一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年7月~)

2022年7月5日
 ♩心して我から捨てし恋なれど せきくる涙こらえかんねぇえ 
  うさを忘れん盃の 酒の味さえほろぉにがく……

 午後1時過ぎ。シロちゃんに送られ、愛車で隣町のイオンモール扶桑店へ。道中、久しぶりに運転席のカセットから流れる小唄【心して鶴次郎】と【縁かいな】を唄いながら、扶桑へと向かった。2曲とも、はるか昔に新聞社の一宮支局長在任時に激務の間、週に一度通い、今は亡き師匠小境さんに直々教えて頂いた懐かしき小唄である。
 ハンドルを手にあの小境姉さんの厳しくもやさしい声が耳に迫り、大きくなって、私自身の口からも自ずと唄のセリフが自然に湧き出てきたのには我ながら驚いたのである。と同時に、あのときも舞が「ウン、おけいこ。行ってもいいよ」と太っ腹で言ってくれ、おかげでそこそこ唄うことが出来るようになったのである。なんだか不思議な話になってしまった。

 これより先、本日、火曜日の午前11時過ぎ。ここ尾張の地は雨の音が何かを訴えるように大きくなった。朝から雨、雨、雨だ。わが家の愛猫シロちゃん(俳句猫「白」)、オーロラレインボーは、頑なに外に出ていこうとはしない。「シロちゃんは、何でも知っているのだから。シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。そうだよね」と、あの聞きなれた鈴を鳴らしたような甘いおまえの声が風に乗ってどこからか。ふんわりフワリと飛んでくる。けさは早くから新聞に目を通し、珍しく息子が駅まで送ってほしいというので送って帰ってきたところだ。シロは、いつものように玄関先まで走って飛んで出迎えてくれた。

 わが家を守り続けるシロ(ハートの首輪は、亡きおかあさんがつけてくれた)
 
 

 帰宅すると、きょうもこうして甘えた ちょっと肥えすぎかな
 

 KDDIの大規模通信障害は発生から60時間以上が経過した4日午後になり、携帯電話の通話とデータ通信が全国的にほぼ回復したという。利用者の通信状況に問題ないことを最終確認したうえで5日夕をめどに全面復旧を宣言する見通しだというが、さてどうか。午前9時21分。北海道のドラキチファンのひとりから「息子の携帯電話つながりました」とラインによるメールが届いた。「よかったですね」と返信(KDDIは、その後、5日午後になり、音声通話やデータ通信を含めて全国で完全復旧した、と発表)。
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 台風4号(アイレー)が午前6時過ぎに長崎県佐世保市付近に上陸。その後は勢力を弱めて9時過ぎには九州で温帯低気圧に変わったという。とはいえ、東海や関東地方にかけては今後、大雨となるところがあるので十分に警戒してほしいとは、気象庁。米独立記念日の4日、中西部イリノイ州シカゴ近郊のハイランドパークで22歳の男が記念日のパレードさなかに銃を乱射。6人が死亡、20人以上が負傷。周辺自治体の独立記念日の行事は全て中止になったという。

(7月4日)
 月曜日。
 朝。新聞をチェックし、家庭ごみのゴミ出しをし終えたところで、やっとこせ、ひと息ついた。それにしても、このところは少し体力的にもハードな日々が続いた。かといって、どれひとつとしておろそかには出来ない。正直、執筆のことはむろん何もかもを頭から消してしまい心身とも休みたい、そんな心境でもあった(そう言いつつ、この世でただ一人の一匹文士である私は、こうしてしぶとくも体力を削り取りでもするように、「これでもか」と書き続けているのである)。

 ハードだなんて。新聞社の現役時代の私は、よく同僚や先輩デスクたちから「ガミちゃん(伊神なので職場では、いつもこのように呼ばれていた)。ガミちゃんは〝書き魔〟だから」とおだてられるように言われていた。そんな私だったこともあってか、私は忙しい、という言葉なぞ口が裂けても言わなかった、いや使わなかった。だが。しかしだ。これも頼りとしていた妻を失った落胆と喪失から訪れる弱さなのか。デ、具体的にこのところの私のつたない行動を披歴させていただくと。こんな具合だ。
 まず7月1日の金曜日。この日は18日に迫った。名古屋での社交ダンスの発表会を前にしての特訓レッスンがあった(私は、ワルツ、タンゴ、ブルースにジルバとひととおり踊りこなしたが、これも亡きたつ江、すなわち舞が生前に私に言った「あのね。社交ダンスだけは続けるのよ」の強い一言が効いている)。そして翌2日、土曜の夜は舞の俳句短歌集出版に伴う追悼文お願いと今後の編集の進め方などの件で、作家で美術評論家でもある太田治子さん、人間社大幡正義さんと名駅前JRタワー内、日本料理店「加賀屋」でお会いし、懇親も兼ねた食事会と続き、その翌日の日曜日は先日、6月1日の満102歳の誕生日を前に101歳の生涯を閉じた母の四十九日法要と結構、それこそバタバタと忙しい日が続いたのである。

 というわけで、それこそ、母が私の幼き日々に、私をよく呼んだ〝おねぶたさん〟だからといって、ウトウトウト、コックリコンコンなどと、スヤスヤと眠りこけてばかりはおられない、そんな日々が続いたが、どれもこれも私にとっては貴重かつ重要な人生経験のひとコマとなっていることだけは確かだ。
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 悲しいことに、このところの、中日ドラゴンズは、またしても負け続け、昨日は阪神に3-0と今季15度目の零封負け。4カード連続で勝ち越しを逃した。私の心までが塞ぎ、立浪ドラゴンズへの熱き思いが今にも氷解し閉じる寸前にまで陥っていることは確かだ。
 そればかりか、朝刊を開けば【熱海土石流1年 「人災」憤りと無念さ 静岡県と市を遺族ら提訴へ】【熊本豪雨2年 災害の教訓 次世代へ】【KDDI障害40時間超 最大3915万回線に影響】【不具合連鎖 復旧進まず】(中日)などといった暗い見出しばかり。夕刊は【KDDI通話障害続く データ通信「おおむね回復」】(中日)【国会議員所得3年連続減少2255万円】(毎日)といった内容である。

(7月3日)
 土砂降りの雨に襲われたなか、先日亡くなった母の49日忌法要が臨済宗妙心寺派の永正寺(水谷大定住職)=愛知県江南市高屋=で行われた。兄夫妻はじめ、私と同居息子、妹夫妻のごくごく少数が参列したが、この日は、なぜか信じられないほどに猛々しい雨が気でも狂ったように降り、お寺に着いたころには喪服はずぶ濡れに。「おかあさん、(生前は)何かあると、決まって天気がよくなる晴れ女が自慢だったのに。きょうは、一体どういうことなの。これでは雨女じゃないの」とは、妹。
 読経に続き、和田のお墓をみんなで訪れ、母は雨のなか、納骨された。納骨の直前、妹の和代が「おかあさん」と言ったまま、しばらく遺骨を抱きしめたままでいる姿が、なぜか私の全身を射て、心に深く残ったのである。
 そして。納骨のあとは、みんなで近くにある和田の実家へ。久しぶりのわが家でひと休みして、こんどは市街地にある、わが伊神家にとっては長年なじみの料理屋「魚仙」さんへ。ここで母を偲びながらの談笑とあいなった。「魚仙」といえば、毎年土用の丑がくると、たつ江が決まって訪れ、ウナギを買い求めたものだ(昨年は私も付き添って訪れた)。あのころの彼女が目の前に「おかあさん。わたしも入れてよ」とマボロシとなって、笑顔で現れたような。そんな錯覚にも襲われた。

 雨のなか、行われた納骨式と伊神家のお墓。仏壇
 
 
 
 

 生前のたつ江は春、秋と決まって花を手に父の墓参りをしてくれていた
 

 両親が長年をかけて育てた実家の庭の一角
 

(7月2日)
 太田治子さんに久しぶりにお会いした。場所は名古屋のJRビル13階の「加賀屋」で、である。現在、編集作業が進む伊神舞子の俳句短歌集の追悼文をお願いするためだったが、快く引き受けてくださったはるこさんは相変わらず若々しく以前にお会いした時と何ら変わることなく、美少女のように清らかでもあり、私はとても嬉しい気持ちにかられたのである。
「追悼文は、既に書いてはありますが。少し補いたい」とのことで後日郵送してくださることになった。この日は、何かとお世話になっている人間社の大幡正義さんにも同席していただいたが、ふたりの言葉に耳を傾けつつ、その一言ひと言が私自身こんご筆を進めるに当たって大いに勉強になったのである。

 席上、治子さんから「舞子さんの声は、どんなだったのかしら」とあらためて聴かれ、わたしはドキリとし、生前のことばとその声の大切さをあらためて感じた。舞は、ひと口で言えばその容姿のように(私が言うのもチョットおかしいかも知れないのだが)かわいい声、甘くて鈴を転がすような声で〝あのねえ〟〝だって〟〝一日ひとつよ。無理はだめっ〟と言うことが多かった。

2022年7月1日
 【暑さ異常 重装備でげっそり】とは<東京新聞の7月1日付ふくしま作業員日誌 51歳男性(聞き手・片山夏子)>の見出し。そして中日新聞の同日付朝刊見出しは【節電期間きょうから 9月末まで 逼迫、長期化恐れ】【多治見39.4度 名古屋37.9度 猛暑日 全国179地点】など。

 半日を経て。1日付中日新聞の夕刊となると【夏告げる富士御来光 山梨側山開き】【列島ジリジリ 豊田37.6度】【ペットも熱中症注意 散歩や早朝に 水や保冷剤を】【サハリン2全資産ロシア側へ 新会社設立 大統領令】【黒海の島「解放」宣言 ゼレンスキー氏 穀物輸出再開焦点】【香港統治「成功」誇示 返還25年式典で習首席】【路線価 2年ぶり上昇 22年プラス0・5% コロナの影響緩む】【<参院選>コロナ+猛暑 選挙戦手探り 屋外脱マスク 対策して集会 握手でなく名刺】【節電期間始まる 全国で7年ぶり】といったところか。

 見えない日々が、きょうも。いつものようにトントンとんとんと。どこか見知らぬ世界に、と歩みを進めていく。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年6月~)

2022年6月30日
 夏越の大はらい。この日がくると先日、満百一歳の旅路を閉じた母に幼き手を引かれ、和田の神社まで連れて行かれた〝輪くぐり〟のことが思い出される。あのころ。いや、今もだが。私は何かに集中したあと、すぐに眠たくなってしまい、いつもコックリコックリと居眠りをしていた記憶が蘇る。
 そんな私のことを母はよく「たかのぶ。た・か・の・ぶ。また寝ているの。たかちゃん。たか坊。あんたはいつも寝てるのだから。〝おねぶたさん〟だよね、と。そうよびかけた。そして。そう言いながら「この子は、きっと天下を取るよ。見ててごらん。〝おねぶたさん〟なのだから」ともよく言ったものだ。なぜか、うとうとしながらも、こどもの私はこの母の言葉だけは、不思議と今なお忘れはしない。
 母のことだ。兄や妹にも何らかのふさわしい、おだてことばで励ましていたに違いない。

 私たちにとっては、いつもやさしく太陽のような存在だった母(左)
 
 

 若いころの母。妹に耳を引っ張られているのが私。右端は親戚のお姉さん・さっちゃん
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 暑い。暑い。暑いとはこのことか。かといって、私には母はむろん、たつ江との思い出もやはりどこまでもつきまとってくる。あの毎年7月1日にあった白砂で知られる黒潮洗う熊野灘に面した三重県志摩半島突端、御座白浜海水浴場での海開き。上空には新聞社本社のヘリコプターが飛来し祝賀メッセージを投下。その日の取材と報道(新聞と三重テレビ)はむろんのこと、長い砂浜をカメラを肩にタッタッタッ、タッと走ってメッセージを拾い、主催者側代表の地元御座漁協組合長に手渡すのが若きころの地方記者、私の大役でもあったのである。
 あの日々も海の砂は、至るところ、まるでヤカンのように火照っていた。ある年などたつ江を取材用自家用車の助手席に乗せ、新聞社の旗をはためかせて鵜方から御座まで向かった。車内カセットは言わずと知れたレット・イト・ビーやヘイ・ジュードなど当時、大人気で日本にも初来日したビートルズの曲、メロディーたちである。これまた、若きふたりの日々の残照とでもいえようか。

 こんな時代もあった。真珠の海、英虞湾上で
 

 さて。ちまたは。といえば、だ。第6波の感染拡大が沈静化しつつあったコロナ禍がこのところ日本全域で下げ止まり傾向になっており、きょう(6月30日)1日の全国の感染者は2万3448人と1週間前に比べ逆に6700人増とリバウンドし、心配される事態となっている。実際、このところのコロナ感染者数は増加に転じ前の週より13日連続で増加しているという。
 そこにきて。このところの酷暑続き。きょうも高気圧の影響で気温はぐんぐん上がり、この日は岐阜県多治見市で39・4度を記録するなど東海3県の三カ所で39度を超え、愛知、岐阜、三重の47観測点のうち30カ所で猛暑日となったが、うち名古屋、岐阜両市など9カ所が4日連続。29カ所で6月の観測史上最高気温を更新。各地で熱中症で救急搬送される人が相次ぎ、きょうだけで11人が死亡したとのニュースも伝わっている。
 まさに炎熱地獄ここに極まれり、という悲惨な事態が続く。
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    ※    ※
 木曜日。早朝、指定場所での不燃ごみ出しに続き、週に2回の一般のゴミ出しも終える。シロちゃんと共に食事をしたあとは、このところ何度も推敲して書きあげた文士刮目第14回を繰り返し読み直し「脱原発社会をめざす文学者の会」の担当者に出稿する。
 また、それとは別に本日付夕刊を開くと【豊田39・3度 東海4日連続猛暑日】【「涼」に笑顔 金沢で氷室開き】【大熊の一部避難解除 帰還困難区域 福島第一立地で初】【名鉄レジャック 年度内にも閉館】(30日付中日)の見出し。なかには【収穫直前の1万4400個組織的犯行か 消える桃 山梨で盗難多発 まさに緊急事態】(30日付毎日)といったものまである。いやはや、この世はいろいろである。レジャックへは若いころ、よく足を運んだものである。

 それにしても、きょうのこの暑さときたら、尋常でない。

(6月29日)
 本日付の中日夕刊1面トップは【北欧2カ国NATO加盟へ トルコが一転支持 「テロ組織」対策で合意】の見出し。トルコのエルドアン大統領は28日、マドリードで北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請中の北欧フィンランドとスウェーデンの首脳と会談し両国の加盟を支持することに合意したという。

 人間たちは皆、命がけでこの地上で生きている。スーパーに行っても、愛車を運転していてもだ。車窓に移る人々のだれもがヨイコラショッ、と何か重いものでも抱えるような真剣な表情で、ただ一点を見つめながら歩いていく。そんな真剣な表情がよく分かる。
 そして。おそらくその一人ひとりの大半が互いにこの世でその瞬間にただ一度だけ、すれ違う人たちに違いない。それでも。私たちはそうしたなか、それぞれのちいさな今にも壊れそうな、ひと筋の希望を胸に生きていく。ましてや、友人や知人となれば、それこそ運命とはいえ、大変なことで、私たちはそれでも互いに互いを理解しつつ生きてゆくのである。なんと悲しく、かつ辛いことよ、と思うのは私だけでもあるまい。
    ※    ※

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 日本列島はきのう28日も高気圧に覆われ、東北などを除く各地で晴れ間が広がり気温が上がった。気象庁によると、全国九百十四カ所の観測点のうち30度以上の真夏日は五百七十地点を超えた。うち35度以上の猛暑日も百地点に達し、いずれも今年最多となった。山梨県甲州市では38・7度を観測した。経済産業省は東京電力管内に発令している電力需給逼迫注意報を二十九日にも継続すると発表した。注意報に基づく節電の呼びかけは三日目となる。(中略)気象庁によると、岐阜県多治見市では37・9度、愛知県豊田市で37・8度、長野県安曇野市で37・7度まで上がった。東京都心は午後一時過ぎに35・1度となり、四日連続で猛暑日を記録した。
――以上は、本日付中日新聞1面見出し【猛暑日100地点 豊田37・8度】【6月の熱中症輸送最多 20~26日 前週の3.4倍】のなかの記事の一部分である。ことほどさように日本は今、有史以来の炎熱地獄、酷暑に襲われているのである。

 こうしたなか、ドイツ南部エルマウでは日本の岸田文雄首相も参加しての先進7カ国首脳会議が開かれ、ウクライナに一方的な軍事侵攻をしたロシアに「厳しい経済的代償を科し続ける」との首脳声明を採択、ロシアに対する制裁と圧力を強化する姿勢を鮮明とし、侵攻の影響による世界的な食糧危機に対応するため45億㌦(6100億円)の拠出を表明。ロシアに友好姿勢を続ける中国に対しても即時、無条件の撤退をロシアに突きつけるよう要求、世界は動いている。

(6月28日)
 新聞の見出しは【西日本・北陸で初 6月の梅雨明け 列島猛暑 浜松・豊田で36度台】(28日付夕刊)と相変わらずの猛暑を、いや、酷暑を告げている。そんななか、【大熊町の復興拠点 30日避難解除決定】(同日付夕刊)は、東電福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、福島県大熊町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)での避難指示を30日午前9時に解除する、というもので、どこかホッとした。復興拠点の避難解除で住民の居住再開が可能になるのは12日の同県葛尾村に続く2例目で、第一原発が立地する自治体では初。原子力災害対策本部の持ち回り会合で決定したという。

 火曜日。私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」をこんご具体的にどう充実させ、発展させていくかにつき、あれやこれやと思案。読者からの投稿も視野に何よりも短く、簡潔な文章を「熱砂」紙面に反映させていく。この点につき、話し合う。やはり人々の心を打ち、共に楽しく生きていくには、どうしたら良いかについて、あれやこれやと探求する必要性を感じたのである。この際、読者からの投稿欄を開設しようかなど。いろいろと考えてみる。

2022年6月27日
 東海地方が、きょう梅雨明け。梅雨の期間は1951年の統計開始いらい最短の13日間。平年に比べ22日、昨年より20日早く、6月22日だった1963年に次いで過去2番目の早さとなった。気象庁によれば、27日は九州南部、関東甲信でも梅雨明けした(気象庁は「梅雨明けしたとみられる」)と発表しているが「梅雨明けした」で良いではないか。いつも思うのだが、この表現は、まだるっこいし、発表への妙な気象庁の保身が感じられ、この〝みられる〟発言は、好ましくない。撤回すべきである。もっと素直な発表をしてほしい)。

 月曜日。朝刊に【電力逼迫初の「注意報」 東電管内きょう需要増で】【猛暑の週末「今季最高」相次ぐ】(27日付中日)の見出し。
 それによれば、経済産業省は昨日26日に「気温上昇に伴い東電管内の27日の電力需給が逼迫する見通しになった」として各家庭や企業に節電の必要性を呼びかける「電力需給逼迫注意報」を初めて発令。特に27日午後4~5時は需給が厳しくなるため、午後3時~6時の時間帯は、使っていない照明を消すなど無理のない範囲で、出来る限りの節電をするように、と呼びかけている(経済産業省は引き続き、28日も需給が厳しくなるとみて注意報の継続を決めた)。
 また猛暑の方も群馬県伊勢崎市で25日の40・2度に続き、26日にも36・8度まで上昇。2日連続で全国トップに。西日本でもことし最高気温となる観測点が相次いだという。また、この日は全国に914カ所ある観測点のうち30度以上の真夏日となったのは、ことし最多の539カ所。このうち30カ所が35度以上だった。
    ※    ※

    ☆    ☆
 27日朝。朝食を終えたシロが、この炎熱地獄のなかを外に出たがる。どうしても、と言うので出してやると、彼女が向かったのは、先輩猫のこすも・ここと先代シロちゃんが眠る庭の一角にある墓だった。きのう息子が墓前に新しい花を供えたのを知っていたかのように、さっそくクンクンと花に鼻先を置いて確かめるようにして匂いをかぎ、そのままいずこかへ消えたのである。
 いつも思うが。シロちゃんは、本当にかわいい娘(こ)である。そのシロが、である。いつもなら昼過ぎには帰るはずなのに。きょうに限って午後1時になっても帰らない。私は待つのをやめ、車で買い物に外出し2時半ごろ帰ったが、帰宅したその刹那、いつものように上がり框で両手をそろえて静かな表情で待っていてくれた。そのあどけない姿には感激を通り越したものがあったのである。

 亡きここと先代シロの墓に直行したシロちゃん
 

 それにしても、お墓のあとはどこへ消えてしまったのか。この世の果て、にでも行っていたのか。それとも天空でおかあさん(伊神舞子)が開いた記者会見にでも立ち会ってきたのか。その辺はわからない。でも、何はさておき無事、帰ってきてくれ、私は涙が出るほどに嬉しかったのである。
 そういえば、私と舞にとっては宝も同然の愛猫シロちゃん(「白」の俳号を持つ、この世でただ一匹の俳句猫)、すなわちオーロラレインボーはコロナ禍に世界中が呻き始めたころ、いち早く私の指示でイタリアに飛び、コロナと闘う人々の心の癒しとなってきたこともある。

 ごめんなさい。帰宅後はお気に入りの段ボールの空き箱のなかに
 

(6月26日)
 日曜日。朝。いつものようにNHKラジオの【音楽の泉】にシロとゆったりとした気持ちで耳を傾ける。パンとヨーグルトでの朝食をしながら、モーツァルトの第3楽章ミヌエットや<歌劇「フィガロの結婚」から 恋とはどんなものかしら>などを聞いて1日がスタート。舞(たつ江)をウィーンに連れていく夢はもはや、かなわない現実を身に染みて感じた。もし元気な間に連れて行けていたのなら。少女のような彼女はあの顔をほころばせて喜んだに違いない。
 音楽の泉を聴き終わると、シロはいつものように出たがるので「家の周りには『ブ。ブ。ブーが通るから。気をつけるように』」と十分に言い聞かせたうえで、外に出す。室内に居てばかりでは息詰まってしまう。美容と健康上もよくないからである。彼女は喜び勇んで外に足を踏み出し、目の前で寝そべって一回転。それから。知の世界への探訪へ、と出かけ、昼過ぎには帰ってきた。それにしても、きょうも昨日に続いて暑い、暑い。暑い。なんでだろう。なんでかな。
 帰宅したシロちゃんも、ぐったりである。

 午後。いつものように新聞を読み終え、筆も置いたところで久しぶりにマイカーでイオン扶桑店へ。サクランボに桃、スイカ、ミニトマト、オレンジにパイナップルと店頭を彩る旬の果物の数々には、舞と一緒だったなら。どんなにか喜んだだろう、と。そう思うと、思わず目頭を熱いものが走った。彼女はホントに、もう私たちの許には帰ってはこないのか。いやいや、そうではない。いつも一緒だ。と。またまた同じ繰り返しになるのであった。それとは別に。いま現在の日本を見渡す限り、ここはもしかしたら天国かもしれない。ウクライナやアフガニスタン、ミャンマーなど。苦難を背負う国々の人々に比べれば、豊富な食べ物にも恵まれ、幸せであることは間違いない。
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 26日付の中日本紙<核心>欄に【弱い立場 女性に負担 米最高裁中絶権利認めず 半数超の州 規制強化へ】【行き場なくす妊婦も】の見出し。米連邦最高裁が24日、人工妊娠中絶の問題を巡り中絶は女性の権利だと認めた1973年の最高裁判決を覆し「憲法は中絶する権利を与えていない」と判断し、中絶の規制を容認するというものだった。

 大きな果実が特徴のさくらんぼ「ジュノハート」の初セリが25日、青森県八戸市の市中央卸売市場であり、上級ブランド「青森ハートビート」15粒入り一箱に60万円と過去最高値がついたという。愛知県の矢作川から農工業用水を取水する「明治用水頭首工」(豊田市)で大規模漏水が発生した問題で、用水を管理する明治用水土地改良区(安城市)が25日、給水制限を緩和。頭首工の応急工事が完了し、一定の貯水量を安定して見込めるようになったためだという。この世はアレヤコレヤといろいろ起きる。やれやれ、である。
 それにしても昨日、ドラゴンズは甲子園で阪神と戦い、10-0と大敗。【竜が4連敗 負け越し10】とは、何たることだ。おまけにきょうも延長11回に6-5で負けてしまった。あ~あ、とため息が出る。

 26日付の毎日新聞朝刊に「夜明けに 惑星ズラリ」のイメージ図が載っていた。舞が見れば、どんなにか喜んだことだろう。彼女はこうした星に関するニュースが大好きだった。
 

(6月25日)
 夜。亡き妻が大好きだった番組で一緒に、よく見たNHK総合の【ブラタモリ】を今宵もシロを傍らに見た。新聞の番組欄には「大原へ 京都奥座敷癒やしの里▽三千院こけの庭の謎▽しば漬け美味の秘密▽タモリ奇跡本尊と対面」とあったが、きょうのテーマは【なぜ 大原はいやしの里なのか】で元をたどれば平徳子、すなわち建礼門院が、平家一族が源氏に敗れたあと、心穏やかに地元の人びとと過ごした場所に由来することがとてもよく分かる良い内容だった。
 平家滅亡と同時に全てを失ってしまい、なお、たくましくかつ気丈に生き抜いた建礼門院を思うとき、私は人の世が、はかなさばかりではないことを、その後の彼女の安らかな生き方から学んだ気がしたのである。赤紫蘇を使ったつけもの紫葉漬けは建礼門院が名付け親だったとも知り、隣に舞がいたならさぞや満足して見たに違いない、と。そんなことを思ったりもした。なぜ、大原がいやしの里になったか、がとてもよく分かる内容でもあった。京都。恋につかれた女がひとり……。【女ひとり】の歌の意味も分かる気がした。番組では日本海と結ぶ〝さば街道〟という、あの懐かしい日本海と結ぶ交易路についての説明もされていた。

 いずれにせよ、建礼門院ならぬ妻に去られて8カ月余。なぜか。私のからだのなかの全てのものが少しずつ音をたてて剥ぎ取られ、カラッポになっていくような。そんな気がしないでもない。この世は所詮、だれとて定めのなかを生きていけ、ということなのか。

 きょうは異常に暑いからなのか。シロは不思議と冷房の効いた寝室または私の書斎の一角で静かに丸まっている。外に出たがらない。私が自室で筆を進めるうち、その様子を見つめながら私を守ってでもいるようにしているのである。
 この日、関東を中心に高気圧に覆われて晴れ間が広がり、各地で猛烈な暑さとなった。なかでも群馬県伊勢崎市では最高気温が40・2度を記録。6月の観測記録としては全国で初めて40度を超えた。気象庁によれば全国914観測点のうち真夏日(30度以上)は470地点、猛暑日(35度)も60地点を超える64地点に達し、いずれもことし最多となったという。

(6月24日)
 金曜日。社交ダンスのレッスンから帰宅しポストを確かめると、たつ江が若かったころに書いた詩の掲載紙コピーが朝日の佐藤雄二記者から郵送されてきていた。「ありがとう。」と感謝し、私はさっそくこの詩【夕暮れの諧調 平光善久選】を舞(伊神舞子)の仏前に供え、こどもたちにもコピーを複写してメールで送った。わが家にとっては心が晴ればれとした大ニュースである。よかったね。たつ江。

 送られてきた新聞コピー
 

 仏前に供えられた伊神たつ江の詩
 

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 中部地方は気温がぐんぐん上昇。この日は三重県伊賀市で35・5度、福井県小浜市で35・3度、滋賀県東近江市で34・7度を観測。岐阜県多治見市34・6度、愛知県豊田市でも33・2度に。こんご少なくとも一週間は多くの地域で30度以上の真夏日が続く見込みだという。

 社交ダンスの方は、発表会に躍るワルツを繰り返し踊り、続いてジルバ、ブルースも数回、パートナーを替えて踊ったが、終わったあとはさすがに疲れた。でも、こうしてレッスンを続けているので、それなりに体力が維持されているのかもしれない。これまた、舞が私に残してくれた遺産のような、そんな気がする。

 実際、世界一周のピースボートの船旅に出る際、当時、脳腫瘍の大手術を終えて、まだ間もなかった彼女が「あのね。私はまだ行くことが出来ないけれど。船内で社交ダンスのレッスンだけは続けてきてよね。続けるのよ」と言ってくれた、あの日のことを、きのうのように思い出す。ダンス教師若さんの言う「今にして思えば、社交ダンスは奥さまマイちゃんの遺産だったのだから。ごんたさん。途中で棒を折らないで続けてよね。マイちゃんとの約束だったのでしょ」という言葉は、まんざら間違いでもない。そんな気がする。

(6月23日)
 木曜日。沖縄慰霊の日である。
 この日は、太平洋戦争末期の沖縄戦で命を落とした日米双方の20万人超を悼む「慰霊の日」。旧日本軍が組織的戦闘を終えた日で、ことしで77年。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和記念公園では恒久平和を誓う沖縄全戦没者追悼式(県など主催)が開かれた。正午に1分間、黙とう。玉城デニー知事が平和宣言で「沖縄を二度と戦場にさせないため核兵器廃絶、戦争放棄に向け努力を続ける」と誓い、沖縄市立山内小二年の徳元穂菜(ほのな)さんが自作の「平和の詩」を発表、戦争の怖さや平和の尊さを訴え、岸田文雄首相もあいさつに立ち「米軍基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げる」と述べた。
 この日の参列者は新型コロナ対策で参列者は絞られ、主催者側や招待者ら327人にとどまり、一般参列は3年連続で見送られた。国籍や軍民を問わず、戦没者の氏名を刻んだ公園内の石碑「平和の礎(いしじ)」には、ことし新たに55人が追加され、計24万1686人となった。

 テレビ中継を見ながら、社会部の空飛ぶ記者として長崎大水害や長野富山連続女性誘拐殺人、オホーツクの海への大韓機撃墜、中部日本海地震、日航機墜落等など。全国各地の災害事件現場に飛んで飛んで、それこそ飛んで回った「事件記者」だったころ、寸暇を惜しんで夏休みのひとときを舞とわが子らを伴い、長崎に飛び摩文仁の丘を訪れた日のことが大きく目の前に浮かんだのである。あの日こどもたちは平和の大切さを自らの目と足で体感したはずである。その子らが今では一社会人として立派に過ごしてくれている。これぞ、舞のおかげか。心からありがとう。

 ほんとうにあったことなのだ こわいをしって、へいわがわかった
 少女の「平和の詩」朗読を紹介した23日付の中日新聞夕刊
 

2022年6月22日
 生前の妻は、向日葵と海、空をこよなく愛する女性だった
 

【夕暮れの諧調(小牧市) 伊神たつ江】
 見よ
 今 陽は沈む
 高くやがて低く
 パールのきらめきを
 曳航して
 波はひかりをさそい
 ひかりは波をさそう
 太陽の僕となった船たちは
 水平線を畏敬する
 そして夜の帳は
 秘めやかな愛をこめて
 甘くやさしく語りかけた

 上の詩は、1981年3月22日付の朝日新聞地方版「あいちの詩」に掲載された亡き妻、伊神たつ江(伊神舞子)の二十代後半の詩である。これまで探しても、探しても出てこなかった詩を私の求めに朝日の記者佐藤雄二さんが、激務のなか、縮刷版までめくって探してくださった。「もう、出てこないもの」と半ば諦めにかかっていただけに、感謝のしようもない。と同時に、わが両の目からはまたしても、だ。大河の如き涙があふれ出てきたのである。涙とは、不思議なものだ。拭ってもぬぐっても嗚咽とともにポトポトポト、ポトポトポタリと。全身をしゃくりあげながら落ちてくる。
    ※    ※

    ☆    ☆
 第26回参院選が22日公示され、7月10日の投開票に向け、選挙戦が始まった。たまたま私の高校、大学時代の後輩でもあるその人物(現職)も含め、日本国民全ての幸せと平和を求め全候補者に思う存分、それぞれの主張と思いの丈を有権者に訴え、それらのことを有言実行してほしく思う。そして。みんなの力で、この国と私たちの生活をよくして頂けたら、と願う。今は何よりも元のような【普通の生活ができる日常の復活】に全力を注いでほしい。

 唯一の戦争被爆国、日本が参加を見送った中、核を非人道兵器として史上初めて違法化した核兵器禁止条約の第一回締約国会議が21日、オーストリアの首都ウィーンで始まった。広島市の松井一実市長は「条約の壮大な目標が達成されることは、被爆者の切実な願いだ」と強調。長崎市の田上富久市長もウクライナ情勢に言及しつつ「核兵器が再び使われる危険がある」と警告。「核を絶対に使わせないという共感を世界中に広げていこう」と呼びかけた。国連によると、条約を批准した国と地域は65となったという。

(6月21日)
 火曜日。夏至。北半球で昼の長さが1年で最も長い日である。ここ尾張名古屋は1日中、雨が降ったり止んだりでぐずついた日だった。このためシロはずっと家の中。私が外出する際には留守番をしてくれ、帰宅するつど玄関先まで走って出てくるの繰り返しで、「生きていたころのおかあさんと同じだ」と思い、心から感謝している。というわけで、このところは、家を出る際には決まってシロとおかあさんの幻霊の〝ふたり〟に「シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。おかあさん。たつ江、舞。行ってくるからね」と声をかけるのが口癖になってしまったようだ。心底、私にはシロがおかあさん本人に思えてならないのである。

 きょうは午前中、歯のメンテナンス治療で近くの歯医者さんへ。いったん帰り、お風呂を沸かすなどしたあとで大手ショッピングセンター「平和堂」へ、と車を走らせた。店内レストランで昼をすませ、さあ買い物をと店内を歩き始めてまず目に飛び込んできたのは、たつ江が大好きだった花、向日葵(ヒマワリ)である。かつてフランスを共に旅した時も彼女のお気に入りは一面に広がるヒマワリ畑で、親から譲り受けた私たちの畑<エデンの里>でも彼女がチューリップと並んでこだわって育てたのはヒマワリだった。
 ある年など高さ二㍍近くにまで立派に育った黄色い花を目の前に「このヒマワリ。アタシ、私が育てたのよ」と自慢げに話したこともあった。彼女がこだわったのは、ほかにタマネギ、サツマイモ、スイカ、茄子、柿に梅などだったが、今から思えばふたりで汗した雑草刈りも含めて二度と帰ってはこない楽しく貴重な日々でもあった。
 そのヒマワリがいま、ロシアによるウクライナ侵攻の犠牲となっている。泣いているのだ。私はきょう、「平和堂」の店内をひとり寂しく歩き始めた、まさにその時、仏花を中心とした生花売り場一画で黄色い花を大きく開いたヒマワリたち、を見つけたのである。そしてもうひとつ。きょうは、これまた毎年このころになると、彼女がこだわって買い求めた、今が旬の果物さくらんぼ=19日はサクランボの日=も店頭に並んでいた。当然のことながら、私はヒマワリも、サクランボも、だ。舞の化身と思い、購入したのである。

 舞はサクランボも大好きだった
 

(6月20日)
 大阪文学学校の小原政幸事務局長と久しぶりに電話で話をする。前回、東京で開いた全国同人雑誌協会の全国大会を大阪で開くにはどうしたら良いか。それには、まず関西の文学のかなめと言っていい文学学校を訪れ、その趣旨と意向を丁寧に話し、協力と理解を求めることが実現への第一歩だ、ということとなり、電話をさせて頂いた。私はたまたま前大阪文学学校校長の長谷川龍生さん(元日本現代詩人会会長。藤村記念歴程賞詩人)との長年に及ぶよしみもあって大阪文学学校の内容にかけては生き字引的存在ともいってよく、これまでも何度かお会いしている小原事務局長を知っている関係で電話させて頂いた次第。
 私(伊神)→小原事務局長。伊神→五十嵐さん。五十嵐さん→小原事務局長の順で電話し「それでは。来月25日に大阪文学学校へ五十嵐さんと私で出向き、過去の大会など経緯について小原さんに説明を」となった次第である。

 この日の午前10時31分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、能登半島突端の珠洲市で震度5強を観測。午後2時50分ごろにも震度4の地震が発生。いずれも能登半島で活発化する一連の群発地震とみられる。今月19日観測した震度6弱以降で震度1以上の地震は、午後7時現在、14回に上るという。

(6月19日)
 中部ペンクラブの令和4年度第37回総会と第35回中部ペンクラブ文学賞の表彰式、そして【公開 文学鼎談 直木賞作家大島真寿美さんに訊く 「名古屋生まれの作家が名古屋を書く」―『ツタよ、ツタ』にも触れて― 訊き手・加古淑(小学館)、三田村博史】が、この日、名古屋市千種区覚王山のルブラ王山で開かれた。
 このうち第35回中ペン文学賞に選ばれた三重県志摩市、水田まりさん(76)の作品「ピンクのワンピース」=自費出版短編集「欅のある家」所蔵=は、母の死後に若い女性と暮らし始めた父に対する年ごろの娘の心の揺れ動きを巧みに描写するといった内容だったが、この小説について文芸評論家清水良典さんは「はらはら、ひりひりとした状態が非常によく書かれていた」などと選評を述べた。中部ペンクラブの新会長中村賢三さんらから中日賞と花束を贈呈された水田さんは感無量といった面持ちで「私のテーマは自立する女。これからも頑張って書き続けます」と語り、つくづく良かったナと思った次第。志摩市といえば、私自身、かつて志摩郡阿児町鵜方で記者生活をしていたことがあるだけに、心から賛辞を送りたい。
 
 花束を胸に感無量の水田まりさん(左)=ルブラ王山にて
 

 この日はほかに【名古屋の栄さまと『得月楼』 父の遺稿から】(鳥影社)を書いた寺田繁さん(74)にも特別賞が贈られる旨、報告があった(寺田さんは、この日たまたま体調が悪く欠席された)。

 私はこの後、東京から訪れた全国同人雑誌協会代表理事でもある文芸思潮編集長五十嵐勉さん、同理事の前橋文学伝習所・文芸同人誌『クレーン』の和田伸一郎さん、新潟県柏崎市の玄文社主人柴野毅実さんと近くの居酒屋で名古屋の焼き鳥を食べながら、同人誌の今後について真剣に語り合いながら懇親。話は熱気を帯び、久しぶりにカツオのたたきを注文し食べたが、これがまたおいしかったこと。妻に食べさせたい気がすると同時に、志摩でよく食べた海女さんの手になる、あのてこね寿司を思い出したりした。

 それどころか、今は亡き長谷川龍生さんや、これまた最近命を落とした私小説作家で藤澤清造をこよなく尊敬してやまなかった西村賢太氏の話などで盛り上がったのである。ちなみに、亡き西村氏は30数年前、当時新聞社の七尾支局長だった私のもとを訪れ、文学、いや「文章とは」についてトコトン話し合った経緯がある。あの時、私は「文は何よりも分かりやすく書くことだ。一人だけ分かった気持ちになる文はダメだ。それから何でもいい。正直に思ったままを恐れず、とこまでも書くことだ」なぞと雨滴が軒を伝わる中で立ったまま、雨のなか、傘を手に延々と話し合ったことがある。
 その後「苦役列車」で世に出た西村氏。あの雨の日の私の言葉を一体全体、どこまで覚えてくれていたか。いや、彼の小説に登場し続けた主人公・北町貫太のその後の生きざまと文体を見る限り、そのことを、ある程度は実践してくれたと私は勝手に思っている。ただ新聞社の地方支局の女性に一方的に安易に惚れる見苦しさだけは気にはなったが。正直と言えば、正直か。と今では思っている。五十嵐さんと話し合いながら、そんなことを思い出したのである。私は文学とは。ある面では、底のない、得体の知れない魔物のような、そんな気がますますしてきたのである。
 八方破れでよい。いや、むしろそうした文の方が読者の胸に響く、と。そう思っている。そして。座はなごみ、いまは亡き清水信さんの口癖と言うか、誉め言葉【おったまげた】にまで話は及んだのである。

