一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年12月~)
2024年12月11日
【「核も戦争もない世界へ共に頑張ろう」 ノーベル賞授賞式 被団協 万感の平和賞】【核タブー軽視「限りない憤り」式典演説92歳田中さん切々と】(11日付中日朝刊)【核なき世界共に 被団協ノーベル賞授賞式】(11日付毎日朝刊)……。
けさの新聞は、どこもノルウェーのオスロ市庁舎で開かれたノーベル平和賞授賞式について大きく取り扱っていた。日本被団協を代表して受賞演説をした田中煕巳(たなかてるみ)代表委員(92)の「核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけない」との呼びかけを、世界の人々はどう受け止めたのか。原爆許すまじ、戦争はしないことで、こうした不幸は、2度とあってはならないのである。
ノーベル平和賞の演説の様子など大きく報道された
それはそうと。ここ数日間に私が住む地域も含め、日本中が厳しい寒さに襲われつつある。こんな寒さのなか、中日新聞の本日付朝刊【通風筒】に三重県志摩半島から望む海上に姿を見せた【浮き富士】の話題が紹介されていた。私自身、若き日々、志摩で記者生活をしていたころ、この浮き富士現象を味わったことがある。それだけに、とても懐かしく思った。かつて私が伊勢志摩の記者でいたころ、志摩の人々は上半身裸になって富士山の方に向かって浜辺に座り、センゲ、センゲ、センゲ……と言いながらお経のようなものを唱えお参りをしていた。「これは重要なことなのだよ。伊神さん」と当時、志摩郷土史会の上村角兵衛会長に教えて頂いた、あの頃が思い出される。けさの通風筒はそんな1枚だと言ってよい。
「いがみさん。阿児町志島の浜からは天気が良いと時に、はるかかなたに富士山が見えることがある。だから、その日は富士を遠くに眺め、上半身裸になり下帯、褌姿でセンゲ、センゲ、センゲ……と富士山に向かって願いごとが叶うように祈るのだよ」と。角兵衛さんは、そのように、若き新聞記者に教えてくださった。なぜか、この通風筒の記事を前に若かったころのことが思い出されたのである。
確か、そんな漁どころの話題を紹介したことがあったが。おそらく、けさの記事で紹介されている【浮き富士】に向かってみんなでセンゲ、センゲ、センゲ……とお祈りをしたに違いない。というわけで私はこの記事により、懐かしいかつての思い出の場面に思いをはせたのである。
「浮き富士」が紹介された通風筒
そして。本日付夕刊はといえば、だ。【被団協にノーベル平和賞 反核、共に歩こう オスロ市民がパレードで祝福】【文学は生を破壊する全ての行為と真っ向から対立するものだ ハン・ガンさん文学賞】(11日付中日夕刊)とノーベル平和賞の続報に、ことしのノーベル文学賞の紹介が加わったのである。
(12月10日)
本日付の中日新聞夕刊に【故白井名誉会長 財界人らしのぶ 名古屋でお別れの会】が一段で掲載された。記事にはこうあつた。
―10月に96歳で死去した中日新聞社顧問・名誉会長の白井文吾さんのお別れ会が10日、名古屋・栄の中日ビル6階「中日ホール」で営まれた。/会場には献花台が設けられ、愛知県の大村秀章知事や名古屋商工会議所の嶋尾正会頭など政財界の関係者らがカーネーションを供えた。中日ドラゴンズの井上一樹監督や落合博満元監督、選手ら球団関係者も参列。大島宇一郎社長と白井さんの長男の伸明さんが立礼で参列者にあいさつした。
白井文吾さんお別れの会は中日スポーツでも報じられた
デ、わたくし伊神権太のこの日の行動といえば、だ。やはりお世話になった白井さんに、何よりもお礼を言いたくなって名鉄犬山線と地下鉄を乗り継いで名古屋・栄の中日ビルへ、と急いだのである。
というわけで、先日、亡くなられた中日新聞の顧問・名誉会長だった、あの白井文吾さんの「お別れの会」に行ってきた。白井さんには、それこそ社会部(小牧通信局長時代含む)当時から能登半島七尾支局長時代(当時。白井さんは北陸本社代表)のあとも大垣、大津、一宮各支局長、この後も文化芸能局、編集局デスク長、さらには定年後の中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当時代に至るまで、それこそ、言葉には言い尽くせないほどずっとお世話になりどおしだった。
なかでも公式ファンクラブスタッフ当時はドラゴンズの白井文吾オーナーの下、あの落合博満監督率いるドラゴンズの黄金時代まで多くのファンのみなさまと共に日本一の喜びに浸らせてもらうことが出来たのである。むろん、ファンクラブのマスコットキャラクター・ガブリと共に球場入り口でお客さんを待たせて頂き、ファンクラブ通信などの取材で連日、ハードな日々を過ごすーなどそれはそれなりに大変な時代でもあった。でも、あのころトップに何よりも新聞販売店を重視した白井文吾さんの存在があればこそ、我々スタッフと落合信者をはじめとする多くのファンが一丸となって歩いてこられた。このことは間違いないのである。
というわけで、白井文吾さんのお別れの会にはそうした過去の経緯があっただけに、どうしても、たとえ一言だけでも遺影を前に直接、お礼を言いたくて出かけた。そして。場所は、最近、建て替えられたばかりの中日ビルディング六階ホールである。
――私は、この日、白井さんの遺影を前に一本の花を献花。前に進み出て遺影を前に白井さんの顔を見つめ「長年の地方記者生活の間、わたくしはじめ、妻、家族が小牧はじめ能登半島七尾でも大変、お世話になりました。ありがとうございました」と頭を下げた。黙って語りかけたあとは、ただ深い涙が激流となって全身の芯の部分から立ち上がり、あふれ出てくる気配を感じ、最後に別れの目礼をし、辞したのである。
そして。軽く目礼をして帰るときのあの声「ありがとうございました」と二度声をかけてくださった若き、現大島宇一郎社長には無言でそのつど深く一礼。と同時に「わざわざ丁寧にありがとう。俺がお世話になりどおし。かけどおしだったよ。どれほどお世話になったことか。こっちこそ、お礼をいわなきゃ」とあふれ出る涙を押し殺しながら、心の中で返答、頭を下げ会場を後にしたのである。
(12月9日)
本日付の中日新聞夕刊は、1面が【アサド政権崩壊 シリア反体制派首都掌握 大統領、ロシアに亡命】【強権体制50年超 歓喜と不安交錯】【尹大統領内乱容疑で捜査 韓国検察 前国防相の身柄拘束】といったものだ。いやはや、シリアと韓国が同時進行で夕刊紙面のトップを二分しているのである。
かと思えば、だ。同じ9日付夕刊で【ノートルダム大聖堂再開 パリ、火災から5年】の記事には、かつて舞と訪れた、あのノートルダム大聖堂が復活したか、と思い、どこか、ホッとした。2019年4月に火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂の修復がほぼ終わり、再開記念式典が7日開かれ、8日には再開後初のミサが執り行われ、一般公開も始まったーという内容である。ほかには【被団協代表団オスロに到着 ノーベル平和賞 あす授賞式】の記事も目立つ。
(12月8日)
日曜日。三男坊が運転する車で午前中、江南市内の「キッチンくま」へ。
わたくしが敬愛する兄夫妻と妹夫妻、そして。ひとりぽっちの私ひとりが参集。年に一度の兄妹会があったためで、兄は正義の味方(私は尊敬する兄のことを昔からそのように思っている。兄は過去、小塚ヨットスクールのリンチ事件や爆弾魔・加藤三郎らによる北海道庁爆破など数々の事件の主任弁護士を手掛けてきた)そのものの日本に誇る弁護士であり、そして妹もまた、美しさ抜群の才長けた税理士(元々、数学が得意で、数学教師だったが教師の傍ら税理士資格を取得。教職から転身し、税理士だった父の後を継いだ)である。
というわけで、私たち3人兄妹が年に一度の約束で久しぶりに集まった。そこには兄の妻の声楽家(ソプラノ歌手。音楽療法士としても、この地方の草分け的存在)と妹の夫(彼は長年、日本特殊陶業に務め半導体の研究開発で知られた。長身の二枚目である)も同席。そして俳人で歌人でもある私の妻たつ江(伊神舞子)も、と言いたいところだが、彼女は先年、ひと足早く旅立ってしまったこともあり私だけが片肺飛行の青春? といおうか。ひとりポッチの寂しい出席とあいなった。何はともあれ、久しぶりに会う兄夫妻と妹夫妻は、どちらも元気そうで先ずはひと安心。ランチを前に近況につき互いに話し合い、楽しいひとときとなったのである。
このうち妹夫妻は、つい最近沖縄に行ってきたということで沖縄・石垣島銘菓石垣の塩、すなわち〝ちいすこう〟をお土産にもらったが、これがまた格別の味で、これまで風邪気味だった私の体調がみるみる回復していったのには驚かされた。というわけで、帰宅後は、いつもの調子で新聞を詳しくチェックし、お風呂に入り、このところは剃る暇もなく見苦しいほどに茫々と伸び放題だった髭を剃り、今度は夕食をたべ、こうしてデスクに向かいパソコンキーを打ち始めたというわけだ。
ロシア外務省が反体制派の武装勢力によって政権が崩壊したシリアについてアサド大統領が自発的に辞任した、と発表。歌手で俳優の中山美穂さん(54)が自宅浴室で死亡していた件で警視庁は8日に行った解剖の結果や現場の状況などから「検死の結果、事件性はなく、入浴中に起きた不慮の事故(ヒートショック)によるものと判明した」点を明らかにした。また死因については遺族からの要望があるとして明らかにはしていない。
2024年12月7日
きょうは大雪(たいせつ)。雪が激しくなり、降り積もるころで、地面に霜柱が立ち、朝夕には池や川に薄い氷が張るようになる(二十四節気)、そんなころだ。なんだか、アッという間に冬が駆け足でやってきた気がする。そういえば、きょう7日は死者が約1200人、全壊・流失家屋が2万戸を超えたとされる昭和の東南海地震(昭和19年12月7日、紀伊半島南東沖を震源に発生。マグニチュード7・9)から80年になる。まさにその日である。
夜。韓国国会が尹大統領の弾劾訴追案を否決。
風邪がなかなか治らない。体温は平熱、頭、喉も痛くはないのだが。鼻水が止まらず、ちょっと憂鬱である。だから入浴は久しぶりに思い切ってやめることにした。
このところは岐阜県多治見市の文芸祭に寄せられた文芸作品のうち小説部門の審査に追われて半ば自宅で缶詰め状態だったばかりか、「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会の要請で文学者の会ホームページで連載している月に一度の【文士刮目】の執筆、出稿……、そこに加えて。つい先日に終わった社交ダンスのメダルテストに向けてのたゆまぬレッスンなど。正直、満78歳というこの歳になってなお休む間がない日々に追われてきた。
だから、〝さすがのガミちゃん(私の愛称)〟も自分では自信のある体力に少しだけガタがきた、と言ってよさそうである。というわけで、息子から渡された葛根湯(かっこんとう)とやらを飲んで、こうしてペンを走らせている。ちなみに今回公開された文士刮目は第43回目で、タイトルは<能登半島地震と豪雨水害の復興応援歌【能登の明かり】がCDに>である。
アドレスは以下のとおりである。
https://dgp-bungaku.com
【韓国大統領「心から謝罪」 戒厳令巡り 今後、与党に一任 弾劾訴追案今夕採決】【フィギュアGPファイナル ペアりくりゅうが2位 ジュニア女子日本勢メダル独占】とは、本日7日付の中日新聞夕刊。同じ7日付の朝刊には【中山美穂さん死去 54歳、自宅浴室で発見】の悲しいニュース。いつも前を向いて歩き続けた努力の女性、好きな歌手だっただけに、残念無念な旅立ちとは、このことか。中山さんの旅立ちは、中日スポーツでも大きく報じられた。合掌ー
(12月6日)
【音の日】だそうだ。
南米パラグアイで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会が4日(日本時間5日)、日本酒や本格焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録。新聞報道によれば、だ。岐阜県飛騨市古川町で150年以上の歴史を持つ酒蔵「渡辺酒造店」は、無形文化遺産登録をお祝いするセレモニーを店頭で開いたという。「日本酒を飲むことが伝統文化の体験につながる。酒造りの魅力をさらに発信したい」とは、渡辺久憲社長(56)。その言や良し、である。
金曜日なので社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。きょうからは、新たにこんどはクイック・ステップへの挑戦が始まった。社交ダンスのレッスン続行は、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)との永遠の約束だけに、生きている限り、守らざるを得ない。このクイック・ステップ。きょうのレッスンでなんとか足の運びはマスターできたような、そんな気がする。それから。先日あった検定試験(メダルテスト)のスタンダード2級(スロー・フォックス・トロット)の成績表を先生から渡された。
先生から「ごんたさん。よくがんばったね」と渡された成績表
(12月5日)
【「酒造り」無形遺産登録 ユネスコ日本酒や本格焼酎】【仏 内閣不信任案可決 マクロン大統領も窮地】【大統領弾劾案与党反対へ 韓国一時戒厳令 野党、7日採決意向】【企業献金「禁止より公開」 衆院予算委で首相 裏金再調査拒否】とは、本日付中日新聞の1面見出し。アレヤコレヤと、せねばならないことがあり過ぎ、きょうの一匹文士は合間を縫って、これだけ書くのが大変である。でも新聞があるので要点を記録しておける。
(12月4日)
水曜日である。きょうは月一回診ていただいている定期診療で名古屋・金山のペインクリニックへ。前回して頂いた血液検査の結果につき一覧表で説明して頂いたが、担当医がおっしゃられるには「腎臓も、肝臓も、すい臓も内臓はどこも特に問題ありません」とのこと。きょうは、いつものように血圧測定もしていただいたが正常値で、血圧の薬など常備薬を手に帰宅した。
ただ、これら検診結果とは別に、このところの激務などでここ数日間は殆ど寝ておらず体力の衰えどころか、のどが痛くて咳が出て、ようやく生きている-といえば言い過ぎか。いずれにせよ、自身の小説執筆も合わせ胸突き8丁の日々をどうにかこなしている、とでもいえようか。それでもこうして原稿を書いているのである。
帰宅したところで、たった今、手に玄関を開けるのに使ったばかりの鍵が行方不明に。30分ほど探しまわったが、外出時には常時手にしている小銭入れに入っており、ヤレヤレで発見と同時に疲れがドッと私を襲ったのである。やはり、年なのか。
日本ペンクラブの大先輩で何かとことのほか、よくして頂いた作家小中陽太郎さんが3日、老衰のため亡くなった。90歳だった。小中さんといえば、NHKでバラエティー番組やドラマの制作に携わったばかりか、作家の小田実さんらと「ベトナムに平和を! 市民連合」の活動に参加したことでも知られる。日本ペンクラブの専務理事も務められた。私が地球一周の「ピースボートの船旅」から帰国した際には、有志で帰国を祝う会まで開いて頂き、その懐の深さと広さには今も敬服、感謝している。小中さん。お疲れさまでした。これまで何かとありがとうございました。合掌―
【韓国大統領「戒厳」を解除 宣言から6時間 軍撤収 野党即時退陣求める 弾劾が平和/もう信じられぬ 国会前で市民ら】とは、中日新聞の 4日付夕刊1面見出し。まったくもってこの世の中、何が起きるか知れたものでない。【堀田力さん死去 元検事ロッキード事件捜査】(中日新聞夕刊)の訃報も。
(12月3日)
【ヒズボラ 停戦後初攻撃 イスラエル、直後に反撃】【シリア要衝奪還へ「反攻」 アサド大統領 イランが支援強化】とは、3日付の中日新聞夕刊の見出しだ。それにしても、人間とは何故にこれほどまでに愚か極まる戦争が好きなのか。そこが分からない。
多治見市文芸祭小説の部に寄せられた力作の数々にあらためて目を通す。近年、時折、散見される独りよがりで何を言わんとしているのか、がさっぱり分からないプロ? という名のまだまだ力のない作家たち(もちろん、全部とは言わないが)。彼らよりも数段上の作品を何編か読むことが出来、つくづく良かったな、とも思う。
(12月2日)
気象庁が、ことし秋(9~11月)の日本の平均気温が平年より1・97度高かったーと発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年(プラス1・39度)を大きく上回り、3年連続で最も暑い秋となった。過去最高だった夏から暑さが続いた一方、最新の3カ月予報では、冬は全国的にほぼ平年並みの寒さになる見通し。寒暖差が大きく、四季を感じづらい傾向が続いており、気象庁は秋の高温は「異常気象」だとしている。
ことし話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024年ユーキャン新語・流行語大賞が2日発表され、宮藤官九郎さんが脚本を手がけたドラマ「不適切にもほどがある!」を略した【ふてほど】が年間大賞に選ばれた。トップテンには、ほかに自民党派閥による【裏金問題】や、闇バイトを募集する際の誘い文句【ホワイト案件】などが選ばれた。
(12月1日)
伊吹山が、この冬初の冠雪をし、流れ星が空をながれたこの日。私は名古屋の平針新公民館へ。愛知県ダンス検定委員会のスタンダード2級のスロー・フォックス・トロットに挑み、なんとか合格証を頂いた。社交ダンスのレッスン続行は亡きわが妻、愛するたつ江(伊神舞子)の私に対する永遠なる遺言でもあっただけに、その言葉を順守、おかげで健康維持にも役立って何とかここまで続けてこられた。幸い、良き先生(若原さん)はじめ、悦ちゃんにヨシコさん、水谷さん、そがべさん、おトキさんら良きダンス仲間の皆さんにも恵まれ、遠い山道を登るようにして、どうやらこうやら、ここまでやってこられた。それだけに、前回のモダン(ワルツ、タンゴ)に続く合格証書は私にとっては久しぶりにとても嬉しく、かつ価値あるものになった。これも若さんはじめ、ダンス仲間の皆さんのおかげがあればこそで、感謝している。
というわけで、私はこの日、バブル全盛期のころ、新聞社の七尾支局長在任当時に七尾市内の洋服店(七尾青年会議所のメンバーが経営していた)でエイ、ヤアーッと26万円也で購入したブラックカシミアジャケットに、それこそ何十年ぶりかに袖を通した。そして当時、能登半島を米国西海岸のフィッシャーマンズワーフのように育てよう-と<港の町づくり運動>を進めていた七尾青年会議所がつくった、あのマリンシティーのネクタイピンを胸につけ、スロー・ソックス・トロットに挑戦。幸い、名匠の教えにダンス仲間の助けもあって、なんとか辛うじて無事、技術検定試験をパスすることが出来たのである。私は帰宅するや、仏の舞【静汐院美舞立詠大師】に報告したのは言うまでもない。
運よく頂いた合格証
一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年11月~)
2024年11月30日
午後3時過ぎ。買い物から帰り、自宅前の車庫にマイカーを入れようとしたところへ。今は亡きシロちゃんに可愛がられていた2代目こすも・ここ(タンゴ)が現れ、車に近づいてきた。危ないので私は2代目に向かって「ここ。車には気をつけるのだよ。怖いよ。シロの二の舞だけは食わないように」と言うと2代目こすも・ここはしばらく立ち止まったまま、私の顔を食い入るように見つめてきた。「お父さんの言ってること。分かる? 車にはくれぐれも気をつけるのだよ」と私はあらためて二代目の目を見つめ、諭すように言ったのである。
2代目は「わかった」と頷くと、何度も何度も振り返りつつ目の前を立ち去ったのである。
石破茂首相が29日、衆参両院本会議で所信表明。衆院の少数与党として「他党に丁寧に意見を聞き幅広い合意形成が図られるよう謙虚に取り組む」と表明。年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」を巡っては「2025年度税制改正で議論して引き上げる」と明言。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革に関しても法整備を含め年内に結論を出す考えを示した。
朝刊によれば、政府の認知症施策の指針となる基本計画が29日まとまった。1月に施行された認知症基本法に基づく初の策定で重点目標として認知症がある人の意思尊重を掲げ、就労を含めた社会参加の機会確保など12項目を推進すると明記したという。石破首相は首相官邸で開いた認知症施策推進本部会合で「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会が必要で、認知症になっても地域社会で安心して生活できる〝新しい認知症観〟の普及を図りたい」と話したという。
1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した元プロボクサー袴田巌さん(88)=浜松市=が29日、東京・後楽園ホールでプロボクシングの試合の一部を観戦。同行した姉ひで子さん(91)は、この日リングに上がって「弟は58年間闘い続けてやっと勝ちました。みなさんの応援のおかげです」と感謝を述べた。人生いろいろである。
(11月29日)
紅葉の名所、愛知県足助町の香嵐渓で約4000本のモミジが赤や黄色に染まり見ごろに。新聞報道によれば、ことしは例年より2週間遅いというが、好天に恵まれた28日は多くの人々が川沿いを散策したという。囲碁の第50期天元戦5番勝負の第4局が28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後3時31分、黒番の一力遼天元(27)=棋聖、名人、本因坊=が挑戦者の芝野虎丸九段(25)に123手までで中押し勝ち。一力は通算成績3勝1敗で初防衛を果たし、四冠を堅持した。
【Gグラブ岡林なお向上心 3年連続受賞 プロ野球 「まだまだ思い切ってやる」 三井ゴールデングラブ賞】とは、29日付の中日新聞運動面の見出しだ。中日ドラゴンズの岡林勇希外野手が守備のベストナインに相当する【三井ゴールデングラブ賞】に3年連続3度目の受賞をしたというドラファンにとっては、とても嬉しいニュースである。
いつもなら毎朝顔を出す半ノラ、二代目こすも・ここがけさは寒くなったためなのか。いつもの場所に顔を出さない。どこか、ほかの家に行っているのだろうが。毎朝、顔を見せてくれて今は亡きシロちゃん、オーロラレインボーとも仲良しで、いや家来のようであっただけに心配である。何もなければ良いのだが。
(11月28日)
【検事正袴田さんに謝罪 静岡地検「犯人視することない」】【イスラエル・ヒズボラ停戦 レバノン「60日間」米が合意発表】【07年小2刺殺疑い再逮捕 兵庫県警45歳男調べに黙秘】【猪口議員宅で火災 都内マンション 本人無事、1人死亡】(いずれも28日付の中日新聞見出し)……など。この世は、いろいろある。
中に【★石川県、関連死12人追加】の一段ベタ記事があり、次のような内容だった。
―石川県は27日、能登半島地震による災害関連死の審査を行い、新たに七尾市、珠洲市の計12人を認定すると決定。地震の関連死は新潟、富山両県の計6人を含め247人となり、建物倒壊などによる直接死227人と合わせた死者数は474人に上る見通しとなった。
そして28日付の中日夕刊はといえば、だ。【街一変 思い出壊され 停戦直後のレバノン首都 空爆で避難の住民ら帰還】というものであった。また同日付の日経夕刊は【メキシコ「米雇用40万人減」 トランプ関税に警告】【閣僚候補に「爆弾仕掛けた」 FBIが捜査】と気になる内容である。
2024年11月27日
朝。新聞を開く。
能登地方での地震を伝える27日付中日新聞朝刊
やはり最初に目がいくのは、昨夜遅く起きた私が愛してやまない土地、能登半島でまたしても起きた地震のことである。シロちゃんの後継である半野良、2代目こすも・ここちゃん、人呼んでタンゴ(この愛称は、社交ダンスを愛するわたくしがシロちゃん=オーロラ・レインボー=が健在だったころ、レインボーと相談して名付けた経緯がある。2代目は、この呼び名をたいそう気に入ってくれているようだ)は、いつもの場所、居間に面した板敷き縁で朝食をすませるや、早くも現地に急行したようで、今は姿はない。こうした現場100回の姿勢、機敏な行動は、ありし日の先輩猫シロそっくりでもある。「気をつけてね」と私。
ありし日の愛猫シロちゃん(オーロラ・レインボー)
ほかに印象的なニュースといえば、だ。【世界最高齢男性 英国の112歳死去】【百合子さま「斂葬(れんそう)の儀」 夫三笠宮さまと同じ墓に】【停戦交渉「合意目前」 米高官イスラエルとヒズボラ】(いずれも中日新聞見出しから)といったところか。
(11月26日)
火曜日。晩秋。寒い朝だ。
あれやこれやと忙しくて、なかなか本欄「一匹(いっぴき)文士」を書いている時間がない。かといって、書かないでいたら、わが社会を見る目と筆力はその分衰えてしまう。世情を常時、キャッチし続けるわたくしならでは、の文を編むといった日々のちいさな夢さえ途絶えてしまうのである。
このところは、連日、岐阜県下のある自治体の文芸祭の作品(小説)の審査に追われているのだが。どんなに忙しかろうが、だ。私の場合、ささやかなる小説執筆以外にはせめて本欄・一匹文士だけは、書き続けなければ。その時々の世の中の流れといおうか。人々の心の動きもあわせ、社会の主な動きだけはしっかり押さえておかなければ、と。そうした強い意志の下、私はきょうもこうして書き続け、生きてゆくのである。
というわけで、本日の主な動きといえばだ。【「中国に10%追加関税」トランプ氏 メキシコ、カナダ25%】【トランプ氏の起訴取り下げ 21年議会襲撃事件】【百合子さま「斂葬の儀」 秋篠宮ご夫妻、首相参列】【アマゾン 独禁法違反疑い 公取委、日本法人立ち入り】(いずれも26日付中日夕刊見出し)……といったところか。
ほかには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がこの日すなわち26日午前、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンを地上で燃焼させる試験を鹿児島県の種子島宇宙センターで行ったが、異常燃焼が起きて火災が発生。このエンジンは、昨年7月に秋田県の能代ロケット実験場で行った試験でも爆発事故を起こしているーといった不幸なニュースが【ロケット試験再び事故 イプシロンS、異常燃焼 種子島】の見出しつきで報じられた。
――と。ここまで書いたところでグラリと少し揺れたように感じ、傍らのラジオをつけると、まもなく「ただいま午後10時47分ごろ、石川県能登地方で強い地震がありました。輪島市と志賀町で震度は5弱。震源地は石川県西方沖です。志賀原子力発電所は1、2号機ともに運転停止しており、これまでのところ異常はありません、とのことだ。いずれにせよ、災害はいつ何時に天から降ってくるのか。知れたものではない。地震は私たちが住む、ここ尾張でも少し揺れ、瞬間的にヒヤリとしたが、被害はなさそうである。
(11月25日)
月曜日。午後11時前。おかあさん(伊神舞子)に続き、愛猫シロまでがいなくなってしまったわが家はやはり、寂しく、かつ静かだ。こんな時に、私の傍らにいつも居てくれたあの愛猫、超お美人さんだったシロちゃん、オーロラ・レインボーがいてくれたなら、どんなに幸せか-と思う。だが、その彼女は過日、車に跳ねられ死んでしまったのである。わたくしには今もシロちゃんが自ら車に飛び込んだ自殺に思えて仕方ないのである。
