一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年5月~)

2023年5月28日
 世界3大映画祭のひとつで知られるフランスのカンヌ映画祭で俳優の役所広司さんがドイツのヴィム・ヴェンダース監督の作品「PERFECT DAYS」(原題)の演技で最優秀男優賞を受賞。日本人の俳優が最優秀男優賞を受賞するのは19年ぶり2人目。また坂元裕二さんも是枝裕和監督の最新作「怪物」で脚本賞を受賞した。めでたいことである。特に役所広司さんは<シャルウィダンス>での演技など私が好きな役者だけに、とてもうれしく思う。
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 日曜日。きのうのバンテリンドームナゴヤ。
 中日はDeNAに、3-2。今季初のサヨナラ勝ちで2度目の3連勝。けさの【熱投 激走 3連勝 竜今季初のサヨナラ】の見出しになんだか、ホッとした。見出しといえば、だ。大相撲夏場所14日目(両国国技館)の【照ノ富士 復活V 6場所ぶり8度目】【さじき席 1分超熱戦 綱の証明】【(11勝3敗の)霧馬山大関決定的】【連敗止めた朝乃山11勝】と、どれも小気味いい。
 なかでも霧馬山を寄りきりで破り、13勝1敗での優勝を決めた照ノ富士の両ひざの病魔と闘いながらの執念と努力の復活劇は、ただただ「お見事でした」のひと言に尽きる。
 3場所連続の全休から復帰した場所での優勝は、昭和以降では1968年秋場所の大鵬、1989年初場所の北勝海に続き3人目。千秋楽を待たない優勝決定は自身が遂げた2021年九州場所いらいとなった。たいしたものである。

 照ノ富士復活の優勝が報じられた本日付けの朝刊
 

 真剣勝負の野球と大相撲に比べたら、こやつら一体何を考えているのだ、と思ったニュースが岸田文雄首相の長男で首相秘書官の岸田翔太郎氏が昨年暮れ、公邸で親族らと忘年会を開いていたと週刊文春が報じた一件だ。これは、地に落ちる以外の何者でもない。慶応ボーイがこんなことでは-と同窓生らは皆、嘆かわしく思ったに違いない。語るに落ちるとは、このことを言うのだろう。

 トヨタ自動車が27日、静岡県小山町の富士スピードウェイで開かれているスーパー耐久シリーズ(S耐)に液体水素を燃料に走るエンジン車両を投入。液体水素エンジン車のレース参戦は世界でも初めて。豊臣秀吉が、戦国時代の武将・藤堂高虎にほうびとして授けたとされる「黄金の茶道具」一式が27日、東京都内で開かれた競売会に出品され、三億円で落札されたという。

(5月27日)
 午前10時過ぎ。シロは、私といつものように、かつては舞すなわちお母さんといつも一緒に聞くのが常だった♪エーデルワイスと♪みかんの花咲く丘、に(ユーチューブで)耳を傾けたあと、おそとへ。先ず、先代猫のてまり、こすも・ここ、神猫シロが眠る猫塚に足を運んだあと、いずこかへと姿をくらまし正午のNHKのラジオニュースが始まるのに合わせるように、きょうも帰ってきた。舞が「シロちゃんはネ、ニュースが始まる時間でも何でもホントによく知っているのだから」のおかあさんの言葉通り、彼女は本当によく知っているのである。

 先代の<てまり>たちが眠る猫塚を確かめて回るシロちゃん
 

 けさの朝刊。25日午後、長野県中野市江部(えべ)で起きた男による女性2人と警官2人の射殺立てこもり関連の記事は【猟銃で警官射殺男逮捕 自宅から投降 死者4人に 容疑認める「悪口言われた」長野・中野】【飼い犬なで手を頭に乗せ】【中日春秋】(中日1面)【厳格銃規制 凶弾防げず 長野立てこもり 性格など調査 悪意想定に限界も】(同3面<核心>)といったものだった。
 なかでも【「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川…」でよく知られた唱歌『故郷』は、明治時代に今の長野県中野市に生まれた国文学者、辰野辰之が詞を作った▼上京後、三十代で郷里を思い、書いたという。「かの山」は里を潤す千曲川の支流、班川のことだと伝えられている。自然豊かな信州の里が、日本人の琴線に触れる曲を生んだのだろう▼のどかな中野市には、何とも似つかわしくない殺人事件が起きた。……】(中日春秋)にはそれこそ、胸が痛くなった。

 この『故郷(ふるさと)』は、私が今もしばしば愛用のハモニカで吹く曲だけに、愛着もひとしおの歌なのである。そればかりか、10年ほど前にピースボートによる地球一周の船旅を終え横浜港に入港したときに、乗客全員で歌った際に、みんなに頼まれ、私が伴奏としてハモニカ演奏をした思い出の曲だけに、なんでそんな土地で、と残念な気持ちにかられたのも事実である。というわけで、<ふるさと>は私が大好きな曲で、いまも愛猫シロを前に一人静かに歌ったり、ハモニカ演奏をしたりする。わたしにとっては、宝同然の曲なのである。その『故郷』が生まれた自然の中で、これほどの凶行が起きただなんて。残念な気がした。

 ほかに発言~みんなの声~欄の【<風来語(かぜきたりてかたる)> サミットの風景 主筆小出宣昭】。切り口が小出さんならでは、といおうか。サミットのこれまでの歴史がわかって、よかった。

 夜。NHK総合で【ブラタモリ 屋久島日本初の世界遺産の謎▽屋久杉の森を探検へ▽島全体が一つの岩? 】を見る。とても良かった。たつ江(伊神舞子)が生きていて共に見たら、どんなに目を輝かせて見たことか。そう思うと、彼女が傍らに居ないことが、やはり残念でもあった。舞が生きていたら、屋久杉を見て、どんな俳句を作っただろうか。
 連敗続きだったドラゴンズがDeNAに、きのう、きょうと勝ってくれ、やれやれである。

(5月26日)
 金曜日。
 この世の中、いろいろと起きる。けさの新聞は、昨日午後、長野県中野市江部で起きた猟銃と刃物を手にした男の立てこもり事件を報じたもので【3人死亡男立てこもり 女性刺し2警官に発砲 長野 中野市議長の息子 1人負傷2人脱出】(中日)【立てこもり3人死亡 2人は警官 猟銃、刃物所持 長野】(毎日)といった活字が躍った。
 ニンゲンとは、何という浅はかな生きものなのだろう。この事件を見た限り、たとえ衝動的な殺人といえど、だ。命の尊厳なぞといったものは、ないに等しい。他の生きものでは、同じ生きもの同士の闘いなぞは、縄張り争い以外にはあまり見られないというのに、だ。ニンゲンとは愚かこのうえない生きものなのである。いったい、なぜ。なぜ、それほどまでに簡単に人殺しをしてしまうのか。そこが信じられないのである。戦争またしかりである。

 むごたらしい殺し、といえば。26年前、1997年に起きた神戸の連続児童殺傷事件など重大少年事件の記録が永久保存に当たる<特別保存>されず、廃棄されていた問題で最高裁が25日、調査報告書を公表。各裁判所に廃棄を促すような不適切な対応をしたことが原因だとし、最高裁の責任を認めた。小野寺真也総務局長が記者会見で「後世に引き継ぐべき記録を多数失わせてしまった。国民の皆さまにおわびする」と謝罪し、保存への意識を高める必要性を強調した。
 忘れもしない。あの神戸の児童殺傷事件が起きたとき、私は新聞社の大津主管支局長だったが、現場取材に支局員を投入する必要性もあって事件発生と同時に、まず私自身が現場へ足を踏み入れ、あれやこれやと取材した思い出がある。それだけに、記録書類の廃棄など信じられない。とんでもないことだ。書類の数々は、当然、重要で後の世に残しておくべき血なまぐさい少年の少年による【事件】なのである。裁判所は、一体全体何を考え、歴史上あれほど貴重な書類の数々を廃棄してしまったのか。その意図がわからない。

 おふろを沸かしたあとは、車の給油をし、近くの古知野食堂で食事をしたあと社交ダンスのレッスンで一宮へ。家を出たり入ったりしているが、家に居てこうしてデスクに座って執筆に打ち込んでいる間はずっと、シロちゃんが私の足元にいる。
 東京在住の文学に詳しい片上晴彦さんから電話が入り、「奥さんの遺稿集を読み、感銘しました。ほんとうに一句一句がすばらしいです。宇宙がテーマのようですが。心の中の宇宙と本当の宇宙が見事に響きあっています。これは、すごい遺稿集です。全国の本屋さんに一冊ずつ置かれたらよいかと思います」のことば。仏の舞にさっそく、その旨を伝えた。片上さんは、かつてトルコを共に訪れた時いらいの友人でまごころからのお言葉。すなおに嬉しかった。

2023年5月25日
 木曜日。けさの新聞で気になるのは【米債務問題 交渉難航 資金枯渇 早ければ来月1日】【バフムト戦闘報告途絶 ロシア側市内に深く侵攻か】【北朝鮮かつらで外貨獲得 対中輸出の67%】(いずれも中日)か。世界はあちこちで、頭痛の種などアレヤコレヤといったニュースが飛び交っている。

 私は、きょうも中日生活面の【くらしの作文(我が家のひかり)】、毎日生活面の【女の気持ち(キャベツの花)】を皮切りに中日春秋、余録、各紙の朝刊小説、地方版の順に読み進めていく。やはり中日の【くらしの作文】と毎日の小説<青嵐の旅人>が一番、読みごたえがある。なかでも<青嵐の旅人>は時代背景をしっかり抑えたうえでの執筆で何よりも取材がしっかりしている。なるほどと、この私をして唸らせるのである。
 これに対して相も変わらず何を言わんとしているのか。さっぱり訳が分からないどころか、主語と述語、目的語の書き方さえ不確かで書き手だけが分かった気になっている読むに堪えない某紙夕刊小説との落差が、あまりに激しすぎるのである。確かに小説は何でもあり、ではあるのだが。何よりもわかりやすく、読者の胸に迫りくる温かみのある創作であらねば、とつくづく思う。作者は、基本から出直す必要がある。たまたま射止めた〇〇賞とかの威光にいつまでも甘えていてはいけないのである。私が、その小説の担当デスクであったなら、だ。かつての鬼デスク時代のように全て書き直させるに違いない(とはいえ、このところは、少しは【改善】が施され、成長、拡大、発展の道を曲がりなりにも進んできたような気がしないでもないのだが。こんごに期待はしている)。

 少しジャンルこそ違いはするが、その点では、中日尾張版のけさのこらむ【モーニング 85の手習い(小中寿美)】は文全体にやさしさと温かみがあふれ、とてもよく、85の手習いは同世代のじいちゃん、ばあちゃんたちに勇気と希望を与えてくれる、そんな名作である。わたくし自身も希望のようなものを与えられたから不思議だ。

 毎日新聞朝刊の余録も読みごたえがある。25日付朝刊の「余録」
 

 一歩外に出れば、人々はまだまだマスクをして歩いている。以前の「平常」は、いったい何時になったら戻ってくるのか。「異常」な世の中は、いまも「異常」な状態で続いている。

(5月24日)
 朝。愛猫シロちゃんが外に出たのに合わせ、裏庭一角の猫塚の水を替え、シロと一緒に先代の愛猫てまり、ひすも・ここ、神猫シロの3匹が眠るお墓に赤とシロの花を一本づつ付け足した。そして。長くなった中庭の木を切り取った。伸びた枝が目などにあたりケガをしかねないばかりか、見た目もよくないからだ。その間、シロがずっとその作業の様子を見守っていてくれ、うれしく思ったのである。

 けさ。すなわち24日未明のNHKラジオの深夜便。午前3時からのニッポンの歌(歌謡曲)を聴きながら、気に入ったのは<人生一路>に<矢切の渡し>そして<長良川艶歌>だ。なかでも、美空ひばりさんの<人生一路>は、特に気に入った。人は皆、それぞれの道を信じて生きていくのである。
 あさ。目覚めたら、大学時代の友人から届いていたラインの写真に感動した。彼はフェンシング部のキャプテンだったが、女性の副キャプテン(久保さん)など当時の部員仲間でそろって伊香保温泉への旅を楽しんだとのこと。それぞれに個性と面影が残る良い写真であった。
あのころ、わたしたちは仮設のプレハブに畳を敷き詰めた柔道場で稽古に励む毎日だったが、隣がフェンシング部の床練習場だったことから、フェンシング部のみんなとは特に仲が良かった記憶がある。あのころ青雲の志に燃えた私たちは、いまや皆、高齢者なのである。信じられないが、それが現実である。

【マイナに他人口座誤登録 7自治体12件確認、総点検へ コンビニ交付停止】【重ねるミス 高まる不信 使途拡大法案に影響も】(24日付中日)【別人口座をマイナ登録 7自治体12件 全5432万件を点検へ トラブル相次ぐ 保険証もチェック要請】(24日付毎日)のニュースは、それこそあってはならないことである。マイナンバーカードを巡り、個人情報流出につながるトラブルがこれだけ相次いだのでは、デジタル庁は一体全体何をやっているのだと糾弾されても仕方あるまい。

 そして。きょう24日付の夕刊は。【女川原発差し止め認めず 仙台地裁判決 再稼働 来年2月予定】(中日)【「F16戦闘機の訓練開始」 ウクライナ軍に、複数国で EU外相表明】【東部最前線訪問 ゼレンスキー氏】(日経)といったところである。

 東京電力福島第一原発の処理水海洋放出計画を巡り、韓国の専門家らでつくる視察団が23日、第一原発を視察。視察は本日24日までの予定で放射性物質で汚染された水を浄化する多核種除去設備(ALPS)や、処理水に含まれるトリチウムの濃度測定設備、放出設備などを確認するという。

 新聞報道によれば、愛知県と名古屋市が23日、ことし9月に中国・杭州で開かれるアジア大会をPRするため杭州大会組織委員会の関係者らが名古屋市内で開く26日の記者会見と市民が名城公園(名古屋市北区)を走る27日のイベントの中止を発表。杭州大会組織委などから22日、理由の説明もなく中止の要請があったからだという。新聞は【サミットへの中国反発影響か アジア大会PR行事中止 愛知・名古屋 OCA視察延期】【杭州組織委 理由語らず 26年愛知大会に冷や水】(24日付中日)といった内容だった。

(5月23日)
 火曜日。
けさ23日付の中日新聞。【G7広島サミット 平和活動の若者、被爆者ら 核廃絶の期待実らず 「広島でこの結果なら、今後何を訴えれば」】を読む。社説は【首相とサミット 核廃絶の覚悟が見えぬ】の見出しで書かれていた。その社説の一部をここに記しておこう。次のとおりである。
-「ただG7が自らの核保有や核抑止力維持を前提とし、条件付きで核廃絶・核軍縮を訴えては、熱意が疑われて当然だ。それが広島からの発信ならなおさらである。/被爆者らは広島ビジョンなど一連の成果文書が「核廃絶を求めていない」と批判する。首相や政府は反論するのではなく、批判に誠実に耳を傾け、核廃絶に向けた自らの行動を省みるべきである。/日本は今年いっぱいG7議長国で、来年末までは国連安保理非常任理事国を務める。「核兵器のない世界」を目指す好機だ。首相が自らの言葉に違(たが)わず、核廃絶に政治生命を懸ける覚悟があるのか、厳しく問われるべき局面である」
といった内容で、私自身はこの通りだーと思ったが、一般の人の気持ちも、おそらく似通ったものだと思うのだが、どうか。

 将棋の渡辺明名人(39)に藤井聡太六冠(20)=竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=が挑戦する第八十一期名人戦七番勝負の第四局が22日、福岡県飯塚市で指し継がれ、先手番の藤井六冠が、六十九手で快勝。シリーズ成績を三勝一敗とし、史上最年少での名人獲得と七冠達成まで、あと一勝に迫った。

 午前中、新聞をざぁ~っと読み終え、愛猫シロに留守番をたのんで昼食兼買い物に布袋に出向いた。帰って久しぶりに横笛とハモニカをふき、【縁かいな】に代表される小唄・端唄をうたってみた。たつ江(伊神舞子)がいたころは、観客は舞とシロのふたりだったが、きょうはシロちゃんだけ。それでもシロちゃんは一体何ごとかと思ったらしく、両手をそろえ真剣な表情で居間の片隅に座り、私が奏でるハモニカ演奏と横笛に全身を注いで聞いてくれたのである。ありがとう。シロちゃん。

(5月22日)
 月曜日。♪負けた。負けた。こらえきれずに、また負けた。あのこは、ドラが好きなのに。なんで負けるの。きょうもまた……
 月曜日。中日スポーツなぞ、読む気にはなれないが。それでも見てしまう。あ~あ。

 そこには【痛恨サイン出し間違え 竜7連敗 昨季の最大借金14に 40試合で並ぶ】といった不名誉極まる活字ばかりがドンドン並ぶ。一体全体、何をやっとるのだ。あいた口がふさがらん、とはこのことを言う。
 どうやら負け癖がついてしまったようだ。恥ずかしげもなく。それで。よお、グラウンドに立っとれるな。たつなみの顔をみてやりたゃ~よ。あ~あ。情けないったら。ありゃへんわ。でも。野球は人生そのもの。勝ったり、負けたりだ。だから面白い。 

――本日付の中日スポーツ1面記事をみて、おそらく上に似た言葉を吐いた輩は、ものすごお居たに違いない。ほんとに。何やっとるのだ、と。天に向かって大声で叫びたくなるのは、俺だけでもなかろう。人生いろいろ、というが。これでは、いろいろどころか。負け負けだ。
 それでも、だ。ドラファンは、どこまでもドラゴンズを愛し続ける。

 悲惨な負け、負けを涙を呑んで報じた中日スポーツ1面
 

2023年5月21日
 本日付の朝刊は、どこもかしこもゼレンスキー氏の来日とG7サミットについてだった。

【「核兵器廃絶へ共に」「行動することが使命」 G7首脳平和の誓い 原爆資料館芳名録 被爆者 期待と注文】【G7 中国念頭に声明 核保有データ公表要求 広島ビジョン 「核軍縮程遠い」ICANが非難】【予備部隊で警備強化 警察庁ゼレンスキー氏対応】【広島の市民ら「平和議論して」ゼレンスキー氏来日】(毎日)【ゼレンスキー氏来日 広島サミット きょう午後演説へ 対ロシア各国首脳と会談】【「核なき世界」実現へ関与 新興・途上国と連携強化 G7首脳声明】【開催地緊迫 市民も関心高く 政府、声明発表前倒し ゼレンスキー氏来日影響か】(中日)というものだった。

 またゼレンスキー大統領自身も日本に到着後、自らのツイッターに【日本。G7。ウクライナのパートナーや友人との重要な会合となる。勝利に向けた安全保障と協力強化。今日、平和がより近づく】と投降した。本当に平和がより近づくのなら、よいのだが。

 ここでG7首脳声明の記事と原爆資料館を訪れた各国首脳が芳名録に残したメッセージを記録として残しておこう。(G7首脳声明の記事は21日付中日、各国首脳が残したメッセージは21日付毎日から)

 

 

 

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 夜。NHKスペシャル【「国家主席・習近平」権力集中・欧米と対立その行動原理の源泉は▽40年分の発言を分析 ソ連崩壊・得た教訓は】を見る。時がときだけに、大変参考になったことは事実である。習近平とて、懸命に人生を歩んできたひとりの人間だ。世界の平和を望まぬはずはなかろう。プーチン(ロシア大統領)とて同じだと思う。皆、地球というちいさな星、運命共同体の中で、コロナ禍におびえながら日々を一生懸命に生きている。いや、生かされているのである。
 敵は本能寺にあり。ではないのだ。敵は、もっともっと。もっと大きな全ての生物たちが生きていかねばならない地球環境にアリーなのである。だから。この星に住むニンゲンたちは今こそ、互いの手と手を携え、ひとつになる時が来ている。亡きたつ江、伊神舞子とて私と同じ考えに違いなかろう。彼女なら、今の世界をどう俳句に、歌に詠むのか。詩だって、読んでみたい。

2023年5月20日
 夕刊は、やはり【米大統領F16供与容認 ウクライナ軍 戦闘機訓練開始へ】【ゼレンスキー氏今夕来日 岸田首相とも個別会談へ】(20日付、中日)【ゼレンスキー氏、広島へ 午後到着あすサミット出席】【「グローバルサウス」関与を強化 G7、エネや食料で貢献】(20日付、日経)といったところか。

 きのう19日の社交ダンス。一宮のレッスン会場に顔を出すと「ごんたさん。奥さんの遺稿集読ませて頂きありがとうございました。ホントによかった。感激してしまい、2度読み返してしまいました。ありがとう。これ、うちの女房からです」と思いがけず、ダンス仲間で三重県桑名市在住の水谷さんから高級なお菓子をもらってしまった。
「ありがとうございます」と私。まさか。舞の遺稿集のことで高価なお菓子をもらうなぞ。思ってもいなかったし、信じられない。帰ってお菓子を仏前に供え「舞よマイ。ありがたいことじゃないか」と話しかけたことは当然のことである。

 それどころか。きのうは、社交ダンスのレッスンの終わりに「ごんたさん。きょうは、とっても上手でしたよ。見違えちゃった」とダンス教師の若さんから、今度はお褒めの言葉までを頂いたのである。おべっかであることは間違いないが。単純なので、なんだか、うれしい気がした。たとえ、お世辞でも、ほめられれば悪い気はしない。よしっ。頑張ろう。
 ♪イチトジマエ ニホヨコ ニホヨコスグ へジテイション イチ、ニイ、サン、ニホヨコ、ニホヨコスグ オープンインピタス ホバー へジテイション……
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 午後3時54分。スマホがピコピコと鳴る。開くと、Yahoo!ニュースで【ウクライナ・ゼレンスキー大統領が広島に到着】という内容だった。

 きょうは土曜日。朝刊は【核軍縮へ「広島ビジョン」 G7首脳 原爆資料館訪問 広島サミット開幕】【被爆地で開く意義示せ 社会部安田功】【ゼレンスキー氏きょう来日 あすサミットに参加】(20日付中日)【核廃絶ヒロシマから歩もう G7首脳原爆資料館訪問 サミット開幕】【ゼレンスキー氏訪日へ 露の侵攻後初 あす対面出席 反転攻勢へ支援訴え】(20日付毎日)といった具合。先進七カ国首脳会議(G7広島サミット)の記事が中心である。

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)一色となった20日付朝刊各紙と19日付夕刊
 

 

    
 広島といえば、今は亡きたつ江(伊神舞子)と数年前の8月6日、広島原爆記念日に訪れたことがある。あの時、彼女は自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」のお客さんたちにも声をかけ折って頂いた千羽の千羽鶴を携えてのヒロシマ行だった。ふたりで広島平和記念公園にある『原爆の子の像』(モデルは佐々木禎子さん。原爆投下の被爆者の1人で12歳の若さで白血病で亡くなった)のもとで「もう、人間は原爆などという愚かなものを落とすことがないように」と祈った日のことがついきのうのようだ。
 今にして思えば、平和な社会を願う舞にとっては千羽鶴を携えての私との広島行こそが、それまで心に秘めていた彼女にとってのちいさな、ちいさな夢の実現であったのである。当日は、原爆記念式典の間、降っていた雨もやがて止み、慰霊碑にふたりで花束をささげたあと、原爆資料館を共に訪れた。あの日、あのときのことを思い出すと、私の目頭には大粒の涙が落ち、舞(たつ江)のあの声「平和な世の中を守らなきゃあ、ネ」といった声が今も耳に大きく迫ってくるのである。
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 私はふと思うことがある。ニンゲンという罪深い生きものを一体全体、誰がつくったのか、と。この世は、毎日毎日、次から次へと、嬉しいこと悲しいことが洪水の如く起こってくる。こうしている間にも、だ。そして。私という生きものが波のまにまに攫われたとしても、だ。おまえが傍らにいてくれさえすれば良いのだが。今はおまえが「あのね、シロ、シロちゃん。彼女はね。何だって知っているよ」と教えてくれたシロ。そのシロちゃんだけが私の傍らで、おかあさんの代わりとなって、ただ黙って両手をそろえて座っていてくれるのである。何を思っているのか。シロよ シロ、シロ。オーロラレインボーちゃん。

(5月19日)
 金曜日。ここ尾張地方は雨、雨、雨の日である。シロちゃんは、台所の椅子の上に乗っかったままで丸くなり寝ている。英フィナンシャルタイムズ電子版が「ウクライナのゼレンスキー大統領がG7サミットにオンラインではなく、直接日本に出向いて出席する」と報道。その一方でラジオから聴こえてくる「わたし宮崎県にきんむちゅう防災士の資格を取りました。なめかわかずおです」とのNHKアナにその切実さを感じて感心する。

 朝刊は【G7 対中国で結束 台湾海峡「懸念伝達 重要」 首脳声明調整 きょう開幕】【核の傘 安全保障に不可欠 日米首脳 拡大抑止議論促進へ】(19日付中日朝刊)【対露制裁 履行強化協議へ G7サミットきょう開幕 ゼレンスキー氏オンライン参加】【日米首脳連携確認 同盟の抑止力強化へ】【米半導体大手5000億円投資 マイクロン 首相との面会で表明】(19日付毎日朝刊)とG7サミットで埋め尽くされた観がある。

 そんな中で【寒暖差疲労にご用心 全国282地点で真夏日 気温差7度以上自律神経負担 首回り温めて】【平均気温上昇「5年以内に1・5度超」 世界気象機関】【中西太さん死去 プロ野球 西鉄支えた「怪童」 90歳】【入管女性死「ハンストかも」 維新・梅村氏 参院法務委員から更迭】(19日付毎日)といった記事が目立つ。

 文士刮目の前出し原稿【第25回 夜明けの時代に問われる<なぜ> AI超す人間力で】(6月2日公開予定)を熟考に熟考を重ね、深夜遅く「脱原発社会をめざす文学者の会」編集担当者あてに出稿する。

(5月18日)
 木曜日。国際博物館の日だそうだ。

 プロ野球の西鉄(現西武)黄金期に強打の内野手で知られ、西鉄、阪神などで監督やコーチも務めたことがある、あの中西太さんが死去したことが18日に分かった。90歳だった。これとは別に本日付の夕刊によれば、歌舞伎俳優市川猿之助さんと両親が東京都目黒区の自宅で倒れているのをマネジャーが見つけ、119番。調べによると、母親と父親は病院に搬送されたが、既に死亡しており、自室で意識朦朧としていた猿之助さんは無事だったという。市川さんは、両親との3人暮らし。自宅からは猿之助さんの遺書が見つかったという。東京・明治座によれば、このため市川猿之助さんが主演するこの日昼の歌舞伎公演は中止に。こんごの公演は未定だ、としている。

 【G7 年内に生成AI見解 首脳声明明記へ調整】【野依さん「サミットで議論を」 生成A1は歴史的転換点 最強の技術 最悪の結果も】【<願い G7広島サミット> 核の脅威今も私の街に ㊥ウクライナ避難者】とは、中日新聞の本日付の<G7広島サミット あす開幕>特集記事の1面と軟派(社会面)トップの見出しである。
 このほか、他紙報道などによれば、宮城県栗原市の東北自動車道下り線で16日夜、バスと大型トラックが衝突。バスの運転手、佐藤恵美さん(56)とバスの乗客とみられる男性2人が死亡。大阪地裁は17日、海外から帰国後、新型コロナウイルス感染防止のため在宅勤務をしたのに欠勤扱いとされたのは違法だとして大阪市立の中学校元教諭松田幹雄さん(67)が市に計114万円の損害賠償などを求めた訴訟で学校側の判断を違法だと認定、市に約9万4000円の支払いをするよう命じた。
 そのコロナの新飲み薬だが塩野義製薬が17日、現在販売する新型コロナウイルス感染症の飲み薬ゾコーバとは別に、新たに開発する飲み薬の臨床試験(治験)を国内で始めたと発表。

(5月17日)
 岐阜県揖斐川町できょうの午後、35・1度を観測。ことし初の猛暑日となった。

 中日新聞の17日付夕刊によれば、内閣府が17日に発表した2023年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・4%増、年率換算は1・6%増だった。三・四半期ぶりのプラス成長。海外経済の減速により輸出が落ち込んだが、新型コロナウイルスの感染が落ち着き、旅行など個人消費、ほかに設備投資も増加した-と報道している。

 それはそれとして。本日付夕刊で私の心を揺さぶったのは、【米で異例太宰ブーム アニメ『文豪ストレイドッグス』契機 10代中心「社会から疎外感に共感」】の記事、そしてAIに関する<特報面>で【声優 スタントマン アナウンサー 俳優 漫画家 生成AIが仕事奪う? イラストレーター 舞踊家 演奏家 マネジャー… 表現者の権利守って 芸能関係者ら危機感表明 著作権制度整備など訴え 新技術「ほぼ全職種に影響」 米国で懸念…日本は前のめり】というものだった。さてさて。大河ドラマの徳川家康でもないけれど。人間たちよ! どうする。AIの普及そのものが人間自らが人間の首を絞めることにならねばよいのだが。どうするニンゲンたちよ、ともう一度、問いかけたいのである。私個人としてはAIなどで、人間そのもののような、こまやかな人情までを表現することは不可能だと思っている。

 生成AIが仕事奪う? 表現者の権利守って-と報じた17日付中日新聞夕刊の<特報>
 

(5月16日)
 旅の日。芭蕉が奥の細道行に旅立った日なので〝旅の日〟と名付けられたそうだ。

 京都三大祭りの一つ、葵祭の行列が16日、京都市内で催され、十二単のヒロイン「斎王代」ら平安装束に身を包んだ約500人が新緑の都大路を歩いた。行列は、新型コロナウイルスの影響で中止が続き、2019年いらい4年ぶりの開催。当初、15日の予定が天候悪化から1日延期しての実現となったという。

 開幕30周年を迎えたJリーグが15日、東京都内で記念イベントを開催。初代チェアマンを務めた川渕三郎さん(86)が30年前の開会宣言を再現する形でスタート。川渕さんは「Jリーグが、ここまで成長するとは正直、思っていなかった。サポーターが応援してくれたおかげです」と語ったという。また、この日はファン投票を基に歴代選手を表彰する「J30ベストアウォーズ」の最優秀選手(MVP)として遠藤保仁さん(磐田)が選ばれた。このほか、ベストナインは次のとおり。
▽GK 川口能活▽DF 井原正巳、内田篤人、田中マルクス闘莉王、中沢佑二、松田直樹▽MF 遠藤、小野伸二(札幌)、中村憲剛、中村俊輔▽FW 三浦知良(オリベイレンセ)

 大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で13日から繰り広げられた第81期名人戦七番勝負の第三局は14日午後8時20分、渡辺明名人(39)が挑戦者の藤井聡太王将(20)を87手でたおし、対戦成績を1勝2敗とした。持ち時間各9時間のうち残り時間は渡辺名人31分、藤井王将2分。第4局は21、22の両日、福岡県飯塚市の麻生大浦荘で開かれる。

(5月15日)
 弁護士である私の兄(名古屋市在住)から「先日のご仏前を、おまえからもらいすぎたのでトルコシリアの地震の義援金として3万円を寄託しておいた」旨の手紙を受け取る。前もって地震被害の義援金として出しておく-との電話は既にもらい了解済みではあったのだが。さすがは尊敬する兄貴だけのことはある。

 こういう人間を真にえらい人だというのだろう。兄は昔から頭はとびっきり好く、私と違って小、中、高校と終始学年(中高は有名私学)の1番を貫き通した。少年時代には「俺はニッポンイチの総理大臣になるのだ」と言ってストレートで東大に入って成績もよかったのに。総理大臣には、なんでならないで司法試験を受け、弁護士になってしまったのだと。ふと、昔からの疑問が私の頭をよぎった。だけど、彼はいつだって弱い者の味方、正義を貫き通して、社会的にも大きな功績を残して、ここまできた。その点では兄の生き方を私は心から尊敬しているのである。というわけで、寄託の話は、こどもたちにもその旨メールで伝えておいた。
 そういえば、あすは6月1日の満102歳を直前に亡くなった母、伊神千代子の祥月命日でもある。どこまでもやさしくて、頼りがいのあるおふくろさんであったが、これより先の2021年10月15日に一足早く天国に旅立った、わが妻たつ江(伊神舞子)とともに今ごろは「おかあさん」「たつえさん」とああだこうだ、と仲良くやっているに違いない。

 沖縄県がこの日、1972年の日本復帰から51年を迎えた。
【広大な米軍基地に加え、近年は中国の海洋進出を念頭に自衛隊基地も強化され、復帰当時に県民が望んだ「基地のない平和の島」の実現は遠い。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する市民らは、埋め立て現場に隣接するキャンプ・シュワブのゲート前の集会で「基地建設を止めるぞ」などと声をあげた。】とは、本日付けの中日新聞夕刊である。

 午後5時過ぎ。空が何やら、よほどに悲しいことでもあったのか。ごろごろごろ、ゴロゴロゴロリと泣いていたが。この音も、まもなく消えた。だれかが「もう泣くなよ」と言って音を消したのかもしれない。母と舞のしわざに違いない。

 滋賀県甲賀市信楽町で1991年、信楽高原鉄道とJR西日本の列車が正面衝突、42人が死亡した事故から32年がたった14日、現場近く慰霊碑前で犠牲者を追悼する法要が営まれた。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(2019年死去)から性加害があったとする元ジャニーズ男性からの告発を巡り、同事務所の藤島ジュリー景子社長が14日、謝罪する動画と文書を発表。

2023年5月14日
 5月14日。母の日である。

 おふくろが手にして片時も離さなかった歌手小林幸子さんの袋。この中には、いつも私の文庫本【ピース・イズ・ラブ 君がいるから】が入れられていた=15日撮影 
 

 そして。今ひとり。私の妻たつ江(伊神舞子)の遺影傍らにも14日、息子の手によりカーネーションが捧げられた
 

 日曜日。朝食をしながら、NHKラジオの日曜討論「核なき世界実現へ いま何が必要か 広島サミットの発信は」に耳を傾ける。引き続き、中日新聞の【ニュースを問う G7サミット被爆者の願い 広島を平和への分岐点に 木谷孝洋(東海本社報道部)】に目を通す。<記者は母の故郷・広島で生まれ、父の故郷・長崎で育った。両祖母は被爆者で、私は被爆三世に当たる。>というだけあって、説得力ある文章には感銘したのである。
 母の日である。きょうは、こ寒い1日となった。しょぼしょぼ降る小雨に、なぜだか眠けを誘われ、肘掛け椅子に座ったまましばらく寝入ってしまう。シロちゃんも、傍らのソファで眠ったままでいる。夢のなかで久しぶりに大好きなおかあさんと会っているかもしれない。

 世界文化遺産で知られる岐阜県白川村の白川郷合掌造り集落で村民が助け合う伝統的な「結(ゆい)」の形式でかやぶき屋根のふき替えがあった。コロナ禍の影響などで5年ぶりの実施で、小中学生を含む135人が手分けしながら新しいかやを、取り付けた。吹き替えが行われたのは、1800年代はじめに建てられた明善寺の庫裏。大泉信吾住職(61)の一家が暮らしているものの、前回1987年のふき替えから、36年たち雨漏りなどの劣化が進んでいたという。
 それにしても、書きながらまだまだ眠い。
    ※    ※

    ☆    ☆
 1964年の東京オリンピック体操女子団体総合で銅メダルに輝いた池田敬子(いけだ・けいこ、旧制田中=)さんが13日、脳腫瘍のため川崎市宮前区の施設で死去した。89歳だった。広島県出身。広島・三原高で競技を始め、日本体育大学へ。1954年の世界選手権ローマ大会の種目別平均台で日本女子初の世界一に。当時、〝ローマの恋人〟と呼ばれた。二児を育てながら東京五輪に30歳で挑んだが、当時チームメートだった小野清子さん=2021年に死去=も母親選手だった。全日本選手権女子個人総合10度の優勝は、最多記録だった。

 午後。買い物にでたついでに亡き妻たつ江(伊神舞子)とおふくろさんにカーネーションを一束づつ黄とピンクのリボン付きで買って帰った。カーネーションは、既に末っ子に先を超されはしていたものの、しばらく水につけておけばよかろう。舞も母もふたりとも喜んでくれている気がする。

2023年5月13日
 軽井沢朗読館の青木裕子さんから次のようなメールが届いた。

「軽井沢朗読館の森にも遅い春がおとずれ、新緑のなか、いままさに花盛りです。冬の間、ひまわりの種に群がっていた小鳥たちもおいしいものが沢山湧き出てくるこの季節、カワキエサにはふり向かなくなりました。/朗読館もこの夏から再びもとのペースで活動できることを願って、今年はいろいろな企画を考えていこうと思っています。いままで同様、応援していただければ幸いです。/定期的にではありませんが、かなりのスペースで森の様子など近況も含めて御案内できたらと思います。差し当たって、長野県立美術館での朗読会のお知らせです。美術館の展示ホールの壁に「目屋の桜」のなかに描かれている戦没画学生の絵を大写しにご覧いただきながら朗読と津軽三味線のかなでる哀切な名演奏に浸ってください。6月11日(日)午後1時半開演です。お申し込みは添付ファイルをごらんください。
……
 では、またきっとお目にかかれるときを楽しみにしております。
軽井沢朗読館 青木裕子」

 このメールを読ませて頂き、私は何はさておき青木裕子さんが軽井沢で元気でご活躍だと知り、とてもうれしく思ったのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 中日新聞尾張版に【威風堂々 新本堂楽しみ 江南・永正寺今秋に完成予定 吹き抜け支える巨大丸太】の記事。永正寺は、臨済宗妙心寺派の寺院で1504年(永正元年)に開創。旧本堂は濃尾地震の2年後の1893年(明治26年)に再建された。その後130年近くを経過。耐震性の問題もあって新築することを決め、一昨年秋に旧本堂を解体、昨年1月に着工。旧本堂も、これまで地域社会の演奏会や一人芝居の公演など地方文化の向上を担っての数々のイベントに活用され、多くの人々に喜ばれてきたいきさつがある。

 威風堂々、と尾張版に掲載された地域社会を明るくするホットな記事
 

    ☆    ☆
 こども家庭庁が12日、全国の自治体と施設を対象にした初の実態調査の結果を公表、昨年4月~12月の間に市区町村が通報などを受け確認した保育所での不適切保育は914件で、うちたたくなどの虐待と確認されたのは90件に上ったという。
 75歳以上の公的医療保険料を2024年度から段階的に上げる健康保険法などの改正法が12日、参院本会議で賛成多数で可決、成立。約4割が引き上げ対象者になる。高齢化に伴う医療費増に対応するのが狙い。子どもを産んだ人に給付する「出産育児一時金」の財源にも充当するそうだ。

(5月12日)
 午後1時過ぎ。近くの古知野食堂まで食事に行って帰る途中。いつもお世話になっている近くの歯科クリニックの歯科衛生士後藤さんに呼びかけられ、歩みを止める。と、お昼休みで縄跳びのひもを手にした彼女が「いがみさん」とこちらに近づいてくるではないか。

 一体、何ごとかと思いつつ前へ。私は歩を進めながら「なんですか」と言うと、「イガミさんちの白猫ちゃん、大丈夫かと思って。心配で心配で」と声をかけてくださった。「元気ですよ」と答えると「うちの近くに車にはねられた白猫ちゃんがいたので。とっても心配になっちゃって。それに最近、(窓からかわいい顔を出している)シロちゃん、シロの姿を見てないものだから。心配になって」の弁。
 私は「ありがとう。シロは元気でいますよ。お心遣い、ありがとう。シロちゃんに言っときます」と心から礼を述べたが、彼女たち歯科衛生士さんたちは、いつも昼休みになると、天気の良い日には体力づくりでわが家に隣接する広場(駐車場)で縄跳びをしておいでで、その際に「イガミさん」と声をかけてくださったものらしい。

 シロちゃんのことを、そんなにも心配してくれていて本当に嬉しく思い、私はあらためて「シロにも事故にはくれぐれも気をつけるよう話しておきますね」と答えたのである。ああ~。なんと、やさしさに満ち溢れた隣人が居ることよ。そう思うと、私は思わず泣けてきてしまった。帰宅後、シロちゃんにこの一件を報告したのは当然のことである。シロは、感謝のしょうもないよネーという顔をして私の両の目をじっと見つめてきた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 過去1300年以上の伝統を誇り、戦国武将の織田信長もしばしば楽しんだ岐阜市の長良川鵜飼が11日夜、開幕した。鵜舟6隻のかがり火が川面を照らすなか、風折れ烏帽子にみの姿の鵜匠6人が鵜をたくみに操って鮎を捕らえる伝統漁法には、見る者誰もが感嘆の声をあげたに違いない。話は変わって。新聞によれば、名古屋のミニシアター文化をけん引してきた名古屋シネマテーク(名古屋市千種区)が経営難から7月28日で閉館するという。名古屋市内のミニシアターでは東区の名演小劇場がことし3月23日で休館したばかり。惜しい気がする。

 東京都江戸川区の住宅でことし2月、契約社員山岸正文さん(63)が何者かに殺害された事件で警視庁小松川署捜査本部に殺人容疑で逮捕された区立中教諭尾本幸祐容疑者(36)は、その後の調べで外国為替証拠金取引(FX)やギャンブルで数百万円の借金を抱えていたことが分かった。捜査本部では尾本容疑者が金品の窃取目的で山岸さん宅に侵入。職場から帰宅した山岸さんと鉢合わせし襲ったと見ている。尾本容疑者は当初、「事件には関わっていません」と容疑を否認していたが、その後黙秘。逮捕前の任意の事情聴取に対しては「荷物を運ぶのを手伝ってほしい、と山岸さんに言われて山岸さん宅に入ったことがある」といった説明をしていたことが判明。警視庁は11日、尾本容疑者を送検、勤務先の区立中の机やロッカーなども家宅捜索した。山岸さんは自宅の玄関付近で刃体がなくなったナイフの柄の部分を手に倒れていた。顔や首、腕などに十カ所を越す傷があり、リビングでも血痕が見つかっている。

