第1号の金メダルに輝き、ライバル瀬戸大也(JSS毛呂山)も銅メダルを獲得。柔道の女子48㌔級で名古屋市出身の近藤亜美(三井住友海上)が、男子60㌔級でも高藤直寿(パーク24)が3位決定戦で優勢勝ち、共に初の五輪で表彰台に立った。
 そして、いま1人。重量挙げ女子48㌔級の三宅宏実(いちご)も腰に不安を抱えながら、ジャークの最終3回目で107㌔を挙げてトータル188㌔を記録し、前回ロンドン五輪の銀メダルにつづき、逆転の銅メダルに輝いた。皆それぞれに、本当によくやったなと思う。目標だった「金」を逃しても、くさらずこれからも精進を重ねてほしい。

 オリンピックは確かに勝った方がいいに決まっている。でも、勝つ人がいれば、当然負ける人もいる。負ける選手がいればこそ、勝つのだ。このスポーツの祭典を通じ世界の若者たちの間で、互いに交流の輪が広がり、世界中の人々が手と手を携え平和な世界の創造につながれば、それほどの栄光のメダルはないのである。まさに「参加することに意義がある」。近代オリンピックの創始者であるフランス人、ピエール・ド・クーベルタン男爵のことばを胸に刻んで戦ってほしく思う。

 夏の全国高校野球選手権が地方大会を勝ち抜いた49代表校の選手が入場行進し、兵庫県西宮市の甲子園で始まった。「これからの100年も高校野球が愛される存在であり続けるよう、一生懸命プレーすることを誓います」とは、33年ぶり出場の兵庫代表、市尼崎高校の前田大輝主将の選手宣誓。

 選手宣誓をする市尼崎高校の前田主将
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 立秋とはいえ、まだまだ暑い。その暑さのなか、午後、舞と連れ立ち私たちの愛する畑〈エデンの東〉に出向く。炎天下のなか、「誰がこんな1番暑いときにやっているのよ。こんな日中に草を引いている、だなんて。私たちくらいのものよ」との言葉を耳に黙々と草引きに励んだ。それにしても、夏の間のこの生命力はなんだと改めて感心してしまう。このところは、コレデモカ、とほぼ1週間に一度、草たちとのあくなき闘いがつづいている。
 草が残った部分は早朝にでも来てやろうか、とは毎度思うものの、朝は執筆の時間に当てていることもあって、どうしても難しく、日曜日になってしまう。

 というわけで、帰宅するや下着類をそっくり替えるが、私も舞も足腰はガクガク。「でも、やらなきゃ仕方ないじゃない。お父さんとお母さんが残してくださった大切な土地なのでしょ」のことばに、ふと昔の人たちもこうして草引きをしていたのだろうか。野菜づくりには、もっともっと苦しんだに違いない―と、そんなことを思い、こうしたことが小説創作の足しになれば、と思ってみたりした。

【きょうの一文・ことば】
 オリンピックで重要なことは勝つことではなく、参加することである。人生で大切なことは、成功することでなく、努力することである。
=フランスの教育者であり、古代オリンピックを復興させた近代オリンピックの創設者、ピエール・ド・クーベルタン男爵(1863年1月1日~1937年9月2日)のことば

……リオの演出は自国の歴史を描くことだけに特化せず、より世界へ向けたメッセージを感じさせた。/
まずアマゾンに住むインディオが登場、大航海時代に到来するポルトガル人と遭遇した。次いでサトウキビ畑の労働者としてアフリカから連れて来られた奴隷や中東の商人らしい移民が現れ、日の丸をあしらった衣装を身につけた日本からの移民も行進した。出会ったインディオとポルトガル人は握手などしなかった。/
ブラジルの人種の多様性は世界屈指で、混血も進み出自にこだわらない国柄と聞く。だからこそ人種や民族の共生というメッセージが発信できたのだろう。入場した各国選手がまいた種が植物に成長し、それがつながって緑の五輪になる演出も環境保護というテーマを意識させた。……
=7日付毎日朝刊『開会式への評価 飯笹佐代子青山学院大学教授 「人種、民族の共生」発信』の記事のなかで。飯笹教授の評価

【新聞テレビから】
☆『〈Rio2016〉多様性生かし新しい世界 南米初リオ五輪開幕』『「ガンバッテ、ニホン」開会式に移民描く演出』『旗手は「第1試合」十種競技・右代選手』『母になって強くなった フェンシング佐藤選手=女子エペ個人の佐藤希望選手(30歳、福井県越前市出身、大垣共立銀行)=初勝利』、『大石道場 吉田、谷本に続け 元気印・近藤準決勝へ 柔道女子48㌔級』『光と影の先の未来 五輪取材団 北島忠輔』、『米の変化小さな希望 被爆者、過去に思いはせ式典の日 元原爆資料館長「これが始まり」』『(19)58年に抗議決意 元広島市議「廃絶は遠いが」』『原爆雲は火災の煙? 有名な写真、米研究者指摘』、『〈サンデー版大図解〉アイスクリーム』(7日付、中日朝刊)
☆『揖斐川37.2度 全国113地点で猛暑日 熱中症で3人重体』、『〈リオ五輪〉リオ熱戦幕開け』『見ていてお父ちゃん バレーボール女子・長岡=長岡望悠(みゆ)、25歳。久光製薬= エースに成長闘志』『柔道男子73㌔級の安 在日3世韓国代表で』『「新たな五輪像」岐路 運動部藤野智成』『バレー初戦黒星』、『非核へ決意 広島原爆の日』『71年後の灯籠流し 広島原爆の日 横浜の男性、初参加「逃げた」後悔越え』『核廃絶オバマ氏訪問活用 平和宣言国際世論醸成促す』『原水禁禁止の世界大会閉会』、『独にアイヌ遺骨17本 北海道協会 調査・返還要請へ』(7日付、毎日朝刊)

