あぁ~大震災を悼む 笛猫野球人間日記/5月31日

平成二十三年五月三十一日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 「やりましたあー、だって! (この言葉って)中日なんでしょ(小田幸平捕手が昨シーズン、お立ち台で叫んでから流行語に)。ドラゴンズの選手が言ってたんでしょ。それが、なんでソフトバンクの選手なんかに。言わせておいちゃ、いけないじゃないの」
 夜。九時のNHKニュースを見ていて突如Mが発した。私も同じことを感じていただけに一回裏に放った本塁打が勝負を決めた内川のお立ち台での言葉には違和感というか、ドラゴンズの小田捕手に悪いのでは、と思った。ヤフードームでのソフトバンク戦は、こんなわけで1―0とソフトバンクが交流戦九連勝。ツルゲネフじゃないけれど、「あすは、あすこそは」連勝を阻んでほしい。

 きょうMと一緒に江南厚生病院に行ったが、この地が「高屋大松原(たかやおおまつばら)」という、とてつもない地名であることを知った。病院内のバス停が、高屋大松原となっていたのだ。驚いた。いつの日か、この地に大歌人が生まれるや知れぬ。そう思わせる地名なのだ。
 江戸時代、いや、それよりも前の戦国時代に信長や秀吉が松の木の多い、ここいら辺りを駆け抜けていたやも知れぬ。江南には、信長の側室・吉乃が住んでいた生駒屋敷など名所も多いだけに、十分にありうることだ。武功夜話を読みとけば、その辺りの様子は記されているや、知れぬ。MがMRIの検査室から出てくるまで約一時間の間、私はこのところ関心を抱き始めた小和田哲男さんの「信長記」を読み続けていた。

 あす、電気の日は母の満九十一歳の誕生日だ。で、色彩感豊な干菓子を買ってMの検査結果の報告がてら母の家へ。きょうは毎週火曜日、送り迎えのデーサービスに行く日なので、まだ帰って来てないかと思いきや、自転車がないので畑まで出向くと案の定、スイカの苗を植えていた。満九十一になろうというのにだ。「デーサービスから帰ったあと、自転車で古知野の苗木屋まで行き、畑で苗を植えているところ」とのこと。でも、耳が遠いので少し心配だ。車に轢かれることのないように。いまの彼女の何よりの生きがいが大地なので、私は「気をつけてよ」とだけ言い残し自転車のカゴに干菓子をそっと入れて帰った。
 夜。電話が鳴るので出ると、母で「たつ江さんにありがとう、と言っといて」と言うので変わると、Mにしては珍しい長話となりそうなので自室へ。こうしてパソコンに向かっている。

 それはそうと、腹立たしいのは、政界の菅直人総理に対する不信任案提出の動きである。別に菅さんにおべっかを言う気持ちはさらさらない。彼なりによくやっているではないか。自民党も公明党も、民主党の一部造反分子も、そんなことに走り回る暇があるなら、東北に行ってガレキのひとつでも除去するか、被災者の声を耳にしてこいよ、と言いたくなる。菅さんだからこそ、その時々の判断に蛇行しながらもここまでの震災処理が出来ているのだ。
 NHKも、こんな時に●●直球などとまだまだ未経験、かつぬくぬくキャスターらが誤った解説をするなよ、と言いたい。直球どころか社会を悪い方にあおりたてる「落球」といってよい。それよりも「みんな大変だ。予測が立たないところで菅さんも頑張っている。この際、政治家は大同団結して国民を守ってほしい」という論陣をなぜはれないのか。
 こうした程度の低い、だれにでも言えるような、どっちつかずのあきれたニュースを見ていると、政治家というものは、どいつもどいつも、個人の利権だけが走るものだ、と痛感する。政治家に対する印象を極めて悪くしている(なかには、素晴らしい政治家もいるのに、だ)。だからこそ、オソマツなニュースは流すなと言っているのだ。
 この点では、けさの中日新聞の中日春秋の論調は大変いい。全部の政治家と、八方美人極まるニュースキャスターらにも読んでほしい。いま、日本はどうしたらよいか、だ。物事を大局的に見ないと、それこそ日本は沈没してしまうだろう。いまの、この時期、不信任案の話など問題外だ。自民も、公明も、一部民主の悪たれたちも、一体何をやっているのだ。マスコミも不信任案の報道など、そんなものは簡単に扱っておけば良いのだ(かといって無視はできない)。

 【きょうの1番ニュース】Mが、江南厚生病院で脳のMRI(造影)検査を受け、昨年四月十四日に手術した脳のその後をチェック、私も付き添った。
 昨年の大手術での切除部分は変わりなく、他に頭のてっぺんなど三ヵ所にある傷痕部分(担当医の診断では過去の脳内出血跡とか血管がつまって敗れた痕跡)も前回検査時=昨年八月=と同じで悪化はしておらず心配ない、との判断だった。
 ただ「血圧だけは、できるだけ頻繁に測って、体の調子に敏感であってほしい。いつも150~160というのでしたら、少し高いのでは」とやんわりと日ごろの姿勢に釘をうたれた。イケメンで優しい医師なので、Mはこの医師の前でだけは不思議なほどに神妙である。

☆「東電 ヨウ素剤服用 確認せず 被爆の社員2人 震災後1回だけ」、「君が代起立命令は合意 最高裁初判断『思想・良心 侵害ない』」(31日付、中日朝刊)
 「震災児童らに500万円 弔慰金 校内や下校時の被災 文科省」、「半田 短編作品公募、コンペ 知多半島映画祭 10・1開演 会社員呼び掛け『地元に映像文化を』」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年五月三十日
 プロ野球のない日。
 中日スポーツは勝った翌日の紙面だけに、「34戦目奪首 5月3度目の3連勝 2回9人攻撃一気逆転」とにぎやかだ。それよりも、明日の交流戦負けなしのソフトバンク戦が楽しみだ。

 きょうは台風から変わった低気圧が東へ遠ざかり、天気は回復。午前中少し残った雨も午後には完全に晴れ上がった。

 【きょう1番のニュース】私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人のある作品に、このところ集中して身も蓋もない中傷があり、作品の「削除」を迫ってきた。それも縦書きブログを提供してくれている制作会社の社長ら役員に対して、である。私が読み直した限り、問題は全くないのだが。
 一体何の恨みがあるというのか。作品を書いた同人自身、心当たりはなく一種のクレーマーと見ていい。この際、ご意見は「主宰者あてお問い合わせ」から、とお願いしておきたい。表現の自由を侵す行為は、何人たりとも断じて許されない。

 いずれにせよ、「熱砂」同人の作品に対する評価は年々上がってきており、“妬みからの犯行”以外には考えられない。面白半分としても、チト度が過ぎる。それだけ反響がある、との見方もできるのだが…。人を中傷する類(たぐい)だけは許すわけにはいかない。

☆「福島第1原発 5号機冷却が半日停止 炉音水温一時94度に」「『復活の薪』心に灯 被災者、廃材加工し販売 働く喜び 取り戻す 岩手・大槌」、「福島の球児 力を結集 3高校が『相双連合』」、「丸岡修受刑者 病死 日本赤軍事件で無期懲役 60歳」(30日付、中日朝刊)
 「東電2人250ミリシーベルト超か 福島第1高いヨウ素検出」「汚染水水位 雨水で上昇」(30日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十九日
 やはり勝った。
 京セラドームで行われた交流戦・オリックス戦は7―4でドラゴンズが勝った。川井が3勝目をあげ、岩瀬が苦しみながらも8セーブである。打っては堂上剛裕、藤井、荒木と活躍、ドラはこれで3連勝、ヤクルトを抜きセ・リーグトップに躍り出た。「まだまだ先があるので」とは、試合後の荒木の言葉だ。
 それにしても、横浜と戦ったソフトバンクはきょうも7―1で勝ち、交流戦負け知らずの8連勝である。いい投球をしながらも過去、勝ち運に恵まれず5連敗中だった日本ハム・武田勝投手が味方チームの41イニングぶりの得点にも助けられ、久しぶりに勝ち投手となり、3勝目をあげた。「自分のピッチングを貫き、自分を信じながら投げてきました」と武田投手。これだから、野球はいい。

 きょうは台風2号接近のため気になる母のもとを訪ねたほかは、自宅で執筆に専念した(台風2号は幸い、夕方には四国沖で温帯低気圧になった、とか。それでも雨の方はまだまだ気になる)。実家では「Mさんの俳句が新聞(尾北ホームニュース)に載っていたよ」と母。その作品は「花吹雪雄々しく広き君の肩」というものだった。

 【きょうの1番ニュース】Mが市文化協会の作品展に出品する俳句が決まった。
 「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」というスケールの大きい作品だ。わが妻ながら大地への慈しみに満ちたすばらしい秀作だと思う。Mは既に短冊にして出展を待つばかりである。
 それから。きょうは、こすも・ここ、すなわちアタイが、ずっと私が執筆する傍らでいてくれた。アタイのこすも・ここが、そばに居るだけで、いい発想が浮かんでくる。
 きょうは実家から帰り、少し時間があったので久しぶりにハーモニカを吹いてみた。私のハーモニカといえば、小学生のころから校内では有名な名手だったのだが。Mいわく「まだまだよ。こちらがお金をもらって聴かせてもらわなきゃ」と相変わらず厳しい。

☆「殺処分せず研究飼育へ べコ(牛)に生きる道を 福島第1原発20キロ圏内 畜産家ら構想 獣医師『データは有用』」、「坂田博士の日記刊行会が発足 弟子の益川さん、小林さんら 発行費、寄付呼び掛け 生誕100年、10月にシンポ」、「フラガール再開に感激・つなぐメッセージ」(29日付、中日朝刊)

平成二十三年五月二十八日
 きょうのプロ野球交流戦。京セラドームで午後六時から。オリックス戦である。
 南方からの台風2号北上と、梅雨前線活発化の影響で雨、雨の一日とはなったが、京セラだから心配はない。結果は、吉見が7イニング1失点と、よく投げ、5―1でドラゴンズが勝った。吉見はこれで、4勝1敗となり本来の調子が戻ってきた。打線の方も三回に井端の右前打で2点を先制、五回にも井端、森野の連続適時打で2点を追加、九回には、絶好調の堂上剛の1号本塁打で止めをさした。
 オリックスは、三重県菰野高校出身で私も大好きな笑顔のステキな期待の西選手が先発出場したが、きょうは中日のたたみかけるような打線に踏ん張ることが出来ず、五回途中で降板した。
 本日の中日スポーツは5面で先に前立腺がんのため八十五歳で亡くなり、1974年のドラゴンズ監督当時に巨人のV10を阻止した与那嶺要さんとのお別れの会を報じていた。見出しは「与那嶺さん 拍手と笑顔で さようなら」というものだった。ところは、東京港区の六本木教会で長嶋茂雄巨人終身名誉監督(七十五歳)はじめ、王貞治ソフトバンク球団会長(七十一歳)、ほかに中日ОBの杉下茂、高木守道、谷沢健一氏、坂井克彦ドラゴンズ球団社長らも参列。巨人の十連覇を阻むセ・リーグ優勝を果たしたばかりか、巨人の現役時代には首位打者を三度取るなど活躍した往年の名選手をしのんだ。

 きょうは雨、雨、雨の一日に。
 雨を含んだ大気にどうかすると、わが魂が融かされ未知の国に消え入ってしまいそうな、そんな錯覚にも襲われた、摩訶不思議な日である。
 私は休みだったこともあり、毎週土曜日に地元・江南市生涯学習として行われているフォークダンス教室に通うMの行き帰りを、会場である東公民館まで車で送り迎えしアッシーくんの大役を務めた。
 ちなみに、行きに時間と距離を測ったら、わが家からは3・5キロ、車の所要時間は十分ほどだった。きょうは三回目で前回と前々回は、自転車で行き帰りする彼女の信念の強さにもあらためて敬服した。本音を言えば、あまり自転車で遠くまでフラフラと行ってほしくはないのだけれども。
 彼女が俳句、短歌、一行詩に次いで大好きなのがフォークダンスなのだから、仕方ないっ、か。大病を克服しつつあるのだから、良し、としなければ。

 料理が得意で調理師免許も持つMは夜、さる二十六日付毎日新聞の東海ワイド「清水義範の味な話」に書かれていた味噌煮なるものをつくったが、少しばかりこてこての味に「ちょっと具が多すぎる。肉は思いっ切り少なくしなければ」と私。生意気にも、そう言うと「清水さんのは、もっとコテコテだったのだから。これでもアタシなりに薄味にしたんだから」の弁。内心、オレさまが本気になれば、すごい味にしてやるんだが…と本心から思った。

 【きょう1番のニュース】きょうは、それこそ途轍もなく流行っている店をたまたま見つけた。寂れたこの町にこんなに大入り満員の店があった、だなんて。それこそ驚き、モモの木、山椒の木である。Mをフォークダンス先の東公民館から、リサイクルショップ「ミヌエット」まで帰りを送ったあと、昼食にーと途中見かけたので訪れようとした店が、そこである。
 名前は「お徳屋 福べい」さん。なんと入り口まで人があふれ返っており、私は一度わが家に退却後、出直したがそれでも、まだ客でいっぱいだった。メニューの中身もなかなかよろしく、私はうどんつきミニ天丼を食べたあと、Mに持ち帰りがきく天丼のミニ丼を届けた。
 それにしても、本当によく混んでいた。「なんで、こんなに繁盛してるの」と聞くと「土曜の昼だから。いつも、こんな調子ですよ」と常連の若いお兄さん。どうやら、桑名に本店がある「歌行灯」のグループと見られ、店の入り口には新聞に掲載された泉鏡花の小説「歌行灯」の一節までが張られていた。
 テーブル一角には「よりよいお店づくりを目指して、皆様のご意見を頂いております。お気付きのことは何なりとお聞かせ下さいませ。」とのお客様サービス係直行のはがきまでが、用意されていた。やはり、大変な努力をしてるのだ。だから、はやる。
 一度入ったら、どんなに混んでいても、また訪れたい店とは、こういう店のことか。

