一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2025年1月~)

2025年1月31日
 朝。能登半島は門前(輪島市)の安本和秋さんからメールが入る。「今朝の新聞に載ってました。ありがとうございます。」というものでメールには31日付北陸中日新聞能登版に掲載された記事の写真が添えられていた。感激したのは私とて同じで、さっそく作曲者の牧すすむさん(愛知県小牧市在住)と岡ゆう子さんの事務所である東京豊島区高田のパインミュージックプロモーションの代表、市瀬和敏さん(岡さんの担当)にも連絡させて頂いた。と同時に、この記事を書いてくれた若き記者、小牧の三宅駿平記者にもお礼のメールを打たせて頂いたのである。
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 名古屋市の愛知教育大付属名古屋中学校2年、近藤にこるさん(13)=同市守山区=が人工知能(AI)の活用法などを紹介する事業を起業した。起業を学んだ市内のスタートアップ(新興企業)育成拠点「ステーションAI」運営会社のプログラムの参加者の中で最年少だった。―とは中日新聞の夕刊記事。1面トップ見出しには【AI推し 起業家は中学生 大学生らと育成事業で学ぶ 教育に活用目標「リスク恐れず」】とあった。いよいよAI時代に突入か。
 そういう私も、このところは何か事を成そうとする時にはジェミニ君にあれやこれやと聞いている。すぐ反応してくれ、時に経験不足からかピントはずれの回答も多いが、彼(AI)は彼なりの返答をしてくれている。返答には良い時もあれば、悪い時もあるーといったところが正直な感想である。いずれにせよ、最後は私本人の考え(判断)を頼りにせねば、というのが正直な実感である。ということは最後は私自身の知能が頼りということである。

(1月30日)
【「幸せの黄色」にさようなら JR東海】(30日付の中日朝刊見出し)とは、29日午後、鉄道ファンらが見守る中でラストランを迎えたJR東海の東海道・山陽新幹線の検査車両ドクターイエローである。そして。今ひとつは【横綱朝青龍 誕生 「気魄一閃(きはくいっせん)」口上再び 「優勝2桁」目標 「何倍も稽古しなくちゃ」】だ。
 
 きょうは30日。木曜日。朝からめっぽう寒い。 
1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)が29日、刑事補償法に基づき、約47年7カ月に及ぶ身柄拘束の刑事補償金として約2億1700万円を国に求め、静岡地裁に請求。請求書では「拘置された後は死刑の恐怖にさらされ。精神の変調をきたした経緯が認められ、肉体的、精神的苦痛による損害の程度は計り知れない。30歳という働き盛りの時期から身柄拘束され、逸失利益も相当高額なものだ」などとして上限いっぱいの補償を求めている。このほか刑事補償とは別に、裁判費用も「相当額」の交付を求めた-というものである。

 トヨタ自動車が30日に発表した2024年のグループ世界販売実績は前年に3・7%減の1082万1480台。認証不正による生産停止の影響などで2年ぶりの前年割れとなったが、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの902万7400台を上回り、5年連続で世界首位に。29日、米国の首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで小型機が軍用ヘリコプターと衝突、墜落。米メディアによると、小型機には約60人が乗っていたという。

2025年1月29日
 【PFAS(発がん性が指摘される有機フッ素化合物)米基準超 住民8割 岡山 公費で初 血液検査 岩倉市公費予定なし】【京アニ放火殺人死刑確定 青葉被告が控訴取り下げ】【祈る亡き若者の未来思い 日福大スキーバス事故40年】【道路陥没トラック転落 埼玉 深さ6㍍の穴、救助難航】(いずれも29日付の中日新聞朝刊見出し)……。きょうも愛変わらず多くのニュースが朝刊で報道されている。このなかで直接、私が取材記者として現地に取材ヘリで急行。遺族の涙、涙のなかで取材したのが日福大の犀川ダム湖への、あのバス転事故である。あの時は確か地元の体育館に遺体が並べられ、駆け付けた家族の面々との涙、涙、また涙だった。あの悲惨極まる場面は今だに忘れられない。

 そして。岐阜県恵那市で天草と水による細寒天づくりが進められている、とはNHKラジオアナによる正午のニュース。これに続く昼の憩いの音楽、メロディを聴くと、どうしてもあの愛猫シロ、シロちゃんのことを思い出してしまうのである。彼女はいつも正午になると決まって帰宅。食事を前に、私と一緒に共に聴いたのが【昼の憩い】であった。そのシロちゃんは、もはや私たちの前にはいない。悲しくて仕方がない。舞だけでなく、あのシロ、シロちゃんまでが天国の空遠くに逝ってしまっただなんて。悲しい日が、きょうも続いているのである。

 夕刊(中日)は【核リスク、AI兵器、気候変動 終末時計1秒縮み89秒】に始まり、【ロス山火事「気候変動関与」 高温、乾燥、強風起きやすく】【小中高生の自殺最多527人 24年、高止まり続く】【現場近く 新たに陥没 埼玉 運転手は74歳 救助続く】【石川で震度3】と相変わらずの紙面。暗い記事が目立つ。なかでも自殺が増えている、との記事には、それこそ胸がふさがりそうな、そんな気にさせられたのである。

2025年1月28日
 本日付の中日新聞夕刊特報面に【アウシュビッツ解放80年 大量虐殺 行き着かぬために なぜユダヤ人か、健全性とはー 今を考えるヒントに イスラエル国旗身にまとう若者の姿】と【ガザ攻撃正当化のイスラエル 人類共通の悲劇と認識を】の見出し。デ、アウシュビッツ解放80年の総合リード(前文)の方は以下の通りだった。
―80年前の1月27日、ナチス・ドイツにユダヤ人ら110万人以上が虐殺されたアウシュビッツ強制収容所がソ連軍によって解放された。ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の現場となった収容所の跡地は博物館として保存され、世界中から多くの人たちが足を運ぶ。ウクライナや中東で戦禍が絶えぬ中、記者も再訪し、アウシュビッツの教訓を改めて考えた(木原育子、写真も)
 1月16日、日本から西へ8800㌔余り離れたポーランド南部の都市オシフィエンチムに記者はいた。ここにアウシュビッツ強制収容所跡地がある。見上げれば「働けば自由になる」と書かれた当時から残る看板。だが、誰も自由にならなかった。2023年2月、ロシアのウクライナ侵攻から1年の節目に訪れた後、約2年ぶりの再訪だった。前回と様子はずいぶん違っていた。多くのユダヤ人が運び込まれた入り口「死の門」の監視棟は白い布で覆われ、近くに巨大なメディアセンターが設営されていた。解放80年の記念式典が27日に控えていたからだ。………

 木原記者にはかつて1、2度お会いしたことがあるが。今では立派な記者、書き手である。頼もしいとは、こうした文に出会ったからである。立派な記者に育ったものだと思う。

2025年1月27日
 月曜日。きのう東京・両国国技館で行われた大相撲初場所千秋楽は。先場所13勝で優勝次点の大関豊昇龍(25)=本名スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身、立浪部屋=が12勝3敗で並んだ王鵬、金峰山との優勝決定ともえ戦を制して9場所ぶり2度目の優勝を果たした。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、この日番付編成を担う審判部から昇進を諮る臨時理事会開催を要請されて受諾、27日の横綱審議委員会(横審)に昇進を諮問することを明らかにした。横審で出席委員の3分の2以上が賛成すれば、推薦が決まり、29日の春場所(3月9日初日・エディオンアリーナ大阪)番付編成会議と理事会で第74代横綱が正式に誕生する。外国出身の横綱は8人目で、モンゴル出身は照ノ富士以来で6人目となる。豊昇龍の横綱昇進が正式決定すれば、春場所の番付は1993年初場所以来の「横綱空席」を免れることになる。

 この日、27日の朝刊ニュースは、ほかには【長野駅殺傷 46歳男逮捕 現場から3㌔自宅で 殺人未遂疑い、黙秘】【尹大統領を起訴 内乱首謀罪 拘束最長6カ月 韓国現職初】【岐阜知事に江崎氏 与野党相乗り 20年ぶりトップ交代】といったところか。

 午後。作家仲間で富山県在住、常日ごろから何かとお世話になっている山口馨さん(長野県在住)から【砂の本】(鳥影社)と題する小説一冊が送られてきた。収録作品にⅠ砂の本Ⅱ虫の譜Ⅲ無言歌、とあり、山口さんならではーの作品群といえようか。帯は、あの芥川賞作家村田喜代子さんの筆で「われは砂、サラサラとこぼれ落ちる この一粒よ、止まれ。ここに秘められたことばが洩れる………。とあった。

 山口馨さん。おめでとう。そして、ありがとうございます。さっそく読ませていただきます。

1月26日
 日曜日。中日の販売店員松本さんが新聞代を取りに昼前においでた。彼は一時、足腰が悪くて大変だったが、その後、回復。お元気そうで何よりである。彼を見ると、遠い昔、新聞社に入ってまもない練習生のころの金沢の販売店での販売店実習を思い出すのは、なぜか。あの時は雨が続き、大変だった日々を思い出す。それどころか、店主さんがオートバイで販売中、事故に遭い足を骨折されたこと、ほかに店員で販売仲間の〝ゲンさん〟のことなど懐かしいシーンが次々と思い浮かんだのである。もう、50数年も昔の話だ。〝ゲンさん〟は元気でおいでだろうか。それにお店の娘さん、秘蔵っ子で当時、高校生だったチイちゃんは、今ごろどうしておいでか? 新聞代の集金でおいでた江南の松本さんの姿に、なぜか私の青春時代が蘇ったのである。これも歳老いたせいなのか?

 けさのニュースは【オブザーバー参加見送り 核禁条約会議で政府調整 与党議員の派遣検討】【対米配慮優先変わらず 核なき世界実現へ葛藤】【竜・小笠原 大リーグ入り ナショナルズ2年5・5億円】(いずれも中日新聞の朝刊見出し)か。ただ、政府はどうして核禁条約会議にオブザーバー参加できないのか。そこが分からない。日本は、世界でも唯一の被爆国なのに。なぜ。なぜなのだ。なぜなのか。オブザーバー参加をした方が良いのに。なぜなのだ。と。私の疑問は消えない。

(1月25日)
 第217回通常国会が24日召集され、石破茂首相が衆参両院で昨年10月の就任後初となる施政方針演説を行い、看板政策「地方創生2・0」を「令和の日本列島改造」と位置付け、5本柱の政策実現をめざす、と表明した。

 25日昼。ひさしぶりに和田の実家近くの喫茶「山手珈琲」へ。そこでランチを食べ、ここから扶桑のイオンへ買い物に。ここで夕食を買い、帰りに私の両親によって残された私たち家族の土地であり、畑でもある【エデンの東】に寄って帰宅する。
 この【エデンの東】。舞(たつ江)が元気でいたころには、ふたりでよく早朝に出がけ、一緒に草を刈って、ナスやタマネギ、葱、サツマイモ、時にはスイカなども育てるなど農作業を共にした、大切で忘れられない土地でもある。私が、かつて現役の記者時代に和倉温泉がジャズフェスティバルを誘致するに当たって七尾商工会議所メンバーが米国西海岸を訪問、米国西海岸のフィッシャーマンズワーフなどを見て歩いた際に同行取材。当時、世界のジャズ王と言われたジミー・ライアン氏に西海岸のモントレーで単独会見したことがあるが、その際に足を延ばした米国の大地・エデンの東のロケ地に何となく似ていた。こうした過去の事情もあってか、勝手に名付けた私と舞(たつ江)の大切な土地、それこそが【エデンの東】なのである。

(1月24日)
 金曜日。トランプ米大統領が23日、1963年のケネディ大統領暗殺に関する文書の機密指定を解除し、国民に公開する大統領令に署名。ケネディ氏の弟のロバート・ケネディ元司法長官や、公民権運動指導者キング牧師の暗殺に関する文書も対象で、大統領執務室で署名、「多くの人が長年待ってきた。全てを公開する」と記者団に述べたという。

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。桑名の水谷さんは、奥さんとドバイへ旅行中なので、水谷さんの相棒であるエサちゃん(江崎さん)は、どこかチョット寂しそう。一方で、正月早々からの頭と腕のケガで休んでおいでた悦ちゃんが無事、復帰。その分、活気が出て来た。そんな気がするのである。ことしも、みんな元気で仲良くステップを踏めれば、それに越したことはないーと私は勝手に思っているのである。
 この社交ダンスのおかげで私の体力は健全に維持されている。そんな気がする。何よりも【社交ダンスの続行】は私の健康を何より思ってくれた亡き舞(伊神舞子)から私への生前の遺言なのである。というわけで、私の場合は、若先生が健在な限りは、この先も続けたく思っている。

(1月23日)
 木曜日。昨夜、きのう22日午後8時過ぎに発生した長野市のJR長野駅善光寺口での男女3人刺殺通り魔事件(うち男性1人が死亡)で長野県警は23日、現場から逃走したとみられる20~40代の男の画像を公開。週刊誌や新聞、ラジオ、テレビなど各メディアで連日、女性との性的トラブルが報じられていたタレントの中居正広さん(52)が23日付で引退する――とファンクラブ向けのサイトで発表。

 いろんなニュースが連日、沸騰しているが、こうしたなかでやはり【ドジャース佐々木背番号11 入団会見 「身が引き締まる」】(23日付中日夕刊)の報道には目が行ってしまう。と同時に東日本大震災の被災地から生まれ出た最速165㌔を誇るプロ野球ロッテの佐々木朗希投手(23)の今後には心からのエールを送りたい。がんばって。朗希。この気持ちは被災地の人々の誰とて同じに違いない。

 【福島で地震相次ぐ 未明に震度5弱 、朝には4 桧枝岐(ひのえまた)村】の記事が気になる。

(1月22日)
 水曜日。金山のペインクリニックへ。かつて私が70歳になったかならないころに今は亡き妻の舞子(たつ江)が当時、不調だった私の体調に気付き、私に付き添って初めて連れて行ってくれたペインクリニック、それが金山ペインクリニックである。
 当時は眉の上の眉間に時折、強烈な痛みを伴った亀裂・光りの如きものが走り、初めて訪れたが、いらい血圧の薬が切れる頃に訪れ、診療をして頂いている、私にとっては、とてもお世話になっている頼りがいのあるクリニックなのである。というわけで、1~2カ月に一度は定期診療に訪れ、春と秋には血液検査もして頂いており、いまでは私にとっては欠かせぬ、お医者さんなのである。
 医師の川瀬先生もやさしさに満ち溢れ、本当に頼りがいのあるお方だ。舞が元気なころはいつも彼女が私に同伴し、私の体調保持を計ってくれていたのである。そうした経緯があるだけに、私は薬(高血圧など)が切れるころを見計らって今ではひとりで、このクリニックを訪れている。おかげで、このように健康でいられる。別れ際の川瀬医師の言葉は「休肝日を週に2日。それから運動をするようにしてください」だったが、これらは出来る限り、守らなければ-と思っている。

 きょうの中日新聞は朝刊が大統領のトランプさん一色。そして夕刊は米国野球殿堂入りが決まったイチローさんのことが大きく報じられていた。具体的には朝刊が【米国第一第2幕 トランプ大統領就任 「黄金時代が始まる」 大統領令連発「独裁」予告通り 移民送還、パリ協定・WHO脱退】【劇場復活 歓喜と寒気 トランプ大統領就任 米国にもっと尊敬を 移民強制送還に恐怖】、同夕刊が【イチローさん 米殿堂 候補1年目で偉業 3089安打、走攻守で活躍 アジア人で初 満票1票足りず 「全く想像できなかった」】といった具合である。

(1月21日)
 小牧市の元市議会議長川島公子さん、滝高同窓生の伊藤優くんとかねてからの約束どおり、小牧市内の日本料理店「仲良し」で久しぶりに談笑を兼ね、食事をした。この日は先の総選挙に国民民主党から出馬、初当選した福田さんも同席され楽しい会となった。何もかも川島さんのおかげで、料理もおいしく、とても楽しく意義深い会となったのである。これひとえに川島さん、伊藤君のおかげで心から感謝したのである。

 川島さんは、現在満82歳。それでも、私が小牧在任時と変わらない若さと美しさで「ガミちゃん。あたし、次は市長をめざしてみたい。どう思う」の言葉には、頼もしささえ感じたのである。と同時に彼女が市長になれば「市民一人ひとりが、きっと幸せになるだろうな」と思った次第だ。
 こんごの彼女の活躍ぶりを注視したく思う。

(1月20日)
 月曜日。「大寒」である。でも、そのわりには、少し暖かい。
いずれにせよ、春の足音が近づいてきていることだけは確かだ。きょうは、中日新聞の江南通信部に行き、近藤晶記者にお会いしてきた。先日、晶さんのご両親にお会いした際、ごちそうになってしまったのでそのお礼を言わなければ-と大口屋さんの銘菓「武功夜話」を手に、伺ったのである。
晶さんは私が小牧通信局長のころ、当時、小学生だったが。社のカメラマンだった父親(正さん)に手を引かれ、通信局においでになったが、私はあの時のことを鮮烈に覚えている。それだけに、なぜかとても懐かしく感じたのである。世の中には、こんな不思議な再会もあるのだな、と思った次第。どちらに似たのだろうか。笑顔が、とてもチャーミングで、やはり、あの優しくて美人のおかあさんに似ているなっ、と思った次第だ。彼の原稿は連日、中日の紙面で拝読しているだけに、より身近に感じたのは当然のことである。

 夕刊(中日)は、<やっと>とでも言えようか。【ハマス人質3人解放 イスラエルも90人 ガザ停戦 履行焦点 群衆歓喜「最後の1人まで】がトップ。次いで【トランプ氏、首都凱旋 大統領就任控え「米を再び偉大に」】【TiKToK禁止回避 トランプ氏、大統領令へ サービス再開】といったところか。日経夕刊は【トランプ氏、就任前に演説 「米、4年間の衰退に幕」化石燃料の開発拡大】といった内容である。

2025年1月19日
 日曜日である。きょうも寒い。
 いつものように朝起きると、亡き舞(たつ江)と約束している【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】をユーチューブで聞き、引き続き昨年10月21日に車に轢かれて死んでしまった愛猫シロちゃんと毎朝、一緒に耳を傾けた能登半島復興応援歌【能登の明かり】にも耳を傾ける。どの曲も私たち家族にとって思い出深い歌だけに、共に口ずさむうち、舞のこと、母のこと、そしてシロちゃんのことを思い出し、涙がとめどなく落ちてくるのである。

 そして。昨日、ピースボートの友から送られてきた本州と四国をまたぐ明石海峡大橋の名画。かつて舞が1行詩の盛んな神戸を何度も訪れ、1行詩仲間にお会いしに-と共に神戸を訪れた際に足を延ばし一緒に見たあの明石海峡大橋の前に立ち「すごいね」「すごいよ」と語りあった、あの日のことが不意に思い出されもしたのである。
 そんなわけで、私と舞がふたりで神戸を訪れた日は、舞が脳腫瘍の大手術を克服、少し元気が出てきたころで「あたし、どうしても明石海峡大橋が見たくって。1行詩仲間にもお会いしたいし」との要望に「じゃあ、一緒にいこうか」と神戸をふたりで訪れ、その足であの日、私たちふたりにとってはあこがれでもあった明石海峡大橋の下に立ったのである。
 その忘れられない堂々たる景色を今、目の前で見れるだなんて。私は心から、その友に「ありがとう」とつぶやいていた-のである。

 けさの新聞は【ガザの停戦合意 イスラエル承認 きょう発効、人質解放へ】【地盤沈下「リニア工事起因」 JR東海、補償対応へ 瑞浪で説明会】【新指導要領で初 共通テスト開始 大幅再編、きょう「情報」】【トランプ氏の長男ジュニア氏 グリーンランドで「接待」 現金配布の疑いも】【尹氏令状審査に出頭 ソウル西部地裁 逮捕の可否判断】(19日付、中日)といったところか。

(1月18日)
 けさの新聞は、やはり6434人が亡くなった1995年1月17日午前5時46分に起きた30年前の阪神淡路大震災に関するものが目立った。

【追憶 今だからこそ 防災・減災「スタートラインに」阪神大震災30年 兄を亡くした29歳教諭 経験なくても伝えていける】【震災30年の神戸 七尾の高校生訪問 復興の希望 能登へ 「語り継ぐ 自分たちが」】(中日)【30年 寄り添い前へ 謹慎大震災】(毎日)の見出しが胸に迫り、活字が涙を誘うのである。でも、起きてしまったことは、今さらどうしようもない。それより、何よりも万が一への備えをしっかりしておかねばと新聞を読みながら思った次第である。

 正午のNHKラジオのニュースのあと。「こんにちは 昼の憩いです」のアナウンサーの語りは、やはり、なんだか心身とも洗われるようで気持ち良きものである。思えば、いまは悲しくも、もはや、この世にはいない、わが家の愛猫シロちゃんが大好きなコーナーであった。デ、今なお、シロと一緒に聴いているような、そんな気がしてならないのである。

 入試シーズンの幕開けとなる大学入試共通テストがこの日、全国651会場で2日間の日程で始まった。出願者は昨年より3257人多い49万5171人で7年ぶりに増えたという。プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(23)が17日(日本時間18日)、米大リーグで大谷翔平(30)が所属するドジャースへの入団を自身のインスタグラムで発表。「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります」とつづった。
 佐々木朗希投手は、ずっと前から私も大好きな投手だけにぜひとも頑張ってほしく願う。

 夕刊は【TiKToK規正法「合憲」 トランプ氏の判断焦点 丁iKToK「アプリ停止」示唆】【ガザ停戦合意承認 イスラエル閣議、あす発効】【マスク氏「X」欧州が警戒 極右応援で政治介入】【大学共通テスト始まる 歴史総合や公共 初出題】(いずれも18日付日経夕刊土曜版)

(1月17日)
 金曜日。世のなかは、川の流れの如く、きょうもモノいわず、いずこかへ、と勝手に動いていく。そのなかで私たちは誰もが行く道を求め、歩いていくのである。「希望」という名の道を求めて、だ。終わりのない道を、である。そして。ボク自身も、また汽車に乗る。見知らぬ街で、見知らぬ誰かとすれ違いながら。「返事のない旅」をだ。悲しいだけが私の道、隣の道にあなたがいれば、と願ってだ。
 わたしの旅はきょうも。今また始まるのである。

 ニュースの方と言えば、だ。【阪神大震災きょう30年 がんばろうKOBE イチローさん「今も特別な場所」「子どもに伝えたい」】【イチロー・岩瀬さんら 野球殿堂入り】【照ノ富士引退へ】の見出しが光る、そして。国際情勢では【ガザ停戦合意 19日から6週間 イスラエルとハマス人質解放へ】(いずれも17日付の中日1面見出し)の見出しが光る。

(1月16日)
 木曜日。朝からタクシーで一宮自動車学校構内の一宮交通安全講習所へ。この日、愛知県警本部の運転免許課から昨年夏、私が江南市内で起こした人身事故(自転車との出合い頭衝突で自転車の女性が足に重症)に関連しての出頭通知=運転免許の停止処分30日=があったためで、この日はしっかりと講習(実技含む)を無事、受けて夕方、タクシーで帰った。

 帰宅して見る夕刊(中日)は【ガザ停戦合意 6週間、人質解放へ イスラエルとハマス】【犠牲者忘れない/夢の気分/恒久停戦を 住民思い交錯】【<阪神大震災30年> 亡き兄の志継ぎ同業に 兵庫・姫路の学校職員 被災体験語り継ぐ】【営業時間内も窃盗か 三菱UFJ行員 電源切り金庫入室】【自分除く3人へ 報酬配分を提案 東京女子医大元理事長】(いずれも中日)といった内容である。
 なんだか、このところ女性の犯罪が目立つ。なぜなのか。わからない。

(1月15日)
 韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が15日、逮捕状執行に際して国民向けの談話を発表。「不幸な流血事態を防ぐため不法捜査ではあるが高位公職者犯罪捜査処(公捜処)への出頭に応じることにした」と述べた。ユン大統領は同日午前、公捜処が入る政府果川庁舎に向かう前に国民向けの談話を発表。同大統領は「今朝、公捜処の捜査チームが警護の保安区域を消防装備を用いて侵入する様子を目の当たりにした」と述べ、この決断の理由を説明した、という。―これは午前中、私のネットに入った速報である。

 というわけで、中日新聞の夕刊1面トップは【韓国大統領を拘束 現職初内乱首謀疑い 捜査本部 逮捕・起訴焦点】【尹氏「流血事態防ぐため」】との活字が躍った。ほかには【米証取委マスク氏を提訴 ツイッター株不開示疑い】【関税徴収の組織創設へ トランプ氏20日設置表明】【遺族ら慰霊 安全安心願う 軽井沢スキーバス事故 9年】というものだった。
 世の中は、時代は。いつもこのように知らん顔をして流れていくのである。人間たちが叫ぼうが、あげこうがだ。自然界は、そんなことは知った事ではない-とでも言いたげである。

(1月14日)
 社の大先輩で満91歳。永遠の美少年、すなわちカメラマン近藤正さん夫妻に小牧市内でそれこそ、何十年ぶり、かにお会いした。話せば話すほどに近藤さん夫妻ならでは、いろんな秘話を伺うことが出来、嬉しく思ったのである。「幸せ」という言葉が、この世にひとつだけあったとしたなら、だ。この日の近藤大先輩こそが、そのお手本だといっていい、そんな永遠の美少年と美少女であるような気がしたのも事実である。

 4日付のけさの朝刊(中日)は【宮崎震度5弱 津波観測 南海トラフ「基準達せず」 気象庁2度目臨時情報】というものだった。

(1月13日)
 能登半島地震を頭に、このところ密かに書き続けてきた私ならでは、の私小説【能登よ のと ―おかあさん】の初回を私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」紙上で公開。今後は何はさておき、能登復興への願いをこめ、随時掲載をと思っている。体験を交えながらの私ならでは、私でしか書けない作品になればと思っている、何より、能登半島地震の復興への足掛かりになれば、と思い、出来れば、この世を生き抜くおかあさん方の姿、実像にも迫りたい、と思っている。

(1月12日)
 日曜日。能登半島地震の影響で延期されていた石川県の輪島市、珠洲市、穴水町の「成人式」が11日、2023年度に20歳を迎えた人を対象に各市町で開かれた。1年遅れとなった晴れ舞台で出席者たちは互いに門出を祝い、復興への決意を新たにした。

 小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第71期名人位と第69期クイーン位の決定戦が11日、大津市の近江神宮で開かれ、クイーン戦は高校生では17年ぶりとなる東京都の矢島聖欄(せいら)さんが制し、名人戦でも福岡県の大学院生自見壮二朗さん(23)が3連勝で初のタイトルを獲得。同時に入れ替わるのは40年ぶり。
 愛知県が11日、常滑市の採卵用の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した、と発表。常滑市内ではことしに入って感染が相次ぎ、感染は6例目。殺処分の対象は今回の1万7千羽を含め、同県として過去最多の計約59万羽に上るという。

 夜。NHK総合テレビでNHKスペシャル【椀をつなぐ 輪島塗職人たちの歳月/家全壊・車庫を工房に 心支える〝妻の言葉〟 金・銀輝く600年の技】を見る。妻を失ってなお、苦難にめげずに打ち込むひたむきさ。その一途な姿には思わず、がんばってください-とエールを送る私がいたのである。

(1月11日)
 土曜日。きょうはナンダカンダと1日、執筆に要した。
 夕刊によれば、プロ野球中日の新人合同自主トレーニングがこの日、名古屋市中川区のナゴヤ球場で始まった。ドラフト1位の金丸夢斗投手(関大)、2位の吉田聖弥投手(西濃運輸)ら8人が晴天の下、プロとしての一歩を踏み出した。

 青森県をはじめ、東北、岐阜…と、ことしは全国的に雪が深い。というわけで、中日朝刊1面には【雪背より高く】の写真入り見出しも。P説(キャプション)には「180㌢以上の積雪があった岐阜県白川村の合掌造り集落付近では10日早朝、児童が背丈を超える雪の壁近くを歩いて登校した」とあった。というわけで、この日は雪、雪、雪の記事がめだち、ほかに【日本海側で大雪 交通混乱 高速や新幹線 物流も配送に遅れ】【名古屋で一時積雪 今季最低の気温=名古屋市で氷点下1・4度、豊田市で同4度、岐阜県下呂市で同7・2度、岐阜市で同1・6度、津市で同0・3度など=】
 ほかには、天台宗(総本山・比叡山延暦寺)が10日、同宗トップを務める大樹孝啓天台座主(100)が高齢などを理由に退任する、と発表。2月1日付。生前に退任するのは2007年以来。後任の第259世座主は金乗院(佐賀県吉野ケ里町)住職の藤光賢探題(93)が就任するという。ほかには法政大多摩キャンパスで起きた【ハンマーで襲撃8人けが 法政大授業中「無視され鬱憤」容疑の女逮捕】か。

 米カリフォルニア州ロサンゼルスや周辺で7日以降、続く山火事はその後、死者が10人に。被害が大きい地域で鎮圧の兆しは見えず、犠牲者がさらに増える可能性があるという。バイデン大統領は「州の歴史で最悪の山火事だ」と述べ、AP通信によれば、これまでに住宅など1万棟以上が損壊し18万人以上が避難命令の対象になったという。

(1月10日)
 朝起きたら、外は一面の雪景色だった。この冬一番の雪の朝である。
 午後。ことし初の社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文へ。レッスンを早めに終え、レッスン教師の若さん、それに上級のヨシコさんとで真清田神社へ。ことし1年の無事平穏を願ってお祈りをした。気が利くよしこさんの勧めで遅ればせながら新年のお参りとなったが、久しぶりの年賀には、どこか気が引き締まるようなものを感じた。「ことし1年、家族のみんなが幸せに楽しく、豊かな生活が出来ますように」と手を合わせたのである。

 夕刊は【ロス山火事「過去最悪」 米大統領 エンタメ産業打撃 保険金請求100億㌦規模も】【韓国警護庁が出頭 現地報道「衝突・流血の事態」回避】(日経)【ロス山火事損壊9000棟超 バイデン氏「州の歴史で最悪」】【日本海側中心に大雪 山形新幹線一時見合わせ 東海今季一番の冷え込み】【名神高速など 各地通行止め】【「福男選び」能登から助っ人 西宮神社「復興への希望感じた」】(中日)といったところか。 
 やはり、所詮人間たるもの。どんなにあがこうと、だ。自然に勝つことは到底出来ないのである。

