2013年生きてゆく人間花たち/一月の唄

一月三十一日
 早いもので、ことしも早や一カ月が過ぎた。

 久しぶりに再会した第76回の地球一周の船友たち
 

 誘われて、昨年の102日間地球一周第76回ピースボートの船旅に参加した東海地方の仲間有志の集いに誘われ、名古屋に出向いた。午前中、手の離せない用事があり午後三時過ぎ、「それでもいいから。みんな待っているから」の言葉に甘え、大幅に遅れて名古屋へ。錦での食事会は既に過ぎたあとだった。
 それでも、陽気で温かい仲間たち五人が岐阜、三重両県からの女性も加わって、わざわざ栄の県芸術文化センター近く、テレビ塔前の喫茶店で待っていてくださり感激した。それどころか「もう1軒、いいところがあるので飲みにいこうよ」と世話役を買ってくださった和船ヨット「おと丸」の船長・林隆則さんらに誘われ、喫茶店の後はみんなで名鉄瀬戸電に乗り、瓢箪山へ。駅近くの、いっぷう変わった居酒屋「夢十屋」へ、と繰り込んだ。

 この「夢十屋」。たとえは悪いが、奥まった中は一見して座敷牢みたい。ナントモちいさな店内で互いに膝突き合わせてお酒を飲む、といった屋台の屋内版といったところか。きょうは本来、木曜日で定休日のはずのところを、馴染みの林さんのいわゆる〝顔きき〟で、特別に開店していただいたという。
 店の御主人・仲野さんのつま弾くギターの調べが、また、天下一品だった。みんなで葱のテンプラや串焼きなど奥さま自慢の手料理ばかりを酒の肴に〈宗谷岬〉や〈知床旅情〉〈悲しい酒〉〈別れの一本杉〉〈百万本のバラ〉〈星影のワルツ〉…などを歌い、楽しくにぎやかなひとときとなった。

 ギターを弾く仲野さんと、店内一角に掲げられた【運根鈍】と書かれた仲野さん自筆の表札
 

 

 最後は主人の弾くギターの音に合わせ「吾亦紅(われもこう)」と「高校三年生」をみんなで合唱し、また会う約束をして別れたのである。みんな、イイひとばかりだ。
 失礼とは思いつつ、遅れても出かけてよかった。ただ定刻の午前十一時までに行っていたなら、船内での社交ダンスの恩師である後藤京子先生にもお会いできた、と思うとチョッピリ残念。もしかして、多少なりとも待たせてしまったとしたなら、お詫びのしようもない。

 きょうは朝からわが家の電気の使い過ぎもあってか、電源のブレーカーが突然、バシャリと落ち、その瞬間、すべてが消え、それこそ何もできなくなってしまい、電気のありがたさを痛いほどに思い知った。幸い、中電さんに電話し、あれこれいじくっている間にブレーカーが戻った時は、心に花が咲いたような、そんな気がしたのである。妻と一緒で電気がご機嫌ななめになったら、生活は一瞬にして滞ってしまうことを身に染みて感じた。

 このところのニュースで腹立たしく感じるのは全柔連(全日本柔道連盟)の、あの対応のお粗末さである。言わずと知れた、ロンドン五輪代表を含む女子選手十五人が日本オリンピック委員会(JОC)に柔道女子日本代表に関わる稽古での暴力、パワーハラスメントで告発された園田隆二代表監督を戒告処分としたものの、留任の方針を示した、そのお粗末さに対して、である。
 私自身、中、高、大学と柔道一直線で、十八歳のとき講道館柔道の実力三段を取得。かつては寝ても覚めても柔道に打ち込み、ユニバーシアードの選考会で東海地区の軽量級代表選手にも選ばれるーなど柔道界の汚点は他人ごとではないだけに、今回の暴力事件は信じられない。許せない。
 殴っている暇があるなら、なぜ「正座」をさせ、精神統一をさせなかったのか。〈柔よく剛を制す〉〈精力善用 自他共栄〉の精神は一体、どこへいってしまったのか、情けない限りだ。そっこく首にすべきだ。

 日本柔道のために日々、一生懸命柔道の稽古に励む女性たちに、びんたを張ったり、足で蹴るなんて野蛮なことは、とても考えられない。幸い、夜のニュースによれば、園田監督は辞意を表明、二月一日にも進退伺を全柔連に出す意向のようだが、私に言わせれば「遅すぎる」のひと言に尽きる。
 おまえは、それで柔道人なのか。柔道をこよなく愛する人生の先輩の一人として、【イチからやり直せ】と厳しく糾弾したい。神聖なる黒帯も返上させるべきだ。

【新聞テレビから】
☆『原発避難の男性孤独死 死後1カ月 東京の公務員宿舎』、『「JОCが調査を」 柔道暴行 文科相、他競技も対象』、『警官不祥事 過去最多 懲戒免62人、逮捕93人』『愛知県警 逮捕者5人 生活把握し防止図る』(31日付、中日夕刊)
☆『イスラエルがシリア空爆 「化学兵器製造」施設か』、『「逃げる日本人射殺」 日揮現地従業員 バス襲撃を目撃 アルジェリア事件』(31日付、毎日夕刊)
☆『首相、国会で改憲表明 発議要件緩和「まずは96条」代表質問』、『大津(皇子山)中2自殺 いじめが直接的要因 「予見できた」第三者委が結論』、『全柔連 監督新たな処分も 暴力問題、戒告計6人』『柔道女子告発 監督続投歯切れ悪く 全柔連、JOCが謝罪』『「目を見れば暴力いらない」 ロンドン「金」松本選手 小中時代の恩師』(31日付、中日朝刊)
☆『「アンカツ」引退 笠松が育ててくれた 地方競馬の繁栄願う』、『女子柔道告発 園田監督 続投方針 全柔連「本人反省している」』『9月通報非公表 処分身内に甘く』(31日付、毎日朝刊)

一月三十日
 ♪昇る勢い龍神追って蛇も思案のとぐろ巻く(石川雅子)
 ♪初春だ小雨だ着物で行こう差すでもない手に蛇の目傘(三遊亭小金馬)
 ♪へべれけべろべろぐでぐでぐでん五軒六軒酒の旅(佐藤俊亮)
  =いずれも〈街歌しぐれ〉新春第681集・新春吟より抜粋

  東京・台東区在住の都々逸ペンクラブ「しぐれ吟社」発行人、吉住義之助さんから小冊子〈街歌しぐれ〉新春第681集(35頁)が郵送されてきた。見ると681集には、昨年十一月二十三日に東京・文京区の湯島天満宮で開かれた「しぐれ吟社創立七十五周年記念歌会」の際の秀作ばかりが宿題、席題別に選者ごとに網羅されていた。

 ♪背中流そか湯加減どうだ母ちゃん覗くな何べんも(愛、宿題『湯』西潟賢一郎選)
 ♪朱鷺にとき色夕焼け小焼け佐渡の景色が生き返る(秋霖、宿題『島』福島久子選)
 ♪天まで届くか産声高く元気が未来を背負って立つ(ひろ子、宿題『天』谷口安閑坊選)
 ♪結婚結構一応祝辞興味満々離婚劇(のぎり、宿題『満』鈴木秋霖)
 ♪御宮参りの想い出語る八十路過ぎてる三姉妹(美和、席題『宮』吉住義之助選)
 といった具合でどれもこれも力作ぞろいだ。 

 この〈街歌しぐれ〉、実は【昭和十二年(一九三七年)十一月に、東京上野駅南口ガード下の「勘兵衛酒屋」で出席者十九名、投吟七名(うち同人・杉原残華・加藤辰巳・天江富弥・吉住福次郎・佐々木草吉の五名)で第一回しぐれ歌会を開催してより七十五年・その間に長期に亘る戦争・敗戦・戦後・復興・バブル・崩壊・不景気…と目まぐるしい世相の変遷に揉まれつつも、節目節目には記念歌会を開催して来たしぐれ吟社で、今回安閑紡さんのお言葉もあって、都々逸碑建設四周年記念全国大会と、東京文京区の湯島天満宮(湯島天神)参集殿で共催する形を採った。】(吉住義之助さんの『しぐれ吟社創立七十五周年記念歌会の記』より、原文通り)とのこと。

 吉住義之助さんといえば、日本の都々逸界を引っ張る牽引車的存在だけに、こうした地道な小冊子〈街歌しぐれ〉は日本文化を継承していく面でも価値あることだと思う。吉住さんご自身も、長年の街歌しぐれの発行理由について【日本が誇る二十六文字の即興歌を根絶させたくないからという望みと、私ども自身、歌を作ることによって人間性の完成へ精進できるという喜びを併せ持っていたからである。おこがましいが二十六字詩・都々逸船の乗組員の一人として楽しく、うれしく生活の中に歌を溶け込ませていきたい、と思っている。】(同記念歌会の記から)と述べられているのである。
 ちなみに、都々逸は一般に7、7、7、5だが、5字かぶりをつけると計31字になる。

 都々逸といえば、かつて新聞社のデスク長当時に中日新聞の夕刊特報面で読者から募った名作の数々を紙面一角に短冊形として長期間、連載したことがある。あのころは、集まった作品の中から毎日一編を都々逸漫談で知られた柳家小三亀松師匠(故人)に選んでいただき、それを紙面化。大いなる反響を呼んだ。
 当時、NHKラジオでは〝折り込みどどいつ〟の旗手・中道風迅洞さんの都々逸講座が人気だった。で、吉住義之助さん、小三亀松さん、そして風迅洞さんに東京で集まって頂き、都々逸談義を語り合ってもらい紙面化、読者の間で大反響を呼んだ日々が、ついきのうのようでもある。
 都々逸は短詩型文学の一つでもある。都々逸そのものは名古屋の熱田区で生まれ関東地方で広がった。ために「名古屋で生まれ、東京で育った」とはよく言われるが、郷土自慢でもある都々逸は、これからも大切にしていきたいものだ。 

 文学といえば、二十六日午前二時三十五分、戦後「第三の新人」を代表する作家、安岡章太郎さんが東京の自宅で、老衰で亡くなった。九十二歳だった。
 中日新聞はけさの評伝で【戦後の喪失 弱者の目で 「タヨリない」精神を問う】と、いい点を論じていたが、同時に中部の文芸関係者の談話を拾った点で評価してよい。「私小説的な〝弱い〟文学だが、戦後派作家の〝強い〟文学が主流の中で、自らの弱さを発表するのは逆の意味で力が必要だったと思う」(三田村博史さん)という視点は、なるほどと頷かせるものがあった。

【新聞テレビから】
☆『資産家事件 知人の男自殺図る 遺棄容疑逮捕状 夫婦を誘い出す?』『柔道女子代表「暴力」 園田監督を戒告、続投 全柔連謝罪、5件把握』、『安藤勝己騎手(アンカツ)が引退 「納得いく騎乗できず」』(30日付、中日夕刊)
☆『若者絶賛 自作「ヨイトマケの唄」「歌う美輪さん」衝撃 「レジスタンス」に共感?』、『アジアゾウ赤ちゃん誕生 東山動物園で初 体重130キロ』(30日付、毎日夕刊) 
☆『安岡章太郎さん死去 第三の新人「海辺の光景」92歳』、『柔道女子 「五輪合宿 監督ら暴力 15選手、JОCに告発』、『景気・国防際立つ 13年度予算案決定 「15カ月予算」で102兆円 国・地方 借金1000兆円迫る』、『トヨタ労組 一時金200万円超要求へ 業績改善、5年ぶり水準』、『資産家事件 遺棄容疑で男逮捕 宮古島に潜伏 数人に逮捕状』『日欧行き来し活躍 霜見さん』(30日付、中日朝刊)
☆『スーチー氏、朴氏会談』、『食事は残すべからず… 習近平総書記 党幹部に指示』、『アレッポに多数死体 「100人超」政府軍虐殺か』(30日付、毎日朝刊)

一月二十九日
 「愛知県下の30の高校で52人の教員が体罰をしていた」「アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた人質事件で、武装勢力メンバーの親族が事件前、施設内で勤務しており、こうした内通者から情報を入手していた」、さらには「疾走していたスイス在住の資産家の日本人夫妻が殺されたらしく、遺体が埼玉県久喜市内で見つかった」など。
 各メディアのニュースを聞くにつれ、心は塞ぐ一方だ。
 
 デモ、そんな暗いニュースばかりのなか、きょうは私の気持ちが晴れやかに全開するほどに嬉しい話が降ってわいた。
 その一つは、私がある連絡で送った船友へのメールに対する返信で、「今ベトナムにいます」というものだった。彼女は昨年のオーシャンドリーム号による102日間地球一周の船旅で大変、お世話になった親友の一人だ。なんと今度はベトナムからの便りである。

 私が国内で平々凡々たる日々を過ごしている間に、彼女は地球一周の船から降りたあともヨーロッパからアジアへ…と、どんどんと未知なる国を積極的に歩き視野を広げている。その行動力たるや、見上げたものだ。一方で私の方が「大きく水を空けられてしまった」ような、そんな不思議な感情にとらわれもする。
 それはそれとして、いまは果敢な精神を称えて無事、日本に帰ってくるのを祈ろう。

 誰かさん? に両耳を下げられ、より可愛くなった【福ちゃん】、後ろはテレビの画面
 

 もう一つ。夕食時にハッと、気がついた。
 きのう、わが家族の仲間入りをした【福ちゃん】猫人形の両耳が知らぬ間に垂れ下がっているではないか。犯人は、やはり妻の舞で理由は「この方が可愛いのだから」の弁。彼女らしい〝強行犯〟である。が、見方によれば、それだけ【福ちゃん】が可愛がられている証拠か。事実、【福ちゃん】には、いつの間にか座蒲団まであてがわれたようだ。

 きのうは体調が悪くて食欲もなく、話すことさえつらそうで完全にダウンしていた舞。元気がなくて家族みんなを心配させていた。そんな彼女も、今朝は気力を振り絞ってリサイクルショップ「ミヌエット」へ出かけて行った。
 昼間、栄養剤やチョコレートを差し入れするも、まだまだ元気がなく気になってはいた。でも、夕方帰った時には店を訪れてくださる〝ミヌエット女子会〟の心優しき支援部隊のおかげもあってか、少しは元気を取り戻してきているのがよく分かった。
 きのうは全くなかった食欲も少しずつ出てきたようで、この調子で回復してくれたら、と願っている。

 いずれにせよ、このところの舞の体調不良はやはり、寒さと無理し過ぎの両方だと思う。何と言っても現役パリパリの〝わが家の親分さん〟なのだから。大事にしなければ。猫も含め家族みんなが心配する。
 
【新聞テレビから】
☆『神様のくれた赤ん坊』(29日夜、NHKBS1)
☆『〈メディア観望〉みんな悩んでいる(特別報道部・田原牧)』、『失踪の資産家遺体発見 埼玉 妻とみられる遺体も』『資産家遺体 ファンド創設巨額利益 不動産複数「年収5億円」』、『池田小元児童 亀山で展示へ 命を伝える私の約束 三重大・木伏(阿美)さん 今春から教員に 「悲劇 忘れないで」』、『(フランスのリヨンで開かれた各国の菓子職人が団体戦で腕前を競う)製菓大会(で)日本が銀 フランス名古屋勤務の職人ら』(29日付、中日夕刊)
☆『定昇維持で労使攻防 トップ会談 春闘スタート』、『きんさん桜・ぎんさん桜 立派に育ち(笠寺)公園へ移植』、『〈こうみる王羲之〉書を思想にした男 俳優片岡鶴太郎さん』(29日付、毎日夕刊)
☆『〈見極める 安倍政権〉シンプルだが「痛み」隠し 再登板の首相 所信表明変化 高瀬・名古屋外大教授が分析』、『内藤さん卒業文集「無益な戦争早くやめて」  「世に何か伝えてくれた」 豊橋で告別式 母親が心境』(29日付、中日朝刊)
☆『〈クローズアップ〉アルジェリア事件 内通者警備の盲点 和解路線に批判』『テロへ怒り強く 攻撃支持が大勢』『パイプライン襲撃2人死亡7人負傷 イスラム過激派』、『クリントン長官 再出馬否定せず 16年米大統領選』(29日付、毎日朝刊)

一月二十八日
 【福ちゃん】が、家族の仲間入りをした。
 【福ちゃん】とはいえ、ぬいぐるみの、ふつうの猫よりはひと回り大きい可愛い猫ちゃん人形だ。たまたま実家近くのイオン扶桑店の縫いぐるみ売り場一角に〝福〟と書かれた赤い首輪をして置かれていたため、なんだか〝運〟が開くような気がしたのとウチの猫ちゃん二人の友だちにでも、と思って購入し、名前は私がさっそく命名した。
 この猫ちゃん人形、色といい赤い首輪といい、ウチの次女猫シロちゃんにそっくりである。

 なんだか、よく似ているわ、と興味津々の次女猫シロちゃんと家族の仲間に加わった【福ちゃん】
 

 【福ちゃん】と今日、ある日突然の如く運命的な出会いができたのは、母がいたからだ。 
 というのは、きょうは昨春、自転車に乗って農作業から帰る途中、交差点で車にはねられ一時重体に陥りながらも、救急車で運ばれた病院の的確な判断と顔面部分と口腔内の大手術で奇跡的な回復を遂げた満92歳の母の定期受診に私が同席したからだ。
 【福ちゃん】は、病院からの帰りに二人で入ったイオン扶桑店でたまたま見つけた私がとっさの判断で購入したのである。首に〝福〟と書かれた赤い首輪をした白い猫ちゃん人形。それも一体だけが目に入った瞬間、私は「これだ。先に買わねば」と判断し、その場で購入、彼女? の身許引受人となったのである。

 「あぁ~、助けてぇ」。新しい仲間に、まんざらでもなさそうな長女猫こすも・ここ
 

 自分の母親のことを言うのもなんだが、母は元々美しいだけに、その容貌が落ちるといけないと一番心配したが、そこはどっこい以前と少しも変わらないまでに回復。きょうの診察も担当の口腔外科専門の女医・勝俣さん自らが、いつものように、とても優しく診察してくださっただけに、母はとても満足そうだった。
 勝俣医師は「順調ですよ。下の入れ歯のかみ合わせが良くないみたいですが、その部分は調整させていただきましたから大丈夫。炎症などもなく心配ありません。次回は事故に遭われ、ちょうど一年になる三月二十六日を診察日として良いですか。手術したカ所をもう一度、レントゲン撮影し確認後は、あとは半年に一度、入れ歯を見せていただくだけでいいです」と話してくださり、母も私も納得。

 診察のあとイオン扶桑店内レストラン街で食べたのが、このところ人気が高まっているNHKの大河ドラマ〈八重の桜〉にゆかりの『会津八重の華やか御膳』なる料理だった。母には少し多すぎると思ったが六割方食べてくれ、残りのテンプラなどは江南市内の実家まで持ち帰った。

 会津のソース味について書かれた説明書き
 

 店内でエレベーターに乗った際、四十歳前後の女性と会話が弾んだので念のため「いくつに見えますか」と母のことを聞くと「八十歳ぐらいですか」の返事。これには母も「お上手をいってくれているだけだよ」とは言いながらも嬉しそうだった。私に言わせてもらえば「八十ぐらい」とは図星で、よく見ていてくださっているナと思ったのだが。それとも、マザコンの私の目には本当の母の姿が見えなくなっているのか。
 この日、病院からイオン扶桑店まで車で移動する合間には、近くの畑まで一緒に行った。畑では、母が自分でつくったダイコン四、五本と白菜一個を抜いて「土産に」と渡してくれたが「幸せ、って。こういう何でもないことを言うんだろうな」と、ふと思ったりした。

 天気はいいが、きょうも、とても寒い一日だった。
 妻の舞は気持ちが悪いから、と外出先から帰ってからは一日中横になったままで少し心配だ。彼女の場合、そっとしておいた方が良いのでそうしているが、早くよくなってほしい。

【新聞テレビから】
☆『エジプト非常事態宣言 暴動激化 3市に夜間外出禁止令』『「強い経済」へ決意 所信表明首相、原発触れず』、『ふるさとを力に 直木賞を受賞して 安部龍太郎』(28日付、中日夕刊)
☆『〈寄稿 黒田夏子〉芥川賞に選ばれてー「龍之介は好きですか」』(28日付、毎日夕刊)
☆『(元小結)高見盛引退 角界の人気者諦めも笑顔』、『岐阜知事 古田氏3選 鈴木氏に大差投票率最低33・92%』、『生活保護8月から減額 3年間で850億円削減 政府決定』、『情報収集(鹿児島県種子島宇宙センターから)衛星打ち上げ H2A 地上監視4基体制に』、
『日馬 全勝V3度目 賜杯41日場所連続で外国出身力士』、『クラブで火災 245人死亡 ショーの花火が引火か ブラジル南部』(28日付、中日朝刊)
☆『女子高生「リフレ」初摘発 労基法違反容疑 秋葉原など都内17店』『「足もみ」オプションで「ハグ」「馬乗り」』、『通常国会きょう召集 安倍首相、初の論戦へ 6月26日まで』、『参院選205人出馬準備 ねじれ解消が焦点』(28日付、毎日朝刊)

一月二十七日
 名古屋駅近く「つちやホテル」であった中部ペンクラブの理事会に出席、第28回総会・講演・中部ペンクラブ文学賞受賞と出版を祝う会を6月16日午後、名古屋市千種区のルブラ王山で開くことや、中部ぺん20号と文学賞受賞作品合評会、秋の文学散歩、その後の文芸セミナーなど一連の年間スケジュールにつき熱心な討議が交わされた。

 いつも思うことだが、私も属するこの中部ペンクラブは一種独特の雰囲気がある。外に向かって、というよりは内向的個性文学集団の集まりともいえようか。三田村博史会長はじめ、一人ひとりを挙げれば、みな〝一家言の持ち主〟ばかりであることが面白い。毎度思い出したように言うが、中ペンに属する同人誌集団は一つひとつが日本文学の宝と言っても良い。みなさん、それぞれに真剣だ。
 私自身、こうした理事会に出させて頂いて、日本の同人誌からの文芸復興はこの東海地区から狼煙が揚がる、と信じている。その意味でも中日新聞夕刊文化欄で1月11日付から始まった週一回掲載の〈東海の文学風土記(三田村博史)〉は好企画で、この地域の文芸を見直し復興する面でも大変価値あることだと思っている。

 この日、理事会の討議で各理事の発言をじっくり聴いていると、バラバラのようであってそれぞれに〝強靭なる誇り〟のようなものが感じられ、そこいらあたりのチョット出の流行作家よりは皆さん実力的にも上で、それぞれに年輪を経た重みが感じられるのである。(チト褒めすぎか? でも、みなさん、文学に対する情熱はすごい。ビンビン伝わってきた)。

 そこで言わせてもらえば、望むらくは10代~2、30代の若手がどんどん加わってくれれば、鬼に金棒といったところか。今後は若者向けの中部ペンクラブ独自の賞を設けることも必要かもしれない。当然、それだけレベルも向上する、と思うのだが。(わが「熱砂」には若きホープがいます。じゅん文学となると有望な若手キラ星の如し、です)

 で、理事会のあとは中部ペンクラブの女性陣を代表する〝顔〟と言っても良く、八千草薫さんそっくりの石川好子さん(文芸「きなり」)はじめ、ドラゴンズ大好き人間で〝落合信者〟でもある桑原加代子さん(「峠の会」)、石川さんの若いころを彷彿させる臼田慶子さん(文章工房)と喫茶店へ。
 つい最近、突発的に発生したという、ある【押しかけお招き合評会】での秘話、いやH子さんの武勇伝、とんだハプニング(騒動?)などについて文学を進めていくうえで〝大切な心〟とは何かについて真剣に話しあい、ひとときはアッという間にすぎていったのである。ここでも、皆さん〝一家言〟お持ちで中部ペンクラブは人材に恵まれているな、と思った次第だ。

 帰宅してからは、このところの無理もたたってか。さすがに少しだけ疲れ、自室で愛猫こすも・ここと熟睡とあいなり、途中目覚めて原稿用紙ならぬパソコンにこうして向かっている。

 夜。たまたま目にしたNHKのサンデースポーツで、あの桑田真澄さん(元巨人投手)が東大野球部の特別コーチに就任した、とのニュースが報じられていた。
 桑田投手といえば、私がかつて新聞社の七尾支局長当時の昭和六十年代はじめ、和倉温泉の旅館「加賀屋」の小田社長からじきじき電話が入り「ガミさん。桑田が来ている。取材してやってほしい。いい若者だよ。王さんも来ているから」とよく電話が入ったものだ。
 そのつど支局の記者を取材に出向かせた、あの日々が懐かしい。あの若かった選手が人間・桑田としてここまで大きく成長するとは。きっと人知れず努力してきたからに違いない。
 桑田や伊東ロッテ新監督の話を聞きながら、「やっぱりスポーツはいいな」とつくづく思う。

【新聞テレビから】
☆『〝伊東流〟ロッテ再建策 シーズンを戦い抜く体力』(27日夜、NHK総合〈サンデースポーツ〉)
☆『ひつぎに悲しみの花束 アルジェリア事件 犠牲者全員が帰国』『内藤さん 無言の帰宅 豊橋』『「軍事作戦で死亡は残念」首相』、『教諭体罰も「いじめ」 重大事案に報告義務 自民対策法案』、『日馬富士が横綱初V 大相撲初場所』、『奈良・若草山焼き 冬空焦がす鎮魂の炎』、『東海平野部も積雪 岐阜市7センチ 名古屋1センチ』(27日付、中日朝刊)
☆『豊川工陸上部 監督、体罰12人に 昨年4月以降 うち2人転校・退学』、『Sストーリー 次世代担う覚悟―小泉進次郎氏と細野豪志氏』(27日付、毎日朝刊)

一月二十六日
 寒い一日だ。なぜか、昔流行った吉永小百合さんの〈寒い朝〉が思い起こされる。

 正午のテレビニュース(NHK)のトップは、このところ朝、昼、晩と連日トップで報道され続けていたアルジェリアの人質事件ではなく「日本海側を中心に雪」「山沿いを中心に今後大雪になる可能性がある」というものだった。アルジェではなくて、なんだかホッとはしたが、雪のニュースとて尋常ではない。
 ことしの、この寒さは一体何奴なのだ。室内にいて、石油ストーヴはむろんのこと暖房もしてあるはずなのに…。やはり、寒い。それとも誰かさんが言うように「歳を重ねた分だけ、年々寒く感じるようになってきたのだろうか」とも思ってみるのだが。いやいや、そうでもなさそうだ。わが家には、ちいさい子どもが居ないので聞くことは出来ない。子どもたちは白い雪を見て、やっぱり喜んでいるのだろうか。

 テレビ画面からは「けさ、稚内では最大瞬間風速が29・8メートルとなり、稚内空港が閉鎖されました」「北日本から西日本の山沿いが大雪となっています」「岐阜県白川村で127センチ、新潟県上越市で112センチの積雪です。静岡県でも初雪が降りました」「北陸地方の沿岸部では風速20メートル以上の風が吹いており、積雪も90センチに……」
 映像とともに断続的に流れてくる寒い日を象徴するアナウンサーの声。画面を見やりながら「これで本当に地球温暖化が進んでいるのか。大自然がチッポケな人間たちのやることなぞに負けるはずがない。これ皆すべて、ニンゲンたちへの挑戦ではないか」といった不思議な感情が頭をもたげてくる。やはり、私たちは〝見えない神の手〟によって、されるがまま生かされているのだ。自然には、ひれ伏すしかない。

 雪のニュースのあとは、やはりアルジェリア人質事件に関するものだった。いつも指にしていた妻から贈られた結婚リング。その命と同じく大事だった指輪が遺体確認の決め手になり、最後に死亡が確認された日揮前副社長で最高顧問だった新谷正法さん(66歳)の帰国だった。
 悲しさまでが雪の上に音もなく降り積もっている。この地方も、雪が舞っている。
        ×        ×

 朝。カルチャーラジオで「啄木再発見」を聞く。金田一京助ら啄木を支えた周りの人々の話に始まり、啄木の妻・節子が嫁ぐにあたって述べた言葉【わが望みのすべては君なり】には「あぁ~、そうだったのか」と、その純な気持ちに感動した。
 そして。きょうの私は、と言えば、だ。ここ数日間と同じように、ずっと新作小説三篇のゲラとにらめっこで自分ではまだまだ自信があるはずの目が疲れ、一時は何やら目の上に二重の膜がかぶさったような感覚になった。さすがに疲れたので、いったん撤退し寝ることに。それでも書かなければ、と深夜未明にこうして再び起き「たとえ1行でもよい。わが日記文学を途絶えさせるわけにはいかない」と、眠い目に謝罪しながら、こうしてペンを走らせている。

 きょう気になったのは、一部新聞が伝えていた「マリ武装勢力 分裂」「一部が交渉呼びかけ」(讀賣)といった記事で、それによると「西アフリカ・マリ北部を実効支配するイスラム武装勢力『アンサール・ディーン』の1部メンバーが24日、声明を出し、組織を離脱して新組織『アザワド・イスラム運動』を結成した」という。仏軍による軍事介入など今回人質事件の発火点ともなった〝マリ〟の国内が、かなり混乱、なんの罪もない一般市民が戦禍を逃れようとして右往左往している様子がよくわかる。
 そして、もう一本。中日新聞朝刊5面の編集局デスク欄『「道は遠くとも」(編集局次長・真能秀久)』である。そこには9・11の直後に真能記者が米国の歴史学者アーサー・シュレシンジャー氏から直接聞いた言葉「テロ組織が降伏することはありえない。長い時間がかかるが、新たなテロリストを生まないように努力する」が復唱されている。あとは中日新聞を読めば分かる。

 というわけで、きょうのところは、このあたりで筆をおく。眼の痛みも書いているうちに少しは取れてきたようだ。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア 最後の遺体帰国 内藤さんは実家・豊橋へ』『邦人人質過酷な処遇 「頭に銃を突き付け連行」 入り口近くに居住、被害拡大?』、『ビキニと福島つながっている 第五福竜丸 元乗組員の警句 展示に500万人、(都内の中学校で)講演を再開』(26日付、中日夕刊)
☆『現場支えた熟年技術者 世界渡り歩く貴重な人材 アルジェリア事件』『【ディアバル(マリ中部)服部正法】過激派支配深い爪痕 彼らは町ごと人質にした』、『さらば「三宅坂」 社民党本部が引っ越し』(26日付、毎日夕刊)
☆『生死分けた「紙一重」 銃声自室で1日身潜め、顔隠し脱出 アルジェリア事件生還者証言 現地スタッフ機転』『「ぶん、帰ってこい」 内藤さん母ら遺体に叫ぶ』、『〈諏訪湖御神渡り〉 「恋路」今年は吉兆』、『豊川工陸上部監督が体罰 愛知県教委 指導自粛を指示 高校駅伝の名門』(26日付、中日朝刊)
☆『安倍首相インタビュー 危機管理「官邸に集約」 NSC(国家安全保障会議)法案 通常国会提出も』、『(アルジェリア人質事件で)川名社長一問一答 「彼らを誇りに思う」』(26日付、毎日朝刊)

一月二十五日
 きょうの昼。冬の空を仰ぐと、どす黒い雲が少しずつ動いていた。雲を動かしているのは、アルジェリアの人質事件で命を落とした人たちのような気がしてならない。雲を少しでも、どかして青い空にしようとしてくれている。私は、その空に向かって目を閉じ手を合わせた。

 「とても悲しい。つらくて、つらくて、つらくて。本当に残念だ。皆、有能なスタッフばかりでした」(日揮の川名浩一社長)。現地駐在員たちを亡くした気持ちは、いかほどだろうか。もはや言葉には言い尽くせない。
 私には空に浮かんだ黒い雲の、その向こうで亡くなった十人が元気に船の櫓(ろ)を漕いでいるような、確かにそんな音が聴こえてくる。たとえ音には、ならなくとも。「でも、負けないから。負けない。負けません」といった声が音聴となって全身について離れないのだ。
        ×        ×

 人は誰もが、どんな人だって。悲しみという川の流れのなかを歩いている。
 夢や希望を求めて歩いていったところで最期は悲しみというゴールしか待ってはいない。ましてや、人質事件なぞという人間が人間を血で染めるだなんて。あってはならないことだ。
 人間とは。なんと愚かで、酷くて、そして。なんと自分勝手で、冷たいいきものなのだろう。それでも私たちは行く道を信じて歩いていかざるをえない。正直、このところの私はアルジェでイスラム武装勢力による人質事件が発生して以降、心が閉ざしたままだ。亡き故人の無念さ、遺族の悲嘆を思うとき、私たちに出来ることは一体何があるのか。

 けさ早く、アルジェから日本人九人の遺体を乗せた政府専用機が羽田空港に到着した。詳しくは新聞テレビの報道に任せるとして、遺族の方々の無念を思うとき、私だけがこんなにノホホンとしていて良いのだろうか、とそんな自責の念にかられもする。
 長崎大水害。稚内のオホーツク沖大韓航空機撃墜事件。その他赤いフェアレディーゼッドの女が逮捕された長野富山連続誘拐殺人…など。今回のような悲劇を見聞きするつど、私は過去、何度も体験した大事件や大災害の現場を、どうしても回想してしまう。止まらない涙を流し、ロウソクのか細い明かりだけを頼りに原稿を書き、半ば叫びながら取材を続けたあの日々を忘れるわけにはいかない。

 ー目の前に、何人もの死体が瓦礫と共にまるで棄てられでもするように、放置されていた。身内三世帯の家族全員九人を失ってしまい、放心状態だった女性。モネロン島近くのオホーツクの海に藻屑と消えた肉親を大声で泣き叫んで呼ぶ遺族たち。あの、すさまじかった現場の数々を、だ。
 それにしても自然災害は防ぎようがないが、人が人を殺しあう、憎しみの連鎖、テロを許すわけにはいかない。人類はそうしたことの繰り返しだ。情けないとしか、言いようがない。人間の叡知は一体全体、どこへ行ってしまったのか。

 せめての慰みといえば、これらの不幸を乗り越えようとする新しい力、エネルギーか。そうした面からも、私は今の世が少しでも明るく、楽しく、幸せに感じる小説創作に全力を注いでいきたい。そこには人間本来の優しさはむろん、愛も、恋も、そして葛藤、夢、希望につながる道がある。人々の幸せを願い、新しい一歩を踏み出す、そうした新しい文学世界の創造を目指していきたい。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア事件 9遺体無言の帰国 政府、10人の氏名公表』『白い花束供え黙とう』『「ターバン巻き 顔隠す」 生存者証言 銃撃の中 難逃れる』『夢絶たれ遺族の元へ 悲しみ包む空港 内藤さんの母ら対面』『つらくて、つらくて、つらくて 社長現地振り返る』
『「ただ抱きしめたい」 渕田さんの兄 位牌を手に』
『日展東海展が開幕 名古屋で585点展示』、『〈東海の文学風土記3〉三田村博史 藤村「初恋」のモデルも』、『杉浦明平さん生誕100年 日本のルネサンス思い描く 別所興一』(25日付、中日夕刊)
☆『山口氏、習総書記と会談 安倍首相親書手渡す』、『北朝鮮 ミサイル1万㌔超も』 安保会議 防衛省が分析』、『実名公表遺族からも 専門家「隠さないのが原則」』(25日付、毎日夕刊)
☆『10邦人 死亡確認 アルジェリア事件 17人全員の安否判明 犠牲9人きょぅ帰国』、『孫への贈与促す 教育資金、1500万円まで非課税』、『北の海に群青カーブ=厳冬期を迎えた北海道東部のオホーツク海沿岸に、大量の流氷が押し寄せた。網走地方気象台によると、陸から初めて確認できた流氷初日は一月十二日で、平年より九日早い。五日後には岸まできた。』、『マリ軍兵士が33人処刑か 「過激派と関係」「皮膚の色薄い」』『武装勢力一派和平呼び掛け マリ軍事介入』(25日付、中日朝刊)

一月二十四日
 毎日、結構しなければならないことが多く、バタバタしている。

 当面の目標である小説集「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)の出版に向けたゲラの校正作業に追われるなか、きょうは社交ダンスのレッスンに木曽川河畔に近い宮田公民館へ。
 いつもの会場である江南市民文化会館が何かの都合で変更になったためで相変わらずの方向音痴がたたり、宮田公民館へは定刻よりかなり遅れて着いた。みんな「遅かったわね」というので、とても恥ずかしかった。

 レッスンの方は、きょうから教室としては初のルンバが始まった。ルンバといえば、地球一周の船旅で連日挑み、船内での発表会でも何とか踊りこなせたはずなのだが。きょうの感覚としては、このところのジルバ、ブルース、ワルツの練習に足が慣れてしまったせいか、ルンバのステップ感覚がなんだか初めて踊るような、そんな気がしたのである。

 けさは夕刊報道通り、確かに前日より冷え込み寒気が流れ込んだせいもあって、朝のうち木曽三川などは濃い霧に包まれた。でも、ダンスレッスンを終え頭上を仰ぐと、清々しい空が広がり太陽の光りが、まるで大気に宝石でもちりばめるようにキラキラと輝いていた。
 私は思わず「わぁ~、きれい」と、しばらく空と太陽を交互に見ていたが、冬の大気をわたる光線は、どこか全身をキリリと引き締めてくれ、私は好きだ。どこか知らないが、楽園に来ているようにさえ思った。

 朝日新聞の尾張・知多版でことし六月で生誕100年を迎える作家杉浦明平さん(1913年~2001年)の記念特集企画が始まった。「渥美半島に住み、ルポルタージュ『ノリソダ騒動記』などで知られる作家杉浦明平の生前を知り、地元で共に歩んだ『明平さんの仲間』たちに、今なお色あせない作品や人物の魅力を聞く」のが、狙いとか。なかなか面白く、かつ興味深い内容だ。 

【新聞テレビから】
☆『寒い朝 霧のベール 愛知西部』、『北、核実験実施を警告 声明発表 ウラン使用も示唆』、『アルジェリア「現実受け入れないと」内藤さん母 涙こらえ』『緒方さん妻「思いやりある人」』、『書き損じはがき集まれ』『南山短大生ら ベトナム女性支援に活用』(24日付、中日夕刊)
☆『名空港周辺 MRJ(国産ジェット機)年120機量産へ 愛知県が用地整備 20年度200人雇用創出』、『新たに2人死亡確認 アルジェリア事件 豊橋出身男性ら 日本人犠牲9人に』『母「絶望です」 「魂連れて帰りたい』『1週間続く悲報 内藤さん悼む旧友「もっと活躍できた」』『「会社のけん引車」 前副社長 新谷(正法)さん被害か』、『エレベーターで社長重体 幸田のタイヤ会社 業務用 首挟まれる』(24日付、中日朝刊)

