「大正琴と共に」 牧すすむ

「ハーイ、皆さん、ストップ、ストップですよ」
 教室に鳴り響く合奏の音に私の声が割って入る。楽器は大正琴だ。
「皆さんは自分の琴の音の狂いに気が付きませんか? 調弦をもう一度やり直して下さい」
 私の声に生徒達はそれぞれ調弦機を手に弦を弾く。
 ギターやバイオリン等の弦楽器は使う前や時間の経過、温度や湿度の様子を見て時々調弦し直すことが必要であり、大正琴も弦楽器なので例外ではない。
 昔は音叉(おんさ)という、U字型の磁石に柄を付けたような形の物を何かに打ち当て、その振動で発する音に合わせたり、調子笛という小指サイズの笛を吹いて合わせていた。でも今は針の動きで合わせられるチューナーに変わり、初心者でも簡単に調弦が出来るようになった。更に携帯にその機能を持たせた物まであり手軽さは格別。便利さにただ感謝である。
「では合わせてみましょうね」
 調弦をし終えた琴を一斉に鳴らしお互いの音を聞き合う。今度はOKだ。さっきとは全く違う澄んだ音色が辺りを包み、本来の魅力を取り戻した大正琴達が美しいハーモニーを奏で始め私の心をどこまでも続く夢の世界へと誘って行く。

 大正琴の指導を始めて早や四十五年余り。数えきれない程の生徒達に出会った。その中で楽器は音色だという基本を教え続けてきた。おかげで他所(よそ)様からも「貴方の会の演奏は音が綺麗でステキですね」とお褒めの言葉を頂いている。それは私にとって最高の宝物である。
 元々、若い頃クラシックギターを弾いていた私は、その当時に培った弦の音色が今も耳の奥に染み付いている。楽器が変わってもこの耳が求めるものは同じでありこれこそが私の音楽の源なのだと改めて思ったりもする。
 人に教えるだけでなく、その信念を持って私自身も国の内外を問わず数々の舞台でソロ演奏や息子との二人弾きを続けてきた。広いホールの隅々にまで自分の指から流れ出す大正琴の音が響き渡り、その瞬間に呼吸が止まったかのように静まり返る客席との攻防が、私の心を熱く燃えさせてくれる。正に戦いだ。
 それはそれとして、幸せなことに教室でも音色についての質問は多く有り生徒達にも私の思いは確かに伝わっている。真似しようとひた向きに努力する姿勢は眩しい程に私を照らしてくれる。
「頑張ってね」と心の中でエールの声を掛ける毎日に笑顔は絶えることがない。

 ここで大正琴について少し説明をさせて頂くことにしよう。この楽器はその名の通り大正元年に名古屋の大須で産声を上げた。つまり今年で百十四歳になります。森田吾郎という人が海外で目にした様々な楽器や音楽は凡そ日本とは掛け離れたものだった。誰もが気軽に楽器を手にし、国中に歌や踊りが溢れていた。日本での芸事習い事と言えば上流階級の人達のするものと限られ、庶民には高嶺の花でしかなかった。
 帰国後すぐ彼は日本の文化の遅れを取り戻そうとアイデアを凝らし、小型の和琴である一弦琴にタイプライターのキーを組み合わせた楽器、つまり大正琴を完成させたのです。そしてそれを世に出すと、安価な上に誰でも簡単に弾くことが出来、軽くて持ち運びも楽とのことで一大ブームを巻き起こし、庶民の娯楽に不可欠な逸品となりました。
 その人気ぶりは国内だけに留まらずアジア各国にも盛んに輸出され、名前こそ違うけれどその名残を留める楽器に出会う度に思わず見入ってしまうのです。

 そんな大正琴故に、携わる者としてこの楽器の全てを愛しみ一人でも多くの人達に親しんでもらい、掛け替えの無い日本発祥の音楽文化を後世に繋ぎたいとの思いで日々生徒達と共に精進を重ねている私です。
 楽器の音は、歌は、全てが音色。この先も大好きな大正琴と共にどこまでも音色にこだわり続けていきたいと心から願う毎日です。(完)

「二元論~裏が表で表が裏で」 伊吹

 クルマが壊れた。とうとう。水漏れのチューブを直し、ワイパーのゴムを取り換え、バックライトを交換し、車検も自分で自動車検査場行って、書類を提出して、国土交通省のお役人の前で、排気ガスやブレーキやヘッドライトの検査などをクリアして通した。ユーザー車検ってやつだ。
 費用はクルマ屋さんの見積もりの10分の1ほどで済んだ。夫婦で歓喜して喜び「車検通っておめでとう」たまにはいいよね、と鰻を食べて祝った。
 そのわずか1カ月後、7万円の純正バッテリーが換えてわずか1年半でおじゃん。挙句の果てに、高速のトンネルの中でクルマが止まるという不測の事態に見舞われ、レッカー移動(人生で初めてレッカー車に乗った)、その会社が悪徳レッカーだったりと踏んだり蹴ったりの最悪のパターン。
 故障は、頭脳部分のコンピューターで、50万を超える見積もりが出て、愛車とさようなら、突然のお別れ。古いクルマを大事に、節約して乗ることに大きな価値を見出していたのだが、それが良かったか悪かったか。

