連載小説「あの箱庭へ捧ぐ」第三章

第三章 未知が来る

   1

 本間宗太が斉藤寧々に初めて会ったのは、一年前のこと。黒板の前に立たされ先生に挨拶を促されて不機嫌そうな寧々の顔を、宗太は覚えている。その顔がとても好きだと思ったと本人に言ったら、顔を真っ赤にして彼女は怒っていた。
 うみほたる学園の男子寮と女子寮は向かいあって建っていて、その間を遮るものは丁寧に手入れされた花壇と煉瓦道ぐらいのものだ。
 宗太と寧々の部屋は互いに二階にあり、互いの窓は部屋が見える位置にあった。カーテンを開けるのは朝とみんなが寝静まった夜の二十三時頃。意図せずその時間になるとどちらが先にカーテンを開けるか競争のようになっていた。
 スマートフォンは学園内に持ち込み禁止なので、二人とも持っていない。いや、もともと持っていたのに、学園へ入学すると同時に没収されたというほうが正しい。学園の外との連絡を取れなくする意図があるのだろう。希望すれば手紙ぐらいは出せるらしいが、書いてもいっこうにこない手紙の返事を待つよりは、最初から書かないほうがいいと宗太は思った。それに宗太には手紙を出したいと思う相手がいなかった。
 夜なので窓も開けられない。だから宗太と寧々は会話をしないけれど、手を振って挨拶する。
「おやすみなさい」と口を動かす。 
 いつの間にかそれが日課になってしまっていた。
 毎晩、宗太はどうしてそんなことをするのかを考えた。もしかしたら自分も彼女もお互いのことが好きでそういう行動をとってしまうのではないかと思っていた。だがその考えはすぐに捨て去らなければならなかった。なぜならば自分に誰かを好きになる資格はないと宗太は思っていたからだ。
 毎晩好きだと思いながら、毎晩その考えを捨てる。もう幾度それを繰り返しただろうか。
 あるときは朝方までそんなことを考えていて、眠れない日もあった。それでも捨てるしかなかった。
 それが自分と彼女のためだと思っているからだ。

   *

 宗太には特別な力があった。相手の未来が視えるというものだ。相手の手に触れるだけでそれがわかってしまう。そのために、色々な物事を諦めなければならない。宗太にとってはそれが最善だと結論が自分の中で出ている。
 宗太の力の事を知っている者は学園内にたった二人だけだ。ひとりは学園の理事長と呼ばれる人で、もうひとりは宗太の友人である川崎竜太郎だ。
 宗太を学園に入学させた理事長が知っているのは当然のことだが、どうして竜太郎が宗太の能力について知っているのかというと、宗太が自ら彼に話したことがあったからだ。それは彼が、宗太と真逆の能力。相手の過去を視る能力を持っていたからなのか、それとも彼の人柄がなせる業だったのかはわからない。だが、宗太と竜太郎はそれがきっかけになって仲の良い友人になったことは確かだった。
 竜太郎と宗太が互いの能力を知った後、二人とも理事長に呼び出された。理事長は咳払いをしてから宗太たちに向かってこう尋ねてきた。
「二人とも、時間についてどう思う」
 その問いに宗太と竜太郎は困惑したが、それも最初だけだった。まずは竜太郎が答えた。
「とても大事なものだと思います」
「その理由は?」
 理事長が軽く首を傾げながら言った。
「過去は変えられませんが、知ろうと思えば誰でも知ることは出来ます。それによって相手を理解することができます。それを知って現在でどんな行動をとるのか。それがとても大事なことだと思います」
「そうか。それはとても大切なことだな。では、君の持っているその能力を大事にすると良い」
「はい」と竜太郎が頷くのをみてから、理事長は宗太のほうへ視線を向けた。宗太はごくりと唾を呑んだ。
「次は君が答える番だ。宗太」
 促されて、宗太は伏し目がちに言った。
「俺は、竜太郎とは逆です」
 それは宗太の本心からの言葉だった。
「ほう。何故そう思う」
「未来も変えられないからです。未来は普通の人間なら知ることはできません。俺はそれをずっと知りたかった。だから願望が能力というひとつの形になったのだと思います。でもそれを手に入れたところで、どうしようもないことに気づきました。俺が視た未来は確定で訪れます。だから大事にしたところで、悪い未来は悪いまま来てしまいます。それが俺の時間は大事にしても無意味だと思う理由です」
 宗太ははっきりと口にした意見を、自分で哀しいと思った。
 どうしてと幾度も思った。そして答えは一向にでなかった。
「宗太は、自分の能力を大切なものだと思っていないということだな」
 理事長の言葉に、宗太は頷く。
「はい。俺はもう、この力がなくなってほしいと思っています」
「果たして本当にそうだろうか。もしそうならば、能力はとっくになくなっていると思うのだが。君はまだ能力が消えていないのだろう」
 確信をつかれて、宗太はしりごみした。
「それは――」
 宗太は、反論ができなかった。理事長はすべてを見透かしたように、微笑んでみせた。しわの寄った顔は、彼が古希を超える年齢だという事実を改めて感じさせる。
「よく考えて、悩むことだ。結論が簡単に出る問題ではないだろうがね」
 宗太はその言葉に対して、返事をしなかった。
 もう充分だ。と思った。もう自分は嫌というほど悩んで、苦しんでいると思う。そんな気持ちを察してか、理事長がもう一度口を開いた。
「私は、能力者になったことがないので君たちの気持ちはわからない。だが理解しようと努力してきた。そのうえで言わせてもらおう。答えはない。しかし、答えを作ることはできる」
「答えを作る?」
 意外な言葉に、宗太は首を傾げた。隣に座っていた竜太郎も同様だ。
 理事長は頷き、言った。
「君たちの能力は、今まで誰も――いや、もしかしたら探したらいるのかもしれないが。前例がない。ただ君たちはここに存在する。答えを探している。探すことができる。ならば答えを作ることも可能ではないのか。と私は思う」
「それは、自分たちの好きなように答えを出しても良いということですか」
「そういう解釈もできる。という話だ。能力者を研究している連中は怒るだろうが、そんなことは君たちには関係ない。君たちは君たちの答えを作れば良い」
 宗太と竜太郎は互いの顔を見合わせて、それから理事長の顔に視線を戻した。
「わかりました」と二人はほぼ同時に返事をした。
 途方もない話だと宗太は思った。テストの答案ならば最初から答えがある。しかし、これには最初から答えがない。宗太と竜太郎はその答えのない事柄を、討論しなければならなかった。けれどそれが面白いと感じていることも事実だった。
 だから宗太はあの日。寧々の方から想いを伝えられた日。思わず口にしてしまったのだ。
「試しに付き合ってみる?」
 両思いだとわかって有頂天になっていたわけではない。宗太はいたって冷静だった。冷静に、じゃあ試してみようと思ったのだ。そうして宗太は初めて寧々の手を握った。宗太は触れた相手の未来を、その先の人生を少しだけ視れてしまう。
 宗太は答えを出すために、寧々のことを利用しようと考えたのだ。
 寧々の未来で視えたものは三つ。高い塀。恐らく学園の周りを囲っている塀だ。それから、見知らぬ女の子。そして、誰かの血。
 宗太は恐ろしいものを視てしまった気がして、すぐに手を離した。
 宗太は視えた未来に対して、これは寧々にとってどんな意味があるのだろう。と考える。それと宗太にとってもどんな意味のあることなのだろう。
 考えて、考えて……しばらくして考えるのをやめた。そんなことはどうでもいいと思った。事実としていずれ訪れる未来には変わりがない。未来は変えられないのだから。
 ただ宗太は思っていた。誰にも血を流してはほしくないと。

(続) 

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年12月~)

2023年12月10日
 日曜日。きょうは、私の兄の提案もあって、たつ江(伊神舞子)が2021年10月15日にこの世を去って以来、久しぶりの伊神3兄妹の兄妹会(きょうだいかい)とあいなった。
 兄妹会とはいっても、ひと足早い忘年会を兼ね江南市内の「キッチン くま」での食事会である。冒頭、妹が「たかぼう(孝坊)、何はともあれ本の出版おめでとう」と言ってくれて会は始まった。
 それどころか、妹がいうには「実を言うと、『たかぼうの本、本屋さんから(30冊ほど)取り寄せ、関心のありそうな友人知人にお兄ちゃんの本です』と言って配らせてもらったよ』の言葉には、それこそ思いもしない妹の配慮だけに、涙が出るほど嬉しかった。私は、さっそく妹と兄が手にした本に【恵存】とサインをしたのである。私は同時にこうした、すばらしい妹と兄に恵まれて、心から「ありがたいことだ」と見えない神さまと今は亡き両親、そして妻たつ江(伊神舞子)に報告。感謝した。

 帰りに、私たちの母の死(昨年5月16日。愛泉館にて、たつ江の後を追うように死亡。享年満101歳。6月1日に満102歳になる直前に旅立った)に伴う相続で新しく私の所有地となった扶桑の土地を兄夫妻の案内で一緒に見て回ったが、帰宅すると、愛猫シロちゃんが心配そうな顔で私を出迎えてくれた。「きょうは、日曜日でお兄ちゃんがいてくれたが、いつも留守番してくれてありがとうね」と私。シロは「わかってるよ」という顔をしてニャア~ン、とひと声あげてくれたのである。
 
 母の死に伴う相続で私の所有地となった新地(手前部分)
 
 
 皇后さまが、きのう9日、還暦となる60歳の誕生日を迎えられ、天皇陛下とともに皇居・宮殿での祝賀行事に臨まれた。秋篠宮ご夫妻をはじめとした皇族のほか、宮内庁長官ら幹部、衆参両院議長や最高裁長官、閣僚などからお祝いの言葉を受けられた皇后さまは、引き続き天皇陛下とともに東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所を訪れ、上皇ご夫妻にあいさつをされたという。

