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2014/11/19

 念ずれば通じる、といったらよいか。この小説は真伏善人ならでは、の発想というか。ギャンブルに熱中する大胆不敵な男が家族を捨て、人生の賭けに出る物語といってよい。主人公の田所と愛人多美子、部下の千賀と妻のひとみを巡る愛人関係。それぞれが恋に突っ走る身勝手な大人たち。人の弱さを露呈するところに何とも言えない味わいがある。