【生きてゆく人間花たち/2016年7月の唄】

七月三十一日
 東京都知事選(史上最多の21人が立候補)は予想どおり、政党の支援を得ないまま勇気ある出馬をして〈緑〉をシンボルカラーに戦ってきた元防衛相小池百合子さん(64)=無新=が291万2628票の得票で圧勝した。

 都知事選で圧勝した小池百合子さん(31日夜。NHK画面から)
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 小池さんが四面楚歌のなか崖から飛びおりる固い決意で立ち上がり、敵のふところに飛び込んで、ついには男たちの首を掻き切ってしまった。そんな歌舞伎舞台のような、見せ場に満ちた都知事選だった。
 わが妻、舞はなぜか早くから小池シンパで元々、革新的な女性なのになぜ、小池なのか―と黙って見守っているうち、今度は東京在住のドラゴンズファンでドラがセ・リーグ2連覇当時の監督、落合博満さんの熱烈〈落合信者〉でもあったAさんら多くの女性がフェイスブックやSMSなどで小池さんを応援していると知り、気がつけば伊神権太自らも内心、小池さんの当選を願っていたふしがある。
 ともあれ、心からお祝いを申し上げたい。

 我ながら、この極端なる自身の〈浮気グセ〉にはあきれるほどだが、元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、日本のこころ推薦=、ジャーナリスト鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、生活、社民推薦=のいずれにも全く魅力を感じなかったことも事実である。何ごとも物事を進めるにはパワーが必要だが、小池さんにはどんなに行く手を阻まれようが強い、ひと筋のぶれない信念があり、その気持ちが有権者の心を打ったのである。
 当選後の第一声は、「都民ファースト、都民を優先させる都民のための都民の政策を行いたい」だった。ここで私はあえて彼女に望みたい。それは、日本国民を代表する都民のため、を思うなら東京都を〈世界平和安全都市〉にして、人間を間違いなく破壊する戦争(もちろん指摘されている核戦争なぞは、もってのほかだ)と不正、そして原発事故のない社会の創造に向け先頭に立ち走ってほしい、ということである。これまでのいきさつはどうあれ、脱原発社会実現への舵取りをしてほしい。ジャンヌ・ダルクのように手を上げ、世界の先頭にたってほしい。いったん大地震がきて原子炉がメルトダウンでもしようものなら、いまの科学技術ではどうにもならず制御できないまま多くの不幸を産んでしまう原発事故。これだけは、「東京」から声をあげ、二の舞いを避けてほしく思う。

 繰り返し言わせてもらおう。今すぐ、たとえ少しでもよいので東京が率先して〈脱原発社会への道〉を探り福島の二の舞いを防ぐ方策に乗り出すべきである。デないと、大東京の沈没、日本の崩壊も十分ありうる。平成のジャンヌ・ダルク、小池百合子さんならできるはずである。脱原発の点では当初、期待した鳥越氏がなんとも弱すぎた。選挙戦の最初から〈脱原発社会の創造〉や〈戦争のない〉平和な社会創造1本に絞り込んで訴え続けて戦うべきだった。都知事選には国政選挙にはない、ある面、妖怪の如き面を含んでおり、その分、日本全体を引っ張ってゆく、そうした人びとを幸せに導く、♪めでためでたの若松さま……、といった〈めでた怪〉にも期待したい。

 横綱千代の富士の現役当時の土俵入り(31日夜。東海テレビ〈Mr.サンデー〉から)
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 相撲界初の国民栄誉賞に輝き〈ウルフ〉の愛称で親しまれ、優勝31回、53連勝、史上初の通算1000勝達成、横綱在位59場所と数々の偉業で知られた第58代横綱、元横綱千代の富士の九重親方(本名秋元貢=あきもと・みつぐ=さん、北海道福島町出身)が、きょうの午後5時11分、都内文京区の病院ですい臓がんのため亡くなった。61歳だった。おやすらかに。
 ★ウルフの死★をニュースで知り、頭に浮かんだのは〈千代子さん〉の悲しみの顔である。千代子、とは。そう、ことし6月1日に満96歳となった私の母である。母は、この千代の富士の現役時代が大好きで勝つとは「強いな。おかあちゃん、このお相撲さん大好き」と言っていた、あの日々を思い出す。私自身は二枚げりや上手出し投げなど、今は亡き技の名人横綱栃錦(元春日野親方、日本相撲協会理事長)が1番好きだったが、母に感化され千代の富士も好きだった。
 土俵に花が散った。そんな寂しさを覚える。

        ×        ×
 中部ペンクラブの理事会で名古屋へ。帰り。名鉄江南駅で降り、歩き始める。と、真夏とは思えぬほどのさわやかな〈かぜ〉が頬から全身をなで、ふきわたり、気持ちよく歩いていると突然、上方でゴロゴロゴロと雷が鳴り出し、いまにも雨がふりだしそうに。這々の体でわが家にたどり着く直前に雨がパラパラとふり始め、少し濡れはしたものの、なんとかセーフとあいなった。人生なぞ、こんなものだ。いつ何時、行く手に曲者が現れるか。知れたものでない。
        ×        ×

【きょうの一文・ことば】
「(涙ながらに)悲しい。かなしいです。カナシクッテ。九重親方、横綱千代の富士さんは角界の神さま。横綱のなかの横綱でした。尊敬していました」(元横綱朝青龍)、「一度だけ、稽古をつけてもらいましたが。鋼のような。鉄塔か何かに当たってはね返され、全身がヘナ、ヘナ、ヘナと崩れていった記憶があります。ほんとに強かった。」(舞の海秀平)
=九重親方の死に。メディアにコメントを求められた元横綱朝青龍と相撲解説者の元小結舞の海秀平の2氏は、こう語った

「女性知事として女性政策を進めることが実りある幸せな東京の実現につながります。」
=31日夜、都知事当選インタビューに答えて。小池百合子さん

【新聞テレビから】
☆『清流映える3万発 第60回長良川中日花火』、『相模原殺傷 息子の笑顔返して 重傷者両親「人を人と見ぬ犯行」』、『岡田氏が代表選不出馬 民進「党のため新しい人に」』、『東邦が春夏連続甲子園』、『千畝の業績いつまでも 没後30年遺族しのぶ』、『前住職6億円で巻物購入 興正寺 空海ゆかり、真贋不明』、『殺人容疑 夫を逮捕 松本の事件』、『米で熱気球墜落 16人死亡か』『警備ヘリ着陸失敗 リオ、強盗も相次ぐ』、『〈サンデー版大図解〉47都道府県の記念貨幣めぐり』(31日付、中日朝刊)
☆『〈Sストーリー〉孤児は靴を磨いた―広島ヤミ市 原爆後の歩み』『被爆70年続く手帳申請 昨年8月以降 303件に交付68件』『「証人2人以上」足かせに 被爆者ら要件緩和求め』、『民進代表選 岡田氏出馬せず「達成感」参院選引責否定』、『バングラテロ 過激派分裂IS(過激派組織「イスラム国」)に忠誠 立命大元准教授  資金援助疑い』、『国籍変えリオ駆ける 猫ひろし マラソン・カンボジア代表 元米五輪代表ゼッターランドさんエール』(31日付、毎日朝刊)

七月三十日
 土用の丑の日。
 夜。岐阜で長良川中日花火が、東京の隅田川でも隅田川花火大会が華麗に行われた。長良川は昭和32年から続く第60回記念大会。隅田川も1733年(亨保18年)に始まった両国川開き花火を受け継ぐ伝統の催しで、ことし39回目。長良川では3万発、隅田川でも2万発の花火が夜空を色鮮やかに染め上げた。ことしは先にフランスのニースで花火見学客を襲うテロが起きているだけに、どちらも厳重な警戒が目立ったという。
 第98回全国高校野球選手権愛知大会は岡崎市民球場で決勝戦があり、東邦が7―2で愛工大名電に勝って春夏連続、2年ぶり17回目の夏の甲子園出場を決めた。
 
 民進党の岡田克也代表(63)が自らの任期満了に伴う9月の代表選への立候補を見送る意向を表明。「ひと区切りつけ、新しい人に担ってもらった方が党のためにも日本の政治のためにも望ましい」と述べた。少し残念な気もせぬではないが、ここは後任候補に滋賀県近江八幡市出身の細野豪志衆院議員を、の声が早くも上がっている。
        ☆        ☆

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 昼間。「何より続けることが大切」と自らを奮い立たせ社交ダンスのレッスンに。
「骨盤と両肩は1冊の本のように四角くしたまま形を壊さないで踊る」。「そのためにも、お尻は少し後ろに」と言われてみれば分かる気もする。
 先日は、別の先生のレッスンで「(相方の両腕を)持たない」で踊る気持ちの大切さを学んだが、きょうのレッスンの方はあれやこれや、と教えたがりやの仲間が多い。それだけに、結構そちらにも気を遣わなければならず、その分大変である。
 でも、こんな私に「ゴンタさん。それじゃあ、ダメ。まだまだよ。もう1度、やり直してみてよ」となどと、厳しくも優しくアレヤコレヤと教えてくださるのだ。その心が嬉しく、スピンターンやチャチャチャのステップの極意などよいところは積極的に学ぶことにしている。
 でも。でも、ネ。あぁ~あ。疲れたとは、このことか。

 深夜未明。読書に夢中になっているところへ、東京の文学仲間から電話が飛び込んだ。1日1日が、こうして矢の如く飛んで過ぎていく。私は時代に乗り遅れまい、と舞とふたり、一生懸命にこの世を漕いでいく。愛猫シロちゃんとて同じだ。
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【きょうの一文・ことば】
「他の自治体に与える影響が大きい東京都だからこそ、日本全体を考えられる価値観、広い視野を持つ人物が知事になってほしい」「派遣当時の知事、石原(慎太郎)さんは都職員を『首都公務員』と表現した。地方に思いを寄せつつ、東京の価値を高めていくという視点は必要だ」「(人口減少、高齢化の進む夕張は)将来の東京の姿でもあり、将来を背負う世代が学ぶことのできるフィールドだと思う」「1300万人を抱える東京では多くの意思決定をしなくてはいけない。判断の陰で、悲しい思いをする市民もいるかもしれない。それも背負い、街のために必要なことを進めてほしい」
=30日付毎日夕刊『東京都知事選「全国的視野持つ人必要」 夕張市長 人口減対策にも注目』の記事のなかで。北海道夕張市の再生に取り組む鈴木直道市長(35)が31日の東京都知事選の投開票を前に、新しい都知事にたいして送ったエール
※夕張市は2006年に財政破綻を公表し、13年には人口が1万人を切った。東京都は08年から職員を夕張市に派遣しており、鈴木市長は最初に派遣された1人

【新聞テレビから】
☆『お高いけど今日ぐらいは…土用の丑』、『被災ピアノ よみがえる (米国の歌手)シンディ・ローパーさんが後押し 石巻市立病院へ寄贈する』、『リニア、訪日客需要で強気 名駅ホテル進出熱 供給過多? まだ不足?』、『「ぐにゃぐにゃ曲がった鉄道がある 博士魅了した名松線 故ファインマンさんの伊勢奥津旅で 脚光 ノーベル賞受賞、著書も人気』、『無念忘れない やまゆり園障害者ら献花』、『防犯アプリで痴漢撃退 やめてください』、『中国で拘束の邦人女性起訴 スパイ容疑?』『NY円急伸 一時101円台』、『前住職 融資求め25億円送金 興正寺問題 受け取り10億円のみ』(30日付、中日夕刊)
☆『〈富士山臨時支局2016夏〉神田紫さん講談 登山客30人喝采 山頂』、『豊洲市場お披露目 築地移転まで100日』、『〈写真グラフ〉●eye 笑うカリオカ』『ポケGOブラジルでも リオ市長 早期配信を熱望』『露重量挙げ出場禁止 ドーピング違反「競技の地位保つ」国際連盟』、『〈チェック〉今年は猛暑!? 「確率99%」異常気象地球が悲鳴 インド51度 パリ洪水 日本も警戒 停滞期終了?』、『クラゲ大量発生 火発(富山新港火力発電所)が運転停止 富山・取水口つまる』、『ベビーカー優先車両もっと 置き場増設義務づけへ 国交省』(30日付、毎日夕刊)
☆『天皇陛下の「お気持ち」表明 来月8日 軸に調整』、『年金運用株トヨタ最多 独立行政法人初公表 1兆5499億円保有』『5兆3000億円運用損発表 15年度』、『興正寺 6億6000万円申告漏れ 土地売却益国税 「一部不明瞭」』『売却益特定の法人へ 138億円の4割、委託料など ■巨額貸付金■差し押さえ■檀信徒困惑』『収益事業なら宗教法人課税 団子や喫茶店対象』、『「8人死亡時点で防げた」 第三者委 群馬大病院の手術死』(30日付、中日朝刊)
☆『来月8日軸に検討 生前退位 陛下「お気持ち」表明 宮内庁』、『被爆団体7割「存続困難」 高齢化すでに解散例 本紙調査』、『トランプ氏を非難 クリントン氏 対決色鮮明に 民主受諾演説』、『日銀が追加緩和 上場投信購入 6兆円に拡大』『年金運用損5.3兆円 15年度株価下落が影響 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』、『「難民認定の幅広げた」 ウガンダ女性ら歓迎 名高裁判決「指導的立場」要件とせず』(30日付、毎日朝刊)

七月二十九日
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 きょうは私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人の若手、黒宮涼さんの連作短編小説「玉木さんと鈴木くん その1『友だち』」の公開をしたので、読者の皆さまには〈What’s New〉の告知と併せ、ぜひ読んでいただきたく思う。
 この小説を読みながら、つくづく感じたのは、この世の中は言葉によって動いている―ということである。極端かも知れぬが、人生なるもの、会話次第で方向舵を変えてしまう。私たちが発する一言ひと言が自身の運命を決めかねない。だから、そういったことを作者は頭のなかに置きながら、書き進めることの大切さ、このことを忘れてはいけない。
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 天皇陛下が皇太子さまに皇位を譲る生前退位につき早ければ8月上旬にも陛下ご自身が公務への向き合い方などにつき「お気持ち」を表明されるという。
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 日銀が金融政策決定会合で追加の金融緩和を決め、株価に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れ枠を年2・3兆円から6兆円に倍増。この日は公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有株式の銘柄や時価総額を初めて公表したが、国内株は2037銘柄で31兆4671億円、このうち最も多かったのはトヨタ自動車株で1兆5499億円(2015年3月末時点)、2015年度は5兆3000億円の運用損失を出したことも明らかにした。
 といったところで、これら巨額な数字が具体的にどんなことを意味するのか。おそらく一般国民には皆目、検討もつかず分かっていないことだけは確かだ。もっと、より具体的に説明できないものか。国家経費を家計にたとえながらの図解があれば助かるのだが。机上の数字だけが独り歩きしている。数字そのものがまったく違っていたりすることだって十分ありうる。

【きょうの一文・ことば】
「犯罪をほのめかした人物に衛星利用測位システム(GPS)を埋め込むような法律を作っておくべきではないか」「人権の問題との線引きは難しいかもしれないが、日本は人権の名の下にストーカーなどの犯罪が横行している」
=29日付中日朝刊『犯罪ほのめかした人物にGPS 相模原事件受け 山東元参院副議長』の記事のなかで。自民党議員の山東昭子さんが国会内で記者団を前に、性犯罪の前歴者や犯罪を予告した人物にGPSを使って行動を監視できるための法整備が必要だ―としたうえで、自身の考えをこう述べた

【新聞テレビから】
☆『所在不明児25人 厚労省調査 13都県、一部は虐待疑い』、『陛下、上旬にも「お気持ち」 宮内庁検討 来月、生前退位巡り』『テレビ中継も候補に』、『ロシアやっとリオ入り』、『〈2016年 米大統領選〉クリントン氏が「結束は力」訴え 民主党大会、指名受諾演説』、『仏電力が英原発新設決定 英政府は「計画を精査」』、『〈大リーグ〉イチロー「3000」まであと2 代打で二塁打好機を広げる』『鈴鹿で夏の爆走 8耐始まる』、『日銀追加緩和 上場投信購入 6兆円に増』、『旧村上ファンド代表 関係会社 申告漏れ 15億円』、『襲撃時かばんに凶器 相模原殺傷 準備入念 移動容易か』(29日付、中日夕刊)
☆『陛下、来月にも「お気持ち」 宮内庁検討 生前退位巡り』、『〈リオ五輪〉「ロシア!」声援に笑顔 選手団到着』『聖火リレーまた妨害』、『来月3日 内閣改造 首相表明 骨格は維持へ』、『「一本足」鉄骨補強 熊本城石垣』、『■「64」(横山秀夫さん作の人気警察小説。ロクヨン)、英推理小説賞 最終候補に』『植物片、大麻と確認 相模原殺傷 容疑者宅押収』、『名古屋・鶴舞公園 ポケGO「聖地」車の列 愛知県警 取り締まり強化』(29日付、毎日夕刊)
☆『リオ高まる熱気 五輪まで1週間』、『(全国)知事会議合区解消決議へ 参院選「改憲で対応」には慎重論』、『元慰安婦へ現金支給も 韓国 財団発足、反対派強硬』、『低所得者層に1万5000円 経済対策 年金受給資格を緩和 リニア全通前倒しも』(29日付、中日朝刊)
☆『「ヒトラー降りてきた」 措置入院中に植松容疑者』『相模原殺傷 職員殴り 鍵奪う 17人首に致命傷』『措置入院後の対応 首相が見直し指示』『被害者指名、県警公表せず「プライバシー保護」「忘れられる恐れも」』、『慰安婦支援内容協議へ 財団発足 来月、日韓局長級で』(29日付、毎日朝刊)

七月二十八日
 尾張一宮の夏を彩る一宮七夕まつりが、市中心部で4日間の日程で開幕。本町商店街のアーケード街ではカラフルな吹き流しが風に流れ、涼感を誘う。この祭り、戦後のガチャマン景気で栄えた繊維どころのシンボルとして感謝の気持ちを込め、昭和31年から開き毎年100万人以上が押し寄せ、安城、仙台と並び日本3大七夕まつりの1つで知られる。

 関東甲信地方が梅雨明け、平年より7日、昨年にくらべ18日遅い。日本を代表する世界的ピアニスト、中村紘子さんが26日夜、都内の自宅で大腸がんのため死去、72歳だった。貴重な命が、蝋燭の灯の如く次々と消えてゆく。
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 一匹文士(いっぴきぶんし)の私はやはり、この歳になってなお、やることが多過ぎるか。「いそがしい」と言えば、気が晴れる気もするのだが。昔から「忙しい」を連発する人間にかぎって、たいして忙しくもない、自らに甘い。その多くの素顔を見続けてきただけに、痩せても枯れてもこの言葉だけは発するな、と自らに言い聞かせている。
 でも、ここはすなおに「いそがしい」「あぁ、いそがしい」と空に向かって正直に言ったほうが精神安定面からも良いではないか。もう1人の私が盛んに「無駄な抵抗」はそろそろおやめなさいよ、およしなさいよ―と囁きかけてくる。あぁ~ ★★

 デ、〈おやめなさいよ〉〈およしなさいよ〉と言えば、このところは連日、座頭市・勝新太郎の♪およしなさいよ、をユーチューブで夜遅く自室で寝る前に、聞いている。横笛の師匠にその存在を教えられたためだが味わい深くて胸に迫る良い曲である。いつの日にか、この〈およしなさいよ〉を横笛の澄んだ音色でふきこなしてみたく思っている。午前2時過ぎ。そろそろ、寝ようか。
 
【きょうの一文・ことば】
 リズムと体、リズムと頭、リズムと心がくっついて自然に手足が動きだすのがサンバなの。あとはちょっぴり「私がこのドラマの主人公よ、みんなが私を見てるのよ」って、自分に言い聞かせて。それで十分、格好よく踊れるわ。
 サンバとは何かって? ばかな質問ねえ。そんなの、決まってるじゃない。サンバは自由と解放の象徴。サンバこそリオ、サンバこそブラジル。
 もうじき世界の祭りの始まりよ。さあ、みんな、一緒に踊りましょう!
=28日付中日夕刊『〈カリオカの流儀 Rio2016 ②自由の踊り〉魂を解放 私が主人公(文・中野 祐紀 写真・内山田正夫)』から。名場面を抜粋

「小さな女の子たち。私は初の女性大統領になるかもしれない。次はあなたたちよ」
=28日付中日朝刊『クリントン氏正式指名 民主党』の記事のなかで。ニューヨークから米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれている民主党大会会場に向け、ヒラリー・クリントンさん(68)が、こう呼びかけた

【新聞テレビから】
☆『一宮の商店街 頭上キラキラ=28日夕、一宮市で夏を彩る「おりもの感謝祭一宮七夕まつり」が始まった』、『ロシア250人超出場へ』『重量挙げ11人が陽性 ロンドン五輪再検査 ロシアは4選手』、『ケーン氏を正式指名 民主党副大統領候補に』『潔白示し「普通の母に」大阪女児焼死 青木さん来月、再審判決「密室での自白怖さ伝えたい」』、『女性居住エリアから侵入 相模原殺傷 容疑者宅に大麻?』『現場に駆けつけた元職員 地域に溶け込んだ施設 再生願う』『残る入所者 ケア課題 他施設へ移動も検討』、『「10億円不要」「合意破棄を」慰安婦財団船出大荒れ』、『週刊新潮の記事鳥越氏が告訴状』、『一宮で強盗20万円奪う アパートに男が侵入』(28日付、中日夕刊)
☆『原爆対テロ施設初合格 規制委方針 高浜3、4号機』、『韓国慰安婦財団が発足 日本の10億円拠出焦点』、『〈リオ五輪〉聖火トラブル続き インフレ続き 開催に反対45%「恩恵 一部の人だけ」』、『生きる権利同じ 傷害者殺傷 保護者悲しみ、憤り』『相模原殺傷 容疑者2月に言動一変 事件予告と同時期』『障害者襲った「二重の殺人」人間の尊厳否定された 全盲・全ろうの東大教授福島智氏』(28日付、毎日夕刊)
☆『ワクチン被害一斉提訴 子宮頸がん名古屋など63人』、『〈2016年米大統領選〉クリントン氏正式指名 民主党』、『障害者支援団体メッセージ 障害のあるみなさんへ 安心し堂々と生きて「命の重さ同じ」』『献花台で止まらぬ涙』、『美濃加茂市長11月判決 控訴審結審 あらためて無罪主張』、『30日「土用の丑」 何食べる うなぎ今年も高値の花 老舗店 価格据え置き苦心』『ナマズ 庶民の味方? スーパー登場』(28日付、中日朝刊)
☆『首相「経済対策28兆円」低所得者向け給付延長へ』、『「ガラスの天井にヒビ」クリントン氏指名 民主大統領候補』、『障害者殺傷 職員5人縛る 容疑者計画性裏付けか』『凶行「絶対許せない」 入所者両親 息子回復祈る 死者全員複数の傷』、『東愛知新聞前社長に問題 第三者委 寄付金管理の不備指摘』、『年度内「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」指針 高額薬適正使用 医療機関も限定へ』(28日付、毎日朝刊)

