2013年生きてゆく人間花たち/二月の唄

平成二十五年二月二十八日
 〝DAY by DAY〟を歌うボーカルの赤崎真由美さん=名古屋市内のJazz Spot Swingで
 

 きのう名古屋の伏見ミリオン座で映画「ゼロ・ダーク・サーティ」(ギャガ配給)を見てきた。鑑賞こそすれ、2001年に米国ニューヨークなどで起きた9・11同時多発テロ以降、主犯とされるアルカイダリーダーだったオサマ・ビンラディンのその後を追い続けてきた作家としては、どうしても納得のゆかないものがあった。

 それは何か。
 映画の内容は概略、CIA(米中央情報局)の女性分析調査官・マヤをとおしてビンラディンの潜伏先(パキスタン首都近郊アボタバード)を突き止め、殺害するーといった粗筋だった。マヤが膨大な資料と衛星画像を分析した結果、アルカイダの使者、アブ・アフメド・アルクウェイティの存在にたどり着き、最後に彼の在り処を突き止め、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズによる空からの急襲作戦でビンラディン殺害に至る、といったあらすじである。
 でも私、伊神権太の目に映ったのは、全編を通じビンラディンの潜伏先を洗い出そうとするマヤ自身にも決定的な証拠といったようなものが掴みきれてはいなかった、という現実である。マヤを中心としたCIAスタッフがその後もテロに遭い、犠牲者を何人も出しながら足を棒に危険を冒しつつ、少しでもビンラディンに迫ろうとする努力は評価したい。でも、完全には迫りきれてはいない。
 私はこの話題作を見終えたあと、ビンラディンが本当に殺害されたのかを疑わざるをえない。あれは、ひと区切りつけるためのCIAの演出だったといったら言い過ぎか。実はまだビンラディンは世界のどこかに生きていて、まだまだ何かを企んでいる。そんな見えない魔手のようなものを、ますます感じたのである。

 確かに特殊部隊の侵入など映画としては迫力十分だった。だが、他の観客の感想はいざ知らず、私を納得させる内容ではなかった。ビンラディンの確証に至るには、なお何かが足りない。欠けているのだ。アブ・アフメドにしても、ビンラディンの部下か使者というだけで実際にどんな役割をしていたか、が解明されているわけでもない。
 このことだけは、本欄に明記しておきたい。この先、予期せぬことが世界史史上に起きても決しておかしくはないということを、である。ちなみに、タイトルの「ゼロ・ダーク・サーティ」は、午前零時三十分のこと。二〇一一年五月二日の同刻、パキスタンのアボタバードの豪邸を米海軍の特殊部隊が襲撃したことから名付けられた。 

 映画鑑賞のあと、次に立ち寄ったのは大型百貨店・丸栄内、本屋の丸善。ジャンル別に夥しいといってよいほどの本が並べられていたが、この中からベストセラー小説が、どのようにして生まれ出るかを思うとき、ちょっぴり気が遠くなった。
 やはり新聞の書評とか、広告といった、そうしたものが端緒になるのだろうか。クチコミで広がってゆく、とかいろいろあるだろう。要は、評判になるきっかけをどうするかだ、と思う。多くの人々に読んでもらえればそれに越したことはない。私の著書出版を間近に控えて、やせ我慢かもしれないが。でも、それよりも21世紀に生きる人間たちの一つの歴史を残すことが出来たのならそれだけで満足しなければ、とも思った次第だ。

 名古屋のJazzをリードする若いミュージシャン。毎日出演者が替わる
 

 

 そして。最後に訪れた名古屋を代表するJazzSpotの「Swing」=名古屋市中区東桜、サンマルコビルB1=。たまたまこの日、ドラマーはいなかったが、ピアノ、ベース、ギターと快適な音色のなかから飛んでくる、赤崎真由美さんの〝DAY by DAY〟など数々のボーカルに、体が自ずとスイング、スイング…と揺れ動き、夢のようなひとときが過ぎ去っていった。
 ジャズをきくとき、私はいつも思う。それは自らの魂を音玉たちがトン、トン、トンッ…と軽快に打ち続けてくれる。そう、全身が音に打たれている、と。文学、なかでも小説の創作世界で興がのるとリズミカルに文章表現ができる、あの時の〝血の流れ〟が同じなのである。これは書く人になら、少しは分かるはずだ。
 だから、これぞ書くに当たって、少なくとも私の文学世界では必須のものだといってよい。Swingのホームページを開けば、日替わりのミュージシャンのジャズを聴くこともできるだけに、楽しみがまた一つ増えた。帰り際には、名古屋のJAZZをここまでに育てたマスターでギタリストの有名人、和田直さんともお話しができ、有意義で実りある日となった。

【新聞テレビから】
☆『飯舘の怒りフィルムに 全村避難被災者を記録 名古屋でも公開(ドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」=四ノ宮浩監督=が3月9日から、名古屋市中村区のシネマスコーレで)、「故郷奪うものいらない」』、『首相施政方針演説 TPP交渉事実上表明 農業対策など宣言』(28日付、中日夕刊)
☆『首相、原発再稼働明言 施政方針「安全確認なら」』(28日付、毎日夕刊)
☆『被爆記録2万人分未提出 原発作業員 東電、管理団体に』(28日付、朝日朝刊)
☆『〈春よ 東日本大震災2年〉宮城・女川 悲しみを希望にかえて一歩ずつ 震災、復興詠み続ける中学生』『しまい込む気持ち 句で外に』、『リレンザで女性死亡 インフル予防の30代 吸入後に呼吸困難』、『熱気球墜落 「燃料ホース切れ引火」 着陸時 脱出の操縦士話す』『ガス栓閉めずに惨事に 脱出の操縦士 エジプト閣僚指摘』(28日付、中日朝刊)
☆『PM2・5指針 基準の倍で外出自粛 70マイグラクロム超 都道府県が周知』、『世界自然遺産済州島・漢拏山 日韓姉妹山提携へ 世界文化遺産目指す富士山 環境保護団体が主導』、『FRB(米連邦準備制度理事会)議長日本支持 大胆な金融緩和策』(28日付、毎日朝刊)

二月二十七日
 今夜は友人に誘われて、名古屋は新栄のJAZZ会の歴史そのものといってよいJazz Spot「Swing」を訪れ、楽しいひとときを過ごした。本当にいい店だった。久しぶりにウィスキーの水割りとピザの味にも酔い、夜が更けていった。
 また待ち合わせまでの時間をあて伏見ミリオン座に寄り「若き女性の執念が、ビンラディンを追い詰めた。CIA情報分析官マヤ。彼女は何を失い、何を手に入れたのか」「ビンラディンを追い詰めたのは、ひとりの女性だった!! 米政府が隠し続けた真実がついに日本解禁」をキャッチフレーズに15日から公開が始まっている映画「ゼロ・ダーク・サーティ」を見、引き続き丸栄内6階の書店「丸善」にも寄った。
 それなりに皆、目的があったからである。ジャズとゼロ・ダークの感想については、きょうは時間がない。あす書き留めたい。

 けさの新聞で特に私の目を引いたものは。
 イチに、元同盟通信カメラマン小路春美(しょうじ・はるみ)さん、九十九歳の死である。各紙によれば、二十二日に脳梗塞で生涯を終えた。自宅は大阪府高槻市。葬儀・告別式は妻エミ子さんが喪主となり、既に終わったという。
 小路さんは、第二次世界大戦中、現共同通信の前身、同盟通信の写真記者として南方戦線で従軍、シンガポールで英軍が無条件降伏した42年2月の山下奉文とアーサー・パーシバル両司令官の歴史的会見を撮影するなどカメラマンとして従軍取材経験を持つ最後の一人だった。
 一度、当時の状況をお聴きしたい方だっただけに、残念な気がする。

 次に目に留まったのは、【パリ】発で報道されていた一段ベタ記事「パリコレ開幕」である。2013~14年秋冬バリコレクションが26日から始まった、というもので来月6日まで約100ブランドが、新作のプレタポルテ(既製服)をファッションショー形式で発表する、という内容だ。行けるものなら行って、この目で見て来たい、そんな衝動にかられた〝ちいさな記事〟だった。

【新聞テレビから】
☆『熱気球墜落 着陸寸前百メートル急上昇 目撃者証言 脱出操縦士 頭に火』『子ども抱え飛び降り 炎に包まれ落下、爆発』、『文化継承甘くないからこそ挑む 組み飴兄弟新風 企業ロゴ、名前入り 名古屋発の独自生産』、『グアム殺傷無罪主張 弁護側、精神的疾患理由に』(27日付、中日夕刊)
☆『エジプト気球爆発 乗客次々飛び降り再上昇 別気球の操縦士「ホース破損が原因」』『検査体制に緩みか 犠牲者遺体 身元確認は難航』(27日付、毎日夕刊)
☆『〈東日本大震災2年 春よ〉避難呼び掛け犠牲 南三陸町職員 未希の声語らう宿 自宅改修母が開業へ 揺れた心「役に立ちたい」』『被災者起業 自立へ増加 国や団体が支援』、『熱気球墜落 4邦人死亡 19人犠牲 遊覧中に炎上 エジプト』、『補正予算1票差成立 参院』、『〈アベノミクス現象 円安と小麦〉名古屋メシ 値上げ危機』(27日付、中日朝刊)
☆『今年は大吉 十数年ぶり 名古屋「きねこさ」祭』、『補正予算1票差で成立 参院本会議「ねじれ」克服へ前進』、『パリコレ開幕』、『気球爆発 日本人4人死亡』『上空300メートルから墜落 エジプト 観光客計19人犠牲』『古代遺跡が集中 97年に銃乱射も ルクソール』、『大阪の不明女児か 母親契約の部屋から遺体』(27日付、毎日朝刊)

二月二十六日
 伊勢神宮で二十年に一度催される、ことしの式年遷宮の日程が決まった。
 内宮が十月二日、外宮が五日である。私は四十年前、二十代のころに新聞記者として遷宮取材をした経験があるだけに、他人ごとではない気がしてならない。遷座祭当日にヒノキの香もあらたな新宮に降り注いでいた、あの月光はいまだに脳裏に染みついている。

 けさは、わが家の守護神ともいえるボス猫、すなわち長女猫の〝こすも・ここ〟を近くの動物病院にまで妻と一緒に連れて行った。
 何にやられたのか。このところ、赤く傷つき少し抉れたような尾の付け根内側部分を盛んに舐めるのでおかしいな、と思ってはいたが。昨夜帰宅した息子から「悪化して取り返しのつかないことになったら、どうするのか。〝ここ〟を医者に連れて行かなければ、会社を休んでボクが連れて行く」というので、その厳命に従ったわけだ。これも親バカか。

 私も妻も赤くなった傷口を気にはしていたが「時折、自分で舐めているので、そのうち治るだろう」と軽く考えていた。でも、医者に診てもらい化膿止めと炎症をふせぐ注射二本を打ってもらった時には、やっぱり息子の言う通りで連れて行ってよかったな、とつくづく思っている。
 診療中、彼女は指一本触れさせないほどの剣幕で、相変わらずの暴れようで間もなく二十歳という、あの身体のどこにそんなエネルギーがあるのかと、おったまげるほどの力で抵抗するのでとうとう、一番手馴れている妻の手助けで〝ここ〟の全身をネットに入れ、そのうえでやっとこせの注射二本とあいなった。
 医師曰く「この子は怖くて、いつもなぶれないからねえ」と。そして。「これだけ元気があるのだから、きっと長生きしますよ。大丈夫」とも言葉をつないだ。

 妻は、ヘルスセンターで猫缶やら猫砂を買いに行くつど私に向かって「まったく、もぉ~う。アタシたちって。猫ちゃんたちのために働き、生きているみたいね」とよくこぼす。でも、次女猫のシロも加え、彼女たちがいてくれるからこそ、わが家の生活も変化に富み充実しているのではなかろうか。
 実際、シロちゃんは妻に、〝ここ〟は私にいつも寄り添い、どんな時にだって主人二人の気をつかってくれているのだ。私の原稿が滞っていたりすれば、〝ここ〟は決まって未明に私の枕元まで訪れ、私が起きるまで息をふきかけ起こしてくれる。シロちゃんは、シロちゃんで朝になると、いつも舞の布団の腹の上に乗って、これまた起こしてくれるのである。
 というわけで、この二匹には【家族栄誉賞】なみの貢献度があるのだから、しかたがない。ペットと過ごす家庭の人なら、皆分かってくれるに違いない。
        ×        ×
 富士山頂の傍らを彩る見事なパール富士(毎日新聞夕刊から)
 

 本日付の毎日新聞夕刊によると、千葉県富津市の富津岬でけさ早朝、富士山頂に満月が沈む「パール富士」現象が見られたという。この「パール富士」、山頂の傍らで満月が真珠のように輝く姿から名付けられたそうだ。
 満月は月一回で動きも複雑。それだけに、見られる場所や条件となると毎回異なってくるが、そんななか、けさは霞の中に浮かび上がった富士山のシルエットに、やや黄色味がかった満月がゆっくりと沈んでいった。新聞に掲載された写真に、私は思わず切り抜いて保存しておきたい衝動にかられたのである。
 新聞写真は、たまにこうした自然界の息吹そのものをキャッチした瞬間を見ることができるだけに、捨て置けない。記録性もあるだけに、カメラがあればこそ、我々もこうした光景を脳裏に刻むことができる。

 夕方の午後4時37分。中日新聞プラス【特別便】から〈気球墜落、日本人4人含む19人死亡か〉のニュースが流れてきた。それによると、現場はエジプト南部ルクソール近郊で熱気球が墜落、日本人観光客四人を含む十九人が亡くなった、とAP電で伝えている。

【新聞テレビから】
☆『中国PM2・5日本へ 健康への影響は?』(26日夜、NHK〈クローズアップ現代〉)
☆『伊総選挙 政権不安定に 下院のみ左派勝利 欧州危機再燃も』、『復興むすめは消防団 昼は宮古PR 夜は「火の用心」 〝ミス〟の2人「地道な活動大事」』(26日付、中日夕刊)
☆『寄り添う真珠=夜明け間際の富士山頂に、ゆっくりと沈む満月』(26日付、毎日夕刊)
☆『現代流の遷宮 完結へ』『内宮遷御 10月2日 伊勢神宮、外宮は5日』『大宮司「感慨深い」 地元も活性化期待』、『日中の絆 板につく 実習生20人恩返しの再来日 女川の水産加工会社』、『岐南町の小中学校 給食無料に 4月から東海3県初=中部地方では長野県王滝村に続いて二例目』、『64年、首相ブレーン報告書 「原発を核武装潜在力に」 中国核実験2カ月後に 技術推進促す』(26日付、中日朝刊)
☆『〈女性たちの挑戦 イランからの報告〉女優兼映画監督 ニキ・キャリミさん(41) 厳しくても撮り続ける 確実に社会変革の力に=日本の故小津安二郎監督のファン。脚本や翻訳もこなす』、『「愛される英雄」首相が大鵬称賛 国民栄誉賞表彰式=遺族を代表して妻芳子さんが出席』(26日付、毎日朝刊)

二月二十五日
 午後四時二十三分、栃木県北部で震度5強、マグニチュード6・2のかなり強い地震が発生、ここ1週間ほどは震度4前後の余震が発生する恐れがあるという。
 北日本の積雪は相変わらずできょうも記録を更新、北秋田市では1メートル88センチの積雪を記録、地元の人々が「もう、雪など見たくない」と悲鳴をあげるほどだ。八甲田山系の酸ケ湯では、5メートル60センチ(午後8時現在)とさらに記録を更新した。

 久しぶりにサンポーニャでユーチューブの画像の演奏に合わせ「コンドルは飛んでいく」をふいてみた。全くの山勘というか、感覚で適当な音階に口をつけ、一音ずつ息をふきだしていく方法だ。
 ハモニカが大体、譜面がなくてもふけるのでサンポーニャだって同じことだと思い、このところ気が向いたら画像に合わせて音を辿りつつ無手勝流でふいている。なんだか、少しずつ上達してきているような錯覚に陥っている。
 みんな笑うかもしれない。でも、もしかしたらホントに自在にふけるようになりそうだ。本気でチャレンジしていきたい。

 今の演奏では、それこそ誰かサンではないけれど「一万円払っても聴いてくれないわよ」の世界だがそのうちに見ていろ、と本気で思っている。山勘も運のひとつだ。考えてみれば、この世のなか、大抵は山勘で物事が運ぶ山勘人生なのかもしれない。

 ということもあって、きょうは近く発売予定である私の著作のカバー(デザインは既に決定済み)を白く明るいものにするのか、それともシックで風合いのある上品なものにするか、で出版社の熱心な担当編集者との間で最後の最後まで丁々発止の話し合いに。結局のところは著者でもある私が主張する「白く明るいもので」ということになった。
 出版社側は風合いのある、どちらかと言えば高貴な感じのする落ち着いた方を推してくださったが、私の目にはそれだと、たとえ風合いはあっても全体に色がかすみ沈んでしまうので本屋の店頭には似つかわしくはない、と判断。キャッチコピーなどに詳しい周りの助言もあって、最終的には白く明るいカバーの方にして頂けるようお願いをして落着した。
 さて、この本が店頭に並んだとき、読者はどう反応するのか。一種の懸けといってもよい。当たるも当たらぬも、全て私の責任、自業自得だ。出版社は誠意をもって、よくやってくださっている。
        ×        ×

 きょうは昨年の地球一周ピースボート第76回の船友仲間でお世話になった津江慎弥さん(神奈川県藤沢市在住)から「ピースボート76回、熱海ニューフジヤホテルの集まり」へのお誘いの手紙が届いた。

 開催日時は4月17日(水)~18日(木)で、あらまし次のような内容だった。
 【昨年8月中旬の下船以来六ヶ月程経ち「久々に一夜、一堂に集まり、当時の楽しさを再現したい」との話がありました。早速準備会として10名が集まり検討の結果、ダンス教室の後藤京子先生をお迎えし、早く集まれる方は3時よりダンスを踊るほか、当日は楽しく大勢で語り明かそうと企画しました。
 宿泊する「熱海ニューフジヤホテル」はチェックインの15:00より、チェックアウトの翌12:00まで、204坪の大ホールを自由に使えます。飲み物、食べ物も持ち込み自由ですから、お好きなものを持ち込んで、ゆっくり語り合いましょう。是非大勢の皆様のご参加頂き、楽しく一夜を過ごしたいと思います。
 問い合わせは、津江までお願いします。】

【新聞テレビから】
☆『北朝鮮に核放棄要求 朴大統領、対話姿勢も 韓国就任演説』、『御園座名残のお練り 猿之助さん、中車さん』、『寺田屋おかみ生家の記録 竜馬ら幕末志士を支援 大津で発見 所在地や家族判明』(25日付、中日夕刊)
☆『東証急伸1万1600円台 円94円台 日銀人事報道を好感』、『ジャンプ混合団体日本金 世界ノルディック 高梨、2個目メダル』(25日付、毎日夕刊)
☆『圧巻 光のカーテン 南極海に巨大オーロラ』、『青森・酸ケ湯 積雪更新529センチ』、『東京マラソン3万6千人』『日銀総裁黒田氏起用へ 積極緩和派の元財務官』、『TPP賛成63%に増加 全国電話世論調査 内閣支持率7割超す』、『復興携わる自治体職員 疲れ果て自殺 大槌町 課の6割県外から』『孤立防ぐ絆を 応援派遣 費用も心も』『仮設出た後、7割「住居ない」被災者調査』(25日付、中日朝刊)
☆『日銀総裁 黒田氏固まる 民主内に容認論 週内提示へ 副総裁に中曽、岩田規両氏』、『大雪 青森・酸ケ湯で過去最高529センチ 高齢化で被害拡大 今冬死者67人』『弘前のFM局 外出自粛呼び掛け』、『上海で大気汚染講習会 日本総領事館 200人参加関心高く』(25日付、毎日朝刊)

二月二十四日
 年賀はがきのお年玉プレゼント。以前ホンの少しだけは確認していたが、今になっておもむろに残る全賀状一枚一枚を新聞に掲載された当選番号と突き合わせてみた。これでも早い方で、こんなに早く全部をチェックしたのは珍しい。現役の記者時代に比べたら、それだけ生活に余裕が出来たからかも知れない。

 きょう、妻の舞は朝早くから女子会仲間と一緒に名古屋へ。なんでも自ら提唱した〈ぶらっと徳川園花物語〉で徳川園の寒牡丹と徳川美術館で開かれているおひな様見学をしてくるとか、で珍しく薄化粧をして華やいだ気分でいそいそ、浮き浮きと出かけていった。たまには気晴らしになっていいだろう、と思い玄関先まで出て「気をつけて」と見送った。
 というわけで日曜日なのに彼女がいないので、少し寂しい日に。そんなこともあって、珍しく賀状をチェック。案の定、大体百分の一の確率で4等賞の「お年玉切手シート」だけが8枚当たっていた。わが家は皆、クジ運が悪く宝クジなどかつて当たったためしもない。でも、ことしはどうしたわけか、いつもクジ運が最悪なわが家にしては珍しく8枚も当たっていた。

 それから、見事? 当たった年賀状の差出人はとなると。やはり、社会で大きく羽ばたいている人ばかりで、一人ひとりの幸せそうな顔が目の前に浮かんできた。
 具体的には中高校時代のクラスメート、新聞記者の大先輩、九州は佐賀文学の女性作家、ドラゴンズ公式ファンクラブのスタッフ、脱原発文学者の会会員……といった具合。

 なかでも私とは、かねて親交がある劇団俳優座女優、有馬理恵さんから届いたはがきが当たっていたのには感激するやら、嬉しいやら…で、ホントにことしは何か良いことがあるような気がしてきた。彼女は「希望舞台」で水上勉原作の「釈迦内棺唄」の一人芝居を全国各地で演じ続けているばかりか、現在は日本平和委員会代表理事、子どもと未来をつなぐ会スタッフ、市民と科学者の内部被爆問題研究会理事としても活躍。いわば、平和な社会の実現を求めて日々全力投球の努力家でもあるのだ。
 理恵さん、いや理恵ちゃんのはがきを、今一度読み返してみる。と、そこには「お元気ですか? お会いしたいです」とだけ書かれていた。ことしは、きっと会いに行こう。会えば、自ずと私が今後書かねばならない次のテーマが浮かびあがってくるかもしれない。

 きょうは、このほか、合間を見て実家の母に会いに。元気そうで安心した。帰宅後は、ずっと以前に手元に届いていた文芸同人誌「文芸中部 92」と詩誌「詩遊 №37・冬季号」の受贈二冊を熱砂の「WHAT,S NEW」欄で紹介したり、その他もろもろのことに延々と追われた。やはり、時間がほしい。いまは次作をどう書くか。そればかりを考えている。

【新聞テレビから】
☆『TPP交渉参加へ 「聖域確保 日米で確認」 首相、来月にも表明』『輸出増やし成長戦略実現』『農家困惑 「聖域、読み取れぬ」』『日本の国益守るには? 「人間的な信頼関係」を 外交の専門家ら提言』
 『〈東日本大震災2年 春よ〉 放射能なんて差別なんか…生きてやる 福島・相馬高の女子生徒発信【相馬高放送局が「Girls Life in Soma」を制作】 伝えたい私たちの日常』『南海トラフ地震へ備え 米軍と自治体災害協定 「トモダチ」作戦教訓』(24日付、中日朝刊)
☆『〈21世紀の遷宮 御白石持行事と伊勢の人々〉福島再生重ね 避難の荒川さん一家参加』『職員ら40人犠牲大槌旧庁舎 「保存」「解体」町二分』、『中部経済界は歓迎 TPP交渉参加へ 「残念」声落とすJA』(24日付、毎日朝刊)
☆『給料きちんと払えば会社も伸びる 岐阜 未来工業創業者・取締役 山田昭男さん(81)』(しんぶん赤旗日曜版2月24日号)

二月二十三日
 このところ、安倍外交がなかなか活発化している。一見したところでは、好調だといってよいかもしれない。ただこれからが大変で道のりはまだまだ遠い。
 きょうの各メディアは米国を訪問中の安倍首相が米オバマ大統領との会談で注目の環太平洋パートナーシップ協定、TPPについて交渉にあたっては、「聖域なき関税撤廃」を前提とはしないーという言葉を引き出した点を大々的に報道している。
 安倍首相自らも会談後の記者会見で「日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活した」と胸を張って見せた。
 かといって、本日付中日夕刊の解説にある通り、双方ともに自国に都合のいい表現で共同声明は玉虫色といってよく「関税問題 与党内から批判確実」の指摘は正しいとみてよい。
 というのは、共同宣言の内容をよく吟味すると、関税撤廃表現は「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」と抽象的で、同時に「全ての物品が交渉対象とされることを確認する」との原則を明記。これは日本が高い関税をかけて保護しているコメなどの農産物なども全ていったんは交渉のテーブルに乗せることを意味する。
 それだけに、交渉参加に慎重な意見が大勢を占める与党内から「これでは農業を守れないではないか」との批判が出るのは必至だからだ。こんご、このハードルをどう乗り越えてゆくのか。その点を注視したい。

 ここのところの新聞の整理を兼ねて読み返していたら【平和の歌声 マリに響け】【戦乱の地 音楽家ら団結へ】【「伝統守ろう」近く曲制作】(今月19日付、中日新聞夕刊)といった見出しが目に飛び込んできた。
 記事を読む。それによると、次のような内容だった。
―フランスの軍事介入で戦乱の地のイメージが強くなった西アフリカのマリは、伝統的に音楽が盛んなことでも知られる。昨年、北部を制圧したイスラム過激派は支配地域で音楽を禁止したが、マリ人ミュージシャンたちは「音楽はマリに欠かせない」として、音楽を通じて平和の必要性を訴えようとしている。
(記事はさらに次のように進む)
「(イスラム教の聖典)コーランは音楽を禁じていない。過激派は誤っている」。日本公演の経験もあるマリの代表的歌手カッセ・マディ・ジャバテさん(64)が指摘した。マリの住民の大半は穏健なイスラム教徒だ。
 マリでは昔から祭事や祝い事で「グリオ」と呼ばれる世襲の音楽家による歌や楽器の演奏が行われてきた。グリオは歴史の語り部の役割も果たし、ジャバテさんもその一人だ。
 ………

 記事は、ざあっとこんな内容で「過激派により楽器が壊され、マリの文化が打撃を受けた」と指摘している。それでも、こうしたなか、多数のマリ人ミュージシャンが近く集まり、平和をアピールする曲を制作予定でジャバテさんは「音楽は異なる人々を結び付けられる。平和に向け、マリ全体が一つにならねばならない」と訴える。
 いい記事だ。

 私自身、昨年の地球一周の船旅で寄港した国々で現地の方々と交流するつど、ギターやケーナ、ピアノ、ウクレレ、サンポーニャ、太鼓、ハモニカや横笛、合唱などを通じ音楽こそが国境と国境を結ぶことを骨の髄にまで感じてきただけに、マリの人たちの気持ちが痛いほど分かる。【音楽こそ、が平和の使者なのだ】。
 マリに平和の歌声が一刻も早く響きわたることを、心から願いたい。
 
 【新聞テレビから】
☆『高浜・雛めぐり 誇らしげ三河の歴史絵巻』、『日米首脳会談 全関税撤廃前提とせず TPPで共同声明 首相、交渉へ意欲 「聖域確保と判断」首相会見』、『「ごちそう食べ」健康 「女性最高齢」ギネス認定へ 114歳 大阪の大川(ミサヲ)さん=大川さんは日清戦争終結三年後の一八九八(明治三十一)年三月五日に大阪市で誕生。編み物が得意で、お気に入りのマフラーは「自分で編んやんだ」と得意そう』(23日付、中日夕刊)
☆『TPP交渉参加表明へ 「聖域なき関税撤廃」前提とせず 首相、米大統領と確認』『対北朝鮮 制裁を強化 両首脳 普天間早期移設で一致』、『高梨ジャンプ銀 世界ノルディック日本女子初表彰台』(23日付、毎日夕刊)
☆『森氏訪ロどうなる北方領土 ロシア柔軟 進展に期待』『勝ち負けない解決を 森元首相、ロの大学で講演』、『はだか男 荒ぶる 稲沢・国府宮』、『東浦町国勢調査 前副町長 水増し指示か 愛知県警逮捕 303人分虚偽の疑い』(23日付、中日朝刊)
☆『火元はリコール加湿器 長崎グループホーム火災 製造TDK謝罪 他の事故46件5509台未回収』(23日付、毎日朝刊)

二月二十二日
 きょうは愛知県稲沢市に伝わる国府宮のはだか祭の日をはじめ、いろいろな日だった。
 まず「竹島の日」。次いでニャンニャン、すなわち猫ちゃんの日(わが家にも長女猫のこすも・ここ、と次女のシロがいる)。
 そして。何よりも大切なのは、三重県志摩半島は阿児町鵜方(現志摩市)で長男がこの世に生まれ出た、まさに、その日だ。あの日は幾千万もの白い小雪たちが、空から次々と舞っており「南国志摩に雪が降った」と写真つきで記事を送った。遠い日の記憶。今から思えば、雪の天使たちは長男誕生を祝う天からの贈り物だったような。そんな気がしてならない。

 一方の「竹島の日」。こちらは竹島が明治のころ、2月22日に島根県所管となったため制定されたそうで、ことしは八回目の記念式典が松江市内で行われた。これに対して竹島の領有権を主張する韓国ではソウルの日本大使館前で抗議集会が開かれ、集まった人々は「竹島の日をただちに取り消せ」と気勢をあげた。私にはどうして双方が、これほどまでに領有権にこだわるのか。そこが分からない。
 それほど、こだわる必要があるのか。と言いたい。ことしを日本の島にしたら、来年は韓国の島として交互に竹島祭を開いて国際交流のつどいでも開いたら、どうなのか。尖閣にしても、だ。たとえ海底資源の争奪という事情があろうが、だ。同じ人類のためにも両国で相互委譲するという気持ちはないのか。実りなき領有問題が浮上するつど、私はニンゲンたちの愚かさを痛烈に感じる。

 領有問題といえば、きのうは森元首相が首相特使としてロシアを訪れ、プーチン大統領と会談した。懸案の歯舞、色丹、択捉の帰属問題など両国間の長年の懸案でもある北方領土問題を今後どう収拾させるか、について話し会われたそうだがこの結果、しかるべき時に安倍首相がロシアを訪れて話し合う、という地ならしができた、としている。両国の英断に期待したいところだ。

 そして。きょうは、もう一つ。忘れられない悲劇がある。それは、ニュージランドのクライストチャーチ市にいた日本人二十八人を含む百八十五人の尊い命が奪われたニュージランド南部地震から丸二年たった、その日だということ。というわけで、きょうは発生時間の午前八時五十一分(日本時間、現地時間は午後零時五十一分)に倒壊したビル跡地の被災地などで一斉に黙とうする追悼の祈りがあった。

 午前中、あまり好きでない近くの医者へ。
 先日しばしば激痛の走った背中から腰にかけてのレントゲン撮影をしてもらったが異常はなく「もう、たぶん良いかと思います。薬も飲まなくていいですよ」との医師の判断で診療からは解放されることになった。ただ「油断は禁物です。お酒は控えるように。もし、また痛くなることがありましたら、きてください」と釘を刺された。いずれにせよ、こんな幻の如き病は、御免蒙りたい。今度の騒ぎは「もうお年なのだから、これからはお酒の量を少しは減らすように」という神さまのお達しのような気がしてならない。
 かといって、付き合いも大切で今夜は名古屋へ。久しぶりに気の合った仲間同士、楽しいお酒となったが、きょうのところは極力、飲酒を控えたつもりなのだが…。お酒を控えての懇親は、かえって心理的に疲れてしまうことがよくわかった。でも何よりもお会いしたかった皆さんにお会い出来、伺って良かったと思っている。

 とまれ、この世の中。生ある限り不幸は、ぬぐえどもぬぐえども後から後に、次から次にと起きる。ニンゲンとは、悲しきいきものだ。

【新聞テレビから】
☆『〈春よ 東日本大震災2年〉みちのくの風〝三重奏〟 津の音楽祭出場へ 仙台の母娘ユニット「また観客と一緒に」』、『ビル跡地 あなたは今もー NZ地震2年追悼』、『伊賀強殺「犯行後2階へ逃げた」 直前に客、非常階段に血痕』(22日付、中日夕刊)
☆『アフガン少年 ハリウッドへ 実生活同様物売りの役 アカデミー賞授賞式に』、『復興への思い語ろう 愛知、東京の2校と釜石小と 3・11テレビ会議で交流』(22日付、毎日夕刊)
☆『プーチン大統領 「平和条約なしは異常」 領土問題 森元首相と意見交換』、『安倍首相米へ出発 あす未明首脳会談』、『名古屋ウィメンズマラソン 野口ら招待 来月10日号砲』、『NZ地震2年亡き娘を再発見 友達の心にいた』、『中高生の中国派遣中止 福井・あわら市 大気汚染を保護者が心配』(22日付、中日朝刊)
☆『福島原発事故 ベント前10キロ圏拡散 線量最大720倍に 県、送信不能データ解析』、『酸ケ湯515センチ 積雪新記録』、『北方領土 日露容認できる案模索 大統領 森元首相と会談』(22日付、毎日朝刊)

二月二十一日
 午前中、社交ダンスのレッスンで宮田公民館へ。
 ジルバ、タンゴ、ルンバとこなし、ひとときを過ごした。女性の相手の中に一人、笑い上戸のヒロコさんが居て、私と組むとはなぜかしら笑いころげてしまう。なんだか私がおかしいのかな、と思ってヒロコさんを見つめると彼女曰く「ゴンタさんって。楽しいひと。奥さん、幸せだよ」ときた。
 ダンスをやる人となると、それぞれ皆心が裕福なのか。育ちの良い優等生ばかりの海のなかにゴンタという落第生が一人、ポツンと浮かんでいるような、そんな気がしてしまう。なんだか恥ずかしい。逃げ出したくなってきた。
 でも私は先日、この社交ダンスを自分なりに極めることを誓ったのだ。そんなにやすやすと、放り出すわけにもいくまい。

