あぁ~大震災を悼む 笛猫野球人間日記/6月18日

平成二十三年六月十八日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 交流戦も残すは、ナゴヤドームでのオリックス戦の二試合だけになった。きょうは午後六時からの試合だったが、先発ネルソンが李承ヨブに先発弾を浴び5イニング2失点、続くリリーフ陣も八回につかまり、ドラゴンズは4―0で敗れた。今夜は、荒木雅博内野手の史上二十六人目の通算300盗塁に王手がかかる試合だったが、記録の達成は次の試合に持ち越された。
 荒木選手といえば五月の中日スポーツ月間MVPに輝き、きょうの試合前に岐阜県可児市に住むファンクラブの会員代表夫妻がプレゼンターになっての表彰式があった。

 大地震から百日目―被災地では各地で犠牲者を慰霊する式典が行われ多くが参列し深い悲しみに包まれた。球団の東日本大震災義援金呼びかけは、きょうもナゴヤドームで試合二時間前から試合後一時間の計三時間にわたって続いた。受付に立ったのは、自ら進んでボランティアを買って出られた公式ファンクラブの会員が中心(ほかに球団とファンクラブのスタッフ、マスコットのガブリくんも)で、なかには岐阜県下呂市から来た今井さんのように七十九歳の母親と一緒の方も。今井さんご本人も今回が四回目で、ほかに三回目という会員ボランティアも加わっての奉仕活動となった。

 三時間立ち続けの呼びかけは、結構の重労働だけに、志願してくださった会員ボランティアの方々には、この紙面でも深く感謝しておきたい。おそらく、こんなボランティアはファンクラブとしても将来、歴史に残る活動となるに違いない。
 私自身もきょうはプレゼンター取材のあと、ずっと立って「ご協力おねがいしまあ~す」と一緒に呼びかけたが、ファンの皆さんが近寄って募金してくださる姿には、そのつど感動した。特にこどもたちが募金するときの表情ほど純粋かつ誇らしげなものはなく、「この子たちは、きっと今日の日のことを生涯思い出すだろうな」と思うと、なんだかそのつど目頭に熱いものが走り、これこそ新聞社の役割だと自身に言い聞かせもしたのである。
 この募金も交流戦期間中とのことなので、あすで終わる。関係したすべての人々に、その精いっぱいの労を心からねぎらっておきたい。

 【きょう1番のニュース】名古屋の姪、久美ちゃん(「つちやホテル」若女将)から、M所望の種なし干し梅が、さっそく送られてきた。このところ疲れぎみなMが、夏バテ防止に食べたい、というので昨日メールでお願いしたところ、さっそくわが家に送られてきた。ご多忙なのに、久美ちゃん、本当にありがとう。お金はできるだけ早くお支払いしますからね。

☆「原発工程表 汚泥、被ばく対策追加 2度目改定『1月に冷温』維持」、「横綱級 元気届けたい 宮城・トヨタ系工場 白鵬が被災者激励」(18日付、中日朝刊)
 「大震災一〇〇日 鎮魂の祈り 被災地で慰霊式典 『前へ』区切りの弔い……」、「原発の事故対策『適切』 経産省地元に再開要請へ」、「浄化装置5時間で停止 福島第1 吸着線量が基準超す」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十七日
 きょうの中日運動面の見出しは、「常勝竜支え『287』 球心・宝刀スライダー完璧決着」というもの。もちろん、交流戦でのソフトバンク最終戦で今季11セーブ目を挙げ、高津臣吾(元ヤクルト)を抜いて通算287セーブのプロ野球新記録を打ち立てた岩瀬仁紀投手に対する賛辞である。中日・落合監督の話がまた「あの子をここまでにしたのは、どれだけ投げてもやられたらブーイングを浴びたこと。それを糧にやってきた。一番ひどかったのが(抑え転向の)2004年とオリンピック(08年の北京五輪)のあと。よく立ち直った。次は300セーブだな」と、なかなか味があってよかった。

 ネパールのカトマンズ市民から寄せられた東日本大震災の義援金十五万円が、きょうの午後、中日新聞社内の中日社会事業団に寄託された。昨年、カトマンズへの永住を決めた稲沢出身の元中日旅行会海外スタッフ、長谷川裕子さんが現地の旅行会社社長とともに中日新聞を訪れ、託したのである。この後、長谷川さんらは、中日旅行会の鈴木社長に伴われて中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局も表敬訪問。「カトマンズからナゴヤドームへのプロ野球観戦ツアーが実現するといいですね」といった声が相次いだ。

 【きょうの1番ニュース】夜、三重県に住み作家・岸宏子さんの一番弟子でもある某編集者と懇談中、編集者から「納棺夫日記」の著者・青木新門さんの話が突如として出たので、新門さんの携帯に電話。出なかったものの、しばらくしてすぐに折り返しの留守番電話があった。
 デ、こちらからあらためて電話し、互いに「この世に無事でいることを確かめあった」のち簡単に近況を話し合った。新門さん曰く「このところは相馬町など東北各地の被災地で連日、講演して歩いている。いまは札幌です」とのこと。
 「あまり、無理しないよう。真の文学者は被災者に黙って耳を傾けることだ。デ、ないと、能登で初めてお会いしたころの新門さんが、だんだん壊れていくような気がする。心してほしい」と生意気にも言わせてもらうと、新門さん曰く「(心配ないから)。ボクのは、殆どボランティアだから。欲の面が張っているやつらとは元々違うのだから。話す切り口も違うので心配ない」とのこと。

☆「東北三県に配分1072億円 件数膨大、確認難しく 義援金支給まだ5割」(17日付、中日新聞朝刊)
 「『幸せ』運ぶ 黄色いバス 宮古で準備 仮設支援 移動売店」、「6億円強奪 リーダー格ら3人逮捕 容疑否認携帯電話で指示か」、「大津主婦殺害 手配の男 岐阜で逮捕 容疑認める 墓石設置でトラブル」(17日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十六日
 ソフトバンクとの交流戦第4戦。場所もナゴヤドームだけに、これまでの3連敗に、せめて一矢を、と思っていたところ、野本、平田、堂上直倫の適時打攻勢で、5―2で逆転勝ちした。吉見は二回、松中に本塁打を打たれたものの、その後味方打線の援護にも助けられて7イニング2失点で今シーズン、5勝目。浅尾の後を引き継いだ岩瀬も9回をピシャリと抑え今季11セーブ目、とうとうプロ野球新記録となる通算287セーブを達成した。あらためて心からおめでとう、とその偉業を称えておきたい。

 外は雨だ。雨、雨ふれふれ、もっと降れーといった昔の歌の歌詞が自然にからだの奥から流れ出てきた。雨を見ながら、この雨粒のなかにも放射能が潜んでいるのではないか、とつい余計なことまで思ってしまう。
 帰宅してNHKのニュース報道に関してMと話し合ううち、東日本大震災に話が及び、彼女はこう言った。
「今は言霊(ことだま)があるとは、思えない。何を言ってもむなしい。大体がんばれ、なんて一番むなしい。“がんばれ東北”じゃなく、“がんばる”のはこっちだよ。東北はがんばらなくていいの。こっちががんばらなくて、どうするの」と。全くその通りだ。

☆「原発事故 国際補償体制を IAEA閣僚級声明案に明記」、「カツオ満杯 港に活気 尾鷲で水揚げ」、「悲しみの“再会”見つめ続け 安置所 命と向き合う 石巻の女性臨時職員 遺族の応対『少しでも役に立てれば』」、「難民ら がれき拾い 第二の故郷に恩返し 家や家族失う痛みを共感」(16日付、中日朝刊)
 「仮置き場不足…粉じん、異臭 がれきの山 悩みの種 石巻の高校 体調不良1割訴え ハエも発生 酢で駆除」、「芭蕉の縁 笑顔運ぶ 生誕地伊賀小中学生 東松島に絵手紙」(16日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十五日
 中日は今宵、先発・チェンの必勝態勢でナゴヤドームでのソフトバンク戦。秋山監督率いるソフトバンクは、あと1勝でことしの交流戦の優勝が決まるだけに1ファンとしては、ホームグラウンドでの敵の優勝だけは避けてほしかった。
 あ~あ、それなのに。5―3で見事な、負けっぷり(皮肉か?)で、一敗地にまみれた。もっとも、再起不能になるほどの、そんな大敗ではなかったのだが。敵に優勝が転がり込む大勝負での1敗だ。せっかくの力がありながら、お人好しも、お人好しのチームだなあ、とつくづく思う。
 ただ、八回裏に、ことし大器の芽を出しつつある平田クンがファルケンボーグというおかしな名前の投手から4号2ランで反撃した場面だけが、一応の見せ場を作ってくれた。どうやら平田クンは、大物選手への階段をさらに一段と上に駆け上がったようだ。ソフトバンクは和田投手が7イニング1失点で6勝目、馬原が8セーブ目をあげた。
ところで、日本ハム・ダルビッシュ投手の連続無失点記録が、阪神戦で2―1と破れ、パ・リーグでは歴代2位の46イニングでストップ、パ初の四連続完封勝利もならなかった。

 朝の通勤時の電車車内、社の廊下、室内、町全体の明かり…と、このところは世の中あげての節電に少しばかりの暗さが目になれてきた。福島原発事故の余波ともいえるが、そんな中、毎日新聞夕刊には、「節電の東京都心部 暗がり増え『防犯』腐心」の記事が。「東京都心部でも夜間に街路灯や防犯灯が消え、道路や公園、住宅地に暗がりが広がっており、暗がりに乗じたひったくりなどの犯罪が増える恐れがある」というものだ。

 【きょうの1番ニュース】三重県に住む出版界では著名な某編集者と、久しぶりに電話で話しをしたことか。彼は、かつて難病と闘う少女のドラマを「1リットルの涙」として世に送り出した。つい最近では、名古屋都心に生きるある人物の人生を「ホテル再生物語」として一冊にまとめもした。その人物と私の接点、それはやがて一冊の本が、説き明かしてくれるかもしれない。

☆「汚染水処理 綱渡り 福島第1原発 大雨追い打ち 『無駄な作業で時間』初動甘く」(15日付、中日特報面)「最難関ミュー→電子型 ニュートリノ変身兆候 高エネ研など 世界で初検出 宇宙の謎を解くカギに」、「岡田幹事長 国会の大幅延長表明 党執行部 3カ月程度を想定」(15日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十四日
 きょうは昨日に続いてドラゴンズの試合がない。だからか、少しだけ寂しい。私の生活のなかの何か、が欠けている、いや、足りない気がするのだ。あらためて昨日の夕刊に続く新聞各紙の朝刊運動面を見てみると、相変わらず「岩瀬 286セーブ プロ野球タイ記録」といった見出しが紙面に躍っていた。
 そして中日新聞が誇る運動面の「球心」はといえば。「最初に救援に起用した星野監督の目の前での記録達成。『巡り合わせだけど、それはそれで良かった』と感慨も増す。入団時の目標は、先発完投できる投手。『まさか自分が中継ぎやって抑えになるとは思っていなかった』。いつかは先発に。20004年に抑えになるころまで持っていたあこがれは、もうない」と、なかなか急所を突く内容だ。

 きょうは中日新聞の文化面に、読み応えがあった。ことし五月に文学界新人賞を受賞し、その直後に五十二歳で亡くなった岐阜県大垣市出身の山内令南さんの小説「癌だましい」がこの夏、単行本化されるという話を紹介したものだが、山内さんが自らの小説を通じて「生き抜く力」を世に示した点が分かりやすく書かれていた。このほか、私自身がかつて大津にいたこともあってか、本日から同じ文化欄で始まった「ゆかりの地を巡る 法然と親鸞の道」も味わい深い内容で、今後一週間に一度続くという連載が楽しみでもある。
 そして。私の胸をえぐった、いまひとつの記事が毎日新聞の「記者の目」で盛岡支局の狩野智彦記者が書いた連載「沿岸南行記」だった。取材で約四十日をかけ、五百キロを歩いた狩野さんは、妻も家も流されてしまった男性の言葉「もうどうでもいい」を耳にし、どんな言葉もかけられなかったという。それでも一方で震災で負けまいと生きる多くの人々を目の前に被災者の肉声を記録し続けたいーと誓っていたが、私自身も狩野さんのこうした気持ちは痛いほどに、よく分かった。

 【きょうの1番ニュース】千九百八十六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故をきっかけに全廃した原子力発電の再開の是非を問うイタリアの国民投票が十三日、二日間の投票が締め切られた。この結果、再開反対が94パーセント超でイタリアの脱原発が決まった。

☆「東電社員 250ミリシーベルト超 新たに6人 被ばく線量 作業員不足 懸念も」(14日付、中日朝刊)
 「汚染水浄化を試運転 福島第1原発 17日にも本稼動」、「キーンさん最終“講義” 日本永住へ 漢字表記は『鬼怒鳴門(キーンドナルド)』」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十三日
 新聞休刊日。とはいえ、中日スポーツのコンビニ用スタンド売りは発行されており、きのう行われた公式ファンクラブによるKスタ宮城への被災会員とその家族の招待が写真入りで報道されていた。夕刊は中日、毎日ともドラゴンズ・岩瀬仁紀(ひとき)投手がプロ野球記録タイの286セーブに並んだことが1面と2社面で報じられていた。中日では「被災者らを招待 中日公式ファンクラブ」の活字と記事も目を引いた。

 ちまたの方は、相変わらず福島第1原発事故のその後が良くない。あがけばあがくほどに、暴れだした見えない放射能汚染が悪い方へ悪い方へ、と収拾のしようがないほどに悪化している。暴れだした汚染の連鎖を止めようとすればするほど人間の無力さが痛いほどに痛感される。誰も、どうしてよいものか、が分かってはいないのではないか。もう報道すら見たくなくなってきた。

 そんな中、きょうの夕刊によれば「1、2号機周辺の地下水から今度は、内部被ばくの被害が心配される放射性ストロンチウムが検出された」という。ストロンチウムは、体内に取り込むと骨にたまりやすくて、ガンを引き起こす懸念があるだけに新たな汚染が心配だ。このほかにも、夕刊紙面には母親のせっかんによる乳児死亡(わざと床に落とす)同僚八人による派遣会社同僚の海岸への死体遺棄、若い女性の殺人・死体遺棄事件……と、人間の人間に対する性(さが)と憎しみ、悪の深さには放射能汚染と同じく際限がない。

 【きょうの1番ニュース】昨夜、仙台からの帰途に東京駅で買った「深川めし」と「貝づくし」。夜遅く帰宅した時には既に食事が終わっており賞味期限もあって外の縁台に置いておいたところ、きょうの夕方にはきれいさっぱりにわが家をいつも訪れている野良ちゃん(猫)の口により、ペロリと平らげられていた。
 この野良ちゃん、二十年ほど前、私たちが住んでいた能登半島七尾で飼っていた白と黒のぶちの入った「てまりちゃん」のそっくりさんだ。彼女はその後、私の転勤で大垣に来てまもなく、交通事故で死んでしまった。でも、私とMには、いつも足音をしのばせて、わが家の外を訪れる彼女の影をみるたびに「てまりだ。てまり、に違いない」と信じきっている。てまりよ、深川めしのお味はどうでしたか。