七月二十七日
 午後11時47分ごろ。茨城県北部を震源に震度5弱の地震が発生。幸い津波の心配はなく、大きな被害もなさそうだ。
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 相模原市の障害者施設殺傷はじめフランス、ドイツ、アメリカなど世界各地でのテロ、銃撃など、この世は血なまぐさい事件で血塗られている。なんということだ。これでは、地上に生きる人という人の気持ちまでが滅入って、おかしくなってしまう。これも【見えざる神】のせいか、とそんなことまで思ってしまう。

 江南郷土史研究会の前会長、須賀弘之さんが尾北ホームニュースに連載され1冊の本になった「武功夜話物語」を、自宅を訪れて返却。その足で、このところ顔を出せなかったカラオケ付き居酒屋「画廊キサック」へ。
 先日、お会いした大学の先輩〈五郎さん〉に、と自著2冊を手に訪れたが時間が早すぎて会えなかった。その代わり女性2人がマイクを握りしめ交互に歌い、その楽しそうなこと。なんでも「80歳よ」ということで信じられないほどの迫力と声量には、いやはやおったまげた。カラオケを生きがいに通われいる姿には、なぜだか尾張の女性ならでは、のたくましさを感じたのである。

 帰宅しパソコンを開くと、そこにはショートメールで私のスマホに届いていた連絡「先ほど作品を送りましたので、お時間のある時に確認をよろしくお願い致します」どおり、ウエブ文学同人誌「熱砂」の書き手、黒宮涼さんからの連作短編小説四編が届いていた。さっそく読み始める。

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「予告」「は実行された。どこかで止め得なかったか。またこみあげてくる苦み。 ◇ 男の育児休業取得率2・65%。これで過去最高と。実態は牛歩ほどにも進まず。―とは、27日付毎日夕刊〈近事片々〉の抜粋。全くもってそのとおりだ。
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【きょうの一文・ことば】
「家族にとっては。家族は、弱いものは弱いものほどかわいいのです。」「(この事件で)精神病患者がまた差別されるのでは」「(植松容疑者は)こどもを愛し人を笑わせることが得意だったのに。それが、なぜ豹変し人格が変わってしまったのか」「障害者は役に立たないと思う人がふえてくる。それが心配です」
=各メディアで紹介された相模原の障害者殺戮に対する一般市民の声から抽出

【新聞テレビから】
☆『〈時論公論〉強権化するトルコ 国際社会の関係』(27日夜、NHK総合)
☆『「職員縛り鍵出させた」 相模原殺傷 殺人容疑で送検』『一人ひとりの命の重さに思いをはせて 障害者団体が緊急声明』『現場で刃物2本押収 容疑者、計5本所持か』『職員動けず通報に40分 相模原殺傷 対策も効果なく 施設熟知、入念計画か』『「明るかった彼がなぜ」植松容疑者の高校の同級生』『送検の車内笑み浮かべ』『大麻陽性反応把握生かせず 踏み込んだ措置なく』、『〈2016年米大統領選〉クリントン氏正式指名 民主党米初の女性大統領候補』、『ポケモンGO設定広島市が削除要請 平和記念公園内』、『iPS(人工多能性幹細胞)AI(人工知能)で確認 京大・山中教授 実用化加速へ構想』、『新聞配達員男性が胸10ヵ所刺される 広島、男が逃走』(27日付、中日夕刊)
☆『米民主党大会 クリントン氏正式指名 初の女性大統領候補』、『障害者殺傷 侵入容易な経路狙う 警備員室避け 女性居室から』『障害者殺傷「逮捕されるかも…」 容疑者2月にツイート』『強い憤り 障害者団体が声明』、『最低賃金24円上げ 過去最大 全国平均822円』『東証一時200円高』(27日付、毎日夕刊)
☆『トヨタ初V 都市対抗野球18度目の挑戦実る 歓喜のスタンド赤一色』、『障害者の大量殺害予告 相模原の施設19人死亡 元職員、明確な殺意』『県警、市把握 惨劇防げず 措置入院後の動向確認不備』、『サイの化石…実は絶滅哺乳類 岐阜県博物館 未発見のカリコテリウム』、『アイドルに会いに映画館へ 名駅で来月末から ボイメン、ハロプロ公演』(27日付、中日朝刊)
☆『障害者施設で19人刺殺 2月に予告の手紙 容疑の元職員 衆院議長に 相模原 障害者に強い偏見』『首狙う残虐な手口 障害者施設殺傷 職員縛りあげ「容疑者、施設内で暴力」救急隊員ら言葉失い』『身守れぬ弱者襲う 家族らに衝撃 外部通報仕組みなく「心かきむしられる」元職員や住民憤りあらわ』『東海3県知事が安全点検を指示』、『学校耐震化終わらず 目標15年度内 2.5㌽増の98・1%』(27日付、毎日朝刊)

七月二十六日
 幽霊の日。文政8年(1825年7月26日)に鶴屋南北作『東海道四谷怪談』が江戸・中村座で初演されたことに由来する記念日だそうだ。社会人野球の第87回都市対抗大会決勝戦がこの日東京ドームで行われトヨタ自動車(豊田市)が日立製作所(日立市)に4―0で快勝、18度目の出場で悲願の初優勝を飾った。フランス北部ルーアン近郊で刃物を持った男2人が教会に押し入り5人を人質に立てこもり神父が殺され、容疑者は治安部隊により射殺された。容疑者らは過激派組織「イスラム国(IS)」だと主張している、とオランド大統領。
        ☆        ☆

        ★        ★
「19人刺され死亡」を告げる夕刊各紙
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 早朝の名古屋駅で、東京駅で、号外が乱れ飛んだ。【人間の尊厳】は一体全体、どこへいってしまったのか。死者19人、重軽傷者26人に及ぶ。なぜだ。なぜ。なぜ起きたのか。
 平成以降の殺人事件では地下鉄サリン事件などを上回る最多の死者数となった最悪、非道かつ残忍極まる殺戮が起きた。ところは神奈川県相模原市内の知的障害者「津久井やまゆり園」で、である。なんということだ。犯人の26歳、元職員だった植松聖は犯行間もない午前3時過ぎ、津久井署に車で出頭したところを逮捕された。
 調べに対し「障害者がいなくなればいいと思った」「意思の疎通ができない人たちをナイフで刺したことは間違いありません」などと話しているという。人は。人を殺すために存在するのか。そうではないはずだ。

 調べによると、犯人の植松はかつてこの施設で働いていたが、ことし2月にやまゆり園など2つの施設の名前を標的としたあげく「私の目標は重複障害者の方が安楽死できる世界です」などと書いた大島理森衆院議長あての手紙を持参。その後「障害者を標的に殺す。重度障害者の大量殺人は、日本国の指示があればいつでも実行する」などと繰り返したため、相模原市は措置入院を決め、植松容疑者も施設を退職したいきさつがある。
 また入院中の尿検査では大麻の陽性反応も出たが、その後症状が和らぎ「どうかしていました」との反省の言葉があったため3月には退院。こうした経緯から今回の大量殺戮は、2月に大島議長あてに出した殺害予告「職員の少ない夜勤に決行致します。重複障害者が多く在籍している2つの園(津久井やまゆり、■■)を標的とします。職員は絶対に傷つけず、速やかに作戦を実行します。2つの園260名を抹殺した後は自首します。」(大島衆院議長に宛てた手紙から)をそのまま決行したものと見られる。

 世界もふくめて世の中全体の精神がどこかで荒れている。そんな気がしてならない。
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 夕食時の舞との会話。
「お化けと幽霊はちがうのだから。お化けは、〈お岩さん〉みたいに『うらめしや』とは出てはこないよ。お化けは、人を陽気にさせるものなの』と。よく分からないが『へえ~、そうか』と私。
『それからね、障害者の方々は〈運命〉を背負って私たちの分まで【負けないで、頑張って生きてくれている】わよ。誰よりも大切にしなきゃならない方々なのに。それを、ナンデ刃物を向け殺しちゃうのよ。許せないわ』。
 彼女が、秋には柿をたくさんプレゼントしたり、ほかにも、お中元やお歳暮などで頂いた品を分けて贈る―など1年を通じて市内の障害者施設に何かと援助している理由が、ナントナク分かる気がした。障害を克服して生きる方々が今回の事件で萎縮するようなことがなければよいのだが。
 私は舞と一緒に天に向かって手を合わせた。
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【きょうの一文・ことば】
「戦争を抜きに自分の人生は語れない」「戦場や空襲で愛する人たちを失っても必死に生きようとした人たちが戦後日本の原動力になった」「歴史の現実から目を背けるべきではない」。「二度と戦争による悲しい思いを経験することがないように後の世代に伝えることが大切」。
=26日付中日夕刊『原爆の惨禍現代につなぐ 俳優館が「はだしのゲン」再演 ミュージカル来月11日~14日、名古屋で』の記事のなかで。終戦時4年生でゲンと近い年齢の俳優館森代表(80)は、こう語った 

【新聞テレビから】
☆『障害者刺され19人死亡 施設に侵入25人負傷 殺人未遂容疑26歳元職員逮捕 相模原 19~75歳の149人入所』『「就寝中に襲撃 卑劣」入所者家族怒りあらわ』『どう防ぐ関係者困惑 重い課題突き付け 開放的な造り侵入者想定外』『「信頼ある施設」神奈川県が会見』『予告の手紙持参 衆院議長訪問か 今年2月 植松聖容疑者』『障害者施設襲撃 植松容疑者 大島衆院議長への手紙』、『〈伝える訴える〉路地の少年少女記者 スラムから見える世界 インド(文・角田隆一、写真・浮ケ谷泰)』、『自民参院会長に女性初の橋本(聖子)氏』(26日付、中日夕刊)
☆『〈米国の撰択 16年大統領選〉民主「同盟国と関係強化」 綱領採択 党大会が開幕』『TPP賛否示さず 「バーニー」コール交錯』『メール流出をFBI(米連邦捜査局)が捜査』、『記者42人拘束へ トルコ、弾圧を強化』、『19人刺され死亡 未明の障害者施設襲撃  25人重軽傷26歳元職員逮捕 相模原「障害者いなくなればいい」容疑者』『短時間の凶行 相模原殺傷 血まみれ負傷者次々「穏やかな施設 何が」「明るい子」「最近金髪に」 容疑者車大きく損傷』『首や顔を狙い 地域住民に衝撃 家族 怒りと不安 卑劣で許せない入所者家族』『神奈川県が設置』、『ソーラー機世界一周達成』、『HD(ハードディスク)部品カルテル疑い TDKなど2社』、『谷垣氏頸髄を損傷 自民・細田氏 復帰めど明言せず』(26日付、毎日夕刊)
☆『浜岡5回目の工事延期 中電方針 震災対策 完工未定』、『南シナ海仲裁に触れず ASEAN声明 中国念頭に懸念示す』、『〈Rio2016 あと10日〉テニス、体操など参加へ ロシア 水泳は7選手禁止』(26日付、中日朝刊)
☆『内閣改造骨格維持 麻生副総理、菅長官留任へ』『自民総務会長二階氏が続投』、『ASEAN 南シナ海「深刻な懸念」 共同声明 仲裁判決触れず』、『中小企業向け助成金拡充 政府方針 最低賃金上げに対応』(26日付、毎日朝刊)

七月二十五日
 財務省がこの日発表した2016年上半期の貿易統計。それによると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆8142億円の黒字で、暦年の半期ベースでの貿易黒字は東日本大震災以降では初めてだという。
        ☆        ☆

 月曜日。久しぶりというか。それこそ30年ぶりに舞を伴い、小牧山麓にある小牧市民病院へ。彼女のこんごの脳外治療について専門医にお聞きするためだ。

 小牧といえば、かつて名古屋空港(当時は小牧国際空港とも呼ばれた)を拠点に〈空飛ぶ記者〉として全国各地の事件、災害、話題の現場に数え知れず特派された思い出の地であるばかりか、それまでの老朽病院が新しく建て替わってまもなく末っ子を授かった聖地でもある。
 飛騨の栃尾温泉郷のほぼ全域が崩落した土石流取材をはじめ、三重の嬉野豪雨災害、長野のヤマが動き老人ホーム松寿荘が押し潰された地附山(じづきやま)災害、三宅島噴火、山陰豪雨禍、長崎大水害、秋田県男鹿半島を襲った中部日本海地震など。数々の災害現場に、ある時はヘリ、また遠路は双発ジェット(「はやたか2世」)で何度となく急行した。
 取材機による現場特派は、ほかに修那羅峠で寺沢由美子さんの遺体が発見され大騒ぎになった赤いフェアレディーゼットに乗ったトンボメガネの女・宮崎知子による長野富山連続女性誘拐殺人事件や日本福祉大学生の乗ったスキーバス転落、稚内沖オホーツクの海で起きたソ連機による大韓機撃墜、山口で起きた自衛官の少銃乱射事件の取材と、数えしれない。
 私はそのつど、他社にはない取材機で西に、東にと全国を飛び回り、派遣されるや現地取材にそのまま投入されることもしばしばだった。

 暗い話題ばかりでもない。世界一周の旅を終えたヨット、エリカ号が日本に帰ってきた場面をカメラマンと一緒に空からルポしたり、ロッキー青木なる人物の太平洋横断の気球飛行の旅を名空港から追いかけたことも。皆、当時はかなりハードな取材の数々ではあったが、そのつど家族に助けられもした。
 それだけに、あのころのひとコマが今も眼前にクッキリと浮かび上がってくるのである(これら数々の取材の足跡は私の著作〈泣かんとこ風記者ごん!〉〈火焔―空と海〉=いずれも能登印刷発行=などに詳しい)。

        ❤        ❤
―というわけで、長くて短い1日が過ぎた。
 これまで共に歩いてきた舞は、現実に元気でいるのだから。/彼女の気持ちを最優先に/♪あしたはあしたの風がふく、でいこう。/人間みなこうして生きてゆく。

 そして心配顔で留守番してくれていた愛猫シロちゃん。彼女にも「ありがとう」と礼を言いたい。
        ❤        ❤

【きょうの一文・ことば】
 かつてはプラトンをギリシャ語で、聖書をラテン語で、デカルトをフランス語で、ベーコンを英語で、カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデッガーをドイツ語で読んだものであるが、四十歳ごろから日本研究に専念するようになると、読むのはほぼ日本語の本になった。七十年の間に多くの良書に出会ったが、また九十を超えて、ずっしり重い思想を語る書物に出会った。それはフロイトの『モーセと一神教』である。
=25日付中日夕刊『〈思うままに 梅原猛(哲学者)おそるべき予言者(一)〉数学少年から哲学へ』の記事のなかから。抜粋

【新聞テレビから】
☆『〈カリオカの流儀 ①魂の階段〉色それぞれ 世界は一つ 文・中野祐紀 写真・内山田正夫 ※カリオカは、リオで生まれ育ったリオっ子を意味する』、『「原爆の子の像」子どもたち祈り』『原爆供養塔そば 樹木に掘り傷か 広島器物損壊容疑』、『ロシア五輪全面除外せず「責任放棄」IOCに批判 欧米関係者「無秩序状態の始まり」』、『独で自爆か12人負傷 コンサート会場 シリア人男死亡』、『民主党全国委員長(デビー・ワッサーマンシュルツ氏)が辞意 米大統領選 サンダース氏中傷』、『震災後初の貿易黒字 16年上半期 原油安で1兆8000億円』、『任天堂株価急落』、『ブラックバイト是正求める 愛知の弁護士ら家庭教師派遣会社に』、『第155回選考のポイント 芥川賞村田さん「異常と普通」活写 直木賞荻原さん圧倒的な読み心地』(25日付、中日夕刊)
☆『露リオ参加条件付き IOC、全面排除せず』『IOC決定 ロシア歓迎ムード 英など「責任丸投げ」批判』『選手村がオープン』『武装集団と警察銃撃 競技場へのバス停一時閉鎖』、『選手村に(ずさんな整備状況に)不満噴出』、『東京都知事選 「原発」論戦の対象外 鳥越氏「ゼロに」小池、増田氏触れず』、『少年サンデーS増刊で再開 児童虐待漫画で迫る 子育てママ共感、再ブレーク』、『くすりのしおり「英語版」アクセス3年で3倍 外国人患者増加』(25日付、毎日夕刊)
☆『〈IOC理事会〉ロシアの全面除外見送り リオ五輪 各競技団体に一任 大国との対立避ける』『「潔白選手出られる」ロシア除外見送り リオ市民歓迎』『「正しい決定」ロシア歓迎』『評論家・玉木正之さん 逃げた IOC政治に負けた』、『「英離脱」影響に積極対処 G20閉幕 テロ資金封じ込め』、『日馬富士8度目V 名古屋場所』、『減税とお維新が合流視野に協議 あすにも』(25日付、中日朝刊)
☆『「原子力白書」来春復活 7年ぶり 「原発回帰」の伏線か』、『ポケモン異例の人出 名古屋「聖地(名古屋市昭和区の鶴舞公園)」 トラブル警戒』、『都知事選小池氏リード 増田氏、鳥越氏追う 本社情勢調査』、『露リオ排除せず IOC各競技団体判断 陸上参加は困難か』、『ASEAN(東南アジア諸国連合)声明難航 外相会議開幕 南シナ海、分断あらわ』、『女子医大過量投薬 副作用重ねて周知 医薬品機構と学会』、『不明大学生の車か 熊本地震 阿蘇大橋下流で発見』(25日付、毎日朝刊)

七月二十四日
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 蟻さんや鳥たちに見事に食い荒らされた、赤く色づいた幻のスイカ
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 日曜日。一段落ついたところでエデンの東へ。
 1週間のあいだにみるみる生えた草取りに、イタチごっこよろしく、またしても黙々と汗を流す。鎌を手にふたりで延々つづける。頼みのスイカは鳥たちに見事に食い荒らされており、残念無念。結局ことしは、ただの1個も収穫できず敗北感にうちのめされた。でも、その分、蟻や鳥たちの束の間の餌になるのだから。それはそれで良かったのでは―と自らを慰める。
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 草との格闘で全身が痛い。あとは1日部屋に閉じこもって、いつもどおり読書と新聞小説などのチェックを進める。信長の側室で信忠、信雄、徳姫の2男1女をもうけた生駒屋敷の吉乃探求までは、なかなか手がまわらない。吉乃が逃げていくわけでもあるまいに。なぜか、気ばかりが焦っている。

        ☆        ☆
 31日に投開票が迫った東京都知事選。
 新聞各紙の世論調査によれば、元防衛相で前自民党衆院議員の小池百合子さん(64)が一歩、リードしているらしい。ジャーナリスト鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=、元岩手県知事で元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、こころ推薦=の順で追う展開だが、立候補に至る経緯から街頭演説の内容まで私の見る限りでも小池さんが一段とメリハリがきき、分かりやすい。
 都知事給与の半額カットを政策に掲げ、待機児童問題の解消はじめ自然エネルギーへの理解もありそうで、何よりも自民に推薦されないなかでの勇気ある立候補だけに信念もしっかり、はっきりしている。安倍政権に反旗を翻し、緩やかなる脱原発社会への舵取りもこの先、彼女なら可能性としては十分ありうる気がしてきた。独のメルケル、英のメイ、米のクリントンに日本のユリコと世界の国や都市のリーダーが女性で占められれば、世界は一気に平和に向かって歩き始めるのではないか。
 それよりも何よりも世界全体がやわらかく花の園に包まれたユートピア(理想郷)になる、ある面で東京じゅうがホンワカ感で満たされるような、そんな錯覚さえ覚える。個人的見解を言わせていただければ、女性都知事の誕生、大いに歓迎である。
        ☆        ☆

 国際オリンピック委員会(IOC)はこの日電話による緊急理事会を開き、国ぐるみドーピング違反が明らかになったロシア選手団のリオ五輪への出場可否は各競技を統括する国際連盟(IF)に判断を委ねることに。ドーピングに関わった証拠のない選手まで除外すれば個人の権利を侵害する観点に立てば、当然のことで「オリンピックは参加することに意義がある」という本来の基本姿勢が辛うじて守られ、全面除外は避けられ、私はこれでいいと思う。リオ五輪への参加拒否問題が新たな国際紛争の火種になることだけは避けたいからである。
 
 大相撲名古屋場所は後半に入り、日に日に調子をあげてきたモンゴル出身の伊勢ケ浜部屋、横綱日馬富士(32)が千秋楽結びの1番で白鵬との横綱対決を寄り切りで制し13勝2敗で4場所ぶり8度目の優勝。横綱昇進への期待を一身に浴び続けた大関稀勢の里(30)=田子ノ浦部屋、茨城県出身=は大関豪栄道を押し出しで退け12勝目を挙げ、昇進こそ逃したが綱とりを秋場所につなげた。

【きょうの一文・ことば】
「昨年、中国側が五十人の日本の大学生を中国に招待してくれた。日本国内の移動費用まで持ってくれた。帰国後、学生たちは会員制交流サイト(SNS)で、メッセージのやりとりをしていると聞く。ことしは倍の百人が訪中する予定だ。日中が全面的にわかり合うのは無理としても、若い世代が中心になって、時間をかけ、少しずつ進んでいけばいいと思う」
=24日付中日朝刊『〈核心 文化交流協会60年 黒井千次会長に聞く〉日中関係本質は人と人 若い世代の交流期待』の記事のなかで。黒井千次さん

【新聞テレビから】
☆『小池(百合子)氏 都知事選リード 本紙世論調査 鳥越氏、増田氏が追う』『東京五輪 過半数負担増に否定的』、『アフガン自爆テロ80人死亡 少数民族デモ中 ISが犯行声明』、『独乱射若者標的か 9人死亡、7人が10代 18歳容疑者銃弾300発所持』、『介護職は起笑転結 伊賀の夫婦 体験談4コマで明るく』、『信長公もご満悦? 尾張津島天王祭』、『黒田投手200勝 広島の誇り歓喜一色』、『真っ赤な怒り グランパス降格危機 サポーター(名古屋のパロマ瑞穂スタジアムで)1000人超 抗議の居残り』、『〈サンデー版大図解〉夏季五輪』(24日付、中日朝刊)
☆『ちょうちん水面照らし 尾張津島天王祭』、『黒田、日米200勝 野茂以来』『耐えて黒田コイの花 遅咲き努力の200勝 ファン声援に感謝』、『薬16倍投与女性死亡 東京女子医大病院ミス否定 14年』『〈女子医大過量投薬〉夫「リスク説明ない」 病院側「本人の希望」』『半年前2歳児も』、『闘病記が救った労災認定 愛知・中皮腫発症の男性一度は断念 助言で別労基署へ 補償一部は消滅』、『独乱射「テロではない」 当局見解 自殺18歳 300発所持』、『シリア助けて 反体制派ポケモンで訴え』、『登山道整備中の日航社員滑落死 御巣鷹の尾根』(24日付、毎日朝刊)