一月二十三日
 深夜に入り、菅官房長官が緊急に記者会見、アルジェリア人質事件で行方が分かっていなかった日揮の日本人従業員三人のうちの新たに二人の遺体が確認されたことを明らかにした。名前は明らかにしていないが、日本人の死亡は、これで九人となった。
 家族の悲劇は深まる一方だ。運命とはいえ、酷過ぎる事実が次々と明らかになっている。

 私を守るのは、長女猫のこすも・ここばかりでない。お母さんについて離れない次女シロちゃんだって、私をいつも守ってくれている。
 

 これが忙中閑あり、なのか。

 きょうも午前中、大げさに言えば〝瞬きする間もなく〟、私の作品の初校ゲラチェックに追われ、昼からは横笛の稽古で名古屋の師匠宅に出向くなど、そこそこ、ハードな一日となった。 
 でも、どんなに時間がなくとも、本欄「生きてゆく人間花たち」だけはたとえ短くとも、と思って帰宅後のいっときと就寝前を充て、こうしてパソコンに向かっている。

 なんとなく朝からアレヤコレヤと慌ただしい私の動きに気付いてか、心配そうに私のやることなすことをじっと見守る、愛猫こすも・ここちゃんとシロちゃん。私が帰宅してからも遠慮がちに主人の一挙手一投足に関心を払ってくれていることが、そわそわした〝2人の動きで〟実によくわかる。2人ともホントにいつも、私のことを思ってくれる忠実な猫である。
 感謝している。

 夜。妻の舞が見たい、というのでNHK総合テレビの歴史秘話ヒストリア「ついに登場!吉原遊郭」を一緒に見た。大変参考になった。彼女は、引き続きEテレの「100分de名著・般若心経 〝無〟が教える優しさ」を見るというので、私は自室に戻ってこうしてワープロのキーを打っている。

 きょうの中日新聞朝刊〈くらしの作文〉に掲載された岐阜県高山市に住む平野志けさん(無職・97歳)の「編み物とともに」には、92歳の私の母がいつも編み棒を手にしている姿とだぶり、感動した。「みんなに助けてもらい、あと二年元気に生きられたら百歳となる。それまでに何枚の編み物を作ることができるだろうかと考えながら、今日もせっせと手を動かしている。」という平野さん。
 お元気で、いついつまでも編み物を作り続けてくださいね、と思わずつぶやいていた。

【新聞テレビから】
☆『〈歴史ヒストリア〉〝おいらん〟妖艶な美▽遊女たちの事件簿』(23日夜、NHK総合テレビ)
☆『北朝鮮制裁を強化 ミサイル 安保理が決議採択 資産凍結拡大』『北、3度目核実験示唆』、『「ギネスの地」瑞浪から宮城へ 美濃焼こま犬復興の守り神 高さ1メートル 250人、4日かけ焼く』(23日付、中日夕刊)
☆『愛知県 3月から退職金引き下げ 県警、早期退職に200人 改正条例施行 現場へ大きな影響も』『1月施行 滋賀、駆け込みゼロ』
 『アルジェリア人質 「優しい弟…抱き締めたい」鹿児島出身渕田さん兄 悲報に声詰まらせ』『武装勢力が全部屋急襲』『政府専用機出発 アルジェリアへ 3邦人の安否確認続く』
 『刑期61日長かった 関東で服役の男性 法務省連絡ミスで 既に出所、謝罪できず』、『常盤新平さん死去 直木賞作家、米文学翻訳 81歳』、『〈訃報〉元NHKアナ鈴木文弥氏 東京オリンピックの女子バレーやプロ野球などスポーツ中継で活躍 88歳』(23日付、中日朝刊)
☆『仮設に(宮城県南三陸町出身の)息子訃報 アルジェリア 母「私も死にそう」』、『日銀「無期限緩和」導入 2%物価目標を決定 政府と「共同声明」』(23日付、毎日朝刊)

一月二十二日
 新聞は朝、夕刊ともに各紙ともアルジェリア人質事件で「日本人7人」の死亡が確認されたニュースばかりだ。私自身も、各紙を読むのにかなりの時間を割いたが、一方で今現在は春に迫った小説集=「マンサニージョの恋」(仮題)など3篇=の出版を前に、幻冬舎から送られてきたゼロ校に次ぐ初校ゲラのチェックに延々と追われ、一日があっという間に過ぎ去ってゆく。

 いまは午後八時を過ぎたところだ。
 こうしてパソコンと向き合ってじっくりとキーを打つのも、きょうはこれが初めて。というわけで、日中は妻から言われている家事の手助け(お風呂を沸かしたり、スタンドへ行き灯油を確保したり云々)以外には横笛も、サンポーニャも、ハモニカもふいている余裕はなく、もちろん社交ダンスのシャドーに浮かれている時間なぞもない。

 「日揮の料理人加担か 治安当局 現地従業員ら聴取」(中日朝刊)といったショッキングなニュースが伝わるなか、私の目に特に焼き付いたのは、22日付朝刊からさっそく始まった毎日新聞の〈長い戦争 テロ新前線 上〉という企画記事だった。
 この記事は「イラクとアフガニスタンの対テロ戦争で疲弊した米国が後景に退くなか、英仏など欧州諸国が対テロ戦争第2幕を主導する構図が浮上している。事件の起点を求めて記者はマリに入った。」とマリ南部の首都バマコに記者を派遣し、現地報告をさせるーといった手法でペンを進めている。
 イスラム過激派による中部の要衝コンナやディアバルの制圧と、その後の仏軍による北部の過激派拠点の空爆、マリ政府軍のコンナ、ディアバルの奪還、過激派の南下で緊迫度を増すバマコの様子―などがリポートされ、初回からなかなか読みごたえのある中身の濃い内容だった。アルジェリアの人質事件については、その背景とか、そもそものテロの温床化など乏しい知識ながら書き始めるとキリがない。今日のところは、ここらで筆を止めておきたい。

 貧乏暇なし、とはこのことか。
 私の本音を言わせてもらえば、今すぐにでもマリに飛んで行きたい。そして新聞記者としてではなく、今度は世界平和を求める【〝平和作家〟の目】で現地の表情と動きを見て来てみたい。だが、慌てる必要はあるまい。現在進めている本が出版されてからでも十分、時間はある。
 遅くはない。過去に取材した事件の現場を訊ねて回り、それを小説化してまとめることも、今後〝一匹文士〟として生きていく私に課せられた使命の一つかもしれない。そう思っている。

【新聞テレビから】
☆『生出演 安倍晋三総理大臣に聞く アルジェリアのテロ・人質事件の現実、総理が描くデフレ脱却、緊迫化する日中関係改善の道筋は、など』(22日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『私の小説の原点 直木賞に選ばれて 朝井リョウ』『老舗「早稲田文学」が存在感 芥川賞の黒田作品掲載』、『物価目標2%決定 日銀、政府と声明 金融緩和無期限に』、『米再生「共に行動」 オバマ大統領 2期目就任演説』、『アルジェリア 3人安否確認急ぐ 政府 軍の作戦説明求める』、『諏訪湖で御神渡り 2季連続 白銀に描く恋の通い路』(22日付、中日夕刊)
☆『2人は軍空爆で アルジェリア 日本人7人死亡確認 5人は射殺か 病院関係者証言』『「8カ国37人死亡」セラル首相』(22日付、毎日夕刊)
☆『7邦人の死亡確認 アルジェリア人質 3人安否なお不明 首相「痛恨の極み」』『人質、8カ国37人犠牲』『戻らぬ命 無念』『日揮 涙の会見 7人死亡 社長から悲報』『卑劣テロ 怒り』『「大きな損失」官房長官 「家族思うと」安倍首相』、『トヨタ会長に内山田(竹志)氏』、『生徒不在橋下劇場 大阪・桜宮高 体育系学科の募集中止 市教委決定 定員120人、普通科に』(22日付、中日朝刊)
☆『「危険な動きあった」中東研究者 日揮OB にじむ無念』、『大阪市教委 体育2科「普通科」で入試 桜宮高 受験科目変えず』『「権利を侵害」大阪弁護士会長』『〈解説〉形だけの「改革」いらぬ【林由紀子記者】』(22日付、毎日朝刊)

一月二十一日
 夜遅く。午後十一時前、政府によるアルジェリア人質事件対策本部が開かれ、日本人七人の死亡が確認された旨、安倍首相から発表された。現地イナメナスの病院で城内外務政務官らが遺体と対面した結果、七人の死亡が確認されたという。
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 アルジェリア南東部、イナメナスの石油天然ガス生産施設と居住区域がイスラム武装勢力により襲撃された人質事件はその後、日がたつにつれ背後で糸を引いていた北アフリカのアルカイダ組織リーダーでムジャヒデン(イスラム聖戦士)を名乗る〝ムフタル・ベルモフタール司令官〟の存在があるなど、全容が少しずつ明らかになってきた。

 このベルモフタール司令官、一九八〇年代にアフガニスタンで旧ソ連軍との戦闘に加わった筋金入りの「ジハード(聖戦)戦士」。「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」では前身組織の設立から関わった実力者だという。現在は、マリ北部を拠点にしたアフリカの最も先鋭的なアルカイダリーダーといってよく、昨年暮れには〝血判部隊〟を結成。その最初の標的としてアルジェリアのイナメナスの天然ガス施設を狙った、とみられる。
 ところで、アルジェリアの内戦は1992年~2002年まで続き、この間の犠牲者は二十万人にも及ぶ。一方で、ベルモフタール司令官がこの十年間で得た身代金は実に八十億円にも上ると言われ、最近では一昨年の春、中東を中心に吹き荒れた〝アラブの春〟では、リビアのカダフィ政権から大量の武器も得て、このところは欧米社会を露わに敵視する姿勢がますます顕著になってきている。

 いわば【第二のウサマ・ビンラディンだ】、と神格化されかねない存在になりつつあることも確かだ。ベルモフタールはこの日あらためて「今回の事件は一連のテロ活動の始まりに過ぎない」との犯行声明を出してきた、とのことで北アフリカの全域が緊迫感に包まれている。
 これまでアルジェリア軍による強硬な突入襲撃に批判的だった英国・キャメロン首相もここにきて今回の軍事作戦につき「やむおえなかった」と擁護する立場に変わり、米国のオバマ大統領も「悪いのはテロ集団だ」と言い切った。

 この日正午のNHKニュース。アルジェリア軍特殊部隊による強硬手段の正当性を強調するアルジェリア内務省がこれまでに人質二十三人とイスラム武装勢力三十二人の死亡を確認、現在、行方不明者の捜索に当たっているが、死亡者はさらに増える見通しだと報道している。
 この後、中日新聞夕刊がロイター電として伝えたところによると、アルジェリア治安当局筋は「人質の死亡者は二十三人から四十八人に増えた」としている。このうちイスラム武装勢力のうち半数がアルジェリア人とのことで内通も取り沙汰され、アルジェリア軍政府に反発するイスラム過激派がいかに多いか、を伺わせている。
 (正午)現在、邦人十人の行方が知れないままの状態が続いているが、日本政府は「現地の病院などを見て回りこれら邦人の安否確認に全力で当たりたい」としている。
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 昨夜とけさの二度にわたって思いがけず、北海道帯広ドラキチ会のスポークスマンと言ってもいい会川桂市さんからメールを頂いた。
 最初は「こんばんは。お久しぶりです。伊神さんからいただいた年賀状が切手シート当たりました。ありがとうございました。」というもので、続いて今朝届いたメールは「今日は本別町が日本一寒く氷点下20℃以下と寒いです。携帯をいじっていたら伊神さんの【生きてゆく人間花たち】を見つけて読んでいました。余湖敏一さん=帯広ドラキチ会の会長=の犬の年賀状の事も書いてありました。今年は谷繁の2000本安打達成と岩瀬の384セーブくらいかな? 来年は井端と和田の2000本達成があるので。……」など。「中日が大好きだから言えます」と、ファンサービスの在り方について会川さんなりの〝熱くて厳しい要望〟にも触れられていた。

 もちろん私からも「切手シート、当たってよかったですね。こちらまで嬉しくなります。わざわざ連絡していただいてありがとう。……日本一寒い本別町からのメール、感激しています」などと書いて打ち返させていただいた。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア人質事件の真相は 首謀者の実像に迫る』(21日夜、NHK総合【クローズアップ現代】)
☆『アルジェリア 人質犠牲「48人に」 邦人安否確認 政務官ら病院へ』『「犯人側 人質を盾に」 日揮技術者比人が証言 政府軍、構わず攻撃』、『オバマ氏宣誓 家族とともに 2期目就任演説、パレードへ』、『仏、マリに地上部隊 北部奪回へ展開開始』、『「さっさと死ねるように」 麻生氏、終末期高額医療費で』(21日付、中日夕刊)
☆『アルジェリア拘束 「人質死亡48人」の情報 城内政務官 現場を視察』『一緒に拘束されたアルジェリア人証言 日本人6人手足を縛られ 軍攻撃後の安否分からぬ』、『原発 事故対策所を義務化 規制委新基準骨子 自家発電機も』(21日付、毎日夕刊)
☆『アルジェリア 日揮施設に内通者か 社員 事件直後から懸念』『「9邦人殺害を目撃」』『人質23人犠牲 軍事作戦終了』『現場に到着安否確認へ 政務官と日揮社長』『武装勢力が襲撃直後に AFP報道 現地従業員が証言』
『「情報はあるが安否は不明」日揮側会見』、『津波や地盤 文字で示唆 宮城の地名被災の歴史 地元の研究会確認』
 『〈通風筒〉カニの水揚げ日本一を誇る鳥取県境港市で20日、豊漁を祝う「カニ感謝祭」が開かれた』『柴田トヨさん死去 98歳で初の詩集「くじけないで」』、『岩倉市長に片岡氏再選』(21日付、中日朝刊)

一月二十日
 大寒。

 アルジェリアの人質事件は、アルジェリア軍特殊部隊による人質救出を兼ねた武装集団掃討作戦が終了した、と報じられている。ただ、そのやり方を巡り国際意見がわかれているようだ。
 「武装集団に対する空爆などの掃討作戦は当然のことだ」とのフランス政府の見方に対して、英国はと言えば。「武装集団襲撃に当たっては、人質への被害も十分考えられるので、ひと言相談があってしかるべきだ」というのが、キャメロン首相の見解である。
 どちらが正しいか、は私にもわからない。

 一方、アルジェリア紙の記者が十九日、共同通信に治安筋の情報として語ったところによると、アルジェリア南東部イナメナスの病院に十八日夜、日本人二人の遺体が運ばれたが、軍の最終作戦後に遺体で見つかったとされる日本人とは別人だった、という。
 いずれにせよ、このところ世界を震撼とさせている人質事件は、十九日、アルジェリアの特殊部隊による掃討が終わり、現在は現場を立ち入り禁止にして施設内に人質が取り残されていないかどうか、の捜索に当たっている、とのことだ。また現場一帯には地雷も敷設されており危険が伴う作業だ、としている。

 昨夜の舞は、午前零時過ぎには寝てくれ、あさも八時ごろまで寝ていたのでホッとした。駅弁を売っている、というので午前中に二人でアピタまで出かけ、このあと久しぶりに喫茶店に寄った。特に話すこともないが、睡眠時間がまあまあだったせいか、舞の顔にも生気が満ちホッとしたのである。
 帰宅後は、それぞれにマイペース。私は私でこなしておかなければならない自作の校正作業があるので自室に缶詰状態となり黙々と進めた。段取りの着いたところで実家の母を訪ねると、満92歳の母は「甘酒を準備しといたから」といって温めてのませてくれた。

【新聞テレビから】
☆『衝撃〝老人漂流社会〟』(20日夜、NHKスペシャル)
☆『優勝32回「柏鵬時代」 元横綱大鵬死去 72歳』『〈評伝〉昭和の英雄 努力一筋(東京運動部・高橋史)』『強く優しく時代の星 元横綱大鵬死去』『巨人、大鵬、卵焼き 弟子の妻ら「実感湧かない」』、『アルジェリア「人質の邦人死亡」 国営通信武装勢力を掃討 首相「厳しい情報」邦人安否』『アルジェリア 日揮、親族に「覚悟を」 断片情報、募る焦り』(20日付、中日朝刊)
☆『世界遺産幻想的に 白川郷ライトアップ』、『アルジェリア 軍が総攻撃、制圧 現地報道「人質7人死亡』『武装勢力11人殺害』『アルジェリア 突然の銃声 身を潜め 日揮駐在員が証言』(20日付、毎日夕刊)
☆『〈渡辺えりさん 劇作家、演出家、俳優〉笑顔が見たくて役者やっています 芝居は戦争の対極 憲法9条への深まる思い』(1月20日号、しんぶん赤旗日曜版)
☆『直木賞を待つ 安倍龍太郎』(20日付、日本経済新聞〈文化面〉)

一月十九日
 子どものころからの相撲ファンとしては相撲の神さまだった横綱・栃錦に次いで二番目に好きだった北海道出身の大横綱・大鵬幸喜さん(本名・納谷幸喜さん)が、きょう午後三時過ぎに東京都内の病院で亡くなったと聞き、寂しい思いがした。72歳だった。巨人、大鵬、卵焼きの、あの大鵬が死んでしまった。

 大鵬は、より戻しなどの大技でならした力の横綱若乃花とともに栃若時代を築いた名人横綱・栃錦よりは、一世代あと。あの横綱柏戸とともに柏鵬時代を築いた。なんといっても、白い肌が美しく、お相撲さんを代表する美男だった。技も、すくい投げなど撓うような柔らかさで少年のころは、いつも憧れたものである。幕内在位三十二回の優勝記録は史上最多。その後誰にも破られてはいない。ほかに六場所連続優勝を二回、45連勝だってある。
 栃若時代の後をついで、高度成長時代と並んで大相撲を不動の人気にまで高めた功績は大きい。それこそ、日本が世界に誇りうる相撲界の巨星、国民栄誉賞に匹敵する人物であった。

 妻のリサイクルショップ「ミヌエット」で、ことし初の【Happy NewYear ミニギターコンサート&トーク】があり、今が盛りの熟年女性たち=世に言う〝女子会世代〟=が楽しくなごやかなひとときを過ごした。今日のゲストはウエブ文学同人誌「熱砂」編集委員で〝町のギタリスト〟でもある真伏善人さん。真伏さんは途中、〝とし子〟さんの名司会に助けられ、おしゃべりも交えながら「バラが咲いた」をはじめ「鉄道員」、「禁じられた遊び」など七曲を弾き、アンコールに応え「アルハンブラの想い出」も演奏して喜ばれた。

 禁じられた恋を弾く真伏善人さんと演奏に聴き入る女性たち
 

 

 きょうはNHK第二のカルチャーラジオで【詩歌を楽しむ・啄木再発見】を聴き、文学者として本来あるべき姿を見せつけられ、とても参考になった。この点については書き出すとキリがない。ただ文学者には挫折してもくじけることなく、啄木のように自らの才能をどこまでも信じて日に百首も二百首も作るといった尋常では考えられない貪欲な創作力が大切で「ためになった。よくわかる」とだけ記しておこう。
 文学者としては妻・舞の常軌を逸した夜の遅さは、啄木並みで、ほとほと参った。
 今朝など丸一晩、俳句の作句に没頭しほとんど寝ない状況で店に出て、ミニコンサートに立ち向かうーなどチトからだを酷使し過ぎだ。このままだと、また体のどこかがポッキリ折れ、倒れないとも限らない。大切にしてほしい。そういう私とて、毎晩遅く昨夜も午前一時過ぎまで起きてはいたが、夜通し打ち込む彼女と較べられたら比ではない。

 だけれども、やはり睡眠は十分取った方がいい。
 第一、女性に一番大切な美容と健康に悪い。きのうは「土曜(のミニコンサート)があるので金曜日だけは私のためにあけておいてほしい」と言うので外出予定を急きょ、中止したのに。これでは何のために昨日私は家に踏み留まったのか。いずれにせよ、睡眠第一。今夜こそ、早く寝させなければ、と思っているのだが。この点は、わが家の愛猫ふたりも同じ意見だ。

 長女猫も深刻顔で「お母さんを早く寝させます。私だって眠いよ」と言うのだが。さて、どうなることか。19日深夜の〝こすも・ここ〟
 

 きのう本欄で中日ドラゴンズ公式ファンクラブの女性スタッフについて触れた。きょうはあの〝むさしのガブリ〟さん、すなわち落合信者の原田禎知さん、幸子さん夫妻の「通信員だより」が中日スポーツのファンクラブ通信に落合博満前中日監督とのツーショット入り写真とともに掲載されており、嬉しく思った。ドラゴンズは、こうしたファンの方々に支えられ今があるのだ、との思いを強くしたのである。原田さん! そして幸子さん! ありがとう。これからもよろしくお願いいたします。

 アルジェリアの人質事件の方は、ニュースを見る限り、アルジェリア軍は居住地域での救出作戦を終え作戦により七百人近くが助けられたという。とはいえ、まだ武装勢力を完全には制圧出来てはいないようだ。武装勢力側の多くがかつてこの施設で働いていたことがあると言い、天然ガス関連施設では、なお日本人一人を含む七人を人質に立てこもっているとも伝えられている。今後施設に引火すれば、天然ガスが爆破する恐れも十分ある、との情報も伝わり緊迫した状態が続いている。
 けさの中日新聞によれば、国営アルジェリア通信は十八日、人質となった外国人は百三十二人で、少なくとも六十一人が十七日に解放され、十八日の攻撃でこれまでに新たに約四十人が救出されたと報じた。また五百七十三人のアルジェリア人が救出された【カイロ=有賀信彦】と報じている。
 こうしたなか、安倍総理は訪問先のインドネシアから急きょ帰国。さっそく英国のキャメロン首相と電話会談し、今後は両国とも関係各国と連携を取りながら、人質の救出に全力を注いでいくことを確認し合った。

 松本マイナス(氷点下)11・8度、水戸同5・5度、名古屋と広島各マイナス1度…と全国的に平年を下回る厳しい寒さのなか、大学入試センター試験が始まり、この日は57万3344人が受験したという。トラブル続きの米国ボーイング社は、FAA(米連邦航空局)の指導もあり、世界五十社以上から発注されていたB8(ボーイング787)848機の納入を安全が確保されるまで当分、納入しないことにしたという。
 最新鋭機の納入ストップと飛行停止で世界中の航空業界が混乱している。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア 「邦人含む7人人質」 通信社 武装勢力抵抗続く』『アルジェリアで生還の男性 ベッドの下40時間 「生きている。それが大事だ」』、『米787「1000%安全確認を」 米運輸長官が要求 ボーイング社納入一時停止』、『センター試験開始 東海3県、5万5294人挑む』、『名古屋の91歳男性バック中 駐車場93歳妻はね死なす』(19日付、中日夕刊)
☆『人質拘束の武装勢力 「兄弟よ。家に帰るのだ」一緒の米国人 突然銃撃 脱出アルジェリア人証言』『アジア系? 遺体映像 現地報道』『救出に全力 閣僚に指示 帰国の首相』(19日付、毎日夕刊)
☆『〈通信員だより〉落合さんとひと時=東京都東村山市、原田禎知さん、幸子さん=FC通信員』(19日付、中日スポーツ【ファンクラブ通信】)
☆『アルジェリア 邦人10人依然不明 新たに4人無事確認』『7人無事なお緊張』『軍事作戦続く 外国人100人超解放・救出か』『中部大・桃井教授 厳重施設の占拠「予想外」』、『氷のカーテン 長野・木曽 白川氷柱(ひょうちゅう)軍』、『ココイチ世界一 カレーで1300店規模、ギネス認定』(19日付、中日朝刊)
☆『「安否は」じりじり アルジェリア拘束』『「11人が無事」電話』『(川名浩一)日揮社長ら現地へ』『人質ごと車を爆撃 救出作戦』『木山聡さん熊本の出身 長岡の大学(新潟県の長岡技術科学大学)卒業』、『不明13人 合同通夜 堀栄丸事故』(19日付、毎日朝刊)

一月十八日
 今夜のNHKのニュースウオッチ9によれば、アルジェリアで起きた武装勢力人質事件で日本人技師(日揮社員)ら十七人のうち七人の安否が確認された。外国人については六十一人のうち十一人の安否が確認されたという。一方で昼間のニュースでアルジェリア軍による軍事救出作戦は終わった、とのニュースは誤りで現在も続いている、としている。
 一方、ロイター通信は治安当局者の話として「軍の作戦中、日本人二人を含む人質三十人が死亡した」と伝えているが、確認はとれておらず、真偽のほどはわからないままだ。

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 アルジェリアで起きたイスラム武装勢力、アルカイダによる人質事件は、軍による軍事救出作戦が終わった、までは報道されている。だが、人質と犠牲者の詳細については相変わらず今もって(午後六時現在)、よくわからない状態が続いている。
 気になるのは、武装勢力と軍の狭間で何の罪もない現地天然ガス施設で働く【石油プラント会社、日揮=本社は横浜=の社員】らが連れ去られ、時と場合によっては大切な命までも奪われているかもしれない、という危惧である。
 全員、なんとか助かっていて欲しい。

 朝。NHKテレビの7時45分からの〈おはよう東海〉〝中日ドラゴンズ・ファン増に学生のアイデア活用〟なる番組を見ていたら、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局の、あの平田瑠奈さんが突然、画面に現れ出て大写しになったのには驚いた。
 球団スタッフの頑張り屋、水野陽一朗さんがファンと選手の距離を縮める運動につき学生や球団のアイデアにつきインタビュー形式でアナウンサーの質問に答えていたさ中に流れた映像に彼女の真剣な表情が写っていたので懐かしく、かつ一生懸命にやってルナ、とも思い、熱いものが走った。
 あれだけスタッフ全員が情熱を注いでいるのだから、と思うとドラファンは幸せだなっ、とつくづく思う。【ルナさん】は、公式ファンクラブが誕生した2006年当時からファンクラブ業務ひと筋に頑張ってきた、いわば事務局の〝顔〟、生き字引的存在だけに、他スタッフともどもファンサービス業務のますますの発展と活躍を祈るばかりだ。

【新聞テレビから】
☆『囲碁六冠23歳(井山棋士)の挑戦』(18日夜、NHK総合)『にっぽんの芸能「花鳥風月堂』(18日夜、NHKEテレ)
☆『軍空爆人質34人死亡か アルジェリア』『邦人ら25人脱出情報も 安倍首相「攻撃中止を」 力で抑え込み優先』『「何を信じたらいい」 日揮本社 情報混乱に焦り』『邦人安否情報なし 官房長官』、『除染作業員に線量伝えず 一部業者被ばく記録も通知なし』、『B787緊急着陸 バッテリー液5キロ噴出 安全委調査 過剰電流の可能性』、『忘れない1・17 阪神東北 心寄せて 教訓継ぐ3・11 若者「復興の神戸から希望」』(18日付、中日朝刊)
☆『戦闘で「人質35人死亡 アルジェリア』『日本人の安否不明』『軍空爆 7人拘束情報』『「攻撃開始 英から連絡」官房長官』『アルジェリア拘束 日揮、空爆に緊迫 広報部長「情報いろいろある」』、『787トラブル バッテリー【リチウムイオン電池】過充電か   安全委 内部激しく炭化』『二重の安全装置搭載 「炭化、初めて」GSユアサ困惑』(18日付、毎日朝刊)
☆『「邦人2人が死亡」アルジェリア 人質30人犠牲に ロイター報道 軍事作戦終了』『首相、帰国前倒し』『3邦人生存確認 日揮から連絡 残り14人安否不明』『人質乗せた車4台空爆 軍事作戦 ヘリで猛攻撃 地上戦も』、『円一時90円台 東京市場』(18日付、中日夕刊)
☆『アルジェリア拘束 日本人14人安否不明 「戦闘終了」3人生存確認』『「無事祈るだけ」 日揮関係者確認取れず焦り』、『中国成長 13年ぶり8パーセント割れ 昨年7・8% 欧州危機で輸出低迷』(18日付、毎日夕刊)

一月十七日
 夜遅く。中東カタールの衛星放送・アルジャジーラが、アルジェリアの人質事件でアルジェリア軍と武装集団が戦闘状態に入り「人質三十五人死亡」のニュースを伝えてきた。そうかと思うと、日本人二人を含む人質二十五人が解放された、といったニュースも飛び込み、どちらが真実なのか、が皆目分からない。
 また日本政府の菅官房長官も緊急の記者会見を開き、イギリスからの情報として「アルジェリア軍が人質救出のための攻撃を開始した」と述べた。さらにモーリタニアの通信社も「アルジェリア軍のヘリコプターによる攻撃で人質三十五人と犯人グループ十五人が死亡した」の情報を流した。
 しばらく様子を見守らないと本当のところは分からないのが現状である。
        ×        ×

 十八年前のこの日、午前五時四十六分。
 私は新聞社の大垣支局内、支局長住宅で家族といた。突然、揺れたあの震動の大きさときたら、尋常でなかった。数日後、私は管内でもないのに阪神大震災の被災現場、神戸を訪れ、被害の実態を自らの目で確かめカメラに納めたことを覚えている。その被災地で今や、震災体験を知らない世代が40%にも達するという。
        ×        ×        

 社交ダンス。
 毎週、一回のレッスンに性懲りもなく励んでいる。
 ジルバの足は、そこそこ、いけるように。そして今日もブルース、ワルツと基本を中心に何度も何度もステップを踏んだ。市民文化会館が都合で使用できない、ということで自宅近くの市老人福祉センターでのレッスンとあいなった。

 帰宅後は二月九日に名古屋の料亭「松楓閣」で開催される私が所属する七種会(さいくさかい)の発表会を前に、横笛で「酒よ」と富山地方の民謡「こきりこ」を繰り返し吹き、ついでながらサンポーニャの音出しにも挑んでみた。サンポーニャの方は〈コンドルが飛んでいく〉の完奏を目的にしたい。
 あくまで私の感覚に過ぎないが、あてずっぽでもいい。吹いているうちに、サンポーニャだって横笛のように、ある日ふとしたことから吹けるようになる(譜面があれば鬼に金棒、なんとか譜面も確保したい)。そんな感触を得たからだ。

 北アフリカのアルジェリア南東部・イナメマスの天然ガス生産施設でのイスラム武装勢力、アルカイダによる襲撃、拘束事件は日本人3人? を含む多数の外国人計41人が人質となっているという。武装勢力側は、隣国マリへのフランスの内戦介入に対する軍事作戦中止と捕虜百人の解放を要求してきており、国際情勢をはらんでの犯行の様相を示してきている。ハノイ滞在中の安倍首相も事態を憂慮し人命第一、事態の掌握、関係国との連携を指示したが、的確な判断といってよい。

 きょうは他にもすべきことが山積みで、あれこれに励んでいるが、このあたりにしておこう。

【新聞テレビから】
☆『おトメさん「ヨメが怖い……姑デビューは地獄の始まり』(17日夜、メ~テレ)
☆『〈クローズアップ現代〉今再び注目される 世界が再評価 映画監督・木下惠介【弱く美しき者たちへ】』(17日夜、NHK総合)
☆『祈りの灯「阪神」18年』、『芥川賞75歳黒田さん最年長受賞』『直木賞23歳朝井さん戦後最年少 直木賞に安倍さんも』、『生活保護引き下げへ 13年度から厚労相明言』(17日付、中日朝刊)
☆『日本人社員3人拘束 アルジェリア フランス人殺害 アルカイダ系「マリ介入報復」日揮ほか10人安否確認中』『情報収集を指示 安倍首相』、『バッテリーに異常 B787緊急着陸 当面運航停止』、『花は咲く センバツ行進曲に復興支援ソング』、『軽減税率適用 新聞協会会長が要請』(17日付、毎日朝刊)
☆『アルジェリア 人質含む41人か 武装勢力仏の介入中止要求』『外国人人質に爆発ベルト? 仏で報道』、『忘れない鎮魂の朝 阪神大震災18年』、『787運航停止米当局命令 国交省も命令』『B787 世界8社に50機 米で運航停止 各国へ波及必至』『運航再開は当面困難 日航と全日空、見合わせへ』(17日付、中日夕刊)
☆『仏にマリ介入停止要求 日本人拘束武装勢力 犯行声明解放条件 アルジェリアは拒否』、『自殺者3万人下回る 15年ぶり 若年層は増加傾向 12年』(17日付、毎日夕刊)

一月十六日
 日本文学振興会の第148回芥川賞に黒田夏子さんの「abさんご」(早稲田文学5号)が選ばれた。黒田さんは75歳。1974年に「月山」で受賞した故・森敦さん(受賞決定時61歳)を抜いて史上最年長の芥川賞作家が誕生した。黒田さんが選ばれ、日本文学が救われる気がし、ホッとしたのは私だけか。
 先の新聞報道によれば、黒田さんは国語教師や校正者の傍ら、ほぼ十年に一作のペースで長編の創作を続け、昨年、候補作「abさんご」で早稲田文学新人賞を受賞して事実上のデビューを果たしていたという。
 また第148回直木賞には朝井リョウさん=岐阜県垂井町出身=の「何者」と安倍龍太郎さんの「等伯」がそれぞれ選ばれた。朝井さんは二十三歳。戦後の最年少記録となった。

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 戦後唯一の国産旅客機として活躍してきたYS―11
 
       
 全日空の山口宇部発羽田行き692便ボーイング787が離陸まもなく機内で煙が発生し、約二十分後に高松空港に緊急着陸した。乗客らは脱出用シューターで機外へ脱出したが乗客、乗員計百三十七人のうち乗客一人が腰の痛みを訴え病院へ搬送されたという。

 それにしても、ボーイング787は、ことしに入り七日に米ボストン国際空港に駐機中の日航機バッテリーから出火したのを皮切りに八日には同じボストン空港で別の日航機が離陸前に燃料漏れを起こし、ほかにも操縦室窓ガラスのひび割れ、メインバッテリーの変色、整備上のミスなどトラブル続きだ。
 何かにたたられている。

 とはいっても、私が〝空飛ぶ記者〟として全国の事件、災害現場を飛び回っていた昭和五十年代にも民間機が燃料漏れで他空港に緊急着陸したり、出発空港にUターンしてくる例はよくあり、そのつど取材で振り回された。
 当時の機材はボーイング727(B2)と737(B3)、少し遅れてボーイング767(B6)が主力だったが、「あっ、また燃料漏れか」と半ばあきれながら原稿を書き朝夕刊に間に合わせたものだ。いずれも、飛び立つ前の整備不良など、ちょっとした不具合からだったと記憶している。

 話は脱線する。
 当時、プロペラ機の国産旅客機・YSー11=愛称はオリンピア、東京オリンピックを記念して開発された=が名古屋空港(小牧空港)―南紀白浜間を就航していたが、南紀白浜を目の前に天候不良から着陸できず、そのまま名空港にUターンしてきたこともある。
 あのころ、YSー11に対する信頼度は抜群で天候悪化で上空をしばらく旋回飛行をしたとしても、事故の心配などつゆほども思わなかった。

 ともあれ、今回のB8(ボーイング787)のようにこれだけトラブル続きとなると、どこか機体の製造過程に根本的な原因があるような気がしてならない。オール電子制御による計器飛行と操縦システムもいいが、度重なるミスマッチは、もしかして電気系統の複雑化に原因があるのではないか。オールドタイプのプロペラ機の方が、いざとなったら安全なのだ。

 きょうの朝刊は各紙とも大島渚氏死去のニュースを大々的に報じていた。
 「愛のコリーダ」の一場面=「大島渚愛のコリーダ2000」より
 
 
 
  

 ロイター通信によると、十六日朝(現地時間)、北アフリカのアルジェリアのガス油田のプラント施設からフランス人一人と日本人五人の計六人が、イスラム武装勢力に拘束された、とのこと。日々、いろんなことが起きる。安倍首相は夫人を伴い、東南アジア歴訪の旅へ。まず夫人とともにベトナムに下り立ち、首脳会談に臨んだ。妻の舞曰く「最初にベトナムを訪れたことは評価していい」と。

【新聞テレビから】
☆『100分de名著・般若心経 色即是空の意味とは?』(16日夜、NHKEテレ)
☆『大島渚監督死去 「愛のコリーダ」「戦(場の)メリ(―クリスマス)』『〈評伝〉大島渚監督死去 タブーに挑み権力告発 晩年は病魔と闘いの連続』『篠田正浩監督「偉大」ようやく言える 俳優・天野鎮雄さん機関車みたいに全速力』、『縁照らす灯ゆらり 飛騨・古川 三寺まいり』
 『脱デフレ 国債52兆円に 13兆円補正予算案決定 政府 財政再建後回し 公共事業で即効狙う』(16日付、中日朝刊)
☆『先島諸島に空自配備 尖閣警戒 中国をけん制 政府検討』、『アレフ、都に勝訴 長官狙撃「捜査公表は名誉棄損」 東京地裁』(16日付、毎日朝刊)
☆『皇居で歌会始の儀 お題は「立」』『万座毛に昔をしのび巡り行けば彼方恩納岳さやに立ちたり 天皇陛下、琉球文化詠む』、『B787から煙 緊急着陸』『高松空港脱出時、数人負傷 電気系統異常か 国交省が調査官派遣 全日空、日航 全機の運航中止』(16日付、中日夕刊)

一月十五日
 午後十一時半過ぎ。つい先ほど、映画「愛のコリーダ」の監督大島渚さんの〝死〟をテレビニュースで知った。肺炎で亡くなったという。80歳だった。残念というか、惜しい。
 昭和十一年二月一日。東京中野の料亭・吉田屋主人の吉蔵と住み込み女中、阿部定の狂おしいほどの情事。現実に起きた〝阿部定〟事件をもとに、男と女のけがれなき究極の愛が描かれた映画「愛のコリーダ」は私にとっては、憧れともいえる名画だった。誰が何といおうと、あれほどまでに男女の愛をトコトン追究した美しい映画はほかにはない。お安らかに、のただ一言に尽きる。

 大島監督の存在は、たまたま京大時代に大島監督とは同級生だったという新聞記者の大先輩で私をことのほか、かわいがってくださった社会部時代の遊軍キャップ・Tさんから聞いたのが最初だった。
 その後、「愛のコリーダ」にかけた、ひたむきな姿勢を見るにつけ、私は大島監督をますます好きになっていったのである。お安らかにとしか言いようがない。
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写真は昭和33年3月30日発行の新書太閤記全八巻のうちの第八巻
 

 きょうは三連休が終わり、どこかホッとした気持ちに。「普通の日」がやってきたという感じだ。

 朝、いつものようにNHKの第2ラジオで語学(フランス語、中国語など)を聴き、気象情報、小説の朗読のあと、アーカイブで〈文壇よもやま話〉なるものを聴く。引き続き新聞の整理、横笛とサンポーニャ吹き…と結構忙しい。
 なかでも、ラジオからいろんなことを学べることは小説執筆のヒントになって楽しい。

 新聞整理の方は▼文学▼原発・自然エネルギー・大震災と福島原発事故▼国際関係(戦争、テロ、領土問題含む)▼その他一般別に、四種類のスクラップブックに仕分けして保存する方法で進めた。やっていることは昔も今も、さほど変わらない。ただ、これからは小説などを書いたりする場合、スクラップからひも解いていけば、その分創作能力も向上するような、そんな気がする。

 ところで、NHKアーカイブでこの日放送された昭和35年1月27日収録の〈文壇よもやま話〉。当時、67歳だった故吉川英治さんの話は興味深かった。吉川さんの信条【我以外みな師なり】【生涯一学生】はもっともなものだけに、「だからこそ、あれだけの小説が書けたのだ」と合点したりもした。川柳作家として雉郎のペンネームを持っていた、とは知らなかった。
 吉川文学と言えば、私は三年ほど前、新書太閤記全八巻を読破した。秀吉、信長、家康とその周りを取り巻く武将や女性たち、さらには数々の合戦内容から時代背景に至るまで、その取材の深さとキメ細かさ、筆力に圧倒された。いつかは時代小説も書かなければ、と思って読み始めたと記憶しているが、この尾張の地を舞台に三英傑が飛び回っていた様子が手に取るようでもあり、感動したことを覚えている。

 当地には戦国時代の貴重な史実の数々が武功夜話としても残されている。ほかに信長の側室だった吉乃が住んでいた生駒屋敷も現存する、など題材にも事欠かない。

 きょうの東京。昨夜来の積雪が凍結して首都高速が通行止めになる、など陸も、空も、大混乱の一日となった。自然には、どうすることもできない。毎度のことだが、ただひれ伏すばかりである。 

【新聞テレビから】
☆『ガイアの夜明け 「後継ぎ募集します」』(15日夜、テレビ愛知)
☆『トヨタ販売世界一 12年 GMから2年ぶり奪還』、『阪神大震災18年 借り上げ住宅「追い出し」不安 過去期限20年 自治体、住民に転居迫る』、『西区3人殺害は未明か 自殺長女 朝、コンビニに』、『名張(毒ブドウ酒)事件奥西死刑囚87歳に 再審街頭で訴え 支援団体』(15日付、中日朝刊)
☆『大雪首都圏を直撃 就航セレモニーやったけど… NHK「八重の桜」出演者ラッピング ジェット はるか 飛べず 交通機関が混乱』(15日付、中日スポーツ)
☆『「成人の日」首都圏大雪』、『〈科学〉3・11後のサイエンス 原発大国からの苦言 青野由利(専門編集委員)』『温泉の不思議 上 「美人」を作る弱アルカリ性』、『アベノミクス「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者クルーグマン氏「評価」 財政悪化「深く考えているわけではないだろうが」』
 『置物の台座で殴打か 一家3人殺害 血痕付き台所に』、『橋下市長の発言変遷 揺れる指導との線引き 「ビンタは愛」→「一切禁止」』(15日付、毎日朝刊)
☆『蔵出し復興 宮城・閖上の酒蔵全国の支援受け 「阪神」再起灘の蒸し器も』、『攻めろ北米市場 トヨタ、ホンダ次世代車発表 デトロイトショー開幕 カローラ「一新」 若者狙うSUV(スポーツタイプ多目的車)』、『首都圏の大雪交通混乱続く 転倒など560人けが』(15日付、中日夕刊)

一月十四日
【コンドルは飛んでいく】のサンポーニャ演奏とコンドル アンデスの空を雄々しく舞う2羽のコンドル=いずれもユーチューブから
 
 

 
 

 成人の日。きょうは寒気を伴った急速に発展する南岸低気圧の影響で東京、横浜など関東地方を中心に広範囲で雪が降り、首都圏を中心に交通にも大きな影響があった。

 新聞テレビのニュース報道によれば、相も変わらず、この地上では毎日毎日いろんなことが起きている(下記【新聞テレビから】を参照)。いっそ、これら全てのニュースを「意識の外」に捨て去ろう、と思いながらもモノを書き続ける以上、最低限のことは常時、頭に入れておかなければ、とそんな考えに支配され、きょうも本欄に向かってペンを進めている。

 自分では、これとて1つの文章道場だと、信じているのだが。一度、全てのニュースから隔絶された世界に自らを一定期間、放り投げ〝無の境地〟で書くことも必要だ、と思っている。

 今日いろいろ伝えられたなかで一番心に残り残念だったのは、かつて能登半島の星だった〝リキさん〟、すなわち元防衛庁長官・瓦力さんの死=十三日、肺炎のため七尾市内の病院で死去=である。私が新聞社の七尾支局長時代からしばらくの間が全盛期で、いつも清廉潔白、有権者の見方であり続けた〝リキさん〟の事務所には、政界の大きな流れがあるとは七尾市内の事務所に足しげく顔を出したものである。

 長男がリキさんの娘さんと七尾高校の同級生だったこともあり、よくして頂き七尾の町をふたりで難しい話は互いに一切しない、との約束で〝カラオケ流し〟をして歩いた日が、つい先日のようでもある。言い訳とか人の悪口を決して言わない人だった。

 1988年、防衛庁長官時代に海上自衛隊の潜水艦「なだしお」事故に遭遇、自ら引責辞任された時の潔さと無念な胸の内は、いかばかりだったろう。72年の衆院選初当選以降、実に12期務められた国会議員生活は、これ全て日本と能登の発展のために尽くされたといってよい。   おやすらかに。リキさん!