 帰宅すると、電話がかかった。
 地球一周の戦友のなかでも社交ダンスを共にした仲間、津江慎弥さんからで四月にダンス仲間の同窓会を静岡県の熱海温泉で開きたいので出席してほしい、というものだった。イチも二もなく、「ええ、いいですよ」と返答させていただいた。 
        ×        ×

 テレビニュースによると、この冬の最強寒波が北日本を直撃。北海道のJR江別駅周辺では11本の列車に影響が出て600人以上が車内で夜を明かしたそうだ。また青森県酸ケ湯温泉では515センチと過去最高の積雪を記録。札幌でも、このところの積雪量は例年の1・5倍で雪が融けにくい状態が続いているという。

 中日の夕刊を何げなく見ていて文化欄片隅の見出し「中部の俳人を表彰」が目に留まった。中部日本俳句作家会賞二氏=鈴木誠さん(78)と米山久美子さん(81)=とその作品、中日俳句賞一氏=今井真子さん(65)=とその作品を報じるもので、こうした賞こそ本物だと心から思った。
♪春立つといふに物音ひとつせず(米山久美子)

【新聞テレビから】
☆『北方領土で進展なるか 森・プーチン会談速報』(21日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『3人の死刑執行 奈良女児誘拐殺人 土浦の無差別殺傷 栄のスナック強殺 第2次安倍政権で初』、『16年前伊賀強殺 容疑者認める供述 「借金返済、遊ぶ金に困り」』、『米の新設科学賞 山中教授に2億8000万円 先端研究 後押し』(21日付、中日夕刊)
☆『「日米の絆回復示す」 米紙に 安倍首相が今夕訪米』(21日付、毎日夕刊)
☆『浅尾落選 右肩大丈夫なのに…登板なく ものすごく悔しいです 紅白戦前に〝ストップ〟 与田コーチ「ケガさせるわけにはいかない」』(21日付、中スポ)
☆『脱原発欧州で加速 安全強化コスト高騰 計画撤廃や凍結相次ぐ』『「福島」影響 建設費2倍 推進・フィンランド 採算性に疑問噴出』、『侍ジャパン28人決定 WBC』(21日付、中日朝刊)
☆『原電 ウラン一部売却 借金の返済資金 原発再稼働見通し立たず 東電も検討』(21日付、毎日朝刊)

二月二十日
 笛の稽古で大須の師匠宅へ。
 きょうは笛をふくというより、先日あった発表会の反省をこめた話が中心で稽古の方は、【風の盆恋歌】を二度、三度とふいて終えた。私自身、笛をふくのは、これだけで十分だと思っている。

 むしろ、稽古に当たってのあんな話やこんな話をお聞きし、ある種の作法というか。芸道とは何たるか。その神髄を学び取ることの方が大切だ。師匠も私も同い年だけに、互いにどこか少年少女時代のクラスメートと似たような、そんな一体感めいたものがある。

 ところで、その発表会と言えばー
「イガミさん。〝あゆちゃん〟がネ、こんな歌をつくって私にくれたのよ」と言って見せてくださったのが次の一首だ。
♪笛の音に
  ふと立ちどまり
 春風も 
  寄り道をせし 
    七種の会
           あゆ

 そして。師匠がお弟子さんに返したのは、次の一首だった。
♪出来不出来
  二月九日
   春一番
 腹を抱えし
   七種の会
        家入三津恵

 あの七種の会発表会の場で、師弟の間で、まさかこんな歌のやり取りがされていた、だなんて。思い起こせばなかなか風流な一日だった。
        ×        ×

 第一生命保険の第26回サラリーマン川柳コンクールの入選作百句の発表が昨日あり、けさの朝刊各紙やテレビが【時代詠む センスが「いいね!」サラ川柳 入選100句発表】(中日)などといった見出し入りで紹介していた。
 入選作は30490句の中から選ばれたもので、今後インターネットなどによる人気投票を三月十九日まで受け付け、五月下旬にベスト10を発表するという。各メディアとも、それぞれの判断で入選作のなかの何作か、を掲載していた。
 これら入選作の中で、うち3句を以下に、掲げさせていただくとー
♪党名を 覚える前に 投票日
♪読みきれぬ 妻の心と 円と株
♪iPS 再生したいな 国・経済

 プロ野球侍ジャパンの山本浩二監督が日本代表選手28人を発表した。中日ドラゴンズからは、井端内野手ただ一人で寂しい限りだ。浅尾投手、大島外野手にはぜひ代表選手に加わってほしかったが、両者ともにこのところの故障がたたって絶好調とは言い難く、残念だがやむをえない、と言いたいところだが……。
 投手王国・中日から投手を一人も出さない、ということは最初から侍ジャパン、すなわち山本監督の失点ではないか。許せない。これまでは、私は山本監督を大いに評価していたが、プロ野球界全体を見て選ぶ、すなわちファンもみて公平に選ぶ大局観にかけている、と言わざるをえないのだ。
 浅尾投手が「悔しい」という意味がよく分かる。それこそ、一番働いてくれそうな大島選手に対しても、だ。たまたま故障していたから、これ幸いに落とすとは何事だ。いやしくも中日から投手を一人も選ばないなど、ありえないことだと言いたい。浅尾投手には実績も十分ある。だったら、山井投手をなぜ入れないのだ。顔ぶれを見る限り、少し偏っている。

 先の大戦もかろうじて生き抜いてきた庶民のみせ、東京・かんだ藪蕎麦店。【遠来の客も多かった東京の老舗そば店かんだやぶそばの火事。伝来のつゆを運び出すひまもなかったという。(原因は漏電だという)】(20日付、中日夕刊〈夕歩道〉から)。

 【新聞テレビから】
☆『明石歩道橋事故で強制起訴 元副署長に免訴判決 神戸地裁「過失なく、時効」』(20日付、中日夕刊)
☆『群青の天 白い台地 南極観測隊撮影=第54次南極観測隊がこのほど実施した大気観測の〝副産物〟だ』(20日付、毎日夕刊)
☆『厳寒 氷の芸術 長野・王滝村の新滝』、『同意人事 事前報道ルール撤廃 与野党合意日銀総裁案から』、『「押し買い」に法の網 改正特定商取引法あす施行 クーリングオフ可能「貴金属渡さない」』『岐阜のアユに新感染症流行 体力低下、友釣りに影響』(20日付、中日朝刊)
☆『公共工事 被災地「入札不調」増加 資材、人件費高騰 復興に影響も』、『シェールガス 輸出許可 米に要請へ 燃料費抑制狙い 日本、首脳会談で』(20日付、毎日朝刊)

二月十九日
 私自身の新作小説集誕生を一カ月後に控え最終校正がやっとひと段落ついたところで、文藝春秋90周年3月特別号に全文掲載された黒田夏子さんの芥川賞受賞作「abさんご」をあらためて読み返してみた。

 やはり読みづらい。「奇をてらう」という言葉があるが、失礼を承知で言わせてもらうなら、この文はまさに「奇をてらった」以外の何ものでもない。もっと分かりやすく書けないものか、と思ってしまう。新聞記事でこんな文を書いてきたら、即ボツだ。デスク当時だったら、おそらく「何を書いているのだ! もっと読者の気持ちになって分かりやすく書け」と、雷を落としてどやし付けるのは間違いない。全部、書き直させるだろう。
 とは言っても、一応は天下の芥川賞作品だ。というわけで、先日同様、分からないなりにも、読み進めていく。だから、そう。難解すぎるだけに、その反比例と言うか、意味の分かるカ所があると、急に「ウン、分かる。分かる」と自らうなづいて、なぜかその下りに限っては万歳さえしたくなるほど過大評価してしまう。

 先日も読み始めたとき、チンプンカンでさっぱり理解不能のため「なんだ、これは。これでは意味不明じゃないか」と話すと、相棒の妻が〝したり顔〟で「あのねえ。【abさんご】はね、読み飛ばして読むの。読み飛ばす。読み飛ばさなきゃあ。そうしていったら、意味の分かるところで昔の光景などが目の前に浮かんできて音楽まで聞こえてくる。わたしは、いい作品だと思うよ」と言うではないか。
 だから私はきょう、出来るだけ踏みとどまることなく読み飛ばしていく感じでこの奇妙な小説の読解に再びチャレンジし読みあげたのである。でも、私自身、まだこの小説を小説として認知はしていない。とはいえ、芥川賞受賞作だから、どこかに真珠の輝きの如き煌めきがあるに違いない。私は自身に今一度言い聞かせ、その気になったときにもう一度だけ読み直してみよう、とは思っている。

 「選評」も横書きか、と勝手に思っていたが、そこはやはり縦書きだった。
 のっけから、文句を言いながらも読んでみる。
 結果は。
 各選考委員ともそれぞれ「なるほど」と思わせる評を述べていたが、私はやはり「言語の解体と再構築」との視点から、この黒田文学を評した高樹のぶ子さんの評が一番分かりやすく、納得したのである。

 ここにその選評の一部を日本文学の歴史の一端として記録に残しておきたい。
―小説のカタチを壊すとき、何のためにそうするのか、そうせねばならない理由は何かが問われるのだが、中身の無さをカタチの新奇さで補っただけのものも多い。しかし「abさんご」は違った。固有名詞だけでなく熟語や単語で明瞭になるはずのひと言が、ひらがなに分解され融かされ、おまけに横書きという、仮名文には生理的に不向きな書き方が選択されているので読みにくいことこの上ないのだが、読者にその困難を強いるだけの理由があった。
 読者は最初、馴れない横書きの仮名文と試行錯誤しながら格闘するわけだが、いつの間にかひらがなを漢字に、意味を持つ単語に、変換しながら受け入れている。つまり、作者が解体した言葉を、読者は再構築しながら読むわけだ。その過程において、フォーマットに落とし込まれた文章では到底伝わらない、湿度を帯びた大和言葉の世界が、ときには乱暴に、また薄暗い美しさを伴って、立ちあらわれてくる。再構築されることで言葉の意味が、くさびのように深く打ち込まれるのだ。……(芥川賞選評から1部抜粋)

【新聞テレビから】
☆『戦乱の地音楽家ら団結 平和の歌声 マリに響け 「伝統守ろう」近く曲制作』、『大津市議会 いじめ防止条例可決 周囲に相談「子どもの役割」 第三者委や市民会議設置』、『イチロー4000安打へ始動』『ヤンキースで初キャンプ』『力抜き自然体 ヤ軍流練習「合理的」と感心』(19日付、中日夕刊)
☆『【特集ワイド】エロスの女王 壇蜜の味は? はかなげ昭和テイスト=テレビ、雑誌に出ずっぱりの「日本一美しい32歳」。エッセイにこうある。〈生と死、そして性―壇蜜はこの3つの要素を体現している存在でありたいと考えています〉。』、
『ダニ感染 4人目死亡 昨夏、広島の成人男性』(19日付、毎日夕刊)
☆『PM2・5(微小粒子状物質)外出や換気自粛 高濃度時呼び掛けへ 環境省対策案』『中国 基準の5・7倍 春節』、『日韓正常化交渉 日本竹島問題後回し 外務省、黒塗り部分開示』、『交番で賭けマージャン 豊田署員ら勤務中に 賭博容疑で捜査』『警官 女性に抱きつく 岐阜県警事故捜査中、車内で 懲戒処分』(19日付、中日朝刊)
☆『北朝鮮女性相次ぎ失踪 中国で運営のレストラン 指導層出身 金正恩体制ほころびか』、『遠隔操作 片山容疑者 「事件起こすとは思えぬ」 勤務先の社長困惑』(19日付、毎日朝刊)

二月十八日
 きょうは二十四節気の一つ「雨水(うすい)」。
 いつも感心するが暦は本当によく出来ている。雨水などという、今の時季にふさわしい言葉を一体全体、誰が考えついたのか。不思議な気がする。

 朝起きて窓辺を見ると、隣の屋根瓦に白い雪がホンの少しだけ冠雪しており傍らでは樋を伝い、たった今、白から生まれ出たばかりの透明な水がチョロチョロと音をたて流れていた。
 夕刊を見ると、植え込みに残る雪を横目に歩く人たちの写真を〝絵解き〟に【東海、雪の「雨水」】の見出し。記事には「空から降るものが雪から雨に変わり、草木が芽吹くころとされるが、この日は未明から早朝にかけて名古屋市や岐阜市でも雪が舞い、寒い朝となった。」と書かれていた。

 午前中、確定申告のため妻と二人で市民体育館へ。人がいっぱいで受付の担当者から「午後一時過ぎに出直すように」と言われそれまで昼食をと近くの店に入ると、そこにはナント滝高校時代の柔道部の一歳年上の大先輩、安藤寿一さんが奥さまとおそろいでお出でになった。しばし歓談後に帰られたが、帰り際に私たちの食事代まで知らぬ間に支払われていたのには恐縮した。さすが、後輩思いの先輩だ。
 続く確定申告。本当はインターネットを利用した電子申告納税システム「eーTax」を利用して申告したいところだったが、順番までさらに待たなければならず、いつもの方法で担当スタッフに教えて頂きながらの申告となった。還付金が戻ってくるかなと内心期待していたものの、今回は少し支払うことになり残念無念。でも、気になっていた申告を終え二人とも肩の荷が下り、ホッとした。

 それにしても「雨水」というのに、きょうは一日中、こ寒い日だった。妻の悪い癖で雨が降っていてもそのまま、「これぐらい大丈夫よ」とまるで出陣でもするように傘をささないでスタコラ歩くので、傘を手に追っかけるこちらがかえって疲れてしまう。それでも確定申告を無事終えた彼女。安堵感からか、珍しく「ぜんざいを食べようよ」と私を「時代屋」という喫茶店に誘った。

 帰宅後は、きょうも入稿直前に迫っている私の小説の読み返し、さらには「熱砂」同人から届いた作品の編集公開作業、本欄/二月の唄の執筆などに、相も変わらず遅くまで追いたてられた。一体、いつになったらゆったり出来るのか。自分でキリキリ舞いするばかりの悪い性格は記者時代の延長で天性のものなのかも知れない。自業自得とは、このことだ。
 というわけで、愛器サンポーニャはおろか、笛も、ハモニカも、ふいている余裕などとてもなく、ましてや社交ダンスのシャドーなど夢のまた夢の一日となった。あ~ぁ。

【新聞テレビから】
☆『〈大波小波〉中原中也賞も最高齢【細田傳造、69歳の第一詩集『谷間の百合』(書肆山田)】』、『湖の鉱物片は隕石 「チェバルクリ隕石」と命名 ロシア』『隕石恐怖収まらず PTSD(心的外傷後ストレス障害)に? 不眠訴える受診者も』『旅客機ニアミス 機長「横切った直後爆発」』、『少女わいせつ 前尾鷲市長に有罪判決 名地裁「被告の供述 不自然」』(18日付、中日夕刊)
☆『義足の英雄 浮かぶ闇』『恋人射殺容疑 ピストリウス選手』『過去の暴力、銃を好んだー報道合戦「血のついたバット押収」』、『「日中漫画展」は来月に 尖閣情勢悪化で延期 「沈静化」と判断』(18日付、毎日夕刊)
☆『高梨W杯総合女王 ジャンプ16歳、史上最年少 「自分でも感動」』、『川端康成 初の新聞小説 27歳で発表「美しい!」発見』、『浜松で不発弾処理 1万人に避難指示 新幹線に遅れ』、『南三陸から西表島へ ポスト2400㌔漂流』(18日付、中日朝刊)
☆『TPP判断へ 正念場の訪米 首相「例外」引き出せるか』、『被災犬1日だけの里帰り 岐阜のNPO橋渡し 来月10日、飼い主と再会』(18日付、毎日朝刊)

二月十七日
 きょうも一日が音もなく、過ぎ去ってゆく。
 私は、出版が迫った本の再校ゲラを既に提稿済みではあるが、なんども読み返す。
 
 【しんぶん赤旗 日曜版2月17日号】の〈ひと欄〉に映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」(齊藤潤一監督)で奥西勝死刑囚の母、タツノさんの役を演じた女優樹木希林さんのことが「後始末しながら生きる」の見出し入りで掲載されていた。
 三重県名張市で農薬が混入されたぶどう酒を飲んで五人が亡くなった名張毒ぶどう酒事件が起きたのが、1961年。記事には「逮捕された奥西さんは自白を強要され、最高裁で死刑が確定、再審請求は七次に及んでいます」とあり、希林さんは「61年は私が女優業を始めた時期です。そう思うと、すごく長い。私はえん罪じゃないかと思っています。このまま終わりにしちゃまずいと思い、協力させていただきました」と話している。

 そして。タツノさんを演じるのは、「しんどい」とも。実録の映像と比較されるからで、一心に仏壇を拝む姿や、息子に手紙を書く横顔を例に「役者は太刀打ちできない。負けるの。役者としては、本当は見てもらいたくない。でも映画としては見てもらいたい」と話し、さらに「88年に84歳で亡くなったタツノさん。彼女の生きた時代と貧しさを表現するため、シーツやこたつ布団、床の間の置き物一つにもこだわりました」いう。

 希林さんは八年前に乳がんを患ったが、その後回復し先月、七十歳に。「さあこれからだ、じゃなく、さあ後始末をしてゆこうというのが今の私の気持ち」とも言いきっている。私は、このヒトモノ記事を読みながら、希林さんがいかに優れた女優であるか、をあらためて感じたのである。いつも思うが「赤旗」の紙面は、なかなかいい点を突いている。

 それはそうと、ロシアの隕石落下のショックは大きく、思いがけなく被害に遭った【被災地】では、破損したガラスの修復に一日中追われる模様がテレビ画面に映し出された。日本では浜松と神戸で先の大戦中の残骸ともいえる不発弾の処理で住民が一時避難するなど、戦争の爪痕がいかに長い間、人間たちを苦しめるのか、を知る良い例だといっていい。
 
【新聞テレビから】
☆『〈皇室スペシャル〉「陛下の覚悟」〝異例の激務〟365日 美智子さまとの深い絆』(17日、メ~テレ)
☆『〈サンデー版・世界と日本大図解シリーズ〉季節を告げる 生き物たち』、『〈NASA推定〉隕石17メートル、一万トン 威力 広島原爆の30倍』『突然熱く次に爆音 落下瞬間「この世の終わり」』『隕石落下で1200人負傷 100年に1度の規模』、『風疹 冬なのに流行 感染者前年の14倍 30代以降 特に注意』、『〈この人〉中日フォトメイツグランプリに選ばれた久野帆乃香さん(金城学院大薬学部1年、19歳)』(17日付、中日朝刊)
☆『多喜二の歩んだ道〈没後80年 最後の3年間をたどる〉』『没後80年 多喜二の文学を語る集い(3月10日午後1時半、東京・みらい座いけぶくろ)』(2月17日号 しんぶん赤旗日曜版)

二月十六日
 土曜日。
 いつものようにNHK第2ラジオのカルチャーラジオ「詩歌を楽しむ」で〈石川啄木再発見 望郷・青春・日本人の幸せ〉なる番組に耳を傾け、どこかホッとした。
♭ふるさとの訛り懐かし停車場の人波のなかにそを聞きにいく
♯かにかくに渋民村は恋しかり思い出の山思い出の川、など。
 望郷への思いをつづった短歌一つひとつに対する解説が大変、わかりやすかった。そればかりか、啄木が好んで用いた「何がなしに」表現、私にはすごく分かるのである。

 隕石落下を報じる日刊紙と、NHKのテレビニュース
 

 

  ロシアでの隕石被害。新聞各紙、テレビ各社ともに続報に追われている。なかでも気になったのはNASA(米国航空宇宙局)の「今回の隕石落下は予測できないものだった。百年に一度のことだけに、どうしようもない」といったコメントである。ということは宇宙から天体が飛んで来たら私たちは被害に巻き込まれるほかない、ということか。隕石落下など不測の事態を科学の力で何とか事前にキャッチすることはできないものか。

 きょうは名古屋の街を昔懐かしい蒸気機関車(SL)が煙を吐き出しながら走った。
 名古屋市が、第三セクターである【あおなみ線】でポニーの愛称で呼ばれるC56型蒸気機関車の実験走行を実施したためで、沿線には実に一万八千人もの鉄道マニアが詰めかけ、その勇姿を見守ったという。応募十二万人の中から、選ばれたという乗客二百人の気分やいかに。さぞかし満足だったに違いない。あすも走るそうで、SLフィーバーは、もう一日続く。

 白煙を上げあおなみ線を走るSL(NHKニュース画面から)
 

 第76回ピースボートの船友仲間のヤエ姉さん(神奈川県大和市・八重子レクリエーション研究所長の小泉八重子さん)から「私はレ・ミゼラブルとはまた別な感動というか、ほほえましい風景に陶酔していました。こんな幸せなひとときに感謝です」とのコメント入りでメールをいただいた。

 メールの件名は「幸せなひと時を」。
 そして内容は、といえば。 
 「皆様に、私の感動をお届けいたします。現在スペインで行われたあるサプライズに、世界から賞賛の声が送られている。そのサプライズの一部始終を映した動画は、2012年5月19日午後、スペインのサバデイで、ある少女が楽器を抱えた男性の帽子に、一枚の硬貨を入れるところから始まる。
 少女がお金を入れると、その男性は【ベートーヴェンの交響曲第9番】を演奏し始めた。すると、別の楽器を持った演奏者が次から次へと登場し、演奏がどんどん壮大なものへと変わっていくではないか! これには観衆たちもビックリ! そして、さらにそこに合唱団も加わり、曲は感動の大フィナーレを迎える。
 これを聴いていた聴衆たちは、そのあまりに素晴らしい音楽に心打たれ、それはもう大きな拍手を演奏者・合唱団に送っていた。http://www.youtube.com/watch?v=GBaHPND2QJg  これです。」というものだった。
 もちろん、私はこのユーチューブをさっそく見させていただいたが、音楽の持つ力がいかに偉大なものであるか、をあらためて感じた。ありがとう。ヤエ姉さん!

 感動と言えば、もうひとつ。今夜、NHKBSプレミアムで妻と見た映画「フラガール」である。私たちは、この映画を3・11東日本大震災以前にも一緒に見たことがある。私自身、映画の舞台である福島県いわき市には大震災が発生してまもなく現地に入ったこともあってか、なんだか泣けてきてしまった。
 常磐炭鉱閉山の危機のなかで、新しい活路をーとフラダンスに打ち込み、ひたむきに生きる女性たちの姿はそれこそ、感動ものであった。「今まで生きてきたなかで一番楽しかった」「どんなに辛い時でも舞台の上では笑ってなきゃあ」「みんな、目死んでる。いくぞ、いくぞ」「いくぞ、フラガール」「この子たちはヤマを救うために歯を食いしばってがんばってきました」……
 そして。列車に乗って帰ろうとする先生をプラットホームに立って覚えたばかりのフラダンスを踊って見せ、引き留めようとする少女たち。
 松雪泰子、蒼井優らすべての俳優の名演には涙がとめどなく頬を伝った。常磐ハワイアンセンターが誕生するまでの苦闘の物語で、本当に見る者の胸を打ついい映画だった。今宵もまた午前一時半をはるかに過ぎてしまった。

 体調は少しずつ回復に向かっている。と、思う。

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉徹底生討論! どうするニッポンのエネルギー』(16日夜、NHK総合)
☆『〈SL実験走行 あおなみ線〉ビル街に「昭和の雄姿」』、『隕石被害半径百キロに』『負傷者1200人 爆発前の直径15メートル』『小惑星は無事通過 史上最も接近「軌道分かっていた」』、『大量殺人計画容疑 小5の2人を逮捕 米ワシントン州』(16日付、中日夕刊)
☆『ロシアに隕石 985人負傷 重さ10トン 上空で爆発』『太陽から接近見逃す ロシア隕石 直径数メートル、衝撃波で被害 小惑星接近「関係ない」』『住宅密集地なら大惨事』、『(劇団四季のミュージカル)「アイーダ」千秋楽=新名古屋ミュージカル劇場』、『〈虹〉闘病 燃えよ「ドラの母(我らが安江都々子さん)」』、『「学校統廃合中止して」 大阪の自殺小5、メモ残す』(16日付、中日朝刊)
☆『隕石 1000人負傷 ロシア南部に落下 衝撃波で建物損壊』、『犠牲者と家族帰国 グアム殺傷』、『中日私設応援団の全面敗訴確定』(16日付、毎日朝刊)

二月十五日
 本当に毎日、いろいろある。
 きょうは空から隕石がとんできた話だ。といっても、ロシアは南部ウラル地方にあるチェリャビンスク洲での話。私は、この〝宇宙の大事件〟を、パソコンを開くと同時に中日新聞プラスのポロロンという音とともに知った。それによると、【ウラジオストク共同】発でロシア内務省が十五日、チェリャビンスク洲に落下した隕石で百人以上が負傷、いずれも軽傷だったという。
 (その後のロシア科学アカデミーなどの調べによると、隕石は重さ約十トンと推測され、秒速二十キロメートルでカザフスタン上空から北上しながら落下。州都チェリャビンスク市では鉄工場の屋根が落下したり、学校や多数の住宅のガラスが割れ、洲当局によると、千人近くがケガをして、うち四十三人が入院。幸い、ロシア非常事態省は「隕石から放射能や有毒ガスは検知していない」としている)。

 ところで、この中日新聞プラスの効用だが、私は一読者として昨年暮れに同プラスの会員登録をしたがそれ以降というもの、国内外で発生した事件の第一報の多くを、パソコンと向き合っていてこのプラスから知らされている。
 中日新聞プラスもここにきてスッカリ定着してきた感じがする。いいことだ。
        ×        ×
 私のからだを気遣って離れようとしない老境の愛猫こすも・ここ
 

 話は変わって。私自身の恥じさらしを、ひと言。
 七転八倒とは、このことか。
 ここ四、五日前から左の背中部分がしばしば突然の激痛に襲われ、のたうちまわるほどにイタイことが続いている。こんなにも痛いのだから、すぐに死ぬということもなかろう。でも、分からない。
 とうとう、私とは昔からの悪ガキ仲間で【千年の知己】ともいえる琴伝流大正琴の大師範で弦洲会の会主・倉知弦洲さんこと、「熱砂」同人の詩人でもある牧すすむさんから「ガミちゃん、すぐ医者に行け! 行かなければアカンよ」との厳命が下った。
 妻(舞)にもこのところは顔さえ合わせれば毎日「行かなきゃ、行ってくるのよ。何度言ったら分かるの。自分のからだは自分で守るの」とずっと叱られてきた。デ、もたもたしていたら、そのうちタクシーか何かで拉致され、強引に病院に引きずり込まれかねない。以前、ある日突然、両肩の激痛に見舞われた時だったか、確かそれに似たことがあった。
 というわけで、きょうは午前中をかけて嫌々ながら近くの整形外科を訪れ、癪ではあるが医師の診察にわが身柄を預けた。その若い医師は私が痛がる患部を確認しながら「これは腎臓です。腎臓のなかに石が出来、ころころ動いている。だから、そのつど痛くなるのですよ。この手の患者さんは救急車で運ばれてくる方もちょくちょく、おいでですよ」ときた。

 明解である。
 「へえ~ぇ、腎臓に石ですか。で、どうしたら良いですか」と問うと「全身でトントンとやることですよ。そう、体の上下運動をすると出やすい。トントン、トンと。(社交ダンスは、の質問には)ダンスは大いにやってください。トントン、とやるわけですから。それにポカリスエットを出来るだけ多く飲むと良い。ビールはダメです。石を融かして下に流れる内服薬を出しておきますので朝、昼、晩と食後に飲んでください。痛くなったら頓服を。七転八倒するほど痛いときは座薬をしてください。ただし頓服は六時間、座薬は八時間以上の間隔をおいてください」とのことだった。
 ほおっとけば自然に治る。内心、へんな自信からそう信じてやまなかったが、どうもそうでもないらしい。石が出なければ第二ラウンドに突入し、なんだか専用の医療器械で体ごと地震の時の揺れのように左右上下に揺さぶられるらしい。なぜ、そんな厄介な石が出来るのかーと聞くと「ビールの飲み過ぎとか体質によります」との返事だった。わが家の系統で〈石持ち〉なぞ、聞いたことがない。ということは、ビールの飲み過ぎか?
 そう言えば、十数年前、新聞社の文化芸能局の部長在任時に同僚の一人が同じ病気で随分痛がり心配したことを思い出した。あの時のあの症状こそが今の私の症状である。あのときの同僚は現在、現役戦士として大活躍だが、その後病を克服したから今があるに違いない。だけれど酒は飲まなかったはずだが…。まぁっ、いいか。ビールを飲まない人にも石は出来る、ということだ。

 というわけで、きょうは気になっていた中日ドラゴンズ公式ファンクラブの若手スタッフにメールし「近々約束していた〝しみじみ飲む会〟を少し後にしてほしい」旨メールをしておいた。こういう時に限って飲み会の話が集中するものだが、ここのところはチョットひと呼吸おいた方がよい気がする。

 夜に入り。中日ドラゴンズ公式ファンクラブの〝お母さん〟である安江都々子さんから「今晩は。明日の朝刊に(私のこと)載ります。連絡ありました」のメールが入った。むろん「良かったですね。楽しみです。」と返信させていただいた。

【新聞テレビから】
☆『ミサイル発射台新設か 北朝鮮、日本海側で大型 米大分析』、『〈津波被害 宮城・閖上〉復興の道照らして 「絵灯籠5000個協力を」千種の女性』(15日付、中日夕刊)
☆『〈国際フォーラム〉日韓関係再構築の好機 若者の力に期待の声』『慰安婦問題「被害者の苦痛理解を」朴槿恵(パククネ)氏、河野氏(河野洋平元衆院議長)と会談』、『三菱重工、検査飛ばし ボーイング向け 旅客機部品で 06年から6年間』、『娘守る母 刺し続ける グアム殺傷死者3人に 容疑者、強い殺意』『3人きょう退院』、『〈訃報〉「特捜最前線 本郷功次郎氏 14日心不全のため死去、74歳』(15日付、中日朝刊)

二月十四日
 昨夜は。いや、きょうの未明、本欄を書き上げ公開後、床に入って寝ようとしたが何度も襲いくる背中の激痛がどうにもいたくて我慢できず、とうとう仰向けになることはなく俯せ、または横になったままで蝸牛のようになって一夜を過ごした。
 いつものことでお恥ずかしい次第だが、痛い痛いと言って私が苦しんでいる傍らでは、かわいい妻(舞)がぐっすり眠ったままだ。それでも緊急事態になると、彼女はスックと起き上がり、テキパキと処置してくれる。ということは、私がオーバーに「痛い、痛い」と叫んでいると判断しているのだろうか。全然、相手にしてくれない。

 激痛に耐えながら、やっと夜が明けた。
 彼女は、さっそく私のからだの背の部分に湿布剤を張りながら「ほんとに、弱いのだから。それでよく柔道なんて、やってられたわね。とても信じられない。弱虫」と憎まれ口をたたく。私に言わせてもらえば、本当に痛いのだから仕方がない。
 私はそれでも、本気で〈極める〉つもりでいる社交ダイスのレッスンに近くの公民館までマイカーを運転して出かけたのである。ジルバ、ルンバ、タンゴと先生について順次、踊っていったが不思議とレッスンの間は背中の痛みは消えており、すべて無事踊り終えた。

 帰ったら、すぐに電話。「なんとか踊れたから」と話すと、彼女もどこかホッとした様子だった。でも、それからがいけない。背中が痛いので台所の椅子に座って第148回芥川賞に選考された黒田夏子さんの「abさんご」なる小説を読みにかかったが、またまた全身の激痛に襲われ、そのつど呼吸を整えながらの読書となった。
 いや、読書といえるかどうか、私にとっては意味不明といってもいい字面を読み進めてゆく辛い【行軍】みたいなものである。なにしろ、読みづらい。全身の痛みが走るたびごとに、体の動きをいったん止めて深呼吸をして、思い返したように読み進めていく繰り返しとなった。全身の痛みのせいか、なにを書いてあるか、がよく分からない。ただ読み進めるうち、どんどん言葉が消えそのこと自体が不思議な心地よさにつながっている。

 なんだか「こんな訳の分からない作品を、日本文壇を代表する芥川賞に選んでよいものか。最高齢受賞とか、横書き、平仮名書きなど単なる興味本位の選考では」との疑念が浮かんだ半面、「文全体が醸す雰囲気と語感は尋常でない、時代もしっかりとらえており、読み進めるにつれ結構、面白感もありそれなりにリズムがあり、どこからか音が聴こえてくる」そんな音調のある文体だ、と感心してみたりもした。

 背中の痛みにしばしば襲われながらも読み進めていく。読みながら、私はふと「この尋常でない背中部分の痛みは、病ではない。これは、私の小説集〈マンサニージョの恋〉の出版を前にした【生みの苦しみ】なのだ。きっと本が出版されるころには治るに違いない」といった確信めいたものが沸々と体内から湧き上がってくるのを感じた。

 私は読書を途中でひと休みして、今度は、先日の発表会以降、しばらくご無沙汰していた横笛を手に〈さくら〉と〈酒よ〉〈コキリコ節〉をふいてみた。ふいているさなかにも、何度か背中に痛みが走った。

 そういえば、きょうはバレンタインデーだ。
 わが家の場合は一般社会とは正反対で、私が妻にチョコレートを毎年買ってくる。既に渡し済みだが、その代わりかどうか妻は芥川賞受賞作の全文が掲載され、つい先日発売されたばかりの文藝春秋9月号を私に買ってきてくれた(もっとも、私も同じ文藝春秋を買ってきたので同じ内容の二冊を互いに交換した。少しもったいない気がせぬでもない)。

 夕方、昨年乗船した102日間地球一周ピースボートの船旅でお世話になった若手映像作家高木應(アタル)さんから何カ月ぶりかで電話が入り、懐かしく思った。元気に映像の道を極めようとしている、ひたむきさが伝わってきた。頑張れ、アタル!