七月二十三日
〈真夏のかぜ〉が、きょうも空を舞っている。前日に続き7月にしては珍しく過ごしやすい。午前中、自らの精神を叱咤激励して眠い目にカツを入れながら、木曽川を隔てた向こう岸にまで車を走らせる。社交ダンスのレッスンのためで、タンゴとルンバ、チャチャチャを学ぶ。
        ☆        ☆

 プロ20年目の広島の右腕・黒田博樹投手がマツダスタジアムでの阪神戦に先発して7回無失点の7―0で今季7勝目をあげ、野茂英雄(ロイヤ)に次いで日本選手2人目となる日米通算200勝を達成。41歳5カ月での200勝到達は、2008年に42歳11カ月で達成した山本昌(中日)に次ぐ年長記録。日本投手での200勝以上となると金田正一投手(巨人)の400勝が群を抜いている。
      
 喜びがあれば、かなしみも。
 世界では、ドイツのミュンヘンでイラン系二重国籍の男(18)による銃乱射で9人が死亡、16人が重軽傷を負った。と思うまもなくアフガニスタンの首都カブールで少数民族ハザラ人らによる抗議デモのさなかに自爆テロが起き80人が死亡、230数人がけがをした。過激派組織「イスラム国」(IS)系のニュースサイトが犯行声明を出したという。
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 ◇…発売から五十年のヒット曲「柳ケ瀬ブルース」で知られる歌手美川憲一さん(70)が二十三日、「第二の故郷」という岐阜市の柳ケ瀬商店街を訪れ、イベント「憲ちゃんまつり」に参加した――とは、本日付の中日朝刊〈通風筒〉紙面。
 私が新聞社の岐阜総局(現岐阜支社)に勤務していたのは、〈柳ケ瀬ブルース〉が大ヒットしたころより10年ほど時代は下がり〈コモエスタ赤坂〉〈そんな夕子にほれました〉などの曲がヒットしていたが、キャバレーはいつも大はやりでネオン街には〈柳ケ瀬ブルース〉が間断なく流れていた。
 ちょうど根尾村板所に立つ樹齢1500年の淡墨桜の再生話や、未曾有の長良川決壊豪雨とその後の裁判(安八町で決壊。裁判ではため池が破堤の原因になったとする【ため池破堤説】がポイントになった)、憲政史上最大かつ最悪となった岐阜県庁汚職事件の取材に追われていた。
 今だから言うが私は当時、事件記者として2課のデカ(刑事)のSやMはじめ、岐阜地検の特捜検事T、K、Hらの自宅はむろん、西柳ヶ瀬で検事の秘密の打ち合わせ場所、たまり場となっていたサントスなる店にもよく顔を出したが、たまたまライバル紙の社長がその店の常連客だと知り、その点にも警戒したことなど忘れられない思い出も多い。
 歌は世につれ、といわれるが。歌の1つひとつに人には言えない歴史がそれぞれにあるだけに、懐かしいものである。このことは、この世に生きてゆく全ての人々に共通している。
 
【きょうの一文・ことば】
「(ロッキード社からお金もらったことありますか、の問いに)あります。(それは税務申告しましたか、に)税務申告しませんでした。不覚です。……ケ・ン・ジさん。ろうそくの火は最後にパッと明るくなるのをご存知ですか。今の私はその状態です。(署名されますか、の問いに)ハイ、します…ケ・ン・ジさん、ヨシオの漢字が思い出せないのです」(東京地検特捜部検事の臨床尋問に答え。当時ロッキード社の秘密代理人とされた黒幕児玉誉士夫さん)
=23日夜『〈NHKスペシャル シリーズ未解決事件!〉ロッキード事件の真実 田中角栄逮捕から40年▽特捜部VS昭和の怪物 未解明21億円の行方は』のなかで。特捜部検事の臨床尋問に児玉誉士夫さんは、こう口を開いた

【新聞テレビから】
☆『〈SONGSスペシャル福山雅治SONGLIFE〉サンバ誕生の秘密・ブラジル熱狂する魔法のリズム 奇跡のコラボが実現!』(23日夜、NHK総合)
☆『独ミュンヘン乱射9人死亡 商業施設、テロか イラン系18歳容疑者自殺』『子どもら狙い銃撃 ミュンヘン マック店内恐怖』、『パトカーにはねられ死亡 岐阜・神戸 路上にいた男性』、『パラ五輪ロシア排除へ リオ大会 国際委手続き開始』、『シリアの惨状ピカチュウも涙 出身アーティストらネットに作品』、『永六輔さん最後の詞 虚しさが耐えられるのは ともだち あなた 戦う心 加藤登紀子さんに贈る』、『★戦艦大和の映像一般公開』(23日付、中日夕刊)
☆『海女涼やか 日永うちわ 生産ピーク(三重県四日市市のうちわ製造会社「稲藤」で)、
『ワタミ過労自殺両親が基金=名称は「ブラック企業と闘う望(のぞみ)基金=創設 ブ
ラック企業と闘って 訴訟費無利子で貸与』、『独 乱射9人死亡 商業施設18歳容疑者
自殺 ミュンヘン』、『露の出場資格停止へ パラリンピック委手続き開始』、『覚醒剤密売
容疑81歳女らを逮捕 和歌山・滋賀県警』(23日付、毎日夕刊)
☆『ポケモンGO満員御礼 国内配信開始 侵入騒ぎ相次ぐ 名古屋場所でも』、『〈201
6年大統領選〉トランプ氏「米国第一」共和党大会で受諾演説』、『MRI(国産初のジェット旅客機、88席)米の重量制限超過 300機営業運航できぬ恐れ』、『ヘリ施設着工 辺野古再提訴 翁長氏「強硬政府に抗議」』(23日付、中日朝刊)
☆『ロッキード事件「アリバイ崩し」全容=ロッキード事件で田中角栄元首相が逮捕されて27日で40年。控訴審での「アリバイ崩し」の全容が判明した』『12年後のアリバイ崩し 賄賂授受日領収券で裏付け』、『「トランプ節」復活 クリントン氏を批判 共和指名受諾』、『沖縄ヘリパッド「基地押しつけるな」工事再開反対派 機動隊ともみ合い』、『ポケモンGO大騒ぎ 参加集中世界で障害』『「隠れ待機児童」5万人 5900人増 公表の3倍 152市区町村』(23日付、毎日朝刊)

七月二十二日
 大暑。夜。秋の風が吹き始めたのか。真夏にしては、久しぶりに心地よい〈かぜ〉だと思っていたら、知らぬ間に舞の手で寝室の冷房が止められていた。
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 米国などで爆発的人気になっているスマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」の日本での配信が始まった。街なかで、公園で、海沿いの浜辺で、通勤途上の道路で、とそれこそ日本じゅうが大騒ぎだ。これも平和な国日本の証明か。
 もしかしたら、自分が世界につながっていく画期的な出来事かもしれない。「新しいものをやる時、人はみな否定するが、きっとこれはいい方向に世界を導いていくきっかけになるのでは」とは、私が好きな画家山本容子さん(山本さんは詩人最匠展子さんがテレビのコメンテーターとして出演、活躍されていた若いころに、なぜかよく似ていた)。
 DeNAの筒香嘉智(24)が横浜球場での巨人戦で3試合連続の2本塁打、それもサヨナラホームランを放ち、巨人を3―2で破った。米大リーグマーリンズのイチローがフィラデルフィアでのフィリーズ戦に「1番・右翼」で先発出場、5打数2安打でメジャー通算3000安打まで残り4とした。

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「ネパール地震のその後」に関する講演など日本での多忙な仕事で帰郷滞在していた、あの愛知県稲沢市出身の長谷川裕子さんとニルマニ・ラル・シュレスタさん=カトマンズ日本語学校校長=夫妻が、数々の大任をこなし、きょうセントレア(中部国際空港)からカトマンズに向け飛び立った。2人にはこの先、ネパール大地震の被災地復興支援はむろん、世界平和実現への救世主となり、夫唱婦随で突き進んでほしい。

 13ぶりにご当地場所で幕内に返り咲き、12日目まで8勝4敗だった三重県伊賀市出身の東前頭9枚目の千代の国(26)=九重部屋=が「右膝内側半月板損傷と右膝ロッキングで約1カ月の休養、加療を要する見込み」との診断書を提出し、休場した。実は本場所前から膝痛を抱えていたという千代の国。膝が痛いなか、人知れず伊賀忍者の如く、不断の努力で勝ち越したのだ、という。この際、しっかり治して上位を目指してほしい。まだまだ、これから。彼にはスター性がある。強くなればなるほど人気も出てくると思う。
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「待ってました!」「日本一!」―。築八十年の木造建屋を使った芝居小屋に、威勢の良い掛け声が響く。舞台は客席のすぐ目の前。色とりどりのライトを浴びた役者たちが、縦横無尽に駆け回る。
 名古屋市西区の円頓寺商店街にある「カブキカフェナゴヤ座」。映画館や劇場がない商店街に新しいエンターテイントメント施設を造ろうと日本舞踊西川流家元の西川千雅さん(47)舞台照明の仕事をしている古川博さん(34)らが中心になって、ことし四月に立ち上げた。名古屋山三郎一座が歌舞伎を現代風にアレンジした「ナゴヤカブキ」で観客を魅了する。
……
――以上は、本日付中日夕刊写真グラフの出だしである。つい先日、ふたりで見てきたカブキカフェナゴヤ座だけに、実感となって迫り嬉しい気がした。この新星の如く登場し、ナゴヤ文化への貢献を始めた名古屋山三郎(ナゴヤ・サンサブロウ)一座の「ナゴヤカブキ」。本欄読者の皆さまにも、1ファンとして、ぜひ観劇をお勧めしたい。問い合わせはナゴヤ座=電話は、080(9724)3049。

【きょうの一文・ことば】
「謹んで、ありがたく指名を受け入れる」「敵の政党との最も重要な違いは、我々は米国を第一に据えることだ」「米国を再び安全に、米国を再び偉大に」
=22日付毎日夕刊『トランプ氏「米国第一主義」大統領選 共和指名 受諾』の記事から。米大統領候補に指名された実業家ドナルド・トランプ氏(70)が指名受託演説で

 アート・イン・ホスピタルは、病院を日常としてされている方々の助けになる。病院はすごく大切な場所で、病院全体が快適になるよう願っています。
=22日夜の〈メーテレ〉報道ステーションの番組のなかで。コメンテーターの銅版画家山本容子さん

【新聞テレビから】
☆『〈にっぽんの芸能 江戸の夏〉▽小唄▽舞踊「雷船頭」中村時蔵』(22日夜、NHKEテレ)
☆『〈2016年米大統領選 共和党大会〉トランプ氏が指名受諾演説「TPP脱退」「同盟国にも負担」』、『南スーダン 英独PKO(国連平和維持活動)一部撤退』、『〈写真グラフ〉商店街に熱い夏 カブキカフェナゴヤ座 円頓寺に新名所 写真・文 中森麻未』、『日本とペルーつなぐ野内与吉と「日本マチュピチュ協会」 野内セサル良郎(日本マチュピチュ協会会長、南山大大学院で日本人の移民の歴史を研究)』、『★北陸が梅雨明け』、『ポケモンGO日本上陸 海外で人気、社会現象 歩きスマホ危険 風景映すと画面にモンスター』『子の利用、家庭で注意を』『30分で6体ゲット◆わんさかいる みんな熱チュウ』『焦って階段踏み外しそうに 記者も体験』、『政府、沖縄県を再提訴 辺野古巡り違法確認求め』『米軍ヘリパッドも着工』、『リオ出場禁止不満と怒り イシンバエワ選手(女子棒高跳びの世界記録保持者。北京で金メダル。5㍍05の世界新) 最終決定に望み』『ISに忠誠、五輪狙う リオでテロ計画 10人は20~40代』、『今夏は「ナマズのかば焼き」 いかが イオンあす発売』(22日付、中日夕刊)
☆『〈第87回都市対抗野球〉浜松市・ヤマハ (先発・左腕、23歳の)池田駿投手 エースは「ピアニスト」』、『沖縄ヘリパッド「民意踏みにじるな」工事再開 飛び交う怒号』、『五輪開幕直前でも抗議活動 リオの海岸』、『富士登山競走 健脚3977人挑む』、『西アジア→アゼルバイジャン 名大解明 家畜ヤギ2000年で300㌔移動』『大阪・海遊館 ジンベエの「海」くん登場』、『「暗黒物質」検出されず 欧米チーム実験』、『ラモス監督解任へ J2・FC岐阜』(22日付、毎日夕刊)
☆『ユリ甘く香る夏のゲレンデ 岐阜・郡上』、『柳ケ瀬盛り上げるわよ 「ブルース」発売50年 美川憲一さん きょう・あす「里帰り」』、『防弾チョッキを発見 新栄・組幹部射殺 全焼盗難車近く』、『ロシア陸上リオ出場認めず CAS(スポーツ仲裁裁判所)国際陸連決定を支持 IOC(国際オリンピック委員会)24日に全面除外協議』、『政府、きょう沖縄県提訴 辺野古 知事「協議軽視は残念」』(22日付、中日朝刊)
☆『(全国で唯一稼働している)川内(原発)の一時停止九電に申し入れ 鹿児島知事来月にも』、『長崎ストーカー死刑確定へ 2人刺殺「身勝手な動機」最高裁上告棄却 遺族「謝罪なく心残り」』、『遺族ら犠牲者追悼 明石歩道橋事故15年 安全策継承誓う』、『辺野古移設 陸上工事先行再開へ 政府、きょう沖縄県提訴』(22日付、毎日朝刊)

七月二十一日
 暑い。蝉たちの声がジンジン、ミンミン、ギンギンと百家争鳴の如く耳に迫る。まるで音の洪水だ。人びとはこの暑さのなか、地上をあえぐかのように皆ヘロヘロになって大気を漕いで生きている。
        ☆        ☆

 ロシアのドーピング違反問題でスイス・ローザンヌに本部を置くスポーツ仲裁裁判所は21日、先に国際陸連がロシア陸上チームのリオデジャネイロ五輪出場を禁じた決定を支持する裁定を発表。ブラジル司法当局は、この日、リオ五輪期間中のテロ攻撃を計画したとして、容疑者グループ10人を逮捕した。

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 朝。デスクの上にチラシ裏を再利用した白い紙片が1枚。手にすると、いつもの舞のつたない、こどもみたいな字が目に飛び込んできた。
♪佳い音してスイカ育ちけり月光のいたずら
 とあった。

 どうやら、書き損じをそのまま私のデスクに置き忘れたようだ。でもスイカ栽培は今、苦闘のさなかにあり、それも1個が無事育つかどうかもかなり微妙で厳しい状況だけに、願望句とみた。と思うと同時に〈アッ、そうか〉と思い返し、月が、月の光りたちが私たちのスイカを育ててくれているのだ、と。そう思うことにした。
 昼間、洪水の流れの如きなかを「それでも続けなければ」と社交ダンスのレッスンに。ルンバ、チャチャチャ、ワルツ、タンゴ…とステップを踏み、なかでもワルツでは、川ひとつ分の〈ご一緒に〉の気持ちの大切さ、〈気〉を、先生と何度も踊りながら学んだ。これが、なかなか難しい。
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 ◇東日本大震災からの復興へ活躍してきた福島県いわき市のレジャー施設スパリゾートハワイアンズのフラガールリーダー、モアナ梨江(本名・大森梨江)さんが月末で引退する。20日に記者会見した。」とは本日付毎日朝刊【雑記帳】。記事には、◇小学生からの夢をかなえて2004年にデビュー。身長173㌢で…◇福島第1原発のある同県双葉町出身。12年6月からリーダーとしてチームを引っ張ってきた。「震災で毎日が当たり前じゃないと分かり、日々全力で踊った」とモアナさん。……と続く。
―モアナさんの勇姿は1年ほど前、被災地を訪れた際に舞と一緒に直接、ステージで踊っているところを見たことがあるだけに、なんだか惜しい気がする。長い間、お疲れさま。 
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【きょうの一文・ことば】
「闘病生活にアッパレ! をあげて下さい」「(胃がんや中咽頭がんなどを患ったことについて)約11年間の闘病生活を勇敢に戦って来ました。特に4月からの3ケ月間は死を覚悟し、全てを受け入れ、一言の文句も言わず、痛みも訴えずに、じっと我慢をしてくれました」「最後は眠ったまま静かに旅立ちました。多分、若くして亡くなった大好きな母親の迎えを受けての旅立ちだと思います」
=21日付毎日朝刊『がん闘病11年「アッパレ!」妻・寿々子さん』の記事のなかで。亡き大橋巨泉さんの妻寿々子さんが発表したコメント

【新聞テレビから】
☆『トルコ非常事態宣言 3カ月 クーデター関係者排除』、『竹田和平さん 死去 83歳「タマゴボーロ」ヒット』、『〈2016年米大統領選〉演説盗用認め謝罪 トランプ夫人のライター』、『安保法違憲訴えを却下 津地裁』、『〈旅レシピ〉石田三成ゆかりの地 滋賀県人気武将の生涯しのぶ(小畑一成)』、『琵琶湖の怪ハスどこへ 食害? 花なく葉わずか■観光船の客集まらず』、『夏休みの街 歩きスマホ 急増? ポケモン熱中症警戒GO ハラハラ 配信迫る ワクワク』『サウジは宗教令で禁止』『「スパイのため開発」ロシアでは米の陰謀説』、『政府、再び沖縄県提訴へ あす 辺野古埋め立て巡り』『米兵指導生徒に軍隊体験 東京の中学、地域交流行事』、『女性巡る疑惑報道 鳥越氏「事実無根」週刊文春を告訴』『小池氏に殺害予告 愛知の容疑者逮捕 都知事選』、『★野々村元県議の有罪確定=懲役3年、執行猶予4年』(21日付、中日夕刊)
☆『〈チェック〉 美追う 天彦流 新名人 所作も ファッションも 「貴族」=将棋の第74期名人戦七番勝負で羽生善治前名人(45)を降し、初タイトルを奪取した佐藤天彦新名人(28)』、『■ルポ 芥川賞・直木賞 普通の人々を切り取り 選考過程を振り返る 周りの人間も活写村田さん ユーモア熟練の技荻原さん』、『学食100円朝食人気 名城大 自宅生も引きつけ 遅刻防止効果/触れ合いの場に』、『経済対策20兆円規模 政府調整 景気を下支え』、『刑法犯、戦後最少 48万件 警察庁 上半期まとめ 14年連続で減』(21日付、毎日夕刊)
☆『大島サイクル安打』『大谷自己最多11号 猛追ムード導く一発』『〈ボクシング■ダブル世界戦〉井岡3度目防衛 WBAフライ級タイトルマッチ 鮮やかKO 視線は統一戦』『和気無念のTKO負け IBFスーパーバンタム級王座決定戦 4度のダウン「結果が全て」』、『立命大元准教授IS関与か バングラ出身、行方不明』『「留学生の手本」「順調に昇進」IS関与容疑元准教授 学生ら戸惑い』、『〈2016年米大統領選〉トランプ氏共和党候補指名』、『名張事件 新証拠を提出 弁護団「毒物混入再現できず」』、『JR中央線鶴舞駅女性はねられ死亡 自殺か、1万7000人に影響』(21日付、中日朝刊)
☆『涼を感じて 名古屋』、『メディア拠点解体始まる 伊勢志摩サミット 建設費28.5億円』、『米大統領選 トランプ氏、結束訴え 共和指名 あす受諾演説』、『テレビ文化を開拓 大橋巨泉さん死去 82歳』『当意即妙の名司会 巨泉さん死去 募る寂しさ』、『週刊文春記事に鳥越氏が抗議文』(21日付、毎日朝刊)

七月二十日
 中日ドラゴンズの大島洋平外野手が20日、マツダスタジアムで行われた広島戦でプロ野球史上64人目(68度目)、セ・リーグでは32人目(34度目)のサイクル安打を達成した。初回、いきなり先頭打者本塁打を放ち、二回の2塁打、四回の3塁打につづいて六回の第4打席でも単打を放った。試合の方は7―6でドラゴンズが勝った。

        ★        ★
 タレントで元参議院議員だった大橋巨泉さんが12日、急性呼吸不全のため千葉県内の病院で死去。82歳だった。葬儀・告別式は親族のみで行われ後日、しのぶ会が開かれる。
 米共和党大会でドナルド・トランプ氏を大統領候補に正式指名。米ニューヨーク・タイムズが、日本人7人が犠牲となったバングラテロの容疑者リスト10人のなかに立命館大の元准教授が含まれている、と報道。元准教授は昨年、日本人の妻や子どもと欧州に出国後、行方不明で大学側はことし3月、職場放棄で解雇したという。
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 このところ歯痛に悩まされており、合間を縫って自宅近くで最近開院してまもない鹿児島出身と江南出身の夫妻で開院した歯医者さんへ。スタッフ全員の丁寧な診療を受け、なんとなく嬉しい気持ちに。不思議なもので患者に接する笑顔の応対ひとつで、なんだか痛みが薄れたような気がした。
 武功夜話物語の吉乃に関するところを読み進める。わかる範囲内で吉乃の年表と彼女に関わる人物の系統図を作成することにした。事件発生時に系統図をつくる、あの手法から入ろうと思う。吉乃を書くにはまず、時代背景と周囲の人間関係の掘り起こしから入らなければ。

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 愛知県体育館で開催中の大相撲名古屋場所11日目。三重県伊賀市出身で再入幕の千代の国(東前頭9枚目)が新入幕の北磻磨(同15枚目)を鋭い踏み込みからの突き起こし、一気の攻めで押し倒して破り、勝ち越しを決めた。千代の国といえば、両膝の大ケガで一時は幕下まで落ちた苦難の時期があっただけに、見事な復活劇がファンの感動を誘っている。
 この千代の国。2013年の夏場所いらい、実に19場所ぶりとなる幕内での勝ち越しを決めた。まだまだ26歳と若いだけに、今後精進を重ねてのさらなる飛躍に期待したい。この日は伊賀商工会議所からの応援団がマス席に陣取り、郷土出身力士の勝った瞬間には皆大騒ぎとなった。千代の国さん、おめでとう。そして伊賀の皆さん。千代の国が勝って本当に良かったですね!