 本欄は出来るだけコンパクトかつ短くと、その日のエキスだけを書くように努めているのだが……。

 3連休最終日。文學界二月号の「破鏡前夜」(西村賢太)はじめ、各同人誌の主だった作品、単行本などにも目を通したが、やはり一番のニュースは私が大好きな【コンドルが飛んでいく】のサンポーニャ演奏をユーチューブで何度も見、今後見よう見まねの演奏にチャレンジできそうな、そんな感触を得たことか。やはり、アンデスはいい。

【新聞テレビから】☆『20歳 あなたと一緒に 宮城・山元町 被災の友へ 遺影と成人式』『振り袖 天国で 心癒えぬ母』、『全国大学ラグビー 帝京、史上初4連覇』、『男子・星城(愛知) 2度目V 全日本高校バレー』、『【ヒンターツァルテン(ドイツ)=共同】W杯ジャンプ女子高梨(沙羅)今季4勝目 2回目で逆転 最長不倒105メートル』

 『不明長女 山中に遺体 名古屋3人殺害首つり自殺か』、『「坂の上の雲」海を渡る 英の出版社刊行 文体独特 翻訳に4年』、『金津園捜索10人逮捕 売春防止法違反容疑で岐阜県警 暴力団の資金源か』『武豊騎手 3500勝達成 JRA(日本中央競馬会)初、27年目で』、『日航B787また燃料漏れ 米で不具合、調査中の機体 成田空港』

 『〈訃報〉元防衛庁長官 瓦力氏(かわら・つとむ=元自民党衆議院議員、七尾市出身) 75歳』、『〈訃報〉成田闘争を指揮 熱田一氏(あつた・はじめ=三里塚・芝山連合空港反対同盟熱田派元代表) 93歳』(以上、いずれも14日付、中日朝刊)

☆『集団的自衛権 首相、米に「見直し」伝達へ 物価目標「2%」明文化』、『所得税最高税率引き上げ 「15年に45%」先送り 自民検討』『運動場 金網越しの空 東京拘置所 死刑囚の処遇公開』『横並びで「単独処遇」 死刑囚強いられる孤独 確定後 面会、手紙は激減 1割が作業従事』

 『〈18年後のわたし 阪神大震災を生きて〉「娘の死に役割あった」 遺品の卒論 後輩に力』(いずれも14日付、毎日朝刊)

一月十三日
深海に突如、姿を現した超巨大イルカのダイオウイカ。目がとてつもなく大きい=13日夜のNHKスペシャル【ダイオウイカ大スクープ世界初撮影】から

 日曜日。寒い。朝、昨夜も遅かったし、ずっとこのまま寝ていたい。でも「エイッ、ヤアー」と自らに気合を入れ、台所へ。

 約束通り、下手なりに朝食をつくって妻に食べてもらった。「おいしいよ」と言ってくれるか、と思ったが彼女は何も言わない。味噌汁や卵焼きの味付けなどの加減を、こちらから聴くと「うん、ちょうどいい加減」とか「ちょっと甘味が足りないよ」というだけで、黙々と食べる。
 でも嬉しそうだから、良かった。

 要は下手でもいいから、私にたまには食事を作らせる。そのことが彼女にとっての何よりの快感のようで、ナントナク楽しそうだ。家事など眼中になく、ましてや食事を作るなんて【男の美学】に反する、とこれまで思ってきたが、どうやらそうでもないらしい。たまには作って食べてもらうことこそ、本物の【男の美学】のような。そんな気がしてきた。それとも、今ごろになって、漸く若い感覚になってきたのか。

 ただ、これもどこまで続くか、だ。
 こちらは〈極める〉とまではいかないが、あくまで気が向いたら、のスタイルでいこうかな、と思う。そうでないと長続きどころか、3日坊主で終わりそうだ。

 十四日の成人の日を前に新聞を読んでいて感激した記事がある。
 12日付中日新聞朝刊生活面22面のくらしの作文「二十歳の自分へ」という記事で、投稿者は北名古屋市に住む教員伊藤裕子さん(37)だった。一部内容を紹介すると。
―成人の日がやってくるたび「あと七年」「あと六年」と、今年の成人の日を指折り数えて待っていた。八年前に担任した六年生の教え子たちが、今年、成人式を迎える。八年前、私は子どもたちに「二十歳の自分へ」というタイムレターを書かせた。それをタイムカプセルにして、私が管理していた。それを渡す時が、いよいよやってきたのだ。
(中略)
 六年二組の皆さん、式が終わるころ、手紙を持って出口で待っています。立派に成長した姿を見せてくださいね。久しぶりに皆さんに会えるのが楽しみです。

 なんて、ステキな記事なのだろう。そして。なんて、ステキな先生なのだろう。
 あすの成人式。伊藤裕子先生から手紙を受け取る新成人たち。きっと素晴らしいステージとなるに違いない。一人ひとりの今後に期待したい。

 夜。風呂からあがると「終わったわね」と妻の舞。
 「何が」と聞くと「あの名古屋市西区で起きた家族3人殺害。小牧の山中で一人だけ行方が分からなかった長女の死体が見つかったのだって。首吊り自殺みたいよ」の返事。私は「そうだな」と答えながらも内心では「それで決着といけば、いいのだが。まだまだ〝流し〟の殺しの線もありうる。見せかけかもしれない。長女にカギはあっても、ホシ(タマ、犯人)と決めつけるには、まだ少し早いのでは。当然のことだが、背後には何か思いがけない真実が隠されている」と判断。「首吊り」を偽装した一家皆殺しの線も捨てきれない、と自身に言い聞かせた。
 妻は妻なりに過去、一線記者が長かった私に付き合ってきた多くの〝殺し〟のなかから、そう判断したに違いない。それにしても長女の身に一体、何があったのか。私自身、調べてみたい気持ちにかられた。

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉超巨大! ダイオウイカ大スクープ世界初撮影▽深海1000mの大作戦 潜水艇で未知の世界へ』(13日夜、NHK総合)
☆『〈サンデー版〉世界と日本大図解シリーズ【ヘビ】』『小牧に不明長女の車 名古屋3人殺害 犯行、就寝時か』『円満家族週末の惨劇 名古屋3人殺害』『不動産業信頼厚く 知人ら「考えられない」』『不明長女「もの静か」 被災ペット救済団体つくる』、  『女性世界最高齢115歳 大久保琴さん(が川崎市の高齢者施設で)死去』、『除染作業員自費で健診 国負担分、業者が利得』(13日付、中日朝刊)
☆『〈3・11それから ドキュメントにっぽんの絆〉いつか賞状並べたい 東松島 初収穫のノリ「奨励賞」に』、『〈日曜クラブ〉天地の味 能登【あえのこと(田の神さま)】』(13日付、毎日朝刊)

一月十二日
 本づけの一日。
 とはいっても、昨年暮れ以降、私宛に送られてきて、なかなか目を通す暇のなかった文芸同人誌などを読むためである。読ませて頂くといっても、五百余頁にもなる単行本二冊をはじめ、中身の濃い、この地方の文芸同人誌をそっくり読んでしまうには限界がある。あらかた目を通すには、あと二、三日はかかるだろう。

 というわけで、きょうはパラパラ、パラッとページを開き、面白そうな、というか。読んだ方が自らのためにもなる、と判断したところだけを読むにとどめた。それでも、あれこれ読んでいくうちに、一日はアッという間に過ぎ去っていった。

 まず本年九月号で昭和二十四年の創刊いらい六百号を迎える日本を代表する、といっても良い月刊文芸同人誌「北斗」から。私が思うところを書かせていただく。
 「高齢化で病に倒れる方もあり、同人も随分少なくなった。」(編集後記)という北斗だが、本号もエッセイ、小説、詩(タダオ・アフォリズム)、評論(堺流水庵落葉ノ記、ひたすら書いた人たち)、同人の近況随筆・俳句集「人工天文台」と相変わらず充実している。
 なかでも文芸評論家清水信さんの〈ひたすら書いた人たち(40)文芸春秋古今談〉は、関東大震災のあった大正十二年(1923年)正月に【文芸春秋】を創刊した菊池寛の知られざる一面にスポットをあてるなど読んで大変参考になった。棚橋鏡代さんの「秘められた日々」連載を終えて、のエッセイも新鮮な味わいがあり、駒瀬銑吾さんの連載「泰山木の如く」にも、老いてなおますます、といった強靭な筆力を感じ、心に残った。

 次に戸田鎮子さん主宰の「じゅん文学 №74」。じゅん文学は、今や実績、内容、質ともにこの地方はむろん日本を代表する同人誌だと言っていいだけに、創作、エセー、連載、連作と、どれをとっても層の厚さが光る。それに、いつも思うことだが、堀田明日香さんの表紙絵&挿絵と山田萩恵さんの題字がなんともシャープですばらしい。
表紙を見ただけで「じゅん文学」の皆さんが未来に羽ばたくような、そんな気がする。実際、この同人誌は若い方たちが多いだけに展望は無限に広がって明るい。

竹中忍小説集「春愁」上、同「春愁」下と、青山さんの「書家の眼で見た 鎌倉の書」

 次に驚いたのは、「北斗」主宰で知られる竹中忍さんから年明け早々に「謹んで新春のお慶びを申し上げます 元旦」と丁重に書されたあいさつ文と共にわが家に送られてきた竹中忍小説集「春愁」上巻と同「春愁」下巻=風媒社刊=である。本の厚みとしっかりした装丁を見ただけで、力作と分かる。これからじっくり読ませて頂き、同じ小説を書く仲間の一人として参考にさせていただけたら、と思っている。
 そして。もう1冊が私の住む江南市在住の書家青山碧雲さんから送られてきた「書家の眼で見た 鎌倉の書」(木耳社)なる本である。ここに〈文化の香り溢れる風景!〉と書かれた帯文をそのまま掲載し、紹介に替えさせていただく。
―古都・鎌倉の街並み、神社、仏閣、看板などで素晴らしい〝書〟に出会う。「いざ! 鎌倉へ」の名言のごとく諸国の武士が駆けつけたように散策してみよう。『京都の書』『続 京都の書』の姉妹編。

 最近、私の元に送られてきた同人誌と新刊本の紹介は、このあたりで留めたい。
 皆さん、一人でも多く、これらの本を読んで頂けたなら、私も紹介のしようがあろうというものだ。引き続き私自身も今後、読ませて頂く間に何か感じたことがあれば、本欄で感想などを述べさせてもらうつもりでいる。
×        ×

(まる一日、自室に閉じこもって本を読み続けた私。半ば、記者時代の延長で同人誌の情報などを広く伝えなければ、といった義務感もある。せっかく本を送ってくださった皆さまの期待にも当然、応えなければ、とも思っている)

 でも、やっぱり私は読むこともいいが、やはり自分の感性の赴くままに、人がなんと評価しようが私にしか書けない【権太ワールド】にこだわって、ただひたすらに夢を求めて書く。書き続けることが好きだ。

 そして。できたら、その時々の時代背景を映し絵に、この世の人間たちがその時々をどう乗り越え生きているのか、を。時には究極のラヴストーリーやファンタジー、メルヘンもまじえ、あくまでこの地球上で起きているノンフィクションにこだわりつつ、それをベースに書き続け、時代の証言者として後世に一作でも多く残していけたら、と願っている。

 私の本当の挑戦は、これからだ。柔道少年のころ、そして記者時代に優る大きな道に続く、あくまで序章に過ぎない。かといって気張る必要もない。のんびり、ゆったりと進んでいきたい。名もなき一匹文士でいた方が、より後世に残る小説が書ける、と思うのはなぜだろう。あくまで自然体で、書き続けていきたい。

【新聞テレビから】
☆『〈世界ふしぎ発見!〉 映画の街へGО! ハリウッドSP【世界の三船の娘さん・美佳さんと歩く】』(12日夜、CBC)、『〈美の巨人〉上村松園「母子」技と気品 画壇への挑戦』(12日夜、テレビ愛知)
☆『光と水で美白になあれ 美濃・コウゾ寒ざらし』、『「脱原発」今年も 官邸前デモ』、『〈見極める安倍政権〉「アベノミクス」第1弾期待と不安 受注にやっと光・土木業者 2児の母・くらしに救いを』、
『原発輸出支援で「維持」 概算要求締め切り(来年3月末まで切れ目ない)15カ月予算着手』、『田原新たなメガソーラ― 国内最大級三菱商事が建設へ』、『大村知事 月給3割削減継続へ 新年度、期末手当2割も』(12日付、中日朝刊)
☆『名古屋・西区 民家で一家3人殺害 長女の行方 不明 首に絞められた痕』『地元の名士に何が 西区・3人殺害 一家で不動産業 不明の長女 福島ボランティア 住民電話に社長の息子「姉さんいない」』、
『御園座閉館、図書館も終了 演劇界の宝 散逸の危機 中部唯一 歌舞伎番付など多数』、『マヤの遺跡発掘し保存 金沢大・中村教授ら 今春からティカル調査』、『熱~い「スキヤキ」歓迎 (1963年の)坂本九さん渡米の映像発見』(12日付、中日夕刊)
☆『「きな子」の娘 警察犬に=ドジぶりが人気を呼び映画化された嘱託警察犬「きな子」(10歳)の娘「こむぎ」(6歳)が先月、香川県警の警察犬試験に合格し、11日、委嘱式に臨んだ』(12日付、毎日夕刊)
☆『〈尖閣 沖縄・宮古島ルポ〉漁民願う 平和な海』『オレたちの漁場 中国と外交解決を』『かつて島で働いていた奥原隆治さん(81) 海は日本船でにぎやかだった』『尖閣での漁歴36年の漢那一浩さん(64) 魚釣島のカツオ漁が生活の糧』(13日号、しんぶん赤旗 日曜版)

一月十一日
カナダで撮影されたオーロラ、ユーチューブから

 午前中、パソコンのユーチューブでオーロラを無性に見たくなって、誰もいないわが家で一人、オーロラを見てみた。なんとステキなのだろう。モノ言わぬ色彩にあふれ、詩的だ。
 この美しさと底知れなさ、幻想の天裂、さらには叙情性から余韻…まで、を文学で表現することは至難のわざだ。感性のなかで、静寂のなか、全ての神経を集中させて自然と向きあったなかで描き切るほかないだろう。
 やはり、私も自分の目でオーロラを見てみたい。書くのは、それから。現場をあるいてから、だ。

 昨年、地球一周の船旅でノルウェーやスウェーデン、アイスランドを訪れたが肉眼で見る機会に恵まれなかった。それだけに、いつの日か、生きてさえいたら再度北欧の地を訪れ、わが目でオーロラを見てみたい。出来たら、ジョン・レノンのImagin Peace Towerがあるアイスランドがいい。レイキャビクでは地熱温泉・ブルーラグーンでのヒヤリとした、ちょっと楽しい思い出もあるだけに、その分忘れられない。
 滞在中に町中のホテルで食べた何げない魚料理がとても美味しく、町全体が澄んだ大気に包まれ透明感があり、人々の表情も明るく幸せそうだった。落ち着いた感じがしただけに、あらためてゆっくり行ってみたい。
 そして。この北欧で繰り広げられる奇想天外なメルヘンチックかつ、陽気で真実の愛に満ちあふれた、そんなオーロラ物語でも創作し世に問うてみたい。

 きのう、極めることを誓ったこともあり、ユーチューブによるオーロラ鑑賞のあとは、愛用の横笛を何度もふき、次いでサンポーニャ吹きにも挑んでみた。このサンポーニャ、なんとか音は出せるが、音曲となると、なかなかどころか殆どメロディーにはなっていない。小学唱歌の【みなと】を〝空も港も夜ははれて 月に数ます船のかげ……〟と、何度も何度もふいてみたが。あ~ぁ。
 私にはハモニカで自在にふける音感があるのだから吹けないはずはない、と何度も何度も吹いてみるが、やはり今日のところはダメなので撤退した。でも、あきらめてなるものか。出来たら、こちらも極めたい。

 懐かしい人からの便りが二通届いた。
 一通は、今から30年ほど前、小牧の記者時代に取材で何かとお世話になった高校英語教師後藤勇治さん=一宮市在住=からで「寒中お見舞い申し上げます」と書かれた一宮市観光協会のポストカードでの便りだった。いま一通は、かつて七尾支局時代の同僚で後輩でもあった中日新聞の小塚泉白山支局長から、だ。

後藤さんから届いた一宮市観光協会のポスターカード

 後藤さんも、〝いずみ(小塚泉支局長)〟も、ふたりとも今は社会で羽ばたき、地域社会の重責を担っている。

 その前向きな姿に胸が熱くなった。
 後藤さんからはほかに〈一宮市制90周年の同市観光協会ポストカード〉ひとそろいが添えられ、〝いずみ〟の方は懐かしい字で「支局長と呼ばれる席に座って10カ月になります。私が支局長と呼んでいた伊神さんの呼吸一つ一つを思い出しながら日々を過ごしています。記者のような顔をしていますが支局長にトロッコと呼ばれていた昭和の終わりのころの気持ちは忘れずにいたいと思います」とあった。
 泣かせるじゃないか。近ごろ、だんだん涙もろくなってきた。歳のせいか。いやいや、そうではない。みんな、いい奴らばかりだからだ。

 話しは変わるが、朝日新聞の電子版「朝日新聞デジタル」が昨日から、大きくリニューアルしたと10日付の同紙で報じていた。有料会員向けに、パソコン画面で紙の紙面を開いたように読める「紙面ビューアー」機能を増やした、とのことだ。

【新聞テレビから】
☆『〈金曜ロードSHOW〉コクリコ坂から(2011年スタジオジブリ)』(11日夜、メ~テレ)
☆『与謝野晶子直筆未発表含む103首 岡山で原稿用紙発見 新聞掲載用「一度に載せて」書き添えも』、『介護グループ脱税疑い』『名古屋国税告発 2億円所得隠し』、『〈通風筒〉◇…商売繁盛を願う今宮戎神社(大阪市浪速区)の「十日戎」は十日、福娘らを乗せた宝恵かごの行列が大阪・ミナミの繁華街を練り歩き、祭りは最高潮の盛り上がりを見せた。』、『大阪・桜宮高 バレー部顧問も体罰 校長、市教委に報告せず』(11日付、中日朝刊)
☆『60万人雇用創出見込む 緊急経済対策を決定 GDP2%上げ』『「バラマキ」首相が否定』『円、一時89円台 東京 2年半ぶり円安水準』、『〈文化〉東海の文学風土記 三田村博史1 三重県伊勢市・明和町 神宮舞台に多くの作品』、『アット系2社 介護報酬5億7000万円 脱税指摘の3年間で受領』、『大船渡高仮設の受験生ら 教室スパート 被災地サクラサク信じ』(11日付、中日夕刊)

一月十日
悪女1「私はネ、あなたたち猫ちゃんのために働いてるのよ」。悪女2(長女猫のこすも・ここ)「何言ってるのよ、お母さんのため生きてるのだから」=写真は2人とも、今よりは少し若い頃デ~ス

 今になって、初めて知った。それは、アッと驚くことだ。

 実は、妻の舞が内閣総理大臣認可、社団法人全日本ダンス協会連合会と愛知県インターナショナルダンス教師協会認定のアマチュアダンス技術検定試験でラテン(ルンバ チャチャチャ ジャイブ)とモダン(ワルツ タンゴ)のそれぞれ合格証を持っていたということだ。信じられない。
 けさ、「ハイ、これ。あなた、見てよ」と賞状を手に突然言うので、一体何事かと思い、この目で見たのが二枚の検定試験合格証だった。

 合格証によると、ラテンを平成十八年十月二十九日に、モダンは少し遅れて翌十九年三月四日に取得していた。これには、おったまげた。知らなかった。当時は私もまだ、新聞社に通っていたころなので舞が昼間、「ミヌエット」でのボランティアのリサイクルショップ以外に何をしていたのか、は聴きもしなかった。うっかり、とはこの事をいうのだ。

 だったら。昨年、決行した地球一周102日間の船旅に私が出かけた時の「社交ダンスだけは覚えてきてね。帰ったら私に教えてほしい」と言っていた、あの言葉は一体何だったのか。嘘か真か。私は彼女に言われるまま、船内で苦手な初級ダンスにチャレンジしてきたが……。ということは、完全に彼女の手中で躍らされていた、ということか。でも、まぁっ、いいか。その後社交ダンスが下手なりにも大好きになったのだから。

 舞が昔から世界中の民族衣装を着こなしてフォークダンスを踊るのが大好きなことと、俳句や短歌、1行詩に励んでいることは十分、知っている。でも、まさかいつのまに。今朝になり突然、免状を見せられた時には、それこそ腰でも抜けそうだった。

 平成十八年といえば、それまでの新聞記者稼業、旅ガラスの記者生活から足を洗い、木曽川河畔の街・江南に曲がりなりにも、ちいさな家を建て一宮のマンションから移り住んできたばかりのころだ。合格証を見せられて初めて舞が、このころ、社交ダンスのレッスンに密かに打ち込んでいたことを知ったが、それにしても知らない間にレッスンを受けていたなぞ、初耳だ。まったく気付きもしなかったし、これまで一度も聴いたこともない。

 その社交ダンス。きょうは江南市民文化会館でことし初めてのレッスンに挑んだ。ジルバ、ブルース、ワルツの順にステップを踏んだが、「まっすぐに」「真横に」「肘がヤジロベエなんだから」など。ステップは踏めば踏むほど楽しく、先生からも「ヨーシ、その調子で。できた、できた」などと褒められると、ついその気になってしまい楽しいひとときは、瞬く間に過ぎ去ったのである。
 私は踊りながら、意識の底で「この調子なら、いけそうだ」と思い「ヨシッ、これから、この社交ダンスなるものを納得のいくまで極めてやろう」と決意。同時に横笛の方も、せっかく、少しずつ吹けるようになってきたのだから、こちらも極めてやろう、と。そう心に誓ったのである。

 なんだか毎日毎日、こんな話ばかりで【伊神権太、イコール=遊び人】みたいだ。だが、人間、所詮は楽しく人生を過ごすために、すなわち誰もが遊ぶために、人生を楽しむために生きているのだ。楽しむことが、他の人々に生きる力を与えられれば、それでいいじゃないか。私がいま、新しい道を歩き始めた〝一匹文士〟の道だって同じことよ。伊神権太の小説を読むことによって生きる力が生まれたら、これに敵うものはない。

 彼女、舞は悪い女だ。悪女ほど魅力的な人間はいない、とはよく言ったものだ。
 能登にいた時。誰もが知る、ある有名な売れっこに誘われ私の知らない間に車で能登島一周をちゃっかり楽しんだりした。志摩でも、ある日突然、通信部から消え去った彼女を追い、知人の小学校教師と大騒ぎで阿児やら浜島、大王町…を探し回って歩いた。
 いつも、彼女なりの魂胆があってのことで彼女はそのつど大きく育ってきた。そうして。人を驚かすキャラクターにかけては、並外れたものがあるだけに、その分魅力的で若々しい。

 これからも身体を大切に、私をハラハラ、ドキドキさせてくれれば、それが幸せということなのだろう。今度は、こちらがダンスを教えてほしい。こちらが驚かしてやろうか、と思っている。

【新聞テレビから】
☆『カンブリア宮殿SP 巨大アジアで大奮闘! ▽執念のおっぱい研究 100億稼ぐ吸い心地!……』(10日夜、テレビ愛知)
☆『笹子上り天井損傷1211カ所 アンカーボルト 欠落や脱落も 緊急点検結果』、『経済諮問会議が再開 3年半ぶり』、『旧東海銀の母体「伊藤銀行」 明治の銀行史 富国の志 創業家で発見 発展経緯 克明に』、『二所ノ関部屋 消滅へ 親方が病気 後継おらず 大鵬ら生んだ名門』
『女性解放の〝原点〟 原形のまま 「青鞜」50冊見つかる 発禁報じた新聞記事も 東京の古書店から』、『787燃料漏れ 昨年も』『全日空、エンジン配管不良 日航便より深刻』、『GSユアサが「原因究明協力」 787の電池出火』(10日付、中日朝刊)
☆『福島に放射能研究拠点』『雇用にも貢献 補正で800億円』、『大阪・高2自殺 前日「平手で30~40回」 帰宅後、親に明かす』『「なぜ僕だけ」体罰当日に遺書』『刈谷工野球部の次男が自殺 母「体罰で人は強くならぬ」「容認」の考えも問題』(10日付、毎日朝刊)
☆『介護15年「基本は愛」 岐阜の82歳男性 妻との生活、心境を本に(大垣支局・秋田佐和子)』、『「一番福」は高校(3年)生【兵庫県西宮神社】』、『【☎100】2割緊急性なし 東海3県12年悪質ケースは摘発』『無言、いたずら、「息子が部屋片づけない」…』、『黒沢作品の名脇役 千石規子さん死去 90歳』(10日付、中日夕刊)

一月九日
 「あのねえ」というので「なんだよ」と聞くと、彼女曰く「日本は〝ニッポン〟になってはいけないの。〝ニホン〟でなくっちゃあ」と。「正月の新聞にも書いてあったよ」と続けたので記事を探してみたが、既に片づけられたあと。

 確かに言葉の発するイメージからすれば、〝ニッポン〟と言うと、なんだかナショナリズムを誇示するようなトーンで戦時下のイメージがする。ふつうの〝ニホン〟の方が自然体でどこかしら、心休まる。もし戦争でも始まろうものなら、これまでの〝ニホン〟がたちまちのうちに国防軍優先の〝ニッポン〟になる気がしないでもない。

 彼女の突然の問いかけを耳に、やせても枯れても元べ平連(ベトナム民主平和連合)の反戦闘士だったことはあるな、と実感。私と彼女は、私が元々、保守中道派なのに対し彼女は、先鋭的な左翼である。些細なことでいつもケンカばっかりの日々だが、互いに意見を戦わせるところがよいのだろうか(いや、戦わせるというよりは、いつも負けてばっかりだが)。
 それでも仲は、そこそこいい。基本的には、それぞれがバラバラでわが道を行くといったスタイルだが肝心な時には一緒になる。ふたりで志摩に駆け落ち逃避行した時の約束は互いにボーボワールとサルトルでいこうよ、というもので、この気持ちは今も変わらない。
 相棒がたとえ恋に陥ろうが幸せなら、それでいい。結局、それだけ愛しているということか。

 新年初の横笛の稽古に大須の師匠宅へ。
 お年賀に短冊形KARHUのカレンダー【佳風暦】をいただき、二月九日の発表会を前に「酒よ」と富山地方の民謡「こきりこ」の演奏に励んだ。励んだ、と言っても芸道はじめ世間一般のことどもに関して話される師匠のおしゃべりを聴くのが大半。横笛ふきは、ほんのわずかの時間だ。でも、結構充実した思いにかられるのは、なぜか。私にもわからない。ただ師匠の前に座って稽古に励む、そのこと自体が楽しいからかもしれない。

 中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員で〝落合信者〟の佐藤彩乃さんから、「(笛猫のこすも・ここちゃんは)ユーチューブで動いているところを見て描きました」とのメール。えっ、ユーチューブまで見ていてくれた、だなんて。感激した私はさっそく、こすも・ここに、このことを報告したのである。
×        ×

 きょうは午前中、パソコンで私の小説作品などを紹介する数々の検索項目をチェックするうち、項目のなかに少し首をかしげる迷惑メールが入っていたので、「イメージが悪くなってはいけない」と詳細を調べるため覗きに入ったところ、知らぬ間にアダルト画像が登録されてしまい、少しあわてた。
 即座に「画像の削除と登録解除」を業者側に電話で要請したが「それは、自己責任です」の返事で拉致があかない。最後はパソコンの購入元であるヤマダ電機の最寄り店に足を運び、データの削除を三千八百円ナリでしていただいた。
ヤマダ電機の担当者からは「今後、業者から何を言ってきても無視してください。こちらが正しいのですから」とのアドバイスも受けたが、私に言わせれば私の知らないところでいつの間にか登録されてしまい、あげくにいかがわしい画像をパソコン画面に何の了解もなく添付し続けるなどもってのほかだ。傷害罪、いや私のパソコンに対する器物損壊罪も甚だしい。「そういうので、よく引っかかるのだから。注意してよ」とまたまた妻に叱られてしまった。
 でも、ヤマダ電機のPCサポートさんが的確、かつスピーディーな判断で問題点を処理してくれ、ホッとしている。この齢になっていい勉強になった。お恥ずかしい限りだ。

【新聞テレビから】
☆『車イスマラソン 土田和歌子 転倒……第一人者の決断』、『「地域のため」閉館を決断 東京・吉祥寺「前進座劇場」』(9日夜、メ~テレ・報道ステーション)
☆『100分de名著・般若心経 秘められた本当の意味』(9日夜、NHKEテレ)
☆『富山殺人放火 二カ月後に犯行声明 容疑の警部補出版社に送付 手配買い取り要求』『県警「詳細は捜査中」消え入るような声で会見』、『被災帆船〝再出港〟追い風 「一本松作業」弥富の会社 修復に協力』『2度目の復興支援』(9日付、中日朝刊)
☆『緊急経済対策20兆円 補正総額13・1兆円』、『東京五輪 都市力強調 計画書公表 震災復興後押し』、『「恩返ししたかった」岩手の被災児童招く 阪神大震災の経験者』、『体罰翌日 高2自殺 「部活顧問から」手紙残し 大阪』

一月八日
皆さん、明けましておめでとう。彩乃さんに描かれてしまった笛猫のこすも・ここデ~ス。でも、少しだけ歳をとりました。ことし1月2日撮影

 ラヂオプレスによると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第一書記が三十歳の誕生日を迎え、朝鮮中央放送は七日、正恩氏が誕生日に先だち全国の小学校、幼稚園、託児所にお菓子を届けた、と伝えた。

 一方、中国では有力週刊紙「南方週末」の新年社説が広東省共産党委員会の指示で大幅に書き換えられた問題で同紙記者らが抗議のストライキに突入、支持する市民約三百人が広東省広州市の同本社前に集まる異例の事態に発展している。日本のマスコミも「中国紙 記事の大幅書き換え 記者スト 市民が声援」(8日付、讀賣朝刊)「言論の自由を求め異例デモ、記事改ざんで記者ら抗議」(8日夜メ~テレ・報道ステーション)などと大きく報じている。

 アメリカでは病気療養中だったクリントン国務長官が1カ月ぶりに復帰。米メディアはいち早くオバマ米大統領がCIA(中央情報局)長官にジョン・ブレナン大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)を指名する、と一斉に報じ、その後オバマ大統領はその通り指名した。

 世界は少しずつだが、ダイナミックに動きつつある。
 特に中国の場合、香港に近く、いつも全土のなかで最初に革新的な行動に出る広東省に大きなうねりが出てきている。もしかしたら、これが中国全土の転換点になるや知れない。
×        ×

 きょうも私あてに届いたホットな年賀状から。
 賀状を読ませて頂いてつくづく思ったのは、一昨年までお世話になった、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員、そして昨年知り合った船友仲間たちは、どなたも心が大変温かくていいナ、ということだ。

佐藤彩乃さんから届いた年賀状と、笛猫こすもそっくりの似顔絵

 なかでも私が昨春、出版した著書〈いがみの権太 大震災「笛猫野球日記」〉の表紙にある愛猫〝こすも・ここ〟を、あえて似顔絵に描いて年賀状を送ってくださったのは、東京・杉並区の根っからの落合信者・佐藤彩乃さんだ。
 佐藤さんは、2011年まで中日ドラゴンズ監督として輝かしい歴史を築いた当時の落合博満監督の大ファンで、賀状には落合さんとのツーショット写真とともに「今年も落合監督が指針です」の文面も。彼女にとっては、〝落合監督〟という大きな存在が今も人生を生きてゆくうえで大切な心の支えになっていることが一目瞭然としてわかる。私が賀状の〝そっくりさん〟を、愛猫に見せたのは当然のことである。

 「3月末、無事80才を迎え45年の一人住いを終り、娘の家に住んでいます。5/8~8/17までピースの大きいフネで世界をみて(7度目)、どの国も問題一杯、日本に生れ、色々と、まもられて大感激です くれぐれもお元気でと祈ります」は東京・中野区の大草由紀子さん。
 彼女は「船の旅すばらしいですね、良き一日を願っています」の添え書きつきだ。そういえば、大草さんとは、船内でとことん酒を酌み交わした日がつい、先日のようだ。あの夜、彼女は私に「もう八十になるので、ピースボートは、これを最後にしたいの」と仰っていたが私が「まだお若い。十回までは大丈夫ですよ」とハッパをかけさせて頂いたことを覚えている。

 そして。船友仲間というよりはオーシャンドリーム号クルーのレセプションチーム・チーフだった関戸文さん(現在は山内文さん)。彼女からは【実は昨年結婚し、今年5月には出産の予定です。当分は船で働くことができないのは寂しいですが、新たな「母業」を楽しみにしているところです】とおめでたのお知らせ入り。関戸さんには、船内のバー、カサブランカでのひとときが懐かしく思い起こされる。私が平和のメッセージのユーチューブ発信で苦闘している時、関戸さんの配慮もあってスタッフには随分と助けられた。

