一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年3月~)
2023年3月26日
日曜日。きょうは、室生犀星忌である。
きのう25日にさいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われたフィギュアスケートの世界選手権最終日。名古屋、いや今や日本、世界の星と言っていい宇野昌磨(25)=トヨタ自動車、名古屋市出身=が日本男子初の2連覇を果たした。エディオンアリーナ大阪で開かれてきた大相撲春場所。こちらは本日、千秋楽に新関脇・霧馬山が小結・大栄翔を突き落としで破り同じ12勝3敗同士の優勝決定戦に。最後は、きわどかったが再び霧馬山が突き落としで大栄翔に勝って13勝2敗として逆転優勝した。
ほかには【アジア大会選手村中止へ 26年愛知 建設費600億円削減 <解説>スリムな運営の先例に(安倍伸哉)】(26日付中日朝刊見出し)【死者数公表 最短2カ月後 コロナ5類移行で厚労省】【窓際に物 踏み台か 名古屋‣転落死 2児は双子】【警官発砲 容疑者死亡 大阪立てこもり 母ら負傷】(26日付毎日朝刊見出し)といった記事が気になった。
そして。毎日新聞の日曜くらぶ版【レトロの美 奈良ホテル】は、外観を見ただけで行ってみたくなる。そんな記事で舞が生きていたなら、連れて行きたいナと思った。
午後1時過ぎ。ノンフィクション作家で日本ペンクラブ会員、「脱原発社会をめざす文学者の会」の会員でもあった元英語教師長谷川園子さん死亡の件で、園子さんが生前、「彼は〝私の息子、息子〟です。本当にすばらしい人物で、あちらこちらに連れて行ってくれ、いつも感謝してる」と話しておいでだったその〝息子さん〟から電話が入り「あとは公的機関に任せるほかありません。親族が死亡診断書を出さない限り、遺体の償却も出来ません」と静かな口調の電話が入る。親族による死亡診断書がないと、火葬も出来ないとのことで、その点が気になる。
というわけで親族による手続きがない限り、葬儀も出来ないのが現状のようだ。こんご高齢化時代が進むと、こうしたケースは増えてくるに違いない。困った世の中である。こうした時こそ、行政の迅速かつ適正な処理、対応が望まれる。園子さんのように、近親者の全てが亡くなり、孤立したなかで生きている高齢者が増えている世の中にあって、こうした例はこんごますます増え、社会問題化していくことが気になるのである。
修復を頼んでおいたぼろぼろ衣類を夕方、平和堂内のリメイク工房に行き回収してきた。
(3月25日)
土曜日。久しぶりに永正寺であった尾張芸術文化懇話会の月例会に顔を出した。冒頭、中村建岳さん(永正寺の若住職)の鳴らす鐘の音を合図に出席者7人全員で手を合わせ、会員でもあった長谷川園子さんの霊に1分間、別れの黙とうをした。長谷川さんの遺体は、昨日の間に江南市の自宅から尾西の平安会館に移され、ここで建岳さんの読経のうえごくごく親しかった関係者でお見送りをしたという。合掌-
長年、愛読してきた毎日新聞夕刊が今月限りで無くなるというのでいつもお世話になっている中日新聞販売店の勧めもあって、きょうからは日本経済新聞の夕刊を購読することに。毎日は朝刊同様、夕刊の小説の内容も良かっただけに、チョット残念な気がするがこれもいたしかたあるまい。世の流れか。
午後、平和堂内にあるリメイク工房へ。ズボンやいつも愛用している黒の上っ張り(ジャージー)など衣類のあちこちが破れてしまったので、ここで直してもらうほかない。あらためて舞が生きていてくれたら良いのに、と思う。
(3月24日)
金曜日。きょうも、きのうも。あすも。あさっても、である。
毎日毎日、日本も世界も、身の周りもだ。空気という空気を割ってなんだか、何もかもが、強烈なスピードで見果てぬ方向に動いている。その中で息も絶え絶えに生きる人間。ニンゲンたちは洗濯機のなかで、ただひたすらにかき回され続ける白い泡たちの如きものなのか。きのう、私も舞も大変、お世話になった長谷川園子さん(元英語教師。ノンフィクション作家)が危篤状態だ-と知らされ、午前中、愛用のハモニカを手に自宅を伺ってみた。
ひとり住み慣れた部屋の病床で仰向けになった彼女はしっかと目を見開いておいでだったが、やはり意識はあるのかどうか。危篤状態であることだけは明らかであった。私は失礼とは承知のうえ、お付きの方おふたり(いずれも男性)の了解を得たうえで室内へ。
「そのこさん。そ・の・こさん。そ・の・こさん、たら。いがみだよ。ごんた、伊神権太ですよ」と声をおかけし、持参したハモニカを口に【ふるさと】に【ゆうやけこやけ】【みかんの花咲く丘】の3曲を最大の感情をこめてふき、演奏したのである。
園子さんに大変お世話になった今は亡き妻舞がいつも何かあるとは、私に「耳だけは、いつまでも。最後の最後までは聴こえるそうよ」と話していた、その言葉を思い出したからだ。古くて懐かしいメロディーを耳に意識が戻ってくれたなら-と。そんな一途な願いを込めて、ふき演奏したのである。
帰宅し、いつものように再びシロ、すなわちオーロラレインボーに留守番を頼んで、こんどはスーパーへ。昼食をして帰宅してまもなく、長谷川園子さんの後見人とみられる男性(長谷川さんは、いつも〝息子〟〝息子〟と呼び、私が死んだあとは彼に全て任せてあるので、心配ございません-と話しておいでだった)から留守番電話が入っていたので、こちらから電話すると「長谷川さん。お亡くなりになられましたよ。詳しくはあらためて連絡させていただきます」とのことだった。
1930年10月23日生まれの園子さんの代表作といえば、【あゝ 炎の鯱】である。先日亡くなった精神科医で作家の加賀乙彦さんを尊敬、かつどこまでも慕い、ここ数年は<脱原発社会をめざす文学者の会>にも所属。毎年夏が訪れると自らの戦争体験を永正寺で地元の人たちに話すなどしていた。同世代の加賀さんを心底から信頼し、かつ尊敬しておいでだった。
それだけに、なんだか加賀さんの後を追って亡くなられたような、そんな気がしてならないのである。園子さんは、ほかに尾張芸術文化懇話会(事務局は永正寺内)の会員としても積極的に活動され、ことあるごとに【平和な社会実現】を願っておいでだった。合掌-
あ~ぁ。ああ無情とは。このことを言うのか。
午後は金曜日なのでいつものように社交ダンスのレッスンで一宮のスポーツ文化会館へ。
ムーン・リバーの曲にあわせワルツを先生と踊ったが、繰り返しレッスンを重ねるうち、ムーン・リバーの音の調べがとてもよいので、なんとか踊れそうな。そんな気がしてきた。それに帰宅後、オードリヘップバーンが歌っているムーン・リバーを調べたところ歌詞もとてもよく、いっぺんに気に入ったのである。これから余裕さえあれば1人で歩く路上でも繰り返し幻の舞を相手にステップを踏み踊ってみようと思う。これをお読みになっている方々で、もし興味がおありでしたら、ぜひムーン・リバーの調べを聞いてほしい。この音曲は本当にいいな、と。あらためて思う。
時も時なり、とでもいえようか。夜、かつての私の横笛師匠家入みつ江さんから「春 桜の季節です。先日志ら玉で新年会ありました。都々逸の会の皆さん、伊奈さんだけ! 寂しくなります。私は毎月国内中を1週間程度旅行です」とのメールが入り、懐かしく思ったのである。ともあれ、お元気そうで何よりだった。
※ ※
24日付の紙面は【りくりゅう世界フィギュア初V 今季の主要大会 全制覇】(中日新聞朝刊)。フィギュアスケート・ペアの三浦璃来(21)、木原隆一(30)組=木下グループ=が23日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で金メダルを獲得。昨年12月のグランプリ・ファイナル、ことし2月の四大陸選手権に続いて日本勢初の頂点にたち、今季の主要国際大会全制覇という快挙を成し遂げた、というのである。
(3月23日)
木曜日。世界気象の日だそうだ。
新聞の朝刊は文句なく、【日本世界一奪還 WBC 米破り14年ぶり 仲間鼓舞大谷ほえた】(23日付中日朝刊見出し)である。そして中日新聞1面言の葉は「今日だけは憧れるのをやめよう。僕らは超えるために、トップになるために来た WBC日本代表の大谷翔平選手が決勝戦の直前に鼓舞 1面」であった。もちろん、中日スポーツも【侍14年ぶり3度目頂点 大谷世界一 胴上げ投手! MVP!! 史上最高のSHO-TIME】【侍最年少 高橋宏・手記(中日ドラゴンズ投手)】とポイントをつかんだ見開きの見事な紙面展開であった。ついでながら、江南市在住で私も知る希有な漫画家くらはしかんさんの23日付【おれたちゃ ドラゴンズ】もなかなか良いところを突いていた。私は毎朝、中日新聞の本紙は読者からの【くらしの作文】から読むように、中スも【おれたちゃ ドラゴンズ】をどの面よりも先に読むことにしている。
時にいまいち基本が出来ていない、意味不明極まる出来の悪い本紙夕刊小説やシーズン中はともすれば、負けてばかりの紙面になりがちな中ス記事に比べれば、どちらも深みがあり、読者とともに歩いている親しみやすい紙面だからである。
中スの見事な23日付紙面展開
こちらも紙面から喜びが伝わってくる23日付中日1面
それはそうと、WBCの歓喜のフィーバーが日本中至る所で鳴き止まぬなか、第20回統一地方選のスタートとなる9道府県の知事選が本日(23日)告示され、現職8人と新人24人の計32人が立候補を届け出、街頭に飛び出した。
2023年3月22日
けさの新聞の見出しは【日本 劇的サヨナラ WBCけさ米と決勝】【首相、キーウ電撃訪問 「平和のため最大限支援」 大統領と会談 連帯表明へ】【統一地方選 あすスタート 9知事選告示へ】(22日付、中日朝刊)というものだった。
そして。私・伊神権太はけさ朝一番で「シロは何でも知っている」で知られ、有名でもあるわが家の愛猫シロちゃんを、WBCの決勝戦、日本×米国の試合を偵察させるため米国・マイアミに派遣。シロは途中、天空で大好きなおかあさんを誘い、自身の翼に乗せ、現地に直行。日本の勝ちをいち早く信じた時点でUターン、私のもとに「ニッポン勝つよ。おかあさんと確かめてきた」とわが家に飛び込んできたのである。いつも思うのだが。たいした猫ちゃんである。これも生前の舞の薫陶を受けたからか。
写真はニッポン勝利を確信して一足早く帰宅。大谷が投げる最後の場面をテレビで確認する白狐猫のシロちゃん
いつもはこのように静かな表情でいるシロ、すなわちオーロラレインボーちゃん
※ ※
本日は、ほかに戸田鎮子さんと天野裕康さんから舞の俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】について、丁重なるメールと書簡を拝受し、舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供える。おふたりには、心からありがとうーと感謝したい。
以下拝受したおふたりのお言葉を抜粋させて頂く。
「晩年はご病気の治療をしながらの句作とか、心よりご尊敬申し上げるとともに、お悔やみ申し上げます。奥様よりも十歳以上の年齢(81歳)で、なんだかボーとして暮らしているだけで、良くないなあと反省しながら、心して読ませていただきたいと思っています。今まで散文しか書いてこなかったのですが、これからは奥の深い俳句の勉強もしてみようかなとも思っております。その前に奥様の句集をじっくり読ませていただいて、勉強させていただこうと思っています。簡単ですが、御礼のご挨拶まで。」(戸田さん)
「私が好きだったのは俳句では、宇宙駆除しあぐねる春の宙/飲み会はオンラインしよう昭和の日 短歌では、3Dに飛び出す映画 今は昔スクリーンにはいつも雨の降る/明るさともの哀しさを合わせもつ日輪のようなあなたはだあれ
一行詩では、戯れて輝いて一瞬 泡
でしたが、詩「夕暮れの諧調」も立派なものですし、圧巻はなんといっても
秋一日絨毯と飛べ我が部屋ごと でした。
総じて編集に愛情がこもっていることが胸を打ちました。(天瀬さん)
ちなみに、戸田さんも天瀬さんも名実ともに一流の書き手であり、心からありがたく思っている。ある面で舞は幸せだと思う。
2023年3月21日
春分の日。外は雨。私の住むここ尾張地方の朝は小雨とともに明けた。
夜。日本の岸田首相がキーウ入りしたとの電撃ニュース。モスクワではプーチン大統領と習近平国家主席が対談、この席で習主席がプーチン大統領に対話と停戦を呼びかけるなど今後の動向が注目される。世界はここに来て急速に激動している。
月曜日。春分の日。おかあさん、すなわち、私の可愛い妻たつ江(伊神舞子)が元気なころだったら、決まって私の父が眠る和田霊苑、そして舞のご両親が眠る古知野墓地の順に、お花を手に一緒にお参りに出かけたものなのだが。ことしは息子提言による墓参りは既に19日に終えた。
※ ※
☆ ☆
この世の中、勝ちがあれば負けがある。逆に負けがあれば、勝ちがある。
とは言っても、米マイアミのローンデポ・パークで現地時間の20日午後7時(日本時間21日午前8時)から開かれた第5回WBCの準決勝で日本がメキシコに6-5で見事に勝ってくれ、これほどうれしいことはない。ましてや、あの村上宗隆(ヤクルト)が最後の土壇場、9回裏に期待どおりサヨナラ逆転タイムリーを放ち、6-5で決勝戦への出場を決めてくれただなんて正直、嬉しい。もう一試合、アメリカとの決勝戦をがんばってほしい。健闘を祈りたい。
土壇場に勝った侍ジャパンに観客席、ベンチともに大興奮(CBCテレビ)
「最後まで諦めない気持ちで」と語る村上宗隆選手(CBCテレビ)
ほかに、大きなニュースといえば、1966年静岡県清水市で一家4人が殺害され、死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定に関し、東京高検が20日午後、最高裁への特別抗告を断念。袴田さんは事件発生から半世紀以上を経て、静岡地裁での再審公判で無罪を言い渡される公算が大きくなったということだろう。戦後の死刑事件で再審開始の判断が確定したのは、これが5例目。過去4例は再審公判を経て83~89年に、どれも無罪となっている。
袴田さん再審確定を報道した新聞紙面
(3月20日)
将棋の藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が渡辺明二冠=名人、棋王=に挑戦する第四十八期棋王戦五番勝負の第四局が19日、栃木県日光市で指され、後手番の藤井五冠が132手で勝ち、棋王のタイトルを奪取した。シリーズ成績は三勝一敗。六冠達成は羽生善治九段(52)に続き、史上2人目。20歳8か月での達成で最年少記録を更新した。中日新聞の1面見出しも【藤井最年少六冠 20歳8か月 棋王奪取 年内の八冠射程 NHK杯初V 一般棋戦全制覇】と景気が良い。つくづく藤井はたいした人物である。
【藤井 最年少六冠】を報じた新聞
午後、郵便局へ。
大垣時代に舞がこども俳句で何かとお世話になっていた西田拓郎先生(現在は大垣市墨俣町墨俣小学校の校長先生)に妻伊神舞子の遺稿集【泣かんとこ】を一冊。つい2、3日前に住所違いでわが家に出戻ってきてしまった、もう一冊を郵便局に出向いて、正しい住所を書いて送り直す。
きょうは、このほか、今は亡き最匠展子さん(詩人)から「伊神さん、いちど奥さまと一緒に行って来たら何かと勉強になってよいわよ」と勧められていた日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にも寄贈本2冊を送らせていただいた。舞の遺稿集【泣かんとこ】をこの先、ひとりでも多く、日本じゅうの人々に読んで頂きたいからである。
夕方、ポストを開けると、先日、遺稿集を送らせて頂いた岐阜県瑞穂市の、あの小森由美さんから丁重な礼状(はがき)が届いており、思わず目頭が熱くなった。私は小森さんが夫に先絶たれた際に出版され、送られてきた一冊の本への感謝の気持ちを込め、送らせて頂いたのである。小森さんとは、私が岐阜在任時からの文学仲間で彼女の気丈さには私自身、いつも刺激を受け見習わなければ-と思っている。
はがきには『この度は亡くなられた奥様の遺稿集を送っていただきありがとうございました。才能に恵まれ、高遠で清新な作風を貫かれた方とお見受けし、本当に残念で悲しく思います。そして亡き人のためにこうした本を出版される伊神さんのお気持ちにも痛い程共感できます。でも、こうした数々の言葉を遺されている伊神さんのことを羨ましくも思います。(中略)「泣かんとこ」 良い言葉ですね。どうぞお元気で』と書かれており、私ははがきを仏前に供え手を合わせたのである。小森さん、ありがとう。
(3月19日)
日曜日。
春分の日に先がけ、息子に勧められるまま、おかあさんの墓へ。愛猫シロちゃんに留守を頼み、彼と共に舞の眠る永正寺永代供養集合墓【濃尾の大地】の<舞の墓>へ。引き続き私の両親が眠る和田霊苑、古知野の舞の両親が眠るお墓の順で花と線香を手にふたりでお参りして歩いた。天気がよかったからか、どこも、墓参りの人で埋まり、あとからあとから人の波が絶えず、ナンダカ満員電車に乗り、お参りをせかされているような、そんな錯覚といおうか。気持ちにまでとらわれた。人々の気持ちは皆同じなのだとつくづく思う。
いずれにせよ、久しぶりに舞の墓にお参りすることが出来、からだのどこか見えないところで私と息子はホッとしたのである。思えば、たつ江(舞)が元気なころはお彼岸がくると判で押したように、私の両親の墓と舞の両親のお墓に半ば強引にお花を手に連れられていったものだ。だが、その彼女が、もはや、この世にはいないだなんて。
そういえば、昨日、東京・武蔵野市の同人誌「街道」の木下径子さんから「とってもステキなご本を頂いてありがとう。よく作ってあり、すばらしい遺稿集です。【泣かんとこ】の題もとってもよい。一匹文士のあなたさまの文にはいつも注目していますが、奥さまもこれだけの才能がおありのお方だったとは。よく作っておあげでした」と丁重なる肉声の電話が入り、私は心の底から感謝、仏前に私のスマホを置いて舞(静汐院美舞立詠大姉)に木下さんの肉声をお供えして報告させて頂いたのである。木下さん。ありがとうございます。息子たちにも報告しておきました。
(3月18日)
土曜日。昼間、江南市内の喫茶店であった中高校時代のクラス会『二石会』の役員会に出席する。新しい会長である須賀藤隆くんの前向きなヤル気と情熱がポンポン伝わってきた。前任会長として「これなら〝須賀政権〟は、とても楽しみだ。前任者としても協力しなければ」と思った次第。いずれにせよ、我々は喜寿なのである。とても信じられない。でも、それが現実なのだから仕方ない。
名古屋地方気象台が17日、16日の岐阜市での開花宣言に続いて、名古屋市でも開花宣言。名古屋市での桜の開花は統計を開始した1953年以降では、89年、90年、2021年と並び最も早く、平年と比べて7日、昨年より5日早かったという。
第95回記念選抜高校野球大会がきょう18日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕。記念大会のため例年より4校多い36校が出場し始まった。新型コロナウイルスによるコロナ禍の影響で2020年は開幕直前に中止。21、22年は開幕されたものの、観客数が制限され、開会式が簡略化されたりした。また22年は関係者が新型コロナに感染したため2校が出場辞退。こうした苦難の道を乗りこえ、今大会は観客の声出し応援が解禁され、マスクの着用も個人の判断に委ねられることになった。
この日は雨で1時間半遅れの午前10時半に開会式がスタート。選手全員が4年ぶりにグラウンドを一周する入場行進があり、選手らはあこがれの甲子園の芝と土を踏みしめ、香川・高松商主将の3年横井亮太主将が「若者が希望を持ち、夢を追いかけられる平和な世の中となるように。勇気や感動を届けることで、支えてくださる全ての方に御恩返しをしたい」などと選手宣誓した。
グラウンドを行進する球児と国家を歌う女子高校生(NHKから)
選手宣誓をする高松商の横井亮太主将(NHKから)
そして。とても悲しいニュースは【黒田杏子さん死去 84歳 俳人「平和の俳句」選者 <評伝>観察と学び 信条貫く】(18日付中日朝刊)に【国際刑事裁 プーチン氏に逮捕状 子ども連れ去り関与疑い ゼレンスキー氏「歴史的」】(同中日夕刊)か。このうち、プーチン氏の犯罪は誰が見ても明らかで、国を統治するロシア大統領が国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)に戦争犯罪の容疑で逮捕される、そのぶざまな姿をぜひ、この目で確かめてみたい。ともあれ、世の中は絶えず動き、川の流れのように時には濁流となって動いているのである。
黒田杏子さんの訃報を伝える中日新聞(東京新聞)
車いすテニス男子の第一人者として今年1月に現役を引退した国枝慎吾さん(39)が17日、首相官邸で国民栄誉賞表彰式に臨んだ。
(3月17日)
日韓首脳会談が16日、首相官邸で開かれ、11年以上、途絶えていた首脳同士の相互訪問「シャトル外交」の再開で一致。外務、防衛当局による安保対話の早期再開も確認。日本政府は韓国への半導体関連材料の輸出規制強化を解除すると発表した。WBC日本代表が16日、東京ドームでイタリアと準々決勝を戦い、9-3で快勝。5大会連続での4強入りを果たした。ほかに気になるのは【袴田さん再審特別抗告へ 高検検討、最高裁改めて判断】(17日付、中日1面見出し)。
NHKラジオの朝の番組「ラジルラボで新しい出会いと発見を」が本日でなくなる、とのこと。この番組は、亡き妻たつ江(伊神舞子)が毎日楽しみにして、自ら立ち上げたリサイクルショップ「ミヌエット」店内で、いつも聴いていた番組だけに、なんだか惜しい気がする。
岐阜地方気象台がきのう16日に岐阜市で桜が開花した、と発表。平年より9日早く、1989年、2021年と並んで観測史上、最も早い開花となったという。
それはそうと、愛知県警一宮署が昨日発表したニセ電話詐欺事件には驚いた。一宮市内に住む80代の無職女性が1月下旬から今月中旬にかけてニセ電話詐欺に遭い、計3780万円をだまし取られたというのだ。調べによると、女性は1月28日に携帯電話に「利用料金について確認事項がある、とのメールを受け記載された電話番号に連絡したところ、通信事業者を名乗る男から「料金が未払いになっている」と言われ、2月1日までに複数回、電子マネーを購入させられ、130万円分の利用券を詐取されたあげく、さらに2月6~8日にかけ同じ男からこんどは「あなたの携帯電話番号が流出する事件が起き、被害届が出てます」などといった電話を受け、3月11日までに6回、現金計3650万円を指定された住所に郵送、だまし取られた。その後、男と連絡が取れなくなり警察に届け出たという。この世の中には悪い人間がいっぱいいる。ああ~
悪いヤツと言えば、だ。ほかには、警視庁捜査2課が16日、インターネットの動画投稿サイトで俳優らを脅迫したなどとして暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉棄損などの疑いで前参議院議員で政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)に対する逮捕状を取った。
(3月16日)
北朝鮮が16日午前7時9分ごろ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を日本海へ発射。防衛省は約70分飛行して北海道・渡島大橋の西方約200㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される-と発表。この日は午後、首相官邸で岸田文雄首相と尹錫悦(ヨンソンニョル)韓国大統領との日韓首脳会談が行われることもあって、北朝鮮の脅威を念頭に安全保障協力を強める日韓への対抗姿勢を示す意図もあるとみられている。
(3月15日)
水曜日。きょうは、一昨年の10月15日に旅立った舞の月命日である。悲しさには限りがないことをしみじみ思う。
本日付の中日新聞によれば、第565回中日懇話会が14日、名古屋市内であり、俳人の黛まどかさんが「HaiKu for Peace 平和への一句」と題して講演。外国語の短い三行詩が「俳句」と呼ばれ、海外で普及していることを解説。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに世界から句を募集した自身の取り組みを紹介した、という。
参院は15日の本会議で国会欠席を続け、議場での陳謝の懲罰も拒否した「政治家女子48党」のガーシー議員に対し、最も重い除名の懲罰を科すことを出席議員の3分の2以上の賛成で決定。尾辻秀久参院議長が除名を宣告。ガーシー氏は議員の資格を失った。現行憲法下で国会議員が除名されるのは1951年いらい72年ぶりで3例目。国会欠席を主な理由とするのは初めて。
(3月14)
気象庁がこの日、東京都心部で桜(ソメイヨシノ)が開花した、と発表。2020、2021年と並んで観測史上、最も早い開花で昨年より6日、平年より10日早かった。
けさのニュースは、やはり1966年に静岡県清水市で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求の差し戻し審で東京高裁(大善文男裁判長)が13日に検察側の即時抗告を退け(棄却して)、再審の開始を認める決定を下したことである。新聞各紙は【袴田さん再審認める 犯行着衣「捜査側捏造疑い」 東京高裁差し戻し審】(中日14日付朝刊)などと報じている。
今ひとつは、ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの死で、こちらも【大江健三郎さん死去 88歳 ノーベル文学賞、九条の会 護憲、反原発声上げ続け】【文学、社会向き合い 大江健三郎さん悼む声 被爆者「精神的支柱だった」 世界に向け発進 後進作家へ影響】(中日14日付)などと報じていた。
そして。何よりも私たちに身近なニュースと言えば、だ。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日にいよいよ、「5類」へ移行するのを前に感染対策のマスク着用ルールが緩和され、きのう13日から着用の判断が原則個人に委ねられるようになった-ということである。
いわば2023年3月13日は【脱マスク】初日で、マスク着用の判断が原則、個人に委ねられるようになった、まさにその日なのである。とはいえ、けさの報道は、【「脱マスク」初日 様子見多く 東海の鉄道や百貨店「周りの目」ある】といったもので、以前のような<脱マスク社会>が定着するまでは、なおしばらくの時がかかりそうである。
2023年3月13日
月曜日。新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールの緩和で、この日から日本の各地で〝脱マスクの日常化〟が始まった。デ、夕刊は、やはりマスク、マスク、マスクについての満載である。中日夕刊が【素顔の日常 でもやっぱり… マスク「個人判断」はじまりの朝 名駅は見慣れた風景】なら、毎日夕刊も【マスク変わらぬ非日常 「個人の判断」スタート】【首相は変化 外して官邸入り 予算委閣僚らも】といった見出しだった。
ほかには、将棋の藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖、愛知県瀬戸市=に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負の第六局が11、12日に佐賀県上峰町で指され、後手番の藤井王将が八十八手で勝ち、シリーズ成績を四勝二敗として初防衛に成功。国際宇宙ステーション(ISS)滞在を終えた若田光一飛行士(59)が11日夜(日本時間12日午前)、米国とロシアの飛行士計3人とともにスペースXの宇宙船クルードドラゴンで米フロリダ州沖に着氷し、無事帰還した。
よい話ばかりでもない。
ノーベル文学賞作家で2004年に憲法9条の堅持を求める「九条の会」呼びかけ人にもなった大江健三郎さんが今月3日未明、老衰のため亡くなった。88歳だった。また女性で初めて参議院議長を務め、国土交通大臣などを歴任した扇千景さんも9日にがんのため東京都内の病院で亡くなった。89歳だった。
ほかには、名古屋ウィメンズマラソン2023(日本陸上競技連盟、中日新聞社主催)が昨12日に名古屋市東区のバンテリンドーム名古屋発着で行われ豊橋市出身で2021年東京五輪代表の鈴木亜由子(31)=日本郵政グループ=が2時間21分52秒の自己最高記録で日本勢最高の2位に入り、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。1位は2019年世界選手権(ドーハ)金メダルのケニア、ルース・チェブンゲティッチ(28)が2時間18分8秒で2連覇を達成。同東京五輪代表の前田穂南(26)も自己新記録の2時間22分32秒で3位となり、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。
※ ※
☆ ☆
きょうは正直いって、新聞休刊日で朝刊がなくて、ホッとしている。朝刊がくると、しっかり納得いくまで読むのに結構な時間がかかる。だからだ。
午前10時過ぎ。いま。私のデスクの下、ミニ電気ストーブの上にはかわいいシロちゃんがチョコンと座っている。シロは私に語りかける。「でも、だいぶ暖かくなってきたよね。オトン、良い原稿を書いてよね」と。
私の傍から離れない愛猫シロちゃん
(3月12日)
日曜日。名古屋へ。
名古屋市内の愛知芸術文化センター12階アートスペースE・F教室で開かれた中部ペンクラブ主催の【公開セミナー「同人雑誌と共に50年」 講師は「じゅん文学」主宰で作家の戸田鎮子さん】を聞くために、である。「じゅん文学」といえば、東海地方と言わず、全国的にも、その内容は傑出、戦後最初の芥川賞作家小谷剛さんの血を引く全国に誇る同人誌といっても良かっただけに昨年12月の110号で終了するまで28年間、長きにわたって主宰をしてこられた戸田さんには、頭が下がる。
そして。戸田さんといえば、である。かつて私が新聞社の編集局デスク長(サンデー版と特報面)だったころ中日新聞夕刊で2005年2月~6月にわたって【同人誌 その土俵】の連載を書くに当たっても、お世話になった。それだけに、戸田さんの講演は何をさておいても聞いておく必要がある、と。そう思って出かけたのである。講演後。もし時間があれば、東海地方の同人雑誌界の現況とこれまでの経緯について多々、お聴きしたくもあったが、きょうのところは控えた。
会場には、「じゅん文学」の同人で、社の大先輩でもある藤沢さん、さらにはかつての同僚記者の奥さまにも思いがけず、お会い出来、足を運んで良かったーと思った。本当をいえば、新聞小説の出来の良しあしなどについて戸田さんの見解をお聞きしたいことは山ほどあったが、きょうのところは邪魔になってもいけないと判断し自らの口を封じた。機会があれば、またお聞きすることは出来るだろう。
「鬼のすみかみたいで厳しかった」。自ら育てた〝じゅん文学〟の足跡について感慨を込め話す戸田鎮子さん
(3月11日)
土曜日。
死者・行方不明者(関連死含む)が2万2212人と戦後最悪の自然災害・東日本大震災からきょう11日で12年。十三回忌を迎えた。警察庁によると、死者が1万5900人、行方不明者は2523人。死者のうち53人は遺体こそ見つかったが、今も身元はわかってはいない。ほかに震災や原発事故に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなった関連死が3789人、自殺者も248人に及ぶという。
そして。東電福島第一原発事故による福島県の帰還困難区域は、一部で避難指示が解除されたものの東京23区の半分ほどの面積、約322平方㌔にも及び、避難者となると全国各地に3万1000に及んでいる。
東日本大震災と大震災発生直後に起きた不幸極まりない福島第一原発事故の発生。大地震と原発事故発生というダブルパンチがほぼ同時に人間社会を襲った2011年から数年間というもの、私は毎年のように塩屋埼灯台でも知られる「いわき市」はじめ、隣の楢葉町、広野町、ほかに仙台市、多賀町、名取町、南相馬市、山元町、そして浪江、双葉、大熊、富岡の各町、さらには飯舘村まで被災した各地を何回となく訪れ、現地のありのままの状況を本紙「熱砂」などでそのつど、紹介してもきた(詳しくは本欄の毎年の3~4月を中心に読んで頂けたらよい)。年々、大きくなっていく嵩上げ護岸堤、年々、見違えるほどに復興してゆく被災地などをこの目で追ってきただけに、どうしようもない寂しさと消えぬ哀愁は今も変わりない。
これは、塩屋埼灯台近くの嵩上げが終わった地区での話だが。ある日、一頭の野良犬がどこまでも私に近づいて歩いてついてきた。出来たばかりの護岸堤横の見事に整地されたかつての被害現場で、頭をこすりつけ「ここまで、復興したんだけれど。ボクにはよく分からない。大震災以前の方が、海がいつも見えてよかった」とでも訴えるように、何度も何度も頭をこすりつけてきた時には、涙が出て止まらなかったが、そうした日もあった。
(3月10日)
東日本大震災に襲われた3・11からあすで丸12年である。
というわけで、新聞紙面は【東日本大震災あす12年 住宅移転先3割が浸水域 昨年公表の津波想定受け 2523人依然不明】【コロナ収束傾向 今後は 専門家「反転増も」現場「次に備え」】【WBC日本白星発進 1次リーグ中国戦 大谷「二刀流」】(10日付、中日朝刊)【日韓首脳関係改善一致へ 尹氏来日 16日会談 シャトル外交再開調整】【侍好発進 初戦、中国に大勝 大谷近づく「世界一」の夢】【ワクチン支援縮小 新型コロナ 政府「5類」移行で】【藤井、名人挑戦 最年少懸け】(10日付、毎日朝刊)といった具合だ。
私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイも早や39回目に。「熱砂」同人にとっては、他に誇るコーナーと言っても良いコーナーだけに、毎回切り口に悩む。今回は妻たつ江(伊神舞子)亡きあとの食事のことをただひたすらに心配してくれていた母の私への思い、言葉に焦点をあて書いてみた。引き続いて、黒宮涼、伊吹、牧すすむの各氏の個性あふれるエッセイが登場するだけに、読者のみなさまにはぜひとも読んで頂き、それぞれの人生と重ね合わせて頂けたら、と願う。
きょうは、週に一度の社交ダンスのレッスン日。なので、午前中、あれやこれやとすべきことをこなしたうえ、一宮スポーツ文化センターへ。社交ダンスを続けることは、舞から私への遺言だけに、どんなに忙しかろうが、レッスンを欠席するわけにはいかない。幸い、一時、入院手術に耐えられていた若先生の両足も順調に回復してきたーとのことで、きょうはしばしば、共に組んでいただいての個人レッスンとあいなった。
昨年来、続けてきたタンゴをほぼ克服したので、きょうからは他のレッスン仲間とともに新しい、ブロンズ級ワルツのレッスンが始まった。つくづく思うに、わたしがこうして元気でいられるのも舞の至言「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けてよね。わかった。大丈夫だよね」のおかげか。つくづく感謝している(おかげで私は恥ずかしながらも、今ではモダン・ラテンとも愛知県インターナショナルダンス教師協会の一級合格証を所持している)。
社交ダンスを終え帰宅すると、ポストに県立神奈川近代文学館館長から1枚の丁重なるはがきが舞い込んでいた。【伊神舞子著『泣かんとこ』 左記の貴重な資料を県立神奈川近代文学館に御寄贈いただきまして誠にありがとうございました。御寄贈いただきました資料は、県と神奈川文学振興会が責任をもって有効に活用させていただきます。 令和五年三月七日】という内容だった。私は、この丁重なる一枚の礼状を、さっそく舞の仏の前に供え「ありがたいことだよね。感謝しよう」と呼びかけた。
中日新聞の10日付夕刊<あの人に迫る>に【食と環境のため 「守りの農業」で 佐々木正 有機農業の担い手育成】の記事。この世には、立派な方々がいっぱい、おいでだ。
(3月9日)
木曜日。野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表がこの日、東京ドームでの一次リーグB組初戦で中国に8-1で快勝。大谷翔平(エンゼルス)は二刀流として「三番・投手兼指名打者(DH)」で先発、4回を投げ無四球の1安打無失点で5三振を奪い、勝利投手に。打では2点二塁打を含む2安打2四球で、白星発進に貢献した。
この日はBSの日テレ(4チャンネル)で【三宅裕司さんの『ふるさと探訪』】が放映された。私が住む江南の名物あれこれが紹介されたが、<いつでもあつあつの しげちゃんのコロッケ>をはじめ、ずっと目が合う<永正寺の仏像(永正八方釈迦如来)さんの特別参拝><布袋の大仏さん><すき焼きモーニング>と、どれも見ごたえがあり、なかなかよい企画であった。
三宅裕司さんの人間性もとてもよく、これで江南の株はひとつ上にいったか。そして。私は、何よりも、これら秘話の紹介を番組に投稿されたという愛知県江南市、石井悦子さんを称えたく思うのである。かつての武将、織田信長はじめ木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)らが飛び回っていたこの街には、信長との間に3人の子をもうけた吉乃の存在などまだまだ偉大な秘話が隠されている。三宅さんには、これを機会に、そのことも知ってほしく思う。いい番組であった。
ずっと目があう永正寺の仏像
説明に当たる永正寺の中村建岳住職
布袋の大仏さま
(3月8日)
この世は毎日、いろいろ変わる。鬼になれば、仏にだってなる。一昨年の秋に彼岸に旅立ったおまえ。すなわち、たつ江、舞の住む世の中はどうですか。元気でいますか。こちらは、もう春。【今は、もう春】ですよ。そう。氷が融けて春になったのです。
おまえが大切にし続けてくれている愛猫シロちゃん、オーロラレインボーが先ほど天空に飛び立つかのように外に出たので女同士、世界のいろんなことを話し合ってくれたら、私はとても嬉しい(私はおまえが今もオーロラレインボーを愛し続けてくれている本物愛には、とても感謝している)。そういえば、きょう【3月8日】は、国際女性デーだったよね。お空のどこかに浮かんでふたりでいろいろ話していると思うと、そのいじらしい光景が瞼に浮かぶ。きょうは、おまえも知っているピースボートの船友さんから和歌山は白浜の海の写真が送られてきたので、ここに紹介しておきます。おまえは生前、なぜか「和歌山に行きたい。パンダに会いたい」が口癖だったよな。一度、一緒に行こうとしたら、たまたま荒天で急きょ「ならば、これまたおまえが次に行きたい、といっていたフラダンスを見に行こうよ、と急きょ、行き先を東北に変更。それまで私が毎年のように訪れていた東日本大震災の被災地・いわき市に行き私が毎年のように訪れていた被災地のあちこちに一緒に歩いて回り、ついでに湯本温泉に宿泊。翌日、スパリゾートでフラダンスを見たことがあったよな。おまえは、あの時、本当に嬉しく楽しそうだった。
なんだか随分と変な話になってしまったが。こんどこそ、和歌山に一緒に行こう、と共に誓い合っていた。のに、である。おまえは、そんな矢先に、まるで狙い撃ちでもされるように、病に倒れたのである。
おかしな話になってしまったが。というわけで、船友さんが旅先から送ってくれた和歌山は白浜からの1枚の海の写真には感激したのである。そして。ほかに嬉しかったといえば、私の誕生日(3月6日)に息子夫妻から送られてきたお菓子。これまた、すばらしい味であり、風雅なデザインであり第一おしゃれであった。おかあさんの仏(静汐院美舞立詠大姉)前にもお供えした。おかあさんは甘党ではなかったが、きっと「おいしい」「おいしい」と喜んで食べてくれたに違いない。
船友から送られてきた白浜の写真。静かな海と浜辺に、舞と歩いた過ぎし日々を思い出した
息子夫妻から送られてきた風雅で、とてもおしかったお菓子
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けさの新聞は【政治の男女格差 地域差拡大 首都圏改善 地方低調 きょう国際女性デー】【H3打ち上げ失敗 2段目点火せず 対策、長期化恐れ イプシロンに続き破壊 中部の技術が結集 着火信号に問題か】【放送法解釈巡る資料 総務省文書と認め公表 高市氏、関係箇所は「不正確」】(8日付中日朝刊)【中国(秦剛)外相、米をけん制 初記者会見 露との親密さ誇示】【「焦点」「官邸介入」主張平行線 放送法内部文書公開 政府、存在認め幕引き狙う 制作現場、委縮を懸念】(8日付、毎日朝刊)といったところか。
それから。参院は8日午前、本会議を開いたが、「議場での陳謝」の懲罰を受けていたNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員は欠席し、尾辻秀久参院議長は再び懲罰委員会に付託すると宣告。懲罰委は最も重い「除名」を軸にガーシー氏に対する懲罰を検討することになったという。それにしても、なんとまあお粗末な議員とは、このことを言うのだろう。
