【生きてゆく人間花たち/2014年2月の唄】

平成二十六年二月二十八日
 中日新聞朝刊で連載されていた大沢在昌さんの小説「雨の狩人」(河野治彦さん画)が413回で完結した。毎朝、楽しみにしてきただけに、少し寂しい気がしないでもない。いわゆる、その筋の矛盾点に真っ向から踏み込んだ、社会性に富み、かつ人間愛に満ちた作品で、組織内外で生きていくのにどうにもならない葛藤と業がうまく活写され読み応えがあった。この小説を一日の始まりとして楽しみにしていた読者は多かったに違いない。
 NHK名古屋放送局が1954年(昭和29年)3月1日から放送を始め、あすで満60年。というわけで、午後七時半からの〈東海北陸スペシャル テレビ60年を迎えた名古屋局から生放送!〉を見た。
 昭和34年9月26日の伊勢湾台風襲来に始まり、新幹線の登場、中日ドラゴンズの優勝シーン、全国に誇る番組となった中学生日記、つい最近ではソチ冬季五輪で活躍した浅田真央選手らの活躍ぶり…と、まさに【撮った! 伝えた! 描いた!】の歌い文句どおりの懐かしい映像の数々には胸を締め付けられた。
 まさにテレビは新聞と同じ。「人間社会と共に生きているのだな」と思った。
 これも、これまでNHKに携わってこられた多くの人材のたゆまぬ努力の結晶(もちろん視聴者あってのNHKは当然)があればこそで、あらためて全ての関係者に敬意を表したい。そして放送60周年、心からおめでとうございます、とも。
 「ぞうさん」や「一ねんせいになったら」など多くを作詞し人々に親しまれ、一九九四年には国際アンデルセン賞作家賞を日本人で初めて受賞した童謡詩人まど・みちお(本名石田道雄=いしだみちお)さんが、きょうの午前九時九分、老衰のため東京都稲城市の病院で亡くなった。百四歳だった。
        ×        ×
 
 人の命はまことに儚く、あっけない。いや、分からぬものだ。
 というのは、昨年来わが家に「前回のご来院より半年が過ぎました。そろそろお口のなかに溜まった汚れをクリーニングしましょう。定期的な検診とお掃除でお口の臭いを予防し、大切な歯を長く健やかに保つことができます」と書かれた歯の定期検診を促すお知らせが届いていたので「そろそろ」と思って最寄りの歯科医院に予約電話をさせて頂いた。
 ところが、「担当の医師は昨年、亡くなりました」と思いもかけなかった返事。幸い他に精鋭がおいでのため、そのまま予約させて頂いたが、いやはや驚いた。
 こちら(愛知県江南市)に来てからは、年恰好も私とあまり変わらず、親切で丁寧な先生だったので、いつもその医師に診て頂いていたのに。俺もそういう歳になったのだ―としみじみ思いもした。お会いしたら、いつもの調子で雑談ができる、と楽しみにしていただけに、目の前の梯子を取り払われてしまったような、そんな気がしたのである。

【きょうの一文・ことば】
「世の中に生きるものはすべて、たったひとつの存在です。そのものが、そのものであるということ。それだけで、ありがたく、うれしく、尊いことです」「池の水面をアメンボが動くと、アメンボの周りに輪が広がります。不思議だなあと思います。あんなに小さいものが、あんなに大きな水を動かすなんて」………
「生きていると必ず、毎日、新しく見つけるものがあります」。=28日付中日夕刊、まど・みちおさん死去の〈評伝「生きるものはすべて尊い」〉から。井上圭子
          ◇        ◇
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        ◇        ◇
【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉新宿バス放火事件 被害者の34年』(28日付、NHK総合)
☆『新降水観測衛星=H2Aロケット23号機=打ち上げ 災害予測向上に期待』『地球全域をカバー』『LEDの光でデータを送信 信州大の衛星』、『まど・みちおさん死去 104歳「ぞうさん」童謡詩人』(28日付、中日夕刊)
☆『有効求人改善1.04倍 6年5カ月ぶり高水準』『JR北脱線 レール幅異常放置が原因 安全委報告 3年間補修せず』、『パラリン選手団「恥じぬ戦いを」(3月7日開幕に先立ち)ソチへ出発』、『思い出の品 最後の展示 宮城・石巻』(28日付、毎日夕刊)
☆『「春の女神」優雅に 岐阜=ギフチョウが岐阜市の名和昆虫博物館で27日、ことし初めて羽化した』、『出走権付きふるさと納税 いびがわマラソン、10万円で』、『ドラ応援 鳴り物なし 7月まで? 6団体許可出ず』、『日朝赤十字3日に協議 外務省担当者同席』、『アフリカ人貿易仲介か 稲沢市議、数年前から』(28日付、中日朝刊)
☆『東海道新幹線最高速度285㌔に 来春15㌔アップ』、『露、前大統領を保護 ウクライナ 新内閣が発足』『クリミア庁舎を武装集団が占拠』、『顔認証装置懸念の始動 群衆にカメラ瞬時に人物特定 岐阜県警など 目的外使用の恐れ』(28日付、毎日朝刊)

二月二十七日
 誕生日祝いのデコレーションケーキとバラとカーネーションのフラワーアレンジメント・ボックス
 
 日付のない幻の誕生日(2月29日)。
 その日を前に、近くのケーキ屋さんへ。【舞へ ありがとう】とのメッセージ入りデコレーションケーキを買って帰ると、長男からも「誕生日おめでとう」と、バラとカーネーションのフラワーボックスが届いた。母親はいいな、と思う。でも、わが家の場合、みんな舞一人の手で育ったようなものだ。ここは、ここまでの労苦への感謝を込め、祝福しなければ。
        ×        ×
 中日の朝刊特報面によれば、紛争当事国への武器の提供を事実上排除しない新たな武器輸出原則の政府案がまとまったという。記事にある通り、原則の前提が「禁輸」から「輸出」へと変わろうとしており、集団的自衛権行使の容認と合わせ、「戦争のできる国」に近づいていることは確かだ。ゆゆしき事態といっていい。
 私の手元にいつもある【アンネの日記】の英語版と日本語版
 
 
 「戦争のできる国」といえば、東京や横浜の何十もの図書館で「アンネの日記」や関連本が三百冊以上も何者かにより破られていたという事件。「アンネの日記」がナチのユダヤ人追及の目を逃れて隠れ家での生活をしたアンネ自らが二年余にわたって書き続けた、いわば戦争告発文学だけに、「世界の崇高な歴史認識に対する冒とくではないか」の声まで飛び出し、やりきれない気がする。
 それとも反ユダヤ的、親ナチ的異分子が右傾化が進む日本社会に紛れ込んできたのか。このところの日本政府の「戦争のできる国」「右傾化」へのギアチェンジが、国際社会でそうした悪しき風潮を芽生えさせるきっかけにならなければ良いのだが…。私自身、アンネ・フランクの日記は、いつも英語版と日本語版を〈平和の象徴〉として手元に置き、時折、思いつきでもしたように読み返している。二十年ほど前、世界一の花市場「アールスメル」の取材でオランダに行った際には、隠れ家を実際に見て回って戦争の愚かさを痛感しただけに、平和は当然守っていかなければ、と願う。
 
 社交ダンスの方は、継続は力なり―できょうも週に一度のレッスンをしてきた。きのうの朝、老朽化もあって火の手が上がり、パンクしてしまったわが家のガスレンジも少々、お金はかかったが夕方、新品に。なんだか新婚生活がまた始まるような心地よき錯覚にとらわれた。こうして日は過ぎてゆく。

【きょうの一文・ことば】
 高い緊張状態にありますが、社会復帰をしたら死ぬ気で働いてお詫びします。=27日東京地裁であったオウム真理教元幹部平田信被告(48)の裁判員裁判の公判の席で(来月7日に判決予定)。懲役12年を求刑された平田被告
 一九七〇年に三十三歳で夭折した小野茂樹に「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」という歌がある。……=27日付中日夕刊〈紙つぶて 作者と読者のコラボ 島田修三〉から

【新聞テレビから】
☆『〈大波小波〉今月の慎太郎劇場』、『〈終わらせない ビキニ被ばく60年■上■〉怒り伝え続ける 死んだ乗組員のために』、『全契約800人正社員に スタバ、サービス向上へ』『コカ・コーラ缶130円 自販機の主力商品増税で10円値上げ』、『サイバー補導 昨年158人 ネットで援助交際持ちかけ』『訓練積んだ捜査員が接触 愛知県警』、『長谷川氏受信料払わず 05年 NHK君が代番組』「酷い」(27日付、中日夕刊)
☆『春祝うピンク 静岡・河津桜』、『「日中反感解消 古い世代の責任で 佐々江駐米大使呼びかけ』、『デリバティブも一時停止 ビットコイン 米、規制強化の動き』、『震災乗り越えた未来乗り越える ゴンタ=7歳。雄の愛猫=がいる大丈夫 仙台・元シャンソン歌手 孤独も不安も』(27日付、毎日夕刊)
☆『〈もう3年まだ3年 東日本大震災〉「海遮断 監獄みてえ」 ●住むのは俺たち●行政に届かぬ声』『防潮堤反対 釜石の住民が復興計画』、『「私は千畝。アンネ救いたい」 書籍破損事件 匿名で関連本137冊寄贈』、『汚染の不安 列島覆う』『PM2・5濃度、広域で上昇』、『〈中日ボイス〉真央の健闘「ダイヤ級」 ソチ五輪 40代以上、葛西に感動』(27日付、中日朝刊)
☆『混乱の痕跡今も 福島第1原発 中央制御室公開』、『安藤美姫さん名古屋路走る ウィメンズマラソン 来月9日、10.5㌔部門に』(27日付、毎日朝刊)

二月二十六日
 けさは驚いた。
 ピヨピヨ、ぴょぴょ、ヒヨヒヨ…。何やらただならぬ悲鳴のような、繰り返し叫ぶ、得体も知れぬ無気味な金属音が階下から波となって押し寄せてくる。あわてて一階にかけ下りると、台所ガスコンロ部分が水浸しになり、煙が充満しているではないか。傍に居た息子に聞くと「火の手が壁を伝って立ち上がろうとしていたので、咄嗟の判断でバケツに水を入れぶっかけたら、治まった」とのこと。
 慌ただしく鳴きやまぬ悲鳴は、台所天井部分に備えられている火災報知器からの警報音だった。
 どうやら、私と息子に朝食を食べさせたあと、自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」に出かける前のほんのひととき、積もり積もった疲れを癒やそうとそのまま寝入ってしまった妻が、ガスコンロの火をうっかり点けたままにしており、これが何かの弾みで燃え上がった。出勤前に近くに居合わせた息子の機転で大事には至らなかったが、【犯人は家のことをほとんどやらない私で妻は何も悪くなんかはない】と反省している。
 デ、これからは(もう自分の時間があるのだから)出来る範囲内で洗濯など家事の手伝いもしなければ、と思う。きょうの一件は、全て私に原因がある。
 午後、東邦ガス関連のキムラガステムのスタッフに来て頂いたが、ガスコンロ自体がもはや古いので、あす新しく取り換えてもらうことにした。不幸中の幸い、とはこのことか。このところ、コンロの点き具合があまりよくなかっただけに、ちょうど好い潮時である。ともあれ、火事になる一歩前での滑り込みセーフの功労者は三男坊である。
 ありがとう。たまたまその場に居てくれたのでよかった。
 皆さんも火事には、くれぐれも気をつけてください。
        ×        ×
 中国で深刻な社会問題となっている大気汚染物質PM2・5が、日本の各地に飛来、大阪、三重、石川、富山、福島…など10府県に注意喚起情報が出された。その元凶でもある中国では、きょう習近平国家主席が汚染地域を視察。「この空気を吸い、運命を共にする」と一般市民に呼びかけたという。中国で、大気汚染がとても深刻であることの証しと言ってよい。

【きょうの一文・ことば】
 落合さんは若いころ、野球を離れたときに本気でボウリングのプロテストを受験するつもりだったと聞きました。ベストスコアは280台とか。ほほパーフェクト(300点)、プロ並みですよね。/現在六十歳でまだまだお若い落合さん。大役を終えたらぜひ。お待ちしています。野球ファンを大勢連れてきてくれるとうれしいな。=26日付中日夕刊〈この道44 落合博満さん〉で筆者の中山律子さん
 自分らしく派手に自分に酔ってみようかなっ、と。オリンピックで活躍されたスキージャンプの葛西さんはじめ、テニスのクルム伊達さん、ドラゴンズの投手山本昌さんでレジェントカルテットといきたいですね。レジェント会でも作りますか。まず健康診断から、ですかね。=47歳の誕生会で。サッカーの三浦カズさん

【新聞テレビから】
☆『〈歴史秘話ヒストリア〉和泉式部の恋多き生涯 禁断の恋が平安王朝の一大スキャンダルに!』(26日夜、NHK総合)
☆『ビットコイン取引所停止 ネット通貨 最大級、400億円規模』、『強制連行中国で集団提訴 日本の2社を被害者ら』、『副知事にトヨタホーム社長 愛知 森岡氏、民間から初』、『NHK理事に辞表提出要求 籾井氏「社会でよくある」』、『開幕投手をダルに通達 (大リーグ、レンジャーズの)ワシントン監督』(26日付、中日夕刊)
☆『道路も舞台 (2014~2015年)秋冬パリコレ開幕=3月5日までの期間中、非公式参加も含め約110ブランドが主にショー形式でプレタポルテ(既製服)の新作を発表する』、『〈チェック〉遠藤=東前頭筆頭 女性くぎ付け 新十両・入幕「最速」続き』『ザンバラ髪に「王子様』/「若・貴」上回る懸賞』(26日付、毎日夕刊)
☆『TPP大筋合意見送り 閣僚会合閉会 次回日程は未定』、『社会的孤立に不満 名古屋駅車暴走 容疑者が供述』『守ってくれてありがとう 木に、ばんそうこう』、『架空発注で詐取疑い NHK元研究員逮捕』(26日付、中日朝刊)
☆『虚偽情報で株価つり上げ ネット書き込み 容疑者立件へ 名地検』『「非常に割安」-ブログにつづる』、『元交際相手の裸画像投稿 名誉棄損容疑 埼玉の男逮捕 愛知県警』(26日付、毎日朝刊)

二月二十五日
 わが最愛の妻、舞の戸籍上の誕生日である。戸籍上とは、本当の誕生日は四年に一度だけ、の二月二十九日のためで「二月二十五日」は市役所にご両親が届け出た日、とのこと。
 何はともあれ、心から、おめでとう。そして何より、健康に気をつけ、これからも幸せな日々を過ごしてほしい。いまだに家事ひとつ出来ず悪いな、と思っている。

 きょうは詩の創作に挑んだ。日本ペンクラブの会員仲間でもある京都のある同人誌結社の主宰と、名古屋在住の知り合いの中国人女性から頼まれたためだが、書きながらつくづく「詩」も実体験が抱負でなければ自然なセンテンスはなかなか浮かばない、とそんな気がした。
 デ、私なりに乏しく、かつハチャメチャの経験の中から、どんなラヴストーリーが生まれ出るのか。いましばらく時間がほしい。
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 今夜のCBCのNEWS23。「日米関係…亀裂の原点 靖国で失望には伏線が」を興味深く見た。日本の安倍政権はここにきて、日韓、日中関係の悪化に加え、日米間までがギスギスときしみ始めている。ざあっと、そんな論調とお見受けしたのだが。アメリカは日本にとっては重要なパートナーだけに、こんごの日米間が少し気になるところだ。
 安倍さんに訴えたい。やはり安倍首相は靖国参拝は、しばらくやめた方が国際社会の誤解を解くカギにはなる、と。私はそう思うのだが……。
 
【きょうの一文・ことば】
 ♪青きは人の肌にして 黒きは人の心なり
 あのね、僕はネ。黒い人の心は食わない。すべてが黒いんだから。僕はこの黒さを探究したい。本当の黒だったら、たいしたものだよ。……人生劇場ですが、あれは全部私の空想で書いたものです。……浪花節。こどものころ好きでしたね。浪花節を無視したら、日本人を引きつけることは出来ないのだから。類型的ではあっても、個性的なものだ。誰が唄っても、下手だけども1節だけは必ずいいところが出てくる。=26日NHKラジオ第二〈ラジオアーカイブス・カルチュアラジオ〉の中の『文壇よもやま話』で。小説家尾崎士郎さん(故人)

【新聞テレビから】
☆『真央引退は「半々」帰国会見』『「ソチの風」日本に 羽生ら選手団到着』、『セイノ―会長=田口義嘉寿さん(75)=が岐阜名誉県民に』、『原発再稼働を明記 エネ基本計画 政府案を決定』、『大須演芸場席亭=足立秀夫さん(80)=引っ越し 「残念無念」』、『TPP交渉合意先送り 閣僚会合が閉幕へ』(25日付、中日夕刊)
☆『白鵬 社会貢献でも存在感』『募金活動や献血運搬車寄贈「角界の父」の意志継ぐ』、『津波犠牲銀行の想定外 行員遺族の賠償請求棄却 仙台地裁』(25日付、毎日夕刊)
☆『〈大相撲春場所〉遠藤躍進 前頭筆頭「こんなに上がるの」』『横綱対決意気込む』『夢は兄弟V決定戦 新入幕の千代丸』、『新「大名古屋ビルヂング」 三越伊勢丹が出店』(25日付、中日朝刊)
☆『アンネのいとこ「心痛」 本破損=東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連書籍300冊以上が破られた= 広島の記念館に電話』、『2・26事件 憲兵幹部「機密日誌」 戒厳司令部/反乱将校の自殺要求 憲兵側/取り調べを 攻防生々しく記録』、『ウクライナ 前大統領指名手配 旧与党から脱退相次ぐ』(25日付、毎日朝刊)
☆『感謝を込めて中スポきょう60周年 イチロー使用バットプレゼント』(25日付、中日スポーツ)