井上海風さんから届いた年賀状

 それから。「目の病い、足の病いにも負けずに頑張っております。1/20 NHK俳句大会へ参加します」と、いつもと変わらぬ賀状は三重県伊勢市の文化人、井上海風(博暁)さん。ことし八十路になるという井上さんは、私たちが志摩通信部在任当時、浜島町教育委員会の社会教育主事で中日写真協会志摩支部の役員でもあった。通信部内での月例会など妻ともども大変お世話になった。
 こうした年に一度の〝賀状逢瀬〟もいいが、私も一匹文士として新たな人生を歩き出しただけに、一度教えを請いがてら再会したい、と思っている。

 きょうは年末年始期間中の新聞の整理をし、重要な記事をスクラップしたり、読み返したりするうち、時がまたたく間に過ぎ去った。途中、あれやこれや、と僕の作家人生を心配してアドバイスしてくださる船友とも電話で有意義な話しをする機会に恵まれた。
 そんな一日のなかでひとつ感じたことは、元日から始まった大沢在昌の新聞小説「雨の狩人」が、これまでとは違ったスタイルで読ませる。昨年の「天祐(てんゆう)なり」(幸田真音)が絶妙なる取材力で人間・高橋是清に迫る傑作だっただけに「どうなるか」と思っていたが、そこはプロ。場面が一転するなどチョット戸惑いはするものの、読者に一体何が始まるのだろう、という期待感を抱かせている点でまずまずの滑り出しか。

【新聞テレビから】
☆『新春リンク 笑顔咲く 名古屋フィギュアスケートフェスティバル』、『広がるマナカ学生証 名市大国公立で初導入へ 学生のデザイン採用 就活、旅行、買い物…全国でタッチ』、『〈訃報〉東松照明さん死去 82歳 戦後写真界の巨人』『東松さん死去 長崎、沖縄 敗戦の影写す 「私の写真 名古屋が原点」』、『〈訃報〉高原列車は行く 岡本敦郎氏 昨年12月28日、脳梗塞のため死去、88歳』(8日付、中日朝刊)
☆『王羲之の模本発見 唐代作 書風解明に手がかり』『王羲之の模本「大報帖」発見 遣唐使が名筆運ぶ 手鑑で受け継がれ』、『政府・日銀 政策協定に「雇用安定」 2%物価目標 時期示さず』
☆『〈龍の背に乗って 渋谷真〉厳しい視線が待つ大阪へ 福留の闘いは終わらない=渋谷記者と福留が一緒に歩くところがいい』
☆『明治の西洋染めた 伊勢型紙再び海渡る』『鈴鹿の彫り師 NYで復刻、実演』、『忍法 紙芝居の術 ☆伊賀流忍者の祖 こんな伝説 地元中学生「面白く伝える」』、『日航B787 米で火災 着陸後に煙、けが人なし』、『体罰受けた高2自殺 大阪府警 バスケ部顧問を聴取』(8日付、中日夕刊)

一月七日
 七草粥。
 月曜なので、妻が開くボランティアのリサイクルショップ「ミヌエット」はお休み。妻は二年半ほど前の大手術から脱出後、当初は一週間のうち三日を休みにしていたが最近では休みを以前のように日、月の二日に戻した。ただし土曜日に俳句教室がある日は、こちらを優先させている。
 ということで、きょうは一人でスーパーに行ったり、歯医者さんに行ったり…で、あれやこれやと町中を宝物でも探すように思いのまま走り回り、満足そうだった。でも、寒いし病み上がりなので心配極まりない。送り迎えしようか、と言っても「いいの。一人の方が。ひとりがいいの」の一点張り。おぼつかないハンドルさばきで自転車で出かけて行くのは、毎度のことである。心配ではあるが、こうして少しずつ体力が戻ってきたなら、と願う。

 年賀状は船友を中心に、まだまだ続いている。
 なかに一枚、こんなのがあった。
 「今年も元気で少しでも良い日本になるよう頑張りたいです。昨年、名古屋の会に参加させていただき、良い友人をたくさんお持ちでいいなと思いました。(略)下船してからずっとチュニジアのジャスミン革命の後を知りたく12月中旬に旅行社に聞きまわり、エミレーソ航空でドバイ乗りかえで行ってくることができました。好きな若者にいっぱい出会い、チュニジアも観光客であふれていました。日本も好い国を見習わなければ、と感じました。」(原文通り)
 実は彼女。地球一周の船旅の際、船上で指揮を取っていたコーラスグループのリーダーで最後の朝に「ハモニカをふいて」と頼まれた、あの須藤信子さん(埼玉県入間郡)だった。私はあの日、みんなの声に合わせ【ふるさと】を感慨を込めてふいたが、海のかぜに乗りひとひらひとひら、流れゆく声に満足感を覚えたことを覚えている。
 彼女は、下船してからも名古屋の徳川園・宝善亭で私のために有志で開いてくださった地球一周祝賀会を兼ねた帰朝報告会にも遠いところをわざわざ出てくださった。その彼女がまさか暮れになって今度はチュニジアを訪れていたとは。やはり、努力と勇気、行動力の人だなっ、と実感。あの行動力は私も見習わなければ、と思う。

 船友仲間と言えば、同じく船内で大変お世話になり、下船後にも須藤さんと同じく名古屋まで来ていただいた大学教授のお姉さん・サッちゃん(阿部祥子さん)からも「ゴンタさん、福島からの詩を」と一編の【拝啓関西電力様 青田恵子】なる詩がメールで送られてきた。
 「これは南相馬市から避難、水戸市で1年半に及ぶ避難生活をおくっていらっしゃる青田さんの詩です。切実で胸に迫るものがあります。皆様多くの人にも読んでいただいて青田さんの気持ち、福島の皆さまの気持ちを共有してください」の添え書き付きで、だ。
 ここに、その詩を紹介させていただく。一人でも多くの方々の目に触れることを願いつつ。

「拝啓関西電力様
青田 恵子

エアコンとめで、耳の穴かっぽじって
よ―く聴け。
福島には「までい」っう言葉があんだ。
までいっつうのは、ていねいで大事にする
大切にするちゅう意味があんだ。
そりゃあ、おらどこ東北の暮らしは厳しかった。
米もあんまし稔んにえがったし、
べこを飼い
おかいこ様を飼い
炭を焼き
自然のめぐみで、までいにまでいに今まで
暮らしてきた。
原発は いちどに何もかもを
うばっちまった。

おめえらは誰ひとり
責任とって 詫びて死んだ者はない
んだけんちょもな、おめえらのような
人間につける薬がひとつだけあんだ。
福島には人が住まんにゃくなった家が
なんぼでもたんとある
そこをタダで貸してやっからよ
オッカアと子孫つれて
住んでみたらよかっぺ
放射能たっぷり浴びた牛は
そこらじゅうウロウロいるし
セシュウムで太った魚は
腹くっちくなるほど 太平洋さいる
いんのめえには、梨もりんごも柿も取り放題だ。
こんのさらえば
飯も炊けるし、風呂も沸く
マスクなんと うっっつあしくて かからしくて
するもんでねえ
そうして一年もしたら
少しは薬が効いてくっかもしんねえな

原発さえなかったらと
壁さ
チョ―クで 遺書を残―して
べこ飼いは首を吊って死んだ。
一時帰宅者は、
水洗の花咲く自宅の庭で
自分さ火をつけて死んだ。
放射能で一人も死んでないだと・・・・・
このうそこきやろう 人殺し
原発は 田んぼも畑も海も
人の住む所も

ぜ―んぶかっぱらったんだ。
この 盗人 ドロボ―
原発を止めれば
電気料金を二倍にするだと・・・・・
この 慾たかりの慾深ども
ヒトラ―は毒ガスで人を殺した
原発は放射能で人を殺す
おめえらのやっていろことは
ヒトラ―と なんもかわんねえ
ヒトラ―は自殺した

ほしたら フクシマの子供らとおんなじく
鼻血が どどうっと出て
のどさ グリグリできつかもしんねえな
ほうれ 言った通りだべよ
お目えラの言った 安全で安心な所で。
さあ急げ!
荷物をまとめて フクシマさ引っ越しだ
これが おめえらさつけるたったひとつの薬かもしれんにぇな

【参考・方言の意味】
うなげんちゅうも・・・・・だけれども
腹くっちょく・・・・・・・腹いっぱい
いんのめえ・・・・・・・・家の庭
ごんの・・・焚きものにする小枝や落ち葉
うっつしゃ・・・・・・・うっとうしい
かからし・・・・・・・・わずらわしい

【新聞テレビから】
☆『〈犠牲の灯り 第1部「ちむぐりさ」6 目覚め〉原発30年 決別を誓う 幻の豊かさ 代償重く』『福島の原発 県民75%「全て廃炉に」 福島民報調査 脱原発の要望強く』、『人やぐら 福に届け 岐阜・白鳥「花奪い祭り」』、『漱石「博文暗殺 驚いた」 満州の日本語紙 寄稿文発見 現地邦人への賛辞も』(7日付、中日朝刊)
☆『シリア大統領 反体制派と対話拒否 数日内に新和平構想』、『芥川賞候補に75歳新人=第148回芥川賞候補に75歳の新人、黒田夏子さんが入った。受賞すれば61歳だった故・森敦さんを抜き最年長。』(7日付、毎日朝刊)
☆『経済再生本部スタート 首相ら看板掛け 緊急対策 議論へ』、『障害に負けず起業 歩み出版 ビジネス生きる実感 東海市の佐藤さん 1センチ動く指で勝負』(7日付、中日夕刊)

一月六日
 夜。NHK総合テレビで大河ドラマ「八重の桜」の第1回「ならぬことはならぬ」を見た。この「八重の桜」は、会津藩砲術師範の子として生まれ幕末の会津で銃を手に新政府軍と果敢に戦い、明治維新後に京都で新島襄=同志社創立者=と結婚。その後、教育や看護活動にも身を捧げた幕末のジャンヌ・ダルク【新島八重】の物語だけに妻舞の薦めもあり、ぜひ見てみようと思っていた。

 この日は、銃で華麗に的を撃ち抜く文武に秀でた兄・覚馬の姿を見ながら育ち砲術に夢中になっていく幼少の八重を中心に、会津に伝わる家訓、会津藩士が最も張り切る軍事訓練・追鳥狩(おいとりがり)、八重が心優しい藩主・松平容保と出会う場面など、どのシーンをとっても、なかなか見ごたえある内容だった。
 次回もまた見よう、と思ったのは私だけではないだろう。

 引き続きあったNHKスペシャル「香川照之・密着300日」。これまた親子でありながら母・浜木綿子とともに運命に引き裂かれていた俳優香川が、四十六歳にして歌舞伎の世界に入ることを決断。悲願だった、一度は倒れながらも再起した父猿翁(3代目市川猿之助)と子・中車(香川)の共演に至るまでの過程が丁寧かつ見事に描かれていた。
 これまで宙吊り場面でも知られる〝スーパー歌舞伎〟の披露など澤瀉屋(おもだかや)一門を引っ張り続けてきた3代目猿之助の芸に執着する姿、そしてわが子・香川を思う痛いほどの心情が全編に流れていたのである。

 番組のなかでは途中、香川の母、浜木綿子が別れてから四十年ぶりに猿翁と再会する場面もあったが、猿之助と暮らしていた故藤間紫については、ついぞ触れずじまい。傍らでは舞が「(これまで浜木綿子さんが、どんなに辛い思いで生きてきたのか。女性の心情に触れずして)ちょっと片手落ちじゃないの」とまるで私を咎めるように視線を向けて来、それにはドキリとした。
 でも、芸は芸の道。私は猿翁の生きてきし道を認めざるをえない。妻子と別れて歩めばこそ、型破りのスーパー歌舞伎が生まれたのではないか。
 「でもねえ~、なんで四代目猿之助がおいっこなのよ。よくわからない」と彼女は突っかかるような眼差しでさらに私に迫ったが、番組そのものには満足した面持ちで私自身、どこかでホッとした。

 ことしは、パソコンからのメールが結構多かった。中に一枚、滋賀県竜王町在住の作家畑裕子さん夫妻からの賀状も。彼女は「近江 戦国の女たち」(サンライズ出版)の著者でもあり、〈お市の方〉など戦国の女性を描く作家でも知られるが、昨年ご夫妻そろって出版されたご著書(「百歳物語 絶望の大地に咲く花 畑裕子」と「福島原発事故の放射能汚染 問題分析と政策提言 すべては現実直視から始まる」)二冊のカラー写真が胸に残った。

 けさは睡眠不足だったが、このところは部屋にこもって自分勝手のし放題のこともあり、たまにはーとご機嫌とりを兼ねて苦手な台所へ。ことし初の朝食なるものを作って妻に食べてもらった。やはり、彼女には味噌汁が少し濃かったようだ。ただ「作って食べてもらおう」という私の気持ちに少しだけ「許してもいい」と満足そうだった。
 あ~ぁ。眠い。やっぱり何をするにつけても、睡眠第一でいかなければ、と思った次第だ。

【新聞テレビから】
☆『日本を変えるかもしれない女たち VOL.5ー銭湯女子 息づく人情 恋をした』、『生命の星を探せ 自然科学研究機構が本格研究 ハワイに巨大望遠鏡建設』、『繁栄祈り舞う赤鬼 坂部の冬祭り 長野・天龍村』、『〈この人〉第11回300文字小説賞で最優秀賞に選ばれた 波戸与七さん(熊野市、83歳)』(6日付、中日朝刊)
☆『マグロ1億5540万円 大間産222キロすしチェーンが落札 築地初競り仰天最高値 1キロ70万円 昨年の3倍!!バブル懸念の声も』『漁師は1億2千万円ゲット』『大盤振る舞い!1貫5万円が128円から提供』(6日付、中スポ)
☆『「たま」駅長 異例の出世 和歌山電鉄社長代理に=和歌山電鉄貴志駅のスーパー駅長を務める三毛猫「たま(雌、13歳)が5日、同電鉄常務執行役員からナンバー2の社長代理に昇進した」』
『冬山遭難 2人死亡8人不明 引き返す勇気を 「事前調査が大切」専門家』、『新美南吉 生誕100年祝い開幕祭 半田の記念館改装終え再開 子供の踊り、餅まきも』、『警官脅迫3容疑者逮捕 情報漏えい事件端緒 愛知県警』(6日付、毎日朝刊)

一月五日
きのう中日新聞の中でも重要な紙面をうっかり読み落としていた。きょうの夕刊【大波小波】を読んで初めて、その記事の存在に気付いたのである。
あ~ぁ、なんたることか。

 『4日付朝刊の「大波小波80年」という特集記事は充実していた。小生も執筆陣の一人として、ウン、そうなんだと納得した。……(大回転)』(本日付の中日夕刊「大波小波」)の記事に、きのうの朝刊をあらためて開いて見ると、あった!
 それは4日付中日新聞朝刊の17、18ページの見開き二頁を充てての紙面展開で大き過ぎて気が付かなかったのか、と自戒。「時の文人 世を問う」「反骨の筆 今に継ぐ」「大波小波80年」の両面見出しがまさに唸る、といった感じの座談会形式の紙面で八十年の風雪が一読して分かる内容だった。
 もし、本欄〈生きてゆく人間花たち〉をお読みになっている方がいたなら、ぜひ4日付の中日新聞朝刊の「大波小波80年」の特集記事をじっくりと読んでほしい。

 相変わらず寒い日となった。岐阜県高山市では氷点下11・1度の極寒のなか、百七十年前、江戸時代から続く消防出初め式が行われ、北海道の陸別町では実に氷点下30・2度を記録。北見氷点下22・7度、名古屋でも氷点下3・3度、大阪同0・5度だった。北アルプスでは富山県の剣岳で行方不明となったままの東京からの登山者四人がまだ見つからないままでいる、など相変わらず各地の冬山で遭難者が相次いでいる。
 ことしは特に遭難者が多い。

 東京・築地市場できょうの早朝あった初競り。一本二百二十二キロ、とひときわ大きい青森県大間産のクロマグロ一本がナント一億五千五百四十万円(一キロ当たり七十万円)のご祝儀相場で東京のすしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村に競り落とされた、とのニュースには驚いた。競り落とされたこの金額は昨年の三倍に達し、この日築地市場に並んだ二千四百本ほどのマグロすべてが買い占められるほどの値段で、他の取り引き価格への影響が懸念されるという。
 このクロマグロ、計算からいくと一貫5万円で売らねばならないところを、一貫420円でさっそくふるまわれたというが、食べたお客たちは「なんだか一億円を食べたみたい。不思議な気持ちです」と喜んでいたそうだ。

浪速のドラ女教師たちから届いた年賀状

 年賀状の方は、かつてお世話になった中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会員や地球一周の船友を中心に相変わらず、まだまだ届いている。
 「やっぱり、今年もドラゴンズと共に熱い1年にしたいです。週末はナゴヤドーム通いになりそうです。浪速の女教師健在です!」と自らの写真入りで寄せてくれたのは、大阪は淀川区の小学校教師。「昨年秋にセラピー犬に合格した」愛犬の写真入りは、北海道の帯広ドラキチ会の代表余湖敏一さんだ。

詩人の牧さんから届いた年賀状

 そして。【「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ(白水社刊)】。こちらもどうぞよろしくーとは横浜在住の文芸評論家勝又浩さんから、である。
 ほかに「年賀状を出したと思うけど自信が無いのでもう一度出しました。(笑)」と書いてきたのは「熱砂」同人、牧すすむさん。そういえば、私も牧さんに出したとは思うけれど、出してない不安にかられたので「僕も自信がありませんので」と添え書きをして年賀状を手にポストに入れたのである。出したつもりで、まだ出してない年賀状。それも大切なお方なのに。ほかにもある気がしてならない。歳のせいか。

【新聞テレビから】
☆『ドキュWAIV 中東カタール世界戦略』(5日夜、NHKBS1)
☆『衝突4歳児ら3人死亡 1人重体、3人重軽傷 高山の中部縦貫道』『トンネル路面凍結』、『原発新設「時間かけ検討」 首相、容認姿勢を修正』、『(韓国ソウル高裁の)引き渡し拒否「極めて遺憾」首相、靖国放火で』、『一番札「こっちだ!」 熱田神宮で初えびす』(5日付、中日朝刊)
☆『初競り 新年に〝活〟 名古屋・中央卸売市場 マグロずらり700本』『築地クロマグロ争奪過熱 最高値1億5540万円』、『米国防長官後任に (野党共和党に所属する)ヘーゲル氏指名へ』、『ゴジラ(松井秀喜氏)のバット 殿堂へ 米ニューヨーク「気高さに感謝」』、『「真犯人」またメール PC遠隔操作 猫首輪に記憶媒体』(5日付、中日夕刊)

一月四日
 三が日はあっという間に過ぎ去った。
 気象庁によると、きょうは全国観測地点928カ所のうち、803カ所が零度を下回った。なかでも北海道の陸別町ではマイナス28・8度を記録したという。

 まず経済の情報から。
 ことし最初の取引となった東京株式市場。東京外国為替市場の円相場が二年五カ月ぶりの円安水準になったことと、米国の〝財政の崖〟炎上が避けられる見通しになったこともあり、日経平均株価は大幅上昇。一時、前年比で300円を超え1万700円台を付けた。取引時間中としては東日本大震災前の2011年3月4日以来、約一年十カ月ぶりの高値水準となったという。

 この日は被災地、東北の宮古市魚市場でも仕事始めがあり、初売りの内容も東日本大震災前の9割にまで回復、新春早々から各分野で復興の足音が高鳴ってきた感じがする。
いいことである。

 妻の舞はこの日、ウールの着物を着て浮き浮きした表情で「ミヌエット」へ。なんとなく華やかだ。少しだけ若く可愛く見える。あすの新年句会にも着て行くそうだ。やっぱり着物は日本文化そのものである。私の母は、昔はいつも着物ばかり着ていた。

 政治団体「日本未来の党」代表を務める嘉田由紀子滋賀県知事がこの日、県庁の仕事始め式で「代表の役割を後任の方に譲らせていただき、県政に専念できる態勢を作りたい」と述べ、未来代表から退く考えを表明し県民に「心配をおかけしてしまった」と陳謝した。
 大津時代に彼女を知っている仲だけに、残念な気もする。彼女なりにいったんは善かれと思い乗っかってしまった。当初は私も〈平成のジャンヌ・ダルクが現れた〉と、本欄でも大いに期待したのだが。私が取り巻きにいたら、こんな破目にはさせなかったのに。でも、人間、万事塞翁が馬だ。何がどう転ぶか、は誰にも分からない。この苦い体験を好い方に向けてほしい。

 深夜遅く。
 電話とメールをチェックすると、関東に住むドラゴンズの守護神で落合信者の【むさしのガブリ】こと、原田禎知さんから留守電が入っていた。
 「ことしも落合記念館に行き、落合博満さん(前中日ドラゴンズ監督)とじっくり話をしてきました。僕が中日スポーツのファンクラブ通信に書いた記事もしっかり読んでくださっており、うれしかった。大変寒い冬なのでおからだ大切にしてください。今度、発売される本、いまから期待しています。高木ドラゴンズが少しでもいい結果を出せるよう願っています」といった内容で、嬉しかった。
 奥さまもお元気で何より。原田ご夫妻、ことしもドラゴンズをよろしくお願いしますネ!

 日も、時も、一瞬のうちに過ぎてゆくー

【新聞テレビから】
☆『ハウルの動く城(宮崎駿脚本・監督)』(4日夜、中京テレビ〈金曜ロードSHOW〉)
☆『嘉田氏、未来代表辞任へ』『滋賀知事と兼務 批判受け』、『日体大30年ぶり総合V(11時間13分26秒) 予選会から頂点へ 下級生を信じ出直し 4年生 意地の復路』、『遷宮の間伐材 被災地へ 伊勢神宮が提供 旧社殿部材も 東北の神社再建』、『家路 思い出とともに』『空港や駅、Uターンピーク』(4日、中日朝刊)
☆『きんさん復活 ゆるキャラ像に 南区で19日除幕 健康長寿をアピール』、『名古屋城天守閣も木造に 費用調達など市、新年度検討 コンクリ違和感「本物」復元』、『円安が進行 87円台後半 2年5カ月ぶり』『東証一時1万700円台 大発会1年10カ月ぶり高値 「日本取引所」上場』『「弾みの一年に」 名証も大発会』(4日、中日夕刊)
☆『復興応援大河復権 NHK「八重の桜」6日から 2013年のジャンヌ・ダルク 福島「経済効果113億円」』(4日付、毎日夕刊)

一月三日
 木曜日。
 年賀状は、相変わらず思いを乗せ届いている。
 なかに忘れかけていた方からの便りも。ポストまで足を運ぶ。

 日本中がとても、寒い。
 木曽川河畔のこの地方も時折、小雪が散らつく日となった。テレビの報道によれば、北日本と北陸は風雪が強く大荒れのところが相次ぎ、北海道の留萌では午前二時に最大瞬間風速が36メートルにまで達した。

 北アルプス明神岳では二人が雪崩に巻き込まれ行方不明のままだ。西穂高岳でも神奈川の男女3人が標高2800メートル地点で動けなくなり、うち男性一人は心肺停止状態、他の二人は無事下山したという。また秋田と山形にまたがる鳥海山でも、スノーモービルで出かけた八人が下山できないまま、山小屋で救助を待っているという。

 相も変わらぬ年末年始登山さ中の遭難ラッシュだ。ここで思い出すのは、昭和四十年代、松本支局の駆け出しだったころ、年末年始の二週間ほどを北ア上高地の木村小屋に他社のサツ回り記者と一緒に常駐したころの話だ。
 あの時、週刊誌で〝遭難待ち〟の記者たちがいる、と揶揄された日々が懐かしい。みんなでその週刊誌を手に「悔しかったら、おまえら十日間もの間、雪の壁のなかで取材できるのか。してみろよ」と罵り、互いに慰めあったものだ。いったん遭難の知らせが伝わるや、先を競って雪のなかを夢中で駆け回った。下山者に松本まで写真を託し原稿は黒電話をそれこそ他社と奪い合いながら、ふもとの支局に送ったものだ。
 今のように即座に原稿と写真が送れる時代とは違う。パソコンも、携帯電話もないころの話だ。
×        ×

 夜。NHK総合テレビで「福山雅治・最後の楽園を行く」を見たが、福山の前向きなチャレンジ精神と姿勢がよく、彼を見直した。大変参考になる。引き続き見たプロフェショナル、ここでは新春スペシャル「利休が愛した至高の茶わん」の題で四百年の歴史を刻む楽家当主にスポットをあて過去九カ月をかけ密着取材した茶わんに命が吹き込まれ誕生するまでの過程が丁寧に紹介されていたが、これまた新年にふさわしい好企画だった。
 なかでも黒楽茶碗「長次郎」を手掛けた吉左衛門の血をひく十五代吉左衛門の揺れ動く心理、苦悩と努力、繊細な感覚と発想が私の胸に迫った。十五代はそのなかで次のように話しており、その姿勢は私が目指す文学と相通じるものがある。そんな気がした。
―(作品づくりには、いかなる時にも)美と醜さにおさまらない激しさと鋭さ、意志力が必要だ

 かつてテネシー・ワルツが大ヒットし、千万枚以上のレコード売り上げを記録したという米人歌手、パティ・ペイジさんがカリフォルニア州エンシニタスで死去したとのニュースが報じられた。85歳だった。

【新聞テレビから】
☆『米「財政の崖」回避 富裕層増税 歳出減は延期 議会が法案可決』、『〈訃報〉米女性、憲法の男女平等起草 ベアテ・ゴードンさん死去 89歳』『「9条こそ戦争が生んだ真珠」 知人ら「母のよう」』、『PC遠隔操作 「真犯人」が新たに報道機関にメール』、『北ア遭難相次ぐ 明神岳で2人不明 西穂高では3人救助要請』『2人が所属 名古屋山岳会 仲間らが懸命の捜索 「発見できず悔しい」』、『北島康介さんが婚約』(3日付、中日朝刊)
☆『「温首相蓄財」報道 NYタイムズ記者 中国がビザ認めず』(3日付、毎日朝刊)

一月二日
地球一周の船友仲間から届いた年賀状

 ことしも多くの方々から年賀状が届いている。文面は短くとも一枚一枚に近況と「今」の思いが込められており、こうした賀状こそが、後世にその時々の世相と人々の心情を残す最高の文学かと思う。
【賀状文学】とでもいえようか。スマートフォンやパソコンメールがどんどん普及するなか、年賀状だけは人々の心をつなぐためにも、出さざるをえない。そんなふうに感じる。

「明日に向って」。かつての同僚と「熱砂」同人から届いた手づくりの見事な年賀状

 さて。わが家だが。
 ことしも海外を含め、北は北海道から南は沖縄まで多くの方々から賀状が届いた。文面に目を走らせながら、その人の顔がくっきりと浮かび上がる。
×        ×

 「おーい、元気かーいッ。元気ならケッコー。」は名古屋市千種区に住む大先輩。いまだに暴れん坊の私のことを心配してくださっている。

 「ピースボートのお話し聞かせてください」は、春日井に住む将来有望な若者。「野菜づくりにはまっています」は同じ江南に住む高校時代の同級生。「又、どこかで一杯を!」は京都に住む詩人。「毎日、犬に歩かされています。気がつけば帰りの家路はるか遠く…」は、熱田区に住む元整理部の腕利き記者。「山歩き、スポーツジム 時々イッパイーまあやっとります」は、八王子に住む事業も得意だった某先輩支局長。
 端唄仲間だった一宮市内に住む医師からは「今年は息子夫婦と一緒に仕事ができるようになりました」。「実感の無いままに七十の半ばとなってしまいました」は、東京に住む万年青年。「何事も年相応。まあまあの隠居生活です」とは、どこまでもクールな岐阜の大先輩だ。

 「私どもは勇ましい言葉に惑わされず、クールにスマートに老いの日々を過ごしたい」という新聞社の元編集トップは「太平洋の向こう岸の選挙結果には安堵しましたものの、肝心のこちら岸の右方巨大地滑りに目が離せません」。
 元ドラゴンズ社長でその前は編集トップだった新聞記者の大先輩は「波乱の年になりそうですね。もう少し生きて、行く末を見届けたいものです。昨年は世界一周、がんばりましたね。今年は傑作を一つ、ものして下さい。小生も何か書きたいと思っています」と、どこまでも優しい。
 現ドラゴンズ社長で元ニューヨーク特派員、社会部当時の大先輩からは「野球小説でも書いてください。アドバイス、苦情苦言大歓迎です。よろしく」の弁(社長を信じてますから、苦情苦言なんて何もありません)。そして。「そろそろ、この国は高度成長神話と大国主義神話を卒業すべきだと思います。」とは滋賀県大津市から。元さきがけ代表の言である。

山を越え、海を超え、心を乗せて。カトマンズからも届いた(右)

 「北斗」は本年九月号で六百号に到達します。またよろしくおねがい致しますーとは、日本に誇る文学同人誌・北斗の守護人とも言えるある女性から。伊神さん、いつもありがとうーとは、劇団・希望舞台の女性スタッフから。「今年は妖怪から美魔女になりたい」とは、中部ペンクラブと日本ペンクラブに所属する飲み友達、永遠の美少女かつ肉感的有名女性作家だ。
 「お元気ですか? 激しい恋はまだ訪れてはいません…」は名古屋に住む若き女性。「小牧市議会初の女性議長になりましたが(愛知県38市中でも私だけ)改革したいことばかりです。今、伊神氏が小牧支局長だと良かったのに…」とは、小牧時代の〝戦友〟(今の小牧の記者、先日初めて会いましたが、僕よりずっと優秀で心優しい男です。くれぐれもよろしく)。
 「おからだを大事にこれからもどんどん新しい扉を開いてご活躍されることをお祈り申し上げます」とは、女性バイオリニスト。「帰国したら、ぜひ地球一周のお話を聞かせて下さい。それからネパールにも必ずいらして下さいネ。またお会いできるのを楽しみにしています。」とはカトマンズに飛んでいってしまった女性。「舟木一夫氏の事.書いていらっしゃるのですか」は私と同じで熱狂的な舟木一夫ファンの一人でもある福井県の女性。……

 昨年は新聞記者時代の大切な先輩、同僚、後輩たちがバタバタと死んでしまった。
 でも。
―三寒の 別れ四温の 出会いかな
 昨年は親しい同僚や先輩との悲しい別れが続きました。一方で、すばらしい人々との温かい出会いも次々に。人生ってやっぱり「寒」より「温」が一つだけ多いよな。
 そんな気持ちで初春を迎えています。

―とは、小出さん(小出宣昭中日新聞社長)の言である。
 その通りだ。みんな、それぞれの悲しみを乗り越え新たな出会いのなかで生きてゆく。

 というわけで、このままだと際限がない。賀状紹介はここらで終わらせていただく。

 最後に地球一周の船友仲間から届いた賀状にこんなのがあった。
 「笑う門には福が来る」
 笑って、笑って。この一年を楽しく過ごそうよ!
×        ×

 この日、名古屋ではデパートの初売りに松坂屋だけでも十四万人が押し寄せたという。刃物のまち・岐阜県関市では日本刀の打ち初め式があり、北アルプス西穂高岳では相変わらず、遭難が伝えられている。
 被災地では江戸時代から伝わる豪華な景品で知られる【仙台初売り】があり、アメリカでは中間所得層の減税と富裕層への増税案が下院で採決され『財政の崖』からの脱却が期待されている。
 2013年が、いよいよ走り始めた。
 すべての人々に幸あれ! と願う。

【新聞テレビから】
☆『〝和食〟が世界遺産?』(3日夜、NHK総合テレビ)『上川隆也と行く天空のナイトクルーズ! 今夜あなたの部屋が宇宙の特等席に 400キロ上空から超パノラマ夜景を満喫』(3日夜、NHKBSプレミアム)

平成二十五年元日
かがり火を前に新しい年への祈りを込める=古知野神社境内にて

 世界中の皆さま。新年あけましておめでとうございます。
 伊神権太です。
 今年この世から戦争や紛争、貧困、飢餓や災害、病…などの不幸が少しでもなくなり、人々が幸せに過ごすことができるよう祈っています。

 午前零時過ぎ。年が明けると同時に妻の舞とふたりで古知野神社へ。購入したばかりの破魔矢を手に長い行列の一員となって初参りをし、境内で甘酒をいただき、かがり火に当たって帰った。

 午前中届いた賀状を一枚一枚ていねいに読んでいく。案の定出し忘れが多くあり、その場で書いて郵便局へ。本局のポストは、おしくらまんじゅう状態。あふれんばかりの賀状で、中から人々の「おめでとう」の声が聞こえてくるようだった。

 昼からは、長男夫妻らが訪れた。舞が心を込めた手づくりのおせち料理を食べながら、一年を振り返って談笑。わが家の長女猫こすも・ここと次女シロはなかなか相手をしてくれない主人を恨めしげに見ながらふて寝を決め込んだ。

 夕方、そろって科学博士の長男夫妻を駅まで歩いて送る途中、社交ダンスのワルツのシャドーを披露したところ「わぁ~、お父さん。スゴイ」と嫁から褒められ、ついその気になって何度も何度もしてみせる、という醜態をさらけ出した。
さらけ出しながら「日本の知能は、暴れ出した放射能をなぜ、止めることができないのだ。【脱原発以前】に放射能を屈服させ自在に操る術が見つからないものか。人類はすべきことを放棄しているのではないか。科学者という科学者が放射能にひれ伏している。こんなことではダメなんだよ」と心の中で叫んでみる。

 ことしは伊勢神宮式年遷宮の年だ。40年前、志摩通信部兼伊勢支局員のころの〝遷宮取材〟の時の神月は強烈に覚えている。あのときは日本を代表する人間のお供えもの、供奉員(ぐぶいん)を担当した=画面はNHKから

 駅からの帰り道。ふと思ったのは「どうせ、この世は〈シャルウイ・ダンス〉。日々、人前に自分の恥ばかりをさらすもの」といった、半ば居直りに近い感覚だ。とはいえ、「わぁ~、ステキ。ほんとに」などと実感を込めてほめられると本気にしてしまう甘い性格がそのまま出てしまい、歩きながら何度も何度もシャドウダンスを繰り返してみる。バッカじゃないか。
 というわけで、帰宅しても猫たちは私を完全にバカにして無視した形。正月早々から怒ったような顔をして布団やカーペットの上でふて寝を決め込んでいた。

 やはり、わが愛する母の言う通り、正月よりも「普通の日」の方が良い感じがする。
 長男は彼なりの責任感からわざわざ遠いところを来てくれた。でも、夫妻ともに研究や大学での講義、学会、海外出張などで超ハードな職場だ(とはいえ、二人とも仕事が大好きなようで忙しいなどとは言ったことがなく結構、楽しそうだ)。せっかく休めるいいチャンスなのに、とナンダカ悪い気がしてしまう。
 この点、次男は親を突き放して、冷たく、割り切っている。「きょうは〝(仕事が)平常運転なのでこれない〟」とあっさりしたものだ。でも、案外、兄に花を持たせようとしているのかもしれない。あれでも優しい子だからだ。

 これは、私の若いころと同じで兄貴は長男の義務と責任感からか、いろいろ両親を気遣っていたが私はとなると、いつも勝手のし放題だった(舞に言わせれば「今も」だそうだが、そうかもしれない)。当時はそれほどまでには思わなかったが、今から思うと随分、両親に心配をかけてきたらしい。

×      ×
「高校三年生」の歌詞と当時の舟木一夫さん=いずれもNHKテレビ「思い出のメロディーと私」から

 昼間、NHK総合テレビの「思い出のメロディーと私」の番組で舟木一夫さんの青春歌謡「高校三年生」を扱っていた。彼は私より二つ上。「高校三年生」といえば、私が高校三年生の時に大ヒットした。あげくに、あの時は時計台があるわが母校・滝高校で『高校三年生』の映画ロケが行われ、生意気盛りだった私は柔道着に黒帯姿で腕を組み校内の自転車置き場でなんども繰り返される彼をはじめとしたロケハンを目の前に「フンッ、」といった気持ちでその模様を見ていた。このことは、後に私が文化芸能局の部長当時に舟木さんに思い出話として話しをさせていただいた。
 高田美和、姿美知子、倉石功……当時としては、きらびやかな青春俳優たち。
 ただ「高校三年生」の歌は、あのころから大好きでその後は何度も何度も歌った。♪赤い夕陽が校舎を染めて…、と歌いながらわが母校の時計台バックの空を染めた赤い夕陽の見事さにも、それこそ幾度か感動したものである。いつだって多くの友だちを思い起こさせてくれる歌である。

 あの日々から四十九年。私の心はいまだに青春歌謡そのものである。学園広場とか絶唱、カトレアの花、仲間たち…、といった歌は今でも時折、口ずさんでいる。青春は年とは関係ない。私はいつも、そう思う。青春って。若い、新鮮で清らかな心そのものなのだ、とー。

一年が明けたところで、きょう正午のNHKニュースの重要なひとコマをここに掲載しておこう(画面は、いずれもNHK)。


【新聞テレビから】
☆『思い出のメロディーと私~高校三年生』(1日付、NHK総合)
☆『被災地2度目の年越し 復興を再び誓う除夜の鐘』『1年9カ月ぶり 実家で新年祝う 福島の避難区域』、『〈日本を変えるかもしれない女たち〉 VOL.1ーミソガール 食生活 マメに美しく ]』、『〈犠牲の灯り第1部「ちむりぐさ=他人の痛みを自分の痛みとする意の沖縄言葉=」1序章〉 沖縄と福島通じ合う 不敗、安全「神話」の果て』、『トヨタ人工知能 宇宙へ』『おしゃべりロボ 若田さんの相棒に』、『「財政の崖』最終協議へ 米上院与野党』、『笹子トンネルで連日の追突事故』(1日付、中日朝刊)
☆「健康長寿ご一緒に 弥富生まれ 七福神きょうだい 合計570歳」(1日付、中日・正月愛知特集)
☆『我が家で新年 2年ぶり笑顔 福島・川内村 5泊限りの特例』、『「支え合い困難克服を」 天皇陛下年頭の感想=♪手術せし我が身を案じ記帳せるあまたの人の心うれしき(天皇陛下、〈心臓手術のため入院〉)♪今ひとたび立ちあがりゆく村むらよ失せたるものの面影の上に(皇后陛下、〈復興〉)』(1日付、毎日朝刊)

