あぁゝ笛猫人間日記2月25日

平成二十三年二月二十五日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 ニュージーランド南島クライストチャーチ市で発生した大地震の被災者救済の方は、日本からの援助隊などが生き埋めになった人たちを重機や工具を使って必死で進んでいるが、なかなか思うようには、はかどっていない。
 一方、反政府勢力に包囲されたとみられるリビアの首都トリポリ近郊で二十四日、政府側による反政府勢力への大規模な攻撃があったもようで100人程度の死者が出ている、と各マスコミが伝えている。

 クライストチャーチでは、私が中日新聞の大垣支局長時代、市政回りだった古田秀陽記者(現バンコク特派員)がバンコクから急きょ特派され、連日の取材に打ち込んでいる。緊迫の度を増す中東にも、ロンドンから、これまた大垣支局長時代に揖斐川を管轄下に、長良川・木曽川リンチ殺人事件取材などでよく、がんばったあの有賀信彦(英国特派員)が数日前からバーレーンのマナマに入り、連日、マナマからリビア情勢を中心に報じている。

 また、先日まで、エジプトのカイロで応援取材していた清水俊郎パリ特派員は私が一宮主管支局長当時の市政回りで、先日愛知県知事を退任した神田さんが一宮市長から県知事に打って出た際の一宮支局員である。本日付中日新聞夕刊3面によると、その清水記者がパリに戻り、「スイス政府は二十四日、リビアの最高指導者カダフィ大佐と側近らがスイス国内の銀行などに所有する資産を凍結する」とのニュースを伝えてきている。

 古田も、有賀も、清水も……、私は支局長当時、かなり厳しくしたものだが、こうして世界各地で頑張っているかと思うと、それこそ涙が出るほどうれしい。ただ「死んでしまってはいけない。まず、自分の安全を確保したうえで徹底取材に当たってほしい」と心から声援を送っている。かつてのヒヨッコ記者が、ここまで育つと新聞を読むのが楽しみでもある。

 【きょうの1番ニュース】Mの誕生日。おめでとう。「わたし、アラホオじゃなくてアラカンなの」だってサ。とても、そんな年には見えない。誰が見たって、十歳は若く見えるよ、とボク。
 健康に気をつけて、一度しかない人生なのだから。六十で死ぬなんてことは言わないで、百歳まで生きてください。アッシーはボクが務めますから。
 六十になったら、車の免許証を取るって約束、私は半分以上信じている。なぜって。おまえは、約束したことは、必ず守る、そういう可愛い女だからである。

☆「こんなに楽しいツアーがあったなんて」(25日付、中日スポーツ・中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会報、2011年2月・12号、中スポ版10号)
 「NZ地震 発生72時間 捜索急ぐ」「ビル下敷き70人以上か 死者は113人に」、「NZ地震 『情報入らない』焦り 家族、崩壊現場行けず」、「総人口1億2805万人 38道府県で減 0・2パーセント増、増加率最低」、「リビア石油施設制圧か 反政府勢力、輸出は継続」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十四日
 きょうは、発言というか、言葉遣いについて。たまたまお昼の休みに社外に出た際、店内に置かれていた読売新聞を読んで心にとまったので列記する。

 「電子書籍は『黒船の来襲』といわれるが、黒船ではなく鉄砲の伝来。新しい武器を手に厳しい競争を勝ち抜きたい」とは、二十四年間、社長を務める母佐和子さん(六十七歳)の後任が決まった講談社次期社長野間省伸(よしのぶ)さん(四十二歳)だ。省伸さんは、四月中旬をメドに社長に就任する。では、新しい武器とは一体何なのか。そこを知りたい。

 リビアの最高指導者カダフィ氏は二十二日夕(日本時間二十三日未明)、国営テレビを通じて行った演説で反体制運動に対して「最後の一滴の血が尽きるまで戦う。(中国で一九八九年に起きた)天安門事件のようにたたきつぶす」と語って徹底弾圧を宣言した。最後の一滴が、そんなに野蛮なものとは知らなかった。

 清少納言は『枕草子』のなかで、<近うて遠きもの>をいくつか挙げている。「兄弟や親類の仲」「幾重にも曲がったつづら折りの道」「大みそかと元日の朝」…どれも、うなづけよう。こう切って棄てたのは、編集手帳氏である。

 近うて遠きものーでピンときたのが、中日ドラゴンズ球団とナゴヤドーム、中日ドラゴンズ公式ファンクラブの関係である。本来は三位一体であるべきはずだが、まだまだ近いようで、互いに遠い存在だ、と身にしみて感じている。それでも一時に比べたら、互いの理解も深まってだいぶ近づいてきていることは事実だ。

 【きょう1番のニュース】文学界三月号で朝吹真理子と西村賢太、島田雅彦による芥川賞受賞記念鼎談「文学の多様性について」を読み終えた。鼎談を読み進めるうち、朝吹、西村両氏ともに、それなりのたゆまぬ努力が芥川賞作家として見事、開花したんだなっ、て思ったのである。拍手しておこう。

☆「倒壊ビルから複数遺体 日本隊が救助開始 NZ首相『死者92人に』 地震3日目」、「生きている 伝えたい NZ地震 『また外国へ』夢語る 脚切断19歳 気丈に」(24日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十三日
 ニュージーランド地震。リビア弾圧。新燃岳の噴火、交通事故死…
 この世は不幸ばかりである。

 【きょう1番のニュース】明け方、愛猫こすも・ここがあんまり私の枕元でうるさく、それもしつこく鳴きたてるため、「うるさいなあ。アッチィ、いっててよ」と半分寝ぼけながら、かつ本気で彼女のアゴを殴ってしまったことだ。
 感情の赴くまま、可愛いらしいこすも・ここを殴ってしまい、深く反省している。当然ながら、ここちゃんにはけさになり、あらためてお詫びを言っておいた。ここは、何事もない顔で平然としていた。おそらく、彼女には、彼女なりに私に訴えたいことがあったに違いない。
 ごめんね。こすも・ここちゃん。でも、何を訴えようとしていたのか、それがわからない。

☆「邦人23人連絡取れず NZ地震 富山の生徒1人救出 死者75人、不明300人に 19歳女性の無事確認」「『娘にさよならを…私も泣いた』 がれきの下で一夜…でも『あきらめない』」、「カダフィ氏、徹底弾圧強調 リビア公安相離反、デモ隊支持」(23日付、中日夕刊)

 野田聖子議員が婚姻届(23日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月二十二日
 長男正貫の誕生日である。恭子さんともども、心からおめでとう。二人の無事健康と、さらなる飛躍を祈っている。
 昭和四十九年のこの日、正貫は三重県志摩半島阿児町(現在は志摩市)の県立志摩病院で生まれた。南国・志摩には珍しい、小雪が舞う日であった。彼はその後、新聞記者だった父、すなわち私の生活に翻弄されながらも、よくぞここまで育ってくれた。今後ますます、社会にとって必要な人物になってほしい。

 ところで、きょうは二月二十二日で、ニャンニャンの日。こすも・こことシロちゃんの日なのである。ふたりとも、まだまだ若い。これからも、お父さんやM、和甫を守り続けてくださいね。ふたりが居るだけで、私たちの気持ちは潤うのである。ふたりとも、マイペースでかまいません。元気でいつまでも生きてください。

 それから、きょうはMが短歌研究の3月号特集・現代代表女流歌人作品集に見つけた三宅千代さん(秋楡)の短歌<夢にはあらず>をー
♪戸開くれば粉雪どっと舞いこみぬ黙して独り老いの棲む家
♪老い孤り棲む山の家われは今日夢にはあらず九十三歳

 ニュージーランドでマグニチュード6・3の地震が発生。研修旅行で現地を訪れていた富山外国語専門学校の学生二十三人の安否が心配されている。(うち十二人までは所在を確認。十一人の安否が分からないままだという)。ほかにも、こうした不明となったままの日本人留学生はいるものと推測されている。
 地震が発生した場所は、大聖堂でも知られる南部のクライストチャーチというところで、日本人約三千百人が住んでいる。日本にとっては、比較的馴染み深い都市だ。テレビニュースによれば、現地では既に六十五人の死亡が確認され、百人を超す人々が不明のままだという。

 【きょうの1番ニュース】あまり仕事がらみの話は避けたいところだが、中日ドラゴンズの西川社長、伊藤一正さん(管理担当)、小宮さん(営業担当)の三羽烏が退任され、新しい社長には坂井克彦さんがなられるそうだ。
 きょう、ある筋から耳に入ってきた。小宮さん、イッセイさんには昔から大変お世話になってきただけに事実としたら、なんだか、とても寂しい。ただ、うわさが壊れることもごくたまにあるだけに、あくまで、伝聞ということで…。でも、間違いなかろう。

☆「リビア 無差別空爆160人死亡 カダフィ氏退陣拒否 閣僚らに反発広がる」、「石原都知事 不出馬の意向 伸晃氏、支援者に伝達」、「NZ南島で地震 死者複数 M6・3 多くの建物崩壊」(22日付、中日夕刊)
 「リビア、デモに空爆 カダフィ氏退陣否定 死者累計500人」(22日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月二十一日
 疲れた、とか忙しい、という人間に限ってたいして疲れてもいないし忙しくもない。努力をしない人間に限って、すぐにそうした弱音をはく。これは過去、支局長として部下の働きぶりを見ていて、痛いほど感じたものである。

 きょうのM。彼女のリサイクルショップこそ休みだったが(日、月、火と休み)、朝のゴミだしに始まり、週一回の布団のベランダ干しに始まり、掃除、洗濯、さらには現在治療中である歯医者さん通い、買い物、夕食の準備…と、本当に感心するほどの働き者で日々、わが家のために大車輪である。

 昨年、手術から生還して間もない病み上がりのからだだけに、それだけでも心配なのに、私が帰宅すると「きょう体育センターまで行って確定申告をしてきたよ」の弁。前々から、確定申告だけは、二人で最寄りの所定場所に行き、やって来ようと思っていた矢先だけに、我ながら先を越された感じさえした。
 ありがとう、Mよ。

 私は私で仕事を終えたその足で上前津の師匠宅に横笛のお稽古に。来月に迫った発表会を前に、♪酒よ、を二度、三度と吹いてみた。

 【きょうの1番ニュース】Mが1人で確定申告会場に行き、申告業務をやってきてくれたこと。昨年はMの入院もあり、医療費の還付を中心に六万余円が戻ってくるそうだ。

☆「リビア『内戦の危機』 カダフィ氏次男 第2の都市陥落」「デモ隊 首都で衝突」(21日付、毎日夕刊)「リビア首都にデモ拡大 東部一帯を住民制圧」「カダフィ大佐次男 徹底抗戦を」、「パンダ輸送 VIP並み 上野動物園に今夜到着」「警察が車先導/飼育員 交代で観察」、「オリーブオイル 認知症を防ぐ? 名市大グループ発表へ」(21日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十日
 私は、ふと脳裏にうかんだ言葉を自らに“問う・純文表現”としてメモ帳にそのつど、書き留めている。大学ノートも加えたら軽く五十冊以上(岐阜県庁汚職ノートなど過去の取材ノートとは、また別だ)にはなるだろう。言葉は、すなわち、表現力との認識からである。

 たとえメモ帳に書いてはいなくとも、私の頭の中ではいつだって、何かを描き、かき続けているのだ。

 最近のメモは、次のようなものだ。
▼小牧の悪友カツノさん(長年、小牧市社会福祉協議会長であり、市善意銀行理事長でもあった)が逝った。哀しい、悲しい、かなしい。私と彼はトコトン、酒飲みのあく友だった。止まらない。なみだとは、不思議なものだ。とまらない、なぜ、とまらないのか…(1月13日)
▼白い雪をかぶりつつある町は誠に美しい。
 その女は、雪景色を背に車内でこちらを向いて座り、眼鏡をかけ、単行本らしきものを読んでいる。くちびるは熱く赤く燃えているようで、眼鏡の奥に光る目元が鋭く清らかだ。いい女だ。
 …だが、この女性ともおそらくこの世でただの数分間の、それこそ物ひとつ交わさない出会いと別れなのだ。世の中には、このように僕の知らない女たちがいっぱい居る。やはり、出会いは運命的なものなのか。(2月11日)
▼文とは人の心をつかむこと、これに尽きる。苦役列車。表現力以前に、作者のその風貌からして多くの人びとの心をわしづかみにしている。(12日)
▼ニンゲンは皆、絞首台の上に乗せられ、そのときを待っている。ゆきが太陽に融かされてゆく、そんなようなものだ。一万人が一万人、すべてのニンゲンが孤独の道をあるいているのだ。私はゆきを視界に、ばく然とそう思っている。(17日)
▼私の左目はいま、どうしたわけか真っ赤である。
 これが最後の、いや最期のメモ帳メモになるのか。
 ―あすのいまごろは、もはや、この世にはいないだろう。みんなありがとう。さふ思うと、車窓に映る山、川、緑、人びとがどこまでも美しく清らかにかんじられる。そういえば、納棺夫日記で青木新門さんがそんなようなことを書いていた。死への旅立ちは、こんなものなのだろう(19日)

 午後、九十の母が待つ実家に寄る。小学校のクラスメート、美智子の母が九十二歳で亡くなり、私の母が香典を出しておいたという。みちことは通学団でも同じで、一クラスだけの私たちのクラスでもひときわ踊りがうまく、おしゃめで華やいだ娘(こ)だった。
  デ、ミチコと聞くと胸がときめき、なぜか、あのころ流行っていた春日八郎の別れの一本杉、お富さんを思い出す。彼女は元気にしているだろうか。大切なお母さまを失くされ、心からお悔やみを申し上げたい。その美智子とも、小学校を卒業してからは、もうずっと会ってはいない。

 【きょうの1番ニュース】毎晩決まって風呂上がりに缶ビール2個はグラスに入れ替えて飲む私が、昨夜はMの「今夜は飲まないの、すぐ寝なさい。寝なきゃ」のひと声で、帰宅後はふろにも入らず、酒も飲まないで寝させられてしまった。ここ数日、目に疲れが出てきているためで、目薬だけはさし、彼女の“命令”に従った。こんなことは私が生きている限りは、年に一度あるかないか、の大ニュースだ。

 きょうは午後になり、これを上回る大ニュースが飛び込んできた。Mが「アタシ、もし六十まで生きていたなら、車の免許証を取る」と私に直言したのだ。「六十までなんて、生きてなんかいたくない」が口癖だった彼女が昨年の退院以降は言わなくなっただけでも、喜んでいたのに、私としては、たとえたわ言だとしても、とても嬉しい。本当は彼女が二十代のころ、私が小牧通信局長のころに一度、元名古屋西署長の勧めもあり、自動車学校に通う寸前までいったことがある。でも、私が全国各地の事件現場に出ずっぱりになることが多く、通信局業務を守るためもあって、とてもそんなわけには行かなかった。

×     ×
 今夜のNHKスペシャル「独裁政権VS若者たち▽中東ネット革命の真実攻防の舞台裏▽リーダー独占取材」はなかなか深い取材で参考になった。

☆「8万の瞳 ☆キラキラ☆」(国内最大級のファッションフェスタ・東京ガールズコレクション(TGC)が十九日、名古屋市東区のナゴヤドームで開かれた。ゴージャスな縦巻き髪「名古屋巻き」など名古屋独特のファッションをテーマにしたショーもあった。20日付、中日朝刊)「未然に防ごう 脳梗塞」(20日付、中日・サンデー版大図解)
 「瀬々(敬久)監督作品(「へヴンズ ストーリー」) 喜びダブル ベルリン映画祭最優秀アジア映画賞も受賞」(20日付、中日朝刊)