 警視庁は11日、秋田市の雑木林で9日に発見した遺体の身元を2021年6月から行方不明になったままの愛知県一宮市の接客業加藤しのぶさん=失踪当時48歳=と特定。関係者の証言などから2021年9月ごろ土中に埋められた疑いがあり、死体遺棄事件として捜査。網走刑務所(北海道)に服役中の男ら複数人が事情を知るとみて引き続き調べを進めているという。
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【大器の新添 初優勝 女子70㌔級 攻め続け昨年の雪辱】とは、12日付中日新聞朝刊の見出し。柔道といえば、だ。これより先に開かれたドーハでの世界選手権第2日(8日)で男女2階級が行われ、東京オリンピックの金メダルで女子52㌔級の阿部詩(パーク24)が2年連続4度目の優勝を達成。男子66㌔級も阿部一二三(パーク24)が2年連続4度目の制覇。阿部詩との兄妹優勝を遂げた。というわけで新聞の見出しは【安倍兄妹4度目制覇】(10日付毎日)となっていた。

2023年5月11日
 月日は何事もないかのごとく先へ、先へと歩いてゆく。無言で、と思いきや、けさの午前4時16分ごろ、千葉県南部を震源とする地震が発生。東京、川崎を含む関東1円が揺れた。このうち、千葉県木更津市では震度5強を観測。幸い、津波はなかった。

 朝刊によれば、「私が殺した少女」で知られた直木賞作家原寮(はら・りょう。本名孝=たかし)さんが4日午後、福岡県の病院で死去。76歳だった。亡くなられたといえば、NHKの教育番組「できるかな」の〝のっぽさん〟で知られた俳優で作家の高見のっぽ(たかみ・のっぽ。本名は嘉明=よしあき)さんも、2022年9月10日に心不全で東京都内の病院で死去していたことがわかったという。

(5月10日)
 コットンの日。新聞を読むとなんだか毎日が、〇〇の日なのですよね。

 昨夜。岐阜市の長良川球場で中日の公式戦としては6年ぶりの中日ドラゴンズ対広島カープ戦が行われ、ドラゴンズは残念ながら、0-1で敗れた。東京・銀座の高級腕時計店で8日夜、仮面姿の男たちにより多数の腕時計が奪われた強盗事件。警視庁のその後の調べで、逮捕された男4人がいずれも横浜市に住む16~19歳の高校三年生とアルバイトだったことが判明したという。10日付中日朝刊は【高3ら16~19歳関与疑い 銀座強盗 4人互いに面識なし】と報じた。それにしても、このところは物騒な事件が多すぎる。コロナ禍の世にあって、人びとの心が廃れ、壊れてしまった。私には、そのように思われてならない。

 そのコロナ禍だが。8日の対策緩和を機に【水際時間稼ぎに失敗 新型コロナ流行の実像 初期対応の差 データは語る ➊流入➋拡大➌影響➍まん延➎監視】(10日付朝刊、中日)【面会制限5類で緩和拡大 コロナ・病院 一般患者「禁止」1割 本紙調査】(10日付朝刊、毎日)といった具合に、回顧をしながらの問題点洗い直しの記事が目立つ。

 ロシアの首都モスクワの赤の広場で9日、第二次世界大戦時の対ドイツ勝利を記念するいつもの式典があり、プーチン大統領が演説。ウクライナで続ける特別軍事作戦について「ロシアは国際的なテロを撃墜してきた。我々の安全保障を確かなものにしていく」などと述べ、軍事作戦の継続と勝利を誓い合ったという。ロイター通信など各種報道によれば、ロシアの侵攻を受けるウクライナ各地では7日から9日にかけ、ロシア軍による無人機(ドローン)やミサイルによる攻撃が相次いだという。

 米東部ニューヨークの連邦地裁の陪審は9日、およそ27年前にトランプ前大統領(76)から性的暴行を受けたとして米作家ジーン・キャロルさん(79)がトランプ氏に損害賠償を求めた訴訟で9日、トランプ氏に約500万㌦(約6億7600万円)の支払いを命じた。これに対してトランプ氏は自らのソーシャルメディア上で「訴訟はでっちあげ」「彼女のことをまったく知らないし、私のタイプではない」と批判。訴えはキャロルさんの売名行為や政治目的だとし、裁判には出廷しなかった。判決を受けトランプ氏は「ひどく不公平な裁判だ。史上最大の魔女狩りが続いている」などとコメントしている。

(5月9日)
 語呂合わせからなのか。呼吸(深呼吸)の日。アイスクリームの日だそうだ。これからは暑くなるに従い、アイスクリームがおいしくなる。かといって、アイスクリームを食べるとなると。なかなか機会に恵まれない。明日からは愛鳥週間。ニンゲンというもの。いろいろと考えるものである。
 作ると言えば、だ。今話題のチャットGPTなるもの。本日付の中日夕刊【大波小波 チャットGPTが変える文学】を読んだが、AIがいかに「小説」を量産しようと読者はこれまでとは違ったものを求めていくに違いない。それが何かを問うことは、人間とは何かと問うことでもある。-とあったが、その通りである。
 チャットGPTによる小説なぞ、まっぴら御免である。

 中日新聞夕刊の【写記 名古屋城 金シャチ伝2 威光 盗っ人から狙われ】の方が下手な新聞小説に比べたら、ずっとずっと良い。筆がさえ、読者を引きづり込む筆力がある。有象無象(うぞうむぞう)の作家諸氏には、もっともっと読者をひきつける、何よりもわかりやすい文の書き方を学んでほしい。それには努力も大切だ。【は、が、の、を、に】と【ぞ、なむ、や、か、こそ】。これら基本ともいえる助詞を頭にたたきこんでほしいのである。あまり難しいことを言うのもよくないので、ここはこれだけにしておこう。要は、誰の頭にもスイスイと入ってくる文を書け! ということをわたくし伊神権太は言いたいのである。作家の言葉が一部で乱れている。

 ▼WHOが3年余続いたコロナの緊急事態宣言を解除し、感染法上の位置付けも5類に移行した。油断はできないが、社会生活の変化は避けられない。心配されるのが大型連休明けに増える「五月病」への影響である
――とは毎日新聞朝刊の本日付【余録】の1節である。

 飲食店での席の仕切りを片付けるなどいよいよ、コロナ禍で非日常化してしまっていた日常を、【以前の日常】に取り戻す毎日が始まった。私には、この先第9波の襲来も十分ありうると思われるので、しばらくの間はこのままで良いのではーとは思うのだが。そこはけじめをつけるためにも(これまでの仕切り版など)撤去は撤去ということか。
 そういえば、私自身、今なおマスクに手袋をして週一回のレッスンに挑んでいる社交ダンスの方は、この先どうなるのか。コロナの渦中には、フェイスシールに手袋、マスクという重装備でレッスンに挑んでいたが、個人的にはこの際、すべて撤去してしまう方がすっきりして良い気がするのだが。こんご指導に当たる先生は、どういう指示をされるのか。個人的には関心の的でもある。
 実際、コロナ禍の当初、フェイスシールなどをしてやっていた時は、まるで自身が宇宙人にでもなったような気がしていた。それだけに、1日も早く、マスク、手袋の撤回を望みたいところである。これは偽らない気持ちだ、と言っていい。

 けさの紙面で目立ったのは、【「心痛む」おおむね容認 首相発言に与野党 徴用工「蒸し返し」、保守系警戒】【韓国内「期待に及ばず」】【官邸、会見の人数制限継続 感染拡大前の半数未満】【銀座の腕時計店に強盗 関与4人か別容疑で逮捕 にぎわう街で堂々強奪「恐怖感じた」】(9日付の中日朝刊見出し)といったところか。

(5月8日)
 夕刊の見出しはやはり次のようなものだった。
【コロナ共生 本格化 5類移行 脱マスク様子見も】【顔の見える接客徐々に 名古屋高島屋 検温器など撤去】(中日)【コロナ5類移行初日 戻る日常 続く警戒 アクリル板撤去 出社、マスク姿で】(日経)。
 いずれにせよ、私の認識は記事の見出しにあるように、コロナ5類移行初日を迎え、人間社会はこれから、いよいよ新しい時代に突入するというものだ。これはコロナ禍の中にあって、ナンダカンダと言いながらもここまで歩いてきた人々すべてに共通している-と言えるのではないか。

 月曜日。きょうは、これに先立つ朝刊も【コロナ5類】移行に関するニュースが目立った。各紙の見出しは【生かそう3年の教訓 国内3380万人感染 今後は対策個人判断 コロナ5類移行】【首相、徴用工問題「心痛む」 日韓首脳会談 おわび「引き継ぐ」 福島処理水 韓国から視察団】(いずれも中日朝刊)などといった内容。
 なかでも新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが本日8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」へ移行。これまでのように政府が一律に感染対策を求めるのではなく、個人や事業者の判断に委ねられることになった。これにより、過去3年以上にわたった新型コロナ対策は「有事」から「平時」の対応へと、大きく変換したのである。いわば、きょうからは▼新しい時代の到来とあいなった、のだ。私はコロナ禍からの脱出の時代にあって社会は別にコロナ禍だけではなく、文学の世界も合わせて新しい潮流の時代が幕開けした-と。そのように思っている。
 きょうは、5月の風がひときわ強い日である。ちまたは、長い連休が終わり、きょうからまた普通の毎日が始まった。呼吸をしている限りは、誰とて終わりのない人生を生きてゆかねばならぬ。私は、正直言って連休なぞというものは、個人の時間が拘束されがちなこともあり、嫌いだ。それよりは、ごくごく普通の日の方が好きである。なぜか。それは自分のペースでモノを読めるばかりか、自らの原稿執筆にも挑むことが出来るからである。

 ことしは6日に私たち兄妹がこよなく愛し続けてきた母の一周忌法要が江南市内の永正寺であり、それこそ母に育てられた子どもから孫までわんさと高屋の永正寺さんに押し寄せ、引き続き食事会も市内の「魚仙」で行われ、一族郎党が久しぶりに顔を合わせ、随分とにぎやかな1日とあいなった。そして。昨日は中部ペンクラブの理事会が名古屋国際センター会議室であり、どうしようか迷いはしたものの、7月29日には大阪で第5回全国同人雑誌会議があることもあり、その辺のことも気になり顔を出した。

(5月7日)
 早朝。雨のなかを愛猫シロちゃんが居間のドアを手で開けて外へ。しばらくしたら戻ってきたが、こんな土砂降りのなかを一体全体、どこへ。それでも、そこは賢い名犬ラッシーのような名猫シロである。1時間後には走って帰ってきた。やれやれ、である。

 昨年秋に即位したチャールズ英国王(チャールズ三世)の戴冠式が6日、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた。11世紀から続く伝統の儀式は、故エリザベス女王いらい70年ぶり。74歳という英国史上最高齢の戴冠式となった。式には秋篠宮ご夫妻やジル・バイデン米大統領夫人、マクロンフランス大統領らが参列。新たな治世の始まりを国内外にアピールした。5日震度6強の地震に襲われた石川県珠洲市は6日夕、大雨による土砂災害の危険が高まったとして市内約740世帯の1630人に避難指示を出した。雨は降り続いており、金沢地方気象台は6日夜、能登地方に大雨警報を発表。市は避難所も開設し、ブルーシート1000枚を準備。住民らに重大な警戒を呼び掛けている。震度6強の地震は、その後も続発、6日午後4時までの震度1以上は計52回に及んでいる。

 大型連休最終日の7日。3万4000人の観客が詰めかけた名古屋のバンテリンドームナゴヤ。ドラゴンズは巨人に2-1で3試合連続で八回に勝ち越し、今季初の同一カード3連勝で、やっと調子が出てきた。

(5月6日)
 土曜日。きょうは、夏の気配が感じられるころ。春分と夏至の中間の<立夏>である。昼夜の長短で区分すれば、立夏から立秋の前日までが夏となる。

 昨年満102歳でこの世を去った、わたくしが愛するおふくろさん(伊神千代子)の一周忌が愛知県江南市高屋の臨済宗妙心寺派永正寺で行われ、水谷大定住職による法要に続き、一族みんながそろって和田の墓地へ。ここであらためて水谷住職の読経のなか、出席した親族の全員が順番に一本づつ手にした線香を立てお参りをした。引き続き、江南市内の料亭「魚仙」に場所を移し、母の思い出話を1人ひとりがオムニバス方式で語り合いながらの楽しく微笑ましい食事会に移ったが、今は亡き母を語る全員が母を心から愛し、慕っていたことを今さらながら強く感じたのである。母は、子や孫などみんなから慕われ、親しまれ、とてもしあわせな人生を過ごしたな、とあらためて思い、嬉しく感じた。

 1周年忌でおばあちゃんの墓にお参りする孫たち
 

 100歳~101歳のころの母。花も嵐も乗り越えて
 

 江南市和田の自宅にて
 
 
 お世話になった施設(日進町・愛泉館)ではスタッフに助けられピアノの演奏も楽しんだ
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 6日付朝刊は、中日が【石川・珠洲 震度6強 M6・5 1人死亡 東北から中四国で揺れ 町が家が変わり果て】【WHO緊急事態宣言終了 新型コロナ 3年3カ月で節目】、毎日が【石川・能登 震度6強 1人死亡 建物、複数倒壊】【謎多いクレムリン攻撃】【気候革命 太陽光 未稼働10年 長崎・宇久島 地元理解得られず】【立憲と維新 共闘凍結続く】といったものだった。

 わが家の愛猫シロちゃんは、このところ留守番に徹してくれており、つくづくありがたく思う。帰宅すれば、そのつど玄関先まで出てきてくれるオーロラレインボーちゃん。彼女の献身ぶりには感謝のしようもないのである。良きおかあさん。たつ江、舞に育てられただけのことはある。

 シロはきょうもわが家を守る
 

(5月5日)
 午後2時42分ごろ、石川県の能登地方を震源とするマグニチュード6・3、深さ約10㌔と推定されるかなり大きな地震が発生。能登半島突端の珠洲市では最大震度6強を観測。珠洲地方では2021年の春ごろから地震活動が活発化。長時間にわたって継続しているが、最近での最大は2022年6月19日に発生したマグニチュード5・4、最大震度6弱だったが、今回はこれを上回る規模だという。それにしても、能登半島突端部分の珠洲市を中心にこのところは能登での地震の多発が目立つ。能登半島では度々、大きな地震が起きていることも事実だ。
 その証拠に今から30数年前、私が新聞社の七尾支局長をしていた時にも大きな地震があり、雪道をマイカーを走らせ七尾から半日かけ珠洲まで応援取材に駆け付けたことがある。あのときは、現地に取材基地を設け、北陸本社にもカメラと記者の派遣を要請、1週間ほど常時記者5、6人体制で現地取材の采配をふるった。今ではあの日々が忘れられないのである。

 【こどもの日 きょうは子どもの話題が満載です】とは、本日付けの中日新聞朝刊1面である。具体的には【こどもの日関連】として。男女の分担と出生率 核心・声届く環境を 銃撃、貧困…世界の現状 社説・発言「次世代の声」 「ごんぎつね」の魅力 一人一人の権利どうする 「ヤングケアラー」支援は 祖父母世代の関わり方 中日・福 聾学校生から力 家族と過ごすホスピスを 小3、市長への手紙】といった具合だ。
 なかでも軟波社会面トップの【プール こわさないで 児童3人本巣市長に手紙 みんなにある「意見表す権利」】【声生かそう探る自治体】の記事は本文の漢字全てがルビ入りで、こどもにも親切な紙面化に配慮しており、<うわぁ、すごいや>と思ったのである。前向きで、こどもたちにやさしい紙面化への努力は、ほめられてよい紙面構成となっていた。【中日・福 聾学校から力】も<難病の治療で昨秋に戦列を離れた中日の福敬登投手(30)が4日、1軍に合流した。「こんなに早く戻ってこられるとは思わなかった。チームの雰囲気を変えられるのは自分」。2020年の最優秀中継ぎに輝いた左腕は活躍を誓う。>といった内容で、こどもたちはおろか全ての人に限りない勇気と希望を与える内容であった。

 日本相撲協会が4日、元関脇で西前頭13枚目の逸ノ城=本名三浦駿、モンゴル出身。湊部屋=の現役引退を発表。逸ノ城は昨年7月の名古屋場所で初優勝したが、最近は腰痛が深刻化。両国国技館で記者会見した逸ノ城は腰の状態につき「歩くのも横になるのもかなりつらい」と話した。

(5月4日)
 きょうは、「みどりの日」である。
 毎日新聞の1面題字は、毎年恒例の緑の地に白抜きで【毎日新聞】と【いい未来「GREEN」でつくる。】をシロ抜きにしたおしゃれな紙面展開。軟派第2社会面には、36年前の5月3日に兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局で小尻知博記者(当時29歳)ら支局員2人が殺傷された事件を【「言論の自由守る」朝日阪神支局襲撃から36年】と報じた記事が見られた。
 そういえば、私は36年前のあの日、デカ山名物でも知られる能登七尾の仙対橋のふもとにあった新聞社の七尾支局に支局長として務めており、あの日はむろん、しばらくの間、地元七尾警察署のお巡りさんが夜となく、昼となく、朝となく交代による警戒監視で支局周辺を警備してくれていた日のことがついきのうのように思い出される。私も不審なもの(こと)に気付いたら、ただちに所轄の七尾署に届けるよう、しばらくの間は支局員に口を酸っぱくしていたことを思い出した。まだまだ、とても若き日の思い出である。

 ロシア大統領府が3日、ドローン(無人機)2機が同日未明にプーチン大統領が執務する大統領府への攻撃をしたが、2機とも迎撃したと発表。ロシアはウクライナ側によるものだと主張、9日に第二次世界大戦時の対独戦戦勝記念日の式典を控えているためだ、としている。大統領府はプーチン氏の殺害を狙った計画的なテロ行為だと批判。「必要なあらゆる対抗措置を取る権利を留保する」と表明、報復を示唆。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は3日、フィンランドでの北欧5カ国との共同記者会見で「プーチン大統領を攻撃していない」と述べ、関与を否定。プリンケン米国務長官は米メディアのインタビューに「事実関係を確認できていない」と述べたという。

 愛知県半田市の亀崎地区で国重要無形民俗文化財の「亀崎潮干祭」が始まった。
 5月4日といえば能登半島の七尾でも高さ12㍍、重さ20㌧、車輪の直径2㍍とニッポンイチ大きいデカ山で知られる山王神社(大地主神社=おおとこぬしじんじゃ)の春祭り、青柏祭(国の重要無形民俗文化財とユネスコの無形文化遺産に登録)のど真ん中で3両がきょう、七尾の山王神社=大地主(おおとこぬし)神社=に勢ぞろいしたあと、次々と府中波止場に向かったはずである。厳しかったコロナ禍を乗りこえての日本一大きいデカ山だけに、その勇姿を今一度見てみたい気がする。
 祭りが大好きだった今は亡きたつ江、舞とて同じ気持ちに違いあるまい。

(5月3日)
 憲法記念日。日本国憲法はこの日、1947年の施行から76年を迎えた。三男の誕生日である。

 午前中、新聞購読と執筆。とはいっても、背もたれ椅子に背を預け朝刊を購読するうち気が付いたら、グウスカグウスカと、全てを忘れ眠っていた。新聞は【九条の会つなぎたい 発足20年目高齢化で団体減 憲法施行76年】【86歳「戦争だけはいらない」 名古屋空襲の経験語り続ける】(中日3日付朝刊)【きょう憲法記念日 改憲「反対」47%「賛成」を逆転 本社世論調査】(毎日3日付朝刊)といった具合である。

 朝。私の恋人シロちゃんが消えた。どうやら、風を室内に入れるため少し開けたおいた一階リビングの窓を手で開け出ていったようだ。でも、2時間ほどしたら自ら帰ってきたのでホッとした。5月の空のもと、どうやら大好きなおかあさん、伊神たつ江(伊神舞子)の元へ、わが家の近況報告のため出向いたらしい。そのせいでだろうか。帰った時は満足そうな顔をしていた。

 午後。買い物に行き帰ってきたところで。どうにもならない眠さに襲われ、パタンキューと布団の中で大の字になって寝入ってしまった。目が覚めると、午後6時を過ぎていた。さあ~。どうしよう。どうしたらよいか。それでも気を取り直して、お風呂に入る私がそこにはいた。たつ江(伊神舞子)がいたら良いのに。そうだよ、と独り言をいうわたくし。

 それでも、きょう生きていて、とても良かったことがある。それはNHK総合テレビで見た午後10時からの【名品の来歴 ピカソ軽業師百年の謎▽巨匠のたくらみ▽名演奏家の苦悩▽日本で大発見】か。たつ江、舞が生きていれば、間違いなしに見ていたに違いない番組だ。悪いな。俺ばかりが見ただなんて。申し訳ない、と私は独り言を言いながら見たのである。ピカソが描いたサルタンバンク。ピアノの軽業師ホロビッツ。その時代にふたりで行ってみたい。そんな気がした。シロは今、私の後ろのソファで寝入っている。おやすみ。シロちゃん。きょうも暮れゆく。

(5月2日)
 五月。かぜの強い日である。でも、日中、陽射しがベランダに当たっていたころは、陽を含んだ気持ちの良いかぜたちがベランダを通り過ぎていった。五月の風である。

 中日朝刊に【飯館村一部避難解除 復興拠点の全6町村完了】のニュース。記事には、東京電力福島第一原発事故で福島県内七市町村に残る帰還困難区域のうち、飯舘村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)約百八十六㌶は一日、避難指示が解除された。六町村に設けられた復興拠点で住民帰還を伴う解除はこれで完了した。また拠点外で初めてとなる避難解除も公園用地約〇・六四㌶で実施された。/六町村ではかつての中心市街地などを復興拠点として、国が除染やインフラ整備を担い、昨年六月から避難解除を進めてきたものの戻る住民は少ない。今後、住宅が点在する拠点外では帰還意向を調査した上で除染範囲を「特定帰還移住区域」に指定する新たな仕組みで解除を進めるが、復興へのハードルはさらに高そうだ。第一原発の北西約三十~五十㌔に位置する飯舘村は、全損避難を強いられた。二〇一七年三月に面積の95%が避難解除されたが、南部の長泥地区は帰還困難区域のまま残った。……」などと続いている。

(5月1日)
 名鉄の定期バスと犬山線で名古屋金山駅近くペインクリニックへ。
 ここは何事にも、ちょっと神経質な私の瞼と額部分を、70歳を超えたころ、いっとき何かの折に閃光が顔まぶたを右から左に斜めにグサリと刺す如く走り、強い痛みとともにキラリふらふらふわり、と私の顔面を痛めていた時に「当時、妻・舞のお店ミヌエットに来てた常連客(私はその女性を姿勢がよく話し方も、いつもきりりとしていたので〝シャキットさん〟〝シャキットさん〟と勝手に呼んでいた)も同じような症状だってよ。ペインクリニックに行ったら治ったのだってよ」と教えてくれると同時に、私を名古屋まで一緒に連れて行ってくれた思い出のクリニックだ。
 というわけで、あのころ、私の頭を〝閃光〟が走るが如く痛めた、不思議な病は、その後数回ほど通ったら、嘘のように完治したのである。デ、今回はあのころのことを思い出し、半年ほど前に受診に訪れ、以降は1カ月に1度の間隔でおとずれている。

 というわけで、私はここ半年ほど前から、この金山ペインクリニックに通っているが〝閃光痛み〟は既に改善されている。ただ、血圧が少し高いということで安全を期して1カ月に1度のペースで通っているが、きょうのクリニックでの医師による測定によれば、血圧は137~87ということで「少し高い程度ですね」ということである。でも、ね。きょうの場合は予約時間に間に合わすため、名鉄金山駅がクリニックまで走ったので。それが影響しているはずで、問題は全くないーとワタクシは思っている。私は70歳になるころまでは薬ひとつ飲まないからだが自慢でもあったのだが。寄る年波には勝てないということか。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年4月~)

2023年4月30日
 日曜日。アフリカ北東部スーダンから周辺国のジブチに退避した日本人とその家族計48人がきのう29日朝、ジブチ発のチャーター機で羽田空港に到着。帰国した。羽田空港では、現地で医療支援をしていた北九州市の認定NPO法人「ロシナンテス」の理事長で医師の川原尚行さんが「いろいろな方のご尽力で帰国でき、感謝の気持ちでいっぱいです。日本政府は国際協調をもって停戦実現に向け、動いてほしい。停戦が実現し治安が維持されるなら、再び戻って支援をしていきたい」などと語った。

 けさの新聞の見出しは【コロナ制限緩和4年ぶりの大型連休 慎重? 東海人気質 「マスク旅先でも」「近場でプチ贅沢」「同調と配慮 日本人の象徴」 東名15㌔渋滞 新幹線は混雑なし】【Jリーグ30年で初 女性3人審判 横浜Mー名古屋 冷静にジャッジ】【庶民の味 記録的不良 大アサリ 高級品に!? 渥美半島、原因分からず】【サイバー攻撃3月以降頻発 企業や官庁 G7で標的か】(30日付、中日)【GW戻るにぎわい 笑顔見える観光地】【GWコロナ前の人波 水際終了訪日客も増加 マスク着用半分 名古屋城入場待ちの行列】【小型観光船初日は欠航 高波、全便「安全運航重ねる」知床】【首相5月上旬訪韓へ シャトル外交再開 7~8日案】(30日付、毎日)といった具合。世の中は、日々、このように動いている。

 わが家のアイドル猫、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、このところアレヤコレヤと留守番続きだったが、彼女ならではの機敏な判断と的確な感覚でわが家を守ってくれており、不在時には助けてもらっている。
「あのねえ。シロちゃんはね。何も言わないがあたしたちのこと何でも知っているのだから。大切にしなければ。ネっ」といった舞(たつ江)の声が天と地の底から聴こえてくる。ほんとにそのとおりである。シロよ、シロシロ。シロちゃん。いつもありがとうね。
 ところでシロちゃん。そして今は亡き妻、舞よ舞。加賀乙彦さん・山本源一さん・黒田杏子さん・長谷川園子さんを偲ぶ会、みんなの温かい応援と協力で無事終わったからね。安心してくれたまえ。」
 ありがとう。きょうも朝から小雨が降っている。これは涙雨か。

 何でも知っているシロちゃん。無事、留守番の大役を果たし、ホッとしたか。
 
 

(4月29日)
 土曜日。昨日の金曜日、東京へのとんぼ返りを終え、少しホッとしたといったところか。それでも本欄(一匹文士)を書くことだけは自身に課した至上命令だ。それだけに、何はともあれ、深夜未明に帰宅後は少し寝て、疲れたからだに鞭打ち、東京行きのエキスだけは書き終えたのである。
 若いころなら、これしきでは決して疲れない強靭な体力で日々、ハードな毎日をこなしたものなのだが。これも年、いわゆる年齢というものなのか。東京・市ヶ谷の駅ホームで帰りにたまたま、この世、いや宇宙で初めてお会いした心やさしい30前後の若者。彼の目には、今なお【青年】のつもりでいる私(わたくし)が、やはり、とぼとぼよぼよぼした【田舎のおじいちゃん】に見えたのかも知れぬ。いや、見えたに違いない。
 実際、彼のいうとおりで【一期一会】の運命なのか。彼と私は、この先よほどの奇跡が起きない限り、この広い宇宙で永遠に会うことはないに違いない。第一、互いに相手の名前も住所も知らないのだ。御茶ノ水駅まで親切にして頂き、そこのプラットホームでお別れし、それっきりの偶然の出会い。ただ、それだけのことなのである。
 よくよく考えれば、この世に住むニンゲンたちは皆、奇跡という幻の道を日々、歩いているのかもしれない。

(4月28日)
 金曜日。久しぶりに新幹線に飛び乗って東京へ。とんぼ返りで行って来た。
 この日、東京・千代田区九段北のアルカディア市ケ谷私学会館であった【脱原発社会をめざす文学者の会の2023年度総会】と先に亡くなった【加賀乙彦前会長・山本源一初代事務局長・文学者の会会員だった黒田杏子さん・同長谷川園子さんの4氏を偲ぶ会】に出席するためである。総会では加賀乙彦さんを名誉会長に、今後は森詠(作家)、川村湊(文芸評論家)、村上政彦(作家)=いずれも会員=の各氏を三頭立て共同代表とすることで一致。引き続き、加賀さんら4氏を偲ぶ会へと移った。
 偲ぶ会は会場一角に4氏の著作物を中心に原稿や遺影などゆかりの品々が並べられたなか、竹内充文学者の会事務局長の司会で始まった。最初に加賀さんに対する別れの言葉を森詠さんが話し、次いで山本源一さんには俳優で作家の中村敦夫さん、黒田杏子さんには詩人の森川雅美さん(森川さんは自作の詩「ゆっくりと歩く~黒田杏子さんを悼む、を朗読)、そして長谷川園子さんには平和な世の中の実現を願い続ける一匹文士=いっぴきぶんし=である私(伊神権太)が、それぞれの思い出を話す手順で進んだのである。
 この日は【戦争体験 本や講演で後世に発信 長谷川園子さん死去】と報道された27日付中日新聞尾張版も並べられ、熱心に記事に見入る姿が相次いだ。

 現在は北海道在住で日本文学界を代表する著名な文芸評論家で、三頭立て共同代表のひとりでもある川村湊さん。ほかにご自身も東日本大震災と福島第一原発事故の被災者で先日新たなレコーディングを終えたばかりのミュージシャン橘光顕さん(福島県浪江町)ら一部お会いして話をしたい方に会えなかったことをのぞけば、かつては〝木枯し紋次郎〟としてこの世を席巻(いやいや、今もであるが)、一人芝居「線量計が鳴る」(朗読劇 元・原発技師のモノローグ)を全国各地で上演し、脱原発社会実現への情熱はいまなお、永遠に衰えることなく、人一倍の努力家だと言ってもいい中村敦夫さん(俳優で作家)、ほかに森詠夫人で、いつもやさしい微笑みとまなざしで私たちに勇気と希望を与え続けてくださっている作家森千春さんら多くの方々にも久しぶりにお会い出来、私自身、脱原発社会への思いをいっそう強く、新たにして帰ったのである。

 そして。きょうの会を通じ私がイイナと思ったお方は、ほかにも多かった。
 故ノーベル文学賞作家川端康成さんをご自身が若いころから何かと支え続けた高田幸子さん、そして脱原発社会の実現をめざしてきょうも、あくなく書き続ける谷本多美子さん、水畑美奈子さんら。歌人の北久保まりこさん、詩人野武由佳璃さん……と文学者の会を支え続ける女性パワーが健在なことを改めて思い知ったのである。脱原発社会をめざす一方で新しい文学の新たな炎、一ページがこれら女性会員の力でこの先パチパチと日本はもちろん、世界中に音をたてて燃え上がったらイイナとの思いをいっそう強く、新たにしたのである。

 ここで、ひそやかに。でも今後の新しい文学界の到来を願って開かれた加賀乙彦さんら4氏を偲ぶ会の寸描を、写真で紹介させていただこう。

 偲ぶ会は全員黙とうに続き、日本文藝家協会・斎藤剛さんの音頭で献杯して始まった

 源さん(名編集者だった故山本源一さん)について別れの言葉を述べる中村敦夫さん
 

 亡き人について談笑する文学者の会の仲間たち
 

 亡き人の本や遺影、生原稿などに見入る来場者たち
 

 会場一角には長谷川園子さんの戦争体験の語り部としての貢献度を紹介した中日新聞の記事も並んだ
 
 
   ※     ※
 東京からの帰り。市ヶ谷の駅で北海道出身だと言う若者に東京駅までの道順を問うと、「私も同じ方向に行きますから」と御茶ノ水まで同行してくれ「ここから中央線に乗られたら良いですよ。これも一期一会。不思議なご縁ですから」と思ってもいないほど親切に道案内をしてくださり、私は感激したのである。それとも、この私が、よほどヨボヨボの老人に見え、心配して御茶ノ水までついてきてくれたのかもしれない。いやいや、純粋な気持ちで教えてくださったのだーと自らに言い聞かせる私。おかげで午後10時東京発名古屋行き最終便のぞみ499号自由席に滑り込みセーフで間に合ったのである。

(4月27日)
 金曜日。加藤勝信厚生労働相がこの日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けについて予定通り5月8日から5類へ移行する、と発表。政府としての正式発表となった。60年を超える原発の運転延長を可能にする束ね法案「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」がこの日、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党などの賛成多数で可決され、衆院を通過。新聞は【「原発60年超」衆院通過 運転期間上乗せ可能に】(中日)などといった見出しで報じた。

 北ア・上高地で登山シーズンの幕開けを告げる開山祭が梓川のほとり、ウエストン碑の前で行われた。ことしはコロナ禍や大雨の影響もあり、通常規模での開催は4年ぶりだという。松本といえば、はるかなる昔、私の駆け出し時代に所属した松本支局で当時、南安曇郡を担当していたころ、毎年、オートバイで取材に訪れたものである。

(4月26日)
 朝から雨、雨、雨。「何でも知っているはずのシロちゃんは、布団の中でくるまったまま。午後4時ごろになり、やっと空が晴れてきた。

 新聞の朝刊は【スーダン邦人ら58人退避 自衛隊機など 希望者残り1人】【バイデン氏 再選出馬表明 24年大統領選 動画で「自由守る」】【ピシッと下げて50年 ナナちゃんの肩 実は回るよ 28日〝誕生日〟お祝いムード】(中日)、【バイデン氏 再選出馬表明 トランプ氏と「再戦」も 米大統領選】【「安全実現を」高齢遺族訴え JR福知山線脱線 事故18年で追悼式】【「女性トイレ制限」見直しか 性同一性障害職員 最高裁、6月弁論 人事院判定 高裁は「適法」】(毎日)といった記事が目についた。
 このうち50歳の誕生日を迎えた名古屋・名駅の名鉄百貨店前のナナちゃん人形〟は、とても懐かしい。というのは、ナナちゃん人形が誕生してまもないころ、当時新聞社の社会部サツ回り(名古屋中村署)だった私は、ナナちゃんのお色直しのたびごとにデスクからの手配で、よく取材したものだからである。そのナナちゃん人形が今も健在で市民のアイドルなのである。息が長い、とはこういうことをいうのか。
 JR福知山の脱線は、乗客106人と運転士が死亡した兵庫県尼崎市で起きた事故で、追悼慰霊式には遺族らが参列し犠牲者を悼んだという。午後には献花も行われ、大勢が訪れた。

(4月25日)
 きょうは、数日前の温かさとは打って変わり、とてもこ寒い日だ。賢いシロは敏感で、室内のあったかい場所または布団の端っこで丸まったままだ。1日じゅう、小雨が舞う暗い日でもある。

 本日付の夕刊は。【スーダン邦人退避完了 首相表明 首都の希望者、計58人 新たに72時間停戦合意 順守は不透明】【一人ではできなかった。感謝 退避の邦人「経緯言えない」】(中日)【「緩やかに持ち直し」維持 倒産「増加みられる」 4月月例報告】【米地銀FRC(ファースト・リパブリック・バンク)、預金4割減 1~3月33%減益 人員25%削減へ】(日本経済新聞)で、やはり安否が気遣われていたスーダン邦人の退避完了にはホッとしたのである。それも救出に当たったのは航空自衛隊小牧基地から飛び立った輸送機とあっては、なんだか嬉しい気もする。
 小牧基地は私がかつて空とぶ記者だった、空港記者をしていたころ、何回となく災害や事件現場への取材などで飛び立った思い出の基地だ。それだけに、こうした緊急時の成果には「やった」と拍手を送りたい。在任中には編隊飛行中のC1輸送機の鳥羽市菅島への激突事故や仙台空港沖への民間小型機墜落、さらには北海道オホーツクの海へのソ連機による大韓航空機撃墜、日航ジャンボの御巣鷹山への墜落など。多くの命を容赦なく、のみこんだ悲し過ぎる事故も多かった。それだけに、本来の業務に携わる隊員たちの心はいかばかりか。出来たら、私が現場に飛んでいきたい、と。そんな気がするのである。
 今回は、あのC130輸送機が中心のようだが無事任務を終え、全員を救出し帰国する日を待ち遠しくも感じるのである。C130H輸送機のハーキュリーズは同機が小牧基地に配備された際に最初の試験飛行で登場させていただいたジャンボ救援機だっただけに、特別の愛着も深まろう-というものである(今回のC130は、ずんぐりむっくりした機体として定評があった当時のハーキュリーズとは少し違う機材のような気がするのだが……)。

2023年4月24日
 月曜日。北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故からきのう23日で1年。乗客乗員26人のうち20人の死亡が確認された一方、6人は依然として行方不明のままだ。
    ※    ※

    ☆    ☆
 第20回統一地方選の後半戦と衆参5選挙区の補欠選挙が昨日全国各地で投開票され、選挙に揺れた日本中に点在する、あの町この町の全体がなんだかホッとしているみたいな、そんな気がしてしまう。候補者はむろん、各陣営の人びと、そして各マスコミの取材スタッフも含め関係者の誰もがホッとしているに違いない。候補者の中には当然ながら涙をのんだ人たちがいる半面、栄冠を勝ち取った人々も多いに違いない。そして、保守分裂の一騎打ちとなったここ江南市長選は現職の沢田和延さん(68)=自民、立民、国民推薦=が新人で元市副議長の宮田達男氏(56)を破って三選を決めたのである。

 というわけで、けさの新聞は【自民 衆参補選4勝1敗 立民敗北、維新和歌山制す】【瀬戸市長に川本氏 江南沢田氏が3選 田原は山下氏】【女性ゼロ解消5人全員当選 みよし市議選】【26歳最年少市長 兵庫・芦屋】【大泉洋さんの兄 函館市長に当選】(24日付中日)【衆参補選 自民4勝 千葉・山口・大分 和歌山は維新】(24日付毎日)……と選挙中心紙面。ほかに【知床の海 犠牲者思う 観光船沈没1年追悼式典】(24日付中日)といったところか。

 選挙中心の紙面となった24日付朝刊
 

(4月23日)
 午後。統一地方選挙の投票(市長選と市議会議員選挙)に自宅近く江南市の中央コミュニティ・センターへ。清き一票を投じた。

 第20回統一地方選後半戦の市町村長選と市町村議会、東京都の区長選と区議選の投票日である。私は4年前、今は亡き妻のたつ江(伊神舞子)がまだ元気でいたころのことをふと思い出し、投票所に一人で足を運んだ。ここ江南市は市議会議員の定数が2人削減され20人になったところに29人が立候補するという激戦区、過酷といってもいい市議選となった。また市長選の方も新人と現職の真っ向対決となかなか厳しい選挙戦である。それだけに、市民の判定がどう出るか、は関心のあるところだ。この日は衆院千葉5区、和歌山1区、山口2、4区と参院大分選挙区の衆参5補欠選挙の投開票もあった。

 愛知県江南市の曼陀羅寺公園で名物のフジが見ごろを迎えた-とは、中日新聞朝刊23日付の【通風筒】。その傍らには【双葉町復興の汗 拭える糸を 新工場稼働 安八の浅野撚糸 タオルショップも併設】とそれこそ、心温まる記事。
 特集といえばだ。【ありがとう豊田章一郎さん 中部経済発展に尽力 未来へつなぐ功績】【研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし「豊田綱領」より】といった紙面か。これは2月に97歳で心不全で死去したトヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんをしのぶ「お別れの会」(24日)を前にした紙面展開である。

 当選に歓喜する陣営がいれば、「お別れの会」を前に結集する人々あり、か。人生はいろいろ、社会もいろいろである。

(4月22日)
 ここ数年というもの、最初は亡き妻たつ江(伊神舞子)との縁がきっかけで、あれやこれやと交流があった、日本ペンクラブ会員で「脱原発社会をめざす文学者の会」の会員仲間でもあった長谷川園子(そのこ)さん。その彼女は先月23日にがんで自宅療養の末、命を落とし黄泉の国に旅立たれた=享年92歳=が、亡き遺体がこれまで火葬されないままできた。高齢の実姉など肉親の事情もあって、死亡届が地元江南市役所に出されるのが大変、遅れたためだがこの間、生前、親しくされていた隣人の井戸勝子さんはじめ、園子さんの運転手役を自らかって出ておられた竹内さん、医師である川島さんご夫妻らの献身的なお骨折りもあってきょうになり、やっと、平安会館の岩倉斎場で簡単な葬儀が催され、ごくごく親しかった人々との別れの時がきたのである。

 22日正午過ぎ。いよいよ出棺の時が訪れた。私は1カ月の長きにわたって津島市の霊安室(冷凍保存)でずっと安置されたままだった〝そのこさん〟の遺体が晴れて岩倉斎場(岩倉市東町)に移されてきて内心、ホッとした。そして彼女の、まるで生きておいでのような、あのカキッとしたお顔を前に、私は手をあわせ「長い間、おつかれさま。毎年夏が訪れると、あなたはご自身の空襲体験を市民にお話しされ、地元の子らを前にノーモア戦争を強く訴え続けてこられた、その熱意と一途な精神には脱帽です。心から感謝しています」と呼びかけたのである。〝そのこさん〟は、「当然のことだよ」と言いたげな面持ちで、ウンウンと頷いておられるようでもあった。
 そして。いよいよ出棺の時がきた。道路一つを隔てたお隣さんで最後まで〝そのこさん〟を見守り続けてくださった心やさしい井戸勝子さんの胸に抱かれた遺影と共に、名古屋市八事の火葬場に向われるその時。私は彼女が大好きだった【ゆうやけこやけ】と【ふるさと】、そして【あおげばとうとし】をハモニカ演奏。心の中で<今こそ別れめ いざ、さらば>と別れの言葉を告げたのである。井戸さん。かわしまさんご夫妻。たけうちさん。さかいさん……。みんな好い人たちばかりに送られよかったよね。お疲れさま、と。そう呼びかけたのである。

