what's new


2015/03/25

 きらい、な奴は夜明けの雨音。見たくも聞きたくもない。その雨がいつしか全身に放射され、そして塞がれた穴に空気を通すと、アラッふしぎや。蘇ったリズムが躍り出し踊っている、という筋立て。やがて嫌いな雨は、夕焼けに。
 この世のなか、【きらい】ほど気になるものはない。詩人・真伏善人は最後に夕焼けを運んでくれた雨音が本当は好きだった。全編にながれる新感覚。〈雨さん〉を主人公とした自然に誘発された作者の感動をすなおに表現した叙情詩とでもいえようか。(伊神権太記)