(3月7日)
火曜日。満月。
春の陽、光りが日に日に大きく近づいてきている。わが妻たつ江、そして。舞は。この広い空のいったい全体どこいらに、いるのか。それに。おまえの大好きなシロちゃん、オーロラレインボーは、悲しみを押し殺して、きょうも先ほど外にでかけた。まもなくおまえのところに行くだろうから。待っていてほしい。
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韓国政府が昨日、元徴用工訴訟問題で日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする解決策を正式発表。岸田首相は記者団に「植民地支配への痛切な反省と心からのおわびを明記した日韓共同宣言の継承を表明。このところ悪化していた両国関係が両政府の事実上の合意で大きく前進。両国とも尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田首相との会談調整に入ったという。お隣りさん同士、日韓が仲良くしていくことはとても良いことであり、私としては大歓迎である。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表チームが6日、京セラドーム大阪で阪神との強化試合に臨み、日本代表チームに合流後、初めて実戦出場した大谷(エンゼルス)が三、五回に2打席連続で3ランを放ち3打数2安打6打点と活躍し8―1で阪神に大勝した。私としては、あのヤクルトの村上にも胸のすくようなジャンボホームランを打ってほしかったのだが。彼のことである。そのうちに打つだろう。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、新型主力機H3ロケット初号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射したが、2段目のエンジンの着火が確認されず、地上から指令破壊の信号が出され、搭載した地球観測衛星「だいち3号」は予定の軌道に打ち上げられず、失敗に終わった。初号機は2月17日にも電源系統の異常を検知して補助の固体ロケットブースターの着火が止まるトラブルがあり、発射を直前に中止していた。JAXAは、その後異常を解消できたとして予備期間である3月10日までの発射をめざしていた。
(3月6日)
3月6日。啓蟄。恥ずかしながら、私の誕生日である。
愛知県公安委員会から先月22日に愛知県警江南署で受けた認知機能検査の【結果通知書】なるものが誕生日にあわせるように届いた。【36点以上で「認知症のおそれがある」基準には該当しませんでした。】というものだった。そして通知書には「今回の結果は、記憶力、判断力の低下がないことを意味するものではありません。個人差はありますが、加齢により認知機能や身体機能が変化することから、自分自身の状態を常に自覚して、それに応じた運転をすることが大切です。記憶力・判断力が低下すると、信号無視や一時不停止の違反をしたり、進路変更の合図が遅れたりする傾向がみられますので、今後の運転について十分注意してください。 令和5年2月22日 愛知県公安委員会」とも書かれていた。
あ~あ、そんな年代になってしまったのか。そう思うと、なんだか悲しくて泣けてくる。
トルコ南部のアンタキヤ発の共同電によると、トルコ・シリア大地震の発生から6日で1カ月。両国で計5万2000人以上の犠牲者を出した歴史的な震災となり、現地は多数の被災者の生活再建や継続的な支援、インフラ復旧など課題が山積しており、復興への道のりは長いという。
そういえば、昨夜と前夜の二度にわたって放映されたNHKスペシャルの【南海トラフ巨大地震▽日本襲う最悪シナリオ〝揺れ・津波・火災〟ドラマ森沢家の運命は】と【南海トラフ巨大地震▽30年以内にM8級が? 未曽有の過酷シナリオ激震・津波▽命を守るために今できることは】は、こんご生きていくうえで貴重な道標になるともいえよう。
中国の全国人民代表大会(全人代、国会)が5日、北京の人民大会堂で開幕。李克強首相は今年の経済成長目標を前年より0・5%低い「5%前後」に設定した。
(3月5日)
土曜日。午前中、江南市老人福祉センターへ。私が住む街、江南市古知野町花霞町内会の令和4年度第2回定時役員総会に評議員として出席するためで、4年度の花霞町内活動報告&決算、5年度の町内会役員の選任、花霞の町内会規約の一部変更の3案につき、それぞれ担当者から説明があり、いずれも原案通り承認、可決とあいなった。この日は、子ども会はじめ安全見守り隊、むつみ会(老人クラブ)の活動報告もあったが、どれも立派な内容で感心したのである。
中日新聞(東京新聞)伝統の見開き展開のサンデー版大図解は、【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】というもので、総合リードは「東京電力福島第一原発事故から間もなく12年を迎えます。事故収束作業は放射線量の高い原子炉周りが多くなり、より一層難しさを増してきました。周辺の被災地では、帰還は困難とされてきた地域でも避難指示解除の動きが強まっていますが、いったん破壊された地域の再生は容易ではありません。原発周辺の貯蔵施設に集約された膨大な汚染土をどうするのか、重い課題もあります。最新の状況を最新の画像やデータをまじえてお伝えします。」というもので、大熊町、飯舘村、浪江町、富岡町、双葉町、葛尾村と地域別、年代別に再生の道を歩む現状について地図と写真入りでわかりやすい紙面内容となっていた。
サンデー版といえばかつて私自身、長年サンデー版デスク長(特報デスク長と兼任)として5年ほど携わり、300文字小説のコーナーも設けたが、その300文字小説のコーナーが26日付サンデー版でいよいよ終了する-との告知には少し残念な気がしたことも事実だ。でも、読者の1人ひとりが、その人の宝石としてそれぞれの思いを300文字に託すことは自由なのである。1人ひとりが、これからも300の文字にそれぞれの思いを託していくことは可能かと思う。
3月5日付中日新聞(東京新聞)のサンデー版大図解【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】
ほかには、各本紙で【全人代2023 きょう開幕 習体制3期目本格始動 首相に側近李強氏就任へ】(5日付毎日)【「奇跡の救出」僕の後悔 津波警報避難せず流され 「失敗伝えたい」語り部に 東日本大震災12年】(5日付中日)といったところか。
2023年3月4日
石川県能登半島は七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から届いたお花も加わり、わが家は舞(伊神たつ江。静汐院美舞立詠大姉)の1階仏壇=ここには、昨年101歳で亡くなったおふくろ伊神千代子の写真も一緒に供えられている=はじめ、1、2階の遺影の前など、どこもかしこも花でいっぱいである。息子ばかりか、舞にかわいがられていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)までが花の手入れなど、あれやこれやと助けてくれている。
わが家はどこもかしこも花で満たされている
シロも桃の節句気分
中日新聞の朝刊は原子力規制委員会が3日に開いた北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の再稼働の前提となる新しい規制基準への適合審査会の会合で「敷地内に活断層はない」とする北電の主張が妥当だというもので、2016年に「活断層の可能性を否定できない」とした規制委の有識者調査団の判断が覆り、再稼働に向けた一歩となったと報じるものだった。というわけで、見出しは【志賀原発「活断層なし」 規制委、従来の判断覆す】(4日付、中日新聞朝刊)というものだったが、自然災害はいつやってくるかは分からない。これを信じてよいものかどうか。難しいところだ。
もう30年以上前になるが、志賀原発の誕生に当たって北陸電力の招きで現地視察をした際、地元マスコミの代表として志賀原発本体の電源スイッチを初めて押した私(あの日は能登半島にとって歴史的な日であり、少し緊張した)としては、その後ここまで安全が保たれてきた以上、今となってはこのまま安全が永遠に保たれることを願うほかない。
あのころは、新聞社本社からの手配で能登半島の各支局、通信局部に点在する各記者にヨウ素剤が大量に送られてきたほか、現地でも独自に確保するように-と再三の指示があるなど、まさに有事に備えて緊迫、戦々恐々としていた。
そして。いつ訪れるか知れない原発事故による放射能汚染に備え、ヨウ素剤の確保を本社サイドから現地に再三にわたって要請してきたばかりか、本社からもヨウ素剤を各支局、通信局部に送ってくるなど連日、本当にピリピリし、大変だったことをしっかり、覚えている。幸い、あの日以降、放射能漏れなどの事故は起きてはいない。能登の美しい山や川、海が放射能で汚染されることを思ったら泣くに泣けないのは昔も今も変わらないのである。
このほかのニュースといえば、だ。【名古屋で SHOW TIME WBC壮行試合】というもので、WBC日本代表が3日、バンテリンドームナゴヤ(名古屋市東区)で中日ドラゴンズとの壮行試合に臨んだことか。この日、チームに合流した米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(28)は試合前の選手紹介で「JAPAN」のユニホームを着て登場。満員の観客席から大きな拍手と歓声が湧きあがったという(試合の方はドラゴンズが7-2で勝った)。
一方で【中1が同級生切り付け 広島の校内「誰でもよかった」】【「幼い頃から人殺したかった」 埼玉切り付け、少年供述】(4日付中日見出し)といった殺伐とした事件が多い。ジャズ界の巨匠として知られた米サックス奏者で作曲家のウェイン・ショーターさんが2日、西部カリフォルニア州ロサンゼルスの病院で死去。89歳だった。死因は明らかにされていないという。
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【「僕は全然関係ない」 容疑者、知人に関与否定 タリウム殺人】とは、毎日新聞の4日付夕刊。ほかに【クフ王のピラミッドで未知の空間見つかる。古代文明の謎を解き明かす鍵になるか。 ☆ 事実の解明が欠かせぬ。安倍政権下での放送法の「解釈変更」に、政治的圧力があったとする文書が明るみに。 ☆ 志賀原発直下の断層を巡り、原子力規制委が「活断層ではない」とする北陸電の主張を了承。7年前の判断覆る。】とは、同日付毎日夕刊の近事片々氏。
(3月3日)
今井さんから届いた大きなお花。さっそく遺影前に運んで「今井さんからだよ」とその旨を伝える
本欄でも既に紹介させては頂いたが、懐かしい人、能登半島七尾市の今井富夫さんからの1本の電話はきのう突然、かかった。
「桃の節句で、あすはお雛さまだから、奥さんに」と昨日、七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から入った電話のとおり、これ以上はないといってよいほど立派かつジャンボなお花が、今は亡きたつ江(舞子)の霊前に送られてきたのである。
今井さんが、北陸中日新聞の能登版でわが妻(本名はたつ江)の伊神舞子俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】の存在を知ったためで「いがみさん。気イ落とさんで。あすは桃の節句。おひなさまなので奥さまに、と思って花を送らせてもらうから」との言葉どおり、きょうの朝早く立派な花がわが家に届いたのである。私は、すぐ近くのクロネコヤマトの営業所を訪れ、妻の遺稿集を宅急便で能登七尾あてに出させて頂いたのである。
今井さんとは、<みかんの花咲く丘>の作詞者加藤省吾さんはじめ、能登七尾湾で七尾JCの求めに応じ【能登の夢】を作詞した森繁久彌さん、ほかに港の町づくりに先頭になって突き進んだ当時のJCメンバー、そして加賀屋の小田禎彦さんのことなど。共に若い血をたぎらせた日々が忘れられないのである。
きょうはそんなわけで。ほかに歯医者さんでの定期的な清浄治療、午後の社交ダンスレッスン……と、まる一日、ちょっとした大車輪の一日になったのである。
(3月2日)
3月の声を聞き、どこかウキウキするのは、なぜか。
戸外からはスズメなど鳥たちの鳴き声が聴こえてくる。たつ江(伊神舞子)が健在だったころにはおひなさまが近づくと、玄関入り口の靴入れの上や彼女の部屋のデスクの一角などに、どこから手に入れてくるのか。紙製で簡易ではあるが、きらびやかなミニ雛壇飾りをかざっていたのが懐かしい。
あのとき。せめて本格的な雛人形のひとつやふたつでも買ってきてどこかに飾っておけば、それはそれで「きっと。それだけで喜んだはずなのに」と、今になって深く、つくづく悪かったナと反省している。舞はそういうことには敏感な女性であった。
言い訳になってしまうが、わが家は5人家族で私と3人の息子以外に女性は舞(たつ江)と愛猫シロちゃん、すなわちオーロラレインボーだけ(シロちゃんは今も私と元気に過ごしている)。それだけに、26歳で20歳の彼女と一緒になって以降、ただの一度もおひなさまを飾ってやれなかった大失態を今ごろになって深く反省。悔やまれて仕方がないのである。
午後。七尾のお花屋さん「花正」の今井富夫さんから思いがけず、留守電に電話が入る。折り返すと「奥さんの俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】を読ませてもらった。あすは、ひな祭りなので花を送ろう、と。そう思って」とのことば。今井さんは、今から30数年前、私が新聞社の七尾支局に支局長として在任中の七尾青年会議所理事長で、ともに♪海を感じる心を国内外に発信しようーと新聞社と共催による「海の詩(うた)公募」事業を進めたいわば同志、かつての仲間だといってもよい。そればかりか、当時、市民運動として開花しつつあった【港の町づくり運動】の先頭に立ち、七尾港フィッシャーマンズワーフ誕生に大いに貢献したJCメンバーのリーダーのひとり、中心人物でもあった。
いわば、同志的存在だったと言ってもいい、その今井さんから思いもかけていなかった電話が入ったのである。今井さん曰く。「北陸中日新聞の能登版で伊神さんと奥さんの本【泣かんとこ】を読ませて頂いたが、あすはひな祭りなので花を贈らせてもらおうと思うて」と昔のままの声が耳に飛び込んできたのである。「(当時のJC仲間である)さたみ(佐田味さん)から教えてもらい、読ませてもろうた」というのである。思いがけない電話とありがたさで私の目は、みるみる涙に潤み、沈んでいったのである。
2023年3月1日
3月1日。真っ青な<あお>が、この空に広がっている。
私たち家族。そして愛猫シロちゃんにとっても、だれよりも大切かつ、愛おしかった妻のたつ江(舞)が元気でいたなら。きょうは満71歳の良き日。誕生日である。というわけで、心から「おめでとう」と大空に向かって話しかけてみる。と、空一面にあの笑顔が浮かび、ニッコリとほほ笑んでくれた、そんな気がした。
(彼女は昭和27年2月29日生まれなので生前、本物の誕生日はいつも4年に1度しかこなかった。というわけで、来年の誕生日がくると、番茶も出花の満18歳になるはずだったのである。それにしても【69歳】、すなわち【17歳と少し】の旅立ちは、私にとっては、あまりにも儚く残念無念であった=彼女は一昨年の2021年10月15日早朝、江南厚生病院緩和病棟病室で見守る私の目の前で息を引き取った=。
いずれにせよ、舞よ。まい、マイ。おまえは来年の2月29日が来ると、満18歳になるのである。ちなみに伊神たつ江の戸籍上の誕生日は昭和27年2月25日だ。
誕生日おめでとう。そちらの国はどおですか。舞の御霊にろうそくと線香でお参りする
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3月早々の新聞紙面は、【五輪談合6社7人起訴 電通、組織委元次長ら 東京地検 独禁法違反 捜査終結へ】【出生数 初の80万人割れ 22年 推計より約10年早く】【マスク 揺れる卒業式 国「原則不要」、現場はまちまち 感染予防一定の効果】【木曽川導水路 飲用や治水用に 名古屋市長、国に提案】【再審受け入れを大阪高検に要請 日野町事件で弁護団】【準暴力団メンバーか逮捕 ニセ電話詐欺ほう助 岐阜県警・警視庁】(1日付、中日)【月面への第一歩 14年ぶり宇宙飛行士 諏訪さん・米田さん 候補選抜 史上「最難関」突破】【<宗教と子ども> エホバの証人 「輸血拒否指導は虐待」2世支援弁護団会見 幹部「価値観押しつけ疑問】【対局マスクなしOK 13日から将棋連盟 佐藤天九段ら反則負け】【臓器あっせん再逮捕 NPO理事「外国人枠ある」無許可疑い】【阿武町誤給付 会社員有罪 山口地裁判決 詐欺罪を認定】【WBC出場を辞退 野球日本代表の鈴木誠也外野手(28)=米大リーグ、カブス=が左脇腹の張りを訴え、WBC出場を辞退】(1日付、毎日)といったところか。
そして夕刊はといえば、だ。【3年ぶりWelcome 静岡・清水港にクルーズ船】【就活解禁 説明会始まる 24年卒大学生 今年も売り手市場】【初任給増 新入社員「驚き」 ユニクロ入社式】(1日付中日夕刊)【小中高生自殺512人 最多の見通し】【イランの83.7%濃縮ウラン確認】(1日付毎日夕刊)といった具合である。
きょうは、扶桑のイーオンで食事をした帰りに、私たち家族の畑<エデンの東>に寄ってみる。毎年、このころになると舞と一緒に畑に寄り、ふたりで梅の花が咲いているかどうかを確かめるのが常だった。ことしも幸い、梅は白い花弁をあちこちで咲かせており、ホッとしたのである。舞が、これら梅の花を見たらどんなにか。喜んだことだろう。満面に笑みをたたえ、季節感あふれる一句を詠んだに違いない。そう思うと、なんだか無性に彼女のことがかわいそうに思われ、恥ずかしげもなく、またしても涙があふれ出るのである。「あなたは、どんな修羅場も歩んできたはずなのに。ほんとに弱っちいんだから。泣いてなんかいちゃダメよ」と舞の声が聴こえてくる。
<エデンの東>と、白い花を随所で咲かせ始めていたわが家の梅の木
一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年2月~)
2023年2月28日
大阪高裁は27日、滋賀県日野町で1984年、酒店経営の当時69歳の女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」で強盗殺人罪で服役中に75歳で病死した阪原弘さんの遺族が申し立てた第二次再審請求に対し検察側の即時抗告を棄却し再審開始を認める決定を下した。捜査段階の自白の根幹部分の信用性に「動揺が生じた」と指摘し、「確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じた」(石川恭司裁判長)と判断したという。
文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこの日(28日)、昨年4月に始めた宇宙飛行士選抜試験に諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が合格した、と発表。諏訪さんは世界銀行上級防災専門官、米田さんは日本赤十字医療センター(東京)の外科医。こんご飛行士候補としてJAXAに入り、飛行士となるための訓練を約2年間受ける。ふたりは東京都内で記者会見。米田さんは「道のりは簡単ではないが、可能であれば月に行きたいと考えている」と話した。
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きょうは、昨年の秋まで会長を務めた母校(滝高校)のクラス会【二石会】の引き継ぎ書類をそっくり、後任にお渡しすることが出来、今は肩の荷が下りた気分である。私の都合で急きょ、市内の料理屋「むさし屋」さんに集まって頂き、食事をしながらの会となったが、みんな素晴らしい友ばかりであることを改めて痛感したのである。
(2月27日)
月曜日。三重県鳥羽市の鳥羽水族館の人気者「ラッコ」は、絶滅危惧種。しかも現在、国内で飼育されているのは3匹だけ。人気者が国内の水族館から姿を消す日が近づいている-とは、本日付の中日新聞くらし面。ピークの1994年には28施設で122匹いたというから今や隔世の感がする。
国民的人気者のパンダが次々と日本を去っていくなか、愛嬌たっぷりの〝ラッコちゃん〟には、いつまでもいてほしい-というのが私たちの本音、願望かと思う。そうしたなか、尾張版<花まるっと>の【オオベニゴウガン】の存在は見出しにもあるとおり、<赤い針 冬を明るく>(写真・文 中村千春)そのままに、ナンダカ心を温かくしてくれ、いい記事だな、と思った。
「大阪マラソン2023」(大阪府、大阪市、大阪陸上競技協会主催、毎日新聞社、読売新聞社、NHK、日本陸上競技連盟共催)が26日、大阪市の大阪府庁前から大阪城公園までの42・195㌔のコースで行われ、男子はハイレマリアム・キロス(26)=エチオピア=が2時間6分1秒で優勝。西山和弥(24)=トヨタ自動車=が2時間6分45秒で日本選手トップの6位に入り、初マラソンの日本最高記録を樹立。女子はヘレン・トラ・べケレ(28)=エチオピア=が2時間22分16秒で優勝。渡辺桃子(24)=天満屋=が2時間23分8秒で日本勢最高の3位に入った。
将棋の王将戦第5局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、島根県大田市など後援)が島根県大田市の国民宿舎さんべ荘で行われ26日午後6時11分、藤井聡太王将(20)が挑戦者の羽生善治九段(52)を101手で降し、対戦成績を3勝2敗として初防衛に王手をかけた。終盤は形勢が大きく揺れ「横手取り」の乱戦となったが、最後は藤井王将がチャンスを的確にとらえ勝利につながったという。
2023年2月26日
トルコシリア地震の死者は、5万人以上に及んでいる。
日曜日。2・26事件のあった、まさにその日だ。この日が来ると、なぜか今は亡き加賀乙彦さんの大作で日本版「戦争と平和」とも言われる【永遠の都】と、元ノートルダム女子大学長で教育総監渡辺錠太郎の娘さんだった渡辺和子さん(故人)を思い出す。生前の彼女には随分とお世話になったことが思い出される。
きょうの朝刊は、ロシアの侵攻を受けるウクライナでの変わりゆく街の様子を伝えた【キーウの日常撮り続け 「普通ではない1年の事実を」 侵攻後から名古屋の知人に動画送信】(26日付中日朝刊)と、1972年の外務省機密漏えい事件で沖縄返還での日米密約を報道して有罪が確定した、あの元毎日新聞政治部記者西山太吉さんの死であろう。山口県出身の西山さんは、24日に心不全のため北九州市内の介護施設で死去。91歳だった。西山さんの死でつくづく思うことは、時代の証言者たちが相次いで命を落としてゆくことか。合掌-
夜。NHKスペシャル【スクープ・侵攻72時間 大統領側近明かす内幕 ゼレンスキー暗殺計画 ロシア軍大いなる誤算】を見る。みんな、楽しく、仲良く、幸せに生きていけばよいものを。人間は、なぜ戦争をするのか。悲しくなってきた。
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午前中、近くの愛知県江南市福祉センターへ、と出向いた。私が住む古知野町花霞町内会の2022年度分の監査会に評議員として出席。帰宅後、愛猫シロが心配そうな顔をして見守るなか、午後からこうしてパソコンに向かい、キーを打ち始めたのである。
熱唱する藤田麻衣さん。彼女は、グランドチャンピオンになった(NHK総合から)
昨夜、たまたま目にしたNHK総合の【のど自慢チャンピオン大会2023 生放送! グランドチャンピオン目指し13組が激突】は、見ごたえ十分だった。なかでもグランドチャンピオンになった女性=藤田麻衣子さん『手紙 愛するあなたへ』=が姪の<久美ちゃん>の若いころ、そっくりだったのには驚いた。さっそく妹に半分冗談で「久美ちゃん、よかったね。おめでとう」とラインをすると、妹も「わたしたちも見ていたよ。ありがとう。ほんとに上手で感動しちゃったよね」とのことであった。
(2月25日)
土曜日である。昨日は、文士刮目(22回目)の執筆などに夜遅くまで追われ、結局のところ、床に入ったのが午前1時過ぎだった。それでも現役の新聞記者時代に数知れない殺しや、サンズイ(汚職)、暴力団抗争、中部日本海地震や長崎大水害、北海道オホーツクの海への大韓航空機の撃墜、赤いフェアレディーZに乗ったトンボ眼鏡の女による長野富山連続女性誘拐殺人、御巣鷹山への日航機墜落、三宅島噴火、少年らによる長良川木曽川リンチ殺人…など。大事件や大災害の現場での朝、昼、夜となく長期取材に振り回されていたころと比べれば、どうということはない。時間のゆとりは、十分すぎるほどあるのである。かつては、今のようにスマホなどといった便利なものなどなく、携帯電話と公衆電話を頼りに走り回っていた現役時代の、あの日時の境めさえがわからなくなってしまうほどの過酷な日々に比べれば、比べようもないのである。どうちゅうことはない。
ただ言えるのは今にして思えば、大事件発生現場などに取材ヘリやジェットで急きょ派遣された時なぞ、よくぞからだがあんなにも、もったものだナ、とつくづく我ながら信じられない。2、30代から40代のころの【馬力のガミちゃん】【書き魔のガミちゃん】と言われた日々が懐かしく思い出されるのである。でも、そういう過酷な日々をなんとか歩き通せたのも、妻のたつ江(伊神舞子、故人)が、いつも私の傍らに居て何やかや-と助けてくれた。だからなのである。なんだか変な方向にペンが走ってしまったが、要するに昨夜遅く文学者の会への文士刮目の出稿を終え、きょうは久しぶりに本欄一匹文士の原稿にこうして向き合うことが出来、ホッとしているということか。
それでも、やはり今では、かつての現役の新聞記者時代と比べると、その疲労度となるとかなり違う。そして。あのころの私は元気が有り余っていた、それが今では後期高齢者、70代も後半にはいった私なのである。年齢もだが。今となっては何もかもが若々しかった当時の私とは違うのである。でも、私は当時のまま。元気である。
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デ、きょうの新聞紙面の主なニュースといえば、だ。【ウクライナ侵攻1年 国連総会露の撤退要求 141カ国賛成で決議 憲章(国連憲章)違反、再確認 尽きぬ悲しみ】【「露に武器支援停止を」首相、G7で呼びかけへ】【植田氏「金融緩和を継続」 日銀総裁候補所信 2%目標も】(毎日25日付朝刊)【犠牲者へささげる祈り 侵攻1年 ゼレンスキー氏演説】【ロシアへの軍事支援 G7停止呼び掛けへ 首相会見中国けん制】【植田氏緩和継続を表明 日銀次期総裁「副作用」指摘も 所信聴取】(中日25日付朝刊)といったところか。
いずれにせよ、けさは久しぶりに落ち着いた気分で朝刊に目を通すことができた。世界も、人々のながれも、心も。いつだって何もかもが。皆、新鮮に動いているのである。そして。本日付の夕刊はといえば、だ。【中国のロシア支援けん制 G7「深刻なコスト」警告】【「中国が武器与えないと信じる」 ゼレンスキー氏 習主席と会談計画】【地表9・1㍍横ずれ 内陸最大級 トルコ・シリア大地震「濃尾」上回る】(25日付中日夕刊)【●eye見つめ続ける大震災 12年また双葉で】【東日本大震災12年 「ただいま」と帰れる場所を 気仙沼の被災民宿、映画に】【トルコ地震 被災者住宅に2兆円 計27万棟建設に着手】(25日付毎日夕刊)といった具合である。
(2月24日)
昨夜遅く久しぶりの外出から帰った私は、ちょうど今日がロシアのウクライナ侵攻1年ということもあり、新聞各紙をはじめ、各メディアのチェックに終日追われた。そして、帰宅しポストに届いていた電気代がやけに高いことに驚くと同時に、もはや財布がカラッポであることにも気づいた。いつものことで仕方あるまい。こんな時、舞がいたら、どんな場面に遭遇しても対応できるお金は財布に入れておいてくれるのに、と少し悲しく、寂しくも思ったのである。彼女はどんな時にも、それ相応のお金を私の財布にしのばせるように入れてくれていたことが今では懐かしく思い出される。その心が、ありがたかった。
それはそうと、せっかくの機会だ。昨日訪ねた神奈川近代文学館では、若い男性スタッフの手を介して「伊神舞子俳句短歌遺稿集」を一冊贈呈することが出来、結構強行スケジュールではあったが、行って良かったーと思っている。それに桜木町駅は、確か私がかつてピースボートによる地球一周の船旅から帰国した日に私を彼女が名古屋から迎えに来てくれた時に一緒に歩いた駅である。そればかりか、彼女が平成25年の第10回海外日系文芸祭の短歌部門で入選した際にも、表彰式に共に訪れたことを思い出し、涙が頬を伝ったのである。
伊神舞子の入選作は次のようなものだった。
【晴れ渡るこの大空にたとうればセザンヌのりんご置いてみようか】
亡き舞にとっても思い出多い桜木町駅
(2月23日)
木曜日。朝起き、新聞を読んでいつものように記事と小説を読んでいたら、どこからか。久しぶりに、あの鈴を鳴らすような舞の甘えた声が聴こえてくるではないか。「あなた。行かなくていいの。きょう何か、あったんじゃなかった?」。
あっ、そうだっけ。行かなくては。幸い、きょうは祝日(天皇誕生日)でシステムエンジニアとして第一線で活躍する多忙な末っ子はわが家にいるはずだ。彼が居てくれさえすれば、愛猫シロちゃん(俳句猫「白」。オーロラレインボー)の心配をする必要はない。大丈夫だ。というわけで、私は急きょ、名鉄犬山線の江南駅まで息子に車で送ってもらい、新幹線と横浜市営地下鉄(またはJR横浜線)を乗り継いで桜木町駅へ。ここからはタクシーでくるくるくる、と迷路を探すようにして県立神奈川近代文学館へ、と向かった(女性運転手が、どうも文学館へは初めてのようだったので「知っとかなきゃあ、アカンよ」と偉そうに、ひと口言わせて頂いた。でも、誰とて初めてということはあるので仕方ない)。
というわけで、文学館へ着いたのは午後2時過ぎだったが幸い、第1部の講演「林京子が言い残したこと」(講師は青来有一さん)こそ終わっていたものの、第2部のシンポジウム「いま文学者として何ができるか」(登壇者は、川村湊、青来有一、宮内勝典、村上政彦、森詠の5氏)には滑り込みセーフとあいなったのである。会場は200人の定員ぎっしりで埋まり、関心の高さを、この目で実感。やはり、亡き舞(たつ江)に言われて、やってきてよかったな-と実感。終わったあとは、皆で中華街でのコース料理とあいなり、多くの思いがけない再会や出会いにもめぐりあったのである。
ぎっしりの人で埋まったシンポジウム会場
登壇者の表情にも力が入った
シンポに合わせ配布された【私の想い ひとり100字メッセージ】
シンポの内容は、文学者として各人各様にいろいろ貴重な意見が出たが、ひと言でいえば「文学は平和維持への漢方薬であるべきだ(宮内さん、青来さん)」という声が私の心に残ったのである。具体的には私が「脱原発社会をめざす文学者の会」ホームページで月に一回書いている文士刮目(今回で22回目になる)を読んでいただけたら、嬉しく幸いである。
「文学者の会」のホームページのアドレスは次のとおり。
https://dgp-bungaku.com
(2月22日)
三重県志摩半島の鵜方で生まれた長男の誕生日。たつ江(伊神舞子)のお腹から生まれた時、あんなにもちっちゃかった息子が今では立派な社会人として世の中に貢献していると思うと、今さらながら「頑張って、よく生んでくれた」と誇らしく思う。今は亡き、たつ江もきっと喜んでいるに違いない。つくづく実感する。おまえはそれぞれ個性のかたまりのような立派な子ぱかりを生んでくれてありがとう、と。そう思うと、わが子のそれぞれの出生ドラマが瞼に大きく浮かび上がってくるのである。
きょう2月22日は、猫の日。ニャンニャンの日だ。毎日新聞夕刊によれば、埼玉県行田市の「前玉神社」は、毎月22日前後に猫のスタンプが付いた特別な御朱印をもらえる神社として猫好きの人たちの人気スポットになっている。神社には4匹のかわいい猫がいて参拝客らに愛嬌を振りまいているという。なんとも微笑ましい限りである。
あぁ、それなのに、だ。わが家の愛猫シロちゃん(舞につけてもらった「白」の俳号を持つ世界でただ一匹の俳句猫。本名はオーロラレインボー)は、きょうも1日留守番。オトンの私があちこち行かなければならないところがあったためだが、それでもシロちゃん。いつものように私の帰宅を待っていてくれたのである。シロよ! シロ、シロっ。ありがとう。
「あたしは、どんなに寂しくっても。オトンとオニイを守ります」。
いつもけなげなシロちゃん
きょうの夕刊ニュースは、ほかに【狛江強盗殺人 実行役ら逮捕 2容疑者 他2人も逮捕へ】【和歌山でもパンダ旅立つ 3頭、中国へ】(22日付毎日)【一発勝負自分信じて 愛知・公立高入試】【12年思い続け NZ地震追悼式】(22日付中日)など。相変わらず、この世はニュースのなかで生きているような、そんな気がする。
(2月21日)
火曜日。きょうのニュースは、何といっても20日のバイデン米大統領によるウクライナの首都キーウ(キエフ)への予告なしの電撃訪問だといえよう。毎日新聞の21日付夕刊は、この訪問を【異例 鉄路9時間半 米大統領キーウ訪問 秘密保持、徹底】とスリリングに報じている。バイデンさんも、よほどの覚悟でもってキーウを訪問。ゼレンスキー大統領との会談に臨んだに違いない。
そして、もうひとつ。都民に、いやニッポンじゅうのパンダファンから親しまれ続けてきた上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、すなわちシャンシャン(雌、5歳)が中国に返還されたということだろう。
シャンシャン中国へ出発、を報じた中日新聞夕刊
また、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始してから今月24日で丸1年となるのを前にウクライナを訪れたバイデン米大統領はゼレンスキー大統領と会談。その後の共同記者会見で米国がウクライナに対する「揺るぎなき支援」を続けると約束し、同時に米欧諸国の結束を強調。5億㌦(約670億円)の追加軍事支援を伝えたという(ホワイトハウスの発表から)。
パンダのシャンシャンの方も21日朝、トラックで上野動物園を出発。成田からチャーター機で中国に向かい、同夜午後6時半ごろには四川省の成都双流国際空港に到着。ここからは鉄路で中国ジャイアントパンダ保護研究センターの雅安碧峰峡基地に運ばれ検疫を受けたうえ、最終的な滞在先が決まるという。
愛読している本日付の中日新聞朝刊によれば、名古屋にミニシアター文化を根付かせた名古屋・名駅の映画館シネマスコーレの木全純治支配人(74)が20日付で支配人職を退いた。19日開かれた劇場40周年の記念イベントで明らかに。後任は副支配人の坪井篤史さん(44)が務める。木全さんは劇場代表に。そして何と言っても、きょうの思いがけない大ニュースはあの岐阜在住の文学仲間、ホワイト好子さん(元「長良文学」同人。岐阜女流文学賞受賞者)から真心のこもったお花が届いたことか。私はシロと一緒に、さっそく亡きたつ江(伊神舞子)の遺影の前に飾り、心からの感謝をしたのである。ありがとう。ありがとう。好子さん。ホワイトさん。
ホワイトさんから届いたお花はさっそく2階遺影の前に供えられた(左手前)
(2月20日)
月曜日。朝から初春の日差しがまぶしく、心地よい。
とはいえ、わが家の前の路上は、このところ新しいガス管への埋め替えで車の通行もままならない。朝。テレビのローカルニュースで稲沢のはだか祭りについて放送していたが、その起源は767年にまで遡り、元はと言えば当時流行った疫病退散のため、儺負い人を生け捕りにして神様に人身御供として捧げるのが狙いだった点を強調していた。儺負い人の生け捕りは、織田信長が禁止令を出し中止になったが、この話はしっかり調べ上げ歴史小説として書き上げたら、随分迫力のあるものになるに違いない。
時間があれば、一度徹底的に調べあげて物語にしたら面白い気がする。はだか祭りそのものについては以前、私の著作「一宮銀ながし」の<由佳奴>のなかでかなり詳しく触れてはある。だが、しかしだ。そもそもの起源については触れてはいなかった。
【狭き門くぐり抜けた先に 江南・北野天神社】とは、本日付中日新聞朝刊の写真付き1面見出しである。本文には「受験シーズンがヤマ場を迎え、学問の神様として知られる菅原道真を祭った愛知県江南市の北野天神社で、受験生らがユニークな参拝方法で合格を祈願している」とあった。
デ。そのユニークな参拝方法とは、だ。境内の奥に高さ50㌢、幅40㌢のちいさな鳥居があり、受験の狭き門と見立てた受験生らが「合格」のご利益にあやかろうと志望校を書いた絵馬を手に、この鳥居をくぐりぬけるーというわけ。
ほかには、【トルコ捜索ほぼ終了 大地震2週間 長引く避難つのる疲労 テントから仮設住宅「待ち遠しい」】【「徴用工問題 政治的判断を」日韓外相会談で韓国側】【発射ICBMは「火星15」 北朝鮮発表 談話で米をけん制】【日米共同訓練 爆撃機加わる 即応態勢アピール】の各見出しが気になるところだ。
午前中、スマホからピコピコの音。開いてみると、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など数々の作品で知られる漫画家松本零士(まつもと・れいじ)さん=本名は晟(あきら)。福岡県出身=が今月13日午前11時に急性心不全で東京都内の病院で亡くなったという。85歳だった。偉大な人物が、またしても一人、この世を旅立っていった。
夜のNHKクローズアップ現代【侵攻から1年 ウクライナ記者の闘い】。家庭を持ちながらも戦争報道に果敢に挑む記者たちの苦悩の表情が見事にとらえられていた。この24日でロシアのウクライナ侵攻が1年になるのに併せ、クローズアップ現代の担当女性キャスターがウクライナのキーウなど戦乱の街に飛び込んでの生々しい現地報告で、中身の濃い内容となっていたのが印象的である。
(2月19日)
雨水(うすい)。雪が雨にかわり、暖かい地方では<春一番>がふき、鶯が鳴き始めるころだという。
日曜日。きょうは、朝のうち小雨が降る日となった。
きのうの北朝鮮による長距離弾道ミサイルの発射、けさの朝刊は【北朝鮮ICBM級発射 北海道西200㌔EEZ内落下か】(19日付中日)の見出しで報じていた。それによると、「日本の防衛省は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級で、北海道渡島大橋の西方約200㌔の排他的経済水域(EEZ)の内側に落下したとの推定を発表。防衛省の分析では、最高高度約5700㌔で、約900㌔を66分間で飛行した。高角度で発射して飛距離を抑える<ロフテッド軌道>とみられる。-という。
新聞と言えば、だ。本日付の中日新聞5面の社説【帝国の解体は止まらず 週のはじめに考える】と【<ニュースを問う> 「特攻」のメカニズム 大平原の逃避劇❸ 「ソ連が連行?」募る不信】がなかなか読ませた。
優れた現代詩集に贈られる第28回「中原中也賞」の選考会が18日、山口市で開かれ、青柳菜摘さん(32)=東京都=の詩集「そだつのをやめる」に決まった。「言葉の表現に苦戦してきた。うれしくて、たくさんの汗をかいている」とは、青柳さん。
午後。NHK総合で東海3県向けに流された「穂高連峰・ジャンヌダルム~日本一険しい縦走路に挑む~」を見て、私自身がヒヨッコの山記者だったころを思い出し、少し感動した。というのも、私はかつて新聞社の記者として松本支局が駆け出しで、よく飛び歩いた上高地をはじめとした穂高連峰の山々の映像が画面に出てきたからである。日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストンさんのレリーフ(胸像)も久しぶりに目にすることが出来、とても懐かしく思った。
駆け出しも駆け出し。記者として歩き始めたばかり、張り切って蝶が岳への登山を試み頂上には立ったものの、まさにその直後帰る途中に手にしたトランシーバーで読売新聞の取材ヘリが槍ヶ岳に衝突し、墜落したことを松本支局から知らされ、夏の山道を息せき切って涸沢小屋まで走ったことや、毎年夏山シーズンが始まるとはウエストン祭の写真を撮ったり、極寒の真冬を2週間ほど北ア・木村小屋に滞在、当時の週刊誌に【上高地・木村小屋に遭難待ちする新聞記者たち】と大きく書かれるなどいろんなことが走馬灯のように頭を駆け巡ったのである。滞在期間が終わるとホッとして、ピッケルを手に履きなれないアイゼンで他社の記者たちと西穂高岳独標まで登った日の思い出は、今も忘れられない。後年、岐阜にいたころだったか。夏休みを利用し、まだ小学低学年だった長男と妻(舞)を伴い、上高地から明神を経て涸沢まで行った日のことも懐かしい思い出である。