☆「ストロンチウム 地下水から初検出 福島第1 海水でも高濃度」、「岩瀬286S プロ野球タイ」、「津波の記憶ストレスに 子ども『お風呂怖い』 プールの季節 心のケアが急務」(13日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十二日
 Kスタ宮城での対楽天戦。ネルソンが先発し、浅尾、岩瀬とつないで5―2で久しぶりに逆転勝ちした。ドラゴンズは1―2で迎えた八回表、2死満塁から野本が中前へ二点打を放ったばかりか、続く小池の三塁打で2点を加えた。7回2失点のネルソンは5勝目、岩瀬がとうとうプロ野球記録に並ぶ通算286セーブを達成した。心から、祝福したい。

 震災からきのうで丸三カ月がたった。この日、私は仙台市のKスタ宮城球場のR5前に、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局の一スタッフとして公式ファンクラブのマスコット「ガブリ」と一緒に立った。
 ファンクラブが宮城県下に住む東日本大震災で被災した会員とその家族計八十五人(うち岩手県の会員一人を含む)を楽天戦に招いたためで、会員のなかにはガス、水道、電気といったライフラインが長い間、途絶えたなか、避難所生活をしたり、長年住み慣れた家を代わった人もいたが、どの人も久しぶりのドラゴンズとの再会には、笑顔の球場入りとなった。
 現地会員は初めて見る本物のガブリと記念撮影に納まったあと、外野指定席ライトで試合を見守ったが好天にも恵まれ、息づまる熱戦にこの日ばかりは辛くて長い被災者生活を忘れて観戦。私は「プロ野球ってイイナ」と心底から思った。

 受付窓口には東京から観戦に訪れた落合信者を自他共に認める原田夫妻や独身女性の佐藤さんらの姿も。「思いはひとつ がんばろう東日本 東京のドラファンより」などと書かれた手製の応援ボード数種類を手に顔を見せ、どこも笑顔と談笑が弾けるなか、被災会員の受け付けが進んだ。

 【きょうの1番ニュース】何より楽天のKスタ球場で被災した会員の皆さんにお会いできたことだ。とても幸せとまではいかないだろうが、皆さん全員の今後の無事、平穏を心から願いたい。
 Kスタからの帰路、時間の余裕があったので仙台市内では一番死者、行方不明が多いとされる(合わせて推定六百人)、海に面した若林区荒浜にまで足を伸ばし海を前に手を合わせた。
 手を合わせ浜から歩いて帰る途中、通りがかった若者が「ホラ、何もかわってねえだべ。三カ月たっても一緒だよ」と私に語りかけてきた。思わず、ンダンダとうなづくと「多くのヒトがいなくなってしまっただ」と、この先どうしていいものか、と訴えるような眼差しを投げかけてきた。私は返す言葉もないまま、ただ根こそぎ、引き抜かれる如く倒れている多くの松林の方に視線をあげるほか、なかった。

 この後、私はタクシーで仙台駅に向かう途中、ガレキはかなり撤去されてきた現実をわが目で確認。大震災まもなくバスを乗り継いで入った、あの“いわき市”の浜で見た壊滅状態だった死の町とはだいぶ様子が違う状況に時の流れをみる思いで目を見張った。人間の生活とは関係ない、とでも言いたげな丸い球体。その地球が大きな鼓動をしたあとの静寂のようなものが辺り一面に漂い、それは何か重要な暗示をニンゲンたちに与えているか、に見えた。

☆「3カ月 復興誓い祈り」、「3・11から釜石発 人間は津波より強い 旅館再開へ旗振り」、「『天国で元気でね』 石巻・大川小 父母語りかけ合掌」「『避難を』命がけ放送 未希さんの思い歌の中に生きる 南三陸追悼コンサート」、「亡き妻に再起誓う 双葉町の男性一時帰宅 家は基礎だけ、全部津波に」、「大津女性殺害 三女が不審男目撃 『洗濯機の修理』と話す」(12日付、中日朝刊)「名古屋のファン 星野監督に被災者応援Tシャツ」、「中田賢5回乱調…竜3連敗」(12日付、中日スポーツ)

平成二十三年六月十一日
 Kスタ宮城での楽天戦。ドラゴンズは先発中田が4―1の五回に崩れ1死満塁にしたあと嶋に押し出し死球、鉄平に適時打を浴び降板。代わった小林正も松井稼に逆転の2点打を許し、敵地で敗れた。でも、不振が続いていた森野が五月八日以来の今季3号本塁打を打ってくれた。
 この日は午前中、ナゴヤ球場屋内練習場で行われた公式ファンクラブの会員を対象とした練習場見学会に立ち会った、その足で新幹線で仙台へ。あす、被災会員をKスタ宮城での楽天戦にお招きするためである。

 仙台駅近くのホテルに置かれていた河北新報夕刊は、震災から三カ月となり、名取市閖上の日和山で犠牲者の冥福を祈り手を合わせる夫婦の写真入りで被災地を悼む紙面内容だった。

 【きょうの1番ニュース】久しぶりに杜の都、仙台を訪れたことか。仙台へは、かつてまだ小学校低学年だった、わが子と妻Mを伴い夏休みの旅行で来たことがある。秋田や札幌、函館、稚内、三沢、花巻、愛媛、山口、長崎…など、中部圏以外にも、たいていのところは災害や事件などの取材で飛行機やヘリコプターで何度も訪れてはいるが、なぜか仙台に仕事で来たのは、今度が初めてだ。ずっと昔に遡れば、大学に入学したその年に友だち三人で一週間ほどをかけ東北一周旅行で仙台に行ったことはあるが、はるか、昔の話だ。

☆「被災地悼む 震災3カ月 人と街 しのび合掌」、「防災マニュアル見直し 小中校、想定きめ細かく 仙台 再生へ心ひとつに」(11日付、河北新報朝刊)「避難所 今も9万人 東日本大震災きょう3カ月 支援に不安 仮設住宅入居4割 ライフラインはほぼ復旧」(11日付、下野新聞朝刊)

平成二十三年六月十日
  きょうは日ハムに連敗した翌日だ。だから、正直いって自宅に宅配された中日スポーツを読む気がしない。読者心理とは、こんなものだ。でも、そうとばかりもいってられないので手にすると、「竜8回突然…暗転 吉見うっそ~ 浅尾 高速フォーク落ちなかった うっそ~」の見出しが飛び込んできた。(ウム…、この通りだ)。
 というわけで、心の中でイヤイヤをしながらも読み進めていくと「昨季の浅尾は球団記録を塗り替える72試合に投げたが、前の投手から引き継いだ走者を1人も生還させなかった。続投したイニングも含め、人の勝ち投手の権利を消したこともなかった。まさに神懸かりのセットアッパー。……」(龍の背に乗って、“救援神話”が崩れた日)といった下りが目に止まった。人間誰とて、良いときばかりではないのだから、とボク。

 東日本大震災が発生して、あすで三カ月。これまでに分かったった死者、行方不明者が合わせて二万三千五百人、いまなお避難中の被災者九万百九人という未曾有の悲劇に泣く被災地では依然、家族離散の避難所生活や母や子を求めてふるさとを歩いて回る、など苦悶の日々が続いている。私たちもどうして声をかけていいものか、分からないままの日々を過ごしている。大震災と大津波、あげくに原発事故発生に伴う見えない放射能汚染の恐怖におののく被災者を前に私たちは、ただ声をかけることさえ出来ないのが現実だ。

 大震災が起きてまもなく、休日をあて、あのフラダンスで知られる「いわき市」に決死の覚悟でバスを乗り継いで入った私としては、あのとき被災現場に立ちつくし、何よりも被災者の声に耳を傾けることこそが大切であることを思い知った。ガレキ撤去やごく一部での仮設住宅での生活こそ始まっているものの、おそらく、まだまだ被災者たちの慟哭の日々は治まるはずもなく、同じ状況が続いているに違いない。

 自然はいつどこで爆発するやら、知れたものでない。人間たちが喚こうが、泣き叫ぼうが、だ。容赦ない。ニュースによれば、あすからすなわち土、日にかけ西日本で天候悪化が予想されるという。先に噴火した宮崎県都城市の新燃岳の辺りでも激しい雨が予想されている。考えてみれば、人間は悠久の歴史のなか、自然との闘いを繰り返しているのだ。

 【きょうの1番ニュース】たまたま、Mに指摘され先日の夕刊(8日付、毎日新聞)で「巨大地震の衝撃 日本よ! この国はどこへ行こうとしているのか<番外編>」を読み、かつてムーミンパパの愛称で親しまれた「新党さきがけ」の代表、武村正義さん(元官房長官)の言を目にした。武村さん曰く「(菅さんは)攻めているときはチャンピオンだったが、首相としては底が浅かったかな」と。さらに「持ち前の市民感覚で、時流に対して鋭い直観力を持っていることは評価しているんです。ただ、『どう言えば国民に受け入れられるか』を重視するあまり、政策が場当たり的、日和見的になってしまった。」と続けている。

 武村さんといえば、私が大津支局長のころ、琵琶湖再生と環境保全を願っての船上新春座談会を開いた際、積極的に協力していただいたばかりか、おしどり夫妻で知られた奥さまには歯の治療でことのほか、お世話にもなった(奥さんは歯科医で治療で訪れる度毎に、政界の裏話などいろいろ教えて頂いた)。
 当時は確か大蔵大臣を終えられてまもないころだったが、結構(奥さまの影響か)気が合い、その後もずっと年賀状を交わす間柄でもある。彼の言うことは、的を得ているような気がしてきた。菅さん、ふらふらしないで。信じた道を突き進まなくっちゃあ。

☆「原発被害賠償 精神的苦痛3分類に 紛争審合意 避難所生活は加算」、「汚染水処理 汚泥放射能濃度100倍に きょう試運転 短時間に健康に影響」、「東日本大震災 あす三カ月 8146人が依然不明」(10日付、中日朝刊)
 「古川さん 宇宙生活開始 妻がエール『一塁ずつホームへ』 ソユーズ、ISS(国際宇宙ステーション)到着 滞在期間五ヵ月半」、「関電 15パーセント節電要請 来月から 中電への融通 困難に」、「岩手・山田 テントの中に9店舗 町に元気を 仮設商店街 『被災者の生活支えたい』」(10日付、中日夕刊)

 ●お断り・読者の皆さまへ 十一、十二の両日は、中日ドラゴンズ公式ファンクラブが、十二日の楽天戦にKスタ宮城球場(仙台市)に被災地の会員八十五人をお招きする関係で仙台に行きます。このため、この笛猫人間日記は十三日から再開させていただきます。

平成二十三年六月九日
 札幌ドームでの交流戦。ドラゴンズは四回に先制の2点を入れながら、八回に3点を入れられ、3―2で、まさかの逆転負けを喫した。七回まで3安打零封だった先発・吉見が八回、突如として崩れ3連打を浴び、満塁とされて降板、継投した浅尾が糸井に2点適時打、中田に犠飛を浴び2点のリードを守れなかった。日本ハムは、これで4連勝となった。仕方がない。あさってからのKスタ宮城での楽天戦を前に、きょうは勝ってほしかっただけに、残念である。
 ところで交流戦は、連勝、連敗が目立っている。西武、ロッテ、巨人がそろって4連敗である。こうした中、連敗が十試合続いていた広島が、西武ドームで西武を5―1で破り、長かった連敗のトンネルから、やっと抜け出した。Kスタでの横浜―楽天戦は2―2の引き分けに終わった。

 きのうも本欄で触れた文学界新人賞受賞作の「癌だましい」(山内令南)を、同時受賞作となった「甘露」(水原涼)に次いで読み終えた=いずれも文学界六月号掲載=。ところが、中日新聞夕刊文化面を開くと、水原さんに触れ「受賞作では、父と姉の近親相姦の場面もあるため、作品を読んだ実の父から『勘当』を言い渡されたという。『フィクションの部分を事実と読まれてしまった。想定外でした。仕送りが止まるかもしれませんが、背水の陣でがんばります』」の言や良しだ。どうやら中上健次の「岬」を読んだことで、出身地である鳥取を舞台に土地の物語を書いてみようと思ったらしい。
 きょうは、休みを取り、六十五歳到達に伴う介護保険料の支払い方法やら、住民税の納付手順、年金受給に伴う妻の納付のことなどを聞きに市役所へ。Mの指示で大垣共立江南支店に出向いてキャッシュカード作成の手続きもしてきた。いやはや、なんとも面倒ではあったが、やるべきことは早くやってしまわなければーというのが私の主義でもあるのだ。

 それでも、新聞の切り抜き整理に続き、きのうの笛猫人間日記で触れた「癌だましい」を読み終え、執筆中の作品(内容は秘密だ)に、たとえ僅かの時間でも向かい合うことが出来、それなりに満足している。私の場合、小説というものは、ペンが走り始めたところで一気に書いてしまう。ただ、日々、構想を練りたとえ一行でも書き進めておくのが私の手法だけに、その意味では十分の時間に満足している。(とはいえ、きょうのところは、あまりペンは走ってはいない。これから深夜未明にかけ、どうなるかーは分からないが)。

 【きょうの1番ニュース】介護料の支払い方法などにつき、江南市役所を訪ねたが、窓口が思っていた以上に親切で応対もよく、少しだけ見直した。ただ、たまたま私に応対した人がそうだったのかも知れない。少なくとも昼休みになると、一斉に居なくなることはなかった。大垣共立銀行もさすがは河童共和国大統領だった故土屋斉さんが生みの親だけあり、窓口には応対する担当者の名前が分かりやすく表示されていた。土屋さんには新聞社の大垣支局長在任当時に随分とお世話になっただけに、懐かしく思った。
 カッパたちが棲める山紫水明の国づくり、すなわち河童共和国の開国を謳いあげた人物、その人こそ、土屋嶢現頭取の父、ヒトシさんである。ヒトシさんは新聞記者上がりだっただけに、いろんなことを教えて頂いた。

☆「美宝堂専務を逮捕 ダイヤ投資詐欺の疑い『資金繰りに困窮』 愛知県警」、「福島原発事故 『津波15メートル』課題記載 IAEA(国際原子力機関)への報告 政府、浸水高と混同」(9日付、中日朝刊)