八月六日
 平和の火 広島とリオから。原爆の日71年「核なき世界へ連帯を」。南米初五輪開幕(6日付中日夕刊1面見出しから)――の表現どおり広島で平和記念式典が、ブラジルのリオデジャネイロでは五輪の開会式があり、17日間に及ぶスポーツの祭典が始まった。
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 子ども代表による「平和への誓い」を報じた6日付中日夕刊
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 私たちには被爆者から託された声を伝える責任があるのです。一人一人が、自分の言葉で、丁寧に、戦争を知らない人へ 次の世代へ 世界の人々へ 命の尊さを 平和への願いを 私たちが語り伝えていきます。
=平成二十八年(二〇一六年)八月六日 子ども代表 広島市立竹屋小学校六年 中奥垂穂さんと同亀山小学校六年 青木優太さんによる「平和への誓い」から

 原爆投下から71年たつこの日。広島の平和記念公園では、「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。松井一実広島市長が平和宣言のなかで、5月に米オバマ大統領が広島を訪れた際に残した演説の1部「核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」を引用し、核兵器廃絶に向けてのさらなる行動を呼びかけ安倍晋三首相も唯一の戦争被爆国として非核三原則を堅持しつつ「核兵器のない世界」に向け努力を積み重ねると約束した。
 原爆が投下された午前8時15分。私は傍らのラジオから流れる〈平和の鐘〉が響き渡るなか、〈平和よ、永遠に〉と天にまします見えない「神」に向かって永遠の祈りを捧げ、妻の舞も、この日江南俳句同好会の句会の席で仲間と手を合わせ黙祷したという。

 原爆の日とリオ五輪の開会式を報じる紙面。NHK総合テレビでは、さっそく体操競技(画面は、床競技に挑む加藤凌平、白井健三の両選手)などの中継も始まった
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 そして。この日はサンバの国、ブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場でリオ五輪の開会式が開かれた。私は外出前のひとときをあて、各国選手団の入場行進を見たがスポーツの祭典はいいなっ、と思った。世界の各地から集まった選手たちの、あのはちきれそうな笑顔ほど尊いものはない。テレビを前につくづく〈世界はひとつ〉だな、と思った次第である。
 あ~ぁ、それなのに。人間という生きものたちは、なぜ性懲りもなく戦争とか紛争、テロなどの事件を起こしてしまうのか。そこが分からない。
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 きょうは岐阜へ。社交ダンスのレッスン後、ピースボートのダンス教師として北回り地球一周の船で今月19日に神戸港を旅立たれる京子先生を送る壮行会があり、私もレッスン仲間と参加させていただいた。食事会の後はカラオケなどをみんなで楽しんだが、百余日に及ぶ今度の旅ではキューバも訪ねるとのこと。彼女が歌われた〈いい日旅立ち〉になることを願ってやまない。
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【きょうの一文・ことば】
「八月五日に広島に大型爆弾を投下するから、市民は避難せよ(こんな内容の米国の宣伝ビラ=伝単=が)と、そんな宣伝ビラが八月四日にまかれたようだと、同僚の宇佐美君子さん(当時、18歳)から聞いた」「六日の朝、昨日は何も起きなかったね―と話し合った、その直後に閃光と爆風に襲われ体ごと天井まで巻き上げられ、床にたたきつけられながらも二人で外へ脱出した。宇佐美さんは一週間後に亡くなった。」(芸備銀行=現広島銀行=で勤務中に被爆した高蔵信子さん、90歳)
「広島に今までにない兵器が使われるから、帰ってお父さんお母さんに話しておきなさい、と言われた」(当時14歳で高等女学校2年だった女性が原爆投下2日ほど前に学校の先生に言われた)
「近いうちに広島が全滅するような爆弾が投下される」「極秘であるべき情報を敵国の広島市民が知っていたとは考えづらいが、少なからずある証言を否定はできない」(45年7月26日に広島市近くの山中に墜落した米軍機の搭乗員2人が捕虜になった際、通訳を通じて証言)
=6日付中日朝刊『原爆予告「聞いた」 同僚や先生から 広島の被爆者ら証言 公式には警告なし』の記事のなかで。広島市在住で被爆者の高蔵信子さんらによる貴重な証言の数々