(4月21日)
 金曜日。【消費者物価3.1%上昇 電気代抑制でも高水準 3月、19カ月連続プラス】【温暖化ガス、8年ぶり増 21年度2% コロナ緩和で反転】【危機管理庁今秋めどに 改正法成立へ 感染症対策の司令塔】とは、本日付の日本経済新聞の夕刊の見出し。同じ本日付中日夕刊の見出しは【AOKI前会長ら有罪 東京地裁 五輪汚職で初判決】【自衛隊機午後にも出発 スーダン邦人退避 小牧からジブチへ】というものだった。ちなみに、五輪汚職の判決は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)であった。

 このところは、「脱原発社会をめざす文学者の会」の文士刮目(24回目)の前出し原稿の執筆に追われ、ほかにも日々の〝一匹文士〟の執筆など睡眠時間を削り、何かとハードな日が続いた(文士刮目の公開予定は、5月の第1金曜日)。今回の文士刮目は、【ドイツの脱原発の完了】に焦点を絞ってみたが、なんとか書き上げることが出来、午前零時前には約束どおりに出稿し、肩の荷が下りた次第。来月には公開されるので、一人でも多くの皆さまに読んで頂ければ、光栄である。それにしても、下手なことは書けないだけに、あれやこれやと資料をあつめ読み解いたうえで一匹の魚の調理をするように書き上げたのである。結構の腕力(文腕とでも言えようか)がいることも確かだ。

(4月20日)
 穀雨。穀雨とは、穀物をうるおす春の雨が降るころの意で、このところの数日間はそんな雨に恵まれた、ここ濃尾平野だった。だが、しかしだ。きょうのこの地方は日中に25度を上回る【夏日】となり、外に出てもとても暑い1日となった。
 午後2時過ぎ、帰宅した私は自室で執筆を続けるに当たり、ことし初めてのクーラーをしばらくつけた。そして月刊ドラゴンズ5月号を手に、毎月楽しみにしている【愛子のインタビュー】を拝読。今回は福永裕基さんが対象選手で、4年ぶりの対面取材もあってか、とても中身の濃い良い記事であった。

 朝。舞が玄関先に残し、つい最近になって生前の舞(たつ江)に習って私が育てた鉢植え花壇の花たちに水を与え、玄関に入ろうとすると、まるでその時を待ち構えてでもいたように小さな虫1羽が、ふんわり、ふわふわりと大気を胸いっぱいに吸い込むようなしぐさで大空に飛び立っていった。あっ、舞だ、マイに違いないと思う私。相前後して愛猫シロも、嬉しそうな顔で外に出た。「どちらも気をつけるのだよ」と私。

 飛騨古川では気多若宮神社の例祭「古川祭」(国の重要無形民俗文化財)の主要行事「起し太鼓」が昨夜(19日)、町中心部で催され、男衆らが4年ぶりに大太鼓を乗せた櫓を動かして町内を練った。そして悲しい話といえば、だ。【瀬戸黒】の国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)で知られた岐阜県瑞浪市出身の陶芸家、加藤孝造(かとう・こうぞう)さんが、17日午前5時、急性心不全のためこの世を去った。88歳だった。そんななか、明るい話題といえば、中日新聞の20日付通風筒で報じられていたニュース「福島県いわき市の温泉施設スパリゾートハワイアンズ」の新人フラガール6人が19日、養成所で初レッスンに挑んだ-ということか。

 目を世界に転ずれぱ。アフリカ北東部のスーダンで政府系の準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)と正規軍が衝突、多数の死傷者が出ており、こんご内紛が全土に拡大する恐れもあり、事態の深刻化が懸念されている。

(4月19日)
 水曜日。朝刊には江南市長選と市議会議員の選挙公報が挟まれ、街の至るところ各陣営の選挙カーが行き交い、この町も選挙一色の観である。笑顔で通り過ぎる候補者がこの時ばかりは市民の要望に応えてくれる気がするから不思議だ。公報には【令和5年4月23日執行 江南市長選挙公報 投票は未来を決める 羅針盤 江南市選挙管理委員会】といった記述も見られた。

 そして。新聞本紙の方は毎日の女の気持ち「思い出の曲 北海道岩見沢市 藤塚幸子 無職76歳」(19日付)中日のくらしの作文「五月人形 田中三佳 パート・55歳」(19日付)といずれも、とても胸に迫る文なのである。文といえば、毎日朝刊の小説【青嵐の旅人(天童荒太、高杉千明画)】【兎は薄氷に駆ける(貴志祐介 サイトウマスミ画)】も読みがいがあって、一匹文士としては日々、とても参考になっている。とはいえ、私にとって最も勉強になるのは一般市民によって思いの丈がすなお、かつ正直につづられた【くらしの作文】と【女の気持ち(男の気持ち)】なのである。青い作家たちがその気になって書くのは大いに結構なのだが、ひとりよがりではいけない。文の向こうには多くの無垢の人たちがいることを決して忘れるべきではないというのが、わたくし一匹文士、伊神権太の考えであり、かつ哲学なのである。人々の胸に迫る文でなければならぬ、のだ。

 けさの新聞。【学術会議 政府に勧告 法案提出やめ協議の場を】【容疑者 参院選巡り国提訴 首相襲撃 選挙制度に不満か 安倍元首相国葬も批判】【中国の核拡大に懸念 G7外相声明 対ロ支援停止も要求】(中日)【日米首脳夫人 友好の桜植樹 ホワイトハウスで】【J・プライスさん死去 93歳 若冲再評価の立役者】(毎日)が目に入った。なかでも訪米中の岸田文雄首相の妻裕子さんが17日、ホワイトハウスを訪問。バイデン米大統領の妻ジルさんと懇談、このあとホワイトハウスの南庭に友好のシンボルとして桜の若木を一緒に植えたとのニュースは世界にポッと明かりをつけるような話題で、とてもよかった。クレムリンでプーチン大統領夫人も交えて日本のソメイヨシノの植樹をしてみたらどうか。この世は、ウクライナ戦争のただ中である。

(4月18日)
 深夜未明にかけ。水野敏子さんの本を読み始め、上には上があるナ、と思った。と同時に、たつ江が苦しみながらも水野さんに診ていただいたことは振り返れば、本当に良かったとつくづく思った。水野さんは、本当に努力家である。

 午前中、業者の方に来て頂き、1階トイレの水が出るよう直してもらい、ついでに2階トイレもチェックしていただき、ホッとした。シロちゃんは、修理中ずっと心配そうな顔で見守っていたが、全部直ると安心したような顔をして外に出かけた。シロにもトイレが故障していたことが分かるのだ、とつくづくそう思う。たつ江、すなわち伊神舞子がいつも言っていたように「シロは伊神家のことなら、それこそ何でも知っている」。シロは何でも知っているのである。

 新聞の方は先日あった岸田首相の襲撃事件と沖縄県宮古島周辺で消息を絶った陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプター墜落事故その後、統一地方選の告示(16日)、札幌市で開かれていた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合などにつき報じている。
 具体的には【金属の筒 40㍍先で発見 殺人未遂容疑視野に 首相襲撃】【陸自 機体と5人発見 ヘリ事故4人引き揚げ】【化石燃料段階的に廃止 天然ガス含むG7環境相、初合意】(毎日)【豊明と日進 無投票当選 市長選 瀬戸と江南は選挙戦】(中日)といった具合である。

 きょうは午後3時から私も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」のオンラインによる幹事会に出席。28日の2023年度総会に続いて東京のアルカディア市ケ谷私学会館で開かれる故加賀乙彦同文学者の会前会長、山本源一初代事務局長、会員だった俳人黒田杏子さん、同作家長谷川園子さんの4氏を偲ぶ会を開くことを最終決定。私は会議終了後、園子さんが生前、お世話になった皆さんにこの旨を電話とメールで要点だけを簡単に報告させて頂いた。園子さんの遺体は、肉親が見つからないまま冷凍保存されたままだが、つい最近になり、やっと肉親が見つかり、荼毘にふされることになったという。それにしても。人生の最後の最後まで園子さんの苦労は大きかった。なんということなのだ。

(4月17日)
 本日付の日経夕刊1面は【天然ガス段階廃止合意 G7環境相、共同声明 車のCO₂排出「35年までに半減」】の見出し。そして中日夕刊1面は【首相襲撃ナイフも所持 容疑者黙秘 自宅から管や粉末】と首相襲撃の続報、さらには先に沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊UH60JAヘリコプターが行方不明となった事故で【陸自ヘリ 2人死亡確認 機体胴体は破損 海底に別の3人】と報じている。

 それはそうと、統一地方選挙の後半戦の方だが。水戸、津、高松、長崎、大分の県庁所在地5市を含む全国88市長選が16日に告示され、計177人が立候補。大分市など全体の約3割に当たる25市で無投票当選が決まった。女性候補28人は過去最多、割合も15・8%で過去最高となった。この日は294市議選、東京都の12区長選と21区議選も告示され、区長選には計33人が立候補。うち14人が女性で過去最多だったという。

 月曜日。平和堂リメイク工房へ。先日、お尻の部分でベリッと音がして避けてしまったズボンと、だぶだぶでいつも下に落ちてきてしまうパジャマの腰回りを直してもらうためである。加工承り伝票によれば、➊グレーPT 尻やぶれ直 ミシン目めだちます➋ムラサキPT ゴム入れ替え W90cmとなっており、合わせて4950円ナリ、となっていた。あ~あ、とため息が出てしまうがパジャマは舞が買ってくれた思い出がつまった寝具であり、ズボンは、はきやすくて日ごろから重宝していたものだけに、「お客さま。どちらも改めて買われた方が安くあがりますけれど」との声をよそに、どちらも思い切って手を入れ、直して頂くことにしたのである。
 なかでもパジャマは、私がとても気に入ってこれまで使用してきた者だけに、そうやすやすと手放すわけにはいかない。それと、舞との思い出が染み、いつも一緒に歩いてきたパジャマだからだ。それにしても、彼女がこの世を去って以降というもの、私はこのリメイク工房を利用することがめっきり多くなってしまった。元々は舞の付き添いで、ごくごくたまに訪れていたのに。まさか、私ひとりで来るようになってしまう、だとは。なんだか、寂しい。

2023年4月16日
 日曜日。きょうは天気がよくて良かった。法被姿の花霞町子ども会の子らが担ぐ神輿が家の前の道をワッショイ、ワッショイと通り過ぎてゆく。こどもたちはたぶん、みこしを担いでワッショイと町を練り歩いていった、その時のことを、いつまでも忘れないだろう。
 ふつうの町。ふつうの生活。ふつうのお祭り。神輿を担いでの〝ワッショイ〟〝ワッショイ〟のかけ声。これこそがコロナ禍からみんなで立ち直ろうとする今こそ、大切だと思う。

 先日、玄関先の鉢植えに植えておいたスーパーベルポケットブルーとポケットピンクが思いがけず、花を咲かせてくれ、ホッとした。思えば舞は、いつだってわが家の玄関先を色とりとりの鉢植えの花々でいっぱいにしていてくれた。そんな彼女の努力にも気づかないでいた自身を今ごろになって深く恥じ入っている私である。でも、私なりの肥料と水やりで曲がりなりにも「花は咲いた」。

 思いがけずかわいい花を咲かせてくれた=わが家玄関先にて
 

 きょうは、息子とともに亡き妻伊神舞子(たつ江)の眠る永正寺永代供養集合墓【濃尾の大地】へ。舞の月命日はきのうであったが、雨降りだった。このため1日遅れてのお参りとなったが、きょうは朝から天気も良く、行ってよかったと思う。留守番をしてくれたシロちゃんには、日ごろの労苦に感謝の気持ちを込め、先日社友会から頂いた青いドラバスタオルを進呈。うれしそうな表情に良かったナと心底思ったのである。シロよ、シロ、シロちゃん。いつも本当にありがとうね。オトンは、ね。おまえがいるから生きていける。
 ドラタオルに満足そうなシロちゃん(オーロラレインボー)
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 日曜日。けさの新聞の1面見出しは、やはり【岸田首相演説直前爆発 首相無事 24歳容疑者逮捕 和歌山補選 パイプ爆弾? 投げつけられ 警察官1人軽傷】(毎日)【首相演説直前に爆発 筒投げた24歳逮捕 威力業務妨害容疑 衆院補選の和歌山 首相から1㍍ 煙と爆発音】(中日)というものだった。
 それから。中日新聞の【<ニュースを問う> 「特攻」のメカニズム10 凍土より帰還➋ 抑留1年余 迎えの船に涙 加藤拓(読者センター)】がなかなか読ませた。

(4月15日)
 土曜日。立山連邦を貫き富山、長野両県を貫いて結ぶ山岳道路「立山黒部アルペンルート」が15日、全線開通した。標高2450㍍の室堂ターミナル付近では雪の壁が視界に飛び込み、観光客を喜ばせた。

 この世は、いろいろ起きる。きょう午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援に訪れていた岸田首相が漁港の視察を終え応援演説を始めようとした矢先、突然大きな爆発音がして白煙が上がった。近くにいた男が発煙筒のようなものを投げつけたためで現場にいた警察官や漁師ら数人で取り押さえ、男は威力業務妨害の疑いで逮捕された。男は兵庫県川西市に住む木村隆二容疑者(24)で、調べに対して「弁護士がきてからお話しします」と話しているという。それにしても、ひとつ違えば、安倍首相銃殺事件の二の舞になるところだった。日本中がドキリとさせられた1日である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 土曜日。外は朝から小雨が降っている。きょうは舞の月命日のため、仏壇前のお水を替え新しい蠟燭と線香をたて、彼女の仏=静汐院美舞立詠大姉=の前で手を合わせ頭を下げた。もちろん、シロちゃんも一緒に、である。
 
 舞の仏前に手を合わせた
 

 きょうのビッグニュースは、何と言っても中日新聞1面トップのベルリン=共同電原稿の【ドイツ脱原発完了へ 福島事故後G7初 処分場選定、廃炉作業…重い課題】【日本は「活用」違い鮮明 次世代型開発運転期間延長】である。ほかには【発射は固体燃料「火星18」 北朝鮮報道 3段式角度替え飛行 日本、落下予測で混乱か】。そして高山祭りの【古い町並み 絢爛春の宵 6年ぶり夜祭】といったところか。

 ドイツの脱原発完了を報じた中日新聞朝刊1面
 

 と。ここまで書いたところで、スマホからいつものピコピコの電子音。何事か、と開くと【(和歌山)岸田首相の演説会場付近で爆発音 岸田首相は演説の直前で無事 会場にいた男が爆発物投げ込みか】というものでNHKテレビをつけると、男が取り押さえられる現場の状況と緊迫した生々しい状況が繰り返し報道されていた。世の中、いつ、どこで何が起きるか知れたものでないとは、このことか。

 昼前。雨天のなか、こんどはワッショイ、ワッショイの黄色い声が近づいてきた。法被姿のこどもたちに、ついつい玄関ドアを開けて「がんばってね」「ごくろうさま」と1000円札1枚を、待ち構えるように玄関先に立つ子どもたちの代表に手渡した。そういえば、たつ江(伊神舞子)が健在のころにはふたりして法被姿の子らを笑顔で何度も見守ったものである。

 今は亡きたつ江、舞といえば、だ。緩和病棟に入院する前、自宅で最期の闘病生活を過ごしていたころに、しばしば治療にきて頂いた元看護師長水野敏子さんが『看護はよろこび-緩和ケアの現場から(三恵社)』という題の立派な本を出され、送られてきた。本には【伊神さま 奥様のケアが昨日のことのように思い出されます。「泣かんとこ」を出版され、ほっとされたことでしょう。その節はありがとうございました。どうぞお体を大切に、巡りくる季節を健やかにお過し下さるようお祈り申し上げます。 水野敏子】とあった。
 私たちは舞の命が扉を閉じかかった最期になって水野さんのお世話に何度もなり、心から良かったナと有り難く思っている。水野さま。わが愛する舞が天国に旅立つ前に本当にお世話になり、ありがとうございました。ご本の出版、心からおめでとうございます。私が舞の仏前に本を供えたのは当然のことである。

 水野さんが出版された『看護はよろこび-緩和ケアの現場から(三恵社)』
 
 
 さて。話しは変わって。こんご、私にとっての新しいことがあれば【発見】として記録しておくことにした。
【発見】私の誕生日が水曜日だった、ということ。これまで当然ながら生年月日までは親に何度も聴かれてきたが。何曜日だったか、は聴かされもしなければ聴きもしなかった。ある人に「水曜日ですね」と教えられたのでスマホで確認したら、本当に水曜日であった。

(4月14日)
 岐阜県高山市の「春の高山祭」(国の重要無形民俗文化財)がこの日、市中心部で始まった。中日新聞夕刊によれば、周辺に桜がまだ残る観光名所「中橋」付近で4年ぶりに屋台が曳き揃えられたという。
 きょう自宅近くの古知野食堂でとん汁を、ことし初めて食べた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 金曜日。朝。午前10時過ぎ。シロ=オーロラレインボー=は、わたくしと一緒におかあさんが大好きだった♩エーデルワイス、そして♪みかんの花咲く丘の2曲をユーチューブで聴いたあと、お外に出ていった。天上のおかあさんに会って、1階と2階にあるトイレのうち1階のトイレが故障し業者さんに修理をお願いしたことなどを報告しているに違いない。それから地上に黄砂がやってきたこと、ほかには、きのうベランダからなかなか離れないのでおとうさんにホッペをたたかれてしまったこと、ドラゴンズの出足の調子が良くないことなどを話し合っているのだろうか。いずれにせよ、「あのねえ~。おとうさんたちを頼むよ」と言われているに違いない。

 きょうの中日朝刊1面見出しは【陸自ヘリか海中に機体 伊良部島沖で発見 人らしき姿も】【変わらぬ光景 4月13日 マスク着用緩和1カ月 3月13日 事情は少し変わり…花粉に黄砂も】【「部屋干し」予報見て外出控える 黄砂対策で識者】、毎日は【北朝鮮ミサイルでJアラート 「北海道周辺」20分後訂正 「空振り」覚悟制度に課題 領域内落下予測は初】【青森住宅火災5人死亡 放火殺人の疑いで捜査】といったところだ。
 これが夕刊1面見出しとなると。【熊本地震7年 鎮魂のおしゃべり届け 無口な母 過ごした日々感謝】【米機密流出 州兵逮捕 FBI 情報部門所属の21歳】【殺人未遂容疑で男逮捕 岡崎 刃物持った共犯者 逃走か】と目まぐるしい。

 それはそうと私は毎日、新聞小説をしっかり読んでいるが、毎日新聞の朝刊の【青嵐の旅人】(天童荒太 高杉千明画)が私自身の勉強にもなり、圧倒的に良いかと思う。何よりもしっかりした取材の上に展開が進んでいる。それだけに、こんごも注目して読んでいこう-と思っている。

(4月13日)
 石川啄木忌。
 朝、起きたら一階トイレの水が流れず、水道業者に按配を見て頂きに来てもらう。業者曰く。「これは老朽化しており、全部取り替える必要があります。30万円ほどかかります」とかなり断定調である。らちが明かず市水道課推薦の地元業者に来ていただいたところ、こちらは誠意があり「部品を替えれば良いですよ。部品を確保するのにしばらくお待ちください」とのことで、結局のところ、こちらにお願いすることにした。前者は応急処置だと称してやってくれたはいいが、すぐに元通りに。結局は修理費9800円を取られ損とあいなった。
 市水道課推薦の地元業者の方は「部品が到着するまで今しばらく時間がかかります」とのことだったので「よろしくお願いします」と部品の取り換えと修理をお願いしておいた。それにしても最初にわが家を訪れた業者は新品に替えた方が良いーとの主張を半ば強制的に繰り返すので少し困った。そんなお金どこにあるのだ。応急修理をしてくれてこその水道修理のはずである。強引な出方、いや悪玉商法そのものと言っていい応対には腹立たちさえ覚えた。それとも。この修理業者は私がよほどの金持ちだとでも見過ったのか。そうとしか思えない。人生いろいろだ。こんなとき、おまえが生きていたら、以前のように手を突っ込んで治してしまったかもしれない。
 のに、である。でも、どんな人間とて一生懸命に生きているのだから。あなた、あまり怒らないでよねーの声が聴こえてくる。古くなっているのは本当なのだから。業者も一生懸命なのだから仕方ないか。

 午前8時前。NHKのラジオ、テレビが一斉にJアラート(全国瞬時警報システム)による速報で「北朝鮮が日本海側へ弾道ミサイルを発射。午前8時ごろ、北海道周辺に落下する見通しです」として道民に繰り返し避難を呼び掛けたが、その後、落下の可能性がなくなったとして訂正。このニュースには日本中がピリピリというか。ひやりとさせられたのである。韓国軍によれば、ミサイルは一発で高角度のロフテッド軌道で発射され、飛距離は約1000㌔。日本上空の通過はなく、航空機や船舶の被害情報は確認されていないという。

 本日13日付夕刊は、【G7「金融安定へ行動」 共同声明で結束強調 財務相会談】【北朝鮮が弾道ミサイル 日本領域へ飛来「確認なし」ICBM級か Jアラート発令後訂正】(日本経済新聞)と【パリ・オペラ座最高位 オニール八菜さん 夢輝きバレエの星に コロナ禍で公演休止「成長の機会」】【住宅全焼5人の遺体 青森・六戸 県警、放火殺人も視野 1人は住人以外か】【Jアラート 北海道混乱 通勤通学直撃 北ミサイルに憤り】(中日新聞)といったところか。

    ※    ※
 シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、日々私の傍に寄り添うようにしてくれ、亡きおかあさんの代わりに私を本当に毎日、助けてくれている。それなのに、だ。きょう私はベランダから家の中に入るように言っても一向に入ってこないので、少し加減こそしたものの、とうとうシロのほっぺを殴ってしまった。なかなか室内に入ってこないためだったが、こんなにも可愛く、おかあさん亡きあとに私を守り続けてくれているシロに一撃を食らわせてしまった。わたくしは、ここに深く、深く反省し「シロちゃん、ごめんね」と謝ったのである。
 おかあさんの代わりとなって何かにつけ、これほどまでに私を見守り続けてくれている-と言うのにである。シロはシロでふろ上がりの私を見習って夕涼みをしていたに違いないからである。シロよ、シロシロ。殴ってしまい本当に申し訳なかった。家族の為に、これほどまでに頑張ってくれている。
 のに、である。私は深く反省している。

(4月12日)
 本日付中日新聞の朝刊1面は【与野党対決告示 衆院4補選 岸田政治問う 23日投開票】【♪向日葵や兵どもの碧き影 ♪塹壕の最後の煙草湿りをり 戦場の現実詠む防人(さきもり) ウクライナ軍大尉が俳句 激戦地バフムト撮影、着想】といった見出しである。

 警視庁暴力団対策課がカンボジアのホテルで日本人のニセ電話詐欺グループが摘発された事件で11日、詐欺の疑いで日本人の男19人を逮捕。19人を乗せた航空機は同日夜、羽田空港に到着。逮捕状は日本に移送中の機内で執行。調べによると、男らは暴力団関係者を含む25~55歳でカンボジア南部のシアヌークビルのリゾートホテルを拠点に日本の高齢者らにうその電話をかける「かけ子」をしていた疑い。岡本大樹容疑者(38)が主導的立場だったとみられる。

 きょうは中日新聞名古屋本社で中日社友会の総会があったため、久しぶりに名鉄犬山線と名古屋市営鶴舞線で丸の内まで行き、ここで降りて、トコトコとっこりと歩いて久しぶりに本社に。本社6階ホールであった社友会総会に出るためで、久しぶりの社と〝えらいさん〟のりりしい姿は、やはりどこか気が引き締まってよい。例によってお菓子をお土産にもらって帰ったが、コロナ禍以前みたいなパーティー形式で思い思いにテーブルを囲み、ビールに日本酒、お寿司、おつまみなどが出てかつてのように仲間たちとヤイノヤイノと話し合う集いとは完全におさらばで、出席者はみな真剣な表情で1年に一回の総会に臨んだのである。

 最初に、この1年の間に亡くなった故人(社友)に黙とうし、あとは会議が粛々と進み、最後に百歳翁に記念品、卒寿代表者のあいさつで終わり、なかなか簡素な社友会であった。わが家のアイドル猫シロちゃん(オーロラレインボー)が、きょうもちゃんと留守番をしてくれ、大変助かった。シロはやはり、おかあさん(たつ江、舞)の言うとおりで何でも知っているすごい猫である。私の本音を言わせてもらえば、社友会員に何か質問でもふってくれたら、夕刊小説の【成長】【発展】【拡大】とやらにつき、ひと言あの小説を何故掲載しているのか。その真意を聞きたかったが、あいにく「何かほかに質問があれば」との問いかけもなかったので、ここは円満にと口をふさいだのである。

 あの小説の【成長】【発展】【拡大】の意味するものが私にはチンプンカンでまったく分からない(最近は、言わんとすることが少しだけわかりかけてきた。でも、一般読者の多くには分からないに違いない)。だから、その点を突こうとしたが、せっかくのなごやかな場に冷や水をかけることになってもいけないので私の口は閉じたままであった。
 それよりも、今夜はドラゴンズがやっと勝ってくれた。だから、良しとしようか。何事も【成長】と【発展】【拡大】とやらがあれば、それでよいのだから。それに、小説は何でもありだ。そんなに目くじらをたてることもないか-と私は自身に言い聞かせたのである。
 ただ、あんな低レベルの小説を紙面化していたのでは、この先紙面の【成長】【発展】【拡大】は望むべきもないのである。作者氏には中日新聞の【くらしの作文】を毎日毎日、拝むようにして読むことを推奨しておきたい。ここは一匹文士からの大いなる苦言として、ここに記させていただく。まだまだ未熟なご本人の【成長】【発展】【拡大】のために、である。

 本日の記事で目立ったものは。夕刊特報面の【AI新時代 世界が騒然】【人間とのコンビで新たな知性を生み出す】【チャットGPT スマホ以来のフロンティア】(12日付中日夕刊)と【大阪IR(統合型リゾート)政府認定へ 14日にも 日本初のカジノ 長崎は継続審査の方針】(12日付日経夕刊)か。

(4月11日)
 午前中、歯医者さんへ。
 月に一度の歯のクリーニングのためである。いつもお世話になっている歯科衛生士の後藤さんが「シロちゃん、ほんとに。かわいいね」と。思いもしていなかった言葉だっただけに、帰宅し「おまえのこと可愛いだってよ。よかったね。オトンもうれしかった」と言うと、彼女もニャア~ン、ニャア~ンと満足そうだった。なんでも後藤さん。ネットでシロのことを知り、たまたまわが家の窓のところに座っているところを偶然にも見た、とのこと。
 私はこの後、平和堂へ。ここで和定食をたべ、舞の仏壇(遺影)と裏庭にある猫ちゃんたちの猫塚に供える花を買って帰宅する。

 新聞は、どこも植田和男さんの日銀新総裁就任記者会見、すなわち植田体制が始動したことを報じ、JOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長が10日、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致の是非が争点となった9日の札幌市長選の結果を受け、34年大会への目標変更も視野に入れて札幌市と開催時期を協議する方向性を示したなどと報道している(これまでは2030年大会を基本線として招致活動を行って来た経緯がある)。

 このほか、1966年6月に静岡市(旧静岡県清水市)で一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判のやり直しに向け裁判所、検察、弁護側の初の3者協議が10日、静岡地裁で開かれ、静岡地検は再審公判での具体的な立証方針を明らかにせず、方針を示すのに3カ月の期間を求めた-というニュースが【検察側「立証方針に3カ月」 袴田さん再審協議地裁は了承 弁護側「長すぎる」】といった見出しで報じられている。

 作家の富岡多恵子(とみおか・たえこ。本名・菅多恵子=すが・たえこ)さんが6日、老衰で死去。87歳だった。富岡さんは1958年に詩集「返礼」がH氏賞を受けて詩壇に認められ、70年代に小説を書き始め「波うつ土地」など数々の作品でも知られた。

 青森県で桜が満開に。富山県魚津市で28・1度を記録。NHKのニュースによれば、中国の北京では黄砂が吹き荒れ、日本でもあす以降は警戒が必要だという。自然には、かなわないナと内心思う。

2023年4月10日
 月曜日。朝刊は昨夜のテレビ報道に続き、統一地方選の報道一色である。
 かつて現役の地方記者時代には4年に1度の統一地方選が近づくつど、立候補予定者の事前取材などで緊張したものだが、今は何ごともデジタル化が進み、事前の取材もそんなには手間取らない気がするが。実際はどうか。やはり、候補者の事前資料の準備などで各記者とも大変な気がする。
 統一戦と聞き、決まって思い出すのは、昭和40年代の後半、随分古い話になるが、真珠と海女さんのふるさと三重県志摩半島の志摩郡5町(現在は志摩市)を担当していたころの漁どころでの違反には泣かされた。何かの集会などの場で、おにぎりの中に千円札を入れて買収に及んだ選挙違反には驚かされた。あのころ和具の海女さんらが「兄(アニ)さんや。あのなあ、ほんでなあ」とあれやこれやとドッキリするような選挙情報を教えてくれたものだが。何と言って良いのか。今から思えば、皆とってもいい人たちばかりで、どこか憎めない、牧歌的な雰囲気には驚いたりもしたものである。

 何はともあれ、統一戦の前半戦が終わり、各地の担当記者たちはホッとしているに違いない。でも後半戦が待っており、これも重要な取材だといえよう。

 写真は統一地方戦の結果の要点が報道された朝刊各紙
 

 
 
(4月9日)
 夜。NHK総合テレビは、統一地方選挙の開票速報(9道府県知事選と6政令市長選)一色である。中で私の胸を打ったのは、徳島知事に選ばれた無所属新人の元衆院議員後藤田正純氏(53)の言葉「地方から行動を起こす」である。

 そんな選挙報道のさなかに大阪のスーパーで人が包丁で刺され、4人が病院に搬送された-というニュース。前日の8日夜には名古屋市南区の名鉄名古屋本線本笠寺駅ホーム待合室で胸に包丁が突き刺さったままの女性が椅子に倒れていたのが見つかる(この女性はまもなく死亡が確認された)など最近、こうした刃物沙汰が目立って多い気がする。なぜ。なぜなのだろう。世の中全体が殺気の海の中にいるような。そんな気がする。長い間に及んだコロナ禍が関係あるような気がしてならない。

 それはそうと、きょうは日曜日だ。地方選挙はともあれ、毎日毎日、この世を生きていくことは、どの人(ペットと一緒の人は、そのペットたちも含めて)にとっても、大変なことだ。この社会、さまざまな人がそれぞれの道を信じて「前へ」と向かって進んでいくのである。時には失敗を繰り返しながらだ。

 きょうも昨日につづき、風の強い日となった。午後、イオン扶桑店へ。食べ物を買うことは必要最小限に-と自らに言い聞かせつつも、レジを終えると、どうしても1、2品分は多く買ってしまったことに気付くが、「時、既におそし」である。というわけで、どこかでランチでも食べよう-と思いつつ結局のところは無駄遣いになってはいけないのでと帰宅し、昼は自宅で遅がけのパン食とあいなった。舞が生きていたなら、彼女に言われるままにして食べるときは食べればよかった。それだけに、つくづくもっともっと長く生きていてくれたら良かったのに、と。そう、思うのである。
 そんな私を心配してか、帰宅すれば必ず心配そのものといった面持ちで両耳をツンと立て、愛猫シロちゃんは「ニャア~ン」と、ひと声あげ、私を迎えに玄関先まで走って出迎えてくれるのである。それにしても、きょうも昨日に続いて寒く風の強い日である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 9日付の中日新聞朝刊によれば、中国人民解放軍が昨日、台湾周辺での軍事演習を開始。期間はあすまでの3日間で、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統が5日に米国のマッカーシー下院議長と会談したことへの報復措置とみられる。ただ昨年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台して蔡氏と会談した直後の大規模な演習と比べれば、抑制的な規模にとどまっているという。

 統一地方選前半戦の9道府県知事選と6政令市長選、41道府県議選、17政令市議選が本日9日に投開票。いずれも午後8時までに投票が締め切られ、10日未明までに大勢が判明する見通しである。

(4月8日)
 風の強い1日となった。シロちゃんを伴って近くの愛北動物病院へ。わが愛猫の年に一度の定期健診で、いつものように体重計測に続き、3種混合ワクチン(猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症)をして頂いて、帰った(診察代は消費税込みで4950円ナリであった)。体重は5・0㌔と昨年の4・4㌔を上回って医師に「肥満体だ」と指摘されるのではないか、と心配だったが医師によれば、「特に心配ありません。大丈夫です」とのことでホッとしたのである。
「だよね、シロちゃん。オーロラレインボーは、全体に均整も取れていて、とても美人なのだから。ぜい肉が指摘されることなんて。ないに決まってるよ」ね。

 それよりも、シロちゃん。愛北動物病院に来てから猫籠を出る際に逃亡、診察室からナース事務室へと逃げ回り、確保するのに大騒ぎとなった。幸い、まもなく私の腕に抱きかかえられ、受診とあいなったが、それだけ元気がある-ということか。この日は待ち時間が長かったため、近くのたつ江のお兄さんの駐車場に車を置かせてもらい「ひと言あいさつを」電話ですると、まもなく彼も現れシロちゃん、ふたりに見守られての受診となったのである。
    ※    ※

 6日に沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊のUH60JAヘリコプター事故が発生。同ヘリは3月下旬以降、50時間飛行した機体が対象の「特別点検」や安全性を確認する飛行をした結果、機体に特に問題はない-と判断されていたことが、その後の陸自への取材でわかったという。一方で、搭載されていた救命用ボートは折りたたまれた状態で洋上から見つかっており、広げる時間がないほど急なトラブルに遭い、墜落した可能性がある。ヘリは、ほぼ予定通りのルートを約十分間飛行し不明2分前には空港の管制と交信しており、陸自で事故原因を引き続き調べている。

(4月7日)
 午後。社交ダンスのレッスンに。きょうは、ずっと以前に各務原で毎週一回のレッスンを共に続けたことのある社交ダンス仲間曽我部さんが見学に。彼はやはり、基本がしっかりしているせいかワルツの上級を苦もなくこなし、やはり違うな-と、その才にはおったまげたのである。レッスンが終わるころには、こんご月に二回はレッスンにおいでになることが決まり、仲間が増えて、とても嬉しく感じたのである。

(4月6日)
 6日。外は雨。朝から、こ寒い雨が音もなく、この地上に降り注いでいる。

 午後3時56分。沖縄県宮古島周辺を飛行中の陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」の機影がレーダーから突然消え、陸自は騒然とした空気に包まれた。いやはや、いろいろとある。その後の陸自の発表によれば、同ヘリには坂本雄一第8師団長ら隊員10人が搭乗。周辺海域で機体の一部とみられる浮遊物が油と共に見つかったという。防衛省は事故と判断、海上保安庁とともに機体の捜索に当たっている。
 昨日朝。長野市の善光寺本堂から「びんずる尊者像」が消えていた事件、その後約60㌔離れた松本市内の商業施設駐車場で発見されたが、中日新聞は事の経緯につき分かりやすく報道していた。

 びんずる一時盗難を報じた6日付中日新聞の朝刊
 

 ムツゴロウこと作家の畑正憲さんが、今月5日に心筋梗塞のため死去。87歳。福岡県出身。北海道の自宅で倒れ、運ばれた同中標津町の病院で死去したという。

 ほかには、と言えばだ。原子力規制委員会が5日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に向けた審査を、原電が審査資料の誤記などを繰り返し、不備を改善しないため、再び中断する方針を決めたこと。そして米東部ニューヨーク州の大陪審に起訴されたトランプ前米大統領(76)が4日午後(日本時間5日未明)、ニューヨークの裁判所に出廷し、起訴内容を全面的に否認。起訴状が公表され、罪状は大統領選にからむ業務記録の虚偽記載34件だったことが判明。大統領経験者で次期大統領選の有力候補が刑事責任を問われた異例の法廷闘争が始まったことか。新聞では【トランプ氏出廷 全面否認 業務記録虚偽記載34件】(中日6日付見出し)と報道している。

(4月5日)
 5日付の中日新聞の夕刊軟派トップ記事【善光寺 木像盗まれる 長野本堂の「びんずる尊者」 関与?男確保、木像も発見】のニュースには、いやはや驚き、おったまげた。記事は次のような内容だった。
 -五日午前八時四十五分ごろ、長野市の善光寺から「本堂にあった『びんずる尊者像』がなくなっていると一一〇番があった。長野県警は窃盗事件として捜査し、関与したとみられる男の身柄を確保。詳しい経緯を調べている。捜査関係者によると、男の身柄は松本市内で確保され、びんずる尊者像も同市内で見つかったという。県警によると、寺からは「午前八時ごろには像があることを確認したが、八時半ごろにはなくなっていた」と通報があった。びんずる尊者像は木像で、普段は本堂入り口近くの台座の上に置かれている。寺のホームページなどによると、びんずる尊者は釈迦の弟子で、病気に悩んでいる部位をなでると治るとも言われ、日々多くの参拝者になでられてきた。……

 それにしても、犯行に誰かが気付いてもよさそうなものなのに。善光寺の宝物と言ってもいい〝びんずる尊者像〟があるとないとでは、大変な差である。善光寺では毎年1月6日の夜、びんずる尊者像を参拝者とともに引き回して1年の無病息災を祈る「びんずる廻し」が行われているというが、伝家の宝刀がない善光寺など考えられないのではないか。
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 水曜日。きょうは清明(せいめい)。毎日新聞によれば、江戸時代の暦の解説書にある「清浄明潔」の略で、すべてが生き生きとして清らかに見えるさま、をいうのだという(二十四節気)。

 けさの明るい話題といえば、だ。競泳の日本選手権が4日、世界選手権(7月・福岡)代表選考会を兼ねて東京アクアティクスセンターで開かれ、女子100㍍バタフライで池江瑠花子選手(横浜ゴム)が57秒68で制し、日本水連の選考基準をクリア、世界選手権代表に決定。白血病から復帰後の個人種目での代表入りは、これが初めてだということか。
 ほかに目にとまったニュースは【水素エネルギー40年に6倍 政府戦略案 脱炭素へ15兆円投資】【<子どもを守る> 多子世帯・私立理工農系 奨学金給付20万人拡充 来年度年収上限600万円に】(5日付中日新聞見出し)【トランプ氏出廷へ 口止め料疑惑争う姿勢】【「女性のキャリア形成後押し 安藤優子さん 杉山女学園大客員教授に】(5日付毎日新聞見出し)など、いろいろある。

(4月4日)
 きょうは昼食で外に出たついでに、かつて亡き妻たつ江(伊神舞子)と一緒に、よく足を運んだバローのホームセンターへ。彼女が玄関先に置いた鉢植えで咲かせるためいつも買っていた花々=スーパーベルポケットとスーパーベルハニーヨ=と、ミニスコップを買って帰宅した。あすから、舞に習って思い切って花を育ててみようと思ったためだが。さて、うまく育つかどうか。たつ江がいつも玄関先を花々で飾っていた、そのけなげな努力を思うと、涙が出てくるのである。

 4日付毎日新聞1面朝刊に【復興拠点外「戻りたい」27% 福島・政府調査 避難解除へ一歩】の見出し。記事の内容は「東京電力福島第1原発事故発生に福島県の帰還困難区域のうち避難指示が出たままの地域への帰還の意向を尋ねた政府による調査結果が判明。除染やインフラ復旧を優先して進める特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に住んでいる2002世帯のうち535世帯(27%)が、帰還の意向は「ある」と回答した」というものだった。
 端唄<縁かいな>でも「ひと目千本、二千本…」と唄われる桜の名所・奈良県吉野町の吉野山で約3万本の桜が見ごろを迎えている、とは同じ毎日の朝刊1面。

 先月限りで無くなった毎日の夕刊に続き、今月から購入を始めた日本経済新聞4日付の夕刊1面は【水素供給網に15兆円 政府戦略改定へ官民投資促す 40年、供給6倍計画】【10兆円ファンド10大学が名乗り 東大・京大など、秋にも数校選定】【トランプ氏、NY到着 市警、出頭控え厳戒態勢】といった内容だった。このうち10兆円ファンドは、文部科学省が創設した10兆円の「大学ファンド」の支援対象に東京大や京都大、筑波大など10大学が申請。巨額の支援で研究基盤を強化し、国際競争力の向上を狙うもので、ことし秋ごろに最初の認定校が選ばれるという。

(4月3日)
 月曜日。先に亡き妻の伊神舞子俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間社刊)2冊を寄贈させて頂いた日本現代詩歌文学館から「ご寄贈いただいた<泣かんとこ>は永く大切に保存するとともに有効に活用してまいりたい」と丁重なる書簡がわが家に届いた。さっそく書簡を舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供え、「良かったね」と報告する。

