期待の若手、山の杜伊吹が掌編小説「雪葬」を公開

☆「雪葬」 「なんだか、この世のなか、いい人から亡くなってゆくみたい。悲しいですよね。でも、これが世の習いなのでしょうか」。先日、お会いしたある大学教授が私と夜道を歩きながらしみじみ、こう語った。
 実際、その通りで私の周囲を見渡しただけでも、この1年の間にKさん、Wさん、Tさん、Sさん、Mさん、Oさん…と記者時代の同僚や先輩、後輩らが、それこそバッタ、バッタと次々に倒れ、黄泉の国へと旅立たれた。みんなことのほかお世話になった。いい人ばかりだ。

 「雪葬」は私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の若手ホープで、パン好きな山の杜伊吹一家が店を訪れるたびに、ひと言ふた言語り合い家族そろって心を通じ合わせてきた市井に生きる一人のパン屋さんを描いた掌編である。
 そのパン屋さんがある日突然、店の前の貼り紙とともに目の前から消えた。
 重度の身障者を抱え、妻とも離婚。それでもお客さんを最優先し、レジにパートさんを頼む以外にはパン焼きなど店を一人できりもりしていた。どこに住んでいたかも分からない、そんなパン屋さん。……

 そしてー。「私」と「息子」は、あてのない手紙をお店のポストに元気なころの店主さんと食パンの絵とともに入れた。「あなたの命を賭けたパン、いつまでも忘れません。いままで 本当に ありがとう」の文面を残して。
 皆さん! 優しさにあふれる「雪葬」をぜひ、読んでください。(「熱砂」主宰・伊神権太記)

12年12月27日

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☆「雪葬」 「なんだか、この世のなか、いい人から亡くなってゆくみたい。悲しいですよね。でも、これが世の習いなのでしょうか」。先日、お会いしたある大学教授が私と夜道を歩きながらしみじみ、こう語った。
 実際、その通りで私の周囲を見渡しただけでも、この1年の間にKさん、Wさん、Tさん、Sさん、Mさん、Oさん…と記者時代の同僚や先輩、後輩らが、それこそバッタ、バッタと次々に倒れ、黄泉の国へと旅立たれた。みんなことのほかお世話になった。いい人ばかりだ。

 「雪葬」は私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の若手ホープで、パン好きな山の杜伊吹一家が店を訪れるたびに、ひと言ふた言語り合い家族そろって心を通じ合わせてきた市井に生きる一人のパン屋さんを描いた掌編である。
 そのパン屋さんがある日突然、店の前の貼り紙とともに目の前から消えた。
 重度の身障者を抱え、妻とも離婚。それでもお客さんを最優先し、レジにパートさんを頼む以外にはパン焼きなど店を一人できりもりしていた。どこに住んでいたかも分からない、そんなパン屋さん。……

 そしてー。「私」と「息子」は、あてのない手紙をお店のポストに元気なころの店主さんと食パンの絵とともに入れた。「あなたの命を賭けたパン、いつまでも忘れません。いままで 本当に ありがとう」の文面を残して。
 皆さん! 優しさにあふれる「雪葬」をぜひ、読んでください。(「熱砂」主宰・伊神権太記)

08/1/3