☆「世界最大ドーム またたく星々 “本物”伝える映像と音響 名古屋市科学館新館プラネタリウム 来月19日お披露目」、「民主化デモ リビア死者84人に バーレーン 野党が対話拒否」、最も偉大な米大統領=米国の世論調査で「最も偉大」な大統領を聞いたところ、レーガン大統領が19パーセントでトップ。2位はリンカーン大統領(14パーセント)、オバマ大統領(5パーセント)は7位だった=(20日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十九日
 情けない。私ともあろうものが、“マナカ人間”に、たふたふ、なってしまった。というよりは、「されちまった」といった方が正しいだろう。

 名古屋からの帰路、江南駅で名鉄の定期バスに乗った際、バスカードが切れているので「いつもの五千円のやつを」と新しいカードを買い求めたところ、「(バスカードは)もう発売はしてませんので、マナカをご利用ください。パンフレットをご覧ください」ときた。というわけで、最近はやりのICチップとやらが入ったマナカを買う破目になったのである。

 きょうは職場でしておかねばならないことだけしたあと、久しぶりにフクダさんとキムラさんの待つメナード美容院へ。母が私の頭を見て、顔をしかめる前にカットしておかねばーとやってもらったが、この時の支払いはクレジットで。現金の持ち合わせをある程度温存しておきたかったからだが、それにしても、それクレジットだ、ICカードだ、スマートフォンだ…と、こんなことでいいのだろうか、と。この世の全てのものに対して、心の片隅に疑念めいたものが浮かんできていることも確かだ。

 このまま便利さを求めすぎると、そのうちニンゲンたちが想像もしなかった大きな穴に落ち、大変なことが起きるような、そんな気がしてならない。

 ただひとつだけ言えること、それはこれら現代社会の利器たちは突然襲いくる自然には極めて弱いどころか、意外や、もろいということだ。ある日、ある時、それまで大いに役立ってきた、これらのカード類が一瞬のうちにこの世から消えさる、そうした事態の到来につきニンゲンたちは、事前の策を考えているのかどうか、となると甚だ疑問である。
 でも、まあ、いいっか。ニンゲンたるもの、所詮は一時の快楽に満足する、哀れで分別のない、どうしようもないいきものなのだから。きれいごとを言ったところで、しょうがないのだ。

 【きょうの1番ニュース】このところは、水上勉の「若狭日記」をあらためて何度も何度もそれこそ、口ずさみながら読み返している。やはり彼の文体には、どこから入っても「響き」というものがある。落ち着いたリズムとでもいえようか。そうしたものが、ジンと腹の底にまで余韻となって伝わりくるのである。

―文庫からひと山こえた谷に、私の父母の埋まっているさんまいがある。さんまいというのは土葬の丘のよび名で、いまでも死者は穴を掘って埋められる。
 この谷のとば口に阿弥陀堂がある。葬式の際に、送り人や遺族が、死者と別れる場所で、和尚さまにお経をよんでもらって別れるのだが、この堂を出ると、もう死者は、さんまいへ埋められにゆくのである。儀式というものは物悲しいものだが、死者が出るたびに、子供の頃から、この阿弥陀堂は淋しいかんじがした。(「おりんの墓」から)

 一読して何でもない平々凡々たる表現に見える。が、実は一小節ごとにトーンが感じられるのである。よび名、よんでもらって、埋められにゆく…など、漢字をあえて避け、ひらがなをつかった点でも、文体を通してそれなりの響きがかんじられる。
 まさに一字一句を大切に、ひらがな書きにもこだわって、書き進めている作者の呼吸というようなものが伝わってくるのである。先日、本欄で私が西村賢太さんに注文をつけた美しい文とは、こういうことを言うのである。さらなる健筆に期待したいから、あえて言わせていただいた。

☆「民主 首相退陣論が拡大 『予算』条件に 公明へ打診」「首相は続投に意欲」(19日付、中日夕刊)
 「リビアデモ70人死亡 バーレーン 発砲で4人死亡」、「オバマ政権初の拒否権 安保理 イスラエル入植非難決議」、「愛知の小規模バス路線 来春磁気カード終了 マナカ導入できず“退化” 小銭と回数券のみに」「利用者『サービス低下』」(19日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月十八日
 目を使って中日スポーツ2面に掲載されている中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員の生の声をお茶の間に届けるファンクラブ通信などの原稿を書き続けているためか(ここ数日は、このほかにもファンクラブの会報原稿にも追われている)、きょうは午後、社のトイレに入ったところで左目が赤く充血していることに気づいた。
 私の目を見て、すぐに「医者に行かなければ」と反応したのが、仕事で事務局を夕方、訪れた中日スポーツ整理部長のA氏である。彼はなかなか、敏感だなっ、と妙なところで感心したのである。でも、私には分かる。これは疲れからで目薬をさし、目を休ませさえすれば、元に戻る、と。休ませさえすれば、よいのだと。

 そう自らに言い聞かせて自宅に帰ると、私のデスクに一通の封書が置かれていた。〒481―0043 北名古屋市に住むファンクラブのゴッドマザー、安江都々子さんからで「何事か」と中を開けると、国府宮神社でつい先日行われたばかりである、はだか祭りの「なおい布」が入っていた。なかに、こう書かれていた。
―ご無沙汰しております
 何時も大変御世話になっております
 国府宮参拝してきましたので、何時もの「なおい布」を同封させて頂きます
 「する女」は準規君の祖母に昨日頂きましたお供えなので、少しですが、入れておきます
 なおい布は神男に逢って握りしめて頂きました
 ことしもよろしくお願いします
 伊神 様
 十七日(原文通り)

 と、書かれていた。私はさっそくMにこの手紙を読んで聞かせ、安江さんにも、その場でお礼の電話をした。
 昨年はMが脳を安江さんも腰の大手術に耐え、それぞれ強靭な精神力で、共にこの世に、奇跡の生還を果たした。安江さんは、そんなMに自らのおからだも大変なのに「なおい布」を送ってくださった。ことしは夜なおい神事のあとに行われる大鏡餅の餅切りの長い行列に何時間も並んでくださった、とお聞きし本当に嬉しく思ったのである。
 おかげで、Mは元気に日々の生活をしている。受話器を前に「あのね、しんちゃん(近藤真市投手コーチ)と堂上兄弟にも送っておいたよ」とは、安江さんの言である。彼女は、どこまでも優しい女性なのである。ドラゴンズの連覇と完全日本一が実現するとすれば、こうした熱い気持ちのファンの方々の存在があればこそ、だ。

 【きょう1番のニュース】やはり、御歳八十歳(とても、そんなふうには見えませんよ)の安江さんから、「なおい布」が届いたことである。Mの寿命がまた一年延びたような、そんなうれしさにとらわれた。言葉数の少ないMの笑顔。そして、なおい布。どちらもそれこそ、「宝」も同然だ。

☆「都知事選 石原氏出馬の方向 4戦へ側近調整」、「リビアデモ 5都市拡大 死者20人情報も」、「調査捕鯨打ち切り 妨害受け予定一カ月残し」(18日付、毎日夕刊)
 「バーレーン 外相、デモ排除正当化 リビアでは20人死亡か」、「(名古屋市)北区で女性遺体発見遅れ 高齢者確認 及び腰 名古屋市担当者『数が多すぎる』」「行政は地域と連携すべきだ」「全国の100歳以上 所在不明は584人」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十七日
 木曜日。私は、きょうも「イヤダ、イヤダ。こんなはずではなかった」と自らの心に問いかけ、そして叫びながら、私にだけ定められた、運命的とも言えるこの道を、かふして、ただひたすらに歩いている。人は皆、白いゆきが太陽に融かされていくように、どんなに抗ったところで所詮はその存在自体が消されていくのだ。

 きょうの中日新聞夕刊文化欄のコラム「大波小波」に「西村賢太の世界」の見出し入りで、“世棄て人”なる筆者が、こんな文を書いていた。

「この小説がこんなふうに持ち上げられていいのだろうか、とつい首を傾げてしまうー西村賢太の芥川受賞作『苦役列車』のことである。芸風の完成度が高い、と称して新聞には賛辞ばかりが躍り、『文芸春秋』三月号に載った選評でも、選考委員十人のうち高樹のぶ子と池澤夏樹以外はみな作品を認めている。―とも。

 でも、Mの言うとおり、何も西村さんが悪いのではなくて、芥川賞を取ったからと言って、ただそれだけのことで大騒ぎすぎるマスコミが悪いのである。どれほどのことか、と思ってしまう。もっと地方に埋もれている作品を掘り起こすべきだ、とも。少なくとも私はそう思っている。このうえは、西村さんが自らの力を錯覚して過信しないようにーとただそればかりを願うばかりだ。私に言わせれば、まだまだ文に長けるところまでは、とてもいってはいない。

 そして。もう一度、西村さん! あなたは、別段それほどの文筆家ではない。私が読ませていただいた限りでは、美しい文体、余韻のある文を書くには、どうしたらよいのか。そこのところを、これからはもっと、もっと考えてほしい、自らもう一つの世界を編み出していって、ほしいのである。私はあなたのその風貌と物言いが理由も無くスキなのだ。

 【きょうの1番ニュース】文庫本「たけくらべ 樋口一葉」(集英社文庫)を、きょうまでに読み終えた。書くことがプロである以上、たけくらべ、にごりえ、十三夜の短編は、常々読まねば、と思っていただけに何だか、充足感のようなものが体の芯の部分と共鳴した、とても二十四歳の女性が書いた名作だ、とは思われません。これら三部作には気高さはむろん、恥じらいも、奥ゆかしさも、笑いも感じられ、私自身の読後感もすこぶるいいものだった。

☆「国際宇宙ステーション 若田さん船長に 日本人で初」、「小沢系16人 会派離脱届 衆院比例 執行部は拒否 民主 予算関連法案 造反の可能性も」(17日付、毎日夕刊)
 「高速新料金 3年継続 普通車・平日上限2000円 エコカー割引夏から 民主が国交省案了承」(17日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十六日
 毎日毎日、多くの事件が起き、そして消えていく。
 特に人間たちを襲う突然の不幸となると、運命、いや無情、非情としか言いようがない。

 なぜ、こんなことを書くかと言うと、昨日午後、愛知県豊橋市の東名高速下り線で起きた交通死亡事故があまりに悲惨だったからである。本日付の夕刊本紙によれば、後ろから来たトラックに追突された直後、被害車両に乗っていた母親(死亡)が後部座席の娘さんの名を必死に呼び続けていたという。娘さんと交際中の男性も後部座席にいたが、目を閉じたまま反応がなく死亡した。

 三人とも一日前には、皆元気にこの世で過ごしていたと思うと、胸が痛む。これが世の中なのだ。

 【きょうの1番ニュース】わが家の長女猫ちゃん、こすも・ここ、そして次女のシロちゃんが相も変わらず、わが世の春でこの寒い冬にヌクヌクで私たちと一緒に過ごしていることぐらい、か。ヌクヌクでいられるのも、Mの愛のおかげである。

☆「厄落とす激流 国府宮はだか祭」、「鳥インフル ふ化場の卵34万個処分へ 新城から搬入 ひな6万羽も 大村知事『農家に早期補償』」、「三重で鳥インフル疑い 紀宝町の養鶏場 簡易検査で陽性」、「東名事故3人死亡 豊橋―岡崎1日14件 計44台絡み20人けが 渋滞多発“魔の区間”」、「オウム事件、土谷被告の死刑確定へ」、「国内初 心臓移植に賛否 和田寿郎氏死去『停滞』『転換点』(16日付、中日朝刊)
 「大破の車内 娘呼び続け 運転の妹 悲嘆 父『史樹を返せ』(16日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十五日
 予想に反して朝から暖かく感じた。
 ほとんど雪が融けかけた道を、愛車を運転して息子を江南駅まで送る。いつも、思うことだが、集団登校の小学生や中学生が、こんなにも早朝から隊列を成し小中学校に通う姿は、こちらの気分までがシャキリとして、なかなかいいものである。

中東ではエジプト政変に触発された反政府デモが周辺の諸国に拡大し、イランとバーレーンで各一人が死亡。イエメンでは四日連続でデモがあり、警官隊と衝突している。

 【きょうの1番ニュース】昼間、社近くで食事をしている間、たまたま読売新聞の本日付スポーツ欄で「統一球に反応さまざま 小久保『重い』、ダル『変化球曲がる』」の記事を目にした。そして、もうひとつ。昨年限りで西武を退団した工藤公康投手に触れた記事「工藤 浪人します 鍛え直してメジャー再挑戦」が目に入った。工藤といえば、ことし五月で四十八歳、通算224勝左腕で知られる。彼のあくなき闘いは、人々に勇気と感動を与えてくれているのだ。

☆「神田県政 拍手で幕 愛知知事3期12年」、「小沢氏の『党員資格停止』 判決確定まで 民主役員会提案へ」、「新城 鳥インフル確認 1万7500羽殺処分開始 愛知今季2例目」、「イラン大規模デモ 改革派数千人 警官隊が催涙弾」(15日付、中日朝刊)
 「デモ飛び火 中東怒りの連鎖 イラン バーレーン イエメン」(15日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月十四日
 夕方から暗闇のなか、白い、しろい雪が降り始め、帰りはバスから降りた後、シャーベット状になった雪の上をこわごわ歩いて帰宅した。今夜は仕事を終えたあとは上前津の家入師匠宅へ。家入さんの前で私愛用の横笛(篠笛)で「酒よ」を二度吹いてかえった。

 いまは午前零時近く、たったいまMが「(雪だったのが)もう、雨や」と残念そうに私に語りかけたが、あすの朝は冷え込みもあり、雪が簡単に融けるとは、とうてい思えない。いつもは、自転車で行き帰りしている息子は、江南駅からはタクシーで帰ったそうで、わが子ながら、なかなかとっさの判断力がいいな、と感心したのである。

 そして。テレビを見ていて感じたことは、ことしは西日本、それも四国や九州でも降雪が目立つことである。きょうは、瀬戸大橋が雪のため交通が頓挫するなど四国までが雪国となった。日本は沖縄をのぞけば、寒い国であることを実感した。

 きょうはバレンタインデー。
 デ、それなりにほんの少しだけいただき義理チョコとは分かっていながら、嬉しかった。第一線で活躍していたころ、特に空飛ぶ記者当時は、日航や全日空、東亜国内航空などの各エアラインはじめ、警察、市役所…など取材に訪れる先々でチョコレートをいただき、背広やズボンのポケットというポケットがアッと言う間にいっぱいとなってしまい、持ち帰ると子どもたちが喜んでくれたーあのころが今となっては、懐かしく思い出される。

 【きょう1番のニュース】週刊新潮2月17日号・時の人に、当選前夜の「河村たかし(名古屋市長)の余裕風呂」が絶妙のカメラアングルで激写されていた。カメラマン氏は案の定、私の知る元フォーカス名うての南慎二さんで、南カメラマンでしか思いつかない見事な発想写真に私は思わず、うなった。「選挙戦が終わった2月5日夜。馴染みのサウナで湯に浸っている“つぼ湯”」とあった。一体どこなのだろう。河村さんご自身にとっても、世紀の一枚になったことは確かだ。
 南さんは、そういうカメラマンである。

 ついでながら、この号には、1972年3月19日に勾留延長手続きのため群馬県警高崎署から前橋地裁に身柄送検される連合赤軍の永田洋子(京浜安保共闘)の写真も掲載されていたが、こちらは一見し「(記事にもある通り)なんと迫力のない、ひ弱な表情か」と、わが目を疑った(そういう視点で見れば、なかなか優れた写真なのだが)。
 それより、一カ月ほど前、その年の2月17日に永田洋子が逮捕され署にしょっ引かれてきた姿をこの目で見た私としては、別人を見る思いだ。あのときの彼女と言ったら、全身から血がしたたり堕ちるような、そんな鬼の形相をしていた。だが、その彼女も今月五日に病で亡くなり、いまはもう、この世には居ない。