 それはそうと毎日毎日、多くの大切な人たちが亡くなっていく。
 きょうも朝刊1面には【坂本龍一さん死去 71歳 YMO世界的音楽家 「戦場のメリークリスマス」 <評伝> 非戦 脱原発 語り続けた「教授」】【奏でる知識人終演 坂本龍一さん岐阜で森づくり 原発反対も積極発信】(中日3日付)【坂本龍一さん死去 「YMO」「ラストエンペラー」 71歳】【日本の「顔」世界の坂本 活動地域広げた生涯 ツイッター別れ告げる】(毎日3日付)の活字が並んだ。

 そして。3日付中日夕刊。作家中村文則さんの【追悼・大江健三郎さん 生き難さ抱える人の救いに 無関心な風潮予見ドンキホーテの勧め】は、彼の気持ちが、よく分かる気がした。「僕は今、とても悲しい。作家になって二十年を超えたけど、こんな風に、泣きながら原稿を書くのは初めてになる。」。中村さんには、その分をがんばれ、と言いたい。

2023年4月2日
 日曜日。【城下絢爛輝く車山 犬山祭4年ぶり通常開催】【福島、帰還困難区域の復興拠点 富岡町も避難解除】【子どもを守る 権利保護64自治体に 子ども条例制定進む 専門家「具体施策 展開が鍵」】とは、本日付の中日新聞1面見出しである。

 夕方。スマホでプロ野球の結果をみると、ドラゴンズはきのうに続き、きょうも3-2で巨人に敗退。いったい何をやっとるのだ、と言いたくもなる。開幕戦が見事な逆転勝利劇だっただけに、まだ開幕したばかりとは言え、なんとも嘆かわしいばかりだ。でも、仕方ないか。【勝ったり負けたり、がプロ野球の文化】なのだから。悔しがる人がいれば、喜ぶ人もいるのだから。それでよいか。ここは、我慢して勝ってくれるのを祈り、負ければ負けたで相手チームを称えるほかあるまい。選手は皆一生懸命にやっているのだから。それでも負ければ、あ~あ。と、ため息が出る。

 第95回記念選抜高校野球大会は最終日の1日、西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、山梨学院(山梨)が報徳学園(兵庫)を7-3で破り、春夏通じて山梨県勢初の甲子園制覇を果たした。

(2023年4月1日)
 これまで愛読し続けてきた毎日新聞の夕刊がきょうから完全消滅して、とうとう無くなった。新聞の夕刊は、このところは読者の間でも朝刊だけにする傾向が高まっているだけに、さもありなんか。でも、一紙でも夕刊が消えると言うこと、ましてや毎日の夕刊が無くなるということは、それだけ街の文化度が低落する、ということではなかろうか。

 東電福島第一原発事故による帰還困難地域のうち、福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点、約3・9平方㌔)が1日、避難指示解除となった。復興拠点はJR常磐線と国道6号に挟まれた、桜の名所で知られる夜の森地区など。この日は満開の桜の花びらが舞うなか、山本育男町長が「一つひとつ復興を進め、ようやく桜を安心して楽しんでもらえるまでになった。大きな進歩だ」などとあいさつ。富岡町の場合、2017年4月に町の88%が避難解除されており、居住可能地域は93%にまで拡大されている。復興拠点の避難解除はことし3月31日の浪江町に次ぎ5例目。3月1日時点で1143世帯2580人が住民登録、昨年4月開始の準備宿泊に申し込んだのは27世帯56人にとどまっている。町は5年後の居住人口約1600人をめざしたい、としている。
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 午後。買い物がてら五条川河畔へ。毎年このころになると、生前の舞(たつ江)と決まって訪れ、ふたりそろって、よく花見をしたものである。その堤防沿いの道をきょうは<彼女>の生きた魂とともに歩いてみた。先日、大阪に行った際「いがみさん。それくらいでえらいの。もっと歩かなければ」とアベノハルカスや通天閣一帯の案内を親切にしてくださったその友に言われたこともあって、きょうは五条川の平和橋北-大栄橋西間を往復して歩いてみた。
 この道は毎年、桜のころになるとは亡き妻舞と一緒に、よく歩いた懐かしい桜の名所だけに歩くほどにありし日の舞を思い出し、涙が、ふわりふんわりとわが頬を伝って流れたのである。空は快晴。雲ひとつない。流れる風の音。川のせせらぎと川面を流れる花吹雪。時折ちゅっちゅっ、チュッと聞こえてくる小鳥たちのさえずり。川面だけでなく、大気の中を風に流されて舞う桜吹雪…と、どれもこれもが舞の幻影が、私と一緒にここにいて、共に桜を見ているみたいな。そんな錯覚を覚えたのである。

 舞の幻影となって迫った五条川河畔の桜たち
 

 川堤には黄色いタンポポが
 

 こども家庭庁が発足。名古屋はことし初の夏日(25度以上)に。大船渡小学校で待望の入学式。大手民間会社では対面入社式。マスク着用は原則として不要となった。一方では改正道路交通法が1日に施行され、自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化された。

 きのうドラゴンズが巨人に痛快に勝ったプロ野球。きょうは残念ながら2-0で負けた。野球は人生と同じで勝ったり、負けたりで、そこがまた味わい深くて、面白い。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年3月~)

2023年3月31日
 プロ野球セ・リーグが31日に開幕。中日は小笠原投手が先発して東京ドームで巨人と対戦、1点差を追う9回に高橋周平の2点適時二塁打などで試合をひっくり返し6-3で逆転勝ち、2年ぶりに白星発進となった。勝野昌慶は2年ぶりの勝ち星。この日は、客席での鳴り物や声出しの応援が4年ぶりに復活。ドラゴンズは、さすがWBC日本代表を唯一破ったチームだけのことはある。
 中日新聞軟派では久しぶりにドラキチたちが集うことで知られる今池(名古屋市千種区)の中華料理店「ピカイチ」が【劇的開幕 竜党祝杯 名古屋から声援】の見出し付きで紹介されていた。ヤクルトの村上宗隆は神宮での広島戦で初戦から神宮の空にアーチを描く先制2ランを放ちリーグ3連覇と日本一奪還、そして2年連続の3冠王に向け幸先良いスタートとなった。

 統一地方選の41道府県議選と17政令市議選が31日告示され、道府県議選に3139人が届け出。総定数2260人に占める無投票当選の割合は4人に1人の25・0%に上り、過去2番目に高い水準に。女性の候補者は過去最多だった前回の2019年より100人増え489人に。全体に占める割合も15・6%で過去最高に。
 米国のトランプ前大統領(76)が不倫相手に口止め料を支払ってもみ消しを図ったとされる疑惑で東部ニューヨーク州の大陪審は3月30日、トランプ氏を起訴。米大統領経験者が起訴されるのは史上初という。
 
 金曜日。きのう大阪の町をかなり歩いた(合わせて2万5000~6000歩)こともあって、足はがくがく。案の定、早朝起きる直前に、両足が攣ってしまい、痛いのはむろん、しばらく歩けないまま布団に仰向けのまま両足を何度も屈伸させるうち、1時間ほどしてやっとそろり、そろりと歩けるようになった。

 それでも、きょうは社交ダンスのレッスン日。午後、両足の痛いのをなんとか我慢し、一宮のスポーツ文化センターにマイカーで出かけた。幸い、車の運転に支障はなかったが、いざレッスンを始めると、ちょっと両足が痛むので先生に言って途中、10分ほど見学。再び、タンゴ、ワルツの順で上級に挑んだが、逆にステップをしながら社交ダンスなるもの、いかに瞬発力とスピードによって成っているか、をあらためて知った次第。
 散歩で歩くのとは訳が違い、このふたつ、すなわち【瞬発力】と【スピード】がないことには、華麗なダンスなどは、とてもとても出来ないことを思い知った次第である。

 桜前線は、ドンドン北上。ラジオニュースによれば、きょうは山形、新潟でも満開になったという。いまや日本中が桜の園に癒やされているのである。

(3月30日)
 この夏、7月29日に大阪の大阪リーガロイヤルホテルで開催する全国同人雑誌会議の件で全国同人雑誌協会の代表理事、五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)とともに大阪へ。今や大阪文学学校の卒業生を中心に誕生した23の同人誌を抱える大阪文学学校の事務局長小原政幸さんにお会いし、全国同人雑誌会議への協力をお願いしたところ快諾され、心から感謝。
 この日は小原さんとお会いする約束の時間まで時間があったので、ピースボートの船友の親切な案内でアベノハルカスや通天閣界隈を歩いたが、天気がよいうえ桜も満開で貴重なひとときとなった。気分が乗ったので天王寺公園の満開の桜の下で久しぶりに持参したハモニカで<赤とんぼ>や<ふるさと>など数曲の演奏もし、なんだかスカッとした気持ちとなったのである。
 
 アベノハルカスも、通天閣も。桜の園に浮かんでいた
 

 

(3月29日)
 名古屋駅広小路口のうまいもん通りに面した【まるは食堂】。ここで昼食を兼ね、ことし7月に予定される全国同人雑誌会議の打ち合わせ会に出席。つくづく思ったが、全国同人雑誌協会代表理事、五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)の情熱と熱心さには、きょうもつくづく頭が下がった。幸い、この席でことし大阪で開かれる全国同人雑誌会議は大阪文学学校の理解と協力を得たうえで全国同人雑誌協会と中部ペンクラブ共催で実施しよう、ということになったのである。

 夕刊を開く。【春宵一刻 値千金 大津・三井寺】【核情報提供 米も停止 新START(新戦略兵器削減条約) ロシアに対抗】(27日付中日夕刊)【国軍、スーチー氏政党の登録抹消】【コロナ定期接種「高齢者のみ推奨】【衆院解散 首相「考えていない」】【ロシア最高峰バレエ団に日本人ソリスト 踊れている僕は幸せ】(29日付毎日夕刊)など。さまざまなニュースが並ぶ。

(3月28日)
 ひょんなことから舞が生前、1行詩で大変お世話になっていた神戸市在住の栄井百合さんの住所がわかり、郵便局に出向いて「伊神舞子俳句短歌遺稿集」1冊をご自宅に送らせて頂き、仏前に報告した。舞は大垣時代から「1行詩の集まりで行ってくるから」と、よく神戸に出かけていた。それだけに、栄井さんには、感謝と反省の気持ちを込めてさっそく送らせて頂いた(舞は、亡き栄井さんのご主人にも百合さん同様に何かとお世話になっていた)。
 百合さんは、その後、舞が江南厚生病院で脳腫瘍の大手術をした際にも何かと励まして下さり、本来なら遺稿集【泣かんとこ】を誰よりも先に送らせて頂かなければならないのに。心から申し訳なかった、と思っている。思い切って電話をさせて頂くと、彼女は、やはり舞の死をご存知だった。それだけに、本来なら最初に送らせて頂かなければならない妻の恩人なのに、と反省した次第である。

 夜。NHK総合で見た【ニッポン〝今〟つないでみたら~春よ、来い絶景! 満開の夜桜中継 坂本冬美&スガシカオ熱唱! ナマLIVE▽ド迫力 豊橋手筒花火 ウクライナ学生の願い 私にも春を仰天流れ星】はとても良い番組であった。なかでも過去、400年以上の伝統を誇る豊橋の手筒花火の実演生中継には圧倒され、その豪快さに感嘆した。
 それどころか、その伝統芸を担う中心人物が同人誌「果樹園の会」の矢野光則さん(筆名は津之谷季)だったと知り、二度びっくり。矢野さんたちのチームワークに魅了されたのである。

 手筒花火を披露する矢野さん(NHK総合から。左端で豪壮な手筒花火を手にするのが同人誌「果樹園の会」の矢野さん)
 

 名古屋地方気象台がきのう27日に名古屋市の桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表。〝桜川〟で知られる山崎川では川沿い約2・5㌔に連らなる桜が見ごろだという。そういえば、一昨日26日付の中日新聞朝刊に【ふわりほんのり 本巣の淡墨桜が満開】といった、チョット粋のいい見出しで、あの根尾谷に立つ樹齢1500年以上の国の天然記念物「淡墨桜」が【見ごろを迎えた】との記事が中日新聞に載っていた。
 淡墨桜といえば、枯死寸前に陥ったところを地元の人たちが助け、今に至ったことは知る人ぞ知る。当時、作家の宇野千代さん、そして顕彰保存会立ち上げに先頭に立って尽力した当時の江崎根尾村長、そして平野三郎知事の努力と情熱には、ここに改めて敬意を表しておきたい(平野知事は、その後、和田達男岐阜県参事らとともに岐阜県庁汚職事件の主犯として岐阜県警と岐阜地検に逮捕された。ちょうど安八町で未曽有の長良川決壊豪雨があったころの話である)

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子が26日、フィンランドのラハティで個人戦第30戦(ヒルサイズ=HS130㍍)が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)が136・5㍍の145・9点で今季3勝目、通算30勝を挙げた。30勝到達は男子で史上7人目。

(3月27日)
 文化庁が27日、すなわちこの日から中央省庁では初めて東京・霞が関の本庁を地方に移転し、京都での業務を始めた。最初は、都倉俊一長官ら一部幹部を含む約70人体制でスタート。本格稼働は5月15日からの予定。最終的には全職員の約7割、390人が京都を拠点としての業務に挑む。

 午前中、名鉄で金山へ。帰宅し、「脱原発社会をめざす文学者の会」のオンラインによる幹事会に出席。久しぶりに見るみなさんの顔がキラキラと輝いて見えたのはなぜか。不思議である。

 金山からの帰り。車窓から見る桜、ソメイヨシノは満開である。名鉄車内でマスクをしている人は、やはりほんの数えるほど。いや、僕の隣の女性だけだった。それに私を含め、たった二人しかいない。午後2時12分。名駅で電車は止まる。ト、今度はどやどやとけたたましい音を立てて車内に人々が入ってきた。と、思いきや。夕刊がドン、ドーンと車内に置かれていった。かつて私も務めていた中日新聞の発送部の人たちのしわざに違いなかった。
 電車はそのまま庄内川をゴトン、ゴトンの音を立てながら渡り切った。空は、薄曇り。でも、いい天気である。シロちゃん、元気でいるだろうか。いやいや、元気でいてほしい。

 27日付の毎日新聞夕刊によれば、「ロシアのプーチン大統領が隣国ベラルーシに戦術核を配置する方針を示したことを巡り、欧州連合(EU)のポレル外務・安全保障政策上級代表(外相)が26日、ベラルーシに対し、追加制裁の可能性を示唆しながらロシアの核兵器を受け入れないよう求めた」という。当然のことである。

2023年3月26日
 日曜日。きょうは、室生犀星忌である。
 きのう25日にさいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われたフィギュアスケートの世界選手権最終日。名古屋、いや今や日本、世界の星と言っていい宇野昌磨(25)=トヨタ自動車、名古屋市出身=が日本男子初の2連覇を果たした。エディオンアリーナ大阪で開かれてきた大相撲春場所。こちらは本日、千秋楽に新関脇・霧馬山が小結・大栄翔を突き落としで破り同じ12勝3敗同士の優勝決定戦に。最後は、きわどかったが再び霧馬山が突き落としで大栄翔に勝って13勝2敗として逆転優勝した。

 ほかには【アジア大会選手村中止へ 26年愛知 建設費600億円削減 <解説>スリムな運営の先例に(安倍伸哉)】(26日付中日朝刊見出し)【死者数公表 最短2カ月後 コロナ5類移行で厚労省】【窓際に物 踏み台か 名古屋‣転落死 2児は双子】【警官発砲 容疑者死亡 大阪立てこもり 母ら負傷】(26日付毎日朝刊見出し)といった記事が気になった。
 そして。毎日新聞の日曜くらぶ版【レトロの美 奈良ホテル】は、外観を見ただけで行ってみたくなる。そんな記事で舞が生きていたなら、連れて行きたいナと思った。

 午後1時過ぎ。ノンフィクション作家で日本ペンクラブ会員、「脱原発社会をめざす文学者の会」の会員でもあった元英語教師長谷川園子さん死亡の件で、園子さんが生前、「彼は〝私の息子、息子〟です。本当にすばらしい人物で、あちらこちらに連れて行ってくれ、いつも感謝してる」と話しておいでだったその〝息子さん〟から電話が入り「あとは公的機関に任せるほかありません。親族が死亡診断書を出さない限り、遺体の償却も出来ません」と静かな口調の電話が入る。親族による死亡診断書がないと、火葬も出来ないとのことで、その点が気になる。
 というわけで親族による手続きがない限り、葬儀も出来ないのが現状のようだ。こんご高齢化時代が進むと、こうしたケースは増えてくるに違いない。困った世の中である。こうした時こそ、行政の迅速かつ適正な処理、対応が望まれる。園子さんのように、近親者の全てが亡くなり、孤立したなかで生きている高齢者が増えている世の中にあって、こうした例はこんごますます増え、社会問題化していくことが気になるのである。

 修復を頼んでおいたぼろぼろ衣類を夕方、平和堂内のリメイク工房に行き回収してきた。

(3月25日)
 土曜日。久しぶりに永正寺であった尾張芸術文化懇話会の月例会に顔を出した。冒頭、中村建岳さん(永正寺の若住職)の鳴らす鐘の音を合図に出席者7人全員で手を合わせ、会員でもあった長谷川園子さんの霊に1分間、別れの黙とうをした。長谷川さんの遺体は、昨日の間に江南市の自宅から尾西の平安会館に移され、ここで建岳さんの読経のうえごくごく親しかった関係者でお見送りをしたという。合掌-

 長年、愛読してきた毎日新聞夕刊が今月限りで無くなるというのでいつもお世話になっている中日新聞販売店の勧めもあって、きょうからは日本経済新聞の夕刊を購読することに。毎日は朝刊同様、夕刊の小説の内容も良かっただけに、チョット残念な気がするがこれもいたしかたあるまい。世の流れか。
 午後、平和堂内にあるリメイク工房へ。ズボンやいつも愛用している黒の上っ張り(ジャージー)など衣類のあちこちが破れてしまったので、ここで直してもらうほかない。あらためて舞が生きていてくれたら良いのに、と思う。

(3月24日)
 金曜日。きょうも、きのうも。あすも。あさっても、である。
 毎日毎日、日本も世界も、身の周りもだ。空気という空気を割ってなんだか、何もかもが、強烈なスピードで見果てぬ方向に動いている。その中で息も絶え絶えに生きる人間。ニンゲンたちは洗濯機のなかで、ただひたすらにかき回され続ける白い泡たちの如きものなのか。きのう、私も舞も大変、お世話になった長谷川園子さん(元英語教師。ノンフィクション作家)が危篤状態だ-と知らされ、午前中、愛用のハモニカを手に自宅を伺ってみた。
 ひとり住み慣れた部屋の病床で仰向けになった彼女はしっかと目を見開いておいでだったが、やはり意識はあるのかどうか。危篤状態であることだけは明らかであった。私は失礼とは承知のうえ、お付きの方おふたり(いずれも男性)の了解を得たうえで室内へ。
「そのこさん。そ・の・こさん。そ・の・こさん、たら。いがみだよ。ごんた、伊神権太ですよ」と声をおかけし、持参したハモニカを口に【ふるさと】に【ゆうやけこやけ】【みかんの花咲く丘】の3曲を最大の感情をこめてふき、演奏したのである。 
 園子さんに大変お世話になった今は亡き妻舞がいつも何かあるとは、私に「耳だけは、いつまでも。最後の最後までは聴こえるそうよ」と話していた、その言葉を思い出したからだ。古くて懐かしいメロディーを耳に意識が戻ってくれたなら-と。そんな一途な願いを込めて、ふき演奏したのである。

 帰宅し、いつものように再びシロ、すなわちオーロラレインボーに留守番を頼んで、こんどはスーパーへ。昼食をして帰宅してまもなく、長谷川園子さんの後見人とみられる男性(長谷川さんは、いつも〝息子〟〝息子〟と呼び、私が死んだあとは彼に全て任せてあるので、心配ございません-と話しておいでだった)から留守番電話が入っていたので、こちらから電話すると「長谷川さん。お亡くなりになられましたよ。詳しくはあらためて連絡させていただきます」とのことだった。
 1930年10月23日生まれの園子さんの代表作といえば、【あゝ 炎の鯱】である。先日亡くなった精神科医で作家の加賀乙彦さんを尊敬、かつどこまでも慕い、ここ数年は<脱原発社会をめざす文学者の会>にも所属。毎年夏が訪れると自らの戦争体験を永正寺で地元の人たちに話すなどしていた。同世代の加賀さんを心底から信頼し、かつ尊敬しておいでだった。
 それだけに、なんだか加賀さんの後を追って亡くなられたような、そんな気がしてならないのである。園子さんは、ほかに尾張芸術文化懇話会(事務局は永正寺内)の会員としても積極的に活動され、ことあるごとに【平和な社会実現】を願っておいでだった。合掌-
 あ~ぁ。ああ無情とは。このことを言うのか。

 午後は金曜日なのでいつものように社交ダンスのレッスンで一宮のスポーツ文化会館へ。 
 ムーン・リバーの曲にあわせワルツを先生と踊ったが、繰り返しレッスンを重ねるうち、ムーン・リバーの音の調べがとてもよいので、なんとか踊れそうな。そんな気がしてきた。それに帰宅後、オードリヘップバーンが歌っているムーン・リバーを調べたところ歌詞もとてもよく、いっぺんに気に入ったのである。これから余裕さえあれば1人で歩く路上でも繰り返し幻の舞を相手にステップを踏み踊ってみようと思う。これをお読みになっている方々で、もし興味がおありでしたら、ぜひムーン・リバーの調べを聞いてほしい。この音曲は本当にいいな、と。あらためて思う。
 時も時なり、とでもいえようか。夜、かつての私の横笛師匠家入みつ江さんから「春 桜の季節です。先日志ら玉で新年会ありました。都々逸の会の皆さん、伊奈さんだけ! 寂しくなります。私は毎月国内中を1週間程度旅行です」とのメールが入り、懐かしく思ったのである。ともあれ、お元気そうで何よりだった。
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 24日付の紙面は【りくりゅう世界フィギュア初V 今季の主要大会 全制覇】(中日新聞朝刊)。フィギュアスケート・ペアの三浦璃来(21)、木原隆一(30)組=木下グループ=が23日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で金メダルを獲得。昨年12月のグランプリ・ファイナル、ことし2月の四大陸選手権に続いて日本勢初の頂点にたち、今季の主要国際大会全制覇という快挙を成し遂げた、というのである。

(3月23日)
 木曜日。世界気象の日だそうだ。
 新聞の朝刊は文句なく、【日本世界一奪還 WBC 米破り14年ぶり 仲間鼓舞大谷ほえた】(23日付中日朝刊見出し)である。そして中日新聞1面言の葉は「今日だけは憧れるのをやめよう。僕らは超えるために、トップになるために来た WBC日本代表の大谷翔平選手が決勝戦の直前に鼓舞 1面」であった。もちろん、中日スポーツも【侍14年ぶり3度目頂点 大谷世界一 胴上げ投手! MVP!! 史上最高のSHO-TIME】【侍最年少 高橋宏・手記(中日ドラゴンズ投手)】とポイントをつかんだ見開きの見事な紙面展開であった。ついでながら、江南市在住で私も知る希有な漫画家くらはしかんさんの23日付【おれたちゃ ドラゴンズ】もなかなか良いところを突いていた。私は毎朝、中日新聞の本紙は読者からの【くらしの作文】から読むように、中スも【おれたちゃ ドラゴンズ】をどの面よりも先に読むことにしている。

 時にいまいち基本が出来ていない、意味不明極まる出来の悪い本紙夕刊小説やシーズン中はともすれば、負けてばかりの紙面になりがちな中ス記事に比べれば、どちらも深みがあり、読者とともに歩いている親しみやすい紙面だからである。

 中スの見事な23日付紙面展開
 

 こちらも紙面から喜びが伝わってくる23日付中日1面
 

 それはそうと、WBCの歓喜のフィーバーが日本中至る所で鳴き止まぬなか、第20回統一地方選のスタートとなる9道府県の知事選が本日(23日)告示され、現職8人と新人24人の計32人が立候補を届け出、街頭に飛び出した。

2023年3月22日
 けさの新聞の見出しは【日本 劇的サヨナラ WBCけさ米と決勝】【首相、キーウ電撃訪問 「平和のため最大限支援」 大統領と会談 連帯表明へ】【統一地方選 あすスタート 9知事選告示へ】(22日付、中日朝刊)というものだった。

 そして。私・伊神権太はけさ朝一番で「シロは何でも知っている」で知られ、有名でもあるわが家の愛猫シロちゃんを、WBCの決勝戦、日本×米国の試合を偵察させるため米国・マイアミに派遣。シロは途中、天空で大好きなおかあさんを誘い、自身の翼に乗せ、現地に直行。日本の勝ちをいち早く信じた時点でUターン、私のもとに「ニッポン勝つよ。おかあさんと確かめてきた」とわが家に飛び込んできたのである。いつも思うのだが。たいした猫ちゃんである。これも生前の舞の薫陶を受けたからか。

 写真はニッポン勝利を確信して一足早く帰宅。大谷が投げる最後の場面をテレビで確認する白狐猫のシロちゃん
 

 いつもはこのように静かな表情でいるシロ、すなわちオーロラレインボーちゃん
 

    ※    ※
 本日は、ほかに戸田鎮子さんと天野裕康さんから舞の俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】について、丁重なるメールと書簡を拝受し、舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供える。おふたりには、心からありがとうーと感謝したい。
 以下拝受したおふたりのお言葉を抜粋させて頂く。
「晩年はご病気の治療をしながらの句作とか、心よりご尊敬申し上げるとともに、お悔やみ申し上げます。奥様よりも十歳以上の年齢(81歳)で、なんだかボーとして暮らしているだけで、良くないなあと反省しながら、心して読ませていただきたいと思っています。今まで散文しか書いてこなかったのですが、これからは奥の深い俳句の勉強もしてみようかなとも思っております。その前に奥様の句集をじっくり読ませていただいて、勉強させていただこうと思っています。簡単ですが、御礼のご挨拶まで。」(戸田さん)
「私が好きだったのは俳句では、宇宙駆除しあぐねる春の宙/飲み会はオンラインしよう昭和の日 短歌では、3Dに飛び出す映画 今は昔スクリーンにはいつも雨の降る/明るさともの哀しさを合わせもつ日輪のようなあなたはだあれ
 一行詩では、戯れて輝いて一瞬 泡
 でしたが、詩「夕暮れの諧調」も立派なものですし、圧巻はなんといっても
  秋一日絨毯と飛べ我が部屋ごと でした。
 総じて編集に愛情がこもっていることが胸を打ちました。(天瀬さん)
 ちなみに、戸田さんも天瀬さんも名実ともに一流の書き手であり、心からありがたく思っている。ある面で舞は幸せだと思う。

2023年3月21日
 春分の日。外は雨。私の住むここ尾張地方の朝は小雨とともに明けた。
 夜。日本の岸田首相がキーウ入りしたとの電撃ニュース。モスクワではプーチン大統領と習近平国家主席が対談、この席で習主席がプーチン大統領に対話と停戦を呼びかけるなど今後の動向が注目される。世界はここに来て急速に激動している。

 月曜日。春分の日。おかあさん、すなわち、私の可愛い妻たつ江(伊神舞子)が元気なころだったら、決まって私の父が眠る和田霊苑、そして舞のご両親が眠る古知野墓地の順に、お花を手に一緒にお参りに出かけたものなのだが。ことしは息子提言による墓参りは既に19日に終えた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 この世の中、勝ちがあれば負けがある。逆に負けがあれば、勝ちがある。
 とは言っても、米マイアミのローンデポ・パークで現地時間の20日午後7時(日本時間21日午前8時)から開かれた第5回WBCの準決勝で日本がメキシコに6-5で見事に勝ってくれ、これほどうれしいことはない。ましてや、あの村上宗隆(ヤクルト)が最後の土壇場、9回裏に期待どおりサヨナラ逆転タイムリーを放ち、6-5で決勝戦への出場を決めてくれただなんて正直、嬉しい。もう一試合、アメリカとの決勝戦をがんばってほしい。健闘を祈りたい。

 土壇場に勝った侍ジャパンに観客席、ベンチともに大興奮(CBCテレビ)
 

「最後まで諦めない気持ちで」と語る村上宗隆選手(CBCテレビ)
 

 ほかに、大きなニュースといえば、1966年静岡県清水市で一家4人が殺害され、死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定に関し、東京高検が20日午後、最高裁への特別抗告を断念。袴田さんは事件発生から半世紀以上を経て、静岡地裁での再審公判で無罪を言い渡される公算が大きくなったということだろう。戦後の死刑事件で再審開始の判断が確定したのは、これが5例目。過去4例は再審公判を経て83~89年に、どれも無罪となっている。

 袴田さん再審確定を報道した新聞紙面
 

(3月20日)
 将棋の藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が渡辺明二冠=名人、棋王=に挑戦する第四十八期棋王戦五番勝負の第四局が19日、栃木県日光市で指され、後手番の藤井五冠が132手で勝ち、棋王のタイトルを奪取した。シリーズ成績は三勝一敗。六冠達成は羽生善治九段(52)に続き、史上2人目。20歳8か月での達成で最年少記録を更新した。中日新聞の1面見出しも【藤井最年少六冠 20歳8か月 棋王奪取 年内の八冠射程 NHK杯初V 一般棋戦全制覇】と景気が良い。つくづく藤井はたいした人物である。

【藤井 最年少六冠】を報じた新聞
 

 午後、郵便局へ。
 大垣時代に舞がこども俳句で何かとお世話になっていた西田拓郎先生(現在は大垣市墨俣町墨俣小学校の校長先生)に妻伊神舞子の遺稿集【泣かんとこ】を一冊。つい2、3日前に住所違いでわが家に出戻ってきてしまった、もう一冊を郵便局に出向いて、正しい住所を書いて送り直す。
 きょうは、このほか、今は亡き最匠展子さん(詩人)から「伊神さん、いちど奥さまと一緒に行って来たら何かと勉強になってよいわよ」と勧められていた日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にも寄贈本2冊を送らせていただいた。舞の遺稿集【泣かんとこ】をこの先、ひとりでも多く、日本じゅうの人々に読んで頂きたいからである。

 夕方、ポストを開けると、先日、遺稿集を送らせて頂いた岐阜県瑞穂市の、あの小森由美さんから丁重な礼状(はがき)が届いており、思わず目頭が熱くなった。私は小森さんが夫に先絶たれた際に出版され、送られてきた一冊の本への感謝の気持ちを込め、送らせて頂いたのである。小森さんとは、私が岐阜在任時からの文学仲間で彼女の気丈さには私自身、いつも刺激を受け見習わなければ-と思っている。
 はがきには『この度は亡くなられた奥様の遺稿集を送っていただきありがとうございました。才能に恵まれ、高遠で清新な作風を貫かれた方とお見受けし、本当に残念で悲しく思います。そして亡き人のためにこうした本を出版される伊神さんのお気持ちにも痛い程共感できます。でも、こうした数々の言葉を遺されている伊神さんのことを羨ましくも思います。(中略)「泣かんとこ」 良い言葉ですね。どうぞお元気で』と書かれており、私ははがきを仏前に供え手を合わせたのである。小森さん、ありがとう。

(3月19日)
 日曜日。
 春分の日に先がけ、息子に勧められるまま、おかあさんの墓へ。愛猫シロちゃんに留守を頼み、彼と共に舞の眠る永正寺永代供養集合墓【濃尾の大地】の<舞の墓>へ。引き続き私の両親が眠る和田霊苑、古知野の舞の両親が眠るお墓の順で花と線香を手にふたりでお参りして歩いた。天気がよかったからか、どこも、墓参りの人で埋まり、あとからあとから人の波が絶えず、ナンダカ満員電車に乗り、お参りをせかされているような、そんな錯覚といおうか。気持ちにまでとらわれた。人々の気持ちは皆同じなのだとつくづく思う。
 いずれにせよ、久しぶりに舞の墓にお参りすることが出来、からだのどこか見えないところで私と息子はホッとしたのである。思えば、たつ江(舞)が元気なころはお彼岸がくると判で押したように、私の両親の墓と舞の両親のお墓に半ば強引にお花を手に連れられていったものだ。だが、その彼女が、もはや、この世にはいないだなんて。

 そういえば、昨日、東京・武蔵野市の同人誌「街道」の木下径子さんから「とってもステキなご本を頂いてありがとう。よく作ってあり、すばらしい遺稿集です。【泣かんとこ】の題もとってもよい。一匹文士のあなたさまの文にはいつも注目していますが、奥さまもこれだけの才能がおありのお方だったとは。よく作っておあげでした」と丁重なる肉声の電話が入り、私は心の底から感謝、仏前に私のスマホを置いて舞(静汐院美舞立詠大姉)に木下さんの肉声をお供えして報告させて頂いたのである。木下さん。ありがとうございます。息子たちにも報告しておきました。

(3月18日)
 土曜日。昼間、江南市内の喫茶店であった中高校時代のクラス会『二石会』の役員会に出席する。新しい会長である須賀藤隆くんの前向きなヤル気と情熱がポンポン伝わってきた。前任会長として「これなら〝須賀政権〟は、とても楽しみだ。前任者としても協力しなければ」と思った次第。いずれにせよ、我々は喜寿なのである。とても信じられない。でも、それが現実なのだから仕方ない。

 名古屋地方気象台が17日、16日の岐阜市での開花宣言に続いて、名古屋市でも開花宣言。名古屋市での桜の開花は統計を開始した1953年以降では、89年、90年、2021年と並び最も早く、平年と比べて7日、昨年より5日早かったという。

 第95回記念選抜高校野球大会がきょう18日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕。記念大会のため例年より4校多い36校が出場し始まった。新型コロナウイルスによるコロナ禍の影響で2020年は開幕直前に中止。21、22年は開幕されたものの、観客数が制限され、開会式が簡略化されたりした。また22年は関係者が新型コロナに感染したため2校が出場辞退。こうした苦難の道を乗りこえ、今大会は観客の声出し応援が解禁され、マスクの着用も個人の判断に委ねられることになった。
 この日は雨で1時間半遅れの午前10時半に開会式がスタート。選手全員が4年ぶりにグラウンドを一周する入場行進があり、選手らはあこがれの甲子園の芝と土を踏みしめ、香川・高松商主将の3年横井亮太主将が「若者が希望を持ち、夢を追いかけられる平和な世の中となるように。勇気や感動を届けることで、支えてくださる全ての方に御恩返しをしたい」などと選手宣誓した。

 グラウンドを行進する球児と国家を歌う女子高校生(NHKから)
 
 

 選手宣誓をする高松商の横井亮太主将(NHKから)
 

 そして。とても悲しいニュースは【黒田杏子さん死去 84歳 俳人「平和の俳句」選者 <評伝>観察と学び 信条貫く】(18日付中日朝刊)に【国際刑事裁 プーチン氏に逮捕状 子ども連れ去り関与疑い ゼレンスキー氏「歴史的」】(同中日夕刊)か。このうち、プーチン氏の犯罪は誰が見ても明らかで、国を統治するロシア大統領が国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)に戦争犯罪の容疑で逮捕される、そのぶざまな姿をぜひ、この目で確かめてみたい。ともあれ、世の中は絶えず動き、川の流れのように時には濁流となって動いているのである。

 黒田杏子さんの訃報を伝える中日新聞(東京新聞)
 

 車いすテニス男子の第一人者として今年1月に現役を引退した国枝慎吾さん(39)が17日、首相官邸で国民栄誉賞表彰式に臨んだ。

(3月17日)
 日韓首脳会談が16日、首相官邸で開かれ、11年以上、途絶えていた首脳同士の相互訪問「シャトル外交」の再開で一致。外務、防衛当局による安保対話の早期再開も確認。日本政府は韓国への半導体関連材料の輸出規制強化を解除すると発表した。WBC日本代表が16日、東京ドームでイタリアと準々決勝を戦い、9-3で快勝。5大会連続での4強入りを果たした。ほかに気になるのは【袴田さん再審特別抗告へ 高検検討、最高裁改めて判断】(17日付、中日1面見出し)。
 NHKラジオの朝の番組「ラジルラボで新しい出会いと発見を」が本日でなくなる、とのこと。この番組は、亡き妻たつ江(伊神舞子)が毎日楽しみにして、自ら立ち上げたリサイクルショップ「ミヌエット」店内で、いつも聴いていた番組だけに、なんだか惜しい気がする。

 岐阜地方気象台がきのう16日に岐阜市で桜が開花した、と発表。平年より9日早く、1989年、2021年と並んで観測史上、最も早い開花となったという。
 それはそうと、愛知県警一宮署が昨日発表したニセ電話詐欺事件には驚いた。一宮市内に住む80代の無職女性が1月下旬から今月中旬にかけてニセ電話詐欺に遭い、計3780万円をだまし取られたというのだ。調べによると、女性は1月28日に携帯電話に「利用料金について確認事項がある、とのメールを受け記載された電話番号に連絡したところ、通信事業者を名乗る男から「料金が未払いになっている」と言われ、2月1日までに複数回、電子マネーを購入させられ、130万円分の利用券を詐取されたあげく、さらに2月6~8日にかけ同じ男からこんどは「あなたの携帯電話番号が流出する事件が起き、被害届が出てます」などといった電話を受け、3月11日までに6回、現金計3650万円を指定された住所に郵送、だまし取られた。その後、男と連絡が取れなくなり警察に届け出たという。この世の中には悪い人間がいっぱいいる。ああ~

 悪いヤツと言えば、だ。ほかには、警視庁捜査2課が16日、インターネットの動画投稿サイトで俳優らを脅迫したなどとして暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉棄損などの疑いで前参議院議員で政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)に対する逮捕状を取った。

(3月16日)
 北朝鮮が16日午前7時9分ごろ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を日本海へ発射。防衛省は約70分飛行して北海道・渡島大橋の西方約200㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される-と発表。この日は午後、首相官邸で岸田文雄首相と尹錫悦(ヨンソンニョル)韓国大統領との日韓首脳会談が行われることもあって、北朝鮮の脅威を念頭に安全保障協力を強める日韓への対抗姿勢を示す意図もあるとみられている。

(3月15日)
 水曜日。きょうは、一昨年の10月15日に旅立った舞の月命日である。悲しさには限りがないことをしみじみ思う。

 本日付の中日新聞によれば、第565回中日懇話会が14日、名古屋市内であり、俳人の黛まどかさんが「HaiKu for Peace  平和への一句」と題して講演。外国語の短い三行詩が「俳句」と呼ばれ、海外で普及していることを解説。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに世界から句を募集した自身の取り組みを紹介した、という。

 参院は15日の本会議で国会欠席を続け、議場での陳謝の懲罰も拒否した「政治家女子48党」のガーシー議員に対し、最も重い除名の懲罰を科すことを出席議員の3分の2以上の賛成で決定。尾辻秀久参院議長が除名を宣告。ガーシー氏は議員の資格を失った。現行憲法下で国会議員が除名されるのは1951年いらい72年ぶりで3例目。国会欠席を主な理由とするのは初めて。

(3月14)
 気象庁がこの日、東京都心部で桜(ソメイヨシノ)が開花した、と発表。2020、2021年と並んで観測史上、最も早い開花で昨年より6日、平年より10日早かった。

 けさのニュースは、やはり1966年に静岡県清水市で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求の差し戻し審で東京高裁(大善文男裁判長)が13日に検察側の即時抗告を退け(棄却して)、再審の開始を認める決定を下したことである。新聞各紙は【袴田さん再審認める 犯行着衣「捜査側捏造疑い」 東京高裁差し戻し審】(中日14日付朝刊)などと報じている。
 今ひとつは、ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの死で、こちらも【大江健三郎さん死去 88歳 ノーベル文学賞、九条の会 護憲、反原発声上げ続け】【文学、社会向き合い 大江健三郎さん悼む声 被爆者「精神的支柱だった」 世界に向け発進 後進作家へ影響】(中日14日付)などと報じていた。

 そして。何よりも私たちに身近なニュースと言えば、だ。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日にいよいよ、「5類」へ移行するのを前に感染対策のマスク着用ルールが緩和され、きのう13日から着用の判断が原則個人に委ねられるようになった-ということである。
 いわば2023年3月13日は【脱マスク】初日で、マスク着用の判断が原則、個人に委ねられるようになった、まさにその日なのである。とはいえ、けさの報道は、【「脱マスク」初日 様子見多く 東海の鉄道や百貨店「周りの目」ある】といったもので、以前のような<脱マスク社会>が定着するまでは、なおしばらくの時がかかりそうである。

2023年3月13日
 月曜日。新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールの緩和で、この日から日本の各地で〝脱マスクの日常化〟が始まった。デ、夕刊は、やはりマスク、マスク、マスクについての満載である。中日夕刊が【素顔の日常 でもやっぱり… マスク「個人判断」はじまりの朝 名駅は見慣れた風景】なら、毎日夕刊も【マスク変わらぬ非日常 「個人の判断」スタート】【首相は変化 外して官邸入り 予算委閣僚らも】といった見出しだった。
 ほかには、将棋の藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖、愛知県瀬戸市=に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負の第六局が11、12日に佐賀県上峰町で指され、後手番の藤井王将が八十八手で勝ち、シリーズ成績を四勝二敗として初防衛に成功。国際宇宙ステーション(ISS)滞在を終えた若田光一飛行士(59)が11日夜(日本時間12日午前)、米国とロシアの飛行士計3人とともにスペースXの宇宙船クルードドラゴンで米フロリダ州沖に着氷し、無事帰還した。

 よい話ばかりでもない。
 ノーベル文学賞作家で2004年に憲法9条の堅持を求める「九条の会」呼びかけ人にもなった大江健三郎さんが今月3日未明、老衰のため亡くなった。88歳だった。また女性で初めて参議院議長を務め、国土交通大臣などを歴任した扇千景さんも9日にがんのため東京都内の病院で亡くなった。89歳だった。