 それから約2カ月、クルマなしの生活に耐え、やっとこさ来てくれたクルマを森蔵(モリゾー)と名付けた。※名前の由来は割愛させていただく
 中古の森蔵よ。よくぞ来てくれたありがとうね、と気持ちを伝えたところ、森蔵は「走りは俺に任せろ。お前は正しい運転をするだけでいい」と言った。
 中学生の娘は、森蔵はなんか弟感あるんだよねーと、気にいったようす。でも車内が新車のような匂いがして乗り物酔いしそうだから、お母さんが大好きなたこ焼きを車内で食べてあの匂いを消してほしいという。よしきた、車内でたこ焼きを食べるぞ。
 ところが、来たばかりのクルマの中でたこ焼きを食べると匂いが付くから食べてほしくないと主人がいう。食べるか、食べざるべきか。どっちでもいい。どちらも正解、両方に価値がある。
 知覚過敏の主人と息子の歯ブラシは「やわらかめ」、スッキリきれいにしっかり磨きたい私の歯ブラシは「かため」、その中間の磨き心地がいい娘の歯ブラシは「ふつう」。そのどのこだわりにも価値がある。
 右と左、大きい小さい、好きと嫌い。
 私はこっちの方がいいと思うんだけどな、と内心思っても、クライアントのいうようにハイハイ作ります。
 結果的に、どっちが良かったかなんて、わからない。わからなくていい。変なこだわりは、さっさと捨てる。
 S極N極、どちらかに寄ると、偏った人になる。生きづらくなる。だからできれば中間にいたい。SにもNにも両方同等の価値があるから、寄りたきゃ依ればいい。それはそれでポリシーのある生き方でかっこいいといえる。それがこだわり。
 いい、悪い、善と悪。みんなで寄ってたかって叩くワイドショー、年数経ってみれば、悪人が善人だったり。信用していた人が信じられないくらいトホホな奴だったりする。
 一見良いと思えることも、前述のクルマの件みたく後でアレレということにもなりまして。

 ―もっと早くクルマを手放すタイミングはあった。車検の前に買取業者で見積もりとったら、40万で買い取ると言われたっけな。でも頭脳が壊れたらゼロ査定になった。後のまつりだね―

 あなたと結婚していいこともあったな。寝るときも淋しい夜は一日もなくなったし、かわいい息子と娘を授かった。でもそれと同等か、それ以上の苦しみも味わったな。
 不肖の父とは今も音信不通だけど、おかげで父はいないものとしてたくましく育ち、血のつながりのない父親のような方たちに、かわいがってもらえている。そして、冷たい両親のおかげで、期待をしない、甘えない、あきらめることを身をもって学んだな。
 白と黒は陰と陽の両面あって、その境界線はぼやけているんだね。それを理解すると、すべての人、モノ、出来事に価値があると気付く。
 ああ、今朝も起きたら、森蔵が家のガレージにいてくれる。今日も森蔵に乗れる。うれしいたのしい。自由に動く手足がある。顔を触ると、いつも通りつるつるしていて健康だ。本当にありがたいね。すべてにありがとう。(了)

一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2026年2月~)

20026年2月22日
 日曜日。世界友情の日。ニャンニャン。猫ちゃんの日である。そして。もうひとつ。
 きょうは、はるかかなた昔、すなわち私と妻たつ江(歌人で俳人の伊神舞子)が当時、昭和の時代には不思議でなかった細川たかしの「矢切の渡し」をどこまでも地で行く〝駆け落ち記者〟として志摩半島(当時は三重県志摩郡阿児町)に居たころ、阿児町の県立志摩病院で難産の末、生まれた長男の誕生日である。早いもので、あれから52年の年月が経った。長男が出生してしばらくの間、志摩で一緒になったわたくしと妻たつ江は、真珠いかだが浮かぶ英虞湾を眼下にした横山や志摩観光ホテル傍らの丘陵になった、あの芝生で長男を真ん中に何度も何度も日向ぼっこをしに出向いたあの日々が懐かしく思い出されるのである。

 当時は携帯もなく、ポケベルひとつと通信部にかかる電話一本だけが頼りだったので、赤ん坊を抱いた妻は、買い物に行く以外は通信部で〝電話番〟として連日、缶詰め状態で来客の応対に当たったものである。このため休みの日がくるとは妻と生まれて間もない赤ん坊を伴い、近くの志摩観光ホテル近くの海が見える丘に出かけ真珠いかだが浮かぶ海を眼下に、共に3人横に並んで寝て日向ぼっこなどをよくしたものである。その赤ちゃんが、今や日本を背負う科学者の1人として東京で頑張ってくれている-だなんて。とても信じられないのである。当然ながら私もそれだけ年老いたということか。
     ☆     ☆     ☆

     ※     ※     ※
 世界は、きょうも良きにせよ悪しきにせよ、日々動いている。
 朝刊は【米代替関税全世界に10% 違法判決24日から適用 トランプ氏最高裁批判】【NZ亡き娘が紡ぐ縁 地震15年守山の両親続く交流 「家族住む国のよう」支援に感謝 ★ニュージーランド地震 2011年2月22日、ニュージーランド南東のクライストチャーチ市付近でマグニチュード6・3の直下型地震が発生。市中心部のカンタベリーテレビCTVビルが倒壊。富山外国語専門学校(富山市)の学生12人ら日本人28人を含む115人が死亡。ビルの設計や施工上の欠陥が指摘された。】【願いの炎 心にともし 岡崎の奇祭「鬼祭り」】(中日)【イラン「数日内に核合意案」 トランプ氏は「限定攻撃検討」】【トランプ大統領 来月31日に訪中 貿易、台湾問題協議】(毎日)【貨物船の航海士逮捕 業過致死疑い 正面から衝突か 鳥羽沖事故】といったところか。

2026年2月21日
 土曜日。高市早苗首相が20日、衆参両院本会議で就任後初の施政方針演説に臨んだ。本日付の中日朝刊前文は次のように報道している。
ーー衆院選圧勝を踏まえ、政策の在り方を根本的に転換すると強調。その本丸に「責任ある積極財政」を据え、経済成長の実現に向けて官民協調で投資を促進すると訴えた。2年間に限った飲食料品の消費税率ゼロの検討を加速すると表明。憲法改正の国会発議の早期実現に期待を示した。裁量労働制の見直しも検討するとした。