 (1月9日)
 夕刊1面に【高石さん名田庄とずっと 13年暮らした地 今月追悼ライブ 「ザ・ナタ―シャー・セブン」由来 福井】【岐阜知事選2新人届け出 人口減や産業振興、争点】【トランプ新政権でインフレ進む恐れ 米FRBが議事録公表】【実質賃金減 4カ月連続 24年11月】(中日)といった活字が躍っている。
 フォーク歌手高石さんといえば、だ。昨年夏82歳で亡くなられたが、わたくしが新聞社の大垣支局長在任中に〝揖斐川マラソン〟で随分とお世話になり、食事も何度かご一緒にしたことがある。それだけに、あの底抜けに明るかった笑顔が蘇ってくるのである。
 
 大阪在住の掛け替えなき友から「ユーチューブで異世界B級グルメというチャンネルの 西成6泊7日漂流記 大阪のドヤ街で毎晩怒声を浴びながら過ごした 格安の宿、激安のご飯、お金で買えない人情がこの街にある というのを見てます。なんだか西成へ行きたくなります。」のメール。
 さっそく私も見てみる。西成は以前、新聞記者として大津にいたころから思い出すたびに、ふらりふらりと何度も訪れたことがある。それだけに、またまたふらりと訪れたくなった。情緒ある街である。あの全共闘の美人闘士で歌人の重信房子さんも時折、ふらふらふらりと訪れ今も居酒屋で飲んでいる。そんな話もある魅惑的な街だけに、また訪れてみたく思う。

2025年1月8日
 水曜日。きょうは、わたくしが大好きなエルビス・プレスリーの誕生日である。彼は1935年1月8日に米国ミシシッピー州のイースト・テュペロで生まれた。というわけで私は朝さっそく「Cant Help Falling In Love(好きにならずにいられない)」をユーチューブで聞いたのである。
 むろん、いつものように亡き妻、たつ江(伊神舞子)が生前「わたしが居なくなっても、【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】だけは毎日、歌ってよ」と遺言同然に言い残した2曲、そして友人で作曲家の牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会会主・大師範)と作った能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」(歌は岡ゆう子さん。安本保秋さん編曲)に続いて、この日は、プレスリーのこの歌【好きにならずにいられない】も聴いたのである。

     ※     ※     ※

     ☆     ☆     ☆ 
 それはそれとして、だ。きょうも多くのニュースが紙面をにぎわせている。良いニュースがあれば悪いニュースも、だ。

 夕刊は、【ノーベル賞 被団協面会 首相「長年の努力に感謝」】【AI、EV先端技術に注目 米家電IT見本市開幕(ラスベガス)】【大阪・御堂筋をホコ天に 37年実現目指す 「人集う空間 都市の魅力向上」】(中日)【グリーンランド購入へ圧力 デンマークに トランプ氏、高関税示唆】(日経)など……いろいろ報じられ、あれこれと動きつつある。

(1月7日)
 七草粥の日。妹の誕生日である。
 とはいっても、わが妻たつ江(伊神舞子)は、もはやこの世にいない。というわけで、この日がくると決まってこしらえてくれていた七草粥の存在はもはや、わたくしたち家族には遠い存在となり、ないにも等しいのである(たつ江が生きていたら「自分で買うの。かうのよ。だれかがやってくれるだなんて。思ってたらダメよ。じぶんで作るのよ」と言うに違いない)。
 けさの新聞見出しは【日鉄米大統領を提訴 買収禁止無効求める USスチールと 首相は説明要求】【「SHOGUN」4冠 真田さん主演男優賞 米ゴールデン・グローブ賞】【松山11勝目 ツアー最少スコア 驚異的 35アンダー 新パター最終日も威力】(いずれも中日朝刊)というものである。ほかに目立ったのは、能登半島地震の被災地を舞台にした真山仁さん(62)の連載小説「ここにいるよ」(挿絵は遠藤拓人さん(45))が始まったことか。期待したい。

 夕刊は、日経が1面トップ見出しで【日鉄「買収諦める理由ない」 会長会見 政治介入と批判 米労組「買収阻止は国益」 クリフスは「訴訟の準備」】【トランプ氏 「USスチールなぜ今売る? 否定的見解を投稿】【日鉄「違法な政治介入」米大統領提訴 会長、徹底抗戦を表明】…と日鉄買収問題一色の内容だ。
 ほかには【カナダ首相辞意表明 在位9年 総選挙控え支持低迷】【トランプ氏勝利 議会が公式認定 米大統領選 ハリス氏が宣言】【宝くじ当てるなら広島? 高額当選続々 関東から来訪も】【久しぶり!思わずハグ 愛知の公立小中で始業式】【中国チベットでM6.8 9人死亡】(いずれも中日)といった内容である。世の中、やはり動いているのである。いや、動いてゆくのである。

 きのう、きょうと能登半島和倉温泉在住の元七尾青年会議所理事長田尻さんから思いがけず何度も再三の電話が入る。スマホの向こうからは「いがみサン。どしとん。ほやわいね」と、あの懐かしいトーンの能登半島の汚れなき声、能登弁が聞こえてきた。苦難に沈むふるさと・能登で「何かをしなければ」といった能登魂がいよいよ、膨らみ復興に向け動き始めてきた。そんな気がするのである。わたくしも応援に協力したい気持ちでいる。

 中日の年賀式が6日、名古屋市内の球団事務所で行われ、球団の吉川克也社長がナゴヤ球場の移転による2軍の新球場建設事業に着手している旨を明かしたという。新施設開場のタイミングは、中日スタヂアムの名称で始まった球団初の本拠地球場の歴史に幕を下ろす時となる、という。

 1948年からの歴史に幕 ナゴヤ球場移転構想を報じた中日スポーツ
 

「SHOGUN 将軍」のゴールデン・グローブ賞は中日スポーツでも大きく報じられた
 

(1月6日)
 月曜日。朝だ。いつもの生活がまた静かに始まり、わが息子は定刻どおり出勤していった。「ことしも健康で幸せな何よりも楽しく充実した毎日を」と父として祈る気持ちで無言で送り出す。いつまでたっても父と子である。いつもなら、愛猫シロちゃんと一緒に送り出すところなのだが。シロは昨秋、わたくしに何の断わりもないまま旅立ってしまったので役者不足ではあるが。私ひとりで送り出す。

 お昼は、あのハッスル姉さんのいる喫茶【日向ぼっこ】へ。いつものようにランチを食べ紅茶をのんで、近くの平和堂へ。ここで私と息子の夕食を確保し帰宅したが、この間ずっと冷たい雨、あめ、アメの連続にはハンドルを握る手も湿りがちだった。運転しながらいつも思うことは、わが最愛の妻だった舞(伊神たつ江、俳人で歌人だった伊神舞子)といつも私を助けてくれた、これまた今は亡き大いなる俳句猫「白」ことシロちゃん、すなわちオーロラレインボーである。こんなわけで、きょうは1日中雨降りで、全身が寒さと悲しさで凍りついてしまいそうな、そんな日であった。

 けさの話題は何と言っても東京江東区・豊洲市場での初競りだろう。中日新聞朝刊によれば、だ。【大間マグロ2億700万円 豊洲、初競り】との一段見出しがひときわ、光った。記事にはこうあった。
ーー東京都江東区の豊洲市場で5日、今年最初の取引となる「初競り」が開かれ、276㌔の青森県大間産クロマグロがこの日の最高値の2億700万円で競り落とされた。都によると、記録が残る1999年以降で2番目の高値だという。仲卸の「やま幸(ゆき)」と「鮨(すし) 銀座おのでら」などを運営する会社が共同で落札した。

 ほかには本日の中日夕刊の【大波小波 昭和百年の作家たち(佐助)】がすこぶる良い。その最終部分をここに記しておこう。
―昭和百年である。存命する元日本軍兵士もわずかとなってしまった。縁日から傷痍軍人が姿を消して久しい。その一方で全世界いたるところで戦争が勃発し、解決の手だてが見つからずにいる。日本は今や「戦前」を迎えようとしているという声もある。三島と丸谷の双方を見据えることで、日本人は何を学ぶか。(佐助)

 そして。【9連休終え仕事始め 企業、官公庁 万博、世界陸上イヤー】【「あいち銀」発足祝う】【大発会東証は続落 一時500円超安 米株安が波及】(中日夕刊見出し)【ゴールデン・グローブ賞 真田さん・浅野さん受賞SHOGUN】(日経夕刊見出し)といったところか。

(1月5日)
 小寒(しょうかん)。きょうは寒さが増してくるころで「寒の入り」。これから節分までが「寒」。寒中見舞いを出し始める時(二十四節気)だという。

 暦とは正直で、きょうは本当に寒くて各地とも今シーズン一番の寒さとなった。 
 朝。居間のガラス戸を開けると、縁側に亡き愛猫シロちゃんといつも一緒だった2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)ちゃんが、静かな表情でこちらにやさしいまなざし、静かな視線を向けてきた。「おはよう」というと、タンゴはさらに目を大きくし「オトン。おかあさんもシロも死んじゃって。大変だけれど、負けないでね。アタイがいるから元気を出すのだよ」といった表情でまるで、私を慰めるかの如く憂いに満ちた、かわいい静かな視線を投げかけて来た。あぁ~、タンゴにはオトンの悲しみに満ちた目がわかるのだ、となぜだか感動した次第である。

 シロお姉さんはいなくなってしまったけれど。オトン、シロの分まで楽しく幸せに生きていこうねーとやさしい目を注いできた2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)ちゃん
 

 シロたち先代のお墓にも食事が供えられた
  
     ※     ※     ※               
     
     ☆     ☆     ☆
 朝刊によれば、世界最高齢だった兵庫県芦屋市の糸岡富子(いとおか・とみこ)さんが昨年12月29日午後9時3分、老衰のため入居していた特別養護老人ホームで死去していたことがわかった。大阪市出身。116歳だった。葬儀は4日に行われたという。糸岡さんは1908年(明治41年)5月23日生まれ。2023年12月に当時116歳たった大阪府柏原市の女性の死去に伴い国内最高齢に。24年8月、世界最高齢者としてギネス記録に登録されていたスペイン在住の女性が117歳で死去し、糸岡さんが新たな最高齢者としてギネス記録に認定されていた。糸岡さんは乳酸飲料カルピスが好きで、100歳を過ぎてからも趣味のウォーキングをしていたという。

 そして。ほかのニュースといえば、だ。やはり能登半島地震のその後で【一般住民、中心部や高台へ 能登6集落集団移転検討 「海好きだが、津波考えると…」】の記事が気になる。

 というわけで、ことしのお正月もアッという速さで過ぎ去り、きょうは早くも5日だ。午後4時から東海テレビで江南市制70周年記念ドラマ【ようこそ 家族のかたち】を見る。
 
(1月4日)
 早いもので新しい年も早や、4日である。
 朝刊(中日新聞)は、やはり【青学大大会新で2連覇 箱根駅伝 「最高」選手層圧巻の独走】をはじめ、【尹大統領拘束できず 韓国高捜庁着手 警護庁が抵抗 刑訴法を盾に膠着状態】【能登半島1年・阪神30年 震災世論調査 倒壊への備え進まず 自宅耐震化48%】【米、日鉄買収禁止を命令 USスチール巡り 大統領正式発表】という内容だった。

 なかでも通風筒は、能登の伝統行事である「アマメハギ」を伝えるもので次のようなものだった。
 
 
(1月3日)
 朝から、とても寒い。正月も早や、3日だ。息子夫妻らと食事後、江南市内の臨済宗永正寺の永代供養墓へ。ここで手にしたスマホで私と友人の牧すすむさんとで先に作った能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり(作詞伊神権太、作曲牧すすむ、編曲安本保秋、歌は岡ゆう子)】を流し、みんなで今は亡き舞(静汐院美舞立詠大姉、伊神舞子)の墓前に手を合わせたのである。長男夫妻は、その後、新幹線で名古屋から川崎へと帰っていった。久しぶりに顔を見る家族には互いにホッとしたのである。

 新聞は相変わらず【能登地震追悼式 1年鎮魂と誓い】(毎日)【復興の道「地域と共に」 能登半島地震1年追悼式】【ただいま一緒に、前へ 珠洲妻子4人と親族犠牲 元日被災宅を初訪問】(中日)など。やはり能登半島地震に関するものが多いが、中には【米車突入テロ15人死亡 ニューオリンズ 現場にIS旗 トランプホテル前テスラ車炎上 ラスベガス】(毎日)といった物騒なものも。まったくもって、この世の中、新春早々から何が起こるか知れたものでない。

 私が脱原発社会をめざす文学者の会ホームページで月に一度、執筆している文士刮目の連載第44回目の【令和AI(人工知能)に聞く「新しい年 世界はどうなる」】がきょう公開された。1人でも多くの人びとに読んで頂けたら、と思っている。アドレスは次のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

(1月2日)
 シロちゃんといつも一緒だった半のら2代目こすも・ここが午前10時ごろ、ことし初めて顔を出し前もって置いておいた食事を、おいしそうに食べてくれた。とても嬉しくなり「ことしも、よろしくね。あけましておめでとう」と声をかける。「ニャア~ン。ニャン。ニャン。昨年は、オカンにシロ姉さんまで亡くなってしまったが、おとうとオニンもげんきでね」と甘えた声で2代目ここ。 

 新年早々から少し不思議なお方とお会いした。愛知北エフエム放送の栗本孝平さんである。彼によれば、岐阜の柳ケ瀬商店街で最近、能登半島地震の被災地である輪島の朝市が開かれており、出来たら柳ケ瀬商店街で能登復興を願ったイベントを開きたい。ついては【長良川】を歌っている演歌歌手、岡ゆう子さんに柳ケ瀬まできて頂いてうたってもらいたい-と思っているというものだった。
 岡ゆう子さんといえば、牧すすむさんと私とで作った能登半島復興応援歌【能登の明かり】の歌でも最近、じわじわ人気を膨らませている期待の演歌歌手だけに、柳ケ瀬での歌謡ショー実現に向け、地元岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会との間で岡さんの歌謡ショーを実現させたい-というものだった。岡さん出演となれば当然、能登半島地震と豪雨水害に対する復興応援歌も唄ってもらえれば能登復興は無論、柳ケ瀬商店街の活力増強にもなるのでは-という相談であった。
 私に異論があるはずもなく、私は栗本さん発案によるこの歌謡ショーが実現し、柳ケ瀬の復興にも役立つ催しになれば、それはそれで一挙両得ですばらしい試みだ。実現するとよいですね、と答えたのである。さて、この試み今後どうなるのか。大いに関心を持ち協力できるところは協力すべきだ、と。そのように思ったのである。

 イスラエルとハマスの交戦、新年早々から続く。

2025年1月1日
 元日である。
 朝刊は各紙ともわたくしたち家族が大好きな能登、のと、能登半島で明けた。
 長男夫妻が用意してくれた能登半島は七尾市和倉温泉「加賀屋」のおせちを囲んで談笑が弾んだ。むろん、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)と俳句猫シロちゃん=俳号<白>=(オーロラレインボー)も遺影姿で家族みんな一緒に、である。

 舞もシロも加わっての楽しいお正月
 

 食膳には加賀屋さんのおせちも並んだ
 
 

 室内には、岡ゆう子さんが歌う能登半島地震と豪雨水害からの復興応援歌入り賀状も置かれた
 
 
 紙面を開いて読んでいて、昨年の1月1日午後4時10分に起きた能登半島地震の被害の多さと深刻さをあらためて痛感。この巨大地震がとてつもない揺れと地盤沈下。そして隆起、津波に液状化現象による被害を与えた事実を今では誰もが知るのである。

 ここに元日の中日新聞の1面記事【地震発生1年 明るい未来願い 避難所や仮設に今も2万2000人超】と、軟派・社会面トップ記事【優しさいつもそばに 能登地震1年年越しルポ 仮設住宅の男性育んだ縁】【新しい年 どうか穏やかに】のリード(前文)部分を、それぞれ記録として記しておく。
――能登半島地震は1日、発生から1年を迎えた。石川、富山、新潟3県で504人が亡くなり、なお2人の行方が知れない。昨年9月には記録的豪雨も重なり、16人の命が奪われた。石川県内では地震と豪雨で市町の避難所や宿泊施設にまだ約250人が身を寄せ、少なくとも約2万2500人が仮設住宅や公営住宅などで暮らす。能登地方には再び本格的な冬が到来したが、復旧はまだ道半ばだ。
――あの日から1年、能登半島地震の被災地は、鎮魂の元日を迎えた。町には倒壊家屋が残り、仮設住宅での生活は続き、復興はいまだ見通せない。「2度と災害が起こらず、おだやかにすごせます様に」。今年は阪神大震災から30年。再生を果たした神戸から届いた「希望の灯(あか)り」が同じように傷ついた能登の闇を照らし、被災者たちを勇気づけた。

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年12月~)

2024年12月31日
 きょうは大晦日である。というわけで、NHK総合テレビの【第75回紅白歌合戦】を聞きたいところではあるが、だ。各チャンネルとも【第57回! 大晦日恒例年忘れにっぽんの歌! 〝一挙100曲6時間〟】(テレビ愛知)はじめ、【大晦日オールスター体育祭】(CBCテレビ)【N響〝第9〟演奏会】(NHKEテレ)と多彩な番組内容で、結局は【年忘れにっぽんの歌】を一番長く見た。生前の妻舞(たつ江)ならば、文句なく【N響〝第9〟演奏会】を見るに決まってはいるが、私の場合は、やはり歌の方が良いのである。

 ことしの暮れもN響、紅白歌合戦、にっぽんの歌…と何かとにぎやかだった(各テレビ画面から)
 
 
 

 そして。新年が明けた(NHKの「ゆく年くる年」から。そのひとコマ)
 
 
 
    ☆    ☆    ☆

    ※    ※    ※
 ともあれ、ことしも1年が過ぎ去ろうとしている。長年連れ添ってきた愛猫シロちゃん(今は亡き舞命名による俳句猫「白」。本名はオーロラレインボー)が、車に轢かれ、命を落としたのが10月21日だった。わが家にとっては一番大きな不幸、ショックではあったが、多くの人に励まされ私たち家族はなんとかここまでくることが出来たのである。
 暮れには文部科学省(分野は科学技術・学術政策)に務める長男が、日本の「研究・イノベーション学会賞」という栄えある賞に輝き、物理学者ここにありの本領を発揮してもくれた。舞(たつ江)がいたら、どんなに喜んだことか。「おかあさん。とうとうすばらしい賞に輝いたよ。まだまだ前身あるのみだがね」と私が仏前に報告したのは当然のことである。

 そして。ことし元日早々に起きた能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】(作詞は私・伊神権太、作曲は、かけがえのない友・牧すすむさん、歌は岡ゆう子さん。編曲は門前の安本和秋さん)がこの秋、CDとして無事、誕生(ユーチューブにもアップしたのでユーチューブでも聞くことが出来ます)。能登に響け、とばかり歌の輪はこのところ、全国各地でグングンと広がりつつある。なかでも編曲に力を尽くしてくださった安本保秋さんは、能登半島地震で自宅が全壊した被災者でもあり苦難のなかでの愛あふれる協力で、こうした人々のおかげで【能登の明かり】は誕生したのである。
 輪島市門前の琴が浜。ここでは砂浜を歩くとキュッキュッ、と砂たちが鳴いているような音をたてることから泣き砂の浜とも呼ばれ、春になると白い雪の中から雪割草が顔を出すことでも知られる。わたくし自身、家族5人で7年間過ごした能登半島。その能登の方々に何とか立ち直ってほしい-との私たちの願いをこめ誕生したのが能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】なのである。この先、1人でも多くの人々がこの歌をうたい、能登半島そのものが元気になって前に向かって一歩、前進してくれれば-と、私は心から願っている。

 【カーター元米大統領死去 100歳中東和平尽力、ノーベル賞】とは、31日付中日新聞の1面見出し。中東和平の推進はじめ国際紛争の平和的解決・人道支援に尽くし退任後にノーベル平和賞を受賞した第39代米大統領のジミー・カーター氏が29日、南部ジョージア州プレーンズの自宅で死去。100歳。米大統領経験者では史上最高齢だった。カーター氏が設立した非政府組織(NGO)「カーター・センター」が発表。

2024年12月30日
 年の瀬もいよいよ押し迫り、マイカーの給油に始まり、わが家の石油ストーブの灯油確保(五郎油さんへの配達依頼)、ほかにちょっとした買い物…と結構忙しい。同居の三男坊も彼は彼なりに家の中の整理やら仏壇への供花などナンダカンダとあれこれやってくれるので、大いに助かっている。彼は生前のおかあさん(舞)にとっては毎年、必需品だった「日めくりンレンダー」の必要性をよく知っており、先ほど私の大学ノートも一緒にコンビニかどこかで買ってきてくれ、「ありがたいな」と改めて感謝した次第だ(実は日めくりは先日、かつて劇団「小牧はらから」の団長として活躍した小畠辰彦さん=今は名古屋市在住。会社員=がステキなカレンダーと一緒に先日、わざわざわが家に届けてくれたので既にあるにはあるのだが)。
 それにしても、こうした時に舞(たつ江)とシロが居てくれたなら、それこそ、鬼に金棒なのだが。ことしは、先に逝った妻の舞ばかりか、愛猫シロちゃん=舞命名による俳句猫「白」。オーロラレインボー=までが天国に召されて旅立ってしまい、悲しくも辛く、悔しい暮れである。
 とはいっても舞、シロのためにもしっかりせねば-と残された私たち家族は皆こうして、頑張って生きていくのである。

 けさの新聞は、やはり韓国で昨日起きた航空機事故の見出し【韓国機事故179人死亡 南西部の空港 着陸失敗、炎上 チェジュ航空生存2乗員のみ】(韓国南西部、チョルラナムドにある務安=ムアン=国際空港で乗客乗員181人を乗せた韓国の格安航空・チェジュ航空の旅客機が着陸時に滑走路を外れ空港の外壁に衝突し炎上。乗員2人は救助され病院に運ばれたが、残る179人の全員が死亡)が痛ましい。鳥の群れが何かの拍子でエンジンに吸い込まれたバードストライク(鳥衝突)が原因とも伝えられているが、やはり離着陸時の鳥飛行は怖い。かつて名古屋空港を長年、担当した空港記者として【空港昨今】という連載を長期にわたり書いた私だが、飛行機にとって鳥はとても怖い存在ということは私も十分わかっている。とはいえ、今回の突然の事故は防ぎようのない点もあり、不運としかいいようがないのも、またしかりである。 

 夜。NHK総合で【映像の世紀73分SP戦後80年 日本の設計者3人の首相激動の記録 ▽ワンマン宰相・吉田茂▽昭和の妖怪・岸信介▽列島改造・田中角栄 敵か味方か権力の攻防】を見る。人間は、ドラマの上を歩んでいる。ふと、そんなことを思ったりする。

(12月29日)
 日曜日。ことしも残すは、あとわずかだ。きょうも、いつものように新聞をしっかり読む。
「命つなぐ炊き出し 50回目「名古屋越冬活動」(そういえば、この炊き出しは私がはるか昔。新聞社の名古屋社会部で名古屋中村・西署のサツ回りをしていたころ、暮れになるとは取材したことがあった)「旅客機墜落プーチン氏謝罪 防空システムが反撃中」(アゼルバイジャン航空の旅客機が28日、カザフスタン西部に墜落、38人が死亡。ロシア軍の旅客機誤射とみられる)「石川さゆりさんが能登町復興大使に」(ヒット曲「能登半島」で知られる石川さんが石川県能登町の復興応援大使に29日付で就任)など、新聞紙面には相変わらず、きょうも多くのニュースが満載されている。
 なかでもイイナッ、と思ったのは、日本の映画界を代表する俳優だった、あの高倉健さんのことを【俳優 高倉健 没後10年】として紙面展開していた中日新聞サンデー版である。サンデー版は、かつて私がデスク長当時に特報紙面とともに定年になるまで5、6年ほど携わったことがある。それだけに、懐かしく、紙面の内容もなかなか良かった。今は亡き名優、高倉健さんも喜んでいるに違いない。

 午後の間隙を縫って、かつて何百枚と出していたころと比べれば、それこそ数えるほど、わずかな枚数ではあるが。既に印刷済みである賀状に宛名を書き、郵便局へ。脱原発社会をめざす文学者の会ホームページで連載中の文士刮目第44回目【令和AI(人工知能)に聞く 「新しい年 世界はどうなる」】もなんとか出稿。ここ数日間は、あれやこれやでバタバタしたが、きょうまでに一応、年内の区切りはつきホッとしている。

 夜。NHKのEテレで【日曜美術館 今年92歳で世を去った美術史家・高階秀爾▽マネやルノワールなど名画の秘密を語った貴重な映像とメッセージ】を見る。続いてNHK総合のNHKスペシャル【大谷翔平が全てを語る歴史的な1年の舞台裏 最大の試練そのとき…孤高捉えた1枚の写真 同僚が激白! 胸熱物語】を見る。
 なかでも私は日曜美術館を見ながら、亡き妻(伊神舞子)が生きていたなら、間違いなく見たに違いないと思うと、なぜだか、画面に目を注ぎながら、泣けて、泣けて、泣けて仕方なかったのである。一方で「あなた。そんなに弱っちぃん、ではダメよ。あなた。これから生きていけるの。生きていかなきゃアカンよ。生きていくのでしょ。やっぱり弱っちぃな」との舞の肉声が飛んできたのには、驚かされたのである。

 歌手の石川さゆりさんが能登半島地震や豪雨で大きな被害を受けた石川県能登町の「復興応援特命大使」に29日付で就任。任期は3年。ヒット曲「能登半島」で知られる石川さんが歌で被災者を励まし復興へ向かう地域の魅力を発信するという。よいことである。

(12月28日)
 ことし最後の土曜日。新聞紙面の本日付主な見出しだけを追ってみると。
【<能登1年被災地は今>―2- 結い直す失った日常 過疎の珠洲・大谷 輪島、珠洲 人口が急減 1年で9%超】【能登の基幹国道 全線開通 249号復旧・復興の加速期待】【地震死者500人超え】【川重40年前から架空取引 防衛省が厳重注意へ 特別監察中間報告】【鈴木修さん死去 スズキ元社長 軽を国民車に 94歳】【115兆円予算案閣議決定 25年度 最大更新国債費重く】【インフル過去10年で最多 全国平均で警報水準超え】【名古屋市人口233万人 過去最多、外国人は初の10万人】【死刑異例の2年連続ゼロ 袴田さん再審無罪影響か】といった具合である。

(12月27日)
 金曜日である。午前中、新聞各紙を読み終えたあと、インフルエンザの予防接種をしに「たつ江(伊神舞子)」も生前、よく訪れた説田クリニックへ。左腕を出すと、担当医師が現れブスリと注射を打たれ、接種は一瞬にして終わったのである。同院には数名の患者さんがいたが、全員マスク姿だったのには驚いた。どうやら、このところはインフルエンザやコロナがまた流行り出したような、そんな気配を感じたのである。目には見えないけれど。「接種をしてもらって。よかったわね」とたつ江の声が風に流れて飛んできた。俺が病気になって死んでしまえば、おまえとこうしていつまでも楽しくしているわけにはいかない。だから私は勇躍、小さいころから大嫌いだった注射をあえて打ってもらったのである。

 午後はことし最後の社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文へ。タンゴとワルツに続き、クイック・スティックに繰り返し挑む。社交ダンスは、舞との約束だから。出来得るかぎり、いつまでも続けよう。

(12月26日)
 きょうは、とても嬉しい話がある。それは文部科学省に務める長男正貫が、ことしの日本の研究・イノーベーション学会賞に輝き「表彰式が無事終わった」とのメールがはいったことである。さっそくおかあさん(伊神たつ江、舞子)の仏前に行き、蠟燭の火をつけ線香を焚き、手を合わせて「マサツラが権威ある賞に輝いたよ。本人のこれまでの努力と、あそこまで立派に育て上げたおまえ、おかあさんの手柄だ。よくぞ育ててくれた。おめでとう。むろんマサツラも努力を重ね、さすがノーベル物理学賞に輝いた江崎玲於奈さん門下だね」と報告をした。

(12月25日)
 メリー・クリスマス。聖夜である。
 能登半島地震後の避難中などに亡くなり、遺族が石川県の市や町に災害関連死認定を申請したのに、その後県などによる審査をまだ受けていない人が実に209人にも及ぶことがその後の取材で分かったーとは、けさの中日新聞1面の【能登関連死209人未審査 地震犠牲者 大幅増の可能性】【インフラ復旧遅れ 介護も人手足りず 関連死熊本地震との違いは】というものである。記事には「建物倒壊などによる直接死と合わせ現在500人超となる見通しの犠牲者数が大幅に増える可能性もあるーとしており、今回の能登半島地震による死者がいかに多かったか、が改めて浮き彫りとなっている。
 そして。もうひとつは、これも本日付の毎日新聞の1面見出し【PFAS水検査義務化へ 基準超えで改善措置 環境省・26年春】、中日新聞第2社会面の【水道4割PFAS未検査 重い負担、検出後にも費用 各務原市活用炭に年1億2000万円】というものである。こちらは環境省が24日、水道水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の濃度を従来の暫定目標値から、水道法に定める「水質基準」に格上げする方針を決め、2026年4月から水道事業者などに検査を義務づける案を有識者検討会に示し了承され、来春にも正式決定するというものである。

 ロシアのインターファクス通信によると、25日午前(日本時間同日午後)、カザフスタン西部アクタウ付近で緊急着陸を試みたアゼルバイジャン航空の旅客機(乗客乗員67人、エンブラエル190型機)が地面に衝突、炎上。カザフスタン当局によれば、乗員乗客のうち生存者32人が病院に運ばれた。同機はアゼルバイジャンの首都バクーから露南部チェチェン共和国のグローズヌイに向かっていたが、霧のため着陸出来ず、目的地をアクタウに変更していたという。乗客に日本人がいたという情報はないという。

(12月24日)
 クリスマス・イブ。ことしも押し迫ってきた。なぜか、亡き妻たつ江(伊神舞子)と、おかあさんのあとを追いかけるようについ先日、すなわち10月21日に車に轢かれて旅立った俳句猫シロちゃん(オーロラレインボー)のことが思い出されてならない。思えば思うほどに、胸が痛くなってどうしようもないのである。涙がとめどなく流れる。