 この世は、どんどん、ドンドンと…今という一瞬を無情にも、蹴散らして駆け抜けてゆく。

☆「B,Z松本さんグラミー賞 ポップス部門で快挙 ピアノ・内田さんら3人も」、「新城 鳥インフル疑い、夜に検査結果判明」、「熊谷9人死傷事故 飲酒運転同乗者に実刑 裁判員裁判地裁判決 危険運転ほう助、懲役2年」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十三日
 日曜日。スーパーで買ったお雛さまのやわらかく、カラフルなひな菓子を手に、舞と九十歳の母のもとを訪ねるや、「ハイ、これ。カズヨ(私の妹)が持ってきてくれたの」と、母から渡されたのが詩集「くじけないで」(柴田トヨ著、飛鳥新社)だった。
 内心、やはり「妹もいいとこあるなあ。高齢の母のことを、思ってるんだ」と感心した。
 この本は、最近ブームとなっている詩集で帯には「100万部突破!! 『99歳の詩人 心を救う言葉』が放送され、大反響!! 白寿の処女詩集」とある。そしてページを開くと「この本は、著者が書き始めた平成15年から22年2月までの作品を集めた処女詩集です。…」などと、書かれている。うち「家族」という題の一編を紹介するとー

 嫁と倅の
 諍(いさか)いがあった日は
 空は たちまち
 くもってしまう

 お母さん 心配かけて
 ごめんなさい
 嫁が

 声をかけて
 くれた翌日
 陽射しが 私を
 つつんでくれる

 縁があって
 できた小家族
 いつまでも
 澄んだ空の下で
 暮したい

 この詩を読みながら、私たちもそうだが、母と子は、いつまでたっても母と子だな、って。そう思った。

 【きょうの1番ニュース】舞を伴って、源頼朝の愛馬で頼朝から梶原景時へ与えられた“磨墨(するすみ)”が眠る磨墨塚、そして景時が1174年に菩提寺として建てた塚近くの興禅寺を訪ねた。このうち磨墨塚は犬山市民文化会館の南の磨墨塚史跡公園の中にあり、この辺りは旧羽黒城の跡地でもあった。自宅から車で三十分ほど行ったところに、往時の秘話を物語る史跡があること自体、不思議な気がした。
 尾張界隈には、このほか、江南市と信長を強く結びつけた「武功夜話」の舞台も各地にありそうなだけに、こんご時間があれば、二人で歩いてみよう、とも思う。舞は昔から、こうした歴史探検ごっこのようなことが好きだけに、これからそうしよう。案の定、彼女は興禅寺近くに竹林を見つけ、私が境内でいろいろ見ている間に姿がないので慌てて探したところ、竹林に囲まれた旧城跡に独り、腕を組んで居たのである。
 竹林を見るにつけ、往時がしのばれ歴史ものを書きたくなってきた。歩いてみれば、あちこちに棄てがたいネタが潜んでいるかもしれない。

☆「エジプト イスラエル平和条約維持 ムバラク政権崩壊 現内閣続行へ」、「菅内閣支持 最低19パーセント 社会保障・税一体改革 79パーセント『与野党協議を』 全国世論調査」、「八百長問題 三役力士らも関与か 調査委、再度事情聴取へ」(13日付、中日朝刊)「初スキー女児衝突死 岐阜・鷲ケ岳 転倒し給水栓に」(13日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十二日
 土曜日。久しぶりに、わが家の自室でゆったりとした時を過ごしている。
 Mは相変わらず、自ら営むボランティアショップへ。私は本を読んだり、新聞のスクラップをしたり、しなければならないことばかりだ。
 午後、彼女がお昼に買い物したものなど荷物だけでも持ち帰ってやらねば、と店まで取りに行くと、店内には女性客が1人だけ、いた。Mの姿がないので「どうしたのか」と思って念のため店の奥まで入ると、そこで彼女は横たわっていた。
 少しからだがしんどそうなので、「大丈夫か」と声をかけると「うん。寝ていただけだから」の返事。寒いので、あまり無理しないように。油断しちゃダメだぞーとだけ言い残し、Mが買い求めた食料品やクリーニング一式を車に乗せ、家に持ち帰った。この後、自宅近くの「いっぷく」さんまで歩いて行き、オムライスをつくってもらって食べた。

 先日のドラゴンズ沖縄キャンプ観戦ツアーに同行しての取材の際、公式ファンクラブの男性会員の中に「月刊ドラゴンズの木村愛子記者の文が大好きです。愛子さんに、よろしくお伝えしてください」という人がいたため、携帯のSMSで彼女にこの旨を伝えておいた。文というもの、その記者その記者で全部違うが、これだけ真剣に「愛子さんの記事は温かくてわかりやすく、かつ優しい」と言われると、不思議なものでもう一度月ドラの、その部分を読み返したくなってくる。

 文章表現術は、確かに各人各様で、それぞれ違う。ちがって当然だ。私自身も新聞記者として長年、書き続けてきたが、ただ言えることは表現力もさることながら、要は「その文が、読んだ人の心をつかんでいるかどうか」だと思う。
 この点では先日、「苦役列車」で芥川賞を受賞した西村賢太、彼も底辺をあるく多くの人々の心を、わしづかみにしている。人の心をつかむ小説が読者の共感を得たことだけは、違いない。
 私も文のうまい下手以前に、人の心をつかむ文を心がけている。そのためには、独り善がりでない、書かれる人たちの気持ちとなって表現するほかない。

 【きょうの1番ニュース】尾北ホームニュース2面の俳句欄に、Mの作品♪紅き瞳(め)を入れたら跳ぶや雪うさぎ、が掲載されていた。私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」にリンクされている「天上に届け! 百合の1行詩『豊(ゆたか)』」では2月のコーナーに、♪「私はわたし」靴ひもしめ直す、が掲載されていた。そこはかとない決意が感じられる、ステキな詩である。

☆「エジプト独裁30年で幕 ムバラク政権崩壊 反政府デモ勝利」、「『変革渇望応えた』米大統領声明」、「民主的政権に期待 菅首相 邦人の安全最優先」、「自由の聖地へ人波 ムバラク大統領辞任 『胸を張れ』大歓声 タハリール広場 朝まで熱気」、「『夢のよう』『国よくなる』 在日エジプト人ら ネット注視、感激ともに」(12日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十一日
 きょうは建国記念の日。
 すなわち休日である。とはいえ、先日、ドラゴンズの沖縄キャンプ観戦ツアーに同行取材した際の原稿を早めに書いておく必要に迫られ、雪の降るなか、バスと電車を乗り継ぎ、少しばかり歩いて社へ。誰もいない部屋で、冷たい感触のデスクと記者パソコンを前にただ1人、黙々と書き上げ、およそのメドがたったところで帰宅した。
 考えてみれば、地方の支局長当時は、日ごろフル活動している兵隊たち(1線記者)を交替で休ませなければならないこともあり、返って土、日や休日の方が神経を尖らせたものだった。それが1線を退いた今は、仕事に追われるといったところで一秒、一刻を争う切迫したものとは違い、どこかにゆったり感があり、こうして好きな文を書かせていただける境遇をありがたいことだ、と思うのである。

 そういえば、きのう、若さといい、スバやさ、スマートさといい、昔と変わらないヒロちゃんに言われてしまった。「シキョクチョオもあまり、変わってませんよ。でも、あのころと比べ、随分と穏やかな感じになられました。七尾のころは、ギョロリと睨まれると、なんだか怖くて。それに比べたら、だいぶ穏やかに、温和な感じになられましたよ」と。

 正直言って、それを聞きながら私は内心で「俺は、そんなへんてこな、気力のないロクデナシの顔になってしまったのか。俺の美学からは相当、後退したのでは。あ~あ、人から嫌われていたころの方が俺の生き方としては合っているのだが」と内心、いまの自身を嫌いに思ったことも確かだ。

 【きょうの1番ニュース】Mが朝の出がけに言った。
 「あのねえ、あたしが帰宅すると、シロちゃんったら。あたしがドアを開くと同時に、いつだって玄関先で両足をそろえて待っていてくれるのだから。おウチに帰ってきた物音で分かるみたい。そして、いつの日だって、お姉ちゃんのこすも・ここと違って、めったに鳴かない子なのにこの瞬間だけは“ニャア~ン”と甘えた声を出してお迎えをしてくれるの。」だってサ。

 でも、まさか。Mが女王さまでもあるまいに。シロのこうした行幸話はうすうす感じてはいたものの、こうあからさまに言われてしまうと私はそれこそ、立つ瀬がない、のである。でも、イイッか。ふたりが、それで幸せならば。

☆「トヨタ取締役半減へ 意思決定を迅速化 リコールなど反省」、「元3少年の死刑回避を 連続リンチ殺人 上告審弁論で弁護側」、「エジプト 大統領辞任強まる 国民向けに演説へ」、「東京の夫婦殺傷 福島の65歳容疑者逮捕 警視庁 高速バス名簿で浮上」(11日付、中日朝刊)

平成二十三年二月十日
 今夜は、かつて能登の七尾支局時代、支局長だった私を随分と助けてくれ、つい最近バンコク特派員の要職をこなし帰国してまもない、社会部ニュースデスクのヒロちゃんと大須のうなぎ料理家「やっこ」で一献した。七尾支局時代から数えれば、もう二十数年になるが、たくましく育ったヒロちゃんは昔のまま。互いに楽しい酒を飲み交わした。

 七尾のころの思い出を語り合ううち、いまだもって私が追い求める米国同時中枢多発テロの主犯とされるウサマ・ビンラディンのことに話がおよんだ。
 私の「ビンラディンは今、どこでどうしているのか」との問いに対して、ヒロちゃんからはね返ってきたのは「(その筋によれば)『死んだか、ホワイトハウスだ』とよく言われました」とのことだった。私にとっては、すごく新鮮かつ真実味、現実味を帯びた言葉となってかえってきたのである。
 米大統領・ブッシュのころのホワイトハウスは、それこそ得体のしれない妖怪というようなものだったかもしれない。

 【きょうの1番ニュース】久しぶりに、ヒロちゃんと一緒に大須で飲めたこと。ただ、それだけだ。酔った勢いで帰宅後は夜遅くにヒロちゃんとは同じく、かつて七尾で私の部下だったイズミちゃん(輪島通信局長)の声を急に聞きたくなり、彼にまで電話してしまった。若き戦士は、二人とも、それぞれの記者道をたくましく歩いており、かつ、すこぶる自信に満ち、元気そうで安心した。

☆「消費増税、11年度に法案 党首討論首相表明 谷垣氏は『解散を』」、「『八百長』力士にも給与 相撲協会春場所番付、発表せず」(10日付、中日朝刊)「ビートルズ初演奏…50年 英リバプールで記念行事」(10日付、中日夕刊)

平成二十三年二月九日
 午後十時―いまは眠たくて、眠たくて、眠りたくて、しかたがない。寝られるものなら、このままずっと、半永久的に眠っていたい。
 ここで、やっと思いついたのが、睡眠不足だ。よくよく考えてみたら、昨夜はほとんど寝ていなかった。

 私の小説「天女の海―月の夜は菜の花の海で魚になる(後編)」。この最終稿のチェックにかかりっきりで、明け暮れていたのだった。

 原稿を前に、睡魔が次々と追いかけてくる。
 書けるほどの状態ではない。
 なのに…、
 私は「何か」を書かなければならない、と。
 そう、ぼんやり思っている。一体、私の脳のなかに意識があるのかないか、も分からない。

 【きょうの1番ニュース】名古屋市在住の女性童話作家・Fさんから、昨年あった「森の童話感想文」の無事成功に対する礼状入り封書が舞い込んだ。おまけに封書には、あのモロゾフの高級チョコレートまでが入っていた。

☆「全関取の調査開始 相撲協会特別調査委 携帯、通帳持参求める」、「連続リンチ殺人 あす最高裁弁論」「16年余…向き合う日々」「死刑を願い現場めぐり」「被告と交流する遺族も」(9日付、中日朝刊)
 「電子制御 欠陥なし」「米がトヨタ車安全宣言 急加速問題 ペダル・マット原因 運輸省報告」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年二月八日
 同僚と上司の温かい気持ちに勧められるまま、きょうは代休を取らせていただいた。おかげでMを病院の定期診断に連れて行くことが出来、午後は運転免許証の更新も最寄りの江南署で行ってきた。担当医師によれば、Mはこの先、無理さえしなければ少しずつ回復していきそうで安心した。
 さらに、このところ、ずっと温めてきた小説「天女の海ー月の夜は菜の花の海で魚になる(後編)」の最終稿の読み直しもできて、脱稿し、公開直前にまでこぎつけた。

 アタイは、久しぶりに掘り炬燵を前に、座って新聞を読んだり、書きものをする、お父さんの胸から膝にほんの十分ほど抱きかかえられ、とっても嬉しい一日でした。だって、オトンってば。それなりに結構、毎日忙しくしているのだから。なかなか、こんなチャンスはないのです。オカンのMによれば、昨夜はオトン、いびきをかいて寝ていたんだってサ。よほど疲れていたみたい。
 それで驚いたアタイの妹シロちゃんが、いつもはMの胸の辺りの蒲団の上でちょこんと座って寝ているのに初めてMの蒲団のなかにまで入ってきたのだってよ。よほど、怖かったのかしら。でも、ネ。アタイはこうした何げない家族の光景が好きなのです。(この項、こすも・ここ)

 【きょうの1番ニュース】Mが夕食を囲みながら私に向かって言った言葉が印象深く、グサリ胸に突きささった。
 ―うち(リサイクルのボランティアショップ)に来るおばさんたちが、みんな口をそろえてこう言ってぼやいている。
 「亭主は六十で定年になるけれど、あたしたち女には、定年がないんだから」

☆「蜜月『いつまで』河村・大村流の行方・上 議会・中京都構想にズレ」、「陸山会初公判『検事にどう喝された』 弁護側石川被告の調書で主張」、「八百長調査 携帯『替えた』『壊れた』  力士が提出拒み難航」(8日付、中日朝刊)
 「名古屋市議会 民主が報酬半減容認 出直し選、減税は反対 『選挙対策』市長は反発」、「温暖化 「消えるトナカイ、クマ… 北極異変 米ロなど研究チーム 茂る樹木、クローバーも」、「骨髄バンク 絆の物語 大垣の歌劇団 実話から台本、上演へ」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年二月七日
 鳥インフルエンザ。新燃岳の爆発的噴火。大相撲の八百長発覚と春場所中止。エジプトで続く大規模な反政府デモ。この世は自然界も人間界も、そろって地獄ばかりである。よいニュースと言えば、沖縄や宮崎で行われている中日ドラゴンズをはじめとしたプロ野球のキャンプぐらいか。

 けさの中日新聞1面の記事「破壊の次の創造を」(社会部長・斎田太郎)が、有権者の心をとらえており、すこぶる良い。「大村さん、河村さんはしかし、すべてを白紙委任されたと勘違いしないでほしい。破壊力は十分に見せつけてくれたが有権者が求めているのは、破壊の後にある創造だ」と。全くその通りである。

 【きょうの1番ニュース】パソコンを打っている間になぜか、平仮名入力が出来なくなってしまい、文が思うように書けなくなり苦戦している。ふつうの人なら、むしろこの方が書きやすいのかも知れないが。馴れない私にとつては、大変なのだ。
 沖縄から帰宅したところで、なぜか平仮名入力が出来なくなり、てこずっているのだ。こんな事情から、ここ二、三日の行数が極端に減っている。きょうシステムの名人であるKさんに、社で改善方法を教えてもらい、その通りにやってみたのだがパソコンの機種が違うこともあり、どうしてもうまくいかない。
 さりとてこのまま、ローマ字入力では、時間がかかって仕方がない。それでも、私は、こうして書き続けている。1番のニュースでもうひとつ、付け加えておきたいのは、市長選に当選した河村さんがいつもかぶっているドラゴンズの帽子が「C」1字のそれから、「CD」マーク入りに、当選した翌日のけさから変わったことである。
 何ごとにも敏感なKさんに教えてもらい、テレビニュースや新聞記事(夕刊)の写真で確かめてみたが、なるほどその通りである。「河村さんには、これからは本物の市長になったんだで、もっと、もっと、本気になってドラゴンズを応援してもらわんといかんな」
(パソコンの方は八日朝になって、出勤前の息子がアッという間に直してくれた。感謝、感謝! である。)