穂高連峰ジャンヌダルム頂上と柱状節理(NHKから)
夜。NHKスペシャル【混迷の世紀・国連ルポ 安保理の舞台裏に密着 対ロシア包囲網で何が 武器なき闘いの行方は】を見て、あれやこれやと考えさせられた。
(2月18日)
本日付の中日夕刊に【日本の医療チーム野営病院 トルコ・シリア 死者4万5000人超】【「中に息子が…」 悲しみの対面】の見出し。胸がしめつけられる。
防衛省が18日夜、北朝鮮からICBM(大陸間弾道ミサイル)1発が発射され、午後6時27分ごろ、北海道渡島大島の西方約200㌔の日本のEEZ(排他的経済水域内)の日本海に落下したとみられる、と発表。浜田防衛大臣は午後8時ごろ、防衛省で記者会見。「飛しょう軌道に基づいて計算すると弾頭の重量次第では1万4000㌔を超える射程となり、その場合、アメリカ全土が射程に含まれる」とも。物騒極まる飛翔体である。
南米最大を誇るブラジル・リオデジャネイロのリオのカーニバルが17日、開幕。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が宣言されてから初の通常開催で、昨年は中止されていたブロッコと呼ばれる一般参加者の街頭パレードも復活したという。リオのカーニバルは出来れば、この目で見なければ-と私は思っている。出来れば、現地の人たちと共にサンバでも踊ってきたい。
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【マスク外す? 一人一人考えた 愛知の私立高卒業式 「顔見えるのうれしい」「慣れていなくて怖い」】。
中日新聞の18日付朝刊によれば、卒業シーズンを迎え、愛知県内の私立高校では17日、マスク着用を生徒の判断に任せる形で卒業式を開催。卒業生の大半が外さずに晴れ舞台に臨んだという。豊田市の杜若高校の場合。卒業生241人のうちマスクを外したのは2割ほど。保護者や教職員はマスクを着用。答辞を読んだ小木曽葵さん(18)はマスクを着けて式に臨み、登壇する際に外した。マスクを外す生徒が少なかったことに「顔を見られることに慣れていなくて、マスクを外すのは怖いのでは」と共感。一方で、「マスクを外した子の顔が見えるのはすごくうれしかった。当たり前の生活ってこれなんだと感じた」と笑顔を見せた。――などと報道している。
教育といえば、18日付中日新聞夕刊には【広島市教委「実相迫りにくい」 はだしのゲン 平和教材外れる】の見出しも。市教委がプログラム内容を検討する中で「漫画の場面だけでは被爆の実相に迫りにくい」と判断し、家族を失った被爆者の体験と継承の内容に2023年度から変更するというが、それで良いのかと言いたい。いや、訴えたい。市教委では「学習では継承と発信を大事にしており、より良い教材にするために改訂した。子どもからはだしのゲンを遠ざけるつもりは全くない」と説明したとあるが、だったら<はだしのゲン>は永遠に残しておくべきではないのか。再考をのぞみたい。
(2月17日)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、17日、鹿児島県の種子島宇宙センターで地球観測衛星「だいち3号」を載せた新型主力機H3ロケット初号機の発射を試みたが飛び立てなかった。政府関係者は1号機について「1、2週間後に再度打ち上げる方向で調整している」とし、JAXA広報担当者は「発射する前に中止した可能性もあり、失敗かどうかは判断できない」としている。
トルコ、シリアの大震災は17日現在、実に4万3000人以上に及ぶ大変な被害となっている。トルコのアナトリア通信によれば、16日夜から17日未明にかけ、南部カフラマンシュ県で女性、南部ハタイ県で少年がそれぞれガレキの中から救出されたと報じた。女性は6日の大地震発生から約258時間後、少年は約260時間後の救出だという。捜索活動は徐々に縮小しているが、地元トルコのメディアは【奇跡】が続いていると話している。本日付の中日新聞も【260時間ぶり少年救出 トルコ大地震 捜索縮小の中「奇跡」】が起きた、と報道している。
2023年2月16日
私はきょうも雲ひとつない真っ青な空に向かって恥ずかしげもなく、呼びかける。
「たつ江、たつ江。舞よ、マイ。げんきでいるか。元気でいろよ」と。ハンドルを手にした車内カセットからは、あの舟木一夫さんの<高校三年生>に<学園広場><仲間たち>が聴こえてくる。助手席のおまえが、かつて志摩半島で<ある愛の詩>や<ゴッドファーザー>と一緒にいつも聴いた青春歌謡、学園ソングである。
正直言って、いまはおまえがいないから何も面白くない。【なあ~に】【うん。いいよ】【だってえ】。いつだって甘えたように答えるのが口癖だった、お・ま・え。月日は天も地上も。海も川も、山も流れていく。でも、正体があろうがなかろうが、だ。互いにいつまでも、どこまでも歩いていこう、幸せに生きていこう。元気に。前に向かって、だ。おまえが居なくなって1年と4カ月が過ぎ去った。
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乗鞍岳山麓から流れ出て「日本の滝百選」に選ばれている高さ64㍍の【平湯大滝をライトアップする「結氷まつり」】が15日夜、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷平湯で開幕。25日まで(毎日午後7時~9時)。新聞報道によれば、青や緑色の照明で氷の滝を浮かび上がらせている、という。
【第2子以降10万円支給 岐阜県が祝い金 所得制限設けず】【子ども予算GDP比4% 首相明言「倍増」追加10兆円 子どもを守る 財源や実施時期焦点】とは、中日新聞の本日付の見出しだ。なかでも岐阜県が2023年度から第二子以降の出生児に10万円の祝い金、進学・就職する中学3年生には3万円の準備金を全員に現金支給する。県独自の財源で所得制限を設けずに実施する、とのニュースが光る。
わが家の周辺、いや目の前の道路では、このところ連日、ガス菅や下水菅を掘り返しての工事続きで、その騒音の大きさにチョット滅入っている。それよりも、なによりもシロちゃんが大型工事車両に引かれたら大変なので、「白い猫を見かけたら、くれぐれも気をつけてほしい」とけさは作業員の方々に直接、お願いしたが、シロちゃん自身も十分に気をつけてよね。
きょうの今現在のビッグニュースは、スマホをいじくっていて「柳ケ瀬ブルース」で知られる美川憲一さんの歌に【泣かんとこ】があることを知ったことか。泣かんとこの表題は、確か私が1989年1月に能登印刷から出版した著書【泣かんとこ 風記者ごん!】が最初のはずである。
(2月15日)
舞の遺稿集が掲載された北陸中日新聞を仏前に供え「よかったね」とお祈りをした
きょうは、おかあさん、すなわち伊神たつ江(伊神舞子)の月命日である。私は朝、昨日、能登七尾の笹谷販売店からわが家に届いた北陸中日新聞を仏前に供え、おまえが愛してやまなかったシロちゃんと一緒に手を合わせた。「たつ江。舞よ。マイ。お空に広がるそちらの国で元気でやっているか。おいしいもの、食べていますか。みなさんによくしてもらっているか」と声をかけ、シロとともに仏前で手を合わせた。「おかあさんは、本当に心のやさしい人だったね」とシロを振り返ると、彼女も「ニャア~ン」と声をあげ、応じてくれた。もしかしたら、今の舞の魂は、シロちゃんのからだの中に乗り移っているかもしれない。だから。きょうのシロちゃん、一歩たりとも外に出ようとはしないのだ。
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トヨタ自動車名誉会長で元経団連会長だった豊田章一郎さんが14日午後4時48分、心不全のため亡くなった。97歳だった。中日新聞の評伝【逆境を克服 不動の人(取締役、前編集局長・鈴木孝昌)】がわかりやすくて、とてもよかったので、ここに記録としても残しておこう。
ほかには先に徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の水を揖斐川から木曽川に流す木曽川水系連絡導水路事業について木曽川導水路の容認表明をした名古屋の河村たかし市長が市役所で報道陣の取材に対して「水の一滴も入らないダムに市民の税金や水道料金を払い続けるよりも、用途を工夫して市民のために生かすことが市長の仕事だと思っている」と述べたことか。大きな前進である。さらに、このところ米国東海岸南部沖で米軍が中国の偵察気球を撃墜、残骸の回収と分析の事態にまでに発展している米中間での気球飛行問題など世界の難題は次から次に、と起き、今や身動きすら出来ない状態だといえよう。
(2月14日)
けさの新聞見出しにもあるとおり、このところの大きなニュースといえば【トルコ・シリア死者3・6万人 地震1週間被災者に募る不満 今世紀6番目】(14日付、毎日朝刊)【安倍氏銃撃捜査終結 山上被告、5容疑で追送検 奈良県警】(14日付、中日朝刊)、そして【原発60年超 多数決で決定 規制委 石渡委員反対のまま】の3件か。中でもマグニチュード7・8のトルコ・シリア巨大地震は、今世紀6番目の大きさ、とのこと。毎日新聞の本日付け朝刊記事によれば、以下のとおりである。
――21世紀の自然災害で死者・行方不明者が多かったのはスマトラ沖大地震22万6000人以上(2004年)▽ハイチ地震22万2600人(10年)-など。トルコ・シリア地震は6番目に多い。現地視察した国連人道問題調整事務所のグリフィス所長は11日、英メディアに対し、多くの人がまだがれきの下に取り残されていて、犠牲者(発言時は約2万8000人)が倍増するのは確実だと話した。
それと。きょう嬉しかったのは、かつて地球一周の船旅で一緒だったピースボートの船友からメールで届いた北海道の札幌雪祭りと流氷の「今」の写真である。なかでも北の海を漂流する流氷の原風景には独特の余韻というか。哀歌、いや哀愁のようなものが感じられ、感動したのである。
船友から送られてきた3枚の写真
きょうは、ほかにエデンの東(この名前は私がかつて取材で米国西海岸を訪れた際に自らの目で見た〝エデンの東〟に夕陽が落ちるさまがとてもよく似ていたので、私とたつ江で勝手にこう名付けて呼んできた経緯がある)の土地管理をしてくださっている江南園芸さんへ。正月早々に若くして亡くなられたご子息さんのお悔やみのためだが、悲しみをこらえながらも前向きに生きておられる大脇一弘社長のお姿には、感動さえ覚えた。元気でいつまでもいてくださいね。大脇さん。
そして。きょうの夕刊(14日付中日)から拾った話題は、だ。【つめたそうにおよいでる】の見出しか。記事には『愛知県岩倉市の五条川で14日、手染めしたこいのぼりののりを落とす「のんぼり洗い」があり、黒や青、赤など色鮮やかなこいのぼりが川面に並んだ』とあった。
それと。中日新聞の朝刊1面トップの【導水路 名古屋市容認へ 撤退から14年 方針転換 飲用、治水で新用途】も気になる話題であった。
そういえば、きょうはバレンタインデーであった。そしてバレンタインデーといえば、かつて能登七尾にいたころ、この日がくると決まって私にあててチョコレートとともにポストに入れてあった簡単な手紙とカセットテープが思い出される。テープは岡村孝子さんの【夢をあきらめないで】で、当時私が好んで聴いていた曲で今から思うと〝犯人〟は、亡き妻たつ江、すなわち伊神舞子だったような気がしてならない(でも、字体が少し違う気がした)。この話は日本ペンクラブ電子文藝館の伊神権太「てまり」を検索されたら出てくるので、読んで頂けたら嬉しく思う。あのころバレンタインデーになると決まって私がほしがっていたものをポストに投げ入れてくれていた名もなき女性。犯人は未だ不明のままである。分かってはいない。だが、しかしだ。もしかしたら、舞だったのかもしれない。手紙の字体は彼女のそれとは違うものだったが、舞の死後、私にはそのように思えて仕方ないのである。
(2月13日)
朝、午前10時ごろに確定申告のために雨の中、江南市民会館に出向く。既に大勢の人がおり、案の定、市の担当職員に「午後1時15分に出直してください」と言われ、いったんUターン。このパターンはたつ江(伊神舞子)が、この世に生きていたころから同じで、毎年変わりそうにない。ただ彼女が健在だったころは、医療費など必要書類は全て用意してくれたので、とても助かった。それだけに、昨年、ことしと準備するのに、かなり手間取り、わが妻たつ江の存在感の大きさにあらためて感謝しているのである(今ごろになって感謝していても、どうにもなるものでもないが)。
というわけで、きょうは江南市のHome&nicoホール(前市民会館)に二度、足を運んだ。
(2月12日)
日曜日。ロシアのウクライナ侵攻だけに留まらず、世界ではあちらでもこちらでも悲劇の連鎖が続いている。なんということだ。【犠牲2万5000人「東日本」超え トルコ大地震】【101時間ぶり 8歳女児救出】【連なる墓標 嘆きの遺族 トルコ大地震 東北各地、募金で「恩返し」】(12日付中日朝刊)といった具合である。
夜。ネットを開くと、トルコ南部を震源とするトルコ・シリアで起きた地震の死者が2万9000人を超えたという。またほかの報道によれば被災地では一部で治安が悪化、救助活動の妨げにもなっている。このためトルコ治安当局は11日、略奪や強盗、詐欺などの容疑で98人を逮捕。中には住民同士の衝突も発生、ドイツやオーストリアの救助隊は治安の悪化を理由に一時、救助作業を中断する事態まで起きているという。自然の猛威が人間社会を容赦なく破壊していく。これではニンゲンたちの心までが壊れていっても決して不思議でない。
話は変わる。政府が今月10日に「新型コロナウイルス対策のマスク着用は、3月13日から屋内外を問わず原則個人の判断に委ねる」との指針を示し、社会への波紋が広がっている。12日付の中日新聞は、さっそく【マスク外したいけど 気になる人の目/感染心配 「個人の判断」街の声は】【「将来への影響注視必要 識者が指摘】【その笑顔忘れないよ マスクなし 石川で卒業式】と各界の反応と現状を追っている。
(2月11日)
建国記念の日。
何と言っても【原発運転60年超閣議決定 次世代型建て替えも明記】(11日付中日朝刊見出し)の記事が気になる。本文は『政府は10日、次世代型原発への建て替えや、運転期間六十年超への延長を盛り込んだ脱炭素化に向けた基本方針を閣議決定した。再生可能エネルギーに加え、原発の「最大限活用」も明記。東京電力福島第一原発事故後、原発の依存度低減を掲げてきたが、ウクライナ危機によるエネルギー資源の調達環境の悪化などを背景にエネルギー政策を大きく転換する。/脱炭素への新法「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法案」も同日、今通常国会に提出した。新たに発行する国債「GX経済移行債」で二十兆円を調達し、脱炭素の民間投資支援に充てる……』といった内容だったが、せめて「国は、こんごいっさいの原発事故は起こさない」くらいの決意表明の文言を入れてしかるべきではないのか。脱炭素化もむろん大切だが、ひとたび原発事故が起きたらどうなるか、を今一度真剣に考えるべきではないのか。
4月8日に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁(78)の後任に元日銀審議委員で経済学者植田和男氏(71)が起用されるという。岸田文雄首相が意向を固めたとマスコミ各社が発表。経済学者出身の総裁は戦後初めてだそうだ。島津メディカルシステムズ(大阪市)が熊本県内の医療機関に納入したエックス線装置を巡り、故障を偽装して部品を有償で交換していた問題で島津製作所は10日、弁護士らによる外部調査委員会の報告書を公表。2019年までの11年間に熊本、宮崎、鹿児島、長崎4県の41医療機関で計43件の不正やその可能性があると認定。営業所長ら7人を嫌疑濃厚とし、動機として不合理で厳しい業績目標達成が求められていたことを挙げたという。
将棋の藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負第四局が9、10日に東京都立川市で指され、獲得タイトル通算百期を目指す羽生九段が勝ち、シリーズ成績を二勝二敗のタイに戻した。1969年の映画「明日に向って撃て!」の挿入歌「雨にぬれても」を作曲、アカデミー賞を受賞した米国の作曲家バート・バカラックさんが8日、ロサンゼルスの自宅で老衰のため死去。94歳だった。
先に出版された【伊神舞子俳句短歌遺稿集 泣かんとこ】(人間社)のことが北陸中日新聞の本日付能登版に【妻生きた証し 本紙元七尾支局長・伊神さん 句など収め「泣かんとこ」 生前に出版を約束】の見出しと写真入りで掲載され、しみじみありがたいことだーと感謝。能登七尾の前販売店主笹谷憲彦さんの奥さん(芳枝さま)からは「新聞を図書館にお持ちしました」のメールまでさっそく入り、私は仏を前に「ありがたいことだよね。感謝しなければ。みなさんのおかげだぞ」と手を合わせ語り掛けた。♪能登はやさしや土までも……とよく言われるが、能登にはこうしたやさしさがある。そんな気がするのである。
能登版に掲載された伊神舞子俳句短歌遺稿集の記事
(2月10日)
けさは小雨が降っており、かなり寒い。お天気次第とは。そのとおりだな、と思う。
警視庁生活環境課がベラルーシの病院での臓器移植を無許可であっせんしたとして、NPO法人「難病患者支援の会」(東京・目黒区)理事長の菊池仁達容疑者(62)を逮捕。法人としての同支援の会を書類送検。ちなみに、この記事に関する本日付の見出しは【臓器無許可あっせん疑い NPO理事逮捕 海外移殖巡り初 相場の倍 3300万円要求か】【「営利ではなく支援」昨年9月本紙に】【渡航移植「支援の会」頼み 無許可あっせん 医学界は問題視】(中日)というものだった。
ほかには新型コロナウイルスの「五類」移行に伴うマスク着用の在り方について新たな政府指針案がわかった、というニュースが気になる。それによれば、全員の着席が可能な新幹線や高速バスでは外すことを容認する一方、通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車する時などは着用を推奨。また、学校教育活動では着用を求めず、卒業式に関しても教育的意義を考慮し、児童生徒らはマスクを着用せずに出席することを基本とする、としている。
(2月9日)
よい天気である。シロは何か自分なりに考えがあるようで午前10時11分、外出。お空のおかあさんに何か報告でもあるような。そんな気がしないでもない。シロよ、シロシロ くれぐれも気を付けてね。行ってらっしゃい-と送り出す(正午過ぎには、帰宅)。
トルコ南部を震源とする大地震は。ロイター通信など各報道機関によれば、その後、死者は1万5000人超に及んでいるという。シリア北西部の反体制派地域ジンデリスでは崩れたがれきの下から生まれたばかりの赤ちゃんが救出されたという。トルコ、シリアとも一瞬のうちに、大切な家族を失った人々は今、どんな気持ちでいるのだろう。
私はかつて取材でトルコを3週間ほど訪れ、イスタンブールやアンカラなど各地を訪れたことがある。あの時はトルコが生んだノーベル文学賞作家、オルハン・パムク氏の「雪」を完読、あれこれと考えさせられた国だったが教会の美しさが印象的だった。早く平静になることを望む。
警視庁は9日、広域強盗事件で〝ルフィ〟などと名乗って犯行を指示したと見られる男4人のうち先に逮捕済みである今村磨人(38)藤田聖也(38)両容疑者に続き、この日フィリピンから強制送還された渡辺優樹(38)小島智信(45)=いずれも住所不定、職業不詳=両容疑者を逮捕。一連の事件のうち東京都狛江市の強盗殺人事件で男らが重要参考人としても浮上しているため、関与の裏付け捜査も進めることにしているという。
「ふぐの日」の9日、三重外湾漁協は志摩市の安乗漁協に水揚げされた特産とらふぐ〝あのりふぐ〟を伊勢神宮に奉納。今春実施される小中高校などの卒業式について文部科学省はマスクを外しての実施を決め、週内にも全国の教育委員会などに通知するという。新型コロナウイルスの「五類」移行に伴うマスクの着用ルール緩和前でも卒業式はマスクなしを容認するという。
東京地検特捜部が東京五輪・パラリンピックの事業を巡る談合事件で大会組織委員会の大会運営局元次長森泰夫容疑者(55)ら4人を逮捕。容疑にはテスト大会の計画立案業務の入札に加え、その後の本大会運営など計約400億円の随意契約分も含まれ、特捜部では広告大手電通を中心に巨額の利益を分け合ったと見て、引き続き捜査を続けることにしている。
(2月8日)
針供養。水曜日である。
8日付の中日スポーツ1面の報道によれば、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表「侍ジャパン」にドラゴンズではただひとり、選出されている中日・高橋宏斗投手(20)が7日、沖縄のアグレスタジアム北谷で行われたシート打撃に登板。WBC公式球で打者12人に対して被安打1、2四球、3奪三振、直球の最速は152㌔だったという。がんばれ! 高橋。
トルコの大地震に、三菱重工業が国産初のジェット旅客機事業からの撤退を発表、前代未聞とされる広域強盗では窃盗容疑で逮捕した2人の日本人を比(フィリピン)から日本に送還。残る容疑者2人も9日未明には日本に送還されるなど、このところは何かと暗い話ばかりである。
というわけで、本日付新聞の見出しは【がれきの街雪に凍え トルコ地震死者5100人超に 家失い連絡取れず「絶望的」】【どうか無事でいて トルコ地震 愛知から母国へ祈り】【国産ジェット撤退発表 三菱重社長「経験、知見が不足」】【ニセ電話巡る窃盗疑い 広域強盗2人送還、逮捕 残る2人あす未明にも】(いずれも中日新聞)……といった具合である。悪い話ばかりだ。
このほか、愛知県愛西市では7日未明に植手純子さん(83)宅から出火。木造2階建て住宅2棟を全焼、焼け跡から2人の遺体が見つかり、同居していた植手さんの娘の内縁の夫で無職、小塚勝也容疑者(64)が逮捕されるなど暗いニュースが目立っている。調べに対して小塚容疑者は「俺がやった。妻を殺して燃やした」などと話しているという。何があったのかは知らないが、なんだか心が破れてしまった。そんな気がしないでもない。新聞の見出しも【「妻殺した」焼け跡に2遺体 愛西2棟全焼 放火疑い、男逮捕 真っ青な表情「俺がやった」】(8日付朝刊中日)と過激にならざるをえない。
夜。NHKEテレの【ハートネットTV 終末期の生を考える①息子みとる緩和ケア医】は、いろんなことを考えさせられた。悲しくはあるが、よい番組であった。
(2月7日)
囲碁の中学生棋士、仲邑菫(なかむらすみれ)三段が6日、東京都内で打たれた第二十六期女流棋聖戦三番勝負の第三局で上野愛咲美(うえのあさみ)女流棋聖(21)に勝ち、対戦成績2勝1敗で女流棋聖を奪取、13歳11か月の史上最年少で初タイトルを獲得(タイトルの移動は7日付)。米音楽界最高の栄誉、第65回グラミー賞の発表・授賞式が5日(日本時間6日)、ロサンゼルスで開かれ、作編曲家宅見将典さん(44)=大阪市出身=のアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。宅見さんは授賞式の壇上で「言葉にならない」とスピーチ。「こんな名誉な賞をもらえるとは思っていなかった」と喜びを語ったという。
ロイター通信などによると、トルコ南部で6日午前4時17分(日本時間同10時17分)ごろ、マグニチュード(M)7・8の地震が発生、トルコや隣国シリア北西部で計4300人以上が死亡(日本時間7日正午現在)。けが人は数千人に上り、犠牲者はさらに増え続ける可能性があるという。
三菱重工が国産初の民間ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」の開発を中止する方針を固めた。衆院議長や北海道知事を務めた元衆院議員、横道孝弘(よこみ・たかひろ)さんが2日、肝内胆管癌のため東京都内の病院で死去。82歳だった。
東京高裁は1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定、裁判のやり直し(再審)を求めている袴田厳さん(86)の第二次再審請求の差し戻し審で6日、再審可否の判断を3月13日出すことを決め、弁護団に通知。
ほかにも、【回転ずし迷惑動画 炎上非難は巡る 学校に中傷電話/擁護投稿にも批判】【カメラで監視、アクリル板設置も 信頼裏切られ苦渋策】【比、4人一斉送還断念 広域強盗 裁判所 2人結論出ず】【高校生、登校中刺される 川崎 顔見知り16歳容疑者逮捕】(7日付、中日新聞から)などいろいろある。
やはり。もはや、人間たちの心が壊れてきている。心の崩壊現象が起きている。そんな気がしてならない。
(2月6日)
午後7時前。故山本源一氏の夫人順子さまから思いがけず、電話が入る。
「主人が生前、みなさまに本当にお世話になりありがとうございました。ひと口、お礼を言いたくて」という丁重なもので、私は何と答えたらよいものか。戸惑いながらも「ご主人、〝源さん〟にはこちらこそお世話になりどおしでした。【脱原発社会をめざす文学者の会】がここまで辿り着いた、いや、大きく育ってきたのも加賀乙彦さん(故人)とご主人によるところが大きいです。そればかりか、尾張名古屋のここ江南市で中村敦夫さんの独り芝居【線量計が鳴る】が実現したのも、〝源さん〟のパワーとおかげがあればこそ、です。何よりも深く感謝しています」と答えた。
受話器越しに聴こえてくる順子夫人の悲しさを押し殺しての丁寧で落ち着いた声を耳に、私は「源さん、しあわせだったよな。あんなにもステキな奥さんと一緒だったのだから」とつい思い、私は私でわが妻・舞のことまで思い出し、涙がしたたり落ちたのである。奥さん! わざわざありがとう。奥さんも、夫の源さんは居なくなってしまいましたが、幸せになってくださいね。もう東京の<ちんとんしゃん>で共に杯を重ねることは出来なくなってしまったか。ああ~
愛知県知事選が5日、投開票され、現職の大村秀章氏(62)=立憲民主、公明、国民民主推薦=が新人5人を退け、4選を決めた。大村氏は支援者を前に「日本一元気な愛知をつくる」と強調、これまで推進してきたスタートアップ(新興企業)支援拠点の整備などの産業振興策を継続する、と約束。小牧市長選も同日投開票され、現職の山下史守朗氏(47)が4選を果たした。安城市長選もこの日投開票され、無所属新人で元副市長三星元人氏(62)=自民、公明推薦=が、3回目の挑戦となった元市議永田敦史氏(52)を破り、初当選した。
トルコ南部ガジアンテブ県付近で6日午前4時17分(日本時間同10時17分)ごろ、マグニチュード(M)7・8の地震が発生。
(2月5日)
日曜日。昨夜はあれやこれやと何かと執筆に追われ、寝たのは本日の午前2時過ぎに。シロは私のからだを心配してか。私が床に入るまで起きて待っていてくれた。生前の舞そのもので、ちょっと悪いような、ありがたく思ったのである。
そんなわけで、けさ起きるのはいつもに比べだいぶ遅くなり、NHKラジオの音楽の泉が終わるころ、9時になってしまった(シロも同じ)。やはり、夜が遅いと朝はなかなか早く起きることが出来ない。
というわけで、朝刊をざ~あっ、と読み終えたのは正午間近。デ、その朝刊だが。1面は【荒井秘書官を更迭 同性婚差別発言 首相「言語道断】(毎日)【荒井首相秘書官更迭 性的少数者 差別発言で
「隣に住んでいたら嫌 見るのも嫌」】(中日)というものだった。
2023年2月4日
立春の今日あれをしてこれをして 宇多喜代子
=2月4日付毎日新聞朝刊【季語刻々坪内稔典 今昔】から
土曜日。立春。アッという間だ。それと。きょうは立春にふさわしい、おまえそのものだと言ってもよい春の陽光、暖かな日差しが、この地上に降り注いだ。好天である。いまでは舞の化身、いや生まれ変わりと言ってもいい俳句猫(俳号は「白」)シロちゃん、すなわちオーロラレインボーも先ほど午前10時50分過ぎに、お外に。私はいつものように「交通事故に遭わないように。気をつけて。おかあさんにくれぐれもよろしくね」と言って送り出した(その後、彼女は、わが家の規則どおり、正午過ぎにはきちんと帰宅した)。
シロは、かつておかあさんにつけてもらった青いハート入り首輪をした全身まっ白の超美人、真っ赤な虞美人草(ひなげし)のような、そんな天女猫でもある。それだけに、とても心配だ。かといって、心身の美容と句作を兼ねた健康づくり、お空で待っているおかあさんに会うためにも天気の良い日は1日に1度は、たとえわずかな時間でも-とお外に出してやることにしているのである。
青い首輪をして悲しみをこらえ、きょうも元気に家族を守って生きるシロちゃん。「忘れない。オカンのことは。天国のおかあさん、幸せでいてね」
「シロちゃん。みんな元気でいますか。私は毎日、お母さんたちと元気で楽しく、わいわいとやっています。だから心配しないでね」。シロの大好きな今は亡きおかあさん
わが家と先代猫ちゃんたちの猫塚は、息子の心づくしもあって美しい花々で囲まれている
※ ※
☆ ☆
わが家の愛猫では、かつて〝てまり〟が交通事故で正体不明の車にはねられ、死亡した苦い経験がある。それだけに、出かける時にはくどいほど「車に注意するように」としっかり言い聞かせての外出なのである(わが家の愛猫てまりの物語は、日本ペンクラブの電子文藝館・伊神権太「てまり」として所蔵されているので、ここを読んで頂けたら嬉しい)。
それはそうと、けさの新聞は、何と言っても神男に触れようと激しくもみあう裸男たちの写真入り国府宮のはだか祭【3年ぶり 熱い渦】(中日新聞見出し)だった。かつて私が新聞社の一宮主管支局長当時に国府宮神社の境内一角にテントを張った取材基地を設け、支局員が総出で取材キャップであるデスクの指示と手配のもと、それぞれの分担を決め皆一体となって取材に打ち込んだものだが、今となっては、あの日々が懐かしく思い出される。
そして。約1300年の歴史を刻んだ、この国府宮の天下の奇祭、はだか祭りの模様はその後、私の著作「一宮銀ながし」(風濤社)の中の<由佳奴>でも当時のはだか祭りについてリアルに触れているので読んで頂けたら、と思う。あのころは、支局近くの居酒屋「つわの」さんを大役を果たした神男たちがよく訪れ、そのつど「ガミちゃん。支局長。大役を終えたみなさんが今、うちの店に来ておいでなの。だから来てよ」とよく女将からお誘いがあり、そのつどのこのこと出かけて行ったものだ。懐かしく楽しかった日々でもあり、忘れられない。
新聞に報じられた3年ぶりの国府宮はだか祭
札幌市制100周年記念第73回札幌雪まつりがきょうから大通公園で開幕。2月11日までで【間近に雪像やっぱりいいね 3年ぶり「さっぽろ雪まつり」開幕】とは、4日付の中日夕刊の見出しだ。ほかに、朝刊の方は【海女文化残せるか 鳥羽・志摩に514人 半世紀で8分の1 5年ぶり人数調査 「磯焼けで海の幸がとれない」】【「4人送還 来週までに」広域強盗 比法相、裁判前倒し要請】【「真面目」「給料前借りも」 豊山の容疑者知人ら戸惑い】の見出し(いずれも中日)。
なかでも海女文化の記事は、私自身、かつて新聞社の志摩通信部兼伊勢支局記者のころに情熱を込めて<海女 その世界>という企画記事を連載して書き続けたことがあるだけに、懐かしく感じられた。和具や波切、安乗など海女さんたちの休憩所である〝火場〟を何度も訪れ、取材したことはたびたびだった。休みの日など時には舞も一緒に訪れ、海女さんから手こね寿司のつくり方まで教えて頂くなど、あのころは本当に良き日々だった。というわけで、海女さんを主人公にした大河小説を書くのもひとつの手ではあるナ、と、ふと思った次第だ。
ほかに夕刊は【荒井首相秘書官更迭へ 性的少数者 差別発言】【偵察気球「主権侵害」 米長官非難 訪中は撤去条件】【牛は家族 負けられない 福島・大熊町 殺処分拒む農家】【立春香るロウバイ】(いずれも中日見出し)といったところか。
(2月3日)
きょうは節分。愛知県稲沢市の尾張大国霊神社(国府宮)では数千人の裸男が神社境内で3年ぶりにもみあう「国府宮はだかまつり」が午後開かれ、午前は厄よけの願いを込めた儺追笹(なおいざさ)が奉納された。
この日わが家の日めくりには、こうあった。
【大安日にて何事にもよし。涙は悲しみのもの言わぬことばである(ボルテール 1694~1778 フランスの文学者 思想家)】
わが家の日めくり
この日は名古屋市中区の大須観音で豆まきがあり、本堂前に設置された高さ約3㍍の桟敷から老若男女が「福は内」のかけ声とともに豆をまいた。大須観音の場合、伊勢神宮から授けられた鬼面が寺宝のため「鬼は外」は禁句とされているという。
※ ※
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この世の中、毎日毎日、あちらでもこちらでも。いろんなことが起きる。この地上に生きる、すべての人にとって一瞬一瞬が奇跡とも言える出会いの連続である。このところは、そうしたなかでの大事件発生の連続だ。きょうは久しぶりに中日新聞七尾支局の堀下奈美さんと電話で話しをし、懐かしく思った。亡き舞の俳句短歌遺稿集の件でだったが、昔とまったく変わらない堂々とした感じのあの〝奈美ちゃん〟であった。室木支局長とも話しをしたが、こちらは好青年がそのまま年齢を重ねたような、とても感じのよい支局長であった。
けさの朝刊。【児童手当 所得制限撤廃へ 政府調整「18歳まで」段階的に】【戸籍の読み仮名必須に キラキラホーム一定ルール 24年度施行へ 全国民が届け出必要】【熊本以外も不正可能性 島津子会社 医療装置の故障偽装】(いずれも3日付中日1面見出し)といった具合である。
(2月2日)
苦しいとき、辛い時にも脱原発社会実現への願いを込め、共に歩んできた源さん。「脱原発社会をめざす文学者の会」のリーダー的存在で初代事務局長でもあった、あの〝源さん〟、すなわち山本源一さん(日本ペンクラブ元環境委員長。元集英社)が1月29日に食道がんで亡くなった。何ということだ。もはや、ことばもない。
〝源さん〟とは、先月の1月23、24日に以下のようなメールを交わしたばかりだった。のに、である。
ここに私と〝源さん〟の最後のメールのやり取りを記録として残しておく。
【山本さま ご存知でしょうが、きょうの中日(東京)夕刊本紙に川村湊さんの追悼記事「加賀乙彦さんを悼む」が掲載されていましたので参考までに添付してお送りします。】
【伊神さま ありがとうございます。川村さん読みました、川村さんらしいいい原稿でした。川村さんしか書けないすてきな(弔意の籠った)原稿でした。実は報告があります、(中略) 私は、癌だったのです。半年少し前に癌が見つかり、食道癌それも、ステージ4。症状はかなり進んで、半年経ってはしっかりとおちたいたものになっとようです、残された治療はもはや放射線しかなく、それには耐える 耐える能力はなく、、、背骨、腰、そして脊椎、三方の痛みにたえて、妻の手を借りて暮らしています。まだ、しばならくはほかの人には連絡しないでくださいな。よろしく。(原文どおり。少し読みづらいカ所あり)2023年1月23日(月)21:50】
【源さん。わかりました。口は回復されるまでチャックします。誰にも言いません。でも、死なないで生きていてください。源さんのことは大好きです。奥さまに甘えてください。源さんは不滅だから。希望の扉はきっと開く。そんな気がいたします。うちの家内(舞)の場合、放射線治療のあとの抗がん剤投与の治療を全て拒否、私は彼女の自由にさせましたが、今になって深く反省しています。一生の不覚でした。俺はなぜ、強引にあのあとの抗がん剤治療をさせなかったのか。回復したかもしれないのに、と。反省なきよう。それでは。またー 2023年1月24日0:38】
このやり取りが最後になってしまったのである。
それにしても悲しい。源さん死去の報は同じ文学者の会の会員である野武由佳璃さんからラインで知らせがあり、私はその字面に全身の力が抜け落ちていく、脱力感のようなものを感じたのである。なんということだ。
午後、気を取り直し私は源さんのお通夜が行れる三鷹市牟礼1―16-9の三鷹市寿量会館に妻で喪主の順子さまあてに線香とお花つきの弔電を送らせて頂いたのである。弔電の内容は、以下のとおりである。
【かなしい知らせに涙が止まりません。源さん。あなたは何事にも全力投球の人でした。心からご冥福をお祈りいたします。おやすらかに】
午後、ポストに書簡が。広島市在住の脱原発社会をめざす文学者の会会員でもある天瀬裕康さんからで中を開くと、表紙に【被爆作家が描き続ける 林京子の反核社会 詩による評伝 天瀬裕康】とあり、帯には「幼少期を上海で過ごし長崎で被爆した核文学作家 ノーベル文学賞の価値ありとされた林京子の これは自由詩による略評伝」とあった。いつも思うが、天瀬さんの反核姿勢はすさまじいものがある。じっくりと読ませて頂こう。加賀乙彦さん、山本源一さん亡きあとも、天瀬さんら仲間たちと核のない世界平和実現のためにも、ついていかなければ、と思っている。
(2月1日)
1カ月が過ぎた。朝は不燃ごみのゴミ出しにひとりで指定の場所へ。
プロ野球は本日、2月1日に沖縄、宮崎両県で中日ドラゴンズなど11球団がキャンプイン。6日から始動する。西武を除いた各チームとも先月31日までにキャンプ地入り。必勝祈願などを行ったという。このうちドラゴンズは31日、沖縄県北谷町の宿舎に選手やコーチ陣を集めて全体ミーティングを開催。立浪監督は終了後に「昨年は悔しい思いをしたが、この1カ月がことしを占う意味でも重要となる」とキャンプの重要性を説いたという。
デ、きょうの本紙スポーツ面の見出しは、面担(スポーツ面を担当する)の整理記者が本紙夕刊小説【生殖記】にくどいほど、よく出てくる表現をヒントに得たのか。【競争、成長、感謝を 立浪竜逆襲へ強調 きょうキャンプイン】といったものだったが、この見出し表現は、なぜかピタリと決まっていたといえよう。
競争・成長・感謝 ピタリとあった立浪ドラゴンズキャンプインの中日新聞本紙の1日付見出し
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☆ ☆
全国各地で相次いでいる広域強盗事件。けさの朝刊は、相変わらず【俺は絶対捕まらない 広域強盗 移送「1週間かかる」警視庁、捜査員を比派遣へ 今村容疑者知人に豪語 逃亡には賄賂 強盗で稼ぐ 「週内2人送還したい」比法相 日本大使館と協議へ】(1日付、中日朝刊)【五輪組織委元次長に顧問料 テスト大会 落札企業から】【「台湾侵攻 軍事・経済両面で抑止を」 駐日米大使中国けん制】【「ルフィ」移送 捜査員派遣へ 警視庁4人の氏名発表 渡辺容疑者トップか】【国内にも「ルフィ」いる? 岩国の事件被告が指示受け 同時送還応じたい 比法相】(1日付、毎日朝刊)というものだった。
そして。これとは別に、1日付の毎日新聞朝刊に【第77回毎日映画コンクール】の結果が、見開き特集<見せた新たな世界>で紹介されていた。男優主演賞沢田研二「土を喰らう十二カ月」 女優主演賞岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」の紹介記事には思わず、嬉しくなった。
なかでも沢田研二については、死と向き合いながら、自然の恵みをありがたくいただいて、日々生きていく男を演じている。四季を織り込んでつづられる日常の中に、自然と共生する主人公のたたずまいが見事に溶け込んでいた。そこには演技を超えた実在感があった。精進料理を、ひとつひとつ素材を丁寧に処理しながら作っていく様にも、演じた人物の生き方が宿っている。かつて役で死に続けたジュリーが、沢田研二として見せた、食べて今を生きていくことの実感。それは現在の彼にしか出せない境地である。(金澤誠)とあった。
われらのジュリーは、またひとつ大きく成長したのである。私は思わず嬉しくなり、知る人ぞ知る新聞界(中日・東京新聞)のジュリーKさんに「おめでとう」とお祝いのメールを打ったのである。
ミャンマー国軍が国家顧問兼外相だった民主派指導者アウンサンスーチーさんを拘束し、政権を転覆させたクーデターからきょう(1日)で2年。1日付の中日新聞夕刊によれば、スーチーさんが解放される見込みはなく、民主派は軍政に抗議するために外出を控え、経済活動を止める【沈黙のスト】を呼びかけたという。
一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年1月~)
2023年1月31日
早いもので、ことしも早や1カ月が過ぎようとしている。