☆「地震国 原発基準厳しく G8首脳宣言 日本支援を表明」、「「大地震40分前 上空の電子 異常増加 北大、他の巨大地震でも確認『直前予知に有望』」(28日付、中日朝刊)
 「復興へ オン エア 岩手・宮古に災害FM 立ち上げ検討中 震災 将来は本格局に」、「『ドケチ』に学べ 節電術 創業者究極クールビズ 電灯にひも 社員消灯 岐阜の未来工業 考える癖つけ 知恵結集」、「北海道・占冠 特急トンネル内で火災 車輪の一部脱線 240人避難、40人搬送 車内に煙 乗客『死ぬかと』」(28日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十七日
 深夜未明に起きボクならの世界でもある、この笛猫野球人間日記に性懲りもなく挑んでいる。
 まずは、プロ野球から。とはいっても、ドラゴンズは、きょうは移動日で試合はないので、いつもの如く結果を書きつらねるわけにもいかない。勢い、新聞紙面に目を通すことになる。きょうの中日スポーツ7面には、このところすっかり定着した感のある中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会報中スポ版5月号(通算第15号)が掲載されている。
 「日本一美しい球場に 美化ボランティア・加藤さやかさんに聞く」「『クリーン活動の会』40人が奮闘/一般客も協力」といった見出しだ。実を言うと記事、写真とも私の手になる、チョッとした明るい話題である。加藤さんは私のインタビューに答え「ゴミはゴミ箱へ、が当たり前になり試合後の清掃活動をしなくてもよくなること。ナゴヤドームが放置ゴミのないきれいな球場となり友の会クリーン活動を解散させる日が来るとよいですね」と語っているが、まさにその通りだと思う。
 いずれにせよ、公式ファンクラブ会員を中心に自発的に繰り広げられている球場でのゴミ追放運動には心から敬意と拍手を送りたい。と同時に、こうした輪がさらに大きなうねりとなって広がっていくことを心から願う。
 公式ファンクラブ会員の間では、このほかにも球団がナゴヤドーム1番ゲート横で行っている東日本大震災被災地への義援金受付へのボランティア志願が相次いでおり、会員の手助けがあればこそ、の義援金活動が続いていることは、いまやドームを訪れた大半が知るところだ。飽食社会に安住してきた今の世に東日本大震災発生を境に問いかけられ始めた、ひとつの大きなシグナル。そんなようなものが「火の手」となって点滅し始めている。これは、ある種の人間本来に託された責務といおうか、回帰運動ともいえよう。
 本欄・笛猫野球人間日記をもし読まれた方がいたなら、ぜひとも「5月27日付中日スポーツ(または東京中日スポーツ)」紙面を読んでいただきたい。
 きょうの中日スポーツはこのほか、「巨不吉な4連敗」「次戦も得点『1』以下なら…最下位75年以来の悪夢」の見出しで、このところ、1―4、1―4、1―2、1―2で4連敗した巨人を「輝かしい球団史の中に汚点として残る“暗黒のデータ”がそろってしまった…」と切って捨てている。なかなか、いい視点である。巨人よ、がんばれ!

 きょうは傘を手に歩く人々が多く、雨が降ったり降らなかったり、の一日となった。デスクに届いた夕刊を広げると、気象庁が東海地方の梅雨入り発表を報じていた。昨年より十七日も、平年より十二日早いという。

 【きょうの1番ニュース】朝、出勤時に何を間違えてか、息子のワイシャツを着てしまったあげく、自宅近くバス停まで江南団地から来た定期バスに乗り遅れまい、と約五十メートルをひた走ったことか。まるで徒競走をしているようで幸い、間一髪で間に合ったからよかったものの、心臓はドキ、ドッキ、ドキ…とまさに停止寸前。停留所を目の前に珍死することだって十分、ありえた。ひとつ間違えば、いまごろはMが喪服に身を包んで通夜に出ていたかもしれない。残念ながら、私はまだ生きている。いや、見えない神さまの手で生かされているのだ。

☆「海水注入 実際は継続 福島第1所長が判断 報告遅れ処分へ」「騒動の発端『中断』一転 政府、東電 ずさんな情報管理露呈」、「原発安全向上で一致 首相が閣僚級会議提唱 サミット開幕」、「弔いの一時帰宅(福島県浪江町)、「海部元首相 名誉市民に 一宮市、議案提出へ」(27日付、中日朝刊)
 「東海5月の梅雨入り 3番目、昨年より17日早く」「紙つぶて 猿橋賞に思う(森郁恵名古屋大学教授=賞は女性科学者の地位向上に邁進された地球化学の故猿橋勝子博士に由来する賞。気象研究所を定年退官された猿橋先生の資金で「女性科学者に明るい未来を、の会」が設立され、毎年自然科学分野で顕著な業績を挙げた五十歳未満の女性科学者一名に授与される=)、「社長1人のローカル紙『宮古民友』再開 元気 伝える 『気がめいる記事 載せても仕方ない』」(27日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十六日
 帰宅途中にナゴヤドームで行われている対日本ハム戦の経過を、ケータイのドラゴンズ情報で二度、三度と確かめた。帰宅直前の段階では3―0。きょうは日本ハムに勝ってくれそうだ、と思いながらも、最終的にはNHKのスポーツニュースで中日が日本ハムに4―0で勝った、と知った。
 先発チェンが日ハム打線に三塁を踏ませず、八イニングを3安打無失点に抑えて2勝目。九回は岩瀬が締め、ドラゴンズファンにとっては、納得のゆく試合展開となった。

 なかでも、三回表、2死二塁で日ハム・糸井が打った右中間へのライナーを右翼・野本がダイビングキャッチする超ファインプレーに続き、その裏、和田のケッペルからのツーランと投打のかみあった試合展開となった。試合後のヒーローインタビューでは、チェン投手が「ボクだけじゃない。野手の人たちのおかげです」と、和田選手も「ボクと森野が打ってチームの勢いを盛り上げていかなければ」と再決意の弁。それにしても三回表、野本のスーパー好捕は鮮やかだった。
 「きょうの試合は野本のダイビング(キャッチ)に尽きる」と話した落合監督の気持ちが、なんとなく、よく分かる。それは、超ファインプレーが、試合の流れを変えたーということに違いないのだ。これぞ、まさに最高のファンサービスだといえよう。

 またまた文芸誌「北斗」六月号にこだわる。
 たまたま、通勤の合間に読んだのが文芸評論家・清水信の評論「ひたすら書いた人たち(24)」。なかでも、私の心をつかんだのは、森繁久弥さんや高峰秀子さん、池辺良さんらと共に紙面に登場した三鬼陽之助さんのことである。
 三鬼さんは私が最も尊敬する人物だが、こんな三鬼さんを清水は「80歳を超えて念願の著作百冊に達した」とか「経済評論家としての立場は、こわもての面貌のわりには、ズバッとものを言うわけではないのに、政財界のパーティーといえば、必ず顔を出していたという。」とか「財界人の生年月日を沢山記憶していた」と記している。要は、大変な努力家だったのだな、ということをあらためて思ったのである。
 いまは、もはやこの世の人ではないけれど、私はこんな三鬼陽之助さんが大好きだ。もし生きておいでなら、東日本大震災と大津波、原発事故に苦しむいまの人々にこれ以上はない箴言を与えてくださった、に違いない。
 ここで私は思う。日本は3・11以降、確実に時代が反転して逆戻りしつつある、と。これからは、節電はむろんのこと、モノに対する価値観も変わっていくだろう。そうしたなかで、人間たちはこれからどう、本来の姿に向かって回帰してゆくのか。考えようによっては、人間本来のモノを見直す時がきている。いよいよ、人間の価値観と能力が問われようとしているのだ。

 【きょうの1番ニュース】きょうといえるかどうか。先ほど、あらためて昨日の日記を開いてみて、本欄すなわちきのうの「きょうの1番ニュース」が記されていなかった、ことに気がついた。きのうは、私の印象に残ることが何もなかったのか、と思い唖然とした。ないならない、で仕方のないことではあるが……。
 きょうは一つある。私は、このところ唇の左上部分が裂け、笑うと痛い。きょう、たまたま、ある後輩の大記者に「イガミさん、唇が赤いよ」と指摘された。「●●にかみつかれでもしたのですか」と冗談を言いつつ、この男は「蜂蜜をぬったらいいですよ」と教えてくれた。
 帰宅しMに言うと「ハチミツなら、あるわよ」とのことで、さっそく「ハチミツの恩恵をこうむることに相成った」。なんだか原因不明だが、私の上唇の一ケ所が、この季節になると決まって裂けるのである。毎年、しばらくすると自然治癒するのだが、ことしはなぜか未だに裂けたままなのだ。原因は分からないが、ハチミツとはありがたい。治る気がする。

☆「太陽光発電 19道県で推進 愛知、三重など協議会 ソフトバンク協力」、「自然エネ 20パーセントに拡大 ОECD演説首相『20年代早々に』」、「日仏首脳会談 原発安全向上へ連携」、「大阪維新の会 君が代起立条例案提出 教職員に義務付け 府議会可決の公算」(26日付、中日朝刊)
「G8首脳会議 仏で今夜開幕」、「岩手・大槌町 仮設住宅 目前に土砂 迫る梅雨警戒 地盤崩落 各地で続発」、「堤防37カ所未復旧 東北3県 河川氾濫の恐れ」、「双葉町一時帰宅 2ヵ月半ためた思い 母の思い出捜したい 55歳男性 救い出せず後悔『早く帰らせて』」(26日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十五日
 今夜のナゴヤドーム。ドラゴンズは負けた。日本ハムに。それもダルビッシュに、である。ドラ・ネルソンと日ハム・ダルビッシュの両投手の投げあいとなったが、やはりダルビッシュに一日の長があり、2―0。ダルビッシュが完投した。
 ダルビッシュのナゴヤドームでの登板は2007年の日本シリーズ第5戦以来、4年ぶりだ。今夜は、4安打11奪三振での完封勝利。6連勝で両リーグ単独トップの6勝目を挙げたばかりか、バットでもプロ初のマルチ安打(3打数2安打1四死球)を記録したのである。

 現在、プロ野球は交流戦さなかだが、巨人が3連敗なら、ソフトバンクは5連勝、ヤクルトが引き分けをはさんで5連敗と、どうやらパ・リーグの方が本来の力を発揮しつつあるようだ。ちなみにダルビッシュは、前述の通り、きょうの勝利で6連勝。たいした投手である。実際、彼の投球を見ていると、ほれぼれするのである。

 そういえば、昨年限りで楽天を戦力外となり、無所属で現役続行を希望していた中村紀洋内野手(三十七歳)が昨日、横浜と契約した。中日夕刊によれば、中村選手は東日本大震災の発生直後に昨年までの拠点だった仙台など被災地に6500枚の毛布を贈り、これに感心した横浜・加地球団社長が「自分の去就が決まってない時に、なかなかできないこと。人柄の素晴らしさに感動した」と自ら獲得の打診をするほどのほれ込みようだという。ちょっとイイ話である。

 北斗六月号(特集・東日本大震災)が送られてきた。第578号だが、おそらくこうした特集号は珍しいのではないか。みちのく哀傷(清水信)滂沱、滂沱(棚橋鏡代)堺流水庵魔記(海谷寛)……と、読むにつけ被災地の悲惨さが胸を引き裂く。ここで、清水信さんの「みちのく哀傷」の出だしの一部分を紹介させていただこう。
―ごめん
 3・11以降
 涙が止まらず
 涙目のまま
 つらい時間を生きている

 9日目にやっと
 岩手と連絡がとれたが
 それが君の死の報告だった

 倉内光夫君
 人間米寿を過ぎたら
 老衰死しかないんだぜ
 ガンも糖尿病も脳出血も
 老衰には敵わないと
 冗談めかして僕は言った

 それなのに
 米寿の君は
 地獄図の中で
 泥水飲んで死んだのだ
 かくして僕は
 北京の最後の友を喪った

 ……

 このところ、日本は3・11を境に昔、それも昭和二十~三十年代に戻りつつある、と言うのが私、権太の実感でもある。

☆「布川事件 再審無罪 捜査官の誘導指摘 『自白に不自然な点』」、「弔慰金、がれき撤去 被災自治体 財政『SОS』 国、県の交付金遅く『肩代わり』限界」(25日付、中日夕刊)
  「未明火事 4人死亡 3人が意識不明 瑞穂区の民家2階から出火 3世帯同居」、「戦後最多13人 重両昇進 国技館で喜び 新番付編成、58人が引退」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十四日
 プロ野球中日戦はお休みだ。
 その代わりか、中日スポーツをあらためて目を皿にして読んでみる。Mが感覚的に、いつも言っている「ブランコさまさま、よ」は、見出しの「打点挙げれば勝率・769 ブラV打&7号」からも、読んで字の如し、また序盤はなかなか勝てなかったドラゴンズがここにきて勢いがついてきた要因として「12球団最強の『四球力』」(龍の背に乗って 渋谷真)があった、こともよく分かった。

 今夜は仕事を早めに切り上げ、名古屋JRビル十三階の加賀屋へ。
 加賀屋と聞けば、かつて七尾支局長時代に港の町づくり、すなわちマリンシティー運動で一緒に市民運動に熱をあげた小田禎彦会長(当時社長で七尾マリンシティー推進協議会長)や運動の推進役となった舟田実経営企画室長らの顔が思い浮かぶ。この日は、わたしの親友ふたり(いずれも見目麗しい女性)との飲み会だったが、舟田さんがわざわざ白山のお酒まで用意してくれ、身にしみた。
 いま七尾港にフィーシャーマンズワーフ(漁師の波止場)があるのも、小田サダさんや舟田さんらの存在があればこそ、そして北陸中日新聞でくどいほどまでに連載などで市民運動をバックアップしたから、である。

 【きょうの1番ニュース】Mに言われてJR名古屋駅で吉野桜で知られる秘境・天川=奈良県吉野郡天川村字中越=の名産「柿の葉ずし」をかろうじて購入できたこと(駅の売店に駆け込み、私は運よく完売直前の最後の二箱を購入した)と、二人と楽しい酒を飲めたことである。
 それどころか、Aさんからはカシミアのショールを、Bさんからも私が現在、執筆を進めている小説づくりに大いに参考となるロバート・A・モンロー作の「魂の体外旅行」を、さらに加賀屋さんからは七尾出身のパティシエ・辻口博啓さんによる石川県産の素材を使用したドーナツセットを三人にそれぞれ一箱ずつ頂いたことである。
 三人とも道は違うが、天を取る気概を誓い合った。