 ほかには、名古屋ウィメンズマラソン2023(日本陸上競技連盟、中日新聞社主催)が昨12日に名古屋市東区のバンテリンドーム名古屋発着で行われ豊橋市出身で2021年東京五輪代表の鈴木亜由子(31)=日本郵政グループ=が2時間21分52秒の自己最高記録で日本勢最高の2位に入り、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。1位は2019年世界選手権(ドーハ)金メダルのケニア、ルース・チェブンゲティッチ(28)が2時間18分8秒で2連覇を達成。同東京五輪代表の前田穂南(26)も自己新記録の2時間22分32秒で3位となり、パリ五輪代表選考会への出場権を得た。
    ※    ※

    ☆    ☆
 きょうは正直いって、新聞休刊日で朝刊がなくて、ホッとしている。朝刊がくると、しっかり納得いくまで読むのに結構な時間がかかる。だからだ。

 午前10時過ぎ。いま。私のデスクの下、ミニ電気ストーブの上にはかわいいシロちゃんがチョコンと座っている。シロは私に語りかける。「でも、だいぶ暖かくなってきたよね。オトン、良い原稿を書いてよね」と。

 私の傍から離れない愛猫シロちゃん
 

(3月12日)
 日曜日。名古屋へ。
 名古屋市内の愛知芸術文化センター12階アートスペースE・F教室で開かれた中部ペンクラブ主催の【公開セミナー「同人雑誌と共に50年」 講師は「じゅん文学」主宰で作家の戸田鎮子さん】を聞くために、である。「じゅん文学」といえば、東海地方と言わず、全国的にも、その内容は傑出、戦後最初の芥川賞作家小谷剛さんの血を引く全国に誇る同人誌といっても良かっただけに昨年12月の110号で終了するまで28年間、長きにわたって主宰をしてこられた戸田さんには、頭が下がる。
 そして。戸田さんといえば、である。かつて私が新聞社の編集局デスク長(サンデー版と特報面)だったころ中日新聞夕刊で2005年2月~6月にわたって【同人誌 その土俵】の連載を書くに当たっても、お世話になった。それだけに、戸田さんの講演は何をさておいても聞いておく必要がある、と。そう思って出かけたのである。講演後。もし時間があれば、東海地方の同人雑誌界の現況とこれまでの経緯について多々、お聴きしたくもあったが、きょうのところは控えた。
 会場には、「じゅん文学」の同人で、社の大先輩でもある藤沢さん、さらにはかつての同僚記者の奥さまにも思いがけず、お会い出来、足を運んで良かったーと思った。本当をいえば、新聞小説の出来の良しあしなどについて戸田さんの見解をお聞きしたいことは山ほどあったが、きょうのところは邪魔になってもいけないと判断し自らの口を封じた。機会があれば、またお聞きすることは出来るだろう。

「鬼のすみかみたいで厳しかった」。自ら育てた〝じゅん文学〟の足跡について感慨を込め話す戸田鎮子さん
 
 
(3月11日)
 土曜日。
 死者・行方不明者(関連死含む)が2万2212人と戦後最悪の自然災害・東日本大震災からきょう11日で12年。十三回忌を迎えた。警察庁によると、死者が1万5900人、行方不明者は2523人。死者のうち53人は遺体こそ見つかったが、今も身元はわかってはいない。ほかに震災や原発事故に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなった関連死が3789人、自殺者も248人に及ぶという。
 そして。東電福島第一原発事故による福島県の帰還困難区域は、一部で避難指示が解除されたものの東京23区の半分ほどの面積、約322平方㌔にも及び、避難者となると全国各地に3万1000に及んでいる。

 東日本大震災と大震災発生直後に起きた不幸極まりない福島第一原発事故の発生。大地震と原発事故発生というダブルパンチがほぼ同時に人間社会を襲った2011年から数年間というもの、私は毎年のように塩屋埼灯台でも知られる「いわき市」はじめ、隣の楢葉町、広野町、ほかに仙台市、多賀町、名取町、南相馬市、山元町、そして浪江、双葉、大熊、富岡の各町、さらには飯舘村まで被災した各地を何回となく訪れ、現地のありのままの状況を本紙「熱砂」などでそのつど、紹介してもきた(詳しくは本欄の毎年の3~4月を中心に読んで頂けたらよい)。年々、大きくなっていく嵩上げ護岸堤、年々、見違えるほどに復興してゆく被災地などをこの目で追ってきただけに、どうしようもない寂しさと消えぬ哀愁は今も変わりない。

 これは、塩屋埼灯台近くの嵩上げが終わった地区での話だが。ある日、一頭の野良犬がどこまでも私に近づいて歩いてついてきた。出来たばかりの護岸堤横の見事に整地されたかつての被害現場で、頭をこすりつけ「ここまで、復興したんだけれど。ボクにはよく分からない。大震災以前の方が、海がいつも見えてよかった」とでも訴えるように、何度も何度も頭をこすりつけてきた時には、涙が出て止まらなかったが、そうした日もあった。
 
(3月10日)
 東日本大震災に襲われた3・11からあすで丸12年である。

 というわけで、新聞紙面は【東日本大震災あす12年 住宅移転先3割が浸水域 昨年公表の津波想定受け 2523人依然不明】【コロナ収束傾向 今後は 専門家「反転増も」現場「次に備え」】【WBC日本白星発進 1次リーグ中国戦 大谷「二刀流」】(10日付、中日朝刊)【日韓首脳関係改善一致へ 尹氏来日 16日会談 シャトル外交再開調整】【侍好発進 初戦、中国に大勝 大谷近づく「世界一」の夢】【ワクチン支援縮小 新型コロナ 政府「5類」移行で】【藤井、名人挑戦 最年少懸け】(10日付、毎日朝刊)といった具合だ。

 私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイも早や39回目に。「熱砂」同人にとっては、他に誇るコーナーと言っても良いコーナーだけに、毎回切り口に悩む。今回は妻たつ江(伊神舞子)亡きあとの食事のことをただひたすらに心配してくれていた母の私への思い、言葉に焦点をあて書いてみた。引き続いて、黒宮涼、伊吹、牧すすむの各氏の個性あふれるエッセイが登場するだけに、読者のみなさまにはぜひとも読んで頂き、それぞれの人生と重ね合わせて頂けたら、と願う。

 きょうは、週に一度の社交ダンスのレッスン日。なので、午前中、あれやこれやとすべきことをこなしたうえ、一宮スポーツ文化センターへ。社交ダンスを続けることは、舞から私への遺言だけに、どんなに忙しかろうが、レッスンを欠席するわけにはいかない。幸い、一時、入院手術に耐えられていた若先生の両足も順調に回復してきたーとのことで、きょうはしばしば、共に組んでいただいての個人レッスンとあいなった。
 昨年来、続けてきたタンゴをほぼ克服したので、きょうからは他のレッスン仲間とともに新しい、ブロンズ級ワルツのレッスンが始まった。つくづく思うに、わたしがこうして元気でいられるのも舞の至言「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けてよね。わかった。大丈夫だよね」のおかげか。つくづく感謝している(おかげで私は恥ずかしながらも、今ではモダン・ラテンとも愛知県インターナショナルダンス教師協会の一級合格証を所持している)。

 社交ダンスを終え帰宅すると、ポストに県立神奈川近代文学館館長から1枚の丁重なるはがきが舞い込んでいた。【伊神舞子著『泣かんとこ』 左記の貴重な資料を県立神奈川近代文学館に御寄贈いただきまして誠にありがとうございました。御寄贈いただきました資料は、県と神奈川文学振興会が責任をもって有効に活用させていただきます。 令和五年三月七日】という内容だった。私は、この丁重なる一枚の礼状を、さっそく舞の仏の前に供え「ありがたいことだよね。感謝しよう」と呼びかけた。

 中日新聞の10日付夕刊<あの人に迫る>に【食と環境のため 「守りの農業」で 佐々木正 有機農業の担い手育成】の記事。この世には、立派な方々がいっぱい、おいでだ。

(3月9日)
 木曜日。野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表がこの日、東京ドームでの一次リーグB組初戦で中国に8-1で快勝。大谷翔平(エンゼルス)は二刀流として「三番・投手兼指名打者(DH)」で先発、4回を投げ無四球の1安打無失点で5三振を奪い、勝利投手に。打では2点二塁打を含む2安打2四球で、白星発進に貢献した。

 この日はBSの日テレ(4チャンネル)で【三宅裕司さんの『ふるさと探訪』】が放映された。私が住む江南の名物あれこれが紹介されたが、<いつでもあつあつの しげちゃんのコロッケ>をはじめ、ずっと目が合う<永正寺の仏像(永正八方釈迦如来)さんの特別参拝><布袋の大仏さん><すき焼きモーニング>と、どれも見ごたえがあり、なかなかよい企画であった。
 三宅裕司さんの人間性もとてもよく、これで江南の株はひとつ上にいったか。そして。私は、何よりも、これら秘話の紹介を番組に投稿されたという愛知県江南市、石井悦子さんを称えたく思うのである。かつての武将、織田信長はじめ木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)らが飛び回っていたこの街には、信長との間に3人の子をもうけた吉乃の存在などまだまだ偉大な秘話が隠されている。三宅さんには、これを機会に、そのことも知ってほしく思う。いい番組であった。

 ずっと目があう永正寺の仏像
 

 説明に当たる永正寺の中村建岳住職
 

 布袋の大仏さま
 

(3月8日)
 この世は毎日、いろいろ変わる。鬼になれば、仏にだってなる。一昨年の秋に彼岸に旅立ったおまえ。すなわち、たつ江、舞の住む世の中はどうですか。元気でいますか。こちらは、もう春。【今は、もう春】ですよ。そう。氷が融けて春になったのです。
 
 おまえが大切にし続けてくれている愛猫シロちゃん、オーロラレインボーが先ほど天空に飛び立つかのように外に出たので女同士、世界のいろんなことを話し合ってくれたら、私はとても嬉しい(私はおまえが今もオーロラレインボーを愛し続けてくれている本物愛には、とても感謝している)。そういえば、きょう【3月8日】は、国際女性デーだったよね。お空のどこかに浮かんでふたりでいろいろ話していると思うと、そのいじらしい光景が瞼に浮かぶ。きょうは、おまえも知っているピースボートの船友さんから和歌山は白浜の海の写真が送られてきたので、ここに紹介しておきます。おまえは生前、なぜか「和歌山に行きたい。パンダに会いたい」が口癖だったよな。一度、一緒に行こうとしたら、たまたま荒天で急きょ「ならば、これまたおまえが次に行きたい、といっていたフラダンスを見に行こうよ、と急きょ、行き先を東北に変更。それまで私が毎年のように訪れていた東日本大震災の被災地・いわき市に行き私が毎年のように訪れていた被災地のあちこちに一緒に歩いて回り、ついでに湯本温泉に宿泊。翌日、スパリゾートでフラダンスを見たことがあったよな。おまえは、あの時、本当に嬉しく楽しそうだった。

 なんだか随分と変な話になってしまったが。こんどこそ、和歌山に一緒に行こう、と共に誓い合っていた。のに、である。おまえは、そんな矢先に、まるで狙い撃ちでもされるように、病に倒れたのである。
 おかしな話になってしまったが。というわけで、船友さんが旅先から送ってくれた和歌山は白浜からの1枚の海の写真には感激したのである。そして。ほかに嬉しかったといえば、私の誕生日(3月6日)に息子夫妻から送られてきたお菓子。これまた、すばらしい味であり、風雅なデザインであり第一おしゃれであった。おかあさんの仏(静汐院美舞立詠大姉)前にもお供えした。おかあさんは甘党ではなかったが、きっと「おいしい」「おいしい」と喜んで食べてくれたに違いない。

 船友から送られてきた白浜の写真。静かな海と浜辺に、舞と歩いた過ぎし日々を思い出した
 

 息子夫妻から送られてきた風雅で、とてもおしかったお菓子
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 けさの新聞は【政治の男女格差 地域差拡大 首都圏改善 地方低調 きょう国際女性デー】【H3打ち上げ失敗 2段目点火せず 対策、長期化恐れ イプシロンに続き破壊 中部の技術が結集 着火信号に問題か】【放送法解釈巡る資料 総務省文書と認め公表 高市氏、関係箇所は「不正確」】(8日付中日朝刊)【中国(秦剛)外相、米をけん制 初記者会見 露との親密さ誇示】【「焦点」「官邸介入」主張平行線 放送法内部文書公開 政府、存在認め幕引き狙う 制作現場、委縮を懸念】(8日付、毎日朝刊)といったところか。
 それから。参院は8日午前、本会議を開いたが、「議場での陳謝」の懲罰を受けていたNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員は欠席し、尾辻秀久参院議長は再び懲罰委員会に付託すると宣告。懲罰委は最も重い「除名」を軸にガーシー氏に対する懲罰を検討することになったという。それにしても、なんとまあお粗末な議員とは、このことを言うのだろう。

(3月7日)
 火曜日。満月。
 春の陽、光りが日に日に大きく近づいてきている。わが妻たつ江、そして。舞は。この広い空のいったい全体どこいらに、いるのか。それに。おまえの大好きなシロちゃん、オーロラレインボーは、悲しみを押し殺して、きょうも先ほど外にでかけた。まもなくおまえのところに行くだろうから。待っていてほしい。
    ※    ※

 韓国政府が昨日、元徴用工訴訟問題で日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする解決策を正式発表。岸田首相は記者団に「植民地支配への痛切な反省と心からのおわびを明記した日韓共同宣言の継承を表明。このところ悪化していた両国関係が両政府の事実上の合意で大きく前進。両国とも尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田首相との会談調整に入ったという。お隣りさん同士、日韓が仲良くしていくことはとても良いことであり、私としては大歓迎である。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表チームが6日、京セラドーム大阪で阪神との強化試合に臨み、日本代表チームに合流後、初めて実戦出場した大谷(エンゼルス)が三、五回に2打席連続で3ランを放ち3打数2安打6打点と活躍し8―1で阪神に大勝した。私としては、あのヤクルトの村上にも胸のすくようなジャンボホームランを打ってほしかったのだが。彼のことである。そのうちに打つだろう。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、新型主力機H3ロケット初号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射したが、2段目のエンジンの着火が確認されず、地上から指令破壊の信号が出され、搭載した地球観測衛星「だいち3号」は予定の軌道に打ち上げられず、失敗に終わった。初号機は2月17日にも電源系統の異常を検知して補助の固体ロケットブースターの着火が止まるトラブルがあり、発射を直前に中止していた。JAXAは、その後異常を解消できたとして予備期間である3月10日までの発射をめざしていた。

(3月6日)
 3月6日。啓蟄。恥ずかしながら、私の誕生日である。
 愛知県公安委員会から先月22日に愛知県警江南署で受けた認知機能検査の【結果通知書】なるものが誕生日にあわせるように届いた。【36点以上で「認知症のおそれがある」基準には該当しませんでした。】というものだった。そして通知書には「今回の結果は、記憶力、判断力の低下がないことを意味するものではありません。個人差はありますが、加齢により認知機能や身体機能が変化することから、自分自身の状態を常に自覚して、それに応じた運転をすることが大切です。記憶力・判断力が低下すると、信号無視や一時不停止の違反をしたり、進路変更の合図が遅れたりする傾向がみられますので、今後の運転について十分注意してください。 令和5年2月22日 愛知県公安委員会」とも書かれていた。
 あ~あ、そんな年代になってしまったのか。そう思うと、なんだか悲しくて泣けてくる。

 トルコ南部のアンタキヤ発の共同電によると、トルコ・シリア大地震の発生から6日で1カ月。両国で計5万2000人以上の犠牲者を出した歴史的な震災となり、現地は多数の被災者の生活再建や継続的な支援、インフラ復旧など課題が山積しており、復興への道のりは長いという。
 そういえば、昨夜と前夜の二度にわたって放映されたNHKスペシャルの【南海トラフ巨大地震▽日本襲う最悪シナリオ〝揺れ・津波・火災〟ドラマ森沢家の運命は】と【南海トラフ巨大地震▽30年以内にM8級が? 未曽有の過酷シナリオ激震・津波▽命を守るために今できることは】は、こんご生きていくうえで貴重な道標になるともいえよう。
 中国の全国人民代表大会(全人代、国会)が5日、北京の人民大会堂で開幕。李克強首相は今年の経済成長目標を前年より0・5%低い「5%前後」に設定した。

(3月5日)
 土曜日。午前中、江南市老人福祉センターへ。私が住む街、江南市古知野町花霞町内会の令和4年度第2回定時役員総会に評議員として出席するためで、4年度の花霞町内活動報告&決算、5年度の町内会役員の選任、花霞の町内会規約の一部変更の3案につき、それぞれ担当者から説明があり、いずれも原案通り承認、可決とあいなった。この日は、子ども会はじめ安全見守り隊、むつみ会(老人クラブ)の活動報告もあったが、どれも立派な内容で感心したのである。

 中日新聞(東京新聞)伝統の見開き展開のサンデー版大図解は、【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】というもので、総合リードは「東京電力福島第一原発事故から間もなく12年を迎えます。事故収束作業は放射線量の高い原子炉周りが多くなり、より一層難しさを増してきました。周辺の被災地では、帰還は困難とされてきた地域でも避難指示解除の動きが強まっていますが、いったん破壊された地域の再生は容易ではありません。原発周辺の貯蔵施設に集約された膨大な汚染土をどうするのか、重い課題もあります。最新の状況を最新の画像やデータをまじえてお伝えします。」というもので、大熊町、飯舘村、浪江町、富岡町、双葉町、葛尾村と地域別、年代別に再生の道を歩む現状について地図と写真入りでわかりやすい紙面内容となっていた。
 サンデー版といえばかつて私自身、長年サンデー版デスク長(特報デスク長と兼任)として5年ほど携わり、300文字小説のコーナーも設けたが、その300文字小説のコーナーが26日付サンデー版でいよいよ終了する-との告知には少し残念な気がしたことも事実だ。でも、読者の1人ひとりが、その人の宝石としてそれぞれの思いを300文字に託すことは自由なのである。1人ひとりが、これからも300の文字にそれぞれの思いを託していくことは可能かと思う。

 3月5日付中日新聞(東京新聞)のサンデー版大図解【最悪レベルの事故から12年 福島第一原発と被災地は今】
 
 

 ほかには、各本紙で【全人代2023 きょう開幕 習体制3期目本格始動 首相に側近李強氏就任へ】(5日付毎日)【「奇跡の救出」僕の後悔 津波警報避難せず流され 「失敗伝えたい」語り部に 東日本大震災12年】(5日付中日)といったところか。

2023年3月4日
 石川県能登半島は七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から届いたお花も加わり、わが家は舞(伊神たつ江。静汐院美舞立詠大姉)の1階仏壇=ここには、昨年101歳で亡くなったおふくろ伊神千代子の写真も一緒に供えられている=はじめ、1、2階の遺影の前など、どこもかしこも花でいっぱいである。息子ばかりか、舞にかわいがられていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)までが花の手入れなど、あれやこれやと助けてくれている。

 わが家はどこもかしこも花で満たされている
 

 

 シロも桃の節句気分
 

 中日新聞の朝刊は原子力規制委員会が3日に開いた北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の再稼働の前提となる新しい規制基準への適合審査会の会合で「敷地内に活断層はない」とする北電の主張が妥当だというもので、2016年に「活断層の可能性を否定できない」とした規制委の有識者調査団の判断が覆り、再稼働に向けた一歩となったと報じるものだった。というわけで、見出しは【志賀原発「活断層なし」 規制委、従来の判断覆す】(4日付、中日新聞朝刊)というものだったが、自然災害はいつやってくるかは分からない。これを信じてよいものかどうか。難しいところだ。

 もう30年以上前になるが、志賀原発の誕生に当たって北陸電力の招きで現地視察をした際、地元マスコミの代表として志賀原発本体の電源スイッチを初めて押した私(あの日は能登半島にとって歴史的な日であり、少し緊張した)としては、その後ここまで安全が保たれてきた以上、今となってはこのまま安全が永遠に保たれることを願うほかない。
 あのころは、新聞社本社からの手配で能登半島の各支局、通信局部に点在する各記者にヨウ素剤が大量に送られてきたほか、現地でも独自に確保するように-と再三の指示があるなど、まさに有事に備えて緊迫、戦々恐々としていた。
 そして。いつ訪れるか知れない原発事故による放射能汚染に備え、ヨウ素剤の確保を本社サイドから現地に再三にわたって要請してきたばかりか、本社からもヨウ素剤を各支局、通信局部に送ってくるなど連日、本当にピリピリし、大変だったことをしっかり、覚えている。幸い、あの日以降、放射能漏れなどの事故は起きてはいない。能登の美しい山や川、海が放射能で汚染されることを思ったら泣くに泣けないのは昔も今も変わらないのである。

 このほかのニュースといえば、だ。【名古屋で SHOW TIME WBC壮行試合】というもので、WBC日本代表が3日、バンテリンドームナゴヤ(名古屋市東区)で中日ドラゴンズとの壮行試合に臨んだことか。この日、チームに合流した米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(28)は試合前の選手紹介で「JAPAN」のユニホームを着て登場。満員の観客席から大きな拍手と歓声が湧きあがったという(試合の方はドラゴンズが7-2で勝った)。
 一方で【中1が同級生切り付け 広島の校内「誰でもよかった」】【「幼い頃から人殺したかった」 埼玉切り付け、少年供述】(4日付中日見出し)といった殺伐とした事件が多い。ジャズ界の巨匠として知られた米サックス奏者で作曲家のウェイン・ショーターさんが2日、西部カリフォルニア州ロサンゼルスの病院で死去。89歳だった。死因は明らかにされていないという。

    ※    ※
【「僕は全然関係ない」 容疑者、知人に関与否定 タリウム殺人】とは、毎日新聞の4日付夕刊。ほかに【クフ王のピラミッドで未知の空間見つかる。古代文明の謎を解き明かす鍵になるか。 ☆ 事実の解明が欠かせぬ。安倍政権下での放送法の「解釈変更」に、政治的圧力があったとする文書が明るみに。 ☆ 志賀原発直下の断層を巡り、原子力規制委が「活断層ではない」とする北陸電の主張を了承。7年前の判断覆る。】とは、同日付毎日夕刊の近事片々氏。

(3月3日)
 今井さんから届いた大きなお花。さっそく遺影前に運んで「今井さんからだよ」とその旨を伝える
 

 本欄でも既に紹介させては頂いたが、懐かしい人、能登半島七尾市の今井富夫さんからの1本の電話はきのう突然、かかった。
「桃の節句で、あすはお雛さまだから、奥さんに」と昨日、七尾の今井富夫さん(元七尾青年会議所理事長)から入った電話のとおり、これ以上はないといってよいほど立派かつジャンボなお花が、今は亡きたつ江(舞子)の霊前に送られてきたのである。
 今井さんが、北陸中日新聞の能登版でわが妻(本名はたつ江)の伊神舞子俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】の存在を知ったためで「いがみさん。気イ落とさんで。あすは桃の節句。おひなさまなので奥さまに、と思って花を送らせてもらうから」との言葉どおり、きょうの朝早く立派な花がわが家に届いたのである。私は、すぐ近くのクロネコヤマトの営業所を訪れ、妻の遺稿集を宅急便で能登七尾あてに出させて頂いたのである。
 今井さんとは、<みかんの花咲く丘>の作詞者加藤省吾さんはじめ、能登七尾湾で七尾JCの求めに応じ【能登の夢】を作詞した森繁久彌さん、ほかに港の町づくりに先頭になって突き進んだ当時のJCメンバー、そして加賀屋の小田禎彦さんのことなど。共に若い血をたぎらせた日々が忘れられないのである。

 きょうはそんなわけで。ほかに歯医者さんでの定期的な清浄治療、午後の社交ダンスレッスン……と、まる一日、ちょっとした大車輪の一日になったのである。

(3月2日)
 3月の声を聞き、どこかウキウキするのは、なぜか。
 戸外からはスズメなど鳥たちの鳴き声が聴こえてくる。たつ江(伊神舞子)が健在だったころにはおひなさまが近づくと、玄関入り口の靴入れの上や彼女の部屋のデスクの一角などに、どこから手に入れてくるのか。紙製で簡易ではあるが、きらびやかなミニ雛壇飾りをかざっていたのが懐かしい。
 あのとき。せめて本格的な雛人形のひとつやふたつでも買ってきてどこかに飾っておけば、それはそれで「きっと。それだけで喜んだはずなのに」と、今になって深く、つくづく悪かったナと反省している。舞はそういうことには敏感な女性であった。
 言い訳になってしまうが、わが家は5人家族で私と3人の息子以外に女性は舞(たつ江)と愛猫シロちゃん、すなわちオーロラレインボーだけ(シロちゃんは今も私と元気に過ごしている)。それだけに、26歳で20歳の彼女と一緒になって以降、ただの一度もおひなさまを飾ってやれなかった大失態を今ごろになって深く反省。悔やまれて仕方がないのである。

 午後。七尾のお花屋さん「花正」の今井富夫さんから思いがけず、留守電に電話が入る。折り返すと「奥さんの俳句短歌遺稿集【泣かんとこ】を読ませてもらった。あすは、ひな祭りなので花を送ろう、と。そう思って」とのことば。今井さんは、今から30数年前、私が新聞社の七尾支局に支局長として在任中の七尾青年会議所理事長で、ともに♪海を感じる心を国内外に発信しようーと新聞社と共催による「海の詩(うた)公募」事業を進めたいわば同志、かつての仲間だといってもよい。そればかりか、当時、市民運動として開花しつつあった【港の町づくり運動】の先頭に立ち、七尾港フィッシャーマンズワーフ誕生に大いに貢献したJCメンバーのリーダーのひとり、中心人物でもあった。
 いわば、同志的存在だったと言ってもいい、その今井さんから思いもかけていなかった電話が入ったのである。今井さん曰く。「北陸中日新聞の能登版で伊神さんと奥さんの本【泣かんとこ】を読ませて頂いたが、あすはひな祭りなので花を贈らせてもらおうと思うて」と昔のままの声が耳に飛び込んできたのである。「(当時のJC仲間である)さたみ(佐田味さん)から教えてもらい、読ませてもろうた」というのである。思いがけない電話とありがたさで私の目は、みるみる涙に潤み、沈んでいったのである。

2023年3月1日
 3月1日。真っ青な<あお>が、この空に広がっている。
 私たち家族。そして愛猫シロちゃんにとっても、だれよりも大切かつ、愛おしかった妻のたつ江(舞)が元気でいたなら。きょうは満71歳の良き日。誕生日である。というわけで、心から「おめでとう」と大空に向かって話しかけてみる。と、空一面にあの笑顔が浮かび、ニッコリとほほ笑んでくれた、そんな気がした。
(彼女は昭和27年2月29日生まれなので生前、本物の誕生日はいつも4年に1度しかこなかった。というわけで、来年の誕生日がくると、番茶も出花の満18歳になるはずだったのである。それにしても【69歳】、すなわち【17歳と少し】の旅立ちは、私にとっては、あまりにも儚く残念無念であった=彼女は一昨年の2021年10月15日早朝、江南厚生病院緩和病棟病室で見守る私の目の前で息を引き取った=。
 いずれにせよ、舞よ。まい、マイ。おまえは来年の2月29日が来ると、満18歳になるのである。ちなみに伊神たつ江の戸籍上の誕生日は昭和27年2月25日だ。

 誕生日おめでとう。そちらの国はどおですか。舞の御霊にろうそくと線香でお参りする
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 3月早々の新聞紙面は、【五輪談合6社7人起訴 電通、組織委元次長ら 東京地検 独禁法違反 捜査終結へ】【出生数 初の80万人割れ 22年 推計より約10年早く】【マスク 揺れる卒業式 国「原則不要」、現場はまちまち 感染予防一定の効果】【木曽川導水路 飲用や治水用に 名古屋市長、国に提案】【再審受け入れを大阪高検に要請 日野町事件で弁護団】【準暴力団メンバーか逮捕 ニセ電話詐欺ほう助 岐阜県警・警視庁】(1日付、中日)【月面への第一歩 14年ぶり宇宙飛行士 諏訪さん・米田さん 候補選抜 史上「最難関」突破】【<宗教と子ども> エホバの証人 「輸血拒否指導は虐待」2世支援弁護団会見 幹部「価値観押しつけ疑問】【対局マスクなしOK 13日から将棋連盟 佐藤天九段ら反則負け】【臓器あっせん再逮捕 NPO理事「外国人枠ある」無許可疑い】【阿武町誤給付 会社員有罪 山口地裁判決 詐欺罪を認定】【WBC出場を辞退 野球日本代表の鈴木誠也外野手(28)=米大リーグ、カブス=が左脇腹の張りを訴え、WBC出場を辞退】(1日付、毎日)といったところか。

 そして夕刊はといえば、だ。【3年ぶりWelcome 静岡・清水港にクルーズ船】【就活解禁 説明会始まる 24年卒大学生 今年も売り手市場】【初任給増 新入社員「驚き」 ユニクロ入社式】(1日付中日夕刊)【小中高生自殺512人 最多の見通し】【イランの83.7%濃縮ウラン確認】(1日付毎日夕刊)といった具合である。

 きょうは、扶桑のイーオンで食事をした帰りに、私たち家族の畑<エデンの東>に寄ってみる。毎年、このころになると舞と一緒に畑に寄り、ふたりで梅の花が咲いているかどうかを確かめるのが常だった。ことしも幸い、梅は白い花弁をあちこちで咲かせており、ホッとしたのである。舞が、これら梅の花を見たらどんなにか。喜んだことだろう。満面に笑みをたたえ、季節感あふれる一句を詠んだに違いない。そう思うと、なんだか無性に彼女のことがかわいそうに思われ、恥ずかしげもなく、またしても涙があふれ出るのである。「あなたは、どんな修羅場も歩んできたはずなのに。ほんとに弱っちいんだから。泣いてなんかいちゃダメよ」と舞の声が聴こえてくる。

 <エデンの東>と、白い花を随所で咲かせ始めていたわが家の梅の木
 
 
 
 

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年2月~)

2023年2月28日
 大阪高裁は27日、滋賀県日野町で1984年、酒店経営の当時69歳の女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」で強盗殺人罪で服役中に75歳で病死した阪原弘さんの遺族が申し立てた第二次再審請求に対し検察側の即時抗告を棄却し再審開始を認める決定を下した。捜査段階の自白の根幹部分の信用性に「動揺が生じた」と指摘し、「確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じた」(石川恭司裁判長)と判断したという。

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこの日(28日)、昨年4月に始めた宇宙飛行士選抜試験に諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が合格した、と発表。諏訪さんは世界銀行上級防災専門官、米田さんは日本赤十字医療センター(東京)の外科医。こんご飛行士候補としてJAXAに入り、飛行士となるための訓練を約2年間受ける。ふたりは東京都内で記者会見。米田さんは「道のりは簡単ではないが、可能であれば月に行きたいと考えている」と話した。
    ※    ※

    ☆    ☆
 きょうは、昨年の秋まで会長を務めた母校(滝高校)のクラス会【二石会】の引き継ぎ書類をそっくり、後任にお渡しすることが出来、今は肩の荷が下りた気分である。私の都合で急きょ、市内の料理屋「むさし屋」さんに集まって頂き、食事をしながらの会となったが、みんな素晴らしい友ばかりであることを改めて痛感したのである。

(2月27日)
 月曜日。三重県鳥羽市の鳥羽水族館の人気者「ラッコ」は、絶滅危惧種。しかも現在、国内で飼育されているのは3匹だけ。人気者が国内の水族館から姿を消す日が近づいている-とは、本日付の中日新聞くらし面。ピークの1994年には28施設で122匹いたというから今や隔世の感がする。
 国民的人気者のパンダが次々と日本を去っていくなか、愛嬌たっぷりの〝ラッコちゃん〟には、いつまでもいてほしい-というのが私たちの本音、願望かと思う。そうしたなか、尾張版<花まるっと>の【オオベニゴウガン】の存在は見出しにもあるとおり、<赤い針 冬を明るく>(写真・文 中村千春)そのままに、ナンダカ心を温かくしてくれ、いい記事だな、と思った。

 「大阪マラソン2023」(大阪府、大阪市、大阪陸上競技協会主催、毎日新聞社、読売新聞社、NHK、日本陸上競技連盟共催)が26日、大阪市の大阪府庁前から大阪城公園までの42・195㌔のコースで行われ、男子はハイレマリアム・キロス(26)=エチオピア=が2時間6分1秒で優勝。西山和弥(24)=トヨタ自動車=が2時間6分45秒で日本選手トップの6位に入り、初マラソンの日本最高記録を樹立。女子はヘレン・トラ・べケレ(28)=エチオピア=が2時間22分16秒で優勝。渡辺桃子(24)=天満屋=が2時間23分8秒で日本勢最高の3位に入った。

 将棋の王将戦第5局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、島根県大田市など後援)が島根県大田市の国民宿舎さんべ荘で行われ26日午後6時11分、藤井聡太王将(20)が挑戦者の羽生善治九段(52)を101手で降し、対戦成績を3勝2敗として初防衛に王手をかけた。終盤は形勢が大きく揺れ「横手取り」の乱戦となったが、最後は藤井王将がチャンスを的確にとらえ勝利につながったという。

2023年2月26日
 トルコシリア地震の死者は、5万人以上に及んでいる。

 日曜日。2・26事件のあった、まさにその日だ。この日が来ると、なぜか今は亡き加賀乙彦さんの大作で日本版「戦争と平和」とも言われる【永遠の都】と、元ノートルダム女子大学長で教育総監渡辺錠太郎の娘さんだった渡辺和子さん(故人)を思い出す。生前の彼女には随分とお世話になったことが思い出される。
 きょうの朝刊は、ロシアの侵攻を受けるウクライナでの変わりゆく街の様子を伝えた【キーウの日常撮り続け 「普通ではない1年の事実を」 侵攻後から名古屋の知人に動画送信】(26日付中日朝刊)と、1972年の外務省機密漏えい事件で沖縄返還での日米密約を報道して有罪が確定した、あの元毎日新聞政治部記者西山太吉さんの死であろう。山口県出身の西山さんは、24日に心不全のため北九州市内の介護施設で死去。91歳だった。西山さんの死でつくづく思うことは、時代の証言者たちが相次いで命を落としてゆくことか。合掌-
 夜。NHKスペシャル【スクープ・侵攻72時間 大統領側近明かす内幕 ゼレンスキー暗殺計画 ロシア軍大いなる誤算】を見る。みんな、楽しく、仲良く、幸せに生きていけばよいものを。人間は、なぜ戦争をするのか。悲しくなってきた。
    ※    ※

    ☆    ☆
 午前中、近くの愛知県江南市福祉センターへ、と出向いた。私が住む古知野町花霞町内会の2022年度分の監査会に評議員として出席。帰宅後、愛猫シロが心配そうな顔をして見守るなか、午後からこうしてパソコンに向かい、キーを打ち始めたのである。

 熱唱する藤田麻衣さん。彼女は、グランドチャンピオンになった(NHK総合から)
 

 昨夜、たまたま目にしたNHK総合の【のど自慢チャンピオン大会2023 生放送! グランドチャンピオン目指し13組が激突】は、見ごたえ十分だった。なかでもグランドチャンピオンになった女性=藤田麻衣子さん『手紙 愛するあなたへ』=が姪の<久美ちゃん>の若いころ、そっくりだったのには驚いた。さっそく妹に半分冗談で「久美ちゃん、よかったね。おめでとう」とラインをすると、妹も「わたしたちも見ていたよ。ありがとう。ほんとに上手で感動しちゃったよね」とのことであった。

(2月25日)
 土曜日である。昨日は、文士刮目(22回目)の執筆などに夜遅くまで追われ、結局のところ、床に入ったのが午前1時過ぎだった。それでも現役の新聞記者時代に数知れない殺しや、サンズイ(汚職)、暴力団抗争、中部日本海地震や長崎大水害、北海道オホーツクの海への大韓航空機の撃墜、赤いフェアレディーZに乗ったトンボ眼鏡の女による長野富山連続女性誘拐殺人、御巣鷹山への日航機墜落、三宅島噴火、少年らによる長良川木曽川リンチ殺人…など。大事件や大災害の現場での朝、昼、夜となく長期取材に振り回されていたころと比べれば、どうということはない。時間のゆとりは、十分すぎるほどあるのである。かつては、今のようにスマホなどといった便利なものなどなく、携帯電話と公衆電話を頼りに走り回っていた現役時代の、あの日時の境めさえがわからなくなってしまうほどの過酷な日々に比べれば、比べようもないのである。どうちゅうことはない。

 ただ言えるのは今にして思えば、大事件発生現場などに取材ヘリやジェットで急きょ派遣された時なぞ、よくぞからだがあんなにも、もったものだナ、とつくづく我ながら信じられない。2、30代から40代のころの【馬力のガミちゃん】【書き魔のガミちゃん】と言われた日々が懐かしく思い出されるのである。でも、そういう過酷な日々をなんとか歩き通せたのも、妻のたつ江(伊神舞子、故人)が、いつも私の傍らに居て何やかや-と助けてくれた。だからなのである。なんだか変な方向にペンが走ってしまったが、要するに昨夜遅く文学者の会への文士刮目の出稿を終え、きょうは久しぶりに本欄一匹文士の原稿にこうして向き合うことが出来、ホッとしているということか。
 それでも、やはり今では、かつての現役の新聞記者時代と比べると、その疲労度となるとかなり違う。そして。あのころの私は元気が有り余っていた、それが今では後期高齢者、70代も後半にはいった私なのである。年齢もだが。今となっては何もかもが若々しかった当時の私とは違うのである。でも、私は当時のまま。元気である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 デ、きょうの新聞紙面の主なニュースといえば、だ。【ウクライナ侵攻1年 国連総会露の撤退要求 141カ国賛成で決議 憲章(国連憲章)違反、再確認 尽きぬ悲しみ】【「露に武器支援停止を」首相、G7で呼びかけへ】【植田氏「金融緩和を継続」 日銀総裁候補所信 2%目標も】(毎日25日付朝刊)【犠牲者へささげる祈り 侵攻1年 ゼレンスキー氏演説】【ロシアへの軍事支援 G7停止呼び掛けへ 首相会見中国けん制】【植田氏緩和継続を表明 日銀次期総裁「副作用」指摘も 所信聴取】(中日25日付朝刊)といったところか。
 いずれにせよ、けさは久しぶりに落ち着いた気分で朝刊に目を通すことができた。世界も、人々のながれも、心も。いつだって何もかもが。皆、新鮮に動いているのである。そして。本日付の夕刊はといえば、だ。【中国のロシア支援けん制 G7「深刻なコスト」警告】【「中国が武器与えないと信じる」 ゼレンスキー氏 習主席と会談計画】【地表9・1㍍横ずれ 内陸最大級 トルコ・シリア大地震「濃尾」上回る】(25日付中日夕刊)【●eye見つめ続ける大震災 12年また双葉で】【東日本大震災12年 「ただいま」と帰れる場所を 気仙沼の被災民宿、映画に】【トルコ地震 被災者住宅に2兆円 計27万棟建設に着手】(25日付毎日夕刊)といった具合である。

(2月24日)
 昨夜遅く久しぶりの外出から帰った私は、ちょうど今日がロシアのウクライナ侵攻1年ということもあり、新聞各紙をはじめ、各メディアのチェックに終日追われた。そして、帰宅しポストに届いていた電気代がやけに高いことに驚くと同時に、もはや財布がカラッポであることにも気づいた。いつものことで仕方あるまい。こんな時、舞がいたら、どんな場面に遭遇しても対応できるお金は財布に入れておいてくれるのに、と少し悲しく、寂しくも思ったのである。彼女はどんな時にも、それ相応のお金を私の財布にしのばせるように入れてくれていたことが今では懐かしく思い出される。その心が、ありがたかった。

 それはそうと、せっかくの機会だ。昨日訪ねた神奈川近代文学館では、若い男性スタッフの手を介して「伊神舞子俳句短歌遺稿集」を一冊贈呈することが出来、結構強行スケジュールではあったが、行って良かったーと思っている。それに桜木町駅は、確か私がかつてピースボートによる地球一周の船旅から帰国した日に私を彼女が名古屋から迎えに来てくれた時に一緒に歩いた駅である。そればかりか、彼女が平成25年の第10回海外日系文芸祭の短歌部門で入選した際にも、表彰式に共に訪れたことを思い出し、涙が頬を伝ったのである。

 伊神舞子の入選作は次のようなものだった。
【晴れ渡るこの大空にたとうればセザンヌのりんご置いてみようか】

 亡き舞にとっても思い出多い桜木町駅
 

(2月23日)
 木曜日。朝起き、新聞を読んでいつものように記事と小説を読んでいたら、どこからか。久しぶりに、あの鈴を鳴らすような舞の甘えた声が聴こえてくるではないか。「あなた。行かなくていいの。きょう何か、あったんじゃなかった?」。
 あっ、そうだっけ。行かなくては。幸い、きょうは祝日(天皇誕生日)でシステムエンジニアとして第一線で活躍する多忙な末っ子はわが家にいるはずだ。彼が居てくれさえすれば、愛猫シロちゃん(俳句猫「白」。オーロラレインボー)の心配をする必要はない。大丈夫だ。というわけで、私は急きょ、名鉄犬山線の江南駅まで息子に車で送ってもらい、新幹線と横浜市営地下鉄(またはJR横浜線)を乗り継いで桜木町駅へ。ここからはタクシーでくるくるくる、と迷路を探すようにして県立神奈川近代文学館へ、と向かった(女性運転手が、どうも文学館へは初めてのようだったので「知っとかなきゃあ、アカンよ」と偉そうに、ひと口言わせて頂いた。でも、誰とて初めてということはあるので仕方ない)。

