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2017/11/02

「熱砂」の24回目テーマエッセイ=テーマは〈海〉=、全作を公開


 次のとおり公開しました。作者1人ひとりの個性がにじみ出た作品を、ぜひ読んでください。
「海に抱かれて」/伊神権太、「サンタモニカ」/牧すすむ、「日本海」/真伏善人、「スコール 2」/山の杜伊吹、「浜辺の結婚式」/黒宮涼、「汐音と鬼太夫(掌編時代小説ふう)/平子純、「語り継がれる〈琵琶湖周航の唄〉/眞鍋京子

2017/09/06

22回テーマエッセイ=テーマは〈まわる〉=の合評会寸評 黒宮涼(「熱砂」編集委員)記


 先日の例会でテーマエッセイ〈まわる〉につき合評会を行いましたので、結果をここにまとめて公表します。23回のテーマエッセイ=テーマは〈梅雨〉=と合わせ、22回分もあらためて読んでいただけましたら、幸いです。
【各作品につき】
・「女子高生の焼身自殺」(伊神) 顔を覚えてもらうこと。先輩の教えを守って努力する新聞社時代の姿が目に浮かぶようでした。その教えが今も生きているところが大変良かったです。・「残像」(山の杜) 懐かしい先生との思わぬ再会。亡くなられていたという情報を最後に持ってくるのは巧みだと思いました。・「回る回る 回転ずし」(眞鍋) 寿司屋の方のご厚意、スタッフの気遣いに感動しました。自分が初めて回転ずしを食べたときのことを思い出し、そして同時に祖母のことを思い出しました。認知症の祖母に私がお皿をとってあげた思い出があります・「駐在さん」(牧)私には「おまわりさん」が身近にいない存在だったので新鮮な気持ちで読みました。そういう人も多いと思う。特に若い人。私の中でのおまわりさんの歌と言えば「犬のおまわりさん」です。・「まわる」(平子)私には少し難しいですが。「生」に関する二人の違いが感じ取れた。男のほうは家族がいるためまだ死ねない。女の人は男の人と一緒に死にたい。どうにかなるさと思えるならまだ生きていける。そういうことなのかなと思いました。・「まわしまわる一日」(真伏)人は色々な「まわる」を日々、体感しているのだなと。素直に面白かったです。
【総括】
 合評会は出席できなかった山の杜伊吹さんからの感想コメントを伊神さんが読み上げスタート。特に話が盛り上がったのが「回る回る 回転ずし」でした。なんと、あの回転ずしのレーンを開発した方と平子さんがお知り合いだったという、貴重なお話が聞けました。そして回転ずしのスタッフの皆さまの気遣いには、誰もが感激。それだけ厳しい世界なのだとの声も聞かれました。
 「駐在さん」では、おまわりさんと警察官の名前にそれぞれ印象が違うという話に。警察というと少し怖いイメージがありますが、実際は優しいですよという作者の牧さん。そんな牧さんと伊神さんは「おばあちゃんをどこまでも大切にしたいという心が伝わってきたよ」と、私の「いつまでもまわる」に共感してくださったそうです。「まわる」は平子節。平子ワールドに引き込まれたなど。独特の世界に皆さん感心していました。「まわしまわる一日」は面白かったという感想が多かったです。「女子高生の焼身自殺」は駆け出し記者のフレッシュな気持ちが伝わってきました。駆け出し記者が努力している姿が目に浮かぶようでした。「残像」は、とても山の杜さんらしい作品だったと伊神さん。

 初めてだけに手探りの合評会でしたが、なかなか実のあるものになったのではないでしょうか。私自身、すごく刺激を受けました。これを糧に、皆さんこれからも面白い作品を書いてくださることを期待しています。「『全体に熱砂ならでは、のあったかい作品が多かった』。ただ、書く以上はやはり今の世の中に巣食う悪をピリリ、と指摘する作品もほしかった」(伊神さん)の声も、ありました。   =以上。編集委員、黒宮涼

2017/08/17

23回目のテーマエッセイ=テーマは〈梅雨〉=全作品、公開へ


 これまで貴重な歴史を重ねてきた私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイ、今回は〈梅雨〉です。9月5日になり、同人7氏からの全作品を公開。少年や少女のころの古里での思い出に始まり、今は亡き偉大でやさしかった母への追慕、梅雨のころになると見事な花飾りとなる〈あじさい寺〉を巡っての親子の人情ドラマ、さらには若く、熱く、激しく青春の炎を燃え立たせたあの日々まで。人それぞれ、同人ならでは、個性のにじみ出た味わい深い内容だけに、皆さまにはぜひ、読んでいただけましたら何よりです。
 公開作品は、以下のとおりです。
「田んぼ」/真伏善人、「貯水槽とおたまじゃくし」/黒宮涼、「未来」/平子純、「おかあさん」/牧すすむ、「雨のなかのふたり〈私雨〉」/伊神権太、「梅雨の頃の思い出」/眞鍋京子、「スコール」/山の杜伊吹

2017/07/02

伊神権太の連載小説「あゝ、きつの――私はお類、吉乃と申します」を㊤㊥に続き、㊦を公開


 既に公開済みである㊤㊥に続き、7月2日に㊦を公開しました。ぜひ、お楽しみください。㊦の内容は、以下のとおりです。
 6(小牧山新城と御台御殿)7(わかれ)8(あとがきと信長のその後)

 この小説は、戦国の時代を駆け抜けた、知られざる信長と吉乃の愛とロマンに満ちた生き方に焦点をあて、歴史的事実に出来るだけ沿う形で物語化しました。ウエブ文学同人誌「熱砂」紙上での公開に続き、こんご加筆、修正のうえ書籍化する予定です。これまで情報、資料提供や時代考証、アドバイスなどお世話になった多くの皆さまには心から御礼と感謝を申しあげます【伊神権太記。2017年7月2日午後】。

2017/06/02

信長が愛した吉乃のものがたり/伊神権太の連載小説「あゝ、きつの―私はお類、吉乃と申します」㊤に続き、6月15日夜には㊥も公開へ


 吉乃の魂を宿した吉乃桜(愛知県江南市内で)。2017年春写す
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 天正10年(1582年)6月1日、亀山城を出立した明智光秀は本能寺へと向かう。部下たちはまだ謀反について知らされていない。日付が変わり6月2日になり、桂川を渡ったところで、光秀は部下たちに敵が本能寺の信長であることを告げる。夜明け近くになって本能寺を取り囲んだ明智軍は、本能寺に対して攻撃を開始した。/襲撃を受けた信長はなんとか応戦を試みる。「信長公記」によると、はじめは弓で戦い、次に槍で闘ったとある。しかし多勢に無勢。最期は奥の間で切腹して果てた。/ところが、戦が終わってみれば、肝心の信長の遺骸が発見できなかった。信長の遺骸は一体どこへ消えたのだろうか。一説によると、信長の家臣たちがその遺骸をある僧に託したのだといわれる。……
 以上が【図説『信長公記』で読む信長の謎 小和田哲男 青春出版社】の中の〈本能寺の変 信長の遺骸ははたしてどこへ消えたのか〉にある記述の1部である。ということで、6月2日は一般に〈本能寺の変〉で自害した織田信長の命日とされる。
 そして。その信長がこよなく愛した女性こそが尾張名古屋の地が生んだ、お類すなわち吉乃(きつの)だった。伊神権太渾身の小説「あゝ きつの㊤」をぜひ、ご愛読ください。
 ㊤は1時代背景、2出戻りお類、3出陣、4「月の輪」凱旋です
 ㊥は5たからもの。川並衆たち
 以降は㊦と続きます。お楽しみください。