 ほかには【トランプ関税 違法判決 米最高裁】【坂本銀 中井銅 フィギュア女子】【釣り船衝突 客2人死亡 10人重軽傷 鳥羽沖、貨物船と】といったところか。

 日本フィギュア黄金時代を報じた21日付の中日スポーツ1面
 

(2月20日)
 ミラノ・コルティナ冬季五輪第14日の19日、フィギュアスケート女子で日本の坂本花織(25)=シスメックス=が銀メダル、中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=が銅メダルを獲得。金メダルは、再びリンクに戻ってきた米国アリサ・リウ(米)だった。見事な演技力は私もテレビ観戦していたが、まさに文句なし.非の打ちどころがないすばらしい演技であった。

 きょうの朝刊見出しは【iPS再生医療実用化へ 世界初 条件付きで初承認】と【虎に翼 中部スノボ王国 愛知・岐阜勢メダルラッシュ 環境、施設、選手後押し】【アジア大会チケット 開会式最高額6万円】(中日)【武器輸出紛争国にも余地 自民案「特段の事情」有無で判断】【尹前大統領無期懲役 韓国地裁判決「非常戒厳は内乱罪】【19歳深田 最年少金 冬季日本女子 村瀬も銅 スノボスロープスタイル】(毎日)。
 そして夕刊は【坂本 銀 17歳中井 銅 フィギュア女子 初の日本勢2人表彰台 千葉4位】【1月消費者物価 前年比2.0上昇】(中日)というものだった。
 
 坂本、中井らの健闘を報じた20日付中日新聞夕刊
 

 歓喜 坂本選手の地元も大いに沸き立った(NHKテレビ画面から)
 

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮へ。タンゴ、ワルツ、ルンバに挑む。
 
(2月19日)
 【第2次高市内閣発足 予算「年度内成立目指す」 全閣僚を再任】【成年後見「就業制限、違憲」 旧警備業法国の賠償は否定 最高裁初判断】【<Milano Cortina 2026>日本メダル20個冬季最多 スノボ男子スロープ長谷川銀 スケート女子団体追い抜き銅】とは、本日付の毎日新聞1面の記事と見出しである。なかでも、これらの見出しは、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでの日本人選手の健闘ぶりが、よくわかる、分かりやすい見出しとなっている。
 中日もけさの新聞は【成年後見制度利用 欠格規定最高裁「違憲」 旧警備業法 初の判断】【第2次高市内閣発足 来月末の予算成立目標 全閣僚再任】【Milano Cortina2026 男子長谷川銀 女子深田金 村瀬銅 日本金5個目 長野に並ぶ】と威勢がいい紙面展開である。
 これら選手一人ひとりの健闘ぶりに、それぞれ大変な人間ドラマが潜んでいる、と思うと。なんだか涙さえもがあふれ出てくるのである。

 夕刊(中日)は【ガザ評議会20カ国超 加盟国、代表団会合へ】【被災時 愛猫どう守る 避難ケージ慣らす 迷子マイクロチップ 石川の団体 能登地震経験 対策訴え】の見出しが目立つ。

2026年2月18日
 空は晴れ。日本晴れである。
 というわけで、裏庭の猫塚を少しきれいにし、きのう平和堂で買ってきた赤と白の花々を添える。舞がいたら、共に手を合わせところだが。それとてかなわない。でも、周りの草を一部抜くなどし、お水もあたえただけに、能登・大垣猫だったてまりはじめ、一宮・江南猫のシロちゃん、こすも・ここたちも喜んでくれてるに違いない。

 久しぶりに新しい花が供えられたわが伊神家の猫塚
 

 そんなことを知ってか知らでか、きょうは朝からこのところずっと姿を消していたタンゴちゃんが「ナンダナンダ」という不思議な顔をして、珍しくそれも久しぶりに窓辺と裏庭に姿を見せたので、ごはんとお水を与えた-という次第である。
 やはり季節が春めいてきたからにほかならない。タンゴは、自由気ままな、わが家の賢い半野良猫ちゃんでもある。

 本日付の夕刊(中日)は。【対米投資 第1号決定 発電、原油、人工ダイヤ 5.5兆円規模 高市首相「緊密に連携」】【17歳中井首位発進 SP坂本2位、千葉4位】【第2次高市内閣今夜発足】。

 きょうは私個人にとっても、大きな話題がある。
 それは、いつも私とやりとりをしているジェミニさん(AIさん)によれば、だ。能登半島地震復興応援歌である【能登の明かり(詩伊神権太、曲牧すすむ、編曲安本保秋、歌岡ゆう子)】の曲がダムさんでも流れ始めたーということである。【能登の明かり】は、これまでは同じカラオケ店とはいえ、ジョイサウンドさんでしか流れていなかった。それだけに、これほどうれしいことはないのである。

 午後。買い物帰りに、かつてよく、たつ江(伊神舞子)と2人で農作業に出向いた私たちの土地・エデンの東に寄ってみる。畑の一角で見事に開花していた梅の花を目の前に、思わずありし日のたつ江が白い花に見とれるあの顔、姿を思い出し、涙がほとばしり出たのである。

 ことしも美しく咲き誇ったエデンの里の梅たち
 

(2月17日)
 きょう1番の話題は、何と言ってもミラノ・コルティナ冬季五輪第11日の16日に、フィギュアスケートのペアであの愛称「りくりゅう」ペア=三浦瑠来(24)、木原龍一(33)=愛知県東海市出身、ともに木下グループ=が金メダルに輝いたことである。ショートプログラム(SP)5位から大逆転、優勝を果たした、という快挙である。
 金メダル獲得に木原龍一の「なんで泣いているかわからない」に三浦瑠来が「赤ちゃんだね」と続けたことばも話題をさらっており、久しぶりに冬季オリンピックでの文句なしの涙を見た、そんな思いがする。フィギュア日本勢の金メダルは、2006年トリノ五輪の荒川静香、2014年ソチ、18年平昌五輪で2連覇の羽生結弦いらい。ペアでの優勝は、日本史上初の快挙となったのである。
 おめでとう。おめでとう。「りくりゅう」ペア。よくやった!