【新聞テレビから】
☆『〈シネマガイド〉ゼロ・ダーク・サーティ ビンラディンの殺害まで』、『岩波ホール総支配人 高野悦子さん死去 大腸がん 83歳』、『新たに邦人男性死亡 グアム殺傷 死者3人に』、『27年ぶりの汽笛 名古屋・SL試走』、『教員早期退職 愛知でも104人 月末、定年の1割』(14日付、中日夕刊)
☆『グアム殺傷 死亡は28歳女性と祖母 親族の結婚式で訪問』『叫ぶ男手にはナイフ 無差別に次々切りつけ』、『16年世界販売 トヨタ単体1000万台計画 アジアの伸び見込む』、『ネット選挙 与野党合意 参院選から解禁 メールは再協議』(14日付、中日朝刊)

二月十三日
 きょうは、なんだか不思議で怪しい日だった。

 というのは午前中、わが家の電話が鳴り通しなので出たところ、いきなり「イガミゴンタ先生、おめでとうございます」と女性の弾む声。何ごとか、と思って「あの、何のことでしょうか」と聞くと「東京の広告代理店〇〇堂の△△といいます。実は小社で繰り返し会議を開き、全国の読者や有識者のご意見も伺わせていただいたうえで慎重、かつ公正に議論させていただいたところ、ゴンタ先生が昨春出版された日記小説〈いがみの権太 大震災『笛猫野球日記』(笛書房発行)〉が〝春のグランプリ〟に文句なく全員一致で選ばれました。えぇ、ウソじゃありません。北は北海道から南は沖縄まで、日本中の小説でゴンタさんの作品が〝ニッポンイチ〟になったのです。私自身、何度も読ませて頂きましたが大のゴンタファンになっちゃいまして」とのこと。
 デ、と次を聞くと「ついては、ご著書の広告を専属のスタッフに作らせて頂きますのでぜひ協力してくださると、有り難い」と続けた。
 私は一応、検討はさせていただいたものの「しばらく考えさせてほしい、春のグランプリ・日本一のお言葉だけはいただいておきます。グランプリの取材の要請があれば応じますから。皆さん、一生懸命に仕事をなさっているのに本当に申し訳ありません」と無情な返事をしたが、答えながら「俺は、なんて薄情なニンゲンなのだろう」とつくづく思ったのである。でも、この方が間違いのない判断か、と思う。

 夕方。パソコンの前で相も変わらず、あれやこれやしなければならないことをしていたところ、からだを捻った瞬間に左背中部分に激痛が走り、一時痛くて動けないほどの状態になった。なんとか入浴した後、心配した妻から「湿布」をされ、新聞各紙をチェックしたあと、こうしてパソコンに向かって背中を押さえながら書き始めた。

 なぜ、突然にこんな激痛に襲われたのか。
 私の場合、このところは自室で近く発刊予定の小説三篇の再校ゲラのチェックに追われ、日に日に緊張感が心身とも充満してきており、今日も合間に昼食に出るのがやっと、というありさまだった。そして夕方、再び外出して近くのクロネコヤマトまで出向き、原稿を東京の出版社宛てに出した時には、なんだか全身の力が抜け落ちてしまうほどの脱力感さえ覚えた。だから心身の気の緩みから背中の局所部分に痛みが走ったのだ、と勝手に解釈している。

 でも、大体感覚で自分の体調が分かるのでそれほど心配はしていない。それより、私の身を必要以上に心配してくれる妻に心理的負担を負わせてはならない、と思っている。こんなのは、ほおっておけば、治る。このところ、ちょっとコンをつめ過ぎたためだろう。

 午前一時四十分を過ぎた。まだ、かなり背中部分は痛い。うなりながら書いている。でも、取り敢えずは再校ゲラチェックからの呪縛からも解き放たれたので、時間の経過とともに次第に治ると信じている。私のからだは柔道で鍛えてあり、そんなやわではないはずだ。ダメだと思えば、わかるはずだ。

 それはそうと、この世のなか、日々いろんなことが起きる。
 小説よりも現実社会そのものの方が、より【奇】である。まさに事実は小説よりも奇ナリ、の日々の繰り返しだ。楽園のはずのグアム島の繁華街・タモンでは、昨夜、車を暴走させたあげく車をおり、刃物で何人もの日本人観光客をめった切りにした21歳の男が逮捕されたという。不意の不幸で日本人二人が死亡、十二人が負傷するという、とんでもない事件となった。
 とんでもない、と言えば昨日、豊渓里(プンゲリ)で地下核実験を成功させた北朝鮮が「地下核実験を成功裏に行った」と発表。朝鮮通信は「爆発力は大きいが小型化、軽量化された核爆弾を使い、高い水準で安全かつ完璧に実施された」と発表。今後日米に届く中・長距離弾道ミサイル搭載に道筋がつけば、北朝鮮の軍事脅威はさらに深刻化しそうだ。
 当然のことながら十二日、緊急に開かれた国連安全保障理事会は「北朝鮮の核実験は過去の安保理決議に明確に違反する」との非難声明を発表。オバマ米大統領も昨夜の一般教書演説で「北朝鮮の挑発的行為は自らの孤立を深めるだけだ」と強く抗議したという。

 このほか、国際オリンピック委員会(IОC)による〝レスリング競技の五輪外し〟など、次から次にと、いろんな問題が起きてくる。これが世の中、というものなのか、と諦めるにはあまりに無慈悲な決定でもある。ただ最終決定はまだまだ先。関係者の努力と五輪復帰に期待したいところだ。

 あすは社交ダンスを無事踊りこなせるか、どうかだ。これから休めば明朝までには背中の痛みも少しは治っている。そんな気がする。

 なんだかんだで、きょうもアッという間に過ぎ去った。もう寝なければ。

【新聞テレビから】
☆『グアムで2邦人殺害 車突入、次々刺す 乳幼児含む12人負傷 21歳容疑者逮捕』、『米大統領 北の核実験を非難 一般教書演説』『日韓、制裁強化で一致 米韓首脳も安保理連携』(13日付、中日夕刊)
☆『グアム通り魔 14人死傷』『日本人女性2人死亡』『車で突入 刃物振り回す 21歳男逮捕』、『ダニ感染症 2人死亡』『新型ウイルス 愛媛、宮崎の男性』(13日付、毎日夕刊)
☆『各国要請無視し強行』『北核実験「小型化に成功」 政府、独自制裁を強化』『安保理が非難声明』、『レスリング五輪除外も』『IOC理事会「中核競技」外れる 2020年』『五輪除外危機 レスリングなぜ』『吉田選手「なんとか継続を」』(13日付、中日朝刊)

二月十二日
 きょうは朝刊がない。だから、なんとなく頼りない。たよりない、というよりは「朝刊がないので、その分ホッとするような」そんな現役記者時代の、たとえわずか一日でも、記事から解き放たれた残照がいまだに残っている。妙な感じだ。なんだか『自由の身』になったような、そんな錯覚さえ覚える。

 そうしたなか、連休中に届いていた私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人、山の杜伊吹のテーマエッセイ=テーマは「巡る」=の作品「大宇宙の毛細血管」が無事公開され、なんとなく安心というか、肩の荷が下りた。彼女ならでは、のモノを見る「目」とすなおな「発想」は強くたくましい半面、いじらしいほどで「大宇宙の毛細血管」は、秀逸といってよい。今後ますます健筆を生みだし、大空に羽ばたいてほしい、そんな気持ちにかられるのである。

 それでもテーマエッセイ集の公開作業以外には、きょうも1日中、近く出版予定である私の連作小説3篇の再校チェックに延々と追われた。午後には、小説の題とカバー表紙の装丁につき出版社の担当者と電話でじっくり話し合い、その方向性につき、あらかたの結論にまで至った。
        ×        ×
 正午のニュース。韓国の聯合ニュースが「きょうの正午前、北朝鮮の地下核実験場がある北東部の豊渓里近くでマグニチュード5・1程度の人工的な地震波を観測した、と伝えました」とのニュースを繰り返し流した。北朝鮮が三回目の地下核実験に及び、これには日本政府はおろか米国もピリピリ、緊張感を漂わせていた。なかでも親交国といってもよいはずの中国も今回の核実験には激しく抗議するなど、世界はいま混沌とした中にある。 

 夜遅く。テレビを見ていたら、2020年五輪からレスリングがオリンピック種目からはずされる、というビックニュースが飛び込んできた。少なくとも私には、なぜレスリングがオリンピック種目から外されなければいかないのか。そこが、腑に落ちない。日本の場合、女子55㌔級で五輪3連覇を成し遂げたばかりか、国民栄誉賞にまで輝いた吉田沙保里選手(30歳)がいる。彼女の胸中はいかばかりだろう。
 それにしても、これまで吉田選手によって青少年に夢と希望を与える競技としても人気が高まってきたレスリングを五輪競技から外すなどとは。一体だれが、どのようにして決めたのか。そこを聴きたい。

【新聞テレビから】
☆『北朝鮮 3回目核実験か』『人工的地震観測 金正恩体制』『対米交渉 有利と判断 「独自制裁含め検討」 首相』、『ローマ法王退位へ 高齢理由 存命中は600年ぶり』、『国府宮はだか祭 神男に新実(功一朗)さん』、『福田敬子さん死去 米国女子柔道の母 99歳』、『〈訃報〉鳩山安子さん(鳩山由紀夫元首相の母)11日、多臓器不全のため死去、90歳』(12日付、中日夕刊)
☆『北朝鮮 核実験か』『人工地震波を観測 韓国報道』、『体罰顧問 懲戒免職へ』『桜宮高 自殺と因果関係認定 大阪市教委』、『〈寄稿 徳永絹枝(「捕虜:日米の対話」設立者代表〉オバマ大統領を被爆地へ 安倍首相の訪米に寄せて』(12日付、毎日夕刊)

二月十一日
 建国記念日で祝日。
 きょうは、少しだけ外出した以外はまる一日、部屋にこもって朝から晩まで今春、出版予定である私の本「マンサニージョの恋」(総合タイトル、小説3連作)の再校ゲラのチェックに追われた。文章とは不思議なもので、どんな文であれ、表現面でこれといった正解がないだけに、わが思考が千千に乱れる個所も少しはあって、その分、修正作業にエネルギーを要した。
 とはいえ、文にはその作家ならでは、の文体が大切でオーソドックス過ぎてもならない。
 文脈そのもののリズムや余韻といったようなもの、が失せてもいけない。それから作家の哲学といおうか。作家の訴えたい思想、姿勢といったものを登場人物に反映させることも欠かせない。これら一連の川の流れのような文体をどの場所で堰き止めるか、ここら辺りとなるとその作家なりの【血の流れ】があり、この〝作家の世界〟だけは超えてはならない。
 
 というわけで、今宵も就寝前になってこうして書き始めた本日のわが日記文学「生きてゆく人間花たち」。頭を休めるためにもここらで止めておこう、とは思いつつそんなわけにもいくまい。

 デ、耳に入ったことだけでもと記しておく。
 きょう何よりの朗報はといえば、だ。アイスホッケー女子の日本が昨日、ポプラト(スロバキア)で行われたソチ冬季五輪最終予選の最終戦でデンマークに5―0で快勝し、1998年長野五輪いらい四大会ぶりの五輪出場を決めたことか。日本勢のソチ五輪出場権の獲得は全競技を通じてこれが初めてだという。
  もう一つ。世界から飛び込んだニュースとしては、ローマ法王のベネディクト16世(85歳)が自ら「精神的にも肉親的にも限界を超えた」として、退位表明をしたということか。ローマ法王の場合、全世界のカトリック信者16億人の総帥で本来は終身だけに、本人が退位表明をするケースは本来ありえない。グレゴリウス12世いらい、実に六百年ぶりの退位表明だと各メディアが報じている。これによってバチカンでは来月末までに新法王を選ぶことになる。

 このほか、昨日、山形市蔵王であったノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会で16歳の高梨沙羅が連勝し、今季の勝利数を6に伸ばしたという明るい話題。安倍内閣の支持率がなんと、76・1%まで上がったこと、巨人のプロ野球宮崎キャンプに終身名誉監督の長嶋茂雄さんが訪れた、名古屋で霊能師の女が逮捕されたーなど。
 悲喜こもごもの世の中だ。相変わらずニュースには事欠かない。 

【新聞テレビから】
☆『荘則棟氏 死去 ピンポン外交、72歳』『「丁寧な人格者」「日中親善尽力」 関係者悼む』、『浅田 今季世界最高V 鈴木2位村上3位 愛知勢、表彰台独占 四大陸フィギュア』、『飯田の変死は殺人 おばの元交際相手自殺か ストーカー絡み?』、
『ともに支えあおう 名古屋 原発避難者の会設立』、『PC遠隔操作男逮捕 ネットに殺人予告 都内の30歳 容疑否認』『防犯カメラで浮上 ネット捜査 難航』、『海と生きる 刻んだ決意 東日本大震災1年11カ月』、『(音楽機器メーカー)ローランド創業者(梯郁太郎さん)に米グラミー「技術賞』(11日付、中日朝刊)
☆『05年にも殺害予告 遠隔操作容疑者逮捕』『物静か 目立たず 元同級生ら「印象ない」』『秋葉原、猫カフェ常連』(11日付、毎日朝刊)

二月十日
 けさの新聞。「中日新聞を読んで」に旧知の仲でもあるエッセイストの内藤洋子さんが〈義理チョコ バイバイ〉の見出しで次のように書いておられた。
―(途中抜粋)私には職場がらみの義理チョコに、いい思い出がない。勤め人だった若いころは人並みに配ったものだが、それによって同僚や上司との会話が弾むでもなく、乏しい給料を削ってまで何の感情も持たない人にチョコを贈る習慣は、苦行にも近かった。
 受け取った男性側も困惑しているように見えた。翌月のホワイトデーには、差し上げた品より高価そうな物が返ってきていた。
 こんなイベントがいつまで続くのかと、今年もチョコ売り場を横目に通り過ぎていたら、一日付朝刊の「さぷり面」に約半ページを割いて「義理チョコ バイバイ?」の記事とアンケート結果が載っていた。
(中略)
 プレゼントも年賀状も「気持ち」あってこそ。「さぷり面」の義理チョコの記事を読んで、ますますその思いを強くした。

 ざあっとこんな内容であったが、その通りだ。
 なかでも「何の感情も持たない人にチョコを贈る習慣は、苦行にも近かった。」との下りは、【苦行】という点で大方の女性の声を代弁している気がする。逆に言えば、義理チョコなどはなくしてしまって【本命チョコしか売りません】と宣言するお店が出てきても不思議でないのに。
 少しくらい高くても、その店そのものが〝恋のキューピット〟としてのブランドを高めれば、商売も繁盛するのではないか。もちろん、義理チョコは義理チョコとして割り切って売ればいい。なんて浅はかなことを思うのは私だけか。
        ×        ×
 市川団十郎演じる「勧進帳」の名場面。3シーン(NHKEテレより)
 
 
 

 きょうも朝から自室にこもって小説集出版を前にした再校の念入りチェックなど今やらねばならないことに集中していたが、午後妻の買い物の付き合いをして帰宅後、いっときだけNHKEテレで【市川団十郎の至芸】を見た。
 ことに平成二十三年に新橋演舞場で演じた歌舞伎十八番の「勧進帳」は、それは見事だった。随所に見られる〝にらみ〟の迫力、演技の巧みさには、あらためて歌舞伎界が惜しい人材を失ったことに思いを馳せた。

 各種報道によれば、中国ではきょうから旧正月の「春節」とのこと。大気汚染が心配な北京では、この日ばかりは花火や爆竹が鳴らされた。十五日までの大型連休中は、実に2億1000万人以上が旅に出る。しかしこのところの日中関係の悪化で日本への旅行客は激減。一方で円安局面もあり、このところはタイやインドネシア、ベトナムなど東南アジアから日本への観光客が急増の傾向にあるそうだ。

 昨年八月に火星に着陸したNASA(米航空宇宙局)の火星探査機・キュリオシティーが穴を掘っての岩石の採取に成功。火星に生命体が存在するかどうか、今後の研究成果に期待が集まっている。

【新聞テレビから】
☆『真央 悲願のアクセル跳んだ 跳びたい! 跳ぶな! 葛藤2年』、『ネット脅迫なりすまし男(片山祐輔容疑者)逮捕 ノコギリ頭に…少年期のいじめ』(10日夜、東海テレビ〈Mr.サンデー〉)
☆『ソロモン地震 津波注意報』『下校か待機か 学校苦慮』『岩手沿岸 解除に8時間、宿泊も』、『「体罰否定なら教育はできぬ 伊吹衆院議長、岐阜で講演』、『〈フィギュアスケートの四大陸選手権〉真央、3回転半成功 2年ぶり』(10日付、中日朝刊)
☆『Sストーリー 芥川賞の魔力―最年長受賞 黒田夏子さん』(10日付、毎日朝刊)

二月九日
 毎日、毎日。本当にやることがいっぱいある。イソガシイ。
 「忙しい」という言葉を私は新聞記者の現役時代、異常なほどに敬遠し、かつ嫌ってもいた(というのは、たいして忙しくもない記者に限って〝忙しい〟を連発していたからだ。部下を見ていると、大体がそういう傾向にあった)。
 だが、今となっては、イソガシイという言葉を呪文の如く唱えると確かにどこかホッとするものがあるから不思議だ。

 でも、私の場合。いま振り回されているのは小説の執筆はじめ、ウエブ文学同人誌「熱砂」の本欄や同人作品の公開、ほかに語学や社交ダンスなど、すべて自分で好きでやっているのだから「私」というご本人には悪いが、これぞ、すべてが「遊び」である。だから、それこそ私の場合は〝忙しい〟などと言ったら、バチが当たろうというものだ。最近、こんな生活に追われているとニンゲン皆、遊ぶために生きている。遊ぶために働いているのだ、と。そう思えてしまう。

 きょうは土曜日。11日が建国記念日のため3連休の初日である。
 私は横笛を教えて頂いているお師匠さん(家入三津恵師匠)率いる七種会門下の発表会に出演するため朝から名古屋は覚王山の料亭・松楓閣へ。四番目の出演で「酒よ(一部、津軽平野も)」をなんとか、ふきこなした。
 ところで毎年、この栄えある発表会に出させていただいて思うのは、「俺はナンテ下手な笛吹きなのだ。一体いつになったら【ニッポンイチの笛吹き名人】になれるのか」といった儚き願望である。それでも門下の先輩女性に「最初のころに比べたら、音がよく出るようになったじゃない」なぞとおだてられ悪い気はしない。

 きょうは第二十回ということで、女性は家入師匠はじめ、全員が黒の紋つきでそろえられ、それはお見事。どなたも互いに引けを取らない美しさでついつい、見とれてしまった。横笛、三味線、端唄とどなたもシャリ、リと見事な演技ぶりで家入師匠も門下生の名演には、どこか満足そうだった。
 そればかりか、きょうは新しく名取になられた若きエースの一人、三津貴さんの名披露目もあり、華やいだなか、会は進んだ。

 真剣に進んだ七種会の発表会。右が三津貴さん
 

 楽しく進んだ余興
 

 発表会のあとは、余興を兼ねての食事会。ウクレレやギター、カッポレ踊り、黒田節など秘中の秘の出し物が次々と飛び出し、私も苦し紛れに持参したハモニカで〈夕焼け小焼け〉〈叱られて〉〈知床旅情〉をふき、拍手喝采? を浴びた。 最後に会主の家入師匠が「みんな、幸せのハードルを下げて。これからもあまり高望みはしないで楽しく生きていきましょうね」とあいさつ、〈大ちゃん数え唄〉をみんなで歌い、会の発展とそれぞれの幸せを願い三本じめで会を終えた。

 帰りは名鉄江南駅で下車し自宅まで歩いて帰る途中、ついつい「紙音」なる珍しい名前の立ちのみ屋へ。暖簾をくぐり、熱燗を少しばかり飲んだ。その気になれば延々と際限がないため適当に時間を見計らって店を出たが、ほろ酔い気分で帰る途中、ふと気づくと、そこには社交ダンスのワルツとタンゴ、ブルース…のステップを踏みながら歩いている自分がいた。

 帰ってからも「熱砂」同人から届いていたテーマエッセイの原稿処理やら、本出版を前にしての最終作業など、なんやかんだでアッという間に時は過ぎ、酔いはいつのまにか覚めていった。いまは(翌日の)午前一時過ぎである。
 愛猫こすも・ここが「大丈夫か」といったふうに真ん丸な目で見上げ、私に寄り添って座り、ずっと傍らで見守ってくれている。アリガトウ、ここ。
  
【新聞テレビから】
☆『踊れ、リオの街 カーニバル開幕』、『ドラクロア名画に落書き 「民衆を導く自由の女神」に28歳女』、『ハッカーに不覚… ブッシュ家のメール流出 父親入院中の写真も』、『江副浩正氏死去 76歳 リクルート事件』(9日付、中日夕刊)
☆『中国「PM2・5(肺や循環器の疾患を引き起こす微小粒子状物質)」大気汚染 在留邦人 対策追われ』『日系企業一時帰国も 清浄機、マスク大量購入』、『マリ過激派主要拠点 仏軍キダル制圧に慎重 別の組織が協力姿勢』、『米猛吹雪4300便欠航 北東部4州 非常事態宣言』、『チュニジア混乱が拡大 野党指導者葬儀で衝突』、『〈人・模・様〉北朝鮮写真集(「隣人。38度線の北」=徳間書店。新宿ゴールデン街の写真家初沢亜利さん)を出版』(9日、毎日夕刊)
☆『電力小売り 16年に自由化 有識者会議報告書 発送電分離18~20年』、『「安倍氏訪米前 脅威論あおる」』『レーダー照射で中国メディア 国防省「監視用」は認める』、『笹子トンネル全面開通』『工事前倒し 崩落から68日ぶり』、『高齢者施設火災4人死亡』『8人搬送 認知症患者ら入居 長崎』、『交通死 県警が計上漏れ』『愛知10年連続最悪に 21年間で600人』、『PM2・5 各県が観測地公表』、『フラワーマルシェ 多彩な魅力に酔う 名古屋・吹上ホールで開幕』(9日付、中日朝刊)

二月八日
 東海道新幹線の六年ぶりの新型車両「N700A」が今日デビュー、午前七時の初運転前に東京、新大阪の両駅で出発式があった。従来の運行車両に比べ「安全性」と「快適性」に配慮が凝らされているばかりか、地震発生時の緊急停車も一段と早くなるそうだ。
 きょうは寒い一日となり日中の最高気温は名古屋5度、岐阜4度、津3度だったという。

 中国海軍による日本の海自護衛艦へのレーダー照射事案、岸田外相によれば、「中国側は照射の事実を否定してきた」という。当然ながら同外相は「受け入れることは出来ない」との態度。安倍首相も「日本外交は国際社会で礼儀正しく物静かだ、とされているが、今回のように主権や国益を侵害される時には、しっかりと真実のところを主張していきたい」との構えでいる。

 午後九時からのニュースウオッチ。長崎市内のグループホームで火災が起き、二人が亡くなり、十人が搬送されたという。長崎といえば、過去、長崎大水害の取材や、こどもたちに原爆の悲惨さを見せる狙いの家族旅行などで何度か出かけたことがある。あのオランダ坂界隈の情緒は忘れられない。事もあろうに、現場はそのオランダ坂の辺りだとアナウンサーが伝えている。
 人間社会には、きょうも「これでもか」「これでもか」と不幸が波となって押し寄せてくる。

 それでも、このあとになって少し救われる気持ちになったことがある。
 NHKのEテレだ。例によって私の大好きな番組〈にっぽんの芸能〉の「花鳥風月堂」と「芸能百花繚乱」で狂言の〝棒しばり〟、次いで名古屋・西川流による踊り〝鷺娘〟と〝旅奴〟を見たが、いずれもそれは見事な、まさに〝にっぽんの芸能〟には心洗われる気がした。なかでも〝鷺娘〟の西川まさ子さんと西川陽子さん、〝旅奴〟の西川流家元・西川右近さんの迫力、かつ情緒と余韻ある演技には、名古屋が生んだ伝統芸だけに、拍手を送りたい気持ちにかられた。
 ♪思い重なる胸の闇 せめて哀れと夕暮に ちらちら雪に濡鷺の……
 どうにもならない切なさを演じきる西川一門の見事な演技。これには、一門の並々ならぬ日頃の努力を見る思いがして、なんだかジーンときたのである。

 ここで、つくづく思う。
 私たちニンゲンは、不幸の道のなかを幸せを求めて歩いてゆく。それしかないのか、と。いや、それとも幸せに浮かれ過ぎぬやう、たまに不幸がやってくるのか。でも、この道は全ての人びとに共通だ。私たちは、いつだって絶えずひと筋の〝幸せ〟という光りを求め前に向かって歩いていくしかない。
 きのう、きょうと、またまた寒い日が訪れている。ちまたでは、このところ悪性のインフルエンザが人間社会を襲い、容赦ない。友は元気でいてくれるかな、とふと心配になる。

【新聞テレビから】
☆『中国が「レーダー使用せず」と反論・日本は』(8日夜、NHK【ニュースウオッチ】)
☆『レーダー照射 中国側が否定 国防省回答』『監視用レーダー使用と中国主張』、『ソチ五輪開幕あと1年 「最高舞台」高まる熱』『五輪委副会長を解任 建設遅れ 大丈夫?』、『圧巻イカ〝フライ〟 北大「飛行」撮影』、『B787トラブル発火部品特定 米運輸安全委』(8日付、中日夕刊)
☆『レーダー照射「虚偽公表」日本を批判 中国、正当化に腐心』『国際社会への訴え強化 安倍首相が外交方針』、『エルバラダイ氏殺害「容認」 エジプト聖職者が宗教令(ファトウ)』(8日付、毎日夕刊)
☆『改修重荷 GS廃業加速』『過疎地悲鳴 増える「ガソリン難民」「業者努力だけで維持無理」』、『富士通9500人合理化 半導体再編 桑名の工場、新会社へ』、『御園座 再建へ40億円要請 上場維持へ地元企業に 中日劇場も支援』(8日付、中日朝刊)
☆『中国レーダー「護衛艦照射 報告遅れ」 防衛相 発生の6日後 「慎重に分析」と食い違い』『防衛相「国連憲章上の武力威嚇』『「中国が挑発」印象づけ』『レーダー照射 中国、強引に正当化 「軍独自判断」見方強まる』、『「映画らしい映画を」(「終の信託」の)周防(正行)監督 (第67回)毎日映画コンクール表彰式』(8日付、毎日朝刊)

二月七日
 すべてベルギーの工房で生産されたというベルギー直輸入の本物のベルジャントリュフ(ベルギー大使館3年連続推奨)を、まだ若き社交ダンスの先生からいただいてしまった。口のなかでとろけるような味、本当においしい。最近では、ある著名な詩人にゴディバをいただいたことはあるが、さすがはトリュフ。味、香りともゴディバに決して負けてはいない。そう言えば、世にいうバレンタインデー(十四日)とか、が近づいてきた。
 あっ、それでか、と思いを新たにした。

 「さぁ~召し上がれ」 わが家族の一員、福ちゃん猫人形にもトリュフをおすそ分け?
 

 きょうは私が心密かに伊神権太の小説世界と同時進行で極めようとしている社交ダンスのレッスン日で、会場の都合もあって私にとっては初めての江南市内の草井公民館へ出向いた。が、自宅から車で十五、六分のところを迷いに迷ったあげく四十分後にやっと着くといったありさま。車を購入した際、ナビをわざわざ外して年代物のカセットなぞにしてもらったのが、こうした馬鹿げた〝道はぐれ〟につながったのだ。
 カセットは、〝潮来出島〟や〝縁かいな〟などの端唄や、都々逸を習得したり、時には懐メロなど思い出の名曲の数々を聴くためにどうしても必要だったが、今日はこれが裏目に出てしまったようだ。

 仕事と関係ないところに出かけるとき。それだけ気が緩んでいるせいか。私は、なぜか決まって方向音痴になってしまう。きょうのようにあちこちさまよったあげく、やっとのことで目的地に着くのである。
 これが、その昔のように事件発生時の現場行きとなると、自慢じゃないが独特の嗅覚が働いてか、いつも迷わず、それも他社よりは、たいてい早く一直線で着いたものである。地図のない現場に近づくに従い、私の目と耳、足は地図よりも詳しく全身で目的地を感知していた。記者にとって何より大切な〝現場百回の精神〟が、現場独特の匂いのようなものとなって私自身をその方向に歩かせてくれていたのである。

 「あなた昔の根拠もない自慢話なんていいの。それで。一時間近くも遅れて。皆さんに迷惑かけなかったの」と言われ「もう一人、周辺をぐるぐる回ったあげく、俺より遅くやっと辿り着いた女性がいたよ」と胸を張って見せる。
 ここでそんなこと自慢にならないわよーと言われる前に。というわけで、草井の公民館に着いた時は、それだけで精神的に疲れ果てていたが「ハイ、【ごんたさん】」と言って先生から、いきなり世界に誇るトリュフの洒落たリボン付き包装紙を目の前に差し出された時には、なんだかこのままどこかに拉致でもされるのでは、といったそんな不思議な感覚に襲われたのである。
 第一、先生からチョコレートをもらうなぞ、これっぽっちも思いもしていなかっただけに義理チョコとは分かってはいながら素直に嬉しかった。これで、きのうの安江さんに続き、二個頂いた。

 思いがけず、いただいてしまったベルギー直輸入のベルジャントリュフ包装紙
  

 自慢じゃないけど、現役時代の私のバレンタインデーときたら、それはすごかった。新聞記者という甘やかされた世界でお世話になっていたからに違いないが、取材の先々でいただいてポケットや取材用バッグのなかが、みるみるチョコで埋まっていった。いただいたチョコは家で待っている子どもたちや妻の口の中にあらかた消えていったが、それでもしばらくの間は家じゅうにチョコが転がっているという感じだった。
 極端に多かったのは、空飛ぶ記者として全国の事件や災害現場に特派されることが始終だった小牧時代でその後、役職が上がるに従い少しずつもらうチョコも減っていったように記憶している。
 
 人呼んで、こうした私たち自らを揶揄して新聞記者たちは【もらい乞食だ】という。かといって、せっかくくださるチョコを突き返すなどしたら、かえって人間関係が破断してしまう。ここが難しいところだ。
 いずれにせよ、今の私は何ひとつ権力を持たない、名もなく、貧しく、清く、美しい【一匹文士】に過ぎない。だから、有難くもらっておけばいいか。「でも、お返しをしっかりしてよね」。トリュフを美味しそうに食べながら隣で相棒がそう言うので、どうもやりづらい。
       ×        ×

 レーダー照射事案について中国の北京紙・新京報は七日付紙面で公明党の山口代表の訪中などを念頭に「緊張緩和の姿勢を見せた後に再び緊張状態を高め、一体何をしたいのか」と題した論評を掲載。国際情報紙・環球時報も社説で「日本は軍事演習をしたり、戦闘機を釣魚島(尖閣諸島の中国名)空域に出現させたりして、既に東シナ海での軍事的信頼や安全が存在しなくなっている。中国国民の多くは東シナ海の緊張に既に慣れ、一戦を交える心理的な準備ができている」と述べている。
 また、これまで沈黙を保ってきた中国メディアはそろって「日本政府は問題を誇張している」と、日本をけん制している。それぞれの国には、領土や領海などについての見方や考え方があるには違いないが、この際、両国政府には「互いの立場を理解した上で対話による危険回避を」と望みたい。

 けさの中日スポーツ2面のファンクラブ通信【通信員だより】によると、首都圏のドラファンにとってはおなじみのドラゴンズサポーター店「ごはち亭」が大変残念なことに2月初旬に閉店しました=横浜市。森下明典さん=という。閉店理由については特に書かれてはいなかったが、とにもかくも寂しく、かつ残念な気がする。

【新聞テレビから】
☆『名古屋市 住田副市長が辞職願 市長選候補に浮上か』、『短編に3邦画「東京家族」も招待 ベルリン映画祭 きょう開幕』(7日付、中日夕刊)
☆『【寄稿 新川和江(詩人)】いのちへの共感と存在論 吉原幸子没後10年・「全詩」3巻刊行に寄せて』、『米国防長官 中国に警告』『レ―ダー照射 挑発停止強く要求』、『東電 事故調に虚偽説明 福島第1 調査を「妨害」 「建屋内真っ暗」』(7日付、毎日夕刊)
☆『山照らす 炎の川 新宮』、『フタバ前社長を逮捕 不正融資 隠ぺい関与の疑い 愛知県警』、『伊賀強盗殺人「現場に行ってない」 DNA一致 告知後も容疑者否認』、『名大病院長に石黒氏』、『八丈島で津波40センチ ソロモン沖M8・0 尾鷲で10センチ観測』、『罪のない人を罰しない 最高裁判事の就任会見に臨む鬼丸かおる氏』(7日付、中日朝刊)
☆『東証リーマン後最高値 1万1463円 円は一時94円台』、『中国が挑発 東シナ海緊張』『首相、照射公表で対抗』『米と連携 国際世論に訴え』『中国外務省「報道で知った」』、『ひつぎの上に「勧進帳」巻物 団十郎さん密葬』(7日付、毎日朝刊)

二月六日
 自ら手づくりのユニホームとジュンキ(中日ドラゴンズ・伊藤準規投手)からの色紙を手にする安江都々子さん=国立名古屋医療センター東病棟で。六日午後

 

 きょうは午後、名古屋は大須のお師匠さん宅で九日の発表会を前に、横笛の最終のお稽古。これを終えたその足で国立病院機構名古屋医療センターを訪れた。
 中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員で選手やファンクラブ仲間から「お母さん」と呼び慕われている安江都々子さんがここの東病棟で病気療養中なので顔をみて励ましたかったからだ。幸い、病室で見る安江さんは思っていたよりも元気で〝病気なぞ、何するもの。きっと治ってみせる〟との信念が伝わってきた。
 なんだか八十過ぎの彼女の表情全体が生き生きと輝いており、少女のころにタイムスリップしたような、以前よりも少し若返られた、そんな気持ちがしたのである。(むろん昔からお美しい)。