 大ヒット映画「ある愛の詩」(1970年)で知られる米俳優ライアン・オニールさんが8日、死去。82歳。亡くなった場所や死因は公表されていない。「ある愛の詩」は「ゴッドファーザー」とともに、志摩半島で舞(たつ江)と共に青春時代を過ごしていたころ、舟木一夫さんの歌(高校三年生、学園広場、仲間たち、君たちがいて僕がいた、絶唱など)と一緒に何度も何度も聴いた忘れられない歌でもある。

 エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手が9日(日本時間10日)、ドジャースと合意。10年総額7億㌦(約1014億円)の超大型契約でメジャー史上最高額で北米プロスポーツ最高額。自身のインスタグラムで投稿するとともに代理人のネズ・バレロ氏も発表したという。

 本日夜。午後9時からのNHK総合のNHKスペシャル【自衛隊・変貌その先に 最前線の訓練に密着▽創設70年の歴史がいま 専守防衛水面下の議論】を見る。

2023年12月9日
【安倍派6幹部裏金か 塩谷、荻生田、西村氏側も パーティー収入巡り 松野官房長官更迭検討】【ガザ停戦 米が拒否権 安保理、決議案を否決 南部爆撃10人死亡】(9日付中日夕刊)。夕刊の活字を前に、なんだかニンゲンという存在そのものが情けなくなってくる。
 人は悪事を働くために生きているのか。そんな気がしてしまう。思えば、岐阜県庁汚職事件。あの時は平野三郎岐阜県知事の右腕、フィクサーとして県政に君臨した和田達男県参事が、建設業者から集めたお金が実に3億円の隠し預金となって化けの皮をはがした。今も同じことをやっている。ニンゲンとは、なんと愚かな存在なのか。

 朝。町内会の役員の大槻さんが伊勢神宮と古知野神社のお札を手に来訪。かつて、わが家がこの町の班長を当てがわれていたころ、舞がお札を手に一軒一軒ていねいに回っていたことを思い出し、ふたつとも買うことにして2200円也を支払ってお札をもらった。そうして、もらったお札は何よりも先に舞(静汐院美舞立詠大姉)の仏前に供えた。古知野神社は当地で、伊勢神宮はかつて私たちが伊勢志摩に居たころに何かとお世話になった、思い出のお伊勢さんだからである。
 舟木一夫さんのファンの一人玉田美代子さんから「伊神さまの本、注文して読ませて頂きました。ご苦労の様子 又奥様との素晴らしい愛。12月12日。舟木さんのお誕生日 大阪にてバスディナーショー ディナーショーに行きます~ 舟木さんにこの本もプレゼントしようかなぁ~ ひとり言でしたー」とありがたいメール。つくづく舟木さんは幸せな方だな、と思ってしまう。いつまでも舟友ファンに守られているだなんて。すごく幸せな方だな、と思ってしまう。

「おまえの知らない大勢の人々が【あたし帰った かえったわよ】を読んでくださっているよ。ふたりで感謝しよう」と仏の伊神舞子に報告する
 

 本日付の中日新聞1面トップは「自民党派閥の政治資金パーティー券問題で安倍派(清和政策研究会)の松野博一官房長官側が直近5年間で派閥から販売ノルマを超えた売り上げ計1千万円超の還流を受けたとみられるーというもの。ほかには【ハマス戦闘員 数百人が投降 イスラエル軍 攻撃継続】【円急伸 一時141円台 日銀総裁 緩和「出口」示唆で】が目立つ。

 きょうは久しぶりに舞の仏の前で、シロちゃんひとりを観客に横笛で♪さくらさくらを、ハモニカで♪赤トンボなどをふいた。舞が生きていたころは、彼女とシロを観客によくふいたものである。演奏後「おい、たつ江。こんなにうまいハモニカはなかなか聴けないのだから。1万円はもらわないかんな」と冗談で言うと彼女はいつも、こう返した。
「何言っとるの。あたしが聴いてあげているのだから。あたしが5万円くらいもらわなければ」と言って笑った。その舞も、いまはこの世にはいないのである。彼女が亡くなる前の1週間ぐらいというものは、江南厚生病院の緩和病棟の病床に伏したままの舞を前に、思い出の曲を何曲もずっと吹き続け、彼女は黙って満足そうに聴いていた。あのかわいかった舞は、もはやこの世にはいない。でも、私たちの心の中では生きている。きょうは、そんな彼女に向かって久しぶりにふいたのである。
 シロひとりが神妙な顔をして聞いてくれた。私には、それが嬉しかった。

 久しぶりにふいたハモニカと横笛
 

2023年12月8日
 きょう12月8日は、日本海軍が1941年(昭和16年)のこの日にアメリカ合衆国のハワイ・オアフ島真珠湾にあったアメリカ海軍の太平洋艦隊と基地に対して行った真珠湾攻撃、すなわち日米開戦の日である。

【なぜ破滅的な戦争に突き進んでいったのか。その原因の一つは、自由な言論が徐々に封殺されていったことにあると思わざるをえません。
<機銃掃射逃れ九十路(ここのそじ)の終戦忌>
今年8月15日「終戦の日」の本紙に掲載された「平和の俳句」です。川崎市の藤原日出さん(90)=掲載時=の作句。選者のいとうせいこうさんは「日中戦争でお父さまが戦死された時に六歳、弟四歳。その後も二度空襲にあい、生き延びてきた九十歳の一句」と記します】(12月8日付中日新聞社説 言葉の歯止めなき末に 開戦の日に考える)から。

 人びとは胸に手を当て、ニンゲンたちが世界中で繰り広げている戦争など過ちの数々について静かに考えなければ、と。わたくしは、そう思うのです。ウクライナで。ガザで、戦争が繰り返されている今。わたしたち人間は胸に静かに手を当て、自分たちがしていることを心から反省しなければ、と。そう思うのは、私だけではないに違いありません。

 そういえば、きょうは「イマジン」で平和を訴え続けた、あのジョン・レノンが米ニューヨークの自宅アパート・ダコタハウスで射殺された悲しい日でもあります。ジョンは当時40歳。妻のオノ・ヨーコさんとともにスタジオから帰宅した、その時、銃弾が彼の命を奪ったのでした。世の中には、こうした悲しく非情な事件、事故が多すぎます。

 岸田文雄首相が自民党派閥パーティーで政治資金のキックバック(還流)があったとされる問題を受け、7日、自身が会長を務める岸田派を離脱すると表明。「私自身が先頭に立ち政治の信頼回復に向け努力したい」と記者団に言明。離脱は首相在任中に限るという。

 【松野官房長官側に1000万円 パー券収入還流か 裏金疑惑 政権中枢まで 「差し控える」連発 立民が証人喚問要求 首相は更迭を否定】とは8日付中日新聞1面見出し。

2023年12月7日
 毎日新聞によれば、きょうは雪が激しくなり、降り積もるころ。地面に霜柱が立ち、朝夕には池や川に薄い氷が張るようになる、いわゆる二十四節気の【大雪(たいせつ)】である。

 中日ドラゴンズへの入団が決まった中田翔内野手(34)が6日、名古屋市内のホテルで記者会見。「チャンスをいただけてありがたい。また一から頑張りたい気持ちでいっぱいです」と語った。年俸3億円。背番号は日本ハム時代と同じ【6】。目標は、100打点だという。

【ガザ全域戦闘地域に パレスチナ側死者1万6000人超 衝突2カ月】【安倍派9000万円受領議員も 裏金問題 自民パーティー自粛】【オスプレイ墜落1週間】などといった暗い新聞見出しばかりが朝刊に並ぶなか、【一力天元に復位 自身初の三冠】(中日7日付)は明るい話題といえよう。
 ここで、「一力天元に復位」のニュースをもう少し丁寧に説明するなら。「囲碁の第49期天元戦5番勝負の第4局が6日午前9時から兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後5時40分、白番の一力遼二冠(26)=棋聖、本因坊=が関航太郎天元(22)に242手で中押し勝ちした。一力新天元は通算成績3勝1敗で3期ぶりに天元へ復位し、自身初の三冠保持者となった。」ということになる。いずれにせよ、一力天元初の三冠はお見事、というほかない。

 中日新聞の本日付の夕刊1面に【青葉被告に死刑求刑 京アニ事件 妄想「影響は限定的」】の見出し。36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で裁判員裁判の論告求刑公判が7日、京都地裁で開かれ、検察側は殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)に死刑を求刑。被告の妄想につき「影響は限定的で極刑回避の理由にはならない」とし「計画的で極めて危険。残虐非道で社会的影響も多い」と述べた、との記事が掲載されていた。
 ほかには【ガザ3都市「防衛線突破」イスラエル ハンユニスなど】(中日夕刊)【オスプレイ全世界で停止 米軍、日本の墜落事故受け】【ロシア産ダイヤ輸入規制 G7首脳声明 AI指針で合意】(日経夕刊)といったところか。

2023年12月6日
 各紙報道によれば、イスラエル軍は5日、南部の最大都市ハンユニスの中心部にいると発表。部隊のハンユニス入りを認めた。軍は4日にハンユニスへの空爆や砲撃を強化、ハンユニスでの空爆は戦闘開始以降、最大とみられ、空爆もガザ全域で行われたという。それにしても、愚かな戦争を一体全体いつまで続けるつもりなのか。