【新聞テレビから】
☆『平和の火 広島とリオから 南米初 五輪開幕』『原爆の日71年 「核なき世界へ連帯を」』『各国要人に手紙 被爆女性思い実る オバマ氏訪問 やっと出発点』『高鳴る鼓動 旗手の右代 十種競技に光を 難民選手団「希望の星に」『原爆忌リオの息子へ 走れ 平和とともに 陸上・山県選手の父=日本人初の9秒台突入を狙うスプリンター、 山県亮太選手(24)の父、浩一さん(56)=被爆2世』『〈大波小波〉 原爆文学の再評価を(夏の花)』『知りたいよしこ姉ちゃん 愛知遺族代表足跡探す広島』『〈Rio2016〉熱狂の舞台いよいよ 日本選手団140人行進』『五輪デビュー堂々 コソボ、南スーダン初参加』『移民の歴史紹介日系3世ら喜ぶ』『選手団主将の吉田4連覇へ国内調整』『開催反対派数百人競技場近くでデモ』、『犯行後 タクシーで逃走 西区強殺 車載カメラに映像』、『相模原襲撃負傷27人に 新たに1人判明』(6日付、中日夕刊)
☆『広島原爆の日 71年非核へ勇気を オバマ氏演説引用』『広島平和宣言要旨』『安倍晋三首相あいさつ要旨「将来も核保有あり得ず」首相、核なき世界に意欲』『〈広島原爆の日〉戦争、テロのない世界米国人へ訴え 尊い平和紡ぐ 兄被爆 長男は9・11で犠牲』『私たちが語り伝える こども代表』『平和記念公園 ポケモン除外 開発会社』『長崎平和公園も』、『〈Rio2016〉リオ挑む 五輪開幕平和へ 20年東京へ』『〈リオ五輪〉開会式 魂のカーニバル 右代 先頭で 旗手誇らしく』『躍動誓うサンバ 卓球通じ世界に友の輪 15歳伊藤(美誠、スターツ)「一生心に残る」』『カンボジア代表 猫ひろし笑顔で』『「凌平父をしのげ」男子体操加藤 親子で挑む金メダル』(6日付、毎日夕刊)
☆『原爆予告「聞いた」 同僚や先生から 広島の被爆者ら証言 公式には警告なし』『きょう広島原爆の日 16歳の思い〈平和の俳句〉狂おしい狂おしきかな原爆ドーム 谷久保泰樹(16)愛知県安城市』、『ブラジル発平和の祈り 五輪開会式 きょう午前8時 原爆式典 在住被爆者祭典に期待』『ギリギリ到着「逆境に勝った」ナイジェリア報道』、『「象徴」「公務」へのお気持ち 陛下、8日午後3時表明』、『五輪けさ開会式』『吉田自分らしく 4連覇へ リオで集大成』(6日付、中日朝刊)
☆『広島原爆きょう71年』『〈Featuresフィーチャーズ リオきょうの主役〉ヒロシマから吹く風 被爆3世9秒台へ駆ける 陸上山県亮太(24) 五輪と平和』、『陛下お気持ち8日15時 首相は受け止め発表へ 生前退位巡り』、『南米初リオ五輪開幕 きょう開会式』、『辺野古初弁論 「地方自治の根幹問う」 沖縄知事 承認取り消し「適法」』、『「破壊措置」常時発令へ 政府、対北朝鮮ミサイル』、『強殺容疑で男逮捕 名古屋 84歳女性宅放火事件』、『小池新知事「独自色」初の定例会見で早くも』(6日付、毎日朝刊)

八月五日
 あすは、平和を願う私たちの誰もが忘れてはならない「広島原爆の日」だ。

 全国的に晴れたところが多く、各地で厳しい暑さに。京都府南丹市で37・5度、岐阜県揖斐川町でも37・1を記録、全国77地点で35度以上の猛暑日に。この夏初の〈熱波〉が日本列島を襲い、ここ尾張名古屋も暑い1日となった。ニュースによれば、全国で501人が熱中症で病院に運ばれ、2人が意識不明の重体だという。

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 これだけ暑いと、わが家のクーラーのなかでも、過去30数年にわたって君臨し続け、いまなお老体を軋ませて頑張る1台には限界がある。さすがに、きょうに限って言えば効きめはイマイチか。でも長年にわたって本当によく頑張ってきてくれており、それこそ努力賞でも与えたい気持ちである。

「負けないわよ」とがんばるシロちゃん=5日、わが家で
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 暑さといえば、このところ体調不良で元気がなかった満21歳の愛猫シロちゃんも次第に回復。この春、22歳の天寿を全うした長女猫、こすも・ここに負けじ、と一生懸命に生きており、そのけなげさが日々胸に迫る。彼女は、わが家の初代猫てまり(能登と大垣で私たちと一緒に過ごし、大垣である日突然、交通事故死した。日本ペンクラブ電子文藝館収録小説〈てまり〉に詳しい)、2代目こすも・ここ(大垣、一宮、江南と私たちと暮らし、シロと一緒に家族を支え続けてくれた)のあとをしっかり継いでこの暑さのなか、私たちが帰宅したらそのつど玄関先にまで出迎えてくれるなど何かと気を遣い、がんばってくれている。
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 リオデジャネイロ五輪が現地時間の5日午後8時、日本時間の6日午前8時から、マラカナン競技場で開会式を行い、17日間の熱戦が幕を開ける。「私の場合、崖からではなく富士山から飛び降りる覚悟で」「ガラスの天井はいつでも壊したい」「批判から提案に。創造へ」「9条は絶対に守る。これは私の信念だ」と民進党の蓮舫代表代行(48)が党本部で記者会見し、岡田克也代表の後任を選ぶ9月の代表選に立候補する意向を表明。