 そして病床で失礼していろんなことを話しあった。
 「カメラマンの中日のフドウ君が来てくれた時には、嬉しくてそれこそ病気がどこかに逃げていったような、そんな気分になった。不思議だよね。翌日に、今度はあのナカムラさん、そうチハルちゃんが。アサノくんまで忙しいところを来てくれた(三人とも新聞社のカメラマン)。
 稲沢で鳥料理店をやっていなさるジュンキの御両親も。ニムラ兄弟のお兄ちゃんは二度も来てくれ……。ロッテに行っちゃったタケシも。チアドラ信者のイマイくん、それに河村くん、マエちゃんらもよ。イマイくんなど始終顔を見せてくれ、なんといって良いのやら。それより、早くお嫁さんもらわなきゃ。どこから見てもいい男なのだから。それにイマイくんは、とっても優しい。でも、本人に全然結婚する気がないのだから。困ったものよ。私は、それこそみんなに守られている。
 昨年十月三日に再入院。九日に肝臓の大手術を受けたのですが、私は死ぬ覚悟でこの病院にきた。入院前にはセンちゃん(星野仙一元中日ドラゴンズ監督)に会いに行き【もしダメだったら、一緒に写真を撮って頂いた愛用のドラゴンズのはんてんと新聞を棺桶に入れてネ】って、そう頼んできたのよ。でも、私は今、みんなに心配され、なんて幸せな女なのだろう、って思っている。それこそ、皆さんに守られている。だから、なんとしても元気になって、また球場にいかなければ」
 話しは延々と続いた。

 病床に置かれた【おかあさん】あての色紙を見せていただいた。
 「安江さんは中日ドラゴンズの親です 伊藤彰浩」「いつも気にかけて下さってありがとうございます 安江さんは大丈夫です がんばって下さい」(準規ママ)「不死身の安江さんです 元気にとんで いつまでもとんでね」(岬)
 「母上!! あなたのうしろにはたくさんの息子、娘がついています 恐れる物はなにもないんだよ!(あなたのボス)「安江さん 出会えてうれしく思ってます これからも一緒に笑っていきましょう」(坂本香代子)「またナゴヤ球場で大好きなドラゴンズの応援をしましょうね」(本多里香パパ)
 「いつも通りナゴヤ球場で待ってます。またおいしいおにぎりお願いします」(ナゴヤ球場ガードマン)「早く病気を治されて球場にいらして下さい」(元西濃運輸、現阪神の小豆畑真也)「早く元気になって名古屋球場で会える日を楽しみにしています みんな待っています」(ブルペンキャッチャー 中野栄一)「早く元気になって、また一緒に観戦しましょう! 広島にも行きましょう!(前ちゃん)……
 なかには「安江さんへ ガンバレ(かわいい亀の絵つきで)【なおる】」といった心のこもった色紙も。
 これはホンのごく一部だが、ざあっとこんな具合である。
 だから、安江さん、早くよくなってください。

 病床では、安江さんとは〝センちゃん(星野仙一元中日監督)〟のころから親交があり同い年の元球団社長、佐藤毅さんにも電話を入れ、しばし歓談。私は私で本当は〈夕焼け小焼け〉など数曲をふこうと思いハモニカを持参したが、他の患者の迷惑になっては、とやめた。その代わり、退院されたあとの食事会でふこう、と思う。
 焦らないで。誰だって。人生はなるようになれ、です。ケ・セラ・セラでいきましょうよ。ネッ、やすえサン。きっと治ります。いや、そう信じていますから。
        ×        ×

 南太平洋のソロモン諸島沖できょうの午後零時十二分(日本時間の午前十時十二分)にマグニチュード8・0の地震があり、気象庁が「日本の太平洋沿岸に津波が到達する可能性がある」と発表、夜間にかけ沿岸各地で警戒態勢が取られたが、幸い大事には至らなかった。

 きのう表面化した中国艦による射撃レーダー照射問題。安倍晋三首相が本日午前の参院本会議で「日中間で対話への兆しが見られる中で一方的な挑発行為が行われたことは極めて遺憾だ。中国側には、戦略的互恵関係の原点に立ち戻って再発を防止し、事態をいたずらにエスカレートさせないよう強く自制を求めていく」と強調したのに対して中国政府は「報道されるまで知らなかった」と半ば沈黙を保ったままだ。
 また先日、中国を訪れ、習近平総書記と良好な関係を結んできた公明党の山口那津男代表はこの日国会内で「せっかく盛り上がってきたハイレベルな対話の機運を妨げるようなことは抑制的であるべきだ。日本側も冷静な対応をしているので中国側も冷静な対応をしてほしい」と述べた。

 帰宅後は、近く出版予定である本の表紙につき何種類か提示された装丁につき東京の出版社担当編集者と夜遅くまで電話で話し合う、など今日もまた、時はまたたく間に過ぎ去っていった。

【新聞テレビから】
☆『〈歴史秘話ヒストリア〉魅せます! 大奥の秘密資料から江戸城の生活をCG再現』(6日夜、NHK総合)
☆『レーダー照射 首相「挑発は遺憾」 中国に再発防止求める』『偶発的衝突 米も懸念』、『笹子トンネル ボルト補修跡652カ所 現場付近集中 不具合把握か』、『連続リンチ殺人 別の死刑囚も再審請求 名高裁 弁護側「共謀、殺意ない」』、『「犯罪で総理失脚を」 豊川立てこもり 長久保被告と面会』(6日付、中日夕刊)
☆『ソロモン諸島でM8・0』、『オバマ大統領 イスラエル訪問へ』『来月、就任後初 中東和平を協議』、『医療債詐欺容疑10人逮捕 3法人分20億円販売か 大阪府警』、『ピカソの絵画(「窓辺に座る女」) 42億円で落札』
☆『中国艦がレーダー照射 先月 射撃用、海自艦に 東シナ海公海上』、『日銀総裁(白川方明総裁) 来月19日辞職 副総裁任期に合わせ前倒し』、『女子柔道告発 吉村(和郎強化担当)理事が辞任 全柔連 暴力行為コーチも』、『B787トラブル 全日空機でも「熱暴走」リチウム電池全て損傷』、『名古屋市長選 柴田氏が出馬表明 「革新市政の会」子育て支援意欲』(6日付、中日朝刊)

平成二十五年二月五日
 午後七時過ぎ。テレビニュースを見ていたら我々、国民にとっても、とても深刻な暗いニュースが飛び込んできた。
 それによると、「先月三十日に東シナ海で中国海軍の艦船が、海上自衛隊の艦船などに向けてミサイルや砲弾を射撃するため狙いを定める射撃管制用レーダー、いわゆるFCレーダーを照射する事案があった。実際に射撃は行われなかったものの中国軍が自衛隊の艦船などに照準を合わせる、という挑発的行動に出たのは初めてだ」という。日本政府の小野寺五典防衛大臣が防衛省で緊急記者会見して明らかにした。
 事案があったのは、沖縄県・尖閣諸島周辺海域の東シナ海の公海上で海上自衛隊の護衛艦は三キロ離れたところを航行中だった。日本政府はきょうの午後、中国側に厳重抗議。安倍政権は「極めて特異な事例で、一歩間違うと武力衝突など大変危険な状態に発展しかねない。これより前の一月十九日にも海自護衛艦搭載のヘリコプターに対して同様の行為を疑わせる事案が発生している」として敢えて公表に踏み切ったという。
 尖閣周辺海域では今日も中国側海監による領海侵犯が十四時間にわたって続くなど、昨年夏の日本政府の国有化宣言以降、日中間の緊張は一気に高まっている。「同じ人間同士だ。両国ともに、はやまらないで、ここは冷静に相手の立場になって」と強く訴えておきたい。
 軍事専門家によれば、今回の事案、現場では一触即発の緊張感が走り、一歩誤ればミサイル発射の可能性も十分にあったという。日本政府は外務省を通じ北京、東京の両方から中国に厳重抗議をしたが、これに対して中国国営メディアはまだ何も報じてはいない。ただ日本大使館の申し入れに中国側は「詳細が不明なので事実を確認中だ」と応えているという。
 いずれにせよ、専門家の話を聞く限り、中国の場合、洋上で現場の海軍が独り歩きしてしまう危険があるだけに、日中両国の首脳間でのホットラインを早急に設けるべきだ、との提言は危機回避のためにも実現させてほしく思う。
        ×        ×

 (こちらは、そんな深刻な領海侵犯など関係なく、ごくごく普通に繰り広げられた一般家庭でのお話)
 久しぶりに妻(舞)を伴って朝から江南厚生病院へ。
 舞が脳外科の外来で術後、二カ月に一度の定期診療を受けるためで、特に問題点を指摘されることなく無事、わが家に帰還した。次は四月で脳の画像検診(MRI)を行い、「特に異常なければ、それでいいと思います。あとは、ご自宅近くの医者でも大丈夫ですから。何か気になれば来ていただければ」(担当医)とのこと。担当医の口調だと、手術後の経緯には、かなり自信ありげで安心した。
 とはいえ、油断大敵で私はまだ注意しなければ、と思っている。

 診療で毎回、困るのは医師から「それで血圧はどうですか」と決まって聞かれる時だ。舞が血圧測定を異常なほどに嫌うため、診療日が近づくとは私が赤子でもあやすように、無理やり測ってメモし担当医に告げる繰り返しが続いている。こんなだから当然、日々、記録帳に書くほどのデータはなく、おまけに医師から手渡された記録帳もどこかに隠したみたいで、これにはホトホト困っている。でも、嫌だというのを強制的に測るのも憚れる。出来るだけ彼女の気持ちを尊重してはいるのだが……。
 というわけで、今回も一週間ほど前から機嫌のいい時を狙って嫌がる彼女の腕に無理やり血圧計をはめ、やっとこせ測定。異常値ではなかったため、そのことを告げたが医師も困った患者さんだな、といった表情で苦笑いするありさまだった。

 実際、強引に測定しようとすると「死ぬ時は死ぬのだから。やらなくていいの。ナニヨ」と挑戦的で少し怖い。実家の母にこのことを言うと「血圧なんてコロコロ変わるのだから。測らんでもいいわ。ほんな無理して測っちゃ、いかんよ。お母ちゃんも血圧なんて大っ嫌いだ」などと肩を持つので、ますます調子に乗る。「でも、受信に困る。医師が判断できなくなる」と言うと、さすがに「ほんなら、測るように言ったって」という具合だ。
 逆に、それだけ回復してきた証拠だ、と自身に言い聞かせてはいるが。いずれにせよ、わが家の女性たちは、猫さま二匹も同罪で自分の意のままで、わがまま極まる。

 なんだか、おかしな話になってしまった。
 病院からの帰り。ラジオから流れる音楽に突然、舞曰く「ハツネミクなんて大嫌いっ!」と。「何だ。それは」と聞いて初めて人工の声で歌をうたうロボット〝初音未来〟なる存在が、この世に存在していると知った。「あなた。ハツネミクひとつ知らないの。小説家がそんなことじゃ、いけないよ。常識なのだから」とまたまた叱られた。でも、いいか。このまま元気でいてくれよ、と自身に言い聞かせる。
 午後、突然、舞のお母さんから電話が入る。「(お店が開いてないので)どうかしたの」と聞くので「病院へ。きょうは定期検診でしたので」と応えると「あっ、そう」と安心した様子で電話を一方的に切った。それにしても、みんなに心配されて。なんて幸せな女だ。

 叱られたあとは、テーマエッセイ集=テーマは〈巡る〉=の自作「奇跡の日々」をアップし、あれやこれや書いたり読書したり、で一日が過ぎた。中日新聞夕刊【大波小波〈松竹名画の撮り直し〉】は、「山田(洋次)の監督業五十周年記念作品だというのに、小津の庶民的風景への思い入れが共有されていない」となかなか鋭い指摘で、黒田夏子の【複数信仰】もモノを書く立場から言えば、「これで書き手の寿命はどうあれ、作品そのものの寿命はかくじつに延びた、…」と彼女の自作に対する熱い思いがよく分かった。

【新聞テレビから】
☆『稲沢のCAТB初の生放送 はだか祭中継 マル金に不安感 「ギリギリの映像で迫力届ける」』、『「チャベス氏順調に回復」 カストロ氏が明かす』、『サルの宇宙飛行ウソ? イラン「ロケット搭乗、生還」 米「写真の顔 特徴違う」』(5日付、中日夕刊)
☆『「パリジェンヌはズボン着用禁止」撤廃 1800年制定の条例』、『イラン大統領エジプト訪問へ』『79年の断交以来初=アフマディネジャド・イラン大統領とモルシ・エジプト大統領』、『中国船 領海侵入14時間』(5日付、毎日夕刊)
☆『〈ふくしま便り〉来て見て聞いて復興支援(福島駐在編集委員・井上能行)』、『湖南省で下水処理支援 日中交流に琵琶湖の技』『滋賀県が新年度 住民環境教育も』、『東電支援6968億円追加 3月期業績 赤字1200億円に拡大』、『ゆらり 懐かしの味 関で玉みそ作り』(5日付、中日朝刊)
☆『環境保護相「中国の1/4でスモッグ」 発言公表「6億人に影響」』、『「レ・ミゼラブル」1位』、『雪まつりいよいよ 札幌』、『宍戸錠さん自宅が全焼 東京・世田谷』(5日付、毎日朝刊)

二月四日
 立春。九州南部では春一番が吹き荒れた。

 ここ尾張平野は朝からシトシトと雨が降ったり止んだりで、外界のすべてが暗い一日となった。気持ちまでが、くらく、ジメジメと閉ざされてしまう。妻に言わせれば「昔、日本海側のこんな天気ばかりの七尾に居たのだから。〈暗い日〉だからと言ったって、珍しくもなんともない。家族みんなで暮らしてきたじゃない」とのことだ。
 なるほど、そう言われれば一年のうち半分くらいは明かりのない〝暗いトンネル〟の中で生活していたような気がする。七年の勤務を終え、大垣に転任してくる際、車で米原を過ぎると太陽の光りがキラキラと輝いており、別世界に来たような、そんな晴れがましく明るい気持ちになったことが確かにあった(そうは言っても私は今なお、魚が日本一美味しい能登が大好きである。何より子どもたちが育った土地だ)。

 そんななか、きょうは丸一日、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人のテーマエッセイ集の作品公開作業に追われた。これまで同人の作品とは別にテーマエッセイのアップ(公開作業)だけはウエブ業者に任せてきたが、今回からは私自身が方法を教えてもらっての作業となった。それだけに、精神的にかなりの神経をつかった。
 でも、いったん操作方法を覚えてしまえば簡単で、きょう一日で五作品の公開を実現させ、ホッとしている(詳しくはWHAT’S NEWと「熱砂」扉のテーマエッセイ集をクリック)。
 当然のことながら、エッセイの公開を終えた同人各位には、それぞれ連絡。一方で、まだ作品の届いてない同人には、これまた一人ひとりに電話をして提稿を促すなどしたが、皆さんお忙しいようで掴まらない人もいて、こちらの方で精力を費やしたのも事実だ。
        ×        ×
 けさの毎日新聞〈余禄〉によれば、カンボジアの首都プノンペンで今日、百日余の服喪期間を経て亡きシアヌーク国王の国葬が営まわれたはずだ。記事にあった通り、百万人以上が王宮周辺を埋め尽くし、人々は国父の死を悼むとともに、家族や友人を奪った内戦時代の記憶に改めて胸を痛め、平和の尊さをかみしめたに違いない。
 カンボジアは60年代に隣国ベトナム戦争に巻き込まれたあげく、70年代には内戦に突入。混乱の中で登場したポル・ポト政権下では実に百万人以上もの国民が虐殺され、内戦終結までに二十年以上の歳月を要した悲劇の国でもある。
 その祖国にあってシアヌーク氏はいったん国王を退いたものの93年に選挙を経て成立した新生カンボジア王国の国王に再び即位。昨年10月に亡くなるまで八十九年の生涯は、まさに祖国の栄光と悲劇の現代史そのものだっただけに、国民の感慨やいかばかりだっただろう。

 きょうは新聞もテレビも一日中、白血病と闘いながらパリ・オペラ座での歌舞伎初公演を実現させるなど名演の数々が人びとの心を虜にし続けてきた、あの十二代市川団十郎さんの死を伝える暗い一日でもあった。団十郎さんと言えば、市川家伝統の品格ある荒事歌舞伎は天下一品で私は何よりも、あの見えの切り方が好きだった。
 歌舞伎界を代表するその団十郎さんが昨夜、午後九時五十分に東京都内の病院で肺炎のため亡くなった。六十六歳だったという。日本の歌舞伎界は昨年暮れの中村勘三郎さんに続き、またも重要な人物を失ってしまった。

【新聞テレビから】
☆『歌舞伎の柱また一人 団十郎さん死去 いつも父の愛感じた 海老蔵さん「親孝行できず」』『〈評伝〉白血病乗り越え舞台に』『昨年6月最後の名古屋 むすめ歌舞伎を直接指導』、『立春の彩り 名古屋市昭和区の鶴舞公園では、シナマンサクが黄色のリボン状の花をつけている』、『刈谷工生自殺 知事「新たに第三者委」 委員、会議は原則公開』(4日付、中日夕刊)
☆『国外テロに救済格差 日本 公的補償なし』『アルジェリア事件 米英仏は経済支援 米9・11きっかけ』、『「北朝鮮は核実験自制を」日米外相ケリー外交始動』『米韓が合同軍事訓練 日本海』(4日付、毎日夕刊)
☆『市川団十郎さん死去 弁慶、助六 豪快な荒事 66歳』『宗家の誇り 貫く』『童の心 舞台にあふれ』、
『【別府大分毎日マラソン】川内 大会新V=2時間8分15秒= 世界選手権有力候補に』『大接戦 連続スパート 給水で進化』『【名岐駅伝】トヨタ紡織5年ぶりV』、『「アンカツ」ありがとう 引退式 笑顔でターフ(競馬場)去る』、
 『平和訴えた「原爆乙女」山岡ミチコさん=広島で被爆、被爆証言者として平和の尊さを訴え続けた、82歳=死去』、『〈訃報〉杵屋五三郎氏(きねや・ごさぶろう=長唄三味線方の人間国宝、本名増田元弘=) 94歳』(4日付、中日朝刊)
☆『「名古屋祭」本物見たい 空襲で山車焼失、途絶 河村市長が復活構想』、『内閣支持上昇63% 経済対策期待69% 本社世論調査』、『「夫婦」仲良く厄よけ 四日市 キツネの嫁入り』(4日付、毎日朝刊)

二月三日
 節分。
 私たちがまだ、子どものころ。節分がくるとは決まって、よく父が家で「福は内、鬼は外」と豆まきをして喜ばせてくれたものだ。今から思えば、あれが父の家族に対する愛情表現だったような、そんな気がしてならない。
 〝マルサの男〟だっただけありズルをすると睨みつけられ、よく叱られたものだが本心は優しく子煩悩な父だった。その父がこの世を去り早いもので、ことしは7回忌になる。クリスマスや節分が来るとは、子を思う一心で母と何やらゴソゴソしてくれていた気がするのだ。

 そんなわけで、私もきょうは町に出て恵方巻きを買ってくると、このところ体調が悪くて「気持ちが悪い。何も食べたくない」と心配だった妻(舞)の目がキラキラ輝き「ちょっと買いたいものがあるから」と言うので腰ぎんちゃくよろしく(イヤ、〝貧しく哀れな文士〟よろしく、か)同行すると、バローでイワシを買うためだった。
 というわけで、家に帰ると舞は急にテキパキと料理を作り始め、恵方巻きと火炙りの刑になったイワシ君が並んで食膳に出てきたではないか。私と舞、息子の三人で楽しい食事とあいなったが、ここ数日間というもの、全く食欲がなかったはずの舞が思った以上に恵方巻きを少しではあるが食べてくれ、なんだか嬉しくなってしまった。

 母にも喜ばれた恵方巻き。幸せな年でありますように
 

 私は、ここでふと、思う。このところの、あの舞の元気のなさは一体、何だったのか。もしかして、私を心配させるためのポーカーフェイスだったのか? いやいや、そんなことはない。大切にしなければ。彼女はたまに私をハラハラドキドキとさせてくれる。

 きょうは私がかつてデスク長をしていた中日サンデー版の大図解もタイムリーに〈節分〉をテーマとした紙面展開となっていた。後で知ったが、それによると、ことしの恵方は南南東とのこと。何げなく食べていた三人は皆、南南東の方向を向いていた。こいつは、春から縁起がよい、と思ったのは私だけか。ちなみに舞に「ことしの恵方は」と聞いてみると「南南東よ」ときた。よく知っているな、と感心したのである。

 同人のテーマエッセイ(テーマは「巡り」)の公開を前に〝書き原稿〟で届いた作品をすべてパソコンのワードに打ち直したり、若干の補足のため電話で問い合わせるなど編集作業に追われた。舞は午前中、ずっと横になったままだったため実家の母のところへは、恵方巻きを手に私一人で出向いたが、たいそう喜んでくれ「(舞を)大切にせないかんよ」と言われてしまった。 
        ×        ×
 文学界二月号の「破鏡前夜」(西村賢太)に続き、私が大好きな高樹のぶ子の「飛鳥寺の鬼」を読みだす。ほかに、ペラペラと頁をめくっていて文芸評論家・清水良典の新人小説合評【手始めに「新人」枠拡張宣言】なるものに出くわした。
 『本欄を今月から一年間担当することになった。思い返せば私は本欄の初代担当者だった。』で始まるこの文。『古巣に戻った気分で始めるに当たり、これまでと少し異る私の「新人」の定義を述べておきたい。まずデビュー後十年未満であること。次に芥川賞をまだ獲っていないこと。この二つの条件のいずれかに該当すれば「新人」とする。……』と続いているが、どこかに気負いがある。大学生のころからの文学界長期愛読者として言わせてもらえば、文学界の同人雑誌評が消え、この新人小説合評なる、どちらかといえば商業主義優先に引きずられた怪体なものが出てきたころから、文学界の掲載作品全体の質的低下が目立ってきている。
 文芸評論家として商業主義にへいこらするのも、それはそれでやむをえないだろう。でも、商業ベースに乗った作品ばかりを「イエスマンさながらに」紹介する体質の打破こそ、が大切だ。さらに敢えて言わせてもらえば、日本の津々浦々まで地方に眠る同人雑誌の名作の数々の掘り起こしをしてゆくことこそ、が日本文学界全体の底上げのためにも緊急に望まれている。この点を本欄にてひと言申し上げさせて頂きたい。
 清水良典と言えば、中日文化賞にまで輝いた人物なのだから。その点で日本文学全体の底上げの旗手となるよう、大いに期待したいところだ。

 ついでながら、西村賢太の「破鏡前夜」。西村のこれまでの血のにじむ努力は大いに買う。だが、このところの作品はタガが切れたのか。安易に流れている。私もかつて住んでいた七尾の一本杉通りには懐かしさを覚え藤澤清造の霊が眠る山門の向こう、を訪ねる、その心意気には同感だけに、それこそ商業主義文学の流れに呑まれることのないようにと苦言を呈しておきたい。西村がいいものを持っているだけに、よけい流されることを心配するのだ。

【新聞テレビから】
☆『八重の桜「松陰の遺言」』(3日夜、NHK総合)『トラべリックス3 南米エクアドルの知られざる魅力を巡る旅!』(3日夜、BS日テレ4)
☆『〈世界と日本 大図解シリーズ №1080〉鬼は外 福は内 節分』(3日付、中日サンデー版)
 『北海道震度5強 津波の心配なし』、『伊賀強盗殺人 靴の汗DNA一致 遺留品、現場に足跡』『容疑者 事件後、借金返す』『精度向上4兆7000億分の1 「逮捕の決め手」過信には怖さ』、『冬の温度差にリスク 65歳以上 年間推計』『入浴で急死1万7000人』、
 『〈ドナルド・キーンの東京下町日記〉小田実の思い出 「玉砕」論再び聞きたい』、『首相「訪米前申請せず」 辺野古埋め立て 沖縄知事と平行線』(3日付、中日朝刊)
☆『〈Sストーリー〉 懐に小さな「お守り」 戦場に散った山本美香さん』、『辺野古移設 首相、沖縄知事と会談』『埋め立て申請訪米後 関係修復へ手ごたえ』、『インフル大流行 横浜の病院 患者3人死亡 高齢者高まるリスク』『日本感染症学会提言 院内感染対策に予防投薬』『東海でも患者急増 うがい、手洗い徹底呼びかけ』(3日付、毎日朝刊)
☆『若者食いつぶす ブラック企業』(2月3日号、しんぶん赤旗日曜版)

二月二日
 あさ。
 朝刊に挟まれてきた尾北ホームニュース2面の「武功夜話物語 武功夜話を読む(須賀弘之)」を読み、このあとNHK第2ラジオのカルチャーラジオ「〈石川啄木再発見、青春・望郷・日本人の幸せ〉新しきサラドの香り」を聴き、満ち足りた感覚になった。

 須賀さんの武功夜話は、今回が第122話。織田信長と生駒氏三代家宗の娘・吉乃との間で永禄元年(1558年)に尾張国丹羽郡小折(現江南市)の生駒屋敷で生まれた織田信雄の記述が中心だった。
 「信雄は父(信長)の死後、山崎合戦、朝鮮征伐、秀吉の死去、関ケ原の戦、大阪夏冬の陣参戦など世の大きな移り変わりを経て、徳川の平和な時を見とどけて、寛永7(1630)年4月30日、京都北野邸で死去。享年七十二歳。……」(原文のまま)と、なかなか興味深い。
 次回は3月2日付「織田信雄分限帳」とのことで、今から楽しみだ。私は郷土史家・須賀さんのここまで書き続けられたご努力に敬服する一方で、この先、チャンスがあれば【織田信雄】を主人公とした歴史小説も書きたい、ふと、そんな気持ちにかられたのである。

 きょうは、同人から寄せられた「熱砂」自慢でもあるテーマエッセイ集(今回のテーマは「巡り」)の公開をすべく同人たちの力作をあらためて読み進めるなど、準備にかなりの時間を要したが、いざアップする段になって技術的にいまひとつクリアできない。
 で、業者に連絡しても土曜日とあってか、一向に出る気配がないので公開は来週以降にすることにした。出来ないものは出来ない。
 
 十六年前に起きた三重県伊賀市のホテル従業員強殺事件は二〇一〇年の刑事訴訟法改正で殺人事件の公訴時効が撤廃されてから、従来なら十五年で時効になっていたはずの容疑者が逮捕されるという全国では初めてのケースとなった。
 そのせいか、記事にも力が入っている点がよく分かった。たとえば、次の下りだ。
―二〇一〇年に時効が撤廃され、望みをつないだ。同時に「タイムリミットがなくなったことで警察の捜査に力が入らなくなるのでは」との不安もよぎったが、捜査員たちは定期的に訪ね、解決を約束してくれた。
 逮捕の知らせは一日朝、四日市市内に住む姉の森昭子さん(77)から聞いた。すぐに捜査員の一人にお礼の電話をした。捜査員は「今までいい知らせが伝えられず申し訳なかった。まだ捜査は続くので精いっぱいやります」といってくれた。……

 ただ気になるのは、特捜本部は現場遺留物のDNAなどを再鑑定した結果、ホテルの元従業員の久木野信寛容疑者(43)が浮上したと言うが、容疑者が犯行を否認しているという点である。冤罪にならなければよいが。遺留品のDNA鑑定も再鑑定だけに、それを全て信用してよいものかどうか。少し不安ではある。慎重な捜査が望まれる。

 夕方。別荘(病院)で療養中のドラゴンズ公式ファンクラブの母で〝永遠の美少女〟安江都々子さんからメールが入る。「こんにちは。昨日、布藤君が取材で来て下さいました。多園尚輝樹記者と。社会部門です。中日新聞に載ります。見て下さいね」というものだった。布藤君とは、本社カメラマン。多園記者とは、おそらく社会部記者なのだろう。
 プロ野球はきのう、いよいよ春の沖縄キャンプに入り、応援するファンの目線からの記事は当然必要なところだ。となると、何と言っても【ドラゴンズの母】と言ってもいい安江さんの球春にかける期待といったようなものを聞き出したい、ところだ。だから別荘にまで出向いて取材したに違いない。
 もちろん「僕もとても嬉しいです。楽しみにしています。布藤カメラマン、懐かしいですね。安江さんはドラの守護神で~す」と返信させていただいた。

 それはそうと、安江さんが球春到来に合わせ、一日も早く病を克服されることを祈ろう。今回の闘病劇にはチョッピリ時間がかかってはいるが…。不死鳥の彼女のことだ。きっと回復してくれる。そう信じている。
 何はともあれ、どんな視点からの記事になるのか。とくと拝見しよう。楽しみだ。

 きょうは三月中旬並みの暖かさとなった。全国的に見ても、平年に比べると5~10度高くなったという。寒い、寒いと日ごろは寒さを敬遠しているのに、きょうみたいなポカポカ天気となると、今度は体がダレテしまうような気になるのが、また不思議である。ニンゲンとは、誠に勝手ないきものだ。

【新聞テレビから】
☆『全町避難で通学先バラバラ 浪江町新入生ゼロ 仮校舎の浪江小、在校生も30人』、『安倍首相 普天間固定化しない 沖縄訪問、知事と会談』、『ツィッターにサイバー攻撃 25万人の情報不正閲覧か』、『イタリア中部 「地震警戒」3万人避難 学者「実刑」に自治体過剰反応?』、『伊賀強殺 競馬などで借金 久木野容疑者 事件当時200万円』(2日付、中日夕刊)
☆『帰郷待つ黄色いハンカチ 山田洋次ミュージアムに写真 被災地と来館者の心結ぶ』、『〈知りたい〉ブラジル野球快進撃 WBC初出場 日本と対戦 「豪快」「細かさ」併せ持ち』(2日付、毎日夕刊)
☆『ポスト・オバマに期待感 クリントン米国務長官が退任 大統領立て好感』『「アジア重視」最大の功績 影響力希薄の指摘も』、『〈特報面〉(嘉納)治五郎の教えどこへ 女子柔道暴力問題 「心身鍛え社会貢献 勝利至上主義で都合よく解釈』、『16年前 伊賀のホテル強殺容疑者 時効撤廃初の逮捕 遺留品再鑑定で浮上』『「省造君 少し楽になったね」 兄ら仏壇に報告』、『内柴被告全柔連除名へ 女子部員乱暴 懲役5年判決』『「暴力撲滅」JОC声明 海外メディアに』『園田監督が辞任 女子柔道告発問題』(2日付、中日朝刊)

二月一日
 沖縄では北谷、読谷両球場での中日ドラゴンズの春季キャンプが始まった。
 テレビで見た我らが高木守道監督の第一声は「もう、優勝するしかない」「勝つための練習をする」だった。私も中日ドラゴンズ公式ファンクラブの一会員として中日のリーグ優勝と日本一を心から願う。熱き戦いが始まるが、シーズンに入れば、これはもうドラファン一人ひとりにとっての戦いでもある。
 ちなみに、ドラゴンズのキャンプの模様はインターネットのドラゴンズライブTVでもキャンプ終了日の二十八日まで見ることが出来、さっそく見てみた。

 尾張名古屋は信長、秀吉、家康の三英傑の出身地で三英傑をかなめに絶えず日本をリードし続けてきた名古屋びとにとっては、プロ野球とて何がなんでもドラゴンズに優勝させたいこの気持ちに変わりはない。
        ×        ×

 話しは変わる。きょうは1953年2月1日にNHKのテレビ放送が始まって丸60年に当たるそうだ。
 テレビといえば、少年のころ、プロレスの力道山が米国のプロレスラー、シャープ兄弟や覆面のザ・デストロイヤーらと相対し、必殺の空手チョップで巨人レスラーをバッタ、バッタとなで斬りにした、あの光景がたまらない印象として頭に強烈に残っている。テレビの普及が始まったころで、テレビを購入したばかりの土地のお大尽宅に大勢が集まって力道山を応援したものである。
 プロレスに限らず、東京オリンピック(女子バレーやアベベが優勝したマラソンなど)や長嶋、王両選手に代表されるプロ野球、皇太子さま(現天皇陛下)の御成婚、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦のご三家による青春歌謡…と画面とにらめっこの少年時代が今となっては懐かしい思い出である。

 一方、巷はといえば。衆院本会議での公明党・山口代表の代表質問に安倍首相が、尖閣諸島の国有宣言以降、このところ悪化が目立つ日中関係に触れ「大局的な見地から戦略的互恵関係の原点に立ち、関係改善に努めたい」と答弁。福島県南相馬市小高区の沿岸部では福島第一原発事故で設定された旧警戒区域(20キロ圏)では震災後、初の瓦礫撤去が始まった。またアテネ、北京両五輪の男子柔道66キロ級の金メダリストで教え子の大学女子柔道部員に乱暴したとして準強姦罪に問われていた内柴正人被告(34歳)に対し、東京地裁が求刑通り、懲役五年の厳しい実刑判決を言い渡した。

 このほか、日本の製造業の就業者数が昭和三十六年六月いらい五十一年ぶりに一千万人を下回った(総務省の労働力調査)とか、ニホンウナギが過去十年余で50%も減少し環境省の絶滅危惧種に本日付で指定されたーなど相も変わらずニュースには事欠かない。

【新聞テレビから】
☆『TV60年スペシャル 1000人が考えるテレビミライ』(2月1日夜、NHK総合)
☆『中国晴れぬ霧 (北京の)大気汚染 市民生活に影響 健康被害急増、玉突き事故も』、『V奪回へ 竜、沖縄で始動 12球団キャンプイン』、『元政府税調会長慶大名誉教授 加藤寛氏 死去(86歳)』、『元従業員を逮捕 97年 伊賀のホテル強殺 容疑で三重県警』、『酒気帯び運転でNHK記者逮捕 浜松、容疑認める』(1日付、中日夕刊)
☆『〈特集ワイド〉「アラブの春」あだ花か 対テロ戦争「第2幕」へ』、『【こうみる王羲之】人となり分かる手紙も 作家下重暁子さん』、『資産家遺棄 「俺の月収は3000万円」 会社経営時 渡辺容疑者、周囲に』(1日付、毎日夕刊)
☆『いじめ自殺の原因 大津・中2男子 第三者委が報告書「見逃し」学校に責任』『〈解説〉市教委の隠蔽体質断罪(大津支局・山内晴信)』、『柔道 園田監督が辞意』『女子「暴力」告発内容認め謝罪』、『大鵬に国民栄誉賞』『国技館に寄り大横綱お別れ』、『102歳籠編み、縁つむぐ(関市の川島ゑいさん)』、『一宮市と伊トレビーゾ市 友好都市提携に調印(尾張版)』、『★(AKB48メンバーの)峰岸(みなみ)さん丸刈り謝罪』(1日付、中日朝刊)
☆『日米首脳 対テロ議題に ルース駐日大使が見通し』、『資産家遺棄「1人で殺した」 渡辺容疑者供述「投資で損失恨み」』(1日付、毎日朝刊)