あ~あ、なんたることなのだ。なんたる皮肉なのだ、と。シロは「あたしが家にいると、オトンは、おかあさん(たつ江、舞)が生きていたころのように自由に外に出ることが出来ない。あたいがいない方がオトンはその分、外に取材などで自由奔放に出かけられる。だから、アタイなんて。いない方がよい」
賢かったシロちゃんのこと。私にはそう思われて仕方がないのである。
(11月24日)
大相撲九州場所は千秋楽結びの一番で21年ぶりの大関相星決戦となり、共に13勝1敗同士で大関琴桜と大関豊昇龍が対戦、琴桜がはたき込みで豊昇龍に勝ち、14勝1敗で初優勝。
注目の名古屋市長選は24日投開票され、無所属新人で前副市長の広沢一郎氏(60)=日本保守党、地域政党「減税日本」推薦=が、前参院議員の大塚耕平氏(65)=自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党推薦=ら無所属新人の6氏を破って初当選。広沢氏は選挙戦で市民税減税と市長給与削減、名古屋城天守閣の木造復元化という前任の河村氏の看板政策を「丸ごと引き継ぐ」と訴えたほか、河村氏とともに街頭活動を精力的に行い、交流サイト(SNS)の発信にも力を入れていた。
夜。NHK総合でNHKスペシャル【雪冤(せつえん)の歳月▽袴田事件・10年の記録 知られざる姉弟の闘い 獄中記した生への叫び 無罪信じ弟を支えた姉】を見る。「おまえは罪のない身でありながらいつになったら自由を取り返せるのか」と嘆く姉のことばが私の胸にズシリと突き刺さった。
(11月23日)
石川県が22日、能登半島地震の影響で心身に負荷がかかり亡くなった災害関連死の認定が建物倒壊などによる直接死を上回った、と発表。関連死は新潟、富山両県で認定された6人を含めて計235人となり、2016年熊本地震による熊本、大分両県での認定数222人を超え、これで直接死と合わせた能登半島地震の死者は計462人となった。また、石川県内ではこれら地震に加え、9月に記録的豪雨被害を受け、11月19日時点でなお474人が避難生活を余儀なくされているという。
厚生労働省は22日、全国約5000の定点医療機関から11~17日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が9406人で1機関当たり1・90人だったと発表。前週比1・29倍で約3カ月ぶりに増加に転じたという。
警視庁浅草署捜査本部は22日、東京都台東区の夫婦が不凍液に含まれる有害物質を摂取させ次女と夫の父親や姉を殺害した疑いで逮捕された事件で、2018年に死亡した母親にも有害物質を摂取させて殺害したとして、殺人容疑で、いずれも元会社役員の細谷健一容疑者(43)と妻の志保容疑者(38)を再逮捕。
(11月22日)
夕刊(中日)は。【大谷3度目満票MVP 両リーグ達成58年ぶり指名打者専任で初 守備に就かないマイナス「走攻」で大幅カバー】と【ロシア「最新中距離弾」 長射程攻撃に報復措置】【コメ58・9%上昇過去最大 10月消費者物価 流通量減など影響】(いずれも見出し)といったところ。なかでも米大リーグで史上初めて「50本塁打、50盗塁」を達成したドジャースの大谷翔平(30)が21日、ナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれたニュースは、エンゼルス時代のアメリカン・リーグで獲得した2021、23年に続き、投票者全員から1位票を獲得する満票での受賞。3度目の選出は歴代2位に並ぶもので称賛に値する快挙だといってよい。たいした男である。
きょうは午前中に近くの歯医者さんへ。月に一度の歯のメインテナンス治療のためである。時々チクチク痛むところ、以前に抜歯していただいた上奥歯の痕を診ていただいたが、特に異常はなく心配ない-とのことなので、ホッとした。と同時に現在、辛うじて残る歯は、これから大切にして長持ちさせなければ、とけなげにも、そのように思った次第である。
(11月21日)
NHKの名物解説で知られた、あの大相撲の第52代横綱北の富士の北の富士勝昭(きたのふじ・かつあき、本名竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)さんが、12日午前、入院先の都内の病院で死去。82歳だった。北海道旭川市出身。葬儀・告別式は故人の遺志により、20日に近親者のみで行われたが、12月18日に八角部屋でお別れの会が開かれるという。そして訃報は、今ひとつ。あの自転車を漕いでのNHK・BSの旅番組【にっぽん縦断 こころ旅】などで人気を博した俳優の火野正平(ひの・しょうへい、本名二瓶康一=にへい・こういち)さんが、14日、自宅で死去。75歳だった。
世の中。大切な人が相次いで亡くなっていく。そうした運命のようなものには、決まって非情な何かを感じるのである。きょうは大きな被害をもたらした9月のあの能登半島豪雨の発生から、まる2カ月。そしてわが家では家族にとってかけがえのない愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて命を落として丸1カ月の、その日でもある。一体全体、誰があのかわいいシロちゃんをひき殺してしまい、知らぬ存ぜぬでいるのか。私はその非情を決して許さないし、忘れもしない。せめて謝りにでもこれないか-と思うと怒りがあらためてメラメラと立ち上ってくるのである。
それにしても、シロを引いておきながら知らんぷり、を装っているだなんて。私は決して許さない。永遠にだ。でも、謝りに顔を出してくれたのなら、許さなければ、と。そのように思っている。
(11月20日)
水曜日。
本日付の中日新聞夕刊文化・芸能面の【大波小波】に<戦争と悪>のタイトルで私も知る五十嵐勉さんの『亜細亜二千年紀(ミレニアム)第一部「亜熱帯への召喚」』(アジア文化社)が3巻本として刊行された話題が掲載されていた。「400字詰め原稿用紙1800枚の大作だ。テーマは戦争と人間で、追い詰められた人間の悲哀、狂気、残酷や非道を描く。太平洋戦争時、敗走を続けるフィリピンで日本兵が体験した悪。さらに1970年代のベトナム戦争、カンボジア内戦、ポルポト派のクメールルージュに参加し大量虐殺に加わった若者の悲劇。戦後生まれの主人公が父の過酷な体験を知り、知人となった元ポルポト派兵士の話を聞く筋書きだ。極限状況下の飢餓で人肉食は許されるか。ひとりを殺しても何千人を殺戮しても悪は等価か。人は人を裁けるか。人間の倫理やヒューマニズムは死の淵で通じるかなど、重い主題が展開される。小生らはこの善と悪の深い問いに答えられるのか。……」とあったが、その通りである。まったく同感で、良い評論であった。
思えば、1カ月前のきょう(10月20日)、わが愛する猫のシロちゃん、オーロラレインボーは、まだ私の傍で元気で生きていた。そして。その夜。能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」のユーチューブ化を、わがことのように喜び私の部屋に入り、ニャア~ン、ニャア~ンと共に喜んでくれていたのである。それが、何がどう間違ったのか。いや狂ってしまったのか。わが愛するシロちゃん(オーロラレインボー)は、その日すなわち10月21日の朝、おかあさんの遺影にウ~ン、ウ~ンと言って近づいたあと、いつもより少し遅れて外に出てまもなく、何の因果なのか。何者かが運転する車に引かれ一命を落としたのである。
そして。その後、ひき逃げ犯は出てこないままだ。引いた自覚があるなら、謝ってくれて当然のはずなのにだ。シロの魂はどうなるというのだ。私は、シロをひき殺したまま逃亡同然に姿を消したひき逃げ犯を決して許しはしない。せめて名乗り出て謝ってほしく思っている。
(11月19日)
中部地方はこの日、冬型の気圧配置(西高東低)になった影響で名古屋市で7・1度となるなど中部6県の31地点で今季の最低気温を記録。私は40数年前、小牧在任当時に妻たつ江(俳人で歌人だった伊神舞子)に買ってもらったあったかそうな赤いガウンを今シーズン初めて羽織ったのである。
本日付の中日夕刊によれば、米国野球殿堂が18日、2025年の殿堂入り候補者28人を発表。マリナーズなどでメジャー通算3089安打をマークしたイチローさん(51)=本名は鈴木一朗=ら14人が新たに加わったという。2019年に引退したイチローさんは日本人初の選出が確実視されており、史上2人目となる満票で選出されるかが注目される。
戦後日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが13日午後10時5分、老衰のため東京・杉並区の病院で死去。92歳だった。葬儀は近親者で行った。父は哲学者の谷川徹三さん。俊太郎さんは10代で詩作を始め、1952年、20歳の時に第1詩集「二十億光年の孤独」でみずみずしい言語感覚を持つ戦後詩の新人とし注目された。
火曜日。ロシアのウクライナへの侵攻開始からきょう(19日)で1000日。バイデン米大統領がウクライナに対し、米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を容認したという。ドイツ政府副報道官が18日、米政府から容認について事前に伝えられていたと明らかにした。春と秋に花を咲かせる「四季桜」が愛知県豊田市小原地区で見ごろを迎えているという。
岐阜県本巣市の採卵用の養鶏場で毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザの感染が疑われる事例が発生した問題で同県は19日、遺伝子検査で感染を確認した、と発表。10月以降の感染確認は全国9例目で東海地方では初。県は養鶏場が飼育する約1万5千羽の殺処分に着手。このところ無差別に市民を狙ったとみられる殺傷事件が相次いでいる中国の湖南省常徳の小学校前で19日、多数の児童が車にはねられ、負傷するという事件がまたしても発生。
岐阜県池田町の発注工事を巡り、入札で業者に便宜を図る見返りに100万円を受け取ったとして加重収賄と官製談合防止法違反などの罪に問われた前町長、岡崎和夫被告(76)の判決公判が19日に岐阜地裁であり、平手一男裁判長は懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金100万円を言い渡した。
(11月18日)
知事失職に伴う兵庫県知事選が17日投開票され、無所属の前職斎藤元彦氏(47)が元尼崎市長の稲村和美氏(52)、日本維新の会を離党した前参院議員清水貴之氏(50)ら無所属の6新人を破り再選を果たした。選挙戦ではパワハラなどの疑惑告発文書で失職した斎藤氏への評価や県政の立て直しなどが問われた。この日は愛知県稲沢市長選の投開票もあり、無所属現職の加藤錠司郎氏(69)が無所属新人で市民団体代表永田千佳さん(37)を破り、3選を果たした。
米主要メディアによれば、17日、バイデン米大統領がウクライナに米国製の長射程兵器を使ったロシア領への攻撃を容認したという。ウクライナが一部制圧したロシア西部クルス州の戦線には北朝鮮兵が投入されており、バイデン氏は危機感を強め、政策を大きく転換。ウクライナ支援に消極的なトランプ次期大統領の就任が迫っていることも背景にある。ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の声明で使用する意思を表明したという。
(11月17日)
日曜日。わが家の息子が今は半分、野良猫とはいえ、亡きシロちゃん(オーロラレインボー)同様、舞にもとても大切にされた2代目こすも・ここがわが家に近づいたら、その映像を映して知らせてくれる感知映像器を戸外一角にセット。システムエンジニアならでは、の機転の対応には、さすがは息子だ、と感激した。舞が健在だったころには考えもつかなかった半野良、2代目こすも・ここ(本名はタンゴ)見参の有無の感知が室内に居ながらにして可能になったのである。舞が生きていたなら「へえ~ぇ。すごいね。すごいよ」と喜ぶに違いない。
きょうは、午後、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間でもある牧すすむさん(琴伝流大正琴幻洲会の大師範・倉知弦洲さん)から朗報が舞い込んだ。というのは、先日15日に日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで~あの日 あの時 あの歌が~をメインテーマにあった琴伝流大正琴弦洲会第四十回記念中央大会の席上、日本大正琴協会のトップから【琴伝流永世大師範第1号】の称号が牧さんに与えられた、というのである。
琴伝流大正琴といえば、あまたとある大正琴の流派のなかでも日本最大の人員を誇る流派だけに、友人としてもこれほど誇らしく、かつ嬉しいことはない。なんでも近く刈谷市文化協会からも刈谷市文化賞が贈られる、とのこと。名古屋で生まれ、名古屋で育った大正琴。その先頭になり続けての牧さんの努力は、まさに称賛に値するといってよい。おめでとう。牧さん。そして、かよ夫人。
そういえば、だ。私が新聞社のデスク長で当時、名市大でメディアリテラシーなどにつき講義を頼まれていたころ、一度だけ友人である牧さん(倉知弦洲さん)に名古屋で生まれ、育った大正琴を講義室で学生を前に演奏して頂いたことがある。あの時の学生たちの喜びようと真剣なまなざしは、今もしっかり頭に焼き付いている。
(11月16日)
土曜日。石破茂首相が15日午後(日本時間16日午前)、訪問先の南米ペルーの首都リマで、中国の習近平国家主席と初会談。東電福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止していた日本産水産物の輸入を再開するとの合意を着実に履行すると申し合わせたという。また日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係を構築する方向性を確認。石破首相は、さらにこのところの中国の軍事活動活発化に関連し「極めて憂慮している」とも述べた。日本の首相と習氏の会談は、昨年11月に岸田文雄前首相が行って以来、約1年ぶり。今回の会談は約35分間だった。
朝刊(中日)は、【強制不妊 全訴訟が集結 名古屋の原告 和解成立】【大谷「打」の栄冠総なめ アーロン・最優秀DH(指名打者)・オールMLB(4年連続)】がそれぞれ、明るい話題として紙面を飾った。また【野球の国際大会「プレミア12」の日本代表が15日、台北ドームで行われた1次リーグB組で韓国を6―3で下し、開幕2連勝を飾った】とのうれしいニュースも見られた。
夜遅く。半野良さんの2代目こすも・ここが、わが家窓下の隠れ家に帰宅。どうやら、私がおいておいた夕食も食べたようだ。わが家のお兄ちゃんが、2代目のことを心配し、セットしたカメラにその勇姿を現したためでドアの引き戸を開くと、案の定、食事を食べ終えた直後のようだった。亡きシロちゃん、2代目こすも・ここの健在には喜んでいるに違いない。
(11月15日)
宮内庁の発表によれば、上皇さまの叔母に当たる三笠宮妃百合子さまが15日午前6時32分、老衰のため入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で亡くなられた。現在の皇室最高齢で、101歳だった。太平洋戦争開戦直前に結婚して皇室入り、夫の三笠宮さまが2016年に100歳で亡くなるまで75年間連れ添った。社会福祉法人「母子愛育会」の総裁を長年務められ、出産や育児に携わる人たちの支援に尽くされた。宮内庁によれば、百合子さまの逝去で皇室の構成は16人となった。百合子さまは脳梗塞と誤嚥性肺炎で3月3日に入院、治療を続けておられたが、その後、今月7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能が低下していることが分かったという。
百合子さまは1923年6月4日、高木正得(まさなり)子爵の次女として生まれた。女子学習院本科を卒業し、41年10月に昭和天皇の末弟三笠宮と結婚。5人の子に恵まれた。公務では、戦後間もない1948年から60年にわたって母子愛育会の総裁を務めたほか、日本赤十字社の名誉副総裁も務められた。
きょうは私たちウエブ文学同人誌「熱砂」同人でもある牧さん(詩人で琴伝流大正琴弦洲会の会主・大師範)率いる大正琴弦洲会の【第四十回記念中央大会~あの日 あの時 あの歌が~】が名古屋市の日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(旧名古屋市民会館)で開かれ、さぞかし多くの観客に喜ばれたに違いない。あいにく、わたくしは岐阜県下のある自治体の文芸祭に寄せられた作品(小説)審査や社交ダンスの検定前のレッスンなどにも追われ、行くことは出来なかったが「熱砂」からは編集委員の黒宮涼さんが観客として観覧して下さって、「よかったな」と思っている。
私の妹(税理士)が午前中、ひょっこりわが家へ。「あす、滝のクラス会があるので」と「能登の明かり」のCDを4枚お買い上げいただいた。1枚500円なので、これにより能登への義援金2000円がまた加算された。妹よ、ありがとうーとは、このことか。
社交ダンスの方は、作品審査や各新聞のチェックの合間を縫っての、とてもハードなものとはなったが、タンゴ、ワルツのあと、今回の検定種目であるソロの順にレッスンに挑んだ。それでもステップを繰り返し踏むうち、なんとかいけそうな気がしてきたから不思議なものである。社交ダンスのレッスン続行は亡き妻伊神舞子の遺言ともいえる至上命令だけに、生きている限り、これを止めるわけにはいかないのである。
(11月14日)
木曜日。久しぶりに布袋のピアゴ内にある美容室へ。いつもの女性に「床屋さんに行ってきましたーとならないように。自然に流して」と要望を言い、両耳にまでかぶさっている髪の毛をカットして頂いた。
夕刊(中日)は「国内で稼働する中で最も古い関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)が、14日で営業運転開始から50年となったことを伝えるニュースが【高浜原発が運転50年 老朽化や燃料搬出課題山積】の見出しで報じられていた。また同じ1面では【トランプ政権監視弱まる恐れ 米共和下院も多数派「トリプルレッド」達成】【バイデン氏と会談「今日はいい日だ」和解演出】の見出しも。こんな中、日本経済新聞夕刊は【福島第1デブリ写真公開 輸送容器から取り出し分析】の見出しで、記事には「日本原子力研究開発機構は13日、東京電力福島第1原発2号機で試験的に取り出した溶解核燃料(デブリ)を茨城県大洗町の研究所で輸送容器から取り出したと発表し、作業の写真を公開した。機構は14日からデブリの詳しい分析を始める予定」とあった。
(11月13日)
ピースボートの仲間、大の友人が大阪から車を運転してわざわざおいでになったので江南市内で一緒に食事。彼女と久しぶりに談笑した。私が最近、愛猫シロ(オーロラレインボー)を交通事故で失ってしまったので「すごく心配していたよ」とのありがたい心遣いには、またまたシロちゃんのことを思い出して涙してしまい、どう言ってよいものか。その人ならでは、の限りなくやさしい心遣いに私は、またしてもシロを思い出してしまい涙、涙の再会となったのである。でも、わざわざ心配してきてくださって本当にありがとう。嬉しく思っている。
この日は、友人がわざわざ遠いところを訪ねてくださったこともあり、久しぶりにランチをスイトピアセンターでと思い出かけたが、あいにくの休館ということで、仕方なく街中に出て、食べた。せっかく来てくださったのに、と思うとナンダカ申し訳ない気持ちでいっぱいに。結局、食事のあとは、かつて亡き妻たつ江とも、たまに訪れた【ウィーンクラブ】へ。ここで共に近況を語り合って別れた。いずれにせよ、元気そうな表情を目の前に、こちらまでが勇気を与えられた、そんな気がしたのである。
(11月12日)
あさ。8時ごろ。わが家の先代の飼い猫こすも・ここの〝そっくりさん〟だと言っていい2代目のここ(愛称はタンゴちゃん)が遠慮しながら室内に。今は亡きシロちゃん(オーロラ・レインボー)が食べていた膳で朝食をたべた。
私はいつものように、エーデルワイス、みかんの花咲く丘、能登の明かりの順でスマホのユーチューブを聞く。以前なら、いつもシロと一緒に聴いていた、その歌をである。
(11月11日)
第2次石破内閣が11日夜、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て発足。発足に先立ち第215特別国会が召集され、石破茂首相(67)=自民党総裁=が衆院本会議での首相指名選挙の決選投票で立憲民主党の野田佳彦代表(67)を破り、第103代首相に選出された。衆院での首相指名選挙の決選投票は1994年いらい、30年ぶりである。
衆院選で当選した河村たかし前名古屋市長の自動失職に伴う同市長選が10日、告示され、無所属新人の7人が立候補。10日は愛知県豊橋市長選の投開票もあり、元市議で無所属新人の長坂尚登氏(41)が現職ら3人を破って初当選した。長坂氏は市が豊橋公園内に2027年度の完成を目指す多目的屋内施設(新アリーナ)計画に反対し、公約に計画の中止とすでに締結済みの整備運営契約の解除を掲げてきた。投票率は前回比0・29㌽増の43・43%だった。
(11月10日)
ズワイガニ漁が解禁され、石川県輪島市の輪島港が能登半島地震からほぼ10カ月ぶりに漁港として本格的に復活した-とは中日新聞の本日10日付朝刊。【ズワイガニ漁解禁 港が復活 それでも輪島で海に出る 地震、豪雨 長男に励まされ】の見出しも前向きで、能登の人たちの復興にかける強い意志がビンビン伝わってくる。そんな内容の記事だった。
ほかにはフィギュアスケートNHK杯グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の報道で【大人な鍵山熱く連覇】【冒頭転倒 光る修正力】【坂本貫禄V ファイナル切符 全力全開攻めて今季世界最高点】といったところか。
夜。私が原稿を書き進める間、いつも私の傍らに座り、執筆中の私を黙って応援してくれていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)のことが思い出される。シロには今は亡き妻たつ江(俳人で詩人、歌人だった伊神舞子)ともども本当にお世話になった。たつ江はいつだってシロのことを俳句猫だ、と敬意を表していた。その彼女たちは、もはやふたりともこの場にはいない。そんなことを思ううち私の口からは「シロよ、シロ、シロ、シロ。ごめんね。シロちゃん」の声があふれ出し、思わず、あのシロの顔が眼前に思い出されるのである。取り返しがつかない、とはこのこと。あの日のシロの悲しい死を思い出すのである。
と同時に今となっては、だ。シロが生きていたころと何ら変わることなく、毎朝、わが家に顔を出してくれる半野良、すなわち2代目こすも・ここちゃん(愛称はタンゴ)のことが無性に思い出されるのである。2代目こすも・ここよ。タンゴちゃん、おまえを最後の最期まで大切にしてくれたシロの分まで長生きするんだよ、と。
(11月9日)
半のら、タンゴ(2代目こすも・ここ)がとうとう、今は亡き愛猫シロ(オーロラレインボー)がいつも食べていたわが家の台所、シロちゃんが食事をしていたところまでツカツカッと入って来て食事をしてくれ、なんだか嬉しさで飛び上がりたい、気持ちにかられた。タンゴは食べ終えると遠慮がちに外に出て行き、こんどは残りの分をシロちゃんがいたころから、これまでいつもずっと食べている台所居間横の縁側指定席で食べたのである。
そして。食事を終え、外に出るときの半のら、2代目こすも・ここは「おねん(お姉さんだった今は亡きシロちゃん=オーロラレインボー=)は、こうして家の中から外の景色を見ていたのだ」と感無量の表情で10秒ほど室内から外の景色を眺め、外に出て行ったのである。私は、その2代目の表情を目の前に、わが胸を押しつぶされるような無念と悲しさ、と同時に嬉しさを感じたのである。
2代目こすも・ここよ! 本当にありがとう。シロちゃんは、そんな2代目の姿に感無量になったに違いない。オトンも2代目のその姿には、迸しり出る涙を抑えようがなかったのである。2代目こすも、こすも・ここよ。本当にありがとう。シロも喜んでいるに違いない。
私は、こんな遠慮がちなタンゴを目の前に仮猫(かのねこ)と私の心が通じ合っていることを確信した。これからは、あわてないで。ゆっくりと。シロの後継ぎと思い、タンゴとの触れあいを深めていこう、と。そう思っている。タンゴはいつも外歩きなので、ひとつ間違えば車に跳ねられることも十分ありうるので「気をつけるんだよ」と頭をさすってやる。
(11月8日)
金曜日。シロに先立たれた悲しさは日に日に深く、どうしようもない愛の結晶となり、私の周りにまとわりついている。でも、毎日、慰めにわが家を訪れる半野良、2代目こすも・ここのためにも「きょうも生きていかなければ」と思い、生きている。
というわけで、午後、きょうも自らを鼓舞し、一宮のスポーツ文化センターへ。社交ダンスのレッスンのためで、タンゴにワルツ、ソロと踊って帰宅した。ソロは来月1日の資格審査会があるというので自らを鼓舞してのレッスンとあいなった。
(11月7日)
甲府地方気象台が7日、富士山(3776㍍)が初冠雪したーと発表。1894年に観測を始めてから130年で最も遅いが、例年に比べ気温の高い日が続いたのが要因とみられるという。6日朝には山頂の積雪が静岡県側や麓の山梨県富士吉田市から確認できたが目視観測を担う甲府地方気象台からは曇りで見えず、発表がなかった。
米大統領選は5日投開票され、主要メディアは共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)を破り、勝利を確実にしたと報じた。共和党は4年ぶりに政権を奪還。返り咲きを果たした大統領は、19世紀に第22、24代を務めた民主党のグロバー・クリーブランド以来、2人目となる。―とは、けさの中日新聞朝刊1面報道。見出しは【米大統領 トランプ氏 4年ぶり返り咲き ハリス氏敗北宣言へ】というものである。
世界が注視した米大統領選はトランプ氏が4年ぶりに返り咲いたのである。ということで日本の石破茂首相は7日、さっそくトランプ米次期大統領と電話会談し、大統領選での勝利に直接祝意を伝えたという。両氏は日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致。早期に対面での会談を調整する方針を確認したという。
一方、米大統領選で共和党のトランプ前大統領(78)に敗れた民主党のハリス副大統領(60)は6日、首都ワシントンで演説。「この選挙結果を受け入れなければならない。トランプ氏とそのチームを支援し、平和的な政権移行に取り組む」と敗北を宣言。ハリス氏は演説に先立ち、トランプに電話で祝意を伝えたという。
(11月6日)
【米大統領選投票始まる 「ひどい4年」批判締め 勝敗数日後か 「準備できた」未来協調】【立民・国民 政治改革で協力 党首会談「年収の壁」も連携】【日本の酒造り無形遺産へ 来月決定ユネスコ機関が勧告】……(中日1面見出し)と相変わらず、世界でも日本でもニュースは続く。軟派(社会面)には【酒造り 醸した魅力 無形文化遺産、中部で喜び 「次代へ」「世界へ」期待 能登の酒蔵「応援もらった」】(中日)といった嬉しい話も。