平成二十三年六月八日
 きょうの交流戦は札幌ドームで日本ハムとの戦い。チェン対ダルビッシュのファンにとってはぞくぞくする、たまらない投手戦となった。結果は日本ハム・中田に七回裏、無死一塁から左越えに二塁打を打たれ万事休す。1失点完投のチェンを最後まで援護出来ず、1ー0で負けた。チェンはよく投げたが、2勝3敗。
 対するダルビッシュは、リーグ記録に並ぶ三試合連続の完封。リーグ歴代2位となる44イニング連続無失点でリーグトップの8勝目をあげた。敵ながら、本当にすごい投手だ。きょうは午後、、北海道の帯広ドラキチ会広報部長・会川桂市さんから「たった今、ドラゴンズの選手たちが球場入りしました。いつもなら、三時半ごろなのに、二時半過ぎに到着。チェンに朝倉も一緒でヤル気がみなぎっています」と、現地から丁寧な電話連絡まであった。ドラキチ会メンバー十人ほどで応援します、と北の大地からの声も震えがちに聞こえた。

 散発の3安打、10三振で三塁も踏ませてもらえなかったドラ戦士たちよ! 今夜は負けたが、あすは勝ってくれる。ファンなら、誰もがそう、願っている。
 野球といえば、先日、ナゴヤドームでお会いした全国中日ドラゴンズ私設応援団連合事務局長の木村俊夫さんから私あてに「ご参考までに」と、過去のテレビ番組(CBC)の応援団に関わる録画映像のビデオテープが送られてきた。お忙しいところを、ありがとう。さっそく見させていただきます。

 東北では東日本大震災の行方不明者がまだ八千人以上に及ぶ。わが子をはじめ、母や父、兄や妹、祖父母、恋人を求めて足を棒にしている人々がいまだ数限りない。そこには、人それぞれに言い知れない悲しみと苦渋がある。おそらく、もうこの世には居ないだろう、ダメだと半分アキラメながらも足は自然に心当たりの場所に向かう。そんな日の繰り返しだ。こうした人たちに少しでも納得の得られる日が訪れるのを、私も願っている。

 【きょうの1番ニュース】文芸評論家・清水信さんの本日付「中部の文芸」を読んで、あ然とした。なんてことだ! と。「念願の文学界新人賞を受賞した山内令南(岐阜県大垣市)が、自身の受賞第一作の授賞式に出ることなく、去る五月十九日、卒然として死去した。享年五十二、何とも悔しいことであった。」の書き出しに、だ。
 私自身、ちょうど第112回文学界新人賞受賞の彼女の小説「癌だましい」(文学界六月号掲載)に感銘を受けていただけに、惜しい人材を失くしてしまった、と腹の底からくやしく思う。この小説の題材は、食道癌の発病以後の闘病体験だが、チャプターナンバーが5、4、3、と逆になっている奇妙な小説だけに、何よりもそこに関心を抱き、読み進めるうち、その純粋な筆さばきに共感と感銘を受けていたのである。あぁ~。ヒトは死に逝くものなのか。 合掌―

☆「愛知県 県立校耐震化 前倒し 大震災受け 15年度中に完了」、「中日こどもウイークリー 8月創刊」、「震災3か月を歩く 宮城県名取市閖上(ゆりあげ)」(8日付、中日朝刊)「死亡届受理要件緩和 家族、難しい決断 仙台母不明の息子・29歳 DNA鑑定につなぐ望み 無理だとは分かってんだ。だけどやめられないのさ 陸前高田妻不明の夫・75歳 バイクで毎朝 姿捜し」「村上被告 有罪確定へ インサイダー 最高裁、上告棄却決定」(8日付、毎日朝刊)
 「47歳 古川さんが初宇宙 ISS(国際宇宙ステーション)長期滞在 ソユーズ打ち上げ成功」(8日付、毎日夕刊)「池田小事件10年『風化させない』 安全な社会8人に誓う」、「日本モンキーセンター所長 西田利貞さん死去 70歳」、「たまり水放出計画 福島第2原発」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年六月七日
 きょうは、プロ野球1軍戦はお休みだ。デ、きのうの笛猫野球日記で足りなかった点を以下、列挙しておく。
▽中日谷繁元信捕手の前半戦復帰が絶望的となった。四日、ナゴヤドームで行われた西武戦五回の守備で相手走者と交錯、左膝を負傷して途中交代、翌五日には出場選手登録を抹消された。谷繁は精密検査を受けたが、復帰時期については見通しがたたないという。
▽昨日は、このところ絶不調だった森野に適時打が出、中日スポーツでも「森野7番でやっと出た 7戦ぶりタイムリー」の見出しが躍ったが、試合後、落合監督は三日連続で森野についてこう、語った。
「森野。モ、リ、ノ! 7番で打てるんだから3番でも打てるだろ。何が違うんだ」
▽ロッテは、交流戦開始七年目で初めての中日戦全敗(4敗)が決定し、今季の交流戦勝ち越しもなくなった。
▽ドラゴンズのネルソンが耐えて4勝目をあげた。(7イニング5安打8K)
▽中日の岩瀬投手が八日ぶりの登板で今季9セーブ目。通算セーブを285に伸ばし、高津(元ヤクルト)の持つプロ野球新記録にあと「1」に迫った。

 このところ時代がどんどん、ドンドンと過去の時代へと、さかのぼっていくような、そんな気がしてならない。東日本大震災と大津波の発生、福島第1原発事故のメルトダウンなどの影響大で、このままだと、人間の価値感そのものも大きく変わっていきそうだ。

 【きょうの1番ニュース】今夜のNHK歌謡コンサートは作曲家・平尾昌晃さんの特集だった。なかでも小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」(昭和四十七年)、西崎緑さんの「旅愁」(同四十九年)五木ひろしさんの「別れの鐘の音」(同四十九年)が印象深かった。特に「瀬戸の花嫁」は、ちょうどその年に、はたちのMが志摩半島で地方記者生活をしていた、若き日の私の元に飛び込んできてくれた年だけに、あのころのMが思い出され、なんだか懐かしく思った。
 また、山口洋子さん作詞の「別れの鐘の音」の歌詞をじっくり味わったが、♪幸せはホンの少しでいいの 想い出は消えない…♪…もう何も云わなくてもいいの あの鐘が鳴り終わったら、もうあなたを引き止めなくてもいいの……といった詞に魅了された。

 うたは、やはり悲しい時、辛い時、やるせない時に欠かせない“いきもの”だ。それにしても、平尾昌晃さんは、昔からスゴイ努力家だ。私自身、かつて文芸局部長当時にパーティーの席などで二、三度、同席させていただいたことがある。本当に頭の低い方である。まさに、実るほど頭を垂れるお方で、こうした人間性が人気の元に違いない。

☆「福島1号機 震災5時間で容器破損 保安院解析 東電と10時間差 敦賀原発へ対応検討」「水棺、あり得なかった 斑(まだら)目氏が苦言」、「政府・民主 大連立へ月内退陣論 『公債法案と引き換え』(7日付、中日朝刊)
 「日本の高齢者『友人・近所頼る』最少 11年白書国際比較 孤立化、鮮明に」「『原発は安全 間違い』 事故調委初会合で委員長 12月中間報告」、「リニア中津川駅提示へ JR東海が午後、岐阜県に」(7日付、中日夕刊)
平成二十三年六月六日
 中日ドラゴンズは、この日、ナゴヤドームでロッテとの交流戦で、4―1で勝った。ネルソンが先発し、浅尾に引き継ぎ、最後は岩瀬投手で抑えた。岩瀬は、五月二十九日以来の登板で今シーズン9セーブ目、285セーブとなり国内記録に、あと1つと迫った。これまで当たりが出なかった森野のバットからも久しぶりに火の如き快音が聞かれ、ドラゴンズファンにとっては、なんともうれしい勝利だった。
 なかでも、八回裏に1死3塁から佐伯の打った適時打は、実に佐伯本人にとっても、五年ぶりのスリーベースヒット。このところ、絶不調だった森野も2安打を放ったが、それにしても、ここ二、三日のドラゴンズを見ていると、負ける気がしない。新しいヒーローがどんどん、日替わりで出てくる感じで安心して見ていられるのだ。

 ソフトバンクはきょうも広島に勝ち、セ・パ両リーグを通じて初の30勝一番乗りである。逆に広島は10連敗である。ヤクルトは楽天に5ー4で勝ち、交流戦後、初の3連勝だ。それにしても楽天がなかなか勝てない。楽天は、山崎、鉄平、小山選手ら元ドラゴンズ選手が多くドラゴンズファンの間では“第2中日”とさえ呼ばれている。それだけに、なんとか勝ってほしいのだが…思い通りには行かないものである。

 きょうは二十四節気の中の芒種(ぼうしゅ)。イネの類いの穀物の種をまくころ、の意だ。日本経済新聞1面のコラム「春秋」には、こうあった。
 ―昨今の季節感だとむしろ田植えの時期だが、被災して田植えが出来ぬ田んぼでは、放射性物質や塩分を除く効果を期待して、ヒマワリやトウモロコシの種をまく動きが広がっているそうだ。種をまく。まさしく未来を取り戻す営みである。

 ここで私はあらためて、Mの文化祭出品・俳句「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」に思いを寄せ、口ずさんでみた。

 【きょうの1番ニュース】九十一歳になった私の母がとうとう、補聴器をつかう気持ちになったらしい。Mとの雑談のなかで、きのう仕事で私の外出中に母から電話があり「(私の妹に言われて)とうとう、その気になったみたいよ」とか。耳が遠くて心配していただけに、なんだかホッとしたのである。ただ現在は、徐々にならしている段階で「いつもしているわけじゃないんだから」とM。

☆「3号機爆発 高濃度水素 破壊力増す 『爆轟(ばくごう)現象』 超音速の衝撃波」、「岡田氏『大連立目指す』 石原氏『月内退陣が前提』」(6日付、中日朝刊)
 「マニフェスト見直しも 枝野氏、大連立前向き」、「則竹市議が辞職 減税日本 費用弁償問題で引責 名古屋」、「『復興遠い大槌の避難所』 憩いのたき火 語らい尽きず」(6日付、中日夕刊)

平成二十三年六月五日
 平田、また打った。すごい。これは本物だ! 帰宅後、真っ先にケータイ中スポのドラゴンズ情報を見て、思わず私の言葉が、体の底からほとばしり出た。
 「よかった」「ほんとによかった」。
 つい先ほどまで東日本大震災の義援金呼びかけへのお手伝いを他のスタッフともどもドーム1番ゲート横でしたあと、ドームに居残り、しばらくロッテ戦を観戦。0―0の均衡が破れないままのため結果を気にしながらも、まだせねばならないことがあり地下鉄とバスで帰宅。
 またも延長戦かと思ってドラゴンズ情報を見ると、九回裏に昨夜のヒーロー、平田が今夜もサヨナラ本塁打を打ち、1―0で中日が勝ったところだった。きょうは、昼食をたべる暇もなくて腹ペコで少しばかり元気のない帰宅だったが、この結果には空腹感も疲れも、いっぺんに吹き飛んだ。平田よ、ありがとう!

 あまり、野球のことばかりは、書きたくない。
 でも、どうしても触れておきたいことがある。実は今日わけあって、全国中日ドラゴンズ私設応援団連合事務局長の木村俊夫さん(名古屋龍会副会長)と同私設応援団連合会長・高吉政彦さん(ドラゴンズ愛好会会長)にナゴヤドームでお会いし、応援団連合の現況などにつき、じっくりお話しを伺い、多くを学ばせていただいた。
 二氏によれば、現在、同連合には十二団体が所属。この中には、NPB(日本プロ野球機構)からの入場禁止(名古屋白龍会)や応援禁止(竜心会)処分で球場に入ることさえ許されない人々が多いという。どんな理由からか、は知らないが、きょうお話を聞いた限り、連合に所属する大半は純粋にプロ野球をこよなく愛している方々だと思う。
 聞けば、私設応援団訴訟でことし二月に言い渡された名高裁判決を不服として、名古屋白龍会と竜心会は最高裁に上告するなど裁判沙汰にもなっているようだが、みなプロ野球を愛する人たちばかりだ。厳正公正なはずの裁判につき、素人の私が軽はずみな発言は避けたい。ただ、ドラゴンズへの思いが深い二氏の話を伺うかぎり、もしかして一部勢力の偏見や思い込みによる不平等な判断があるとしたら、これだけは避けてほしいーと心から願う。
 要はドラゴンズを愛する人々は、みな同じ仲間たちだ、同じドラゴンズワールドを生きがいに日々を過ごしている人たちばかりのはずだ。非があれば、当然改善して互いに手を取り合ってドラゴンズを応援していくべきだと思う。連合メンバーのなかには、今回の東日本大震災でいち早くボランティアで被災地に物資を送り届けたメンバーも多々いるそうで、皆いい人ばかりなのだ。それとも、私こと、“いがみの権太さま”のこの見方が甘いというのか。甘くはないはずだ。

 【きょうの1番ニュース】「三重は何も赤福だけじゃ、ないのよ」とM。たまたま、三重県津市の不老銘菓・梅干を、とある場所でさる人に頂き、断りきれずに持ち帰ったところ、その昔、三重県民(もっとも三重県志摩郡阿児町=現志摩市)だったMがのたまうた言葉だ。しおりを見ると、「第17回全国菓子大博覧会総裁賞受領 伊勢神宮奉納・宮内省献納の光栄に浴す」とあった。

☆「首相8月までに退陣 事態収拾 意向固める 2次補正公債法案 成立めど付け」、「夏には満開 笑顔の花 陸前高田の住民 ヒマワリ種まく」、「手つなぐ児童に水の塊 石巻・大川小 被災時の状況判明 二次避難先選定せず」「石巻市教委 泣く子に『大丈夫』」■名簿チェックに時間■雪で斜面登れず」(5日付、中日朝刊)

平成二十三年六月四日
 ナゴヤドームでの西武戦。ドラゴンズが2―1で勝ち、言うことなしだ。ドラゴンズファンは、さぞかし喜んだであろう。中でも延長十一回に2死走者なしからの平田の中堅左へのさよなら本塁打にはドームの観客全員が熱狂したに違いない。よくやった 平田! 今夜の平田は0―1と形勢不利な中で九回裏に適時打で追いついたばかりか、最後は本塁打で決めるなど、まさに千両役者だといってよい。
 平田は昨年十二月に長男流輝也(るきや)くんに恵まれ、病院で由佳夫人の出産に立ち会ったが「出産で頑張る嫁に比べたら、どんなつらい練習にも耐えられるようになった」とか。このところの活躍は、精神的支柱ともいえる家族の存在があればこそ、だ。帽子の裏には愛息の名前が書かれており、新妻・由佳さんの内助の功も大きい。このところの彼は表情も変わってきており、体も引き締まってきている。このままの姿勢を貫けば、大選手への脱皮は時間の問題だと思う。

 このほか、昨日、甲子園で阪神に負け、交流戦の連勝が十で途切れたソフトバンクは今日、エース・杉内を投入、杉内は11奪三振と好投し、2―0で過去五年間、勝ち星に恵まれなかった甲子園での勝利をあげた。また、五試合連続完封、さらに52イニング無失点とプロ野球記録を更新するか、に見えた日本ハムはヤクルトに5―1で敗れた。ともあれ、きょうは勝ってくれ、本当にうれしい。ドームを訪れ、観戦ついでに東日本大震災の募金までしてくれた多くの方々のためにも勝ってほしかっただけに、なんだかホッとしたのである。

