あぁ~大震災を悼む 笛猫野球人間日記/11月10日

平成二十三年十一月十日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが突然、出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 ドラゴンズはきょうも、また四股を踏んで蹲踞の姿勢でソフトバンクとにらみあう。戦いのときは、刻一刻と近づいている。きのうから始まった中日新聞本紙スポーツ面の企画「かく戦う 2011年日本シリーズ」は<中>で、「救援」をテーマに両チームの力を分析している。
 それによれば、ドラゴンズの《浅尾が核、左右に充実》に比べ、ソフトバンクは《故障明け 経験見劣り》と分析している。
 ほかに主だったニュースでは「栗山新監督『熱く戦う』 日本ハム就任発表 2年契約、背番号『80』」(10日付、中日朝刊)というものである。

 夜、Mが見たいと言うのでチャンネルをテレビ愛知にした。そこで見たものはカンブリア宮殿「銀行はサービス業だ!大垣共立銀行▽満足度ナンバー1の秘密を探る▽驚き!ポイントで現金還元」というものだった。そして、そこに出てくる頭取土屋嶢(たかし)さんのサービス業に徹した経営戦略には頭が下がる以外の何ものでもなかった。
 番組のなかで土屋さんは「地域とのつながり」の大切さを説き、「いつかこれ以上どんなサービスができますか、とこれが言ってみたい」とも話された。なんという前向きな姿勢であることか。

 かつて私が新聞社の大垣支局長だったころ、私とほぼ同年代だった嶢さんは当時、若手の頭取としてさっそうとデビューされた。私自身は、山紫水明な国、河童共和国を提唱し開国された嶢さんの父親、斉(ひとし)さん=故人=の方に何かとよくされたが、嶢さんには可児に花の公園が出来、花フェスタが行われるに当たって、私の発想でオランダ花物語の紙面化を展開した際、ご理解を頂き、強力なスポンサーになっていただいた日々が思い出される。
 おかげで“西濃の日”と“母の日”にオランダから直送したアルストロメリアとカーネーション、各一万本を来場者にプレゼントすることが出来た。アルストロメリアとカーネーションは私自らオランダに飛び、世界一の花市場であるアールスメルから日航機と西濃運輸のトラックで直送してもらい、花物語実現に当たっては、大垣市や海津町など各自治体はじめ、多くの企業の応援を得たのである。

 【きょうの1番ニュース】何げなく開いた鈴木敏夫さんの「ジブリの哲学」あとがきにかえて、の282ページ6月10日(金)の個所。「深夜まで打ち合わせ。PWJ(ピースウィンズジャパン)の要請で、『コクリコ坂から』を被災地で上映することに決める。目的地は、気仙沼と陸前高田。気仙沼はどうしても行きたかった。なぜなら、そこは、『アニメージュ』の初代編集長、尾形英夫の故郷だったので。この人には本当に世話になった。この人がいなければ、現在のジブリは無かったし、宮崎駿も誕生していない。ぼくの人生を決めた人だからだ。一度だけ、宮崎と共にこの地を訪ねたことがある。……」の下りだ。
 あとを知りたかったら、皆さん「ジブリの哲学」を買ってしっかりと読んだらいい。

☆「『名大発』小型衛星 宇宙へ 中部の技術で来冬にも 軽量、経費安く」、「低い関心 届かぬ声 選挙より生活『脱原発』横並び 福島県議選」(10日付、中日朝刊)
 「大阪ダブル選スタート 『橋下流』に府民審判 知事選7新人届け出」、「トルコ地震 邦人救出 『難民を助ける会』宿泊ホテル倒壊」(10日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月九日
 プロ野球はきょうもない。ないけれど、大相撲なら、取り組み前の四股を踏むような気分だ。一日ごとに四股を踏み、立ち会いの緊迫感がいよいよ増してくる。独特の雰囲気のなか、ドラゴンズファンはじっとして、ただその日を、時を、待っているのだ。
 こうしたなか、中日新聞本紙スポーツ面では「2011日本シリーズ かく戦う・上 先発」の企画が始まった。前文は次のような内容だ。
―中日とソフトバンクの日本シリーズが12日、ヤフードームで開幕する。リーグ覇者同士の激突となるが、中日は終盤の逆転でレギュラーシーズンを制しクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージも第5戦までもつれたのに対し、ソフトバンクはシーズンを独走しCSを3連勝で突破した。対照的な足取りだった両チームの戦いをCSに焦点を当てて振り返り、1999年(当時ソフトバンクはダイエー)以来の対決を「先発」「救援」「打線」に分けて占う。

 けさの中日新聞朝刊特報面話題の発掘・ニュースの追跡で「あの被災地を忘れない」の題で福島・いわき豊間地区の集団移転の話が紹介されていた。私自身、東日本大震災が発生してまもなく休みの日をあてて現地に入り、被害の現状をつぶさに見てきただけに、懐かしく、他人事とは、とても思われない。内容は、いわき市豊間地区の住民でつくる「ふるさと豊間復興協議会」が高台への集団移転を基本とする復興プランをまとめ、住民に説明を求めたというものだ。

 【きょうの1番ニュース】やはり、けさの特報面で、いわき市豊間地区で高台への復興プランが進んでいるとの報道に目頭が熱くなった。私は大震災が起きてまもなく取るものもとりあえず、休みの日をあて東北新幹線の行き止まり那須塩原駅から、フロント部分に“緊急”と書かれていた痛々しいバスに乗り、郡山経由でいわき市に入った。ガレキの町同然、まさに廃墟の町と化した豊間を目の前に黙々と歩いたことがあるだけに、感慨もひとしおだった。あの日、故美空ひばりさんが歌った「みだれ髪」の歌詞にも登場した塩屋埼灯台直下の惨憺たるありさまは、今も私の脳裏に焼きついて離れはしない。

☆「青木 メジャー挑戦へ ヤクルトに入札申し入れ」、「竜が舞う2011 名古屋VS福岡 スマートすぎ怖にゃー(名古屋市長河村たかしさん) イケイケで『堅実』倒す(福岡市長高島宗一郎さん)」、「トヨタ通期予想『未定』 タイ洪水影響で変更 12年3月期」(9日付、中日朝刊)
 「伊首相が退陣表明 財政健全法成立後に」、「三重スリーアローズ解散 野球独立L 来季所属決まらず」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月八日
 日本シリーズの開幕まであと四日。中日スポーツでは、中日とソフトバンクの徹底比較として、“エース対決”を取り上げていた。当然ながら「中日・吉見とソフトバンク・和田、おそらくこの2人が12日の第1戦のマウンドに立っているだろう。…」と今シーズンの2人の成績を示しながら、「2人はほぼ互角だ」としている。具体的には、勝率も吉見がリーグ1位の8割5分7厘なら、和田も同2位の7割6分2厘、2人とも“勝てる投手”なのだ、としている。そして、また「CSでベンチ入りしたメンバーでオフの7日も唯一ナゴヤ球場に姿を見せた」ソト投手にも触れていた。

 きょうは立冬。これからは日一日と寒くなってゆく。帰宅したら、Mが、頭が痛いと言い、私が食事を終えると同時に二階の寝室へ。疲れからだと思う。ゆっくり休めば治る気がするのだが…。ニンゲン、いつも体調の良いときばかりでもない。ただ、Mの場合、過去大病に何度もかかっているだけに心配である。

 【きょうの1番ニュース】一宮主管支局長当時に公私ともに大変お世話になったあのころの一宮軟式野球連盟理事長の水野さん(石野自動車さん)にお願いしたマイカーの車検が終わり、車がきのう無事、わが家に戻ってきたということぐらいか。

☆「特報 いわき出身 講談師・神田香織さん フクシマの怒り 言の葉に 『チェルノブイリ』伝え9年」、「捜索阻む冬の海 岩手、年内の活動終了へ 発見数激減 不明者家族 今も海岸に」「宮城・福島 できる限り継続」、「がれき火災が27日ぶり鎮火 岩手・山田町」、「復興債償還は25年 3次補正 民主譲歩案、自公容認」、「大津市長選に越(直美)氏が出馬へ 弁護士、民主擁立」(8日付、中日朝刊)
 「オリンパス粉飾の疑い 90年代から損失隠し 買収資金で穴埋め 森副社長を解任」、「虹・いま寄りそう 地元の味 早くみんなに 陸前高田の老舗中華 再開へ 決め手のしょうゆ確保」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月七日
 きょうから、ヤフードームで日本シリーズが始まる十二日までプロ野球はない。
 やはり勝つ、ということは新聞の活字を見るだけでも、勢いづけられる。おそらくきょうの新聞、特に中日スポーツはコンビニの即売など、あっという間に売りきれたに違いない。
 「さあ鷹と頂上決戦」「落合監督舞った」「完全Vでもう一度」「表彰式後、ゆっくり宙に6度」「7年越し『王さんとの約束やっと守れる』」が中日スポーツの本日付1面トップ見出しだ。
 そして中日新聞本紙スポーツ面も見開きで「セ・ファイナルステージ第5戦 竜日本S進出CS2勝 吉見MVP」「プロ初の中3日(球心、中村彰宏)」「締めは浅尾」「井端集中 決勝2ラン 『強く打つ』 ベテラン劇的」と分かりやすい。きのうの試合結果は、これに尽きる。

 さらに本日付の中日新聞夕刊軟派トップ記事でも“竜が舞う 2011”で「CS制し12日から日本シリーズ 日本一へ4番闘志 ブランコ選手 名古屋に感謝」、「興奮そのまま長蛇の列 松坂屋名古屋店 竜応援セール」と続いている。

 【きょうの1番ニュース】Mの元に、「清瀬市石田波郷俳句大会 実行委員会会長 栗原きよし」名で立派な冊子に挟まれた賞状が舞い込んだ。「賞状 一般の部 井桁汀風子選 入選 折鶴に息吹きかける原爆忌 伊神舞子殿 あなたは第三回清瀬市石田波郷俳句大会において頭書の成績をおさめたのでこれを賞します 平成二十三年十月三十日」という内容である。
 Mには、またしても差がつけられた。Mが、どんどんドンドンと私を引き離していってしまう。でも、文学は何も賞を取ればいいものでもあるまい。人々の心に残り生きてゆくのに支えとなれるような、たとえ、ちいさくとも私たちなりの世界を開くことが出来れば、それでよい。
 Mとて同じだ。今は、新たな世界への私の旅立ちを前に私の気持ちを鼓舞させようとしているだけなのだ。それはそうと、痩せ我慢は、ここいらへんにして、Mよ! あらためて心からおめでとう。

☆「アラブの春の行方は 週のはじめに考える(社説)」、「竜 日本シリーズ進出 2年連続10度目 ヤクルトをCSで破る」「次は日本一だ」「竜が舞う2011 不惑の谷繁捕手 強気リード衰えず」、「復興頼むよ 七五三の君 依頼7件 心込め準備 南三陸の神職 長男も5歳に」、「アパート火災 4人死亡 築50年超 住人 大半が生活保護 新宿、2人重体」(7日付、中日朝刊)
 「東証・大証合併 来秋に」、「ギリシャ大連立合意 パパンドレウ首相辞任へ 来年2月総選挙」、「失業手当延長4倍に 被災3県 再就職厳しく」、「鳴戸親方=元横綱隆の里=(が急性呼吸不全のため)死去 59歳(7日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月六日
 ドラゴンズは今夜、ナゴヤドームで行われたセ・リーグのCSファイナルステージでヤクルトに2―1で勝ち、とうとう日本シリーズへの切符を手にした。ドラゴンズ吉見、ヤクルト館山両投手の投げ合いとなったが、六回裏、1死から四球で出塁した荒木を一塁に、井端が左翼スタンドに本塁打を放って2点を先制し、九回表に岩瀬が1点とられたものの、継投した浅尾がしっかり抑え、ゲームセットとなった。
 試合後、落合監督は「2004年からホークスと日本シリーズを戦いたいとずっと思っていました」と胸の内を吐露。日本シリーズ出場が決まったことについては「私は、ただ見守っているだけで、選手が伸び伸びとやってくれました。選手のテンションはいつもに比べ皆あがっていた。すばらしい選手に恵まれたおかげです。これは、みんなの力で誰一人欠けてもできなかったでしょうね」とも付け加えた。やはり、すばらしい監督だ、と思う。
 CSシリーズのMVPには、2勝をあげた吉見投手が選ばれた。ソフトバンクと戦う日本シリーズは十二日にヤフードームで開幕する。