【旧統一教会教祖発言録 中曽根氏も工作標的 日本首相1330回言及、最多693回】【日産・ルノー資本対等へ 出資比率見直し基本合意】、ほかに【4人送還来月上旬にも 比法相、日本と協議へ 全国連続強盗「指示役」ら】【残り2人の氏名判明】【「日本人詐欺グループ 施設内で活動」 韓国人作家、収容中の様子語る】、珍しいところでは【お布施1・5億円流用 国税認定 和歌山の宗教法人「隠し給与」】とは、本日付の毎日新聞朝刊見出し。一方、中日新聞の夕刊1面はといえば、だ。【「ルフィ」ら収容中 比の入管 賄賂で外出食事配達も 広域強盗、指示可能? 35億円詐取か ニセ電話詐欺2300件】の見出しである。ほかに文化・芸能欄の<大波小波>は,(右近)氏による【追悼 加賀乙彦】で「加賀が九十三歳で逝った。死を見つめる方向性と深さにおいて、他に類例を見ない作家だった。」とあったが、その通りだと思う。
中日(東京)新聞の文化芸能欄に掲載された<大波小波>の【追悼 加賀乙彦】(左側の箱組記事)
来月、2月23日に横浜市の神奈川近代文学館で開かれる講演とシンポジウム「ウクライナの核危機 林京子を読む」に先立ち、100字メッセージを「脱原発社会をめざす文学者の会」編集子あてに出稿する。
(1月30日)
徳川家康から続く徳川宗家19代目当主として1月1日に家督を継いだ徳川家広さん(57)が29日、東京・港区の増上寺であった「継宗の儀」で親族らに代替わりを報告。将棋の第72期王将戦七番勝負の第三局が28、29の両日、金沢市内で行われ、藤井聡太王将が挑戦者の羽生義治九段に勝ち、2勝1敗に。第四局は2月9、10日に東京都立川市で行われる。
29日午後2時半ごろ、長野県小谷村の北ア・白馬乗鞍岳で表層雪崩が起き、スキー場管理区域外のバックカントリーを滑走していた外国人の男女5人が巻き込まれた。うち男性2人は意識不明のまま現場に取り残されている(ともに心肺停止状態)という。これより先、28日午後3時ごろには長野県野沢温泉村の野沢温泉スキー場のバックカントリーで男性1人が雪崩に巻き込まれ、行方不明になっている。
日本国内の各地で相次いでいる広域強盗事件。「ルフィ」と共に指示役として「キム」と名乗る人物が東京都狛江市での強盗殺人事件の前に、現場住所を犯行グループのメンバーに送っていたことがその後の捜査関係者への取材で分かったという。これにより、ルフィとキムは同じグループで、一連の事件で複数の名前を使い分けていた可能性も出てきた。警視庁は引き続き、強盗殺人事件にも関与した疑いがあるとみて調べを進めている。またマニラの入管施設に収容され、日本の警察が広域強盗事件に絡んでフィリピン側に移送を求めている渡辺優樹容疑者についてフィリピン政府が身柄を日本に送る方針を固めていることもわかったという。
その後の調べで、警視庁が特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑などで逮捕状を取得したのは、フィリピンの入管施設に拘束されている渡辺優樹(38)、今村磨人(38)、藤田聖也(38)小島智信(45)の各容疑者で、この4人のなかにルフィらが含まれていると見られる。
警視庁が逮捕状を取得した4人の日本人容疑者
このほか、コロナ関係では【<知る防ぐ 新型コロナ> 雇調金累計6兆円 特例支給月内に終了 3兆円超は借り入れ】(30日付中日)の見出しが気になるところだ。
本日30日付の毎日夕刊の尾上菊五郎聞き書き【艶やかに】に「いがみの権太 すっきりとした悪人、善に戻る」の記事。「義経千本桜 すし屋」の場面の<いがみの権太>が見事に描かれており、私自身も納得。中日夕刊は【トヨタ 世界販売1位 3年連続 22年956万台】
2023年1月29日
令和5年1月。日曜日。早や、令和も5年に入り、1月が過ぎ去ろうとしている。コロナ禍と闘い続けてきた人間社会。青い透き通った空。そこにはいつもおまえのまなざし、真っ赤に燃えた太陽の日差し、光りがある。
「おかあさん。たつ江。舞。げんきでいますか。俺たち、みんなで力を寄せ合って何とか生きているから。心配しないで。おまえも元気でいろよ。それにしても、ことしの地上の冬は寒い。日々、氷柱の中に立っているみたいだ」
私は、かつておまえが選んでくれた愛車のハンドルを手にきょうも買い物に出かける。こんなにも寒いのに。晴れた青空の空高く。太陽がポッカリ浮かんでいる。太陽の光りという光りが、地上の俺たちの方に微笑みという微笑みを投げかけてくれている。そんなおまえに向かって、私はきょうも呼びかける。
「俺たち。みな元気でいるから。シロちゃんも。だよ。心配しないでいいからな」と。それにしても、このところの日本は極寒続きだ。そして。どんなに寒かろうが。おまえが以前のように私の傍らに居てくれたらいいのに。そんなことを、きょうも思う私である。この世は無情、非情である。
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新聞紙面は相も変わらず、このところ連日報道されている1都2府12県に及ぶ広域強盗事件に関連、日本の警察当局がフィリピン側に容疑者として日本への移送を求めている日本人男性4人がフィリピンで過去、2019年に36人が拘束されたニセ電話詐欺グループの幹部とみられることなどが【「ルフィ」ニセ電話幹部か 比拠点に詐欺 強盗に手口転用】【暴力行為で裁判出国停止 意図的事件で送還逃れ? 比捜査官指摘】(29日付中日見出し)などといった続報を報じている。
史上最多の優勝45回を記録した元横綱白鵬(現宮城野親方)の断髪式がきのう28日に東京・両国国技館であった。断髪式では、同じモンゴル出身の元横綱日馬富士から最後のはさみを入れられ、白鵬が感慨深げに涙ぐむ姿が印象的であった。ほかには、28日深夜に愛知県稲沢市で起きた民家火災で3人が病院に搬送され(3人とも、その後死亡)、27日夜には松野博一官房長官(衆院千葉3区)の秘書が千葉市内で自身の車で数百㍍先の自宅へ帰る途中、千葉県警に酒気帯び運転の疑いで摘発された-など、いろいろある。
人それぞれの人生に、運命とでもいったものがあるのだろうか。それにしても、きょうも寒い。舞がとなりに座って居てくれたら、それだけであったかいのに。彼女が私の傍らに居ないこと自体信じられない。舞もかわいがった愛猫シロちゃんが居てくれるのが、せめてもの救い、慰めか。そのシロも今は布団に潜り込んでいる。
在日本中国大使館が、きょう、日本人へのビザの発給を再開すると発表。
(1月28日)
大雪の影響で新名神高速道の三重-滋賀県間の一部区間で続いていた通行止め解除(約44時間ぶりにやって全面解除)に続き、極寒続きが災いし、こんどは三重県の四日市はじめ桑名市、ほかに石川県能登半島の七尾市、輪島市などでも水道管が破裂したり凍結、この影響で計約一万一千世帯が一時断水、水道管が破裂するなど深刻な事態に陥っている。
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人間に優劣などというものはない。人は誰もが、だれだって。その時々をその人なりに懸命に生きている。日本列島の多くで大雪に襲われたこのところの寒さ続き。自然界の牙をむきだしにした無残な姿に改めてこう、思う。この地球を取り巻く【自然そのもの】とて、自分自身わけが分からないまま生きているに違いない。
このままの寒さが続くのなら、人間社会にとっては時には憧れにさえ映る風とか太陽とか雪までが私たちの敵になってしまう。そんなことを思いつつ私はいま、こうしてペンを進めている。誰もが寒さに震えるなか、舞が生前、いつも着ていた黒いセーターを首に巻いてである。思った以上に温かいセーターを襟巻代わりに、私はこうしてペンを進めている。
ああ~、一体全体なんてことなのだ。と思わず出てしまう〝ためいき〟をおさえながら、私は書き進める。そんな私の姿を今や、亡き舞の化身ともいえる愛猫シロちゃんがいつだって、心配そうな顔をしてただ黙って見つめている。シロちゃんだって、寒くてしかたがない。のに、である。
春のセンバツ出場校が27日、決まった。21世紀枠3校=石橋(栃木)氷見(富山)城東(徳島)=を含む計36校で、東海地方からは常葉大菊川(静岡、5回目)東邦(愛知、31回目)大垣日大(岐阜、5回目)の3校が選ばれた。大垣では、かつて家族と一緒に過ごしたことがある。それだけに、大垣日大には勝ち続けてセンバツ優勝をしてほしく思う。
ほかには、東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る入札談合事件にからんで電通で業務に携わった複数の担当者が東京地検の事情聴取に談合を認める供述をしたとか、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを政府の対策本部が正式に決定したことなどニュースは満載である。
ところで新聞各紙の報道によれば、日本の各地でこのところ相次いで続発している広域強盗事件で日本の警察当局がフィリピンの首都マニラの入管施設に拘束されている日本人男性4人の日本への移送を現地当局に求めていることが分かったという。このなかには指示役の疑いがある「ルフィ」と名乗る人物も含まれていると見られる。4人とも日本で多発している特殊詐欺事件で警察庁が逮捕状を取得済みで、こんご強盗事件との関連を調べることにしている。「ルフィ」と名乗る人物らは、拘束下にもかかわらず規則に反して通信機器を使用、入管職員が黙認していた可能性があるという。
「ルフィ」に関しては、けさの毎日新聞【余禄】で漫画「one peace(ワンピース)」に登場する、海賊の主人公ルフィと対比し書いているので、ここに紹介しておこう。視野に富んだ記述、コラムだといえよう。
「ルフィ」について書かれた毎日新聞朝刊コラムの余録
(1月27日)
木曜日の深夜遅く。私も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」の編集スタッフあてに同文学者の会幹事会などの要請もあって、これまで私が月に一度書き続けている伊神権太の文士刮目第21回目【<心を壊さないで! 「希望」という名の道を歩こう>】を出稿。アップが金曜日と聴いていたので「間に合わせねば」と思い、深夜未明に出稿したのだが。担当者が言うには「アップは2月3日にさせて頂きます」とのことで、疲れがドッと全身を襲った。編集スタッフの立場になれば、ほかにも原稿を処理せねばなるまい。だから「まあっ、仕方ないか」と思って、やっとこせ、シロの待つ床に入ることが出来た。とにもかくにも気になっていた原稿を送り終え、ホッとしたのである。
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政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを5月8日をめどに、ふつうの季節性インフルエンザと同じ【五類】に引き下げる方針を固め27日、すなわちきょう開く政府対策本部で正式決定の運びだという。トヨタ自動車が26日、豊田章男社長(66)が代表権のある会長に就き、佐藤恒治執行役員(53)が社長に昇格するビッグ人事を発表。社長交代は約14年ぶりで、内山田竹志会長(76)は退任する。いずれも4月1日付である。
それにしても、このところの極寒に続き、けさも、とても寒い朝である。きのうの夕刊は【新名神 立ち往生解消 通行止め 今夕解除へ 丸一日足止め疲労の色濃く】といったニュースが相次いだが【四日市史上最低 氷点下8.9度観測 東海各地で今季最低】(26日付、中日夕刊)の見出しには、たまげた。驚いた。
というわけで、布団に入ったり出たりの愛猫シロちゃんも寒さもあってか。いったんはたべた食事を夕方、大量にもどしてしまうなど彼女の健康面からも大変な1日となった(その後、シロは順調に回復してホッとしている)。全くもって人間たちがいくら大声をあげたところで自然には叶わないナ、と実感した次第である。
新名神では多くの車が立ち往生、問題を投げかけた(NHKから)
(1月26日)
文化財防火デー。
日本相撲協会はきのう、25日に東京・両国国技館で開いた大相撲春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議で幕下15枚目格付け出しの初場所で7戦全勝優勝した落合(19)=本名落合哲也、鳥取県出身、宮城野部屋=の新十両昇進を決めた。所要1場所は、昭和以降初の快挙。落合は鳥取城北高校時代に2度の高校横綱に輝き、昨年9月の全日本実業団選手権も制した。宮城野親方(元横綱白鵬)が昨年7月に部屋を継承後、初の関取誕生となる。一方、玉正鳳(29)=モンゴル出身、片男波部屋=も新十両となり、所要68場所は外国出身で2番目の遅さだった。玉正鳳は念願の関取昇進で「うれしい気持ちを、どうやって表したらいいか分からないくらいうれしい」と話している。ふたりとも期待の〝新星〟である。
けさの朝刊はきのう日本を襲った大寒波を受け【凍える列島 46都道府県で氷点下 新名神20時間超 立往生】と報道。ほかに【衆院代表質問 首相「抑止力として不可欠」 敵基地攻撃能力で強調】【一票の格差2.08倍「合憲」 21年衆院選 最高裁判決】(いずれも中日新聞26日付)などといった見出しが並んた。
(1月25日)
日本列島は、この日、10年に1度の強烈な寒波に。この冬一番の寒気が流れ込み、各地で記録的な寒さに襲われ、北日本から西日本の日本海側で大雪となった。全国的に記録的な低温となり、熊本県甲佐町で氷点下9・0度、愛知県常滑市で同3・4度、新潟市東区で同5・6度を観測。いずれも観測史上1位の最低気温となった。
降雪量は中国地方の日本海側や山間部で目立ち、岡山県真庭市では午前8時までの24時間で93㌢の降雪を記録。昨冬までの最大記録を上回った。この影響で東海地方の高速道路では一部の区間で交通規制が行われ、多くの車が立ち往生、至る所で渋滞した。また滋賀県内や京都府内のJR東海道線では複数の列車が立ち往生、多くの乗客が車内で夜を明かしたりした。中には混雑した車内に長時間閉じ込められ、体調不良を訴え、救急搬送される乗客もいた。JR西日本によれば、25日午前にかけ在来線の約20線区で特急を含めて運転取りやめや遅延が発生したという。
いつも思うことだが、悲しいかな 人間は残念ながら、自然の前にはどうしようもない。歯がたたないのである。
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本日付の中日新聞夕刊は、ほかに【戦車供与ドイツが決断 ウクライナへ、米も追随か 複数報道】【米司法省2度目 グーグルを提訴 広告巡り独禁法違反】【元所長 入札情報掌握か 中部地整、積算業務担う 官製談合疑い】といったニュースを報じている。そして。このところ全国各地で相次いでいる連続強盗に関して毎日新聞は朝刊で【連続強盗に指示役「ルフィ」 SNSで実行役手配】【狛江防犯カメラ 室内の画面破壊 映像消去目的か】【強盗傷害容疑で新たに2人逮捕 中野事件】と報じている。
そして。これら事件以外に気になったのは、やはり【ウクライナ侵攻「滅亡」近づく 終末時計 残り90秒】の記事だろう。それによれば、米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が核戦争や気候変動などの脅威を分析し、人類滅亡を午前零時に見立てた「終末時計」の残り時間を、1947年の創設以来最短の「残り90秒」と発表した、その事実に違いない。
この終末時計は、ノーベル賞受賞者を含む科学や安全保障の専門家らが、過去1年の世界情勢に基づいて人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表しているが2020~2022年は残り100秒だった。それだけに、こんごロシア×ウクライナ戦争がどうなるのか。人類の終末時計が10秒短くなっただけに、気になるところである。
2023年1月24日
火曜日。初地蔵。
【首相少子化対策「最重要」 財源 社保料上げ模索 施政方針演説 3年ぶりノーマスク】【旧統一教会に行政指導 厚労省 養子縁組あっせん問題】【強制不妊 熊本も勝訴 地裁初 原告への賠償 国に命令】。
以上は、けさの毎日新聞朝刊1面見出しである。
それはそうと。既に私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」本紙の本欄でも紹介済みではあるのだが。昨日23日付の中日新聞夕刊に掲載された文芸評論家川村湊さんの「脱原発社会をめざす文学者の会代表(会長)」だった精神科医で作家加賀乙彦さんに対する追悼文「加賀乙彦さんを悼む」は川村湊さんならでは、というか。川村さんでしか書けない文で、とても印象深い内容であった。ここに再録させていただく。
23日付中日(東京)新聞夕刊に掲載された川村湊さんの筆による【加賀乙彦さんを悼む】
事実、ドストエフスキーをはじめとするロシア文学の影響を受けた作家加賀さんの人生、いや作家としての軌跡と航路がとてもよく分かる内容でもあった。精神科医という顔を持つ加賀さんが拘置所で出会ったのがメッカ殺人事件の主犯正田昭死刑囚で、後に加賀さんの代表作のひとつとなった【宣告】が書かれたのは、この死刑囚との出会いがあったからこそだ、といった指摘など、まさにその通りだと思うのである。
ほかには同じ中日新聞の24日付記事【戦禍の母国へ思い詠む ウクライナ有志13人が句集 侵攻11カ月】が胸を打った。
<閃光や闇から闇へ雪の降る><瓦礫より聖ニコライの目の寂し><サイレンと地下壕の間に梅の花><春分やめらめらと赫き不眠の眼><灯火管制愛を囁く短き夜>…
ウクライナ人の有志13人による句集を報じた24日付中日新聞朝刊
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朝。わが家の先輩猫たち(てまり、こすも・ここ、神猫・初代シロ)の猫塚のお水を現役、第一線のシロちゃん=俳句猫「白」。オーロラレインボー=と一緒に新しくする。その際に、舞が植えた柿の木に柿がふたつ実をつけていることに気付く
お水を入れ替えた先代猫ちゃんたちの猫塚
おいしそうな柿。食べるのがもったいない
(1月23日)
けさの朝刊ニュースは、きのうの大関貴景勝の3度目優勝(既報)をのぞいて▽第28回全国都道府県対抗男子駅伝が22日、広島市平和記念公園前発着の7区間、48㌔で行われ、長野が大会新記録の2時間17分10秒で優勝した▽将棋の藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖との五冠、愛知県瀬戸市=に羽生善治九段(52)が挑む第72期王将戦七番勝負第二局が21、22日に大阪府高槻市で指され、タイトル百期の大台を狙う羽生九段が勝ち、シリーズの成績を一勝一敗のタイに戻した▽車いすテニス男子の第一人者でシングルスで東京パラリンピックの金メダル、四大大会で通算28度の優勝など数々の実績をあげた国枝慎吾選手(38)が22日、同日限りでの引退を表明▽22日午前1時35分ごろ、神戸市兵庫区湊町にある3階建て集合住宅「第2ひろみ荘」から出火、いずれも1階に住む70~80代の男性4人の死亡が確認された--といったところか。やはり暗い話題は気になる。
そして。夕刊はといえば、だ。第211通常国会がきょう招集され、岸田文雄首相が午後の衆参両院の本会議で施政方針演説。中日新聞は中部地方と北米を結ぶ唯一の旅客定期便として中部国際空港(愛知県常滑市)-デトロイト線を運航する米デルタ航空が3月から同線を無期限で運休することが分かった、と1面トップで報道。愛知県稲沢市の尾張大国霊神社(国府宮)で2月3日に開かれる「国府宮はだか祭」で主役となる神男(儺負人)が23日、同県あま市の自営業、矢沢謙二さん(41)に決まった、とも。
ほかに、このところ東京都など関東各地で発生している連続強盗事件に関連、関与が疑われるグループのメンバーが実は広島市や山口県岩国市、東京都稲城市での強盗事件にも関わっていた疑いのあることが捜査関係者への取材で分かったーと報道が目立つ。
2023年1月22日
日曜日。晴れ。寒い日が続く。愛猫シロちゃんは、深夜遅くなると毎日、私の布団に遠慮がちに入ってくる。「昨夜もありがとうね」と言ってあごをさすると、気持ちよさそうにゴロゴロゴロ、ゴロゴロと全身でありったけの音をたて喜んでくれ、満足そうだ。以前なら、句作に励むおかあさん(伊神舞子)の部屋(一階)のベッドで俳句猫「白」として、共に俳句づくりに励む毎日で、部屋の天窓から星空を一緒に見ながらゴロゴロゴロと喉を鳴らしていたのだが。
気が付いたら、いつのまにか今度は2階私のベッドのなかで何もなかったかのように私の腕に抱かれて寝入っている。それにしても、このところは本当に寒い日が続いている。大寒とは、よく言ったものだ。
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朝刊を開く。【真珠に宿るSDGs アコヤガイ廃棄の貝肉を堆肥に 三重県、養殖業者が協力 「パールコンポスト」地元期待】【EVタクシー名古屋初 リースで44台 名タクが4月導入】(中日)とどれも新しいニュースで満杯だ。ニュースは時代とともに動いていくのだナ、というのが率直な私の印象、実感となって迫る。
なかでも三重県志摩半島の真珠の海・英虞湾での貝肉堆肥化への取り組みには納得といったところか。私自身、かつてこの真珠の海を1人の地方記者として飛び回っていた時代がある。それだけに、真珠母貝のアコヤガイがキューキューと儚い声をたてて死んでいった無残な姿を思い出すにつけ、アコヤガイには人一倍の愛着があるからである。あのころは英虞湾への汚水垂れ流しからくる湾内の富栄養化現象が進みギムノディニウムというプランクトンによる悪性赤潮が大量発生、真珠母貝が次々にキューキューと哀れな音をたてて異常斃死していった。あの残酷極まる姿をこの目で見てきただけに、この貝肉堆肥化の話は見過ごすわけにはいかなかったのである。
そして。本日のサンデー版大図解といえば、だ。浮世絵で世界に羽ばたいた山【富士山】である。<ユネスコの世界文化遺産に登録されて今年で十年を迎える富士山。古くから信仰の対象であり、芸術をうむ源泉ともなってきました。知っているようで知らない日本一の山の魅力を紹介します。>とあった。
文句なく良い紙面であった。
東京・両国国技館で開かれてきた大相撲初場所は大関貴景勝と平幕琴勝峰の11勝3敗同士の相星決戦となり、すくい投げで貴景勝が勝ち、13場所ぶりに優勝。千秋楽の相星決戦に平幕力士が臨んだのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降初めて。十両は西12枚目の朝乃山が14勝1敗で優勝、幕内返り咲きへ前進した。
優勝インタビューで「結婚してからは初の優勝なので嬉しいです。家族とか、全ての人に支えられ、感謝しています」と話す大関貴景勝(NHK総合から)
桟敷席からお祝いする観客(NHK総合から)
夜。NHKスペシャル「半導体・大競争時代①」を見る。いろいろ考えさせられた。
(1月21日)
土曜日。連日、400~500人前後の死者が出て、一向に治まりそうにない日本でのコロナ禍。第8波の新型コロナウイルスの感染者拡大で所によっては症状が悪化したコロナ患者はじめ、一般患者の救急搬送にも困っている自治体が多い中、1981年12月の第二次石油パニックいらいの物価高、果ては90歳を超えた女性の両手をぐるぐる巻きに縛ったあげくに殺害、住居内を手当たり次第に荒らすという悪辣な〝狼藉殺し〟、さらには3人組による相次ぐ強盗、殺害など、この世の中は残念ながら、異常と言っていいほどの凶悪極まる社会となっている。
一体全体、ニンゲンたちの良心はどこに飛んでいってしまったのか。
今の世の中は、かつて流行した【飛んでイスタンブール】などと暢気に歌っているわけになぞ、とてもいかない。危険かつ物騒な世の中なのである。わが家の番人でもある愛猫の白猫シロちゃん。目を見れば、私たちが住む現代社会の醜さに彼女がどれほどまでに暗澹たる気持ちでいるかが私には、よく分かる。そのシロちゃん。きのうもきょうも、かつておかあさんと一緒に居た室内で座ったまま、じっと外を思いつめた表情で誰もいなくなった部屋から外を見つめているのである。かつてなら、句作に励むおかあさんのベッドの一角でおかあさんにじゃれながらいつも楽しそうに一緒に外の風景を見たりしていた。
のに、である。それでもシロはおかあさんを思い出すように、きょうも戸外の庭に目を注ぐのである。何を思っているのだろうか。夜など人ひとりいなくなった、かつてのおかあさんの部屋の一角で身じろぎ一つしないで居ることも多いのである。
何思うシロちゃん。じっと窓の外を見続ける。かつては、いつだっておかあさんが隣にいた
シロはいつだって、こうして元気でいます。首輪は、おかあさんにつけてもらったものでハート付きで~す
けさ21日付の新聞紙面は【コロナ4月下旬にも5類 政府 マスク原則不要で検討 平時へ転換図る】【物価高加速4% 12月、41年ぶり 8割の品目上昇】【68歳年金実質0.6%減 23年度増額分 物価高に届かず】【東京強殺 携帯に犯行計画 別事件で逮捕 三重の自衛官 グループが連続強盗か】(中日)【自殺者増加2万1584人 昨年 男性は13年ぶり増=男性は1万4543人(前年比604人増)= 昨年男性は13年ぶり増】【狛江強殺 別事件自衛官携帯に記録 千葉・強盗傷害容儀 被害者宅「狙う」 関東で強盗多発 警視庁関連捜査】【アプリで職場把握か 博多視察 容疑者、交際時利用】(毎日)……など。いずれも読むに堪えない、無残きわまるものばかりだといっていい。
ならば、だ。一体全体、誰が。なぜ、こんな世の中にしてしまったのか。感受性の強い舞は、こうした醜い時代の到来を予感して、この世で生きていくのが嫌になって一足早く天空に飛び立っていってしまったのではなかろうか、と。ふと、そんな気さえしてくる。いずれにせよ、今のような不安定極まる世の中が、このまま続くようだと、人間たちの心がこのまま塞ぎ込んでしまうかも知れない、現にそんな世の中なのである。だからこそ、明るく朗らかなニュースが必要だ-と私は思う。
とはいうものの、人間だれしも生きてゆかねばならぬ。東京の3人組犯人は、自暴自棄になって犯罪を犯しているような、そんな気がする。
(1月20日)
大寒。
4選をめざす現職大村秀章氏(62)=立民、公明、国民推薦=ら6氏による愛知県知事選がきのう19日に告示され、現職新人の計6氏が届け出て始まった。第百六十八回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は井戸川射子さん(35)の「この世の喜びよ」(「群像」昨年7月号)と、佐藤厚志さん(40)の「荒地の家族」(新潮社)、直木賞は小川哲さん(36)の「地図と拳」(集英社)と、千早茜さん(43)の「しろがねの葉」(新潮社)の各2作に決まった。心からおめでとう、と拍手したい。
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ところで、小説といえば、だ。私が毎朝、ずっと愛読してきた毎日新聞の連載小説【永遠と横道世之介】(吉田修一)がきょう416回で完結し、終わった。終わるのが、惜しい気がする。さわやかで毎回、次への期待が膨らむ文句なく分かりやすくて、人々に幸せを運ぶ良い小説であった。最近、ありがちな作者ひとりだけがわかった気でいるチンプンカンな夕刊小説などを書いているヒヨッコたちには、この小説を繰り返し繰り返し読んでほしく思う。かといって、中日朝刊の連載小説【ひとでなし】(星野智幸)も悪くはなく、このところの展開は少しずつ読者をひきつけ、よくなってきてはいる。でも、まだまだの気がする。
同じく中日の夕刊小説【生殖記 朝井リョウ】は、てんでダメである。何とか本人の気持ちになって味方して読もう読もう、とはしているが、やはり自分本位の筆致が読者を迷路に陥らせている最悪な文体だと思う(最近、彼の歩んだ職場環境と本人の気持ちを熟慮しつつ読むうち、少しは言わんとすることがわかってはきたが、やはりダメだ。)。文そのものが分からないのである。ただ彼ならではの文章世界にチャレンジしようとしている。その意欲だけは評価していいと思う(なかでも20日付の「よく考えたら次世代個体育成にオスそのものは必要ないのでは? の下りは、やっとこせ拍手していいかもしれない)。でも、小説は、あくまで人間が人間を書かねば、と私は思う。
この点で同じ夕刊でも毎日の【兎は薄氷に駆ける】(貴志佑介)は司法の世界のことをしっかり取材、体得していることもあって、ヤマ場になるとドキドキして読者を物語の世界に引き込んでゆく強引な筆力というものを感じさせ私は気に入っている。いずれにせよ、この4作の順位をつければである。【永遠と横道世之介】が断然トップで、次いで【ひとでなし】と【兎は薄氷に駆ける】が同位、だいぶ差をつけられて【生殖器】といったところか。名もなき全国の同人誌作家のなかには、彼らよりもうまい作家はいっぱいいる。たまたま●●賞とかを受賞したのがきっかけとなり、スターダムに乗り、チヤホヤされて書いているひよっこ作家たちとは違うのである。私は、それを言いたい。
ここで私は、どうしても触れておきたい作家がいる。昨年2月5日に心疾患で急逝した【苦役列車】の芥川賞作家西村賢太氏のことである。彼は、1990年ごろ。平成2、3年ごろだったか。かつて、私が新聞社の七尾支局長時代、ある知人を通じ「私に、どうしても会いたい」と私を訪ねてきたことがある。あの時、私たちは能登のお寺の軒下で雨に打たれながら、あれやこれやと結構、とことんまで話しあったことがある。当時、まだ無名だった彼は晩年の姿とはとても想像もつかないひょろりとした青年だったが、雨に打たれながら私の言葉に真剣に聞き入ってくれた。私はあのとき彼にこう言ったことを覚えている。
「何よりも、取材をしっかりと行い、読みやすく書くこと。万人がすらすらと読める文章を書くのが一番いい。わかりやすい文章に徹することだ。ひとりだけ酔ったように書いたところで読者に理解してもらい、心を打たなければ、書いたところで何にもならない。だから、まず第一に正直に、かつわかりやすく。欲を言えば、読む人にしあわせ感を与えられたら良い。人の胸を打つ原稿を書くことだよ」と。彼は、あの時、寺院の軒先から落ちる〝雨滴〟を耳に私の目をじっと見つめ、真剣な表情で聴いてくれていたが、私は「これは本物だ」と思った。なので、あの日の表情を私は今なお忘れることが出来ないでいる。きのうのようでもある。
文学界で彼が連載していた【雨滴は続く】は、地方新聞の女性に正直にほれ込むなど何かと問題点こそあったものの、文章そのものは万人に理解できるわかりやすく、何よりも心理描写が巧みな内容だった。正直で、日ごろ自分流の文体の研鑽を積めばこそ、で惜しい人材を失ったものである。尊敬する藤澤清造の文体の捕らわれの身となった賢太の彼岸の地での幸せをどこまでも願いたい。
思うに北町貫太、すなわち西村賢太は、死ぬ覚悟で逝ったのではないか、と。思う。そう思えてならない。合掌―
西村賢太氏の「雨滴は続く」最終回の気になる一節を、ここに記録として留めておきたい
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午後。ことし初の社交ダンスのレッスンで一宮スポーツ文化センターへ。入院中だった若原先生も無事、回復され、楽しいレッスンとなった。久しぶりのタンゴに身が引き締まる思いがした。社交ダンスの技術の上下は別に、もはや私にとってかけがえなき生きがいになっていることを実感したレッスンでもあった。もとはと言えば、これも舞に勧められたからこそ、の世界である。久しぶりの踊り初めでもあり少し疲れはしたが、いい体力づくりになった気がする。舞よ、マイ。たつ江よ。ありがとう。俺はなんとか生きているから。
(1月19日)
平和堂店内の衣類のほつれを修繕するリメーク工房へ。至る所にあったほつれの修正を頼んでおいた赤いガウンとズボン1着の計2流れを受け取りに出向いた。このリメーク工房。わが家では、舞が元気でいたころから、彼女に連れられ、これら衣類のほつれを直してもらうために一緒によく訪れたものだが、今回は冬のど真ん中、羽織るものがなくては寒くてしようがないため窮余の一策として先日持ち込んだいきさつがある。
私は、平和堂内のリメーク工房を訪れる前に布袋アピタ内にあるカット店を訪れ、伸び放題になっていた髪の毛をカットしてもらったが、舞が傍らにいたら、目をしかめて「髪の毛伸びすぎだよ」と言うに決まっているからだ。こうした注意を促す点では舞は、私の母にすこぶる似ており、ボサボサ頭でいる私の髪の毛に厳しい視線を投げかけていたふたりの存在が今では、貴重な隠れた視線に見えるのである。
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月ドラ「愛子のインタビュー」を読み、根尾-石橋のコンビがうまく機能すれば、ことしのドラゴンズは上位、いやリーグ優勝どころか、日本一だって期待できる。そんな気がしたが、どうか。
本日1面で【東電旧経営陣二審も無罪 3人強制起訴判決 津波「予見不可能」】【日銀緩和策修正せず 円安加速 一時131円台】(中日)の見出し。このうち東電経営陣二審も無罪の記事は、東電福島第一原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣3人の控訴審で東京高裁が18日、一審の東京地裁に続き、いずれにも無罪判決を言い渡したという事案である。
この日の無罪判決で細田啓介裁判長は「10㍍を超える津波が襲来する予見可能性はなかった」と述べ、事故回避のため事前に原発の運転を停止すべき注意義務は認められない-との一審判決を支持。指定弁護士側による「防潮堤建設や主要設備の津波対策工事をしていれば事故は回避できた」との主張も「証明は不十分で、事後的な情報や知見を前提にしている」として採用しなかった。
財務省が19日発表した2022年の貿易統計によれば、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は19兆9713億円と過去最大の赤字。愛知県知事選が19日、告示され、四選をめざす現職の大村秀章氏(62歳)ら6氏が立候補を届け出た。中日新聞の夕刊報道によれば、ウクライナのへラシムチュク大統領顧問が17日、ロシアが昨年2月の侵攻開始後にウクライナから連れ去った子ども14000人弱を特定したと述べた。このうち帰還したのは125人に留まるとし、子どもたちを守る必要があるとも訴えた。
(1月18日)
「脱原発社会をめざす文学者の会」のリーダーであり、かつ私がこよなく慕い、かつ勇気づけられ続けてきた作家、加賀乙彦さんか亡くなった。93歳だった。東日本大震災の後に他の文学者の会のメンバーらと共に被災地を何度も歩いた日々が鮮明に瞼に浮かぶ。このところは加賀さんが闘病中の身ということもあってなかなかお会いすることこそ叶わなかったが、文学に対する熱情が正義感とやさしさとともに最後までピンピンと響いてくる、そんなお方であった。おやすらかに。
加賀さんにお会いし、私の人生が大きく変わったことも事実だった。いつだったか、軽井沢で有志で行われた加賀さんの誕生日会に出席した時のことだ。彼は私にこうおっしゃった。「ごんたさん。書いて書いて。書きまくって下さい。君はまだまだ若いのだから。そして世の中を変えてくださいよ。70代なんて、まだ若い。若いですよ」と。歌をうたえばフランス語で【枯れ葉】を歌い、身も心も透き通った、温かみと透明感のある、得がたき師にふさわしい人であった。
私は、加賀さんを知りたいがために【宣告】【永遠の都】【死刑囚の記録】などを図書館に通いつめ、読破。加賀文学を私なりに体得、そのうえで所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」の活動に熱心になっていったのである。
何はともあれ。加賀さん、ワインがお好きでしたね。軽井沢のテニスコートでは美智子妃のお相手をなさったことが自慢でしたよね。軽井沢の加賀さんの別荘では、まだまだひょっこばかりの「脱原発をめざす文学者の会」メンバーと、今の世の中についてトコトン、夜を徹して話し合ったこともありましたよね。おつかれさま。ご苦労様でした。精神科医でもあったあなたはハンセン病患者はじめ、受刑者、被爆者、東日本大震災の被災者……と。どんな時にでも弱者の味方、正義の人でしたよね。私は、そんな姿勢の加賀さんにあこがれ続け、ここまでついてきました。これからも頑張ります。おやすらかに。
加賀乙彦さん逝去を報じた中日新聞(東京新聞)の記事
ほかに、きょう気になった新聞見出しは【次の世代へ思いむすぶ 阪神大震災28年】【トヨタEV25年増産 年18万台以上へ 豊田でライン増】【中国61年ぶり人口減 22年14億1175万人 出生数100万人割る】(18日付中日)といったところか。
(1月17日)
6434人が犠牲となった阪神淡路大震災。その大震災が1995年1月17日午前5時46分に起きてから28年がたった。新聞報道によれば、兵庫県伊丹市の昆陽池公園では16日夕、犠牲者の数と同じ6434本のろうそくに火がともされ、市民らが黙とうを捧げ、兵庫県宝塚市でも16日夕、【生】の字をかたどった石積みのオブジェ(縦約20㍍、横約10㍍)に点灯、発生時刻の12時間前の16日午後5時46分に手を合わせ、参加者らが黙とうした。鎮魂の28年。あの日の涙は、どの人からも消えることはない。
あの日の涙は消えない。阪神淡路大震災28年を報じた新聞各紙
中日新聞1面に【再発防止という結論以上の改革を 名古屋刑務所暴行問題 林前検事総長 本紙に見解】の見出し。そして22面特報面の<話題の発掘 ニュースの追跡欄>では木原育子記者の筆で【刑務所暴行なぜ絶てぬ 刑事司法改革奔走 林前検事総長に聞く】【応報刑から教育刑。刑罰の理念 変わる途上で起きた】【20年前の議論より難しい。変革へ殻に閉じこもるな】と深堀りしている。いい記事だと思う。
(1月16日)
月曜日。ゴミ出しに伴う室内の掃除をシロと一緒にしていたところ、「15日、ネパールの中部で乗客乗員72人を乗せた国内線の旅客機が墜落、これまでに外国人を含む68人の死亡が確認されました。地元当局は残る4人の捜索を続けるとともに、原因究明に向けて飛行データなどを記録したフライトレコーダーの回収を急ぐことにしています。」といったNHKアナによるニュースが飛び込んできた。
その後のニュースによれば、この旅客機は、ネパールの首都カトマンズから中部の観光地ポカラに向かっていたイエティ航空の旅客機でポカラ空港からおよそ3㌔地点の渓谷に墜落したという。私は、日本に帰省中の長谷川裕子さんにただちに「ニルマニさん(裕子さんの御主人で旅行業の傍ら、カトマンズ日本語学校校長を務める)、大丈夫でしょうか。心配です」とラインをしたが、裕子さんからはすぐに「ニルは元気ですよ 悲しい事故が起こり、心が重いです。被害に遭われた皆様のご冥福を心よりお祈りいたします」との返信が入り、まずはホッとしたのである。一方で、この世の中、いつ何が起きるか。知れたものではないナとも思った。
愛知県一宮市長選が15日投開票され、無所属で現職の中野正康氏(55)が、無所属新人の元津島労働基準監督署長、平松晃氏(69)を破り、三選を果たした。投票率は27・93%。過去最低だった前回(27・35%)をわずかに上回ったものの、過去2番目に低かったという。
中日の朝刊主な見出しは【東海再処理施設の原発ゴミ ずさん管理 改善に361億円 機構が試算】【精神疾患警察対応に課題 岡崎署勾留中死亡 医師と早期連携、署員教育を】【FDA(フジドリームエアラインズ)中部空港に定期便 今春初就航高知と結ぶ】【真冬なのに半化粧 白川郷】といったところか。
大学入学共通テストは15日、理科と数学を実施し2日間の日程を終了。15日午前10時25分ごろ、愛知県半田市奥町、盛林正さん(53)が経営する「盛林養鶏場」から出火。木造平屋の鶏舎2棟、計1800平方㍍を全焼、飼っていたニワトリ約1万8000羽が死んだ。「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」のドラマーを務め、代表作「ライディーン」を作曲するなど世界にテクノブームを起こしたミュージシャン高橋幸宏さんが11日、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎で死去。東京都出身。70歳だった。
2023年1月15日
日曜日。きのう、一昨日と天候不良や留守番でずっと家の中にいたシロちゃん。きょうは午前中、天気も良かったのでおかあさん(舞)が好きだった【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】をスマホのユーチューブで私と一緒に聴いたあと。いつものように午前10時過ぎ、「くれぐれも車に気をつけてネ」と言い聞かせ、外に出した。シロ、すなわち彼女自身の身も心も、久しぶりに晴れ晴れとした気持ちになることを願って、だ。
出がけには「おかあさん、きっと。待っているに違いないからね」と生前、いつもおかあさんが自室から仰ぎ見ていた【天窓】から空を見ながら彼女、すなわちオーロラレインボーは晴ればれした表情で出かけたのである。きっと、この空の下のどこかで、おかあさんに会ってくるに違いない。彼女は、舞が名付けたこの世でただ一匹の俳句猫「白」であると同時に、先代のシロちゃんと同じで。世にも不思議な神猫でもあるからである(シロちゃんは正午過ぎ、いつものように無事、帰宅した)。