 本日付の中日新聞の報道によれば、東京地検特捜部が自民党派閥の政治資金パーティー券問題で当時の安倍派(清和政策研究会)からキックバックを受け、裏金にしたとされる所属議員の秘書らから事情聴取、派閥からの還流で少なくとも数千万円を受領した所属議員がいたとみられることが判明。
 特捜部はこんご政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いで捜査、受領額が多い議員を抽出し13日の国会閉幕後に一斉に事情聴取する見通しだという。

 全国で障害者向けグループホームを展開、食材費の過大徴収などが問題化している福祉事業会社「恵(めぐみ)」=東京=の現役職員が、職員配置やサービス提供記録の偽装の詳細を証言していた事実が【「夜勤偽装 名前使われた」「恵」の現役職員が証言】(6日付中日新聞1面見出し)と報じられる。あちらもこちらもニンゲンとは。一体全体、なんという存在なのか。

 経済協力開発機構(OECD)が5日、2022年に81の国・地域で15歳の生徒らを対象に実施した「国際学習到達度調査」(PISA)の結果を公表。日本は「読解力」が前回18年の15位から3位へと順位を上げ、数学的リテラシー(応用力)は6位から5位に、科学的リテラシーも5位から2位へと上昇、ともに世界のトップレベルを維持したという。

(12月5日)
 このところは、わが家キッチンの床部分への水漏れが目立ち、そのつどふき取ってはいるが。このままではいけないので、本日自宅近くの水道漏れの修理業者(尾関さん)にきて頂き、半日近くをかけ原因を調べてもらった。その結果、台所の左側湯の配管(アンゲルマン)部分が緩んでおり、ここから水の滴が漏れ出ている-とのこと(現に私は、その部分に光る水滴を確認した)。デ、尾関さんには配管のその部分をしっかり締めてもらい、修理代として6000円也をお支払いした。水道そのものはどこからも漏れてはいません-とのことなので、先ずはひと安心といったところか。このまま漏水が治まってくれたら良いのだが。しばらく様子をみよう。

 こんなわけで、台所、すなわちキッチンの水漏れがなんとか片付いたところで、きょうは久しぶりに隣町、扶桑町にある大型ショッピングセンター・イーオンへ。途中、イーオン手前の喫茶『山手珈琲店』に入り、久しぶりにランチを食べたが、これがまたボリウム満点でなかなかの食べ応えだった。この後は、イーオンで買い物をして帰りは、かつて私と舞(たつ江)が野菜作りに共に励んだわが所有地「エデンの東」経由で帰った。エデンの東の土地管理は、ここ数年は大脇造園さんにお任せしているが、冬枯れとはいえしっかりと整地されており、ホッと安心したのである。

 冬枯れとはいえ、しっかり整地された【エデンの東】には、ホッとした
 

 

    ※    ※

    ☆    ☆
【ガザ全域空爆強化 イスラエル軍 学校・病院も標的か】(5日付日経夕刊)【ガザ学校空爆50人死亡 南部最大都市に戦車迫る】(同中日夕刊)など。相変わらずイスラエル軍によるパレスチナ自治区全域での空爆など醜い戦争は止みそうにない。ニンゲンたちは、どうして戦争を止めないのか。ニンゲンとは。やはり愚か極まる生きものなのか。いやいや、そうではないはずだ。

 日本大学の林真理子理事長がさる4日、大学本部で記者会見。同大アメリカンフットボール部の薬物事件を巡り「対応の混乱について改めて深くおわびする」と謝罪。「組織の改善計画をまとめ断固たる決意で実行し改革に全力を注ぐーとして辞任を否定。同部の廃止問題については「理事会が継続審議中で私の考えはご容赦いただきたい」と述べた。

 ことしのノーベル平和賞授賞が決まっているイランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)が投獄されている首都テヘランの刑務所で外部との電話と面会を禁止されていることが判明。モハンマディさんのインスタグラムが3日に明らかにしたもので、授賞式を10日に控え、イラン当局には刑務所からの発信を妨害する狙いがありそうだという。モハンマディさんは厳格なイスラム体制下のイランで抑圧に抵抗し、人権被害を告発し続けてきた「自由の闘士」で知られる。こうしたなか、ノーベル賞委員会は10月「イランにおける女性の抑圧との闘いと、全ての人々の人権や自由を促進する闘い」を評価、授与を発表したいきさつがある。
 香港の民主活動家で2019年の反政府デモを巡って実刑判決を受け服役し、21年に出所した周庭(しゅうてい)氏=27歳=が3日、留学先のカナダ・トロントに9月から滞在しており「(香港には)恐らく一生戻らない」とインスタグラムで明らかにした。事実上の亡命の可能性があるという。

(12月4日)
 ことしのノーベル賞授賞式が10日に開かれます。そしてちょうど50年前にストックホルムでノーベル物理学賞を受けたのが日本の物理学者江崎玲於奈さん(98)だった。というわけで、中日新聞(東京新聞)は日本の研究力と科学技術の進歩-に焦点を当て【AI時代 創造力育成が重要 ノーベル賞受賞から50年 江崎玲於奈さんに聞く】の特集記事。江崎さんは「自分の主義を貫くための戦力を養う」ことの大切さを強調。「これからはいかに創造性を育んでいくかが決定的に重要になってくる」と語った。

 江崎さんに聞く、の記事
 

    ※    ※

    ☆    ☆  
 フィリピン付近で発生した地震を受け、津波が到達した愛知、三重両県の太平洋沿岸部では3日朝、自治体が住民に避難を促すなどの影響が出た。気象庁によれば、愛知県田原市赤羽根で午前6時46分に10㌢の津波を観測。三重県では尾鷲市で午前4時39分、熊野市でも午前7時9分にそれぞれ微弱な津波を観測した。
 午後5時40分ごろ、こんどはインドネシア・スマトラ島のマラビ火山で日本時間3日午後5時40分ごろに大規模噴火が発生。気象庁は日本への津波の有無を調査したが、4日午前零時時点では海外、国内の観測点ともに有意な潮位変化は確認されなかったという。自然世界はいつ何が起きるか。わからない。私たちはその大いなる自然世界に生かされているのである。

 直木賞作家の今村翔吾さん(39)が3日、書店のなかったJR佐賀駅(佐賀市)構内に「佐賀之書店」をオープン。書店経営は2021年に事業継承した大阪府箕面市の店に次いで2カ所目。報道陣に「地方で本屋が残る、復活する形を佐賀から全国に広げていきたい。たかが一店舗だが、一歩で歴史は進みだす」と意気込んだというが、その意気やよし、である。

(12月3日)
 日曜日。外は寒い。わが家の愛猫シロちゃんは、電気ストーブを前に早くも丸くなっている。

 もはや、冬の寒さだといえようか。米政府が2日、2050年までに世界全体の原子力発電の設備容量を3倍にすることをめざす宣言に日米を含む22カ国が参加した、と発表。この宣言はアラブ首長国連邦(UAE)で開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の首脳級会合に合わせて打ち出し公表されたが、世界の環境団体は「誤った対策だ」と批判。脱炭素化が叫ばれている世の中だけに、難しい問題だといえよう。
ちなみに日本は再生可能エネルギーを拡大する有志国誓約にも参加。温室効果ガスの削減対策としての原発と再生エネを共に活用する姿勢を示したという。宣言は、気候変動対策にとって「原子力は重要な役割を果たす」とも明記。発電能力を20年と比べ50年までに3倍にするため参加国が協力するとした、とも。日米のほか、カナダ、フランス、韓国、ウクライナ、英国などが名を連らねたという。
 これに対して国内外の環境団体は、連名でコメントを発表。気候危機に対処するためには「一刻も早い化石燃料の廃止が必要で原発をはじめとした誤った気候変動対策は真の対策を遅らせる」などと訴えた。ちなみに日本政府は原発の60年超運転を可能にするなど原発利用を推進。現行計画で30年度の電源構成は20~22%を見込んでいる。なかなか難しい問題である。さてさて【どうする 原発?】と言いたくなってもくるのである。世界の環境問題を考えたとき、ほとほと難しい問題だといえよう。
 
 中日新聞のサンデー版大図解№1640は【難民受け入れの現実】
 

(12月2日)
 ことし話題になった言葉に贈られる流行語大賞(年間大賞)は、プロ野球阪神による38年ぶりの日本シリーズ制覇で話題となった「アレ(A・R・E)だった。この言葉は優勝を意味するが、選手が意識しないように岡田彰布(あきのぶ)監督がアレと表現した。「みんなの力で勝つことによって、関西ではアレという言葉を毎日マスコミで発してもらい、想像以上の反響があった。スポーツ界もことしはすごく盛り上がったので、少しは貢献できてよかった」とは、岡田監督である。

 イスラエル軍とイスラム組織ハマスが1日朝、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を再開、ガザ保健当局によれば、戦闘再開後にガザで109人が死亡、数百人が負傷したという。ニンゲンたるもの、限りなく愚かな存在である。なんたることだ。11月24日に始まった戦闘中止は、わずか7日間で終了、民間人の被害者はさらに増えそうである。

 愛知県警は岡崎署の留置場に勾留されていた無職男性=当時43歳=が昨年12月に死亡した問題で1日、適切な体調管理を怠ったとして業務上過失致死などの疑いで留置担当だった警部ら8人の署員と退職者1人の計9人を書類送検。留置管理が不適切だったとして島崎浩志署長ら署員11人を減給や停職などの懲戒処分とした。平松伸二警務部長は、記者会見で「不適切な処遇が継続し、尊い命が失われるという重大な結果を生じさせた」と陳謝。