【きょうの一文・ことば】
「アートは人によって見える景色が違うことを教えてくれる」「アートは明日からの自分を生み出す力になる」
=5日付中日夕刊『「あいちトリエンナーレ」との出合い方 吉田隆之=東京芸術大大学院終了。博士(学術)=5加を弁明』『(ルセフ)大統領弾劾巡り各地で市民集会 五輪会場でも』、『小池氏「重責を痛感」 都知事選 圧勝291万票』、『改憲勢力2/3国会始まる 参院議長に伊達氏』、『自民幹事長に二階氏 岸田外相は留任』、『師匠「豪快で繊細」千代の富士死去 関係者弔問』『出身地ファン記帳しお別れ』、『殺%B日付、尾北ホームニュース)
☆『あす広島「原爆の日」 全員犠牲一家命の証し 資料館に父の撮った写真』『高校生核廃絶の願い 広島原爆あす71年 オバマ氏「握手」目に焼き付け』、『〈Rio2016〉日本、黒星スタート サッカーナイジェリアに4―5』『1点差「挑む姿勢見せた」手倉森監督次戦見据え』『がんばれ!ニッポン 声援スタンドや地元 浅野選手得点菰野で大歓声』『ナイジェリアぎりぎり到着』『熊本の「ファイト」を 植田直通選手の父』『ジャパンハウス現地で魅力発信 開館式典』『小池都知事と(帰国後の) 9日午後面会 森・組織委会長』、『志布志事件全員に賠償 控訴審判決 捜査違法性、広く認定』、『入浴全身やけど97歳入所者死亡 和歌山の老人ホーム』、『〈旅〉新世界 大阪市 昭和レトロ浪速の匂い 文・写真 立尾良二』、『〈大波小波〉石原慎太郎の器』(5日付、中日夕刊)
☆『願いごとはかなうかな 安城七夕まつり開幕』、『核実験禁止へ安保理決議案 オバマ大統領 来月にも提出』『長崎被爆者と妻の人生 絵本に 癒えぬ傷未来へ伝言 感銘受けた在米日本人=ニューヨーク在住のイラストレーター、館林愛さん(43)=描く』、『就活選考来年も6月解禁 経団連 日程据え置き』、『人工知能治療法を助言 「国内初」白血病10分で見抜く』、『〈リオ五輪〉日本黒星発進 サッカー男子▽男子1次リーグB組ナイジェリア5―4日本』、『「バナナの日(8月7日)に温室無料開放「稲沢バナナ園」子供向けイベント』(5日付、毎日夕刊)
☆『天皇陛下8日、ビデオでお気持ち』、『「核なき世界」機運広がれ オバマ氏広島訪問で大使期待』『平和記念式典に91カ国が参列へ』『「はだしのゲン」中国語版出版 故中沢さん悲願9年かけ 天白区の女性ら翻訳』『〈Rio2016〉浅野 大家族が支え サッカーきょう初戦 五輪あす開会式』『三重・菰野出身「一番のメダルを」』『中部ゆかり84人出場』『東京五輪 野球・ソフト復活 福島でも開催検討』、『過労死なくす娘の望み 「ワタミ」遺族 和解金で基金』(5日付、中日朝刊)
☆『福島原発事故 不明者賠償東電拒否 双葉病院の認知症女性=訴状などによると、行方不明になっているのは福島県小高町(南相馬市)出身で事故当時88歳』、『東京五輪野球・ソフト復活 5競技一括提案実る IOC承認』『〈東京五輪復活〉ソフトここから勝負 元女子代表監督宇津木妙子さん スポーツクライミング登山界若返りに期待 日本山岳協会会長八木原国明さん』、『トヨタ5年ぶり減益 4~6月円高進行響く』『英が利下げ』、『自民都連幹事長辞任へ 知事選敗北で引責 石原会長も』、『甲子園女子マネ「解禁」議論 高野連方針 練習参加拒否波紋』(5日付、毎日朝刊)

八月四日
 暑い1日。埼玉県の川越南高校グラウンドでは野球の練習試合をしていた高1男子生徒が雷の直撃を受け心肺停止で亡くなった。「男はつらいよ」で寅さんを演じた国民的俳優、渥美清さんがこの世を去って20年。東京では、さくら役の倍賞千恵子さんらによるトークイベントがあった。〈それを言っちゃあ、おしまいよ〉。忘れられないのは、名せりふである。
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 国際オリンピック委員会(IOC)が、2020年東京五輪の追加種目に野球・ソフトなど5競技18種目の採用を決定。天皇陛下の生前退位につき、陛下ご自身がビデオメッセージで国民にそのお気持ちを表明されることで準備が進んでいる旨、宮内庁が明かした。8日午後を軸に最終調整が進められているという。