 写真は土俵で力を発揮した千代の国と、勝って大喜びの伊賀の人々(いずれもNHK総合テレビ画面から)
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【きょうの一文・ことば】
 落ち着いて自信をもって相撲が取れています。しっかりがんばれば、いいことがあるなと思いました。腐ったときもあったけれど、周りの人々に恵まれ支えられ、ここまでこれました。がんばります。
=大相撲名古屋場所の勝利者インタビューにこたえて。伊賀市出身の千代の国はこう、語った

 インタビューに答える伊賀の若武者(NHK総合テレビから)
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【新聞テレビから】
☆『日韓関係今こそ恩讐を超え 姜尚中さんこころの好縁会 基調講演 領土問題ユーモア交え』『対談 つながり深める人々の心 小出宣昭中日新聞社社長』、『世界の気温過去最高 1~6月、温暖化止まらず=ことし前半の平均気温は産業革命が進行した19世紀末の気温を1・3度上回った』、『通知票どうだった? 公立小中校終業式』、『〈2016年米大統領選〉トランプ氏候補氏名』、『大橋巨泉さん死去「11PM」「クイズダービー」82歳』、『バングラ過激派の1人に日本在住歴 米紙報道 京都の大学で教べん』、『J全試合ネット中継へ 英社と契約、来年から 放送権料10年で2000億円』、『高齢者3人殺傷で死刑 前橋地裁判決「結果は重大」』(20日付、中日夕刊)
☆『〈特集ワイド「忘災」の原発列島〉揺れ過小評価を指摘 島崎元規制委員長代理「過ち繰り返したくない」』『東日本大震災前の東北津波想定 言っても無駄と黙った原罪』、『さあ、夏休み! 東海3県小中学校で終業式』、『米大統領選 共和、トランプ氏指名「変化と指導力」強調 副大統領候補ペンス氏』、『新聞博物館 新装オープン』(20日付、毎日夕刊)
☆『元なでしこの澤さんが妊娠』、『ロシアのリオ出場禁止勧告 IOC(国際オリンピック委員会)、処分決定先送り』『ロシア報告書に反発 薬物問題 大統領「政治の介入」』、『新出生前診断3万人超 開始3年 要請確定の9割中絶』、『耐性菌11人院内感染か 瀬戸陶生病院の入院患者』、『参院選中部の18、19歳 投票した8割「よかった」』、『川にひょっこり梅雨明け喜ぶ 米原、バイカモ見頃』、『ばりばりふわふわ寝癖ない 大西さんステーション会見』、『日本郵便 イチロー3000安打 記念切手で祝福へ』、『慰安婦財団27日に発足 10億円拠出時期焦点』(20日付、中日朝刊)
☆『地熱発電、国が調査支援 来年度から 開発リスク低減』、『任天堂株、6年ぶり高値 一時3万2700円「ポケモンGO」ヒット』、『〈がん大国白書〉「良い治療」に負担 医療拠点遠く』『第2部検証 基本法10年① 温存療法選べず全摘』、『米大統領選 トランプ氏きょう指名 共和「過激」綱領採択』、『ロシア処分先送り 薬物問題 IOC緊急理事会』(20日付、毎日朝刊)

七月十九日
 火曜日。新聞休刊日で朝刊はこない。
 世界反ドーピング機関(WADA)が、ロシアのソチ冬季五輪ドーピング検査で国ぐるみ不正を行ったとする問題でリオ五輪・パラリンピックへのロシア選手団の出場禁止をすべきだ、と国際オリンピック委員会とパラリンピック委に勧告。ドナルド・トランプ氏を米大統領選の共和党候補に指名する共和党大会がオハイオ州クリーブランドで開幕。この日はトランプ氏が妻で元モデル、メラニア夫人を紹介。夫人も演説に立ったが、内容がオバマ大統領夫人の演説に似ている、とメディアが問題視する場面も。
 第155回芥川賞・直木賞の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に村田沙耶香さん(36)の「コンビニ人間」(文学界6月号)、直木賞には荻原浩さん(60)の「海の見える理髪店」(集英社)が決まった。
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 エコ表示がされた給湯システムの一端も、きょうからわが家の仲間入り
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 午前中、長年使ってきたお風呂の給湯器を新型のエコ式に替える業者の作業にふたりで立ち会ったが、全てが自動とはいえ取り付け後の説明を理解するのに時間がかかった。舞はそうでもなかったらしいが私の場合こうしたことは苦手のため完全理解となると危ういものだ。
 要は従来タイプと同じでエコボタンを押し湯温や、お湯の量を設定すれば、あとは自動にしておけばOK。その後のお湯張りは設定よりマイナス1度、湯量も25%減のエコ方式で進むということらしい。舞は科学者の母ならではか。スイスイと分かったみたいで「あなた、なんで分からないのよ」と言われた私は、つくづく自分ののみこみの悪さにあきれた。
 この頭がその昔小学生のころに100万、1000万単位、7、8桁にも及ぶ読上暗算を瞬時に正確に答え、いつも珠算大会では個人優勝、いくつもの優勝カップをもらった〈かつての神童〉だった、だなんて。一体だれが信じるだろう。フランス革命前夜の7月13日に生まれたと、いつも自慢していた亡き父はこんな私を「おまえはホントに頭がいい。おそらく、この世で1番だと思う。ただ良すぎるから、いつも先へ先へと気を回し過ぎてドジを踏む。この点を気をつけろ」とよく言われたものだ。
 きょうは業者の説明を受けながら、そんな父のことをなぜか思い出し「舞が聞いているから、まあいいっか」などと思った次第。
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【きょうの一文・ことば】
 私が読み終えた1冊〈夕映えの人〉
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 出発の時刻が迫り、一行は税関へ向かう仕切りに移動した。代々子が駆け寄ってきて言った。
「小谷先生、さようなら。またいつお会いできるかわからないし、これから先、わたくしがどこで暮らすかも予想できませんけど、ときどきお手紙します」
「どうぞ。ぼくのほうからも手紙を出しますよ。日本に帰ってきたときには、またお会いしましょう。オゥ・ルボワール・マ・スール(また会う日まで、妹よ)」と最後をフランス語で言った。
「マ・スール?(どうして妹なの)」
「あ、いや、あなたが修道女のように思えたものだから」
「わたくし、尼寺に行くんとちがいます」
「そういう冗談ではなく、修道女のようにいさぎよい献身にむかうという意味です」
 ベルナールが呼んでいた。代々子は私と握手すると軽やかに走って行った。
……
……
 送迎デッキで、私は飛行機が飛び立つまで待った。空港のむこうに海が光り、海のむこうには神戸の街が遠望でき、すべては、くっきりと美しく映えていた。夕日にむかって飛ぶ飛行機は逆光でよく見えなかった。それは夕映えの熱によって融けていくようなおもむきだった。私は、ふと三五郎の霊も代々子とともに西にむかって旅立った、やっとのことで旅立った気がした。
=〈夕映えの人〉(加賀乙彦、小学館)の最終章40から。〈夕映えの人〉を完読した私の目からは涙があふれ出て止まらなかった。現場に踏み込み、身を挺して書き上げる。そんな作者の心情が色濃く出た、愛に満ち満ちた世界だった

【新聞テレビから】
☆『水恋し…梅雨明けの東海』、『世界遺産縁の下で支える 西洋美術館 免震、ユネスコも評価』、『ロシアのリオ出場禁止勧告 WADA(世界反ドーピング機関)「薬物、国ぐるみ隠蔽」』、『3兆円で英半導体大手買収 ソフトバンク「IoT」戦略』、『ネット資金乗鞍に息吹 一般から募り登山道整備』、『「幸せよりお金」拡大 老後の暮らし不安大きく 博報堂60~74歳調査』(19日付、中日夕刊)
☆『公務員1万人解任 トルコ、死刑復活検討 クーデター失敗』、『英半導体3.3兆円買収 ソフトバンク、IoT(モノのインターネット)強化』『一時11%安 ソフトバンク株』、『露、国主導ドーピング ソチ五輪 WADA報告』『世界のスポーツ界混乱 露猛反発、米は支持』、『水難事故相次ぐ 三重、岐阜で4人死亡』、『米警官撃たれ3人死亡 ルイジアナ 容疑者は29歳黒人』、『ミサイル3発発射 北朝鮮1発はノドンか』、『翁長知事が馬毛島視察 米軍訓練移転巡り』、『草舟、西表到着 完全人力渡航果たせず』(19日付、毎日夕刊)

七月十八日
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♪海は なぜ広いの
 それは すべてのいのちのはじまりだから
 海は なぜ青いの
 それは 地球をかこむカーテンだから
 海は なぜすきとおっているの
 それは 心だから
(東京都小平市立第一中学校1年、本藤理恵さんの「第1回海の詩大賞受賞作「海は なぜ広いの」から)

「海の日」。中日新聞の18日付朝刊の〈社説〉『消えざるものはどこへ 海の日に考える』は次のように始まっている。
――海の日を、祝日法は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と定めています。海の恩恵を忘れ、痛めつけてはいないでしょうか。

 そして、こうも結論づけています。
――母なる海が浄化も消化もできずにいるプラスチックごみは、大量消費社会の暗部を象徴的に告発しているように見えます。/プラスチックのリサイクル率は14%と低く、毎年少なくとも八百万㌧分が海に流出している―。ダボス会議で知られる世界経済フォーラムが今年初め、こんな報告書を発表しました。その上で、こう警告しています。/―このままなら、世界の海に漂うプラスチックは、二〇五〇年までに重量換算で魚の総量を超す。

 みなさん。海を大切にしましょうネ。
        ☆        ☆

 鳥たちに食い荒らされ、ネットも壊され、見るも無惨な芸術作品と化したスイカ=〈エデンの東〉にて
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 きょうはまたまた雑草との対決。1週間の間に、わが〈エデンの東〉の草はみるみる成長。夕方の2時間ほどをあて、またまたふたりで黙々と鎌を手に雑草刈りに挑んだ。それにしても夏の間の成長ぶりはスゴイ。あ~ぁ、いやんなっちゃう。驚いた。とは、このことか。ここしばらくは草たちとの死闘の繰り返しが続きそうだ。いちるの期待をしていたスイカも鳥に荒らされ、残るは2個。万事休す、か。でも、鳥たちが喜んで啄いてくれたらヨシ、とせねば。そう、言い聞かせる。痩せ我慢か。
        ❤        ❤

 気象庁によれば、九州から東海までが梅雨明け。東海地方は平年より3日早いという。暑い1日で、全国14地点で35度以上の猛暑日となった。ハワイアン航空の羽田発ハワイ行きエアバス機458便が油圧漏れからUターンし羽田空港に緊急着陸。後部タイヤ8本がパンクしたが、幸い乗客は無事。日航の国内線14便が欠航した。
 ソフトバンクが英国の半導体企業アームホールディングス(ARM Holdings)を3兆3000億円(240億㍀)で買収することで合意したと孫正義社長がロンドンで発表。半導体技術へのニーズが飛躍的に成長するとの見通しの上での思い切った決断だという。

        ×        ×
「日本人の起源を探る国立科学博物館(東京)のチームが十七日、台湾からの渡来ルートとみられる三万年前の航海を再現するため、当時を模した二隻の草舟で沖縄県与那国島から約七十五㌔東方の西表島に向けて出航した」とのニュース。どうやら、海の厳しさが前に立ちはだかり、乗り込んだ14人は途中で伴走船のお世話になったようだ。
 手漕ぎ舟といえば志摩の海女さんが太古の昔から、済州島まで手漕ぎで出かけ海女漁をしていたという秘話をご存知なかったのか。この事実は、3世紀に西普の陳寿によって書かれた中国の正史(歴史書)、魏志倭人伝にも書かれているが、皆さんこの歴史的背景を、まずしっかりと学ぶことから始めるべきだったのでは。
 なんだか、ともすれば興味本位、お祭り気分の航海再現に思えてならない。目の前の基本をわきまえてからにしなければ。歴史の解明はそんなに軽いものではないのだ。
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【きょうの一文・ことば】
 黒百合や星帰りたる高き空  水原秋桜子
=加賀乙彦さんの小説〈夕映えの人〉(小学館)のなかでの記述に見られた俳句。小説のなかでは「この句はたしか乗鞍岳でしたか、に俳人が登ったとき、満天に星がすぐ近くで大きくまたたいていたのが、夜が明けると、こんどは黒百合が一輪一輪はっきりと見えだし、星の光は色あせて、高い空に帰って行ったように感じたというのです。……」と説明されていた

【新聞テレビから】
☆『日本人渡来 草舟で再現 沖縄3万年前のルート検証=日本人の起源を探る国立科学博物館(東京)のチームが17日、台湾からの渡来ルートの航海を再現するため、当時を模した2隻の草舟で沖縄県与那国島から約75㌔東方の西表島に向けて出航した』、『ゾルゲ事件 伊藤律の晩年手記発見「特高の罠にはまった」』、『トルコ政権6000人拘束 宗教指導者送還 米に要求』『ギュレン師 クーデター黒幕否定 トルコ内外に影響力』、『リオ路上強盗被害防ぐには ×歩きスマホ×バッグ背負う 総領事館がマニュアル』、『国立西洋美術館 世界遺産に決定 コルビュジエ17作品』、『米で発砲3警官死亡 メディア報道 待ち伏せ乱射か』(18日付、中日朝刊)
☆『75㌔ 草舟で渡れるか 日本人祖先の航海を再現実験』、『沖縄知事の視察批判 鹿児島・馬毛島 周辺住民ら』、『クーデター失敗 トルコ、拘束6000人に 大統領 強硬姿勢』、『小池氏、鳥越氏 競り合い 都知事選 増田氏が追う 本社序盤情勢』、『改憲議論「賛成」51% 本社世論調査「反対」は32%』、『熊本に声援 都市対抗=17日、東京ドームで1回戦があり、熊本県の大津町・ホンダ熊本が京都市の日本新薬と対戦。2―5で敗れた』、『ATM不正 出し子全国で600人 警察 カメラ映像分析』、『名古屋射殺 室内にいた知人逮捕 覚醒剤使用容疑 薬物巡るトラブルか』(18日付、毎日朝刊)

七月十七日
 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会がイスタンブールで開かれ、国立西洋美術館(東京・台東区)を含む「ル・コルビュジエの建築作品」を世界文化遺産に登録することを決めた。登録される17作品は西洋美術館はじめフランスの「サボア邸と庭師小屋」などスイス、ドイツ、ベルギー、インド、アルゼンチンの計7カ国に及ぶ。
 米南部ルイジアナ州バトンルージュで午前9時(日本時間11時)ごろ、またしても銃撃があり、7人が撃たれ、うち警官3人が死亡したという。

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 日曜日。あすは〈海の日〉で休み。ちまたは3連休のど真ん中というわけだ。
 デ、そんな連休意識も手伝ってか。舞に突然「いこうよ」と誘われて出かけた先が名古屋の新名所、西区円頓寺商店街のストリップ劇場(昔はここ円頓寺界隈の一角にカイケイ座があった)ならぬ、カブキカフェ「ナゴヤ座」である。

 いやはや、名古屋山三郎一座による殺陣あり、アクション、口上…ありの舞台は迫力満点。笑い、ペーソス(情感、哀愁)に満ちあふれ、見えを切る場面もすばらしく、それこそ純粋に演技の世界に観客も一体にとけ込め、楽しく面白かった。また行きたくなる芝居空間がそこには、あった。クライマックスになると、受付で用意されたオヒネリを役者に向かって投げる試みも現ナマを舞台の役者に渡すのに比べたら、よほど健康的かつ健全で、とても感じがよくて楽しかった。

 熱演のあと、観客に挨拶。向かって右から左に、名古屋山之助(高天原を治めるアマテラス)、座長名古屋山三郎(二柱の黒神を従えた闇夜のツクヨミ)、名古屋三平太(スサノオ)と高天原に突如現れた恐ろしいヤマタノオロチ
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 店内は畳に座布団で〈飲んで食べて楽しんで〉が合言葉。アルコールはオランダのハイネケンに日本酒三華、缶チューハイが、ソフトドリンクもジンジャエールやウーロン茶などが用意されていた。不思議なことに観客は大半が若い女性で占められていた。行ってよかった、とはこのことか。

 観劇前には新生の円頓寺商店街をふたりでぶらついたが、突然、舞が私の目の前から消え去り、しばらく街中をあちこち捜し回ってやっとこせ、見つけ出すハメに。彼女の蒸発癖は結婚当初から毎度の習わしとはいえ、こちらの身にもなってほしい。ボディーガードよろしく、付き人同然に出かけたあげくが、こうだ。本人はケロリとしているが、私にとっては恐れていた事件が起き、1時間ほど振り回されることになったのである。
 ともあれ、2人で入った喫茶店で食べた老男性店主の手になる玉子焼きのサンドウィッチも超おいしかった。途中、立ち寄った長久山円頓寺。ここには、名古屋城天守閣の余った棟木で作られた鬼子母神像が安置されていることも知った。これも舞のおかげか。

 円頓寺山門には〈我をはるつもり違い思い違い十ヶ条〉が。なぜか、その下には平成12年1月29日付中日新聞の〈中日春秋〉まで掲げられていた。
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 私はこの日、名古屋への行き帰りの車中などで先に須賀弘之さんからお借りした〈武功夜話物語〉を少しでも読み解かねば、と思い信長の側室吉乃の生きた時代を思い描きながら舞に同行したが、とてもじっくりとよむ按配にはいかなかった。そして。あと少しで読み終える〈夕映えの人〉(加賀乙彦著)に至っては、ページを少し開いてみるにとどまった。あ~ぁ。日々時間が足りない。時間がほしい。
 でも、よくよく考えれば別に慌てる必要もなかろう。その分だけ、長く生きるようにすればいい。ただそれだけのことだ。だが、それがなかなか難しいことかもしれない。
        ❤        ❤

【きょうの一文・ことば】
「作家も、舞台の上でパンツを下げる仕事なんです」「私のことを鬼とも悪魔とも、どうぞお好きなように書いてくださってけっこうです。表現者としてできる限りの協力をします(札幌の繁華街にあるストリップ「道頓堀劇場」で働いていた名ストリッパーが取材に訪れた30代の桜木紫乃さんに開口一番、こう語った)」「行方を追うのは失礼だと思うので捜しません。この本を出して、元気だと知ってもらえたら。そんなラブレターでもあるんです」
=17日付中日朝刊『〈書く人「裸の華」作家桜木紫乃さん(51)〉踊り子の、その後の人生』の記事のなかで

【新聞テレビから】
☆『〈サンデー版大図解〉涼感誘う金魚』、『匠の技1万発 伊勢神宮奉納花火大会』、『トルコ クーデター失敗』『〈解説〉イスラム化に不満か(中村禎一郎)』『市民含む265人死亡 軍の一部反乱、鎮圧』『〈核心〉強権体制相次ぐ不安 トルコクーデター失敗 政敵、テロの脅威、難民』『夜の街中に爆音 トルコ 兵士集結 市民ら騒然 在留邦人「怖かった」』、『東海在住 トルコ人ら 武力おかしい 家族心配』、『仏テロ「ISが犯行声明」 容疑者「精神病み通院」報道も』『仏ニース・テロ 実行犯 家庭、仕事に問題「暴行で有罪、宗教は不熱心」』、『熊本本震3カ月 避難所なお4400人』、『逃走車両は盗難車か 新栄・組幹部射殺 計画的犯行の疑い』、『山口「脱北し」男性保護』(17日付、中日朝刊)
☆『横流し事件1万3000㎥ 住民迷惑「早くすっきりして」 廃棄食品撤去が本格化 完了遅れる倉庫も 愛知』『自主撤去進む 岐阜・三重』、『トルコ クーデター鎮圧 反乱軍2839人拘束 市民含む190人死亡』『〈検証〉大統領、緊迫の発信』『「残酷な犯罪者だ」クーデターに怒り トルコ 市民、砲口の前に』『「爆発音で目覚めた」現地日本人恐怖の一夜』、『「法による解決」訴え ASEM(アジア欧州会議) 声明「南シナ海」明記せず』(17日付、毎日朝刊)

七月十六日
 フランス・ニースで発生した犯人がIS(過激派組織「イスラム国」)に共鳴してのローンウルフ(一匹おおかみ)型テロに世界が悲嘆にくれているさなか、今度は15日夜(日本時間16日早朝)、トルコで軍の1部勢力がクーデターを試み市民を含む265人が死亡する事態となったが、政権側の警察部隊が最終的に鎮圧、クーデターは失敗に終わった。いやはや、あれやこれやと起きるものだ。
 クーデターはイスラム化を進める一方で権力集中をめざすエルドアン大統領に対する不満分子が起こしたと見られ、反乱勢力は一時国営テレビを占拠、「憲法と民主主義を擁護する」との声明を発表。首都アンカラとイスタンブールの国際空港や主要な橋を戦車などで占拠、戦闘機やヘリコプターで国会議事堂や大統領府を空爆するなど政府側と激しく交戦。米ニューヨーク・タイムズは、この戦闘による負傷者は1440人に達し、政権側は関与した軍人2839人を拘束したと報じている。
 それにしても、なぜ、これほどまでに血なまぐさい事件が世界の各地で頻発するのか。権力への反発、民族間対立、思想宗教の違い、歴史的背景などいろいろ要因はあるだろうが、本来ニンゲンは不満が不満を、憎しみが憎しみを産むいきものなのか。私には分からない。せっかくの命を互いに認め合い大切にして生きてゆくことは出来ないのか。そこには、人間の尊厳などという思いはカケラもない。

 イスタンブールも、アンカラも。かつてトルコ政府の招待と旅の取材で訪れたことがある。アジアとヨーロッパを結ぶ、あのイスタンブールのボスボラス海峡に昇った、おとぎの国のような夕日を忘れることは終生ないだろう。得も言われぬ異国情緒が旅心をかきたて、人々の心まで澄んで見えた、そんな美しい町なのだが…。
 ここで私は日本でかつて起きた2・26事件と、トルコ人のノーベル文学賞作家、アルハン・パムクの書いた小説「雪」を思い出さざるをえない。「雪」は完読したが、確かトルコで進む西欧化現象のなかで葛藤しながら生きる人々の姿が描かれていたと記憶する。民族とか宗教など、混然一体となったなかで、それでも権力の暴走に歯止めをかけようとする強い国民性を感じたことを記憶している。きょうのところは、これ以上語ることはやめておこう。
 とにかく右も、左も、真ん中も何もない。世界に生きる人たちは、誰もが試行錯誤を重ねながら懸命に生きている。そのあかしだと敢えて思う私は間違いなのか。この世の中、どこに真実があるのか、が分からない。真実なぞというものは、ないかも知れぬ。