人々はこうしたニュースの波に翻弄されながら生きていく。のである。
中に【楳図=うめず=かずおさん死去 83歳「まことちゃん」「漂流教室」】の見出しも。記事には「恐怖をテーマにした作品で知られ、タレントとしても活動した漫画家の楳図かずお(うめず・かずお、本名=楳図一雄)さんが10月28日、死去した。88歳。和歌山県生まれ。葬儀は関係者のみで執り行った。胃がんを患い、施設で療養中だったという。】とあった。この世の中、毎日毎日多くのニュースが現れては消えていく。
(11月5日)
津波防災の日。
朝。いつものように朝刊各紙をチェックしたあと、【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登のあかり】の順でスマホのユーチューブで聞く。シロちゃんが生きていたころには、朝食を終えたシロも私の隣の座椅子に座って静かに一緒に聴いていた。歌を聞き終えるとシロは散歩に出るのが日課で、そうした朝が私と彼女ふたりの<生活パターン>でもあった。
でも今や、わが最愛のシロは、たつ江のあとを追うように旅立ってしまったのである。
私は、こうしていながらも今、つくづく思う。
あの日。シロが散歩に出かける時間が1分、いや、たとえ10秒でも遅かったのなら。おそらく。シロ、シロちゃんは助かっていたはずだ。そう思うと、全ての責任は私にあり、私の目からは、またしても滂沱の涙がとめどなく、落ちるのであった。
2024年11月4日
中日新聞社顧問で名誉会長でもあった中日ドラゴンズ元オーナー、白井文吾さんが10月29日、老衰のため死去。96歳だった。愛知県田原町(現田原市)出身。葬儀(喪主は長男伸明さん)は近親者で執り行ったという(12月10日に名古屋市内でお別れの会が開かれる予定だという)。10月29日といえば、だ。わが家の愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて死んでしまった10月21日から1週間後である。何ということか。シロが事前に自ら命を絶った、と。そんな気がしてならない。
白井さんには昭和の時代に社会部着任以降、本当によくして頂いた。私が長期に及んだ岐阜県庁汚職事件の取材を終え、社会部に着任したその日。当時社会部長だった白井さんは私を前に、居並ぶ社会部員を前におっしゃられた言葉を私は今も忘れない。彼はこう、おっしゃったのである。
「泣く子も黙る最年少のいがみ記者が、岐阜からわが社会部に来てくれた」と、だ。
そして。白井さんにはその後、も何かとお世話になったのである。能登・七尾では私たち家族が住む支局長住宅の屋根が台風でそっくりそのままはがされて飛んでしまった時。当時、北陸本社代表だった白井さんは、わざわざ七尾まで来て下さり「君イ、こんなところで家族みんなで住んでいるのか。大変だったな」と言ってくださるが早いか、あっという間に業者を呼んで住宅全体を改修してくださった。あの時の手際の速さ、嬉しさといったら、今も忘れない。
そして。いつだってトップでありながら、地方を大切にされるお手本的存在でもあった。能登同人一丸となって執筆した「能登人間ものがたり」の出版に当たっても理解が深く、そのこともあって地方発の能登同人による【能登人間ものがたり】(企画・編集 北陸中日新聞七尾支局 印刷オフィス4510)が誕生した、あの時の喜びも忘れられないのである。
そして定年と同時にドラゴンズ公式ファンクラブにきてくれないか-と言われ、中日スポーツに同僚とファンクラブ通信のコーナーを開設。おかげで落合博満監督率いるドラゴンズ黄金時代を味あわせて頂くーなど今から思えば感謝のしようもない。ありがとうございました。
さて、そのプロ野球だが、プロ野球の日本シリーズが3日、横浜スタジアムで第6戦が行われ、セ・リーグ3位からCSを突破したDeNAが、パ・リーグ王者のソフトバンクを11-2で下し、4勝2敗で26年ぶり3度目の日本一に輝いた。
東北電力が3日、再稼働した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を停止すると発表。原子炉の状態を確かめる計測関連機器を送り込む途中にトラブルが発生、再開を延期した。原子炉に核分裂反応を抑える制御棒を挿入し、冷温停止させ、機器を点検する。原子炉に異常はなく、外部への放射性物質の漏えいはない、としている。
10月29日の再稼働からわずか6日目での原子炉停止決定となり、今後管理体制が問われそうだ。東北電の担当者は「現時点では原因がわからない。あらゆる点検をするために原子炉を停止すべきだと判断した」と説明している。
(11月3日)
日曜日である。ニャンニャンちゃん、2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)は今朝もあのどこか心配そうな顔でわが家1階縁台から私を元気でいるかどうかを心配し、覗き込む。私は「おはよう、タンゴ(タンゴとは。2代目こすも・ここの愛称)、元気でいるか。さあ、ごはんだよ」と声をかけ、いつもの場所に置かれた食器にシロちゃんも大好きだった猫の餌、コンボを入れてやる。すると2代目はニャア~ンと感謝の声を出し、餌に寄って食べるのである。それから。わたくしは、「食べてくれて本当にありがとう」。そのようにタンゴちゃんに向かって礼を述べるのだ。
しばらくして窓を開けてシロちゃん、すなわちオーロラレインボーをはじめ先代猫ちゃんたちが眠る裏庭の墓をのぞくとナント、2代目こすも・ここは、そこに立ったままじっとし私に気付き、仰ぎ見るではないか。そんな2代目こすも・ここ、タンゴにせかされるが如く、私は裏庭猫の先代墓のお水をひとつ一つ替えてやるのである。2代目こすも・ここ、すなわちタンゴよ、タンゴ本当にありがとう。わたくしの目からは、またしても涙があふれ出たのである。
夜。NHKスペシャル【混迷の世紀「最終回」激戦トランプ対ハリス超大国の分断どこまで 欧州で高まる米国不信】を見る。アレヤコレヤと考えさせられた。
(11月2日)
気がつけば秋である。新聞には【黄金色の秋見つけた 香嵐渓ライトアップ】なる見出しが躍っている。とはいえ、きょうは雨、雨、雨の1日で、買い物の行き帰りには一部衣服がずぶ濡れになり、ピアゴの出入りを帽子をかぶったまま店と駐車場間を徒競走でもするように走って往復したりもした。
あすの文化の日に先立ち政府は2024年秋の褒章受章者を2日付で発表。受章者は786人(うち女性157人)と26団体で3日に発令される。というわけで、新聞紙面には【タイトル31期活躍続く 渡辺明さん(40)将棋棋士】【パリ団体金 大逆転呼ぶ 杉野正尭さん(26)体操選手】【レカネマブ開発に尽力 岩坪威さん(64)東大教授】といった見出しが躍っている。
きょうは雨、雨、雨で「会えないかな」と思っていた2代目こすも・ここちゃんだが午後4時過ぎ、いつもの居間隣の縁台に突然、ニャア~ンと顔を出して現れてくれた。私はさっそく「雨、大丈夫か」と声をかけ、シロがいつも食べていた猫の図柄入り食台にごはんを乗せ、与えた。雨の日でもあり心配していたが、おいしそうに食べてくれ、やれやれでホッとしたのである。
気がつくとごはんを食べ終えた2代目のこすも・ここは裏庭のシロちゃんのお墓の前で何やら感慨深げに座っているではないか。私は、ここに向かって「毎日、ありがとう。シロちゃん、きっと喜んでいるよーと言うと、涙がこぼれ落ちそうになったのである。「ここ2世、タンゴ(愛称)よタンゴ。ありがとうね。事故に遭わないように。気をつけてよね」と私。
(2024年11月1日)
日経の本日付の夕刊に【能登地震関連死218人に 4市町の19人 新たに認定】【兼六園冬の備え 雪づり始まる】【海女の絆 能登を支援 福岡・宗像と輪島・海士 450年前から縁 「長い付き合い」寄付届ける】の見出し。
なかでも<海女の絆 能登支援>の話には、わが目からポタリポタリと涙があふれ出たのである。海女さんといえば、私は真珠と海女さんのふるさとである三重県の志摩半島で今は亡き妻たつ江(伊神舞子)と共に3年8カ月にわたって地方記者生活をし在任中には連載【海女その世界】を伊勢志摩版に書き続けたことがある。だから、海女の絆という見出しに何はさておき、目を奪われた。思えば、わたくしも歳を重ねたものだ。私の連載執筆は今から50年前の話である。ふと気づくと、わたくしは今や78歳。信じられない風雪流れ旅記者のひとコマである、とでもいえようか。
というわけで、海女さんの話題には何よりも目が奪われたのである。確か、志摩の海女さんは、かつては手漕ぎ舟で済州島にまで漁にでかけていったことが魏志倭人伝に書かれていた。そんなことを思い出したのである。
一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年10月~)
2024年10月31日
けさはこの秋初めて少し「寒いな」と感じた。
季節はうそをつかない。とても正直者である。
朝のハプニング。シロと毎日コンビを組み、時にはケンカもしながら楽しく充実した日々を過ごしていた2代目こすも・ここが朝の食事時に<つぅつっ、つうー>と今は亡きシロ、シロちゃんの部屋に入ってきてくれたのである。
ただそれだけのことが、私には嬉しくてたまらなかった。のである。そして、もうひとつ。シロのおかあさんでもあった、たつ江、すなわち生前の伊神舞子がとてもよくして頂いた荒木さんにゴミ捨て場でバッタリお会いし、きのう妹がくれたみかんをお渡しすることが出来たことである。こうしたちょっとしたことが人生の励みといおうか。元気のもととなり、楽しいのである。
夜。米ニューヨーク州ヤンキースタジアムで行われた大リーグ、ワールドシリーズ第5戦でドジャースがヤンキースを7―6で破り、大谷翔平&山本由伸のドジャースが悲願の世界一を成し遂げた。これには、さすがに大谷選手の出身地である宮城県奥州市など日本中が歓喜の渦に包まれた。
(10月30日)
【女川原発2号機再稼働 被災地初 福島第1と同型 避難計画実効性に懸念 半島、離島に2000人超】【内閣支持18㌽減32% 自公政権継続「望まず」53% 全国世論調査】【国民「部分連合」前向き 政策ごと連携 連立参画は否定】とは、きょうの中日新聞朝刊の1面見出しである。事実を踏まえつつ、どの見出しもポイントをつかんでいるな、と思う。
そして。夕刊は。同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして同性カップルら7人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた東京第一次訴訟の控訴審判決で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は30日、規定を「違憲」と判断。「合理的な根拠に基づかず、性的指向により法的な差別的取り扱いをしている」として法の下の平等を定めた憲法14条1項と「個人の尊厳と両性の本質的平等」を掲げた24条2項に違反すると指摘した。
(10月29日)
妹、和代が「うちの畑でとれたから」と蜜柑を手に、たつ江とシロのお参りに来てくれた。彼女は、私が妹を自慢するのもおかしい、へんではあるが。やはり、舞、シロちゃん、そして大御所のおふくろさんと一緒でいつまでも、とても美しくてかわいく、うれしく思った。
(10月28日)
夕刊見出しは、きのう行われた衆議院選の総決算で【政権維持へ方策検討 首相、衆院選大敗受け 国会来月7日召集再考】【自民65減 立民50増 全議席確定 投票率53・84%】(中日)、【自民大敗191、立民148 衆院の新勢力215与党 野党235 自公過半数割れ15年ぶり 首相、連立拡大探る】【小泉選対委員長が辞意 自公過半数割れ「私の責任」】(日経)というものだった。要するに自民は、大敗したのである。
中日新聞の28日付の夕刊1面総合リードは以下のようなものだった。
衆院選で自民、公明両党が派閥裏金事件の非公認3人を含めても定数465の過半数を割り込み大敗したことを受け、自民は28日、政権維持の方策検討を本格化させた。石破茂首相(自民党総裁)は午前、、臨時役員会を党本部で開催した。特別国会の首相指名選挙で多数派を形成するため協議する見通し。立憲民主党の野田佳彦代表は連合本部で芝野友子会長と会い、躍進を踏まえ、野党連携を進める考えを伝えた。衆院選から一夜明け、与野党が再始動した。
要するに、自民は大敗、惨敗したのである。
(10月27日)
毎朝、決まって顔を見せ私たちを励ましてくれるこすも・ここ二世
こすも・ここ二世(愛称はタンゴ。初代こすも・ここも、私が当時から社交ダンスのレッスンをしていることから、何かの時から愛着をこめ、こうタンゴと呼んでいた)は、きょうも朝早くわが家居間のガラス窓隣の板の縁(シロが健在な時は、2匹で仲良く交替で座っていた〝黄金の縁台〟とでもいえようか)に姿を現し私からエサをもらって食べた。彼猫(かのねこ)ちゃんの姿に、わたしたち家族の気持ちが、どんなに安らいだことか。こすも・ここ二世よ、ありがとう。
食後。裏庭シロのお墓の前で二世がきのうに続き、しばらくの間、感慨深げに私に向かって顔をあげ何か言いたげな表情で無言で立つ姿には、またしても涙があふれ、止まらないのである。タンゴよ、タンゴ。毎日、本当にありがとう。おまえには、シロちゃんが毎日毎日本当にお世話になったよね。わたくしたちの二世こすも・ここのこのやさしさを私はこの先いつまでも忘れることはないだろう。
日曜日。衆議院選の投、開票日である。新聞は【政治への信頼 審判】【中部最後まで裏金攻防】(中日)【与党過半数焦点 衆院選きょう投開票】(毎日)と衆院選の攻防をトップ扱いにしている。
ほかには相変わらず【イスラエル、イランに反撃 核関連は回避 軍事施設を空爆】【正恩氏側近 ロシア入国 北派兵を統括】(中日)など。けさも物騒な見出しが目立つ。シロは、こんな世の中を憐れんで自殺してしまった。今でも、そんな気がしてならないのである。彼女は亡きおかあさん、伊神舞子と同じでどこまでも平和を求め続け、ひとつの道を歩き続けた、そんなわが子でもあった。あ~あ。
(10月26日)
ふるさと音楽家の牧さんに能登半島地震復興応援歌「能登の明かり」(歌は岡ゆう子さん。作曲牧すすむさん、編曲安本保秋さん、作詞は私、伊神権太)のCD100枚をクロネコヤマトの宅急便で送る。
能登半島地震からの復興を願った応援歌が好評で牧さんの手元にあったCDが早々と全てなくなってしまったからである。ユーチューブの方も視聴者がじわじわと増えつつあり、この歌を口ずさむ人々がひとりでも多く増え、能登復興の起爆剤になれば、と願っている。今や、おかあさんと共にお空にいるシロちゃんも心からそう願ってくれているに違いない。
(10月25日)
滝高校のクラス会が江南市内の「むさし家」であり、愛猫シロを失った直後で、あまり行く気はしなかったが、久しぶりに学友たちに会えば少しは元気も出るかもしれない-と自身を鼓舞して出かけた。
せっかくの場なのでと思い、古くからの友人で作曲家でもある牧すすむさん=琴伝流大正琴弦洲会の大師範で会主でもある倉知進さん。ウエブ文学同人誌「熱砂」同人=とつくった能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】のCDを持参すると、そこは昔からの仲良しクラスメートの証明とでもいえようか。全員が気持ちよく購入してくれ、とても嬉しく思った。
わたくしは「皆さんの善意の気持ち、心は来年被災地で開催する復興応援コンサートの席で、義援金として生かしたい、と思っています」と述べ、心からの礼を述べたのである。
「高校三年生」を歌う同窓生
滝高校歌も一緒にうたった
※ ※ ※
シロの大の友だちであった2代目こすも・ここ。彼猫(かのねこ)は、きょうの朝も心配顔でいつもシロとともに日向ぼっこをしていた居間横の縁側に顔を出した。彼猫は、今回の突然の友だち(シロちゃん)の死を十分過ぎるほどわかってくれており、悲しいけれど我慢し乗り越えなければ-といった表情が痛々しいほどでもある。
「中に入ってきてシロが食べていた食器で食事を」と促しても後じさりしてしまい、食べようとはしない。デ、いつもどおり縁側に置かれた食台にエサを与えると遠慮がちに近づき、食べるのである。
その姿がなんともいじらしく、涙さえ出てしまう。こすも・ここ2世のここよ。おまえは遅咲きの半野良ちゃんではあるが、これからはお父さんたちとは家族なのだから。元気で楽しく毎日を過ごそうよね。おまえの友だちだったシロちゃんの遺言なのだから。
おまえを見過ごすことなど絶対にしないから。楽しく幸せな毎日を過ごそうよ、ね。
2024年10月24日
かつてのシロ。
おかあさん(伊神舞子)が生きていたころ、シロは毎日、おかあさんがリサイクルショップ「ミヌエット」から帰るのを玄関先で待ち続けた(2021年7月29日写す。伊神家で)
木曜日。シロちゃん。シロ、シロ。シロ。オーロラレインボー。シロちゃん、おはよう。今はどこ? 元気でいますか。
「うぅ~ん。うぅ~ん。にゃん、にゃあん」と毎朝甘えた声を出し、1階の自室から胸を張り2階のわたくしの寝室にまで上がってきてくれたシロよ、シロちゃん。おまえは、もういない。どんなに大空に向かって大声を出しても答えてはくれない。なんということなのだ。
朝。彼女が2階の私の寝室に上がってくると、私は決まって「シロ、シロ、シロ、シロちゃん。おはよう。きょうもよろしく。よろしく、ね。おかあさんはいないけれど元気でいこうよな。おにいちゃんたちも、みんなそれぞれ頑張っているのだから」とシロのあごを何度も何度もさすってやる。シロは、そのつど満足そうに〝うん。う~ん〟と答えるとゴロゴロゴロとこんどは全身で喜び、応えてくれたものである。
いつだって背をピンシャンと張って玄関横のおかあさんがその香りを大好きだった金木犀の見える小窓から外を黙ってみる姿は神々しく、それこそ美し過ぎた猫ちゃんでもあった。そのシロ(本名はオーロラレインボー)のおかげがあればこそ、舞の死後、私たち家族がここまで何とか前を向いて歩いてくることが出来たことも確かだ。
ーそう思っているのだよ。おとうさんは。おまえのことを。シロちゃん。オーロラレインボーちゃん。おかあさんも、おとうさんも、お兄ちゃんたちも、だ。おまえには本当にお世話になってきたよね。ありがとう。ありがとう。ありがとう。いつも家のことを気遣ってくれていたよね。
※ ※ ※
☆ ☆ ☆
【福井中3殺害再審決定 知人ら供述「警察誘導」高裁金沢支部 前川さん逮捕から37年】【不屈37年「無罪」へ一歩 表情緩めず「闘い続く」】【「巌に続き頑張りましょう 20年以上交流、袴田ひで子さんエール】【裏金非公認支部に2000万円 自民、事実上の支援 衆院選10・27】(24日付中日新聞の見出し)……。 そして。夕刊はといえば、だ。【北朝鮮兵3000人、ロシアに 東部で訓練、米が確認 国防長官「参戦なら深刻」】(24日付日本経済新聞)といった具合である。
新聞はきょうもやはり、日々、良いこと悪いことなど。社会の営み、顔を映し出している。ともすれば、思い上がった一部のメディアリテラシーをのぞけば、貴重な媒体であることは確かだ。
きょうは早朝、久しぶりの不燃物集積場の立ち番で少し、疲れた。でも、こうした行為は地域に住む人々が奉仕の心を通じて互いに互いを知る良い機会にもなっており、少し大変ではあるが。よいことだと私は思う。たつ江(舞)の生存中は殆ど彼女に任せっぱなしだっただけに、私はこれまた妻の生存中は、随分と勝手気ままな悪い男だった。そんな気がしてならないのである。
そのおかあさんのことをいつも気遣い、何かにつけ家族を救ってくれていたのがおかあさん命名の俳句猫「シロ」、すなわちオーロラレインボーだった。
(10月23日)
午前中、シロの突然の死で川崎市在住の長男夫妻から「これまで家族を見守ってくれてありがとう 年数回の訪問者とも遊んでくれてありがとう 真白で気高くて福々しい姿を忘れません 天国ではお母さんと楽しく遊んでね」といった書簡が、白い花と一緒に送られてきた。
そして。午後には舞とシロが生前、ずっとお世話になってきたあの作家太田治子さんからも【シロさんが空の上へ――。悲しすぎるおしらせに伊神さまの今のお心の悲しみに言葉をなくします。舞子さん シロさん あまりにも美しすぎたのですね】と書かれた書簡とともに花と太田さんの著書【手記・空色のアルバム】と【幻想美術館 名画から紡ぐストーリー】が送られてきたのである。
わたしは、さっそくシロがいつもいた室内一角にこれらを供え「ありがとうございます」と心の中で礼を述べた。
写真は太田さん、そして長男夫妻から送られてきた花と本。別れのことば。これらは、生前のシロがよくくつろいでいた彼女専用のミニハウスの前、お母さんが眠る仏壇下に供えられた
☆ ☆ ☆
※ ※ ※
シロよ。シロ、シロ、シロちゃん。正直に言うが。俺はおまえのおかげでおかあさんの死後、ここまで何とか歩いてこれた。立ち直ることが出来た。ありがとう。本当にありがとう。毎朝ニャア~ンと言ってわたくしを起こしにきてくれた。そのシロちゃんはもういない。私にはかわいいシロ、シロがとうとうガザやウクライナ、ヒズボラ、さらには能登半島地震と豪雨水害禍に泣く能登など世界中の人々のことを思い、とうとうダイビング(自死)してしまったような、そんな気がしてならない。彼女は、いつも身だしなみを整える礼儀正しい家族思いの猫だった。でも、あのどこまでも可愛く愛らしかったそのシロちゃんは、もはやこの世にいない。なんということなのだ。なんたることなのだ。
ちまたは衆院選が佳境に入っている。この世は無情。皆、自分勝手。無慈悲なものである。
(10月22日)
午前9時過ぎ。きのうの今ごろ、シロちゃんはまだ私の隣のこの座椅子に座って一緒に今では朝の私とシロの日課にまでなっている【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登の明かり】の3曲をスマホのユーチューブで聴き入っていた。そして。それが終わると、シロは玄関先の小窓から身を乗り出し、そこから見える庭の金木犀の香りが気に入ってか、外の光景にじいっと見入ったりするのが常、日課でもあった。
「シロよ。シロちゃん。きょうは月曜日だから、これからゴミ出しをしてくるからね」のよびかけに、彼女はいったん顔をこちらに向け「う~ん、うん」といつものようにちいさく答え、再び窓辺から戸外の光景を見やったのである。
そんな今の私にとっては最愛の女性の一人だと言っていい彼女が、それから外出してまもなく、まさか、わが家前の路上で何者かが運転する車にひかれて死んでしまうとは。一体誰が想像しただろうか。やはり、ひき逃げに遭ったのだろうか。いやいや、それとも。シロのことだ。このところウクライナ、ガザ、ヒズボラなどで続く醜い戦争。これら暗い世界に落胆し、ニンゲンたちのする終わりのない戦争へのアンチテーゼとして自ら車に飛び込んだ自殺、すなわち自死したことだって十分にありうる。シロは、そうした社会派猫であったことも事実だ。
というわけで、きょうの午後、彼女は自宅裏庭敷地内の猫塚一隅に息子の手で掘られた土中深くに埋葬された。埋めるに当たってはカッと見開いていた右目を手でそっと閉じ、さらに血がにじむ顔面を何度も何度も、何度もタオルやティッシュでふいてやる。最期の最期まで痛かったろうに。それでも両の耳はピンと立ち、しっかりと結ばれた両手も、それこそいじらしいほどで、そのまま生き返ってくれるのでは-との期待すら抱いたが、シロの息は永遠に戻ることはなかった。
そんなシロの最期を目の前に私は彼女の胸部分に結ばれた両の手を繰り返し繰り返し、さすってやったが、彼女が再び息を吹き返すことはなかったのである。それでも、ただの一瞬ではあったが、シロの顔面に笑みが浮かび「おとうさん。ありがとう。しあわせだったよ」とほほえんだような気がし、その刹那、わたくしの両の目からは滂沱の涙が流れ出たのである。シロよ。シロ。おまえとの生活はほんとに楽しかったよ。ありがとう。
どんなに痛かったろう。苦しかったに違いない。埋葬前のオーロラレインボー
※ ※ ※
このところのシロは、朝が訪れる夜明けになるつど、私の布団の中にニャア~ンと甘えた声をあげ入ってくるのが常だった。「シロ。シロ。シロちゃん。おはよう」と言って上布団を開き中に入れてやると彼女は決まって私の左腕部分にからだ全体を預けたまま幸せそうに寝入り、気が付くとゴロゴロゴロゴロと満足そのものに寝息をたてるのであった。
こんなわけでシロちゃんも私もこれ以上の幸せはないといった表情でいたことがあらためて思い出される。でも、その私の大好きだったシロは、もはやいない。なんということなのだ。シロが何か悪いことでもしたというのか。私はシロを引いた人がいたのなら、即刻謝ってほしく思うのである。そうでなければ、シロがかわいそうである。ひとくち謝ってくれたなら、それ以上は何も言わない。シロの自死かも知れないことと、私がシロを外に出したからである。
日中のひととき。誰かが、何かが一斉に走るような音がしたが、シロではなかった。シロは既に昨日、命を落としているのである。
2024年10月21日
月曜日。私が愛するわが家の俳句猫、アイドルと言ってもいい愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)がきょうの午前11時ごろ、自宅横の道路で何者かが運転する車にはねられ、まもなく死亡した。シロちゃんは元々野良猫だったが、わが家に再三訪れ、繰り返し室内に入ってこようとするうちに、亡き妻たつ江(伊神舞子)がわが家の家族の一員として招き入れ、れっきとした家猫になったいきさつがある。7歳だった(推定)。きょうは、いつもより少し遅く午前10時20分過ぎにお外に散歩に出て間もなくの思いがけない悲劇であった。
能登半島地震と豪雨禍の復興応援歌「能登の明かり」のCDが出来、ユーチューブ化もなんとか終わったと言うのに。一体全体、なんたることか。好事魔多し-とは、まさにシロちゃんの突然の死そのものである。「散歩だから」と出たがるシロを外に出した私に全責任がある。わが家族にどう言ったらよいのか。あ~あ。一生の不覚とは、このことか。第一、シロと家族に申し開きがたたない。それとも、シロはガザ、ウクライナ、ヒズボラなどで延々と続く戦争、そして能登半島地震と豪雨禍を憂え、生贄を志願して自ら車に飛び込んで自死したのか。そこのところは分からない。
ただ彼女が姿を消したことにより世の中がその分、暗くなることだけは事実だ。彼女には、そうした天衣無縫なるユーモアみたいな、かつ引力のような底知れぬ明るさがあったのである。
といったところで、あのかわいかったシロはもはや、この世に帰ってくることはない。それにしてもだ。シロを車でひいた犯人は一体全体、誰なのか。(おかあさん、すなわち生前の舞にしてもらったハートの首輪と鈴もしっかりしているのだから)。車を止め、シロの自宅を探し、せめてたとえ一口でも謝罪すべきではないのか(この点については帰宅した息子が「その前に、シロを路上に出した飼い主であるお父さんが悪い」と私の非を指摘した)。
午後11時過ぎ。私はいま、妻舞亡きあと私にとっての最愛のパートナーと言って良い彼女シロを失い、心は千々に乱れている。シロの突然の不幸を思うとき、涙がドッとあふれ、止まらないのである。シロよ、シロ。シロ。シロちゃん。「俳句猫のシロは何でも知っている。知っているのだから」という亡き妻の声が思い出される。本当におかあさんの言うとおり、シロはわたくしたち家族のことなら何でも知っていた。