二月二十四日
 ソチ冬季五輪が多くのドラマを残して十七日間に及んだ大会の幕を閉じた。何より期間中、心配されたテロも無く平和の祭典が無事終わったことを喜びたい。
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 一時、首都キエフを中心に内戦状態化するかと危惧されたウクライナでは、その後、政権が崩壊し大量の市民殺害容疑で指名手配されたヤヌコビッチ大統領が逃亡する事態となっている。もぬけの殻同然と化した大統領の豪邸は開放され市民が出入りしているが、テレビニュースで「こんな豪邸を作る人間に国民の資格はない」と怒りを露わにする姿も。ヤヌコビッチ氏は一体、どこに逃げていったのか。
 日本では関東甲信地方を中心に大雪で一時、孤立状態に陥っていた被害地域でキュウリやトマト、ホウレンソウなど葉ものを中心とした野菜や果物など農産物への影響が日に日に拡大。群馬、埼玉、山梨、栃木を中心に1都8県での被害額が650億4000万円以上に達しているという。
 農業用ハウスが破壊され、使用することが出来なくなってしまった農家も多く、「いまは脱力感に襲われているが、これから日が経つにつれ事の重大さが身にしみてくると思うと、どうしていいものやら」(イチゴ栽培農家)と嘆息する農家が相次いでいる。当然ながら、政府による早急の対応が望まれている。ビニールハウスの暴風雪や大雪による倒壊破損は実は、三十一都道府県で一万四千件にも及んだ、という。
 品薄がたたって野菜の価格も全国的に高騰。関東地方では3本178円だったキュウリが2本で198円と1本当たり、60%以上の暴騰となる、など先が見えない状態だ。ちなみに、今日現在の積雪量は、埼玉・秩父が29㌢、福島17㌢、札幌95㌢だといい、春はまだまだ遠い。
 
 南極海では反捕鯨団体のシー・シェパードがまたしても、日本の調査捕鯨船二隻に対して信号弾13発を発射して威嚇、調査捕鯨を妨害した。これには日本政府も「早急に妨害行為を止めるよう」シー・シェパードの船籍のあるオランダなど関係国に申し入れをしたというのだが。ウクライナも、日本も、南極の海も…どこもかしこも騒然としている。

【きょうの一文・ことば】
 (ソチ冬季五輪に関連し)国内外で一番感動を与えたのは浅田選手です。敬意と感謝を申し上げたい。=24日のNHKニュース〈浅田選手ら6人に愛知県のスポーツ功労賞〉のなかで。大村知事
 ここまでの道のりは一人では出来なかった。(金メダルは)たくさんの方々と一緒にかけているような気持ちです。東日本大震災の復興のために出来ることがあるんじゃないか。それに対するスタートだと思っています。=24日NHKソチ五輪・総集編の仲で。金メダリストの羽生結弦さん
 2006年、私は韓国人として。そして私はいま、ロシア国籍を取得したロシア人として。それでも金メダルは同じで、とてもうれしかったです。=24日夜〈メ~テレ 報道ステーション〉のなかでスピードスケート500㍍金メダルに輝いたビクトル・アンさん(28)
 私は両親から大きな視点で、と言われていた。兄貴分のデニー・モリソン(28)には借りがあるし、これで返せたら、それだけでいい=男子スピードスケート1000㍍でデニー・モリソンに出場を譲ったギルモア・ジュニオさん(23)=24日夜〈メ~テレ 報道ステーション〉の記事中で

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 【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉平和の祭典穏やかに幕 日本メダル8個 歴代2位』『真央万感「世界が一つに」』、『米韓が合同で軍事演習開始』、『デモ犠牲者を追悼 ウクライナ 献花台設置』、『死体遺棄容疑男逮捕へ 半田 女性はね、池に運ぶ?』(24日付、中日夕刊)
☆『欧米、野党と連携強化 ウクライナ 露の影響けん制』、『衆院補選4月27日 徳田議員、辞職の意向』(24日付、毎日夕刊)
☆『3万6千人都心駆ける 東京マラソン(中日新聞東京本社など共催)』、『冬の熱闘次は平昌(ピョンチャン)で ソチ五輪閉幕』『選手らリラックス ソチ五輪、笑顔で幕』、『歩道に車突入13人けが 名駅「殺すつもり」男逮捕』、『父刺殺容疑22歳男逮捕 美浜「生活態度注意され」』、『8カ月長女に熱湯 東京・町田 傷害容疑で父逮捕』(24日付、中日朝刊)
☆『避難指示4月1日解除 福島・田村 制限なく帰郷』『大川小遺族 石巻市提訴へ 検証委報告受け「適切な避難させず」』、『ウクライナ政権崩壊 大統領罷免 5月選挙実施』『元首相、出馬表明』、『回送電車衝突し横転 京浜東北線 線路に工事車両 川崎』(24付、毎日朝刊)

二月二十三日
 きょう2月23日は「富士山の日」だ。
 昨年六月に世界文化遺産に登録され初めて迎える記念日である。

 本日付の新聞報道によると、一八九〇年に和歌山県串本沖で遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル」号の犠牲者とイラン・イラク戦争時の一九八五年にテヘラン空港に取り残された日本人をトルコ航空機で危険を顧みず救出、昨年二月に死去したトルコ航空元機長、故オルハン・スハルジュさんを追悼するキャンドルイベントが昨日、串本町の「エルトゥールル」号慰霊碑前で、トルコと日本の国交樹立九十周年記念も兼ねてあったという。 
 この催しは、地元、串本町の国際交流協会が主催し〈友情のともしび〉をメーンテーマに実現。セルダル・クルチ駐日トルコ大使らが参列し、式典後、約六百本のキャンドルに火がともされ会場は幻想的な雰囲気に包まれた。エルトゥールル号の遭難では多くの乗組員が犠牲になったが、地元住民の献身的な救助で助かったトルコ人もあり、これをきっかけに両国の友好交流が始まったいきさつがある。
        ×        ×
 午後。母を訪ねる。顔を合わせるや「きょうは天気がよいので、畑に行くところなの」の弁。邪魔してはいけないので早々に退散。でも、内心は満九十三歳という高齢だけに心配だ。
 それでも、とてもよくお似合いのかっこいい頭巾を頭にかぶり、三輪車に乗って出かける母には敬意を抱き、心で「無理しないで。頑張って」と声援を送るボクたちがいた。
 本音は「あんまり無理しないでよ。こちらまでが緊張してしまう」と言いたい。でも、母のことだ。心配ないだろう。一人で出かけるというものを止めるわけにもいくまい。

 午後二時過ぎ、JR名駅近く歩道に暴走車が突っ込み、十二人が重軽傷を負った。愛知県警は乗用車を運転していた三十代の男を逮捕。調べによると、現場にブレーキ痕はなく男は「人を殺そうと思ってやった」と供述しているという。

【きょうの一文・ことば】
 「何かあったら先生が助けに行くよ」(佐藤信夫コーチ)=23日夜、中京テレビ『〈真相報道バンキシャ〉真央…涙の自己ベスト 復活支えた先生の言葉』のなかで。佐藤コーチの言葉
 「真央ちゃん、あぁ見えても男っぽい。一日で突然よくなるの、よく分かる気がする。人生劇場の世界そのものなのだから」=何を思ってか。舞がポロリと漏らした
 「真央ちゃんは、ふたつのことを教えてくれた。ひとつは〈言い訳はいらないよ〉と言うこと。今ひとつは〈人生急ぎなさんな〉ということ」=23日夜、〈真相報道バンキシャ〉の中で。作家山本一力さん
 「自分の身の回りは奇麗にしていたい。それと同じように家の周りや、自分の暮らす街、そして山や川や湖畔や海も、全てを自分の宝物だと思えば、ごみを捨てたり、汚したりすることなく、素晴らしい自然環境を取り戻すことができ、大切にする心も芽生えてきます。=23日付毎日朝刊〈きょう「富士山の日」〉特集の中で。福岡ソフトバンクホークス会長 王貞治さん

【新聞テレビから】
☆『朝鮮半島3・1独立運動95年 200万デモが問う日本の植民地支配 オ・ユン・ヒ―帝国日本の拷問に負けず』(しんぶん赤旗日曜版 2月23日号)
☆『解釈改憲「相当な不安」 河野元衆院議長 首相の手法非難』『「失言でしょうか?」NHK会長、経営委で持論』、『ウクライナ野党首都掌握 政権崩壊の様相』『ティモシェンコ氏釈放 大統領選出馬の意向』、『陸前高田の松7000人が彫り天女に 流木仏に復興魂=大津市在住の仏師渡辺勢山さん(61)』、『名古屋外大教授が盗用 学科長 論文17㌻、ほぼ丸写し』(23日付、中日朝刊)
☆『皇太子さま54歳に 20年東京五輪「子どもたちに夢」』(23日付、毎日朝刊)

二月二十二日
 最終講義を終え、花束を受け取る山田教授=名市大山の畑キャンパス講義棟で
 
 
 名古屋市立大学人文社会学部の人気、名物教授として異彩を放ち続けてきた、あの山田明さんの最終講義が瑞穂区の山の畑(滝子)キャンパス201講義室で行われ、私も出かけ受講した。山田さんには過去、私が問題認識特別講座の非常勤講師として学生たちに講義するに当たって、お世話になってきただけに感慨新たないっときとなった。
 最終講義は【地域から現代社会を考える】をテーマに学生時代、松本市県(あがた)の森の信大文理学部=旧制松本高校=を拠点にしての学生闘争に自ら加わった体験に始まり、その後の「社会資本論」で知られる大阪市立大学の宮本憲一教授門下に入っての研鑽努力、さらには名古屋市立女子短大、名市大と計三十五年に及んだ学生たちと一体になっての波乱の教職生活を面白おかしく披露するなかで始まった。
 最終ならでは。ご自身の過去を振り返りながら進んだ講義は、名物、行動派教授ならでは、実体験も踏まえ、お得意のギャグもしばしばまじえての、なごやかな展開に。映像も再三流されるなか、爆笑も何度かで笑いあり、涙あり、はてまた怒り、各マスコミでの発言に代表される回想のエチュードあり…で、さすが〝財政の神様〟らしい歴史的な授業となったのである。
 具体的には▽市町村合併と自治体自立への展望▽(3・11東日本大震災に関しては)出来る限り現地に足を運んで現地の空気を知るべきだ▽どんな時も地域から問題を投げかけ、アプローチする▽陥りがちな自治体ポピュリズム(迎合主義)を問う▽若者のローカル志向とまちづくりへの関心の高さ▽商店街に飛び出して行う調査実習の大切さ、などを強調。
 さらに最終講義を2月22日の午後2時からに設定したわけにつき、「わが恩師である宮本憲一先生の大阪市大退官記念授業が1993年2月2日だったから、など私の人生にとっては〈2〉に何かと縁があり、とても大切な日なので。あえてこだわりました」の弁。最後に昨年暮れの政府による秘密保護法の強行可決にふれ「現在の状況は決して楽観視できるものではない。このままだと大学の教育の自由が損なわれかねない、と心配している。皆さんも今がどういう時なのかをしっかり認識して学問の道に励んでほしい」と結んだ。
 最終講義に続き、学生や教師仲間代表らから、はなむけの言葉が送られたが「(調査実習やゼミなど楽しかった日々を振り返り)どこまでも優しく、かつ行動的な山田先生あっての学生生活でした。ありがとうございました」との声が相次いだ。
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 〈2〉といえば、私の長男がこの日、2月22日に志摩半島阿児町鵜方(現在は志摩市阿児町)で生まれた。あの日は雪が降り、夕刊に「南国志摩に雪が降った」と大騒ぎして飛び回った記憶がある。その息子も今は、日本を代表する工学博士として日々研鑽に、これ努めている。この先、世のため人のためになる研究成果に期待したい。

 小中陽太郎さん(正面向かって左から四人目。ほぼ中央の人)を囲んで、六人目が私

 帰宅したら、「翔べよ源内」(平原社)で第一回野村胡堂賞を受賞した「小中陽太郎さんを祝う会」で昨夜、名古屋市内で撮られた写真三枚が櫻井健多さんからメールで送られてきていた。さすが、フットワーク〝ぴかいち〟の彼ならでは、の速さだ。こうでなくっちゃあ、健多さん! お忙しいところをありがとう。
 
【きょうの一文・ことば】
 「足もとを掘れ、そこに泉がわく」(ニーチェ)「よく耐えて、時の力をたのむべし」「自分の力を信じ前向けにやれば、道は開ける」=22日午後、山田明名市大教授の最終講義でのことば

【新聞テレビから】
☆『米大統領ダライ・ラマ会談 チベット人権擁護を表明』『中国「強烈な憤慨」』、『「息子に会える気が…」 NZ地震3年 追悼式』(22日付、中日夕刊)
☆『ウクライナの誇り デモ犠牲者にささげる 20年ぶり金 バイアスロン女子24㌔リレー』『ウクライナ 元首相を釈放方針 沈静化へ野党に配慮』、『除雪車、作業員、温かい心… 新潟の助太刀に感謝 大雪被害の3県(山梨、群馬、埼玉)』(22日付、毎日夕刊)、
☆『覚せい剤、スリッパの底に 逮捕の稲沢市議 預かった見本品』、『「辞表預けて」理事に要求 NHK会長、人事権強調』、『自殺?の男に逮捕状 群馬 殺害女性の元交際相手』、『〈雪よ氷よ〉「私は真央の一番のファン」 母へ 胸打つ演技』、『アンネの日記288冊破られる 都内の図書館で被害』、『スマホやけどに注意 充電中の発熱、相談急増』(22日付、中日朝刊)
☆『「ブォー」夜中に跳び起き 風車「騒音もう限界」 田原の男性提訴へ』『風力発電基準なく 全国64カ所で苦情』、『愛知県警免許課次長 タダで路上研修 「大型 取りたかった』、『元法相、警視総監 下稲葉さん死去=下稲葉耕吉さん。87歳』(22日付、毎日朝刊)

二月二十一日
 ソチ冬季五輪。
 きのう、日本中が落胆と失望、絶望の底に沈んだと思われたフィギュアスケート女子。きょうは、浅田真央選手が後半のフリーを、一点の曇りもない完璧な演技で滑り切った。前日のショートプログラムの不調が信じられないほどの伸びやかで華麗な演技には日本中が歓喜とドヨメキ、感嘆に包まれた。
 メダルにこそ、届かなかったが自己ベストを更新する出来栄えには各地で称賛の声が沸き上がり、真央ちゃん自身の表情にも達成感みたいなものが感じられた。真央ちゃん! プレッシャーを跳ね返して「よくぞ」というのが、私の偽らざる気持ちである。本当によかった。これほどまでに人々の悲しみを拭い去ってくれた美しい演技が、かつてあっただろうか。
 まさに歴史に残る、金メダルを超える心を打つ名演技であった。

 フィギュア女子後半フリーでの日本勢の活躍を伝えるNHKニュースと見事な大回転、ホッとした表情の真央ちゃん=いずれもNHK画面から
 
 
 
 

 街の声もいい。「よくやってくれました。ありがとう。」から「金メダルより、すごかった。」「愛知の誇りです。胸を張って帰って来てほしい」「もう、泣けて。泣けて。お化粧がとれるくらいにまで泣きました」「私にとって、心に残る演技をしてくれたのは、真央ちゃんが一番。」など。
 みんな、好い人ばかりである。私自身、何よりも後半の演技まで崩れたら、日本中が絶望の淵に意気消沈してしまいかねないと心配していた。それだけに、真央という大きな明かりが、またポッと点いた感じで「よかったな」と思っている。
        ×        ×

 ウクライナの首都・キエフでは、野党勢力でEU寄りの反政権デモ隊とロシア政府を支持する治安部隊の衝突が繰り返され、内戦状態といってよく、わずか三日間に七十五人もの尊い命が失われた。福島では超高濃度汚染水が百トンも漏れ、山梨、群馬、埼玉、東京では大雪に孤立地区が続出した。
 このほか、元交際相手を拳銃で殺害したと見られる男が拳銃自殺したり、スマホで「死ねよ」のメッセージを送りつけ交際相手の女性を自殺させる、官僚たちによる贈収賄汚職……と、この世はまさに地獄の様相にある。

 それだけに、スポーツという純な道ひと筋に情熱を燃やし、家族や同志らが支え合って生きてゆく人間たちの姿ほど清らかで美しいものはない。ソチ冬季五輪。このままテロもなく無事終わってほしい。
        ×        ×
 夜は「翔べよ源内」(平原社)で第1回野村胡堂賞を受賞した小中陽太郎さんを祝う会が名古屋は伏見の「酒座」であり、出席させて頂いた。帰りは、このところ気になっていた自宅近くの居酒屋「てまり」へ。てまりは、私の小説「カトマンズの恋」の女性主人公と同じ名前で、一度のれんをくぐろう、と思っていたお店だったから。
 行って良かった、と思っている。「酒座」と「てまり」で。今宵もよく飲んだ。あすは無事、起きれるか。いまは少し頭痛がする。

【きょうの一文・ことば】
 四年間やってきたことが出来て、今まで支えてくださった人にも恩返しができたと思います=ソチ五輪・フィギュア女子後半のフリーを演技後、浅田真央さん
 平和運動はじめ学問、文学、酒のみ仲間たちに心から感謝したい。ありがとう=野村胡堂文学賞第1回受賞記念の「小中陽太郎さんを祝う会」で小中さん
 全国のみなさま、わたしはもうだいじょうぶです。ほんとうにありがとうございました=21日付中日朝刊『父のぬくもり少女の胸に 暴風雪遭難1年で手記』『「人想える大人に」■「もうだいじょうぶ」 岡田夏音』の記事から。夏音さん