 きょうは社から家族慰安会の招待券をいただいていたので、Mを伴って中日劇場へ。「大奥 第一章」を鑑賞後、彼女に誘われるまま名古屋駅前のミッドランドタワーにまで足を伸ばし、五階ミッドランドシネマで「猿の惑星 創世記ジェネシス」を見てきた。もっとも、私の場合はほとんど寝ていたが、猿たちが人間たちに逆襲してくるシーンだけは、鮮烈に覚えている。
 昨日、大津の同人誌「くうかん」代表、眞鍋京子さん(兼大津市文化祭実行委員会編集委員)から送られてきた「古都の文学 2011年号」に目を通し眞鍋さんをはじめとした大津の文人たちが、詩、冠句、川柳、俳句、短歌、随筆、短編小説に、と幅広い分野で地道ながらも、地方文化を発信されている姿に頭が下がった。竹花外記さんの「枕を低くして寝てみたい」(随筆)、津野洋子さんの「悪夢」(短編小説)、眞鍋さんの「み佛のそばへ」(同)など。懐かしい顔を思い浮かべながら、さっそく読ませていただこう。

 【きょうの1番ニュース】私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間でもある詩人牧すすむさんから、もうひとつの顔である琴伝流大正琴大師範・倉知弦洲として祝賀会の招待案内状がわが家に舞い込んだ。倉知弦洲さんは、米カーネギーホールや日本武道館、中国万里の長城、ロシアのエルミタージュ美術館のステージなど。世界各地での門下生を伴っての幅広い演奏活動は知る人ぞ知る。今や、その実力ときたら、日本の大正琴のなかではナンバーワンといっていい。
 案内状はその倉知弦洲さんが、このたび琴伝流の宗家より琴伝流の最高位である「上席大師範第一位認定に拝された」とのめでたい知らせだった。大正琴が名古屋の大須で生まれ、百年の記念すべき年の栄誉だけに、心からお祝いを申し上げたい。祝賀会は今月十三日の午後三時から、名古屋マリオットアソシアホテルのアイリスの間である。もちろん、私も出席させていただく。どんな祝賀会になるのか、今から楽しみである。

☆「レベル7・1 第四部『X年』の廃炉 炉内の微生物退治1年 スリーマイル“想定外”の敵」、「ドラゴンズ日本S王手 プロ野球 パはソフトバンク決定」(6日付、中日朝刊)

平成二十三年十一月五日
 私とMの願いどおり、今夜のクライマックス(CS)ファイナルステージは5―1でドラゴンズが勝ち、いよいよあすの第五戦でヤクルトに王手をかける。
 きのう、その前と落合監督に言わせれば、選手たちはCSという大一番に「気持ちが出過ぎてしまっていた」が、きょうは打撃、守備面とも伸び伸びとした「気持ちが足と同じように出た」プレーで、前夜までの二連敗が信じられないほどの完勝となった。ドラゴンズは川井投手、ヤクルトは赤川投手が、それぞれ先発した。
 特に一回裏の立ち上がりに、ブランコが右前打で先制すると平田が走者一掃の二塁打を放ち完全に試合の主導権を握ったばかりか、五回にはブランコが左越え本塁打を放って突き放すという試合展開は、この日、ナゴヤドームに押しかけた満員の観客を最高に喜ばせた。

 きょうは、土曜日。午前中は新聞記事の切り抜きなど何かと自室の整理と執筆に追われ、午後からはMの指示どおりバローに行って、バロー内のクリーニング屋さんにワイシャツを預け、アタイたち(こすも・こことシロ)用の猫缶はじめ、段ボール箱入りのお茶二箱を買う、などMの命令どおりに動いた。
 途中、このところの睡眠不足もあり、何度も睡魔に襲われもした。デ、いっそのこと、眠け払いになればーと、このところおろそかになりがちだった横笛の練習に励んだ。

 【きょうの1番ニュース】やはり、CS戦でブランコの本塁打が飛び出した、ことが何といっても痛快だった。先日、プレゼンターとしてブランコ選手にお会いした際、手を強く握って「ホームランを打って日本一に」とお願いした際、「絶対(ホームランを)打って、日本一になって見せます」と約束しただけのことは、ある。
 私には、あのとき球団広報の“ケースケさん”を通してお渡しした、その昔、桃太郎が鬼退治に行く際、持参したという“きびダンゴ”の効用があるような気がしてならないのである。ブランコ選手の甦った当たりに刺激されるように平田をはじめ森野、和田、井端、大島…らの打撃も絶好調に近くなってきた。それだけに、あすは一気に日本シリーズへの出場を決めたい、ところだ。
 私は、きっと勝ってくれる、と信じている。ブランコ大好き人間のMとて同じ気持ちだろう。

☆「TPP交渉 参加表明へ 首相、APEC前に 『私が政治判断』10日にも会見」(5日付、中日朝刊)『『横浜DeNAベイスターズ』申請 『見せましょう 野球の底力を』に感動 参入意識 『元気な球団に』 (四十二歳の)春田会長 責任の重さ実感」、「520日間『火星往復』 露、仏などの男性6人実験」(5日付、毎日朝刊)「列島騒然 TPPノー」(6日付、しんぶん赤旗日曜版)
 「横井庄一さんの生涯『残したい』 夫の鎮魂 妻の戦後 中川の記念館5周年 グァム生還後描く」、「西岡参院議長が死去 75歳、肺炎 新自由クラブ結成」、「ギリシャ内閣信任 危機回避、連立協議へ 首相続投固執せず」(5日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月四日
 今夜のナゴヤドーム。ドラ戦士、落合戦士たちはヤクルトの前に粉砕した。山井、鈴木、平井、浅尾、岩瀬投手が力の限り投げ、大島、平田、井端、森野、荒木、和田、ブランコ…とみな懸命に打ち、走り、守った。が、再三の好機を生かすことなく、1―2で力尽きた。
 Mの大好きなブランコはバットをへし折りながらも、安打を放ち、塁に出たのだが…。真に残念、無念とは、このことを言う。でも私は信じたい、ドラゴンズの勝利を、である。傍らではMが私に向かって言球(ことだま)を投げつけてくる。
 「言っているのでしょ。落合さんが。勝つ、ことがすべてだ、って。その通りなのだから。勝たなくっちゃあ、なんにもならないわ」と。「勝たなければ。勝ってくれなくちゃあ」と繰り返す。くどい。こうなるとナゴヤの女は一歩も引かない。人生は勝ったり、負けたりなのだから。これでいいじゃないか、あす勝つからーと心の中で反発する、いがみの権太。
 先制点をあげたヤクルトに対してドラゴンズは四回裏、1死満塁から大島の右前適時打でブランコがホームインし追い付いた。しかし、その後、二度の満塁と一、三塁の好機にも荒木ら頼みの打撃陣が好機に悉く凡打に終わり、12残塁という拙攻に終わった。でも、まだまだ、これからだ。これで(アドバンテージを入れて)2勝2敗なのだから、あすからがある。

 私はいま、つくづく思う。勝つ人がいれば、その一方で負ける人がいる。これが世の必然であり常だ、と。むしろ、負けた時にその哀しさ、辛さをどう乗り越えるか、だと思う。ある面で野球文化は能登半島の“耐えの文化”に、よく似ている。負けて、負けて、また負けて、それでも人間たちは「あすは、あすこそは」と、生きていかなければならない。東日本大震災と福島第1原発事故という突然のダブルパンチ、未曾有の不幸に遭い、今なお避難生活をせざるをえない東北の人たちに比べたら、むしろ選手も、私たちファンも、野球を楽しめる現状に感謝しなければ、とも思う。
 能登で記者生活をしていたころ、よく土地の女(ひと)に「ここは陸の孤島なのだから、みんなで助け合って生きていくんよ」と言われたものだ。だから、菓子が入り用になれば、教えられたとおり、私は七尾市内の菓子屋さんを交代で利用したものだ。“廻し文化”の精神は別にお菓子屋さんに限らず、支局員の歓送迎会で利用した料理屋さんでも同じだった。能登はやさしや、土までも…といわれる所以はそんなところにもあった。それに何といっても、輪島や石崎などの猟師町や和倉温泉での女性の働きぶりといったら、これまたすごかった。その分、男たちが楽をすることから能登と言えば、夫が楽をする“とと楽半島”とも言われたものだ。

 【きょうの1番ニュース】思いもよらなかった恥ずかしい事件が起きてしまった。私はいま、穴があったら入りたい心境だ。人知れず、この世のためになる密やかで、スケールの大きい秘めたる文学が美学のはずだった“ゴンタイズム”は、一体どこへ逝ってしまったのか。
 というのも、うかつにも本日、中日ドラゴンズ公式ファンクラブの公式サイトのスタッフブログの餌食にされてしまった、のである。先日、私が大役を担ったブランコ選手に対するプレゼンター告知ブログのなかで私こと伊神権太の来歴が身ぐるみはがされたのである。私はマナイタの上の鯉も同然に、高島良樹ファンクラブ担当をはじめとするマジシャンのような同僚たちの手荒で優しい手のなかに、スッポリと堕ちてしまった、のである。喜んでよいのか、はたまた悲しんだらよいのか。ここは今後の自身の飛躍のためにも感謝しておかなければ、と思う。ありがとう。

☆「原発オフサイトセンター 全16拠点防災圏内に 125億円投入 立地見直し必至」、「被災地 今年も冬の使者(ハクチョウ飛来地として知られる岩手県北上市のため池周辺に越冬のためオオハクチョウなどが姿を見せ始めた)」、「ギリシャ 国民投票撤回へ 首相『ユーロ圏にとどまる』」(4日付、中日朝刊)
 「がれきの街に笑顔のミカン 南三陸の青果店 プレハブ営業 仏デザイナーが外観描く(虹・いま寄りそう、から)」、「県民減税 来年度見送り 愛知県 財政難で知事判断」、「首相 消費増税を表明 G20解散『法案成立後に』」、「トヨタ (タイの大洪水の影響から)減産さらに延長 国内12日まで 10カ国に拡大」(4日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月三日
 文化の日。
 中日ドラゴンズはナゴヤドームでのファイナルステージ第2戦でヤクルトに1―3で敗れ、アドバンテージもくわえれば2勝1敗となった。悔しいけれども、完敗だった。それも小川監督の奇襲戦法にである。奇襲のそのわけは、このところ打撃不振に陥っていた主砲、畠山を先発メンバーから引っ込めて、青木を四番に。なんと先頭打者には、これまで公式戦に出たこともない、もちろん今シーズン初登場となる無名の十八歳の若者を起用したのである。この布陣は、傘を手に手にナゴヤドームに乗り込んだ三塁側ヤクルト応援席の意気をも、格段と盛り上げた。
 かといって、この奇襲がただちに効果覿面(てきめん)ということでもなかった。じわじわと効いてきたのである。試合はドラゴンズがチェン、ヤクルトも石川とエース同士の投げ合いで0点が重ねられたが、八回表、ヤクルトはそれまで1安打無失点に抑えられていたチェンから、石川の代打飯原が今季初のソロ本塁打を打ち、流れが変わった。九回には、途中出場した畠山がリリーフ陣の河原から意地の適時打を放ち、2点を追加。一方の中日は、八回から登板した館山を打ちあぐね、最終回の九回裏、森野の本塁打で1点を返すに留まった。
 若手選手の思い切った起用、青木の4番打者、畠山の先発外しと途中出場、そして飯原の代打、エース級館山の思いも寄らない継投…と、ヤクルトファンならずともドラゴンズファンまでもどっきりさせた、小川采配に軍配が上がった。

 この日は中日新聞三社面で中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員募集中のカット入りで「こんな“いいこと”ありました! 」の記事掲載が始まった。ファンクラブの会員に入ると、チケットを優先的に購入できたり、練習見学会や二軍戦の始球式、新入団選手激励会の機会にも恵まれ、いろんなファンサービスを受けられる。招待チケットを得るチャンスもある、友だちが出来、結婚相手に恵まれることだって。そんないいこと尽くめを紹介するコーナーである。ちなみに募集期間は当初、九、十の二カ月間の予定が今月二十日までに延ばされている。

 私は、今夜も岩波文庫の文庫本「孫子」を手に、ナゴヤドームへ出向いた。もちろん、孫子の兵法のそれである。
 が、今夜は小川監督の玉砕覚悟の奇襲攻撃に遭い、勝利をただヒタスラに願ったが、敗れた。が、この攻撃も一時的、苦し紛れの目つぶし戦術に見えないこともない。勝利はどちらが早く4勝をあげるか、でまだ兵法上も負けてなんかは、いない。選手たちは、みな「ちゃんと動けている」(落合監督)のだ。こうした夜は、深呼吸をして「あしたはあしたの風が吹く」と前向きに考えよう。

 帰宅したら、野球を知らないMが単純明快に曰く「やっぱり、ブランコが打たなきゃあ、始まらないね。でも、(ヤクルト全盛時代に育った息子の)Aは嬉しそうだったよ」とのこと。私は頭の中で「ドームでの闘いが一日延びれば、それだけ収入もあがるということか」とふとプラス思考に考え「最終的に勝ってくれたら、それでよいではないか」と良い方に解釈することにした。
 今夜の観戦仲間のなかには、巨人ファンも居て、野球ファンはいろいろだ。