☆「河村、大村氏圧勝 トリプル投票 名古屋市議会解散」、「市長選知事選 民主、牙城で連敗」、「住民投票 賛成73パーセント 来月に出直し選」、「春場所、巡業を中止 相撲協会「夏」断念の可能性も」(7日付、中日朝刊)
 河村氏「変えないかん」 大村氏も減税へ始動(7日付、中日夕刊)

平成二十三年二月六日
 きのう夜、沖縄から帰った。
 しばらくのご無沙汰、申し訳なく思っている。でも、たまには、こうした休載も精神的な安定感が得られてよい。かといって、沖縄滞在中はファンクラブ会員に対する「沖縄レポート」取材や落合監督へのファンクラブ会員代表からの特典グッズ渡し、さらには北谷町役場や「FMよみたん」への訪問=スタジオ収録も=などに追われ、とてもそんな余裕(笛猫人間日記にアップすること)もなかった。

愛知県知事選で河村たかし氏が、名古屋市市長選では大村秀章氏がそれぞれ圧勝した。

 【きょうの1番ニュース】Mがアピタで台所の包丁5本を研いでもらった。

☆「永田洋子死刑囚病死 65歳 連合赤軍の元最高幹部」(6日付、中日朝刊)

平成二十三年二月二日
 夜、食事中に風呂上がりのMがテレビニュースを見ながら、ひと言。
 「もう、いいニュースはないの」「なんだか、暗い話ばかりじゃない」と。まるで、その視線と物言いから、私が厳しく糾弾されているようだ。
 確かに、このところは暗いニュースばかりである。

 なかでも、きょうになって各マスメディアが一斉に流し始めた大相撲の「八百長メール事件」となると、もはや何をか言わんやである。現役十両力士と親方の携帯電話に、数十万円で勝ち星の売買が日常的に行われていたことをうかがわせるメールの記録が残っていたという。とんでもない話で、もし事実としたなら、国技を侮辱するあるまじき愚行である。

 【きょうの1番ニュース】息子が風邪でダウン、会社を休んだ。江南厚生病院で診てもらったところ、インフルエンザの検査結果は陰性とのことだったが、三八度近い高熱と頭痛、吐きけに襲われ、どうやら胃腸風邪にやられたようで苦しくしんどそうだ。早くよくなればよいのだが。
 風邪といえば、沖縄の「FMよみたん」の看板パーソナリティー・比嘉美由紀さんも風邪でダウン、あす沖縄の北谷球場で予定される公式ファンクラブ会員の代表から落合監督への2011年の特典グッズ渡しに出席できなくなり、他の会員に選手交替となりそうだ。沖縄行きを前に、きょう「FMよみたん」社長の仲宗根朝治さんに電話し初めて知ったが、こちらも早い回復を祈るばかりである。

☆「ムバラク大統領退陣へ 『9月選挙、不出馬』 反政府デモ 即時辞任を要求」、「関取、親方 八百長メール 賭博捜査押収携帯に 取組内容、金額も 星売買、数十万円」、「7回目爆発的噴火 霧島・新燃岳」(2日付、中日夕刊)

 ▼お断り あす(三日)から五日まで、中日旅行会のドラゴンズ沖縄キャンプ観戦ツアーに同行取材するため、この間、私・伊神権太の「あゝ笛猫人間日記」は休載させていただきます。連日、多くの方々から(多い日は、1日だけで3000も珍しくない)アクセスして頂いているだけに、誠に申し訳ありません。皆さまも中日ドラゴンズのセ・リーグ連覇を、ぜひお祈りしてください。心からよろしく、お願いします。

平成二十三年二月一日
 きょうのニュースは、何といっても中日新聞夕刊軟派でも紹介されている「連覇へ 竜始動 キャンプイン」である。落合博満監督はじめコーチ、スタッフ、森野選手会長らすべての選手の健闘とセ・リーグの連覇達成を祈りたい。

 宮崎、鹿児島県境にある霧島山・新燃岳(しんもえだけ)=一四二一メートル=で早朝(午前七時五十四分ごろ)またしても四回目の爆発的噴火があり、噴煙は火口から二千メートルの高さにまで達した。片や、北陸の福井県では二メートル四四センチという記録的な豪雪に住民が泣かされている。特に一人暮らしのお年寄りは大変だ。

 M曰く「雪は融けてくれるけれど、火山灰は融けてくれないわね」と。でも、雪だって雪かきは必然で融けるのを待っていたのでは、ラチがあかない。雪に押し潰されて死んだ人もいる。両方とも人間たちを苦しめているのである。

 このほか、気になるのは「ツイッターはチュニジアの独裁者追放に寄与した。エジプトでも力を存分に発揮している。つまり、この世にあってよかった。」(1日付、中日夕刊)というスポーツライター・藤島大さんの言葉だ。

 【きょうの1番ニュース】中日夕刊紙面に掲載されたドラゴンズのキャンプ地沖縄・北谷球場でランニングする選手たちの表情がいい。何かをやってくれそうな生き生きした面構えだ(写真は、もっとアップが望ましかった)。がんばれ、ドラゴンズ!

☆「球審胎動 プロ野球キャンプイン」、「ハム斎藤に歓声『初投げ』テレビが実況」、「えんじの77番 闘将が初披露 楽天・星野監督」、「長友 インテル電撃移籍 サッカー日本代表 昨年、クラブW杯制覇」、「伝えたい悲惨なテロの記憶 (旧社会党の浅沼稲次郎委員長が日比谷公会堂で右翼の少年に刺殺された) こちら編集委員室」(1日付、中日夕刊)

平成二十三年一月三十一日
 朝、起きたら外は一面の銀世界だった。
 テレビニュースによると、石川県の七尾は、積雪七十二センチで和倉温泉と大阪を結ぶサンダーバード、名古屋と和倉温泉を結ぶ「しらさぎ」も運休しているという。このほか福井、富山も北陸全域で基幹道路が雪の壁に阻まれて通行車両が動けなくなり雪の中で缶詰状態になっている。

 沖縄では、中日ドラゴンズはじめ、日本ハム、ヤクルト、ロッテ…と各球団の選手が続々と到着。いよいよ春のキャンプが始まる。なかでも名護市でキャンプを張る日本ハムは、ことしの大型ルーキー、斎藤佑樹選手が大変なもてぶりである。

 【きょうの1番ニュース】これまで、わが古里・江南には、木曽川と滝高校以外には、たいした名所はないものとばかり思っていた私が馬鹿だった。
 昨日からけさにかけて少し調べただけでも、なかなかどうして、秀吉に仕え、蜂須賀小六と共に活躍した前野将右衛門の屋敷跡や、「武功夜話」を書いた吉田孫四郎の存在、1329年に後醍醐天皇の勅願寺として創建された「飛保の曼荼羅寺」、学問の神「菅原道真公」を祭神として1654年に創建された北野天神社など魅力的な歴史上の産物が結構ある。
 これから、まだまだ詳しく調べてみる必要がある。

☆「愛知製鋼27年ぶりV 名岐駅伝 高校は豊川工」「2・6トリプル投票 世論調査 大村氏先行 追う3氏 愛知知事選 4割が態度未定」、「名古屋市長選 河村氏 優位な戦い 住民投票 議会解散『賛成』が多数」、「エジプト軍『デモ、断固たる措置』 足止め邦人600人に救援機」(31日付、中日朝刊)
 「エルバラダイ氏 デモ続行呼び掛け エジプト初めて直接演説 『もう後戻りできない』」、「小沢元代表を強制起訴 陸山会事件 虚偽記入の疑い 検察審再議決で」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年一月三十日
 このところの私の関心事は、やはりエジプトの反政府デモである。
 ムバラク大統領(八十一歳)の退陣を求めてのエジプトの反政府デモは、エスカレートする一方だ。本日付の中日新聞本紙1面記事は「中東の衛星放送アルジャジーラによると、北部のアレクサンドリアやイスマエレーヤなどではデモ隊と警官隊の衝突が再発。二十八日以降の衝突による死者は全土で百人を超えた。」とある。

 また同日付本紙国際面(5面)も「イスラエル戦々恐々 エジプト反政府デモ アラブ防波堤危うく」「エルバラダイ氏 大統領退陣要求」「イスラム勢力台頭懸念」といった見出しが躍り、記事のリード部分も「大規模な反政府デモが騒乱に発展したエジプトの危機で、イスラエルのネタニヤフ首相は二十九日までに、エジプト政局についてコメントを控えるよう全閣僚に通知した。エジプトのムバラク政権はアラブ諸国では数少ないイスラエルとの友好国。政権が倒れる事態となれば、反イスラエル勢力が台頭しかねない。エジプトの危機の行方に神経をとがらせている。」と要点をグサリと突いている。

 私はここで思う。この反政府デモの向こう側にもしかして、あのニューヨーク同時中枢多発テロの主犯とされるウサマ・ビンラディンが関わってはいないか、と。関わっていたとしても何ら不思議でない。それこそ反政府デモの中枢人物に手当たり次第当たって、ウサマ・ビンラディンも含めて事の真相がどこにあるのか、を問い正してみたいのである。

 【今日の1番ニュース】いやはや、本日、名駅近くの「つちやホテル」であった中部ペンクラブの理事会で、ことし秋の文学散歩の仕込みを尾張地区でするように、と事業企画委員会の石川好子女史(委員長)から命じられ、逃げ場もなく引き受けざるを得なくなってしまった。あまり、へんな仕込みは出来ないし…。同じ企画事業委員の文芸評論家で詩人、小説家の高井泉さんのお知恵を借りながら、この先計画を練ることとなった。やる以上は、中身の濃いものにしなければ。

☆サッカーのアジア王者を決めるアジア・カップで日本はオーストラリアを1―0で破り、二大会ぶり四度目の優勝を決めた。(未明のラジオニュース)。
 「証拠改ざん隠蔽 前(大阪地検)特捜部長ら保釈 無罪主張『名誉のために闘う』 村木さんに『申し訳ない』」(30日付、中日朝刊)

平成二十三年一月二十九日
 日本列島はきょうも厳しい寒さだ。自然には勝てない。ただ為されるがまま翻弄されるニンゲンどもたち。人々はその中を、それぞれがそれぞれの意識を轢きづって生きている。本当は生きてなんかいたくはない人間がいるかもしれない。けれど、仕方ないので生きている人だって、たくさんいるだろう。

 私は相変わらず、いつも背広の胸ポケットに表紙に“純文表現”と書いたメモ帳をしのばせ、きょうも町を歩いていく。昨年は、中日ドラゴンズに勝ってほしいあまりに、常時「武士道」(新渡戸稲造著)と「孫子」(金谷治訳注者)の文庫本二冊を手にしていたが、現在は違う。いまは樋口一葉の「たけくらべ」と高村光太郎の「智恵子抄」の文庫本二冊である。
 少しでも余韻のある美しい文章を書きたいから、そして同時に、樋口一葉と高村光太郎の思いの深さの本当のところを確かめたいからである。

 「たけくらべ」は、つい先日「にごりえ」を読み終え、このところは通勤の合間に「十三夜」をよんでいる。「にごりえ」に次のような場面があり。私はいたく共感した。
「行かれるものならこのままに唐天竺の果てまでも行ってしまいたい。ああ嫌だ嫌だ嫌だ。どうしたなら人の声も聞こえない、物の音もしない、静かな、静かな、自分の心も何もぼぅっとして物思いのない処へ行かれるであろう。つまらぬ、くだらぬ、面白くない、情ない悲しい心細い中に、何時まで私は止められているのかしら。これが一生か、一生がこれか、ああ嫌だ嫌だ」

 実を言うと、私自身も毎日毎日、心のなかで「ああ嫌だ、嫌だ、嫌だ」と繰り返し叫びながら町を歩いている。それだけに、実感として迫ったのかもしれない。「こんなはずではなかった」。

 私のなかのもう一人があがき苦しむ声が、私には聞こえてくるのだ。私は、そうした場合、「待て、待て、慌てるな、慌てるな。きっとチャンスがやってくるから」と自身に言い聞かせ、そうしたときには母が昔から私を見るたびに勇気づけてくれた言葉「たかちゃんは、ちいさいころからスゴイ人間、ある面で天才なのだから、そのうち、きっと天下を取る日がくるから」を、どこまでも信じることにしている。

 【きょうの1番ニュース】Mから「これ、」と手渡されたのが、つい最近、創刊されたばかりの幻冬舎発の文芸誌GINGERL。[ジンジャーエール]である。Mによれば、若い女性の間で人気が沸騰しつつあるという。そういえば、先日、この町(江南市)に開店したばかりの三洋堂書店で彼女が「ない、ないよ」と不満げに注文していた本こそが、この「ジンジャーエール」だった。
 「どこで知ったのか」の私の質問にM曰く「中日新聞17日付夕刊の大波小波よ」と。出版不況の中で生まれたこの本は女性ファッション誌『GINGER』の姉妹誌で、「L」は「Literature(文学)」の頭文字だと言うーと大波小波には書かれている。
 おしゃれな白表紙に当代を代表する女性作家ばかりの作品(小説、読み切り官能小説、エッセイほかに対談も)。ページをめくるにつれ、どこか新しい時代の足音を感じさせもする。さっそく僕も、Mに頼んで読ませてもらおう。

☆「琵琶湖一周善意の輪 手つなぎ囲む福祉計画 24年前25万人参加、復活へ」(29日付、中日新聞朝刊)「デモ暴徒化死者27人に エジプト大統領、退陣を拒否」、「エジプトデモ 略奪横行 無政府状態に 治安部隊、暴徒へ実弾発砲 旅行社ツアー中止も」、「豊橋 鳥インフル 進まぬ処分 募る不安 養鶏関係者『1時間でも早く』」(29日付、中日夕刊)

平成二十三年一月二十八日
 鳥インフルエンザ、霧島連山(宮崎、鹿児島県)新燃岳の噴火、そして北陸地方を中心とした大雪…と、この世は紛れもなく地獄だ。
 私たちは、誰もが地獄の合間を生きている。

 【きょうの1番ニュース】広畑史朗さんから丁寧なハガキをいただいた。
 「前略 先に突然電話で伊神さんのお書きになったコラムの引用を厚かましくお願いした拙著『警察幹部のリーダーシップ』が刊行されましたので、別便にて送らせて貰いました。貴稿は129頁以下に掲載されています。版元がつけた題名は大げさに過ぎるのですが、「お勉強しました」と知識を並べたてた机上の空論的な組織管理論ではなく、実践具体の発言記録ですので多少の意義はあろうかと夜郎自大に考えています。

 小牧署の当時は未熟な新米署長でしたが、その後もまれ鍛えられ多少はものを考えるようになりましたので、どうか各コラム拙稿だけでもご笑覧願います。
 三年前に55歳で勧奨退職したのですが、これで警察人生をふり返ることには一区切りをつけて、これからは新たな興味関心を見つけ広げていきたいと思っています。

 ところで昨秋、新潟地検に招かれ「不祥事対応の姿勢論」を講演してきました。検察も悩みながら新たな方向を模索しているようです。個人に責任を押し付けるだけでは組織としての反省教訓は汲み取れないことを強調してきたのですが、最高検の報告書は大阪地検の二人に原因全部を背負わせてはいないでしょうか。気になるところです。
 ……」
 といった内容である。

☆「霧島山、噴火収まらず 噴煙、未明に高さ1800メートル」、「中京大元部長に実刑 業務上横領『大学の信頼に背く 名古屋地裁判決(懲役4年6月)』」(28日付、中日夕刊)

11年1月29日

ウェブ作品集

伊神 権太

実録随想「残り花」

平成二十三年二月二十五日
(この日記はアタイ=こすも・ここ=が、お父さんの「私」になりきって書き進めています。ごくごく、たまにアタイそのものが出てくることがあります)