シロが無事、帰ったところで、彼女とバトンタッチでもするように私と息子は臨済宗妙心寺派高屋山の永正寺へ。ここの【濃尾の大地】一角で眠るわが妻、たつ江(伊神たつ江)の永代供養墓へ。花を供え、線香を手向けてお参りをしたのである。きょうは、舞の月命日で、ホントはシロも連れて行きたいのだが。ここは彼女に留守番をしてもらい、行って来たのである。
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朝刊は各紙とも、大学入学共通テストが14日から始まった【共通テスト】ものと岸田文雄首相が13日未明(日本時間14日未明)、米ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、その後に発表した両首脳の【共同声明】に関する記事で、1面見出しで、それぞれ【感染・不正対策を徹底 共通テスト679会場でスタート】【敵基地攻撃連携強化へ 日米首脳同盟深化で一致】(いずれも中日)などと報じている。
(1月14日)
土曜日。奈良地検が安倍晋三元首相銃撃事件で殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)容疑で昨日、13日に、山上徹也容疑者(42)を起訴した。約半年間に及ぶ鑑定留置で事件当時の精神状態を調べた結果、刑事責任能力があると判断したためで、参院選の街頭演説中という衆人環視の中で元首相が凶弾に倒れた事件は大きな節目を迎えた。山上被告の犯行は確かに許されるものではない。だが、【罪を憎んで人を憎まず】といおうか、山上容疑者の存在と捜査当局のその後の捜査によって、その後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の果てしなく醜い暗部が暴かれてきたのも事実で、【宗教二世】の存在など。これはこれで見過ごすわけにはいかないのも事実だといえよう。
山上容疑者の起訴を報じた新聞
夕刊は【日米首脳同盟深化を確認 敵基地攻撃 運用で連携 対中国先端技術でも協力】【51万人出願共通テスト始まる 体調管理徹底 夢に挑む 「勉強 家にこもって」】【東海3県では 5万900人出願】【円急伸 一時127円台半ば】(14日付中日夕刊)
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【コロナ対人間の戦争】
スマホから、ピコピコピコの音。覗いてみると、【Yahoo! 新型コロナ、全国の死者数が過去最多の503人 厚労省】。ホントに、このところの死者の増えようは、人間たちが何かに呪われているような。そんな気さえする。第8波はいったい全体、どこまで広がるのか。怖い気がする。
けさの毎日<余録>だったか。次のような内容だった。
-…新たな脅威の登場である。新型コロナウイルス・オミクロン株の新派生型「XBB・1・5」について東京都は、先月感染15件を確認したと公表した。「クラーケン(※さまざまな姿で描かれる伝説上の怪物)」は米国で急拡大しており、免疫をすりぬける感染力が最強クラスといわれる▲すでに国内では、コロナ感染の第8波が猛威をふるっている。年明け以降の感染死者数は、高齢者層を中心に4000人を超した。前年同期の約20人に比べても異常さが際立っている▲重症化率が低いとされるオミクロン株にもかかわらず死者がこれほど多いのは、実際の感染者が公表分をはるかに上回っているためだろう。発熱外来など医療現場の逼迫も深刻だ。そこにインフルエンザとの同時進行や、クラーケンの脅威が忍び寄る。お年寄りや基礎疾患のある人に、医療はきちんと届いているのか。政治や行政に事態の軽視や緩みがないか、再点検を求めたい▲…
などと書かれていたが。そのとおりだと思う。
そして。夜のNHKニュースなど各報道によれば、中国政府が新型コロナの死者について規制を大幅に緩和した昨年12月8日から今月12日までに基礎疾患を持つ人を含めて病院で死亡した人が5万9938人に及び、このうち新型コロナによる呼吸不全で死亡した人が5503人、基礎疾患の合併症を併発して死亡した人は5万4435人と発表。北京大学研究所によれば、中国での感染者は実に9億人と中国全土14億人の6割近くに及んでいる、とのことでこれまでの中国当局の発表のデタラメぶりが露見した形となった。いずれにせよ、コロナ禍はまだまだ上昇中で、考えようによっては人類と新型コロナウイルスの戦争が展開されている。いや、確かに生きるか、死ぬかの熾烈極まる戦争が行なわれている、といわざるを得ない。私たち人間は今、そうした歴史上の場面を生きているのである。
こうした事態は、もはや人間対新型コロナウイルスの戦争だといってよく、名付けて【コロナ戦争】とでもいえようか。人間たちは今こそ結束し、この有史以来の新型コロナウイルスとの戦争を勝ち抜かねばならない、と。そう思うのは私だけではなかろう。人類の誰しもがコロナ禍の収束を願っているに違いない。そんな時に、だ。いつまでも領土の覇権争いといってもよいウクライナ戦争など、人類は一体全体何とミミッチイことを考えているのだ、と。その低レベル極まる人間のありようには、ついつい嘆かわしくなってしまう。
夜。ひと息ついたところで舞の生前にいつも一緒に見たNHK総合テレビのブラタモリをシロを傍らにふたり寂しく食事がてら見る。今夜は【越すに越されぬ大井川の謎】がテーマだったが、彼女が大好きだった井上陽水の【瞬き】のメロディーとともに始まった番組はすこぶる内容が深いものだった。なかでもタモリさんらが乗車した大井川鉄道を見るにつけ、舞が生きている間に一緒に乗れば、どんなに喜んだことだろう―とつい、感傷的になる自分を思いつつ時既に遅しかと反省することしきりでもあった。
(1月13日)
このところは、たつ江が冬に着ていた黒いセーターをエリマキトカゲのように首に巻いて執筆。首がこれほど温かく保たれるだなんて。舞よ。マイ、ありがとう。思い切っておまえを首に巻いてみて良かった、と思っている。
東電福島第一原発の処理水処分に関する関係閣僚会議が13日、首相官邸で開かれ、海洋放出の開始は「ことし春から夏ごろ」と見込み、新たに設けた500億円の基金で放出の影響を受ける全国の漁業者の支援に取り組むことを政府の行動計画に盛り込んだという。「地元漁業関係者の懸念に耳を傾け、丁寧な説明を尽くす」とは、松野博一官房長官。
というわけで本日付の中日夕刊見出しは【処理水放出「今春から夏」 福島第一 閣僚会議で見込み】をはじめ、ほかに【22年世界の気温 史上5番目の高さ】=米航空宇宙局が12日、2022年の世界の平均気温は近代的な気象観測が始まった1880年以降で5番目に高かった、との分析結果を発表。2022年は19世紀終盤の平均を1・11度上回った=、【機密文書バイデン氏捜査 私邸でも発見 特別検察官任命】【選挙覆す法令計画か ブラジル襲撃 前法相宅に草稿】など物騒な内容ばかりが目立つ。
福島第一原発の処理水放出について報道した新聞。漁民はこの先、どうなるのか
きょうは、ネパールはカトマンズから来日中で私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」元同人で、私の小説【カトマンズの恋 国境を超えた愛】のモデルでもあり、何かとお世話になりどおしのエッセイストで旅行会社を営む長谷川裕子さん、そして舞の記事で大変、お世話になった記者小中寿美さんと江南市内で一緒に食事後、裕子さんに私の車に乗って頂き、ドライブをしながら久しぶりに木曽川添いに犬山城を見ながら江南経由で一回りするコースで一宮へ。互いにつもる話もあり、なかなか有意義な1日となった。
と思いきや、この日は裕子さんを江南駅まで出迎えに出向いた際、なんと一時停止違反でパトに止められ、交通切符を切られ7000円也を即刻、郵便局から支払うなど、チョットだれかに意地悪をされているような、そんな思い出深い1日ともなった。これまで無事故、無違反なのに。こんなことはそれこそ生まれて初めてのことである。それだけに、くやしいけれどいい経験になった。でも、それはそれでこの年になり得難い体験となった、といえようか。
さて。食事後のドライブのほうだが。途中、雨が降り出し、ベランダの洗濯ものが気になってわが家に引き返すなど彼女には悪い気がしている。でも、たまには、いいっか。というわけで、最寄り駅の一宮駅まで送り帰宅したのは、午後7時過ぎとなった。いつものようにシロが心配顔で玄関先まで飛び出してきて出迎えてくれたのである。きょうは東京、北海道を結んでの私が属する「脱原発社会をめざす文学者の会」のことし初のオンライン会議もあったが、事前に欠席連絡をしておいて良かった。やれやれである。こんなことでは、とても会議に間に合わなかったからだ。
(1月12日)
JR東海が11日、丹羽俊介副社長(57)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表。金子慎社長(67)は代表権のある会長、柘植康英会長(69)は取締役相談役に就くという。丹羽氏は1989年の入社。1987年の国鉄民営化後の入社組として社長に就任するのはJR旅客6社で初。社長交代は2018年4月いらい、約5年ぶりだという。
きょうは午後、時間が空いたところで江南市内の尾北ホームニュースさんへ。今は亡き、わが妻たつ江(伊神舞子)の俳句が江南俳句同好会会員のひとりとして長年、掲載されたその御礼のためで私は3冊を寄贈し心からお礼を申し上げ、帰った。伊神舞子俳句短歌遺稿集(人間社)が出来て以降、これまでに同紙に掲載された俳句に対するお礼だけは、どうしても私自らが直接出向いてお礼を言っておきたかったからである。窓口では女性スタッフが親切かつ丁寧に応じて下さり、心底ホッとしたのである。
(1月11日)
鏡開き。水曜日。
寒い日が続く。舞がいないこともあり、衣類を繕ってもらう人もなく、愛用の赤いガウンやズボンが破損し、ボロボロに。思い切ってガウンとズボン2着を平和堂内にあるリメーク店に持ち込んだ。そんなわけで、唯一の頼りといってもいい、ガウンが使えなくなると、寒さで身が縮む。
どうしたらよいものか、と思案したあげく、私はきょうから舞が生前、愛用していた黒い、チョットおしゃれなセーターを思いきって首に巻くことにし、実行を始めた。いやはや、これほどまでに暖かかったとは。それに何より、舞に私の体を守られている。そんな気がするから不思議だ。残り物に福ありか。ヨシッ。これからは、舞の着古したものでも何でも、すこしでも多く身にまとい、この冬場を乗り切ろう、と。私はそう決断し、きょうも線香を立て舞に「それでいいよね」とお参りをしたのである。やっぱり、おまえは最後の最後まで俺サマを守ってくれるナと思うと、ナンダカ、ありがた~い気持ちにかられるのである。
安倍晋三首相(当時67歳)が奈良市で演説中に銃撃され死亡した事件て殺人容疑などで送検された山上徹也容疑者(42)の鑑定留置が10日、終了。奈良県警は同日、山上容疑者を留置先の拘置から奈良西署に移送した。奈良地検は留置中の精神鑑定で山上容疑者の刑事責任能力を問える、と判断。勾留期限の13日までに殺人と銃刀法違反容疑で起訴する見通しだという。
外務省は10日夜、中国当局が日本人へのビザ(査証)発給手続きの暫定停止を発表したことについて中国側に「極めて遺憾だ」と抗議、措置の撤回を求めた。
大阪の淀川に迷い込んだクジラ、愛称「淀ちゃん」。衰弱が心配。早く海に戻せぬか。-とは、毎日新聞11日付夕刊の【近事片々】氏(淀ちゃんは、その後かわいそうに死んでしまった)。
(1月10日)
商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で10日早朝、本えびすの参拝一番乗りを競って境内を駆け抜ける恒例の「開門神事福男選び」が3年ぶりに復活。ことしはスタートの際に前方集団に入ることが出来る抽選の参加者を300人減らし1200人に。
午前6時、【かいもーん】のかけ声で表大門が開くと、待ち構えていた男女約5000人が一斉にスタート。石畳を全力疾走、先頭の「一番福」は大阪商業大4年の植本亮太さん(22)=神戸市北区=が獲得。植本さんは明石商高で夏の甲子園に出場、大学でも硬式野球部に所属。「この1年は、多くの人に福を与える存在になりたい」と語ったという。
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毎日新聞10日付1面朝刊に【数千人ブラジル議会襲撃 選挙無効訴え 前大統領支持者ら】の見出し。南米ブラジルで8日、暴徒化した右派ボルソナロ前大統領の支持者ら数千人が首都ブラジリアにある連邦議会と大統領府、最高裁判所を襲撃。左派ルラ大統領が当選した2022年10月の大統領選の無効を訴え、軍の介入やルラ氏の拘束を求めていたという。米CNNによれば、警察は少なくとも400人を逮捕。建物は一時暴徒に占拠されたが、治安部隊が排除したという。
話しは変わって注目の王将戦の方はといえば、だ。【藤井五冠が先勝 王将戦】(中日10日付朝刊)の見出しのとおり、藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負第一局が九日、静岡県掛川市で指し継がれ、先手番の藤井王将が勝ち、タイトル防衛に向け好発進したようである。
岸田文雄首相が9日(日本時間の10日)、フランスのマクロン大統領とパリで会談。首相が議長を務める5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)成功に向けた連携で一致、ウクライナに侵攻を続けるロシアへの厳しい制裁と強力なウクライナ支援を継続する必要がある点で確認。G7メンバーの5カ国歴訪のスタートを切った。
ところで、年が明けても、警戒が必要だ。第8波の流行でコロナ死者数が累計6万人を突破。◇こちらの感染拡大も気がかり。鳥インフルエンザで鶏などの殺処分は約1000万羽に。卵価格に影響も。--とは10日付毎日夕刊の近事片々氏である。
(1月9日)
成人の日。
中国政府が8日、新型コロナ対策を抜本的に緩和、これまで入国者に義務付けてきた強制隔離を撤廃。これまでの厳しい「ゼロコロナ」政策の正式終了で、旅行や出張で国内外を行き来しやすい環境を確保した。これに対して中国は爆発的流行がまだ収束していないため、各国とも水際対策を強化。日本政府も8日、中国に対する水際対策を厳格化する臨時措置(出国前72時間以内の陰性証明書の提示を新たに義務化)を始めた。
新年に入り、このところはずっと亡き妻(たつ江、伊神舞子)の物語(掌編小説)の執筆に追われ本欄【一匹文士、伊神権太がゆく……】の執筆が、どうしても遅れがちである。
(1月8日)
中日新聞の本日付サンデー版で【東照宮でたどる 家康の天下取り】。徳川家康を主人公にしたNHK大河ドラマ「どうする家康」が8日、すなわち本日から放映されるのに合わせての展開。江戸幕府を開いた家康はどんな生涯を過ごした人なのか。その死後に、家康を神として祀(まつ)るために各地に建てられた東照宮を案内しながら天下人になった軌跡をたどるもので、静岡大学名誉教授小和田哲男さんの時代考証<家康の再評価>付きで読み応えのある内容となっている。
ほかには【「停戦」露が攻撃 2人死亡 ウクライナ側発表 応酬続く】(毎日8日付)、【安倍氏銃撃半年で調査 国会議員危害経験75人 4割「不安」活動制限も】【爆破予告 緊急着陸 中部空港142人脱出 ジェットスター機 4時間半閉鎖60便欠航 励まし合い落ち着き外へ】(中日8日付)といったところか。
そして。米下院議長選の決着には、どこかホッとしたのである。各報道によれば、米下院は投票15回目でケビン・マッカーシー氏を議長に選出したという。なんでも議長選出までに10回以上の投票を要したのは164年ぶりとかで、やれやれとはこのことか。
(1月7日)
きょうは「人日(じんじつ)」。人を大切にする日で、七草がゆ(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)食べて健康を祈願する日なのだそうだが。うっかり忘れてしまっていた。残念無念である。たつ江(舞子)がいたら、絶対忘れることなんてなかったのに。そう思うと、なんだか情けなくなってきた。
本日7日付中日新聞夕刊1面は【3連休初日 出発ロビー混乱】の記事の一方でトップは【中部空港に緊急着陸 ジェットスター機 爆破予告142人脱出 5人けが一時滑走路閉鎖】と正月早々から物騒なものだった。愛知県警中部空港署によれば、ドイツからの国際電話で「ジェットスター501便に爆弾を仕掛けた。貨物室に百㌔のプラスチック爆弾を仕掛けてある。マネジャーを出さないなら、ただちに爆破する」などと脅しとともに機体への爆破予告があったという。
このため、同日午前7時40分ごろ、成田発福岡行き格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン501便が愛知県常滑市の中部国際空港に緊急着陸。乗客136人と乗務員6人が着陸時に脱出シューターで脱出。脱出時に5人がけがをしたが救急搬送された人はおらず、不審物も見つからなかったという。同空港は滑走路を一時閉鎖したが、午後零時15分には再開した。
土曜日だ。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表の栗山英樹監督が6日、東京都内のホテルで3月のワールド・ベースボール・クラシックに出場する一部12選手を発表。米大リーグから大谷翔平(エンゼルス)ダルビッシュ有投手(パドレス)鈴木誠也外野手(カブス)が、国内からは村上宗隆内野手(ヤクルト)、佐々木朗希投手(ロッテ)、山本由伸投手(オリックス)、戸郷翔征投手(巨人)、今泉昇太投手と牧秀悟内野手(DeNA)、源田壮亮内野手(西武)甲斐拓也捕手と近藤健介外野手(ソフトバンク)が選ばれた
このほか、代表には米大リーグレッドソックスの吉田正尚外野手、国内組で大勢投手(巨人)湯浅京己(阪神)が内定済み。日系選手で日本代表としての出場資格を有している米大リーグのラース・ヌートバー外野手(カージナルス)も最終候補に内定済みで1月下旬には全30選手が発表される見通しだという。
それにしてもドラゴンズ選手が一人もいないとは。ドラを愛する男にとっては悲しい限りである。
(1月6日)
新しい年も早や6日。昨年暮れに私自身も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」ホームページに出稿済みだった私の文士刮目の【第20回 新しい年こそ、ウサギさんの確かな目と耳で 果敢に挑もう】が本日公開になったので、1人でも多くの読者の皆さんに読んで頂ければ、と思っている。
話は変わるが。
ロシアのプーチン大統領が5日、ロシア正教のクリスマスイブである6日正午から8日午前零時まで、ウクライナでの軍事作戦を休止するようショイグ国防相に命じ、ウクライナ側にも同調を呼びかけたという。またロシア正教会最高位のキリル総主教もこれに先立ち、交戦を続けるロシアとウクライナの双方にクリスマスにあたる今月7日に合わせた休戦を呼びかけている。もし、休戦が実現すれば昨年2月のロシアのウクライナ侵攻開始以来初の公式な休戦となる。
ただ新聞報道によれば、キリル総主教はプーチン氏に近く、これまで軍事作戦を支持する立場を表明してきたため、ウクライナ側が応じるかどうかとなると不明だという。
プーチン氏はキリル総主教の提案を考慮、作戦に従事する全ての前線で戦闘の休止を命じるとしており、「ウクライナには大勢の正教の信者が暮らしている」とも述べ、ウクライナ軍にも戦闘休止を促したという。また総主教も「正教の信徒がクリスマスの礼拝に行けるよう」6日正午からの戦闘停止を求めている。報道によれば、ロシアの正教会では例年、クリスマスイブの1月6日深夜から信者を集めて礼拝が行われる。ロシアとウクライナには正教の信者が多く、正教会の社会的影響力も強いという。クリスマスの軍事停戦がきっかけとなり和平に一歩でも二歩でも近づけば、と願う声は多いのである。
これに対して7日付中日新聞朝刊は【ウクライナ停戦実現せず ゼレンスキー氏「ロシア進軍の口実」】の見出し入りで以下のように報道したのである。
――ロシアのプーチン大統領がロシア正教会のクリスマスに合わせて一方的に宣言した三十六時間の「一時停戦」について、ウクライナのゼレンスキー大統領は五日夜、ロシアが秘密裏に進軍するための口実とみて拒絶した。プーチン氏が停戦発効を定めた六日正午(日本時間午後六時)以降、ウクライナ各地で戦闘が続いているもようで、停戦は実現しなかったとみられる。ロシアのタス通信は東部ドネツク州で六日正午以降もウクライナ軍の砲撃があったと報道。ウクライナメディアは同日朝までに南部へルソン州の民家がロシア軍の攻撃を受け、少年が死亡。ドネツク州でもロシア軍の攻撃が続いているとしている。
プーチン氏は戦闘停止の理由について「ウクライナ住民がクリスマスに礼拝できるように」と説明。一方、ゼレンスキー氏は「ロシアは(クリスマスの)祝祭を隠れみのにしている。東部でわが軍の進軍を止め、兵器などを運び込もうとしている」と主張。停戦の狙いはロシアの態勢立て直しとの見方を示した」としている。
(1月5日)
きょうも洗濯物をベランダに干して外に出たまでは良かったものの、どうも空の雲行きが怪しくなってきたためUターン。間一髪、雨に濡れることを避けることが出来た(とはいうものの、昨日と違って幸い、雨は空から堕ちてはこなかった)。というのは、きのうは出かける前にカンカン照りだったのでベランダに出したまではよかったものの途中で雨が降り出したので、あわてて帰ったのだが。時既に遅し、で息子がやってくれた洗濯物は全滅。皆びしょ濡れになってしまった。おかあさんが生きていたころは、こんなことはなかったのに。そう思うと、なんだか悲しくって。天を仰いで吠えたくなる。でも、きょうは降りそうで降らなかった。あわてて帰ってきても空の陽射しは再び勢いを増し、幸い濡れることはなかった。
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中日新聞で【家族になろうね 特別養子縁組 記者と娘の物語】の連載始まる。これは思い切った、とてもいい連載企画だと思う。
ほかに目立つのは、【両雄 夢のタイトル戦 若き天才藤井五冠 百戦錬磨羽生九段 王将戦8日開幕】【中国から入国時陰性証明 提出義務に 8日、水際厳格化】【東京18歳まで月5000円給付 少子化対策で都知事意向 所得制限は設けず】【新春彩る 氷上の舞 フィギュアフェス】【女湯盗撮疑い「息子の指示で」 名古屋37歳男と63歳母を逮捕】【埼玉3人殺害否認 容疑者服の血 被害者DNA】(中日5日付)。
他紙では【東証大発会377円安 大規模金融緩和修正を警戒】【物価高超える賃上げを 首相年頭会見 対中入国制限強化】【日米首脳が13日会談へ】(毎日5日付)といったところか。
ことしも人それぞれに、さまざまな人生が始まった。
毎日新聞の5日付夕刊に【米下院議長6回目投票でも決まらず】の記事。中日夕刊でも【議長選 再び決まらず 米下院 トランプ氏呼び掛けも】と報道。多数派を握る共和党内でトランプ前大統領に近い保守強硬派の一部が造反し続け、同党のマッカーシー院内総務は就任に必要な過半数の票の獲得に失敗。トランプ氏がマッカーシー氏への投票を呼び掛けたものの、反発は収まらなかったという。強硬派は3日に実施した3回の投票でも造反。実に100年ぶりの再投票に持ち込んだが、見かねたトランプ氏が「偉大な共和党下院議員はケビン(マッカーシー)に投票する時だ」と交流サイトで呼びかけたが、反発は収まらなかったという。
(1月4日)
第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が3日、神奈川・箱根町-東京・大手町の復路5区間109・6㌔で行われ、往路1位の駒沢大が復路も制して2年ぶり8回目の優勝を果たした。前日の往路と合わせた総合記録(10区間217・1㌔)は10時間47分11秒だった。駒沢大は今季の出雲全日本選抜、全日本も制しており、2016年~2017年の青山学院大いらいとなる5校目の「大学駅伝3冠」を達成した。
各地の官公庁や多くの企業で4日は、仕事始め。ことしは約3年となるコロナ禍のなか、政府による行動制限なしで業務が始動。出席者らは気持ちを新たにしていた。三重県の一見勝之知事は伊勢市の伊勢商工会議所で「新春御慶の会」に出席。6月に志摩市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)の交通大臣会合に触れ「ひとつの弾み車にしてさらに大きく飛躍をしていきたい」と述べた。
2023年1月3日
早や、1月3日だ。いつものように、くらしの作文、中日春秋、朝刊小説「ひとでなし」、漫画「ねえ、ぴよちゃん」、軟派、地方版の順(他紙も大体、こんな順で)に読み進める。そして。きょうは、中日新聞の見開き論説特集の「社説私たちが書きます」も読ませて頂いた。中にはかつて何かとお世話になった飯尾歩、山本義之、田原牧、加藤直人、小野木昌弘記者らの懐かしい顔も拝見出来、みんな頑張っているなと嬉しく思った次第である。
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川崎から帰省していた長男夫妻を中心に家族みんなであんなこと、こんなことを楽しく話し合ううち時間はあっという間に、それこそ流星の如く過ぎ去り、午後3時半には長男夫妻を最寄り駅の名鉄犬山線の「江南」駅まで送って、ことしのお正月は、THE ENDとあいなった。
何はともあれ、一番大切な人で、いつも家族の中心にいた舞(たつ江)こそいなくとも、家族そろって、おかあさん(舞)の俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間社)出版に至るいきさつを酒の肴に話し合う、楽しいひとときを過ごすことが出来たのである。舞の生前中はいつも一緒だった愛猫シロちゃんもいろいろ気を遣いながらも客人の接待に彼女なりに神妙な表情で一生懸命に務めてくれ、ほんとに嬉しく思った。ありがとう。シロよ。シロちゃん。というわけで、きょうは皆だれもが「時」という存在が一瞬一瞬、疾風の如く過ぎ去るのを実感したのである。時よ、止まれ-と言ったところで時は待ってはくれない。
夜はNHKEテレで「第65回NHKニューイヤーオペラコンサート」を、シロちゃんと共に見てひとときを過ごした。舞がいたなら、おそらくは、きっと見たに違いない番組だからである。「ドン・カルロ(ヴェルディ)」からの<終わりの日はきた>など、なかなか迫力満点で「お別れしなければなりません。カルロ様」「私の最期の日が来ました。もうお会いすることはないでしょう」などのことばが胸をうったのである。
迫力満点のステージには、思わずみとれてしまった(NHKから)
(1月2日)
きょうは午後、帰省中の家族そろっておかあさんの遺骨が眠る永正寺に隣接する永代供養集合墓「濃尾の大地」内にある、たつ江(静汐院美舞立詠大師)のお墓へ。【江南の伊神さん 妻舞子さんの遺稿集出版 家族の中 生き続ける証し 「泣かんとこ」俳句など700作品収める】と報道された昨年12月23日付中日新聞尾張版を供え、『おまえのことが報道されたよ。ありがたいことだよね』とお花とともに記事も供え、報告した。私自身、新聞報道には心から感謝している。舞よ、マイ。たつ江。よかったね-と家族みんなで呼びかけ、手を合わせお参りしたのである。
引き続き、今度は舞といつも一緒に花を手に行っていた和田の実家のお墓へみんなそろって行った。昨年、亡くなった母と、それより前に亡くなった父が眠るお墓、和田霊苑にも足を運び、手を合わせたのである。舞がいつも立ち寄って手を合わせていた、隣接の隠れキリシタンで知られる「小島親子地蔵尊」にも手を合わせた。
舞が眠る永代供養集合墓、母が眠る和田霊苑の順に墓参りをした
舞が生前、いつも手を合わせていた小島親子地蔵尊では、かつてあったとされるキリシタン狩りの説明版も
(1月1日)
新しい年が明けた。元日早々のNHKラジオ【美輪明宏の金色の時間 戦前戦後の曲をお届けします!】の語りと選曲には、ことしも感動した。ナント彼は最初におまえ、舞(たつ江)が大好きだった加藤省吾さんの歌<みかんの花が咲く丘>=舞が営んでいたリサイクルショップ「ミヌエット」でミニコンサートを催す際などのテーマ曲でもあった=を流したのである。この歌は思い出にしみた歌で私は彼女の死後、毎日、愛猫シロちゃんとともにユーチューブで聞いている。そんな歌なのである。
彼女が不治の病で入院したとき、「あのねえ」と私に話しかけてきたので「なんだよ」と答えたら、「あのねえ。これからは毎日、♪エーデルワイスと♪みかんの花が咲く丘、を流してほしいの」と言った、その曲の一つなのである。それからしばらくして彼女は、この世を眠るように旅立った。こんなわけで、私は昨年1日も欠かさず、この2曲を毎朝流し、シロとともに聞いた。もちろん、けさもである。
この金色の時間、<みかんの花が咲く>のあとは、<東京ラプソディー><めけめけ>…最期に<ケ・セラ・セラ(なるようになる)>と続いたが、どれもこれも新しい年の幕開けにふさわしいすばらしい曲ばかりであった。
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きょうは思い切って永遠のベストセラーである聖書(ダイジェスト・バイブル 新改訳)と舞の生前の写真を胸ふところにしのばせ、今は亡き舞がそれこそ少女のころに、ただひとり、ひそやかに通ったとみられる江南市の古知野キリスト教会の【元旦礼拝】に勇気をもって足を運んでみた。牧師さんたちは皆親切で、心底から全身がやさしい愛であたたまった気がしたのである。
母子家庭に育った舞が若いころ、私に出会う前にひとり、何を思ってか、通いつめていたそんな教会だったことがつい先日わかったためで、私はある種の覚悟のようなものを胸に秘め、舞の魂・亡霊とともに新年早々から教会の門をくぐった(この教会はドイツ人宣教師が1968年3月に当地に開設したそうで、舞のお兄さんの話によれば、ちょうどこのころ、まだ少女だった舞は何か思うところがあってだろう。ピカピカの教会にちょくちょく独りで隠れるようにして通っていたという)。
きょうは、主の祈り、祈祷、聖書朗読、使徒信条に続き、岩田直子牧師による説教【「エル・ロイ(わたしを顧みられる神)】の順で続いたが、私はいつものように亡きたつ江(伊神舞子)の生前の写真を胸ポケットにしのばせ、思い切って、元旦礼拝式に出てよかったな、と思った。
と同時に、なんだか、半世紀以上も前の学生時代に外人教師から学んだ宗教学に久しぶりに接しているような、そんな気がした。舞とは、数年前に彼女に半ば強引に手を引かれ、クリスマス礼拝でこの古知野教会の門をくぐったことがあり随分と感銘した思い出があるが、あのときもそうだったが、本日もナンダカ心が洗われたようで「行ってよかった」と心から思った。舞は、こんな私の行動をどんな表情で空から見ていたのか。「あなた。いって良かったでしょ」と拍手してくれているような。そんな気がしてならない。
きょうは川崎から帰省した長男夫婦をはじめとした家族みんなで、能登半島は「加賀屋」から長男夫妻が特別に取り寄せてくれた豪華なおせち料理を家族みんなで囲んで舞やおばあちゃん(私のおふくろ)の生前の思い出話を楽しく語り合ううち、時はみるみるうちに過ぎていった。
おせち料理と和菓子に囲まれた舞。多くの愛に注がれての舞は、しあわせだったかも。皆さん。心からありがとございます
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元旦紙面で心に残ったのは【吉永小百合さんが手渡したい思い 戦後を生き戦後へつなぐ 大変な問題をどんどん決めていこうとした動き 母べえの時代に戻ってしまうんじゃないかと 「こんにちは、母さん」9月公開】か。こどもたちが帰ってから見たのはNHKEテレの「ウィーンフィルニューイヤーコンサート 2023年 ウェルザー・メスト」だ。舞を伴って、いつの日かふたりで行こうと互いに約束。決めていたからである。でも、この夢はかなわなかった。
ニューイヤーコンサートは、やはりすばらしかった
一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年12月~)
2022年12月31日
土曜日。ことしも【年の瀬 花めく 柳橋 名古屋】(31日付、中日朝刊)の見出しとともに過ぎてゆく。記事には「新年を前に30日、名古屋市中村区の柳橋中央市場はマグロやカニ、タコなど正月用の食材を買い求める人らでにぎわった」とあるが、この光景は昔も今も何ひとつ変わらない。私自身、昭和54、55年ごろ、はるかかなた昔の新聞社の社会部時代に暮れの出番を言い渡され柳橋中央市場をカメラさんと一緒に取材に訪れ、このように書いた記憶があるのである。この記事を読みながら人間は昔も今も何ひとつ変わらないナ、と思った次第だ。と同時に若かったあの日あのころが思い出されてくるのである。
大みそかのことしのニュースは、ほかに【円40年ぶり下落幅大揺れ1年 年末株価4年ぶり下落 東証大納会】【ペレさん死去 サッカーの「王様」82歳】【来年つばめG三大都市圏初 相乗りタクシー名古屋で発進 アプリでマッチング運賃割安に】【スーチー氏刑期計33年 最後の裁判 禁錮7年判決】(いずれも31日付中日見出しから)といったところか。
夜。いつものNHK紅白歌合戦。特に記憶に残ったものをここに記録として残しておこう(NHK総合から)
永遠の若大将、加山雄三さん
ラスト出演を宣言した氷川きよしさん
演出が光ったふたりのユーミン
石川さゆりの<天城越え>は永遠の名曲である
審査員も今年の顔。豪華な顔ぶれがそろった
さようなら、2022年
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さて、ことしの私にとっての大ニュースは一昨年に旅立ったわが妻たつ江(伊神舞子)=10月15日に江南厚生病院で逝去=のあとを追うように5月16日に今度はわが愛する母、世界で、いやこの世でイッチバーン、家族と同じように好きだった伊神千代子=兄妹夫妻みんながそうだったに違いない=が6月1日の満102歳の誕生日を目の前に亡くなったことだ。ほかには、わが母校のクラス会、滝高校の同窓会二石会(昭和39年滝高校普通科卒)の第十五回総会兼懇親会を11月9日に木曽川河畔のホテルインディゴ犬山で無事開催することが出来、久しぶりに高校時代の同級生の元気な顔にあえ、互いに近況を語り合えたことか。このところはコロナ禍のとばっちりでしばらくは総会も開けないままできただけに、コロナ禍をぬっての奇跡的ともいえる開催には出席者の誰もが感無量の面持ち。みんなで手を携え、ともに苦労し準備してきたかいがあったなと心から嬉しく思った。
これも全て愛すべきクラスメート、かつての詰め襟帽姿の<高校三年生><仲間たち>のおかげだった(実際、一宮市出身の大スター舟木一夫さんの<高校三年生>がヒットしたその年に私たちは、まさに高校三年生であった。当時、舟木さんはじめ姿美千子さん、倉石攻さん、高田美和さんら青春スターが集結し、滝高校で映画【高校三年生】が何日にもわたってロケされ、私たちはその姿を見守ったのだった。そして私は、この二年間たまたま二石会会長の要職にあった。総会の席では当然のことながら、みんなで校歌と、あの懐かしい「高校三年生」をアカペラで歌ったのである。再会の奇跡と喜びには、どの顔にも涙が光っていた)。
ほかには、全国同人雑誌協会のメンバー(参与)として久しぶりに二度にわたって大阪文学学校に足を踏み入れ、小原政幸事務局長にお会いできたこと。これも私にとっては忘れられない奇跡にも似たシーンとなった。
それでは。みなさま。今宵は【第73回紅白歌合戦】または【第55回! 大晦日恒例年忘れにっぽんの歌】または【クラシック名演名舞台2022 辻井伸行奏でるショパン▽ウクライナにささぐ感動の運命】など、それぞれに気に入った番組を大いに楽しんでください。よいお年を-
2022年12月30日
厚生労働省が29日、新型コロナウイルスの死者が全国で新たに420人確認された、と発表した。1日当たりの死者数としては28日の415人を上回って、2日連続で過去最多を更新。一方、新規感染者数も全国で19万2063人が確認され、前週の木曜日と比べ約7700人増。主な都道府県別では北海道4789人、東京都1万8372人、愛知県1万2281人、大阪府1万1727人、福岡県1万987人となっている。感染拡大の流行8波に入ったコロナ禍は依然、つづいているのである。
ここらあたりで流行の終焉を望む気持ちは誰とて同じなのだが。なんだか、このままだと底なし沼に落ちていくような、そんな気がしないでもない。止まれえ~、ゴマ。ではないが。止まれ止まれ、コロナと天に向かって訴えたい。
その天には、舞がいるのだが。元気でやっていてほしい。元気でいてくれれば良いのだが。
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日本政府は30日から新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国本土からの入国者全員に抗原検査を行う臨時措置を開始。直行便は成田、羽田、大阪、中部の4空港に限定し、水際対策の再強化となる。陽性の入国者は待機とし、ウイルスのゲノム解析も実施。実態が不透明な中国での感染状況や変異株の把握にも努める。政府は現在、全ての国や地域からの入国者にワクチン3回の接種証明か、出国前72時間以内の陰性証明の提示を求めている。臨時措置では、これに加え中国本土から直行便で到着した人や7日以内に中国渡航歴のある人全員を検査対象としたという。
というわけで、本日の新聞1面見出しは【対中国水際強化を開始 入国者全員検査 到着空港を限定 米・台湾も強化 中国反発】【香港便3空港で一転容認 7日以内、本土滞在なし条件】に、ちょっと明るい話題が加わって【遊び心が、まさかの神商品 一宮の町工場「トイレ紙使い過ぎ防止器」 いたずらっ子対策▶介護業界「欲しい!」】【神田伯山さん ジブリパークを語る】というものだった(いずれも中日30日付)
(12月29日)
木曜日の朝。あれやこれやと朝の定期ゴミ出しをして、ホッと一息。愛猫シロちゃんとストーブに当たる。やはり、たつ江(伊神舞子)がそばに居ないのでとても寂しい。何をしていても、かなしさに打ちひしがれ、それこそ、宇宙の果てにまで投げ飛ばされそうである。なんだか、片輪の男が1人で悲しみをこらえて街中をトボトボと歩いている。そんな気がしないでもない。
それとは別にことしも、あとわずかだ。
きょうの新聞紙面は【困窮相談17万件 22年度上半期 コロナ・物価高影響 食料品支給の自治体も】【5類引き下げ「段階的に」 コロナ 専門家組織が見解案 年末年始医療逼迫に注意】(29日付中日)【「黒い雨」新制度1940人救済 手帳交付 広島以外110人 国の対象拡大半年 本紙調査】【増税前解散「あり得る」 首相「時期決めていない】【国立競技場 公費年10億円 24年度民営化後も 維持・管理に】(29日付毎日)というものだった。
なかでも前にも少し触れたが、ドラゴンズの平田の引退は残念でならない。中日スポーツ1面トップ記事によれば、プロ野球経験者が学生を指導するために必要な「学生野球資格」の回復を目指していると明かした-との話題がせめてもの救いか。平田、人生レースに負けるな! とエールを送りたい。平田はまだまだこの先長いのである。ヤクルトの村上が熊本県民栄誉賞を受けたのと比べると、ちょっと寂しいのである。
平田の引退を1面で報じた中日スポーツ
ことしも残り少なくなってきた。きょうは、一般社団法人「全国同人雑誌協会」事務局でもある、東京のアジア文化社(五十嵐勉代表)から文芸思潮第86号(2023新年冬号)が送られてきた。第45回銀華文学賞、第18回現代詩賞、第3回文芸思潮新人賞発表に加え、文芸思潮編集長であり、全国同人雑誌協会の代表理事でもある五十嵐勉さん自らの筆による連載【亜細亜二千年紀第十章レイテ決戦――捷一号作戦】など充実した内容である。また大阪文学学校からも事務局(小原政幸事務局長)から中身の濃い文校ニュース、そして秋期「樹林」を拝受。ありがたく思っている。
わが家に届いた文芸思潮第86号と大阪文学学校からの文校ニュースなど
(12月28日)
文士刮目の20回目【新しい年こそ、ウサギさんの確かな目と耳で 果敢に挑もう】を書き終えたので東京在住詩人で「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事でホームページの編集にも携わっている詩人森川雅美さんあてに出稿。執筆に際しては、あれやこれやと調べることも多く、結構の時間を要した。