13年2月2日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十五年二月二十八日
 〝DAY by DAY〟を歌うボーカルの赤崎真由美さん=名古屋市内のJazz Spot Swingで
 

 きのう名古屋の伏見ミリオン座で映画「ゼロ・ダーク・サーティ」(ギャガ配給)を見てきた。鑑賞こそすれ、2001年に米国ニューヨークなどで起きた9・11同時多発テロ以降、主犯とされるアルカイダリーダーだったオサマ・ビンラディンのその後を追い続けてきた作家としては、どうしても納得のゆかないものがあった。

 それは何か。
 映画の内容は概略、CIA(米中央情報局)の女性分析調査官・マヤをとおしてビンラディンの潜伏先(パキスタン首都近郊アボタバード)を突き止め、殺害するーといった粗筋だった。マヤが膨大な資料と衛星画像を分析した結果、アルカイダの使者、アブ・アフメド・アルクウェイティの存在にたどり着き、最後に彼の在り処を突き止め、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズによる空からの急襲作戦でビンラディン殺害に至る、といったあらすじである。
 でも私、伊神権太の目に映ったのは、全編を通じビンラディンの潜伏先を洗い出そうとするマヤ自身にも決定的な証拠といったようなものが掴みきれてはいなかった、という現実である。マヤを中心としたCIAスタッフがその後もテロに遭い、犠牲者を何人も出しながら足を棒に危険を冒しつつ、少しでもビンラディンに迫ろうとする努力は評価したい。でも、完全には迫りきれてはいない。
 私はこの話題作を見終えたあと、ビンラディンが本当に殺害されたのかを疑わざるをえない。あれは、ひと区切りつけるためのCIAの演出だったといったら言い過ぎか。実はまだビンラディンは世界のどこかに生きていて、まだまだ何かを企んでいる。そんな見えない魔手のようなものを、ますます感じたのである。

 確かに特殊部隊の侵入など映画としては迫力十分だった。だが、他の観客の感想はいざ知らず、私を納得させる内容ではなかった。ビンラディンの確証に至るには、なお何かが足りない。欠けているのだ。アブ・アフメドにしても、ビンラディンの部下か使者というだけで実際にどんな役割をしていたか、が解明されているわけでもない。
 このことだけは、本欄に明記しておきたい。この先、予期せぬことが世界史史上に起きても決しておかしくはないということを、である。ちなみに、タイトルの「ゼロ・ダーク・サーティ」は、午前零時三十分のこと。二〇一一年五月二日の同刻、パキスタンのアボタバードの豪邸を米海軍の特殊部隊が襲撃したことから名付けられた。 

 映画鑑賞のあと、次に立ち寄ったのは大型百貨店・丸栄内、本屋の丸善。ジャンル別に夥しいといってよいほどの本が並べられていたが、この中からベストセラー小説が、どのようにして生まれ出るかを思うとき、ちょっぴり気が遠くなった。
 やはり新聞の書評とか、広告といった、そうしたものが端緒になるのだろうか。クチコミで広がってゆく、とかいろいろあるだろう。要は、評判になるきっかけをどうするかだ、と思う。多くの人々に読んでもらえればそれに越したことはない。私の著書出版を間近に控えて、やせ我慢かもしれないが。でも、それよりも21世紀に生きる人間たちの一つの歴史を残すことが出来たのならそれだけで満足しなければ、とも思った次第だ。

 名古屋のJazzをリードする若いミュージシャン。毎日出演者が替わる
 

 

 そして。最後に訪れた名古屋を代表するJazzSpotの「Swing」=名古屋市中区東桜、サンマルコビルB1=。たまたまこの日、ドラマーはいなかったが、ピアノ、ベース、ギターと快適な音色のなかから飛んでくる、赤崎真由美さんの〝DAY by DAY〟など数々のボーカルに、体が自ずとスイング、スイング…と揺れ動き、夢のようなひとときが過ぎ去っていった。
 ジャズをきくとき、私はいつも思う。それは自らの魂を音玉たちがトン、トン、トンッ…と軽快に打ち続けてくれる。そう、全身が音に打たれている、と。文学、なかでも小説の創作世界で興がのるとリズミカルに文章表現ができる、あの時の〝血の流れ〟が同じなのである。これは書く人になら、少しは分かるはずだ。
 だから、これぞ書くに当たって、少なくとも私の文学世界では必須のものだといってよい。Swingのホームページを開けば、日替わりのミュージシャンのジャズを聴くこともできるだけに、楽しみがまた一つ増えた。帰り際には、名古屋のJAZZをここまでに育てたマスターでギタリストの有名人、和田直さんともお話しができ、有意義で実りある日となった。

【新聞テレビから】
☆『飯舘の怒りフィルムに 全村避難被災者を記録 名古屋でも公開(ドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」=四ノ宮浩監督=が3月9日から、名古屋市中村区のシネマスコーレで)、「故郷奪うものいらない」』、『首相施政方針演説 TPP交渉事実上表明 農業対策など宣言』(28日付、中日夕刊)
☆『首相、原発再稼働明言 施政方針「安全確認なら」』(28日付、毎日夕刊)
☆『被爆記録2万人分未提出 原発作業員 東電、管理団体に』(28日付、朝日朝刊)
☆『〈春よ 東日本大震災2年〉宮城・女川 悲しみを希望にかえて一歩ずつ 震災、復興詠み続ける中学生』『しまい込む気持ち 句で外に』、『リレンザで女性死亡 インフル予防の30代 吸入後に呼吸困難』、『熱気球墜落 「燃料ホース切れ引火」 着陸時 脱出の操縦士話す』『ガス栓閉めずに惨事に 脱出の操縦士 エジプト閣僚指摘』(28日付、中日朝刊)
☆『PM2・5指針 基準の倍で外出自粛 70マイグラクロム超 都道府県が周知』、『世界自然遺産済州島・漢拏山 日韓姉妹山提携へ 世界文化遺産目指す富士山 環境保護団体が主導』、『FRB(米連邦準備制度理事会)議長日本支持 大胆な金融緩和策』(28日付、毎日朝刊)

二月二十七日
 今夜は友人に誘われて、名古屋は新栄のJAZZ会の歴史そのものといってよいJazz Spot「Swing」を訪れ、楽しいひとときを過ごした。本当にいい店だった。久しぶりにウィスキーの水割りとピザの味にも酔い、夜が更けていった。
 また待ち合わせまでの時間をあて伏見ミリオン座に寄り「若き女性の執念が、ビンラディンを追い詰めた。CIA情報分析官マヤ。彼女は何を失い、何を手に入れたのか」「ビンラディンを追い詰めたのは、ひとりの女性だった!! 米政府が隠し続けた真実がついに日本解禁」をキャッチフレーズに15日から公開が始まっている映画「ゼロ・ダーク・サーティ」を見、引き続き丸栄内6階の書店「丸善」にも寄った。
 それなりに皆、目的があったからである。ジャズとゼロ・ダークの感想については、きょうは時間がない。あす書き留めたい。

 けさの新聞で特に私の目を引いたものは。
 イチに、元同盟通信カメラマン小路春美(しょうじ・はるみ)さん、九十九歳の死である。各紙によれば、二十二日に脳梗塞で生涯を終えた。自宅は大阪府高槻市。葬儀・告別式は妻エミ子さんが喪主となり、既に終わったという。
 小路さんは、第二次世界大戦中、現共同通信の前身、同盟通信の写真記者として南方戦線で従軍、シンガポールで英軍が無条件降伏した42年2月の山下奉文とアーサー・パーシバル両司令官の歴史的会見を撮影するなどカメラマンとして従軍取材経験を持つ最後の一人だった。
 一度、当時の状況をお聴きしたい方だっただけに、残念な気がする。

 次に目に留まったのは、【パリ】発で報道されていた一段ベタ記事「パリコレ開幕」である。2013~14年秋冬バリコレクションが26日から始まった、というもので来月6日まで約100ブランドが、新作のプレタポルテ(既製服)をファッションショー形式で発表する、という内容だ。行けるものなら行って、この目で見て来たい、そんな衝動にかられた〝ちいさな記事〟だった。

【新聞テレビから】
☆『熱気球墜落 着陸寸前百メートル急上昇 目撃者証言 脱出操縦士 頭に火』『子ども抱え飛び降り 炎に包まれ落下、爆発』、『文化継承甘くないからこそ挑む 組み飴兄弟新風 企業ロゴ、名前入り 名古屋発の独自生産』、『グアム殺傷無罪主張 弁護側、精神的疾患理由に』(27日付、中日夕刊)
☆『エジプト気球爆発 乗客次々飛び降り再上昇 別気球の操縦士「ホース破損が原因」』『検査体制に緩みか 犠牲者遺体 身元確認は難航』(27日付、毎日夕刊)
☆『〈東日本大震災2年 春よ〉避難呼び掛け犠牲 南三陸町職員 未希の声語らう宿 自宅改修母が開業へ 揺れた心「役に立ちたい」』『被災者起業 自立へ増加 国や団体が支援』、『熱気球墜落 4邦人死亡 19人犠牲 遊覧中に炎上 エジプト』、『補正予算1票差成立 参院』、『〈アベノミクス現象 円安と小麦〉名古屋メシ 値上げ危機』(27日付、中日朝刊)
☆『今年は大吉 十数年ぶり 名古屋「きねこさ」祭』、『補正予算1票差で成立 参院本会議「ねじれ」克服へ前進』、『パリコレ開幕』、『気球爆発 日本人4人死亡』『上空300メートルから墜落 エジプト 観光客計19人犠牲』『古代遺跡が集中 97年に銃乱射も ルクソール』、『大阪の不明女児か 母親契約の部屋から遺体』(27日付、毎日朝刊)

二月二十六日
 伊勢神宮で二十年に一度催される、ことしの式年遷宮の日程が決まった。
 内宮が十月二日、外宮が五日である。私は四十年前、二十代のころに新聞記者として遷宮取材をした経験があるだけに、他人ごとではない気がしてならない。遷座祭当日にヒノキの香もあらたな新宮に降り注いでいた、あの月光はいまだに脳裏に染みついている。

 けさは、わが家の守護神ともいえるボス猫、すなわち長女猫の〝こすも・ここ〟を近くの動物病院にまで妻と一緒に連れて行った。
 何にやられたのか。このところ、赤く傷つき少し抉れたような尾の付け根内側部分を盛んに舐めるのでおかしいな、と思ってはいたが。昨夜帰宅した息子から「悪化して取り返しのつかないことになったら、どうするのか。〝ここ〟を医者に連れて行かなければ、会社を休んでボクが連れて行く」というので、その厳命に従ったわけだ。これも親バカか。

 私も妻も赤くなった傷口を気にはしていたが「時折、自分で舐めているので、そのうち治るだろう」と軽く考えていた。でも、医者に診てもらい化膿止めと炎症をふせぐ注射二本を打ってもらった時には、やっぱり息子の言う通りで連れて行ってよかったな、とつくづく思っている。
 診療中、彼女は指一本触れさせないほどの剣幕で、相変わらずの暴れようで間もなく二十歳という、あの身体のどこにそんなエネルギーがあるのかと、おったまげるほどの力で抵抗するのでとうとう、一番手馴れている妻の手助けで〝ここ〟の全身をネットに入れ、そのうえでやっとこせの注射二本とあいなった。
 医師曰く「この子は怖くて、いつもなぶれないからねえ」と。そして。「これだけ元気があるのだから、きっと長生きしますよ。大丈夫」とも言葉をつないだ。

 妻は、ヘルスセンターで猫缶やら猫砂を買いに行くつど私に向かって「まったく、もぉ~う。アタシたちって。猫ちゃんたちのために働き、生きているみたいね」とよくこぼす。でも、次女猫のシロも加え、彼女たちがいてくれるからこそ、わが家の生活も変化に富み充実しているのではなかろうか。
 実際、シロちゃんは妻に、〝ここ〟は私にいつも寄り添い、どんな時にだって主人二人の気をつかってくれているのだ。私の原稿が滞っていたりすれば、〝ここ〟は決まって未明に私の枕元まで訪れ、私が起きるまで息をふきかけ起こしてくれる。シロちゃんは、シロちゃんで朝になると、いつも舞の布団の腹の上に乗って、これまた起こしてくれるのである。
 というわけで、この二匹には【家族栄誉賞】なみの貢献度があるのだから、しかたがない。ペットと過ごす家庭の人なら、皆分かってくれるに違いない。
        ×        ×
 富士山頂の傍らを彩る見事なパール富士(毎日新聞夕刊から)
 

 本日付の毎日新聞夕刊によると、千葉県富津市の富津岬でけさ早朝、富士山頂に満月が沈む「パール富士」現象が見られたという。この「パール富士」、山頂の傍らで満月が真珠のように輝く姿から名付けられたそうだ。
 満月は月一回で動きも複雑。それだけに、見られる場所や条件となると毎回異なってくるが、そんななか、けさは霞の中に浮かび上がった富士山のシルエットに、やや黄色味がかった満月がゆっくりと沈んでいった。新聞に掲載された写真に、私は思わず切り抜いて保存しておきたい衝動にかられたのである。
 新聞写真は、たまにこうした自然界の息吹そのものをキャッチした瞬間を見ることができるだけに、捨て置けない。記録性もあるだけに、カメラがあればこそ、我々もこうした光景を脳裏に刻むことができる。

 夕方の午後4時37分。中日新聞プラス【特別便】から〈気球墜落、日本人4人含む19人死亡か〉のニュースが流れてきた。それによると、現場はエジプト南部ルクソール近郊で熱気球が墜落、日本人観光客四人を含む十九人が亡くなった、とAP電で伝えている。

【新聞テレビから】
☆『中国PM2・5日本へ 健康への影響は?』(26日夜、NHK〈クローズアップ現代〉)
☆『伊総選挙 政権不安定に 下院のみ左派勝利 欧州危機再燃も』、『復興むすめは消防団 昼は宮古PR 夜は「火の用心」 〝ミス〟の2人「地道な活動大事」』(26日付、中日夕刊)
☆『寄り添う真珠=夜明け間際の富士山頂に、ゆっくりと沈む満月』(26日付、毎日夕刊)
☆『現代流の遷宮 完結へ』『内宮遷御 10月2日 伊勢神宮、外宮は5日』『大宮司「感慨深い」 地元も活性化期待』、『日中の絆 板につく 実習生20人恩返しの再来日 女川の水産加工会社』、『岐南町の小中学校 給食無料に 4月から東海3県初=中部地方では長野県王滝村に続いて二例目』、『64年、首相ブレーン報告書 「原発を核武装潜在力に」 中国核実験2カ月後に 技術推進促す』(26日付、中日朝刊)
☆『〈女性たちの挑戦 イランからの報告〉女優兼映画監督 ニキ・キャリミさん(41) 厳しくても撮り続ける 確実に社会変革の力に=日本の故小津安二郎監督のファン。脚本や翻訳もこなす』、『「愛される英雄」首相が大鵬称賛 国民栄誉賞表彰式=遺族を代表して妻芳子さんが出席』(26日付、毎日朝刊)

二月二十五日
 午後四時二十三分、栃木県北部で震度5強、マグニチュード6・2のかなり強い地震が発生、ここ1週間ほどは震度4前後の余震が発生する恐れがあるという。
 北日本の積雪は相変わらずできょうも記録を更新、北秋田市では1メートル88センチの積雪を記録、地元の人々が「もう、雪など見たくない」と悲鳴をあげるほどだ。八甲田山系の酸ケ湯では、5メートル60センチ(午後8時現在)とさらに記録を更新した。

 久しぶりにサンポーニャでユーチューブの画像の演奏に合わせ「コンドルは飛んでいく」をふいてみた。全くの山勘というか、感覚で適当な音階に口をつけ、一音ずつ息をふきだしていく方法だ。
 ハモニカが大体、譜面がなくてもふけるのでサンポーニャだって同じことだと思い、このところ気が向いたら画像に合わせて音を辿りつつ無手勝流でふいている。なんだか、少しずつ上達してきているような錯覚に陥っている。
 みんな笑うかもしれない。でも、もしかしたらホントに自在にふけるようになりそうだ。本気でチャレンジしていきたい。

 今の演奏では、それこそ誰かサンではないけれど「一万円払っても聴いてくれないわよ」の世界だがそのうちに見ていろ、と本気で思っている。山勘も運のひとつだ。考えてみれば、この世のなか、大抵は山勘で物事が運ぶ山勘人生なのかもしれない。

 ということもあって、きょうは近く発売予定である私の著作のカバー(デザインは既に決定済み)を白く明るいものにするのか、それともシックで風合いのある上品なものにするか、で出版社の熱心な担当編集者との間で最後の最後まで丁々発止の話し合いに。結局のところは著者でもある私が主張する「白く明るいもので」ということになった。
 出版社側は風合いのある、どちらかと言えば高貴な感じのする落ち着いた方を推してくださったが、私の目にはそれだと、たとえ風合いはあっても全体に色がかすみ沈んでしまうので本屋の店頭には似つかわしくはない、と判断。キャッチコピーなどに詳しい周りの助言もあって、最終的には白く明るいカバーの方にして頂けるようお願いをして落着した。
 さて、この本が店頭に並んだとき、読者はどう反応するのか。一種の懸けといってもよい。当たるも当たらぬも、全て私の責任、自業自得だ。出版社は誠意をもって、よくやってくださっている。
        ×        ×

 きょうは昨年の地球一周ピースボート第76回の船友仲間でお世話になった津江慎弥さん(神奈川県藤沢市在住)から「ピースボート76回、熱海ニューフジヤホテルの集まり」へのお誘いの手紙が届いた。

 開催日時は4月17日(水)~18日(木)で、あらまし次のような内容だった。
 【昨年8月中旬の下船以来六ヶ月程経ち「久々に一夜、一堂に集まり、当時の楽しさを再現したい」との話がありました。早速準備会として10名が集まり検討の結果、ダンス教室の後藤京子先生をお迎えし、早く集まれる方は3時よりダンスを踊るほか、当日は楽しく大勢で語り明かそうと企画しました。
 宿泊する「熱海ニューフジヤホテル」はチェックインの15:00より、チェックアウトの翌12:00まで、204坪の大ホールを自由に使えます。飲み物、食べ物も持ち込み自由ですから、お好きなものを持ち込んで、ゆっくり語り合いましょう。是非大勢の皆様のご参加頂き、楽しく一夜を過ごしたいと思います。
 問い合わせは、津江までお願いします。】

【新聞テレビから】
☆『北朝鮮に核放棄要求 朴大統領、対話姿勢も 韓国就任演説』、『御園座名残のお練り 猿之助さん、中車さん』、『寺田屋おかみ生家の記録 竜馬ら幕末志士を支援 大津で発見 所在地や家族判明』(25日付、中日夕刊)
☆『東証急伸1万1600円台 円94円台 日銀人事報道を好感』、『ジャンプ混合団体日本金 世界ノルディック 高梨、2個目メダル』(25日付、毎日夕刊)
☆『圧巻 光のカーテン 南極海に巨大オーロラ』、『青森・酸ケ湯 積雪更新529センチ』、『東京マラソン3万6千人』『日銀総裁黒田氏起用へ 積極緩和派の元財務官』、『TPP賛成63%に増加 全国電話世論調査 内閣支持率7割超す』、『復興携わる自治体職員 疲れ果て自殺 大槌町 課の6割県外から』『孤立防ぐ絆を 応援派遣 費用も心も』『仮設出た後、7割「住居ない」被災者調査』(25日付、中日朝刊)
☆『日銀総裁 黒田氏固まる 民主内に容認論 週内提示へ 副総裁に中曽、岩田規両氏』、『大雪 青森・酸ケ湯で過去最高529センチ 高齢化で被害拡大 今冬死者67人』『弘前のFM局 外出自粛呼び掛け』、『上海で大気汚染講習会 日本総領事館 200人参加関心高く』(25日付、毎日朝刊)

二月二十四日
 年賀はがきのお年玉プレゼント。以前ホンの少しだけは確認していたが、今になっておもむろに残る全賀状一枚一枚を新聞に掲載された当選番号と突き合わせてみた。これでも早い方で、こんなに早く全部をチェックしたのは珍しい。現役の記者時代に比べたら、それだけ生活に余裕が出来たからかも知れない。

 きょう、妻の舞は朝早くから女子会仲間と一緒に名古屋へ。なんでも自ら提唱した〈ぶらっと徳川園花物語〉で徳川園の寒牡丹と徳川美術館で開かれているおひな様見学をしてくるとか、で珍しく薄化粧をして華やいだ気分でいそいそ、浮き浮きと出かけていった。たまには気晴らしになっていいだろう、と思い玄関先まで出て「気をつけて」と見送った。
 というわけで日曜日なのに彼女がいないので、少し寂しい日に。そんなこともあって、珍しく賀状をチェック。案の定、大体百分の一の確率で4等賞の「お年玉切手シート」だけが8枚当たっていた。わが家は皆、クジ運が悪く宝クジなどかつて当たったためしもない。でも、ことしはどうしたわけか、いつもクジ運が最悪なわが家にしては珍しく8枚も当たっていた。

 それから、見事? 当たった年賀状の差出人はとなると。やはり、社会で大きく羽ばたいている人ばかりで、一人ひとりの幸せそうな顔が目の前に浮かんできた。
 具体的には中高校時代のクラスメート、新聞記者の大先輩、九州は佐賀文学の女性作家、ドラゴンズ公式ファンクラブのスタッフ、脱原発文学者の会会員……といった具合。

 なかでも私とは、かねて親交がある劇団俳優座女優、有馬理恵さんから届いたはがきが当たっていたのには感激するやら、嬉しいやら…で、ホントにことしは何か良いことがあるような気がしてきた。彼女は「希望舞台」で水上勉原作の「釈迦内棺唄」の一人芝居を全国各地で演じ続けているばかりか、現在は日本平和委員会代表理事、子どもと未来をつなぐ会スタッフ、市民と科学者の内部被爆問題研究会理事としても活躍。いわば、平和な社会の実現を求めて日々全力投球の努力家でもあるのだ。
 理恵さん、いや理恵ちゃんのはがきを、今一度読み返してみる。と、そこには「お元気ですか? お会いしたいです」とだけ書かれていた。ことしは、きっと会いに行こう。会えば、自ずと私が今後書かねばならない次のテーマが浮かびあがってくるかもしれない。

 きょうは、このほか、合間を見て実家の母に会いに。元気そうで安心した。帰宅後は、ずっと以前に手元に届いていた文芸同人誌「文芸中部 92」と詩誌「詩遊 №37・冬季号」の受贈二冊を熱砂の「WHAT,S NEW」欄で紹介したり、その他もろもろのことに延々と追われた。やはり、時間がほしい。いまは次作をどう書くか。そればかりを考えている。

【新聞テレビから】
☆『TPP交渉参加へ 「聖域確保 日米で確認」 首相、来月にも表明』『輸出増やし成長戦略実現』『農家困惑 「聖域、読み取れぬ」』『日本の国益守るには? 「人間的な信頼関係」を 外交の専門家ら提言』
 『〈東日本大震災2年 春よ〉 放射能なんて差別なんか…生きてやる 福島・相馬高の女子生徒発信【相馬高放送局が「Girls Life in Soma」を制作】 伝えたい私たちの日常』『南海トラフ地震へ備え 米軍と自治体災害協定 「トモダチ」作戦教訓』(24日付、中日朝刊)
☆『〈21世紀の遷宮 御白石持行事と伊勢の人々〉福島再生重ね 避難の荒川さん一家参加』『職員ら40人犠牲大槌旧庁舎 「保存」「解体」町二分』、『中部経済界は歓迎 TPP交渉参加へ 「残念」声落とすJA』(24日付、毎日朝刊)
☆『給料きちんと払えば会社も伸びる 岐阜 未来工業創業者・取締役 山田昭男さん(81)』(しんぶん赤旗日曜版2月24日号)

二月二十三日
 このところ、安倍外交がなかなか活発化している。一見したところでは、好調だといってよいかもしれない。ただこれからが大変で道のりはまだまだ遠い。
 きょうの各メディアは米国を訪問中の安倍首相が米オバマ大統領との会談で注目の環太平洋パートナーシップ協定、TPPについて交渉にあたっては、「聖域なき関税撤廃」を前提とはしないーという言葉を引き出した点を大々的に報道している。
 安倍首相自らも会談後の記者会見で「日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活した」と胸を張って見せた。
 かといって、本日付中日夕刊の解説にある通り、双方ともに自国に都合のいい表現で共同声明は玉虫色といってよく「関税問題 与党内から批判確実」の指摘は正しいとみてよい。
 というのは、共同宣言の内容をよく吟味すると、関税撤廃表現は「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」と抽象的で、同時に「全ての物品が交渉対象とされることを確認する」との原則を明記。これは日本が高い関税をかけて保護しているコメなどの農産物なども全ていったんは交渉のテーブルに乗せることを意味する。
 それだけに、交渉参加に慎重な意見が大勢を占める与党内から「これでは農業を守れないではないか」との批判が出るのは必至だからだ。こんご、このハードルをどう乗り越えてゆくのか。その点を注視したい。

 ここのところの新聞の整理を兼ねて読み返していたら【平和の歌声 マリに響け】【戦乱の地 音楽家ら団結へ】【「伝統守ろう」近く曲制作】(今月19日付、中日新聞夕刊)といった見出しが目に飛び込んできた。
 記事を読む。それによると、次のような内容だった。
―フランスの軍事介入で戦乱の地のイメージが強くなった西アフリカのマリは、伝統的に音楽が盛んなことでも知られる。昨年、北部を制圧したイスラム過激派は支配地域で音楽を禁止したが、マリ人ミュージシャンたちは「音楽はマリに欠かせない」として、音楽を通じて平和の必要性を訴えようとしている。
(記事はさらに次のように進む)
「(イスラム教の聖典)コーランは音楽を禁じていない。過激派は誤っている」。日本公演の経験もあるマリの代表的歌手カッセ・マディ・ジャバテさん(64)が指摘した。マリの住民の大半は穏健なイスラム教徒だ。
 マリでは昔から祭事や祝い事で「グリオ」と呼ばれる世襲の音楽家による歌や楽器の演奏が行われてきた。グリオは歴史の語り部の役割も果たし、ジャバテさんもその一人だ。
 ………

 記事は、ざあっとこんな内容で「過激派により楽器が壊され、マリの文化が打撃を受けた」と指摘している。それでも、こうしたなか、多数のマリ人ミュージシャンが近く集まり、平和をアピールする曲を制作予定でジャバテさんは「音楽は異なる人々を結び付けられる。平和に向け、マリ全体が一つにならねばならない」と訴える。
 いい記事だ。

 私自身、昨年の地球一周の船旅で寄港した国々で現地の方々と交流するつど、ギターやケーナ、ピアノ、ウクレレ、サンポーニャ、太鼓、ハモニカや横笛、合唱などを通じ音楽こそが国境と国境を結ぶことを骨の髄にまで感じてきただけに、マリの人たちの気持ちが痛いほど分かる。【音楽こそ、が平和の使者なのだ】。
 マリに平和の歌声が一刻も早く響きわたることを、心から願いたい。
 
 【新聞テレビから】
☆『高浜・雛めぐり 誇らしげ三河の歴史絵巻』、『日米首脳会談 全関税撤廃前提とせず TPPで共同声明 首相、交渉へ意欲 「聖域確保と判断」首相会見』、『「ごちそう食べ」健康 「女性最高齢」ギネス認定へ 114歳 大阪の大川(ミサヲ)さん=大川さんは日清戦争終結三年後の一八九八(明治三十一)年三月五日に大阪市で誕生。編み物が得意で、お気に入りのマフラーは「自分で編んやんだ」と得意そう』(23日付、中日夕刊)
☆『TPP交渉参加表明へ 「聖域なき関税撤廃」前提とせず 首相、米大統領と確認』『対北朝鮮 制裁を強化 両首脳 普天間早期移設で一致』、『高梨ジャンプ銀 世界ノルディック日本女子初表彰台』(23日付、毎日夕刊)
☆『森氏訪ロどうなる北方領土 ロシア柔軟 進展に期待』『勝ち負けない解決を 森元首相、ロの大学で講演』、『はだか男 荒ぶる 稲沢・国府宮』、『東浦町国勢調査 前副町長 水増し指示か 愛知県警逮捕 303人分虚偽の疑い』(23日付、中日朝刊)
☆『火元はリコール加湿器 長崎グループホーム火災 製造TDK謝罪 他の事故46件5509台未回収』(23日付、毎日朝刊)

二月二十二日
 きょうは愛知県稲沢市に伝わる国府宮のはだか祭の日をはじめ、いろいろな日だった。
 まず「竹島の日」。次いでニャンニャン、すなわち猫ちゃんの日(わが家にも長女猫のこすも・ここ、と次女のシロがいる)。
 そして。何よりも大切なのは、三重県志摩半島は阿児町鵜方(現志摩市)で長男がこの世に生まれ出た、まさに、その日だ。あの日は幾千万もの白い小雪たちが、空から次々と舞っており「南国志摩に雪が降った」と写真つきで記事を送った。遠い日の記憶。今から思えば、雪の天使たちは長男誕生を祝う天からの贈り物だったような。そんな気がしてならない。

 一方の「竹島の日」。こちらは竹島が明治のころ、2月22日に島根県所管となったため制定されたそうで、ことしは八回目の記念式典が松江市内で行われた。これに対して竹島の領有権を主張する韓国ではソウルの日本大使館前で抗議集会が開かれ、集まった人々は「竹島の日をただちに取り消せ」と気勢をあげた。私にはどうして双方が、これほどまでに領有権にこだわるのか。そこが分からない。
 それほど、こだわる必要があるのか。と言いたい。ことしを日本の島にしたら、来年は韓国の島として交互に竹島祭を開いて国際交流のつどいでも開いたら、どうなのか。尖閣にしても、だ。たとえ海底資源の争奪という事情があろうが、だ。同じ人類のためにも両国で相互委譲するという気持ちはないのか。実りなき領有問題が浮上するつど、私はニンゲンたちの愚かさを痛烈に感じる。

 領有問題といえば、きのうは森元首相が首相特使としてロシアを訪れ、プーチン大統領と会談した。懸案の歯舞、色丹、択捉の帰属問題など両国間の長年の懸案でもある北方領土問題を今後どう収拾させるか、について話し会われたそうだがこの結果、しかるべき時に安倍首相がロシアを訪れて話し合う、という地ならしができた、としている。両国の英断に期待したいところだ。

 そして。きょうは、もう一つ。忘れられない悲劇がある。それは、ニュージランドのクライストチャーチ市にいた日本人二十八人を含む百八十五人の尊い命が奪われたニュージランド南部地震から丸二年たった、その日だということ。というわけで、きょうは発生時間の午前八時五十一分(日本時間、現地時間は午後零時五十一分)に倒壊したビル跡地の被災地などで一斉に黙とうする追悼の祈りがあった。

 午前中、あまり好きでない近くの医者へ。
 先日しばしば激痛の走った背中から腰にかけてのレントゲン撮影をしてもらったが異常はなく「もう、たぶん良いかと思います。薬も飲まなくていいですよ」との医師の判断で診療からは解放されることになった。ただ「油断は禁物です。お酒は控えるように。もし、また痛くなることがありましたら、きてください」と釘を刺された。いずれにせよ、こんな幻の如き病は、御免蒙りたい。今度の騒ぎは「もうお年なのだから、これからはお酒の量を少しは減らすように」という神さまのお達しのような気がしてならない。
 かといって、付き合いも大切で今夜は名古屋へ。久しぶりに気の合った仲間同士、楽しいお酒となったが、きょうのところは極力、飲酒を控えたつもりなのだが…。お酒を控えての懇親は、かえって心理的に疲れてしまうことがよくわかった。でも何よりもお会いしたかった皆さんにお会い出来、伺って良かったと思っている。

 とまれ、この世の中。生ある限り不幸は、ぬぐえどもぬぐえども後から後に、次から次にと起きる。ニンゲンとは、悲しきいきものだ。

【新聞テレビから】
☆『〈春よ 東日本大震災2年〉みちのくの風〝三重奏〟 津の音楽祭出場へ 仙台の母娘ユニット「また観客と一緒に」』、『ビル跡地 あなたは今もー NZ地震2年追悼』、『伊賀強殺「犯行後2階へ逃げた」 直前に客、非常階段に血痕』(22日付、中日夕刊)
☆『アフガン少年 ハリウッドへ 実生活同様物売りの役 アカデミー賞授賞式に』、『復興への思い語ろう 愛知、東京の2校と釜石小と 3・11テレビ会議で交流』(22日付、毎日夕刊)
☆『プーチン大統領 「平和条約なしは異常」 領土問題 森元首相と意見交換』、『安倍首相米へ出発 あす未明首脳会談』、『名古屋ウィメンズマラソン 野口ら招待 来月10日号砲』、『NZ地震2年亡き娘を再発見 友達の心にいた』、『中高生の中国派遣中止 福井・あわら市 大気汚染を保護者が心配』(22日付、中日朝刊)
☆『福島原発事故 ベント前10キロ圏拡散 線量最大720倍に 県、送信不能データ解析』、『酸ケ湯515センチ 積雪新記録』、『北方領土 日露容認できる案模索 大統領 森元首相と会談』(22日付、毎日朝刊)

二月二十一日
 午前中、社交ダンスのレッスンで宮田公民館へ。
 ジルバ、タンゴ、ルンバとこなし、ひとときを過ごした。女性の相手の中に一人、笑い上戸のヒロコさんが居て、私と組むとはなぜかしら笑いころげてしまう。なんだか私がおかしいのかな、と思ってヒロコさんを見つめると彼女曰く「ゴンタさんって。楽しいひと。奥さん、幸せだよ」ときた。
 ダンスをやる人となると、それぞれ皆心が裕福なのか。育ちの良い優等生ばかりの海のなかにゴンタという落第生が一人、ポツンと浮かんでいるような、そんな気がしてしまう。なんだか恥ずかしい。逃げ出したくなってきた。
 でも私は先日、この社交ダンスを自分なりに極めることを誓ったのだ。そんなにやすやすと、放り出すわけにもいくまい。