(12月1日)
 金曜日。早いもので、きょうから師走である。そして。きょうは映画の日だそうだ。

 これとは別に中日の1面トップ見出しは【安倍派裏金1億円か パー券収入 議員側に還流】【規制法違反の疑い】とわかりやすい。「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など数多くの名作ドラマを手がけた脚本家の山田太一さんが、11月29日、老衰のため川崎市の施設で死去。東京都出身。89歳だった。

 午後。各種仕事の合間を縫うようにして一宮スポーツ文化会館へ。社交ダンスのレッスンのためで、きょうはタンゴ、ワルツに続き、久しぶりにルンバにも挑み、かなりハードなレッスンとなった。脱原発社会をめざす文学者の会幹事会からの依頼で月イチで文学者の会ホームページに執筆している文士刮目の31回目【友とは。 友情とは】が公開され、これを確認する。台所の床が部分的に水漏れ、そのつど雑巾でふきとってはいるが。原因はわからないままだ。まさか、舞が毎日、私たちのことが心配で台所に立っていて、その証しとしての水漏れなのか。なぜ、漏れるのか―が私には分からない。

二十三日に琴伝流大正琴弦洲会の第三十九回弦洲会中央大会~口ずさみたい昭和の歌~

 琴伝流大正琴弦洲会主催の第三十九回弦洲会中央大会が公益社団法人・大正琴協会、中日新聞社、愛知県・愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、琴伝流大正琴全国普及会後援で二十三日午前十時三十分から~口ずさみたい昭和の歌~をテーマに開かれます。入場無料。
<恋の季節>をオープニングに、前半が<兄弟船><エデンの東><お久しぶりね><帰って来いよ><柿木坂の家>など。後半は<アンコ椿は恋の花><桃色吐息><君恋し><風雪流れ旅><函館の女>の順に進み、フィナーレは<ダイナミック琉球>で締めくくられます。友情出演パートもあり、三十曲以上の名曲が披露されます。
 倉知弦洲会主と倉知崇次席による親子鷹演奏【弦洲の世界】は、<高原の駅よさようなら><みだれ髪>を披露します。
 倉知弦洲会主と倉知崇次席は「様々な後遺症の残る中、それを吹き飛ばす勢いを持って会員一同日々練習に励んでまいりました」と話しています。

 倉知弦洲さんは、熱砂同人の詩人。牧すすむさんのペンネームでも知られ、都はるみさんが歌う〈恋の犬山〉を作曲されています。カラオケで全国配信中です。ぜひ聴いて歌ってみてください。 

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年11月1日~)

2023年11月30日
 国際オリンピック委員会(IOC)は29日、パリで開いた理事会で2030年冬季五輪の最優先候補地にフランスのアルプス地域、34年大会は米国ユタ州ソルトレークシティーを選んだ。東京五輪を巡る汚職・談合事件の影響で30年招致を断念した札幌市は、34年開催の可能性も消滅した。
 一方、2025年大阪・関西万博開幕まで500日となった30日、万博を運営する日本国際博覧会協会は前売り入場券の発売を開始。協会の専用サイトで購入が出来る。協会は運営費の大半を入場料収入で賄う方針で、期間中の来場者数を2820万人と想定し、入場券の販売目標を2300万枚に設定、うち6割に当たる1400万枚を前売りでさばきたい、としている。

 元米国務長官で米中の国交正常化に道を開いたヘンリー・キッシンジャーさんが29日、東部コネティカット州の自宅で死去。100歳だった。ニクソン政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)に就き、1971年に当時国交がなかった中国を極秘訪問。79年の米中国交正常化への道を開いたばかりか、1973年には泥沼化していたベトナム戦争の和平交渉をまとめ、ノーベル平和賞を受賞したことで知られる。

 2023年度の政府補正予算が29日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立。一般会計の歳出は13兆1992億円。政府が経済対策の第1の柱に掲げた低所得世帯への給付金やガソリン補助などの物価高対策に加え、企業の投資促進対策などで膨張。歳入の7割近く8兆円余を国債の増発で賄う借金依存の財政運営となった。

 米軍の輸送機オスプレイが29日午後2時40分ごろ、鹿児島県屋久島沖で墜落。海上保安庁によれば、6人が搭乗しており、うち男性1人が発見され、死亡が確認された。

(11月29日)
 イスラエル軍は28日、イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザで拘束していたイスラエル人と外国籍の人質計12人を解放したと発表。解放された人質は赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡された。仲介するカタール政府によると、これと交換でイスラエルも拘束していたパレスチナ人30人を釈放した。これによって身柄の交換は5日連続。ガザの戦闘休止合意は28日から2日間延長されており、29日もハマスが人質10人を解放する見通しだという。
 プロ野球の今季MVP(最優秀選手)に阪神村上投手とオリックスの山本由伸投手が選出された。村上は新人王とのダブル受賞。

 きょうは午前中、歯のメインテナンスで近くの歯医者さん・なかはら歯科クリニックへ。既に読み終えている自治体からの文芸祭作品(小説)を今一度、読み返してみるなど相変わらず公私共に休む暇のないあわただしい時が過ぎていった。ほかに買い物などに行き、帰宅するつど玄関先まで出迎えてくれるシロちゃんのことを思うと、なんだか彼女には申し訳ない気がしてしかたないのである。
 そして。本日付の中日夕刊で気になる記事は、【核抑止論から脱却訴え 広島知事、禁止条約会議で】【30年万博はリヤド BIE(博覧会国際事務局)決定 釜山、ローマに圧勝】【日大アメフト廃部へ 運営委決定 薬物事件受け】【トンネル崩落17日目に救出 インド、作業員41人全員】といったところか。

(11月28日)
 火曜日。朝方、洗濯物をベランダに干し、新聞を読み終え、やれやれと思っていたところへ突然、空が音をたてて急変。雨がド、ド、ド、ドッと降り出し始めたのであわてて、ベランダに干したばかりの洗濯物を室内に撤収。私が新聞を読み始めるのに合わせ、朝の散歩に出した愛猫シロちゃんもやはり雨は苦手と見えて上がりかまちに走るようにして戻ってきたので室内に入れてやる。
 いやはや、ニンゲンたるもの雨粒ひとつに勝てないナ、とため息をつく。雨がおさまったところで再び洗濯物をベランダに出し、しばらく様子を見たのちに、眼医者さんへ。常用の薬がなくなってきたためで、眼圧は右18、左16で心配なく、視力検査も「大丈夫ですね」とのことでホッとした。

 本日、28日付の夕刊見出しは【戦闘休止2日延長合意 ハマス、人質11人を解放】(中日)【戦闘休止を2日延長 イスラエル・ハマス合意 本格停戦は遠く】【米「さらに延長を」高官、恒久的「停戦」には反対】(日経)といったところか。
 それはそうと、中日夕刊は核兵器禁止条約の第2回締約国会議が27日、ニューヨークで開幕した点に触れ【「核戦争危機高まっている」被団協木戸さん警鐘 核禁条約会議】と警鐘を鳴らしている。具体的には長崎で被爆した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の木戸季市(きどすえいち)事務局長(83)=岐阜市=が国連本部での会合冒頭で演説し、核保有国のロシアによるウクライナ侵攻と、核を事実上保有するイスラエルのパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦に触れ「核戦争が起きれば死の世界が残るだけだ」と警告したと報じている。

(11月27日)
 きょうは、早朝の午前6時45分から不燃物集積場の地元・花霞町内会の当番日で、早朝から慌ただしい1日となった。朝一番の当番は、準備が中心のため結構、ハードである。これが終わって月一回の歯のクリーニングのため、歯医者さんへ出向いたところで「いがみさんは、29日のはずですよ」と言われ、Uターン。せっかくなので、ならばーと近くの池田医院に出向き、インフルエンザの予防注射をしてもらってきた。
 この池田医院は、亡き妻が生前、いつも高血圧の治療で通い、私自身付き添いで何度も訪れたことがある。それだけに、久しぶりに接する池田医師の姿には、なぜか懐かしさのようなものを感じた。相変わらず、やさしさが満ちあふれた先生(医師)で私は「舞の生前中は、いつも本当にお世話になり、ありがとうございました」と礼を述べさせて頂いた。一昨年10月に舞が亡くなって以降、久しぶりに訪れたが、この池田医院は看護婦さんも、患者さんも今も全員がマスクの臨戦態勢で、私も医院に入るや玄関先で「マスクをしてください」と促され、いつもポッケに入れているマスクをした次第である。
 それにしても、コロナはもはや5類なのに「よくぞ、徹底しているものだ」と感心させられたのである。ワクチン注射は左ひじ上部分にブスリとされた。痛かった。

(11月26日)
 【全国初中心部で定期運行 自動運転バス岐阜の街へ】とは本日付の中日新聞社会面トップ記事だ。岐阜市が25日、中心市街地で自動運転車両を使った路線バスの定期運行を始めたという。

 イスラエル首相府が26日、イスラム組織ハマスに拘束された人質のうちイスラエル人13人と外国人11人の計24人を解放した、と発表。合意を仲介したカタール政府もこの日、イスラエルが拘束していたパレスチナ人のこどもや女性計39人が釈放されたことを明らかにした。
 佐賀県鹿島市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザ感染が疑われる事例が見つかり同県は25日、遺伝子検査の結果、陽性が確認された、と発表。養鶏場での鳥インフルエンザの発生は今季、全国初めて。県はこの養鶏場で飼育されている約4万羽の殺処分を始めたという。