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「竜 36年ぶり 7カード連続 負け越し」とは、4日付中日スポーツの1面トップ見出しだ。そして記事は総合リードで「連敗を止められないエースを、エースと呼べるのか。中日、大野雄大投手(27)は3日、巨人戦(ナゴヤドーム)に先発し5㌄5失点で降板(試合は巨人に5―0で完敗)。チームは4連敗で7カード連続の負け越しとなった」と切って捨てている。野球は勝ったり負けたり。人生と同じだが、ここはくさらないよう。気を取り直して立ち直ってほしい。何より最下位を脱出しなければ。
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【きょうの一文・ことば】
「真珠湾攻撃がなければサダコは戦争の犠牲者にならなかった。サダコの鶴は日本人だけでなく、世界の人たちに教訓を伝えている」「日米のトップが互いに訪問し、犠牲者を追悼すれば、過去を認識することになる。……」「今年、オバマ大統領が広島を訪問し、和解を通じて互いを理解する新たな時代に入ったのではないか」
=4日付毎日夕刊『〈ヒロシマとパールハーバー 戦後71年夏㊦〉サダコ 敵味方超え「憎むべきは戦争そのもの」』の記事のなかで。日本軍が真珠湾攻撃で沈めた戦艦「アリゾナ」が眠る、対岸ビジターセンターを管理する国立公園局の主任歴史家、ダニエル・マルチネスさん(66)の実感
※記事によればハーブ・ウェザーワックスさん(99)は奇襲されたその日、1941年12月7日(現地時間)のことを鮮明に覚えている。「大きな音が聞こえ、真珠湾の方向から黒い煙が襲ってきた。ラジオが『戦争だ』と叫び、基地に向かう途中、アリゾナが炎に包まれているのが見え、多くの仲間を失った」という。日本軍が沈めた戦艦「アリゾナ」からは今も黒い油が流れて浮いており、地元の人々は★黒い涙★と呼んでいるという。

【新聞テレビから】
☆『ビデオメッセージで表明へ 陛下お気持ち 8日で調整』、『安倍再改造内閣が始動』、『くりくり頭仲間入り 東本願寺「得度式」』、『野球・ソフト五輪復帰 東京で3大会ぶり 5競技18種目 追加決定』『〈解説〉「一括提案」作戦勝ち(東京運動部・森合正範)』『Rio2016 サッカー女子(開会式に先立って)競技スタート』、『民間企業初月面着陸へ 米政府承認 無人探査機、17年にも』、『〈大波小波〉相模原事件と(昭和13年に起きた21歳都井睦雄による津山30人殺しの)津山事件』、『ニセ電話詐欺阻止6200件 1~6月 初めて被害件数上回る』(4日付、中日夕刊)
☆『収穫たけなわ飛騨メロン』、『〈ヒロシマとパールハーバー 戦後71年夏㊦〉サダコ敵味方超え「憎むべきは戦争そのもの」』『陛下お気持ち 8日に 生前退位巡り ビデオメッセージ』、『■■Topics やなぎみわ演出「日輪の翼」 中上健次の世界を体現 移動トレーラー舞台に各地へ』、『首相、小池氏と「協力」 五輪向け融和ムード』『野球・ソフト五輪復帰 20年東京 空手も IOC承認 5競技18種目追加』、『悲願、復活夢の五輪 東京追加5競技 日本の底力世界に示す』、『児童虐待10万件突破 15年度 25年連続増加』(4日付、毎日夕刊)
☆『稼働40年 美浜3号機「適合」近隣同時事故検討されず』『〈美浜3号機「適合」〉関電十数年延命に巨額投資 狙いは原発新設?』『上関(山口県上関町)埋め立て免許延長 新設へ動き再び』『もんじゅ警報を半年放置 規定違反 燃料プール 水質悪化』、『躍るリオ 点火秒読み=リオデジャネイロ市に到着した聖火を手に走るバエス市長を、サンバダンサーらが見送った』『〈Rio2016〉トーチ、日系魂ともる ハヤシさんデザイン「街に熱気を」』『歓迎 反対 十色のリオ市民』、『首相「改憲、総裁任期中に」安倍再改造内閣が発足』、『桁外れの珠算十段 岐阜の不破さん=岐阜大教育学部付属小4年の不破花菜ちゃん= 9歳で最高位合格』(4日付、中日朝刊)
☆『豊作願い 竿燈280本 秋田』、『北朝鮮ミサイル 破壊措置命令出せず 秋田沖落下 移動式、察知困難』『知事 「戦争行為許せぬ」 秋田沖ミサイル 情報収集に追われ』、『働き方改革年度内に計画 再改造内閣発足 8人初入閣』、『大分・隠しカメラ 職員無断で3回侵入 参院選直前 野党側「盗撮だ」』『政治活動の自由に影響』、『相模原殺傷の容疑者父謝罪 勤務先通じ』『犠牲19人の元の居住自治体発表 神奈川県』(4日付、毎日朝刊)

八月三日
 茨城、千葉、埼玉、宮城、岩手など東日本を中心にゲリラ豪雨が雷鳴とともに荒れ狂った。埼玉県秩父市では1時、140人が孤立状態に。各所で道路が冠水、床上浸水するなど自然の脅威は留まるところを知らない。
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 第3次安倍再改造内閣がスタート。「この内閣は、未来チャレンジ内閣です」とは、安倍晋三首相だが、何よりも「原発事故と戦争のない平和で安全な国づくり」、国民の幸せ最優先の国づくりに全力を注いでほしく願う。原子力規制委が11月末で運転開始40年になる福井県の関電美浜原発3号機について、耐震補強や火災対策などを進めれば新規制基準に適合する、と判断。だが、リスクを十分判断したかどうか、となると甚だ疑問だ。とても甘い。

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 きょうも相変わらず購読紙の朝、夕刊を軟派、硬派、文化、運動面と食い入るように読み進めた私。中日朝刊の連載小説〈影ぞ恋しき41(葉室麟作 西のぼる画)〉、同夕刊こらむ『〈大波小波〉情報が届かない!』、連載小説〈ウォーターゲーム197(吉田修一作 下田昌克画)〉、連載〈この道(横尾忠則㉖ きりん会)〉』、毎日夕刊の連載小説〈満月の泥枕175(道尾秀介 山本重也画)〉………も欠かさない。なかでも〈影ぞ恋しき〉は出足好調、〈ウォーターゲーム〉と〈満月の泥枕〉は佳境に入っており、なかなか読み応えがある。