いつだって私たち家族を助け、勇気づけてくれたシロちゃん。本当にありがとう。命が消えてしまってからでは、もはや遅いかもしれない。けれど、あらためて心の底から長い間、ありがとう。毎日がうれしかったーと礼を言いたい。
つい先日まで元気でいたシロ。「能登の夜明け」のユーチューブ実現に思わず「やったあ」と叫んだ時。シロは喜んで私たちのいる部屋まで入ってきた。そしてニャン、ニャア~ンと声をあげてくれ、あの瞬間のことは永遠に忘れないだろう。
「シロさん、悲し過ぎます、舞子さんと空のうえから伊神さまをお守りくださいね」「それはお辛いですね。あまりお気を落とされませぬよう。シロちゃん、きっとおかあさんのところに行ったのだよ。元気でいるわよ」「しばらくは涙の日々が続くかもしれませんが、1日も早く立ち直ってくださいね。シロちゃんも天国で奥様と仲良く楽しく暮らし、貴方達を優しく見守ってくれると思います。シロちゃんのご冥福をお祈りしています」
「辛い話です。辛すぎます。シロちゃん、運が悪かったとか言いようがない。運が悪すぎた。伊神さんのせいだとは誰も思いませんよ。これまで十分すぎるほど大事に、一緒に暮らしてきたのだから」
シロの訃報に友人から届いたやさしさあふれる心からの追悼、励ましメールの数々。わたくしとシロは、その哀悼の言葉を胸に、これからもせめて心の中だけでも元気かつ幸せに生き続けていきたく思っている。
※ ※ ※
☆ ☆ ☆
コロナ禍に、おかあさん(わたくしの妻伊神舞子)の死など。ここまで何度も家族一緒に苦難と危機を乗りこえてきたシロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、きょう突然、旅立ったのである。シロよ、シロ、シロ、シロちゃん。これまで家族を守ってくれ、本当にありがとうね。天国でまた幸せで楽しい日々を過ごすのだよ。
/シロをどこまでも愛する私たち家族より
私の目からは今も涙が出続けている。シロよ、シロ。シロ。ごめんね。シロちゃん。「外にはださないでね」とあれほど舞に言われていたのに。わたくしは、彼女を散歩に-と外に出すのを日常化してしまい、そこに不幸が訪れたのである。
2024年10月20日
上皇后美智子さまが、この日、90歳の誕生日を迎えられた。美智子さまは今月6日に転倒、骨折した右大腿骨の手術後の経過は幸い順調で、赤坂御用地(東京・元赤坂)にある住まいの仙洞御所で侍医や理学療法士と自力で歩行するためのリハビリを続けておいでになるという。早い回復を、と願う。
きょうは、まさに秋晴れ、一点の雲さえない。たつ江。すなわち舞という風たちが一斉に開いた窓辺からキラキラと中に入ってくる。思わず、♪秋の夕日に照る山もみ……と口が開く。秋の心地よい風が一斉に窓辺に入り、風のひとひらひとひらに愛おしささえ感じる。人生、だれとて辛く悲しいことぱかりではあるけれど。やはり、この世は、すばらしい。わたくしたちは、こうした恵まれた自然の中に居て生かされ、幸せだな、と思う。北寄りの季節風が冷たさを感じる一日。北海道では初雪が降り、ここ濃尾平野のある東海地方は晴天の一日となった。
(10月19日)
土曜日。【首相官邸前に車突入 発煙筒? 投げた容疑者逮捕 自民本部には火炎瓶か】【支持アピール「タイパ」も重視 数十秒SNS動画 若年層に浸透願う】(タイパとは、時間的効果を意味するタイムパフォーマンスの意味)【与野党幹部各地で訴え 公示後初の週末、中部でも】とは本日付の中日新聞夕刊。というわけで、27日投開票の衆院選もいよいよ佳境に入っている、といったところか。
この日、早朝の午前5時50分ごろには東京都千代田区の自民党本部に男が火炎瓶のようなものを5本ほど投げ、機動隊の車両が一部焼損。犯人の男はワンボックスカーで逃走後、近くの首相官邸前の防護柵に突っ込むという事件までが発生。選挙が近づくなか、このところの日本は、なんとも物騒極まりなき社会でもある。
※ ※ ※
☆ ☆ ☆
ところで、けさの新聞報道によれば、警視庁と埼玉、千葉、神奈川3県警は、首都圏でこのところ相次いでいる闇バイト強盗事件を受け、18日、合同捜査本部を設置、幹部らによる会議を開催。8月以降に発生した1都3県の計14事件の重点捜査に乗り出したという。
連続強盗の重点捜査を報じた19日付の新聞紙面
(10月18日)
俳優の西田敏行さんがきのう、亡くなった。福島県出身。76歳だった。
17日午後零時20分ごろ、西田さんの家族が119番。ベッドで冷たくなっている状態でその場で死亡が確認されたという。「心臓の持病があったが、普通の日常生活を過ごしていた」という。西田さんといえばだ。数多くのテレビドラマに出演され、当代イチの俳優さんだったことは、誰もが認めるに違いない。それだけに、日本映画界にとっての損失といってもよいかと思う。庶民性あふれる役者さんであったといえよう。
特に私の場合、毎週日曜日になると女優竹下景子さんの声と一緒に流れてくるNHKラジオの【日曜名作座】に登場する西田さんの声が大好きだっただけに、惜しくて残念な気がしてしかたない。でも、この世を去ってしまった西田さんは、この先どんなに大きな声で呼んだところで、もはや元には戻ってはこない。合掌―
そして。逝去といえば、だ。野ねずみが活躍する人気絵本「ぐりとぐら」シリーズなどで知られた児童文学作家、中川李枝子(なかがわ・りえこ)さんも14日未明、老衰のため東京都内の病院で死去。89歳だった。札幌市出身。
中部地方は17日、高気圧に覆われて季節外れの暑さに。岐阜県多治見市で30・6度を記録するなど愛知、岐阜両県内の7地点(ほかに大垣市と揖斐川町、愛西市で30・5度、岐阜市30・2度、美濃市30・1度、名古屋市30度)で30度以上の「真夏日」に。いずれも観測史上最も遅い真夏日となった。このうち名古屋市は1961年と並び観測史上最も遅い真夏日。ほかの6地点でも3~6日、記録を更新したという。
イスラエル軍が17日、イスラム組織ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワール氏を殺害した、と発表。イスラエル軍のハガリ報道官が「約1年の捜索の末、テロ組織ハマスのリーダーは死亡した」と話し、シンワール氏は16日、ガザ南部で殺害されたという。軍は同氏が昨年10月の奇襲攻撃を首謀した-として行方を追っていた。
(10月17日)
原子力規制委員会が16日、11月に運転開始50年となる関西電力高浜原発1号機(福井県)について、こんご10年間の管理方針を定めた保安規定を認可。国内では初の50年を超える運転認可となった。日米韓の3カ国などが16日、北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視してきた国家安全保障理事会の専門家パネルに代わる新組織「多国間制裁監視チーム」(MSMT)が発足した-と発表。監視チームには日米韓主導でフランスや英国、ドイツなど計11の西側有志国が参加。「制裁違反や回避を厳格に調査し、制裁の完全履行を支援する」と表明した。
牧すすむさん(倉知進さん)から「(15日が)奥さんの命日だったので」と巨大なマスカットが送られてくる。さっそく仏壇に供え「牧さんがお忙しいのに届けてくださったよ。感謝しような」と語り掛ける。これがまた、とびきり美味しく、それこそホッペが飛びそうだった。牧さん、そしてかよちゃん、崇さん。心からありがとう。ありがとうございました。
2024年10月16日
新聞、テレビなどマスコミ各社は、どこもかしこも昨日公示された衆議院選挙の報道一色である。そんな数々の報道の中でも本日16日付中日新聞朝刊1面の【「選びたくない」を選ぶ 論説主幹 島田佳幸】は、ちょっと面白い切り口で、出色の出来といえようか。面白く読ませて頂いた。
舞の祥月命日だった昨日、令和6年10月15日を人生の新たな起点に、わたくしは、きょうあらためて新たな道に向かって歩き始めた。いつだって。わたくしの胸にも心にも舞、たつ江はさわやかに張りつき暗黙の中、私がこの先、進むべき道を教えてくれているーとでもいえようか。
伊神舞子は私の心の中でいつも生きている
かつてドラゴンズ公式ファンクラブ会員だったころの彼女
というわけで、きょうは例によって新聞各紙を読みこなし、かつて彼女の愛唱歌でもあった<エーデルワイス><みかんの花咲く丘>、そして能登半島地震の復興応援歌として最近、誕生した<能登の明かり(牧すすむさん作曲)>を愛猫シロとともにスマホで聞き、共に口ずさんだあとは、なぜかシロの視線を背中に感じて裏庭の猫塚へ。
かつて能登の七尾から岐阜県大垣市に家族と共に移住してきた能登・大垣猫の〝てまり〟をはじめ、先代の〝こすも・ここ〟と神猫シロが眠る猫塚の清掃とあいなったのである。私は、ついでに伸びすぎた庭木も、かつてたつ江が手にしていた切れ味鋭い挟みで伐採、野良ちゃん(わが家の庭先に毎日訪れ初代こすも・ここにそっくりなので、私は最近、2代目こすも・ここと命名)のえさ場もきれいに清掃。なんだかすっきりした気持ちとなったのは不思議である。これもシロのおかげ。彼女の視線ひとつで私は、こうして動いたのである。
てまりなど愛猫3匹が眠る猫塚には花が供えられ、ちょっぴり華やかに
午後。自宅近くの歯医者さんから帰宅後、わたくしはそれこそ久しぶりに愛用のハーモニカと、おそらく愛知県下でも数えるほどしか手にする人はいないはずの篠笛で<ふるさと>と<さくら>をふいてみた、いや演奏してみたのである。季節は、このように巡りめぐっていく。いまはもう秋、あきなのである。ちまたは衆議院選挙の選挙モード一色だ。月日がトントン、とんとんと秋風に吹かれて、きゅうと声をあげ、流れてゆく。
2024年10月15日
十三夜。
きょうは、亡き妻、伊神たつ江、すなわち舞子の祥月命日である。
というわけで、午前中、自宅の仏壇に愛猫シロと一緒に手を合わせ、つづいてシロに留守番を頼んで舞が眠る愛知県江南市高屋の永代供養集合墓「濃尾の大地」へ、と足を運んだ。仏壇、「濃尾の大地」ともに手を合わせ「俺たちは皆元気でそれぞれの道を前に向かって歩いているから。心配しないでほしい。それよりも元気でいるか。友だちできたか」などと久しぶりの会話を交わした。
「何言っとるのよ。それより、こどもたち皆どうしてるの。ごはん食べている」と聞くので「心配ないよ。それなりに食べとるから。皆、それぞれの道を、きちんと前を見て歩いているから。心配ないよ。それより、俺たちがお世話になった能登半島が大地震のあと、こんどは記録的な豪雨水害にまで襲われて大変だよ。それでな。おまえも知っている牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の会主兼大師範。作曲家)と一緒に大地震に遭った能登半島のみなさんを励ます復興応援歌【能登の明かり】をつくった。つい先ごろCDが出来たのでちょっと聞いてみるか。歌は、あの岡ゆう子さんが歌ってくれてる」。
こんなわけで私はスマホに収録済みである【能登の明かり】を1、2、3番の順に「濃尾の大地」の墓前で流し、亡き妻に聞かせたのである。秋風を切って流れる牧さんならでは、のさわやかで弾んだ、かつ哀愁を帯びたメロディーが空高く次々と流れていったが、そんなドラマチックな光景を目の前にしたであろうたつ江、すなわち舞は「いいわね。いい、と思う。能登の皆さん、誰もかもが心も折れるほどに辛い毎日でしょうが。なんとか立ち上がり、前を向いて一歩でもニ歩でも進んでいってほしいね。大変だけれど」と、わたくしに向かって話す姿が目の前に大きく浮かび上がったのである。
この日初めて舞の墓前で能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】が流されたー
帰宅すると、シロちゃん(オーロラレインボー)がいつものように玄関先まで飛んで出迎えてくれ、ボクはそんな愛猫に向かって「シロよ。シロシロ、シロちゃん。おかあさんに【能登の明かり】を聞いてもらってきたよ」と話すと、彼女はニャア~ンとひと声だけ発した。
きょうの夕刊各紙は【石破政権の信問う 衆院選公示27日投開票 裏金、物価対策争点】【東海3県 小選挙区に80人超】【台湾取り囲み 中国軍事演習 頼総統演説に対抗措置】(15日付中日)【石破政権に審判 衆院選公示27日投開票 自公過半数で攻防 1300人超立候補】【経済学賞 米大教授3氏 「社会制度と国の繁栄」研究 ノーベル賞】(15日付日本経済新聞)といった具合。いよいよ第50回衆院選が公示され、27日の投票に向け12日間の選挙戦に入ったーとの活字が躍った。国民注視のなか、さて結果はどうなるか、だ。関心は高い。
2024年10月14日
秋空に未来永劫と書いてみし(伊神舞子)。
連休中は亡き妻が詠んだ俳句そのままのさわやかな空が広がった。
庭のアサガオも連日、美しい顔をのぞかせた。
※ ※ ※
☆ ☆ ☆
秋晴れ。祝日。スポーツの日。「鉄道の日」でもある。
北海道の旭川では初氷が張ったという。鉄道の日といえば、だ。私はかつて激務の合間を縫って連休などが訪れるつど、当時の勤務地だった岐阜や小牧、能登・七尾、大垣、大津、一宮などからよく夜行列車や飛行機に飛び乗って八尾をはじめ、伊豆や東北、山陰、四国・九州、北海道、時には韓国やサイパン、中国など海外にも出向き、ひとり旅をしたものである。
今にして思えば、かわいい妻たつ江(舞)がいたのに。彼女には育児があるから、と大半はひとり旅で随分と勝手し放題の男でもあった(とはいえ、時には大阪や神戸、奈良、長崎、広島、北海道、東北などに彼女の求めに応じて同行したものである)。1人で行く時はいつも「ちょっとだけ行ってくるから」と出掛けたものだが、舞の言葉はいつだって「うん、いいよ。でもね、日帰りはダメよ。疲れちゃうから。だめなの。泊まってくるのよ」というのが口癖でもあった。そうした舞の理解もあってか、わたくしはそれこそ、【夜行列車に飛び乗って】そのつど書き続けた成果もあってか、これまで多くの作品をこの世に残す、ことが出来たと思っている。
きょうは14日だ。愛猫シロちゃんは、いつものように午前10時過ぎ、いったん外に出たものの、すぐに退却。いつもの定位置・窓際の見晴らしのいい縁側が野良猫の二代目こすも・ここ(前いた愛猫こすもにそっくりなので私が勝手に名付けた)に占拠されていたためだが、ふたりの以心伝心もあってか、しばらくするとまたお外にと出て行き、こんどは二代目こすも・ここに代わって縁側に満足そうな顔をして座ったのである。
それはそれとして、だ。ふたり(シロと二代目ここ)の間では、最終的には「シロに彼女の定位置を譲る」ということで話し合いがまとまったようである。いずれにせよ、まだ今のシロちゃんが居ないころは、先代のこすも・ここと初代シロが、わが家には居たのである。ふたりとも長寿猫でどちらも23年という猫生を謳歌したあと、私がいま住む江南の当地で亡くなり、わが家の中庭で先代の能登猫てまりともに眠っているのである。シロちゃんは、これら先輩猫3人の後を引き継いでわが家に貢献。元々野良猫だったところを、舞に家族の一員として迎えられた、あの日のことは忘れられないのである。
2024年10月13日
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与のビッグニュースは、けさの紙面でも【ノーベル平和賞の被団協 核廃絶「人類の課題」 首相の核共有言及「怒り心頭」 フリードネス(ノーベル賞)委員長が祝意】(中日)【「偉い人たち資料館に来て 被団協ノーベル平和賞 一夜明け新たな誓い 「向こうで喜んでくれている」「活動、世界に広まるだろう」「被爆者の姿目に浮かんだ」「国連にとって最優先の課題」】【核共有論に「怒り心頭」 被団協首相を批判】(毎日)などと報道され、未だ余韻が治まらない。それだけ、最近にない人類にとって大切なホットニュースが世界を駆け巡っている-ということか。
そして。ほかに目立った見出しは【衆院選へ7党首討論会 石破氏消費減税を否定 経済や安保応酬】【核禁条約に首相慎重】(いずれも中日)か。
夜。NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩 死せる詩人・魂の叫び 絶望の淵でかすかな光 パレスチナの物語とは】を見る。なかでも<もし私が死ななければならないのなら あなたは生きなければならない 私の物語を伝えるために>の下りが心に染み入った。
NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩】の一場面(NHKテレビ画像から)
(10月12日)
「被団協にノーベル平和賞」を伝えた新聞各紙
この日の新聞紙面は【被団協ノーベル平和賞 核廃絶世界に訴え「ノーモア・ヒバクシャ」】【<解説>増す核脅威への警鐘(アメリカ総局・浅井俊典)】(中日)【被団協 ノーベル平和賞 核廃絶訴え続け 被爆証言世界に示す】【「過ち繰り返さぬ」共有を 専門記者・前広島支局長 宇城昇】(毎日)…とノルウェーのノーベル賞委員会が11日、「核兵器の使用は道徳的に容認できないという国際規範の確立に多大な貢献をした」として被爆者による唯一の全国組織で、日本の反核・平和運動の中心的存在である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協、本部・東京都港区)に2024年のノーベル平和賞を授与する-と発表した記事が、やはり目立つ。日本の平和賞受賞は、非核三原則を打ち出した佐藤栄作元首相が1974年に選ばれていらい50年ぶり2度目。団体としては初めてとなるビッグニュースである。
名古屋駅前のウインク愛知5F小ホールであった【ラララダンス発表会】に出演。相方の〝悦ちゃん〟と日ごろ社交ダンスを教えて頂いている先生〝若さん〟のおかげ、教えもあって、不完全ながらもなんとかタンゴを踊り切ることが出来た。それにしても、いつまでたっても上達しないわが身を内心、恥じ入った次第である。
楽しく進んだラララダンス発表会のひとコマ
この社交ダンスは亡き妻たつ江(伊神舞子)が晩年、病床で「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けるのよ。続けてよね」と口を酸っぱくして私に言っていた、いわば遺言でもあるため、どんなに未熟でもこの先も続けなければ、と思っている。本音をいえば、こうした発表会でどんなに下手でも舞と共に踊ることが出来ていたのなら。最高によかったのだが。時、既に遅しで、今となっては恥じ入るばかりだが、舞は内心、そうした日を願っていたのかもしれない。
実際、彼女は私の一宮支局長在任当時、25、26年前から一宮スポーツ文化センターなどでフォークダンスのレッスンをずっと続けており、世界中のフォークダンスを華麗に踊りこなす姿は、見事の一言に尽きた。後年、その一方で、私には内緒で江南市内で社交ダンスも学んでいたのも確かだ。このことは、私がピースボートの旅から帰ってから知らされ、驚いた記憶がある。
アニメ「ドラえもん」のドラえもん役を26年務め、愛嬌たっぷりのだみ声で親しまれた声優で俳優の大山のぶ代(おおやま・のぶよ)さんが9月29日午後4時23分、老衰のため東京都の病院で亡くなった。90歳だった。
衆院選に出馬する河村たかし名古屋市長(75)が先に議長に申し出た14日付の辞職日について名古屋市議会は11日の本会議で不同意とした。このため河村市長は辞職扱いではなく、衆院選公示日の15日の立候補に伴う自動失職となる。
(10月11日)
【文学賞 ハン・ガンさん 韓国人、アジア女性初 ノーベル賞】【歴史と人間の内面描く】【中日に「勝つ喜びを」井上新監督が就任】とは、本日付の中日新聞見出し。とはいえ、【衆院解散明け舌戦 短期決戦事実上スタート 投票所入場券の郵送 公示に間に合わず? 選管「期日前、なくても可】のニュースがトップを占めており、社会はいよいよ選挙モード一色だ、とでもいえようか。
1面トップ記事の書き出しは、こうである。
――与野党は10日、衆院解散を受けた選挙戦を事実上スタートさせた。15日公示、27日投開票の短期決戦。………
といった具合だ。
(10月10日)
亡き妻伊神舞子(伊神たつ江)が能登七尾で大変お世話になり、かの地を離れてからも短歌雑誌「澪(れい)」=私が七尾に在職中。前身の短歌雑誌の名前は【凍原】であった。=同人として伊神舞子が大変お世話になり続けた七尾の歌人山崎国枝子さん=「澪」代表=から「いがみさん。能登の夜明けのCD届きました。じっくり聞かせていただきます」と電話が入った。かつて舞がセットしてくれ、今も健在でそのまま役割を果たしてくれている、わが家の留守電にあの国枝子さんの懐かしい声が入っていたため、かけ直してアレヤコレヤと話し合ったが、舞は本当によい方々のお世話になったものだーとつくづく思ったのである。
ありがとう! 山崎さん。そして同人の皆々さまと思わず叫びたくなったのである。
山崎さんからは、短歌雑誌「澪 2024年9月号」が「7月号」「5月号」とともに、わが家に送られてきた。そしてその中の9月号には御年90歳の竹内喜美代さん=金沢市在住=の私の本【あたし帰った かえったわよ】に対する読書感想文までが書かれており、私は何と言って良いのか。舞の仏前にこのことを報告。「能登のみなさんにお礼を言わなきゃな。ほんとに能登はやさしや、だよね」と舞に語り、話しかけ、手を合わせたのである。
山崎国枝子さんから送られてきた短歌雑誌「澪」と竹内さんが「澪」9月号に書いてくださった拙著【あたし帰った かえったわよ】に関する読書感想文
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朝刊見出しは【「政治とカネ」問う 衆院解散27日投開票 国会論戦わずか】【自民、裏金34人公認 旧安倍、二階派の12人非公認】【袴田さん無罪確定 静岡4人強殺 地検が上訴権放棄】(10日付中日)【「自民裏金」審判 衆院解散総選挙 15日公示27日投開票 首相就任後8日戦後最短 非公認12人 問われる中道回帰 政治部長田中成之】(毎日)といったところか。
スウェーデン・アカデミーが10日、2024年のノーベル文学賞を韓国の女性作家韓江(はん・がん)さん=53歳=に授与する、と発表。韓国人に対しノーベル文学賞が授与されるのは今回が最初。アジア人女性としても初。
野球日本代表(井端監督)が9日、来月開催される国際大会「プレミア12」に臨むメンバー28人を発表。岡本和真内野手(巨人)や高橋宏斗投手(中日)らが選出された。右足親指を骨折した村上宗隆内野手(ヤクルト)や佐々木朗希投手(ロッテ)は選ばれなかった。村上内野手、佐々木投手ともに私が大好きな選手だけに、こちらは少し残念無念である。
(10月9日)
きょう9日付の中日朝刊の最大記事は、といっても1面トップの袴田さんの無罪確定を報じた【袴田さん 無罪確定へ 検察、控訴断念 逮捕から58年 総長謝罪 <解説>審理長期化 法改正が急務】だろう。なんだか私までがホッとしたのである。次には【中日 井上監督就任へ 近く会見「お受けする方向」】だといえよう。
袴田さんの無罪確定、再審無罪を報じた新聞
午後。私の作詞、牧すすむさん作曲による能登半島地震とその後の豪雨災害からの復興を願った応援歌【能登の明かり】のCD完成に伴い、尾北ホームニュースの女性記者がその取材でわが家を訪れた。「この歌を口ずさむことで能登のみなさんが少しでも元気を取り戻し、前に向かって歩いて頂けたら」とその目的について話させて頂いたのである。
(10月8日)
火曜日。スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2024年のノーベル生理学・医学賞を、遺伝子制御で重要な役割を果たす微小な生体分子「マイクロRNA」を発見した米マサチューセッツ大のビクター・アンブロス教授(70)と、米ハーバード大のゲイリー・ラブカン教授(72)に授与する、と発表。両氏は1993年、体長1㍉の「線中」を使い、マイクロRNAが遺伝子の働きを調節していることを発表。その後、線虫に限らず、人でも同様の調節をしていることが判明。多くの生物に不可欠な遺伝子の仕組みを明らかにしたことが高く評価されたという。
ほかには【裏金議員比例重複認めず 衆院選 自民40人程度対象 非公認拡大、荻生田氏らも】【岡崎市長内田氏返り咲き 現元新4人の争い制す】の見出しが目立つ。6日夜には戦国時代の僧兵の姿が今によみがえる「僧兵まつり」が三重県菰野町の湯の山温泉街であったーとの報道も。燃え盛る火焔みこしが火の粉をふりまいて進む光景は、まさに圧巻だといえよう。
(10月7日)
プロ野球の中日ドラゴンズは6日、バンテリンドームナゴヤで今季最終戦。DeNAに2-0と16度目の零封負けを喫した。悲しいかな、三年連続の最下位である。立浪監督はこの日、3年間を締めくくる一戦でもファンの願いをかなえることは出来なかった。また同一監督では野村克也さんが指揮した1999~2001年の阪神以来となる3季連続最下位だった。
というわけで、立浪さんは試合後のセレモニーで「皆さまには申し訳ない思いをさせてしまい、すみませんでした」とファンに謝罪。あいさつの間じゅう、何度も何度も帽子を取って頭を下げる姿が印象的だった。ちなみに3年間の成績は182勝232敗15分けで、負け越しは50に達した。でも、人生良いこともあれば悪いこともある。みんな、この悔しさをバネに立ち上がればよい。野球というドラマは、まさに人生と同じである。立浪さんも私たちファンも前に向かって歩いていくほかないのである。お・つ・か・れ・さ・までした。
パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年。ガザ保健当局によれば、この間、ガザ側の死者は4万1870人に及んでおり、ガザ人口の9割に当たる190万人以上が避難生活を続けている、という。こうしたなか、イスラエルは先月9月30日にハマスと共闘する親イラン民兵組織のヒズボラ掃討を掲げて隣国レバノンに地上侵攻。これに対してイランはイスラエルをミサイル攻撃するなど戦火は中東各地に拡大。憎悪が憎悪を呼び、地獄の構造が拡散する事態となっている。同じ人間としてなんたることか、と思ってしまう。
月曜日。石破首相が6日、自民党派閥裏金事件を受けた衆院選への対応を表明。政治資金収支報告書に不記載があった〝裏金議員〟らを原則公認したうえで比例代表への重複立候補は目止めない旨を決めたという。
(10月6日)
能登半島地震とそれに追い討ちをかけるように起きた豪雨水害禍。能登の皆さま一人ひとりが少しでも元気に前に向かって歩いてくだされば-と最近、誕生した復興応援歌「能登の明かり」の現地での発表会をどうするか-などで編曲をしてくださった輪島の安本保秋さん(安本さんは自宅が全壊。現在は仮設住宅暮らし)らと何度も連絡を重ねるなど多忙な日々を過ごしている(ただ作曲者の牧さん、歌の岡ゆう子さんのつごう、それについ先日起きた豪雨水害など二重被災の現地の状況もあり、あまり急がないでゆっくりと思っている)。
昔、現役記者時代に特報とサンデー版のデスク長のほかに本紙の【この人】欄まで掛け持ちし、休む間もなかった〝あの日々〟がなぜか、思い出されるのである。
(10月5日)
土曜日。石破茂首相が4日、就任後初の所信表明演説を衆参両院本会議で行い「政治への信頼を取り戻し、【納得と共感】をいただきながら安全安心で豊かな日本を再構築する」と訴えた。その石破さん。5日は能登半島を訪問。1月の地震、9月の記録的豪雨と続けて被害に遭った被災地を視察。この日は立憲民主党の野田佳彦代表も石川入り。豪雨で浸水した輪島市のスーパーや住宅地を見て回った。