 帰宅すると、電話がかかった。
 地球一周の戦友のなかでも社交ダンスを共にした仲間、津江慎弥さんからで四月にダンス仲間の同窓会を静岡県の熱海温泉で開きたいので出席してほしい、というものだった。イチも二もなく、「ええ、いいですよ」と返答させていただいた。 
        ×        ×

 テレビニュースによると、この冬の最強寒波が北日本を直撃。北海道のJR江別駅周辺では11本の列車に影響が出て600人以上が車内で夜を明かしたそうだ。また青森県酸ケ湯温泉では515センチと過去最高の積雪を記録。札幌でも、このところの積雪量は例年の1・5倍で雪が融けにくい状態が続いているという。

 中日の夕刊を何げなく見ていて文化欄片隅の見出し「中部の俳人を表彰」が目に留まった。中部日本俳句作家会賞二氏=鈴木誠さん(78)と米山久美子さん(81)=とその作品、中日俳句賞一氏=今井真子さん(65)=とその作品を報じるもので、こうした賞こそ本物だと心から思った。
♪春立つといふに物音ひとつせず(米山久美子)

【新聞テレビから】
☆『北方領土で進展なるか 森・プーチン会談速報』(21日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『3人の死刑執行 奈良女児誘拐殺人 土浦の無差別殺傷 栄のスナック強殺 第2次安倍政権で初』、『16年前伊賀強殺 容疑者認める供述 「借金返済、遊ぶ金に困り」』、『米の新設科学賞 山中教授に2億8000万円 先端研究 後押し』(21日付、中日夕刊)
☆『「日米の絆回復示す」 米紙に 安倍首相が今夕訪米』(21日付、毎日夕刊)
☆『浅尾落選 右肩大丈夫なのに…登板なく ものすごく悔しいです 紅白戦前に〝ストップ〟 与田コーチ「ケガさせるわけにはいかない」』(21日付、中スポ)
☆『脱原発欧州で加速 安全強化コスト高騰 計画撤廃や凍結相次ぐ』『「福島」影響 建設費2倍 推進・フィンランド 採算性に疑問噴出』、『侍ジャパン28人決定 WBC』(21日付、中日朝刊)
☆『原電 ウラン一部売却 借金の返済資金 原発再稼働見通し立たず 東電も検討』(21日付、毎日朝刊)

二月二十日
 笛の稽古で大須の師匠宅へ。
 きょうは笛をふくというより、先日あった発表会の反省をこめた話が中心で稽古の方は、【風の盆恋歌】を二度、三度とふいて終えた。私自身、笛をふくのは、これだけで十分だと思っている。

 むしろ、稽古に当たってのあんな話やこんな話をお聞きし、ある種の作法というか。芸道とは何たるか。その神髄を学び取ることの方が大切だ。師匠も私も同い年だけに、互いにどこか少年少女時代のクラスメートと似たような、そんな一体感めいたものがある。

 ところで、その発表会と言えばー
「イガミさん。〝あゆちゃん〟がネ、こんな歌をつくって私にくれたのよ」と言って見せてくださったのが次の一首だ。
♪笛の音に
  ふと立ちどまり
 春風も 
  寄り道をせし 
    七種の会
           あゆ

 そして。師匠がお弟子さんに返したのは、次の一首だった。
♪出来不出来
  二月九日
   春一番
 腹を抱えし
   七種の会
        家入三津恵

 あの七種の会発表会の場で、師弟の間で、まさかこんな歌のやり取りがされていた、だなんて。思い起こせばなかなか風流な一日だった。
        ×        ×

 第一生命保険の第26回サラリーマン川柳コンクールの入選作百句の発表が昨日あり、けさの朝刊各紙やテレビが【時代詠む センスが「いいね!」サラ川柳 入選100句発表】(中日)などといった見出し入りで紹介していた。
 入選作は30490句の中から選ばれたもので、今後インターネットなどによる人気投票を三月十九日まで受け付け、五月下旬にベスト10を発表するという。各メディアとも、それぞれの判断で入選作のなかの何作か、を掲載していた。
 これら入選作の中で、うち3句を以下に、掲げさせていただくとー
♪党名を 覚える前に 投票日
♪読みきれぬ 妻の心と 円と株
♪iPS 再生したいな 国・経済

 プロ野球侍ジャパンの山本浩二監督が日本代表選手28人を発表した。中日ドラゴンズからは、井端内野手ただ一人で寂しい限りだ。浅尾投手、大島外野手にはぜひ代表選手に加わってほしかったが、両者ともにこのところの故障がたたって絶好調とは言い難く、残念だがやむをえない、と言いたいところだが……。
 投手王国・中日から投手を一人も出さない、ということは最初から侍ジャパン、すなわち山本監督の失点ではないか。許せない。これまでは、私は山本監督を大いに評価していたが、プロ野球界全体を見て選ぶ、すなわちファンもみて公平に選ぶ大局観にかけている、と言わざるをえないのだ。
 浅尾投手が「悔しい」という意味がよく分かる。それこそ、一番働いてくれそうな大島選手に対しても、だ。たまたま故障していたから、これ幸いに落とすとは何事だ。いやしくも中日から投手を一人も選ばないなど、ありえないことだと言いたい。浅尾投手には実績も十分ある。だったら、山井投手をなぜ入れないのだ。顔ぶれを見る限り、少し偏っている。

 先の大戦もかろうじて生き抜いてきた庶民のみせ、東京・かんだ藪蕎麦店。【遠来の客も多かった東京の老舗そば店かんだやぶそばの火事。伝来のつゆを運び出すひまもなかったという。(原因は漏電だという)】(20日付、中日夕刊〈夕歩道〉から)。

 【新聞テレビから】
☆『明石歩道橋事故で強制起訴 元副署長に免訴判決 神戸地裁「過失なく、時効」』(20日付、中日夕刊)
☆『群青の天 白い台地 南極観測隊撮影=第54次南極観測隊がこのほど実施した大気観測の〝副産物〟だ』(20日付、毎日夕刊)
☆『厳寒 氷の芸術 長野・王滝村の新滝』、『同意人事 事前報道ルール撤廃 与野党合意日銀総裁案から』、『「押し買い」に法の網 改正特定商取引法あす施行 クーリングオフ可能「貴金属渡さない」』『岐阜のアユに新感染症流行 体力低下、友釣りに影響』(20日付、中日朝刊)
☆『公共工事 被災地「入札不調」増加 資材、人件費高騰 復興に影響も』、『シェールガス 輸出許可 米に要請へ 燃料費抑制狙い 日本、首脳会談で』(20日付、毎日朝刊)

二月十九日
 私自身の新作小説集誕生を一カ月後に控え最終校正がやっとひと段落ついたところで、文藝春秋90周年3月特別号に全文掲載された黒田夏子さんの芥川賞受賞作「abさんご」をあらためて読み返してみた。

 やはり読みづらい。「奇をてらう」という言葉があるが、失礼を承知で言わせてもらうなら、この文はまさに「奇をてらった」以外の何ものでもない。もっと分かりやすく書けないものか、と思ってしまう。新聞記事でこんな文を書いてきたら、即ボツだ。デスク当時だったら、おそらく「何を書いているのだ! もっと読者の気持ちになって分かりやすく書け」と、雷を落としてどやし付けるのは間違いない。全部、書き直させるだろう。
 とは言っても、一応は天下の芥川賞作品だ。というわけで、先日同様、分からないなりにも、読み進めていく。だから、そう。難解すぎるだけに、その反比例と言うか、意味の分かるカ所があると、急に「ウン、分かる。分かる」と自らうなづいて、なぜかその下りに限っては万歳さえしたくなるほど過大評価してしまう。

 先日も読み始めたとき、チンプンカンでさっぱり理解不能のため「なんだ、これは。これでは意味不明じゃないか」と話すと、相棒の妻が〝したり顔〟で「あのねえ。【abさんご】はね、読み飛ばして読むの。読み飛ばす。読み飛ばさなきゃあ。そうしていったら、意味の分かるところで昔の光景などが目の前に浮かんできて音楽まで聞こえてくる。わたしは、いい作品だと思うよ」と言うではないか。
 だから私はきょう、出来るだけ踏みとどまることなく読み飛ばしていく感じでこの奇妙な小説の読解に再びチャレンジし読みあげたのである。でも、私自身、まだこの小説を小説として認知はしていない。とはいえ、芥川賞受賞作だから、どこかに真珠の輝きの如き煌めきがあるに違いない。私は自身に今一度言い聞かせ、その気になったときにもう一度だけ読み直してみよう、とは思っている。

 「選評」も横書きか、と勝手に思っていたが、そこはやはり縦書きだった。
 のっけから、文句を言いながらも読んでみる。
 結果は。
 各選考委員ともそれぞれ「なるほど」と思わせる評を述べていたが、私はやはり「言語の解体と再構築」との視点から、この黒田文学を評した高樹のぶ子さんの評が一番分かりやすく、納得したのである。

 ここにその選評の一部を日本文学の歴史の一端として記録に残しておきたい。
―小説のカタチを壊すとき、何のためにそうするのか、そうせねばならない理由は何かが問われるのだが、中身の無さをカタチの新奇さで補っただけのものも多い。しかし「abさんご」は違った。固有名詞だけでなく熟語や単語で明瞭になるはずのひと言が、ひらがなに分解され融かされ、おまけに横書きという、仮名文には生理的に不向きな書き方が選択されているので読みにくいことこの上ないのだが、読者にその困難を強いるだけの理由があった。
 読者は最初、馴れない横書きの仮名文と試行錯誤しながら格闘するわけだが、いつの間にかひらがなを漢字に、意味を持つ単語に、変換しながら受け入れている。つまり、作者が解体した言葉を、読者は再構築しながら読むわけだ。その過程において、フォーマットに落とし込まれた文章では到底伝わらない、湿度を帯びた大和言葉の世界が、ときには乱暴に、また薄暗い美しさを伴って、立ちあらわれてくる。再構築されることで言葉の意味が、くさびのように深く打ち込まれるのだ。……(芥川賞選評から1部抜粋)

【新聞テレビから】
☆『戦乱の地音楽家ら団結 平和の歌声 マリに響け 「伝統守ろう」近く曲制作』、『大津市議会 いじめ防止条例可決 周囲に相談「子どもの役割」 第三者委や市民会議設置』、『イチロー4000安打へ始動』『ヤンキースで初キャンプ』『力抜き自然体 ヤ軍流練習「合理的」と感心』(19日付、中日夕刊)
☆『【特集ワイド】エロスの女王 壇蜜の味は? はかなげ昭和テイスト=テレビ、雑誌に出ずっぱりの「日本一美しい32歳」。エッセイにこうある。〈生と死、そして性―壇蜜はこの3つの要素を体現している存在でありたいと考えています〉。』、
『ダニ感染 4人目死亡 昨夏、広島の成人男性』(19日付、毎日夕刊)
☆『PM2・5(微小粒子状物質)外出や換気自粛 高濃度時呼び掛けへ 環境省対策案』『中国 基準の5・7倍 春節』、『日韓正常化交渉 日本竹島問題後回し 外務省、黒塗り部分開示』、『交番で賭けマージャン 豊田署員ら勤務中に 賭博容疑で捜査』『警官 女性に抱きつく 岐阜県警事故捜査中、車内で 懲戒処分』(19日付、中日朝刊)
☆『北朝鮮女性相次ぎ失踪 中国で運営のレストラン 指導層出身 金正恩体制ほころびか』、『遠隔操作 片山容疑者 「事件起こすとは思えぬ」 勤務先の社長困惑』(19日付、毎日朝刊)

二月十八日
 きょうは二十四節気の一つ「雨水(うすい)」。
 いつも感心するが暦は本当によく出来ている。雨水などという、今の時季にふさわしい言葉を一体全体、誰が考えついたのか。不思議な気がする。

 朝起きて窓辺を見ると、隣の屋根瓦に白い雪がホンの少しだけ冠雪しており傍らでは樋を伝い、たった今、白から生まれ出たばかりの透明な水がチョロチョロと音をたて流れていた。
 夕刊を見ると、植え込みに残る雪を横目に歩く人たちの写真を〝絵解き〟に【東海、雪の「雨水」】の見出し。記事には「空から降るものが雪から雨に変わり、草木が芽吹くころとされるが、この日は未明から早朝にかけて名古屋市や岐阜市でも雪が舞い、寒い朝となった。」と書かれていた。

 午前中、確定申告のため妻と二人で市民体育館へ。人がいっぱいで受付の担当者から「午後一時過ぎに出直すように」と言われそれまで昼食をと近くの店に入ると、そこにはナント滝高校時代の柔道部の一歳年上の大先輩、安藤寿一さんが奥さまとおそろいでお出でになった。しばし歓談後に帰られたが、帰り際に私たちの食事代まで知らぬ間に支払われていたのには恐縮した。さすが、後輩思いの先輩だ。
 続く確定申告。本当はインターネットを利用した電子申告納税システム「eーTax」を利用して申告したいところだったが、順番までさらに待たなければならず、いつもの方法で担当スタッフに教えて頂きながらの申告となった。還付金が戻ってくるかなと内心期待していたものの、今回は少し支払うことになり残念無念。でも、気になっていた申告を終え二人とも肩の荷が下り、ホッとした。

 それにしても「雨水」というのに、きょうは一日中、こ寒い日だった。妻の悪い癖で雨が降っていてもそのまま、「これぐらい大丈夫よ」とまるで出陣でもするように傘をささないでスタコラ歩くので、傘を手に追っかけるこちらがかえって疲れてしまう。それでも確定申告を無事終えた彼女。安堵感からか、珍しく「ぜんざいを食べようよ」と私を「時代屋」という喫茶店に誘った。

 帰宅後は、きょうも入稿直前に迫っている私の小説の読み返し、さらには「熱砂」同人から届いた作品の編集公開作業、本欄/二月の唄の執筆などに、相も変わらず遅くまで追いたてられた。一体、いつになったらゆったり出来るのか。自分でキリキリ舞いするばかりの悪い性格は記者時代の延長で天性のものなのかも知れない。自業自得とは、このことだ。
 というわけで、愛器サンポーニャはおろか、笛も、ハモニカも、ふいている余裕などとてもなく、ましてや社交ダンスのシャドーなど夢のまた夢の一日となった。あ~ぁ。

【新聞テレビから】
☆『〈大波小波〉中原中也賞も最高齢【細田傳造、69歳の第一詩集『谷間の百合』(書肆山田)】』、『湖の鉱物片は隕石 「チェバルクリ隕石」と命名 ロシア』『隕石恐怖収まらず PTSD(心的外傷後ストレス障害)に? 不眠訴える受診者も』『旅客機ニアミス 機長「横切った直後爆発」』、『少女わいせつ 前尾鷲市長に有罪判決 名地裁「被告の供述 不自然」』(18日付、中日夕刊)
☆『義足の英雄 浮かぶ闇』『恋人射殺容疑 ピストリウス選手』『過去の暴力、銃を好んだー報道合戦「血のついたバット押収」』、『「日中漫画展」は来月に 尖閣情勢悪化で延期 「沈静化」と判断』(18日付、毎日夕刊)
☆『高梨W杯総合女王 ジャンプ16歳、史上最年少 「自分でも感動」』、『川端康成 初の新聞小説 27歳で発表「美しい!」発見』、『浜松で不発弾処理 1万人に避難指示 新幹線に遅れ』、『南三陸から西表島へ ポスト2400㌔漂流』(18日付、中日朝刊)
☆『TPP判断へ 正念場の訪米 首相「例外」引き出せるか』、『被災犬1日だけの里帰り 岐阜のNPO橋渡し 来月10日、飼い主と再会』(18日付、毎日朝刊)

二月十七日
 きょうも一日が音もなく、過ぎ去ってゆく。
 私は、出版が迫った本の再校ゲラを既に提稿済みではあるが、なんども読み返す。
 
 【しんぶん赤旗 日曜版2月17日号】の〈ひと欄〉に映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」(齊藤潤一監督)で奥西勝死刑囚の母、タツノさんの役を演じた女優樹木希林さんのことが「後始末しながら生きる」の見出し入りで掲載されていた。
 三重県名張市で農薬が混入されたぶどう酒を飲んで五人が亡くなった名張毒ぶどう酒事件が起きたのが、1961年。記事には「逮捕された奥西さんは自白を強要され、最高裁で死刑が確定、再審請求は七次に及んでいます」とあり、希林さんは「61年は私が女優業を始めた時期です。そう思うと、すごく長い。私はえん罪じゃないかと思っています。このまま終わりにしちゃまずいと思い、協力させていただきました」と話している。

 そして。タツノさんを演じるのは、「しんどい」とも。実録の映像と比較されるからで、一心に仏壇を拝む姿や、息子に手紙を書く横顔を例に「役者は太刀打ちできない。負けるの。役者としては、本当は見てもらいたくない。でも映画としては見てもらいたい」と話し、さらに「88年に84歳で亡くなったタツノさん。彼女の生きた時代と貧しさを表現するため、シーツやこたつ布団、床の間の置き物一つにもこだわりました」いう。

 希林さんは八年前に乳がんを患ったが、その後回復し先月、七十歳に。「さあこれからだ、じゃなく、さあ後始末をしてゆこうというのが今の私の気持ち」とも言いきっている。私は、このヒトモノ記事を読みながら、希林さんがいかに優れた女優であるか、をあらためて感じたのである。いつも思うが「赤旗」の紙面は、なかなかいい点を突いている。

 それはそうと、ロシアの隕石落下のショックは大きく、思いがけなく被害に遭った【被災地】では、破損したガラスの修復に一日中追われる模様がテレビ画面に映し出された。日本では浜松と神戸で先の大戦中の残骸ともいえる不発弾の処理で住民が一時避難するなど、戦争の爪痕がいかに長い間、人間たちを苦しめるのか、を知る良い例だといっていい。
 
【新聞テレビから】
☆『〈皇室スペシャル〉「陛下の覚悟」〝異例の激務〟365日 美智子さまとの深い絆』(17日、メ~テレ)
☆『〈サンデー版・世界と日本大図解シリーズ〉季節を告げる 生き物たち』、『〈NASA推定〉隕石17メートル、一万トン 威力 広島原爆の30倍』『突然熱く次に爆音 落下瞬間「この世の終わり」』『隕石落下で1200人負傷 100年に1度の規模』、『風疹 冬なのに流行 感染者前年の14倍 30代以降 特に注意』、『〈この人〉中日フォトメイツグランプリに選ばれた久野帆乃香さん(金城学院大薬学部1年、19歳)』(17日付、中日朝刊)
☆『多喜二の歩んだ道〈没後80年 最後の3年間をたどる〉』『没後80年 多喜二の文学を語る集い(3月10日午後1時半、東京・みらい座いけぶくろ)』(2月17日号 しんぶん赤旗日曜版)

二月十六日
 土曜日。
 いつものようにNHK第2ラジオのカルチャーラジオ「詩歌を楽しむ」で〈石川啄木再発見 望郷・青春・日本人の幸せ〉なる番組に耳を傾け、どこかホッとした。
♭ふるさとの訛り懐かし停車場の人波のなかにそを聞きにいく
♯かにかくに渋民村は恋しかり思い出の山思い出の川、など。
 望郷への思いをつづった短歌一つひとつに対する解説が大変、わかりやすかった。そればかりか、啄木が好んで用いた「何がなしに」表現、私にはすごく分かるのである。

 隕石落下を報じる日刊紙と、NHKのテレビニュース
 

 

  ロシアでの隕石被害。新聞各紙、テレビ各社ともに続報に追われている。なかでも気になったのはNASA(米国航空宇宙局)の「今回の隕石落下は予測できないものだった。百年に一度のことだけに、どうしようもない」といったコメントである。ということは宇宙から天体が飛んで来たら私たちは被害に巻き込まれるほかない、ということか。隕石落下など不測の事態を科学の力で何とか事前にキャッチすることはできないものか。

 きょうは名古屋の街を昔懐かしい蒸気機関車(SL)が煙を吐き出しながら走った。
 名古屋市が、第三セクターである【あおなみ線】でポニーの愛称で呼ばれるC56型蒸気機関車の実験走行を実施したためで、沿線には実に一万八千人もの鉄道マニアが詰めかけ、その勇姿を見守ったという。応募十二万人の中から、選ばれたという乗客二百人の気分やいかに。さぞかし満足だったに違いない。あすも走るそうで、SLフィーバーは、もう一日続く。

 白煙を上げあおなみ線を走るSL(NHKニュース画面から)
 

 第76回ピースボートの船友仲間のヤエ姉さん(神奈川県大和市・八重子レクリエーション研究所長の小泉八重子さん)から「私はレ・ミゼラブルとはまた別な感動というか、ほほえましい風景に陶酔していました。こんな幸せなひとときに感謝です」とのコメント入りでメールをいただいた。

 メールの件名は「幸せなひと時を」。
 そして内容は、といえば。 
 「皆様に、私の感動をお届けいたします。現在スペインで行われたあるサプライズに、世界から賞賛の声が送られている。そのサプライズの一部始終を映した動画は、2012年5月19日午後、スペインのサバデイで、ある少女が楽器を抱えた男性の帽子に、一枚の硬貨を入れるところから始まる。
 少女がお金を入れると、その男性は【ベートーヴェンの交響曲第9番】を演奏し始めた。すると、別の楽器を持った演奏者が次から次へと登場し、演奏がどんどん壮大なものへと変わっていくではないか! これには観衆たちもビックリ! そして、さらにそこに合唱団も加わり、曲は感動の大フィナーレを迎える。
 これを聴いていた聴衆たちは、そのあまりに素晴らしい音楽に心打たれ、それはもう大きな拍手を演奏者・合唱団に送っていた。http://www.youtube.com/watch?v=GBaHPND2QJg  これです。」というものだった。
 もちろん、私はこのユーチューブをさっそく見させていただいたが、音楽の持つ力がいかに偉大なものであるか、をあらためて感じた。ありがとう。ヤエ姉さん!

 感動と言えば、もうひとつ。今夜、NHKBSプレミアムで妻と見た映画「フラガール」である。私たちは、この映画を3・11東日本大震災以前にも一緒に見たことがある。私自身、映画の舞台である福島県いわき市には大震災が発生してまもなく現地に入ったこともあってか、なんだか泣けてきてしまった。
 常磐炭鉱閉山の危機のなかで、新しい活路をーとフラダンスに打ち込み、ひたむきに生きる女性たちの姿はそれこそ、感動ものであった。「今まで生きてきたなかで一番楽しかった」「どんなに辛い時でも舞台の上では笑ってなきゃあ」「みんな、目死んでる。いくぞ、いくぞ」「いくぞ、フラガール」「この子たちはヤマを救うために歯を食いしばってがんばってきました」……
 そして。列車に乗って帰ろうとする先生をプラットホームに立って覚えたばかりのフラダンスを踊って見せ、引き留めようとする少女たち。
 松雪泰子、蒼井優らすべての俳優の名演には涙がとめどなく頬を伝った。常磐ハワイアンセンターが誕生するまでの苦闘の物語で、本当に見る者の胸を打ついい映画だった。今宵もまた午前一時半をはるかに過ぎてしまった。

 体調は少しずつ回復に向かっている。と、思う。

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉徹底生討論! どうするニッポンのエネルギー』(16日夜、NHK総合)
☆『〈SL実験走行 あおなみ線〉ビル街に「昭和の雄姿」』、『隕石被害半径百キロに』『負傷者1200人 爆発前の直径15メートル』『小惑星は無事通過 史上最も接近「軌道分かっていた」』、『大量殺人計画容疑 小5の2人を逮捕 米ワシントン州』(16日付、中日夕刊)
☆『ロシアに隕石 985人負傷 重さ10トン 上空で爆発』『太陽から接近見逃す ロシア隕石 直径数メートル、衝撃波で被害 小惑星接近「関係ない」』『住宅密集地なら大惨事』、『(劇団四季のミュージカル)「アイーダ」千秋楽=新名古屋ミュージカル劇場』、『〈虹〉闘病 燃えよ「ドラの母(我らが安江都々子さん)」』、『「学校統廃合中止して」 大阪の自殺小5、メモ残す』(16日付、中日朝刊)
☆『隕石 1000人負傷 ロシア南部に落下 衝撃波で建物損壊』、『犠牲者と家族帰国 グアム殺傷』、『中日私設応援団の全面敗訴確定』(16日付、毎日朝刊)

二月十五日
 本当に毎日、いろいろある。
 きょうは空から隕石がとんできた話だ。といっても、ロシアは南部ウラル地方にあるチェリャビンスク洲での話。私は、この〝宇宙の大事件〟を、パソコンを開くと同時に中日新聞プラスのポロロンという音とともに知った。それによると、【ウラジオストク共同】発でロシア内務省が十五日、チェリャビンスク洲に落下した隕石で百人以上が負傷、いずれも軽傷だったという。
 (その後のロシア科学アカデミーなどの調べによると、隕石は重さ約十トンと推測され、秒速二十キロメートルでカザフスタン上空から北上しながら落下。州都チェリャビンスク市では鉄工場の屋根が落下したり、学校や多数の住宅のガラスが割れ、洲当局によると、千人近くがケガをして、うち四十三人が入院。幸い、ロシア非常事態省は「隕石から放射能や有毒ガスは検知していない」としている)。

 ところで、この中日新聞プラスの効用だが、私は一読者として昨年暮れに同プラスの会員登録をしたがそれ以降というもの、国内外で発生した事件の第一報の多くを、パソコンと向き合っていてこのプラスから知らされている。
 中日新聞プラスもここにきてスッカリ定着してきた感じがする。いいことだ。
        ×        ×
 私のからだを気遣って離れようとしない老境の愛猫こすも・ここ
 

 話は変わって。私自身の恥じさらしを、ひと言。
 七転八倒とは、このことか。
 ここ四、五日前から左の背中部分がしばしば突然の激痛に襲われ、のたうちまわるほどにイタイことが続いている。こんなにも痛いのだから、すぐに死ぬということもなかろう。でも、分からない。
 とうとう、私とは昔からの悪ガキ仲間で【千年の知己】ともいえる琴伝流大正琴の大師範で弦洲会の会主・倉知弦洲さんこと、「熱砂」同人の詩人でもある牧すすむさんから「ガミちゃん、すぐ医者に行け! 行かなければアカンよ」との厳命が下った。
 妻(舞)にもこのところは顔さえ合わせれば毎日「行かなきゃ、行ってくるのよ。何度言ったら分かるの。自分のからだは自分で守るの」とずっと叱られてきた。デ、もたもたしていたら、そのうちタクシーか何かで拉致され、強引に病院に引きずり込まれかねない。以前、ある日突然、両肩の激痛に見舞われた時だったか、確かそれに似たことがあった。
 というわけで、きょうは午前中をかけて嫌々ながら近くの整形外科を訪れ、癪ではあるが医師の診察にわが身柄を預けた。その若い医師は私が痛がる患部を確認しながら「これは腎臓です。腎臓のなかに石が出来、ころころ動いている。だから、そのつど痛くなるのですよ。この手の患者さんは救急車で運ばれてくる方もちょくちょく、おいでですよ」ときた。

 明解である。
 「へえ~ぇ、腎臓に石ですか。で、どうしたら良いですか」と問うと「全身でトントンとやることですよ。そう、体の上下運動をすると出やすい。トントン、トンと。(社交ダンスは、の質問には)ダンスは大いにやってください。トントン、とやるわけですから。それにポカリスエットを出来るだけ多く飲むと良い。ビールはダメです。石を融かして下に流れる内服薬を出しておきますので朝、昼、晩と食後に飲んでください。痛くなったら頓服を。七転八倒するほど痛いときは座薬をしてください。ただし頓服は六時間、座薬は八時間以上の間隔をおいてください」とのことだった。
 ほおっとけば自然に治る。内心、へんな自信からそう信じてやまなかったが、どうもそうでもないらしい。石が出なければ第二ラウンドに突入し、なんだか専用の医療器械で体ごと地震の時の揺れのように左右上下に揺さぶられるらしい。なぜ、そんな厄介な石が出来るのかーと聞くと「ビールの飲み過ぎとか体質によります」との返事だった。わが家の系統で〈石持ち〉なぞ、聞いたことがない。ということは、ビールの飲み過ぎか?
 そう言えば、十数年前、新聞社の文化芸能局の部長在任時に同僚の一人が同じ病気で随分痛がり心配したことを思い出した。あの時のあの症状こそが今の私の症状である。あのときの同僚は現在、現役戦士として大活躍だが、その後病を克服したから今があるに違いない。だけれど酒は飲まなかったはずだが…。まぁっ、いいか。ビールを飲まない人にも石は出来る、ということだ。

 というわけで、きょうは気になっていた中日ドラゴンズ公式ファンクラブの若手スタッフにメールし「近々約束していた〝しみじみ飲む会〟を少し後にしてほしい」旨メールをしておいた。こういう時に限って飲み会の話が集中するものだが、ここのところはチョットひと呼吸おいた方がよい気がする。

 夜に入り。中日ドラゴンズ公式ファンクラブの〝お母さん〟である安江都々子さんから「今晩は。明日の朝刊に(私のこと)載ります。連絡ありました」のメールが入った。むろん「良かったですね。楽しみです。」と返信させていただいた。

【新聞テレビから】
☆『ミサイル発射台新設か 北朝鮮、日本海側で大型 米大分析』、『〈津波被害 宮城・閖上〉復興の道照らして 「絵灯籠5000個協力を」千種の女性』(15日付、中日夕刊)
☆『〈国際フォーラム〉日韓関係再構築の好機 若者の力に期待の声』『慰安婦問題「被害者の苦痛理解を」朴槿恵(パククネ)氏、河野氏(河野洋平元衆院議長)と会談』、『三菱重工、検査飛ばし ボーイング向け 旅客機部品で 06年から6年間』、『娘守る母 刺し続ける グアム殺傷死者3人に 容疑者、強い殺意』『3人きょう退院』、『〈訃報〉「特捜最前線 本郷功次郎氏 14日心不全のため死去、74歳』(15日付、中日朝刊)

二月十四日
 昨夜は。いや、きょうの未明、本欄を書き上げ公開後、床に入って寝ようとしたが何度も襲いくる背中の激痛がどうにもいたくて我慢できず、とうとう仰向けになることはなく俯せ、または横になったままで蝸牛のようになって一夜を過ごした。
 いつものことでお恥ずかしい次第だが、痛い痛いと言って私が苦しんでいる傍らでは、かわいい妻(舞)がぐっすり眠ったままだ。それでも緊急事態になると、彼女はスックと起き上がり、テキパキと処置してくれる。ということは、私がオーバーに「痛い、痛い」と叫んでいると判断しているのだろうか。全然、相手にしてくれない。

 激痛に耐えながら、やっと夜が明けた。
 彼女は、さっそく私のからだの背の部分に湿布剤を張りながら「ほんとに、弱いのだから。それでよく柔道なんて、やってられたわね。とても信じられない。弱虫」と憎まれ口をたたく。私に言わせてもらえば、本当に痛いのだから仕方がない。
 私はそれでも、本気で〈極める〉つもりでいる社交ダイスのレッスンに近くの公民館までマイカーを運転して出かけたのである。ジルバ、ルンバ、タンゴと先生について順次、踊っていったが不思議とレッスンの間は背中の痛みは消えており、すべて無事踊り終えた。

 帰ったら、すぐに電話。「なんとか踊れたから」と話すと、彼女もどこかホッとした様子だった。でも、それからがいけない。背中が痛いので台所の椅子に座って第148回芥川賞に選考された黒田夏子さんの「abさんご」なる小説を読みにかかったが、またまた全身の激痛に襲われ、そのつど呼吸を整えながらの読書となった。
 いや、読書といえるかどうか、私にとっては意味不明といってもいい字面を読み進めてゆく辛い【行軍】みたいなものである。なにしろ、読みづらい。全身の痛みが走るたびごとに、体の動きをいったん止めて深呼吸をして、思い返したように読み進めていく繰り返しとなった。全身の痛みのせいか、なにを書いてあるか、がよく分からない。ただ読み進めるうち、どんどん言葉が消えそのこと自体が不思議な心地よさにつながっている。

 なんだか「こんな訳の分からない作品を、日本文壇を代表する芥川賞に選んでよいものか。最高齢受賞とか、横書き、平仮名書きなど単なる興味本位の選考では」との疑念が浮かんだ半面、「文全体が醸す雰囲気と語感は尋常でない、時代もしっかりとらえており、読み進めるにつれ結構、面白感もありそれなりにリズムがあり、どこからか音が聴こえてくる」そんな音調のある文体だ、と感心してみたりもした。

 背中の痛みにしばしば襲われながらも読み進めていく。読みながら、私はふと「この尋常でない背中部分の痛みは、病ではない。これは、私の小説集〈マンサニージョの恋〉の出版を前にした【生みの苦しみ】なのだ。きっと本が出版されるころには治るに違いない」といった確信めいたものが沸々と体内から湧き上がってくるのを感じた。

 私は読書を途中でひと休みして、今度は、先日の発表会以降、しばらくご無沙汰していた横笛を手に〈さくら〉と〈酒よ〉〈コキリコ節〉をふいてみた。ふいているさなかにも、何度か背中に痛みが走った。

 そういえば、きょうはバレンタインデーだ。
 わが家の場合は一般社会とは正反対で、私が妻にチョコレートを毎年買ってくる。既に渡し済みだが、その代わりかどうか妻は芥川賞受賞作の全文が掲載され、つい先日発売されたばかりの文藝春秋9月号を私に買ってきてくれた(もっとも、私も同じ文藝春秋を買ってきたので同じ内容の二冊を互いに交換した。少しもったいない気がせぬでもない)。

 夕方、昨年乗船した102日間地球一周ピースボートの船旅でお世話になった若手映像作家高木應(アタル)さんから何カ月ぶりかで電話が入り、懐かしく思った。元気に映像の道を極めようとしている、ひたむきさが伝わってきた。頑張れ、アタル!