『ねぇ~』   こすも・ここ
 

       『なぁに』  シロ

 ニュージーランド南島クライストチャーチ市で発生した大地震の被災者救済の方は、日本からの援助隊などが生き埋めになった人たちを重機や工具を使って必死で進んでいるが、なかなか思うようには、はかどっていない。
 一方、反政府勢力に包囲されたとみられるリビアの首都トリポリ近郊で二十四日、政府側による反政府勢力への大規模な攻撃があったもようで100人程度の死者が出ている、と各マスコミが伝えている。

 クライストチャーチでは、私が中日新聞の大垣支局長時代、市政回りだった古田秀陽記者(現バンコク特派員)がバンコクから急きょ特派され、連日の取材に打ち込んでいる。緊迫の度を増す中東にも、ロンドンから、これまた大垣支局長時代に揖斐川を管轄下に、長良川・木曽川リンチ殺人事件取材などでよく、がんばったあの有賀信彦(英国特派員)が数日前からバーレーンのマナマに入り、連日、マナマからリビア情勢を中心に報じている。

 また、先日まで、エジプトのカイロで応援取材していた清水俊郎パリ特派員は私が一宮主管支局長当時の市政回りで、先日愛知県知事を退任した神田さんが一宮市長から県知事に打って出た際の一宮支局員である。本日付中日新聞夕刊3面によると、その清水記者がパリに戻り、「スイス政府は二十四日、リビアの最高指導者カダフィ大佐と側近らがスイス国内の銀行などに所有する資産を凍結する」とのニュースを伝えてきている。

 古田も、有賀も、清水も……、私は支局長当時、かなり厳しくしたものだが、こうして世界各地で頑張っているかと思うと、それこそ涙が出るほどうれしい。ただ「死んでしまってはいけない。まず、自分の安全を確保したうえで徹底取材に当たってほしい」と心から声援を送っている。かつてのヒヨッコ記者が、ここまで育つと新聞を読むのが楽しみでもある。

 【きょうの1番ニュース】Mの誕生日。おめでとう。「わたし、アラホオじゃなくてアラカンなの」だってサ。とても、そんな年には見えない。誰が見たって、十歳は若く見えるよ、とボク。
 健康に気をつけて、一度しかない人生なのだから。六十で死ぬなんてことは言わないで、百歳まで生きてください。アッシーはボクが務めますから。
 六十になったら、車の免許証を取るって約束、私は半分以上信じている。なぜって。おまえは、約束したことは、必ず守る、そういう可愛い女だからである。

☆「こんなに楽しいツアーがあったなんて」(25日付、中日スポーツ・中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会報、2011年2月・12号、中スポ版10号)
 「NZ地震 発生72時間 捜索急ぐ」「ビル下敷き70人以上か 死者は113人に」、「NZ地震 『情報入らない』焦り 家族、崩壊現場行けず」、「総人口1億2805万人 38道府県で減 0・2パーセント増、増加率最低」、「リビア石油施設制圧か 反政府勢力、輸出は継続」(25日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十四日
 きょうは、発言というか、言葉遣いについて。たまたまお昼の休みに社外に出た際、店内に置かれていた読売新聞を読んで心にとまったので列記する。

 「電子書籍は『黒船の来襲』といわれるが、黒船ではなく鉄砲の伝来。新しい武器を手に厳しい競争を勝ち抜きたい」とは、二十四年間、社長を務める母佐和子さん(六十七歳)の後任が決まった講談社次期社長野間省伸(よしのぶ)さん(四十二歳)だ。省伸さんは、四月中旬をメドに社長に就任する。では、新しい武器とは一体何なのか。そこを知りたい。

 リビアの最高指導者カダフィ氏は二十二日夕(日本時間二十三日未明)、国営テレビを通じて行った演説で反体制運動に対して「最後の一滴の血が尽きるまで戦う。(中国で一九八九年に起きた)天安門事件のようにたたきつぶす」と語って徹底弾圧を宣言した。最後の一滴が、そんなに野蛮なものとは知らなかった。

 清少納言は『枕草子』のなかで、<近うて遠きもの>をいくつか挙げている。「兄弟や親類の仲」「幾重にも曲がったつづら折りの道」「大みそかと元日の朝」…どれも、うなづけよう。こう切って棄てたのは、編集手帳氏である。

 近うて遠きものーでピンときたのが、中日ドラゴンズ球団とナゴヤドーム、中日ドラゴンズ公式ファンクラブの関係である。本来は三位一体であるべきはずだが、まだまだ近いようで、互いに遠い存在だ、と身にしみて感じている。それでも一時に比べたら、互いの理解も深まってだいぶ近づいてきていることは事実だ。

 【きょう1番のニュース】文学界三月号で朝吹真理子と西村賢太、島田雅彦による芥川賞受賞記念鼎談「文学の多様性について」を読み終えた。鼎談を読み進めるうち、朝吹、西村両氏ともに、それなりのたゆまぬ努力が芥川賞作家として見事、開花したんだなっ、て思ったのである。拍手しておこう。

☆「倒壊ビルから複数遺体 日本隊が救助開始 NZ首相『死者92人に』 地震3日目」、「生きている 伝えたい NZ地震 『また外国へ』夢語る 脚切断19歳 気丈に」(24日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十三日
 ニュージーランド地震。リビア弾圧。新燃岳の噴火、交通事故死…
 この世は不幸ばかりである。

 【きょう1番のニュース】明け方、愛猫こすも・ここがあんまり私の枕元でうるさく、それもしつこく鳴きたてるため、「うるさいなあ。アッチィ、いっててよ」と半分寝ぼけながら、かつ本気で彼女のアゴを殴ってしまったことだ。
 感情の赴くまま、可愛いらしいこすも・ここを殴ってしまい、深く反省している。当然ながら、ここちゃんにはけさになり、あらためてお詫びを言っておいた。ここは、何事もない顔で平然としていた。おそらく、彼女には、彼女なりに私に訴えたいことがあったに違いない。
 ごめんね。こすも・ここちゃん。でも、何を訴えようとしていたのか、それがわからない。

☆「邦人23人連絡取れず NZ地震 富山の生徒1人救出 死者75人、不明300人に 19歳女性の無事確認」「『娘にさよならを…私も泣いた』 がれきの下で一夜…でも『あきらめない』」、「カダフィ氏、徹底弾圧強調 リビア公安相離反、デモ隊支持」(23日付、中日夕刊)

 野田聖子議員が婚姻届(23日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月二十二日
 長男正貫の誕生日である。恭子さんともども、心からおめでとう。二人の無事健康と、さらなる飛躍を祈っている。
 昭和四十九年のこの日、正貫は三重県志摩半島阿児町(現在は志摩市)の県立志摩病院で生まれた。南国・志摩には珍しい、小雪が舞う日であった。彼はその後、新聞記者だった父、すなわち私の生活に翻弄されながらも、よくぞここまで育ってくれた。今後ますます、社会にとって必要な人物になってほしい。

 ところで、きょうは二月二十二日で、ニャンニャンの日。こすも・こことシロちゃんの日なのである。ふたりとも、まだまだ若い。これからも、お父さんやM、和甫を守り続けてくださいね。ふたりが居るだけで、私たちの気持ちは潤うのである。ふたりとも、マイペースでかまいません。元気でいつまでも生きてください。

 それから、きょうはMが短歌研究の3月号特集・現代代表女流歌人作品集に見つけた三宅千代さん(秋楡)の短歌<夢にはあらず>をー
♪戸開くれば粉雪どっと舞いこみぬ黙して独り老いの棲む家
♪老い孤り棲む山の家われは今日夢にはあらず九十三歳

 ニュージーランドでマグニチュード6・3の地震が発生。研修旅行で現地を訪れていた富山外国語専門学校の学生二十三人の安否が心配されている。(うち十二人までは所在を確認。十一人の安否が分からないままだという)。ほかにも、こうした不明となったままの日本人留学生はいるものと推測されている。
 地震が発生した場所は、大聖堂でも知られる南部のクライストチャーチというところで、日本人約三千百人が住んでいる。日本にとっては、比較的馴染み深い都市だ。テレビニュースによれば、現地では既に六十五人の死亡が確認され、百人を超す人々が不明のままだという。

 【きょうの1番ニュース】あまり仕事がらみの話は避けたいところだが、中日ドラゴンズの西川社長、伊藤一正さん(管理担当)、小宮さん(営業担当)の三羽烏が退任され、新しい社長には坂井克彦さんがなられるそうだ。
 きょう、ある筋から耳に入ってきた。小宮さん、イッセイさんには昔から大変お世話になってきただけに事実としたら、なんだか、とても寂しい。ただ、うわさが壊れることもごくたまにあるだけに、あくまで、伝聞ということで…。でも、間違いなかろう。

☆「リビア 無差別空爆160人死亡 カダフィ氏退陣拒否 閣僚らに反発広がる」、「石原都知事 不出馬の意向 伸晃氏、支援者に伝達」、「NZ南島で地震 死者複数 M6・3 多くの建物崩壊」(22日付、中日夕刊)
 「リビア、デモに空爆 カダフィ氏退陣否定 死者累計500人」(22日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月二十一日
 疲れた、とか忙しい、という人間に限ってたいして疲れてもいないし忙しくもない。努力をしない人間に限って、すぐにそうした弱音をはく。これは過去、支局長として部下の働きぶりを見ていて、痛いほど感じたものである。

 きょうのM。彼女のリサイクルショップこそ休みだったが(日、月、火と休み)、朝のゴミだしに始まり、週一回の布団のベランダ干しに始まり、掃除、洗濯、さらには現在治療中である歯医者さん通い、買い物、夕食の準備…と、本当に感心するほどの働き者で日々、わが家のために大車輪である。

 昨年、手術から生還して間もない病み上がりのからだだけに、それだけでも心配なのに、私が帰宅すると「きょう体育センターまで行って確定申告をしてきたよ」の弁。前々から、確定申告だけは、二人で最寄りの所定場所に行き、やって来ようと思っていた矢先だけに、我ながら先を越された感じさえした。
 ありがとう、Mよ。

 私は私で仕事を終えたその足で上前津の師匠宅に横笛のお稽古に。来月に迫った発表会を前に、♪酒よ、を二度、三度と吹いてみた。

 【きょうの1番ニュース】Mが1人で確定申告会場に行き、申告業務をやってきてくれたこと。昨年はMの入院もあり、医療費の還付を中心に六万余円が戻ってくるそうだ。

☆「リビア『内戦の危機』 カダフィ氏次男 第2の都市陥落」「デモ隊 首都で衝突」(21日付、毎日夕刊)「リビア首都にデモ拡大 東部一帯を住民制圧」「カダフィ大佐次男 徹底抗戦を」、「パンダ輸送 VIP並み 上野動物園に今夜到着」「警察が車先導/飼育員 交代で観察」、「オリーブオイル 認知症を防ぐ? 名市大グループ発表へ」(21日付、中日夕刊)

平成二十三年二月二十日
 私は、ふと脳裏にうかんだ言葉を自らに“問う・純文表現”としてメモ帳にそのつど、書き留めている。大学ノートも加えたら軽く五十冊以上(岐阜県庁汚職ノートなど過去の取材ノートとは、また別だ)にはなるだろう。言葉は、すなわち、表現力との認識からである。

 たとえメモ帳に書いてはいなくとも、私の頭の中ではいつだって、何かを描き、かき続けているのだ。

 最近のメモは、次のようなものだ。
▼小牧の悪友カツノさん(長年、小牧市社会福祉協議会長であり、市善意銀行理事長でもあった)が逝った。哀しい、悲しい、かなしい。私と彼はトコトン、酒飲みのあく友だった。止まらない。なみだとは、不思議なものだ。とまらない、なぜ、とまらないのか…(1月13日)
▼白い雪をかぶりつつある町は誠に美しい。
 その女は、雪景色を背に車内でこちらを向いて座り、眼鏡をかけ、単行本らしきものを読んでいる。くちびるは熱く赤く燃えているようで、眼鏡の奥に光る目元が鋭く清らかだ。いい女だ。
 …だが、この女性ともおそらくこの世でただの数分間の、それこそ物ひとつ交わさない出会いと別れなのだ。世の中には、このように僕の知らない女たちがいっぱい居る。やはり、出会いは運命的なものなのか。(2月11日)
▼文とは人の心をつかむこと、これに尽きる。苦役列車。表現力以前に、作者のその風貌からして多くの人びとの心をわしづかみにしている。(12日)
▼ニンゲンは皆、絞首台の上に乗せられ、そのときを待っている。ゆきが太陽に融かされてゆく、そんなようなものだ。一万人が一万人、すべてのニンゲンが孤独の道をあるいているのだ。私はゆきを視界に、ばく然とそう思っている。(17日)
▼私の左目はいま、どうしたわけか真っ赤である。
 これが最後の、いや最期のメモ帳メモになるのか。
 ―あすのいまごろは、もはや、この世にはいないだろう。みんなありがとう。さふ思うと、車窓に映る山、川、緑、人びとがどこまでも美しく清らかにかんじられる。そういえば、納棺夫日記で青木新門さんがそんなようなことを書いていた。死への旅立ちは、こんなものなのだろう(19日)

 午後、九十の母が待つ実家に寄る。小学校のクラスメート、美智子の母が九十二歳で亡くなり、私の母が香典を出しておいたという。みちことは通学団でも同じで、一クラスだけの私たちのクラスでもひときわ踊りがうまく、おしゃめで華やいだ娘(こ)だった。
  デ、ミチコと聞くと胸がときめき、なぜか、あのころ流行っていた春日八郎の別れの一本杉、お富さんを思い出す。彼女は元気にしているだろうか。大切なお母さまを失くされ、心からお悔やみを申し上げたい。その美智子とも、小学校を卒業してからは、もうずっと会ってはいない。

 【きょうの1番ニュース】毎晩決まって風呂上がりに缶ビール2個はグラスに入れ替えて飲む私が、昨夜はMの「今夜は飲まないの、すぐ寝なさい。寝なきゃ」のひと声で、帰宅後はふろにも入らず、酒も飲まないで寝させられてしまった。ここ数日、目に疲れが出てきているためで、目薬だけはさし、彼女の“命令”に従った。こんなことは私が生きている限りは、年に一度あるかないか、の大ニュースだ。

 きょうは午後になり、これを上回る大ニュースが飛び込んできた。Mが「アタシ、もし六十まで生きていたなら、車の免許証を取る」と私に直言したのだ。「六十までなんて、生きてなんかいたくない」が口癖だった彼女が昨年の退院以降は言わなくなっただけでも、喜んでいたのに、私としては、たとえたわ言だとしても、とても嬉しい。本当は彼女が二十代のころ、私が小牧通信局長のころに一度、元名古屋西署長の勧めもあり、自動車学校に通う寸前までいったことがある。でも、私が全国各地の事件現場に出ずっぱりになることが多く、通信局業務を守るためもあって、とてもそんなわけには行かなかった。

×     ×
 今夜のNHKスペシャル「独裁政権VS若者たち▽中東ネット革命の真実攻防の舞台裏▽リーダー独占取材」はなかなか深い取材で参考になった。

☆「8万の瞳 ☆キラキラ☆」(国内最大級のファッションフェスタ・東京ガールズコレクション(TGC)が十九日、名古屋市東区のナゴヤドームで開かれた。ゴージャスな縦巻き髪「名古屋巻き」など名古屋独特のファッションをテーマにしたショーもあった。20日付、中日朝刊)「未然に防ごう 脳梗塞」(20日付、中日・サンデー版大図解)
 「瀬々(敬久)監督作品(「へヴンズ ストーリー」) 喜びダブル ベルリン映画祭最優秀アジア映画賞も受賞」(20日付、中日朝刊)