 ナゴヤドームでは、この日五月の中日スポーツファーム月間賞に選ばれた藤井淳志選手(現1軍)に対する表彰式が、ファンクラブ会員代表がプレゼンターとなって行われた。プレゼンターは藤井選手の出身地と同じ豊橋市の中村和道さん(三十歳)、朋恵さん(二十七歳)夫妻で、ふたりとも「まるで夢を見ているみたい。アッという間に終わってしまった」というのが大役を終えた感想。
 そろって藤井選手の大ファンで、豊橋交響楽団団員。夫がバイオリン、妻はトランペット奏者で九月十九日(予定日)には第一子を授かる。公式ファンクラブは、共に初年度、2006年からの会員であるばかりか、ファンクラブ自慢のブルーメッシュジャージのユニホームの背番号は、そろってふたりが交際を始めた「326(三月二十六日)」。微笑ましい限りのご夫妻で、なんだかとても温かい気がした(もちろん、中日スポーツの購読者でもある)。平田の活躍といい、このご夫妻といい、プロ野球は家族愛に支えられている。

 きょうは一日中、動き回った。午前中は、Mを俳句教室とフォークダンス教室まで送り届けたあと、Mに指示されるままスーパーでお茶などを買いおきし、合間に新聞をチェック、現在執筆中の小説書きに専念。帰りにはMと江南市文化会館へ。午後からは、ナゴヤドームでファーム月間賞に対するプレゼンター取材と義援金受付の立ち会いといった具合。でも、きょうのような勝ち方をしてくれると、疲れも何もかもが吹っ飛んでしまう。

 【きょうの1番ニュース】ナゴヤドームで観客一人ひとりに配られていた緑のクリアファイル。「試合直前にみんなでこのクリアファイルを広げ、ナゴヤドームをグリーンに染めてエコの輪を広げていきましょう」と森野将彦、英智両選手、ドアラとピアッキーのエコ宣言入りで“なかなか、やるゥー”と感心した。
 そして、もう一話。これも家族の話だが、わたしとしての今日は、すべてはこれ、に尽きる。
 江南市文化会館に掲げられたMの短冊作品(俳句)「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」を紹介しておきたい。

☆「森野目覚めろ!! 剛裕3番 オレ流ショック療法」(4日付、中日スポーツ)「運転員被ばく上限超え 福島第1 2人、最大650ミリシーベルト」、「君が代起立条例成立 大阪府、全国初 教職員に義務付け」(4日付、中日朝刊)「枝野氏が首相続投否定 8月までの退陣示唆」、「福島1号機 建屋内で最高値4000ミリシーベルト 管の接合部分から湯気」、「大垣の短大 仏専門学校と提携 マンガ留学 聴講生受け入れ『本場で』熱意高く」、「被災地(岩手県山田町山田南小学校)で土俵入り 白鵬」(4日付、中日夕刊)

平成二十三年六月三日
 プロ野球は、やはり球場にせよテレビにせよ、一進一退の攻防を見守る観戦さなかが一番醍醐味があってよい。今夜(ナゴヤドームで交流戦後半戦の初戦)も西武を相手に勝つか負けるか、に一喜一憂しながら久しぶりにテレビで見守った。
 意味不明の政界劇より、ずっと分かりやすくて良い。それにしても、ドラ戦士たちは8イニング1失点の吉見投手を援護できないまま、延長十一回、浅尾に代わった平井投手が西武打線に1点を勝ち越され、2―1で敗れた。ドラゴンズは今シーズン二度目の三連敗である。いつも思うが、プロ野球は人生と同じで勝ったり負けたりだ。負けたら負けたで有頂天になることもなく、それだけ人間らしくて、いい。三連敗で一ファンとして、今夜はじっと我慢の子である。あぁ~。
 誰も悪くはない。みな一生懸命にやっている。それで負けたのだから、仕方ないじゃないか。いつも勝とうとばかりするのは、強欲でよくない。負けてこそ、味わい深い。

 政界は、いつまでも菅さん(首相)の「一定のメドがついたら(若い人にいろいろと引き継ぎたい)」発言の『一定のメド』を火種に、またしても「菅首相は、もっと早く辞任すべきだ」とつまらない醜い権力争いが続いている。菅さんが「『一定のメド』は、福島第1原発事故収束のステップ2完了で放射性物質がなくなり、冷温停止の状態になる(来年一月)ころ、と言っている」ので、それで良いではないか。あの社民党の福島党首も、きのうの菅発言を「私は続投宣言と受け取っています」と話しており、私もまったく同感だ。いや、国民の多くは、一定のメドは、もっと長引くのではと思っている。今の政治家で日本を真剣に守れるのは、菅さんら、ごく少数に限られる。それが、なぜ悪いのだ、と反論したい。

 「菅さんは、ペテン師だ」という鳩山某よ。あなたは政治家として、沖縄の基地移転問題にせよ一時が万事、これまでも詰めが甘すぎるし、政治家の資格はない。なぜ菅さんの辞表の日時までを明確に確認事項に記させなかったのか。クルクルと、その時々の場当たりで国民を翻弄してきたあなたこそペテン師だ。このたびの内閣不信任案の圧倒的多数否決は、柔道で言えば、完全に一本とられたのも、同然だ。菅さんには、これまでどおりマスコミなどの雑音にふりまわされることなく、国民に対する約束をかみしめ、弱腰になることなく、早く東日本大震災と福島第1原発事故で苦しむ被災地復興に全精力を注いでほしい。

 それにしてもNHKのキャスターらは、いつまで発展性のない鳩山あたりの報道に貴重な時間を費やし、ふり回されているのか。まじめに支払ってきた視聴料がもったいない。それよりも、全校児童百八人のうち六十八人もが津波で死亡し、今もなお六人が行方不明となっている(教師も九人が死亡、一人が行方不明)宮城県石巻市大川小学校児童二人の津波から脱出した生の体験記、これほど人々にいろいろ考えさせた今夜のニュース報道は、あまりない。こうしたニュースこそを流すべきだ。現場を踏むとは、こういうことだ。
 スタジオで甘やかされたまま報道している姿は、私にはピンとくるのだ。ぬくぬく政治家たちの1人芝居となぜか、共通するものを感じる。本当の現場取材を知らない男たちのつまらない報道には辟易としている。それよりも被災者一人ひとりの声を毎日毎日「これでもか、これでもか」と流し続けてほしい。何よりも、彼らの訴えたいことに耳を傾けてこそ、真のジャーナリストである。

 【きょうの1番ニュース】「雨脚は徐々に強くなっていった。増水し翡翠色になった熊野川が見えている」で始まる中日新聞夕刊の『熊野 魂のゆりかご』(中上紀 5)が、すこぶるいい。
 「熊野の胎内を巡り東京に戻った私の耳に、楽しげな彼らの新宮弁と雨音が叙事詩のように残っている。」で終わる、トーンのある文体。
 やはり、血は争えない。紀の父・中上健次が、この文を読んだら、おそらくうなづくに違いない。中上の文体は私が好きな中の一つだけに、こうした静かな響きには郷愁のような哀歌をさえ感じる。「岬」を読んで、もう何年がたつのか。

☆「首相、1月まで続投示唆 民主内に早期退陣論 鳩山氏は『ペテン師』」、「汚染水 20日にも漏出恐れ 福島第1原発で10万トン超す」、「被ばく量 がれき処分でも上限 政府検討 福島県内は年20ミリシーベルト」(3日付、中日夕刊)
 「6月3日 父は闘った」「(43人が犠牲になった長崎県雲仙)普賢岳大火砕流 20年の慰霊」「最後の写真 遺族へ」(3日付、毎日夕刊)

平成二十三年六月二日
 プロ野球のない今宵。ぶざまに繰り広げられた醜い政治家たちの政局とは違い、どこかしら、静かだ。
 それでも、中日スポーツ紙面にあらためて目を落とすと「和田“意地”の3安打」とか「チェンでもダメか… “鬼門”福岡 悔しすぎる6イニング2失点」と、昨夜のドラゴンズファンの心を代弁してくれている。交流戦十連勝となると、そこは憎っくきソフトバンクを称えないわけにもいかず「タカ強かぁ~ 交流戦10連勝 交流戦マジック10点灯」「和田交流戦通算20勝」と殊勝だ。
 ざあっと、こんな具合である。
―ソフトバンクの無敗街道が止まらない。10連勝は6年ぶり。交流戦の2年ぶり3度目のVに、早くもマジック10が点灯した。
 昨季のリーグ王者同士の対決は、中日に対し2試合連続の完封勝ち。……

 自民、公明、たちあがれ日本の野党三党提出の菅直人内閣に対する不信任決議案は当然のことながら、否決された。それも賛成152、反対293による圧倒的多数で、の否決である。まさに茶番劇もいい、ところだ。けさの新聞報道は一体、何だったのか。またしても記者たちは、政治家たちの醜い争いを見破れず、結果的には誤報に近い報道を連発した。本当に足で報道したのか、と言いたい。
 新聞各紙は、なおも「菅首相がきょう昼の民主党代議士会で、東日本大震災や福島第一原発事故の対応に一定のめどが立った段階での辞意を表明した」としているが、辞意表明なぞしてはいない。私は菅首相のこの発言は辞意表明でなく、むしろ続投宣言と見る。それこそ、国難の今こそ各党とも手を携えあって被災地の復興に全力を注ぐべきだ。菅さんの気持ちは変わってはいない。
 それにしても、政治家という輩(やから)は、コロコロ、コロコロと変わり過ぎだ。信念も何もあったものでない。私が見るに“不信任案”というこぶしこそ振り上げたものの、被災地はじめ全国民の「政局をやっているところでない」の総スカンともいえる厳しい声にハタと気付き、振り上げたこぶしの下ろし先が分からないまま、菅さんのこの発言で幕引きをした、ただそれだけのことだ。
 鳩山元首相も小沢元党首も、ここ数日の動きを見ていると、自分のことだけしか考えていないのではないか。背後には復興に伴う政治家の利権がからんでいるような、そんな気さえする。
 この点、社民党の福島党首は最初から反対の姿勢で一貫しており、さわやかだ。「一定のめどが立つまで」とは言うものの、まだまだ復興までには気の遠くなるような歳月が必要だろう。「一定のめど」とは、菅さんが納得するまでだ。それから、次代のエース岡田克也幹事長にバトンタッチすれば、日本の国は確実によくなっていくだろう。今の日本にペテン師のような政治家はいらない。
 1人だけ不思議な政治家がいる。Mに言わせれば「国民新党の亀(かめ)チャン=亀井静香代表=、いい子ぶってたね」ということになるが、もしその亀チャンが菅首相に「めどがたった段階での退陣」発言の知恵を授けていたとしたなら、亀ちゃんはやっぱり大政治家である。
 今回の珍騒動を見ていると、一方で被災地の皆さんが日々、胸を痛め苦しい生活を余儀なくされていることを知るだけに、腹がたってしかたない。一度、この国の政治をすべて、なくしてしまったらどうか。解体せよ、と叫びたい。破壊による再生である。

 【きょうの1番ニュース】高樹のぶ子さんが、毎日新聞の朝刊で連載中の「マルセル」を毎日、楽しみに一日遅れで読んでいる(朝刊は中日と中日スポーツを読むのに時間がかかるため)。デ、きのう(六月一日付)の新聞にあった徳美が千晶に向かって、こういう場面が目にとまった。
「折角人並み以上の顔貰って生まれて来たいうのに、お金も手間も掛けんでくすんでるんは、ご先祖への裏切りや。幸せは前髪しかないんよ。正面で掴まえんと、行き過ぎて後ろ髪掴まえようとしても、遅いんよね。解っとる?」
 うん、と千晶は項垂れる。
―このなかの『幸せは前髪しかないんよ。』というくだりが、いい。

☆「小沢氏ら大量造反へ 会合に70人 民主、分裂含み 不信任案きょう採決」「名古屋場所 通常開催へ 文科省に工程表 半年ぶり興行再開」、「米同時テロ犠牲者 博物館に遺骨集団配置 遺族『冒涜だ』」(2日付、中日朝刊)
 「不信任案 きょう採決 小沢元代表、鳩山氏賛成へ 造反拡大で緊迫 小沢グループ会合に71人」(2日付、毎日朝刊)

平成二十三年六月一日
 ヤフードームでの交流戦。きょうこそ勝ってほしい、と望みをかけ帰宅したのだが…。ドラゴンズは吉見と並ぶエース・チェンを先発に出しながら、6―0で負けた。これでドラゴンズは二試合連続で零敗を喫した。
 私が見る限り、エラーではないが、きょうの野手陣の守備には、いま一つ精彩がなかった。あ~あ、なんてことだ。一方のソフトバンクは和田投手を先発で投入、6年ぶりの10連勝だ。

 政界は、自民、公明両党が菅直人首相に対する不信任決議案を衆議院に提出した。それにしても、被災地で苦しむ人々に対する思いやりのカケラもない。被災地からは「政局にうつつを抜かしていてよいのか」の声が漏れ聞こえてくる。

 【きょう1番のニュース】姫=「熱砂」の同人でペンネームは、山の杜伊吹=すなわち、ところあけみさんから郷土出版社刊行の保存版「ふるさと各務原」一冊が、刊行が報じられた新聞記事(28日付、中日岐阜・近郊版)とともに送られてきた。ところさんが手にした本の写真入りで、「明治から昭和の生活振り返る 『ふるさと各務原』刊行 写真400枚」の三段見出しの記事で、扱いは上々だった。中身もなかなか良くて、郷土出版社の編集内容にはあらためて敬意を表したい。
 そしてー何よりも、執筆人の一人に「ところあけみ」の名があり、心から嬉しく思ったのである。ところさん! ふたりのお子さんの育児をしながら、本当によく頑張りましたね。おそらく今回の経験が生きる日が、きっと訪れるはずです。これからもチャンスを逃すことのないよう、食らいついていってください。

☆「6億円強奪容疑男逮捕 1人手配 暴力団関与か 警視庁」、「風評被害 食用作物を補償 紛争審2次指針 4県と千葉一部 福島第1事故」(1日付、中日朝刊)
☆「『津波危険性を過小評価』 IAEA(国際原子力機関)報告書骨子、政府に」、「リニア中間駅案 月内に JR東海提示へ 長野、高森町周辺か」、「『被ばく死』告発を後押し 井伏鱒二、原発を問題視 雑誌掲載へ友と書簡 金沢で50通発見」、「超快適衣替え スーパークールビズ始まる=とは言っても、きょうは六月としては、観測史上、過去3番目に低い日となった」(1日付、中日夕刊)