 【きょうの1番ニュース】トウチューで「10月月間賞」の記事発見。すぐわかりました。今日も勝って王手といきましょう! ……
 いやはや、新聞の威力はかくも恐ろしい。メールがあちこちから届いた。恥ずかしくて穴があったら入りたい。きのう朝日新聞のオピニオンのページに載ったスタジオジブリの鈴木敏夫さんみたいにかっこ良ければいいのだが。私の場合は、どうみても、さにあらず、だ。

☆「福島2号機 キセノン8月にも検出 以前から『臨界』可能性 1、3号機でも疑い」、「ふくしま作業員日誌 臨界? 現場に伝えてよ 40歳の男性(聞き手・片山夏子)」、「秋の叙勲 喜びの声」(3日付、中日朝刊)

平成二十三年十一月二日
 セントラルリーグのクライマックス・ファイナルステージがとうとう始まった。私の目には、曇り空の下、ナゴヤドームに足を運ぶ観客という観客が、何か思いつめたような、そんな表情に見えた。落合監督、いや落合指揮者による最後のラストタクトが始まるからだろうか。
 初戦の今夜は、投げては吉見投手が先発し浅尾、岩瀬と文句ない継投で試合は進んだ。打っても、初回裏、井端、森野の連続二塁打で先制、三回にも森野の中前打で追加点を奪い、2―1で勝った。対するヤクルトも負けはしたが、八回には1死から青木の二塁打と代打藤本の左前打で一、三塁とし、福地の遊ゴロの間に浅尾から1点をもぎとるーなど緊迫した展開でいい試合だった。

 朝日新聞が「当の本人は派手なことはしないし、言わない。なのに、もういなくなると分かると、この男について語りたくなる。プロ野球中日監督の落合博満。連覇したのになぜ、辞めるのか。」の前文を掲げて本日付オピニオンのページをつかって「耕論 さらばオレ竜」の紙面を展開。なかなかタイムリーかつ中身のある内容だった。
 紙面では、あのスタジオジブリの全映画をプロデュースしたプロデューサーの鈴木敏夫さん、哲学者で国際日本文化研究センター顧問、元日本ペンクラブ会長の梅原猛さん、ラジオパーソナリティーのつぼいノリオさんが、それぞれ奥の深い落合博満論を展開しており、なかなかの内容だった。「語られぬ真意 理解されず」(鈴木さん)「なぐさめ拒否した異端児」(梅原さん)「失って気づく素晴らしさ」(つぼいさん)と三氏とも当を得ていた。

 なかでも私の心にグサリと突きつけられたのは、実は「あの人はオレ流じゃないです。現役時代から、落合ほど試合中、他の選手に声をかけ励ます人はいなかった。毎年、中日ドラゴンズの全試合のテレビ中継を録画して見続け分かったのは、公式戦の100試合目ぐらいまでは延々とチームづくりを続けているということです。」といった、それこそ語られぬ真意にほかならない。そして「毎試合、チームづくりの課程を見るのは、映画づくりを間近で見るのと同じ喜びがあります。球団の経営陣やファンのことより、常に選手を最優先に考えている。今のプロ野球界では稀有な存在です」といった下りに不世出の監督のすべてが言い尽くされている気がした。
 鈴木さんはさらに終章で「そもそも、中日の白井文吾オーナーがパトロン的独断で落合さんを監督に就任させたから、落合野球が実現した。プロ野球の経営陣に道楽好きなパトロンが増えれば、もっと面白くなるんじゃないかなあ。」と思い切った発言もしている。梅原さんの方も最後の六行すなわち「今後、他球団から誘われても、落合は軽率に飛びつくようなことはやらんでしょう。そこで自分のやり方ができるのか、論理的に冷静に判断するでしょうな」の言葉にも一人のファンとして、どこかホッとしたものを感じたのも偽らない心境だ。

 二日は、ナゴヤドーム前のイオンショッピングセンターでファンに感謝特別号「飛び出る! 中スポ3D新聞(日本一狙い撃ち ドアラの夢完全制覇)」が無料で限定配布されたが、長蛇の列になった。また、この日は中スポ本紙でも新大関琴将菊のがぶり寄りに引っ掛け、「琴将菊VSガブリ」の横見出し付で「ファイナルS 一緒にCS勝って ナゴヤ・福岡決戦!」と見開き展開、紙面にはガブリの目・CS特別編「土俵際でも竜は慌てません 大関にエール パCSはタカ応援します」までがタイムリーに添えられ、躍動感ある紙面展開となった。一方で、ナゴヤドーム総合受付所近くで公式ファンクラブのスタッフらが今月二十日にまで延長された(当初は9~10月末まで)次年度会員の入会PRに声を枯らす姿が、ドラゴンズワールドの一体感を浮き立たせていた。あとはCSを勝ち抜き、日本シリーズで完全制覇を達成する。そのひと言に尽きる。

 【きょうの1番ニュース】恥ずかしながら、ナゴヤドーム内、球団応接室で10月の中スポ月間MVPに輝いたブランコ選手に対し賞金とトロフィーを渡すプレゼンターの機会に恵まれた。ブランコ選手は、やはり、妻(M)が大ファンというだけあって、かっこよく、そして何よりも優しい瞳を持った、礼儀正しい日本男児のような好青年だった。
 Mは中日戦と言えば、いつもブランコ選手の一打に期待し本塁打を打って勝てば「ブランコさまさまよ。遠い国からきて、本当に一生懸命、やっているのだから。立派よ。それに、よくみてごらん。あんなに男前でかっこいい選手はいない」だってサ。そういえばドラゴンズは、他にも浅尾、堂上、ジュンキ…とイケメン選手に恵まれている。
 トロフィーなどを授与するに当たって、私はその大きな手を握りながら彼をしっかり見つめてみたが「やはり、イケメンだった」。そして手を握り、私は言った。
 「ドゥー、ヨワ、ベスト」「にっぽんいち」「サンカンオウ(三冠王)」と。彼は私の言葉にしっかりうなづき、本当に嬉しく思った。おまけに妻がいつも台所で着ている公式ファンクラブのピンクのユニホームにまでサインをしていただけ、帰宅後さっそく報告すると「中日は、ブランコさまさまなんだからね」と満足そうだった。
 私は大任を終えた後、球団広報の“ケースケさん”に桃太郎が鬼退治の際、お腰に供えていたという“きびだんご”を手渡した。そう、あの♪おこしにつけたあ~きびだんごお~ひとつう~わったしにくださいなあ~、―の、そのきびだんごを、だ。「数にかぎりがあります。でも、これをブランコさんや監督に食べてもらえば、日本一間違いないから」の言葉を添えて、デアル。
 この日表彰式の席には総局長らの配慮もあってか、総局の偉い人(佐野局デスク)まで同席してくださった。ステキなカメラマン氏と記者さんにも、すなおに感謝しておきたい。

☆「TPP(環太平洋連携協定) ルール策定参加困難 政府内部文書 米承認に半年 早期表明でも手遅れ 解説・推進派主張前提揺らぐ」、「教訓に 復興に 被災地で観光振興 徐々に客足、イベントも」(2日付、中日朝刊)
 「福島第1原発 2号機 局所臨界か 格納容器内にキセノン検出 ホウ酸水注入」、「震災がれき 初の広域処理 放射線量測定し密封 宮古から東京に搬出」、「台風12号 父不明2カ月 おやじ譲り 頑固に捜索 紀宝の男性 打ち切り後も一人黙々」(2日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月一日
 プロ野球はなく、二日からのナゴヤドームでのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを前に、ドラゴンズ、ヤクルトともホーム球場での調整が進んでいるようで、決戦の日を前に表面的には互いに音無しの構え、といったところだ。そうは言っても、ここ数日の調整や練習は重要なポイントとなるだけに、戦いをあすに控えたドラゴンズ、ヤクルト選手の胸中やいかほどだろう。特にドラゴンズの場合、実戦から遠ざかっているだけに、気になるところだ。
 きょうの中日スポーツ。1面は「あすからセCSファイナル 相手決まったヤと決戦 森野受けて勝つ」とティー打撃に励む森野選手の写真を添え、「迎え撃つ竜の選手会長、森野将彦内野手(33)は泰然自若。リーグ王者として、自信を持って戦えば結果はおのずとついてくる。」と堂々とした紙面である。
 またプロ野球界の話題としては「栗山=野球評論家の栗山英樹氏(50)=ハム 今月上旬 正式発表」というニュースが気になるところだ。そして、読者の投稿欄「わいわい広場」では◆ドラゴンズの佐伯選手、河原選手の戦力外通告に、残念な気持ちでいっぱいです。佐伯選手の気迫の打席、河原選手の冷静なマウンド…ベテランならではの頼もしい雰囲気が好きでした。入団時から応援してきただけに、寂しくてたまりません。」(名古屋市中川区、会社員、世古小百合さん=32)には、同じファンとして相通ずるところを感じたのである。戦力外通告、とは少し厳しいな、と思う。
 だが、一方では高木新体制を早く確立するためには、こうした早期の切開手術も必要なのかな、とも思う。いずれにせよ、二人ともよく頑張ってくれていただけに、少し寂しい気がするのは、ファンに共通した気持ちかも知れない。

 はやくも十一月、時はあっという間に駆け抜けてゆく。稲沢の祖父江ではギンナンの収穫真っ盛りである。秋が日一日と深まっていくが、東日本に住む被災者らのことを思うと胸が痛む。

 【きょうの1番ニュース】日本ペンクラブの会報・第405号を読んでいてショッキングに思ったことがある。その点についてここに記録しておく。
―福島原発の1から4号機にある使用済み核燃料の総量が、広島原発の13000倍あるという。(日本ペンクラブ環境委員会の8月研究会報告から)

☆「中電『メガソーラーたけとよ』 太陽の恵み 始動」、「避難所閉鎖『仮設』は遠方 東北不安な夜 どこへ行けば 被災の自宅改修進まず」、「元気になるまでずっといるから 上田正樹さんが復興支援曲 石巻と高山 小中学生の歌 CDに 今ある気持ち(1番のみ)」、「若竜志摩から羽ばたけ 自主トレ協力 元プロ志望の男性」(1日付、中日朝刊)「2日と3日 イオンナゴヤドーム前で 中スポ3D新聞配布 5000部限定」(1日付、中スポ)
 「宮城で路線価8割減額 国税庁調整率 福島原発周辺0円」、「中津川市長の解職請求 市民グループ 3万人署名を提出」(1日付、中日夕刊)

平成二十三年十月三十一日
 今夜の神宮球場。巨人対ヤクルトのCS(クライマックス)ファーストステージの第三試合が行われ、ヤクルトが3―1で勝ち、ヤクルトとしては初めてのCSファイナルステージ出場を決めた。当然の如く神宮スタンドには「東京音頭」の傘の花が開いたが、ファンの掲げる傘の舞は何度見ても気持ちがいいものである。
 私は帰宅後、テレビ観戦しながら、画面に見入るうち、どちらかと言えば、本心はヤクルトに勝ってほしく思う自分自身に気がついた。というわけは、ヤクルトは息子が応援するチームだから、にほかならない。可愛そうに彼がナゴヤドームなどで見たドラゴンズ戦は、すべてヤクルトの負けだった、という。
 いずれにせよ、いよいよ十一月二日からナゴヤドームでドラゴンズ対ヤクルトのCSファイナルステージが始まるのである。両チームの球史に残る激突を、心から願いたい。

 生きている、ということは、誰しも自身の心のなかの光りが点いたり消えたりする、そういうことだ。実際きのうは、中部ペンクラブ理事兼企画委員として半年がかりで私たちで組み立て実行した尾張地区での文学散歩が出席者の間で非常に好評だったにもかかわらず、なぜか、事前にお願いしておいた取材側の甘く冷たい対応に、腹がたって仕方がなかったのだが。
 人間の心理とは刻一刻と変わりゆく不思議なものだ。一夜明けたきょうになるとその怒りみたいな心のなかのマグマもどこやらに飛んでいってしまつたようだ。この世の中、すべての人が一生懸命に生きているのだから、とふと思うと「何か」が私の分身から、ポッとはだけ、氷解したことは確かだ。知らぬ間に心の中の光りが舞い戻ったのである。
 そればかりか、帰宅するとMが私に「中ペンのミタムラさん(三田村博史会長)から「『きのうはお世話になりました』と、わざわざお礼の電話が入ったわよ」の弁。ただ、それだけのことなのに、私の心のなかの炎が一段と大きく周りを照らした。

