詩「怒号」

人には憤りがある
人間として
生まれ落ちた故の憤りがある
哀しみと怒りの憤りがある

戦争で殺しあう人間の
愚かさへの憤りと
     
平等である人間が
差別される憤りと

病気で苦しむ人を
助けられない憤りと

飢餓にあえぐ子供の
空腹を満たせない憤りと

震災で家族を失った人の
苦痛を癒せない憤りと

人々は互いに群れをなし
自らの痛みに耐えながら
こぶしをたかく挙げ
怒号する

その容赦ない現実のありようは
悲惨で人の身を蝕んでいく
踏みにじられ絶叫しながら
人々は互いに助け合い
怒号と憤りで時代を打ち砕いていく