☆「主要駅構内 少し暗く JR東海来月試行 名駅の電飾中止」、「節電の知恵 再発見の夏」、「国家公務員 月給10~5パーセント減合意 政府と連合系法案 来週にも提出(24日付、中日朝刊)「被災地の子ども 宇宙へ送る笑顔」(24日付、毎日朝刊)
 「メルトダウン 3号機 地震60時間後 データ解析東電が公表 2号機は101時間後」、「布川事件 再審で無罪 44年ぶりに名誉回復 水戸地裁判決」(24日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十三日
 たった今、帰宅した。午後八時を過ぎたところだ。六回表裏を終え、今のところ、ドラゴンズは2―0で勝っている。Mの言う「ブランコさまさま」で1回の適時打で1点をあげたあと、四回には本塁打を放ち、2対0としている。……
 と、思いきや、たったいま、七回表に楽天に1点を入れられたようだ。しかし1点差に迫られたところで、ドラゴンズはこのところはもはや、第2の守護神といってもいい浅尾投手を投入し2死一、三塁のピンチを切り抜け、直後の攻撃で荒木の2点打などで4点を加え、6―1で快勝した。ドラ川井投手は2勝目をあげた。
 楽天には、山崎や鉄平ら元ドラゴンズの選手がおり、星野監督も元中日監督だけに、なんだか、2連勝して悪い気がするのはボクだけだろうか。被災地球団で多くの涙をかかえた球団だけに、楽天の奮起を望む。

 本紙中日夕刊の見開き広告特集『大切な人に大切な思いを』によれば、きょう5・23日は「恋文の日」だそうだ。「523」が「こい(5)ぶ(2)み(3)」と読めることから、さらに「鉄道員」で直木賞を受賞した作家、浅田次郎さん原作の映画「ラブ・レター」(1998年)の公開初日であったため、映画会社が制定したという。
 ちなみに旧郵政省は7月23日を「ふみの日」に制定しており、こちらは手紙を通じての文字文化の継承を主旨としているそうだ。

 きょうは雨のなかの出勤となった。
 それよりも、Mが毎週月曜日に通っている歯医者は江南駅より、さらに西側だけに、心配だ。それなのに、Mは傘をさして自転車に乗り、歯医者に行ってきたという。それにきょうは診療を前に江南市役所を訪ね、市から最近届いた介護保険料の督促についての問い合わせまでしてきたという。
 要は、私が満六十五歳になったので、これまで社の給与表から差し引かれていた介護料が差し引かれなくなったため「こんどは、月々の年金から引き落とすように」との、お上からの一方的なお達しらしい。六十五になるのもいいが、なんだかんだと手続きばかりで、こうしたことは元々苦手なだけに、本当に疲れてしまう。それに市の窓口は、もっとスピーディーにメリハリをつけ説明に当たれないものか。案の定、担当部局を行ったり来たりで、たらいまわしにされたという。
 それでも、Mがあれやこれやと、いろいろ聞いてきてくれるので本当に助かる。おそらく私と同じ年齢の男がいる家庭では、同じようなことが繰り返されているに違いない。

 【きょうの1番ニュース】はがきとなると、筆不精の私が太田治子さんあてに礼状を書いたことか。「新茶と、ご本『時こそ今は』(筑摩書房)をありがとうございます…」といった内容で、むろん相手とか状況にもよるが、やはり嬉しさ、感謝の気持ちを表すには手書きに限る。

☆「日中韓、風評対策で連携 首脳会談 原発安全強化も一致」、「「がれきの町 戻った歓声 陸前高田で運動会(河北新報)」、「白鵬が7連覇 最多タイ」(23日付、中日朝刊)
 「残った希望 高村光太郎碑 国内最大級流失免れる 宮城・女川町」、「首相、中断指示を否定 福島1号機海水注入 再臨界危険性は検討」(23日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十二日
 ナゴヤドームであったドラゴンズー楽天戦、きょうは9―1とドラゴンズの一方的な勝利となった。被災地球団との試合だけに、この日、ドラゴンズ球団は被災地からこの地方に避難してきている子どもら約百人を招いた。また公式ファンクラブ会員の中から志願した会員有志が東日本大震災への義援金呼びかけにひと役買うなど、球場内のあちこちで善意の花が開いた。

 きょうは朝食の用意をMに教えてもらいながら、少しだけ手伝った。
 手伝った、とは言っても、真似ごとだけで彼女に言わせれば、お手伝いにもならないそうだ。せいぜい、大根を擂った程度で結局のところ、ごはん炊きに始まり、みそ汁や卵焼きをつくることなどほとんど全てをMがやってくれた。私は、現役の新聞記者時代、料理の手伝いをするなどゆめゆめ思いもしなかったが、Mが病で倒れて以降は、時折、思い出したように台所に立ち、馬鹿のひとつ覚えで目玉焼きをつくり、味噌汁をつくるなどするようになった。でも、Mが病を克服し、日常生活に戻るや、知らぬ間に料理はMがつくるもの、と甘えているのが現実だ。
 とはいうものの、そろそろ今の奉公を辞めるーと決断するとなると、これまでの罪滅ぼしを兼ねて、せめて朝食だけでも作ってMをお店(リサイクルショップ「ミヌエット」)に送り出してやらなければ、といった殊勝な心が働き、今からその準備をしておかなければ、と最近気が向くと、朝の台所に立つようにしている。きょうも叱られながら助手を務めたが、Mは「だめねえ」と言いながらも結構うれしそうなので役立たずにせよ、よかったと思っている。
 おかげで、二人とも八時から神社の掃除があることをすっかり忘れてしまい、気がついた時には後の祭りであった。

 午後、まもなく満九十一歳になる私の母の家へ。母は休んでいたが「ちょうど良いところへ来た。これから畑に行くから」というので私の車に乗せ、近くの畑に出かけた。茄子、うり、スイカ、ねぎ、玉葱…と見事な野菜づくりには、ほとほと目を丸くしたのである。「肥料をやらなきゃ」と施肥のあとは、藁で周りを温かくするなど、それは見事な農婦ぶりで、Mまで一緒に、しばらくの間、野良仕事に従事した。
 土と格闘するふたりを見ながら、私は心が満たされる何かを感じていた。ただMも母も、かなり疲れたようで、本心を言えば、あまり無理はしてほしくない。夜、たまたまテレビでNHKスペシャル「クジラと生きる」を見た。クジラを捕らえ殺して食べる日本伝統の食文化が、揺らいでいる。太地の人々の苦悩を思うと、なぜ捕鯨漁にこだわるのか、が分からない。

 【きょうの一番ニュース】母とMがそろって野菜づくりに励んだことか。ふたりとも、あまり無理をしないでほしい。でも、母にとっての一番の生きがいは、畑に出て農作業に励むことのような気がする。

☆「日中韓首脳が福島訪問 中国農産品規制 緩和へ」、「東日本大震災 保険金支払い2兆6千億円 自然災害で最大の見通し」、「厚生年金100万人拡大 厚労省 非正規の要件緩和検討」、「長門裕之さん死去 77歳 晩年は故南田さん介護」(22日付、中日朝刊)

平成二十三年五月二十一日
 西武球場での交流戦、13―4で完敗だった。
 それでも期待の中日・堂上剛裕選手が2回に適時2塁打を放ち先取点を取ってくれ、うれしかった。敵ながら、私の好きな岸投手の初勝利もよかった。そして、これまた、軽くバットを振り出す打撃フォームがなんともいわれない美しさの西武・中村選手の六、八回の連続ホームランにも拍手を送りたい。きょうは今季初めての登板となった山井投手が打たれ、後続の小熊投手らも打たれた。きのうの大逆転が信じられないゲーム展開でそれこそポカスカと打たれ、これを見事な負けっぷりというのか。その辺は、ひとつ見方をかえれば、ぶざまな負け方でもあり、分からない。
 人間だれしも良いことがあれば、悪いこともある。私たちは、そのバランスのもとで生きているのだ。見えない神の手がその辺りをコントロールしているのではないか。

 ナゴヤ球場では対オリックスとの2軍戦を前に、試合前の屋内練習場見学会と、ファームMVP(中日スポーツ月間賞)の松井佑介外野手に対するファンクラブ会員プレゼンターによる表彰式、さらには会員バッテリーの始球式があり、うれしそうに球場を訪れ、2軍選手の練習に目を凝らしたり、大任に目を輝かす姿が目立った。松井選手は、右手首骨折でギブスをしていた関係上、表彰式はグラウンドではなく屋内練習場で行われた。球場二階コンコースの右翼、左翼の両側には昨日から矢場トンと公式ファンクラブ提供の若手選手の写真パネル各十枚の展示も始まった。
 この日は、練習見学会のあと、選手のサイン入りボールや数々のグッズが当たる抽選会も行われ、ファンサービスは質、量ともに公式ファンクラブ誕生当時に比べたら、格段と、よくなってきた。これも公式ファンクラブスタッフのたゆまぬ努力はじめ球団やドーム、中日スポーツ総局など関係者の理解があればこそだ、といっていい。

 ナゴヤ球場での練習場見学会への立ち会い、プレゼンターと始球式取材に続き、今度は地下鉄で池下へ。中部ペンクラブの秋の文学散歩のコースについての調整打ち合わせのため、八千草薫さんそっくりの、怖くて優しい某大人(たいじん)女性からお呼びがかかっていたためで、帰りには名古屋駅で、今回「裸身」で中部ペンクラブ文学賞に輝いた気鋭作家・宇佐美宏子さんと、彼女のお祝いも兼ねたほろり酒を飲んで帰宅した。宇佐美さんは「中部ペンの皆さんは、お酒を飲まない方々ばかりでちょっぴり不満。やっぱり、人間、ごんたさんみたいにお酒を飲みながら豪快に文学論を戦わせなきゃ。」の弁。飲むうちお孫さんが大のドラゴンズファン、それも2軍選手の“大変な通”だと知り、嬉しくなってきた。

 【きょうの1番ニュース】帰宅したら、作家太田治子さんから八十八夜の新茶とともに一冊の本「時こそ今は」(筑摩書房)が、私とM(舞子)あてに小包便で届いていた。ありがとう、太田さん! 太田治子さんは現在、中日新聞(東京新聞)夕刊で「夢さめみれば… 洋画家浅井忠と明治」を連載中である。何よりも、しっかりとした取材に裏打ちされた、情緒に流されない筆が、これまで明らかにされなかった『浅井忠の世界』を日々、掘り起こしている。一人でも多くの人々に読んでほしく思う。

☆「義援金2次分32億円 (中日新聞)本社と社会事業団 善意、被災4県へ」、「東電社長に西沢氏 3月期決算 赤字1兆2473億円」、「『海ない』岐阜でも油断禁物 地震でため池決壊も 八十六ヵ所 下流に民家など」(21日付、中日夕刊)
 「中韓首脳 被災地入り」、「米大統領提案をイスラエル拒絶 会談でネタニヤフ首相」、「運動会で『早稲谷鹿(わせやしし)踊り』 僕らが守る 気仙沼の伝統」(21日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十日
 「きょうは、負けよ」。
 帰宅してテレビの前にどっかと座るや途中経過を知るMが、慰めの如く私に向かってそう言った。西武球場での西武戦は、八回裏を終わって5―0。アキラメなさいよ、の言外のことばに内心、反発しながらも「でも、もしかしたら最終回の九回に大逆転するかも」と思い、食事を取りながらのテレビ観戦となった。
 それが、どうだ。ドラゴンズ戦士たちは9回表に一挙6点をあげそれまでの5―0を一気にはねかえし6―5に。その裏も浅尾投手が逃げ切って勝った。野球は、これだから楽しく、面白い。勝ち越しの適時打をうち、ドラゴンズ選手として、初めてヒーローインタビューのお立ち台に立った佐伯貴弘選手の言葉がまた、さわやかで味があってステキだった。
 「中日ファンの皆さま、本当にありがとう。…夢のようです。そして、ドラゴンズと落合監督、チームメート、ファンの皆さまに、なんとか恩返しができました。本当に毎日、熱い応援をくださるファンの皆さん! ありがとう。ボクも四十一のオッサンですが、全身全霊でやらせていただきます。もう夢、夢ですね、これは。あした、デーゲームですので、あすにそなえて早く帰ってください」
 そこには、夢のなかのヒーローがいた。これぞ、本物の夢なのだろう。これほどのファンサービスがほかに、あるだろうか、と思うほどステキなお立ち台だった。

 夢といえば、私はけさの未明、しばらくの間魘される、久しぶりに恐ろしい夢を見た。
 場所は、どこか知らない。ただ、偏狭の山間のそこ、から取材に、と車に乗って出かけようとしたところ、外界の様子が瞬く間に怪しくなり、豪雨のなか強風が吹き始めたかと思うと、雷鳴がとどろき夥しい稲妻がこの世をありったけの白で光らせはじめた。かぜが、あめが、天が、地が、ありとあらゆるものが何かが一斉に切れるが如く、泣き始めた。
 それでも、私はハンドルを両腕でしっかりと握りしめ、車が吹き飛ばされないように、からだに重心を置いてなんとか持ちこたえさせようとしたが、とても車に重しをかける、というところまではいかず、次に訪れた巨大な黒い波にアッという間にのまれ、車ごと木っ端微塵にされながら、黒い泥流とともに、いずこともなく流され始めた。

 私はアッ、と大声で叫ぶが、周りには誰一人居らず、助かるはずもない。 「もう、だめだ」と思ったところで目が覚めた。ただ、それだけの夢ではあるが、東日本で大津波にのまれていった人たちは、おそらくこんな、いやこれを何倍も上回るなか、漂う意識を無残にも引きちがれながら、波の奥深く一つひとつの魂がふかく沈んで逝ったに違いない。そう思うと、夢を見て逃げ惑う自身の幸せをあらためて噛み締めた。あ~あ、俺たちは生きているのだ。と同時に、生きていることのすばらしさ、を感じもした。