☆「世界最大ドーム またたく星々 “本物”伝える映像と音響 名古屋市科学館新館プラネタリウム 来月19日お披露目」、「民主化デモ リビア死者84人に バーレーン 野党が対話拒否」、最も偉大な米大統領=米国の世論調査で「最も偉大」な大統領を聞いたところ、レーガン大統領が19パーセントでトップ。2位はリンカーン大統領(14パーセント)、オバマ大統領(5パーセント)は7位だった=(20日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十九日
 情けない。私ともあろうものが、“マナカ人間”に、たふたふ、なってしまった。というよりは、「されちまった」といった方が正しいだろう。

 名古屋からの帰路、江南駅で名鉄の定期バスに乗った際、バスカードが切れているので「いつもの五千円のやつを」と新しいカードを買い求めたところ、「(バスカードは)もう発売はしてませんので、マナカをご利用ください。パンフレットをご覧ください」ときた。というわけで、最近はやりのICチップとやらが入ったマナカを買う破目になったのである。

 きょうは職場でしておかねばならないことだけしたあと、久しぶりにフクダさんとキムラさんの待つメナード美容院へ。母が私の頭を見て、顔をしかめる前にカットしておかねばーとやってもらったが、この時の支払いはクレジットで。現金の持ち合わせをある程度温存しておきたかったからだが、それにしても、それクレジットだ、ICカードだ、スマートフォンだ…と、こんなことでいいのだろうか、と。この世の全てのものに対して、心の片隅に疑念めいたものが浮かんできていることも確かだ。

 このまま便利さを求めすぎると、そのうちニンゲンたちが想像もしなかった大きな穴に落ち、大変なことが起きるような、そんな気がしてならない。

 ただひとつだけ言えること、それはこれら現代社会の利器たちは突然襲いくる自然には極めて弱いどころか、意外や、もろいということだ。ある日、ある時、それまで大いに役立ってきた、これらのカード類が一瞬のうちにこの世から消えさる、そうした事態の到来につきニンゲンたちは、事前の策を考えているのかどうか、となると甚だ疑問である。
 でも、まあ、いいっか。ニンゲンたるもの、所詮は一時の快楽に満足する、哀れで分別のない、どうしようもないいきものなのだから。きれいごとを言ったところで、しょうがないのだ。

 【きょうの1番ニュース】このところは、水上勉の「若狭日記」をあらためて何度も何度もそれこそ、口ずさみながら読み返している。やはり彼の文体には、どこから入っても「響き」というものがある。落ち着いたリズムとでもいえようか。そうしたものが、ジンと腹の底にまで余韻となって伝わりくるのである。

―文庫からひと山こえた谷に、私の父母の埋まっているさんまいがある。さんまいというのは土葬の丘のよび名で、いまでも死者は穴を掘って埋められる。
 この谷のとば口に阿弥陀堂がある。葬式の際に、送り人や遺族が、死者と別れる場所で、和尚さまにお経をよんでもらって別れるのだが、この堂を出ると、もう死者は、さんまいへ埋められにゆくのである。儀式というものは物悲しいものだが、死者が出るたびに、子供の頃から、この阿弥陀堂は淋しいかんじがした。(「おりんの墓」から)

 一読して何でもない平々凡々たる表現に見える。が、実は一小節ごとにトーンが感じられるのである。よび名、よんでもらって、埋められにゆく…など、漢字をあえて避け、ひらがなをつかった点でも、文体を通してそれなりの響きがかんじられる。
 まさに一字一句を大切に、ひらがな書きにもこだわって、書き進めている作者の呼吸というようなものが伝わってくるのである。先日、本欄で私が西村賢太さんに注文をつけた美しい文とは、こういうことを言うのである。さらなる健筆に期待したいから、あえて言わせていただいた。

☆「民主 首相退陣論が拡大 『予算』条件に 公明へ打診」「首相は続投に意欲」(19日付、中日夕刊)
 「リビアデモ70人死亡 バーレーン 発砲で4人死亡」、「オバマ政権初の拒否権 安保理 イスラエル入植非難決議」、「愛知の小規模バス路線 来春磁気カード終了 マナカ導入できず“退化” 小銭と回数券のみに」「利用者『サービス低下』」(19日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月十八日
 目を使って中日スポーツ2面に掲載されている中日ドラゴンズ公式ファンクラブ会員の生の声をお茶の間に届けるファンクラブ通信などの原稿を書き続けているためか(ここ数日は、このほかにもファンクラブの会報原稿にも追われている)、きょうは午後、社のトイレに入ったところで左目が赤く充血していることに気づいた。
 私の目を見て、すぐに「医者に行かなければ」と反応したのが、仕事で事務局を夕方、訪れた中日スポーツ整理部長のA氏である。彼はなかなか、敏感だなっ、と妙なところで感心したのである。でも、私には分かる。これは疲れからで目薬をさし、目を休ませさえすれば、元に戻る、と。休ませさえすれば、よいのだと。

 そう自らに言い聞かせて自宅に帰ると、私のデスクに一通の封書が置かれていた。〒481―0043 北名古屋市に住むファンクラブのゴッドマザー、安江都々子さんからで「何事か」と中を開けると、国府宮神社でつい先日行われたばかりである、はだか祭りの「なおい布」が入っていた。なかに、こう書かれていた。
―ご無沙汰しております
 何時も大変御世話になっております
 国府宮参拝してきましたので、何時もの「なおい布」を同封させて頂きます
 「する女」は準規君の祖母に昨日頂きましたお供えなので、少しですが、入れておきます
 なおい布は神男に逢って握りしめて頂きました
 ことしもよろしくお願いします
 伊神 様
 十七日(原文通り)

 と、書かれていた。私はさっそくMにこの手紙を読んで聞かせ、安江さんにも、その場でお礼の電話をした。
 昨年はMが脳を安江さんも腰の大手術に耐え、それぞれ強靭な精神力で、共にこの世に、奇跡の生還を果たした。安江さんは、そんなMに自らのおからだも大変なのに「なおい布」を送ってくださった。ことしは夜なおい神事のあとに行われる大鏡餅の餅切りの長い行列に何時間も並んでくださった、とお聞きし本当に嬉しく思ったのである。
 おかげで、Mは元気に日々の生活をしている。受話器を前に「あのね、しんちゃん(近藤真市投手コーチ)と堂上兄弟にも送っておいたよ」とは、安江さんの言である。彼女は、どこまでも優しい女性なのである。ドラゴンズの連覇と完全日本一が実現するとすれば、こうした熱い気持ちのファンの方々の存在があればこそ、だ。

 【きょう1番のニュース】やはり、御歳八十歳(とても、そんなふうには見えませんよ)の安江さんから、「なおい布」が届いたことである。Mの寿命がまた一年延びたような、そんなうれしさにとらわれた。言葉数の少ないMの笑顔。そして、なおい布。どちらもそれこそ、「宝」も同然だ。

☆「都知事選 石原氏出馬の方向 4戦へ側近調整」、「リビアデモ 5都市拡大 死者20人情報も」、「調査捕鯨打ち切り 妨害受け予定一カ月残し」(18日付、毎日夕刊)
 「バーレーン 外相、デモ排除正当化 リビアでは20人死亡か」、「(名古屋市)北区で女性遺体発見遅れ 高齢者確認 及び腰 名古屋市担当者『数が多すぎる』」「行政は地域と連携すべきだ」「全国の100歳以上 所在不明は584人」(18日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十七日
 木曜日。私は、きょうも「イヤダ、イヤダ。こんなはずではなかった」と自らの心に問いかけ、そして叫びながら、私にだけ定められた、運命的とも言えるこの道を、かふして、ただひたすらに歩いている。人は皆、白いゆきが太陽に融かされていくように、どんなに抗ったところで所詮はその存在自体が消されていくのだ。

 きょうの中日新聞夕刊文化欄のコラム「大波小波」に「西村賢太の世界」の見出し入りで、“世棄て人”なる筆者が、こんな文を書いていた。

「この小説がこんなふうに持ち上げられていいのだろうか、とつい首を傾げてしまうー西村賢太の芥川受賞作『苦役列車』のことである。芸風の完成度が高い、と称して新聞には賛辞ばかりが躍り、『文芸春秋』三月号に載った選評でも、選考委員十人のうち高樹のぶ子と池澤夏樹以外はみな作品を認めている。―とも。

 でも、Mの言うとおり、何も西村さんが悪いのではなくて、芥川賞を取ったからと言って、ただそれだけのことで大騒ぎすぎるマスコミが悪いのである。どれほどのことか、と思ってしまう。もっと地方に埋もれている作品を掘り起こすべきだ、とも。少なくとも私はそう思っている。このうえは、西村さんが自らの力を錯覚して過信しないようにーとただそればかりを願うばかりだ。私に言わせれば、まだまだ文に長けるところまでは、とてもいってはいない。

 そして。もう一度、西村さん! あなたは、別段それほどの文筆家ではない。私が読ませていただいた限りでは、美しい文体、余韻のある文を書くには、どうしたらよいのか。そこのところを、これからはもっと、もっと考えてほしい、自らもう一つの世界を編み出していって、ほしいのである。私はあなたのその風貌と物言いが理由も無くスキなのだ。

 【きょうの1番ニュース】文庫本「たけくらべ 樋口一葉」(集英社文庫)を、きょうまでに読み終えた。書くことがプロである以上、たけくらべ、にごりえ、十三夜の短編は、常々読まねば、と思っていただけに何だか、充足感のようなものが体の芯の部分と共鳴した、とても二十四歳の女性が書いた名作だ、とは思われません。これら三部作には気高さはむろん、恥じらいも、奥ゆかしさも、笑いも感じられ、私自身の読後感もすこぶるいいものだった。

☆「国際宇宙ステーション 若田さん船長に 日本人で初」、「小沢系16人 会派離脱届 衆院比例 執行部は拒否 民主 予算関連法案 造反の可能性も」(17日付、毎日夕刊)
 「高速新料金 3年継続 普通車・平日上限2000円 エコカー割引夏から 民主が国交省案了承」(17日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十六日
 毎日毎日、多くの事件が起き、そして消えていく。
 特に人間たちを襲う突然の不幸となると、運命、いや無情、非情としか言いようがない。

 なぜ、こんなことを書くかと言うと、昨日午後、愛知県豊橋市の東名高速下り線で起きた交通死亡事故があまりに悲惨だったからである。本日付の夕刊本紙によれば、後ろから来たトラックに追突された直後、被害車両に乗っていた母親(死亡)が後部座席の娘さんの名を必死に呼び続けていたという。娘さんと交際中の男性も後部座席にいたが、目を閉じたまま反応がなく死亡した。

 三人とも一日前には、皆元気にこの世で過ごしていたと思うと、胸が痛む。これが世の中なのだ。

 【きょうの1番ニュース】わが家の長女猫ちゃん、こすも・ここ、そして次女のシロちゃんが相も変わらず、わが世の春でこの寒い冬にヌクヌクで私たちと一緒に過ごしていることぐらい、か。ヌクヌクでいられるのも、Mの愛のおかげである。

☆「厄落とす激流 国府宮はだか祭」、「鳥インフル ふ化場の卵34万個処分へ 新城から搬入 ひな6万羽も 大村知事『農家に早期補償』」、「三重で鳥インフル疑い 紀宝町の養鶏場 簡易検査で陽性」、「東名事故3人死亡 豊橋―岡崎1日14件 計44台絡み20人けが 渋滞多発“魔の区間”」、「オウム事件、土谷被告の死刑確定へ」、「国内初 心臓移植に賛否 和田寿郎氏死去『停滞』『転換点』(16日付、中日朝刊)
 「大破の車内 娘呼び続け 運転の妹 悲嘆 父『史樹を返せ』(16日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十五日
 予想に反して朝から暖かく感じた。
 ほとんど雪が融けかけた道を、愛車を運転して息子を江南駅まで送る。いつも、思うことだが、集団登校の小学生や中学生が、こんなにも早朝から隊列を成し小中学校に通う姿は、こちらの気分までがシャキリとして、なかなかいいものである。

中東ではエジプト政変に触発された反政府デモが周辺の諸国に拡大し、イランとバーレーンで各一人が死亡。イエメンでは四日連続でデモがあり、警官隊と衝突している。

 【きょうの1番ニュース】昼間、社近くで食事をしている間、たまたま読売新聞の本日付スポーツ欄で「統一球に反応さまざま 小久保『重い』、ダル『変化球曲がる』」の記事を目にした。そして、もうひとつ。昨年限りで西武を退団した工藤公康投手に触れた記事「工藤 浪人します 鍛え直してメジャー再挑戦」が目に入った。工藤といえば、ことし五月で四十八歳、通算224勝左腕で知られる。彼のあくなき闘いは、人々に勇気と感動を与えてくれているのだ。

☆「神田県政 拍手で幕 愛知知事3期12年」、「小沢氏の『党員資格停止』 判決確定まで 民主役員会提案へ」、「新城 鳥インフル確認 1万7500羽殺処分開始 愛知今季2例目」、「イラン大規模デモ 改革派数千人 警官隊が催涙弾」(15日付、中日朝刊)
 「デモ飛び火 中東怒りの連鎖 イラン バーレーン イエメン」(15日付、毎日夕刊)

平成二十三年二月十四日
 夕方から暗闇のなか、白い、しろい雪が降り始め、帰りはバスから降りた後、シャーベット状になった雪の上をこわごわ歩いて帰宅した。今夜は仕事を終えたあとは上前津の家入師匠宅へ。家入さんの前で私愛用の横笛(篠笛)で「酒よ」を二度吹いてかえった。

 いまは午前零時近く、たったいまMが「(雪だったのが)もう、雨や」と残念そうに私に語りかけたが、あすの朝は冷え込みもあり、雪が簡単に融けるとは、とうてい思えない。いつもは、自転車で行き帰りしている息子は、江南駅からはタクシーで帰ったそうで、わが子ながら、なかなかとっさの判断力がいいな、と感心したのである。

 そして。テレビを見ていて感じたことは、ことしは西日本、それも四国や九州でも降雪が目立つことである。きょうは、瀬戸大橋が雪のため交通が頓挫するなど四国までが雪国となった。日本は沖縄をのぞけば、寒い国であることを実感した。

 きょうはバレンタインデー。
 デ、それなりにほんの少しだけいただき義理チョコとは分かっていながら、嬉しかった。第一線で活躍していたころ、特に空飛ぶ記者当時は、日航や全日空、東亜国内航空などの各エアラインはじめ、警察、市役所…など取材に訪れる先々でチョコレートをいただき、背広やズボンのポケットというポケットがアッと言う間にいっぱいとなってしまい、持ち帰ると子どもたちが喜んでくれたーあのころが今となっては、懐かしく思い出される。

 【きょう1番のニュース】週刊新潮2月17日号・時の人に、当選前夜の「河村たかし(名古屋市長)の余裕風呂」が絶妙のカメラアングルで激写されていた。カメラマン氏は案の定、私の知る元フォーカス名うての南慎二さんで、南カメラマンでしか思いつかない見事な発想写真に私は思わず、うなった。「選挙戦が終わった2月5日夜。馴染みのサウナで湯に浸っている“つぼ湯”」とあった。一体どこなのだろう。河村さんご自身にとっても、世紀の一枚になったことは確かだ。
 南さんは、そういうカメラマンである。

 ついでながら、この号には、1972年3月19日に勾留延長手続きのため群馬県警高崎署から前橋地裁に身柄送検される連合赤軍の永田洋子(京浜安保共闘)の写真も掲載されていたが、こちらは一見し「(記事にもある通り)なんと迫力のない、ひ弱な表情か」と、わが目を疑った(そういう視点で見れば、なかなか優れた写真なのだが)。
 それより、一カ月ほど前、その年の2月17日に永田洋子が逮捕され署にしょっ引かれてきた姿をこの目で見た私としては、別人を見る思いだ。あのときの彼女と言ったら、全身から血がしたたり堕ちるような、そんな鬼の形相をしていた。だが、その彼女も今月五日に病で亡くなり、いまはもう、この世には居ない。