 【きょうの1番ニュース】中日スポーツの10月度・月間MVPのブランコ選手に対する栄えあるプレゼンターを私がやることになった。私が年内でドラゴンズ公式ファンクラブ事務局を去ることを知った中日スポーツ総局長らによる心配りで、私はすなおに、その栄に浴することとした。日時は十一月二日の午後四時から、ナゴヤドーム内の球団事務所応接室で、である。
 このプレゼンター制度、実は中日スポーツの読者であり公式ファンクラブ会員であることが条件で毎月大勢の応募者のなかから選ばれている(むろん、私も初年度の2006年からの会員であり、長年中日スポーツの購読者でもある)。今回の場合、ペナントレースのシーズンが終わったばかりで募集期間がなかったこともあり、過去ずっとプレゼンターの取材を続けてきた、との理由から私に白羽の矢が立ったらしい。
 本来は中日スポーツ総局長から渡されていた賞金とトロフィーだが、会員ファンサービスも兼ね、会員代表の手から渡されるようになったいきさつがある。私は仕事柄、当然、プレゼンターの取材を続けてきていただけで、私ごときもので良いのかどうか、正直少し面映い気がするのも事実だ。

☆「文科省のセシウム沈着地図 米どころ新潟反発 魚沼で高い値『推計に誤り』」、「安全か・堤防・景観か 気仙沼・観光イメージを重視 高さで議論 陸前高田・移転先の高台少なく」、「被災地アイドル 感謝の歌声 宮城・小4―高3女子12人 『SCK45』来月デビュー」「被災地へ音楽共鳴 避難所で見た『絆』紹介 江南(の永正寺で) さとう宗幸さんコンサート」(31日付、中日朝刊)
 「七十億人目の産声 世界人口 31日生まれ=の名古屋市西区の会社員手島友美恵さん(三十一歳)の第二子の女の子=に認定証 国連」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年十月三十日
 プロ野球のCSファーストステージは、セ・リーグは巨人がヤクルトに6―2で、パ・リーグは西武が日本ハムに8―1でそれぞれ勝った。
 このためパ・リーグは西武のファイナルステージ出場が決定。セ・リーグの方は、一勝一敗で巨人とヤクルトがもう1戦まじえることになった。ドラゴンズファンとしては、ヤクルトに勝ってほしい気がする一方で、巨人には東京ドームで最終の3戦とも負けているだけに、ファーストステージで勝ち抜いてもらって、ドラゴンズにファイナルステージでたたいてほしい気もする。

 きょうは、中部ペンクラブ企画委員長の石川好子さん(文芸きなり代表)の指示もあって、私が休みの合間を縫って半年前から、何度も現地を歩いて計画した尾張地方を舞台とした中部ペンクラブの文学散歩があった。
 東海地方に住む約三十人のペンクラブ仲間が午前十時に名古屋駅西口の時計台前に集合、バスで信長の側室・吉乃が過ごしていた江南の生駒屋敷を皮切りに、昭和三十四年の伊勢湾台風で壊れた土蔵から古文書「武功夜話」が出てきた吉田龍雲邸、源頼朝から梶原景時に残された名馬・磨墨(するすみ)が眠る犬山市羽黒の磨墨塚、梶原家の菩提寺・興禅寺、さらには「大和し美し」の長編詩(新体詩)で知られる佐藤一英の詩碑がたつ一宮市萩原の万葉公園の順で各地を巡って歩き、車内では西穂梓さん(「翔」所属)が「大和し美し」の朗読をするなどした。時折、雨に降られながら、かなりの強行軍だったが、みな満足そうにひとときを過ごしてくださり、ホッとした。

 一方で、取材する側の立場も考え、数日前に文書を添えて社会部デスクあてに出しておいた取材依頼にもかかわらず、けさになって若い記者が電話をかけてきたあげく「同行は出来そうにないので写真を提供していただけたら記事にすることもある」とは、なんと横柄かつ高慢な、もの言いか。
 それでも、そこまでは我慢できるとして、だ。連絡はその後いっさいなく、ナシのつぶてのまま。夕方になって当方から念のため電話を入れると「確認を怠っていました」なんて、これほど読者を愚弄し見下した態度はない。私は思わず、支局長時代そのままに「どうなってるんだ」と久しぶりに怒鳴り散らしてしまったが、こんな調子で記者稼業ができるとしたなら、ゆゆしき問題である。
 いきなり、どなりつけたことは悪い。が、それ以上に取材に立ち向かう姿勢そのものに物申したい。現場取材の手配ひとつしっかり出来ないありさまには、失望すら感じた。それになぜ、現場に来ようとしないのか(事件が発生したのなら、これは仕方ないのだが)。現場百回の記者魂は、どこへ行ったのだ。百歩譲って「行けない場合は連絡します」といったじゃないか。県下はむろん、岐阜、三重からも訪れた仲間たちは、みな中日の読者なのだ。それをほったらかしにして知らぬ顔でいる、とは。ユルセナイ。
 でも、これはよくよく考えると、新人を叱る以前にデスクの対応が、すこぶる悪いということだ。良い方に考え新人にとって、今後の肥やしになれば、それはそれで良い、とも思いはするのだが……。

 【きょうの1番ニュース】万葉公園で佐藤一英さんの次男漣さん(故人)の奥さま・君代さまから、一英さんの生前の人となりにつき話しを伺ったことが私には何よりうれしかった。君代さんは雨のなかを近所の女性と「今か今か」と待っていてくださり、公園入り口の樫の木文化資料館で亡き夫・漣さんが描いた父・一英さんの住処「詩人の家(土筆庵)」について話してくださった。
 毎朝、食事の前に詩を書き、夕食時に家族の前で朗読するのが日課だったことや、道端で座り込んだままいつまでも詩作を練っていた姿が忘れられないーなどめったに聞くことの出来ない日常生活についても話され、参加者の間では「本当によい話を聞かせて頂いた。ありがとう」の声が相次いだ。お礼に持参した銘菓「武功夜話」の菓子折ひとつだけをお渡ししたが、それだけのお礼でよかったのかしら、とナンダカもったいない気がしたのである。

☆「汚染廃棄物 福島で中間貯蔵30年以内 政府工程表施設稼動14年度」、「御嵩町長襲撃が時効 柳川さん『息ある限り真実追求』」、「日米フラガール 励ましの舞 福島」(30日付、中日朝刊)「ガッツポーズ確認怠る 中日球団に『デイリー』謝罪」(30日付、中日スポーツ)

平成二十三年十月二十九日
 クライマックス(CS)のファーストステージー。セ・リーグは神宮で巨人―ヤクルト戦が沢村、館山両投手の先発で行われ、ヤクルトが巨人を3―2で破った。パ・リーグの方も、札幌ドームで西武―日本ハム戦があり、予想通り涌井、ダルビッシュの投げあいで始まったが、西武が日本ハムを5―2で下した。いずれにせよ、いよいよ今シーズン最後のステージが始まった。セ・リーグの覇者、中日ドラゴンズは、ここしばらく巨人―ヤクルト戦の戦況を見守るほかない。

 ところで、新聞なるもの、やはりファンの吐息とともに前日、動いていた試合結果でないと、朝刊を読んだり見たりしていても、スッキリせず、どうしても寂しい。でも、今日の中日スポーツは前向き一色で勝利した翌日の新聞にも決して劣らなかった。
 まず1面でドーンと「3連覇貢献したい 高橋周平」ときた。「交渉権確定」の「当たりくじを渡され気分は早くも竜の一員」と紙面化。ドラフト会議で一敗地にまみれたヤクルト、ソフトバンクの首脳陣が目にしたら、それこそ可哀そ過ぎて、とても見せられない、堂々とした紙面となった。おまけに高橋選手が手にした『交渉権確定』用紙には、「高橋君 おめでとう 中日ドラゴンズ高木守道」のサインまでが添えられていた。そればかりか、高橋内野手の横には「あす高木監督と対面『緊張します』」の文言までがドラゴンズカラーのブルーで彩られており、読者、とりわけドラゴンズファンにとっては早くも明後日の中日スポーツが楽しみな内容だ。
 いわば、食欲をそそる紙面展開が、なかなかいい。

 昼間、実家に顔を出すと、兄の長男Lくん(私にとっては、甥っこ)が十二月に結婚するフィアンセと一緒に私の母、すなわち満九十一歳の彼にとっての祖母の元を訪ねていた。なかなかステキな女性だった。雪山でとんがり帽子をかぶらせる、とスゴク似合いそうな、そんな女性である。いろいろ苦労してきたが、それを一つひとつ乗り越え今の輝きがあるようにも思われた。
 いっとき、プロ野球の話になり、巨人の原監督そっくりのイケメン、Lくんが「八年間で四年リーグ優勝する、だなんて信じられない。やっぱり落合監督はすごい、ほんとに凄い人だと、周りのみんなも話しているよ」と話すと、私の母が「まあ~、昔の話だで、なんの時だったかは、忘れてまったけど、わたしねえ、犬山かどっかの何やらの会で、タカギさんと一緒にみんなでコーヒー飲んだことあるよ。気さくな人でいっぺんに好きになってまったがね。タカギさんにも頑張ってほしいね」と口をはさんだ。
 へえ~、ばあチャンはすごいなーとLくんが話すと、母は早くも「あんばよお~、やってほしいわ。おかあちゃん、タカギさんの大ファンだもん」ときた。高木監督はドラゴンズに新風を吹かせるために次期監督になられるが、もしかしたら高齢化時代のアイドルになる素養は十分だ、と見たのである。落合監督のあとは、タカギさん。ドラゴンズファンは、本当にステキな監督さんばかりに恵まれていりぁーす、と思う。幸せなこったでなも。

 【きょうの1番ニュース】あすの中部ペンクラブの文学散歩を前に、お世話になる方へのお礼のお菓子を買いに、江南の銘菓・大口屋さんに行ったところ、ナント「武功夜話」という菓子が売られていた。江南っ子でありながら、武功夜話というお菓子があっただなんて。知らなんだ。(もっとも定年になるまでは、新聞記者としてあちこち渡り鳥をして歩いていたので江南のことを知らなくても、そんなに叱られはしないとは思うが。これからは郷土の歴史や文学をすこしずつ紐解いていこう)

☆「脱原発考 洋上の風 集めろ 『風レンズ風車』発電量3倍 九州大など実験へ」、「福島廃炉に30年超 溶融燃料取り出し難題 原子力委見通し」(29日付、中日朝刊)「竜 12月3日にパレード」(同、中日スポーツ)
 「原発隣接県内万一に備え ヨウ素剤備蓄拡大 出荷量3割増『市民の不安高く』」、「大船渡沖の海底 現金1100万円発見」=岩手県大船渡市は二十九日、同市三陸町綾里沖の海底から、現金千百万円の入ったボストンバッグが見つかったことを明らかにした。操業中の漁船が偶然引き揚げた。市は持ち主を捜している=。『三連動地震 津波を想定 南知多で防災訓練」、「オリンパス元社長 『買収経緯 前会長口止め』 本紙(ロンドンで)単独インタビュー 追及2日後に解任(有賀信彦)」(29日付、中日夕刊)

平成二十三年十月二十八日
 今日の新聞は中日スポーツ、中日新聞本紙ともに昨日行われたドラフトの結果について大きく報じている。まず中スは1面で「YS BS競合…引き当てた 守道さんいきなり大仕事 高橋周平 1位・東海大甲府高 4番打つ 『2人の外れ確認して』高木次期監督満面笑み」、「竜は6人指名」というもので、本紙も1面で「竜1位は高橋(東海大甲府高校) ドラフト会議 菅野、日ハム交渉権」というものだった。

 金曜日。職場の方は、十万人以上に及ぶ会員の中でも特異な存在といえる“顔”の皆さんをリストアップする作業にきょうも追われた。というのも、私は年内で現在の職場・ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局スタッフとしての仕事(主な内容は会報編集担当)をやめるためである。それにしても、十万人以上に上る会員のなかには、本当にバラエティーに富んだいろんな方々がいる。

 【きょうの1番ニュース】夜。帰宅後、Mと見たテレビはNHK教育、午後十時からのにっぽんの芸能「花鳥風月堂」である。番組のなかで演じられた白浪五人男、そして「芸能百花繚乱」の▼神田祭▼江戸の心と技・清元大特集の名演の数々には、感動したのである。私自身、かつて三味線を学んだことが少しだけあるほか、ここ数年は小唄や端唄、横笛にも手を染めてきているだけに、家元の発する清元の歌いっぷりや、人間国宝の三味線の音には、日本の文化の奥深さをあらためて思い知った。

☆「名古屋版『おかげ横丁』 城下町 再現へ一歩 市と愛知県、国など 近く協議会設置」、「脱原発考/教授・中部河田昌東さんに聞く チェルノブイリ 健康被害4、5年後から がんより心臓病糖尿病が多く 1年目の対応重要」、「武田鉄矢さん手術(歌手で俳優の武田鉄矢さん=六十二歳=が、大動脈弁狭さく症のため手術を受けた。(中略)経過は良好で、十一月上旬に退院予定)」(28日付、中日朝刊)
 「セシウム許容線量 食品 年1ミリシーベルトに下げ 来春から5分の1に」、「悲しき“がれき漁” 石巻『底引き網破れる』(28日付、中日夕刊)