2022年6月18日
 土曜日。早朝。曇り空。今にも空が割れ、そこから雨がドっと舞い落ちてきそうだ(実際、まもなくして雨がどっさり降ってきた)。梅雨だから。仕方ないか。おまえは今、天の川で元気にしているか。いつも心配している。耳を澄ます。「心配したって仕方ないじゃないの。舞ちゃんは、もういないのだから」と誰かの声が聴こえてくる。「何を言ってるのだ。今もいるよ。いや、永遠に俺たちの心の中で生き続けているのだから。彼女は俺たちにとって女神なのだから」と私。

 18日付の中日新聞夕刊によれば、21日からの核兵器禁止条約第一回締約国会議が開かれるオーストリアの首都ウィーンで会議を前に17日、核廃絶に取り組む世界の若者たちが交流する「ユースオリエンテーション」が開催され、日本から訪れた被爆者が「こんな地獄は二度と起こってはならない」と訴えたという。一方、ロシア北西部サンクトペテルブルクで開かれている国際フォーラムのパネルディスカッションの席上、ロシアのプーチン大統領は17日、ウクライナへの自国ロシアの軍事侵攻に触れ「われわれの安全を保障するのは陸軍と海軍しかない」と発言。対ロ制裁を科した欧米側の圧力に、あくまで軍備増強で対抗していく姿勢を示したという。愚かな人物である。

    ☆    ☆
 きょうの朝刊1面トップは、東電福島第一原発事故で避難住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)が「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」として国の賠償責任はないとする統一判断を初めて示した-ということか。記事によれば、裁判官4人中3人の多数意見だったが、三浦守裁判官(検察出身)が「原子力安全・保安院(当時)と東電が法令に従って真摯な検討を行っていれば事故を回避できた可能性が高い」とする反対意見を出した点が、ある面で人間味を感じて救いになったような。そんな気がした。
 また争点は➊原発事故の原因となった津波を予想できたかどうか➋防潮堤の設置や原子炉建屋の浸水対策などの対策を講じていれば事故が防げたかの2点だが、中日新聞本紙解説にある【再発防止には、責任の所在の明確化が欠かせない。未曽有の被害を出した原発事故で「加害者」が曖昧なままでは、将来の世代に対し「二度と事故は起きない」とは到底言えない。(東京社会部・小沢彗一)】の言葉。関係者には、この点を忘れないでほしい、と訴えたい。

【最高裁「対策命じても津波防げず」 避難者訴訟で初判断】の見出しが躍った18日付の中日新聞(東京新聞)
 

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    ※    ※
 日銀が17日、金融政策決定会合を開き、金利を極めて低い水準に抑える大規模な金融緩和策の維持を決定。急速に進む円安ドル高の是正に向け、長期金利の上限を0・25%程度から引き上げるとの観測があったが動かなかった。これにより、利上げを進める米欧と日本の金融政策の違いは一段と鮮明化。こんご金融市場の波乱化が懸念され、円安が加速する可能性が出てきた。黒田東彦日銀総裁は会合後の記者会見で「急速な円安進行は経済にマイナスで望ましくない」とする一方で「長期金利の上限の引き上げは、金融緩和の効果が弱まるので、そういうことは考えてはいない」と強調。この点となると、どちらがよいのか。私には分からない。

(6月17日)
 午前中、屋敷のまわりで草引きに孤軍奮闘(いや、シロちゃんが応援してくれてた)。少なくとも草茫々、お化け屋敷だけは避けねば、と。そう思って挑んだが。やはり、これがなかなか大変だ。シロちゃんも一緒に外に出て何やら草の匂いをかいだりして私の傍らで遊びながら応援協力してくれ助けてくれた。あれでも自分も何か役立たなければ、と思っているところが、またけなげである。

 昨年の今ごろには庭師さんに来て頂き、舞自ら陣頭指揮であれやこれやとお願いをしていた(2021年6月15日写す)
 

 午後は、ちょっと疲れたからだに鞭打ち一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ。社交ダンスのレッスンを受けるためだが、7月18日に迫った発表会を前に、かなりハードな特訓となったのである。上手下手は別にして私は当日、ダンス教師と演じるワルツを何度も何度も何とかこなしたが足、手の動きとともに身のこなしもまずまず。と言いたいところではあったが、レッスン終了後にはドッと疲れが噴き出してきたのも、また偽らぬ事実。この日は、ほかにジルバとブルースの特訓も受けたのである。「ワルツもブルースもタンゴも。扇を開くように踊ることよ」とは、先生・若さんの話。

 東電福島第一原発が立地する福島県大熊町の帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が30日午前9時に解除されることになった。吉田淳町長と政府の原子力災害現地対策本部、福島県の各幹部が16日、町役場で合意、共同記者会見で発表した。
 きのう16日。衆院選挙区画定審議会が小選挙区定数を10増10減し「一票の格差」を是正する区割り改定案を岸田文雄首相に勧告。見直し対象は25都道府県、140選挙区で、いずれも過去最多。格差は現行区割りの2・096倍から1・99倍に縮小した。将棋の羽生善治九段(51)が16日、大阪市の関西将棋会館で指された第八十一期名人戦順位戦B級一組の一回戦で山崎隆之八段(41)を破り、節目の公式戦通算千五百勝を挙げ、自身の最多記録を更新。

 目を世界に転じる。仏独伊の首脳がウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のイルビンを訪れた。3首脳とも侵攻後初の訪問で結束をアピール。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が15日、連邦公開市場委員会で主要政策金利の誘導目標を0・75%引き上げ、Ⅰ・5~1・75%とすることを決めた。1994年11月いらい、27年7カ月ぶりの異例の利上げ幅で、通常の3倍に及ぶ大きさだという。

(6月16日)
 木曜日である。このところは毎日のように大口町のドンドンドンキに買い物に行くついでに五条川沿いの桜の木に会いに行く。木のなかにおまえ、たつ江(舞)が居る。そんな気がするからだ。とはいっても満開の桜ではなく、緑の葉が染み入る樹々たちに、である。春に、あれほど美しく花を咲かせていたのに。今は別の顔。どの桜も大役を終えて満足そうだ。大役を終えた桜の枝と葉を車窓に私はおまえが好きだったものを一つひとつ頭に描いてみる。
 NHKラジオの「音楽の泉」に「深夜便」。科学や美術に関する各種テレビ番組。おまえが好きだったものは、ほかにもいっぱいあるがハンドルを手に思い付くまま頭に描いてみた。まずは、おまえ自身が張り切ってボランティアの社会奉仕同然に営んでいたリサイクルショップ「ミヌエット」。大変な努力をして月に一度ミニコンサートを開いていたことも。どこに頼んだのか。「ミヌエット」店内で大道芸までやってのけたよね。そして。お店のほかには長年、親しんできた俳句に短歌、若いころは詩もよく書いていた。
 それに、フォークダンスが大好きで、世界中のフォークダンスを、ひと通りは踊れたのには感心した。そういえば、郡上踊りが大好きで着物に浴衣姿が良く似合った。能登七尾の三尺玉花火も何度も見て、好きだった。料理も調理師資格を持っており、ほんとに料理すること自体が大好きだった。ほかにも介護士(ホームヘルパー)資格制度が出来ると同時に文化センターに通って誰よりも先に資格取得をするなどいろいろあったが、書き切れないのできょうのところはもうやめておこう。

 俳句も、短歌も。何事にも果敢にチャレンジしていた伊神舞子(右端。大垣時代)
 

 フォークダンスも大好きだった(中央、一宮時代)
 

 デ、嫌いだったものといえば、だ。私が酔っ払って帰宅するとは、よく冗談で歌う千昌夫の歌【星影のワルツ】だった。おまえは本気で何度も何度も嫌がった。「わたし、その歌。大嫌いだもん」とだ。私は面白がって「別れることは辛いけど 仕方がないんだ 君のため 別れに星影のワルツを歌おう…」と続けると、「もうやめてよ。その歌。大嫌い。きらいだよ」といって私をにらみつけたものだ。
 フランク永井の歌がお気に入りで、なかでも♩公園の手品師♩ウーマン♩おまえに、が大好きだった。この世を去る前には、自らミヌエットのテーマ曲としていた【みかんの花咲く丘】、ほかに【エーデルワイス】を聞かせてほしい、というので、そのつどユーチューブで一緒に聴いた。あの日々は忘れられず、私は今も毎朝、愛猫シロちゃんと一緒にこの2曲を朝の日課として聴いているのである。

 きょうは、これでやめておこう。

(6月15日)
 第二百八通常国会が15日、閉会日を迎えた。政府は午後、臨時閣議を開き、参院選の日程を「22日公示、7月10日投開票」と決定した。

 ここ尾張平野は朝から相変わらずの雨、雨、雨だ。そんななか、けさは不燃物のゴミ回収日のため。空き缶、ペットボトル、その他使用済み容器などを指定の場所へ、と車で運んだ。いつもなら、助手席のたつ江と一緒なのだが。彼女はもはやこの世の人ではなく、天女である。だから一人で行くしかない。

 私は、きょうは夕食弁当を買いに久しぶりに「西友」へ。その足で、吉野家に寄って簡単な昼食をすませて帰った。帰宅すると、シロがいつものように玄関先まで出迎えてくれ、両手をそろえての立ち姿に私は思わず「シロちゃん、毎日本当にありがとうね」と礼を述べた。いじらしい、その姿には自ずと涙がにじみ出てしまう。シロちゃんは、私の帰宅時には、決まってこうして玄関先まで出迎えてくれるのである。シロちゃん! いつも、いつも本当にありがとう。おまえは俺の奥さんみたいだね。いや、おかあさん代わりか。

 今では私の奥さんも同然のシロ(💛入り首輪は、おかあさんにつけてもらったものだ)
 

 中日新聞の本日付夕刊報道によれば、覚醒剤を中国から日本に運ぼうとしたとして麻薬密輸罪に問われ、中国の裁判所で無期懲役の判決を受けた愛知県稲沢市の元市議、桜木琢磨被告(78)の二審公判が今月20日開かれるという。桜木被告は2019年11月、広東省広州市の中級人民訪院(地裁)で無期懲役の判決を受けたが、これを不服として上訴していた。同被告は2013年10月、広州の空港から帰国する際、手荷物検査でスーツケースに入っていた約3・3㌔の覚醒剤が見つかり拘束された。このスーツケースは広州のホテルでアフリカ系男性から「日本の知人に届けてほしい」と渡され、桜木被告は「中に覚せい剤が入っているとは知らなかった」と一貫し無罪を主張している。

(6月14日)
 14日午前零時に続き、朝9時からもNHKのラジオニュースで久しぶりにあの内藤アナウンサーの声を耳にした。NHKの内藤アナウンサーと言えば、亡きたつ江が深夜便の後藤アナと並んで大好きだったアナウンサーの一人である。相変わらず、ひとつひとつ言葉をかみしめるような味のある声である。【九時のニュース。ないとうがお伝えしました。九時五分です】。一言ひと言かみしめるような声に「たつ江、聴いたか。内藤さんだよ。」と私。むろん、私も内藤アナウンサーの隠れたファンである。

 きょうは【高校三年生】や【学園広場】【仲間たち】【絶唱】……と、これまで聞きなれている舟木一夫さんのカセットテープを、かつて一宮時代に私の小唄・端唄の師匠で、今は亡き小境さんの声が吹き込まれた、あの懐かしいテープに替え、道中聞いてみたが、なかなか味わい深いものがあった。これからも出来るだけ多く聴くようにしてみようと思う。中国、近畿、東海、北陸が梅雨入りした。小唄を聴いたら横笛もふきたくなり、ふいてみたが、まだまだいける。これからもふいてみようと心に誓った。ハモニカもふかなければ。文も書かねば。やることがいっぱいだ。

 朝刊紙面には【円安24年ぶり一時135円台】【帰還困難区域 初の居住再開 福島・葛尾】【井山四冠11連覇 囲碁本因坊戦 七大タイトル最多】といった相も変わらず、重い見出しばかりが並ぶ。世の中は、いつも何らかの形で動いている。そして。人びとは。そのつど、その渦のなかに巻き込まれるのである。これは宿命か。それぞれの人に与えられた運命、定めかもしれぬ。

 一方で気になるのは【竜6連敗 過去最低の11位 好調一転また貧打 日本ハム2-0 福留は登録抹消 再調整】といった悲劇的な報道だ。そんななか、【根尾 投手に登録変更へ 立浪監督野手起用も含み】【独自の二刀流像模索<青木スピリット>】といった本日付中日新聞スポーツ面の見出しには、明るい希望のようなものを感じた。根尾には、ある面チャンスを与えられるわけだから、ここは何としてもチームに貢献してほしい。今の窮状を救うメシア(救世主)になってほしく思う。私は、飛騨育ちの根尾は理由もなく大好きだ。なんとしても、ここは男を挙げてもらわなければ。

(6月13日)
 休刊日。代わりに「赤旗」の日曜版で岸恵子さんを読む。
 それから銀行へ出向き振り込みをして古紙回収ステーションへ。お昼は、久しぶりに【あみもとの里】に出向いて握り盛り合わせを、たつ江が大好きだった〝あおさ汁〟と一緒に食べたが、おいしかった。一緒に食べたらどんなにか。喜んだに違いない。

 久しぶりに食べたお昼の握り盛り合わせ
 

 いったん帰宅して今度は永正寺に出向く。一周忌(10月2日)を前に、たつ江のお墓の手続きについて、中村建岳副住職から、いろいろその方法について教えて頂くためだ。その際、水谷大定住職がつい最近、腰の骨を折られた、と知り、どうお応えして良いものか。逡巡したのである。このうえは、1日も早い回復を祈るほかあるまい。大定さんには亡き妻、そして母、父ともにそれこそ、大変お世話になっており、とても他人ごとなぞではないのである。1日も早くよくなられるよう心から願う。祈っている。

 夜、子どもたちと、お母さんの墓をどの場所にするか、を真剣に話し合う。話し合いには「何ごとか」と神妙な顔をしたシロちゃんも加わり、みんなであれやこれやと考えたのである。午後。全国同人雑誌協会代表理事で「文芸思潮」編集長の五十嵐勉さんから電話が入り折り返して話し合う。19日の中部ペンクラブの集まりにお出でになる、とのこと。五十嵐さんは文学への愛は人一倍強く、情熱の人だけに、お会いするのが楽しみである。

2022年6月12日
 日曜日。早朝、あさの換気のため風を入れよう、と少しだけ開けた窓から。またしてもシロちゃんが外に出ていってしまった。1時間ほどで帰ってきたので、ほっとしたが彼女の身にもなれば、だ。四六時中、家の中では、やはりつまらないのだろう。デ、少しだけ開けた窓から彼女が外出するのは私も半分、覚悟のうえ承知の助である。大気に触れ、おかあさん(たつ江、すなわち舞)に会いに行くのが、暗黙のうちに分かるからなのである。

 それはそうと、中日ドラゴンズは何たることだ。昨日、札幌ドームでの交流戦で日本ハムに10-0で、また負けた。朝っぱらから【10失点5連敗ついに…田島2ランスクイズ食らった 立浪竜 単独最下位 20年8月15日以来】の中日スポーツ本日付見出しには、わが心までがボロボロに破壊され尽くしたような、そんなみすぼらしい気持ちにされたのである。全くもってドラは何をやっとるのだ。勝たないかん。勝たねばならないのだ。北海道在住の会川さんらドラキチファンはじめ、月間ドラゴンズ美貌の有能記者、ほかに記者、カメラマンたちだって。誰もがグッと我慢をして。そう思っているにちがいない。
 でも、野球は人生と一緒。勝つときもあれば負けるときだってあるのだから。負ければ、私も大好きな新庄新監督の方の多くのファンが喜ぶ。だから。それはそれでイイジャナイカと。そう、無理矢理に自らに言い聞かせる私。
    ★    ★

 早朝。窓を開けると、<かぜ>がそよぎ、草の葉が揺れていた。その揺らぎの大気の中に。おまえ、かわいいたつ江、舞がいる。そして。その傍らには、つい最近亡くなったばかりの、やさしかった私の母親もいる。シロちゃんは、そのふたりのおかあさんに会いに行ってきたのだ。

 東電福島第一原発事故で国が立ち入りを規制する帰還困難区域のうち福島県葛尾村野行地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)がきょう、12日午前8時に避難指示解除となった。県内に残る帰還困難区域で住民が居住を再開できる避難解除は初。4世帯が帰還の意向だという。
 話は変わるが、日銀黒田総裁の値上げ許容度発言、批判に能天気なご本人はすぐに撤回したというが。一体全体、この人物は、いつまで総裁ポストにしがみついているのか。発言が庶民感情から遊離していたのでは、やはり辞めてもらうしかないのではと思うのだが。安倍クン、いや、岸田さん。いかがなものか。
 賢明でやる気満々の岸田首相には人事の方もバサリバッサリとやってほしい。それをやらなきゃ、いけない。部落解放同盟の第79回全国大会最終日が9日開かれ、中央執行委員長を24年間務めた組坂繁之氏(79)が勇退し後任に西島藤彦中央書記長(68)を充てる新執行部を選出して閉幕。新しい書記長には、赤井隆史中央財務委員長(60)が就いた。カシマスタジアムでのサッカーJリーグ。鹿島-福岡戦で、やっと声出し応援が一部で解禁された。そうかと思えば【帝国版図「奪還は責務」 プーチン氏ピョートル大帝に自らを重ね 「ロシアの日」戦果誇示か】といった見出しまである。
 そして。光明というか。救い、いや大相撲ファンの私としては、嬉しい話というべきか。新型コロナウイルス対策のガイドライン違反による6場所出場停止処分が解けた元大関朝乃山の稽古が11日、東京・墨田区の高砂部屋で報道陣に公開されたことか。三段目での復帰が濃厚な名古屋場所(7月10日初日)に向け24番の申し合いを行い、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)が「再出発です。頑張ってもらいたい」と語ったという。

(6月11日)
 きょうは雨。この地方は雨である。あめのなか、田舎の道をハンドルを手に運転しながら、思いがけず若いころ、よく口ずさんだ橋幸夫さんの【雨の中の二人】のリズムが口をついて出た。
 ♩雨が真珠の小粒なら 恋はピンクのバラの花 肩を寄せ合う小さな傘が 若いこころを燃えさせる 別れたくないふたりなら 濡れてゆこうよ 何処までも……

 繰り返し、繰り返し。なんどもなんども唄ってみる。私の妻、舞は少しだけ横着なところがあり、なぜか雨に濡れたまま歩くのが好きだった。私がびしょ濡れになりながら傘をさしかけたことは数え知れない。そして。私もそういう彼女を好きでたまらなかった。ここまで書いたところで突然、隣でニャオン、ニャオ~ンとの甘えたような声がしたので振り向く。と、そこには舞の化身と言ってもいい白猫シロちゃん、すなわちオーロラレインボーが「そうだよ。そうなのだから」といった顔でつぶらな目を私に投げかけ神妙な表情で見上げていた。
    ★    ★

    ※    ※
 シロ。すなわち、わが家の俳句猫シロちゃん(俳号・白)は、今や、たつ江そのもの。天女になったおまえ、すなわち舞本人みたいな、そんな気がしてならない。いつも私の傍らで何かを考えるように、時には思いつめたように静かに両手をそろえて何を言うでもなく、ただ黙って私の傍らに座って正面を見ており、もはや、かつてのおかあさんそのものだ。
 そのシロちゃんが、けさ早く何を思ってか。私の部屋の窓のサッシ戸のガラスを自らの手でこじ開け、脱走した(いや、外に出た)。急に姿が見えなくなった相棒のことを心配していると、まもなく台所外の向こう側、クーラーの室外機の上にチョコンと座り、私の方を覗き見るように顔をあげているところを発見。中に入れてやる。やれやれ、である。

 見れば、すぐ近くの縁台には毎朝、シロに会いに来る野良猫の〝ここ二世〟(わが家には、かつて妻舞の庇護の下で〝こすも・ここ〟と先代シロが家族の一員として一緒に過ごしていた。そして。〝ここ二世〟はシロが初代シロそっくりのように、初代ここの生まれかわりと思われるほどの〝そっくりさん〟である)が、これまた満足そうな顔をして私を見上げているではないか。その様子は「アタシたちふたり、シロとここは、これでいいのだから。つべこべ言わないでね」といった表情が見てとれたのである。

 室外機の上で何思う シロはこのように外界を見ることが好きだ
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 入梅。月日は人びとの悲しみなど関係ない、とでも言いたげにトントンとんとん、トコトントンと流れ、人間たちはその車輪になされるがまま、どこへとも知れない果てなく、見えない道を歩いてゆく。み~んな。そうである。無情のようだが。第一、悲しみも。幸せも。そんなものは【時】を刻む自然には関係ないのだ。

 朝。きょうも朝刊各紙に目を通す。悔しいのは、中日スポーツの1面記事。【竜延長11回サヨナラ負け】【交流戦勝ち越し消滅 負の連鎖断ち切れ】【打てない粘れない… 今季2度目4連敗】【大野雄熱投に報いられず 阿部がまさかのトンネル 延長戦チーム今季初黒星】の見出しのとおり、ドラゴンズは10日に行われた札幌ドームでの日本ハム戦に2-1で敗れたことである(ドラは11日の試合も負けた)。
 印象深かったのは、11日付中日朝刊の宇宙飛行士野口聡一さん(57)へのインタビュー記事の中で宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した野口さんが「宇宙は基本的には死の世界。生きていることは奇跡だと感じた」と語っていたこと。そして弦楽器専門の競売会社「タリシオ」が9日、日本から出品されたバイオリンの名器「ストラディバリウス」がニューヨークでの競売で、千五百三十四万㌦(約20億6千万円)で落札されたことを明らかにしたことか。この「ストラディバリウス」は、カレーハウスCoCo壱番屋(愛知県一宮市)を展開する壱番屋の創業者、宗次徳二氏が2007年から所有していたという。

「生きていることは奇跡だ」と野口さん(11日付中日)
  

 ほかに【(岸田)首相「アジアの危機 積極対応」 中国の脅威念頭 安保会議で講演】【英国人戦闘員ら3人に死刑判決 ウクライナ東部の親ロシア派勢力】【「兵士毎日100~200人死亡」 ウクライナ戦況一進一退】【「桜」夕食会酒無償 安倍氏ら4人告発 市民団体】(11日付中日)といった見出しが気になるところか。
 そして。本日付夕刊では【声で刻む24万人の名前 沖縄戦犠牲者あすから読み上げ=沖縄県糸満市の平和祈念公園にある「平和の礎(いしじ)」に刻まれた沖縄戦犠牲者全員の名前を、オンラインで読み上げる催しが12日に始まる】【北朝鮮外相に崔善姫(チェソンヒ)氏=対米交渉を担当してきた女性の第一外務次官】
【井上尚「世界最強ボクサー」 全階級通じたランク1位 米誌認定】【ロシア事業損失 世界で7・9兆円超 撤退や縮小1000社】が気になる記事か。いずれにせよ、良きにつけ悪しきにつけて世界は動いているということか。

(6月10日)
 時の記念日。金曜日。まもなく午後11時半である。愛猫シロちゃんは、相変わらず私の部屋のソファに身を横たえ、私の気持ちを推しはかるように、ただ黙っている。シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。きょうも本当にありがとう。午後11時半過ぎ。シロちゃん、きょうもありがとう。もう寝るよ、と私。

 新聞には【ウクライナ 海上「回廊」難航 世界の穀物外交カード 食糧危機の恐れ広がる】【対ロシア策強化 OECDが議論 閣僚理事会】(10日付中日朝刊)といった見出しが躍っている。そして【影響16億人 国連報告書】の見出しつきで『「ロシア軍が黒海を封鎖し、ウクライナ産の小麦など穀物の輸出が滞っている問題で国連は八日、報告書を公表し「穀物価格の上昇など、九十四カ国の十六億人が影響を受けている」と指摘した。グテレス事務総長は「前例のない飢餓と貧困の波を引き起こす恐れがある」と強い懸念を表明した。』などと報じている。
 ほかに、ことしの名古屋まつりを10月15、16の両日に3年ぶりに開催する方針が決まった、だとか。訪日外国人観光客の受け入れが本日、10日から再開されるなど。いろいろある。

 けさは朝のうち、結構強い雨だったが、雨はやがてウソのように止んで、空は晴れた。このところは現在、出版準備が進んでいる天女になった舞の俳句短歌集、そして私の新刊小説集の原稿の出稿や読み直し、出版社とのやり取りなどもあって結構、慌ただしい日々を過ごしている。

 そうしたなか、けさはピースボートスタッフの田中洋介さんから「あれから10年。76回クルーズ10周年記念オンライン同航会を30日午後7時から開催します。途中参加。途中退出OKです。オンラインでの開催ではありますが、地球一周を共にした皆さまとの再会を心より楽しみにしております。当日はクルーズにご一緒したスタッフも参加します」とのメールが入った。いまロシアのウクライナへの軍事侵攻が世界平和を脅かしている時だけに、皆さんがどんな気持ちで毎日を過ごしているかを聞くにはよい機会かと思う。それだけに、私自身、出来れば参加したい旨をさっそく返信させて頂いたのである。

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手(27)が9日(日本時間10日)、本拠地(アナハイム)でのレッドソックス戦に「2番・投手」でスタメン出場し、0-1の五回に10試合ぶりの本塁打となる12号を放った。投手として先発したリアル二刀流での出場試合での1発は今季10試合目で初となった。

 午後。いろいろすべきことの合間を盗むようにして一宮市のスポーツ文化会館へ。社交ダンスのレッスンのためで、きょうはワルツとジルバ、ルンバの特訓を受けた。

(6月9日)
 木曜日である。新聞は、初夏を彩る名古屋市・荒子川公園のラベンダーが見ごろだとか、同じく初夏を告げる「第31回YOSAKOIソーラン祭り」が8日、開幕したと報道。このソーラン祭り。2021年と2022年は新型コロナウイルスの影響で中止となっていたが、3年ぶりのソーラン祭りで踊り手たちが躍動した、とのことだ。見出しには【札幌 3年ぶりの熱気 YOSAKOIソーラン】とあった。

 国連総会が8日、安全保障理事会で拒否権を行使した常任理事国に説明を求める初会合を開催。先月26日に対北朝鮮制裁強化決議案に対して拒否権を使った中国とロシア両国は共に「制裁緩和が必要だ」とする従来の主張を繰り返し、拒否権行使を正当化したという。ロシア軍との戦闘が続くウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事が8日、同州の要衝セベロドネツク主要部からウクライナ軍が撤退した旨を明らかに。支配地域は「市郊外だけになった」としており、ウクライナの劣勢が鮮明になったという。
 なんだかば馬鹿げたことではあるが、ロシア軍は東部のルガンスク、ドネツク二州(ドンパス地域)全域制圧へ攻勢を強めており、ドネツク州でもウクライナ軍主力部隊がいる北部の拠点都市包囲を狙って激しい地上戦を展開しているという。

(6月8日)
 水曜日。朝刊は将棋の第三十三期女流王位戦五番勝負(中日新聞など主催)の第四局が7日、徳島市のJRホテルクレメント徳島で指され、先手番の里見香奈女流王位(30)が八十九手で挑戦者の西山朋佳女流二冠(26)=白玲、女王=を破り、対戦成績3勝1敗で4連覇を達成。通算八期目の女流王位を獲得したこと。そしてボクシングのバンタム級世界3団体王座統一戦が7日、さいたまスーパーアリーナで行われ、世界ボクシング協会(WBA)国際ボクシング連盟(IBF)王者の29歳、井上尚弥(大橋)が世界ボクシング評議会(WBC)王者の39歳、ノニト・ドネアを2回1分24秒TKOで下し、日本選手初の3団体統一を果たしたことなどが報じられている。
 またプロ野球は、投打二刀流の大谷が所属する米大リーグ・エンゼルスがレッドソックス戦で0-1で負け、球団ワーストタイの34年ぶり12連敗が報じられた。日本ではDeNAの今永昇太投手(28)が7日、札幌ドームで行われた日本ハム戦でプロ野球史上85人目、通算96度目の無安打無得点を達成。4月10日に完全試合を達成したロッテの佐々木朗希、5月11日のソフトバンクの東浜巨に続く今季3人目の快挙。試合は2-0で勝った。その一方で、わが中日ドラゴンズはロッテに6-2で逆転負け、3連勝を逃した。

 世の中は生きている以上、かくかくしかじか毎日毎日いろんなことが、あるものである。

(6月7日)
 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の探査機はやぶさ2が2020年に地球に持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂などの試料から生命の源とされる有機物のアミノ酸が検出されたことが分かったという。新聞は、このことを【りゅうぐう砂にアミノ酸 声明起源解明に期待 はやぶさ2採取 20種以上検出】(6日付中日夕刊)【生命の源 地球外で初確認 りゅうぐう砂にアミノ酸 はやぶさ2採取 どう誕生? 他の星にもいる?】(7日付中日朝刊)【リュウグウ試料にアミノ酸 十数種類 生命の謎解く鍵に はやぶさ2が持ち帰り】(7日付毎日朝刊)と一斉に報じている。
 さらに毎日の7日付余録では「▲探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料からアミノ酸など複数の有機物が見つかった。生命の宇宙起源説を裏付ける世紀の大発見かと色めき立つSfファンも多いだろうが、そう単純ではないらしい▲隕石からも水を含む鉱物やアミノ酸などの有機物が見つかっている。そもそも宇宙航空研究開発機構(JAXA)がリュウグウを選んだのは小惑星がそうした隕石の「ふるさと」とされているからだという▲……」といった具合に補足している。

 「りゅうぐう砂にアミノ酸」 生命の宇宙起源説を裏付ける大発見を報じた各紙
 

 ほかには、相変わらず死闘が続くロシア軍のウクライナへの軍事侵攻に関連、ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事が5日、同州の要衝セベロドネツク市を巡ってウクライナ軍が「市の半分を支配下に置いた」と通信アプリに新たな展開を投稿。一時はロシア軍による完全制圧も近い、と伝えられていたセベロドネツク市でのウクライナ軍の猛反撃と制圧地域の奪還などが報じられている。この戦争、まだまだ終わりそうにはない。
 それはそうと、スポーツはやはり良い。サッカーのワールドカップ(W杯)欧州予選のプレーオフが5日、英国・カーディフで行われ、ウェールズが本拠地でウクライナに1-0で競り勝ち、64年ぶり2度目の本大会出場を決めたという。6日には国際親善試合のサッカー、キリン・チャレンジカップが東京・国立競技場で行われ、日本はブラジルに0-1で敗退。日本は、よく耐えたが終盤、エースのネイマール(パリ・サンジェルマン)にPKを決められた。6日は大相撲の出げいこも2020年3月の春場所以来、久しぶりに解禁となり、元大関の幕内高安が小結大栄翔らのいる埼玉県草加市の追手風部屋に出向くなどした。この久しぶりの出げいこは22日までで、23日以降は名古屋場所=7月10日初日・ドルフィンズアリーナ=に向けての各部屋での調整となるという。

2022年6月6日
 杉本治子も。最匠展子も。そして伊神舞子も、だ。皆、いなくなってしまった。私はこの先どうしたらよいのか。でも、重信房子は生きている。まだまだ。彼女は、これからである……

 私=当時のペンネームは、伊神ごん太=の著作で、丸善のベストセラーにもなった「一宮銀ながし」。表紙絵は杉本治子によるものだった
 

 月曜日。本日付の中日新聞朝刊で【市職員の遺志 本巣に咲き誇る 淡墨桜の事業に 寝たきりの間も 最期まで古里のことを考え続けていた 国天然記念物指定100周年】といった、さわやかな明るい話題が目にとまった。
 淡墨桜、と言えばだ。かつて、昭和50年前後のころに当時の平野三郎岐阜県知事はじめ作家の宇野千代さん、地元在住の桜守り、そして根尾村民らによる「淡墨桜顕彰保存会」による精力的な献身努力で枯死寸前に陥っていた老樹・淡墨桜(樹齢1500年)の命を守った人々の話を、何度も何度も現地に足を運んで「これでもか」「これでもか」と書き続け、一時は〝淡墨記者〟とまで言われていた私としては思いがけず、とても嬉しく、心が和む話題である。

 この日の記事にあるとおり、がんに倒れ、49歳の若さで逝ってしまった本巣市職員の古澤美保さんが亡くなる前に残した遺言が花開くなら、それほど喜ばしいことはない。ことし10月に国天然記念物の指定100周年を迎える岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜。地元小学生たちがこの名木を通じて古里について学ぶプロジェクト「Motosuをtomosu(本巣を灯す)」運動に乾杯を捧げ、今は亡き市職員の遺志が実ることを、かつての淡墨桜担当記者として、心から望みたい。=淡墨桜については、私の著作「淡墨桜のような」(幻冬舎ルネッサンス「マンサニージョの恋」所収)と「泣かんとこ 風記者ごん!」(能登印刷)に詳しい

【市職員の遺志 本巣に咲き誇る】の見出しが光る(6月6日付の中日新聞朝刊)
  

    ※    ※

    ☆    ☆
 北朝鮮が5日午前9時8分ごろから同43分ごろにかけ平壌郊外の順安(スナン)などから計8発のミサイルを発射。最高高度25~90㌔で110~670㌔を飛行、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落ちたと見られている。かと思ったら、今度はけさ6日になり米韓連合軍が午前4時45分から約10分の間に「ATACMS地対地ミサイル」など8発の短距離弾道ミサイルを発射、北朝鮮の挑発行為への対抗措置とみられる。

 世界は相も変わらず日々、混とんとしている。ロシアのウクライナ侵攻は依然として続いており、ウクライナの首都キーウ(キエフ)では5日朝、市内2地区でインフラ施設に対する複数のミサイル攻撃があったという。ウクライナ軍はロシア軍がカスピ海から巡航ミサイル5発をキーウに向けて発射した、と指摘。うち1発を迎撃、4発はキーウのインフラ施設に着弾。鉄道施設などが被害を受けたという。この醜く、愚かなる戦争は一体全体、この先いつまで続くのか。

(2022年6月5日)
 「マーメイド号」に乗っての【太平洋ひとりぼっちの】旅から60年。米サンフランシスコから「マーメイド3号」に乗って日本に向けヨットで航海していた海洋冒険家の堀江謙一さん(83)=兵庫県芦屋市=が4日午前2時39分、ゴールの和歌山・日ノ御埼沖の紀伊水道に到達、世界最高齢の単独無寄港太平洋横断を69日間で成し遂げた。1962年に世界で初めて達成してから60年の節目に新たな歴史を刻んだ。堀江さんは取材にこたえ「大過なく無事に帰ってくることが出来、大変うれしい。皆さんの応援をいただきありがたい。(帰宅したら)ゆっくり、お風呂に入りたい。僕自身は青春真っただ中なのです」などと述べた。
 各紙報道によれば、堀江さんの快挙を陰で支えたのは、堀江さんに長年伴走してきた技術者や地元企業だったという。このうちヨットを設計した横山一郎さん(76)=横浜市=が堀江さんとタッグを組むのは4回目。父の故・晃さんも著名なヨットデザイナーで、堀江さんが1962年に世界初の単独無寄港太平洋横断を果たした初代マーメイド号を設計。堀江さんが2002年、同じルートを68日間で走破した際は、横山さんがヨットを設計。親子2代で堀江さんの冒険を支えたという。

2022年6月4日
 土曜日である。

【パレスチナの民と重なるウクライナの母と子供の哀しい眼に遭う】
【曼殊沙華逆縁の子に会いたくて会いたくていく燃える畔道】
【一瞬にアリスの国に転がって扉を叩くか逮捕記念日】
【テロリストと呼ばれしわれは秋ならば桔梗コスモス吾亦紅が好き】
 =重信房子の歌集「暁の星」から

 若い日。長髪だった十代のころから。ジョーンバエズの【If We had Wings】などのフォークソングに、ずっと、ただヒタスラにあこがれていたミニスカートでギターを抱えていた少女たつ江。その舞が晩年に、いつもお世話になっていた町の本屋さん、杉浦書店から先日、私が注文しておいた重信房子さんの【歌集「暁の星」(皓星社)】が届いた。

 杉浦書店から届いた重信房子さんの歌集
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 きょうは中国・北京の天安門広場に民主化を求めて集結していたデモ隊に人民解放軍の軍隊が武力鎮圧、多数の死傷者を出した、あの痛ましい天安門事件から丸33年の、まさにその日である。私は当時、新聞社の七尾支局(石川県能登半島七尾市)にいて民主化を求めて立ちはだかる学生の群れに人民解放軍の装甲車が次々と突入し、多くの学生が踏みつぶされて亡くなっていった悲惨極まる様子をテレビニュースで見て愕然としたが、あの時の模様は今も忘れられない。と同時に「(私も生まれた)中国って、なんて恐ろしい国なのだ」という印象が頭に焼き付いたことを覚えている。

 時あたかも、日本ではバブル華やかなころで当時、「加賀屋」に代表される和倉の温泉街が温泉百選で日本一の温泉として毎年、名を連ねていたころの話である。和倉温泉ではクジに当たったお客をハワイに招く浴客招待が華やかなころで、私自身も同行取材するなど日本中がバブルに弾け、浮かれていた、そんな時代の思いがけない悲劇でもあった。それだけにテレビ画面に次々と映し出された、あの惨忍極まる、人権という人権が踏みにじられたあの事件のことは今も忘れられないのである。
 おそらく日本人、いや世界中の誰もが今なお脳裏をかすめる天安門だったといえよう。
    ☆    ☆

(2022年6月3日)
 こんな詩を書いてみた。

【涙の向こう】
私は私のこころを一つひとつちぎっては
舞を思い出し、泣きに泣く
心はちぎればちぎるほど
思いが募ればつのるほどに 
大きな爪痕となって無限大に広がってゆく

こんどは涙をちぎろうとした
でも、涙は流れるばかりだ
そして目の前に思いがけず現れ出たのが
舞の化身のシロちゃん
すなわちオーロラレインボーだった

心はちぎれ、ちぎれて
涙は際限もなく流れ、流れてゆく
涙は一体、どこへいくのか
わからない
なぜだろう

 でも、舞が生前話していたように「シロ、シロちゃんはなんでも知っている」。そのシロちゃん。オーロラレインボーは、きょうも健在で、まるで舞の化身のようだ。

 シロちゃんは健在でいる
 

2022年6月2日
 私自身【文士刮目】という連載を皆さんからの要望もあって月に一回書いている「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページが一新されたので、きょうは読者のみなさまに先ずはそのことをお知らせしたい。今後とも、一人でも多くの方々に読んで頂き、共に手と手を携え合って生きてゆけたらイイナ、と思う。ちなみに13回目の文士刮目のタイトルは【沖縄流れてどこどこ行くの 平和のシンボル・夢の島に】。
 そして。私たち「文学者の会」の同志は加賀乙彦代表はじめ皆、戦争はむろんのこと、原発事故による放射能漏れ、さらには気候変動による異常気象などのない豊かで平和な社会の実現をめざして歩む同志たちばかりである。それだけに、これからも、このホームページを【文士刮目】もあわせてご愛読願えたら、ありがたい。
 新しい公式サイトのアドレスは次のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

    ☆    ☆
 さて。ちまたでは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻の影響もあって、世界中で石油をはじめ野菜などどれもこれもが軒並み値上がりする危機的事態となっている。こうしたなか、このところの新型コロナウイルスの感染拡大沈静化に伴い、水際対策が緩和され、きのうから日本への入国者数の上限が1日当たり1万人が2万人に引き上げられた。また2023年に卒業予定の大学生らに対する面接による採用試験も1日に解禁され、就職活動が本格化。全日空では3年ぶりに事務や技術職の新卒採用を実施し今後の航空需要の回復を見越し50人超の採用を見込み1・2次面接はオンライン、最終面接は対面で行う。日本航空も3年ぶりに客室乗務員の新卒を採用予定だという。