豪雨発生から5日で2週間。石川県の発表によれば、能登半島では先の記録的豪雨による断水が輪島市、珠洲市、能登町で計1684戸に及んでおり、被災地では、なお厳しく、辛い日々が続いている。
日本六古窯のひとつ、愛知県常滑市で5日、常滑焼の卸売市「常滑焼まつり」(中日新聞社後援)が始まった。6日まで。日経新聞の本日、5日付夕刊の<文学周遊>で、今は亡き作家加賀乙彦さんの作品「殉教者」が【大分・国東市 転び申さず候】で紹介されており、懐かしく思う。加賀さんといえば、【宣告】【永遠の都】で知られ、私自身、かつては図書館にこもって読破した日々が懐かしく思い出される。「脱原発社会をめざす文学者の会」の産みの親でもあり、生前の加賀さんには随分とお世話になった、あのころが懐かしく思い出されもした。とはいえ、その名実ともに偉大だった加賀さんは、もはやこの世にはおいでにならないのである。合掌―
能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」(歌・岡ゆう子、作曲・牧すすむ、編曲・安本和秋、作詞・伊神権太)のCDが出来たので、まもなく郵送させて頂く旨の連絡を関係者にすることに追われるなど1日中、バタバタした。(10月6日の午前零時も既に過ぎた)。
(10月4日)
福井海上保安署が3日、福井港沖で9月30日に見つかった女性の遺体の身元がDNA鑑定の結果、石川県能登地方の記録的豪雨で連絡が取れなくなっていた輪島市の中学3年喜三翼音(きそはのん)さん、14歳と判明したと明らかにした。豪雨の死者は14人(共同通信の集計)となった。連絡を受けた父鷹也さん(42)は翼音さんにかけたい言葉を尋ねられ、しばらく考えた後で「『おかえり』ですね」と答え「(10月1日に)服を確認したとき、間違いないと思っていた。とにかく見つかってくれ、ホッとした」の弁。家族の気持ちを想像すると、何と言ってよいのか分からなくなってしまう。
午後。社交ダンスのレッスンで一宮へ。ジルバを最初にタンゴ、ワルツ、スロー、クイックとひと通りを繰り返し踊る。レッスン前は、ちょっと大変だな、と思って踊り始めるが、レッスンを終えた時には「やはり、きょうも踊って良かった。からだには、よいはずだ」としみじみ思う。社交ダンスのレッスンは、今は亡きかわいい妻、たつ江(伊神舞子)から私への遺言でもあるだけに、生きている限りは続けになければと心底から思っている。とはいえ、わたくしも早や78歳と、とても信じられない高齢である。そのうち、パタリと逝ったとしても何の不思議もないのである。
2024年10月3日
けさの中日新聞。【イラン、イスラエルに報復 弾道弾180発 中東緊迫 イラン核施設に反撃可能性】(1面見出し)と愚か極まる、とはこのことか。ほかには【宮崎空港で不発弾爆発 誘導路陥没、87便が欠航 通過2分後…航空機あわや】【石破内閣支持率50.7% 裏金議員公認75%否定的 世論調査】か。だが、やはりドラゴンズファンにとって気になるのは【中日新監督 井上氏に要請へ】か。わたくし個人的には世界のドラファンのためにも、だ。思い切ってイチローさんまたは、かつての名将落合博満さんに、と単純に思うのだが。そんなわけにもいかないのか。ここは成り行きを見守るほかない。
きょうは雨、雨、また雨の1日である。地震に続く、追い討ちとなった豪雨二重水害を受けた能登半島の輪島は、珠洲は、能登町は大丈夫だろうか。心配である。
夕刊報道では文化芸能面での【「性加害のない世界目指す」日本ペンクラブ・女性作家委員会が声明】の記事が目立つ。ほかには【米タイム誌「次世代の100人」アンナ・サワイさん選出「SHOGUN」で躍進】か。世の中、いや世界はよいにつけ、悪いにつけ動いているのである。
10月2日
朝刊は【石破内閣が発足 デフレ脱却を最優先 地方創生「強い決意」】【夢乗せて60年未来へ 東海道新幹線 延べ70億人利用】(中日2日付)【不明中3か 遺体発見 能登豪雨 父があげた服まとい】【能登地震の死者関連死含め401人】【イスラエル、レバノン侵攻 対ヒズボラ「限定攻撃」】(毎日2日付)と内閣発足以外には、能登半島豪雨水害のその後など悲しいニュースが目立つ。
そんな中での東海道新幹線が1日、開業から60周年を迎え、JR名古屋駅の新幹線ホームで東京行き始発列車にあわせての記念の出発式が行われた、との記事は、なんだか胸に熱いものがキュンと走ったのである。私自身、かつては社の出張や日本ペンクラブなどの集まりなどで何度となく利用した日々が懐かしくもある。
JRは、この日、東京、静岡、新大阪の各駅でも出発式が開かれた。
なお、東海道新幹線は1964年の東京五輪の開会直前に開業、当時は「夢の超特急」と呼ばれた。東京―大阪間を従来の在来線特急より2時間半短い4時間で結び、多くの人々に喜ばれたのである。私自身、かつて現役時代には特報部やサンデー版デスク長として東京での会議などにしばしば新幹線で出向いたが、なぜだか決まって東京バナナを今は亡き舞(たつ江)の土産に買ってきたものである。なぜか彼女が、東京バナナを大好きだったからにほかならない。
(2024年10月1日)
名古屋市の河村たかし市長(75)=4期目=が30日、10月27日投開票の衆院選で愛知1区(名古屋市東・北・西・中区)から出馬する意向を固めた、とはけさの中日新聞の1面トップ報道である。「ボクはもう一度総理を狙う男。アゲインだ」とは、なかなかよろしい。彼のよいところは精錬潔癖さで私は名古屋市民ではないけれど、応援したい気になるところが、不思議だ。ずいぶん昔に同僚と一緒に食事をし、ああだこうだと、語り合ったことはあるが。わたくしのことなど、もう覚えてはいないかもしれない。とにもかくにも、おからだを大事に、「なごやを〝だゃあひょうする〟人間カワムラとして、だ。石破氏とか野田氏なんかには負けることのないよう。日本の政治をよくしてほしい、と。本気で思っている。いかがか。かつての私の同僚もそう思っとるだろう。
一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年9月~)
2024年9月30日
自民党の石破茂総裁がこの日、党本部で記者会見。次期首相として衆院選を10月27日投開票の日程で実施する、と表明。9日に衆院を解散する意向で公示は15日になる。首相就任前に衆院選の日程を明言するのは極めて異例で、立憲民主党の野田佳彦代表は「国会軽視だ。不見識極まりない」と批判している。
【大谷 2冠確実 54本塁打・130打点 2位に大差 打率は4厘届かず 打者専念最高のシーズン 初のプレーオフへ躍進誓う】【ヒズボラ幹部ら 20人超殺害 イスラエル主張 イエメンでも空爆】【ローマ教皇批判「不道徳」】。いずれも本日付中日新聞の夕刊1面見出しだが、同じ人間でありながら、この落差は一体何なのだ、と。天国と地獄とは、このことではないか-と、ついつい思ってしまう。
午前中、愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)に留守をたのんで昨日の歯のメインテナンス治療に続き、再び歯医者さんへ。古くから使っている入れ歯の矯正、そしてもうひとつ新しいのをつくって頂くためだが、新しいのは、なおしばらくかかりそうだ。若いころには、思いもしなかった年寄りの歯の治療である。
(9月29日)
プロ野球の読売巨人軍が28日、マジックナンバーを「1」として臨んだマツダスタジアムでの広島戦で8―1で快勝。2020年いらい4年ぶりに39度目のセ・リーグ優勝を果たした。1リーグ時代の9度も含めれば通算48度目の制覇で、強打の捕手だった阿部慎之助監督は就任1年目での栄冠となった。新聞報道によれば、過去2年連続4位だったが、今季初めて開幕投手を務めた戸郷翔征、復調した菅野智之両投手が二枚看板として活躍。昨季王者だった阪神の追い上げを振り切ったという。
一方、米大リーグ、ドジャースの大谷はデンバーでのロッキーズ戦に1番・指名打者で出場、54号3ランを放つなど5打数4安打4打点で打率をナ・リーグ2位の3割9厘に上げ、トップとは5厘差に近づいた。また二回には二盗を決め今季57盗塁とし、2001年にイチロー(マリナーズ)がマークした56の日本選手シーズン最多記録を更新。チームは11-4で勝ち、3連勝。またダイヤモンドバックス戦に先発したパドレスのダルビッシュは、5回3分の1を3失点で7勝目を挙げ、日米通算203勝で黒田に並んだ。大谷にせよ、ダルビッシュにせよ、日本人選手は本当によく頑張っている。
朝刊は【能登豪雨1週間 住民456人が避難】【泥まみれでも前を向く 輪島片づけ作業続く】【幹事長 森山氏起用へ 自民人事 選対委員長は小泉氏】【ヒズボラ指導者殺害 イスラエル軍が本部空隙】(いずれも中日新聞)といった見出しが目立つ。
(9月28日)
土曜日。石川県能登地方を襲った記録的豪雨からこの日で1週間。豪雨による死者は輪島市と珠洲市で計11人、他に2人が行方不明で、連絡が取れない安否不明者も4人に上っている。イスラエル軍が27日、レバノンの首都ベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆。イスラエルメディアは、指導者ナスララ師を標的にした攻撃で、ナスララ氏は死亡。レバノン国営通信によれば、この空爆で6人が死亡、91人が負傷。AP通信はここ1年ほどでベイルートに対する最大規模の空爆だった、と伝えたという。それにしても、人を人とも思わない、このむごたらしい戦争はいつまで続くのか。人間とはやはり、自分勝手な魔物、いきものに過ぎないのか。
(9月27日)
静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年6月30日に起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)。再審公判で静岡地裁(国井恒志裁判長)は、きのう26日に無罪の判決を言い渡した。〝犯行着衣〟とされた5点の衣類と衣類の一部の切れ端、自白調書の3つをいずれも「捜査機関の捏造(ねつぞう)」と認定、同時に検察や警察の責任が厳しく断じられたのである。最新判決公判で無罪を言い渡した国井裁判長は「ものすごく時間がかかりました。裁判所としては申し訳ないと思っております」と語り、巌さんの姉ひで子さんは判決後、浜松市の自宅に帰り、弟の巌さんに「今日はいいことがあった。無罪の判決が出た。あんたが勝った。あんたの言うとおりになったよ」と語った。巌さんは、うちわをあおりながら姉の言葉にじっと耳を傾け、「あんたが勝った。あんたの言うとおりになった」との姉ひで子さんの言葉には時折、笑みを浮かべたようだったという。
また中日新聞社も1面で【事件当時、中日新聞社は袴田巌さんを犯人と断定する報道をしていました。袴田さんと家族の人権と名誉を傷つけたことを深くおわびいたします。】と謝罪の記事を掲載。【中日新聞社は2009年、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しました。今後も予断や偏見を排した冷静な報道を続けて参ります。】とも付け加えた。
冤罪事件といえば、だ。当時、赤いフェアレディーZを乗り回し、長野富山連続女性誘拐殺人(1980年2月~3月に発生)を犯したあの女性犯(宮崎智子)とともに共犯容疑で逮捕された贈答品販売業北野さんのことが思い出される。当時、マスコミ各社は北野さんを共犯と断定する報道を続け、のちに各社とも冤罪報道で謝罪したいきさつがある。
あのとき、名古屋本社から派遣され、長期にわたって現地取材。足と耳、目を駆使した取材で「北野さんはやってない。なぜ書かなきゃいけないのだ」と長野支局デスクに食ってかかり「デモな。ガミちゃん。警察が逮捕したものを書かないわけにはいかないだろう」という冷たい表情のデスクと怒鳴り合いとなった日々が思い出されるのである。冤罪捜査同様、冤罪報道もよくないのである。
パワハラなどの告発文書を巡り兵庫県議会で不信任決議を受けた斉藤元彦知事が26日、県庁で記者会見。30日付で自動失職し、出直し選挙に出馬する-と表明。
(9月26日)
【能登豪雨 死者11人 廃棄物仮置き開始】【石破・高市・小泉氏競る あす自民総裁選 決選投票の公算大】【伊勢湾台風映し出す教訓 ―被災65年― 大同高教員撮影の動画発見公開へ】(中日新聞26日付朝刊)。
かなしいこと。楽しかったこと。辛いこと。このところは、むしろ気が滅入るような不幸で悲しい出来事ばかりではあるけれど。新聞各紙は、それでも-と、きょうも歴史の1ページを後の時代に向けて、発信し続けているのである。
なかでも嬉しい話といえば、だ。【池江選手 白血病が「完全寛解」】ではなかろうか。2019年に白血病を公表した競泳女子の池江瑠花子選手(横浜ゴム)が25日、病状が治まって異常が見られなくなった状態を指す「完全寛解」を迎えたとインスタグラムで報告したニュースか。池江さんは「とても長い5年間だったなと感じています」などと今の心境をつづったという。
そして。夕刊は何といっても5098人もの死者・行方不明者を出したあの昭和34年9月26日夜に東海地方に襲来した伊勢湾台風に関するもので、紙面は【伊勢湾台風65年 犠牲者悼み 防災へ思い新た 名古屋などで慰霊祭】の見出しに能登半島豪雨災害関連の記事【学校再開久々の笑顔 豪雨で休校 輪島の小中】だろう。ほかに、あえて言うなら、だ。【兵庫知事 出直し選出馬へ 午後会見 自動失職の意向】か。
2024年9月25日
新聞を読んでいると、つくづく思う。この世は地獄なのか、とだ。でも、そうであってはならない。人間みんなの努力で少しでもそうはならないように、幸せな社会にしていかなければ、と。そうは言っても人間たちに自然界を災害のない、不幸のない世界にする力があるかとなれば、だ。はなはだ疑わしく難しいことも事実だ。
【能登豪雨72時間経過 死者8人に 被災仮設救いの手 ボランティア始動】【片方の靴 希望と焦燥 能登豪雨72時間経過 懸命の捜索続く 千枚田複数土砂崩れ 輪島】といった見出しの数々。これらの活字を目の前に、わたくしは、かつて家族5人(あえていえば、ほかに今は亡き愛猫てまり、に兎のドラえもんさんが共に過ごしていた)そろって7年の長きにわたって過ごしていた能登がそれこそ、満身創痍、傷だらけになっている惨状を改めて思う。と同時に被災地の皆さまは誰もが、もはや心が折れる寸前ではないか、とも推察する。そのように思うと、いま改めて能登の悲劇に打ちのめされるのである。でも、なんたることだと叫んだところで、どうにもならないのも事実だ。
夕方。届いた夕刊を手に取ると【大関大の里誕生 「唯一無二の力士を目指す」 昭和以降最速】の活字が飛び込んできたのである。
25日付の中日新聞夕刊1面。「唯一無二の力士を目指します」と大関大の里が誕生した
(9月24日)
火曜日。
プロ野球のソフトバンクが23日、4年ぶりのパ・リーグ制覇を果たした。この日、マジックナンバーを【1】として臨んだオリックス戦の終了直前に2位の日本ハムが破れたことにより優勝が決定。オリックスには9―4で勝った。中日スポーツによれば、だ。ソフトバンクは南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代も含めると22度目の栄冠。過去3年はオリックスに3連覇を許したが、就任1年目の小久保裕紀監督(52)が昨季の3位からリーグ制覇に導いたという。
けさの朝刊報道。【能登豪雨死者7人に 断水5000戸 孤立なお56カ所】【田を守り続けた父=輪島市堀町、尊谷松夫さん(89)=「なぜ…」 輪島で犠牲 長男悔やむ】【「奇跡起きて」祈り捜索 能登豪雨 中3不明 同級生も現場に】【濁流82歳夫婦のむ 救出後に犠牲「悔しい」近隣住民ら】=いずれも中日=といった記事がなんともいたましい。私たち人間は自然の猛威の前には、ただ立ち尽くすほかないのか。合掌―
能登の豪雨水害はNHKでも連日、報じられている(NHKニュース。24日夜の画面から)
午後。銀行へ行き、平和堂近くの喫茶「日向ぼっこ」でランチを食べ、レモンティーをのみながら、なぜか舞、たつ江のことを思い出す。彼女の生前に何度も一緒にこれば良かった。のに、と。つくづく反省する。共に訪れたのは、数えるほどだった。
帰宅し、夕刊を開く。新聞紙面には【不明者 懸命の捜索 能登豪雨72時間経過 災害ボランティア始動】【レバノン1600カ所 空爆死者492人に イスラエル、攻撃続行の構え】の見出しが目の前に迫った。自然の威力が脅威なら、人間のやることは誠にお粗末に過ぎる。あ~あ。
(9月23)日
朝。新聞(中日など)に目を通す。
【能登豪雨115集落孤立 死者6人 行方不明2人】【中3の娘1人いた家流され 父「早く見つかって」】【寸断 家族捜せない 能登豪雨 不明の義母案じる男性】【地震耐えた家 弟犠牲 土砂で倒壊、姉悲鳴】【仮設住宅9カ所で床上浸水 安全な平地少なく】【トンネル付近13人救出 輪島 消防・自衛隊、捜索続く】……の活字がわが目に次々と飛び込んでくる。なんたることなのだ。わが愛する能登半島。あれほどまでにいたいけで純粋な能登に、自然たちは何か恨みでもあるというのか。泣きたくなってくる。とは言っても、だ。今は少しでも早い復旧を、このうえは被災地に1日も早い平穏が戻ってくることを願うほかない。
ところで、今は午後10時過ぎである。外では、ここ尾張の地でも雨粒の音が異常と言っていいほどの大きさで軒を打ち始めた。この雨音の集団を耳に私は、かつての自身を思い出すのである。こうした被災地を目の前にするつど、私は若き日々、第一線の取材記者として写真部員のカメラさんと一緒に、それこそ決死の覚悟で何度も何度も、それこそ数えきれないほどの現場に急行。これでもか、これでもかーと全国各地の被災現場(どこも多くの人々が息絶えた修羅場といっていい惨状であった)に取材ヘリで上空から派遣されたあの壮絶だった日々のことを思い出すのである。
どの現場も100年に一度あるかないかの地獄の惨状に呻いていた。人間たちの心という心が全て切れ切れになっていた。そんな被災地のあの日々の姿が目の前に大きく浮かぶのである。
具体的には、三重の嬉野豪雨に始まり、岐阜の栃尾温泉崩落、山陰豪雨、長崎大水害、中部日本海地震、長野で起きた老人ホーム「松寿荘」崩落、三宅島噴火……と、それこそ数えきれないほどの被災現場を訪れた、あのころは歩けば歩くほどにこちらの精神までが傷つき、ボロボロになりながらの過酷な取材で、それでもどこまでも歩き続けた……。まさにあの日々の、あの悲劇の数々が頭に焼き付いているのである(災害以外では稚内沖オホーツクの海へのソ連機による大韓航空機撃墜事件の現地取材、そして御巣鷹山への日航ジャンボ墜落時には航空評論家氏に同乗して頂いての再三に及ぶ上空からのルポ、ほかに山口で起きた自衛官小銃乱射事件の現場や長野富山連続女性誘拐殺人事件の現場取材でも長期特派されたりした)。
ましてや、能登半島といえぱ、だ。名古屋空港を担当する空港記者として各地の災害事件現場にそのつど派遣された社会部(小牧)に続く思い出の染みついた任地=当時、七尾支局長として着任した=で実に7年の長きにわたり家族5人もろともに過ごしたそれこそ、私たち家族には忘れられない聖地なのである。その能登が今、地震、そして豪雨水害という自然災害に呻いている。かといって、起きてしまった災害をなくすわけにもいくまい。所詮、人間たちは自然の手の中で生かされている。起きてしまった以上は、どうしようもない。薄情極まる自然たちに遊ばれているとさえ思われてくる。
それでも、なんとかして元の平穏なる生活に戻らなければならないのである。
それはそうと。きょうは、不思議なことが起きた。昼前。わが家の窓から1羽の蝶がふんわりふわりと、リビングに飛んで入り、しばらくカーテンにつかまっているではないか。わたしには、この1羽がどうしても舞の化身に思われて仕方なく、しばらくそのままにしておいたが、やがてその蝶は翼を広げ窓越しに大空に飛び立っていったのである。彼人(かのひと)ならでは、で長年住み慣れた能登半島のことを心配して飛んで来たに違いない。この世は不思議。謎めいた異界である。ふと、そんなことを思ったりした。舞よ、マイ、まい。たつ江よ。おまえが大好きだった能登、あの<のと>が今うめいている。早く元通りになるといい、よね。
ふわりと室内に飛び込んできた不思議な蝶々。舞の化身に思われてしかたがなかった
23日。この日は東京都内で開かれた立憲民主党の臨時党大会で野田佳彦元首相(67)が新代表に選ばれた。野田氏は1回目の投票でトップになったものの過半数に達せず、決選投票で枝野幸男元代表(60)に勝利した。「本気で政権を取りに行く」との第一声だったが、期待しようではないか。きょうは、昼の間、この町(花霞)の3組2班の班長として熱田神宮の初穂料の回覧板を回す、などあれやこれやに追われ、今(午後11時前)になってやっと、こうして書いている。それにしてもナンダカンダに振り回され、休む暇がない。
防衛省によると、23日、露軍の哨戒機「IL38」1機が北海道礼文島北方の空域で同日午後、計3回領空侵犯。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進、1958年に対領空侵犯措置を開始してから初めて強い光りと熱を発するフレアを使用して警告。同時に日本政府はロシア政府に厳重抗議。イスラエルがヒズボラ拠点300カ所を攻撃。182人が死亡、700人以上が負傷。
(9月22日)
朝刊1面は案の定、【能登豪雨16河川氾濫 1人死亡 仮設住宅浸水 10人と連絡取れず】【流される車 間一髪の救出劇 地震復旧作業員ガラス破り】【復興半ば無情の豪雨 仮設住人「地震で大変なのに洪水」 輪島 土砂崩れ両足挟まれ 珠洲 道路寸断孤立相次ぐ】(22日付中日見出し)と痛ましい活字が並んだ。ほかにも【「被爆体験者」の医療拡充 長崎地裁判決には控訴 首相表明】(同)と紙面は暗い話題で埋め尽くされている。
それでも救いと言えるのが大の里の2度目の優勝を伝えた【大の里 2度目V 秋場所 大関昇進確実に】(22日付中日)といった記事である。大相撲の秋場所14日目が21日、東京・両国国技館で行われ、西関脇の大の里(24)=本名中村泰輝、石川県津幡市出身、二所ノ関部屋=が大関豊昇龍を破り、13勝1敗で2場所ぶり2度目の優勝を決めたという明るい話題である。
大相撲と言えば、場所中に現役を引退した元大関貴景勝の湊川親方(28)=本名は佐藤貴信、兵庫県出身、常盤山部屋=が21日、両国国技館で記者会見に臨み「燃え尽きた。横綱をめざす体力、気力がなくなった」と言葉を詰まらせながら語った。優勝4度の実績があり、まだ若いだけに残念な気がしないでもない。先場所で2度目の大関陥落となり、今場所は復帰に必要な10勝をめざしたが、結果的に最後の取組となった2日目の一番で、かつて自身の付け人を務めた王鵬に敗れて土俵を去ることとなった。人生いろいろである。
2024年9月21日
NHKラジオによれば、気象庁が午前9時7分、線状降水帯が発生した-として石川県能登半島の輪島市、珠洲市、能登町にレベル5の大雨の特別警報を出した。猛烈な雨により河川が氾らん、珠洲市では2カ所で孤立集落までが出ているという。なぜ、能登半島ばかりがこれほどまでに痛めつけられるのか。わたくしは、そのことを今は亡き妻、伊神舞子、すなわちたつ江に空に向かって聞いてみる。彼女はこういうだろう。
「わかんない。わからないってば。それより、からだ大丈夫。あまり無理しないことよ」と。
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が19日、マイアミで行われたマーリンズ戦でメジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成。ふたつの盗塁を決め51盗塁としたあとに六回に49号2ラン、七回に50号2ランを打って到達。それぱかりか、九回には51号3ランも放ち、6安打、3本塁打、10打点はいずれも日本選手の1試合最多記録となった。チームは20―4で快勝。大谷は、9試合を残して「51本塁打、51盗塁」。メジャー7年目で初のプレーオフ進出も決めた。快挙を成し遂げた大谷は「これだけ打てたことは人生でもない。自分が一番びっくりしている。一生忘れられない日になった」と話している。
(9月20日)
空の日である。
斉藤元彦兵庫県知事らのパワハラ疑惑に端を発した県議会(定数86)の全会派と無所属議員が19日、斉藤知事への不信任決議案を共同提出し、全会一致で可決。斉藤知事は10日以内に失職か県議会を解散するかを求められるーとは、本日付の中日新聞。【兵庫知事不信任可決 全会一致 斉藤氏「責任重い」 辞職か解散 明言せず】の見出しで報じている。
ほかには中国南部の広東州・深圳(しんせん)市で18日、深圳日本人学校の男子児童(10)が通学中に男に刺された事件で、病院で治療を受けていた男児が19日未明に死亡。金杉徳治駐中国大使が、中国側に事件の説明と日本人の安全確保を求めたことか。毎日毎日、いろいろある。
(9月19日)
木曜日。彼岸の入りである。
きょうも【中日・立浪監督 今季で辞任】、【通信機器2日連続 ヒズボラ標的21人死亡】(中日)をはじめ、【知床観光船沈没社長逮捕 海保業務上過失致死疑い】【ポケベル一斉爆発 ヒズボラ配備品12人死亡、2800人負傷】、【強制不妊、補償法案了承 超党派議運】(毎日)など、この社会にはいろいろ報道が飛び交っている。
なかでも私が住むこの地方でのニュースといえば、だ。立浪監督の今季限りの辞任表明であろう。これはあくまで私見ではあるが、わたくしはピンチこそチャンスで、これをいい機会にあのイチローさんにドラゴンズの新しい監督になってもらえたら、と。あくまで願望ではあるが、そう願う。
ちなみに、きょうの中ス(中日スポーツ)1面記事の総合リードをここに記録として残しておこう。
―中日の立浪和義監督(55)が18日、今季限りで退任する意向を表明した。バンテリンドームナゴヤでの阪神戦に3―8で破れた試合後の会見で「結果が全ての世界。監督が責任を取るのは当然です」と話した。2022年に就任し1、2年目は最下位。今季も下位に低迷していた。ファンに誓ったチームの立て直しを果たせないまま、道半ばでユニホームを脱ぐことになる。
立浪退任を報じた中日スポーツと中日本紙
夕方。能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】を作曲して頂いた作曲家牧すすむさん=牧さんは琴伝流大正琴弦洲会の会主(倉知進さん)で大師範でもある=ともども名古屋の神宮前レコーディングスタジオへ。牧さんの指示に従い【能登の明かり】が同スタジオのエンジニア名手、若干24歳の石川海(いしかわかい)さんの幽玄、かつ幻ともいえる不思議な手で最終的に繰り返し繰り返し、修正されていく場面をこの目と耳でしっかりと確かめさせて頂いたのである。
ここまで長い道のりではあったが。あとはCDの誕生を待つばかりとなった。
(9月18日)
水曜日。徳富蘆花忌。
本日(18日)組の中日新聞夕刊は【ポケベル爆発2800人負傷 ヒズボラ標的、9人死亡 レバノン イスラエルに報復宣言】【「次は私たちのスマホか……」原因不明 市民は恐怖】、さらには【北朝鮮が弾道ミサイル 複数発射 日本のEEZ外落下】(18日付中日夕刊)といった内容で、血なまぐさい活字が並ぶ。そうしたなかで米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が17日、マイアミで行われたマーリング戦で自己最多を更新する48号2ランを放ち、メジャー通算219本塁打としアジア選手単独最多となったとの報道は明るい話題である。ドジャースのシーズン記録は2001年のショーン・グリーンの49本塁打で、大谷はあと1本に迫ったという。