 シロが午前10時半過ぎにわが家を出たまま、いつも帰ってくる定刻の正午を過ぎても今なお(現在は零時42分現在)帰宅しない。心配である。というわけで、自宅周辺を歩いて見て回ったが、どこにもいない。
 午後1時8分過ぎ。つい先ほど、シロちゃんが帰った。本当に心配したがシロの存在が私にとっていかに大きいものか、を思い知った。きょうは確か、日本ペンクラブの「ペンの日の集い」があったはずだが、ある自治体の文芸祭小説の部の審査も残っており、東京行きはやめた。それよりも何よりも、きょうはシロがなかなか帰らず、わが愛する妻亡きあと、私たちにとってのシロの存在がいかに大きなものであるか、を思い知らされたのである。
 シロさえ元気で私の傍らに居てくれれば、新刊のことが新聞で報道されようがされまいが、私の人生にとって全く関係ないことを改めて思い知らされる日ともなった。シロさえ私の傍らに居てくれたら、それだけで十分である。それはそうと、さあ。文芸祭に寄せられた小説の講評を書かなければ。きょうは、何もかもが、だ。シロちゃんがおればこそ、今の私の人生であることを思い知らされた。けふは、そんな日であった。

 福岡国際センターで開かれていた大相撲九州場所は大関霧島が大関貴景勝を突き落とし、13勝2敗で4場所ぶり2度目の優勝。ただ一人1差で追っていた平幕熱海富士が関脇琴ノ若に敗れて4敗目を喫し、取組前に優勝が決まった。綱取りへの期待がかかっていた貴景勝は、残念ながら9勝6敗に終わった。モンゴル出身力士の優勝は、霧島の優勝で100度目となった。

(11月25日)
 午後。高屋の臨済宗妙心寺派永正寺内で行われた尾張芸術文化懇話会(事務局は永正寺内)に久しぶりに出席。来年9月15日に迫ったこの地方での新たな文化の殿堂と言っていい、永正寺新本堂(純木造2階建て)での〝こけら落とし記念公演〟の進め方などについて語り合う。
 語り合うといっても私の場合は、ただ黙って熱心な話し合いを聞くだけのことではあるが。こんごこの地方の新たな文化の殿堂がどんなふうに生まれ出(いづ)るか。誕生するかーを思うと、胸がわくわくするから不思議なものである。

 イスラエル軍とイスラム組織ハマスが合意したパレスチナ自治区ガザでの4日間の戦闘休止が24日午前7時(日本時間同日午後2時)に始まった。ハマスによる奇襲攻撃で10月7日に始まった大規模戦闘で双方の合意に基づく休止は初めて。イスラエル当局筋によると、ハマスが拘束している人質のうち第一陣の13人がエジプト側に引き渡され、解放されたと確認。タイ人の人質12人も引き渡され、230人以上の人質のうち計25人が解放されたという。ハマス側は戦闘休止期間中に、拘束する人質230人以上のうち女性や子ども計50人を解放するとしているが、さて、どうなるか。
 世界の目が集まっている。

 直木賞作家の伊集院静さん=本名・西山忠来=が24日、死去。妻で女優の篠ひろ子さんが同日、発表。肝内胆管がんのためで、今年に入り治療を受けていた。73歳だった。

(11月24日)
 本日付の尾北ホームニュース1面に最近、私が出版した一匹文士小説集「あたし帰った かえったわよ」(人間社)のことが、【江南・伊神権太さん 『あたし帰った かえったわよ』出版 亡き妻との約束果たし 元中日新聞記者が小説集】の見出しで掲載され、私はさっそく舞=静汐院美舞立詠大姉=の仏前にその新聞を置き、「ありがたいことだね」といって手をあわせてお参りをした。

 記事を目にした滝高のクラスメート「二石会」会長、須賀藤隆くん、そして地元花霞町の役員さんらからさっそくメールで「尾北ホームニュースの記事、拝見いたしました。おめでとうございます」などといったメールや電話を頂いてしまい、何とお礼を申してよいのやら、ありがたいことである。恐縮してしまった。

2023年11月23日
 勤労感謝の日。
 ガザでの4日間休戦合意。そして韓国政府が軌道投入を認めた北朝鮮の「衛星発射成功」など。世界は日々、いろいろ目まぐるしく動いているが、やはり身近な話題と言えば本日(23日)付中日新聞1面の【41年 ごちそうさまでした ナゴヤ球場前「ラーメン竜」閉店】のニュースだろう。
 私はかつて定年退職直後に、落合博満監督のドラゴンズ全盛時代に誕生まもない「ドラゴンズ公式ファンクラブ」の会報編集担当として数年間、勤務。しばしばナゴヤ球場を訪れたが、あのころ〝ドラゴンズのおかあさん〟と言われ、外野でのドラゴンズの旗振りに熱心で私との交流も深かったヤスエさん、すなわち、あの安江都々子さん(故人)とファンクラブ通信の取材の件でお店にご一緒したり、たまには、今は亡き妻伊神舞子を伴って訪れたこともあった。
 それだけに、なんだか懐かしく、とても寂しい気がする。でも長い間、本当に、ご苦労様でした。
    ※    ※

    ☆    ☆
 私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)を過去、特別お世話になった人や、読んで頂きたい方々のなかでもごくごく一部のみなさまへの贈呈は、ほぼ終えたが、そのつど郵便局へ行ったり宅急便のヤマト運輸に出向くなどこのところはチョット、大変だった。あとは、私、伊神権太を知るひとりでも多くの読者のみなさまに本屋さんやネットでご購入していただき読んで頂けたら、そのことこそが最高に嬉しい……。

 そして。一匹記者、いがみの権太、すなわち伊神権太ファンのどれほどの方々がこの先、この本を購入され頁を開いて下さるか、とても楽しみにしている。私と亡き妻・舞にとっては何よりも私たち二人の歩んだ道の一端を読んで頂き、この一冊がそれぞれの方がそれぞれの人生街道を生きていくのに、たとえ僅かでも参考になれば、それほど嬉しいことはないのである。

 いま一度、先日、心ある知人の理解と協力、助言で覚悟を決め、私自身が中日新聞に出した1面広告をここに紹介し、私と舞の本の紹介とさせて頂く。笛吹けど踊らずになったらなったで。それはそれで良い経験になると。そう覚悟の上で、である。

 今月14日付の中日新聞1面下広告欄の新刊「あたし帰った かえったわよ」と「泣かんとこ 伊神舞子俳句短歌遺稿集」の同時掲載広告
 

 新刊「あたし帰った かえったわよ」
  

2023年11月22日
 快晴。小春日和である。寒くなって雨が雪になるころ。小雪(しょうせつ)である。

 イスラエルのネタニヤフ政権が22日未明、イスラム組織ハマスが人質の女性や子ども約50人を解放するのと引き換えにパレスチナ自治区ガザでの戦闘を4日間休止すると発表。臨時閣議で承認。ハマスも人質解放に合意したとの声明を出し、交換条件としてイスラエルが拘束中のパレスチナ人約150人が解放されると明らかにした。
 北朝鮮の朝鮮中央通信は22日未明、北朝鮮の国家航空宇宙技術総局が21日夜に軍事偵察衛星を打ち上げ、成功したと伝えた。

 名高裁は22日、東電福島第一原発事故で福島県から愛知、岐阜、静岡の各県に避難した42世帯125人が国と東電に慰謝料など計約5億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で一審の名古屋地裁に続き、国への請求を棄却し、東電にのみ賠償を命じた。

(11月21日)
 1等前後賞合わせて10億円が当たる年末ジャンボ宝くじ。その発売がきょう21日から、始まった。12月22日まで購入でき、年末ジャンボミニも同時発売。抽せんは、大みそかに東京オペラシティコンサートホール(東京都新宿区)で行われるという。
 今は亡き舞がいたころは、暮れに彼女を喜ばせてやろうと毎年年末ジャンボ宝くじを買ったものだが、とうとう願いは、かなわなかった。「ダメだったな」と結果を言うと決まって返ってくる言葉は「うちは、くじ運は悪いのだから。仕方ないよね」と毎年、ガックリ肩を落とす私を励ましてくれたものである。だが、今ではその舞はいない。大金(たいきん)に代えがたい彼女は、いまは、この世の天のどこいら辺りにいるのか。神のみぞ、知るか。

【エルサレム=共同】発の中日夕刊報道によれば、だ。イスラエル軍報道官は20日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ北部でイスラム教のモスク(礼拝所)が「兵器の製造工場として使われていた」と主張。トンネルの縦穴も見つけたとしている。軍は地上侵攻で「テロリスト300人以上を逮捕し、尋問した」とも発表。敵が民間人に紛れ込んでいる実態を暴露した、と強調しているという。
 アフリカ北東部スーダンのハッカー集団で、親パレスチナを名乗る「アノニマススーダン」が、対話型人工知能(AⅠ)「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIにサイバー攻撃を仕掛けたと主張していることが分かったーとは、21日付の中日夕刊報道。

 午後。古知野郵便局から平和堂へ。ここで遅がけの食事をし、夕食用にロコモコ風のっけ丼ふたつを買って帰る。

(11月20日)
 日本経済新聞の20日付の夕刊報道によると、イエメンの新イラン武装組織フーシが19日、紅海でイスラエル船を拿捕した、との声明を発表。イスラエルはこれに先立ち日本企業が運航する貨物船が紅海で乗っ取られたことを明らかにした。日本郵船によれば、同社がチャーターしていた自動車輸送船が拿捕されたという。
 20日の東京株式市場。日経平均株価は続伸し、一時前週末比268円高の3万3853円まで上げ、バブル経済崩壊後の高値を4カ月半ぶりに上回った。1990年3月以来33年8カ月ぶりの高値だという。南米アルゼンチンで19日、大統領選の決選投票が行われ、野党で右派のハビエル・ミレイ下院議員(53)が勝利。日経によれば、年率140%を上回る高インフレの経済苦境に対して経済のドル化や中央銀行の廃止といった過激な抜本改革を訴えたミレイ氏に支持が集まったという。