 一方で日本では新型コロナウイルスの影響で収入が減った個人事業主らを支援する国の持続費給付金をだまし取ったとして東京国税局職員の塚本晃平容疑者(24)らが詐欺容疑で逮捕される事件などが相次いで発覚。これまでに全国で4000人近くが合わせて31億8400万円もの受給を不正に受けていたとあっては、嘆かわしい限りである。
 この世の中には、正直者があすをも知れず苦しんで生きているなか、身に覚えのある小賢しい人物がいっぱいいる。そんな気がするのは私だけか。

 島根県の丸山達也知事が2日、中国電力島根原発2号機(松江市、出力82万㌔㍗)の再稼働への同意をこの日開かれた県議会本会議で表明。「再生可能エネルギーや省エネのみによる電力供給では不安定さや住民・地域生活に大きな負担が生じることが懸念される。現状では原発が一定の役割を担う必要がある」と述べた。島根原発の稼働には既に松江市も同意しており、地元同意は出そろったことになる。再稼働はこんご安全対策工事を経たうえで2023年度以降になる見通しだという。

 気になるロシアによるウクライナへの軍事侵攻の方だが。親ロシア派「ルガンスク人民共和国」部隊のマロチコ報道官が1日、「近く公式にウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市の完全制圧宣言が出される」との見通しを明らかにし、ウクライナ軍参謀本部も1日、市東部を制圧された、と発表したという。田中英寿前理事長(75)の脱税など一連の不祥事を受け新体制移行を進める日本大の新理事長に日大出身の作家林真理子さん(68)=現日本文藝家協会理事長=が内定。写真家の田沼武能(たぬま・たけよし)さんが1日、東京都内の自宅で死去。93歳だった。

2022年年6月1日
 水曜日だ。なぜか。幕末は高杉晋作が詠んだあの都都逸「あけがらす」が口をついて出た。
 ♩三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい

 中国の上海市が新型コロナ対策で約2カ月にわたって続けてきたロックダウン(都市封鎖)を1日午前零時(日本時間午前1時)に解除。住民の外出を許可した。市は鉄道や地下鉄、バスなどの運行をほぼ復旧させ、自家用車の走行も市全域で認めた。中国は厳格な「ゼロコロナ」政策で感染を抑え込んできたが、感染力の強いオミクロン株の流行により上海で多数の感染者が発生。3月末からの都市封鎖で上海や周辺都市で製造業の生産や港湾機能が停止していた。解除により、感染者が出ていない地区の外出制限がなくなり、公共交通機関の運行が再開。市民は5月31日夜、居住区内で音楽会を開くなどして封鎖解除を祝ったという。
    ※    ※

    ☆    ☆
 名古屋市天白区の相生山緑地では体長7~9㍉ほどのヒメボタルの乱舞がピークに。長良川で知られる岐阜では、夏を前に名物「水うちわ」の制作が急ピッチで進み、最盛期を迎えているという。昨秋この世を去ったわが妻たつ江に続いて先日逝った私の母が健在なら、きょう六月一日は満百二歳の誕生日を迎えたはずだった。この世は薄情で、月日は人それぞれの思いとは関係なく無情な時を刻んでゆく。私たちをどこへ連れていこう、というのか。母はいつもこの日がくるとは、私に決まって、こう言っていた。
「たかのぶ。あのね。おかあちゃんが生まれた日は、和田(現在は江南市古知野町和田)に初めて明かり、電気が点いた日なのだよ」と。この歓喜した言葉は、いまだに忘れられない。

 人間社会、それぞれの世界でそれぞれの浅はかなる思惑がからんでか。ロシアによるウクライナ侵攻はじめ、どこもかしこもが結局のところは、私利私欲からの混乱をきたしている。相手の立場に立って考えればよいものを。「私なら」という自分勝手な私心が色濃く反映しないでもない世の中のような、そんな気がしないでもない。これも人間にまとわりついた愚かなるサガなのか。

 それはそうと。けさのホットニュースは、中日ドラゴンズの新戦力に新しく「タバちゃん」が加わったことか。けさの中日スポーツによれば、新外国人のタバ-レス=ドミニカ共和国=が31日にバンテリンドームナゴヤで入団会見。『最速152㌔右腕は、同席した立浪監督からの「先発として期待したい」の声に「準備万端です」と気合十分だった。背番号99で、推定年俸600万円。』。
 あだ名は「タバちゃん」だそうで、このタバちゃん。今季は日本海オセアンリーグ・富山GRNサンダーバーズでプレーし、全て救援で12試合に登板し防御率0・00。2018年には広島で育成選手としてプレー、来日6年目で日本語も得意な苦労人だそうだ。ドラゴンズの新体制の方針なのかどうか。中日はいい選手を獲得したな、とつくづく思う。大いに期待したい。応援しなければ。

 そして、硬派記事では何といっても【泊原発 運転差し止め 札幌地裁判決「津波対策不十分」 廃炉請求は棄却(1日付中日1面見出し)】だろう。これは北海道電力泊原発1~3号機で事故が起きた場合、住民の命や身体の安全が脅かされるとして周辺住民ら1200人が北海道電に運転差し止めなどの訴訟を求めた訴訟判決で札幌地裁が31日、津波に対する安全性の基準を満たしていないとして現在定期検査中である三基の運転差し止めを命じたもので、原告側によれば、津波対策を理由に運転を認めなかった判決は、今回が初だ、という。

 札幌地裁判決を報じた新聞各紙
 

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一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年5月~)

2022年5月30日
 舞の遺影の周りはいつだって息子の手で美しい花々で飾られている
 

 月曜日。7連敗のあと、せっかく3連勝したというのに。ドラゴンズは昨日、オリックスに8―0でコテンパンにやられて負けた。これだけ思っとるのに。何やっとるのだ、と言いたくもなる。でも、そこは抑えて「選手も立浪監督も、みんなそれぞれ一生懸命やっとるのだから。しかたないよ。野球は勝ったり負けたり、の世界なのだから。それでよいのだ」と自らに言い聞かせる。
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 さて。わが友、ネパールはカトマンズで暮らす長谷川裕子さんから国際メールが届いた。次のような内容だった。
「世界は激変、これからも激変していくのでしょう。どんな状況でも明るく前を向いていこうと思います。足元の幸せを見いだしながら世界の幸せのために。ゴン太さんも一緒に」。私は読みながら思わず「ありがとう。そうだよね。だよね」とつぶやいていた。それと裕子さんと言えばだ。彼女からの便りによれば、【カトマンズさまよいウォーキング】を本格的に始めたというだけに、今後カトマンズからの発信に期待したい。

 ところで、話は急旋回。きょうの昼前、眼医者さんからの帰りに運転していたら、とってもデカいカラスが三羽、四羽と「そこのけ、そこのけ。お馬が通る」どころか、「そこのけ、カラスさまのお通りだ」と言わんばかりに道路をトコトコ、とんとこと道幅を全部占領して歩いて行くではないか。
 そういえば私はかつて一宮主管支局長(現在は一宮総局長)在任時に【カラスの子】というコラムを新聞で連載したことがある。だから、その時の挨拶代わりに、いっとき路上封鎖とあいなったのかもしれない。私は、しばらく車の速度を落とし、カラスたちが大手を振って路上を横切っていくのを見やった。

    ★    ★
 元日本兵・故横井庄一さんの妻美保子さんが27日、脳出血で死去。94歳だった。美保子さんといえば、だ。太平洋戦争の激戦地グアム島で終戦を知らされないまま潜伏生活を続け、1972年2月に帰国した横井庄一さんと同11月に見合い結婚。以降、耐乏生活評論家としての講演や陶芸に打ち込む夫を、妻としてどこまでも支え続けた女性である。私は、たまたま新聞社の社会部当時(昭和50年代)、名古屋中村、西署などのサツ回りの傍ら、中川区も担当。あのころ、中川区の自宅に横井さん夫妻を何度も訪ねたが、いつ顔を出しても笑顔で接してくださったあの時の表情は今なおしっかりと覚えており、忘れることは出来ない。
 みほこさん! 昔、大変お世話になった〝いがみ〟です。「横井庄市記念館」の開館や、ご主人の〝戦後〟をご自身の目で辿った【鎮魂の旅路】の出版など。長年、平和のために力を尽くされ、本当にお疲れさまでした。ご主人の庄市さん。きっと喜んでおられるはずです。(手をあわせて)合掌―
    ★    ★

 昨日は群馬県高崎市と栃木県佐野市で35・2度を観測、ことし初めて最高気温が35度以上の猛暑日に。岐阜県多治見市で34・9度、名古屋市でも33・1度など全国914観測点のうち261地点で30度以上になった。第75回カンヌ国際映画祭の授賞式が28日(日本時間29日未明)、フランスのカンヌで開かれ、最高峰のコンペティション部門で是枝裕和監督(59)の韓国映画「ベイビー・ブローカー」に主演したソン・ガンホさん(55)が韓国人初の男優賞を受賞。長編の初監督作「PLAN75」を出品した早川千絵監督(45)が新人監督賞カメラドールで次点の特別表彰を受けた。このほか、将棋の第八十期名人戦七番勝負の第五局が28、29の両日、岡山県倉敷市で指され、先手の渡辺明名人(38)が九十七手で挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)を破り、対戦成績4勝1敗で3連覇を果たし、棋王と合わせて二冠を維持した。

2022年5月29日
 日曜日である。
 朝、NHKラジオでかつておまえと一緒にいつも耳を傾けた【音楽の泉】に、シロ(オーロラ・レインボー)を傍らにパンとヨーグルトを食べながら聴き入る。きょうは、ベートーベンの交響曲第5番、運命で聴きがいがあった。たつ江(伊神舞子)が健在だったころ。私たちはいつも朝食をたべながら、この番組に耳を傾けたものである。
 【音楽の泉】のあとは、引き続き新聞をチェック。陽射しがよいのでベランダに出て、久しぶりに早朝に干しておいた毛布2枚の表と裏をひっくりかえす。シロちゃんがベランダに寝ころんで手伝っているつもりなのだろう。おかあさんそっくりの顔でいろいろやってくれるのはよいが。返って邪魔になってしまう。でも、まっ。いいっか。ご本人、オーロラレインボーちゃんは、あれでいて私を助けているつもりだ。昔のように、おかあさんと一緒に毛布干し(とは言っても私はほとんどやらず任せっぱなしでいた。今になってほめられたことではないことに気が付く)をしているつもりなのだろう。それにしても、わが家の屋敷内は雑草が急成長してきた。そろそろなんとかせねば。とは思いつつも草引きをしている時間がない。

 最近、何よりも嬉しかったのは7連敗して、お先真っ暗だった中日ドラゴンズが、幸いセ・パ交流戦に入り、3連勝し少しだけ盛り返したことか。ドラが勝つと、なぜだか力がわいてくる。なぜだろう。それから。きょうの中日新聞1面トップは【平和願いしHAIKU 黛さん企画、世界から詠み人】というもので、前文には『ロシア軍のウクライナ侵攻に対し「HAIKU」で平和を訴えよう―。俳人の黛まどかさんは、英語や母国語などで俳句を詠む国内外の愛好家らから作品を募集。集まった475句から特に心を動かされた10句を選び、本紙に寄せた。外国語の作品には自らの和訳を添え「世界の人々が俳句でつながり、戦争が終わることを知ってほしい」と力を込める。』とあった。この世の中は何より平和でありたい、との思いが伝わる良い記事だった。

 29日付中日新聞の記事は俳句で平和を訴えよう、というものだった
 

2022年5月28日
 土曜日。白い雲が空高く。浮かんでいる。青い空。5月の風ならでは、か。きょうの風は、とても強くベランダの洗濯物が何着もバタバタと落ちたりしていた。ところで、おまえ。たつ江は今、この宇宙の一体全体、どこにいるのか。おふくろと一緒にいるのか。きょうは、知らせたいことがある。何か。

 それは、だ。おまえの生前に俺がよく語って聞かせた、あの重信房子さん(76)がきょう、20年の服役を終え無事出獄した、ということをまずは誰よりも先に知らせよう。彼女は私と同年齢で俺がもっとも、その存在と動向に目を注いできた、その重信房子が懲役20年の刑を終えて本日28日朝、東京都内の収容先を無事、出所したのである。
 重信房子といえば、だ。1970年代を中心に世界中でさまざまなテロ事件を起こした過激派グループ「日本赤軍」の元最高幹部で自らもオランダ・ハーグの仏大使館を占拠した「ハーグ事件」で殺人未遂などの罪に問われ、捕らわれの身となり、懲役20年の実刑判決を受け、服役。服役中には4回のがん手術にも耐えたという。全てにかけて強靭な女性である。
 この日、刑期を終えて午前8時前に東京都昭島市にある「東日本成人矯正医療センター」から迎えの車に乗って出所。重信さんは、支援者や報道陣を前に「生きて出てきたな、と実感しています。50年前、人質を取るなどして被害を与えたことをおわびします。こんごは治療に専念し反省するとともに好奇心を持って生きていきたいです」などと話したという。その言や、よしである。

 そして重信さんといえば。もうひとつ、出所に合わせ歌集【脱出獄! 重信房子歌集 暁の星 テロリストと呼ばれしわれは秋ならば桔梗コスモス吾亦紅が好き 斬新で清潔な文体、死者への哀悼と連帯の800首 跋・福島泰樹」(晧星社)が出ることを中日新聞の26日付朝刊1面の広告で知り、その日のうちにさっそく、亡きたつ江がお世話になってきた地元杉浦書店さんに注文をお願いしたのである(まだ手元には届いていない。そのうちに届くだろう)。

 重信房子出所を報じた朝刊
  

 

【舞1年前 2021年5月28日の舞(ごん日記から)】
 朝、舞曰く「あたし。雑菌は、少しあった方がいいと思うの。その方が人間も抵抗力がつくし。だから、ちょっとはあった方がいい。うがいもやり過ぎるとよくないのだって(舞の雑菌に対する考え方)」と。舞のワクチン接種予約をパソコンから一緒にする。結局、私と同じ6月22日の午後2時30分からKTXアリーナ(江南市スポーツセンター)で接種してもらうことになった。ワクチンはファイザー社製ワクチンである。ちなみに私は午後2時から。同じKTXアリーナにて。舞が痛み止めの薬がなくなったから、と。近くの池田病院へ行く。
 午後。江南厚生病院へ一緒に。舞。検尿に続いて採血。この後、婦人科で担当の松川医師の診察を受ける。「腫瘍マーカーのデータは、増えています。CTを撮っておきましょう。それを見たうえでこんごの治療を考えましょう。(改めての抗がん剤治療となると)最初は3日間ほど入院、あとは通院治療になるかと思います」と同医師。CTのあと「(アイソトープによる診断でも)子宮の下にモコッとしたものがある。がんが再燃してきている」と同医師。このあと最近、ピアゴに代わって新しく出来たドンキにふたりで寄り、買い物をして帰宅する。夜。長男におかあさんの状況について電話で説明。

(2022年5月27日)
 金曜日。
「やることは、ひとつ。ひとつなの。1日ひとつよ。あなたは、まだ若いと思っているかもしれない。でも、もう齢なのよ。齢なのだから。無理しないで」
 このところの私は、亡きたつ江のあの鈴を転がすような声を振り払うようにして生きている。今にして思えば、私のからだのことばかりをいつも思い、最優先にしてくれていた。ありがたいことだったな、と思う。きのうは、滝高校の昭和39年春卒業生からなるクラス会「二石会」(卒業時の恩師二村先生と石田先生の頭文字を取って、〝二石会〟と名付けられた。私は現在、会長)の役員による江南市内「むさし屋」でのこんごの会の存続と運営方針を話し合う食事会に出席。久しぶりの顔合わせに互いに青春時代が蘇ったのである。みなホントに気のいいクラスメートばかりである。
 私は、食事会が終わったその足で一宮のスポーツ文化センターへ、と向かった。センターではワルツとルンバを学んだが、七月十八日の名古屋市内でのラララダンス発表会には「ぜひ出てほしい。一緒に踊るのだから」と若さん(ダンス教師)に言われ、参加を約束。それよりも何よりも、きょうはこのところ私的事情から顔を見せなかった羽島の「アサちゃん」がひょっこり顔を出してくれ、彼女の口から出た「これからもレッスンにでます」との言葉に先生は大喜び。私自身も、なんだか嬉しい気がしたのである。

 世の中の方は、ロシアによるウクライナ侵攻その後に始まり、夏の到来を前にコロナの感染縮小に伴うマスクの有効活用についての見直し、北海道・知床沖の観光船沈没事故その後(沈没船カズワンは、その後網走港で船上に引き揚げられた)などが報じられている。

2022年5月25日
 「クアッド」首脳会合を報じた25日付中日新聞朝刊
 

 日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国による協力枠組み「クアッド」=QUADは英語で、4つで一組を意味する=の首脳会合が昨日24日に首相官邸で開かれ、「自由で開かれたインド太平洋実現」に向け、こんご5年間で同地域のインフラ整備に500億㌦(6兆3800億円)以上の支援や投資をめざすことで合意。こんごは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を頭に発展途上国を支援していくこととなった。
 けさの話題はほかに、将棋の藤井聡太五冠(19歳)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖。愛知県瀬戸市=に出口若武六段(27歳)が挑戦する第七期叡王戦五番勝負の第三局が24日、千葉県柏市で指され、先手番の藤井5冠が百九手で勝ち、三連勝のストレートで叡王初防衛を果たしたこと。北海道知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、同船をえい航中、船体が182㍍の海底に落下してしまったことか。いやはや、世の中は良きにつけ悪しきにつけて、絶えることなく動いている。

 昨日は私も会員として所属する【脱原発社会をめざす文学者の会(加賀乙彦代表)】活動をこれからどうしていくのか、についての会議が東京の日本文藝家協会事務局を起点に北海道など全国主要地点ともオンラインで結び、対面とオンラインの両方で開かれた。「重要な会議なのでぜひ、出てほしい」との要請を受けて出席したが、北海道在住の文芸評論家川村湊さんはじめ熱心な会員の皆さまとも久しぶりにオンライン(私の場合)で話を交わすことができ、良かったと思っている。ただ、ここまで地道な活動を続けてきた「文学者の会」活動がここにきて少し曲がり角に来ているな、という思いを感じたのも事実である。
 この【脱原発社会をめざす文学者の会】は、東日本大震災の発生とこれに伴う福島第一原発事故の教訓を胸に、原発による被害がこんご二度と起きることのないようにとの、そんな熱きひたむきな願いをこめ、十年前に加賀さんら有志の提唱で誕生。そのご被災地への再三に及ぶ現地視察をはじめ会誌【OFF 言葉と想像力によって】や会報の発行、中村敦夫さん(会員)による朗読劇【線量計が鳴る】の全国各地を巡回しての上演会、さらには文学大賞の設定、ホームページの新設など。数多くの活動を展開してきている。それだけに、こんごの活動をどうしていったら、より実りあるものになるのか。この日は出席した誰もが熱心な表情で語り合ったのである。というわけで、この日は本年度の総会を前になお数回、事前の会議を開き、これから先の方向づけをということで終わった。私としては、ここまで歩いてきて実績もある文学者の会のこんごの地道な発展を祈るほかないのである。

 気になるニュースは、もうひとつ。本日付毎日新聞にあった「解体工事が一時中断している戦国武将・織田信長の側室、吉乃(きつの)の墓がある久昌寺(愛知県江南市)について市は24日、全ての建物の保存を断念する、と市議会の全会派合同説明会で報告した。澤田和延市長は本堂の保存に意欲を示していたが、財政負担に対する懸念などから断念した。一部古材の活用は検討する」とあるが、やはり吉乃は江南が生んだ宝。大河ドラマの主人公にも十分なりうる高貴で貴重な存在だけに、ここは市民での目線で、と願いたい。貴重な文化財は一度取り壊したら、それこそ取り返しのつかないことになる。ここは慎重かつ冷静に。少なくとも残すべきものは後世に残すべきだと思うのだが。どうか。

 吉乃はどうなる 25日付の毎日新聞朝刊。市民の間では、そっくりの保存を願う声が多い
 

    ※    ※
【気配】
 電話が鳴る/足音がする/声が聴こえる
 おまえだ/帰ってきたか
 私はいつだって/おまえを待っている
 その一方では、だ/
 いつだって俺の懐刀となってくれているのが、よく分かる
 私のデスク足元にいる白猫シロ。
 彼女は舞の化身そのもの/
 私が帰宅するつど玄関先に走ってくる。

    ★    ★
 米南部テキサス州ユバルディの小学校で24日昼、地元の高校男子生徒(18)が拳銃を乱射、児童19人を含む21人が死亡。男子生徒は警官に射殺された。韓国軍合同参謀本部が25日、北朝鮮が平壌郊外から日本海に向け、午前6時、6時37分、6時42分ごろに大陸間弾道ミサイル3発を発射した、と発表。バイデン米大統領が初の訪韓、訪日を終えた直後で北朝鮮のミサイル発射は、ことし17回目。それにしても人間とは不思議で愚かな生きものである。わが家の愛猫。ニンゲンたちを笑っている。

2022年5月24日
 火曜日。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表によれば、世界で避難を強いられた人の数が23日、とうとう1億人を超えた。ウクライナ避難民の増加で、ことしに入り急増。「決して超えてはならない記録で非常に厳しい現実だ」とは、フィリッポ・グランデイ高等弁務官の話である。
 ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻からきょう24日で3カ月。英国防省によると、ロシア軍の死者は、旧ソ連のアフガニスタン軍事介入時(1979~1989年)のソ連兵の死者数とほぼ同じ1万5000人に及ぶとの分析を公表。中日新聞も本日付の朝刊で【ウクライナ侵攻3カ月 ロシア軍 人的被害深刻 英「死者アフガン戦並み」】と報じている。
    ★    ★

    ☆    ☆
 さて。日米首脳会談の方だが、岸田文雄首相は昨日東京・元赤坂の迎賓館で会談。中国を念頭に米国が核兵器と通常戦力で日本の防衛に関与する「拡大防止」確保へこんごも緊密に協議していくことで一致し、同盟強化を図った。またバイデン氏はこの後の記者会見で中国が台湾を攻撃した際の軍事的関与を明言(ホワイトハウスはこの直接的な発言を〝失言〟にならないよう一部、あいまいに補正した)。両首脳は核兵器のない世界の実現に取り組むことで一致。日本が議長国を務める来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地を首相の出身地でもある被爆地・広島とすることも表明。この日はバイデン氏から米国主導の新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足も表明された。
 それから。バイデン大統領は23日午後、迎賓館で拉致被害者の家族とも会談。バイデン氏が横田めぐみさんの母親早紀江さんらと会談。早紀江さんと膝をついて目をあわせて「私たちは協力します」と話す姿が印象的であった。

 日米の首脳会談を報じた新聞(24日付中日朝刊)
 

「早く、めぐみに会いたい」と話す横田早紀江さん(NHKから)
 

(5月23日)
    ☆    ☆
 東京・墨田区の東京スカイツリーが22日、開業から10周年を迎え、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんがお家芸の見え【にらみ】を地上634㍍のツリー頂上部から披露。この模様は大型ビジョンで上映されたが、来場者からは、拍手と歓声が上がったという。韓国訪問を終えたバイデン米大統領が22日夕、専用機で東京に到着。就任後初の来日で本日、東京都内で岸田首相と会談。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、世界のいかなる地域でも力による一方的な現状変更は許さない方針などを確認した。

 きょうの新聞報道には【知床事故14人死亡12人不明 船体引き揚げきょう開始 発生1カ月】【春日井市長に石黒氏 元市部長 3新人の争い制す】(23日付中日朝刊)【「日本の防衛に全面関与」首脳会談でバイデン氏】【「友好関係の増進願う 陛下、バイデン氏と会見】【体育でマスク不要 政府方針 部活は食事・移動時着用】(同日付夕刊)といった見出しが並んだ。それはそうと米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(27)が22日、当地(アナハイム)で行われたアスレチック戦で一回に今季9号ソロホームランを放ち、プロ野球日本ハム時代の48本と合わせて日米通算150本塁打を達成。この日「1番・指名打者」で出場した大谷は今季2度目の先頭打者ホームランで、4-1の勝利に貢献した。

 バイデン大統領が訪日。岸田首相との日米首脳会談が開かれた(NHKから)
 

 大相撲夏場所千秋楽が22日に東京・両国国技館で開かれ、休場明けの横綱照ノ富士が大関御嶽海を寄り切りで破って12勝3敗で3場所ぶり7度目の優勝。さすが、横綱だ。新聞の見出しも【照ノ富士 綱の威厳 けがで焦り後半巻き返し】というものだった。大規模漏水が起きている明治用水頭首工(愛知県豊田市)の現場では21、22の両日も応急措置で矢作川から用水に水をくみ上げる作業が続き、22日には愛知県が管理する河川から用水への取水も始まり、組織を超えた総動員態勢での水確保が続いている。
 この世の中がある以上、いろいろある。このほかにも、新型コロナウイルスの感染拡大が日本では徐々に治まりつつある(北朝鮮では1日に16万7000人の感染者が出て、感染爆発に近いという)なか、ここにきてマスクの使用を巡っての適正な使用法が真剣に論議されている。また世界保健機関(WHO)の21日の発表によれば、動物由来のウイルス感染症「サル痘」の患者が、これまで継続的に発生してきたアフリカ以外で欧州と北米、オーストラリアの12カ国92人に拡大。18人が疑い例として確認中だという。こうしたなか、スイスと中東イスラエルの保健当局も同日、初めてサル痘患者を確認した、と発表。感染症の不気味さが浮き彫りになってきている。
    ☆    ☆

    ※    ※ 
 きょうから私の記録ノート<ごん日記>の記述に従い、1年前のたつ江(伊神舞子)について。あれば、簡単に書き記していきたい。
【(2021年5月23日)日曜日。私たちの畑〝エデンの東〟に出かけ、ふたりで玉ねぎの全てを収穫。帰宅後。いつもなら作る昼食を作ろうとしないので、そのわけを聞くと「きのうから気持ちが悪いので」という舞。「のむ薬は?」との私の問いに「今はない」と舞。しばらく様子をみよう。長男からおかあさん(たつ江)に、と、いろいろからだを気遣った食べ物が宅配便で送られてきた。これなら食べられるか。食べられたらいい】

(5月22日)
 午後。私は車を運転しながら、きょうもしみじみ思う。俺は一体全体どこに向かって走っているのか。行くところなど、どこもありゃしないからだ。帰るところなんて。どこにもないよ。たつ江と母。最愛のふたりを相次いで失い、もはや、どこにも帰る必要がない。場所がない。のに、である。どこへ帰ろうというのか。
 ましてや。帰っても、これまでのように舞がわが家で「ナ~ニ」「あのねえ」「どうだった」と言って待っていてくれるわけでもない。それとも、こうした今の私の心理状態をこそ【そして。すべてが終わった】などといった表現で言うのか。私には分からない。それでも私たちは亡き妻、母のためにも前に向かって歩いて行こうとしている。この心理は何なのだろう。
    ※    ※

    ☆    ☆
 22日。午前中、地元花霞町の町内会役員会に評議員として出て帰宅したら、既に昼になっていた。愛猫シロちゃんは、相変わらず玄関先にまでトントントンと足音をたてて、走って迎えにきてくれた。シロよ、シロシロ、シロちゃん。ありがとう、と私。舞はいつのまにか、シロに変身してしまったのか。それとも。シロが舞ではないか、と。彼女のつぶらな目と私の目が合うたびにそう思う。

 シロよ、シロ、シロ。いつも、ありがとう。彼女はおかあさん、たつ江の化身か
 

 

 さて。このところのニュースといえば、だ。何と言っても愛知県の矢作川から農業用水や工業用水を取水する堰の施設「明治用水頭首工」(豊田市)で大規模な漏水が起き、東海農政局が21日、周辺の河川からポンプで水をくみ上げて用水路に流す作業が始まった、ということか。とはいえ、供給に必要な水位にはまだ達しておらず、止まっている農業用水の再開には、なお時間がかかるとみられている。
 一方、世界に目を移せば。ロシアのショイグ国防相が20日、ウクライナ南東部マリウポリでウクライナ側の最後の拠点となっていた製鉄所を「完全に制圧した」とプーチン大統領に報告。約80日に及ぶ包囲戦が完了したことでロシアは今後、ドンパス地域の全面制圧を目指すとみられる。こうしたなか、バイデン米大統領は21日、初のアジア歴訪で【アメリカ・イズ・バック(米国は戻ってきた)】をアピール、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)新大統領との会談で安全保障や経済分野での関係強化を打ち出したという。
 バイデン大統領は引き続き22日には、就任後初めて日本を訪問、23日には岸田文雄首相と会談。「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足会合を開催、引き続き24日には日米豪印4カ国による協力枠組み「クアッド」の2回目の対面式首脳会合に参加することになっている。

 いやはや、わが最愛の妻たつ江や私のおふくろ千代子の死なぞ、世間はもはや何も関係ないとでもいったような。ツンとした顔をして時を刻んでいるのである。社会は無情かつ無慈悲なのだ。かといって、私のなかではバイデン米大統領も岸田首相も、極悪非道の人間として敵対するプーチンロシア大統領も、だ。当然のことながら、その存在は私にとっての偉大なるわが妻や母と比べたら、それこそ失礼ながら無と言っていい。つゆほどにもならぬ存在なのである。それが世の中というものか。

2022年5月20日
 家族葬による母の通夜と葬儀(喪主は兄)が名古屋市名東区上社の平安会館名東猪高斎場で18、19の両日あった。私たち家族も参列したが、そこはさながらおばあちゃんの愛をいっぱいもらって育った孫、ひ孫の会と言っても良い、ワイワイガヤガヤと、にぎやかで誰にとっても忘れられない日となったのである。おふくろさん、お母さん、いや、おばあちゃん、大おばあちゃん。愛をいっぱいくれてありがとう。といったところか。

 母は帰らない。でも「別れて生きるとき」も、一人ひとりの心のなかで生き続ける
 

 母と一緒に(左から2人め。妹に耳を引っ張られているのが私。右が兄。右端はいとこの〝さっちゃん〟)
 

 伊神家の家紋
 

 きょうは、こまごまと書くことはやめよう。戒名は、生前の母、伊神千代子が心身ともどこまでも天真らんまんの晴れ女だったこと、そして裁縫を得意とし何千本、いや幾千万、何億本ぼの針を、この道と同じように通したこと(母は和裁の先生でもあり、和服を縫うことにかけては天下一品。誰もが認める達人だった)、亡くなる前は、とうとうピアノの音まで極めたことなどを頭に文学、いや文化全体に長けた臨済宗妙心寺派永正寺の水谷大定住職が【蒼穹院千縫究音大姉(そうきゅういん・せんぼ・きゅうおんだいし)】と命名してくださった。わかりやすく言えば、青い空のもと、千本針とともに人生の音を極め、天女となって大空高く舞い上がった、ということか。
 葬儀では水谷住職の【カアーッ】のひと吠えが、圧巻であった。これは「亡き人にカアーッ、と引導を渡すことによってこの世との終着を断ち切り、あの世にいざなう一種の敬虔なる儀式でもある。母は、どんな気持ちでこの声を聴いたか、と思うと、ふとあの声が私の脳裏に響いてきたのである。「あんたら。何やっとるの。もう、はよ。いつもどおりの生活に戻らんと。アカンよ。私にはみんな分かっとるよ。でも、ありがとね。かわいいたつ江さんが待っとるから。そろそろいくからね」。

    ☆    ☆
 ここで私は思う。いま苦しんでいる母たちはウクライナだけではない、と。ロシアにも悲しみの中にいる母たちはいる。あらためて人間そのものが、大事な母たちの心までを奪い、殺してしまっている。その点で私の母、伊神千代子は戦中戦後を九死に一生を得つつ、たくましく生き抜き後年は「愛泉館」のスタッフにも温かく助けられ、楽しく朗らかな人生を過ごして生き抜いた。
 私の母はそれでよかった。でも、戦火にある世界の母たちは、どうなるのか。こうしている今もなお泣き続けているのである。このことに心しなければ、と。私は母の安らかな寝顔を前にしみじみ思った。それ以上に言うことはない。
    ☆    ☆

    ※    ※
 20日付中日紙面見出しは【コメ農家焦り、怒り「苗が枯れる」 農業用別河川から取水 明治用水 愛知県が緊急許可 工業用確保めど】【ロシア南部編入の動き加速 ウクライナに副首相派遣】【原発避難上告審 来月17日に判決 最高裁、初の統一判断】【久昌寺本堂の保存提案 江南 文化財保護委員、市に報告書】【脱ロシア燃料依存で40兆円投資 EUが計画案】【ダライ・ラマ14世と米国務次官が面会 バイデン政権初】といったところか。

 日本も。世界も。私たち家族のことなどは何も関係ないよ、と。そう言いたげに、トントントントンと動いていく。そうしたなかを、けなげに、ひと筋の道を生きていく名もなき人たち。

2022年5月18日
 誰にだって。母がいて子がいる。

 笑顔が絶えなかった母(伊神千代子)。愛泉館スタッフと
 
 
 母が16日夕方、永遠の眠りにつき、この世からいなくなってしまった。昨秋のわが妻たつ江に続く死で、私たち家族は何もかもを奪われ失ってしまったような、そんな感覚にとらわれている。16日は奇しくもお釈迦さまの誕生日(ブッダ・ジャヤンティ)である。この日はネパールのルンビニで、まさに満月の日であった(カトマンズの友、長谷川裕子さんによれば、ネパールでは、この日ルンビニ国際空港がオープンしたという。めでたい日である)。

 この世でわが妻たつ江と並んで私の最大の誇りであり、かつ私たち兄妹家族の最強の味方、良き理解者でもあった母(伊神千代子)。彼女は101歳で突然、この世を去った。来月1日がこれば、満102歳になったはずなのに。これを天寿というのだろうか。母に比べれば、若くして逝ってしまった、わが妻たつ江(伊神舞子)よりは天寿を全うしたと言っていいかもしれない。そんな母が私たちに最期に残したことばは「みんな兄妹仲よくネ」だった。そして。お世話になった老人保健施設「愛泉館」スタッフはじめ、世間、社会に対しては「人間は誰もが一人ひとり美しく、かつやさしくありたいね」というものだった。

    ☆    ☆
 泣くに泣けないというか。まさに電光石火のごとき人生の終焉であった。なぜ。どうして。もっと、もっと。いろんな話をいっぱい、いっぱい、してほしかったのに。聴きたかったのに。もっと、もっと。長生きしてほしかったのに。とは言ったところで、もはやどうにもならない。ただ言えるのは「おふくろ。おかあさん。長い間、本当に私たちを支え助けてくれ、ありがとうございました。こどもたちも、おふくろとたつ江のおかげで立派に育ってくれた」という感謝の言葉以外、何も浮かんではこない。
 愛知県日進市内の老人保健施設「愛泉閣」で施設入居者としては最高齢の人気者として日々、ピアノを弾いたり、草履を作ったりして楽しく過ごしていた母(伊神千代子)が一昨日の16日、満月の日の午後6時1分に施設内で5月の満月【フラワームーン】が空高く浮かぶなか、鮮やかなる人生の終焉を迎え、大空に飛び立った。時あたかも5月16日といえば、だ。芭蕉が江戸・深川を元禄2年(1689年)に出発して陸奥、東北の旅に出た、まさにその「旅立ちの日」に母は新しい未知の国への一歩を踏み出したのである。母は私の妻たつ江が昨秋(10月15日)に逝去して以降、気落ちしたこともあってか、少し元気がなくなりこそしたが、兄夫妻の献身的な介護をはじめ、妹夫妻、そして施設内の多くのスタッフのみなさまにも支えられ、元気でいるものとばかり思っていた。それだけに、兄から【たかのぶ。おふくろ、なくなった】との電話をもらった時の私たち兄妹とそれぞれの家族の悲しみは計り知れないものがあった。

 たつ江(舞)に続き、母までもが大切な命を奪われてしまった(死因は老衰というよりも、腎機能不全に伴う酸素不足というものだった。母は今年に入り、コロナにも罹りしばらく愛知国際病院に入院していたが、これを見事に克服、退院し再び「愛泉館」でのいつもの楽しい暮らしに移って、まもなかった。最後のことばは、頭に激痛が走る異変の知らせにUターンして駆け付けた義姉に対して、なんとも言えないすばらしい笑顔で繰り返し語ったことば「たえこさん(音楽療法士)。よくしてくれて、ありがとうね」だった)。
 私はいま。ニンゲンとは。やはり誰もが悲しさの海の中を歩いてゆくものなのか、と必然性というか宿命のようなものを思ってしまう。そして家族で日々を過ごしてきた何げない日常の大切さをあらためて深く認識するのである。ましてや、このところのロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴う略奪に拷問、所かまわぬ砲撃など言語道断である。

    ※    ※
 私は今、つくづく思う。
 終戦になってなお、ロスケ(ロシア兵)に追われ、おふくろの体の中で中国大陸の無蓋車の鉄道に乗せられたり、広大な高粱畑など中国の大地を頭を坊主にした母と共に逃げ回った日々、戦争胎児感覚をもろに受けていたころのことを、だ。まもなくし、私は奉天(現在の瀋陽)で生まれ、引き揚げ船に。船内で伝染病に罹った赤ん坊が次々と死んで法要後に海洋投棄されていくなか、私だけがなぜか不思議と、平安な顔をして船底ですやすや眠っていたという(兄も肺炎などに罹って大変だったが生き延びた)。母は、私の船内でのおおらかな姿をみて「この子は立派に育つ。もしかしたら、天下を取ってしまうかもしれない」と何度も思ったという。舞鶴港に着いた私たち家族は、愛知県江南市和田の母の実家に落ち着いた。その後は、母の父親、おじいちゃん(祖父)の助けで生きてきたのだという。もちろん、既に亡くなっている父の努力と家族愛もあった。
 家族で命からがら引き揚げてきてから後のことといえば、だ。私は母の背中で母が引き揚げ後に私たちが住む家の壁塗りに懸命に挑んでいたことをしっかり覚えている。

 時代はかわり。高校一年の時、私は母校を訪れた先輩との柔道の乱取り中に右足を複雑骨折した。苦汁の日々だった。でも、あの時、母は裁縫の仕事に追われながらも、自宅療養中の私の看病にずっと当たってくれた。そして。大学生のころ。寒かった冬の朝に名鉄犬山線の古知野駅で倒れ、救急車で病院に運ばれ、入院した時には、なぜか看護婦さんから「お姉さんと弟さんですか。仲のいい姉弟であること」と言われたこと。あのころ、おふくろはとても若くて美人(その後もだが)で、私たちが小学生のころには周囲に推されて古知野北小学校の婦人会長までやらされたよね。
 私が小学生のころ。おふくろは、裁縫が得意でいつも裁ち板を前に着物を編みながら、美空ひばりや島倉千代子の歌をうたっていた。ボクは、その前にチョコンと座り、いつも仕事の邪魔をしながら【リンゴ追分】や【東京だよ おっかさん】、春日八郎の【別れの一本杉】などを一緒によく歌ったものである。きれい過ぎて、少しは怖くはあったが。いつも優しさいっぱいだった母、おふくろのことは、いつだって大好きである(むろん今だって)。兄も妹だって、この気持ちは変わらないだろう。自慢のおかあさんだった。