11年10月29日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十三年十一月十日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが突然、出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 ドラゴンズはきょうも、また四股を踏んで蹲踞の姿勢でソフトバンクとにらみあう。戦いのときは、刻一刻と近づいている。きのうから始まった中日新聞本紙スポーツ面の企画「かく戦う 2011年日本シリーズ」は<中>で、「救援」をテーマに両チームの力を分析している。
 それによれば、ドラゴンズの《浅尾が核、左右に充実》に比べ、ソフトバンクは《故障明け 経験見劣り》と分析している。
 ほかに主だったニュースでは「栗山新監督『熱く戦う』 日本ハム就任発表 2年契約、背番号『80』」(10日付、中日朝刊)というものである。

 夜、Mが見たいと言うのでチャンネルをテレビ愛知にした。そこで見たものはカンブリア宮殿「銀行はサービス業だ!大垣共立銀行▽満足度ナンバー1の秘密を探る▽驚き!ポイントで現金還元」というものだった。そして、そこに出てくる頭取土屋嶢(たかし)さんのサービス業に徹した経営戦略には頭が下がる以外の何ものでもなかった。
 番組のなかで土屋さんは「地域とのつながり」の大切さを説き、「いつかこれ以上どんなサービスができますか、とこれが言ってみたい」とも話された。なんという前向きな姿勢であることか。

 かつて私が新聞社の大垣支局長だったころ、私とほぼ同年代だった嶢さんは当時、若手の頭取としてさっそうとデビューされた。私自身は、山紫水明な国、河童共和国を提唱し開国された嶢さんの父親、斉(ひとし)さん=故人=の方に何かとよくされたが、嶢さんには可児に花の公園が出来、花フェスタが行われるに当たって、私の発想でオランダ花物語の紙面化を展開した際、ご理解を頂き、強力なスポンサーになっていただいた日々が思い出される。
 おかげで“西濃の日”と“母の日”にオランダから直送したアルストロメリアとカーネーション、各一万本を来場者にプレゼントすることが出来た。アルストロメリアとカーネーションは私自らオランダに飛び、世界一の花市場であるアールスメルから日航機と西濃運輸のトラックで直送してもらい、花物語実現に当たっては、大垣市や海津町など各自治体はじめ、多くの企業の応援を得たのである。

 【きょうの1番ニュース】何げなく開いた鈴木敏夫さんの「ジブリの哲学」あとがきにかえて、の282ページ6月10日(金)の個所。「深夜まで打ち合わせ。PWJ(ピースウィンズジャパン)の要請で、『コクリコ坂から』を被災地で上映することに決める。目的地は、気仙沼と陸前高田。気仙沼はどうしても行きたかった。なぜなら、そこは、『アニメージュ』の初代編集長、尾形英夫の故郷だったので。この人には本当に世話になった。この人がいなければ、現在のジブリは無かったし、宮崎駿も誕生していない。ぼくの人生を決めた人だからだ。一度だけ、宮崎と共にこの地を訪ねたことがある。……」の下りだ。
 あとを知りたかったら、皆さん「ジブリの哲学」を買ってしっかりと読んだらいい。

☆「『名大発』小型衛星 宇宙へ 中部の技術で来冬にも 軽量、経費安く」、「低い関心 届かぬ声 選挙より生活『脱原発』横並び 福島県議選」(10日付、中日朝刊)
 「大阪ダブル選スタート 『橋下流』に府民審判 知事選7新人届け出」、「トルコ地震 邦人救出 『難民を助ける会』宿泊ホテル倒壊」(10日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月九日
 プロ野球はきょうもない。ないけれど、大相撲なら、取り組み前の四股を踏むような気分だ。一日ごとに四股を踏み、立ち会いの緊迫感がいよいよ増してくる。独特の雰囲気のなか、ドラゴンズファンはじっとして、ただその日を、時を、待っているのだ。
 こうしたなか、中日新聞本紙スポーツ面では「2011日本シリーズ かく戦う・上 先発」の企画が始まった。前文は次のような内容だ。
―中日とソフトバンクの日本シリーズが12日、ヤフードームで開幕する。リーグ覇者同士の激突となるが、中日は終盤の逆転でレギュラーシーズンを制しクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージも第5戦までもつれたのに対し、ソフトバンクはシーズンを独走しCSを3連勝で突破した。対照的な足取りだった両チームの戦いをCSに焦点を当てて振り返り、1999年(当時ソフトバンクはダイエー)以来の対決を「先発」「救援」「打線」に分けて占う。

 けさの中日新聞朝刊特報面話題の発掘・ニュースの追跡で「あの被災地を忘れない」の題で福島・いわき豊間地区の集団移転の話が紹介されていた。私自身、東日本大震災が発生してまもなく休みの日をあてて現地に入り、被害の現状をつぶさに見てきただけに、懐かしく、他人事とは、とても思われない。内容は、いわき市豊間地区の住民でつくる「ふるさと豊間復興協議会」が高台への集団移転を基本とする復興プランをまとめ、住民に説明を求めたというものだ。

 【きょうの1番ニュース】やはり、けさの特報面で、いわき市豊間地区で高台への復興プランが進んでいるとの報道に目頭が熱くなった。私は大震災が起きてまもなく取るものもとりあえず、休みの日をあて東北新幹線の行き止まり那須塩原駅から、フロント部分に“緊急”と書かれていた痛々しいバスに乗り、郡山経由でいわき市に入った。ガレキの町同然、まさに廃墟の町と化した豊間を目の前に黙々と歩いたことがあるだけに、感慨もひとしおだった。あの日、故美空ひばりさんが歌った「みだれ髪」の歌詞にも登場した塩屋埼灯台直下の惨憺たるありさまは、今も私の脳裏に焼きついて離れはしない。

☆「青木 メジャー挑戦へ ヤクルトに入札申し入れ」、「竜が舞う2011 名古屋VS福岡 スマートすぎ怖にゃー(名古屋市長河村たかしさん) イケイケで『堅実』倒す(福岡市長高島宗一郎さん)」、「トヨタ通期予想『未定』 タイ洪水影響で変更 12年3月期」(9日付、中日朝刊)
 「伊首相が退陣表明 財政健全法成立後に」、「三重スリーアローズ解散 野球独立L 来季所属決まらず」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月八日
 日本シリーズの開幕まであと四日。中日スポーツでは、中日とソフトバンクの徹底比較として、“エース対決”を取り上げていた。当然ながら「中日・吉見とソフトバンク・和田、おそらくこの2人が12日の第1戦のマウンドに立っているだろう。…」と今シーズンの2人の成績を示しながら、「2人はほぼ互角だ」としている。具体的には、勝率も吉見がリーグ1位の8割5分7厘なら、和田も同2位の7割6分2厘、2人とも“勝てる投手”なのだ、としている。そして、また「CSでベンチ入りしたメンバーでオフの7日も唯一ナゴヤ球場に姿を見せた」ソト投手にも触れていた。

 きょうは立冬。これからは日一日と寒くなってゆく。帰宅したら、Mが、頭が痛いと言い、私が食事を終えると同時に二階の寝室へ。疲れからだと思う。ゆっくり休めば治る気がするのだが…。ニンゲン、いつも体調の良いときばかりでもない。ただ、Mの場合、過去大病に何度もかかっているだけに心配である。

 【きょうの1番ニュース】一宮主管支局長当時に公私ともに大変お世話になったあのころの一宮軟式野球連盟理事長の水野さん(石野自動車さん)にお願いしたマイカーの車検が終わり、車がきのう無事、わが家に戻ってきたということぐらいか。

☆「特報 いわき出身 講談師・神田香織さん フクシマの怒り 言の葉に 『チェルノブイリ』伝え9年」、「捜索阻む冬の海 岩手、年内の活動終了へ 発見数激減 不明者家族 今も海岸に」「宮城・福島 できる限り継続」、「がれき火災が27日ぶり鎮火 岩手・山田町」、「復興債償還は25年 3次補正 民主譲歩案、自公容認」、「大津市長選に越(直美)氏が出馬へ 弁護士、民主擁立」(8日付、中日朝刊)
 「オリンパス粉飾の疑い 90年代から損失隠し 買収資金で穴埋め 森副社長を解任」、「虹・いま寄りそう 地元の味 早くみんなに 陸前高田の老舗中華 再開へ 決め手のしょうゆ確保」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月七日
 きょうから、ヤフードームで日本シリーズが始まる十二日までプロ野球はない。
 やはり勝つ、ということは新聞の活字を見るだけでも、勢いづけられる。おそらくきょうの新聞、特に中日スポーツはコンビニの即売など、あっという間に売りきれたに違いない。
 「さあ鷹と頂上決戦」「落合監督舞った」「完全Vでもう一度」「表彰式後、ゆっくり宙に6度」「7年越し『王さんとの約束やっと守れる』」が中日スポーツの本日付1面トップ見出しだ。
 そして中日新聞本紙スポーツ面も見開きで「セ・ファイナルステージ第5戦 竜日本S進出CS2勝 吉見MVP」「プロ初の中3日(球心、中村彰宏)」「締めは浅尾」「井端集中 決勝2ラン 『強く打つ』 ベテラン劇的」と分かりやすい。きのうの試合結果は、これに尽きる。

 さらに本日付の中日新聞夕刊軟派トップ記事でも“竜が舞う 2011”で「CS制し12日から日本シリーズ 日本一へ4番闘志 ブランコ選手 名古屋に感謝」、「興奮そのまま長蛇の列 松坂屋名古屋店 竜応援セール」と続いている。

 【きょうの1番ニュース】Mの元に、「清瀬市石田波郷俳句大会 実行委員会会長 栗原きよし」名で立派な冊子に挟まれた賞状が舞い込んだ。「賞状 一般の部 井桁汀風子選 入選 折鶴に息吹きかける原爆忌 伊神舞子殿 あなたは第三回清瀬市石田波郷俳句大会において頭書の成績をおさめたのでこれを賞します 平成二十三年十月三十日」という内容である。
 Mには、またしても差がつけられた。Mが、どんどんドンドンと私を引き離していってしまう。でも、文学は何も賞を取ればいいものでもあるまい。人々の心に残り生きてゆくのに支えとなれるような、たとえ、ちいさくとも私たちなりの世界を開くことが出来れば、それでよい。
 Mとて同じだ。今は、新たな世界への私の旅立ちを前に私の気持ちを鼓舞させようとしているだけなのだ。それはそうと、痩せ我慢は、ここいらへんにして、Mよ! あらためて心からおめでとう。

☆「アラブの春の行方は 週のはじめに考える(社説)」、「竜 日本シリーズ進出 2年連続10度目 ヤクルトをCSで破る」「次は日本一だ」「竜が舞う2011 不惑の谷繁捕手 強気リード衰えず」、「復興頼むよ 七五三の君 依頼7件 心込め準備 南三陸の神職 長男も5歳に」、「アパート火災 4人死亡 築50年超 住人 大半が生活保護 新宿、2人重体」(7日付、中日朝刊)
 「東証・大証合併 来秋に」、「ギリシャ大連立合意 パパンドレウ首相辞任へ 来年2月総選挙」、「失業手当延長4倍に 被災3県 再就職厳しく」、「鳴戸親方=元横綱隆の里=(が急性呼吸不全のため)死去 59歳(7日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月六日
 ドラゴンズは今夜、ナゴヤドームで行われたセ・リーグのCSファイナルステージでヤクルトに2―1で勝ち、とうとう日本シリーズへの切符を手にした。ドラゴンズ吉見、ヤクルト館山両投手の投げ合いとなったが、六回裏、1死から四球で出塁した荒木を一塁に、井端が左翼スタンドに本塁打を放って2点を先制し、九回表に岩瀬が1点とられたものの、継投した浅尾がしっかり抑え、ゲームセットとなった。
 試合後、落合監督は「2004年からホークスと日本シリーズを戦いたいとずっと思っていました」と胸の内を吐露。日本シリーズ出場が決まったことについては「私は、ただ見守っているだけで、選手が伸び伸びとやってくれました。選手のテンションはいつもに比べ皆あがっていた。すばらしい選手に恵まれたおかげです。これは、みんなの力で誰一人欠けてもできなかったでしょうね」とも付け加えた。やはり、すばらしい監督だ、と思う。
 CSシリーズのMVPには、2勝をあげた吉見投手が選ばれた。ソフトバンクと戦う日本シリーズは十二日にヤフードームで開幕する。