【森保監督の続投決定 サッカー協会 W杯後も指揮は初】【元中日・平田 引退を表明】とは、28日付の中日新聞夕刊。人生いろいろである。なかでも中日を退団した平田良介外野手(34)の現役引退表明には驚いた。平田外野手は10月に戦力外となり、他球団での現役続行を希望していたがオファーがなく、引退表明をしたという。なんだか、惜しい気がしてならない。
彼がドラゴンズに入団。ナゴヤ球場を訪れた時には、それこそ平田目当ての大勢のファンが殺到。当時誕生して間もないドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集の担当スタッフでもあった私自らも球場入り口に立ち、混雑緩和とパニック防止に務めた日のことや春の沖縄キャンプでも平田選手目当てのファンが殺到した日のことなど、ついきのうのことように思い出す。
その平田が他球団からのオファーもないだなんて。この世は無情、神も仏もないのか。打撃力はむろん、人格的にもあれだけいい選手をあっさり切り捨てるだなんて。もし、そんなことがあったとしたなら、信じられないし許されない。ドラゴンズに対する貢献度は結構大きい、と。少なくとも私はそう思っている。
(12月27日)
「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページで私が月イチで連載している【文士刮目】の20回目の執筆に数日前から書いては消し、を繰り返し大所高所の視点から挑んでいる。そのためにも、この一カ月間に新たに起きた社会現象を何よりも頭にたたきこむことから論理を展開しなければ、と思っている。
そして。もう、ひとつ。私に課せられた彼女、すなわちたつ江、伊神舞子に対する責任だが〝舞〟という人間のはかなきさを物語として書き進め、後世に残すということだ。そのためにも、彼女の生前につき▽舞が好んでよくつかった言葉をはじめ▽自由律俳句、一行詩も含めた詩に俳句、短歌、ほかにオノマトペなど好きだった文芸全般(彼女は天の川など星座をはじめとした空の光景はじめ、海や川、山、音楽、鉄道などへの関心が高かった)に対して。最後の最後まで果敢に向き合い続けたそのけなげな姿勢▽私と共に訪れた土地と、その場所での思い出▽舞ならでは、のともだちなど。これら全般につき、まず私の頭に思い出させ、分析し解析することから、筆を進めなければと思う。そして。この執筆となると、簡単なようでなかなか難しいが、いましばらくの時間が欲しいことも事実である。
いずれにせよ、私と舞、ふたりの永遠の純文学としてこの先もずっとふたりで書き進めていくことが出来たらイイナ、と願っている。
2022年12月26日
月曜日。きょうは朝早くから不燃物処理の当番日で午前7時半には指定の不燃物処理場へ。こうしたとき、いつもなら私はこれまでわが妻たつ江(伊神舞子)と一緒に行って不燃物処理の作業を終え、ふたりでアアダこうだ、と話し合いながら帰ってきたものなのだが。いまや、その舞はひと足早く空の人なので私は作業に出て任務を終えると寂しく帰ってきた。それから今度は息子が昨夜の間にしておいてくれた洗濯物を2階のベランダに干し、しばらくの間、愛猫シロちゃんとあんなことこんなことを話し合い、今はデスクに向かってこうしてキーを打ち始めたのである。
不燃物の処理作業はテキパキと進んだ
【住宅に3遺体近所の男逮捕 埼玉・飯能 殴打か殺人未遂容疑】【渡辺京二さん死去 92歳 近代史家、石牟礼さん支援】【海自の内部通報で発覚 特定秘密漏洩】【知る防ぐ新型コロナ 愛知8669人 岐阜は2477人】(いずれも26日付中日新聞の見出し)と相変わらず、どこもかしこも暗いニュースが多い。
そうしたなか、新春恒例の【歌会始の入選者に山梨の中2ら10人 召人は小島ゆかりさん】(同)の話題は、どこかホッとさせてくれる。記事によれば、今回の題は「友」で選考対象は一万五千五首(うち海外七十五首、点字十七首)。召人を務める歌人小島ゆかりさん=名古屋市出身=は、中日新聞の朝刊投稿欄「中日歌壇」の選者。「古代から今に至るまで続く皇室と和歌の関係は世界的にも希有。伝統的な歌会始に招かれたことはとても光栄」と話す、とあったが、こればかりは心がうるおう記事だったと思う。
(12月25日)
キリスト教の古知野教会へ。
数年前に一度、舞(たつ江)に勧められて一緒にクリスマスの礼拝に訪れたことがあったのと、何よりも幼いころからずっと母子家庭で育った舞にとって、キリスト教は少女のころから何かにつけ心のよりどころにしていたことを私自身、十分に承知していたためだ。幸い、岩田直子牧師が親切かつ、とてもやさしく対応してくださったので、嬉しく思った。
そして。この教会は、新聞社の志摩通信部にいた私の懐に、舞が駆け落ち同然に飛び込んでくる前、まだ10代のころに「誰がどう反対しようとふたりは一緒になるのだ」と決意した、その時に私を半ば強引に連れて行ってくれた、紛れもなくその教会だったのである。
母子家庭で育った舞は、少女のころから何かにつけ教会を生きる寄すがに努力し、頑張ってきたのである。だから、あの時、イの一番で私を教会まで案内してくれたのである。しかし、ふたりで訪れた時は、確か外から教会を眺めただけだ、と記憶している。
その後、気が遠くなるような歳月がたったが、私はきょう教会に一歩足を踏み入れた瞬間、何かしら目がキラキラ、らんらんと輝いたことを忘れはしない。彼女は心底ではキリスト教の信者だったのだ。そう言われても何ら不思議ではない。とはいえ、彼女の家と絶縁までして(あのとき、両家で何があったのかは私には皆目分からない。ただ舞が血判状のようなものを書いて私の厳格このうえなかった父親に指で押し、差し出した、あの瞬間だけは私はなぜか、よく覚えている。一体全体何があったのだろう。家柄に問題があったのか)。
私と一緒になり、伊神家の一員になった以上、先祖代々の臨済宗妙心寺派の教えも大切にしなければならなかった。おおげさに言えば、彼女は、ある面、そうした面でも生前は宗教の二刀流をこなしていたわけである。その分、私の父と母は、舞をことのほか大切に、かつかわいがってくれたのである。その証拠に舞は春分や秋分はじめ、ことあるごとの私の実家の墓参りを欠かしたことはなかった。今ふり返れば、これは見事なほどの徹底ぶりだった。
なんだか思いもかけない話になってしまったが、きょうの突然の教会行を、伊神たつ江、すなわち舞はおそらく喜んでくれている。そんな気がするのである。
Merry Christmas&Happy New Year> 【わたしは光として世に来ました。わたしを信じる者が、だれも闇の中にとどまることのないようにするためです=イエス・キリストのことば(聖書・ヨハネの福音書12章46節)】
舞が心のよりどころとしていた古知野教会は昔も今も何ら変わりはなかった。この日、訪れた古知野教会ではクリスマスの礼拝が行われていた
それはそうと、日本は、各地で平年を上回る積雪となったという。
(12月24日)
朝起きると、外は一面の銀世界だった。気がつくと、シロはいつのまにか居間のドアを両手でこじ開け、外に。自宅庭の白い雪原でからだを浮かせるようにして戯れていた。相棒がやってきた、とでも思ったのだろうか。よほど白い雪が気に入ったのだろう。嬉しくて仕方がないといった表情でしばらくの間、雪とじゃれあっていたが、絶好の場面だというのに。あいにくシャッターチャンスを見逃してしまい、スマホで決定的瞬間を撮ることは間一髪の遅れから、出来なかった。
その話とは別に、きょうの降雪は、おかあさん(たつ江、伊神舞子)がイブに私たち家族にプレゼントとして与えてくれた、そんな白一色の雪の原のような気がしてならない。せっかくなので自宅とその周辺の雪景色を写真グラフ形式で本紙「熱砂」の紙面に記録として残しておこう。舞が生きていたなら、思いがけない白い雪の訪問者には、さぞかし喜んだに違いない。
駐車場も雪の原に
横庭も雪でいっぱいに
舞の部屋から臨む外界
ナンテンも雪に包まれた
天窓を通じて雪とおかあさんを見る愛猫シロちゃん、オーロラレインボー
ちなみに名古屋地方気象台はこの日、午前8時11分に臨時の「大雪に関する気象情報」を発表。24日8時までの2時間で10㌢の降雪を観測したという。ということは、ここ尾張も大体、似たところで道路も屋根も皆、10㌢ぐらいの降雪があったということか。夕刊見出しは【名古屋、初雪10㌢積雪 クリスマスイブの朝真っ白 岐阜は11㌢ 名高速全線通行止め】【全国広範囲で大雪 北海道・紋別・自衛隊を派遣】(24日付中日夕刊)【銃撃山上容疑者を起訴へ】(24日付毎日夕刊)といった内容だった。
きょうは、クリスマスイブでもあり、雪が融けたころを見計らって久しぶりにアピタへ。舞がいたころには、この日がくると決まって一緒にアピタに行き、舞の好きだったクリスマスケーキを買ってきたものだからである。というわけで、舞がそのケーキをおいしそうに食べる姿が、眼前に大きく迫りきたのである。
夜。東海テレビで全日本フィギュアスケート選手権2022「女子フリー」を見る。連覇を果たした坂本花織さんの演技は、お見事のひと言に尽きた。そして三原舞依の演技もすばらしく、日本の女子スケートの将来は十分、希望を抱かせるものだった。
(12月23日)
金曜日。恥ずかしながらたつ江、伊神舞子の遺稿集の話が本日付尾張版に【江南の伊神さん 妻舞子さんの遺稿集出版 家族の中 生き続ける証し「泣かんとこ」 俳句など700作品収める】の見出しで地元江南通信部兼一宮支局小中寿美記者の闊達自在なる筆さばきで掲載され、家族一同心から嬉しく思っている。
というのは、舞が亡くなる前の数年間というもの、彼女は自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」を訪れるお客さまはむろんのこと、一緒に俳句の道を学んだ江南俳句同好会の皆みなさま、ほかに歌のお姉さんで知られるトシコさんなど多くの尾張の方々に、とてもお世話になった。だからである。
亡き妻、たつ江はきっと大いに感激し、かつ喜んでいるだろう。私はシロちゃんと一緒にさっそく仏前に朝刊を供え「舞よマイ。おまえのことがとうとう紹介されたよ。これでおまえの偉業、努力の数々は永遠不滅。天下に広く残されることになった。おまえが作った俳句や1行詩、詩。そして詠み続けた短歌はこの世に、いつまでも残るのだ。感謝しようよね」とシロちゃんを傍らに線香を焚いて報告。またしても頬を涙が伝ったのである。
読者の皆みなさま。舞が、たつ江がお世話になって、ほんとうにありがとうございました。きょうの一匹文士はここらでやめておこう。
【自分を表現してみたい】 伊神舞子の遺稿集のことを報じた23日付の中日新聞尾張版
2022年12月22日
きょうは、冬至。1年で太陽の南中高度が最も低く、夜が最も長くなる日である。ゆず湯に入り冬至かぼちゃを食べる習わしがある。亡き妻、たつ江、舞は、この日がくると決まって、家族のためにゆずをお風呂に浮かべてくれたものだ。今から思えば、ゆず湯に入るのが密かな楽しみでもあった。いつだったか。能登にいたころ、たまたま知人から頂いた超特大のゆずを浮かべ、自宅ふろに家族で入った時のことは今なお忘れられない。あんな時代もあったのである。
けさの中日朝刊は【北朝鮮、ロシアに武器輸出 鉄道で先月20日 初確認】の特ダネが硬派1面トップで、また軟派には【研修医 救急車に寄り道させる 患者輸送後、私用で駅に 江南 病院も認識、謝罪】の記事が掲載されたのが目についた。
このうち「研修医 救急車に寄り道させる」の方は、江南市消防本部の救急隊が江南厚生病院からの患者を愛知医科大病院(愛知県長久手市)まで転院搬送した後、江南厚生病院の女性研修医の求めに応じて、帰りのルートを一部変更する形で、依頼された藤が丘駅(名古屋市名東区)まで送り届けた。」というもので、ありがちな話だとは言え、チョット首をひねらざるをえない内容だ。関係者の談話に「転院搬送に同乗した場合は、自分の病院に戻ってから勤務を終えるのが基本。搬送先で勤務を終えた場合は病院で下車し、その先は自分で移動すべきだった。」とあったが、そのとおりだと思う。
この話はNHKの正午のニュースでも報道していたが、女性研修医には、それこそ良い薬になったのでは。人の命を預かる未来を背負う研修医だけにそのあたりの基本を徹底させる面では【良薬は口に苦し】。いい記事だったと思う。
午後。いつものように愛猫シロに留守番を頼んで途中、喫茶店に入って昼食後、布袋のピアゴへ。ここでゆず3個を買い、帰宅後、自宅のお風呂に浮かべる。
わが家のお風呂に浮かんだゆず3個。白く見えるのはお風呂の窓
夕刊は【バイデン氏支援継続強調 米ウクライナ首脳会談 ゼレンスキー氏 鋭さと軽妙さ ロシア侵攻開始後 初の外遊】と22日付中日。一方、毎日の夕刊22日付<近事片々>は、といえば。【後任見つかれば辞めるとマスク氏。ツイッター投票で辞任賛成多数。どこまで本気?◇「遠客再来」とはうまい表現。今年の創作四字熟語。水際緩和で訪日客も戻り始め。】に納得。
(12月21日)
愛猫シロに留守をたのんで名鉄金山駅近くの金山ペインクリニックへ。
いつもなら、太宰治の文庫本「斜陽」か何かを手にするところだが。きょうは20代のころを思い出してフランソワ・ボワイエの「禁じられた遊び」を手にして、だ。舞との志摩半島での生活が始まったとき、ふたりで手にして読みあった懐かしい文庫本(花輪莞爾訳)をもう一度、読み直してみたかったからである。あのころ、舞は愛用のギターを胸に抱き、私はこの本とハーモニカを手に、それぞれ若きふたりの新しい人生がスタートした。だから。なぜか、あの日々を今一度思い起こしたい。そんな気持ちにかられたからである。
写真は50年前から手にする文庫本「禁じられた遊び」
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☆ ☆
金山ペインクリニックの方はいつもの薬(三叉神経の薬と血圧降下剤)を処方していただき川瀬医師から「出来るだけのんでくださいね」とアドバイスされたが、川瀬先生ご自身が体調不良でここしばらくの間は休診していたこともあって、クリニック内はそれこそ多くの患者さんたちでごった返していた。1人ひとりの顔を見る限り、川瀬医師に対する信頼の度合いがいかに高いか、が手に取るようでもあった。
診療後は薬を手に、金山駅の食堂街で食事をして帰った。おかげで抜歯にともなう三叉神経からくる顔面の痛みは、このところ、ほぼ回復、血圧も下がってきてはいるのだが。「三叉神経の方は痛みが治まれば、のまなくても結構です。ご自身の判断にお任せします。でも血圧降下剤はやはり、しばらく飲まれた方がよいですよ」との丁寧なアドバイスを胸に、私は名鉄とバスで帰宅。私の場合、これまで長年にわたって薬と名の付くものには殆んど縁はなく、70代まではよほどのことがない限り薬などというものは、ほとんど飲まなかったが、これも寄る年波という魔物のせいなのか。今では欠かせない存在に少しずつなりつつある。残念ながら、そんな気がする。
ところで、きょうの夕刊は【原発60年超 規制委了承 福島事故後の制度転換】【W杯凱旋 400万人熱狂】【駐米大使「評価挽回へ絶好の機会」 湾岸停戦「掃海に自衛隊を」 91年公電、(当時の海部俊樹)首相に決断促す】【薗浦衆院議員 辞職願を提出 過少記載疑惑、自民離党も】【ゼレンスキー氏訪米へ 侵攻後初外遊 首脳会談計画と報道】(21日付中日)【NY円急伸一時130円台】【タリバン女子高等教育停止を発表】【掃海艇派遣 駐米大使、首相に迫る 91年湾岸戦争時 外交文書公開「不退転の決意で」】(21日付毎日)といったところか。
それはそうと、だ。私たちが生きる人間社会。今に始まったことでもないのだが。毎日毎日いろんなドラマが展開され、その濁流のなかを、人々はそれぞれの思いでそれぞれの道に向かって生きていく。そして。きょう付の朝刊ニュースはといえば、だ。【美浜3号機停止認めず 大阪地裁 稼働40年超で初判断 「責任取れるのか」 申立人憤り】に尽きるといえよう。
大阪地裁が、運転期間が40年を超え、国内で唯一稼働している関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は老朽化が進み安全性に問題があるとして約80㌔圏内の福井、滋賀、京都の3府県の住民9人が関電に運転の停止を求めた仮処分訴訟で、住民側の申し立てを却下、差し止めを認めない決定を下したというのである。大阪地裁は美浜3号機の老朽化対策や安全性に問題はない、と判断したというが、申立人らは当然のように地裁前で不当決定と書かれた幕を広げ、「地裁は責任が取れるのか」と憤りの声をあげた、というのだ。
2022年12月20日
このところ、ここ尾張名古屋も【寒い朝】が続いている。
♪北風吹きぬく寒い朝も/心ひとつで暖かくなる/清らかに咲いた可憐な花を/みどりの髪にかざして今日もああ/北風の中にきこうよ春を/北風の中にきこうよ春を
あの私より少し年上の吉永小百合さんの歌<寒い朝>が思わず、口をついて出る。そういえば、昭和45、6年のころ。新聞社の松本支局員の当時に彼女、すなわち吉永小百合さんを松本警察署内の松本司法記者クラブに来て頂き、取材したことがある。当時、松本労音(労働者音楽協議会)のためなら、とかれんそのものの彼女が松本を訪れたのを機会に、たまたま司法記者クラブの幹事を務めていた関係で大げさにも記者クラブにお呼びしたが彼女は「喜んで」きてくださった。
あのとき、小百合さんは「事件記者って。幹事のいがみさん。何をやるのですか。教えてくださいよ」と興味津々で盛んに私たち駆け出しのサツ回りの日常について聞いてきて、どっちが会見をしているのか。これではアベコベじゃないのか、と思ったあの楽しかった貴重な時間は今も忘れられない。私のもとには、その日からしばらく、彼女が結婚するまでサユリストという雑誌が毎号、丁寧かつ一方的に送られてきたのも、今となれば忘れられない思い出となった。
※ ※
きょうも。いつものように【くらしの作文(毎日は女の気持ち、または男の気持ち)】を最初に、【中日春秋(余録)】【新聞小説(中日は<ひとでなし>、毎日は<永遠と横道世之介>)】【軟派・社会面(漫画含む)】【地方版(尾張版、愛知県内版)】【生活面】、時には社説や核心、国際面や経済面などの順に読み進める。大体を読み終え、頭にたたきこんだあとで、こんどはユーチューブで舞(たつ江)が好きだった<エーデルワイス><みかんの花咲く丘>を愛猫シロちゃんと一緒に聴く、というのが日課で、その間、シロすなわちオーロラレインボーちゃんはずっと私の傍らに座り、歌が終わって外に出たくなった場合は外出を要求してくる。そこで、午前中だけ外に出してやる、というのが毎日のセオリーというか。パターンである。でも、きょうは、さすがに出ようとはしなかった。彼女なりのポリシーがあるようだ。
本日付の中日夕刊1面トップは【日銀 大規模緩和修正 長期金利上限拡大 0・5%程度 事実上利上げ 円急騰一時133円台】。急激な円安で食料やエネルギーの価格が高騰し、家計や企業の痛手になっていることに日銀がやっと対応。景気に悪影響を及ぼすため金利は引き上げないとしてきた従来の路線を転換するというのだ。ほかに【一宮の小5手作り警察官に贈る 交番1/150でリアルに 再現してみた! 全国名所も制作中 ユーチューブに】。この少年は、一宮市丹陽南小5年の木戸絆人くん(11)。ど凄い少年が現れたものである。いやいや、ほかにもいるかもしれない。
フランスのカンヌ国際映画祭事務局が19日、イランの著名女優タラネ・アリドゥスティさんが反スカーフデモを巡り当局に逮捕されたことについて「断固として非難し、直ちに釈放するように」と表明。英中央銀行イングランド銀行が20日、エリザベス女王の死去に伴い、9月に即位したチャールズ国王の肖像が描かれた新紙幣のデザインを公開。NHK総合が夜、【プロフェショナル 素顔のYOSHIKIカリスマとの1200日】を放映。YOSHIKIさんを見ながら、脱原文学者の会の詩人森川雅美さんにどこかしら、似ている気がした。ふたりとも音楽と詩作にかける情熱がただものではない、そういう点で似ている気がしたのだが。どうだろう。
(12月19日)
月曜日。新しい週の始まりである。名古屋地方気象台によれば、この日は東海地方の各地で今季一番の冷え込みを記録。名古屋市が氷点下2度で今季初めて最低気温が零度未満となる冬日となった。このほか、岐阜県高山市では同7・7度、愛知県豊田市でも同7・2度となった。また岐阜県内では山間部を中心に雪が降り続き、郡上市では午前10時現在、57㌢の積雪を観測。金沢市内でも同10時現在、12㌢の積雪となったという。
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夕刊1面はサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。【アルゼンチン36年ぶりV メッシ挑戦5度目で悲願 MVP2回目 PK戦仏の連覇阻む】(中日)、【カタールW杯2022 アルゼンチンV 36年ぶりフランスにPK勝ち メッシ5度目の悲願 「ラストチャンス」金色の輝き】(毎日)というものである。やはり、スポーツはいいな、と思う。たつ江(伊神舞子)が生きていたなら、アルゼンチンの36年ぶりのVを、どんな俳句にしていただろう。私はサッカーのW杯を見ながら、どうしても今は亡き妻のことを思ってしまう。
アルゼンチンの36年ぶりVが報じられた夕刊
朝。ゴミ出しから帰宅したそのスキをついて愛猫シロちゃんが玄関から外に脱出。心配したが、どこをさまよってきたのか。1時間ほどしたら何食わぬ顔をして帰ってきた。やれやれである。新聞の整理をしながら、このところの社会問題を一つひとつ頭に入れる。原発再稼働の運転延長はじめ、宗教2世の虐待問題、障害者に対する結婚時の不妊処置(北海道の施設 拒否なら退所要求)など悪いことばかりだ。そればかりか、きのう18日には東海道新幹線の豊橋―名古屋間で停電が発生、運転見合わせが上下線ともに同区間ばかりか、一時は東京―新大阪間の全線にまで拡大。運転再開が午後5時までずれ込むなどダイヤが大幅に乱れ、乗客約11万人に影響するハプニングも起きた。
そんな中、カナダ・モントリオールで19日まで開かれている国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が大詰めを迎え、2010年に名古屋市でのCOP10で採択された、生態系保全のための【愛知目標】の後継目標を決められるか、が焦点となっている-との記事が【藤前干潟今も問う「ごみ」 生態系保全「愛知目標」の出発点 排出量減少 リサイクル率は低下】(中日)が人間社会に希望の光りのようなものを与えてくれるから、不思議だ。
夜。たまたま夕食後にスイッチをつけ見たテレビ愛知。【世界! ニッポン行きたい人応援団3時間半「ニッポン愛がスゴイ 忘れられないアノ方は今…どうしている!?】といった番組が見ごたえあった。中でも▽〝タミヤ模型〟愛するアルゼンチン人は今!? 37年憧れ続け…念願の来日&最長1カ月滞在 模型職人の技に感涙&憧れの石坂浩二と対面……、といった内容が私の心を大きくえぐったのである。と同時にものごとに熱中する人間の凄さにも感服したのである。人生いろいろ、人もいろいろである。
2022年12月18日
ここ尾張名古屋の一角。愛知県江南市の街中はところによってはカラフルなクリスマス飾りやイルミニューションで彩られ、ショッピングセンターには兎さんの重ね持ちも所せまし、と並んで早や、お正月の様相である。
全国的にこの冬一番の寒さに。日本海側では新潟などで積雪100㌢を越えるなど、どこもかしこも雪一色に。北陸など全国各地で風速30~35メートルの強風も珍しくなく、日本はスッポリと本格的な厳しい冬の到来となった。
「きょう18日 日本海側は大雪 四国など西日本太平洋側の平地も積雪や路面凍結注意」とは、スマホ画面に見るきょうの天気である。事実、ラジオのニュースなどによれば、日本海側は広範囲で雪が降り、北陸を中心に積雪が急増。鹿児島でも初冠雪があり、街は白一色に。私が住むここ東海地方の街中でも昼過ぎ、出先から帰って空を仰ぐと白い粉雪が遠慮もなくチラチラと舞い、頭に降りかかってきたのである。なんだかシンデレラ姫にでもなったような。そんな気がせぬでもない。
けさの新聞で私の目を引いたのは、3面の【「反撃能力保有しても安全高まらない」 国際政治に詳しい東大・石田淳教授に聞く】の右隣、漫画家佐藤正明さんの風刺漫画か。岸田首相が、オリーブの枝を掲げた平和の鳩から、ミサイルを誇示する鷹に変貌した姿が表現されており、見事のひと言に尽きる。そしてほかには、【「空から見守って」「実感湧かない」大阪ビル放火1年】【ポイ捨ての常習認めます 高山市長 従来の説明修正】【セクハラ提訴で劇作家公演中止 原発事故題材の新作】【男性の父 映像開示求める 岡崎署勾留中死亡 愛知県警幹部ら面会 岡崎署員らの男性に対する問題行為の疑惑】【ドコモ通信障害 5時間後に復旧 サイト閲覧など影響】(いずれも中日新聞から)といったところか。
いやはや、この世の中は、いろいろだ。ロシアのウクライナ侵攻に始まり、次から次に、人間社会はいろいろあるなと思う。でも、自然現象は別にして、どうして、こんなにも<人間の尊厳>が傷つけられるのか。私には、それがわからない。「ねえ~、シロちゃん。教えてよ」と同意を求めたら、シロは、ニャ、ニャオ~ンといって「あなたたち。人間たちって。なんで、そんなにも愚かなの」と頷いたのである。
夕方。またしても、ピコピコピコとスマホに最新ニュース。何事かと開くと「内閣支持率が最低の25%に 毎日】とのことである。さもありなんか。
佐藤正明氏による見事な風刺漫画と【「反撃能力保有しても安全高まらない」の記事】。わたし自身もその通りだと思う
2022年12月17日
土曜日。寒い朝である。さすがのシロちゃんも朝から一向に外へは出ようとしない。いや、出ようとする気持ちなどさらさらない。空は1面の薄曇りで、やがてパラパラと小雨も落ちてきた。そんな冷たい雨降りのなか、きょうは午前中、息子とともに舞が眠る永正寺のお墓【尾張の大地】へと出向き花を手向け、線香を焚いて手を合わせお参りをしてきた。
さて。本日付の中日新聞の1面総合リードは次のようなものだった。
――政府は16日、外交・防衛政策の長期指針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定を閣議決定した。歴代政権が戦後一貫して否定してきた反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や防衛関連の予算を2027年度に対国内総生産(GDP)比2%へ倍増させることを明記。自民、公明両党は財源の一部に充てる所得税などの増税方針を決めた。憲法に基づく専守防衛を形骸化させ、軍事大国化につながる安保政策の大転換となる。
この紙面をどう受け取れば、よいのか。私に言わせれば、日本が世界に誇ってきた憲法に基づく【専守防衛】は、一体全体どこへ行ってしまったのだ、と言いたい。確かに自国は自国の力で守るべきだ、との論は分からぬこともない。ウクライナへのロシアの侵攻はじめ、中国や北朝鮮の軍備拡大と度重なる領海侵犯、30回以上にも及ぶミサイル発射実験など数々の脅威などに、ある程度の備えは当然、必要なことはわからぬでもない。とはいえ、世界に誇ると言ってもいい平和な国、ニッポンは、この先、一体全体どこに行ってしまうのか。この危機を乗り越えるためには、わからぬわけでもない。
とはいっても、私は、日本は専守防衛に徹した方がその分、他国に攻撃される頻度は少なくなると確信するのだが。実際はどうなのか。正直、日本に住む人間、いや日本国の心理と行方となると、分からない。それでも、私はあえてニッポンは、あくまで憲法9条の精神に従って戦争をしない。それに徹してほしい-と願う。たつ江、舞とて生きていれば同じことを言うに決まっている。とはいっても、日本国首相の岸田氏としては「日本を守るため」そんなことも言っておられないというのが本音か。難しい問題である。
【敵基地攻撃能力を明記】など安保政策の歴史的転換を報じた朝刊(17日付中日)
(12月16日)
午後5時過ぎ。私のデスク上に置かれたスマホがピコピコピコとなったので何事かと確認すると。Yahoo! 速報で【新・安保関連3文書閣議決定、「反撃能力」保有で安保政策の歴史的大転換】というものだった。
吹く風に枯れ葉のそよぎ。日の光り。ざわめき。音の風景。そして、あの空をどこまでも流れる雲たち、暮れゆく闇。夜明けの太陽。流れる水。人びとの声。夕焼け雲。闇夜のなかにだって。おまえの魂はいつだって、生きている。そして。昼はといえば、だ。車を運転しながら目の前に広がる果てしない空のなかに舞、たつ江はいるのだ。
ありとあらゆる自然のなかに、おまえは何の文句を言うでもなく、ただ黙って前を向いて生き、何やら活動しているのである。そんなおまえとの、いっぷうかわった日々が突如やってきてから早や丸1年と1カ月が過ぎてしまったのである。私はおまえと離れれば離れるほど、かえっておまえとの絆が無限大に膨らんでいく、そんな現実を今、こうして感じ、味わっているのである。
今は西暦2022年12月16日の午後4時15分である。きょうも食事に出た帰りにコンビニに寄り、青いノート4冊とおまえもお気に入りで私がいつも愛用している白と黒のボールペンを買い、つい先ほど帰宅した。家では、いつものようにおまえが愛してやまない俳句猫の「白」すなわちシロちゃん、オーロラレインボーが待っていてくれたのである。
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このところの世の中。いや、日本社会は徳島市のホテルで15日に打たれた囲碁の第48期天元戦五番勝負(中日新聞社など主催)で関航太郎天元(21)が挑戦者の伊田篤史九段(28)に二百八十二手までで黒番半目勝ちし、対戦成績三勝二敗で初防衛を果たした-との話題を除いては、防衛増税に10代以下を中心に感染が増加傾向にあるコロナ禍、陸自の性被害問題など。相変わらず病んだ社会が浮き彫りとなっている。
そして。【関天元が初防衛】以外には、相変わらず【防衛増税時期判断先送り 与党、財源税目は合意 きょう大綱決定】【敵基地攻撃能力保有きょう決定 日米防衛指針改定提起へ 首相、来月首脳会談を見込み】【夜の人出増… 重なる第8波 感染増加傾向10代以下が最多】【陸自5人を懲戒免職 性被害問題 中隊長ら4人も処分】(16日付中日)といった具合だ。
ほかにも【薗浦氏発言 録音確認へ 特捜部 過少記載巡り秘書と会談】【岡崎署幹部も暴行か 勾留男性死亡 カメラに蹴る様子 便器に頭 放置した疑いも】【津島労基署、書類送検 凸版関連企業違法残業疑い 勤務日を休みに改ざん】(同)など。不幸な事件は後を絶たない。そんななか、けさの朝刊で言えば【白川郷一面銀世界 東海 今季一番の冷え込み】(16日付中日)の話題が、白川村の積雪が午後5時現在で14㌢で、寒い中にもホッとする内容といえようか。名古屋地方気象台によれば、東海地方は15日、強い寒気に覆われ、各地で今季一番の冷え込みになったという。津市で1月下旬並みの2・1度を観測したほか、名古屋市で2・0度、岐阜県中津川市では氷点下2・1度といずれも今季最低気温を記録したという。
わが家のシロちゃんが布団の中で丸くなるのも当然で、いよいよこれからは厳しい冬との毎日が続くのである。
(12月15日)
たつ江の月命日。寒い朝だ。昨夜は双子座流星群が見られたといい、例年なら舞(たつ江)と一緒にベランダに立ち見たはずだが。ことしはそんな気にもなれない。それに寒いのでベランダに立つことはやめた(あとでスマホの動画で見るには見たが)。
明けて15日朝。2階の寝室窓から東の地平線に望み見る朝日は真っ赤に輝き、それは見事であった。昔から、夕焼けや朝の太陽が大好きだった舞(たつ江)の笑顔が天空に浮かんで迫ってきたようで、見事な朝日を前に私は思わずカメラを向けシャッターを切りながら「舞よ。マイ。元気でいるか」と呼びかけた。
自宅2階から見る東の地平線に現れた真っ赤な太陽(午前7時ごろ写す)
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15日付新聞の見出しは【防衛税創設 所得税1%分 復興税を分離、実質増税 自民税調大筋合意 復興税「流用」批判やまず】【「関係断つ決議しないで」 旧統一教会信者ら陳情次々 豊橋市議会など、文面ほぼ同じ】【4年ぶり長良川花火決定 一本化して8月】【岡崎署勾留中死亡 医師の診察署員失念か 「拘束解除 指示なし」 父 「なぜ息子が… 不信感」】【感染、回復の議員退席が発端 起立多数なのに議長「賛成少数」 滋賀・近江八幡市議会「目視で確認」主張】【中部初 江南市禁止条例制定へ 歩きスマホ ダメ絶対】【熱海市と県 争う方針 土石流訴訟初弁論】(中日)。
そしてW杯の準決勝の結果については。「ワールドカップ(W杯)第20日は13日、ルサイルで準決勝の1試合が行われ、36年ぶり3度目の優勝を狙うアルゼンチンがクロアチアを3―0で下し、18日(日本時間19日未明)の決勝に進んだ。準優勝した2014年いらい2大会ぶりの決勝進出。/エースのメッシは前半に今大会5ゴール目となる先制PKを決め、2-0の後半にはドリブル突破からアルバレスのダメ押し点をアシストした」と要点を報道していた。
アルゼンチンの勝利とメッシの活躍を報じた中日新聞朝刊紙面
(12月14日)
午後のひととき。気を取り直して舞の遺影の前でハーモニカと横笛で久しぶりに<夕やけ小やけ>と<さくら>を何回もふく。舞の生前中は、よく気分がのったりすると彼女と愛猫シロのふたりの観客を前に「入場料1万円もらわんといかんな」と冗談で言ってハーモニカで<みかんの花咲く丘>や<公園の手品師><ほたるの光り>などを演奏したものだが舞はそのつど「逆よ。あたしが聞いてあげるのだから、ありがたく思わなきゃ。こっちが1万円もらわんといかんよ」とそのつど、笑って応じてくれたものである。でも、彼女なりに私の下手な横好き演奏をいつも真剣に聞いてくれ、本音をいえば、どれほど嬉しかったことか。観客はいつも舞とシロだった。
というわけで、私は舞の遺影を前に久しぶりに、ハーモニカで【夕やけ小やけ】を。横笛で【さくら】を奏でたのである。
名曲に満足そうな舞
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ボクシングのバンタム級世界4団体王座統一戦で、3団体王者の井上尚弥(大橋)が世界ボクシング機構(WBO)王者のポール・バトラー(英国)に11回KO勝ちして日本人初の4団体王座統一を達成。世界ボクシング協会(WBA)国際ボクシング連盟(IBF)世界ボクシング評議会(WBC)に加えWBOの王座を獲得した。4団体統一王者は世界で9人目、アジアでは初、バンタム級としても初。そして。4つのベルトを全てKOで奪ったのも史上初の快挙となった。試合後、井上尚弥は「ここは通過点。満足はしているけど、次に向けて切り替えていきたい」と。その言や、よしである。
井上尚の4団体統一王者を報じた14日付中日新聞
宮崎駿監督(81)の新作長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」を来年7月14日に公開すると、配給元の東宝が13日、発表。宮崎監督の新作長編映画の公開は2013年の【風立ちぬ】いらい、10年ぶりとなる。
ほかに主なニュースは、【自衛隊施設に建設国債 軍拡反省の従来方針転換 政府、首相見解と矛盾】【法人税5%上乗せ案 増税策 復興特別税は期限延長】【高市氏「罷免も仕方ない」 増税批判 閣内不一致鮮明】と【「献金で借金 教団推奨」 旧統一教会 90年前後 総額3000億円 元幹部証言】(いずれも中日新聞14日付1面)といったところか。
なかでも高市早苗経済安全保障担当相が13日の記者会見で「防衛費増額の財源の一部を増税で賄うとの岸田首相の方針を批判。「間違ったことを申し上げたとの考えはない。閣僚の任命権は総理にあるので罷免されるということなら仕方ない」と明言したことと、西村康稔経済産業相の慎重姿勢は国民の立場に立った発言で納得、といえよう。
愛知県が13日、新たに13208人が新型コロナウイルスに感染した、と発表。前週の火曜日より3058人多い。新規感染者の発表数が1万人を超えたのは1週間ぶり。13000人台となったのは、8月30日いらいだという。
(12月13日)
朝、不燃物集積場へ。花霞町の評議員として集積場の倉庫の鍵の開け閉めから、自転車用の交通安全表示塔設置、時間刻みで進むゴミ担当当番の皆さんの手助けから不燃物収集車の出入りの確認まで、あれやこれやの任務があったためで、こうした時こそ舞がいてくれたなら。少しは助けてくれたのに、としみじみ思った。途中から雨が大降りに。ずぶ濡れの中での作業とあいなったが、ここは受け持ち班のみんなで互いに協力しての労力奉仕に。森田町会長も顔を見せて加わってくださり、作業はテキパキ、かつ整然と進んだのである。私は、新聞社を定年退職後もドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当として数年間、務めていたこともあり、正直に告白すると、こうしたことはこれまで全て舞に任せっぱなしだっただけに、今になって少しは手伝わなければならなかったナ、と何だか悪い気がする。事実、こういうたぐいのことは彼女がホントに熱心にテキパキとこなしてくれていたのである。
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日本漢字能力検定協会(京都市)は12日、2022年の世相を一字で表す「今年の漢字」が「戦」に決まった、と発表。ロシアによるウクライナ侵攻や、サッカー・ワールドカップ(W杯)の熱戦などがその理由に挙がった。京都市東山区の清水寺では森清範貫主が縦約一・五㍍、横約一・三㍍の和紙に、特大の筆で揮毫した。民間で世界初の月着陸を目指す宇宙ベンチャーisPace(アイスペース、東京・袴田武史社長)が11日、独自に開発した月着陸船を米フロリダ州のケープカナベラル宇宙基地から打ち上げた。着陸船は予定の軌道に入り、打ち上げは成功。燃料を節約するため着陸船はいったん地球から約150万㌔先をめざし、来年4月末ごろ月に到着するという。見出しは【民間初の月着陸へ出発 日本のベンチャー来年4月到着 燃料節約で遠回り】(13日付中日1面見出し)というものだった。
そして今ひとつの気になる1面見出しは【安保3文書自公合意 敵基地攻撃日米協力明記 中国表現関係重視で決着】というものだった。
昨日12日付中日夕刊に【大リーグ 千賀 メッツと合意 5年102億円 育成出身初メジャー 条件が合致し憧れの舞台へ】の見出し。千賀滉大投手(29)は愛知・蒲郡高から2011年に育成ドラフト4位で入団し、12年に支配下登録。160㌔を超える速球と落差のあるフォークボールを武器に16年から7年連続2桁勝利。19年に最多奪三振、20年には最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠にも輝いている。その千賀投手がプロ野球ソフトバンクから海外フリーエージェント(FA)権でメッツと5年総額7500万㌦(約102億7500万円)で契約合意したと球団公式サイトが10日、伝えたという。育成契約でプロ野球入りした選手がメジャー移籍するのは初。たいしたものである。
アニメソングの帝王として知られてきた歌手の水木一郎さんが今月6日午後6時50分、肺がんのため死去。74歳だった。水木さんといえば【燃えよ ドラゴンズ】のあの力強かった歌声が忘れられない。落合博満監督率いるドラゴンズの黄金時代には、よく聞き、一緒にみんなで歌ったものである。人の命は儚い。
2022年12月12日
月日はどんどんと流れていく。
きょうは新聞休刊日で朝刊はこない。そのぶん以前から定期購読している<しんぶん赤旗>の11日付日曜版紙面に目を通す。1面の【敵基地攻撃能力の保有 自公が合意 憲法壊し戦火呼び込む 戦争準備すでに着々 「存立危機事態」想定した作戦計画 防衛省が策定】、33面の【統一協会が家庭も財産も奪った 30年間、告発を続けてきた 橋田達夫さん 妻が入信、部屋には文鮮明の写真。壺を買い、土地は売り献金被害は1億円になり、離婚。長男は家の壁に恨みの言葉残し自死した】の記事に胸が痛んだ。
それに昨夜はNHKスペシャルが気になり、大河ドラマ【鎌倉殿の13人「義時追討の院宣下る 政子涙の演説】に続く【北朝鮮・内部資料入手 核ミサイル衝撃の実態▽なぜ急激に先鋭化? 金正恩総書記の真意は】を見た。10、11の両日は核兵器のない世界に向けた国際賢人会議(座長は白石隆熊本県立大学理事長)の第1回会合が広島で開催され、日本人委員3人をはじめ外国人委員10人の計13委員が対面参加、忌憚のない議論が交わされもした。
(12月11日)