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 銃の力で政権転覆を狙う人たちあり。トルコでクーデターの試み。日本人観光客が多いイスタンブールでも爆発音相次ぐ。  ◇  花火見物を楽しんでいた人たちを襲った憎むべきテロ。犠牲者の中には多くの子どもたちも。凶行によって断ち切られた日常と未来。
―とは、きょう16日付の毎日夕刊〈近事片々〉。この通りである。
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【きょうの一文・ことば】
 島倉千代子さんには「いつもお客さんに喜んでいただきたい。そういう気持ちを持っていないといけないよ。自分のためだけにやっていたら、どっかで自分が終わってしまうのだから」とよく言われ、教えられました。たかがものまね。されどものまね、とそう言ってもらえるよう頑張っています。あくまで、ものまねは邪道ですよ。
=16日夜NHK総合『その涙には理由がある ものまね芸人コロッケ 歌手島倉千代子への涙』の番組のなかで。コロッケさんが語った

【新聞テレビから】
☆『〈ブラックユニバース〉星空絶景▽宇宙の神秘』(16日夜、NHK総合)
☆『トルコ軍クーデター図る 一部勢力 政権、沈静化強調 市民ら60人死亡 現地報道』『イスラム的大統領に反発 国軍など 世俗主義エリート層』『政府が情報収集 邦人安全に全力 外出自粛を要請』、『南極の環境冷えーっ! 名古屋で特別展』、『南仏悲嘆 友よどこへ□治療奔走□逃げた。必死に テロ犠牲子ども10人 暴走車 命懸け阻止の人も?』、『熊本地震関連死74人申請 本震3カ月「直接死」超える可能性』、『海洋条約尊重し紛争解決 ASEM(アジア欧州会議)議長声明 中国をけん制』、『組幹部射殺至近距離で 新栄 頭や腹 強い殺意か』、『独バッハコン オルガン部門 冨田さん=大阪府摂津市の冨田一樹さん(27)、大阪音楽大卒でリューベック音楽大大学院在籍中=日本人初1位』(16日付、中日夕刊)
☆『トルコ軍クーデターか 反乱勢力、首都一部占拠 大統領、鎮圧に自信』『大統領の強硬策に反発「法治むしばまれた」トルコ反乱勢力が声明』『トルコ上空 闇に閃光 大通りに戦車展開 抗議の声上げる人々 日本企業の進出加速 現地家族の無事祈る』『トルコリラが急落 円高進行、一時104円台後半』『邦人の安全確保安倍首相が指示 訪問先モンゴルで』、『仏テロ単独犯の見方 捜査当局、動機に関心』、『「地域の将来見えない」熊本地震本震3カ月 学生ら冥福祈る』、『●eye見つめ続ける大震災 語り継ぐ命「ただいま」聞きたかった=宮城県石巻市の私立日和幼稚園で長女愛梨ちゃん(当時6歳)を亡くした佐藤美香さん(41)』、(16日付、毎日夕刊)
☆『PL名門の球史に幕 夏の高校野球 初戦敗退、休部へ』、『仏テロ死者84人に 77人重体容疑者宅捜索 31歳男チュニジア国籍』、『新栄で組幹部射殺 神戸山口組系 男ら押し入り逃走』、『豊川男児殺害で再審請求 弁護団新証拠17点提出』、『発見前に被害者と会う 浜名湖遺体 別事件逮捕の32歳男』、『四日市―新四日市―東員 高速道 来月11日に開通』、『アニメで子どもに夢を 中日懇話会 ジブリ鈴木(敏夫)さん講演』(16日付、中日朝刊)
☆『大飯原発 基準地震動 再々計算を 規制委前委員長代理「過小評価だ」』、『キューバへ移住最後の1世(新潟県新発田市出身の島津三一郎さん)死去 新潟出身、108歳=10日、キューバ南部のフベントゥ島で死去。同島の日系人協会会長が14日、明らかにした』『南仏テロ死者84人に 容疑者 地元のチュニジア系』、『名古屋中心部で発砲 神戸山口組系の組員死亡』、『南シナ海 安倍氏「判決受け入れを」首相会談 中国は不快感』
(16日付、毎日朝刊)
※島津さんは1928年、農業移民としてキューバに移住。真珠湾攻撃後に米政府が日系人を強制収容したのを受けて、フベントゥ島にある刑務所一角に収容された。戦後解放され、59年のキューバ革命後も島にとどまった。生涯独身で、島の老人ホームで暮らしていた。11日に行われた葬儀には政府・キューバ共産党関係者も参列した。(毎日朝刊から)

七月十五日
 つい先ほどまで顔を見合わせて花火を楽しんでいた家族が、カップルが、旅行客が。かけがえのない命が容赦なき非道で次々と奪われていった―
 フランス南部の地中海に面した世界的観光地ニース。私と舞もかつてフランスにいた長男夫妻をパリに訪ねた際、足を伸ばして訪れたあの美しく落ち着いた町を14日夜(現地時間午後11時ごろ。日本時間15日早朝)、突如、惨劇が襲った。「フランス革命記念日」を祝う花見見物を終えた群衆に25㌧の大型トラックが突っ込み、84人(うち外国人はドイツ、米国など6カ国の計9人)が死亡、77人が重体、その他多数の負傷者が出たというのだ。トラックを運転していた男は警官隊に射殺されたが、仏捜査当局は前代未聞といってもいい無差別の【トラック突っ込みテロ】とみて捜査を始めた。

 トラックを運転していた男はチュニジア国籍でニース在住のモハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)で、容疑者は事故当時、群衆のなかを猛スピードでジグザグ運転、海沿いのプロムナード・デ・ザングレ(英国人の遊歩道)を約2㌔にわたって群集を次々となぎ倒しながら走行、車内からも小型拳銃で発砲したという。その後の調べで、捜査当局は「犯行声明はないが、犯行はイスラム過激派のテロ組織による呼びかけに応じたものだ」としてテロと断定。オランド大統領は悲しい惨劇に16日から18日までの三日間、フランス全土を喪に服すことを発表した。

 それにしても、なぜ。
 テレビ画面に映し出された海沿いの道や丘、少し混みいった町中の道などは確かに見覚えがある。ほかにニース滞在時に丘から眼下に望み見た若き日々の志摩の海のような、広く青ざめた海、そして可愛い絵が並んだマチス美術館、果物市場と何もかもが思い出され、いっそう胸が悼んだのである。
 昨年1月のイスラム過激派による風刺週刊紙シャルリエブドとユダヤ系食品スーパー襲撃に始まったテロが、その後11月にはパリ市内のレストランやカフェ、郊外の球技場が襲われる同時多発テロに発展。今度はまたしても思ってもいなかったリゾート、ニースでの信じられないトラック突入テロとは。信じられない。フランスだけが何かに執拗に狙われている気がしないでもない。
 なんということだ。

 無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)が史上初の日米両証券取引所での同時上場、東京証券取引所の取引初日の終値は4345円だった。名古屋市中区新栄のマンション「三宝ビル」4階1室で指定暴力団・神戸山口組系3次団体の男性幹部(64)が何者かに拳銃で撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認された。
        ★        ★

 午後、江南郷土史研究会の前会長須賀弘之さんを訪ね、織田信長の側室吉乃のことや生駒家や前野家にまつわる歴史的背景、生駒騒動などにつき、あれこれ多くをお聞きした。須賀さんといえば〈武功夜話物語〉の著者でも知られ、まさにこの地方の戦国時代の歴史については生き字引的存在だけに大変勉強になった。何よりも、ご自宅が私の家から歩いて5分そこそこだったということも驚きで、大いなる味方を得た気持ちにさせられたのである。
 ご自身で自費出版された〈武功夜話物語〉を購入させていただこうとしたところ、あと1冊しかない、とのことで、この貴重な1冊をお借りし帰宅した。このなかで吉乃(類、とも言った)に触れられた部分を拾い読みすることから始めたい。帰りには奥さまからキュウリのお土産までいただき、なんだか世界が開けた気がしたのである。

 きょうは、ほかに突然、ふろの自動点火が出来なくなるなど思わぬトラブルにも襲われた。人間と同じで、どうやら老朽化によるある日突然のダウンらしい。あす業者に来ていただけるよう手配した。

【きょうの一文・ことば】
「監督はゲームの中でスターである。そういうことをもっと意識しなさいと言った。スター性を発揮しなさいと。せっかく監督専任でやっているんだからね」「あまり評価しなかったよ。Aクラスじゃないから」「私が若いころに見て格好いいと思った人がいる。そういうような指揮を執ってくれと。しぐさ、言動。今(の谷繁監督)は並だな。並では困る。監督は所作が大事」
=15日付中日スポーツ1面トップ『「名将・水原茂になれ」谷繁監督にCD白井オーナー スター指令』『「並では困る。監督は所作が大事」格好良く』の記事のなかで。名古屋市中区の「クラブ東海」で前半戦の戦いを報告した中日・谷繁元信監督(45)に白井文吾オーナーから出された指令

【新聞テレビから】
☆『仏でテロ80人 花火客にトラック突入 ニース 運転手射殺 車に武器』『革命記念日厳戒むなしく』『約2㌔群衆なぎ倒す 仏テロのトラック「ジグザグに走行」』『〈写真グラフ〉仏ニース・テロ 祝祭暗転』、『現地社員安否確認追われる 東海の進出企業』『アジア・欧州首脳 対テロ決意表明へ ASEM(アジア欧州会議)開幕』、『オバマ氏核先制不使用宣言 米戦略軍司令官が否定的見解』、『バス悲劇繰り返さない 軽井沢事故半年』『安全対策事業者二極化 「評価認定制度」申請倍増 「人手不足コスト割けぬ』(15日付、中日夕刊)
☆『LINE初値4900円 東証上場 時価総額1兆円』、『仏トラック突入テロ 花火見物80人死亡 革命記念日 運転手射殺』『厳戒下の仏 衝撃 「非常事態」解除目前 トラック突入 テロ対策限界露呈』『(安倍)首相「対テロ再優先」 アジア欧州会議で表明』『バカンスの夜惨劇 仏トラック突入テロ 花火見物なぎ倒し 祭り気分裂く悲鳴』『救助・避難 混乱の町』、『〈米国の撰択16年大統領選〉副大統領候補ペンス氏 トランプ氏打診受け入れ 米報道』、『ダイコー 処理能力超す受注 廃棄食品 堆肥化 機械故障後も』、『「レゴランド」ジオラマ登場 JR名古屋高島屋に 施設概要を発表』(15日付、毎日夕刊)
☆『生前退位年内に法案骨子 陛下、近く「お気持ち」 両陛下穏やかな表情』、『分裂与党VS共闘野党 都知事選 有力3候補ら21人出馬』、『新型プリウスPHV 災害時、強力「電源」に』『供給力2倍 コンビニ復旧支援も』(15日付、中日朝刊)
☆『元副署長の免訴確定へ 明石歩道橋事故 最高裁が決定』、『陛下公務負担一身に 「生前退位」の意向 書類署名は1060件/面会延べ8980人』『〈生前退位㊤〉陛下の思い責任感ゆえ 公務支障よしとせず』、『重点課題主張それぞれ 都知事選告示 最多21人届け出』、『都市対抗野球きょう開幕』(15日付、毎日朝刊)

七月十四日
 天皇陛下が生前退位の意向を示されていることについて、政府は早ければ来年の通常国会で〈天皇退位〉の規定がない【皇室典範】の改正を含めた法整備を行う方向で調整に入ったという。ちなみに陛下は1989年、55歳で即位されている。「第三者の推測は適当でない」と宮内庁。東京都知事選が告示され、最終的には過去最多の21人が立候補。
 任天堂などが開発したスマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」がニューヨークセントラルパークやワシントンホワイトハウス近く、オーストラリア、韓国北東部の束草(ソクチョ)などで爆発的にヒット、歩きスマホによる衝突が頻発しているという。こんなものは知能の退化以外の何者でもない、とは思うのだが。ニンゲンとは、不思議な生きものだ。
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 激しい雨に強風、ひょう…と梅雨前線の影響で関東、九州を中心に冠水や1部河川のはんらんなど大荒れの1日に。自然がニンゲンたちの生活を傷めにかかっている。多くの人々が猛威に苦しんでいるのに、木曽三川(木曽、長良、揖斐川)をかかえるこの地方は暑くはあるが不思議と平穏である。
 どちらかといえば、昔から温暖な自然災害の少ない土地柄だからこそ、信長、秀吉、家康の三英傑が天下統一をなしえたのだ、なぞと思わぬ方に頭がいく。平穏ほどの強みはない。

 1日が過ぎ毎夜、風呂あがりに決まって寝室でダンスのステップを黙々と踏み続ける私。ジルバにマンボ、ワルツ、ルンバ……ときには〈ツー・スリー・フォア〉などと自身に声をかけながら。ほかに両の足を交互に高く直角にあげたり、苦手な四股も踏んだりもする。私の夜は、こうして暮れいくのである。

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 約600年ぶりの生前退位と話題になったのは前ローマ法王。欧州の王室ではすでにオランダ、ベルギーでも。英国では90歳のエリザベス女王の在位が続く。 ◇  その英国に新しい顔。欧州連合離脱へ荒波の航海にこぎ出すのは、「鉄の女」から26年ぶりの女性宰相。
――とは、14日付毎日夕刊〈近事片々〉紙面。世界はいつの世も激動下にある。
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【きょうの一文・ことば】
「天皇である以上は公務を全うする。そうでなければ憲法で定められた象徴としてふさわしくない」
=14日付中日夕刊『陛下、今春意向語る』のなかで。宮内庁が公務軽減策を検討していた今春、天皇陛下が身近な関係者に生前退位も辞さない意向を、こう漏らしておいでになったという

【新聞テレビから】
☆『〈時論公論〉天皇陛下 生前退位のご意向』(14日夜、NHK総合)
☆『公務引き継ぎに課題 陛下生前退位 雅子さまの健康など』、『外相に前ロンドン市長 英組閣 EU離脱相を新設』、『首都の顔誰に 東京都知事選(午後1時40分までに)18氏届け出 小池百合子氏 増田寛也氏 鳥越俊太郎氏 主要3候補が第一声』『東京論戦期待と注文 カネ 子育て支援 五輪』『候補あの手この手 過去の都知事選』、『熊本地震3カ月 冥福祈る』、『廃カツ領収書作らず ダイコー会長「証拠だめ」』、『県議会副議長が政活費架空計上 富山 書籍代460万円か』(14日付、中日夕刊)
☆『「十分お務めされた」陛下「退位」意向 ゆかりの人たち共感』『「生前退位」今春から極秘検討 宮内庁幹部ら5人』『憲法上の立場配慮 官邸・宮内庁は慎重対応』『「コメント控える」安倍首相』、『「千畝ルート」で観光活性化 出身地など5市町村が協議会 岐阜・八百津町―福井・敦賀市』、『木星探査機「ジュノー」軌道上から初画像』、『放火殺人「無罪」破棄 東京高裁 裁判員判決を差し戻し』、『カツ横流し 箱詰め替え、偽装シール 信用させる狙いか』(14日付、毎日夕刊)
☆『天皇陛下生前退位の意向 公務制限を考慮か 皇太子さまら受け入れ 皇室典範の改正必要』『〈解説〉「活動あっての地位」信念(共同・新堀浩朗)』『中部ゆかりの人々 伝わる陛下の思い「優しさ表れている」 平和行事出席「大変」』『〈識者コメント〉生前退位、明治以前多く/皇太子さまに準備促す?』『高齢退位海外で相次ぐ 元号は変わる? 地位どうなる?』、『地球はこんなに青いよ 大西さん、宇宙から写真』、『負傷の渡辺さん「庭で息潜めた」バングラテロ』、『関西の30代男性か 浜名湖遺体 食後、数時間で死亡』(14日付、中日朝刊)
☆『天皇陛下「生前退位」意向 数年以内に譲位「お気持ち」表明へ 来年にも法整備 政府検討』『驚きと共感と 天皇陛下「退位」意向 被災者「ゆっくりされて」』『公務多忙極め 学友「もう十分お務め」』『戦争犠牲者 慰霊に感謝 □沖縄□長崎』『元側近が語る「思い」 「象徴」の役割を追究』(14日付、毎日朝刊)

七月十三日
 熊本、長崎、福岡と九州の北部や山口県などで降り続く雨。各地で避難指示や勧告が出されたが、気象庁によれば、長崎県対馬市では48時間の降水量が300㍉に達して50年に1度の大雨だという。なぜか、このところ九州ばかりが自然災害に遭っており、1日も早い回復を願うばかりだ。14日の東京都知事選告示を前に、元日弁連会長の弁護士宇都宮健児氏(69)が出馬を取りやめる意向を表明。

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 天皇陛下が生前退位のご意向を示されている。各メディアが一斉に報じた。事実としたなら、よほどの決意がおありになってのことだろう。こんご、この発言がどう推移していくのか。見守るほかない。
 陛下は今82歳。2015年の誕生日会見では「このごろ年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました。」と語られ、身体的な衰えが背景にあるのでは。そして自ら美智子妃殿下とともに築いてきた〈象徴天皇〉がどう受け継がれていくかをご自身で見届けたい、そんなお考えがあってのご発言だと思う。

 1975年夏の初の沖縄訪問はじめ各国や戦跡地訪問、阪神大震災、東日本大地震、熊本地震などの被災地慰問と過去、「足」を厭わぬ愛と優しさのにじむ両陛下には、尊敬の念を抱いてきた。それだけに今の天皇にはそのままでいてほしい気がしないでもない。
 思えば20代のころ、みえ国体や高校総体、伊勢神宮の式年遷宮が集中してあったころ、若き皇太子ご夫妻が何回か近鉄賢島駅に降り立たられ、そのつどプラットホームの指定された場所でご到着写真を目の前で撮らせていただいたことがある。皇太子は美智子さまともども、手をふられ、どんな時にも笑顔でうなづいてくださりあの時の表情を忘れることはない。私の手にはアサヒペンタックスが握りしめられていた。とても若かった。

♪務め終へ歩み速めて帰るみち月の光は白く照らせり(陛下ご自身の御歌から)
 ご夫妻には激務から離れ、ゆっくり休んでいただきたい気持ちと同時に、お仕事の量を大幅に減らされてでも、いつまでもあのお元気そうな顔を拝見したい、その両方である。
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【きょうの一文・ことば】
〈わが次の日に生れしも先に逝きし女優の映画をみつつ悲しむ〉
〈入牢して酒、煙草絶つくらしして寿老の人にならむとしをり〉
=13日付中日夕刊『獄中で心詠む日々 連合赤軍 坂口弘死刑囚が短歌投稿』の記事のなかで。歌誌「心の花」に投稿された8首のうち掲載された4首のうちの2首
※連合赤軍事件は1971~72年にかけ新左翼組織・連合赤軍がメンバー12人をリンチ殺害したほか、長野県軽井沢町のあさま山荘に立てこもった際、警官ら3人も殺害した事件。坂口死刑囚(69歳)は、森恒夫元被告(公判中に自殺)永田洋子元死刑囚(2011年に拘置所で病死)に次ぐナンバー3だった。
 私は、その日、新聞社の松本支局から長野支局に応援に駆りだされ連合赤軍事件を起こした張本人永田洋子が逮捕され、鬼の形相で長野中央署に入ってくる、その現場を取材していた。あの凍りついた悪魔さながらの表情は今なお頭から離れない。

【新聞テレビから】
☆『老朽原発延長、国争う姿勢 高浜1、2号住民「数値根拠ない」 名地裁で初弁論』、『リオ公式ポスターお披露目』、『〈注意!!ニセ電話詐欺〉自動音声で架空請求 警察庁「指示従わず電話切って」』『滋賀で43件中部でも不信電話』、『「規格外だが大丈夫」 カツ不正2容疑者 転売先に説明』、『真田丸の詳細図 江戸期、松江で発見』、『私「(英歌手のデビッド・)ボウイ」なの 注目よ 左右の色異なる=鮮やかな「青」と「茶」=コアラ 豪で発見』、『自民、参院単独過半数に 平野氏入党届 改憲4党3分の2』(13日付、中日夕刊)
☆『熊本地震 関連死疑い130人に 5市町遺族 64人認定請求』、『九州北部で大雨 対馬48時間300㍉』、『東証一時300円高 1万6400円回復 円安進行104円台』、『柿の木の絆広がれ 日航機事故遺族谷口さん絵本 出版決まり墓標に報告』、『米銃撃犠牲警官追悼 国民融和訴え』、『中国、完敗に衝撃 東シナ海判決 日本を批判 ネット「外交失策」の声』、『都知事選キャラ戦略 小池氏負けないヒロイン 増田氏熟慮たけた実務型 鳥越氏4野党共闘の象徴』(13日付、毎日夕刊)
☆『(高浜原発3、4号機の)高浜差し止め異議認めず 大津地裁決定 2基停止長期化』、『中国の南シナ海主権否定 国際司法が初判断』『「九段線根拠ない』、『廃棄カツ利得、運転資金に ダイコー会長「昨夏、経営苦しく」』、『タクシー実質値上げへ 名古屋地区 初乗りは値下げ…加算早く』(13日付、中日朝刊)
☆『中国の権益認めず 南シナ海「九段線」 仲裁裁 法的根拠なし』『〈解説〉「歴史的権利」退ける(服部正法)』、『野党統一 鳥越氏が出馬 都知事選 自公は増田氏推薦 あす(東京都知事選)告示』、『「オフサイト」遠隔地に完成 福島第1・第2=廃炉作業中の東電福島第1原発で、重大事故が起きた際の対応拠点となるオフサイトセンターが福島県南相馬市に完成、12日、開所式があった』、『広域通信制 全106校調査 文科省有識者会議 不正相次ぎ』『文科相「抜本策を」』(13日付、毎日朝刊)

