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2011/12/22

☆クリスマスを前に腕組み流し目、はにかみ野郎の真伏善人ならではーの短編の世界を読者の皆さまにお届けします。
 一見して普通のサラリーマン生活を続ける時玉八郎。給料日に高校の二年後輩の同僚と行きつけの飲み屋に行くが、そこで知った現実は。同僚よりも少ない給与明細…。そこから、悲劇の舞台が始まる。
 サラリーマンに共通した悲哀と恨み。給与を査定した職長・大熊への復讐に燃えた時玉八郎の目の前にはもがけばもがくほど暗転に継ぐ暗転が待っていた。
 「いくら皆んなより薄い賃金で生活していても八郎はこの辺で夢とか希望とか、気持のふくらむものが人並みにあってもいいのではないか……」
 女。競馬。競輪。パチンコ。酒…サラリーマンの悲哀は、やがては自暴自棄に。結末が現代サラリーマンの一端を浮き立たせ、人間臭い、赤裸々な小説となって誕生した。あぁ~、暗転、転。サラリーマン社会特有の転落の絵が、ここにはある。