 そうしたなか、私はこのところ、合間を縫ってずっと読み続けていた〈永遠の都2(加賀乙彦)〉を読み終えた。代わって、江南市立図書館で加賀文学の〈宣告(新潮社)〉を貸し出してもらう。〈宣告〉は、いやはや本の厚さを見ただけでも後じさりし一瞬たじろいだが、その装丁を見ただけでも、作者がいかに熱き思いでこの小説を書き進めたかが、よく分かる。わが小説手法の勉強とこんごの創作活動に生かすためにも、この偉大な作品を読みこなしたく思っている。
 その昔現役の記者時代には、よく「大事件発生時にガミちゃんほどの書き手はいないネ」と同僚や先輩デスクに冗談半分で【書き魔だ】【書き魔だ】と言われて冷やかされたものだが。これからは小説の書き魔になってやろう、と心ひそかに決意した次第である。あ~ぁ、それだけに、時間がほしい。今は世界でただひとり、フリーの、名も知れぬ椰子の実作家、すなわち〈一匹(いっぴき)文士〉なので自由な身ではある。けれど、これが意外やナンヤカンヤと追い立てられ、綱渡りの日々なのだ。することが多すぎて、自分で自分の首を絞めているのか。そうでもないのだが。

【きょうの一文・ことば】
 ………
「央子は夫とわたしのあいだの子よ。そうすることに決めたの。わたしね、あなたとの今までの関係、無かったことにしたいの。だからもうわたしに近寄らないで」
「もう会わないという意味なの」晋助は憐れっぽい表情になった。
「そうは言ってないわよ。今までのような関係は、もう無しにしようと言うの。でなきゃ、今後、わたし、あなたに会わないわ。どう、承知してくれる……」
 晋助は初江の剣幕に圧倒され、目を大きく見開いて小さく合点をした。男が何かを言いたげに唇を動かしたとき、女はドアを開いて飛び出し、後手にドアをピシャリと閉じた。階段を下まで降りてから振り仰いで見たが、晋助は追ってこなかった。何かが終わった淋しさで、初江は思わず涙ぐんだ。寒い暗い空気が足元に迫ってきた。
=小説「永遠の都2 岐路 加賀乙彦」(新潮文庫)から。最終場面のひとコマを抜粋

【新聞テレビから】
☆『改憲「野党と協議大事」 自民 二階幹事長が就任会見』、『上関原発埋め立て延長 山口県 中国電に免許許可』『新基準適合8基に』、『トランプ氏は大統領不適格 オバマ氏批判』『〈Rio2016〉選手村リラックス 宗教別に礼拝施設◆蚊対策の器具配布 不審物騒ぎで一時水泳競技場が閉鎖』『日本選手団が入村式』『「とても興奮している」難民選手団団長』、『美浜3号機新基準「適合」 規制委運転40年超 3基目』『〈解説〉老朽化顧みず相次ぐ「例外」』、『丸川氏五輪相に横滑り 安倍再改造内閣今夜発足』、『〈聖地〉で演劇祭(「利賀フェスティバル」)26日から富山・南砺市』、『秋田沖EEZ(排他的経済水域)に 北ミサイル落下』、『野党団体敷地にカメラ 大分・別府署 参院選公示前に設置』(3日付、中日夕刊)
☆『第3次安倍再改造内閣一覧』『五輪・丸川氏、文科・松野氏 改造内閣今夕発足』『自民党役員 正式に決定 臨時総務会』、『北朝鮮ミサイル発射 秋田沖250㌔に落下 EEZ内』『「万全の態勢を」首相が指示』、『大分・別府署が隠しカメラ 野党支援団体の建物参院選帰間中』(3日付、毎日夕刊)
☆『東海で 局地的豪雨』『「いつ動く」名駅大混乱』『病院に雷 高齢者 98人転院 清須 停電、空調なく一夜』『冠水、交通機関乱れ 愛知、岐阜』、『稲田氏、防衛相で 再入閣 きょう 内閣改造 経産相に世耕氏』、『新入社員、05年に不正指摘 三菱自報告書 是正に生かせず』、『リニア延伸 8年前倒し 政府、経済政策を 正式決定』、『〈Rio2016〉双葉のみんなメダル取るよ 福島出身・ケイリン 渡辺(一成)選手 最後の五輪へ』、『大渕愛子弁護士 不当報酬で懲戒 業務停止1カ月』、『〈訃報〉柳瀬尚紀氏(やなせ・なおき=翻訳家、英文学者)7月30日、肺炎のため死去、73歳。』(3日付、中日朝刊)
☆『憲法理念に沿う未来作りを訴え 長崎平和宣言骨子』、『小池知事「透明性を重視」 就任会見 東京五輪を集中検証』『〈首都再起動㊦〉 膨らむ五輪予算、減らぬ待機児童 課題待ったなし』、『防衛相に稲田氏 経産相は世耕氏 きょう内閣改造』、『財政支出7.5兆円 経済対策28兆円 閣議決定』、『三菱自、不正指摘を放置 特別調査委報告書 「全社的問題」』、『容疑者に 生活保護費 相模原殺傷 市内居住を把握』、『「ロケット発射」1000万円 東京の男性ボタン押す権利』(3日付、毎日朝刊)