 それから。俺がたつ江と一緒になったあとは長男の出産時など何度も何度も父(名古屋千種税務署長、名古屋国税局監察官室長などを経たあと退職して税理士を開業。のちに勲4等瑞宝章)の税理士稼業の補佐をしつつ、五十代後半からの運転免許証取得(母は九十代前半まで運転。自ら畑でつくった立派なスイカを何度も届けてくれた)など多忙な身にかかわらず、合間を縫っては志摩半島の鵜方にまで足を運んでくれた。駆け落ちで私の胸元に飛び込んだ、たつ江をいっぱい、いっぱい本当に宝物の如く大切にしてくれた。
 赤ん坊が長男とは別の子と間違えて並べられていた現場を発見したのも、嫁をひたすら愛してくれた、おふくろさんだからこそ、だった。そして。おふくろが妹を生んだ日に兄と私が雪道をなんどもなんども倒れながら雪道を本家(ほんや)まで、おじいちゃんを呼びに行ったこと。母がお蚕さんの雄雌の鑑定士だったこと、兄が東大法学部や司法試験に現役でパスした時や、私が新聞社に合格した日の歓喜、さらには兄と妹の結婚が決まった日の喜びよう、私たちの友人知人への分け隔てのない温かいもてなし等など。妹が名大、津田塾、南山と受験した全ての大学に合格してしまった時の苦悩の表情……。あのときどきのおふくろの顔は今も忘れない。
 まだある。ほかに母自慢の弟が沖縄戦で命を落とした時の果てしなき悲しみ、母の母親の先祖が入鹿池をつくった入鹿六人衆の一人・小牧の舩橋仁左衛門の出だったことなども話してくれた。語り尽くせないほどにおふくろへの思いはある。でも、きょうのところはここらでやめておこう。なぜなら。こうした愛とやさしさに満ちたおかあさんたちは、おそらくこの世の中には、いっぱい、いっぱい、おいでだから。何も私たちのおふくろだけに限られたことではないからだ。

 デ、最後に母の死を機会に、みんなで私たちを守ってくれているおかあさんを大切にしようと。本欄を読んでくださっている全ての読者の皆さんに、私はそう訴えたい。「今を大切にせなアカンよ」と。母という母が私たちに教えてくれているのである。
    ※    ※

 ところで。おふくろ、おかあさん、天国に着いたら、可愛いたつ江のことよろしくお願いしますね。たつ江がいまごろ「おかあさん、まだかしら」と待っているに違いありません。おかあさん、おかあちゃん。一つひとつがドラマの世界だったよね。本当に、ほんとうにありがとう。そっちでは、舞が待っているから。だから、これまでどおり、楽しく美しい人生を過ごしてください。

――本日の一匹文士はここでやめておこう。おかあさん、ありがとう。世界のおかあさんたち全員に、ただただ感謝のことばだけを残して。

 おかあさん! 骨折の手術を克服し、母と再会した時の舞。このあとふたりは抱き合ったまま離れようとはしなかった。これが最期の対面となってしまった。
 
    ☆    ☆

    ×    ×
 人間たちは、相も変わらず愚かな戦争をしている。今は、世界中の母たちが泣いている。
ちなみに、けさの朝刊見出しは【マリウポリ 兵投降 製鉄所まず負傷者ら264人 籠城82日目「名誉ある撤退」 停戦交渉は先見えず】【明治用水で大規模漏水 豊田など131事業所 給水停止恐れ】【久昌寺の詳しい調査開始 文化財勝ち検討で江南市 天正期の古材 再利用の可能性】(18日付中日本紙と尾張版から)

2022年5月15日
 沖縄は50年前と同じ雨のなか、明けた。きょうは沖縄の本土復帰記念日である。

    ☆    ☆
 1972年(昭和47年)5月15日に沖縄が日本に復帰し、50年たった。中日新聞の本日付サンデー版大図解は当然のように【沖縄復帰50年】を主題に『沖縄は1972年5月15日、日本に復帰をしました。太平洋戦争末期の凄惨な沖縄戦をへて、米国の施政権下に組み込まれた沖縄。復帰から半世紀たっても埋まらない本土との「格差」を考えます。』の前文つきで、『忘れられた島 アメリカと日本のはざまの復帰前』『「本土並み」はどこへ…』など沖縄の人々の気持ちに配慮した中身の濃い紙面展開となっている。
 さらに社説【基地存続に無念の涙雨 週のはじめに考える】では『沖縄県民が望んだ「基地のない平和の島」はかなわず、今も県内には在日米軍専用施設の約70%が残ります』といった現状を踏まえ、『沖縄は本当に復帰したと言えるのか。いま一度深く考える必要がある、と思わずにはいられない、五十年後の復帰の日です』とクギを刺し、沖縄のことを真剣に考えるべきだと問題提起もしている。このほか、1面の連載企画では【望郷の空ー沖縄本土復帰50年 平和の一念歌い続ける 普天間に生まれて】の記事で沖縄生まれの名古屋の三線奏者・上運天有二さん(60)の存在にも触れている。

 そして。私自身、きょうは日本国民一人ひとりが沖縄について深く考える。そんな日でありたく思う。というわけで、夜は夜で午後9時からのNHKスペシャル【沖縄返還・日米の暗闘発見! 交渉の音声記録 基地継続を求める米国 窮地の首相苦渋の決断 置き去りにされた悲願】をじっくり見させて頂いたのである。

 ここに50年前に東京・日本武道館であった沖縄復帰記念式典での佐藤栄作首相の式辞と屋良朝苗知事のあいさつを、記録として紹介させていただく。
【沖縄の祖国復帰が実現しない限り、日本の戦後は終わらない。沖縄は本日、祖国に復帰した。戦中、戦後の沖縄県民の労苦は何をもってしても償うことはできないが、今後本土との一体化を進める中で沖縄の自然、伝統的文化と保存との調和を図りつつ、総合開発の推進に努力し、豊かな沖縄県づくりに全力を挙げる決意だ(佐藤栄作首相)】
【沖縄の復帰の日は疑いもなく到来した。しかし、沖縄県民のこれまでの要望と心情に照らして復帰の内容をみると、必ずしも私どもの切なる願望が入れられたとはいえないことも事実だ。そこには、米軍基地の態様の問題をはじめ、内蔵するいろいろな問題があり、これらを持ち込んで復帰した。私どもにとって、これからもなお厳しさは続き、新しい困難に直面するかもしれない(屋良朝苗沖縄県知事)】=屋良氏が言及した沖縄県民の要望と心情とは。基地のない「平和な島」だった。

 沖縄は本当に復帰した、と言えるのか。沖縄の抱える問題点を問い直した中日新聞15日付の社説とサンデー版大図解
 

 NHKスペシャル・沖縄返還のひとコマ
 

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 ところで、私と相棒のたつ江(舞)が志摩半島の三重県志摩郡阿児町鵜方(現三重県志摩市阿児町鵜方)で駆け落ち同然の記者生活を始め、一緒になったのは、沖縄が日本に本土復帰して半年ほどたった1972年11月だった。そして、それ以降というもの、沖縄が日本に返還された5月15日が来るつど、私たちふたりは平和の尊さについてアアダコウダと、よく語り合ったものである。長男と次男を伴って沖縄に行き、ひめゆりの塔の前で両手をあわせ、爆心地長崎にも足を運び、卓袱(しっぽく)料理も食べた。最近では、舞自らが営むリサイクルショップ「ミヌエット」のお客さんにも呼びかけ、みんなで折った千羽の折り鶴を手に、用心棒役の私と一緒に爆心地・広島を訪れたこともあった。

 だから、私たちふたりは沖縄の本土復帰とほぼ時を同じくして、私たちの道を歩いてきたのである。この間、ほかの人々と同じように喜びがあれば、悲しみも数えきれないほどあった。たつ江が元気でいてくれたなら。ことし私たち夫婦は結婚してちょうど50年、晴れて金婚式のゴールのテープを切るはずだった。のに、である。ゴール直前に、ふたりの夢は儚くも破れたのである。
 人生は無慈悲かつ無情である。でも、たつ江。おまえ、舞の心は、私と一緒で永遠不滅である。もちろんシロちゃんも、だ。だから、これからも、このニンゲン社会に不幸な戦争が起きることだけはないように祈って日々を歩いて行きたく思っている。
 この気持ちは、シロちゃんとて同じである。

2022年5月14日
 土曜日。本日付の中日新聞夕刊1面見出しは【平和の願い琉球切手に 半田の84歳 沖縄の小中学校に寄贈 米統治下で発行 戦争に翻弄歴史伝える】【「基地のない島」訴え行進 あす本土復帰50年】というものだった。沖縄が1972年5月15日に米軍基地を抱えたまま日本に本土復帰して、あすでちょうど50年になる。

 たつ江、舞が居たなら。それだけで楽しく、沖縄の平和についてもふたりで思い思いに自由に語り合えた。のに、だ。彼女はもはや、この世には居ないのである。きょうも、愛車のハンドルを手に思うのは、そのことばかりだ。平和堂に出向き、赤と白の花を買い、おまえのことばかりを頭に帰る。帰宅したら、いつもの舞の部屋の花置き場に私が買ったと同じ赤と白の花があったのには驚いた。息子も同じ花を買ってきてくれていたのだった。
    ※    ※

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 織田信長の側室吉乃が育った生駒家ゆかりの寺で知られる久昌寺(愛知県江南市田代町)=生駒家の菩提寺で正しくは嫰桂(どんけい)山久昌寺。当初の名は、龍徳寺。吉乃の法名は久庵桂昌大禅定尼。1865年に吉乃の300回忌が行われ、この日は信長と吉乃の二男信雄の子孫ら大勢から香典が届けられた。そればかりか、この寺にはそれより前の250回忌、200回忌に寄せられた現場の数々の香典が今に残されているという=。
 その古刹である久昌寺の解体工事が「天正年間の古材が残っている可能性がある」との指摘を受け一時中断になった、とは中日新聞の本日付尾張版のニュース。記事には、工事直前に出された調査報告書の内容から江南市が文化財としての価値の検討に入ることになり、所有者側との意向が一致したとあるが織田信長と吉乃ゆかりの、いわば郷土の宝ともいえる大切な地に、この先、多くの人々にも関心をもってもらう意味でも大いに結構なことである、と私は思う。
 信長といえば、彼との間に信忠、信雄、徳姫の3人の子をもうけ、出世街道への扉を開いてくれた最愛の女性、恋女房とも言っていい、生駒家の吉乃(きつの)を忘れるわけにはいかない。この際、久昌寺を足掛かりに信長と吉乃が二人三脚で歩いた人生に光りがあてられるならば、だ。【信長残照伝 わたしはお類、吉乃と申します(人間社刊。「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」所蔵)】を世に出した作家としても、私はとても嬉しいのである。
 
「天正年間の古材が残っている可能性がある」と、久昌寺解体工事の中断を報じた14日付中日新聞の尾張版
 

 太陽系がある天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの影を撮影したと、日米欧などの国際研究チームが12日発表し、「天の川銀河のブラックホール撮影が今週は話題を呼んだ。」とは、14日付の毎日「余録」。ところで私の社交ダンスのレッスンだが、最近、先生の熱心な指導で習い始めたスロー・ホックス・トロット(スタンダード、ワルツの仲間)なるダンスが少しだけ、踊れるようになってきた。
 一方で北朝鮮の朝鮮中央通信が13日、4月末から原因不明の熱病が全国的に広がり、計35万人余りが発熱し6人が死亡した、と報道。北朝鮮が国内感染を12日に初めて認めた新型コロナウイルスが爆発的に拡大している可能性があるという。同通信によれば、12日に新たに1万8000人が発熱し18万7800人が隔離治療を受けている。死亡した6人のうちⅠ人は新型コロナのオミクロン株の亜型「BA・2」に感染していたことが確認され感染者のうち16万人余は完治したという。こうした深刻な状況に韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は医薬品を支援する意向を表明したという。両国の歩み寄りになれば良いのだが。

 欧州連合(EU)のミシェル大統領が13日、被爆地・広島を訪れて声明を発表。ウクライナに軍事侵攻したロシアが「許しがたいことに核兵器の使用に言及している」と非難。北朝鮮も「違法で挑発的なミサイル実験を繰り返し、世界の安全保障の脅威になっている」と批判。ミシェル氏は原爆資料館を視察後に「この場所と長崎で起きた苦しみは今も続いている。大量破壊兵器の廃絶は急務だ」とも述べ、核軍縮への決意を表明した。この日、ミシェル氏は平和記念公園の原爆慰霊碑に献花し、松井一実市長や被爆者とも面会した。

 日銀は政府の子会社だ、とした安倍晋三元首相の発言をめぐって鈴木俊一財務相が13日の閣議後の記者会見で「会社法で言うところの子会社には当たらない」と言明。元安倍首相の見解を明確に否定した。日銀の黒田東彦総裁も13日のオンライン講演で「日銀は政府が経営を支配している法人ではない」と述べ、安倍発言を否定した。
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 夜。かつておまえといつも一緒に見たNHKのブラタモリ(今回は「東京湾川が生んだ? 東京の港」)を、夕食がてらシロと見る。この後、何げなくチャンネルを三重テレビにすると、なんと【芭蕉のお伊勢参り】なる番組が流されており、芭蕉が「奥の細道」のむすびの地である大垣の水門川を発ち、お伊勢さんに向かった模様などが丁寧に紹介されており、私の目は画面にくぎ付けとなったのである。番組では【蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ】といった俳句も紹介されていた。生前、俳句をたしなんだ相棒がいたなら目を輝かせて見ただろうな、と思うとナンダカ少し寂しく、かつ自分ばかりが見て悪い気がしたのも事実だ。

(5月13日)
 金曜日だ。外は、雨。シロちゃんは外にでようとせず、こうしてペンを走らす私の傍らで外出をあきらめてか。寝入っている。
 各種報道によれば、北欧フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相が12日、北大西洋条約機構(NATO)に遅滞なく加盟申請しなければならないとの共同声明を発表。フィンランド首脳がNATOへの加盟意志を明確にしたのはこれが初。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻後、フィンランドとスウェーデンではNATOへの加盟を求める世論が急増しており、フィンランド放送協会による最新の世論調査ではNATOへの加盟支持は76%に達した。またスウェーデンも国民の約6割がNATOへの加盟を支持、近く加盟への意思表示を正式にするとみられる。ロシアのこのところの蛮行を見る限り、さもありなんといえよう。

 外務省は沖縄の日本復帰から15日で50年となるのを記念して13日、すなわち本日から25日まで東京港区の外交史料館で特別展を開催し、沖縄返還協定の原本展示を始めた。原本では、調印当時の愛知揆一外相とロジャーズ米国務長官による肉筆署名などが確認できるという。

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 ところで愛知県が12日、新たに2373人が新型コロナウイルスに感染した、と発表。1週間前の2・7倍で前週の同じ曜日との比較では6日連続で増加となった。また厚生労働省はこの日、成田空港に着いた男性3人が新型コロナウイルスのオミクロン株派生型の「BA・4」と「BA・5」に感染しているのを確認したと発表。これらは、いずれも南アフリカなどで広がっており、国内での感染者の確認は、これが初めてだという。
 記事によれば、京大の西浦博教授らのチームがBA・4とBA・5の感染力を試算したところ、国内の流行第6波ピーク時の主流だったBA・1と比べて1・4~1・49倍となり、BA・2を上回ったという。いずれにせよ、新型コロナウイルスは、まだまだ安心できないことだけは、確かだ。

2022年5月12日
 木曜日。1日1日が汐の流れの如く人間社会を流れてゆく。思うに俺はおまえ、たつ江がこの世からいなくなって以降、よくぞここまで生きてこられたものだ、と。つくづく思う。今もって私にとってたつ江、すなわち伊神舞子の存在しない社会、いや人生、世の中なぞ考えられないのである。
 きょうは、雨、雨のなか、午前中、月に一度受けているメインテナンス治療で自宅近くの歯医者さんへと出向いた。この後は市役所会計課に直接、出向いてこのところ、相次いでわが家に届いた固定資産税やら都市計画税、土地家屋税など本年度1年分の税金の大半(約30万円)=あくまで取りあえずの分。ほかにも請求書の類は、アレヤコレヤと問答無用で郵送されてくる=をエイヤアーと、やせ我慢をはって一挙に払いこみ、何だか背中に積んだ荷が少しだけ軽くなったような。そんな気がした。
 晩年の舞がいつも私に向かって言っていた「もう駄目よ。やることは1日ひとつ、ひとつだけでいいのよ。もう齢なのだから」を素直に受け止めれば「きょうは歯医者さんに行って治療を受ければ、それだけで、あとは何をしなくてもいい。無理しないで」と言うことになるのだが。今では天女になってしまった、たつ江はおそらく「そんなに。あれもこれも、一度にやるだなんて。よくないよ。無理しないで。ひとつひとつ、ゆっくりやっていけば、それでいいじゃないの」とご機嫌ななめでいるかもしれないが。私としてはそんなわけにもいかない。

 まだまだ俺には、ほかに、やることはいっぱいあるのだから。かと言ってどこかの国の侵略者プーチンとは違うぞ。俺のやろうとしていることは、いつだってだ。気宇壮大かつ世の中のためになる慈愛に満ちたものばかりなのだから。おまえも今の調子で。互いに元気に行こうよな! シロも元気でいるからな。心配しないで。安心していればよい。

 いつも笑顔で 舞の遺影が私たちを守ってくれている
 

 新聞紙面は、ウクライナ南東部の要衝マリウポリで拘束され、ロシア軍の強制連行から逃れたウクライナ人男性(58)とその家族が収容所を転々としたあとロシア国内に連行されたもようを本人の証言で「服脱がされ尋問 思想で選別」「劣悪環境 トイレは掘った穴」などとロシアのウクライナ軍事侵攻の悲惨さにつき特派員のオンライン取材であぶりだすなどしている。それだけに、そんな悲惨なニュースばかりが目立つ紙面のなかで11日夜、1300年以上の伝統を誇る岐阜市の長良川鵜飼が開幕した、との話題には何だかホッとさせられた、といえようか。

(5月11日)
 水曜日。
 新聞やテレビ・ラジオのニュース報道を見たり聞いたりしていると、韓国の新しい大統領就任に始まり、航空自衛隊岐阜基地での建設中の施設をめぐっての官製談合、欧州連合(EU)のミシェル大統領が訪問中のロシアのオデッサ攻撃、さらには中日ドラゴンズの木下拓哉捕手、石川昴弥内野手に続く平田良介外野手、鵜飼航丞外野手の新型コロナウイルス感染……と、いろいろある。

(5月10日)
 火曜日である。
 韓国の尹錫悦=ユンソンニョル=新大統領(61)が10日、就任した。任期は5年。就任式はソウルの国会議事堂前で行われ、5年ぶりの保守政権が発足。尹氏は就任演説で核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対して「非核化に切り替えるなら、経済と住民の生活を画期的に改善できる大胆な計画を準備する」と述べた。一方、9日にはフィリピン大統領選も投開票され、かつて約20年にわたって独裁体制を敷いた故マルコス元大統領の長男で元上院議員のフェルディナンド・マルコス氏(64)が2位以下に倍以上の得票差で圧勝。支持者を前にマルコス氏は「愛するフィリピンの明るい未来を応援してくれる仲間たちに感謝する」と述べた。

 愛知県警が8日、元衆院・参院議員で立憲民主党岐阜県連常任顧問だった会社役員、山下八洲夫容疑者(79歳)=岐阜県中津川市=を有印私文書偽造・同行使と詐欺の疑いで逮捕。現職の国会議員に成り済まし東海道新幹線の特急券・グリーン券をだまし取ったもので、あきれてものが言えぬとは、このことか。一般人が新幹線ひとつに乗るのにも苦労して働いて切符代を確保しているのに。何たることだ、と思ってしまう。
 でも、低レベルの政治家諸氏には、おそらく他にも十分ありうることだな、と思ってしまう。善良な市民の心を欺いた、いいお手本で、腹が立つとはこのことだ。政治家諸氏は、これをいい教訓に懺悔を込め、文書交通費などといったものはこの際、すべて返上。撤廃したらどうなのか、と。そのように思ってしまうのである。

 けさの新聞1面見出しは、【プーチン氏侵攻正当化 対独戦勝記念式「戦争」言及せず】というもので、そのほかには【学校空爆60人死亡 製鉄所 市民退避、攻撃続く ウクライナ】【日本 ロシア石油段階禁輸 首相表明 方針転換、G7で協調】(いずれも中日)の見出しも。
 そして。記事は『ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワの赤の広場で行われた対ナチス・ドイツ戦勝記念日の式典で演説し、ウクライナ軍事作戦を唯一の正しい決定だ、として侵攻を正当化。北大西洋条約機構(NATO)がロシアの安全保障を脅かしているとして「やむを得ない措置だった」と述べたほか、ウクライナは「ネオナチやその協力者から成る国家だ」との一方的な主張を繰り返した。
 さらに『苦戦が続くなか、国民の総動員につながる「戦争」の宣言や、占領地拡大などの成果に言及するとの見方があったが、いずれも触れなかった。軍事パレードには例年より少ない約一万一千人の兵士らが参加。大陸間弾道ミサイル「ヤルス」など約百三十両が登場した。予定されていた航空パレードは悪天候を理由に中止された。……』といった内容であった。

 ウクライナへの軍事侵攻を正当化しつつ、兵士をねぎらうプーチン大統領(NHKから)
 

 戦勝記念日の催しはロシア各地で行われた(NHKから)
 

2022年5月9日
 月曜日。きょうは、小雨が遠慮がちに。この地上に降っている。舞い降りてくる。大型連休は終わった。休刊日なので朝刊は読めない。

 たつ江(伊神舞子)は、いつも健在である。仏壇には、いつのまにか息子の手でカーネーションが供えられていた
 

 朝。きのうに比べて5、6度も低く最高でも20度ぐらいまでしか上がらない、とはラジオやテレビから流れくるお天気兄さんたちの声である。
 それで私はといえば、だ。いつものように仏壇に手をあわせ「元気でいるか。しあわせでいろよ」と、たつ江の遺影と位牌【静汐院美舞立詠大姉】に向かって語りかける。「ウン。大丈夫。だいじょうぶよ。それより、みんな元気でいる? いればよいけど、シロちゃんも、げんき みんな。からだ大切に。ネ」との答えが返ってきた。
「おまえがいないので。何をするにしても張り合いがなくって。面白味がない。楽しくもない。今の俺の心境は、だ。おまえが今どこにいようと、だ。元気でいてくれさえすれば、ただ、それでいい。それに。出来たら〝あのねえ〟といつも話しかけてきた、おまえの、あのコロコロと鈴をならすようなかわいい声を何よりも耳にしたい。本当に聴きたい。ところで、そっちの方はどうですか? みなさん、温かくしてくれてますか。げんきでいろよ。そして。もっと、もっと。世界、いや宇宙という宇宙でイッチバーン、幸せにならないと。アカンぞ。俳句や歌、詩の方、新天地で作り始めたか。フォークダンスや社交ダンスもしてよね」と話しかける。
「だいじょうぶ。大丈夫だから。だいじょうぶ。だって、ば。あたし、あなたみたいに『やわな人なんかじゃない』のだから。悪いけれど。だれかさんみたいに〝やわさん〟じゃないのよ」の声がはね返ってきた。

 このところの俺とおまえ。毎日、同じことの繰り返しではある。でも、おまえも俺も、この先、コロナ禍が次第に消えていくように、だ。少しずつ何かが少しずつ、ちょっとずつ、細胞分裂を始めて動き始めている。そんな気がする。仏壇には、やさしさいっぱいの息子の手でいつのまにか、赤のカーネーションが供えられており、おまえの周りそのものがパッと明るく、ひかり輝いている。
 そういえば、おまえがこしらえた裏庭の猫塚一帯に、このところ名前こそ知らないが、白いちいさな、かれんな花々がみごとに咲き誇っている。「白」は俳句猫シロちゃんの俳号であり、おまえが日ごろから好んだ色だが、そのことを知ってでもいるように鮮やかな光りに満ちた清楚な白い花々が<透明なかぜ>にゆらゆら、ゆらゆらと揺れているのである。

 猫塚一帯で知らぬ間に咲き誇っている白い花々。たつ江は、野に咲く花々が大好きだった=わが家裏庭の一隅にて
 

 シロはいつも、おかあさんのことを思っている
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 ところで気になるウクライナ戦線の方だが。各マスコミ報道によれば、だ。9日の対ナチス・ドイツ戦勝77周年の記念日を控え、ウクライナ東部2州の完全掌握をめざすロシアは多くの市民が避難していたルパンスク州の学校を空爆。攻撃から逃れるため避難していた市民60人が死亡した。市民と民間施設は常に、守られるべきはずなのに。一体全体、何たることなのだ。ロシアの77周年の戦勝軍事パレードは既に極東のサハリン州から始まっており、モスクワの「赤の広場」などロシア全土の28の都市で順次、行われるという。恥さらしのようなものだが、パレードする若いロシア兵の一人ひとりが哀れに思えてくる。

【プーチンよ。あなたは頭が狂っている。せめて戦勝記念パレードを終えたところで「この愚かな戦争は、これでやめます。多くの人々の心を傷つけ、申し訳ありませんでした」とでも言えないものなのか。そして講道館の名誉段位は当然、返上すべきである。あなたは【精力善用・自他共栄】の講道館嘉納治五郎の教えに背いたからだ。

(5月8日)
 晴れ。きょうは母の日。世界赤十字デーでもある。五月の風がとてもさわやかで、心地よい。三者三葉、個性豊かな三人の子育てを立派に成し遂げたおまえを思う時、なぜかしら、志摩半島はじめ岐阜、名古屋、小牧、能登半島、大垣、大津に一宮での日々が思い起こされ、涙が出て涙が出て、それこそ果てしなく出てしかたがない。それから。私のおふくろさんへ。たつ江のこと、生前は本当によくしてくれてありがとう。いつまでも元気でいてください。
 ここで読者の皆さまにも、ありがとうーとたつ江の代わりにお礼を申し上げておきたい。ありがとう。ありがとう。ありがとう! と。=ネットまたはユーチューブで<ありがとう。ありがとう。ありがとう! 息もぴったりのフラガール>で検索されますと、かつて舞と福島県いわき市を訪問した際に私が撮影したフラガールの映像が出てきます】

 朝。気持ちの良い風がスウーっと、音もなく窓の隙間から室内に入ってきた。そのせつな、この風はもしかしたら、たつ江ではないのか。と、またまたそのように思ってしまう。私は、たつ江にもずっとかわいがられ、いつも彼女と一緒にいた愛猫シロちゃんを隣に、富良野のメロンパンとレーズンパンをおまえと一緒に食べながら以前と同じようにNHKラジオの【音楽の泉】に耳を傾け、モーツァルトを聴きながら食事をした。かわいくて、いつも俺想いだったおまえ。舞よ、マイ。おまえは、もう帰ってはこないのか。

 ロシアのウクライナ軍事侵攻の方は、相変わらず旧ソ連が対ナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日(9日)を前に、ロシアがウクライナ東南部の完全掌握をめざしているようで緊迫の度を増している。こうしたなか、東部の要衝・マリンポリでは市民の避難が完了した、とのニュースも伝えられている。このまま何事もなく、戦争が終わってくれたなら、と願うのは私だけでなく、世界中の人々とて同じに違いない。

2022年5月7日
 土曜日である。昨日。6日のバンテリンドームナゴヤ。阪神対中日戦で中日の先発大野雄投手が延長10回2死から佐藤輝に右中間二塁打を許すまで、一人の走者も出さない完全投球を続けた。中日は、完全試合を達成した投手はおらず、9回まで完全投球をしたのは大野雄が初めて。ちなみにノーヒットノーランは過去12人おり、大野雄も2019年9月14日の阪神戦(ナゴヤドーム)で達成している(ドラゴンズは、きょう7日も阪神に2-1で勝った)。

 JR東京駅でこの日、関西方面に出発する千葉県内の公立中学校六校が参加し3年ぶりに修学旅行の出発式が開かれ、生徒代表が「京都では文化財の歴史の重さを自分の目で感じてきたい。新型コロナのなか、修学旅行を実現していただき、ありがとうございます」とあいさつ。800人余りの生徒が貸し切りの新幹線に胸弾ませて乗り込み、旅先へと向かった。
 高校生といえば、本日付の中日新聞夕刊1面に【ドローン世界一 半端ない高校生 江南の18歳チームで賞金1000万円 映像競う大会「ギリギリ攻めた」】とホットな話題も。

 そして。あすは世をあげて母親に感謝する〝母の日〟である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 さて。ウクライナ戦争のその後だが。ロシア軍の誇る最新鋭戦車「T―9M」が、ウクライナの戦線に配備されてから、わずか数日で破壊され、ウクライナ国防省は声明で破壊を確認したことを明かし「ロシア軍のイメージは、ここ2カ月の間に想像もつかないほど弱まった」としている。
 またロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」からの民間人の救出、避難の方は、これまでに国連の仲介もあって500人ほどが救出されはしたものの、ロシア側の今月9日の戦勝記念日までに何らかの「成果」をアピールしようという焦りもあってか。ロシア軍の製鉄所への攻撃と妨害にも遭って、民間人の避難は依然、停滞したまま。ますますの人道危機に陥っているのが現状だという(6日はマリウポリのアゾフスターリ製鉄所から子どもを含む民間人50人が脱出したという)。

 そんななか、4月のロシア軍の巡洋艦「モスクワ」の沈没に続き、新たにロシア軍のフリゲート艦「アドミラル・マカロフ」がウクライナ側のミサイル攻撃で沈没した、とのニュースも世界を駆け巡るなど、ここ数日は一進一退、血みどろの攻防が繰り広げられているという。
 また各報道によると、国連安全保障理事会は6日、ウクライナ情勢を巡って「ウクライナの平和と安全の維持に関して深い懸念を表明する」との議長声明を採択。ロシアが2月下旬にウクライナに軍事侵攻後にこうして安保理として声明を出すのは初だという。ただ「侵略」や「ロシア」という文言はなく、非難の表現も盛り込まれなかった。
    ☆    ☆

    ※    ※
 話は変わる。
 きのうの夕方。社交ダンスのレッスン終了後、私はたまたま頼まれて最寄りの場所まで若さん(ダンス教師)を送った。その途中、彼女曰く「ゴンタさんがダンスをしてくれているのは、結局はマイちゃん(舞子)の遺言だったのだ。ゴンタさんがその約束、遺言をしっかり守ってくれている。嬉しいことじゃないですか。そういうことだよね」と。「まあ、そんなことになるのだろうね」と私。
 その車内道中で初めて知ったことだが、若さん曰く。「マイちゃん、てさ。確か、フォークダンスだけじゃなくて社交ダンスも同時にやっていた時期がしばらくあったはずよ」と。私は何をうっかりしていたのだろう。そんな話は初耳である。確かに以前、休みの日になるとは決まってフォークダンスの練習会場まで車で送って行ったことは記憶にあるけれど。
 そして。10年ほど前、ピースボートに乗る前に「社交ダンスのレッスンだけは途中でやめることはしないで。続けてきてよね」との言葉は何度も聞いたが、舞自身がフォークダンスと社交ダンスを同時進行でやっていたとは。初耳である。知らなかった。もしかしたら私がピースボートに乗っていたころ、彼女は私の帰国を待ちながら、フォークダンスと社交ダンスの両方をやっていたのかもしれない。……。
 そのけなげさに、私はまたしても思わず涙があふれ出たのである。「俺は、なんと自分勝手な男なのだろう」。

 さらに。亡き妻のことと言えば、だ。私は昨日、一宮に車を走らせ、わが母校滝学園の前を通過する際、思ったことがある。車内からは、いつものとおり舞を傍らに俺がいつも口ずさんでいた、<高校三年生>や<学園広場><仲間たち><哀愁の夜>など青春歌謡が流れていた。どれも、志摩半島で一緒になった時に始まり、先日彼女が亡くなる直前までふたりで車内カセットから流れてくる曲を一緒によく聞いたものだが、車を運転しながらふと思うことがあった。それは次のような事実だ。
 <高校三年生>や<学園広場>などが流行っていたころ、俺はこの世でまだ高校生で舞(たつ江)の存在を知らなかったということである(あのころ、たつ江は小学生か中学生で既にこの世に居たはずである)。なのに、俺はあのころ、おまえの存在なしでもこの世で生きていたということを、である。それが今では、おまえに去られて絶望のどん底にある。これは一体全体、どういうことなのか。
 だったら、おまえの存在をまだ知らなかったあのころ、すなわち青春時代に戻れば、少しは気持ちも安らぐ、紛れるのではないか。と、まあ~、こんな勝手なことを思った次第だ。あのころ。高校生のころは、おまえの存在なしでも生きておられたのだ、と(おそらく、あのころは母の愛があったからこそ、生きていたに違いない。その母は来月1日が来れば満102歳になる。あすは母の日だが、まだまだ元気で長く生きてもらわなければならない)。

 まもなく満102歳の母。たつ江をどこまでも愛してくれ、感謝している
 
 

 こんな時代もあったよね
 
 
 
 

 おまえの存在は俺にとって、おふくろ同様どこまでも大きい。これからも大きいのである。
    ※    ※

 ウクライナでは旧ソ連の対ナチス・ドイツ戦勝記念日を9日に控え、ウクライナの首都キーウ(キエフ)で戦果を急ぐロシア軍が攻撃を強化するのではーとの不安が広がり、マリウポリの製鉄所では今も血を血で洗う命がけの戦闘がロシア兵とウクライナ兵の間で繰り返されているという。私には、今度の戦争そのものの意義が分からない。むしろ〝意味のない戦争〟というか。哀れ極まるものを感じてしまうのである。
 人間ほど醜い生きものはいない。私は、そう思わざるをえないのだ。

 戦勝記念日を前に訓練に挑むロシア兵。若い兵士たちには何の罪もないはずだ(NHKから)
 

 あいさつをするプーチン大統領(昨年の戦勝記念日当日)=NHKから
 

2022年5月6日
 昼。以前、たつ江と一緒に行ったこともある愛知県江南市内のお寿司屋さん「あみもとの里」へ。おいしいお寿司を一人前たのんで、久しぶりに日本のお寿司を味わったが、それはおいしかった。ウクライナで多くの方々が命を落としているのに。私ばかりが、こんなにおいしいものを食べていて良いものかと思うと、なんだか悪い気がしてきた。亡き相棒、たつ江にも悪い気がしたが、ここは「俺がおいしく食べる、ということはだ。たつ江、すなわち舞も今、おいしく食べていることなのだ」などと勝手に自身に言い聞かせて食べたのである。それにしても、こうして普通に食事できることの有難さを私たちは感謝せねばならない、と思う。

 きのう(5日)は、妻たつ江逝去(昨年10月15日)もあって、このところスッカリ御無沙汰していた中部ペンクラブの理事会に出席するため名古屋へ。妻に先立たれたことで、重い足を引きづって会場の名古屋・国際センタービルへ、と向かった。
 名鉄犬山線の車内は大型連休でUターンする人々なのだろう。珍しく旅行鞄など重たそうな荷物を手にした多くの人々でにぎわい、帰りに寄ったJR名古屋駅構内の弁当売り場も人、人、人で長蛇の列となっており、こうした混雑ぶりを見る限りコロナ禍も少しは治まってきた気がしないでもない。ただ、以前と違うのは、すれ違う誰もがマスクをしていていた、ということか。ひと昔前の人々がこの光景を見たなら、それこそ異次元社会に映るに違いない。

 いずれにせよ、社会はコロナ禍以前と比べると、まったく別の顔になってしまったことを改めて実感しもしたのである。理事会のあとは、大垣支局時代、当時の「長良文学」に一緒に同人として所属していた、あのころからの文学仲間で、たつ江も生前、お世話になった椿井愛一郎さんと久しぶりに喫茶店に入って懇談。昔のことを話し合ったりしたのである。おかげで、少しは元気が出てきた。椿井さん、ありがとう。

 さて。ちまたの方の不安といえば、だ。『20年ぶりの円安が進む中、市場で「今度こそオオカミが来るのでは」との懸念が浮上している。「オオカミ」とは、約2000兆円にのぼる個人マネーが、円預金から外貨資金などに一斉にシフトするキャピタルフライト(資本逃避)のことだ』(毎日6日付余録)とか【米大幅利上げ円安加速も 22年ぶり0・5%物価高対策】(6日付中日)の記事にも見られるように、円安加速が懸念されることか。

 そして。相も変わらずロシアによるウクライナへの軍事侵攻のはっきりした先がみえないことか。各種報道によれば、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のプチャでは民間人を含め400人以上が殺されたとみられる。無抵抗の市民への銃撃、少女も含めた女性に対する性暴力、ほかに虐待死、衰弱死が横行している現実が次々、明るみとなってきている。戦争がいかに醜く、残忍なものであるか、がきょうも白日の下にさらされているのである。ニンゲンとは、何と愚かな生きものなのか。そう言わざるをえないのだ。

2022年5月5日
 立夏。こどもの日。気持ちのいい朝だ。春分と夏至の中間で、この日から立秋の前日までが夏となる。目には見えないけれど、この地上には今さわやかな風がふきわたっている。

 プーチンのウクライナ侵攻に、なかなか終わりのないコロナ禍、北海道知床沖での観光船沈没、山梨県道志村山中での人骨と衣類=2019年9月に行方不明になった小倉美咲さん(9歳)着用の衣類に酷似=発見など。暗い、くらい世の中だ。でも、3年ぶりに行動制限のない観光地はどこもかしこも大型連休の人出は増加、社会そのものが少し息を吹き返してきたような、そんな気もする。亡き妻とかつて7年過ごした石川県七尾市ではニッポンイチ大きい青柏祭デカ山(国の重要無形民俗文化財、ユネスコの無形文化遺産)が3年ぶりに復活し鍛冶町、府中町、魚町での町内曳き回しが実現、御祓川にかかる仙対橋たもとでは辻回しの妙技に歓声が沸き、府中波止場での三台集結など、さぞやにぎわっているに違いない。平和なニッポンである。

 とはいえ、きょうも朝刊には【ロシア岸田首相ら入国禁止 63邦人発表、制裁に報復】=安倍晋三元首相は、なぜか対象外=、【<特報>その例え話必要ですか 「プーチン氏は戦国武将」 安易な比較は間違い/ウケたい自己顕示欲/無頓着さや不勉強の表れ(安倍晋三元首相の講演を分析)】【北朝鮮が弾道ミサイル 韓国新政権と米国けん制か】【沖縄基地「不平等」79% 復帰50年全国調査 自分の地元へ移設「反対」69%】【子ども減り続け41年 14歳以下1465万人】(いずれも中日新聞)の見出しが暗雲の如く並び、人々の心を傷つけている。

(5月4日)
 日本列島は大型連休の続き。
 ということで、新幹線で帰省し犬山のホテルで宿泊している長男夫妻が現れたところで家族そろってイオン扶桑店へ。ここで食事をし帰りに和田の実家へ(父なきあと数年前までは母=来月1日で満102歳。現在は老健施設在住=が一人で住んでいた)。久しぶりに庭などを見て、その足で私たちの畑エデンの東(エデンの東は、亡き妻・たつ江と共に命名した)経由でたつ江とお彼岸のつどお参りに来ていた父が眠る和田霊苑へ。長男夫妻が墓掃除をしてくれ、みるみるきれいになった。私たちはその足で近くにある母の弟(沖縄戦で命を落とした)の墓にも出向き、水を手向けたのである。

 久しぶりに立ち寄った私の実家。庭は兄夫妻によりきれいにされていた
 

 父が眠る墓掃除をする長男夫妻
 

 墓地一隅には多くの仏の姿も
 
 
 エデンの東も健在で梅がいっぱい実っていた。梅をちぎるわが子ら
 
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 毎日新聞の朝刊題字は、この日に限っていつものようにみどりの地に白抜き。きょうは、みどりの日である。生前のたつ江はいつも、新聞を開く前に朝刊を私に渡しながら題字部分を手に同意でも求めるように「しゃれている。いつからだったかしら」と問いかけてきたものである。「ウン、そうだな」と私。きょうは朝からさわやかな空が頭上に広がっている。
 新聞各紙は新型コロナウイルスの感染防止のためのまん延防止措置など全ての行動制限がなくなって初の大型連休を【ざくざく思い出も人出も 蒲郡潮干狩り】(中日)などと観光地に客が戻ってきたと報じ、きのうの憲法記念日にあわせ【憲法70年守るべきは 改憲派ロシア侵攻で勢い 護憲派「9条こそが平和」】(中日)と読者の声を吸い上げている。ほかに【「ロシアが収容所」米指摘 マリウポリ周辺 強制連行か】【製鉄所退避101人と発表 ロシア攻撃で市民2人死亡】【追加軍事支援 英首相が表明 ウクライナ議会演説】【<核心>「運行管理者」自覚なく 知床乗客家族へ文書 社長の認識不足相次ぎ露呈】(中日)などと、それぞれの問題点を突いている。
 そして。ほかに印象に残った記事といえば、【言論の自由守ってゆく 朝日新聞阪神支局襲撃35年】と【星空の世界遺産 東京・神対馬】。記事ではないが私が毎朝、愛読している朝刊小説【永遠と横道世之介164 吉田修一】(いずれも毎日)である。私は日々、新聞の朝夕刊に掲載された各紙の連載小説を読んで自分なりにチェックしているが、この小説は何よりも分かりやすいばかりか人の心をつかむという視点でも中日本紙の連載小説【かたばみ 木内昇240】に勝るとも劣らない、人の心をつかんだとても良い物語だと思うのである。