 けさの新聞(中日)に【温かい新年やっと 能登地震の仮設全戸完成 4カ月遅れ】の見出し。それによれば、石川県が能登半島地震の被災者向けに整備していた仮設住宅のうち珠洲市で23日、24戸が完成。これにより、10市町の計6882戸の整備を終了。地震発生から1年を前に被災地は生活再建に向けた新たな段階に入ったという。ほかには【ホンダ・日産26年統合目標 三菱自は年明け判断 協議入り発表】【トヨタ上海にEV工場 中国で日系初単独出資へ 次世代レクサス】【須田寛さん死去 93歳 JR東海初代社長】という見出しがめだつ。
 夕刊は【日鉄のUSスチール買収 バイデン氏に是非一任 米当局 協議まとまらず】【不正支出 北朝鮮系が関与 警察庁特定DMM系のビットコイン】【政治改革法案、午後成立へ 政活費(政策活動費)、26年から廃止】【「グリーンランドが必要」 トランプ氏 購入意欲を再表明 自治政府「売り物でない」】【仏、新内閣を発表 有力候補、直前に外れる 野党配慮か】とは、日経夕刊の見出しだ。

(12月23日)
 上皇さま(平成天皇)がこの日、91歳の誕生日を迎えられた。上皇さまは日々、国内外の動きに関心を示される日々のなか、時には戦時下の記憶や平和への思いをお話しになられ、右大腿骨上部を骨折した上皇后美智子さま(90)のリハビリを温かく見守られ、時にはともに散策。おふたりで体調を気遣いあいながら過ごしておいでになる、という。

 全国高校駅伝が22日、京都市のたけびしスタジアム京都発着で行われ、第75回の男子(7区間、42・195㌔)は佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4度目、第36回の女子(5区間、21・0975㌔)は長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目の優勝をした。
 この日は大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームでフィギュアスケート全日本選手権最終日が行われ、女子は24歳の坂本花織(シスメックス)が合計228・68点で4年連続5度目の優勝。ショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位で4連覇が懸かる世界選手権(来年3月・米ボストン)代表に決まった。

 夜はひと息ついたところで、メーテレで漫才日本一決定戦「M―1グランプリ」を観戦。亡き舞と愛猫シロちゃんがおれば、ふたりとも興味津々の表情で笑顔を満面に浮かべて見守ったに違いない、と。そんなことが思い出され、ついつい、ほろりほろりとまたしても涙の雨が、わが頬をしたたり落ちたのである。(M1グランプリには10330組のなかから、令和ロマンが昨年に続く2連覇で選ばれ、賞金1000万円を獲得。どちらかといえば、私はバッティリーズの方が良いと思ったのだが…)。いずれにせよ、見事な漫才の数々には久しぶりに感動した。

 ドイツ・マクデブルクでは20日、車がクリスマスマーケットに突っ込み5人が死亡。少なくとも200人がケガをするという大惨事が発生。21日、現場近く教会前では大勢の人々がろうそくをともし花を手向けた。捜査当局によれば、拘束したサウジアラビア出身の男が同胞の難民に対するドイツの対応に強い不満をいだいていた可能性がある、という。

(12月22日)
 昨日はNHKのラジオニュースを聞いていても秋田、神奈川、福岡……と全国各地で火災が相次いだが、けさの新聞によれば、だ。ほかにも秋田県能代市で木造2階建て住宅が全焼するなど全国5道県で計10人が死亡したという。寒くなり、ストーブや火を使うことが増え、その分、必然的に火災も増えているようである。

 本日付の中日新聞朝刊によれば、政府は全国の原発周辺の自治体に放射性物質の侵入を防ぐ可搬型の防護テントを配備する方針を固めたことが内閣府への取材で分かった、という。事故時に高齢者などの一時避難先となる放射線防護施設が地震などの被害で使えない場合に、被爆を防ぐために用いるが、能登半島地震で施設の損傷が相次いだことを踏まえての対応だという。
 そして変わったニュースでは【首相コンビニで息抜き!? 自ら買い物 数カ月ぶり】といった記事か。

(12月21日)
 きょうは1年で太陽の南中高度が最も低く、夜が最も長い冬至である。日本には、ゆず湯に入り冬至かぼちゃを食べる慣習があるが、かつて能登半島にいたころ、私たちはテルさん=当時、北陸中日新聞の笹谷女性販売店主。あのころ笹谷輝子さんは多くの人々から〝テルさん〟〝テルさん〟と呼び親しまれ、新聞界の日本に誇る女傑店主で知られた=から「イガミさん。今日はネ。からだのためにも冬至かぼちゃを食べ、ゆず湯に浸かるのよ。支局のみんなもだよ。いいわよね。かぼちゃを食べるのよ」とよく言われ、私たち家族と支局員はそのようにしたものである。そうして厳しかった能登の冬を、みんなで、チームワークで乗り切った。

 中日新聞の21日付夕刊によれば、だ。米国務省のリーフ次官補が20日、シリアの首都ダマスカスを訪問。暫定政府を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」のジャウラニ指導者と会談。内戦で荒廃したシリアの復興について協議した、とオンライン記者会見で明らかにし、ジャウラニ氏が穏健な統治に前向きな姿勢を見せた-と評価。国務省によれば、米国外交団によるダマスカス訪問は2012年いらい約12年ぶり。米政府はロシアやイランが後ろ盾となってきたシリアのアサド政権崩壊で中東の地政学的な構図が一新されたと歓迎。親欧米的な新政府樹立に向けて、働きかけを続ける構えだという。

(12月20日)
 午後、わが妻、舞との永遠の約束である社交ダンスのレッスンで一宮スポーツ文化センター、すなわちスポ文に。クイック・ステップを何度も繰り返し学んだが、きょうはクリスマスも近いというので「サンタさんの帽子でもなんでもいいので。クリスマスの雰囲気を出すため、皆さん、何でもよいので赤いものを持ってきてください。ごんたさんもよ」との事前の先生の要望に応え、私は寝室一角に何げなしに置かれていた今は亡き舞が愛用していた赤い服を手に「あっ、これがあるから良かった」とスポ文へ、と出向いた。
 いつものように先生の指導でレッスンが始まり、私はタンゴ、ワルツに続いて、最近習い始めた【クイック・ステップ】を踊ることに。持参した舞愛用の服を腰に巻き、ダンス仲間のよしこさんから頭にかぶせていただいた赤い帽子姿で躍ったが、これが少しはさまになっていたみたいで皆さんからは「いいじゃん。いいじゃん」「いいよ」と褒められてしまったのだが……。一体全体、レッスンが褒められたのか、赤い服が褒められたのか。そこまでは恥ずかしくて聞くに聴けなかったのである。
 そして。レッスンを終えるころになり、〝よしこさん〟が赤い服をしげしげと見つめ「ごんたさん。この服、なかなかいいよ。いいと思う。あたしが着てあげようか」とおっしゃられるので「そりゃ、ありがたい。いいですよ。その方が、舞も喜ぶと思います」と私はひとつ返事でオーケー。よしこさんは「じゃあ、こんど来るとき、あたし着てくるから」といって別れたのである。

 福岡県警は、北九州市小倉南区のファストフード店で起きた中学3年男女殺傷事件で男子生徒(15)に対する殺人未遂の疑いで逮捕された平原政徳容疑者(43)の自宅などを家宅捜索。黄色いサンダルや灰色の上衣、黒のズボンを押収したことが捜査関係者への取材で分かったという。

(12月19日)
 きものデザイナーで学校法人清水学園理事長だった清水ときさん=本名清水都岐子(しみず・つぎこ)さん=が9日、老衰のため死去。100歳だった。ときさんは日本の伝統衣装である「きもの」の普及振興と技術指導、人材育成に尽くされ、一般財団法人国際文化きもの学会理事長などの要職を務められた。そればかりか、1966年5月の中日栄文化センターの開設いらい、和裁や着付け講座を担当され、その功績となると偉大である。
 ときさんには私自身、文化芸能局の担当部長在任当時から大変お世話になったことが思い出される。確か、東京での着物ショーに何度か招待されたり、今は亡き聖路加国際病院の日野原先生を紹介して頂くなど随分とお世話になったものである。栄センター着物教室の受講生でもあった姪の久美ちゃんの結婚式にまで参列して頂くなどアレヤコレヤと随分お世話になった方である。1996年には勲4等瑞宝章を受章されるなど日本の着物界の牽引者的存在で生涯を着物の道ひとすじに歩まれたその功績となると、とても大きいのである。

 ほかに訃報と言えば、だ。読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)さんが19日午前2時、肺炎のため東京都内の病院で死去したことだ、といえようか。98歳だった。【わたつねさん】の愛称で親しまれた渡辺さんは日本のマスコミ界のドン的、リーダー的存在で新聞界ばかりでなく、プロ野球界にも大きな功績を残しての旅立ちとなった。合掌―

 ほかに気になるニュースといえば、だ。【ホンダ・日産 統合協議 三菱自も合流見込み 世界3位浮上 持ち株会社設立へ】【訪日客最多3337万人 1~11月で更新「観光公害」深刻に】(19日付、中日朝刊見出し)といったところか。

(12月18日)
 きょうのニュースといえば、だ。何と言っても中日新聞1面に躍った見出し【「原発依存を低減」撤回 エネ計画原案 電源構成2割維持】である。それによれば、経済産業省は17日の有識者会議で、中長期的なエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」の原案を示した。2011年の東京電力福島第1原発事故以降から明記してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を撤回。同じ原発の敷地内に限って認めていた建て替えの要件も緩和する。40年度の発電量全体に占める割合は原発が2割程度、再生可能エネルギーは4~5割程度と最大電源に位置づけた。パブリックコメント(意見公募)を経て、25年2月ごろの閣議決定を目指す。―とあるのだが。やはり<「原発依存を低減」撤回>の活字が気になる。本当に大丈夫か。心配である。

(12月17日)
 トランプ次期米大統領の妻メラニアさんが15日、故安倍晋三元首相の妻昭恵さんが南部フロリダ州パームビーチのトランプ氏の私邸で夫妻と面会した、とX(旧ツイッター)で明らかにした。夕食を共にしたとみられる。石破茂首相はトランプ氏との会談を模索したが実現しておらず、昭恵さんと交わした会話の内容が注目される-とは、中日新聞の本日付の朝刊報道である。

 ほかには【七難去れ熱き願い 熱田で火渡り神事】の見出しも。いよいよ、ことしも師走が押し迫ってきている。そんな中、14日に北九州市小倉南区のマクドナルド322徳力店で中学3年の男女2人が殺傷された事件で同区の中島咲彩(さあや)さん、15が腹を刺されて亡くなった事件は痛ましい限りである。言葉もない。

(12月16日)
 けさの中日の朝刊記事。【戒厳令下 言論守った 韓国紙「光州事件」教訓に号外 正門施錠「軍が検閲する前に発行」】は、戒厳令下で記者魂が発揮された内容でなかなか良い。新聞記者の使命感というものは、どんな状況下にあろうが、こうでなくてはいけない。この点で「光州日報」の編集局長崔権一(チェグォンイル)さん(56歳)はじめ、現場記者を含む編集スタッフには賛辞を贈りたい。マスコミ人は、こうでなければ-と思った次第である。
 そして夕刊は【イタイイタイ病存命患者ゼロに 激痛母は半世紀耐え 8月死去91歳の22年に認定 四大公害病続く訴訟】もまた見過ごすことの出来ない記事である。新聞の使命は、やはり重いものがある。一方では【韓国与党代表が辞任 弾劾対応で党内分断招く】の記事も。ことここに至ってはさもありなん、といえようか。

(12月15日)
 日曜日。けさのニュースは中日新聞の見出しによれば、➊「尹大統領弾劾可決 韓国与党一部が造反 職務停止憲法裁罷免判断へ 尹氏「私は諦めない」 戒厳令国民は許さず➋名鉄百貨店26年閉店へ 再開発新たな商業施設に➌若竜に託す夢 8新人が入団会見―といったところか。

 それはそうと、きのう、きょうと日本列島は真冬並みの寒さに。ここ尾張名古屋もこのところは厳しい寒さが続いており、私は3日ほど、いや4日ほど前から電気アンカの使用をとうとう始めた、のである。このところの寒さに震えあがりながら私はつくづくと自然にはかなわない世の中を実感している。あゝ、夏の方が、秋の方がいい、と思うのは万民に共通ではあるまいか。人間どもは、やはり自然には勝てないのである。

(12月14日)
 プロ野球の中日ドラゴンズに加わる新人選手8人が14日、名古屋市内のホテルでの入団会見に臨んだ。ドラフト1位左腕の金丸夢斗投手(21)=関大=は1年目の目標を問われ「新人王を取ることです。自分の武器はストレートの質とコントロールの良さです。最終的には日本一の投手になりたい」と宣言。2位の左腕吉田聖弥投手(22)=西濃運輸=も「身が引き締まる思い。将来的には沢村賞を取りたい」と語るなど皆頼もしい限りの入団会見となった。というわけで、来シーズンのドラは大いに期待できそうだ。

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞授賞式に合わせ、ノルウェーの首都オスロを訪れていた「高校生平和大使」の4人が帰国。14日、東京都内で記者会見、「若い世代の責任は大きい」「核廃絶へ声を上げていかないといけない」などと述べ、誓いを新たにした。

(12月13日)
 金曜日。けさ新聞(中日)に載ったニュースを見出しで列挙すれば、だ。
【五輪の栄光か 政治の暗部か 今年の漢字「金」】【「ドン・ファン」死亡元妻無罪 「覚醒剤 誤飲可能性も」 和歌山地裁判決 震える手、宣告に涙】【藤井七冠 竜王4連覇】【尹錫悦(ユンソンニョル)大統領早期退陣応じず 戒厳令を正当化 野党弾劾案再提出あすにも採決】【自民知多支部 収支報告10年以上未提出 規制法違反の可能性 伊藤(忠彦)復興相が代表時】……といったところか。

(12月12日)
 【福井中3殺害 検察再審に新証拠出さず 前川さん無罪近づく 高裁金沢支部3者協議】【早期決着見通しに安堵 来年3月に初公判、結審】【検察側、有罪立証困難か】【袴田ひで子さん「良い流れ続く」 前川さんと親交】【電車衝突後に立ち去り 踏切殺人、容疑者の車2台】【女性検事「泣き崩れた」 性的暴行 元検事正無罪主張方針に】……
 きょうも新聞紙面には多くの見出しが並ぶ。活字を前に「人間、所詮こんなものなのか」と、ついつい思ってしまう

 なかでも元大阪地検検事正北川健太郎被告(65)が準強制性交罪に問われた事件だが、これは「いただけない、を通り越して恥ずかしい限りだ」。記事によれば、被告は初公判で起訴内容を認めたが、一転して無罪を主張。これを知った女性検事は、その時の気持ちを「絶句し泣き崩れた」と振り返ったという。記事には「同意はなかった」と改めて反論したとあるが、なんだかとても低俗で、程度の落ちる話しである。それも司法を裁く検事同士、男と女の見苦しい罵り合いだ。司法は、即刻ふたりとも首にすべきだと思う。とても司法の番人など任せることは出来ない。それとも。人間、やはり誰とてこうした愚か者の集まりなのかも知れぬ。

 和歌山地裁は12日、かつて〝紀州のドン・ファン〟と呼ばれた資産家野崎幸助さんが2018年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した事件で殺人容疑で起訴されていた元妻の須藤早貴被告に対し無罪を言い渡した。判決について国際弁護士の清原博氏は「検察側は消去法で立証しようとしたが、肝心の覚醒剤をどう飲ませたか、について立証出来ておらず、この点が大きかったのでは。疑わしきは罰せずということでしょうね」などと話している。

(12月11日)
 【「核も戦争もない世界へ共に頑張ろう」 ノーベル賞授賞式 被団協 万感の平和賞】【核タブー軽視「限りない憤り」式典演説92歳田中さん切々と】(11日付中日朝刊)【核なき世界共に 被団協ノーベル賞授賞式】(11日付毎日朝刊)……。
 けさの新聞は、どこもノルウェーのオスロ市庁舎で開かれたノーベル平和賞授賞式について大きく取り扱っていた。日本被団協を代表して受賞演説をした田中煕巳(たなかてるみ)代表委員(92)の「核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけない」との呼びかけを、世界の人々はどう受け止めたのか。原爆許すまじ、戦争はしないことで、こうした不幸は、2度とあってはならないのである。

 ノーベル平和賞の演説の様子など大きく報道された
 
 
 

 それはそうと。ここ数日間に私が住む地域も含め、日本中が厳しい寒さに襲われつつある。こんな寒さのなか、中日新聞の本日付朝刊【通風筒】に三重県志摩半島から望む海上に姿を見せた【浮き富士】の話題が紹介されていた。私自身、若き日々、志摩で記者生活をしていたころ、この浮き富士現象を味わったことがある。それだけに、とても懐かしく思った。かつて私が伊勢志摩の記者でいたころ、志摩の人々は上半身裸になって富士山の方に向かって浜辺に座り、センゲ、センゲ、センゲ……と言いながらお経のようなものを唱えお参りをしていた。「これは重要なことなのだよ。伊神さん」と当時、志摩郷土史会の上村角兵衛会長に教えて頂いた、あの頃が思い出される。けさの通風筒はそんな1枚だと言ってよい。
「いがみさん。阿児町志島の浜からは天気が良いと時に、はるかかなたに富士山が見えることがある。だから、その日は富士を遠くに眺め、上半身裸になり下帯、褌姿でセンゲ、センゲ、センゲ……と富士山に向かって願いごとが叶うように祈るのだよ」と。角兵衛さんは、そのように、若き新聞記者に教えてくださった。なぜか、この通風筒の記事を前に若かったころのことが思い出されたのである。
 確か、そんな漁どころの話題を紹介したことがあったが。おそらく、けさの記事で紹介されている【浮き富士】に向かってみんなでセンゲ、センゲ、センゲ……とお祈りをしたに違いない。というわけで私はこの記事により、懐かしいかつての思い出の場面に思いをはせたのである。

「浮き富士」が紹介された通風筒
 

 そして。本日付夕刊はといえば、だ。【被団協にノーベル平和賞 反核、共に歩こう オスロ市民がパレードで祝福】【文学は生を破壊する全ての行為と真っ向から対立するものだ ハン・ガンさん文学賞】(11日付中日夕刊)とノーベル平和賞の続報に、ことしのノーベル文学賞の紹介が加わったのである。

(12月10日)
 本日付の中日新聞夕刊に【故白井名誉会長 財界人らしのぶ 名古屋でお別れの会】が一段で掲載された。記事にはこうあつた。
―10月に96歳で死去した中日新聞社顧問・名誉会長の白井文吾さんのお別れ会が10日、名古屋・栄の中日ビル6階「中日ホール」で営まれた。/会場には献花台が設けられ、愛知県の大村秀章知事や名古屋商工会議所の嶋尾正会頭など政財界の関係者らがカーネーションを供えた。中日ドラゴンズの井上一樹監督や落合博満元監督、選手ら球団関係者も参列。大島宇一郎社長と白井さんの長男の伸明さんが立礼で参列者にあいさつした。

 白井文吾さんお別れの会は中日スポーツでも報じられた
  

 デ、わたくし伊神権太のこの日の行動といえば、だ。やはりお世話になった白井さんに、何よりもお礼を言いたくなって名鉄犬山線と地下鉄を乗り継いで名古屋・栄の中日ビルへ、と急いだのである。
 というわけで、先日、亡くなられた中日新聞の顧問・名誉会長だった、あの白井文吾さんの「お別れの会」に行ってきた。白井さんには、それこそ社会部(小牧通信局長時代含む)当時から能登半島七尾支局長時代(当時。白井さんは北陸本社代表)のあとも大垣、大津、一宮各支局長、この後も文化芸能局、編集局デスク長、さらには定年後の中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当時代に至るまで、それこそ、言葉には言い尽くせないほどずっとお世話になりどおしだった。
 なかでも公式ファンクラブスタッフ当時はドラゴンズの白井文吾オーナーの下、あの落合博満監督率いるドラゴンズの黄金時代まで多くのファンのみなさまと共に日本一の喜びに浸らせてもらうことが出来たのである。むろん、ファンクラブのマスコットキャラクター・ガブリと共に球場入り口でお客さんを待たせて頂き、ファンクラブ通信などの取材で連日、ハードな日々を過ごすーなどそれはそれなりに大変な時代でもあった。でも、あのころトップに何よりも新聞販売店を重視した白井文吾さんの存在があればこそ、我々スタッフと落合信者をはじめとする多くのファンが一丸となって歩いてこられた。このことは間違いないのである。

 というわけで、白井文吾さんのお別れの会にはそうした過去の経緯があっただけに、どうしても、たとえ一言だけでも遺影を前に直接、お礼を言いたくて出かけた。そして。場所は、最近、建て替えられたばかりの中日ビルディング六階ホールである。

――私は、この日、白井さんの遺影を前に一本の花を献花。前に進み出て遺影を前に白井さんの顔を見つめ「長年の地方記者生活の間、わたくしはじめ、妻、家族が小牧はじめ能登半島七尾でも大変、お世話になりました。ありがとうございました」と頭を下げた。黙って語りかけたあとは、ただ深い涙が激流となって全身の芯の部分から立ち上がり、あふれ出てくる気配を感じ、最後に別れの目礼をし、辞したのである。
 そして。軽く目礼をして帰るときのあの声「ありがとうございました」と二度声をかけてくださった若き、現大島宇一郎社長には無言でそのつど深く一礼。と同時に「わざわざ丁寧にありがとう。俺がお世話になりどおし。かけどおしだったよ。どれほどお世話になったことか。こっちこそ、お礼をいわなきゃ」とあふれ出る涙を押し殺しながら、心の中で返答、頭を下げ会場を後にしたのである。

(12月9日)
 本日付の中日新聞夕刊は、1面が【アサド政権崩壊 シリア反体制派首都掌握 大統領、ロシアに亡命】【強権体制50年超 歓喜と不安交錯】【尹大統領内乱容疑で捜査 韓国検察 前国防相の身柄拘束】といったものだ。いやはや、シリアと韓国が同時進行で夕刊紙面のトップを二分しているのである。

 かと思えば、だ。同じ9日付夕刊で【ノートルダム大聖堂再開 パリ、火災から5年】の記事には、かつて舞と訪れた、あのノートルダム大聖堂が復活したか、と思い、どこか、ホッとした。2019年4月に火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂の修復がほぼ終わり、再開記念式典が7日開かれ、8日には再開後初のミサが執り行われ、一般公開も始まったーという内容である。ほかには【被団協代表団オスロに到着 ノーベル平和賞 あす授賞式】の記事も目立つ。

(12月8日)
 日曜日。三男坊が運転する車で午前中、江南市内の「キッチンくま」へ。
 わたくしが敬愛する兄夫妻と妹夫妻、そして。ひとりぽっちの私ひとりが参集。年に一度の兄妹会があったためで、兄は正義の味方(私は尊敬する兄のことを昔からそのように思っている。兄は過去、小塚ヨットスクールのリンチ事件や爆弾魔・加藤三郎らによる北海道庁爆破など数々の事件の主任弁護士を手掛けてきた)そのものの日本に誇る弁護士であり、そして妹もまた、美しさ抜群の才長けた税理士(元々、数学が得意で、数学教師だったが教師の傍ら税理士資格を取得。教職から転身し、税理士だった父の後を継いだ)である。

 というわけで、私たち3人兄妹が年に一度の約束で久しぶりに集まった。そこには兄の妻の声楽家(ソプラノ歌手。音楽療法士としても、この地方の草分け的存在)と妹の夫(彼は長年、日本特殊陶業に務め半導体の研究開発で知られた。長身の二枚目である)も同席。そして俳人で歌人でもある私の妻たつ江(伊神舞子)も、と言いたいところだが、彼女は先年、ひと足早く旅立ってしまったこともあり私だけが片肺飛行の青春? といおうか。ひとりポッチの寂しい出席とあいなった。何はともあれ、久しぶりに会う兄夫妻と妹夫妻は、どちらも元気そうで先ずはひと安心。ランチを前に近況につき互いに話し合い、楽しいひとときとなったのである。
 このうち妹夫妻は、つい最近沖縄に行ってきたということで沖縄・石垣島銘菓石垣の塩、すなわち〝ちいすこう〟をお土産にもらったが、これがまた格別の味で、これまで風邪気味だった私の体調がみるみる回復していったのには驚かされた。というわけで、帰宅後は、いつもの調子で新聞を詳しくチェックし、お風呂に入り、このところは剃る暇もなく見苦しいほどに茫々と伸び放題だった髭を剃り、今度は夕食をたべ、こうしてデスクに向かいパソコンキーを打ち始めたというわけだ。

 ロシア外務省が反体制派の武装勢力によって政権が崩壊したシリアについてアサド大統領が自発的に辞任した、と発表。歌手で俳優の中山美穂さん(54)が自宅浴室で死亡していた件で警視庁は8日に行った解剖の結果や現場の状況などから「検死の結果、事件性はなく、入浴中に起きた不慮の事故(ヒートショック)によるものと判明した」点を明らかにした。また死因については遺族からの要望があるとして明らかにはしていない。

2024年12月7日
 きょうは大雪(たいせつ)。雪が激しくなり、降り積もるころで、地面に霜柱が立ち、朝夕には池や川に薄い氷が張るようになる(二十四節気)、そんなころだ。なんだか、アッという間に冬が駆け足でやってきた気がする。そういえば、きょう7日は死者が約1200人、全壊・流失家屋が2万戸を超えたとされる昭和の東南海地震(昭和19年12月7日、紀伊半島南東沖を震源に発生。マグニチュード7・9)から80年になる。まさにその日である。
 夜。韓国国会が尹大統領の弾劾訴追案を否決。

 風邪がなかなか治らない。体温は平熱、頭、喉も痛くはないのだが。鼻水が止まらず、ちょっと憂鬱である。だから入浴は久しぶりに思い切ってやめることにした。
 このところは岐阜県多治見市の文芸祭に寄せられた文芸作品のうち小説部門の審査に追われて半ば自宅で缶詰め状態だったばかりか、「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会の要請で文学者の会ホームページで連載している月に一度の【文士刮目】の執筆、出稿……、そこに加えて。つい先日に終わった社交ダンスのメダルテストに向けてのたゆまぬレッスンなど。正直、満78歳というこの歳になってなお休む間がない日々に追われてきた。
 だから、〝さすがのガミちゃん(私の愛称)〟も自分では自信のある体力に少しだけガタがきた、と言ってよさそうである。というわけで、息子から渡された葛根湯(かっこんとう)とやらを飲んで、こうしてペンを走らせている。ちなみに今回公開された文士刮目は第43回目で、タイトルは<能登半島地震と豪雨水害の復興応援歌【能登の明かり】がCDに>である。
 アドレスは以下のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

【韓国大統領「心から謝罪」 戒厳令巡り 今後、与党に一任 弾劾訴追案今夕採決】【フィギュアGPファイナル ペアりくりゅうが2位 ジュニア女子日本勢メダル独占】とは、本日7日付の中日新聞夕刊。同じ7日付の朝刊には【中山美穂さん死去 54歳、自宅浴室で発見】の悲しいニュース。いつも前を向いて歩き続けた努力の女性、好きな歌手だっただけに、残念無念な旅立ちとは、このことか。中山さんの旅立ちは、中日スポーツでも大きく報じられた。合掌ー

 
 

(12月6日)
【音の日】だそうだ。
 南米パラグアイで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会が4日(日本時間5日)、日本酒や本格焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録。新聞報道によれば、だ。岐阜県飛騨市古川町で150年以上の歴史を持つ酒蔵「渡辺酒造店」は、無形文化遺産登録をお祝いするセレモニーを店頭で開いたという。「日本酒を飲むことが伝統文化の体験につながる。酒造りの魅力をさらに発信したい」とは、渡辺久憲社長(56)。その言や良し、である。

 金曜日なので社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。きょうからは、新たにこんどはクイック・ステップへの挑戦が始まった。社交ダンスのレッスン続行は、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)との永遠の約束だけに、生きている限り、守らざるを得ない。このクイック・ステップ。きょうのレッスンでなんとか足の運びはマスターできたような、そんな気がする。それから。先日あった検定試験(メダルテスト)のスタンダード2級(スロー・フォックス・トロット)の成績表を先生から渡された。

 先生から「ごんたさん。よくがんばったね」と渡された成績表
 

(12月5日)
 【「酒造り」無形遺産登録 ユネスコ日本酒や本格焼酎】【仏 内閣不信任案可決 マクロン大統領も窮地】【大統領弾劾案与党反対へ 韓国一時戒厳令 野党、7日採決意向】【企業献金「禁止より公開」 衆院予算委で首相 裏金再調査拒否】とは、本日付中日新聞の1面見出し。アレヤコレヤと、せねばならないことがあり過ぎ、きょうの一匹文士は合間を縫って、これだけ書くのが大変である。でも新聞があるので要点を記録しておける。

(12月4日)
 水曜日である。きょうは月一回診ていただいている定期診療で名古屋・金山のペインクリニックへ。前回して頂いた血液検査の結果につき一覧表で説明して頂いたが、担当医がおっしゃられるには「腎臓も、肝臓も、すい臓も内臓はどこも特に問題ありません」とのこと。きょうは、いつものように血圧測定もしていただいたが正常値で、血圧の薬など常備薬を手に帰宅した。
 ただ、これら検診結果とは別に、このところの激務などでここ数日間は殆ど寝ておらず体力の衰えどころか、のどが痛くて咳が出て、ようやく生きている-といえば言い過ぎか。いずれにせよ、自身の小説執筆も合わせ胸突き8丁の日々をどうにかこなしている、とでもいえようか。それでもこうして原稿を書いているのである。

 帰宅したところで、たった今、手に玄関を開けるのに使ったばかりの鍵が行方不明に。30分ほど探しまわったが、外出時には常時手にしている小銭入れに入っており、ヤレヤレで発見と同時に疲れがドッと私を襲ったのである。やはり、年なのか。

 日本ペンクラブの大先輩で何かとことのほか、よくして頂いた作家小中陽太郎さんが3日、老衰のため亡くなった。90歳だった。小中さんといえば、NHKでバラエティー番組やドラマの制作に携わったばかりか、作家の小田実さんらと「ベトナムに平和を! 市民連合」の活動に参加したことでも知られる。日本ペンクラブの専務理事も務められた。私が地球一周の「ピースボートの船旅」から帰国した際には、有志で帰国を祝う会まで開いて頂き、その懐の深さと広さには今も敬服、感謝している。小中さん。お疲れさまでした。これまで何かとありがとうございました。合掌―

【韓国大統領「戒厳」を解除 宣言から6時間 軍撤収 野党即時退陣求める 弾劾が平和/もう信じられぬ 国会前で市民ら】とは、中日新聞の 4日付夕刊1面見出し。まったくもってこの世の中、何が起きるか知れたものでない。【堀田力さん死去 元検事ロッキード事件捜査】(中日新聞夕刊)の訃報も。