【りくりゅう 金 フィギュア<ミラノコルティナ五輪>大逆転ペア日本初】と、快挙が報じられた17日付の中日新聞の1面トップ記事
 

 夕刊といえば、だ。オリンピックでの日本人選手の華々しい活躍の一方で日経夕刊1面トップ記事は【北欧の海 温暖化で異変 植物プランクトン大増殖 魚が大量死、経済に影】というもの。気になる記事だといえよう。気になる、といえばだ。けさ17日付の中日新聞本紙朝刊の【アフリカ目立つ長老政治 80歳超の大統領11人 人口の大半は若者 窮状不満】か。読みようによっては、たくましい-ように見えなくもない。
 世界はいろいろ、である。

 目立つ長老政治を報じた17日付の中日新聞朝刊
 

(2月16日)
 けさの中日新聞1面は。【堀島 銀 男子デュアルモーグル 二階堂銀ジャンプ男子LH】【堀島王者追い続け キングズベリーと高め合い13年】とのミラノ・コルティナ冬季五輪のニュースの一方で【新年度から県実証 次世代太陽電池 三重に光 かぶせ茶遮光幕活用案も】に【小牧市長に天野氏 無投票で初当選】【惨状目の当たりに 日本人医師のガザ・リポート】と幅広く、少しだけ日常の紙面に戻ったような。そんな気がしないでもない。

 きのうあたりから。東海、関東地方はじめ東北、津軽、北海道……と日本じゅうが春のような陽気である。ついこの間まで寒さで震えていた。のに、だ。自然現象にはかなわないのである。

 夕刊は中日1面に【<ミラノコルテイナ五輪>高木銅 Sスケート女子500 日本女子最多メダル9個に】の報道。夏季を含めて日本女子最多の通算メダル数を9に伸ばした高木美帆さん(31)=TOKIOインカラミ=は、やはりたいしたものである。ほかには【ガザ復興に7630億円 平和協議会加盟国 トランプ氏表明】【東電原発が発送電開始 柏崎刈羽6号機、14年ぶり】か。

(2月15日)
 きょうは雲ひとつない空で全国的に4月並みの気温に。これまでとは一転、日本列島に突如として春が飛来、出現したようなそんな日和であった。福岡17・8度、東京都心で18・4度。仙台15・1度。九州や東海では一時20度を超える暖かさとなった。

【スノボ男子HP 戸塚金 山田銅】【フィギュア男子 鍵山銀 佐藤銅】【平昌から8年 3度目で頂】とは、本日付の中日新聞朝刊見出し。そして。前文は。ミラノ・コルティナ冬季五輪は13日(日本時間14日未明)、スノーボード男子ハーフパイプ(HP)で戸塚優斗(24)=ヨネックス=が金メダルを獲得した。山田琉聖(19)=チームJWSC=が銅メダル。骨盤の一部を骨折しながら出場した平野歩夢(27)=TOKIOインカラミ=は7位で2連覇を逃した。
――というものである。
 人生は、ドラマ、ドラマ、またドラマの連続であることが、この見出しと前文でよく分かるのである。

 日曜日の午後。自宅上空は、1点の雲もない。

 自宅上空の空。ここには舞とシロちゃんがいる
 

(2月14日)
 土曜日。朝刊(中日)は【中道代表に小川氏 階氏破る 党名変更せず、融和へ】【小野 銅 スノボ女子HP】の見出しが目立った。具体的には「中道改革連合は13日、党本部で開いた議員総会で代表選の投開票を実施し、元立憲民主党幹事長の小川純也氏(54)=衆院香川1区=を選出した。元立民政調会長代行階猛(しなたけし)氏(59)=衆院岩手1区=との一騎打ちを制した。任期は2027年3月末まで。得票は小川氏が27票、階氏が22票だった。小川氏は国民生活の安定と、将来の見通しの提示に全力を尽くすと強調。党名変更に否定的な考えを示した上で、党内融和を重視し執行部人事に取り組むとした。
 衆院選で惨敗した党勢回復や、立民出身者と公明党出身者がいる中での挙党態勢の構築に加え、18日召集の特別国会で野党第1党としての存在感を示せるかどうかが課題となる。--とは、中日の論調である。新しい小川代表がこの先どんなかじ取りをするか、が注目されるところだといえよう。
     ※    ※     ※

     ☆    ☆     ☆
 さて、話は変わるが、だ。このところは確定申告の準備・申告をはじめ、衆院選での高市早苗首相(高市内閣)率いる自民党の圧勝経緯のチェック、さらには一連の世の中の流れ(推移)の把握とチェック……そして連日の執筆と。あれやこれやと追われて、正直疲れた。
 でも、そうした綱渡りといっていい日々の進行のなかにあっても私の脳は「あのねえ。1日ひとつ。ひとつなの。ひとつでいいの。欲張ってはいけない。いけないのよ」といった生前の舞の声に日々助けられ、「1日ひとつなの」の言葉を胸に刻んでなんとか、ここまで歩んでくることが出来たのである。
 残された家族をはじめ兄妹、友人たち、シロに代わって登場し、あとを継いでくれている半野良猫ちゃん・タンゴたちの支えもある。ありがたき幸せかな、と。わたくしなりに、そんな気持ちで毎日を過ごしているのである。