きょうの中日新聞1面に【17日夜は「中秋の名月」 岐阜市木田の堤防の上ではほぼ真ん丸の月が、金華山山頂の岐阜城の背後から昇っていく光景が見られた】の写真説明入りで<名月を背に>した満月の写真が。そして尾張版には【新本堂響く本格オペラ 江南・永正寺でこけら落とし公演 プロ歌手とアマ合唱団 上質な音追求した空間】の記事が掲載されていた。どちらも、心なごむ新聞ならではの温かい報道である。
17日夜の中秋の名月(中日新聞)
永正寺での本格オペラのこけら落とし(中日新聞尾張版)
※ ※ ※
今季の中日でファン投票を基に最も活躍した選手をえらぶ「第43回ドラゴンズクラウン賞(中日スポーツ主催、愛知トヨタ協賛)」に17日、高橋宏斗投手(22)が決まった。愛知トヨタから最高級乗用車「クラウン」が贈られる。表彰式は23日の広島戦終了後にバンテンドームナゴヤで。
(9月17日)
火曜日。十五夜である。
米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞の発表・授賞式が15日(日本時間16日)、ロサンゼルスで開かれ、日本の戦国時代が舞台の米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」が連続ドラマ部門作品賞を受賞、出演した真田広之さん(63)とアンナ・サワイさん(32)がそれぞれ主演男優賞、主演女優賞を獲得した。エミー賞で日本人俳優の主要部門受賞は初めて。SHOGUNは18冠に輝いた。プロデューサーも務めた真田さんは日本の時代劇関係者らに謝意を示し「あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を超えた」と日本語で語った。サワイさんは、真田さんが「扉を開いてくれた」と目に涙を浮かべた。――とは、中日新聞の【日本人2俳優 エミー賞受賞 真田さんら「将軍」18冠】(17日付見出し)の記事からである。
それから自民党総裁選(27日投開票)だが、共同通信が国会議員票や党員・党友票(地方票)の動向を探ったところ、9候補のうち小泉進次郎元環境相(43)、高市早苗経済安全保障担当相(63)、石破茂元幹事長(67)の3氏が先行している情勢が分かったという。このままだと、1回目の投票でどの候補も過半数を獲得できず、上位2氏による決選投票となる公算が大きい。総裁選の期間はまだ10日ほどあるうえ約2割の議員が投票先未定のため、なお流動的だという。自民党支持層電話調査で「新総裁」に誰がふさわしいか尋ねたところ、高市氏が最多の27・7%、石破氏23・7%、小泉氏19・1%だったという。
ほかには【100歳以上 最多9万5119人 54年連続増 女性が88%】【トランプ氏暗殺未遂容疑者 11時間半待ち伏せか】(いずれも17日付、中日夕刊)といったところか。
(9月16日)
月曜日。「敬老の日」で祝日。夕刊はこない。
朝。ゴミ出しのあと、いつものように俳句猫「白」、すなわちシロちゃんを送り出す。雨降りの後で路面が水に濡れていたため、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、しばらく外の様子を確かめたあと、いつもより遅く午前11時前になって自宅を出た。おかあさんと会い、近況を報告するには、やはり、晴れたそらの下の方が良いらしい(彼女は、その後、正午過ぎには帰宅、ほんとに規則正しい)。
敬老の日ということで各紙には【65歳以上最多3625万人 人口推計4人に1人が就業】(中日)【高齢者過去最多3625万人 総務省統計 4人に1人就業】(毎日)といった見出しが目立つ。
スマートフォンが鳴る。開くと「ゴルフ中のトランプ氏暗殺未遂事件…容疑者との距離400m前後コース付近の」とあった。開くと【コース付近のフェンスで銃を構えた男にSSが発砲 FBIが捜査開始】とあるではないか。さらに読み進めると「アメリカ南部フロリダ州で、トランプ前大統領を銃で狙ったとみられる事件がありました。FBI(アメリカ連邦捜査局)は、暗殺未遂事件として捜査を開始しました。捜査当局によりますと、15日午後、トランプ前大統領がゴルフをしていたコース付近のフェンスで、銃を構えた男をシークレットサービスが見つけ、発砲しました。/現地メディアによりますと、男はライアン・ラウス容疑者(58)で、捜査当局は容疑者の身柄を拘束し、現場から「AK47自動小銃」を押収しました。……】とあるではないか。いやはや、トランプはまたしても狙われたのか。
そういえば、つい先日、弁護士の兄夫妻が一昨年(2022年)の5月16日に満102歳の誕生日(6月1日)を前に日進の愛泉館で亡くなった母(伊神千代子)の生前、101歳のころの写真をわざわざ送ってくれた。倹約、節約家だった母を習ってか兄夫妻は母の使い古した切手を秋の切手の値上げ前に-と思ってか封筒いっぱいに張り、送ってくれたのである。
その懐かしい母の写真を息子がおかあさん(舞、たつ江)の仏の隣に掲げたのは言うまでもない。おかあさん、そして舞よ、マイ。俺たち元気でいるから安心してよね。
母の写真は倹約家の母ならでは、か。兄夫妻により使い古しの切手と共に私たちの下に送られてきた
2024年9月15日
朝。起きて。いつものようにスマホをチェック。社交ダンス仲間のミズタニただしさんはじめ、曽我部さん、おときさん、若先生、そして。ほかにも多くのダンス仲間たちから「おはようございます。本日9月15日付の中日新聞朝刊に権太さんの本の記事が掲載されていました。なんか私達のダンス仲間 権太さんの事が光り輝いた感じです もう一度『わたし帰った かえったわよ』 本棚から取り出して読んでみます。」(ただしさん)「ゴンタさん 凄い!不思議な魅力がある方と思っていました」(おときさん)といった嬉しいメールが続々と相次いで寄せられ、わたくしは皆さんにどうお礼を申していいのか。ちょっと、たじろいでしまったのである。
と同時にあらためて、かつて私自身も名もなき一人の新聞記者として携わってきた記事の威力が、どういうものであるかを、思い知らされもした。私の著書のこんな新聞掲載という思いもしなかったハプニングのせいか。けさは元々ちらちらと痛む前々からの抜歯跡が本日に限ってなぜだか、大波の如く痛み、これも何かの因果かなっ、と思った次第。それにしても、けさのその部分の激痛には驚いた。激痛は、まるで津波のように私を三度、襲ったのである。でも、それもしばらくして治まった。大丈夫かとは思うが。いつもの癖で何かと神経質になりすぎだからに違いない。
午後、買い物の前に近くの古知野食堂で昼食を取ったが、朝方の歯肉痛は嘘の如く治まっており、食事もふつうに食べることが出来た。それにしても、けさのあの痛みは何だったのか。というわけで、きょうは、安全を期して入浴は久しぶりにやめることとした。ポックリ逝ってしまうようなことがあったら、こどもたちばかりか、日ごろお世話になっている友人や周りの人たちを悲しませるばかりか、何よりも迷惑をかけてしまうに違いないからだ。元気でいてこそ、わたくしの文学は実りあるものだからである。わが身を大切にしなければ。
わが身はむろんのこと、まだまだ大切にせねばならない人々はいっぱいいるのである。簡単に倒れるわけにはいかない。
中日新聞の「読者の一冊」特集に思いがけず掲載された自著「あたし帰った かえったわよ」の記事
(9月14日)
【強制不妊全訴訟和解へ 原告と政府 合意書調印 本人に慰謝料1500万円】【静岡県ボーリング容認 リニアJR東海に17日にも伝達】【コメ5㌔ 前年比427円上昇 8月全国平均は2266円】【警察の個人情報収集違法 岐阜県警に一部抹消命令 名高裁判決】(14日付中日1面見出し)とは本日付新聞のニュースである。
なかでもリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り静岡県が17日にも、県内でボーリング調査を容認する考えをJR東海側に伝えることが関係者への取材で分かっとは、これまで停滞していたリニア中央新幹線開業への道が一歩大きく進むことになったと言ってもよい明るいニュース。それだけに、こんごどんな展開となるか、大いに期待してよいと思う。
ほかには【▲「人を笑わせ、考えさせる」研究に贈られるイグ・ノーベル賞。今年の生理学賞に選ばれた東京医科歯科大の武部貴則教授らのグループは米マサチューセッツ工科大での授賞式にさかなクンよろしくドジョウの帽子をかぶって登場した▲腸呼吸をヒントにマウスやブタに肛門から酸素を溶かした液体を注入して血中の酸素を増やす「腸換気法」を開発した。「哺乳類もお尻から呼吸できる」ことを証明したのが授賞理由だ(毎日、余録から)】とは、18年連続の日本勢の受賞研究の中でもトップクラスの受賞ニュースか。
そして。もう一件あげるとしたなら、俳優吉永小百合さんの夫岡田太郎さん=元共同テレビ会長=の死であろう。東京都出身の彼は3日、胆のうがんのため亡くなり、妻吉永(岡田)小百合さんが喪主となり、家族葬が行われたという。94歳だった。悲しみは、どこまでも途切れることがない。
(9月13日)
この世の中は、毎日毎日が流れ星のごとく瞬間的に通り過ぎてゆく。
そんな中を人間たちはそれぞれの思いを胸に、どこまでも生きていくのである。
金曜日。朝刊は【自民総裁選に最多9氏 27日投開票「政治とカネ」争点】【脱派閥議員票奪い合い 自民総裁選自主投票が浸透 裏金再発防止 世帯交代 子育て支援】【マイナ免許証3月導入 警察庁方針切り替えは任意】【強権の「救世主」激動人生 フジモリ元大統領死去】【ペルーに「アイチ・ナゴヤ学校」 寄付で建設 貧困地域に教育機会】【両親がアフガン難民 女児に日本国籍許可 名高裁が初の決定】(いずれも13日付の中日見出し)…といったところか。
いやいや、まだまだある。
【兵庫知事不信任へ 全会派 19日に共同提出 パワハラ疑惑】【「ドンファン」元妻 無罪主張 和歌山地裁初公判 検察「遺産目的」 資産家殺害事件 完全犯罪何度も検索】(毎日13日付朝刊見出しより)。
世の中が生きている限り、いろいろある。天気が悪くなれば天から降ってくる雨粒みたいなものか。わたくしは生前の舞に「だから、世の中なんて。所詮は無、無なのだよーと訳も分からないのにそう言い、同意を求めたものである。それでも、この世は生きているんだから。互いに大事にしようよね-とは生前の彼女の目、視線でもあった。
私が主宰するウエブ文学同人誌の次回テーマエッセイをどうするかーについて黒宮涼編集委員と電話で久しぶりにあれやこれやと話し合う。この結果、次回テーマエッセイは、AIを取り入れたエッセイ(テーマは自由)にすることで新しい文学の世界に挑戦していくこととなった。さて、どうなるか。中部圏の同人誌、いや、日本中の同人誌でもおそらく初めての試みとなるに違いない。それだけに、読者のみなさまには大いに期待してほしく思う。
午後、社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ。タンゴにワルツ、スロー、それにきょうからはスロー・フォックス・トロットが加わり、かなりハードなレッスンとあいなった。それでも先生(わかさん)は「ごんたさんには、スロー・フォックス・トロットが案外、あうような気がします」なんだって。
(9月12日)
さて誰が次の自民党総裁に選ばれるか。国民の関心は高い
岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選が12日午前に告示され、27日投開票に向けた15日間の選挙選がスタート、過去最多の9氏が届け出た。上位2人による決選投票になる公算が大きいという。夕刊1面の紙面はどこも自民総裁選一色だが、ほかのニュースといえば、だ。【フジモリ元大統領死去 86歳 ペルー、日系人で初】【マイナ免許証3月から 警察庁 取得・更新費用安く】(中日)【日鉄、米当局と協議 USスチール買収 正当性主張か】【景況感2期連続プラス 大企業7~9月 製造業、価格転嫁進む】(日経)といったところか。
(9月11日)
中日新聞夕刊によれば、米大統領選の民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)によるテレビ討論会が10日夜(日本時間11日午前)、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた。6月の討論会で撤退したバイデン大統領(81)に代わって出馬したハリス氏とトランプ氏の直接対決で2人は経済や人工妊娠中絶の権利、移民政策などを巡り激しい応酬を繰り返したという。
午前中、神宮前のレコーディングスタジオへ。先日、歌手岡ゆう子さんに吹き込んで頂いた能登半島地震の応援ソング【能登の明かり】のCD化の件で担当スタッフ石川海(いしかわかい)さんにお会いし、最終調整をするためである。能登半島を赤く照らす水平線、そして海岸に咲いた歌のポイントでもある雪割草…と被災地の方々お一人ひとりに岡さんの声とともに十分、勇気と希望を与える内容だと確信し、私なりに満足して帰宅したのである。あとは作曲者である牧すすむさん、歌手の岡さん、編曲者の安本和秋さんにあらためて確認させて頂き、異論がなければ、このCDでーと思っている。
帰りに、名鉄神宮前駅近くの食堂に入り、久しぶりに名古屋めしの昼食をたべ、帰宅した。
久しぶりに食べた名古屋めしの昼食
そういえば、きょうは9月11日である。ニューヨーク同時多発テロが発生したその日だ。私はあの日、新聞社の編集局デスク長としてデスク長席に座った、まさにその時、世界を揺るがす大事件が起きたのである。以降は、ウサマ・ビンラディンを中心とした記事に来る日も来る日も同僚らとともに忙殺された、まさにその日が始まりだった。
(9月10日)
中日新聞の本日(10日)付夕刊によれば、東電が本日、福島第一原発2号機の溶解核燃料(デブリ)の試験的取り出しを始めた。2週間程度をかけ格納容器内からの少量の採取をめざすという。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断。採取作業は2011年3月の事故後、初めてで当初計画の21年から3年遅れでの着手となった。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされているだけに、無事な採取を願いたい。
長崎地裁が9日、国の援護区域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認定されていない「被爆体験者」44人(うち4人死亡)が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で15人(うち2人死亡)を被爆者と認め、手帳交付を命じた。15人がいた地区に放射性物質を含む「黒い雨」が降ったと判断、残る29人の訴えは退けたもので、中日新聞は1面トップ見出しで【長崎被爆体験者15人救済 援護区域外 残る29人は敗訴 地裁判決手帳交付命じる】と報じた。
第17回夏季パラリンピック・パリ大会が8日(日本時間9日)閉幕。新型コロナウイルス禍の収束を受けて2大会ぶりに観客が戻り、チケット販売は史上2番目の250万人に上り、パラスポーツ最大の祭典はたぐいまれな盛り上がりを生み出し、「共生社会」の未来図も提示したのである。囲碁の国際棋戦「第10回応氏杯世界選手権」五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼本因坊(27)が謝科九段(24)に黒番中押し勝ちし、3連勝のストレートで初優勝。主な世界戦で日本勢が優勝したのは、2005年のLG杯の張九段いらいで19年ぶりだという。
(9月9日)
月曜日。きょうは休刊日で新聞(朝刊)が来ない日なので、その分ゆったりとした時間が取れ、どこかホッとしている。朝刊が届くと、どうしても隅から隅までとは言わないまでも紙面全体を把握するのにかなりの時間を費やし、体力も消耗するので、その分疲れてしまうのは事実である。
というわけで、けさは新聞がこないので少し解放された気持ちでいる。月曜日なのでゴミ出しをしたあとは、いつものように舞(たつ江)が晩年に私の目を見て訴えるように話しかけてきた「あのねえ、私が居なくなっても▽エーデルワイス、と▽みかんの花咲く丘(加藤省吾さん作詞のこの歌は、舞が営んでいたリサイクルショップ「エーデルワイス」の歌でもあり、舞は毎月お店を解放してミニ音楽会=コンサート=を開いていた)の2曲は毎日聴いてよね」の言葉に忠実に、ゴミ出しを終えたところでこの2曲を、いつものように愛猫シロちゃんと一緒に聴いたのである。そして、シロは、いつもの時間よりは30分ほど遅れ、意を決してお外に出た。
どうやら私の心はシロちゃんにも分かるらしい。デ、私はそのつどシロは今や舞の化身ではないか、と。真剣にそう思っているのである。
ところで新聞の方だが、やはり気になる。夕方になり夕刊を開く。
2024年9月8日
日曜日。本日付の中日新聞1面見出しは【PARiS 2024パラリンピック 小田 夢見た金 車いすテニス 男子単 「やばい、かっこよすぎる俺」】というものだった。記事もまた以下の通りでなかなか、よかった。
【パリ=下条大樹】宿敵ヒューエット(英国)との激戦を制した瞬間、18歳の小田凱人=おだときと=はラケットを放り投げ、感情を爆発させた。車いすの車輪を両方外し、赤土のコート上に寝転がると、両手で顔を覆って感極まった。初のパラリンピック出場で金メダル。昨年夏、初めて四大大会(グランドスラム)を制したローランギャロスで再び勝ちどきを上げた。「やばい、かっこよすぎる俺」】
ほかには米大リーグ・ドジャースの大谷がロサンゼルスでのガーディアン戦に「1番・指名打者」で出場して45号ソロを放ち、既にマーク済みである盗塁と合わせ史上初の「45本塁打、45盗塁」を記録。4打数2安打1打点でシーズン100打点と160安打に伸ばし自己最多に並んだことか(ドジャースは1-3で負けた)。
(9月7日)
パリ・パラリンピック第10日の6日、柔道女子57㌔級(弱視)の広瀬順子(SMBC日興証券)、男子73㌔級(弱視)の瀬戸勇次郎(九星飲料工業)がともに初の金メダルを獲得するなど日本勢は金4を含むメダル9個を奪取、今大会の金メダルは12となり、前回東京大会の金にあと1まで迫った。このうち50㍍自由形に続き、男子100㍍バタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一は「最後苦しいところを耐えれば自己ベストが出るという自信があった」と話している。車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)は決勝でオランダ選手に競り勝って初制覇。男女を通じて日本勢初のダブルスとの2冠に。男子ダブルスの小田凱人(東海理化、愛知県一宮市出身)三木拓也(トヨタ自動車)組は決勝で英国ペアに惜しくも敗れ、銀メダルだった。でも、みんな逆境をはねのけてよく頑張っている、と。私は思う。
立憲民主党の代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、当選1回の吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補を届け出、23日の臨時党大会で新代表を選出することになった(任期は、2027年9月末まで)。このうち、吉田氏は、立候補を模索していた江田憲司元代表代行(68)と7日朝、国会内で会談。江田氏が出馬を断念し、吉田氏に一本化することを決めたという。どんな結果となるのか。関心がもたれるところだといえよう。
(9月6日)
「脱原発社会をめざす文学者の会」で私が執筆している文士刮目が40回目となり、その40回【どこへ行く ニッポン政治】が本日公開された。関心のおありの方にはぜひ読んで頂き、日本の行く末について共に考えて頂けたら、と願う。アドレスは次のとおりである。
http://dgp-bungaku.com
朝。スマホがピコピコ、ピコリンコと控えめに鳴った。画面を開くと、七尾で大変お世話になった、かの女性からで「お久しぶりです 今日の朝刊に載ったのでおくります」というもので、そこには本日付の北陸中日新聞<くらしの作文>【一筆啓上 伊神舞子様 竹内喜美代(金沢市=無職・90歳)】なる文が寄せられていた。私は、その心のこもった<くらしの作文>を読むうち、在りし日の妻舞(たつ江)を思い出し、涙ぐんでしまったのである。ありがとう。ありがとう。本当にありがとうございますーと、私は思わずスマホに向かって頭を下げている自分自身に気付いたのである。ありがとうございました。竹内さん! そして教えてくださった笹谷さん。
北陸中日新聞の<くらしの作文>で紹介された竹内喜美代さんの【一筆啓上 伊神舞子様】
午後。いつものように社交ダンスに、と出かけた。久しぶりに【禁じられた遊び】の曲にあわせながら相方とワルツを踊る。おどりながら、腰まであった黒い髪をなびかせ、志摩半島の私のもとにからだひとつで来たころ、なぜかギターだけを胸に抱えていた亡き妻のことを思い出し、ステップを踏みながら果てなく、涙が出る私を感じていた。はたちになるかならないか、のたつ江、舞は【禁じられた遊び】とジョン・バエズの反戦歌が大好きで、わたくしが通信部で執筆中、いつもこのメロディーを弾いていた遠い日々が思い出されたのである。
同時にこの世を旅立つ前、「社交ダンスだけは続けてよね。健康にいいのだから」と私に向かって命令長でいつも話しかけて、くれていた。でも、曼殊沙華と秋の空が大好きだったその彼女は、もはやこの世にはいない。
♪曼殊沙華人恋ふごとに朱深く
♪秋空に未来永劫と書いてみし
どこに行ったのか。もしかしたら、私の隣にシロと一緒に幻の精となっているのかもしれない。
(9月5日)
本日付の中日新聞夕刊1面に【日鉄のUSスチール買収 米、阻止へ最終調整 欧米報道】【島国デジタル化 日豪が支援強化 2プラス2共同声明】に加え【組みひも欧州で芽吹く 大垣の染織家 50年普及活動 独に組織設立 教え子が指導】のホットニュース。なかでも日本の伝統工芸である組みひもや草木染を50年にわたって世界に伝えてきた岐阜県大垣市の染織家所鳳弘=ところほうこう。83歳=さんの頑張りには頭が下がったのである。所さんといえば、私が大垣時代に大垣市の彼女の工房を何度か訪れ、当時は親しい間柄でもあった。記事を読んで、つくづく私もがんばらなきゃあ、と思った次第だ。
日本新聞協会が4日、2024年度の新聞協会賞を発表。中日新聞社の「福祉事業会社『恵(めぐみ』)の不正に関するスクープと、一連の報道」(中日新聞社「恵」問題取材班)など6件が選ばれた。日本新聞協会は授賞理由で「利益を優先する運営実態を次々と暴いた一連の報道は、愛知県内の事業所指定の取り消しや全国的な『連座制』適用につながったほか、同様の事業所の実態調査を促した。福祉ビジネスに潜む闇を浮き彫りにし、社会的弱者に寄り添うジャーナリズムの在り方を示す報道だ」と評価。
他の新聞協会賞は。▽自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道(朝日 自民党派閥裏金問題取材班)▽能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真(北国新聞社編集局社会部)▽連載企画「里へ 人と自然の物語」(神戸新聞社 里へ取材班)▽OSINTと3D表現技術による新たなデジタル報道手法の開拓(日本経済新聞社OSINT=オープンソースインテリジェンス=取材班)▽京都アニメーション放火殺人事件連載企画「理由」と公判報道(京都新聞社放火殺人事件取材班)。
またことしの新聞週間(10月15~21日)の代表標語には10104編の応募作から東京都文京区の山崎一矢さん(41)の【流されない 私は読んで 考える】に決まった。
愛知、岐阜、三重の3県知事と名古屋、浜松の2市長が集う「東海3県2市知事市長会議」が4日、三重県明和町で開かれ、災害時の情報共有や観光戦略などについて意見を交換。
ほかには、毎日新聞朝刊に【「俺は知事だぞ」激怒 兵庫申込制の夕食断られ 百条委調査】の見出し。なんとも情けない。もし事実としたなら、だ。ヒヨッコ知事である。警視庁は4日、交通トラブルを装って撮影した他人の運転免許証でクレジットカードを契約しスマートフォンを購入したなどとして東京都江東区の職業不詳、斎藤貴聡容疑者(32)ら男女3人を詐欺の疑いなどで逮捕。
(9月4日)
きょうは、「くしの日」だそうだ。
死者・行方不明者が88人に及んだ紀伊半島豪雨からきょう4日で13年がたつ。このうち29人が犠牲となった和歌山那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろ、遺族らが明かりをともし、祈りを捧げたという。
朝刊1面は、やはり【車いすラグビー 悲願の金 後続に夢 重度障碍者広がる活躍の場】(毎日)【車いすラグビー初の金 若山控えでも堅守支え】【バド梶原連覇】(中日)というものだった。ほかに【ガソリン・電気9891億円補助 追加を閣議決定累計11兆円超え 物価高予備費ほぼ全額】(中日)も気になる記事であった。
(9月3日)
パリ・パラリンピック第6日。日本は車いすラグビーの決勝で米国に48-41で勝ち、初めて金メダルを獲得した(これまでの最高成績は、2016年リオデジャネイロ、2021年東京両大会の3位が最高成績)。
本日付の中日夕刊で目立った記事は、と言えばである。【マングース根絶「極めて高い」 奄美大島ハブ駆除へ移入 環境省検討会】か。ハブとマングースといえば、だ。その昔に北日本一周航路の旅先である七尾港に自船「メイキッス」号で、かの森繁久彌さんが寄られた際、あることで私と森繁さんとが船内で一升瓶を前に大激論となり、その光景を目の当たりにしていた森繁さんのご子息泉さんが「オヤジとゴンタさんはハブとマングースみたいだった」と、その後、私にお会いするつどおっしゃられていた、あの日々が懐かしい。だが、心やさしき日本の名優森繁久彌さんも、親孝行息子だった泉さんも今や、この世にはおいでにならないのである。ああ~ なんてことだ。この世は冷たい。冷た過ぎる 合掌―
気象庁が2日、ことし夏(6~8月)の日本の平均気温が平年を1・76度上回った、と発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年に並び、2年連続で最も暑い夏に。この高温傾向は9月も続く見通しだという。
きのう2日は大半の公立学校で始業式があった。能登半島地震で被災した多くの小学校でも始業式が行われ、輪島市中心部などにある6つの小学校の児童が通う仮設校舎(河井、鳳至、鴻巣、大屋、河原田、三井の各小の計396人)などでも同日から使用を開始。児童たちは元気よく登校した。これら児童は校舎が壊れたり校庭に仮設住宅が建ったりしたため、これまで輪島高校や輪島中学校の校舎を間借りして授業を続けてきたという。「新しい場所で、新しい学びが広がっていくとうれしい。『挑戦』『感動』『笑顔』という三つの合言葉を胸にベストを尽くして」とは校長先生=3日付の中日新聞から。
2024年9月2日