11年6月1日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十三年六月十八日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 交流戦も残すは、ナゴヤドームでのオリックス戦の二試合だけになった。きょうは午後六時からの試合だったが、先発ネルソンが李承ヨブに先発弾を浴び5イニング2失点、続くリリーフ陣も八回につかまり、ドラゴンズは4―0で敗れた。今夜は、荒木雅博内野手の史上二十六人目の通算300盗塁に王手がかかる試合だったが、記録の達成は次の試合に持ち越された。
 荒木選手といえば五月の中日スポーツ月間MVPに輝き、きょうの試合前に岐阜県可児市に住むファンクラブの会員代表夫妻がプレゼンターになっての表彰式があった。

 大地震から百日目―被災地では各地で犠牲者を慰霊する式典が行われ多くが参列し深い悲しみに包まれた。球団の東日本大震災義援金呼びかけは、きょうもナゴヤドームで試合二時間前から試合後一時間の計三時間にわたって続いた。受付に立ったのは、自ら進んでボランティアを買って出られた公式ファンクラブの会員が中心(ほかに球団とファンクラブのスタッフ、マスコットのガブリくんも)で、なかには岐阜県下呂市から来た今井さんのように七十九歳の母親と一緒の方も。今井さんご本人も今回が四回目で、ほかに三回目という会員ボランティアも加わっての奉仕活動となった。

 三時間立ち続けの呼びかけは、結構の重労働だけに、志願してくださった会員ボランティアの方々には、この紙面でも深く感謝しておきたい。おそらく、こんなボランティアはファンクラブとしても将来、歴史に残る活動となるに違いない。
 私自身もきょうはプレゼンター取材のあと、ずっと立って「ご協力おねがいしまあ~す」と一緒に呼びかけたが、ファンの皆さんが近寄って募金してくださる姿には、そのつど感動した。特にこどもたちが募金するときの表情ほど純粋かつ誇らしげなものはなく、「この子たちは、きっと今日の日のことを生涯思い出すだろうな」と思うと、なんだかそのつど目頭に熱いものが走り、これこそ新聞社の役割だと自身に言い聞かせもしたのである。
 この募金も交流戦期間中とのことなので、あすで終わる。関係したすべての人々に、その精いっぱいの労を心からねぎらっておきたい。

 【きょう1番のニュース】名古屋の姪、久美ちゃん(「つちやホテル」若女将)から、M所望の種なし干し梅が、さっそく送られてきた。このところ疲れぎみなMが、夏バテ防止に食べたい、というので昨日メールでお願いしたところ、さっそくわが家に送られてきた。ご多忙なのに、久美ちゃん、本当にありがとう。お金はできるだけ早くお支払いしますからね。

☆「原発工程表 汚泥、被ばく対策追加 2度目改定『1月に冷温』維持」、「横綱級 元気届けたい 宮城・トヨタ系工場 白鵬が被災者激励」(18日付、中日朝刊)
 「大震災一〇〇日 鎮魂の祈り 被災地で慰霊式典 『前へ』区切りの弔い……」、「原発の事故対策『適切』 経産省地元に再開要請へ」、「浄化装置5時間で停止 福島第1 吸着線量が基準超す」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十七日
 きょうの中日運動面の見出しは、「常勝竜支え『287』 球心・宝刀スライダー完璧決着」というもの。もちろん、交流戦でのソフトバンク最終戦で今季11セーブ目を挙げ、高津臣吾(元ヤクルト)を抜いて通算287セーブのプロ野球新記録を打ち立てた岩瀬仁紀投手に対する賛辞である。中日・落合監督の話がまた「あの子をここまでにしたのは、どれだけ投げてもやられたらブーイングを浴びたこと。それを糧にやってきた。一番ひどかったのが(抑え転向の)2004年とオリンピック(08年の北京五輪)のあと。よく立ち直った。次は300セーブだな」と、なかなか味があってよかった。

 ネパールのカトマンズ市民から寄せられた東日本大震災の義援金十五万円が、きょうの午後、中日新聞社内の中日社会事業団に寄託された。昨年、カトマンズへの永住を決めた稲沢出身の元中日旅行会海外スタッフ、長谷川裕子さんが現地の旅行会社社長とともに中日新聞を訪れ、託したのである。この後、長谷川さんらは、中日旅行会の鈴木社長に伴われて中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局も表敬訪問。「カトマンズからナゴヤドームへのプロ野球観戦ツアーが実現するといいですね」といった声が相次いだ。

 【きょうの1番ニュース】夜、三重県に住み作家・岸宏子さんの一番弟子でもある某編集者と懇談中、編集者から「納棺夫日記」の著者・青木新門さんの話が突如として出たので、新門さんの携帯に電話。出なかったものの、しばらくしてすぐに折り返しの留守番電話があった。
 デ、こちらからあらためて電話し、互いに「この世に無事でいることを確かめあった」のち簡単に近況を話し合った。新門さん曰く「このところは相馬町など東北各地の被災地で連日、講演して歩いている。いまは札幌です」とのこと。
 「あまり、無理しないよう。真の文学者は被災者に黙って耳を傾けることだ。デ、ないと、能登で初めてお会いしたころの新門さんが、だんだん壊れていくような気がする。心してほしい」と生意気にも言わせてもらうと、新門さん曰く「(心配ないから)。ボクのは、殆どボランティアだから。欲の面が張っているやつらとは元々違うのだから。話す切り口も違うので心配ない」とのこと。

☆「東北三県に配分1072億円 件数膨大、確認難しく 義援金支給まだ5割」(17日付、中日新聞朝刊)
 「『幸せ』運ぶ 黄色いバス 宮古で準備 仮設支援 移動売店」、「6億円強奪 リーダー格ら3人逮捕 容疑否認携帯電話で指示か」、「大津主婦殺害 手配の男 岐阜で逮捕 容疑認める 墓石設置でトラブル」(17日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十六日
 ソフトバンクとの交流戦第4戦。場所もナゴヤドームだけに、これまでの3連敗に、せめて一矢を、と思っていたところ、野本、平田、堂上直倫の適時打攻勢で、5―2で逆転勝ちした。吉見は二回、松中に本塁打を打たれたものの、その後味方打線の援護にも助けられて7イニング2失点で今シーズン、5勝目。浅尾の後を引き継いだ岩瀬も9回をピシャリと抑え今季11セーブ目、とうとうプロ野球新記録となる通算287セーブを達成した。あらためて心からおめでとう、とその偉業を称えておきたい。

 外は雨だ。雨、雨ふれふれ、もっと降れーといった昔の歌の歌詞が自然にからだの奥から流れ出てきた。雨を見ながら、この雨粒のなかにも放射能が潜んでいるのではないか、とつい余計なことまで思ってしまう。
 帰宅してNHKのニュース報道に関してMと話し合ううち、東日本大震災に話が及び、彼女はこう言った。
「今は言霊(ことだま)があるとは、思えない。何を言ってもむなしい。大体がんばれ、なんて一番むなしい。“がんばれ東北”じゃなく、“がんばる”のはこっちだよ。東北はがんばらなくていいの。こっちががんばらなくて、どうするの」と。全くその通りだ。

☆「原発事故 国際補償体制を IAEA閣僚級声明案に明記」、「カツオ満杯 港に活気 尾鷲で水揚げ」、「悲しみの“再会”見つめ続け 安置所 命と向き合う 石巻の女性臨時職員 遺族の応対『少しでも役に立てれば』」、「難民ら がれき拾い 第二の故郷に恩返し 家や家族失う痛みを共感」(16日付、中日朝刊)
 「仮置き場不足…粉じん、異臭 がれきの山 悩みの種 石巻の高校 体調不良1割訴え ハエも発生 酢で駆除」、「芭蕉の縁 笑顔運ぶ 生誕地伊賀小中学生 東松島に絵手紙」(16日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十五日
 中日は今宵、先発・チェンの必勝態勢でナゴヤドームでのソフトバンク戦。秋山監督率いるソフトバンクは、あと1勝でことしの交流戦の優勝が決まるだけに1ファンとしては、ホームグラウンドでの敵の優勝だけは避けてほしかった。
 あ~あ、それなのに。5―3で見事な、負けっぷり(皮肉か?)で、一敗地にまみれた。もっとも、再起不能になるほどの、そんな大敗ではなかったのだが。敵に優勝が転がり込む大勝負での1敗だ。せっかくの力がありながら、お人好しも、お人好しのチームだなあ、とつくづく思う。
 ただ、八回裏に、ことし大器の芽を出しつつある平田クンがファルケンボーグというおかしな名前の投手から4号2ランで反撃した場面だけが、一応の見せ場を作ってくれた。どうやら平田クンは、大物選手への階段をさらに一段と上に駆け上がったようだ。ソフトバンクは和田投手が7イニング1失点で6勝目、馬原が8セーブ目をあげた。
ところで、日本ハム・ダルビッシュ投手の連続無失点記録が、阪神戦で2―1と破れ、パ・リーグでは歴代2位の46イニングでストップ、パ初の四連続完封勝利もならなかった。

 朝の通勤時の電車車内、社の廊下、室内、町全体の明かり…と、このところは世の中あげての節電に少しばかりの暗さが目になれてきた。福島原発事故の余波ともいえるが、そんな中、毎日新聞夕刊には、「節電の東京都心部 暗がり増え『防犯』腐心」の記事が。「東京都心部でも夜間に街路灯や防犯灯が消え、道路や公園、住宅地に暗がりが広がっており、暗がりに乗じたひったくりなどの犯罪が増える恐れがある」というものだ。

 【きょうの1番ニュース】三重県に住む出版界では著名な某編集者と、久しぶりに電話で話しをしたことか。彼は、かつて難病と闘う少女のドラマを「1リットルの涙」として世に送り出した。つい最近では、名古屋都心に生きるある人物の人生を「ホテル再生物語」として一冊にまとめもした。その人物と私の接点、それはやがて一冊の本が、説き明かしてくれるかもしれない。

☆「汚染水処理 綱渡り 福島第1原発 大雨追い打ち 『無駄な作業で時間』初動甘く」(15日付、中日特報面)「最難関ミュー→電子型 ニュートリノ変身兆候 高エネ研など 世界で初検出 宇宙の謎を解くカギに」、「岡田幹事長 国会の大幅延長表明 党執行部 3カ月程度を想定」(15日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十四日
 きょうは昨日に続いてドラゴンズの試合がない。だからか、少しだけ寂しい。私の生活のなかの何か、が欠けている、いや、足りない気がするのだ。あらためて昨日の夕刊に続く新聞各紙の朝刊運動面を見てみると、相変わらず「岩瀬 286セーブ プロ野球タイ記録」といった見出しが紙面に躍っていた。
 そして中日新聞が誇る運動面の「球心」はといえば。「最初に救援に起用した星野監督の目の前での記録達成。『巡り合わせだけど、それはそれで良かった』と感慨も増す。入団時の目標は、先発完投できる投手。『まさか自分が中継ぎやって抑えになるとは思っていなかった』。いつかは先発に。20004年に抑えになるころまで持っていたあこがれは、もうない」と、なかなか急所を突く内容だ。

 きょうは中日新聞の文化面に、読み応えがあった。ことし五月に文学界新人賞を受賞し、その直後に五十二歳で亡くなった岐阜県大垣市出身の山内令南さんの小説「癌だましい」がこの夏、単行本化されるという話を紹介したものだが、山内さんが自らの小説を通じて「生き抜く力」を世に示した点が分かりやすく書かれていた。このほか、私自身がかつて大津にいたこともあってか、本日から同じ文化欄で始まった「ゆかりの地を巡る 法然と親鸞の道」も味わい深い内容で、今後一週間に一度続くという連載が楽しみでもある。
 そして。私の胸をえぐった、いまひとつの記事が毎日新聞の「記者の目」で盛岡支局の狩野智彦記者が書いた連載「沿岸南行記」だった。取材で約四十日をかけ、五百キロを歩いた狩野さんは、妻も家も流されてしまった男性の言葉「もうどうでもいい」を耳にし、どんな言葉もかけられなかったという。それでも一方で震災で負けまいと生きる多くの人々を目の前に被災者の肉声を記録し続けたいーと誓っていたが、私自身も狩野さんのこうした気持ちは痛いほどに、よく分かった。

 【きょうの1番ニュース】千九百八十六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故をきっかけに全廃した原子力発電の再開の是非を問うイタリアの国民投票が十三日、二日間の投票が締め切られた。この結果、再開反対が94パーセント超でイタリアの脱原発が決まった。

☆「東電社員 250ミリシーベルト超 新たに6人 被ばく線量 作業員不足 懸念も」(14日付、中日朝刊)
 「汚染水浄化を試運転 福島第1原発 17日にも本稼動」、「キーンさん最終“講義” 日本永住へ 漢字表記は『鬼怒鳴門(キーンドナルド)』」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十三日
 新聞休刊日。とはいえ、中日スポーツのコンビニ用スタンド売りは発行されており、きのう行われた公式ファンクラブによるKスタ宮城への被災会員とその家族の招待が写真入りで報道されていた。夕刊は中日、毎日ともドラゴンズ・岩瀬仁紀(ひとき)投手がプロ野球記録タイの286セーブに並んだことが1面と2社面で報じられていた。中日では「被災者らを招待 中日公式ファンクラブ」の活字と記事も目を引いた。

 ちまたの方は、相変わらず福島第1原発事故のその後が良くない。あがけばあがくほどに、暴れだした見えない放射能汚染が悪い方へ悪い方へ、と収拾のしようがないほどに悪化している。暴れだした汚染の連鎖を止めようとすればするほど人間の無力さが痛いほどに痛感される。誰も、どうしてよいものか、が分かってはいないのではないか。もう報道すら見たくなくなってきた。

 そんな中、きょうの夕刊によれば「1、2号機周辺の地下水から今度は、内部被ばくの被害が心配される放射性ストロンチウムが検出された」という。ストロンチウムは、体内に取り込むと骨にたまりやすくて、ガンを引き起こす懸念があるだけに新たな汚染が心配だ。このほかにも、夕刊紙面には母親のせっかんによる乳児死亡(わざと床に落とす)同僚八人による派遣会社同僚の海岸への死体遺棄、若い女性の殺人・死体遺棄事件……と、人間の人間に対する性(さが)と憎しみ、悪の深さには放射能汚染と同じく際限がない。

 【きょうの1番ニュース】昨夜、仙台からの帰途に東京駅で買った「深川めし」と「貝づくし」。夜遅く帰宅した時には既に食事が終わっており賞味期限もあって外の縁台に置いておいたところ、きょうの夕方にはきれいさっぱりにわが家をいつも訪れている野良ちゃん(猫)の口により、ペロリと平らげられていた。
 この野良ちゃん、二十年ほど前、私たちが住んでいた能登半島七尾で飼っていた白と黒のぶちの入った「てまりちゃん」のそっくりさんだ。彼女はその後、私の転勤で大垣に来てまもなく、交通事故で死んでしまった。でも、私とMには、いつも足音をしのばせて、わが家の外を訪れる彼女の影をみるたびに「てまりだ。てまり、に違いない」と信じきっている。てまりよ、深川めしのお味はどうでしたか。