八月二日
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♪雷鳴のとどろきあびて雨宿り  伊神 舞子

 激しい雨、雨、雨に肝を冷やすほどの雷鳴。日ごろは平穏な、ここ尾張名古屋もきょうで3日連続の雷雨と稲光、豪雨にたたられた。なかでも、今夕が1番のド迫力ある雷雨となった。天が破れ、地が墜ちるか―と大袈裟にも心配したが、やがて治まった。
 あちこちで、雷鳴がこの世の終わりを思わせるほどに鳴き、叫び、荒れ狂い、各所で落雷があったかと思えば、ところによっては道路や住宅街が冠水し、鉄道は運転を見合わせてマヒ。名鉄名古屋駅の改札前は午後9時過ぎの段階で大勢の人々で溢れ返り満員電車さながらになったという。
 いやはや、自然には勝てぬ。これで天下にその名を轟かす木曽川でも氾濫したら、どうなるのか。私たちは自然の恵みの一方で、その容赦なき脅威と共存、ダモクレスの剣さながら紙一重のなかを生きてゆくのである。冒頭は帰るに帰れなくなってしまった舞が、近くのショッピングセンター〈バロー〉で雨宿りをしているときに詠んだ実体感の俳句である。

 それにしても、雨、風、雷は原発事故の放射能汚染と同じように怖い。今現在、人間の科学の力でこの難敵を制御することはできない。いったん牙をむけば人間なぞ、されるがままだ。全くもってクワバラ、クワバラである。今夜は、息子も名鉄の運転見合わせの直撃を食らったようで夜遅い〈ご帰還〉とあいなった。
 そして。家族1人ひとりの動きを心配そうに見守り続けたのが、21歳という老体に鞭打ってきょうも生きつづける、そう。愛猫シロちゃんである。ここ数日、体調が思わしくなく食欲もなかったシロちゃん。やっと、好物のチーズを食べるようになり少しだけ本来の調子が戻ってきたようである。このまま回復することをみんなで願っている。
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 3日の内閣改造を前に、現政界で私が感覚的にも、その推して知る〈力〉からも最も期待している女性議員、稲田朋美党政調会長(57)が防衛相として再入閣することが内定したという。頼りがいのある政界女性議員を代表する顔だけに、大いに期待したい。何より核戦争のない、国民の気持ちをくんだ安全な国づくりに邁進してほしい。

【きょうの一文・ことば】
「まだまだ続けたかったが残念。閉館まで一年間あるので、ゆっくり見に来てほしい」
=2日付中日夕刊『裕次郎記念館(北海道小樽市)さらば 来年8月末で閉館』の記事のなかで。浅野謙治郎記念館長のことば※昭和の大スターで1987年(昭和62年)に52歳で亡くなった石原裕次郎さんは海運会社に勤めていた父親の転勤に伴い、3歳から9歳までを小樽で過ごしたという。

【新聞テレビから】
☆『小池都政始動「信頼回復したい」』、『〈Rio2016 あと3日〉開会式懸け橋のサンバ 神戸出身ダンサー=工藤めぐみさん(30)=「二つの国 つなぎたい」』『五輪開幕の4日前… リオやっと新地下鉄』『強盗 日本人被害相次ぐ 窃盗 会場近く』、『ポスト安倍準備を示唆 石破氏「自民多様な意見を」』、『中国海上活動「強い懸念」 防衛白書 高圧的な対応批判』『安保法「反対」に触れず』、『「難民認定裁判 機会奪われた」 (スリランカ国籍の)強制送還男性、国を提訴』、『裕次郎記念館さらば 来年8月末で閉館』、『ウィッツ改善措置要求 特区制度で初 文科相、伊賀市長に』(2日付、中日夕刊)
☆『〈ヒロシマとパールハーバー 戦後71年夏㊤〉多様性学んだオバマ氏 ハワイでの高校時代』『チョウ専門資料館が開館 中部大 寄贈の22万匹紹介』、『大輪の花々 愛西・森川花はす田』、『停滞都政始動 小池知事が初登庁』、『舗装8社に立ち入り 公取委 空港・都道談合疑い』、『事故後に万引き常習また公判 高次脳障害責任能力は 弁護側心神喪失主張』、『相模原殺傷 入れ墨や大麻使用自慢 容疑者 友人ら特異さ指摘』(2日付、毎日夕刊)
☆『英語、小5から教科化 新指導要領案 高校科目大幅再編 全教科に「主体的学び」』『〈解説〉大きく変える目的丁寧な説明が必要(共同・河村紀子)』、『選手団本隊リオ到着 柔道・松本ら』、『石破氏、閣内残留を固辞 自民人事 総務・細田、政調・茂木氏』、『中部で大雨や突風』『JR中央線乱れ4万8800人に影響』『愛知や岐阜 停電相次ぐ』、『東京湾M9誤報 気象庁』(2日付、中日朝刊)
☆『「勝ちに貪欲 弱音吐かず」 千代の富士死去 八角理事長(元横綱・北勝海)、惜しむ』、『小5英語20年度教科に 中教審答申へ 討論を重視』『〈解説〉グローバル人材育成』、『命の重み胸に 相模原殺傷1週間』『回復祈る家族 帰る場所はこの施設 握る力徐々に強く』『障害者も喜び、悲しむ』『「反応ない人」襲撃か 容疑者』、『自民総務会長細田氏 政調会長茂木氏 幹事長は二階氏』、『ダイコー会長ら再逮捕 愛知・岐阜県警 詐欺容疑など 廃棄カツ横流し』(2日付、毎日朝刊)

