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2012/12/27

期待の若手、山の杜伊吹が掌編小説「雪葬」を公開


☆「雪葬」 「なんだか、この世のなか、いい人から亡くなってゆくみたい。悲しいですよね。でも、これが世の習いなのでしょうか」。先日、お会いしたある大学教授が私と夜道を歩きながらしみじみ、こう語った。
 実際、その通りで私の周囲を見渡しただけでも、この1年の間にKさん、Wさん、Tさん、Sさん、Mさん、Oさん…と記者時代の同僚や先輩、後輩らが、それこそバッタ、バッタと次々に倒れ、黄泉の国へと旅立たれた。みんなことのほかお世話になった。いい人ばかりだ。

 「雪葬」は私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の若手ホープで、パン好きな山の杜伊吹一家が店を訪れるたびに、ひと言ふた言語り合い家族そろって心を通じ合わせてきた市井に生きる一人のパン屋さんを描いた掌編である。
 そのパン屋さんがある日突然、店の前の貼り紙とともに目の前から消えた。
 重度の身障者を抱え、妻とも離婚。それでもお客さんを最優先し、レジにパートさんを頼む以外にはパン焼きなど店を一人できりもりしていた。どこに住んでいたかも分からない、そんなパン屋さん。……

 そしてー。「私」と「息子」は、あてのない手紙をお店のポストに元気なころの店主さんと食パンの絵とともに入れた。「あなたの命を賭けたパン、いつまでも忘れません。いままで 本当に ありがとう」の文面を残して。
 皆さん! 優しさにあふれる「雪葬」をぜひ、読んでください。(「熱砂」主宰・伊神権太記)

2012/12/22

加藤行の詩二編「叶わぬ夢」、「一生いっしょ」


☆「叶わぬ夢」 人間だれとて叶わない夢はある。いや、だれだって叶わない夢のなかで、それぞれの人生航路を歩いているのかもしれない。夢を捨て大地に根を張る。もしかしたら、そこから夢実現に通じる〝ひと筋の光り〟が見えてくる。
☆「一生いっしょ」 だいじな身体。まるい太陽。いっぱいの雨粒さん……。この世にあるものは全て大切なものばかりだ。私たちは、そうした自然を仲間に、共に仲良く生きていかなければ。
いずれも優しさに満ちあふれた心象風景が見事にえがかれています。わかりやすい詩はいいですネ!

2012/12/13

受贈誌(月刊・文藝同人誌「文学街 303号」、「北斗 十二月號」、「文芸きなり 七十五号、「湖都の文学 2012年号」)をありがとうございます


  写真は各地から寄せられた日本を代表する同人誌
  

☆作家&読者を育む月刊・文藝同人誌「文学街 303号」(発行・2013年1月1日、発行者・森啓夫、発行所・東京都杉並区=電話03ー3302ー6023)
☆「北斗 十二月號(593号)」(平成24年12月1日発行、編集発行人・竹中忍、発行所・北斗工房、連絡窓口・棚橋鏡代=名古屋市中区、電話052ー321ー0218)
☆「文芸きなり 七十五号」(発行日・二〇一二年十二月、発行所・文芸「きなり」、事務局=名古屋市昭和区、石川好子方。電話052ー763ー5643)
☆「湖都の文学 2012年号」(発行日・平成二十四年十一月一日、発行者・大津市文化祭実行委員会、編集者・代表石内秀典=編集委員長=、印刷所・サンライズ出版)

 このところ、すべきことが多すぎて紹介が遅れてしまい毎日、気になっていました各地から寄せられた同人誌を上記のとおり、紹介させていただきました。今回も文学街、北斗、文芸きなり、湖都の文学と日本文壇を代表する同人誌や地方文芸の集大成の登場です。詳しくは本欄・伊神権太作品集の〈生きてゆく人間花たち/十二月の唄〉の中の十二月十二日分を、お読みください。

2012/12/11

いま花開く、新鋭・黒宮涼の文学ワールド。ファンタジー小説「窓の向こう、花壇の明日」


☆「窓の向こう、花壇の明日」
 ウエブ文学同人誌「熱砂」のホープ、はたちを過ぎてまもない黒宮涼のファンタジー小説がいよいよ登場。皆さん、ぜひ、ご一読ください。特に若い世代の方々には【自分の現在】と重ね合わせて読んでください。そう! 青春時代の真ん中には。誰にだってサ。「私であって私ではない、【電波】みたいなものがある」のかも知れないよね。

 異次元の世界を出たり入ったりする「僕(藤本千早)」と「堀田杏」。そこに見えてくるものは。一体、何なのか。黒い外套に黒いとんがり帽子姿の小さな男の子、すなわち魔法使いと生徒会長夏木竜刃も加わり少年、少女ならでは、のファンタジック、かつメルヘンチックな世界が繰り広げられる。そして。
 物語は突然、やってきた。

ー私であって私ではない。そんな少女の奇怪な行動と、それを目撃した「僕」との心のさぐりあい。「昨日の私は本当に私ではないんです」「実は昨日、魔法使いだという子が私の目の前に現れて、私の願いを一つ何でも叶えてくれるって」。「私は魔法使いに頼まれて花壇を踏み荒らしたんです。多分…」「私自身、あまり覚えていないんですよ。意識が乗っ取られていたのか。ぼやっとしか記憶がなくて」「一つ提案があります。作りましょう、園芸部!」「家族も友達も、先生も。みんな花と話をしている僕のことを好奇の目で見ていた。」「あれは私であって私でない」
 さあ、その先はどうなるのか。
 あとは読んでのお楽しみです。

2012/12/07

加藤行の観察眼と人生哲学が今、二編の詩に


☆「山蟻」 ある夏の昼下がり。一匹の山蟻が身を引きずり前進していた……
☆「一生懸命」 生きるのは登り道ばかりだ。でも、全ては一生懸命さから始まるのだ。