(11月19日)
 日曜日。きょうも何かと忙しく、あれやこれやと読んだり書いたりしているうちに、あっという間に1日が過ぎ去っていった。ある自治体に寄せられた小説審査の方もひととおり読み終え、あとは審査結果をまとめる段階まできた。余裕があれば、もう一度読み返そうとも思っている。

 午後、ヤマト運輸へ。私が最近出版してまもない一匹文士小説集「あたし帰った かえったわよ」(人間社)を私が長年、所属する東京の日本ペンクラブと日本文藝家協会に送るためで、これまでなかなか時間がなくて送ることが出来なかったが、きょうになってやっと宅急便での郵送とあいなったのである。

 岐阜県郡上市高鷲町のスキー場「ホワイトピアたかす」が18日、西日本のトップを切ってオープンし、シーズンインを待ちわびた多くのスノーボーダーらでにぎわったという。
 創価学会の池田大作(いけだ・だいさく)名誉会長が15日、老衰のため東京都新宿区の学会施設で死去。東京都出身。95歳だった。公明党は池田氏が敷いた連立政権への参画路線を維持しているが、山口那津男代表は「『大衆とともに』との立党精神を変わらぬ原点として永遠に守り抜く」とのコメントを発表。岸田文雄首相も「深い悲しみにたえません。国内外で平和、文化、教育の推進などに尽力、歴史に大きな足跡を残された」とX(旧ツイッター)に投稿、その死を悼んだ。

(11月18日)
 土曜日。【処理水問題「対話で解決」 日中首脳互恵関係推進】【シファ病院にトンネル イスラエル軍 周辺に人質遺体】【大谷 再び満票MVP 米大リーグ、史上初】とは、けさ18日付朝刊の毎日新聞の1面見出しだ。そして本日付日本経済新聞の夕刊見出しとなると、【日韓で脱炭素燃料調達 水素・アンモニア供給網創設 両首脳表明 量子技術でも連携】【ロシア・中東言及見送り APEC、首脳宣言採択】【水産物規制 撤廃強く要求 首相会見「安定的な日中関係確認」】といった具合だ。
 それはそれ、として毎日毎日、新しいニュースは途絶えることがない。
    ※    ※

    ☆    ☆
 それはそうと、きょうは1日じゅう寒い日となった。さすがのシロも外に出ようとはせず1日、1階台所のストーブの横か、2階寝室の私の布団の中であったまるーという事態に。午後には、風も強まり、真冬のような1日となった。ニュースによれば、岐阜県の世界文化遺産・白川郷では午後1時過ぎから雪が降り始め、一面雪の原に。紅葉を楽しみに訪れたはずの観光客が雪化粧のなかでの1日となった。

 フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦さん(28)が17日、X(旧ツイッター)で離婚を発表。8月4日に結婚を公表したが、相手は明らかにしていなかった。誹謗中傷やストーカー行為、過熱報道に悩んでいたとし「未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしいので」などとつづった。
 「愛は勝つ」のヒット曲で知られるシンガー・ソングライターのKANさん=本名木村和(きむら・かん)=が12日午後6時29分、死去した。61歳だった。福岡市出身。

 福岡、長野で初雪。

(11月17日)
 金曜日。あさのうち降っていた雨も次第に小降りとなり、昼過ぎには止んだ。

 朝刊の見出しは、けさも【米中軍対話再開に合意 首脳会談 台湾問題は平行線】【「最大病院にハマス指揮所」ガザ イスラエル軍発見主張】というものだった。
 米大リーグの記者投票によるMVPが16日(日本時間17日)、発表され、大谷翔平選手(エンゼルス)が満票で2年ぶり2度目の受賞に輝く。

(11月16日)
 先日来、中日新聞(東京新聞を含む)の広告欄に掲載して頂いた私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)の広告代を中部日本広告社あてに銀行から振り込んだ。自分で自分の著書に広告を出すのは生まれて初めてのことで、それこそ清水の舞台から飛び降りる、とはこのことか。だが、世間の風はそんなに甘くはなかろう。笛吹けど踊らずの結果になるかもしれない。結果は、神のみぞ知るか。でも、舞のためにも。少しでも多くの読者に読んで頂くためにも全力投球しなければ、と私は思っている。

 【米中 軍対話再開で合意 首脳会談 1年ぶり開催】【ガザ長期戦闘休止を 国連安保理が初決議】【「病院で武器発見」イスラエルが主張】とは本日付の中日新聞夕刊見出し。世界は、何にせよ一歩一歩前に進んだり、後ろに後退したりしているのである。

(11月15日)
 人を見て我が身を見る。というか、我を知った。何十年ぶりかで再会した友たちは若き日々の面影は残しつつも、みな一様に齢を重ね、いわゆるお年寄りであった。そういう私自身も今や77歳で、自分でも信じられない齢である。他人から見れば、年を重ねたひとりの老人なのだろうな、と思うとナンダカ、無性に青春時代が懐かしく回顧されたのである。

 というわけで、きょうは【人間の尊厳のために】を教育モットーとするわが母校南山大学の昭和四十三年卒の第17期同期会による同窓会が名古屋市の東京第一ホテル錦で行われ、出席。久しぶりに級友にお会いし楽しいひとときを過ごした。会は、いまも演奏を続けているという同級生4人組による<小さい秋みつけた>などのカルテット(四重奏曲)演奏で開幕。あとは1人ひとりが近況につき一分間スピーチをするといった順で進んだが、楽しく懐かしいひとときはアッと言う間に過ぎ去ったのである。
 私は一分間スピーチで「新聞記者をし多くの事件、災害、事故現場を取材したが、苦しく辛い現場に立った時は、いつも人間の尊厳と新聞社の社是である<真実、公正、進歩的に>を胸に、乗り越えて来た。思い出と言えば、大学二年の時に講道館柔道三段を自力で取り、ユニバーシアードの候補選手として講道館に行ったことか」などと語ったが、名司会者の川口譲くんから「いいぞ。イガミ」と言われたことが、とても嬉しかった。
 一分間スピーチは楽しく進んだが中に、ある女性同期生が「わたしは今社交ダンスをしています。このなかで社交ダンスなさっている方はおいでですか」と問われたので、私はいの一番で「はぁ~い。ボクやってます」と手をあげたのである。その後の懇親の場で彼女は私に近づき、「あなた何級なの」と聞くので「モダン、ラテンとも一級資格を持ってますよ」というと、信じられない-と言った表情で私を見つめ「一緒に踊りましょうよ」と腰を抱きかかえられたのには驚いた。私は、そのまましばらくの間彼女とステップを踏んだが、彼女がその気で踊るなら受けて立つつもりでいたが、ふたりとも恥ずかしくなり、やめたのである。

 そればかりか、帰り際にはロバート・キサラ学長ともお話しをする機会が得られ、持参した私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)をお渡しし、半分英語混じりで歓談することも出来、出席して本当に良かったな、と思った。

 四重奏を演じる同期生たち
 

 学生歌を歌う同期生たち
 

 楽しく進んだ第17期同期会
 

(11月14日)
 13日は上空の強い寒気の影響で、各地で今季一番の冷え込みとなり、岐阜、滋賀両県にまたがる伊吹山(1377㍍)では初冠雪が観測された。

 本日14日付の中日新聞一面下の広告欄に私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)と伊神舞子俳句短歌遺稿集「泣かんとこ」(人間社)の広告が掲載された。次のとおりである。
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 午後、たつ江(伊神舞子)が生前、ずっと俳句の本の配達でお世話になっていた杉浦書店の女店員さんが月に一度の本の集金においでになられた。彼女曰く「きょうの中日新聞広告欄を読ませて頂きました。さっそく新聞と一緒に、店頭に本を置かせてもらいます」とのこと。私は「くれぐれもよろしく」とお願いし、その場でサインをして一冊贈呈させて頂いた。販売店には夕刊配達時に「けさの朝刊を5部届けてくださるよう」お願いをしたところ、いつもの松本さんが、わざわざ届けて下さった。
 私は長年の新聞社務めで広告の威力は、編集のカミソリではないが、ナタのような威力を、じわじわと発揮してくる。いや、発揮するものだーと、そう確信している。そこへ、今回は広告サイドの思い切って大きなものを打ってみたらーとの温かい出稿の誘いに、思い切って清水の舞台から飛び降りる覚悟で生まれて初めて自分に対する広告出稿を思い立ったのである。物は試しだ。何ごとも挑戦である。だから、広告という矢を放った。どうなるか、は神のみぞ知る。笛吹けど踊らず、の結果に終わるかもしれない。

 夜。ウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間で詩人、大正琴の弦洲会会主でもある倉知弦洲さん(ふるさと音楽家牧すすむさん)から「ガミちゃん。広告、頑張ったね これなら目につくよ 懐は大丈夫か心配になる」「生徒には積極的に紹介していくし、折に触れガミちゃんの話をするつもりでいるよ。ただ生徒の多くが高齢の女性だから、生徒を通じて家族や知人に勧めてもらう。期待したいね。もちろん無理強いはしないつもりだから。心配しないで。上手く話題に乗せて紹介するから大丈夫だよ」とありがたいメール。持つのは友。いや、はるか昔、小牧時代に義兄弟の契りを交わした兄貴・牧さんだなっ、とつくづく思った次第である。
 きょうは、ほかにも広告記事を読んだ東京在住作家の村上政彦さんから「一匹文士の覚悟が窺えて、心が震えました。」のメールが寄せられ、嬉しく思った。また、新刊を読んでくださったピースボートの船友から「すばらしいですね。伊神さん、ちゃんとご飯美味しくいただけてますか? ちゃんと幸せに過ごせてますか」のやさしいメールまで頂いた。みんな、みんな。いい人ばかりだ。ありがとう。