 【きょうの1番ニュース】最終回の表、ドラゴンズ・佐伯選手の逆転打とヒーローインタビューで語った言葉に尽きる。野球には、いろいろドラマがあることを実感した。ことし一番印象に残るヒーローインタビューであった。

☆「土日操業街が変わる 自工会(日本自動車工業会)が木金休み決定 子ども保育どこで 通勤ダイヤ課題/飲食店休業日の変更も」、「もう一つの死知って 震災二カ月後 父逝く 家族不明、自責続け 南三陸」(20日付、中日朝刊)「若竜の写真パネル きょうからナゴヤ球場で公開」(20日付、中日スポーツ)
 「いじめ4年後自殺 学校側に1500万円賠償命令 名地裁判決 責任一部認める」、「米大統領 イスラエルは撤退を パレスチナ『67年境界が基本』」、「岡島に戦力外通告 Rソックスが移籍交渉開始」(20日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十九日
 きょうは、プロ野球の試合がないので、ホッとしている。
 それでも「若竜で連夜の逆転 千金同点2ラン 平田でかした!!」(中日スポーツ1面トップ)などと見出しの張る記事を読むと、うれしくなってくる。中日本紙スポーツ面も「敵地で2連勝を飾り、今季初めて貯金をつくった。日替わりのヒーローは、チームに勢いが生まれている証し。『チャンスをものにしていってスタメンを取りたい』。平田の顔に汗が光る。時に悩ましいQVCマリン特有の海風も、この日は心地よく吹いていた。」(球心)とあり、まさにその通りだと思う。

 「疲れた」とか、「忙しい」という言葉は、大嫌いだ。なのに、きょうこそ下腹部のレントゲン撮影をはじめとする一日を終え「疲れた」の言葉が一人、自然に自分に向かってでてきた(そうとはいえ、東日本で被災した方々に比べたら、これしきで“つかれた”なぞとは、バチが当たる)。
 能登、大垣、大津、一宮と地方の支局長時代やその後の編集局デスク長時代、私が一番きらったのは、この「疲れた」とか、「忙しい」という言葉を回りに向かって簡単に吐く、甘っちょろい記者たちだった。そういう記者に限ってサラリーマンタイプで、本来が夜、昼、朝と一日中が仕事だと覚悟してこの道に入ってきたはずのブンヤにはあるまじきことばで、「疲れた」を多くいう支局員に対しては、査定も厳しくしたものだ。
 つかれた、などという余裕があったら取材せよ、と言いたかった。ほんとにどなってやりたかった。疲れた、と自分で思ったら黙って耐え、そのぶん特ダネやタマ(犯人)を追いかけることに徹せよ、と言いたい。

 【きょうの1番ニュース】下腹部の腸の、レントゲン検査を生まれて初めて、された。神聖なからだをアチコチといじくりまわされ、それこそ本当に「つかれた」。(この「つかれた」は本来、自分に向かって言う言葉で、人さまに向かって同情を得ようと言う言葉ではないのだ)。
 「それでもきょう一日はそんな甘い言葉は、青い空に向かってほうり投げ、仕事もそれなりに(とても十分なんて言えないが)こなし、仕事帰りには横笛の練習に師匠宅に寄って、やっと帰宅した。帰宅途中の駅でトイレに駆け込むなぞ、私の美学に反することにまでなり、すべて私の至らなさ故である。あ~あ、ままよ。

☆「宇宙空間軌道なく漂流 『浮遊惑星』見つけた 名大など 銀河系で10個確認」、「舞鶴少女殺害 否認の被告 無期懲役 京都地裁 状況証拠認め判決」(19日付、中日朝刊)
 「創刊 朝日新聞デジタル(『朝日新聞は18日、パソコンやスマートフォン(アンドロイドOS搭載機種)、iPadなど幅広い電子端末でお読みいただける朝日新聞の電子版「朝日新聞デジタル」を創刊し配信を始めました。』)
 「故郷に愛 卓球福原選手 仙台慰問、児童と交流」、「福島第1原発 3号機建屋 最大170ミリシーベルト 2号機50ミリシーベルト 作業員立ち入り」(19日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十八日
 ドラゴンズは、きっと、きょうもマリンフィールドでロッテに勝つ。そう思っていたら、やはり勝った。感覚的に負ける気がしなくなって、落合竜本来の強さが少しずつ戻ってきているからだ。
 ケータイ中スポのドラゴンズ情報の『評』によれば、「2連勝で今季初の貯金1。2回に平田の1号2ランで追い付き、4回にブランコの5号ソロで勝ち越した。7回途中2失点のネルソンの後を4投手でつなぎ、浅尾が今季初セーブ」というわけだ。それにしても、きのうの野本の決勝打といい、きょうの平田の2ランといい、ドラゴンズはこのところ若竜の活躍が目立つ。それと、先発・ネルソンがいい。今季早くも3勝目をあげた。
 むろん、ベテラン勢もがんばっており、昨日は守護神・岩瀬が最終回、2点を取られながらもキッチリと抑え、700試合登板達成記録もつくった。
 交流戦二日目のこの日、巨人は楽天に勝ち、西武も横浜に勝って、それぞれ3連勝。ソフトバンクは広島を9―0で下した。日本ハムはヤクルトを3―1で破り、ダルビッシュは早くも5勝目だ。

 NHKのクローズアップ現代で「エジプトはどこへ向かうのか」の特集をしていた。
 イスラム系政治団体の母体・ムスリム同朋団が、これまでイスラエルと友好関係を結んできたエジプト国内でどんな地位を占めることになるのか。ムバラク大統領を独裁政権の座から、ひきづりおろした民主化の波は一体、どういう形で治まるのか。そこには、イスラム教とキリスト教との宗教対立の火種が隠されて居はしまいか。いずれも気になるところでもある。
 こうしたなか、エジプトのある地元新聞社幹部は最悪のシナリオとして「このまま混迷が深まれば、結果的に軍の支配が進み軍による独裁化も十分考えられる」としながらも、この春、タハヒール広場に集ったイスラム、キリスト両宗教の人々の和気あいあいぶりを見る限り、民衆を信じたい、とも話していた。

 【きょうの1番ニュース】春の健康診断で再検査が必要な部位があり、あす受診する。これまで再検なぞというものに縁がなかっただけに、きょうは朝、昼、晩とおかゆのような、おかしなものばかりを食べさせられ、あげくに夜に入ってからは下剤を2度ものませられ、最悪だ。再検などしてもらわなくとも、自分のからだの調子は分かっているつもりなのだが。
 あ~あ。どんなに喚こうが。歳には勝てないとは、このことを言うのだろう。今夜はなんだか、嫌なものばかりを口に入れられ、風呂に入る気力さえなくなってしまった。それにしても、どうしても再検は必要なのだろうか。Mには、心配ばかりをさせ、誠に申し訳なく思っている。

☆「福島原発工程表見直し 『水棺』断念、循環方式に 東電、収束目標変えず」、「政府工程表 賠償支払い 今秋めど 8月までに仮設建設『最後まで国が責任』」(18日付、中日朝刊)
 「三陸を復興国立公園に 環境省構想 再編で地域振興 被害記録・継承の場も」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十七日
 交流戦の初日、ドラゴンズは、これまで苦手なQVCマリン球場でロッテと戦い、6―5で勝った。ドラゴンズは川井投手が先発したが、打ち込まれ五回裏時点で3―2と先行されたが、八回表に打線がつながり一挙4点を入れ逆転、九回には2点こそ入れられたものの、守護神・岩瀬投手がなんとか逃げきった。
 この日、札幌ドームではリーグ1位同士の日本ハムーヤクルト戦があり、ヤクルト・館山投手がよく投げ2―1で日本ハムに勝った。またリーグ2位同士の西武―横浜戦は県営大宮球場であり、こちらは涌井投手要する西武が横浜を4―1で仕止めた。
 野球といえば、けさの中日新聞・通風筒によれば、宮城県南三陸町の少年野球チーム「伊里前ブルーオーシャンズ」の子どもたちに、滋賀県長浜市少年野球連盟からグラブやスパイクなどの野球用具六十点が届けられたという。

 けさ新聞を開いていいなっ、と思ったのは、「変わった街 変わらぬ空 南三陸」の記事だ。三陸に初夏の訪れを告げる、志津川湾にかかった帯状の雲が本紙カメラマンの目で見事に活写されていた。「変わりなく訪れた季節の使者を歓迎しつつ、流された漁具の回収にこの日から取り掛かった。」と書かれた記事も自然体で、とてもよい。
 きょうの読売新聞国際面の「報復恐れる『潜伏の地』 ビンラーディン殺害2週間」「厳戒続く『文京都市』 アボダバード邸宅の爆破検討」を読み、心が痛くなった。記事には「アル・カーイダ 後継者は未定 集団指導へ移行も」とも書かれ、後継の有力候補はナンバー2のエジプト人、アイマン・ザワヒリ容疑者(五十九歳)だとしている。
 また、ザワヒリ容疑者は、学者一族の出身、カイロ大医学部で学んだ外科医で10代でイスラム過激思想に傾倒、1981年のサダト・エジプト大統領暗殺を機に行われた過激派一斉摘発で3年間投獄され、ビンラーディンとは、80年代後半、アフガニスタンで出会い、信頼を得たとされる、とも。さらに彼を知る弁護士によれば、「欧米の新聞も読み知識が豊富。理論家だ」という。

 俳優の児玉清さんが、きのうの昼過ぎ、胃がんのため東京都内の病院で亡くなった。七十七歳の旅立ちだった。温かみのあるステキな俳優だった。時あたかも、今宵はまん丸月夜の満月である。
 東日本大震災で命をとられた多くの人々はじめ、世を去ったありとあらゆるもの、そして哀しみに包まれた遺族に、微笑みを投げかけているかに見える。みな、すばらしい人たちばかりだった、とー
 今宵、頭上の空たかく、月が泣く。そして夥しい月のひかりたちが人々の心の底にまで落ちてくる。

 【きょうの1番ニュース】最近、本欄・笛猫人間日記を書くのは、大抵午前3~5時の間だ。それも、こすも・ここが決まって起こしてくれるからで、彼女には私がこの時間を逃したら、書けないことをお見通しのようだ。きょうも、こすも・ここのおかげで私はいま、こうしてデスクに向かっているのである。

☆「福島第1原発 2、3号もメルトダウン(全炉心溶融) 原子力安全委員長『3月下旬認識』」、「自治体指定 津波避難ビル 命は救われた でも孤立した 発電装置や食料『支える仕組み必要』」、「変わった街 変わらぬ空 南三陸」(17日付、中日朝刊)「ワンジル選手転落死 マラソン五輪金 女性関係もつれ」(17日付、毎日朝刊)
 「グラブの感触 心が軽く 陸前高田の古希野球選手 再開を信じ毎日汗 大船渡の高校球児 プロになる日 夢見て」、「縄文人は知っていた 貝塚密集地 津波直撃免れる 宮城・東松島 『生活の場として安定』」(17日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十六日
 月曜日。試合がない。でも、新聞がきのうのことをあれこれ書いてくれている。中日新聞のスポーツ面の記事はこうだった。
―プロ野球は15日、交流戦を前にセ、パ両リーグ最後となる計6試合を行った。セは首位のヤクルトが横浜に5―3で勝ち、2位広島に2・5ゲーム差。パは日本ハムがオリックスに9―1で大勝し、西武に1―3で敗れたソフトバンクと入れ替わって首位に立った。
 運動面売り物の「球心」の書き出しは、「表情を固めたままバスに乗り込んだ。『僕のせいで負けた』とつぶやいて。…」で始まっている。
 記事によると、その吉見投手(この日の吉見は、中日投手陣では今季最多の121球を投げた)に対して落合監督が、こう言ったという。
 「いいじゃん、120放れるのが分かったんだから」と。
 そして記事の最後は次のように結ばれていた。
―やはり吉見がエース。17日から交流戦が始まり、シーズンの先はまだ長い。借りを返す舞台はいくらでもある。

 書いた記者も監督もどうしてどうして、なかなか、あったかい。負けたとはいえ、いい感じである。

 被災地の東北・仙台では、明日からの交流戦を前に地元・楽天と対する巨人選手らが被災したこどもたちと、いっときキャッチボールなどで交流した。マー君(楽天、投手)や坂本選手(巨人)らと交流した少年のなかの一人がテレビの映像のなかで「選手たちのおかげで辛かったことを忘れられました」と実感をこめて話したひと言が私の心をグサリとさした。たとえ、勝負のなかを生きる選手にせよ、こうした心が大切であることをつくづく思う。
 支援の気持ちは公式ファンクラブ会員の間でも日に日に高まっている。ナゴヤドームでの球団の義援金受け付けのボランティアに自発的に手をあげる人々があいついでいるほか、手づくりの東北応援ボードまで現れ出た。
 この応援ボード、東京・調布の落合信者で、自他ともに認める“武蔵野ガブリ”で知られる原田禎知、幸子さん夫妻から私あてにメールで送り込まれてきた。
 「東に暮らす者として、今年は、がんばろう東日本ーを掲げようと思います。過日神宮球場に行きました……。落合竜の集大成を、と願っています」の添え書き付きで、ボードはドラゴンズブルーの地に白抜きで「がんばろう」と。幸せ色の黄抜きで「東日本」「DRAGОNS」とだけ書かれたシンプルなものである。

 【きょうの1番ニュース】川崎に住む長男夫妻から母の日にMにあてて送られてきた赤いミニバラが、わが家の玄関先で真っ赤に咲き誇っている。Mは何も言わない。でも、このバラたちが毎日、Mを見守ってくれている。

☆「清流マラソン ランナー心一つに 高橋(尚子)さんら復興願い快走」、「がれきの町 妻を捜す 連れ添い50年『おっかは日本一』陸前高田 震災二カ月あるき続ける家族 65日後、車発見残された靴 岩手・山田町」(16日付、中日朝刊)
 「視察相次ぐ岩手・住田町 隣町危機 国の指示待てない 即断で仮設住宅 震災2週間後完成 災害対応の教訓に」、「避難所の記録 タイムカプセルに 50年後へ伝えたい 大船渡・越喜来地区 新聞、日誌後世へ」、「校舎169校使用不能 被災3県 福島24校再開できず」(16日付、中日夕刊)

11年5月17日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十三年五月三十一日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