 きょうは社から家族慰安会の招待券をいただいていたので、Mを伴って中日劇場へ。「大奥 第一章」を鑑賞後、彼女に誘われるまま名古屋駅前のミッドランドタワーにまで足を伸ばし、五階ミッドランドシネマで「猿の惑星 創世記ジェネシス」を見てきた。もっとも、私の場合はほとんど寝ていたが、猿たちが人間たちに逆襲してくるシーンだけは、鮮烈に覚えている。
 昨日、大津の同人誌「くうかん」代表、眞鍋京子さん(兼大津市文化祭実行委員会編集委員)から送られてきた「古都の文学 2011年号」に目を通し眞鍋さんをはじめとした大津の文人たちが、詩、冠句、川柳、俳句、短歌、随筆、短編小説に、と幅広い分野で地道ながらも、地方文化を発信されている姿に頭が下がった。竹花外記さんの「枕を低くして寝てみたい」(随筆)、津野洋子さんの「悪夢」(短編小説)、眞鍋さんの「み佛のそばへ」(同)など。懐かしい顔を思い浮かべながら、さっそく読ませていただこう。

 【きょうの1番ニュース】私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間でもある詩人牧すすむさんから、もうひとつの顔である琴伝流大正琴大師範・倉知弦洲として祝賀会の招待案内状がわが家に舞い込んだ。倉知弦洲さんは、米カーネギーホールや日本武道館、中国万里の長城、ロシアのエルミタージュ美術館のステージなど。世界各地での門下生を伴っての幅広い演奏活動は知る人ぞ知る。今や、その実力ときたら、日本の大正琴のなかではナンバーワンといっていい。
 案内状はその倉知弦洲さんが、このたび琴伝流の宗家より琴伝流の最高位である「上席大師範第一位認定に拝された」とのめでたい知らせだった。大正琴が名古屋の大須で生まれ、百年の記念すべき年の栄誉だけに、心からお祝いを申し上げたい。祝賀会は今月十三日の午後三時から、名古屋マリオットアソシアホテルのアイリスの間である。もちろん、私も出席させていただく。どんな祝賀会になるのか、今から楽しみである。

☆「レベル7・1 第四部『X年』の廃炉 炉内の微生物退治1年 スリーマイル“想定外”の敵」、「ドラゴンズ日本S王手 プロ野球 パはソフトバンク決定」(6日付、中日朝刊)

平成二十三年十一月五日
 私とMの願いどおり、今夜のクライマックス(CS)ファイナルステージは5―1でドラゴンズが勝ち、いよいよあすの第五戦でヤクルトに王手をかける。
 きのう、その前と落合監督に言わせれば、選手たちはCSという大一番に「気持ちが出過ぎてしまっていた」が、きょうは打撃、守備面とも伸び伸びとした「気持ちが足と同じように出た」プレーで、前夜までの二連敗が信じられないほどの完勝となった。ドラゴンズは川井投手、ヤクルトは赤川投手が、それぞれ先発した。
 特に一回裏の立ち上がりに、ブランコが右前打で先制すると平田が走者一掃の二塁打を放ち完全に試合の主導権を握ったばかりか、五回にはブランコが左越え本塁打を放って突き放すという試合展開は、この日、ナゴヤドームに押しかけた満員の観客を最高に喜ばせた。

 きょうは、土曜日。午前中は新聞記事の切り抜きなど何かと自室の整理と執筆に追われ、午後からはMの指示どおりバローに行って、バロー内のクリーニング屋さんにワイシャツを預け、アタイたち(こすも・こことシロ)用の猫缶はじめ、段ボール箱入りのお茶二箱を買う、などMの命令どおりに動いた。
 途中、このところの睡眠不足もあり、何度も睡魔に襲われもした。デ、いっそのこと、眠け払いになればーと、このところおろそかになりがちだった横笛の練習に励んだ。

 【きょうの1番ニュース】やはり、CS戦でブランコの本塁打が飛び出した、ことが何といっても痛快だった。先日、プレゼンターとしてブランコ選手にお会いした際、手を強く握って「ホームランを打って日本一に」とお願いした際、「絶対(ホームランを)打って、日本一になって見せます」と約束しただけのことは、ある。
 私には、あのとき球団広報の“ケースケさん”を通してお渡しした、その昔、桃太郎が鬼退治に行く際、持参したという“きびダンゴ”の効用があるような気がしてならないのである。ブランコ選手の甦った当たりに刺激されるように平田をはじめ森野、和田、井端、大島…らの打撃も絶好調に近くなってきた。それだけに、あすは一気に日本シリーズへの出場を決めたい、ところだ。
 私は、きっと勝ってくれる、と信じている。ブランコ大好き人間のMとて同じ気持ちだろう。

☆「TPP交渉 参加表明へ 首相、APEC前に 『私が政治判断』10日にも会見」(5日付、中日朝刊)『『横浜DeNAベイスターズ』申請 『見せましょう 野球の底力を』に感動 参入意識 『元気な球団に』 (四十二歳の)春田会長 責任の重さ実感」、「520日間『火星往復』 露、仏などの男性6人実験」(5日付、毎日朝刊)「列島騒然 TPPノー」(6日付、しんぶん赤旗日曜版)
 「横井庄一さんの生涯『残したい』 夫の鎮魂 妻の戦後 中川の記念館5周年 グァム生還後描く」、「西岡参院議長が死去 75歳、肺炎 新自由クラブ結成」、「ギリシャ内閣信任 危機回避、連立協議へ 首相続投固執せず」(5日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月四日
 今夜のナゴヤドーム。ドラ戦士、落合戦士たちはヤクルトの前に粉砕した。山井、鈴木、平井、浅尾、岩瀬投手が力の限り投げ、大島、平田、井端、森野、荒木、和田、ブランコ…とみな懸命に打ち、走り、守った。が、再三の好機を生かすことなく、1―2で力尽きた。
 Mの大好きなブランコはバットをへし折りながらも、安打を放ち、塁に出たのだが…。真に残念、無念とは、このことを言う。でも私は信じたい、ドラゴンズの勝利を、である。傍らではMが私に向かって言球(ことだま)を投げつけてくる。
 「言っているのでしょ。落合さんが。勝つ、ことがすべてだ、って。その通りなのだから。勝たなくっちゃあ、なんにもならないわ」と。「勝たなければ。勝ってくれなくちゃあ」と繰り返す。くどい。こうなるとナゴヤの女は一歩も引かない。人生は勝ったり、負けたりなのだから。これでいいじゃないか、あす勝つからーと心の中で反発する、いがみの権太。
 先制点をあげたヤクルトに対してドラゴンズは四回裏、1死満塁から大島の右前適時打でブランコがホームインし追い付いた。しかし、その後、二度の満塁と一、三塁の好機にも荒木ら頼みの打撃陣が好機に悉く凡打に終わり、12残塁という拙攻に終わった。でも、まだまだ、これからだ。これで(アドバンテージを入れて)2勝2敗なのだから、あすからがある。

 私はいま、つくづく思う。勝つ人がいれば、その一方で負ける人がいる。これが世の必然であり常だ、と。むしろ、負けた時にその哀しさ、辛さをどう乗り越えるか、だと思う。ある面で野球文化は能登半島の“耐えの文化”に、よく似ている。負けて、負けて、また負けて、それでも人間たちは「あすは、あすこそは」と、生きていかなければならない。東日本大震災と福島第1原発事故という突然のダブルパンチ、未曾有の不幸に遭い、今なお避難生活をせざるをえない東北の人たちに比べたら、むしろ選手も、私たちファンも、野球を楽しめる現状に感謝しなければ、とも思う。
 能登で記者生活をしていたころ、よく土地の女(ひと)に「ここは陸の孤島なのだから、みんなで助け合って生きていくんよ」と言われたものだ。だから、菓子が入り用になれば、教えられたとおり、私は七尾市内の菓子屋さんを交代で利用したものだ。“廻し文化”の精神は別にお菓子屋さんに限らず、支局員の歓送迎会で利用した料理屋さんでも同じだった。能登はやさしや、土までも…といわれる所以はそんなところにもあった。それに何といっても、輪島や石崎などの猟師町や和倉温泉での女性の働きぶりといったら、これまたすごかった。その分、男たちが楽をすることから能登と言えば、夫が楽をする“とと楽半島”とも言われたものだ。

 【きょうの1番ニュース】思いもよらなかった恥ずかしい事件が起きてしまった。私はいま、穴があったら入りたい心境だ。人知れず、この世のためになる密やかで、スケールの大きい秘めたる文学が美学のはずだった“ゴンタイズム”は、一体どこへ逝ってしまったのか。
 というのも、うかつにも本日、中日ドラゴンズ公式ファンクラブの公式サイトのスタッフブログの餌食にされてしまった、のである。先日、私が大役を担ったブランコ選手に対するプレゼンター告知ブログのなかで私こと伊神権太の来歴が身ぐるみはがされたのである。私はマナイタの上の鯉も同然に、高島良樹ファンクラブ担当をはじめとするマジシャンのような同僚たちの手荒で優しい手のなかに、スッポリと堕ちてしまった、のである。喜んでよいのか、はたまた悲しんだらよいのか。ここは今後の自身の飛躍のためにも感謝しておかなければ、と思う。ありがとう。

☆「原発オフサイトセンター 全16拠点防災圏内に 125億円投入 立地見直し必至」、「被災地 今年も冬の使者(ハクチョウ飛来地として知られる岩手県北上市のため池周辺に越冬のためオオハクチョウなどが姿を見せ始めた)」、「ギリシャ 国民投票撤回へ 首相『ユーロ圏にとどまる』」(4日付、中日朝刊)
 「がれきの街に笑顔のミカン 南三陸の青果店 プレハブ営業 仏デザイナーが外観描く(虹・いま寄りそう、から)」、「県民減税 来年度見送り 愛知県 財政難で知事判断」、「首相 消費増税を表明 G20解散『法案成立後に』」、「トヨタ (タイの大洪水の影響から)減産さらに延長 国内12日まで 10カ国に拡大」(4日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月三日
 文化の日。
 中日ドラゴンズはナゴヤドームでのファイナルステージ第2戦でヤクルトに1―3で敗れ、アドバンテージもくわえれば2勝1敗となった。悔しいけれども、完敗だった。それも小川監督の奇襲戦法にである。奇襲のそのわけは、このところ打撃不振に陥っていた主砲、畠山を先発メンバーから引っ込めて、青木を四番に。なんと先頭打者には、これまで公式戦に出たこともない、もちろん今シーズン初登場となる無名の十八歳の若者を起用したのである。この布陣は、傘を手に手にナゴヤドームに乗り込んだ三塁側ヤクルト応援席の意気をも、格段と盛り上げた。
 かといって、この奇襲がただちに効果覿面(てきめん)ということでもなかった。じわじわと効いてきたのである。試合はドラゴンズがチェン、ヤクルトも石川とエース同士の投げ合いで0点が重ねられたが、八回表、ヤクルトはそれまで1安打無失点に抑えられていたチェンから、石川の代打飯原が今季初のソロ本塁打を打ち、流れが変わった。九回には、途中出場した畠山がリリーフ陣の河原から意地の適時打を放ち、2点を追加。一方の中日は、八回から登板した館山を打ちあぐね、最終回の九回裏、森野の本塁打で1点を返すに留まった。
 若手選手の思い切った起用、青木の4番打者、畠山の先発外しと途中出場、そして飯原の代打、エース級館山の思いも寄らない継投…と、ヤクルトファンならずともドラゴンズファンまでもどっきりさせた、小川采配に軍配が上がった。

 この日は中日新聞三社面で中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員募集中のカット入りで「こんな“いいこと”ありました! 」の記事掲載が始まった。ファンクラブの会員に入ると、チケットを優先的に購入できたり、練習見学会や二軍戦の始球式、新入団選手激励会の機会にも恵まれ、いろんなファンサービスを受けられる。招待チケットを得るチャンスもある、友だちが出来、結婚相手に恵まれることだって。そんないいこと尽くめを紹介するコーナーである。ちなみに募集期間は当初、九、十の二カ月間の予定が今月二十日までに延ばされている。

 私は、今夜も岩波文庫の文庫本「孫子」を手に、ナゴヤドームへ出向いた。もちろん、孫子の兵法のそれである。
 が、今夜は小川監督の玉砕覚悟の奇襲攻撃に遭い、勝利をただヒタスラに願ったが、敗れた。が、この攻撃も一時的、苦し紛れの目つぶし戦術に見えないこともない。勝利はどちらが早く4勝をあげるか、でまだ兵法上も負けてなんかは、いない。選手たちは、みな「ちゃんと動けている」(落合監督)のだ。こうした夜は、深呼吸をして「あしたはあしたの風が吹く」と前向きに考えよう。

 帰宅したら、野球を知らないMが単純明快に曰く「やっぱり、ブランコが打たなきゃあ、始まらないね。でも、(ヤクルト全盛時代に育った息子の)Aは嬉しそうだったよ」とのこと。私は頭の中で「ドームでの闘いが一日延びれば、それだけ収入もあがるということか」とふとプラス思考に考え「最終的に勝ってくれたら、それでよいではないか」と良い方に解釈することにした。
 今夜の観戦仲間のなかには、巨人ファンも居て、野球ファンはいろいろだ。