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉真央最高の演技 最後は笑顔、6位 「自分を信じて、跳ぼう」』『〈雪よ氷よ〉終章真央の恩返し 亡き母の導き窮地に力』『地元も健闘に拍手「まだやって」「4年後へ継承を」』『鈴木らしさ貫いた 闘病の夜抱き締めた母 8位「遅咲きでも頑張れる」』(21日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ五輪2014〉小野塚=小野塚彩那(25)、石打丸山ク=銅 FSスキーHP(ハーフパイプ)』『祖父の形見に誓った世界のトップ』(21日付、毎日夕刊)
☆『〈ソチ2014〉それでも前へ跳ぶ 真央フリーで3回転半成功』『最後の舞台に誇りかけ』『〈雪よ氷よ〉母キラリ娘の目に スキーHP 三星 出産後に復帰』『13年度から文科省 競技と育児両立支援』、『2度目の人生日本がくれた 一宮の比女性、臍帯血移植に成功』(21日付、中日朝刊)
☆『通行止めいつ 自衛隊派遣要請 大雪対策重い宿題』、『南京事件プレスツアー 中国外務省、外国人記者に』、『テントに負傷者次々 ウクライナ・キエフの独立広場 まるで野戦病院』、『南北家族再会始まる 北朝鮮、金正恩(キムジョンウン)体制で初』、『タリバン潜伏地空爆 パキスタン政権側 和平路線を放棄』(21日付、毎日朝刊)

二月二十日
 ソチ五輪はきょうの未明、日本期待のフィギュアスケート女子のショートプログラムが幕開け。村上佳菜子(19)=中京大=、鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=、浅田真央(23)=中京大=の順で演技が進んだ。
 ところが、どうしたことだ。一体、何があったというのか。
 前回バンクーバー五輪銀メダリストで、五輪二連覇を狙う韓国の金妍児と並んで最も金メダルに近いはずの浅田がトリプルアクセル(3回転半)で転倒するなど三つのジャンプすべてでミスが出て、55・51点の十六位と信じられない結果になってしまった。
 村上も55・60点の十五位と出遅れ、鈴木は60・97点で八位のスタートとなった。このうえは、あす未明に行われるフリーでどこまで点差を縮められるか、にかかっている。

 きょうの新聞テレビ各社が伝える真央ちゃんの痛々しい表情を見ていると、こちらまでが悲しくなってくる。いや、日本中の人々が信じられない落胆で胸を痛めている、といっていいだろう。このうえは、せめて最終のフリーだけでも全てを忘れ、真央ちゃんらしい演技を見せてほしい。
        ×        ×

 【五輪の魔物、と片付けるにはあまりに無情な一夜だった。…】とは、中日新聞の本日付夕刊軟派社会面の書き出しである。ほかに『真央まさかの16位』『かみ合わない心と体』などの見出しが躍るなか、それでも『心はフリーに』『真央「自分の演技する」』『「悔いない滑りを」観戦のファン』…と、なお温かい気持ちで真央ちゃんの滑りに夢をつなぐ気持ちがありあり、だ。ファンとは、ありがたきモノだと実感する。
 「真央ちゃん、心が折れてしまうか、大変心配です。でも自分を信じて演じ切ってほしい。そしてあなたの、あの笑顔をみたい」

 人生、誰にだって山あり谷ありとは、よく言ったものだ。
 二十日の真央ちゃんの失敗は、逆に絶望の淵で日々生きる人々にとっては、どこかで運命共同体的な意識と発想が働き、たとえ苦しく辛いことがあっても心を取り乱さず「前」に向かって歩き直すことの大切さを暗示しているような、そんな気がしてならない。
 人間だれとて、いいことばかりではない。天国のような日に恵まれたかと思えば、ある日突然、地獄のような日に襲われることだってある。そうした面ではフィギュアスケートを見ながら「真央ちゃん、負けないで! 互いにくじけないでいこうよ」と思った人々も多いのではないか。

 泣いても笑っても、あと一度だけ。三選手には、最後の集大成を見せてほしい。そして。ソチのリンクを笑顔であとにしてほしい。
 深夜遅く。テレビを見ていたら、われらが真央ちゃんの転倒につき、あの森喜朗元首相が「負けると思っていた。あの子は、大事なときに、決まって転ぶ」と話した。大変なプレッシャーのなかで一生懸命、演技をしている真央ちゃんに対して大変失礼な発言ではないか。「ゴルフざんまいの料亭太りだった男が何言ってるのよ。不謹慎も甚だしい」とは、傍らの女性。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長たる男としては、なんとも安易で選手の気持を踏みにじる発言か、と思う。文句があれば、私、伊神権太に直接、電話をくれたまえ。真央ちゃんの気持が分かっているのか。問い質したい。

【きょうの一文・ことば】
「滑り始めてから自分の気持ちと自分のからだを、うまく動かせることが出来ませんでした。終わってみて自分でも、まだ何も分かりません。あしたは自分のフリーの演技をしたい、と思います」=ソチ五輪、ショートプログラムを追えたあと。浅田真央の発言
「4回も五輪を経験しないと、ここまで来られなかった。これを機に、スノーボードの認知度が高くなってくれれば」「(銀メダルを獲得してから「携帯が鳴りっぱなし」というほどの反響があるという)=20日付、中日夕刊『やっと、ここまで来た スノボ竹内 銀授与式』の記事中、スノボ竹内さんの言葉

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉真央まさかの16位 鈴木8位 村上15位 フィギュアSP』『かみ合わない心と体』『やっと、ここまで来た スノボ竹内 銀授与式』(20日付、中日夕刊)
☆『高濃度汚染水漏れる 福島第1 配管の弁開き100トン』、『銃撃の痕女性死亡 交際トラブル 男性の行方捜査 群馬』(20日付、毎日夕刊)
☆『〈特報〉教委、自民改革案で国・首長の意のまま?』『危ぶまれる教育の中立』、『〈ソチ2014〉スノボ竹内銀 パラレル大回転 女子 今大会初メダル』『挑戦4度戦術熟知』、『「米に失望」一転撤回 衛藤補佐官、菅氏指示受け』、『可児市が地域通貨 新年度 奉仕活動1時間で100円』(20日付、中日朝刊)
☆『ノバルティス家宅捜索 東京地検 薬事法違反容疑』『バリ遭難 船長一転訴追へ 地元当局「不作為の可能性』『漂流中励まし合い 救助の4人』(20日付、毎日朝刊)

二月十九日
 雨水。雪が雨に変わり雪どけが始まる頃だ。
 十九日のソチ冬季五輪。スノーボードの女子パラレル大回転で四大会連続五輪出場の竹内智香選手(30)=北海道出身。広島ガス=が銀メダルに輝いた。日本女子では今大会初のメダル、日本女子スノーボード界にとっても五輪初の表彰台となった。
 決勝2回目終盤の転倒さえなければ、金メダルも十分可能だったのに…。それでも、本場スイスに乗り込んでの努力と執念は十分、結果を残し開花したといっていい。

        ×        ×
 先日の発表会後、初の横笛の稽古日で名古屋へ。
 師匠と私とは同じ戌年同士。【1本の横笛】を巡る品格の話に始まり、人としてあるべき礼儀作法とか、真の美、若さとは何か、などいろんなことで話が弾み多くを教えられた。

 発表会の席で、師匠から「うちの愛犬・オイデちゃんが、今月2日にとうとう亡くなりました」とお聞きしていたので、供養を兼ね持参したハーモニカで♪別れることはつらいけど しかたがないんだ 君のため……と、〈星影のワルツ〉を演奏し哀悼とさせて頂いた。
 このご、オイデちゃんの最期に話が及んだが、亡くなる前は重い病を患っていたばかりか、目も見えなくなり、やっとのことで壁伝いに一生懸命歩く―など、長寿(推定16~17年)とはいえ、痛々しく大変だったという。それでも、オイデちゃんは主人の優しさに甘えて、少しでも長く生きようとし続け、がんばった。
 あくまで主人に忠実だった、ちいさな命のひとつの生涯。老衰による死とはいえ、どんな気持ちでいたのだろう。私は、そのけなげなオイデちゃんのつぶらな瞳を思いだしながら立派な堂々たる旅立ちには、心から敬意を表し拍手を送りたい。

 私自身、生前のオイデちゃんには、何回かお会いしており横笛をふくつど、どんなに下手な私でも〈ワン、ワンッ〉〈ワン、ワンッ〉と、なんど励まされたことか。かわいくて、とても賢いワンちゃんであった。と同時に、わが家にも老いた猫二匹がいるだけに、他人ごとではなくこの先大切にしてやらなければ、との思いを新たにした。
        ×        ×
 オイデちゃんの死を悼むわが家の愛猫。こすも・こことシロちゃん=19日写す
 
 
 
 帰ると、次女猫のシロちゃんは定位置にいたが、長女猫のこすも・ここの姿が一向に見当たらない。さては昇天する気か、と家中を捜しまわったが、どこにもいない。が、2時間ほどすると、二階寝室の敷き布団と毛布の間に潜入しスヤスヤ眠っていたことが分かって、やれやれ。一件落着とあいなった。

 犬と猫との違いこそあるが、ふたりには、もちろんオイデちゃんの死を報告した次第である。生前のオイデちゃんには、「いいぞ、おじさん。いける、いけるよ!」といつも励まされどおしだっただけに、この場を借り心からお礼を申し上げたい。
 おやすらかに―

【きょうの一文・ことば】
 自分にとって家族、ふるさととは何かを考えて頂くきっかけとなれば=NHK朝のニュース〈福島を描く映画に出演 松山ケンイチさん〉の中で松山さん
 太宰の説によると「豆腐は酒の毒を消す。味噌汁は煙草の毒を消す」というのだが、じつは歯がわるいのと、何丁平げても高が知れているところから豆腐を好むのである。=津島美知子の「回想の太宰治」〈御崎町〉から抜粋
 生きて帰ろう。海で24時間漂流してがんばったのだから。もっと頑張れる=バリ島でスキューバダイビング中に行方不明となり、その後救助されて生還した女性のことば

【新聞テレビから】
☆『〈雪よ氷よ〉「真央さん楽しんで」応援あめ 宿命対決今から興奮 「ヨナさんの一生懸命さ好き」』、『ウクライナ首都21人死亡 デモ隊と警官隊衝突』、『中央線が全線再開』、『ノバルティス社を捜索 東京地検 降圧剤誇大広告疑い』(19日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ五輪2014〉あす未明にSP 浅田努力信じて フィギュア女子3強激突 女王の風格金妍児 伸び盛りリプニツカヤ』、『宅配、郵便影響続く 記録的大雪 孤立7都県2876世帯』(19日付、毎日夕刊)
☆『バリ1人の遺体発見 不明場所から25㌔ 宮田さん=観光客の宮田律子さん(59)=と確認』、『介護保険料5000円突破(一人当たり月額5273円となる見込み) 14年度予想 40~64歳、最高更新』、『〈ソチ2014〉竹内勇気のジャンプ 団体銅「同じ難病患者に元気を」』『複合ラージヒル渡部暁6位』(19日付、中日朝刊)
☆『農作物大雪被害190億円 群馬など7県 食材に大打撃』『孤立3571世帯に』『愛知で停電360戸』(19日付、毎日朝刊)

二月十八日
 人間とは。逆境にあって、ハンディが大きければ大きいほど、力を発揮する。どうしてこれほどまでに力が出るのか。
 葛西の涙を報じるメ~テレの報道ステーション

 「この団体に選ばれ良かった」と葛西選手
 

 銅メダルに輝いた16年ぶりの〝日の丸飛行隊〟
 

 難病の可能性を告白した竹内選手=以上、いずれも18日夜の〈メ~テレ〉報道ステーションから
 

 葛西紀明(41)=土屋ホーム=が泣いている。清水礼留飛(20)=れるひ。雪印メグミルク=。竹内拓(26)=北野建設=。伊東大貴(28)=雪印メグミルク=も、だ。
 みんな泣いている。
 応援していた人たちも、だ。

 ソチ冬季五輪第十一日の十七日、ノルディックスキー・ジャンプ団体で日本は銅メダルに輝き、試合後、銅メダルに輝いた四人は、それぞれに言い知れないハンディを抱え、辛く、かつ厳しかった道のりを胸に、歓喜にむせび、泣いた。栄光の「涙」をありがとう。よくやった。ニッポン!
 銅メダルを伝える各局のテレビ画面。選手のひと言ひと言に、私の目からも涙が落ちて止まらない。涙とは、不思議ないきものだ。ぬぐってもぬぐっても、溢れ出てくる。

 日本の男子ジャンプ陣がソチ冬季五輪のジャンプ団体で見事、銅メダルに輝いたきょう、【2月18日】は、十六年前の長野冬季五輪で日本ジャンプ陣が金メダルを射止めた日と奇しくも同じ日。どこか運命的なものを感じるのは私だけか。おそらくテレビの前にかじりついて見ていた日本人の多くとて同じに違いない。
        ×        ×

 文庫本「回想の太宰治」(津島美知子著)を手に、江南厚生病院へ。
 きょうは月一回の妻の定期受診のためだ。このところの寒さもあってか、どうしても上がりがちな血圧手帳を見せると、「もう少し下がってくれたらよいのですが」と担当医師。
 それでも、変わりはないようでホッとした思いで帰宅した。でも、油断は禁物である。

【きょうの一文・ことば】
 いや、嬉しいです。もう、みんな頑張ったんで。タケは病気、ダイキも膝を痛めて…そのなかで、みんなで(それぞれのハンディを乗り越え)力を合わせトライしてきたので、メダルの色は関係なく、嬉しい。みんな四人で。(後輩たちには)なんとしてもメダルを取らせてあげたいと思っていたので…。よかった。金メダルをとれなかったのは悔しいけれど、まだ(次回には)可能性があると思います。=ジャンプ団体3位(銅メダル)になった日本チーム主将葛西紀明選手(41歳)
 ものすごく緊張しましたが、思い切って飛びました。先輩たちの頑張りでとれたメダルです。葛西さんは私にとっての〝父親〟も同然です=清水選手
 入院したとき五輪には出られないかも、とアキラメかけたけど、なんとかここまできた。今できる精いっぱいのジャンプだった。家族の支え、そして病院の人とか本当にいろんな方々に助けてもらって感謝しています。=竹内選手
 (左膝の)痛みと闘いながらのジャンプでしたが、本当に痛かった。終わるまでは痛いと言いたくなかったから、(膝が)最後までもってよかった。メダルはノリ(葛西)さんが決めてくれた=伊東選手

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉ジャンプ団体銅 長野以来16年ぶりメダル 葛西が泣いた』『〈雪よ氷よ〉年の差飛行隊結束 最大21歳 勝負魂厳しく楽しく』『竹内が「難病」告白』、『残る2人の救助急ぐ バリ沖不明「岩礁でライト」情報も』『ヤシの実で飢えしのぐ バリ生存者 漂流一夜、離れ離れに』(18日付、中日夕刊)
☆『大雪影響 孤立集落、依然5623世帯 中央、関越道 通行止め解除』『大雪道路寸断 甲府の物流再開 中央道や国道開通 市場活況戻る』(18日付、毎日夕刊)
☆『〈通風筒〉◇…地域の繁栄と豊作を願って山盛りのごぼう料理を食べる福井県越前市の伝統行事の「ごぼう講」が十七日、市内の民家であった。……』、『9000人超孤立続く 大雪死者19人、食料空輸』『大雪トヨタ4工場停止 物流混乱、部品納入遅れ』『中央道ほぼ全通 大月―河口湖除き』『飯田線(愛知県豊橋市―長野県辰野町を結ぶ)運転再開へ』『豊根村の8割停電』、『日本人女性5人生存 バリ4日目、2人は不明』、『リニアからSL乗車 岐阜県構想 中間駅、明知鉄道結ぶ』『〈2014ソチ〉カーリング女子 日本が中国破る』(18日付、中日朝刊)
☆『大雪流通機能マヒ 野菜「品薄」、値上がりも』『集落、孤立続く 関東・甲信』『東海地方1500戸で停電 倒木、復旧作業阻む』『トヨタ プリウス生産に影響』、『ラグーナ蒲郡 愛知県新たな負担も 施設売却 分譲地の行方不透明』(18日付、毎日朝刊)

二月十七日
 東日本大震災を受けた復興特別所得税が従来の所得税に2・1%上乗せされる2013年分の確定申告がきょうから始まった。私も一市民として妻の舞と一緒に受付会場に出向き、申告させて頂いた。こうしたことは苦手だけに、舞の手助けで気になっていた申告を終え肩の荷が下りた。
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 ソチ冬季五輪での羽生、葛西、渡部、平野、平岡、上村、高梨さん…ら数多くの選手の活躍の一方で、日本の多くの地域がいま雪に閉ざされ、大変な事態に陥っている。自然災害が起きる度に思う。ニンゲンたちはやはり、自然を相手に日々を過ごす、そうした宿命にあるのだ、と。

 ニュースによれば、記録的大雪から4日目に入り関東、甲信、東北地方を中心に雪に閉ざされたままの集落の孤立化は一時138カ所に。現在も116カ所で救援の手を待っており、なかでも山梨県では各所で全面通行止めとなり県全域が孤立状態だという。
 「60年以上住んでるが、こんなことは初めて」「七十二年でこんな雪は初めてです」とは、富士吉田市に住む男性と女性で、有史以来といってもいい大雪との闘いが続く。山梨といえば、昨年夏、富士山の雄姿を求め河口湖畔周辺をさすらって歩いたことがあるだけに他人ごとではない。一日も早い復旧を、ただ望むばかりだ。