 毎日「星空の世界遺産 東京・神津島」の記事
 

(5月3日)
 憲法記念日。
 朝。久しぶりに耳にした民放ラジオから浜田省吾さんの♩もうひとつの土曜日、が聴こえてきた。つくづくよい歌だなあ、と思い、たつ江の笑顔と懐かしい日々が目の前に浮かんだ。
<君を想う時 喜びと悲しみ ふたつの想いに揺れ動いている……子どものころ 君が夢見てたもの かなえることなど 出来ないかもしれない ただいつも傍らにいて 手をかしてあげよう 受け取ってほしいこの指輪を 受け取ってほしいこの心を……>
    ※    ※

    ☆    ☆
 ふたりとも激務の長男夫妻がおかあさんが大好きだった東京ばな奈「見ぃつけたっ」を土産に連休を充てて来訪。さる1月22日にたつ江の百ケ日忌にあわせ永正寺副住職に仏壇開きの法要をして頂いた仏前で「おかあさんらしくて、かわいくて気品がありとってもよいよ」と仏壇をほめ満足そうでこちらまで嬉しくなった。小型の箱仏壇だが、私は家でお参りをするにつけてはこれで良い。おかあさんも満足してくれているに違いない」と思う。
 私たち家族は、その後そろって伊神家の菩提寺でもある臨済宗妙心寺派の高屋山永正寺へ。現在、再建中である本堂横墓地に新しく誕生した永代供養集合墓の【尾張の大地】【濃尾の大地】へ。墓地内をじっくりと見て回ったが「ここなら亡き妻の霊も休まるに違いない」との確信を得たのである。

 新聞は知床遊覧船事故はじめ、新型コロナウイルス感染症のその後、ウクライナでのロシア軍の砲撃再開、【コロナと憲法】問題、恒例の第75回中日文化賞、名鉄の社長人事などを報じている。なかでも、知床事故では【社長運航管理行わず 知床事故 当日不在記録なし】と、ウクライナの方は【砲弾の雨「心臓が止まる恐怖だった」 製鉄所から2カ月ぶりの太陽】【ロシア「5・9」に宣戦布告か 対独戦勝記念日「敵国」市民拘束の恐れ】とある。さらにコロナ感染では【搬送されず死亡「繰り返さないで」 第6波ピークの特養 遺族訴え】とそれぞれ核心となる問題点などにつき報じている。

(5月2日)
 立春から数えて八十八目、夏も近づく「八十八夜」である。

【上質新茶できました 西尾・八十八夜】の夕刊記事には、かすりの着物姿で新芽を摘み取る若い女性たちの姿に、どこかホッとした。一方で、【「知床遊覧船」を家宅捜索 海保、業過致死疑い】【「戦争は女の顔をしていない」漫画版注目 戦場の現実 女性兵吐露 ウクライナ危機の今に重ねて】といった見出しには暗い世相がそのまま反映されているようで胸が痛んだのである。

2022年5月1日
 日曜日。大型連休さなか。きょうは、すずらんの日。感謝を伝える日である。
 ここ尾張名古屋では朝からポツポツと、大地に小雨が降り注いでいる。おまえ、たつ江はどこにいるのか。午後。突然、居間の電話がかかる。耳をすまして留守電の音声に全神経を集中させる。おまえなら次に耳に入ってくる声は「あのねえ。あの。あのねえ……」に決まっている。でも、電話はそのまま悲しく消え、何の音も発さなかった。
 一体全体、誰からなのか。
    ★    ★

    ※    ※
 きのうは久しぶりに臨済宗妙心寺派の永正寺さん(江南市高屋)へ。尾張芸術文化懇話会の有志による集まりがあったからで皆さまにお会いしたい気もあって、執筆中の原稿を途中で置き、そそくさと出向いた。席上、まだお読みでなかった、おひとり一人に、私の著作「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社文庫)を手渡しで寄贈させて頂いた。
 というのは、この文庫本(6部作)のなかに【信長残照伝 わたしはお類、吉乃と申します】が収録されており、信長との間に信忠、信雄、徳姫の三人の子をもうけた信長最愛の女性・吉乃がここ江南と小牧の地で若き日の信長をどこまでも支え続けた史実を一人でも多くの方々に知ってほしく思ったからである。私はお一人ずつに本の表紙部分に<恵存>の2文字を筆ペンで書き、お渡しした。
 尾張における、なかでもことのほか江南と小牧における若き日の吉乃の存在は、いつの日か郷土・尾張名古屋が生んだ女性の誇りとして大河ドラマか何か、映像による歴史上の人物としても花開く日が来ても決して不思議でない(既に私のこの小説では花開いてはいるが)。いや、戦国時代の女性のひたむきな姿は当然貴重な歴史のひとコマとして後世にも末永く刻まれるべきであって、その日がきっと来る、と信じていればこそなのである。

 さて。その会議の方は「会員の方々の近況報告もいいが、懇話会として何をするのか。しっかり方向づけをすることも大切だ」と痛烈かつ的確、熱心なご意見も出されたが、私はその発言を耳に「こうして集まって話し合うことこそが大切で、そうした中から何かが生まれれば、それでよいのでは。何でもあり、でいけば良い。アアダこうだ、と互いに思いつくことを自由に言いあいながら、少しでもふるさとの活性化というか。前進の役に立つことが実現するのなら、それはそれでよいではなかろうか。これまでもそれなりのことは行われてきている」と思った次第だ。
 確かにしっかりした目標を定めることは大切だが。決め決めで、カリカリするより、〝ええじゃないか〟〝ええじゃないか〟の、らふな気持ちで、焦らず、あわてず。確実に前に向かっていくことこそが、人間として大切なような。そんな気がしたのである。いずれにせよ、それなりに有意義なひとときだった。

 話は変わるが、「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページに月に一回、私が連載中である文士刮目の12回目【人間の尊厳こそが平和の礎(いしじ)】が公開されたので、ここで報告させて頂く。ぜひ皆さまに読んでいただけたらと願う。文学者の会のアドレスは、次のとおりである。
 https://dgp-bungaku.main.jp/
(このアドレスをクリックしてメニューで連載を開いて、読んでください)
    ※    ※

    ☆    ☆
 五月が開けた。新聞に目を通せば、北海道・知床半島沖での観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」=一九㌧=の沈没事故はじめ、ロシア兵によるウクライナへの東部・北部・南部への侵攻その後、そして三年ぶりに新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置がなくなった中でのゴールデンウイーク前半の伊勢神宮など全国各観光地のにぎわいぶりなどが報じられている。

 そうした中で中日新聞のきょう、1日付社説は【「法の支配」を諦めない 戦争と平和を考える】というものを論点に紙面を展開していた。かつて米大統領に原爆開発を促す書簡を送った物理学者アインシュタインの悔いを引き合いに安保理改革や核廃絶は極めて困難だとしながらも、「でも。アインシュタインさん。国際法を諦めてはいけません」と訴えかける内容だったが。戦争が行われている中での法の支配がいかに難しいか、を感じたのである。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年4月~)

2022年4月30日
 先日、NHKラジオの深夜便でたまたま森山さんなる方の話を耳にしたが=といっても、私が知る森山さんは彼のお父さんだと思う=、高さ12㍍、重さ20㌧、車輪の直径が2㍍とニッポンイチ大きいデカ山の石川県七尾市内での三両の各町内での曳き回しと七尾湾に面した府中波止場での集結で知られ、能登の人びとの自慢でもある石川県七尾市の青柏祭(国の重要無形民俗文化財、ユネスコの無形文化遺産)が、ことしは3年ぶりに行われるという。
 能登半島は、このデカ山を皮切りに、これから石崎奉燈祭、七尾港まつりなど祭り半島・能登に一変。これからはどこもかしこも祭り、祭りで彩られ、まさに祭り一色と化すだけに、地元の人々の思いは、いかばかりだろう。思えば、かつて七尾に在任中、私は毎年、当時支局があった魚町の終い山にまで付き合い、一連のデカ山が終わるつど、事故もなく終わったことに胸をなでおろし、近くの神社に手を合わせたものである。その祭りがコロナ禍でこのところは毎年中止となっていたが、いよいよ三年ぶりに始まるというのである。いや、人形番宅での人形見などは既に始まっているはずだ。

(4月29日)
 金曜日。大型連休初日。昭和の日だ。そして昨日28日は日本が戦後、主権を回復した1952年のサンフランシスコ平和条約発効から丸70年の日でもある(日本から切り離され米軍統治下に置かれた沖縄では〝屈辱の日〟とも呼ばれる)。また本日付で2022年の春の叙勲受章者が発表され、最高位の桐花大綬章には伊吹文明元衆院議長(84)が選ばれ、俳優の桃井かおりさん(71)らには旭日小授章が贈られる。ことしの受賞者は、桐花大綬章1人、旭日章919人、瑞宝章3114人で合わせて4034人。

 朝。久しぶりにのんびり寝ているとNHKラジオから【美輪明宏の金色の時間 平和を語る】なるものが耳に心地よく流れ、飛び込んできた。あの長崎出身の美輪明宏さんの声である。耳を傾ける。
「きょうは昭和の日なのですね。愛。美しい心があれば、戦争なんて起きません」と語りかけた美輪さんは「昭和12年の曲です。私が大好きな曲なのですよ」と説明し、<裏町人生>を流したのである。
♩暗い浮世のこの裏町を 暗く冷たいこもれ陽を なまじかけるな薄情け 夢も侘しい 夜の花……

 私はただ黙って、上原敏と結城道子の声に聴き入った。なかなか終息しないコロナ禍にロシア兵侵攻によるウクライナ危機。今の暗い世相が、どこか大戦前の日本の重苦しい空気といおうか。吐息によく似ている。そんな気がしたのである。人の世は、どんなにあがいたところで、どうにもならないものなのか。それでも人間たちは生きてゆかねばならない。
 以前のようにたつ江が傍らにいてくれたなら。この歌を聴きながら、共にアアダこうだと話し合うことが出来たのに、と。そう思う。きょうは代わりにシロちゃんが、耳をピンと立て一緒に耳を傾けてくれたのである。
 かわいいシロは、いつだっておかあさんの代わり。最近では私を好きになったのか。いつも私が原稿を執筆しているデスクの下にいることが多い。

 いつも私の足元でチョコンと座って見上げる俳句猫シロちゃん(本名は、オーロラレインボー)
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 いまは29日の午前11時過ぎ。外は雨が降り続いている。シロは外出をあきらめ、こんどは二階寝室の一角にいる。そこには、亡きおかあさんの遺影があり、息子の手による供花が室内をいつも明るくしている。

 亡きおかあさんの遺影は、いつだって華麗な花々で美しく飾られている
 
 
 新聞はロシアのプーチン大統領に触れ、同大統領が27日、ウクライナ情勢に関連し「ロシアが戦略的な脅威を受けたと認識した場合、我々の反撃は電光石火で電撃的な対抗措置を取り、迅速なものになる。ロシアは他国にない兵器を保有している。必要なら使う」と核兵器使用も辞さないと述べた点につき【プーチン氏 核使用警告 ウクライナ軍事支援けん制】と報じている。
 ほかに、けさのニュースを中日新聞の見出しで追うなら。【GW行楽と警戒 3年ぶり行動制限なし】【不明女児 似た靴発見 山梨・山中捜索 メーカーが一致】【日銀緩和維持一時131円台 金利差拡大予想、円安加速】【3人発見 死者14人に 知床事故半島東の海上 運航基準守らず強行か 国交省、安全対策検討へ】【(11月1日に愛知県長久手市内の愛・地球博記念公園内で開業する)ジブリパーク 入園料金決まる】【屋外で気兼ねなく乾杯 名鉄百貨店本店でビアガーデン開始】【信長ゆかりの「久昌寺」9日から解体 路地横にお堂設置 本尊など安置へ 江南】といったところか。

(4月28日)
 木曜日だ。
 私、すなわち俺が動くということは、おまえが動くということ/俺が話せば、おまえが話している/食べれば、おまえが食べている/美味しいと思えば、おまえもそう思っている/おまえが好きだった<みかんの花咲く丘>を聴けば、おまえも一緒に聴いている

 ほんとに。あんなにかわいくて(私だけが、そう思っているかもしれないが。笑い)、ステキだった彼女がいなくなってしまうだなんて/従順で文句ひとつ言うでなく/清らかで…… そんなおまえのこと/忘れはしない。
 スーパーに向かう途次。私は、またしてもおまえのことばかりを思っている。おまえの存在の大きさを今さらながら痛感している。
    ※    ※

    ☆    ☆
 朝。仏前でわたくしと一緒におかあさんにお参りしたあと、愛猫シロはいつものように何かをふっきるような表情でお外へ。この散歩は彼女なりの、このところの日課である。「くれぐれも気をつけて。おかあさんによろしくネ」「ウン。わかったよ」というのが、ふたりの会話だ。そして。シロちゃんは、いつだってだ。かつてのおかあさんそのままに、日に日に美しく妖艶になっていく。朝起きると、2階窓辺に座って黙って下界の景色を見まもる。その姿が、とてもいじらしく、まるでおとぎの国の女神のようにも映る。

 新聞は、けさも北海道・知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」=19㌧=の遭難事故で「判断間違っていた」「土下座の後のらりくらり」などと社長の謝罪を報道。【「愛を形に」婚姻届けに願い プロポーズ予定 カップルの親族】の記事には多くの人が胸打たれたに違いない。
 そしてロシアのプーチン大統領と国連のグテレス事務総長がモスクワで会談した件では【プーチン氏会談 国連、停戦道筋見えず】などと報じている。会談後の国連の声明によれば、ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリでの民間人退避に国連や赤十字国際委員会が関与することで原則合意。グテレス氏が意欲を示していた停戦に関しては声明では触れられなかった、としている。停戦までには、まだまだ道のりは遠いと言ってよさそうだ。

(4月27日)
 水曜日。早朝、雨の中での指定場所への不燃ゴミ出し、そして古新聞の回収をしてもらうべく自宅前への設置と結構、バタバタした。これまでなら、大半は亡きたつ江がやってくれ、私はただ運転手役に徹しておればよかったのだけれども。相棒がこの世から去ってしまった以上、私がやらざるをえないのである。
 幸い、日々の供花は今やわが家の〝花の師範〟といっても良いシステムエンジニアの息子が忙しい仕事の合間を縫って日々、帰宅後の買い物、洗濯にあわせ、あれやこれやと配慮してやってくれている。このため、元々何もやらず何もかもがおかあさん任せだった、ぐうたらオヤジ=とても、ほめられたことではなく恥ずべきことなのだが=の私としては、正直言ってとても助かっているのである。

 おかあさんの一番弟子で「白」の俳号を持つ俳句猫で白狐のシロちゃんは、こうした日々の私たちの光景をただ黙ってみているが、どうやら、そのつどおかあさんに「おにいちゃんのおかげで、花がまた新しく変わったよ。オトン、相変わらず何にもやらないのだから」などと報告しているような。そんな気配というか、気がするのである。シロはホントに賢く、下界で過ごす私たちと天空にいるおかあさんとの間の橋わたしをしてくれているようだ。シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。いつもありがとう、といった舞の声が聴こえてくるようでもある。
 さて、私たちが住むこの地上だが、このところは春の陽気というより、もはや夏の気配が日に日に迫っている。その証拠に、ここ2、3日前からは風呂から出たあと息子が冷房をかけたりしているので、きょうは私も真似をして今シーズン初の冷房を少しの間だけ、かけてみたのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 本日27日付の中日新聞夕刊によれば、ロシア国営の天然ガス大手ガスプロムがポーランドとブルガリアに対し、27日からガス供給を停止する、と通知。ロシア政府は、ウクライナ侵攻で対ロ制裁を科した国々を「非友好国」に指定し、ガス代金をルーブル建てで支払うよう求めてきたが、ポーランドなどに拒否され対抗措置に踏み切ったとみられる。実際にガス供給が停止されれば、ウクライナ侵攻後初となり、こんごロシア産ガスに依存する欧州での混乱が懸念されるという。

 26日の朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の朝鮮人民革命軍創建90年に合わせた軍事パレードが25日夜平壌の金日成(キムイルソン)広場で開かれた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が演説し、朝鮮半島有事の際には核兵器の使用も辞さない強い意志を表明。同日付の党機関紙「労働新聞」は、3月に発射実験に成功したとされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」など大量の兵器の写真を掲載した。また金氏はこの日、核兵器の基本的な使命は戦争の抑圧だとしながらも「いかなる勢力であれ、わが国家の根本利益を侵奪しようとするなら、核戦力は第二の使命を決行せざるを得ない」と強調し、核兵器を先制しようする可能性も示唆した。

2022年4月25日
 月曜日である。まず何よりも。明治、大正、昭和、平成から令和まで5つの時代を生き抜き、世界最高齢に認定されている田中カ子(たなか・かね)さんが19日、老衰で亡くなった。福岡市や遺族があきらかにした。119歳だった。福岡県出身。
 田中さんは1903年(明治36年)生まれ。2019年3月、ギネスワールドレコーズ社から男女を通じ「尊命中の世界最高齢」に認定され、20年9月には確認できる国内の歴代最高齢記録を更新。田中さんが死去したことで、国内最高齢は大阪府柏原市の巽(たつみ)フサさん(115歳)になった。
 田中さんは、9人きょうだいの7人目として誕生し19歳で結婚。夫や長男が出征するなか、女手ひとつでうどん店を切り盛りし、戦後は夫と餅屋を営んだという。

 フランス大統領選の決選投票が24日、即日開票され、現職のエマニュエル・マクロン氏(44)が極右政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン党首(53)を下して再選された。任期は5年。中日新聞の本日付け夕刊によれば、仏国民は急進的な社会変革よりも欧州連合(EU)中核国としての継続性を選んだ形だが暫定得票率は約59%対41%で約66%対34%だった2017年の前回選挙より差が縮まったという。
 乗客106人と運転士Ⅰ人が死亡し、562人が重軽傷を負った2005年の尼崎JR脱線事故が25日、発生17年を迎え事故を起こしたJR西日本はこの日、兵庫県尼崎市の現場に整備した「祈りの杜(もり)」で追悼慰霊式を営んだ。

 そして、もうひとつ。きょう25日は伝説のロック歌手といわれ「十五の夜」「卒業」などで知られカリスマ的な人気を誇った、あのシンガー・ソングライター尾崎豊さんが26歳で亡くなり、丸30年がたつ。中日新聞夕刊では【尾崎の音色は死なず 没後30年 若者の代弁者今もなお 半田いとこの思い】【「弱さに訴える力がある」 名古屋在住元マネジャー】と、毎日新聞夕刊でも特集ワイドで【尾崎没後30年 長男裕哉さんの思い 「人間らしさ」歌い継ぐ 心の本音すくいあげたカリスマ】と扱っていたが、どちらも、なかなか読ませたと思う。
    ※    ※

    ☆    ☆
 さて。4月にしては少し暑すぎる。
 それでも、この青い空のなか、<かぜ>と一緒にかわいいおまえ、たつ江(舞)の魂は【無】となって浮かんでいるのだ。そうに違いない。私はそう思って、ハンドルを手にスピードをあげた。かつて〝おときさん(加藤登紀子さん)〟のコンサートで能登半島の突端、珠洲市にまで舞(たつ江)とふたりで出かけた時のことが思い出される。

 きょうは月曜日だ。けさの新聞、テレビは、やはり北海道・知床半島沖オホーツクの海で浸水し、子ども2人を含む乗客24人と乗員2人が行方不明となったままの観光船「KAZU I(かずわん)」の遭難その後について、どこも大きく報道していた。【観光船発見の10人死亡 沈没か16人依然不明 知床 岐阜など乗客名簿に】(25日付中日)といった見出しが痛ましい。(そのご救助された3歳の女児も含め男女11人全員の死亡が確認された)。

 知床半島沖での観光船沈没が1面を占めた25日付各紙
 

 きのうは1日中、雨、雨だったので外出を待ちかねていたのか。きょうのシロちゃん。朝早くから、いずこかへと出かけていった。「車にはねられないように。くれぐれも気をつけるのだよ」と私。シロは「分かった」とでも言いたそうな顔で勇んで外に、と出ていったのである。そのシロちゃん、いつものように昼過ぎには帰宅。今は、おかあさんの部屋で神妙な顔をして仏前に供える花々を守ってくれている。いつも、ありがとう。
 きょうは大口町のドン・キホーテUNY大口店へ。店内で食事をすませ、夕食弁当ふたつを買い、帰りに道すがら、いつも視界に入り常々気になっていた【カラオケ喫茶 平成】なる店に思い切って入ってみた。コーラをお願いし、一曲200円也で思い切って<能登の海鳥>と<恋の犬山>を歌って引きあげたが男性店主の人柄ばかりかステージなど歌う環境がとてもよく、気に入ったのでこれからは歌いたくなったら寄ってみよう、と思った。<能登の海鳥>を歌いながら、かつて舞(たつ江)と過ごした七尾の日々が思い出され、涙を押さえようがなかったのである。

(4月24日)
 朝から雨、雨、雨の日である。
 朝刊各紙1面トップはどこも、きのう北海道知床半島付近の海上を航行中の遊覧船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」=19㌧=からあった118番通報の続報で【知床観光船26人安否不明 「浸水」と救助要請、遭難か】【知床遊覧船26人不明 北海道「浸水」連絡絶え】といったものだ。(その後、海上保安庁は現場周辺で24日午後までに10人を発見、救助したが、全員の死亡が確認された)。

 けさは、雨のなか、江南市福祉センターへ。私たちが住む、ここ花霞町の役員選出検討会の全体会議に町評議員(兼3組委員)として出席したためである。協議事項の「これからの花霞町内会役員選出」について討議を重ね、次回5月22日にあらためて討議することで、きょうのところは散会とあいなった。
 皆さんの発言を聴いていると、つくづく熱心な方が多いなというのが実感。生前、広報の配布や町会費その他の徴収など〝3組班長〟として過去2回にわたって立派に責務を果たした亡き妻たつ江がこの会合に出ていたなら、一体どんな発言をしたのだろうかと、生前彼女がお世話になった〝あ~チャン〟の的確な発言を聴きながら、私はふとそんなことを思ったりした。
 そういう私だが、結局のところ、きょうはひと言も発言することなく、皆さんの意見をただ黙って聴かせて頂いたが、こうした話し合いは大切で、町という存在はおとなり付き合いから発展していくような、そんな気がしたのも事実だ。きょうは以前に町総代を務められた方に教えられ、「評議員さんは町が災害に遭ったときに、被災カ所を確認し見て回るのが任務です」ということも初めて知ったのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 ロシアによるウクライナ侵攻の方は、24日で侵攻から二カ月ということもあってか。【ずっと戦争 戻らぬ心の平穏 ウクライナ侵攻2カ月 東部から岐阜に避難の女性】(24日付中日)【ロシア「南部も占領方針」】【露、黒海沿岸支配も視野 軍幹部南部制圧「任務の一つ」】(24日付毎日)といった具合。この先、戦場がどう展開していくか、となると、だ。予断を許さない状況にあることは確かだ。

 午後。雨のなか、車を運転。雨も。道路も。街並みも。車も。傘だって、だ。何もかもがおまえの思い出につながる私たちの道、マイロードを前に進む。途中、おまえが情熱と愛情を込め営んでいたリサイクルショップ【ミヌエット】の前を通り過ぎたが、私自身もとても気に入り、店主さんだったクマちゃん人形と共に、おまえのご自慢でもあった【ミヌエット】の横看板が、とうとう撤去され姿を消していた。店舗の新しい借り主が決まったのかもしれない。私は、ひとつひとつ舞のからだが身ぐるみ剝がされていくような、そんな感情に揺さぶられながら思わず、かぶりを振ったのである。
 時と人、町は、このようにして流れていくのか。

 帰宅すると、シロちゃんが心配顔で私を待っていてくれた。シロ。シロちゃんは、やはり、生前おまえが話していたように。何でも知っているようだ。私は思わずシロに向かって「今、帰ったよ」とかつて、おかあさんに語りかけると同じように声をかけたのである。シロよ、シロシロ。シロちゃん。と、おまえのあの声が耳に大きく迫ってきたのである。
 夜。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。最後に思いがけず出てきた木曽義仲が眠る大津市の義仲寺。義仲をこよなく愛し、そして慕い続け、死後は義仲の傍らで眠ることをただひたすらに願った俳聖松尾芭蕉とのゆかりも深いこの寺を目の前に、かつて大津在任時に舞とふたりで二度、三度とこの寺を訪れた日のことが思い出された。

(4月23日)
 土曜日だ。朝早く。NHKラジオ第一から、あの無名塾の仲代達矢さんの声が流れてきた。床に入ったまま耳を傾ける。ロシアのウクライナへの軍事侵攻を頭に語っておいでに違いない。自らも戦争体験者である89歳の名優・仲代さんは「戦争は愚かなことです。絶対にしてはならない。1日も早く戦争が終わり、平和な社会になることを願っています」と語っていた。2021年に役者生活70周年を迎えた仲代さんは全国各地を巡りながらの仲代達矢役者70周年を記念した巡回公演「左の腕」(松本清張原作)を、このコロナ禍の世の中にも拘わらず全て無事終えてのラジオ出演で、その人間愛あふれる一言ひと言には私自身、ジーンときてしまったのである。
 特に能登七尾は今から30数年前に、中島町(現七尾市)での無名塾では当時担当した若い支局員小塚泉記者がことのほかお世話になった。それだけに、私自身心底から有難く思っている。
    ※    ※

    ☆    ☆
 朝。シロは私の自室デスクの横で、ただ黙って座っている。シロはホントにいつだって、私たち家族のことを思い、毎日懸命に生きている。ありがとう。シロちゃん。おまえが居てくれるおかげで、私たち家族はこうして毎日を過ごしていけるのかもしれない。シロのからだにはいつだって、おかあさんの魂が乗り移って、私たちを守ってくれているのである。

 先ほど午前9時のNHKニュース、それに【ニューヨーク時事】発の速報で私は知った。それは国連の事務総長グテレス氏が26日にモスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と面会することを明らかにした、というのだ。スマホで確認すると、【ニューヨーク時事】は「ウクライナ侵攻後、両者が会談するのは初めてで、和平実現や人道支援強化に向けた方策を話し合うとみられる。ラブロフロシア外相とも会談し昼食を共にするといい、ロシアから実のある回答を引き出せるかが焦点となる。グテレス氏は19日、ロシアの国連代表部を通じて訪問の意向を伝えていた。ウクライナ側とも、ゼレンスキー大統領との個別会談を調整している」とあった。

 それにしても朝刊の見出しは、けさも【「地下は大破 多数死傷」 製鉄所籠城部隊が証言 マリウポリ対ロシア抗戦続く 郊外に墓地 虐殺隠避か】(23日付中日)【「マリウポリ制圧」 露、東部支配急ぐ 迫る「戦勝記念日」 集団墓地拡大】【北方領土「露が不法占拠」 外交青書19年ぶり明記】(23日付毎日)と悲惨である。
 そして夕刊も【「東・南部 完全支配が目標」 ロシア軍表明 モルドバ侵攻も示唆 2カ所目集団墓地か マリウポリ】(23日付中日夕刊)【露、東部一帯に戦線拡大 マリウポリ砲撃続く 市議会「新たな集団墓地確認」 旗艦沈没死傷者 露国防省認める】(23日付毎日夕刊)と続く。

 午後1時13分ごろ、北海道斜里町の知床半島西部沖を航行中の観光船・KAZU I(カズワン)から「船が浸水している」と118番通報。第一管区海上保安本部(小樽市)によると、乗員・乗客は子ども2人を含む計26人。海上保安庁の巡視船艇6隻はじめ航空機4機が現場に向かい捜索を始めたが、午後8時現在、船体は確認できておらず乗員・乗客は見つかっていないという。

(4月22日)
 コロナ禍やらウクライナ戦争やら…と。なんだか、この荒みきった地球社会にあって私だけが日々、舞との【こども遊び】に興じているような、そんな気がしてならない。というのは、毎日、彼女の霊前に食事を出し、ままごと遊びのように「これで良いか」「おまえ、ミニトマト。ホントに好きだったよな。これで、いいっか」などと語り合ううち、なぜだか昔のままごとごっこをしているような。そんな気持ちになってしまうからである。でも、そこに生きていくなにがしかの価値があれば、それはそれで良いのだーと。私はそう思って今は達観して亡きたつ江とのマイロードを歩いていかなければ、と思っている。もしかして。こうしたことだって、だ。見えない幸せに通じる道かもしれない。
 デ、ここでひと言。そうしたとき、いつも私の支えになってくれているのは、子どもたち、そしてもう一人いる。舞がこよなく愛し続けた愛猫のシロちゃん。すなわち「白」の俳号を生前の舞から与えられた、この世でただ一匹の俳句猫、すなわち白狐(びゃっこ)でもあるオーロラレインボーちゃん、彼女の存在にほかならない。きょうも守口漬けとミニトマトを舞の食卓に出すに当たって、あれやこれやと気遣ってくれ、あな、ありがたきかなと思ったのである。

 舞の食事はこれでよいか。いつも親身になって食事の準備を手伝ってくれるシロちゃん
 

【露「マリウポリ制圧」宣言 抗戦続く中 戦果強調】【G20露へ批判集中 共同声明見送り 財務相会議閉幕】(22日付毎日朝刊)【マリウポリ制圧宣言 プーチン大統領「解放」 ゼレンスキー氏劣勢認める 米が追加軍事支援1000億円】【敵基地攻撃「反撃」に改称 自民調査会 防衛力増強提言へ】【G7環境相会合声明原案 「石炭火力発電を2030年までに廃止」 日本反発、削除求める】【米が追加軍事支援 1000億円】(22日付中日朝刊)とは朝の新聞の見出し。
 全くもって読むのが、とても辛い。地球全体が火であぶられてでもいるような、そんな錯覚すら覚える。この美しい星を人間たちが自らの手で傷つけている。舞も、あの空の上で同じことを思っているに違いない。ニンゲンとは、やはり、愚かな存在だと言われたところで、実際にそうなのだから仕方ないだろう。

 私はドンパス出身という少女(NHKから)
 
 
 プーチン大統領は何を言いたいのか(NHKから) 
 

 ロシアが奪取をめざすウクライナの東南部地域
 

 
(4月21日)
 木曜日。秋田、青森などで桜が満開に。函館でも平年より1週間早い開花となり、桜前線がいよいよ北海道に上陸した。この日、函館では7月上旬並みの22・4度を記録。この暖かさで桜の開花が一気に進んだという。
 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平は20日、敵地ヒューストンでのアストロズ戦に1番・投手兼指名打者で今シーズン3度目の投打同時出場し、試合は6―0で勝ち、今季初勝利を挙げた。大谷は6回を投げ、1安打無失点で自己最多タイの12三振を奪った。打者では一回に適時二塁打を放つなど4打数2安打2打点だった。
    ※    ※

    ☆    ☆
 雨の日。たつ江。舞よ、マイ。私はおまえという明かりが無情にもパッと消えたこの町をきょうもただ黙ってかふしてさまよう如く歩いている。おまえが選んでくれたグリーンの乗用車。そのパッソのハンドルを手に、ここまできた。そして私はおまえが慣れ親しんでいたその大型ショッピングセンター(アピタ江南西店)へと入ってゆくのだ。いまから思えば、おまえの歩く姿はいつだって色彩感にあふれ、まるで絵画のような、絵そのものの存在だった。
 泣いても 泣いても 泣きとおしても もはや、離別という垣根はどうにもならない。いまウクライナには、そうしたかわいそうな人たちがいっぱい、いっぱいいる。おまえを亡くした俺なんて、彼らに比べたら、それこそ、チッポケで吹けば飛ぶような存在かもしれない。ウクライナには、そうした人たちが数えきれないほどいるのだ。いやいや、もっともっと悲しい人たちである。
 外では強い雨が容赦なく降っている。そうとは知っていながら、涙は一向に止まらない。これをわがままというのだろうか。ところで国連事務総長のグテレスさんが21日から復活祭までウクライナ侵攻に伴う戦争を一時休戦にするよう人道的停戦を呼びかけロシア軍が東部での攻勢を強めるなか、市民の安全な退避や人道物資搬入への協力を求めているという。うまくいけばよいのだが。いずれにせよ、人間たちは狂気に満ちている。一体、だれが。何をそうさせたのか?

 そのグテレスさんが言っている。ロシアとウクライナの両国を訪問したい、と。事務総長の報道官が20日、グテレス氏がロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領に対し訪問を受け入れるよう求める書簡を19日に両国の国連代表部を通じて送ったことを明らかにしたという。英紙ガーディアンによると、フェルトマン元国連事務次長(政治局長)をはじめとする国連の元高官ら200人以上が、グテレス氏に紛争解決に向けて積極的な関与に乗り出すよう求める書簡を送り「それこそが国連の存在意義だ」と訴えているというのだ。よいことである。

 新聞は相変わらず、ロシア国防省が19日、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリで、製鉄所で籠城するウクライナ内務省の軍事組織「アゾフ連帯」に改めて投降を呼びかけ、この日は同時に製鉄所から市民140人以上が自発的に脱出し、人道回廊で退避したことなどを【マリウポリ投降 再び要求 製鉄所避難の一部市民脱出】といった見出しで報じている(21日付中日朝刊)。
 さらに【「製鉄所に地下貫通弾」 マリウポリ 脱出支援要請】(同日付毎日朝刊)となると、マリウポリが危機にさらされている現状は間違いない。記事には「露軍は製鉄所を地下貫通弾(バンカーマスター)で爆撃。立てこもっているウクライナ軍海兵隊司令官は20日にフェイスブックに投降した動画で『敵軍は数が10倍で、全てにおいて優勢だ。我々には数日しか残されていない』と訴え国際社会に脱出への支援を求めた」としている。

 一方で、松野博一官房長官は20日の記者会見で、政府が国外追放を決めた在日ロシア大使館の外交官ら8人の日本出国を確認したことを明らかに。日本政府は今月8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊での民間人殺害を非難し、外交官と通商代表部の職員8人の国外退去をロシア側に要求していた。ほかに21日付同紙は【平和願う先生は「裏切り者」 ロシア生徒密告で解雇 学校むしばむ思想統制】の記事も。いやはや、戦争により全ての人々が不幸のどん底に落ち込んでいるのである。

(4月20日)
 きょうは穀雨(こくう)。穀雨とは、穀物をうるおす春の雨をさし、この時期に種まきをすると、植物を成長させる雨に恵まれるそうである(二十四節気)。とは言ったところで、たつ江が生きていれば穀雨も情緒があってよく、俳句のひとつも誕生しそうなのだが。彼女のいない世での【穀雨】なぞ、かえって寂しくて悲しいばかりである。春の雨どころか、悲しさの雨とでもいえようか。

 新聞、テレビは相も変わらず、どこもかしこもウクライナ、ウクライナ、新型コロナウイルス、新型コロナウイルスのニュースが目立つ。朝刊で【ドンパス掌握へ大規模攻勢 ロシア外相「重要な新局面」 マリウポリ製鉄所攻撃】だった見出しが夕刊では【米、兵器供与追加へ ウクライナ】【マリウポリ投降再び要求 ロシア東部は激しい戦闘続く】(夕刊)となっている。
 そのウクライナだが夕刊報道によれば、「岐阜県各務原市は20日、ロシアの軍事侵攻により市内に避難してきたウクライナ人に、一人当たり10万円の支給を決定。東海地方では名古屋市などが既に同様の取り組みを行っているが、岐阜県内では初めてだという。

 秋篠宮ご夫妻が20日、三重県伊勢市の伊勢神宮などに参拝するため東京・元赤坂の赤坂御用地にある宮邸を車で出発。秋篠宮さまが皇位継承順一位の皇嗣になられた報告をする行事で三泊四日の日程で三重、奈良、京都の三府県を巡回。宿泊を伴う地方訪問はコロナ禍になって初という。通常は新幹線や特急で向かうが、人の密集を避けるため車で総延長約八百㌔を移動する異例の行程となる。

(4月19日)
 火曜日。
 名古屋で社友会総会があったので久しぶりに社へ。
 上着のポッケには正岡子規が死の2日前まで書き続けた随筆集「病床六尺」(岩波文庫)をしのばせて、である。総会とはいっても、コロナ禍の時代だけに以前みたいな懇親会はなく、卒寿や傘寿を迎えた人に対するお祝い会だけのようなので、私は受付で社友会費だけを払い、きょうのところは辞した。あとは現役時代に社への行き帰りや昼食事によくぶらついた場所が懐かしく、西区の円頓寺商店街や堀川にかかる五條橋周辺を歩いてひと巡りし名駅へ。ここで東海道新幹線の富士山弁当なるものを買って名鉄犬山線と江南駅からは名鉄の定期バスで帰ったが、久しぶりにかなり歩いたので結構疲れたのである。
 ただ帰ったら、いつものように愛猫シロちゃんが走って飛んで玄関先まで出迎えてくれたのには目頭が熱くなった。彼女は今やすっかり、家族の一員。いや、亡き妻の代わりそのものを務めてくれている。シロちゃん、きょうも本当にありがとう。

 久しぶりに見る名古屋の街並みは以前と何ら変わることなく、落ち着いていた。
 
 堀川と五條橋、西区那古野の街並み
 
 
 
    ※    ※

    ☆    ☆
 帰宅して読んだ夕刊は、相変わらずロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関するものだった。【露軍、東部へ再攻勢か ウクライナ「戦争の第2段階」】【ドンバスで大規模攻撃開始 ロシア、全面掌握目指す】というもので、NHKもクローズアップ現代で【緊迫の激戦地 マリウポリ 市民は今】を流し、世界の目はウクライナのマリウポリに注がれているような、そんな気がした。

2022年4月18日
 月曜日。久しぶりに朝から雨の1日となった。
 私は、きょうも悲しさを押し殺してハンドルを握る。涙がウインカーに降り注ぐ大量の雨に負けない勢いでドンドン、ドンドコド、ドンドコドと際限なく流れてくる。涙とは不思議な生きものである。
 ところで一体全体、私はどうしてしまった、というのだ。寂しい。辛い。くやしい。かわいそうだ。ごめんな。俺は何をしていたのだ。なぜ、助けられなかったのか。と悔恨の情には際限がない。でも、何の罪もなく、ロシア兵の侵攻に右往左往して逃げまどったあげく、殺されてしまったウクライナの人々の方が、もっともっと比べようがないほどに凄惨で、悲惨で、かわいそうではないのか。自問自答しながら、わが心の中で自重の鐘を鳴らしてみる。

 あぁ~。それなのに、だ。今の私には彼女、すなわち舞、可愛かったわが妻たつ江のことばかりが頭に次々と浮かび上がり、思い出となって次から次にとあふれ出てくる。たつ江。舞。たつベえ。たぁ~ちゃん。確かにおまえの生に対する執着は、潔く案外、あっさりしたものだったよな。こうしていても、おまえの生前の声が聞こえてくる。
「あのねえ。あたし。そんなに長くなんか生きていたくなんかない。ないのだから」と。おまえは、私の目を見て、よくそう言ったよね。だとしても、だ。おまえは、なぜ死んでしまったのだ。あれほどまでに、いとも簡単に、だ。俺はそんなおまえのことが、かわいそうで仕方がない。」

