2013/07/01
「芳江は泣いていた。悲しくて、夕食を取ろうとして箸をもった手も動かない。」
消えた妻、芳江は一体どこへ。絶望感で気持ちが押しつぶされそうになる夫、卓郎。「すまない、芳江。俺が悪かった。芳江。許してくれ、芳江。頼むから帰って来てくれ、芳江。……」
―物語はなんの変哲もない家庭での夕食から、始まる。この日、夫が妻に料理のこごとを言ったのがきっかけで妻が突如として消え、物語は意外な方向に展開する。平凡な家庭でのありがちな話を活写することにより、家庭での温もり、真の優しさとは何かを私たちに教えてくれる。ぜひ、ご一読ください。