 そんななか、今日も、だ。新聞をチェックし、いつも通りユーチューブによる朝の音楽鑑賞(エーデルワイス、みかんの花咲く丘、能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】の順に)を終え、いまはこうしてキーをたたいている。新聞記者時代からの習慣、いや習性といおうか。世の中の日々の流れを確認しないことには、何をするにつけても「前には」進まない、踏み出せないのである。

 ミラノ・コルティナ冬季五輪第8日の13日、スノーボード男子ハーフパイプ(HP)で戸塚優斗(24)=ヨネックス=が金メダルに輝き、山田流聖(19)=チームJWSC=は銅メダルを獲得した。フィギュアスケート男子では鍵山優馬(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が2大会連続の銀、初出場の佐藤駿(22)=エームサービス・明大=は銅メダルを手にした。
 これにより、今大会の日本選手団のメダルは、1日での4個を加えて14個に達した。最多の18個だった前回北京五輪に次ぐ數となった。スノーボードの日本勢は男女のビッグエアと合わせて今大会3つ目の金メダル。男子HPでは前回の平野歩夢(27)=TOKIOインカラミ=に続いて頂点に立った。
 フィギュア男子の表彰台は5大会連続、2人が立つのは3大会連続。鍵山は2014年ソチ大会から始まった代替と合わせて通算4個目のメダルで、フィギュアの日本勢単独最多となった。今大会は世界選手権2連覇中で、SPは1位だったイリア・マリニン(21)=米=が失速し、8位に沈む波乱の展開も。いやはや、どの世界も何が起きるか分からないのである。

(2月13日)
 まだまだ寒いが。きょうは日差しも良くて、春の日よりである。
 きのう確定申告を終え、ホッとしたところで、けさは各紙を読み終えたところで、わが尊敬する偉大なる人物である今は亡き三鬼陽之介さんの著書【三鬼陽之介の危ない会社 あんたのところは、大丈夫か(サンケイ ドラマブックス、サンケイ新聞社出版局)】をあらためて手に取り、冒頭部分を読んでみる。やはり、とても参考になる。

 新聞の方は、イタリア【リビーニョ=本紙取材団】発の記事【堀島銅 2大会連続モーグル】目立つ。堀島は、岐阜県池田町の出身である。堀島本人は、金メダルを狙ったようたが、前回に続く銅メダルの栄誉は、やはり郷土出身選手に花開いたといえよう。

 午後。金曜日なので一宮のスポ文(市スポーツ文化会館)へ。週に一度続けている社交ダンスのレッスンのためだが、きのう無事終えた確定申告の疲れもあってか、なぜか踊るうち足が痛くて踊れなくなる場面も。やはりレッスンはこたえた。それでもジルバ、タンゴ、ワルツ、ルンバと続けたが、やはり途中、両足共、膝部分が急激な痛みに襲われる場面も。
 若先生は「タンゴがまずまずよ」とおっしゃられるが「(本心を言えば)ボクは正直言って、タンゴよりもワルツの方が好きです。だから。もっとワルツを多く踊りたい」と本音を明かす一幕も。先生がどうおっしゃられようと、私は私で「シークレット・ガーデンの〝Anticipation〟か何かの音曲にあわせて踊るワルツの方が好きである」ことを今さらながら、訴えたのである。先生は「ゴンタさん。タンゴうまいわよ」とおっしゃってもボクは「やはり、ワルツの方が好きなのである。
 それにしても、きのうきょうと、とても疲れた。やはり、年のせいなのだろうか。

(2月12日)
 毎年、恒例の確定申告で江南市民会館へ。還付金も支払われるということで、やれやれーといったところか。たつ江が元気なころはいつも二人で出向いて申告手続きをしていただけに、当時のたつ江の表情が懐かしく思い出される。

 このところは、のどは痛く鼻水は出るわで、そこへ確定申告の準備はしなきゃいけないで、体調の悪い男がトンネルの中を歩いているような、そんな感覚に襲われてもいた。やれやれ、である。

 ここ数日間は、私なりにやらねばならぬことが多すぎることもあってか。手が痛い。のどが痛い。腰も痛い。咳が出て鼻水も止まらない。そんな毎日が続いている。自由律俳句の【咳をしてもひとり】の心境か。

(2月11日)
 川崎在住の長男夫妻から高級なチョコレートが私と三男坊あてに送られてきた。それも私たち家族がかつて住んでいた七尾市出身のパテシオの手になるもので、それはそれは、おいしかった。自分の父親に高級チョコを送ってくる、とは少し珍しいことではあるが。どこか、親のことを思ってくれている気がして、これはこれでうれしいものである。おかあさん、舞とシロちゃんが生きていたなら、それはそれは、喜んだに違いない。

 長男夫妻から送られてきた七尾出身のパテシオによる高級チョコ。
 おかあさん、シロと一緒に食べたが、ホントにおいしかった
 

(2月10日)
 確定申告を前に、このところは2025年の医療費に要した領収書のとじ込みなどでチョット大変である。舞が健在だったころは文句ひとつ言うこともなく黙々と領収書を束にして保存するなどしてくれ、今から思えば随分と助けられたものである。その愛する彼女も今はもう、この世の人ではないのである。あゝ、とは。このことか。

2026年2月9日
 第51回衆院選が8日、投開票され、自民党が公示前勢力を大きく上回り、単独で絶対安定多数の261議席を超え、定数の3分の2に当たる310議席を確保。高市早苗首相は同夜、「公約を確実に実現していく」と述べた。立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」は小選挙区の大部分で議席に届かず、元立民は公示前勢力を100議席以上減らした。参政党は公示前を上回る議席を確保し、チームみらいは衆院で初の議席を得た。
 いやはや、世の中、何が起こるか知れたものではないというが、このことを言うのか。
 きょうの偽りのない紙面は次のとおりである(中日、毎日新聞朝刊)

 