 きょうの中日夕刊見出しは、相変わらずロシア軍によるウクライナ侵攻が中心で【マリウポリ降伏拒否 ウクライナ「徹底抗戦」】【反ロシア市民あぶり出し】【撃沈旗艦乗組員40人死亡 不明27人 独立系メディアが報道】といったものだった。ロシア軍のウクライナ侵攻は、ほかに文化・芸能面のロバートキャンベルさん(日本文学研究者、早稲田大特命教授)の<社会時評>でも【ウクライナ惨状明るみに やまぬ侵攻 蛮行の限り】と痛烈な内容となっていたのである。

 一方で、こうした暗い世の中にあって、救いと言えば【超絶20歳佐々木朗 18歳新人がリード 半端ない「完全」バッテリー 2戦連続走者許さず】といった見出しか。記事の総合リードは以下のようなものだった。
―プロ野球ロッテの二人合わせて三十八歳の若いバッテリーの快進撃が続く。二十歳の佐々木朗希投手が十八歳の新人、松川虎生捕手と組んで十日のオリックス戦で史上最年少の完全試合を達成し、十七日の日本ハム戦でも八回まで一人の走者も許さなかった。0―0の九回に交代し史上初の二試合連続完全試合は逃したが、千葉市のZOZOマリンスタジアムに集まった満員のファンは熱狂した。

2022年4月16日
 街路樹の葉が風にサワサワ揺れている/やわらかな、そよぎのなかにおまえは生きているのか/
 朝のうち冷たかった風も昼過ぎには気持ちの良いものに変わった/
 私は、きょうもおまえを捜して、この街をあるく/
 私は何もほしくはない/名誉も。地位も。何もかもだ おまえがいないのでは面白くない/
 ただ、おまえが生きたあかしだけはほしい/
 そして/私たちは、そのあかしを抱きしめて生きていくのだ
     ★    ★

     ※    ※ 
 世の中は、波のあぶくの如く次から次にと変容していく。

 大リーグ。エンゼルスの大谷翔平投手が15日(日本時間16日・アーリントン)、敵地でのレンジャーズ戦に「1番・指名打者」で先発出場。開幕8戦、31打席目で待望の今季初本塁打。続く第3打席でも特大の2号2ランを放ち、昨年7月2日いらい287日ぶりの1試合2本塁打を放った。

 きのう東京・小笠原諸島に最接近し父島海域で最大瞬間風速46・5㍍を記録、その後は日本の東の海上で温帯低気圧になったことし初の台風1号による影響か。ここ尾張名古屋も朝から結構強い風がふいていた。デ、朝から出たがるシロちゃんを風が少し治まるのを待って外に出した(シロはその後、正午過ぎには帰宅した)。
 彼女は出るや、その足で裏庭一角の先代猫のこすも・ここと初代シロの墓に直行。一帯を見回る姿に、私はどこか感動と哀愁に似たものを感じたのである。亡き妻は、いつも愛猫のことを「シロよ。シロ、シロ。シロちゃん」と呼び、決まって「シロちゃんは、何でも知っているのだから。この世でたった一匹の白狐(びゃっこ)よ。あなたのことだって。何でも知っているのだから」と誇らしげに私にそう語り掛けたものである。そのシロがお外に出た。きょうは天空の一体全体、どこいらでおかあさんと会ってくるのか。そんなことを思うと胸がドキドキするのである。

 さて。何もかもが暗い世の中だ。では、あるが。けさの中日紙面に私自身、かつて滋賀県に在任中に見たことがある長浜市で開かれている長浜曳山祭が15日、最高潮となる本日(ほんび)を迎え、長浜八幡宮など市内2カ所で呼び物の「子ども歌舞伎」の親善奉納があった、との明るいニュースには久しぶりに、胸のなかを穏やかな風が吹き抜けていったような、そんな思いにかられた。記事の隣には【諏訪大社の御柱祭 里曳きは人力実施】の見出しもあり、それこそ良い紙面でイイナと思う。
 ロシアのウクライナ侵攻などといった暗い話よりも、地域社会に溶け込んだ伝統の祭りの方がよほど私たちに夢や希望、勇気を運んでくれる記事なのである。私はこれら記事を読み心底ホッとした。

 長浜の子ども歌舞伎を報じた中日新聞
 

 新聞は、きょうもウクライナ侵攻に、なかなか終息しないコロナ禍一色である(いずれも16日付中日新聞から)
 

 

    ※    ※

    ☆    ☆
 けさの紙面にNHK朝ドラのタイトル「ちむどんどん」は沖縄のことばで「胸がドキドキする」を意味する。「ちむ」は心。「どんどん」と高鳴る様子が伝わる(16日付毎日「余録」より)とあったが、そういえば私とたつ江(伊神舞子)が三重県志摩半島阿児町(現在志摩市)の鵜方で一緒になったのは沖縄が返還(1972年5月15日)された、まさにその年の秋、昭和47年の11月だった。その後。私たちは、舞の提言に従い長崎、沖縄、サイパンの順で夏休みをあて子連れで順々と戦地を巡ったが、不戦の誓いを胸に家族旅行をしたあの日々がつい、きのうのようでもある。

 とはいうものの、この世は今、暗黒のただなか、いやいや坂道を転げ行く途中なのか。相も変わらず新聞紙面には【マリウポリ「絶望的」 「近く陥落」観測も ウクライナ外相】【ウクライナ「ミサイル命中」 露旗艦「モスクワ」沈没】【民間死者2万3000人超す ウクライナ側発表 集計 ロシア黒海艦隊旗艦 沈没】【人口64万人減 21年10月 前年比過去最大】……といった活字が躍っている。

(4月15日)
 金曜日。妻たつ江(伊神舞子)の祥月命日である。早いもので彼女が逝って、半年がたった。
 けさは雨まじりのなか、夜が明け、私はいつものように彼女の仏壇を前に、線香をたき「たつ江。マイ。元気でいるか。俺とおまえは永遠不滅だ。いつまでも一緒、一体なのだから。お互いに助け合って 幸せになろうよな」「シロちゃんも、こどもたちも皆それ相応にナントカ元気でやっているので。心配しなくてよいから」と故人を前に手を合わせた。

 午後。いつものように社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。ここは、かつて私の一宮在任当時に、たつ江が各国の民族衣装に身を包んでフォークダンスを学びに通ったこともある場所だけに、あの当時のことが思い出されてくる。きょうは、ブロンズ級のワルツ、ルンバのレッスンに続き、私にとっては、この世で初めてスロー・ポップス・トロットなるものに挑んだが、最初なので、なれるまでに少し戸惑った。それでも、二度三度、三度四度と先生の指導に従いステップを踏むうち、なんとか感覚らしきものだけはつかみとることが出来た。
 ところで、私がなぜ、これほどまでに社交ダンスに執着するのか。それは、たつ江が生前、私がピースボートに乗船する際に「あのねえ。船内で社交ダンスのレッスンだけは、続けてよね。続けるのよ」と私に半ば命令調で言ったから。なぜ、あれほどまでに言ったのか。それは未だに謎である。でも、私の老化を止めるつもりでもいたのだろうか。それとも。もしかして、ゆくゆくは私と一緒にステップを踏みたかったからか。肝心なことを私は聴き忘れている。
 いずれにせよ、私はあれ以降、彼女の指示に従ってずっと十年以上の長きにわたって、これまで下手を承知のうえで社交ダンスを続けているのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 ところで、このところの地上は全てのニンゲンにとって不幸続きで、それこそ【地獄の1丁目】と言えなくもない。変異が変異を呼んで<新型株>が相次ぎ、一向に感染拡大が終息しない新型コロナウイルスのコロナ禍。そこにきて、だ。このところのロシアによるウクライナへの軍事侵攻、さらには気候変動に起因する酷暑や山火事、度重なる地震、大雨、大雪に伴う自然災害の多発……と、この世の中、本当に暗い。傷だらけである。このままだと、地球そのものがある日突然、炎上してしまうかもしれない。これでは人間にとっての楽しみや幸せなぞ、望みようもないのである。そこへ何の利益があるというのか。やらなくてもよい戦争に血眼になっている。全くもってばかげたことである。
 実際、けさの新聞各紙の見出しを拾っただけでも【露、バルト海に核配備示唆 NATO 北欧2国加盟なら】【「報告書、上司が書き換え」…情報機関名乗る手紙 告発次々 露、内部対立か 「日本と紛争準備」想定も】【マリウポリの港掌握か ロシア黒海艦隊旗鑑が大破】【米欧、兵器供与1680億円追加】といった血なまぐさく、おどろおどろしい活字が躍っている。この物騒極まる世界情勢を目の前に、私は「毎度のことながら、ニンゲンとは。なんと愚かな生きものなのだ」とついつい、思ってしまう。私自身も、そのニンゲンのひとりなのに、である。

 そして、だ。これが夕刊になると。事態は一変し【ロシア黒海旗艦沈没 地上部隊支援に影響か】の見出しに変わっており「ロシア国防省は十四日、黒海艦隊旗艦のミサイル巡洋艦モスクワが沈没したと明らかにした。タス通信などが伝えた。ウクライナ軍は同艦を巡航ミサイル「ネプチューン」で攻撃したと発表していた。ロシアは近く行う見込みのウクライナ東部の総攻撃を前に主要艦隊の象徴で司令塔でもある旗艦を失い、大きな打撃となった。軍事作戦への影響は必至で、ロシア軍の士気にもマイナスとなりそうだ」と報じている。

 ロシア軍の黒海艦隊旗艦「モスクワ」の沈没は各マスコミで報じられた(NHKから)
 
 
 
(4月14日)
【ウクライナ首都近郊プチャ 私の街この世の終わり 生き残った夫婦自宅周辺火の海 ICC(国際刑事裁判所)検察官が訪問】(14日付毎日夕刊)【米欧1680億円追加軍事支援 東部戦闘備えヘリや装甲車 ウクライナ「ロシア艦に打撃」 支援のEU批判 ロシア高官】(14日付中日夕刊)
【ブチャ命もてあそばれた 地下避難市民ら証言 「兵士面白半分に発砲」「若い女性を暴行」】【東部2州に砲撃集中 ロシア、総攻撃へ戦力増強】(14日付中日朝刊)【<ウクライナ侵攻>「戦争犯罪の証拠発見」全欧安保機構 小児科攻撃など】【バイデン氏「大量虐殺」】【円安20年ぶり126円台】(14日付毎日朝刊)【プーチン氏作戦完遂固執 プチャ民間人殺害「フェイク」 東部で激しい戦闘】【コロナ感染 世界5億人】【「プーチン氏が大量虐殺」 バイデン氏明言非難強める】(13日付中日夕刊)【<ウクライナ、侵攻>「マリウポリ死者2万人」 市長 路上に遺体多数 プーチン氏「作戦継続」】(13日付毎日夕刊)……

 ことほどさように新聞紙面はきょうも、ウクライナ、ウクライナ、コロナ、コロナ…の大合唱なのである。

 きょうは震度7を2度記録。熊本、大分の両県で計276人が犠牲となった2016年4月の熊本地震から6年となり、熊本県庁で追悼式が開かれた。熊本では今もなお95人(3月末時点)が仮設住宅で暮らしている。地震といえば、だ。震度6強を観測した地震で脱線し、一部運休していた東北新幹線が14日、約1カ月ぶりに全線で運転を再開。福島―仙台の運休が解消、秋田新幹線や北海道新幹線が東京と晴れて直通、当面は減速して本数を減らして運行するという。

「春の高山祭」(国重要無形民俗文化財)が14日、岐阜県高山市の中心部で始まった。初日はあいにくの雨となり、十二台の屋台の曳き揃えは見合わせ、各蔵での公開にとどめたという。祭りは15日まで。
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 ウクライナでは、きょうも人々が逃げ回っている。なのに。こうしておいしいものを食べていて、それでよいのだろうか。ウクライナを云々する以前に、私ばかりがノホホンと生きていてよいのだろうか、と正直思う。半面で、亡き舞には俺がいま毎日食べているものを食べさせたかった。食事をしながら、そう心から思うのである。
 きょうは昼、五条川の川堤へ。いつものコースである大栄橋西と平和橋北界隈を川沿いにひとりで歩いてみたが、つい先日まで満開の桜で春らんまんだったのが、今や緑一色。みごとな新緑に一変していたのには驚くというか、自然の営みの凄さに圧倒された。私は桜堤を歩いた後ドン・キホーテ大口店に入り、ざるラーメンなるものとクリームぜんざいを頼んで食べたが、これがまたおいしかった。思わず私は「たつ江! 俺ばっかり食べて。悪いな」と謝らざるをえなかったのである。おまえと一緒なら、もっともっと楽しいのにとも思う。

 新緑に一変した五条川の桜堤
 

(4月13日)
 水曜日。
 目の前を一羽の黄色い蝶が舞い、ひらひらと水門川の川面をすれすれに飛んでいった。舞に違いない。舞がこの世を去って以降、私にはこのところ目の前にあるものが次々と消え去っていく。そんな幻覚のようなものにかられている。
 きょうは大垣在任時からことのほかよくして頂いている平野学園の学園長平野順一さんと大垣市内の和食の「みよし亭」で一献とあいなった。久しぶりに味わった日本料理の粋には飛騨牛まで登場。さすが中日料理教室名うての講師、名コック長の腕だけのことはあるな、と感心というより、感動。心底からたつ江(舞)がこの料理を食したなら、喜んだに違いない。ふと、そんなことを思ったのである。これも平野先生率いる文化教室の精鋭なればこそだ、と久しぶりに新鮮そのものの海の幸、山の幸を味わい、大垣の銘酒も味わったのである。私たちは、亡きやさしさにあふれた賢夫人・寿江さまにも大変よくして頂いたのである。今となっては感謝のしようもない。合掌。

 私が平野学園さまはじめ、大垣共立銀行、イビデン、西濃運輸など各企業の協力で可児の花フェスタの席でオランダ花物語を展開した思い出など大垣在任時のことを話し合ううち、大垣の経済界トップの方に話が及び、私とは新聞社の同期入社でもあり、このたびの私の妻の死で私が心を傷めているに違いない、と心底から心配してくれている、かつての同僚箕浦啓進氏(新聞社の元ヨーロッパ総局長、同経済部長、同メディア局長、岐阜支社長など)の顔を思い出し、その場から横着にもスマホで電話。私と平野先生が交互に、あんなことこんなことを話し合ううち、私のからだにたまっていた悲しさの澱のようなものが不思議と消えていったのである。ミノウラは「おい、イガミ。大丈夫か。心配しとるがや」と言ってくれ、胸にジンときたのである。

 そして。平野先生のことは、たつ江がずっと以前から、「〝順ちゃん〟。順一先生は元気でおいでかしら」といつも、なんだか尊敬して拝み見るような感じでいただけに、私も大好きな先生である。と、こんなわけで、15日で舞が旅立ってから、丸半年になる祥月命日を前に食事をということになり、かえってごちそうになってしまったのである。久しぶりに歩く大垣の街は、どこか気品があり、水の音に恵まれた水都そのものであった。かつて芭蕉もなれ親しんだ、奥の細道むすびの地で知られる大垣の水門川のせせらぎは今も健在であった。

 久しぶりに歩いた大垣市の中心部を流れる水門川の川堤
 

2022年4月12日
 もう齢なのだから。やることは、1日ひとつだけよ。無理しちゃダメ!
 私はいま、たつ江(舞子)が生前、私に課したことばを胸に刻んで生きている。かといって、そんなわけにもいかない。きょうで言えば、午前中、月に一回のメインテナンス治療で歯医者さんへ。帰って、こんどは布袋のピアゴ内美容院を訪れ、伸び放題、ボサボサの(といったところで、若いころのようなふさふさだった髪はスッカリ消え失せているのだが)髪を自然流にヘアーカット。ピアゴで買い物をして帰宅。こうしてデスクに向かっている。
 たつ江の言に随うなら「きょうは歯医者さんに行くだけよ。それだけで、い・い・の。あとは、しちゃダメ。ダメだから」となるが、そんなわけにもいかない。とはいうものの、彼女がいつも私のからだのことを思ってくれていたことだけは偽りのない事実であり、ありがたいことだと感謝している。

 けさの新聞。【佐々木朗希 完全試合 日本新13連続K 記録ずくめの20歳】という文句ない見出しと並んでトップを占めているのは【「キーウ州 1222人死亡」発表 マリウポリ「今日最後の戦い」】という活字である。それと今ひとつ気になるのは社会面の【オミクロン派生XE 国内初 成田に到着の女性 愛知1198人感染 岐阜は394人】という見出しである。
記事の内容は『厚生労働省は十一日、成田空港に着いた三十代女性が新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「XE」に感染しているのを確認したと発表した。XEは従来型「BA・1」と派生型「BA・2」の遺伝情報が交ざっており、BA・2より増えやすい可能性が指摘されている。感染症の確認は国内で初めて。/厚労省によると、女性は三月二十六日に成田空港に到着。米国に滞在歴があり、無症状だった。入国時の検査で感染が確認されたため陽性者用の施設で所定の期間療養し、その後退所した。米ファイザー製ワクチンを二回接種済みだった』というものだった。

2022年4月10日
 日曜日だ。夜のニュース。ロッテの佐々木朗希投手(20歳5カ月)がこの日、千葉・ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦でプロ野球史上16人目、1994年の槙原寛己(巨人)いらい28年ぶり、21世紀に入ってからは初めて、史上最年少で完全試合を達成した。2年連続首位打者のオリックス3番・吉田正を3打席3三振に仕留めるなど最多13者連続奪三振、一試合タイ19最多三振のプロ野球新記録も樹立しプロ野球ファンをアッ、と驚かせた(試合は6―0でロッテの勝ち)。いいことである。

 きのう、きょうと気温がぐんぐん上昇。日中は名古屋、多治見、伊賀……と25度を超す夏日に。春らんまんというより、初夏の陽気である。ついこの間まで寒さに震えていたのに。とても信じられない。ちなみに今現在、10日午後4時過ぎ。スマホで調べたところ、名古屋27度、岐阜27度、三重23度といずれも20度を軽く超えている。地球温暖化による異常高温がもはや珍しくなくなったのか。ウソのような気がするが本当である。
 こうしたなか、シロちゃんは晴天の下、何か大いなる目的でもあったのか。昼過ぎお外へと、勇んで出ていった。「くれぐれも、気をつけて」と私。(シロは午後3時過ぎ、私が買い物から帰ると同時に帰宅したが、少し元気がない。彼女はとても敏感なので温かすぎる外気に体調が反応したかもしれない。帰宅後は、そっとさせ体調が戻るのを待った)。

 帰宅後、ラインをチェックすると、能登七尾を代表する老舗旅館・さたみや旅館の佐田味さんご夫妻から「昨日、今日と、希望ヶ丘、小丸山公園にお花見に行ってきました。久しぶりに解放された感 何とも幸せな気持ちに― 伊神さん お元気でいてくださいね。」とあの小丸山公園の満開になった写真が【前田利家小丸山城址】の碑と一緒に飛び込んできた。舞が、末っ子かずほを連れて何度も歩いたあの【小丸山公園の桜】には、思わず過ぎし日をおもい出し、涙が溢れ出たのである。私はさっそく「わあっ、なんて美しい。小丸山の桜、たつ江にも見せます。ありがとう」と返信した。小丸山公園といえば、私もよく歩いたばかりか、春には支局全員でのお花見会、夏の七尾港まつりの際には新聞社の事業である〝ちびっこ広場〟開設など何かと思い出がいっぱい、しみついた場所である。

 2011年3月11日の東日本大震災発生に伴う東電福島第一原発事故で立ち入り禁止となっていた福島県富岡町夜(よ)の森地区で12年ぶりとなる「花のトンネル」が始まったという。一帯は東北有数の桜の名所として知られていたが原発事故以降は立ち入り禁止に。この春から全長2・2㌔の桜並木の下を通り抜けられるようになった。めでたし、めでたしとは、このことか。
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 沖縄では連日1000人超の感染者が出、玉城知事は8日朝、第7波に突入したと明言(NHKから)
 
 

 米国はプーチン大統領の長女マリヤさんと次女カテリーナさんも資産凍結の対象とした(NHKから)
 

 日曜日。新聞紙面は相変わらず、ウクライナ、ウクライナ、コロナ、コロナ……で埋め尽くされている。このうちウクライナの方は【駅攻撃クラスター弾 ウクライナ死者52人「新たな戦争犯罪」】(10日付中日朝刊)といった見出しが1面に躍っている。その内容はといえば、だ。次のとおりである。
ーリビウ(ウクライナ西部)からの共同電によれば、「ウクライナ東部ドネツク州クラマトルスクの駅で避難民ら50人超が死亡した攻撃について、同国国防省は8日、無差別に殺傷するクラスター(集束)弾を搭載した短距離弾道ミサイルが使用されたと明らかにした。米国防総省高官はロシア軍の攻撃と断定、駅が交通の要衝にあるとして、ウクライナ軍補給路を遮断し、部隊増強を妨害する狙いがあるとの見方を示した。
 クラスター弾は非人道性が問題視されており、ウクライナのゼレンスキー大統領は「新たな戦争犯罪だ。誰が命令し、どのように発射されたのか。責任は避けられない」と糾弾する動画をインターネット上に投稿した。
 攻撃で少なくとも子ども5人を含む52人が死亡し、109人が負傷。犠牲者は増える恐れがあり、国際社会からのさらなる非難は必死だ。

 いずれにせよ、ウクライナではロシアによる東部地区への軍の侵攻破壊が一向に留まるところがなく、戦況がこの先、どんな道をたどるのか。予断を許さない状況下にある。このほか、ウクライナ紙ウクラインスカ・プラウダによれば、8日、キーフ(キエフ)西方約50㌔にあるマカリウで民間人132人の射殺体が見つかるなど凄惨な事実が現実となっているのである。こうしたなか、ジョンソン英首相は9日、キーフを訪問。ゼレンスキー大統領と会談したが、主要7カ国(G7)首脳が同国入りするのはジョンソン首脳が初という。
 一方、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長も前日の8日にキーウを訪問し、ゼレンスキー氏と会談。「欧州はあなたたちの側にある」とウクライナへの連帯を声明で出し、このところロシア包囲網が日に日に高まっている。

(4月9日)
 いやはや、あれやこれやとバタバタしている。きのう8日は愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)の年に一度の健康診断を兼ねた3種混合ワクチン接種(猫カリシウイルス感染症、猫伝染病性鼻気管炎、猫汎白血球減少症)の日だったため市内の動物病院へ。コロナ禍の時代だけに、3密回避もあって、外の駐車場に車を止めてシロの順番が来るのを長らく待った。幸い、接種は無事終わり、体重も4・44キロと昨年より500グラム減り「肥満は解消されています」とのことで、ホッと安心したのである。とはいえ、やはり、まだ少しは肥えているような気はするのだが。医師が大丈夫と言ってくれたのだから、心配ないだろう。
 ちょうど1年ほど前には、舞と一緒にシロを同じ動物病院に連れていって医師から「ちょっと肥満気味ですね。気をつけてください」と言われ、その後はふたりで与える食事の量も出来るだけ控えめにするなどして努めてきただけに、私は「シロちゃん、大丈夫だったから」と手を合わせ、舞の仏前に報告したのである。

 シロに接種された3種ワクチンの説明書
 

 私が思うには、シロはこの1年、おかあさんの部屋でオカンのことを心配して彼女が亡くなる直前までベッドで付きっきりで【白猫俳句】の作句の手助けばかりか、ずっと傍らで寄り添ってくれていた。それだけに、おかあさんを心配して肥えている暇などとてもなかった、と。そう思うのである。
 だから、舞は人生の最終場面で自ら開設したブログきょうの俳句【白猫の俳句】で♩秋一日絨毯と飛べ我が部屋ごと(minuetto-mi きょうの俳句・白猫の俳句九月二十三日から。この俳句は舞の最終句・挽歌となってしまった)というすばらしい、かつ衝撃的な俳句を詠み続けることが出来たのである。

 ほかに、ここ2、3日というものは、私の高校時代の同窓会の件で次年度役員を誰にお願いしたらよいのか。また秋の総会兼懇親会をどうするか。コロナ禍でのまん延防止重点措置が先月21日に全面解除になったところで事前の打ち合わせの開催日をいつにするか、などにつき役員同士で電話とメールで何度も話し合ったり、連絡したりし、結構、慌ただしかった(結局、打ち合わせ会はみなさんの都合もあって17日に開くこととなった)。
 それと、これは話がガラリ変わるが、ふつか前には、これまでたつ江にだけしか皮をむいてもらわなかったリンゴを手に甚だ危なっかしい手つき、無手勝流の包丁さばき(包丁さばき、と言えるかどうか?)で自ら皮をむいたのである。包丁で指をスパリと切ってしまうのでは、とヒヤヒヤしながらの難行苦行だったが、せっかくもらった信州リンゴをたつ江にどうしても食べさせたいあまりの決行とあいなったのである。
 切られたりんごは嬉しそうで、私も食べてみたが想像以上のおいしさだった。仏前に置かれたリンゴを前に<たあちゃん>(私はたつ江、舞子のことをその時の気分で<たあちゃん>とか<たつ兵衛>とも、よく呼んでいた)は「今ごろ何やっているの。それより、箸上手に持てるようになった?」と笑っているに違いない。

 私の手で、ついに切られたりんごっこ
 
 

 きょうは午前中、ほかに川崎に住む長男夫妻とのオンライン会議にシロちゃんと末っ子と一緒に出るなど、あれやこれやとあった。私からはシロが3種混合ワクチンを無事、終えたことを知らせ、川崎からは長男の嫁が少し高熱こそ出たが、やがて治まり3度目のワクチン接種を無事終了。長男の方は近々、3回目を接種予定だとのことだった。互いにからだを大切に、この時代を乗りこえれば、おかあさんもきっと喜んでくれるに違いない。ということで、オンラインを閉じた。

 そういえば、きのう8日に私が、そのテーマ音楽【アルデバラン】を何にも増して気に入っていたNHKの朝ドラ【カムカムエヴリバディ】が終わった。<笑って 笑って 愛しい人……君と君の大切な人が幸せである そのために 祈りながらスイング・ア・ソング……>と歌詞も良く、このところは番組での音楽を聴くたびに舞(たつ江)との日々が思い出され、胸がキュンとなり、それこそ、そのつど心身ともに引き裂かれそうでもあった。舞が生きていたなら、ぜひ見てほしかった朝ドラでもあった。

2022年4月7日
 中日新聞の本日7日付夕刊によれば、ロシア軍がウクライナ北部から完全撤退。ドネツク、ルガンスクの東部2州に戦力を集中。新ロシア派の支配地域拡大を狙うためでウクライナのベレシチューク副首相は6日、東部2州の住民に早期避難を呼びかけたという。またバイデン米大統領は6日、ロシアへの新規投資の全面禁止や最大手銀行の資産凍結など米国としての対ロシア追加制裁を発表。ワシントンで演説し大きな戦争犯罪だ、と強調し「同盟国や友好国とともに経済的な負担を科し続け、プーチン大統領の痛みを増し、ロシア経済をさらに孤立させる」と述べたという。これら一連の動きを見る限り、米ソ関係の関係修復はもはや望めないのでは、とすら思われてくる。
 夕刊には、ほかに「オバケのQ太郎」や「忍者ハットリくん」などで知られる漫画家藤子不二雄Ⓐさんが、川崎市の自宅で死去したことが7日分かった、とも報じている。藤子さんは富山県の出身。88歳だった。
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 きょうは、10度を超える温かい朝だった。
 飛行機音にふと上空を望む。空一面に薄い雲がたなびいてはいるが、晴れでさわやかな日だ。「名古屋は24度まで上がり、5月上旬並みのぽかぽか陽気になりそうです」とラジオからは男性アナの声。いよいよ、これから暑くなってくるなと思っていたところ、突然、台所の食器棚がカタカタカタカタと小刻みに音をたて震えた。まもなくすると「午前9時半ごろ。東海地方でやや強い地震がありました。震源地は愛知県東部で震源の深さは約10㌔。地震の規模はマグニチュード4・6と推定され、津波の心配はありません、とのことだ。新城で震度4。豊橋、岡崎、安城……、岐阜県恵那市で震度3」とNHKアナの声が耳に迫った。

 令和4年1月から実施されていたまん延防止等重点措置こそ3月21日で全国一斉に解除されたものの一向に収束しないコロナ禍に、このところのウクライナへのロシアによる軍事侵攻と一般市民に対するジェノサイド(大量虐殺)、またガソリン代や電気代、諸物価の高騰……と、このところは何もかもが暗くて、いや~な時代である。個人的には、そのうえ最愛の妻に昨秋、先立たれるという悲しみ、辛さも加わって、なんだか生きていくことそのものが、とてもしんどくて悲しい。そんな暗い世の中だ。半面、それだけに明るく元気でいなければ、とは思うのだが。なかなか、そんなわけにはいかない日々が続いている。

 けさも新聞には【戦争犯罪 市民が記録「ロシアが裁かれる日まで」 ハリコフ攻撃の合間】【キーウ北西の町 200人以上死亡か】【安保理改革訴える ゼレンスキー氏「行動を」 ビデオ演説】【<核心>侵攻へ無力 国連機能不全 ロシア拒否権に打つ手なし 停戦の可能性探るが難航】【日米欧、追加制裁へ 露の虐殺疑惑で強化 ウクライナ侵攻】【住民犠牲ブチャ以外も キーウ近郊「400人以上不明」報道】【折り重なる民間人遺体 プチャ 日本人写真家が撮影】【日本「戦争犯罪」明言 資産凍結など対象拡大】など。痛々しい見出しが活字となって並ぶ。人間たちは、コロナ禍はじめ、軍事侵攻、大量虐殺などアレヤコレヤに苦悩しているのである。

(4月6日)
 水曜日。東海地方の各地の公立小学校でこの日、入学式があり、新1年生はマスク姿で真新しいランドセルを背負って、胸弾ませ登校した。ウクライナのゼレンスキー大統領が5日、ロシアによる侵攻に関して国連安全保障理事会会合でオンライン演説。首都キーウ(キエフ)近郊のプチャなどで明らかになった民間人の虐殺につき「第二次世界大戦後、最も恐ろしい戦争犯罪だ」とロシアを非難。安保理常任理事国のロシアが拒否権を行使し、有効な対策が打てていないとして「国連はただちに改革されなければならない」とも述べた。
 ゼレンスキー大統領はさらにブチャを訪れたと述べ「ロシア軍はウクライナのために働く人々を故意に殺害。大人も子どもも家族全員を殺した」と強調。ロシア軍指導者らを裁判にかけるように、と訴えた。ロシアのウクライナ侵攻後、国連は総会で非難決議などを採択したが、安保理ではロシアが拒否権を持つため、法的拘束力のある対応を打ち出せてはいない。このためゼレンスキー氏は「あなたたちは国連を終わりにするのか。もし答えがノーなら、すぐに行動すべきだ」とも指摘した。
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 6日。私は快晴のどこまでも深く、青く澄み渡る空を見上げて、亡き妻がこちらに向かってほほ笑みかけている姿を目の前に男らしくもなく、またしてもしゃくりあげた。見苦しい限りだ。こんどは空に浮かんだおまえのあの笑顔がだんだんと時代がプレイバックするように若く、若くなっていく。と、「元気でいますか」とたつ江、舞の声が空の大気を割って聴こえてきたではないか。
 「おまえは、お世辞でなく、きれい。きれいだ。美しいよ」と私は空に浮かぶおまえに向かって、そう声を投げかけた。そして「この地上の桜、見えているか。見えるとよいが。きれいだろ」とも続けたのである。

「見える。見えるわよ。それにあなたも。子どもたちも。シロちゃんだって。見える。見える。見えるわよ」
「それはそうと。おまえは、なんで、なんで。いとも簡単にそんなにも早く死んじゃったのだよ。それでは舟木一夫の【絶唱】の愛おしい山鳩と同じ。♩なぜ死んだ、ああ小雪 の小雪と何ら変わらないじゃないか」

「それでも、おまえは俺と一緒にあの歌をよく聞いたよな。馬鹿のひとつ覚えで、いつもカセットから流れてくる【絶唱】をおまえは助手席で文句のひとつ言うでなく、つい最近まで、ただ黙って聴いていてくれた。…でも。まさか、おまえが小雪そのままに死んでしまうとは。これまで誰よりも苦労してきた分だけ、これからはいっぱい、いっぱい、幸せになってほしかったのに。なんで、そんなに早く死んでしまったのだ。
 それと。音楽と言えば、志摩にいたころ、休みになると俺は決まってサニーの新車助手席におまえを乗せビートルズを流しながら車をぶっ飛ばした。真珠の海・英虞湾沿いであったり、黒潮躍る熊野灘沿いだったりしたよな。能登でも珠洲に通じる街道を日本海沿いにおまえを乗せ、ぶっ飛ばしたことが何度かある……」
 あとは声にならない。この世は妄想か。
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 水曜日。連日、悲しくて辛い新聞の見出しが読者の心をえぐる。
【ブチャ近郊でも虐殺か ウクライナ検察「最多の犠牲者」 ゼレンスキー氏視察】【避難民20人日本到着】【独仏がロシア外交官追放 EUで同様の動き拡大】【米、追加制裁の方針】【ロシア国債ドル支払い禁止 米財務省 デフォルト(債務不履行)可能性も】【ドガの「ロシアの踊り子」→「ウクライナ」に 英美術館が改題】(5日付中日夕刊)【ゼレンスキー氏「戦争犯罪」 多数の遺体発見 ブチャ視察】【半世紀前の名作「ひまわり」20年前の新書 脚光 ウクライナ反戦 映画で本で ベストセラー1位に】【「オルガルヒ」の大型船押収 制裁対象FBI、スペイン停泊中】【安保理「虐殺」討論へ ゼレンスキー氏 演説の予定】【欧州、露外交官追放 遺体多数発見で 独40人・仏35人】【キーウ脱出 息子2人とルーマニアへ ウクライナ侵攻 見知らぬ車で検問突破 「運転手、天使に見えた」】(5日付毎日夕刊)。

 そして。これら報道は、けさも続いた。以下のとおりである。
【キーウ郊外さらに多数遺体 ブチャの北西 外相「氷山の一角」】【「最も恐ろしい戦争犯罪」ゼレンスキー氏、安保理で演説】【<核心>ロシアの強弁覆す証言・衛星写真 戦争犯罪の情報続々 軍事行動でプチャ市民殺害か】【上海、都市封鎖を当面継続 2400万人一斉PCR■ドローンで外出監視】【感染対策の中 入学式 「もうコロナに振り回されたくない」 大学こそは膨らむ希望】【リスクには十分注意を 10、20代 感染も未接種も多く】(6日付中日朝刊)
【「露虐殺」安保理討論へ ゼレンスキー氏参加 EU、石炭禁輸】【避難民20人 来日】【排出減「25年までに」 気温上昇 1・5度に抑制 IPCC(国連の「気候変動に関する政府間パネル)】(6日付毎日朝刊)

 新聞はむろんラジオ、テレビ、その他、各種ネットなどからも流れ、拡散されていくニュースは、どこもかしこもウクライナ、ウクライナ、コロナ、コロナのオンパレードである。なんだか世の中すべてが暗い何かに閉ざされてしまっているような。そんな気さえするのだ。

 ウクライナの悲劇は日本のテレビニュースでも連日、報じられている(NHKから)
 
 
 

(4月5日)
 二十四節気によれば、きょうは、すべてが生き生きと清らかに見える【清明(せいめい)】である。

【清明】の気に押されてか。なぜか、思い立って藤の花の名所で後醍醐天皇の御創建で知られる飛保の曼陀羅寺へ、と出向いた。

 御醍醐天皇御創建の碑があった
 

 ここの桜がみたくなったためだが、花弁こそ少しちいさく感じたが今が満開で、それは美しかった。5月の連休のころ、藤の花のシーズン中ではないこともあり、見物客はパラパラ。それこそ広い境内に合わせて7、8人いたかどうかだったが、この街では貴重な曼陀羅寺だけに、久しぶりに郷土の文化財にふれた気がした。これまでも年に一度はたつ江と藤の花見物に来ていたのだが。福の三本松葉、浄土宗の曼陀羅寺に伝わる椋の木(ムクノキ)=江南市指定文化財(天然記念物)=には、あらためてその存在の重さといったようなものを感じたのである。

 ムクノキと満開の桜
 
 
 

 夕刊を開く。ウクライナへのロシアの軍事侵攻に、まだまだ終息には時間がかかりそうなコロナ禍と相変わらず暗い、どこまでも暗い世界。社会。世の中である。
 各紙ともウクライナのゼレンスキー大統領がロシア軍から奪還したキーウ(キエフ)州ブチャを視察したことを報じているが、ゼレンスキー大統領は現地で多数の民間人の遺体が見つかったことについて「戦争犯罪であり、ロシアはジェノサイド(大量虐殺)を犯した」と改めて非難。ブチャから北西25㌔のボロディヤンカで最も多くの犠牲者が出ているとの見方を明らかにした、と報じている。

2022年4月3日
 雨に濡れ、心なしか赤く妖艶に。ピンクに染まった花びらが宙に浮かぶ。だふやら、おまえのやうだ。人は弱い。だれとて、いつも何かを求めて生きている。歩いていく。何か、とはなにか。私の場合は、わがいとしの妻、たつ江である。元気でいるか。シロの隣で大空に向かって、ふたりできょうも、そう声をかけた。

 日曜日。新聞1面には久しぶりに【車山絢爛3年ぶりの勇姿 犬山城 城下にぎわい】と明るい、春ならではの見出しだ。「江戸時代から続く三百八十八回目の犬山祭が二日、愛知県犬山市で始まった。新型コロナウイルスの影響で二年続けて中止になっていた豪華絢爛な車山(やま)の巡行も三年ぶりに復活した。」という記事が何となく久しぶりに心弾ませ、ウキウキする嬉しい内容である。
 うれしい話と言えば、開幕早々から負けが込んでいた立浪和義監督率いる中日ドラゴンズが2日の広島戦(バンテリンドームナゴヤ)で延長12回に劇的な逆転サヨナラ勝ちで今シーズン初の連勝を飾った。中日スポーツを手に思わず、こうでなくっちゃあ―と嬉しくなったのである(ドラゴンズは、きょうも広島に1―0で勝ち、3連勝と立浪監督の好きな【氣】をはいた。よしっ、この調子で!)。

 犬山祭を報じた3日付中日朝刊
 

 劇的な初連勝で埋め尽くされた3日付の中日スポーツ1面
 

 ところで、わが家のアイドルであるシロちゃんは、思うことがあってか。きょうも午前11時過ぎ、曇り空の外に出た。彼女なりの考えがあってのことだろう。それとも天女のおかあさんに伝えることでもあるのか。(シロはその後、昼過ぎには小雨のなか、無事、帰宅。きょうは休みのお兄ちゃんに家の中に入れてもらったようだ)。

    ☆    ☆
 ロシアのウクライナ侵攻は相変わらずロシア軍の東部への攻勢が続いている。ICRC(赤十字国際委員会)が1日、ロシア側の包囲が続くウクライナ南東部マリウポリの市民を退避させようとしたが、安全が確保できず失敗に終わるなど苦しい状況にある。一方、キーウ(日本の外務省が首都キエフの日本語呼称をウクライナ語「Kyiv」に基づいて、「キーウ」に変更)は一時、激しいミサイル攻撃を受けたが、ロシアが(先の停戦交渉に基づいてか)「作戦縮小」を表明したあと目立った攻撃は止んでいるという。
 こうしたなか、米紙ニューヨーク・タイムズは1日、米国が同盟国からウクライナへの戦車供与の支援に踏み切ると報道。ウクライナの東部防衛のため軍が使い方を把握しているソ連製戦車を配備するという。いずれにせよ、けさの新聞の見出し【マリウポリ市民退避難航 ロシア軍 東部へ攻勢鮮明】が戦争の現況を伝えている、といえそうだ。