☆「ストロンチウム 地下水から初検出 福島第1 海水でも高濃度」、「岩瀬286S プロ野球タイ」、「津波の記憶ストレスに 子ども『お風呂怖い』 プールの季節 心のケアが急務」(13日付、中日夕刊)

平成二十三年六月十二日
 Kスタ宮城での対楽天戦。ネルソンが先発し、浅尾、岩瀬とつないで5―2で久しぶりに逆転勝ちした。ドラゴンズは1―2で迎えた八回表、2死満塁から野本が中前へ二点打を放ったばかりか、続く小池の三塁打で2点を加えた。7回2失点のネルソンは5勝目、岩瀬がとうとうプロ野球記録に並ぶ通算286セーブを達成した。心から、祝福したい。

 震災からきのうで丸三カ月がたった。この日、私は仙台市のKスタ宮城球場のR5前に、中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局の一スタッフとして公式ファンクラブのマスコット「ガブリ」と一緒に立った。
 ファンクラブが宮城県下に住む東日本大震災で被災した会員とその家族計八十五人(うち岩手県の会員一人を含む)を楽天戦に招いたためで、会員のなかにはガス、水道、電気といったライフラインが長い間、途絶えたなか、避難所生活をしたり、長年住み慣れた家を代わった人もいたが、どの人も久しぶりのドラゴンズとの再会には、笑顔の球場入りとなった。
 現地会員は初めて見る本物のガブリと記念撮影に納まったあと、外野指定席ライトで試合を見守ったが好天にも恵まれ、息づまる熱戦にこの日ばかりは辛くて長い被災者生活を忘れて観戦。私は「プロ野球ってイイナ」と心底から思った。

 受付窓口には東京から観戦に訪れた落合信者を自他共に認める原田夫妻や独身女性の佐藤さんらの姿も。「思いはひとつ がんばろう東日本 東京のドラファンより」などと書かれた手製の応援ボード数種類を手に顔を見せ、どこも笑顔と談笑が弾けるなか、被災会員の受け付けが進んだ。

 【きょうの1番ニュース】何より楽天のKスタ球場で被災した会員の皆さんにお会いできたことだ。とても幸せとまではいかないだろうが、皆さん全員の今後の無事、平穏を心から願いたい。
 Kスタからの帰路、時間の余裕があったので仙台市内では一番死者、行方不明が多いとされる(合わせて推定六百人)、海に面した若林区荒浜にまで足を伸ばし海を前に手を合わせた。
 手を合わせ浜から歩いて帰る途中、通りがかった若者が「ホラ、何もかわってねえだべ。三カ月たっても一緒だよ」と私に語りかけてきた。思わず、ンダンダとうなづくと「多くのヒトがいなくなってしまっただ」と、この先どうしていいものか、と訴えるような眼差しを投げかけてきた。私は返す言葉もないまま、ただ根こそぎ、引き抜かれる如く倒れている多くの松林の方に視線をあげるほか、なかった。

 この後、私はタクシーで仙台駅に向かう途中、ガレキはかなり撤去されてきた現実をわが目で確認。大震災まもなくバスを乗り継いで入った、あの“いわき市”の浜で見た壊滅状態だった死の町とはだいぶ様子が違う状況に時の流れをみる思いで目を見張った。人間の生活とは関係ない、とでも言いたげな丸い球体。その地球が大きな鼓動をしたあとの静寂のようなものが辺り一面に漂い、それは何か重要な暗示をニンゲンたちに与えているか、に見えた。

☆「3カ月 復興誓い祈り」、「3・11から釜石発 人間は津波より強い 旅館再開へ旗振り」、「『天国で元気でね』 石巻・大川小 父母語りかけ合掌」「『避難を』命がけ放送 未希さんの思い歌の中に生きる 南三陸追悼コンサート」、「亡き妻に再起誓う 双葉町の男性一時帰宅 家は基礎だけ、全部津波に」、「大津女性殺害 三女が不審男目撃 『洗濯機の修理』と話す」(12日付、中日朝刊)「名古屋のファン 星野監督に被災者応援Tシャツ」、「中田賢5回乱調…竜3連敗」(12日付、中日スポーツ)

平成二十三年六月十一日
 Kスタ宮城での楽天戦。ドラゴンズは先発中田が4―1の五回に崩れ1死満塁にしたあと嶋に押し出し死球、鉄平に適時打を浴び降板。代わった小林正も松井稼に逆転の2点打を許し、敵地で敗れた。でも、不振が続いていた森野が五月八日以来の今季3号本塁打を打ってくれた。
 この日は午前中、ナゴヤ球場屋内練習場で行われた公式ファンクラブの会員を対象とした練習場見学会に立ち会った、その足で新幹線で仙台へ。あす、被災会員をKスタ宮城での楽天戦にお招きするためである。

 仙台駅近くのホテルに置かれていた河北新報夕刊は、震災から三カ月となり、名取市閖上の日和山で犠牲者の冥福を祈り手を合わせる夫婦の写真入りで被災地を悼む紙面内容だった。

 【きょうの1番ニュース】久しぶりに杜の都、仙台を訪れたことか。仙台へは、かつてまだ小学校低学年だった、わが子と妻Mを伴い夏休みの旅行で来たことがある。秋田や札幌、函館、稚内、三沢、花巻、愛媛、山口、長崎…など、中部圏以外にも、たいていのところは災害や事件などの取材で飛行機やヘリコプターで何度も訪れてはいるが、なぜか仙台に仕事で来たのは、今度が初めてだ。ずっと昔に遡れば、大学に入学したその年に友だち三人で一週間ほどをかけ東北一周旅行で仙台に行ったことはあるが、はるか、昔の話だ。

☆「被災地悼む 震災3カ月 人と街 しのび合掌」、「防災マニュアル見直し 小中校、想定きめ細かく 仙台 再生へ心ひとつに」(11日付、河北新報朝刊)「避難所 今も9万人 東日本大震災きょう3カ月 支援に不安 仮設住宅入居4割 ライフラインはほぼ復旧」(11日付、下野新聞朝刊)

平成二十三年六月十日
  きょうは日ハムに連敗した翌日だ。だから、正直いって自宅に宅配された中日スポーツを読む気がしない。読者心理とは、こんなものだ。でも、そうとばかりもいってられないので手にすると、「竜8回突然…暗転 吉見うっそ~ 浅尾 高速フォーク落ちなかった うっそ~」の見出しが飛び込んできた。(ウム…、この通りだ)。
 というわけで、心の中でイヤイヤをしながらも読み進めていくと「昨季の浅尾は球団記録を塗り替える72試合に投げたが、前の投手から引き継いだ走者を1人も生還させなかった。続投したイニングも含め、人の勝ち投手の権利を消したこともなかった。まさに神懸かりのセットアッパー。……」(龍の背に乗って、“救援神話”が崩れた日)といった下りが目に止まった。人間誰とて、良いときばかりではないのだから、とボク。

 東日本大震災が発生して、あすで三カ月。これまでに分かったった死者、行方不明者が合わせて二万三千五百人、いまなお避難中の被災者九万百九人という未曾有の悲劇に泣く被災地では依然、家族離散の避難所生活や母や子を求めてふるさとを歩いて回る、など苦悶の日々が続いている。私たちもどうして声をかけていいものか、分からないままの日々を過ごしている。大震災と大津波、あげくに原発事故発生に伴う見えない放射能汚染の恐怖におののく被災者を前に私たちは、ただ声をかけることさえ出来ないのが現実だ。

 大震災が起きてまもなく、休日をあて、あのフラダンスで知られる「いわき市」に決死の覚悟でバスを乗り継いで入った私としては、あのとき被災現場に立ちつくし、何よりも被災者の声に耳を傾けることこそが大切であることを思い知った。ガレキ撤去やごく一部での仮設住宅での生活こそ始まっているものの、おそらく、まだまだ被災者たちの慟哭の日々は治まるはずもなく、同じ状況が続いているに違いない。

 自然はいつどこで爆発するやら、知れたものでない。人間たちが喚こうが、泣き叫ぼうが、だ。容赦ない。ニュースによれば、あすからすなわち土、日にかけ西日本で天候悪化が予想されるという。先に噴火した宮崎県都城市の新燃岳の辺りでも激しい雨が予想されている。考えてみれば、人間は悠久の歴史のなか、自然との闘いを繰り返しているのだ。

 【きょうの1番ニュース】たまたま、Mに指摘され先日の夕刊(8日付、毎日新聞)で「巨大地震の衝撃 日本よ! この国はどこへ行こうとしているのか<番外編>」を読み、かつてムーミンパパの愛称で親しまれた「新党さきがけ」の代表、武村正義さん(元官房長官)の言を目にした。武村さん曰く「(菅さんは)攻めているときはチャンピオンだったが、首相としては底が浅かったかな」と。さらに「持ち前の市民感覚で、時流に対して鋭い直観力を持っていることは評価しているんです。ただ、『どう言えば国民に受け入れられるか』を重視するあまり、政策が場当たり的、日和見的になってしまった。」と続けている。

 武村さんといえば、私が大津支局長のころ、琵琶湖再生と環境保全を願っての船上新春座談会を開いた際、積極的に協力していただいたばかりか、おしどり夫妻で知られた奥さまには歯の治療でことのほか、お世話にもなった(奥さんは歯科医で治療で訪れる度毎に、政界の裏話などいろいろ教えて頂いた)。
 当時は確か大蔵大臣を終えられてまもないころだったが、結構(奥さまの影響か)気が合い、その後もずっと年賀状を交わす間柄でもある。彼の言うことは、的を得ているような気がしてきた。菅さん、ふらふらしないで。信じた道を突き進まなくっちゃあ。

☆「原発被害賠償 精神的苦痛3分類に 紛争審合意 避難所生活は加算」、「汚染水処理 汚泥放射能濃度100倍に きょう試運転 短時間に健康に影響」、「東日本大震災 あす三カ月 8146人が依然不明」(10日付、中日朝刊)
 「古川さん 宇宙生活開始 妻がエール『一塁ずつホームへ』 ソユーズ、ISS(国際宇宙ステーション)到着 滞在期間五ヵ月半」、「関電 15パーセント節電要請 来月から 中電への融通 困難に」、「岩手・山田 テントの中に9店舗 町に元気を 仮設商店街 『被災者の生活支えたい』」(10日付、中日夕刊)

 ●お断り・読者の皆さまへ 十一、十二の両日は、中日ドラゴンズ公式ファンクラブが、十二日の楽天戦にKスタ宮城球場(仙台市)に被災地の会員八十五人をお招きする関係で仙台に行きます。このため、この笛猫人間日記は十三日から再開させていただきます。

平成二十三年六月九日
 札幌ドームでの交流戦。ドラゴンズは四回に先制の2点を入れながら、八回に3点を入れられ、3―2で、まさかの逆転負けを喫した。七回まで3安打零封だった先発・吉見が八回、突如として崩れ3連打を浴び、満塁とされて降板、継投した浅尾が糸井に2点適時打、中田に犠飛を浴び2点のリードを守れなかった。日本ハムは、これで4連勝となった。仕方がない。あさってからのKスタ宮城での楽天戦を前に、きょうは勝ってほしかっただけに、残念である。
 ところで交流戦は、連勝、連敗が目立っている。西武、ロッテ、巨人がそろって4連敗である。こうした中、連敗が十試合続いていた広島が、西武ドームで西武を5―1で破り、長かった連敗のトンネルから、やっと抜け出した。Kスタでの横浜―楽天戦は2―2の引き分けに終わった。

 きのうも本欄で触れた文学界新人賞受賞作の「癌だましい」(山内令南)を、同時受賞作となった「甘露」(水原涼)に次いで読み終えた=いずれも文学界六月号掲載=。ところが、中日新聞夕刊文化面を開くと、水原さんに触れ「受賞作では、父と姉の近親相姦の場面もあるため、作品を読んだ実の父から『勘当』を言い渡されたという。『フィクションの部分を事実と読まれてしまった。想定外でした。仕送りが止まるかもしれませんが、背水の陣でがんばります』」の言や良しだ。どうやら中上健次の「岬」を読んだことで、出身地である鳥取を舞台に土地の物語を書いてみようと思ったらしい。
 きょうは、休みを取り、六十五歳到達に伴う介護保険料の支払い方法やら、住民税の納付手順、年金受給に伴う妻の納付のことなどを聞きに市役所へ。Mの指示で大垣共立江南支店に出向いてキャッシュカード作成の手続きもしてきた。いやはや、なんとも面倒ではあったが、やるべきことは早くやってしまわなければーというのが私の主義でもあるのだ。

 それでも、新聞の切り抜き整理に続き、きのうの笛猫人間日記で触れた「癌だましい」を読み終え、執筆中の作品(内容は秘密だ)に、たとえ僅かの時間でも向かい合うことが出来、それなりに満足している。私の場合、小説というものは、ペンが走り始めたところで一気に書いてしまう。ただ、日々、構想を練りたとえ一行でも書き進めておくのが私の手法だけに、その意味では十分の時間に満足している。(とはいえ、きょうのところは、あまりペンは走ってはいない。これから深夜未明にかけ、どうなるかーは分からないが)。

 【きょうの1番ニュース】介護料の支払い方法などにつき、江南市役所を訪ねたが、窓口が思っていた以上に親切で応対もよく、少しだけ見直した。ただ、たまたま私に応対した人がそうだったのかも知れない。少なくとも昼休みになると、一斉に居なくなることはなかった。大垣共立銀行もさすがは河童共和国大統領だった故土屋斉さんが生みの親だけあり、窓口には応対する担当者の名前が分かりやすく表示されていた。土屋さんには新聞社の大垣支局長在任当時に随分とお世話になっただけに、懐かしく思った。
 カッパたちが棲める山紫水明の国づくり、すなわち河童共和国の開国を謳いあげた人物、その人こそ、土屋嶢現頭取の父、ヒトシさんである。ヒトシさんは新聞記者上がりだっただけに、いろんなことを教えて頂いた。

☆「美宝堂専務を逮捕 ダイヤ投資詐欺の疑い『資金繰りに困窮』 愛知県警」、「福島原発事故 『津波15メートル』課題記載 IAEA(国際原子力機関)への報告 政府、浸水高と混同」(9日付、中日朝刊)