 『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 「やりましたあー、だって! (この言葉って)中日なんでしょ(小田幸平捕手が昨シーズン、お立ち台で叫んでから流行語に)。ドラゴンズの選手が言ってたんでしょ。それが、なんでソフトバンクの選手なんかに。言わせておいちゃ、いけないじゃないの」
 夜。九時のNHKニュースを見ていて突如Mが発した。私も同じことを感じていただけに一回裏に放った本塁打が勝負を決めた内川のお立ち台での言葉には違和感というか、ドラゴンズの小田捕手に悪いのでは、と思った。ヤフードームでのソフトバンク戦は、こんなわけで1―0とソフトバンクが交流戦九連勝。ツルゲネフじゃないけれど、「あすは、あすこそは」連勝を阻んでほしい。

 きょうMと一緒に江南厚生病院に行ったが、この地が「高屋大松原(たかやおおまつばら)」という、とてつもない地名であることを知った。病院内のバス停が、高屋大松原となっていたのだ。驚いた。いつの日か、この地に大歌人が生まれるや知れぬ。そう思わせる地名なのだ。
 江戸時代、いや、それよりも前の戦国時代に信長や秀吉が松の木の多い、ここいら辺りを駆け抜けていたやも知れぬ。江南には、信長の側室・吉乃が住んでいた生駒屋敷など名所も多いだけに、十分にありうることだ。武功夜話を読みとけば、その辺りの様子は記されているや、知れぬ。MがMRIの検査室から出てくるまで約一時間の間、私はこのところ関心を抱き始めた小和田哲男さんの「信長記」を読み続けていた。

 あす、電気の日は母の満九十一歳の誕生日だ。で、色彩感豊な干菓子を買ってMの検査結果の報告がてら母の家へ。きょうは毎週火曜日、送り迎えのデーサービスに行く日なので、まだ帰って来てないかと思いきや、自転車がないので畑まで出向くと案の定、スイカの苗を植えていた。満九十一になろうというのにだ。「デーサービスから帰ったあと、自転車で古知野の苗木屋まで行き、畑で苗を植えているところ」とのこと。でも、耳が遠いので少し心配だ。車に轢かれることのないように。いまの彼女の何よりの生きがいが大地なので、私は「気をつけてよ」とだけ言い残し自転車のカゴに干菓子をそっと入れて帰った。
 夜。電話が鳴るので出ると、母で「たつ江さんにありがとう、と言っといて」と言うので変わると、Mにしては珍しい長話となりそうなので自室へ。こうしてパソコンに向かっている。

 それはそうと、腹立たしいのは、政界の菅直人総理に対する不信任案提出の動きである。別に菅さんにおべっかを言う気持ちはさらさらない。彼なりによくやっているではないか。自民党も公明党も、民主党の一部造反分子も、そんなことに走り回る暇があるなら、東北に行ってガレキのひとつでも除去するか、被災者の声を耳にしてこいよ、と言いたくなる。菅さんだからこそ、その時々の判断に蛇行しながらもここまでの震災処理が出来ているのだ。
 NHKも、こんな時に●●直球などとまだまだ未経験、かつぬくぬくキャスターらが誤った解説をするなよ、と言いたい。直球どころか社会を悪い方にあおりたてる「落球」といってよい。それよりも「みんな大変だ。予測が立たないところで菅さんも頑張っている。この際、政治家は大同団結して国民を守ってほしい」という論陣をなぜはれないのか。
 こうした程度の低い、だれにでも言えるような、どっちつかずのあきれたニュースを見ていると、政治家というものは、どいつもどいつも、個人の利権だけが走るものだ、と痛感する。政治家に対する印象を極めて悪くしている(なかには、素晴らしい政治家もいるのに、だ)。だからこそ、オソマツなニュースは流すなと言っているのだ。
 この点では、けさの中日新聞の中日春秋の論調は大変いい。全部の政治家と、八方美人極まるニュースキャスターらにも読んでほしい。いま、日本はどうしたらよいか、だ。物事を大局的に見ないと、それこそ日本は沈没してしまうだろう。いまの、この時期、不信任案の話など問題外だ。自民も、公明も、一部民主の悪たれたちも、一体何をやっているのだ。マスコミも不信任案の報道など、そんなものは簡単に扱っておけば良いのだ(かといって無視はできない)。

 【きょうの1番ニュース】Mが、江南厚生病院で脳のMRI(造影)検査を受け、昨年四月十四日に手術した脳のその後をチェック、私も付き添った。
 昨年の大手術での切除部分は変わりなく、他に頭のてっぺんなど三ヵ所にある傷痕部分(担当医の診断では過去の脳内出血跡とか血管がつまって敗れた痕跡)も前回検査時=昨年八月=と同じで悪化はしておらず心配ない、との判断だった。
 ただ「血圧だけは、できるだけ頻繁に測って、体の調子に敏感であってほしい。いつも150~160というのでしたら、少し高いのでは」とやんわりと日ごろの姿勢に釘をうたれた。イケメンで優しい医師なので、Mはこの医師の前でだけは不思議なほどに神妙である。

☆「東電 ヨウ素剤服用 確認せず 被爆の社員2人 震災後1回だけ」、「君が代起立命令は合意 最高裁初判断『思想・良心 侵害ない』」(31日付、中日朝刊)
 「震災児童らに500万円 弔慰金 校内や下校時の被災 文科省」、「半田 短編作品公募、コンペ 知多半島映画祭 10・1開演 会社員呼び掛け『地元に映像文化を』」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年五月三十日
 プロ野球のない日。
 中日スポーツは勝った翌日の紙面だけに、「34戦目奪首 5月3度目の3連勝 2回9人攻撃一気逆転」とにぎやかだ。それよりも、明日の交流戦負けなしのソフトバンク戦が楽しみだ。

 きょうは台風から変わった低気圧が東へ遠ざかり、天気は回復。午前中少し残った雨も午後には完全に晴れ上がった。

 【きょう1番のニュース】私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」同人のある作品に、このところ集中して身も蓋もない中傷があり、作品の「削除」を迫ってきた。それも縦書きブログを提供してくれている制作会社の社長ら役員に対して、である。私が読み直した限り、問題は全くないのだが。
 一体何の恨みがあるというのか。作品を書いた同人自身、心当たりはなく一種のクレーマーと見ていい。この際、ご意見は「主宰者あてお問い合わせ」から、とお願いしておきたい。表現の自由を侵す行為は、何人たりとも断じて許されない。

 いずれにせよ、「熱砂」同人の作品に対する評価は年々上がってきており、“妬みからの犯行”以外には考えられない。面白半分としても、チト度が過ぎる。それだけ反響がある、との見方もできるのだが…。人を中傷する類(たぐい)だけは許すわけにはいかない。

☆「福島第1原発 5号機冷却が半日停止 炉音水温一時94度に」「『復活の薪』心に灯 被災者、廃材加工し販売 働く喜び 取り戻す 岩手・大槌」、「福島の球児 力を結集 3高校が『相双連合』」、「丸岡修受刑者 病死 日本赤軍事件で無期懲役 60歳」(30日付、中日朝刊)
 「東電2人250ミリシーベルト超か 福島第1高いヨウ素検出」「汚染水水位 雨水で上昇」(30日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十九日
 やはり勝った。
 京セラドームで行われた交流戦・オリックス戦は7―4でドラゴンズが勝った。川井が3勝目をあげ、岩瀬が苦しみながらも8セーブである。打っては堂上剛裕、藤井、荒木と活躍、ドラはこれで3連勝、ヤクルトを抜きセ・リーグトップに躍り出た。「まだまだ先があるので」とは、試合後の荒木の言葉だ。
 それにしても、横浜と戦ったソフトバンクはきょうも7―1で勝ち、交流戦負け知らずの8連勝である。いい投球をしながらも過去、勝ち運に恵まれず5連敗中だった日本ハム・武田勝投手が味方チームの41イニングぶりの得点にも助けられ、久しぶりに勝ち投手となり、3勝目をあげた。「自分のピッチングを貫き、自分を信じながら投げてきました」と武田投手。これだから、野球はいい。

 きょうは台風2号接近のため気になる母のもとを訪ねたほかは、自宅で執筆に専念した(台風2号は幸い、夕方には四国沖で温帯低気圧になった、とか。それでも雨の方はまだまだ気になる)。実家では「Mさんの俳句が新聞(尾北ホームニュース)に載っていたよ」と母。その作品は「花吹雪雄々しく広き君の肩」というものだった。

 【きょうの1番ニュース】Mが市文化協会の作品展に出品する俳句が決まった。
 「ゆれ止まぬ大地希望の種を蒔く」というスケールの大きい作品だ。わが妻ながら大地への慈しみに満ちたすばらしい秀作だと思う。Mは既に短冊にして出展を待つばかりである。
 それから。きょうは、こすも・ここ、すなわちアタイが、ずっと私が執筆する傍らでいてくれた。アタイのこすも・ここが、そばに居るだけで、いい発想が浮かんでくる。
 きょうは実家から帰り、少し時間があったので久しぶりにハーモニカを吹いてみた。私のハーモニカといえば、小学生のころから校内では有名な名手だったのだが。Mいわく「まだまだよ。こちらがお金をもらって聴かせてもらわなきゃ」と相変わらず厳しい。

☆「殺処分せず研究飼育へ べコ(牛)に生きる道を 福島第1原発20キロ圏内 畜産家ら構想 獣医師『データは有用』」、「坂田博士の日記刊行会が発足 弟子の益川さん、小林さんら 発行費、寄付呼び掛け 生誕100年、10月にシンポ」、「フラガール再開に感激・つなぐメッセージ」(29日付、中日朝刊)

平成二十三年五月二十八日
 きょうのプロ野球交流戦。京セラドームで午後六時から。オリックス戦である。
 南方からの台風2号北上と、梅雨前線活発化の影響で雨、雨の一日とはなったが、京セラだから心配はない。結果は、吉見が7イニング1失点と、よく投げ、5―1でドラゴンズが勝った。吉見はこれで、4勝1敗となり本来の調子が戻ってきた。打線の方も三回に井端の右前打で2点を先制、五回にも井端、森野の連続適時打で2点を追加、九回には、絶好調の堂上剛の1号本塁打で止めをさした。
 オリックスは、三重県菰野高校出身で私も大好きな笑顔のステキな期待の西選手が先発出場したが、きょうは中日のたたみかけるような打線に踏ん張ることが出来ず、五回途中で降板した。
 本日の中日スポーツは5面で先に前立腺がんのため八十五歳で亡くなり、1974年のドラゴンズ監督当時に巨人のV10を阻止した与那嶺要さんとのお別れの会を報じていた。見出しは「与那嶺さん 拍手と笑顔で さようなら」というものだった。ところは、東京港区の六本木教会で長嶋茂雄巨人終身名誉監督(七十五歳)はじめ、王貞治ソフトバンク球団会長(七十一歳)、ほかに中日ОBの杉下茂、高木守道、谷沢健一氏、坂井克彦ドラゴンズ球団社長らも参列。巨人の十連覇を阻むセ・リーグ優勝を果たしたばかりか、巨人の現役時代には首位打者を三度取るなど活躍した往年の名選手をしのんだ。

 きょうは雨、雨、雨の一日に。
 雨を含んだ大気にどうかすると、わが魂が融かされ未知の国に消え入ってしまいそうな、そんな錯覚にも襲われた、摩訶不思議な日である。
 私は休みだったこともあり、毎週土曜日に地元・江南市生涯学習として行われているフォークダンス教室に通うMの行き帰りを、会場である東公民館まで車で送り迎えしアッシーくんの大役を務めた。
 ちなみに、行きに時間と距離を測ったら、わが家からは3・5キロ、車の所要時間は十分ほどだった。きょうは三回目で前回と前々回は、自転車で行き帰りする彼女の信念の強さにもあらためて敬服した。本音を言えば、あまり自転車で遠くまでフラフラと行ってほしくはないのだけれども。
 彼女が俳句、短歌、一行詩に次いで大好きなのがフォークダンスなのだから、仕方ないっ、か。大病を克服しつつあるのだから、良し、としなければ。

 料理が得意で調理師免許も持つMは夜、さる二十六日付毎日新聞の東海ワイド「清水義範の味な話」に書かれていた味噌煮なるものをつくったが、少しばかりこてこての味に「ちょっと具が多すぎる。肉は思いっ切り少なくしなければ」と私。生意気にも、そう言うと「清水さんのは、もっとコテコテだったのだから。これでもアタシなりに薄味にしたんだから」の弁。内心、オレさまが本気になれば、すごい味にしてやるんだが…と本心から思った。

 【きょう1番のニュース】きょうは、それこそ途轍もなく流行っている店をたまたま見つけた。寂れたこの町にこんなに大入り満員の店があった、だなんて。それこそ驚き、モモの木、山椒の木である。Mをフォークダンス先の東公民館から、リサイクルショップ「ミヌエット」まで帰りを送ったあと、昼食にーと途中見かけたので訪れようとした店が、そこである。
 名前は「お徳屋 福べい」さん。なんと入り口まで人があふれ返っており、私は一度わが家に退却後、出直したがそれでも、まだ客でいっぱいだった。メニューの中身もなかなかよろしく、私はうどんつきミニ天丼を食べたあと、Mに持ち帰りがきく天丼のミニ丼を届けた。
 それにしても、本当によく混んでいた。「なんで、こんなに繁盛してるの」と聞くと「土曜の昼だから。いつも、こんな調子ですよ」と常連の若いお兄さん。どうやら、桑名に本店がある「歌行灯」のグループと見られ、店の入り口には新聞に掲載された泉鏡花の小説「歌行灯」の一節までが張られていた。
 テーブル一角には「よりよいお店づくりを目指して、皆様のご意見を頂いております。お気付きのことは何なりとお聞かせ下さいませ。」とのお客様サービス係直行のはがきまでが、用意されていた。やはり、大変な努力をしてるのだ。だから、はやる。
 一度入ったら、どんなに混んでいても、また訪れたい店とは、こういう店のことか。