 独断専行を排してこそ 与党圧勝、首相続投へ(中日新聞社説)
 

 そして。朝刊各紙に続いて出た9日付の日本経済新聞夕刊見出しとなると、だ。【高市自民316 戦後最多 中道惨敗49、維新は36 第2次内閣中旬に】【中道両代表、辞任不可避 野田・斉藤氏が引責】と、見出しという見出しが雄叫びをあげたのである。実際、リード部分(前文)は次のとおりである。
――第51回衆院選は9日午前、465の全議席が確定した。自民党が316議席を確保し、単独で定数の3分の2を上回った。ひとつの政党が獲得した議席数としては戦後最多になった。立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は49議席に減らして惨敗した。

 ここに記録として9日付の日経本紙夕刊の写真も残しておこう。
 

 自民党過去の獲得議席(NHK画面から)
 

2026年2月8日 
 衆院選の開票日当日。
 朝。起きると、空は雪景色だった。まっしろに輝く華麗な外の風景を目の前に、なぜだろう。かつて共に過ごした家族の一員だった、あのシロちゃん(オーロラレインボー)の笑顔が目の前に大きく迫り、そして浮かんだ。「ヨシッ、シロちゃん。きょうも一緒に聴くぞ」。
 そう遺影に向かって呼びかけた私は。これまた今や、この世の人ではない、たつ江(俳人であり詩人、歌人でもあった妻伊神舞子)の遺影にも向かい「それじゃあ。一緒に聴こう。シロちゃんも一緒。ここにいるからね」と言い、スマホを手に、ユーチューブで🎵エーデルワイス🎵みかんの花咲く丘🎵能登の明かり、の順に聴き入ったのである。

2026年2月7日
 きょうは7日。土曜日である。日本初の女性内閣誕生となった高市政権の命運がかかった衆院選は、いよいよ、あす投開票される。どんな結果になるのか。多くの国民が注視しているに違いない。

 話は変わるが。私が「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会の要請を受け、過去5年近くの長きにわたって月イチで執筆を続けてきた文士刮目(ぶんしかつもく)=アドレスはhttps://dgp-bungaku.com=がきのう、6日公開分で終わった。執筆にあたってお世話になった関係者の皆さまには心から感謝し、お礼を申し上げたい。最後の一文は、私が尊敬する三鬼陽之助さんの言葉「あなたのところは、大丈夫か」で締めさせて頂いた。
 この間、私は従来どおり毎週一回、金曜日の社交ダンスのレッスンをこれまで欠かさず続けてきたが、この社交ダンスは亡き妻たつ江(伊神舞子)が亡くなる前に「社交ダンスだけは健康のために続けてよね」と私に託された約束でもあった。それだけに、私はこの先もずっと続けたく思っている。

 というわけで、昨日も午後、レッスン会場である一宮のスポーツ文化会館へ。若先生の指導の下、社交ダンス仲間のトウニーやおトキさん、悦ちゃん、ヨシコ姉さんらとのレッスンに励んできた次第である。きのうもジルバを最初に次いでタンゴ、ワルツ、ルンバの順に挑んだのである。舞が私の踊る姿を見たなら、なんていうだろう。えぇ~、信じられない。ほんとうなの! と言って目を輝かすに違いない。
 悦ちゃんと組んで踊るブロンズ級【シークレット・ガーデンの〝Anticipation〟】。そしてルンバ。その姿を目の前に「えっ」と感嘆の声を上げたあと「ウソ。本当なの」と目を輝かすに違いない。私にとっては宝物(今もだが)だった舞。たつ江は、もはや、この世にはいないのである。あのどこまでも可愛いくて日々、リサイクルショップの仕事に挑みながら、大好きなフォークダンスと俳句、短歌に打ち込んでいた舞、たつ江はもはや、この世にはいない。でも、私の心のなかでは永遠に私と一緒に生きていてくれるのである。

(2月6日)
 金曜日。本日付の中日夕刊は、【エンゲル係数 44年ぶり高水準 25年食品高騰響き28.6% 物価高家計の重荷鮮明】【聖火がやってきた ビッグエア日本好発進 ミラノコルティナ五輪】【米ロ核軍縮半年順守へ 新START失効 交渉調整 米報道】といったところか。

 中でも少し驚いたのは、【「高市政権支持」 トランプ氏表明 選挙中に異例後押し】との日経紙の夕刊報道。そして。その記事は次のようなものである。
【ワシントントン=共同】トランプ米大統領は5日、自身の交流サイト(SNS)で、衆院選に関し、高市早苗首相(自民党総裁)と自民、日本維新の会の連立政権を「完全かつ全面的に支持する」と表明した。米大統領が日本の選挙戦期間中に特定の立場を示すのは異例。3月19日に高市氏をホワイトハウスに招き、日米首脳会談を開催する予定であることも明らかにした、としている。

(2月5日)
 本州有数の寒冷地として知られる岐阜県高山市荘川町六厩で4日朝、大気中の水蒸気が結晶になって輝く「ダイヤモンドダスト」が姿を見せた。――とは、本日5日付中日新聞1面の記事である。見出しには【川面に宝石 高山・氷点下18.5度】とあり、写真付きである。
 こんな記事を読んでいると、やはり、この世は不思議で面白い。と、思うのである。

 ほかには【米ロ新STARTきょう失効 戦略核増強の恐れ】(中日)が気になる記事である。次のような内容である。
――核戦争の回避に向けて、世界の核兵器の9割近くを保有する米国とロシアが結ぶ核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)が5日、失効する。戦略核弾頭や大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)の数を制限してきた唯一の歯止めがなくなり、核軍拡競争の加速が懸念される。