13年1月2日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

一月三十一日
 早いもので、ことしも早や一カ月が過ぎた。

 久しぶりに再会した第76回の地球一周の船友たち
 

 誘われて、昨年の102日間地球一周第76回ピースボートの船旅に参加した東海地方の仲間有志の集いに誘われ、名古屋に出向いた。午前中、手の離せない用事があり午後三時過ぎ、「それでもいいから。みんな待っているから」の言葉に甘え、大幅に遅れて名古屋へ。錦での食事会は既に過ぎたあとだった。
 それでも、陽気で温かい仲間たち五人が岐阜、三重両県からの女性も加わって、わざわざ栄の県芸術文化センター近く、テレビ塔前の喫茶店で待っていてくださり感激した。それどころか「もう1軒、いいところがあるので飲みにいこうよ」と世話役を買ってくださった和船ヨット「おと丸」の船長・林隆則さんらに誘われ、喫茶店の後はみんなで名鉄瀬戸電に乗り、瓢箪山へ。駅近くの、いっぷう変わった居酒屋「夢十屋」へ、と繰り込んだ。

 この「夢十屋」。たとえは悪いが、奥まった中は一見して座敷牢みたい。ナントモちいさな店内で互いに膝突き合わせてお酒を飲む、といった屋台の屋内版といったところか。きょうは本来、木曜日で定休日のはずのところを、馴染みの林さんのいわゆる〝顔きき〟で、特別に開店していただいたという。
 店の御主人・仲野さんのつま弾くギターの調べが、また、天下一品だった。みんなで葱のテンプラや串焼きなど奥さま自慢の手料理ばかりを酒の肴に〈宗谷岬〉や〈知床旅情〉〈悲しい酒〉〈別れの一本杉〉〈百万本のバラ〉〈星影のワルツ〉…などを歌い、楽しくにぎやかなひとときとなった。

 ギターを弾く仲野さんと、店内一角に掲げられた【運根鈍】と書かれた仲野さん自筆の表札
 

 

 最後は主人の弾くギターの音に合わせ「吾亦紅(われもこう)」と「高校三年生」をみんなで合唱し、また会う約束をして別れたのである。みんな、イイひとばかりだ。
 失礼とは思いつつ、遅れても出かけてよかった。ただ定刻の午前十一時までに行っていたなら、船内での社交ダンスの恩師である後藤京子先生にもお会いできた、と思うとチョッピリ残念。もしかして、多少なりとも待たせてしまったとしたなら、お詫びのしようもない。

 きょうは朝からわが家の電気の使い過ぎもあってか、電源のブレーカーが突然、バシャリと落ち、その瞬間、すべてが消え、それこそ何もできなくなってしまい、電気のありがたさを痛いほどに思い知った。幸い、中電さんに電話し、あれこれいじくっている間にブレーカーが戻った時は、心に花が咲いたような、そんな気がしたのである。妻と一緒で電気がご機嫌ななめになったら、生活は一瞬にして滞ってしまうことを身に染みて感じた。

 このところのニュースで腹立たしく感じるのは全柔連(全日本柔道連盟)の、あの対応のお粗末さである。言わずと知れた、ロンドン五輪代表を含む女子選手十五人が日本オリンピック委員会(JОC)に柔道女子日本代表に関わる稽古での暴力、パワーハラスメントで告発された園田隆二代表監督を戒告処分としたものの、留任の方針を示した、そのお粗末さに対して、である。
 私自身、中、高、大学と柔道一直線で、十八歳のとき講道館柔道の実力三段を取得。かつては寝ても覚めても柔道に打ち込み、ユニバーシアードの選考会で東海地区の軽量級代表選手にも選ばれるーなど柔道界の汚点は他人ごとではないだけに、今回の暴力事件は信じられない。許せない。
 殴っている暇があるなら、なぜ「正座」をさせ、精神統一をさせなかったのか。〈柔よく剛を制す〉〈精力善用 自他共栄〉の精神は一体、どこへいってしまったのか、情けない限りだ。そっこく首にすべきだ。

 日本柔道のために日々、一生懸命柔道の稽古に励む女性たちに、びんたを張ったり、足で蹴るなんて野蛮なことは、とても考えられない。幸い、夜のニュースによれば、園田監督は辞意を表明、二月一日にも進退伺を全柔連に出す意向のようだが、私に言わせれば「遅すぎる」のひと言に尽きる。
 おまえは、それで柔道人なのか。柔道をこよなく愛する人生の先輩の一人として、【イチからやり直せ】と厳しく糾弾したい。神聖なる黒帯も返上させるべきだ。

【新聞テレビから】
☆『原発避難の男性孤独死 死後1カ月 東京の公務員宿舎』、『「JОCが調査を」 柔道暴行 文科相、他競技も対象』、『警官不祥事 過去最多 懲戒免62人、逮捕93人』『愛知県警 逮捕者5人 生活把握し防止図る』(31日付、中日夕刊)
☆『イスラエルがシリア空爆 「化学兵器製造」施設か』、『「逃げる日本人射殺」 日揮現地従業員 バス襲撃を目撃 アルジェリア事件』(31日付、毎日夕刊)
☆『首相、国会で改憲表明 発議要件緩和「まずは96条」代表質問』、『大津(皇子山)中2自殺 いじめが直接的要因 「予見できた」第三者委が結論』、『全柔連 監督新たな処分も 暴力問題、戒告計6人』『柔道女子告発 監督続投歯切れ悪く 全柔連、JOCが謝罪』『「目を見れば暴力いらない」 ロンドン「金」松本選手 小中時代の恩師』(31日付、中日朝刊)
☆『「アンカツ」引退 笠松が育ててくれた 地方競馬の繁栄願う』、『女子柔道告発 園田監督 続投方針 全柔連「本人反省している」』『9月通報非公表 処分身内に甘く』(31日付、毎日朝刊)

一月三十日
 ♪昇る勢い龍神追って蛇も思案のとぐろ巻く(石川雅子)
 ♪初春だ小雨だ着物で行こう差すでもない手に蛇の目傘(三遊亭小金馬)
 ♪へべれけべろべろぐでぐでぐでん五軒六軒酒の旅(佐藤俊亮)
  =いずれも〈街歌しぐれ〉新春第681集・新春吟より抜粋

  東京・台東区在住の都々逸ペンクラブ「しぐれ吟社」発行人、吉住義之助さんから小冊子〈街歌しぐれ〉新春第681集(35頁)が郵送されてきた。見ると681集には、昨年十一月二十三日に東京・文京区の湯島天満宮で開かれた「しぐれ吟社創立七十五周年記念歌会」の際の秀作ばかりが宿題、席題別に選者ごとに網羅されていた。

 ♪背中流そか湯加減どうだ母ちゃん覗くな何べんも(愛、宿題『湯』西潟賢一郎選)
 ♪朱鷺にとき色夕焼け小焼け佐渡の景色が生き返る(秋霖、宿題『島』福島久子選)
 ♪天まで届くか産声高く元気が未来を背負って立つ(ひろ子、宿題『天』谷口安閑坊選)
 ♪結婚結構一応祝辞興味満々離婚劇(のぎり、宿題『満』鈴木秋霖)
 ♪御宮参りの想い出語る八十路過ぎてる三姉妹(美和、席題『宮』吉住義之助選)
 といった具合でどれもこれも力作ぞろいだ。 

 この〈街歌しぐれ〉、実は【昭和十二年(一九三七年)十一月に、東京上野駅南口ガード下の「勘兵衛酒屋」で出席者十九名、投吟七名(うち同人・杉原残華・加藤辰巳・天江富弥・吉住福次郎・佐々木草吉の五名)で第一回しぐれ歌会を開催してより七十五年・その間に長期に亘る戦争・敗戦・戦後・復興・バブル・崩壊・不景気…と目まぐるしい世相の変遷に揉まれつつも、節目節目には記念歌会を開催して来たしぐれ吟社で、今回安閑紡さんのお言葉もあって、都々逸碑建設四周年記念全国大会と、東京文京区の湯島天満宮(湯島天神)参集殿で共催する形を採った。】(吉住義之助さんの『しぐれ吟社創立七十五周年記念歌会の記』より、原文通り)とのこと。

 吉住義之助さんといえば、日本の都々逸界を引っ張る牽引車的存在だけに、こうした地道な小冊子〈街歌しぐれ〉は日本文化を継承していく面でも価値あることだと思う。吉住さんご自身も、長年の街歌しぐれの発行理由について【日本が誇る二十六文字の即興歌を根絶させたくないからという望みと、私ども自身、歌を作ることによって人間性の完成へ精進できるという喜びを併せ持っていたからである。おこがましいが二十六字詩・都々逸船の乗組員の一人として楽しく、うれしく生活の中に歌を溶け込ませていきたい、と思っている。】(同記念歌会の記から)と述べられているのである。
 ちなみに、都々逸は一般に7、7、7、5だが、5字かぶりをつけると計31字になる。

 都々逸といえば、かつて新聞社のデスク長当時に中日新聞の夕刊特報面で読者から募った名作の数々を紙面一角に短冊形として長期間、連載したことがある。あのころは、集まった作品の中から毎日一編を都々逸漫談で知られた柳家小三亀松師匠(故人)に選んでいただき、それを紙面化。大いなる反響を呼んだ。
 当時、NHKラジオでは〝折り込みどどいつ〟の旗手・中道風迅洞さんの都々逸講座が人気だった。で、吉住義之助さん、小三亀松さん、そして風迅洞さんに東京で集まって頂き、都々逸談義を語り合ってもらい紙面化、読者の間で大反響を呼んだ日々が、ついきのうのようでもある。
 都々逸は短詩型文学の一つでもある。都々逸そのものは名古屋の熱田区で生まれ関東地方で広がった。ために「名古屋で生まれ、東京で育った」とはよく言われるが、郷土自慢でもある都々逸は、これからも大切にしていきたいものだ。 

 文学といえば、二十六日午前二時三十五分、戦後「第三の新人」を代表する作家、安岡章太郎さんが東京の自宅で、老衰で亡くなった。九十二歳だった。
 中日新聞はけさの評伝で【戦後の喪失 弱者の目で 「タヨリない」精神を問う】と、いい点を論じていたが、同時に中部の文芸関係者の談話を拾った点で評価してよい。「私小説的な〝弱い〟文学だが、戦後派作家の〝強い〟文学が主流の中で、自らの弱さを発表するのは逆の意味で力が必要だったと思う」(三田村博史さん)という視点は、なるほどと頷かせるものがあった。

【新聞テレビから】
☆『資産家事件 知人の男自殺図る 遺棄容疑逮捕状 夫婦を誘い出す?』『柔道女子代表「暴力」 園田監督を戒告、続投 全柔連謝罪、5件把握』、『安藤勝己騎手(アンカツ)が引退 「納得いく騎乗できず」』(30日付、中日夕刊)
☆『若者絶賛 自作「ヨイトマケの唄」「歌う美輪さん」衝撃 「レジスタンス」に共感?』、『アジアゾウ赤ちゃん誕生 東山動物園で初 体重130キロ』(30日付、毎日夕刊) 
☆『安岡章太郎さん死去 第三の新人「海辺の光景」92歳』、『柔道女子 「五輪合宿 監督ら暴力 15選手、JОCに告発』、『景気・国防際立つ 13年度予算案決定 「15カ月予算」で102兆円 国・地方 借金1000兆円迫る』、『トヨタ労組 一時金200万円超要求へ 業績改善、5年ぶり水準』、『資産家事件 遺棄容疑で男逮捕 宮古島に潜伏 数人に逮捕状』『日欧行き来し活躍 霜見さん』(30日付、中日朝刊)
☆『スーチー氏、朴氏会談』、『食事は残すべからず… 習近平総書記 党幹部に指示』、『アレッポに多数死体 「100人超」政府軍虐殺か』(30日付、毎日朝刊)

一月二十九日
 「愛知県下の30の高校で52人の教員が体罰をしていた」「アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた人質事件で、武装勢力メンバーの親族が事件前、施設内で勤務しており、こうした内通者から情報を入手していた」、さらには「疾走していたスイス在住の資産家の日本人夫妻が殺されたらしく、遺体が埼玉県久喜市内で見つかった」など。
 各メディアのニュースを聞くにつれ、心は塞ぐ一方だ。
 
 デモ、そんな暗いニュースばかりのなか、きょうは私の気持ちが晴れやかに全開するほどに嬉しい話が降ってわいた。
 その一つは、私がある連絡で送った船友へのメールに対する返信で、「今ベトナムにいます」というものだった。彼女は昨年のオーシャンドリーム号による102日間地球一周の船旅で大変、お世話になった親友の一人だ。なんと今度はベトナムからの便りである。

 私が国内で平々凡々たる日々を過ごしている間に、彼女は地球一周の船から降りたあともヨーロッパからアジアへ…と、どんどんと未知なる国を積極的に歩き視野を広げている。その行動力たるや、見上げたものだ。一方で私の方が「大きく水を空けられてしまった」ような、そんな不思議な感情にとらわれもする。
 それはそれとして、いまは果敢な精神を称えて無事、日本に帰ってくるのを祈ろう。

 誰かさん? に両耳を下げられ、より可愛くなった【福ちゃん】、後ろはテレビの画面
 

 もう一つ。夕食時にハッと、気がついた。
 きのう、わが家族の仲間入りをした【福ちゃん】猫人形の両耳が知らぬ間に垂れ下がっているではないか。犯人は、やはり妻の舞で理由は「この方が可愛いのだから」の弁。彼女らしい〝強行犯〟である。が、見方によれば、それだけ【福ちゃん】が可愛がられている証拠か。事実、【福ちゃん】には、いつの間にか座蒲団まであてがわれたようだ。

 きのうは体調が悪くて食欲もなく、話すことさえつらそうで完全にダウンしていた舞。元気がなくて家族みんなを心配させていた。そんな彼女も、今朝は気力を振り絞ってリサイクルショップ「ミヌエット」へ出かけて行った。
 昼間、栄養剤やチョコレートを差し入れするも、まだまだ元気がなく気になってはいた。でも、夕方帰った時には店を訪れてくださる〝ミヌエット女子会〟の心優しき支援部隊のおかげもあってか、少しは元気を取り戻してきているのがよく分かった。
 きのうは全くなかった食欲も少しずつ出てきたようで、この調子で回復してくれたら、と願っている。

 いずれにせよ、このところの舞の体調不良はやはり、寒さと無理し過ぎの両方だと思う。何と言っても現役パリパリの〝わが家の親分さん〟なのだから。大事にしなければ。猫も含め家族みんなが心配する。
 
【新聞テレビから】
☆『神様のくれた赤ん坊』(29日夜、NHKBS1)
☆『〈メディア観望〉みんな悩んでいる(特別報道部・田原牧)』、『失踪の資産家遺体発見 埼玉 妻とみられる遺体も』『資産家遺体 ファンド創設巨額利益 不動産複数「年収5億円」』、『池田小元児童 亀山で展示へ 命を伝える私の約束 三重大・木伏(阿美)さん 今春から教員に 「悲劇 忘れないで」』、『(フランスのリヨンで開かれた各国の菓子職人が団体戦で腕前を競う)製菓大会(で)日本が銀 フランス名古屋勤務の職人ら』(29日付、中日夕刊)
☆『定昇維持で労使攻防 トップ会談 春闘スタート』、『きんさん桜・ぎんさん桜 立派に育ち(笠寺)公園へ移植』、『〈こうみる王羲之〉書を思想にした男 俳優片岡鶴太郎さん』(29日付、毎日夕刊)
☆『〈見極める 安倍政権〉シンプルだが「痛み」隠し 再登板の首相 所信表明変化 高瀬・名古屋外大教授が分析』、『内藤さん卒業文集「無益な戦争早くやめて」  「世に何か伝えてくれた」 豊橋で告別式 母親が心境』(29日付、中日朝刊)
☆『〈クローズアップ〉アルジェリア事件 内通者警備の盲点 和解路線に批判』『テロへ怒り強く 攻撃支持が大勢』『パイプライン襲撃2人死亡7人負傷 イスラム過激派』、『クリントン長官 再出馬否定せず 16年米大統領選』(29日付、毎日朝刊)

一月二十八日
 【福ちゃん】が、家族の仲間入りをした。
 【福ちゃん】とはいえ、ぬいぐるみの、ふつうの猫よりはひと回り大きい可愛い猫ちゃん人形だ。たまたま実家近くのイオン扶桑店の縫いぐるみ売り場一角に〝福〟と書かれた赤い首輪をして置かれていたため、なんだか〝運〟が開くような気がしたのとウチの猫ちゃん二人の友だちにでも、と思って購入し、名前は私がさっそく命名した。
 この猫ちゃん人形、色といい赤い首輪といい、ウチの次女猫シロちゃんにそっくりである。

 なんだか、よく似ているわ、と興味津々の次女猫シロちゃんと家族の仲間に加わった【福ちゃん】
 

 【福ちゃん】と今日、ある日突然の如く運命的な出会いができたのは、母がいたからだ。 
 というのは、きょうは昨春、自転車に乗って農作業から帰る途中、交差点で車にはねられ一時重体に陥りながらも、救急車で運ばれた病院の的確な判断と顔面部分と口腔内の大手術で奇跡的な回復を遂げた満92歳の母の定期受診に私が同席したからだ。
 【福ちゃん】は、病院からの帰りに二人で入ったイオン扶桑店でたまたま見つけた私がとっさの判断で購入したのである。首に〝福〟と書かれた赤い首輪をした白い猫ちゃん人形。それも一体だけが目に入った瞬間、私は「これだ。先に買わねば」と判断し、その場で購入、彼女? の身許引受人となったのである。

 「あぁ~、助けてぇ」。新しい仲間に、まんざらでもなさそうな長女猫こすも・ここ
 

 自分の母親のことを言うのもなんだが、母は元々美しいだけに、その容貌が落ちるといけないと一番心配したが、そこはどっこい以前と少しも変わらないまでに回復。きょうの診察も担当の口腔外科専門の女医・勝俣さん自らが、いつものように、とても優しく診察してくださっただけに、母はとても満足そうだった。
 勝俣医師は「順調ですよ。下の入れ歯のかみ合わせが良くないみたいですが、その部分は調整させていただきましたから大丈夫。炎症などもなく心配ありません。次回は事故に遭われ、ちょうど一年になる三月二十六日を診察日として良いですか。手術したカ所をもう一度、レントゲン撮影し確認後は、あとは半年に一度、入れ歯を見せていただくだけでいいです」と話してくださり、母も私も納得。

 診察のあとイオン扶桑店内レストラン街で食べたのが、このところ人気が高まっているNHKの大河ドラマ〈八重の桜〉にゆかりの『会津八重の華やか御膳』なる料理だった。母には少し多すぎると思ったが六割方食べてくれ、残りのテンプラなどは江南市内の実家まで持ち帰った。

 会津のソース味について書かれた説明書き
 

 店内でエレベーターに乗った際、四十歳前後の女性と会話が弾んだので念のため「いくつに見えますか」と母のことを聞くと「八十歳ぐらいですか」の返事。これには母も「お上手をいってくれているだけだよ」とは言いながらも嬉しそうだった。私に言わせてもらえば「八十ぐらい」とは図星で、よく見ていてくださっているナと思ったのだが。それとも、マザコンの私の目には本当の母の姿が見えなくなっているのか。
 この日、病院からイオン扶桑店まで車で移動する合間には、近くの畑まで一緒に行った。畑では、母が自分でつくったダイコン四、五本と白菜一個を抜いて「土産に」と渡してくれたが「幸せ、って。こういう何でもないことを言うんだろうな」と、ふと思ったりした。

 天気はいいが、きょうも、とても寒い一日だった。
 妻の舞は気持ちが悪いから、と外出先から帰ってからは一日中横になったままで少し心配だ。彼女の場合、そっとしておいた方が良いのでそうしているが、早くよくなってほしい。

【新聞テレビから】
☆『エジプト非常事態宣言 暴動激化 3市に夜間外出禁止令』『「強い経済」へ決意 所信表明首相、原発触れず』、『ふるさとを力に 直木賞を受賞して 安部龍太郎』(28日付、中日夕刊)
☆『〈寄稿 黒田夏子〉芥川賞に選ばれてー「龍之介は好きですか」』(28日付、毎日夕刊)
☆『(元小結)高見盛引退 角界の人気者諦めも笑顔』、『岐阜知事 古田氏3選 鈴木氏に大差投票率最低33・92%』、『生活保護8月から減額 3年間で850億円削減 政府決定』、『情報収集(鹿児島県種子島宇宙センターから)衛星打ち上げ H2A 地上監視4基体制に』、
『日馬 全勝V3度目 賜杯41日場所連続で外国出身力士』、『クラブで火災 245人死亡 ショーの花火が引火か ブラジル南部』(28日付、中日朝刊)
☆『女子高生「リフレ」初摘発 労基法違反容疑 秋葉原など都内17店』『「足もみ」オプションで「ハグ」「馬乗り」』、『通常国会きょう召集 安倍首相、初の論戦へ 6月26日まで』、『参院選205人出馬準備 ねじれ解消が焦点』(28日付、毎日朝刊)

一月二十七日
 名古屋駅近く「つちやホテル」であった中部ペンクラブの理事会に出席、第28回総会・講演・中部ペンクラブ文学賞受賞と出版を祝う会を6月16日午後、名古屋市千種区のルブラ王山で開くことや、中部ぺん20号と文学賞受賞作品合評会、秋の文学散歩、その後の文芸セミナーなど一連の年間スケジュールにつき熱心な討議が交わされた。

 いつも思うことだが、私も属するこの中部ペンクラブは一種独特の雰囲気がある。外に向かって、というよりは内向的個性文学集団の集まりともいえようか。三田村博史会長はじめ、一人ひとりを挙げれば、みな〝一家言の持ち主〟ばかりであることが面白い。毎度思い出したように言うが、中ペンに属する同人誌集団は一つひとつが日本文学の宝と言っても良い。みなさん、それぞれに真剣だ。
 私自身、こうした理事会に出させて頂いて、日本の同人誌からの文芸復興はこの東海地区から狼煙が揚がる、と信じている。その意味でも中日新聞夕刊文化欄で1月11日付から始まった週一回掲載の〈東海の文学風土記(三田村博史)〉は好企画で、この地域の文芸を見直し復興する面でも大変価値あることだと思っている。

 この日、理事会の討議で各理事の発言をじっくり聴いていると、バラバラのようであってそれぞれに〝強靭なる誇り〟のようなものが感じられ、そこいらあたりのチョット出の流行作家よりは皆さん実力的にも上で、それぞれに年輪を経た重みが感じられるのである。(チト褒めすぎか? でも、みなさん、文学に対する情熱はすごい。ビンビン伝わってきた)。

 そこで言わせてもらえば、望むらくは10代~2、30代の若手がどんどん加わってくれれば、鬼に金棒といったところか。今後は若者向けの中部ペンクラブ独自の賞を設けることも必要かもしれない。当然、それだけレベルも向上する、と思うのだが。(わが「熱砂」には若きホープがいます。じゅん文学となると有望な若手キラ星の如し、です)

 で、理事会のあとは中部ペンクラブの女性陣を代表する〝顔〟と言っても良く、八千草薫さんそっくりの石川好子さん(文芸「きなり」)はじめ、ドラゴンズ大好き人間で〝落合信者〟でもある桑原加代子さん(「峠の会」)、石川さんの若いころを彷彿させる臼田慶子さん(文章工房)と喫茶店へ。
 つい最近、突発的に発生したという、ある【押しかけお招き合評会】での秘話、いやH子さんの武勇伝、とんだハプニング(騒動?)などについて文学を進めていくうえで〝大切な心〟とは何かについて真剣に話しあい、ひとときはアッという間にすぎていったのである。ここでも、皆さん〝一家言〟お持ちで中部ペンクラブは人材に恵まれているな、と思った次第だ。

 帰宅してからは、このところの無理もたたってか。さすがに少しだけ疲れ、自室で愛猫こすも・ここと熟睡とあいなり、途中目覚めて原稿用紙ならぬパソコンにこうして向かっている。

 夜。たまたま目にしたNHKのサンデースポーツで、あの桑田真澄さん(元巨人投手)が東大野球部の特別コーチに就任した、とのニュースが報じられていた。
 桑田投手といえば、私がかつて新聞社の七尾支局長当時の昭和六十年代はじめ、和倉温泉の旅館「加賀屋」の小田社長からじきじき電話が入り「ガミさん。桑田が来ている。取材してやってほしい。いい若者だよ。王さんも来ているから」とよく電話が入ったものだ。
 そのつど支局の記者を取材に出向かせた、あの日々が懐かしい。あの若かった選手が人間・桑田としてここまで大きく成長するとは。きっと人知れず努力してきたからに違いない。
 桑田や伊東ロッテ新監督の話を聞きながら、「やっぱりスポーツはいいな」とつくづく思う。

【新聞テレビから】
☆『〝伊東流〟ロッテ再建策 シーズンを戦い抜く体力』(27日夜、NHK総合〈サンデースポーツ〉)
☆『ひつぎに悲しみの花束 アルジェリア事件 犠牲者全員が帰国』『内藤さん 無言の帰宅 豊橋』『「軍事作戦で死亡は残念」首相』、『教諭体罰も「いじめ」 重大事案に報告義務 自民対策法案』、『日馬富士が横綱初V 大相撲初場所』、『奈良・若草山焼き 冬空焦がす鎮魂の炎』、『東海平野部も積雪 岐阜市7センチ 名古屋1センチ』(27日付、中日朝刊)
☆『豊川工陸上部 監督、体罰12人に 昨年4月以降 うち2人転校・退学』、『Sストーリー 次世代担う覚悟―小泉進次郎氏と細野豪志氏』(27日付、毎日朝刊)

一月二十六日
 寒い一日だ。なぜか、昔流行った吉永小百合さんの〈寒い朝〉が思い起こされる。

 正午のテレビニュース(NHK)のトップは、このところ朝、昼、晩と連日トップで報道され続けていたアルジェリアの人質事件ではなく「日本海側を中心に雪」「山沿いを中心に今後大雪になる可能性がある」というものだった。アルジェではなくて、なんだかホッとはしたが、雪のニュースとて尋常ではない。
 ことしの、この寒さは一体何奴なのだ。室内にいて、石油ストーヴはむろんのこと暖房もしてあるはずなのに…。やはり、寒い。それとも誰かさんが言うように「歳を重ねた分だけ、年々寒く感じるようになってきたのだろうか」とも思ってみるのだが。いやいや、そうでもなさそうだ。わが家には、ちいさい子どもが居ないので聞くことは出来ない。子どもたちは白い雪を見て、やっぱり喜んでいるのだろうか。

 テレビ画面からは「けさ、稚内では最大瞬間風速が29・8メートルとなり、稚内空港が閉鎖されました」「北日本から西日本の山沿いが大雪となっています」「岐阜県白川村で127センチ、新潟県上越市で112センチの積雪です。静岡県でも初雪が降りました」「北陸地方の沿岸部では風速20メートル以上の風が吹いており、積雪も90センチに……」
 映像とともに断続的に流れてくる寒い日を象徴するアナウンサーの声。画面を見やりながら「これで本当に地球温暖化が進んでいるのか。大自然がチッポケな人間たちのやることなぞに負けるはずがない。これ皆すべて、ニンゲンたちへの挑戦ではないか」といった不思議な感情が頭をもたげてくる。やはり、私たちは〝見えない神の手〟によって、されるがまま生かされているのだ。自然には、ひれ伏すしかない。

 雪のニュースのあとは、やはりアルジェリア人質事件に関するものだった。いつも指にしていた妻から贈られた結婚リング。その命と同じく大事だった指輪が遺体確認の決め手になり、最後に死亡が確認された日揮前副社長で最高顧問だった新谷正法さん(66歳)の帰国だった。
 悲しさまでが雪の上に音もなく降り積もっている。この地方も、雪が舞っている。
        ×        ×

 朝。カルチャーラジオで「啄木再発見」を聞く。金田一京助ら啄木を支えた周りの人々の話に始まり、啄木の妻・節子が嫁ぐにあたって述べた言葉【わが望みのすべては君なり】には「あぁ~、そうだったのか」と、その純な気持ちに感動した。
 そして。きょうの私は、と言えば、だ。ここ数日間と同じように、ずっと新作小説三篇のゲラとにらめっこで自分ではまだまだ自信があるはずの目が疲れ、一時は何やら目の上に二重の膜がかぶさったような感覚になった。さすがに疲れたので、いったん撤退し寝ることに。それでも書かなければ、と深夜未明にこうして再び起き「たとえ1行でもよい。わが日記文学を途絶えさせるわけにはいかない」と、眠い目に謝罪しながら、こうしてペンを走らせている。

 きょう気になったのは、一部新聞が伝えていた「マリ武装勢力 分裂」「一部が交渉呼びかけ」(讀賣)といった記事で、それによると「西アフリカ・マリ北部を実効支配するイスラム武装勢力『アンサール・ディーン』の1部メンバーが24日、声明を出し、組織を離脱して新組織『アザワド・イスラム運動』を結成した」という。仏軍による軍事介入など今回人質事件の発火点ともなった〝マリ〟の国内が、かなり混乱、なんの罪もない一般市民が戦禍を逃れようとして右往左往している様子がよくわかる。
 そして、もう一本。中日新聞朝刊5面の編集局デスク欄『「道は遠くとも」(編集局次長・真能秀久)』である。そこには9・11の直後に真能記者が米国の歴史学者アーサー・シュレシンジャー氏から直接聞いた言葉「テロ組織が降伏することはありえない。長い時間がかかるが、新たなテロリストを生まないように努力する」が復唱されている。あとは中日新聞を読めば分かる。

 というわけで、きょうのところは、このあたりで筆をおく。眼の痛みも書いているうちに少しは取れてきたようだ。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア 最後の遺体帰国 内藤さんは実家・豊橋へ』『邦人人質過酷な処遇 「頭に銃を突き付け連行」 入り口近くに居住、被害拡大?』、『ビキニと福島つながっている 第五福竜丸 元乗組員の警句 展示に500万人、(都内の中学校で)講演を再開』(26日付、中日夕刊)
☆『現場支えた熟年技術者 世界渡り歩く貴重な人材 アルジェリア事件』『【ディアバル(マリ中部)服部正法】過激派支配深い爪痕 彼らは町ごと人質にした』、『さらば「三宅坂」 社民党本部が引っ越し』(26日付、毎日夕刊)
☆『生死分けた「紙一重」 銃声自室で1日身潜め、顔隠し脱出 アルジェリア事件生還者証言 現地スタッフ機転』『「ぶん、帰ってこい」 内藤さん母ら遺体に叫ぶ』、『〈諏訪湖御神渡り〉 「恋路」今年は吉兆』、『豊川工陸上部監督が体罰 愛知県教委 指導自粛を指示 高校駅伝の名門』(26日付、中日朝刊)
☆『安倍首相インタビュー 危機管理「官邸に集約」 NSC(国家安全保障会議)法案 通常国会提出も』、『(アルジェリア人質事件で)川名社長一問一答 「彼らを誇りに思う」』(26日付、毎日朝刊)

一月二十五日
 きょうの昼。冬の空を仰ぐと、どす黒い雲が少しずつ動いていた。雲を動かしているのは、アルジェリアの人質事件で命を落とした人たちのような気がしてならない。雲を少しでも、どかして青い空にしようとしてくれている。私は、その空に向かって目を閉じ手を合わせた。

 「とても悲しい。つらくて、つらくて、つらくて。本当に残念だ。皆、有能なスタッフばかりでした」(日揮の川名浩一社長)。現地駐在員たちを亡くした気持ちは、いかほどだろうか。もはや言葉には言い尽くせない。
 私には空に浮かんだ黒い雲の、その向こうで亡くなった十人が元気に船の櫓(ろ)を漕いでいるような、確かにそんな音が聴こえてくる。たとえ音には、ならなくとも。「でも、負けないから。負けない。負けません」といった声が音聴となって全身について離れないのだ。
        ×        ×

 人は誰もが、どんな人だって。悲しみという川の流れのなかを歩いている。
 夢や希望を求めて歩いていったところで最期は悲しみというゴールしか待ってはいない。ましてや、人質事件なぞという人間が人間を血で染めるだなんて。あってはならないことだ。
 人間とは。なんと愚かで、酷くて、そして。なんと自分勝手で、冷たいいきものなのだろう。それでも私たちは行く道を信じて歩いていかざるをえない。正直、このところの私はアルジェでイスラム武装勢力による人質事件が発生して以降、心が閉ざしたままだ。亡き故人の無念さ、遺族の悲嘆を思うとき、私たちに出来ることは一体何があるのか。

 けさ早く、アルジェから日本人九人の遺体を乗せた政府専用機が羽田空港に到着した。詳しくは新聞テレビの報道に任せるとして、遺族の方々の無念を思うとき、私だけがこんなにノホホンとしていて良いのだろうか、とそんな自責の念にかられもする。
 長崎大水害。稚内のオホーツク沖大韓航空機撃墜事件。その他赤いフェアレディーゼッドの女が逮捕された長野富山連続誘拐殺人…など。今回のような悲劇を見聞きするつど、私は過去、何度も体験した大事件や大災害の現場を、どうしても回想してしまう。止まらない涙を流し、ロウソクのか細い明かりだけを頼りに原稿を書き、半ば叫びながら取材を続けたあの日々を忘れるわけにはいかない。

 ー目の前に、何人もの死体が瓦礫と共にまるで棄てられでもするように、放置されていた。身内三世帯の家族全員九人を失ってしまい、放心状態だった女性。モネロン島近くのオホーツクの海に藻屑と消えた肉親を大声で泣き叫んで呼ぶ遺族たち。あの、すさまじかった現場の数々を、だ。
 それにしても自然災害は防ぎようがないが、人が人を殺しあう、憎しみの連鎖、テロを許すわけにはいかない。人類はそうしたことの繰り返しだ。情けないとしか、言いようがない。人間の叡知は一体全体、どこへ行ってしまったのか。

 せめての慰みといえば、これらの不幸を乗り越えようとする新しい力、エネルギーか。そうした面からも、私は今の世が少しでも明るく、楽しく、幸せに感じる小説創作に全力を注いでいきたい。そこには人間本来の優しさはむろん、愛も、恋も、そして葛藤、夢、希望につながる道がある。人々の幸せを願い、新しい一歩を踏み出す、そうした新しい文学世界の創造を目指していきたい。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア事件 9遺体無言の帰国 政府、10人の氏名公表』『白い花束供え黙とう』『「ターバン巻き 顔隠す」 生存者証言 銃撃の中 難逃れる』『夢絶たれ遺族の元へ 悲しみ包む空港 内藤さんの母ら対面』『つらくて、つらくて、つらくて 社長現地振り返る』
『「ただ抱きしめたい」 渕田さんの兄 位牌を手に』
『日展東海展が開幕 名古屋で585点展示』、『〈東海の文学風土記3〉三田村博史 藤村「初恋」のモデルも』、『杉浦明平さん生誕100年 日本のルネサンス思い描く 別所興一』(25日付、中日夕刊)
☆『山口氏、習総書記と会談 安倍首相親書手渡す』、『北朝鮮 ミサイル1万㌔超も』 安保会議 防衛省が分析』、『実名公表遺族からも 専門家「隠さないのが原則」』(25日付、毎日夕刊)
☆『10邦人 死亡確認 アルジェリア事件 17人全員の安否判明 犠牲9人きょぅ帰国』、『孫への贈与促す 教育資金、1500万円まで非課税』、『北の海に群青カーブ=厳冬期を迎えた北海道東部のオホーツク海沿岸に、大量の流氷が押し寄せた。網走地方気象台によると、陸から初めて確認できた流氷初日は一月十二日で、平年より九日早い。五日後には岸まできた。』、『マリ軍兵士が33人処刑か 「過激派と関係」「皮膚の色薄い」』『武装勢力一派和平呼び掛け マリ軍事介入』(25日付、中日朝刊)

一月二十四日
 毎日、結構しなければならないことが多く、バタバタしている。

 当面の目標である小説集「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)の出版に向けたゲラの校正作業に追われるなか、きょうは社交ダンスのレッスンに木曽川河畔に近い宮田公民館へ。
 いつもの会場である江南市民文化会館が何かの都合で変更になったためで相変わらずの方向音痴がたたり、宮田公民館へは定刻よりかなり遅れて着いた。みんな「遅かったわね」というので、とても恥ずかしかった。

 レッスンの方は、きょうから教室としては初のルンバが始まった。ルンバといえば、地球一周の船旅で連日挑み、船内での発表会でも何とか踊りこなせたはずなのだが。きょうの感覚としては、このところのジルバ、ブルース、ワルツの練習に足が慣れてしまったせいか、ルンバのステップ感覚がなんだか初めて踊るような、そんな気がしたのである。

 けさは夕刊報道通り、確かに前日より冷え込み寒気が流れ込んだせいもあって、朝のうち木曽三川などは濃い霧に包まれた。でも、ダンスレッスンを終え頭上を仰ぐと、清々しい空が広がり太陽の光りが、まるで大気に宝石でもちりばめるようにキラキラと輝いていた。
 私は思わず「わぁ~、きれい」と、しばらく空と太陽を交互に見ていたが、冬の大気をわたる光線は、どこか全身をキリリと引き締めてくれ、私は好きだ。どこか知らないが、楽園に来ているようにさえ思った。

 朝日新聞の尾張・知多版でことし六月で生誕100年を迎える作家杉浦明平さん(1913年~2001年)の記念特集企画が始まった。「渥美半島に住み、ルポルタージュ『ノリソダ騒動記』などで知られる作家杉浦明平の生前を知り、地元で共に歩んだ『明平さんの仲間』たちに、今なお色あせない作品や人物の魅力を聞く」のが、狙いとか。なかなか面白く、かつ興味深い内容だ。 

【新聞テレビから】
☆『寒い朝 霧のベール 愛知西部』、『北、核実験実施を警告 声明発表 ウラン使用も示唆』、『アルジェリア「現実受け入れないと」内藤さん母 涙こらえ』『緒方さん妻「思いやりある人」』、『書き損じはがき集まれ』『南山短大生ら ベトナム女性支援に活用』(24日付、中日夕刊)
☆『名空港周辺 MRJ(国産ジェット機)年120機量産へ 愛知県が用地整備 20年度200人雇用創出』、『新たに2人死亡確認 アルジェリア事件 豊橋出身男性ら 日本人犠牲9人に』『母「絶望です」 「魂連れて帰りたい』『1週間続く悲報 内藤さん悼む旧友「もっと活躍できた」』『「会社のけん引車」 前副社長 新谷(正法)さん被害か』、『エレベーターで社長重体 幸田のタイヤ会社 業務用 首挟まれる』(24日付、中日朝刊)

