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2013/02/24

☆「文芸中部 92」(二〇一三年三月一日発行、発行所・文芸中部の会=愛知県東海市、三田村方、電話0562―34―4522、表紙カット・三田村畯右)
書き手ぞろいの同人誌ならでは、か。今回も◇小説◇ずいひつ◇狂言◇詩、と多彩で充実した内容が目立つ。なかでも狂言「御深井焼き」(三田村博史)は、この地方の方言を使ってのテンポのいい作品で、なんとも関心をそそられる名作といって良い。

―時期になると、村上春樹がノーベル賞をもらうかどうかが話題となる。賞なんてもんは、と思う反面、芥川賞など批判があるのは承知だが、でも読みかえすと時代を反映しているなと思う。そして、映している時代が現代に通じているかーそれが結局その作品が今のところ再読に値するかどうかにつながっている気がする。将来も古典たりうるか否かはまた別問題である。……(三田村)=〈あとがき〉より抜粋

☆詩誌「詩遊 №37 2013 Winter」(発行所・詩遊社=大阪市都島区、電話06―6923―5680=、編集発行人・冨上芳秀、表紙デザイン・上田寛子、定価1000円)
今回も「こずさーて」(瀬戸ひかり)、「達人」(中村国男)、「石段の擬宝珠」(楡久子)、「半開の竜胆」(坂本久刀)、「ヒガンバナと大腿骨」(林美佐子)、「ルビー婚式」(井宮陽子)、「ふろふき大根の夜」(みやさすとう子)など同人一人ひとりによって編まれた【命の詩】を満載。それぞれに人生の光と影が垣間見られる渾身の作品ばかりである。

―……準備期間も含めてほぼ十年、「詩遊」の仲間もそれぞれが自分の書くべきものを見つけてきたように思います。詩を書くことは私を支えてくれています。これはもう毎日のように楽しんで書いているのですが、二、三日に一篇くらいのペースです。昨年、私は百五十二篇書いています。もちろん発表できるのはごく一部です。平凡な詩もたくさん書いています。毎日、推敲したり、新しい作品を書いたりしています。意識的に実験をしたり、書きたくなって夢中で書いたりしています。……(冨上芳秀)〈編集後記より抜粋〉