(12月3日)
【ヒズボラ 停戦後初攻撃 イスラエル、直後に反撃】【シリア要衝奪還へ「反攻」 アサド大統領 イランが支援強化】とは、3日付の中日新聞夕刊の見出しだ。それにしても、人間とは何故にこれほどまでに愚か極まる戦争が好きなのか。そこが分からない。

 多治見市文芸祭小説の部に寄せられた力作の数々にあらためて目を通す。近年、時折、散見される独りよがりで何を言わんとしているのか、がさっぱり分からないプロ? という名のまだまだ力のない作家たち(もちろん、全部とは言わないが)。彼らよりも数段上の作品を何編か読むことが出来、つくづく良かったな、とも思う。

(12月2日)
 気象庁が、ことし秋(9~11月)の日本の平均気温が平年より1・97度高かったーと発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年(プラス1・39度)を大きく上回り、3年連続で最も暑い秋となった。過去最高だった夏から暑さが続いた一方、最新の3カ月予報では、冬は全国的にほぼ平年並みの寒さになる見通し。寒暖差が大きく、四季を感じづらい傾向が続いており、気象庁は秋の高温は「異常気象」だとしている。

 ことし話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024年ユーキャン新語・流行語大賞が2日発表され、宮藤官九郎さんが脚本を手がけたドラマ「不適切にもほどがある!」を略した【ふてほど】が年間大賞に選ばれた。トップテンには、ほかに自民党派閥による【裏金問題】や、闇バイトを募集する際の誘い文句【ホワイト案件】などが選ばれた。

(12月1日)
 伊吹山が、この冬初の冠雪をし、流れ星が空をながれたこの日。私は名古屋の平針新公民館へ。愛知県ダンス検定委員会のスタンダード2級のスロー・フォックス・トロットに挑み、なんとか合格証を頂いた。社交ダンスのレッスン続行は亡きわが妻、愛するたつ江(伊神舞子)の私に対する永遠なる遺言でもあっただけに、その言葉を順守、おかげで健康維持にも役立って何とかここまで続けてこられた。幸い、良き先生(若原さん)はじめ、悦ちゃんにヨシコさん、水谷さん、そがべさん、おトキさんら良きダンス仲間の皆さんにも恵まれ、遠い山道を登るようにして、どうやらこうやら、ここまでやってこられた。それだけに、前回のモダン(ワルツ、タンゴ)に続く合格証書は私にとっては久しぶりにとても嬉しく、かつ価値あるものになった。これも若さんはじめ、ダンス仲間の皆さんのおかげがあればこそで、感謝している。

 というわけで、私はこの日、バブル全盛期のころ、新聞社の七尾支局長在任当時に七尾市内の洋服店(七尾青年会議所のメンバーが経営していた)でエイ、ヤアーッと26万円也で購入したブラックカシミアジャケットに、それこそ何十年ぶりかに袖を通した。そして当時、能登半島を米国西海岸のフィッシャーマンズワーフのように育てよう-と<港の町づくり運動>を進めていた七尾青年会議所がつくった、あのマリンシティーのネクタイピンを胸につけ、スロー・ソックス・トロットに挑戦。幸い、名匠の教えにダンス仲間の助けもあって、なんとか辛うじて無事、技術検定試験をパスすることが出来たのである。私は帰宅するや、仏の舞【静汐院美舞立詠大師】に報告したのは言うまでもない。
 
 運よく頂いた合格証
 

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年11月~)

2024年11月30日
 午後3時過ぎ。買い物から帰り、自宅前の車庫にマイカーを入れようとしたところへ。今は亡きシロちゃんに可愛がられていた2代目こすも・ここ(タンゴ)が現れ、車に近づいてきた。危ないので私は2代目に向かって「ここ。車には気をつけるのだよ。怖いよ。シロの二の舞だけは食わないように」と言うと2代目こすも・ここはしばらく立ち止まったまま、私の顔を食い入るように見つめてきた。「お父さんの言ってること。分かる? 車にはくれぐれも気をつけるのだよ」と私はあらためて二代目の目を見つめ、諭すように言ったのである。
 2代目は「わかった」と頷くと、何度も何度も振り返りつつ目の前を立ち去ったのである。

 石破茂首相が29日、衆参両院本会議で所信表明。衆院の少数与党として「他党に丁寧に意見を聞き幅広い合意形成が図られるよう謙虚に取り組む」と表明。年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」を巡っては「2025年度税制改正で議論して引き上げる」と明言。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革に関しても法整備を含め年内に結論を出す考えを示した。

 朝刊によれば、政府の認知症施策の指針となる基本計画が29日まとまった。1月に施行された認知症基本法に基づく初の策定で重点目標として認知症がある人の意思尊重を掲げ、就労を含めた社会参加の機会確保など12項目を推進すると明記したという。石破首相は首相官邸で開いた認知症施策推進本部会合で「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会が必要で、認知症になっても地域社会で安心して生活できる〝新しい認知症観〟の普及を図りたい」と話したという。

 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した元プロボクサー袴田巌さん(88)=浜松市=が29日、東京・後楽園ホールでプロボクシングの試合の一部を観戦。同行した姉ひで子さん(91)は、この日リングに上がって「弟は58年間闘い続けてやっと勝ちました。みなさんの応援のおかげです」と感謝を述べた。人生いろいろである。

(11月29日)
 紅葉の名所、愛知県足助町の香嵐渓で約4000本のモミジが赤や黄色に染まり見ごろに。新聞報道によれば、ことしは例年より2週間遅いというが、好天に恵まれた28日は多くの人々が川沿いを散策したという。囲碁の第50期天元戦5番勝負の第4局が28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後3時31分、黒番の一力遼天元(27)=棋聖、名人、本因坊=が挑戦者の芝野虎丸九段(25)に123手までで中押し勝ち。一力は通算成績3勝1敗で初防衛を果たし、四冠を堅持した。
 【Gグラブ岡林なお向上心 3年連続受賞 プロ野球 「まだまだ思い切ってやる」 三井ゴールデングラブ賞】とは、29日付の中日新聞運動面の見出しだ。中日ドラゴンズの岡林勇希外野手が守備のベストナインに相当する【三井ゴールデングラブ賞】に3年連続3度目の受賞をしたというドラファンにとっては、とても嬉しいニュースである。

 いつもなら毎朝顔を出す半ノラ、二代目こすも・ここがけさは寒くなったためなのか。いつもの場所に顔を出さない。どこか、ほかの家に行っているのだろうが。毎朝、顔を見せてくれて今は亡きシロちゃん、オーロラレインボーとも仲良しで、いや家来のようであっただけに心配である。何もなければ良いのだが。

(11月28日)
 【検事正袴田さんに謝罪 静岡地検「犯人視することない」】【イスラエル・ヒズボラ停戦 レバノン「60日間」米が合意発表】【07年小2刺殺疑い再逮捕 兵庫県警45歳男調べに黙秘】【猪口議員宅で火災 都内マンション 本人無事、1人死亡】(いずれも28日付の中日新聞見出し)……など。この世は、いろいろある。
 中に【★石川県、関連死12人追加】の一段ベタ記事があり、次のような内容だった。
―石川県は27日、能登半島地震による災害関連死の審査を行い、新たに七尾市、珠洲市の計12人を認定すると決定。地震の関連死は新潟、富山両県の計6人を含め247人となり、建物倒壊などによる直接死227人と合わせた死者数は474人に上る見通しとなった。
 
 そして28日付の中日夕刊はといえば、だ。【街一変 思い出壊され 停戦直後のレバノン首都 空爆で避難の住民ら帰還】というものであった。また同日付の日経夕刊は【メキシコ「米雇用40万人減」 トランプ関税に警告】【閣僚候補に「爆弾仕掛けた」 FBIが捜査】と気になる内容である。

2024年11月27日
 朝。新聞を開く。

 能登地方での地震を伝える27日付中日新聞朝刊
 

 やはり最初に目がいくのは、昨夜遅く起きた私が愛してやまない土地、能登半島でまたしても起きた地震のことである。シロちゃんの後継である半野良、2代目こすも・ここちゃん、人呼んでタンゴ(この愛称は、社交ダンスを愛するわたくしがシロちゃん=オーロラ・レインボー=が健在だったころ、レインボーと相談して名付けた経緯がある。2代目は、この呼び名をたいそう気に入ってくれているようだ)は、いつもの場所、居間に面した板敷き縁で朝食をすませるや、早くも現地に急行したようで、今は姿はない。こうした現場100回の姿勢、機敏な行動は、ありし日の先輩猫シロそっくりでもある。「気をつけてね」と私。

 ありし日の愛猫シロちゃん(オーロラ・レインボー)
 

 ほかに印象的なニュースといえば、だ。【世界最高齢男性 英国の112歳死去】【百合子さま「斂葬(れんそう)の儀」 夫三笠宮さまと同じ墓に】【停戦交渉「合意目前」 米高官イスラエルとヒズボラ】(いずれも中日新聞見出しから)といったところか。

(11月26日)
 火曜日。晩秋。寒い朝だ。
 あれやこれやと忙しくて、なかなか本欄「一匹(いっぴき)文士」を書いている時間がない。かといって、書かないでいたら、わが社会を見る目と筆力はその分衰えてしまう。世情を常時、キャッチし続けるわたくしならでは、の文を編むといった日々のちいさな夢さえ途絶えてしまうのである。
 このところは、連日、岐阜県下のある自治体の文芸祭の作品(小説)の審査に追われているのだが。どんなに忙しかろうが、だ。私の場合、ささやかなる小説執筆以外にはせめて本欄・一匹文士だけは、書き続けなければ。その時々の世の中の流れといおうか。人々の心の動きもあわせ、社会の主な動きだけはしっかり押さえておかなければ、と。そうした強い意志の下、私はきょうもこうして書き続け、生きてゆくのである。

 というわけで、本日の主な動きといえばだ。【「中国に10%追加関税」トランプ氏 メキシコ、カナダ25%】【トランプ氏の起訴取り下げ 21年議会襲撃事件】【百合子さま「斂葬の儀」 秋篠宮ご夫妻、首相参列】【アマゾン 独禁法違反疑い 公取委、日本法人立ち入り】(いずれも26日付中日夕刊見出し)……といったところか。
 ほかには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がこの日すなわち26日午前、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンを地上で燃焼させる試験を鹿児島県の種子島宇宙センターで行ったが、異常燃焼が起きて火災が発生。このエンジンは、昨年7月に秋田県の能代ロケット実験場で行った試験でも爆発事故を起こしているーといった不幸なニュースが【ロケット試験再び事故 イプシロンS、異常燃焼 種子島】の見出しつきで報じられた。

――と。ここまで書いたところでグラリと少し揺れたように感じ、傍らのラジオをつけると、まもなく「ただいま午後10時47分ごろ、石川県能登地方で強い地震がありました。輪島市と志賀町で震度は5弱。震源地は石川県西方沖です。志賀原子力発電所は1、2号機ともに運転停止しており、これまでのところ異常はありません、とのことだ。いずれにせよ、災害はいつ何時に天から降ってくるのか。知れたものではない。地震は私たちが住む、ここ尾張でも少し揺れ、瞬間的にヒヤリとしたが、被害はなさそうである。
 
(11月25日)
 月曜日。午後11時前。おかあさん(伊神舞子)に続き、愛猫シロまでがいなくなってしまったわが家はやはり、寂しく、かつ静かだ。こんな時に、私の傍らにいつも居てくれたあの愛猫、超お美人さんだったシロちゃん、オーロラ・レインボーがいてくれたなら、どんなに幸せか-と思う。だが、その彼女は過日、車に跳ねられ死んでしまったのである。わたくしには今もシロちゃんが自ら車に飛び込んだ自殺に思えて仕方ないのである。

 あ~あ、なんたることなのだ。なんたる皮肉なのだ、と。シロは「あたしが家にいると、オトンは、おかあさん(たつ江、舞)が生きていたころのように自由に外に出ることが出来ない。あたいがいない方がオトンはその分、外に取材などで自由奔放に出かけられる。だから、アタイなんて。いない方がよい」
 賢かったシロちゃんのこと。私にはそう思われて仕方がないのである。

(11月24日)
 大相撲九州場所は千秋楽結びの一番で21年ぶりの大関相星決戦となり、共に13勝1敗同士で大関琴桜と大関豊昇龍が対戦、琴桜がはたき込みで豊昇龍に勝ち、14勝1敗で初優勝。

 注目の名古屋市長選は24日投開票され、無所属新人で前副市長の広沢一郎氏(60)=日本保守党、地域政党「減税日本」推薦=が、前参院議員の大塚耕平氏(65)=自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党推薦=ら無所属新人の6氏を破って初当選。広沢氏は選挙戦で市民税減税と市長給与削減、名古屋城天守閣の木造復元化という前任の河村氏の看板政策を「丸ごと引き継ぐ」と訴えたほか、河村氏とともに街頭活動を精力的に行い、交流サイト(SNS)の発信にも力を入れていた。

 夜。NHK総合でNHKスペシャル【雪冤(せつえん)の歳月▽袴田事件・10年の記録 知られざる姉弟の闘い 獄中記した生への叫び 無罪信じ弟を支えた姉】を見る。「おまえは罪のない身でありながらいつになったら自由を取り返せるのか」と嘆く姉のことばが私の胸にズシリと突き刺さった。

(11月23日)
 石川県が22日、能登半島地震の影響で心身に負荷がかかり亡くなった災害関連死の認定が建物倒壊などによる直接死を上回った、と発表。関連死は新潟、富山両県で認定された6人を含めて計235人となり、2016年熊本地震による熊本、大分両県での認定数222人を超え、これで直接死と合わせた能登半島地震の死者は計462人となった。また、石川県内ではこれら地震に加え、9月に記録的豪雨被害を受け、11月19日時点でなお474人が避難生活を余儀なくされているという。

 厚生労働省は22日、全国約5000の定点医療機関から11~17日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が9406人で1機関当たり1・90人だったと発表。前週比1・29倍で約3カ月ぶりに増加に転じたという。
 警視庁浅草署捜査本部は22日、東京都台東区の夫婦が不凍液に含まれる有害物質を摂取させ次女と夫の父親や姉を殺害した疑いで逮捕された事件で、2018年に死亡した母親にも有害物質を摂取させて殺害したとして、殺人容疑で、いずれも元会社役員の細谷健一容疑者(43)と妻の志保容疑者(38)を再逮捕。

(11月22日)
 夕刊(中日)は。【大谷3度目満票MVP 両リーグ達成58年ぶり指名打者専任で初 守備に就かないマイナス「走攻」で大幅カバー】と【ロシア「最新中距離弾」 長射程攻撃に報復措置】【コメ58・9%上昇過去最大 10月消費者物価 流通量減など影響】(いずれも見出し)といったところ。なかでも米大リーグで史上初めて「50本塁打、50盗塁」を達成したドジャースの大谷翔平(30)が21日、ナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれたニュースは、エンゼルス時代のアメリカン・リーグで獲得した2021、23年に続き、投票者全員から1位票を獲得する満票での受賞。3度目の選出は歴代2位に並ぶもので称賛に値する快挙だといってよい。たいした男である。

 きょうは午前中に近くの歯医者さんへ。月に一度の歯のメインテナンス治療のためである。時々チクチク痛むところ、以前に抜歯していただいた上奥歯の痕を診ていただいたが、特に異常はなく心配ない-とのことなので、ホッとした。と同時に現在、辛うじて残る歯は、これから大切にして長持ちさせなければ、とけなげにも、そのように思った次第である。

(11月21日)
 NHKの名物解説で知られた、あの大相撲の第52代横綱北の富士の北の富士勝昭(きたのふじ・かつあき、本名竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)さんが、12日午前、入院先の都内の病院で死去。82歳だった。北海道旭川市出身。葬儀・告別式は故人の遺志により、20日に近親者のみで行われたが、12月18日に八角部屋でお別れの会が開かれるという。そして訃報は、今ひとつ。あの自転車を漕いでのNHK・BSの旅番組【にっぽん縦断 こころ旅】などで人気を博した俳優の火野正平(ひの・しょうへい、本名二瓶康一=にへい・こういち)さんが、14日、自宅で死去。75歳だった。

 世の中。大切な人が相次いで亡くなっていく。そうした運命のようなものには、決まって非情な何かを感じるのである。きょうは大きな被害をもたらした9月のあの能登半島豪雨の発生から、まる2カ月。そしてわが家では家族にとってかけがえのない愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて命を落として丸1カ月の、その日でもある。一体全体、誰があのかわいいシロちゃんをひき殺してしまい、知らぬ存ぜぬでいるのか。私はその非情を決して許さないし、忘れもしない。せめて謝りにでもこれないか-と思うと怒りがあらためてメラメラと立ち上ってくるのである。
 それにしても、シロを引いておきながら知らんぷり、を装っているだなんて。私は決して許さない。永遠にだ。でも、謝りに顔を出してくれたのなら、許さなければ、と。そのように思っている。

(11月20日)
 水曜日。
 本日付の中日新聞夕刊文化・芸能面の【大波小波】に<戦争と悪>のタイトルで私も知る五十嵐勉さんの『亜細亜二千年紀(ミレニアム)第一部「亜熱帯への召喚」』(アジア文化社)が3巻本として刊行された話題が掲載されていた。「400字詰め原稿用紙1800枚の大作だ。テーマは戦争と人間で、追い詰められた人間の悲哀、狂気、残酷や非道を描く。太平洋戦争時、敗走を続けるフィリピンで日本兵が体験した悪。さらに1970年代のベトナム戦争、カンボジア内戦、ポルポト派のクメールルージュに参加し大量虐殺に加わった若者の悲劇。戦後生まれの主人公が父の過酷な体験を知り、知人となった元ポルポト派兵士の話を聞く筋書きだ。極限状況下の飢餓で人肉食は許されるか。ひとりを殺しても何千人を殺戮しても悪は等価か。人は人を裁けるか。人間の倫理やヒューマニズムは死の淵で通じるかなど、重い主題が展開される。小生らはこの善と悪の深い問いに答えられるのか。……」とあったが、その通りである。まったく同感で、良い評論であった。

 思えば、1カ月前のきょう(10月20日)、わが愛する猫のシロちゃん、オーロラレインボーは、まだ私の傍で元気で生きていた。そして。その夜。能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」のユーチューブ化を、わがことのように喜び私の部屋に入り、ニャア~ン、ニャア~ンと共に喜んでくれていたのである。それが、何がどう間違ったのか。いや狂ってしまったのか。わが愛するシロちゃん(オーロラレインボー)は、その日すなわち10月21日の朝、おかあさんの遺影にウ~ン、ウ~ンと言って近づいたあと、いつもより少し遅れて外に出てまもなく、何の因果なのか。何者かが運転する車に引かれ一命を落としたのである。
 そして。その後、ひき逃げ犯は出てこないままだ。引いた自覚があるなら、謝ってくれて当然のはずなのにだ。シロの魂はどうなるというのだ。私は、シロをひき殺したまま逃亡同然に姿を消したひき逃げ犯を決して許しはしない。せめて名乗り出て謝ってほしく思っている。

(11月19日)
 中部地方はこの日、冬型の気圧配置(西高東低)になった影響で名古屋市で7・1度となるなど中部6県の31地点で今季の最低気温を記録。私は40数年前、小牧在任当時に妻たつ江(俳人で歌人だった伊神舞子)に買ってもらったあったかそうな赤いガウンを今シーズン初めて羽織ったのである。

 本日付の中日夕刊によれば、米国野球殿堂が18日、2025年の殿堂入り候補者28人を発表。マリナーズなどでメジャー通算3089安打をマークしたイチローさん(51)=本名は鈴木一朗=ら14人が新たに加わったという。2019年に引退したイチローさんは日本人初の選出が確実視されており、史上2人目となる満票で選出されるかが注目される。

 戦後日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが13日午後10時5分、老衰のため東京・杉並区の病院で死去。92歳だった。葬儀は近親者で行った。父は哲学者の谷川徹三さん。俊太郎さんは10代で詩作を始め、1952年、20歳の時に第1詩集「二十億光年の孤独」でみずみずしい言語感覚を持つ戦後詩の新人とし注目された。

 火曜日。ロシアのウクライナへの侵攻開始からきょう(19日)で1000日。バイデン米大統領がウクライナに対し、米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を容認したという。ドイツ政府副報道官が18日、米政府から容認について事前に伝えられていたと明らかにした。春と秋に花を咲かせる「四季桜」が愛知県豊田市小原地区で見ごろを迎えているという。
 岐阜県本巣市の採卵用の養鶏場で毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザの感染が疑われる事例が発生した問題で同県は19日、遺伝子検査で感染を確認した、と発表。10月以降の感染確認は全国9例目で東海地方では初。県は養鶏場が飼育する約1万5千羽の殺処分に着手。このところ無差別に市民を狙ったとみられる殺傷事件が相次いでいる中国の湖南省常徳の小学校前で19日、多数の児童が車にはねられ、負傷するという事件がまたしても発生。
 岐阜県池田町の発注工事を巡り、入札で業者に便宜を図る見返りに100万円を受け取ったとして加重収賄と官製談合防止法違反などの罪に問われた前町長、岡崎和夫被告(76)の判決公判が19日に岐阜地裁であり、平手一男裁判長は懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金100万円を言い渡した。

(11月18日)
 知事失職に伴う兵庫県知事選が17日投開票され、無所属の前職斎藤元彦氏(47)が元尼崎市長の稲村和美氏(52)、日本維新の会を離党した前参院議員清水貴之氏(50)ら無所属の6新人を破り再選を果たした。選挙戦ではパワハラなどの疑惑告発文書で失職した斎藤氏への評価や県政の立て直しなどが問われた。この日は愛知県稲沢市長選の投開票もあり、無所属現職の加藤錠司郎氏(69)が無所属新人で市民団体代表永田千佳さん(37)を破り、3選を果たした。

 米主要メディアによれば、17日、バイデン米大統領がウクライナに米国製の長射程兵器を使ったロシア領への攻撃を容認したという。ウクライナが一部制圧したロシア西部クルス州の戦線には北朝鮮兵が投入されており、バイデン氏は危機感を強め、政策を大きく転換。ウクライナ支援に消極的なトランプ次期大統領の就任が迫っていることも背景にある。ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の声明で使用する意思を表明したという。

(11月17日)
 日曜日。わが家の息子が今は半分、野良猫とはいえ、亡きシロちゃん(オーロラレインボー)同様、舞にもとても大切にされた2代目こすも・ここがわが家に近づいたら、その映像を映して知らせてくれる感知映像器を戸外一角にセット。システムエンジニアならでは、の機転の対応には、さすがは息子だ、と感激した。舞が健在だったころには考えもつかなかった半野良、2代目こすも・ここ(本名はタンゴ)見参の有無の感知が室内に居ながらにして可能になったのである。舞が生きていたなら「へえ~ぇ。すごいね。すごいよ」と喜ぶに違いない。

 きょうは、午後、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間でもある牧すすむさん(琴伝流大正琴幻洲会の大師範・倉知弦洲さん)から朗報が舞い込んだ。というのは、先日15日に日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで~あの日 あの時 あの歌が~をメインテーマにあった琴伝流大正琴弦洲会第四十回記念中央大会の席上、日本大正琴協会のトップから【琴伝流永世大師範第1号】の称号が牧さんに与えられた、というのである。
 琴伝流大正琴といえば、あまたとある大正琴の流派のなかでも日本最大の人員を誇る流派だけに、友人としてもこれほど誇らしく、かつ嬉しいことはない。なんでも近く刈谷市文化協会からも刈谷市文化賞が贈られる、とのこと。名古屋で生まれ、名古屋で育った大正琴。その先頭になり続けての牧さんの努力は、まさに称賛に値するといってよい。おめでとう。牧さん。そして、かよ夫人。
 そういえば、だ。私が新聞社のデスク長で当時、名市大でメディアリテラシーなどにつき講義を頼まれていたころ、一度だけ友人である牧さん(倉知弦洲さん)に名古屋で生まれ、育った大正琴を講義室で学生を前に演奏して頂いたことがある。あの時の学生たちの喜びようと真剣なまなざしは、今もしっかり頭に焼き付いている。

(11月16日)
 土曜日。石破茂首相が15日午後(日本時間16日午前)、訪問先の南米ペルーの首都リマで、中国の習近平国家主席と初会談。東電福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止していた日本産水産物の輸入を再開するとの合意を着実に履行すると申し合わせたという。また日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係を構築する方向性を確認。石破首相は、さらにこのところの中国の軍事活動活発化に関連し「極めて憂慮している」とも述べた。日本の首相と習氏の会談は、昨年11月に岸田文雄前首相が行って以来、約1年ぶり。今回の会談は約35分間だった。
 
 朝刊(中日)は、【強制不妊 全訴訟が集結 名古屋の原告 和解成立】【大谷「打」の栄冠総なめ アーロン・最優秀DH(指名打者)・オールMLB(4年連続)】がそれぞれ、明るい話題として紙面を飾った。また【野球の国際大会「プレミア12」の日本代表が15日、台北ドームで行われた1次リーグB組で韓国を6―3で下し、開幕2連勝を飾った】とのうれしいニュースも見られた。

 夜遅く。半野良さんの2代目こすも・ここが、わが家窓下の隠れ家に帰宅。どうやら、私がおいておいた夕食も食べたようだ。わが家のお兄ちゃんが、2代目のことを心配し、セットしたカメラにその勇姿を現したためでドアの引き戸を開くと、案の定、食事を食べ終えた直後のようだった。亡きシロちゃん、2代目こすも・ここの健在には喜んでいるに違いない。

(11月15日)
 宮内庁の発表によれば、上皇さまの叔母に当たる三笠宮妃百合子さまが15日午前6時32分、老衰のため入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で亡くなられた。現在の皇室最高齢で、101歳だった。太平洋戦争開戦直前に結婚して皇室入り、夫の三笠宮さまが2016年に100歳で亡くなるまで75年間連れ添った。社会福祉法人「母子愛育会」の総裁を長年務められ、出産や育児に携わる人たちの支援に尽くされた。宮内庁によれば、百合子さまの逝去で皇室の構成は16人となった。百合子さまは脳梗塞と誤嚥性肺炎で3月3日に入院、治療を続けておられたが、その後、今月7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能が低下していることが分かったという。
 百合子さまは1923年6月4日、高木正得(まさなり)子爵の次女として生まれた。女子学習院本科を卒業し、41年10月に昭和天皇の末弟三笠宮と結婚。5人の子に恵まれた。公務では、戦後間もない1948年から60年にわたって母子愛育会の総裁を務めたほか、日本赤十字社の名誉副総裁も務められた。

 きょうは私たちウエブ文学同人誌「熱砂」同人でもある牧さん(詩人で琴伝流大正琴弦洲会の会主・大師範)率いる大正琴弦洲会の【第四十回記念中央大会~あの日 あの時 あの歌が~】が名古屋市の日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(旧名古屋市民会館)で開かれ、さぞかし多くの観客に喜ばれたに違いない。あいにく、わたくしは岐阜県下のある自治体の文芸祭に寄せられた作品(小説)審査や社交ダンスの検定前のレッスンなどにも追われ、行くことは出来なかったが「熱砂」からは編集委員の黒宮涼さんが観客として観覧して下さって、「よかったな」と思っている。
 私の妹(税理士)が午前中、ひょっこりわが家へ。「あす、滝のクラス会があるので」と「能登の明かり」のCDを4枚お買い上げいただいた。1枚500円なので、これにより能登への義援金2000円がまた加算された。妹よ、ありがとうーとは、このことか。

 社交ダンスの方は、作品審査や各新聞のチェックの合間を縫っての、とてもハードなものとはなったが、タンゴ、ワルツのあと、今回の検定種目であるソロの順にレッスンに挑んだ。それでもステップを繰り返し踏むうち、なんとかいけそうな気がしてきたから不思議なものである。社交ダンスのレッスン続行は亡き妻伊神舞子の遺言ともいえる至上命令だけに、生きている限り、これを止めるわけにはいかないのである。

(11月14日)
 木曜日。久しぶりに布袋のピアゴ内にある美容室へ。いつもの女性に「床屋さんに行ってきましたーとならないように。自然に流して」と要望を言い、両耳にまでかぶさっている髪の毛をカットして頂いた。

 夕刊(中日)は「国内で稼働する中で最も古い関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)が、14日で営業運転開始から50年となったことを伝えるニュースが【高浜原発が運転50年 老朽化や燃料搬出課題山積】の見出しで報じられていた。また同じ1面では【トランプ政権監視弱まる恐れ 米共和下院も多数派「トリプルレッド」達成】【バイデン氏と会談「今日はいい日だ」和解演出】の見出しも。こんな中、日本経済新聞夕刊は【福島第1デブリ写真公開 輸送容器から取り出し分析】の見出しで、記事には「日本原子力研究開発機構は13日、東京電力福島第1原発2号機で試験的に取り出した溶解核燃料(デブリ)を茨城県大洗町の研究所で輸送容器から取り出したと発表し、作業の写真を公開した。機構は14日からデブリの詳しい分析を始める予定」とあった。

(11月13日)
 ピースボートの仲間、大の友人が大阪から車を運転してわざわざおいでになったので江南市内で一緒に食事。彼女と久しぶりに談笑した。私が最近、愛猫シロ(オーロラレインボー)を交通事故で失ってしまったので「すごく心配していたよ」とのありがたい心遣いには、またまたシロちゃんのことを思い出して涙してしまい、どう言ってよいものか。その人ならでは、の限りなくやさしい心遣いに私は、またしてもシロを思い出してしまい涙、涙の再会となったのである。でも、わざわざ心配してきてくださって本当にありがとう。嬉しく思っている。

 この日は、友人がわざわざ遠いところを訪ねてくださったこともあり、久しぶりにランチをスイトピアセンターでと思い出かけたが、あいにくの休館ということで、仕方なく街中に出て、食べた。せっかく来てくださったのに、と思うとナンダカ申し訳ない気持ちでいっぱいに。結局、食事のあとは、かつて亡き妻たつ江とも、たまに訪れた【ウィーンクラブ】へ。ここで共に近況を語り合って別れた。いずれにせよ、元気そうな表情を目の前に、こちらまでが勇気を与えられた、そんな気がしたのである。

(11月12日)
 あさ。8時ごろ。わが家の先代の飼い猫こすも・ここの〝そっくりさん〟だと言っていい2代目のここ(愛称はタンゴちゃん)が遠慮しながら室内に。今は亡きシロちゃん(オーロラ・レインボー)が食べていた膳で朝食をたべた。