一月二十三日
 深夜に入り、菅官房長官が緊急に記者会見、アルジェリア人質事件で行方が分かっていなかった日揮の日本人従業員三人のうちの新たに二人の遺体が確認されたことを明らかにした。名前は明らかにしていないが、日本人の死亡は、これで九人となった。
 家族の悲劇は深まる一方だ。運命とはいえ、酷過ぎる事実が次々と明らかになっている。

 私を守るのは、長女猫のこすも・ここばかりでない。お母さんについて離れない次女シロちゃんだって、私をいつも守ってくれている。
 

 これが忙中閑あり、なのか。

 きょうも午前中、大げさに言えば〝瞬きする間もなく〟、私の作品の初校ゲラチェックに追われ、昼からは横笛の稽古で名古屋の師匠宅に出向くなど、そこそこ、ハードな一日となった。 
 でも、どんなに時間がなくとも、本欄「生きてゆく人間花たち」だけはたとえ短くとも、と思って帰宅後のいっときと就寝前を充て、こうしてパソコンに向かっている。

 なんとなく朝からアレヤコレヤと慌ただしい私の動きに気付いてか、心配そうに私のやることなすことをじっと見守る、愛猫こすも・ここちゃんとシロちゃん。私が帰宅してからも遠慮がちに主人の一挙手一投足に関心を払ってくれていることが、そわそわした〝2人の動きで〟実によくわかる。2人ともホントにいつも、私のことを思ってくれる忠実な猫である。
 感謝している。

 夜。妻の舞が見たい、というのでNHK総合テレビの歴史秘話ヒストリア「ついに登場!吉原遊郭」を一緒に見た。大変参考になった。彼女は、引き続きEテレの「100分de名著・般若心経 〝無〟が教える優しさ」を見るというので、私は自室に戻ってこうしてワープロのキーを打っている。

 きょうの中日新聞朝刊〈くらしの作文〉に掲載された岐阜県高山市に住む平野志けさん(無職・97歳)の「編み物とともに」には、92歳の私の母がいつも編み棒を手にしている姿とだぶり、感動した。「みんなに助けてもらい、あと二年元気に生きられたら百歳となる。それまでに何枚の編み物を作ることができるだろうかと考えながら、今日もせっせと手を動かしている。」という平野さん。
 お元気で、いついつまでも編み物を作り続けてくださいね、と思わずつぶやいていた。

【新聞テレビから】
☆『〈歴史ヒストリア〉〝おいらん〟妖艶な美▽遊女たちの事件簿』(23日夜、NHK総合テレビ)
☆『北朝鮮制裁を強化 ミサイル 安保理が決議採択 資産凍結拡大』『北、3度目核実験示唆』、『「ギネスの地」瑞浪から宮城へ 美濃焼こま犬復興の守り神 高さ1メートル 250人、4日かけ焼く』(23日付、中日夕刊)
☆『愛知県 3月から退職金引き下げ 県警、早期退職に200人 改正条例施行 現場へ大きな影響も』『1月施行 滋賀、駆け込みゼロ』
 『アルジェリア人質 「優しい弟…抱き締めたい」鹿児島出身渕田さん兄 悲報に声詰まらせ』『武装勢力が全部屋急襲』『政府専用機出発 アルジェリアへ 3邦人の安否確認続く』
 『刑期61日長かった 関東で服役の男性 法務省連絡ミスで 既に出所、謝罪できず』、『常盤新平さん死去 直木賞作家、米文学翻訳 81歳』、『〈訃報〉元NHKアナ鈴木文弥氏 東京オリンピックの女子バレーやプロ野球などスポーツ中継で活躍 88歳』(23日付、中日朝刊)
☆『仮設に(宮城県南三陸町出身の)息子訃報 アルジェリア 母「私も死にそう」』、『日銀「無期限緩和」導入 2%物価目標を決定 政府と「共同声明」』(23日付、毎日朝刊)

一月二十二日
 新聞は朝、夕刊ともに各紙ともアルジェリア人質事件で「日本人7人」の死亡が確認されたニュースばかりだ。私自身も、各紙を読むのにかなりの時間を割いたが、一方で今現在は春に迫った小説集=「マンサニージョの恋」(仮題)など3篇=の出版を前に、幻冬舎から送られてきたゼロ校に次ぐ初校ゲラのチェックに延々と追われ、一日があっという間に過ぎ去ってゆく。

 いまは午後八時を過ぎたところだ。
 こうしてパソコンと向き合ってじっくりとキーを打つのも、きょうはこれが初めて。というわけで、日中は妻から言われている家事の手助け(お風呂を沸かしたり、スタンドへ行き灯油を確保したり云々)以外には横笛も、サンポーニャも、ハモニカもふいている余裕はなく、もちろん社交ダンスのシャドーに浮かれている時間なぞもない。

 「日揮の料理人加担か 治安当局 現地従業員ら聴取」(中日朝刊)といったショッキングなニュースが伝わるなか、私の目に特に焼き付いたのは、22日付朝刊からさっそく始まった毎日新聞の〈長い戦争 テロ新前線 上〉という企画記事だった。
 この記事は「イラクとアフガニスタンの対テロ戦争で疲弊した米国が後景に退くなか、英仏など欧州諸国が対テロ戦争第2幕を主導する構図が浮上している。事件の起点を求めて記者はマリに入った。」とマリ南部の首都バマコに記者を派遣し、現地報告をさせるーといった手法でペンを進めている。
 イスラム過激派による中部の要衝コンナやディアバルの制圧と、その後の仏軍による北部の過激派拠点の空爆、マリ政府軍のコンナ、ディアバルの奪還、過激派の南下で緊迫度を増すバマコの様子―などがリポートされ、初回からなかなか読みごたえのある中身の濃い内容だった。アルジェリアの人質事件については、その背景とか、そもそものテロの温床化など乏しい知識ながら書き始めるとキリがない。今日のところは、ここらで筆を止めておきたい。

 貧乏暇なし、とはこのことか。
 私の本音を言わせてもらえば、今すぐにでもマリに飛んで行きたい。そして新聞記者としてではなく、今度は世界平和を求める【〝平和作家〟の目】で現地の表情と動きを見て来てみたい。だが、慌てる必要はあるまい。現在進めている本が出版されてからでも十分、時間はある。
 遅くはない。過去に取材した事件の現場を訊ねて回り、それを小説化してまとめることも、今後〝一匹文士〟として生きていく私に課せられた使命の一つかもしれない。そう思っている。

【新聞テレビから】
☆『生出演 安倍晋三総理大臣に聞く アルジェリアのテロ・人質事件の現実、総理が描くデフレ脱却、緊迫化する日中関係改善の道筋は、など』(22日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『私の小説の原点 直木賞に選ばれて 朝井リョウ』『老舗「早稲田文学」が存在感 芥川賞の黒田作品掲載』、『物価目標2%決定 日銀、政府と声明 金融緩和無期限に』、『米再生「共に行動」 オバマ大統領 2期目就任演説』、『アルジェリア 3人安否確認急ぐ 政府 軍の作戦説明求める』、『諏訪湖で御神渡り 2季連続 白銀に描く恋の通い路』(22日付、中日夕刊)
☆『2人は軍空爆で アルジェリア 日本人7人死亡確認 5人は射殺か 病院関係者証言』『「8カ国37人死亡」セラル首相』(22日付、毎日夕刊)
☆『7邦人の死亡確認 アルジェリア人質 3人安否なお不明 首相「痛恨の極み」』『人質、8カ国37人犠牲』『戻らぬ命 無念』『日揮 涙の会見 7人死亡 社長から悲報』『卑劣テロ 怒り』『「大きな損失」官房長官 「家族思うと」安倍首相』、『トヨタ会長に内山田(竹志)氏』、『生徒不在橋下劇場 大阪・桜宮高 体育系学科の募集中止 市教委決定 定員120人、普通科に』(22日付、中日朝刊)
☆『「危険な動きあった」中東研究者 日揮OB にじむ無念』、『大阪市教委 体育2科「普通科」で入試 桜宮高 受験科目変えず』『「権利を侵害」大阪弁護士会長』『〈解説〉形だけの「改革」いらぬ【林由紀子記者】』(22日付、毎日朝刊)

一月二十一日
 夜遅く。午後十一時前、政府によるアルジェリア人質事件対策本部が開かれ、日本人七人の死亡が確認された旨、安倍首相から発表された。現地イナメナスの病院で城内外務政務官らが遺体と対面した結果、七人の死亡が確認されたという。
        ×        ×

 アルジェリア南東部、イナメナスの石油天然ガス生産施設と居住区域がイスラム武装勢力により襲撃された人質事件はその後、日がたつにつれ背後で糸を引いていた北アフリカのアルカイダ組織リーダーでムジャヒデン(イスラム聖戦士)を名乗る〝ムフタル・ベルモフタール司令官〟の存在があるなど、全容が少しずつ明らかになってきた。

 このベルモフタール司令官、一九八〇年代にアフガニスタンで旧ソ連軍との戦闘に加わった筋金入りの「ジハード(聖戦)戦士」。「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」では前身組織の設立から関わった実力者だという。現在は、マリ北部を拠点にしたアフリカの最も先鋭的なアルカイダリーダーといってよく、昨年暮れには〝血判部隊〟を結成。その最初の標的としてアルジェリアのイナメナスの天然ガス施設を狙った、とみられる。
 ところで、アルジェリアの内戦は1992年~2002年まで続き、この間の犠牲者は二十万人にも及ぶ。一方で、ベルモフタール司令官がこの十年間で得た身代金は実に八十億円にも上ると言われ、最近では一昨年の春、中東を中心に吹き荒れた〝アラブの春〟では、リビアのカダフィ政権から大量の武器も得て、このところは欧米社会を露わに敵視する姿勢がますます顕著になってきている。

 いわば【第二のウサマ・ビンラディンだ】、と神格化されかねない存在になりつつあることも確かだ。ベルモフタールはこの日あらためて「今回の事件は一連のテロ活動の始まりに過ぎない」との犯行声明を出してきた、とのことで北アフリカの全域が緊迫感に包まれている。
 これまでアルジェリア軍による強硬な突入襲撃に批判的だった英国・キャメロン首相もここにきて今回の軍事作戦につき「やむおえなかった」と擁護する立場に変わり、米国のオバマ大統領も「悪いのはテロ集団だ」と言い切った。

 この日正午のNHKニュース。アルジェリア軍特殊部隊による強硬手段の正当性を強調するアルジェリア内務省がこれまでに人質二十三人とイスラム武装勢力三十二人の死亡を確認、現在、行方不明者の捜索に当たっているが、死亡者はさらに増える見通しだと報道している。
 この後、中日新聞夕刊がロイター電として伝えたところによると、アルジェリア治安当局筋は「人質の死亡者は二十三人から四十八人に増えた」としている。このうちイスラム武装勢力のうち半数がアルジェリア人とのことで内通も取り沙汰され、アルジェリア軍政府に反発するイスラム過激派がいかに多いか、を伺わせている。
 (正午)現在、邦人十人の行方が知れないままの状態が続いているが、日本政府は「現地の病院などを見て回りこれら邦人の安否確認に全力で当たりたい」としている。
        ×        ×

 昨夜とけさの二度にわたって思いがけず、北海道帯広ドラキチ会のスポークスマンと言ってもいい会川桂市さんからメールを頂いた。
 最初は「こんばんは。お久しぶりです。伊神さんからいただいた年賀状が切手シート当たりました。ありがとうございました。」というもので、続いて今朝届いたメールは「今日は本別町が日本一寒く氷点下20℃以下と寒いです。携帯をいじっていたら伊神さんの【生きてゆく人間花たち】を見つけて読んでいました。余湖敏一さん=帯広ドラキチ会の会長=の犬の年賀状の事も書いてありました。今年は谷繁の2000本安打達成と岩瀬の384セーブくらいかな? 来年は井端と和田の2000本達成があるので。……」など。「中日が大好きだから言えます」と、ファンサービスの在り方について会川さんなりの〝熱くて厳しい要望〟にも触れられていた。

 もちろん私からも「切手シート、当たってよかったですね。こちらまで嬉しくなります。わざわざ連絡していただいてありがとう。……日本一寒い本別町からのメール、感激しています」などと書いて打ち返させていただいた。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア人質事件の真相は 首謀者の実像に迫る』(21日夜、NHK総合【クローズアップ現代】)
☆『アルジェリア 人質犠牲「48人に」 邦人安否確認 政務官ら病院へ』『「犯人側 人質を盾に」 日揮技術者比人が証言 政府軍、構わず攻撃』、『オバマ氏宣誓 家族とともに 2期目就任演説、パレードへ』、『仏、マリに地上部隊 北部奪回へ展開開始』、『「さっさと死ねるように」 麻生氏、終末期高額医療費で』(21日付、中日夕刊)
☆『アルジェリア拘束 「人質死亡48人」の情報 城内政務官 現場を視察』『一緒に拘束されたアルジェリア人証言 日本人6人手足を縛られ 軍攻撃後の安否分からぬ』、『原発 事故対策所を義務化 規制委新基準骨子 自家発電機も』(21日付、毎日夕刊)
☆『アルジェリア 日揮施設に内通者か 社員 事件直後から懸念』『「9邦人殺害を目撃」』『人質23人犠牲 軍事作戦終了』『現場に到着安否確認へ 政務官と日揮社長』『武装勢力が襲撃直後に AFP報道 現地従業員が証言』
『「情報はあるが安否は不明」日揮側会見』、『津波や地盤 文字で示唆 宮城の地名被災の歴史 地元の研究会確認』
 『〈通風筒〉カニの水揚げ日本一を誇る鳥取県境港市で20日、豊漁を祝う「カニ感謝祭」が開かれた』『柴田トヨさん死去 98歳で初の詩集「くじけないで」』、『岩倉市長に片岡氏再選』(21日付、中日朝刊)

一月二十日
 大寒。

 アルジェリアの人質事件は、アルジェリア軍特殊部隊による人質救出を兼ねた武装集団掃討作戦が終了した、と報じられている。ただ、そのやり方を巡り国際意見がわかれているようだ。
 「武装集団に対する空爆などの掃討作戦は当然のことだ」とのフランス政府の見方に対して、英国はと言えば。「武装集団襲撃に当たっては、人質への被害も十分考えられるので、ひと言相談があってしかるべきだ」というのが、キャメロン首相の見解である。
 どちらが正しいか、は私にもわからない。

 一方、アルジェリア紙の記者が十九日、共同通信に治安筋の情報として語ったところによると、アルジェリア南東部イナメナスの病院に十八日夜、日本人二人の遺体が運ばれたが、軍の最終作戦後に遺体で見つかったとされる日本人とは別人だった、という。
 いずれにせよ、このところ世界を震撼とさせている人質事件は、十九日、アルジェリアの特殊部隊による掃討が終わり、現在は現場を立ち入り禁止にして施設内に人質が取り残されていないかどうか、の捜索に当たっている、とのことだ。また現場一帯には地雷も敷設されており危険が伴う作業だ、としている。

 昨夜の舞は、午前零時過ぎには寝てくれ、あさも八時ごろまで寝ていたのでホッとした。駅弁を売っている、というので午前中に二人でアピタまで出かけ、このあと久しぶりに喫茶店に寄った。特に話すこともないが、睡眠時間がまあまあだったせいか、舞の顔にも生気が満ちホッとしたのである。
 帰宅後は、それぞれにマイペース。私は私でこなしておかなければならない自作の校正作業があるので自室に缶詰状態となり黙々と進めた。段取りの着いたところで実家の母を訪ねると、満92歳の母は「甘酒を準備しといたから」といって温めてのませてくれた。

【新聞テレビから】
☆『衝撃〝老人漂流社会〟』(20日夜、NHKスペシャル)
☆『優勝32回「柏鵬時代」 元横綱大鵬死去 72歳』『〈評伝〉昭和の英雄 努力一筋(東京運動部・高橋史)』『強く優しく時代の星 元横綱大鵬死去』『巨人、大鵬、卵焼き 弟子の妻ら「実感湧かない」』、『アルジェリア「人質の邦人死亡」 国営通信武装勢力を掃討 首相「厳しい情報」邦人安否』『アルジェリア 日揮、親族に「覚悟を」 断片情報、募る焦り』(20日付、中日朝刊)
☆『世界遺産幻想的に 白川郷ライトアップ』、『アルジェリア 軍が総攻撃、制圧 現地報道「人質7人死亡』『武装勢力11人殺害』『アルジェリア 突然の銃声 身を潜め 日揮駐在員が証言』(20日付、毎日夕刊)
☆『〈渡辺えりさん 劇作家、演出家、俳優〉笑顔が見たくて役者やっています 芝居は戦争の対極 憲法9条への深まる思い』(1月20日号、しんぶん赤旗日曜版)
☆『直木賞を待つ 安倍龍太郎』(20日付、日本経済新聞〈文化面〉)

一月十九日
 子どものころからの相撲ファンとしては相撲の神さまだった横綱・栃錦に次いで二番目に好きだった北海道出身の大横綱・大鵬幸喜さん(本名・納谷幸喜さん)が、きょう午後三時過ぎに東京都内の病院で亡くなったと聞き、寂しい思いがした。72歳だった。巨人、大鵬、卵焼きの、あの大鵬が死んでしまった。

 大鵬は、より戻しなどの大技でならした力の横綱若乃花とともに栃若時代を築いた名人横綱・栃錦よりは、一世代あと。あの横綱柏戸とともに柏鵬時代を築いた。なんといっても、白い肌が美しく、お相撲さんを代表する美男だった。技も、すくい投げなど撓うような柔らかさで少年のころは、いつも憧れたものである。幕内在位三十二回の優勝記録は史上最多。その後誰にも破られてはいない。ほかに六場所連続優勝を二回、45連勝だってある。
 栃若時代の後をついで、高度成長時代と並んで大相撲を不動の人気にまで高めた功績は大きい。それこそ、日本が世界に誇りうる相撲界の巨星、国民栄誉賞に匹敵する人物であった。

 妻のリサイクルショップ「ミヌエット」で、ことし初の【Happy NewYear ミニギターコンサート&トーク】があり、今が盛りの熟年女性たち=世に言う〝女子会世代〟=が楽しくなごやかなひとときを過ごした。今日のゲストはウエブ文学同人誌「熱砂」編集委員で〝町のギタリスト〟でもある真伏善人さん。真伏さんは途中、〝とし子〟さんの名司会に助けられ、おしゃべりも交えながら「バラが咲いた」をはじめ「鉄道員」、「禁じられた遊び」など七曲を弾き、アンコールに応え「アルハンブラの想い出」も演奏して喜ばれた。

 禁じられた恋を弾く真伏善人さんと演奏に聴き入る女性たち
 

 

 きょうはNHK第二のカルチャーラジオで【詩歌を楽しむ・啄木再発見】を聴き、文学者として本来あるべき姿を見せつけられ、とても参考になった。この点については書き出すとキリがない。ただ文学者には挫折してもくじけることなく、啄木のように自らの才能をどこまでも信じて日に百首も二百首も作るといった尋常では考えられない貪欲な創作力が大切で「ためになった。よくわかる」とだけ記しておこう。
 文学者としては妻・舞の常軌を逸した夜の遅さは、啄木並みで、ほとほと参った。
 今朝など丸一晩、俳句の作句に没頭しほとんど寝ない状況で店に出て、ミニコンサートに立ち向かうーなどチトからだを酷使し過ぎだ。このままだと、また体のどこかがポッキリ折れ、倒れないとも限らない。大切にしてほしい。そういう私とて、毎晩遅く昨夜も午前一時過ぎまで起きてはいたが、夜通し打ち込む彼女と較べられたら比ではない。

 だけれども、やはり睡眠は十分取った方がいい。
 第一、女性に一番大切な美容と健康に悪い。きのうは「土曜(のミニコンサート)があるので金曜日だけは私のためにあけておいてほしい」と言うので外出予定を急きょ、中止したのに。これでは何のために昨日私は家に踏み留まったのか。いずれにせよ、睡眠第一。今夜こそ、早く寝させなければ、と思っているのだが。この点は、わが家の愛猫ふたりも同じ意見だ。

 長女猫も深刻顔で「お母さんを早く寝させます。私だって眠いよ」と言うのだが。さて、どうなることか。19日深夜の〝こすも・ここ〟
 

 きのう本欄で中日ドラゴンズ公式ファンクラブの女性スタッフについて触れた。きょうはあの〝むさしのガブリ〟さん、すなわち落合信者の原田禎知さん、幸子さん夫妻の「通信員だより」が中日スポーツのファンクラブ通信に落合博満前中日監督とのツーショット入り写真とともに掲載されており、嬉しく思った。ドラゴンズは、こうしたファンの方々に支えられ今があるのだ、との思いを強くしたのである。原田さん! そして幸子さん! ありがとう。これからもよろしくお願いいたします。

 アルジェリアの人質事件の方は、ニュースを見る限り、アルジェリア軍は居住地域での救出作戦を終え作戦により七百人近くが助けられたという。とはいえ、まだ武装勢力を完全には制圧出来てはいないようだ。武装勢力側の多くがかつてこの施設で働いていたことがあると言い、天然ガス関連施設では、なお日本人一人を含む七人を人質に立てこもっているとも伝えられている。今後施設に引火すれば、天然ガスが爆破する恐れも十分ある、との情報も伝わり緊迫した状態が続いている。
 けさの中日新聞によれば、国営アルジェリア通信は十八日、人質となった外国人は百三十二人で、少なくとも六十一人が十七日に解放され、十八日の攻撃でこれまでに新たに約四十人が救出されたと報じた。また五百七十三人のアルジェリア人が救出された【カイロ=有賀信彦】と報じている。
 こうしたなか、安倍総理は訪問先のインドネシアから急きょ帰国。さっそく英国のキャメロン首相と電話会談し、今後は両国とも関係各国と連携を取りながら、人質の救出に全力を注いでいくことを確認し合った。

 松本マイナス(氷点下)11・8度、水戸同5・5度、名古屋と広島各マイナス1度…と全国的に平年を下回る厳しい寒さのなか、大学入試センター試験が始まり、この日は57万3344人が受験したという。トラブル続きの米国ボーイング社は、FAA(米連邦航空局)の指導もあり、世界五十社以上から発注されていたB8(ボーイング787)848機の納入を安全が確保されるまで当分、納入しないことにしたという。
 最新鋭機の納入ストップと飛行停止で世界中の航空業界が混乱している。

【新聞テレビから】
☆『アルジェリア 「邦人含む7人人質」 通信社 武装勢力抵抗続く』『アルジェリアで生還の男性 ベッドの下40時間 「生きている。それが大事だ」』、『米787「1000%安全確認を」 米運輸長官が要求 ボーイング社納入一時停止』、『センター試験開始 東海3県、5万5294人挑む』、『名古屋の91歳男性バック中 駐車場93歳妻はね死なす』(19日付、中日夕刊)
☆『人質拘束の武装勢力 「兄弟よ。家に帰るのだ」一緒の米国人 突然銃撃 脱出アルジェリア人証言』『アジア系? 遺体映像 現地報道』『救出に全力 閣僚に指示 帰国の首相』(19日付、毎日夕刊)
☆『〈通信員だより〉落合さんとひと時=東京都東村山市、原田禎知さん、幸子さん=FC通信員』(19日付、中日スポーツ【ファンクラブ通信】)
☆『アルジェリア 邦人10人依然不明 新たに4人無事確認』『7人無事なお緊張』『軍事作戦続く 外国人100人超解放・救出か』『中部大・桃井教授 厳重施設の占拠「予想外」』、『氷のカーテン 長野・木曽 白川氷柱(ひょうちゅう)軍』、『ココイチ世界一 カレーで1300店規模、ギネス認定』(19日付、中日朝刊)
☆『「安否は」じりじり アルジェリア拘束』『「11人が無事」電話』『(川名浩一)日揮社長ら現地へ』『人質ごと車を爆撃 救出作戦』『木山聡さん熊本の出身 長岡の大学(新潟県の長岡技術科学大学)卒業』、『不明13人 合同通夜 堀栄丸事故』(19日付、毎日朝刊)

一月十八日
 今夜のNHKのニュースウオッチ9によれば、アルジェリアで起きた武装勢力人質事件で日本人技師(日揮社員)ら十七人のうち七人の安否が確認された。外国人については六十一人のうち十一人の安否が確認されたという。一方で昼間のニュースでアルジェリア軍による軍事救出作戦は終わった、とのニュースは誤りで現在も続いている、としている。
 一方、ロイター通信は治安当局者の話として「軍の作戦中、日本人二人を含む人質三十人が死亡した」と伝えているが、確認はとれておらず、真偽のほどはわからないままだ。

       ×        ×
 アルジェリアで起きたイスラム武装勢力、アルカイダによる人質事件は、軍による軍事救出作戦が終わった、までは報道されている。だが、人質と犠牲者の詳細については相変わらず今もって(午後六時現在)、よくわからない状態が続いている。
 気になるのは、武装勢力と軍の狭間で何の罪もない現地天然ガス施設で働く【石油プラント会社、日揮=本社は横浜=の社員】らが連れ去られ、時と場合によっては大切な命までも奪われているかもしれない、という危惧である。
 全員、なんとか助かっていて欲しい。

 朝。NHKテレビの7時45分からの〈おはよう東海〉〝中日ドラゴンズ・ファン増に学生のアイデア活用〟なる番組を見ていたら、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局の、あの平田瑠奈さんが突然、画面に現れ出て大写しになったのには驚いた。
 球団スタッフの頑張り屋、水野陽一朗さんがファンと選手の距離を縮める運動につき学生や球団のアイデアにつきインタビュー形式でアナウンサーの質問に答えていたさ中に流れた映像に彼女の真剣な表情が写っていたので懐かしく、かつ一生懸命にやってルナ、とも思い、熱いものが走った。
 あれだけスタッフ全員が情熱を注いでいるのだから、と思うとドラファンは幸せだなっ、とつくづく思う。【ルナさん】は、公式ファンクラブが誕生した2006年当時からファンクラブ業務ひと筋に頑張ってきた、いわば事務局の〝顔〟、生き字引的存在だけに、他スタッフともどもファンサービス業務のますますの発展と活躍を祈るばかりだ。

【新聞テレビから】
☆『囲碁六冠23歳(井山棋士)の挑戦』(18日夜、NHK総合)『にっぽんの芸能「花鳥風月堂』(18日夜、NHKEテレ)
☆『軍空爆人質34人死亡か アルジェリア』『邦人ら25人脱出情報も 安倍首相「攻撃中止を」 力で抑え込み優先』『「何を信じたらいい」 日揮本社 情報混乱に焦り』『邦人安否情報なし 官房長官』、『除染作業員に線量伝えず 一部業者被ばく記録も通知なし』、『B787緊急着陸 バッテリー液5キロ噴出 安全委調査 過剰電流の可能性』、『忘れない1・17 阪神東北 心寄せて 教訓継ぐ3・11 若者「復興の神戸から希望」』(18日付、中日朝刊)
☆『戦闘で「人質35人死亡 アルジェリア』『日本人の安否不明』『軍空爆 7人拘束情報』『「攻撃開始 英から連絡」官房長官』『アルジェリア拘束 日揮、空爆に緊迫 広報部長「情報いろいろある」』、『787トラブル バッテリー【リチウムイオン電池】過充電か   安全委 内部激しく炭化』『二重の安全装置搭載 「炭化、初めて」GSユアサ困惑』(18日付、毎日朝刊)
☆『「邦人2人が死亡」アルジェリア 人質30人犠牲に ロイター報道 軍事作戦終了』『首相、帰国前倒し』『3邦人生存確認 日揮から連絡 残り14人安否不明』『人質乗せた車4台空爆 軍事作戦 ヘリで猛攻撃 地上戦も』、『円一時90円台 東京市場』(18日付、中日夕刊)
☆『アルジェリア拘束 日本人14人安否不明 「戦闘終了」3人生存確認』『「無事祈るだけ」 日揮関係者確認取れず焦り』、『中国成長 13年ぶり8パーセント割れ 昨年7・8% 欧州危機で輸出低迷』(18日付、毎日夕刊)

一月十七日
 夜遅く。中東カタールの衛星放送・アルジャジーラが、アルジェリアの人質事件でアルジェリア軍と武装集団が戦闘状態に入り「人質三十五人死亡」のニュースを伝えてきた。そうかと思うと、日本人二人を含む人質二十五人が解放された、といったニュースも飛び込み、どちらが真実なのか、が皆目分からない。
 また日本政府の菅官房長官も緊急の記者会見を開き、イギリスからの情報として「アルジェリア軍が人質救出のための攻撃を開始した」と述べた。さらにモーリタニアの通信社も「アルジェリア軍のヘリコプターによる攻撃で人質三十五人と犯人グループ十五人が死亡した」の情報を流した。
 しばらく様子を見守らないと本当のところは分からないのが現状である。
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 十八年前のこの日、午前五時四十六分。
 私は新聞社の大垣支局内、支局長住宅で家族といた。突然、揺れたあの震動の大きさときたら、尋常でなかった。数日後、私は管内でもないのに阪神大震災の被災現場、神戸を訪れ、被害の実態を自らの目で確かめカメラに納めたことを覚えている。その被災地で今や、震災体験を知らない世代が40%にも達するという。
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 社交ダンス。
 毎週、一回のレッスンに性懲りもなく励んでいる。
 ジルバの足は、そこそこ、いけるように。そして今日もブルース、ワルツと基本を中心に何度も何度もステップを踏んだ。市民文化会館が都合で使用できない、ということで自宅近くの市老人福祉センターでのレッスンとあいなった。

 帰宅後は二月九日に名古屋の料亭「松楓閣」で開催される私が所属する七種会(さいくさかい)の発表会を前に、横笛で「酒よ」と富山地方の民謡「こきりこ」を繰り返し吹き、ついでながらサンポーニャの音出しにも挑んでみた。サンポーニャの方は〈コンドルが飛んでいく〉の完奏を目的にしたい。
 あくまで私の感覚に過ぎないが、あてずっぽでもいい。吹いているうちに、サンポーニャだって横笛のように、ある日ふとしたことから吹けるようになる(譜面があれば鬼に金棒、なんとか譜面も確保したい)。そんな感触を得たからだ。

 北アフリカのアルジェリア南東部・イナメマスの天然ガス生産施設でのイスラム武装勢力、アルカイダによる襲撃、拘束事件は日本人3人? を含む多数の外国人計41人が人質となっているという。武装勢力側は、隣国マリへのフランスの内戦介入に対する軍事作戦中止と捕虜百人の解放を要求してきており、国際情勢をはらんでの犯行の様相を示してきている。ハノイ滞在中の安倍首相も事態を憂慮し人命第一、事態の掌握、関係国との連携を指示したが、的確な判断といってよい。

 きょうは他にもすべきことが山積みで、あれこれに励んでいるが、このあたりにしておこう。

【新聞テレビから】
☆『おトメさん「ヨメが怖い……姑デビューは地獄の始まり』(17日夜、メ~テレ)
☆『〈クローズアップ現代〉今再び注目される 世界が再評価 映画監督・木下惠介【弱く美しき者たちへ】』(17日夜、NHK総合)
☆『祈りの灯「阪神」18年』、『芥川賞75歳黒田さん最年長受賞』『直木賞23歳朝井さん戦後最年少 直木賞に安倍さんも』、『生活保護引き下げへ 13年度から厚労相明言』(17日付、中日朝刊)
☆『日本人社員3人拘束 アルジェリア フランス人殺害 アルカイダ系「マリ介入報復」日揮ほか10人安否確認中』『情報収集を指示 安倍首相』、『バッテリーに異常 B787緊急着陸 当面運航停止』、『花は咲く センバツ行進曲に復興支援ソング』、『軽減税率適用 新聞協会会長が要請』(17日付、毎日朝刊)
☆『アルジェリア 人質含む41人か 武装勢力仏の介入中止要求』『外国人人質に爆発ベルト? 仏で報道』、『忘れない鎮魂の朝 阪神大震災18年』、『787運航停止米当局命令 国交省も命令』『B787 世界8社に50機 米で運航停止 各国へ波及必至』『運航再開は当面困難 日航と全日空、見合わせへ』(17日付、中日夕刊)
☆『仏にマリ介入停止要求 日本人拘束武装勢力 犯行声明解放条件 アルジェリアは拒否』、『自殺者3万人下回る 15年ぶり 若年層は増加傾向 12年』(17日付、毎日夕刊)

一月十六日
 日本文学振興会の第148回芥川賞に黒田夏子さんの「abさんご」(早稲田文学5号)が選ばれた。黒田さんは75歳。1974年に「月山」で受賞した故・森敦さん(受賞決定時61歳)を抜いて史上最年長の芥川賞作家が誕生した。黒田さんが選ばれ、日本文学が救われる気がし、ホッとしたのは私だけか。
 先の新聞報道によれば、黒田さんは国語教師や校正者の傍ら、ほぼ十年に一作のペースで長編の創作を続け、昨年、候補作「abさんご」で早稲田文学新人賞を受賞して事実上のデビューを果たしていたという。
 また第148回直木賞には朝井リョウさん=岐阜県垂井町出身=の「何者」と安倍龍太郎さんの「等伯」がそれぞれ選ばれた。朝井さんは二十三歳。戦後の最年少記録となった。

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 戦後唯一の国産旅客機として活躍してきたYS―11
 
       
 全日空の山口宇部発羽田行き692便ボーイング787が離陸まもなく機内で煙が発生し、約二十分後に高松空港に緊急着陸した。乗客らは脱出用シューターで機外へ脱出したが乗客、乗員計百三十七人のうち乗客一人が腰の痛みを訴え病院へ搬送されたという。

 それにしても、ボーイング787は、ことしに入り七日に米ボストン国際空港に駐機中の日航機バッテリーから出火したのを皮切りに八日には同じボストン空港で別の日航機が離陸前に燃料漏れを起こし、ほかにも操縦室窓ガラスのひび割れ、メインバッテリーの変色、整備上のミスなどトラブル続きだ。
 何かにたたられている。

 とはいっても、私が〝空飛ぶ記者〟として全国の事件、災害現場を飛び回っていた昭和五十年代にも民間機が燃料漏れで他空港に緊急着陸したり、出発空港にUターンしてくる例はよくあり、そのつど取材で振り回された。
 当時の機材はボーイング727(B2)と737(B3)、少し遅れてボーイング767(B6)が主力だったが、「あっ、また燃料漏れか」と半ばあきれながら原稿を書き朝夕刊に間に合わせたものだ。いずれも、飛び立つ前の整備不良など、ちょっとした不具合からだったと記憶している。

 話は脱線する。
 当時、プロペラ機の国産旅客機・YSー11=愛称はオリンピア、東京オリンピックを記念して開発された=が名古屋空港(小牧空港)―南紀白浜間を就航していたが、南紀白浜を目の前に天候不良から着陸できず、そのまま名空港にUターンしてきたこともある。
 あのころ、YSー11に対する信頼度は抜群で天候悪化で上空をしばらく旋回飛行をしたとしても、事故の心配などつゆほども思わなかった。

 ともあれ、今回のB8(ボーイング787)のようにこれだけトラブル続きとなると、どこか機体の製造過程に根本的な原因があるような気がしてならない。オール電子制御による計器飛行と操縦システムもいいが、度重なるミスマッチは、もしかして電気系統の複雑化に原因があるのではないか。オールドタイプのプロペラ機の方が、いざとなったら安全なのだ。

 きょうの朝刊は各紙とも大島渚氏死去のニュースを大々的に報じていた。
 「愛のコリーダ」の一場面=「大島渚愛のコリーダ2000」より
 
 
 
  

 ロイター通信によると、十六日朝(現地時間)、北アフリカのアルジェリアのガス油田のプラント施設からフランス人一人と日本人五人の計六人が、イスラム武装勢力に拘束された、とのこと。日々、いろんなことが起きる。安倍首相は夫人を伴い、東南アジア歴訪の旅へ。まず夫人とともにベトナムに下り立ち、首脳会談に臨んだ。妻の舞曰く「最初にベトナムを訪れたことは評価していい」と。

【新聞テレビから】
☆『100分de名著・般若心経 色即是空の意味とは?』(16日夜、NHKEテレ)
☆『大島渚監督死去 「愛のコリーダ」「戦(場の)メリ(―クリスマス)』『〈評伝〉大島渚監督死去 タブーに挑み権力告発 晩年は病魔と闘いの連続』『篠田正浩監督「偉大」ようやく言える 俳優・天野鎮雄さん機関車みたいに全速力』、『縁照らす灯ゆらり 飛騨・古川 三寺まいり』
 『脱デフレ 国債52兆円に 13兆円補正予算案決定 政府 財政再建後回し 公共事業で即効狙う』(16日付、中日朝刊)
☆『先島諸島に空自配備 尖閣警戒 中国をけん制 政府検討』、『アレフ、都に勝訴 長官狙撃「捜査公表は名誉棄損」 東京地裁』(16日付、毎日朝刊)
☆『皇居で歌会始の儀 お題は「立」』『万座毛に昔をしのび巡り行けば彼方恩納岳さやに立ちたり 天皇陛下、琉球文化詠む』、『B787から煙 緊急着陸』『高松空港脱出時、数人負傷 電気系統異常か 国交省が調査官派遣 全日空、日航 全機の運航中止』(16日付、中日夕刊)

一月十五日
 午後十一時半過ぎ。つい先ほど、映画「愛のコリーダ」の監督大島渚さんの〝死〟をテレビニュースで知った。肺炎で亡くなったという。80歳だった。残念というか、惜しい。
 昭和十一年二月一日。東京中野の料亭・吉田屋主人の吉蔵と住み込み女中、阿部定の狂おしいほどの情事。現実に起きた〝阿部定〟事件をもとに、男と女のけがれなき究極の愛が描かれた映画「愛のコリーダ」は私にとっては、憧れともいえる名画だった。誰が何といおうと、あれほどまでに男女の愛をトコトン追究した美しい映画はほかにはない。お安らかに、のただ一言に尽きる。

 大島監督の存在は、たまたま京大時代に大島監督とは同級生だったという新聞記者の大先輩で私をことのほか、かわいがってくださった社会部時代の遊軍キャップ・Tさんから聞いたのが最初だった。
 その後、「愛のコリーダ」にかけた、ひたむきな姿勢を見るにつけ、私は大島監督をますます好きになっていったのである。お安らかにとしか言いようがない。
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写真は昭和33年3月30日発行の新書太閤記全八巻のうちの第八巻
 

 きょうは三連休が終わり、どこかホッとした気持ちに。「普通の日」がやってきたという感じだ。

 朝、いつものようにNHKの第2ラジオで語学(フランス語、中国語など)を聴き、気象情報、小説の朗読のあと、アーカイブで〈文壇よもやま話〉なるものを聴く。引き続き新聞の整理、横笛とサンポーニャ吹き…と結構忙しい。
 なかでも、ラジオからいろんなことを学べることは小説執筆のヒントになって楽しい。

 新聞整理の方は▼文学▼原発・自然エネルギー・大震災と福島原発事故▼国際関係(戦争、テロ、領土問題含む)▼その他一般別に、四種類のスクラップブックに仕分けして保存する方法で進めた。やっていることは昔も今も、さほど変わらない。ただ、これからは小説などを書いたりする場合、スクラップからひも解いていけば、その分創作能力も向上するような、そんな気がする。

 ところで、NHKアーカイブでこの日放送された昭和35年1月27日収録の〈文壇よもやま話〉。当時、67歳だった故吉川英治さんの話は興味深かった。吉川さんの信条【我以外みな師なり】【生涯一学生】はもっともなものだけに、「だからこそ、あれだけの小説が書けたのだ」と合点したりもした。川柳作家として雉郎のペンネームを持っていた、とは知らなかった。
 吉川文学と言えば、私は三年ほど前、新書太閤記全八巻を読破した。秀吉、信長、家康とその周りを取り巻く武将や女性たち、さらには数々の合戦内容から時代背景に至るまで、その取材の深さとキメ細かさ、筆力に圧倒された。いつかは時代小説も書かなければ、と思って読み始めたと記憶しているが、この尾張の地を舞台に三英傑が飛び回っていた様子が手に取るようでもあり、感動したことを覚えている。

 当地には戦国時代の貴重な史実の数々が武功夜話としても残されている。ほかに信長の側室だった吉乃が住んでいた生駒屋敷も現存する、など題材にも事欠かない。

 きょうの東京。昨夜来の積雪が凍結して首都高速が通行止めになる、など陸も、空も、大混乱の一日となった。自然には、どうすることもできない。毎度のことだが、ただひれ伏すばかりである。 

【新聞テレビから】
☆『ガイアの夜明け 「後継ぎ募集します」』(15日夜、テレビ愛知)
☆『トヨタ販売世界一 12年 GMから2年ぶり奪還』、『阪神大震災18年 借り上げ住宅「追い出し」不安 過去期限20年 自治体、住民に転居迫る』、『西区3人殺害は未明か 自殺長女 朝、コンビニに』、『名張(毒ブドウ酒)事件奥西死刑囚87歳に 再審街頭で訴え 支援団体』(15日付、中日朝刊)
☆『大雪首都圏を直撃 就航セレモニーやったけど… NHK「八重の桜」出演者ラッピング ジェット はるか 飛べず 交通機関が混乱』(15日付、中日スポーツ)
☆『「成人の日」首都圏大雪』、『〈科学〉3・11後のサイエンス 原発大国からの苦言 青野由利(専門編集委員)』『温泉の不思議 上 「美人」を作る弱アルカリ性』、『アベノミクス「完全に正しい」 ノーベル賞経済学者クルーグマン氏「評価」 財政悪化「深く考えているわけではないだろうが」』
 『置物の台座で殴打か 一家3人殺害 血痕付き台所に』、『橋下市長の発言変遷 揺れる指導との線引き 「ビンタは愛」→「一切禁止」』(15日付、毎日朝刊)
☆『蔵出し復興 宮城・閖上の酒蔵全国の支援受け 「阪神」再起灘の蒸し器も』、『攻めろ北米市場 トヨタ、ホンダ次世代車発表 デトロイトショー開幕 カローラ「一新」 若者狙うSUV(スポーツタイプ多目的車)』、『首都圏の大雪交通混乱続く 転倒など560人けが』(15日付、中日夕刊)

一月十四日
【コンドルは飛んでいく】のサンポーニャ演奏とコンドル アンデスの空を雄々しく舞う2羽のコンドル=いずれもユーチューブから
 
 

 
 

 成人の日。きょうは寒気を伴った急速に発展する南岸低気圧の影響で東京、横浜など関東地方を中心に広範囲で雪が降り、首都圏を中心に交通にも大きな影響があった。

 新聞テレビのニュース報道によれば、相も変わらず、この地上では毎日毎日いろんなことが起きている(下記【新聞テレビから】を参照)。いっそ、これら全てのニュースを「意識の外」に捨て去ろう、と思いながらもモノを書き続ける以上、最低限のことは常時、頭に入れておかなければ、とそんな考えに支配され、きょうも本欄に向かってペンを進めている。

 自分では、これとて1つの文章道場だと、信じているのだが。一度、全てのニュースから隔絶された世界に自らを一定期間、放り投げ〝無の境地〟で書くことも必要だ、と思っている。

 今日いろいろ伝えられたなかで一番心に残り残念だったのは、かつて能登半島の星だった〝リキさん〟、すなわち元防衛庁長官・瓦力さんの死=十三日、肺炎のため七尾市内の病院で死去=である。私が新聞社の七尾支局長時代からしばらくの間が全盛期で、いつも清廉潔白、有権者の見方であり続けた〝リキさん〟の事務所には、政界の大きな流れがあるとは七尾市内の事務所に足しげく顔を出したものである。

 長男がリキさんの娘さんと七尾高校の同級生だったこともあり、よくして頂き七尾の町をふたりで難しい話は互いに一切しない、との約束で〝カラオケ流し〟をして歩いた日が、つい先日のようでもある。言い訳とか人の悪口を決して言わない人だった。

 1988年、防衛庁長官時代に海上自衛隊の潜水艦「なだしお」事故に遭遇、自ら引責辞任された時の潔さと無念な胸の内は、いかばかりだったろう。72年の衆院選初当選以降、実に12期務められた国会議員生活は、これ全て日本と能登の発展のために尽くされたといってよい。   おやすらかに。リキさん!