七月十二日
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 ほぼ全域で避難指示が解除された福島県南相馬市(12日付毎日夕刊から)
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「やっと、この日がやってきました。涙がでてしかたありません」 
 きょうの最大ニュースは、東電福島第1原発事故で福島県南相馬市に出ていた避難指示がほぼ全域で解除された、そのことである。避難指示が出た原発周辺11市町村で対象住民が1万人を超える解除は、今回が初めて。かと言って5年4カ月にも及ぶ長期避難で多くの住民は避難先での生活が続いており、帰還は1部に留まる見通しだという。
 解除の対象は、放射線量の高い帰還困難地域をのぞく南相馬市南部の小高区全域と原町区の1部合わせて3487世帯1万807人。避難指示解除に合わせ、この日は不通になっていたJR常磐線小高―原ノ町間(9・4㌔)の運行も再開された。まだまだ苦難と耐えしのびの道は横たわるが、ふるさとの鉄道も再開し、おそらく地元の方々は〈とうとう来たか〉と叫びたい心境ではなかろうか。私自身、被災地訪問で何度も代行バスを利用したきただけに、鉄道の運航再開はとても嬉しい。
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 オランダハーグの国際司法裁判所が中国の南シナ海の主権を否定する判断。これに対して中国は「いかなる主張も動きも受け入れない」(習近平国家主席)との態度でフィリピンのヤサイ外相は「関係国が冷静に抑制した行動を取るように」と呼びかけ、米ホワイトハウスも「仲裁判断を契機に挑発的な行動に出ることを控えるよう」関係各国に促したという。
 ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(76)が都内で記者会見し、都知事への立候補を正式表明。民進と共産、社民、生活の野党4党が鳥越氏を統一候補として支援することで一致した。その意気やヨシ、だ。何より高齢での挑戦がすばらしい。

 このところは、新聞各紙の参院選の結果のチェックはじめ、読書のための図書館通い、新たな小説執筆のための資料集めと準備(これがなかなか思うに任せない)、果ては同人から届いた作品アップ、その他もろもろで時間がいくらあっても足りない日々が続く。それでも、社交ダンスと横笛のレッスンだけは、と棒を折ることのないよう多忙の間をすり抜けるようにして続け、妻、舞との〈エデンの東〉での1週間にいちどの雑草との格闘も従来どおりである。
 舞も病身ながら自ら営むリサイクルショップ〈ミヌエット〉の運営に始まり、俳句短歌の創作、寝たきりのお母さんの介護、家事全般、買い物、農作業、地方でお世話になった方々に対する最低限のお中元の手配……と、ホントによくがんばっており、文学面でも互いに最大の良きライバルとして、その一心で日々の暮らしをなんとかクリアして生きている。

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 ここで1枚。私たちが挑んでいるスイカ栽培=正直、まだ無事育つかどうかは分からない=で、妻の舞がとうとう生まれて初めてネット張りにまでこぎつけたその写真を、ここに記録として残しておこう(この件については毎日、触れよう触れようと思いつつも、とてもそこまでは手がまわりかねた)

 ネット張りの結果やいかに
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【きょうの一文・ことば】
 私たちは日頃、死者という暗い話題を語るのを避けたがっている。しかし、ふとした瞬間、亡くなった家族の思い出に気がつき、その思い出に支えられたりする。また、不幸な犠牲者の存在を忘れてはいけないと考え、自分の生活を改めたりする。このように私たちは、死者を記憶することで、自分自身の生き方を形づくっていくことがある。そうした「死者とともに生きる」あり方が、東日本大震災などを経験した現在の日本社会において、改めて問われていると思われる。
=12日付中日朝刊『〈人生のページ 死者をどう記憶するか 佐藤啓介㊦〉生老病死の先達 尊重し、ともに生きる』の記事のなかで。佐藤啓介さん

【新聞テレビから】
☆『南相馬でも出発進行 JR常磐線一部再開(原ノ町―小高間)』、『〈伝える 訴える〉「神」の劇 国介入で幕 教会告発、演出変えず ロシア(文・松島芳彦=共同、写真・ドミートリー・ベリャコフ撮影)』、『ダイコー会長逮捕 食衛法違反容疑を適用 廃棄カツ不正 詐欺容疑2人も』、『鳥越氏都知事選出馬へ 午後表明 野党統一へ最終調整』、『メイ氏「離脱成功させる」 英保守党新党首14日首相就任』、『〈2016年米大統領選〉クリントン氏支持をサンダース氏表明へ』、『停戦命令後も銃撃戦 南スーダン 米は大使館員退避』『独立→共通の敵消失→油田で争い 正副大統領部族が敵対 南スーダン戦闘なぜ再燃』、『中部航空産業に投資を ロンドンで誘致シンポ』、『胴元の大学院生2人逮捕 開帳容疑 巨人の野球賭博事件』『「金銭授受ない」ちなみに昨秋に松永容疑者』(12日付、中日夕刊)
☆『戻れる……戻れない 南相馬避難解除』、『東証続伸1万6000円台』、『南スーダン衝突 即時停戦に合意 政府派遣機(C130H輸送機)出発』、『「人生で最高の日」 ハミルトン 母国英でF1GP(グランプリ)3連覇』、『ボルト五輪代表選出 ジャマイカ選考会で棄権救済』(12日付、毎日夕刊)
☆『(EU残留を支持した)メイ氏次期英首相に 保守党首選 レッドソム氏辞退』、『「改憲へ環境整う」与党勝利に米メディア』、『緊迫 南スーダンへ=南スーダンの治安情勢悪化を受け、在留邦人の退避を支援するため航空自衛隊小牧基地から11日、C130輸送機3機が飛び立った』、『MRJ(国産初ジェット旅客機、三菱リージョナルジェット)欧州初受注 スウェーデン社 最大20機』、『永六輔さん死去 83歳 ラジオで活躍、放送作家』、『改憲4党3分の2 自民の単独過半数  あと1議席幻に』『「一票の格差」一斉提訴 参院選 最大3・08倍』(12日付、中日朝刊)
☆『■福島第1原発で汚染水漏れ=東電が11日、汚染水をタンクから抜き取る作業中、誤って約80㍑が地面に漏れた、と発表。ストロンチウムなどを含むベータ線の放射線量は1㍑当たり1200ベクレル』、『上を向いて見送ろう 永さん最後まで現役 伊勢うどん名付け親だった』『参院選 改憲勢力2/3 首相民進に議論促す 内閣改造 来月3日にも』、『西尾張の9市(一宮、津島、犬山、江南、稲沢、岩倉、愛西、弥富、あま市)が災害時応援協定 生活物質や医療など』(12日付、毎日朝刊)

七月十一日
 九州は鹿児島を中心に大雨。
 ここ尾張の国は名古屋で最高気温が35度を超え、ことし初の猛暑日に。いやはや暑くて。町を行き交う人びと皆すべてがやっとこせ、大気を漕いでいるようだった。これほど暑いと、わが家の旧式の冷房も自ずと効き目が弱くなってくる。
 この日、〈いびがわマラソン〉で知られる岐阜県揖斐川町では全国で2番目に高い36・7度、多治見市も3位の36・5度を記録。自然のなかでアップアップするニンゲンたちほど弱いものはない。
        ☆        ☆

 全議席が確定した参院選の党派別当選者数(11日付中日新聞の夕刊から)と参院選のニュース一色の朝夕刊
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 参院選の改選121議席がけさ、確定した。
 それによると、自民党56、公明党14、おおさか維新の会7で3党の獲得議席は計77議席だった。これにより3党など改憲に前向きな非改選議員88人と合わせ、改憲勢力は憲法改正案の発議に必要な参院(定数242)の3分の2(162議席)を上回る165議席となった。

        ★        ★
〈上を向いて歩こう〉や〈こんにちは赤ちゃん〉など人々に親しまれた数々の曲の作詞で知られ、ベストセラー〈大往生〉の作者でも知られた永六輔さん(えい・ろくすけ、本名永孝雄さん)が7日、肺炎のため東京都渋谷区の自宅で死去。83歳だった。
 永六輔さんといえば、第1回レコード大賞に輝いた〈黒い花びら〉の作詞者でも知られ、私は仲間にカラオケなどに誘われると、水原弘が大好きなこともあり今もこの歌を、まず歌う。
 そして今ひとり。〈恋のバカンス〉や〈恋のフーガ〉〈ふりむかないで〉など数々のヒット曲で知られた愛知県常滑市出身双子歌手「ザ・ピーナッツ」の伊藤ユミさん=本名伊藤月子さん=が2012年6月に一足早く他界した姉伊藤エミさんにつづき、ことし5月18日に亡くなっていたことが分かった。死因と死亡場所は不明だという。
 昭和の美しかった花々が次々と散り、消えていく。これも鴨長明の方丈記にいう【ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。……】の、ほんの一コマかもしれない。 
        ★        ★

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………▼参院選で与党が議席を伸ばし、衆参両院で改憲勢力が三分の二を占めた。ただ注視したいのは、出口調査で「安倍首相の下での改憲」に賛成と答えた有権者は四割、反対が五割という事実である。国会での改憲勢力の数と、国民の憲法への思いに「ねじれ」が生じたのではないのか▼……
=11日付中日朝刊〈中日春秋〉から。抜粋
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【きょうの一文・ことば】
「組織対個人、この戦いざまを皆さまに見ていただきたい。」=11日午後、東京都庁での記者会見で。元防衛相の小池百合子衆院議員(63)が自民党の分裂選挙必至を受け、こう発言した

 この先、改憲に動き出しても絶望はしない。(憲法公布を記念した昨年十一月三日の文化の日から)毎月三日、「アベ政治を許さない」のポスターを掲げて国会正門に立っているが、一生懸命政治のことを考え、モノを言い始めた人たちが増えていると感じられるから。八月も九月も、三日の日には国会正門に行きます。
=11日付中日夕刊『改憲へ歩み 絶望しない 沢地久枝さん参院選振り返る』の記事のなかで。護憲派の市民団体「九条の会」呼びかけ人でノンフィクション作家沢地久枝さん

【新聞テレビから】
☆『(名古屋市熱田区の市中央卸売市場)サンマ初競り 一匹3000円なり 入荷わずか秋まで待って』、『改憲勢力3分の2超 自民 単独過半数届かず 参院選全議席確定』、『南スーダン情勢緊迫 JICA(国際協力機構) 関係者政府が退避方針』、『永六輔さん死去「上を向いて歩こう」作詞 83歳』『伊藤ユミさん 死去 75歳双子「ザ・ピーナッツ」妹』(11日付、中日夕刊)
☆『改憲勢力3分の2超す 参院選大勝 来月上旬に内閣改造 首相、補正編成指示へ』『自民56、公明14議席 維新7 改憲派計77に』、『東証一時500円急伸 与党経済政策に期待感』、『〈テニスウィンブルドン男子シングルス決勝〉マリー(英国) ストレートで圧勝』『230㌔サーブを攻略』(11日付、毎日夕刊)
☆『〈社説 2016参院選〉「白紙委任」ではない 改憲勢力3分の2』『改憲勢力3分の2 首相「国会で議論」 参院選自公改選過半数』『愛知 民進2氏当選 改選数1増 自公で2議席』『有権者5割 改憲に反対 出口調査』『一強改憲の足音 自公協力 揺るがず』『首相「争点外し」 気にせず』『藤川さんダントツ 愛知・自民』『小鑓さん経済政策訴え 滋賀・自民』『夏の共闘及ばず 岡田氏「代表として責任」』『三重・三重民進 芝さん逃げ切り3選 与野党党首の代理選』『選挙区の議席消える 滋賀・民進』『投票10代「公約守って」政治とカネに厳しい目』『島尻沖縄相・岩城法相落選 辺野古、福島原発で逆風』『投票率4番目の低さ54・70%』(11日付、中日朝刊)
☆『馬車よゆっくり走れ 主筆 小松浩』『改憲勢力3分の2超す 自公改選過半数』『改憲勢力162 「3分の2」を巡る攻防 反改憲野党69』『衆参で発議可能 1人区野党11勝21敗』『憲法経済に隠され』『10代 戸惑いと撰択』『野党共闘明暗分かれ』『大阪、兵庫 改憲派独占 沖縄の怒り突きつけ』『福島で法相苦杯』『投票トラブル全国で』、『都知事選 増田氏が出馬表明 小池氏は推薦願取り下げ』(11日付、毎日朝刊)

七月十日
 大相撲名古屋場所初日。大関稀勢の里は初顔合わせの平幕御岳海に寄り切りで勝ち白星スタート。横綱白鵬も小結高安を寄り切りで破り、自身の持つ最多記録を更新する6度目の30連勝。

 参院の新勢力(NHK総合画面から)
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 第24回参院選の投開票日。改憲勢力の自公が圧勝し、非改選を含め改憲の発議に必要な3分の2以上(162議席)の議席を獲得した。改憲を発議する要件が衆参両院で整ったことにより、こんご改憲が現実の政治課題となるのは必至の情勢となった。投票率は54・70%(11日午前1時現在、共同通信調べ)で前回2013年を2・09%上回った。

 幸いとまで言えるかどうか。民進がナントカ土俵際に踏みとどまり、社民、生活、こころなどが惨敗といったところか。ということは、日本国民は今の安倍政治を不満を唱えながらも認めている証明でもある。この結果は、すなおに受け止めなければ。私としては社民の福島瑞穂さんがナントカ比例区で踏みとどまってくれたことで〈日本の良識〉が保たれた、と思いたいところだが。
 そして地元愛知選挙区では、かつて何かの折に「先輩。先輩」と呼ばれたことがあり大学、高校の良き後輩で歌舞伎役者のような藤川政人さん(自民現)が6年前に続き、圧倒的な得票96万1096票でトップ当選したことを純粋に喜びたい。彼のこれまでの努力はおそらく並大抵のものではなかったはずだ。

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 脱原発社会をめざす伊神権太がなぜ自民の候補者を推すのか、など不謹慎かもしれない。そうではなくて、彼には日本を動かす政治家のひとりとして危険極まる原発推進の暴挙に対して身を挺して、これを阻止しかつ、誤った原発行政を軌道修正してほしい。その尖兵になってほしいからである。まさに頼りがいのある政治家として自民党という大きな山で、蟻の一穴としての役割を演じてほしい。
 彼ならそうした姿勢に転じることが出来る、と。そう信じたいからだ。織田信長の桶狭間の戦いの気概で、自民という大海に問題を提起し、かつ全政界に一石を投げ込んでほしいのである。「原発事故の危険は避けるべきだ」と。さて、彼にはそこまで出来るかどうか、だ。是は是、非は非として安倍政治に先頭にたって進言をしてほしく思う。

 東日本大震災の発生まもなく起きたメルトダウン(原子炉の炉心溶融)。福島原発事故の被災地や避難先では、今も多くの人びとが苦渋と悔恨、どうしようもない悲しみの日々に耐え、涙し、過ごしている。こんご原発の再稼働(既に1部で始まっている)や新増設でふたたび原発事故が起き、福島のような原発難民が溢れ出てしまったら、どうするのか。事故が起きてしまってからは取り返しがつかない。
 藤川さんには政治家としての器量があり、人々の命と生活、安全を守る重い責任がある。現地を何度も訪問するなどして自民の誤った自制のきかない原発推進行政に待ったをかけてほしい。その一念で清き1票を投じたのである。何も安倍政治を認めているわけではない。
(ここで敢えて、先輩として敬語なしで言わせてもらおう)藤川には脱原発、憲法9条を守る騎手になってほしい。私からの票は、そんな【アンチテーゼの1票】であることを忘れないでほしい。その意味で民進党の岡田克也代表の地元・三重選挙区で芝博一さん(現)が自民新人の追い上げをかわし僅差で3選を果たした意義は大きい。ホッとしたのである。
 社民党にも息を吹き返してもらわねば。このままではいけない。
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 今こそ、国会議員全員は当然ながら、18、19歳の新有権者も含めた国民全員が胸によお~く手を充て、戦争と原発事故のない平和な国日本にしていくためにはどうしたら良いか。みんなで考えるべき時だと思う。

 参院選の投開票を報じるテレビ画面=10日深夜から11日早朝にかけ。いずれもNHK総合テレビから
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【新聞テレビから】
☆『〈未来へ 2016参院選〉「安倍政治」に審判 参院選きょう投開票』『選挙区と比例一票ずつ』、『南スーダン、陸自がPKO(国連平和維持活動)支援 首都で戦闘120人死亡』『独立5年、対立再燃』(10日付、中日朝刊)
☆『参院選きょう投票 改憲勢力2/3焦点 経済政策どう判断 18歳初の国政選』、『NATO(北大西洋条約機構)対露舞台4000人配置 来年、バルト3国などに』、『〈Sストーリー〉地震「古里」思い葛藤――社会人野球 ホンダ熊本の夏』、『被害者宅で切断か 目黒遺棄 浴室から血液反応 容疑認める』『同級生「勉強できた」』(10日付、毎日朝刊)

七月九日
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 奥美濃の夏を彩る国重要無形民俗文化財、郡上おどりが始まった。
        
 おどりは32夜にわたって、9月3日までつづく。この間、お盆の8月13~16日には徹夜おどりもある。英国ロンドン郊外でのウィンブルドン選手権女子シングルスは、34歳のセリーナ・ウィリアムズ(米国)がアンゲルク・ケルバー(ドイツ)を破り、2年連続7度目の優勝を果たした。
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 東京・目黒の碑文谷(ひもんや)公園の池で、88歳の無職阿部祝子さんの切断死体が見つかった事件で、警視庁は近くに住む池田徳信(いけだやすのぶ)容疑者を死体遺棄の疑いで逮捕。容疑者は「阿部さん宅で殺して切断した」と供述しているという。立川市のマンションで女性が首を電気コードで絞められ、殺されていた事件で警視庁立川署は不倫相手の26歳男性を逮捕。
        ★        ★

 土曜日。きょうも七面八臂の1日となった。あれやこれやと、すべきことがあって今、こうして本欄【生きてゆく人間花たち】の執筆を始める時間も深夜から未明にずれこんでいる。毎度のことではあるが、ハードな日々と時が過ぎてゆく。

 そんななか、今夜は私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人のひとり、平子純さんが脳梗塞と言語障害、不自由な足など全身傷だらけの逆境下にありながら、次女彰子さんをはじめとした家族ら多くの愛に支えられ、とうとう書き上げた回想録『翻弄 第一章 名古屋駅裏編』をどうにか公開することが出来た。読者の皆さまにはぜひ読んで名古屋の過ぎし日を思い出し懐かしんでいただけたら、と願う(公開の紹介記事は、「熱砂」のWhat’s New欄でも詳しく説明)。

※編集作業にあたっては私自身、夜を徹して何度か繰り返し読ませていただいた。筆者の平子純さんは満身創痍のなかで、過去に親交があった夥しい人びとも登場させながらの鬼気迫る難航な執筆となった。それだけに、どうしても誤字、脱字、主語述語と時系列の不統一などが随所に目立ち、確認するにも何かと時間がかかって、文全体がふぞろいではある。こうした不備なカ所は、今後そのつどデスクワークで修正していきたく思う。
 ともあれ、平子さんの執筆にかける意欲と情熱、あくなき執念は衰えることなく引き続き、成長編も公開予定で平子さんご自身も「ナゴヤの駅裏の戦後の歴史は、私にしか書けないはずだ」と語っている。それだけに、名古屋全体にとっても貴重な回想録となりそうだ。次回作も大いに期待してほしい。

【きょうの一文・ことば】
 第2次も第1次世界大戦も。日清、日露戦争だって。みんな男たちが戦争を始めた。女性は戦争なんかしないよ。だから都知事は小池百合子さんでいいじゃないの。何がいけないのよ。「小池ではダメだなんて」。おかしいよ
=9日。朝食を食べているさなかに。妻の舞が突然、私に向かって
※だったら15世紀、100年戦争末期のフランスに現れ、「オルレアンを解放しフランスを救え」との神のお告げで10代後半ながら軍を率いてイングランド軍と戦いフランスを救ったカトリックの聖女ジャンヌ・ダルクは、どうなのか。

【新聞テレビから】
☆『〈ETV特集選〉女ひとり・70歳の茶事行脚▽一期一会の奇跡』(9日夜、NHKEテレ)、『〈歴史秘話ヒストリア〉幻の要塞 真田丸の謎に科学のメスで迫る ▽驚きの規模』(9日夜、NHK総合)
☆『〈中部の文芸 小説・評論 清水信〉 文学に活力与える作家論 太田治子「星はらはらと」』、『あす初日 熱戦楽しみ 名古屋場所』、『〈未来へ2016参院選 あす投開票〉名古屋と岡崎 立会人に18、19歳 投票所友達呼ぼっかな』、『大西さんISS(国際宇宙ステーション)到着 ドッキング成功 4カ月長期滞在へ』、『白人への憎悪 動機か 米の警官射殺 単独犯行と断定』、『切断事件 近所の28歳男逮捕 目黒 死体遺棄、容疑を否認』(9日付、中日夕刊)
☆『●eye熊本地震 音楽の力で 前向きに』、『大西さん支える27歳 「きぼう」管制 最年少統括官=27歳で中野優理香さんが「きぼう」管制チームの統括官に抜擢された』、『米警官狙撃は単独犯 死亡容疑者 25歳、退役軍人』『「外見は違っても中身は一緒 同じ空気を吸い同じように悲しむ」』、『9党首遊説列島10万㌔ 参院選あす投開票』(9日付、毎日夕刊)
☆『参院選あす投開票 改憲など対立軸鮮明に』、『悲劇繰り返さないで バングラ・ダッカ出身の南山大教授「なぜ日本人を…」心痛める』『バングラテロ 1週間 組織的犯行ISの影』『アルジェリアで犠牲 内藤さんの母「また同じことが」憤り』、『鈴蘭南座62年あす終幕 愛知唯一の大衆演劇場』『B作さん「寂しいね」』、『浜名湖遺体 頭部、胴体も 男性、死後数日経過か』(9日付、中日朝刊)
☆『米警官を狙撃5人死亡 黒人射殺抗議デモ中 ダラス』『白人警官殺したい』、『円高一時99円台 米雇用改善受け乱高下』、『増田氏出馬へ 都知事選 自民の分裂確実』『民進 松沢、古賀氏軸に 都連会長、党本部と協議へ』『「野党統一なら」石田氏会見』、『■ペレ氏、日系人実業家と結婚』(9日付、毎日朝刊)

七月八日
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 全国の大衆演劇ファンから親しまれた、あの東大曽根(名古屋市北区)の常設芝居小屋「鈴蘭南座」が10日午後のさよなら興行で閉館、11日に解体されるという。新聞によれば、小屋主の長野栄太郎さん(71)は「気持ちはまだ現役だが、高齢で健康面に不安があり、体力もついていかない。お客さまに感謝しつつ幕を下ろさせていただく」(毎日朝刊)と話しているが、これまで点いていた町の明かりがポッと消えてしまうような、無常を感じる。
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 7日夜(日本時間8日午前)、米南部テキサス州ダラスで警官12人が撃たれ、うち5人が死亡。ルイジアナ、ミネソタ両州で起きた警官による黒人男性射殺への抗議のさなかに発砲があり、民間人2人も死亡したという。
 俳優の石田純一さん(62)が都内で記者会見。「野党統一候補なら、ぜひ出させていただきたい」と東京都知事選への出馬意欲を示した。
〈野党統一〉でなくとも、自らの信念で出ればよいのに。これでは政治の渦にのみ込まれるようなものだ。石田さんには名も無き都民の幸せのためにも千人の敵がいても我ゆかん、の気概で出てほしく思うのだが。へんに政治家になってしまったのでは都政は出来ない。