 ウクライナへのロシア侵攻と並んで今ひとつ気になるのが、同じ朝刊見出しに言う【新規感染 44都道府県で増 コロナ前週比 「第7波」に警戒】である。記事には『新型コロナウイルスの直近一週間の新規感染者数が四十四都道府県で前週と比べ増加したことが内閣官房のまとめで分かった。急速な再拡大には至っておらず病床は余裕があるが、感染「第六波」が十分に収まらないまま「第七波」を迎える恐れもあり、専門家が警戒を強めている』とあり、まだまだ油断は大敵である。

(4月2日)
 大江川河畔に咲いた桜たち=愛知県一宮市内で
 

 春らんまんの桜を見て、私はつくづく思う。自分がそのひとひら、ひとひらを美しいと思えば、今は亡きたつ江もそう思っているに違いない。と。
 そして。俺が食べるということは、だ。おまえが食べるということ。だから。おいしくて栄養のあるものを食べるようにしなければ/俺が笑うということは、おまえが笑うということ。だから楽しくいこう/俺が歩くということはおまえが歩くということ/俺が話すということは、おまえが話しているということ/俺のしていることは、みんなおまえも、そっくりそのまましている/俺とおまえはいつも一緒だ。/俺が生きている、ということは、だ。おまえも一緒に生きている/愛猫シロが大きく伸びをするということは、おまえも大きく伸びをしているということだ。そして一匹文士の俺が書くということはマイ、伊神舞子が書くということである……
――読者諸氏は本当かいな、と思われるかもしれない。でも、私とシロがこうして生きているということは、それぞれの心にたつ江、すなわち伊神舞子の気持ちが宿っていると同じことなのだ。だから、一緒に生きている。……
 なんて自分勝手なことを想像したりして私は仏前のおまえ=静汐院美舞立詠大姉(せいせきいんびまいりゅうえんだいし)=に、きょうも、また語りかけているのである。

 私たちが、いつも語りかける静汐院美舞立詠大姉
 

 

 

 

 青い空一面に薄らにたなびく無垢の雲を見ながら、私はつくづく、そう思うのである。だから、私は、たつ江に恥じないように生きていきたい、と。そう願っている。俺がこの先を生きていく。ということは、すなわちたつ江、伊神舞子も私と一緒に生きていくのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 ところで「脱原発社会をめざす文学者の会」ホームページに月に一回、書いている私の連載【文士刮目】の第11回目【プーチンの「精力善用 自他共栄」とは】がきょうの午後、公開されたので、読者の皆さまにはぜひ読んでほしく思う。プーチンと柔道につき私の思うところを書いておいた。失礼ではあるが、プーチンのような名誉有段者とは違って私はれっきとした日本の講道館の実力3段保有者である(十九歳の時に取得した)。
 連載を読んでいただき、柔道が本来めざす人間の姿勢とでもいったものを感じ取って頂けたら、と願う。それにしても日本柔道、すなわち講道館はプーチンの6段位を即刻、はく奪すべきではないのか。【精力善用自他共栄】という日本柔道の神髄に泥が塗られた、といっても過言でない。この意見は強くも何もない。基本を怠った以上、それを見逃してはいけないのである。何だったら私と手合わせをしても良い。受けて立とう。

 「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページのアドレスは次のとおり。
  https://dgp-bungaku.main.jp
 クリックしメニューで連載を開き、読んでください。

 ウクライナでの悲劇は依然として留まるところを知らない。本日2日付の夕刊には【マリウポリ市民退避失敗 赤十字、安全確保できず】【米、戦車供与を支援か】【マリウポリ 3000人脱出 赤十字 現地入り断念 ウクライナ】【「侵略阻止へ協力を」 EU大統領、中国に要請】といった活字が躍っている。

(4月1日)
 社交ダンスのブロンズ級ワルツとルンバのレッスンを終え、一宮からの帰宅途中。ソメイヨシノの花びらという花びらが満開の大江川の水面に映し出されたかと思うと。今度はふんわりふわりと青い空に舞い、散った。やうな。そのひとひら、ひとひらの中におまえは相も変わらず カクレンボでもするようにいるのか。もう、いつまでも恋人同士ではないのだから。

 大江川堤に咲いた見事な桜たち=愛知県一宮市内で
 

 美しく花開いたひとひらひとひらを横目に、おまえが選んでくれたグリーンの車パッソを運転しながら私は思う。「これから家に帰ったところで何になるというのだ。帰ったところで待っていてくれるはずの相棒はいない(でも、その代わりにシロちゃんがいつだって首を長くして待ってくれてはいる)のだ」と。以前のように、言葉少ないおまえが家にいる。ただそれだけで満足する。胸を弾ませ家路を急いだものだ。嬉しく、なんだか浮き浮きしてもいた。

 なのに、である。おまえは、どんなに大きな声で叫んでも、もはや、この世には居ない。ところで俺は1日に何度、恥ずかしげもなく、相棒の名を呼んでいるのか。たつ江、たつ江、たつ江と。時には舞、マイとも言いながら、だ。100回は下らないだろう。いや、数百回、1000回近いかもしれぬ。
 傍で聴いていたら、それこそ「こやつ頭がへんだ。間違いなく、おかしいじゃない。狂ってるよ」と、そう思われても仕方がない。そうしたことを分かっていながら、私の目には、またしても涙があふれ出てくる。何という恥ずかしいことなのだ。
 第一、おまえ、たつ江は、もうこの世に存在しない。やっぱり、あなたは世界でイッチバ~ン、弱っちいひとよね、と。たつ江はあきれ返って、そう言うに違いない。叱られてもよい。その舞が今はどこにも見当たらない。なんということなのだ。

 桜が美しい春。4月である。
 成人となる年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法がきょう、1日に施行された。明治いらい140年以上続いた大人の定義の大転換で、1日の時点で200万人以上が大人の仲間入りをした。この日は起訴後に18、19歳の実名報道も可能となる改正少年法も施行された。

 【大阪桐蔭 4発圧倒V 4年ぶり4度目 貫いたつなぐ意識】【近江・星野 踏ん張れず】とは、本日付中日新聞運動面の見出し。記事には「第94回選抜高校野球の決勝戦が31日、甲子園球場で行われ、大阪桐蔭(大阪)が18-1で近江(滋賀)を下し、2度目の春夏連覇を達成した2018年以来、4年ぶり4度目の優勝を果たした。」とあった。個人的には近江を応援していたのだが。やはり、力の差は歴然としていた。
 そしてもうひとつの野球、プロ野球の方も立浪和義新監督率いるドラゴンズがなかなか勝ちを取れず本日付の中日スポーツは一面で【47年ぶりホーム開幕3連敗】【「最悪の滑り出し」 立浪監督】【好機にあと一本出ずゼロ行進 「投手も耐えきれない】とDeNAに1―0で敗れた本拠地・バンデンドリームナゴヤでの昨夜の情けない試合結果を報じている。
 きょうはエイプリル・フールなので、この結果を「ウソと信じたい」が、そうではなく紛れなく負け続けているのである。ファンの多くは「立浪は何をやっとるんだ」と思っているに違いない。ここで再起と怒涛の連勝を願いたい。

 ところで、なかなか終わりが見えないコロナ禍。そしてウクライナへの一方的なロシア軍侵攻などイヤな世界情勢に傷ついた気持ちを中日ドラゴンズの勝利で少しは癒してくれたら、と。名古屋じゅうのみんなが、そう願っているのに、だ。立浪の敗北は逆にファン一人ひとりの心に火に油を注ぐ形となっている。勝たなアカンのである(幸い、今夜は広島に3―2で勝ってくれ、本拠地初勝利となった)。

 さて。そのロシアの侵攻を受けたウクライナだが。けさ1日付の毎日新聞朝刊によれば、ウクライナから他国に逃れた難民がとうとう400万人を超え、このうち半数超の236万人が隣国ポーランドに避難。18~60歳の男性の出国が禁じられたため、難民の9割は女性や子供だという。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は当初、難民の数を最大400万人と想定していたが、2月24日の侵攻開始から5週間でこれを上回ることなった(日本政府はこの日、ウクライナの首都キエフの名称表記について、ウクライナ語の発音に基づくキーウに変更する、と発表した)。

 ところで先月21日で「まん延防止等重点措置」が全国一斉に全面解除された新型コロナウイルスの感染のその後はといえば、だ。これが、このところ少しリバウンドの傾向にあり、まだまだホッとは出来ない、といったのが現状のようだ。
【新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に増加傾向に転じている。厚生労働省の専門家会合が「再拡大の兆候の可能性もあり注意が必要」と懸念を示す状況にあり、感染化防止対策をあらためて徹底して再拡大を防ぎたい。/新規感染者数は「まん延防止等重点措置」の全面解除後、緩やかに減少していたが、今週に入って増え始めた。昨年夏の「第五波」よりも多い状況が依然続く。………】とは本日付の中日新聞社説(新型コロナ増加 感染対策を緩めぬよう)の論調で、まだまだ油断は大敵なのである。
 安心は出来ないのだ。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年3月~)

2022年3月28日
 月曜日。きょうは快晴。晴れ晴れとしたとてもさわやかな、気持ちのよい日だ。それに昨日は立浪ドラゴンズが東京ドームで行われた巨人3回戦で延長十回の末に7―5で制し、今季初勝利を挙げたのである。立浪和義監督は「ひとつ勝たないと始まらない。きょうは本当にうれしい日になった」と語り、ファンの歓声に応えた。

 ところでわが家の愛猫シロちゃんだが大好きなおかあさん、たつ江(伊神舞子)が亡くなる前にずっと一緒に居たおかあさんの部屋で暇さえあれば何やら感慨深げにじっと座っている。何を考えているのだろうか。きょうもおかあさんの仏前に供える花の管理をしながら、おかあさんがいつも見続けていた窓辺や天窓から見えるお外やお空の様子に目を注いでいるのである。

 花の管理に忙しい愛猫シロちゃん。俳句や短歌づくりに日々励んだ舞。彼女の部屋はシロが守ってくれている
 

 そのシロちゃん。そうかと思えば、何かを不意に思い起こしでもしたような神妙な顔つきで時に視線を空の方に浮かべたまま何やら感慨深げに静かにじっとしているのである。思い起こせば、だ。シロよ。シロちゃん。オカンが亡くなる前は、おまえがずっとオカンのベッドの傍らで寄り添っていてくれたのだよね。ほんとうにありがとう。いつまでも永遠におかあさんに寄り添い続ける。今だってそうだよ。同じなのだよね。

 午前11時半を過ぎた。つい先ほど私のパソコンに「第94回米アカデミー賞の国際長編映画賞に濱口竜介監督の<ドライブ・マイ・カー>が選ばれた、とのホッとニュースが飛び込んできた。なんでも、日本でのこの賞の受賞は、2009年に栄誉をつかんだあの【おくりびと】以来だという。【おくりびと】といえば、忘れもしない、青木新門さんの「納棺夫日記」が原作である。

    ※    ※
 たつ江。いずれにせよ、この世にはおまえが大好きだった花々が咲き、春が訪れている。一緒に開花した桜を見たかったね。きょうは、さきほどシロが外に出たが、おそらくおまえの分まで美しく清らかな花々を見に行ったに違いない。シロちゃんは、そういう娘(こ)なのである。(この日。シロは午後2時20分過ぎになり、やっと帰宅した。)

 バイデン米大統領が訪問先のポーランドの首都ワルシャワで演説し、ロシアの大統領プーチン氏について「この男が権力の座に留まってはならない」と厳しく非難。演説前にはプーチン大統領を「虐殺者だ」とまで批判した。

(3月27日)
 日曜日。<さくらの日>。東京、高知、福岡で桜が満開に。きょうは天気が良いためもあってか。わが家のアイドルである愛猫シロちゃんは、朝からお外に。おそらく、どこかで泉下のおかあさんと会って私たち残された家族の現況について話し合ってきたに違いない。そのシロちゃん、いつものように昼過ぎには無事、帰ってきた。

 エディオンアリーナ大阪で行われていた大相撲春場所は、福島出身力士の関脇若隆景が東前頭7枚目の高安と12勝3敗同士の優勝決定戦で土俵際まで押し込まれたものの、粘り腰で耐え最後は逆転の寄り切り。3年ぶりの有観客開催となった大阪での賜杯を手にした。新関脇での優勝は昭和11年の双葉山いらい86年ぶりで、歴史的な快挙となった。
 
 優勝杯を手にする若隆景(NHKから)
 

 朝刊はきょうも相変わらず【ロシア「東部支配目指す」 全土占領から転換か】【核なき世界いつ 核使用限定 一転断念 新指針 米大統領、中ロ念頭に】(27日付中日)などロシアのウクライナ侵攻に関するものが多い。ただ、こうした暗いニュースが目立つ中にあって、【宇野世界一 鍵山が2位】【宇野300点超 初の世界王者 理想求め成長止めない 6度目で頂】【坂本(女子)自己新で初V】(27日付中日)といったフランス・モンペリエでのフィギュアスケート世界選手権の結果が、とても嬉しく、かつ日本の若者を頼もしく思ったのである。

    ※    ※
 午後、時間を見計らって江南市と大口町境を流れ、桜の名所として知られる五条川堤へ。今は亡きわが妻たつ江と共によく歩いた大栄橋~平和橋界隈を見て歩いたが、ソメイヨシノの花が見事に咲き誇り川面に映る姿は相変わらずの美しさだった。7、8分咲きといったところか。ホントは、おまえと一緒に見たかったのに、と思うと、やはり残念であった。舞よ、マイ。おまえが生きていたなら、この花々の下でどんな俳句や短歌を詠んだのだろう、とふと足を止めるなどした。

 見事に花開いた五条川堤の桜
 
  

(3月26日)
 土曜日。曇天。朝。雨が落ち、風もある。暗い日だ。お天気次第、とはよく言ったもので空がほほ笑んでくれたなら。天気が良ければ。身も心も晴ればれとするのだが。それに、いつものように口数こそ少ないが静かな瞳で傍にいてくれたおまえ、たつ江がいないこともあってか。きょうみたいな日は、いっそう寂しさ、やるせなさが募る。おまえは今どこでどうしているのか。

 朝刊1面(中日)に【立浪竜初陣 プロ野球開幕】の見出し。今季から立浪和義監督率いる中日ドラゴンズは昨夜、東京ドームで巨人と戦ったが惜しくも2-4で敗れてしまい、3年ぶりの黒星発進となった。「おはようございます。昨日はビシエドの勝ち越しホームランで2対1とするものの、3点取られて、2対4と逆転負けでした。残念です。今日こそ、巨人に勝って立浪新監督に初勝利をプレゼントしてほしいですね」とは北海道在住の根っからのドラゴンズファの会川桂一さんから私あてに入ったラインである(ちなみに、ドラはきょう26日も巨人に7―5で負け、ちょっと残念な気がする)。

 さて。26日付朝刊の記事だが。そこには【劇場空爆「300人死亡」 マリウポリ市議会が投稿】【政府、高級車禁輸へ 対ロシア 新興財閥に圧力】など。相変わらずロシアのウクライナ侵攻に関係する暗い記事で占められている。そんな中、【諫早開門命令は無効 「非開門」に判断統一の流れ 福岡高裁差し戻し審 国勝訴、漁業者側上告へ】といった記事が目に留まった。

 そして。夕刊は「坂本 初の世界女王 フィギュア 自己最高236・09点」「大谷初の開幕投手 二刀流で出場へ」と明るい話題の一方で「ロシア東部侵攻に重点 作戦失敗で戦線縮小化」「米、北制裁強化提案へ 安保理会合ミサイル非難」と相変わらずの紙面展開。なかで【避難先がない 結ぶ 受け入れたい 「ウクライナ支える」登録・検索サイト ハーバード大19歳コンビ 立ち上げ】の記事には、どこかホッとするものを感じたことも事実だ、といえようか。

(3月25日)
 金曜日。朝から晴れである。シロちゃんは午前9時半過ぎ、おかあさんの悲しみをいっぱい背中に乗せて、それでも何かに打ち勝つような表情でお外に出た。それを見送る私。「オカン、たあ~ちゃん(たつ江)に。くれぐれもよろしくな」と私。シロは日が経つにつれ、真剣な表情で耳を立ててつぶらな瞳で私を見つめてくる。そのしぐさがお母さんそっくりになってきた。シロは、生前の〝たぁ~ちゃん〟、オカンがいつも言っていたが【私とたぁ~ちゃんに関することなら、それこそ何でも知っている、この世では珍しい白狐(びゃっこ)ちゃん】なのである。デ、彼女の口癖は、いつだって「あのねえ。シロは何でも知っているよ。知っているのだから」というものだった。
 きょうは、このお空の一隅でどんなお話しをしてくるのだろう。俳句のことか、それとも短歌。もしかしたら地上で繰り返されている見苦しい戦争、プーチンによるウクライナ侵攻の話か。そう思うと、おかあさんの舞と一緒でナンダカ平和の使者の代表ともいえるシロのことがますますいじらしくもあり「くれぐれも気をつけて。無理しないで行ってくるのだよ」と送り出したのである。

 本日付の朝刊は【人道決議140カ国賛成 国連総会、ロシアに再び圧力】【キエフのロシア軍後退 米分析 化学兵器「現実の脅威」 マリウポリ「廃墟」に】【「民間人を攻撃 ロは戦争犯罪」米が認定】などといったウクライナものが多くを占めるなか、【北朝鮮新型ICBM発射 北海道沖150㌔に落下】【日本7大会連続W杯(サッカーの2022年ワールドカップカタール大会)】【東芝の2分割案否決 株主総会 海外ファンド支持せず】といった見出しが目立った。

 午後。シロが帰宅したところで銀行へ。いったん戻って今度は一宮へ車を走らせた。週に一度通っている社交ダンスのレッスンのためだが、きょうもブロンズ級のワルツとルンバを繰り返しおどって帰った。このうち、ワルツの音楽は【ロミオとジュリエット】で、音の世界に引きずり込まれながらのステップに、いっとき全てを忘れたのである。
 帰り。車窓から見る大江川河畔の桜のつぼみが赤く膨らみ、いまにも開花寸前の姿に、なぜか川面を流れて浮かぶ、あの舞の顔を思い出した。月日は、そんなことには関係ないといった表情で、きょうも流れていく。ニンゲン、ものみな全てが1日1日、離別の時を刻みながら歩んでいるのかもしれない。

(3月24日)
 彼岸明け。きょうは暖かな日差しで、おまえがいつだって透明人間になって俺たちのすぐそばにいるように感じる。身も心もそんなあたたかさだ。たつ江。舞よ、マイ。おまえは今、この広い宇宙のどこにいるのか。元気でいますか。(心配しないで。元気でいるから。と舞の透明な声が春の風とともに、ふわりと飛んできて消えた)。

    ※    ※
 午前中、このところのコロナ禍の時代もあって、フェイスブック(昭和39年滝高校普通科卒「二石会」学園広場)開設による音信会話交流以外にはたいしたことは何も出来てはいないが、全国一斉のまん延防止等重点措置が解除されたこともあり、会長を務める立場上、滝高校時代の高校同窓会「二石会」の件で岩倉市内の喫茶店で懐かしい顔(前年の役員)に久しぶりにお会いし、今後の活動内容についてあれこれ話し合って帰宅。
 そういえば、きょうは木曜日でゴミの収集日だったことに気付いたが、帰宅したころには時既に遅しで、回収車は走り去ったあとだった。でも、私自身がうっかり忘れていたことなので、いまさら仕方あるまい。

 いったん帰宅後。きょうは、久しぶりに飛保の曼陀羅寺近くにある京風創作ランチ・ふわふわオムライスのお店<さくら>に出かけたが、おいしいオムライスの味に生き返った気がしたのである。女将の「元気を出してくださいよ」の声に送られ、これまたこのところ足を運んでいなかったアピタに立ち寄ってみた。
 店内をただひとり、歩きながら、なぜか亡き妻のことを思い出しながら足を前に進めたのである。いつも一緒に訪れ、共に歩いた店内なのに。そう思うと、またしても悲しく相棒のことがかわいそうでたまらなくなってきた。「ごめんな。ごめん」。私は今さら生き返ることもないことを十分わかっていながら同じ言葉を繰り返し、そのまま、まるで夢遊病者にでもなったかのように店内のあちこちを歩きに歩いた。見苦しいとは、わかっていながらである。
 そういえば、彼女が買い物をしている間に私はよくお店出口のちょっとスペースのあるフロアで、ルンバやワルツ、チャチャチャ、ブルース、タンゴなどをひとりで繰り返し、何度も何度も恥ずかしげもなく踊ったものである。店から出てきた舞は決まって「待った」と言い、やさしい視線に私はその一言をとても嬉しく思い、いつも「いや、そんなに」と答えたものである。

(3月23日)
 ウクライナのゼレンスキー大統領がこの日、日本の国会でオンライン演説を行い、日本に対ロ制裁の継続を要請。ロシアによるザボロジエ原発への砲撃に言及し、国内の原発が危険な状況にある、と訴えた。交戦中の国家元首による日本の国会でのオンライン演説は初。ゼレンスキー氏は演説で「アジアで初めてロシアに圧力をかけ始めたのが日本です」と謝意を表明。そのうえで対ロ制裁の継続を要請。「侵略の津波を止めるためロシアとの貿易を禁止してほしい」とさらに厳しい制裁を求めるなどした。

 日本の国会でオンライン演説をするウクライナのゼレンスキー大統領
 

2022年3月22日
 火曜日である。ロシア外務省がきのうの21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉の中断を発表。四島でのビザなし交流と元島民の自由訪問の停止、共同経済活動からの撤退を表明し、ウクライナ侵攻に伴う日本の制裁に反発。これに対して岸田文雄首相は「全てロシアのウクライナ侵略に起因している。日ロ関係に転嫁する対応は極めて不当で断じて受け入れられない」としており、ロシア側に抗議した。
 経済産業省は22日、東京電力管内に続き、東北電力管内についても電力需給ひっ迫警報を発令。東北地方を中心に起きた地震による一部の発電所停止や気温低下で二社とも電力需給が極めて厳しくなった、としている。前日に警報が出された東電は22日朝から他電力七社から最大141・78万キロワットの融通を受けたが、電力使用が目標ほどは抑えられていないという。
    ※    ※

    ☆    ☆
 3月22日。朝から雨が天からポツポツと落ち続けており、きょうは春先としては珍しく寒い。ウクライナで多くの人々がロシア兵に残虐に殺され、事と次第によっては第三次世界大戦も十分にありうる、と世界が最近にない緊迫下にあることもあってか。生前、自らの俳句や歌詠みを通じて平和を願い続けた亡きわが妻たつ江、すなわち「伊神舞子」が地上に容赦なき冷たい雨を降らせ、ニンゲンたちに改心を迫っているような、そんな気さえするのである。
 それでも、名古屋市ではこの日の朝、千種区の気象台敷地内にあるソメイヨシノの標本木で5~6輪が咲いているのを確認、名古屋地方気象台はこの日桜の開花宣言をした。ちなみに岐阜市では21日に開花、津市ではまだ開花の発表は出ていない。

 新聞の見出しは、きょうも【ロシアが対日交渉中断 平和条約制裁に反発か】【マウリポリ降伏ロシア要求 総攻撃前「最後通告」ウクライナ拒否】【チェルノブイリ退避の女性 キエフも追われ苦渋の日本到着】【全線再開来月20日ごろ 東北新幹線目標、損傷1000カ所】……と、いずれもロシアによるウクライナ侵攻はじめ、今月16日夜に宮城、福島両県を中心に起きた最大震度6強の地震に関するもので占められている。

 ロシアによるウクライナ侵攻はテレビでも連日、報道されている(NHKから)
 
 
 
 

 半面、そうしたなか明るい話題として【まん延防止全面解除 愛知・岐阜2カ月ぶり】の見出しが何よりも私たちをホッとさせたとでもいえようか。記事は「新型コロナウイルス感染症対策で東京や愛知、大阪など十八都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が二十二日、全面解除された。全国のどの地域にも適用されていないのは一月八日以来、約二カ月半ぶり。」といった内容で、このまま終息してくれれば、やっとコロナ禍の重しが取れるような、そんな気がしないでもない。とはいえ記事は「依然として病床使用率が50%を超えている地域もあり、政府は引き続き最大限の警戒を呼び掛ける」と注意喚起もする内容となっている。まだまだ安心は出来ないのである。

 愛猫シロちゃんに留守を頼んで眼医者さんへ。私の場合、このところは連日、目を使い過ぎでちょっと心配だった眼圧も「正常(右が18。左は17)で心配ありません」とのことでホッとした。こうした時、舞がいれば私は誰よりも先に「大丈夫だったから」と彼女に報告していたのだが。私は帰宅し舞の代わりに留守を預かるシロちゃんに「よかったよ」と報告したのである。
 そして。シロは事情をすべて察知でもしているように顔を上げ軽く甘えるような声で私に向かってウ、ウ~ン、ウンと言ってくれたのである。そういえば、生前の舞がいつも言っていたっけ。【あのねえ。シロは。シロちゃんは何でも知っているのだから。あなたのことだってよ】と。

(3月21日)
 春分の日。これまでなら、たつ江、すなわち私と舞の二人でいつも行っていたお墓参りに。きのう最初にたつ江のご両親の墓にお参りしたので、きょうは私の父が眠る和田霊苑に出かけた。霊苑で亡き父に花を供えたあとは霊苑横に立つ小島の親子地蔵尊にもお参りし、賽銭箱に賽銭を投げ入れ、いつも舞と並んでしていたように手を合わせた。
 碑文には「般若村に向かう旧道の東側、田圃の上高台に小島地蔵が祭られ、この地の人々の信仰を集めていた」とあるが、このお地蔵様こそ、かつて私の実家の道路ひとつ隔てたところにあったそれと同じ(そのご和田区が新しく、かわいいお地蔵さんとして作り直したようだ)ものに違いない。ガキ大将のころ、私が始終遊んだ道路を隔てたあの場所にあったお地蔵さんにほかならない。その証拠に私の実家の住所は今でこそ【愛知県江南市和田町……】と変わっているが、確か以前は【愛知県江南市大字和田勝佐字小島19番地】だったと記憶している。
 そして何よりも私の頭を離れないのが、この地こそが、かつてキリシタン狩りがあった現場だった、ということである。その証拠に地蔵尊の掲示板にはこうも書かれている。
――和田村の口碑によると、寛文年間(一六六一~一六七三)和田勝佐村でキリシタン狩りがあり、当地の小島で取り押さえられたキリシタンの親子が役人の手で仲を裂かれ泣き別れた地だと言う。後にこの宗徒親子を供養するため小島に地蔵様が立てられた。また一説にはこの親子は遠く九州天草から流れてきた宗徒だったとも伝えられている。……

 というわけで、私と会う前、少女のころに自宅近くの教会によく通いバプテスマ(洗礼)まで受けたことがある、とかつて私に話してくれた舞にとっても捨て置けず、気になるお地蔵さんだけに、ここ二、三年は和田霊苑に来るたびにふたりでお賽銭を投げ入れ、「俺たちの祖先、もしかしたらキリシタンだったかもしれないな」と互いに言いながら手をあわせたものである。そんな日もあったな、とここでも、また彼女のことが強烈に思い出された。

 和田霊苑横に立つ小島のお地蔵さまと説明文
 
 

 帰宅後、シロと一緒に先代猫のこすも・ここらが眠る裏庭の墓にも花を供えた
 

 夜。私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」のオンライン編集会議を同人の住む各地を4元で結んで実施。テーマエッセイを黒宮涼編集委員提案による【勇気と努力】に決めたほか、各同人の最近の近況紹介や今後はどんな作品づくりに挑んでいくか。ほかに電子書籍への取り組みなど広範囲につき熱心に話し合い、有意義なひとときとなったのである。ウエブ文学同人誌「熱砂」は全国的にも最初に誕生したいきさつがあるだけに今後とも地道な活動を続けていくことを誓い合って終えたが皆さんすばらしい能力の持ち主ばかりだけに、コロナ禍の終息を機に今後はよりいっそうの努力を続けていくことを互いに約束し合ったのである。

 熱心な声が相次いだ「熱砂」のオンライン会議のひとコマ
 

(3月20日)
 午前中、地元の江南市福祉センターであった花霞町町内会の令和4年度第一回定時役員総会に出席、4年度は過去の経緯からも断るわけにも行かず「評議員」を引き受けることになった。総会終了後には全役員で近くの古知野神社へ。神前で安全祈願のお払いとご祈祷をして頂き、御神灯を前に二拝二拍手一礼を行い、昼過ぎに帰宅した。

 午後は平和堂へ。ここでお花を買って舞のお兄さんの手によりたつ江(舞)の遺骨の一部が分骨されている古知野霊苑へ。後藤家の墓碑に花を手向けた。舞とは、いつも春分と秋分のころに決まって花を手に彼女のご両親のお墓参りに来たものだが、まさか、ことしはこうして一人で来ることになってしまうとは、思ってもいなかった。
 それだけに、両手を合わせ、お参りをするうち涙がドッとあふれ出てしまい、私は涙の滴の止めようもなく【たつ江、舞よ マイ】と呼びかけたまま、その場に突っ伏すように崩れたのである。毎回、舞には手を引かれるようにしてお墓参りに来ていたのに。たつ江と一緒でない墓参り、そんな世の中なぞ、とても考えられないのである。

 そして。夜。私はNHKの大河ドラマ【鎌倉殿の13人「頼朝遂に鎌倉殿に! 宿敵清盛死す」】を見たあと、NHKスペシャル【ウクライナ深まる危機 民間人への無差別攻撃 水も電気もガスもない ロシア攻撃はどこまで 周辺国にも広がる懸念】を確認のため見たのである。出来たら、舞を伴って現場に飛んでいきたいところなのだが。そんなわけにもいくまい(第一、パスポートが期限切れになっている)。それにしてもプーチンのウクライナ侵攻は許せない。なんということなのだ。あなたはそれでも、【精力善用自他共栄】【柔よく剛を制す】を基本姿勢とする柔道家なのか。これでは、泣けてくる。彼の黒帯は即刻、はく奪すべきである。

2022年3月19日
 午後。マイカーで布袋のピアゴへ。ここで最近、よく入る店内ベルナールでパンひと切れを食べ、レモンティーを飲み買い物をして帰宅。道中、大垣共立銀行江南支店横の道路を通り過ぎるとき、かつてたつ江のATM入金に付き合って一緒にきたことを思い出し、思わず「ゴメン、ゴメンな」の言葉があふれ出た。「また泣く。何をまた泣いているのよ」と言われそうだが、私の口からは支店を横目にハンドルを手に次のような言葉が溢れ出ていたのである。
――たつ江。おまえは本当によくがんばってくれたよね。おまえは、世界一だった。本当に。ホントにありがとう。志摩で。北方(岐阜)で。小牧(社会部)で。能登で。大垣、大津、一宮で……。どこへ行ってもイヤな顔ひとつせず、どこまでも俺についてきてくれ、守り通してくれた。今からでは遅いがありがとう。ほんとうにありがとう
    ※    ※

 ノーベル平和賞に推薦する声が出ているゼレンスキーウクライナ大統領(オンラインで米連邦議会で演説するゼレンスキー氏)
 

 帰宅し、スマホでいつものようにヤフーの最新ニュースをチェック。すると、なんとウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領に対して「今こそ会って話す時がきた」と停戦に向けた首脳会談を呼び掛ける新たな動画を公開した事実が報じられていた。また欧州議会の議員ら36人がゼレンスキー大統領とウクライナ国民を2022年のノーベル平和賞に推薦する書簡をノルウェーのノーベル賞委員会に出していたことがわかったことも同時に報道されていた。ノーベル平和賞の受付は1月に既に終わってはいるが「民主主義と国のために闘う人を支援するのは我々の義務だ」としており、特例として今月末まで延ばすよう求めてもいた。いやはや驚いたというより、そうあってほしいと私は思ったのである。実際、こうした一連の動き事態が国際世論がゼレンスキーの側に立っている、その表れにほかならない。

 第94回選抜高校野球大会が前日の雨天順延により19日のこの日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕。倉敷工(岡山)の福島寛太主将(3年)が「大好きな野球が出来ることに感謝します。甲子園に立つ喜びを胸に最後まで諦めることなく正々堂々とプレーすることを誓います」と力強く選手宣誓、いよいよ春の到来である。
 旧満州(現中国東北部)出身で映画「ゴジラ」第一作や青春映画主演、ミュージカルでも知られた俳優の宝田明さんが14日、肺炎のため死去。87歳だった。宝田さんは過酷な戦争体験から反戦への思いを訴え続けた俳優としても知られた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 きのうは、このところ春の陽気には珍しい土砂降りの雨だった。でも、きょうは朝から上空に清々しい青空が広がり、きのう1日家で留守番をして大変だった愛猫シロちゃん(俳句猫、本名はオーロラレインボー)が早朝から外に出たがった。で、9時40分過ぎに「くれぐれも気をつけて」と声をかけ、いつものわが家の彼女専用の<上がり框>からお外に出す。

 窓を開けシロの行動を見ていると、彼女はさっそく裏庭にある先代シロちゃんたちの墓の方をひと回りして丹念に見回ったあと供花などに「ウン、よしっ」とうなづき、いずこともなく姿を消した。おそらく、白狐(びゃっこ)となって天空にいるおかあさんの元へ見えない大気をかき分け、かき分けして大急ぎで、その胸元に駆け付け、報告したに違いない。
 デ、帰宅して姿を見せる時は、またひとつ大きなおかあさん、すなわちたつ江の化身となって、わが家に姿を現すに違いない。このところ日に日にその顔立ちがおかあさんそっくりになってくるシロちゃんである。

 生前の舞に似て言葉少な、余分なことはめったに言わない彼女、すなわちオーロラレインボーは、外に出るたびに、何かしら秘密の宝をおかあさんから伝授され、大きくなって帰ってくるようだ。というわけで、シロちゃんは、こうした面で天国とこの世を行き来しているスーパー猫、大いなる猫ちゃんなのである(シロは、その後昼前に無事、帰宅した)。

 さて。けさの朝刊報道によれば、ロシアの侵攻が続くウクライナでは依然、ロシア軍の砲撃による民間人の被害が続いている。ロシアが3週間前に侵攻を開始して以降、ウクライナに撃ち込んだミサイルは1000発を超え、北東部ハリコフ郊外のメリファでは17日、ロシア軍による砲撃で学校などが被害を受け21人が死亡、25人が負傷した。首都キエフでも17、18日と砲撃による火災が相次ぎ死者も出ているという。また、2週間以上にわたってロシア軍の包囲が続く南東部マリウポリでは空爆を受けた劇場での救出が続き、これまでに130人が助け出された。
 一方、わが国日本では昨夜18日午後11時25分ごろに岩手県野田村で震度5強の地震が発生。その前夜、最大震度6強を観測した地震で脱線し区間運休している東北新幹線は高架橋や駅ホームの土台といった土木構造物の損傷が、その後の点検で20カ所に及んだことを発表。被害の全容把握にはなお数日かかるとみられ、全線開通は4月以降になりそうだという。一方で今回の震災発生により18日午前11時半時点で宮城、福島両県の計約4万3000戸がいまだに断水したままの状態が続いているという。

(3月18日)
 きょうは朝から冷たい雨。雨また、雨である。それにこのところ続いていた春の陽気が一変し、こ寒い冬に舞い戻ったような、そんな悪天となった。お天気次第とはよく言ったものである。わが家の愛猫シロちゃんも心なしか元気がなく、灯油ストーブ傍らの椅子に座ったままじっとして動こうとしない。
 午後。それでも私は雨のなか、一宮スポーツ文化センターへ、と出かけた。おまえのひと言がきっかけで10年ほど前、地球一周のピースボート乗船時から続けている社交ダンスのレッスンのためでブロンズ級のワルツとルンバの体得に励んだ。帰りは激しい雨が、名古屋弁で言う<だーだー降り>のなか、愛車パッソを運転して帰ったが、今にして思えば車種から車体の色の緑、グリーンまで全ておまえの好みで決めてくれたんだったけ、と思うと、なんだかこみあげるものがあったのである。

 目の前のフロントガラスに降り続ける雨の一滴一滴とて、おまえそのものだ。平和をむねとした俳句づくりに励んでいたおまえ、平和を希求し続けた俳人で歌人でもあったおまえなら今回のロシアによるウクライナ侵攻をどう詠んだのだろう。そう思うと、平和の使者といっても良かったおまえ、伊神舞子の存在しない今の世の中が残念な感じさえする。

 そして。中日新聞朝刊のきょうの見出しは16日深夜の地震をうけた【大揺れ「11年で3回も」 崩落、津波よぎる3・11 ●福島・相馬市】【●福島第一周辺 「原発大丈夫」安ど】【新幹線脱線 月内復旧厳しく 震度6強 宮城・福島断水3・4万戸 3人死亡180人超けが】【揺れ70秒 客も荷物も飛んだ「車体と体が浮いたよう」】はじめ、依然としてロシア軍によるウクライナ侵攻が続く戦争を扱った【数百人避難の劇場空爆 ロシア軍 無差別攻撃続く 国際司法裁が停止命令】といった内容が目立つ。
 そんななか、【まん延防止 全面解除決定 21日期限】【感染者同僚出勤制限せず 政府、コロナ対処方針改定】といったまん延防止解除に伴う記事がどこか、「やっと」との安堵からか。ホッとさせてくれるのである。このあたりの心理は誰とて同じに違いない。

 震度6強の地震を報じた夕刊各紙
 
 

 それにしてもロシアのプーチン大統領はよくない。彼は、とても「精力善用自他共栄」を基本精神とする柔道家とはいえない。講道館。すなわち日本の柔道界はそっこく彼の黒帯をはく奪すべきである。何の罪もない人々に銃口を向けるとは。正気の沙汰でない。柔道家ではなく〝ひよっこ〟でもある彼は一体全体、何を考えているのか。
 国際世論の高まりの中で彼は既に人の道を過ったばかりか、公正な判断力さえ失っているといえよう。そんな折も折、バイデン米大統領がプーチン大統領を名指しし「ウクライナに対して非人道的な戦争を始めたプーチンは人殺しの独裁者だ。生粋の悪党だ。団結して立ち向かわなければいけない」と発言。米プリンケン国務長官も「ロシアが近く化学兵器を扱う可能性がある」と述べ、こんごこれらの発言が、ロシアの侵攻にどう影響するのか。気になるところである。世界の平和はどうなってしまうのか。

(3月17日)
 たつ江。舞。そちらはどうですか。元気でやっていますか。なれましたか。

 こちらは、おまえが、この世を去ってからホントに次から次へと不幸な話ばかりが起き、なんだか嫌になってしまう。今から思えば、やはり、おまえと一緒にいたころが、とても幸せでよかった。なかでも志摩、岐阜、名古屋、小牧、能登、大垣、大津……と共に歩いた各地での日々は、ひとコマひとコマを忘れられない。お世辞でも何でもない。おまえは本当によく俺についてきてくれた。いまさら手遅れだが、あらためて感謝したい。

    ☆    ☆
 いやはや、この世はいろいろある。
 ロシアのウクライナ侵攻がこの先、予断を許さないなか、ウクライナのゼレンスキー大統領が16日、米連邦議会でオンラインを通じて演説した。17日付中日新聞によれば、同大統領はウクライナ上空への飛行禁止区域の設定や戦闘機供与を要求。犠牲者が増え続ける現状を訴え、直接的な軍事支援に消極的なバイデン米政権に翻意を促した。しかし、NATOがウクライナ上空を飛行禁止区域に設定すれば、区域に入ったロシア軍機とNATO軍が交戦する可能性があるため、実質的には「参戦」を意味する。ということもあって、米国やNATOはこれまで「第三次世界大戦は戦わない」と飛行禁止区域の設定を避けており、代替案として浮上した旧ソ連製戦闘機の供与も「ロシアとの軍事的な緊張を高める」として見送られたいきさつがあるという。
 これに対してゼレンスキー大統領は、この日の演説で米国が空から攻撃を受けた1941年の日本軍の真珠湾攻撃や2001年の米中枢同時多発テロに言及、「われわれはこの3週間、毎日、毎晩、同じ体験をしている」と述べ、これまでの支援に感謝しつつ「ロシアの侵攻を止めるため、さらに行動し新たな手段を取る必要がある」と訴え、バイデン米大統領に「世界のリーダーであることを望む。それは【平和のリーダー】ということだ、と呼びかけたのである。こうしたなか、バイデン氏は15日にウクライナへの兵器供与や人道支援などで136億㌦(1兆6000億円)の緊急支援を盛り込んだ予算を成立させ、8億㌦の間接的な軍事支援を表明見通しで、ロシアとの直接衝突に発展しない形での支援実施をするとみられている。