☆「地震国 原発基準厳しく G8首脳宣言 日本支援を表明」、「「大地震40分前 上空の電子 異常増加 北大、他の巨大地震でも確認『直前予知に有望』」(28日付、中日朝刊)
 「復興へ オン エア 岩手・宮古に災害FM 立ち上げ検討中 震災 将来は本格局に」、「『ドケチ』に学べ 節電術 創業者究極クールビズ 電灯にひも 社員消灯 岐阜の未来工業 考える癖つけ 知恵結集」、「北海道・占冠 特急トンネル内で火災 車輪の一部脱線 240人避難、40人搬送 車内に煙 乗客『死ぬかと』」(28日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十七日
 深夜未明に起きボクならの世界でもある、この笛猫野球人間日記に性懲りもなく挑んでいる。
 まずは、プロ野球から。とはいっても、ドラゴンズは、きょうは移動日で試合はないので、いつもの如く結果を書きつらねるわけにもいかない。勢い、新聞紙面に目を通すことになる。きょうの中日スポーツ7面には、このところすっかり定着した感のある中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会報中スポ版5月号(通算第15号)が掲載されている。
 「日本一美しい球場に 美化ボランティア・加藤さやかさんに聞く」「『クリーン活動の会』40人が奮闘/一般客も協力」といった見出しだ。実を言うと記事、写真とも私の手になる、チョッとした明るい話題である。加藤さんは私のインタビューに答え「ゴミはゴミ箱へ、が当たり前になり試合後の清掃活動をしなくてもよくなること。ナゴヤドームが放置ゴミのないきれいな球場となり友の会クリーン活動を解散させる日が来るとよいですね」と語っているが、まさにその通りだと思う。
 いずれにせよ、公式ファンクラブ会員を中心に自発的に繰り広げられている球場でのゴミ追放運動には心から敬意と拍手を送りたい。と同時に、こうした輪がさらに大きなうねりとなって広がっていくことを心から願う。
 公式ファンクラブ会員の間では、このほかにも球団がナゴヤドーム1番ゲート横で行っている東日本大震災被災地への義援金受付へのボランティア志願が相次いでおり、会員の手助けがあればこそ、の義援金活動が続いていることは、いまやドームを訪れた大半が知るところだ。飽食社会に安住してきた今の世に東日本大震災発生を境に問いかけられ始めた、ひとつの大きなシグナル。そんなようなものが「火の手」となって点滅し始めている。これは、ある種の人間本来に託された責務といおうか、回帰運動ともいえよう。
 本欄・笛猫野球人間日記をもし読まれた方がいたなら、ぜひとも「5月27日付中日スポーツ(または東京中日スポーツ)」紙面を読んでいただきたい。
 きょうの中日スポーツはこのほか、「巨不吉な4連敗」「次戦も得点『1』以下なら…最下位75年以来の悪夢」の見出しで、このところ、1―4、1―4、1―2、1―2で4連敗した巨人を「輝かしい球団史の中に汚点として残る“暗黒のデータ”がそろってしまった…」と切って捨てている。なかなか、いい視点である。巨人よ、がんばれ!

 きょうは傘を手に歩く人々が多く、雨が降ったり降らなかったり、の一日となった。デスクに届いた夕刊を広げると、気象庁が東海地方の梅雨入り発表を報じていた。昨年より十七日も、平年より十二日早いという。

 【きょうの1番ニュース】朝、出勤時に何を間違えてか、息子のワイシャツを着てしまったあげく、自宅近くバス停まで江南団地から来た定期バスに乗り遅れまい、と約五十メートルをひた走ったことか。まるで徒競走をしているようで幸い、間一髪で間に合ったからよかったものの、心臓はドキ、ドッキ、ドキ…とまさに停止寸前。停留所を目の前に珍死することだって十分、ありえた。ひとつ間違えば、いまごろはMが喪服に身を包んで通夜に出ていたかもしれない。残念ながら、私はまだ生きている。いや、見えない神さまの手で生かされているのだ。

☆「海水注入 実際は継続 福島第1所長が判断 報告遅れ処分へ」「騒動の発端『中断』一転 政府、東電 ずさんな情報管理露呈」、「原発安全向上で一致 首相が閣僚級会議提唱 サミット開幕」、「弔いの一時帰宅(福島県浪江町)、「海部元首相 名誉市民に 一宮市、議案提出へ」(27日付、中日朝刊)
 「東海5月の梅雨入り 3番目、昨年より17日早く」「紙つぶて 猿橋賞に思う(森郁恵名古屋大学教授=賞は女性科学者の地位向上に邁進された地球化学の故猿橋勝子博士に由来する賞。気象研究所を定年退官された猿橋先生の資金で「女性科学者に明るい未来を、の会」が設立され、毎年自然科学分野で顕著な業績を挙げた五十歳未満の女性科学者一名に授与される=)、「社長1人のローカル紙『宮古民友』再開 元気 伝える 『気がめいる記事 載せても仕方ない』」(27日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十六日
 帰宅途中にナゴヤドームで行われている対日本ハム戦の経過を、ケータイのドラゴンズ情報で二度、三度と確かめた。帰宅直前の段階では3―0。きょうは日本ハムに勝ってくれそうだ、と思いながらも、最終的にはNHKのスポーツニュースで中日が日本ハムに4―0で勝った、と知った。
 先発チェンが日ハム打線に三塁を踏ませず、八イニングを3安打無失点に抑えて2勝目。九回は岩瀬が締め、ドラゴンズファンにとっては、納得のゆく試合展開となった。

 なかでも、三回表、2死二塁で日ハム・糸井が打った右中間へのライナーを右翼・野本がダイビングキャッチする超ファインプレーに続き、その裏、和田のケッペルからのツーランと投打のかみあった試合展開となった。試合後のヒーローインタビューでは、チェン投手が「ボクだけじゃない。野手の人たちのおかげです」と、和田選手も「ボクと森野が打ってチームの勢いを盛り上げていかなければ」と再決意の弁。それにしても三回表、野本のスーパー好捕は鮮やかだった。
 「きょうの試合は野本のダイビング(キャッチ)に尽きる」と話した落合監督の気持ちが、なんとなく、よく分かる。それは、超ファインプレーが、試合の流れを変えたーということに違いないのだ。これぞ、まさに最高のファンサービスだといえよう。

 またまた文芸誌「北斗」六月号にこだわる。
 たまたま、通勤の合間に読んだのが文芸評論家・清水信の評論「ひたすら書いた人たち(24)」。なかでも、私の心をつかんだのは、森繁久弥さんや高峰秀子さん、池辺良さんらと共に紙面に登場した三鬼陽之助さんのことである。
 三鬼さんは私が最も尊敬する人物だが、こんな三鬼さんを清水は「80歳を超えて念願の著作百冊に達した」とか「経済評論家としての立場は、こわもての面貌のわりには、ズバッとものを言うわけではないのに、政財界のパーティーといえば、必ず顔を出していたという。」とか「財界人の生年月日を沢山記憶していた」と記している。要は、大変な努力家だったのだな、ということをあらためて思ったのである。
 いまは、もはやこの世の人ではないけれど、私はこんな三鬼陽之助さんが大好きだ。もし生きておいでなら、東日本大震災と大津波、原発事故に苦しむいまの人々にこれ以上はない箴言を与えてくださった、に違いない。
 ここで私は思う。日本は3・11以降、確実に時代が反転して逆戻りしつつある、と。これからは、節電はむろんのこと、モノに対する価値観も変わっていくだろう。そうしたなかで、人間たちはこれからどう、本来の姿に向かって回帰してゆくのか。考えようによっては、人間本来のモノを見直す時がきている。いよいよ、人間の価値観と能力が問われようとしているのだ。

 【きょうの1番ニュース】きょうといえるかどうか。先ほど、あらためて昨日の日記を開いてみて、本欄すなわちきのうの「きょうの1番ニュース」が記されていなかった、ことに気がついた。きのうは、私の印象に残ることが何もなかったのか、と思い唖然とした。ないならない、で仕方のないことではあるが……。
 きょうは一つある。私は、このところ唇の左上部分が裂け、笑うと痛い。きょう、たまたま、ある後輩の大記者に「イガミさん、唇が赤いよ」と指摘された。「●●にかみつかれでもしたのですか」と冗談を言いつつ、この男は「蜂蜜をぬったらいいですよ」と教えてくれた。
 帰宅しMに言うと「ハチミツなら、あるわよ」とのことで、さっそく「ハチミツの恩恵をこうむることに相成った」。なんだか原因不明だが、私の上唇の一ケ所が、この季節になると決まって裂けるのである。毎年、しばらくすると自然治癒するのだが、ことしはなぜか未だに裂けたままなのだ。原因は分からないが、ハチミツとはありがたい。治る気がする。

☆「太陽光発電 19道県で推進 愛知、三重など協議会 ソフトバンク協力」、「自然エネ 20パーセントに拡大 ОECD演説首相『20年代早々に』」、「日仏首脳会談 原発安全向上へ連携」、「大阪維新の会 君が代起立条例案提出 教職員に義務付け 府議会可決の公算」(26日付、中日朝刊)
「G8首脳会議 仏で今夜開幕」、「岩手・大槌町 仮設住宅 目前に土砂 迫る梅雨警戒 地盤崩落 各地で続発」、「堤防37カ所未復旧 東北3県 河川氾濫の恐れ」、「双葉町一時帰宅 2ヵ月半ためた思い 母の思い出捜したい 55歳男性 救い出せず後悔『早く帰らせて』」(26日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十五日
 今夜のナゴヤドーム。ドラゴンズは負けた。日本ハムに。それもダルビッシュに、である。ドラ・ネルソンと日ハム・ダルビッシュの両投手の投げあいとなったが、やはりダルビッシュに一日の長があり、2―0。ダルビッシュが完投した。
 ダルビッシュのナゴヤドームでの登板は2007年の日本シリーズ第5戦以来、4年ぶりだ。今夜は、4安打11奪三振での完封勝利。6連勝で両リーグ単独トップの6勝目を挙げたばかりか、バットでもプロ初のマルチ安打(3打数2安打1四死球)を記録したのである。

 現在、プロ野球は交流戦さなかだが、巨人が3連敗なら、ソフトバンクは5連勝、ヤクルトが引き分けをはさんで5連敗と、どうやらパ・リーグの方が本来の力を発揮しつつあるようだ。ちなみにダルビッシュは、前述の通り、きょうの勝利で6連勝。たいした投手である。実際、彼の投球を見ていると、ほれぼれするのである。

 そういえば、昨年限りで楽天を戦力外となり、無所属で現役続行を希望していた中村紀洋内野手(三十七歳)が昨日、横浜と契約した。中日夕刊によれば、中村選手は東日本大震災の発生直後に昨年までの拠点だった仙台など被災地に6500枚の毛布を贈り、これに感心した横浜・加地球団社長が「自分の去就が決まってない時に、なかなかできないこと。人柄の素晴らしさに感動した」と自ら獲得の打診をするほどのほれ込みようだという。ちょっとイイ話である。

 北斗六月号(特集・東日本大震災)が送られてきた。第578号だが、おそらくこうした特集号は珍しいのではないか。みちのく哀傷(清水信)滂沱、滂沱(棚橋鏡代)堺流水庵魔記(海谷寛)……と、読むにつけ被災地の悲惨さが胸を引き裂く。ここで、清水信さんの「みちのく哀傷」の出だしの一部分を紹介させていただこう。
―ごめん
 3・11以降
 涙が止まらず
 涙目のまま
 つらい時間を生きている

 9日目にやっと
 岩手と連絡がとれたが
 それが君の死の報告だった

 倉内光夫君
 人間米寿を過ぎたら
 老衰死しかないんだぜ
 ガンも糖尿病も脳出血も
 老衰には敵わないと
 冗談めかして僕は言った

 それなのに
 米寿の君は
 地獄図の中で
 泥水飲んで死んだのだ
 かくして僕は
 北京の最後の友を喪った

 ……

 このところ、日本は3・11を境に昔、それも昭和二十~三十年代に戻りつつある、と言うのが私、権太の実感でもある。

☆「布川事件 再審無罪 捜査官の誘導指摘 『自白に不自然な点』」、「弔慰金、がれき撤去 被災自治体 財政『SОS』 国、県の交付金遅く『肩代わり』限界」(25日付、中日夕刊)
  「未明火事 4人死亡 3人が意識不明 瑞穂区の民家2階から出火 3世帯同居」、「戦後最多13人 重両昇進 国技館で喜び 新番付編成、58人が引退」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十四日
 プロ野球中日戦はお休みだ。
 その代わりか、中日スポーツをあらためて目を皿にして読んでみる。Mが感覚的に、いつも言っている「ブランコさまさま、よ」は、見出しの「打点挙げれば勝率・769 ブラV打&7号」からも、読んで字の如し、また序盤はなかなか勝てなかったドラゴンズがここにきて勢いがついてきた要因として「12球団最強の『四球力』」(龍の背に乗って 渋谷真)があった、こともよく分かった。

 今夜は仕事を早めに切り上げ、名古屋JRビル十三階の加賀屋へ。
 加賀屋と聞けば、かつて七尾支局長時代に港の町づくり、すなわちマリンシティー運動で一緒に市民運動に熱をあげた小田禎彦会長(当時社長で七尾マリンシティー推進協議会長)や運動の推進役となった舟田実経営企画室長らの顔が思い浮かぶ。この日は、わたしの親友ふたり(いずれも見目麗しい女性)との飲み会だったが、舟田さんがわざわざ白山のお酒まで用意してくれ、身にしみた。
 いま七尾港にフィーシャーマンズワーフ(漁師の波止場)があるのも、小田サダさんや舟田さんらの存在があればこそ、そして北陸中日新聞でくどいほどまでに連載などで市民運動をバックアップしたから、である。

 【きょうの1番ニュース】Mに言われてJR名古屋駅で吉野桜で知られる秘境・天川=奈良県吉野郡天川村字中越=の名産「柿の葉ずし」をかろうじて購入できたこと(駅の売店に駆け込み、私は運よく完売直前の最後の二箱を購入した)と、二人と楽しい酒を飲めたことである。
 それどころか、Aさんからはカシミアのショールを、Bさんからも私が現在、執筆を進めている小説づくりに大いに参考となるロバート・A・モンロー作の「魂の体外旅行」を、さらに加賀屋さんからは七尾出身のパティシエ・辻口博啓さんによる石川県産の素材を使用したドーナツセットを三人にそれぞれ一箱ずつ頂いたことである。
 三人とも道は違うが、天を取る気概を誓い合った。