平成二十八年八月一日
        ★        ★
 東京湾を震源にマグニチュード(M)9・0以上の地震が発生した―午後5時9分。気象庁が最大震度「7」が予測される緊急地震速報を配信、直後に電車が運転を見合わせるなど首都圏は大混乱に。実際には揺れが観測されなかったため、気象庁は同12分ごろ、速報を誤配信として取り消した。
 どうやら犯人は落雷らしく【落雷ノイズ】で誤配信が発生したためらしい。「こんごノイズの対策などを、しっかりしなければ」とは気象庁。「本当だったらどうするの。誤配信でよかったじゃない」とは、舞。いつどこで何が起きるか、は天に任せるのみだ。
        ★        ★

 きょうは日本列島の上空に寒気が入った影響で東日本から北日本にかけ大荒れとなり、各地で非常に激しい雨が降った。私たちが住む尾張名古屋も午後から夕方にかけ、暖かく湿った空気と上空の寒気で大気が著しく不安定に。一時、外界全体が真っ暗になり、土砂降りの雨が降り、風たちが吹き荒れた。

 そんな1日だったが、私たち家族にとっての1番のニュースは、この土砂降りの雨のなか、帰宅した舞に言われるまま愛猫シロちゃんを近くの愛北動物病院に連れていったことである。シロちゃんは、きのうから食事に手をつけようとしないので心配になり、豪雨のなかの受診とあいなったのである。
 家族が「シロ!」と呼べば、目をパッチリ開けて顔を上げてくれ、元気なことは元気なのだが。このところ続いた暑さからくる一時的な【夏バテ】なのか。1カ所を移動することなく、ずっと寝たままである。「シロちゃん、気紛れなのだから」とは、私たちの見方なのだが。「この子は、もう21歳だから。大事にしなければ。」(医師)の励ましを受け、シロちゃん、早くよくなってください。ネ!
 きょうのところは点滴に注射1本を打っていただいて帰った。しばらく様子を見よう。ちなみに、病院で計っていただいたシロちゃんの体重は2・78㌔、体温は37・8度で特に問題はない、とのことだった。 

【きょうの一文・ことば】
「リオで的確なジャッジをして東京にも呼ばれ、貢献したい。私に体操の素晴らしさを伝えてくれた日本への小さな恩返しです」
=8月1日付中日夕刊『〈リオ2016あと4日〉日系ブラジル2世 5度目の五輪審判 体操女子』『二つの故郷に恩返し』の記事のなかで。ブラジル・サンパウロ在住の日系ブラジル人二世で、体操女子の審判を務める沢里由美さん(66)が日本への恩返しを誓った

【新聞テレビから】
☆『さようなら千代の富士 北海道 郷土の記念館に献花台』、『広島平和宣言にオバマ氏演説 「核なき世界追求を」引用 松井一実市長』、『五輪費用根拠聞きたい 小池氏、都知事当選一夜明け』『「五輪より医療や教育を」 リオなど大規模反政権デモ』、『自民幹事長に二階氏 内閣改造・党人事 谷垣氏は交代』『参院議長に自民・伊達市 臨時国会召集 副議長は民進・郡司氏』、『障害者差別専門に対応 名古屋市 県内初の相談センター』、『4K・8K試験放送開始 NHK、18年に実用化』(8月1日付、中日夕刊)
☆『△寄稿 瀬川昌久(ジャズ評論家)戦中に共通する反知性 敗戦から71年の今』、『〈リオ五輪〉「締め出し正当化できぬ」IOC会長 露選手参加を弁明』『(ルセフ)大統領弾劾巡り各地で市民集会 五輪会場でも』、『小池氏「重責を痛感」 都知事選 圧勝291万票』、『改憲勢力2/3国会始まる 参院議長に伊達氏』、『自民幹事長に二階氏 岸田外相は留任』、『師匠「豪快で繊細」千代の富士死去 関係者弔問』『出身地ファン記帳しお別れ』、『殺人予備容疑再逮捕へ 神戸山口組系組長ら3人 岐阜県警』(1日付、毎日夕刊)
☆『都知事に小池氏 増田、鳥越氏らに大勝 女性で初』『〈解説〉自民頼らず共感呼ぶ』『「見たことない都政を」 小池さん女性初の都知事 クールビズを導入』、『元横綱千代の富士死去 61歳 優勝31回ウルフの愛称』『ウルフ人気限界なし 元横綱千代の富士死去 「小さな大横綱」気配りの人』『早すぎる死に悲しみ』(1日付、中日朝刊)
☆『〈リオ五輪〉地下鉄やっと開通 財政難で工事遅れ』『東京五輪どう対応 費用負担など手腕注目』、『元横綱千代の富士死去 優勝31回 国民栄誉賞 61歳』『小よく大を制す 横綱千代の富士死去「ウルフ」人気に 鍛えあげよろいの筋肉』、『「崖飛び降り」満願 都知事に小池氏「戦う女性」支持 待機児童解消へ抱負』『92年に政界へ「渡り鳥」の異名』(1日付、毎日朝刊)