受贈誌(じゅん文学、北斗、竹中忍小説集「春愁」上、下。書家の眼で見た「鎌倉の書」)をありがとうございます
日本を代表する、と言っていい文芸同人誌「じゅん文学 №74」と「北斗」、北斗は実に594号を数える

☆「じゅん文学 2013/1 №74」(発行日・2013年1月1日、発行・「じゅん文学の会」、編集発行責任者=主宰・戸田鎮子=、連絡先・名古屋市緑区、電話052―876―5476、頒価500円)
☆月刊文芸同人雑誌「北斗 一・二月合併號、第594号」(平成25年1月1日発行、編集発行人・竹中忍、発行所・北斗工房、連絡窓口・棚橋鏡代=電話052―321―0218、頒価500円)
☆「竹中忍小説集Ⅰ 春愁・上」「竹中忍小説集Ⅱ 春愁・下」(いずれも2012年12月10日に第1刷を発行、著者・竹中忍、発行者・山口章、発行所・風媒社、定価=上、下とも本体2,000円+税)
☆「書家の眼で見た 鎌倉の書 青山碧雲著」(二〇一二年十二月二十日初版発行、著者・青山碧雲、発行者・田中秀人、発行所・株式会社木耳社、定価=本体1500円+税)
以上、昨年暮れ以降、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の伊神権太主宰宛に送られてきた本の紹介をさせていただいた。「じゅん文学」や「北斗」など各同人誌の地道かつ積極的な創作活動を見る限り、このところ東海地方の文学活動が年々、熱く燃え盛ってきているような、そんな気がするのである。
なお、受贈誌関連の話題は、伊神権太作品集のなかの【生きてゆく人間花たち/一月の唄】(1月12日付)でも紹介している。
読んでほしい! 福島原発被災者の詩を
☆「拝啓関西電力様 青田恵子」 これは南相馬市から避難、水戸市で一年半に及ぶ避難生活をおくっていらっしゃる青田さんの詩です。
ー東京在住の第76回船友仲間・阿部祥子さまから届いた一通のメール。
そこには「切実で胸に迫るものがあります。皆様、多くの人にも読んでいただいて、青田さんの気持ち、福島の]皆さまの気持ちを共有してください。」との言葉も添えられていた。平和を願う、このウエブ文学同人誌「熱砂」の紙面が目に触れた世界中の人々に訴えたい。まずは、この原発被災者の詩「拝啓関西電力様」を読んでください、と。詩は伊神権太の「生きてゆく人間花たち/2013年1月の唄 一月七日付」に収録されています。
「2013年生きてゆく人間花たち/一月の唄」がスタート
☆ことしも伊神権太が世情を自らの生活と周辺から拾い出し、活写していきます。ニンゲンたちの喜怒哀楽を自然体のなかで後世に残せたら、と願っています。
「熱砂」同人の新春抱負特集 〈愛が大事なんだよ〉
皆さま。明けましておめでとうございます。
新春に当たりまして、届いた順に同人たちの新年の抱負を紹介させてもらいます。
ことしも、よろしくお願いいたします。
☆新年おめでとうございます。旧年はお世話になりました。従来の拙作は、まだまだ力不足の感ありです。本年はいっそう精進して、超ヘビーな作品で、「熱砂」の盛り上げに貢献したい所存です。なにとぞご愛顧下さいませ。(加藤行/光る感性詩人)
☆これまで通り、ジャンルにとらわれず、短編小説二編をジジ(猫)のギョロ目と小言に急かされながら、背中を丸めて早く書いてしまいたいが、おぼつかないギターも、奴の目を盗んでやりたいし、ちょっと危ういかも。(真伏善人/腕組み流し目・はにかみ野郎)
☆昨年は自分にとって、とても良い変化の年でした。経験したことを生かして、執筆したいと思っています。童話なども書いてみたいです。至らない私ですが、どうか今年もよろしくお願いします。(黒宮涼/天空を駆ける未来の作家)
☆「愛が大事なんだよ」。10歳の子どもに言われ、気付かされました。2013年は、心新たに、愛のある一瞬一瞬、日々、人生を生きたい。(山の杜伊吹/次代の作家、直球姫)
☆小学生並の話なのだが、日記を書くこと。いつも面倒になって知らない間に止めてしまう。いっそタイトルを「気まぐれ日記」とでも。もう一つは「詩集」の出版。テーマは前回と同じ「愛」。今まで書き溜めた詩を見直しながら。(牧すすむ/大正琴で奏でる夢詩人)
☆今春幻冬舎から中高年のラヴロマンスを描いた「マンサニージョの恋(仮題)」を出版。この後はかつて取材で訪ねた土地や人にこだわりノンフィクションを土台とした作家活動に邁進したい。出来たらカトマンズにも。(伊神権太/泣く子も黙る一匹文士・〝いがみのゴンタ〟さま)
☆新年のお慶びを申しあげます。伊神孝信(権太)さまのお奨めにより、「熱砂」の同人に仲間入りさせて頂きました。微力な者達ですが、一筆一筆に力を注ぎ頑張ります。よろしくお導きくださいませ。(真鍋京子/湖都の文学を引っ張る「くうかん」代表)
このほか、大暴走を続ける未完の大器・香村夢二、そして弱者のための文学詩人・平子純(小説のペンネームは土屋純二)の抱負は、しばらくのお待ちを!
期待の若手、山の杜伊吹が掌編小説「雪葬」を公開
☆「雪葬」 「なんだか、この世のなか、いい人から亡くなってゆくみたい。悲しいですよね。でも、これが世の習いなのでしょうか」。先日、お会いしたある大学教授が私と夜道を歩きながらしみじみ、こう語った。
実際、その通りで私の周囲を見渡しただけでも、この1年の間にKさん、Wさん、Tさん、Sさん、Mさん、Oさん…と記者時代の同僚や先輩、後輩らが、それこそバッタ、バッタと次々に倒れ、黄泉の国へと旅立たれた。みんなことのほかお世話になった。いい人ばかりだ。
「雪葬」は私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の若手ホープで、パン好きな山の杜伊吹一家が店を訪れるたびに、ひと言ふた言語り合い家族そろって心を通じ合わせてきた市井に生きる一人のパン屋さんを描いた掌編である。
そのパン屋さんがある日突然、店の前の貼り紙とともに目の前から消えた。
重度の身障者を抱え、妻とも離婚。それでもお客さんを最優先し、レジにパートさんを頼む以外にはパン焼きなど店を一人できりもりしていた。どこに住んでいたかも分からない、そんなパン屋さん。……
そしてー。「私」と「息子」は、あてのない手紙をお店のポストに元気なころの店主さんと食パンの絵とともに入れた。「あなたの命を賭けたパン、いつまでも忘れません。いままで 本当に ありがとう」の文面を残して。
皆さん! 優しさにあふれる「雪葬」をぜひ、読んでください。(「熱砂」主宰・伊神権太記)