☆「主要駅構内 少し暗く JR東海来月試行 名駅の電飾中止」、「節電の知恵 再発見の夏」、「国家公務員 月給10~5パーセント減合意 政府と連合系法案 来週にも提出(24日付、中日朝刊)「被災地の子ども 宇宙へ送る笑顔」(24日付、毎日朝刊)
 「メルトダウン 3号機 地震60時間後 データ解析東電が公表 2号機は101時間後」、「布川事件 再審で無罪 44年ぶりに名誉回復 水戸地裁判決」(24日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十三日
 たった今、帰宅した。午後八時を過ぎたところだ。六回表裏を終え、今のところ、ドラゴンズは2―0で勝っている。Mの言う「ブランコさまさま」で1回の適時打で1点をあげたあと、四回には本塁打を放ち、2対0としている。……
 と、思いきや、たったいま、七回表に楽天に1点を入れられたようだ。しかし1点差に迫られたところで、ドラゴンズはこのところはもはや、第2の守護神といってもいい浅尾投手を投入し2死一、三塁のピンチを切り抜け、直後の攻撃で荒木の2点打などで4点を加え、6―1で快勝した。ドラ川井投手は2勝目をあげた。
 楽天には、山崎や鉄平ら元ドラゴンズの選手がおり、星野監督も元中日監督だけに、なんだか、2連勝して悪い気がするのはボクだけだろうか。被災地球団で多くの涙をかかえた球団だけに、楽天の奮起を望む。

 本紙中日夕刊の見開き広告特集『大切な人に大切な思いを』によれば、きょう5・23日は「恋文の日」だそうだ。「523」が「こい(5)ぶ(2)み(3)」と読めることから、さらに「鉄道員」で直木賞を受賞した作家、浅田次郎さん原作の映画「ラブ・レター」(1998年)の公開初日であったため、映画会社が制定したという。
 ちなみに旧郵政省は7月23日を「ふみの日」に制定しており、こちらは手紙を通じての文字文化の継承を主旨としているそうだ。

 きょうは雨のなかの出勤となった。
 それよりも、Mが毎週月曜日に通っている歯医者は江南駅より、さらに西側だけに、心配だ。それなのに、Mは傘をさして自転車に乗り、歯医者に行ってきたという。それにきょうは診療を前に江南市役所を訪ね、市から最近届いた介護保険料の督促についての問い合わせまでしてきたという。
 要は、私が満六十五歳になったので、これまで社の給与表から差し引かれていた介護料が差し引かれなくなったため「こんどは、月々の年金から引き落とすように」との、お上からの一方的なお達しらしい。六十五になるのもいいが、なんだかんだと手続きばかりで、こうしたことは元々苦手なだけに、本当に疲れてしまう。それに市の窓口は、もっとスピーディーにメリハリをつけ説明に当たれないものか。案の定、担当部局を行ったり来たりで、たらいまわしにされたという。
 それでも、Mがあれやこれやと、いろいろ聞いてきてくれるので本当に助かる。おそらく私と同じ年齢の男がいる家庭では、同じようなことが繰り返されているに違いない。

 【きょうの1番ニュース】はがきとなると、筆不精の私が太田治子さんあてに礼状を書いたことか。「新茶と、ご本『時こそ今は』(筑摩書房)をありがとうございます…」といった内容で、むろん相手とか状況にもよるが、やはり嬉しさ、感謝の気持ちを表すには手書きに限る。

☆「日中韓、風評対策で連携 首脳会談 原発安全強化も一致」、「「がれきの町 戻った歓声 陸前高田で運動会(河北新報)」、「白鵬が7連覇 最多タイ」(23日付、中日朝刊)
 「残った希望 高村光太郎碑 国内最大級流失免れる 宮城・女川町」、「首相、中断指示を否定 福島1号機海水注入 再臨界危険性は検討」(23日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十二日
 ナゴヤドームであったドラゴンズー楽天戦、きょうは9―1とドラゴンズの一方的な勝利となった。被災地球団との試合だけに、この日、ドラゴンズ球団は被災地からこの地方に避難してきている子どもら約百人を招いた。また公式ファンクラブ会員の中から志願した会員有志が東日本大震災への義援金呼びかけにひと役買うなど、球場内のあちこちで善意の花が開いた。

 きょうは朝食の用意をMに教えてもらいながら、少しだけ手伝った。
 手伝った、とは言っても、真似ごとだけで彼女に言わせれば、お手伝いにもならないそうだ。せいぜい、大根を擂った程度で結局のところ、ごはん炊きに始まり、みそ汁や卵焼きをつくることなどほとんど全てをMがやってくれた。私は、現役の新聞記者時代、料理の手伝いをするなどゆめゆめ思いもしなかったが、Mが病で倒れて以降は、時折、思い出したように台所に立ち、馬鹿のひとつ覚えで目玉焼きをつくり、味噌汁をつくるなどするようになった。でも、Mが病を克服し、日常生活に戻るや、知らぬ間に料理はMがつくるもの、と甘えているのが現実だ。
 とはいうものの、そろそろ今の奉公を辞めるーと決断するとなると、これまでの罪滅ぼしを兼ねて、せめて朝食だけでも作ってMをお店(リサイクルショップ「ミヌエット」)に送り出してやらなければ、といった殊勝な心が働き、今からその準備をしておかなければ、と最近気が向くと、朝の台所に立つようにしている。きょうも叱られながら助手を務めたが、Mは「だめねえ」と言いながらも結構うれしそうなので役立たずにせよ、よかったと思っている。
 おかげで、二人とも八時から神社の掃除があることをすっかり忘れてしまい、気がついた時には後の祭りであった。

 午後、まもなく満九十一歳になる私の母の家へ。母は休んでいたが「ちょうど良いところへ来た。これから畑に行くから」というので私の車に乗せ、近くの畑に出かけた。茄子、うり、スイカ、ねぎ、玉葱…と見事な野菜づくりには、ほとほと目を丸くしたのである。「肥料をやらなきゃ」と施肥のあとは、藁で周りを温かくするなど、それは見事な農婦ぶりで、Mまで一緒に、しばらくの間、野良仕事に従事した。
 土と格闘するふたりを見ながら、私は心が満たされる何かを感じていた。ただMも母も、かなり疲れたようで、本心を言えば、あまり無理はしてほしくない。夜、たまたまテレビでNHKスペシャル「クジラと生きる」を見た。クジラを捕らえ殺して食べる日本伝統の食文化が、揺らいでいる。太地の人々の苦悩を思うと、なぜ捕鯨漁にこだわるのか、が分からない。

 【きょうの一番ニュース】母とMがそろって野菜づくりに励んだことか。ふたりとも、あまり無理をしないでほしい。でも、母にとっての一番の生きがいは、畑に出て農作業に励むことのような気がする。

☆「日中韓首脳が福島訪問 中国農産品規制 緩和へ」、「東日本大震災 保険金支払い2兆6千億円 自然災害で最大の見通し」、「厚生年金100万人拡大 厚労省 非正規の要件緩和検討」、「長門裕之さん死去 77歳 晩年は故南田さん介護」(22日付、中日朝刊)

平成二十三年五月二十一日
 西武球場での交流戦、13―4で完敗だった。
 それでも期待の中日・堂上剛裕選手が2回に適時2塁打を放ち先取点を取ってくれ、うれしかった。敵ながら、私の好きな岸投手の初勝利もよかった。そして、これまた、軽くバットを振り出す打撃フォームがなんともいわれない美しさの西武・中村選手の六、八回の連続ホームランにも拍手を送りたい。きょうは今季初めての登板となった山井投手が打たれ、後続の小熊投手らも打たれた。きのうの大逆転が信じられないゲーム展開でそれこそポカスカと打たれ、これを見事な負けっぷりというのか。その辺は、ひとつ見方をかえれば、ぶざまな負け方でもあり、分からない。
 人間だれしも良いことがあれば、悪いこともある。私たちは、そのバランスのもとで生きているのだ。見えない神の手がその辺りをコントロールしているのではないか。

 ナゴヤ球場では対オリックスとの2軍戦を前に、試合前の屋内練習場見学会と、ファームMVP(中日スポーツ月間賞)の松井佑介外野手に対するファンクラブ会員プレゼンターによる表彰式、さらには会員バッテリーの始球式があり、うれしそうに球場を訪れ、2軍選手の練習に目を凝らしたり、大任に目を輝かす姿が目立った。松井選手は、右手首骨折でギブスをしていた関係上、表彰式はグラウンドではなく屋内練習場で行われた。球場二階コンコースの右翼、左翼の両側には昨日から矢場トンと公式ファンクラブ提供の若手選手の写真パネル各十枚の展示も始まった。
 この日は、練習見学会のあと、選手のサイン入りボールや数々のグッズが当たる抽選会も行われ、ファンサービスは質、量ともに公式ファンクラブ誕生当時に比べたら、格段と、よくなってきた。これも公式ファンクラブスタッフのたゆまぬ努力はじめ球団やドーム、中日スポーツ総局など関係者の理解があればこそだ、といっていい。

 ナゴヤ球場での練習場見学会への立ち会い、プレゼンターと始球式取材に続き、今度は地下鉄で池下へ。中部ペンクラブの秋の文学散歩のコースについての調整打ち合わせのため、八千草薫さんそっくりの、怖くて優しい某大人(たいじん)女性からお呼びがかかっていたためで、帰りには名古屋駅で、今回「裸身」で中部ペンクラブ文学賞に輝いた気鋭作家・宇佐美宏子さんと、彼女のお祝いも兼ねたほろり酒を飲んで帰宅した。宇佐美さんは「中部ペンの皆さんは、お酒を飲まない方々ばかりでちょっぴり不満。やっぱり、人間、ごんたさんみたいにお酒を飲みながら豪快に文学論を戦わせなきゃ。」の弁。飲むうちお孫さんが大のドラゴンズファン、それも2軍選手の“大変な通”だと知り、嬉しくなってきた。

 【きょうの1番ニュース】帰宅したら、作家太田治子さんから八十八夜の新茶とともに一冊の本「時こそ今は」(筑摩書房)が、私とM(舞子)あてに小包便で届いていた。ありがとう、太田さん! 太田治子さんは現在、中日新聞(東京新聞)夕刊で「夢さめみれば… 洋画家浅井忠と明治」を連載中である。何よりも、しっかりとした取材に裏打ちされた、情緒に流されない筆が、これまで明らかにされなかった『浅井忠の世界』を日々、掘り起こしている。一人でも多くの人々に読んでほしく思う。

☆「義援金2次分32億円 (中日新聞)本社と社会事業団 善意、被災4県へ」、「東電社長に西沢氏 3月期決算 赤字1兆2473億円」、「『海ない』岐阜でも油断禁物 地震でため池決壊も 八十六ヵ所 下流に民家など」(21日付、中日夕刊)
 「中韓首脳 被災地入り」、「米大統領提案をイスラエル拒絶 会談でネタニヤフ首相」、「運動会で『早稲谷鹿(わせやしし)踊り』 僕らが守る 気仙沼の伝統」(21日付、中日夕刊)

平成二十三年五月二十日
 「きょうは、負けよ」。
 帰宅してテレビの前にどっかと座るや途中経過を知るMが、慰めの如く私に向かってそう言った。西武球場での西武戦は、八回裏を終わって5―0。アキラメなさいよ、の言外のことばに内心、反発しながらも「でも、もしかしたら最終回の九回に大逆転するかも」と思い、食事を取りながらのテレビ観戦となった。
 それが、どうだ。ドラゴンズ戦士たちは9回表に一挙6点をあげそれまでの5―0を一気にはねかえし6―5に。その裏も浅尾投手が逃げ切って勝った。野球は、これだから楽しく、面白い。勝ち越しの適時打をうち、ドラゴンズ選手として、初めてヒーローインタビューのお立ち台に立った佐伯貴弘選手の言葉がまた、さわやかで味があってステキだった。
 「中日ファンの皆さま、本当にありがとう。…夢のようです。そして、ドラゴンズと落合監督、チームメート、ファンの皆さまに、なんとか恩返しができました。本当に毎日、熱い応援をくださるファンの皆さん! ありがとう。ボクも四十一のオッサンですが、全身全霊でやらせていただきます。もう夢、夢ですね、これは。あした、デーゲームですので、あすにそなえて早く帰ってください」
 そこには、夢のなかのヒーローがいた。これぞ、本物の夢なのだろう。これほどのファンサービスがほかに、あるだろうか、と思うほどステキなお立ち台だった。

 夢といえば、私はけさの未明、しばらくの間魘される、久しぶりに恐ろしい夢を見た。
 場所は、どこか知らない。ただ、偏狭の山間のそこ、から取材に、と車に乗って出かけようとしたところ、外界の様子が瞬く間に怪しくなり、豪雨のなか強風が吹き始めたかと思うと、雷鳴がとどろき夥しい稲妻がこの世をありったけの白で光らせはじめた。かぜが、あめが、天が、地が、ありとあらゆるものが何かが一斉に切れるが如く、泣き始めた。
 それでも、私はハンドルを両腕でしっかりと握りしめ、車が吹き飛ばされないように、からだに重心を置いてなんとか持ちこたえさせようとしたが、とても車に重しをかける、というところまではいかず、次に訪れた巨大な黒い波にアッという間にのまれ、車ごと木っ端微塵にされながら、黒い泥流とともに、いずこともなく流され始めた。

 私はアッ、と大声で叫ぶが、周りには誰一人居らず、助かるはずもない。 「もう、だめだ」と思ったところで目が覚めた。ただ、それだけの夢ではあるが、東日本で大津波にのまれていった人たちは、おそらくこんな、いやこれを何倍も上回るなか、漂う意識を無残にも引きちがれながら、波の奥深く一つひとつの魂がふかく沈んで逝ったに違いない。そう思うと、夢を見て逃げ惑う自身の幸せをあらためて噛み締めた。あ~あ、俺たちは生きているのだ。と同時に、生きていることのすばらしさ、を感じもした。

