詩「戦場の真実」

重量の空ろな機関銃を
号令と迷走で汚れた
両膝におき
兵士は思索する

眼差しは沈黙し
頬は薄い

兵士は頬杖をつき
微動だにしない
そこは隠れ家

みえるのは
世界が亡い戦闘者の群れと
賞味期限切れの手榴弾

きこえるのは
覚悟を超えた靴底の音と
爆撃の不協和音

兵士の耳に届いた河の囁き
木の葉から溢れた雫の輝き
世界は瞬きで変わる

出口のないジャングル
荒れた草木が覆い茂る
極彩色の紅い嘴の鳥が鳴く
遠い故郷の匂いがよぎる
獣の雄叫びが呼応する

見上げれば果てなき空
解き放たれた自由な青
澄んだ風が頬を撫でる
胸が穏やかに満たされる

やがて兵士は機関銃を捨て
頷くままにまどろんでいる

12年4月15日

ウェブ作品集

加藤 行

 

重量の空ろな機関銃を
号令と迷走で汚れた
両膝におき
兵士は思索する

眼差しは沈黙し
頬は薄い

兵士は頬杖をつき
微動だにしない
そこは隠れ家

みえるのは
世界が亡い戦闘者の群れと
賞味期限切れの手榴弾

きこえるのは
覚悟を超えた靴底の音と
爆撃の不協和音

兵士の耳に届いた河の囁き
木の葉から溢れた雫の輝き
世界は瞬きで変わる

出口のないジャングル
荒れた草木が覆い茂る
極彩色の紅い嘴の鳥が鳴く
遠い故郷の匂いがよぎる
獣の雄叫びが呼応する

見上げれば果てなき空
解き放たれた自由な青
澄んだ風が頬を撫でる
胸が穏やかに満たされる

やがて兵士は機関銃を捨て
頷くままにまどろんでいる

09/12/13