 本日付の朝刊の見出しは【神田財務副大臣を更迭 税金滞納 政権への打撃必至 改造後 政務三役3人目辞任】というものであった。岸田文雄首相が13日、過去の税金滞納を認めた神田憲次財務副大臣(60)=衆院愛知5区=を事実上、更迭したというニュース。税理士資格を持つ神田副大臣自らが代表取締役を務める会社保有の土地・建物の固定資産税を過去に滞納していた事実が発覚。更迭は神田副大臣が国民に納税を求める立場にあることから岸田首相が国会審議への影響は避けられない、と判断。神田氏に辞表を提出させ、持ち回り閣議で受理したというもので、9月の岸田内閣改造後、政務三役の辞任は3人目となった。

2023年11月13日
 午前中、自宅近く所定の場所へのゴミ出しをしたあとで愛知県警江南署へ。私も既に77歳。なので運転免許証の更新に伴う認知機能検査を受けるためだが、こうした検査は、何度受けても苦手である。でも、仕方あるまい。これも世の常と義務だと思い、出かけた。検査を終えて帰ると、いつものようにわが家の愛猫シロちゃんが「どうだった。うまくできた」といった心配顔で玄関先まで飛び出すように走り出てきてくれた時には、うれしかった。それこそ、生前の舞と同じで最初に【どうだった】と聞いてくれ、これには感激。「シロちゃんのためにも、まだまだ元気で頑張るからね」と答えると、彼女は心配そうな顔をしてニャアオ、ニャアオ、ニャン、ニャン…と声をあげたのである。

 どんな時にも私たち家族のことを心配してくれる、わが家のシロ(オーロラレインボー)ちゃん
 

 けさは、新聞休刊日。朝刊3紙がこないので、いつもなら読む時間をほかにあてることが出来るので、その分どこかホッとした朝だった。でも、江南署に出かけねばならず、ゴミ出しやらナンダカンダで慌ただしい朝となってしまった。

 ♪ああ あなたに恋心ぬすまれて もっとロマンス 私に仕掛けてきて……の【シルエット・ロマンス(1982年日本レコード大賞最優秀歌唱賞)】などのヒット曲で知られた歌手で北海道出身の大橋純子さんが9日午前4時14分、食道がんで死去。73歳だった。告別式は16日午後1時から。東京・芝の増上寺で。喪主は夫で作曲家の佐藤健さん。

(11月12日)
 立冬を過ぎ、きょうは結構、朝から寒い。
 デ、舞との思い出が染みた赤の洒落たガウンカーディガンを今シーズン初めて羽織ってみた。この赤いガウンは、かつて新聞社の小牧通信局在任時代に当時、全国最年少の警察署長として小牧署長に着任した広畑史朗さんが着てお出でになり、夜討ち取材の際にたまたま見かけたことを話すと、何を思ったか。舞が同じ色のガウンカーディガンを買ってきて帰宅すると「夜は寒いから、これを着てよね」と着せてくれた曰く因縁のしろものである。ただ、彼女がもういないので、どこにあるのか。見つけ出すのに、ことしもかなりの苦労をした。と同時に「あと何年の間、この赤いガウンを着ることが出来るだろう」との思いが頭をかすめたのも事実である。

 道路を隔てた前に最近出来たばかりの新居二軒。そのうちの一方に住むことになられた、いや、既に住んでおいでだが、若き<ひびのさんご夫妻>があいさつに来られた。「あのぉ~、ゴミ出しはいつですか」と聞かれたので「月曜と木曜日ですよ」とお答えする。思えば、私たちが当時住み慣れた一宮のマンションから新築したばかりの現在の住居に転居してきた時にも、舞とふたりして近所をあいさつまわりをして歩いたものである。早いもので、あれから20年近くになる。
 あの時は、まだまだ健在だった私の両親と舞の母親らに、今は亡きどどいつ漫談の柳家小三亀松、日比純子さんご夫妻=いずれも故人=も新居にお招きし、膳を囲み、都々逸漫談までをして頂いた、あの日々が懐かしく思い出される。

 夜。NHKテレビのNHKスペシャル【混迷の世紀11難民危機ついに1億人を超えた 門戸閉ざす欧州の現実 命の危機見捨てるのか】を見る。

(11月11日)
 前衆院議員議長で官房長官や自民党幹事長などを歴任した衆議院の細田博之(ほそだ・ひろゆき)氏が10日午前10時58分、東京都の病院で死去。79歳だった。死因は多臓器不全の可能性があるが病名の特定はされていないという。島根県出身。自宅は松江市。告別式は、15日午前10時から。東京都品川区の桐ケ谷斎場にて。喪主は長男明伸(あきのぶ)さん。細田氏は、体調不良を理由に10月に議長を辞任。世界統一家庭連合(旧統一教会)との関係が取りざたされていた。

 2025年大阪・関西万博にパビリオンの出展を表明していた複数の国が万博から撤退する意向を日本政府に伝達。撤退の意向が示されたのは初めてで、この先撤退ドミノでも起きれば万博の魅力低下は必至だといえよう、政府関係者によれば、うち1カ国はメキシコで、自前での建設に必要な予算確保の見通しが立たないためだという。万博には今のところ、153カ国・地域が参加を表明している。

(11月10日)
 米ホワイトハウスは9日、イスラエルがイスラム組織ハマスへの攻撃のため侵攻しているパレスチナ自治区ガザで北部に限定して1日4時間の戦闘休止に合意した、と明らかにした。民間のパレスチナ人の避難につなげるのが狙いだという。

 午後からは、社交ダンスのレッスンで一宮のスポーツ文化会館へ。きょうも、タンゴとワルツをしっかりと学んだ。ダンス教師の若さんはじめ、レッスン仲間みんなの「伊神さん。出版おめでとう、ご本、本屋さんに頼んでおいたから。1週間くらいでくるんだってよ」の言葉には感謝のしようもない。ある仲間からは立派なお花まで頂き恐縮至極、とはこのことか。

 【小学生に夢 野球しようぜ! …………大谷翔平 全国2万校にグラブ寄贈へ】【「ハマス ガザ北部支配喪失」 イスラエル軍拠点接近】【首相年内解散を断念 支持率最低「経済対策に専心」】とは、中日新聞の朝刊10日付の見出し。それにしても米大リーグのエンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平選手(29)は、たいしたものである。夢を与え、夢を生む―とは、こういうことなのか。

(11月9日)
 東京都内で開かれていた主要7カ国(G7)外相会合が8日、共同声明を発表して閉幕した。報道によれば、共同声明は、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘の「人道的休止」を支持し、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」が「公正で永続的で安全な平和への唯一の道」と強調。ロシアが侵攻するウクライナへの支援は「揺るがない」と表明した。

 このところは、新刊の一匹文士小説集「あたし帰った かえったわよ」(人間社)の出版に伴う生まれて初の新聞への広告出稿はじめ、岐阜県下のある自治体の文芸祭に寄せられた作品(小説)審査に追われるなど、それこそ休む間もなく、バタバタしている。が、これも仕方ないことか。なかでも新刊の出版は、かわいい舞、たつ江との約束だから-と自らにそう言い聞かせて一日一日を、大切に生きている。それにしても毎日が忙しい。これでは新しい小説を書いている暇がない。

(11月8日)
 冬の気配が感じられるころ。立冬である。
私の新刊「あたし帰った かえったわよ」と「泣かんとこ 伊神舞子俳句短歌遺稿集」(いずれも人間社)の新聞広告が名古屋の中日新聞はじめ、3本社(名古屋、金沢、浜松)発行の中日新聞と北陸中日新聞の1面下広告欄に掲載された。おかげで私を知る多くの方々からメールや電話を頂いた。さて、どれほどの効果があるか。1人でも多くの人びとの目に留まって、読んでほしく思う。このうえは、ネットはむろん、本屋さんで一人でも多くの方々に購入し、読んで頂けたらと心から願う。
 とはいえ、この世は厳しい。笛吹けど踊らずになることは十分ありうる。世の中は厳しいものだからである。それでも私は生前の舞と約束した道をこの先、どこまでも歩いていこうと思っている。

 東京新聞と名古屋、金沢、浜松三本社発行の中日新聞1面下の広告欄に掲載された【あたし帰った かえったわよ】の新聞広告
 

 8日付中日新聞朝刊1面トップ記事の見出しは【旧統一教会「100億円供託」 会長表明 被害者に謝罪否定 国、受領根拠なし】【供託金提案 財産隠し懸念けん制 元信者ら怒り「被害実態1000億円」】というものだった。ほかには【ガザ戦闘中断「検討可能」 イスラエル首相 病院など包囲網】など。日本も世界も、混沌としている。

(11月7日)
 東京新聞1面下広告欄に私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)の広告が出た。はるか昔、現役記者時代に春になると、【観光と産業】という企画で志摩観光ホテルや和倉温泉の各旅館など本社の広告部員を伴い、広告を頂いて回ったことはあるが、自分自身の広告を出すのは、生まれて初めてのことである。私の新刊を少しでも多くの方々に読んでほしい。その一心からの広告掲載となったが、さてさて結果はどうなるのか。神のみぞ知る、とはこのことを言うに違いない。

 尾北ホームニュースの記者、土肥浩子さん(編集チーフ)が、私の【泣かんとこ 伊神舞子俳句短歌遺稿集】と新刊の一匹文士小説集【あたし帰った かえったわよ】(いずれも人間社)の取材でわが家を訪れた。24日付で掲載されるということなので、とても楽しみである。