平成二十三年六月八日
 きょうの交流戦は札幌ドームで日本ハムとの戦い。チェン対ダルビッシュのファンにとってはぞくぞくする、たまらない投手戦となった。結果は日本ハム・中田に七回裏、無死一塁から左越えに二塁打を打たれ万事休す。1失点完投のチェンを最後まで援護出来ず、1ー0で負けた。チェンはよく投げたが、2勝3敗。
 対するダルビッシュは、リーグ記録に並ぶ三試合連続の完封。リーグ歴代2位となる44イニング連続無失点でリーグトップの8勝目をあげた。敵ながら、本当にすごい投手だ。きょうは午後、、北海道の帯広ドラキチ会広報部長・会川桂市さんから「たった今、ドラゴンズの選手たちが球場入りしました。いつもなら、三時半ごろなのに、二時半過ぎに到着。チェンに朝倉も一緒でヤル気がみなぎっています」と、現地から丁寧な電話連絡まであった。ドラキチ会メンバー十人ほどで応援します、と北の大地からの声も震えがちに聞こえた。

 散発の3安打、10三振で三塁も踏ませてもらえなかったドラ戦士たちよ! 今夜は負けたが、あすは勝ってくれる。ファンなら、誰もがそう、願っている。
 野球といえば、先日、ナゴヤドームでお会いした全国中日ドラゴンズ私設応援団連合事務局長の木村俊夫さんから私あてに「ご参考までに」と、過去のテレビ番組(CBC)の応援団に関わる録画映像のビデオテープが送られてきた。お忙しいところを、ありがとう。さっそく見させていただきます。

 東北では東日本大震災の行方不明者がまだ八千人以上に及ぶ。わが子をはじめ、母や父、兄や妹、祖父母、恋人を求めて足を棒にしている人々がいまだ数限りない。そこには、人それぞれに言い知れない悲しみと苦渋がある。おそらく、もうこの世には居ないだろう、ダメだと半分アキラメながらも足は自然に心当たりの場所に向かう。そんな日の繰り返しだ。こうした人たちに少しでも納得の得られる日が訪れるのを、私も願っている。

 【きょうの1番ニュース】文芸評論家・清水信さんの本日付「中部の文芸」を読んで、あ然とした。なんてことだ! と。「念願の文学界新人賞を受賞した山内令南(岐阜県大垣市)が、自身の受賞第一作の授賞式に出ることなく、去る五月十九日、卒然として死去した。享年五十二、何とも悔しいことであった。」の書き出しに、だ。
 私自身、ちょうど第112回文学界新人賞受賞の彼女の小説「癌だましい」(文学界六月号掲載)に感銘を受けていただけに、惜しい人材を失くしてしまった、と腹の底からくやしく思う。この小説の題材は、食道癌の発病以後の闘病体験だが、チャプターナンバーが5、4、3、と逆になっている奇妙な小説だけに、何よりもそこに関心を抱き、読み進めるうち、その純粋な筆さばきに共感と感銘を受けていたのである。あぁ~。ヒトは死に逝くものなのか。 合掌―

☆「愛知県 県立校耐震化 前倒し 大震災受け 15年度中に完了」、「中日こどもウイークリー 8月創刊」、「震災3か月を歩く 宮城県名取市閖上(ゆりあげ)」(8日付、中日朝刊)「死亡届受理要件緩和 家族、難しい決断 仙台母不明の息子・29歳 DNA鑑定につなぐ望み 無理だとは分かってんだ。だけどやめられないのさ 陸前高田妻不明の夫・75歳 バイクで毎朝 姿捜し」「村上被告 有罪確定へ インサイダー 最高裁、上告棄却決定」(8日付、毎日朝刊)
 「47歳 古川さんが初宇宙 ISS(国際宇宙ステーション)長期滞在 ソユーズ打ち上げ成功」(8日付、毎日夕刊)「池田小事件10年『風化させない』 安全な社会8人に誓う」、「日本モンキーセンター所長 西田利貞さん死去 70歳」、「たまり水放出計画 福島第2原発」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年六月七日
 きょうは、プロ野球1軍戦はお休みだ。デ、きのうの笛猫野球日記で足りなかった点を以下、列挙しておく。
▽中日谷繁元信捕手の前半戦復帰が絶望的となった。四日、ナゴヤドームで行われた西武戦五回の守備で相手走者と交錯、左膝を負傷して途中交代、翌五日には出場選手登録を抹消された。谷繁は精密検査を受けたが、復帰時期については見通しがたたないという。
▽昨日は、このところ絶不調だった森野に適時打が出、中日スポーツでも「森野7番でやっと出た 7戦ぶりタイムリー」の見出しが躍ったが、試合後、落合監督は三日連続で森野についてこう、語った。
「森野。モ、リ、ノ! 7番で打てるんだから3番でも打てるだろ。何が違うんだ」
▽ロッテは、交流戦開始七年目で初めての中日戦全敗(4敗)が決定し、今季の交流戦勝ち越しもなくなった。
▽ドラゴンズのネルソンが耐えて4勝目をあげた。(7イニング5安打8K)
▽中日の岩瀬投手が八日ぶりの登板で今季9セーブ目。通算セーブを285に伸ばし、高津(元ヤクルト)の持つプロ野球新記録にあと「1」に迫った。

 このところ時代がどんどん、ドンドンと過去の時代へと、さかのぼっていくような、そんな気がしてならない。東日本大震災と大津波の発生、福島第1原発事故のメルトダウンなどの影響大で、このままだと、人間の価値感そのものも大きく変わっていきそうだ。

 【きょうの1番ニュース】今夜のNHK歌謡コンサートは作曲家・平尾昌晃さんの特集だった。なかでも小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」(昭和四十七年)、西崎緑さんの「旅愁」(同四十九年)五木ひろしさんの「別れの鐘の音」(同四十九年)が印象深かった。特に「瀬戸の花嫁」は、ちょうどその年に、はたちのMが志摩半島で地方記者生活をしていた、若き日の私の元に飛び込んできてくれた年だけに、あのころのMが思い出され、なんだか懐かしく思った。
 また、山口洋子さん作詞の「別れの鐘の音」の歌詞をじっくり味わったが、♪幸せはホンの少しでいいの 想い出は消えない…♪…もう何も云わなくてもいいの あの鐘が鳴り終わったら、もうあなたを引き止めなくてもいいの……といった詞に魅了された。

 うたは、やはり悲しい時、辛い時、やるせない時に欠かせない“いきもの”だ。それにしても、平尾昌晃さんは、昔からスゴイ努力家だ。私自身、かつて文芸局部長当時にパーティーの席などで二、三度、同席させていただいたことがある。本当に頭の低い方である。まさに、実るほど頭を垂れるお方で、こうした人間性が人気の元に違いない。

☆「福島1号機 震災5時間で容器破損 保安院解析 東電と10時間差 敦賀原発へ対応検討」「水棺、あり得なかった 斑(まだら)目氏が苦言」、「政府・民主 大連立へ月内退陣論 『公債法案と引き換え』(7日付、中日朝刊)
 「日本の高齢者『友人・近所頼る』最少 11年白書国際比較 孤立化、鮮明に」「『原発は安全 間違い』 事故調委初会合で委員長 12月中間報告」、「リニア中津川駅提示へ JR東海が午後、岐阜県に」(7日付、中日夕刊)
平成二十三年六月六日
 中日ドラゴンズは、この日、ナゴヤドームでロッテとの交流戦で、4―1で勝った。ネルソンが先発し、浅尾に引き継ぎ、最後は岩瀬投手で抑えた。岩瀬は、五月二十九日以来の登板で今シーズン9セーブ目、285セーブとなり国内記録に、あと1つと迫った。これまで当たりが出なかった森野のバットからも久しぶりに火の如き快音が聞かれ、ドラゴンズファンにとっては、なんともうれしい勝利だった。
 なかでも、八回裏に1死3塁から佐伯の打った適時打は、実に佐伯本人にとっても、五年ぶりのスリーベースヒット。このところ、絶不調だった森野も2安打を放ったが、それにしても、ここ二、三日のドラゴンズを見ていると、負ける気がしない。新しいヒーローがどんどん、日替わりで出てくる感じで安心して見ていられるのだ。

 ソフトバンクはきょうも広島に勝ち、セ・パ両リーグを通じて初の30勝一番乗りである。逆に広島は10連敗である。ヤクルトは楽天に5ー4で勝ち、交流戦後、初の3連勝だ。それにしても楽天がなかなか勝てない。楽天は、山崎、鉄平、小山選手ら元ドラゴンズ選手が多くドラゴンズファンの間では“第2中日”とさえ呼ばれている。それだけに、なんとか勝ってほしいのだが…思い通りには行かないものである。

 きょうは二十四節気の中の芒種(ぼうしゅ)。イネの類いの穀物の種をまくころ、の意だ。日本経済新聞1面のコラム「春秋」には、こうあった。
 ―昨今の季節感だとむしろ田植えの時期だが、被災して田植えが出来ぬ田んぼでは、放射性物質や塩分を除く効果を期待して、ヒマワリやトウモロコシの種をまく動きが広がっているそうだ。種をまく。まさしく未来を取り戻す営みである。

 ここで私はあらためて、Mの文化祭出品・俳句「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」に思いを寄せ、口ずさんでみた。

 【きょうの1番ニュース】九十一歳になった私の母がとうとう、補聴器をつかう気持ちになったらしい。Mとの雑談のなかで、きのう仕事で私の外出中に母から電話があり「(私の妹に言われて)とうとう、その気になったみたいよ」とか。耳が遠くて心配していただけに、なんだかホッとしたのである。ただ現在は、徐々にならしている段階で「いつもしているわけじゃないんだから」とM。

☆「3号機爆発 高濃度水素 破壊力増す 『爆轟(ばくごう)現象』 超音速の衝撃波」、「岡田氏『大連立目指す』 石原氏『月内退陣が前提』」(6日付、中日朝刊)
 「マニフェスト見直しも 枝野氏、大連立前向き」、「則竹市議が辞職 減税日本 費用弁償問題で引責 名古屋」、「『復興遠い大槌の避難所』 憩いのたき火 語らい尽きず」(6日付、中日夕刊)

平成二十三年六月五日
 平田、また打った。すごい。これは本物だ! 帰宅後、真っ先にケータイ中スポのドラゴンズ情報を見て、思わず私の言葉が、体の底からほとばしり出た。
 「よかった」「ほんとによかった」。
 つい先ほどまで東日本大震災の義援金呼びかけへのお手伝いを他のスタッフともどもドーム1番ゲート横でしたあと、ドームに居残り、しばらくロッテ戦を観戦。0―0の均衡が破れないままのため結果を気にしながらも、まだせねばならないことがあり地下鉄とバスで帰宅。
 またも延長戦かと思ってドラゴンズ情報を見ると、九回裏に昨夜のヒーロー、平田が今夜もサヨナラ本塁打を打ち、1―0で中日が勝ったところだった。きょうは、昼食をたべる暇もなくて腹ペコで少しばかり元気のない帰宅だったが、この結果には空腹感も疲れも、いっぺんに吹き飛んだ。平田よ、ありがとう!

 あまり、野球のことばかりは、書きたくない。
 でも、どうしても触れておきたいことがある。実は今日わけあって、全国中日ドラゴンズ私設応援団連合事務局長の木村俊夫さん(名古屋龍会副会長)と同私設応援団連合会長・高吉政彦さん(ドラゴンズ愛好会会長)にナゴヤドームでお会いし、応援団連合の現況などにつき、じっくりお話しを伺い、多くを学ばせていただいた。
 二氏によれば、現在、同連合には十二団体が所属。この中には、NPB(日本プロ野球機構)からの入場禁止(名古屋白龍会)や応援禁止(竜心会)処分で球場に入ることさえ許されない人々が多いという。どんな理由からか、は知らないが、きょうお話を聞いた限り、連合に所属する大半は純粋にプロ野球をこよなく愛している方々だと思う。
 聞けば、私設応援団訴訟でことし二月に言い渡された名高裁判決を不服として、名古屋白龍会と竜心会は最高裁に上告するなど裁判沙汰にもなっているようだが、みなプロ野球を愛する人たちばかりだ。厳正公正なはずの裁判につき、素人の私が軽はずみな発言は避けたい。ただ、ドラゴンズへの思いが深い二氏の話を伺うかぎり、もしかして一部勢力の偏見や思い込みによる不平等な判断があるとしたら、これだけは避けてほしいーと心から願う。
 要はドラゴンズを愛する人々は、みな同じ仲間たちだ、同じドラゴンズワールドを生きがいに日々を過ごしている人たちばかりのはずだ。非があれば、当然改善して互いに手を取り合ってドラゴンズを応援していくべきだと思う。連合メンバーのなかには、今回の東日本大震災でいち早くボランティアで被災地に物資を送り届けたメンバーも多々いるそうで、皆いい人ばかりなのだ。それとも、私こと、“いがみの権太さま”のこの見方が甘いというのか。甘くはないはずだ。

 【きょうの1番ニュース】「三重は何も赤福だけじゃ、ないのよ」とM。たまたま、三重県津市の不老銘菓・梅干を、とある場所でさる人に頂き、断りきれずに持ち帰ったところ、その昔、三重県民(もっとも三重県志摩郡阿児町=現志摩市)だったMがのたまうた言葉だ。しおりを見ると、「第17回全国菓子大博覧会総裁賞受領 伊勢神宮奉納・宮内省献納の光栄に浴す」とあった。

☆「首相8月までに退陣 事態収拾 意向固める 2次補正公債法案 成立めど付け」、「夏には満開 笑顔の花 陸前高田の住民 ヒマワリ種まく」、「手つなぐ児童に水の塊 石巻・大川小 被災時の状況判明 二次避難先選定せず」「石巻市教委 泣く子に『大丈夫』」■名簿チェックに時間■雪で斜面登れず」(5日付、中日朝刊)

平成二十三年六月四日
 ナゴヤドームでの西武戦。ドラゴンズが2―1で勝ち、言うことなしだ。ドラゴンズファンは、さぞかし喜んだであろう。中でも延長十一回に2死走者なしからの平田の中堅左へのさよなら本塁打にはドームの観客全員が熱狂したに違いない。よくやった 平田! 今夜の平田は0―1と形勢不利な中で九回裏に適時打で追いついたばかりか、最後は本塁打で決めるなど、まさに千両役者だといってよい。
 平田は昨年十二月に長男流輝也(るきや)くんに恵まれ、病院で由佳夫人の出産に立ち会ったが「出産で頑張る嫁に比べたら、どんなつらい練習にも耐えられるようになった」とか。このところの活躍は、精神的支柱ともいえる家族の存在があればこそ、だ。帽子の裏には愛息の名前が書かれており、新妻・由佳さんの内助の功も大きい。このところの彼は表情も変わってきており、体も引き締まってきている。このままの姿勢を貫けば、大選手への脱皮は時間の問題だと思う。

 このほか、昨日、甲子園で阪神に負け、交流戦の連勝が十で途切れたソフトバンクは今日、エース・杉内を投入、杉内は11奪三振と好投し、2―0で過去五年間、勝ち星に恵まれなかった甲子園での勝利をあげた。また、五試合連続完封、さらに52イニング無失点とプロ野球記録を更新するか、に見えた日本ハムはヤクルトに5―1で敗れた。ともあれ、きょうは勝ってくれ、本当にうれしい。ドームを訪れ、観戦ついでに東日本大震災の募金までしてくれた多くの方々のためにも勝ってほしかっただけに、なんだかホッとしたのである。

