詩「二月」

 いったいどうしたんだい二月よ
 今朝の温かさは
 身体がするりとベッドから下りてしまうよ
 昨日までのあの重い寒さを突然放り出した訳は
 白い一月にひどく背中を押されたせいなのかい
 それとも
 淡い三月の誘惑に負けたってことかい
 ほら午後の風の優しさ
 なんだいこれは
 ベランダのハンガーたちが肩を触れ合い口ずさみ
 軒下あたりでは猫があちこちで騒いでいる
 見上げれば翼の持ち主たちがそれぞれに散って
 田畑は遅れまいと畔の草に色目を隠さない
 木々も肌の裏でなにやらもぞもぞとして
 地虫たちは敵の物音に耳をあやしんでいるよ
 見てごらん僕の足を
 踏み出す歩幅にまごついているじゃないか
 二月よ

15年2月26日

短編小説「わたし」

 いったいどうしたんだい二月よ
 今朝の温かさは
 身体がするりとベッドから下りてしまうよ
 昨日までのあの重い寒さを突然放り出した訳は
 白い一月にひどく背中を押されたせいなのかい
 それとも
 淡い三月の誘惑に負けたってことかい
 ほら午後の風の優しさ
 なんだいこれは
 ベランダのハンガーたちが肩を触れ合い口ずさみ
 軒下あたりでは猫があちこちで騒いでいる
 見上げれば翼の持ち主たちがそれぞれに散って
 田畑は遅れまいと畔の草に色目を隠さない
 木々も肌の裏でなにやらもぞもぞとして
 地虫たちは敵の物音に耳をあやしんでいるよ
 見てごらん僕の足を
 踏み出す歩幅にまごついているじゃないか
 二月よ

08/4/26