 本欄は出来るだけコンパクトかつ短くと、その日のエキスだけを書くように努めているのだが……。

 3連休最終日。文學界二月号の「破鏡前夜」(西村賢太)はじめ、各同人誌の主だった作品、単行本などにも目を通したが、やはり一番のニュースは私が大好きな【コンドルが飛んでいく】のサンポーニャ演奏をユーチューブで何度も見、今後見よう見まねの演奏にチャレンジできそうな、そんな感触を得たことか。やはり、アンデスはいい。

【新聞テレビから】☆『20歳 あなたと一緒に 宮城・山元町 被災の友へ 遺影と成人式』『振り袖 天国で 心癒えぬ母』、『全国大学ラグビー 帝京、史上初4連覇』、『男子・星城(愛知) 2度目V 全日本高校バレー』、『【ヒンターツァルテン(ドイツ)=共同】W杯ジャンプ女子高梨(沙羅)今季4勝目 2回目で逆転 最長不倒105メートル』

 『不明長女 山中に遺体 名古屋3人殺害首つり自殺か』、『「坂の上の雲」海を渡る 英の出版社刊行 文体独特 翻訳に4年』、『金津園捜索10人逮捕 売春防止法違反容疑で岐阜県警 暴力団の資金源か』『武豊騎手 3500勝達成 JRA(日本中央競馬会)初、27年目で』、『日航B787また燃料漏れ 米で不具合、調査中の機体 成田空港』

 『〈訃報〉元防衛庁長官 瓦力氏(かわら・つとむ=元自民党衆議院議員、七尾市出身) 75歳』、『〈訃報〉成田闘争を指揮 熱田一氏(あつた・はじめ=三里塚・芝山連合空港反対同盟熱田派元代表) 93歳』(以上、いずれも14日付、中日朝刊)

☆『集団的自衛権 首相、米に「見直し」伝達へ 物価目標「2%」明文化』、『所得税最高税率引き上げ 「15年に45%」先送り 自民検討』『運動場 金網越しの空 東京拘置所 死刑囚の処遇公開』『横並びで「単独処遇」 死刑囚強いられる孤独 確定後 面会、手紙は激減 1割が作業従事』

 『〈18年後のわたし 阪神大震災を生きて〉「娘の死に役割あった」 遺品の卒論 後輩に力』(いずれも14日付、毎日朝刊)

一月十三日
深海に突如、姿を現した超巨大イルカのダイオウイカ。目がとてつもなく大きい=13日夜のNHKスペシャル【ダイオウイカ大スクープ世界初撮影】から

 日曜日。寒い。朝、昨夜も遅かったし、ずっとこのまま寝ていたい。でも「エイッ、ヤアー」と自らに気合を入れ、台所へ。

 約束通り、下手なりに朝食をつくって妻に食べてもらった。「おいしいよ」と言ってくれるか、と思ったが彼女は何も言わない。味噌汁や卵焼きの味付けなどの加減を、こちらから聴くと「うん、ちょうどいい加減」とか「ちょっと甘味が足りないよ」というだけで、黙々と食べる。
 でも嬉しそうだから、良かった。

 要は下手でもいいから、私にたまには食事を作らせる。そのことが彼女にとっての何よりの快感のようで、ナントナク楽しそうだ。家事など眼中になく、ましてや食事を作るなんて【男の美学】に反する、とこれまで思ってきたが、どうやらそうでもないらしい。たまには作って食べてもらうことこそ、本物の【男の美学】のような。そんな気がしてきた。それとも、今ごろになって、漸く若い感覚になってきたのか。

 ただ、これもどこまで続くか、だ。
 こちらは〈極める〉とまではいかないが、あくまで気が向いたら、のスタイルでいこうかな、と思う。そうでないと長続きどころか、3日坊主で終わりそうだ。

 十四日の成人の日を前に新聞を読んでいて感激した記事がある。
 12日付中日新聞朝刊生活面22面のくらしの作文「二十歳の自分へ」という記事で、投稿者は北名古屋市に住む教員伊藤裕子さん(37)だった。一部内容を紹介すると。
―成人の日がやってくるたび「あと七年」「あと六年」と、今年の成人の日を指折り数えて待っていた。八年前に担任した六年生の教え子たちが、今年、成人式を迎える。八年前、私は子どもたちに「二十歳の自分へ」というタイムレターを書かせた。それをタイムカプセルにして、私が管理していた。それを渡す時が、いよいよやってきたのだ。
(中略)
 六年二組の皆さん、式が終わるころ、手紙を持って出口で待っています。立派に成長した姿を見せてくださいね。久しぶりに皆さんに会えるのが楽しみです。

 なんて、ステキな記事なのだろう。そして。なんて、ステキな先生なのだろう。
 あすの成人式。伊藤裕子先生から手紙を受け取る新成人たち。きっと素晴らしいステージとなるに違いない。一人ひとりの今後に期待したい。

 夜。風呂からあがると「終わったわね」と妻の舞。
 「何が」と聞くと「あの名古屋市西区で起きた家族3人殺害。小牧の山中で一人だけ行方が分からなかった長女の死体が見つかったのだって。首吊り自殺みたいよ」の返事。私は「そうだな」と答えながらも内心では「それで決着といけば、いいのだが。まだまだ〝流し〟の殺しの線もありうる。見せかけかもしれない。長女にカギはあっても、ホシ(タマ、犯人)と決めつけるには、まだ少し早いのでは。当然のことだが、背後には何か思いがけない真実が隠されている」と判断。「首吊り」を偽装した一家皆殺しの線も捨てきれない、と自身に言い聞かせた。
 妻は妻なりに過去、一線記者が長かった私に付き合ってきた多くの〝殺し〟のなかから、そう判断したに違いない。それにしても長女の身に一体、何があったのか。私自身、調べてみたい気持ちにかられた。

【新聞テレビから】
☆『〈NHKスペシャル〉超巨大! ダイオウイカ大スクープ世界初撮影▽深海1000mの大作戦 潜水艇で未知の世界へ』(13日夜、NHK総合)
☆『〈サンデー版〉世界と日本大図解シリーズ【ヘビ】』『小牧に不明長女の車 名古屋3人殺害 犯行、就寝時か』『円満家族週末の惨劇 名古屋3人殺害』『不動産業信頼厚く 知人ら「考えられない」』『不明長女「もの静か」 被災ペット救済団体つくる』、  『女性世界最高齢115歳 大久保琴さん(が川崎市の高齢者施設で)死去』、『除染作業員自費で健診 国負担分、業者が利得』(13日付、中日朝刊)
☆『〈3・11それから ドキュメントにっぽんの絆〉いつか賞状並べたい 東松島 初収穫のノリ「奨励賞」に』、『〈日曜クラブ〉天地の味 能登【あえのこと(田の神さま)】』(13日付、毎日朝刊)

一月十二日
 本づけの一日。
 とはいっても、昨年暮れ以降、私宛に送られてきて、なかなか目を通す暇のなかった文芸同人誌などを読むためである。読ませて頂くといっても、五百余頁にもなる単行本二冊をはじめ、中身の濃い、この地方の文芸同人誌をそっくり読んでしまうには限界がある。あらかた目を通すには、あと二、三日はかかるだろう。

 というわけで、きょうはパラパラ、パラッとページを開き、面白そうな、というか。読んだ方が自らのためにもなる、と判断したところだけを読むにとどめた。それでも、あれこれ読んでいくうちに、一日はアッという間に過ぎ去っていった。

 まず本年九月号で昭和二十四年の創刊いらい六百号を迎える日本を代表する、といっても良い月刊文芸同人誌「北斗」から。私が思うところを書かせていただく。
 「高齢化で病に倒れる方もあり、同人も随分少なくなった。」(編集後記)という北斗だが、本号もエッセイ、小説、詩(タダオ・アフォリズム)、評論(堺流水庵落葉ノ記、ひたすら書いた人たち)、同人の近況随筆・俳句集「人工天文台」と相変わらず充実している。
 なかでも文芸評論家清水信さんの〈ひたすら書いた人たち(40)文芸春秋古今談〉は、関東大震災のあった大正十二年(1923年)正月に【文芸春秋】を創刊した菊池寛の知られざる一面にスポットをあてるなど読んで大変参考になった。棚橋鏡代さんの「秘められた日々」連載を終えて、のエッセイも新鮮な味わいがあり、駒瀬銑吾さんの連載「泰山木の如く」にも、老いてなおますます、といった強靭な筆力を感じ、心に残った。

 次に戸田鎮子さん主宰の「じゅん文学 №74」。じゅん文学は、今や実績、内容、質ともにこの地方はむろん日本を代表する同人誌だと言っていいだけに、創作、エセー、連載、連作と、どれをとっても層の厚さが光る。それに、いつも思うことだが、堀田明日香さんの表紙絵&挿絵と山田萩恵さんの題字がなんともシャープですばらしい。
表紙を見ただけで「じゅん文学」の皆さんが未来に羽ばたくような、そんな気がする。実際、この同人誌は若い方たちが多いだけに展望は無限に広がって明るい。

竹中忍小説集「春愁」上、同「春愁」下と、青山さんの「書家の眼で見た 鎌倉の書」

 次に驚いたのは、「北斗」主宰で知られる竹中忍さんから年明け早々に「謹んで新春のお慶びを申し上げます 元旦」と丁重に書されたあいさつ文と共にわが家に送られてきた竹中忍小説集「春愁」上巻と同「春愁」下巻=風媒社刊=である。本の厚みとしっかりした装丁を見ただけで、力作と分かる。これからじっくり読ませて頂き、同じ小説を書く仲間の一人として参考にさせていただけたら、と思っている。
 そして。もう1冊が私の住む江南市在住の書家青山碧雲さんから送られてきた「書家の眼で見た 鎌倉の書」(木耳社)なる本である。ここに〈文化の香り溢れる風景!〉と書かれた帯文をそのまま掲載し、紹介に替えさせていただく。
―古都・鎌倉の街並み、神社、仏閣、看板などで素晴らしい〝書〟に出会う。「いざ! 鎌倉へ」の名言のごとく諸国の武士が駆けつけたように散策してみよう。『京都の書』『続 京都の書』の姉妹編。

 最近、私の元に送られてきた同人誌と新刊本の紹介は、このあたりで留めたい。
 皆さん、一人でも多く、これらの本を読んで頂けたなら、私も紹介のしようがあろうというものだ。引き続き私自身も今後、読ませて頂く間に何か感じたことがあれば、本欄で感想などを述べさせてもらうつもりでいる。
×        ×

(まる一日、自室に閉じこもって本を読み続けた私。半ば、記者時代の延長で同人誌の情報などを広く伝えなければ、といった義務感もある。せっかく本を送ってくださった皆さまの期待にも当然、応えなければ、とも思っている)

 でも、やっぱり私は読むこともいいが、やはり自分の感性の赴くままに、人がなんと評価しようが私にしか書けない【権太ワールド】にこだわって、ただひたすらに夢を求めて書く。書き続けることが好きだ。

 そして。できたら、その時々の時代背景を映し絵に、この世の人間たちがその時々をどう乗り越え生きているのか、を。時には究極のラヴストーリーやファンタジー、メルヘンもまじえ、あくまでこの地球上で起きているノンフィクションにこだわりつつ、それをベースに書き続け、時代の証言者として後世に一作でも多く残していけたら、と願っている。

 私の本当の挑戦は、これからだ。柔道少年のころ、そして記者時代に優る大きな道に続く、あくまで序章に過ぎない。かといって気張る必要もない。のんびり、ゆったりと進んでいきたい。名もなき一匹文士でいた方が、より後世に残る小説が書ける、と思うのはなぜだろう。あくまで自然体で、書き続けていきたい。

【新聞テレビから】
☆『〈世界ふしぎ発見!〉 映画の街へGО! ハリウッドSP【世界の三船の娘さん・美佳さんと歩く】』(12日夜、CBC)、『〈美の巨人〉上村松園「母子」技と気品 画壇への挑戦』(12日夜、テレビ愛知)
☆『光と水で美白になあれ 美濃・コウゾ寒ざらし』、『「脱原発」今年も 官邸前デモ』、『〈見極める安倍政権〉「アベノミクス」第1弾期待と不安 受注にやっと光・土木業者 2児の母・くらしに救いを』、
『原発輸出支援で「維持」 概算要求締め切り(来年3月末まで切れ目ない)15カ月予算着手』、『田原新たなメガソーラ― 国内最大級三菱商事が建設へ』、『大村知事 月給3割削減継続へ 新年度、期末手当2割も』(12日付、中日朝刊)
☆『名古屋・西区 民家で一家3人殺害 長女の行方 不明 首に絞められた痕』『地元の名士に何が 西区・3人殺害 一家で不動産業 不明の長女 福島ボランティア 住民電話に社長の息子「姉さんいない」』、
『御園座閉館、図書館も終了 演劇界の宝 散逸の危機 中部唯一 歌舞伎番付など多数』、『マヤの遺跡発掘し保存 金沢大・中村教授ら 今春からティカル調査』、『熱~い「スキヤキ」歓迎 (1963年の)坂本九さん渡米の映像発見』(12日付、中日夕刊)
☆『「きな子」の娘 警察犬に=ドジぶりが人気を呼び映画化された嘱託警察犬「きな子」(10歳)の娘「こむぎ」(6歳)が先月、香川県警の警察犬試験に合格し、11日、委嘱式に臨んだ』(12日付、毎日夕刊)
☆『〈尖閣 沖縄・宮古島ルポ〉漁民願う 平和な海』『オレたちの漁場 中国と外交解決を』『かつて島で働いていた奥原隆治さん(81) 海は日本船でにぎやかだった』『尖閣での漁歴36年の漢那一浩さん(64) 魚釣島のカツオ漁が生活の糧』(13日号、しんぶん赤旗 日曜版)

一月十一日
カナダで撮影されたオーロラ、ユーチューブから

 午前中、パソコンのユーチューブでオーロラを無性に見たくなって、誰もいないわが家で一人、オーロラを見てみた。なんとステキなのだろう。モノ言わぬ色彩にあふれ、詩的だ。
 この美しさと底知れなさ、幻想の天裂、さらには叙情性から余韻…まで、を文学で表現することは至難のわざだ。感性のなかで、静寂のなか、全ての神経を集中させて自然と向きあったなかで描き切るほかないだろう。
 やはり、私も自分の目でオーロラを見てみたい。書くのは、それから。現場をあるいてから、だ。

 昨年、地球一周の船旅でノルウェーやスウェーデン、アイスランドを訪れたが肉眼で見る機会に恵まれなかった。それだけに、いつの日か、生きてさえいたら再度北欧の地を訪れ、わが目でオーロラを見てみたい。出来たら、ジョン・レノンのImagin Peace Towerがあるアイスランドがいい。レイキャビクでは地熱温泉・ブルーラグーンでのヒヤリとした、ちょっと楽しい思い出もあるだけに、その分忘れられない。
 滞在中に町中のホテルで食べた何げない魚料理がとても美味しく、町全体が澄んだ大気に包まれ透明感があり、人々の表情も明るく幸せそうだった。落ち着いた感じがしただけに、あらためてゆっくり行ってみたい。
 そして。この北欧で繰り広げられる奇想天外なメルヘンチックかつ、陽気で真実の愛に満ちあふれた、そんなオーロラ物語でも創作し世に問うてみたい。

 きのう、極めることを誓ったこともあり、ユーチューブによるオーロラ鑑賞のあとは、愛用の横笛を何度もふき、次いでサンポーニャ吹きにも挑んでみた。このサンポーニャ、なんとか音は出せるが、音曲となると、なかなかどころか殆どメロディーにはなっていない。小学唱歌の【みなと】を〝空も港も夜ははれて 月に数ます船のかげ……〟と、何度も何度もふいてみたが。あ~ぁ。
 私にはハモニカで自在にふける音感があるのだから吹けないはずはない、と何度も何度も吹いてみるが、やはり今日のところはダメなので撤退した。でも、あきらめてなるものか。出来たら、こちらも極めたい。

 懐かしい人からの便りが二通届いた。
 一通は、今から30年ほど前、小牧の記者時代に取材で何かとお世話になった高校英語教師後藤勇治さん=一宮市在住=からで「寒中お見舞い申し上げます」と書かれた一宮市観光協会のポストカードでの便りだった。いま一通は、かつて七尾支局時代の同僚で後輩でもあった中日新聞の小塚泉白山支局長から、だ。

後藤さんから届いた一宮市観光協会のポスターカード

 後藤さんも、〝いずみ(小塚泉支局長)〟も、ふたりとも今は社会で羽ばたき、地域社会の重責を担っている。

 その前向きな姿に胸が熱くなった。
 後藤さんからはほかに〈一宮市制90周年の同市観光協会ポストカード〉ひとそろいが添えられ、〝いずみ〟の方は懐かしい字で「支局長と呼ばれる席に座って10カ月になります。私が支局長と呼んでいた伊神さんの呼吸一つ一つを思い出しながら日々を過ごしています。記者のような顔をしていますが支局長にトロッコと呼ばれていた昭和の終わりのころの気持ちは忘れずにいたいと思います」とあった。
 泣かせるじゃないか。近ごろ、だんだん涙もろくなってきた。歳のせいか。いやいや、そうではない。みんな、いい奴らばかりだからだ。

 話しは変わるが、朝日新聞の電子版「朝日新聞デジタル」が昨日から、大きくリニューアルしたと10日付の同紙で報じていた。有料会員向けに、パソコン画面で紙の紙面を開いたように読める「紙面ビューアー」機能を増やした、とのことだ。

【新聞テレビから】
☆『〈金曜ロードSHOW〉コクリコ坂から(2011年スタジオジブリ)』(11日夜、メ~テレ)
☆『与謝野晶子直筆未発表含む103首 岡山で原稿用紙発見 新聞掲載用「一度に載せて」書き添えも』、『介護グループ脱税疑い』『名古屋国税告発 2億円所得隠し』、『〈通風筒〉◇…商売繁盛を願う今宮戎神社(大阪市浪速区)の「十日戎」は十日、福娘らを乗せた宝恵かごの行列が大阪・ミナミの繁華街を練り歩き、祭りは最高潮の盛り上がりを見せた。』、『大阪・桜宮高 バレー部顧問も体罰 校長、市教委に報告せず』(11日付、中日朝刊)
☆『60万人雇用創出見込む 緊急経済対策を決定 GDP2%上げ』『「バラマキ」首相が否定』『円、一時89円台 東京 2年半ぶり円安水準』、『〈文化〉東海の文学風土記 三田村博史1 三重県伊勢市・明和町 神宮舞台に多くの作品』、『アット系2社 介護報酬5億7000万円 脱税指摘の3年間で受領』、『大船渡高仮設の受験生ら 教室スパート 被災地サクラサク信じ』(11日付、中日夕刊)

一月十日
悪女1「私はネ、あなたたち猫ちゃんのために働いてるのよ」。悪女2(長女猫のこすも・ここ)「何言ってるのよ、お母さんのため生きてるのだから」=写真は2人とも、今よりは少し若い頃デ~ス

 今になって、初めて知った。それは、アッと驚くことだ。

 実は、妻の舞が内閣総理大臣認可、社団法人全日本ダンス協会連合会と愛知県インターナショナルダンス教師協会認定のアマチュアダンス技術検定試験でラテン(ルンバ チャチャチャ ジャイブ)とモダン(ワルツ タンゴ)のそれぞれ合格証を持っていたということだ。信じられない。
 けさ、「ハイ、これ。あなた、見てよ」と賞状を手に突然言うので、一体何事かと思い、この目で見たのが二枚の検定試験合格証だった。

 合格証によると、ラテンを平成十八年十月二十九日に、モダンは少し遅れて翌十九年三月四日に取得していた。これには、おったまげた。知らなかった。当時は私もまだ、新聞社に通っていたころなので舞が昼間、「ミヌエット」でのボランティアのリサイクルショップ以外に何をしていたのか、は聴きもしなかった。うっかり、とはこの事をいうのだ。

 だったら。昨年、決行した地球一周102日間の船旅に私が出かけた時の「社交ダンスだけは覚えてきてね。帰ったら私に教えてほしい」と言っていた、あの言葉は一体何だったのか。嘘か真か。私は彼女に言われるまま、船内で苦手な初級ダンスにチャレンジしてきたが……。ということは、完全に彼女の手中で躍らされていた、ということか。でも、まぁっ、いいか。その後社交ダンスが下手なりにも大好きになったのだから。

 舞が昔から世界中の民族衣装を着こなしてフォークダンスを踊るのが大好きなことと、俳句や短歌、1行詩に励んでいることは十分、知っている。でも、まさかいつのまに。今朝になり突然、免状を見せられた時には、それこそ腰でも抜けそうだった。

 平成十八年といえば、それまでの新聞記者稼業、旅ガラスの記者生活から足を洗い、木曽川河畔の街・江南に曲がりなりにも、ちいさな家を建て一宮のマンションから移り住んできたばかりのころだ。合格証を見せられて初めて舞が、このころ、社交ダンスのレッスンに密かに打ち込んでいたことを知ったが、それにしても知らない間にレッスンを受けていたなぞ、初耳だ。まったく気付きもしなかったし、これまで一度も聴いたこともない。

 その社交ダンス。きょうは江南市民文化会館でことし初めてのレッスンに挑んだ。ジルバ、ブルース、ワルツの順にステップを踏んだが、「まっすぐに」「真横に」「肘がヤジロベエなんだから」など。ステップは踏めば踏むほど楽しく、先生からも「ヨーシ、その調子で。できた、できた」などと褒められると、ついその気になってしまい楽しいひとときは、瞬く間に過ぎ去ったのである。
 私は踊りながら、意識の底で「この調子なら、いけそうだ」と思い「ヨシッ、これから、この社交ダンスなるものを納得のいくまで極めてやろう」と決意。同時に横笛の方も、せっかく、少しずつ吹けるようになってきたのだから、こちらも極めてやろう、と。そう心に誓ったのである。

 なんだか毎日毎日、こんな話ばかりで【伊神権太、イコール=遊び人】みたいだ。だが、人間、所詮は楽しく人生を過ごすために、すなわち誰もが遊ぶために、人生を楽しむために生きているのだ。楽しむことが、他の人々に生きる力を与えられれば、それでいいじゃないか。私がいま、新しい道を歩き始めた〝一匹文士〟の道だって同じことよ。伊神権太の小説を読むことによって生きる力が生まれたら、これに敵うものはない。

 彼女、舞は悪い女だ。悪女ほど魅力的な人間はいない、とはよく言ったものだ。
 能登にいた時。誰もが知る、ある有名な売れっこに誘われ私の知らない間に車で能登島一周をちゃっかり楽しんだりした。志摩でも、ある日突然、通信部から消え去った彼女を追い、知人の小学校教師と大騒ぎで阿児やら浜島、大王町…を探し回って歩いた。
 いつも、彼女なりの魂胆があってのことで彼女はそのつど大きく育ってきた。そうして。人を驚かすキャラクターにかけては、並外れたものがあるだけに、その分魅力的で若々しい。

 これからも身体を大切に、私をハラハラ、ドキドキさせてくれれば、それが幸せということなのだろう。今度は、こちらがダンスを教えてほしい。こちらが驚かしてやろうか、と思っている。

【新聞テレビから】
☆『カンブリア宮殿SP 巨大アジアで大奮闘! ▽執念のおっぱい研究 100億稼ぐ吸い心地!……』(10日夜、テレビ愛知)
☆『笹子上り天井損傷1211カ所 アンカーボルト 欠落や脱落も 緊急点検結果』、『経済諮問会議が再開 3年半ぶり』、『旧東海銀の母体「伊藤銀行」 明治の銀行史 富国の志 創業家で発見 発展経緯 克明に』、『二所ノ関部屋 消滅へ 親方が病気 後継おらず 大鵬ら生んだ名門』
『女性解放の〝原点〟 原形のまま 「青鞜」50冊見つかる 発禁報じた新聞記事も 東京の古書店から』、『787燃料漏れ 昨年も』『全日空、エンジン配管不良 日航便より深刻』、『GSユアサが「原因究明協力」 787の電池出火』(10日付、中日朝刊)
☆『福島に放射能研究拠点』『雇用にも貢献 補正で800億円』、『大阪・高2自殺 前日「平手で30~40回」 帰宅後、親に明かす』『「なぜ僕だけ」体罰当日に遺書』『刈谷工野球部の次男が自殺 母「体罰で人は強くならぬ」「容認」の考えも問題』(10日付、毎日朝刊)
☆『介護15年「基本は愛」 岐阜の82歳男性 妻との生活、心境を本に(大垣支局・秋田佐和子)』、『「一番福」は高校(3年)生【兵庫県西宮神社】』、『【☎100】2割緊急性なし 東海3県12年悪質ケースは摘発』『無言、いたずら、「息子が部屋片づけない」…』、『黒沢作品の名脇役 千石規子さん死去 90歳』(10日付、中日夕刊)

一月九日
 「あのねえ」というので「なんだよ」と聞くと、彼女曰く「日本は〝ニッポン〟になってはいけないの。〝ニホン〟でなくっちゃあ」と。「正月の新聞にも書いてあったよ」と続けたので記事を探してみたが、既に片づけられたあと。

 確かに言葉の発するイメージからすれば、〝ニッポン〟と言うと、なんだかナショナリズムを誇示するようなトーンで戦時下のイメージがする。ふつうの〝ニホン〟の方が自然体でどこかしら、心休まる。もし戦争でも始まろうものなら、これまでの〝ニホン〟がたちまちのうちに国防軍優先の〝ニッポン〟になる気がしないでもない。

 彼女の突然の問いかけを耳に、やせても枯れても元べ平連(ベトナム民主平和連合)の反戦闘士だったことはあるな、と実感。私と彼女は、私が元々、保守中道派なのに対し彼女は、先鋭的な左翼である。些細なことでいつもケンカばっかりの日々だが、互いに意見を戦わせるところがよいのだろうか(いや、戦わせるというよりは、いつも負けてばっかりだが)。
 それでも仲は、そこそこいい。基本的には、それぞれがバラバラでわが道を行くといったスタイルだが肝心な時には一緒になる。ふたりで志摩に駆け落ち逃避行した時の約束は互いにボーボワールとサルトルでいこうよ、というもので、この気持ちは今も変わらない。
 相棒がたとえ恋に陥ろうが幸せなら、それでいい。結局、それだけ愛しているということか。

 新年初の横笛の稽古に大須の師匠宅へ。
 お年賀に短冊形KARHUのカレンダー【佳風暦】をいただき、二月九日の発表会を前に「酒よ」と富山地方の民謡「こきりこ」の演奏に励んだ。励んだ、と言っても芸道はじめ世間一般のことどもに関して話される師匠のおしゃべりを聴くのが大半。横笛ふきは、ほんのわずかの時間だ。でも、結構充実した思いにかられるのは、なぜか。私にもわからない。ただ師匠の前に座って稽古に励む、そのこと自体が楽しいからかもしれない。

 中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員で〝落合信者〟の佐藤彩乃さんから、「(笛猫のこすも・ここちゃんは)ユーチューブで動いているところを見て描きました」とのメール。えっ、ユーチューブまで見ていてくれた、だなんて。感激した私はさっそく、こすも・ここに、このことを報告したのである。
×        ×

 きょうは午前中、パソコンで私の小説作品などを紹介する数々の検索項目をチェックするうち、項目のなかに少し首をかしげる迷惑メールが入っていたので、「イメージが悪くなってはいけない」と詳細を調べるため覗きに入ったところ、知らぬ間にアダルト画像が登録されてしまい、少しあわてた。
 即座に「画像の削除と登録解除」を業者側に電話で要請したが「それは、自己責任です」の返事で拉致があかない。最後はパソコンの購入元であるヤマダ電機の最寄り店に足を運び、データの削除を三千八百円ナリでしていただいた。
ヤマダ電機の担当者からは「今後、業者から何を言ってきても無視してください。こちらが正しいのですから」とのアドバイスも受けたが、私に言わせれば私の知らないところでいつの間にか登録されてしまい、あげくにいかがわしい画像をパソコン画面に何の了解もなく添付し続けるなどもってのほかだ。傷害罪、いや私のパソコンに対する器物損壊罪も甚だしい。「そういうので、よく引っかかるのだから。注意してよ」とまたまた妻に叱られてしまった。
 でも、ヤマダ電機のPCサポートさんが的確、かつスピーディーな判断で問題点を処理してくれ、ホッとしている。この齢になっていい勉強になった。お恥ずかしい限りだ。

【新聞テレビから】
☆『車イスマラソン 土田和歌子 転倒……第一人者の決断』、『「地域のため」閉館を決断 東京・吉祥寺「前進座劇場」』(9日夜、メ~テレ・報道ステーション)
☆『100分de名著・般若心経 秘められた本当の意味』(9日夜、NHKEテレ)
☆『富山殺人放火 二カ月後に犯行声明 容疑の警部補出版社に送付 手配買い取り要求』『県警「詳細は捜査中」消え入るような声で会見』、『被災帆船〝再出港〟追い風 「一本松作業」弥富の会社 修復に協力』『2度目の復興支援』(9日付、中日朝刊)
☆『緊急経済対策20兆円 補正総額13・1兆円』、『東京五輪 都市力強調 計画書公表 震災復興後押し』、『「恩返ししたかった」岩手の被災児童招く 阪神大震災の経験者』、『体罰翌日 高2自殺 「部活顧問から」手紙残し 大阪』

一月八日
皆さん、明けましておめでとう。彩乃さんに描かれてしまった笛猫のこすも・ここデ~ス。でも、少しだけ歳をとりました。ことし1月2日撮影

 ラヂオプレスによると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第一書記が三十歳の誕生日を迎え、朝鮮中央放送は七日、正恩氏が誕生日に先だち全国の小学校、幼稚園、託児所にお菓子を届けた、と伝えた。

 一方、中国では有力週刊紙「南方週末」の新年社説が広東省共産党委員会の指示で大幅に書き換えられた問題で同紙記者らが抗議のストライキに突入、支持する市民約三百人が広東省広州市の同本社前に集まる異例の事態に発展している。日本のマスコミも「中国紙 記事の大幅書き換え 記者スト 市民が声援」(8日付、讀賣朝刊)「言論の自由を求め異例デモ、記事改ざんで記者ら抗議」(8日夜メ~テレ・報道ステーション)などと大きく報じている。

 アメリカでは病気療養中だったクリントン国務長官が1カ月ぶりに復帰。米メディアはいち早くオバマ米大統領がCIA(中央情報局)長官にジョン・ブレナン大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)を指名する、と一斉に報じ、その後オバマ大統領はその通り指名した。

 世界は少しずつだが、ダイナミックに動きつつある。
 特に中国の場合、香港に近く、いつも全土のなかで最初に革新的な行動に出る広東省に大きなうねりが出てきている。もしかしたら、これが中国全土の転換点になるや知れない。
×        ×

 きょうも私あてに届いたホットな年賀状から。
 賀状を読ませて頂いてつくづく思ったのは、一昨年までお世話になった、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員、そして昨年知り合った船友仲間たちは、どなたも心が大変温かくていいナ、ということだ。

佐藤彩乃さんから届いた年賀状と、笛猫こすもそっくりの似顔絵

 なかでも私が昨春、出版した著書〈いがみの権太 大震災「笛猫野球日記」〉の表紙にある愛猫〝こすも・ここ〟を、あえて似顔絵に描いて年賀状を送ってくださったのは、東京・杉並区の根っからの落合信者・佐藤彩乃さんだ。
 佐藤さんは、2011年まで中日ドラゴンズ監督として輝かしい歴史を築いた当時の落合博満監督の大ファンで、賀状には落合さんとのツーショット写真とともに「今年も落合監督が指針です」の文面も。彼女にとっては、〝落合監督〟という大きな存在が今も人生を生きてゆくうえで大切な心の支えになっていることが一目瞭然としてわかる。私が賀状の〝そっくりさん〟を、愛猫に見せたのは当然のことである。

 「3月末、無事80才を迎え45年の一人住いを終り、娘の家に住んでいます。5/8~8/17までピースの大きいフネで世界をみて(7度目)、どの国も問題一杯、日本に生れ、色々と、まもられて大感激です くれぐれもお元気でと祈ります」は東京・中野区の大草由紀子さん。
 彼女は「船の旅すばらしいですね、良き一日を願っています」の添え書きつきだ。そういえば、大草さんとは、船内でとことん酒を酌み交わした日がつい、先日のようだ。あの夜、彼女は私に「もう八十になるので、ピースボートは、これを最後にしたいの」と仰っていたが私が「まだお若い。十回までは大丈夫ですよ」とハッパをかけさせて頂いたことを覚えている。

 そして。船友仲間というよりはオーシャンドリーム号クルーのレセプションチーム・チーフだった関戸文さん(現在は山内文さん)。彼女からは【実は昨年結婚し、今年5月には出産の予定です。当分は船で働くことができないのは寂しいですが、新たな「母業」を楽しみにしているところです】とおめでたのお知らせ入り。関戸さんには、船内のバー、カサブランカでのひとときが懐かしく思い起こされる。私が平和のメッセージのユーチューブ発信で苦闘している時、関戸さんの配慮もあってスタッフには随分と助けられた。