 というわけで、文学館へ着いたのは午後2時過ぎだったが幸い、第1部の講演「林京子が言い残したこと」(講師は青来有一さん)こそ終わっていたものの、第2部のシンポジウム「いま文学者として何ができるか」(登壇者は、川村湊、青来有一、宮内勝典、村上政彦、森詠の5氏)には滑り込みセーフとあいなったのである。会場は200人の定員ぎっしりで埋まり、関心の高さを、この目で実感。やはり、亡き舞(たつ江)に言われて、やってきてよかったな-と実感。終わったあとは、皆で中華街でのコース料理とあいなり、多くの思いがけない再会や出会いにもめぐりあったのである。

 ぎっしりの人で埋まったシンポジウム会場
 

 登壇者の表情にも力が入った
 

 シンポに合わせ配布された【私の想い ひとり100字メッセージ】
 

 シンポの内容は、文学者として各人各様にいろいろ貴重な意見が出たが、ひと言でいえば「文学は平和維持への漢方薬であるべきだ(宮内さん、青来さん)」という声が私の心に残ったのである。具体的には私が「脱原発社会をめざす文学者の会」ホームページで月に一回書いている文士刮目(今回で22回目になる)を読んでいただけたら、嬉しく幸いである。
 「文学者の会」のホームページのアドレスは次のとおり。
 https://dgp-bungaku.com

(2月22日)
 三重県志摩半島の鵜方で生まれた長男の誕生日。たつ江(伊神舞子)のお腹から生まれた時、あんなにもちっちゃかった息子が今では立派な社会人として世の中に貢献していると思うと、今さらながら「頑張って、よく生んでくれた」と誇らしく思う。今は亡き、たつ江もきっと喜んでいるに違いない。つくづく実感する。おまえはそれぞれ個性のかたまりのような立派な子ぱかりを生んでくれてありがとう、と。そう思うと、わが子のそれぞれの出生ドラマが瞼に大きく浮かび上がってくるのである。

 きょう2月22日は、猫の日。ニャンニャンの日だ。毎日新聞夕刊によれば、埼玉県行田市の「前玉神社」は、毎月22日前後に猫のスタンプが付いた特別な御朱印をもらえる神社として猫好きの人たちの人気スポットになっている。神社には4匹のかわいい猫がいて参拝客らに愛嬌を振りまいているという。なんとも微笑ましい限りである。
 あぁ、それなのに、だ。わが家の愛猫シロちゃん(舞につけてもらった「白」の俳号を持つ世界でただ一匹の俳句猫。本名はオーロラレインボー)は、きょうも1日留守番。オトンの私があちこち行かなければならないところがあったためだが、それでもシロちゃん。いつものように私の帰宅を待っていてくれたのである。シロよ! シロ、シロっ。ありがとう。

「あたしは、どんなに寂しくっても。オトンとオニイを守ります」。
 いつもけなげなシロちゃん
 

 きょうの夕刊ニュースは、ほかに【狛江強盗殺人 実行役ら逮捕 2容疑者 他2人も逮捕へ】【和歌山でもパンダ旅立つ 3頭、中国へ】(22日付毎日)【一発勝負自分信じて 愛知・公立高入試】【12年思い続け NZ地震追悼式】(22日付中日)など。相変わらず、この世はニュースのなかで生きているような、そんな気がする。

(2月21日)
 火曜日。きょうのニュースは、何といっても20日のバイデン米大統領によるウクライナの首都キーウ(キエフ)への予告なしの電撃訪問だといえよう。毎日新聞の21日付夕刊は、この訪問を【異例 鉄路9時間半 米大統領キーウ訪問 秘密保持、徹底】とスリリングに報じている。バイデンさんも、よほどの覚悟でもってキーウを訪問。ゼレンスキー大統領との会談に臨んだに違いない。
 そして、もうひとつ。都民に、いやニッポンじゅうのパンダファンから親しまれ続けてきた上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、すなわちシャンシャン(雌、5歳)が中国に返還されたということだろう。

 シャンシャン中国へ出発、を報じた中日新聞夕刊
 

 また、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始してから今月24日で丸1年となるのを前にウクライナを訪れたバイデン米大統領はゼレンスキー大統領と会談。その後の共同記者会見で米国がウクライナに対する「揺るぎなき支援」を続けると約束し、同時に米欧諸国の結束を強調。5億㌦(約670億円)の追加軍事支援を伝えたという(ホワイトハウスの発表から)。

 パンダのシャンシャンの方も21日朝、トラックで上野動物園を出発。成田からチャーター機で中国に向かい、同夜午後6時半ごろには四川省の成都双流国際空港に到着。ここからは鉄路で中国ジャイアントパンダ保護研究センターの雅安碧峰峡基地に運ばれ検疫を受けたうえ、最終的な滞在先が決まるという。

 愛読している本日付の中日新聞朝刊によれば、名古屋にミニシアター文化を根付かせた名古屋・名駅の映画館シネマスコーレの木全純治支配人(74)が20日付で支配人職を退いた。19日開かれた劇場40周年の記念イベントで明らかに。後任は副支配人の坪井篤史さん(44)が務める。木全さんは劇場代表に。そして何と言っても、きょうの思いがけない大ニュースはあの岐阜在住の文学仲間、ホワイト好子さん(元「長良文学」同人。岐阜女流文学賞受賞者)から真心のこもったお花が届いたことか。私はシロと一緒に、さっそく亡きたつ江(伊神舞子)の遺影の前に飾り、心からの感謝をしたのである。ありがとう。ありがとう。好子さん。ホワイトさん。

 ホワイトさんから届いたお花はさっそく2階遺影の前に供えられた(左手前)
 

(2月20日)
 月曜日。朝から初春の日差しがまぶしく、心地よい。
 とはいえ、わが家の前の路上は、このところ新しいガス管への埋め替えで車の通行もままならない。朝。テレビのローカルニュースで稲沢のはだか祭りについて放送していたが、その起源は767年にまで遡り、元はと言えば当時流行った疫病退散のため、儺負い人を生け捕りにして神様に人身御供として捧げるのが狙いだった点を強調していた。儺負い人の生け捕りは、織田信長が禁止令を出し中止になったが、この話はしっかり調べ上げ歴史小説として書き上げたら、随分迫力のあるものになるに違いない。
 時間があれば、一度徹底的に調べあげて物語にしたら面白い気がする。はだか祭りそのものについては以前、私の著作「一宮銀ながし」の<由佳奴>のなかでかなり詳しく触れてはある。だが、しかしだ。そもそもの起源については触れてはいなかった。

 【狭き門くぐり抜けた先に 江南・北野天神社】とは、本日付中日新聞朝刊の写真付き1面見出しである。本文には「受験シーズンがヤマ場を迎え、学問の神様として知られる菅原道真を祭った愛知県江南市の北野天神社で、受験生らがユニークな参拝方法で合格を祈願している」とあった。
 デ。そのユニークな参拝方法とは、だ。境内の奥に高さ50㌢、幅40㌢のちいさな鳥居があり、受験の狭き門と見立てた受験生らが「合格」のご利益にあやかろうと志望校を書いた絵馬を手に、この鳥居をくぐりぬけるーというわけ。
 ほかには、【トルコ捜索ほぼ終了 大地震2週間 長引く避難つのる疲労 テントから仮設住宅「待ち遠しい」】【「徴用工問題 政治的判断を」日韓外相会談で韓国側】【発射ICBMは「火星15」 北朝鮮発表 談話で米をけん制】【日米共同訓練 爆撃機加わる 即応態勢アピール】の各見出しが気になるところだ。

 午前中、スマホからピコピコの音。開いてみると、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など数々の作品で知られる漫画家松本零士(まつもと・れいじ)さん=本名は晟(あきら)。福岡県出身=が今月13日午前11時に急性心不全で東京都内の病院で亡くなったという。85歳だった。偉大な人物が、またしても一人、この世を旅立っていった。

 夜のNHKクローズアップ現代【侵攻から1年 ウクライナ記者の闘い】。家庭を持ちながらも戦争報道に果敢に挑む記者たちの苦悩の表情が見事にとらえられていた。この24日でロシアのウクライナ侵攻が1年になるのに併せ、クローズアップ現代の担当女性キャスターがウクライナのキーウなど戦乱の街に飛び込んでの生々しい現地報告で、中身の濃い内容となっていたのが印象的である。

(2月19日)
 雨水(うすい)。雪が雨にかわり、暖かい地方では<春一番>がふき、鶯が鳴き始めるころだという。

 日曜日。きょうは、朝のうち小雨が降る日となった。
 きのうの北朝鮮による長距離弾道ミサイルの発射、けさの朝刊は【北朝鮮ICBM級発射 北海道西200㌔EEZ内落下か】(19日付中日)の見出しで報じていた。それによると、「日本の防衛省は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級で、北海道渡島大橋の西方約200㌔の排他的経済水域(EEZ)の内側に落下したとの推定を発表。防衛省の分析では、最高高度約5700㌔で、約900㌔を66分間で飛行した。高角度で発射して飛距離を抑える<ロフテッド軌道>とみられる。-という。
 新聞と言えば、だ。本日付の中日新聞5面の社説【帝国の解体は止まらず 週のはじめに考える】と【<ニュースを問う> 「特攻」のメカニズム 大平原の逃避劇❸ 「ソ連が連行?」募る不信】がなかなか読ませた。

 優れた現代詩集に贈られる第28回「中原中也賞」の選考会が18日、山口市で開かれ、青柳菜摘さん(32)=東京都=の詩集「そだつのをやめる」に決まった。「言葉の表現に苦戦してきた。うれしくて、たくさんの汗をかいている」とは、青柳さん。

 午後。NHK総合で東海3県向けに流された「穂高連峰・ジャンヌダルム~日本一険しい縦走路に挑む~」を見て、私自身がヒヨッコの山記者だったころを思い出し、少し感動した。というのも、私はかつて新聞社の記者として松本支局が駆け出しで、よく飛び歩いた上高地をはじめとした穂高連峰の山々の映像が画面に出てきたからである。日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストンさんのレリーフ(胸像)も久しぶりに目にすることが出来、とても懐かしく思った。
 駆け出しも駆け出し。記者として歩き始めたばかり、張り切って蝶が岳への登山を試み頂上には立ったものの、まさにその直後帰る途中に手にしたトランシーバーで読売新聞の取材ヘリが槍ヶ岳に衝突し、墜落したことを松本支局から知らされ、夏の山道を息せき切って涸沢小屋まで走ったことや、毎年夏山シーズンが始まるとはウエストン祭の写真を撮ったり、極寒の真冬を2週間ほど北ア・木村小屋に滞在、当時の週刊誌に【上高地・木村小屋に遭難待ちする新聞記者たち】と大きく書かれるなどいろんなことが走馬灯のように頭を駆け巡ったのである。滞在期間が終わるとホッとして、ピッケルを手に履きなれないアイゼンで他社の記者たちと西穂高岳独標まで登った日の思い出は、今も忘れられない。後年、岐阜にいたころだったか。夏休みを利用し、まだ小学低学年だった長男と妻(舞)を伴い、上高地から明神を経て涸沢まで行った日のことも懐かしい思い出である。

 穂高連峰ジャンヌダルム頂上と柱状節理(NHKから)
 

 夜。NHKスペシャル【混迷の世紀・国連ルポ 安保理の舞台裏に密着 対ロシア包囲網で何が 武器なき闘いの行方は】を見て、あれやこれやと考えさせられた。

(2月18日)
 本日付の中日夕刊に【日本の医療チーム野営病院 トルコ・シリア 死者4万5000人超】【「中に息子が…」 悲しみの対面】の見出し。胸がしめつけられる。

 防衛省が18日夜、北朝鮮からICBM(大陸間弾道ミサイル)1発が発射され、午後6時27分ごろ、北海道渡島大島の西方約200㌔の日本のEEZ(排他的経済水域内)の日本海に落下したとみられる、と発表。浜田防衛大臣は午後8時ごろ、防衛省で記者会見。「飛しょう軌道に基づいて計算すると弾頭の重量次第では1万4000㌔を超える射程となり、その場合、アメリカ全土が射程に含まれる」とも。物騒極まる飛翔体である。
 南米最大を誇るブラジル・リオデジャネイロのリオのカーニバルが17日、開幕。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が宣言されてから初の通常開催で、昨年は中止されていたブロッコと呼ばれる一般参加者の街頭パレードも復活したという。リオのカーニバルは出来れば、この目で見なければ-と私は思っている。出来れば、現地の人たちと共にサンバでも踊ってきたい。
    ※    ※

    ☆    ☆
 【マスク外す? 一人一人考えた 愛知の私立高卒業式 「顔見えるのうれしい」「慣れていなくて怖い」】。
 中日新聞の18日付朝刊によれば、卒業シーズンを迎え、愛知県内の私立高校では17日、マスク着用を生徒の判断に任せる形で卒業式を開催。卒業生の大半が外さずに晴れ舞台に臨んだという。豊田市の杜若高校の場合。卒業生241人のうちマスクを外したのは2割ほど。保護者や教職員はマスクを着用。答辞を読んだ小木曽葵さん(18)はマスクを着けて式に臨み、登壇する際に外した。マスクを外す生徒が少なかったことに「顔を見られることに慣れていなくて、マスクを外すのは怖いのでは」と共感。一方で、「マスクを外した子の顔が見えるのはすごくうれしかった。当たり前の生活ってこれなんだと感じた」と笑顔を見せた。――などと報道している。

 教育といえば、18日付中日新聞夕刊には【広島市教委「実相迫りにくい」 はだしのゲン 平和教材外れる】の見出しも。市教委がプログラム内容を検討する中で「漫画の場面だけでは被爆の実相に迫りにくい」と判断し、家族を失った被爆者の体験と継承の内容に2023年度から変更するというが、それで良いのかと言いたい。いや、訴えたい。市教委では「学習では継承と発信を大事にしており、より良い教材にするために改訂した。子どもからはだしのゲンを遠ざけるつもりは全くない」と説明したとあるが、だったら<はだしのゲン>は永遠に残しておくべきではないのか。再考をのぞみたい。

(2月17日)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、17日、鹿児島県の種子島宇宙センターで地球観測衛星「だいち3号」を載せた新型主力機H3ロケット初号機の発射を試みたが飛び立てなかった。政府関係者は1号機について「1、2週間後に再度打ち上げる方向で調整している」とし、JAXA広報担当者は「発射する前に中止した可能性もあり、失敗かどうかは判断できない」としている。

 トルコ、シリアの大震災は17日現在、実に4万3000人以上に及ぶ大変な被害となっている。トルコのアナトリア通信によれば、16日夜から17日未明にかけ、南部カフラマンシュ県で女性、南部ハタイ県で少年がそれぞれガレキの中から救出されたと報じた。女性は6日の大地震発生から約258時間後、少年は約260時間後の救出だという。捜索活動は徐々に縮小しているが、地元トルコのメディアは【奇跡】が続いていると話している。本日付の中日新聞も【260時間ぶり少年救出 トルコ大地震 捜索縮小の中「奇跡」】が起きた、と報道している。

2023年2月16日
 私はきょうも雲ひとつない真っ青な空に向かって恥ずかしげもなく、呼びかける。
「たつ江、たつ江。舞よ、マイ。げんきでいるか。元気でいろよ」と。ハンドルを手にした車内カセットからは、あの舟木一夫さんの<高校三年生>に<学園広場><仲間たち>が聴こえてくる。助手席のおまえが、かつて志摩半島で<ある愛の詩>や<ゴッドファーザー>と一緒にいつも聴いた青春歌謡、学園ソングである。
 正直言って、いまはおまえがいないから何も面白くない。【なあ~に】【うん。いいよ】【だってえ】。いつだって甘えたように答えるのが口癖だった、お・ま・え。月日は天も地上も。海も川も、山も流れていく。でも、正体があろうがなかろうが、だ。互いにいつまでも、どこまでも歩いていこう、幸せに生きていこう。元気に。前に向かって、だ。おまえが居なくなって1年と4カ月が過ぎ去った。
    ※    ※

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 乗鞍岳山麓から流れ出て「日本の滝百選」に選ばれている高さ64㍍の【平湯大滝をライトアップする「結氷まつり」】が15日夜、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷平湯で開幕。25日まで(毎日午後7時~9時)。新聞報道によれば、青や緑色の照明で氷の滝を浮かび上がらせている、という。
 【第2子以降10万円支給 岐阜県が祝い金 所得制限設けず】【子ども予算GDP比4% 首相明言「倍増」追加10兆円 子どもを守る 財源や実施時期焦点】とは、中日新聞の本日付の見出しだ。なかでも岐阜県が2023年度から第二子以降の出生児に10万円の祝い金、進学・就職する中学3年生には3万円の準備金を全員に現金支給する。県独自の財源で所得制限を設けずに実施する、とのニュースが光る。

 わが家の周辺、いや目の前の道路では、このところ連日、ガス菅や下水菅を掘り返しての工事続きで、その騒音の大きさにチョット滅入っている。それよりも、なによりもシロちゃんが大型工事車両に引かれたら大変なので、「白い猫を見かけたら、くれぐれも気をつけてほしい」とけさは作業員の方々に直接、お願いしたが、シロちゃん自身も十分に気をつけてよね。

 きょうの今現在のビッグニュースは、スマホをいじくっていて「柳ケ瀬ブルース」で知られる美川憲一さんの歌に【泣かんとこ】があることを知ったことか。泣かんとこの表題は、確か私が1989年1月に能登印刷から出版した著書【泣かんとこ 風記者ごん!】が最初のはずである。

(2月15日)
 舞の遺稿集が掲載された北陸中日新聞を仏前に供え「よかったね」とお祈りをした
 

 きょうは、おかあさん、すなわち伊神たつ江(伊神舞子)の月命日である。私は朝、昨日、能登七尾の笹谷販売店からわが家に届いた北陸中日新聞を仏前に供え、おまえが愛してやまなかったシロちゃんと一緒に手を合わせた。「たつ江。舞よ。マイ。お空に広がるそちらの国で元気でやっているか。おいしいもの、食べていますか。みなさんによくしてもらっているか」と声をかけ、シロとともに仏前で手を合わせた。「おかあさんは、本当に心のやさしい人だったね」とシロを振り返ると、彼女も「ニャア~ン」と声をあげ、応じてくれた。もしかしたら、今の舞の魂は、シロちゃんのからだの中に乗り移っているかもしれない。だから。きょうのシロちゃん、一歩たりとも外に出ようとはしないのだ。
    ※    ※

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 トヨタ自動車名誉会長で元経団連会長だった豊田章一郎さんが14日午後4時48分、心不全のため亡くなった。97歳だった。中日新聞の評伝【逆境を克服 不動の人(取締役、前編集局長・鈴木孝昌)】がわかりやすくて、とてもよかったので、ここに記録としても残しておこう。
 

 ほかには先に徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の水を揖斐川から木曽川に流す木曽川水系連絡導水路事業について木曽川導水路の容認表明をした名古屋の河村たかし市長が市役所で報道陣の取材に対して「水の一滴も入らないダムに市民の税金や水道料金を払い続けるよりも、用途を工夫して市民のために生かすことが市長の仕事だと思っている」と述べたことか。大きな前進である。さらに、このところ米国東海岸南部沖で米軍が中国の偵察気球を撃墜、残骸の回収と分析の事態にまでに発展している米中間での気球飛行問題など世界の難題は次から次に、と起き、今や身動きすら出来ない状態だといえよう。

(2月14日)
 けさの新聞見出しにもあるとおり、このところの大きなニュースといえば【トルコ・シリア死者3・6万人 地震1週間被災者に募る不満 今世紀6番目】(14日付、毎日朝刊)【安倍氏銃撃捜査終結 山上被告、5容疑で追送検 奈良県警】(14日付、中日朝刊)、そして【原発60年超 多数決で決定 規制委 石渡委員反対のまま】の3件か。中でもマグニチュード7・8のトルコ・シリア巨大地震は、今世紀6番目の大きさ、とのこと。毎日新聞の本日付け朝刊記事によれば、以下のとおりである。
――21世紀の自然災害で死者・行方不明者が多かったのはスマトラ沖大地震22万6000人以上(2004年)▽ハイチ地震22万2600人(10年)-など。トルコ・シリア地震は6番目に多い。現地視察した国連人道問題調整事務所のグリフィス所長は11日、英メディアに対し、多くの人がまだがれきの下に取り残されていて、犠牲者(発言時は約2万8000人)が倍増するのは確実だと話した。

 それと。きょう嬉しかったのは、かつて地球一周の船旅で一緒だったピースボートの船友からメールで届いた北海道の札幌雪祭りと流氷の「今」の写真である。なかでも北の海を漂流する流氷の原風景には独特の余韻というか。哀歌、いや哀愁のようなものが感じられ、感動したのである。

 船友から送られてきた3枚の写真
 
 
 

 きょうは、ほかにエデンの東(この名前は私がかつて取材で米国西海岸を訪れた際に自らの目で見た〝エデンの東〟に夕陽が落ちるさまがとてもよく似ていたので、私とたつ江で勝手にこう名付けて呼んできた経緯がある)の土地管理をしてくださっている江南園芸さんへ。正月早々に若くして亡くなられたご子息さんのお悔やみのためだが、悲しみをこらえながらも前向きに生きておられる大脇一弘社長のお姿には、感動さえ覚えた。元気でいつまでもいてくださいね。大脇さん。

 そして。きょうの夕刊(14日付中日)から拾った話題は、だ。【つめたそうにおよいでる】の見出しか。記事には『愛知県岩倉市の五条川で14日、手染めしたこいのぼりののりを落とす「のんぼり洗い」があり、黒や青、赤など色鮮やかなこいのぼりが川面に並んだ』とあった。
 それと。中日新聞の朝刊1面トップの【導水路 名古屋市容認へ 撤退から14年 方針転換 飲用、治水で新用途】も気になる話題であった。

 そういえば、きょうはバレンタインデーであった。そしてバレンタインデーといえば、かつて能登七尾にいたころ、この日がくると決まって私にあててチョコレートとともにポストに入れてあった簡単な手紙とカセットテープが思い出される。テープは岡村孝子さんの【夢をあきらめないで】で、当時私が好んで聴いていた曲で今から思うと〝犯人〟は、亡き妻たつ江、すなわち伊神舞子だったような気がしてならない(でも、字体が少し違う気がした)。この話は日本ペンクラブ電子文藝館の伊神権太「てまり」を検索されたら出てくるので、読んで頂けたら嬉しく思う。あのころバレンタインデーになると決まって私がほしがっていたものをポストに投げ入れてくれていた名もなき女性。犯人は未だ不明のままである。分かってはいない。だが、しかしだ。もしかしたら、舞だったのかもしれない。手紙の字体は彼女のそれとは違うものだったが、舞の死後、私にはそのように思えて仕方ないのである。

(2月13日)
 朝、午前10時ごろに確定申告のために雨の中、江南市民会館に出向く。既に大勢の人がおり、案の定、市の担当職員に「午後1時15分に出直してください」と言われ、いったんUターン。このパターンはたつ江(伊神舞子)が、この世に生きていたころから同じで、毎年変わりそうにない。ただ彼女が健在だったころは、医療費など必要書類は全て用意してくれたので、とても助かった。それだけに、昨年、ことしと準備するのに、かなり手間取り、わが妻たつ江の存在感の大きさにあらためて感謝しているのである(今ごろになって感謝していても、どうにもなるものでもないが)。
 というわけで、きょうは江南市のHome&nicoホール(前市民会館)に二度、足を運んだ。

(2月12日)
 日曜日。ロシアのウクライナ侵攻だけに留まらず、世界ではあちらでもこちらでも悲劇の連鎖が続いている。なんということだ。【犠牲2万5000人「東日本」超え トルコ大地震】【101時間ぶり 8歳女児救出】【連なる墓標 嘆きの遺族 トルコ大地震 東北各地、募金で「恩返し」】(12日付中日朝刊)といった具合である。

 夜。ネットを開くと、トルコ南部を震源とするトルコ・シリアで起きた地震の死者が2万9000人を超えたという。またほかの報道によれば被災地では一部で治安が悪化、救助活動の妨げにもなっている。このためトルコ治安当局は11日、略奪や強盗、詐欺などの容疑で98人を逮捕。中には住民同士の衝突も発生、ドイツやオーストリアの救助隊は治安の悪化を理由に一時、救助作業を中断する事態まで起きているという。自然の猛威が人間社会を容赦なく破壊していく。これではニンゲンたちの心までが壊れていっても決して不思議でない。

 話は変わる。政府が今月10日に「新型コロナウイルス対策のマスク着用は、3月13日から屋内外を問わず原則個人の判断に委ねる」との指針を示し、社会への波紋が広がっている。12日付の中日新聞は、さっそく【マスク外したいけど 気になる人の目/感染心配 「個人の判断」街の声は】【「将来への影響注視必要 識者が指摘】【その笑顔忘れないよ マスクなし 石川で卒業式】と各界の反応と現状を追っている。
 
(2月11日)
 建国記念の日。
 何と言っても【原発運転60年超閣議決定 次世代型建て替えも明記】(11日付中日朝刊見出し)の記事が気になる。本文は『政府は10日、次世代型原発への建て替えや、運転期間六十年超への延長を盛り込んだ脱炭素化に向けた基本方針を閣議決定した。再生可能エネルギーに加え、原発の「最大限活用」も明記。東京電力福島第一原発事故後、原発の依存度低減を掲げてきたが、ウクライナ危機によるエネルギー資源の調達環境の悪化などを背景にエネルギー政策を大きく転換する。/脱炭素への新法「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法案」も同日、今通常国会に提出した。新たに発行する国債「GX経済移行債」で二十兆円を調達し、脱炭素の民間投資支援に充てる……』といった内容だったが、せめて「国は、こんごいっさいの原発事故は起こさない」くらいの決意表明の文言を入れてしかるべきではないのか。脱炭素化もむろん大切だが、ひとたび原発事故が起きたらどうなるか、を今一度真剣に考えるべきではないのか。

 4月8日に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁(78)の後任に元日銀審議委員で経済学者植田和男氏(71)が起用されるという。岸田文雄首相が意向を固めたとマスコミ各社が発表。経済学者出身の総裁は戦後初めてだそうだ。島津メディカルシステムズ(大阪市)が熊本県内の医療機関に納入したエックス線装置を巡り、故障を偽装して部品を有償で交換していた問題で島津製作所は10日、弁護士らによる外部調査委員会の報告書を公表。2019年までの11年間に熊本、宮崎、鹿児島、長崎4県の41医療機関で計43件の不正やその可能性があると認定。営業所長ら7人を嫌疑濃厚とし、動機として不合理で厳しい業績目標達成が求められていたことを挙げたという。

 将棋の藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負第四局が9、10日に東京都立川市で指され、獲得タイトル通算百期を目指す羽生九段が勝ち、シリーズ成績を二勝二敗のタイに戻した。1969年の映画「明日に向って撃て!」の挿入歌「雨にぬれても」を作曲、アカデミー賞を受賞した米国の作曲家バート・バカラックさんが8日、ロサンゼルスの自宅で老衰のため死去。94歳だった。

 先に出版された【伊神舞子俳句短歌遺稿集 泣かんとこ】(人間社)のことが北陸中日新聞の本日付能登版に【妻生きた証し 本紙元七尾支局長・伊神さん 句など収め「泣かんとこ」 生前に出版を約束】の見出しと写真入りで掲載され、しみじみありがたいことだーと感謝。能登七尾の前販売店主笹谷憲彦さんの奥さん(芳枝さま)からは「新聞を図書館にお持ちしました」のメールまでさっそく入り、私は仏を前に「ありがたいことだよね。感謝しなければ。みなさんのおかげだぞ」と手を合わせ語り掛けた。♪能登はやさしや土までも……とよく言われるが、能登にはこうしたやさしさがある。そんな気がするのである。

 能登版に掲載された伊神舞子俳句短歌遺稿集の記事
 

(2月10日)
 けさは小雨が降っており、かなり寒い。お天気次第とは。そのとおりだな、と思う。

 警視庁生活環境課がベラルーシの病院での臓器移植を無許可であっせんしたとして、NPO法人「難病患者支援の会」(東京・目黒区)理事長の菊池仁達容疑者(62)を逮捕。法人としての同支援の会を書類送検。ちなみに、この記事に関する本日付の見出しは【臓器無許可あっせん疑い NPO理事逮捕 海外移殖巡り初 相場の倍 3300万円要求か】【「営利ではなく支援」昨年9月本紙に】【渡航移植「支援の会」頼み 無許可あっせん 医学界は問題視】(中日)というものだった。

 ほかには新型コロナウイルスの「五類」移行に伴うマスク着用の在り方について新たな政府指針案がわかった、というニュースが気になる。それによれば、全員の着席が可能な新幹線や高速バスでは外すことを容認する一方、通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車する時などは着用を推奨。また、学校教育活動では着用を求めず、卒業式に関しても教育的意義を考慮し、児童生徒らはマスクを着用せずに出席することを基本とする、としている。

(2月9日)
 よい天気である。シロは何か自分なりに考えがあるようで午前10時11分、外出。お空のおかあさんに何か報告でもあるような。そんな気がしないでもない。シロよ、シロシロ くれぐれも気を付けてね。行ってらっしゃい-と送り出す(正午過ぎには、帰宅)。

 トルコ南部を震源とする大地震は。ロイター通信など各報道機関によれば、その後、死者は1万5000人超に及んでいるという。シリア北西部の反体制派地域ジンデリスでは崩れたがれきの下から生まれたばかりの赤ちゃんが救出されたという。トルコ、シリアとも一瞬のうちに、大切な家族を失った人々は今、どんな気持ちでいるのだろう。
 私はかつて取材でトルコを3週間ほど訪れ、イスタンブールやアンカラなど各地を訪れたことがある。あの時はトルコが生んだノーベル文学賞作家、オルハン・パムク氏の「雪」を完読、あれこれと考えさせられた国だったが教会の美しさが印象的だった。早く平静になることを望む。

 警視庁は9日、広域強盗事件で〝ルフィ〟などと名乗って犯行を指示したと見られる男4人のうち先に逮捕済みである今村磨人(38)藤田聖也(38)両容疑者に続き、この日フィリピンから強制送還された渡辺優樹(38)小島智信(45)=いずれも住所不定、職業不詳=両容疑者を逮捕。一連の事件のうち東京都狛江市の強盗殺人事件で男らが重要参考人としても浮上しているため、関与の裏付け捜査も進めることにしているという。

 「ふぐの日」の9日、三重外湾漁協は志摩市の安乗漁協に水揚げされた特産とらふぐ〝あのりふぐ〟を伊勢神宮に奉納。今春実施される小中高校などの卒業式について文部科学省はマスクを外しての実施を決め、週内にも全国の教育委員会などに通知するという。新型コロナウイルスの「五類」移行に伴うマスクの着用ルール緩和前でも卒業式はマスクなしを容認するという。
東京地検特捜部が東京五輪・パラリンピックの事業を巡る談合事件で大会組織委員会の大会運営局元次長森泰夫容疑者(55)ら4人を逮捕。容疑にはテスト大会の計画立案業務の入札に加え、その後の本大会運営など計約400億円の随意契約分も含まれ、特捜部では広告大手電通を中心に巨額の利益を分け合ったと見て、引き続き捜査を続けることにしている。

(2月8日)
 針供養。水曜日である。
 8日付の中日スポーツ1面の報道によれば、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表「侍ジャパン」にドラゴンズではただひとり、選出されている中日・高橋宏斗投手(20)が7日、沖縄のアグレスタジアム北谷で行われたシート打撃に登板。WBC公式球で打者12人に対して被安打1、2四球、3奪三振、直球の最速は152㌔だったという。がんばれ! 高橋。

 トルコの大地震に、三菱重工業が国産初のジェット旅客機事業からの撤退を発表、前代未聞とされる広域強盗では窃盗容疑で逮捕した2人の日本人を比(フィリピン)から日本に送還。残る容疑者2人も9日未明には日本に送還されるなど、このところは何かと暗い話ばかりである。
 というわけで、本日付新聞の見出しは【がれきの街雪に凍え トルコ地震死者5100人超に 家失い連絡取れず「絶望的」】【どうか無事でいて トルコ地震 愛知から母国へ祈り】【国産ジェット撤退発表 三菱重社長「経験、知見が不足」】【ニセ電話巡る窃盗疑い 広域強盗2人送還、逮捕 残る2人あす未明にも】(いずれも中日新聞)……といった具合である。悪い話ばかりだ。

 このほか、愛知県愛西市では7日未明に植手純子さん(83)宅から出火。木造2階建て住宅2棟を全焼、焼け跡から2人の遺体が見つかり、同居していた植手さんの娘の内縁の夫で無職、小塚勝也容疑者(64)が逮捕されるなど暗いニュースが目立っている。調べに対して小塚容疑者は「俺がやった。妻を殺して燃やした」などと話しているという。何があったのかは知らないが、なんだか心が破れてしまった。そんな気がしないでもない。新聞の見出しも【「妻殺した」焼け跡に2遺体 愛西2棟全焼 放火疑い、男逮捕 真っ青な表情「俺がやった」】(8日付朝刊中日)と過激にならざるをえない。

 夜。NHKEテレの【ハートネットTV 終末期の生を考える①息子みとる緩和ケア医】は、いろんなことを考えさせられた。悲しくはあるが、よい番組であった。

(2月7日)
 囲碁の中学生棋士、仲邑菫(なかむらすみれ)三段が6日、東京都内で打たれた第二十六期女流棋聖戦三番勝負の第三局で上野愛咲美(うえのあさみ)女流棋聖(21)に勝ち、対戦成績2勝1敗で女流棋聖を奪取、13歳11か月の史上最年少で初タイトルを獲得(タイトルの移動は7日付)。米音楽界最高の栄誉、第65回グラミー賞の発表・授賞式が5日(日本時間6日)、ロサンゼルスで開かれ、作編曲家宅見将典さん(44)=大阪市出身=のアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。宅見さんは授賞式の壇上で「言葉にならない」とスピーチ。「こんな名誉な賞をもらえるとは思っていなかった」と喜びを語ったという。

 ロイター通信などによると、トルコ南部で6日午前4時17分(日本時間同10時17分)ごろ、マグニチュード(M)7・8の地震が発生、トルコや隣国シリア北西部で計4300人以上が死亡(日本時間7日正午現在)。けが人は数千人に上り、犠牲者はさらに増え続ける可能性があるという。
 三菱重工が国産初の民間ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」の開発を中止する方針を固めた。衆院議長や北海道知事を務めた元衆院議員、横道孝弘(よこみ・たかひろ)さんが2日、肝内胆管癌のため東京都内の病院で死去。82歳だった。
 東京高裁は1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定、裁判のやり直し(再審)を求めている袴田厳さん(86)の第二次再審請求の差し戻し審で6日、再審可否の判断を3月13日出すことを決め、弁護団に通知。

 ほかにも、【回転ずし迷惑動画 炎上非難は巡る 学校に中傷電話/擁護投稿にも批判】【カメラで監視、アクリル板設置も 信頼裏切られ苦渋策】【比、4人一斉送還断念 広域強盗 裁判所 2人結論出ず】【高校生、登校中刺される 川崎 顔見知り16歳容疑者逮捕】(7日付、中日新聞から)などいろいろある。
 やはり。もはや、人間たちの心が壊れてきている。心の崩壊現象が起きている。そんな気がしてならない。

(2月6日)
 午後7時前。故山本源一氏の夫人順子さまから思いがけず、電話が入る。
「主人が生前、みなさまに本当にお世話になりありがとうございました。ひと口、お礼を言いたくて」という丁重なもので、私は何と答えたらよいものか。戸惑いながらも「ご主人、〝源さん〟にはこちらこそお世話になりどおしでした。【脱原発社会をめざす文学者の会】がここまで辿り着いた、いや、大きく育ってきたのも加賀乙彦さん(故人)とご主人によるところが大きいです。そればかりか、尾張名古屋のここ江南市で中村敦夫さんの独り芝居【線量計が鳴る】が実現したのも、〝源さん〟のパワーとおかげがあればこそ、です。何よりも深く感謝しています」と答えた。
 受話器越しに聴こえてくる順子夫人の悲しさを押し殺しての丁寧で落ち着いた声を耳に、私は「源さん、しあわせだったよな。あんなにもステキな奥さんと一緒だったのだから」とつい思い、私は私でわが妻・舞のことまで思い出し、涙がしたたり落ちたのである。奥さん! わざわざありがとう。奥さんも、夫の源さんは居なくなってしまいましたが、幸せになってくださいね。もう東京の<ちんとんしゃん>で共に杯を重ねることは出来なくなってしまったか。ああ~

 愛知県知事選が5日、投開票され、現職の大村秀章氏(62)=立憲民主、公明、国民民主推薦=が新人5人を退け、4選を決めた。大村氏は支援者を前に「日本一元気な愛知をつくる」と強調、これまで推進してきたスタートアップ(新興企業)支援拠点の整備などの産業振興策を継続する、と約束。小牧市長選も同日投開票され、現職の山下史守朗氏(47)が4選を果たした。安城市長選もこの日投開票され、無所属新人で元副市長三星元人氏(62)=自民、公明推薦=が、3回目の挑戦となった元市議永田敦史氏(52)を破り、初当選した。

 トルコ南部ガジアンテブ県付近で6日午前4時17分(日本時間同10時17分)ごろ、マグニチュード(M)7・8の地震が発生。

(2月5日)
 日曜日。昨夜はあれやこれやと何かと執筆に追われ、寝たのは本日の午前2時過ぎに。シロは私のからだを心配してか。私が床に入るまで起きて待っていてくれた。生前の舞そのもので、ちょっと悪いような、ありがたく思ったのである。
 そんなわけで、けさ起きるのはいつもに比べだいぶ遅くなり、NHKラジオの音楽の泉が終わるころ、9時になってしまった(シロも同じ)。やはり、夜が遅いと朝はなかなか早く起きることが出来ない。

 というわけで、朝刊をざ~あっ、と読み終えたのは正午間近。デ、その朝刊だが。1面は【荒井秘書官を更迭 同性婚差別発言 首相「言語道断】(毎日)【荒井首相秘書官更迭 性的少数者 差別発言で
「隣に住んでいたら嫌 見るのも嫌」】(中日)というものだった。

2023年2月4日
 立春の今日あれをしてこれをして 宇多喜代子
   =2月4日付毎日新聞朝刊【季語刻々坪内稔典 今昔】から

 土曜日。立春。アッという間だ。それと。きょうは立春にふさわしい、おまえそのものだと言ってもよい春の陽光、暖かな日差しが、この地上に降り注いだ。好天である。いまでは舞の化身、いや生まれ変わりと言ってもいい俳句猫(俳号は「白」)シロちゃん、すなわちオーロラレインボーも先ほど午前10時50分過ぎに、お外に。私はいつものように「交通事故に遭わないように。気をつけて。おかあさんにくれぐれもよろしくね」と言って送り出した(その後、彼女は、わが家の規則どおり、正午過ぎにはきちんと帰宅した)。

 シロは、かつておかあさんにつけてもらった青いハート入り首輪をした全身まっ白の超美人、真っ赤な虞美人草(ひなげし)のような、そんな天女猫でもある。それだけに、とても心配だ。かといって、心身の美容と句作を兼ねた健康づくり、お空で待っているおかあさんに会うためにも天気の良い日は1日に1度は、たとえわずかな時間でも-とお外に出してやることにしているのである。

 青い首輪をして悲しみをこらえ、きょうも元気に家族を守って生きるシロちゃん。「忘れない。オカンのことは。天国のおかあさん、幸せでいてね」
 

「シロちゃん。みんな元気でいますか。私は毎日、お母さんたちと元気で楽しく、わいわいとやっています。だから心配しないでね」。シロの大好きな今は亡きおかあさん 
 

 わが家と先代猫ちゃんたちの猫塚は、息子の心づくしもあって美しい花々で囲まれている
 
 
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 わが家の愛猫では、かつて〝てまり〟が交通事故で正体不明の車にはねられ、死亡した苦い経験がある。それだけに、出かける時にはくどいほど「車に注意するように」としっかり言い聞かせての外出なのである(わが家の愛猫てまりの物語は、日本ペンクラブの電子文藝館・伊神権太「てまり」として所蔵されているので、ここを読んで頂けたら嬉しい)。

 それはそうと、けさの新聞は、何と言っても神男に触れようと激しくもみあう裸男たちの写真入り国府宮のはだか祭【3年ぶり 熱い渦】(中日新聞見出し)だった。かつて私が新聞社の一宮主管支局長当時に国府宮神社の境内一角にテントを張った取材基地を設け、支局員が総出で取材キャップであるデスクの指示と手配のもと、それぞれの分担を決め皆一体となって取材に打ち込んだものだが、今となっては、あの日々が懐かしく思い出される。
 そして。約1300年の歴史を刻んだ、この国府宮の天下の奇祭、はだか祭りの模様はその後、私の著作「一宮銀ながし」(風濤社)の中の<由佳奴>でも当時のはだか祭りについてリアルに触れているので読んで頂けたら、と思う。あのころは、支局近くの居酒屋「つわの」さんを大役を果たした神男たちがよく訪れ、そのつど「ガミちゃん。支局長。大役を終えたみなさんが今、うちの店に来ておいでなの。だから来てよ」とよく女将からお誘いがあり、そのつどのこのこと出かけて行ったものだ。懐かしく楽しかった日々でもあり、忘れられない。
 