 このほか、長野から群馬に抜ける碓氷峠辺りの道路も至るところ寸断され、交通が長期にわたってストップし「4日間車の中で待ちました」というドライバーも。あるトラック運転手も「4日間、立ち往生です。子どもに会いたくて」と話していた。ほかにトンネルのなかに一時避難していた十五人が救出され、宮城県でも丸森町で三百七十四世帯が丸ごと雪の壁に閉ざされる、といった事態になっているという。
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 わが家の庭に咲いた希望を呼ぶスノードロップ
 

 こうしたなか、わが家の庭先である異変が。「チョット。ちょっと来てよ」というので行くと、目の前にちいさな可憐な白い花の姿があった。スノードロップ(和名、ユキノハナ)とかで、厳寒のさなかに小さな純白の花を咲かせ、長く厳しい冬もそろそろ終わりに近づいている証しなのだ、という。
 気がつかないでいたが、舞が昨秋買った球根を植え、その後肥料を与えるなど手塩にしてきたもので「まさか、こんなに早く咲いてくれるとは。それも厳寒の中なのに…。ありがとう」といった彼女の喜びがこちらにまで伝わってきた。
 舞によれば、なんでも希望を呼ぶ花よ、とのこと。かつて能登の日本海に面した雪の原で春先に雪を割って恥ずかしそうな顔をのぞかせていた、あの雪割草の気品にもどこか似ている。このスノードロップ。希望を呼ぶ花と言われる一方で、花の形が死者の纏う白装束にも似ていることから、死の影を見る、との迷信もある。
 希望と絶望、つまり生と死の正反対のイメージもある、というのだ。よくよく考えれば、この世は希望がかなわず絶望し、【絶望の底】からはいあがって夢を見る【希望への道】の繰り返し。人生劇場を一片の花びらで示してくれているのである。
 
 大雪の影響か、関東地方では葱やホウレンソウなどの野菜が30~40%増と軒並み値上がりしている。山梨県富士吉田市では会社まで毎朝、2時間以上歩いて通うサラリーマンの姿が見られた一方で、デイサービスなどお年寄りに対する訪問介護も出来ない状態が続く。西山温泉では一時、1183人が孤立したという。
 気象庁によれば、今回大雪をもたらした南岸低気圧がまたまた南方海上に近づいていると言い、日本中が自然現象に翻弄されている。

 夜に入り、インドネシアのバリ島沖でスキューバダイビング中、行方不明になっていた日本人女性七人のうち五人がペニダ島の岩場で見つかり、救助され病院に運ばれた―とのニュースが飛び込んできた。世のなか、いつだって好いこと悪いことがあざなえる波の如く、寄せては繰り返している。私たちはそうしたなかを生きているのである。

【きょうの一文・ことば】
「もう少しの辛抱で、明るい春がやってくる」。北国の人々が待ち望んだ知らせを、この花は届けてくれる。19世紀のイギリスの詩人、A・テニスンは「麗しい2月の乙女」と詠んだ。希望を呼ぶ花、である。……
 私はこの花を見ると、40代で夫を亡くしたイギリス人の友人、アンジェリーナを想う。彼女は3人の子供を抱えて何年も絶望の淵にあったが、やがて力強く立ち直った。家の庭にはスノードロップが毎年群をつくって花開き、まるで暗い冬のあいだ中彼女を見守り、ゆっくりと生の喜びに連れ戻したかに見えた。=16日付毎日夕刊『〈イギリス 花のある風景 あべ菜穂子〉スノードロップ 希望を呼ぶ孤独な勇気』から抜粋

【新聞テレビから】
☆『大雪による死亡 全国19人』、『海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が南極沖で座礁』、『中国 鳥インフルエンザ 政府に対し抗議活動』(17日夜、CBC〈NEWS23〉)
☆『大雪 物流に打撃 トヨタ2工場生産停止』『鈴木3工場も』、『〈雪よ氷よ〉3人娘持ち味見せて 真央、明子、佳菜子に愛知からエール』、『次女虐待死で再逮捕 豊橋の父、容疑を否認』(17日付、中日夕刊)
☆『大雪 死者15人に 道路不通で孤立続く』、『〈ソチ2014〉葛西41歳「銀」 ジャンプラージヒル レジェンド(伝説)新たな幕開け』『揚力に磨き若手しのぐ』、『ベルリン映画祭最優秀女優 (「小さいおうち」に出演した)黒木華さん=23歳=が受賞』『昭和の女性を好演 黒木華さん、受賞に驚き』(17日付、中日朝刊)

二月十六日
 ソチで開催中の冬季五輪―
 十四日のフィギュアスケート男子での羽生結弦選手(ANA)の金メダルに続き、十五日にはノルディックスキー・ジャンプ男子ラージヒル個人で五輪7大会連続出場の葛西紀明(41)=土屋ホーム=が銀メダルを獲得。日本各地で、きのう同様きょうも号外が乱れ飛んだ。
 「ゴウガイ、ゴウガイです」の声には、どこか「読みなさい」「読まなきゃ損するよ」といった響きがあり、説得されているようでもある。それでも、読者としては大きな活字を前にナンダカ褒美でももらえるような心地よい感触にとらわれるのは、なぜか。
 号外の魔性はビッグニュースとともにある。
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 ちまたは四月からの消費税3%アップを前に、どこかざわついている。庶民感覚が日に日に神経質になってきている。
 午後、妻と今月24日限りで店じまいをするという自宅近くヘルスバンクへ。閉店を前に全商品が20パーセント引きということで、案の定、駐車場は止めるところがないほどの込みようだ。いつもなら有るはずの手押し車(カーリング)も全て使用中で持参した買い物袋を手にしてのショッピングとなった。
 それにしても、「少しでも安い時に買わないでどうするのよ」との言はその通りだ。
 庶民感覚ほど素直なものはなく、4月からの消費税アップに先だち、車や住宅の駆け込み購入が相次いでいるというのも、頷ける。アベノミクスとやらが盛んにもはやされてはいるが、つまるところ、大半の名もなき人々は皆、生活をするのにトントン、必死なのだ。

【きょうの一文・ことば】
「勝利は気高く祝い、敗北を気高く受け入れる」。国際オリンピック委員会のバッハ会長は開会式で、五輪の精神をそう語った=16日付日経1面〈春秋〉から
「あきらめずに、やってこられたのがメダルをとれた最大の理由です。メダルを取る難しさを感じ簡単に取れるとは思っていなかった。いろんなことが頭のなかをクルクル、クルクルと回っていました。銀メダルを取って新しい目標が出来たので、あきらめないでまた金メダルをめざして頑張りたい」=ノルディック男子ラージヒルで銀メダルを獲得した葛西選手がインタビューに答えて
「人間は生かされている。ということは、誰かのために生きているのです。絶望してはダメです。定められた命が尽きるまで生きなさい」=16日夜、BSーTBS〈ドナルドキーン×寂聴〝ニッポン不易流行〟二人の91歳が対談〉から。寂聴さん

【新聞テレビから】
☆『ソロモン流 密着! 72歳でバリバリ現役!〝徳光和夫の㊙素顔〟▽長嶋茂雄との出会い▽心筋梗塞乗り越えて』(16日夜、テレビ愛知)
☆『大雪全国で11人死亡 福島、100台立ち往生』『東名最大50㌔渋滞』、『羽生 金「誇り」 フリー「魔物感じた」』『ジャンプLH 葛西ら4人挑む』『〈雪よ氷よ〉「靴直そう」母の金言 羽生震災から再起 「僕はやる」叫んだ3年前』、『環境汚染地がん急増 ナポリ郊外 不法投棄、放射性物質も』、『米大統領来日 日本こだわる「国賓」 関係強固アピール』、『近藤さん=三重県桑名市、名城大3年、近藤奈々さん=がグランプリ 中日フォトメイツ』(16日付、中日朝刊)
☆『重い雪屋根崩す 事故・転倒6人死亡 記録的積雪』、『男子フィギュア新たなページ 羽生「金 誇りに」 勢力地図書き換え』『首相、電話で祝福』、『中原中也賞に東京の大崎さん=大崎清夏(さやか)さん。ウエブディレクター。31歳。詩集「指差すことができない」(アナグマ社)=(16日付、毎日朝刊)

二月十五日
 ソチ五輪フィギュアスケート男子のフリーが前日のショートプログラムに続き、十四日(日本時間十五日未明)あり、歓喜と、「まさか」の転倒を目前にしての〝どよめき〟、そのごの奇跡的ともいえる、立ち直り、自身の出身地・仙台、東北への祈りを込めての荒川静香以来の〈イナバウアー〉…と、日本中、いや世界中を興奮のるつぼに包み込んだ。
 この日、〈ロミオとジュリエット〉を演じた日本の羽生結弦(ANA)は冒頭の4回転で転倒、万事休すか、といったんは絶望しはしたものの、その後の演技を天性と超人的な技術、そして執念できっちりまとめ、ショートプログラムとフリーで計280・09点の最高点となり、フィギュア男子では日本人初の「金」メダルに輝いた。
 冬季五輪で日本選手が金メダルを獲得したのは、2006年トリノ大会のフィギュアスケート女子・荒川静香いらい、二大会ぶり。フィギュアスケート男子では日本初の快挙となった。
 2位は同じく4回転でミスをしてしまい、計275・62点止まりに終わった世界選手権3連覇中のパトリック・チャン(カナダ)だった。ほかの日本勢も、初出場で〈エデンの東〉を演じた町田樹(たつき、関大)が253・42点で5位、前回バンクーバー大会銅メダルでビートルズナンバーを華麗に踊った高橋大輔(関大大学院)が250・67点で6位とそれぞれ、よく頑張り入賞した。
        ×        ×

 甲府1㍍14㌢、前橋73㌢、熊谷62㌢、御殿場80㌢…。
 各地で統計のあるこの120年では最多、記録的な大雪となった。東名高速では40㌔にわたって大渋滞となり、東急東横線では追突事故が起き乗客19人がケガをしたという。
 
 名古屋は覚王山の料亭「松楓閣」で、年に一度の端唄・三味線・笛の発表会「第二十一回七種会」があり、私は福井県の笛の里で自らこしらえた愛用の横笛で〈風の盆恋歌〉を演奏させて頂いた。
 まだまだの腕前とはいえ、そこそこ笛の音が流れ、最終の一楽章を前に内心「これなら、いける」と思ったとたん、笛は急にダダでもこねるようにウンともスンとも音を出さず、鳴らなくなってしまった。
 私はそれでも、恥をしのんで最後まで音の出ない笛をふきつづけた。内心、残念このうえなしではあったが、「なかなかよかったわよ」と同じお弟子さん仲間の女性に励まされたのが、せめてもの救いだった。また来年頑張ろう、と自身に言い聞かせたのである。

 こんなわけで、端唄・三味線・笛と全部で二十一の出し物が終わったところで宴会が始まった。その席で余興にぜひ、とお師匠さんから事前に頼まれていたハーモニカをふいたが、こちらの方はみなさん、うっとりと聞いてくださり、〈ふるさと〉では、多くが合唱までしてくださった。
 なかには八十歳を超え、この日〈ささや節〉を朗々と唄われた男性が私のハーモニカに合わせ〈我は海の子〉を歌われる場面まで飛び出し、たのしいひとときはアッという間に過ぎ去ったのである。
 さて。この私だが、きょうの発表会に限っては、全てその光景をあたまのなかで、しっかり刻んでおこう、その方が今後の文筆、表現力を培うには役立つ、と判断。持参したデジカメは発表会の最初から最後まで封印したままにした。安易に写真に撮っていたのでは、いつまでたっても私が目指す名文には近づけないからである。

【きょうの一文・ことば】
 「復興」と言ったって。…ボク一人がんばったって何も出来てはいないのだなっ、とそう思う。金メダリストになれたからこそ、震災や復興のために何かできるのじゃないかな、と。そういう意味ではスタート点ではないか、と。ボクは、そう思います。=金メダルの記者会見上で。羽生選手
 「(試合前)頭に最初に浮かんだのは感謝という言葉。たくさんの方に応援して頂いたのに、ベストを尽くすことができず、結果も残すことができず、申し訳ない、この後、ワールドカップ(W杯)でしっかりリベンジしたい」=15日付中日スポーツ『沙羅「W杯でリベンジ」 女子ジャンプ帰国』の記事中、高梨沙羅さん

 【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉羽生「金」 フィギュア日本男子初 19歳 大震災にも不屈』『町田5位、高橋6位』、『邦人女性7人不明 バリ沖でダイビング中』『危険伴う人気地点 ダイバー不明 強い潮流影響か』、『甲府114㌢、飯田81㌢ 大雪続く 東名で死亡事故』(15日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ冬物語〉立ち上がって頂点 羽入選手金 被災地に勇気 後輩「私たちの誇り」』『「明るくなれる」 宮崎県の仮設住宅』、『関東大雪また混乱 東名、一部通行止め』『川崎・元住吉駅 東横線列車追突・脱線 19人けか゛ 停車車両に後続』、『米大使館 NHK取材に難色 百田経営委員発言、理由に』、『「経済、日本は韓国に学べ」 WSJ=米紙ウォールストリート・ジャーナル=、社説で批判』(15日付、毎日夕刊)
☆『大雪各地で今冬一 新幹線など交通乱れる』『事故、転倒、休校、入試繰り下げ 大雪東海を直撃』『名駅で新幹線「列車ホテル」 空路、高速道も混乱』、『浜岡再稼働へ審査申請 4号機 中電、津波想定21㍍』『「申請再稼働と別」「震源域なのに」 浜岡消えぬ不安』『中電本店前 雨中の抗議』(15日付、中日朝刊)
☆『「もっと練習」帰国の高梨選手』、『太陽光認定672件取り消し 電力買い取り事業始めず 経産省検討』(15日付、毎日朝刊)

二月十四日
 午前十一時現在。白い雪がどこまでも降り続く。
 一体、いつになったら止むのか。このまま地球全体を融かしてしまおうというのか。そんな、恐怖をさえ抱かせる雪である。聞けば、米国も大雪に襲われており、首都ワシントンで連邦政府機関が閉鎖、全米の空港で6500便以上が欠航、ニューヨーク州知事は十三日、ニューヨークと周辺地域に非常事態宣言を発令したという。
 山梨県甲府市。甲府駅前では観測史上最高の積雪76㌢を記録した。
 ここは雪国か=愛知県江南市で。14日午後
 
 こんな寒さと雪降りのなか、けさも息子と妻は職場に向かった。猫二匹は、温熱カーペットに座って微動だにしない。ストーブの傍らで寒さに耐えている。野良猫たちは、どうしているだろうか。
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 昨夜。いや、きょう未明。午前三時前にNHKテレビの実況中継で見たソチ冬季五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)。19歳の羽生結弦(ゆづる)選手が演じた〈パリの散歩道〉は、それこそ感動そのものだった。おそらく日本中がドキドキして見守るなか、それこそ一点の染みもない、流れるような演技が終わり、羽生が手を挙げると、思わず拍手の嵐が湧き起こり、場内の観客は総立ちになった。
 冒頭に跳んだ4回転トーループに始まり、ジャンプ、スピン、ステップの計7演技を見事にこなした若きニッポンのエース。なんとステキな、なんと華麗で、美しく、寸分の隙も狂いもない演技だったことか。まさに英雄の風格がそこにはあった。おそらく演技を見守ったロシアの観客全員の心をとらえたに違いない。
 そして、ついに出た。史上最高の100点を超える101・45が。なんだか、生きていて良かった、という不思議な感覚が心に浮かんだ。

 2位につけたパトリック・チャン(カナダ)。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で着氷が乱れ、減点を受けたものの、表現力を示すプログラム構成点では羽生を上回り、97・52点を挙げ、羽生を3・93で追う展開となっている。技術力の羽生か、表現力のチャンか。羽生が十四日(現地時間、日本時間の十五日未明)のフリーで待望の五輪王者になるかどうか。世界中が固唾をのんで見守る闘いが刻一刻と近づいている。
 日本はほかにバンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(27、関大大学院)そして町田樹(23、関大)も銅メダルを十分狙える好位置につけているだけに、結果が楽しみである。フィギュアスケートを見て世界の人々が共に感動する。
 やはりオリンピックはいいものだ。
        
【きょうの一文・ことば】
 「びっくりしたが、曲が作られた背景などを全く知らずに、この曲がいいと思って選んだ。作った人が誰であろうとどういう形であろうと関係ない。この素晴らしい曲を、この場で表現することだけ」=14日付毎日夕刊『〈ソチ冬物語〉直前のケガ使用曲「代作」騒動乗り越え 「希望捨てない」 高橋大輔選手メダル射程圏』の記事中、高橋選手の発言

【新聞テレビから】
☆『iPS細胞で血小板量産 白血病患者などに朗報』(14日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『羽生 史上初の100点超 冷静に「理想程遠い」』『なぜ100点超? 冒頭4回転最高の評価』、『名古屋、岐阜など今冬一番の積雪』、『浜岡4号機の審査申請 中電 巨大地震備え焦点』『「審査真摯に対応」 水野社長』、『NY積雪27㌢ 非常事態宣言も』、『債務整理1億5000万円脱税 東京国税局NPO元代表告発 借金苦の弁護士と提携』『安楽死、未成年にも適用 ベルギーで法案可決』(14日付、中日夕刊)
☆『〈雪よ氷よ〉羽生震災経て成長 感謝と祈り滑りに込め 高橋リンク存続に奔走』、『日韓対立米板挟み 大統領歴訪 日本滞在短縮へ』、『ソフト協脅迫容疑逮捕 2人、デンソーに送付』、『問題発言「済んだこと」籾井NHK会長が会見』(14日付、中日朝刊)
☆『愛知県漁連会長 綿密に摘発逃