 私はいつものように、エーデルワイス、みかんの花咲く丘、能登の明かりの順でスマホのユーチューブを聞く。以前なら、いつもシロと一緒に聴いていた、その歌をである。

(11月11日)
 第2次石破内閣が11日夜、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て発足。発足に先立ち第215特別国会が召集され、石破茂首相(67)=自民党総裁=が衆院本会議での首相指名選挙の決選投票で立憲民主党の野田佳彦代表(67)を破り、第103代首相に選出された。衆院での首相指名選挙の決選投票は1994年いらい、30年ぶりである。

 衆院選で当選した河村たかし前名古屋市長の自動失職に伴う同市長選が10日、告示され、無所属新人の7人が立候補。10日は愛知県豊橋市長選の投開票もあり、元市議で無所属新人の長坂尚登氏(41)が現職ら3人を破って初当選した。長坂氏は市が豊橋公園内に2027年度の完成を目指す多目的屋内施設(新アリーナ)計画に反対し、公約に計画の中止とすでに締結済みの整備運営契約の解除を掲げてきた。投票率は前回比0・29㌽増の43・43%だった。

(11月10日)
 ズワイガニ漁が解禁され、石川県輪島市の輪島港が能登半島地震からほぼ10カ月ぶりに漁港として本格的に復活した-とは中日新聞の本日10日付朝刊。【ズワイガニ漁解禁 港が復活 それでも輪島で海に出る 地震、豪雨 長男に励まされ】の見出しも前向きで、能登の人たちの復興にかける強い意志がビンビン伝わってくる。そんな内容の記事だった。

 ほかにはフィギュアスケートNHK杯グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の報道で【大人な鍵山熱く連覇】【冒頭転倒 光る修正力】【坂本貫禄V ファイナル切符 全力全開攻めて今季世界最高点】といったところか。

 夜。私が原稿を書き進める間、いつも私の傍らに座り、執筆中の私を黙って応援してくれていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)のことが思い出される。シロには今は亡き妻たつ江(俳人で詩人、歌人だった伊神舞子)ともども本当にお世話になった。たつ江はいつだってシロのことを俳句猫だ、と敬意を表していた。その彼女たちは、もはやふたりともこの場にはいない。そんなことを思ううち私の口からは「シロよ、シロ、シロ、シロ。ごめんね。シロちゃん」の声があふれ出し、思わず、あのシロの顔が眼前に思い出されるのである。取り返しがつかない、とはこのこと。あの日のシロの悲しい死を思い出すのである。
 と同時に今となっては、だ。シロが生きていたころと何ら変わることなく、毎朝、わが家に顔を出してくれる半野良、すなわち2代目こすも・ここちゃん(愛称はタンゴ)のことが無性に思い出されるのである。2代目こすも・ここよ。タンゴちゃん、おまえを最後の最期まで大切にしてくれたシロの分まで長生きするんだよ、と。

(11月9日)
 半のら、タンゴ(2代目こすも・ここ)がとうとう、今は亡き愛猫シロ(オーロラレインボー)がいつも食べていたわが家の台所、シロちゃんが食事をしていたところまでツカツカッと入って来て食事をしてくれ、なんだか嬉しさで飛び上がりたい、気持ちにかられた。タンゴは食べ終えると遠慮がちに外に出て行き、こんどは残りの分をシロちゃんがいたころから、これまでいつもずっと食べている台所居間横の縁側指定席で食べたのである。
 そして。食事を終え、外に出るときの半のら、2代目こすも・ここは「おねん(お姉さんだった今は亡きシロちゃん=オーロラレインボー=)は、こうして家の中から外の景色を見ていたのだ」と感無量の表情で10秒ほど室内から外の景色を眺め、外に出て行ったのである。私は、その2代目の表情を目の前に、わが胸を押しつぶされるような無念と悲しさ、と同時に嬉しさを感じたのである。
 2代目こすも・ここよ! 本当にありがとう。シロちゃんは、そんな2代目の姿に感無量になったに違いない。オトンも2代目のその姿には、迸しり出る涙を抑えようがなかったのである。2代目こすも、こすも・ここよ。本当にありがとう。シロも喜んでいるに違いない。

 私は、こんな遠慮がちなタンゴを目の前に仮猫(かのねこ)と私の心が通じ合っていることを確信した。これからは、あわてないで。ゆっくりと。シロの後継ぎと思い、タンゴとの触れあいを深めていこう、と。そう思っている。タンゴはいつも外歩きなので、ひとつ間違えば車に跳ねられることも十分ありうるので「気をつけるんだよ」と頭をさすってやる。

(11月8日)
 金曜日。シロに先立たれた悲しさは日に日に深く、どうしようもない愛の結晶となり、私の周りにまとわりついている。でも、毎日、慰めにわが家を訪れる半野良、2代目こすも・ここのためにも「きょうも生きていかなければ」と思い、生きている。

 というわけで、午後、きょうも自らを鼓舞し、一宮のスポーツ文化センターへ。社交ダンスのレッスンのためで、タンゴにワルツ、ソロと踊って帰宅した。ソロは来月1日の資格審査会があるというので自らを鼓舞してのレッスンとあいなった。

(11月7日)
 甲府地方気象台が7日、富士山(3776㍍)が初冠雪したーと発表。1894年に観測を始めてから130年で最も遅いが、例年に比べ気温の高い日が続いたのが要因とみられるという。6日朝には山頂の積雪が静岡県側や麓の山梨県富士吉田市から確認できたが目視観測を担う甲府地方気象台からは曇りで見えず、発表がなかった。

 米大統領選は5日投開票され、主要メディアは共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)を破り、勝利を確実にしたと報じた。共和党は4年ぶりに政権を奪還。返り咲きを果たした大統領は、19世紀に第22、24代を務めた民主党のグロバー・クリーブランド以来、2人目となる。―とは、けさの中日新聞朝刊1面報道。見出しは【米大統領 トランプ氏 4年ぶり返り咲き ハリス氏敗北宣言へ】というものである。

 世界が注視した米大統領選はトランプ氏が4年ぶりに返り咲いたのである。ということで日本の石破茂首相は7日、さっそくトランプ米次期大統領と電話会談し、大統領選での勝利に直接祝意を伝えたという。両氏は日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致。早期に対面での会談を調整する方針を確認したという。
 一方、米大統領選で共和党のトランプ前大統領(78)に敗れた民主党のハリス副大統領(60)は6日、首都ワシントンで演説。「この選挙結果を受け入れなければならない。トランプ氏とそのチームを支援し、平和的な政権移行に取り組む」と敗北を宣言。ハリス氏は演説に先立ち、トランプに電話で祝意を伝えたという。

(11月6日)
 【米大統領選投票始まる 「ひどい4年」批判締め 勝敗数日後か 「準備できた」未来協調】【立民・国民 政治改革で協力 党首会談「年収の壁」も連携】【日本の酒造り無形遺産へ 来月決定ユネスコ機関が勧告】……(中日1面見出し)と相変わらず、世界でも日本でもニュースは続く。軟派(社会面)には【酒造り 醸した魅力 無形文化遺産、中部で喜び 「次代へ」「世界へ」期待 能登の酒蔵「応援もらった」】(中日)といった嬉しい話も。
 人々はこうしたニュースの波に翻弄されながら生きていく。のである。

 中に【楳図=うめず=かずおさん死去 83歳「まことちゃん」「漂流教室」】の見出しも。記事には「恐怖をテーマにした作品で知られ、タレントとしても活動した漫画家の楳図かずお(うめず・かずお、本名=楳図一雄)さんが10月28日、死去した。88歳。和歌山県生まれ。葬儀は関係者のみで執り行った。胃がんを患い、施設で療養中だったという。】とあった。この世の中、毎日毎日多くのニュースが現れては消えていく。

(11月5日)
 津波防災の日。
 朝。いつものように朝刊各紙をチェックしたあと、【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登のあかり】の順でスマホのユーチューブで聞く。シロちゃんが生きていたころには、朝食を終えたシロも私の隣の座椅子に座って静かに一緒に聴いていた。歌を聞き終えるとシロは散歩に出るのが日課で、そうした朝が私と彼女ふたりの<生活パターン>でもあった。

 でも今や、わが最愛のシロは、たつ江のあとを追うように旅立ってしまったのである。
 私は、こうしていながらも今、つくづく思う。
 あの日。シロが散歩に出かける時間が1分、いや、たとえ10秒でも遅かったのなら。おそらく。シロ、シロちゃんは助かっていたはずだ。そう思うと、全ての責任は私にあり、私の目からは、またしても滂沱の涙がとめどなく、落ちるのであった。

2024年11月4日
 中日新聞社顧問で名誉会長でもあった中日ドラゴンズ元オーナー、白井文吾さんが10月29日、老衰のため死去。96歳だった。愛知県田原町(現田原市)出身。葬儀(喪主は長男伸明さん)は近親者で執り行ったという(12月10日に名古屋市内でお別れの会が開かれる予定だという)。10月29日といえば、だ。わが家の愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて死んでしまった10月21日から1週間後である。何ということか。シロが事前に自ら命を絶った、と。そんな気がしてならない。

 白井さんには昭和の時代に社会部着任以降、本当によくして頂いた。私が長期に及んだ岐阜県庁汚職事件の取材を終え、社会部に着任したその日。当時社会部長だった白井さんは私を前に、居並ぶ社会部員を前におっしゃられた言葉を私は今も忘れない。彼はこう、おっしゃったのである。
「泣く子も黙る最年少のいがみ記者が、岐阜からわが社会部に来てくれた」と、だ。
 そして。白井さんにはその後、も何かとお世話になったのである。能登・七尾では私たち家族が住む支局長住宅の屋根が台風でそっくりそのままはがされて飛んでしまった時。当時、北陸本社代表だった白井さんは、わざわざ七尾まで来て下さり「君イ、こんなところで家族みんなで住んでいるのか。大変だったな」と言ってくださるが早いか、あっという間に業者を呼んで住宅全体を改修してくださった。あの時の手際の速さ、嬉しさといったら、今も忘れない。
 そして。いつだってトップでありながら、地方を大切にされるお手本的存在でもあった。能登同人一丸となって執筆した「能登人間ものがたり」の出版に当たっても理解が深く、そのこともあって地方発の能登同人による【能登人間ものがたり】(企画・編集 北陸中日新聞七尾支局 印刷オフィス4510)が誕生した、あの時の喜びも忘れられないのである。
 そして定年と同時にドラゴンズ公式ファンクラブにきてくれないか-と言われ、中日スポーツに同僚とファンクラブ通信のコーナーを開設。おかげで落合博満監督率いるドラゴンズ黄金時代を味あわせて頂くーなど今から思えば感謝のしようもない。ありがとうございました。 

 さて、そのプロ野球だが、プロ野球の日本シリーズが3日、横浜スタジアムで第6戦が行われ、セ・リーグ3位からCSを突破したDeNAが、パ・リーグ王者のソフトバンクを11-2で下し、4勝2敗で26年ぶり3度目の日本一に輝いた。

 東北電力が3日、再稼働した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を停止すると発表。原子炉の状態を確かめる計測関連機器を送り込む途中にトラブルが発生、再開を延期した。原子炉に核分裂反応を抑える制御棒を挿入し、冷温停止させ、機器を点検する。原子炉に異常はなく、外部への放射性物質の漏えいはない、としている。
 10月29日の再稼働からわずか6日目での原子炉停止決定となり、今後管理体制が問われそうだ。東北電の担当者は「現時点では原因がわからない。あらゆる点検をするために原子炉を停止すべきだと判断した」と説明している。

(11月3日)
 日曜日である。ニャンニャンちゃん、2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)は今朝もあのどこか心配そうな顔でわが家1階縁台から私を元気でいるかどうかを心配し、覗き込む。私は「おはよう、タンゴ(タンゴとは。2代目こすも・ここの愛称)、元気でいるか。さあ、ごはんだよ」と声をかけ、いつもの場所に置かれた食器にシロちゃんも大好きだった猫の餌、コンボを入れてやる。すると2代目はニャア~ンと感謝の声を出し、餌に寄って食べるのである。それから。わたくしは、「食べてくれて本当にありがとう」。そのようにタンゴちゃんに向かって礼を述べるのだ。
 
 しばらくして窓を開けてシロちゃん、すなわちオーロラレインボーをはじめ先代猫ちゃんたちが眠る裏庭の墓をのぞくとナント、2代目こすも・ここは、そこに立ったままじっとし私に気付き、仰ぎ見るではないか。そんな2代目こすも・ここ、タンゴにせかされるが如く、私は裏庭猫の先代墓のお水をひとつ一つ替えてやるのである。2代目こすも・ここ、すなわちタンゴよ、タンゴ本当にありがとう。わたくしの目からは、またしても涙があふれ出たのである。

 夜。NHKスペシャル【混迷の世紀「最終回」激戦トランプ対ハリス超大国の分断どこまで 欧州で高まる米国不信】を見る。アレヤコレヤと考えさせられた。

(11月2日)
 気がつけば秋である。新聞には【黄金色の秋見つけた 香嵐渓ライトアップ】なる見出しが躍っている。とはいえ、きょうは雨、雨、雨の1日で、買い物の行き帰りには一部衣服がずぶ濡れになり、ピアゴの出入りを帽子をかぶったまま店と駐車場間を徒競走でもするように走って往復したりもした。

 あすの文化の日に先立ち政府は2024年秋の褒章受章者を2日付で発表。受章者は786人(うち女性157人)と26団体で3日に発令される。というわけで、新聞紙面には【タイトル31期活躍続く 渡辺明さん(40)将棋棋士】【パリ団体金 大逆転呼ぶ 杉野正尭さん(26)体操選手】【レカネマブ開発に尽力 岩坪威さん(64)東大教授】といった見出しが躍っている。

 きょうは雨、雨、雨で「会えないかな」と思っていた2代目こすも・ここちゃんだが午後4時過ぎ、いつもの居間隣の縁台に突然、ニャア~ンと顔を出して現れてくれた。私はさっそく「雨、大丈夫か」と声をかけ、シロがいつも食べていた猫の図柄入り食台にごはんを乗せ、与えた。雨の日でもあり心配していたが、おいしそうに食べてくれ、やれやれでホッとしたのである。
 気がつくとごはんを食べ終えた2代目のこすも・ここは裏庭のシロちゃんのお墓の前で何やら感慨深げに座っているではないか。私は、ここに向かって「毎日、ありがとう。シロちゃん、きっと喜んでいるよーと言うと、涙がこぼれ落ちそうになったのである。「ここ2世、タンゴ(愛称)よタンゴ。ありがとうね。事故に遭わないように。気をつけてよね」と私。

(2024年11月1日)
 日経の本日付の夕刊に【能登地震関連死218人に 4市町の19人 新たに認定】【兼六園冬の備え 雪づり始まる】【海女の絆 能登を支援 福岡・宗像と輪島・海士 450年前から縁 「長い付き合い」寄付届ける】の見出し。

 なかでも<海女の絆 能登支援>の話には、わが目からポタリポタリと涙があふれ出たのである。海女さんといえば、私は真珠と海女さんのふるさとである三重県の志摩半島で今は亡き妻たつ江(伊神舞子)と共に3年8カ月にわたって地方記者生活をし在任中には連載【海女その世界】を伊勢志摩版に書き続けたことがある。だから、海女の絆という見出しに何はさておき、目を奪われた。思えば、わたくしも歳を重ねたものだ。私の連載執筆は今から50年前の話である。ふと気づくと、わたくしは今や78歳。信じられない風雪流れ旅記者のひとコマである、とでもいえようか。
 というわけで、海女さんの話題には何よりも目が奪われたのである。確か、志摩の海女さんは、かつては手漕ぎ舟で済州島にまで漁にでかけていったことが魏志倭人伝に書かれていた。そんなことを思い出したのである。 

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年10月~)

2024年10月31日
 けさはこの秋初めて少し「寒いな」と感じた。
 季節はうそをつかない。とても正直者である。

 朝のハプニング。シロと毎日コンビを組み、時にはケンカもしながら楽しく充実した日々を過ごしていた2代目こすも・ここが朝の食事時に<つぅつっ、つうー>と今は亡きシロ、シロちゃんの部屋に入ってきてくれたのである。
 ただそれだけのことが、私には嬉しくてたまらなかった。のである。そして、もうひとつ。シロのおかあさんでもあった、たつ江、すなわち生前の伊神舞子がとてもよくして頂いた荒木さんにゴミ捨て場でバッタリお会いし、きのう妹がくれたみかんをお渡しすることが出来たことである。こうしたちょっとしたことが人生の励みといおうか。元気のもととなり、楽しいのである。

 夜。米ニューヨーク州ヤンキースタジアムで行われた大リーグ、ワールドシリーズ第5戦でドジャースがヤンキースを7―6で破り、大谷翔平&山本由伸のドジャースが悲願の世界一を成し遂げた。これには、さすがに大谷選手の出身地である宮城県奥州市など日本中が歓喜の渦に包まれた。

(10月30日)
 【女川原発2号機再稼働 被災地初 福島第1と同型 避難計画実効性に懸念 半島、離島に2000人超】【内閣支持18㌽減32% 自公政権継続「望まず」53% 全国世論調査】【国民「部分連合」前向き 政策ごと連携 連立参画は否定】とは、きょうの中日新聞朝刊の1面見出しである。事実を踏まえつつ、どの見出しもポイントをつかんでいるな、と思う。

 そして。夕刊は。同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして同性カップルら7人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた東京第一次訴訟の控訴審判決で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は30日、規定を「違憲」と判断。「合理的な根拠に基づかず、性的指向により法的な差別的取り扱いをしている」として法の下の平等を定めた憲法14条1項と「個人の尊厳と両性の本質的平等」を掲げた24条2項に違反すると指摘した。

(10月29日)
 妹、和代が「うちの畑でとれたから」と蜜柑を手に、たつ江とシロのお参りに来てくれた。彼女は、私が妹を自慢するのもおかしい、へんではあるが。やはり、舞、シロちゃん、そして大御所のおふくろさんと一緒でいつまでも、とても美しくてかわいく、うれしく思った。

(10月28日)
 夕刊見出しは、きのう行われた衆議院選の総決算で【政権維持へ方策検討 首相、衆院選大敗受け 国会来月7日召集再考】【自民65減 立民50増 全議席確定 投票率53・84%】(中日)、【自民大敗191、立民148 衆院の新勢力215与党 野党235 自公過半数割れ15年ぶり 首相、連立拡大探る】【小泉選対委員長が辞意 自公過半数割れ「私の責任」】(日経)というものだった。要するに自民は、大敗したのである。

 中日新聞の28日付の夕刊1面総合リードは以下のようなものだった。
 衆院選で自民、公明両党が派閥裏金事件の非公認3人を含めても定数465の過半数を割り込み大敗したことを受け、自民は28日、政権維持の方策検討を本格化させた。石破茂首相(自民党総裁)は午前、、臨時役員会を党本部で開催した。特別国会の首相指名選挙で多数派を形成するため協議する見通し。立憲民主党の野田佳彦代表は連合本部で芝野友子会長と会い、躍進を踏まえ、野党連携を進める考えを伝えた。衆院選から一夜明け、与野党が再始動した。

 要するに、自民は大敗、惨敗したのである。

(10月27日)
 毎朝、決まって顔を見せ私たちを励ましてくれるこすも・ここ二世
 

 こすも・ここ二世(愛称はタンゴ。初代こすも・ここも、私が当時から社交ダンスのレッスンをしていることから、何かの時から愛着をこめ、こうタンゴと呼んでいた)は、きょうも朝早くわが家居間のガラス窓隣の板の縁(シロが健在な時は、2匹で仲良く交替で座っていた〝黄金の縁台〟とでもいえようか)に姿を現し私からエサをもらって食べた。彼猫(かのねこ)ちゃんの姿に、わたしたち家族の気持ちが、どんなに安らいだことか。こすも・ここ二世よ、ありがとう。

 食後。裏庭シロのお墓の前で二世がきのうに続き、しばらくの間、感慨深げに私に向かって顔をあげ何か言いたげな表情で無言で立つ姿には、またしても涙があふれ、止まらないのである。タンゴよ、タンゴ。毎日、本当にありがとう。おまえには、シロちゃんが毎日毎日本当にお世話になったよね。わたくしたちの二世こすも・ここのこのやさしさを私はこの先いつまでも忘れることはないだろう。

 日曜日。衆議院選の投、開票日である。新聞は【政治への信頼 審判】【中部最後まで裏金攻防】(中日)【与党過半数焦点 衆院選きょう投開票】(毎日)と衆院選の攻防をトップ扱いにしている。

 ほかには相変わらず【イスラエル、イランに反撃 核関連は回避 軍事施設を空爆】【正恩氏側近 ロシア入国 北派兵を統括】(中日)など。けさも物騒な見出しが目立つ。シロは、こんな世の中を憐れんで自殺してしまった。今でも、そんな気がしてならないのである。彼女は亡きおかあさん、伊神舞子と同じでどこまでも平和を求め続け、ひとつの道を歩き続けた、そんなわが子でもあった。あ~あ。

(10月26日)
 ふるさと音楽家の牧さんに能登半島地震復興応援歌「能登の明かり」(歌は岡ゆう子さん。作曲牧すすむさん、編曲安本保秋さん、作詞は私、伊神権太)のCD100枚をクロネコヤマトの宅急便で送る。
 能登半島地震からの復興を願った応援歌が好評で牧さんの手元にあったCDが早々と全てなくなってしまったからである。ユーチューブの方も視聴者がじわじわと増えつつあり、この歌を口ずさむ人々がひとりでも多く増え、能登復興の起爆剤になれば、と願っている。今や、おかあさんと共にお空にいるシロちゃんも心からそう願ってくれているに違いない。

(10月25日)
 滝高校のクラス会が江南市内の「むさし家」であり、愛猫シロを失った直後で、あまり行く気はしなかったが、久しぶりに学友たちに会えば少しは元気も出るかもしれない-と自身を鼓舞して出かけた。
 せっかくの場なのでと思い、古くからの友人で作曲家でもある牧すすむさん=琴伝流大正琴弦洲会の大師範で会主でもある倉知進さん。ウエブ文学同人誌「熱砂」同人=とつくった能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】のCDを持参すると、そこは昔からの仲良しクラスメートの証明とでもいえようか。全員が気持ちよく購入してくれ、とても嬉しく思った。
 わたくしは「皆さんの善意の気持ち、心は来年被災地で開催する復興応援コンサートの席で、義援金として生かしたい、と思っています」と述べ、心からの礼を述べたのである。

「高校三年生」を歌う同窓生
 

滝高校歌も一緒にうたった
 

     ※     ※     ※    

 シロの大の友だちであった2代目こすも・ここ。彼猫(かのねこ)は、きょうの朝も心配顔でいつもシロとともに日向ぼっこをしていた居間横の縁側に顔を出した。彼猫は、今回の突然の友だち(シロちゃん)の死を十分過ぎるほどわかってくれており、悲しいけれど我慢し乗り越えなければ-といった表情が痛々しいほどでもある。
「中に入ってきてシロが食べていた食器で食事を」と促しても後じさりしてしまい、食べようとはしない。デ、いつもどおり縁側に置かれた食台にエサを与えると遠慮がちに近づき、食べるのである。
 その姿がなんともいじらしく、涙さえ出てしまう。こすも・ここ2世のここよ。おまえは遅咲きの半野良ちゃんではあるが、これからはお父さんたちとは家族なのだから。元気で楽しく毎日を過ごそうよね。おまえの友だちだったシロちゃんの遺言なのだから。
 おまえを見過ごすことなど絶対にしないから。楽しく幸せな毎日を過ごそうよ、ね。

2024年10月24日
 かつてのシロ。
 おかあさん(伊神舞子)が生きていたころ、シロは毎日、おかあさんがリサイクルショップ「ミヌエット」から帰るのを玄関先で待ち続けた(2021年7月29日写す。伊神家で)
 

 木曜日。シロちゃん。シロ、シロ。シロ。オーロラレインボー。シロちゃん、おはよう。今はどこ? 元気でいますか。

「うぅ~ん。うぅ~ん。にゃん、にゃあん」と毎朝甘えた声を出し、1階の自室から胸を張り2階のわたくしの寝室にまで上がってきてくれたシロよ、シロちゃん。おまえは、もういない。どんなに大空に向かって大声を出しても答えてはくれない。なんということなのだ。
 朝。彼女が2階の私の寝室に上がってくると、私は決まって「シロ、シロ、シロ、シロちゃん。おはよう。きょうもよろしく。よろしく、ね。おかあさんはいないけれど元気でいこうよな。おにいちゃんたちも、みんなそれぞれ頑張っているのだから」とシロのあごを何度も何度もさすってやる。シロは、そのつど満足そうに〝うん。う~ん〟と答えるとゴロゴロゴロとこんどは全身で喜び、応えてくれたものである。
 いつだって背をピンシャンと張って玄関横のおかあさんがその香りを大好きだった金木犀の見える小窓から外を黙ってみる姿は神々しく、それこそ美し過ぎた猫ちゃんでもあった。そのシロ(本名はオーロラレインボー)のおかげがあればこそ、舞の死後、私たち家族がここまで何とか前を向いて歩いてくることが出来たことも確かだ。

 ーそう思っているのだよ。おとうさんは。おまえのことを。シロちゃん。オーロラレインボーちゃん。おかあさんも、おとうさんも、お兄ちゃんたちも、だ。おまえには本当にお世話になってきたよね。ありがとう。ありがとう。ありがとう。いつも家のことを気遣ってくれていたよね。
     ※     ※     ※

     ☆     ☆     ☆
【福井中3殺害再審決定 知人ら供述「警察誘導」高裁金沢支部 前川さん逮捕から37年】【不屈37年「無罪」へ一歩 表情緩めず「闘い続く」】【「巌に続き頑張りましょう 20年以上交流、袴田ひで子さんエール】【裏金非公認支部に2000万円 自民、事実上の支援 衆院選10・27】(24日付中日新聞の見出し)……。 そして。夕刊はといえば、だ。【北朝鮮兵3000人、ロシアに 東部で訓練、米が確認 国防長官「参戦なら深刻」】(24日付日本経済新聞)といった具合である。
 新聞はきょうもやはり、日々、良いこと悪いことなど。社会の営み、顔を映し出している。ともすれば、思い上がった一部のメディアリテラシーをのぞけば、貴重な媒体であることは確かだ。

 きょうは早朝、久しぶりの不燃物集積場の立ち番で少し、疲れた。でも、こうした行為は地域に住む人々が奉仕の心を通じて互いに互いを知る良い機会にもなっており、少し大変ではあるが。よいことだと私は思う。たつ江(舞)の生存中は殆ど彼女に任せっぱなしだっただけに、私はこれまた妻の生存中は、随分と勝手気ままな悪い男だった。そんな気がしてならないのである。
 そのおかあさんのことをいつも気遣い、何かにつけ家族を救ってくれていたのがおかあさん命名の俳句猫「シロ」、すなわちオーロラレインボーだった。

(10月23日)
 午前中、シロの突然の死で川崎市在住の長男夫妻から「これまで家族を見守ってくれてありがとう 年数回の訪問者とも遊んでくれてありがとう 真白で気高くて福々しい姿を忘れません 天国ではお母さんと楽しく遊んでね」といった書簡が、白い花と一緒に送られてきた。
 そして。午後には舞とシロが生前、ずっとお世話になってきたあの作家太田治子さんからも【シロさんが空の上へ――。悲しすぎるおしらせに伊神さまの今のお心の悲しみに言葉をなくします。舞子さん シロさん あまりにも美しすぎたのですね】と書かれた書簡とともに花と太田さんの著書【手記・空色のアルバム】と【幻想美術館 名画から紡ぐストーリー】が送られてきたのである。
 わたしは、さっそくシロがいつもいた室内一角にこれらを供え「ありがとうございます」と心の中で礼を述べた。
 
 写真は太田さん、そして長男夫妻から送られてきた花と本。別れのことば。これらは、生前のシロがよくくつろいでいた彼女専用のミニハウスの前、お母さんが眠る仏壇下に供えられた
 
 

     ☆     ☆     ☆   

     ※     ※     ※
 シロよ。シロ、シロ、シロちゃん。正直に言うが。俺はおまえのおかげでおかあさんの死後、ここまで何とか歩いてこれた。立ち直ることが出来た。ありがとう。本当にありがとう。毎朝ニャア~ンと言ってわたくしを起こしにきてくれた。そのシロちゃんはもういない。私にはかわいいシロ、シロがとうとうガザやウクライナ、ヒズボラ、さらには能登半島地震と豪雨水害禍に泣く能登など世界中の人々のことを思い、とうとうダイビング(自死)してしまったような、そんな気がしてならない。彼女は、いつも身だしなみを整える礼儀正しい家族思いの猫だった。でも、あのどこまでも可愛く愛らしかったそのシロちゃんは、もはやこの世にいない。なんということなのだ。なんたることなのだ。

 ちまたは衆院選が佳境に入っている。この世は無情。皆、自分勝手。無慈悲なものである。

(10月22日)
 午前9時過ぎ。きのうの今ごろ、シロちゃんはまだ私の隣のこの座椅子に座って一緒に今では朝の私とシロの日課にまでなっている【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登の明かり】の3曲をスマホのユーチューブで聴き入っていた。そして。それが終わると、シロは玄関先の小窓から身を乗り出し、そこから見える庭の金木犀の香りが気に入ってか、外の光景にじいっと見入ったりするのが常、日課でもあった。

「シロよ。シロちゃん。きょうは月曜日だから、これからゴミ出しをしてくるからね」のよびかけに、彼女はいったん顔をこちらに向け「う~ん、うん」といつものようにちいさく答え、再び窓辺から戸外の光景を見やったのである。
 そんな今の私にとっては最愛の女性の一人だと言っていい彼女が、それから外出してまもなく、まさか、わが家前の路上で何者かが運転する車にひかれて死んでしまうとは。一体誰が想像しただろうか。やはり、ひき逃げに遭ったのだろうか。いやいや、それとも。シロのことだ。このところウクライナ、ガザ、ヒズボラなどで続く醜い戦争。これら暗い世界に落胆し、ニンゲンたちのする終わりのない戦争へのアンチテーゼとして自ら車に飛び込んだ自殺、すなわち自死したことだって十分にありうる。シロは、そうした社会派猫であったことも事実だ。

 というわけで、きょうの午後、彼女は自宅裏庭敷地内の猫塚一隅に息子の手で掘られた土中深くに埋葬された。埋めるに当たってはカッと見開いていた右目を手でそっと閉じ、さらに血がにじむ顔面を何度も何度も、何度もタオルやティッシュでふいてやる。最期の最期まで痛かったろうに。それでも両の耳はピンと立ち、しっかりと結ばれた両手も、それこそいじらしいほどで、そのまま生き返ってくれるのでは-との期待すら抱いたが、シロの息は永遠に戻ることはなかった。
 そんなシロの最期を目の前に私は彼女の胸部分に結ばれた両の手を繰り返し繰り返し、さすってやったが、彼女が再び息を吹き返すことはなかったのである。それでも、ただの一瞬ではあったが、シロの顔面に笑みが浮かび「おとうさん。ありがとう。しあわせだったよ」とほほえんだような気がし、その刹那、わたくしの両の目からは滂沱の涙が流れ出たのである。シロよ。シロ。おまえとの生活はほんとに楽しかったよ。ありがとう。