 新聞に報じられた3年ぶりの国府宮はだか祭
 

 札幌市制100周年記念第73回札幌雪まつりがきょうから大通公園で開幕。2月11日までで【間近に雪像やっぱりいいね 3年ぶり「さっぽろ雪まつり」開幕】とは、4日付の中日夕刊の見出しだ。ほかに、朝刊の方は【海女文化残せるか 鳥羽・志摩に514人 半世紀で8分の1 5年ぶり人数調査 「磯焼けで海の幸がとれない」】【「4人送還 来週までに」広域強盗 比法相、裁判前倒し要請】【「真面目」「給料前借りも」 豊山の容疑者知人ら戸惑い】の見出し(いずれも中日)。
 なかでも海女文化の記事は、私自身、かつて新聞社の志摩通信部兼伊勢支局記者のころに情熱を込めて<海女 その世界>という企画記事を連載して書き続けたことがあるだけに、懐かしく感じられた。和具や波切、安乗など海女さんたちの休憩所である〝火場〟を何度も訪れ、取材したことはたびたびだった。休みの日など時には舞も一緒に訪れ、海女さんから手こね寿司のつくり方まで教えて頂くなど、あのころは本当に良き日々だった。というわけで、海女さんを主人公にした大河小説を書くのもひとつの手ではあるナ、と、ふと思った次第だ。

 ほかに夕刊は【荒井首相秘書官更迭へ 性的少数者 差別発言】【偵察気球「主権侵害」 米長官非難 訪中は撤去条件】【牛は家族 負けられない 福島・大熊町 殺処分拒む農家】【立春香るロウバイ】(いずれも中日見出し)といったところか。

(2月3日)
 きょうは節分。愛知県稲沢市の尾張大国霊神社(国府宮)では数千人の裸男が神社境内で3年ぶりにもみあう「国府宮はだかまつり」が午後開かれ、午前は厄よけの願いを込めた儺追笹(なおいざさ)が奉納された。

 この日わが家の日めくりには、こうあった。
【大安日にて何事にもよし。涙は悲しみのもの言わぬことばである(ボルテール 1694~1778 フランスの文学者 思想家)】
 
 わが家の日めくり
 
 

 この日は名古屋市中区の大須観音で豆まきがあり、本堂前に設置された高さ約3㍍の桟敷から老若男女が「福は内」のかけ声とともに豆をまいた。大須観音の場合、伊勢神宮から授けられた鬼面が寺宝のため「鬼は外」は禁句とされているという。
    ※    ※

    ☆    ☆
 この世の中、毎日毎日、あちらでもこちらでも。いろんなことが起きる。この地上に生きる、すべての人にとって一瞬一瞬が奇跡とも言える出会いの連続である。このところは、そうしたなかでの大事件発生の連続だ。きょうは久しぶりに中日新聞七尾支局の堀下奈美さんと電話で話しをし、懐かしく思った。亡き舞の俳句短歌遺稿集の件でだったが、昔とまったく変わらない堂々とした感じのあの〝奈美ちゃん〟であった。室木支局長とも話しをしたが、こちらは好青年がそのまま年齢を重ねたような、とても感じのよい支局長であった。

 けさの朝刊。【児童手当 所得制限撤廃へ 政府調整「18歳まで」段階的に】【戸籍の読み仮名必須に キラキラホーム一定ルール 24年度施行へ 全国民が届け出必要】【熊本以外も不正可能性 島津子会社 医療装置の故障偽装】(いずれも3日付中日1面見出し)といった具合である。

(2月2日)
 苦しいとき、辛い時にも脱原発社会実現への願いを込め、共に歩んできた源さん。「脱原発社会をめざす文学者の会」のリーダー的存在で初代事務局長でもあった、あの〝源さん〟、すなわち山本源一さん(日本ペンクラブ元環境委員長。元集英社)が1月29日に食道がんで亡くなった。何ということだ。もはや、ことばもない。
 〝源さん〟とは、先月の1月23、24日に以下のようなメールを交わしたばかりだった。のに、である。

 ここに私と〝源さん〟の最後のメールのやり取りを記録として残しておく。
【山本さま ご存知でしょうが、きょうの中日(東京)夕刊本紙に川村湊さんの追悼記事「加賀乙彦さんを悼む」が掲載されていましたので参考までに添付してお送りします。】
【伊神さま ありがとうございます。川村さん読みました、川村さんらしいいい原稿でした。川村さんしか書けないすてきな(弔意の籠った)原稿でした。実は報告があります、(中略) 私は、癌だったのです。半年少し前に癌が見つかり、食道癌それも、ステージ4。症状はかなり進んで、半年経ってはしっかりとおちたいたものになっとようです、残された治療はもはや放射線しかなく、それには耐える 耐える能力はなく、、、背骨、腰、そして脊椎、三方の痛みにたえて、妻の手を借りて暮らしています。まだ、しばならくはほかの人には連絡しないでくださいな。よろしく。(原文どおり。少し読みづらいカ所あり)2023年1月23日(月)21:50】
【源さん。わかりました。口は回復されるまでチャックします。誰にも言いません。でも、死なないで生きていてください。源さんのことは大好きです。奥さまに甘えてください。源さんは不滅だから。希望の扉はきっと開く。そんな気がいたします。うちの家内(舞)の場合、放射線治療のあとの抗がん剤投与の治療を全て拒否、私は彼女の自由にさせましたが、今になって深く反省しています。一生の不覚でした。俺はなぜ、強引にあのあとの抗がん剤治療をさせなかったのか。回復したかもしれないのに、と。反省なきよう。それでは。またー 2023年1月24日0:38】
 このやり取りが最後になってしまったのである。

 それにしても悲しい。源さん死去の報は同じ文学者の会の会員である野武由佳璃さんからラインで知らせがあり、私はその字面に全身の力が抜け落ちていく、脱力感のようなものを感じたのである。なんということだ。

 午後、気を取り直し私は源さんのお通夜が行れる三鷹市牟礼1―16-9の三鷹市寿量会館に妻で喪主の順子さまあてに線香とお花つきの弔電を送らせて頂いたのである。弔電の内容は、以下のとおりである。
【かなしい知らせに涙が止まりません。源さん。あなたは何事にも全力投球の人でした。心からご冥福をお祈りいたします。おやすらかに】

 午後、ポストに書簡が。広島市在住の脱原発社会をめざす文学者の会会員でもある天瀬裕康さんからで中を開くと、表紙に【被爆作家が描き続ける 林京子の反核社会 詩による評伝 天瀬裕康】とあり、帯には「幼少期を上海で過ごし長崎で被爆した核文学作家 ノーベル文学賞の価値ありとされた林京子の これは自由詩による略評伝」とあった。いつも思うが、天瀬さんの反核姿勢はすさまじいものがある。じっくりと読ませて頂こう。加賀乙彦さん、山本源一さん亡きあとも、天瀬さんら仲間たちと核のない世界平和実現のためにも、ついていかなければ、と思っている。

(2月1日)
 1カ月が過ぎた。朝は不燃ごみのゴミ出しにひとりで指定の場所へ。
 プロ野球は本日、2月1日に沖縄、宮崎両県で中日ドラゴンズなど11球団がキャンプイン。6日から始動する。西武を除いた各チームとも先月31日までにキャンプ地入り。必勝祈願などを行ったという。このうちドラゴンズは31日、沖縄県北谷町の宿舎に選手やコーチ陣を集めて全体ミーティングを開催。立浪監督は終了後に「昨年は悔しい思いをしたが、この1カ月がことしを占う意味でも重要となる」とキャンプの重要性を説いたという。
 デ、きょうの本紙スポーツ面の見出しは、面担(スポーツ面を担当する)の整理記者が本紙夕刊小説【生殖記】にくどいほど、よく出てくる表現をヒントに得たのか。【競争、成長、感謝を 立浪竜逆襲へ強調 きょうキャンプイン】といったものだったが、この見出し表現は、なぜかピタリと決まっていたといえよう。

 競争・成長・感謝 ピタリとあった立浪ドラゴンズキャンプインの中日新聞本紙の1日付見出し
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 全国各地で相次いでいる広域強盗事件。けさの朝刊は、相変わらず【俺は絶対捕まらない 広域強盗 移送「1週間かかる」警視庁、捜査員を比派遣へ 今村容疑者知人に豪語 逃亡には賄賂 強盗で稼ぐ 「週内2人送還したい」比法相 日本大使館と協議へ】(1日付、中日朝刊)【五輪組織委元次長に顧問料 テスト大会 落札企業から】【「台湾侵攻 軍事・経済両面で抑止を」 駐日米大使中国けん制】【「ルフィ」移送 捜査員派遣へ 警視庁4人の氏名発表 渡辺容疑者トップか】【国内にも「ルフィ」いる? 岩国の事件被告が指示受け 同時送還応じたい 比法相】(1日付、毎日朝刊)というものだった。

 そして。これとは別に、1日付の毎日新聞朝刊に【第77回毎日映画コンクール】の結果が、見開き特集<見せた新たな世界>で紹介されていた。男優主演賞沢田研二「土を喰らう十二カ月」 女優主演賞岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」の紹介記事には思わず、嬉しくなった。
 なかでも沢田研二については、死と向き合いながら、自然の恵みをありがたくいただいて、日々生きていく男を演じている。四季を織り込んでつづられる日常の中に、自然と共生する主人公のたたずまいが見事に溶け込んでいた。そこには演技を超えた実在感があった。精進料理を、ひとつひとつ素材を丁寧に処理しながら作っていく様にも、演じた人物の生き方が宿っている。かつて役で死に続けたジュリーが、沢田研二として見せた、食べて今を生きていくことの実感。それは現在の彼にしか出せない境地である。(金澤誠)とあった。
 われらのジュリーは、またひとつ大きく成長したのである。私は思わず嬉しくなり、知る人ぞ知る新聞界(中日・東京新聞)のジュリーKさんに「おめでとう」とお祝いのメールを打ったのである。

 ミャンマー国軍が国家顧問兼外相だった民主派指導者アウンサンスーチーさんを拘束し、政権を転覆させたクーデターからきょう(1日)で2年。1日付の中日新聞夕刊によれば、スーチーさんが解放される見込みはなく、民主派は軍政に抗議するために外出を控え、経済活動を止める【沈黙のスト】を呼びかけたという。

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年1月~)

2023年1月31日
 早いもので、ことしも早や1カ月が過ぎようとしている。

 【旧統一教会教祖発言録 中曽根氏も工作標的 日本首相1330回言及、最多693回】【日産・ルノー資本対等へ 出資比率見直し基本合意】、ほかに【4人送還来月上旬にも 比法相、日本と協議へ 全国連続強盗「指示役」ら】【残り2人の氏名判明】【「日本人詐欺グループ 施設内で活動」 韓国人作家、収容中の様子語る】、珍しいところでは【お布施1・5億円流用 国税認定 和歌山の宗教法人「隠し給与」】とは、本日付の毎日新聞朝刊見出し。一方、中日新聞の夕刊1面はといえば、だ。【「ルフィ」ら収容中 比の入管 賄賂で外出食事配達も 広域強盗、指示可能? 35億円詐取か ニセ電話詐欺2300件】の見出しである。ほかに文化・芸能欄の<大波小波>は,(右近)氏による【追悼 加賀乙彦】で「加賀が九十三歳で逝った。死を見つめる方向性と深さにおいて、他に類例を見ない作家だった。」とあったが、その通りだと思う。

 中日(東京)新聞の文化芸能欄に掲載された<大波小波>の【追悼 加賀乙彦】(左側の箱組記事)
 

 来月、2月23日に横浜市の神奈川近代文学館で開かれる講演とシンポジウム「ウクライナの核危機 林京子を読む」に先立ち、100字メッセージを「脱原発社会をめざす文学者の会」編集子あてに出稿する。

(1月30日)
 徳川家康から続く徳川宗家19代目当主として1月1日に家督を継いだ徳川家広さん(57)が29日、東京・港区の増上寺であった「継宗の儀」で親族らに代替わりを報告。将棋の第72期王将戦七番勝負の第三局が28、29の両日、金沢市内で行われ、藤井聡太王将が挑戦者の羽生義治九段に勝ち、2勝1敗に。第四局は2月9、10日に東京都立川市で行われる。
 29日午後2時半ごろ、長野県小谷村の北ア・白馬乗鞍岳で表層雪崩が起き、スキー場管理区域外のバックカントリーを滑走していた外国人の男女5人が巻き込まれた。うち男性2人は意識不明のまま現場に取り残されている(ともに心肺停止状態)という。これより先、28日午後3時ごろには長野県野沢温泉村の野沢温泉スキー場のバックカントリーで男性1人が雪崩に巻き込まれ、行方不明になっている。

 日本国内の各地で相次いでいる広域強盗事件。「ルフィ」と共に指示役として「キム」と名乗る人物が東京都狛江市での強盗殺人事件の前に、現場住所を犯行グループのメンバーに送っていたことがその後の捜査関係者への取材で分かったという。これにより、ルフィとキムは同じグループで、一連の事件で複数の名前を使い分けていた可能性も出てきた。警視庁は引き続き、強盗殺人事件にも関与した疑いがあるとみて調べを進めている。またマニラの入管施設に収容され、日本の警察が広域強盗事件に絡んでフィリピン側に移送を求めている渡辺優樹容疑者についてフィリピン政府が身柄を日本に送る方針を固めていることもわかったという。
 その後の調べで、警視庁が特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑などで逮捕状を取得したのは、フィリピンの入管施設に拘束されている渡辺優樹(38)、今村磨人(38)、藤田聖也(38)小島智信(45)の各容疑者で、この4人のなかにルフィらが含まれていると見られる。

 警視庁が逮捕状を取得した4人の日本人容疑者
 

 このほか、コロナ関係では【<知る防ぐ 新型コロナ> 雇調金累計6兆円 特例支給月内に終了 3兆円超は借り入れ】(30日付中日)の見出しが気になるところだ。

 本日30日付の毎日夕刊の尾上菊五郎聞き書き【艶やかに】に「いがみの権太 すっきりとした悪人、善に戻る」の記事。「義経千本桜 すし屋」の場面の<いがみの権太>が見事に描かれており、私自身も納得。中日夕刊は【トヨタ 世界販売1位 3年連続 22年956万台】

2023年1月29日
 令和5年1月。日曜日。早や、令和も5年に入り、1月が過ぎ去ろうとしている。コロナ禍と闘い続けてきた人間社会。青い透き通った空。そこにはいつもおまえのまなざし、真っ赤に燃えた太陽の日差し、光りがある。

「おかあさん。たつ江。舞。げんきでいますか。俺たち、みんなで力を寄せ合って何とか生きているから。心配しないで。おまえも元気でいろよ。それにしても、ことしの地上の冬は寒い。日々、氷柱の中に立っているみたいだ」
 私は、かつておまえが選んでくれた愛車のハンドルを手にきょうも買い物に出かける。こんなにも寒いのに。晴れた青空の空高く。太陽がポッカリ浮かんでいる。太陽の光りという光りが、地上の俺たちの方に微笑みという微笑みを投げかけてくれている。そんなおまえに向かって、私はきょうも呼びかける。
「俺たち。みな元気でいるから。シロちゃんも。だよ。心配しないでいいからな」と。それにしても、このところの日本は極寒続きだ。そして。どんなに寒かろうが。おまえが以前のように私の傍らに居てくれたらいいのに。そんなことを、きょうも思う私である。この世は無情、非情である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 新聞紙面は相も変わらず、このところ連日報道されている1都2府12県に及ぶ広域強盗事件に関連、日本の警察当局がフィリピン側に容疑者として日本への移送を求めている日本人男性4人がフィリピンで過去、2019年に36人が拘束されたニセ電話詐欺グループの幹部とみられることなどが【「ルフィ」ニセ電話幹部か 比拠点に詐欺 強盗に手口転用】【暴力行為で裁判出国停止 意図的事件で送還逃れ? 比捜査官指摘】(29日付中日見出し)などといった続報を報じている。

 史上最多の優勝45回を記録した元横綱白鵬(現宮城野親方)の断髪式がきのう28日に東京・両国国技館であった。断髪式では、同じモンゴル出身の元横綱日馬富士から最後のはさみを入れられ、白鵬が感慨深げに涙ぐむ姿が印象的であった。ほかには、28日深夜に愛知県稲沢市で起きた民家火災で3人が病院に搬送され(3人とも、その後死亡)、27日夜には松野博一官房長官(衆院千葉3区)の秘書が千葉市内で自身の車で数百㍍先の自宅へ帰る途中、千葉県警に酒気帯び運転の疑いで摘発された-など、いろいろある。
 人それぞれの人生に、運命とでもいったものがあるのだろうか。それにしても、きょうも寒い。舞がとなりに座って居てくれたら、それだけであったかいのに。彼女が私の傍らに居ないこと自体信じられない。舞もかわいがった愛猫シロちゃんが居てくれるのが、せめてもの救い、慰めか。そのシロも今は布団に潜り込んでいる。

 在日本中国大使館が、きょう、日本人へのビザの発給を再開すると発表。

(1月28日)
 大雪の影響で新名神高速道の三重-滋賀県間の一部区間で続いていた通行止め解除(約44時間ぶりにやって全面解除)に続き、極寒続きが災いし、こんどは三重県の四日市はじめ桑名市、ほかに石川県能登半島の七尾市、輪島市などでも水道管が破裂したり凍結、この影響で計約一万一千世帯が一時断水、水道管が破裂するなど深刻な事態に陥っている。
    ※    ※

    ☆    ☆
 人間に優劣などというものはない。人は誰もが、だれだって。その時々をその人なりに懸命に生きている。日本列島の多くで大雪に襲われたこのところの寒さ続き。自然界の牙をむきだしにした無残な姿に改めてこう、思う。この地球を取り巻く【自然そのもの】とて、自分自身わけが分からないまま生きているに違いない。
 このままの寒さが続くのなら、人間社会にとっては時には憧れにさえ映る風とか太陽とか雪までが私たちの敵になってしまう。そんなことを思いつつ私はいま、こうしてペンを進めている。誰もが寒さに震えるなか、舞が生前、いつも着ていた黒いセーターを首に巻いてである。思った以上に温かいセーターを襟巻代わりに、私はこうしてペンを進めている。
 ああ~、一体全体なんてことなのだ。と思わず出てしまう〝ためいき〟をおさえながら、私は書き進める。そんな私の姿を今や、亡き舞の化身ともいえる愛猫シロちゃんがいつだって、心配そうな顔をしてただ黙って見つめている。シロちゃんだって、寒くてしかたがない。のに、である。
  
 春のセンバツ出場校が27日、決まった。21世紀枠3校=石橋(栃木)氷見(富山)城東(徳島)=を含む計36校で、東海地方からは常葉大菊川(静岡、5回目)東邦(愛知、31回目)大垣日大(岐阜、5回目)の3校が選ばれた。大垣では、かつて家族と一緒に過ごしたことがある。それだけに、大垣日大には勝ち続けてセンバツ優勝をしてほしく思う。
 ほかには、東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る入札談合事件にからんで電通で業務に携わった複数の担当者が東京地検の事情聴取に談合を認める供述をしたとか、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを政府の対策本部が正式に決定したことなどニュースは満載である。

 ところで新聞各紙の報道によれば、日本の各地でこのところ相次いで続発している広域強盗事件で日本の警察当局がフィリピンの首都マニラの入管施設に拘束されている日本人男性4人の日本への移送を現地当局に求めていることが分かったという。このなかには指示役の疑いがある「ルフィ」と名乗る人物も含まれていると見られる。4人とも日本で多発している特殊詐欺事件で警察庁が逮捕状を取得済みで、こんご強盗事件との関連を調べることにしている。「ルフィ」と名乗る人物らは、拘束下にもかかわらず規則に反して通信機器を使用、入管職員が黙認していた可能性があるという。
 「ルフィ」に関しては、けさの毎日新聞【余禄】で漫画「one peace(ワンピース)」に登場する、海賊の主人公ルフィと対比し書いているので、ここに紹介しておこう。視野に富んだ記述、コラムだといえよう。

 「ルフィ」について書かれた毎日新聞朝刊コラムの余録
 
 
(1月27日)
 木曜日の深夜遅く。私も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」の編集スタッフあてに同文学者の会幹事会などの要請もあって、これまで私が月に一度書き続けている伊神権太の文士刮目第21回目【<心を壊さないで! 「希望」という名の道を歩こう>】を出稿。アップが金曜日と聴いていたので「間に合わせねば」と思い、深夜未明に出稿したのだが。担当者が言うには「アップは2月3日にさせて頂きます」とのことで、疲れがドッと全身を襲った。編集スタッフの立場になれば、ほかにも原稿を処理せねばなるまい。だから「まあっ、仕方ないか」と思って、やっとこせ、シロの待つ床に入ることが出来た。とにもかくにも気になっていた原稿を送り終え、ホッとしたのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを5月8日をめどに、ふつうの季節性インフルエンザと同じ【五類】に引き下げる方針を固め27日、すなわちきょう開く政府対策本部で正式決定の運びだという。トヨタ自動車が26日、豊田章男社長(66)が代表権のある会長に就き、佐藤恒治執行役員(53)が社長に昇格するビッグ人事を発表。社長交代は約14年ぶりで、内山田竹志会長(76)は退任する。いずれも4月1日付である。

 それにしても、このところの極寒に続き、けさも、とても寒い朝である。きのうの夕刊は【新名神 立ち往生解消 通行止め 今夕解除へ 丸一日足止め疲労の色濃く】といったニュースが相次いだが【四日市史上最低 氷点下8.9度観測 東海各地で今季最低】(26日付、中日夕刊)の見出しには、たまげた。驚いた。
 というわけで、布団に入ったり出たりの愛猫シロちゃんも寒さもあってか。いったんはたべた食事を夕方、大量にもどしてしまうなど彼女の健康面からも大変な1日となった(その後、シロは順調に回復してホッとしている)。全くもって人間たちがいくら大声をあげたところで自然には叶わないナ、と実感した次第である。

 新名神では多くの車が立ち往生、問題を投げかけた(NHKから)
 

(1月26日)
 文化財防火デー。
 日本相撲協会はきのう、25日に東京・両国国技館で開いた大相撲春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議で幕下15枚目格付け出しの初場所で7戦全勝優勝した落合(19)=本名落合哲也、鳥取県出身、宮城野部屋=の新十両昇進を決めた。所要1場所は、昭和以降初の快挙。落合は鳥取城北高校時代に2度の高校横綱に輝き、昨年9月の全日本実業団選手権も制した。宮城野親方(元横綱白鵬)が昨年7月に部屋を継承後、初の関取誕生となる。一方、玉正鳳(29)=モンゴル出身、片男波部屋=も新十両となり、所要68場所は外国出身で2番目の遅さだった。玉正鳳は念願の関取昇進で「うれしい気持ちを、どうやって表したらいいか分からないくらいうれしい」と話している。ふたりとも期待の〝新星〟である。

 けさの朝刊はきのう日本を襲った大寒波を受け【凍える列島 46都道府県で氷点下 新名神20時間超 立往生】と報道。ほかに【衆院代表質問 首相「抑止力として不可欠」 敵基地攻撃能力で強調】【一票の格差2.08倍「合憲」 21年衆院選 最高裁判決】(いずれも中日新聞26日付)などといった見出しが並んた。

(1月25日)
 日本列島は、この日、10年に1度の強烈な寒波に。この冬一番の寒気が流れ込み、各地で記録的な寒さに襲われ、北日本から西日本の日本海側で大雪となった。全国的に記録的な低温となり、熊本県甲佐町で氷点下9・0度、愛知県常滑市で同3・4度、新潟市東区で同5・6度を観測。いずれも観測史上1位の最低気温となった。
 降雪量は中国地方の日本海側や山間部で目立ち、岡山県真庭市では午前8時までの24時間で93㌢の降雪を記録。昨冬までの最大記録を上回った。この影響で東海地方の高速道路では一部の区間で交通規制が行われ、多くの車が立ち往生、至る所で渋滞した。また滋賀県内や京都府内のJR東海道線では複数の列車が立ち往生、多くの乗客が車内で夜を明かしたりした。中には混雑した車内に長時間閉じ込められ、体調不良を訴え、救急搬送される乗客もいた。JR西日本によれば、25日午前にかけ在来線の約20線区で特急を含めて運転取りやめや遅延が発生したという。

 いつも思うことだが、悲しいかな 人間は残念ながら、自然の前にはどうしようもない。歯がたたないのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 本日付の中日新聞夕刊は、ほかに【戦車供与ドイツが決断 ウクライナへ、米も追随か 複数報道】【米司法省2度目 グーグルを提訴 広告巡り独禁法違反】【元所長 入札情報掌握か 中部地整、積算業務担う 官製談合疑い】といったニュースを報じている。そして。このところ全国各地で相次いでいる連続強盗に関して毎日新聞は朝刊で【連続強盗に指示役「ルフィ」 SNSで実行役手配】【狛江防犯カメラ 室内の画面破壊 映像消去目的か】【強盗傷害容疑で新たに2人逮捕 中野事件】と報じている。

 そして。これら事件以外に気になったのは、やはり【ウクライナ侵攻「滅亡」近づく 終末時計 残り90秒】の記事だろう。それによれば、米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が核戦争や気候変動などの脅威を分析し、人類滅亡を午前零時に見立てた「終末時計」の残り時間を、1947年の創設以来最短の「残り90秒」と発表した、その事実に違いない。
 この終末時計は、ノーベル賞受賞者を含む科学や安全保障の専門家らが、過去1年の世界情勢に基づいて人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表しているが2020~2022年は残り100秒だった。それだけに、こんごロシア×ウクライナ戦争がどうなるのか。人類の終末時計が10秒短くなっただけに、気になるところである。

2023年1月24日
 火曜日。初地蔵。
 【首相少子化対策「最重要」 財源 社保料上げ模索 施政方針演説 3年ぶりノーマスク】【旧統一教会に行政指導 厚労省 養子縁組あっせん問題】【強制不妊 熊本も勝訴 地裁初 原告への賠償 国に命令】。
 以上は、けさの毎日新聞朝刊1面見出しである。

 それはそうと。既に私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」本紙の本欄でも紹介済みではあるのだが。昨日23日付の中日新聞夕刊に掲載された文芸評論家川村湊さんの「脱原発社会をめざす文学者の会代表(会長)」だった精神科医で作家加賀乙彦さんに対する追悼文「加賀乙彦さんを悼む」は川村湊さんならでは、というか。川村さんでしか書けない文で、とても印象深い内容であった。ここに再録させていただく。

 23日付中日(東京)新聞夕刊に掲載された川村湊さんの筆による【加賀乙彦さんを悼む】
 

 事実、ドストエフスキーをはじめとするロシア文学の影響を受けた作家加賀さんの人生、いや作家としての軌跡と航路がとてもよく分かる内容でもあった。精神科医という顔を持つ加賀さんが拘置所で出会ったのがメッカ殺人事件の主犯正田昭死刑囚で、後に加賀さんの代表作のひとつとなった【宣告】が書かれたのは、この死刑囚との出会いがあったからこそだ、といった指摘など、まさにその通りだと思うのである。

 ほかには同じ中日新聞の24日付記事【戦禍の母国へ思い詠む ウクライナ有志13人が句集 侵攻11カ月】が胸を打った。

<閃光や闇から闇へ雪の降る><瓦礫より聖ニコライの目の寂し><サイレンと地下壕の間に梅の花><春分やめらめらと赫き不眠の眼><灯火管制愛を囁く短き夜>…
 ウクライナ人の有志13人による句集を報じた24日付中日新聞朝刊
 

    ※    ※
 朝。わが家の先輩猫たち(てまり、こすも・ここ、神猫・初代シロ)の猫塚のお水を現役、第一線のシロちゃん=俳句猫「白」。オーロラレインボー=と一緒に新しくする。その際に、舞が植えた柿の木に柿がふたつ実をつけていることに気付く

 お水を入れ替えた先代猫ちゃんたちの猫塚
 

 おいしそうな柿。食べるのがもったいない
 

(1月23日)
 けさの朝刊ニュースは、きのうの大関貴景勝の3度目優勝(既報)をのぞいて▽第28回全国都道府県対抗男子駅伝が22日、広島市平和記念公園前発着の7区間、48㌔で行われ、長野が大会新記録の2時間17分10秒で優勝した▽将棋の藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖との五冠、愛知県瀬戸市=に羽生善治九段(52)が挑む第72期王将戦七番勝負第二局が21、22日に大阪府高槻市で指され、タイトル百期の大台を狙う羽生九段が勝ち、シリーズの成績を一勝一敗のタイに戻した▽車いすテニス男子の第一人者でシングルスで東京パラリンピックの金メダル、四大大会で通算28度の優勝など数々の実績をあげた国枝慎吾選手(38)が22日、同日限りでの引退を表明▽22日午前1時35分ごろ、神戸市兵庫区湊町にある3階建て集合住宅「第2ひろみ荘」から出火、いずれも1階に住む70~80代の男性4人の死亡が確認された--といったところか。やはり暗い話題は気になる。

 そして。夕刊はといえば、だ。第211通常国会がきょう招集され、岸田文雄首相が午後の衆参両院の本会議で施政方針演説。中日新聞は中部地方と北米を結ぶ唯一の旅客定期便として中部国際空港(愛知県常滑市)-デトロイト線を運航する米デルタ航空が3月から同線を無期限で運休することが分かった、と1面トップで報道。愛知県稲沢市の尾張大国霊神社(国府宮)で2月3日に開かれる「国府宮はだか祭」で主役となる神男(儺負人)が23日、同県あま市の自営業、矢沢謙二さん(41)に決まった、とも。
 ほかに、このところ東京都など関東各地で発生している連続強盗事件に関連、関与が疑われるグループのメンバーが実は広島市や山口県岩国市、東京都稲城市での強盗事件にも関わっていた疑いのあることが捜査関係者への取材で分かったーと報道が目立つ。

2023年1月22日
 日曜日。晴れ。寒い日が続く。愛猫シロちゃんは、深夜遅くなると毎日、私の布団に遠慮がちに入ってくる。「昨夜もありがとうね」と言ってあごをさすると、気持ちよさそうにゴロゴロゴロ、ゴロゴロと全身でありったけの音をたて喜んでくれ、満足そうだ。以前なら、句作に励むおかあさん(伊神舞子)の部屋(一階)のベッドで俳句猫「白」として、共に俳句づくりに励む毎日で、部屋の天窓から星空を一緒に見ながらゴロゴロゴロと喉を鳴らしていたのだが。
 気が付いたら、いつのまにか今度は2階私のベッドのなかで何もなかったかのように私の腕に抱かれて寝入っている。それにしても、このところは本当に寒い日が続いている。大寒とは、よく言ったものだ。
    ※    ※

    ☆    ☆
 朝刊を開く。【真珠に宿るSDGs アコヤガイ廃棄の貝肉を堆肥に 三重県、養殖業者が協力 「パールコンポスト」地元期待】【EVタクシー名古屋初 リースで44台 名タクが4月導入】(中日)とどれも新しいニュースで満杯だ。ニュースは時代とともに動いていくのだナ、というのが率直な私の印象、実感となって迫る。
 なかでも三重県志摩半島の真珠の海・英虞湾での貝肉堆肥化への取り組みには納得といったところか。私自身、かつてこの真珠の海を1人の地方記者として飛び回っていた時代がある。それだけに、真珠母貝のアコヤガイがキューキューと儚い声をたてて死んでいった無残な姿を思い出すにつけ、アコヤガイには人一倍の愛着があるからである。あのころは英虞湾への汚水垂れ流しからくる湾内の富栄養化現象が進みギムノディニウムというプランクトンによる悪性赤潮が大量発生、真珠母貝が次々にキューキューと哀れな音をたてて異常斃死していった。あの残酷極まる姿をこの目で見てきただけに、この貝肉堆肥化の話は見過ごすわけにはいかなかったのである。

 そして。本日のサンデー版大図解といえば、だ。浮世絵で世界に羽ばたいた山【富士山】である。<ユネスコの世界文化遺産に登録されて今年で十年を迎える富士山。古くから信仰の対象であり、芸術をうむ源泉ともなってきました。知っているようで知らない日本一の山の魅力を紹介します。>とあった。
 文句なく良い紙面であった。

 東京・両国国技館で開かれてきた大相撲初場所は大関貴景勝と平幕琴勝峰の11勝3敗同士の相星決戦となり、すくい投げで貴景勝が勝ち、13場所ぶりに優勝。千秋楽の相星決戦に平幕力士が臨んだのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降初めて。十両は西12枚目の朝乃山が14勝1敗で優勝、幕内返り咲きへ前進した。

 優勝インタビューで「結婚してからは初の優勝なので嬉しいです。家族とか、全ての人に支えられ、感謝しています」と話す大関貴景勝(NHK総合から)
 
 桟敷席からお祝いする観客(NHK総合から)
 

 夜。NHKスペシャル「半導体・大競争時代①」を見る。いろいろ考えさせられた。

(1月21日)
 土曜日。連日、400~500人前後の死者が出て、一向に治まりそうにない日本でのコロナ禍。第8波の新型コロナウイルスの感染者拡大で所によっては症状が悪化したコロナ患者はじめ、一般患者の救急搬送にも困っている自治体が多い中、1981年12月の第二次石油パニックいらいの物価高、果ては90歳を超えた女性の両手をぐるぐる巻きに縛ったあげくに殺害、住居内を手当たり次第に荒らすという悪辣な〝狼藉殺し〟、さらには3人組による相次ぐ強盗、殺害など、この世の中は残念ながら、異常と言っていいほどの凶悪極まる社会となっている。

 一体全体、ニンゲンたちの良心はどこに飛んでいってしまったのか。
 今の世の中は、かつて流行した【飛んでイスタンブール】などと暢気に歌っているわけになぞ、とてもいかない。危険かつ物騒な世の中なのである。わが家の番人でもある愛猫の白猫シロちゃん。目を見れば、私たちが住む現代社会の醜さに彼女がどれほどまでに暗澹たる気持ちでいるかが私には、よく分かる。そのシロちゃん。きのうもきょうも、かつておかあさんと一緒に居た室内で座ったまま、じっと外を思いつめた表情で誰もいなくなった部屋から外を見つめているのである。かつてなら、句作に励むおかあさんのベッドの一角でおかあさんにじゃれながらいつも楽しそうに一緒に外の風景を見たりしていた。
 のに、である。それでもシロはおかあさんを思い出すように、きょうも戸外の庭に目を注ぐのである。何を思っているのだろうか。夜など人ひとりいなくなった、かつてのおかあさんの部屋の一角で身じろぎ一つしないで居ることも多いのである。

 何思うシロちゃん。じっと窓の外を見続ける。かつては、いつだっておかあさんが隣にいた
 

 シロはいつだって、こうして元気でいます。首輪は、おかあさんにつけてもらったものでハート付きで~す
 

 けさ21日付の新聞紙面は【コロナ4月下旬にも5類 政府 マスク原則不要で検討 平時へ転換図る】【物価高加速4% 12月、41年ぶり 8割の品目上昇】【68歳年金実質0.6%減 23年度増額分 物価高に届かず】【東京強殺 携帯に犯行計画 別事件で逮捕 三重の自衛官 グループが連続強盗か】(中日)【自殺者増加2万1584人 昨年 男性は13年ぶり増=男性は1万4543人(前年比604人増)= 昨年男性は13年ぶり増】【狛江強殺 別事件自衛官携帯に記録 千葉・強盗傷害容儀 被害者宅「狙う」 関東で強盗多発 警視庁関連捜査】【アプリで職場把握か 博多視察 容疑者、交際時利用】(毎日)……など。いずれも読むに堪えない、無残きわまるものばかりだといっていい。
 ならば、だ。一体全体、誰が。なぜ、こんな世の中にしてしまったのか。感受性の強い舞は、こうした醜い時代の到来を予感して、この世で生きていくのが嫌になって一足早く天空に飛び立っていってしまったのではなかろうか、と。ふと、そんな気さえしてくる。いずれにせよ、今のような不安定極まる世の中が、このまま続くようだと、人間たちの心がこのまま塞ぎ込んでしまうかも知れない、現にそんな世の中なのである。だからこそ、明るく朗らかなニュースが必要だ-と私は思う。

 とはいうものの、人間だれしも生きてゆかねばならぬ。東京の3人組犯人は、自暴自棄になって犯罪を犯しているような、そんな気がする。

(1月20日)
 大寒。
 4選をめざす現職大村秀章氏(62)=立民、公明、国民推薦=ら6氏による愛知県知事選がきのう19日に告示され、現職新人の計6氏が届け出て始まった。第百六十八回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は井戸川射子さん(35)の「この世の喜びよ」(「群像」昨年7月号)と、佐藤厚志さん(40)の「荒地の家族」(新潮社)、直木賞は小川哲さん(36)の「地図と拳」(集英社)と、千早茜さん(43)の「しろがねの葉」(新潮社)の各2作に決まった。心からおめでとう、と拍手したい。
    ※    ※

    ☆    ☆
 ところで、小説といえば、だ。私が毎朝、ずっと愛読してきた毎日新聞の連載小説【永遠と横道世之介】(吉田修一)がきょう416回で完結し、終わった。終わるのが、惜しい気がする。さわやかで毎回、次への期待が膨らむ文句なく分かりやすくて、人々に幸せを運ぶ良い小説であった。最近、ありがちな作者ひとりだけがわかった気でいるチンプンカンな夕刊小説などを書いているヒヨッコたちには、この小説を繰り返し繰り返し読んでほしく思う。かといって、中日朝刊の連載小説【ひとでなし】(星野智幸)も悪くはなく、このところの展開は少しずつ読者をひきつけ、よくなってきてはいる。でも、まだまだの気がする。
 同じく中日の夕刊小説【生殖記 朝井リョウ】は、てんでダメである。何とか本人の気持ちになって味方して読もう読もう、とはしているが、やはり自分本位の筆致が読者を迷路に陥らせている最悪な文体だと思う(最近、彼の歩んだ職場環境と本人の気持ちを熟慮しつつ読むうち、少しは言わんとすることがわかってはきたが、やはりダメだ。)。文そのものが分からないのである。ただ彼ならではの文章世界にチャレンジしようとしている。その意欲だけは評価していいと思う(なかでも20日付の「よく考えたら次世代個体育成にオスそのものは必要ないのでは? の下りは、やっとこせ拍手していいかもしれない)。でも、小説は、あくまで人間が人間を書かねば、と私は思う。
 この点で同じ夕刊でも毎日の【兎は薄氷に駆ける】(貴志佑介)は司法の世界のことをしっかり取材、体得していることもあって、ヤマ場になるとドキドキして読者を物語の世界に引き込んでゆく強引な筆力というものを感じさせ私は気に入っている。いずれにせよ、この4作の順位をつければである。【永遠と横道世之介】が断然トップで、次いで【ひとでなし】と【兎は薄氷に駆ける】が同位、だいぶ差をつけられて【生殖器】といったところか。名もなき全国の同人誌作家のなかには、彼らよりもうまい作家はいっぱいいる。たまたま●●賞とかを受賞したのがきっかけとなり、スターダムに乗り、チヤホヤされて書いているひよっこ作家たちとは違うのである。私は、それを言いたい。

 ここで私は、どうしても触れておきたい作家がいる。昨年2月5日に心疾患で急逝した【苦役列車】の芥川賞作家西村賢太氏のことである。彼は、1990年ごろ。平成2、3年ごろだったか。かつて、私が新聞社の七尾支局長時代、ある知人を通じ「私に、どうしても会いたい」と私を訪ねてきたことがある。あの時、私たちは能登のお寺の軒下で雨に打たれながら、あれやこれやと結構、とことんまで話しあったことがある。当時、まだ無名だった彼は晩年の姿とはとても想像もつかないひょろりとした青年だったが、雨に打たれながら私の言葉に真剣に聞き入ってくれた。私はあのとき彼にこう言ったことを覚えている。
「何よりも、取材をしっかりと行い、読みやすく書くこと。万人がすらすらと読める文章を書くのが一番いい。わかりやすい文章に徹することだ。ひとりだけ酔ったように書いたところで読者に理解してもらい、心を打たなければ、書いたところで何にもならない。だから、まず第一に正直に、かつわかりやすく。欲を言えば、読む人にしあわせ感を与えられたら良い。人の胸を打つ原稿を書くことだよ」と。彼は、あの時、寺院の軒先から落ちる〝雨滴〟を耳に私の目をじっと見つめ、真剣な表情で聴いてくれていたが、私は「これは本物だ」と思った。なので、あの日の表情を私は今なお忘れることが出来ないでいる。きのうのようでもある。
 文学界で彼が連載していた【雨滴は続く】は、地方新聞の女性に正直にほれ込むなど何かと問題点こそあったものの、文章そのものは万人に理解できるわかりやすく、何よりも心理描写が巧みな内容だった。正直で、日ごろ自分流の文体の研鑽を積めばこそ、で惜しい人材を失ったものである。尊敬する藤澤清造の文体の捕らわれの身となった賢太の彼岸の地での幸せをどこまでも願いたい。
 思うに北町貫太、すなわち西村賢太は、死ぬ覚悟で逝ったのではないか、と。思う。そう思えてならない。合掌―

 西村賢太氏の「雨滴は続く」最終回の気になる一節を、ここに記録として留めておきたい
 

   ☆    ☆ 
 午後。ことし初の社交ダンスのレッスンで一宮スポーツ文化センターへ。入院中だった若原先生も無事、回復され、楽しいレッスンとなった。久しぶりのタンゴに身が引き締まる思いがした。社交ダンスの技術の上下は別に、もはや私にとってかけがえなき生きがいになっていることを実感したレッスンでもあった。もとはと言えば、これも舞に勧められたからこそ、の世界である。久しぶりの踊り初めでもあり少し疲れはしたが、いい体力づくりになった気がする。舞よ、マイ。たつ江よ。ありがとう。俺はなんとか生きているから。