14年2月1日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十六年二月二十八日
 中日新聞朝刊で連載されていた大沢在昌さんの小説「雨の狩人」(河野治彦さん画)が413回で完結した。毎朝、楽しみにしてきただけに、少し寂しい気がしないでもない。いわゆる、その筋の矛盾点に真っ向から踏み込んだ、社会性に富み、かつ人間愛に満ちた作品で、組織内外で生きていくのにどうにもならない葛藤と業がうまく活写され読み応えがあった。この小説を一日の始まりとして楽しみにしていた読者は多かったに違いない。
 NHK名古屋放送局が1954年(昭和29年)3月1日から放送を始め、あすで満60年。というわけで、午後七時半からの〈東海北陸スペシャル テレビ60年を迎えた名古屋局から生放送!〉を見た。
 昭和34年9月26日の伊勢湾台風襲来に始まり、新幹線の登場、中日ドラゴンズの優勝シーン、全国に誇る番組となった中学生日記、つい最近ではソチ冬季五輪で活躍した浅田真央選手らの活躍ぶり…と、まさに【撮った! 伝えた! 描いた!】の歌い文句どおりの懐かしい映像の数々には胸を締め付けられた。
 まさにテレビは新聞と同じ。「人間社会と共に生きているのだな」と思った。
 これも、これまでNHKに携わってこられた多くの人材のたゆまぬ努力の結晶(もちろん視聴者あってのNHKは当然)があればこそで、あらためて全ての関係者に敬意を表したい。そして放送60周年、心からおめでとうございます、とも。
 「ぞうさん」や「一ねんせいになったら」など多くを作詞し人々に親しまれ、一九九四年には国際アンデルセン賞作家賞を日本人で初めて受賞した童謡詩人まど・みちお(本名石田道雄=いしだみちお)さんが、きょうの午前九時九分、老衰のため東京都稲城市の病院で亡くなった。百四歳だった。
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 人の命はまことに儚く、あっけない。いや、分からぬものだ。
 というのは、昨年来わが家に「前回のご来院より半年が過ぎました。そろそろお口のなかに溜まった汚れをクリーニングしましょう。定期的な検診とお掃除でお口の臭いを予防し、大切な歯を長く健やかに保つことができます」と書かれた歯の定期検診を促すお知らせが届いていたので「そろそろ」と思って最寄りの歯科医院に予約電話をさせて頂いた。
 ところが、「担当の医師は昨年、亡くなりました」と思いもかけなかった返事。幸い他に精鋭がおいでのため、そのまま予約させて頂いたが、いやはや驚いた。
 こちら(愛知県江南市)に来てからは、年恰好も私とあまり変わらず、親切で丁寧な先生だったので、いつもその医師に診て頂いていたのに。俺もそういう歳になったのだ―としみじみ思いもした。お会いしたら、いつもの調子で雑談ができる、と楽しみにしていただけに、目の前の梯子を取り払われてしまったような、そんな気がしたのである。

【きょうの一文・ことば】
「世の中に生きるものはすべて、たったひとつの存在です。そのものが、そのものであるということ。それだけで、ありがたく、うれしく、尊いことです」「池の水面をアメンボが動くと、アメンボの周りに輪が広がります。不思議だなあと思います。あんなに小さいものが、あんなに大きな水を動かすなんて」………
「生きていると必ず、毎日、新しく見つけるものがあります」。=28日付中日夕刊、まど・みちおさん死去の〈評伝「生きるものはすべて尊い」〉から。井上圭子
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【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉新宿バス放火事件 被害者の34年』(28日付、NHK総合)
☆『新降水観測衛星=H2Aロケット23号機=打ち上げ 災害予測向上に期待』『地球全域をカバー』『LEDの光でデータを送信 信州大の衛星』、『まど・みちおさん死去 104歳「ぞうさん」童謡詩人』(28日付、中日夕刊)
☆『有効求人改善1.04倍 6年5カ月ぶり高水準』『JR北脱線 レール幅異常放置が原因 安全委報告 3年間補修せず』、『パラリン選手団「恥じぬ戦いを」(3月7日開幕に先立ち)ソチへ出発』、『思い出の品 最後の展示 宮城・石巻』(28日付、毎日夕刊)
☆『「春の女神」優雅に 岐阜=ギフチョウが岐阜市の名和昆虫博物館で27日、ことし初めて羽化した』、『出走権付きふるさと納税 いびがわマラソン、10万円で』、『ドラ応援 鳴り物なし 7月まで? 6団体許可出ず』、『日朝赤十字3日に協議 外務省担当者同席』、『アフリカ人貿易仲介か 稲沢市議、数年前から』(28日付、中日朝刊)
☆『東海道新幹線最高速度285㌔に 来春15㌔アップ』、『露、前大統領を保護 ウクライナ 新内閣が発足』『クリミア庁舎を武装集団が占拠』、『顔認証装置懸念の始動 群衆にカメラ瞬時に人物特定 岐阜県警など 目的外使用の恐れ』(28日付、毎日朝刊)

二月二十七日
 誕生日祝いのデコレーションケーキとバラとカーネーションのフラワーアレンジメント・ボックス
 
 日付のない幻の誕生日(2月29日)。
 その日を前に、近くのケーキ屋さんへ。【舞へ ありがとう】とのメッセージ入りデコレーションケーキを買って帰ると、長男からも「誕生日おめでとう」と、バラとカーネーションのフラワーボックスが届いた。母親はいいな、と思う。でも、わが家の場合、みんな舞一人の手で育ったようなものだ。ここは、ここまでの労苦への感謝を込め、祝福しなければ。
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 中日の朝刊特報面によれば、紛争当事国への武器の提供を事実上排除しない新たな武器輸出原則の政府案がまとまったという。記事にある通り、原則の前提が「禁輸」から「輸出」へと変わろうとしており、集団的自衛権行使の容認と合わせ、「戦争のできる国」に近づいていることは確かだ。ゆゆしき事態といっていい。
 私の手元にいつもある【アンネの日記】の英語版と日本語版
 
 
 「戦争のできる国」といえば、東京や横浜の何十もの図書館で「アンネの日記」や関連本が三百冊以上も何者かにより破られていたという事件。「アンネの日記」がナチのユダヤ人追及の目を逃れて隠れ家での生活をしたアンネ自らが二年余にわたって書き続けた、いわば戦争告発文学だけに、「世界の崇高な歴史認識に対する冒とくではないか」の声まで飛び出し、やりきれない気がする。
 それとも反ユダヤ的、親ナチ的異分子が右傾化が進む日本社会に紛れ込んできたのか。このところの日本政府の「戦争のできる国」「右傾化」へのギアチェンジが、国際社会でそうした悪しき風潮を芽生えさせるきっかけにならなければ良いのだが…。私自身、アンネ・フランクの日記は、いつも英語版と日本語版を〈平和の象徴〉として手元に置き、時折、思いつきでもしたように読み返している。二十年ほど前、世界一の花市場「アールスメル」の取材でオランダに行った際には、隠れ家を実際に見て回って戦争の愚かさを痛感しただけに、平和は当然守っていかなければ、と願う。
 
 社交ダンスの方は、継続は力なり―できょうも週に一度のレッスンをしてきた。きのうの朝、老朽化もあって火の手が上がり、パンクしてしまったわが家のガスレンジも少々、お金はかかったが夕方、新品に。なんだか新婚生活がまた始まるような心地よき錯覚にとらわれた。こうして日は過ぎてゆく。

【きょうの一文・ことば】
 高い緊張状態にありますが、社会復帰をしたら死ぬ気で働いてお詫びします。=27日東京地裁であったオウム真理教元幹部平田信被告(48)の裁判員裁判の公判の席で(来月7日に判決予定)。懲役12年を求刑された平田被告
 一九七〇年に三十三歳で夭折した小野茂樹に「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」という歌がある。……=27日付中日夕刊〈紙つぶて 作者と読者のコラボ 島田修三〉から

【新聞テレビから】
☆『〈大波小波〉今月の慎太郎劇場』、『〈終わらせない ビキニ被ばく60年■上■〉怒り伝え続ける 死んだ乗組員のために』、『全契約800人正社員に スタバ、サービス向上へ』『コカ・コーラ缶130円 自販機の主力商品増税で10円値上げ』、『サイバー補導 昨年158人 ネットで援助交際持ちかけ』『訓練積んだ捜査員が接触 愛知県警』、『長谷川氏受信料払わず 05年 NHK君が代番組』「酷い」(27日付、中日夕刊)
☆『春祝うピンク 静岡・河津桜』、『「日中反感解消 古い世代の責任で 佐々江駐米大使呼びかけ』、『デリバティブも一時停止 ビットコイン 米、規制強化の動き』、『震災乗り越えた未来乗り越える ゴンタ=7歳。雄の愛猫=がいる大丈夫 仙台・元シャンソン歌手 孤独も不安も』(27日付、毎日夕刊)
☆『〈もう3年まだ3年 東日本大震災〉「海遮断 監獄みてえ」 ●住むのは俺たち●行政に届かぬ声』『防潮堤反対 釜石の住民が復興計画』、『「私は千畝。アンネ救いたい」 書籍破損事件 匿名で関連本137冊寄贈』、『汚染の不安 列島覆う』『PM2・5濃度、広域で上昇』、『〈中日ボイス〉真央の健闘「ダイヤ級」 ソチ五輪 40代以上、葛西に感動』(27日付、中日朝刊)
☆『混乱の痕跡今も 福島第1原発 中央制御室公開』、『安藤美姫さん名古屋路走る ウィメンズマラソン 来月9日、10.5㌔部門に』(27日付、毎日朝刊)

二月二十六日
 けさは驚いた。
 ピヨピヨ、ぴょぴょ、ヒヨヒヨ…。何やらただならぬ悲鳴のような、繰り返し叫ぶ、得体も知れぬ無気味な金属音が階下から波となって押し寄せてくる。あわてて一階にかけ下りると、台所ガスコンロ部分が水浸しになり、煙が充満しているではないか。傍に居た息子に聞くと「火の手が壁を伝って立ち上がろうとしていたので、咄嗟の判断でバケツに水を入れぶっかけたら、治まった」とのこと。
 慌ただしく鳴きやまぬ悲鳴は、台所天井部分に備えられている火災報知器からの警報音だった。
 どうやら、私と息子に朝食を食べさせたあと、自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」に出かける前のほんのひととき、積もり積もった疲れを癒やそうとそのまま寝入ってしまった妻が、ガスコンロの火をうっかり点けたままにしており、これが何かの弾みで燃え上がった。出勤前に近くに居合わせた息子の機転で大事には至らなかったが、【犯人は家のことをほとんどやらない私で妻は何も悪くなんかはない】と反省している。
 デ、これからは(もう自分の時間があるのだから)出来る範囲内で洗濯など家事の手伝いもしなければ、と思う。きょうの一件は、全て私に原因がある。
 午後、東邦ガス関連のキムラガステムのスタッフに来て頂いたが、ガスコンロ自体がもはや古いので、あす新しく取り換えてもらうことにした。不幸中の幸い、とはこのことか。このところ、コンロの点き具合があまりよくなかっただけに、ちょうど好い潮時である。ともあれ、火事になる一歩前での滑り込みセーフの功労者は三男坊である。
 ありがとう。たまたまその場に居てくれたのでよかった。
 皆さんも火事には、くれぐれも気をつけてください。
        ×        ×
 中国で深刻な社会問題となっている大気汚染物質PM2・5が、日本の各地に飛来、大阪、三重、石川、富山、福島…など10府県に注意喚起情報が出された。その元凶でもある中国では、きょう習近平国家主席が汚染地域を視察。「この空気を吸い、運命を共にする」と一般市民に呼びかけたという。中国で、大気汚染がとても深刻であることの証しと言ってよい。

【きょうの一文・ことば】
 落合さんは若いころ、野球を離れたときに本気でボウリングのプロテストを受験するつもりだったと聞きました。ベストスコアは280台とか。ほほパーフェクト(300点)、プロ並みですよね。/現在六十歳でまだまだお若い落合さん。大役を終えたらぜひ。お待ちしています。野球ファンを大勢連れてきてくれるとうれしいな。=26日付中日夕刊〈この道44 落合博満さん〉で筆者の中山律子さん
 自分らしく派手に自分に酔ってみようかなっ、と。オリンピックで活躍されたスキージャンプの葛西さんはじめ、テニスのクルム伊達さん、ドラゴンズの投手山本昌さんでレジェントカルテットといきたいですね。レジェント会でも作りますか。まず健康診断から、ですかね。=47歳の誕生会で。サッカーの三浦カズさん

【新聞テレビから】
☆『〈歴史秘話ヒストリア〉和泉式部の恋多き生涯 禁断の恋が平安王朝の一大スキャンダルに!』(26日夜、NHK総合)
☆『ビットコイン取引所停止 ネット通貨 最大級、400億円規模』、『強制連行中国で集団提訴 日本の2社を被害者ら』、『副知事にトヨタホーム社長 愛知 森岡氏、民間から初』、『NHK理事に辞表提出要求 籾井氏「社会でよくある」』、『開幕投手をダルに通達 (大リーグ、レンジャーズの)ワシントン監督』(26日付、中日夕刊)
☆『道路も舞台 (2014~2015年)秋冬パリコレ開幕=3月5日までの期間中、非公式参加も含め約110ブランドが主にショー形式でプレタポルテ(既製服)の新作を発表する』、『〈チェック〉遠藤=東前頭筆頭 女性くぎ付け 新十両・入幕「最速」続き』『ザンバラ髪に「王子様』/「若・貴」上回る懸賞』(26日付、毎日夕刊)
☆『TPP大筋合意見送り 閣僚会合閉会 次回日程は未定』、『社会的孤立に不満 名古屋駅車暴走 容疑者が供述』『守ってくれてありがとう 木に、ばんそうこう』、『架空発注で詐取疑い NHK元研究員逮捕』(26日付、中日朝刊)
☆『虚偽情報で株価つり上げ ネット書き込み 容疑者立件へ 名地検』『「非常に割安」-ブログにつづる』、『元交際相手の裸画像投稿 名誉棄損容疑 埼玉の男逮捕 愛知県警』(26日付、毎日朝刊)

二月二十五日
 わが最愛の妻、舞の戸籍上の誕生日である。戸籍上とは、本当の誕生日は四年に一度だけ、の二月二十九日のためで「二月二十五日」は市役所にご両親が届け出た日、とのこと。
 何はともあれ、心から、おめでとう。そして何より、健康に気をつけ、これからも幸せな日々を過ごしてほしい。いまだに家事ひとつ出来ず悪いな、と思っている。

 きょうは詩の創作に挑んだ。日本ペンクラブの会員仲間でもある京都のある同人誌結社の主宰と、名古屋在住の知り合いの中国人女性から頼まれたためだが、書きながらつくづく「詩」も実体験が抱負でなければ自然なセンテンスはなかなか浮かばない、とそんな気がした。
 デ、私なりに乏しく、かつハチャメチャの経験の中から、どんなラヴストーリーが生まれ出るのか。いましばらく時間がほしい。
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 今夜のCBCのNEWS23。「日米関係…亀裂の原点 靖国で失望には伏線が」を興味深く見た。日本の安倍政権はここにきて、日韓、日中関係の悪化に加え、日米間までがギスギスときしみ始めている。ざあっと、そんな論調とお見受けしたのだが。アメリカは日本にとっては重要なパートナーだけに、こんごの日米間が少し気になるところだ。
 安倍さんに訴えたい。やはり安倍首相は靖国参拝は、しばらくやめた方が国際社会の誤解を解くカギにはなる、と。私はそう思うのだが……。
 
【きょうの一文・ことば】
 ♪青きは人の肌にして 黒きは人の心なり
 あのね、僕はネ。黒い人の心は食わない。すべてが黒いんだから。僕はこの黒さを探究したい。本当の黒だったら、たいしたものだよ。……人生劇場ですが、あれは全部私の空想で書いたものです。……浪花節。こどものころ好きでしたね。浪花節を無視したら、日本人を引きつけることは出来ないのだから。類型的ではあっても、個性的なものだ。誰が唄っても、下手だけども1節だけは必ずいいところが出てくる。=26日NHKラジオ第二〈ラジオアーカイブス・カルチュアラジオ〉の中の『文壇よもやま話』で。小説家尾崎士郎さん(故人)

【新聞テレビから】
☆『真央引退は「半々」帰国会見』『「ソチの風」日本に 羽生ら選手団到着』、『セイノ―会長=田口義嘉寿さん(75)=が岐阜名誉県民に』、『原発再稼働を明記 エネ基本計画 政府案を決定』、『大須演芸場席亭=足立秀夫さん(80)=引っ越し 「残念無念」』、『TPP交渉合意先送り 閣僚会合が閉幕へ』(25日付、中日夕刊)
☆『白鵬 社会貢献でも存在感』『募金活動や献血運搬車寄贈「角界の父」の意志継ぐ』、『津波犠牲銀行の想定外 行員遺族の賠償請求棄却 仙台地裁』(25日付、毎日夕刊)
☆『〈大相撲春場所〉遠藤躍進 前頭筆頭「こんなに上がるの」』『横綱対決意気込む』『夢は兄弟V決定戦 新入幕の千代丸』、『新「大名古屋ビルヂング」 三越伊勢丹が出店』(25日付、中日朝刊)
☆『アンネのいとこ「心痛」 本破損=東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連書籍300冊以上が破られた= 広島の記念館に電話』、『2・26事件 憲兵幹部「機密日誌」 戒厳司令部/反乱将校の自殺要求 憲兵側/取り調べを 攻防生々しく記録』、『ウクライナ 前大統領指名手配 旧与党から脱退相次ぐ』(25日付、毎日朝刊)
☆『感謝を込めて中スポきょう60周年 イチロー使用バットプレゼント』(25日付、中日スポーツ)