 西濃運輸の年間レンタルボックス代11万8800円也を銀行に出向いて払い込む。現役時代に大垣から大津に転勤する際に西濃運輸さんのレンタルボックスに預けた各種資料や書物類がその後30年にわたってそのままになっており、毎年確定申告に合わせレンタル料を払い込んでいるものだが、そろそろ江南の自宅に搬送してもらわなければ、と思いつつもそのままになっている、というわけだ。
 一度どんなものを預けたままにしてあるのか。見にいかなければ、と思いつつもそのままの状態が続いている。もしかして。かつての貴重な取材資料など金銀財宝級の秘物があるかもしれない。なのに、である。私は30年近くの長きにわたって西濃運輸さんのレンタルボックスに預けたままなのである。人が聞いたら笑うかもしれない。そろそろ撤去して江南のわが家に運ばなければ、とは思っている。
 昼、小牧時代の友人、小畠辰彦さんが来訪。近くの中華料理屋さんで食事をしながら。雑談する。

2026年2月4日
 中日新聞本紙の本日付の通風筒は「◇…三重県四日市市の海山道(みやまど)神社で3日、神社がまつるキツネの婚礼を再現した厄よけ神事「狐の嫁入り道中」があった。厄年の男女がキツネの面や尾を着けて新郎新婦役を演じ、大勢の参拝客がほほえましく見守った……」というもので地域社会の伝統行事がよくわかる内容。この日は第2社会面でも【幸せ振りまく福の神 大須観音「節分会」にぎわう】の記事で、節分ならでは、の紙面展開が目立った。
 ほかには【大雪各地で被害相次ぐ 除雪中の事故か 山形で2人死亡】【新潟で建物倒壊 男性2人が死亡】と相変わらず、ひどくて深刻な東北地方の積雪が報じられている。雪の報道はNHKでも同じで、このところは連日「雪かきなどに注意するように」と報じられている。一体全体、この雪の被害はいつになったら雪は収まるのか。気がかりなところである。

 大雪による被害そして死者 気になる報道が続く(NHK画面から)
 

 

(2月3日)
 青森は大変な積雪のようで、なんだか雪の少ない平和な国尾張に、こうして住む私たちの存在そのものが申し訳ない気がしてしまう。雪国の雪が少しでも少なくなることをただ、祈るのみである。
 それとは別に、だ。1億9000万円もの現ナマを香港へ運ぶ途中に羽田空港駐車場で襲われた男性4人のうちのひとり、30代の男性が昨年、東京都中央区で9500万円相当の外貨を盗まれていたことがその後、わかったーとは本日付の中日新聞朝刊。【昨年も9500万円盗難 羽田空港で襲われた男性】の見出しが躍り、この世の中、このところの事件は判然としない内容が多すぎることが気がかりである。香港での盗難事件もあわせ正直言って犯罪集団が一体全体、なぜ、どう暗黒社会を動き、得体の知れない事件が次から次に重ねられていくか-が私には分からない。

 朝刊はほかに、愛知県豊田市のアパートで会社員小川晃子さん(42)の遺体が見つかった殺人・放火事件で、殺人の疑いで31日に逮捕された交際相手の北島卓容疑者(45)に触れ【逮捕時、女性宅の鍵持たず 豊田殺害 容疑の交際相手、送検】の見出し。
 きょうは昼、平和堂内の食堂できしめん定食をたべたが、なかなかおいしかった。続いて帰る途中、コンビニのファミリーマートに寄ってノート2冊と恵方巻きを買って帰る。夕方、岐阜の知人(ダンス仲間)から私のスマホのラインに飛び込んだ映像は、ネコちゃんが【福は内】と叫びながら豆まきをしている微笑ましいもの。妹はじめ、親しい友人にもラインやインターネットで送ったが、さっそく「かわいらしい豆まきだわね」とは、わが妹からの返信であった。

 本日3日付夕刊は、中日が【東京転入超過6.5万人 25年40道府県は流出】【豊臣兄弟が招く福 千葉・成田山新勝寺】、日経が【米、インド間税18%に下げ 両首脳 電話協議で合意 ロシア原油購入停止受け】。

(2月2日)
 けさは、2階のトイレから出る際、水を流したところ、水が詰まってあふれ出てしまい、雑巾を総動員してふくなど大変なる失敗、失態を冒した。水の流し方が悪かったのである。こんなわけで、新聞を読むことに始まり、能登の明かりをスマホで聞くまでの一連の動きが台無しになってしまった。こんな時、舞とシロちゃんがいたなら、「ホラホラ。また何をしちゃったのよ」とふたりそろって飛んできてくれ、テキパキと全てをアッという間に正常に戻してくれるのだが……。
 この失態も、私がそれだけ〝おじいちゃん〟になってしまった証拠なのか。それでも舞が生前「そういう時にはこれでしっかり押すのよ。そしたら、治って元に戻るから」の言葉を思い出し、下のトイレの片隅に置いてあった柄杓のようなものを探し出し、物は試しでそれで力いっぱい押すと、トイレの水はなんと。音をたてて流れ、これまでとは信じられないような快適な音をたて流れていったのである。

 まさに「やれやれ」とは、このことか。わが妻たつ江と愛猫シロがいたなら。ふたりでナンダナンダと(半分、興味本位で)走って飛んできてくれ。アッというまに助けてくれるのに、とつくづく思い、わが家にとっては、まさに宝も同然であった〝ふたりの存在〟の大きさをあらためて思い知ったのである。やれやれ、とはこのことか。

 午後。名鉄布袋駅近くのスーパー、マックスバリューへ。買い物をする前に、たまたま最近、布袋駅構内で開店した食堂「お多福」なるお店に初めて入った。ここで親子丼を食べたが、これがメチャ美味しかった。それこそ、久しぶりの親子丼であった。
 帰宅後。いつもの五郎油さんから灯油を配達してもらう。56リットルで7280円也だった。