【新聞テレビから】
☆『〈シネマガイド〉ゼロ・ダーク・サーティ ビンラディンの殺害まで』、『岩波ホール総支配人 高野悦子さん死去 大腸がん 83歳』、『新たに邦人男性死亡 グアム殺傷 死者3人に』、『27年ぶりの汽笛 名古屋・SL試走』、『教員早期退職 愛知でも104人 月末、定年の1割』(14日付、中日夕刊)
☆『グアム殺傷 死亡は28歳女性と祖母 親族の結婚式で訪問』『叫ぶ男手にはナイフ 無差別に次々切りつけ』、『16年世界販売 トヨタ単体1000万台計画 アジアの伸び見込む』、『ネット選挙 与野党合意 参院選から解禁 メールは再協議』(14日付、中日朝刊)

二月十三日
 きょうは、なんだか不思議で怪しい日だった。

 というのは午前中、わが家の電話が鳴り通しなので出たところ、いきなり「イガミゴンタ先生、おめでとうございます」と女性の弾む声。何ごとか、と思って「あの、何のことでしょうか」と聞くと「東京の広告代理店〇〇堂の△△といいます。実は小社で繰り返し会議を開き、全国の読者や有識者のご意見も伺わせていただいたうえで慎重、かつ公正に議論させていただいたところ、ゴンタ先生が昨春出版された日記小説〈いがみの権太 大震災『笛猫野球日記』(笛書房発行)〉が〝春のグランプリ〟に文句なく全員一致で選ばれました。えぇ、ウソじゃありません。北は北海道から南は沖縄まで、日本中の小説でゴンタさんの作品が〝ニッポンイチ〟になったのです。私自身、何度も読ませて頂きましたが大のゴンタファンになっちゃいまして」とのこと。
 デ、と次を聞くと「ついては、ご著書の広告を専属のスタッフに作らせて頂きますのでぜひ協力してくださると、有り難い」と続けた。
 私は一応、検討はさせていただいたものの「しばらく考えさせてほしい、春のグランプリ・日本一のお言葉だけはいただいておきます。グランプリの取材の要請があれば応じますから。皆さん、一生懸命に仕事をなさっているのに本当に申し訳ありません」と無情な返事をしたが、答えながら「俺は、なんて薄情なニンゲンなのだろう」とつくづく思ったのである。でも、この方が間違いのない判断か、と思う。

 夕方。パソコンの前で相も変わらず、あれやこれやしなければならないことをしていたところ、からだを捻った瞬間に左背中部分に激痛が走り、一時痛くて動けないほどの状態になった。なんとか入浴した後、心配した妻から「湿布」をされ、新聞各紙をチェックしたあと、こうしてパソコンに向かって背中を押さえながら書き始めた。

 なぜ、突然にこんな激痛に襲われたのか。
 私の場合、このところは自室で近く発刊予定の小説三篇の再校ゲラのチェックに追われ、日に日に緊張感が心身とも充満してきており、今日も合間に昼食に出るのがやっと、というありさまだった。そして夕方、再び外出して近くのクロネコヤマトまで出向き、原稿を東京の出版社宛てに出した時には、なんだか全身の力が抜け落ちてしまうほどの脱力感さえ覚えた。だから心身の気の緩みから背中の局所部分に痛みが走ったのだ、と勝手に解釈している。

 でも、大体感覚で自分の体調が分かるのでそれほど心配はしていない。それより、私の身を必要以上に心配してくれる妻に心理的負担を負わせてはならない、と思っている。こんなのは、ほおっておけば、治る。このところ、ちょっとコンをつめ過ぎたためだろう。

 午前一時四十分を過ぎた。まだ、かなり背中部分は痛い。うなりながら書いている。でも、取り敢えずは再校ゲラチェックからの呪縛からも解き放たれたので、時間の経過とともに次第に治ると信じている。私のからだは柔道で鍛えてあり、そんなやわではないはずだ。ダメだと思えば、わかるはずだ。

 それはそうと、この世のなか、日々いろんなことが起きる。
 小説よりも現実社会そのものの方が、より【奇】である。まさに事実は小説よりも奇ナリ、の日々の繰り返しだ。楽園のはずのグアム島の繁華街・タモンでは、昨夜、車を暴走させたあげく車をおり、刃物で何人もの日本人観光客をめった切りにした21歳の男が逮捕されたという。不意の不幸で日本人二人が死亡、十二人が負傷するという、とんでもない事件となった。
 とんでもない、と言えば昨日、豊渓里(プンゲリ)で地下核実験を成功させた北朝鮮が「地下核実験を成功裏に行った」と発表。朝鮮通信は「爆発力は大きいが小型化、軽量化された核爆弾を使い、高い水準で安全かつ完璧に実施された」と発表。今後日米に届く中・長距離弾道ミサイル搭載に道筋がつけば、北朝鮮の軍事脅威はさらに深刻化しそうだ。
 当然のことながら十二日、緊急に開かれた国連安全保障理事会は「北朝鮮の核実験は過去の安保理決議に明確に違反する」との非難声明を発表。オバマ米大統領も昨夜の一般教書演説で「北朝鮮の挑発的行為は自らの孤立を深めるだけだ」と強く抗議したという。

 このほか、国際オリンピック委員会(IОC)による〝レスリング競技の五輪外し〟など、次から次にと、いろんな問題が起きてくる。これが世の中、というものなのか、と諦めるにはあまりに無慈悲な決定でもある。ただ最終決定はまだまだ先。関係者の努力と五輪復帰に期待したいところだ。

 あすは社交ダンスを無事踊りこなせるか、どうかだ。これから休めば明朝までには背中の痛みも少しは治っている。そんな気がする。

 なんだかんだで、きょうもアッという間に過ぎ去った。もう寝なければ。

【新聞テレビから】
☆『グアムで2邦人殺害 車突入、次々刺す 乳幼児含む12人負傷 21歳容疑者逮捕』、『米大統領 北の核実験を非難 一般教書演説』『日韓、制裁強化で一致 米韓首脳も安保理連携』(13日付、中日夕刊)
☆『グアム通り魔 14人死傷』『日本人女性2人死亡』『車で突入 刃物振り回す 21歳男逮捕』、『ダニ感染症 2人死亡』『新型ウイルス 愛媛、宮崎の男性』(13日付、毎日夕刊)
☆『各国要請無視し強行』『北核実験「小型化に成功」 政府、独自制裁を強化』『安保理が非難声明』、『レスリング五輪除外も』『IOC理事会「中核競技」外れる 2020年』『五輪除外危機 レスリングなぜ』『吉田選手「なんとか継続を」』(13日付、中日朝刊)

二月十二日
 きょうは朝刊がない。だから、なんとなく頼りない。たよりない、というよりは「朝刊がないので、その分ホッとするような」そんな現役記者時代の、たとえわずか一日でも、記事から解き放たれた残照がいまだに残っている。妙な感じだ。なんだか『自由の身』になったような、そんな錯覚さえ覚える。

 そうしたなか、連休中に届いていた私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人、山の杜伊吹のテーマエッセイ=テーマは「巡る」=の作品「大宇宙の毛細血管」が無事公開され、なんとなく安心というか、肩の荷が下りた。彼女ならでは、のモノを見る「目」とすなおな「発想」は強くたくましい半面、いじらしいほどで「大宇宙の毛細血管」は、秀逸といってよい。今後ますます健筆を生みだし、大空に羽ばたいてほしい、そんな気持ちにかられるのである。

 それでもテーマエッセイ集の公開作業以外には、きょうも1日中、近く出版予定である私の連作小説3篇の再校チェックに延々と追われた。午後には、小説の題とカバー表紙の装丁につき出版社の担当者と電話でじっくり話し合い、その方向性につき、あらかたの結論にまで至った。
        ×        ×
 正午のニュース。韓国の聯合ニュースが「きょうの正午前、北朝鮮の地下核実験場がある北東部の豊渓里近くでマグニチュード5・1程度の人工的な地震波を観測した、と伝えました」とのニュースを繰り返し流した。北朝鮮が三回目の地下核実験に及び、これには日本政府はおろか米国もピリピリ、緊張感を漂わせていた。なかでも親交国といってもよいはずの中国も今回の核実験には激しく抗議するなど、世界はいま混沌とした中にある。 

 夜遅く。テレビを見ていたら、2020年五輪からレスリングがオリンピック種目からはずされる、というビックニュースが飛び込んできた。少なくとも私には、なぜレスリングがオリンピック種目から外されなければいかないのか。そこが、腑に落ちない。日本の場合、女子55㌔級で五輪3連覇を成し遂げたばかりか、国民栄誉賞にまで輝いた吉田沙保里選手(30歳)がいる。彼女の胸中はいかばかりだろう。
 それにしても、これまで吉田選手によって青少年に夢と希望を与える競技としても人気が高まってきたレスリングを五輪競技から外すなどとは。一体だれが、どのようにして決めたのか。そこを聴きたい。

【新聞テレビから】
☆『北朝鮮 3回目核実験か』『人工的地震観測 金正恩体制』『対米交渉 有利と判断 「独自制裁含め検討」 首相』、『ローマ法王退位へ 高齢理由 存命中は600年ぶり』、『国府宮はだか祭 神男に新実(功一朗)さん』、『福田敬子さん死去 米国女子柔道の母 99歳』、『〈訃報〉鳩山安子さん(鳩山由紀夫元首相の母)11日、多臓器不全のため死去、90歳』(12日付、中日夕刊)
☆『北朝鮮 核実験か』『人工地震波を観測 韓国報道』、『体罰顧問 懲戒免職へ』『桜宮高 自殺と因果関係認定 大阪市教委』、『〈寄稿 徳永絹枝(「捕虜:日米の対話」設立者代表〉オバマ大統領を被爆地へ 安倍首相の訪米に寄せて』(12日付、毎日夕刊)

二月十一日
 建国記念日で祝日。
 きょうは、少しだけ外出した以外はまる一日、部屋にこもって朝から晩まで今春、出版予定である私の本「マンサニージョの恋」(総合タイトル、小説3連作)の再校ゲラのチェックに追われた。文章とは不思議なもので、どんな文であれ、表現面でこれといった正解がないだけに、わが思考が千千に乱れる個所も少しはあって、その分、修正作業にエネルギーを要した。
 とはいえ、文にはその作家ならでは、の文体が大切でオーソドックス過ぎてもならない。
 文脈そのもののリズムや余韻といったようなもの、が失せてもいけない。それから作家の哲学といおうか。作家の訴えたい思想、姿勢といったものを登場人物に反映させることも欠かせない。これら一連の川の流れのような文体をどの場所で堰き止めるか、ここら辺りとなるとその作家なりの【血の流れ】があり、この〝作家の世界〟だけは超えてはならない。
 
 というわけで、今宵も就寝前になってこうして書き始めた本日のわが日記文学「生きてゆく人間花たち」。頭を休めるためにもここらで止めておこう、とは思いつつそんなわけにもいくまい。

 デ、耳に入ったことだけでもと記しておく。
 きょう何よりの朗報はといえば、だ。アイスホッケー女子の日本が昨日、ポプラト(スロバキア)で行われたソチ冬季五輪最終予選の最終戦でデンマークに5―0で快勝し、1998年長野五輪いらい四大会ぶりの五輪出場を決めたことか。日本勢のソチ五輪出場権の獲得は全競技を通じてこれが初めてだという。
  もう一つ。世界から飛び込んだニュースとしては、ローマ法王のベネディクト16世(85歳)が自ら「精神的にも肉親的にも限界を超えた」として、退位表明をしたということか。ローマ法王の場合、全世界のカトリック信者16億人の総帥で本来は終身だけに、本人が退位表明をするケースは本来ありえない。グレゴリウス12世いらい、実に六百年ぶりの退位表明だと各メディアが報じている。これによってバチカンでは来月末までに新法王を選ぶことになる。

 このほか、昨日、山形市蔵王であったノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会で16歳の高梨沙羅が連勝し、今季の勝利数を6に伸ばしたという明るい話題。安倍内閣の支持率がなんと、76・1%まで上がったこと、巨人のプロ野球宮崎キャンプに終身名誉監督の長嶋茂雄さんが訪れた、名古屋で霊能師の女が逮捕されたーなど。
 悲喜こもごもの世の中だ。相変わらずニュースには事欠かない。 

【新聞テレビから】
☆『荘則棟氏 死去 ピンポン外交、72歳』『「丁寧な人格者」「日中親善尽力」 関係者悼む』、『浅田 今季世界最高V 鈴木2位村上3位 愛知勢、表彰台独占 四大陸フィギュア』、『飯田の変死は殺人 おばの元交際相手自殺か ストーカー絡み?』、
『ともに支えあおう 名古屋 原発避難者の会設立』、『PC遠隔操作男逮捕 ネットに殺人予告 都内の30歳 容疑否認』『防犯カメラで浮上 ネット捜査 難航』、『海と生きる 刻んだ決意 東日本大震災1年11カ月』、『(音楽機器メーカー)ローランド創業者(梯郁太郎さん)に米グラミー「技術賞』(11日付、中日朝刊)
☆『05年にも殺害予告 遠隔操作容疑者逮捕』『物静か 目立たず 元同級生ら「印象ない」』『秋葉原、猫カフェ常連』(11日付、毎日朝刊)

二月十日
 けさの新聞。「中日新聞を読んで」に旧知の仲でもあるエッセイストの内藤洋子さんが〈義理チョコ バイバイ〉の見出しで次のように書いておられた。
―(途中抜粋)私には職場がらみの義理チョコに、いい思い出がない。勤め人だった若いころは人並みに配ったものだが、それによって同僚や上司との会話が弾むでもなく、乏しい給料を削ってまで何の感情も持たない人にチョコを贈る習慣は、苦行にも近かった。
 受け取った男性側も困惑しているように見えた。翌月のホワイトデーには、差し上げた品より高価そうな物が返ってきていた。
 こんなイベントがいつまで続くのかと、今年もチョコ売り場を横目に通り過ぎていたら、一日付朝刊の「さぷり面」に約半ページを割いて「義理チョコ バイバイ?」の記事とアンケート結果が載っていた。
(中略)
 プレゼントも年賀状も「気持ち」あってこそ。「さぷり面」の義理チョコの記事を読んで、ますますその思いを強くした。

 ざあっとこんな内容であったが、その通りだ。
 なかでも「何の感情も持たない人にチョコを贈る習慣は、苦行にも近かった。」との下りは、【苦行】という点で大方の女性の声を代弁している気がする。逆に言えば、義理チョコなどはなくしてしまって【本命チョコしか売りません】と宣言するお店が出てきても不思議でないのに。
 少しくらい高くても、その店そのものが〝恋のキューピット〟としてのブランドを高めれば、商売も繁盛するのではないか。もちろん、義理チョコは義理チョコとして割り切って売ればいい。なんて浅はかなことを思うのは私だけか。
        ×        ×
 市川団十郎演じる「勧進帳」の名場面。3シーン(NHKEテレより)
 
 
 

 きょうも朝から自室にこもって小説集出版を前にした再校の念入りチェックなど今やらねばならないことに集中していたが、午後妻の買い物の付き合いをして帰宅後、いっときだけNHKEテレで【市川団十郎の至芸】を見た。
 ことに平成二十三年に新橋演舞場で演じた歌舞伎十八番の「勧進帳」は、それは見事だった。随所に見られる〝にらみ〟の迫力、演技の巧みさには、あらためて歌舞伎界が惜しい人材を失ったことに思いを馳せた。

 各種報道によれば、中国ではきょうから旧正月の「春節」とのこと。大気汚染が心配な北京では、この日ばかりは花火や爆竹が鳴らされた。十五日までの大型連休中は、実に2億1000万人以上が旅に出る。しかしこのところの日中関係の悪化で日本への旅行客は激減。一方で円安局面もあり、このところはタイやインドネシア、ベトナムなど東南アジアから日本への観光客が急増の傾向にあるそうだ。

 昨年八月に火星に着陸したNASA(米航空宇宙局)の火星探査機・キュリオシティーが穴を掘っての岩石の採取に成功。火星に生命体が存在するかどうか、今後の研究成果に期待が集まっている。

【新聞テレビから】
☆『真央 悲願のアクセル跳んだ 跳びたい! 跳ぶな! 葛藤2年』、『ネット脅迫なりすまし男(片山祐輔容疑者)逮捕 ノコギリ頭に…少年期のいじめ』(10日夜、東海テレビ〈Mr.サンデー〉)
☆『ソロモン地震 津波注意報』『下校か待機か 学校苦慮』『岩手沿岸 解除に8時間、宿泊も』、『「体罰否定なら教育はできぬ 伊吹衆院議長、岐阜で講演』、『〈フィギュアスケートの四大陸選手権〉真央、3回転半成功 2年ぶり』(10日付、中日朝刊)
☆『Sストーリー 芥川賞の魔力―最年長受賞 黒田夏子さん』(10日付、毎日朝刊)

二月九日
 毎日、毎日。本当にやることがいっぱいある。イソガシイ。
 「忙しい」という言葉を私は新聞記者の現役時代、異常なほどに敬遠し、かつ嫌ってもいた(というのは、たいして忙しくもない記者に限って〝忙しい〟を連発していたからだ。部下を見ていると、大体がそういう傾向にあった)。
 だが、今となっては、イソガシイという言葉を呪文の如く唱えると確かにどこかホッとするものがあるから不思議だ。

 でも、私の場合。いま振り回されているのは小説の執筆はじめ、ウエブ文学同人誌「熱砂」の本欄や同人作品の公開、ほかに語学や社交ダンスなど、すべて自分で好きでやっているのだから「私」というご本人には悪いが、これぞ、すべてが「遊び」である。だから、それこそ私の場合は〝忙しい〟などと言ったら、バチが当たろうというものだ。最近、こんな生活に追われているとニンゲン皆、遊ぶために生きている。遊ぶために働いているのだ、と。そう思えてしまう。

 きょうは土曜日。11日が建国記念日のため3連休の初日である。
 私は横笛を教えて頂いているお師匠さん(家入三津恵師匠)率いる七種会門下の発表会に出演するため朝から名古屋は覚王山の料亭・松楓閣へ。四番目の出演で「酒よ(一部、津軽平野も)」をなんとか、ふきこなした。
 ところで毎年、この栄えある発表会に出させていただいて思うのは、「俺はナンテ下手な笛吹きなのだ。一体いつになったら【ニッポンイチの笛吹き名人】になれるのか」といった儚き願望である。それでも門下の先輩女性に「最初のころに比べたら、音がよく出るようになったじゃない」なぞとおだてられ悪い気はしない。

 きょうは第二十回ということで、女性は家入師匠はじめ、全員が黒の紋つきでそろえられ、それはお見事。どなたも互いに引けを取らない美しさでついつい、見とれてしまった。横笛、三味線、端唄とどなたもシャリ、リと見事な演技ぶりで家入師匠も門下生の名演には、どこか満足そうだった。
 そればかりか、きょうは新しく名取になられた若きエースの一人、三津貴さんの名披露目もあり、華やいだなか、会は進んだ。

 真剣に進んだ七種会の発表会。右が三津貴さん
 

 楽しく進んだ余興
 

 発表会のあとは、余興を兼ねての食事会。ウクレレやギター、カッポレ踊り、黒田節など秘中の秘の出し物が次々と飛び出し、私も苦し紛れに持参したハモニカで〈夕焼け小焼け〉〈叱られて〉〈知床旅情〉をふき、拍手喝采? を浴びた。 最後に会主の家入師匠が「みんな、幸せのハードルを下げて。これからもあまり高望みはしないで楽しく生きていきましょうね」とあいさつ、〈大ちゃん数え唄〉をみんなで歌い、会の発展とそれぞれの幸せを願い三本じめで会を終えた。

 帰りは名鉄江南駅で下車し自宅まで歩いて帰る途中、ついつい「紙音」なる珍しい名前の立ちのみ屋へ。暖簾をくぐり、熱燗を少しばかり飲んだ。その気になれば延々と際限がないため適当に時間を見計らって店を出たが、ほろ酔い気分で帰る途中、ふと気づくと、そこには社交ダンスのワルツとタンゴ、ブルース…のステップを踏みながら歩いている自分がいた。

 帰ってからも「熱砂」同人から届いていたテーマエッセイの原稿処理やら、本出版を前にしての最終作業など、なんやかんだでアッという間に時は過ぎ、酔いはいつのまにか覚めていった。いまは(翌日の)午前一時過ぎである。
 愛猫こすも・ここが「大丈夫か」といったふうに真ん丸な目で見上げ、私に寄り添って座り、ずっと傍らで見守ってくれている。アリガトウ、ここ。
  
【新聞テレビから】
☆『踊れ、リオの街 カーニバル開幕』、『ドラクロア名画に落書き 「民衆を導く自由の女神」に28歳女』、『ハッカーに不覚… ブッシュ家のメール流出 父親入院中の写真も』、『江副浩正氏死去 76歳 リクルート事件』(9日付、中日夕刊)
☆『中国「PM2・5(肺や循環器の疾患を引き起こす微小粒子状物質)」大気汚染 在留邦人 対策追われ』『日系企業一時帰国も 清浄機、マスク大量購入』、『マリ過激派主要拠点 仏軍キダル制圧に慎重 別の組織が協力姿勢』、『米猛吹雪4300便欠航 北東部4州 非常事態宣言』、『チュニジア混乱が拡大 野党指導者葬儀で衝突』、『〈人・模・様〉北朝鮮写真集(「隣人。38度線の北」=徳間書店。新宿ゴールデン街の写真家初沢亜利さん)を出版』(9日、毎日夕刊)
☆『電力小売り 16年に自由化 有識者会議報告書 発送電分離18~20年』、『「安倍氏訪米前 脅威論あおる」』『レーダー照射で中国メディア 国防省「監視用」は認める』、『笹子トンネル全面開通』『工事前倒し 崩落から68日ぶり』、『高齢者施設火災4人死亡』『8人搬送 認知症患者ら入居 長崎』、『交通死 県警が計上漏れ』『愛知10年連続最悪に 21年間で600人』、『PM2・5 各県が観測地公表』、『フラワーマルシェ 多彩な魅力に酔う 名古屋・吹上ホールで開幕』(9日付、中日朝刊)

二月八日
 東海道新幹線の六年ぶりの新型車両「N700A」が今日デビュー、午前七時の初運転前に東京、新大阪の両駅で出発式があった。従来の運行車両に比べ「安全性」と「快適性」に配慮が凝らされているばかりか、地震発生時の緊急停車も一段と早くなるそうだ。
 きょうは寒い一日となり日中の最高気温は名古屋5度、岐阜4度、津3度だったという。

 中国海軍による日本の海自護衛艦へのレーダー照射事案、岸田外相によれば、「中国側は照射の事実を否定してきた」という。当然ながら同外相は「受け入れることは出来ない」との態度。安倍首相も「日本外交は国際社会で礼儀正しく物静かだ、とされているが、今回のように主権や国益を侵害される時には、しっかりと真実のところを主張していきたい」との構えでいる。

 午後九時からのニュースウオッチ。長崎市内のグループホームで火災が起き、二人が亡くなり、十人が搬送されたという。長崎といえば、過去、長崎大水害の取材や、こどもたちに原爆の悲惨さを見せる狙いの家族旅行などで何度か出かけたことがある。あのオランダ坂界隈の情緒は忘れられない。事もあろうに、現場はそのオランダ坂の辺りだとアナウンサーが伝えている。
 人間社会には、きょうも「これでもか」「これでもか」と不幸が波となって押し寄せてくる。

 それでも、このあとになって少し救われる気持ちになったことがある。
 NHKのEテレだ。例によって私の大好きな番組〈にっぽんの芸能〉の「花鳥風月堂」と「芸能百花繚乱」で狂言の〝棒しばり〟、次いで名古屋・西川流による踊り〝鷺娘〟と〝旅奴〟を見たが、いずれもそれは見事な、まさに〝にっぽんの芸能〟には心洗われる気がした。なかでも〝鷺娘〟の西川まさ子さんと西川陽子さん、〝旅奴〟の西川流家元・西川右近さんの迫力、かつ情緒と余韻ある演技には、名古屋が生んだ伝統芸だけに、拍手を送りたい気持ちにかられた。
 ♪思い重なる胸の闇 せめて哀れと夕暮に ちらちら雪に濡鷺の……
 どうにもならない切なさを演じきる西川一門の見事な演技。これには、一門の並々ならぬ日頃の努力を見る思いがして、なんだかジーンときたのである。

 ここで、つくづく思う。
 私たちニンゲンは、不幸の道のなかを幸せを求めて歩いてゆく。それしかないのか、と。いや、それとも幸せに浮かれ過ぎぬやう、たまに不幸がやってくるのか。でも、この道は全ての人びとに共通だ。私たちは、いつだって絶えずひと筋の〝幸せ〟という光りを求め前に向かって歩いていくしかない。
 きのう、きょうと、またまた寒い日が訪れている。ちまたでは、このところ悪性のインフルエンザが人間社会を襲い、容赦ない。友は元気でいてくれるかな、とふと心配になる。

【新聞テレビから】
☆『中国が「レーダー使用せず」と反論・日本は』(8日夜、NHK【ニュースウオッチ】)
☆『レーダー照射 中国側が否定 国防省回答』『監視用レーダー使用と中国主張』、『ソチ五輪開幕あと1年 「最高舞台」高まる熱』『五輪委副会長を解任 建設遅れ 大丈夫?』、『圧巻イカ〝フライ〟 北大「飛行」撮影』、『B787トラブル発火部品特定 米運輸安全委』(8日付、中日夕刊)
☆『レーダー照射「虚偽公表」日本を批判 中国、正当化に腐心』『国際社会への訴え強化 安倍首相が外交方針』、『エルバラダイ氏殺害「容認」 エジプト聖職者が宗教令(ファトウ)』(8日付、毎日夕刊)
☆『改修重荷 GS廃業加速』『過疎地悲鳴 増える「ガソリン難民」「業者努力だけで維持無理」』、『富士通9500人合理化 半導体再編 桑名の工場、新会社へ』、『御園座 再建へ40億円要請 上場維持へ地元企業に 中日劇場も支援』(8日付、中日朝刊)
☆『中国レーダー「護衛艦照射 報告遅れ」 防衛相 発生の6日後 「慎重に分析」と食い違い』『防衛相「国連憲章上の武力威嚇』『「中国が挑発」印象づけ』『レーダー照射 中国、強引に正当化 「軍独自判断」見方強まる』、『「映画らしい映画を」(「終の信託」の)周防(正行)監督 (第67回)毎日映画コンクール表彰式』(8日付、毎日朝刊)

二月七日
 すべてベルギーの工房で生産されたというベルギー直輸入の本物のベルジャントリュフ(ベルギー大使館3年連続推奨)を、まだ若き社交ダンスの先生からいただいてしまった。口のなかでとろけるような味、本当においしい。最近では、ある著名な詩人にゴディバをいただいたことはあるが、さすがはトリュフ。味、香りともゴディバに決して負けてはいない。そう言えば、世にいうバレンタインデー(十四日)とか、が近づいてきた。
 あっ、それでか、と思いを新たにした。

 「さぁ~召し上がれ」 わが家族の一員、福ちゃん猫人形にもトリュフをおすそ分け?
 

 きょうは私が心密かに伊神権太の小説世界と同時進行で極めようとしている社交ダンスのレッスン日で、会場の都合もあって私にとっては初めての江南市内の草井公民館へ出向いた。が、自宅から車で十五、六分のところを迷いに迷ったあげく四十分後にやっと着くといったありさま。車を購入した際、ナビをわざわざ外して年代物のカセットなぞにしてもらったのが、こうした馬鹿げた〝道はぐれ〟につながったのだ。
 カセットは、〝潮来出島〟や〝縁かいな〟などの端唄や、都々逸を習得したり、時には懐メロなど思い出の名曲の数々を聴くためにどうしても必要だったが、今日はこれが裏目に出てしまったようだ。

 仕事と関係ないところに出かけるとき。それだけ気が緩んでいるせいか。私は、なぜか決まって方向音痴になってしまう。きょうのようにあちこちさまよったあげく、やっとのことで目的地に着くのである。
 これが、その昔のように事件発生時の現場行きとなると、自慢じゃないが独特の嗅覚が働いてか、いつも迷わず、それも他社よりは、たいてい早く一直線で着いたものである。地図のない現場に近づくに従い、私の目と耳、足は地図よりも詳しく全身で目的地を感知していた。記者にとって何より大切な〝現場百回の精神〟が、現場独特の匂いのようなものとなって私自身をその方向に歩かせてくれていたのである。

 「あなた昔の根拠もない自慢話なんていいの。それで。一時間近くも遅れて。皆さんに迷惑かけなかったの」と言われ「もう一人、周辺をぐるぐる回ったあげく、俺より遅くやっと辿り着いた女性がいたよ」と胸を張って見せる。
 ここでそんなこと自慢にならないわよーと言われる前に。というわけで、草井の公民館に着いた時は、それだけで精神的に疲れ果てていたが「ハイ、【ごんたさん】」と言って先生から、いきなり世界に誇るトリュフの洒落たリボン付き包装紙を目の前に差し出された時には、なんだかこのままどこかに拉致でもされるのでは、といったそんな不思議な感覚に襲われたのである。
 第一、先生からチョコレートをもらうなぞ、これっぽっちも思いもしていなかっただけに義理チョコとは分かってはいながら素直に嬉しかった。これで、きのうの安江さんに続き、二個頂いた。

 思いがけず、いただいてしまったベルギー直輸入のベルジャントリュフ包装紙
  

 自慢じゃないけど、現役時代の私のバレンタインデーときたら、それはすごかった。新聞記者という甘やかされた世界でお世話になっていたからに違いないが、取材の先々でいただいてポケットや取材用バッグのなかが、みるみるチョコで埋まっていった。いただいたチョコは家で待っている子どもたちや妻の口の中にあらかた消えていったが、それでもしばらくの間は家じゅうにチョコが転がっているという感じだった。
 極端に多かったのは、空飛ぶ記者として全国の事件や災害現場に特派されることが始終だった小牧時代でその後、役職が上がるに従い少しずつもらうチョコも減っていったように記憶している。
 
 人呼んで、こうした私たち自らを揶揄して新聞記者たちは【もらい乞食だ】という。かといって、せっかくくださるチョコを突き返すなどしたら、かえって人間関係が破断してしまう。ここが難しいところだ。
 いずれにせよ、今の私は何ひとつ権力を持たない、名もなく、貧しく、清く、美しい【一匹文士】に過ぎない。だから、有難くもらっておけばいいか。「でも、お返しをしっかりしてよね」。トリュフを美味しそうに食べながら隣で相棒がそう言うので、どうもやりづらい。
       ×        ×

 レーダー照射事案について中国の北京紙・新京報は七日付紙面で公明党の山口代表の訪中などを念頭に「緊張緩和の姿勢を見せた後に再び緊張状態を高め、一体何をしたいのか」と題した論評を掲載。国際情報紙・環球時報も社説で「日本は軍事演習をしたり、戦闘機を釣魚島(尖閣諸島の中国名)空域に出現させたりして、既に東シナ海での軍事的信頼や安全が存在しなくなっている。中国国民の多くは東シナ海の緊張に既に慣れ、一戦を交える心理的な準備ができている」と述べている。
 また、これまで沈黙を保ってきた中国メディアはそろって「日本政府は問題を誇張している」と、日本をけん制している。それぞれの国には、領土や領海などについての見方や考え方があるには違いないが、この際、両国政府には「互いの立場を理解した上で対話による危険回避を」と望みたい。

 けさの中日スポーツ2面のファンクラブ通信【通信員だより】によると、首都圏のドラファンにとってはおなじみのドラゴンズサポーター店「ごはち亭」が大変残念なことに2月初旬に閉店しました=横浜市。森下明典さん=という。閉店理由については特に書かれてはいなかったが、とにもかくも寂しく、かつ残念な気がする。

【新聞テレビから】
☆『名古屋市 住田副市長が辞職願 市長選候補に浮上か』、『短編に3邦画「東京家族」も招待 ベルリン映画祭 きょう開幕』(7日付、中日夕刊)
☆『【寄稿 新川和江(詩人)】いのちへの共感と存在論 吉原幸子没後10年・「全詩」3巻刊行に寄せて』、『米国防長官 中国に警告』『レ―ダー照射 挑発停止強く要求』、『東電 事故調に虚偽説明 福島第1 調査を「妨害」 「建屋内真っ暗」』(7日付、毎日夕刊)
☆『山照らす 炎の川 新宮』、『フタバ前社長を逮捕 不正融資 隠ぺい関与の疑い 愛知県警』、『伊賀強盗殺人「現場に行ってない」 DNA一致 告知後も容疑者否認』、『名大病院長に石黒氏』、『八丈島で津波40センチ ソロモン沖M8・0 尾鷲で10センチ観測』、『罪のない人を罰しない 最高裁判事の就任会見に臨む鬼丸かおる氏』(7日付、中日朝刊)
☆『東証リーマン後最高値 1万1463円 円は一時94円台』、『中国が挑発 東シナ海緊張』『首相、照射公表で対抗』『米と連携 国際世論に訴え』『中国外務省「報道で知った」』、『ひつぎの上に「勧進帳」巻物 団十郎さん密葬』(7日付、毎日朝刊)

二月六日
 自ら手づくりのユニホームとジュンキ(中日ドラゴンズ・伊藤準規投手)からの色紙を手にする安江都々子さん=国立名古屋医療センター東病棟で。六日午後

 

 きょうは午後、名古屋は大須のお師匠さん宅で九日の発表会を前に、横笛の最終のお稽古。これを終えたその足で国立病院機構名古屋医療センターを訪れた。
 中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員で選手やファンクラブ仲間から「お母さん」と呼び慕われている安江都々子さんがここの東病棟で病気療養中なので顔をみて励ましたかったからだ。幸い、病室で見る安江さんは思っていたよりも元気で〝病気なぞ、何するもの。きっと治ってみせる〟との信念が伝わってきた。
 なんだか八十過ぎの彼女の表情全体が生き生きと輝いており、少女のころにタイムスリップしたような、以前よりも少し若返られた、そんな気持ちがしたのである。(むろん昔からお美しい)。