 【きょうの1番ニュース】トウチューで「10月月間賞」の記事発見。すぐわかりました。今日も勝って王手といきましょう! ……
 いやはや、新聞の威力はかくも恐ろしい。メールがあちこちから届いた。恥ずかしくて穴があったら入りたい。きのう朝日新聞のオピニオンのページに載ったスタジオジブリの鈴木敏夫さんみたいにかっこ良ければいいのだが。私の場合は、どうみても、さにあらず、だ。

☆「福島2号機 キセノン8月にも検出 以前から『臨界』可能性 1、3号機でも疑い」、「ふくしま作業員日誌 臨界? 現場に伝えてよ 40歳の男性(聞き手・片山夏子)」、「秋の叙勲 喜びの声」(3日付、中日朝刊)

平成二十三年十一月二日
 セントラルリーグのクライマックス・ファイナルステージがとうとう始まった。私の目には、曇り空の下、ナゴヤドームに足を運ぶ観客という観客が、何か思いつめたような、そんな表情に見えた。落合監督、いや落合指揮者による最後のラストタクトが始まるからだろうか。
 初戦の今夜は、投げては吉見投手が先発し浅尾、岩瀬と文句ない継投で試合は進んだ。打っても、初回裏、井端、森野の連続二塁打で先制、三回にも森野の中前打で追加点を奪い、2―1で勝った。対するヤクルトも負けはしたが、八回には1死から青木の二塁打と代打藤本の左前打で一、三塁とし、福地の遊ゴロの間に浅尾から1点をもぎとるーなど緊迫した展開でいい試合だった。

 朝日新聞が「当の本人は派手なことはしないし、言わない。なのに、もういなくなると分かると、この男について語りたくなる。プロ野球中日監督の落合博満。連覇したのになぜ、辞めるのか。」の前文を掲げて本日付オピニオンのページをつかって「耕論 さらばオレ竜」の紙面を展開。なかなかタイムリーかつ中身のある内容だった。
 紙面では、あのスタジオジブリの全映画をプロデュースしたプロデューサーの鈴木敏夫さん、哲学者で国際日本文化研究センター顧問、元日本ペンクラブ会長の梅原猛さん、ラジオパーソナリティーのつぼいノリオさんが、それぞれ奥の深い落合博満論を展開しており、なかなかの内容だった。「語られぬ真意 理解されず」(鈴木さん)「なぐさめ拒否した異端児」(梅原さん)「失って気づく素晴らしさ」(つぼいさん)と三氏とも当を得ていた。

 なかでも私の心にグサリと突きつけられたのは、実は「あの人はオレ流じゃないです。現役時代から、落合ほど試合中、他の選手に声をかけ励ます人はいなかった。毎年、中日ドラゴンズの全試合のテレビ中継を録画して見続け分かったのは、公式戦の100試合目ぐらいまでは延々とチームづくりを続けているということです。」といった、それこそ語られぬ真意にほかならない。そして「毎試合、チームづくりの課程を見るのは、映画づくりを間近で見るのと同じ喜びがあります。球団の経営陣やファンのことより、常に選手を最優先に考えている。今のプロ野球界では稀有な存在です」といった下りに不世出の監督のすべてが言い尽くされている気がした。
 鈴木さんはさらに終章で「そもそも、中日の白井文吾オーナーがパトロン的独断で落合さんを監督に就任させたから、落合野球が実現した。プロ野球の経営陣に道楽好きなパトロンが増えれば、もっと面白くなるんじゃないかなあ。」と思い切った発言もしている。梅原さんの方も最後の六行すなわち「今後、他球団から誘われても、落合は軽率に飛びつくようなことはやらんでしょう。そこで自分のやり方ができるのか、論理的に冷静に判断するでしょうな」の言葉にも一人のファンとして、どこかホッとしたものを感じたのも偽らない心境だ。

 二日は、ナゴヤドーム前のイオンショッピングセンターでファンに感謝特別号「飛び出る! 中スポ3D新聞(日本一狙い撃ち ドアラの夢完全制覇)」が無料で限定配布されたが、長蛇の列になった。また、この日は中スポ本紙でも新大関琴将菊のがぶり寄りに引っ掛け、「琴将菊VSガブリ」の横見出し付で「ファイナルS 一緒にCS勝って ナゴヤ・福岡決戦!」と見開き展開、紙面にはガブリの目・CS特別編「土俵際でも竜は慌てません 大関にエール パCSはタカ応援します」までがタイムリーに添えられ、躍動感ある紙面展開となった。一方で、ナゴヤドーム総合受付所近くで公式ファンクラブのスタッフらが今月二十日にまで延長された(当初は9~10月末まで)次年度会員の入会PRに声を枯らす姿が、ドラゴンズワールドの一体感を浮き立たせていた。あとはCSを勝ち抜き、日本シリーズで完全制覇を達成する。そのひと言に尽きる。

 【きょうの1番ニュース】恥ずかしながら、ナゴヤドーム内、球団応接室で10月の中スポ月間MVPに輝いたブランコ選手に対し賞金とトロフィーを渡すプレゼンターの機会に恵まれた。ブランコ選手は、やはり、妻(M)が大ファンというだけあって、かっこよく、そして何よりも優しい瞳を持った、礼儀正しい日本男児のような好青年だった。
 Mは中日戦と言えば、いつもブランコ選手の一打に期待し本塁打を打って勝てば「ブランコさまさまよ。遠い国からきて、本当に一生懸命、やっているのだから。立派よ。それに、よくみてごらん。あんなに男前でかっこいい選手はいない」だってサ。そういえばドラゴンズは、他にも浅尾、堂上、ジュンキ…とイケメン選手に恵まれている。
 トロフィーなどを授与するに当たって、私はその大きな手を握りながら彼をしっかり見つめてみたが「やはり、イケメンだった」。そして手を握り、私は言った。
 「ドゥー、ヨワ、ベスト」「にっぽんいち」「サンカンオウ(三冠王)」と。彼は私の言葉にしっかりうなづき、本当に嬉しく思った。おまけに妻がいつも台所で着ている公式ファンクラブのピンクのユニホームにまでサインをしていただけ、帰宅後さっそく報告すると「中日は、ブランコさまさまなんだからね」と満足そうだった。
 私は大任を終えた後、球団広報の“ケースケさん”に桃太郎が鬼退治の際、お腰に供えていたという“きびだんご”を手渡した。そう、あの♪おこしにつけたあ~きびだんごお~ひとつう~わったしにくださいなあ~、―の、そのきびだんごを、だ。「数にかぎりがあります。でも、これをブランコさんや監督に食べてもらえば、日本一間違いないから」の言葉を添えて、デアル。
 この日表彰式の席には総局長らの配慮もあってか、総局の偉い人(佐野局デスク)まで同席してくださった。ステキなカメラマン氏と記者さんにも、すなおに感謝しておきたい。

☆「TPP(環太平洋連携協定) ルール策定参加困難 政府内部文書 米承認に半年 早期表明でも手遅れ 解説・推進派主張前提揺らぐ」、「教訓に 復興に 被災地で観光振興 徐々に客足、イベントも」(2日付、中日朝刊)
 「福島第1原発 2号機 局所臨界か 格納容器内にキセノン検出 ホウ酸水注入」、「震災がれき 初の広域処理 放射線量測定し密封 宮古から東京に搬出」、「台風12号 父不明2カ月 おやじ譲り 頑固に捜索 紀宝の男性 打ち切り後も一人黙々」(2日付、中日夕刊)

平成二十三年十一月一日
 プロ野球はなく、二日からのナゴヤドームでのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを前に、ドラゴンズ、ヤクルトともホーム球場での調整が進んでいるようで、決戦の日を前に表面的には互いに音無しの構え、といったところだ。そうは言っても、ここ数日の調整や練習は重要なポイントとなるだけに、戦いをあすに控えたドラゴンズ、ヤクルト選手の胸中やいかほどだろう。特にドラゴンズの場合、実戦から遠ざかっているだけに、気になるところだ。
 きょうの中日スポーツ。1面は「あすからセCSファイナル 相手決まったヤと決戦 森野受けて勝つ」とティー打撃に励む森野選手の写真を添え、「迎え撃つ竜の選手会長、森野将彦内野手(33)は泰然自若。リーグ王者として、自信を持って戦えば結果はおのずとついてくる。」と堂々とした紙面である。
 またプロ野球界の話題としては「栗山=野球評論家の栗山英樹氏(50)=ハム 今月上旬 正式発表」というニュースが気になるところだ。そして、読者の投稿欄「わいわい広場」では◆ドラゴンズの佐伯選手、河原選手の戦力外通告に、残念な気持ちでいっぱいです。佐伯選手の気迫の打席、河原選手の冷静なマウンド…ベテランならではの頼もしい雰囲気が好きでした。入団時から応援してきただけに、寂しくてたまりません。」(名古屋市中川区、会社員、世古小百合さん=32)には、同じファンとして相通ずるところを感じたのである。戦力外通告、とは少し厳しいな、と思う。
 だが、一方では高木新体制を早く確立するためには、こうした早期の切開手術も必要なのかな、とも思う。いずれにせよ、二人ともよく頑張ってくれていただけに、少し寂しい気がするのは、ファンに共通した気持ちかも知れない。

 はやくも十一月、時はあっという間に駆け抜けてゆく。稲沢の祖父江ではギンナンの収穫真っ盛りである。秋が日一日と深まっていくが、東日本に住む被災者らのことを思うと胸が痛む。

 【きょうの1番ニュース】日本ペンクラブの会報・第405号を読んでいてショッキングに思ったことがある。その点についてここに記録しておく。
―福島原発の1から4号機にある使用済み核燃料の総量が、広島原発の13000倍あるという。(日本ペンクラブ環境委員会の8月研究会報告から)

☆「中電『メガソーラーたけとよ』 太陽の恵み 始動」、「避難所閉鎖『仮設』は遠方 東北不安な夜 どこへ行けば 被災の自宅改修進まず」、「元気になるまでずっといるから 上田正樹さんが復興支援曲 石巻と高山 小中学生の歌 CDに 今ある気持ち(1番のみ)」、「若竜志摩から羽ばたけ 自主トレ協力 元プロ志望の男性」(1日付、中日朝刊)「2日と3日 イオンナゴヤドーム前で 中スポ3D新聞配布 5000部限定」(1日付、中スポ)
 「宮城で路線価8割減額 国税庁調整率 福島原発周辺0円」、「中津川市長の解職請求 市民グループ 3万人署名を提出」(1日付、中日夕刊)

平成二十三年十月三十一日
 今夜の神宮球場。巨人対ヤクルトのCS(クライマックス)ファーストステージの第三試合が行われ、ヤクルトが3―1で勝ち、ヤクルトとしては初めてのCSファイナルステージ出場を決めた。当然の如く神宮スタンドには「東京音頭」の傘の花が開いたが、ファンの掲げる傘の舞は何度見ても気持ちがいいものである。
 私は帰宅後、テレビ観戦しながら、画面に見入るうち、どちらかと言えば、本心はヤクルトに勝ってほしく思う自分自身に気がついた。というわけは、ヤクルトは息子が応援するチームだから、にほかならない。可愛そうに彼がナゴヤドームなどで見たドラゴンズ戦は、すべてヤクルトの負けだった、という。
 いずれにせよ、いよいよ十一月二日からナゴヤドームでドラゴンズ対ヤクルトのCSファイナルステージが始まるのである。両チームの球史に残る激突を、心から願いたい。

 生きている、ということは、誰しも自身の心のなかの光りが点いたり消えたりする、そういうことだ。実際きのうは、中部ペンクラブ理事兼企画委員として半年がかりで私たちで組み立て実行した尾張地区での文学散歩が出席者の間で非常に好評だったにもかかわらず、なぜか、事前にお願いしておいた取材側の甘く冷たい対応に、腹がたって仕方がなかったのだが。
 人間の心理とは刻一刻と変わりゆく不思議なものだ。一夜明けたきょうになるとその怒りみたいな心のなかのマグマもどこやらに飛んでいってしまつたようだ。この世の中、すべての人が一生懸命に生きているのだから、とふと思うと「何か」が私の分身から、ポッとはだけ、氷解したことは確かだ。知らぬ間に心の中の光りが舞い戻ったのである。
 そればかりか、帰宅するとMが私に「中ペンのミタムラさん(三田村博史会長)から「『きのうはお世話になりました』と、わざわざお礼の電話が入ったわよ」の弁。ただ、それだけのことなのに、私の心のなかの炎が一段と大きく周りを照らした。