 中日新聞の本日(7日)付朝刊に【天野静雄さん死去 87歳 俳優、司会者 反戦訴え】の悲しいニュース。多臓器不全のため5日に亡くなったとのことである。87歳だった。あまの・しずおさんといえば、だ。
 天鎮(アマチン)さんで知られ、名古屋のラジオ、テレビなどで活躍。先輩俳優で妻の山田昌さん(93歳)との名コンビぶりは知る人ぞ知る。憲法9条改正に反対する「あいち九条の会」代表世話人の一人としても平和をこよなく愛した。私自身も、かつて亡き舞と一緒に牧すすむさんら有志で雑誌「名古屋」創刊時にご一緒したことがあるが、それはそれは名古屋と平和を愛することでは天下一品、ピカイチのお方だった。

(11月6日)
 一宮の少年野球一宮時代からお世話になっている水野さんが朝、来訪。私の車の車検のため車を取りにおいでになった。

(11月5日)
 日曜日。午後。高校時代の滝高校同級生、二石会会長須賀藤隆君とともに江南市民文化会館大ホールへ。恩師である原定夫先生に創立十五周年尾北男性合唱団第六回演奏会のお招きを受けていたためで、こうしたコンサート鑑賞は久しぶりのことであった。発表会は第1ステージ(懐かしの昭和歌謡・ポップス曲集)第2ステージ(宗教曲)第3ステージ(堀口大學の詩による男声合唱・オーボエ・ピアノの為の『昔、ピエロの歌を…』)第4ステージ(男声合唱のための「中島みゆき Best of Best」より)の順で進んだが、それはそれは見事な歌声であった。特に中島みゆきの▼糸▼麦の唄、などを歌っているときは原先生はじめ、ステージ上の男性の何人か、が泣きながらの合唱となり、なんだか私たちまでが泣けてしまったのである。
 須賀君は奥さまとのエジプト旅行から帰った直後だったにもかかわらず、私と鑑賞。彼の義理堅さと思いやりの深さにも、なんだか、ジーンとくるものがあったのである。私自身、こうした文化は大切なものだと思った次第。一方で合唱に合わせ高らかに奏でられた若者の伸び伸びとしたトランペットの音には、これまた感動させられたのである。

 夜。SMBC日本シリーズ2023の第7戦が京セラドーム大阪で行われ、岡田監督率いる阪神が7-1でオリックスに快勝。対戦成績を4勝3敗として1985年いらい、38年ぶり2度目の日本シリーズ制覇を果たした。

(11月4日)
 天気のよい日である。
 新聞は▽イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市の包囲を完了、プリンケン米国務長官が3日、イスラエルを訪問し民間人保護の対策を取るように求めた、とか▽イスラエルのハレビ参謀総長がパレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市を包囲し、本格的な侵攻を始めると表明した-など血なまぐさい記事ばかりで埋まっている。こうした記事を目の前に私は「ニンゲンたるもの。なんて愚かな生きものなのか」と嘆息せざるを得ない。
 そして。こうした戦争のど真ん中にある地球を思う限り、この星はもしかしたら、血ぬられた地獄の真っただ中にあるのか、と思うのである。その一方で、人々の真剣かつまじめ、家族や友人を思う心を見るにつけ「いやいや、そうではない。人間の大半は捨てたものじゃない」と思うのである。

 ▼連休初日の昨日は広く晴れたが、特異なのは季節外れの暑さ。全国各地で気温が11月の最高記録に達した。富山市は28・5度、福井市は28・0度など日本海側は特に暑かった。東京都心は24・3度。名古屋は2日連続の夏日で11月では126年ぶりという▼週明けの月曜に越前がに漁が解禁され、水曜は立冬というのに昨日は半そでだった人も多かろう。今日も太平洋側を中心に晴れて暑いところがある。地球は大丈夫なのだろうか▼……
とは、本日付中日新聞の中日春秋。

 4日付の中日新聞朝刊によれば、大相撲の元大関朝潮で「大ちゃん」の愛称で親しまれ、引退後は若松部屋を率いた後、高砂部屋を継承。朝青龍を横綱に育て上げ親方生活の終盤に近畿大の後輩、朝乃山を大関昇進に導いた長岡末広さんが死去したことが3日、日本相撲協会関係者の話で判明。67歳だった。高知県出身。三賞は14度受賞。1985年春場所に初優勝。1989年春場所で引退するまで大関を36場所務め、特に横綱北の湖戦では13勝7敗(不戦勝1含む)と強さを発揮した。
3日午前8時45分ごろ、静岡県伊豆の国市田京の路上で祭りの山車が横転。1人が死亡、18人が重軽傷。

2023年11月3日
 きょうは文化の日。
 今は亡きわが妻たつ江(伊神舞子)。彼女が当時流行っていたツイッギーのミニスカート姿で生まれて初めて三重県志摩半島に足を踏み入れたその日、昭和47年11月3日である。あの日。彼女は素足のまま、まるでターザンさながらの普段着で黒い髪を肩までなびかせ、白い八重歯を光らせ、近鉄鵜方駅に、どこか緊張した面持ちで初めて降り立ったのである(私は、この時のたつ江の印象があまりに強烈だったので、それからしばらくの間は彼女をターザン、ターザンと半分冗談で呼んでいたことを思い出す)。でも、私が言うのはチョット可笑しいが、かわいらしさと美しさは、相変わらず格別であった。

 文化の日のその日。私たちは鵜方にあった新聞社の志摩通信部であれやこれやと話し合い、彼女の亡き父勝弥さんの命日である11月7日に、志摩に正式にお嫁入りしてくる(というか、駆け落ちしてくる)ことを勝手にふたりで決め、そのとおりに決行したのである(このことが大騒ぎになってしまったが。最後は私の両親、社も温かく受け入れてくれ今では心から感謝している)。当時のことを私は自著【泣かんとこ 風記者ごん!(伊神ごん著、能登印刷)】で以下のように書いている。
――私の妻・たつ江は、(昭和)四十七年秋、私が、それまでの松本支局から、志摩通信部兼伊勢支局記者に転任=同年十月一日付=して間もない十一月七日、ここ志摩の国(三重県志摩郡阿児町鵜方)へ、着の身着のままでやってきた。単身、時に二十歳。黒い髪は肩まであり、澄んだ目が印象的だった。まだどこかに、いやどこかどころか、全身少女の彼女が思い切ったことをする点も、また得がたい個性であり持ち味でいじらしくもあった。/母子家庭で育った彼女は、昭和三十三年十一月七日に、父勝弥氏が病死(当時、たつ江は愛知県江南市立南小学校一年)し、まる十四年たったその日、意を決し、志摩へ。無論、式はなく、これが私たちの結婚宣言となった。
-冬山、夏山遭難とは縁が切れなかった信州は松本の山並み、白銀をいただいた北アルプスが眼前にそびえた上高地。松本支局から海女さんと真珠のふるさと、乱開発で知られる当地に着任し、この日記に関する限り「空白の時」を越え早くも一年半余りがたった。山記者から、海記者への変身やいかに。志摩の求める道は、これからも果てしなく続くことだろう。=【ふたりの旅立ち 志摩へ】。46、47頁から

 私が最初に出版した【泣かんとこ 風記者ごん!】(当時、私のペンネームは伊神ごんだった)
 

(11月2日)
 中日新聞記者、小中寿美さんが私の一匹文士小説集【あたし帰った かえったわよ】の取材で自宅を訪れた。小中さんは地元江南通信部の記者であるだけに、何はともあれ、誰よりも先に私の本を読んで頂ければ-と私は、そう思っている。

 イスラエル軍と戦闘中のイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザから退避を希望した日本人10人と家族のパレスチナ人8人が1日、ガザのエジプト境界にあるラファ検問所からエジプトに退避したことを日本政府が明らかにした。

(11月1日)
 わが著作【あたし帰った かえったわよ】が今月初めにいよいよ一部本屋さんの店頭に並ぶので私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」のWhat’Newでも新刊誕生を告知。1人でも多くの人々に本屋さんで本を手にして頂き、読んでもらえたら、と願っている。

一匹文士小説集【あたし帰った かえったわよ】が誕生

 家族のこと。遠くなるわが町。<高校三年生>を何度も口ずさんだ青春時代。クラスメートと昭和のにおい。平成、令和の世には亡き妻(伊神舞子)とともに反戦平和を叫ぶ。そしてコロナ禍の中でも……。
 フランスの旅先、リヨンで出会った能登出身のその女性は「幸せとは目に見えないものです」と、はっきり言ったが、わかる気がする。1人のブンヤ・地方記者として、この世の平和、幸せとは何かを追究し続けてきた私と妻の物語が一冊の本「あたし帰った かえったわよ」(人間社刊)として無事、開花しました。
 筆者は、元新聞記者で現在は一匹文士(いっぴきぶんし)として執筆を続ける作家・伊神権太(日本ペンクラブ、日本文藝家協会会員など)で本紙ウエブ文学同人誌「熱砂」の主宰でもあります。渾身の純文学5編(「どさ回り」「パリよ ビンラディン、あなたは今どこに」「ぽとぽとはらはら」「赤い空 わかれ」「あたし帰った かえったわよ」)から成るこの小説集を1人でも多くの人々に読んで頂けたら、幸いです。
 ことし2023年の11月はじめには主な書店に並び始めますので、お求めは最寄りの書店にお申し込みください。どうかよろしくお願いします。=一匹文士伊神権太記

 写真は、刊行した【あたし帰った かえったわよ(人間社)】