 この世は、どんどん、ドンドンと…今という一瞬を無情にも、蹴散らして駆け抜けてゆく。

☆「B,Z松本さんグラミー賞 ポップス部門で快挙 ピアノ・内田さんら3人も」、「新城 鳥インフル疑い、夜に検査結果判明」、「熊谷9人死傷事故 飲酒運転同乗者に実刑 裁判員裁判地裁判決 危険運転ほう助、懲役2年」(14日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十三日
 日曜日。スーパーで買ったお雛さまのやわらかく、カラフルなひな菓子を手に、舞と九十歳の母のもとを訪ねるや、「ハイ、これ。カズヨ(私の妹)が持ってきてくれたの」と、母から渡されたのが詩集「くじけないで」(柴田トヨ著、飛鳥新社)だった。
 内心、やはり「妹もいいとこあるなあ。高齢の母のことを、思ってるんだ」と感心した。
 この本は、最近ブームとなっている詩集で帯には「100万部突破!! 『99歳の詩人 心を救う言葉』が放送され、大反響!! 白寿の処女詩集」とある。そしてページを開くと「この本は、著者が書き始めた平成15年から22年2月までの作品を集めた処女詩集です。…」などと、書かれている。うち「家族」という題の一編を紹介するとー

 嫁と倅の
 諍(いさか)いがあった日は
 空は たちまち
 くもってしまう

 お母さん 心配かけて
 ごめんなさい
 嫁が

 声をかけて
 くれた翌日
 陽射しが 私を
 つつんでくれる

 縁があって
 できた小家族
 いつまでも
 澄んだ空の下で
 暮したい

 この詩を読みながら、私たちもそうだが、母と子は、いつまでたっても母と子だな、って。そう思った。

 【きょうの1番ニュース】舞を伴って、源頼朝の愛馬で頼朝から梶原景時へ与えられた“磨墨(するすみ)”が眠る磨墨塚、そして景時が1174年に菩提寺として建てた塚近くの興禅寺を訪ねた。このうち磨墨塚は犬山市民文化会館の南の磨墨塚史跡公園の中にあり、この辺りは旧羽黒城の跡地でもあった。自宅から車で三十分ほど行ったところに、往時の秘話を物語る史跡があること自体、不思議な気がした。
 尾張界隈には、このほか、江南市と信長を強く結びつけた「武功夜話」の舞台も各地にありそうなだけに、こんご時間があれば、二人で歩いてみよう、とも思う。舞は昔から、こうした歴史探検ごっこのようなことが好きだけに、これからそうしよう。案の定、彼女は興禅寺近くに竹林を見つけ、私が境内でいろいろ見ている間に姿がないので慌てて探したところ、竹林に囲まれた旧城跡に独り、腕を組んで居たのである。
 竹林を見るにつけ、往時がしのばれ歴史ものを書きたくなってきた。歩いてみれば、あちこちに棄てがたいネタが潜んでいるかもしれない。

☆「エジプト イスラエル平和条約維持 ムバラク政権崩壊 現内閣続行へ」、「菅内閣支持 最低19パーセント 社会保障・税一体改革 79パーセント『与野党協議を』 全国世論調査」、「八百長問題 三役力士らも関与か 調査委、再度事情聴取へ」(13日付、中日朝刊)「初スキー女児衝突死 岐阜・鷲ケ岳 転倒し給水栓に」(13日付、毎日朝刊)

平成二十三年二月十二日
 土曜日。久しぶりに、わが家の自室でゆったりとした時を過ごしている。
 Mは相変わらず、自ら営むボランティアショップへ。私は本を読んだり、新聞のスクラップをしたり、しなければならないことばかりだ。
 午後、彼女がお昼に買い物したものなど荷物だけでも持ち帰ってやらねば、と店まで取りに行くと、店内には女性客が1人だけ、いた。Mの姿がないので「どうしたのか」と思って念のため店の奥まで入ると、そこで彼女は横たわっていた。
 少しからだがしんどそうなので、「大丈夫か」と声をかけると「うん。寝ていただけだから」の返事。寒いので、あまり無理しないように。油断しちゃダメだぞーとだけ言い残し、Mが買い求めた食料品やクリーニング一式を車に乗せ、家に持ち帰った。この後、自宅近くの「いっぷく」さんまで歩いて行き、オムライスをつくってもらって食べた。

 先日のドラゴンズ沖縄キャンプ観戦ツアーに同行しての取材の際、公式ファンクラブの男性会員の中に「月刊ドラゴンズの木村愛子記者の文が大好きです。愛子さんに、よろしくお伝えしてください」という人がいたため、携帯のSMSで彼女にこの旨を伝えておいた。文というもの、その記者その記者で全部違うが、これだけ真剣に「愛子さんの記事は温かくてわかりやすく、かつ優しい」と言われると、不思議なものでもう一度月ドラの、その部分を読み返したくなってくる。

 文章表現術は、確かに各人各様で、それぞれ違う。ちがって当然だ。私自身も新聞記者として長年、書き続けてきたが、ただ言えることは表現力もさることながら、要は「その文が、読んだ人の心をつかんでいるかどうか」だと思う。
 この点では先日、「苦役列車」で芥川賞を受賞した西村賢太、彼も底辺をあるく多くの人々の心を、わしづかみにしている。人の心をつかむ小説が読者の共感を得たことだけは、違いない。
 私も文のうまい下手以前に、人の心をつかむ文を心がけている。そのためには、独り善がりでない、書かれる人たちの気持ちとなって表現するほかない。

 【きょうの1番ニュース】尾北ホームニュース2面の俳句欄に、Mの作品♪紅き瞳(め)を入れたら跳ぶや雪うさぎ、が掲載されていた。私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」にリンクされている「天上に届け! 百合の1行詩『豊(ゆたか)』」では2月のコーナーに、♪「私はわたし」靴ひもしめ直す、が掲載されていた。そこはかとない決意が感じられる、ステキな詩である。

☆「エジプト独裁30年で幕 ムバラク政権崩壊 反政府デモ勝利」、「『変革渇望応えた』米大統領声明」、「民主的政権に期待 菅首相 邦人の安全最優先」、「自由の聖地へ人波 ムバラク大統領辞任 『胸を張れ』大歓声 タハリール広場 朝まで熱気」、「『夢のよう』『国よくなる』 在日エジプト人ら ネット注視、感激ともに」(12日付、中日夕刊)

平成二十三年二月十一日
 きょうは建国記念の日。
 すなわち休日である。とはいえ、先日、ドラゴンズの沖縄キャンプ観戦ツアーに同行取材した際の原稿を早めに書いておく必要に迫られ、雪の降るなか、バスと電車を乗り継ぎ、少しばかり歩いて社へ。誰もいない部屋で、冷たい感触のデスクと記者パソコンを前にただ1人、黙々と書き上げ、およそのメドがたったところで帰宅した。
 考えてみれば、地方の支局長当時は、日ごろフル活動している兵隊たち(1線記者)を交替で休ませなければならないこともあり、返って土、日や休日の方が神経を尖らせたものだった。それが1線を退いた今は、仕事に追われるといったところで一秒、一刻を争う切迫したものとは違い、どこかにゆったり感があり、こうして好きな文を書かせていただける境遇をありがたいことだ、と思うのである。

 そういえば、きのう、若さといい、スバやさ、スマートさといい、昔と変わらないヒロちゃんに言われてしまった。「シキョクチョオもあまり、変わってませんよ。でも、あのころと比べ、随分と穏やかな感じになられました。七尾のころは、ギョロリと睨まれると、なんだか怖くて。それに比べたら、だいぶ穏やかに、温和な感じになられましたよ」と。

 正直言って、それを聞きながら私は内心で「俺は、そんなへんてこな、気力のないロクデナシの顔になってしまったのか。俺の美学からは相当、後退したのでは。あ~あ、人から嫌われていたころの方が俺の生き方としては合っているのだが」と内心、いまの自身を嫌いに思ったことも確かだ。

 【きょうの1番ニュース】Mが朝の出がけに言った。
 「あのねえ、あたしが帰宅すると、シロちゃんったら。あたしがドアを開くと同時に、いつだって玄関先で両足をそろえて待っていてくれるのだから。おウチに帰ってきた物音で分かるみたい。そして、いつの日だって、お姉ちゃんのこすも・ここと違って、めったに鳴かない子なのにこの瞬間だけは“ニャア~ン”と甘えた声を出してお迎えをしてくれるの。」だってサ。

 でも、まさか。Mが女王さまでもあるまいに。シロのこうした行幸話はうすうす感じてはいたものの、こうあからさまに言われてしまうと私はそれこそ、立つ瀬がない、のである。でも、イイッか。ふたりが、それで幸せならば。

☆「トヨタ取締役半減へ 意思決定を迅速化 リコールなど反省」、「元3少年の死刑回避を 連続リンチ殺人 上告審弁論で弁護側」、「エジプト 大統領辞任強まる 国民向けに演説へ」、「東京の夫婦殺傷 福島の65歳容疑者逮捕 警視庁 高速バス名簿で浮上」(11日付、中日朝刊)

平成二十三年二月十日
 今夜は、かつて能登の七尾支局時代、支局長だった私を随分と助けてくれ、つい最近バンコク特派員の要職をこなし帰国してまもない、社会部ニュースデスクのヒロちゃんと大須のうなぎ料理家「やっこ」で一献した。七尾支局時代から数えれば、もう二十数年になるが、たくましく育ったヒロちゃんは昔のまま。互いに楽しい酒を飲み交わした。

 七尾のころの思い出を語り合ううち、いまだもって私が追い求める米国同時中枢多発テロの主犯とされるウサマ・ビンラディンのことに話がおよんだ。
 私の「ビンラディンは今、どこでどうしているのか」との問いに対して、ヒロちゃんからはね返ってきたのは「(その筋によれば)『死んだか、ホワイトハウスだ』とよく言われました」とのことだった。私にとっては、すごく新鮮かつ真実味、現実味を帯びた言葉となってかえってきたのである。
 米大統領・ブッシュのころのホワイトハウスは、それこそ得体のしれない妖怪というようなものだったかもしれない。

 【きょうの1番ニュース】久しぶりに、ヒロちゃんと一緒に大須で飲めたこと。ただ、それだけだ。酔った勢いで帰宅後は夜遅くにヒロちゃんとは同じく、かつて七尾で私の部下だったイズミちゃん(輪島通信局長)の声を急に聞きたくなり、彼にまで電話してしまった。若き戦士は、二人とも、それぞれの記者道をたくましく歩いており、かつ、すこぶる自信に満ち、元気そうで安心した。

☆「消費増税、11年度に法案 党首討論首相表明 谷垣氏は『解散を』」、「『八百長』力士にも給与 相撲協会春場所番付、発表せず」(10日付、中日朝刊)「ビートルズ初演奏…50年 英リバプールで記念行事」(10日付、中日夕刊)

平成二十三年二月九日
 午後十時―いまは眠たくて、眠たくて、眠りたくて、しかたがない。寝られるものなら、このままずっと、半永久的に眠っていたい。
 ここで、やっと思いついたのが、睡眠不足だ。よくよく考えてみたら、昨夜はほとんど寝ていなかった。

 私の小説「天女の海―月の夜は菜の花の海で魚になる(後編)」。この最終稿のチェックにかかりっきりで、明け暮れていたのだった。

 原稿を前に、睡魔が次々と追いかけてくる。
 書けるほどの状態ではない。
 なのに…、
 私は「何か」を書かなければならない、と。
 そう、ぼんやり思っている。一体、私の脳のなかに意識があるのかないか、も分からない。

 【きょうの1番ニュース】名古屋市在住の女性童話作家・Fさんから、昨年あった「森の童話感想文」の無事成功に対する礼状入り封書が舞い込んだ。おまけに封書には、あのモロゾフの高級チョコレートまでが入っていた。

☆「全関取の調査開始 相撲協会特別調査委 携帯、通帳持参求める」、「連続リンチ殺人 あす最高裁弁論」「16年余…向き合う日々」「死刑を願い現場めぐり」「被告と交流する遺族も」(9日付、中日朝刊)
 「電子制御 欠陥なし」「米がトヨタ車安全宣言 急加速問題 ペダル・マット原因 運輸省報告」(9日付、中日夕刊)

平成二十三年二月八日
 同僚と上司の温かい気持ちに勧められるまま、きょうは代休を取らせていただいた。おかげでMを病院の定期診断に連れて行くことが出来、午後は運転免許証の更新も最寄りの江南署で行ってきた。担当医師によれば、Mはこの先、無理さえしなければ少しずつ回復していきそうで安心した。
 さらに、このところ、ずっと温めてきた小説「天女の海ー月の夜は菜の花の海で魚になる(後編)」の最終稿の読み直しもできて、脱稿し、公開直前にまでこぎつけた。

 アタイは、久しぶりに掘り炬燵を前に、座って新聞を読んだり、書きものをする、お父さんの胸から膝にほんの十分ほど抱きかかえられ、とっても嬉しい一日でした。だって、オトンってば。それなりに結構、毎日忙しくしているのだから。なかなか、こんなチャンスはないのです。オカンのMによれば、昨夜はオトン、いびきをかいて寝ていたんだってサ。よほど疲れていたみたい。
 それで驚いたアタイの妹シロちゃんが、いつもはMの胸の辺りの蒲団の上でちょこんと座って寝ているのに初めてMの蒲団のなかにまで入ってきたのだってよ。よほど、怖かったのかしら。でも、ネ。アタイはこうした何げない家族の光景が好きなのです。(この項、こすも・ここ)

 【きょうの1番ニュース】Mが夕食を囲みながら私に向かって言った言葉が印象深く、グサリ胸に突きささった。
 ―うち(リサイクルのボランティアショップ)に来るおばさんたちが、みんな口をそろえてこう言ってぼやいている。
 「亭主は六十で定年になるけれど、あたしたち女には、定年がないんだから」

☆「蜜月『いつまで』河村・大村流の行方・上 議会・中京都構想にズレ」、「陸山会初公判『検事にどう喝された』 弁護側石川被告の調書で主張」、「八百長調査 携帯『替えた』『壊れた』  力士が提出拒み難航」(8日付、中日朝刊)
 「名古屋市議会 民主が報酬半減容認 出直し選、減税は反対 『選挙対策』市長は反発」、「温暖化 「消えるトナカイ、クマ… 北極異変 米ロなど研究チーム 茂る樹木、クローバーも」、「骨髄バンク 絆の物語 大垣の歌劇団 実話から台本、上演へ」(8日付、中日夕刊)

平成二十三年二月七日
 鳥インフルエンザ。新燃岳の爆発的噴火。大相撲の八百長発覚と春場所中止。エジプトで続く大規模な反政府デモ。この世は自然界も人間界も、そろって地獄ばかりである。よいニュースと言えば、沖縄や宮崎で行われている中日ドラゴンズをはじめとしたプロ野球のキャンプぐらいか。

 けさの中日新聞1面の記事「破壊の次の創造を」(社会部長・斎田太郎)が、有権者の心をとらえており、すこぶる良い。「大村さん、河村さんはしかし、すべてを白紙委任されたと勘違いしないでほしい。破壊力は十分に見せつけてくれたが有権者が求めているのは、破壊の後にある創造だ」と。全くその通りである。

 【きょうの1番ニュース】パソコンを打っている間になぜか、平仮名入力が出来なくなってしまい、文が思うように書けなくなり苦戦している。ふつうの人なら、むしろこの方が書きやすいのかも知れないが。馴れない私にとつては、大変なのだ。
 沖縄から帰宅したところで、なぜか平仮名入力が出来なくなり、てこずっているのだ。こんな事情から、ここ二、三日の行数が極端に減っている。きょうシステムの名人であるKさんに、社で改善方法を教えてもらい、その通りにやってみたのだがパソコンの機種が違うこともあり、どうしてもうまくいかない。
 さりとてこのまま、ローマ字入力では、時間がかかって仕方がない。それでも、私は、こうして書き続けている。1番のニュースでもうひとつ、付け加えておきたいのは、市長選に当選した河村さんがいつもかぶっているドラゴンズの帽子が「C」1字のそれから、「CD」マーク入りに、当選した翌日のけさから変わったことである。
 何ごとにも敏感なKさんに教えてもらい、テレビニュースや新聞記事(夕刊)の写真で確かめてみたが、なるほどその通りである。「河村さんには、これからは本物の市長になったんだで、もっと、もっと、本気になってドラゴンズを応援してもらわんといかんな」
(パソコンの方は八日朝になって、出勤前の息子がアッという間に直してくれた。感謝、感謝! である。)