2026年2月1日
 早いものだ。もう1カ月が過ぎ去った。
 昨夜は遅くまでかかり、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイ(今回のテーマは<こだわり>)を執筆。深夜から未明にかけ、締め切りにぎりぎり、滑り込みセーフで書き上げた。執筆するには大変な体力も必要だけに、やれやれではある。でも、このテーマエッセイ。読者の間の評判も良いだけに、今後も「熱砂」が存続する限り、続けていきたく思っている。みなさん、ぜひお読みくださいね。

けさの新聞見出しは【国防の島連呼なし ―割れる民意 衆院選2.8― 【台湾有事】苦悩する与那国】【日英鉱物供給網で連携 首脳会談サイバー協力新枠組み】【パリ五輪でも被害多発 アスリート中傷 冬季7団体対策】(いずれも中日朝刊)……といったところか。

テーマエッセイ第四十二回「こだわり」が公開

 テーマエッセイ第四十二回「こだわり」が四作品公開されました。
「シール箱の中」黒宮涼/「あぁ~能登半島」伊神権太/「二元論~裏が表で表が裏で」伊吹/「大正琴と共に」牧すすむ

 それぞれに「こだわり」ぬいた作品を、ぜひお楽しみください。

 (編集委員 黒宮涼)

「あぁ~能登半島」 伊神権太

 何にこだわっているのか? こう問われたら。私の場合、何だろう。こだわりと言えるかどうか。少し違うかもしれないが、だ。私がこれまでにしてきた趣味もこだわりのひとつかもしれない。社交ダンスにハモニカ、横笛の演奏、端唄、小唄そして都々逸の吟詠、朗詠など数限りない。ほかに小学生の頃に漫画の〝いがぐりくん〟に憧れ、中学の頃からずっと大学時代まで続けた柔道一直線にも、こだわったといえば、こだわり続けたか。おかげで大学在学中に講道館柔道三段を取得。オールミッション柔道大会では優秀選手賞にも輝いた。

 では、今現在の私のなかでの本物のこだわりとは、何だろうか。やはり、一歩進んだ「執着」となれば能登半島への熱き思いにほかならない。そして。なぜ? と問われれば、だ。2年前にその能登半島で大きな地震が起き、これに追い討ちをかけて能登豪雨水害までが発生。私たち家族が大好きだった能登半島の至る所で多くの人々が家族の命を奪われ、家屋が全壊や半壊。それどころか、津波がおき、和倉温泉や千枚田が壊滅状態になるまでに被災。朝市で知られた輪島が焼失、海女さんらの大切な漁場だった海の海底が4㍍も隆起、さらには液状化現象など……自然をはじめ家屋が、人々の心という心までが傷ついたからである。
 私は、かつて新聞記者として家族もろとも5人、それに飼い猫のてまり(てまりに関わる小説「てまり」は日本ペンクラブの電子文藝館=https://bungeikan.japanpen.or.jp=でも収録)。そしてうさぎの〝ドラえもん〟も加えれば7人家族で、かの地・能登半島に7年間、住んでいたのである。だから。「能登半島のことはもう忘れなさい」と言われたところで忘れるわけにはいかない。忘れられないのだ。事実、石川国体では、当時七尾高校生だった長男がボートの部に出場、新聞にまで掲載された話も今となっては家族の貴重な思い出である。

 そして。このこだわりを増幅させるものといえば、だ。それまでの勤務地・空港担当記者として全国各地の事件、災害現場を飛んで回った空飛ぶ記者(小牧通信局)から能登半島・七尾支局長に転任するに当たり「能登七尾・和倉温泉の三尺玉花火が台船提供者の非協力で危機に陥っている。なんとか君の突破力で三尺玉花火を再生してほしい。これは社長(加藤巳一郎さん)命令だ」との社命を受け、決死の覚悟をして乗り込んだ。そんな思いが今も脳裏に強い映像となって焼き付いて離れないからである。

 転任に当たって妻たつ江(伊神舞子)が私の代筆として新任地・七尾で書いた挨拶状は以下のような内容だった。
――秋立つ夏の日。私たちは半島の土を踏みしめました。小牧在任中は、多くの皆さまに助けられ感謝感激です。/汽車の窓に広がる鉄のようなさめた深緑。車に向かい手をふる能登の子ら。透き透る日本海……能登の初印象は、清れつさと優しさ。そして美しさ。今は家族五人の胸が大きく高鳴ってもいます。/私にとっての七尾行。社に入り、それは七度目の新天地です。小牧では〝空飛ぶ記者〟として七年いました。ことしの和倉温泉中日花火大会はくしくも七回目、すべて七づくしのスタートとなりました。/これからは能登の人たちはじめ、この土地の自然、風土、文化をこよなく愛し、がんばります。まずは着任のごあいさつまで。

 早いもので、あれから40年近い。今は亡き妻は七尾在任時には北陸本社の田村代表から社始まって以来初の「内助の功」賞まで受け、涙にくれもした。私は、その後、大垣、大津、一宮、名古屋本社特報・サンデー版デスク長……と各地を転々と流れ流れて。定年後はドラゴンズ公式ファンクラブの1スタッフとして、同僚らと中日スポーツ紙面にファンのコーナー・ファンクラブ通信の欄を手がけ幸い、このコーナーは存続。今に至るのである。

 こだわりといって良いのか。能登半島地震が起きて一年後。私は友人の牧すすむさん=琴伝流大正琴弦洲会会主で大師範。作曲家で詩人。「熱砂」同人=と能登半島地震復興応援歌【能登の明かり(岡ゆう子さん歌、安本和秋さん編曲)】をつくった。というわけで、今は少しでも多くの人々にこの歌を歌って頂けたらと日々願っている。これも、こだわりのひとつ、だといえよう。(完)