(1月19日)
 平和堂店内の衣類のほつれを修繕するリメーク工房へ。至る所にあったほつれの修正を頼んでおいた赤いガウンとズボン1着の計2流れを受け取りに出向いた。このリメーク工房。わが家では、舞が元気でいたころから、彼女に連れられ、これら衣類のほつれを直してもらうために一緒によく訪れたものだが、今回は冬のど真ん中、羽織るものがなくては寒くてしようがないため窮余の一策として先日持ち込んだいきさつがある。

 私は、平和堂内のリメーク工房を訪れる前に布袋アピタ内にあるカット店を訪れ、伸び放題になっていた髪の毛をカットしてもらったが、舞が傍らにいたら、目をしかめて「髪の毛伸びすぎだよ」と言うに決まっているからだ。こうした注意を促す点では舞は、私の母にすこぶる似ており、ボサボサ頭でいる私の髪の毛に厳しい視線を投げかけていたふたりの存在が今では、貴重な隠れた視線に見えるのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 月ドラ「愛子のインタビュー」を読み、根尾-石橋のコンビがうまく機能すれば、ことしのドラゴンズは上位、いやリーグ優勝どころか、日本一だって期待できる。そんな気がしたが、どうか。

 本日1面で【東電旧経営陣二審も無罪 3人強制起訴判決 津波「予見不可能」】【日銀緩和策修正せず 円安加速 一時131円台】(中日)の見出し。このうち東電経営陣二審も無罪の記事は、東電福島第一原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣3人の控訴審で東京高裁が18日、一審の東京地裁に続き、いずれにも無罪判決を言い渡したという事案である。
 この日の無罪判決で細田啓介裁判長は「10㍍を超える津波が襲来する予見可能性はなかった」と述べ、事故回避のため事前に原発の運転を停止すべき注意義務は認められない-との一審判決を支持。指定弁護士側による「防潮堤建設や主要設備の津波対策工事をしていれば事故は回避できた」との主張も「証明は不十分で、事後的な情報や知見を前提にしている」として採用しなかった。

 財務省が19日発表した2022年の貿易統計によれば、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は19兆9713億円と過去最大の赤字。愛知県知事選が19日、告示され、四選をめざす現職の大村秀章氏(62歳)ら6氏が立候補を届け出た。中日新聞の夕刊報道によれば、ウクライナのへラシムチュク大統領顧問が17日、ロシアが昨年2月の侵攻開始後にウクライナから連れ去った子ども14000人弱を特定したと述べた。このうち帰還したのは125人に留まるとし、子どもたちを守る必要があるとも訴えた。

(1月18日)
 「脱原発社会をめざす文学者の会」のリーダーであり、かつ私がこよなく慕い、かつ勇気づけられ続けてきた作家、加賀乙彦さんか亡くなった。93歳だった。東日本大震災の後に他の文学者の会のメンバーらと共に被災地を何度も歩いた日々が鮮明に瞼に浮かぶ。このところは加賀さんが闘病中の身ということもあってなかなかお会いすることこそ叶わなかったが、文学に対する熱情が正義感とやさしさとともに最後までピンピンと響いてくる、そんなお方であった。おやすらかに。

 加賀さんにお会いし、私の人生が大きく変わったことも事実だった。いつだったか、軽井沢で有志で行われた加賀さんの誕生日会に出席した時のことだ。彼は私にこうおっしゃった。「ごんたさん。書いて書いて。書きまくって下さい。君はまだまだ若いのだから。そして世の中を変えてくださいよ。70代なんて、まだ若い。若いですよ」と。歌をうたえばフランス語で【枯れ葉】を歌い、身も心も透き通った、温かみと透明感のある、得がたき師にふさわしい人であった。
 私は、加賀さんを知りたいがために【宣告】【永遠の都】【死刑囚の記録】などを図書館に通いつめ、読破。加賀文学を私なりに体得、そのうえで所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」の活動に熱心になっていったのである。
 何はともあれ。加賀さん、ワインがお好きでしたね。軽井沢のテニスコートでは美智子妃のお相手をなさったことが自慢でしたよね。軽井沢の加賀さんの別荘では、まだまだひょっこばかりの「脱原発をめざす文学者の会」メンバーと、今の世の中についてトコトン、夜を徹して話し合ったこともありましたよね。おつかれさま。ご苦労様でした。精神科医でもあったあなたはハンセン病患者はじめ、受刑者、被爆者、東日本大震災の被災者……と。どんな時にでも弱者の味方、正義の人でしたよね。私は、そんな姿勢の加賀さんにあこがれ続け、ここまでついてきました。これからも頑張ります。おやすらかに。

 加賀乙彦さん逝去を報じた中日新聞(東京新聞)の記事
  

 ほかに、きょう気になった新聞見出しは【次の世代へ思いむすぶ 阪神大震災28年】【トヨタEV25年増産 年18万台以上へ 豊田でライン増】【中国61年ぶり人口減 22年14億1175万人 出生数100万人割る】(18日付中日)といったところか。

(1月17日)
 6434人が犠牲となった阪神淡路大震災。その大震災が1995年1月17日午前5時46分に起きてから28年がたった。新聞報道によれば、兵庫県伊丹市の昆陽池公園では16日夕、犠牲者の数と同じ6434本のろうそくに火がともされ、市民らが黙とうを捧げ、兵庫県宝塚市でも16日夕、【生】の字をかたどった石積みのオブジェ(縦約20㍍、横約10㍍)に点灯、発生時刻の12時間前の16日午後5時46分に手を合わせ、参加者らが黙とうした。鎮魂の28年。あの日の涙は、どの人からも消えることはない。

 あの日の涙は消えない。阪神淡路大震災28年を報じた新聞各紙
 

 中日新聞1面に【再発防止という結論以上の改革を 名古屋刑務所暴行問題 林前検事総長 本紙に見解】の見出し。そして22面特報面の<話題の発掘 ニュースの追跡欄>では木原育子記者の筆で【刑務所暴行なぜ絶てぬ 刑事司法改革奔走 林前検事総長に聞く】【応報刑から教育刑。刑罰の理念 変わる途上で起きた】【20年前の議論より難しい。変革へ殻に閉じこもるな】と深堀りしている。いい記事だと思う。

(1月16日)
 月曜日。ゴミ出しに伴う室内の掃除をシロと一緒にしていたところ、「15日、ネパールの中部で乗客乗員72人を乗せた国内線の旅客機が墜落、これまでに外国人を含む68人の死亡が確認されました。地元当局は残る4人の捜索を続けるとともに、原因究明に向けて飛行データなどを記録したフライトレコーダーの回収を急ぐことにしています。」といったNHKアナによるニュースが飛び込んできた。
 その後のニュースによれば、この旅客機は、ネパールの首都カトマンズから中部の観光地ポカラに向かっていたイエティ航空の旅客機でポカラ空港からおよそ3㌔地点の渓谷に墜落したという。私は、日本に帰省中の長谷川裕子さんにただちに「ニルマニさん(裕子さんの御主人で旅行業の傍ら、カトマンズ日本語学校校長を務める)、大丈夫でしょうか。心配です」とラインをしたが、裕子さんからはすぐに「ニルは元気ですよ 悲しい事故が起こり、心が重いです。被害に遭われた皆様のご冥福を心よりお祈りいたします」との返信が入り、まずはホッとしたのである。一方で、この世の中、いつ何が起きるか。知れたものではないナとも思った。

 愛知県一宮市長選が15日投開票され、無所属で現職の中野正康氏(55)が、無所属新人の元津島労働基準監督署長、平松晃氏(69)を破り、三選を果たした。投票率は27・93%。過去最低だった前回(27・35%)をわずかに上回ったものの、過去2番目に低かったという。

 中日の朝刊主な見出しは【東海再処理施設の原発ゴミ ずさん管理 改善に361億円 機構が試算】【精神疾患警察対応に課題 岡崎署勾留中死亡 医師と早期連携、署員教育を】【FDA(フジドリームエアラインズ)中部空港に定期便 今春初就航高知と結ぶ】【真冬なのに半化粧 白川郷】といったところか。
 
 大学入学共通テストは15日、理科と数学を実施し2日間の日程を終了。15日午前10時25分ごろ、愛知県半田市奥町、盛林正さん(53)が経営する「盛林養鶏場」から出火。木造平屋の鶏舎2棟、計1800平方㍍を全焼、飼っていたニワトリ約1万8000羽が死んだ。「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」のドラマーを務め、代表作「ライディーン」を作曲するなど世界にテクノブームを起こしたミュージシャン高橋幸宏さんが11日、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎で死去。東京都出身。70歳だった。

2023年1月15日
 日曜日。きのう、一昨日と天候不良や留守番でずっと家の中にいたシロちゃん。きょうは午前中、天気も良かったのでおかあさん(舞)が好きだった【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】をスマホのユーチューブで私と一緒に聴いたあと。いつものように午前10時過ぎ、「くれぐれも車に気をつけてネ」と言い聞かせ、外に出した。シロ、すなわち彼女自身の身も心も、久しぶりに晴れ晴れとした気持ちになることを願って、だ。
 出がけには「おかあさん、きっと。待っているに違いないからね」と生前、いつもおかあさんが自室から仰ぎ見ていた【天窓】から空を見ながら彼女、すなわちオーロラレインボーは晴ればれした表情で出かけたのである。きっと、この空の下のどこかで、おかあさんに会ってくるに違いない。彼女は、舞が名付けたこの世でただ一匹の俳句猫「白」であると同時に、先代のシロちゃんと同じで。世にも不思議な神猫でもあるからである(シロちゃんは正午過ぎ、いつものように無事、帰宅した)。

 シロが無事、帰ったところで、彼女とバトンタッチでもするように私と息子は臨済宗妙心寺派高屋山の永正寺へ。ここの【濃尾の大地】一角で眠るわが妻、たつ江(伊神たつ江)の永代供養墓へ。花を供え、線香を手向けてお参りをしたのである。きょうは、舞の月命日で、ホントはシロも連れて行きたいのだが。ここは彼女に留守番をしてもらい、行って来たのである。
    ※    ※

    ☆    ☆
 朝刊は各紙とも、大学入学共通テストが14日から始まった【共通テスト】ものと岸田文雄首相が13日未明(日本時間14日未明)、米ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、その後に発表した両首脳の【共同声明】に関する記事で、1面見出しで、それぞれ【感染・不正対策を徹底 共通テスト679会場でスタート】【敵基地攻撃連携強化へ 日米首脳同盟深化で一致】(いずれも中日)などと報じている。

(1月14日)
 土曜日。奈良地検が安倍晋三元首相銃撃事件で殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)容疑で昨日、13日に、山上徹也容疑者(42)を起訴した。約半年間に及ぶ鑑定留置で事件当時の精神状態を調べた結果、刑事責任能力があると判断したためで、参院選の街頭演説中という衆人環視の中で元首相が凶弾に倒れた事件は大きな節目を迎えた。山上被告の犯行は確かに許されるものではない。だが、【罪を憎んで人を憎まず】といおうか、山上容疑者の存在と捜査当局のその後の捜査によって、その後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の果てしなく醜い暗部が暴かれてきたのも事実で、【宗教二世】の存在など。これはこれで見過ごすわけにはいかないのも事実だといえよう。

 山上容疑者の起訴を報じた新聞
 

 夕刊は【日米首脳同盟深化を確認 敵基地攻撃 運用で連携 対中国先端技術でも協力】【51万人出願共通テスト始まる 体調管理徹底 夢に挑む 「勉強 家にこもって」】【東海3県では 5万900人出願】【円急伸 一時127円台半ば】(14日付中日夕刊)
    ※    ※

    ☆    ☆
 【コロナ対人間の戦争】
 スマホから、ピコピコピコの音。覗いてみると、【Yahoo! 新型コロナ、全国の死者数が過去最多の503人 厚労省】。ホントに、このところの死者の増えようは、人間たちが何かに呪われているような。そんな気さえする。第8波はいったい全体、どこまで広がるのか。怖い気がする。

 けさの毎日<余録>だったか。次のような内容だった。
-…新たな脅威の登場である。新型コロナウイルス・オミクロン株の新派生型「XBB・1・5」について東京都は、先月感染15件を確認したと公表した。「クラーケン(※さまざまな姿で描かれる伝説上の怪物)」は米国で急拡大しており、免疫をすりぬける感染力が最強クラスといわれる▲すでに国内では、コロナ感染の第8波が猛威をふるっている。年明け以降の感染死者数は、高齢者層を中心に4000人を超した。前年同期の約20人に比べても異常さが際立っている▲重症化率が低いとされるオミクロン株にもかかわらず死者がこれほど多いのは、実際の感染者が公表分をはるかに上回っているためだろう。発熱外来など医療現場の逼迫も深刻だ。そこにインフルエンザとの同時進行や、クラーケンの脅威が忍び寄る。お年寄りや基礎疾患のある人に、医療はきちんと届いているのか。政治や行政に事態の軽視や緩みがないか、再点検を求めたい▲…
 などと書かれていたが。そのとおりだと思う。

 そして。夜のNHKニュースなど各報道によれば、中国政府が新型コロナの死者について規制を大幅に緩和した昨年12月8日から今月12日までに基礎疾患を持つ人を含めて病院で死亡した人が5万9938人に及び、このうち新型コロナによる呼吸不全で死亡した人が5503人、基礎疾患の合併症を併発して死亡した人は5万4435人と発表。北京大学研究所によれば、中国での感染者は実に9億人と中国全土14億人の6割近くに及んでいる、とのことでこれまでの中国当局の発表のデタラメぶりが露見した形となった。いずれにせよ、コロナ禍はまだまだ上昇中で、考えようによっては人類と新型コロナウイルスの戦争が展開されている。いや、確かに生きるか、死ぬかの熾烈極まる戦争が行なわれている、といわざるを得ない。私たち人間は今、そうした歴史上の場面を生きているのである。
 こうした事態は、もはや人間対新型コロナウイルスの戦争だといってよく、名付けて【コロナ戦争】とでもいえようか。人間たちは今こそ結束し、この有史以来の新型コロナウイルスとの戦争を勝ち抜かねばならない、と。そう思うのは私だけではなかろう。人類の誰しもがコロナ禍の収束を願っているに違いない。そんな時に、だ。いつまでも領土の覇権争いといってもよいウクライナ戦争など、人類は一体全体何とミミッチイことを考えているのだ、と。その低レベル極まる人間のありようには、ついつい嘆かわしくなってしまう。

 夜。ひと息ついたところで舞の生前にいつも一緒に見たNHK総合テレビのブラタモリをシロを傍らにふたり寂しく食事がてら見る。今夜は【越すに越されぬ大井川の謎】がテーマだったが、彼女が大好きだった井上陽水の【瞬き】のメロディーとともに始まった番組はすこぶる内容が深いものだった。なかでもタモリさんらが乗車した大井川鉄道を見るにつけ、舞が生きている間に一緒に乗れば、どんなに喜んだことだろう―とつい、感傷的になる自分を思いつつ時既に遅しかと反省することしきりでもあった。

(1月13日)
 このところは、たつ江が冬に着ていた黒いセーターをエリマキトカゲのように首に巻いて執筆。首がこれほど温かく保たれるだなんて。舞よ。マイ、ありがとう。思い切っておまえを首に巻いてみて良かった、と思っている。

 東電福島第一原発の処理水処分に関する関係閣僚会議が13日、首相官邸で開かれ、海洋放出の開始は「ことし春から夏ごろ」と見込み、新たに設けた500億円の基金で放出の影響を受ける全国の漁業者の支援に取り組むことを政府の行動計画に盛り込んだという。「地元漁業関係者の懸念に耳を傾け、丁寧な説明を尽くす」とは、松野博一官房長官。
 というわけで本日付の中日夕刊見出しは【処理水放出「今春から夏」 福島第一 閣僚会議で見込み】をはじめ、ほかに【22年世界の気温 史上5番目の高さ】=米航空宇宙局が12日、2022年の世界の平均気温は近代的な気象観測が始まった1880年以降で5番目に高かった、との分析結果を発表。2022年は19世紀終盤の平均を1・11度上回った=、【機密文書バイデン氏捜査 私邸でも発見 特別検察官任命】【選挙覆す法令計画か ブラジル襲撃 前法相宅に草稿】など物騒な内容ばかりが目立つ。

 福島第一原発の処理水放出について報道した新聞。漁民はこの先、どうなるのか
 

 きょうは、ネパールはカトマンズから来日中で私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」元同人で、私の小説【カトマンズの恋 国境を超えた愛】のモデルでもあり、何かとお世話になりどおしのエッセイストで旅行会社を営む長谷川裕子さん、そして舞の記事で大変、お世話になった記者小中寿美さんと江南市内で一緒に食事後、裕子さんに私の車に乗って頂き、ドライブをしながら久しぶりに木曽川添いに犬山城を見ながら江南経由で一回りするコースで一宮へ。互いにつもる話もあり、なかなか有意義な1日となった。
 と思いきや、この日は裕子さんを江南駅まで出迎えに出向いた際、なんと一時停止違反でパトに止められ、交通切符を切られ7000円也を即刻、郵便局から支払うなど、チョットだれかに意地悪をされているような、そんな思い出深い1日ともなった。これまで無事故、無違反なのに。こんなことはそれこそ生まれて初めてのことである。それだけに、くやしいけれどいい経験になった。でも、それはそれでこの年になり得難い体験となった、といえようか。

 さて。食事後のドライブのほうだが。途中、雨が降り出し、ベランダの洗濯ものが気になってわが家に引き返すなど彼女には悪い気がしている。でも、たまには、いいっか。というわけで、最寄り駅の一宮駅まで送り帰宅したのは、午後7時過ぎとなった。いつものようにシロが心配顔で玄関先まで飛び出してきて出迎えてくれたのである。きょうは東京、北海道を結んでの私が属する「脱原発社会をめざす文学者の会」のことし初のオンライン会議もあったが、事前に欠席連絡をしておいて良かった。やれやれである。こんなことでは、とても会議に間に合わなかったからだ。

(1月12日)
 JR東海が11日、丹羽俊介副社長(57)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表。金子慎社長(67)は代表権のある会長、柘植康英会長(69)は取締役相談役に就くという。丹羽氏は1989年の入社。1987年の国鉄民営化後の入社組として社長に就任するのはJR旅客6社で初。社長交代は2018年4月いらい、約5年ぶりだという。

 きょうは午後、時間が空いたところで江南市内の尾北ホームニュースさんへ。今は亡き、わが妻たつ江(伊神舞子)の俳句が江南俳句同好会会員のひとりとして長年、掲載されたその御礼のためで私は3冊を寄贈し心からお礼を申し上げ、帰った。伊神舞子俳句短歌遺稿集(人間社)が出来て以降、これまでに同紙に掲載された俳句に対するお礼だけは、どうしても私自らが直接出向いてお礼を言っておきたかったからである。窓口では女性スタッフが親切かつ丁寧に応じて下さり、心底ホッとしたのである。

(1月11日)
 鏡開き。水曜日。
 寒い日が続く。舞がいないこともあり、衣類を繕ってもらう人もなく、愛用の赤いガウンやズボンが破損し、ボロボロに。思い切ってガウンとズボン2着を平和堂内にあるリメーク店に持ち込んだ。そんなわけで、唯一の頼りといってもいい、ガウンが使えなくなると、寒さで身が縮む。
 どうしたらよいものか、と思案したあげく、私はきょうから舞が生前、愛用していた黒い、チョットおしゃれなセーターを思いきって首に巻くことにし、実行を始めた。いやはや、これほどまでに暖かかったとは。それに何より、舞に私の体を守られている。そんな気がするから不思議だ。残り物に福ありか。ヨシッ。これからは、舞の着古したものでも何でも、すこしでも多く身にまとい、この冬場を乗り切ろう、と。私はそう決断し、きょうも線香を立て舞に「それでいいよね」とお参りをしたのである。やっぱり、おまえは最後の最後まで俺サマを守ってくれるナと思うと、ナンダカ、ありがた~い気持ちにかられるのである。

 安倍晋三首相(当時67歳)が奈良市で演説中に銃撃され死亡した事件て殺人容疑などで送検された山上徹也容疑者(42)の鑑定留置が10日、終了。奈良県警は同日、山上容疑者を留置先の拘置から奈良西署に移送した。奈良地検は留置中の精神鑑定で山上容疑者の刑事責任能力を問える、と判断。勾留期限の13日までに殺人と銃刀法違反容疑で起訴する見通しだという。
 外務省は10日夜、中国当局が日本人へのビザ(査証)発給手続きの暫定停止を発表したことについて中国側に「極めて遺憾だ」と抗議、措置の撤回を求めた。

 大阪の淀川に迷い込んだクジラ、愛称「淀ちゃん」。衰弱が心配。早く海に戻せぬか。-とは、毎日新聞11日付夕刊の【近事片々】氏(淀ちゃんは、その後かわいそうに死んでしまった)。

(1月10日)
 商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で10日早朝、本えびすの参拝一番乗りを競って境内を駆け抜ける恒例の「開門神事福男選び」が3年ぶりに復活。ことしはスタートの際に前方集団に入ることが出来る抽選の参加者を300人減らし1200人に。
 午前6時、【かいもーん】のかけ声で表大門が開くと、待ち構えていた男女約5000人が一斉にスタート。石畳を全力疾走、先頭の「一番福」は大阪商業大4年の植本亮太さん(22)=神戸市北区=が獲得。植本さんは明石商高で夏の甲子園に出場、大学でも硬式野球部に所属。「この1年は、多くの人に福を与える存在になりたい」と語ったという。
    ※    ※

    ☆    ☆
 毎日新聞10日付1面朝刊に【数千人ブラジル議会襲撃 選挙無効訴え 前大統領支持者ら】の見出し。南米ブラジルで8日、暴徒化した右派ボルソナロ前大統領の支持者ら数千人が首都ブラジリアにある連邦議会と大統領府、最高裁判所を襲撃。左派ルラ大統領が当選した2022年10月の大統領選の無効を訴え、軍の介入やルラ氏の拘束を求めていたという。米CNNによれば、警察は少なくとも400人を逮捕。建物は一時暴徒に占拠されたが、治安部隊が排除したという。

 話しは変わって注目の王将戦の方はといえば、だ。【藤井五冠が先勝 王将戦】(中日10日付朝刊)の見出しのとおり、藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑む第七十二期王将戦七番勝負第一局が九日、静岡県掛川市で指し継がれ、先手番の藤井王将が勝ち、タイトル防衛に向け好発進したようである。

 岸田文雄首相が9日(日本時間の10日)、フランスのマクロン大統領とパリで会談。首相が議長を務める5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)成功に向けた連携で一致、ウクライナに侵攻を続けるロシアへの厳しい制裁と強力なウクライナ支援を継続する必要がある点で確認。G7メンバーの5カ国歴訪のスタートを切った。

 ところで、年が明けても、警戒が必要だ。第8波の流行でコロナ死者数が累計6万人を突破。◇こちらの感染拡大も気がかり。鳥インフルエンザで鶏などの殺処分は約1000万羽に。卵価格に影響も。--とは10日付毎日夕刊の近事片々氏である。

(1月9日)
 成人の日。
 中国政府が8日、新型コロナ対策を抜本的に緩和、これまで入国者に義務付けてきた強制隔離を撤廃。これまでの厳しい「ゼロコロナ」政策の正式終了で、旅行や出張で国内外を行き来しやすい環境を確保した。これに対して中国は爆発的流行がまだ収束していないため、各国とも水際対策を強化。日本政府も8日、中国に対する水際対策を厳格化する臨時措置(出国前72時間以内の陰性証明書の提示を新たに義務化)を始めた。

 新年に入り、このところはずっと亡き妻(たつ江、伊神舞子)の物語(掌編小説)の執筆に追われ本欄【一匹文士、伊神権太がゆく……】の執筆が、どうしても遅れがちである。

(1月8日)
 中日新聞の本日付サンデー版で【東照宮でたどる 家康の天下取り】。徳川家康を主人公にしたNHK大河ドラマ「どうする家康」が8日、すなわち本日から放映されるのに合わせての展開。江戸幕府を開いた家康はどんな生涯を過ごした人なのか。その死後に、家康を神として祀(まつ)るために各地に建てられた東照宮を案内しながら天下人になった軌跡をたどるもので、静岡大学名誉教授小和田哲男さんの時代考証<家康の再評価>付きで読み応えのある内容となっている。

 ほかには【「停戦」露が攻撃 2人死亡 ウクライナ側発表 応酬続く】(毎日8日付)、【安倍氏銃撃半年で調査 国会議員危害経験75人 4割「不安」活動制限も】【爆破予告 緊急着陸 中部空港142人脱出 ジェットスター機 4時間半閉鎖60便欠航 励まし合い落ち着き外へ】(中日8日付)といったところか。
 そして。米下院議長選の決着には、どこかホッとしたのである。各報道によれば、米下院は投票15回目でケビン・マッカーシー氏を議長に選出したという。なんでも議長選出までに10回以上の投票を要したのは164年ぶりとかで、やれやれとはこのことか。

(1月7日)
 きょうは「人日(じんじつ)」。人を大切にする日で、七草がゆ(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)食べて健康を祈願する日なのだそうだが。うっかり忘れてしまっていた。残念無念である。たつ江(舞子)がいたら、絶対忘れることなんてなかったのに。そう思うと、なんだか情けなくなってきた。

 本日7日付中日新聞夕刊1面は【3連休初日 出発ロビー混乱】の記事の一方でトップは【中部空港に緊急着陸 ジェットスター機 爆破予告142人脱出 5人けが一時滑走路閉鎖】と正月早々から物騒なものだった。愛知県警中部空港署によれば、ドイツからの国際電話で「ジェットスター501便に爆弾を仕掛けた。貨物室に百㌔のプラスチック爆弾を仕掛けてある。マネジャーを出さないなら、ただちに爆破する」などと脅しとともに機体への爆破予告があったという。
 このため、同日午前7時40分ごろ、成田発福岡行き格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン501便が愛知県常滑市の中部国際空港に緊急着陸。乗客136人と乗務員6人が着陸時に脱出シューターで脱出。脱出時に5人がけがをしたが救急搬送された人はおらず、不審物も見つからなかったという。同空港は滑走路を一時閉鎖したが、午後零時15分には再開した。

 土曜日だ。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表の栗山英樹監督が6日、東京都内のホテルで3月のワールド・ベースボール・クラシックに出場する一部12選手を発表。米大リーグから大谷翔平(エンゼルス)ダルビッシュ有投手(パドレス)鈴木誠也外野手(カブス)が、国内からは村上宗隆内野手(ヤクルト)、佐々木朗希投手(ロッテ)、山本由伸投手(オリックス)、戸郷翔征投手(巨人)、今泉昇太投手と牧秀悟内野手(DeNA)、源田壮亮内野手(西武)甲斐拓也捕手と近藤健介外野手(ソフトバンク)が選ばれた
 このほか、代表には米大リーグレッドソックスの吉田正尚外野手、国内組で大勢投手(巨人)湯浅京己(阪神)が内定済み。日系選手で日本代表としての出場資格を有している米大リーグのラース・ヌートバー外野手(カージナルス)も最終候補に内定済みで1月下旬には全30選手が発表される見通しだという。
 それにしてもドラゴンズ選手が一人もいないとは。ドラを愛する男にとっては悲しい限りである。

(1月6日)
新しい年も早や6日。昨年暮れに私自身も所属する「脱原発社会をめざす文学者の会」ホームページに出稿済みだった私の文士刮目の【第20回 新しい年こそ、ウサギさんの確かな目と耳で 果敢に挑もう】が本日公開になったので、1人でも多くの読者の皆さんに読んで頂ければ、と思っている。

 話は変わるが。
 ロシアのプーチン大統領が5日、ロシア正教のクリスマスイブである6日正午から8日午前零時まで、ウクライナでの軍事作戦を休止するようショイグ国防相に命じ、ウクライナ側にも同調を呼びかけたという。またロシア正教会最高位のキリル総主教もこれに先立ち、交戦を続けるロシアとウクライナの双方にクリスマスにあたる今月7日に合わせた休戦を呼びかけている。もし、休戦が実現すれば昨年2月のロシアのウクライナ侵攻開始以来初の公式な休戦となる。
 ただ新聞報道によれば、キリル総主教はプーチン氏に近く、これまで軍事作戦を支持する立場を表明してきたため、ウクライナ側が応じるかどうかとなると不明だという。

 プーチン氏はキリル総主教の提案を考慮、作戦に従事する全ての前線で戦闘の休止を命じるとしており、「ウクライナには大勢の正教の信者が暮らしている」とも述べ、ウクライナ軍にも戦闘休止を促したという。また総主教も「正教の信徒がクリスマスの礼拝に行けるよう」6日正午からの戦闘停止を求めている。報道によれば、ロシアの正教会では例年、クリスマスイブの1月6日深夜から信者を集めて礼拝が行われる。ロシアとウクライナには正教の信者が多く、正教会の社会的影響力も強いという。クリスマスの軍事停戦がきっかけとなり和平に一歩でも二歩でも近づけば、と願う声は多いのである。
 これに対して7日付中日新聞朝刊は【ウクライナ停戦実現せず ゼレンスキー氏「ロシア進軍の口実」】の見出し入りで以下のように報道したのである。
――ロシアのプーチン大統領がロシア正教会のクリスマスに合わせて一方的に宣言した三十六時間の「一時停戦」について、ウクライナのゼレンスキー大統領は五日夜、ロシアが秘密裏に進軍するための口実とみて拒絶した。プーチン氏が停戦発効を定めた六日正午(日本時間午後六時)以降、ウクライナ各地で戦闘が続いているもようで、停戦は実現しなかったとみられる。ロシアのタス通信は東部ドネツク州で六日正午以降もウクライナ軍の砲撃があったと報道。ウクライナメディアは同日朝までに南部へルソン州の民家がロシア軍の攻撃を受け、少年が死亡。ドネツク州でもロシア軍の攻撃が続いているとしている。
 プーチン氏は戦闘停止の理由について「ウクライナ住民がクリスマスに礼拝できるように」と説明。一方、ゼレンスキー氏は「ロシアは(クリスマスの)祝祭を隠れみのにしている。東部でわが軍の進軍を止め、兵器などを運び込もうとしている」と主張。停戦の狙いはロシアの態勢立て直しとの見方を示した」としている。

(1月5日)
 きょうも洗濯物をベランダに干して外に出たまでは良かったものの、どうも空の雲行きが怪しくなってきたためUターン。間一髪、雨に濡れることを避けることが出来た(とはいうものの、昨日と違って幸い、雨は空から堕ちてはこなかった)。というのは、きのうは出かける前にカンカン照りだったのでベランダに出したまではよかったものの途中で雨が降り出したので、あわてて帰ったのだが。時既に遅し、で息子がやってくれた洗濯物は全滅。皆びしょ濡れになってしまった。おかあさんが生きていたころは、こんなことはなかったのに。そう思うと、なんだか悲しくって。天を仰いで吠えたくなる。でも、きょうは降りそうで降らなかった。あわてて帰ってきても空の陽射しは再び勢いを増し、幸い濡れることはなかった。
    ※    ※

    ☆    ☆
 中日新聞で【家族になろうね 特別養子縁組 記者と娘の物語】の連載始まる。これは思い切った、とてもいい連載企画だと思う。

 ほかに目立つのは、【両雄 夢のタイトル戦 若き天才藤井五冠 百戦錬磨羽生九段 王将戦8日開幕】【中国から入国時陰性証明 提出義務に 8日、水際厳格化】【東京18歳まで月5000円給付 少子化対策で都知事意向 所得制限は設けず】【新春彩る 氷上の舞 フィギュアフェス】【女湯盗撮疑い「息子の指示で」 名古屋37歳男と63歳母を逮捕】【埼玉3人殺害否認 容疑者服の血 被害者DNA】(中日5日付)。
 他紙では【東証大発会377円安 大規模金融緩和修正を警戒】【物価高超える賃上げを 首相年頭会見 対中入国制限強化】【日米首脳が13日会談へ】(毎日5日付)といったところか。
 ことしも人それぞれに、さまざまな人生が始まった。

 毎日新聞の5日付夕刊に【米下院議長6回目投票でも決まらず】の記事。中日夕刊でも【議長選 再び決まらず 米下院 トランプ氏呼び掛けも】と報道。多数派を握る共和党内でトランプ前大統領に近い保守強硬派の一部が造反し続け、同党のマッカーシー院内総務は就任に必要な過半数の票の獲得に失敗。トランプ氏がマッカーシー氏への投票を呼び掛けたものの、反発は収まらなかったという。強硬派は3日に実施した3回の投票でも造反。実に100年ぶりの再投票に持ち込んだが、見かねたトランプ氏が「偉大な共和党下院議員はケビン(マッカーシー)に投票する時だ」と交流サイトで呼びかけたが、反発は収まらなかったという。

(1月4日)
 第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が3日、神奈川・箱根町-東京・大手町の復路5区間109・6㌔で行われ、往路1位の駒沢大が復路も制して2年ぶり8回目の優勝を果たした。前日の往路と合わせた総合記録(10区間217・1㌔)は10時間47分11秒だった。駒沢大は今季の出雲全日本選抜、全日本も制しており、2016年~2017年の青山学院大いらいとなる5校目の「大学駅伝3冠」を達成した。
 各地の官公庁や多くの企業で4日は、仕事始め。ことしは約3年となるコロナ禍のなか、政府による行動制限なしで業務が始動。出席者らは気持ちを新たにしていた。三重県の一見勝之知事は伊勢市の伊勢商工会議所で「新春御慶の会」に出席。6月に志摩市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)の交通大臣会合に触れ「ひとつの弾み車にしてさらに大きく飛躍をしていきたい」と述べた。

2023年1月3日
 早や、1月3日だ。いつものように、くらしの作文、中日春秋、朝刊小説「ひとでなし」、漫画「ねえ、ぴよちゃん」、軟派、地方版の順(他紙も大体、こんな順で)に読み進める。そして。きょうは、中日新聞の見開き論説特集の「社説私たちが書きます」も読ませて頂いた。中にはかつて何かとお世話になった飯尾歩、山本義之、田原牧、加藤直人、小野木昌弘記者らの懐かしい顔も拝見出来、みんな頑張っているなと嬉しく思った次第である。
    ※    ※

    ☆    ☆
 川崎から帰省していた長男夫妻を中心に家族みんなであんなこと、こんなことを楽しく話し合ううち時間はあっという間に、それこそ流星の如く過ぎ去り、午後3時半には長男夫妻を最寄り駅の名鉄犬山線の「江南」駅まで送って、ことしのお正月は、THE ENDとあいなった。
 何はともあれ、一番大切な人で、いつも家族の中心にいた舞(たつ江)こそいなくとも、家族そろって、おかあさん(舞)の俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間社)出版に至るいきさつを酒の肴に話し合う、楽しいひとときを過ごすことが出来たのである。舞の生前中はいつも一緒だった愛猫シロちゃんもいろいろ気を遣いながらも客人の接待に彼女なりに神妙な表情で一生懸命に務めてくれ、ほんとに嬉しく思った。ありがとう。シロよ。シロちゃん。というわけで、きょうは皆だれもが「時」という存在が一瞬一瞬、疾風の如く過ぎ去るのを実感したのである。時よ、止まれ-と言ったところで時は待ってはくれない。

 夜はNHKEテレで「第65回NHKニューイヤーオペラコンサート」を、シロちゃんと共に見てひとときを過ごした。舞がいたなら、おそらくは、きっと見たに違いない番組だからである。「ドン・カルロ(ヴェルディ)」からの<終わりの日はきた>など、なかなか迫力満点で「お別れしなければなりません。カルロ様」「私の最期の日が来ました。もうお会いすることはないでしょう」などのことばが胸をうったのである。

 迫力満点のステージには、思わずみとれてしまった(NHKから)
 
 

(1月2日)
 きょうは午後、帰省中の家族そろっておかあさんの遺骨が眠る永正寺に隣接する永代供養集合墓「濃尾の大地」内にある、たつ江(静汐院美舞立詠大師)のお墓へ。【江南の伊神さん 妻舞子さんの遺稿集出版 家族の中 生き続ける証し 「泣かんとこ」俳句など700作品収める】と報道された昨年12月23日付中日新聞尾張版を供え、『おまえのことが報道されたよ。ありがたいことだよね』とお花とともに記事も供え、報告した。私自身、新聞報道には心から感謝している。舞よ、マイ。たつ江。よかったね-と家族みんなで呼びかけ、手を合わせお参りしたのである。

 引き続き、今度は舞といつも一緒に花を手に行っていた和田の実家のお墓へみんなそろって行った。昨年、亡くなった母と、それより前に亡くなった父が眠るお墓、和田霊苑にも足を運び、手を合わせたのである。舞がいつも立ち寄って手を合わせていた、隣接の隠れキリシタンで知られる「小島親子地蔵尊」にも手を合わせた。

 舞が眠る永代供養集合墓、母が眠る和田霊苑の順に墓参りをした
 
 

 舞が生前、いつも手を合わせていた小島親子地蔵尊では、かつてあったとされるキリシタン狩りの説明版も
 

(1月1日)
 新しい年が明けた。元日早々のNHKラジオ【美輪明宏の金色の時間 戦前戦後の曲をお届けします!】の語りと選曲には、ことしも感動した。ナント彼は最初におまえ、舞(たつ江)が大好きだった加藤省吾さんの歌<みかんの花が咲く丘>=舞が営んでいたリサイクルショップ「ミヌエット」でミニコンサートを催す際などのテーマ曲でもあった=を流したのである。この歌は思い出にしみた歌で私は彼女の死後、毎日、愛猫シロちゃんとともにユーチューブで聞いている。そんな歌なのである。
 彼女が不治の病で入院したとき、「あのねえ」と私に話しかけてきたので「なんだよ」と答えたら、「あのねえ。これからは毎日、♪エーデルワイスと♪みかんの花が咲く丘、を流してほしいの」と言った、その曲の一つなのである。それからしばらくして彼女は、この世を眠るように旅立った。こんなわけで、私は昨年1日も欠かさず、この2曲を毎朝流し、シロとともに聞いた。もちろん、けさもである。
 この金色の時間、<みかんの花が咲く>のあとは、<東京ラプソディー><めけめけ>…最期に<ケ・セラ・セラ(なるようになる)>と続いたが、どれもこれも新しい年の幕開けにふさわしいすばらしい曲ばかりであった。
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    ☆    ☆
 きょうは思い切って永遠のベストセラーである聖書(ダイジェスト・バイブル 新改訳)と舞の生前の写真を胸ふところにしのばせ、今は亡き舞がそれこそ少女のころに、ただひとり、ひそやかに通ったとみられる江南市の古知野キリスト教会の【元旦礼拝】に勇気をもって足を運んでみた。牧師さんたちは皆親切で、心底から全身がやさしい愛であたたまった気がしたのである。

 母子家庭に育った舞が若いころ、私に出会う前にひとり、何を思ってか、通いつめていたそんな教会だったことがつい先日わかったためで、私はある種の覚悟のようなものを胸に秘め、舞の魂・亡霊とともに新年早々から教会の門をくぐった(この教会はドイツ人宣教師が1968年3月に当地に開設したそうで、舞のお兄さんの話によれば、ちょうどこのころ、まだ少女だった舞は何か思うところがあってだろう。ピカピカの教会にちょくちょく独りで隠れるようにして通っていたという)。
 きょうは、主の祈り、祈祷、聖書朗読、使徒信条に続き、岩田直子牧師による説教【「エル・ロイ(わたしを顧みられる神)】の順で続いたが、私はいつものように亡きたつ江(伊神舞子)の生前の写真を胸ポケットにしのばせ、思い切って、元旦礼拝式に出てよかったな、と思った。
 と同時に、なんだか、半世紀以上も前の学生時代に外人教師から学んだ宗教学に久しぶりに接しているような、そんな気がした。舞とは、数年前に彼女に半ば強引に手を引かれ、クリスマス礼拝でこの古知野教会の門をくぐったことがあり随分と感銘した思い出があるが、あのときもそうだったが、本日もナンダカ心が洗われたようで「行ってよかった」と心から思った。舞は、こんな私の行動をどんな表情で空から見ていたのか。「あなた。いって良かったでしょ」と拍手してくれているような。そんな気がしてならない。

 きょうは川崎から帰省した長男夫婦をはじめとした家族みんなで、能登半島は「加賀屋」から長男夫妻が特別に取り寄せてくれた豪華なおせち料理を家族みんなで囲んで舞やおばあちゃん(私のおふくろ)の生前の思い出話を楽しく語り合ううち、時はみるみるうちに過ぎていった。

 おせち料理と和菓子に囲まれた舞。多くの愛に注がれての舞は、しあわせだったかも。皆さん。心からありがとございます
 

 

    ☆    ☆
 元旦紙面で心に残ったのは【吉永小百合さんが手渡したい思い 戦後を生き戦後へつなぐ 大変な問題をどんどん決めていこうとした動き 母べえの時代に戻ってしまうんじゃないかと 「こんにちは、母さん」9月公開】か。こどもたちが帰ってから見たのはNHKEテレの「ウィーンフィルニューイヤーコンサート 2023年 ウェルザー・メスト」だ。舞を伴って、いつの日かふたりで行こうと互いに約束。決めていたからである。でも、この夢はかなわなかった。

 ニューイヤーコンサートは、やはりすばらしかった