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日がカナダのトリノで行われ、フリー男子で宇野昌磨(トヨタ自動車)が4種類の4回転ジャンプを決め、204・47点でショートプログラム(SP)に続き1位に。今季世界最高の計304・46で初優勝。日本勢の制覇は高橋大輔(関大KFSC)羽生結弦に続いて6年ぶり3人目となった。また〝璃来龍(りくりゅう)コンビ〟で知られる三浦璃来、木原龍一ペアも世界選手権覇者の米国ペアにわずか1・30点差で初優勝、10歳違いのペアは歓喜の涙を流した。心より祝福したい。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に関連、悪質な寄付勧誘規制を柱とした被害者救済法が10日の参院本会議で可決、成立。自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の五党が賛成、れいわ新選組と共産党が反対。寄付勧誘時の法人や団体の配慮義務を定め、不当な霊感勧誘などを罰則付きの禁止行為として規定。この結果、家族が本人に代わって寄付を取り戻しやすくなったという。
(12月10日)
午後、買い物で出向いたドン・キホーテ大口店。ここではミニラーメンや混ぜご飯、野菜サラダにクリームぜんざいの軽食を取ったが、買い物あとに寄ったレジの女性全員が赤と白のサンタさんの帽子姿で、これには圧倒された。もはやクリスマス一色の感である。
そして。夕方。買い物帰りにハンドルを手に舞とかつて何度も花見に訪れた五条川大栄橋から望み見る夕焼けは、それこそ空いっぱいがオレンジ一色に染まり、元気だったころの舞のように美しかった。わたしはハンドルを手にその空に向かって「舞よ、マイ。たつ江、たつえ。おまえは今、そのオレンジ色に輝く空のなかの一体全体、どの辺りにいるのだ」と呼びかける。いまから思えば、彼女は本当にかれんで美しい女性であった。
でも、本人はそんなことを自負するような気持ちはこれっぽっちもない、けなげで口数の少ない、ただ黙々と俳句や短歌、1行詩づくり、リサイクルショップの仕事に励む、口数の少ない人間だった。今となっては、そんな舞、たつ江のことが愛おしくてならない。いまにして思えば現役時代の私はそんな舞のことを内心でいつも心配していたような、そんな気がしないでもない。いや、現実にそうであった。たつ江自身、そんなことは思いもしていなかったのに。私は内心でそのように思っていたふしがないでもない。【オーイ。げんきでいるか】と私は空に向かって呼びかけてみる。
※ ※
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名古屋刑務所(愛知県みよし市)で昨年11月上旬からことし8月下旬にかけ刑務官22人が受刑者3人に暴行を加えるなどの不適切な行為をしていたことが分かり、法務省が昨日、発表。同省は関係者の処分や特別公務員暴行陵虐容疑などでの立件検討を始めた。斎藤健法相は臨時記者会見を開き、「受刑者の人権に配慮しながら改善更生に向けて尽力すべき刑務官がこのような行為に及んでおり、断じて許されない」と陳謝。法務省では全国で同様事案がないかを調査、有識者による検討会も開催したい、としている。
一方、国際社会の方はといえば、だ。中国の習近平国家主席が7~9日の間、約6年ぶりにサウジアラビアを訪問、アラブ諸国の首脳らと会談したことか。中国は経済力を武器に中東での存在感を増したい考えがあるだけに、こんごの国際情勢にどう影響するか。注意をもって見守りたいところといえよう。
きょうは、新聞(中日)の社説【辺野古判決 地方自治の精神どこへ】と【映画館ない東濃 イオンにシネコン熱望】が問題点を突いてなかなかよかった。『辺野古が唯一の解決策」という政治的結論に、司法が思考停止のように形式的判断しかできないのなら、地方自治は死に至る。』との論調は、そのとおりだ。
そして、もうひとつ。【映画館ない東濃】の方は、『地元の期待は高まっていたが、十月、岐阜県土岐市に開業したイオンモール土岐には結局、映画館が含まれなかった。……国内最大規模のシネマコンプレックス(シネコン)を展開するイオンモール進出の好機に「復活」を期していた住民らは、なおも今後に望みをつないでいる。』といった内容だったが、イオンモール土岐は社説でいうとおり、「映画館ゼロ」の返上が新たな街づくりへの力強い協力になることを忘れてはならないだろう。
(12月9日)
金曜日。ふつうなら、午後に一宮スポーツ文化センターで社交ダンスのレッスンを受けるところなのだが。きょうから来月20日までは私たちにとっては欠けかけがえのないレッスン教師が両足の治療でしばらく名古屋市内の病院で入院治療されることもあってお休み。というわけで、きょうはなんだか気合抜けがしたような、そんな気がしないでもない。
デ、私はその分、ことし5月に満102歳を前に亡くなったおふくろの喪中はがきのあて名書きに専念。気持ちを入れ替え、これを機会に名刺の内容も少しだけ替えることとし、いつもお世話になっている業者さんに従来の名刺の一部差し替えをお願いするなど結構、あわただしい1日となった。
(12月8日)
わが心は舞亡き後、あいも変わらず日々、荒野をさまよっている。
きょうも夕刊には多くのニュースが流れ、ながれている。▼英、原発建設から中国企業排除▼中国・習氏がサウジ訪問関係強化へ▼InterView 菜葉菜 近くにいそうな 映画「ワタシの中の彼女」4役演じ分け。(毎日8日付夕刊)さらには▼岡崎市八帖町→八丁町に みそ老舗だけ町名変更?! 「分かりやすい」「不公平」住民賛否(中日8日付夕刊)……といった具合で、どれも興味深く関心を引きそうな内容が目立つ。
そんな中にあって、きょうは日米開戦の日だ。日本が米国真珠湾を攻撃した日であることは大半の人々が知っている。そんなわけで、中日新聞は1面で【真珠湾次世代へ語り継ぐ 攻撃81年、ハワイで式典】の夕刊記事が目立ったのである。
(12月7日)
水曜日。雪が激しくなり、降り積もってもおかしくないころ。二十四節気の大雪(たいせつ)だ。
事実、このところは、朝や晩になると、冷え込みのひどい寒い日が続いている。午後、新型コロナの5回目のワクチン接種で江南市内のKTXアリーナへ。5回目ともなると、接種をする側もされる方も、どこか一体感のようなものが生まれ、接種自体も当初のような張り詰めた緊迫感のようなものがなくなり、どこか和気あいあいといった感じだ。それでも接種後の15分間は、やはり、ピリピリしたものが漂い、帰り際の女性スタッフのことば「何ごともなくて良かったですね」には、どこかホッとしたありがたさというか、この尾張の地で共に生きている、といったような、連帯感をさえ感じた。接種会場にいる全ての人々が新型コロナウイルスの呪縛から1日も早く逃れたい、と願っている。そんな運命共同体的な感覚さえ伝わってきたのである。
気になるニュースは【ロシア2基地に無人機攻撃 ウクライナ高官、関与示唆 爆撃機破損事態緊迫の恐れ】と【発生3カ月 死者470人、拘束1万8000人に ヒジャブ巡り混乱 政府が「風紀警察廃止」言及 イラン抗議デモ 勢い衰えず】【追悼大会で習氏弔辞 「江沢民氏は社会主義守り抜いた」】(いずれも7日付中日朝刊見出し)か。
(12月6日)
きょうは、とても嬉しいことがあった。わが家への届け物を届けて下さったいつものゆうパックの女性が私が荷物を受け取る際に「いがみさん」とおっしゃられるので「ハイ、なんでしょうか」と荷物を手に答えると、「あの。あたし。亡くなられた奥さまの俳句遺稿集・泣かんとこを買いました。毎晩、寝床の枕元に置いて読ませていただいています。ホントに奥さま、いさぎよいお方でしたよね」と話され、そのお言葉には私のまぶたからは思わず涙が出てきた。
「本当にありがたいことで。本、読んでくださってありがとうございます」とお礼を言うのが精一杯だったのである。私はさっそく仏壇に手を合わせ「舞よ、マイ、おまえも知っている、あの働き者のゆうパックの女性がそういってくださった。ありがたいことだよ。感謝しようね」と話しかけたのである。
その舞だが、同居する息子の心遣いもあって、慰霊写真はむろんのこと、仏壇など彼女の周辺はいつも花で満たされている。その花々に囲まれた舞に向かって私はあらためて、こうも付け加えた。「おまえは、俳句にせよ、短歌、1行詩にせよ。ほかにリサイクルショップ・ミヌエットでの七夕やクリスマス会など、どんな時にも全身全霊で打ち込み、本当によくがんばり一生懸命だったよな。その打ち込む姿が何にも代えがたくステキだったね」と。私のおまえを思う気持ちは、いささかも変わらない。そして。舞がもしも生きて私の傍らに居てくれたなら、私はそれだけで、とても嬉しいのである。
いつも花に囲まれている舞の遺影
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☆ ☆
月日は脱兎、いや疾風のごとし。アッというまだ。毎日毎日起こるいろんな出来事の合間をすり抜けるようにして私たちは、きょうも生きていく。
思いつくまま箇条書きにして、このところの世界の話題から私が住む地域社会の話題までを並べてみよう
▽サッカーのW杯カタール大会。日本はドーハ近郊のアルジャヌーブ競技場で決勝トーナメント1回戦に臨みクロアチアと対戦。1―1のままPK戦に臨んだが3―1で敗退▽豊橋の養鶏場で鳥インフル 200万羽が移動・搬出制限となり、愛知県が全約31万羽の殺処分を始めた▽岸田首相が防衛費43兆円を指示 現行の1・5倍 23年度から5年間▽NHK会長に元日銀理事の稲葉延雄氏(72)を選出▽静岡県裾野市の私立「さくら保育園」で園児を虐待したとして暴行容疑で保育士3人=退職=が逮捕された事件。その後、園が6~7月に虐待行為に関する内部通報を受けながら市や県警に通報していなかった疑いがあることがわかった▽長野県伊那市西箕輪の住宅で3日に女性の遺体が見つかった事件。その後の調べで長野県警は5日、女性が首を絞められ殺害された殺人事件と断定。女性は、この家に住む無職原貴努代さん(85)とわかった▽馬と街練り地域の繁栄願う 江南・古知野祭り 3年半ぶりパレードといろいろある。
そして。本日の夕刊1面トップは、【日本8強届かず 4度目挑戦進化見せた クロアチアにPK戦負け 決勝T】(6日付中日夕刊)【日本 8強逃す PK戦クロアチアに惜敗】【必ず未来は変わる 日本代表・森保一監督 勇気と感動もらった 岸田文雄首相】(6日付毎日夕刊)といったものだった。
6日付の夕刊
(12月5日)
【名古屋城天守に昇降機 木造復元 市が導入方針決定】に始まり、【園児暴行疑い3保育士逮捕 静岡・裾野 虐待常態化か 園捜索】【都道府県議334人接点 旧統一教会問題8割自民 共同通信調査】(いずれも5日付中日朝刊見出し)……といやはや、この世はいろいろある。そんななかで【初の8強へ 勇敢に 今夜0時クロアチア戦】は、どこか胸が弾むようないい話題である。
この記事はサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦で、日本は5日午後6時(日本時間6日午前0時)から当地近郊のアルワクラで前回準優勝のクロアチアと対戦する。森安一監督は4日の会見で「激しく厳しい戦いになる。選手たちには積み上げてきたものを発揮してほしい」と期待を込めた。―といった内容でいよいよ今夜0時にクロアチア戦が始まるのである。
(12月4日)
将棋の藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=に広瀬章八段(35)が挑む第三十五期竜王戦七番勝負の第六局が2、3の両日、鹿児島県指宿市の旅館「指宿白水館」で指され、先手番の藤井五冠が百十三手で勝ち、シリーズ成績を四勝二敗とし、竜王位を初防衛。アテネ五輪の女子マラソン金メダリストで三重県伊勢市出身の野口みずきさん(44)が大会長を務める「野口みずき杯中日三重お伊勢さんマラソンが3日、伊勢市朝熊町の県営サンアリーナを主会場に2日間の日程で開幕、3年ぶりの開催となった。初日は家族連れや友人同士によるウォークの部(5・4㌔)と障害のある人向けのバリアフリーラン(1・8㌔)に約2000人が出場。4日はランニングの部でハーフマラソンや5㌔の部に全国からの約600人が挑んだ。
静岡県警が同県裾野市の保育園で3人の保育士が複数の園児に虐待行為を繰り返していた問題で4日午前、園児3人への暴行容疑で元保育士の女性3人を逮捕。
(12月3日)
日曜日。けさの新聞はサッカーのスペイン戦、大逆転の話題で満載である。歓喜する。心が躍るとは、このことを言うのだろう。あらためて新聞記事の役割の重さと大きさ、報道の大切さを思う。
【スペイン戦劇的逆転 日本決勝T進出 次戦はクロアチア 真っすぐ堂安弾 壁貫いた】の傍らには真逆と言っていい記事【敵基地攻撃 自公が合意 月内閣議決定 安保政策を転換】といった見出しが並ぶ。このところのサッカーの試合をテレビで見ていて私はつくづくサッカーは、いい。こうした健康的で健全な戦いに人々が熱狂する姿は、平和であればこそ-の風景であっていいな、と心から思う。ロシアによるミサイル弾が飛び交うウクライナの戦争、不幸を思う時、人間たちはなんて愚かな生きものなのだ。サッカーのようにスポーツや音楽、芸術で競い合うことは出来ないものか、とつい思ってしまう。
それはそうと。前半、スペインに先制こそ許したものの、後半3分に堂安律(フライブルク)が同点弾を放ったのに続いての田中碧(デュッセルドルフ)の勝ち越しゴール。直前の三苫薫(ブライトン)のプレー時にゴールラインを割ったかが検証され、その結果、得点が認められたが、この時のドーハ・ハリファ国際競技場での観衆とサポーターの熱狂と興奮ときたらテレビ画面からも伝わってきた。
スペイン戦の大逆転と16強入りを報じる新聞
そして。もしもである。私が妻の舞とともにこのシーン、名場面を見ていたならば、だ。私と今は亡き、〝かぜ〟となってしまった舞の間では当然のように、いや、いつもの如く次のような会話が交わされたに違いない。
「よしっ。俺はこれからサッカーの選手になってやる。たつ江(舞の本名)、見ていろよ。きっとなってやるからな。なってみせる」
「だあ~め。だめだよ。(あなたは)何でもすぐにかぶれてしまうのだから。そんなに簡単になれっこないわよ」
「いや、俺は必ずなってみせる」
「あなた。なんでそんなに自信過剰のナルシストさんなの。第一、サッカーだなんて。柔道なら、いざ知らず、サッカーはしたこともないのでしょ。ダメ。だめ。ダメだよ。あきらめなよ」
――もしも舞が生きていたなら、テレビを前に半分冗談交じりでこんな会話が交わされていたに違いない。
そして肩を落とした俺、すなわち私は天に向かってこう呼びかけたのである。
「舞よ。まい、マイ。生きていれば、この地上にはこんなにも楽しいことがあるのに。おまえは、なんで死んでしまったのだ。こんなに楽しい世界なのに。そして。生きてるって、すごいことなのだ」と。
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優れた産業技術や製品をたたえる第36回中日産業技術賞の贈呈式が2日、名古屋市の名古屋銀行協会会館で開かれ、最高賞の経済産業大臣賞には豊田中央研究所(愛知県長久手市)とデンソー(同県刈谷市)が共同開発した「リチウムイオン電池監視ICを小型化した高耐圧半導体素子」が輝いた。愛知県で2019年に開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会(会長・大村秀章知事)が名古屋市に負担金の残額3380万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が2日、名高裁であり、松村徹裁判長は全額の支払いを命じた一審の名地裁判決を支持。市側の控訴を棄却した。
俳優でタレントの渡辺徹(わたなべ・とおる)さんが11月28日、敗血症で死去。61歳だった。喪主は長男で俳優の裕太(ゆうた)さん。後日、お別れの会を開く予定だという。
(12月2日)
歓喜とは、このことを言うのだろう。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。日本は1日午後10時(日本時間2日午前4時)からスペインと一次リーグE組最終戦を戦い、見事、2-1で勝ち、決勝リーグへの駒を進めた。川崎に住み東京で働く長男から早朝に届いたメールは「日本代表が勝ちましたね。お母さんも喜んでいると思います。」というものだった。おかあさんも喜んでいる。このことばに私は感嘆したのである。サッカーのルールも何も知らない、そのお母さんも喜んでいると思います。―とは、まさに至言である。
生きていれば、こんなにも楽しいことがあるのである。そう思うと、一緒にテレビ観戦して歓喜の叫び声をあげたかったな、と思う。人は、戦争ではなく、誰もがスポーツや音楽、その他それぞれの楽しみのために生きていることをあらためて実感として思いもする。舞が隣にいたら、どんな俳句を、短歌を、1行詩を詠んだだろうか。私は長男の「お母さんも喜んでいると思います」のことばに胸打たれたのである。おかあさんが生きていたなら、平和な時代のサッカー試合「あのねえ。日本って。強いね」と言いながら、目を見開いて見たに違いない。
当然のことながら新聞の夕刊1面見出しは【日本16強 スペイン破り首位突破 逆転劇またも堂安弾から】(中日2日付夕刊)【日本決勝T進出 スペインに逆転勝ち 後半 猛然プレスで撃破 8強かけクロアチア戦】(毎日2日付夕刊)とサッカー一色である。
(12月1日)
東海地方はこの日朝、ぐっと冷え込んだ。午前6時現在の気温は名古屋8・2度、岐阜7・1度、津8・8度で、前日朝の同時刻と比べ、どこも8度前後低かった。
郡上踊りがユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されることが決まった。モロッコで開催中のユネスコ政府委員会で30日決まったもので、24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふうりゅうおどり)」が無形文化遺産に登録される。近く遺産リストに記載されるという。
全国の企業や家庭を対象とした冬の節電要請期間が、本日12月1日から始まった。期間は2023年3月末までの4カ月間。冬季としては15年度いらい7年ぶりの節電要請となる。期間中、特定の数値目標は設けないが、西村康稔経済産業相は「生活していくうえで最低限の電気使用は必要なので無理のない範囲でお願したい」と協力を求めている。
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが1日、21歳になられた。愛子さまは、成年皇族として充実した日々を過ごされている。
北京共同、新華社電によれば、中国の江沢民(こうたくみん)元国家主席(96)が30日、白血病と多臓器不全のため上海で死去。江沢民氏は軍が民主化運動を武力弾圧した1989年6月の天安門事件直後に当時最高指導者だった鄧小平氏(故人)の抜擢で上海市トップから中国トップの共産党総書記に就任。鄧小平氏が築いた改革開放路線を軌道に乗せ、愛国主義教育を推進したことで知られる。要職を退いた後も政治への介入を続けたが、習近平指導部による「反腐敗運動」などで近年は影響力が低下。ことし10月の中国共産党大会では議事運営を取り仕切る「主席団常務委員会」に名を連ねたが、会場には姿を現さなかった。
公式に姿を見せたのは、2019年10月の建国70周年記念式典の軍事パレードで両脇を支えられながら痛々しい表情で天安門に登壇する姿が確認され、これが最後になったという。江沢民氏は改革開放を打ち出した鄧小平氏の路線を引き継いで1993年に国家主席に就任。退任するまでの10年間、強力な指導者として中国が現在の経済大国となる基礎を築いたことでも知られる。
「村神様」が流行語大賞に。トップテンに「キーウ」「宗教2世」も。
一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年11月~)
2022年11月30日
30日朝。いつものようにラインをチェックすると。「森川(雅美)さんは大俳句会30人抜きで記念品もらいました。わたしは新人賞。さらに森川さんが東京新聞特選。とラッキーな日々です 皆様のおかげです。」とのラインが「やった」の絵文字入りで東京の由佳璃さんから届いていた。森川さん、由佳璃さん。心からおめでとうございます。森川雅美さん・由佳璃さんご夫妻は共にそろって私も属する「脱原発社会をめざす文学者の会」のメンバーでもあるので、さっそく返信させて頂く。
きょうは、お昼前に名古屋金山のペインクリニックへ。先日、抜歯したあとの顔面三叉神経の痛みもなくなり、それとやや高かった血圧も下がってまずまず、といったところか。何よりも嬉しいのは、帰宅するとシロが決まって玄関先にまで走って出てきてくれ、きょうもいつものように出迎えてくれたことか。ほんとに嬉しく思う。ありがとう。シロちゃん。おまえは、おかあさん(伊神舞子)の代わりだね。
きょうは出かける前に、久しぶりに舞が元気で生きていたころ、いつも毎朝、二人で一緒に計って一喜一憂していたオムロンの血圧計を久しぶりに引っ張り出してきて血圧測定をしてから、名古屋に出向いたがペインクリニックで測定した血圧も自宅での数値とそんなに変わりはなくて高くはなく、ホッとした。川瀬医師からは「順調ですね。社交ダンス、大いにやってくださいね」とまで言われてしまった。なんで医師は、私が社交ダンスをしていることを、ご存知なのか。それとも私が治療の合間に何かの弾みで「社交ダンスをやっています」と話してしまったのだろうか。
いずれにせよ、「よくなっていますよ」との診断にはホッとしたのである。
(11月29日)
火曜日。午後、雨の中を愛車で大口町のドン・キホーテへ。ここで炊き込みご飯とミニラーメン、野菜サラダにあんみつを頼んでひとり寂しい昼食とあいなった。
先日、金山のペインクリニックに行き、あれこれ診察して頂いたところ、その医師によれば、「血液検査の結果は腎臓も肝臓もすい臓もどこも悪くはありません。ただ元気があり過ぎでして。甘いもの、お好きですか。糖分過多ですので控えめに、と言われたので、いつものクリームぜんざいをあんみつにかえてみた。糖分接種を少しでも控えめに、というわけだが、あまり変わりはなさそうだ。
舞が生きていたなら、面と向かって顔をしかめ「そんなに甘いの、よく食べるわね。信じられない」と言うに決まっているが、ここはあえて「それでも少しでも糖分を少なくと思い、いつものクリームぜんざいを、あんみつにしたのである(あんみつもクリームぜんざいもそんなに変わらないか。かえってあんみつの方が糖分は増えるかもしれない。まあっ、いいか。本人がおいしいならば、それでいいのである)
というわけで、私は敢えて食べたのである。帰宅すると、いつものように愛猫シロちゃんが玄関まで出迎えてくれていた。
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このところ、中国各地で中国政府の抑圧的ともいえるコロナに対する防疫措置【ゼロコロナ】政策への抗議デモが北京から上海、湖北省武漢、四川省成都、広東省広州…へと、国をあげて飛び火、全国各地に広がりつつある。一連の抗議活動の発端となったのは、今月24日に新疆ウイグル自治区ウルムチ市で起き10人が死亡した高層住宅火災だといわれる。コロナ対策で封鎖された現場に消防車が入れなくて被害を広めるきっかけとなったと見られ、これが政府への不満の発火点となったようだという。
けさの新聞はこうした中国に触れ、【ゼロコロナ抗議 多数の警官配備 北京や上海】(29日付中日)【ゼロコロナ デモ全土拡大 中国・北京中心部にも】(29日付毎日)といった見出しが目立つ。中国では、こうした中、11月に入り新型コロナの感染者が急増、中国政府の統計によれば、27日に確認された(無症状を含む)感染者数は4万52人と4万人を超え、無症状患者を統計に加え始めた20年4月以降、過去最多を5日連続で更新している。一方、英BBC放送によれば、27日に上海で抗議デモを取材していたBBCの記者兼カメラマンが警察に一時拘束された。数時間にわたって身柄を確保され、「警察官に殴られたり蹴られたりした」と話している。
他のニュースは【防衛費2% 首相指示 27年度に「財源、年末決着」GDP比】【五輪談合業界ぐるみか 疑惑7社に 博報堂など捜索 テスト大会】(29日付毎日朝刊)【救済新法自公が政府案了承 寄付勧誘「意思の抑圧」規制 「洗脳下」明記見送り】【博報堂も五輪談合疑い テスト大会巡る捜索 計6社】(29日付中日朝刊)といったところか。
愛知県北名古屋市が28日、新型コロナウイルスのファイザー社製ワクチン約1万1600回分を廃棄したと発表。保管していた冷凍庫が故障し、適切な温度が保たれていたか確認できなくなったためだという。クーデター後の国軍が実権を握るミャンマーで抗議デモを撮影中に一時拘束されたドキュメンタリー制作者の久保田徹さん(26)が28日、都内の日本外国特派員協会で記者会見。「ミャンマー国軍の抑圧を強い立場で非難すべきだ」と訴えた。
(11月28日)
午前中、月に一回の歯のクリーニングで近くの歯科クリニックへ。この歯科クリニックは生前の舞も大変、お世話になった。特に、子宮がんで自宅療養中だった晩年に「訪問治療して頂けたら、彼女も喜ぶに違いない」と思いはしたが、そこは「訪問治療までは、とても無理に違いない」と思い、我慢し踏みとどまったあの日々がついきのうのことのように思い出される。
小牧のころから何かとおせわになり通しばかりか、今なお民間の会社勤めの傍ら〝演劇の虫〟を貫き通す、〝おばやん〟こと小畠辰彦さん(ヒロセプリント社員)がわが家に。ことし6月1日の満102歳を前に、5月26日に天国に旅立った私の母、伊神千代子の喪中はがきの件があったので、せっかくなのでーと、近くの喫茶店で昼食がてら雑談を兼ねての演劇談議とあいなった。現在の「希望舞台」の前身が「統一劇場」で、その前が新制作座だったこと。「統一劇場」が希望舞台、現代座、ふるさとキャラバンとなり、統一劇場は現在何かと批判が多い統一劇場とは何ら関係がない-ことなどについても話し合ったのである。
さて、世間の方といえば、だ。【第8波 拡大緩やか 進むワクチン接種/7波の感染者多く免疫か 専門家 年末・新変異株、警戒緩めないで】【日本苦杯 第2戦コスタリカに0―1】【犬山市長に原氏=原欣伸(はらよしのぶ、54歳) 初当選】(28日付中日朝刊)【大相撲九州場所 阿炎初賜杯 ともえ戦制す 高安連破 貴景圧倒 「リハビリの場所」無心 高安またも届かず】(28日付毎日朝刊)といったところか。なかでも阿炎(あび)=西前頭9枚目、阿炎政虎(あびまさとら)、錣山部屋=の大相撲九州場所の優勝は、28年ぶりの優勝決定ともえ戦となり、阿炎が高安と貴景勝を破り、12勝3敗で初優勝を勝ち取ったのである。
28年ぶりのともえ戦を制して初優勝した阿炎には優勝トロフィーが渡された(NHKより)
優勝インタビューに答える阿炎(NHKより)
ほかには「月はどっちに出ている」「血と骨」など在日コリアンの物語を描いた作品で知られる映画監督で前日本映画監督協会理事長の崔洋一さんが27日午前一時、ぼうこうがんで東京都内の自宅で死去した。73歳だった。
(11月27日)
午前中、私が住む地元花霞町内会の来年度役員と、その仕事の内容などに関する会議で近くの市福祉センターへ。本年度の評議員の一人として出向いた。幸い、来年度の新役員も決まって私自身も正直ホッとした。シロは左後ろの足のケガがまだまだ痛そうなので自宅謹慎とあいなった。それにしても、いつ、どこで、だれに傷をつけられたのだろう。先代の〝ここ〟に似た猫で、毎朝決まって顔を見せ、時にはシロとも遊んでいる〝ニャンニャン〟の仕業か。それとも、たまにわが家の庭に顔を見せる黒白くん、それともヒョウ柄の寅くん? いずれにせよ、美男美女の猫たちばかりである(でも、この中にはシロちゃん同様、常時、首輪をしている猫ちゃんもいるので、野良ではなく飼い猫にやられたかもしれない)。
岐阜県海津市の木曽三川公園センターで26日、恒例のイルミネーション企画「冬の光物語」が始まったーとは27日付中日新聞【通風筒】。三重県名張市で1961年に女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第十次再審請求の特別抗告審で2015年に獄中で病死した奥西勝・元死刑囚の遺族の弁護団が、ぶどう酒の瓶のふたに巻かれていた「封かん紙」に関する意見書などを最高裁に提出したことがわかった、とこれも中日新聞の報道。
昨日付中日新聞尾張版の記事【「ここまで来たら生涯現役 舟木一夫さん芸能生活60周年】を受け、けさ(27日付)の尾張版紙面は【<尾張まち物語>「萩原の舟木の中継点」 一宮・舟友➊ 同級生の樋口さんと青山さん】と郷土愛に満ち、徹した展開だった。というのも、舟木さんに私は過去4、5回ほどお会いしているが、わが母校である愛知県江南市の滝学園滝高校で高校三年生の時、当時大ヒットした青春歌謡【高校三年生】のロケが行われた際、滝学園の自転車置き場で何度も何度も自転車で転ぶ様子をロケされていた、あのときの様子が一番強烈である。
というわけで、彼は私たち昭和39年春の高校卒業世代にとっては忘れられない存在なのである。この点については、機会をあらためて本欄でも詳しく書くつもりでいる。いずれにせよ、高齢者に元気と回想を与えてくれるよい記事だった。
26日付中日新聞尾張版紙面
(11月26日)
わが家の愛猫シロちゃん。そのシロの左足大腿部に大きな傷跡があるのを息子が見つけ「お父さん。シロがケガをしている」と夕食を終えたところで教えてくれた。傷はかなり深いので私はオキシドールにするか、それともマーキュロクロム、私自身の唾にしようか、迷ったが、とりあえずはマーキュロクロムを塗ってやる。塗った時には痛そうにしたが、傷痕はケガをしてから2、3日経過しているようで、傷の大きさの割にはそれほど痛がることもないので「このまま治ってくれる」ことを天に願う。
大阪地裁は25日、森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時54歳=の妻雅子さん(51)が佐川宣寿元国税庁長官に1650万円の損害賠償を求めた訴訟判決で佐川氏個人の賠償責任を否定し、請求を棄却。佐川氏が改ざんの方向性を決定づけたとする財務省の調査報告書を踏まえ、同省が組織的な改ざんをしたーとした。
東京都労働委員会は25日、食事宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員でつくる労働組合との団体交渉を拒んだ運営会社の対応を巡り、不当労働行為だとする労組側の申し立てを認め、運営会社に交渉に応じるように、と救済命令を出した。配達員はフリーランス(個人事業主)で運営会社と雇用契約はないが、労働組合法上の労働者に当たると判断。労組結成や団体交渉の権利を認めた。
中国広東省広州市の高級人民法院(高裁)は25日、中国から日本に覚醒剤を密輸しようとした罪に問われ、一審で無期懲役判決を受けた愛知県稲沢市の元市議、桜木琢磨被告(79)の控訴を棄却し一審判決を維持。中国は二審制のため無期懲役刑が確定した。新聞報道によれば、新型コロナウイルスの感染対策のため桜木被告は、この日、オンラインで出廷したが、判決を聞いたときには非常にがっかりしていたようだという。12月中旬ごろ、刑務所に移送されるという。
桜木被告は2013年10月、広州市の空港手荷物検査でスーツケースに入っていた3・3㌔の覚醒剤が見つかり拘束された。スーツケースは知人のナイジェリア人男性に「日本で商売をする妻に届けてほしい」と渡され、くりぬかれた靴の厚底部分などに覚醒剤が入っていた。
2011年3月の東電福島第一原発事故が発生した当初、国の旧原子力安全委員会の委員長として首相官邸で政府に対する助言役を務めた班目春樹(まだらめ・はるき)さんが22日、脳梗塞のため埼玉県内の病院で死去。74歳だった。
(11月25日)
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会初戦でドイツを2-1で破った日本チームの歓喜の余韻が少しはおさまり、きょうの新聞各紙、ラジオ、テレビも多少、落ち着きを取り戻したといってよかろうか。
新聞紙面は【次戦へ気を引き締め 日本 勝利から一夜明け】【オウム解散命令 地裁が記録廃棄】【洗脳下寄付取り消し明記せず 政府・自民 救済新法 野党は批判】【オウム解散命令 地裁が記録廃棄】【首相、領収書不備認める 衆院選運動費ただし書き不掲載98枚 内閣改造「全く考えていない」】【東北電 32%値上げ申請 家庭向けの規制料金】【中電「現在、計画はない】(25日付中日朝刊)など等といった具合である。
(11月24日)
シロは毎日、たつ江の部屋の窓際に座り、彼女が元気でいた時のように何かを思い出すでもするように感慨深げにじっとお外の庭の樹々を見ている。この世でたった一匹しかいない俳句猫、白(俳号)ならでは、の表情というか。たたずまいである。シロの頭からは病床にあっても自室で「白」自身を傍らに、いつだって俳句を詠み続けたおかあさんの、あの姿が忘れられないに違いない。シロちゃんは、こうして、きょうもただ黙って外の景色を見続けているのである。
昨夜、いや、きょうは未明までテレビの前でくぎづけとなった。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で1次リーグE組の日本が当地のハリファ国際競技場で行われた初戦でドイツと対戦し、ドイツに2-1で逆転勝利し、勝ち点3を獲得する歴史に残る名試合を見せてくれたからである。そこには、思わず、いつのまにか、ゲームの展開に引き込まれていく私自身がいた。
そのドイツは西ドイツ時代を含めて優勝4度の強豪。日本は7大会連続7度目の出場で歴代優勝国を初めて撃破。世界ランキングはドイツが11位、日本は24位。両国がW杯で対戦するのは、今回が初。1次リーグで日本は27日午後1時(日本時間27日午後7時)からコスタリカ、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からスペインと対戦する。
朝刊見出しは【日本ドイツ撃破 「因縁」ドーハで金星 逆転2-1浅野決勝弾】(24日付中日1面)【日本 独に初勝利 <カタールW杯2022>初戦2-1 格上に堂々】(24日付毎日1面)といった具合である。そして。24日付毎日新聞夕刊は<近事辺々>で次のように報じた。
「歓喜」の瞬間に沸く。サッカーW杯で日本がドイツを破る大金星。29年前、出場逃した「悲劇」のドーハで。◇得点決めた堂安選手や浅野選手はドイツリーグ在籍。海外経験積み、成長した世代。◇日本サッカーの父、クラマーさんもあの世で観戦していたのでは。約60年前、黎明期の日本代表育てたドイツ人。
浅野が放ったシュートが決勝弾となった
喜びを語るふたり。2選手とも途中からの交替出場後にシュートを決めた
歓喜の森安監督 落胆のドイツ監督
感激にとびはねる観客たち
=いずれもNHKから
歌謡浪曲の二葉百合子さん(91)が今月、東京・中野サンプラザで開催された「第49回歌謡祭」(日本歌手協会主催)で、特別功労賞を受賞。ステージで「岸壁の母」を披露すると、情感のこもった高い歌唱力に盛大な拍手が送られたという。ことしは、日本歌手協会創立60周年。記念の節目に田辺靖雄会長から表彰された。
(11月23日)
勤労感謝の日。空は一面が灰色だ。雨がぽとぽと、はらはらと声もなく、この大地に降り注いでいる。で、さすがのシロちゃんも窓辺から外を見つめるだけで、出ようとはしない。
ラジオから流れる【ひるのいこい】になぜか、頭と心をいやされる。聞けば、この番組が始まってもう70年になるそうで、きょうは、その特番だそうだ。そういえば、ことし5月16日に満102歳で亡くなった母も、昨年10月15日に満69歳で旅立った妻のたつ江(伊神舞子)も、この【ひるのいこい】がそろって大好きだった。デ、新聞の番組欄を確かめると、<70年特番で2時間! おなじみ古関裕司曲にのせて伝えた故郷の便り、みんなの思いをこれからも>(中日新聞番組欄から)といった特番であった。聴かせたいのに聴かせられない。少し残念に思ったのである。
(11月22日)
名古屋市の市街地に20日、イノシシ2頭が出没。このイノシシの目撃情報が21日も相次いだ。愛知県警などによると、2頭は20日、千種、守山両区の矢田川沿いで相次いで目撃され、夜は北区大曽根周辺などの市街地で姿が確認された。21日も東区の矢田と白壁に現れたが、午後5時過ぎ、矢田川の河川敷に姿を消したという。2頭が身を潜めた川辺に近い公園は安全確保のため封鎖されたという。
名古屋市教委は市立の幼稚園と学校の約400カ所に対して状況に応じた子どもの登下校の安全確保を求めた。また各署とも巡回時に警戒し、一方で市は猟友会との捕獲準備を進め、大村知事も「見かけたら、絶対に近づかないように」と呼びかけた。たかがイノシシ、されどイノシシではある。
世の中の方は、といえば、だ。警視庁サイバー犯罪対策課が21日、就職採用試験で企業が学生の学力や適性を判断するウエブテストで替え玉受験をしたとして大阪市の会社員、田中信人容疑者(28)を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕。替え玉受験を依頼した20代の大学4年の女子学生についても同容疑で22日に書類送検した。ほかに新聞の見出しから拾えば【妻殺害高裁差し戻し 最高裁「自殺の審理不十分」 元講談社社員 無罪主張 「有罪不当」署名2800人分】【教団調査きょうにも開始 質問権行使 審議会が了承 旧統一教会】【首相、内閣再改造を検討 年内にも政権浮揚狙い】(いずれも22日付毎日朝刊)といったところか。
2022年11月21日
サッカーの第22回ワールドカップ(W杯)カタール大会が20日(日本時間21日の未明)、一次リーグA組のカタールとエクアドルが当地のアルベイト競技場で対戦し、開幕。第1回大会が1930年にウルグァイで行われていらい、中東での開催は初。競技場前では試合開始前から、民族衣装姿のカタール、エクアドルのサポーター同士が写真撮影して交流を深めるなどした。ヒップホップ調の音楽も鳴り響き、活気にあふれているという。
ウクライナ南部のザボロジエ原発で19日から20日にかけ、砲撃によるとみられる十数回の爆発が発生。放射能漏れは起きてはいないという。一方、ウクライナ政府高官はロシアの軍事侵攻による民間人の死者が8311人、負傷者が1万1000人超に上ったと表明。北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」が20日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射に18日に成功し、「名実共に核保有国になった」と宣言。
バイデン米大統領が20日、80歳となり大統領在任時の最高齢記録を更新。米西部コロラド州コロラドスプリングスのナイトクラブで銃乱射事件が発生。5人が死亡し、18人が負傷したという。
エジプト東部シャルムエルシェイクで開かれていた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が20日、閉幕。洪水や干ばつなど温暖化が引き起こした「損失と被害」を救済するための基金設立で合意し、「(気候変動に)特に脆弱な国を支援する」と記した成果文書を採択して閉幕。欧州連合(EU)などが求めた温室効果ガスの排除削減努力の強化は成果文書に盛り込まれなかった。今回の締約国会議は、気候変動による損失と被害に苦しむ途上国にとって、大きな成果となったといってよい。当初基金の設立に難色を示していた先進国側が最終的には歩み寄った。
そして国内の方はといえば、である。【岸田内閣 1カ月で3人目 寺田総務相更迭 政治資金問題相次ぐ 後任 松本剛氏へ】(21日付中日朝刊)といった具合で、山際大志郎前経済再生担当相、葉梨康弘前法相に続いて1カ月弱で3人目の閣僚の辞表受理である。岸田文雄首相は今回の〝辞任ドミノ〟を受け、記者団に任命責任を認め「深くおわびする」と陳謝する一方、2022年度の第二次補正予算案などの政策課題を挙げ「正念場を迎えている」とも述べたという。
(11月20日)
日曜日。シロちゃん(オーロラレインボー)が朝から、どこか寂しそうで、きょうは一向に外に出たがらない。やはり、かわいがられたオカン、すなわち大好きだったおかあさん(伊神舞子)の姿が家の中には、ないからなのか。それとも、お兄ちゃんがきのう、きょうと土、日休みで家の中にいるので、遠慮してなのか。このところ寒くなったからなのか。ニャンとしか言わないので、なぜか、がわからない。
フィギュアスケートのグランプリシリーズの第5戦、NHK杯最終日が19日、札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで行われ、男子はSP2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)がフリー1位で逆転し、合計279・76点で2連覇。SP1位の山本草太(中京大)がフリー6位となったが257・85点で2位に。ペアは三浦瑠来、木原龍一組(木下グループ)が前日のショートプログラム(SP)に続いてフリー1位で合計216・16点をマークし、同種目の日本勢で初制覇を果たした。