 そして病床で失礼していろんなことを話しあった。
 「カメラマンの中日のフドウ君が来てくれた時には、嬉しくてそれこそ病気がどこかに逃げていったような、そんな気分になった。不思議だよね。翌日に、今度はあのナカムラさん、そうチハルちゃんが。アサノくんまで忙しいところを来てくれた(三人とも新聞社のカメラマン)。
 稲沢で鳥料理店をやっていなさるジュンキの御両親も。ニムラ兄弟のお兄ちゃんは二度も来てくれ……。ロッテに行っちゃったタケシも。チアドラ信者のイマイくん、それに河村くん、マエちゃんらもよ。イマイくんなど始終顔を見せてくれ、なんといって良いのやら。それより、早くお嫁さんもらわなきゃ。どこから見てもいい男なのだから。それにイマイくんは、とっても優しい。でも、本人に全然結婚する気がないのだから。困ったものよ。私は、それこそみんなに守られている。
 昨年十月三日に再入院。九日に肝臓の大手術を受けたのですが、私は死ぬ覚悟でこの病院にきた。入院前にはセンちゃん(星野仙一元中日ドラゴンズ監督)に会いに行き【もしダメだったら、一緒に写真を撮って頂いた愛用のドラゴンズのはんてんと新聞を棺桶に入れてネ】って、そう頼んできたのよ。でも、私は今、みんなに心配され、なんて幸せな女なのだろう、って思っている。それこそ、皆さんに守られている。だから、なんとしても元気になって、また球場にいかなければ」
 話しは延々と続いた。

 病床に置かれた【おかあさん】あての色紙を見せていただいた。
 「安江さんは中日ドラゴンズの親です 伊藤彰浩」「いつも気にかけて下さってありがとうございます 安江さんは大丈夫です がんばって下さい」(準規ママ)「不死身の安江さんです 元気にとんで いつまでもとんでね」(岬)
 「母上!! あなたのうしろにはたくさんの息子、娘がついています 恐れる物はなにもないんだよ!(あなたのボス)「安江さん 出会えてうれしく思ってます これからも一緒に笑っていきましょう」(坂本香代子)「またナゴヤ球場で大好きなドラゴンズの応援をしましょうね」(本多里香パパ)
 「いつも通りナゴヤ球場で待ってます。またおいしいおにぎりお願いします」(ナゴヤ球場ガードマン)「早く病気を治されて球場にいらして下さい」(元西濃運輸、現阪神の小豆畑真也)「早く元気になって名古屋球場で会える日を楽しみにしています みんな待っています」(ブルペンキャッチャー 中野栄一)「早く元気になって、また一緒に観戦しましょう! 広島にも行きましょう!(前ちゃん)……
 なかには「安江さんへ ガンバレ(かわいい亀の絵つきで)【なおる】」といった心のこもった色紙も。
 これはホンのごく一部だが、ざあっとこんな具合である。
 だから、安江さん、早くよくなってください。

 病床では、安江さんとは〝センちゃん(星野仙一元中日監督)〟のころから親交があり同い年の元球団社長、佐藤毅さんにも電話を入れ、しばし歓談。私は私で本当は〈夕焼け小焼け〉など数曲をふこうと思いハモニカを持参したが、他の患者の迷惑になっては、とやめた。その代わり、退院されたあとの食事会でふこう、と思う。
 焦らないで。誰だって。人生はなるようになれ、です。ケ・セラ・セラでいきましょうよ。ネッ、やすえサン。きっと治ります。いや、そう信じていますから。
        ×        ×

 南太平洋のソロモン諸島沖できょうの午後零時十二分(日本時間の午前十時十二分)にマグニチュード8・0の地震があり、気象庁が「日本の太平洋沿岸に津波が到達する可能性がある」と発表、夜間にかけ沿岸各地で警戒態勢が取られたが、幸い大事には至らなかった。

 きのう表面化した中国艦による射撃レーダー照射問題。安倍晋三首相が本日午前の参院本会議で「日中間で対話への兆しが見られる中で一方的な挑発行為が行われたことは極めて遺憾だ。中国側には、戦略的互恵関係の原点に立ち戻って再発を防止し、事態をいたずらにエスカレートさせないよう強く自制を求めていく」と強調したのに対して中国政府は「報道されるまで知らなかった」と半ば沈黙を保ったままだ。
 また先日、中国を訪れ、習近平総書記と良好な関係を結んできた公明党の山口那津男代表はこの日国会内で「せっかく盛り上がってきたハイレベルな対話の機運を妨げるようなことは抑制的であるべきだ。日本側も冷静な対応をしているので中国側も冷静な対応をしてほしい」と述べた。

 帰宅後は、近く出版予定である本の表紙につき何種類か提示された装丁につき東京の出版社担当編集者と夜遅くまで電話で話し合う、など今日もまた、時はまたたく間に過ぎ去っていった。

【新聞テレビから】
☆『〈歴史秘話ヒストリア〉魅せます! 大奥の秘密資料から江戸城の生活をCG再現』(6日夜、NHK総合)
☆『レーダー照射 首相「挑発は遺憾」 中国に再発防止求める』『偶発的衝突 米も懸念』、『笹子トンネル ボルト補修跡652カ所 現場付近集中 不具合把握か』、『連続リンチ殺人 別の死刑囚も再審請求 名高裁 弁護側「共謀、殺意ない」』、『「犯罪で総理失脚を」 豊川立てこもり 長久保被告と面会』(6日付、中日夕刊)
☆『ソロモン諸島でM8・0』、『オバマ大統領 イスラエル訪問へ』『来月、就任後初 中東和平を協議』、『医療債詐欺容疑10人逮捕 3法人分20億円販売か 大阪府警』、『ピカソの絵画(「窓辺に座る女」) 42億円で落札』
☆『中国艦がレーダー照射 先月 射撃用、海自艦に 東シナ海公海上』、『日銀総裁(白川方明総裁) 来月19日辞職 副総裁任期に合わせ前倒し』、『女子柔道告発 吉村(和郎強化担当)理事が辞任 全柔連 暴力行為コーチも』、『B787トラブル 全日空機でも「熱暴走」リチウム電池全て損傷』、『名古屋市長選 柴田氏が出馬表明 「革新市政の会」子育て支援意欲』(6日付、中日朝刊)

平成二十五年二月五日
 午後七時過ぎ。テレビニュースを見ていたら我々、国民にとっても、とても深刻な暗いニュースが飛び込んできた。
 それによると、「先月三十日に東シナ海で中国海軍の艦船が、海上自衛隊の艦船などに向けてミサイルや砲弾を射撃するため狙いを定める射撃管制用レーダー、いわゆるFCレーダーを照射する事案があった。実際に射撃は行われなかったものの中国軍が自衛隊の艦船などに照準を合わせる、という挑発的行動に出たのは初めてだ」という。日本政府の小野寺五典防衛大臣が防衛省で緊急記者会見して明らかにした。
 事案があったのは、沖縄県・尖閣諸島周辺海域の東シナ海の公海上で海上自衛隊の護衛艦は三キロ離れたところを航行中だった。日本政府はきょうの午後、中国側に厳重抗議。安倍政権は「極めて特異な事例で、一歩間違うと武力衝突など大変危険な状態に発展しかねない。これより前の一月十九日にも海自護衛艦搭載のヘリコプターに対して同様の行為を疑わせる事案が発生している」として敢えて公表に踏み切ったという。
 尖閣周辺海域では今日も中国側海監による領海侵犯が十四時間にわたって続くなど、昨年夏の日本政府の国有化宣言以降、日中間の緊張は一気に高まっている。「同じ人間同士だ。両国ともに、はやまらないで、ここは冷静に相手の立場になって」と強く訴えておきたい。
 軍事専門家によれば、今回の事案、現場では一触即発の緊張感が走り、一歩誤ればミサイル発射の可能性も十分にあったという。日本政府は外務省を通じ北京、東京の両方から中国に厳重抗議をしたが、これに対して中国国営メディアはまだ何も報じてはいない。ただ日本大使館の申し入れに中国側は「詳細が不明なので事実を確認中だ」と応えているという。
 いずれにせよ、専門家の話を聞く限り、中国の場合、洋上で現場の海軍が独り歩きしてしまう危険があるだけに、日中両国の首脳間でのホットラインを早急に設けるべきだ、との提言は危機回避のためにも実現させてほしく思う。
        ×        ×

 (こちらは、そんな深刻な領海侵犯など関係なく、ごくごく普通に繰り広げられた一般家庭でのお話)
 久しぶりに妻(舞)を伴って朝から江南厚生病院へ。
 舞が脳外科の外来で術後、二カ月に一度の定期診療を受けるためで、特に問題点を指摘されることなく無事、わが家に帰還した。次は四月で脳の画像検診(MRI)を行い、「特に異常なければ、それでいいと思います。あとは、ご自宅近くの医者でも大丈夫ですから。何か気になれば来ていただければ」(担当医)とのこと。担当医の口調だと、手術後の経緯には、かなり自信ありげで安心した。
 とはいえ、油断大敵で私はまだ注意しなければ、と思っている。

 診療で毎回、困るのは医師から「それで血圧はどうですか」と決まって聞かれる時だ。舞が血圧測定を異常なほどに嫌うため、診療日が近づくとは私が赤子でもあやすように、無理やり測ってメモし担当医に告げる繰り返しが続いている。こんなだから当然、日々、記録帳に書くほどのデータはなく、おまけに医師から手渡された記録帳もどこかに隠したみたいで、これにはホトホト困っている。でも、嫌だというのを強制的に測るのも憚れる。出来るだけ彼女の気持ちを尊重してはいるのだが……。
 というわけで、今回も一週間ほど前から機嫌のいい時を狙って嫌がる彼女の腕に無理やり血圧計をはめ、やっとこせ測定。異常値ではなかったため、そのことを告げたが医師も困った患者さんだな、といった表情で苦笑いするありさまだった。

 実際、強引に測定しようとすると「死ぬ時は死ぬのだから。やらなくていいの。ナニヨ」と挑戦的で少し怖い。実家の母にこのことを言うと「血圧なんてコロコロ変わるのだから。測らんでもいいわ。ほんな無理して測っちゃ、いかんよ。お母ちゃんも血圧なんて大っ嫌いだ」などと肩を持つので、ますます調子に乗る。「でも、受信に困る。医師が判断できなくなる」と言うと、さすがに「ほんなら、測るように言ったって」という具合だ。
 逆に、それだけ回復してきた証拠だ、と自身に言い聞かせてはいるが。いずれにせよ、わが家の女性たちは、猫さま二匹も同罪で自分の意のままで、わがまま極まる。

 なんだか、おかしな話になってしまった。
 病院からの帰り。ラジオから流れる音楽に突然、舞曰く「ハツネミクなんて大嫌いっ!」と。「何だ。それは」と聞いて初めて人工の声で歌をうたうロボット〝初音未来〟なる存在が、この世に存在していると知った。「あなた。ハツネミクひとつ知らないの。小説家がそんなことじゃ、いけないよ。常識なのだから」とまたまた叱られた。でも、いいか。このまま元気でいてくれよ、と自身に言い聞かせる。
 午後、突然、舞のお母さんから電話が入る。「(お店が開いてないので)どうかしたの」と聞くので「病院へ。きょうは定期検診でしたので」と応えると「あっ、そう」と安心した様子で電話を一方的に切った。それにしても、みんなに心配されて。なんて幸せな女だ。

 叱られたあとは、テーマエッセイ集=テーマは〈巡る〉=の自作「奇跡の日々」をアップし、あれやこれや書いたり読書したり、で一日が過ぎた。中日新聞夕刊【大波小波〈松竹名画の撮り直し〉】は、「山田(洋次)の監督業五十周年記念作品だというのに、小津の庶民的風景への思い入れが共有されていない」となかなか鋭い指摘で、黒田夏子の【複数信仰】もモノを書く立場から言えば、「これで書き手の寿命はどうあれ、作品そのものの寿命はかくじつに延びた、…」と彼女の自作に対する熱い思いがよく分かった。

【新聞テレビから】
☆『稲沢のCAТB初の生放送 はだか祭中継 マル金に不安感 「ギリギリの映像で迫力届ける」』、『「チャベス氏順調に回復」 カストロ氏が明かす』、『サルの宇宙飛行ウソ? イラン「ロケット搭乗、生還」 米「写真の顔 特徴違う」』(5日付、中日夕刊)
☆『「パリジェンヌはズボン着用禁止」撤廃 1800年制定の条例』、『イラン大統領エジプト訪問へ』『79年の断交以来初=アフマディネジャド・イラン大統領とモルシ・エジプト大統領』、『中国船 領海侵入14時間』(5日付、毎日夕刊)
☆『〈ふくしま便り〉来て見て聞いて復興支援(福島駐在編集委員・井上能行)』、『湖南省で下水処理支援 日中交流に琵琶湖の技』『滋賀県が新年度 住民環境教育も』、『東電支援6968億円追加 3月期業績 赤字1200億円に拡大』、『ゆらり 懐かしの味 関で玉みそ作り』(5日付、中日朝刊)
☆『環境保護相「中国の1/4でスモッグ」 発言公表「6億人に影響」』、『「レ・ミゼラブル」1位』、『雪まつりいよいよ 札幌』、『宍戸錠さん自宅が全焼 東京・世田谷』(5日付、毎日朝刊)

二月四日
 立春。九州南部では春一番が吹き荒れた。

 ここ尾張平野は朝からシトシトと雨が降ったり止んだりで、外界のすべてが暗い一日となった。気持ちまでが、くらく、ジメジメと閉ざされてしまう。妻に言わせれば「昔、日本海側のこんな天気ばかりの七尾に居たのだから。〈暗い日〉だからと言ったって、珍しくもなんともない。家族みんなで暮らしてきたじゃない」とのことだ。
 なるほど、そう言われれば一年のうち半分くらいは明かりのない〝暗いトンネル〟の中で生活していたような気がする。七年の勤務を終え、大垣に転任してくる際、車で米原を過ぎると太陽の光りがキラキラと輝いており、別世界に来たような、そんな晴れがましく明るい気持ちになったことが確かにあった(そうは言っても私は今なお、魚が日本一美味しい能登が大好きである。何より子どもたちが育った土地だ)。

 そんななか、きょうは丸一日、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人のテーマエッセイ集の作品公開作業に追われた。これまで同人の作品とは別にテーマエッセイのアップ(公開作業)だけはウエブ業者に任せてきたが、今回からは私自身が方法を教えてもらっての作業となった。それだけに、精神的にかなりの神経をつかった。
 でも、いったん操作方法を覚えてしまえば簡単で、きょう一日で五作品の公開を実現させ、ホッとしている(詳しくはWHAT’S NEWと「熱砂」扉のテーマエッセイ集をクリック)。
 当然のことながら、エッセイの公開を終えた同人各位には、それぞれ連絡。一方で、まだ作品の届いてない同人には、これまた一人ひとりに電話をして提稿を促すなどしたが、皆さんお忙しいようで掴まらない人もいて、こちらの方で精力を費やしたのも事実だ。
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 けさの毎日新聞〈余禄〉によれば、カンボジアの首都プノンペンで今日、百日余の服喪期間を経て亡きシアヌーク国王の国葬が営まわれたはずだ。記事にあった通り、百万人以上が王宮周辺を埋め尽くし、人々は国父の死を悼むとともに、家族や友人を奪った内戦時代の記憶に改めて胸を痛め、平和の尊さをかみしめたに違いない。
 カンボジアは60年代に隣国ベトナム戦争に巻き込まれたあげく、70年代には内戦に突入。混乱の中で登場したポル・ポト政権下では実に百万人以上もの国民が虐殺され、内戦終結までに二十年以上の歳月を要した悲劇の国でもある。
 その祖国にあってシアヌーク氏はいったん国王を退いたものの93年に選挙を経て成立した新生カンボジア王国の国王に再び即位。昨年10月に亡くなるまで八十九年の生涯は、まさに祖国の栄光と悲劇の現代史そのものだっただけに、国民の感慨やいかばかりだっただろう。

 きょうは新聞もテレビも一日中、白血病と闘いながらパリ・オペラ座での歌舞伎初公演を実現させるなど名演の数々が人びとの心を虜にし続けてきた、あの十二代市川団十郎さんの死を伝える暗い一日でもあった。団十郎さんと言えば、市川家伝統の品格ある荒事歌舞伎は天下一品で私は何よりも、あの見えの切り方が好きだった。
 歌舞伎界を代表するその団十郎さんが昨夜、午後九時五十分に東京都内の病院で肺炎のため亡くなった。六十六歳だったという。日本の歌舞伎界は昨年暮れの中村勘三郎さんに続き、またも重要な人物を失ってしまった。

【新聞テレビから】
☆『歌舞伎の柱また一人 団十郎さん死去 いつも父の愛感じた 海老蔵さん「親孝行できず」』『〈評伝〉白血病乗り越え舞台に』『昨年6月最後の名古屋 むすめ歌舞伎を直接指導』、『立春の彩り 名古屋市昭和区の鶴舞公園では、シナマンサクが黄色のリボン状の花をつけている』、『刈谷工生自殺 知事「新たに第三者委」 委員、会議は原則公開』(4日付、中日夕刊)
☆『国外テロに救済格差 日本 公的補償なし』『アルジェリア事件 米英仏は経済支援 米9・11きっかけ』、『「北朝鮮は核実験自制を」日米外相ケリー外交始動』『米韓が合同軍事訓練 日本海』(4日付、毎日夕刊)
☆『市川団十郎さん死去 弁慶、助六 豪快な荒事 66歳』『宗家の誇り 貫く』『童の心 舞台にあふれ』、
『【別府大分毎日マラソン】川内 大会新V=2時間8分15秒= 世界選手権有力候補に』『大接戦 連続スパート 給水で進化』『【名岐駅伝】トヨタ紡織5年ぶりV』、『「アンカツ」ありがとう 引退式 笑顔でターフ(競馬場)去る』、
 『平和訴えた「原爆乙女」山岡ミチコさん=広島で被爆、被爆証言者として平和の尊さを訴え続けた、82歳=死去』、『〈訃報〉杵屋五三郎氏(きねや・ごさぶろう=長唄三味線方の人間国宝、本名増田元弘=) 94歳』(4日付、中日朝刊)
☆『「名古屋祭」本物見たい 空襲で山車焼失、途絶 河村市長が復活構想』、『内閣支持上昇63% 経済対策期待69% 本社世論調査』、『「夫婦」仲良く厄よけ 四日市 キツネの嫁入り』(4日付、毎日朝刊)

二月三日
 節分。
 私たちがまだ、子どものころ。節分がくるとは決まって、よく父が家で「福は内、鬼は外」と豆まきをして喜ばせてくれたものだ。今から思えば、あれが父の家族に対する愛情表現だったような、そんな気がしてならない。
 〝マルサの男〟だっただけありズルをすると睨みつけられ、よく叱られたものだが本心は優しく子煩悩な父だった。その父がこの世を去り早いもので、ことしは7回忌になる。クリスマスや節分が来るとは、子を思う一心で母と何やらゴソゴソしてくれていた気がするのだ。

 そんなわけで、私もきょうは町に出て恵方巻きを買ってくると、このところ体調が悪くて「気持ちが悪い。何も食べたくない」と心配だった妻(舞)の目がキラキラ輝き「ちょっと買いたいものがあるから」と言うので腰ぎんちゃくよろしく(イヤ、〝貧しく哀れな文士〟よろしく、か)同行すると、バローでイワシを買うためだった。
 というわけで、家に帰ると舞は急にテキパキと料理を作り始め、恵方巻きと火炙りの刑になったイワシ君が並んで食膳に出てきたではないか。私と舞、息子の三人で楽しい食事とあいなったが、ここ数日間というもの、全く食欲がなかったはずの舞が思った以上に恵方巻きを少しではあるが食べてくれ、なんだか嬉しくなってしまった。

 母にも喜ばれた恵方巻き。幸せな年でありますように
 

 私は、ここでふと、思う。このところの、あの舞の元気のなさは一体、何だったのか。もしかして、私を心配させるためのポーカーフェイスだったのか? いやいや、そんなことはない。大切にしなければ。彼女はたまに私をハラハラドキドキとさせてくれる。

 きょうは私がかつてデスク長をしていた中日サンデー版の大図解もタイムリーに〈節分〉をテーマとした紙面展開となっていた。後で知ったが、それによると、ことしの恵方は南南東とのこと。何げなく食べていた三人は皆、南南東の方向を向いていた。こいつは、春から縁起がよい、と思ったのは私だけか。ちなみに舞に「ことしの恵方は」と聞いてみると「南南東よ」ときた。よく知っているな、と感心したのである。

 同人のテーマエッセイ(テーマは「巡り」)の公開を前に〝書き原稿〟で届いた作品をすべてパソコンのワードに打ち直したり、若干の補足のため電話で問い合わせるなど編集作業に追われた。舞は午前中、ずっと横になったままだったため実家の母のところへは、恵方巻きを手に私一人で出向いたが、たいそう喜んでくれ「(舞を)大切にせないかんよ」と言われてしまった。 
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 文学界二月号の「破鏡前夜」(西村賢太)に続き、私が大好きな高樹のぶ子の「飛鳥寺の鬼」を読みだす。ほかに、ペラペラと頁をめくっていて文芸評論家・清水良典の新人小説合評【手始めに「新人」枠拡張宣言】なるものに出くわした。
 『本欄を今月から一年間担当することになった。思い返せば私は本欄の初代担当者だった。』で始まるこの文。『古巣に戻った気分で始めるに当たり、これまでと少し異る私の「新人」の定義を述べておきたい。まずデビュー後十年未満であること。次に芥川賞をまだ獲っていないこと。この二つの条件のいずれかに該当すれば「新人」とする。……』と続いているが、どこかに気負いがある。大学生のころからの文学界長期愛読者として言わせてもらえば、文学界の同人雑誌評が消え、この新人小説合評なる、どちらかといえば商業主義優先に引きずられた怪体なものが出てきたころから、文学界の掲載作品全体の質的低下が目立ってきている。
 文芸評論家として商業主義にへいこらするのも、それはそれでやむをえないだろう。でも、商業ベースに乗った作品ばかりを「イエスマンさながらに」紹介する体質の打破こそ、が大切だ。さらに敢えて言わせてもらえば、日本の津々浦々まで地方に眠る同人雑誌の名作の数々の掘り起こしをしてゆくことこそ、が日本文学界全体の底上げのためにも緊急に望まれている。この点を本欄にてひと言申し上げさせて頂きたい。
 清水良典と言えば、中日文化賞にまで輝いた人物なのだから。その点で日本文学全体の底上げの旗手となるよう、大いに期待したいところだ。

 ついでながら、西村賢太の「破鏡前夜」。西村のこれまでの血のにじむ努力は大いに買う。だが、このところの作品はタガが切れたのか。安易に流れている。私もかつて住んでいた七尾の一本杉通りには懐かしさを覚え藤澤清造の霊が眠る山門の向こう、を訪ねる、その心意気には同感だけに、それこそ商業主義文学の流れに呑まれることのないようにと苦言を呈しておきたい。西村がいいものを持っているだけに、よけい流されることを心配するのだ。

【新聞テレビから】
☆『八重の桜「松陰の遺言」』(3日夜、NHK総合)『トラべリックス3 南米エクアドルの知られざる魅力を巡る旅!』(3日夜、BS日テレ4)
☆『〈世界と日本 大図解シリーズ №1080〉鬼は外 福は内 節分』(3日付、中日サンデー版)
 『北海道震度5強 津波の心配なし』、『伊賀強盗殺人 靴の汗DNA一致 遺留品、現場に足跡』『容疑者 事件後、借金返す』『精度向上4兆7000億分の1 「逮捕の決め手」過信には怖さ』、『冬の温度差にリスク 65歳以上 年間推計』『入浴で急死1万7000人』、
 『〈ドナルド・キーンの東京下町日記〉小田実の思い出 「玉砕」論再び聞きたい』、『首相「訪米前申請せず」 辺野古埋め立て 沖縄知事と平行線』(3日付、中日朝刊)
☆『〈Sストーリー〉 懐に小さな「お守り」 戦場に散った山本美香さん』、『辺野古移設 首相、沖縄知事と会談』『埋め立て申請訪米後 関係修復へ手ごたえ』、『インフル大流行 横浜の病院 患者3人死亡 高齢者高まるリスク』『日本感染症学会提言 院内感染対策に予防投薬』『東海でも患者急増 うがい、手洗い徹底呼びかけ』(3日付、毎日朝刊)
☆『若者食いつぶす ブラック企業』(2月3日号、しんぶん赤旗日曜版)

二月二日
 あさ。
 朝刊に挟まれてきた尾北ホームニュース2面の「武功夜話物語 武功夜話を読む(須賀弘之)」を読み、このあとNHK第2ラジオのカルチャーラジオ「〈石川啄木再発見、青春・望郷・日本人の幸せ〉新しきサラドの香り」を聴き、満ち足りた感覚になった。

 須賀さんの武功夜話は、今回が第122話。織田信長と生駒氏三代家宗の娘・吉乃との間で永禄元年(1558年)に尾張国丹羽郡小折(現江南市)の生駒屋敷で生まれた織田信雄の記述が中心だった。
 「信雄は父(信長)の死後、山崎合戦、朝鮮征伐、秀吉の死去、関ケ原の戦、大阪夏冬の陣参戦など世の大きな移り変わりを経て、徳川の平和な時を見とどけて、寛永7(1630)年4月30日、京都北野邸で死去。享年七十二歳。……」(原文のまま)と、なかなか興味深い。
 次回は3月2日付「織田信雄分限帳」とのことで、今から楽しみだ。私は郷土史家・須賀さんのここまで書き続けられたご努力に敬服する一方で、この先、チャンスがあれば【織田信雄】を主人公とした歴史小説も書きたい、ふと、そんな気持ちにかられたのである。

 きょうは、同人から寄せられた「熱砂」自慢でもあるテーマエッセイ集(今回のテーマは「巡り」)の公開をすべく同人たちの力作をあらためて読み進めるなど、準備にかなりの時間を要したが、いざアップする段になって技術的にいまひとつクリアできない。
 で、業者に連絡しても土曜日とあってか、一向に出る気配がないので公開は来週以降にすることにした。出来ないものは出来ない。
 
 十六年前に起きた三重県伊賀市のホテル従業員強殺事件は二〇一〇年の刑事訴訟法改正で殺人事件の公訴時効が撤廃されてから、従来なら十五年で時効になっていたはずの容疑者が逮捕されるという全国では初めてのケースとなった。
 そのせいか、記事にも力が入っている点がよく分かった。たとえば、次の下りだ。
―二〇一〇年に時効が撤廃され、望みをつないだ。同時に「タイムリミットがなくなったことで警察の捜査に力が入らなくなるのでは」との不安もよぎったが、捜査員たちは定期的に訪ね、解決を約束してくれた。
 逮捕の知らせは一日朝、四日市市内に住む姉の森昭子さん(77)から聞いた。すぐに捜査員の一人にお礼の電話をした。捜査員は「今までいい知らせが伝えられず申し訳なかった。まだ捜査は続くので精いっぱいやります」といってくれた。……

 ただ気になるのは、特捜本部は現場遺留物のDNAなどを再鑑定した結果、ホテルの元従業員の久木野信寛容疑者(43)が浮上したと言うが、容疑者が犯行を否認しているという点である。冤罪にならなければよいが。遺留品のDNA鑑定も再鑑定だけに、それを全て信用してよいものかどうか。少し不安ではある。慎重な捜査が望まれる。

 夕方。別荘(病院)で療養中のドラゴンズ公式ファンクラブの母で〝永遠の美少女〟安江都々子さんからメールが入る。「こんにちは。昨日、布藤君が取材で来て下さいました。多園尚輝樹記者と。社会部門です。中日新聞に載ります。見て下さいね」というものだった。布藤君とは、本社カメラマン。多園記者とは、おそらく社会部記者なのだろう。
 プロ野球はきのう、いよいよ春の沖縄キャンプに入り、応援するファンの目線からの記事は当然必要なところだ。となると、何と言っても【ドラゴンズの母】と言ってもいい安江さんの球春にかける期待といったようなものを聞き出したい、ところだ。だから別荘にまで出向いて取材したに違いない。
 もちろん「僕もとても嬉しいです。楽しみにしています。布藤カメラマン、懐かしいですね。安江さんはドラの守護神で~す」と返信させていただいた。

 それはそうと、安江さんが球春到来に合わせ、一日も早く病を克服されることを祈ろう。今回の闘病劇にはチョッピリ時間がかかってはいるが…。不死鳥の彼女のことだ。きっと回復してくれる。そう信じている。
 何はともあれ、どんな視点からの記事になるのか。とくと拝見しよう。楽しみだ。

 きょうは三月中旬並みの暖かさとなった。全国的に見ても、平年に比べると5~10度高くなったという。寒い、寒いと日ごろは寒さを敬遠しているのに、きょうみたいなポカポカ天気となると、今度は体がダレテしまうような気になるのが、また不思議である。ニンゲンとは、誠に勝手ないきものだ。

【新聞テレビから】
☆『全町避難で通学先バラバラ 浪江町新入生ゼロ 仮校舎の浪江小、在校生も30人』、『安倍首相 普天間固定化しない 沖縄訪問、知事と会談』、『ツィッターにサイバー攻撃 25万人の情報不正閲覧か』、『イタリア中部 「地震警戒」3万人避難 学者「実刑」に自治体過剰反応?』、『伊賀強殺 競馬などで借金 久木野容疑者 事件当時200万円』(2日付、中日夕刊)
☆『帰郷待つ黄色いハンカチ 山田洋次ミュージアムに写真 被災地と来館者の心結ぶ』、『〈知りたい〉ブラジル野球快進撃 WBC初出場 日本と対戦 「豪快」「細かさ」併せ持ち』(2日付、毎日夕刊)
☆『ポスト・オバマに期待感 クリントン米国務長官が退任 大統領立て好感』『「アジア重視」最大の功績 影響力希薄の指摘も』、『〈特報面〉(嘉納)治五郎の教えどこへ 女子柔道暴力問題 「心身鍛え社会貢献 勝利至上主義で都合よく解釈』、『16年前 伊賀のホテル強殺容疑者 時効撤廃初の逮捕 遺留品再鑑定で浮上』『「省造君 少し楽になったね」 兄ら仏壇に報告』、『内柴被告全柔連除名へ 女子部員乱暴 懲役5年判決』『「暴力撲滅」JОC声明 海外メディアに』『園田監督が辞任 女子柔道告発問題』(2日付、中日朝刊)

二月一日
 沖縄では北谷、読谷両球場での中日ドラゴンズの春季キャンプが始まった。
 テレビで見た我らが高木守道監督の第一声は「もう、優勝するしかない」「勝つための練習をする」だった。私も中日ドラゴンズ公式ファンクラブの一会員として中日のリーグ優勝と日本一を心から願う。熱き戦いが始まるが、シーズンに入れば、これはもうドラファン一人ひとりにとっての戦いでもある。
 ちなみに、ドラゴンズのキャンプの模様はインターネットのドラゴンズライブTVでもキャンプ終了日の二十八日まで見ることが出来、さっそく見てみた。

 尾張名古屋は信長、秀吉、家康の三英傑の出身地で三英傑をかなめに絶えず日本をリードし続けてきた名古屋びとにとっては、プロ野球とて何がなんでもドラゴンズに優勝させたいこの気持ちに変わりはない。
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 話しは変わる。きょうは1953年2月1日にNHKのテレビ放送が始まって丸60年に当たるそうだ。
 テレビといえば、少年のころ、プロレスの力道山が米国のプロレスラー、シャープ兄弟や覆面のザ・デストロイヤーらと相対し、必殺の空手チョップで巨人レスラーをバッタ、バッタとなで斬りにした、あの光景がたまらない印象として頭に強烈に残っている。テレビの普及が始まったころで、テレビを購入したばかりの土地のお大尽宅に大勢が集まって力道山を応援したものである。
 プロレスに限らず、東京オリンピック(女子バレーやアベベが優勝したマラソンなど)や長嶋、王両選手に代表されるプロ野球、皇太子さま(現天皇陛下)の御成婚、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦のご三家による青春歌謡…と画面とにらめっこの少年時代が今となっては懐かしい思い出である。

 一方、巷はといえば。衆院本会議での公明党・山口代表の代表質問に安倍首相が、尖閣諸島の国有宣言以降、このところ悪化が目立つ日中関係に触れ「大局的な見地から戦略的互恵関係の原点に立ち、関係改善に努めたい」と答弁。福島県南相馬市小高区の沿岸部では福島第一原発事故で設定された旧警戒区域(20キロ圏)では震災後、初の瓦礫撤去が始まった。またアテネ、北京両五輪の男子柔道66キロ級の金メダリストで教え子の大学女子柔道部員に乱暴したとして準強姦罪に問われていた内柴正人被告(34歳)に対し、東京地裁が求刑通り、懲役五年の厳しい実刑判決を言い渡した。

 このほか、日本の製造業の就業者数が昭和三十六年六月いらい五十一年ぶりに一千万人を下回った(総務省の労働力調査)とか、ニホンウナギが過去十年余で50%も減少し環境省の絶滅危惧種に本日付で指定されたーなど相も変わらずニュースには事欠かない。

【新聞テレビから】
☆『TV60年スペシャル 1000人が考えるテレビミライ』(2月1日夜、NHK総合)
☆『中国晴れぬ霧 (北京の)大気汚染 市民生活に影響 健康被害急増、玉突き事故も』、『V奪回へ 竜、沖縄で始動 12球団キャンプイン』、『元政府税調会長慶大名誉教授 加藤寛氏 死去(86歳)』、『元従業員を逮捕 97年 伊賀のホテル強殺 容疑で三重県警』、『酒気帯び運転でNHK記者逮捕 浜松、容疑認める』(1日付、中日夕刊)
☆『〈特集ワイド〉「アラブの春」あだ花か 対テロ戦争「第2幕」へ』、『【こうみる王羲之】人となり分かる手紙も 作家下重暁子さん』、『資産家遺棄 「俺の月収は3000万円」 会社経営時 渡辺容疑者、周囲に』(1日付、毎日夕刊)
☆『いじめ自殺の原因 大津・中2男子 第三者委が報告書「見逃し」学校に責任』『〈解説〉市教委の隠蔽体質断罪(大津支局・山内晴信)』、『柔道 園田監督が辞意』『女子「暴力」告発内容認め謝罪』、『大鵬に国民栄誉賞』『国技館に寄り大横綱お別れ』、『102歳籠編み、縁つむぐ(関市の川島ゑいさん)』、『一宮市と伊トレビーゾ市 友好都市提携に調印(尾張版)』、『★(AKB48メンバーの)峰岸(みなみ)さん丸刈り謝罪』(1日付、中日朝刊)
☆『日米首脳 対テロ議題に ルース駐日大使が見通し』、『資産家遺棄「1人で殺した」 渡辺容疑者供述「投資で損失恨み」』(1日付、毎日朝刊)

08/4/26