 ナゴヤドームでは、この日五月の中日スポーツファーム月間賞に選ばれた藤井淳志選手(現1軍)に対する表彰式が、ファンクラブ会員代表がプレゼンターとなって行われた。プレゼンターは藤井選手の出身地と同じ豊橋市の中村和道さん(三十歳)、朋恵さん(二十七歳)夫妻で、ふたりとも「まるで夢を見ているみたい。アッという間に終わってしまった」というのが大役を終えた感想。
 そろって藤井選手の大ファンで、豊橋交響楽団団員。夫がバイオリン、妻はトランペット奏者で九月十九日(予定日)には第一子を授かる。公式ファンクラブは、共に初年度、2006年からの会員であるばかりか、ファンクラブ自慢のブルーメッシュジャージのユニホームの背番号は、そろってふたりが交際を始めた「326(三月二十六日)」。微笑ましい限りのご夫妻で、なんだかとても温かい気がした(もちろん、中日スポーツの購読者でもある)。平田の活躍といい、このご夫妻といい、プロ野球は家族愛に支えられている。

 きょうは一日中、動き回った。午前中は、Mを俳句教室とフォークダンス教室まで送り届けたあと、Mに指示されるままスーパーでお茶などを買いおきし、合間に新聞をチェック、現在執筆中の小説書きに専念。帰りにはMと江南市文化会館へ。午後からは、ナゴヤドームでファーム月間賞に対するプレゼンター取材と義援金受付の立ち会いといった具合。でも、きょうのような勝ち方をしてくれると、疲れも何もかもが吹っ飛んでしまう。

 【きょうの1番ニュース】ナゴヤドームで観客一人ひとりに配られていた緑のクリアファイル。「試合直前にみんなでこのクリアファイルを広げ、ナゴヤドームをグリーンに染めてエコの輪を広げていきましょう」と森野将彦、英智両選手、ドアラとピアッキーのエコ宣言入りで“なかなか、やるゥー”と感心した。
 そして、もう一話。これも家族の話だが、わたしとしての今日は、すべてはこれ、に尽きる。
 江南市文化会館に掲げられたMの短冊作品(俳句)「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」を紹介しておきたい。

☆「森野目覚めろ!! 剛裕3番 オレ流ショック療法」(4日付、中日スポーツ)「運転員被ばく上限超え 福島第1 2人、最大650ミリシーベルト」、「君が代起立条例成立 大阪府、全国初 教職員に義務付け」(4日付、中日朝刊)「枝野氏が首相続投否定 8月までの退陣示唆」、「福島1号機 建屋内で最高値4000ミリシーベルト 管の接合部分から湯気」、「大垣の短大 仏専門学校と提携 マンガ留学 聴講生受け入れ『本場で』熱意高く」、「被災地(岩手県山田町山田南小学校)で土俵入り 白鵬」(4日付、中日夕刊)

平成二十三年六月三日
 プロ野球は、やはり球場にせよテレビにせよ、一進一退の攻防を見守る観戦さなかが一番醍醐味があってよい。今夜(ナゴヤドームで交流戦後半戦の初戦)も西武を相手に勝つか負けるか、に一喜一憂しながら久しぶりにテレビで見守った。
 意味不明の政界劇より、ずっと分かりやすくて良い。それにしても、ドラ戦士たちは8イニング1失点の吉見投手を援護できないまま、延長十一回、浅尾に代わった平井投手が西武打線に1点を勝ち越され、2―1で敗れた。ドラゴンズは今シーズン二度目の三連敗である。いつも思うが、プロ野球は人生と同じで勝ったり負けたりだ。負けたら負けたで有頂天になることもなく、それだけ人間らしくて、いい。三連敗で一ファンとして、今夜はじっと我慢の子である。あぁ~。
 誰も悪くはない。みな一生懸命にやっている。それで負けたのだから、仕方ないじゃないか。いつも勝とうとばかりするのは、強欲でよくない。負けてこそ、味わい深い。

 政界は、いつまでも菅さん(首相)の「一定のメドがついたら(若い人にいろいろと引き継ぎたい)」発言の『一定のメド』を火種に、またしても「菅首相は、もっと早く辞任すべきだ」とつまらない醜い権力争いが続いている。菅さんが「『一定のメド』は、福島第1原発事故収束のステップ2完了で放射性物質がなくなり、冷温停止の状態になる(来年一月)ころ、と言っている」ので、それで良いではないか。あの社民党の福島党首も、きのうの菅発言を「私は続投宣言と受け取っています」と話しており、私もまったく同感だ。いや、国民の多くは、一定のメドは、もっと長引くのではと思っている。今の政治家で日本を真剣に守れるのは、菅さんら、ごく少数に限られる。それが、なぜ悪いのだ、と反論したい。

 「菅さんは、ペテン師だ」という鳩山某よ。あなたは政治家として、沖縄の基地移転問題にせよ一時が万事、これまでも詰めが甘すぎるし、政治家の資格はない。なぜ菅さんの辞表の日時までを明確に確認事項に記させなかったのか。クルクルと、その時々の場当たりで国民を翻弄してきたあなたこそペテン師だ。このたびの内閣不信任案の圧倒的多数否決は、柔道で言えば、完全に一本とられたのも、同然だ。菅さんには、これまでどおりマスコミなどの雑音にふりまわされることなく、国民に対する約束をかみしめ、弱腰になることなく、早く東日本大震災と福島第1原発事故で苦しむ被災地復興に全精力を注いでほしい。

 それにしてもNHKのキャスターらは、いつまで発展性のない鳩山あたりの報道に貴重な時間を費やし、ふり回されているのか。まじめに支払ってきた視聴料がもったいない。それよりも、全校児童百八人のうち六十八人もが津波で死亡し、今もなお六人が行方不明となっている(教師も九人が死亡、一人が行方不明)宮城県石巻市大川小学校児童二人の津波から脱出した生の体験記、これほど人々にいろいろ考えさせた今夜のニュース報道は、あまりない。こうしたニュースこそを流すべきだ。現場を踏むとは、こういうことだ。
 スタジオで甘やかされたまま報道している姿は、私にはピンとくるのだ。ぬくぬく政治家たちの1人芝居となぜか、共通するものを感じる。本当の現場取材を知らない男たちのつまらない報道には辟易としている。それよりも被災者一人ひとりの声を毎日毎日「これでもか、これでもか」と流し続けてほしい。何よりも、彼らの訴えたいことに耳を傾けてこそ、真のジャーナリストである。

 【きょうの1番ニュース】「雨脚は徐々に強くなっていった。増水し翡翠色になった熊野川が見えている」で始まる中日新聞夕刊の『熊野 魂のゆりかご』(中上紀 5)が、すこぶるいい。
 「熊野の胎内を巡り東京に戻った私の耳に、楽しげな彼らの新宮弁と雨音が叙事詩のように残っている。」で終わる、トーンのある文体。
 やはり、血は争えない。紀の父・中上健次が、この文を読んだら、おそらくうなづくに違いない。中上の文体は私が好きな中の一つだけに、こうした静かな響きには郷愁のような哀歌をさえ感じる。「岬」を読んで、もう何年がたつのか。

☆「首相、1月まで続投示唆 民主内に早期退陣論 鳩山氏は『ペテン師』」、「汚染水 20日にも漏出恐れ 福島第1原発で10万トン超す」、「被ばく量 がれき処分でも上限 政府検討 福島県内は年20ミリシーベルト」(3日付、中日夕刊)
 「6月3日 父は闘った」「(43人が犠牲になった長崎県雲仙)普賢岳大火砕流 20年の慰霊」「最後の写真 遺族へ」(3日付、毎日夕刊)

平成二十三年六月二日
 プロ野球のない今宵。ぶざまに繰り広げられた醜い政治家たちの政局とは違い、どこかしら、静かだ。
 それでも、中日スポーツ紙面にあらためて目を落とすと「和田“意地”の3安打」とか「チェンでもダメか… “鬼門”福岡 悔しすぎる6イニング2失点」と、昨夜のドラゴンズファンの心を代弁してくれている。交流戦十連勝となると、そこは憎っくきソフトバンクを称えないわけにもいかず「タカ強かぁ~ 交流戦10連勝 交流戦マジック10点灯」「和田交流戦通算20勝」と殊勝だ。
 ざあっと、こんな具合である。
―ソフトバンクの無敗街道が止まらない。10連勝は6年ぶり。交流戦の2年ぶり3度目のVに、早くもマジック10が点灯した。
 昨季のリーグ王者同士の対決は、中日に対し2試合連続の完封勝ち。……

 自民、公明、たちあがれ日本の野党三党提出の菅直人内閣に対する不信任決議案は当然のことながら、否決された。それも賛成152、反対293による圧倒的多数で、の否決である。まさに茶番劇もいい、ところだ。けさの新聞報道は一体、何だったのか。またしても記者たちは、政治家たちの醜い争いを見破れず、結果的には誤報に近い報道を連発した。本当に足で報道したのか、と言いたい。
 新聞各紙は、なおも「菅首相がきょう昼の民主党代議士会で、東日本大震災や福島第一原発事故の対応に一定のめどが立った段階での辞意を表明した」としているが、辞意表明なぞしてはいない。私は菅首相のこの発言は辞意表明でなく、むしろ続投宣言と見る。それこそ、国難の今こそ各党とも手を携えあって被災地の復興に全力を注ぐべきだ。菅さんの気持ちは変わってはいない。
 それにしても、政治家という輩(やから)は、コロコロ、コロコロと変わり過ぎだ。信念も何もあったものでない。私が見るに“不信任案”というこぶしこそ振り上げたものの、被災地はじめ全国民の「政局をやっているところでない」の総スカンともいえる厳しい声にハタと気付き、振り上げたこぶしの下ろし先が分からないまま、菅さんのこの発言で幕引きをした、ただそれだけのことだ。
 鳩山元首相も小沢元党首も、ここ数日の動きを見ていると、自分のことだけしか考えていないのではないか。背後には復興に伴う政治家の利権がからんでいるような、そんな気さえする。
 この点、社民党の福島党首は最初から反対の姿勢で一貫しており、さわやかだ。「一定のめどが立つまで」とは言うものの、まだまだ復興までには気の遠くなるような歳月が必要だろう。「一定のめど」とは、菅さんが納得するまでだ。それから、次代のエース岡田克也幹事長にバトンタッチすれば、日本の国は確実によくなっていくだろう。今の日本にペテン師のような政治家はいらない。
 1人だけ不思議な政治家がいる。Mに言わせれば「国民新党の亀(かめ)チャン=亀井静香代表=、いい子ぶってたね」ということになるが、もしその亀チャンが菅首相に「めどがたった段階での退陣」発言の知恵を授けていたとしたなら、亀ちゃんはやっぱり大政治家である。
 今回の珍騒動を見ていると、一方で被災地の皆さんが日々、胸を痛め苦しい生活を余儀なくされていることを知るだけに、腹がたってしかたない。一度、この国の政治をすべて、なくしてしまったらどうか。解体せよ、と叫びたい。破壊による再生である。

 【きょうの1番ニュース】高樹のぶ子さんが、毎日新聞の朝刊で連載中の「マルセル」を毎日、楽しみに一日遅れで読んでいる(朝刊は中日と中日スポーツを読むのに時間がかかるため)。デ、きのう(六月一日付)の新聞にあった徳美が千晶に向かって、こういう場面が目にとまった。
「折角人並み以上の顔貰って生まれて来たいうのに、お金も手間も掛けんでくすんでるんは、ご先祖への裏切りや。幸せは前髪しかないんよ。正面で掴まえんと、行き過ぎて後ろ髪掴まえようとしても、遅いんよね。解っとる?」
 うん、と千晶は項垂れる。
―このなかの『幸せは前髪しかないんよ。』というくだりが、いい。

☆「小沢氏ら大量造反へ 会合に70人 民主、分裂含み 不信任案きょう採決」「名古屋場所 通常開催へ 文科省に工程表 半年ぶり興行再開」、「米同時テロ犠牲者 博物館に遺骨集団配置 遺族『冒涜だ』」(2日付、中日朝刊)
 「不信任案 きょう採決 小沢元代表、鳩山氏賛成へ 造反拡大で緊迫 小沢グループ会合に71人」(2日付、毎日朝刊)

平成二十三年六月一日
 ヤフードームでの交流戦。きょうこそ勝ってほしい、と望みをかけ帰宅したのだが…。ドラゴンズは吉見と並ぶエース・チェンを先発に出しながら、6―0で負けた。これでドラゴンズは二試合連続で零敗を喫した。
 私が見る限り、エラーではないが、きょうの野手陣の守備には、いま一つ精彩がなかった。あ~あ、なんてことだ。一方のソフトバンクは和田投手を先発で投入、6年ぶりの10連勝だ。

 政界は、自民、公明両党が菅直人首相に対する不信任決議案を衆議院に提出した。それにしても、被災地で苦しむ人々に対する思いやりのカケラもない。被災地からは「政局にうつつを抜かしていてよいのか」の声が漏れ聞こえてくる。

 【きょう1番のニュース】姫=「熱砂」の同人でペンネームは、山の杜伊吹=すなわち、ところあけみさんから郷土出版社刊行の保存版「ふるさと各務原」一冊が、刊行が報じられた新聞記事(28日付、中日岐阜・近郊版)とともに送られてきた。ところさんが手にした本の写真入りで、「明治から昭和の生活振り返る 『ふるさと各務原』刊行 写真400枚」の三段見出しの記事で、扱いは上々だった。中身もなかなか良くて、郷土出版社の編集内容にはあらためて敬意を表したい。
 そしてー何よりも、執筆人の一人に「ところあけみ」の名があり、心から嬉しく思ったのである。ところさん! ふたりのお子さんの育児をしながら、本当によく頑張りましたね。おそらく今回の経験が生きる日が、きっと訪れるはずです。これからもチャンスを逃すことのないよう、食らいついていってください。

☆「6億円強奪容疑男逮捕 1人手配 暴力団関与か 警視庁」、「風評被害 食用作物を補償 紛争審2次指針 4県と千葉一部 福島第1事故」(1日付、中日朝刊)
☆「『津波危険性を過小評価』 IAEA(国際原子力機関)報告書骨子、政府に」、「リニア中間駅案 月内に JR東海提示へ 長野、高森町周辺か」、「『被ばく死』告発を後押し 井伏鱒二、原発を問題視 雑誌掲載へ友と書簡 金沢で50通発見」、「超快適衣替え スーパークールビズ始まる=とは言っても、きょうは六月としては、観測史上、過去3番目に低い日となった」(1日付、中日夕刊)

08/4/26