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◇…京都・祇園の芸姑や舞妓が芸の上達や夏場の健康を祈る「お千度」が七日、京都市東山区の八坂神社で行われた。祇園祭の「鉾建て」が近づき、祭りの雰囲気が高まる七月初旬の風物詩。
――とは、8日付中日朝刊の通風筒。記事は「◇…猛暑といわれておりますので、健康第一でなんとか夏を乗り切り、催しのある秋に向けて励みたい」と家元の五世井上八千代さん。暑さとともに、けいこは熱を帯びてくる。」と結んでいる。
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【きょうの一文・ことば】
 英国、女性首相誕生へ。気の早い夢想だが、来年のサミットは米英独の女性リーダーが並ぶかも。何かが変わるか。
=8日付毎日夕刊〈近事片々〉から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『西日本大雨の恐れ』、『〈未来へ2016参院選〉原発避難者なおざり「仮設 候補者来ず」』『「事故の風化が明らか」東海などの避難者も疑問』、『田園調布署員2人 拳銃自殺 同じ上司の名書き残す 警視庁「パワハラない」』、『現地の貧しい人助けたい バングラテロ犠牲 下平さん 学生時代 留学 農村入り交流』『酒井さんと最後の別れ 浜松で告別式』、『浜名湖岸に人の脚』(8日付、中日夕刊)
☆『〈政治18しようよ⑤〉 戦争のない世界つくりたい 広島の19歳 中村祐理さん』、『韓国新型MD(ミサイル防衛)配備 米韓決定 対北朝鮮迎撃を強化』、『尾張旭紅茶日本一の街に 人口比最多、協会認定18店 63歳堀田さん尽力』、『「工藤会」声かけ 裁判員追い バスに同乗 威迫罪で男2人を起訴へ』、『現場に(「フィッシュピック」と呼ばれる)鋭利な釣り具 茨城・女性遺棄 凶器の可能性』(8日付、毎日夕刊)
☆『各地で猛暑日 熱中症3人死亡=全国929観測点のうち51カ所で最高気温が35度以上の猛暑日に。山梨県と静岡県では38度超を観測』、『清州会議3日前 秀吉宛て 織田信雄(のぶかつ)焦りの書状 中京大2教授=文学部の村岡幹生、播磨良紀両教授=発表 信長後継アピール?』『映画では「大うつけ者」』、『七夕、宇宙へ』『大西さん老化現象研究へ ソユーズ、順調に飛行』、『「トキワ荘」復元へ 豊島区故手塚治虫さんら居住』、『台湾で爆発20人負傷 列車内、爆竹見つかる』、『★清武氏の敗訴確定=プロ野球巨人の元球団代表清武英利氏(65)が球団の内部資料の流出元とみなされ、名誉を傷つけられたとして、読売新聞社側に損害賠償を求めた訴訟で最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)が清武氏の上告を退ける決定』(8日付、中日朝刊)
☆『老朽原発の廃炉 短冊に願い込め=運転開始から40年を超えた原発の運転停止と廃炉を求める市民グループが7日、名古屋市中区栄の街頭で原発廃炉を願う短冊を笹の葉に飾る「七夕アクション」を実施』、『台風1号が沖縄に接近』、『名古屋唯一の常設芝居小屋 「鈴蘭南座」62年の歴史に幕』、『2年連続1位京都 6位転落 米大手旅行誌調べ ※1位は米チャールストン』、『元日弁連会長の宇都宮氏出馬へ 東京都知事選』『知事選出馬検討 石田純一さんも』(8日付、毎日朝刊)

七月七日
 七夕。小暑である。
 外を歩いていても、町じゅうが暑さにふらついている。行き交う人びとの目的地まで歩く大変さが地面の熱さとともに、足元から脳天にまでジンジン伝わってくる。夜。空には銀河鉄道が横たわった。

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♪荒海や佐渡に横たふ天の川  芭蕉

 きょうの私にとっての大ニュースはふたつ。その1は、中日新聞朝刊を開くと10日からの名古屋場所を前に見開き特集で、あの〈黄金の左腕〉で知られた名横綱、第54代横綱輪島大士(ひろし)さん=68歳=が紹介され、かつての好敵手横綱北の湖(北の湖理事長、故人)との交友などひたむきなる相撲愛が紹介されていたこと。そして。その2は。つい最近、心臓の大手術を終えたばかりのダンス仲間トシカズさんがカテーテルの入った満身創痍の痛々しいからだでご自身車を運転され、社交ダンスのレッスン場へひょっこり顔を見せられたという事実である。

 このうち輪島さんはかつて横綱を引退してまもないころ、ふるさと七尾市内でのプロレスへのデビュー戦など苦難の時代を間近とし、出身地である石崎奉燈祭では昔のクラスメートと奉燈を涙ながらに担ぐ姿を取材した。当時90歳を超えていた床屋さんだった祖父を訪ね、幼児のころから坂道で荷車を引っ張らせ続けたことが後の「黄金の左腕」につながった秘話などをお聞きしたことがある。
 それだけに、とても懐かしく思った。「私は恵まれていました。ライバルに」「人は人。それが人間として大切です」「横綱に日本人がいない。早く横綱になってほしいです。3横綱みたいに努力をしてほしい。3人は心が違う。意気込みが違う」という輪島さんは、あの当時どんな苦境にあっても奥さんをはじめとする家族を大切にする方でいっぺんに好きになった記憶がある。特集記事には咽頭がんの手術で声を失い、筆談中心のインタビューとなった、とあったが人生の辛苦を乗り超えた輪島さんには日本の相撲愛の弥栄のためにも、いつまでも元気でいてほしく思う。

 そして今ひとりのトシカズさん。トシカズさんは新内京派の新内勝和太夫としても知られ、今なお大切な存在である。そればかりか、宮田区の役員(元区長)に始まり、市の分別収集の草分け的存在、老人会役員など、ありとあらゆる奉仕作業に従事されてきた。まさに〈地方の宝〉として貴重な存在だけに、どうかおからだを大切に早くよくなってほしい。
 思いがけない出現に「トシカズさん、あまり無理なさらないように」と言うとそんな忠告は馬耳東風で「ごんたさん。だいぶステップが軽やかになってきたね。その調子でがんばりゃあすといい。もうちょっとだが、ワシも80までは、がんばるでなも」の励ましまで頂いたのである。
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【きょうの一文・ことば】
 ニルマニさんはネパールの住居の特徴を「れんが造りが主流で、山岳地帯は石積みが多い」と紹介し、「耐震性の低さや劣化のため、大地震ではたくさんの建物が崩壊した」と語った。「男兄弟が住居を人数に応じて分割相続する風習も、家屋をもろくした要因だろう」と指摘した。/震災からの復興については、「カトマンズから郊外に出ると、がれきが撤去されていない場所が多く、十分には進んでいない」と話した。
=7日付中日朝刊愛知総合版『ネパール復興は途上 中部大でニルマニさん講演』から。カトマンズ日本語学校の校長、ニルマニ・ラル・シュレスタさん(48)

 ドイツで二百四十万人を動員したデヴッド・ヴェンド監督の映画『帰ってきたヒトラー』が日本で封切りされた(原作となった同名の小説はドイツで二百五十万部を売り上げた)。
(中略)/我慢に我慢を重ねた感情は、ときに理性の上げぶたをたやすく吹き飛ばす。ナチスが政権を握った三三年の選挙がそうだった。先月のイギリスのEU離脱・残留国民投票がそうだった。/感情に翻弄されないためには、感情を客観化し、相対化する必要がある。映画や文芸には、そういう社会的役割がある。(一粒の砂)
=7日付中日夕刊『〈大波小波〉怪物は私たちの一部』から。抜粋

【新聞テレビから】
☆『〈時論公論〉同一労働同一賃金が問うもの』(7日夜、NHK総合)
☆『縁起良し手織りまわし 名古屋場所10日開幕 長浜に唯一の職人』、『大西さん宇宙へ 打ち上げ成功』『「飛行士に」宣言から20年 全日空パイロットから転身』、『版画代表作と同じ構図 吉田博の水彩画発見 長野』、『高級ブドウ 1房 110万円「ルビーロマン」初競り』、『クリントン氏訴追せず 私用メール問題捜査終結』、『通信制高 63人不正編入 クラーク記念国際 無認可から』、『バングラテロ 店員が証言 「日本人と隠れたが…」 冷蔵庫に2時間 実行犯来た』、『スーツケース遺体中国籍の34歳女性 品川の運河で遺棄』(7日付、中日夕刊)
☆『蛇笏賞・矢島さん=矢島渚男さん(81)、句集「冬青集」(ふらんす堂)=「論争から逃げぬ人」 迢空賞・大島さん=大島史洋さん(71)、歌集「ふくろう」(短歌研究社)=「心の闇へと入る歌」 選考委員2氏が講評』、『高校野球全国制覇7回 名門PL最後の夏 暴力問題後絶たず 信者減り資金難か』、『「四谷」講師が解答 クラーク国際 PC使用授業』、『「女性殺害し遺体運んだ」茨城 遺棄容疑で高2男子逮捕』(7日付、毎日夕刊)
☆『★原発集中の韓国・蔚山で M5・0地震』、『米、金正恩氏に 制裁 人権侵害理由で初』、『ブレア氏めぐり党内の対立激化』、『ネパール復興は途上 中部大でニルマニさん講演』『在宅死割合地域で大差 14年集計 訪問診療態勢要因か』『在宅みとり蒲郡最低 世帯も医師も高齢化』『訪問診療の開業医多く 最高 兵庫・豊岡』、『工場で有毒ガス4人搬送 刈谷の愛知技研』、『楽天ポイント不正利用 愛知県警 商品詐取容疑者逮捕』、『南区82歳男性殴られ死亡 高齢者住宅 容疑の67歳逮捕』(7日付、中日朝刊)
☆『〈生きる 小児がん征圧キャンペーン20周年〉 コンサート両陛下(がチャリティーコンサート「生きる2016~小児がんなど病気と闘う子どもたちとともに~森山良子 with FRIENDSを)鑑賞』、『通信制高63人不正編入 11~15年度 無認可校から クラーク国際』、『英参戦ブレア氏を批判 イラク戦争「解決手段尽くさず」 独立調査委報告』、『小池氏正式出馬表明 都知事選 自民分裂含み』(7日付、毎日朝刊)

七月六日
 アテネ五輪の女子マラソン金メダリスト野口みずきさん(38)がスポーツ関連企業に勤務する会社員(48)と晴れて結婚。今月4日に家族や恩師らが参列して出身地である伊勢市内の猿田彦神社で式を挙げ、内宮を参拝。近く生活拠点を国外に移すという。
 菅義偉官房長官の在職日数があす7日で1290日となり森、小泉両内閣で官房長官を務めた福田康夫氏を抜き、歴代単独1位になる。神戸地裁が、うその日帰り出張などで政務活動費913万円を騙しとったとして詐欺などの罪に問われた元兵庫県議野々村竜太郎被告(49)に懲役3年、執行猶予4年の判決。
        ☆        ☆

 いやぁ、自分でいうのも可笑しいが。本欄【生きてゆく人間花たち】を日々書き続けていくのには正直、かなりの体力とエネルギー、睡眠時間も削らねばならず、底の知れない〈リキ〉のようなものがいる。何よりも、購読紙のチェックにはじまり目に入り耳に聴く事象の大半を頭におきながら、書く時間も充てなければならないからだ。かといって、本欄に登場する部分はホンの僅か。どうしても記録として書き残しておかねばならない、ことに限られる。それも個人のプライバシーに触れることは避けるように努めねばならず、時には神経をすりつぶす。デ、結果的には何度も何度も書き直すこととなる。
 1を聞いて10を書く安易な筆ではなくて調べに調べ尽くし「100を聞いて1を書く」よう日々努めている。というわけで、今日も読書や執筆、資料伝聞収集の合間に郵便局を訪れ、日本ペンクラブの会費納入、2016年版文藝年鑑の支払いを終えるなど熱い日差しのなか、あれやこれやと動きまわる1日に。そのうち、バタリと心臓がとまり万事休す―となる気がせぬでもない。
 このハードさは、連日がんばる妻の舞とて同じだ。いや、この世に生きる全ての人びととて同じに違いない。みんな、誰もが、生ある限り懸命に1日1日を、その瞬間を生きていくのである。なんだか、可笑しな話になってしまったので本日は、これにて―

【きょうの一文・ことば】
「力を抜く。何も考えない、って。すげえなと思う。(私のなかにあるのは)人をびっくりさせたい。その気持だけ。深いところで自分に対する信頼感のようなものがあると思います」「1番嬉しいのは。〈なんだ、これは〉と思われたら、いちばん嬉しい。」
=6日夜NHKEテレ『〈スイッチ〉武術研究者甲野善紀VS俳優片桐はいり』のなかで。片桐はいりさんの口から出た

【新聞テレビから】
☆『夢はあつい方がいい サマージャンボ発売』、『18年前不明の社長 捜索 埼玉の山中 死刑囚が殺害告白』、『犯行中 外部と連絡 バングラテロ 実行犯、指示仰ぐ?』、『円急伸100円台』『東証一時500超安』、『裁判員裁判除外請求へ 地検小倉支部 工藤会「声掛け」で』、『★西武の菊池投手が結婚』、『北朝鮮がダム放流 事前通報なく 韓国反発』(6日付、中日夕刊)
☆『都知事には島耕作を 漫画・小説の登場人物で首位』『初回投票メイ氏=キャメロン氏の事実上の後継候補でEU残留派のテリーザ・メイ内相(59)=首位 英保守党首選 2氏が脱落』『〈英国ショック〉不動産ファンド次々凍結 EU離脱で解約急増』『二重国籍関心高まる ブリュッセルの英国人EU職員 失職不安を背景に』、『〈米国の撰択 16年大統領選〉クリントン氏を称賛 オバマ氏、初の応援演説』(6日付、毎日夕刊)
☆『〈参院選終盤情勢〉改憲4党3分の2強まる 自民 単独過半数の勢い』『愛知4議席目 共・民競る 岐阜は自民がリード』、『無言の帰国 大学元講師犯行関与か バングラ 人質誤射、犯人の数訂正』、『熊本へ義援金5億円 本社(中日新聞)など2次分、計10億円に』(6日付、中日朝刊)
☆『衆院選終盤情勢 改憲勢力2/3の勢い 野党共闘 伸びず』『非改選無所属ら4人参入「改憲2/3」まで74議席』、『バングラテロ 首謀格、IS参加か』『「人質」が監視役の可能性』、『ボランティアバス容認へ 観光庁 費用徴収 新ルール検討』、『「わいせつ目的サークル」 東大集団暴行 初公判で謝罪』(6日付、毎日朝刊)

七月五日
 中日新聞の朝刊に「矢作川のアユ 遡上1000万匹超 4月から、過去最高」の見出し。それによると、三河地方を流れる矢作川で天然アユの4月からの遡上数が1000万匹を突破しこれまで最高だった2007年の622万匹を大幅に上回った、という。
 どこかホッとする、良い話だ。
        ☆        ☆

 本の返却と探しものを兼ねて江南市立図書館へ。
 館内では多くの人びとが読書中だったが私には、皆さんのだれもが落ち着いた風情のなか満ち足りた顔に映った。引き続き、先日、スマホで撮った写真の焼き付けをとカメラ店を訪れたがいやはや、この世界ほど時代の流れを感じるところはないナと思った次第。
 昭和のころ。新聞社の地方支局の暗室で締め切りとにらめっこをしながら、真夏など汗をタラタラ流して全身びっしょりとなり現像、焼き付け、写真電送処理をした時代と比べると、今や隔世の感だ。スマホのアプリ(機能)を使ってデータ処理すれば、あとは全ての工程がワンタッチで流れ、まさに忍者の如しとは、このことか。齢もとるはずである。
 志摩で、小牧で……。原稿書きに追われている時なぞ、若き日の舞が海水着姿で暗室に入り格闘していた、あの日々が思い出される。昭和は遠くなりにけり、か。うっかりしていれば、どんどん時代に追い越されていってしまう。追い越されないようにしなければ。その意味できょうは私にとって大変、勉強させられた1日。一方で、まだまだ若い人たちについていける、そんな実感を得た日にもなった。

【きょうの一文・ことば】
 我必ず聖に非ず。彼必ず愚かに非ず。共にこれ凡夫ならくのみ 聖徳太子「十七条憲法」
=5日付中日『〈人生のページ〉今週のことば 中村薫(同朋大特任教授)』から。
※「わたしは必ずしも聖人ではない。ましてや彼が愚人ではない。ともに凡夫(ただの人間)である」の意

【新聞テレビから】
☆『多治見36.8度 各地で猛暑日 東海地方、今夜 竜巻など注意』『熱中症で搬送 1週間で2847人 愛知最多239人』、『「全世界に謝罪せねば」バングラテロ 実行犯の父苦悩 「テロリストに怒り」犠牲者勤務先』『志半ば娘も無念 下平さん遺族コメント』、『7遺体無念の帰国 バングラデシュテロ 負傷の渡辺さんも羽田到着』、『横歩取りの戦型に 王位戦第1局』、『米軍属「4分類」発表 日米地位協定 範囲縮小で合意』、『米探査機木星に到達 NASA 内部構造や磁場観測へ』(5日付、中日夕刊)
☆『セントレア 世界に花を 卸売会社が拠点、輸出へ官民一体』、『投票日に18歳「期日前」不可だけど…不在者投票できます』、『「途上国発展のため」学生時代から活動 バングラテロ 志半ば夢絶たれ』『特別措置で弔慰金支給 法施行前でも国が方針』『両陛下がお悔やみ』『サウジ3都市連続テロ 聖地メディナ、4人死亡 ラマダン最終日前日』、『キアロスタミ氏死去 76歳 イラン映画の巨匠』、『双子虐待死2審も有罪 名高裁判決 父親の控訴棄却』、『バイクの高3殺害容疑 「目が合い」車で衝突、逮捕 神奈川』、『NYホットドッグ早食い 38.5個日本女性3連覇』、『店にゴキブリ放つ 業務妨害容疑 56歳女を逮捕 神戸』(5日付、毎日夕刊)
☆『〈人生のページ 死者をどう記憶するか佐藤啓介㊥〉死者の痕跡を生きる 倫理に不可欠な要素(さとう・けいすけ=南山大人文学部准教授)』、『協力者? 新たに1人拘束 バングラテロ 遺体帰国の途』『悲しみの遺族ただ無言』、『年金さらに5兆円運用損 4~6月試算 英EU離脱、株急落』『日銀供給400兆円 なぜ回らない?』、『リオ五輪まで1カ月』、『友にメール 直後悲劇「来週ようやく帰国できます」 テロ犠牲 田中(宏、80歳)さん』『妻と仲良く庭いじり 橋本秀樹さん(65)』『「外国の友人見捨てられない」 バングラ人学生 店内残り犠牲に』『邦人の仕事仲間 唇かみ「心痛い」追悼式典参列』、『報告書の9割丸写し 15年度愛知県議の海外視察』(5日付、中日朝刊)
☆『〈問われるもの 2016参院選⑤〉憲法空洞化阻止を 半藤一利さん 作家』、『海岸 母子無理心中か 千葉 現場に包丁、3人死亡』、『運転の男殺人未遂容疑 児童8人ひき逃げ 68歳を逮捕 海津』『危険な運転 何度も目撃』、『バングラテロ 遺族が悲しみの対面 追悼式に仕事仲間』『鉄道の経験生かす夢 橋本さん』『3県警と警視庁合同で捜査本部』『2容疑者マレーシア留学 ISと接点か』『バングラ政府が犠牲者の追悼式 首相ら参列』、『〈リオ五輪あと1カ月〉会場整備急ピッチ』、『自民都連、増田氏で調整 都知事選 小池氏、石原氏と会談へ』、『病院・介護施設66% 高齢者の行動制限』(5日付、毎日朝刊)

七月四日
 英国でのテニス〈ウィンブルドン選手権〉の男子シングルス4回戦で錦織圭(日清食品)が左脇腹痛で途中棄権。錦織は昨年のウィンブルドンでも左脚のけがで2回戦を棄権、2年続けての棄権により日本男子で1995年の松岡修造いらいの8強入りは夢物語に終わった。撤退といえば、辞退が相次ぐリオデジャネイロ五輪の男子ゴルフで日本のエース、松山英樹が不参加を表明、112年ぶりのゴルフの五輪への復帰だけに、関係者の間で衝撃となっている。
 関東地方を中心に各地で天候急変が相次ぎ、四日市では午後、竜巻とみられる突風で漁船3隻が転覆。
        ★        ★

 月曜日だ。ここ尾張の地も、急に雨が降り出したかと思ったら、パタリやむ。しばらくしたら、また降る。それが繰り返された、そんな夏の日である。でもこの地に限っては、空は連日どこまでも潔い。

        ❤        ❤
 雨の合間を縫って私も舞もそれぞれ、車と自転車で〈ちいさな目的〉に向かって濃尾平野を走り回った。私は信長の側室吉乃の資料収集などで飛び回り、舞も自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」の休みを利用して歯医者さんでの治療に始まり、お母さんの介護入浴サービス手助け、買い物、家事洗濯ほか、町医者での自身の術後定期診断(幸い大丈夫だった)と、そばで見ていても本当に休む間がない。ことばをかければその分、余分な頭をめぐらさねばならぬだろうから、と敢えて黙ってその姿を見守る。
 心配そうに見守るのは私に限らない。愛猫シロちゃんだって同じだ。私たちが、それぞれに室内で立ち上がるつど彼女は#ゥウーンと、のどを鳴らしながら♪ニャ~アン、ニャン、ニャア~ンと声をあげ玄関先まで歩いてきて見送ってくれたり、帰宅すれば出迎えてくれるのである。長女のボス猫、こすも・ここ亡きあと、シロちゃんは、ほんとによく頑張って家族の守り番をしてくれている。
 ありがとう、シロちゃん!