 【きょうの1番ニュース】最終回の表、ドラゴンズ・佐伯選手の逆転打とヒーローインタビューで語った言葉に尽きる。野球には、いろいろドラマがあることを実感した。ことし一番印象に残るヒーローインタビューであった。

☆「土日操業街が変わる 自工会(日本自動車工業会)が木金休み決定 子ども保育どこで 通勤ダイヤ課題/飲食店休業日の変更も」、「もう一つの死知って 震災二カ月後 父逝く 家族不明、自責続け 南三陸」(20日付、中日朝刊)「若竜の写真パネル きょうからナゴヤ球場で公開」(20日付、中日スポーツ)
 「いじめ4年後自殺 学校側に1500万円賠償命令 名地裁判決 責任一部認める」、「米大統領 イスラエルは撤退を パレスチナ『67年境界が基本』」、「岡島に戦力外通告 Rソックスが移籍交渉開始」(20日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十九日
 きょうは、プロ野球の試合がないので、ホッとしている。
 それでも「若竜で連夜の逆転 千金同点2ラン 平田でかした!!」(中日スポーツ1面トップ)などと見出しの張る記事を読むと、うれしくなってくる。中日本紙スポーツ面も「敵地で2連勝を飾り、今季初めて貯金をつくった。日替わりのヒーローは、チームに勢いが生まれている証し。『チャンスをものにしていってスタメンを取りたい』。平田の顔に汗が光る。時に悩ましいQVCマリン特有の海風も、この日は心地よく吹いていた。」(球心)とあり、まさにその通りだと思う。

 「疲れた」とか、「忙しい」という言葉は、大嫌いだ。なのに、きょうこそ下腹部のレントゲン撮影をはじめとする一日を終え「疲れた」の言葉が一人、自然に自分に向かってでてきた(そうとはいえ、東日本で被災した方々に比べたら、これしきで“つかれた”なぞとは、バチが当たる)。
 能登、大垣、大津、一宮と地方の支局長時代やその後の編集局デスク長時代、私が一番きらったのは、この「疲れた」とか、「忙しい」という言葉を回りに向かって簡単に吐く、甘っちょろい記者たちだった。そういう記者に限ってサラリーマンタイプで、本来が夜、昼、朝と一日中が仕事だと覚悟してこの道に入ってきたはずのブンヤにはあるまじきことばで、「疲れた」を多くいう支局員に対しては、査定も厳しくしたものだ。
 つかれた、などという余裕があったら取材せよ、と言いたかった。ほんとにどなってやりたかった。疲れた、と自分で思ったら黙って耐え、そのぶん特ダネやタマ(犯人)を追いかけることに徹せよ、と言いたい。

 【きょうの1番ニュース】下腹部の腸の、レントゲン検査を生まれて初めて、された。神聖なからだをアチコチといじくりまわされ、それこそ本当に「つかれた」。(この「つかれた」は本来、自分に向かって言う言葉で、人さまに向かって同情を得ようと言う言葉ではないのだ)。
 「それでもきょう一日はそんな甘い言葉は、青い空に向かってほうり投げ、仕事もそれなりに(とても十分なんて言えないが)こなし、仕事帰りには横笛の練習に師匠宅に寄って、やっと帰宅した。帰宅途中の駅でトイレに駆け込むなぞ、私の美学に反することにまでなり、すべて私の至らなさ故である。あ~あ、ままよ。

☆「宇宙空間軌道なく漂流 『浮遊惑星』見つけた 名大など 銀河系で10個確認」、「舞鶴少女殺害 否認の被告 無期懲役 京都地裁 状況証拠認め判決」(19日付、中日朝刊)
 「創刊 朝日新聞デジタル(『朝日新聞は18日、パソコンやスマートフォン(アンドロイドOS搭載機種)、iPadなど幅広い電子端末でお読みいただける朝日新聞の電子版「朝日新聞デジタル」を創刊し配信を始めました。』)
 「故郷に愛 卓球福原選手 仙台慰問、児童と交流」、「福島第1原発 3号機建屋 最大170ミリシーベルト 2号機50ミリシーベルト 作業員立ち入り」(19日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十八日
 ドラゴンズは、きっと、きょうもマリンフィールドでロッテに勝つ。そう思っていたら、やはり勝った。感覚的に負ける気がしなくなって、落合竜本来の強さが少しずつ戻ってきているからだ。
 ケータイ中スポのドラゴンズ情報の『評』によれば、「2連勝で今季初の貯金1。2回に平田の1号2ランで追い付き、4回にブランコの5号ソロで勝ち越した。7回途中2失点のネルソンの後を4投手でつなぎ、浅尾が今季初セーブ」というわけだ。それにしても、きのうの野本の決勝打といい、きょうの平田の2ランといい、ドラゴンズはこのところ若竜の活躍が目立つ。それと、先発・ネルソンがいい。今季早くも3勝目をあげた。
 むろん、ベテラン勢もがんばっており、昨日は守護神・岩瀬が最終回、2点を取られながらもキッチリと抑え、700試合登板達成記録もつくった。
 交流戦二日目のこの日、巨人は楽天に勝ち、西武も横浜に勝って、それぞれ3連勝。ソフトバンクは広島を9―0で下した。日本ハムはヤクルトを3―1で破り、ダルビッシュは早くも5勝目だ。

 NHKのクローズアップ現代で「エジプトはどこへ向かうのか」の特集をしていた。
 イスラム系政治団体の母体・ムスリム同朋団が、これまでイスラエルと友好関係を結んできたエジプト国内でどんな地位を占めることになるのか。ムバラク大統領を独裁政権の座から、ひきづりおろした民主化の波は一体、どういう形で治まるのか。そこには、イスラム教とキリスト教との宗教対立の火種が隠されて居はしまいか。いずれも気になるところでもある。
 こうしたなか、エジプトのある地元新聞社幹部は最悪のシナリオとして「このまま混迷が深まれば、結果的に軍の支配が進み軍による独裁化も十分考えられる」としながらも、この春、タハヒール広場に集ったイスラム、キリスト両宗教の人々の和気あいあいぶりを見る限り、民衆を信じたい、とも話していた。

 【きょうの1番ニュース】春の健康診断で再検査が必要な部位があり、あす受診する。これまで再検なぞというものに縁がなかっただけに、きょうは朝、昼、晩とおかゆのような、おかしなものばかりを食べさせられ、あげくに夜に入ってからは下剤を2度ものませられ、最悪だ。再検などしてもらわなくとも、自分のからだの調子は分かっているつもりなのだが。
 あ~あ。どんなに喚こうが。歳には勝てないとは、このことを言うのだろう。今夜はなんだか、嫌なものばかりを口に入れられ、風呂に入る気力さえなくなってしまった。それにしても、どうしても再検は必要なのだろうか。Mには、心配ばかりをさせ、誠に申し訳なく思っている。

☆「福島原発工程表見直し 『水棺』断念、循環方式に 東電、収束目標変えず」、「政府工程表 賠償支払い 今秋めど 8月までに仮設建設『最後まで国が責任』」(18日付、中日朝刊)
 「三陸を復興国立公園に 環境省構想 再編で地域振興 被害記録・継承の場も」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十七日
 交流戦の初日、ドラゴンズは、これまで苦手なQVCマリン球場でロッテと戦い、6―5で勝った。ドラゴンズは川井投手が先発したが、打ち込まれ五回裏時点で3―2と先行されたが、八回表に打線がつながり一挙4点を入れ逆転、九回には2点こそ入れられたものの、守護神・岩瀬投手がなんとか逃げきった。
 この日、札幌ドームではリーグ1位同士の日本ハムーヤクルト戦があり、ヤクルト・館山投手がよく投げ2―1で日本ハムに勝った。またリーグ2位同士の西武―横浜戦は県営大宮球場であり、こちらは涌井投手要する西武が横浜を4―1で仕止めた。
 野球といえば、けさの中日新聞・通風筒によれば、宮城県南三陸町の少年野球チーム「伊里前ブルーオーシャンズ」の子どもたちに、滋賀県長浜市少年野球連盟からグラブやスパイクなどの野球用具六十点が届けられたという。

 けさ新聞を開いていいなっ、と思ったのは、「変わった街 変わらぬ空 南三陸」の記事だ。三陸に初夏の訪れを告げる、志津川湾にかかった帯状の雲が本紙カメラマンの目で見事に活写されていた。「変わりなく訪れた季節の使者を歓迎しつつ、流された漁具の回収にこの日から取り掛かった。」と書かれた記事も自然体で、とてもよい。
 きょうの読売新聞国際面の「報復恐れる『潜伏の地』 ビンラーディン殺害2週間」「厳戒続く『文京都市』 アボダバード邸宅の爆破検討」を読み、心が痛くなった。記事には「アル・カーイダ 後継者は未定 集団指導へ移行も」とも書かれ、後継の有力候補はナンバー2のエジプト人、アイマン・ザワヒリ容疑者(五十九歳)だとしている。
 また、ザワヒリ容疑者は、学者一族の出身、カイロ大医学部で学んだ外科医で10代でイスラム過激思想に傾倒、1981年のサダト・エジプト大統領暗殺を機に行われた過激派一斉摘発で3年間投獄され、ビンラーディンとは、80年代後半、アフガニスタンで出会い、信頼を得たとされる、とも。さらに彼を知る弁護士によれば、「欧米の新聞も読み知識が豊富。理論家だ」という。

 俳優の児玉清さんが、きのうの昼過ぎ、胃がんのため東京都内の病院で亡くなった。七十七歳の旅立ちだった。温かみのあるステキな俳優だった。時あたかも、今宵はまん丸月夜の満月である。
 東日本大震災で命をとられた多くの人々はじめ、世を去ったありとあらゆるもの、そして哀しみに包まれた遺族に、微笑みを投げかけているかに見える。みな、すばらしい人たちばかりだった、とー
 今宵、頭上の空たかく、月が泣く。そして夥しい月のひかりたちが人々の心の底にまで落ちてくる。

 【きょうの1番ニュース】最近、本欄・笛猫人間日記を書くのは、大抵午前3~5時の間だ。それも、こすも・ここが決まって起こしてくれるからで、彼女には私がこの時間を逃したら、書けないことをお見通しのようだ。きょうも、こすも・ここのおかげで私はいま、こうしてデスクに向かっているのである。

☆「福島第1原発 2、3号もメルトダウン(全炉心溶融) 原子力安全委員長『3月下旬認識』」、「自治体指定 津波避難ビル 命は救われた でも孤立した 発電装置や食料『支える仕組み必要』」、「変わった街 変わらぬ空 南三陸」(17日付、中日朝刊)「ワンジル選手転落死 マラソン五輪金 女性関係もつれ」(17日付、毎日朝刊)
 「グラブの感触 心が軽く 陸前高田の古希野球選手 再開を信じ毎日汗 大船渡の高校球児 プロになる日 夢見て」、「縄文人は知っていた 貝塚密集地 津波直撃免れる 宮城・東松島 『生活の場として安定』」(17日付、中日夕刊)

平成二十三年五月十六日
 月曜日。試合がない。でも、新聞がきのうのことをあれこれ書いてくれている。中日新聞のスポーツ面の記事はこうだった。
―プロ野球は15日、交流戦を前にセ、パ両リーグ最後となる計6試合を行った。セは首位のヤクルトが横浜に5―3で勝ち、2位広島に2・5ゲーム差。パは日本ハムがオリックスに9―1で大勝し、西武に1―3で敗れたソフトバンクと入れ替わって首位に立った。
 運動面売り物の「球心」の書き出しは、「表情を固めたままバスに乗り込んだ。『僕のせいで負けた』とつぶやいて。…」で始まっている。
 記事によると、その吉見投手(この日の吉見は、中日投手陣では今季最多の121球を投げた)に対して落合監督が、こう言ったという。
 「いいじゃん、120放れるのが分かったんだから」と。
 そして記事の最後は次のように結ばれていた。
―やはり吉見がエース。17日から交流戦が始まり、シーズンの先はまだ長い。借りを返す舞台はいくらでもある。

 書いた記者も監督もどうしてどうして、なかなか、あったかい。負けたとはいえ、いい感じである。

 被災地の東北・仙台では、明日からの交流戦を前に地元・楽天と対する巨人選手らが被災したこどもたちと、いっときキャッチボールなどで交流した。マー君(楽天、投手)や坂本選手(巨人)らと交流した少年のなかの一人がテレビの映像のなかで「選手たちのおかげで辛かったことを忘れられました」と実感をこめて話したひと言が私の心をグサリとさした。たとえ、勝負のなかを生きる選手にせよ、こうした心が大切であることをつくづく思う。
 支援の気持ちは公式ファンクラブ会員の間でも日に日に高まっている。ナゴヤドームでの球団の義援金受け付けのボランティアに自発的に手をあげる人々があいついでいるほか、手づくりの東北応援ボードまで現れ出た。
 この応援ボード、東京・調布の落合信者で、自他ともに認める“武蔵野ガブリ”で知られる原田禎知、幸子さん夫妻から私あてにメールで送り込まれてきた。
 「東に暮らす者として、今年は、がんばろう東日本ーを掲げようと思います。過日神宮球場に行きました……。落合竜の集大成を、と願っています」の添え書き付きで、ボードはドラゴンズブルーの地に白抜きで「がんばろう」と。幸せ色の黄抜きで「東日本」「DRAGОNS」とだけ書かれたシンプルなものである。

 【きょうの1番ニュース】川崎に住む長男夫妻から母の日にMにあてて送られてきた赤いミニバラが、わが家の玄関先で真っ赤に咲き誇っている。Mは何も言わない。でも、このバラたちが毎日、Mを見守ってくれている。

☆「清流マラソン ランナー心一つに 高橋(尚子)さんら復興願い快走」、「がれきの町 妻を捜す 連れ添い50年『おっかは日本一』陸前高田 震災二カ月あるき続ける家族 65日後、車発見残された靴 岩手・山田町」(16日付、中日朝刊)
 「視察相次ぐ岩手・住田町 隣町危機 国の指示待てない 即断で仮設住宅 震災2週間後完成 災害対応の教訓に」、「避難所の記録 タイムカプセルに 50年後へ伝えたい 大船渡・越喜来地区 新聞、日誌後世へ」、「校舎169校使用不能 被災3県 福島24校再開できず」(16日付、中日夕刊)

08/4/26