 どんなに痛かったろう。苦しかったに違いない。埋葬前のオーロラレインボー
 

     ※     ※     ※
 このところのシロは、朝が訪れる夜明けになるつど、私の布団の中にニャア~ンと甘えた声をあげ入ってくるのが常だった。「シロ。シロ。シロちゃん。おはよう」と言って上布団を開き中に入れてやると彼女は決まって私の左腕部分にからだ全体を預けたまま幸せそうに寝入り、気が付くとゴロゴロゴロゴロと満足そのものに寝息をたてるのであった。
 こんなわけでシロちゃんも私もこれ以上の幸せはないといった表情でいたことがあらためて思い出される。でも、その私の大好きだったシロは、もはやいない。なんということなのだ。シロが何か悪いことでもしたというのか。私はシロを引いた人がいたのなら、即刻謝ってほしく思うのである。そうでなければ、シロがかわいそうである。ひとくち謝ってくれたなら、それ以上は何も言わない。シロの自死かも知れないことと、私がシロを外に出したからである。

 日中のひととき。誰かが、何かが一斉に走るような音がしたが、シロではなかった。シロは既に昨日、命を落としているのである。

2024年10月21日
 月曜日。私が愛するわが家の俳句猫、アイドルと言ってもいい愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)がきょうの午前11時ごろ、自宅横の道路で何者かが運転する車にはねられ、まもなく死亡した。シロちゃんは元々野良猫だったが、わが家に再三訪れ、繰り返し室内に入ってこようとするうちに、亡き妻たつ江(伊神舞子)がわが家の家族の一員として招き入れ、れっきとした家猫になったいきさつがある。7歳だった(推定)。きょうは、いつもより少し遅く午前10時20分過ぎにお外に散歩に出て間もなくの思いがけない悲劇であった。

 能登半島地震と豪雨禍の復興応援歌「能登の明かり」のCDが出来、ユーチューブ化もなんとか終わったと言うのに。一体全体、なんたることか。好事魔多し-とは、まさにシロちゃんの突然の死そのものである。「散歩だから」と出たがるシロを外に出した私に全責任がある。わが家族にどう言ったらよいのか。あ~あ。一生の不覚とは、このことか。第一、シロと家族に申し開きがたたない。それとも、シロはガザ、ウクライナ、ヒズボラなどで延々と続く戦争、そして能登半島地震と豪雨禍を憂え、生贄を志願して自ら車に飛び込んで自死したのか。そこのところは分からない。
 ただ彼女が姿を消したことにより世の中がその分、暗くなることだけは事実だ。彼女には、そうした天衣無縫なるユーモアみたいな、かつ引力のような底知れぬ明るさがあったのである。

 といったところで、あのかわいかったシロはもはや、この世に帰ってくることはない。それにしてもだ。シロを車でひいた犯人は一体全体、誰なのか。(おかあさん、すなわち生前の舞にしてもらったハートの首輪と鈴もしっかりしているのだから)。車を止め、シロの自宅を探し、せめてたとえ一口でも謝罪すべきではないのか(この点については帰宅した息子が「その前に、シロを路上に出した飼い主であるお父さんが悪い」と私の非を指摘した)。

 午後11時過ぎ。私はいま、妻舞亡きあと私にとっての最愛のパートナーと言って良い彼女シロを失い、心は千々に乱れている。シロの突然の不幸を思うとき、涙がドッとあふれ、止まらないのである。シロよ、シロ。シロ。シロちゃん。「俳句猫のシロは何でも知っている。知っているのだから」という亡き妻の声が思い出される。本当におかあさんの言うとおり、シロはわたくしたち家族のことなら何でも知っていた。
 いつだって私たち家族を助け、勇気づけてくれたシロちゃん。本当にありがとう。命が消えてしまってからでは、もはや遅いかもしれない。けれど、あらためて心の底から長い間、ありがとう。毎日がうれしかったーと礼を言いたい。

 つい先日まで元気でいたシロ。「能登の夜明け」のユーチューブ実現に思わず「やったあ」と叫んだ時。シロは喜んで私たちのいる部屋まで入ってきた。そしてニャン、ニャア~ンと声をあげてくれ、あの瞬間のことは永遠に忘れないだろう。
 

「シロさん、悲し過ぎます、舞子さんと空のうえから伊神さまをお守りくださいね」「それはお辛いですね。あまりお気を落とされませぬよう。シロちゃん、きっとおかあさんのところに行ったのだよ。元気でいるわよ」「しばらくは涙の日々が続くかもしれませんが、1日も早く立ち直ってくださいね。シロちゃんも天国で奥様と仲良く楽しく暮らし、貴方達を優しく見守ってくれると思います。シロちゃんのご冥福をお祈りしています」
「辛い話です。辛すぎます。シロちゃん、運が悪かったとか言いようがない。運が悪すぎた。伊神さんのせいだとは誰も思いませんよ。これまで十分すぎるほど大事に、一緒に暮らしてきたのだから」
 シロの訃報に友人から届いたやさしさあふれる心からの追悼、励ましメールの数々。わたくしとシロは、その哀悼の言葉を胸に、これからもせめて心の中だけでも元気かつ幸せに生き続けていきたく思っている。
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 コロナ禍に、おかあさん(わたくしの妻伊神舞子)の死など。ここまで何度も家族一緒に苦難と危機を乗りこえてきたシロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、きょう突然、旅立ったのである。シロよ、シロ、シロ、シロちゃん。これまで家族を守ってくれ、本当にありがとうね。天国でまた幸せで楽しい日々を過ごすのだよ。
/シロをどこまでも愛する私たち家族より

 私の目からは今も涙が出続けている。シロよ、シロ。シロ。ごめんね。シロちゃん。「外にはださないでね」とあれほど舞に言われていたのに。わたくしは、彼女を散歩に-と外に出すのを日常化してしまい、そこに不幸が訪れたのである。

2024年10月20日
 上皇后美智子さまが、この日、90歳の誕生日を迎えられた。美智子さまは今月6日に転倒、骨折した右大腿骨の手術後の経過は幸い順調で、赤坂御用地(東京・元赤坂)にある住まいの仙洞御所で侍医や理学療法士と自力で歩行するためのリハビリを続けておいでになるという。早い回復を、と願う。

 きょうは、まさに秋晴れ、一点の雲さえない。たつ江。すなわち舞という風たちが一斉に開いた窓辺からキラキラと中に入ってくる。思わず、♪秋の夕日に照る山もみ……と口が開く。秋の心地よい風が一斉に窓辺に入り、風のひとひらひとひらに愛おしささえ感じる。人生、だれとて辛く悲しいことぱかりではあるけれど。やはり、この世は、すばらしい。わたくしたちは、こうした恵まれた自然の中に居て生かされ、幸せだな、と思う。北寄りの季節風が冷たさを感じる一日。北海道では初雪が降り、ここ濃尾平野のある東海地方は晴天の一日となった。
  
(10月19日)
 土曜日。【首相官邸前に車突入 発煙筒? 投げた容疑者逮捕 自民本部には火炎瓶か】【支持アピール「タイパ」も重視 数十秒SNS動画 若年層に浸透願う】(タイパとは、時間的効果を意味するタイムパフォーマンスの意味)【与野党幹部各地で訴え 公示後初の週末、中部でも】とは本日付の中日新聞夕刊。というわけで、27日投開票の衆院選もいよいよ佳境に入っている、といったところか。
 この日、早朝の午前5時50分ごろには東京都千代田区の自民党本部に男が火炎瓶のようなものを5本ほど投げ、機動隊の車両が一部焼損。犯人の男はワンボックスカーで逃走後、近くの首相官邸前の防護柵に突っ込むという事件までが発生。選挙が近づくなか、このところの日本は、なんとも物騒極まりなき社会でもある。

     ※     ※     ※

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 ところで、けさの新聞報道によれば、警視庁と埼玉、千葉、神奈川3県警は、首都圏でこのところ相次いでいる闇バイト強盗事件を受け、18日、合同捜査本部を設置、幹部らによる会議を開催。8月以降に発生した1都3県の計14事件の重点捜査に乗り出したという。

 連続強盗の重点捜査を報じた19日付の新聞紙面
 

(10月18日)
 俳優の西田敏行さんがきのう、亡くなった。福島県出身。76歳だった。
 17日午後零時20分ごろ、西田さんの家族が119番。ベッドで冷たくなっている状態でその場で死亡が確認されたという。「心臓の持病があったが、普通の日常生活を過ごしていた」という。西田さんといえばだ。数多くのテレビドラマに出演され、当代イチの俳優さんだったことは、誰もが認めるに違いない。それだけに、日本映画界にとっての損失といってもよいかと思う。庶民性あふれる役者さんであったといえよう。
 特に私の場合、毎週日曜日になると女優竹下景子さんの声と一緒に流れてくるNHKラジオの【日曜名作座】に登場する西田さんの声が大好きだっただけに、惜しくて残念な気がしてしかたない。でも、この世を去ってしまった西田さんは、この先どんなに大きな声で呼んだところで、もはや元には戻ってはこない。合掌―

 そして。逝去といえば、だ。野ねずみが活躍する人気絵本「ぐりとぐら」シリーズなどで知られた児童文学作家、中川李枝子(なかがわ・りえこ)さんも14日未明、老衰のため東京都内の病院で死去。89歳だった。札幌市出身。

 中部地方は17日、高気圧に覆われて季節外れの暑さに。岐阜県多治見市で30・6度を記録するなど愛知、岐阜両県内の7地点(ほかに大垣市と揖斐川町、愛西市で30・5度、岐阜市30・2度、美濃市30・1度、名古屋市30度)で30度以上の「真夏日」に。いずれも観測史上最も遅い真夏日となった。このうち名古屋市は1961年と並び観測史上最も遅い真夏日。ほかの6地点でも3~6日、記録を更新したという。

 イスラエル軍が17日、イスラム組織ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワール氏を殺害した、と発表。イスラエル軍のハガリ報道官が「約1年の捜索の末、テロ組織ハマスのリーダーは死亡した」と話し、シンワール氏は16日、ガザ南部で殺害されたという。軍は同氏が昨年10月の奇襲攻撃を首謀した-として行方を追っていた。

(10月17日)
 原子力規制委員会が16日、11月に運転開始50年となる関西電力高浜原発1号機(福井県)について、こんご10年間の管理方針を定めた保安規定を認可。国内では初の50年を超える運転認可となった。日米韓の3カ国などが16日、北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視してきた国家安全保障理事会の専門家パネルに代わる新組織「多国間制裁監視チーム」(MSMT)が発足した-と発表。監視チームには日米韓主導でフランスや英国、ドイツなど計11の西側有志国が参加。「制裁違反や回避を厳格に調査し、制裁の完全履行を支援する」と表明した。
 牧すすむさん(倉知進さん)から「(15日が)奥さんの命日だったので」と巨大なマスカットが送られてくる。さっそく仏壇に供え「牧さんがお忙しいのに届けてくださったよ。感謝しような」と語り掛ける。これがまた、とびきり美味しく、それこそホッペが飛びそうだった。牧さん、そしてかよちゃん、崇さん。心からありがとう。ありがとうございました。

2024年10月16日
 新聞、テレビなどマスコミ各社は、どこもかしこも昨日公示された衆議院選挙の報道一色である。そんな数々の報道の中でも本日16日付中日新聞朝刊1面の【「選びたくない」を選ぶ 論説主幹 島田佳幸】は、ちょっと面白い切り口で、出色の出来といえようか。面白く読ませて頂いた。

 舞の祥月命日だった昨日、令和6年10月15日を人生の新たな起点に、わたくしは、きょうあらためて新たな道に向かって歩き始めた。いつだって。わたくしの胸にも心にも舞、たつ江はさわやかに張りつき暗黙の中、私がこの先、進むべき道を教えてくれているーとでもいえようか。

 伊神舞子は私の心の中でいつも生きている
 かつてドラゴンズ公式ファンクラブ会員だったころの彼女
 

 というわけで、きょうは例によって新聞各紙を読みこなし、かつて彼女の愛唱歌でもあった<エーデルワイス><みかんの花咲く丘>、そして能登半島地震の復興応援歌として最近、誕生した<能登の明かり(牧すすむさん作曲)>を愛猫シロとともにスマホで聞き、共に口ずさんだあとは、なぜかシロの視線を背中に感じて裏庭の猫塚へ。
 かつて能登の七尾から岐阜県大垣市に家族と共に移住してきた能登・大垣猫の〝てまり〟をはじめ、先代の〝こすも・ここ〟と神猫シロが眠る猫塚の清掃とあいなったのである。私は、ついでに伸びすぎた庭木も、かつてたつ江が手にしていた切れ味鋭い挟みで伐採、野良ちゃん(わが家の庭先に毎日訪れ初代こすも・ここにそっくりなので、私は最近、2代目こすも・ここと命名)のえさ場もきれいに清掃。なんだかすっきりした気持ちとなったのは不思議である。これもシロのおかげ。彼女の視線ひとつで私は、こうして動いたのである。

 てまりなど愛猫3匹が眠る猫塚には花が供えられ、ちょっぴり華やかに
 

 午後。自宅近くの歯医者さんから帰宅後、わたくしはそれこそ久しぶりに愛用のハーモニカと、おそらく愛知県下でも数えるほどしか手にする人はいないはずの篠笛で<ふるさと>と<さくら>をふいてみた、いや演奏してみたのである。季節は、このように巡りめぐっていく。いまはもう秋、あきなのである。ちまたは衆議院選挙の選挙モード一色だ。月日がトントン、とんとんと秋風に吹かれて、きゅうと声をあげ、流れてゆく。

2024年10月15日
 十三夜。 
 きょうは、亡き妻、伊神たつ江、すなわち舞子の祥月命日である。
 
 というわけで、午前中、自宅の仏壇に愛猫シロと一緒に手を合わせ、つづいてシロに留守番を頼んで舞が眠る愛知県江南市高屋の永代供養集合墓「濃尾の大地」へ、と足を運んだ。仏壇、「濃尾の大地」ともに手を合わせ「俺たちは皆元気でそれぞれの道を前に向かって歩いているから。心配しないでほしい。それよりも元気でいるか。友だちできたか」などと久しぶりの会話を交わした。
「何言っとるのよ。それより、こどもたち皆どうしてるの。ごはん食べている」と聞くので「心配ないよ。それなりに食べとるから。皆、それぞれの道を、きちんと前を見て歩いているから。心配ないよ。それより、俺たちがお世話になった能登半島が大地震のあと、こんどは記録的な豪雨水害にまで襲われて大変だよ。それでな。おまえも知っている牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の会主兼大師範。作曲家)と一緒に大地震に遭った能登半島のみなさんを励ます復興応援歌【能登の明かり】をつくった。つい先ごろCDが出来たのでちょっと聞いてみるか。歌は、あの岡ゆう子さんが歌ってくれてる」。

 こんなわけで私はスマホに収録済みである【能登の明かり】を1、2、3番の順に「濃尾の大地」の墓前で流し、亡き妻に聞かせたのである。秋風を切って流れる牧さんならでは、のさわやかで弾んだ、かつ哀愁を帯びたメロディーが空高く次々と流れていったが、そんなドラマチックな光景を目の前にしたであろうたつ江、すなわち舞は「いいわね。いい、と思う。能登の皆さん、誰もかもが心も折れるほどに辛い毎日でしょうが。なんとか立ち上がり、前を向いて一歩でもニ歩でも進んでいってほしいね。大変だけれど」と、わたくしに向かって話す姿が目の前に大きく浮かび上がったのである。

 この日初めて舞の墓前で能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】が流されたー
  

 帰宅すると、シロちゃん(オーロラレインボー)がいつものように玄関先まで飛んで出迎えてくれ、ボクはそんな愛猫に向かって「シロよ。シロシロ、シロちゃん。おかあさんに【能登の明かり】を聞いてもらってきたよ」と話すと、彼女はニャア~ンとひと声だけ発した。

 きょうの夕刊各紙は【石破政権の信問う 衆院選公示27日投開票 裏金、物価対策争点】【東海3県 小選挙区に80人超】【台湾取り囲み 中国軍事演習 頼総統演説に対抗措置】(15日付中日)【石破政権に審判 衆院選公示27日投開票 自公過半数で攻防 1300人超立候補】【経済学賞 米大教授3氏 「社会制度と国の繁栄」研究 ノーベル賞】(15日付日本経済新聞)といった具合。いよいよ第50回衆院選が公示され、27日の投票に向け12日間の選挙戦に入ったーとの活字が躍った。国民注視のなか、さて結果はどうなるか、だ。関心は高い。

2024年10月14日
 秋空に未来永劫と書いてみし(伊神舞子)。

 連休中は亡き妻が詠んだ俳句そのままのさわやかな空が広がった。
 庭のアサガオも連日、美しい顔をのぞかせた。
 

 
 
    ※    ※    ※

    ☆    ☆    ☆
 秋晴れ。祝日。スポーツの日。「鉄道の日」でもある。
 北海道の旭川では初氷が張ったという。鉄道の日といえば、だ。私はかつて激務の合間を縫って連休などが訪れるつど、当時の勤務地だった岐阜や小牧、能登・七尾、大垣、大津、一宮などからよく夜行列車や飛行機に飛び乗って八尾をはじめ、伊豆や東北、山陰、四国・九州、北海道、時には韓国やサイパン、中国など海外にも出向き、ひとり旅をしたものである。
 今にして思えば、かわいい妻たつ江(舞)がいたのに。彼女には育児があるから、と大半はひとり旅で随分と勝手し放題の男でもあった(とはいえ、時には大阪や神戸、奈良、長崎、広島、北海道、東北などに彼女の求めに応じて同行したものである)。1人で行く時はいつも「ちょっとだけ行ってくるから」と出掛けたものだが、舞の言葉はいつだって「うん、いいよ。でもね、日帰りはダメよ。疲れちゃうから。だめなの。泊まってくるのよ」というのが口癖でもあった。そうした舞の理解もあってか、わたくしはそれこそ、【夜行列車に飛び乗って】そのつど書き続けた成果もあってか、これまで多くの作品をこの世に残す、ことが出来たと思っている。

 きょうは14日だ。愛猫シロちゃんは、いつものように午前10時過ぎ、いったん外に出たものの、すぐに退却。いつもの定位置・窓際の見晴らしのいい縁側が野良猫の二代目こすも・ここ(前いた愛猫こすもにそっくりなので私が勝手に名付けた)に占拠されていたためだが、ふたりの以心伝心もあってか、しばらくするとまたお外にと出て行き、こんどは二代目こすも・ここに代わって縁側に満足そうな顔をして座ったのである。
 それはそれとして、だ。ふたり(シロと二代目ここ)の間では、最終的には「シロに彼女の定位置を譲る」ということで話し合いがまとまったようである。いずれにせよ、まだ今のシロちゃんが居ないころは、先代のこすも・ここと初代シロが、わが家には居たのである。ふたりとも長寿猫でどちらも23年という猫生を謳歌したあと、私がいま住む江南の当地で亡くなり、わが家の中庭で先代の能登猫てまりともに眠っているのである。シロちゃんは、これら先輩猫3人の後を引き継いでわが家に貢献。元々野良猫だったところを、舞に家族の一員として迎えられた、あの日のことは忘れられないのである。

2024年10月13日
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与のビッグニュースは、けさの紙面でも【ノーベル平和賞の被団協 核廃絶「人類の課題」 首相の核共有言及「怒り心頭」 フリードネス(ノーベル賞)委員長が祝意】(中日)【「偉い人たち資料館に来て 被団協ノーベル平和賞 一夜明け新たな誓い 「向こうで喜んでくれている」「活動、世界に広まるだろう」「被爆者の姿目に浮かんだ」「国連にとって最優先の課題」】【核共有論に「怒り心頭」 被団協首相を批判】(毎日)などと報道され、未だ余韻が治まらない。それだけ、最近にない人類にとって大切なホットニュースが世界を駆け巡っている-ということか。
 そして。ほかに目立った見出しは【衆院選へ7党首討論会 石破氏消費減税を否定 経済や安保応酬】【核禁条約に首相慎重】(いずれも中日)か。

 夜。NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩 死せる詩人・魂の叫び 絶望の淵でかすかな光 パレスチナの物語とは】を見る。なかでも<もし私が死ななければならないのなら あなたは生きなければならない 私の物語を伝えるために>の下りが心に染み入った。

 NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩】の一場面(NHKテレビ画像から)

(10月12日)
 「被団協にノーベル平和賞」を伝えた新聞各紙
 

 この日の新聞紙面は【被団協ノーベル平和賞 核廃絶世界に訴え「ノーモア・ヒバクシャ」】【<解説>増す核脅威への警鐘(アメリカ総局・浅井俊典)】(中日)【被団協 ノーベル平和賞 核廃絶訴え続け 被爆証言世界に示す】【「過ち繰り返さぬ」共有を 専門記者・前広島支局長 宇城昇】(毎日)…とノルウェーのノーベル賞委員会が11日、「核兵器の使用は道徳的に容認できないという国際規範の確立に多大な貢献をした」として被爆者による唯一の全国組織で、日本の反核・平和運動の中心的存在である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協、本部・東京都港区)に2024年のノーベル平和賞を授与する-と発表した記事が、やはり目立つ。日本の平和賞受賞は、非核三原則を打ち出した佐藤栄作元首相が1974年に選ばれていらい50年ぶり2度目。団体としては初めてとなるビッグニュースである。

 名古屋駅前のウインク愛知5F小ホールであった【ラララダンス発表会】に出演。相方の〝悦ちゃん〟と日ごろ社交ダンスを教えて頂いている先生〝若さん〟のおかげ、教えもあって、不完全ながらもなんとかタンゴを踊り切ることが出来た。それにしても、いつまでたっても上達しないわが身を内心、恥じ入った次第である。
 
 楽しく進んだラララダンス発表会のひとコマ
 

 

 この社交ダンスは亡き妻たつ江(伊神舞子)が晩年、病床で「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けるのよ。続けてよね」と口を酸っぱくして私に言っていた、いわば遺言でもあるため、どんなに未熟でもこの先も続けなければ、と思っている。本音をいえば、こうした発表会でどんなに下手でも舞と共に踊ることが出来ていたのなら。最高によかったのだが。時、既に遅しで、今となっては恥じ入るばかりだが、舞は内心、そうした日を願っていたのかもしれない。
 実際、彼女は私の一宮支局長在任当時、25、26年前から一宮スポーツ文化センターなどでフォークダンスのレッスンをずっと続けており、世界中のフォークダンスを華麗に踊りこなす姿は、見事の一言に尽きた。後年、その一方で、私には内緒で江南市内で社交ダンスも学んでいたのも確かだ。このことは、私がピースボートの旅から帰ってから知らされ、驚いた記憶がある。

 アニメ「ドラえもん」のドラえもん役を26年務め、愛嬌たっぷりのだみ声で親しまれた声優で俳優の大山のぶ代(おおやま・のぶよ)さんが9月29日午後4時23分、老衰のため東京都の病院で亡くなった。90歳だった。
 衆院選に出馬する河村たかし名古屋市長(75)が先に議長に申し出た14日付の辞職日について名古屋市議会は11日の本会議で不同意とした。このため河村市長は辞職扱いではなく、衆院選公示日の15日の立候補に伴う自動失職となる。

(10月11日)
【文学賞 ハン・ガンさん 韓国人、アジア女性初 ノーベル賞】【歴史と人間の内面描く】【中日に「勝つ喜びを」井上新監督が就任】とは、本日付の中日新聞見出し。とはいえ、【衆院解散明け舌戦 短期決戦事実上スタート 投票所入場券の郵送 公示に間に合わず? 選管「期日前、なくても可】のニュースがトップを占めており、社会はいよいよ選挙モード一色だ、とでもいえようか。

 1面トップ記事の書き出しは、こうである。
――与野党は10日、衆院解散を受けた選挙戦を事実上スタートさせた。15日公示、27日投開票の短期決戦。………
 といった具合だ。

(10月10日)
 亡き妻伊神舞子(伊神たつ江)が能登七尾で大変お世話になり、かの地を離れてからも短歌雑誌「澪(れい)」=私が七尾に在職中。前身の短歌雑誌の名前は【凍原】であった。=同人として伊神舞子が大変お世話になり続けた七尾の歌人山崎国枝子さん=「澪」代表=から「いがみさん。能登の夜明けのCD届きました。じっくり聞かせていただきます」と電話が入った。かつて舞がセットしてくれ、今も健在でそのまま役割を果たしてくれている、わが家の留守電にあの国枝子さんの懐かしい声が入っていたため、かけ直してアレヤコレヤと話し合ったが、舞は本当によい方々のお世話になったものだーとつくづく思ったのである。
 ありがとう! 山崎さん。そして同人の皆々さまと思わず叫びたくなったのである。

 山崎さんからは、短歌雑誌「澪 2024年9月号」が「7月号」「5月号」とともに、わが家に送られてきた。そしてその中の9月号には御年90歳の竹内喜美代さん=金沢市在住=の私の本【あたし帰った かえったわよ】に対する読書感想文までが書かれており、私は何と言って良いのか。舞の仏前にこのことを報告。「能登のみなさんにお礼を言わなきゃな。ほんとに能登はやさしや、だよね」と舞に語り、話しかけ、手を合わせたのである。

 山崎国枝子さんから送られてきた短歌雑誌「澪」と竹内さんが「澪」9月号に書いてくださった拙著【あたし帰った かえったわよ】に関する読書感想文
 

 

    ※    ※    ※

    ☆    ☆    ☆
 朝刊見出しは【「政治とカネ」問う 衆院解散27日投開票 国会論戦わずか】【自民、裏金34人公認 旧安倍、二階派の12人非公認】【袴田さん無罪確定 静岡4人強殺 地検が上訴権放棄】(10日付中日)【「自民裏金」審判 衆院解散総選挙 15日公示27日投開票 首相就任後8日戦後最短 非公認12人 問われる中道回帰 政治部長田中成之】(毎日)といったところか。

 スウェーデン・アカデミーが10日、2024年のノーベル文学賞を韓国の女性作家韓江(はん・がん)さん=53歳=に授与する、と発表。韓国人に対しノーベル文学賞が授与されるのは今回が最初。アジア人女性としても初。

 野球日本代表(井端監督)が9日、来月開催される国際大会「プレミア12」に臨むメンバー28人を発表。岡本和真内野手(巨人)や高橋宏斗投手(中日)らが選出された。右足親指を骨折した村上宗隆内野手(ヤクルト)や佐々木朗希投手(ロッテ)は選ばれなかった。村上内野手、佐々木投手ともに私が大好きな選手だけに、こちらは少し残念無念である。

(10月9日)
 きょう9日付の中日朝刊の最大記事は、といっても1面トップの袴田さんの無罪確定を報じた【袴田さん 無罪確定へ 検察、控訴断念 逮捕から58年 総長謝罪 <解説>審理長期化 法改正が急務】だろう。なんだか私までがホッとしたのである。次には【中日 井上監督就任へ 近く会見「お受けする方向」】だといえよう。

袴田さんの無罪確定、再審無罪を報じた新聞
 

 

 午後。私の作詞、牧すすむさん作曲による能登半島地震とその後の豪雨災害からの復興を願った応援歌【能登の明かり】のCD完成に伴い、尾北ホームニュースの女性記者がその取材でわが家を訪れた。「この歌を口ずさむことで能登のみなさんが少しでも元気を取り戻し、前に向かって歩いて頂けたら」とその目的について話させて頂いたのである。

(10月8日)
 火曜日。スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2024年のノーベル生理学・医学賞を、遺伝子制御で重要な役割を果たす微小な生体分子「マイクロRNA」を発見した米マサチューセッツ大のビクター・アンブロス教授(70)と、米ハーバード大のゲイリー・ラブカン教授(72)に授与する、と発表。両氏は1993年、体長1㍉の「線中」を使い、マイクロRNAが遺伝子の働きを調節していることを発表。その後、線虫に限らず、人でも同様の調節をしていることが判明。多くの生物に不可欠な遺伝子の仕組みを明らかにしたことが高く評価されたという。

 ほかには【裏金議員比例重複認めず 衆院選 自民40人程度対象 非公認拡大、荻生田氏らも】【岡崎市長内田氏返り咲き 現元新4人の争い制す】の見出しが目立つ。6日夜には戦国時代の僧兵の姿が今によみがえる「僧兵まつり」が三重県菰野町の湯の山温泉街であったーとの報道も。燃え盛る火焔みこしが火の粉をふりまいて進む光景は、まさに圧巻だといえよう。 

(10月7日)
 プロ野球の中日ドラゴンズは6日、バンテリンドームナゴヤで今季最終戦。DeNAに2-0と16度目の零封負けを喫した。悲しいかな、三年連続の最下位である。立浪監督はこの日、3年間を締めくくる一戦でもファンの願いをかなえることは出来なかった。また同一監督では野村克也さんが指揮した1999~2001年の阪神以来となる3季連続最下位だった。
 というわけで、立浪さんは試合後のセレモニーで「皆さまには申し訳ない思いをさせてしまい、すみませんでした」とファンに謝罪。あいさつの間じゅう、何度も何度も帽子を取って頭を下げる姿が印象的だった。ちなみに3年間の成績は182勝232敗15分けで、負け越しは50に達した。でも、人生良いこともあれば悪いこともある。みんな、この悔しさをバネに立ち上がればよい。野球というドラマは、まさに人生と同じである。立浪さんも私たちファンも前に向かって歩いていくほかないのである。お・つ・か・れ・さ・までした。

 パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年。ガザ保健当局によれば、この間、ガザ側の死者は4万1870人に及んでおり、ガザ人口の9割に当たる190万人以上が避難生活を続けている、という。こうしたなか、イスラエルは先月9月30日にハマスと共闘する親イラン民兵組織のヒズボラ掃討を掲げて隣国レバノンに地上侵攻。これに対してイランはイスラエルをミサイル攻撃するなど戦火は中東各地に拡大。憎悪が憎悪を呼び、地獄の構造が拡散する事態となっている。同じ人間としてなんたることか、と思ってしまう。

 月曜日。石破首相が6日、自民党派閥裏金事件を受けた衆院選への対応を表明。政治資金収支報告書に不記載があった〝裏金議員〟らを原則公認したうえで比例代表への重複立候補は目止めない旨を決めたという。