富山市八尾町で私自身もかつて能登に居たころ、2度、3度……と訪れた「おわら風の盆」が、きのう1日から始まった。あす3日までである。立春から数えて210日目、すなわち二百十日のころに、豊作を願って風を切っておどる【風の盆】である。魂の底のそこまでをえぐるような胡弓の音(ね)。編み笠をかぶって踊る女性たち。風をおさえ、退散させる 手のしぐさに足音。そして身のこなし。透き通ったような目と目。何をとっても独特の哀愁をおび、なんともいえない踊りである。
長い間、ノロノロぐずぐずとはっきりしなかった台風10号。その台風もきのう1日正午には東海沖で熱帯低気圧にやっとこせ変わり、きょうは台風一過の空。空の青が久しぶりに目の前に広がった。
たつ江。舞。元気でいるか、と上空を見る。そんな朝がやってきた。
だが、愛猫シロ、オーロラレインボーは、朝からなぜか私の部屋の定位置に座ったまま一向に動こうとはしない。彼女は聡明な猫ちゃんで路面がまだまだ濡れていることを十分に知っている。だから、きょうに限れば戸外などには関心がないのである。
昨日は、早朝から自ら窓のガラス戸を開け、外に出てしまい、その後なかなか家の中に入ってこないので心配したが帰宅後、庭のかなり伸び放題になった雑草を「そろそろ除去しなければネ」といった顔で私に視線を投げかけ訴えかけるので、そのことを敏感に悟った息子が午後のいっときを当ててアレヨアレヨと言う間に雑草を除去してくれ、私は内心、シロちゃんと息子のふたりには心から感謝しているのである。
わが家のことを真剣に考え、いつも助けてくれる救世主シロちゃん(オーロラレインボー)
いずれにせよ、長かった雨、雨、雨の日々がやっとのことで視界から消え、シロちゃんもこの間は随分疲れたに違いない。というわけで、けさの新聞見出しは【東海道新幹線が再開 台風10号熱帯低気圧に 土砂災害なお警戒】【「きつかった」乗客安堵 全線は3日ぶり】(中日1面)と、どこかホッとする内容である。
新幹線の再開の報道には多くの読者がホッとした
長雨といえば、だ。かつて岐阜県庁汚職事件が発覚、岐阜県警と岐阜地検により摘発された昭和51年の9月にも当時来る日も来る日も雨、雨、雨で岐阜県警のサツ回りと本巣郡回りだった私は新聞記者として連日、水没した穂積町牛牧団地を舟に乗ってルポ取材した、あの日々が思い出されるのである。
そして。その年の9月12日。それまで7日から降り続けていた雨がやっと晴れ、まさに、その日に忘れもしない、安八町で長良川が決壊したのである。前夜、記者たち全員が岐阜市司町の岐阜総局(現岐阜支社)に集結し「このまま雨が降り続ければ、長良川は確実に決壊、岐阜市内は全域が水没してしまう。その時に読者一人ひとりを思い、どういった取材をしたら良いのか。みんな、気持ちを落ち着け、いざという時に備えそれぞれの持ち場を死守し、取材に携わってほしい」と時の中日新聞岐阜総局長エノさん(榎本喬岐阜総局長、後に中日新聞北陸本社代表。石川テレビ社長)の言葉に耳を傾け、記者全員が総立ちで緊張した面持ちで万一の取材体制につき話し合った、あの日のことが思い出される。
翌朝(12日朝)。こともあろうに。それこそ、7日からそれまでずっと降り続いていた空がカラリと晴れ上がり、やっと延々と続いた豪雨取材から解き放たれる、そう思ったその日の朝に、安八町で長良川が決壊(あの時は、ため池破堤説が盛んに論じられた)。大騒ぎになったのである。
そしてこの間、極秘取材が進むなか、岐阜県庁汚職事件にとうとうメスが入ることになり、日中友好の翼で中国に飛び立とうとする時の平野三郎知事らを同僚のサツ回り石原記者と大阪国際ホテルまで尾行、知事の腹心で捜査当局から任同(任意同行)がかかり、大阪からひとり岐阜にUターンした県参事和田氏を新幹線羽島駅でとうとうキャッチ、汚職の構造が音を立てて崩れ去っていったのも、その年であった(この直撃取材は、昭和51年10月15日付の中日新聞夕刊軟派=社会面=トップで和田岐阜県参事を直撃取材する若き日の私、伊神記者の写真入りで大きく報道されたのである)。
2024年9月1日
防災の日。
【岐阜と三重で河川氾濫 台風10号「緊急安全確保」発令】(1日付中日新聞1面見出し)【関東など線状降水帯恐れ 台風10号 各地で大雨続く】(同、毎日新聞1面見出し)など。先月下旬から九州、四国、関西、三重、岐阜、東海、関東、三陸…と長期間に及び、各地に雨や風の多大の被害をもたらしてきた台風10号がきょうの正午、やっと東海沖で熱帯低気圧になった。
この間、このじれったいほどのノロノロ大型台風。各地の新幹線をはじめとした鉄道網の運休はじめ、全日空や日航など空の便の欠航、高速道の通行止めなど。日本中の足を混乱させたばかりか、土砂崩れによる家屋倒壊や風水害、河川の決壊、床上浸水などといった災害を至る所で招き、人々の心を傷つけ、日本中をやきもきさせた。いわば稀有ともいえる大型で超スローモーの台風であった。それだけに、この国に生きる全ての人々が胸をなでおろした、と。そう言っても過言ではない。ホッとしたといおうか。やれやれである。
夜。NHK総合でスペシャル【巨大地震メガクエイク 見えてきた能登の全貌 新たな脅威・軟弱地盤 首都直下あなたの家は】を見て、いろいろあれやこれやと考えさせられた。
一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年8月~)
2024年8月31日
【台風10号 広域で大雨続く 近畿、東海 線状降水帯恐れ】(31日付、毎日朝刊)【台風10号記録的豪雨 けが100人超、死者6人に 名古屋-三島 新幹線きょうも運休 東海2日まで大雨か】(31日付、中日朝刊)。相変わらず、このところの各紙の紙面は台風襲来一色である。
実際、この台風10号は昨日からけさにかけ大型で強く、かつ超スローモーで九州、四国、東海、関東と日本列島を縦断、行く先々で〝空の魔物〟といってもいい線状降水帯なる雨をまき散らし、あちこちを襲いながら日本列島を横断していった。彼(か)の台風が日本中の家屋や人々の心を痛め、傷つけ各地に被害をもたらしている。そんな中、パリ・パラリンピック第2日の29日、競泳男子50㍍平泳ぎ(運動機能障害SB3)で鈴木孝幸(37)=ゴールドウィン、浜松市出身=が48秒04で優勝し今大会の日本選手でメダル第1号となる「金」に輝いたことは喜ばしい限りである。
パソコンを開き、着信メールをチェック。久方ぶりに三田村博史さん(前中部ペンクラブ会長)からメールが届いており、内容は本日付の朝日新聞朝刊に掲載された三田村さんが書いた記事【語り継ぐ戦争 三田村博史さん(88)愛知県東海市 朝鮮で終戦 一変した】について、であり、さっそくその場で拝読。三田村さんに比べたら、終戦後に満州の奉天で生まれた私の体験なぞは、それこそ、ヒョッコ同然ではあろうが、三田村さんがおっしゃられるとおり、「戦争はすべきではない」という視点では私も同じなので、読み終えたその場で次のような返信メールを送らせて頂いたのである。
内容は、次のとおりだ。
「三田村博史さま みたむらさん。お久しぶりです。いつもありがとうございます。伊神です。拝読しました。ご両親、とてもりっぱなお方でした。あらためて合掌-。
私は戦後の1946年3月6日に極寒の地・満州は奉天の父。喜一=引き揚げ後の父は千種、四日市両税務署長などを務めたあと名古屋国税局の主席国税庁監察官で定年を迎え、以降は税理士。江南ライオンズクラブ会長。江南市人権擁護委員など。勲4等瑞宝章。2007年7月24日に満92歳で老衰のため死亡=が務める税務署、大和税苑局官舎で生まれ、その後、母の胸に抱かれ日本に引き揚げてきました。それだけに、他人ごとでなく拝読。三田村さんのご両親は全ての面でご立派なお方だったと思います。
わたくしの場合、終戦直後にロスケ(ロシア兵)の襲撃に追われた両親は一時、長い間、バラバラに引き裂かれました。それでも、運よく奇跡的に再会し、母は、やっと歩くようになったばかりの兄(弁護士)の手を引き、胸に生まれてまもない私を抱え、頭を丸刈りに無蓋車の列車に何度も乗せられるなど各地を転々と逃げ回り、葫蘆(ころ)島に辿り着き、ここで父と一緒に引き揚げ船に乗り、やっとの思いで舞鶴に着いたと聞いています。
ですので、私は母の胎内で戦争を味わっており、これを戦争体感覚文学として書かなければ、と思っています。その母も私の妻たつ江(伊神舞子、俳人で歌人でもあった)が世を去ってまもなく急に力を落としてしまい、妻が逝去した翌年、満102歳の誕生日を直前になくなりました。戦争も何も知らないわたくしですが、いまは私の妻も含め、日本のおかあさんたちのことを書かなければ、と書き進めています。
そして。今は亡き母によれば、です。引き揚げ船の中で命つき、次々と海葬されていく人びと。亡くなった方々に対する読経をひとりで行い、そのつど海葬を延々とし続けた父。そうしたなかで私だけ=兄は弱く、船内ではずっと死にそうで、母は兄に付ききりのため私にかまっている暇などなかった、とのことでした=が何ごともなかったかのようにスヤスヤ眠っていたそうです。
そんな赤ん坊の私を前に驚き、助かったという母。
「たかのぶ。おまえは凄い子だったよ。次から次に船内で多くの人々が死んでゆくなかでおまえだけは全身ハエにたかられながらも、いつも元気で何もなかったふうに笑顔でスヤスヤと眠っていたよ。だから、おかあちゃん、引き揚げ船の中では、おまえに随分と助けられた。そんなおまえだもの。おまえはいつの日か天下を取ると信じているよ。きっと取る。とるに決まっとるのだから」と言うのが口癖でした。
――というわけで、そんな母のためにも。私はまだまだ書き続けなければ。そしてノーベル文学賞に劣らない真の文学の、世界の旗手にならなければ、と思っています。これからもよろしくお願いします。
伊神権太 拝
こう返信メールを送ったのである。
(8月30日)
金曜日。台風10号が日本の各地に〝線状降水帯〟という何やら、よくわからぬ魔物をまき散らしながら超スローモーで九州から瀬戸内海を経て東へ東へ、さらに東へと進んでいる。まったくもってイヤになってしまう、とは。このことか。
この日、わたくしは午前中、自宅近くのいつもの歯科医院で歯のメインテナンス治療を受け、午後は一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ、と愛車パッソを走らせた。そして、ここで毎週金曜日に参加している社交ダンスのレッスンに臨んだ。タンゴにワルツ、スローと結構、ハードな内容ではあったが、どこか踊る時にメリハリのあるトーンのような。精神的に強いものがほしいとのレッスン教師〝若さん〟の期待にも他のダンス仲間の皆さんともども、そろってそえたようで、結構に疲れはしたもののレッスン後、爽快な気持ちになれたことも事実である。
そして。レッスン後は、飛んで帰って自宅近く江南市内の料理屋「むさし家」さんにと駆け付けた。前々から約束済みであるネパール・カトマンズから一時帰国中のわが友、長谷川裕子さんと夫二ルマニさんにお会いするためである。互いに久しぶりの再会だったが、本日のわたくし、いやはやちょっと、能登弁ならチョッコシ、ハードなスケジュールであったことだけは事実だ。
裕子さん夫妻はそれでも定刻より少し遅れてついた私を笑顔で迎えて下さり、心底うれしく楽しいひとときとなった。裕子さん、ニルさん。ありがとうーと、改めて礼を申しておきたい。ちなみに、ニルさんは、先日世を去ったあの世界の名優アラン・ドロンさんに勝るとも劣らない風貌である。カトマンズでは、裕子さんと世界を相手にした旅行業を営んでおいでだが、日本語学校の校長先生としても活躍されているのである。
長谷川裕子さん夫妻と久しぶりに再会し、話が弾んだ=江南市の「むさし家」にて
(8月29日)
午前8時ころ、気になる大型台風10号が九州の薩摩川内市に上陸。私が住む尾張地方も朝から雨、雨、雨の連続である。愛知県蒲郡市竹谷町大久古の民家で家族5人が生き埋めになった27日の土砂崩れ。消防などは28日から29日にかけ軽傷で発見された女性(47)に続いて男女4人を救出。市災害対策本部によれば、4人のうち70代女性と30代男性の死亡が確認されたという。
将棋の「伊藤園お~いお茶杯」第65期王位戦7番勝負(中日新聞など主催)の第5局が28日、神戸市・有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で指し継がれ、午後6時21分、先手番の藤井聡太王位(22)=竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が、97手で挑戦者の渡辺明九段(40)を破った。これにより、藤井王位はシリーズ対戦成績4勝1敗でタイトルを防衛、5連覇を達成して永世称号「永世王位」の資格を獲得した。
永世王位の資格獲得は故大山康晴15世名人、中原誠16世名人(76)、羽生善治九段(53)に続いて4人目。22歳1カ月での資格獲得で、羽生の保持する「26歳11か月」の最年少記録をも振り替えた。また永世称号の資格は7月に得た棋聖に続いて2つ目。「22歳1カ月」で永世二冠となり羽生の最年少記録「24歳9カ月」をも更新した。すごい永世王位の誕生である。
原子力規制委員会がきのう28日に開いた定例会合で日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)が原発の新規制基準に適合せず、再稼働の条件となる審査に不合格だとする審査書の案を了承。不合格は、2012年の規制委発足後、初。これにより、原電は東海第2原発(茨城県)と合わせ、所有する2基とも再稼働できない状態が長期化する。審査書案によれば、原子炉建屋から北約300㍍にある「K断層」が活断層で建屋直下まで延びている可能性が否定できない、と判断。活断層の上に原子炉など重要施設を設置してはならないと定めた新基準に適合しない-と結論付けたとしている。
2024年8月28日
【蒲郡土砂崩れ2人救出 3人が安否不明 24時間雨量平年の8月分上回る】【台風特別警報の可能性 宮崎、鹿児島】とは、中日新聞の本日付の夕刊見出し。このところ人間社会は地震ばかりか、豪雨、それに大型台風などありとあらゆる自然に襲われている。人間が自然界に何か悪いことでもした-というのか。
そして。私はと言えば、だ。きょうは目の定期診療で近くの眼医者さんに行ってきた(眼圧は右が22、左は17)。ほかにも本日ではないが、歯医者さんに歯の定期クリーニングで行ったり、名古屋のペインクリニックにも定期的に行くなど定期診断が欠かせない。きょうは、それに加え早朝、「広報こうなん 9月号」の各戸配布もあって結構、あれやこれやに振り回されたのである。
2024年8月27日
朝。新聞報道によれば、台風10号は27、28日と暴風域を伴い非常に強い勢力で奄美大島に。29日以降は西日本に接近、上陸する可能性があるという。そして。きょう27日午前には、岐阜、愛知、三重の東海4県で線状降水帯が発生する可能性があるというが、さてどうなるか。台風は速度が遅いばかりか、予想進路にも幅があるため「上陸するかどうかや地域を示すのは、現時点では難しい」としているが、どんな道を歩むのか。何はともあれ、今は被害が少なく済むようにただただ、そのことを祈るばかりだ。
【解体見込み3.2万棟超 石川、想定から1万棟増 能登地震】【関連死新たに21人 石川県認定、計133人】とは、けさ27日付の中日新聞社会面の見出し。能登半島地震の被災地では依然として、あくなき苦闘が延々と続く。
(8月26日)
台風10号の動きが大変、気になるところだが。本日付の中日新聞夕刊によれば、だ。「強い台風10号は26日、日本の南を発達しながら進んだ。27日ごろ奄美や西日本へ接近し、28日以降に強い勢力で上陸の可能性がある。気象庁は西日本を中心に猛烈な風やしけとなり、西日本と東日本太平洋側などで大雨の恐れがあるとして、暴風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重警戒を呼び掛けている。」ということだ。
また「台風の接近に伴い、JR各社は新幹線の全線や一部区間で計画運休や長時間の運転見合わせの可能性があるとしている。東海道新幹線は28~29日、山陽新幹線28~30日。一方、上越、北陸、東北、山形、秋田の各新幹線は、台風の進路が西寄りになったことから、28~29日は通常通り運行する予定だという。
(8月25日)
日曜日。けさの朝刊紙面、主なニュースはといえば、だ-。
【大谷40本塁40盗塁 メジャー6人目最速126試合 打って走って野球の魅力体現】とは、本日付の毎日新聞1面見出し。大谷は、たいしたものだ。そして。中日新聞は、といえば、である。【能登地震教訓 災害時職員1000人即時派遣 対応強化案 政府、事前リスト化】【石破氏出馬表明 自民総裁選】【2024パラリンピック 29日開幕 夢は大きく恩師のエール 車いすテニス・小田凱人選手 地元・一宮の元担任が肖像画】【大谷 40本塁打40盗塁 126試合で最速達成】というものだ。
やはり、どの新聞も要点をつかんでいる。
大谷の40本塁打、40盗塁を報じた中日スポーツなど
そして。わたくしは、といえばだ。先日の「能登の明かり」収録の際、録音した岡ゆう子さんの声を、愛猫シロちゃんを傍らに繰り返し繰り返し、なんどもなんども聴き直している。
(8月24日)
土曜日。自民党の石破茂元幹事長(67)が24日午前、地元の鳥取県八頭町の神社境内で党総裁選への立候補を表明。五度目の挑戦を前に「38年間の政治生活の集大成、最後の戦いとして原点に戻り、全身全霊で支持を求めていきたい」と述べた。「ルールを守る政治、ルールを守る自民党を確立する」とも訴えた。原点に戻る。ルールを守る。くれぐれもそうあってほしい。
東電福島第一原発事故発生に伴う処理水海洋放出が始まってから24日で1年。夕刊報道によれば、幸い、周辺海域のモニタリング(監視)で海水などに異常は確認されていない。
これに対して中国は「核汚染水」と呼んで反発し、日本産水産物の全面的な輸入停止措置を今なお継続。日本政府は即時撤廃を求めるが応じる見通しは立っておらず、水産業は厳しい状況が続く。岸田首相は24日、放出の影響を聞き取るため、福島県いわき市の小名浜魚市場を視察。小名浜魚市場は、私もかつて大震災直後とその後に計数回訪れている。
(8月23日)
わたくし、伊神権太作詞、牧すすむさん作曲による能登半島地震の応援歌「能登の明かり」の歌手岡ゆう子さんによる吹き込みが名古屋市熱田区の神宮前レコーディングスタジオで作詞者の私と作曲者の牧すすむさん立ちあいのもと、熱心に行われた。順調なら9月中にはCDとして誕生、この先、能登半島地震の被災地の人々の心の糧、応援歌になれば、と願う。
「能登の人たち一人ひとりにとって 希望の道しるべ、光りになれば」と心を込めて歌う岡ゆう子さん=名古屋市内のレコーディングスタジオで
第106回全国高校野球最終日が23日、甲子園球場で決勝が行われ、京都国際が関東第一(東東京)に延長十回タイブレーキの末、2-1で勝ち、春夏を通じて初の甲子園大会優勝を果たした。京都勢としては、1956年の平安(現龍谷大平安)いらい68年ぶりの夏制覇となった。
(8月22日)
木曜日である。
政界の方は相も変わらず【高市氏 来週出馬表明へ 自民総裁選 小泉氏は時期を調整】【派閥裏金事件を想起? 自民宣伝ポスター発表】【枝野氏 立候補正式表明 立民代表選 共産と全国協力否定】【政権奪還へ再登板狙う 党内支持固め急ぐ】(いずれも22日付中日朝刊)と騒々しい。
とはいうものの、私はそんな政権争いよりも、きょうから始まるはずである福島第一原発事故現場でのデブリの取り除き作業がこの先、無事始まり、無事終わってくれることの方が、より心配である。こちらの方が何よりも無事に進んで終わってくれることを、ありとあらゆる神々に祈ることの方が大切なのである。
と思っていたら。手元に届いた中日新聞の22日付の夕刊を見ると【デブリ採取準備作業中断 福島第1 装置取り付け順 誤る 東電再開時期は未定】とあるではないか。なんたることだ。
それはそれとして、だ。中日新聞尾張版のコラム・モーニングの【手紙】を読み、心に染み入るものを感じた。良い記事があるとしたならばだ。こういう記事を言うのだろう。江南市の書家(91歳)の下に13年前に自身が出した手紙が届き「再会」したという内容だったが、なんだか心が洗われるような、そんな気がしたのである。いい話だ。ましてや、それを書いた記者が、かつて私が小牧通信局で記者生活をしていたころに出会った、あの、とてもかわいかった野球少年だったーだなんて。世の中、捨てたものじゃない。
(8月21日)
米民主党の党大会が11月の米大統領選を前に中西部イリノイ州のシカゴで19日、開幕。バイデン大統領(81)が再選を断念したなか、ハリス副大統領(59)を党候補に正式指名した党は、共和党候補のトランプ前大統領(78)との対決に向け、挙党態勢をアピールした。
一方、日本の政界の方はと言えば、だ。自民党が岸田文雄首相の後継を選ぶ総裁選の日程を「9月12日告示-27日投開票」と決定。選挙期間は現行の総裁公選規程が設けられた1995年以降で最長の15日間となる。政治改革や物価高対応などが主な論点で石破茂元幹事長(67)は24日、河野太郎デジタル相(61)は26日に、林芳正官房長官(63)は27日にも正式に出馬表明する方向で最終調整入り。小泉進次郎元環境相(43)も立候補の意向を周囲に伝えるなど乱立気味の総裁選となることは必至である。
(8月20日)
77人が亡くなった2014年8月の広島市の土砂災害から20日で10年。被害が大きかった安佐南区八木地区では午前2時半ごろ、遺族らが慰霊碑に手を合わせて犠牲者を追悼。災害後に出来た砂防ダムの壁には「忘れない」などの文字が映し出され、松井一実市長は市立梅林小学校に設けられた献花台に花を手向けた。
【自民、来月12日告示・27日投開票 総裁選10人以上出馬意欲】【ガザ停戦「ハマス次第」 米国務長官「ネタニヤフ氏が受託」】とは、日経紙の20日付の夕刊1面見出し。
(8月19日)
映画「太陽がいっぱい」などに出演し2枚目スターの代名詞でもあったフランスの俳優、アラン・ドロンさんが18日、中部ドゥシーの自宅で死去。88歳だった。親族に囲まれて安らかに亡くなったという。死因は不明だがリンパ腫を患っていたそうだ。マクロン大統領はX(旧ツイッター)で「世界中に夢を与えてきた。フランスの記念碑だった」とたたえたという。
フランスがアラン・ドロンなら、日本では、ヒット曲「受験生ブルース」などで知られるフォーク歌手、高石ともや(たかいし・ともや、本名尻石友也)さんが17日、病気のため亡くなった。北海道出身。82歳だった。高石ともやさんには、かつて私が新聞社の大垣支局長当時に揖斐川マラソン開催に当たって毎年大変お世話になり、食事をご一緒した時の、あの晴れやかな笑顔が忘れられない。文句なく、庶民の味方と言ってよいステキな本物の歌い手さんだった。
【総裁選推薦人奪い合い 自民、石破氏出馬へ 小林鷹氏も午後表明】【ハリス氏、重要州で集会 米大統領選 無党派層獲得、てこ入れ】とは19日付の日本経済新聞夕刊の見出しである。
2024年8月18日
日曜日だ。きょうは午後、わたくしの両親の時からの菩提寺である江南市高屋の臨済宗妙心寺派永正寺へ。亡き妻、伊神舞子(静汐院美舞立詠大姉)の施餓鬼法要のためだったが、受付席にいた小学生の時のクラスメート、山田金重(やまだかねしげ)くんに半世紀以上の時を経て、たまたまバッタリ出会ったのには、驚き、感激した。まさに小学6年生の時の卒業式いらい65、6年の時を経ての衝撃的な再会となったのである。
一軒一軒、魂を込めての施餓鬼法要が進んだ
いやはや、人生とは面白きものだ。双方ともに少年時代を飛び越えての思わぬ時、思わぬ場所での再会劇に感激したのである。あげくに彼は、新聞(尾北ホームニュース)を読んで「伊神君の本『あたし帰った かえったわよ』(人間社)を買って読ませて頂いた」というではないか。私は、これには感激、帰宅後、さっそくこのことを仏前で亡き舞(静汐院美舞立詠大姉)に報告したのである。ありがとう。山田君。かねしげくん、と。である。
彼は小学生のころの同級生で当時一クラスに50数人もいたクラスメートのなかでも成績は絶えずトップだったことは、よく覚えている。2番が光子で、あとはなかしま君に誠一郎くん、としこさんの順だったと記憶。ボクは4、5番だった。その、かつてのトップ少年にこうして会えただなんて。やはりお施餓鬼法要のご利益はあった、いや、亡きたつ江(伊神舞子)と永正寺さんのおかげだったかもしれない。彼が小学生(愛知県江南市立古知野北小学校)のクラスのトップを維持し続けたのに比べ、あのころの私は何よりも歌が大好きな少年だったと記憶している。いやはや、人生とは。これだから面白い。
こうなると私は他の級友たちの顔を思い出さざるを得ない。皆、遠いとおい昔の話。春日八郎の【別れの一本杉】が流行っていたころの話である。みちこにちかひろ、せいじによしのり、かつやたちがいた。あのころのクラスメート1人ひとりの顔が大きく、目の前に浮かびあがったのである。
話は朝に変わる。炎天下にかかわらず愛猫シロはいつもの時間に比べたら、少し遅れて外に出た。
それとは別に、けさ私は夢の中で、お盆で自宅に帰ったはずの舞、たつ江がどこを探しても居ないのにうろたえ、部屋という部屋を探し「もう、だめだ。いない」と半分あきらめて最後の1枚となった障子のふすまを開くと、そこに彼女、舞(本名は伊神たつ江)が浴衣姿で食卓を前に、それもさっぱりとした笑顔で座っており、「何。なによ。ここにいるわよ。あたし、ちゃんとここにいるのだから。心配し・な・い・の」とばかり笑顔で答える舞、すなわちおまえを見て、ホッとするという、ちょっとおかしな夢をみた。
舞は、その時、浴衣でなまめかしい姿で、テーブルをはさんで他の人と座っており「なに。あたし、ちゃんとここにいるのだから。心配しないの」とだけ言って、一緒にいた女性とこれから食事をしようとする、まさにその瞬間でもあった。「あ~ぁ、ここに居たのか。探し回っていたのだよ」との私の安堵の声に「何よ。ちゃんと、ここにいるじゃないの」という表情は満面幸せそのものの笑顔で、その状況を確かめた私は「なんだ。そこに居たのか」とだけ言い、全身から力が抜けていく自身を感じ取っていたのである。
夢の画面が切れたのは、まさにその瞬間、その時だった。これもお盆のなせるわざなのか。やれやれ、である。ことしのお盆は、こうして通り去った。
× × ×
☆ ☆ ☆
朝。NHKラジオから「福島県浪江町で14年ぶりに盆踊りが行われました」のアナウンサーの声。NHKニュースに、かの地へは福島第一原発事故後に今は亡き作家の加賀乙彦さんや編集者の源さん(山本源一さん)、そして地元在住のシンガーソングライター橘光顕さんらも加わって二、三度訪れた土地だけに、なんだか心からホッとしたというか。救われた気持ちになったのである。放射能汚染に襲われていた浪江町にもやっと、かつての姿が戻ってきた、と。そんな感慨にとらわれた。
2024年8月17日
きょうの愛猫シロちゃん。さすがにこの暑さでは散歩をやめた方が良い、と自ら判断してか。外に出ることはあきらめ、今(午前11時現在)は私のデスク足元で黙って静かに何かを考え、座っている。かしこく、かわいい猫ちゃんのことだ。それか。お盆でおかあさんが見えない蜻蛉となって、わが家に帰宅していることを知っているので、おかあさん(たつ江、伊神舞子)が家にいる間は、たとえ少しでもオカンの傍にいなければ、と。そう思って、おうちにいるのかもしれない。そうだ、たぶん。そうに、決まっている。それにしても、きょうも暑い日である。