 ウクライナがどうなってしまうのか。心配しているさなかの昨夜午後11時36分ごろ、今度は宮城県と福島県で震度6強の地震が発生。気象庁によると、震源地は福島沖で震源の深さは約60㌔。地震の規模はマグニチュード7・3。津波注意報も出され、宮城、福島両県ではその後最大30㌢の津波を観測したが、幸い大事には至らなかった。
 一方、東北新幹線はこの地震で下りやまびこ223号が福島―白石蔵王間で脱線し、乗客75人と乗員3人が車内に閉じ込められたが、けがはなかったという。乗客は地震発生から4時間後に列車から線路に降りて徒歩で移動し、非常口から高架橋を出てバスで白石蔵王や仙台に向かった。その後の調べでは、この地震で宮城、福島両県で2人が死亡、けが人は12県で160人超に上ったという。

 というわけで、ウクライナ侵攻に世界の目が集まっているさなかの福島、宮城両県でのかなり規模の大きい地震発生には日本人のだれもがヒヤリとしたことは間違いない。で、それはそれとして岸田文雄首相はこれより先の16日夜、新型コロナウイルス対応を巡っての記者会見を開き、まん延防止等重点措置の期限を21日に迎える18都道府県について全面解除する旨を表明。「新規感染者はピーク時の半分程度で病床使用率や在宅療養者数も明確な低下傾向にあるからだ」とその理由を説明。「ただ、オミクロン株は致死率や重症化率がインフルエンザより高い」として当面は平時への移行期間と位置づけ、警戒を続けるよう呼び掛けた。ともあれ、コロナ禍におびえた日々からの脱却がいよいよ近づいた、と言ってよさそうである。

(3月16日)
 水曜日。小牧時代から何かとお世話になっている今は名古屋市在住の小畠辰彦さん(劇団小牧はらから元代表)が正午過ぎわが家へ。近くの中華飯店で昼食をともにした。彼は若いころから演劇の虫で、劇団「希望舞台」の由井數さん、玉井徳子さんのことなどに話が弾んだ。希望舞台といえば、以前、江南市内の永正寺で公演が実現した水上勉さんの原作「釈迦内棺唄」のことなどにも話が及んだが、その時主演した有馬理恵さんが「俳優座社長になられたよ」と聞き「へえ~、でも。良かった。これまで苦労したかいがあったよね」などと話が弾んだ。
 理恵さんはかつて私が新聞社のサンデー版と特報デスク長時代に私自身取材したことがあり、その後も長年、交流が続いた仲だけにつくづく良かったナと思った次第である。

 小畠さんと食事後は、車で買い物がてら大口町境の五条川へ。桜の名所でかつて舞と何度も訪れたところだ。それだけに、その五条川堤の桜が気になり立ち寄ってみた。まだ開花まではいかないが、よお~く見ると蕾が膨らみ、米粒ほどの白い花があちこちに出ており、いよいよ開花する時がきたなと実感。帰りに私と舞がかつて一緒に足しげく通った私たちの畑【エデンの園】へも足を運んだ。

 五条川堤では開花間近の桜が今か今か、という風情でいた
 

 舞とは、いつもこの頃になると、畑の様子が気になり、エデンの園にきたものだが。ことしは私ひとりだけで寂しくはあった。でも彼女がいつも抱きしめるような思いとまなざしで見ていた白梅は、ことしも見事に白い花々が天を突いて咲き誇っており、私は立ち止まって空を仰ぎ見「舞よ。マイ。まい」とお空の舞いに呼びかけ、「おまえ自慢の白梅はことしもしっかり花を咲かせているよ。ちゃんと咲いているから。安心して」と思わず、そう語りかけたのである。

 舞との思い出がしみたエデンの園の一角。梅の花は満開だった。かわいかった彼女はこの大地で私と一緒に玉ねぎやサツマイモ、西瓜などを収穫。チューリップや向日葵、マリーゴールドなどを育てたりもした
 
 

2022年3月12日
 わたくしは、きょうも空に向かって話しかける。「たつ江。舞よマイ。げんきか。げんきでいるか」と。

 土曜日。春の陽射しがベランダ越しに飛び込んでくる、まばゆいほどにキラキラしたおまえ、たつ江を思い出させる朝である。午前9時過ぎ。わが家の俳句猫シロちゃんの姿がない。何を思ってか。どこに行ったのか。忽然と家の中から姿を消してしまい随分と心配したのだが、それでも10時13分過ぎに居間のガラス窓に彼女の姿が明かりのように白く浮かんで写ったので室内に入れた。
 シロはチョット心配させてしまったね。ごめん-といった神妙な顔をして遠慮がちに室内に入ってきてくれ、心底からホッとした。やれやれ、というか。良かった、というのが偽らざる私の心境でもある。舞亡きあと、シロちゃんにまで目の前から姿を消されたら、私は一体全体、この先をどうして生きていけばよいのか。

 それにしてもシロ、すなわち彼女は一体全体、わが家のどこから外に出たのだろう。この家のどこかにシロだけが知っている秘密の抜け穴、いや「人道回廊」にも似たアジトでもあるのか(窓は全て開かないようにしてあったのだが)。シロがいなくなったことに気付いた私は、きょうの朝は彼女を外に出した記憶がない。それだけに、1、2階ともに室内外を探し回ったがどこにもいない。とうとうおかあさん、すなわち舞の手引きで白狐(びゃっこ)となって外に出たに違いない。何か人には言えないふたりだけの秘密の話があったのかもしれない。とはいえ、戻ってきてくれたのだから。ここはよし、として、それ以上は聞くまい。それにしてもシロちゃんの存在感の偉大さを、またしても思い知らされたのである。

    ☆    ☆
 東日本大震災から11年が過ぎたが、ロシアによるウクライナ侵攻は相変わらず続き、ロシアのウクライナ包囲軍は三方向から首都キエフ中心部まで15㌔に迫っているという。新聞各紙とも【東日本大震災11年 思いは、ずっと 14:46 宮古の防潮堤で祈り】【まん延防止 感染微増でも解除 政府提示分科会が了承 医療負荷低下なら経済配慮】【村岡3個目の金 通算4個目 日本勢最多 アルペン大回転 北京冬季パラリンピック】(中日12日付)、【東日本大震災11年 祈りは消えない 追悼式縮小相次ぐ 避難者今も3万8139人】【強制不妊 東京も原告勝訴 高裁2例目 救済範囲拡大】(毎日12日付)の見出しと並んで【ロシア軍キエフまで15㌔ ハリコフ核施設再び攻撃】(中日、12日付)【露、キエフまで15㌔ ウクライナ侵攻 核研究施設に攻撃】(毎日、12日付)とウクライナものの見出しが躍っている。
 そこへきてきょう12日になり、米国のバイデン大統領が「米国はロシアを貿易上の優遇措置である最恵国待遇から外す」と表明。世界は混とん、一歩間違えば第三次世界大戦もありうる深刻な事態となっている。ここは何よりも、ロシアのプーチン大統領が自らの非を認め、世界に対して非を詫びるほかないのではないか。世界中がいま、深刻な事態となっているのである。罪のない多くの人びとが犠牲となり、戦禍の苦しみに立たされているのである。

 そういえば私は先日、日本ペンクラブ(桐野夏生会長)から送られてきた「国際ペン-世界の作家のウクライナに関する声明ー」に署名しておいた。声明の内容は次のようなものである。記録としてここに残しておこう。
-私たちは団結して、平和を求め、暴力を煽るプロパガンダをやめるよう求めます。私たち世界の作家は、ロシア軍がウクライナに対して行っている暴力に驚愕し、流血の終結を緊急に求めます。私たちは、ウクライナの人々がモスクワの干渉を受けずに自国の忠誠と歴史を議論する権利を認めようともせず、プーチン大統領が無意味な戦争を行ったことを非難するために団結します。私たちは作家、ジャーナリスト、アーティスト、そして最も暗い時間を生きているウクライナのすべての人々を支援するために団結します。私たちはあなた方の側に立ち、あなた方の痛みを感じています。すべての個人は、平和、表現の自由、集会の自由の権利を持っています。プーチンの戦争は、ウクライナだけでなく、世界の民主主義と自由に対する攻撃です。自由で独立したウクライナなくして、自由で安全なヨーロッパはありえません。平和が勝利しなければなりません。

(3月11日)
 金曜日。
 本日付の中日夕刊見出しは、【大切なあなたへ思いはせ 何でもっと感謝を伝えておかなかったんだろう 東日本大震災11年】【東日本大震災11年 とにかく逃げろ 届け教訓 岩手・大槌 消防団員が津波に…思いつなぐ半鐘 岡崎から】【コロナ関連死1820万人 国際チーム推定「各国集計の3倍」】【感染者高止まりでも まん延防止解除可能 政府案、医療負荷を重視】【核研究所 ロシアが再攻撃 チェルノブイリは通信遮断】といった具合。

 午後。社交ダンスのブロンズ級ワルツとルンバのレッスンのためマイカーで一宮のスポーツ文化センターに向かう。道中、車内ラジオからは東日本大震災11年目の各地の表情が流れている。三陸沖を震源とする国内観測史上最大となる最大震度7を観測する、マグニチュード9・0の大津波が東北一円の海岸線を襲い、そこに居た人間たちの命はじめ家屋や学校など、ありとあらゆるものを流し尽くしてしまった11年前のこの日もまた、金曜日であったと報じている。悪夢と化した東日本大震災は午後2時46分に起き、まもなく福島第一原発事故も発生。多くの人たちが波にのまれ、放射能に汚染され、故郷での生活を断念せざるを得なくなったのが、まさにこの日なのである。
 ラジオから流れる名取市閖上(ゆりあげ)地区はじめ双葉町、浪江町、大熊町、富岡町、いわき市、南相馬市、小高町、楢葉町、飯舘村、さらには仙台市、山元町、多賀町……と私自身再三、出向いたところばかりだけに、懐かしさと同時に郷愁のようなものさえ感じたのである。

 大震災11年目のこの日。私自身、かつて再三訪れたいわき市の海岸線には亡き少女デザインによる幸せの黄色いハンカチが掲げられた
 

 絵を描くのが大好きだった鈴木姫花さん(当時10歳。いわき市立豊間小4年)=NHKから
 
 

 一方の新型コロナウイルスの感染急拡大。ここにきて感染拡大の勢いこそ、少し衰えてはきたものの日本では第6波がいまなお進行、コロナ禍は依然、不気味な顔をしてこの地球上に這いつくばるようにして居座っている。そんな中、このところは連日報じられているように、ロシア軍がウクライナに一方的に侵攻。実に二百万人以上が祖国を離れ隣国に避難するなど大変な事態なっている。
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 そして私は、といえば、だ。頼りの妻たつ江、すなわち伊神舞子を昨秋10月15日に失い、今なお悲しみと喪失感にくれる日々を過ごしている。頼りの妻が消えてしまったなか、私たち家族は今、手と手を携え、生きているのである(こう書いたが愛する彼女、たつ江・伊神舞子は私たちの心のなかで永遠に生き、私たちを励まし勇気づけてくれているのも事実だ)。
 幸い、おかあさん、すなわち舞がこよなく愛しかわいがっていた愛猫シロちゃんが健在なのは心強い。私は日々シロを相棒に、こうして生きていくのである。いつも私に寄り添うようにして居てくれるシロちゃんを見るにつけ、私はもしかしたら、彼女は舞の化身ではないかと。そのように思ってしまう。かわいく、聡明な猫ちゃんなのである。

 さて。手元に【大震災関連 被災地へ 2011年3月26日】と書かれた一冊のノートがある。表紙には「電気もない 水道もない プライバシーもない 今住民が何を求めているのかをしっかり判断し先手を打っていく」と走り書きがされている。
 ページを開く。こう書かれていた。
--午前十一時二分。新幹線「のぞみ」車中。何も言わないで。ただ黙って現場を見、被災者の表情に触れようと思い、家を出た。新聞記者として、かつて誰にも増して多くの被災現場に出向き歩いてきたが、今回は退役記者、すなわち一人の人間として、そのなかにホンの一歩でも体を置くことができれば、それでよいと思っている。
 朝。「行ける所まで行き、帰ってくる。それで良いと思っている」そう舞に言うと、彼女は私が現役記者だったころ、そのままにひとつ返事で「あゝ、いいわよ」と笑顔で応えてくれた。……

 この先のことは、わが著「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社文庫)の中の【海に向かいて-前・後編 脱原発社会をめざして】に書かれているので、そこを読んで頂けたら、と願う。それから。私が以前、自らの被災地行をユーチューブで発信した【大震災から3年】被災地と塩屋埼灯台/一匹文士・伊神権太】を検索していただいても良い。

2022年3月10日
 きょうは、77年前に10万人もの命を奪ったB29による、あの米軍による忌まわしい東京大空襲があった日である。またきのう9日に投開票された韓国大統領選は保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(61)が当選。尹氏は日本を経済や安全保障のパートナーとして重視する姿勢を示しているだけに、このところ冷え込んでいた日韓関係改善の機運が生まれる可能性があるという。

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 東日本大震災から11年。今も行方不明者は2523人に及ぶ(NHKの正午のニュースから)
 

 あす11日は東日本大震災が発生(午後2時46分)し同時に福島第一原発事故がメルトダウン、原発事故を起こしたあの時から満11年の忘れられない、まさにその日である。私自身、大震災が発生してまもなく被災地を訪ね、その後ことあるごとに現地に何度も足を運んできた。それだけに、あの惨状と復興に至る苦難の歴史は痛いほど骨身にしみている。今は亡き私の妻たつ江は当時、脳腫瘍の手術をするなど病魔と戦っていたが、そのつど笑顔で私を送り出してくれ、そのおかげもあって、私がその後被災地の現状にある程度詳しくなったのも事実かと思う。

 ところで。そのかわいいたつ江。舞よ、マイ。おまえは今、一体全体どこにいるのか。きょうは春の陽射しが朝からとても温かく、朝のラジオ放送によれば、なんでもこの地方、尾張名古屋は14~15度までに温度が上がりそうだと言っていた。事実、おまえの大好きだった春が刻々と近づき、桜の開花もそんなに遠くはない。陽射しがキラキラとまぶしく、光りの一粒一粒が俺にとっては、おまえそのものなのである。
 それにしても、おまえが旅立ってからというものはオミクロン株によるコロナ禍の感染急拡大に伴う新型コロナウイルスの感染第6波に始まり、瀬戸内寂聴さんらの死などを経て、最近のロシア軍のウクライナ侵攻と次から次に不幸なことばかりが連続して相次いで起きている。なぜなのか。もしかして、おまえのせいなのか、と。ありもしないことを真正直に思ったりもする日々を過ごしている。
 とはいえ。それでも舞が生きていてくれさえしたなら、だ。どこかギスギスしている世の中はむろんのこと、わが心も、それなりに少しは安らぐであろうことも、また事実である。

 というわけで、けさの新聞も【チェルノブイリ原発停電 ロシア占拠 非常電源48時間 IAEA「冷却問題ない」】【キエフ3方向包囲へ 国外避難200万人超す】【輸入小麦17%値上げへ ウクライナ侵攻 高騰に拍車】【米、ロシア原油即日禁輸 英は年内に、EU加わらす】(10日付、中日)といった具合で、やはりウクライナとロシアに関する記事が多い。戦争などは愚の骨頂である。聴けば、私もかつて訪れたことがあるトルコ南部のアンタリヤでロシア、ウクライナ両外相による会談が始まるという。ここは、戦争回避への道につながるよう、切にのぞみたいところだ(その後、この会談は終了し、ウクライナのクレバ外相が記者会見。ロイター通信によると、停戦に向けた進展はなかったが、また会談する用意はあると話したという)。

 迫るロシア軍 首都包囲への解説映像など(NHKニュースから)
 

 

 

(3月9日)
 本日付夕刊は【米ロシア原油禁輸 英も年内に石油製品ゼロ NY原油13年7カ月ぶり高値】【外国人900人超退避を発表 ロシア軍 主要都市へ総攻撃準備か】(中日)、【<ウクライナ侵攻> 露、一時戦闘停止を発表 キエフなど「人道回廊」周辺】【NATO早期加盟「断念もありうる」ウクライナ与党】【米・英 ロシア原油禁輸 EU 依存脱却方針発表】(毎日)といった具合。ウクライナ関連記事が満載されている。

 中でも中日夕刊で【「海で空で畑や道の上で、最後まで戦う 英下院でウクライナ大統領】の見出しが目に留まったので、その記事の一部を以下、ここに紹介しておこう。記事は次のようなものだった。
――【ロンドン=加藤美喜】ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は8日、英下院でビデオ演説し、「われわれは決して屈しない。海で、空で、畑や道の上で、どんな犠牲を払っても、われわれの土地を守るために最後まで戦う」と述べ、支援を訴えた。第二次世界大戦中の1940年6月、ナチスドイツと戦う覚悟を示したチャーチル英首相の有名な演説を用い、不屈の精神を示した。
 ゼレンスキー氏は英劇作家シェークスピアの「ハムレット」の名言も引用。「生か死か、問い続けてきたが、今は迷わず『生』を選ぶ」と、必ず勝ち抜く意志を述べた。英国に対しては、ロシアへの制裁強化と「テロリスト国家」の指定を要望。「どうかわれわれの空を守ってほしい」と、ロシアの空爆を防ぐための飛行禁止区域の設定も重ねて求めた。
 約10分の演説が終わると満場の下院は総立ちで拍手を送った。外国の首脳が英下院で演説するのは初めて。英メディアは「歴史的演説」「西側の民主主義国家を結束させる内容」と称賛。ジョンソン首相は「演説はすべての英国民の心を動かした。英政府はウクライナへの武器供給を推進し、ロシアのプーチン大統領周辺への経済制裁を強化していく」と強調した、とある。
 人びとの胸に迫るなかなか良い記事であった。

 そして、きょうの朝刊といえば、だ。新聞は【ウクライナ 人道回廊初の住民退避 スムイで12時間停戦 解除後、戦闘激化の恐れ】【「子を守る」母の闘い 夫残し 命懸け出国】(中日)【人道回廊開設 避難始まる 仏独中首脳は会談 ウクライナ 露集結の全部隊投入】【露、日本を非友好国指定 債務「メープルで返済」米欧なども】(毎日)と当然のようにウクライナ関連記事で埋め尽くされていたが、8日の国際女性デーにちなんだ【<声をつないで>ジェンダー差別・暴力 許さない 名古屋ウィメンズマーチ】(毎日)の記事も目立った。

 いずれにせよ、世界の目がいまウクライナに注がれていることは間違いない。そんななか、私はけさスマホをチェックしていて「NEWSウクライナ・ロシア現地から」なるサイトに気付き目を走らせたのである。発信を続けるサシャさんは、こうつづっている。
「ロシア兵が来れば、僕も戦場に行く。怖くはない。プーチンの好きなようにはさせない。これからは情報の戦いになる。でも全然足りない。いつ召集がかかるか分からない。そうなったらもう更新はできないかもしれない。」と訴え、こう続けた。
「それでも、私がいなくなってもチャンネルは情報を伝え続ける。リアルな状況を知る人が多ければ多いほど、そして早ければ早いほど、いいと思っている。どうか私たちのことを知って一緒に『戦争反対』を言ってほしい。広く知らせてほしい。さもないと、この戦争は世界に広がり、安全な場所はなくなってしまうかもしれない」と。

(3月8日)
 ロシア軍の一方的とも言える軍事侵攻で日々、ウクライナの人々が多大な被害を受けているこの問題は国際世界の目が注視するなか、一向に改善の方策が見いだされないまま事態は悪化の一途をたどっている。ニュース報道によれば、渦中にあるウクライナでは4200万人いる国民のうち実に173万人が隣国のポーランドやモルドバなど国外に避難した、という。

 夜。NHKの【クロ―ズアップ現代+最新報告・ウクライナ】を見る。そこには祖国を、ふるさとを守るため家族と離れ離れになりながらもウクライナに踏みとどまり、命をかけ戦う人々の悲壮な姿があり、私は家族やふるさとを思う人間の気持ちは、どこも同じであることをあらためて痛感したのである。同時にそんな人間同士が殺しあいをする、だなんて。許せない、とも思う。
この世に生きるだれひとりとして命を奪われるなどと思ってはいない。なのに、である。ニンゲンとは愚かで困った生きものだ、とつくづく思う。私はウクライナの悲惨な状況を新聞やテレビの画面で見るにつけ、困惑。出来れば、今回悲惨な事件の火種、張本人と言ってもいいロシアのプーチン大統領は一体全体何を考えているのか。直接、会って詰問してみたくも思った。
 それはそうと、ウクライナとロシア双方がもっと打ち解けて話し合うすべはないものか、と真剣に考えてしまう。プーチンよ。あなたがもし可能だと言うのなら。わたしと直接、話をしようじゃありませんか、と。本気でそんなことまでも考えるのである。

 というわけで、本日8日付夕刊見出しは【決死でウクライナ逃れた人のために 独ベルリン広がる支援 「うちへ来て」命の避難所】【「人道回廊」実現へ調整 3回目交渉 停戦合意できず】【170万人国外避難 欧州最悪の難民危機】(中日)、【人道回廊再設置で一致 露・ウクライナ 停戦協議は難航】【緊急の人道支援必要 安保理会合 国連担当者報告】【国境周辺の全露軍投入 米高官分析シリアで傭兵勧誘か】(毎日)というものだった。

 そして。けさの新聞も【侵攻後初 外相会談へ トルコで10日 ロシア・ウクライナ 停戦交渉3回目開始】【薬が全く足りない 国境周辺】【寄付は安心できる団体で 救援金の主な受け入れ団体 日本赤十字社・難民を助ける会・国境なき医師団・日本ユニセフ協会・国連WFP】【米欧、ロシア原油禁輸検討】など。ウクライナ関連一色である。
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 舞が逝ってしまってから5カ月がたとうとしている。わたしにはコロナのオミクロン株に始まり、このところのロシアのウクライナ侵攻など何もかもが、おまえが起こしているような気がしてならない。そこへ、西村賢太の急逝が降ってわいた。俺はこれら事象の全てをお前が糸を引いて起こしているのではないか、と。ありえないことではあるが、そんな錯覚までを起こす毎日である。

(3月7日)
 きのう3月6日は、私の誕生日。こういう日は正直、とても苦手だ。舞が生きていたころは彼女も私が妙なところで恥ずかしがることを十分心得ていたので【きょうは、誕生日よね】などと晴れやかにわざわざ言うなどといったことは、いっさいなかった。でも、夕飯にこともなげに舞手づくりの赤飯というか、おこわが出てきたりすると私は「ありがとう。わざわざ、すまんな」とだけ礼を述べたものである。
 そのかわいい彼女が、もはや目の前にはいない。ホントにいない。この世から消えてしまったのである。私は、もしも【愛】という字がこの地上にひとつしかない、としたなら。私はその【愛】を文句なく、たつ江に与える、そんな熱い気持ちで、これまで一緒に生きてきた。だから、地球じゅうの悲しみを集めても、たつ江の死の悲しさにはかなわない、と。そのように、思っているのだが。現実は、そうではない。
 ウクライナでは、私がこのように書いている今も、罪なき多くの人々が夫ら肉親と引き裂かれ、離れ離れで明日をも分からないなか、わが子を抱きかかえ隣国に逃れているのである。いったい何たることなのだ。こんなニンゲンを一体全体、誰がつくったのだ。と、私はつい怒鳴りたくなってくるのである。

 そういえば、私は私自身の誕生日にふれたが、私は母親の胸に抱かれ、日本に帰ってきた引き揚げ者の一人である。日ロ不可侵条約を一方的に破り日本人街に攻め込んできたロスケ(亡き父は、ロシア人のことをいつも軽蔑してこう言っていた)たちに追われ、女たちは皆、頭を丸坊主にしてコーリャン畑を逃げまわった終戦後の満州。その時、私は逃げる母の胎内にいたのである(この物語を、私は私なりに【戦争胎感覚文学】と言っている)。その後、奇跡的に父と再会できた母と兄たち家族は運よく引き揚げ船で日本の舞鶴に帰国したのである。
 このあたりの事情については私の著作・記者小説集【懺悔の滴】(人間社)のなかの<砂子>を読んで頂けたら詳しいが、そのホンの一端だけを、ここに書き記しておきたい。
――昭和二十一年三月六日。零下二〇度以下の日も珍しくない当地の官舎でボクは生まれたという。官舎がどこにあったのか、は詳しく突き止めることはできない。しかしここら辺りをおくろの胸に抱かれ、行き来したに違いない。そう思うと、ボクの目からは、とめどもなく涙があふれ出たのだった。(227頁)……

2022年3月5日
 本日付の夕刊紙面は【ロシアでの報道活動 欧米メディア停止相次ぐ BBC・CNN「記者拘束リスク」 FB・ツイッターは遮断】【原発攻撃非難集中 安保理会合やG7 停戦協議 一両日中にも】【北 弾道ミサイル発射か 今年9回目、日本海に】(中日)【原発攻撃 露非難相次ぐ 安保理緊急会合 欧米「国際法違反」】【ロシア報道規制強化 BBCやCNN業務停止】【➡G7外相「更なる制裁も」】(毎日)といった内容。ロシアでの報道規制がいよいよ始まったナ、というのが私の率直な実感である。

 ロシアに攻撃されたザボリージャ原発の位置図(NHKのニュース報道から)
 

    ※    ※
 ハンドルを手に運転をしながら私はきょうも、誰もいない車内で恥も外聞もなく3回、大空に向かってありったけの大声で叫ぶ。【たつ江、たつ江、たつえぇ~。おまえは一体全体どこに消えてしまったのだ。おまえがいなきゃ、生きてなんかはおれないじゃないか。いたくもないよ】と。
 私はそこまで言うと、どっとあふれ出る涙をふこうともせず大空にポッカリと浮かんだ舞の霊に向かって言う。「でも、俺は、こうして生きているじゃないか。なぜか。なぜなのだ」と自らに向かって自嘲の鐘でも鳴らすように言う。「生きてなんかはおれない」と。そう言いながら、私は生きているのである。その一方で命ある限り、おまえとわがこどもたち家族を支えに生きていかなきゃならない、とも思う。随分と勝手な奴だな、と我ながらあきれ返りもする。

-でも、ウクライナの人たちのことを思えば、おれたち家族は愛するおかあさんに先だたれはしたものの、まだまだ十分に幸せだ。いや、確実にそうだと思う。いまだって、いつも子たちに温かく励まされており、<あなた、そうよ。十分に幸せよ>と誰かが天から、そうささやきかけてくる。そして何をいつまでも、めそめそしているのだ。恥ずかしくないのか、とも。
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 春3月。名古屋地方気象台によれば、きょうは、この地方にことし初の春一番がふき、冬ごもりしていた地中の虫たちが穴からはい出てくる啓蟄でもある。おまえの口癖でもあった【あのねえ。シロちゃんはネ。シロは何でも知っている。知っているのだから】のシロちゃんは、午前10時過ぎに、快晴の空の下、いつものように居間の縁側から意を決する如き表情でお外に出、昼過ぎには、「ウ、う~ん」と甘えたような声をあげ、どこかしら満足したような顔で帰ってきた。
 そして彼女、シロが家を出るホンの少し前に、これは私の錯覚かも知れないのだが。私がいる居間の一角を、またしてもスウっと影法師みたいなものが横切った。おまえが、いつものようにシロを迎えに来たからに違いない。そう確信したので私はシロちゃんを外に送り出したのである。
 シロよ、シロ。きょうは天気が良いので、おかあさんと十分話し合ってくるがよい、と。

 おかあさんとは、いつだって一緒なのだから、と言うシロちゃん
 
 
 

 さて。ちまたは、といえばである。
 いま世界は。感染拡大の勢いが、少しは衰えこそしたものの依然としてコロナ禍の第6波さなかにあるばかりか、ロシアのウクライナ侵攻と大変なことになっている。おまえは、こうした醜い事態を想定しつつ、ひと足早くこの世との縁を断ち切ってそちらの方に旅立ったのか。そのことは分からないが、なんだか、そんな気がしてならない。
 デ、けさの新聞の見出しは【ロシア 原発砲撃、占拠 稼働中 線量異常なし ウクライナ「人道回廊」両国合意】【ウクライナ原子力が50%超 ロシア電力停止狙う プーチン大統領「核武装防ぐ」と主張】【EU(欧州連合)難民の保護合意】【<核心>戦火の原発 惨事の危機 識者「周辺施設でもリスク大」】【「核テロ」震える市民】【北京パラリンピック開幕 侵攻、分断……揺らぐ原点】【原発避難 東電の賠償初確定 最高裁 国の責任 夏にも統一判断】(いずれも5日付中日朝刊)といったもので、このままだと世界が暗黒の泥沼に手を染めかねない、そんな状況下にあるのである。

(3月4日)
 朝。ベランダに立つと、春の陽すなわち、おまえの魂からの光りが真正面から降り注いでくる。ありがとう。たつ江。舞よ、マイ。きょうは良い天気だ。おまえは、いま。この宇宙のどこいらに居るのか。そういえば、つい先ほどおまえの愛するシロちゃんが外に出たが、今は相変わらず宇宙の一点となり、白狐のシロとなって、おかあさんと一緒にいるのかな。いずれにせよ、この冬は、風もつよく、とても厳しく、寒く、長く感じたが、きょうは13~14度まで上がりそうで洗濯物が干されているベランダには春の陽光が降り注いでいる。のどかな日だ。

 それはそうと、ロシア軍がウクライナ最大規模の原子力発電所ザ・ポリージャを攻撃したとのニュースが昼過ぎ、NHKのニュースで流れてきた。なんたることだ。専門家によれば、もし原発が爆発でもしたらチェルノブイリ原発事故の10倍の被害となり、ヨーロッパ全土が放射能汚染にさらされる危険が十分にあるという。というわけで、ロシアの原発攻撃は極めて危険な行為だけに、ただちにやめるべきだ、というのは国際社会に一致した声であることは当然である。

 というわけで、けさの新聞もロシア軍のウクライナ侵攻が中心で、同時にこの日開幕する北京冬季パラリンピックについて国際パラリンピック委員会が3日、ウクライナに侵攻したロシアとロシアに同調するベラルーシの選手の出場を認めないことを決めた-などといった報道が目立つ。具体的には【国外避難100万人超 露、南部へルソン制圧 侵攻1週間】(毎日4日付)【賛成141カ国国連非難決議 ロシアの孤立鮮明】【ロシア選手ら1転除外 北京パラ開幕直前 他国選手の抗議受け】(中日4日付)といった具合だ。

 話は変わるが昨日、私の知らない名古屋市南区の女性から心温まる手紙をいただいた。封書を開くと次のような内容だった。
ーー拝啓 伊神先生 初めてお便りさせていただきます。名古屋市昭和区にお住まいでした「嶺田久三先生」率いる「ばあちゃん合唱団」の会員(昨年12月解散)の齋藤千代子と言うものでございます。私は4年前に入団しました。私事ながら右手親指付け根を痛めて字を書くのが少々困難。PCでごめんなさい。
 「愛のラブバード」から、伊神権太先生を知りました。「一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き」は、いつも拝読させていただいてます。先生の奥様を思いやる愛情のすばらしさ。脱帽です。奥様はお幸せですね! 勝手に先生と呼ばせて頂きます。お許しくださいませ。話が飛び飛びになりますが、ばあちゃん合唱団では嶺田先生がピアノを弾いて下さり月に2~3回。美声? を発揮し楽しい時間を過ごしました。(略)
 一番の悲しみは昨年11月30日(火曜日)。久々の練習日を最後に嶺田先生との練習が出来なくなってしまった事です。嶺田先生は沢山のお話もして下さいました。12月7日(火)次回の練習日もお約束してましたのに嶺田先生は12月6日お一人で天国に旅だたれてしまわれたのです。ばあちゃん合唱団は嶺田先生と馬嶋静子さんとで立ち上げられたとお聞きしてます。会員のどなたもきっと寂しさと辛さの胸中で新年を迎えたのかと察しています。
 私は「愛のラブバード」一度も唄っておりません。Youtubeで「ばあちゃん合唱団、愛のラブバードを世界に発信」で聞きました。そこには「ラブバード・カトマンズ(伊神権太作詞)」曲も嶺田先生が歌いやすく音階を全体に低く、差し替え新曲に生まれ変わった。と書かれていました。
 伊神先生、名古屋のばあちゃん合唱団、覚えて下さってますでしょうか。……すみません 生意気な事言って。伊神先生にお便りなど、と。2ケ月間躊躇してました。でもどうしてもと思い、弥生の初日PCの前にいます。(中略)
 最後に馬嶋静子さんもお会いしたいと申しておりました。

 私はおまえ、たつ江が生きていたなら、だれよりも先にこの齋藤千代子さんから届いた手紙のことを伝えるに違いない。何よりも、本欄をお読みになられたお方がいたら、本欄ウエブ『熱砂』のWORLDWINDOW欄【名古屋のばあちゃん合唱団、愛のラブバードを世界に発信】またはYouTubeで「ラブバード・カトマンズ」を検索し、聴いて頂けたらと願う。
 それから。齋藤千代子さま。私も大変お世話になり、尊敬させて頂いている嶺田さまが昨年暮れになくなられたことは馬嶋さまからの連絡で承知しています。嶺田さまが、名古屋のばあちゃん合唱団生みの親で献身的に引っ張られてこられたことは十分、承知しています。私も本当に残念に思います。ご愁傷様でした。私は、これ以上はどういって良いのか分かりません。ただ嶺田さんが名古屋のばあちゃん合唱団のことを思い献身的に努力なさったことだけは、本欄「熱砂」紙上でも、こうして心より触れさせて頂きたく思っています。本当にありがとうございました。

 そして。きのう3月3日のおひなさまの日に私は、ピースボートの船友仲間がしたように国連UNHCR協会にウクライナの人びとへの救済基金を僅かながら寄付させていただいたのである。

(3月3日)
 世の女性の日、どこかウキウキする。お内裏さまとおひなさま。五人囃子の笛太鼓……おひなさまである。舞が生きていた時には、いつも「おまえの日だよね。おめでとう」と決まって話しかけたものである。私自身、おひなさま即ちたつ江、舞の日だと決めており、この日はわずかではあるが感謝の気持ちを込めてケーキや花などを買ってきたものである。
 彼女もそれなりに玄関先などに、ひな人形を飾っていた。この日はまんざらでもなさそうで、どこか、おしとやかで内裏雛みたいだった。その舞の姿は、もはや、今はない。

 きょうは、天気も良く春の陽光が朝から降り注いでいた。このところ、左肩から背中にかけ時折、チクチクと痛むので、事前に前々から息子が用意してくれていた薬を飲んだ。先日、コロナのワクチンの3回目の接種(1、2回目のファイザー社製ワクチンと違い、今回はモデルナ製)をしたので、その副反応のような感じがしないでもない。

 それはそうと、3年目に入ってもなかなか終息しないコロナ禍といい、つい最近の侵略そのものと言っていいロシアのウクライナ侵攻と言い、名古屋弁で言えば【どえらい世の中になってまった】と思う。
 そのあかしとでもいえようか。きょう3日付の中日朝刊は【愛知など15都道府県延長 まん延防止 三重含む11県解除 政府2週間軸に検討】【市民2000人超が死亡 ロシア侵攻後 ウクライナ発表】【トヨタ ロシア工場停止】、毎日朝刊も【民間人の犠牲広がる 露、市街地を攻撃 ウクライナ「2000人死亡」】【停戦協議近く再開か】【非難決議100カ国超賛成 国連採択へ 露、孤立深まる】というものだった。
 そして。このところは、これら見出し以外にも新聞には【露、首都テレビ塔攻撃 ウクライナ侵攻 情報戦も激化】【「独裁者に侵略の代償を 一般教書演説 バイデン氏、露批判】【国際決済 露7行排除 米報道 最大手は含まず】(毎日2日付夕刊)【露 キエフ包囲の構え 市内攻撃を警告 ウクライナ侵攻 停戦協議2日再開】【G7、制裁で足並み 財務相会議 ウクライナ支援】【プーチン氏資産凍結 日本追加制裁 政府機関禁輸】(毎日朝刊2日付朝刊)【キエフのテレビ塔攻撃 ロシア軍 病院砲撃報道も】【NY原油急騰 一時109㌦台】【バイデン大統領「侵略の代償を」 一般教書演説で非難】(中日2日付夕刊)【ロシア制裁企業も呼応 英シェル サハリン2撤退】【停戦交渉継続キエフ包囲の構え】(中日2日付朝刊)といった調子で、ロシアのウクライナ侵攻を中心とした活字が紙面いっぱいに躍っている。

 それにしても、プーチンは頭がおかしくなったのではないか。そう思わざるを得ない。権力者は、やはり良くない。権力を手にすると、自身が分からなくなってしまう。まず何よりも謙虚さが失われる。彼は日本の柔道をやっているというが、これでは講道館の柔道が泣いてしまう。〝柔の道〟すなわち、柔道の根本精神は<柔よく剛を制す>はむろんのこと、何よりも【精力善用 自他共栄】である。
 プーチンは、その精力を一体どこに使っているのか。小は大を制すはずの〝柔の道〟が、大が小をいじめる、なぞとはもってのほかだ。本来あるべき柔の道の精神は一体、どこへ行ってしまったのか。同じ柔道をたしなむ私としてはプーチンのこの姿勢は嘆かわしいばかりなのである。一度組み合ってみたく思う。おそらくプーチンなぞ、組んだ瞬間に、アッと言う間に私に投げ捨てられるに違いない。
 ウクライナへの侵略戦争そのものといっていいロシアの今の状況が続くのなら、プーチンの黒帯をはく奪して当然だ、と思うのである。今回のウクライナ侵攻はオリンピック精神にことごとく反する暴挙といえよう。私、伊神権太は、こんなプーチンを見ていて恥ずかしくなるのである。

--話は変わるが、きょうはかつての社交ダンス仲間から、とても微笑ましく、かつ美しいお雛さまの動画がラインで送られてきた。それこそ、日本文化を代表する<お雛さま>の画像で、私は思わず、その美しい映像の世界に魅せられ、入っていったのである。

(3月2日)
 春がきた。でも、いつも傍らに居てくれたおまえ、すなわち可愛かった、たつ江、舞の姿はもはや、ここにはない。とはいっても、舞は私の胸の中、こころにいつだっていてくれるのである。私は、きょうも仏壇に手を合わせ、こう呼びかける。
「たつ江、舞。まいよ、マイ。元気でいるか。きょうも楽しくいこうな。俺はいつだって、おまえをこの世の中でイッチパーン愛している。抱きしめ、抱きしめ生きている。だから天界にいるおまえを守り続ける。幸い、おまえの自慢でもあるシロちゃん、白猫俳句の俳句猫、白狐の彼女も元気でいるから。心配しないでいい。その代わり、おまえも俺たちを守ってくれよな。お互い日々をしあわせに生きていこう。俺たちは永遠不滅なのだから」と。

 この日、私はシロちゃんの指示もあり、先代の愛猫てまり、そしてこすも・ここ、初代シロちゃんが眠る裏庭の墓に花を手向けたのである。

 シロの指摘で先代猫ちゃんたちのお墓には花が供えられた