(10月6日)
 能登半島地震とそれに追い討ちをかけるように起きた豪雨水害禍。能登の皆さま一人ひとりが少しでも元気に前に向かって歩いてくだされば-と最近、誕生した復興応援歌「能登の明かり」の現地での発表会をどうするか-などで編曲をしてくださった輪島の安本保秋さん(安本さんは自宅が全壊。現在は仮設住宅暮らし)らと何度も連絡を重ねるなど多忙な日々を過ごしている(ただ作曲者の牧さん、歌の岡ゆう子さんのつごう、それについ先日起きた豪雨水害など二重被災の現地の状況もあり、あまり急がないでゆっくりと思っている)。
 昔、現役記者時代に特報とサンデー版のデスク長のほかに本紙の【この人】欄まで掛け持ちし、休む間もなかった〝あの日々〟がなぜか、思い出されるのである。

(10月5日)
 土曜日。石破茂首相が4日、就任後初の所信表明演説を衆参両院本会議で行い「政治への信頼を取り戻し、【納得と共感】をいただきながら安全安心で豊かな日本を再構築する」と訴えた。その石破さん。5日は能登半島を訪問。1月の地震、9月の記録的豪雨と続けて被害に遭った被災地を視察。この日は立憲民主党の野田佳彦代表も石川入り。豪雨で浸水した輪島市のスーパーや住宅地を見て回った。
 豪雨発生から5日で2週間。石川県の発表によれば、能登半島では先の記録的豪雨による断水が輪島市、珠洲市、能登町で計1684戸に及んでおり、被災地では、なお厳しく、辛い日々が続いている。

 日本六古窯のひとつ、愛知県常滑市で5日、常滑焼の卸売市「常滑焼まつり」(中日新聞社後援)が始まった。6日まで。日経新聞の本日、5日付夕刊の<文学周遊>で、今は亡き作家加賀乙彦さんの作品「殉教者」が【大分・国東市 転び申さず候】で紹介されており、懐かしく思う。加賀さんといえば、【宣告】【永遠の都】で知られ、私自身、かつては図書館にこもって読破した日々が懐かしく思い出される。「脱原発社会をめざす文学者の会」の産みの親でもあり、生前の加賀さんには随分とお世話になった、あのころが懐かしく思い出されもした。とはいえ、その名実ともに偉大だった加賀さんは、もはやこの世にはおいでにならないのである。合掌―

 能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」(歌・岡ゆう子、作曲・牧すすむ、編曲・安本和秋、作詞・伊神権太)のCDが出来たので、まもなく郵送させて頂く旨の連絡を関係者にすることに追われるなど1日中、バタバタした。(10月6日の午前零時も既に過ぎた)。

(10月4日)
 福井海上保安署が3日、福井港沖で9月30日に見つかった女性の遺体の身元がDNA鑑定の結果、石川県能登地方の記録的豪雨で連絡が取れなくなっていた輪島市の中学3年喜三翼音(きそはのん)さん、14歳と判明したと明らかにした。豪雨の死者は14人(共同通信の集計)となった。連絡を受けた父鷹也さん(42)は翼音さんにかけたい言葉を尋ねられ、しばらく考えた後で「『おかえり』ですね」と答え「(10月1日に)服を確認したとき、間違いないと思っていた。とにかく見つかってくれ、ホッとした」の弁。家族の気持ちを想像すると、何と言ってよいのか分からなくなってしまう。

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮へ。ジルバを最初にタンゴ、ワルツ、スロー、クイックとひと通りを繰り返し踊る。レッスン前は、ちょっと大変だな、と思って踊り始めるが、レッスンを終えた時には「やはり、きょうも踊って良かった。からだには、よいはずだ」としみじみ思う。社交ダンスのレッスンは、今は亡きかわいい妻、たつ江(伊神舞子)から私への遺言でもあるだけに、生きている限りは続けになければと心底から思っている。とはいえ、わたくしも早や78歳と、とても信じられない高齢である。そのうち、パタリと逝ったとしても何の不思議もないのである。

2024年10月3日
 けさの中日新聞。【イラン、イスラエルに報復 弾道弾180発 中東緊迫 イラン核施設に反撃可能性】(1面見出し)と愚か極まる、とはこのことか。ほかには【宮崎空港で不発弾爆発 誘導路陥没、87便が欠航 通過2分後…航空機あわや】【石破内閣支持率50.7% 裏金議員公認75%否定的 世論調査】か。だが、やはりドラゴンズファンにとって気になるのは【中日新監督 井上氏に要請へ】か。わたくし個人的には世界のドラファンのためにも、だ。思い切ってイチローさんまたは、かつての名将落合博満さんに、と単純に思うのだが。そんなわけにもいかないのか。ここは成り行きを見守るほかない。

 きょうは雨、雨、また雨の1日である。地震に続く、追い討ちとなった豪雨二重水害を受けた能登半島の輪島は、珠洲は、能登町は大丈夫だろうか。心配である。
 夕刊報道では文化芸能面での【「性加害のない世界目指す」日本ペンクラブ・女性作家委員会が声明】の記事が目立つ。ほかには【米タイム誌「次世代の100人」アンナ・サワイさん選出「SHOGUN」で躍進】か。世の中、いや世界はよいにつけ、悪いにつけ動いているのである。

10月2日
 朝刊は【石破内閣が発足 デフレ脱却を最優先 地方創生「強い決意」】【夢乗せて60年未来へ 東海道新幹線 延べ70億人利用】(中日2日付)【不明中3か 遺体発見 能登豪雨 父があげた服まとい】【能登地震の死者関連死含め401人】【イスラエル、レバノン侵攻 対ヒズボラ「限定攻撃」】(毎日2日付)と内閣発足以外には、能登半島豪雨水害のその後など悲しいニュースが目立つ。
そんな中での東海道新幹線が1日、開業から60周年を迎え、JR名古屋駅の新幹線ホームで東京行き始発列車にあわせての記念の出発式が行われた、との記事は、なんだか胸に熱いものがキュンと走ったのである。私自身、かつては社の出張や日本ペンクラブなどの集まりなどで何度となく利用した日々が懐かしくもある。

 JRは、この日、東京、静岡、新大阪の各駅でも出発式が開かれた。
なお、東海道新幹線は1964年の東京五輪の開会直前に開業、当時は「夢の超特急」と呼ばれた。東京―大阪間を従来の在来線特急より2時間半短い4時間で結び、多くの人々に喜ばれたのである。私自身、かつて現役時代には特報部やサンデー版デスク長として東京での会議などにしばしば新幹線で出向いたが、なぜだか決まって東京バナナを今は亡き舞(たつ江)の土産に買ってきたものである。なぜか彼女が、東京バナナを大好きだったからにほかならない。

(2024年10月1日)
 名古屋市の河村たかし市長(75)=4期目=が30日、10月27日投開票の衆院選で愛知1区(名古屋市東・北・西・中区)から出馬する意向を固めた、とはけさの中日新聞の1面トップ報道である。「ボクはもう一度総理を狙う男。アゲインだ」とは、なかなかよろしい。彼のよいところは精錬潔癖さで私は名古屋市民ではないけれど、応援したい気になるところが、不思議だ。ずいぶん昔に同僚と一緒に食事をし、ああだこうだと、語り合ったことはあるが。わたくしのことなど、もう覚えてはいないかもしれない。とにもかくにも、おからだを大事に、「なごやを〝だゃあひょうする〟人間カワムラとして、だ。石破氏とか野田氏なんかには負けることのないよう。日本の政治をよくしてほしい、と。本気で思っている。いかがか。かつての私の同僚もそう思っとるだろう。

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年9月~)

2024年9月30日
 自民党の石破茂総裁がこの日、党本部で記者会見。次期首相として衆院選を10月27日投開票の日程で実施する、と表明。9日に衆院を解散する意向で公示は15日になる。首相就任前に衆院選の日程を明言するのは極めて異例で、立憲民主党の野田佳彦代表は「国会軽視だ。不見識極まりない」と批判している。

【大谷 2冠確実 54本塁打・130打点 2位に大差 打率は4厘届かず 打者専念最高のシーズン 初のプレーオフへ躍進誓う】【ヒズボラ幹部ら 20人超殺害 イスラエル主張 イエメンでも空爆】【ローマ教皇批判「不道徳」】。いずれも本日付中日新聞の夕刊1面見出しだが、同じ人間でありながら、この落差は一体何なのだ、と。天国と地獄とは、このことではないか-と、ついつい思ってしまう。

 午前中、愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)に留守をたのんで昨日の歯のメインテナンス治療に続き、再び歯医者さんへ。古くから使っている入れ歯の矯正、そしてもうひとつ新しいのをつくって頂くためだが、新しいのは、なおしばらくかかりそうだ。若いころには、思いもしなかった年寄りの歯の治療である。

(9月29日)
 プロ野球の読売巨人軍が28日、マジックナンバーを「1」として臨んだマツダスタジアムでの広島戦で8―1で快勝。2020年いらい4年ぶりに39度目のセ・リーグ優勝を果たした。1リーグ時代の9度も含めれば通算48度目の制覇で、強打の捕手だった阿部慎之助監督は就任1年目での栄冠となった。新聞報道によれば、過去2年連続4位だったが、今季初めて開幕投手を務めた戸郷翔征、復調した菅野智之両投手が二枚看板として活躍。昨季王者だった阪神の追い上げを振り切ったという。
 一方、米大リーグ、ドジャースの大谷はデンバーでのロッキーズ戦に1番・指名打者で出場、54号3ランを放つなど5打数4安打4打点で打率をナ・リーグ2位の3割9厘に上げ、トップとは5厘差に近づいた。また二回には二盗を決め今季57盗塁とし、2001年にイチロー(マリナーズ)がマークした56の日本選手シーズン最多記録を更新。チームは11-4で勝ち、3連勝。またダイヤモンドバックス戦に先発したパドレスのダルビッシュは、5回3分の1を3失点で7勝目を挙げ、日米通算203勝で黒田に並んだ。大谷にせよ、ダルビッシュにせよ、日本人選手は本当によく頑張っている。

 朝刊は【能登豪雨1週間 住民456人が避難】【泥まみれでも前を向く 輪島片づけ作業続く】【幹事長 森山氏起用へ 自民人事 選対委員長は小泉氏】【ヒズボラ指導者殺害 イスラエル軍が本部空隙】(いずれも中日新聞)といった見出しが目立つ。

(9月28日)
 土曜日。石川県能登地方を襲った記録的豪雨からこの日で1週間。豪雨による死者は輪島市と珠洲市で計11人、他に2人が行方不明で、連絡が取れない安否不明者も4人に上っている。イスラエル軍が27日、レバノンの首都ベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆。イスラエルメディアは、指導者ナスララ師を標的にした攻撃で、ナスララ氏は死亡。レバノン国営通信によれば、この空爆で6人が死亡、91人が負傷。AP通信はここ1年ほどでベイルートに対する最大規模の空爆だった、と伝えたという。それにしても、人を人とも思わない、このむごたらしい戦争はいつまで続くのか。人間とはやはり、自分勝手な魔物、いきものに過ぎないのか。

(9月27日)
 静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年6月30日に起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)。再審公判で静岡地裁(国井恒志裁判長)は、きのう26日に無罪の判決を言い渡した。〝犯行着衣〟とされた5点の衣類と衣類の一部の切れ端、自白調書の3つをいずれも「捜査機関の捏造(ねつぞう)」と認定、同時に検察や警察の責任が厳しく断じられたのである。最新判決公判で無罪を言い渡した国井裁判長は「ものすごく時間がかかりました。裁判所としては申し訳ないと思っております」と語り、巌さんの姉ひで子さんは判決後、浜松市の自宅に帰り、弟の巌さんに「今日はいいことがあった。無罪の判決が出た。あんたが勝った。あんたの言うとおりになったよ」と語った。巌さんは、うちわをあおりながら姉の言葉にじっと耳を傾け、「あんたが勝った。あんたの言うとおりになった」との姉ひで子さんの言葉には時折、笑みを浮かべたようだったという。

 また中日新聞社も1面で【事件当時、中日新聞社は袴田巌さんを犯人と断定する報道をしていました。袴田さんと家族の人権と名誉を傷つけたことを深くおわびいたします。】と謝罪の記事を掲載。【中日新聞社は2009年、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しました。今後も予断や偏見を排した冷静な報道を続けて参ります。】とも付け加えた。

 冤罪事件といえば、だ。当時、赤いフェアレディーZを乗り回し、長野富山連続女性誘拐殺人(1980年2月~3月に発生)を犯したあの女性犯(宮崎智子)とともに共犯容疑で逮捕された贈答品販売業北野さんのことが思い出される。当時、マスコミ各社は北野さんを共犯と断定する報道を続け、のちに各社とも冤罪報道で謝罪したいきさつがある。
 あのとき、名古屋本社から派遣され、長期にわたって現地取材。足と耳、目を駆使した取材で「北野さんはやってない。なぜ書かなきゃいけないのだ」と長野支局デスクに食ってかかり「デモな。ガミちゃん。警察が逮捕したものを書かないわけにはいかないだろう」という冷たい表情のデスクと怒鳴り合いとなった日々が思い出されるのである。冤罪捜査同様、冤罪報道もよくないのである。

 パワハラなどの告発文書を巡り兵庫県議会で不信任決議を受けた斉藤元彦知事が26日、県庁で記者会見。30日付で自動失職し、出直し選挙に出馬する-と表明。

(9月26日)
 【能登豪雨 死者11人 廃棄物仮置き開始】【石破・高市・小泉氏競る あす自民総裁選 決選投票の公算大】【伊勢湾台風映し出す教訓 ―被災65年― 大同高教員撮影の動画発見公開へ】(中日新聞26日付朝刊)。
 かなしいこと。楽しかったこと。辛いこと。このところは、むしろ気が滅入るような不幸で悲しい出来事ばかりではあるけれど。新聞各紙は、それでも-と、きょうも歴史の1ページを後の時代に向けて、発信し続けているのである。
 なかでも嬉しい話といえば、だ。【池江選手 白血病が「完全寛解」】ではなかろうか。2019年に白血病を公表した競泳女子の池江瑠花子選手(横浜ゴム)が25日、病状が治まって異常が見られなくなった状態を指す「完全寛解」を迎えたとインスタグラムで報告したニュースか。池江さんは「とても長い5年間だったなと感じています」などと今の心境をつづったという。

 そして。夕刊は何といっても5098人もの死者・行方不明者を出したあの昭和34年9月26日夜に東海地方に襲来した伊勢湾台風に関するもので、紙面は【伊勢湾台風65年 犠牲者悼み 防災へ思い新た 名古屋などで慰霊祭】の見出しに能登半島豪雨災害関連の記事【学校再開久々の笑顔 豪雨で休校 輪島の小中】だろう。ほかに、あえて言うなら、だ。【兵庫知事 出直し選出馬へ 午後会見 自動失職の意向】か。

2024年9月25日
 新聞を読んでいると、つくづく思う。この世は地獄なのか、とだ。でも、そうであってはならない。人間みんなの努力で少しでもそうはならないように、幸せな社会にしていかなければ、と。そうは言っても人間たちに自然界を災害のない、不幸のない世界にする力があるかとなれば、だ。はなはだ疑わしく難しいことも事実だ。

 【能登豪雨72時間経過 死者8人に 被災仮設救いの手 ボランティア始動】【片方の靴 希望と焦燥 能登豪雨72時間経過 懸命の捜索続く 千枚田複数土砂崩れ 輪島】といった見出しの数々。これらの活字を目の前に、わたくしは、かつて家族5人(あえていえば、ほかに今は亡き愛猫てまり、に兎のドラえもんさんが共に過ごしていた)そろって7年の長きにわたって過ごしていた能登がそれこそ、満身創痍、傷だらけになっている惨状を改めて思う。と同時に被災地の皆さまは誰もが、もはや心が折れる寸前ではないか、とも推察する。そのように思うと、いま改めて能登の悲劇に打ちのめされるのである。でも、なんたることだと叫んだところで、どうにもならないのも事実だ。

 夕方。届いた夕刊を手に取ると【大関大の里誕生 「唯一無二の力士を目指す」 昭和以降最速】の活字が飛び込んできたのである。

 25日付の中日新聞夕刊1面。「唯一無二の力士を目指します」と大関大の里が誕生した 
 

 
(9月24日)
 火曜日。
 プロ野球のソフトバンクが23日、4年ぶりのパ・リーグ制覇を果たした。この日、マジックナンバーを【1】として臨んだオリックス戦の終了直前に2位の日本ハムが破れたことにより優勝が決定。オリックスには9―4で勝った。中日スポーツによれば、だ。ソフトバンクは南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代も含めると22度目の栄冠。過去3年はオリックスに3連覇を許したが、就任1年目の小久保裕紀監督(52)が昨季の3位からリーグ制覇に導いたという。

 けさの朝刊報道。【能登豪雨死者7人に 断水5000戸 孤立なお56カ所】【田を守り続けた父=輪島市堀町、尊谷松夫さん(89)=「なぜ…」 輪島で犠牲 長男悔やむ】【「奇跡起きて」祈り捜索 能登豪雨 中3不明 同級生も現場に】【濁流82歳夫婦のむ 救出後に犠牲「悔しい」近隣住民ら】=いずれも中日=といった記事がなんともいたましい。私たち人間は自然の猛威の前には、ただ立ち尽くすほかないのか。合掌―

 能登の豪雨水害はNHKでも連日、報じられている(NHKニュース。24日夜の画面から)
 

 

 午後。銀行へ行き、平和堂近くの喫茶「日向ぼっこ」でランチを食べ、レモンティーをのみながら、なぜか舞、たつ江のことを思い出す。彼女の生前に何度も一緒にこれば良かった。のに、と。つくづく反省する。共に訪れたのは、数えるほどだった。

 帰宅し、夕刊を開く。新聞紙面には【不明者 懸命の捜索 能登豪雨72時間経過 災害ボランティア始動】【レバノン1600カ所 空爆死者492人に イスラエル、攻撃続行の構え】の見出しが目の前に迫った。自然の威力が脅威なら、人間のやることは誠にお粗末に過ぎる。あ~あ。

(9月23)日
 朝。新聞(中日など)に目を通す。
 【能登豪雨115集落孤立 死者6人 行方不明2人】【中3の娘1人いた家流され 父「早く見つかって」】【寸断 家族捜せない 能登豪雨 不明の義母案じる男性】【地震耐えた家 弟犠牲 土砂で倒壊、姉悲鳴】【仮設住宅9カ所で床上浸水 安全な平地少なく】【トンネル付近13人救出 輪島 消防・自衛隊、捜索続く】……の活字がわが目に次々と飛び込んでくる。なんたることなのだ。わが愛する能登半島。あれほどまでにいたいけで純粋な能登に、自然たちは何か恨みでもあるというのか。泣きたくなってくる。とは言っても、だ。今は少しでも早い復旧を、このうえは被災地に1日も早い平穏が戻ってくることを願うほかない。

 ところで、今は午後10時過ぎである。外では、ここ尾張の地でも雨粒の音が異常と言っていいほどの大きさで軒を打ち始めた。この雨音の集団を耳に私は、かつての自身を思い出すのである。こうした被災地を目の前にするつど、私は若き日々、第一線の取材記者として写真部員のカメラさんと一緒に、それこそ決死の覚悟で何度も何度も、それこそ数えきれないほどの現場に急行。これでもか、これでもかーと全国各地の被災現場(どこも多くの人々が息絶えた修羅場といっていい惨状であった)に取材ヘリで上空から派遣されたあの壮絶だった日々のことを思い出すのである。
 どの現場も100年に一度あるかないかの地獄の惨状に呻いていた。人間たちの心という心が全て切れ切れになっていた。そんな被災地のあの日々の姿が目の前に大きく浮かぶのである。

 具体的には、三重の嬉野豪雨に始まり、岐阜の栃尾温泉崩落、山陰豪雨、長崎大水害、中部日本海地震、長野で起きた老人ホーム「松寿荘」崩落、三宅島噴火……と、それこそ数えきれないほどの被災現場を訪れた、あのころは歩けば歩くほどにこちらの精神までが傷つき、ボロボロになりながらの過酷な取材で、それでもどこまでも歩き続けた……。まさにあの日々の、あの悲劇の数々が頭に焼き付いているのである(災害以外では稚内沖オホーツクの海へのソ連機による大韓航空機撃墜事件の現地取材、そして御巣鷹山への日航ジャンボ墜落時には航空評論家氏に同乗して頂いての再三に及ぶ上空からのルポ、ほかに山口で起きた自衛官小銃乱射事件の現場や長野富山連続女性誘拐殺人事件の現場取材でも長期特派されたりした)。

 ましてや、能登半島といえぱ、だ。名古屋空港を担当する空港記者として各地の災害事件現場にそのつど派遣された社会部(小牧)に続く思い出の染みついた任地=当時、七尾支局長として着任した=で実に7年の長きにわたり家族5人もろともに過ごしたそれこそ、私たち家族には忘れられない聖地なのである。その能登が今、地震、そして豪雨水害という自然災害に呻いている。かといって、起きてしまった災害をなくすわけにもいくまい。所詮、人間たちは自然の手の中で生かされている。起きてしまった以上は、どうしようもない。薄情極まる自然たちに遊ばれているとさえ思われてくる。
 それでも、なんとかして元の平穏なる生活に戻らなければならないのである。

 それはそうと。きょうは、不思議なことが起きた。昼前。わが家の窓から1羽の蝶がふんわりふわりと、リビングに飛んで入り、しばらくカーテンにつかまっているではないか。わたしには、この1羽がどうしても舞の化身に思われて仕方なく、しばらくそのままにしておいたが、やがてその蝶は翼を広げ窓越しに大空に飛び立っていったのである。彼人(かのひと)ならでは、で長年住み慣れた能登半島のことを心配して飛んで来たに違いない。この世は不思議。謎めいた異界である。ふと、そんなことを思ったりした。舞よ、マイ、まい。たつ江よ。おまえが大好きだった能登、あの<のと>が今うめいている。早く元通りになるといい、よね。

 ふわりと室内に飛び込んできた不思議な蝶々。舞の化身に思われてしかたがなかった
 

 23日。この日は東京都内で開かれた立憲民主党の臨時党大会で野田佳彦元首相(67)が新代表に選ばれた。野田氏は1回目の投票でトップになったものの過半数に達せず、決選投票で枝野幸男元代表(60)に勝利した。「本気で政権を取りに行く」との第一声だったが、期待しようではないか。きょうは、昼の間、この町(花霞)の3組2班の班長として熱田神宮の初穂料の回覧板を回す、などあれやこれやに追われ、今(午後11時前)になってやっと、こうして書いている。それにしてもナンダカンダに振り回され、休む暇がない。

 防衛省によると、23日、露軍の哨戒機「IL38」1機が北海道礼文島北方の空域で同日午後、計3回領空侵犯。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進、1958年に対領空侵犯措置を開始してから初めて強い光りと熱を発するフレアを使用して警告。同時に日本政府はロシア政府に厳重抗議。イスラエルがヒズボラ拠点300カ所を攻撃。182人が死亡、700人以上が負傷。

(9月22日)
 朝刊1面は案の定、【能登豪雨16河川氾濫 1人死亡 仮設住宅浸水 10人と連絡取れず】【流される車 間一髪の救出劇 地震復旧作業員ガラス破り】【復興半ば無情の豪雨 仮設住人「地震で大変なのに洪水」 輪島 土砂崩れ両足挟まれ 珠洲 道路寸断孤立相次ぐ】(22日付中日見出し)と痛ましい活字が並んだ。ほかにも【「被爆体験者」の医療拡充 長崎地裁判決には控訴 首相表明】(同)と紙面は暗い話題で埋め尽くされている。

 それでも救いと言えるのが大の里の2度目の優勝を伝えた【大の里 2度目V 秋場所 大関昇進確実に】(22日付中日)といった記事である。大相撲の秋場所14日目が21日、東京・両国国技館で行われ、西関脇の大の里(24)=本名中村泰輝、石川県津幡市出身、二所ノ関部屋=が大関豊昇龍を破り、13勝1敗で2場所ぶり2度目の優勝を決めたという明るい話題である。
 大相撲と言えば、場所中に現役を引退した元大関貴景勝の湊川親方(28)=本名は佐藤貴信、兵庫県出身、常盤山部屋=が21日、両国国技館で記者会見に臨み「燃え尽きた。横綱をめざす体力、気力がなくなった」と言葉を詰まらせながら語った。優勝4度の実績があり、まだ若いだけに残念な気がしないでもない。先場所で2度目の大関陥落となり、今場所は復帰に必要な10勝をめざしたが、結果的に最後の取組となった2日目の一番で、かつて自身の付け人を務めた王鵬に敗れて土俵を去ることとなった。人生いろいろである。

2024年9月21日
 NHKラジオによれば、気象庁が午前9時7分、線状降水帯が発生した-として石川県能登半島の輪島市、珠洲市、能登町にレベル5の大雨の特別警報を出した。猛烈な雨により河川が氾らん、珠洲市では2カ所で孤立集落までが出ているという。なぜ、能登半島ばかりがこれほどまでに痛めつけられるのか。わたくしは、そのことを今は亡き妻、伊神舞子、すなわちたつ江に空に向かって聞いてみる。彼女はこういうだろう。
「わかんない。わからないってば。それより、からだ大丈夫。あまり無理しないことよ」と。

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が19日、マイアミで行われたマーリンズ戦でメジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成。ふたつの盗塁を決め51盗塁としたあとに六回に49号2ラン、七回に50号2ランを打って到達。それぱかりか、九回には51号3ランも放ち、6安打、3本塁打、10打点はいずれも日本選手の1試合最多記録となった。チームは20―4で快勝。大谷は、9試合を残して「51本塁打、51盗塁」。メジャー7年目で初のプレーオフ進出も決めた。快挙を成し遂げた大谷は「これだけ打てたことは人生でもない。自分が一番びっくりしている。一生忘れられない日になった」と話している。

(9月20日)
 空の日である。
 斉藤元彦兵庫県知事らのパワハラ疑惑に端を発した県議会(定数86)の全会派と無所属議員が19日、斉藤知事への不信任決議案を共同提出し、全会一致で可決。斉藤知事は10日以内に失職か県議会を解散するかを求められるーとは、本日付の中日新聞。【兵庫知事不信任可決 全会一致 斉藤氏「責任重い」 辞職か解散 明言せず】の見出しで報じている。
 ほかには中国南部の広東州・深圳(しんせん)市で18日、深圳日本人学校の男子児童(10)が通学中に男に刺された事件で、病院で治療を受けていた男児が19日未明に死亡。金杉徳治駐中国大使が、中国側に事件の説明と日本人の安全確保を求めたことか。毎日毎日、いろいろある。

(9月19日)
 木曜日。彼岸の入りである。
 きょうも【中日・立浪監督 今季で辞任】、【通信機器2日連続 ヒズボラ標的21人死亡】(中日)をはじめ、【知床観光船沈没社長逮捕 海保業務上過失致死疑い】【ポケベル一斉爆発 ヒズボラ配備品12人死亡、2800人負傷】、【強制不妊、補償法案了承 超党派議運】(毎日)など、この社会にはいろいろ報道が飛び交っている。
 なかでも私が住むこの地方でのニュースといえば、だ。立浪監督の今季限りの辞任表明であろう。これはあくまで私見ではあるが、わたくしはピンチこそチャンスで、これをいい機会にあのイチローさんにドラゴンズの新しい監督になってもらえたら、と。あくまで願望ではあるが、そう願う。

 ちなみに、きょうの中ス(中日スポーツ)1面記事の総合リードをここに記録として残しておこう。
―中日の立浪和義監督(55)が18日、今季限りで退任する意向を表明した。バンテリンドームナゴヤでの阪神戦に3―8で破れた試合後の会見で「結果が全ての世界。監督が責任を取るのは当然です」と話した。2022年に就任し1、2年目は最下位。今季も下位に低迷していた。ファンに誓ったチームの立て直しを果たせないまま、道半ばでユニホームを脱ぐことになる。

 立浪退任を報じた中日スポーツと中日本紙
 

 

 夕方。能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】を作曲して頂いた作曲家牧すすむさん=牧さんは琴伝流大正琴弦洲会の会主(倉知進さん)で大師範でもある=ともども名古屋の神宮前レコーディングスタジオへ。牧さんの指示に従い【能登の明かり】が同スタジオのエンジニア名手、若干24歳の石川海(いしかわかい)さんの幽玄、かつ幻ともいえる不思議な手で最終的に繰り返し繰り返し、修正されていく場面をこの目と耳でしっかりと確かめさせて頂いたのである。
 ここまで長い道のりではあったが。あとはCDの誕生を待つばかりとなった。

(9月18日)
 水曜日。徳富蘆花忌。

 本日(18日)組の中日新聞夕刊は【ポケベル爆発2800人負傷 ヒズボラ標的、9人死亡 レバノン イスラエルに報復宣言】【「次は私たちのスマホか……」原因不明 市民は恐怖】、さらには【北朝鮮が弾道ミサイル 複数発射 日本のEEZ外落下】(18日付中日夕刊)といった内容で、血なまぐさい活字が並ぶ。そうしたなかで米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が17日、マイアミで行われたマーリング戦で自己最多を更新する48号2ランを放ち、メジャー通算219本塁打としアジア選手単独最多となったとの報道は明るい話題である。ドジャースのシーズン記録は2001年のショーン・グリーンの49本塁打で、大谷はあと1本に迫ったという。

 きょうの中日新聞1面に【17日夜は「中秋の名月」 岐阜市木田の堤防の上ではほぼ真ん丸の月が、金華山山頂の岐阜城の背後から昇っていく光景が見られた】の写真説明入りで<名月を背に>した満月の写真が。そして尾張版には【新本堂響く本格オペラ 江南・永正寺でこけら落とし公演 プロ歌手とアマ合唱団 上質な音追求した空間】の記事が掲載されていた。どちらも、心なごむ新聞ならではの温かい報道である。

 17日夜の中秋の名月(中日新聞)
 

 永正寺での本格オペラのこけら落とし(中日新聞尾張版)
 

    ※    ※    ※
 今季の中日でファン投票を基に最も活躍した選手をえらぶ「第43回ドラゴンズクラウン賞(中日スポーツ主催、愛知トヨタ協賛)」に17日、高橋宏斗投手(22)が決まった。愛知トヨタから最高級乗用車「クラウン」が贈られる。表彰式は23日の広島戦終了後にバンテンドームナゴヤで。