二月二十四日
 ソチ冬季五輪が多くのドラマを残して十七日間に及んだ大会の幕を閉じた。何より期間中、心配されたテロも無く平和の祭典が無事終わったことを喜びたい。
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 一時、首都キエフを中心に内戦状態化するかと危惧されたウクライナでは、その後、政権が崩壊し大量の市民殺害容疑で指名手配されたヤヌコビッチ大統領が逃亡する事態となっている。もぬけの殻同然と化した大統領の豪邸は開放され市民が出入りしているが、テレビニュースで「こんな豪邸を作る人間に国民の資格はない」と怒りを露わにする姿も。ヤヌコビッチ氏は一体、どこに逃げていったのか。
 日本では関東甲信地方を中心に大雪で一時、孤立状態に陥っていた被害地域でキュウリやトマト、ホウレンソウなど葉ものを中心とした野菜や果物など農産物への影響が日に日に拡大。群馬、埼玉、山梨、栃木を中心に1都8県での被害額が650億4000万円以上に達しているという。
 農業用ハウスが破壊され、使用することが出来なくなってしまった農家も多く、「いまは脱力感に襲われているが、これから日が経つにつれ事の重大さが身にしみてくると思うと、どうしていいものやら」(イチゴ栽培農家)と嘆息する農家が相次いでいる。当然ながら、政府による早急の対応が望まれている。ビニールハウスの暴風雪や大雪による倒壊破損は実は、三十一都道府県で一万四千件にも及んだ、という。
 品薄がたたって野菜の価格も全国的に高騰。関東地方では3本178円だったキュウリが2本で198円と1本当たり、60%以上の暴騰となる、など先が見えない状態だ。ちなみに、今日現在の積雪量は、埼玉・秩父が29㌢、福島17㌢、札幌95㌢だといい、春はまだまだ遠い。
 
 南極海では反捕鯨団体のシー・シェパードがまたしても、日本の調査捕鯨船二隻に対して信号弾13発を発射して威嚇、調査捕鯨を妨害した。これには日本政府も「早急に妨害行為を止めるよう」シー・シェパードの船籍のあるオランダなど関係国に申し入れをしたというのだが。ウクライナも、日本も、南極の海も…どこもかしこも騒然としている。

【きょうの一文・ことば】
 (ソチ冬季五輪に関連し)国内外で一番感動を与えたのは浅田選手です。敬意と感謝を申し上げたい。=24日のNHKニュース〈浅田選手ら6人に愛知県のスポーツ功労賞〉のなかで。大村知事
 ここまでの道のりは一人では出来なかった。(金メダルは)たくさんの方々と一緒にかけているような気持ちです。東日本大震災の復興のために出来ることがあるんじゃないか。それに対するスタートだと思っています。=24日NHKソチ五輪・総集編の仲で。金メダリストの羽生結弦さん
 2006年、私は韓国人として。そして私はいま、ロシア国籍を取得したロシア人として。それでも金メダルは同じで、とてもうれしかったです。=24日夜〈メ~テレ 報道ステーション〉のなかでスピードスケート500㍍金メダルに輝いたビクトル・アンさん(28)
 私は両親から大きな視点で、と言われていた。兄貴分のデニー・モリソン(28)には借りがあるし、これで返せたら、それだけでいい=男子スピードスケート1000㍍でデニー・モリソンに出場を譲ったギルモア・ジュニオさん(23)=24日夜〈メ~テレ 報道ステーション〉の記事中で

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 【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉平和の祭典穏やかに幕 日本メダル8個 歴代2位』『真央万感「世界が一つに」』、『米韓が合同で軍事演習開始』、『デモ犠牲者を追悼 ウクライナ 献花台設置』、『死体遺棄容疑男逮捕へ 半田 女性はね、池に運ぶ?』(24日付、中日夕刊)
☆『欧米、野党と連携強化 ウクライナ 露の影響けん制』、『衆院補選4月27日 徳田議員、辞職の意向』(24日付、毎日夕刊)
☆『3万6千人都心駆ける 東京マラソン(中日新聞東京本社など共催)』、『冬の熱闘次は平昌(ピョンチャン)で ソチ五輪閉幕』『選手らリラックス ソチ五輪、笑顔で幕』、『歩道に車突入13人けが 名駅「殺すつもり」男逮捕』、『父刺殺容疑22歳男逮捕 美浜「生活態度注意され」』、『8カ月長女に熱湯 東京・町田 傷害容疑で父逮捕』(24日付、中日朝刊)
☆『避難指示4月1日解除 福島・田村 制限なく帰郷』『大川小遺族 石巻市提訴へ 検証委報告受け「適切な避難させず」』、『ウクライナ政権崩壊 大統領罷免 5月選挙実施』『元首相、出馬表明』、『回送電車衝突し横転 京浜東北線 線路に工事車両 川崎』(24付、毎日朝刊)

二月二十三日
 きょう2月23日は「富士山の日」だ。
 昨年六月に世界文化遺産に登録され初めて迎える記念日である。

 本日付の新聞報道によると、一八九〇年に和歌山県串本沖で遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル」号の犠牲者とイラン・イラク戦争時の一九八五年にテヘラン空港に取り残された日本人をトルコ航空機で危険を顧みず救出、昨年二月に死去したトルコ航空元機長、故オルハン・スハルジュさんを追悼するキャンドルイベントが昨日、串本町の「エルトゥールル」号慰霊碑前で、トルコと日本の国交樹立九十周年記念も兼ねてあったという。 
 この催しは、地元、串本町の国際交流協会が主催し〈友情のともしび〉をメーンテーマに実現。セルダル・クルチ駐日トルコ大使らが参列し、式典後、約六百本のキャンドルに火がともされ会場は幻想的な雰囲気に包まれた。エルトゥールル号の遭難では多くの乗組員が犠牲になったが、地元住民の献身的な救助で助かったトルコ人もあり、これをきっかけに両国の友好交流が始まったいきさつがある。
        ×        ×
 午後。母を訪ねる。顔を合わせるや「きょうは天気がよいので、畑に行くところなの」の弁。邪魔してはいけないので早々に退散。でも、内心は満九十三歳という高齢だけに心配だ。
 それでも、とてもよくお似合いのかっこいい頭巾を頭にかぶり、三輪車に乗って出かける母には敬意を抱き、心で「無理しないで。頑張って」と声援を送るボクたちがいた。
 本音は「あんまり無理しないでよ。こちらまでが緊張してしまう」と言いたい。でも、母のことだ。心配ないだろう。一人で出かけるというものを止めるわけにもいくまい。

 午後二時過ぎ、JR名駅近く歩道に暴走車が突っ込み、十二人が重軽傷を負った。愛知県警は乗用車を運転していた三十代の男を逮捕。調べによると、現場にブレーキ痕はなく男は「人を殺そうと思ってやった」と供述しているという。

【きょうの一文・ことば】
 「何かあったら先生が助けに行くよ」(佐藤信夫コーチ)=23日夜、中京テレビ『〈真相報道バンキシャ〉真央…涙の自己ベスト 復活支えた先生の言葉』のなかで。佐藤コーチの言葉
 「真央ちゃん、あぁ見えても男っぽい。一日で突然よくなるの、よく分かる気がする。人生劇場の世界そのものなのだから」=何を思ってか。舞がポロリと漏らした
 「真央ちゃんは、ふたつのことを教えてくれた。ひとつは〈言い訳はいらないよ〉と言うこと。今ひとつは〈人生急ぎなさんな〉ということ」=23日夜、〈真相報道バンキシャ〉の中で。作家山本一力さん
 「自分の身の回りは奇麗にしていたい。それと同じように家の周りや、自分の暮らす街、そして山や川や湖畔や海も、全てを自分の宝物だと思えば、ごみを捨てたり、汚したりすることなく、素晴らしい自然環境を取り戻すことができ、大切にする心も芽生えてきます。=23日付毎日朝刊〈きょう「富士山の日」〉特集の中で。福岡ソフトバンクホークス会長 王貞治さん

【新聞テレビから】
☆『朝鮮半島3・1独立運動95年 200万デモが問う日本の植民地支配 オ・ユン・ヒ―帝国日本の拷問に負けず』(しんぶん赤旗日曜版 2月23日号)
☆『解釈改憲「相当な不安」 河野元衆院議長 首相の手法非難』『「失言でしょうか?」NHK会長、経営委で持論』、『ウクライナ野党首都掌握 政権崩壊の様相』『ティモシェンコ氏釈放 大統領選出馬の意向』、『陸前高田の松7000人が彫り天女に 流木仏に復興魂=大津市在住の仏師渡辺勢山さん(61)』、『名古屋外大教授が盗用 学科長 論文17㌻、ほぼ丸写し』(23日付、中日朝刊)
☆『皇太子さま54歳に 20年東京五輪「子どもたちに夢」』(23日付、毎日朝刊)

二月二十二日
 最終講義を終え、花束を受け取る山田教授=名市大山の畑キャンパス講義棟で
 
 
 名古屋市立大学人文社会学部の人気、名物教授として異彩を放ち続けてきた、あの山田明さんの最終講義が瑞穂区の山の畑(滝子)キャンパス201講義室で行われ、私も出かけ受講した。山田さんには過去、私が問題認識特別講座の非常勤講師として学生たちに講義するに当たって、お世話になってきただけに感慨新たないっときとなった。
 最終講義は【地域から現代社会を考える】をテーマに学生時代、松本市県(あがた)の森の信大文理学部=旧制松本高校=を拠点にしての学生闘争に自ら加わった体験に始まり、その後の「社会資本論」で知られる大阪市立大学の宮本憲一教授門下に入っての研鑽努力、さらには名古屋市立女子短大、名市大と計三十五年に及んだ学生たちと一体になっての波乱の教職生活を面白おかしく披露するなかで始まった。
 最終ならでは。ご自身の過去を振り返りながら進んだ講義は、名物、行動派教授ならでは、実体験も踏まえ、お得意のギャグもしばしばまじえての、なごやかな展開に。映像も再三流されるなか、爆笑も何度かで笑いあり、涙あり、はてまた怒り、各マスコミでの発言に代表される回想のエチュードあり…で、さすが〝財政の神様〟らしい歴史的な授業となったのである。
 具体的には▽市町村合併と自治体自立への展望▽(3・11東日本大震災に関しては)出来る限り現地に足を運んで現地の空気を知るべきだ▽どんな時も地域から問題を投げかけ、アプローチする▽陥りがちな自治体ポピュリズム(迎合主義)を問う▽若者のローカル志向とまちづくりへの関心の高さ▽商店街に飛び出して行う調査実習の大切さ、などを強調。
 さらに最終講義を2月22日の午後2時からに設定したわけにつき、「わが恩師である宮本憲一先生の大阪市大退官記念授業が1993年2月2日だったから、など私の人生にとっては〈2〉に何かと縁があり、とても大切な日なので。あえてこだわりました」の弁。最後に昨年暮れの政府による秘密保護法の強行可決にふれ「現在の状況は決して楽観視できるものではない。このままだと大学の教育の自由が損なわれかねない、と心配している。皆さんも今がどういう時なのかをしっかり認識して学問の道に励んでほしい」と結んだ。
 最終講義に続き、学生や教師仲間代表らから、はなむけの言葉が送られたが「(調査実習やゼミなど楽しかった日々を振り返り)どこまでも優しく、かつ行動的な山田先生あっての学生生活でした。ありがとうございました」との声が相次いだ。
        ×        ×
 〈2〉といえば、私の長男がこの日、2月22日に志摩半島阿児町鵜方(現在は志摩市阿児町)で生まれた。あの日は雪が降り、夕刊に「南国志摩に雪が降った」と大騒ぎして飛び回った記憶がある。その息子も今は、日本を代表する工学博士として日々研鑽に、これ努めている。この先、世のため人のためになる研究成果に期待したい。

 小中陽太郎さん(正面向かって左から四人目。ほぼ中央の人)を囲んで、六人目が私

 帰宅したら、「翔べよ源内」(平原社)で第一回野村胡堂賞を受賞した「小中陽太郎さんを祝う会」で昨夜、名古屋市内で撮られた写真三枚が櫻井健多さんからメールで送られてきていた。さすが、フットワーク〝ぴかいち〟の彼ならでは、の速さだ。こうでなくっちゃあ、健多さん! お忙しいところをありがとう。
 
【きょうの一文・ことば】
 「足もとを掘れ、そこに泉がわく」(ニーチェ)「よく耐えて、時の力をたのむべし」「自分の力を信じ前向けにやれば、道は開ける」=22日午後、山田明名市大教授の最終講義でのことば

【新聞テレビから】
☆『米大統領ダライ・ラマ会談 チベット人権擁護を表明』『中国「強烈な憤慨」』、『「息子に会える気が…」 NZ地震3年 追悼式』(22日付、中日夕刊)
☆『ウクライナの誇り デモ犠牲者にささげる 20年ぶり金 バイアスロン女子24㌔リレー』『ウクライナ 元首相を釈放方針 沈静化へ野党に配慮』、『除雪車、作業員、温かい心… 新潟の助太刀に感謝 大雪被害の3県(山梨、群馬、埼玉)』(22日付、毎日夕刊)、
☆『覚せい剤、スリッパの底に 逮捕の稲沢市議 預かった見本品』、『「辞表預けて」理事に要求 NHK会長、人事権強調』、『自殺?の男に逮捕状 群馬 殺害女性の元交際相手』、『〈雪よ氷よ〉「私は真央の一番のファン」 母へ 胸打つ演技』、『アンネの日記288冊破られる 都内の図書館で被害』、『スマホやけどに注意 充電中の発熱、相談急増』(22日付、中日朝刊)
☆『「ブォー」夜中に跳び起き 風車「騒音もう限界」 田原の男性提訴へ』『風力発電基準なく 全国64カ所で苦情』、『愛知県警免許課次長 タダで路上研修 「大型 取りたかった』、『元法相、警視総監 下稲葉さん死去=下稲葉耕吉さん。87歳』(22日付、毎日朝刊)

二月二十一日
 ソチ冬季五輪。
 きのう、日本中が落胆と失望、絶望の底に沈んだと思われたフィギュアスケート女子。きょうは、浅田真央選手が後半のフリーを、一点の曇りもない完璧な演技で滑り切った。前日のショートプログラムの不調が信じられないほどの伸びやかで華麗な演技には日本中が歓喜とドヨメキ、感嘆に包まれた。
 メダルにこそ、届かなかったが自己ベストを更新する出来栄えには各地で称賛の声が沸き上がり、真央ちゃん自身の表情にも達成感みたいなものが感じられた。真央ちゃん! プレッシャーを跳ね返して「よくぞ」というのが、私の偽らざる気持ちである。本当によかった。これほどまでに人々の悲しみを拭い去ってくれた美しい演技が、かつてあっただろうか。
 まさに歴史に残る、金メダルを超える心を打つ名演技であった。

 フィギュア女子後半フリーでの日本勢の活躍を伝えるNHKニュースと見事な大回転、ホッとした表情の真央ちゃん=いずれもNHK画面から
 
 
 
 

 街の声もいい。「よくやってくれました。ありがとう。」から「金メダルより、すごかった。」「愛知の誇りです。胸を張って帰って来てほしい」「もう、泣けて。泣けて。お化粧がとれるくらいにまで泣きました」「私にとって、心に残る演技をしてくれたのは、真央ちゃんが一番。」など。
 みんな、好い人ばかりである。私自身、何よりも後半の演技まで崩れたら、日本中が絶望の淵に意気消沈してしまいかねないと心配していた。それだけに、真央という大きな明かりが、またポッと点いた感じで「よかったな」と思っている。
        ×        ×

 ウクライナの首都・キエフでは、野党勢力でEU寄りの反政権デモ隊とロシア政府を支持する治安部隊の衝突が繰り返され、内戦状態といってよく、わずか三日間に七十五人もの尊い命が失われた。福島では超高濃度汚染水が百トンも漏れ、山梨、群馬、埼玉、東京では大雪に孤立地区が続出した。
 このほか、元交際相手を拳銃で殺害したと見られる男が拳銃自殺したり、スマホで「死ねよ」のメッセージを送りつけ交際相手の女性を自殺させる、官僚たちによる贈収賄汚職……と、この世はまさに地獄の様相にある。

 それだけに、スポーツという純な道ひと筋に情熱を燃やし、家族や同志らが支え合って生きてゆく人間たちの姿ほど清らかで美しいものはない。ソチ冬季五輪。このままテロもなく無事終わってほしい。
        ×        ×
 夜は「翔べよ源内」(平原社)で第1回野村胡堂賞を受賞した小中陽太郎さんを祝う会が名古屋は伏見の「酒座」であり、出席させて頂いた。帰りは、このところ気になっていた自宅近くの居酒屋「てまり」へ。てまりは、私の小説「カトマンズの恋」の女性主人公と同じ名前で、一度のれんをくぐろう、と思っていたお店だったから。
 行って良かった、と思っている。「酒座」と「てまり」で。今宵もよく飲んだ。あすは無事、起きれるか。いまは少し頭痛がする。

【きょうの一文・ことば】
 四年間やってきたことが出来て、今まで支えてくださった人にも恩返しができたと思います=ソチ五輪・フィギュア女子後半のフリーを演技後、浅田真央さん
 平和運動はじめ学問、文学、酒のみ仲間たちに心から感謝したい。ありがとう=野村胡堂文学賞第1回受賞記念の「小中陽太郎さんを祝う会」で小中さん
 全国のみなさま、わたしはもうだいじょうぶです。ほんとうにありがとうございました=21日付中日朝刊『父のぬくもり少女の胸に 暴風雪遭難1年で手記』『「人想える大人に」■「もうだいじょうぶ」 岡田夏音』の記事から。夏音さん