 ほかにもあれやこれや追われた1日だったが、きょうは加賀乙彦さんの著作〈永遠の都 1夏の海辺(新潮文庫)〉巻末に収録された【〈対談〉長編小説、時代の鏡と層をなす語り(大江健三郎、加賀乙彦)】も読み干した。これまでとは少し違い、写真を中心としたグラフ展開の「脱原発社会をめざす文学者の会」会報第7号(第4回福島訪問報告・志賀泉)も手元に届いたので、さっそく目を通した。

 深夜遅くから未明にかけ、私たちは舞の部屋で疲れきったからだを寄せ合うようにして森進一さんの〈襟裳岬〉をはじめ、森繁久彌さんの〈知床旅情〉、フランク永井さんの〈公園の手品師〉に、ただ黙って耳を傾けた。
〈襟裳岬〉は、はたちの舞が着の身着のまま素足で志摩にいた地方記者の私の胸に飛び込んできた、ちょうどそのころに大ヒットした曲であり私たちにとっての志摩は襟裳岬そのものだったから。〈知床旅情〉は、あの七尾湾で今は亡き長男泉さんの弾くギターの調べに合わせ、モリシゲさんと夜を徹してうたった曲であり、〈公園の手品師〉は舞が大好きで初の単身赴任生活を過ごした琵琶湖河畔の浜大津でよく立ち寄ったスナックで決まってうたった歌だからだ。

 どの曲も私たち家族と共に歩いてきた。そういえば、今夜はNHKの人気テレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」でかつての任地で水の都と芭蕉、水門川、赤坂宿と大理石の山・金生山、関ヶ原合戦前夜の城・大垣城で知られる、あの大垣の地が映し出されていた。一度住んだ土地は、どこまでも愛着があり、懐かしいものである。
        ❤        ❤

【きょうの一文・ことば】
「武装集団メンバーの多くは大学卒で裕福な家庭の出身だった。このうち3人は欧米の大学を卒業していた」(犯人像について。バングラデシュのゴウヘル・リズビ首相顧問)
「十字軍(対IS有志国連合)参加国の市民を標的にした」「十字軍参加国の市民は、十字軍の航空機がイスラム教徒を殺害する限り、イスラム聖戦士に攻撃されると知るべきだ。次にどんなことがやって来るか待て攻撃はより厳しく、より大きな害をなす」「入念に視察した後、5人の殉教者たちが十字軍参加国の市民の集まりを標的にした。7人のイタリア人を含む22人の十字軍兵士と(バングラデシュ人の大半を占める)ベンガル人の警察官2人を殺害、50人以上を負傷させた」(過激派組織「イスラム国」=IS=のバングラデシュ支部が出した公式な声明)
=4日付毎日朝刊『〈検証〉恵まれた若者凶行に IS支部「実行犯」公開』『犯行声明なぜ出すの? テロ実行力を誇示 資金・人集めに利用』の記事から。抽出

【新聞テレビから】
☆『〈鶴瓶の家族に乾杯〉▽今夜は真田丸SP!! 石田三成・山本耕史が岐阜県大垣でぶっつけ本番旅』(4日夜、NHK総合)
☆『〈「沈黙法定」連載を終えて――佐々木譲〉自分で自分を論破未知の体験(ささき・じょう=作家)』、『実行犯取引要求せず バングラテロ 遺族、遺体と対面』、『国会議員平均所得2269万円 15年、4年ぶり減 株など配当減少』『東海3県 知事所得増 15年分 河村市長 最少920万円』、『愛知県人口750万人突破 名古屋と西三河大幅増』、『殺人未遂容疑で男逮捕へ 海津 登校の列 故意に突入か』(4日付、中日夕刊)
☆『ゴルフ松山 リオ辞退 「ジカ熱と治安に不安」』『「五輪の価値」に疑問 「日本第一人者」松山、苦渋の辞退』、『バングラ 半年前からテロ準備か 実行犯一部姿消す』『現地政府IS関与否定』、『国会議員所得公開 7割が副業収入 野球解説や自叙伝出版も』『舛添氏、所得総額3074万円 15年分不動産所得は360万円』(4日付、毎日夕刊)
☆『エリ・ウィーゼル氏死去 87歳 作家、ホロコースト生還=ナチス・ドイツの強制収容所での体験を基に多くの著作を残し、ノーベル平和賞を受賞したユダヤ系米国人作家のエリ・ウィーゼル氏が2日、ニューヨークマンハッタンの自宅で亡くなった』、『イラクテロ136人死亡 爆発2件 ISが犯行声明』、『実行犯 7人は20代 バングラテロ5人、監視対象』『犠牲邦人の氏名判明』『犯人「日本人残せ」 バングラ人解放、その後銃声』、『岡崎空襲 犠牲者280人に 市民団体調査 従来より73人多く』、『参院選 ラストサンデー熱く』、『リオへ威風堂々 結団式』『「国歌歌えない選手は代表でない」森喜朗氏が苦言呈す』、『〈平和の俳句〉大賞に萱原さん 東京で選句会』(4日付、中日朝刊)
☆『暑い38.6度 尾鷲で全国最高』、『憤怒教え汚す罪「イスラム、誤解招く」日本の信徒 周辺住民解けぬ緊張』『〈検証〉「日本人だ 撃たないで」武装集団構わず襲撃 バングラテロ20人殺害』『無念海越えた志 バングラテロ「自慢の息子だった」岡村さん』『80歳の鉄道マン 田中(宏)さん』『IS支部が犯行声明』『遺族 政府機で現地へ』『抗議声明を発表 日本ペンクラブ』(4日付、毎日朝刊)

七月三日
 日曜日の夕方。〈エデンの東〉での草引きや葱坊主切りなどを終えて、車でふたりで帰宅途中、頭上を覆った黒い雲が低くなって、みるみる動き出し、空から風まじりの雨がいっとき激しい勢いでフロントを打ち付けてきた。が、これも束の間、30分ほどで止んだ。私にはナンダカ、大気と空がひと呼吸したように思われた。川端康成の小説に出てくる天城峠の〈私雨(わたくしあめ)〉を、ふと思い出す。
        ☆        ☆

 イスラム教徒にとって、神聖なラマダン(断食月)に合わせての相次ぐテロ。止めようがない。ブレーキのない惨劇がまたも起きた。
 こんどは、イラクの首都バグダッドで、である。爆発は2カ所であり、計136人が死亡。うち1カ所はカラダ地区で3日未明、爆弾を積んだ車が爆発。発生当時はラマダン明けのお祝い(イード)の準備をする買い物客や日の出前の食事客でにぎわっていたという。イスラム教スンニ派のISがシーア派を狙った、との犯行声明を出した。
 罪を侵しながら制御出来ないまま暴走するいきものは、どうやらニンゲンたちだけらしい。制御が利かない。どこまでも暴走してしまう。その図は悲惨極まる原発事故を思い出させる。どうして同じ過ちを、これほどまでに繰り返さねばならないのか。ニンゲンとは。所詮そんなものなのか。今や「愚か」の代名詞に成り下がった。猫ちゃんたちが笑っている気がしてならない。

【きょうの一文・ことば】
 7月。祇園祭のころともなれば、京は疫病退散も兼ねてハモ(鱧)一色になる。ハモの照り焼き、1本まるごとのお寿司、おつくり、ハモなす田楽、ハモのお浸し、つけものあえ……。お酒のあてにもよく「やっぱり夏の京料理はハモです。ハモやろね」「ハモ中心とちがうかな」「心豊かにしてくれます」(といった、そんな声が飛び交う)
=3日夜NHKEテレ『〈美の壺選〉京都のハモ』から※旬の7月。祇園祭りのころ、京はハモ一色に染まる。なんと1日10㌧ものハモが出荷されるという。盛夏から秋にかけては、情緒あふれる〈名残りハモ〉のことばも

【新聞テレビから】
☆『〈サイエンスZERO〉七夕特集! 天の川銀河の姿に迫る=115億光年離れた銀河系、アンドロメダ銀河との関係は』(3日夜、NHKEテレ)、『〈Mr.サンデー・恩返し〉小田原城から熊本城へ 400年前、小田原地震の際、小田原城が熊本城から地震見舞いを受け、助けてもらった時の恩返し』(3日夜、東海テレビ)
☆『〈サンデー版 世界と日本大図解シリーズ№1258〉南極観測60年』、『バングラテロ7邦人死亡』『JICA(国際協力機構)協力社員1人救出 軍制圧人質計20人犠牲 実行犯6人射殺1人拘束』『政府専用機きょう派遣』、『〈通風筒〉◇…紀伊半島の景勝地、三重県熊野市紀和町の丸山千枚田で二日夜、害虫駆除や豊作を願う行事「虫おくり」があった。棚田の数と同じ千三百四十本のろうそくがともされ、山里は幻想的な雰囲気に包まれた……』、『子の自立援助寄り添い10年 NPO「パオ」9日名古屋でイベント=愛知総合版』、『桑名市議 万引容疑で逮捕 アウトレット店でネクタイ9本』(3日付、中日朝刊)
☆『テロ 日本人7人殺害 JICA委託社員 バングラ首都 計20人犠牲』『厳戒 雨のダッカ』『神の名借り 凶行 コーラン言えぬ人襲う 助け出してくれ 途切れたメール』『「ラマダン明け危険」 JICA注意喚起していたが』『親日の国に衝撃 断食月外国人多く 華やぐレストラン暗転 沈痛在日バングラ人「冗談かと」』(3日付、毎日朝刊)

七月二日
 きのうに続き、暑い1日。ニンゲンたちは。いや、ニャンちゃんやワンちゃんたち。鳥たちも。雑草たちだって、同じだ。皆ヘロヘロになって、今という時を生きているのが、よく分かる。全体、この世には悪い奴なぞいない。皆、それぞれに勝手な意識を抱きしめて。多少の差こそあれ、懸命に生きている。町に出て。前に向かって歩いている人びとの姿を見れば、それが分かる。それが高齢者ともなれば、なおさらだ。

〈暑さになんか、負けないぞ〉亡きボス猫こすも・ここの後を継いで、わが家を守る御年21歳の次女猫シロちゃん。きょうは1日同じ場所にいた=自宅にて。2日午後
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 日本列島は高気圧に覆われ金沢と高岡で37・0度を記録。全国32地点で最高気温が35度以上の猛暑日となり、熱中症で630人が病院に搬送され、34・7度を観測した京都では61歳の男性が外出中に倒れて意識不明の重体に。悪魔はどこにでもいる。

 自業自得といっていいのか。ニンゲン社会には相変わらず不幸の連鎖が相次ぐ。本日2日未明(現地1日夜)、バングラデシュの首都ダッカの飲食店を武装グループが襲撃、軍と治安当局は発生から10時間後に店内に突入したが日本人7人(男性5、女性2人)を含む20人が犠牲になった。銃撃戦の末、実行犯6人を射殺し1人を拘束したという。
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 夜。名古屋に住む姪の久美ちゃん夫妻が訪れ、現在病気闘病回復中の義父で「熱砂」同人、平子純さん(本名は土屋純二さん。元「つちやホテル」社長)の大作『翻弄 第一章 名古屋駅裏編』(91ページの小冊子。発行者「もおやぁこ観光」。発行日二〇一六年六月吉日)を持参。さっそく手にとって読み始めたが、名古屋に関する記述で歴史的かつ記録価値も高いので、ご本人の土屋さんとも相談し出来るだけ早い時期に「熱砂」紙上でも公開したく思う。

 平子さんの〈翻弄〉の書き始め部分
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 風呂から上がり読書を始めたところへ、自宅に未明(7月3日)の電話。こんな夜中に一体なにごとか、と受話器を手にする。詩人の最匠展子さん(日本ペンクラブ名誉会員。〈微笑する月〉で日本現代詩歌文学館賞、現代詩文庫187「最匠展子詩集」など)からで「イガミさん。元気? 書いている がんばってよ アタシだれよりも貴方のこと 応援しているのだから。アタシねえ、いま生と死の境をさまよっているの。……」とだけ話すと「じゃあね。東京にきたら、いらっしゃいよ」とだけ話され、彼女にしては案外早く切れた。でも、お元気そうで何よりだった。
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 中日新聞の夕刊文化欄【週刊読書かいわい】の〈文学一般 清水良典 ■伯爵夫人(新潮社)蓮實重彦 ポルノ仕立て反戦小説〉を読んでいて思わず一匹文士として「なんだこりゃ、いかんな。甘すぎる」の嘆息が漏れた。
 筆者は、このなかで「これはポルノ仕立ての反戦小説に他ならない。」と迎合して筆を置いているが、果たしてそうだろうか。はっきり言わせてもらおう。何の権力かは知らない(それはマスコミ各紙を牛耳ったつもりでいる権力? それとも商業主義を追い求めてセットされた時代遅れの文壇・出版界への迎合権力? かも)が、あれほどの文芸評論家がこんなことを書いていたのではダメだ。何を媚び、かつおもねいて訳の分からんことを書いているのか。やっぱり只者に過ぎないのか。

 それとも罪つくりにも仕事上、書かせられたのか。いや書いたのかと思うと、腹立たしさすら覚えた。いやいや彼は、そんなヤワな男ではないはずだ……でも、せっかく書く機会を与えられたのなら、文学者として一番大切な真の【矜持】というものに辛口で触れてほしかった。おそらく名も無き人々の多くは「この作品が。なんで」と思っているに違いない。あとは自分で考えろ、と言いたい。
 ちなみにくだんの最匠さん曰く「イガミさん。人間とは、ね。誰もかもが、み~んな権力に弱いのだから。特に文壇なんて、その典型。そういうものなのよ。おもねいていなければ、生きてなんかいけないわよ」だってサ。伯爵夫人が読者の心を、胸を、打つ作品なのか、と言いたい。それは単にひとりよがりの私が1番嫌う低俗極まる、敢えて言えば文の基本を知らない作者の知識のひけらかしに過ぎない。一体全体、だれが、どんな顔をしてこんな下品な痴恥態文を読むというのか。それは、ごく1部の権力者たちに過ぎないのではないか。

 あえて言わせてもらおう。小説はなんでもござれ、などでは決してない。そこには、やさしさと温かさがこもった人間愛をはじめ、時には恥じらいとか奥ゆかしさ、最低限の気品というか、気高さのようなものが保てられなくてはいけない。現場に何度も足を運び、調べに調べ尽くしたうえで、書いても、書いても。それでも書ききれない、その行間ににじむ情愛、情感、悲哀こそ(ここの感性表現は、これ以上にないほど激しくてもよい)が、人びとの胸を打つ作品世界を描き出すのである。
 ところで私は、このハスミなる人物がフランス文学者、元東大総長、文芸評論家であるということは少々知るが、実際にどんな人物かとなると皆目しらない。だから軽々な事は言えないが、ただ言いたいことは安易な手法による下品な小説なぞ読む気はしない、ということだ。過去の経歴はどうあれ、権力を傘に清浄な小説社会にドタグツで入ってくることだけはやめてほしい(認める方がもっと悪いのかもしれないが)。
 たとえ高学歴であったとしても、わがままに育ってきたとどのつまりが、このありさまだ。作中に飛び交う低俗表現なぞ、思うだけで反吐が出る。私の作品という作品を読んでもっと学んでほしく思う。

 文というもの、書いて、書いて、書いて、どこまでも書き切る、分かりやすく洗練に、洗練され尽くしたものでなければ。この人物はイチからやり直すところから出発せねば。あまりにも安易かつ品がなさ過ぎる。そんな訳のわからない小説(いや、作文か。それも低レベル極まると見られても仕方ない)世界を生かしておいてよいものだろうか。太宰治はむろんのこと、谷崎潤一郎、志賀直哉も島崎藤村も嘆いているに違いない。誰よりもこの私、伊神権太が悲しんでいるのである。これも今の文壇のなせるわざと、商業ベース、文壇権力社会で胡座をかく者たちの体たらくの証明か。
 あぁ~、なんたることだ
       ×        ×

【きょうの一文・ことば】
 ごんたサン! 胸を張って。背骨を長く。骨盤と背骨を切り離すように上半身を、空高くのびきるまでに伸ばさなくっちゃあ。恥ずかしいなんてことはありません。ふわぁ~あ、とやらなくっちゃ。ふぁ~と。
=岐阜県各務原市蘇原コミュニティセンターでの社交ダンスのレッスンで。京子先生からの箴言(私としては、なかなかそうした「白鳥の湖」のバレエの2本足の白鳥みたいな姿は苦手なのだが。この際、東京都知事への立候補を決めた誰かさんじゃないけれど。崖から飛び降りる気持ちで挑戦してみっか)

【新聞テレビから】
 誕生した巨大仏画=2日夜、NHKのETV特集から。誰かさんの破廉恥極まる小説とは雲泥の差だ
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☆『〈ETV特集〉薬師寺・巨大仏画誕生 日本画の巨匠田渕俊夫』(2日夜、NHKEテレ)
☆『「逃げろ~」はじける笑顔 ナガシマでプール開き』『3横綱が土俵入り 熱田神宮で奉納』、『銃撃戦邦人ら人質か バングラ立てこもり 首都のカフェ治安部隊突入 IS声明犯人ら6人死亡情報』『IS対策怠り、事件多発』、『再投票ならEU残留多数 英世論調査 やり直しに反対60%』、『〈紙つぶて〉日本とブラジル イシカワエウニセアケミ(静岡文化芸術大教授)=……ブラジルで生まれ育ち、教育を受けた私にとって、日本は外国でした。……』(2日付、中日夕刊)
☆『木星にオーロラ NASA撮影』、『襲撃日本人人質か 飲食店に武装集団 ダッカ当局突入銃撃戦』『政府が官邸対策室』、『米新車販売1.5%増 上半期15年ぶり高水準』、『NY株続伸』、『遺伝性の乳、卵巣がん情報共有化 国内40医療機関参加 日本人の発生率探る』、『新種のシーラカンス化石 2億3000万年前の地層から』、『15人情報共有か 佐賀の教育システム侵入』、『〈16’都知事選〉小池氏支援なくても出馬 自民都連に推薦願「あらゆる形 覚悟」』(2日付、毎日夕刊)
☆『邪気射抜き 「涼」満ちる 養老で 滝開き』、『御嶽山へ慰霊登山』、『三成腹心 島左近の書状=戦国武将、石田三成の腹心だった島左近が記した書状2通が見つかった』、『年金運用5兆円超赤字 株比率 参院選争点に』(2日付、中日朝刊)
☆『芸舞妓さんと乾杯 京都・上七軒』、『〈リオ五輪〉イグアスの滝に聖火』『主将に吉田選手 夏季・女性初』、『路線価銀座18%上昇 バブル期の9割迫る』、『「死刑の意味探したい」 石巻3人殺傷元少年と面会』『判決が確定』、『自民 小池・増田氏軸に 都知事選 桜井氏の説得困難』、『熱中症疑い 女性死亡 三重・伊賀 犬山では中学生搬送』(2日付、毎日朝刊)

七月一日
 わが家に届いた2015年中日、東京、北陸中日、日刊県民福井新聞〈平和の俳句〉欄に掲載された352句が収められた小学館発行の【平和の俳句】集から
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 半夏生。ということで夕食に出されたのは、タコのさらだと焼き鯖。ご来光の下、富士山が山開き、各地で海開きもされたに違いない。

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 7月1日。この日が来ると思い出すのは昭和40年代後半、三重県志摩半島突端御座白浜海水浴場であった御座白浜シーサイドフェスティバルのオープニングセレモニーである。当時、御座漁協組合長だった山川藤四郎さんと本社事業部員もまじえ何度も事前準備を重ねたあの日々の海開きは今も忘れられない。
 新聞社で手配した本社ヘリが上空を祝賀飛行、落とされた祝賀メッセージが披露されると、いよいよ海開きで地元の人々が一斉に海に飛び込んだ。ニッポンイチ白い砂浜での一大エベントでもあった。

 7月の声を聞いたところで、きょうは各地で活躍する「熱砂」同人全員に暑中見舞いを兼ね、それぞれが大いなる飛躍を求め、果敢に執筆に励むようメール連絡。「短編を連作で書いています。半分ほど終わり、今月中には完成できるように頑張ります」などといった若手女性からの心強い返信も届き、各同人の頑張りが瞼に浮かぶようで〈ズンズン、ビンビン〉と、その強い気持ちが伝わってきた。

【きょうの一文・ことば】
♪平和とは一杯の飯初日の出 浅井将行(18歳)  愛知県西尾市
♪どの子にもたたかいを嫌う母がいる 御子柴光子(66) 神奈川県大磯町
 =本日7月1日に、わが家に届いた小学館発行の『平和の俳句』集(写真)から。浅井さんの俳句は昨年1月1日に、御子柴さんのは7月1日付でそれぞれ中日(東京)新聞の1面〈平和の俳句〉欄に掲載された※わが妻、伊神舞子の作品も9月24日付同欄で掲載された

【新聞テレビから】
☆『御嶽山で開山式 木曽 犠牲者弔い安全祈願』、『年金5兆円超 運用損 15年度株安で5年ぶり赤字 公表は参院選後』、『路線価 8年ぶり上昇 16年0.2% 名駅通りは14%』『〈街が変わる〉ビル続々名駅北急上昇 路線価24.6%増「リニア開通まで上がる」』、『息子がIS参加 父犠牲 トルコ空港テロ 連れ戻そうと活動中』『偽造旅券で入国か トルコテロ、ロシア国籍実行犯』、『桜井前次官の擁立断念 都知事選 自民、小池氏容認意見も』、『〈あの人に迫る 蓮池薫拉致被害者・新潟産業大准教授〉 道が開く日まで 粘り強く対話を』、『古典歌劇昆曲を上演 中国琵琶奏者のティンティン』(7月1日付、中日夕刊)
☆『富士ご来光歓声 山開きで登山者ら』、『路線価8年ぶり上昇 全国平均0.2% 14都道府県プラス』『名駅前22年ぶり高水準』、『景況感横ばい 大企業・製造業 中小は悪化 日銀6月短観』『消費者物価0.4%下落 5月 3カ月連続マイナス』、『週刊漫画誌に憲法全文付録 小学館・4日発売』、『初のヘイト条例施行 大阪市 市民団体被害申し立て』、『ゴーブ氏出馬に批判殺到 「保守党裏切りの一日」 英党首選 突然の態度変化に波紋』、『女性刺され死亡出頭の男を逮捕 浜松』(1日付、毎日夕刊)
☆『31年前の殺人再審決定「自白 新証拠と矛盾』、『オゾン層回復初確認 米大チーム分析 フロン規制効果』、『マイナス金利下 預金なぜ増えた?』(1日付、中日朝刊)
☆『英離脱派リーダー不出馬 首相候補5人の争い』、『井山永世本因坊 7冠堅持 高尾降し5連覇』(1日付、毎日朝刊)