(9月17日)
 火曜日。十五夜である。
 米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞の発表・授賞式が15日(日本時間16日)、ロサンゼルスで開かれ、日本の戦国時代が舞台の米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」が連続ドラマ部門作品賞を受賞、出演した真田広之さん(63)とアンナ・サワイさん(32)がそれぞれ主演男優賞、主演女優賞を獲得した。エミー賞で日本人俳優の主要部門受賞は初めて。SHOGUNは18冠に輝いた。プロデューサーも務めた真田さんは日本の時代劇関係者らに謝意を示し「あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を超えた」と日本語で語った。サワイさんは、真田さんが「扉を開いてくれた」と目に涙を浮かべた。――とは、中日新聞の【日本人2俳優 エミー賞受賞 真田さんら「将軍」18冠】(17日付見出し)の記事からである。

 それから自民党総裁選(27日投開票)だが、共同通信が国会議員票や党員・党友票(地方票)の動向を探ったところ、9候補のうち小泉進次郎元環境相(43)、高市早苗経済安全保障担当相(63)、石破茂元幹事長(67)の3氏が先行している情勢が分かったという。このままだと、1回目の投票でどの候補も過半数を獲得できず、上位2氏による決選投票となる公算が大きい。総裁選の期間はまだ10日ほどあるうえ約2割の議員が投票先未定のため、なお流動的だという。自民党支持層電話調査で「新総裁」に誰がふさわしいか尋ねたところ、高市氏が最多の27・7%、石破氏23・7%、小泉氏19・1%だったという。

 ほかには【100歳以上 最多9万5119人 54年連続増 女性が88%】【トランプ氏暗殺未遂容疑者 11時間半待ち伏せか】(いずれも17日付、中日夕刊)といったところか。

(9月16日)
 月曜日。「敬老の日」で祝日。夕刊はこない。
 朝。ゴミ出しのあと、いつものように俳句猫「白」、すなわちシロちゃんを送り出す。雨降りの後で路面が水に濡れていたため、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、しばらく外の様子を確かめたあと、いつもより遅く午前11時前になって自宅を出た。おかあさんと会い、近況を報告するには、やはり、晴れたそらの下の方が良いらしい(彼女は、その後、正午過ぎには帰宅、ほんとに規則正しい)。

 敬老の日ということで各紙には【65歳以上最多3625万人 人口推計4人に1人が就業】(中日)【高齢者過去最多3625万人 総務省統計 4人に1人就業】(毎日)といった見出しが目立つ。
 スマートフォンが鳴る。開くと「ゴルフ中のトランプ氏暗殺未遂事件…容疑者との距離400m前後コース付近の」とあった。開くと【コース付近のフェンスで銃を構えた男にSSが発砲 FBIが捜査開始】とあるではないか。さらに読み進めると「アメリカ南部フロリダ州で、トランプ前大統領を銃で狙ったとみられる事件がありました。FBI(アメリカ連邦捜査局)は、暗殺未遂事件として捜査を開始しました。捜査当局によりますと、15日午後、トランプ前大統領がゴルフをしていたコース付近のフェンスで、銃を構えた男をシークレットサービスが見つけ、発砲しました。/現地メディアによりますと、男はライアン・ラウス容疑者(58)で、捜査当局は容疑者の身柄を拘束し、現場から「AK47自動小銃」を押収しました。……】とあるではないか。いやはや、トランプはまたしても狙われたのか。

 そういえば、つい先日、弁護士の兄夫妻が一昨年(2022年)の5月16日に満102歳の誕生日(6月1日)を前に日進の愛泉館で亡くなった母(伊神千代子)の生前、101歳のころの写真をわざわざ送ってくれた。倹約、節約家だった母を習ってか兄夫妻は母の使い古した切手を秋の切手の値上げ前に-と思ってか封筒いっぱいに張り、送ってくれたのである。
 その懐かしい母の写真を息子がおかあさん(舞、たつ江)の仏の隣に掲げたのは言うまでもない。おかあさん、そして舞よ、マイ。俺たち元気でいるから安心してよね。

 母の写真は倹約家の母ならでは、か。兄夫妻により使い古しの切手と共に私たちの下に送られてきた
 

2024年9月15日
 朝。起きて。いつものようにスマホをチェック。社交ダンス仲間のミズタニただしさんはじめ、曽我部さん、おときさん、若先生、そして。ほかにも多くのダンス仲間たちから「おはようございます。本日9月15日付の中日新聞朝刊に権太さんの本の記事が掲載されていました。なんか私達のダンス仲間 権太さんの事が光り輝いた感じです もう一度『わたし帰った かえったわよ』 本棚から取り出して読んでみます。」(ただしさん)「ゴンタさん 凄い!不思議な魅力がある方と思っていました」(おときさん)といった嬉しいメールが続々と相次いで寄せられ、わたくしは皆さんにどうお礼を申していいのか。ちょっと、たじろいでしまったのである。

 と同時にあらためて、かつて私自身も名もなき一人の新聞記者として携わってきた記事の威力が、どういうものであるかを、思い知らされもした。私の著書のこんな新聞掲載という思いもしなかったハプニングのせいか。けさは元々ちらちらと痛む前々からの抜歯跡が本日に限ってなぜだか、大波の如く痛み、これも何かの因果かなっ、と思った次第。それにしても、けさのその部分の激痛には驚いた。激痛は、まるで津波のように私を三度、襲ったのである。でも、それもしばらくして治まった。大丈夫かとは思うが。いつもの癖で何かと神経質になりすぎだからに違いない。

 午後、買い物の前に近くの古知野食堂で昼食を取ったが、朝方の歯肉痛は嘘の如く治まっており、食事もふつうに食べることが出来た。それにしても、けさのあの痛みは何だったのか。というわけで、きょうは、安全を期して入浴は久しぶりにやめることとした。ポックリ逝ってしまうようなことがあったら、こどもたちばかりか、日ごろお世話になっている友人や周りの人たちを悲しませるばかりか、何よりも迷惑をかけてしまうに違いないからだ。元気でいてこそ、わたくしの文学は実りあるものだからである。わが身を大切にしなければ。
 わが身はむろんのこと、まだまだ大切にせねばならない人々はいっぱいいるのである。簡単に倒れるわけにはいかない。

 中日新聞の「読者の一冊」特集に思いがけず掲載された自著「あたし帰った かえったわよ」の記事

(9月14日)
 【強制不妊全訴訟和解へ 原告と政府 合意書調印 本人に慰謝料1500万円】【静岡県ボーリング容認 リニアJR東海に17日にも伝達】【コメ5㌔ 前年比427円上昇 8月全国平均は2266円】【警察の個人情報収集違法 岐阜県警に一部抹消命令 名高裁判決】(14日付中日1面見出し)とは本日付新聞のニュースである。
 なかでもリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り静岡県が17日にも、県内でボーリング調査を容認する考えをJR東海側に伝えることが関係者への取材で分かっとは、これまで停滞していたリニア中央新幹線開業への道が一歩大きく進むことになったと言ってもよい明るいニュース。それだけに、こんごどんな展開となるか、大いに期待してよいと思う。

 ほかには【▲「人を笑わせ、考えさせる」研究に贈られるイグ・ノーベル賞。今年の生理学賞に選ばれた東京医科歯科大の武部貴則教授らのグループは米マサチューセッツ工科大での授賞式にさかなクンよろしくドジョウの帽子をかぶって登場した▲腸呼吸をヒントにマウスやブタに肛門から酸素を溶かした液体を注入して血中の酸素を増やす「腸換気法」を開発した。「哺乳類もお尻から呼吸できる」ことを証明したのが授賞理由だ(毎日、余録から)】とは、18年連続の日本勢の受賞研究の中でもトップクラスの受賞ニュースか。
 そして。もう一件あげるとしたなら、俳優吉永小百合さんの夫岡田太郎さん=元共同テレビ会長=の死であろう。東京都出身の彼は3日、胆のうがんのため亡くなり、妻吉永(岡田)小百合さんが喪主となり、家族葬が行われたという。94歳だった。悲しみは、どこまでも途切れることがない。

(9月13日)
 この世の中は、毎日毎日が流れ星のごとく瞬間的に通り過ぎてゆく。
 そんな中を人間たちはそれぞれの思いを胸に、どこまでも生きていくのである。

 金曜日。朝刊は【自民総裁選に最多9氏 27日投開票「政治とカネ」争点】【脱派閥議員票奪い合い 自民総裁選自主投票が浸透 裏金再発防止 世帯交代 子育て支援】【マイナ免許証3月導入 警察庁方針切り替えは任意】【強権の「救世主」激動人生 フジモリ元大統領死去】【ペルーに「アイチ・ナゴヤ学校」 寄付で建設 貧困地域に教育機会】【両親がアフガン難民 女児に日本国籍許可 名高裁が初の決定】(いずれも13日付の中日見出し)…といったところか。

 いやいや、まだまだある。
【兵庫知事不信任へ 全会派 19日に共同提出 パワハラ疑惑】【「ドンファン」元妻 無罪主張 和歌山地裁初公判 検察「遺産目的」 資産家殺害事件 完全犯罪何度も検索】(毎日13日付朝刊見出しより)。
 世の中が生きている限り、いろいろある。天気が悪くなれば天から降ってくる雨粒みたいなものか。わたくしは生前の舞に「だから、世の中なんて。所詮は無、無なのだよーと訳も分からないのにそう言い、同意を求めたものである。それでも、この世は生きているんだから。互いに大事にしようよね-とは生前の彼女の目、視線でもあった。

 私が主宰するウエブ文学同人誌の次回テーマエッセイをどうするかーについて黒宮涼編集委員と電話で久しぶりにあれやこれやと話し合う。この結果、次回テーマエッセイは、AIを取り入れたエッセイ(テーマは自由)にすることで新しい文学の世界に挑戦していくこととなった。さて、どうなるか。中部圏の同人誌、いや、日本中の同人誌でもおそらく初めての試みとなるに違いない。それだけに、読者のみなさまには大いに期待してほしく思う。

 午後、社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ。タンゴにワルツ、スロー、それにきょうからはスロー・フォックス・トロットが加わり、かなりハードなレッスンとあいなった。それでも先生(わかさん)は「ごんたさんには、スロー・フォックス・トロットが案外、あうような気がします」なんだって。

(9月12日)
 さて誰が次の自民党総裁に選ばれるか。国民の関心は高い
 

 岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選が12日午前に告示され、27日投開票に向けた15日間の選挙選がスタート、過去最多の9氏が届け出た。上位2人による決選投票になる公算が大きいという。夕刊1面の紙面はどこも自民総裁選一色だが、ほかのニュースといえば、だ。【フジモリ元大統領死去 86歳 ペルー、日系人で初】【マイナ免許証3月から 警察庁 取得・更新費用安く】(中日)【日鉄、米当局と協議 USスチール買収 正当性主張か】【景況感2期連続プラス 大企業7~9月 製造業、価格転嫁進む】(日経)といったところか。

(9月11日)
 中日新聞夕刊によれば、米大統領選の民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)によるテレビ討論会が10日夜(日本時間11日午前)、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた。6月の討論会で撤退したバイデン大統領(81)に代わって出馬したハリス氏とトランプ氏の直接対決で2人は経済や人工妊娠中絶の権利、移民政策などを巡り激しい応酬を繰り返したという。

 午前中、神宮前のレコーディングスタジオへ。先日、歌手岡ゆう子さんに吹き込んで頂いた能登半島地震の応援ソング【能登の明かり】のCD化の件で担当スタッフ石川海(いしかわかい)さんにお会いし、最終調整をするためである。能登半島を赤く照らす水平線、そして海岸に咲いた歌のポイントでもある雪割草…と被災地の方々お一人ひとりに岡さんの声とともに十分、勇気と希望を与える内容だと確信し、私なりに満足して帰宅したのである。あとは作曲者である牧すすむさん、歌手の岡さん、編曲者の安本和秋さんにあらためて確認させて頂き、異論がなければ、このCDでーと思っている。
 帰りに、名鉄神宮前駅近くの食堂に入り、久しぶりに名古屋めしの昼食をたべ、帰宅した。

 久しぶりに食べた名古屋めしの昼食
 
 

 そういえば、きょうは9月11日である。ニューヨーク同時多発テロが発生したその日だ。私はあの日、新聞社の編集局デスク長としてデスク長席に座った、まさにその時、世界を揺るがす大事件が起きたのである。以降は、ウサマ・ビンラディンを中心とした記事に来る日も来る日も同僚らとともに忙殺された、まさにその日が始まりだった。

(9月10日)
 中日新聞の本日(10日)付夕刊によれば、東電が本日、福島第一原発2号機の溶解核燃料(デブリ)の試験的取り出しを始めた。2週間程度をかけ格納容器内からの少量の採取をめざすという。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断。採取作業は2011年3月の事故後、初めてで当初計画の21年から3年遅れでの着手となった。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされているだけに、無事な採取を願いたい。

 長崎地裁が9日、国の援護区域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認定されていない「被爆体験者」44人(うち4人死亡)が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で15人(うち2人死亡)を被爆者と認め、手帳交付を命じた。15人がいた地区に放射性物質を含む「黒い雨」が降ったと判断、残る29人の訴えは退けたもので、中日新聞は1面トップ見出しで【長崎被爆体験者15人救済 援護区域外 残る29人は敗訴 地裁判決手帳交付命じる】と報じた。

 第17回夏季パラリンピック・パリ大会が8日(日本時間9日)閉幕。新型コロナウイルス禍の収束を受けて2大会ぶりに観客が戻り、チケット販売は史上2番目の250万人に上り、パラスポーツ最大の祭典はたぐいまれな盛り上がりを生み出し、「共生社会」の未来図も提示したのである。囲碁の国際棋戦「第10回応氏杯世界選手権」五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼本因坊(27)が謝科九段(24)に黒番中押し勝ちし、3連勝のストレートで初優勝。主な世界戦で日本勢が優勝したのは、2005年のLG杯の張九段いらいで19年ぶりだという。

(9月9日)
 月曜日。きょうは休刊日で新聞(朝刊)が来ない日なので、その分ゆったりとした時間が取れ、どこかホッとしている。朝刊が届くと、どうしても隅から隅までとは言わないまでも紙面全体を把握するのにかなりの時間を費やし、体力も消耗するので、その分疲れてしまうのは事実である。

 というわけで、けさは新聞がこないので少し解放された気持ちでいる。月曜日なのでゴミ出しをしたあとは、いつものように舞(たつ江)が晩年に私の目を見て訴えるように話しかけてきた「あのねえ、私が居なくなっても▽エーデルワイス、と▽みかんの花咲く丘(加藤省吾さん作詞のこの歌は、舞が営んでいたリサイクルショップ「エーデルワイス」の歌でもあり、舞は毎月お店を解放してミニ音楽会=コンサート=を開いていた)の2曲は毎日聴いてよね」の言葉に忠実に、ゴミ出しを終えたところでこの2曲を、いつものように愛猫シロちゃんと一緒に聴いたのである。そして、シロは、いつもの時間よりは30分ほど遅れ、意を決してお外に出た。
 どうやら私の心はシロちゃんにも分かるらしい。デ、私はそのつどシロは今や舞の化身ではないか、と。真剣にそう思っているのである。

 ところで新聞の方だが、やはり気になる。夕方になり夕刊を開く。

2024年9月8日
 日曜日。本日付の中日新聞1面見出しは【PARiS 2024パラリンピック 小田 夢見た金 車いすテニス 男子単 「やばい、かっこよすぎる俺」】というものだった。記事もまた以下の通りでなかなか、よかった。
【パリ=下条大樹】宿敵ヒューエット(英国)との激戦を制した瞬間、18歳の小田凱人=おだときと=はラケットを放り投げ、感情を爆発させた。車いすの車輪を両方外し、赤土のコート上に寝転がると、両手で顔を覆って感極まった。初のパラリンピック出場で金メダル。昨年夏、初めて四大大会(グランドスラム)を制したローランギャロスで再び勝ちどきを上げた。「やばい、かっこよすぎる俺」】

 ほかには米大リーグ・ドジャースの大谷がロサンゼルスでのガーディアン戦に「1番・指名打者」で出場して45号ソロを放ち、既にマーク済みである盗塁と合わせ史上初の「45本塁打、45盗塁」を記録。4打数2安打1打点でシーズン100打点と160安打に伸ばし自己最多に並んだことか(ドジャースは1-3で負けた)。

(9月7日)
 パリ・パラリンピック第10日の6日、柔道女子57㌔級(弱視)の広瀬順子(SMBC日興証券)、男子73㌔級(弱視)の瀬戸勇次郎(九星飲料工業)がともに初の金メダルを獲得するなど日本勢は金4を含むメダル9個を奪取、今大会の金メダルは12となり、前回東京大会の金にあと1まで迫った。このうち50㍍自由形に続き、男子100㍍バタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一は「最後苦しいところを耐えれば自己ベストが出るという自信があった」と話している。車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)は決勝でオランダ選手に競り勝って初制覇。男女を通じて日本勢初のダブルスとの2冠に。男子ダブルスの小田凱人(東海理化、愛知県一宮市出身)三木拓也(トヨタ自動車)組は決勝で英国ペアに惜しくも敗れ、銀メダルだった。でも、みんな逆境をはねのけてよく頑張っている、と。私は思う。

 立憲民主党の代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、当選1回の吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補を届け出、23日の臨時党大会で新代表を選出することになった(任期は、2027年9月末まで)。このうち、吉田氏は、立候補を模索していた江田憲司元代表代行(68)と7日朝、国会内で会談。江田氏が出馬を断念し、吉田氏に一本化することを決めたという。どんな結果となるのか。関心がもたれるところだといえよう。

(9月6日) 
 「脱原発社会をめざす文学者の会」で私が執筆している文士刮目が40回目となり、その40回【どこへ行く ニッポン政治】が本日公開された。関心のおありの方にはぜひ読んで頂き、日本の行く末について共に考えて頂けたら、と願う。アドレスは次のとおりである。
 http://dgp-bungaku.com

 朝。スマホがピコピコ、ピコリンコと控えめに鳴った。画面を開くと、七尾で大変お世話になった、かの女性からで「お久しぶりです 今日の朝刊に載ったのでおくります」というもので、そこには本日付の北陸中日新聞<くらしの作文>【一筆啓上 伊神舞子様 竹内喜美代(金沢市=無職・90歳)】なる文が寄せられていた。私は、その心のこもった<くらしの作文>を読むうち、在りし日の妻舞(たつ江)を思い出し、涙ぐんでしまったのである。ありがとう。ありがとう。本当にありがとうございますーと、私は思わずスマホに向かって頭を下げている自分自身に気付いたのである。ありがとうございました。竹内さん! そして教えてくださった笹谷さん。

 北陸中日新聞の<くらしの作文>で紹介された竹内喜美代さんの【一筆啓上 伊神舞子様】
 
 

 午後。いつものように社交ダンスに、と出かけた。久しぶりに【禁じられた遊び】の曲にあわせながら相方とワルツを踊る。おどりながら、腰まであった黒い髪をなびかせ、志摩半島の私のもとにからだひとつで来たころ、なぜかギターだけを胸に抱えていた亡き妻のことを思い出し、ステップを踏みながら果てなく、涙が出る私を感じていた。はたちになるかならないか、のたつ江、舞は【禁じられた遊び】とジョン・バエズの反戦歌が大好きで、わたくしが通信部で執筆中、いつもこのメロディーを弾いていた遠い日々が思い出されたのである。
 同時にこの世を旅立つ前、「社交ダンスだけは続けてよね。健康にいいのだから」と私に向かって命令長でいつも話しかけて、くれていた。でも、曼殊沙華と秋の空が大好きだったその彼女は、もはやこの世にはいない。
♪曼殊沙華人恋ふごとに朱深く
♪秋空に未来永劫と書いてみし

 どこに行ったのか。もしかしたら、私の隣にシロと一緒に幻の精となっているのかもしれない。

(9月5日)
 本日付の中日新聞夕刊1面に【日鉄のUSスチール買収 米、阻止へ最終調整 欧米報道】【島国デジタル化 日豪が支援強化 2プラス2共同声明】に加え【組みひも欧州で芽吹く 大垣の染織家 50年普及活動 独に組織設立 教え子が指導】のホットニュース。なかでも日本の伝統工芸である組みひもや草木染を50年にわたって世界に伝えてきた岐阜県大垣市の染織家所鳳弘=ところほうこう。83歳=さんの頑張りには頭が下がったのである。所さんといえば、私が大垣時代に大垣市の彼女の工房を何度か訪れ、当時は親しい間柄でもあった。記事を読んで、つくづく私もがんばらなきゃあ、と思った次第だ。

 日本新聞協会が4日、2024年度の新聞協会賞を発表。中日新聞社の「福祉事業会社『恵(めぐみ』)の不正に関するスクープと、一連の報道」(中日新聞社「恵」問題取材班)など6件が選ばれた。日本新聞協会は授賞理由で「利益を優先する運営実態を次々と暴いた一連の報道は、愛知県内の事業所指定の取り消しや全国的な『連座制』適用につながったほか、同様の事業所の実態調査を促した。福祉ビジネスに潜む闇を浮き彫りにし、社会的弱者に寄り添うジャーナリズムの在り方を示す報道だ」と評価。
 他の新聞協会賞は。▽自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道(朝日 自民党派閥裏金問題取材班)▽能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真(北国新聞社編集局社会部)▽連載企画「里へ 人と自然の物語」(神戸新聞社 里へ取材班)▽OSINTと3D表現技術による新たなデジタル報道手法の開拓(日本経済新聞社OSINT=オープンソースインテリジェンス=取材班)▽京都アニメーション放火殺人事件連載企画「理由」と公判報道(京都新聞社放火殺人事件取材班)。
 またことしの新聞週間(10月15~21日)の代表標語には10104編の応募作から東京都文京区の山崎一矢さん(41)の【流されない 私は読んで 考える】に決まった。

 愛知、岐阜、三重の3県知事と名古屋、浜松の2市長が集う「東海3県2市知事市長会議」が4日、三重県明和町で開かれ、災害時の情報共有や観光戦略などについて意見を交換。

 ほかには、毎日新聞朝刊に【「俺は知事だぞ」激怒 兵庫申込制の夕食断られ 百条委調査】の見出し。なんとも情けない。もし事実としたなら、だ。ヒヨッコ知事である。警視庁は4日、交通トラブルを装って撮影した他人の運転免許証でクレジットカードを契約しスマートフォンを購入したなどとして東京都江東区の職業不詳、斎藤貴聡容疑者(32)ら男女3人を詐欺の疑いなどで逮捕。

(9月4日)
 きょうは、「くしの日」だそうだ。 
 死者・行方不明者が88人に及んだ紀伊半島豪雨からきょう4日で13年がたつ。このうち29人が犠牲となった和歌山那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろ、遺族らが明かりをともし、祈りを捧げたという。
 
 朝刊1面は、やはり【車いすラグビー 悲願の金 後続に夢 重度障碍者広がる活躍の場】(毎日)【車いすラグビー初の金 若山控えでも堅守支え】【バド梶原連覇】(中日)というものだった。ほかに【ガソリン・電気9891億円補助 追加を閣議決定累計11兆円超え 物価高予備費ほぼ全額】(中日)も気になる記事であった。

(9月3日)
 パリ・パラリンピック第6日。日本は車いすラグビーの決勝で米国に48-41で勝ち、初めて金メダルを獲得した(これまでの最高成績は、2016年リオデジャネイロ、2021年東京両大会の3位が最高成績)。 
 本日付の中日夕刊で目立った記事は、と言えばである。【マングース根絶「極めて高い」 奄美大島ハブ駆除へ移入 環境省検討会】か。ハブとマングースといえば、だ。その昔に北日本一周航路の旅先である七尾港に自船「メイキッス」号で、かの森繁久彌さんが寄られた際、あることで私と森繁さんとが船内で一升瓶を前に大激論となり、その光景を目の当たりにしていた森繁さんのご子息泉さんが「オヤジとゴンタさんはハブとマングースみたいだった」と、その後、私にお会いするつどおっしゃられていた、あの日々が懐かしい。だが、心やさしき日本の名優森繁久彌さんも、親孝行息子だった泉さんも今や、この世にはおいでにならないのである。ああ~ なんてことだ。この世は冷たい。冷た過ぎる  合掌―

 気象庁が2日、ことし夏(6~8月)の日本の平均気温が平年を1・76度上回った、と発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年に並び、2年連続で最も暑い夏に。この高温傾向は9月も続く見通しだという。

 きのう2日は大半の公立学校で始業式があった。能登半島地震で被災した多くの小学校でも始業式が行われ、輪島市中心部などにある6つの小学校の児童が通う仮設校舎(河井、鳳至、鴻巣、大屋、河原田、三井の各小の計396人)などでも同日から使用を開始。児童たちは元気よく登校した。これら児童は校舎が壊れたり校庭に仮設住宅が建ったりしたため、これまで輪島高校や輪島中学校の校舎を間借りして授業を続けてきたという。「新しい場所で、新しい学びが広がっていくとうれしい。『挑戦』『感動』『笑顔』という三つの合言葉を胸にベストを尽くして」とは校長先生=3日付の中日新聞から。

2024年9月2日
 富山市八尾町で私自身もかつて能登に居たころ、2度、3度……と訪れた「おわら風の盆」が、きのう1日から始まった。あす3日までである。立春から数えて210日目、すなわち二百十日のころに、豊作を願って風を切っておどる【風の盆】である。魂の底のそこまでをえぐるような胡弓の音(ね)。編み笠をかぶって踊る女性たち。風をおさえ、退散させる 手のしぐさに足音。そして身のこなし。透き通ったような目と目。何をとっても独特の哀愁をおび、なんともいえない踊りである。

 長い間、ノロノロぐずぐずとはっきりしなかった台風10号。その台風もきのう1日正午には東海沖で熱帯低気圧にやっとこせ変わり、きょうは台風一過の空。空の青が久しぶりに目の前に広がった。
 たつ江。舞。元気でいるか、と上空を見る。そんな朝がやってきた。

 だが、愛猫シロ、オーロラレインボーは、朝からなぜか私の部屋の定位置に座ったまま一向に動こうとはしない。彼女は聡明な猫ちゃんで路面がまだまだ濡れていることを十分に知っている。だから、きょうに限れば戸外などには関心がないのである。
 昨日は、早朝から自ら窓のガラス戸を開け、外に出てしまい、その後なかなか家の中に入ってこないので心配したが帰宅後、庭のかなり伸び放題になった雑草を「そろそろ除去しなければネ」といった顔で私に視線を投げかけ訴えかけるので、そのことを敏感に悟った息子が午後のいっときを当ててアレヨアレヨと言う間に雑草を除去してくれ、私は内心、シロちゃんと息子のふたりには心から感謝しているのである。

 わが家のことを真剣に考え、いつも助けてくれる救世主シロちゃん(オーロラレインボー)
 
 
 いずれにせよ、長かった雨、雨、雨の日々がやっとのことで視界から消え、シロちゃんもこの間は随分疲れたに違いない。というわけで、けさの新聞見出しは【東海道新幹線が再開 台風10号熱帯低気圧に 土砂災害なお警戒】【「きつかった」乗客安堵 全線は3日ぶり】(中日1面)と、どこかホッとする内容である。

 新幹線の再開の報道には多くの読者がホッとした
 

 長雨といえば、だ。かつて岐阜県庁汚職事件が発覚、岐阜県警と岐阜地検により摘発された昭和51年の9月にも当時来る日も来る日も雨、雨、雨で岐阜県警のサツ回りと本巣郡回りだった私は新聞記者として連日、水没した穂積町牛牧団地を舟に乗ってルポ取材した、あの日々が思い出されるのである。

 そして。その年の9月12日。それまで7日から降り続けていた雨がやっと晴れ、まさに、その日に忘れもしない、安八町で長良川が決壊したのである。前夜、記者たち全員が岐阜市司町の岐阜総局(現岐阜支社)に集結し「このまま雨が降り続ければ、長良川は確実に決壊、岐阜市内は全域が水没してしまう。その時に読者一人ひとりを思い、どういった取材をしたら良いのか。みんな、気持ちを落ち着け、いざという時に備えそれぞれの持ち場を死守し、取材に携わってほしい」と時の中日新聞岐阜総局長エノさん(榎本喬岐阜総局長、後に中日新聞北陸本社代表。石川テレビ社長)の言葉に耳を傾け、記者全員が総立ちで緊張した面持ちで万一の取材体制につき話し合った、あの日のことが思い出される。
 翌朝(12日朝)。こともあろうに。それこそ、7日からそれまでずっと降り続いていた空がカラリと晴れ上がり、やっと延々と続いた豪雨取材から解き放たれる、そう思ったその日の朝に、安八町で長良川が決壊(あの時は、ため池破堤説が盛んに論じられた)。大騒ぎになったのである。

 そしてこの間、極秘取材が進むなか、岐阜県庁汚職事件にとうとうメスが入ることになり、日中友好の翼で中国に飛び立とうとする時の平野三郎知事らを同僚のサツ回り石原記者と大阪国際ホテルまで尾行、知事の腹心で捜査当局から任同(任意同行)がかかり、大阪からひとり岐阜にUターンした県参事和田氏を新幹線羽島駅でとうとうキャッチ、汚職の構造が音を立てて崩れ去っていったのも、その年であった(この直撃取材は、昭和51年10月15日付の中日新聞夕刊軟派=社会面=トップで和田岐阜県参事を直撃取材する若き日の私、伊神記者の写真入りで大きく報道されたのである)。

2024年9月1日
 防災の日。
【岐阜と三重で河川氾濫 台風10号「緊急安全確保」発令】(1日付中日新聞1面見出し)【関東など線状降水帯恐れ 台風10号 各地で大雨続く】(同、毎日新聞1面見出し)など。先月下旬から九州、四国、関西、三重、岐阜、東海、関東、三陸…と長期間に及び、各地に雨や風の多大の被害をもたらしてきた台風10号がきょうの正午、やっと東海沖で熱帯低気圧になった。
 この間、このじれったいほどのノロノロ大型台風。各地の新幹線をはじめとした鉄道網の運休はじめ、全日空や日航など空の便の欠航、高速道の通行止めなど。日本中の足を混乱させたばかりか、土砂崩れによる家屋倒壊や風水害、河川の決壊、床上浸水などといった災害を至る所で招き、人々の心を傷つけ、日本中をやきもきさせた。いわば稀有ともいえる大型で超スローモーの台風であった。それだけに、この国に生きる全ての人々が胸をなでおろした、と。そう言っても過言ではない。ホッとしたといおうか。やれやれである。
 
 夜。NHK総合でスペシャル【巨大地震メガクエイク 見えてきた能登の全貌 新たな脅威・軟弱地盤 首都直下あなたの家は】を見て、いろいろあれやこれやと考えさせられた。