井上海風さんから届いた年賀状

 それから。「目の病い、足の病いにも負けずに頑張っております。1/20 NHK俳句大会へ参加します」と、いつもと変わらぬ賀状は三重県伊勢市の文化人、井上海風(博暁)さん。ことし八十路になるという井上さんは、私たちが志摩通信部在任当時、浜島町教育委員会の社会教育主事で中日写真協会志摩支部の役員でもあった。通信部内での月例会など妻ともども大変お世話になった。
 こうした年に一度の〝賀状逢瀬〟もいいが、私も一匹文士として新たな人生を歩き出しただけに、一度教えを請いがてら再会したい、と思っている。

 きょうは年末年始期間中の新聞の整理をし、重要な記事をスクラップしたり、読み返したりするうち、時がまたたく間に過ぎ去った。途中、あれやこれや、と僕の作家人生を心配してアドバイスしてくださる船友とも電話で有意義な話しをする機会に恵まれた。
 そんな一日のなかでひとつ感じたことは、元日から始まった大沢在昌の新聞小説「雨の狩人」が、これまでとは違ったスタイルで読ませる。昨年の「天祐(てんゆう)なり」(幸田真音)が絶妙なる取材力で人間・高橋是清に迫る傑作だっただけに「どうなるか」と思っていたが、そこはプロ。場面が一転するなどチョット戸惑いはするものの、読者に一体何が始まるのだろう、という期待感を抱かせている点でまずまずの滑り出しか。

【新聞テレビから】
☆『新春リンク 笑顔咲く 名古屋フィギュアスケートフェスティバル』、『広がるマナカ学生証 名市大国公立で初導入へ 学生のデザイン採用 就活、旅行、買い物…全国でタッチ』、『〈訃報〉東松照明さん死去 82歳 戦後写真界の巨人』『東松さん死去 長崎、沖縄 敗戦の影写す 「私の写真 名古屋が原点」』、『〈訃報〉高原列車は行く 岡本敦郎氏 昨年12月28日、脳梗塞のため死去、88歳』(8日付、中日朝刊)
☆『王羲之の模本発見 唐代作 書風解明に手がかり』『王羲之の模本「大報帖」発見 遣唐使が名筆運ぶ 手鑑で受け継がれ』、『政府・日銀 政策協定に「雇用安定」 2%物価目標 時期示さず』
☆『〈龍の背に乗って 渋谷真〉厳しい視線が待つ大阪へ 福留の闘いは終わらない=渋谷記者と福留が一緒に歩くところがいい』
☆『明治の西洋染めた 伊勢型紙再び海渡る』『鈴鹿の彫り師 NYで復刻、実演』、『忍法 紙芝居の術 ☆伊賀流忍者の祖 こんな伝説 地元中学生「面白く伝える」』、『日航B787 米で火災 着陸後に煙、けが人なし』、『体罰受けた高2自殺 大阪府警 バスケ部顧問を聴取』(8日付、中日夕刊)

一月七日
 七草粥。
 月曜なので、妻が開くボランティアのリサイクルショップ「ミヌエット」はお休み。妻は二年半ほど前の大手術から脱出後、当初は一週間のうち三日を休みにしていたが最近では休みを以前のように日、月の二日に戻した。ただし土曜日に俳句教室がある日は、こちらを優先させている。
 ということで、きょうは一人でスーパーに行ったり、歯医者さんに行ったり…で、あれやこれやと町中を宝物でも探すように思いのまま走り回り、満足そうだった。でも、寒いし病み上がりなので心配極まりない。送り迎えしようか、と言っても「いいの。一人の方が。ひとりがいいの」の一点張り。おぼつかないハンドルさばきで自転車で出かけて行くのは、毎度のことである。心配ではあるが、こうして少しずつ体力が戻ってきたなら、と願う。

 年賀状は船友を中心に、まだまだ続いている。
 なかに一枚、こんなのがあった。
 「今年も元気で少しでも良い日本になるよう頑張りたいです。昨年、名古屋の会に参加させていただき、良い友人をたくさんお持ちでいいなと思いました。(略)下船してからずっとチュニジアのジャスミン革命の後を知りたく12月中旬に旅行社に聞きまわり、エミレーソ航空でドバイ乗りかえで行ってくることができました。好きな若者にいっぱい出会い、チュニジアも観光客であふれていました。日本も好い国を見習わなければ、と感じました。」(原文通り)
 実は彼女。地球一周の船旅の際、船上で指揮を取っていたコーラスグループのリーダーで最後の朝に「ハモニカをふいて」と頼まれた、あの須藤信子さん(埼玉県入間郡)だった。私はあの日、みんなの声に合わせ【ふるさと】を感慨を込めてふいたが、海のかぜに乗りひとひらひとひら、流れゆく声に満足感を覚えたことを覚えている。
 彼女は、下船してからも名古屋の徳川園・宝善亭で私のために有志で開いてくださった地球一周祝賀会を兼ねた帰朝報告会にも遠いところをわざわざ出てくださった。その彼女がまさか暮れになって今度はチュニジアを訪れていたとは。やはり、努力と勇気、行動力の人だなっ、と実感。あの行動力は私も見習わなければ、と思う。

 船友仲間と言えば、同じく船内で大変お世話になり、下船後にも須藤さんと同じく名古屋まで来ていただいた大学教授のお姉さん・サッちゃん(阿部祥子さん)からも「ゴンタさん、福島からの詩を」と一編の【拝啓関西電力様 青田恵子】なる詩がメールで送られてきた。
 「これは南相馬市から避難、水戸市で1年半に及ぶ避難生活をおくっていらっしゃる青田さんの詩です。切実で胸に迫るものがあります。皆様多くの人にも読んでいただいて青田さんの気持ち、福島の皆さまの気持ちを共有してください」の添え書き付きで、だ。
 ここに、その詩を紹介させていただく。一人でも多くの方々の目に触れることを願いつつ。

「拝啓関西電力様
青田 恵子

エアコンとめで、耳の穴かっぽじって
よ―く聴け。
福島には「までい」っう言葉があんだ。
までいっつうのは、ていねいで大事にする
大切にするちゅう意味があんだ。
そりゃあ、おらどこ東北の暮らしは厳しかった。
米もあんまし稔んにえがったし、
べこを飼い
おかいこ様を飼い
炭を焼き
自然のめぐみで、までいにまでいに今まで
暮らしてきた。
原発は いちどに何もかもを
うばっちまった。

おめえらは誰ひとり
責任とって 詫びて死んだ者はない
んだけんちょもな、おめえらのような
人間につける薬がひとつだけあんだ。
福島には人が住まんにゃくなった家が
なんぼでもたんとある
そこをタダで貸してやっからよ
オッカアと子孫つれて
住んでみたらよかっぺ
放射能たっぷり浴びた牛は
そこらじゅうウロウロいるし
セシュウムで太った魚は
腹くっちくなるほど 太平洋さいる
いんのめえには、梨もりんごも柿も取り放題だ。
こんのさらえば
飯も炊けるし、風呂も沸く
マスクなんと うっっつあしくて かからしくて
するもんでねえ
そうして一年もしたら
少しは薬が効いてくっかもしんねえな

原発さえなかったらと
壁さ
チョ―クで 遺書を残―して
べこ飼いは首を吊って死んだ。
一時帰宅者は、
水洗の花咲く自宅の庭で
自分さ火をつけて死んだ。
放射能で一人も死んでないだと・・・・・
このうそこきやろう 人殺し
原発は 田んぼも畑も海も
人の住む所も

ぜ―んぶかっぱらったんだ。
この 盗人 ドロボ―
原発を止めれば
電気料金を二倍にするだと・・・・・
この 慾たかりの慾深ども
ヒトラ―は毒ガスで人を殺した
原発は放射能で人を殺す
おめえらのやっていろことは
ヒトラ―と なんもかわんねえ
ヒトラ―は自殺した

ほしたら フクシマの子供らとおんなじく
鼻血が どどうっと出て
のどさ グリグリできつかもしんねえな
ほうれ 言った通りだべよ
お目えラの言った 安全で安心な所で。
さあ急げ!
荷物をまとめて フクシマさ引っ越しだ
これが おめえらさつけるたったひとつの薬かもしれんにぇな

【参考・方言の意味】
うなげんちゅうも・・・・・だけれども
腹くっちょく・・・・・・・腹いっぱい
いんのめえ・・・・・・・・家の庭
ごんの・・・焚きものにする小枝や落ち葉
うっつしゃ・・・・・・・うっとうしい
かからし・・・・・・・・わずらわしい

【新聞テレビから】
☆『〈犠牲の灯り 第1部「ちむぐりさ」6 目覚め〉原発30年 決別を誓う 幻の豊かさ 代償重く』『福島の原発 県民75%「全て廃炉に」 福島民報調査 脱原発の要望強く』、『人やぐら 福に届け 岐阜・白鳥「花奪い祭り」』、『漱石「博文暗殺 驚いた」 満州の日本語紙 寄稿文発見 現地邦人への賛辞も』(7日付、中日朝刊)
☆『シリア大統領 反体制派と対話拒否 数日内に新和平構想』、『芥川賞候補に75歳新人=第148回芥川賞候補に75歳の新人、黒田夏子さんが入った。受賞すれば61歳だった故・森敦さんを抜き最年長。』(7日付、毎日朝刊)
☆『経済再生本部スタート 首相ら看板掛け 緊急対策 議論へ』、『障害に負けず起業 歩み出版 ビジネス生きる実感 東海市の佐藤さん 1センチ動く指で勝負』(7日付、中日夕刊)

一月六日
 夜。NHK総合テレビで大河ドラマ「八重の桜」の第1回「ならぬことはならぬ」を見た。この「八重の桜」は、会津藩砲術師範の子として生まれ幕末の会津で銃を手に新政府軍と果敢に戦い、明治維新後に京都で新島襄=同志社創立者=と結婚。その後、教育や看護活動にも身を捧げた幕末のジャンヌ・ダルク【新島八重】の物語だけに妻舞の薦めもあり、ぜひ見てみようと思っていた。

 この日は、銃で華麗に的を撃ち抜く文武に秀でた兄・覚馬の姿を見ながら育ち砲術に夢中になっていく幼少の八重を中心に、会津に伝わる家訓、会津藩士が最も張り切る軍事訓練・追鳥狩(おいとりがり)、八重が心優しい藩主・松平容保と出会う場面など、どのシーンをとっても、なかなか見ごたえある内容だった。
 次回もまた見よう、と思ったのは私だけではないだろう。

 引き続きあったNHKスペシャル「香川照之・密着300日」。これまた親子でありながら母・浜木綿子とともに運命に引き裂かれていた俳優香川が、四十六歳にして歌舞伎の世界に入ることを決断。悲願だった、一度は倒れながらも再起した父猿翁(3代目市川猿之助)と子・中車(香川)の共演に至るまでの過程が丁寧かつ見事に描かれていた。
 これまで宙吊り場面でも知られる〝スーパー歌舞伎〟の披露など澤瀉屋(おもだかや)一門を引っ張り続けてきた3代目猿之助の芸に執着する姿、そしてわが子・香川を思う痛いほどの心情が全編に流れていたのである。

 番組のなかでは途中、香川の母、浜木綿子が別れてから四十年ぶりに猿翁と再会する場面もあったが、猿之助と暮らしていた故藤間紫については、ついぞ触れずじまい。傍らでは舞が「(これまで浜木綿子さんが、どんなに辛い思いで生きてきたのか。女性の心情に触れずして)ちょっと片手落ちじゃないの」とまるで私を咎めるように視線を向けて来、それにはドキリとした。
 でも、芸は芸の道。私は猿翁の生きてきし道を認めざるをえない。妻子と別れて歩めばこそ、型破りのスーパー歌舞伎が生まれたのではないか。
 「でもねえ~、なんで四代目猿之助がおいっこなのよ。よくわからない」と彼女は突っかかるような眼差しでさらに私に迫ったが、番組そのものには満足した面持ちで私自身、どこかでホッとした。

 ことしは、パソコンからのメールが結構多かった。中に一枚、滋賀県竜王町在住の作家畑裕子さん夫妻からの賀状も。彼女は「近江 戦国の女たち」(サンライズ出版)の著者でもあり、〈お市の方〉など戦国の女性を描く作家でも知られるが、昨年ご夫妻そろって出版されたご著書(「百歳物語 絶望の大地に咲く花 畑裕子」と「福島原発事故の放射能汚染 問題分析と政策提言 すべては現実直視から始まる」)二冊のカラー写真が胸に残った。

 けさは睡眠不足だったが、このところは部屋にこもって自分勝手のし放題のこともあり、たまにはーとご機嫌とりを兼ねて苦手な台所へ。ことし初の朝食なるものを作って妻に食べてもらった。やはり、彼女には味噌汁が少し濃かったようだ。ただ「作って食べてもらおう」という私の気持ちに少しだけ「許してもいい」と満足そうだった。
 あ~ぁ。眠い。やっぱり何をするにつけても、睡眠第一でいかなければ、と思った次第だ。

【新聞テレビから】
☆『日本を変えるかもしれない女たち VOL.5ー銭湯女子 息づく人情 恋をした』、『生命の星を探せ 自然科学研究機構が本格研究 ハワイに巨大望遠鏡建設』、『繁栄祈り舞う赤鬼 坂部の冬祭り 長野・天龍村』、『〈この人〉第11回300文字小説賞で最優秀賞に選ばれた 波戸与七さん(熊野市、83歳)』(6日付、中日朝刊)
☆『マグロ1億5540万円 大間産222キロすしチェーンが落札 築地初競り仰天最高値 1キロ70万円 昨年の3倍!!バブル懸念の声も』『漁師は1億2千万円ゲット』『大盤振る舞い!1貫5万円が128円から提供』(6日付、中スポ)
☆『「たま」駅長 異例の出世 和歌山電鉄社長代理に=和歌山電鉄貴志駅のスーパー駅長を務める三毛猫「たま(雌、13歳)が5日、同電鉄常務執行役員からナンバー2の社長代理に昇進した」』
『冬山遭難 2人死亡8人不明 引き返す勇気を 「事前調査が大切」専門家』、『新美南吉 生誕100年祝い開幕祭 半田の記念館改装終え再開 子供の踊り、餅まきも』、『警官脅迫3容疑者逮捕 情報漏えい事件端緒 愛知県警』(6日付、毎日朝刊)

一月五日
きのう中日新聞の中でも重要な紙面をうっかり読み落としていた。きょうの夕刊【大波小波】を読んで初めて、その記事の存在に気付いたのである。
あ~ぁ、なんたることか。

 『4日付朝刊の「大波小波80年」という特集記事は充実していた。小生も執筆陣の一人として、ウン、そうなんだと納得した。……(大回転)』(本日付の中日夕刊「大波小波」)の記事に、きのうの朝刊をあらためて開いて見ると、あった!
 それは4日付中日新聞朝刊の17、18ページの見開き二頁を充てての紙面展開で大き過ぎて気が付かなかったのか、と自戒。「時の文人 世を問う」「反骨の筆 今に継ぐ」「大波小波80年」の両面見出しがまさに唸る、といった感じの座談会形式の紙面で八十年の風雪が一読して分かる内容だった。
 もし、本欄〈生きてゆく人間花たち〉をお読みになっている方がいたなら、ぜひ4日付の中日新聞朝刊の「大波小波80年」の特集記事をじっくりと読んでほしい。

 相変わらず寒い日となった。岐阜県高山市では氷点下11・1度の極寒のなか、百七十年前、江戸時代から続く消防出初め式が行われ、北海道の陸別町では実に氷点下30・2度を記録。北見氷点下22・7度、名古屋でも氷点下3・3度、大阪同0・5度だった。北アルプスでは富山県の剣岳で行方不明となったままの東京からの登山者四人がまだ見つからないままでいる、など相変わらず各地の冬山で遭難者が相次いでいる。
 ことしは特に遭難者が多い。

 東京・築地市場できょうの早朝あった初競り。一本二百二十二キロ、とひときわ大きい青森県大間産のクロマグロ一本がナント一億五千五百四十万円(一キロ当たり七十万円)のご祝儀相場で東京のすしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村に競り落とされた、とのニュースには驚いた。競り落とされたこの金額は昨年の三倍に達し、この日築地市場に並んだ二千四百本ほどのマグロすべてが買い占められるほどの値段で、他の取り引き価格への影響が懸念されるという。
 このクロマグロ、計算からいくと一貫5万円で売らねばならないところを、一貫420円でさっそくふるまわれたというが、食べたお客たちは「なんだか一億円を食べたみたい。不思議な気持ちです」と喜んでいたそうだ。

浪速のドラ女教師たちから届いた年賀状

 年賀状の方は、かつてお世話になった中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会員や地球一周の船友を中心に相変わらず、まだまだ届いている。
 「やっぱり、今年もドラゴンズと共に熱い1年にしたいです。週末はナゴヤドーム通いになりそうです。浪速の女教師健在です!」と自らの写真入りで寄せてくれたのは、大阪は淀川区の小学校教師。「昨年秋にセラピー犬に合格した」愛犬の写真入りは、北海道の帯広ドラキチ会の代表余湖敏一さんだ。

詩人の牧さんから届いた年賀状

 そして。【「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ(白水社刊)】。こちらもどうぞよろしくーとは横浜在住の文芸評論家勝又浩さんから、である。
 ほかに「年賀状を出したと思うけど自信が無いのでもう一度出しました。(笑)」と書いてきたのは「熱砂」同人、牧すすむさん。そういえば、私も牧さんに出したとは思うけれど、出してない不安にかられたので「僕も自信がありませんので」と添え書きをして年賀状を手にポストに入れたのである。出したつもりで、まだ出してない年賀状。それも大切なお方なのに。ほかにもある気がしてならない。歳のせいか。

【新聞テレビから】
☆『ドキュWAIV 中東カタール世界戦略』(5日夜、NHKBS1)
☆『衝突4歳児ら3人死亡 1人重体、3人重軽傷 高山の中部縦貫道』『トンネル路面凍結』、『原発新設「時間かけ検討」 首相、容認姿勢を修正』、『(韓国ソウル高裁の)引き渡し拒否「極めて遺憾」首相、靖国放火で』、『一番札「こっちだ!」 熱田神宮で初えびす』(5日付、中日朝刊)
☆『初競り 新年に〝活〟 名古屋・中央卸売市場 マグロずらり700本』『築地クロマグロ争奪過熱 最高値1億5540万円』、『米国防長官後任に (野党共和党に所属する)ヘーゲル氏指名へ』、『ゴジラ(松井秀喜氏)のバット 殿堂へ 米ニューヨーク「気高さに感謝」』、『「真犯人」またメール PC遠隔操作 猫首輪に記憶媒体』(5日付、中日夕刊)

一月四日
 三が日はあっという間に過ぎ去った。
 気象庁によると、きょうは全国観測地点928カ所のうち、803カ所が零度を下回った。なかでも北海道の陸別町ではマイナス28・8度を記録したという。

 まず経済の情報から。
 ことし最初の取引となった東京株式市場。東京外国為替市場の円相場が二年五カ月ぶりの円安水準になったことと、米国の〝財政の崖〟炎上が避けられる見通しになったこともあり、日経平均株価は大幅上昇。一時、前年比で300円を超え1万700円台を付けた。取引時間中としては東日本大震災前の2011年3月4日以来、約一年十カ月ぶりの高値水準となったという。

 この日は被災地、東北の宮古市魚市場でも仕事始めがあり、初売りの内容も東日本大震災前の9割にまで回復、新春早々から各分野で復興の足音が高鳴ってきた感じがする。
いいことである。

 妻の舞はこの日、ウールの着物を着て浮き浮きした表情で「ミヌエット」へ。なんとなく華やかだ。少しだけ若く可愛く見える。あすの新年句会にも着て行くそうだ。やっぱり着物は日本文化そのものである。私の母は、昔はいつも着物ばかり着ていた。

 政治団体「日本未来の党」代表を務める嘉田由紀子滋賀県知事がこの日、県庁の仕事始め式で「代表の役割を後任の方に譲らせていただき、県政に専念できる態勢を作りたい」と述べ、未来代表から退く考えを表明し県民に「心配をおかけしてしまった」と陳謝した。
 大津時代に彼女を知っている仲だけに、残念な気もする。彼女なりにいったんは善かれと思い乗っかってしまった。当初は私も〈平成のジャンヌ・ダルクが現れた〉と、本欄でも大いに期待したのだが。私が取り巻きにいたら、こんな破目にはさせなかったのに。でも、人間、万事塞翁が馬だ。何がどう転ぶか、は誰にも分からない。この苦い体験を好い方に向けてほしい。

 深夜遅く。
 電話とメールをチェックすると、関東に住むドラゴンズの守護神で落合信者の【むさしのガブリ】こと、原田禎知さんから留守電が入っていた。
 「ことしも落合記念館に行き、落合博満さん(前中日ドラゴンズ監督)とじっくり話をしてきました。僕が中日スポーツのファンクラブ通信に書いた記事もしっかり読んでくださっており、うれしかった。大変寒い冬なのでおからだ大切にしてください。今度、発売される本、いまから期待しています。高木ドラゴンズが少しでもいい結果を出せるよう願っています」といった内容で、嬉しかった。
 奥さまもお元気で何より。原田ご夫妻、ことしもドラゴンズをよろしくお願いしますネ!

 日も、時も、一瞬のうちに過ぎてゆくー

【新聞テレビから】
☆『ハウルの動く城(宮崎駿脚本・監督)』(4日夜、中京テレビ〈金曜ロードSHOW〉)
☆『嘉田氏、未来代表辞任へ』『滋賀知事と兼務 批判受け』、『日体大30年ぶり総合V(11時間13分26秒) 予選会から頂点へ 下級生を信じ出直し 4年生 意地の復路』、『遷宮の間伐材 被災地へ 伊勢神宮が提供 旧社殿部材も 東北の神社再建』、『家路 思い出とともに』『空港や駅、Uターンピーク』(4日、中日朝刊)
☆『きんさん復活 ゆるキャラ像に 南区で19日除幕 健康長寿をアピール』、『名古屋城天守閣も木造に 費用調達など市、新年度検討 コンクリ違和感「本物」復元』、『円安が進行 87円台後半 2年5カ月ぶり』『東証一時1万700円台 大発会1年10カ月ぶり高値 「日本取引所」上場』『「弾みの一年に」 名証も大発会』(4日、中日夕刊)
☆『復興応援大河復権 NHK「八重の桜」6日から 2013年のジャンヌ・ダルク 福島「経済効果113億円」』(4日付、毎日夕刊)

一月三日
 木曜日。
 年賀状は、相変わらず思いを乗せ届いている。
 なかに忘れかけていた方からの便りも。ポストまで足を運ぶ。

 日本中がとても、寒い。
 木曽川河畔のこの地方も時折、小雪が散らつく日となった。テレビの報道によれば、北日本と北陸は風雪が強く大荒れのところが相次ぎ、北海道の留萌では午前二時に最大瞬間風速が36メートルにまで達した。

 北アルプス明神岳では二人が雪崩に巻き込まれ行方不明のままだ。西穂高岳でも神奈川の男女3人が標高2800メートル地点で動けなくなり、うち男性一人は心肺停止状態、他の二人は無事下山したという。また秋田と山形にまたがる鳥海山でも、スノーモービルで出かけた八人が下山できないまま、山小屋で救助を待っているという。

 相も変わらぬ年末年始登山さ中の遭難ラッシュだ。ここで思い出すのは、昭和四十年代、松本支局の駆け出しだったころ、年末年始の二週間ほどを北ア上高地の木村小屋に他社のサツ回り記者と一緒に常駐したころの話だ。
 あの時、週刊誌で〝遭難待ち〟の記者たちがいる、と揶揄された日々が懐かしい。みんなでその週刊誌を手に「悔しかったら、おまえら十日間もの間、雪の壁のなかで取材できるのか。してみろよ」と罵り、互いに慰めあったものだ。いったん遭難の知らせが伝わるや、先を競って雪のなかを夢中で駆け回った。下山者に松本まで写真を託し原稿は黒電話をそれこそ他社と奪い合いながら、ふもとの支局に送ったものだ。
 今のように即座に原稿と写真が送れる時代とは違う。パソコンも、携帯電話もないころの話だ。
×        ×

 夜。NHK総合テレビで「福山雅治・最後の楽園を行く」を見たが、福山の前向きなチャレンジ精神と姿勢がよく、彼を見直した。大変参考になる。引き続き見たプロフェショナル、ここでは新春スペシャル「利休が愛した至高の茶わん」の題で四百年の歴史を刻む楽家当主にスポットをあて過去九カ月をかけ密着取材した茶わんに命が吹き込まれ誕生するまでの過程が丁寧に紹介されていたが、これまた新年にふさわしい好企画だった。
 なかでも黒楽茶碗「長次郎」を手掛けた吉左衛門の血をひく十五代吉左衛門の揺れ動く心理、苦悩と努力、繊細な感覚と発想が私の胸に迫った。十五代はそのなかで次のように話しており、その姿勢は私が目指す文学と相通じるものがある。そんな気がした。
―(作品づくりには、いかなる時にも)美と醜さにおさまらない激しさと鋭さ、意志力が必要だ

 かつてテネシー・ワルツが大ヒットし、千万枚以上のレコード売り上げを記録したという米人歌手、パティ・ペイジさんがカリフォルニア州エンシニタスで死去したとのニュースが報じられた。85歳だった。

【新聞テレビから】
☆『米「財政の崖」回避 富裕層増税 歳出減は延期 議会が法案可決』、『〈訃報〉米女性、憲法の男女平等起草 ベアテ・ゴードンさん死去 89歳』『「9条こそ戦争が生んだ真珠」 知人ら「母のよう」』、『PC遠隔操作 「真犯人」が新たに報道機関にメール』、『北ア遭難相次ぐ 明神岳で2人不明 西穂高では3人救助要請』『2人が所属 名古屋山岳会 仲間らが懸命の捜索 「発見できず悔しい」』、『北島康介さんが婚約』(3日付、中日朝刊)
☆『「温首相蓄財」報道 NYタイムズ記者 中国がビザ認めず』(3日付、毎日朝刊)

一月二日
地球一周の船友仲間から届いた年賀状

 ことしも多くの方々から年賀状が届いている。文面は短くとも一枚一枚に近況と「今」の思いが込められており、こうした賀状こそが、後世にその時々の世相と人々の心情を残す最高の文学かと思う。
【賀状文学】とでもいえようか。スマートフォンやパソコンメールがどんどん普及するなか、年賀状だけは人々の心をつなぐためにも、出さざるをえない。そんなふうに感じる。

「明日に向って」。かつての同僚と「熱砂」同人から届いた手づくりの見事な年賀状

 さて。わが家だが。
 ことしも海外を含め、北は北海道から南は沖縄まで多くの方々から賀状が届いた。文面に目を走らせながら、その人の顔がくっきりと浮かび上がる。
×        ×

 「おーい、元気かーいッ。元気ならケッコー。」は名古屋市千種区に住む大先輩。いまだに暴れん坊の私のことを心配してくださっている。

 「ピースボートのお話し聞かせてください」は、春日井に住む将来有望な若者。「野菜づくりにはまっています」は同じ江南に住む高校時代の同級生。「又、どこかで一杯を!」は京都に住む詩人。「毎日、犬に歩かされています。気がつけば帰りの家路はるか遠く…」は、熱田区に住む元整理部の腕利き記者。「山歩き、スポーツジム 時々イッパイーまあやっとります」は、八王子に住む事業も得意だった某先輩支局長。
 端唄仲間だった一宮市内に住む医師からは「今年は息子夫婦と一緒に仕事ができるようになりました」。「実感の無いままに七十の半ばとなってしまいました」は、東京に住む万年青年。「何事も年相応。まあまあの隠居生活です」とは、どこまでもクールな岐阜の大先輩だ。

 「私どもは勇ましい言葉に惑わされず、クールにスマートに老いの日々を過ごしたい」という新聞社の元編集トップは「太平洋の向こう岸の選挙結果には安堵しましたものの、肝心のこちら岸の右方巨大地滑りに目が離せません」。
 元ドラゴンズ社長でその前は編集トップだった新聞記者の大先輩は「波乱の年になりそうですね。もう少し生きて、行く末を見届けたいものです。昨年は世界一周、がんばりましたね。今年は傑作を一つ、ものして下さい。小生も何か書きたいと思っています」と、どこまでも優しい。
 現ドラゴンズ社長で元ニューヨーク特派員、社会部当時の大先輩からは「野球小説でも書いてください。アドバイス、苦情苦言大歓迎です。よろしく」の弁(社長を信じてますから、苦情苦言なんて何もありません)。そして。「そろそろ、この国は高度成長神話と大国主義神話を卒業すべきだと思います。」とは滋賀県大津市から。元さきがけ代表の言である。

山を越え、海を超え、心を乗せて。カトマンズからも届いた(右)

 「北斗」は本年九月号で六百号に到達します。またよろしくおねがい致しますーとは、日本に誇る文学同人誌・北斗の守護人とも言えるある女性から。伊神さん、いつもありがとうーとは、劇団・希望舞台の女性スタッフから。「今年は妖怪から美魔女になりたい」とは、中部ペンクラブと日本ペンクラブに所属する飲み友達、永遠の美少女かつ肉感的有名女性作家だ。
 「お元気ですか? 激しい恋はまだ訪れてはいません…」は名古屋に住む若き女性。「小牧市議会初の女性議長になりましたが(愛知県38市中でも私だけ)改革したいことばかりです。今、伊神氏が小牧支局長だと良かったのに…」とは、小牧時代の〝戦友〟(今の小牧の記者、先日初めて会いましたが、僕よりずっと優秀で心優しい男です。くれぐれもよろしく)。
 「おからだを大事にこれからもどんどん新しい扉を開いてご活躍されることをお祈り申し上げます」とは、女性バイオリニスト。「帰国したら、ぜひ地球一周のお話を聞かせて下さい。それからネパールにも必ずいらして下さいネ。またお会いできるのを楽しみにしています。」とはカトマンズに飛んでいってしまった女性。「舟木一夫氏の事.書いていらっしゃるのですか」は私と同じで熱狂的な舟木一夫ファンの一人でもある福井県の女性。……

 昨年は新聞記者時代の大切な先輩、同僚、後輩たちがバタバタと死んでしまった。
 でも。
―三寒の 別れ四温の 出会いかな
 昨年は親しい同僚や先輩との悲しい別れが続きました。一方で、すばらしい人々との温かい出会いも次々に。人生ってやっぱり「寒」より「温」が一つだけ多いよな。
 そんな気持ちで初春を迎えています。

―とは、小出さん(小出宣昭中日新聞社長)の言である。
 その通りだ。みんな、それぞれの悲しみを乗り越え新たな出会いのなかで生きてゆく。

 というわけで、このままだと際限がない。賀状紹介はここらで終わらせていただく。

 最後に地球一周の船友仲間から届いた賀状にこんなのがあった。
 「笑う門には福が来る」
 笑って、笑って。この一年を楽しく過ごそうよ!
×        ×

 この日、名古屋ではデパートの初売りに松坂屋だけでも十四万人が押し寄せたという。刃物のまち・岐阜県関市では日本刀の打ち初め式があり、北アルプス西穂高岳では相変わらず、遭難が伝えられている。
 被災地では江戸時代から伝わる豪華な景品で知られる【仙台初売り】があり、アメリカでは中間所得層の減税と富裕層への増税案が下院で採決され『財政の崖』からの脱却が期待されている。
 2013年が、いよいよ走り始めた。
 すべての人々に幸あれ! と願う。

【新聞テレビから】
☆『〝和食〟が世界遺産?』(3日夜、NHK総合テレビ)『上川隆也と行く天空のナイトクルーズ! 今夜あなたの部屋が宇宙の特等席に 400キロ上空から超パノラマ夜景を満喫』(3日夜、NHKBSプレミアム)

平成二十五年元日
かがり火を前に新しい年への祈りを込める=古知野神社境内にて

 世界中の皆さま。新年あけましておめでとうございます。
 伊神権太です。
 今年この世から戦争や紛争、貧困、飢餓や災害、病…などの不幸が少しでもなくなり、人々が幸せに過ごすことができるよう祈っています。

 午前零時過ぎ。年が明けると同時に妻の舞とふたりで古知野神社へ。購入したばかりの破魔矢を手に長い行列の一員となって初参りをし、境内で甘酒をいただき、かがり火に当たって帰った。

 午前中届いた賀状を一枚一枚ていねいに読んでいく。案の定出し忘れが多くあり、その場で書いて郵便局へ。本局のポストは、おしくらまんじゅう状態。あふれんばかりの賀状で、中から人々の「おめでとう」の声が聞こえてくるようだった。

 昼からは、長男夫妻らが訪れた。舞が心を込めた手づくりのおせち料理を食べながら、一年を振り返って談笑。わが家の長女猫こすも・ここと次女シロはなかなか相手をしてくれない主人を恨めしげに見ながらふて寝を決め込んだ。

 夕方、そろって科学博士の長男夫妻を駅まで歩いて送る途中、社交ダンスのワルツのシャドーを披露したところ「わぁ~、お父さん。スゴイ」と嫁から褒められ、ついその気になって何度も何度もしてみせる、という醜態をさらけ出した。
さらけ出しながら「日本の知能は、暴れ出した放射能をなぜ、止めることができないのだ。【脱原発以前】に放射能を屈服させ自在に操る術が見つからないものか。人類はすべきことを放棄しているのではないか。科学者という科学者が放射能にひれ伏している。こんなことではダメなんだよ」と心の中で叫んでみる。

 ことしは伊勢神宮式年遷宮の年だ。40年前、志摩通信部兼伊勢支局員のころの〝遷宮取材〟の時の神月は強烈に覚えている。あのときは日本を代表する人間のお供えもの、供奉員(ぐぶいん)を担当した=画面はNHKから

 駅からの帰り道。ふと思ったのは「どうせ、この世は〈シャルウイ・ダンス〉。日々、人前に自分の恥ばかりをさらすもの」といった、半ば居直りに近い感覚だ。とはいえ、「わぁ~、ステキ。ほんとに」などと実感を込めてほめられると本気にしてしまう甘い性格がそのまま出てしまい、歩きながら何度も何度もシャドウダンスを繰り返してみる。バッカじゃないか。
 というわけで、帰宅しても猫たちは私を完全にバカにして無視した形。正月早々から怒ったような顔をして布団やカーペットの上でふて寝を決め込んでいた。

 やはり、わが愛する母の言う通り、正月よりも「普通の日」の方が良い感じがする。
 長男は彼なりの責任感からわざわざ遠いところを来てくれた。でも、夫妻ともに研究や大学での講義、学会、海外出張などで超ハードな職場だ(とはいえ、二人とも仕事が大好きなようで忙しいなどとは言ったことがなく結構、楽しそうだ)。せっかく休めるいいチャンスなのに、とナンダカ悪い気がしてしまう。
 この点、次男は親を突き放して、冷たく、割り切っている。「きょうは〝(仕事が)平常運転なのでこれない〟」とあっさりしたものだ。でも、案外、兄に花を持たせようとしているのかもしれない。あれでも優しい子だからだ。

 これは、私の若いころと同じで兄貴は長男の義務と責任感からか、いろいろ両親を気遣っていたが私はとなると、いつも勝手のし放題だった(舞に言わせれば「今も」だそうだが、そうかもしれない)。当時はそれほどまでには思わなかったが、今から思うと随分、両親に心配をかけてきたらしい。

×      ×
「高校三年生」の歌詞と当時の舟木一夫さん=いずれもNHKテレビ「思い出のメロディーと私」から

 昼間、NHK総合テレビの「思い出のメロディーと私」の番組で舟木一夫さんの青春歌謡「高校三年生」を扱っていた。彼は私より二つ上。「高校三年生」といえば、私が高校三年生の時に大ヒットした。あげくに、あの時は時計台があるわが母校・滝高校で『高校三年生』の映画ロケが行われ、生意気盛りだった私は柔道着に黒帯姿で腕を組み校内の自転車置き場でなんども繰り返される彼をはじめとしたロケハンを目の前に「フンッ、」といった気持ちでその模様を見ていた。このことは、後に私が文化芸能局の部長当時に舟木さんに思い出話として話しをさせていただいた。
 高田美和、姿美知子、倉石功……当時としては、きらびやかな青春俳優たち。
 ただ「高校三年生」の歌は、あのころから大好きでその後は何度も何度も歌った。♪赤い夕陽が校舎を染めて…、と歌いながらわが母校の時計台バックの空を染めた赤い夕陽の見事さにも、それこそ幾度か感動したものである。いつだって多くの友だちを思い起こさせてくれる歌である。

 あの日々から四十九年。私の心はいまだに青春歌謡そのものである。学園広場とか絶唱、カトレアの花、仲間たち…、といった歌は今でも時折、口ずさんでいる。青春は年とは関係ない。私はいつも、そう思う。青春って。若い、新鮮で清らかな心そのものなのだ、とー。

一年が明けたところで、きょう正午のNHKニュースの重要なひとコマをここに掲載しておこう(画面は、いずれもNHK)。


【新聞テレビから】
☆『思い出のメロディーと私~高校三年生』(1日付、NHK総合)
☆『被災地2度目の年越し 復興を再び誓う除夜の鐘』『1年9カ月ぶり 実家で新年祝う 福島の避難区域』、『〈日本を変えるかもしれない女たち〉 VOL.1ーミソガール 食生活 マメに美しく ]』、『〈犠牲の灯り第1部「ちむりぐさ=他人の痛みを自分の痛みとする意の沖縄言葉=」1序章〉 沖縄と福島通じ合う 不敗、安全「神話」の果て』、『トヨタ人工知能 宇宙へ』『おしゃべりロボ 若田さんの相棒に』、『「財政の崖』最終協議へ 米上院与野党』、『笹子トンネルで連日の追突事故』(1日付、中日朝刊)
☆「健康長寿ご一緒に 弥富生まれ 七福神きょうだい 合計570歳」(1日付、中日・正月愛知特集)
☆『我が家で新年 2年ぶり笑顔 福島・川内村 5泊限りの特例』、『「支え合い困難克服を」 天皇陛下年頭の感想=♪手術せし我が身を案じ記帳せるあまたの人の心うれしき(天皇陛下、〈心臓手術のため入院〉)♪今ひとたび立ちあがりゆく村むらよ失せたるものの面影の上に(皇后陛下、〈復興〉)』(1日付、毎日朝刊)

08/4/26