土曜日。私は、いつものように新聞を読む。傍らには、いつだってオーロラレインボーが居てくれるのである。今や、かつての私の相棒、たつ江と同じ存在だ。
(8月16日)
金曜日。忘れもしない。末っ子の誕生日だ。
あの時は500人以上もの貴重な命が失われた羽田発大阪行き日航ジャンボ123便の御巣鷹山墜落(8月12日)で連日、空からの取材に追われ、病院(小牧市立病院)に行くことすら、かなわなかった。
8月16日。けさの新聞は、政府がきのう15日午後5時に、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う防災上の呼びかけについて大地震などの異常な現象が認められなかった、観測されなかった-として午後5時に防災上の呼びかけを終了したニュースを【南海トラフ臨時情報終了】と報道。そして今ひとつは、【続く戦火 願う平和 戦没者追悼式 終戦79年 4000人参列 97歳「慰霊は生き残った使命」 兄犠牲の最高齢遺族】といった終戦記念日の報道である。
なかでも東京都千代田区の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式では正午の時報に合わせ、全員が黙とう(わたくしも、愛猫シロ、オーロラレインボーを傍らに自宅で両手を合わせて黙とうした)。天皇陛下が「過去を顧み、深い反省の上に立ち、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」と読み上げられた時には、なんだか緊張感のようなものが全身を走った。戦争はすべきでない。やってはいけない-と改めて自らに言い聞かせたのである。
正午過ぎ。スマホのピコピコ、ピコ音に画面を開く。と、そこには次のような文字が並んでいた。
台風7号 非常に強い勢力で関東甲信・東北に接近 線状降水帯発生のおそれも 千葉県や茨城県を中心に暴風・高波にも厳重警戒-というものだった。
午後。社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。タンゴ、ワルツ、スローを踊る。先日の事故で急ブレーキを踏んだ際に打った腰(その後、江南厚生病院に行って治療してもらい、しばらくの間、痛み止めの薬をのみ湿布も張った)もなんとか回復、まずはステップを踏め、ホッとしたのである。社交ダンスの継続は、なんといってもわが妻・舞からの遺言なのである。
なんとかステップを踏め、やれやれである。でないと、彼女との約束が反古同然になってしまう。
(8月15日)
終戦記念日。とは言ったところで、シロはかつて人間同士の戦争があり、多くの人々が死んでいったことなど何ひとつ知らない。
南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)に伴い、政府が防災対応の再確認を求めた注意呼びかけは、大きな変化がなければ発表から1週間のきょう、15日午後5時に終わる(その通りに終わった)。というわけで、けさの中日新聞の見出しは【南海トラフ臨時情報 きょう1週間備え続く】、きのう表明した【岸田首相 退陣へ】【追悼式5年ぶり通常開催 戦後79年 きょう終戦の日】、さらには【対馬丸撃沈 児童ら祈り 奄美大島 22日で80年、沖縄から訪問】(いずれも中日新聞15日付朝刊)といった記事が、胸をえぐってくるのである。
いずれにせよ、人と人が殺し合う戦争はよくない。絶対にやってはならない。当然のことなのに。ウクライナで、ガザで醜い人間同士の殺し合いは、今も続いている。
(8月14日)
けさの新聞報道によれば、だ。中部地方は13日、高気圧に覆われて気温が上昇、名古屋市では38・1度を記録。これにより、名古屋市で最高気温35度以上の猛暑日は20日連続。名古屋地方気象台によると、1942年に記録した19日連続を82年ぶりに更新。1890年の観測開始以来、最長になったという。ほかに驚いたニュースは、中日新聞14日付1面トップの【障害者約5000人解雇・退職 3~7月 329就労事業所閉鎖 国の報酬下げ影響】か。
【岸田首相 総裁選不出馬 自民裏金事件「責任取る」】【報復自制はガザ交渉次第 イラン「失敗ならば攻撃」視野】【高い耐久性で紡ぐ響き 長浜の老舗と農研機構 三味線用の絹弦開発 来年販売】とは、本日付の中日新聞1面見出しだ。
岸田首相の総裁選不出馬を報じた新聞各紙
「私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたい」とは、岸田文雄首相の言葉で、岸田内閣はとうとう2021年10月の発足から3年で退陣することとなった。
(8月13日)
100年ぶり3度目、200以上の国・地域や難民選手団を合わせ、約1万1千人の選手が熱戦を繰り広げ多くのドラマを生んだパリ五輪も終わり、ひとつのドラマが終わった(引き続き、パラリンピックが28日から9月8日まで開かれる)。
各マスコミとも「第33回夏季オリンピック・パリ大会は11日夜(日本時間12日未明)、心配されていたテロなど大きな問題もなく、17日間の日程を終え五輪旗は4年後の開催地の米ロサンゼルスに受け継がれた。閉会式はパリ郊外サンドニのフランス競技場であり、各国の選手団が入場。国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長が「国同士が戦争や紛争で分断されていても、みなさんが平和の文化をつくった。世界中の何十億の人が心を動かされました-とあいさつ。米俳優のトム・クルーズさんが会場屋根から登場し、五輪旗を受け取る派手なパフォーマンスを披露。聖火は、わたくしも知るルーブル美術館近くのチュイルリー公園にあった気球形の聖火台から、競泳で個人4冠のレオン・マルシャンさん(フランス)によって届けられ、会場で消されたーなどと報道している。
岩手で記録的雨量を降らせた台風5号が東北を横断。520人が亡くなった1985年の忘れもしない日航ジャンボ墜落から39年となった12日、遺族らが群馬県上野村にある現場の御巣鷹の尾根に慰霊登山。犠牲者の墓標や、墜落地点の「昇魂之碑」に手を合わせ、追悼した。月日は知らぬ間に、脱兎のごとく駆け抜けていくのである。
(8月12日)
月曜日。パリ五輪は、陸上の女子やり投げで北口榛花さん(JAL)、レスリング女子62㌔級の元木咲良さん(育英大助手)、レスリング男子フリースタイル65㌔級の清岡幸大郎(三恵海運)、女子76㌔級の鏡優翔(サントリー)がそれぞれ優勝、金メダルを胸に有終の美を飾り、17日間の日程を終えた。日本の金メダル数は大会前に日本選手団が目標とした20個に到達した。
北口さんのやり投げ金メダルを報じた中日スポーツ
午後。能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】の歌の収録を前にした事前打ち合わせのため名古屋市熱田区の神宮前レコーディングスタジオへ。
(8月11日)
午後。長男夫妻に三男、私の4人で今は亡き、かわいいたつ江(伊神舞子)がとこしえに眠る永代供養集合墓【尾張の大地】にそろって足を運び、舞の墓前にカーネーションなど花々を供え、「みんな元気でいるからな」と家族の現況報告をすると同時に「おまえも元気でいろよな。いつだって俺と一緒なのだから」と手を合わせ、永遠の幸せを誓い合った。
【秋空に未来永劫と書いてみし】。俳人で歌人でもあった伊神たつ江(舞子)。その彼女が眠る集合墓はさわやかな風のとおりが好いばかりか、自然にも恵まれ、これならば日々好きに俳句や短歌を詠み、楽しく充実した日々を過ごしているに違いない。いや、そうあり続けてほしい-と幸せでいることをただひたすらに願うわたくしの姿が、そこにはあったのである。
第2回ぎふ長良川花火大会が昨日、10日夜、岐阜市の長良川河畔で開かれ、約12万人(主催者発表)が夜空に浮かぶ1万発の花火に酔いしれた。この花火大会は、岐阜市、岐阜商工会議所、岐阜新聞社、中日新聞社などでつくる官民一体の実行委員会の主催で実現。2019年までは中日と岐阜の両新聞社が個別に開いていたが、その後コロナ禍という時代背景もあって、昨年からは両新聞社が手と手を結んで一本化された経緯がある。かつて私が岐阜総局(現在は岐阜支社)記者として勤務していた当時、互いに競争で競い合っていた時代のころを思えば、こうした花火の一本化など想像もつかない。考えも及ばない時代になったのである。
パリオリンピックの方は、期待の北口榛花が65・80㍍を投げ、文句ない金メダルを取得。卓球女子団体は健闘及ばす、中国に敗れ、準優勝の銀メダルに沈んだ。私は深夜の決勝戦をテレビで見ていたが、2位とは言え、よくぞ頑張ったと思う。
9日の男子400㍍リレー決勝で日本(坂井、サニブラウン、桐生、上山)は、37秒78で5位に。10日の男子マラソンは赤崎暁(九電工)が2時間7分32秒で6位に入賞。2022年世界選手権覇者のトラ(エチオピア)が2時間6分26秒の五輪新記録で優勝した。
(8月10日)
夜。自宅近く「むさし家」で帰省中の長男夫妻と食事中のところに一本の電話が入った。大阪文学学校事務局長の小原政幸さんからだった。
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きのう9日は〝長崎の日〟米国の原爆投下から79年となり、長崎市松山町の平和公園で「長崎市原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。席上、鈴木史朗長崎市長は平和宣言で核兵器保有国に対して「現実を直視し、廃絶に向けてかじを切るべきだ」と求めた。新聞報道によれば、式典後、岸田文雄首相は国の援護区域外にいて被爆者と認められていない被爆体験者と初めて面会。地元の人々の救済要望に「具体的な対応策の調整を早急にしたい」と応じた。
この日は武見敬三厚生労働相も同席、これまで国の被爆者救済は限定的な支援にとどめてきたが、【広島の黒い雨被爆者】に続き、援護区域外とされてきた長崎の被爆体験者にも本格的な救済の手が、やっとこせ施されることになった。中日新聞はこのことを1面トップで【首相被爆体験者解決の意向 長崎原爆79年 初面会の場で指示 平和式典G7大使欠席】の見出しで報じている。
ほかのニュースといえば、だ。【神奈川で震度5弱 調査委「距離遠く関係ない」】【南海トラフ避難所90カ所超 岡崎など4県19市町村開設】【「巨大地震注意」発表から一夜 「書き入れ時」観光地に影 愛知でもキャンセル相次ぐ】【新幹線一時見合わせ】など。この世は、相も変わらず、いろいろある。
パリオリンピックの方は、と言えば、だ。【藤波 金レスリング 負けず嫌い137連勝の原点】【親子3人で世界の頂き レスリング藤波選手 娘に懸けた父 食事支えた母】【高校生活と両立 友のおかげ クライミング銀 安楽選手】と威勢がいい。
そして夕刊は、といえば、である。【頑張ってきて良かった レスリング女子桜井 たくさんの人のおかげ レスリング男子樋口 まだ実感できていない ブレイキン女子湯浅 金続々 海外五輪最多並ぶ】と威勢がいい。この日、行われた男子マラソンはオリンピック初出場の赤崎暁選手が(九電工、26)が2時間7分32秒で6位入賞を果たした。
きょうは、お盆で帰省中で、かつてはパリにもいた息子夫妻と一緒に先日、私が起こした交通事故の相手のお宅へ。「せっかく楽しみにされていた北海道旅行をダメにしてしまい、申し訳ありませんでした」とおわびする。「わざわざ来て頂いて」の言葉にホッとしたのである。と同時に、この女性は心底から人の悼みがわかるお方なのだ、と思い、なんだか胸を熱いものが走るのを感じた。これからは、くれぐれも気をつけて。運転しなければ、とも思ったのである。
(8月9日)
朝刊は【南海トラフ「巨大地震注意」 宮崎で震度6弱 気象庁、初の臨時情報 冷静に対応を 識者】【備えは 水・食料確認 暑さ対策】(中日1面見出し)といろいろある。そこへ【古田・岐阜知事 6選不出馬 「5期20年の節目で決断】(同)のニュースが加わった。
それが、きょうの午後7時57分ごろには神奈川県で震度5弱を観測する地震が発生。この地震につき「南海トラフとの考えは考えにくい」と専門家。このところの世の中は、何もかもがピリピリしているような、そんな気がする。
(8月8日)
パチパチの日。かつて在任した「びわこ大花火」の日である。
第106回全国高校野球選手権大会がきのう7日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕。今回から初めて暑さ対策として試合を午前と夕方に分ける「朝夕2部制」が導入され、初日の最終試合は日没ごろの開始となった。というわけで、この日は開会式後の午前10時8分に第1試合が始まり、観客たちは午後0時半過ぎの終了後に退場。夕方の部の第2試合が始まる午後4時を前に入場。この日、甲子園近くの神戸市では午後4時47分に最高温度34・8度を観測。第2試合を戦った健大高崎(群馬)の青柳博文監督(52)は「日が陰ってくると、涼しい。途中、選手の要望でペンチのクーラーを切った」と恩恵を口にしたという。
本日8日付の中日新聞社会面トップ記事の【<証言>何も言わずに妹は死んだ 逃避行38度線に阻まれ 平壌で終戦 水鳥桂子さん(91)愛知県豊橋市】は、一昨年5月に満102歳で亡くなった私の母の生涯と一部だぶるだけに、感慨深く拝読。戦争許すまじへの思いを、ますます強くしたのである。
(8月7日)
二十四節気によれば、きょうは立秋。ことしは猛暑続きではあるが、それでも「今はもう秋」。秋なのである。秋よ、秋 秋は秋か。外からはまだまだ洪水の流れの如く、蝉しぐれが猛烈な勢いで、私の耳に飛び込んでくる。そして私もはるか昔に2度ほど取材経験のある、夏の甲子園では全国の大会を勝ち抜いてきた高校球児たちによる熱闘が始まったのである。
新聞は相変わらず、昨日の広島原爆の日の話題を中心に【<2025年戦後80年へ>核廃絶に逆行脱却を 市長訴え ウクライナ、ガザ緊迫の中】【東京で空襲、弟は被爆死 97歳 初めて語る2度の惨劇】【東証急反発 3217円高 3万4000円台回復 上げ幅 過去最大】(中日、朝刊)などの活字が並んだ。
そして夕刊は、といえば、だ。「パリ五輪第12日の6日、レスリングの男子グレコローマンスタイル60㌔級で前回東京五輪2位の文田健一郎(ミキハウス)が初優勝し、グレコの日本勢で40年ぶりとなる金メダルに輝いた-と報道。【開場100年 球児の夏開幕】といった見出しで、第106回全国高校野球選手権大会につき「第106回全国高校野球選手権大会は7日、開幕100年を迎えた兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕した」などと報じている。
(8月6日)
火曜日。米国による広島への原爆投下から79回目の「原爆の日」を迎え、広島市の平和記念公園(広島市中区)では、平和記念式典が開かれた。
この日朝。私は腰が痛くていたくて何ともしようがなく、息子に江南厚生病院に連れて行ってもらう。息子は、やさしい性格で会社を休んでまで「医者にいかないかん」と言い、江南厚生病院に私を連れて行ってくれ、親しき中にも礼儀あり、で心から感謝している。元々から、たまに痛さを覚えていた背中腰部分が先日の自転車との出合頭事故発生時の衝撃もあってか、朝起きようとしても痛くて起きることが出来ないので、出勤前の息子にこのことを告げると社を休んで病院までつきそってくれた-というわけだ。
病院に足を一歩踏み込むや、まだおかあさんが生きていたころ、彼女に付き添い、何度も何度も通った日のことが思い出され、どこか感傷的な気持ちにもなったのである。おかあさんには、逆にわたくしが以前、愛知県がんセンターで右肺を切除後の診察でここ江南厚生病院に事後治療で訪れた際には、逆にいつも私に付き添ってくれた。そんな数々のふたりのドラマが思い出される舞台のひとつともいえよう。その厚生病院にこんどは、かわいい三男坊が付き添ってくれたのである。レントゲン検査や問診などの結果、やはり衝突時のショックが影響していることは確かだが骨には異状なく、薬をもらって帰宅。夕方には、痛みも解消したのてある。
(8月5日)
午後5時過ぎ。天も割れんばかり、とはこのことか。ゴロゴロゴロと凄い音混じりの雷鳴が上空に轟き、わが愛する愛猫シロちゃんは、わたくしのデスク足元のいつもの隠れ家に潜んだままである。シロは昔から、雷が大嫌いであることは、この徹底した逃げ方を見れば、論より証拠なのである。ねえ~、シロちゃん、俺はそうした自己防衛に徹する愛猫シロちゃんが大好きなのである。ゴロゴロ、バリバリ、はまだまだ収まりそうにはないのである。そして。雷は去った。シロの逃げ場所はおかあさんが生きていた当時から全く変わらない。私のデスク横、プリンターが置いてあるちいさなデスクの下で、この隠れ家はおかあさん、すなわちたつ江が生前、私に教えてくれた、シロちゃんなりのアジトなのである。
夕刊は【男子フルーレ団体金 フェンシング5個目メダル】【本当にすごいの一言-太田雄貴さん絶賛】というもので、総合リード(前文)は、次のようなものだった。
-パリ五輪第10日の4日、フェンシングの男子フルーレ団体で松山恭助(JTB)、飯村一輝(慶大)、敷根崇裕、永野雄大(ともにネクサス)の日本は決勝でイタリアを破り、初優勝した。同エペ個人の加納虹輝(JAL、愛知県あま市出身)に続いて今大会2個目の「金」で、日本勢は計5つのメダルを獲得して躍進を遂げた。゜
夕刊はほかに【東証一時2500超下落 円上昇 一時144円台】【イラン報復なら「高い代償払う」ネタニャフ首相警告】といったところか。
こうした時に私はつくづく思う。雷鳴、台風、地震、豪雨…何をとっても自然にはかないっこないことに。人間たちは、いつだってそうした脅威に対抗したところで所詮は負けるに決まっている。だから、せめて人間たちは互いを尊重して人生という宝物を大事にして生きていくほかないのである。
2024年8月4日
日曜日。朝。自宅から古知野神社まで息子に車で送ってもらう。きょうは神社の「清掃の日」でもあり、花霞町3組2班の班長としての責任もあるからだ。掃除が終わったあと。私は境内一角に置かれた〝開運招福ミニ鳥居〟なるものを見つけ、家族はじめ友人知人の無事と安寧、無事故、限りなき幸せを心から深く願い、このミニ鳥居を、はいつくばってくぐりぬけたのである。
はいつくばってくぐり抜けたミニ鳥居
多くの人たちが古知野神社の清掃奉仕に出た
この日。古知野神社の清掃奉仕には多くの人々が、それぞれの思いを胸に足を運んでおり、私も境内一角の落ち葉やゴミ拾いなどに一役買い、帰りは歩いて帰宅。今はなき舞が以前、開店していたリサイクルショップ「ミヌエット」跡地を横目に帰ったのである。ほかには、かつては喫茶店だったところが、いつのまにか学習塾に変身するなど町の顔は少しの間に確実に変わりつつある事実を思い知りもした。
パリオリンピック第9日の3日、柔道混合団体の日本は決勝戦で3年前の東京五輪と同じフランスと対戦したが惜しくも敗れた。私の率直な感想を言わせてもらえば、舟久保遙香や新添左季、曽根輝の女性陣はよく頑張ったが、頼りの斉藤立がフランスのリネールに今一歩及ばなかった。残念無念、とはこのことである。
わたくし自身、若かりし日々は、柔道一直線だった(大学2年の時。19歳で講道館柔道の実力3段を取得。オールミッション大学選手権では優秀選手賞。ほかにインタハイ候補選手など)。その私にいわせてもらえば、だ。私も得意技だった大内刈りは、まずまず出ていたが、相手が動く瞬間の送り足払いや出足払い、小内刈りなど足技に欠けていた、その事実が残念な結果に終わったと思う。
私の目で見た限り、相手が出る瞬間の送り足払いや出足払い、隅落としなどチャンスは無限にあったはずである。技そのものが劣化している。それと。何より先にとらねばならない組み手が取れていない。組み手争いで負けているので、かけ技も当然、中途半端なものとなってしまう。そんな気がしてならなかったのである。
わが子を愛する一心のおかあさんのひたむきさ。テレビ画面に映し出された、その姿には胸打たれた。でも、悪いけれど。斎藤立は基本から技を、もう一度最初から学び直す必要がある。本人にはチト厳しい物言いかもしれないが、柔道の極意である〝崩し〟とは、がわかっていない。そんな気さえする。これではニッポン柔道が泣く。いや、既に泣いているといっていいだろう。斎藤には、それだけの期待がかかっているのである。リネールごときに一本取られるだ、なんて。泣けてくる。
(8月3日)
昨日の夕方、自宅近くの路上で自分では思ってもいなかった、人生初の自転車との交通事故に襲われた。事故は、私が運転する自家用車が、社交ダンスからの帰宅途中、もう少しで自宅というところで発生した。その現場は、交差点で事故はいったん停止し発進した直後に発生。交差点を出る際、一時停止をしっかりし、前進を始めたその直後に起き、気が付いた時には、道路を隔てた交差点道路を右方向から左に進行中の自転車が私の車のフロント右側側面部に衝突、自転車は転倒、自転車に乗っていた女性は衝突の瞬間、転ぶという事態に発展したのである。
たまたま女性の後ろの歩道を右から左方向に歩いていた若者が倒れた女性を助け起こし、消防署と警察に電話で通報。まもなく救急車両と警察車両が現場に到着。女性は江南厚生病院に救急車で搬送されるなど現場は一時、騒然とした雰囲気に包まれたのである。当然のことながら、交通課の事故処理班の現場での私に対する事情聴取も進んだ。
私自身、現役記者時代(特にサツ回りのころ)には悲惨な交通事故現場にはよく駆け付けて取材した。何度もいたましい事故を新聞記事に書いたことがあるが、いわゆるこの事故は〝出会いがしら衝突〟による人身事故にほかならない。私自身、こんご十分注意しなければとの思いを強くしたのである。相手の女性は右足膝にヒビが入っている-とのことで、このうえは早い回復を願うほかない。頭部は大丈夫だったようで「不幸中のせめてもの救い」だった。
いずれにせよ、長い人生で私自身が事故に遭遇したのは、若いころ松本支局のサツ回り時代に妹が私を訪ねて来たので当時、購入したばかりのホンダN360で上高地まで行き、帰りに有頂天になり梓川沿いを帰る途中カーブで急ハンドルを切り、間一髪、断崖絶壁下の梓川に落ちる寸前だったあの日の事件いらいである(あの時は、急ハンドルをキリながらも奇跡的にカーブミラーに助けられ、100㍍はあった断崖絶壁下の梓川に落ちないですんだ。ひとつ間違えば私も妹も、その後の人生はなかったのである。
というわけで、この世はいつ、なんどき何が起きるか。知れたものではない。
2024年8月3日。きょうの午後、1匹の蝉が,居間に入り込んできた。昨日の大事を聞いた今は亡き妻の舞が蝉となって現れたにちがいない。「死亡事故とか、そういう大事故にならなくて。ホッとしたよ。あたしが守ってあげたのだから。これからは気をつけてよね。ことしの夏は暑いし。くれぐれも気をつけるのよ」。
蝉はそういって羽をばたつかせて私と愛猫シロ、オーロラレインボーに目をやった。
わが家に入り込んできた1羽の蝉と、これを見守るシロちゃん、オーロラレインボー
こんな思いがけない、きのうの交通事故の発生もあってか、昨夜NHKテレビで見たパリオリンピック。私が期待をかけた日本柔道は、男子100㌔超級で金メダルの期待をかけられた男子100㌔超級の斉藤立(JESグループ)ら重量級の選手が敗退。わたしたちが待ち望んだ重量級での金メダルへの夢は消え入ったのである。
話は変わるが。「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページ=https://dgp-bungaku.com=に私の連載文士刮目の第39回【自由と平等、真の平和とは】が公開されたので、読んで頂けたら、と願う。
3日付夕刊は中日新聞が【長崎被爆地 憤り訴え45年 毎月9日平和記念像前で座り込み やめない核なくなる日まで】【男子エペ団体銀フェンシング】【ハリス氏民主候補確定 党大会前 異例の正式指名】、日経も【ハリス氏 大統領候補に 米民主の指名確定】【ヒズボラが報復宣言「イスラエル、一線超えた」司令官殺害】【NY株連日の急落 一時989㌦安、雇用悪化懸念】というものだった。
(8月2日)
1日にあったパリ五輪バスケットボール女子のドイツ戦で石川県七尾市の赤穂ひまわり選手(25)=デンソー=が攻守で存在感を示した。「明るいニュースを被災地に届けたい」。惜しくも敗れ、1次リーグ突破へ後がなくなったが、能登に金メダルを持ち帰る気持ちは揺るがない。」とは本日付(2日付)の中日新聞の朝刊軟派トップ記事である。
同紙社会面のほかの記事【通風筒】では、能登半島地震で被災した石川県輪島市名舟町で開かれた名舟大祭も紹介され「地震で興津姫神社(白山神社)が全開するなどの影響で、今年はふもとの海岸で神事のみを執り行い、同県無形民俗文化財の御陣乗太鼓が紹介された◇太鼓は、保存会の会員6人が夜叉などの面をつけて披露。雄たけびを上げつつ、ばちを鋭く振り下ろして力強い音を響かせた。……とあり、私自身かつて七尾在職当時、はるか遠き昔に訪れた名舟神社のことが無性に思い出されたのである。そして同時にあのころの素敵な能登が早く戻ってくることようにーと、手を合わせ天に向かってお祈りしたのである。
ほかには【輪島の住民集団移転要望 地震7カ月 自力での住宅再建困難】【「ホテル郡上八幡」営業停止 郡上おどり開催の最中】【園まりさん死去 80歳、歌手「3人娘」】など。いろいろある。
(8月1日)
気象庁によれば、危険な暑さが相次いだ7月の全国の平均気温は、7月としては気象庁が統計を取り始めてから最も高くなったという。7月は太平洋高気圧が張り出したことで上層から下層まで暖かい空気に覆われ危険な暑さが続出。このため全国の平均気温は、平年と比べて2・16度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めてから126年間で最も暑い7月になったという(記録を更新するのは2023年に続き、2年連続である)。
8月1日。暑い。「水の日」。北陸と東北南部が梅雨明けした。
なんだか毎日を「きょうも、また猛暑か」と思って=現実に名古屋ではきょうで8日連続の猛暑日」だそうだ=過ごしているためもあってか、8月になるのが、すごく遅く感じたのは私だけか。こんなに暑い。それなのに、シロはまるで意地でも張るように10時過ぎ、お外に出ていった。「おかあさんに、会わなきゃ。会わはないといけないのだから」と。強情なところは、おかあさんそっくりだ。それにしても暑い。
そして。個人の生活とは別にきょうも、いや、きのうもこの地上ではいろいろなことが起きているのである。あぁ~、それなのに。私たち人間は性懲りもなく生きていく、いや生かされているのである。トヨタ自動車の認証不正問題に対する国土交通省の31日の是正命令に始まり、日銀の同日の追加利上げ0・25%の決定、イスラエルによるハマスの最高指導者暗殺…と、いろいろある中で、パリで開かれているオリンピックでは日本の体操男子団体の2大会ぶり優勝に続き、初出場の20歳、岡慎之助が個人で初優勝、金メダルに輝くなどパリからの朗報も相次いでいる。
そんななか【岐阜高島屋47年で幕 2万人別れ惜しむ「百貨店ゼロ」4県目】【「しぶとく頑張るっきゃないのよ 美川さん、新しい柳ケ瀬を期待】(中日)、【甲子園100歳誕生日 産みの親三崎省三 16年越し構想 「運動で世界に通じる日本人」願い】(毎日)の見出しが、胸にグサリ、突き刺さったのである。この世の中、なんだかんだといっても捨てたものじゃないのである。