 【きょうの1番ニュース】中日スポーツの10月度・月間MVPのブランコ選手に対する栄えあるプレゼンターを私がやることになった。私が年内でドラゴンズ公式ファンクラブ事務局を去ることを知った中日スポーツ総局長らによる心配りで、私はすなおに、その栄に浴することとした。日時は十一月二日の午後四時から、ナゴヤドーム内の球団事務所応接室で、である。
 このプレゼンター制度、実は中日スポーツの読者であり公式ファンクラブ会員であることが条件で毎月大勢の応募者のなかから選ばれている(むろん、私も初年度の2006年からの会員であり、長年中日スポーツの購読者でもある)。今回の場合、ペナントレースのシーズンが終わったばかりで募集期間がなかったこともあり、過去ずっとプレゼンターの取材を続けてきた、との理由から私に白羽の矢が立ったらしい。
 本来は中日スポーツ総局長から渡されていた賞金とトロフィーだが、会員ファンサービスも兼ね、会員代表の手から渡されるようになったいきさつがある。私は仕事柄、当然、プレゼンターの取材を続けてきていただけで、私ごときもので良いのかどうか、正直少し面映い気がするのも事実だ。

☆「文科省のセシウム沈着地図 米どころ新潟反発 魚沼で高い値『推計に誤り』」、「安全か・堤防・景観か 気仙沼・観光イメージを重視 高さで議論 陸前高田・移転先の高台少なく」、「被災地アイドル 感謝の歌声 宮城・小4―高3女子12人 『SCK45』来月デビュー」「被災地へ音楽共鳴 避難所で見た『絆』紹介 江南(の永正寺で) さとう宗幸さんコンサート」(31日付、中日朝刊)
 「七十億人目の産声 世界人口 31日生まれ=の名古屋市西区の会社員手島友美恵さん(三十一歳)の第二子の女の子=に認定証 国連」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年十月三十日
 プロ野球のCSファーストステージは、セ・リーグは巨人がヤクルトに6―2で、パ・リーグは西武が日本ハムに8―1でそれぞれ勝った。
 このためパ・リーグは西武のファイナルステージ出場が決定。セ・リーグの方は、一勝一敗で巨人とヤクルトがもう1戦まじえることになった。ドラゴンズファンとしては、ヤクルトに勝ってほしい気がする一方で、巨人には東京ドームで最終の3戦とも負けているだけに、ファーストステージで勝ち抜いてもらって、ドラゴンズにファイナルステージでたたいてほしい気もする。

 きょうは、中部ペンクラブ企画委員長の石川好子さん(文芸きなり代表)の指示もあって、私が休みの合間を縫って半年前から、何度も現地を歩いて計画した尾張地方を舞台とした中部ペンクラブの文学散歩があった。
 東海地方に住む約三十人のペンクラブ仲間が午前十時に名古屋駅西口の時計台前に集合、バスで信長の側室・吉乃が過ごしていた江南の生駒屋敷を皮切りに、昭和三十四年の伊勢湾台風で壊れた土蔵から古文書「武功夜話」が出てきた吉田龍雲邸、源頼朝から梶原景時に残された名馬・磨墨(するすみ)が眠る犬山市羽黒の磨墨塚、梶原家の菩提寺・興禅寺、さらには「大和し美し」の長編詩(新体詩)で知られる佐藤一英の詩碑がたつ一宮市萩原の万葉公園の順で各地を巡って歩き、車内では西穂梓さん(「翔」所属)が「大和し美し」の朗読をするなどした。時折、雨に降られながら、かなりの強行軍だったが、みな満足そうにひとときを過ごしてくださり、ホッとした。

 一方で、取材する側の立場も考え、数日前に文書を添えて社会部デスクあてに出しておいた取材依頼にもかかわらず、けさになって若い記者が電話をかけてきたあげく「同行は出来そうにないので写真を提供していただけたら記事にすることもある」とは、なんと横柄かつ高慢な、もの言いか。
 それでも、そこまでは我慢できるとして、だ。連絡はその後いっさいなく、ナシのつぶてのまま。夕方になって当方から念のため電話を入れると「確認を怠っていました」なんて、これほど読者を愚弄し見下した態度はない。私は思わず、支局長時代そのままに「どうなってるんだ」と久しぶりに怒鳴り散らしてしまったが、こんな調子で記者稼業ができるとしたなら、ゆゆしき問題である。
 いきなり、どなりつけたことは悪い。が、それ以上に取材に立ち向かう姿勢そのものに物申したい。現場取材の手配ひとつしっかり出来ないありさまには、失望すら感じた。それになぜ、現場に来ようとしないのか(事件が発生したのなら、これは仕方ないのだが)。現場百回の記者魂は、どこへ行ったのだ。百歩譲って「行けない場合は連絡します」といったじゃないか。県下はむろん、岐阜、三重からも訪れた仲間たちは、みな中日の読者なのだ。それをほったらかしにして知らぬ顔でいる、とは。ユルセナイ。
 でも、これはよくよく考えると、新人を叱る以前にデスクの対応が、すこぶる悪いということだ。良い方に考え新人にとって、今後の肥やしになれば、それはそれで良い、とも思いはするのだが……。

 【きょうの1番ニュース】万葉公園で佐藤一英さんの次男漣さん(故人)の奥さま・君代さまから、一英さんの生前の人となりにつき話しを伺ったことが私には何よりうれしかった。君代さんは雨のなかを近所の女性と「今か今か」と待っていてくださり、公園入り口の樫の木文化資料館で亡き夫・漣さんが描いた父・一英さんの住処「詩人の家(土筆庵)」について話してくださった。
 毎朝、食事の前に詩を書き、夕食時に家族の前で朗読するのが日課だったことや、道端で座り込んだままいつまでも詩作を練っていた姿が忘れられないーなどめったに聞くことの出来ない日常生活についても話され、参加者の間では「本当によい話を聞かせて頂いた。ありがとう」の声が相次いだ。お礼に持参した銘菓「武功夜話」の菓子折ひとつだけをお渡ししたが、それだけのお礼でよかったのかしら、とナンダカもったいない気がしたのである。

☆「汚染廃棄物 福島で中間貯蔵30年以内 政府工程表施設稼動14年度」、「御嵩町長襲撃が時効 柳川さん『息ある限り真実追求』」、「日米フラガール 励ましの舞 福島」(30日付、中日朝刊)「ガッツポーズ確認怠る 中日球団に『デイリー』謝罪」(30日付、中日スポーツ)

平成二十三年十月二十九日
 クライマックス(CS)のファーストステージー。セ・リーグは神宮で巨人―ヤクルト戦が沢村、館山両投手の先発で行われ、ヤクルトが巨人を3―2で破った。パ・リーグの方も、札幌ドームで西武―日本ハム戦があり、予想通り涌井、ダルビッシュの投げあいで始まったが、西武が日本ハムを5―2で下した。いずれにせよ、いよいよ今シーズン最後のステージが始まった。セ・リーグの覇者、中日ドラゴンズは、ここしばらく巨人―ヤクルト戦の戦況を見守るほかない。

 ところで、新聞なるもの、やはりファンの吐息とともに前日、動いていた試合結果でないと、朝刊を読んだり見たりしていても、スッキリせず、どうしても寂しい。でも、今日の中日スポーツは前向き一色で勝利した翌日の新聞にも決して劣らなかった。
 まず1面でドーンと「3連覇貢献したい 高橋周平」ときた。「交渉権確定」の「当たりくじを渡され気分は早くも竜の一員」と紙面化。ドラフト会議で一敗地にまみれたヤクルト、ソフトバンクの首脳陣が目にしたら、それこそ可哀そ過ぎて、とても見せられない、堂々とした紙面となった。おまけに高橋選手が手にした『交渉権確定』用紙には、「高橋君 おめでとう 中日ドラゴンズ高木守道」のサインまでが添えられていた。そればかりか、高橋内野手の横には「あす高木監督と対面『緊張します』」の文言までがドラゴンズカラーのブルーで彩られており、読者、とりわけドラゴンズファンにとっては早くも明後日の中日スポーツが楽しみな内容だ。
 いわば、食欲をそそる紙面展開が、なかなかいい。

 昼間、実家に顔を出すと、兄の長男Lくん(私にとっては、甥っこ)が十二月に結婚するフィアンセと一緒に私の母、すなわち満九十一歳の彼にとっての祖母の元を訪ねていた。なかなかステキな女性だった。雪山でとんがり帽子をかぶらせる、とスゴク似合いそうな、そんな女性である。いろいろ苦労してきたが、それを一つひとつ乗り越え今の輝きがあるようにも思われた。
 いっとき、プロ野球の話になり、巨人の原監督そっくりのイケメン、Lくんが「八年間で四年リーグ優勝する、だなんて信じられない。やっぱり落合監督はすごい、ほんとに凄い人だと、周りのみんなも話しているよ」と話すと、私の母が「まあ~、昔の話だで、なんの時だったかは、忘れてまったけど、わたしねえ、犬山かどっかの何やらの会で、タカギさんと一緒にみんなでコーヒー飲んだことあるよ。気さくな人でいっぺんに好きになってまったがね。タカギさんにも頑張ってほしいね」と口をはさんだ。
 へえ~、ばあチャンはすごいなーとLくんが話すと、母は早くも「あんばよお~、やってほしいわ。おかあちゃん、タカギさんの大ファンだもん」ときた。高木監督はドラゴンズに新風を吹かせるために次期監督になられるが、もしかしたら高齢化時代のアイドルになる素養は十分だ、と見たのである。落合監督のあとは、タカギさん。ドラゴンズファンは、本当にステキな監督さんばかりに恵まれていりぁーす、と思う。幸せなこったでなも。

 【きょうの1番ニュース】あすの中部ペンクラブの文学散歩を前に、お世話になる方へのお礼のお菓子を買いに、江南の銘菓・大口屋さんに行ったところ、ナント「武功夜話」という菓子が売られていた。江南っ子でありながら、武功夜話というお菓子があっただなんて。知らなんだ。(もっとも定年になるまでは、新聞記者としてあちこち渡り鳥をして歩いていたので江南のことを知らなくても、そんなに叱られはしないとは思うが。これからは郷土の歴史や文学をすこしずつ紐解いていこう)

☆「脱原発考 洋上の風 集めろ 『風レンズ風車』発電量3倍 九州大など実験へ」、「福島廃炉に30年超 溶融燃料取り出し難題 原子力委見通し」(29日付、中日朝刊)「竜 12月3日にパレード」(同、中日スポーツ)
 「原発隣接県内万一に備え ヨウ素剤備蓄拡大 出荷量3割増『市民の不安高く』」、「大船渡沖の海底 現金1100万円発見」=岩手県大船渡市は二十九日、同市三陸町綾里沖の海底から、現金千百万円の入ったボストンバッグが見つかったことを明らかにした。操業中の漁船が偶然引き揚げた。市は持ち主を捜している=。『三連動地震 津波を想定 南知多で防災訓練」、「オリンパス元社長 『買収経緯 前会長口止め』 本紙(ロンドンで)単独インタビュー 追及2日後に解任(有賀信彦)」(29日付、中日夕刊)

平成二十三年十月二十八日
 今日の新聞は中日スポーツ、中日新聞本紙ともに昨日行われたドラフトの結果について大きく報じている。まず中スは1面で「YS BS競合…引き当てた 守道さんいきなり大仕事 高橋周平 1位・東海大甲府高 4番打つ 『2人の外れ確認して』高木次期監督満面笑み」、「竜は6人指名」というもので、本紙も1面で「竜1位は高橋(東海大甲府高校) ドラフト会議 菅野、日ハム交渉権」というものだった。

 金曜日。職場の方は、十万人以上に及ぶ会員の中でも特異な存在といえる“顔”の皆さんをリストアップする作業にきょうも追われた。というのも、私は年内で現在の職場・ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局スタッフとしての仕事(主な内容は会報編集担当)をやめるためである。それにしても、十万人以上に上る会員のなかには、本当にバラエティーに富んだいろんな方々がいる。

 【きょうの1番ニュース】夜。帰宅後、Mと見たテレビはNHK教育、午後十時からのにっぽんの芸能「花鳥風月堂」である。番組のなかで演じられた白浪五人男、そして「芸能百花繚乱」の▼神田祭▼江戸の心と技・清元大特集の名演の数々には、感動したのである。私自身、かつて三味線を学んだことが少しだけあるほか、ここ数年は小唄や端唄、横笛にも手を染めてきているだけに、家元の発する清元の歌いっぷりや、人間国宝の三味線の音には、日本の文化の奥深さをあらためて思い知った。

☆「名古屋版『おかげ横丁』 城下町 再現へ一歩 市と愛知県、国など 近く協議会設置」、「脱原発考/教授・中部河田昌東さんに聞く チェルノブイリ 健康被害4、5年後から がんより心臓病糖尿病が多く 1年目の対応重要」、「武田鉄矢さん手術(歌手で俳優の武田鉄矢さん=六十二歳=が、大動脈弁狭さく症のため手術を受けた。(中略)経過は良好で、十一月上旬に退院予定)」(28日付、中日朝刊)
 「セシウム許容線量 食品 年1ミリシーベルトに下げ 来春から5分の1に」、「悲しき“がれき漁” 石巻『底引き網破れる』(28日付、中日夕刊)

08/4/26