新聞はこれらの結果を運動面で【宇野貫禄 逆転で連覇 <フィギュアスケートNHK杯> できることを一つずつ成し遂げた先に満足できる演技がある】【りくりゅうGP連覇 NHK杯ペア日本勢初】(いずれも20日付中日新聞の見出し)と、わかりやすく報じている。
毎日新聞の本日付朝刊に【「瀬戸内寂聴記念会」が機関誌創刊 一周忌の9日】と【正恩氏の娘 発射に同行】の見出し。このうち金正恩氏の記事は「北朝鮮国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩朝鮮労働党総書記が新型大陸弾道弾ミサイル(ICBM)「火星17」の発射を現地指導した際、李雪主(リソルジュ)夫人と共に「娘」も同行したと報じた/金氏にはこれまでも娘がいるとみられてきたが、公式に存在が明らかにされるのは初めて。名前は明らかにされていない。……」などといった内容。
瀬戸内寂聴さんの機関誌創刊を報じた新聞記事
同じ毎日新聞で報じられた「火星17」発射を見守る金正恩氏一家
(11月19日)
土曜日。秋が日1日と深まっていく。けさの名古屋は7・9度にまで下がった、とラジオニュース。
韓国軍合同参謀本部によると、18日午前10時15分ごろ、北朝鮮が平壌郊外の順安(スナン)付近から日本海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)一発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に、着弾。韓国軍によれば、米本土を射程に収める最新のICBM「火星17」だったと分析。日米韓の安全保障協力に対抗しての、核・ミサイル開発の進展を誇示するのが狙いとみられる。北朝鮮は17日にも短距離弾道ミサイルを発射したばかり。18日の弾道ミサイル発射は、ことしに入り31回目となる。
「1票の格差」を是正するため衆院選挙区を10増10減する改正公職選挙法が18日の参院本会議で自民、立憲民主両党などの賛成多数で可決、成立。小選挙を10増10減する15都県を含む、過去最多の25都道府県140選挙区で区割りが変更されることとなった。「1票の格差」は、人口が最多の福岡2区と最少の鳥取2区の間で1・999倍となり,現行の2・096倍から縮小する。
政府は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を巡り、被害者救済新法の概要を与野党6党の幹事長・書記局長会談で提示。借金や居住中の建物を処分して寄付金を調達するよう要求してはならない、と明記。寄付をしないと重大な不利益を避けられないと不安をあおる勧誘行為も禁止し、違反した場合は刑事罰を適用する方針を固めたという。政府、与党は今国会中の成立を目指したいとしているが、立憲民主党と日本維新の会は内容が不十分だとしている。
(11月18日)
岸田文雄首相が17日午後(日本時間夜)、中国の習近平国家主席とタイ・バンコクで会談。こんごは互いに建設的で安定的な関係構築に向け協力しあい、首脳を含むあらゆるレベルで緊密な意思疎通を図っていくことで合意。岸田首相が沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海情勢や中国による弾道ミサイル発射など軍事活動にについて深刻な懸念を伝達したのに対し、習氏は台湾や人権の問題を念頭に「中国内政への干渉は受け入れない」と述べた。いずれにせよ、両国首脳が顔を見合わせて会談に臨んだ事実は多としたい。
(11月17日)
木曜日である。「先日は楽しいひとときを過ごすことが出来ました。私が煮たきゃらぶきです」と二石会のクラスメート、堀尾和代さんから珍しいキャラブキが送られてきた。私は夕食とともにさっそく味わったが、それは、おいしいこと。息子ともども少しずつ、ごはんと一緒に食べようと思っている。堀尾さん、ありがとう。先日、犬山であった第15回の二石会総会兼懇親会では堀尾さんたち女性陣には受付など何から何まで助けて頂き、感謝のしようもありません。なのに。珍しいキャラブキまでいただくだなんて。ありがとう。堀尾さん。これからも、よろしくお願いします。甘えてばかりです。
堀尾和代さんから送られてきた真心のこもったキャラブキ。さっそく息子と一緒に味わわせて頂いたが、それはおいしかった
※ ※
☆ ☆
さて。ちまたの方は、といえばだ。
【博物館再興 私の使命 陸前高田唯一生存の学芸員 11年8カ月ぶり再興 被災30万点 手探り修復 東北3県全施設で最後】【ドラム缶に遺体 同僚4人逮捕 愛知県警傷害致死の疑い 青森で8月に発見】【ポーランド ミサイル被弾 2人死亡 ウクライナの迎撃弾か】【G20「侵攻非難」首脳宣言 ロシア制裁に異論併記】【線状降水帯予報 的中13回中3回のみ】(17日付中日朝刊)【トランプ氏出馬表明 米大統領選「再び偉大な国に」】【日鉄社員「過労自殺」認定 「残業、責でうつ病」半田労基署】【「母さんのこと頼む」 妹へ 前日に誕生日LINE】(17日付毎日朝刊)
相変わらずこの社会をはじめ、世界情勢も混沌として動いている。
(11月16日)
金山のペインクリニックでこのところの抜歯後の顔面の痛みを診て頂いたあと(先日の初診後にだいぶよくなった)、久しぶりに大須演芸場へ。希望舞台の前身の時代、はるか昔の志摩での公演も含めれば、現在の希望舞台になってからも能登半島や琵琶湖畔の滋賀県、特報デスク長時代と随分、あちこちで取材でお世話になってきた。
それだけに、旅から旅へと芸一筋に渡り歩く〝芸の虫〟といってもよい劇団員の芸、すなわち希望舞台の公演【<昭和からのメッセージ>希望舞台「居酒屋夢子・1969(作ニシモトマキ、演出由井数)】は、いつ観劇しても腹と心にグイと治まるのである。大須演芸場に出向いたのは、その芸を久しぶりに、この目で観劇するためだった。
舞台がはねたあとは、本音を言えばしばらく食事でもして共に懇親したかったが、互いに忙しく私も他の用事があって早々に引き揚げたが、能登七尾で大変、おせわになった当時はまだ駆け出しだったワタル君(米田亘さん、舞台では妹の千鶴子を演歌歌手にしたい、と夢見ている兄「悟」役)にもお会いすることが出来、観劇させていただいてつくづく良かったナ、と思っている。ほかに古くからの付き合いの荻原ゆかりさんにもそれこそ、20年ぶりにお会い出来、ホントに良かった。
それと、長年にわたってこの「希望舞台」そのものをここまで引っ張ってきている由井さんにも久しぶりにお会い出来、つくづくよかったナと思っている。出演者は、みな旅がらすの芸人とはいえ、芸にいのちをかける方々ばかりで私はあらためて、その情熱のほとばしりに感激したのである。
観劇しただれもが感動して見守った希望舞台「居酒屋夢子・1969年」フィナーレのカーテンコール
なつかしい顔、顔、顔が出演した居酒屋夢子のプログラム。ワタルくんも載っている
久しぶりに歩いた大須観音の通り
(11月15日)
きょうは、わが愛する伊神たつ江、舞子の祥月命日だ。
朝から仏=静汐院美舞立詠大姉=に手を合わせる。
午後、中日新聞の小中寿美記者が舞の俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」の取材で、わが家に。いろいろと聴かれたが、どんな記事となって舞が、この世の中に現れる、いや浮かんで再び生まれ出るか、が楽しみだ。
小中さん。なかなか忙しそうで私自身の地方記者時代に思いを馳せつつ、取材される身のことも考えつつ、あれこれと答え参考になった。私自身をふり返ると、いつだってドッドッドッと取材先を訪れ、自分の聴きたいことを聴き終えると、だっだっだっと帰っていった。そんな勝手きわまる取材ばかりだったような、そんな気がせぬでもない。それに引き換えると寿美記者は最初から以後まで、ていねいな取材で感心し、かつ嬉しく思ったのである。
取材では生前の舞が亡くなる前に、続けていた俳句のブログ【白猫俳句】を詠むに当たって毎日「シロ。シロ。シロちゃん」と呼びかけながら【シロは何でも知っているのだから】といつも私にそう話しながら作句していたわが家の俳句猫シロ(俳号は「白」。本名はオーロラレインボー)までが私と共にパチリと写真を撮られた。舞はその写真が紙面に掲載されたら、どんなに喜ぶことか。もちろん、ブログでは売れっ子のシロちゃんだが。こんな体験は初めて。さて、どんな紙面となるか。
取材されて、このところは少し緊張気味のシロちゃん。でも。おかあさんのことなら、シロは何でも知っている。今でもだ。
2022年11月14日
月曜日。NHK朝のラジオニュースによれば、岸田首相は13日夜、韓国のユン・ソンニョル大統領と会談し、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について懸案の早期解決を図ることで一致。日本が掲げる【自由で開かれたインド太平洋】の実現に向けても、両国ともに連携していくことを確認したという。トルコの最大都市イスタンブール中心部で13日、爆発があり6人が死亡、81人がけが。トルコ政府は監視カメラの映像などから女の実行犯によるテロとみて捜査を進めているという。トルコは以前、旅の取材で訪れ、イスタンブールにも滞在したことがあるだけに、あの街並みが目の前に大きく浮かんだ。
こうして毎日毎日いろいろなことが起き、この世は過ぎていく。昨日は、先日ホテルインディゴ有楽苑犬山で久しぶりにつどった滝高校の同窓会「二石会」総会の模様を倉橋基文くんが〝激写〟してくれた写真のフェイスブックへの貼り付けなどで夜遅くまでバタバタした。みんな、いい友だちばかりである。
2022年11月13日
きょうのニュースはマスコミ報道関連では【ウクライナ、へルソン奪還 露、州中部ダム攻撃か】【一戦一戦生きるか死ぬか 迫る サッカーW杯日本代表・森保一監督】(毎日13日付朝刊)【敵基地攻撃「先制」認めず 政府要件検討 対象は明示避ける】【日韓首脳きょう会談 3年ぶり 台北で結束確認】(中日13日付朝刊)といったところか。
13日午後。小雨降るなか、息子の「行こうよ」との声に舞の墓に行き、ひと足早くお参りをしてきた。というのは、あさっては舞の月命日。息子が出勤ということもあって彼の提案で一緒に行ってきたが、舞のお兄さんがおいでになったのか墓前には、たくさんの花が供えられていた(もしかしたら、ほかの方かもしれない)。花が多すぎるので少し間引きしようと思ったが、せっかくのお花だ。
それもよくない、と思いそのままにしておき、線香を焚いて手を合わせ「俺たちはなんとか元気にやっているから。シロちゃんも元気でいるよ」と墓前に報告した。
花が供えられた舞の墓
帰宅後、三田村博史さん(前中部ペンクラブ会長、全国同人雑誌協会名誉会長)中村賢三さん(中部ペンクラブ会長)の順で電話をかけ、来年の全国同人雑誌協会の全国大会実施の件で先日、大阪にまで全国同人雑誌協会代表理事(会長)の五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)ともども大阪にまで足を運んだ旨を電話で報告。久しぶりに語り合ったが両氏とも、とても理解があり、お元気そうで何よりだった。順調なら、来年の7月には大阪で初の全国同人雑誌協会の全国大会が実現する。大阪での全国大会は初めてのことで画期的なことだといって良い。つくづくすばらしいことだと思っている。
ホッとしたところに滝高校時代の同級生「二石会」の仲間かつ出納長でもある板津武志くんから、「先日犬山で行われた二石会の第15回通常総会と懇親会の模様を倉橋基文くんが撮って送ってくれたので二石会のフェイスブックに何とか載せられないものか」とQRコードつきの写真がどっさり送られてきた。こんなに沢山の写真をフェイスブックにアップすること自体が初めてだが、幸い休みで自宅にいた息子(システムエンジニア)にSOSを発信すると、アレヨアレヨという間にアップしてくれたのでやれやれ。これで、やっとこせ、二石会の大役を曲がりなりにも、果たすことが出来た。
2022年11月12日
土曜日。相変わらず、コロナ禍の感染者と死者が全国的に日々、増えつつあり第8波への突入が心配されているなか、ここ尾張名古屋の一隅にある愛知県江南市では普通の1日、宇宙の1日が、きょうも何ごともないかの如く過ぎていく。昼には、法被に身を包んだ地元花霞の子ども会の子たちが自宅前に来たので、小銭を渡したが私自身、かつて少年の頃、祭りが来るとは獅子頭を抱いて頭に鉢巻きし和田部落の一角を回り、家々でお金をもらうと嬉しい気がしただけに、「この子らもきっと、嬉しいに違いないだろうな」と思ったのである(うっかり、執筆に夢中になっていて写真を撮ることを忘れてしまった。失策だ。それも久しぶりの子ども行列というのに、だ)。
1日の出来事をチェックし、記録に残すにはやはり新聞が一番わかりやすくていい。そんななか、けさの朝刊トップニュースは「朝、死刑(執行)のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職」と述べた葉梨康弘法相に関するもので【葉梨法相更迭 「死刑はんこ」失言 岸田政権2人目 続投方針一転 <解説>遅い判断 遠のく「信頼と共感」(政治部・金杉貴雄)】(12日付中日朝刊)といった見出しと解説記事が痛々しい。
私はわたしで先日無事終わった、高校時代のクラス会「二石会」を他役員らの応援協力もあって、なんとか終えることが出来、ほっとし、きのう午後には社交ダンスのレッスンで一宮市のスポ文(スポーツ文化広場)へ、と出向いた。タンゴのレッスンを繰り返したが、なかなかうまくはいかない。それに引き換え桑名から来ておいでになる水谷さんはからだの動き、身のこなしといい、たいしたものである。悦ちゃんは、むろん先生級だ。
そして。きょう12日午前、二石会の受付などで大変お世話になった堀尾和代さんから電話が入ったので、何ごとかと聞くと「同窓会のあと、私たち女性陣は滋賀県に行って琵琶湖の湖畔のホテルで一泊し旧交を温めてきた。そりゃあ、よかったよ」とのこと。「ところで、いがみくん。ツワブキ食べる? たべるなら、送ってあげる」とのこと。私は、同級生の思いやりに心から感謝したのである。
2022年11月11日
夕方。帰宅すると、玄関先に鉢植えの胡蝶蘭ランが置いてあるので、だれかと思い花のまわりを探してみると、名刺が置かれていた。大脇園芸さんからで「ありがとう」と手を合わせる。お礼を言うと、大脇さん曰く「水は10日に1回ぐらい根元にやればよいですから」と。
愛知県愛西市の飯岡綾乃さん(42)さんが新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡。愛西市は、10日、ワクチンによるアレルギー反応の一種であるアナフィラキシーショックの時に起こる症状が出ていたことを明らかにした。当然のことながら愛知県医師会は重大事案として、急変後の医療対応を検証する方針で、愛知県も応急体制を再点検するよう各市町村に周知したという。飯岡さんの夫、英治さん(45)は急変後の対応について「息苦しさを訴えた時点でアナフィラキシーショックを疑って対処するべきだった」と語り疑問を示しているというが、その通りだと思う。
葉梨康弘法相は10日、「法相は死刑執行のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういう時だけ、という地味な役職だ」などと失言した自らの9日の発言を巡り、松野博一官房長官と首相官邸で面会。厳重注意を受けた。これを受け、岸田文雄首相は11日、葉梨法相を更迭した。
11日午前3時10分ごろ、東京都世田谷区成城の元プロ野球選手村田兆治さん(72)宅から出火。2階建て住宅の二階約40平方㍍が焼け、村田さんが2階から意識不明の状態で見つかり、病院に運ばれたが、死亡が確認された。死因は煙を吸ったことによる一酸化炭素中毒とみられる。村田さんは広島県出身。プロ野球ロッテのエースとして215勝を挙げ、現役時代は豪快な投球ホーム「マサカリ投法」で知られ、引退後の2005年に野球殿堂入り。名球会のメンバーにも名を連ねている。
その村田さん。ことし9月、羽田空港の保安検査場で女性検査員の肩を押したとする暴行容疑で現行犯逮捕されたが、村田さんが携帯電話を手にしていたため金属探知機に引っかかってトラブルになったとみられている。釈放後は「たくさんのファンや子どもたちに深くおわびしたい」と話していた。
2022年11月10日
中学生時代の私(左から2人目)。きのう、二石会の懇親会で複写
新聞の見出しは【共和下院「勝利」 米中間選上院は接戦 民主、インフレ逆風】【元理事 賄賂総額2億円 4回目起訴 捜査区切り 五輪汚職】(10日付毎日朝刊)【米共和下院奪還へ優勢 中間選挙上院は接戦 民主予想超える猛追】(10日付中日朝刊)といったところか。
きのう9日午後5時40分ごろ、茨城県城里町で震度5強の地震。気象庁が記者会見を開き「揺れの強かった地域では1週間ほど最大震度5強程度の地震に注意してほしい」と。この地震による津波は、なかった。
(11月9日)
アメリカでは米中間選挙が始まった。そして日本では愛知県犬山市の国宝犬山城直下の木曽の流れに面したホテルインディゴ犬山有楽苑で私たち昭和39年春に滝学園の滝高校普通科を卒業したクラスメートでつくる誇り高く、かつ栄えある同窓会「二石会」の久しぶりの第15回通常総会兼懇親会が開かれたのである。
コロナ禍の第8波が入り口にある、と心配されるなか、このところは郵便による文書総会はじめフェイスブック=昭和39年滝高校普通科卒で検索=などを通じて何とか互いの交友と親交を切り抜けてきたクラス会の仲間たちによる総会がとうとう実現したのである。この日は神戸から駆けつけた社交ダンス教師の村尾香代子さんも出席。みな昔と少しも変わらないかつての〝高校三年生〟ばかりで、堀尾和代さんら女性陣が自発的に受け付けを買って出てくれ、おかげで会は終始なごやに進んだ。
最初に会長である私、伊神孝信が「このところは【会う】ということのありがたさ、会うということがどんなに幸せなことなのかを実感させられる日々が続きました。そうした中、昔のクラスメートであるみんなに、それもこんなにも素晴らしい天候の日に奇跡的に会うことが出来、これほどの幸せはありません。みなさん。楽しく、よいひとときを過ごしましょう」とあいさつ。この4年間に亡くなった級友14人に対し全員で1分間の黙とうを捧げ、引き続いて栗本幸彦副会長の司会進行で次期会長を須賀藤隆くん、副会長を田島正廣くんと決めたのち懇親会にはいった。
懇親会では、往年の名水泳選手だった舩橋日範くんや名物校長だった寺沢富士夫くんら男性陣、今なお会社を切り盛りする波多野鈴子さんら女性陣もそれぞれがマイクを手に近況など思うところを話し、座は一転してかつてのクラスが再現されたかのよう。最後にみんなで在学中に大ヒットしていた【高校三年生】と【校歌】を一緒に歌って終えた。級友の中には、がんとの闘いを告白したクラスメートの姿も。「なんとか、よくなるよう闘っています」の声には皆「がんばれっ」と励ます声が目立った。会ではそれこそ、舟木一夫さんよりも青春歌謡がうまかった石田祥二くんが【高校三年生】のCDを持参してくれたので、高校三年生はこの曲にあわせて校歌はアカペラで歌ったが、みんななかなかのノドであった。
みんなで校歌を歌う二石会のクラスメートたち
昔の楽しい話は延々と続いたが、元県弁護士会長を務めた小川宏嗣君は私の兄(弁護士)に触れ「お兄さんの弁護は私と違い、判例などをとっても歴史に残るものが多い」と言ってくれ、ちょっと嬉しく思った。そして倉橋基文くんが手にしていたアルバムを開き「これ伊神君だよ」の声に見てみると、なんとそこには私の中学三年生、滝中始まって以来の中学三年で講道館柔道の初段を取ったころの写真があったのである。冒頭の写真はその写真を複写したものだ。倉橋君、思ってもいなかった写真を見せてくれて、ほんとにありがとう。
このほか、姪っこさんの結婚式で来たかったがこれなかったはずが、こうした時でもあり式の延期で急きょ来れることになった元大手銀行の重役だった今井浩壱くんには「今の日銀は、あまりにもじゃぶじゃぶ過ぎてよくない。今井くんが日本銀行の頭取になればいいのに。そしたら日本経済はよくなっているはずだ」と私が思ったままをぶつけると、今井君はまんざらでもない顔をして「ウンウン」とにこやかな笑みを浮かべ重みのある声で「黒田君はよくないよな」とひと言だけ、つぶやいたのである。
彼は頭脳も明晰だが、やはりたいした男だナと私はしみじみ思った。ほかにも伊藤優くん、武内章くんら皆、優秀で頼りがいのある級友ばかりで、私はつくづく「滝高健児は皆すばらしいな」と思ったのである。
(11月8日)
火曜日。
夜。舞が生きていたなら、一緒に見たであろう皆既月食が気になり、午後5時過ぎベランダに出て夜の空を仰ぎ見る。確かに下の方が欠けている。これからどんどん欠けていくに違いない。ことしは皆既月食を見るには絶好のときらしく、次の皆既月食は2024年9月4日ということだ。そのころに私の舞への思いはどうなっているだろう。おそらく変わってはいないと思う。
新聞によれば、皆既月食と惑星食の共演は1580年7月の「土星食」いらい約442年ぶり。次回は2344年7月の土星食となるという。そのころには、誰も生きてはいまい。
皆既月食を報じた新聞、テレビ
朝から午後にかけ。あす犬山のホテルインディゴ犬山有楽苑でいよいよに3年ぶりに開かれる高校時代のクラス会である二石会の通常総会兼懇親会を前に、私はたまたま現在、会長職にあることもあって当日の準備の手はずを栗本幸彦くん(副会長)はじめ、板津武志くん(会計)、堀尾和代さん(女性の援軍)らと電話とメールであれこれ話し合う。何はともあれ、あす、天変地異が起きない限り、いよいよ私たちの待ち望んだクラス会が三年ぶりに開かれるのである。
私たちは昭和39年3月の滝学園滝高校(愛知県江南市)の卒業生で、ちょうど高校三年生のときに一宮出身の舟木一夫さんの「高校三年生」が大ヒット。滝学園では、姿美智子さんや高田美和さん、倉石攻さんら当時の青春スターが集結。「高校三年生」がロケされたことでも知られる。そんなころの級友たちが何年振りかで集まるのである。
クラス会の名前は高校時代の恩師二村善銀先生と石田和彦先生の名前の頭文字から取った二石会だが、おふたりとも今は既に亡き人である。いずれにせよ。コロナ禍でこのところは前任の丹羽信好会長、伊藤優副会長時代による知恵をこらした犬山の木曽川鵜飼見物いらいのことだけに皆、楽しみにしているに違いない。もちろん私も大いに楽しみにしている。
東京では、歌舞伎俳優の13代目市川團十郎白猿さん(44)の襲名披露公演(11、12月)か7日、東京・歌舞伎座で始まり、團十郎さんは「勧進帳」の武蔵坊弁慶役などを熱演。「成田屋!」と屋号を呼ぶ大向こうと観客の拍手が響き渡った。
駿河湾特産のサクラエビの秋漁が解禁に。静岡市清水区の由比漁港で7日、初競りがあり、一箱(約15㌔)平均約6万8000円で昨秋より1000円ほど安かったという。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会に出場する日本代表の森保一監督とコーチ陣が7日、一足早くドーハに向けて出発。成田空港で取材に応じた森安監督は「(W杯で)一番遅いタイミングで帰国したい」の弁。
愛知県弥富市の市立中学校で昨年11月、3年の男子生徒が同学年の少年に刺殺された事件で市教育委員会の第三者委員会が7日、調査報告書を答申。加害少年の発達特性や心理状態が周囲から見過ごされたことが背景にあると認定。再発防止策として、学校現場に子どもたちにきめ細かく対応できる人材を配置することや体制拡充を提言した。
(11月7日)
6日に岐阜市内で行われた「信長公騎馬武者行列」が中日スポーツと中日本紙で【キムタク信長 岐阜見参】(中ス)【キムタク信長 夢のごとく 岐阜市で武者行列、46万人】(本紙)などの見出しであでやかに報道された。
信長の騎馬武者行列を報じた中日スポーツなど
ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー危機のなか、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日、エジプト東部シャルムエルシェイクで開幕。先進国がエネルギー危機のなか、石炭回帰など温暖化対策に逆行する動きを見せる一方で途上国は洪水や干ばつなど温暖化による損失、被害への資金援助を求める構図となっている。焦点は、先進国と途上国の溝がそれぞれの事情で深まる中、各国が脱化石燃料という課題のもと、この動きをどうしたら維持できるか-にかかっているといってよい。
2022年11月6日
サッカーJ1は最終節の5日、横浜F・マリノスが3年ぶり5度目のリーグ優勝を決めた。優勝回数の5度目は鹿島アントラーズの8回に続き、単独2位。体操世界選手権の第7日が4日、英国リバプールで行われ、昨夏の東京五輪を制した21歳の橋本大輝(順大)が6種目合計87・198点で初優勝。日本勢の金メダル獲得は内村航平が6連覇を果たした2015年大会いらい7年ぶり5人目。五輪との両大会制覇は内村に続き、2人目となった。6日付の中日新聞サンデー版の大図解は【オペラの魅力】。時代とともに変わりゆく魅力が図解され、充実した内容となっている。
※ ※
☆ ☆
ちょっと恥ずかしく、多くの知人には「ガミちゃん。いつまでメソメソしとるの」と、もはや辟易とした嘲笑の視線で笑われ、お叱りをこうむるかもしれない。
それでも私は、きょうもあえて亡き妻、俳人で歌人、詩人でもあったわが愛する伊神たつ江(ペンネームは伊神舞子)にこだわる。そして。きょうも大空の彼女に向かって、こう話しかけるのだ。
「たつ江、たつ江、たつ江よ 舞 元気でいるか この地上はおまえを抱きしめ続けてくれた俺のおふくろさんとオヤジはじめ、小牧の勝野さん、能登のテルさんに松谷繁次さん、それに大垣の貞さん、詩人の龍生さん、最匠さん。行く先々でお世話になった<新入学児を祝うよいこの会>の三宅おじさん……など等。お世話になった方々が次から次に亡くなってしまった。最近では、あの新門さんまでが旅立たれた。なんてことだ。み~んな、もはや、この世にはいない。ところで。みなさん、そちらで元気でおいでか。よくしてもらっているか。よろしく言っといて。幸せに、居てよな」と。
いまや、私の心には恥も外聞もない。
私は何度も何度も雲ひとつない大空に向かって呼びかける。たつ江、元気でいるか、と。
そして。今になって、つくづく思うのだ。一緒に共に人生をあるく。ただそれだけのことがどんなに大切なことで幸せなことか、と。小牧の市善意銀行理事長で社会福祉協議会会長でもあった勝野義久さん、能登の短歌雑誌「凍原」主宰で私の顔を見るとは「ソクラテスさん。元気ですか」と私までかわいがってくださった松谷繁次さん、放浪詩人でいっときは、よく妻同伴でご一緒した長谷川龍生さん……。いまでは、みんなみんなこの世から消えてしまった。
たつ江。舞よ、マイ。みんな、元気でいるか。よろしく、な。
(11月5日)
土曜日。タフさと馬力だけが自慢で、永遠に不死身のはずの私、その伊神権太にもとうとう〝そのとき〟、いやいやガタとまではいかなくとも、ある種の<衰え>がやってきたか。そんな思いにさせられた1日である。
というのは、さる9月7日に自宅近く歯科医さんで抜歯していただいた左上歯部分の痛みがなかなか思うように取れない。それどころか、指で耳たぶの局所部分に触れるとなぜか、電流の如き痛みがサッと走るので、数年前にも同じように時折、わが額を左から右に電流のように走る痛みに悩まされていた時、心配したわが妻たつ江(舞子)が連れていってくれた名古屋は金山駅近くの金山ペインクリニックに、と足を運んだ。
同ペインクリニックでは、あの時と同じ川瀬医師が親切な診療に当たってくださり、症状について私にあれこれ聞かれたあと、「犯人は三叉神経ですね。それも真ん中の」とのことだった。ついでに血液検査もして頂き、あらためて15日にまた診てもらうことになった。「血圧もちょっと高くなっていますので気をつけてくださいね。健康診断しばらくやられていないようですし」と言われ、少し肩を落として帰宅した。そういわれれば、舞が骨折に続く子宮がんに襲われ苦しんでいたここ2、3年ほどというもの、私は舞の入退院の繰り返しもあり、彼女のことで頭がいっぱいで自分の健康診断なぞ思いもしていなかったな、とつくづく反省した次第である。
そればかりか、このところは気にし過ぎかもしれないが一向に歯の痛みが治まらないなか、それでも「そのうち治るだろう」と過信し、富山へ行ったり大阪に出向いたり、あげくに日々の新聞チェックなども当然ながら怠りなく、おまけに舞との約束でもある社交ダンスのレッスンにも週に一度ではあるが、全出席で打ち込んでいる。本欄一匹文士の日々の執筆、さらには9日に迫った昭和39年春滝高校卒の私たちのクラス会「二石会」の総会と懇親会(9日午前11時半から。ホテルインディゴ犬山有楽苑にて)の事前準備を他の役員諸氏=私は、現在、「二石会」の会長=と進める等など。ほかに、舞の遺稿集の発刊後の展開のことも含め、ちょっとあれやこれや追い回されてきていることも事実だ。
ということもあって、きょう思い切って名鉄金山駅近くの金山ペインクリニックに出向いて症状について話すと、血圧測定をされ「三叉神経のまんなかが痛んでいます。それと血圧も高くなっています」との診断が出たのである。幸い、薬をのめば回復するとのことで2種類の薬を調合して頂いて帰宅。何やら肩の荷が取れた気持ちで帰ってきた。
帰宅時に金山駅周辺が大勢でごった返しているのであちこち見て回ると、愛知県内の各商店街が名産の特売市をしており、久しぶりに名古屋の活気というようなものを感じたのである。コロナ禍に悩まされた名古屋も確実に復活しつつある。何より、元気が、勢いが出てきている-というのが、率直な感想だった。中でも半田商業高校の女子高生による手作りのコオロギで作ったコオロギマドレーヌには驚き、さっそく二個購入させて頂いた。みんな頑張っているなと思う。
コオロギマドレーヌはいかがですか、と呼びかける半田商業高校の女子高生=金山駅総合駅連絡通路橋イベント広場で
元気が、勢いが出てきた名古屋の各商店街、この日は愛知県商店街振興組合連合会・名古屋市商店街振興組合連合会主催の逸品・名品マーケットが開かれ、活気に満ちていた
それはそうと、こんなときにこそ、以前のように舞が横にいてくれたら、どれほど精神的にも気が楽になるか、とないものねだりの思いをしつつ帰宅した。今にして振り返れば、舞が元気だったころには私が病院に行く時はいつだってお店を休んで、心配顔で付き添ってくれ、どれほど頼りになったことか。ありがたく、嬉しかった。
「あなたは、どんなに強がっていても。ほんとはスゴク弱っちい人なのだから。あたし、知ってるよ。よわっちいのだから」とよく半分いじめられたが、それでも彼女の存在そのものが心地よく、頼りになったのである。
きょうも昨日同様、夕方のおぼろ月夜がポッカリお空に浮かんで美しい。私は空に向かってきのうと同じように「舞よマイ、まい。元気でいろよ」と空に向かって呼びかけた。
(11月4日)
午後。あれやこれやとすべきことをこなした後で。一宮へ。社交ダンスのレッスンのためだが、きょうの会場は都合でいつもの一宮スポーツ文化広場ではなく、市民会館だという。一宮には23、4年ほど前に支局長として2年ほど務めただけに場所には自信があったのだが。それが、とんでもない迷路に入ってしまい通行車両の運転手さんに聞く次第とあいなった。
「バイパスに出て7番目の信号を右に」と教えられたとおり、7番目の信号を回ったところでしばらく行くと、くだんの運転手さんが後ろから車で追いかけてきて「私がお教えしたルートが違っていました。気になったので追っかけてまいりました」とおっしゃるではないか。私は言われるまま後について市民会館に無事、到着。「ありがとう。お名前だけでも教えて」というと「森と言います。嘘を教えたのではいけませんので」とのこと。私はお礼を言いつつ「一宮にも、こんなに心優しくかつ親切なお方がいるのだ」と感激してしまった。
駐車場に着くと、ダンス教師の若さんと他のレッスン仲間の悦ちゃんらがレッスン場の2階窓から顔を出し「ゴンタ。ゴンタ。ゴンタさあ~ん。心配してたんよ。はやくう」と大声で迎えてくれたのにも、また感激。この世は捨てたものじゃないーとつくづく思った。みんな優しく温かい。そのうえ、親切な人ばかりだ。
レッスンの方はタンゴのブロンズ級だったが、悦ちゃんと踊ると「ゴンタさん。どういうこと。うん。きょうは、うまい。ウマいよ。上手じゃないの」と若さんからお褒めの言葉まで頂いた。本当の話である。帰宅後は、相も変わらず9日に迫ったクラス会(場所はホテルインディゴ犬山有楽苑)の準備と手はずで深夜遅くまで副会長の栗本幸彦さんらと電話とメールによるやり取りが延々と続いたのである。
きょうは夕方。帰宅すると月がポッカリわが家の上空に浮かんでいた。舞が上空から心配して俺たちを見ている。そんな気がして仕方なかった。
何思う わが家の上空に浮かんだ月
2022年11月3日
文化の日。晴天である。玄関に朝刊を取りに出ると、たつ江(舞)が生前、愛用し当時のままに置かれた自転車のすぐ傍らのコンクリート路面に逞しくも小さなちいさな草の芽が出ているのに気が付いた。いつの間に伸びたのか。いや、育ったのだろう。亡き妻、舞の仕業みたいな、そんな気がしてならない。
あれでもって舞は私に比べたら結構、力持ちだった。一見、華奢には見えたが、一方で、生前の彼女が雑草のように力強い女性だったことをあらためて思う。それと。この日は、何かに誘われるように裏庭で眠る先代猫たちのお墓に、いまなおわが家で咲き続けている紫のアサガオを墓前に供えたのである。能登と大垣で共に過ごした〝てまり〟はじめ大垣からのこすも・ここ、先代シロと皆、とても素敵な猫ちゃんばかりだった。いまは、その重責を担って、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーが頑張ってくれているのである。
思いがけず出たちいさな芽と舞愛用だった自転車
アサガオも供えられた先代猫の猫塚
今をたくましく生きるシロちゃん、すなわちオーロラレインボー
※ ※
昭和47年のこの日、11月3日にたつ江は着の身着のまま、まるでターザンのような姿で志摩半島の阿児町鵜方を訪れた。そして彼女は戦後しばらく続いたNHKラジオの農事放送でも知られた亡き父・勝弥さんの命日(昭和33年11月7日)である7日に私のもとに飛び込んでくることを約束。父の死から14年がたったその日、11月7日に私との約束どおり、当時駆け出し記者だった私、すなわち新聞社の松本支局から転任してまもない志摩通信部にダイビングでもするように飛び込んできたのである。
それはそうと、それより前の9月27日。彼女は当時、松本支局員だった私に電話してきたことがある。そのときの模様は以下のとおりである。
愛とは 47年9月27日 「本当の愛ってなあ-に」。たつ江が電話で聞いてきた。/愛って。ハッと思い、考えてみた。一体何なのだろう。取材の途中、愛車(ホンダN360)を運転しながら「それは全く単純で、しかも息の永いものだ」と思ったりもした。/あの日、彼女は、ボクの顔を澄んだ眸(ひとみ)でじっと、見つめていた-。そうだ、「見つめあい、求めあう心と心。楽しいこと悲しいこと、そのたびに〝ひとつ心〟になるもの、それが愛なのだろう」。【「泣かんとこ 風記者ごん! 伊神ごん」(能登印刷)】より)
――というわけで、きょうというこの日、文化の日と、これに続く11月7日は私と舞にとっては忘れられない日なのだ。いわば若きふたりの旅立ちの日だったのだ。けさ、偶然にも見つけた、ちいさき青い草の芽は、そんな亡き妻の若かったころの強い遺志だったような気がしてならない。
私たちは、あのときそのまま駆け落ち結婚、以降は二人三脚も同然に時には舞に助けられながらの楽しく幸せな半面、イバラの道といってもいい、厳しくも険しい地方記者生活が始まったのである。ただ、それだけのことではあるが、そこには運命的なものが確かにあった。
けさの新聞ニュースは【原発30年後から劣化評価 60年超の運転可能に 規制委見直し案】【乳がんの悩み アプリで軽く「解決」「元気」 再発の恐怖低下 臨床試験で確認 名市大など開発】【北、ミサイル20発超 1発は北方限界線越え】(中日3日付朝刊)【30年超原発 10年ごと認可 60年超運転可能に 規制委新制度案】【1億円献金86歳「念書」 旧統一教会「自由意思」 半年後認知症の診断】(毎日3日付朝刊)といったところだろうか。これらの記事のなかでは、やはり原発の<60年超運転可能>が大変、気になる。
2022年11月2日
日本サッカー協会が1日、20日に開幕するワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表26人を発表、主将の吉田麻也(シャルケ)らが選ばれた。長友佑都(FC東京)と川島永嗣(ストラスブール)は日本歴代最多に並ぶ4度目となる。「一票の格差」が最大3・03倍だった7月の参院選は投票価値の平等に反して違憲だとして秋田を除く東北5県の有権者が各選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決が1日あり、仙台高裁は「著しい不平等状態が明らかな中、国会は裁量権を逸脱して是正しようとせず、憲法に違反する」と判断。無効請求は棄却した。
2022年11月1日
火曜日。このところは秋そのものの好天続きだったが、きょうの尾張地方は朝から冷たい小雨が降っている。そぼ降る、と言った方がよいかもしれない。午前11時現在、雨がパラパラパラり、はらはらと軒先や樹々の葉を遠慮がちにたたいている。ラジオによれば、大阪も関東も全国各地で雨、雨、雨の1日となりそうだ。
※ ※
☆ ☆
令和に入って以降、中日総合サービスさんから私がずっと執筆を任され、書き続けた同社発行による尾張各地の生活情報誌「ハピなび」欄でのコラム「人生そぞろ歩き」執筆への感謝の心を込め、先に同社担当スタッフにお願いをしておいた亡き妻の伊神舞子俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間★社刊)の記事広告=小島加奈子さんが執筆、編集=が掲載された10月28日付「ハピなびi」と「ハピなび春日井」2紙が「この度は、誠にありがとうございます。10月28日付の掲載紙をお送りします」と丁寧なコメント入りで自宅に送られてきた。
私はさっそくこの掲載紙2紙を仏前に供え、亡き妻に報告したのである。
掲載された生活情報誌2誌に掲載された記事広告
今にして思えば、コラム執筆中は書きあげるつど、舞の感想と見解を聞き何度も書き直して完全原稿として当時の編集担当者(川田哲也氏。現在は小島加奈子さん)に出稿したものである。多くの人々からのありがたい、時には爆発的な反響については私にとっては、もうひとりの〝隠れデスク〟でもあった舞にもそのつど報告。彼女もまんざらでもない、うれしそうな顔で熱心に聞いてくれ、生活情報誌を興味深く読んでいたものである。
というわけで、こうした舞の隠れた応援協力は、私が現役記者時代に、その土地土地で書き続けたコラムや企画記事=【海女その世界】【(岐阜県庁汚職事件がらみの)追う 追われる】【名古屋空港新時代】【空港昨今】【能登人間ものがたり】【能登の方言】【和倉新時代】【半島記者たち】【オランダ花物語】【てんびん棒かついで】【湖国に咲く花々】【カラスの子】【どどいつ短冊】など等=の執筆に当たっても同じだったのである。
これは、という記事となると、どれも彼女の意見を聞いて書いてきたので今となっては舞の考え、見解も少しは私の書く記事に含まれていたような、そんな気がする。
それだけに、このうえは舞の魂そのものともいえる伊神舞子俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」をひとりでも多くの方々に読んで頂ければ、亡き妻の魂も浮かばれるに違いない。恥ずかしながらも、そう思う。本欄読者のみなさま方にもアマゾンまたは最寄りの書店などで手に入れ読んでいただけたら、嬉しく、かつ光栄である。
※江南市の場合は、生前の妻がことのほかお世話になっていた杉浦書店(同市江森町西)=電話は0587(54)5222=に置いてあります。
世間の方は、【ジブリパーク きょう開園 名作の世界あなたも一員】(1日付中日新聞朝刊)が何よりも明るい話題といえよう。けさの朝刊はアッと驚くというか。ジブリパークの特集見開きで本紙をそっくり特集面でハンバーグのようにはさみ込んだチョット変わった、思い切った、世にも不思議な紙面展開で編集スタッフの努力と情熱、意欲のほどが伺われる楽しく面白い紙面だった。もしかしたら、新聞の歴史に残る紙面制作になったかもしれない(もっとも新聞紙面は、日々、どれもが歴史に残る貴重な記事、社会事象ばかりなのだが)。
えっ、これが新聞? 玉手箱みたい。ジブリパーク開園を祝った中日新聞