☆「河村、大村氏圧勝 トリプル投票 名古屋市議会解散」、「市長選知事選 民主、牙城で連敗」、「住民投票 賛成73パーセント 来月に出直し選」、「春場所、巡業を中止 相撲協会「夏」断念の可能性も」(7日付、中日朝刊)
 河村氏「変えないかん」 大村氏も減税へ始動(7日付、中日夕刊)

平成二十三年二月六日
 きのう夜、沖縄から帰った。
 しばらくのご無沙汰、申し訳なく思っている。でも、たまには、こうした休載も精神的な安定感が得られてよい。かといって、沖縄滞在中はファンクラブ会員に対する「沖縄レポート」取材や落合監督へのファンクラブ会員代表からの特典グッズ渡し、さらには北谷町役場や「FMよみたん」への訪問=スタジオ収録も=などに追われ、とてもそんな余裕(笛猫人間日記にアップすること)もなかった。

愛知県知事選で河村たかし氏が、名古屋市市長選では大村秀章氏がそれぞれ圧勝した。

 【きょうの1番ニュース】Mがアピタで台所の包丁5本を研いでもらった。

☆「永田洋子死刑囚病死 65歳 連合赤軍の元最高幹部」(6日付、中日朝刊)

平成二十三年二月二日
 夜、食事中に風呂上がりのMがテレビニュースを見ながら、ひと言。
 「もう、いいニュースはないの」「なんだか、暗い話ばかりじゃない」と。まるで、その視線と物言いから、私が厳しく糾弾されているようだ。
 確かに、このところは暗いニュースばかりである。

 なかでも、きょうになって各マスメディアが一斉に流し始めた大相撲の「八百長メール事件」となると、もはや何をか言わんやである。現役十両力士と親方の携帯電話に、数十万円で勝ち星の売買が日常的に行われていたことをうかがわせるメールの記録が残っていたという。とんでもない話で、もし事実としたなら、国技を侮辱するあるまじき愚行である。

 【きょうの1番ニュース】息子が風邪でダウン、会社を休んだ。江南厚生病院で診てもらったところ、インフルエンザの検査結果は陰性とのことだったが、三八度近い高熱と頭痛、吐きけに襲われ、どうやら胃腸風邪にやられたようで苦しくしんどそうだ。早くよくなればよいのだが。
 風邪といえば、沖縄の「FMよみたん」の看板パーソナリティー・比嘉美由紀さんも風邪でダウン、あす沖縄の北谷球場で予定される公式ファンクラブ会員の代表から落合監督への2011年の特典グッズ渡しに出席できなくなり、他の会員に選手交替となりそうだ。沖縄行きを前に、きょう「FMよみたん」社長の仲宗根朝治さんに電話し初めて知ったが、こちらも早い回復を祈るばかりである。

☆「ムバラク大統領退陣へ 『9月選挙、不出馬』 反政府デモ 即時辞任を要求」、「関取、親方 八百長メール 賭博捜査押収携帯に 取組内容、金額も 星売買、数十万円」、「7回目爆発的噴火 霧島・新燃岳」(2日付、中日夕刊)

 ▼お断り あす(三日)から五日まで、中日旅行会のドラゴンズ沖縄キャンプ観戦ツアーに同行取材するため、この間、私・伊神権太の「あゝ笛猫人間日記」は休載させていただきます。連日、多くの方々から(多い日は、1日だけで3000も珍しくない)アクセスして頂いているだけに、誠に申し訳ありません。皆さまも中日ドラゴンズのセ・リーグ連覇を、ぜひお祈りしてください。心からよろしく、お願いします。

平成二十三年二月一日
 きょうのニュースは、何といっても中日新聞夕刊軟派でも紹介されている「連覇へ 竜始動 キャンプイン」である。落合博満監督はじめコーチ、スタッフ、森野選手会長らすべての選手の健闘とセ・リーグの連覇達成を祈りたい。

 宮崎、鹿児島県境にある霧島山・新燃岳(しんもえだけ)=一四二一メートル=で早朝(午前七時五十四分ごろ)またしても四回目の爆発的噴火があり、噴煙は火口から二千メートルの高さにまで達した。片や、北陸の福井県では二メートル四四センチという記録的な豪雪に住民が泣かされている。特に一人暮らしのお年寄りは大変だ。

 M曰く「雪は融けてくれるけれど、火山灰は融けてくれないわね」と。でも、雪だって雪かきは必然で融けるのを待っていたのでは、ラチがあかない。雪に押し潰されて死んだ人もいる。両方とも人間たちを苦しめているのである。

 このほか、気になるのは「ツイッターはチュニジアの独裁者追放に寄与した。エジプトでも力を存分に発揮している。つまり、この世にあってよかった。」(1日付、中日夕刊)というスポーツライター・藤島大さんの言葉だ。

 【きょうの1番ニュース】中日夕刊紙面に掲載されたドラゴンズのキャンプ地沖縄・北谷球場でランニングする選手たちの表情がいい。何かをやってくれそうな生き生きした面構えだ(写真は、もっとアップが望ましかった)。がんばれ、ドラゴンズ!

☆「球審胎動 プロ野球キャンプイン」、「ハム斎藤に歓声『初投げ』テレビが実況」、「えんじの77番 闘将が初披露 楽天・星野監督」、「長友 インテル電撃移籍 サッカー日本代表 昨年、クラブW杯制覇」、「伝えたい悲惨なテロの記憶 (旧社会党の浅沼稲次郎委員長が日比谷公会堂で右翼の少年に刺殺された) こちら編集委員室」(1日付、中日夕刊)

平成二十三年一月三十一日
 朝、起きたら外は一面の銀世界だった。
 テレビニュースによると、石川県の七尾は、積雪七十二センチで和倉温泉と大阪を結ぶサンダーバード、名古屋と和倉温泉を結ぶ「しらさぎ」も運休しているという。このほか福井、富山も北陸全域で基幹道路が雪の壁に阻まれて通行車両が動けなくなり雪の中で缶詰状態になっている。

 沖縄では、中日ドラゴンズはじめ、日本ハム、ヤクルト、ロッテ…と各球団の選手が続々と到着。いよいよ春のキャンプが始まる。なかでも名護市でキャンプを張る日本ハムは、ことしの大型ルーキー、斎藤佑樹選手が大変なもてぶりである。

 【きょうの1番ニュース】これまで、わが古里・江南には、木曽川と滝高校以外には、たいした名所はないものとばかり思っていた私が馬鹿だった。
 昨日からけさにかけて少し調べただけでも、なかなかどうして、秀吉に仕え、蜂須賀小六と共に活躍した前野将右衛門の屋敷跡や、「武功夜話」を書いた吉田孫四郎の存在、1329年に後醍醐天皇の勅願寺として創建された「飛保の曼荼羅寺」、学問の神「菅原道真公」を祭神として1654年に創建された北野天神社など魅力的な歴史上の産物が結構ある。
 これから、まだまだ詳しく調べてみる必要がある。

☆「愛知製鋼27年ぶりV 名岐駅伝 高校は豊川工」「2・6トリプル投票 世論調査 大村氏先行 追う3氏 愛知知事選 4割が態度未定」、「名古屋市長選 河村氏 優位な戦い 住民投票 議会解散『賛成』が多数」、「エジプト軍『デモ、断固たる措置』 足止め邦人600人に救援機」(31日付、中日朝刊)
 「エルバラダイ氏 デモ続行呼び掛け エジプト初めて直接演説 『もう後戻りできない』」、「小沢元代表を強制起訴 陸山会事件 虚偽記入の疑い 検察審再議決で」(31日付、中日夕刊)

平成二十三年一月三十日
 このところの私の関心事は、やはりエジプトの反政府デモである。
 ムバラク大統領(八十一歳)の退陣を求めてのエジプトの反政府デモは、エスカレートする一方だ。本日付の中日新聞本紙1面記事は「中東の衛星放送アルジャジーラによると、北部のアレクサンドリアやイスマエレーヤなどではデモ隊と警官隊の衝突が再発。二十八日以降の衝突による死者は全土で百人を超えた。」とある。

 また同日付本紙国際面(5面)も「イスラエル戦々恐々 エジプト反政府デモ アラブ防波堤危うく」「エルバラダイ氏 大統領退陣要求」「イスラム勢力台頭懸念」といった見出しが躍り、記事のリード部分も「大規模な反政府デモが騒乱に発展したエジプトの危機で、イスラエルのネタニヤフ首相は二十九日までに、エジプト政局についてコメントを控えるよう全閣僚に通知した。エジプトのムバラク政権はアラブ諸国では数少ないイスラエルとの友好国。政権が倒れる事態となれば、反イスラエル勢力が台頭しかねない。エジプトの危機の行方に神経をとがらせている。」と要点をグサリと突いている。

 私はここで思う。この反政府デモの向こう側にもしかして、あのニューヨーク同時中枢多発テロの主犯とされるウサマ・ビンラディンが関わってはいないか、と。関わっていたとしても何ら不思議でない。それこそ反政府デモの中枢人物に手当たり次第当たって、ウサマ・ビンラディンも含めて事の真相がどこにあるのか、を問い正してみたいのである。

 【今日の1番ニュース】いやはや、本日、名駅近くの「つちやホテル」であった中部ペンクラブの理事会で、ことし秋の文学散歩の仕込みを尾張地区でするように、と事業企画委員会の石川好子女史(委員長)から命じられ、逃げ場もなく引き受けざるを得なくなってしまった。あまり、へんな仕込みは出来ないし…。同じ企画事業委員の文芸評論家で詩人、小説家の高井泉さんのお知恵を借りながら、この先計画を練ることとなった。やる以上は、中身の濃いものにしなければ。

☆サッカーのアジア王者を決めるアジア・カップで日本はオーストラリアを1―0で破り、二大会ぶり四度目の優勝を決めた。(未明のラジオニュース)。
 「証拠改ざん隠蔽 前(大阪地検)特捜部長ら保釈 無罪主張『名誉のために闘う』 村木さんに『申し訳ない』」(30日付、中日朝刊)

平成二十三年一月二十九日
 日本列島はきょうも厳しい寒さだ。自然には勝てない。ただ為されるがまま翻弄されるニンゲンどもたち。人々はその中を、それぞれがそれぞれの意識を轢きづって生きている。本当は生きてなんかいたくはない人間がいるかもしれない。けれど、仕方ないので生きている人だって、たくさんいるだろう。

 私は相変わらず、いつも背広の胸ポケットに表紙に“純文表現”と書いたメモ帳をしのばせ、きょうも町を歩いていく。昨年は、中日ドラゴンズに勝ってほしいあまりに、常時「武士道」(新渡戸稲造著)と「孫子」(金谷治訳注者)の文庫本二冊を手にしていたが、現在は違う。いまは樋口一葉の「たけくらべ」と高村光太郎の「智恵子抄」の文庫本二冊である。
 少しでも余韻のある美しい文章を書きたいから、そして同時に、樋口一葉と高村光太郎の思いの深さの本当のところを確かめたいからである。

 「たけくらべ」は、つい先日「にごりえ」を読み終え、このところは通勤の合間に「十三夜」をよんでいる。「にごりえ」に次のような場面があり。私はいたく共感した。
「行かれるものならこのままに唐天竺の果てまでも行ってしまいたい。ああ嫌だ嫌だ嫌だ。どうしたなら人の声も聞こえない、物の音もしない、静かな、静かな、自分の心も何もぼぅっとして物思いのない処へ行かれるであろう。つまらぬ、くだらぬ、面白くない、情ない悲しい心細い中に、何時まで私は止められているのかしら。これが一生か、一生がこれか、ああ嫌だ嫌だ」

 実を言うと、私自身も毎日毎日、心のなかで「ああ嫌だ、嫌だ、嫌だ」と繰り返し叫びながら町を歩いている。それだけに、実感として迫ったのかもしれない。「こんなはずではなかった」。

 私のなかのもう一人があがき苦しむ声が、私には聞こえてくるのだ。私は、そうした場合、「待て、待て、慌てるな、慌てるな。きっとチャンスがやってくるから」と自身に言い聞かせ、そうしたときには母が昔から私を見るたびに勇気づけてくれた言葉「たかちゃんは、ちいさいころからスゴイ人間、ある面で天才なのだから、そのうち、きっと天下を取る日がくるから」を、どこまでも信じることにしている。

 【きょうの1番ニュース】Mから「これ、」と手渡されたのが、つい最近、創刊されたばかりの幻冬舎発の文芸誌GINGERL。[ジンジャーエール]である。Mによれば、若い女性の間で人気が沸騰しつつあるという。そういえば、先日、この町(江南市)に開店したばかりの三洋堂書店で彼女が「ない、ないよ」と不満げに注文していた本こそが、この「ジンジャーエール」だった。
 「どこで知ったのか」の私の質問にM曰く「中日新聞17日付夕刊の大波小波よ」と。出版不況の中で生まれたこの本は女性ファッション誌『GINGER』の姉妹誌で、「L」は「Literature(文学)」の頭文字だと言うーと大波小波には書かれている。
 おしゃれな白表紙に当代を代表する女性作家ばかりの作品(小説、読み切り官能小説、エッセイほかに対談も)。ページをめくるにつれ、どこか新しい時代の足音を感じさせもする。さっそく僕も、Mに頼んで読ませてもらおう。

☆「琵琶湖一周善意の輪 手つなぎ囲む福祉計画 24年前25万人参加、復活へ」(29日付、中日新聞朝刊)「デモ暴徒化死者27人に エジプト大統領、退陣を拒否」、「エジプトデモ 略奪横行 無政府状態に 治安部隊、暴徒へ実弾発砲 旅行社ツアー中止も」、「豊橋 鳥インフル 進まぬ処分 募る不安 養鶏関係者『1時間でも早く』」(29日付、中日夕刊)

平成二十三年一月二十八日
 鳥インフルエンザ、霧島連山(宮崎、鹿児島県)新燃岳の噴火、そして北陸地方を中心とした大雪…と、この世は紛れもなく地獄だ。
 私たちは、誰もが地獄の合間を生きている。

 【きょうの1番ニュース】広畑史朗さんから丁寧なハガキをいただいた。
 「前略 先に突然電話で伊神さんのお書きになったコラムの引用を厚かましくお願いした拙著『警察幹部のリーダーシップ』が刊行されましたので、別便にて送らせて貰いました。貴稿は129頁以下に掲載されています。版元がつけた題名は大げさに過ぎるのですが、「お勉強しました」と知識を並べたてた机上の空論的な組織管理論ではなく、実践具体の発言記録ですので多少の意義はあろうかと夜郎自大に考えています。

 小牧署の当時は未熟な新米署長でしたが、その後もまれ鍛えられ多少はものを考えるようになりましたので、どうか各コラム拙稿だけでもご笑覧願います。
 三年前に55歳で勧奨退職したのですが、これで警察人生をふり返ることには一区切りをつけて、これからは新たな興味関心を見つけ広げていきたいと思っています。

 ところで昨秋、新潟地検に招かれ「不祥事対応の姿勢論」を講演してきました。検察も悩みながら新たな方向を模索しているようです。個人に責任を押し付けるだけでは組織としての反省教訓は汲み取れないことを強調してきたのですが、最高検の報告書は大阪地検の二人に原因全部を背負わせてはいないでしょうか。気になるところです。
 ……」
 といった内容である。

☆「霧島山、噴火収まらず 噴煙、未明に高さ1800メートル」、「中京大元部長に実刑 業務上横領『大学の信頼に背く 名古屋地裁判決(懲役4年6月)』」(28日付、中日夕刊)

08/4/26