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉真央最高の演技 最後は笑顔、6位 「自分を信じて、跳ぼう」』『〈雪よ氷よ〉終章真央の恩返し 亡き母の導き窮地に力』『地元も健闘に拍手「まだやって」「4年後へ継承を」』『鈴木らしさ貫いた 闘病の夜抱き締めた母 8位「遅咲きでも頑張れる」』(21日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ五輪2014〉小野塚=小野塚彩那(25)、石打丸山ク=銅 FSスキーHP(ハーフパイプ)』『祖父の形見に誓った世界のトップ』(21日付、毎日夕刊)
☆『〈ソチ2014〉それでも前へ跳ぶ 真央フリーで3回転半成功』『最後の舞台に誇りかけ』『〈雪よ氷よ〉母キラリ娘の目に スキーHP 三星 出産後に復帰』『13年度から文科省 競技と育児両立支援』、『2度目の人生日本がくれた 一宮の比女性、臍帯血移植に成功』(21日付、中日朝刊)
☆『通行止めいつ 自衛隊派遣要請 大雪対策重い宿題』、『南京事件プレスツアー 中国外務省、外国人記者に』、『テントに負傷者次々 ウクライナ・キエフの独立広場 まるで野戦病院』、『南北家族再会始まる 北朝鮮、金正恩(キムジョンウン)体制で初』、『タリバン潜伏地空爆 パキスタン政権側 和平路線を放棄』(21日付、毎日朝刊)

二月二十日
 ソチ五輪はきょうの未明、日本期待のフィギュアスケート女子のショートプログラムが幕開け。村上佳菜子(19)=中京大=、鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=、浅田真央(23)=中京大=の順で演技が進んだ。
 ところが、どうしたことだ。一体、何があったというのか。
 前回バンクーバー五輪銀メダリストで、五輪二連覇を狙う韓国の金妍児と並んで最も金メダルに近いはずの浅田がトリプルアクセル(3回転半)で転倒するなど三つのジャンプすべてでミスが出て、55・51点の十六位と信じられない結果になってしまった。
 村上も55・60点の十五位と出遅れ、鈴木は60・97点で八位のスタートとなった。このうえは、あす未明に行われるフリーでどこまで点差を縮められるか、にかかっている。

 きょうの新聞テレビ各社が伝える真央ちゃんの痛々しい表情を見ていると、こちらまでが悲しくなってくる。いや、日本中の人々が信じられない落胆で胸を痛めている、といっていいだろう。このうえは、せめて最終のフリーだけでも全てを忘れ、真央ちゃんらしい演技を見せてほしい。
        ×        ×

 【五輪の魔物、と片付けるにはあまりに無情な一夜だった。…】とは、中日新聞の本日付夕刊軟派社会面の書き出しである。ほかに『真央まさかの16位』『かみ合わない心と体』などの見出しが躍るなか、それでも『心はフリーに』『真央「自分の演技する」』『「悔いない滑りを」観戦のファン』…と、なお温かい気持ちで真央ちゃんの滑りに夢をつなぐ気持ちがありあり、だ。ファンとは、ありがたきモノだと実感する。
 「真央ちゃん、心が折れてしまうか、大変心配です。でも自分を信じて演じ切ってほしい。そしてあなたの、あの笑顔をみたい」

 人生、誰にだって山あり谷ありとは、よく言ったものだ。
 二十日の真央ちゃんの失敗は、逆に絶望の淵で日々生きる人々にとっては、どこかで運命共同体的な意識と発想が働き、たとえ苦しく辛いことがあっても心を取り乱さず「前」に向かって歩き直すことの大切さを暗示しているような、そんな気がしてならない。
 人間だれとて、いいことばかりではない。天国のような日に恵まれたかと思えば、ある日突然、地獄のような日に襲われることだってある。そうした面ではフィギュアスケートを見ながら「真央ちゃん、負けないで! 互いにくじけないでいこうよ」と思った人々も多いのではないか。

 泣いても笑っても、あと一度だけ。三選手には、最後の集大成を見せてほしい。そして。ソチのリンクを笑顔であとにしてほしい。
 深夜遅く。テレビを見ていたら、われらが真央ちゃんの転倒につき、あの森喜朗元首相が「負けると思っていた。あの子は、大事なときに、決まって転ぶ」と話した。大変なプレッシャーのなかで一生懸命、演技をしている真央ちゃんに対して大変失礼な発言ではないか。「ゴルフざんまいの料亭太りだった男が何言ってるのよ。不謹慎も甚だしい」とは、傍らの女性。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長たる男としては、なんとも安易で選手の気持を踏みにじる発言か、と思う。文句があれば、私、伊神権太に直接、電話をくれたまえ。真央ちゃんの気持が分かっているのか。問い質したい。

【きょうの一文・ことば】
「滑り始めてから自分の気持ちと自分のからだを、うまく動かせることが出来ませんでした。終わってみて自分でも、まだ何も分かりません。あしたは自分のフリーの演技をしたい、と思います」=ソチ五輪、ショートプログラムを追えたあと。浅田真央の発言
「4回も五輪を経験しないと、ここまで来られなかった。これを機に、スノーボードの認知度が高くなってくれれば」「(銀メダルを獲得してから「携帯が鳴りっぱなし」というほどの反響があるという)=20日付、中日夕刊『やっと、ここまで来た スノボ竹内 銀授与式』の記事中、スノボ竹内さんの言葉

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉真央まさかの16位 鈴木8位 村上15位 フィギュアSP』『かみ合わない心と体』『やっと、ここまで来た スノボ竹内 銀授与式』(20日付、中日夕刊)
☆『高濃度汚染水漏れる 福島第1 配管の弁開き100トン』、『銃撃の痕女性死亡 交際トラブル 男性の行方捜査 群馬』(20日付、毎日夕刊)
☆『〈特報〉教委、自民改革案で国・首長の意のまま?』『危ぶまれる教育の中立』、『〈ソチ2014〉スノボ竹内銀 パラレル大回転 女子 今大会初メダル』『挑戦4度戦術熟知』、『「米に失望」一転撤回 衛藤補佐官、菅氏指示受け』、『可児市が地域通貨 新年度 奉仕活動1時間で100円』(20日付、中日朝刊)
☆『ノバルティス家宅捜索 東京地検 薬事法違反容疑』『バリ遭難 船長一転訴追へ 地元当局「不作為の可能性』『漂流中励まし合い 救助の4人』(20日付、毎日朝刊)

二月十九日
 雨水。雪が雨に変わり雪どけが始まる頃だ。
 十九日のソチ冬季五輪。スノーボードの女子パラレル大回転で四大会連続五輪出場の竹内智香選手(30)=北海道出身。広島ガス=が銀メダルに輝いた。日本女子では今大会初のメダル、日本女子スノーボード界にとっても五輪初の表彰台となった。
 決勝2回目終盤の転倒さえなければ、金メダルも十分可能だったのに…。それでも、本場スイスに乗り込んでの努力と執念は十分、結果を残し開花したといっていい。

        ×        ×
 先日の発表会後、初の横笛の稽古日で名古屋へ。
 師匠と私とは同じ戌年同士。【1本の横笛】を巡る品格の話に始まり、人としてあるべき礼儀作法とか、真の美、若さとは何か、などいろんなことで話が弾み多くを教えられた。

 発表会の席で、師匠から「うちの愛犬・オイデちゃんが、今月2日にとうとう亡くなりました」とお聞きしていたので、供養を兼ね持参したハーモニカで♪別れることはつらいけど しかたがないんだ 君のため……と、〈星影のワルツ〉を演奏し哀悼とさせて頂いた。
 このご、オイデちゃんの最期に話が及んだが、亡くなる前は重い病を患っていたばかりか、目も見えなくなり、やっとのことで壁伝いに一生懸命歩く―など、長寿(推定16~17年)とはいえ、痛々しく大変だったという。それでも、オイデちゃんは主人の優しさに甘えて、少しでも長く生きようとし続け、がんばった。
 あくまで主人に忠実だった、ちいさな命のひとつの生涯。老衰による死とはいえ、どんな気持ちでいたのだろう。私は、そのけなげなオイデちゃんのつぶらな瞳を思いだしながら立派な堂々たる旅立ちには、心から敬意を表し拍手を送りたい。

 私自身、生前のオイデちゃんには、何回かお会いしており横笛をふくつど、どんなに下手な私でも〈ワン、ワンッ〉〈ワン、ワンッ〉と、なんど励まされたことか。かわいくて、とても賢いワンちゃんであった。と同時に、わが家にも老いた猫二匹がいるだけに、他人ごとではなくこの先大切にしてやらなければ、との思いを新たにした。
        ×        ×
 オイデちゃんの死を悼むわが家の愛猫。こすも・こことシロちゃん=19日写す
 
 
 
 帰ると、次女猫のシロちゃんは定位置にいたが、長女猫のこすも・ここの姿が一向に見当たらない。さては昇天する気か、と家中を捜しまわったが、どこにもいない。が、2時間ほどすると、二階寝室の敷き布団と毛布の間に潜入しスヤスヤ眠っていたことが分かって、やれやれ。一件落着とあいなった。

 犬と猫との違いこそあるが、ふたりには、もちろんオイデちゃんの死を報告した次第である。生前のオイデちゃんには、「いいぞ、おじさん。いける、いけるよ!」といつも励まされどおしだっただけに、この場を借り心からお礼を申し上げたい。
 おやすらかに―

【きょうの一文・ことば】
 自分にとって家族、ふるさととは何かを考えて頂くきっかけとなれば=NHK朝のニュース〈福島を描く映画に出演 松山ケンイチさん〉の中で松山さん
 太宰の説によると「豆腐は酒の毒を消す。味噌汁は煙草の毒を消す」というのだが、じつは歯がわるいのと、何丁平げても高が知れているところから豆腐を好むのである。=津島美知子の「回想の太宰治」〈御崎町〉から抜粋
 生きて帰ろう。海で24時間漂流してがんばったのだから。もっと頑張れる=バリ島でスキューバダイビング中に行方不明となり、その後救助されて生還した女性のことば

【新聞テレビから】
☆『〈雪よ氷よ〉「真央さん楽しんで」応援あめ 宿命対決今から興奮 「ヨナさんの一生懸命さ好き」』、『ウクライナ首都21人死亡 デモ隊と警官隊衝突』、『中央線が全線再開』、『ノバルティス社を捜索 東京地検 降圧剤誇大広告疑い』(19日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ五輪2014〉あす未明にSP 浅田努力信じて フィギュア女子3強激突 女王の風格金妍児 伸び盛りリプニツカヤ』、『宅配、郵便影響続く 記録的大雪 孤立7都県2876世帯』(19日付、毎日夕刊)
☆『バリ1人の遺体発見 不明場所から25㌔ 宮田さん=観光客の宮田律子さん(59)=と確認』、『介護保険料5000円突破(一人当たり月額5273円となる見込み) 14年度予想 40~64歳、最高更新』、『〈ソチ2014〉竹内勇気のジャンプ 団体銅「同じ難病患者に元気を」』『複合ラージヒル渡部暁6位』(19日付、中日朝刊)
☆『農作物大雪被害190億円 群馬など7県 食材に大打撃』『孤立3571世帯に』『愛知で停電360戸』(19日付、毎日朝刊)

二月十八日
 人間とは。逆境にあって、ハンディが大きければ大きいほど、力を発揮する。どうしてこれほどまでに力が出るのか。
 葛西の涙を報じるメ~テレの報道ステーション

 「この団体に選ばれ良かった」と葛西選手
 

 銅メダルに輝いた16年ぶりの〝日の丸飛行隊〟
 

 難病の可能性を告白した竹内選手=以上、いずれも18日夜の〈メ~テレ〉報道ステーションから
 

 葛西紀明(41)=土屋ホーム=が泣いている。清水礼留飛(20)=れるひ。雪印メグミルク=。竹内拓(26)=北野建設=。伊東大貴(28)=雪印メグミルク=も、だ。
 みんな泣いている。
 応援していた人たちも、だ。

 ソチ冬季五輪第十一日の十七日、ノルディックスキー・ジャンプ団体で日本は銅メダルに輝き、試合後、銅メダルに輝いた四人は、それぞれに言い知れないハンディを抱え、辛く、かつ厳しかった道のりを胸に、歓喜にむせび、泣いた。栄光の「涙」をありがとう。よくやった。ニッポン!
 銅メダルを伝える各局のテレビ画面。選手のひと言ひと言に、私の目からも涙が落ちて止まらない。涙とは、不思議ないきものだ。ぬぐってもぬぐっても、溢れ出てくる。

 日本の男子ジャンプ陣がソチ冬季五輪のジャンプ団体で見事、銅メダルに輝いたきょう、【2月18日】は、十六年前の長野冬季五輪で日本ジャンプ陣が金メダルを射止めた日と奇しくも同じ日。どこか運命的なものを感じるのは私だけか。おそらくテレビの前にかじりついて見ていた日本人の多くとて同じに違いない。
        ×        ×

 文庫本「回想の太宰治」(津島美知子著)を手に、江南厚生病院へ。
 きょうは月一回の妻の定期受診のためだ。このところの寒さもあってか、どうしても上がりがちな血圧手帳を見せると、「もう少し下がってくれたらよいのですが」と担当医師。
 それでも、変わりはないようでホッとした思いで帰宅した。でも、油断は禁物である。

【きょうの一文・ことば】
 いや、嬉しいです。もう、みんな頑張ったんで。タケは病気、ダイキも膝を痛めて…そのなかで、みんなで(それぞれのハンディを乗り越え)力を合わせトライしてきたので、メダルの色は関係なく、嬉しい。みんな四人で。(後輩たちには)なんとしてもメダルを取らせてあげたいと思っていたので…。よかった。金メダルをとれなかったのは悔しいけれど、まだ(次回には)可能性があると思います。=ジャンプ団体3位(銅メダル)になった日本チーム主将葛西紀明選手(41歳)
 ものすごく緊張しましたが、思い切って飛びました。先輩たちの頑張りでとれたメダルです。葛西さんは私にとっての〝父親〟も同然です=清水選手
 入院したとき五輪には出られないかも、とアキラメかけたけど、なんとかここまできた。今できる精いっぱいのジャンプだった。家族の支え、そして病院の人とか本当にいろんな方々に助けてもらって感謝しています。=竹内選手
 (左膝の)痛みと闘いながらのジャンプでしたが、本当に痛かった。終わるまでは痛いと言いたくなかったから、(膝が)最後までもってよかった。メダルはノリ(葛西)さんが決めてくれた=伊東選手

【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉ジャンプ団体銅 長野以来16年ぶりメダル 葛西が泣いた』『〈雪よ氷よ〉年の差飛行隊結束 最大21歳 勝負魂厳しく楽しく』『竹内が「難病」告白』、『残る2人の救助急ぐ バリ沖不明「岩礁でライト」情報も』『ヤシの実で飢えしのぐ バリ生存者 漂流一夜、離れ離れに』(18日付、中日夕刊)
☆『大雪影響 孤立集落、依然5623世帯 中央、関越道 通行止め解除』『大雪道路寸断 甲府の物流再開 中央道や国道開通 市場活況戻る』(18日付、毎日夕刊)
☆『〈通風筒〉◇…地域の繁栄と豊作を願って山盛りのごぼう料理を食べる福井県越前市の伝統行事の「ごぼう講」が十七日、市内の民家であった。……』、『9000人超孤立続く 大雪死者19人、食料空輸』『大雪トヨタ4工場停止 物流混乱、部品納入遅れ』『中央道ほぼ全通 大月―河口湖除き』『飯田線(愛知県豊橋市―長野県辰野町を結ぶ)運転再開へ』『豊根村の8割停電』、『日本人女性5人生存 バリ4日目、2人は不明』、『リニアからSL乗車 岐阜県構想 中間駅、明知鉄道結ぶ』『〈2014ソチ〉カーリング女子 日本が中国破る』(18日付、中日朝刊)
☆『大雪流通機能マヒ 野菜「品薄」、値上がりも』『集落、孤立続く 関東・甲信』『東海地方1500戸で停電 倒木、復旧作業阻む』『トヨタ プリウス生産に影響』、『ラグーナ蒲郡 愛知県新たな負担も 施設売却 分譲地の行方不透明』(18日付、毎日朝刊)

二月十七日
 東日本大震災を受けた復興特別所得税が従来の所得税に2・1%上乗せされる2013年分の確定申告がきょうから始まった。私も一市民として妻の舞と一緒に受付会場に出向き、申告させて頂いた。こうしたことは苦手だけに、舞の手助けで気になっていた申告を終え肩の荷が下りた。
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 ソチ冬季五輪での羽生、葛西、渡部、平野、平岡、上村、高梨さん…ら数多くの選手の活躍の一方で、日本の多くの地域がいま雪に閉ざされ、大変な事態に陥っている。自然災害が起きる度に思う。ニンゲンたちはやはり、自然を相手に日々を過ごす、そうした宿命にあるのだ、と。

 ニュースによれば、記録的大雪から4日目に入り関東、甲信、東北地方を中心に雪に閉ざされたままの集落の孤立化は一時138カ所に。現在も116カ所で救援の手を待っており、なかでも山梨県では各所で全面通行止めとなり県全域が孤立状態だという。
 「60年以上住んでるが、こんなことは初めて」「七十二年でこんな雪は初めてです」とは、富士吉田市に住む男性と女性で、有史以来といってもいい大雪との闘いが続く。山梨といえば、昨年夏、富士山の雄姿を求め河口湖畔周辺をさすらって歩いたことがあるだけに他人ごとではない。一日も早い復旧を、ただ望むばかりだ。

 このほか、長野から群馬に抜ける碓氷峠辺りの道路も至るところ寸断され、交通が長期にわたってストップし「4日間車の中で待ちました」というドライバーも。あるトラック運転手も「4日間、立ち往生です。子どもに会いたくて」と話していた。ほかにトンネルのなかに一時避難していた十五人が救出され、宮城県でも丸森町で三百七十四世帯が丸ごと雪の壁に閉ざされる、といった事態になっているという。
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 わが家の庭に咲いた希望を呼ぶスノードロップ
 

 こうしたなか、わが家の庭先である異変が。「チョット。ちょっと来てよ」というので行くと、目の前にちいさな可憐な白い花の姿があった。スノードロップ(和名、ユキノハナ)とかで、厳寒のさなかに小さな純白の花を咲かせ、長く厳しい冬もそろそろ終わりに近づいている証しなのだ、という。
 気がつかないでいたが、舞が昨秋買った球根を植え、その後肥料を与えるなど手塩にしてきたもので「まさか、こんなに早く咲いてくれるとは。それも厳寒の中なのに…。ありがとう」といった彼女の喜びがこちらにまで伝わってきた。
 舞によれば、なんでも希望を呼ぶ花よ、とのこと。かつて能登の日本海に面した雪の原で春先に雪を割って恥ずかしそうな顔をのぞかせていた、あの雪割草の気品にもどこか似ている。このスノードロップ。希望を呼ぶ花と言われる一方で、花の形が死者の纏う白装束にも似ていることから、死の影を見る、との迷信もある。
 希望と絶望、つまり生と死の正反対のイメージもある、というのだ。よくよく考えれば、この世は希望がかなわず絶望し、【絶望の底】からはいあがって夢を見る【希望への道】の繰り返し。人生劇場を一片の花びらで示してくれているのである。
 
 大雪の影響か、関東地方では葱やホウレンソウなどの野菜が30~40%増と軒並み値上がりしている。山梨県富士吉田市では会社まで毎朝、2時間以上歩いて通うサラリーマンの姿が見られた一方で、デイサービスなどお年寄りに対する訪問介護も出来ない状態が続く。西山温泉では一時、1183人が孤立したという。
 気象庁によれば、今回大雪をもたらした南岸低気圧がまたまた南方海上に近づいていると言い、日本中が自然現象に翻弄されている。

 夜に入り、インドネシアのバリ島沖でスキューバダイビング中、行方不明になっていた日本人女性七人のうち五人がペニダ島の岩場で見つかり、救助され病院に運ばれた―とのニュースが飛び込んできた。世のなか、いつだって好いこと悪いことがあざなえる波の如く、寄せては繰り返している。私たちはそうしたなかを生きているのである。

【きょうの一文・ことば】
「もう少しの辛抱で、明るい春がやってくる」。北国の人々が待ち望んだ知らせを、この花は届けてくれる。19世紀のイギリスの詩人、A・テニスンは「麗しい2月の乙女」と詠んだ。希望を呼ぶ花、である。……
 私はこの花を見ると、40代で夫を亡くしたイギリス人の友人、アンジェリーナを想う。彼女は3人の子供を抱えて何年も絶望の淵にあったが、やがて力強く立ち直った。家の庭にはスノードロップが毎年群をつくって花開き、まるで暗い冬のあいだ中彼女を見守り、ゆっくりと生の喜びに連れ戻したかに見えた。=16日付毎日夕刊『〈イギリス 花のある風景 あべ菜穂子〉スノードロップ 希望を呼ぶ孤独な勇気』から抜粋

【新聞テレビから】
☆『大雪による死亡 全国19人』、『海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が南極沖で座礁』、『中国 鳥インフルエンザ 政府に対し抗議活動』(17日夜、CBC〈NEWS23〉)
☆『大雪 物流に打撃 トヨタ2工場生産停止』『鈴木3工場も』、『〈雪よ氷よ〉3人娘持ち味見せて 真央、明子、佳菜子に愛知からエール』、『次女虐待死で再逮捕 豊橋の父、容疑を否認』(17日付、中日夕刊)
☆『大雪 死者15人に 道路不通で孤立続く』、『〈ソチ2014〉葛西41歳「銀」 ジャンプラージヒル レジェンド(伝説)新たな幕開け』『揚力に磨き若手しのぐ』、『ベルリン映画祭最優秀女優 (「小さいおうち」に出演した)黒木華さん=23歳=が受賞』『昭和の女性を好演 黒木華さん、受賞に驚き』(17日付、中日朝刊)

二月十六日
 ソチで開催中の冬季五輪―
 十四日のフィギュアスケート男子での羽生結弦選手(ANA)の金メダルに続き、十五日にはノルディックスキー・ジャンプ男子ラージヒル個人で五輪7大会連続出場の葛西紀明(41)=土屋ホーム=が銀メダルを獲得。日本各地で、きのう同様きょうも号外が乱れ飛んだ。
 「ゴウガイ、ゴウガイです」の声には、どこか「読みなさい」「読まなきゃ損するよ」といった響きがあり、説得されているようでもある。それでも、読者としては大きな活字を前にナンダカ褒美でももらえるような心地よい感触にとらわれるのは、なぜか。
 号外の魔性はビッグニュースとともにある。
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 ちまたは四月からの消費税3%アップを前に、どこかざわついている。庶民感覚が日に日に神経質になってきている。
 午後、妻と今月24日限りで店じまいをするという自宅近くヘルスバンクへ。閉店を前に全商品が20パーセント引きということで、案の定、駐車場は止めるところがないほどの込みようだ。いつもなら有るはずの手押し車(カーリング)も全て使用中で持参した買い物袋を手にしてのショッピングとなった。
 それにしても、「少しでも安い時に買わないでどうするのよ」との言はその通りだ。
 庶民感覚ほど素直なものはなく、4月からの消費税アップに先だち、車や住宅の駆け込み購入が相次いでいるというのも、頷ける。アベノミクスとやらが盛んにもはやされてはいるが、つまるところ、大半の名もなき人々は皆、生活をするのにトントン、必死なのだ。

【きょうの一文・ことば】
「勝利は気高く祝い、敗北を気高く受け入れる」。国際オリンピック委員会のバッハ会長は開会式で、五輪の精神をそう語った=16日付日経1面〈春秋〉から
「あきらめずに、やってこられたのがメダルをとれた最大の理由です。メダルを取る難しさを感じ簡単に取れるとは思っていなかった。いろんなことが頭のなかをクルクル、クルクルと回っていました。銀メダルを取って新しい目標が出来たので、あきらめないでまた金メダルをめざして頑張りたい」=ノルディック男子ラージヒルで銀メダルを獲得した葛西選手がインタビューに答えて
「人間は生かされている。ということは、誰かのために生きているのです。絶望してはダメです。定められた命が尽きるまで生きなさい」=16日夜、BSーTBS〈ドナルドキーン×寂聴〝ニッポン不易流行〟二人の91歳が対談〉から。寂聴さん

【新聞テレビから】
☆『ソロモン流 密着! 72歳でバリバリ現役!〝徳光和夫の㊙素顔〟▽長嶋茂雄との出会い▽心筋梗塞乗り越えて』(16日夜、テレビ愛知)
☆『大雪全国で11人死亡 福島、100台立ち往生』『東名最大50㌔渋滞』、『羽生 金「誇り」 フリー「魔物感じた」』『ジャンプLH 葛西ら4人挑む』『〈雪よ氷よ〉「靴直そう」母の金言 羽生震災から再起 「僕はやる」叫んだ3年前』、『環境汚染地がん急増 ナポリ郊外 不法投棄、放射性物質も』、『米大統領来日 日本こだわる「国賓」 関係強固アピール』、『近藤さん=三重県桑名市、名城大3年、近藤奈々さん=がグランプリ 中日フォトメイツ』(16日付、中日朝刊)
☆『重い雪屋根崩す 事故・転倒6人死亡 記録的積雪』、『男子フィギュア新たなページ 羽生「金 誇りに」 勢力地図書き換え』『首相、電話で祝福』、『中原中也賞に東京の大崎さん=大崎清夏(さやか)さん。ウエブディレクター。31歳。詩集「指差すことができない」(アナグマ社)=(16日付、毎日朝刊)

二月十五日
 ソチ五輪フィギュアスケート男子のフリーが前日のショートプログラムに続き、十四日(日本時間十五日未明)あり、歓喜と、「まさか」の転倒を目前にしての〝どよめき〟、そのごの奇跡的ともいえる、立ち直り、自身の出身地・仙台、東北への祈りを込めての荒川静香以来の〈イナバウアー〉…と、日本中、いや世界中を興奮のるつぼに包み込んだ。
 この日、〈ロミオとジュリエット〉を演じた日本の羽生結弦(ANA)は冒頭の4回転で転倒、万事休すか、といったんは絶望しはしたものの、その後の演技を天性と超人的な技術、そして執念できっちりまとめ、ショートプログラムとフリーで計280・09点の最高点となり、フィギュア男子では日本人初の「金」メダルに輝いた。
 冬季五輪で日本選手が金メダルを獲得したのは、2006年トリノ大会のフィギュアスケート女子・荒川静香いらい、二大会ぶり。フィギュアスケート男子では日本初の快挙となった。
 2位は同じく4回転でミスをしてしまい、計275・62点止まりに終わった世界選手権3連覇中のパトリック・チャン(カナダ)だった。ほかの日本勢も、初出場で〈エデンの東〉を演じた町田樹(たつき、関大)が253・42点で5位、前回バンクーバー大会銅メダルでビートルズナンバーを華麗に踊った高橋大輔(関大大学院)が250・67点で6位とそれぞれ、よく頑張り入賞した。
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 甲府1㍍14㌢、前橋73㌢、熊谷62㌢、御殿場80㌢…。
 各地で統計のあるこの120年では最多、記録的な大雪となった。東名高速では40㌔にわたって大渋滞となり、東急東横線では追突事故が起き乗客19人がケガをしたという。
 
 名古屋は覚王山の料亭「松楓閣」で、年に一度の端唄・三味線・笛の発表会「第二十一回七種会」があり、私は福井県の笛の里で自らこしらえた愛用の横笛で〈風の盆恋歌〉を演奏させて頂いた。
 まだまだの腕前とはいえ、そこそこ笛の音が流れ、最終の一楽章を前に内心「これなら、いける」と思ったとたん、笛は急にダダでもこねるようにウンともスンとも音を出さず、鳴らなくなってしまった。
 私はそれでも、恥をしのんで最後まで音の出ない笛をふきつづけた。内心、残念このうえなしではあったが、「なかなかよかったわよ」と同じお弟子さん仲間の女性に励まされたのが、せめてもの救いだった。また来年頑張ろう、と自身に言い聞かせたのである。

 こんなわけで、端唄・三味線・笛と全部で二十一の出し物が終わったところで宴会が始まった。その席で余興にぜひ、とお師匠さんから事前に頼まれていたハーモニカをふいたが、こちらの方はみなさん、うっとりと聞いてくださり、〈ふるさと〉では、多くが合唱までしてくださった。
 なかには八十歳を超え、この日〈ささや節〉を朗々と唄われた男性が私のハーモニカに合わせ〈我は海の子〉を歌われる場面まで飛び出し、たのしいひとときはアッという間に過ぎ去ったのである。
 さて。この私だが、きょうの発表会に限っては、全てその光景をあたまのなかで、しっかり刻んでおこう、その方が今後の文筆、表現力を培うには役立つ、と判断。持参したデジカメは発表会の最初から最後まで封印したままにした。安易に写真に撮っていたのでは、いつまでたっても私が目指す名文には近づけないからである。

【きょうの一文・ことば】
 「復興」と言ったって。…ボク一人がんばったって何も出来てはいないのだなっ、とそう思う。金メダリストになれたからこそ、震災や復興のために何かできるのじゃないかな、と。そういう意味ではスタート点ではないか、と。ボクは、そう思います。=金メダルの記者会見上で。羽生選手
 「(試合前)頭に最初に浮かんだのは感謝という言葉。たくさんの方に応援して頂いたのに、ベストを尽くすことができず、結果も残すことができず、申し訳ない、この後、ワールドカップ(W杯)でしっかりリベンジしたい」=15日付中日スポーツ『沙羅「W杯でリベンジ」 女子ジャンプ帰国』の記事中、高梨沙羅さん

 【新聞テレビから】
☆『〈ソチ2014〉羽生「金」 フィギュア日本男子初 19歳 大震災にも不屈』『町田5位、高橋6位』、『邦人女性7人不明 バリ沖でダイビング中』『危険伴う人気地点 ダイバー不明 強い潮流影響か』、『甲府114㌢、飯田81㌢ 大雪続く 東名で死亡事故』(15日付、中日夕刊)
☆『〈ソチ冬物語〉立ち上がって頂点 羽入選手金 被災地に勇気 後輩「私たちの誇り」』『「明るくなれる」 宮崎県の仮設住宅』、『関東大雪また混乱 東名、一部通行止め』『川崎・元住吉駅 東横線列車追突・脱線 19人けか゛ 停車車両に後続』、『米大使館 NHK取材に難色 百田経営委員発言、理由に』、『「経済、日本は韓国に学べ」 WSJ=米紙ウォールストリート・ジャーナル=、社説で批判』(15日付、毎日夕刊)
☆『大雪各地で今冬一 新幹線など交通乱れる』『事故、転倒、休校、入試繰り下げ 大雪東海を直撃』『名駅で新幹線「列車ホテル」 空路、高速道も混乱』、『浜岡再稼働へ審査申請 4号機 中電、津波想定21㍍』『「申請再稼働と別」「震源域なのに」 浜岡消えぬ不安』『中電本店前 雨中の抗議』(15日付、中日朝刊)
☆『「もっと練習」帰国の高梨選手』、『太陽光認定672件取り消し 電力買い取り事業始めず 経産省検討』(15日付、毎日朝刊)

二月十四日
 午前十一時現在。白い雪がどこまでも降り続く。
 一体、いつになったら止むのか。このまま地球全体を融かしてしまおうというのか。そんな、恐怖をさえ抱かせる雪である。聞けば、米国も大雪に襲われており、首都ワシントンで連邦政府機関が閉鎖、全米の空港で6500便以上が欠航、ニューヨーク州知事は十三日、ニューヨークと周辺地域に非常事態宣言を発令したという。
 山梨県甲府市。甲府駅前では観測史上最高の積雪76㌢を記録した。
 ここは雪国か=愛知県江南市で。14日午後
 
 こんな寒さと雪降りのなか、けさも息子と妻は職場に向かった。猫二匹は、温熱カーペットに座って微動だにしない。ストーブの傍らで寒さに耐えている。野良猫たちは、どうしているだろうか。
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 昨夜。いや、きょう未明。午前三時前にNHKテレビの実況中継で見たソチ冬季五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)。19歳の羽生結弦(ゆづる)選手が演じた〈パリの散歩道〉は、それこそ感動そのものだった。おそらく日本中がドキドキして見守るなか、それこそ一点の染みもない、流れるような演技が終わり、羽生が手を挙げると、思わず拍手の嵐が湧き起こり、場内の観客は総立ちになった。
 冒頭に跳んだ4回転トーループに始まり、ジャンプ、スピン、ステップの計7演技を見事にこなした若きニッポンのエース。なんとステキな、なんと華麗で、美しく、寸分の隙も狂いもない演技だったことか。まさに英雄の風格がそこにはあった。おそらく演技を見守ったロシアの観客全員の心をとらえたに違いない。
 そして、ついに出た。史上最高の100点を超える101・45が。なんだか、生きていて良かった、という不思議な感覚が心に浮かんだ。

 2位につけたパトリック・チャン(カナダ)。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で着氷が乱れ、減点を受けたものの、表現力を示すプログラム構成点では羽生を上回り、97・52点を挙げ、羽生を3・93で追う展開となっている。技術力の羽生か、表現力のチャンか。羽生が十四日(現地時間、日本時間の十五日未明)のフリーで待望の五輪王者になるかどうか。世界中が固唾をのんで見守る闘いが刻一刻と近づいている。
 日本はほかにバンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(27、関大大学院)そして町田樹(23、関大)も銅メダルを十分狙える好位置につけているだけに、結果が楽しみである。フィギュアスケートを見て世界の人々が共に感動する。
 やはりオリンピックはいいものだ。
        
【きょうの一文・ことば】
 「びっくりしたが、曲が作られた背景などを全く知らずに、この曲がいいと思って選んだ。作った人が誰であろうとどういう形であろうと関係ない。この素晴らしい曲を、この場で表現することだけ」=14日付毎日夕刊『〈ソチ冬物語〉直前のケガ使用曲「代作」騒動乗り越え 「希望捨てない」 高橋大輔選手メダル射程圏』の記事中、高橋選手の発言

【新聞テレビから】
☆『iPS細胞で血小板量産 白血病患者などに朗報』(14日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『羽生 史上初の100点超 冷静に「理想程遠い」』『なぜ100点超? 冒頭4回転最高の評価』、『名古屋、岐阜など今冬一番の積雪』、『浜岡4号機の審査申請 中電 巨大地震備え焦点』『「審査真摯に対応」 水野社長』、『NY積雪27㌢ 非常事態宣言も』、『債務整理1億5000万円脱税 東京国税局NPO元代表告発 借金苦の弁護士と提携』『安楽死、未成年にも適用 ベルギーで法案可決』(14日付、中日夕刊)
☆『〈雪よ氷よ〉羽生震災経て成長 感謝と祈り滑りに込め 高橋リンク存続に奔走』、『日韓対立米板挟み 大統領歴訪 日本滞在短縮へ』、『ソフト協脅迫容疑逮捕 2人、デンソーに送付』、『問題発言「済んだこと」籾井NHK会長が会見』(14日付、中日朝刊)
☆『愛知県漁連会長 綿密に摘発逃

08/4/26